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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】インヘイラー
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557799
(86)(22)【出願日】2023-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 KR2023007445
(87)【国際公開番号】W WO2024005384
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0081055
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、タエ ヘオン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジャエ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミ ジェオン
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ミンセオク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヨンミ
(72)【発明者】
【氏名】ジェオウン、エウンミ
(72)【発明者】
【氏名】チュン、タエ ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、セウン キュ
(57)【要約】
一実施例によるインヘイラーは、一面、前記一面と対向する他面、および前記一面と他面を連結する複数の側面を備えるハウジング;前記ハウジング内部に位置し、吸入可能な組成物が貯蔵される貯蔵所;前記貯蔵所に貯蔵される吸入可能な組成物を収容し、前記貯蔵所に対して開閉可能に接続されるキャニスタ;前記キャニスタと離隔配置され、前記貯蔵所を外部に対して開閉可能に設置されるリリーフ弁;および前記キャニスタまたは前記リリーフ弁の少なくとも1つの開閉動作を制御するレバー;を含み、前記レバーは、前記リリーフ弁が開放された後に前記キャニスタが開放されるように制御することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面、前記一面と対向する他面、および前記一面と他面を連結する複数の側面を備えるハウジング;
前記ハウジング内部に位置し、吸入可能な組成物が貯蔵される貯蔵所;
前記貯蔵所に貯蔵される吸入可能な組成物を収容し、前記貯蔵所に対して開閉可能に接続されるキャニスタ;
前記キャニスタと離隔配置され、前記貯蔵所を外部に対して開閉可能に設置されるリリーフ弁;および
前記キャニスタまたは前記リリーフ弁の少なくとも1つの開閉動作を制御するレバー;
を含み、
前記レバーは、前記リリーフ弁が開放された後に前記キャニスタが開放されるように制御する、インヘイラー。
【請求項2】
一端が前記リリーフ弁と結合され、前記レバーに向かって延長されるリリーフバーをさらに含み、
前記リリーフバーは、前記レバーおよび前記キャニスタの間に位置する、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項3】
前記レバーは、
前記キャニスタに向かう第1方向に延長される支持部材;および
前記支持部材に備えられた回転軸を中心に端部が回転可能に結合された突起部材;
を含み、
前記リリーフバーの他端は、前記突起部材および前記ハウジングの他面の間に位置した、請求項2に記載のインヘイラー。
【請求項4】
前記レバーが加圧されると、前記突起部材は前記第1方向に移動しながら前記リリーフバーを前記ハウジングの一面に向かう第2方向に移動させる、請求項3に記載のインヘイラー。
【請求項5】
前記レバーが前記第1方向に加圧されると、前記支持部材は前記突起部材の回転を制限し、
前記レバーが元の位置に戻ると、前記支持部材は前記突起部材の回転を許容する、請求項3に記載のインヘイラー。
【請求項6】
前記突起部材は、端部が前記ハウジングの一面に向かって起立した状態で、前記キャニスタに向かう方向への回転が拘束されず、前記キャニスタから離れる方向への回転が拘束されるように配置される、請求項3に記載のインヘイラー。
【請求項7】
前記キャニスタが開放されると、前記突起部材は前記リリーフバーおよび前記キャニスタの間に位置する、請求項3に記載のインヘイラー。
【請求項8】
前記レバーは、前記キャニスタの底面に向かって延長されるくさび部材をさらに含み、
