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特表2024-528357駆動基板及びその製造方法、発光装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】駆動基板及びその製造方法、発光装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240723BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240723BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240723BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240723BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240723BHJP
【FI】
G09F9/30 309
G09F9/30 308Z
G09F9/30 317
G09F9/00 338
G09F9/33
H01L33/00 L
H01L33/62
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556830
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 CN2022103455
(87)【国際公開番号】W WO2023005610
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110876291.0
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲シン▼泓
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 春芳
(72)【発明者】
【氏名】朱 小研
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 双
(72)【発明者】
【氏名】董 水浪
(72)【発明者】
【氏名】周 靖上
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ ▲キ▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 合合
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA38
5C094AA42
5C094BA23
5C094CA19
5C094DA06
5C094DA07
5C094DA12
5C094DA13
5C094DB01
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB01
5C094FB02
5C094GB10
5C094JA08
5F142AA65
5F142AA72
5F142AA75
5F142BA32
5F142CA13
5F142CD02
5F142CD24
5F142CG03
5F142CG26
5F142GA01
5F142GA11
5G435AA13
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC09
5G435EE12
5G435KK05
5G435KK10
(57)【要約】
駆動基板及びその製造方法、発光装置を提供し、表示技術分野に関する。駆動基板は、機能区域(A)と、機能区域を取り囲む周辺区域(B)とを含み、機能区域(A)及び周辺区域(B)はいずれも支持ベース(1)を含み、機能区域(A)は支持ベース(1)に位置して順に設置されたフレキシブルベース(2)及び少なくとも1層の保護層をさらに含み、フレキシブルベース(2)の支持ベース(1)への正投影区域は機能区域(A)における支持ベース(1)が位置する区域内に位置し、且つ保護層はフレキシブルベース(2)の支持ベース(1)から離れた表面及びフレキシブルベース(2)の周辺区域に近い側面を被覆する。駆動基板のフレキシブルベース(2)と支持ベース(1)との間の付着力が向上し、駆動基板で製造される製品の信頼性が高まる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動基板であって、
機能区域と、前記機能区域を取り囲む周辺区域とを含み、
前記機能区域及び前記周辺区域はいずれも支持ベースを含み、前記機能区域は前記支持ベースに位置されて順に設置されたフレキシブルベース及び少なくとも1層の保護層をさらに含み、
前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影区域は前記機能区域における前記支持ベースが位置する区域内に位置し、且つ前記保護層は前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面を被覆する駆動基板。
【請求項2】
前記保護層の材料は無機材料を含む請求項1に記載の駆動基板。
【請求項3】
前記保護層は第1バッファ層を含み、前記第1バッファ層は前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面を被覆する請求項1に記載の駆動基板。
【請求項4】
前記第1バッファ層の前記支持ベースへの正投影区域は、さらに前記周辺区域と重なっており、且つ前記第1バッファ層は、前記周辺区域における前記支持ベースと直接接触する請求項3に記載の駆動基板。
【請求項5】
前記機能区域は第2バッファ層をさらに含み、
前記第2バッファ層は、前記フレキシブルベースと前記第1バッファ層との間に位置し、且つ前記支持ベースへの正投影が前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影と重なっている請求項3に記載の駆動基板。
【請求項6】
前記機能区域及び前記周辺区域は第2バッファ層をさらに含み、
前記第2バッファ層は、前記支持ベースと前記第1バッファ層との間に位置し、少なくとも前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面を被覆する請求項3に記載の駆動基板。
【請求項7】
前記機能区域及び前記周辺区域は第1パッシベーション層をさらに含み、
前記第1パッシベーション層の前記支持ベースへの正投影は前記第1バッファ層の前記支持ベースへの正投影と重なっている請求項3に記載の駆動基板。
【請求項8】
前記機能区域は第1有機層をさらに含み、
前記第1有機層は、前記第1パッシベーション層の前記フレキシブルベースから離れた側に位置し、且つ前記支持ベースへの正投影区域が前記周辺区域と互いに重なっていない請求項7に記載の駆動基板。
【請求項9】
前記第1有機層の前記支持ベースへの正投影は前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影内に位置する請求項8に記載の駆動基板。
【請求項10】
前記第1有機層は前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面を被覆する請求項8に記載の駆動基板。
【請求項11】
第1方向における前記第1有機層の前記周辺区域に近い側面から前記駆動基板のエッジまでの距離の値は5~10umであり、前記第1方向は前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面が前記第1有機層の前記周辺区域に近い側面を指示する方向である請求項10に記載の駆動基板。
【請求項12】
前記機能区域及び前記周辺区域は第1有機層をさらに含み、
前記第1有機層の前記支持ベースへの正投影は前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影を被覆し、且つ前記周辺区域に位置する前記第1パッシベーション層の前記支持ベースへの正投影をさらに被覆する請求項7に記載の駆動基板。
【請求項13】
前記機能区域はデバイス設置区域、折り曲げ区域及びボンディング区域を含み、前記折り曲げ区域は前記デバイス設置区域と前記ボンディング区域との間に位置し、
前記デバイス設置区域、前記折り曲げ区域及び前記ボンディング区域にはいずれも前記フレキシブルベース、前記第1バッファ層及び前記第1パッシベーション層が設置され、
前記デバイス設置区域、前記ボンディング区域及び前記周辺区域はいずれも第2パッシベーション層及び第3パッシベーション層を含み、前記第2パッシベーション層は前記第1パッシベーション層の前記フレキシブルベースから離れた側に位置し、前記第3パッシベーション層の前記支持ベースへの正投影は前記第2パッシベーション層の前記支持ベースへの正投影を被覆し、且つ前記第2パッシベーション層及び記第3パッシベーション層の前記支持ベースへの正投影はいずれも前記折り曲げ区域における前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影と互いに重なっていない請求項7に記載の駆動基板。
【請求項14】
前記デバイス設置区域、前記折り曲げ区域及び前記ボンディング区域はいずれも第2有機層を含み、
前記デバイス設置区域及び前記ボンディング区域における前記第2有機層は、前記第3パッシベーション層の前記支持ベースから離れた側に位置し、前記折り曲げ区域における前記第2有機層は前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた側に位置し、
前記第2有機層の前記支持ベースへの正投影は、前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影内に位置する請求項13に記載の駆動基板。
【請求項15】
前記支持ベースに平行な方向における前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面から前記第2有機層の前記周辺区域に近い側面までの距離の値は5um以上である請求項14に記載の駆動基板。
【請求項16】
前記周辺区域は前記第2有機層をさらに含み、前記周辺区域における前記第2有機層は前記周辺区域における前記第3パッシベーション層を被覆する請求項14に記載の駆動基板。
【請求項17】
第2方向における、前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面から前記駆動基板のエッジまでの距離の値は50um以上であり、
前記第2方向は前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面が前記保護層の前記周辺区域に近い側面を指示する方向である請求項1に記載の駆動基板。
【請求項18】
前記駆動基板は第1導電層及び第2導電層をさらに含み、前記第1導電層は前記第1バッファ層と前記第1パッシベーション層との間に位置し、前記第2導電層は前記第2パッシベーション層と前記第3パッシベーション層との間に位置し、
前記第1導電層は前記デバイス設置区域、前記折り曲げ区域及び前記ボンディング区域に位置し、前記第2導電層は前記デバイス設置区域及び前記ボンディング区域に位置する請求項13に記載の駆動基板。
【請求項19】
前記第1導電層は第1リード及び第2リードを含み、
前記第1リードは前記デバイス設置区域に位置し、前記第2リードは前記折り曲げ区域に位置し、且つ前記第2リードの両端は、一端が前記折り曲げ区域から前記デバイス設置区域までに延伸すると共に他端が前記折り曲げ区域から前記ボンディング区域までに延伸する請求項18に記載の駆動基板。
【請求項20】
前記第2導電層は第1端子、第2端子、第3リード及びバインディング端子を含み、
前記第1端子、第2端子及び前記第3リードは前記デバイス設置区域に位置し、前記バインディング端子は前記ボンディング区域に位置し、前記第1リードは前記第1端子に電気的に接続され、前記第2リードはそれぞれ前記第3リード及び前記バインディング端子に電気的に接続される請求項19に記載の駆動基板。
【請求項21】
