(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】封入された熱バリアのためのガス抜き及びフィルタリングコンポーネント
(51)【国際特許分類】
H01M 10/658 20140101AFI20240723BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240723BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240723BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20240723BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240723BHJP
H01M 10/623 20140101ALI20240723BHJP
H01M 10/6235 20140101ALI20240723BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240723BHJP
【FI】
H01M10/658
H01M50/204 401H
H01M50/204 401F
H01M50/249
H01M50/247
H01M10/625
H01M10/623
H01M10/6235
H01M10/613
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556852
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 US2022073369
(87)【国際公開番号】W WO2023279094
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506229844
【氏名又は名称】アスペン エアロゲルズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】オーウェン エバンズ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド バウア
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ グールド
(72)【発明者】
【氏名】キャスリン デクラフト
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ミハルシク
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031CC02
5H031EE00
5H031EE01
5H031EE04
5H031HH00
5H031KK02
5H040AA27
5H040AA37
5H040AS04
5H040AS07
5H040AS11
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5H040AS13
5H040AS14
5H040AS15
5H040AS18
5H040AS19
5H040AS22
5H040AT06
5H040AY06
5H040CC38
5H040LL01
5H040LL04
5H040LL06
5H040NN00
(57)【要約】
本開示は、エネルギー貯蔵システムの熱暴走の問題を管理する材料及びシステムに関する。例示的な実施形態は、絶縁バリアを形成するために封入された絶縁層を含む。絶縁バリアには粒子捕獲層が含まれる。粒子捕獲層は、絶縁バリアの圧縮中に絶縁バリアから放出される粒子を捕獲する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層であって、前記封入層が1つ以上の開口部を含む、前記封入層と、
前記封入層に結合された粒子捕獲層と、を含み、
前記絶縁バリアの圧縮中に生成される粒子及びガスが、前記封入層の前記1つ以上の開口部に向かって流れ、前記粒子が、少なくとも部分的に前記粒子捕獲層内に保持される、前記絶縁バリア。
【請求項2】
前記粒子捕獲層が、前記1つ以上の開口部にわたって、前記封入層の外部表面上に配置されており、前記絶縁バリアの圧縮中に生成される粒子が、前記封入層の前記1つ以上の開口部を通過し、少なくとも部分的に前記粒子捕獲層内に保持される、請求項1に記載の絶縁バリア。
【請求項3】
前記封入層が細長い開口部を含み、前記封入層内の前記細長い開口部が前記絶縁層の側面に沿って配置されるように、前記封入層が前記絶縁層を部分的に覆い、前記粒子捕獲層が前記封入層内の前記細長い開口部を覆って配置されるように、前記粒子捕獲層が前記封入層に結合される、請求項2に記載の絶縁バリア。
【請求項4】
前記封入層が、前記絶縁層の1つ以上の側面に沿って配置された複数の開口部を含み、前記粒子捕獲層が前記封入層内の前記複数の開口部を覆って配置されるように、前記粒子捕獲層が前記封入層に結合される、請求項2に記載の絶縁バリア。
【請求項5】
前記粒子捕獲層が、接着材料によって前記封入層に結合される、請求項3または請求項4に記載の絶縁バリア。
【請求項6】
前記接着材料が、前記粒子及びガスを前記粒子捕獲層に向ける前記粒子及びガスの前記流れに対するバリアとして機能するように、前記接着材料が前記開口部に近接して配置される、請求項5に記載の絶縁バリア。
【請求項7】
前記粒子捕獲層が前記封入層の内側に配置され、使用中、前記絶縁バリアの圧縮中に生成された粒子及びガスが、前記封入層の前記1つ以上の開口部を通過する前に前記粒子捕獲層に入り、少なくとも部分的に前記粒子捕獲層内に保持される、請求項1に記載の絶縁バリア。
【請求項8】
前記粒子捕獲層が発泡材料を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項9】
前記粒子捕獲層が、織布材料、不織布材料、または網状材料を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項10】
前記粒子捕獲層に結合された1つ以上のポリマーフィルムをさらに含み、前記ポリマーフィルムが、前記絶縁バリアの圧縮中に粒子を抑制する及び/または捕獲する、請求項1~9のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項11】
前記ポリマーフィルムの1つ以上が、前記ポリマーフィルムを通る前記粒子の流れを抑制し、前記ポリマーフィルムを通る前記ガスの通過を可能にするフィルタの形態をとっている、請求項10に記載の絶縁バリア。
【請求項12】
前記ポリマーフィルムの1つが、前記絶縁層の反対側の前記粒子捕獲層の一部分を覆う、請求項10に記載の絶縁バリア。
【請求項13】
前記ポリマーフィルムの1つが、前記絶縁層及び前記粒子捕獲層の一部分を覆う、請求項10に記載の絶縁バリア。
【請求項14】
前記絶縁層が、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項15】
前記絶縁層がエアロゲルを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項16】
前記封入層がポリマー材料を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項17】
前記封入層が、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項18】
電池モジュールであって、
複数の電池セルと、
