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特表2024-528363注ぎ込み可能な食品を複合パッケージに包装する充填プラントにおける在庫管理システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】注ぎ込み可能な食品を複合パッケージに包装する充填プラントにおける在庫管理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20240723BHJP
   B65B 57/02 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B65B57/00 A
B65B57/00 H
B65B57/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562204
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 EP2022061318
(87)【国際公開番号】W WO2022263046
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】21180369.7
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ペラカーニ、アレックス
(72)【発明者】
【氏名】コーラザリ、ジャンニ
(72)【発明者】
【氏名】ポッザ、マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】アリシーナ、エマヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ガルーティ、ジャンパオロ
(57)【要約】
多層複合包装材料から複合パッケージ(2)を形成し、複合パッケージ(2)に注ぎ込み可能な食品を充填するための充填作業を実施する少なくとも1つの充填機(6)と、複合パッケージ(2)を形成するための包装材料要素(5)の在庫を有する倉庫(20)とを有する充填プラント(1)における在庫管理システムが記載されている。このシステムは、複数の包装材料要素(5)をそれぞれ保管するように設計されたそれぞれの保管ユニット(22)に設けられた第1のタグ要素(24)と、各第1のタグ要素(24)は、それぞれの保管ユニット(22)に保管された包装材料要素(5)に関する第1の在庫情報を含み、各包装材要素(5)に設けられた第2のタグ要素(26)と、前記第2のタグ要素(26)は、関連する包装材要素(5)に関する第2の在庫情報を含み、
前記少なくとも1つの充填機(6)から充填作業に関する動作データを受信し、前記第1の在庫情報及び前記第2の在庫情報を動作データとマージし、前記包装材料要素(5)の在庫管理を実行する処理配置(12、16)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層複合包装材料から複合パッケージ(2)を形成し、複合パッケージ(2)に注ぎ込み可能な食品を充填するための充填作業を実施する少なくとも1つの充填機(6)と、複合パッケージ(2)を形成するための包装材料要素(5)の在庫を有する倉庫(20)とを有する充填プラント(1)における在庫管理システムであって、当該システムは、
複数の包装材料要素(5)をそれぞれ保管するように設計されたそれぞれの保管ユニット(22)に設けられた第1のタグ要素(24)と、各第1のタグ要素(24)は、それぞれの保管ユニット(22)に保管された包装材料要素(5)に関する第1の在庫情報を含み、
各包装材要素(5)に設けられた第2のタグ要素(26)と、前記第2のタグ要素(26)は、関連する包装材要素(5)に関する第2の在庫情報を含み、
前記少なくとも1つの充填機(6)から充填作業に関する動作データを受信し、前記第1の在庫情報及び前記第2の在庫情報を前記動作データとマージし、前記包装材料要素(5)の在庫管理を実行する処理配置(12、16)と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記包装材料要素(5)が包装材料のリールであり、前記保管ユニット(22)が前記包装材料のリールのそれぞれ複数を収容するパレットである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記各第1タグ要素(24)に格納された前記第1の在庫情報は、前記それぞれの保管ユニット(22)の識別コードと、さらに前記それぞれの保管ユニット(22)によって保管された前記各包装材要素(5)に関する情報を含み、
前記それぞれの保管ユニット(22)によって保管された前記各包装材要素(5)に関する情報は、製造オーダー、識別コード、賞味期限、生産可能なパッケージの総数、のうちの1つ以上を含み、
各第2タグ要素(26)に格納第2の在庫情報は、前記それぞれの包装材要素(5)の識別と、製造オーダー、賞味期限、前記それぞれの包装材料要素(5)を使用して生産され、廃棄され、及び/又はまだ生産される可能性のあるパッケージを示し、前記充填機(6)からの動作データに基づいて可変及び更新されるカウンタ、前記包装材料要素(5)を使用した充填機(6)の表示、のうちの1つ以上を含む、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理配置(12、16)が、前記第1の在庫情報、前記第2の在庫情報及び前記動作データを格納するデータベース(14)を有する中央サーバ(12)と、前記充填プラント(1)のオペレーター(15)によって携帯され、前記中央サーバ(12)に動作可能に結合され、前記包装材料要素(5)の在庫を管理するための在庫管理アプリケーションを実行するモバイル機器(16)と、を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記保管ユニット(22)が置かれる倉庫(20)に配置され、前記保管ユニット(22)の前記第1のタグ要素(24)に記憶された前記第1の在庫情報を読み取り、前記読み取られた第1の在庫情報を前記中央サーバ(12)に送信して前記データベース(14)に保存する検出ユニットを備えるゲート(28)を備えるシステム。
