(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】2軸回転機構
(51)【国際特許分類】
F16M 13/00 20060101AFI20240723BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240723BHJP
B60K 35/22 20240101ALI20240723BHJP
B60K 35/53 20240101ALI20240723BHJP
B60K 35/60 20240101ALI20240723BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240723BHJP
F16M 11/14 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
F16M13/00 S
G09F9/00 351
B60K35/22
B60K35/53
B60K35/60
H05K5/02 A
F16M11/14 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571288
(86)(22)【出願日】2022-05-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022029466
(87)【国際公開番号】W WO2022245741
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ディン
(72)【発明者】
【氏名】カリヤンダ,アニーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス,ハロルド メジア
(72)【発明者】
【氏名】セオドア,シャキール
【テーマコード(参考)】
3D344
4E360
5G435
【Fターム(参考)】
3D344AA14
3D344AA28
3D344AC30
3D344AD01
4E360AB05
4E360AC24
4E360EA03
4E360GA46
4E360GB99
5G435AA06
5G435DD03
5G435EE05
5G435EE08
5G435EE16
5G435EE18
5G435EE49
5G435EE50
5G435HH18
5G435LL17
(57)【要約】
一般的に説明すると、本開示の1つ以上の態様は、2軸回転を容易にするための1つ以上の構成要素の構成及び管理に関する。より具体的には、本出願の1つ以上の態様は、表示装置の2軸回転を容易にするための回転機構の構成又は管理に関する。例示的には、表示装置は、単一のアクチュエータ、二重回転ジョイント、及び関連するリンケージを利用して二重軸回転を容易にする回転機構に装着される。回転構成要素は、第3の軸に対して付加的な引張力を与える少なくとも1つの更なるフローティングジョイントを更に含む。更にまた、更なる実施形態によれば、制御構成要素を利用して、制御位置及びデューティサイクルを確立するなど、単一のアクチュエータの回転に関する制御信号を生成することができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンカーポイントを含む装着構造であって、前記アンカーポイントが構成要素に取り付け可能である、装着構造と、
中心軸を有し、回転入力を受けるように構成される第1の回転ジョイントと、
前記第1の回転ジョイントに接続される第2の回転ジョイントであって、前記第1の回転ジョイントに加えられる回転力が前記第2の回転ジョイントに加えられることによって前記第2の回転ジョイントが少なくとも部分的に前記第1の回転ジョイントの前記中心軸の周りで回転するように前記第1及び第2の回転ジョイントが配置される、第2の回転ジョイントと、
前記装着構造の中心軸内に形成される直線チャネルであって、前記直線チャネルに沿う移動を規定する表面のセットを有する直線チャネルと、
引張部材に基づいて前記直線チャネルに接触する第3の回転ジョイントであって、直線軸に沿う前記回転機構の移動を制御する、第3の回転ジョイントと、
を備える、回転機構。
【請求項2】
振動力を減衰させるための前記第3の回転ジョイント用のロックナットを更に備える、請求項1に記載の回転機構。
【請求項3】
前記直線チャネルの前記表面のセットにおける接触ポイントと前記第3の回転ジョイントとの間にブッシングを更に備える、請求項1に記載の回転機構。
【請求項4】