請求項1~17のいずれか1項に記載の1つ以上の絶縁バリアと、を含み、少なくとも1つの絶縁バリアは隣接電池セルの間に配置される、前記電池モジュール。
【請求項19】
請求項18に記載の1つ以上の電池モジュールを含む電力システム。
【請求項20】
請求項18に記載の電池モジュールを含むデバイスまたは車両。
【請求項21】
前記デバイスは、ラップトップコンピューター、PDA、携帯電話、タグスキャナ、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ディスプレイパネル、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デスクトップコンピューター、軍用ポータブルコンピューター、軍用電話、レーザー測距器、デジタル通信デバイス、機密情報収集センサー、電子統合型衣料品、暗視機器、電動工具、電卓、無線、リモート制御機器、GPSデバイス、ハンドヘルドテレビ及びポータブルテレビ、カースターター、懐中電灯、音響デバイス、ポータブル加熱デバイス、ポータブル電気掃除機、またはポータブル医療ツールである、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記車両は電気自動車である、請求項20に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年7月2日に出願され、「Materials,Systems,and Methods for Mitigation of Electrical Energy Storage Thermal Events」と題された米国仮特許出願第63/218,205号、及び2022年2月17日に出願され、「Venting and Filtering Components for a Battery Barrier」と題された米国仮特許出願第63/311,299号に対する優先権を主張するものであり、これらの各米国仮特許出願の全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、一般に、電池モジュールまたは電池パックのガス抜き及びフィルタリングのための材料、システム、及び方法に関する。特に、本開示は、放出されたガス中の粒子状物質を捕獲しながら、ガスを絶縁バリアから逃がすことを可能にするフィルタ付きのガス抜きを提供する材料、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン電池等の再充電可能電池について、動力駆動のエネルギー貯蔵システムで広い用途があることが発見されている。リチウムイオン電池(LIB)は、携帯電話、タブレット、ラップトップ、電動工具等のポータブル電子デバイスを給電する際に広く使用され、そして、従来の電池と比較して、その高い作動電圧、低いメモリ効果、及び高エネルギー密度のため、電気自動車等の他の高電流のデバイスを給電する際にも広く使用されている。しかしながら、再充電可能電池が過充電され(設計電圧を超えて充電される)、過放電され、あるいは高温及び高圧で動作するとき、または高温及び高圧に曝されるとき等、LIBは「過酷状態」の下で突発故障の影響を受けやすいので、安全上の懸念がある。結果として、LIBの設計範囲外の状態に曝されるとき急速な自己発熱または熱暴走イベントによってLIBが故障し得るため、狭い動作温度範囲及び充電/放出速度はLIBの使用上の制限がある。
【0004】
取り出しできる熱よりも多くの熱が発生する点まで内部の反応速度が増加するとき、熱暴走は発生し得、反応速度及び発熱の両方のさらなる増加をもたらす。熱暴走中、高温は、電池の発熱反応の連鎖を誘発し、電池の温度が急増する。多くの場合、熱暴走が一方の電池セルで発生するとき、発生した熱は、熱暴走を受けるセルに密接してセルを速く加熱させる。熱暴走反応に追加される各セルは、反応を継続させる追加エネルギーを封じ込め、電池パック内で熱暴走伝播を生じさせ、最終的に、火事または爆発が生じる大事故をもたらす。熱伝達経路の迅速な熱放散及び効果的なブロックは、熱暴走伝播によって生じる危険性を減らす効果的な対策であり得る。
【0005】
電池熱暴走をもたらすメカニズムの理解に基づいて、電池構成要素の合理的設計により安全上の危険性を減らす目標で、多くのアプローチが検討されている。そのようなカスケード熱暴走イベントが発生することを防止するために、一般的に、LIBは、貯蔵されるエネルギーを十分に低く維持すること、または電池モジュールもしくは電池パックの内部のセルの間の熱バリアを利用すること、または隣接セルで発生し得る熱イベントからセルを絶縁すること、あるいはそれらの組み合わせ、のいずれか一方で設計される。前者は、そのようなデバイスに潜在的に貯蔵され得るエネルギー量を厳密に制限する。後者は、クローズセルを設置できる方式を制限することによって、有効エネルギー密度が制限される。
【0006】
エアロゲル材料は熱バリア材料として使用されている。エアロゲル熱バリアは、他の熱バリア材料に勝る多くの利点をもたらす。これらの利益のいくつかは、使用される材料の厚さ及び重量を最小にしながら熱伝播及び火災伝播に対する好ましい抵抗を含む。エアロゲル熱バリアは、また、圧縮率、圧縮弾力性、及びコンプライアンスに関する好ましい特性を有する。いくつかのエアロゲルベース熱バリアは、その軽量及び低剛性により、特に大量生産の状況で、電池セルの間に設置することが困難になる可能性がある。さらに、エアロゲル熱バリアは、電気貯蔵システムに有害になる可能性がある粒子状物質(ほこり)を生成する傾向があり、製造上の課題が生じる。
【0007】
エアロゲル材料の取り扱いに関連する問題を軽減するために、エアロゲル熱バリアは封入されることがある。エアロゲル熱バリアを封入するために使用される封入材料は、一般に、熱バリアの周囲に気密シールを作り、粒子状物質が絶縁バリアから放出するのを防ぐ。
【発明の概要】
【0008】
本開示の目的は、上述した前述の方法及び材料の少なくとも1つの不利点を未然に防ぐまたは軽減することである。本明細書に提供される絶縁バリアは、電池モジュールまたは電池パックに使用される熱バリアの封入及び扱いを改善するように設計されている。
【0009】
本開示の態様では、電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアは、少なくとも1つの絶縁層と、絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層であって、封入層が1つ以上の開口部を含む、封入層と、封入層に結合された粒子捕獲層と、を含む。絶縁バリアの圧縮中に生成される粒子及びガスが、封入層の1つ以上の開口部に向かって流れる。粒子及びガスは粒子捕獲層を通って流れ、そこで粒子の少なくとも一部が粒子捕獲層内に保持される。
【0010】
本開示の態様では、粒子捕獲層は、1つ以上の開口部にわたって、封入層の外部表面上に配置される。絶縁バリアの圧縮中に生成される粒子が、封入層の1つ以上の開口部を通過し、少なくとも部分的に粒子捕獲層内に保持される。
【0011】
本開示の態様では、封入層は細長い開口部を有する。封入層内の細長い開口部が絶縁層の側面に沿って配置されるように、封入層が絶縁層を部分的に覆う。粒子捕獲層が封入層内の細長い開口部を覆って配置されるように、粒子捕獲層が封入層に結合される。
【0012】
本開示の態様では、封入層は、絶縁層の1つ以上の側面に沿って配置された複数の開口部を有する。粒子捕獲層が封入層内の複数の開口部を覆って配置されるように、粒子捕獲層が封入層に結合される。
【0013】