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理配置(12、16)は、どの包装材料要素(5)が在庫にあるか、及びそれぞれの使用率に関する情報を提供する、
請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理配置(12、16)は、前記各包装材要素(5)について、それぞれの使用率が決定されることに基づいて、前記包装材要素(5)がどの充填機(6)において使用されたのかに関する情報、それぞれの充填作業の日付と時間、製造されたパッケージの数と廃棄されたパッケージの数を提供する、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記処理配置(12、16)は、
完全に使用された包装材料要素(5)の数;
部分的に使用された包装材料要素(5)の数;
まだ使用されていない包装材料要素(5)の数と、残りのパッケージのそれぞれの数;
包装材料要素(5)の受領日から使用日までの在庫時間;
の少なくとも一部を提供するように構成され、
前記処理配置(12、16)は、さらに、生産実行に一致する利用可能な未使用又は部分的に使用された包装材料要素(5)に基づいて、特定の生産実行にどの包装材料要素(5)を使用するかの指示を提供する、
請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記処理配置(12、16)が、前記倉庫(20)に存在する未使用又は部分的に使用された包装材料要素(5)の有効期限の前に、前記充填プラント(1)のオペレーター(15)に通知を提供する、
請求項6~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記充填プラント(1)が、その動作を制御するように構成された制御装置(10)を備え、
前記充填機(6)が、前記包装材料要素(5)上の前記第2のタグ要素(24)を読み取って、関連する多層複合包装材料及び/又は関連する複合パッケージ(2)を示す識別コードを取得し、前記識別コードを前記制御装置(10)に提供し、
前記制御装置(10)が、前記識別コードに応じて前記充填プラント(1)の動作パラメータを自動的に設定する、
請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御装置(10)は、前記識別コードに関連する動作パラメータが現在の生産量と一致しない場合、充填作業を禁止する、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のタグ要素(24)内の情報内容は、前記包装材料要素(5)が前記それぞれの保管ユニット(22)上に配置されたときに、自動的に書き込まれる、又は更新されるように設計されている、
請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のタグ要素(24)及び前記第2のタグ要素(26)がRFIDタグである、
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のシステムを備える充填プラント(1)。
【請求項15】
前記充填機(6)は、
前記多層複合包装材料のウェブ(4)を前進経路に沿って前進させる搬送装置と、
前記多層複合包装材料のウェブ(4)からチューブを形成するチューブ形成装置と、
前記チューブを長手方向にシールするシール装置と、
前記注ぎ込み可能な食品を前記チューブに充填する充填装置と、
前記チューブを形成し、前記複合パッケージ(2)を少なくとも部分的に形成するためにチューブを横方向にシールするパッケージ形成ユニットと、
を備える、
請求項14に記載の充填プラント。
【請求項16】
多層複合包装材料から複合パッケージ(2)を形成し、前記複合パッケージ(2)に注ぎ込み可能な食品を充填するための充填作業を実施する少なくとも1つの充填機(6)と、前記複合パッケージ(2)を形成するための包装材料要素(5)の在庫を有する倉庫(20)と、を有する充填プラント(1)における在庫管理方法であって、当該方法は、
複数の包装材料要素(5)のそれぞれを保管するそれぞれの保管ユニット(22)に設けられた第1のタグ要素(24)を読み取り、各第1のタグ要素(24)は、前記それぞれの保管ユニット(22)に保管された前記包装材料要素(5)に関する第1の在庫情報を含み、
各包装材要素(5)に設けられた第2のタグ要素(26)を読み取り、前記第2のタグ要素(26)は、関連する前記包装材要素(5)に関する第2の在庫情報を含み、
少なくとも1つの充填機(6)から充填作業に関する動作データを受信し、
前記包装材料要素(5)の在庫管理を実施するために、前記第1の在庫情報及び前記第2の在庫情報を前記動作データとマージする、
ことを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注ぎ込み可能な食品を複合パッケージに包装する充填プラントにおける在庫管理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、フルーツジュース、UHT(超高温処理)牛乳、ワイン、トマトソースなど、多くの液体又は注ぎ込み可能な食品は、多層複合包装材料からなる複合パッケージを用いて流通及び販売されている。