前記くさび部材および前記キャニスタの底面の間の距離は、前記突起部材および前記リリーフバーの間の距離よりもさらに大きい、請求項3に記載のインヘイラー。
【請求項9】
前記くさび部材は、前記第1方向に沿って前記底面に隣接するように傾いた傾斜面を含み、
前記傾斜面と前記底面が接触した状態で前記レバーが前記第1方向にさらに加圧されると、前記傾斜面は前記キャニスタを前記ハウジングの一面に向かう第2方向に移動させる、請求項8に記載のインヘイラー。
【請求項10】
前記レバーが前記リリーフ弁が開放される第1位置に到逹すると、前記貯蔵所に残る吸入可能な組成物が外部に排出され、
前記レバーが前記キャニスタの一側が開放される第2位置に到逹すると、前記キャニスタに収容された吸入可能な組成物が前記貯蔵所に充填される、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項11】
前記リリーフバーは、前記ハウジングの一面に向かう第2方向に移動するときに前記リリーフ弁を開放させ、元の位置に戻るときに前記リリーフ弁を閉鎖する、請求項2に記載のインヘイラー。
【請求項12】
前記キャニスタは、
前記吸入可能な組成物を収容する収容部;および
一側が前記貯蔵所に接続され、他側が前記収容部内に位置する噴射口;
を含み、
前記噴射口は、前記吸入可能な組成物が前記貯蔵所に移動することを許容し、または制限するように開閉される、請求項1から11の何れか1つに記載のインヘイラー。
【請求項13】

前記噴射口は、前記収容部が前記ハウジングの他面から一面に向かう第2方向に移動されるときに開放され、前記収容部が元の位置に戻るときに閉鎖される、請求項12に記載のインヘイラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
インヘイラーが開示される。
【背景技術】
【0002】
一般的にインヘイラーは、吸入する過程において薬物などの組成物を液体またはガスの状態で口腔または鼻腔を通じて吸入させるのに使用される器具である。このようなインヘイラーは、吸入可能な組成物を収容する容器を備え、組成物は、細管を通じて容器から最終的に吸入口を通じて口腔または鼻腔に噴射されてユーザに吸入されることになる。
【0003】
前述の背景技術は、発明者が本願の開示内容を導き出す過程で保有、または習得したものであり、必ずしも本出願前に一般公衆に公開された公知の技術であるとは言えない。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]大韓民国登録特許公報第10-2021229号(2019.09.11.公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施例による目的は、貯蔵所に吸入可能な組成物を充填する前に、貯蔵所内の残余ガスを排出してスムースな充填が可能なインヘイラーを提供することである。
【0005】
実施例において解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに別の課題は、以下の記載から当業者には明確に理解されるあろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための一実施例によるインヘイラーは、一面、前記一面と対向する他面、および前記一面と他面とを連結する複数の側面を備えるハウジング;前記ハウジング内部に位置し、吸入可能な組成物が貯蔵される貯蔵所;前記貯蔵所に貯蔵される吸入可能な組成物を収容し、前記貯蔵所に対して開閉可能に接続されるキャニスタ;前記キャニスタと離隔配置され、前記貯蔵所を外部に対して開閉可能に設置されるリリーフ弁;および、前記キャニスタまたは前記リリーフ弁の少なくとも1つの開閉動作を制御するレバー;を含み、前記レバーは、前記リリーフ弁が開放された後に前記キャニスタが開放されるように制御することができる。
【0007】
一側面によれば、一端が前記リリーフ弁と結合され、前記レバーに向かって延長されるリリーフバーをさらに含み、前記リリーフバーは、前記レバーおよび前記キャニスタの間に位置してもよい。
【0008】
一側面によれば、前記レバーは、前記キャニスタに向かう第1方向に延長される支持部材;および前記支持部材に備えられた回転軸を中心に端部が回転可能に結合された突起部材;を含み、前記リリーフバーの他端は、前記突起部材および前記ハウジングの他面の間に位置してもよい
【0009】
一側面によれば、前記レバーが加圧されると、前記突起部材は前記第1方向に移動しながら前記リリーフバーを前記ハウジングの一面に向かう第2方向に移動させてもよい。
【0010】
一側面によれば、前記レバーが前記第1方向に加圧されると、前記支持部材は前記突起部材の回転を制限し、前記レバーが元の位置に戻ると、前記支持部材は前記突起部材の回転を許容してもよい。