本開示のいくつかの態様では、粒子捕獲層は、接着材料によって封入層に結合される接着材料は、粒子及びガスを粒子捕獲層に向ける粒子及びガスの流れに対するバリアとして機能するように、封入層の開口部に近接して配置される。
【0014】
本開示の態様では、粒子捕獲層は封入層の内側に配置される。使用中、絶縁バリアの圧縮中に生成された粒子及びガスが、封入層の1つ以上の開口部を通過する前に粒子捕獲層に入り、少なくとも部分的に粒子捕獲層内に保持される。
【0015】
粒子捕獲層は、発泡材料、織布材料、不織布材料、または網状材料であり得る。
【0016】
本開示の態様では、絶縁バリアは、粒子捕獲層に結合された1つ以上のポリマーフィルムを含む。ポリマーフィルムは、絶縁バリアの圧縮中に粒子を抑制する及び/または捕獲する。ポリマーフィルムの1つ以上は、ポリマーフィルムを通る粒子の流れを抑制し、ポリマーフィルムを通るガスの通過を可能にするフィルタの形態をとり得る。本開示の態様では、ポリマーフィルムの1つは、絶縁層の反対側の粒子捕獲層の一部分を覆う。本開示の別の態様では、ポリマーフィルムの1つは、絶縁層及び粒子捕獲層の一部分を覆う。
【0017】
本開示の態様では、絶縁層は、該絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する。本開示の態様では、絶縁層はエアロゲルを含む。
【0018】
本開示の態様では、絶縁層はエアロゲル材料を含む。
【0019】
本開示の態様では、封入層はポリマー材料を含む。本開示のいくつかの態様では、封入層は、ポリマー材料と、ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む。
【0020】
本開示の別の態様では、電池モジュールは、複数の電池セルと、本明細書に説明されるように、隣接電池セルの間に配置された1つ以上の絶縁バリアとを含む。
【0021】
別の態様では、本明細書に提供されるデバイスまたは車両は、上記の態様のいずれか1つに従った電池モジュールまたは電池パックを含む。いくつかの実施形態では、該デバイスは、ラップトップコンピューター、PDA、携帯電話、タグスキャナ、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ディスプレイパネル、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デスクトップコンピューター、軍用ポータブルコンピューター、軍用電話、レーザー測距器、デジタル通信デバイス、機密情報収集センサー、電子統合型衣料品、暗視機器、電動工具、電卓、無線、リモート制御機器、GPSデバイス、ハンドヘルドテレビ及びポータブルテレビ、カースターター、懐中電灯、音響デバイス、ポータブル加熱デバイス、ポータブル電気掃除機、またはポータブル医療ツールである。いくつかの実施形態では、車両は電気自動車である。
【0022】
本明細書に説明される絶縁バリアは、既存の熱暴走軽減対策に勝る1つ以上の利点をもたらす可能性がある。本明細書に説明される絶縁バリアは、電池モジュールまたは電池パックのエネルギー密度、及び組み立てコストに著しく影響を与えることなく、セルの熱暴走伝播を最小にする、またはなくすことができる。本開示の絶縁バリアは、セルの耐用期間中に継続するセルの膨張に適応する圧縮率、圧縮弾力性、及びコンプライアンスに関する好ましい特性を提供できる一方、正常動作状態下で及び熱暴走状態下で好ましい熱特性を保有する。本明細書に説明される絶縁バリアは、耐久性があり、扱うのが容易であり、使用される材料の厚さ及び重量を最小にしながら熱伝播及び火災伝播に対する好ましい抵抗があり、また、圧縮率、圧縮弾力性、及びコンプライアンスに関する好ましい特性も有する。
【0023】
したがって、一般的な用語で本開示に説明されるが、ここで、必ずしも縮尺通りに描かれていない添付図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】A及びBは、絶縁層の側面に結合される粒子捕獲層を有した絶縁バリアの投影図である。
【
図2】A及びBは、封入層によって部分的に覆われた絶縁層の側面に結合される粒子捕獲層を有した絶縁バリアの投影図である。
【
図3】絶縁層の側面に結合される粒子捕獲層を有しており、粒子捕獲層が絶縁層で封入されている絶縁バリアの投影図である。
【
図4】封入された絶縁層を有しており、粒子捕獲層が絶縁層の側壁に結合されている絶縁バリアの端面図及び側面図を示す。
【
図5】ポリマーフィルムフィルタ層を有する絶縁バリアの投影図を示す。
【
図6】絶縁層で封入された粒子捕獲層と、ガスが絶縁バリアから排出されることを可能にする封入層の1つ以上の開口部とを有する絶縁バリアの概略図を示す。
【
図7】粒子捕獲層が接着剤を介して封入層に結合された封入された絶縁層を有する絶縁バリアの概略図を示す。
【
図8】粒子捕獲層が接着剤を介して封入層に結合された封入された絶縁層を有する絶縁バリアの代替の概略図を示す。
【
図9】電池セル間に絶縁バリアを有する電池モジュールの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、様々な修正形態及び代替形態を受け入れる余地があり得るが、その特定の実施形態が例として図面に示され、本明細書で詳細に説明されることになる。図面は、縮尺通りではない場合がある。しかしながら、図面及びそれに対する詳細な説明は、本発明を開示された特定の形態に限定することを意図したものではなく、それとは逆に、その意図は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨及び範囲に入る全ての修正形態、均等物、及び代替形態を対象として含むことであることを理解されたい。
【0026】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明では、その一部を形成し、実例として、本開示が実施され得る特定の実施形態が示される添付図への参照がなされる。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、構造的変化がなされ得ることを理解されたい。
【0027】
本開示は、エネルギー貯蔵システムにおける熱暴走の問題を管理するために、絶縁バリア、及び絶縁バリアを含むシステムを対象とする。例示的な実施形態は、少なくとも1つの絶縁層と、絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層とを含む絶縁バリアを含む。
【0028】
絶縁層は、通常、電池セルまたは電池モジュールを分離するために使用されるいずれかの種類の絶縁層を含み得る。例示的な絶縁層は、限定ではないが、ポリマー系熱バリア(例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、及び芳香族ポリアミド(アラミド))、相変化材料、膨張材料、エアロゲル材料、ミネラル系バリア(例えば、雲母)、及び無機熱バリア(例えば、バリアを含有する繊維ガラス)を含む。
【0029】
好ましい実施形態では、絶縁層はエアロゲル材料を含む。エアロゲル絶縁層の記述は、米国特許出願公開第2021/0167438号、及び米国仮特許出願第63/218,205号に説明されており、それらの特許文献の両方は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0030】