【0003】
典型的な例は、Tetra Brik Aseptic(登録商標)として知られる注ぎ込み可能な食品用の平行六面体型パッケージであり、これはラミネートされたストリップ包装材料を密封して折り畳むことによって作られる。この包装材料は、ヒートシールプラスチック材料、例えば、ポリエチレンの層で両面が覆われたカートン及び/又は紙のベース層を含む多層構造を備える。長期保存製品用の無菌パッケージの場合、包装材料は、酸素バリア材料、例えば、アルミニウム箔の層を含み、この層はヒートシールプラスチック材料の層と重ね合わされ、さらに、最終的に食品と接触する包装の内側面を形成する別のヒートシールプラスチック材料の層で覆われる。
【0004】
この種の複合パッケージは、通常、全自動充填(又は包装と呼ばれる)プラント内で製造され、このプラントは、少なくとも、(リールから巻き取られた)多層複合包装材料のウェブから複合パッケージを形成し、複合パッケージに注ぎ込み可能な食品を充填する。
【0005】
典型的な充填プラントは、多層複合包装材料から複合パッケージを形成し、複合パッケージに注ぎ込み可能な食品を充填する充填機を少なくとも備える。さらに、充填プラントは、充填機から複合パッケージを受け取り、複合パッケージに追加の処理を実行する、下流処理装置も含んでもよい。下流処理装置は、例えば、複合パッケージを一時的に緩衝するための緩衝ユニット;複合パッケージに、ストローを塗布するための塗布ユニット;複数の複合パッケージを保管ユニット(パレット等)内で一緒にグループ化するためのグループ化ユニット、例えば、パレタイザーユニット、のうちの1つ以上を含んでよい。
【0006】
充填プラントでは、さまざまな種類と形式の複合パッケージに、さまざまな種類の注ぎ込み可能な食品を充填できることが知られている。
【0007】
したがって、生産性を最適化し、無駄を最小限に抑えるために、例えば、包装材料ウェブが巻き取られる包装材料リール等の倉庫在庫を適切に管理することが、このような充填プラントにおいて一般的に必要とされている。
【0008】
特に、本出願人は、例えば、賞味期限切れの部分的に使用されたリールや全く使用されていないリールは、充填作業に使用することができず、適切に廃棄する必要があるが、包装材料の廃棄の可能性を追跡し、防止することが一般的に困難であることに気付いた。
【0009】
さらに、安全性及び品質上の理由から、充填又は包装作業に使用される包装材料の適切なトレーサビリティを有することは、一般的に望まれている要望である。本出願人は、使用された包装材料の所望のトレーサビリティを提供することが一般的に困難な課題であることに気付いた。
【0010】
既知の充填プラントが満足のいくものであったとしても、本出願人は、倉庫の在庫管理のための改良されたソリューションの必要性を感じていることに気付いた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本解決策の目的は、上述の不都合の少なくとも一部を解決できる、充填プラントにおける在庫管理のための改良されたシステム及び方法を提供することである。
【0012】
本解決策によれば、添付の特許請求の範囲にしたがって、在庫管理システム及び方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の非限定的な実施形態を、添付図面を参照して例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本解決策の一実施形態による在庫管理システムを有する充填プラントの概略図である。
図2図1の在庫管理システムで使用される例示的な在庫管理情報を含むテーブルを示す。
図3図1の在庫管理システムで使用される例示的な在庫管理情報を含むテーブルを示す。
図4図1の在庫管理システムで使用される例示的な在庫管理情報を含むテーブルを示す。
図5図1の在庫管理システムによって実行される動作の概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、注ぎ込み可能な食品、特に牛乳、クリーム、フルーツジュース、ワイン、トマトソース、砂糖、塩、エマルジョン、固体粒子(例えば豆類)を含む溶液などの液体食品を、多層複合包装材料から形成された複合パッケージ2に包装するための充填プラント1を概略的に示している。
【0016】
多層複合包装材料は、例えば、紙又はボール紙の層等の少なくとも1つの繊維質材料の層と、繊維質材料の層を互いの間に介在させる、例えば、ポリエチレン等のヒートシールプラスチック材料の少なくとも2つの層とを備えてもよい。これら2層のヒートシールプラスチック材料のうちの1層は、最終的に同じ複合パッケージ2内に包装された注ぎ込み可能な食品に接触する複合パッケージ2の内面を画定する。
【0017】
多層複合包装材は、ヒートシールプラスチック材料の層の1つと繊維質材料の層との間に配置される、ガスバリア性及び光バリア性材料の層、例えば、アルミニウム箔又はエチレンビニルアルコール(EVOH)フィルムを含んでもよい。好ましくは、多層複合包装材は、ガスバリア性及び光バリア性材料の層と繊維質材料の層との間に介在されるヒートシールプラスチック材料のさらなる層を含んでもよい。
【0018】
図1を参照して開示され示される特定の実施形態によれば、多層複合包装材料はウェブ4の形態で提供され、特に包装材料リール5に巻き取られ、そこから充填機6に供給される。
【0019】