前記直線チャネルにおける前記表面のセットは、前記第3の回転ジョイントによって与えられる対応する水平面と接触するための水平面のセットを含む、請求項1に記載の回転機構。
【請求項5】
前記直線チャネルにおける前記表面のセットは、前記第3の回転ジョイントによって与えられる対応する傾斜面と接触するための傾斜面のセットを含む、請求項1に記載の回転機構。
【請求項6】
前記装着構造は、前記装着構造の中心軸の両側に前記アンカーポイントを位置させるためのアームのセットを含む、請求項1に記載の回転機構。
【請求項7】
前記引張部材がばねである、請求項1に記載の回転機構。
【請求項8】
前記第1の回転ジョイントに接続される単一のアクチュエータに制御命令を与えるための制御ユニットを更に備える、請求項1に記載の回転機構。
【請求項9】
複数のアンカーポイントを含む装着構造であって、前記アンカーポイントが構成要素に取り付け可能である、装着構造と、
中心軸を有し、単一のアクチュエータから回転入力を受けるように構成される第1の回転ジョイントと、
前記第1の回転ジョイントに接続される第2の回転ジョイントであって、前記第1の回転ジョイントに加えられる回転力が前記第2の回転ジョイントに加えられることによって前記第2の回転ジョイントが少なくとも部分的に前記第1の回転ジョイントの前記中心軸の周りで回転するように前記第1及び第2の回転ジョイントが配置される、第2の回転ジョイントと、
直線軸に沿う前記回転機構の移動を制御する第3の回転ジョイントと、
前記装着構造の中心軸内に形成される直線チャネルであって、前記直線チャネルが、前記第3の回転ジョイントによって与えられる対応する水平面と接触するための水平面のセット、および前記第3の回転ジョイントによって与えられる対応する傾斜面と接触するための傾斜面のセットを有する、直線チャネルと、
を備える回転機構。
【請求項10】
振動力を減衰させるための前記第3の回転ジョイント用のロックナットを更に備える、請求項9に記載の回転機構。
【請求項11】
前記直線チャネルの前記表面のセットにおける接触ポイントと前記第3の回転ジョイントとの間にブッシングを更に備える、請求項9に記載の回転機構。
【請求項12】
前記装着構造は、前記装着構造の中心軸の両側に前記アンカーポイントを位置させるためのアームのセットを含む、請求項9に記載の回転機構。
【請求項13】
前記引張部材がばねである、請求項9に記載の回転機構。
【請求項14】
前記第1の回転ジョイントに接続される単一のアクチュエータに制御命令を与えるための制御ユニットを更に備える、請求項9に記載の回転機構。
【請求項15】
前記第3の回転ジョイントと前記装着構造との間にブッシングを更に備える、請求項9に記載の回転機構。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、参照により本願に組み入れられる2021年5月17日に出願された2軸回転機構と題する米国仮出願第63/201,884号の利益を主張する。
【0002】
一般的に説明すると、電気自動車、燃焼機関車両、ハイブリッド車両などの様々な車両は、動作を容易にするために様々なセンサ及び構成要素を伴って構成され得る。例えば、車両は、車両の搭乗者に情報を提示する様々な表示装置を伴って構成され得る。表示装置は、ダッシュボードの少なくとも一部と一体化されるなど、車両に埋め込まれる又は組み込まれる場合がある。或いは、表示装置は、自立式となる場合があり、又は他の車両構造から少なくとも部分的に独立している場合がある。車両の動作中、搭乗者は、1つ以上の軸に沿った回転など、表示装置の向きを調整したい場合がある。例えば、表示装置は、x軸、y軸、又はz軸を基準に回転される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
ここで、以下の図面に関連して様々な特徴を説明する。図面の全体にわたって、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用される場合がある。図面は、本明細書に記載の例を図示するために提供され、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
【0004】
【
図1A】本出願の1つ以上の態様に係る回転機構で使用するためのリンケージ構造の斜視図である。
【0005】
【
図1B】本出願の1つ以上の態様に係る回転機構で使用するためのリンケージ構造の斜視図である。
【0006】
【
図2A】本出願の1つ以上の態様に係る表示装置、回転機構、及びリンケージ構造を含む構成要素のセットの斜視図である。
【0007】
【
