(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ダンピングメッシュ布
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
H04R1/02 104Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576565
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 CN2022118164
(87)【国際公開番号】W WO2024000819
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202210762843.X
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】魏 威
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AF08
(57)【要約】
【課題】本発明はダンピングメッシュ布を開示する。
【解決手段】
ダンピングメッシュ布は、少なくとも2本の第1線径及び少なくとも2本の第2線径を含み、第1線径と第2線径は、互いに交差して編み設置され、第1線径は、横断面が円形を呈する第1円形線径と、第1円形線径の対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された2つの第1突起部を含み、第2線径は、横断面が円形を呈する第2円形線径と、第2円形線径の対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された2つの第2突起部を含み、隣接する2本の第1線径が互いに近接する側に位置する2つの第1突起部と隣接する2本の第2線径が互いに近接する側に位置する2つの第2突起部とは、共に囲んで通気孔を形成する。本発明は、線径の編み密度を増加させることなく、通気孔の面積を減少させ、それにより音響抵抗を向上させ、製造コストを効果的に低減する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンピングメッシュ布であって、
第1方向に平行でかつ第2方向に沿って間隔を隔てて配置された少なくとも2本の第1線径と、前記第2方向に平行でかつ前記第1方向に沿って間隔を隔てて配置された少なくとも2本の第2線径とを含み、前記第1線径と前記第2線径は、互いに交差して編み設置され、前記第1線径は、横断面が円形を呈する第1円形線径と、前記第1円形線径の前記第2方向に沿った対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された第1突起部とを含み、前記第2線径は、横断面が円形を呈する第2円形線径と、前記第2円形線径の前記第1方向に沿った対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された第2突起部とを含み、隣接する2本の前記第1線径と隣接する2本の前記第2線径とは、互いに交差して編み設置されることにより、隣接する2本の前記第1線径が互いに近接する側に位置する2つの前記第1突起部と隣接する2本の前記第2線径が互いに近接する側に位置する2つの前記第2突起部とは、共に囲んで1つの通気孔をを形成することを特徴とするダンピングメッシュ布。
【請求項2】
前記第1線径は、前記第2線径と垂直に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のダンピングメッシュ布。
【請求項3】
前記第1線径は、2つの前記第1突起部を接続する第1扁平部をさらに含み、前記第1扁平部は、前記第1円形線径の外周と重なることを特徴とする請求項1に記載のダンピングメッシュ布。
【請求項4】
前記第1円形線径、前記第1突起部及び前記第1扁平部は、一体構造で成形されることを特徴とする請求項3に記載のダンピングメッシュ布。
【請求項5】
前記第2線径は、2つの前記第2突起部を接続する第2扁平部をさらに含み、前記第2扁平部は、前記第2円形線径の外周と重なることを特徴とする請求項1に記載のダンピングメッシュ布。
【請求項6】
前記第2円形線径、前記第2突起部及び前記第2扁平部は、一体構造で成形されることを特徴とする請求項5に記載のダンピングメッシュ布。
【請求項7】
前記通気孔は、方形構造であることを特徴とする請求項2に記載のダンピングメッシュ布。
【請求項8】
前記第1突起部及び前記第2突起部は、いずれも弧状構造で設置されていることを特徴とする請求項1に記載のダンピングメッシュ布。
【請求項9】
前記第1線径は、前記第2線径の構造と同じであることを特徴とする請求項1に記載のダンピングメッシュ布。
【請求項10】
前記第1線径及び前記第2線径は、それぞれ等間隔で設置されていることを特徴とする請求項1に記載のダンピングメッシュ布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の技術分野に関し、特に発音デバイスに適用されるダンピングメッシュ布に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルインターネット時代の到来に伴い、電子製品の世代交代は、ますます速くなり、人々の電子製品の各方面の性能について要求もますます高くなり、そのうちの1つは高品質の音楽機能であり、したがって、発音デバイスは、性能を常に向上させる必要があり、高品質の発音デバイスは、この高い品質の音楽機能を実現する必要な条件の1つである。発音デバイスの音出し孔に貼設されたダンピングメッシュ布は、音出し品質を調整するための重要な要素の1つである。
【0003】
関連技術において、ダンピングメッシュ布は、複数本の横断面が円形を呈する線径を用いて編むことにより、複数の通気微細孔を有するメッシュ布を形成し、音響抵抗効果を実現し、発音デバイスの発音性能を改善する。