充填機6は、包装材料リール5に動作可能に連結され、複合パッケージ2を得るようにウェブ4を処理し、同じ複合パッケージ2に注ぎ込み可能な食品を充填するように構成され、この注ぎ込み可能な食品は、入口ダクト8(ここでは図示しない方法で、タンク又は同様の貯蔵要素に流体的に連結される)から受け取られる。
【0020】
より詳細には、ウェブ4は、一連の接続されたブランクを備えてもよい。特に、ブランクは、多層複合パッケージ材料のウェブ4上に提供される一連の繰り返しパターンによって画定され、好ましくは、各パターンは、完成した複合パッケージ2の美的外観を少なくとも部分的に画定する。あるいは、多層複合包装材料は、単一のパッケージブランクの形態で提供されてもよく、これらは、使用時に、単数で形成され、充填される。
【0021】
各複合パッケージ2は、長手方向軸に沿って延びてもよく、(それぞれの長手方向軸に沿って延びる)長手方向シーム部分と、一対の横方向シールバンド、特に横方向上部シールバンドと横方向下部シールバンドとを有する。特に、各複合パッケージ2は、実質的に平行六面体構造を有してもよい。
【0022】
さらに、各複合パッケージ2は、(それぞれの長手方向軸に対して横方向であり)複合パッケージ2の対向する側に配置される少なくとも2つの横壁と、横壁の間に延在する複数の側壁とを備えてもよい。
【0023】
より具体的には、各複合パッケージ2の1つのそれぞれの横壁は底壁を画定し、他のそれぞれの横壁は上壁を画定してもよい。特に、底壁は、例えば流通地点内の棚のような(水平な)平面に配置されるように適合された支持面を画定してもよく、上壁は底壁に対向する。
【0024】
公知の態様(本明細書では詳述も図示もしない)において、充填プラント1は、注ぎ込み可能な食品を調整するための注ぎ込み可能な食品調整装置を含んでもよい。注ぎ込み可能な食品調整装置は、入口ダクト8を介して注ぎ込み可能な食品を充填機6に導くように、充填機6に接続されてもよい。
【0025】
より詳細には、充填機6は、少なくとも以下の構成を備えてもよい。
-多層包装材料のウェブ4を前進経路に沿って前進させる搬送装置;
-多層包装材料の前進するウェブ4からチューブを形成するチューブ形成装置;
-チューブを長手方向にシールするシール装置;
-注入ダクト8に連結され、注ぎ込み可能な食品をチューブに充填する充填装置;
-注ぎ込み可能な食品を充填したチューブから複合パッケージ2を形成するために、チューブを形成し、チューブを横方向にシールするパッケージ形成ユニット。
【0026】
より詳細には、パッケージ形成ユニットは、少なくとも以下の構成を備えてもよい。
-複合パック、特にピローパックを得るために、チューブを形成し、横方向にシールし、横方向に切断するように構成された成形装置;
-成形装置から複合パックを受け取り、複合パック、特にピローパックから複合パッケージ2を成形するように構成された最終折り曲げ装置。
【0027】
さらに詳細には、成形装置は、1つのそれぞれの動作アセンブリと1つのそれぞれの反動作アセンブリとの複数の対を備えてもよく、各動作アセンブリと各反動作アセンブリは、1つのそれぞれの複合パックを形成するため、協働してチューブを形成し、横方向にシールし、切断するように構成される。
【0028】
さらに、成形装置は、動作アセンブリ及び反動作アセンブリをそれぞれの搬送経路に沿って前進させるように構成された搬送ユニットを備えてもよい。各対のそれぞれの動作アセンブリ及びそれぞれの反対動作アセンブリは、それぞれの搬送経路のそれぞれの動作部分に沿って前進するときに、チューブを形成し、横方向にシールし、切断するために互いに協働するように構成される。
【0029】
さらに、1つの各動作アセンブリと1つの各反動作アセンブリの各組は、使用時に、チューブを横方向にシールするように構成された少なくとも1つのそれぞれの横方向シールユニットを備える。
【0030】
さらに、充填機6は、
-前進経路に沿ってチューブ形成装置の上流に配置され、多層複合包装材料のウェブ4を(例えば、物理的及び/又は化学的滅菌によって)滅菌するように構成された滅菌装置、
を備えてもよい。
【0031】
図1に示すように、充填プラント1は、搬送装置7を介して充填機6から複合パッケージ2を受け取るように構成され、同じ複合パッケージ2に対して付加的な処理を実行する下流処理装置9を備えてもよく、付加的な処理は、例えば、情報(賞味期限及び/又はロット番号など)及び/又は画像(例えば、グラフィック表現、バーコード、QRコード(登録商標)、データマトリックス、ロゴ、シンボルなど)を印刷すること;複合パッケージにストローを塗布すること;複数の複合パッケージを保管ユニット、例えばパック又はパレットにグループ化すること、等である。
【0032】
さらに、充填プラント1は、例えば、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)又は同様の処理及び演算装置を含む制御装置10を備え、同じ充填プラント1の一般的な動作を制御し、特に充填機6及び下流処理装置9の動作パラメータを設定するように構成される。
【0033】
制御装置10は、例えば、インターネット及び/又は内部ネットワークを介して、中央サーバー12、例えばクラウドサーバー又はプラントサイトの物理的サーバー(外部ネットワークからもアクセス可能)に動作可能に結合され、そこで充填プラント1に関連する動作データ及び情報が受信され、データベース(DB)14に格納される。
【0034】
図1に示されるように、ポータブル又はモバイル機器16(例えば、スマートフォン、タブレット、ファブレット又は同様のもの)を有する充填プラント1のオペレーター15は、充填プラント1の運転に関連する運転データ及び情報にアクセスして取得するために、ソフトウェア・アプリケーション(「アプリ」)を介して、中央サーバー12及びデータベース14にアクセスすることができる。