前記機能区域はデバイス設置区域、折り曲げ区域及びボンディング区域を含み、前記折り曲げ区域は前記デバイス設置区域と前記ボンディング区域との間に位置し、
前記支持ベースは前記デバイス設置区域及び前記ボンディング区域に位置し、前記折り曲げ区域における前記駆動基板は折り曲げ軸に沿って折り曲げ可能に構成される請求項1~20のいずれか1項に記載の駆動基板。
【請求項22】
発光装置であって、発光デバイス、回路基板及び請求項1~21のいずれか1項に記載の駆動基板を含み、
前記駆動基板はそれぞれ前記発光デバイス及び前記回路基板に電気的に接続される発光装置。
【請求項23】
請求項1~21のいずれか1項に記載の駆動基板の製造方法であって、前記方法は、
少なくとも2つの機能区域及び各前記機能区域を取り囲む切断区域に区画される剛性マザーベース板を提供するステップと、
前記機能区域にフレキシブルベースを形成するステップと、
少なくとも各前記機能区域に位置し、前記フレキシブルベースの前記剛性マザーベース板から離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記切断区域に近い側面を被覆する少なくとも1層の保護層を形成するステップと、
前記切断区域に位置するカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記駆動基板を得るステップと、を含む駆動基板の製造方法。
【請求項24】
前記機能区域は第2バッファ層をさらに含み、
前記方法は、
前記機能区域において前記フレキシブルベースと前記第2バッファ層を同時に形成するステップをさらに含み、前記第2バッファ層は前記フレキシブルベースと前記保護層との間に位置し、前記第2バッファ層の前記剛性マザーベース板への正投影は前記フレキシブルベースの前記剛性マザーベース板への正投影と重なっている請求項23に記載の製造方法。
【請求項25】
前記機能区域において前記フレキシブルベースと前記第2バッファ層を同時に形成する前記ステップは、
前記機能区域及び前記切断区域に位置するフレキシブルフィルムを前記剛性マザーベース板に形成するステップと、
前記フレキシブルフィルムを被覆する第2バッファフィルムを前記フレキシブルフィルムに形成するステップと、
前記第2バッファフィルムと前記フレキシブルフィルムを同時にパターニングして、前記機能区域に位置する前記フレキシブルベースと前記第2バッファ層を得るステップと、を含む請求項24に記載の製造方法。
【請求項26】
前記保護層は第1バッファ層を含み、少なくとも1層の保護層を形成する前記ステップは、
少なくとも前記機能区域に位置し、かつ前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記切断区域に近い側面を被覆する前記第1バッファ層を形成するステップを含む請求項23に記載の製造方法。
【請求項27】
前記第1バッファ層を形成する前記ステップの後、且つ前記カットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記駆動基板を得る前記ステップの前に、前記方法は、
前記第1バッファ層の前記剛性マザーベース板から離れた側であって前記デバイス設置区域、前記折り曲げ区域及び前記ボンディング区域に位置する第1導電層を形成するステップと、
前記デバイス設置区域、前記折り曲げ区域、前記ボンディング区域及び前記切断区域に位置する第1パッシベーション層を前記第1導電層に形成するステップと、
前記フレキシブルベースに垂直な方向において前記切断区域における前記剛性マザーベース板と互いに重なっていない第1有機層を、前記第1パッシベーション層に形成するステップと、をさらに含む請求項26に記載の製造方法。
【請求項28】
前記第1パッシベーション層に第1有機層を形成する前記ステップは、
前記第1パッシベーション層に第1有機フィルムを形成するステップと、
前記第1有機フィルムをパターニングして、前記剛性マザーベース板への正投影が前記フレキシブルベースの前記剛性マザーベース板への正投影内に位置し、又は、前記フレキシブルベースの前記剛性マザーベース板から離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記切断区域に近い側面を被覆する前記第1有機層を得るステップと、を含む請求項27に記載の製造方法。
【請求項29】
前記第1パッシベーション層に第1有機層を形成するステップの後、且つカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記駆動基板を得る前記ステップの前に、前記方法は、
前記第1有機層において、前記デバイス設置区域、前記ボンディング区域及び前記切断区域に位置する第2パッシベーション層を形成するステップと、
を前記第2パッシベーション層において、前記デバイス設置区域及び前記ボンディング区域に位置する第2導電層を形成するステップと、
前記第2導電層において、前記デバイス設置区域、前記ボンディング区域及び前記切断区域に位置する第3パッシベーション層を形成するステップと、
前記第3パッシベーション層において、前記剛性マザーベース板への正投影が少なくとも前記フレキシブルベースの前記剛性マザーベース板への正投影と重なっている第2有機層を形成するステップと、をさらに含む請求項27に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年07月30日に中国特許庁に提出された、出願番号が202110876291.0であり、名称が「駆動基板及びその製造方法、発光装置」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容は援用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は表示技術分野に関し、特に駆動基板及びその製造方法、発光装置に関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術の急速な発展に伴い、Mini LED(Mini Light Emitting Diode、サブミリメートル発光ダイオード)とMicro LED(Micro Light Emitting Diode、マイクロ発光ダイオード)の表示製品は人々に幅広く注目されている。Micro/mini LED表示製品の利点の一つは、大面積の接合、すなわち複数の駆動基板を用いた接合を実現することで、超大サイズの表示製品を取得することである。
【0004】
しかしながら、このような表示製品については、製造過程に、レーザ切断ステップによって駆動基板の側辺でのフレキシブルベースと支持ベースの付着力の低減が引き起こされ、高温高湿環境下で、フレキシブルベースがさらに吸水して離脱する。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は以下の技術的解決手段を用いる。
【0006】
一態様では、機能区域と、前記機能区域を取り囲む周辺区域とを含み、
前記機能区域及び前記周辺区域はいずれも支持ベースを含み、前記機能区域は前記支持ベースに位置されて順に設置されたフレキシブルベース及び少なくとも1層の保護層をさらに含み、
前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影区域は前記機能区域における前記支持ベースが位置する区域内に位置し、且つ前記保護層は前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面を被覆する。
【0007】
いくつかの実施例では、前記保護層の材料は無機材料を含む。
【0008】
いくつかの実施例では、前記保護層は第1バッファ層を含み、前記第1バッファ層は前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面を被覆する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記第1バッファ層の前記支持ベースへの正投影区域はさらに前記周辺区域と重なっており、且つ前記第1バッファ層は前記周辺区域における前記支持ベースと直接接触する。
【0010】
いくつかの実施例では、前記機能区域は第2バッファ層をさらに含み、
前記第2バッファ層は前記フレキシブルベースと前記第1バッファ層との間に位置し、且つ前記第2バッファ層の前記支持ベースへの正投影は前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影と重なっている。
【0011】
いくつかの実施例では、前記機能区域及び前記周辺区域は第2バッファ層をさらに含み、
前記第2バッファ層は前記支持ベースと前記第1バッファ層との間に位置し、前記第2バッファ層は少なくとも前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面を被覆する。
【0012】
いくつかの実施例では、前記機能区域及び前記周辺区域は第1パッシベーション層をさらに含み、
前記第1パッシベーション層の前記支持ベースへの正投影は前記第1バッファ層の前記支持ベースへの正投影と重なっている。
【0013】
いくつかの実施例では、前記機能区域は第1有機層をさらに含み、前記第1有機層は前記第1パッシベーション層の前記フレキシブルベースから離れた側に位置し、且つ前記第1有機層の前記支持ベースへの正投影区域は前記周辺区域と互いに重なっていない。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第1有機層の前記支持ベースへの正投影は前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影内に位置する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第1有機層は前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面を被覆する。
【0016】
いくつかの実施例では、第1方向における、前記第1有機層の前記周辺区域に近い側面と前記駆動基板のエッジとの間の距離の値は5~10umであり、前記第1方向は前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面が前記第1有機層の前記周辺区域に近い側面を指示する方向である。
【0017】
いくつかの実施例では、前記機能区域及び前記周辺区域は第1有機層をさらに含み、
前記第1有機層の前記支持ベースへの正投影は前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影を被覆し、且つ、前記周辺区域に位置する前記第1パッシベーション層の前記支持ベースへの正投影をさらに被覆する。
【0018】
いくつかの実施例では、前記機能区域はデバイス設置区域、折り曲げ区域及びボンディング区域を含み、前記折り曲げ区域は前記デバイス設置区域と前記ボンディング区域との間に位置し、
前記デバイス設置区域、前記折り曲げ区域及び前記ボンディング区域にはいずれも前記フレキシブルベース、前記第1バッファ層及び前記第1パッシベーション層が設置され、
前記デバイス設置区域、前記ボンディング区域及び前記周辺区域はいずれも第2パッシベーション層及び第3パッシベーション層を含み、前記第2パッシベーション層は前記第1パッシベーション層の前記フレキシブルベースから離れた側に位置し、前記第3パッシベーション層の前記支持ベースへの正投影は前記第2パッシベーション層の前記支持ベースへの正投影を被覆し、且つ前記第2パッシベーション層及び記第3パッシベーション層の前記支持ベースへの正投影はいずれも前記折り曲げ区域における前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影と互いに重なっていない。
【0019】
いくつかの実施例では、前記デバイス設置区域、前記折り曲げ区域及び前記ボンディング区域はいずれも第2有機層を含み、