【0011】
一側面によれば、前記突起部材は、端部が前記ハウジングの一面に向かって起立した状態で、前記キャニスタに向かう方向への回転が拘束されず、前記キャニスタから離れる方向への回転が拘束されるように配置されてもよい。
【0012】
一側面によれば、前記キャニスタが開放されると、前記突起部材は前記リリーフバーおよび前記キャニスタの間に位置してもよい。
【0013】
一側面によれば、前記レバーは、前記キャニスタの底面に向かって延長されるくさび部材をさらに含み、前記くさび部材および前記キャニスタの底面の間の距離は、前記突起部材および前記リリーフバーの間の距離よりもさらに大きくてもよい。
【0014】
一側面によれば、前記くさび部材は、前記第1方向に沿って前記底面に隣接するように傾いた傾斜面を含み、前記傾斜面と前記底面が接触した状態で前記レバーが前記第1方向にさらに加圧されると、前記傾斜面は前記キャニスタを前記ハウジングの一面に向かう第2方向に移動させてもよい。
【0015】
一側面によれば、前記レバーが前記リリーフ弁が開放される第1位置に到逹すると、前記貯蔵所に残る吸入可能な組成物が外部に排出され、前記レバーが前記キャニスタの一側が開放される第2位置に到逹すると、前記キャニスタに収容された吸入可能な組成物が前記貯蔵所に充填されてもよい。
【0016】
一側面によれば、前記リリーフバーは、前記ハウジングの一面に向かう第2方向に移動するときに前記リリーフ弁を開放させ、元の位置に戻るときに前記リリーフ弁を閉鎖してもよい。
【0017】
一側面によれば、前記キャニスタは、前記吸入可能な組成物を収容する収容部;および、一側が前記貯蔵所に接続され、他側が前記収容部内に位置する噴射口;を含み、前記噴射口は、前記吸入可能な組成物が前記貯蔵所に移動することを許容し、または制限するように開閉されてもよい。
【0018】
一側面によれば、前記噴射口は、前記収容部が前記ハウジングの他面から一面に向かう第2方向に移動するときに開放され、前記収容部が元の位置に戻るときに閉鎖されてもよい。
【発明の効果】
【0019】
一実施例によるインヘイラーによれば、貯蔵所に吸入可能な組成物を充填する前に、貯蔵所内の残余ガスを排出してスムースな充填を提供する効果がある。
【0020】
一実施例によるインヘイラーの効果は、以上で言及したものなどに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施例によるインヘイラーの斜視図である。
図2】一実施例によるインヘイラーの断面図である。
図3】レバーと連動して作動するリリーフ弁を示す。
図4】レバーの2段階動作過程を示す。
図5】レバーが図4と同様の手順で作動するときのリリーフ弁およびキャニスタの開放または閉鎖動作を示す。 本明細書に添付された以下の図面は、本発明の好ましい一実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的思想をさらに理解させる役割を果たすものであるので、本発明はそのような図面に記載された事項だけに限定して解釈されてはならない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施例を例示的な図面を通じて詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付ける場合において、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同一の符号になるようにしていることに留意されたい。また、実施例の説明において、関連する公知構成または機能に対する具体的な説明が実施例に対する理解を妨げると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
【0023】
また、実施例の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することがある。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけであり、その用語によって該構成要素の本質や手順または順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載した場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結され、または接続され得るが、各構成要素の間にさらに別の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されることもあり得ると理解されるべきである。