【0035】
オペレーター15は、適切なグラフィカルユーザインターフェースを備えた固定コンピュータ18(又は同様の処理装置)を介して中央サーバー12と通信してもよい。図示しない態様において、コンピュータ18はまた、充填プラント1の制御装置10の一部であってもよい。
【0036】
同じオペレーター15は、直接又はモバイル機器16を介して、制御装置10と対話することもできる。
【0037】
充填プラント1はさらに、充填機6及び/又は下流処理装置9で使用されていないとき、包装材料が保管される保管庫又は倉庫20を備える。特に、包装材料リール5は、パレット(又は同様のグループ化又は保管ユニット)22にグループ化されて保管され、そのうちの1つだけが、図1に一例として示されている。
【0038】
本解決策の一態様によれば、充填プラント1における在庫管理システムは、非接触(又は無線)方式で検出(読み取り)されるように構成された第1の識別子又はタグ要素24を各パレット22に設けることを想定しており、パレット22及びその内容物に関連する第1の在庫情報、特に、同じパレット22によって運ばれるすべての包装材料リール5に関連する第1の在庫情報を記憶するように構成されている。
【0039】
第1のタグ要素24は、パレット22上に物理的に配置され、読み取りが可能なように、任意の適切な位置でパレット22に結合されている。
【0040】
第1のタグ要素24は、受動型又は能動型であってよく、例えば、無線タグ又はビーコンであり、特に、(ここでは詳細に説明しない既知の方法で)通信アンテナ及び第1の在庫情報を記憶するための記憶ユニットを有するRFID(Radio Frequency Identification)タグである。異なる実施形態によれば、第1のタグ要素24は、NFC(近距離無線通信)タグ、又はBLE(Bluetooth Low Energy)、Wi-Fi(登録商標)、又はUWB(Ultra Wideband)ビーコンであってもよい。
【0041】
代替案として、又は追加として、第1のタグ要素24は、第1の株式情報の少なくとも一部を伝えるために、画像コード(2D又は3Dバーコード、QRコード(登録商標)など)及び/又は画像を含んでもよい。同じ画像コードをパレット22上に印刷又は適用してもよい。
【0042】
本解決策の一態様によれば、第1のタグ要素24に格納される第1の在庫情報は、パレット22の識別情報(例えば、EAN、欧州品番、識別コード、シリアル番号、又は任意の固有の識別子)と、さらに、パレット22によって運ばれる各包装材料リール5に関する情報を含み、これらの情報は、製造オーダー、識別(例えば、EAN)コード、賞味期限、各包装材料リール5の生産可能なパッケージ数(他の情報及びパラメータを第1のタグ要素24に含めることができ、上記のリストは例示的なものである)のうちの1つ以上を含む。
【0043】
本解決策のさらなる態様によれば、充填プラント1の在庫管理システムは、さらに、各包装材料リール5上に、それぞれの第2のタグ要素26(明瞭にするために、図1にはそのうちの1つのみが示されている)を設けることを想定しており、このタグ要素26もまた、非接触(又は無線)方式で検出(読み取り)されるように構成されており、それぞれの包装材料リール5に関連する第2の在庫情報を記憶するように構成されている。
【0044】
また、第2のタグ要素26は、受動型又は能動型であってもよく、例えば、無線タグ又はビーコン、特にRFIDタグ、又はNFCタグ、又はBLE、Wi-Fi(登録商標)、又はUWBビーコンであり、(既知の方法であるため、ここでは詳しく説明しない)通信アンテナと、第2の株式情報を格納するための格納ユニットとを有する。
【0045】
代替又は追加として、第2のタグ要素26は、第2の株式情報の少なくとも一部を伝達するため、画像コード及び/又は画像(2D又は3Dバーコード、QRコード(登録商標)等)を含んでもよい。
【0046】
第2のタグ要素26は、読み取りのためにアクセスできるように、包装材料リール5の任意の適切な位置(例えば、そのコア部)に物理的に配置される。
【0047】
本解決策の一態様によれば、第2のタグ要素26によって記憶される第2の在庫情報は、包装材料リール5の識別情報(例えば、EAN識別コード)、及び以下のうちの1つ以上を含む。製造オーダー;賞味期限;生産されたパッケージの数、廃棄されたパッケージの数又は残っているパッケージの数(すなわち、特定の包装材料リール5を使用してまだ生産される可能性のあるパッケージのカウンタ);及び包装作業のために包装材料を使用した充填機6の表示。
【0048】
特に、残っているパッケージの数は可変カウンタであり、包装作業のための充填プラント1における包装材料リール5の実際の使用に基づいて更新される。
【0049】
包装材料リール5の識別(例えばEAN)コードは、特定の多層複合包装材料及び/又は特定の多層複合包装材料から形成される複合パッケージ2を示してもよい。
【0050】
識別コードは、以下の1つ以上を示してもよい。最終の複合パッケージ2(多層複合包装材から形成され、注ぎ込み可能な食品を充填したもの)の容積;最終の複合パッケージ2内に充填された注ぎ込み可能な食品の容積;注ぎ込み可能な食品及びその特性(注ぎ込み可能な食品の種類など);レシピ情報;多層複合包装材の詳細;多層複合包装材料に印刷された繰り返しパターン;最終の複合パッケージ2の種類及び/又はフォーマット;複合パッケージ2の生産者、委託業者又は販売業者の名称;ターゲット市場に関する表示。
【0051】