【0004】
しかしながら、関連技術のダンピングメッシュ布において、線径間の間隔が同じであり、線径の横断面が円形を呈するため、線径の間に形成された音響抵抗が固定され、ダンピングメッシュ布の音響抵抗を向上させようとすると、線径の編みの密度を増加させる必要があり、それにより編みのコストを増加させる。
【0005】
したがって、新たなダンピングメッシュ布を提供して、上記技術課題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記技術課題を解決し、コストが低く、音響抵抗が高いダンピングメッシュ布を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の実施例は、ダンピングメッシュ布を提供し、第1方向に平行でかつ第2方向に沿って間隔を隔てて配置された少なくとも2本の第1線径と、前記第2方向に平行でかつ前記第1方向に沿って間隔を隔てて配置された少なくとも2本の第2線径とを含み、前記第1線径と前記第2線径は、互いに交差して編み設置され、前記第1線径は、横断面が円形を呈する第1円形線径と、前記第1円形線径の前記第2方向に沿った対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された第1突起部とを含み、前記第2線径は、横断面が円形を呈する第2円形線径と、前記第2円形線径の前記第1方向に沿った対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された第2突起部とを含み、隣接する2本の前記第1線径と隣接する2本の前記第2線径とは、互いに交差して編み設置されることにより、隣接する2本の前記第1線径が互いに近接する側に位置する2つの前記第1突起部と隣接する2本の前記第2線径が互いに近接する側に位置する2つの前記第2突起部とは、共に囲んで1つの通気孔を形成する。
【0008】
さらに、前記第1線径は、前記第2線径と垂直に設置されている。
【0009】
さらに、前記第1線径は、2つの前記第1突起部を接続する第1扁平部をさらに含み、前記第1扁平部は、前記第1円形線径の外周と重なる。
【0010】
さらに、前記第1円形線径、前記第1突起部及び前記第1扁平部は、一体構造で成形される。
【0011】
さらに、前記第2線径は、2つの前記第2突起部を接続する第2扁平部をさらに含み、前記第2扁平部は、前記第2円形線径の外周と重なる。
【0012】
さらに、前記第2円形線径、前記第2突起部及び前記第2扁平部は、一体構造で成形される。
【0013】
さらに、前記通気孔は、方形構造である。
【0014】
さらに、前記第1突起部及び前記第2突起部は、いずれも弧状構造で設置されている。
【0015】
さらに、前記第1線径は、前記第2線径の構造と同じである。
【0016】
さらに、前記第1線径及び前記第2線径はは、それぞれ等間隔で設置されている。
【発明の効果】
【0017】
従来の技術に比べて、本発明のダンピングメッシュ布は、第1方向に平行な第1線径に前記第1円形線径の対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された第1突起部を設置し、第2方向に平行な第2線径に前記第2円形線径の対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された第2突起部を設置することにより、第1線径の第2方向に平行な方向に沿った幅及び第2線径の第1方向に平行な方向に沿った幅を増加させることにより、隣接しかつ互いに交差して編まれた2本の第1線径と2本の第2線径の互いに近接する側には、2つの第1突起部と2つの第2突起部が共に囲んで形成する通気孔の面積が減少し、線径の編み密度を増加させることなく、ダンピングメッシュ布が緻密になる効果を達成し、それにより音響抵抗を増加させるという目的を達成し、製造コストを効果的に低減する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は本発明のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図1】本発明の実施例に係るダンピングメッシュ布の全体構造の概略図である。
【
図2】本発明の実施例に係るダンピングメッシュ布の上面図である。
【
図4】
図2のB-B線における断面図である。図において、100―ダンピングメッシュ布、1―第1線径、11―第1円形線径、12―第1突起部、13―第1扁平部、2―第2線径、21―第2円形線径、22―第2突起部、23―第2扁平部、3―通気孔、4―弧状構造。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術案を明確で、完全に説明し、明らかなように、記述される実施例は本発明の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得ることができる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0020】