絶縁層は、該絶縁層の厚さ寸法を通して、最大約5MPaの荷重がかかるとき、25℃において、約50mW/mK以下、約40mW/mK以下、約30mW/mK以下、約25mW/mK以下、約20mW/mK以下、約18mW/mK以下、約16mW/mK以下、約14mW/mK以下、約12mW/mK以下、約10mW/mK以下、約5mW/mK以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の熱伝導率を有し得る。
【0031】
絶縁層は、電池モジュールまたは電池パックに絶縁層を組み込むことが困難になるいくつかの異なる物理特性を有し得る。例えば、いくつかの絶縁層は、非常に低い曲げ弾性率(例えば、10MPa未満)を有し、電池セルの間で材料を扱うこと及び位置付けることが困難になる。加えて、曲げ弾性率が低い材料は、特に自動封入プロセスを使用する場合、操作することが困難になる可能性がある。絶縁層によっては、電気貯蔵システムに有害になる可能性がある粒子状物質(ほこり)を生成する傾向があり、製造上の課題が生じる。
【0032】
これらの問題は、封入層を使用することによって軽減することができる。封入層は、電池モジュール中または電池パック中に粒子状物質が放出されるのを抑制しまたは防止するように、絶縁層の少なくとも一部分を囲む。封入層は、一般に、粒子及びガスが封入層に出入りできないように、絶縁層を囲んで封止される。封入層の圧縮中に、封入層は、破裂する可能性があり、または放出粒子及びガスを電池モジュール内に漏出させる可能性がある。この問題を軽減するために、封入層に対し改良が行われ得る。第1の改良形態は、封入層に1つ以上の開口部が設けられたものである。これらの開口部は、ガス及び粒子が封入層から出ることを可能にする流路を提供する。第2の改良形態は、封入層に粒子捕獲層を結合することである。絶縁バリアの圧縮中に生成される粒子及びガスは、封入層の1つ以上の開口部に向かって流れるようになり、ガスと共に流れる粒子状物質は少なくとも部分的に粒子捕獲層内に保持される。
【0033】
封入層は単層または多層の材料である。封入層は、薄膜、エンベロープ、またはバッグの形態であり得る。封入層は、絶縁層を包囲するのに適切ないずれかの材料から作ることができる。封入層を形成するために使用される材料は、ポリマー、エラストマー、またはそれらの組み合わせから選択できる。ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン、ポリアミド、ゴム、及びナイロン等の適切なポリマーの例は、システム全体にわたる平面の熱伝導率を下げる影響をもたらす非常に低い熱伝導率(1W/m未満)を有する。一実施形態では、封入層はポリエチレンテレフタレートポリマーを含む。
【0034】
別の実施形態では、封入層は多層材料から成る。例えば、パウチ電池セルケースを形成するために使用される材料と同様の多層材料を使用し得る。一実施形態では、封入層は、3つの層、つまり、第1のポリマー層、第2の熱伝導層、及び第3のポリマー層を含むラミネートを含み、熱伝導層は第1のポリマー層と第3のポリマー層との間に挟着される。第1のポリマー層及び第3のポリマー層は、好ましくは、非常に低い熱伝導率(1W/m未満)を有するポリマーから形成される。第1のポリマー層及び第3のポリマー層に使用できるポリマーの例は、限定ではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリアミド、及びナイロンを含む。第2の層で使用できる熱伝導材料の例は、限定ではないが、金属(例えば、銅、ステンレス鋼、またはアルミニウム)、炭素繊維、グラファイト、及び炭化ケイ素を含む。金属熱伝導層を使用するとき、金属は、ポリマー層の間に挟着されるホイルの形態であり得る。
【0035】
別の実施形態では、封入層は、3つの層、つまり、第1のポリマー層、第2の難燃層、及び第3のポリマー層を含むラミネートを含み、難燃層は第1のポリマー層と第3のポリマー層との間に挟着される。前述に説明したように、第1のポリマー層及び第3のポリマー層は、好ましくは、非常に低い熱伝導率(1W/m未満)を有するポリマーから形成される。第2の層で使用できる難燃材料の例は、限定ではないが、金属(例えば、銅、ステンレス鋼、またはアルミニウム)、雲母、ポリベンゾイミダゾール繊維(PBI繊維)、被覆ナイロン、メラミン、モダクリル、及び芳香族ポリアミド(アラミド)を含む。金属熱伝導層を使用するとき、金属は、ポリマー層の間に挟着されるホイルの形態であり得る。
【0036】
金属は、ラミネート封入層で使用される好ましい材料である。金属は、熱伝導特性及び難燃性の両方を封入層に提供する。難燃性及び熱伝導性の両方を提供するために単一の材料を使用することによって、封入層の厚さを最小にできる。
【0037】
粒子捕獲層を含む絶縁バリアの実施形態が、
図1A及び
図1Bに示される。絶縁バリア100は、絶縁層110を含む。絶縁層110は、封入層120によって囲まれている。
図1Bに示すように、1つ以上の開口部130が封入層120内に形成され得る。粒子捕獲層140は、封入層120に結合されている。この実施形態では、粒子捕獲層140は、1つ以上の開口部にわたって、封入層120の外部表面上に配置される。絶縁バリアの圧縮中に、粒子及びガスは、封入層の開口部の1つ以上に向かって流れる。粒子及びガスが開口部を通過すると、ガス及び粒子は粒子捕獲層に入り、そこで粒子の少なくとも一部が粒子捕獲層内に保持される。この実施形態及び他のいずれかの実施形態では、粒子捕獲層は絶縁層の端部に配置されているように図示されているが、粒子捕獲層、及び封入層内の開口部は、絶縁層の任意の側面(すなわち、上面、底面、前側壁、後側壁、前端及び後端)に沿って配置されてよいことを理解されたい。
【0038】
本明細書に使用されるような粒子捕獲層は、材料に衝突する粒子を閉じ込めることができる材料の層を指す。粒子捕獲層に使用される材料の例は、限定ではないが、発泡体(オープンセルまたはクローズドセル)、織布材料、不織布材料(例えば、フェルト、中綿、マット状の布)、または網状材料を含む。概して、粒子捕獲層は、ガスが材料を通過することを可能にする材料から作られている一方、粒子は粒子捕獲層に保持される。
【0039】
粒子捕獲層を含む絶縁バリアの実施形態が、
図2A及び
図2Bに示される。絶縁バリア200は、絶縁層210を含む。絶縁層210は、封入層220によって囲まれている。
図2Bに示すように、封入層は、絶縁層のある側面に沿って完全に封止されていない。このようにして、絶縁層の側面全体に沿った単一の細長い開口部230が形成される。粒子捕獲層240は、細長い開口部230を覆って結合される。この実施形態では、粒子捕獲層240は、絶縁層210の外部表面上に配置される。絶縁バリアの圧縮中に、粒子及びガスは、封入層の細長い開口部に向かって流れる。粒子及びガスが開口部を通過すると、ガス及び粒子は粒子捕獲層に入り、そこで粒子の少なくとも一部が粒子捕獲層内に保持される。
【0040】
粒子捕獲層を含む絶縁バリアの別の実施形態が、
図3に示される。絶縁バリア300は、絶縁層310を含む。絶縁層310は、封入層320によって囲まれている。1つ以上の開口部330が封入層320内に形成され得る。粒子捕獲層340は、封入層320に結合されている。この実施形態では、粒子捕獲層340は、絶縁層310と封入層320との間に、1つ以上の開口部と流体接触して配置される。絶縁バリアの圧縮中に、粒子及びガスは、封入層の開口部の1つ以上に向かって流れる。粒子及びガスが開口部に向かって進むと、ガス及び粒子は粒子捕獲層に入り、そこで粒子の少なくとも一部が粒子捕獲層内に保持される。ガスは粒子捕獲層340を進み続け、開口部330を通って外へ出る。ガスが材料を通過するとき、粒子は実質的に粒子捕獲層において保持される。