可能な実施形態によれば、各包装材料リール5がパレット22上に配置されるとすぐに、第1のタグ要素24の情報内容を自動的に書き込み/更新することができる。例えば、第1のタグ要素24及び第2のタグ26の間で無線通信を実施することができ、この無線通信は、包装材料リール5がパレット22内に配置されるときに、それらが近接することによって起動される。
【0052】
あるいは、情報コンテンツは、オペレーター15の介入によって書き込まれてもよい。オペレーター15は、携帯機器(例えば、同じモバイル機器16)の専用機能を使用して、パレット22に含まれる包装材料リール5の第2のタグ要素26をスキャンし、その後、同じパレット22の第1のタグ要素24に(第1の在庫情報として)全データが書き込まれる。
【0053】
特に、パレット22内の第1タグ要素24の書き込み/更新は、「組み込みされた」第1タグ要素24に記憶された情報のリセット/更新を行うことにより、顧客が異なる包装材料リール5(例えば、部分的に使用されたリール)を特定のパレット22に保管したい場合、コンバーティング工場(すなわち、包装材料リール5が組み立てられ、顧客に出荷するためにパレット22に配置された後)及び顧客サイト(すなわち、充填又は包装工場1)の両方で実施することができる。
【0054】
図1に示されるように、充填プラント1は、例えば倉庫20に配置され、同じ倉庫20にストックされるパレット22の第1のタグ要素24に記憶された第1の在庫情報を読み取り、読み取られた在庫情報を中央サーバー12に送信し、(対応する充填プラント1に関連付けて)データベース14に格納するように構成され適切な検出ユニットを備えるゲート28を備えてもよい。
【0055】
加えて、又は代替として、倉庫20にストックされているパレット22の第1のタグ要素24は、第1のタグ要素24を読み取るように構成されている場合(例えば、第1のタグ要素24がバーコード又はQRコード(登録商標)を含む場合)、適切な読み取り装置(例えば、RFIDタグ読み取り装置)を用いて、又は同じ携帯機器又はモバイル機器16を用いて、オペレーター15によって読み取られてもよい。
【0056】
図1に示すように、充填プラント1における在庫管理システムのさらなる態様では、充填機6が、例えば、RFIDタグリーダ等のそれぞれの検出ユニット30を有し、包装作業中に、同じ充填機6に動作可能に連結された包装材料リール5の第2のタグ要素26を読み取るように構成される。
【0057】
制御装置10は、第2のタグ要素26に含まれる包装材料リール5の識別コードに応じて、同じ充填機6の動作パラメータを設定するように構成されてもよい。
【0058】
これらの動作パラメータは、以下のうちの1つ以上を含んでもよい。ウェブ4の前進速度などの搬送装置の動作パラメータ;チューブ形成装置の動作パラメータ;シール力などのシール装置の動作パラメータ;流量などの充填装置の動作パラメータ;横シールユニットのシール力、動作アセンブリ及び反動作アセンブリの前進速度、使用時に動作アセンブリ及び/又は反動作アセンブリがチューブに接触し始めるヒット位置などのパッケージ形成装置の動作パラメータ;滅菌装置の動作パラメータ。
【0059】
さらに、包装材料情報が第2のタグ要素26に保存されるという事実により、充填機6における誤った包装材料リール5の使用を防止するために、実際の充填機データとのインターロック機能を実装してもよい。例えば、賞味期限切れの包装材料や、製品の注文と一致しない特性を有する包装材料の使用は、制御装置10によって自動的に防止し、回避することができる。
【0060】
制御装置10は、同じ動作パラメータの自動設定後に、オペレーター15による上記の動作パラメータの1つ以上の変更を可能にするように構成され得る。このようにして、オペレーター15は、動作パラメータの一部を修正及び/又は最適化する可能性を有してもよい。このような修正は、複合パッケージ2の形成及び充填中にも可能であり得る。
【0061】
より具体的には、動作パラメータの少なくとも一部又は全部は、充填プラント1の全部又は少なくとも一部の生産条件を定義してもよい。さらに、又は代替的に、動作パラメータの少なくとも一部又は全部は、複合パッケージ2の品質を決定及び/又は制御するための品質管理プロトコル、複合パッケージ2の形成及び充填中の衛生情報を使用中に評価するための試験計画、定置洗浄プロトコル、定置滅菌プロトコルを定義してもよい。
【0062】
したがって、充填プラント1における在庫管理システムの動作は、充填プラント1で利用可能な包装材料に関連する情報を検索するために、パレット22上の第1のタグ要素24によって格納された第1の在庫情報を読み取ることを想定している。
【0063】
特に、パレット22上の第1のタグ要素24の読み取りは、パレット22が顧客によって最初に受け取られ、充填プラント1、例えば倉庫20に導入されるときに(ゲート28によって自動的に、又はオペレーター15の介入によって)実行される。したがって、パレット22に含まれる全ての包装材料リール5に関連する在庫情報(製造オーダー、EANコード、賞味期限、生産可能なパッケージ数など)が検索され、中央サーバー12に簡便に送信され、データベース14に保存される。
【0064】
さらに、倉庫20に保管されているパレット22に対して、利用可能な包装材、特に残っている又は残っている包装材料リール5(すなわち、過去の生産注文に対して部分的にしか使用されていない包装材料リール5)に関する最新の情報を得るために、第1のタグ要素24のさらなる読み取りを定期的に実行することができる。
【0065】