図2B】本出願の1つ以上の態様に係る表示装置、回転機構、及びリンケージ構造を含む構成要素のセットの斜視図である。
【0008】
【
図3】本出願の1つ以上の態様に係る回転力に応じた第1の回転状態を示す表示装置、回転機構、及びリンケージ構造を含む構成要素のセットの斜視図である。
【0009】
【
図4】本出願の1つ以上の態様に係る回転力に応じた第2の回転状態を示す表示装置、回転機構、及びリンケージ構造を含む構成要素のセットの斜視図である。
【0010】
【
図5A】本出願の様々な実施形態に係るリンケージ構造で利用される回転ジョイント及び直線チャネルの斜視図である。
【
図5B】本出願の様々な実施形態に係るリンケージ構造で利用される回転ジョイント及び直線チャネルの斜視図である。
【
図5C】本出願の様々な実施形態に係るリンケージ構造で利用される回転ジョイント及び直線チャネルの斜視図である。
【
図5D】本出願の様々な実施形態に係るリンケージ構造で利用される回転ジョイント及び直線チャネルの斜視図である。
【0011】
【
図6】本出願の態様に係るリンケージ構造を含む回転機構を動作させるための制御機構の様々な構成要素を論理的表わすブロック図である。
【0012】
【
図7】回転機構のリンケージ構造に回転力を加えるためのアクチュエータの動作パラメータを決定するために制御構成要素によって実施されるルーチンを示すフロー図である。
【発明の概要】
【0013】
一般的に説明すると、本開示の1つ以上の態様は、2軸回転を容易にするための1つ以上の構成要素の構成及び管理に関する。より具体的には、本出願の1つ以上の態様は、表示装置の2軸回転を容易にするための回転機構の構成又は管理に関する。例示的には、表示装置は、単一のアクチュエータ、二重回転ジョイント、及び関連するリンケージを利用して二重軸回転を容易にする回転機構に装着される。回転構成要素は、第3の軸に対して付加的な引張力を与える少なくとも1つの更なるフローティングジョイントを更に含む。更にまた、更なる実施形態によれば、制御構成要素を利用して、制御位置及びデューティサイクルを確立するなど、単一のアクチュエータの回転に関する制御信号を生成することができる。
【0014】
回転機構を自動化する従来の手法は、個々のアクチュエータに単一の軸に対する回転を制御させるべく制限される。例えば、単一の軸に沿う回転を容易にする回転機構は、単一の軸に沿う回転を制御する単一のアクチュエータを利用する。より複雑な例において、2つの軸に沿う回転を容易にする従来の回転機構は、それぞれの回転軸ごとに複数のアクチュエータを利用する(例えば、2つの回転軸を制御するための2つのアクチュエータ)。そのような従来の手法は、回転機構を形成する部品の数に関して非効率的又は複雑であり得る。更に、そのような従来の回転機構は、複数のアクチュエータの動作を調整するために何らかの形態の同期信号又は構成要素を必要とする。例示的には、装着構造113は第1の回転ジョイントに固定される。
【0015】
これらの実施形態によれば、従来の多構成要素回転機構に関連する欠点の少なくとも幾つかに対処するために、本出願の1つ以上の態様は、回転軸の周りに規定された回転機構の時計回り及び反時計回りの回転をもたらす単一のアクチュエータを含む回転機構を含む。アクチュエータの回転は、指定された角度位置に対する制御位置、及び指定された角度位置を達成するための時間又はアクチュエータ利用量を規定するデューティサイクルに関して定義することができる。また、回転機構は、単一のアクチュエータに基づいて2軸回動をもたらす3つの回転ジョイントを含むリンケージ構造も含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1Aは、本出願の1つ以上の態様に係る回転機構で使用するためのリンケージ構造104を含む回転機構101の斜視図である。リンケージ構造104は、単一のアクチュエータ(図示せず)からの回転に基づいて回転において協働する第1の回転ジョイント108及び第2の回転ジョイント110を含む。例示的には、第1の回転ジョイント108及び第2の回転ジョイント110は、第1の回転ジョイント108に加えられた回転力の並進を第2の回転ジョイント110に加えることができるようにする1つ以上のアーム109又はリンクを介して物理的に接続される。以下により詳細に示されるように、第1の回転ジョイント、第2の回転ジョイント110に加えられる回転力に応じて、第2の回転ジョイント110は、第1の回転ジョイント108の中心軸111の周りを移動又は回転する。
【0017】