【0041】
粒子捕獲層を含む絶縁バリアの別の実施形態が、
図4に示される。絶縁バリア400は、絶縁層410を含む。絶縁層410は、封入層420によって囲まれている。封入層420の側壁には、1つ以上の開口部430が形成され得る。粒子捕獲層440は、接着剤450(例えば、接着ストリップ)を使用して封入層420に取り付けられる。この実施形態では、粒子捕獲層440は、封入層に形成された開口部を覆って配置される。絶縁バリアの圧縮中に、粒子及びガスは、封入層の開口部の1つ以上に向かって流れる。粒子及びガスが開口部430を通過すると、ガス及び粒子は粒子捕獲層440に入り、そこで粒子の少なくとも一部が粒子捕獲層内に保持される。ガスが材料を通過するとき、粒子は実質的に粒子捕獲層において保持される。
【0042】
粒子捕獲層を含む絶縁バリアの別の実施形態が、
図5A及び
図5Bに示される。絶縁バリア500は、絶縁層510を含む。粒子捕獲層540は、絶縁層510に結合されている。いくつかの実施形態では、絶縁層と粒子捕獲層との間に第1のポリマーフィルム515が配置される。絶縁層510、第1のポリマーフィルム515、及び粒子捕獲層540は、封入層520によって囲まれている。1つ以上の開口部530が封入層520内に形成され得る。第2のポリマーフィルム550が、粒子捕獲層540に結合され、絶縁層510、粒子捕獲層540、及び開口部530の間に配置される。第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルムは、ガスがフィルムを通過できるようにするが、フィルムを通る粒子の進行を阻止するフィルタの形態であってもよい。使用できるポリマー材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリプロピレン(PP)がある。第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルムは、薄いフィルム(例えば、1mm未満の厚さを有するポリマーフィルム)である。絶縁バリアの圧縮中に、粒子及びガスは、封入層の開口部の1つ以上に向かって流れる。第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルムは、粒子が開口部に向かって押し出されるときに、粒子の少なくとも一部を捕獲するフィルタとして機能する。ガスは粒子捕獲層540を進み続け、開口部530を通って外へ出る。ガスが材料を通過するとき、粒子は実質的に粒子捕獲層において保持される。
【0043】
粒子捕獲層を含む絶縁バリアの別の実施形態が、
図6に示される。絶縁バリア600は、絶縁層610を含む。粒子捕獲層640は、絶縁層610に結合されている。粒子捕獲層640には、ポリマーフィルム650が結合されている。絶縁層610、ポリマーフィルム650、及び粒子捕獲層640は、封入層620によって囲まれている。封入層620に、1つ以上の開口部630が形成されている。ポリマーフィルム650は、粒子捕獲層640と1つ以上の開口部630との間に配置される。ポリマーフィルム650は、ガス及び粒子の通過に対して不透過性であり得る。絶縁バリアの圧縮中に、粒子及びガスは、封入層の開口部の1つ以上に向かって流れる。ポリマーフィルム650のバリア特性により、粒子捕獲層に入るガス及び粒子は、ガスが開口部630から排出される前に、粒子捕獲層を通して開口部からさらに離れる方へ向けられる。粒子捕獲材料の中を通る流路を延長することにより、粒子捕獲効率が向上する。
【0044】
粒子捕獲層を含む絶縁バリアの別の実施形態が、
図7に示される。絶縁バリア700は、絶縁層710を含む。絶縁層710は、封入層720によって囲まれている。接着剤760(例えば、接着ストリップまたは接着パッド)を使用して封入層に粒子捕獲層を取り付けることにより、絶縁層710に粒子捕獲層740が結合される。粒子捕獲層740には、ポリマーフィルム750が結合されている。封入層720に、1つ以上の開口部730が形成されている。ポリマーフィルム750は、粒子捕獲層740の絶縁層710とは反対側に配置される。ポリマーフィルム750は、ガス及び粒子の通過に対して不透過性であり得る。
図7に示すように、絶縁バリアの圧縮中に、粒子及びガスは、封入層の開口部の1つ以上に向かって流れ、そこを通過する。ポリマーフィルム750のバリア特性により、ガス及び粒子は、ガスが粒子捕獲層から排出される前に、粒子捕獲層中を通される。接着剤760は、粒子及びガスの流れに対する追加のバリアを作る。接着剤760は、封入層から漏れ出る粒子及びガスを粒子捕獲層に向ける。粒子捕獲材料の中を通る流路に方向性を持たせることにより、粒子捕獲効率が向上する。
【0045】
粒子捕獲層を含む絶縁バリアの別の実施形態が、
図8に示される。絶縁バリア800は、絶縁層810を含む。絶縁層810は、封入層820によって囲まれている。接着剤860(例えば、接着ストリップまたは接着パッド)を使用して封入層に粒子捕獲層を取り付けることにより、絶縁層810に粒子捕獲層840が結合される。粒子捕獲層840には、ポリマーフィルム850が結合されている。封入層820に、1つ以上の開口部830が形成されている。ポリマーフィルム850は、粒子捕獲層840の絶縁層810とは反対側に配置される。ポリマーフィルム850は、ガス及び粒子の通過に対して不透過性であり得る。
図8に示すように、絶縁バリアの圧縮中に、粒子及びガスは、封入層の開口部の1つ以上に向かって流れ、そこを通過する。ポリマーフィルム850のバリア特性により、ガス及び粒子は、ガスが粒子捕獲層から排出される前に、粒子捕獲層中を通される。接着剤860は、粒子及びガスの流れに対する追加のバリアを作る。接着剤860は、粒子及びガスをさらに粒子捕獲層に向けて、粒子を捕獲するためのより長い流路を提供する。粒子捕獲材料の中を通る流路に方向性を持たせることにより、粒子捕獲効率が向上する。
【0046】
本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容が明らかに他の意味が示される場合を除き、複数形の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される「または(or)」という用語は、概して、文脈上明らかに他の意味が示される場合を除き、「及び/または(and/or)」を含む意味で利用される。
【0047】
本開示の文脈内で、「エアロゲル」、「エアロゲル材料」、または「エアロゲルマトリクス」という用語はゲルを指し、ゲルは、相互接続された細孔の対応する網状組織が骨格内に統合された、相互接続構造の骨格を含み、分散隙間媒体として空気等のガスを封じ込め、そして、ゲルは、以下の(a)~(c)のエアロゲルに起因する以下の物理的特性及び構造的特性(窒素ポロシメトリー試験に従った特性)を特徴とする:(a)約2nm~約100nmの範囲にわたる平均孔径、(b)少なくとも80%以上の気孔率、及び(c)約100m2/g以上の表面積。
【0048】
したがって、本開示のエアロゲル材料は、前述の段落に記載された定義した要素を満足するいずれかのエアロゲルまたは他のオープンセル型材料を含み、それ以外の場合、キセロゲル、クライオゲル、アンビゲル、微小孔材料等として分類できる材料を含む。
【0049】