本発明は、ダンピングメッシュ布を提供し、第1方向に平行でかつ第2方向に沿って間隔を隔てて配置された少なくとも2つの第1線径1と、前記第2方向に平行でかつ前記第1方向に沿って間隔を隔てて配置された少なくとも2つの第2線径2とを含み、前記第1線径1と前記第2線径2は、互いに交差して編み設置され、前記第1線径1は、横断面が円形を呈する第1円形線径11と、前記第1円形線径11の前記第2方向に沿った対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された第1突起部12とを含み、隣接する2本の前記第1線径1の互いに近接する側には、いずれも前記第1突起部12が設けられ、前記第2線径2は、横断面が円形を呈する第2円形線径21と、前記第2円形線径21の前記第1方向に沿った対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された第2突起部22とを含み、隣接する2本の前記第2線径2の互いに近接する側には、いずれも前記第2突起部22が設置され、隣接する2本の前記第1線径1と隣接する2本の前記第2線径2とは、互いに交差して編み設置され、それにより、隣接する2本の前記第1線径の互いに近接する側に位置する2つの前記第1突起部12と隣接する2本の前記第2線径の互いに近接する側に位置する2つの前記第2突起部22とは、共に囲んで1つの通気孔3を形成する。
【0021】
第1線径1及び第2線径2は、さらに3、4、5つ等であってもよく、複数の第1線径1を複数の第2線径2に垂直に設置することにより、1枚ダンピングメッシュ布を編み形成し、該ダンピングメッシュ布の複数の第1線径1及び複数の第2線径2は、等間隔で設置される。
【0022】
第1方向は、X軸方向であり、第2方向は、Y軸方向である。
【0023】
具体的には、第1方向に平行な第1線径1を、横断面が円形を呈する第1円形線径11と、前記第1円形線径11の前記第2方向に沿った対向する両側にそれぞれ外向きに延在して形成された第1突起部12とにし、第2方向に平行な第2線径2を、横断面が円形を呈する第2円形線径21と、前記第2円形線径21の前記第1方向に沿った対向する両側にそれぞれ外向きに延在して形成された第2突起部22とにし、それにより、第1線径1及び第2線径2のダンピングメッシュ布に垂直な方向に沿った厚さが変わらず、即ち、メッシュ布の厚さが変わらない。第1突起部12及び第2突起部22により、それぞれ、第1線径1の前記Y軸方向に平行な方向に沿った幅及び第2線径2の前記X軸方向に平行な方向に沿った幅を増加させ、それにより、隣接しかつ互いに交差して編まれた2本の第1線径1と2本の第2線径2の互いに近接する側には、2つの第1突起部12と2つの第2突起部22とが共に囲んで形成する1つの通気孔の面積が減少し、即ち第1線径1及び第2線径2の幅を増加させることにより、同じ面積のダンピングメッシュ布100を編む時に、同じ数の線径で編むことにより、線径の占める面積が大きくなり、通気孔3の面積が減少する。これにより、音響抵抗を効果的に向上させ、第1線径1及び第2線径2の数を増加させることなく、通気孔3の面積を減少させることにより音響抵抗を増加させるという目的を達成し、製造コストを効果的に低減する。
【0024】
本実施形態において、等間隔で設置された複数の前記第1線径1は、等間隔に設置された複数の前記第2線径2に垂直に設置されることにより、第1線径1と第2線径2との間にメッシュ布に編まれた通気孔3の位置が均一に分布し、メッシュ布の音響抵抗の増大効果が一致し、使用が良好である。
【0025】
本実施形態において、前記第1線径1は、2つの前記第1突起部12を接続する第1扁平部13をさらに含み、第1扁平部13は、第1円形線径11の外周と重なる。2つの第1扁平部13の設置によりメッシュ布全体の接触面積を増加させることができ、メッシュ布の取付固定を便利にする。
【0026】
本実施形態において、前記第1円形線径11、前記第1突起部12及び前記第1扁平部13は、一体構造で成形される。一体構造成形により、構造強度が高く、コストを節約する。
【0027】
本実施形態において、前記第2線径2は、2つの前記第2突起部22を接続する第2扁平部23をさらに含み、第2扁平部23は、第2円形線径21の外周と重なる。2つの第2扁平部23の設置により、メッシュ布全体の接触面積を増加させることができ、メッシュ布の取付固定を便利にする。
【0028】
本実施形態において、前記第2円形線径21、前記第2突起部22及び前記第2扁平部23は、一体構造で成形される。一体構造成形により、構造強度が高く、コストを節約する。
【0029】
本実施形態において、前記通気孔3は、方形構造である。方形構造の通気孔3は、均一に分布し、音響抵抗の増加効果が高い。
【0030】
好ましくは、方形構造は、正方形であり、通気が均一である。
【0031】
本実施形態において、前記第1突起部12と前記第2突起部22は、いずれも弧状構造4で設置され、線径の全体の幅を増加させやすく、線径の占める面積が大きくなり、通気面積が減少し、音響抵抗が高くなる。
【0032】
本実施形態において、前記第1線径1と前記第2線径2の構造は同じである。このように編まれたダンピングメッシュ布100は、強度が高く、使用効果が高い。
【0033】
従来の技術に比べて、本発明のダンピングメッシュ布は、第1方向に平行な第1線径に前記第1円形線径の対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された第1突起部を設置し、第2方向に平行な第2線径に前記第2円形線径の対向する両側からそれぞれ外向きに延在して形成された第2突起部を設置することにより、第1線径の第2方向に平行な方向に沿った幅及び第2線径の第1方向に平行な方向に沿った幅を増加させる。これにより、隣接しかつ互いに交差して編まれた2本の第1線径と2本の第2線径の互いに近接する側には、2つの第1突起部と2つの第2突起部が共に囲んで形成する通気孔面積が減少し、線径の編み密度を増加させることなく、ダンピングメッシュ布が緻密になる効果を達成し、それにより音響抵抗を増加させるという目的を達成し、製造コストを効果的に低減する。
【0034】
以上の記載は本発明の実施例だけであり、本発明の特許範囲を限定するものではなく、本発明の明細書及び図面内容を利用して行われた等価構造又は等価フロー変換、又は他の関連する技術分野に直接的又は間接的に適用することは、いずれも同様に本発明の特許保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】