【0024】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を用いて説明することとする。断りのない限り、いずれかの実施例に記載した説明は、他の実施例にも適用可能であり、重複される範囲で具体的な説明は省略する。
【0025】
図1は、一実施例によるインヘイラー10の斜視図である。
【0026】
図2は、一実施例によるインヘイラー10の断面図である。
【0027】
図3は、レバー300と連動して作動するリリーフ弁700を示す。
【0028】
図4は、レバー300の2段作動段階を順次に示す。
【0029】
図5は、レバー300が図4と同様の手順で作動するときのリリーフ弁700およびキャニスタ200の開放または閉鎖動作を順次に示す。
【0030】
図1を参照して、一実施例によるインヘイラー10は、ハウジング101、マウスピース102、貯蔵所103、キャニスタ200、およびレバー300を含む。
【0031】
ハウジング101は、一面に形成された第1面、前記第1面と対向する第2面、および前記第1面と第2面とを連結する複数の側面を含む。ハウジング101の第1面は、例えばハウジング101の上部に位置する面であり、第2面は、例えばハウジング101の底面である。
【0032】
マウスピース102は、前記ハウジング101の第1面に配置されてもよい。ユーザは、マウスピース102を通じてインヘイラー10に収容されている吸入可能な組成物を吸入することができる。このとき、ユーザは、組成物を、例えばエアロゾル状態で吸入することができ、粉末などの形態でも吸入することができる。以下においては、吸入可能な組成物をエアロゾル状態で噴射するインヘイラー10を例として、一実施例によるインヘイラー10を説明することにする。
【0033】
図1および図2を参照して、貯蔵所103は、ハウジング101の内部に配置されてもよい。貯蔵所103には、キャニスタ200の一側が連結されており、キャニスタ200に収容されていた吸入可能な組成物が貯蔵所103に移動して貯蔵されることができる。また、貯蔵所103に貯蔵されている吸入可能な組成物は、ユーザがマウスピース102を通じて吸入力を加えることによってエアロゾル状態でマウスピース102を通じて排出されるので、貯蔵所103に貯蔵された吸入可能な組成物は、徐々に消耗される。
【0034】
キャニスタ200は、ハウジング101の内部に取り付けられてもよい。このとき、キャニスタ200は、ハウジング101の内部に交換可能に取り付けられてもよい。また、キャニスタ200は、内部に吸入可能な組成物を収容してもよい。キャニスタ200の組成物は、貯蔵所103の内部に一定量が充填されてもよい。
【0035】
レバー300は、貯蔵所103内部へキャニスタ200に収容された組成物を充填するために、ユーザにより加圧されてもよい。レバー300は、ハウジング101の一側面を構成してもよく、第2面と隣接して位置してもよい。ユーザがレバー300を加圧すると、レバー300がキャニスタ200の底面を押し上げてキャニスタ200の噴射口220が貯蔵所103と連通され、噴射口220を通じて組成物がキャニスタ200から貯蔵所103に移動することができる。
【0036】
以下においては、レバー300が位置するハウジング101の一側面からキャニスタ200に向かう方向を第1方向と定義し、前記ハウジング101の第2面から第1面に向かう方向を第2方向と定義する。
【0037】
一方、貯蔵所103には、リリーフ弁700が設けられており、ハウジング101の第1面にはリリーフベントホール400が備えられている。このようなリリーフ弁700は、リリーフバー800およびリリーフバー移動突起320などを通じてレバー300と連動しており、レバー300がキャニスタ200を押し上げる前に、リリーフ弁700が先に開放されるように作動して、貯蔵所103に吸入可能な組成物を充填する前に、貯蔵所103内の残余ガスをあらかじめ排出することができる。
【0038】
このようなリリーフ弁700については、以下で図3から図5を参照してより詳しく説明する。
【0039】
図2を参照して、一実施例によるインヘイラー10は、ユーザが貯蔵所103内に貯蔵された組成物の残量をハウジング101に設けられた顕示窓(図示せず)を通じて視覚的に確認することができる。また、一実施例によるインヘイラー10には、貯蔵所103の充填時にキャニスタ200の上下運動に連携して充填回数をカウントするカウンタ(図示せず)およびキャニスタ200内の組成物の残量を表示する表示窓(図示せず)が備えられてもよい。貯蔵所103内に貯蔵された組成物は、ユーザがマウスピース102に吸入力を加えることでエアロゾル状態で噴射されるが、このとき、吸入力によって貯蔵所103を開閉するインヘイル連動バルブ105が作動し、インヘイル連動バルブ105の開閉動作は、ピストン106によって制御されてもよい。さらに、一実施例によるインヘイラー10には、キャニスタ200の離脱を防止するカバー500およびロック装置600が備えられてもよい。