本開示の文脈内で、「熱暴走」への言及は、概して、様々な動作要因によるセル温度及び圧力の突然の増加、急速な増加を指し、熱暴走は、さらには、関連のモジュール全体にわたって過度温度の伝播をもたらす可能性がある。そのようなシステムで熱暴走の潜在的な原因は、例えば、セルの欠陥及び/または短絡(内部及び外部の両方)、過充電、事故のイベント等のセルの絶縁破壊または断裂等、及び過度周辺温度(例えば、一般的に55℃よりも大きい温度)を含み得る。通常の使用では、内部抵抗の結果として、セルは加熱する。通常の電力/電流の負荷及び周囲動作状態において、ほとんどのLiイオンのセル内の温度は、20℃~55℃の範囲にとどまるように比較的容易に制御できる。しかしながら、高いセル/周辺温度における高電力の引き出し、同様に個々のセルの欠陥等の負担のかかる状態では、局所発熱が急に増加し得る。特に、臨界温度を上回ると、セル内の発熱化学反応は活性化する。さらに、一般的に、化学的発熱により、温度が急激に増加する。結果として、発熱は利用可能な熱放散よりもはるかに大きい。熱暴走により、セルの通気口及び内部の温度が200℃を超える可能性がある。
【0050】
本開示の文脈内で、「熱伝導率」及び「TC」という用語は、2つの表面の間で温度差がある材料または組成物のいずれかの側の2つの表面の間に熱を伝達する材料または組成物の能力の測定値を指す。熱伝導率は、具体的には、単位時間毎に及び単位表面積毎に伝達された熱エネルギーを温度差で割ったものとして測定される。通常、SI単位でmW/m*K(ミリワット/メートル*ケルビン)として記録される。材料の熱伝導率は、当技術分野で既知の以下の試験方法によって判定され得る。試験方法は、限定ではないが、Test Method for Steady-State Thermal Transmission Properties by Means of the Heat Flow Meter Apparatus(ASTM C518,ASTM International,West Conshohocken,PA)、Test Method for Steady-State Heat Flux Measurements and Thermal Transmission Properties by Means of the Guarded-Hot-Plate Apparatus(ASTM C177,ASTM International,West Conshohocken,PA)、Test Method for Steady-State Heat Transfer Properties of Pipe Insulation(ASTM C335,ASTM International,West Conshohocken,PA)、Thin Heater Thermal Conductivity Test(ASTM C1114,ASTM International,West Conshohocken,PA)、Standard Test Method for Thermal Transmission Properties of Thermally Conductive Electrical Insulation Materials(ASTM D5470,ASTM International,West Conshohocken,PA)、Determination of thermal resistance by means of guarded hot plate and heat flow meter methods(EN 12667,British Standards Institution,United Kingdom)、またはDetermination of steady-state thermal resistance and related properties-Guarded hot plate apparatus(ISO 8203,International Organization for Standardization,Switzerland)を含む。場合によって異なる結果をもたらす異なる方法により、本開示の文脈内で、明示的に別段の定めをした場合を除き、熱伝導率の測定値は、周囲環境の大気圧で約37.5℃の温度で、また約2psiの圧縮負荷がかかるとき、ASTM C518規格(Test Method for Steady-State Thermal Transmission Properties by Means of the Heat Flow Meter Apparatus)に従って取得されることを理解されたい。ASTM C518のとおり報告された測定値は、一般的に、圧縮負荷に対するいずれかの関連の調整でEN12667のとおり行われた測定値のいずれかと十分に相関関係がある。
【0051】
また、熱伝導率の測定値は、圧縮時の大気圧において約10℃の温度で獲得できる。10℃における熱伝導率の測定値は、概して、37.5℃における対応する熱伝導率の測定値よりも低い0.5~0.7mW/mKである。特定の実施形態では、本開示の絶縁層は、10℃において、約40mW/mK以下、約30mW/mK以下、約25mW/mK以下、約20mW/mK以下、約18mW/mK以下、約16mW/mK以下、約14mW/mK以下、約12mW/mK以下、約10mW/mK以下、約5mW/mK以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の熱伝導率を有する。
【0052】
電池モジュールまたは電池パックの内部での絶縁バリアの使用
リチウムイオン電池(LIB)は、従来の電池と比較して、その高い作動電圧、低いメモリ効果、及び高エネルギー密度のため、最も重要なエネルギー貯蔵技術のうちの1つであると考えられる。しかしながら、安全上の懸念は、LIBの大規模利用を妨げる障壁がかなりある。過酷状態下では、発熱反応は、後続の危険反応を誘発する可能性がある放熱をもたらし得る。過酷状態のセルからの放熱が連鎖反応を活性化する可能性があるとき状況が悪化し、突発的な熱暴走が生じる。
【0053】
LIBのエネルギー密度の継続的な改善により、電気デバイス、例えば電気自動車の開発に関して、その安全性を高めることがますます急を要するようになっている。安全性の問題の背後にあるメカニズムは、異なる電池化学反応ごとに変わる。本技術は、好ましい熱特性及び機械特性を取得するために、絶縁バリアを調製することと、その調製したバリアに対応する構成に注目している。本技術の絶縁バリアは、正常状態下で、同様に熱暴走状態下で、効果的な熱放散対策を提供する一方、正常動作モード下でLIBの安定性(例えば、加えられた圧縮応力に耐えること)を確実にする。
【0054】
本明細書に開示される絶縁バリアは、任意の構成の電池の電池セルまたは電池構成要素、例えばパウチセル、円筒形セル、プリズムセル、同様に、そのような任意のセルを組み込むまたは含むパック及びモジュールを分離、絶縁、及び保護するのに有用である。本明細書に開示される絶縁バリアは、再充電可能電池、例えば、リチウムイオン電池、ソリッドステート電池、及びいずれかの他のエネルギー貯蔵デバイス、または分離、絶縁、及び保護を必要とする技術で有用である。
【0055】
冷却システム等のパッシブデバイスは、電池モジュールまたは電池パックの内部の本開示の絶縁バリアと併せて使用され得る。
【0056】
電池パックの本開示の様々な実施形態に従った絶縁バリアは、単一の電池セル、または電池セルのモジュールを熱的に相互に分離するために、該単一の電池セルの複数のもの、または電池セルのモジュールを含む。電池モジュールは、単一の筐体に配置された複数の電池セルから成る。電池パックは複数の電池モジュールから成る。