こうして、中央サーバー12にアクセスするオペレーター15は(例えばモバイル機器16上のソフトウェア・アプリケーションを介して)、利用可能なリソースを監視し、将来の生産及び新しい包装材料の供給をスケジュールすることができる。好ましくは、新たな生産を計画又は開始するとき、アプリケーションは、その生産に適した利用可能な(新規又は部分的にのみ使用された)包装材料リール5のリストをオペレーター15に提供してもよい。これにより、利用可能なすべての包装材料リール5が確実に使用され、材料の無駄が回避される。時間とコストを節約する最適化基準は、使用される包装材料リール5のリストを自動的に決定し、オペレーター15に提供するため、アプリケーションによって実装されてもよい。
【0066】
さらに、コンバーティング工場(又は生産者)側では、中央サーバー12のデータベース14に格納された情報にアクセスすることにより、パレット22が適切に搬入されたかどうか、搬入時間及び顧客サイトの適切な位置を把握することができる。包装材料リール5が間違った場所に配送された場合、賞味期限切れの包装材料が配送された場合などの何らかの不手際があった場合、即座に検知することができる。顧客が生産されたパッケージの数だけ、又は良品のパッケージだけ(受け取られ使用された包装材料リール5の数とは無関係)に注意を払っている場合、これによってコンバーティング工場は顧客が特定の包装材料リール5を受け取ったことを確認し、可能性のある包装材料の無駄(部分的に使用された及び/又は全く使用されていないリール)を追跡することもできる。
【0067】
さらに、充填プラント1における在庫管理システムの動作は、充填機6が現在使用されている包装材料リール5上の第2のタグ要素26を検出し(読み取り)、充填作業に関するデータを自動的に記録し、これらのデータを中央サーバー12に送信して、同じ包装材料リール5に関連付けてデータベース14に保存することを想定している(データの記録は、一定の間隔で又は特定の機会に、例えば深夜に、製品の速度又は製品の量の変更毎などに実行することができる)。
【0068】
特に、図2に概略的に示すように、第2のタグ要素26を介して(充填機6によって自動的に、又はオペレーター15の介入によって)識別される各包装材料リール5について、格納されるデータは、スキャン時間、特定の包装材料リール5を使用する各製造の開始時刻及び終了時刻、製造オーダー、リール番号、リール内で使用可能な包装の総数、製造されたパッケージの数、及び廃棄されたパッケージの数のうちの1つ以上を含む。
【0069】
前述したように、リール使用終了時(又は他の任意の所望の時点、例えば各包装材料のスプライス後)に、使用された包装材料リール5の第2のタグ要素26は、好ましくは、特にパッケージ数に関して更新され、生産され廃棄されたパッケージの総数が反映される(例えば、前述した生産の開始及び終了、対応する充填機6の識別子等の他の情報も更新又は書き込まれる可能性がある)。
【0070】
特に、包装材料リール5の使用率は、以下のように決定することができる。
【0071】
使用率=(製造されたパッケージ数+廃棄されたパッケージ数)/ターゲットパッケージ数
【0072】
ここで、ターゲットパッケージ数は、リール全体から製造されると推定されるパッケージの総数に相当する。
【0073】
特に、包装材料リール5は、使用率が特定の使用率閾値より高い場合、例えば98%以上の場合、「完了」(又は十分に使用された/完全に利用された)と見なすことができる。一方、包装材料リール5は、使用率が特定の使用率範囲内、例えば、0.1%から98%の間に含まれる場合、「部分的に使用された」と見なすことができる。
【0074】
特定の包装材料リール5に残っているパッケージの数に基づき、その特定のリールに残っているパッケージの数を更新した、部分的に使用されたリールに貼られる更新された物理的ラベルを印刷することも可能である。
【0075】
各包装材料リール5に取り付けられた第2のタグ要素26から読み取られた第2の在庫情報と、充填機6によって自動的に記録された充填作業に関するデータとを統合することにより、在庫管理システムは、特定のリールが使用されたかどうか、どの機械で使用されたか、リールの使用日時、リールごとに製造されたパッケージの数及び廃棄されたパッケージの数を把握することができる。
【0076】
この情報は、例えば、充填された複合パッケージ2に無菌性が欠如している場合の根本原因分析時にも使用できることに留意されたい。好ましくは、第2のタグ要素26の読み取りにより、オペレーター15は、(中央サーバー12がオフラインの場合であっても)包装作業の完全かつ即時のトレーサビリティを得ることができる。
【0077】
さらに、包装材料リール5のパレット22に配置された第1のタグ要素24をスキャンすることによって読み取られた第1の在庫情報と、すべての包装材料リール5の使用に関連する情報と統合することにより、例えば、以下のことが可能になる。
-倉庫20の中で、どれだけのリールが完全に使用されているかを把握する(例えば、使用率98%以上である);
-何個のリールが部分的に使用されているかを把握する(例えば、使用率が0.1%から98%の間である);
-何個のリールがまだフル(full)であるかを把握する(未使用である);
-入荷日から使用日までの在庫時間を計算する;
-特定の生産実行を開始する前に、実際の生産を開始する前に、その特定の生産が実行可能かどうかを理解する(例えば、生産実行に一致する所望の識別コードを持つ完全なリールと部分的なリールの数に基づいて);
-生産予測と倉庫20の実際の在庫に基づいて、新しい包装材料リール5の購入を改善する。
【0078】
さらに、在庫管理システムは、部分的に使用された、及び未使用の包装材料リール5の存在に関する知識に基づいて、資源の浪費を避けるために、それらの有効期限の前に通知/警告を提供してもよい。このシグナリングのおかげで、顧客は包装材料の使用を最適化するために生産スケジュールを調整することを決定できる。
【0079】