前記デバイス設置区域及び前記ボンディング区域における前記第2有機層は前記第3パッシベーション層の前記支持ベースから離れた側に位置し、前記折り曲げ区域における前記第2有機層は前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた側に位置し、
前記第2有機層の前記支持ベースへの正投影は前記フレキシブルベースの前記支持ベースへの正投影内に位置する。
【0020】
いくつかの実施例では、前記支持ベースに平行な方向における、前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面と前記第2有機層の前記周辺区域に近い側面との間の距離の値は5um以上である。
【0021】
いくつかの実施例では、前記周辺区域は前記第2有機層をさらに含み、前記周辺区域における前記第2有機層は前記周辺区域における前記第3パッシベーション層を被覆する。
【0022】
いくつかの実施例では、第2方向における、前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面と前記駆動基板のエッジとの間の距離の値は50um以上であり、前記第2方向は前記フレキシブルベースの前記周辺区域に近い側面が前記保護層の前記周辺区域に近い側面を指示する方向である。
【0023】
いくつかの実施例では、前記駆動基板は第1導電層及び第2導電層をさらに含み、前記第1導電層は前記第1バッファ層と前記第1パッシベーション層との間に位置し、前記第2導電層は前記第2パッシベーション層と前記第3パッシベーション層との間に位置し、
前記第1導電層は前記デバイス設置区域、前記折り曲げ区域及び前記ボンディング区域に位置し、前記第2導電層は前記デバイス設置区域及び前記ボンディング区域に位置する。
【0024】
いくつかの実施例では、前記第1導電層は第1リード及び第2リードを含み、
前記第1リードは前記デバイス設置区域に位置し、前記第2リードは前記折り曲げ区域に位置し、前記第2リードは、一端が前記折り曲げ区域から前記デバイス設置区域まで延伸し、他の一端が前記折り曲げ区域から前記ボンディング区域まで延伸する。
【0025】
いくつかの実施例では、前記第2導電層は第1端子、第2端子、第3リード及びバインディング端子を含み、
前記第1端子、第2端子及び前記第3リードは前記デバイス設置区域に位置し、前記バインディング端子は前記ボンディング区域に位置し、前記第1リードは前記第1端子に電気的に接続され、前記第2リードはそれぞれ前記第3リード及び前記バインディング端子に電気的に接続される。
【0026】
いくつかの実施例では、前記機能区域はデバイス設置区域、折り曲げ区域及びボンディング区域を含み、前記折り曲げ区域は前記デバイス設置区域と前記ボンディング区域との間に位置し、
前記支持ベースは前記デバイス設置区域及び前記ボンディング区域に位置し、前記折り曲げ区域における前記駆動基板は折り曲げ軸に沿って折り曲げ可能に構成される。
【0027】
他の態様では、本願の実施例は発光装置をさらに提供し、発光デバイス、回路基板及び上記した駆動基板を含み、
前記駆動基板はそれぞれ前記発光デバイス及び前記回路基板に電気的に接続される。
【0028】
さらに他の態様では、本願の実施例は駆動基板の製造方法をさらに提供し、前記方法は、
少なくとも2つの機能区域及び各前記機能区域を取り囲む切断区域に区画される剛性マザーベース板を提供するステップと、
前記機能区域にフレキシブルベースを形成するステップと、
少なくとも各前記機能区域に位置し、前記フレキシブルベースの前記剛性マザーベース板から離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記切断区域に近い側面を被覆する少なくとも1層の保護層を形成するステップと、
前記切断区域に位置するカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記駆動基板を得るステップと、を含む。
【0029】
いくつかの実施例では、前記機能区域は第2バッファ層をさらに含み、
前記方法は、
前記機能区域において前記フレキシブルベースと前記第2バッファ層を同時に形成するステップをさらに含み、前記第2バッファ層は前記フレキシブルベースと前記保護層との間に位置し、前記第2バッファ層の前記剛性マザーベース板への正投影は前記フレキシブルベースの前記剛性マザーベース板への正投影と重なっている。
【0030】
いくつかの実施例では、前記機能区域において前記フレキシブルベースと前記第2バッファ層を同時に形成する前記ステップは、
前記機能区域及び前記切断区域に位置するフレキシブルフィルムを前記剛性マザーベース板に形成するステップと、
前記フレキシブルフィルムを被覆する第2バッファフィルムを前記フレキシブルフィルムに形成するステップと、
前記第2バッファフィルムと前記フレキシブルフィルムを同時にパターニングして、前記機能区域に位置する前記フレキシブルベースと前記第2バッファ層を得るステップと、を含む。
【0031】
いくつかの実施例では、前記保護層は第1バッファ層を含み、
少なくとも1層の保護層を形成する前記ステップは、
前記第1バッファ層を形成するステップを含み、前記第1バッファ層は少なくとも前記機能区域に位置し、前記第1バッファ層は前記フレキシブルベースの前記支持ベースから離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記切断区域に近い側面を被覆する。
【0032】
いくつかの実施例では、前記第1バッファ層を形成する前記ステップの後、且つカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記駆動基板を得る前記ステップの前に、前記方法は、
前記第1バッファ層の前記剛性マザーベース板から離れた側に位置し、且つ前記デバイス設置区域、前記折り曲げ区域及び前記ボンディング区域に位置する第1導電層を形成するステップと、
前記デバイス設置区域、前記折り曲げ区域、前記ボンディング区域及び前記切断区域に位置する第1パッシベーション層を前記第1導電層に形成するステップと、
前記フレキシブルベースに垂直な方向に沿って前記切断区域における前記剛性マザーベース板と互いに重なっていない第1有機層を前記第1パッシベーション層に形成するステップと、をさらに含む。
【0033】
いくつかの実施例では、前記第1パッシベーション層に第1有機層を形成する前記ステップは、
前記第1パッシベーション層に第1有機フィルムを形成するステップと、
前記第1有機フィルムをパターニングして、前記第1有機層を得るステップと、を含み、前記第1有機層の前記剛性マザーベース板への正投影は前記フレキシブルベースの前記剛性マザーベース板への正投影内に位置し、又は、前記第1有機層は前記フレキシブルベースの前記剛性マザーベース板から離れた表面及び前記フレキシブルベースの前記切断区域に近い側面を被覆する。
【0034】
いくつかの実施例では、前記第1パッシベーション層に第1有機層を形成するステップの後、且つカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記駆動基板を得る前記ステップの前に、前記方法は、
前記第1有機層に第2パッシベーション層を形成するステップと、
前記デバイス設置区域及び前記ボンディング区域に位置する第2導電層を前記第2パッシベーション層に形成するステップと、
前記第2導電層に第3パッシベーション層を形成するステップであって、前記第2パッシベーション層及び前記第3パッシベーション層はいずれも前記デバイス設置区域、前記ボンディング区域及び前記切断区域に位置する、ステップと、
前記剛性マザーベース板への正投影が少なくとも前記フレキシブルベースの前記剛性マザーベース板への正投影と重なっている第2有機層を前記第3パッシベーション層に形成するステップと、をさらに含む。
【0035】
上記説明は本願の技術的解決手段の概略にすぎず、本願の技術手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施することができ、且つ本願の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、本願の具体的な実施形態を挙げる。
【0036】
本願の実施例又は関連技術における技術的解決手段を明瞭に説明するために、以下、実施例又は関連技術の説明において使用される必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、それらの図面に基づき、他の図面を取得することもできる。
【0037】
本願の実施例又は関連技術における技術的解決手段を明瞭に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明において使用される図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、それらの図面に基づき、他の図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1a図1aは本願の実施例が提供する関連技術における駆動基板の構造模式図である。
図1b図1bは本願の実施例が提供する関連技術における駆動基板の構造模式図である。
図2a図2aは本願の実施例が提供する9種の駆動基板の構造模式図である。
図2b図2bは本願の実施例が提供する3種の駆動基板のマザーボードの構造模式図である。
図3a図3aは本願の実施例が提供する9種の駆動基板の構造模式図である。
図3b図3bは本願の実施例が提供する3種の駆動基板のマザーボードの構造模式図である。
図4a図4aは本願の実施例が提供する9種の駆動基板の構造模式図である。
図4b図4bは本願の実施例が提供する3種の駆動基板のマザーボードの構造模式図である。
図4c図4cは本願の実施例が提供する9種の駆動基板の構造模式図である。
図5図5は本願の実施例が提供する9種の駆動基板の構造模式図である。
図6図6は本願の実施例が提供する9種の駆動基板の構造模式図である。
図7a図7aは本願の実施例が提供する9種の駆動基板の構造模式図である。
図7b図7bは本願の実施例が提供する9種の駆動基板の構造模式図である。
図7c図7cは本願の実施例が提供する9種の駆動基板の構造模式図である。
図8図8は本願の実施例が提供する駆動基板が折り曲げられた後の2種の構造模式図である。
図9図9は本願の実施例が提供する駆動基板が折り曲げられた後の2種の構造模式図である。
図10図10は本願の実施例が提供する発光装置の構造模式図である。
図11図11は本願の実施例が提供する駆動基板の製造方法のフローチャートである。
図11a図11aは本願の実施例が提供する駆動基板の製造過程の中間構造の模式図である。
図12a図12aは本願の実施例が提供する駆動基板の製造過程の中間構造の模式図である。
図12b図12bは本願の実施例が提供する駆動基板の製造過程の中間構造の模式図である。
図13a図13aは本願の実施例が提供する駆動基板の製造過程の中間構造の模式図である。
図13b図13bは本願の実施例が提供する駆動基板の製造過程の中間構造の模式図である。
図14a図14aは本願の実施例が提供する駆動基板の製造過程の中間構造の模式図である。
図14b図14bは本願の実施例が提供する駆動基板の製造過程の中間構造の模式図である。
図15a図15aは本願の実施例が提供する駆動基板の製造過程の中間構造の模式図である。
図15b図15bは本願の実施例が提供する駆動基板の製造過程の中間構造の模式図である。
図16a図16aは本願の実施例が提供する駆動基板の製造過程の中間構造の模式図である。
図16b図16bは本願の実施例が提供する駆動基板の製造過程の中間構造の模式図である。
図17図17は本願の実施例が提供する駆動基板の走査電子顕微鏡データ図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本願の実施例における図面を組み合わせて、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は単に本願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者は創造的な労働を行うことなく取得したすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0040】