【0040】
前述のように一実施例によるインヘイラー10は、キャニスタ200に収容された吸入可能な組成物を貯蔵所103に充填する方式であり、繰り返される再充填時に貯蔵所103内に残余ガスが残っていると、キャニスタ200の組成物を貯蔵所103に充填することが容易ではないことがある。したがって、一実施例によるインヘイラー10には、貯蔵所103への充填を容易にするために、充填レバー300と連動されるリリーフ弁700が適用されてもよい。
【0041】
図3を参照して、一実施例によるインヘイラー10のリリーフ弁700は、キャニスタ200の一側から離隔配置されて貯蔵所103に設置されてもよい。このようなリリーフ弁700は、貯蔵所103を外部と連通させ、または遮断するように開放または閉鎖されてもよい。
【0042】
リリーフ弁700の開放または閉鎖動作は、前述のレバー300によって制御されてもよい。例えば、レバー300がユーザにより加圧されると、レバー300は、リリーフ弁700が先に開放された後にキャニスタ200が開放されるように制御することができる。
【0043】
このように一実施例によるインヘイラー10は、レバー300と連動されるリリーフ弁700が適用されて、貯蔵所103内の残余ガスを排出してキャニスタ200から貯蔵所103に吸入可能な組成物をスムースに充填することができる。
【0044】
レバー300は、ユーザにより加圧されてもよい。このとき、レバー300は、キャニスタ200に向かって進んで第1位置に到逹し、ユーザによりさらに加圧されると、第2位置に到逹する。レバー300が第1位置にあるときにリリーフ弁700が開放され、レバー300が第2位置にあるときにリリーフ弁700は閉鎖され、キャニスタ200の噴射口220が開放される。
【0045】
具体的に、リリーフ弁700は、リリーフバー800を通じてレバー300と連動され、リリーフバー800の上昇または下降によって開放または閉鎖されてもよい。リリーフバー800は、レバー300およびキャニスタ200の間に配置されてもよい。リリーフバー800は、一端がリリーフ弁700と結合され、他端がレバー300に向かって延長されてもよい。このようなリリーフバー800は、第2方向に移動しながらリリーフ弁700を開放させ、元の位置で戻りながらリリーフ弁700を閉鎖してもよい。
【0046】
レバー300は、支持部材310および突起部材320を含んでもよい。
【0047】
支持部材310は、キャニスタ200に向かって延長されてもよい。
【0048】
突起部材320は、支持部材310に備えられた回転軸を中心に回転可能に結合されてもよい。突起部材320は、一側に前記回転軸から放射方向に突出した端部が形成されてもよい。突起部材320の端部は、ハウジング101の第1面に向かって起立した状態で配置されてもよい。
【0049】
このような突起部材320およびハウジング101の第2面の間には、リリーフバー800の他端が位置してもよい。また、突起部材320は、回転軸を中心に端部がキャニスタ200から離れる方向に傾いていてもよい。
【0050】
レバー300が第1方向に加圧されるときに、支持部材310は、突起部材320の回転を制限してもよい。すなわち、突起部材320は、端部がハウジング101の第1面に向かって起立した状態でキャニスタ200から離れる方向への回転が拘束されてもよい。
【0051】
したがって、レバー300が加圧されるとき、突起部材320も第1方向に移動しながら第1位置に到逹するが、この場合、突起部材320は、リリーフバー800と接触しながら回転されず、リリーフバー800を第2方向に押し上げることができる。
【0052】
結局、レバー300が第1位置に到逹すると、貯蔵所103に残る吸入可能な組成物が外部へ排出されることになる。
【0053】
一方、支持部材310は、レバー300が元の位置に戻ると、突起部材320の回転を許容してもよい。すなわち、突起部材320は、端部がハウジング101の第1面に向かって起立した状態でキャニスタ200に向かう方向への回転が拘束されなくてもよい。
【0054】
したがって、レバー300が第1位置を通り過ぎた位置または第2位置で第1方向とは逆方向に移動するとき、突起部材320は、リリーフバー800を押し上げず、リリーフバー800を通過しながら元の位置に戻ることができる。
【0055】
さらに図3を参照して、レバー300は、キャニスタ200の底面に向かって延長されるくさび部材330をさらに含んでもよい。
【0056】
くさび部材330は、第1方向に沿ってキャニスタ200の底面にさらに隣接するように傾いた傾斜面3301を含んでもよい。