図9は、複数の電池セル950を有する電池モジュール900の実施形態を示す。バッテリセル950の間に、封入された絶縁バリア925が配置される。封入された絶縁バリアは、電池セルが熱暴走または他の何らかの破局的な電池セルの故障に陥ったときに、隣接する電池セルの破損を抑制しまたは防止することができる。
【0057】
電池モジュール及び電池パックを使用して、電気エネルギーをデバイスまたは車両に供給できる。電池モジュールまたは電池パックを使用するデバイスは、限定ではないが、ラップトップコンピューター、PDA、携帯電話、タグスキャナ、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ディスプレイパネル、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デスクトップコンピューター、軍用ポータブルコンピューター、軍用電話、レーザー測距器、デジタル通信デバイス、機密情報収集センサー、電子統合型衣料品、暗視機器、電動工具、電卓、無線、リモート制御機器、GPSデバイス、ハンドヘルドテレビ及びポータブルテレビ、カースターター、懐中電灯、音響デバイス、ポータブル加熱デバイス、ポータブル電気掃除機、またはポータブル医療ツールを含む。車両に使用されるとき、電池パックは、全電気式車両のために、またはハイブリッド車で使用できる。
【0058】
この特許では、特定の米国特許、米国特許出願、及び他の資料(例えば、論文)は参照によって組み込まれている。しかしながら、そのような米国特許、米国特許出願、及び他の資料の文章は、そのような文章と、本明細書に記載される他の主張及び図面との間に矛盾が存在しない範囲内だけで、参照によって組み込まれる。そのような矛盾がある場合、参照される米国特許、米国特許出願、及び他の資料によって、そのように組み込まれたいずれかのそのような矛盾する文章は、具体的には、この特許に参照によって組み込まれていない。
【0059】
本発明の様々な態様のさらなる改良形態及び代替形態の実施形態は、この説明を考慮して当業者に明らかである。したがって、この説明は、例証だけとして解釈され、本発明を実行する一般的な方式を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され及び説明される本発明の形式は、複数の実施形態の例として見なされることを理解されたい。本発明のこの説明の利益をもたらした後、全て当業者に明らかであろうように、要素及び材料は、本明細書に示され、説明されるものに置き換えられ得、そして部品及びプロセスは逆になり得、本発明の特定の特徴は、独立して利用され得る。以下の特許請求の範囲に説明されるような本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に説明される要素において変更がなされ得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
本発明の様々な態様のさらなる改良形態及び代替形態の実施形態は、この説明を考慮して当業者に明らかである。したがって、この説明は、例証だけとして解釈され、本発明を実行する一般的な方式を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され及び説明される本発明の形式は、複数の実施形態の例として見なされることを理解されたい。本発明のこの説明の利益をもたらした後、全て当業者に明らかであろうように、要素及び材料は、本明細書に示され、説明されるものに置き換えられ得、そして部品及びプロセスは逆になり得、本発明の特定の特徴は、独立して利用され得る。以下の特許請求の範囲に説明されるような本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に説明される要素において変更がなされ得る。
本発明に関連する発明の実施形態の一部を以下に示す。
[実施形態1]
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層であって、前記封入層が1つ以上の開口部を含む、前記封入層と、
前記封入層に結合された粒子捕獲層と、を含み、
前記絶縁バリアの圧縮中に生成される粒子及びガスが、前記封入層の前記1つ以上の開口部に向かって流れ、前記粒子が、少なくとも部分的に前記粒子捕獲層内に保持される、前記絶縁バリア。
[実施形態2]
前記粒子捕獲層が、前記1つ以上の開口部にわたって、前記封入層の外部表面上に配置されており、前記絶縁バリアの圧縮中に生成される粒子が、前記封入層の前記1つ以上の開口部を通過し、少なくとも部分的に前記粒子捕獲層内に保持される、実施形態1に記載の絶縁バリア。
[実施形態3]
前記封入層が細長い開口部を含み、前記封入層内の前記細長い開口部が前記絶縁層の側面に沿って配置されるように、前記封入層が前記絶縁層を部分的に覆い、前記粒子捕獲層が前記封入層内の前記細長い開口部を覆って配置されるように、前記粒子捕獲層が前記封入層に結合される、実施形態2に記載の絶縁バリア。
[実施形態4]
前記封入層が、前記絶縁層の1つ以上の側面に沿って配置された複数の開口部を含み、前記粒子捕獲層が前記封入層内の前記複数の開口部を覆って配置されるように、前記粒子捕獲層が前記封入層に結合される、実施形態2に記載の絶縁バリア。
[実施形態5]
前記粒子捕獲層が、接着材料によって前記封入層に結合される、実施形態3または実施形態4に記載の絶縁バリア。
[実施形態6]
前記接着材料が、前記粒子及びガスを前記粒子捕獲層に向ける前記粒子及びガスの前記流れに対するバリアとして機能するように、前記接着材料が前記開口部に近接して配置される、実施形態5に記載の絶縁バリア。
[実施形態7]
前記粒子捕獲層が前記封入層の内側に配置され、使用中、前記絶縁バリアの圧縮中に生成された粒子及びガスが、前記封入層の前記1つ以上の開口部を通過する前に前記粒子捕獲層に入り、少なくとも部分的に前記粒子捕獲層内に保持される、実施形態1に記載の絶縁バリア。
[実施形態8]
前記粒子捕獲層が発泡材料を含む、実施形態1~7のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[実施形態9]
前記粒子捕獲層が、織布材料、不織布材料、または網状材料を含む、実施形態1~7のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[実施形態10]
前記粒子捕獲層に結合された1つ以上のポリマーフィルムをさらに含み、前記ポリマーフィルムが、前記絶縁バリアの圧縮中に粒子を抑制する及び/または捕獲する、実施形態1~9のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[実施形態11]
前記ポリマーフィルムの1つ以上が、前記ポリマーフィルムを通る前記粒子の流れを抑制し、前記ポリマーフィルムを通る前記ガスの通過を可能にするフィルタの形態をとっている、実施形態10に記載の絶縁バリア。
[実施形態12]
前記ポリマーフィルムの1つが、前記絶縁層の反対側の前記粒子捕獲層の一部分を覆う、実施形態10に記載の絶縁バリア。
[実施形態13]
前記ポリマーフィルムの1つが、前記絶縁層及び前記粒子捕獲層の一部分を覆う、実施形態10に記載の絶縁バリア。
[実施形態14]
前記絶縁層が、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、実施形態1~12のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[実施形態15]