本願の実施例では、特に説明しない限り、「複数」、「複数本」の意味は2つ(本)又は2つ(本)以上であり、用語「上」等で示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本願の説明及び説明の簡略化のために過ぎず、示される構造又は素子は特定の方位を有したり、特定の方位で構成や操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、従って、本願に対する制限として理解することはできない。
【0041】
本願の実施例の技術的解決手段を明瞭に説明するために、「第1」、「第2」、「第3」等のような用語は基本的に同じ機能及び目的を有している同じ項目又は類似した項目どうしを区別するために本願の実施例で使用される。当業者であれば、「第1」、「第2」、「第3」等のような用語は数量を限定しないことを理解することができる。
【0042】
基板折り曲げ技術とは、表示製品の基板を折り曲げ、それにより非表示区域と表示区域を異なる平面に設置して画面占有率を高める表示技術である。
【0043】
発明者は、基板折り曲げ技術において、通常、表示素子を有機材料を含んで製造されるベースに設置することができ、ベースの側面が露出しているため、有機材料が吸水しやすい特性により、フレキシブルベースのエッジに近い区域と、表示製品の他の構造(たとえば、支持を提供するための支持ベース)との間の付着力が低減し、ひいては支持ベースと、一部のフレキシブルベースとの間の膨張及び離脱が発生し、それにより表示製品の歩留まり率が低下することを発見した。
【0044】
図1aは関連技術における表示製品のフィルム層構造を示し、フレキシブルベース101には絶縁材料層102、ソースドレイン金属層103、パッシベーション層104、複数の絶縁バリア部105が設置され、絶縁バリア部105には第1封止層106、第2封止層107及び第3封止層108が設置される。また、いくつかのフレキシブル表示製品では、絶縁バリア部105には異なるフィルム層に位置する導電パターンを連通するためのビア(図1aでは図示せず)がさらに設置される。そうすると、絶縁バリア部105の表示製品の周辺区域でのサイズD1が小さすぎることはできず、且つ隣接する2つの絶縁バリア部105の間の距離D2は通常に40um±10umであり、それにより表示製品のフレームが大きくなり、従って、上記フィルム層を用いて設計した表示製品は、接合のための表示製品を形成するのに適用しない。
【0045】
図1bは関連技術において基板折り曲げ技術を用いて製造された表示製品の周辺局所区域の基板折り曲げ技術を用いる前の構造模式を示し、該表示製品の周辺区域は支持ベース109、フレキシブルベース110、複合封止フィルム111及びブラックグルー保護層112を含み、基板折り曲げ技術を用いる前に、周辺区域のうち支持ベース109における区域C及び区域Cにおけるフィルム層構造をレーザ切断プロセスによって剥離する必要があり、レーザ切断プロセスが熱量を生じるため、フレキシブルベース110における、切断位置に対応する区域1101に影響を与え、フレキシブルベース110と支持ベース109の付着力が悪くなることをもたらし、さらに該表示製品を湿っぽい環境に配置する時に、熱及び水蒸気の二重作用を受け、フレキシブルベース110と支持ベース109との間の膨張及び離脱の問題が激化する。実際の応用において、関連技術における表示製品に対して高温高湿保存(THS)検証試験を行った後、表示製品のフレキシブルベース110及び支持ベース109には顕著な膨張及び離脱の問題が発生する。説明する必要がある点として、上記レーザ切断プロセスにより生じた熱量が影響した区域1101の範囲のサイズは、カットラインからの0~50um範囲内の区域である。
【0046】
図2a、図3a、図4a、図5又は図6に示すように、本願の実施例は駆動基板を提供し、機能区域Aと、機能区域Aを取り囲む周辺区域Bとを含み、駆動基板の機能区域A及び周辺区域Bはいずれも支持ベース1を含み、駆動基板の機能区域Aは支持ベース1に位置して順に設置されたフレキシブルベース2及び少なくとも1層の保護層をさらに含み、
フレキシブルベース2の支持ベース1への正投影区域は機能区域Aにおける支持ベース1が位置する区域内に位置し、且つ保護層はフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆する。
【0047】
上記機能区域Aはデバイス設置区域A1、折り曲げ区域A2及びボンディング区域A3を含んでもよい。デバイス設置区域A1とは発光デバイスを設置するための区域であり、折り曲げ区域A2とは折り曲げるための区域であり、ボンディング区域A3とは一端がデバイス設置区域A1と折り曲げ区域A2とを貫通する信号線によって接続されるファンアウト配線、及びファンアウト配線の他端に接続されるバインディング電極が設置され、バインディング電極は回路基板にバインディングして接続される。説明する必要がある点として、実際の応用では、該駆動基板は折り曲げられる必要がある場合で、折り曲げられる前に、少なくとも図2aに示された、折り曲げ区域A2に位置する支持ベース1を取り外す必要があり、たとえば、図4cに示すように、折り曲げ区域A2に位置する支持ベース1のみを取り外してもよく、さらにボンディング区域A3の折り曲げ区域A2に近い一部の区域を含む支持ベース1を取り外してもよく、後続の回路基板とボンディング区域におけるバインディングプロセスの信頼性を低減させないことを基準とし、本願は制限しない。
【0048】
上記周辺区域Bとは、駆動基板を製造する過程に、機能区域Aと駆動基板の境界との間に予め残されたバッファ区域であり、実際の応用過程に、周辺区域Bのサイズは実際の切断プロセスによって決定されてもよい。
【0049】
実際の応用では、図7aに示すように、機能区域A(図7aにおけるA1、A2及びA3を含む)にフレキシブルベース2を設置し、周辺区域Bにフレキシブルベース2を設置しないことにより、フレキシブルベース2が支持ベース1に垂直な方向に沿って周辺区域Bの支持ベース1と互いに重ならなくなり、そして、少なくとも1層の保護層を設置し、且つ保護層はフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆することで、フレキシブルベース2の側面が水蒸気に影響されないように保護する。
【0050】
上記少なくとも1層の保護層の意味は、保護層が単層構造であるか、又は複数のフィルム層で構成される積層構造であり、少なくとも1層の保護層はフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆することで、フレキシブルベース2が水蒸気及び酸素に影響されないように保護する。説明する必要がある点として、上記保護層が単層構造である場合、上記保護層は図5に示される第1バッファ層4であってもよく、又は、上記保護層は図5に示される第2バッファ層3であってもよく、又は、上記保護層はさらに図5に示される第1パッシベーション層6であってもよい。
【0051】
上記保護層はフレキシブルベース2に対して保護効果を有し、それによってフレキシブルベース2と支持ベース1との間に膨張及び離脱が発生することを回避することができる場合で、ここで上記保護層の具体的な材料を限定しない。
【0052】
説明する必要がある点として、機能区域Aに位置する保護層がフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆し、保護層の側面が所定の厚さを有するため、実際の応用では、図2aに示すように、フレキシブルベース2の支持ベース1への正投影区域は機能区域Aにおける支持ベース1が位置する区域内に位置する。
【0053】
いくつかの実施例では、支持ベース1の材料はガラス、セキエイ、PET、プラスチック等の材料のうちの任意の1つであってもよく、フレキシブルベース2の材料はポリイミド、PEN樹脂、シリコーン樹脂のうちの任意の1つであってもよく、支持ベース1の厚さは0.5mm~0.8mmであってもよく、フレキシブルベース2の厚さは3um~10umであってもよい。
【0054】
本願の実施例は駆動基板を提供し、該駆動基板は、機能区域Aと、機能区域Aを取り囲む周辺区域Bとを含み、駆動基板の機能区域A及び周辺区域Bはいずれも支持ベース1を含み、駆動基板の機能区域Aは支持ベース1に位置して順に設置されたフレキシブルベース2及び少なくとも1層の保護層をさらに含み、フレキシブルベース2の支持ベース1への正投影区域は機能区域Aにおける支持ベース1が位置する区域内に位置し、且つ保護層はフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆する。
【0055】
このように、保護層がフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆するため、フレキシブルベース2の側面が環境中の水蒸気に接触することを回避し、それによりフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い部分と支持ベース1との間の付着力を向上させ、フレキシブルベース2の周辺区域Bに近い部分と支持ベース1との間に発生した膨張及び離脱の問題を改善し、さらに該駆動基板で製造された表示製品の信頼性を高める。
【0056】
さらに説明する必要がある点として、無機材料が水蒸気に対して良好な遮断作用を有するため、実際の応用では、保護層の材料は無機材料を含む。
【0057】
いくつかの実施例では、図2aに示すように、保護層は第1バッファ層4を含み、第1バッファ層4はフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆する。
【0058】
いくつかの実施例では、第1バッファ層4の支持ベース1への正投影区域はさらに周辺区域Bと重なっており、且つ第1バッファ層4は周辺区域Bに位置する支持ベース1と直接接触する部分を有する。
【0059】
実際の応用では、第1バッファ層4とフレキシブルベース2との間により良好な付着力を有することを確保する必要があり、第1バッファ層4の材料は酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素であってもよく、また、材料の折り曲げ応力を考慮すると、第1バッファ層4の厚さは500Å~1000Åであってもよい。
【0060】
いくつかの実施例では、第1バッファ層4の材料は酸化ケイ素であり、厚さは500Åであり、又は、第1バッファ層4の材料は窒化ケイ素であり、厚さは500Åであり、又は、第1バッファ層4は厚さが同じである2つのサブ層を含み、2つのサブ層の材料はそれぞれ酸化ケイ素及び窒化ケイ素であり、各サブ層の厚さはいずれも500Åであり、すなわち第1バッファ層4の厚さは1000Åであり、ここで、材料が酸化ケイ素であるサブ層はフレキシブルベース2に直接接触してもよく、又は材料が窒化ケイ素であるサブ層はフレキシブルベース2に直接接触してもよい。
【0061】
本願が提供する駆動基板において、第1バッファ層4をフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面に被覆させ、且つフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面にさらに被覆させることにより、フレキシブルベース2の側面が環境中の水蒸気に接触することを回避し、それによりフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い部分と支持ベース1との間の付着力を向上させ、フレキシブルベース2の周辺区域Bに近い部分と支持ベース1との間に発生した膨張及び離脱の問題を改善し、さらに該駆動基板の信頼性を高める。
【0062】
いくつかの実施例では、駆動基板は第2バッファ層3をさらに含む。
【0063】