リンケージ構造104は、表示構成要素などの様々な構成要素を装着するための2つ以上のアンカーポイント106を規定する装着構造113を更に含む。
図1Aに示されるように、装着構造113は、アンカーポイント106を収容するための複数のアーム115を含むことができる。例示的には、アーム115は、装着構造113に沿って規定された中心軸から等距離にある。更に、装着構造113は、装着構造113が第2の回転ジョイント110の回転に従って回転するように、第2の回転ジョイントに固定又は接着されてもよい。以下に示されるように、装着された構成要素(例えば、表示装置)は、装着構造113に従って回転する。装着構造113の幾何学的形状は、装着される構成要素の寸法、並びに、寸法に基づいて必要とされるアンカーポイントの数、リンケージ構造104又は装着された構成要素に加えられる重量及び力などの装着要件に従って変化し得る。
【0018】
リンケージ構造104は、単一のアクチュエータからの入力で直接回転するのではなく、第3の軸で力を与えるように浮動する第3の回転ジョイント112を含む。したがって、第3の回転ジョイント112は、装着された構成要素の回転を制御するために協働して直線軸に沿って移動するフローティングジョイントと称されてもよい。例示的には、第3の回転ジョイント112又はフローティングジョイントの移動は、装着構造113内に画定されたチャネル117に沿って規定される。チャネルは、実質的に水平な表面と、ばねなどによって回転ジョイントに加えられる張力に応じて第3の回転ジョイント112の対応する表面と接触する対向する対角面とを含むことができる。これに関連して、第3の回転ジョイントのフローティングジョイントの態様は、第1及び第2の回転ジョイント108,110の協働回転によって生じる異なる直線力を補償する。幾つかの実施形態において、第3の回転ジョイントは、装着された装置をダッシュボード又はコンソールなどの車両の他の内部区画部分と同一平面内に保つように、装着構造113(及び装着された装置)の動きを管理する。
【0019】
図1Bは、
図1Aに関連するリンケージ構造を含む回転機構101の異なる斜視図を表わす。
図1Bは、回転において協働する第1の回転ジョイント108及び第2の回転ジョイント110を含むリンケージ構造104を示す。更に、
図1Bは、第1の回転ジョイント108に接続されて回転力を与える単一のアクチュエータ114を示す。また、
図1Bは、装着構造113、及び装着構造のアーム115を介して接続される複数のアンカーポイント106も示す。
【0020】
図2Aは、表示装置102、回転機構101、及びリンケージ構造104を含む構成要素の組み合わせ100を含む本出願の例示的な実施形態の斜視図である。表示装置は、一例として、一人以上の搭乗者に情報を表示するために車両で利用される表示装置102などの映像表示装置に対応する。表示装置102は、2つの装着ポイント106を介してリンケージ構造104に装着される。更に、装着構造113は、装着された装置(例えば、表示装置)と接触する更なる表面(1つ以上)を含むことができる。
【0021】
図2Bは、本出願の1つ以上の態様に係る表示装置102、回転機構101、及びリンケージ構造104を含む組み合わせ構成要素100の異なる斜視図である。
図2Bは、アクチュエータ114を示す。
【0022】
図3及び
図4は、様々な例示的な実施形態に係る回転機構の異なる回転状態を示す。より具体的には、
図3は、本出願の1つ以上の態様に係る回転力に応じた第1の回転状態を示す表示装置、回転機構、及びリンケージ構造を含む構成要素のセットの斜視図である。
図4は、本出願の1つ以上の態様に係る回転力に応じた第2の回転状態を示す表示装置、回転機構、及びリンケージ構造を含む構成要素のセットの斜視図である。例示的には、アクチュエータ114は、所定の回転力を第1の回転ジョイント108及び第2の回転ジョイント110に徐々に加えることができるようにするデューティサイクル及び回転方向で動作されてもよい。回転力は、装着構造113の回転が所定の角度距離に従って規定され得るように、離散的に規定され得る。したがって、
図3及び
図4は、例示的に、装着構造113の回転範囲の2つの終点を規定することができる。したがって、様々な増分に従って、2つの終点間に様々な更なる回転状態を含めることができる。しかしながら、当業者であれば分かるように、回転範囲の参照及び図示は、本質的に例示にすぎず、限定として解釈されるべきではない。
【0023】
ここで