前記絶縁層がエアロゲルを含む、実施形態1~13のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[実施形態16]
前記封入層がポリマー材料を含む、実施形態1~14のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[実施形態17]
前記封入層が、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、実施形態1~14のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[実施形態18]
電池モジュールであって、
複数の電池セルと、
実施形態1~17のいずれか1項に記載の1つ以上の絶縁バリアと、を含み、少なくとも1つの絶縁バリアは隣接電池セルの間に配置される、前記電池モジュール。
[実施形態19]
実施形態18に記載の1つ以上の電池モジュールを含む電力システム。
[実施形態20]
実施形態18に記載の電池モジュールを含むデバイスまたは車両。
[実施形態21]
前記デバイスは、ラップトップコンピューター、PDA、携帯電話、タグスキャナ、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ディスプレイパネル、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デスクトップコンピューター、軍用ポータブルコンピューター、軍用電話、レーザー測距器、デジタル通信デバイス、機密情報収集センサー、電子統合型衣料品、暗視機器、電動工具、電卓、無線、リモート制御機器、GPSデバイス、ハンドヘルドテレビ及びポータブルテレビ、カースターター、懐中電灯、音響デバイス、ポータブル加熱デバイス、ポータブル電気掃除機、またはポータブル医療ツールである、実施形態20に記載のデバイス。
[実施形態22]
前記車両は電気自動車である、実施形態20に記載の車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層であって、前記封入層が1つ以上の開口部を含む、前記封入層と、
前記封入層に結合され
、かつ、前記少なくとも1つの絶縁層と前記封入層との間に配置された粒子捕獲層と、を含み、
前記絶縁バリアの圧縮中に生成される粒子及びガスが、前記封入層の前記1つ以上の開口部に向かって流れ、前記粒子が、少なくとも部分的に前記粒子捕獲層内に保持される、前記絶縁バリア。
【請求項2】
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層であって、前記封入層が1つ以上の開口部を含む、前記封入層と、
前記封入層に結合された粒子捕獲層と、を含み、
前記絶縁バリアの圧縮中に生成される粒子及びガスが、前記封入層の前記1つ以上の開口部に向かって流れ、前記粒子が、少なくとも部分的に前記粒子捕獲層内に保持され、
前記粒子捕獲層が、前記1つ以上の開口部にわたって、前記封入層の外部表面上に配置されており、前記絶縁バリアの圧縮中に生成される粒子が、前記封入層の前記1つ以上の開口部を通過し、少なくとも部分的に前記粒子捕獲層内に保持される
、絶縁バリア。
【請求項3】
前記封入層が細長い開口部を含み、前記封入層内の前記細長い開口部が前記絶縁層の側面に沿って配置されるように、前記封入層が前記絶縁層を部分的に覆い、前記粒子捕獲層が前記封入層内の前記細長い開口部を覆って配置されるように、前記粒子捕獲層が前記封入層に結合される、請求項2に記載の絶縁バリア。
【請求項4】
前記封入層が、前記絶縁層の1つ以上の側面に沿って配置された複数の開口部を含み、前記粒子捕獲層が前記封入層内の前記複数の開口部を覆って配置されるように、前記粒子捕獲層が前記封入層に結合される、請求項2に記載の絶縁バリア。
【請求項5】
前記粒子捕獲層が、接着材料によって前記封入層に結合される、請求項
3に記載の絶縁バリア。
【請求項6】
前記接着材料が、前記粒子及びガスを前記粒子捕獲層に向ける前記粒子及びガスの前記流れに対するバリアとして機能するように、前記接着材料が前記開口部に近接して配置される、請求項5に記載の絶縁バリア。
【請求項7】
使用中、前記絶縁バリアの圧縮中に生成された粒子及びガスが、前記封入層の前記1つ以上の開口部を通過する前に前記粒子捕獲層に入り、少なくとも部分的に前記粒子捕獲層内に保持される、請求項1に記載の絶縁バリア。
【請求項8】
前記粒子捕獲層が発泡材料を含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項9】
前記粒子捕獲層が、織布材料、不織布材料、または網状材料を含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項10】
前記粒子捕獲層に結合された1つ以上のポリマーフィルムをさらに含み、前記ポリマーフィルムが、前記絶縁バリアの圧縮中に粒子を抑制する及び/または捕獲する、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項11】
前記ポリマーフィルムの1つ以上が、前記ポリマーフィルムを通る前記粒子の流れを抑制し、前記ポリマーフィルムを通る前記ガスの通過を可能にするフィルタの形態をとっている、請求項10に記載の絶縁バリア。
【請求項12】
前記ポリマーフィルムの1つが、前記絶縁層の反対側の前記粒子捕獲層の一部分を覆う、請求項10に記載の絶縁バリア。
【請求項13】
前記ポリマーフィルムの1つが、前記絶縁層及び前記粒子捕獲層の一部分を覆う、請求項10に記載の絶縁バリア。
【請求項14】
前記絶縁層が、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項15】
前記絶縁層がエアロゲルを含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項16】
前記封入層がポリマー材料を含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項17】
前記封入層が、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項18】
電池モジュールであって、
複数の電池セルと、
請求項1~17のいずれか1項に記載の1つ以上の絶縁バリアと、を含み、少なくとも1つの絶縁バリアは隣接電池セルの間に配置される、前記電池モジュール。
【請求項19】
請求項18に記載の1つ以上の電池モジュールを含む電力システム。
【請求項20】
請求項18に記載の電池モジュールを含むデバイスまたは車両。
【請求項21】
前記デバイスは、ラップトップコンピューター、PDA、携帯電話、タグスキャナ、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ディスプレイパネル、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デスクトップコンピューター、軍用ポータブルコンピューター、軍用電話、レーザー測距器、デジタル通信デバイス、機密情報収集センサー、電子統合型衣料品、暗視機器、電動工具、電卓、無線、リモート制御機器、GPSデバイス、ハンドヘルドテレビ及びポータブルテレビ、カースターター、懐中電灯、音響デバイス、ポータブル加熱デバイス、ポータブル電気掃除機、またはポータブル医療ツールである、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記車両は電気自動車である、請求項20に記載の車両。
【国際調査報告】