いくつかの実施例では、図2aに示すように、駆動基板の機能区域Aは第2バッファ層3を含み、第2バッファ層3はフレキシブルベース2と第1バッファ層4との間に位置し、且つ第2バッファ層3の支持ベース1への正投影はフレキシブルベース2の支持ベース1への正投影と重なっている。
【0064】
駆動基板を製造する時に、支持ベース1にフレキシブルフィルム、第2バッファフィルムを順にコーティングした後、第2バッファフィルムをハードマスク(Hard mask)として、同時に第2バッファフィルム及びフレキシブルフィルムに対してパターニングを行い、それにより90°勾配角(Profile)を有するフレキシブルベース2を形成する。
【0065】
説明する必要がある点として、第2バッファ層3がフレキシブルベース2のハードマスクとして両者がパターニングを同時に行うため、実際の応用では、第2バッファ層3とフレキシブルベース2の形状及びサイズは同じである。
【0066】
いくつかの実施例では、図5に示すように、駆動基板の機能区域A及び周辺区域Bは第2バッファ層3を含み、第2バッファ層3は支持ベース1と第1バッファ層4との間に位置し、第2バッファ層3は少なくともフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆する。
【0067】
第2バッファ層3がフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆するため、第2バッファ層3に第1バッファ層4を設置することにより、第1バッファ層4もフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆し、さらに水蒸気に対する遮断作用を向上させ、フレキシブルベース2の側面が環境中の水蒸気に接触することを回避し、それによりフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い部分と支持ベース1との間の付着力を向上させ、フレキシブルベース2の周辺区域Bに近い部分と支持ベース1との間に発生した膨張及び離脱の問題を改善し、さらに該駆動基板の信頼性を高める。
【0068】
第2バッファ層3の材料は窒化ケイ素(SiNx)であってもよく、第2バッファ層3の厚さ範囲は500Å~1500Åであってもよい。
【0069】
いくつかの実施例では、図2aに示すように、駆動基板の機能区域A及び周辺区域Bは第1パッシベーション層(PVX1)6をさらに含み、第1パッシベーション層6の支持ベース1への正投影は第1バッファ層4の支持ベース1への正投影と重なっている。
【0070】
上記第1パッシベーション層6の材料は窒化ケイ素(SiNx)であってもよく、上記第1パッシベーション層6の厚さ範囲は1000Å~2000Åであってもよい。
【0071】
本願の実施例が提供する駆動基板については、第1バッファ層4に第1パッシベーション層6をさらに設置し、且つ第1パッシベーション層6の支持ベース1への正投影が第1バッファ層4の支持ベース1への正投影と重なっており、このようにすると、第1パッシベーション層6もフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆し、それによって水蒸気に対する遮断作用をさらに向上させ、フレキシブルベース2の側面が環境中の水蒸気に接触することにより生じた膨張及び離脱の問題を回避する。
【0072】
いくつかの実施例では、図2a、図3a及び図4aに示すように、駆動基板の機能区域Aは第1有機層7をさらに含み、第1有機層7は第1パッシベーション層6のフレキシブルベース2から離れた側に位置し、且つ第1有機層7の支持ベース1での正投影区域は周辺区域Bと互いに重なっていない。
【0073】
いくつかの実施例では、図4aに示すように、第1有機層7の支持ベース1への正投影はフレキシブルベース2の支持ベース1への正投影内に位置する。
【0074】
実際の応用では、通常、大きな面積サイズを有する剛性マザーベース板において、半導体製造プロセスによって複数の機能区域Aを製造し、カットラインに沿って剛性マザーベース板及びその上の機能区域Aに対して画線(scribe)及び切り出しを行い、複数の機能区域Aを互いに分割し、複数の駆動基板が形成する。図4bは2つの駆動基板を含むマザーボードの構造模式図を示し、図4bでレンダリングされたカットライン位置で切断すると、図4aに示される2つの駆動基板を得ることができる。
【0075】
このように、駆動基板を製造する過程に、駆動基板のマザーボードを切断して駆動基板を得る時に、第1有機層7の周辺区域Bに近い側面と駆動基板のエッジとの間の距離は少なくともフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面からカットラインまでの距離より大きく、それにより切断による熱が第1有機層7に与える影響を回避し、また、切断プロセスの難度も低減される。
【0076】
いくつかの実施例では、図3aに示すように、第1有機層7はフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆する。
【0077】
いくつかの実施例では、第1方向における、第1有機層7の周辺区域Bに近い側面と駆動基板のエッジとの間の距離H1の値は5~10umであり、第1方向はフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面が第1有機層7の周辺区域Bに近い側面を指示する方向である。
【0078】
本願の実施例が提供する駆動基板については、第1有機層7がフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆し、一方では、第1有機層7はフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面に対して保護効果を有し、他方では、第1有機層7が有機材料で製造されるため、有機材料の流動性により第1有機層7の周辺区域Bに近い側面に緩やかな勾配角(たとえば50°±10°)が形成し、更に後続に第1有機層7に図3aに示される第2パッシベーション層8及び第3パッシベーション層10を形成する時に、第2パッシベーション層8及び第3パッシベーション層10の側面位置での堆積被覆性がより良好であり、不安定なフィルム形成プロセスに起因する、第2パッシベーション層8と第3パッシベーション層10が第1有機層7の周辺区域Bに近い側面位置で切断する問題の発生を回避する。
【0079】
さらに、図3aに示すように、第1方向における、第1有機層7の周辺区域Bに近い側面と駆動基板のエッジとの間の距離H1の値は5~10umの範囲内であり、それにより、駆動基板を製造する過程に、マザーボードを切断して駆動基板を得る時に、第1有機層7とカットライン(すなわち周辺区域Bの外側輪郭)との間の距離が遠く、それにより切断による熱が第1有機層7に与える影響を回避し、また、切断プロセスの難度も低減される。図3bは図3aに示される駆動基板を製造するマザーボードの一部の構造を示し、図3bにおけるカットラインで切断すると、図3aに示される2つの駆動基板を得ることができる。
【0080】
いくつかの実施例では、図2aに示すように、駆動基板の機能区域A及び周辺区域Bは第1有機層7をさらに含み、第1有機層7の支持ベース1への正投影はフレキシブルベース2の支持ベース1への正投影を被覆し、且つ周辺区域Bに位置する第1パッシベーション層6の支持ベース1への正投影をさらに被覆する。
【0081】
本願の実施例が提供する駆動基板は、第1有機層7全体を形成し、すなわち第1有機層7が機能区域Aに位置し、また、周辺区域Bに位置することにより、製造プロセスを簡略化し、駆動基板の製造難度を低減させる。
【0082】
いくつかの実施例では、図4aと図7aに示すように、機能区域Aはデバイス設置区域A1、折り曲げ区域A2及びボンディング区域A3を含み、折り曲げ区域A2はデバイス設置区域A1とボンディング区域A3との間に位置し、デバイス設置区域A1、折り曲げ区域A2及びボンディング区域A3にはいずれもフレキシブルベース2、第1バッファ層4及び第1パッシベーション層6が設置され、
駆動基板のデバイス設置区域A1、ボンディング区域A3及び周辺区域Bはいずれも第2パッシベーション層(PVX2)8及び第3パッシベーション層(PVX3)10をさらに含み、第2パッシベーション層8は第1パッシベーション層6のフレキシブルベース2から離れた側に位置し、第3パッシベーション層10の支持ベース1への正投影は第2パッシベーション層8の支持ベース1への正投影を被覆し、且つ第2パッシベーション層8及び第3パッシベーション層10の支持ベース1への正投影はいずれも折り曲げ区域A2のフレキシブルベース2の支持ベース1への正投影と互いに重なっていない。説明する必要がある点として、図4aは図7aにおけるM1M2方向における断面図である。
【0083】
本願の実施例が提供する駆動基板において、第1パッシベーション層6の支持ベース1への正投影は第1バッファ層4の支持ベース1への正投影と重なっているため、第1パッシベーション層6に第2パッシベーション層8及び第3パッシベーション層10を設置する時に、デバイス設置区域A1、ボンディング区域A3及び周辺区域Bに位置する第2パッシベーション層8及び第3パッシベーション層10の支持ベース1への正投影もそれぞれ第1バッファ層4の支持ベース1への正投影と重なっており、それにより第2パッシベーション層8及び第3パッシベーション層10もフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆し、このように、水蒸気に対する遮断作用をさらに向上させ、フレキシブルベース2の側面が環境中の水蒸気に接触することにより生じた膨張及び離脱の問題を回避する。
【0084】
また、折り曲げ区域A2に第2パッシベーション層8及び第3パッシベーション層10を設置しないことにより、折り曲げ区域A2の全体フィルム層の厚さを低減させ、駆動基板が折り曲げられる時の折り曲げ応力を低減させる。
【0085】
いくつかの実施例では、図4aに示すように、駆動基板のデバイス設置区域A1、折り曲げ区域A2及びボンディング区域A3はいずれも第2有機層11を含み、デバイス設置区域A1及びボンディング区域A3における第2有機層11は第3パッシベーション層10の支持ベース1から離れた側に位置し、折り曲げ区域A2の第2有機層11はフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた側に位置し、第2有機層11の支持ベース1への正投影はフレキシブルベース2の支持ベース1への正投影内に位置する。
【0086】
図17図4aに示される駆動基板のフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面位置の走査電子顕微鏡データ図を提供し、図17に示すように、フレキシブルベース2は支持ベース1に位置し、フレキシブルベース2(PI)の厚さが6100nmであり、フレキシブルベース2上のフィルム層が順に第2バッファ層3及び第1バッファ層4であり、その厚さの和x1が660nmであり、フレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆するフィルム層は第1バッファ層4であり、その厚さが401.5nmであり、周辺区域Bの支持ベース1に位置するフィルム層は第1バッファ層4であり、その厚さx2が405.6nmである。試験により測定した結果として、直角位置近傍の第1バッファ層4のフィルム層の被覆性は60%以に達することができ、第1バッファ層4のフィルム層の切断の問題がなく、且つその被覆厚さが3000~4000Åに達することができ、水蒸気と酸素を遮断するニーズを満たすことができ、また、図4aに示される駆動基板は60℃/90%湿度の条件において、1000時間の高温高湿信頼性検証により、いずれもフレキシブルベース2と支持ベース1との間の膨張及びフィルム層の離脱の問題が発生せず、製品の使用ニーズを満たし、品質が保証される。
【0087】