【0057】
これにより、傾斜面3301と底面が接触した状態で、レバー300が第1方向にさらに加圧されると、傾斜面3301は、キャニスタ200を第2方向に移動させることができる。
【0058】
このようなくさび部材330の傾斜面3301およびキャニスタ200の底面の間の距離は、突起部材320およびリリーフバー800の間の距離よりもさらに大きくてもよい。よって、レバー300が第1方向に移動るとき、傾斜面3301がキャニスタ200の底面と接触する前に突起部材320がリリーフバー800の他端と先に接触することができる。すなわち、レバー300がキャニスタ200を押し上げて貯蔵所103を充填する直前に、貯蔵所103に設置されているリリーフ弁700が先に開放されることができる。
【0059】
一方、キャニスタ200が開放されるとき、すなわち、レバー300が第2位置に到逹し、傾斜面3301がキャニスタ200を第2方向に押し上げるとき、突起部材320は、リリーフバー800およびキャニスタ200の間に位置することができる。
【0060】
結局、レバー300が第2位置に到逹すると、キャニスタ200に収容された吸入可能な組成物が貯蔵所103に充填されることができる。
【0061】
図3をさらに参照して、一実施例によるインヘイラー10のキャニスタ200は、収容部210および噴射口220を含んでもよい。
【0062】
収容部210は、吸入可能な組成物を収容してもよい。
【0063】
噴射口220は、一側が貯蔵所103に接続され、他側が収容部210内に位置してもよい。このような噴射口220は、貯蔵所103に対して開放し、または閉鎖するように作動してもよい。例えば、噴射口220は、レバー300が第2位置にあるときに開放されてもよい。噴射口220が開放されると、収容部210に収容されていた吸入可能な組成物が貯蔵所103に移動することが許容される。一方、噴射口220は、レバー300が第2位置にいないときに閉鎖されてもよい。噴射口220が閉鎖されると、吸入可能な組成物の貯蔵所103への移動経路が遮断されるので、貯蔵所103への充填が中止される。
【0064】
このような噴射口220の開閉動作は、レバー300に対するユーザの加圧の有無によって制御される。
【0065】
前述のようにレバー300が加圧されると、くさび部材330の傾斜面3301がキャニスタ200の底面、すなわち収容部210の底面を押し上げることができる。このとき、収容部210は、第2方向に移動されるが、噴射口220は、貯蔵所103に対して一側が固定された状態であってもよい。すなわち、ハウジング101内で噴射口220の位置は移動されないが、第2方向に上昇する収容部210によって噴射口220の他側の収容部210内の位置が変わることがある。
【0066】
例えば、噴射口220の他側が収容部210内に深く押されると、噴射口220が開放される。これにより、収容部210の吸入可能な組成物が噴射口220を通じて貯蔵所103に移動することができる。このとき、吸入可能な組成物は、貯蔵所103および収容部210の圧力差によって移動されることができる。すなわち、ユーザによって貯蔵所103内に充填されていた吸入可能な組成物がエアロゾル排出で消耗されると、貯蔵所103内の圧力が低くなるので、噴射口220が開放されたとき、吸入可能な組成物が収容部210から貯蔵所103に移動することが可能である。一方、貯蔵所103内に吸入可能な組成物が充分に充填されている場合は、ユーザがレバー300を加圧して噴射口220が開放されても、吸入可能な組成物が貯蔵所103にさらに移動しない。
【0067】
以下では、図4および図5を参照して、一実施例によるインヘイラー10のレバー300が2段階で作動しながらリリーフ弁700およびキャニスタ200を順次に開放して元の位置に戻る過程を説明する。
【0068】
図4(a)は、レバー300に外力が加えられていない状態のインヘイラー10を示す。
【0069】
このとき、図5(a)に示されたように、リリーフ弁700およびキャニスタ200はいずれも開放されていない。
【0070】
図4(b)は、レバー300が第1方向に加圧されて第1位置に移動された状態のインヘイラー10を示す。
【0071】
このとき、支持部材310は、突起部材320の端部がキャニスタ200から離れる方向に回転することを制限する。これにより、突起部材320は、端部がハウジング101の第1面に向かって起立した状態でリリーフバー800の他端と接触するようになる。リリーフバー800は、突起部材320によって第2方向に上昇しながらリリーフ弁700を開放させる。図5(b)に示されたように、リリーフ弁700が開放されながら貯蔵所103に残っていた組成物が外部に排出される。
【0072】