部分的なリールの廃棄を避けるために、在庫管理システムは、使用中のリールと同じ識別コード又は製造オーダーを持つ部分的に使用されたリールが利用可能であることを(現在の生産/製品に適合するように)オペレーター15に提案し、例えば、完全リールを使用する前に部分リールを再利用することを提案できる。
【0080】
この点に関して、倉庫20では、場合によってはオペレーター15のモバイル機器16に内蔵されている長距離リーダ(例えばRFIDタイプ)を使用して、所望のアクションを実行するために(例えば、所望の識別及び製造オーダーを有する特定の包装材料リール5を含むパレット22を回収するために、又は棚卸し目的のために)特定の識別コードを有するパレット22が存在するかどうかを把握することが可能である。
【0081】
上記の在庫管理動作はすべて、データベース14に保存されたデータに基づいて、中央サーバー12で、及び/又はオペレーターのモバイル機器16で実行されるソフトウェア・アプリケーションによって実行することができる。(中央サーバー12が例えば顧客サイトにある場合)同じ在庫管理操作を外部処理施設で実行してもよい。
【0082】
特に、オペレーター15のモバイル機器16上のソフトウェア・アプリケーションは、部分的な使用率及び賞味期限に基づいて、例えば、倉庫20内の完全に使用された包装材料リール5、部分的に使用された包装材料リール5、及び未使用の包装材料リール5に関連する情報(残りのパッケージの数を含む)及び特定の包装材料リール5を使用するための提案を提供する、在庫管理動作を実行するための適切なユーザーインタフェースを提供してもよい。
【0083】
加えて、又は代替案として、上記の情報及び通知は、中央サーバー12に実装されたウェブベースのインターフェースを通じてオペレーター15に提供することもできる。
【0084】
モバイル機器16を持つオペレーター15は、パレット22及び包装材料リール5上の第1及び第2のタグ要素24、26から直接データを読み取ることもでき、読み取られたデータは、場合によっては中央サーバー12のデータベース14に保存され、同期される。
【0085】
図3は、(例えばソフトウェア・アプリケーションを介して)オペレーター15に提供され得る例示的なレポートを示しており、このレポートは、第1及び第2のタグ要素24、26から読み取られたデータと、充填作業中に充填機6によって記録されたデータとをマージした結果である。
【0086】
このレポートは、多数の包装材料リール5を保管するパレット22を参照し、充填機6から提供される実際の生産データに基づいて、全てのリールの識別データ及び使用率データを提供する。
【0087】
図4は、(例えば、ソフトウェア・アプリケーションを介して)オペレーター15に提供され得る更なるレポートを示しており、上述したデータのマージの結果として、今回は、単一の包装材料リール5に関連し、同じリールを含む全ての製造を報告し、例えば、製造の開始及び終了、関連する充填機2の識別、製造されたパッケージの数及び廃棄されたパッケージの数を指定する。
【0088】
図5を参照し、上述の内容を考慮すると、充填プラント1における在庫管理システムの動作は、以下の1つ以上のステップを含む。
a)パレット22上の第1のタグ要素24を読み取る;
b)包装材料リール5上の第2のタグ要素26を読み取る;
c)充填機2から動作データを受信する;
d)第1のタグ要素24及び第2のタグ要素26から読み取った情報と、充填機2から受信した動作データとをマージする;
e)情報のマージに基づき、包装資材の在庫管理を支援する。
【0089】
特に、包装材料の在庫管理を支援するステップは、以下の1つ以上のステップを含む。
f)完全に使用されたリール、部分的に使用されたリール、又はまだ使用されていないリールの数に関する情報を提供する;
g)入荷日から使用日までの在庫時間を計算する;
h)特定の生産を開始する前に、その特定の生産が実行可能か表示し、利用可能な包装材料リール5の最適な使用に関する提案を提供する;
i)生産予測と利用可能な在庫に基づいて、包装資材のリール購入を計画する。
【0090】
説明した在庫管理の解決策の利点は、前述の説明から明らかである。
【0091】
いずれにせよ、提案された解決策によって、充填プラントにおける包装資材の在庫管理が改善され、廃棄物が最小限に抑えられ、生産が最適化されることが改めて強調される。
【0092】
さらに、パッケージの製造に使用される包装材料の改善されたトレーサビリティが提供される。
【0093】
さらに、包装材料のリールにタグ要素を使用し、充填機に対応するリーダーを使用することにより、包装材料に関連するすべての情報を自動的に記録できる。これにより、次のような利点が得られる。オペレーターの作業負担が軽減され、他の作業に集中できる;オペレーターによる挿入時のミスを防止できる;識別情報が挿入されないことで、トレーサビリティ情報が欠落するリスクを排除できる。
【0094】
しかしながら、添付の特許請求の範囲に定義された保護範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された内容に変更を加えてもよい。
【0095】
特に、ストリップ、キャップ、ストロー等の複合パッケージ2への製品のパッケージに使用される任意の追加材料及び/又は消耗品に、議論された解決策を適用し得ることを強調する。
【0096】
一例として、第2のタグ要素26は、複合パッケージ2をシールするために(公知の方法で)使用されるストリップボビン(strip bobbins)に適用されてもよく、この場合、第1のタグ要素24は、同じストリップボビンの箱又は同様のハウジング又は保管ユニットに適用される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】