説明する必要がある点として、上記被覆性の意味は、周辺区域Bに近いフレキシブルベース2の側面上の第1バッファ層4の厚さと、フレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面に位置する第1バッファ層4の厚さとの間の比は、被覆性という指標により勾配のある位置の近傍(図17における直角位置近傍)の第1バッファ層4のフィルム形成品質を測定する。
【0088】
本願の実施例が提供する駆動基板において、第3パッシベーション層10に第2有機層11をさらに設置することにより、機能区域Aにおける平坦層として使用でき、平坦化及び絶縁の作用を果たす。また、第2有機層11の支持ベース1への正投影はフレキシブルベース2の支持ベース1への正投影内に位置することを可能にすることにより、駆動基板を製造する時に、駆動基板のマザーボードを切断して駆動基板を得る時に生じた熱が第2有機層11に与える影響を回避し、切断時のプロセス難度も低減される。
【0089】
実際の応用では、図4aに示すように、製造を容易にするために、支持ベース1に平行な方向における、フレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面と第2有機層11の周辺区域Bに近い側面との間の距離H2を5um以に設定する。
【0090】
いくつかの実施例では、図2aに示すように、駆動基板の周辺区域Bは第2有機層11をさらに含み、周辺区域Bにおける第2有機層11は周辺区域Bにおける第3パッシベーション層10を被覆する。
【0091】
説明する必要がある点として、切断プロセスにより生じた熱が駆動基板に与える影響は非常に小さい場合で、(たとえば、熱影響が発生する区域におけるサイズが非常に小さいレーザ切断プロセスを用い、又はカッターホイール切断等の他の方式を用いて切断する場合)第2有機層11全体を駆動基板の機能区域A及び周辺区域Bに設置し、周辺区域Bの第2有機層11を除去する(又は第2有機層11に対してパターニングを行う)ステップを省略でき、駆動基板を製造するための製造時間を短縮し、生産効率を向上させる。
【0092】
いくつかの実施例では、図2aに示すように、第2方向における、フレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面と駆動基板のエッジとの間の距離H3は50um以上であり、第2方向はフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面が保護層の周辺区域Bに近い側面を指示する方向である。
【0093】
関連技術では、駆動基板のマザーボードを切断して駆動基板を得る時に、切断により生じた熱による熱影響区域における幅は50umであり、切断により生じた熱がフレキシブルベース2に与える影響を低減させるために、第2方向における、フレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面と駆動基板のエッジとの間の距離H3を50um以に設定し、もちろん、切断プロセスが最適化された場合で、該距離はさらに実際の切断プロセスに基づいて最適化して縮小することができ、具体的には実際の状況に応じて決定することができる。
【0094】
説明する必要がある点として、駆動基板のマザーボードを切断して駆動基板を得る時に、カットラインが位置する位置は、すなわち切断後の駆動基板のエッジ位置である。第2方向における、フレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面と駆動基板のエッジとの間の距離H3が50um以上である上記ことは、駆動基板のマザーボードにおいて、第2方向における、フレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面からカットラインまでの距離が50um以上であると理解されてもよく、フレキシブルベース2の外側輪郭と周辺区域Bの外側輪郭との間の距離が50um以上であると理解されてもよい。
【0095】
いくつかの実施例では、図4aに示すように、駆動基板は第1導電層及び第2導電層をさらに含み、第1導電層は第1バッファ層4と第1パッシベーション層6との間に位置し、第2導電層は第2パッシベーション層8と第3パッシベーション層10との間に位置し、
第1導電層はデバイス設置区域A1、折り曲げ区域A2及びボンディング区域A3に位置し、第2導電層はデバイス設置区域A1及びボンディング区域A3に位置する。
【0096】
図7bは1つのボンディング区域A3及び1つの折り曲げ区域A2を含む駆動基板の構造模式図を示し、図7cは図7bに対応する駆動基板の回路図である。
【0097】
図7cに示すように、デバイス設置区域A1はアレイ状に配置された複数の画素P、複数本の走査線Sn、複数本のデータ線Dm、複数本の正極信号線Hm及び複数本の参照信号線Vmを有し、
複数の画素における各画素Pは、少なくとも3色のサブ画素と、それが発光するように駆動する画素駆動チップとを含み、各サブ画素は、少なくとも1つの無機発光ダイオードを含み、画素駆動チップは、それにより駆動される各サブ画素における無機発光ダイオードの正極、該複数本のデータ線のうちの少なくとも1本のデータ信号線Dm、該複数本の走査線のうちの少なくとも1本の走査線Sn及び該複数本の参照信号線のうちの少なくとも1本の参照信号線Vmに電気的に接続される。
【0098】
画素駆動チップは走査線Snの制御下で、データ信号線Dmの信号を異なる色のサブ画素に時分割的に書き込むことに用いられ、参照信号線Vmは画素駆動チップに負極信号を提供することにより、画素駆動チップと無機発光ダイオードとの間に電流路を形成させることに用いられる。
【0099】
本願の実施例が提供する駆動基板において、無機発光ダイオードはサブミリ発光ダイオード(Mini Light Emitting Diode、英語の略語はMini LED)又はコンパクト発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode、英語の略語はMicro LED)であってもよく、ここで限定しない。
【0100】
各画素行は複数本の走査線のうちの1本の走査線Snに対応して接続され、各画素列は複数本のデータ線のうちの1本のデータ信号線Dm、複数本の参照信号線のうちの1本の参照信号線Vm、及び複数本の正極信号線のうちの1本の正極信号線Hm1及びHm2に対応し、
該2本の正極信号線Hm1及びHm2のうちの1本の正極信号線Hm1は第1色サブ画素(R)における無機発光ダイオードの正極に電気的に接続され、他方の正極信号線Hm2は第3色サブ画素(G)及び第2色サブ画素(B)における無機発光ダイオードの正極に電気的に接続される。このように、第3色サブ画素(G)及び第2色サブ画素(B)における無機発光ダイオードの正極が受信した信号を同じにすることができ、第1色サブ画素(R)における無機発光ダイオードの正極が受信した信号は他の2つの色のサブ画素が受信した信号振幅よりも大きく、それにより3色のサブ画素の正極がいずれも3色のサブ画素のうち、必要な信号の振幅が最も大きい方の信号を受信することを回避することができ、それにより電力損失を低減させることができる。
【0101】
デバイス設置区域A1は複数本の走査線のうちの各本の走査線Snと一対一で対応して接続される走査信号配線Cnをさらに含み、走査信号配線Cnによって対応する走査線Snに走査信号を提供し、それにより走査信号を提供するための信号源を走査信号配線Cnの両端に設置することができ、走査線Snの両端に走査信号を提供するためのチップを設置することを回避する。
【0102】
デバイス設置区域A1における画素行の個数Nと画素列の個数Mとが同じである場合、すなわちN=Mの場合、各画素列の一側には1本の走査信号配線Cnが対応して設置され、且つ隣接する2列の画素列の間には1本のみの走査信号配線Cnが設置される。
【0103】
デバイス設置区域A1における画素行の個数Nが画素列の個数Mよりも大きい場合、すなわちN>Mの場合、
少なくとも1つの画素列の両側にはそれぞれ少なくとも1本の走査信号配線Cnが設置され、隣接する2列の画素列の少なくとも一部の間にはいずれも少なくとも1本の走査信号配線Cnが設置される。
【0104】
具体的に実施する場合、第1色、第2色及び第3色はそれぞれ赤色、青色及び緑色のうちの1つであってもよく、たとえば第1色は赤色であり、第2色は青色であり、第3色は緑色であり、ここで限定しない。
【0105】
説明する必要がある点として、走査線Snは第1導電層に同層に設置され、走査信号配線Cn、データ信号線Dm、参照信号線Vm、及び正極信号線Hm1及びHm2は第2導電層に同層に設置される。
【0106】
ボンディング区域A3の複数のバインディング電極94は受信して伝達された信号のタイプに応じて異なる群に分けられ、同じ群に分けられたバインディング電極は1つの回路基板に接続され、具体的には、回路基板上の金端子メッキ構造に対応して接続される。図7cを例として、バインディング電極94は第1バインディング電極群300~1、第2バインディング電極群300~2、第3バインディング電極群300~3に分けられ、すなわち駆動基板に接続されるための3つの回路基板を必要とする。
【0107】
走査信号配線Cn及びデータ信号線Dmは順に折り曲げ区域A2及びボンディング区域A3に位置する配線を介して第2バインディング電極群300~2に接続され、且つ第2バインディング電極群300~2を介して第1回路基板にバインディングして接続され、参照信号線Vm及び正極信号線Hmは順に折り曲げ区域A2及びボンディング区域A3に位置する配線を介して第1バインディング電極群300~1及び第3バインディング電極群300~3に接続され、且つ第1バインディング電極群300~1及び第3バインディング電極群300~3を介してそれぞれ2つの第2回路基板にバインディングして接続される。
【0108】
具体的に実施する場合、本願の実施例が提供する駆動基板において、ボンディング区域A3には1つの第1回路基板及び1つの第2回路基板のみが設置されてもよく、このように回路基板の数を減少させることができる。
【0109】
第1導電層は通常、各種の信号線、たとえば共通電圧線GND、駆動電圧線VLED、ソース電源線PWR、アドレス線DI等を設置することに用いられる。
【0110】
第2導電層は通常、発光デバイスに接続される端子(パッド)及び接続リード等を設置することに用いられる。
【0111】
例示的には、図6に示すように、第1導電層には第1リード51及び第2リード52を含み、第2導電層は表面が露出している第1端子91、第2端子92、バインディング端子94、及び表面が第2有機層11で被覆される第3リード93を含む。第1端子91及び第2端子92は発光デバイスにバインディングして接続され、バインディング端子94は回路基板にバインディングして接続される。第1リード51はデバイス設置区域A1に位置し、第2リード52は折り曲げ区域A2に位置し、且つ第2リード52の両端が折り曲げ区域A2からそれぞれデバイス設置区域A1及びボンディング区域A3まで延伸し、第1端子91、第2端子92及び第3リード93はデバイス設置区域A1に位置し、バインディング端子94はボンディング区域A3に位置し、第1リード51は第1端子91に電気的に接続され、第2リード52はそれぞれ第3リード93及びバインディング端子94に電気的に接続される。
【0112】
いくつかの実施例では、第1導電層の厚さは約1.5μm~7μmであり、その材料は銅を含んでもよく、たとえばスパッタリングの方式によってMoNb/Cu/MoNbのような積層構造を形成することができ、基板1に近い一側の材料はMoNbであり、厚さが約300Åであり、主にフィルム層間の付着力を向上させることに用いられ、積層構造の中間層材料はCuであり、電気信号伝達通路の好ましい材料であり、基板1から離れた側の材料はMoNbであり、厚さが約200Åであり、中間層を保護することことに用いられ、抵抗率の低い中間層の表面が露出して酸化することを防止する。単一のスパッタリングの厚さは通常に1μmを超えず、従って1μmを超える第1導電層を製造する時に、複数回スパッタリングして形成する必要がある。また、第1導電層はさらにメッキの方式によって形成することもでき、具体的には、まず、MoNiTiを利用してシード層を形成し、後続のメッキプロセス中の金属結晶粒子の結晶核形成密度を向上させ、その後、メッキによって抵抗率の低い銅を製造し、その後で、酸化防止層を製造し、材料はMoNiTiであってもよい。