図4(c)は、図4(b)の状態で第1方向にレバー300がさらに加圧されて第2位置に移動した状態のインヘイラー10を示す。
【0073】
レバー300が第1位置を通過しながら、突起部材320は、リリーフバー800の端部との接触から離脱し、リリーフバー800は元の位置に戻る。すなわち、リリーフバー800は下降しリリーフ弁700が閉鎖される。また、図5(c)に示されたように、レバー300がやがて第2位置に到逹すると、くさび部材330の傾斜面がキャニスタ200の収容部210を第2方向に上昇しながら噴射口220が開放される。吸入可能な組成物は、噴射口220を通じて移動して残余ガスが除去された貯蔵所103にスムースに充填されるようになる。
【0074】
図4(d)は、レバー300が第2位置から元の位置に戻る過程で第1位置に到逹した状態のインヘイラー10を示す。
【0075】
このとき、傾斜面3301が第1方向と逆方向に移動しながら、図5(d)に示されたように収容部210が下降し、噴射口220は閉鎖される。すなわち、貯蔵所103に対する吸入可能な組成物の充填が完了する。傾斜面3301と収容部210の底面との接触が解除されると同時に、突起部材320は、リリーフバー800の他端と接触するようになる。このとき、支持部材310は、突起部材320の端部がキャニスタ200に向かって回転することを許容する。これにより、突起部材320の端部は起立状態を維持せずキャニスタ200に向かって回転しながらリリーフバー800の他端をスムースに通過することができる。例えば、突起部材320は、リリーフバー800を弾性的に回避することができる。結局、第1方向とは逆方向に移動するとき、突起部材320はリリーフバー800を第2方向に上昇させないので、リリーフ弁700は閉鎖された状態を維持し、貯蔵所103に新たに充填された吸入可能な組成物が外部に排出されない。
【0076】
図4(e)は、レバー300が完全に元の位置に戻った状態のインヘイラー10を示す。
【0077】
図5(e)に示されたように、リリーフバー800を通過した突起部材320は、図5(a)の突起部材320と同一の位置に戻ることができる。例えば、突起部材320には、突起部材320の端部がキャニスタ200に向かって回転する方向に圧縮可能な弾性部材(図示せず)が備えられている。5(d)の段階で突起部材320の端部がキャニスタ200に向かって回転する方向に弾性部材が圧縮されてもよく、突起部材320に外力が加えられないと、弾性部材は図5(a)および図(e)のように突起部材320を元の位置に回転させてることができる。これにより、充填を完了してレバー300が元の位置に戻るとき、突起部材320がリリーフバー800を押し上げず、弾性逃避して元の位置に戻ることができる。
【0078】
前述の一実施例によるインヘイラー10は、充填レバー300を用いて貯蔵所103内に組成物を再充填する際に貯蔵所103内に残っている残留ガスの圧力が新しい組成物の進入を邪魔することを防止するために、充填レバー300と連動されたリリーフ弁700を備えて充填前に貯蔵所103内の残留ガスを除去することができる。
【0079】
また、前述の一実施例によるインヘイラー10は、充填レバー300が2段階で動作し、1段階では充填前の状態としてリリーフ弁700を開放し、2段階ではリリーフ弁700を閉鎖しながら充填が行われる。
【0080】
以上のように本発明の実施例では、具体的な構成要素などのような特定事項と、限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解のために提供されたものに過ぎず、本発明は前記の実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から様々な修正および変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる手順で行われ、および/または説明された構造、装置などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合または組合され、他の構成要素または均等物によって交換または置き換えられても、適切な結果が達成されることができる。よって、本発明の思想は、説明された実施例に限定されるものではなく、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価的な変形があるすべてのものは、本発明の思想に属するとするみなす。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図4(d)】
図4(e)】
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図5(d)】
図5(e)】
【国際調査報告】