図3を参照すると、時計回りに回転するアクチュエータ114の回転に基づいて表示装置102の第1の回転状態が示される。第3の回転ジョイント112(例えば、フローティングジョイント)は、並進の連続性を維持するために、装着構造113の直線チャネル117によって規定される第3の軸に沿って更に並進する。
図4は、反時計回りの回転におけるアクチュエータ114の回転に基づく表示装置102の第2の回転状態を示す。組み合わせて、
図3及び
図4は、第1及び第2の回転ジョイント108,110の組み合わせが単一のアクチュエータ回転に基づいて表示装置102のある範囲の移動を達成することを示す。
図3及び
図4に示されるように、第2の回転ジョイント110の位置は、装着構造113に起因する全回転範囲から第1の回転ジョイント108の中心軸111を中心に回転する。
【0024】
更に、第3の回転ジョイント112は、直線チャネル117によって規定される第3の軸方向で表示装置の移動を可能にする。前述したように、表示装置が車両の構成要素に組み込まれる実施形態において、第3のジョイントは、表示装置とダッシュボードの一部などの構成要素との統合を維持しながら、表示装置102の移動を可能にする。表示装置が車両の構成要素に組み込まれない実施形態(例えば、自立型ディスプレイ)では、第3の回転ジョイントが、第3の軸に沿う表示装置の更なる移動を容易にする。
【0025】
図5A~
図5Dは、本出願の様々な実施形態に係るリンケージ構造で利用される回転ジョイント112及び直線チャネル117の様々な斜視図を示す。
図5Aを参照すると、第3の回転ジョイント112及び支持機構の詳細図が示される。前述したように、装着構造113は、第3の回転ジョイント112のための接触ポイントを規定する表面のセットを含む直線チャネル117を含む。具体的には、直線チャネル117は、回転ジョイント112の傾斜部分506,510に対して相補的である2つの傾斜部分502,504を含む。同様に、直線チャネル117は、例示的に、回転ジョイント112の水平部分511,513に対して相補的である2つの水平部分507,509を含む。また、少なくとも傾斜面又は水平面との界面は、摩擦を制御するためのブッシングを含むこともできる。
【0026】
それぞれの傾斜部分及び水平部分は、リンケージ構造104がばねなどの引張機構512を介して回転ジョイント112に与えられる力を吸収できるようにするための面一な装着をもたらす。結果として生じる反応は、2つの他の回転ジョイント108,110が回転するときに回転ジョイント112がリンケージ104との接触を維持することである。傾斜部分で示されるが、回転ジョイントは、異なる形態で実装することもできる。
【0027】
引き続き
図5Aを参照すると、リンケージ構造104は、摩擦を制御するために引張部材と装着構造113との間にブッシング516を含むこともできる。
【0028】
図5Bは、第3の回転ジョイント112及び装着構造113の断面を示す。
図5Bは、第3の回転ジョイント112のための接触ポイントを規定する表面のセットを含む装着面113の直線チャネル117を示す。具体的には、直線チャネル117は、第3の回転ジョイント112の傾斜部分506,510に対して相補的である2つの傾斜部分502,504を含む。同様に、直線チャネル117は、例示的に、回転ジョイント112の水平部分511,513に対して相補的である2つの水平部分507,509を含む。また、少なくとも傾斜面又は水平面との界面は、摩擦を制御するためのブッシングを含むこともできる。
【0029】
また、リンケージ構造104は、摩擦を制御するために引張部材と装着構造113との間にブッシング516を含むこともできる。
図5Bに示されるように、第3の回転ジョイント112は、車両動作での利用中に生じる振動力などの振動力を吸収するためのロックナット514を更に含むことができる。
【0030】
図5Cは、第3の回転ジョイント112及び装着構造113の前後断面を示す。
図5A及び
図5Bと同様に、
図5Cは、第3の回転ジョイントの側面506に当接する装着構造113の側面502を含む、直線チャネル117内の第3の回転ジョイント112の間の接続を示す。
図5Cは、摩擦を制御するための引張部材と装着構造113との間のブッシング516を更に示す。第3の回転ジョイント112は、車両動作での利用中に生じる振動力などの振動力を吸収するためのロックナット514を更に含むことができる。
【0031】
図5Dは、側面506,510が角度を有さず、実質的に垂直である、第3の回転ジョイント112の別の実施形態の斜視図である。