【0113】
いくつかの実施例では、第2導電層のフィルム層の厚さは約6000Åである。第2導電層におけるパッド(又は端子)は各種の電気素子をバインディングすることに用いられ、たとえばデバイス設置区域A1に位置して、サブミリ発光ダイオードチップを取り付けるための第1端子91及び第2端子92、及び/又は、コンパクト集積回路チップ又はセンサなどの機能素子を取り付けるためのパッド(又は端子)、及びボンディング区域A3に位置して、回路基板に接続するためのバインディング端子94を含んでもよい。
【0114】
パッド(又は端子)の基板1から離れた側の表面は、電子部品に接続されていない前に部分的に露出する必要があり、基板プロセスから電子部品を基板に設置するプロセスまでの過程中に、パッドがエアに露出して酸化する可能性がある問題を防止するために、パッドが露出する表面区域におけるみに酸化防止材料層を設置してもよく、すなわちパッド区域における表面は接続リード(たとえば第3リード93)が位置する区域における構造よりも1層多く、又は第2導電層全体を少なくとも2層の構造の積層構造に設定してもよく、その基板1から離れたフィルム層の材料は酸化防止金属又は合金材料であり、具体的には、たとえばMoNb/Cu/CuNiの積層構造で構成されてもよく、積層中の底層材料MoNbは主に付着力を向上させることに用いられ、積層中の中間層Cuは、抵抗率が低いため、主に電気信号を伝達することに用いられ、積層中の最上層CuNiは中間層の酸化を防止することができるだけではなく、電子部品との接続の堅牢性を保証することもできる。
【0115】
図6及び図7cに示すように、第1リード51は走査線Snに接続され、第1リード51はさらに第1端子91を介して画素駆動チップの正極に接続され、第2端子92はそれぞれ参照信号線Vm及び画素駆動チップの負極に接続され、画素駆動チップは無機発光ダイオードに接続され、それにより画素駆動チップ及び無機発光ダイオードを駆動する電流を形成する。
【0116】
また、第3リード93の一部、第2リード52の一部及びバインディング端子94の一部によって、デバイス設置区域A1に位置する走査信号配線Cn及びデータ信号線Dmを第1回路基板に接続し、第3リード93の他部、第2リード52の他部及びバインディング端子94の他部によって、デバイス設置区域A1に位置する参照信号線Vm及び正極信号線Hmを2つの第2回路基板に接続する。
【0117】
いくつかの実施例では、図6に示すように、上記駆動基板の構造については、さらに、バッファ層46を第1導電層に設置してもよく、且つ該バッファ層46の厚さは図5に示される駆動基板における第1バッファ層4と第1パッシベーション層6の厚さの和である。
【0118】
いくつかの実施例では、図4cに示すように、機能区域Aはデバイス設置区域A1、折り曲げ区域A2及びボンディング区域A3を含み、折り曲げ区域A2はデバイス設置区域A1とボンディング区域A3との間に位置し、支持ベース1はデバイス設置区域A1及びボンディング区域A3に位置し、折り曲げ区域A2の駆動基板は折り曲げ軸に沿って折り曲げ可能に構成される。
【0119】
実際の応用では、上記駆動基板が折り曲げられる前に、折り曲げ区域A2における支持ベース1を取り外し、図4cに示される駆動基板の構造を形成し、次に折り曲げ区域で折り曲げる。説明する必要がある点として、上記折り曲げ軸は駆動基板に存在する実際の構造ではなく、駆動基板の折り曲げ過程を説明するために提出された概念である。
【0120】
いくつかの実施例では、図4cに示すように、折り曲げ区域A2が非折り曲げ状態である場合、デバイス設置区域A1の支持ベース1のフレキシブルベース2から離れた表面はボンディング区域A3の支持ベース1のフレキシブルベース2から離れた表面と同じ平面内に位置し、
折り曲げ区域A2が折り曲げ状態である場合、デバイス設置区域A1の支持ベース1のフレキシブルベース2から離れた表面はボンディング区域A3の支持ベース1のフレキシブルベース2から離れた表面と一体に固定される。
【0121】
図7aは駆動基板の見下ろす構造模式図を示し、図8及び図9はそれぞれ図7aに示される駆動基板が折り曲げられた後の正面(表示面)及び裏面(表示面から離反した表面)の見下ろす構造模式図である。図7aに示すように、該駆動基板は機能区域Aと、機能区域Aを取り囲む周辺区域Bとを含み、機能区域Aには1つのデバイス設置区域A1、2つのボンディング区域A3及び2つの折り曲げ区域A2を含み、周辺区域Bには1つの折り曲げ可能な周辺サブ区域B1をさらに含み、該周辺サブ区域B1は折り曲げ区域A2の延伸位置に位置し、ボンディング区域A3には回路基板をバインディングするためのバインディング端子群300をさらに含む(すなわち図4cにおける第2有機層11のバインディング端子94を露出する位置)。
【0122】
実際の応用では、上記駆動基板は図7bに示される1つのボンディング区域A3及び1つの折り曲げ区域A2をさらに含んでもよく、又は、3つ又は4つのボンディング区域A3をさらに含んでもよく、具体的には実際の状況に応じて決定することができ、ここで制限しない。図8図9に示すように、折り曲げ区域A2における支持ベース1を取り外した後、駆動基板は図8に示される方式に基づいて折り曲げ可能であり、ボンディング区域A3及び折り曲げ区域A2の一部を折り曲げて駆動基板の裏面に固定し、それにより駆動基板で製造される発光装置のフレーム幅を狭め、更にスリットの狭い接合発光装置を製造することに用いることができる。
【0123】
本願の実施例は発光装置をさらに提供し、図10に示すように、発光デバイス80、回路基板72及び上記した駆動基板を含み、駆動基板はそれぞれ発光デバイス80及び回路基板72に電気的に接続される。
【0124】
上記発光デバイスは画素駆動チップ及び無機発光ダイオード(801は画素駆動チップ及び無機発光ダイオードである)を含み、上記無機発光ダイオードはマイクロLED、たとえば、Mini LED又はMicro LEDであってもよい。上記回路基板はフレキシブル回路基板(FPC)又はプリント基板(PCB)又はプログラマブルロジック配列(FPGA)等であってもよい。
【0125】
具体的には、発光デバイス80の2つのピン802はそれぞれ溶接材料T(たとえば半田)を介してデバイス設置区域A1の第1端子91及び第2端子92に電気的に接続され、回路基板72は異方性導電性接着剤71を介してボンディング区域A3のバインディング端子94に電気的に接続される。発光デバイス80には、発光デバイス80の出光色に影響を与えないように透明樹脂材料又は有色樹脂材料を用いてもよい保護構造901と、隣接する2つの発光デバイス80の間に位置するクロストーク防止構造902とがさらに設置され、クロストーク防止構造902の材料は濃色樹脂であってもよく、それにより隣接する2つの発光デバイスから発する光線が互いに干渉することを回避できるとともに、外部環境光を吸収し、それにより環境光が金属メッキ層に入射して反射することによりコントラストが低下する等の問題を回避する。
【0126】
実際の応用では、発光デバイスの設置種類の異なりによって、上記発光装置はバックライト装置として用いられてもよく、又は、表示装置として用いられてもよい。具体的には、発光装置における複数の発光デバイスがいずれも青色光を発する発光デバイスである場合、上記発光装置はバックライト装置として用いられてもよく、発光装置における複数の発光デバイスが赤色光、緑色光及び青色光を発する3種の発光デバイスを同時に含む場合、上記発光装置は表示装置として用いられてもよい。
【0127】
本願の実施例が提供する発光装置については、発光装置における保護層がフレキシブルベースの支持ベースから離れた表面及びフレキシブルベースの周辺区域に近い側面を被覆するため、フレキシブルベースの側面が環境中の水蒸気に接触することを回避し、それにより周辺区域に近い部分のフレキシブルベースと支持ベースとの間の付着力を向上させ、周辺区域に近い部分のフレキシブルベースの膨張及び離脱の問題を改善し、さらに該駆動基板で製造される表示製品の信頼性を高める。
【0128】
本願の実施例は駆動基板の製造方法をさらに提供し、図11に示すように、該方法は、
少なくとも2つの機能区域A及び各機能区域Aを取り囲む切断区域に区画される、図11aに示される剛性マザーベース板100を提供するステップS901と、
機能区域Aにフレキシブルベース2を形成するステップS902と、
少なくとも各機能区域Aに位置し、且つフレキシブルベース2の剛性マザーベース板100から離れた表面及びフレキシブルベース2の切断区域に近い側面を被覆する少なくとも1層の保護層を形成するステップS903と、
切断区域に位置するカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの駆動基板を得るステップS904と、を含む。
【0129】
説明する必要がある点として、剛性マザーベース板を切断する前に、機能区域A以外の区域はいずれも切断区域であり、切断した後、一部の切断区域は切り取られ、他部の切断区域は駆動基板の周辺区域Bとして機能区域Aの周囲に保留される。
【0130】
本願の実施例は駆動基板の製造方法を提供し、該方法で製造される駆動基板については、保護層がフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆するため、フレキシブルベース2の側面が環境中の水蒸気に接触することを回避し、それにより周辺区域Bに近い部分のフレキシブルベース2と支持ベース1との間の付着力を向上させ、周辺区域Bに近い部分のフレキシブルベース2の膨張及び離脱の問題を改善し、さらに該駆動基板で製造される表示製品の信頼性を高める。
【0131】
いくつかの実施例では、機能区域Bの駆動基板は第2バッファ層4をさらに含み、該方法は、
フレキシブルベース2と第2バッファ層3を同時に形成するステップS9020をさらに含み、第2バッファ層3はフレキシブルベース2と保護層との間に位置し、第2バッファ層3の支持ベース1への正投影はフレキシブルベース2の支持ベース1への正投影と重なっている。
【0132】
さらに、フレキシブルベース2と第2バッファ層3を同時に形成するステップS9020は、
図11aに示すように、機能区域A及び切断区域に位置するフレキシブルフィルム201を剛性マザーベース板100に形成するステップS9021と、
フレキシブルフィルム201を被覆する第2バッファフィルム202をフレキシブルフィルム201に形成するステップS9022と、
第2バッファフィルム202とフレキシブルフィルム201に対してパターニングを同時に行って、フレキシブルベース2と第2バッファ層3を得るステップS9023と、を含む。
【0133】
関連技術では、フレキシブルベースに対してパターニングを行う方式は3種あり、具体的には、以下のとおりである。
【0134】
第1種としては、レーザ切断及び掘削の方式を用いて切断区域におけるフレキシブルベースを除去し、しかしながら、フレキシブルベース(PI)が有機物であるため、レーザがフレキシブルベースをアブレーションする可能性があり、その結果、レーザの切断プロセスの条件に対する要件が非常に厳しく、該方法で製造される駆動基板の製品の歩留まり率が低い。
【0135】
第2種としては、ドライエッチングプロセスを用いて切断区域におけるフレキシブルベースを除去し、フレキシブルベースの厚さが通常に3umより大きいため、ドライエッチングプロセスを用いて周辺区域Bにおけるフレキシブルベースを除去する時に、厚さがフレキシブルベースの厚さを超えるフォトレジスト材料層をマスクとする必要があり(たとえば、5umのフレキシブルベースが7umのフォトレジスト材料層を必要とする)、そうでない場合は、エッチングムラによるMuraが発生し、製品の品質に深刻な影響を与え、且つエッチングプロセスの条件に対する要件も非常に高い。
【0136】
第3種としては、カッターホイールを用いて切断区域におけるフレキシブルベースを切断して除去し、しかしながら、カッターホイールのカッターヘッドはフレキシブルベースと容易に接着し、切断の不均一をもたらし、それにより切断区域におけるフレキシブルベースを完全に除去できず、残存する問題が存在する。
【0137】
しかしながら、本願の上記方法を用い、フレキシブルフィルム201に第2バッファフィルム202を形成し、次に第2バッファフィルム202にパターニングされた薄いPR接着剤を形成し、パターニングされたPR接着剤をマスクとして、第2バッファフィルム202とフレキシブルフィルム201を同時にエッチングし、また、第2バッファフィルム202を補助ハードマスク(Hard Mask)として、フレキシブルフィルム201に対するエッチングを補助し、第2バッファフィルム202は無機材料で製造されるため、ドライエッチング過程に、ガスの有機材料及び無機材料に対するエッチングレートが異なり、薄いPR接着剤を形成し、製造プロセスの難度を低減させることができ、同時に、さらに図12bに示される駆動基板を製造する中間構造を形成する。本願の上記製造方法でフレキシブルベース2を形成すると、その製造過程が簡単で、製造プロセスの難度が低く、且つ製品の歩留まり率が高い。
【0138】
上記エッチング過程に用いるのはICP(inductively coupled plasma)エッチング技術であり、酸素ガス及びプラズマ処理の条件においてエッチングし、エッチングした後に勾配角が90°のフレキシブルベース2を得ることができる。
【0139】
いくつかの実施例では、保護層は第1バッファ層4を含み、少なくとも1層の保護層を形成するステップS903は、
少なくとも機能区域Aに位置し、フレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の切断区域に近い側面を被覆する第1バッファ層4を形成するステップS9031を含む。
【0140】
上記第1バッファ層4は機能区域Aのみに位置してもよく、又は、上記第1バッファ層4は機能区域Aに位置し、フレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の切断区域に近い側面を被覆してもよく、切断区域に位置し、且つ切断区域における支持ベース1を被覆してもよい。
【0141】
本願が提供する製造方法で製造される駆動基板において、第1バッファ層4がフレキシブルベース2の支持ベース1から離れた表面及びフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆するように設定することにより、フレキシブルベース2の側面が環境中の水蒸気に接触することを回避し、それによりフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い部分と支持ベース1との間の付着力を向上させ、フレキシブルベース2の周辺区域Bに近い部分と支持ベース1との間に発生する膨張及び離脱の問題を改善し、さらに該駆動基板で製造される表示製品の信頼性を高める。
【0142】
いくつかの実施例では、第1バッファ層4を形成するステップS9031の後、且つカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの駆動基板を得るステップS904の前に、該方法は、ステップS905~ステップS907をさらに含む。
【0143】
ステップS905において、図14aに示すように、第1バッファ層4の支持ベース1から離れた側に位置し、且つデバイス設置区域A1、折り曲げ区域A2及びボンディング区域A3に位置する第1導電層を形成し、
第1導電層は第1リード51及び第2リード52を含み、第1リード51はデバイス設置区域A1に位置し、第2リード52は折り曲げ区域Aに位置し、且つ第2リード52の両端は折り曲げ区域A2からそれぞれデバイス設置区域A1及びボンディング区域A3まで延伸する。
【0144】
S906において、デバイス設置区域A1、折り曲げ区域A2、ボンディング区域A3及び切断区域に位置する第1パッシベーション層6を第1導電層に形成し、
第1パッシベーション層6の支持ベース1への正投影は第1バッファ層4の支持ベース1への正投影と重なっており、このように、第1パッシベーション層6もフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆し、それによりさらに水蒸気に対する遮断作用を向上させ、フレキシブルベース2の側面が環境中の水蒸気に接触することにより生じた膨張及び離脱の問題を回避する。
【0145】
S907において、第1パッシベーション層6に第1有機層7を形成し、
第1有機層7には剛性マザーベース板100に垂直な方向における第1ビア、第2ビア及び第3ビアを有し、第1ビアによって第1リード51の一部の区域が露出され、第2ビアによってデバイス設置区域A1に位置する第2リード52の一部の区域が露出され、第3ビアによってボンディング区域A3に位置する第2リード52の一部の区域が露出される。
【0146】
第1有機層7はフレキシブルベース2に垂直な方向に沿って切断区域における剛性マザーベース板100と互いに重なっておらず、このように、駆動基板を製造する過程に、剛性マザーベース板100を切断して駆動基板を得る場合に、第1有機層7とカットラインとの間の距離は遠く、それにより切断により生じた熱が第1有機層7に与える影響を回避し、また、切断プロセスの難度も低減される。
【0147】
いくつかの実施例では、第1パッシベーション層6に第1有機層7を形成するステップS907は、
第1パッシベーション層7に第1有機フィルムを形成するステップS9071と、
第1有機フィルムに対してパターニングを行って、第1有機層7を得るステップS9072とを含み、第1有機層7の剛性マザーベース板100への正投影はフレキシブルベース2の剛性マザーベース板100への正投影内に位置し、又は、第1有機層7はフレキシブルベース2の剛性マザーベース板100から離れた表面及びフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆する。
【0148】
いくつかの実施例では、第1パッシベーション層6に第1有機層7を形成するステップS907の後、且つカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの駆動基板を得るステップS904の前に、方法は、
第1有機層7に第2パッシベーション層8を形成するステップS908と、
デバイス設置区域A1及びボンディング区域A3に位置する第2導電層を第2パッシベーション層8に形成するステップS909と、
第2導電層に第3パッシベーション層10を形成するステップS910であって、第2パッシベーション層8及び第3パッシベーション層10はいずれもデバイス設置区域A1、ボンディング区域A3及び切断区域に位置する、ステップS910と、
剛性マザーベース板100への正投影が少なくともフレキシブルベース2の剛性マザーベース板100への正投影と重なっている第2有機層11を第3パッシベーション層8に形成するステップS911と、をさらに含む。
【0149】
第2導電層は第1端子91、第2端子92、第3リード93及びバインディング端子94を含み、第1端子91、第2端子92及び第3リード93はデバイス設置区域A1に位置し、バインディング端子94はボンディング区域A3に位置し、第1リード51は第1ビアを介して第1端子91に電気的に接続され、第2リード52は第2ビアを介して第3リード93に電気的に接続され、第3ビアを介してバインディング端子94に電気的に接続される。
【0150】
第2有機層11は剛性マザーベース板100に垂直な方向における第4ビア、第5ビア及び第6ビアを含み、第4ビアによって第1端子91の一部の区域が露出され、第5ビアによって第2端子92の一部の区域が露出され、第6ビアによって第3リード93の一部の区域が露出され、第7ビアによってバインディング端子94の一部の区域が露出される。本願の実施例が提供する駆動基板において、第1パッシベーション層6と第1バッファ層4は支持ベース1に垂直な方向に沿って重なっているため、第1パッシベーション層6に第2パッシベーション層8及び第3パッシベーション層10を設置する時に、デバイス設置区域A1、ボンディング区域A3及び周辺区域Bに位置する第2パッシベーション層8及び第3パッシベーション層10も、第1バッファ層4と、支持ベース1に垂直な方向に沿って重なっており、それにより、第2パッシベーション層8と第3パッシベーション層10もフレキシブルベース2の周辺区域Bに近い側面を被覆し、このように、さらに水蒸気に対する遮断作用を向上させる。
【0151】
以下、図4aに示される構造を例として、該駆動基板の製造方法を具体的に説明し、以下のとおりである。
【0152】
S1、図11aに示すように、剛性マザーベース板100を提供する。
【0153】
S2、剛性マザーベース板100に第1フレキシブルフィルム201を形成する。
【0154】
S3、フレキシブルフィルム201に第2バッファフィルム202を形成する。
【0155】
S4、第2バッファフィルム202とフレキシブルフィルム201に対してパターニングを同時に行って、図12a又は図12bのようなフレキシブルベース2及び第2バッファ層3を得る。
【0156】
説明する必要がある点として、図12aは図12bにおける構造を切断して得られるものであり、本願の実施例において提供する製造方法は、まず剛性マザーベース板100に各フィルム層構造を形成し、次に切断して駆動基板を得ることであり、剛性マザーベース板100に各フィルム層を形成する過程は、駆動基板に各フィルム層を形成する過程と類似し、そのため、ここで特に説明しない。実際の応用では、通常、まず剛性マザーベース板100に各フィルム層を形成し、各フィルム層の構造の製造を完了した後、そして切断して少なくとも1つの駆動基板を得る。
【0157】
S5、図13a又は図13bを参照し、第2バッファ層3に第1バッファ層4を形成し、図13aは図13bにおける構造を切断して得られるものであり、図13aと図13bの関係は図12aと図12bの関係と類似し、ここで詳細な説明は省略する。
【0158】
S6、第1バッファ層4に図14aに示される第1リード51及び第2リード52を形成し、図14aは図14bにおける構造を切断して得られるものである。
【0159】
S7、第1リード51及び第2リード52に第1パッシベーション層6を形成する。
【0160】
S8、図15aに示される第1有機層7を第1パッシベーション層6に形成する。
【0161】
S9、図15aに示される第2パッシベーション層8を第1有機層7に形成し、図15aは図15bにおける構造を切断して得られるものである。
【0162】
S10、図16aに示される第1端子91、第2端子92、第3リード93及びバインディング端子94を第2パッシベーション層8に形成し、
第1端子91、第2端子92及び第3リード93はデバイス設置区域A1に位置し、バインディング端子94はボンディング区域A3に位置し、第1リード51は第1端子91に電気的に接続され、第2リード52はそれぞれ第3リード93及びバインディング端子94に電気的に接続される。
【0163】
S11、第1端子91、第2端子92、第3リード93及びバインディング端子94に第3パッシベーション層10を形成し、図16aは図16bにおける構造を切断して得られるものである。
【0164】
以上は、本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当業者が本願で開示される技術範囲内に容易に想到できる変更や置換は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本願の保護範囲は前記特許請求の範囲に準じなければならない。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10
図11
図11a
図12a
図12b
図13a
図13b
図14a
図14b
図15a
図15b
図16a
図16b
図17
【国際調査報告】