図5Dにも示されるように、この実施形態において、第3の回転ジョイント112は、水平面511,513及び一体型引張部材512を含むことができる。この実施形態において、第3の回転ジョイント112は、直線チャネル117に沿う同様の投影移動に対する機能を依然として有する。
【0032】
図6は、本出願の態様に係るリンケージ構造を含む回転機構を動作させるための制御機構の様々な構成要素を論理的に表わすブロック図である。センサ/コントローラ604は、表示装置102などの装置の所望の回転を決定するためのユーザ入力を受信することができる。そのような例は、手動入力オーディオ入力などを含むことができる。センサ/コントローラ604は、所望の回転を決定するために搭乗者の特徴を検出することができる。そのような属性は、物理的属性(例えば、身長、体重、視線方向など)を含むことができる。また、そのような属性は、ユーザプロファイルに関して事前構成されたユーザなどの特定のユーザの識別を含むこともできる。また、センサ/コントローラ604は、回転角度に関して事前構成された設定を含むことができる。
【0033】
制御構成要素602は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)又は他のコントローラなどの任意のマイクロプロセッサベースのコントローラに対応することができる。制御構成要素602は、所望の回転位置を達成するために、回転方向及びデューティサイクルに関する単一のアクチュエータ114のための動作パラメータの選択を容易にするロジックを含むことができる。また、制御構成要素602は、制御信号又は通信プロトコルを介した動作パラメータの送信を含むことができる。
【0034】
例示的には、制御構成要素602は、回転機構101の回転をもたらす、識別されたセンサからの情報をアクチュエータ114の動作パラメータにマッピングすることができるルックアップテーブルを利用することができる。幾つかの実施形態において、ルックアップテーブルは、アクチュエータの動作パラメータ(例えば、回転角度及びデューティサイクル)を決定するために個々のセンサ入力/動作状態をマッピングすることができる。
【0035】
図7は、回転機構のリンケージ構造104に回転力を加えるためのアクチュエータの動作パラメータを決定するために制御構成要素によって実施されるルーチンを示すフロー図である。アクチュエータ114の動作パラメータを決定し、決定された動作パラメータに対応する制御信号を生成するために、それぞれの個々の構成要素602ごとにルーチン700を実施することができる。ブロック702において、制御構成要素602は、複数のセンサ604、コントローラなどからの情報源のセットを取得する。
【0036】
ブロック704において、制御構成要素602は、適切なルックアップテーブルを決定する。幾つかの実施形態において、制御構成要素602によって利用される1つ以上のルックアップテーブルは、個々の車両に対して特別に構成され得る。或いは、ルックアップテーブルは、車両の種類、地理的位置、ユーザのタイプなどによって、車両のセットに共通であり得る。例えば、北東地域に関連付けられた車両は、共通のテーブルで構成されてもよく、一方で南地域に関連付けられた車両は、異なる共通のテーブルで構成されてもよい。更に、他の実施形態において、車両100は、地理的位置、ユーザ、カレンダー時間などに従って適用され得るテーブルのセットで構成されてもよい。例えば、車両は、夏の月又は春の月よりも冬の月の間に異なるルックアップテーブルを構成又は選択することができる。ルックアップテーブルは、定期的に更新することができる制御構成要素で静的に構成されてもよい。他の実施形態において、ルックアップテーブルは、車両に関連する通信機能を介して更新の頻度を容易にすることができるより動的であり得る。複数のルックアップテーブルが提供されていない場合、又は制御構成要素が選択基準を処理するように構成されていない場合、単一のルックアップテーブルをブロック704の一部として自動的に取り出すことができる。
【0037】
ブロック706において、制御構成要素602は、任意選択的に、エラーチェック、閾値比較、競合解決、正規化などを行なうために、識別された動作パラメータを処理することができる。
【0038】
ブロック708において、制御構成要素602は、制御信号の送信の省略を含む、選択されて処理された動作パラメータに従ってアクチュエータの動作を引き起こす情報又は制御信号を送信する。例示的には、幾つかの実施形態において、制御構成要素602は、アクチュエータ114の動作を更に監視して、様々な望ましくない状態又はエラー状態を示し得る異常又は他の入力を監視することができる。例えば、制御構成要素602は、視覚システムを使用して、表示装置(又は他の装着された装置)によって損傷される場合がある又は表示装置もしくは回転機構101もしくは他の構成要素を損傷する場合がある回転経路内の障害物の存在を検出することができる。別の例において、制御構成要素602は、障害物、故障などを示し得るアクチュエータ114などの構成要素の動作特性を監視することができる。そのような動作特性は、消費電力、回転のタイミング、負荷又は力の測定値などを含むことができる。本出願の態様に従って、他の例又は監視手法が含まれてもよい。そのようなシナリオでは、制御構成要素602は、選択された回転を終了し、通知を生成し、ログを作成するなどすることができる。ルーチン700は、継続的な監視のための実施形態ではブロック702に戻るか、又はルーチン200の開始を待つことができる。
【0039】
前述の開示は、本開示を開示された正にその形態又は特定の使用分野に限定しようとするものではない。したがって、本明細書中に明示的に記載されるか又は暗示されるかにかかわらず、本開示に対する様々な別の実施形態及び/又は修正が本開示に照らして想定し得ると考えられる。このように本開示の実施形態を説明してきたが、当業者であれば分かるように、本開示の範囲から逸脱することなく形態及び詳細に変更を行うことができる。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0040】
上記の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者であれば分かるように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正又は実施することができる。したがって、この説明は、例示と見なされるべきであり、開示された通気孔アセンブリの様々な実施形態を作成及び使用する態様を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解すべきである。同等の要素、材料、プロセス、又は、ステップが、本明細書で典型的に図示されて説明されるものと置き換えられてもよい。更に、本開示の特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を受けた後に当業者に明らかであるように、他の特徴の使用とは無関係に利用されてもよい。本開示を説明して特許請求の範囲に記載するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「から成る(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的な態様で解釈されること、すなわち、明示的に説明されていない項目、構成要素又は要素も存在できるようにすることを意図している。また、単数形への言及は、複数形にも関連すると解釈されるべきである。
【0041】
更に、本明細書に開示される様々な実施形態は、例示的かつ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。全ての結合についての言及(例えば、取り付け、固定、結合、接続など)は、読者の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステム及び/又は方法の位置、向き、又は使用に関して限定を生じさせるものではない。したがって、結合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。更に、そのような結合についての言及は、必ずしも2つの要素が互いに直接接続されているとは限らない。
更に、これらに限定されないが、「第1」、「第2」、「第3」、「一次」、「二次」、「主」などの全ての数値的用語或いは任意の他の通常の及び/又は数値的用語も、本開示の様々な要素、実施形態、変形例及び/又は修正についての読者の理解を助けるための識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、他の要素、実施形態、変形及び/又は修正に対する又はそれを超える任意の要素、実施形態、変形及び/又は修正の順序又は選好に関していかなる制限をもたらし得ない。
【0042】
また、図面/図に描かれた要素のうちの1つ以上を特定の用途にしたがって有用であるようにより分離された又は統合された態様で実装することもでき或いは更には特定の場合には動作不能であるように除去する又はレンダリングすることもできるのが分かる。
【国際調査報告】