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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】イオナイザーのエミッターノズル
(51)【国際特許分類】
   H01T 23/00 20060101AFI20240723BHJP
   H01T 19/00 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H01T23/00
H01T19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574688
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 US2022032103
(87)【国際公開番号】W WO2022256616
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】63/197,208
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/831,029
(32)【優先日】2022-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ クロチコフ
(57)【要約】
例示の電荷中和の装置は、エミッターノズルであって、エミッターと、エミッターを保持するように構成されるハウジングであって、ハウジングは、ハウジングの外面に複数のカムを備える、ハウジングとを備える、エミッターノズルと、エミッターノズルの挿入及び取外しを可能にするとともに、エミッターノズルの動作中にエミッターノズルを適所に保持するように構成されるノズル受け口であって、エミッターノズル上の複数のカムに対応する複数のねじ山であって、複数のねじ山は、第1のフランク角を有する、複数のねじ山と、複数のねじ山のそれぞれの遠位端部に位置する複数の棚部であって、複数の棚部は、第1のフランク角よりも小さい第2のフランク角を有する、複数の棚部とを備える、ノズル受け口とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電荷中和の装置であって、
エミッターノズルであって、
エミッターと、
前記エミッターを保持するように構成されるハウジングであって、該ハウジングは、該ハウジングの外面に複数のカムを備える、ハウジングと、
を備える、エミッターノズルと、
前記エミッターノズルの挿入及び取外しを可能にするとともに、前記エミッターノズルの動作中に前記エミッターノズルを適所に保持するように構成されるノズル受け口であって、
前記エミッターノズル上の前記複数のカムに対応する複数のねじ山であって、該複数のねじ山は、第1のフランク角を有する、複数のねじ山と、
前記複数のねじ山のそれぞれの遠位端部に位置する複数の棚部であって、該複数の棚部は、前記第1のフランク角よりも小さい第2のフランク角を有する、複数の棚部と、
を備える、ノズル受け口と、
を備える、装置。
【請求項2】
電源を更に備え、前記ノズル受け口は、前記エミッターノズルが前記ノズル受け口内に設置されると、前記電源からの電力を前記エミッターノズルに伝導するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記エミッターノズルの前記ハウジングは2つのカムを備え、前記ノズル受け口は二重ねじ山を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記複数のねじ山は、前記エミッターノズルを前記ノズル受け口内に設置するために1/2ターン~1フルターンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ノズル受け口は、前記エミッターノズルの前記ハウジングの外面に対してシールを提供するように構成される座部を備え、前記エミッターノズルは、前記ハウジングの外面上にシールを備え、前記シールは前記座部に当接するようになっている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
複数のノズル受け口を有するイオナイザーハウジングを更に備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記イオナイザーハウジングの内面は、空気で加圧され、前記座部は、空気圧に対してシールするように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記棚部は、空気圧によって前記ノズル受け口から前記エミッターノズルが緩むのを防止するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記ノズル受け口は、射出成形される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記棚部のうちの少なくとも1つは、0度の第2のフランク角を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記棚部のうちの少なくとも1つは、前記ねじ山と前記棚部との間の突出部を有し、前記カムのうちの1つは、前記ねじ山から対応する前記棚部に到達するため、及び前記棚部から対応する前記ねじ山に到達するためには、前記突出部を通り越さなければならないようになっている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記棚部のうちの少なくとも1つは、0度未満の第2のフランク角を有する、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には、イオン化に関し、より詳細には、イオナイザーのエミッターノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
電荷中和装置のイオンエミッターは、正及び負両方のイオンを発生させ、周囲空気又は気体媒体の中に供給する。気体イオンを発生させるために、印加される電圧の振幅は、イオン化セルとして配置される少なくとも2つの電極間にコロナ放電を引き起こすほど十分に高くなければならない。イオン化セルにおいて、少なくとも1つの電極はイオンエミッターであり、別の電極は基準電極とすることができる。
【発明の概要】
【0003】
適応的電荷中和の方法及び装置が、特許請求の範囲においてより完全に記載されるように、実質的に、図面のうちの少なくとも1つによって示され、これに関連して説明されるように開示される。
【0004】
本開示のこれらの特徴、態様、及び利点並びに他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が添付図面を参照して読まれるとより良好に理解され、図面を通して同様の参照符号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示の態様に係る、バランス電圧フィードバックに基づいてイオン化出力を制御するように構成される一例示のAC電荷中和システムを示す図である。
図2図1の一例示のエミッターアセンブリの分解図である。
図3図2の例示のノズル受け口の斜視図である。
図4図2の例示のノズル受け口の断面図である。
図5図2の例示のノズル受け口のねじ山及び棚部のより詳細な斜視図である。
図6】設置形態における図2の例示のエミッターアセンブリの断面図である。
図7】ねじ山と棚部との間の突出部を備える、図2のノズル受け口の別の例示の実施態様の断面図である。
図8】棚部が負のフランク角を有する、図2のノズル受け口の別の例示の実施態様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0007】
イオナイザー、又は電荷中和装置は、陽イオン及び/又は陰イオンを放出して、製造施設等の中の表面又は基板上に存在し得る静電気を放電する。開示される例示の電荷中和の方法及び装置は、クラス1クリーンルーム生産環境において使用することができ、半導体チップ製造に特に有用である。
【0008】
従来のイオンエミッターは、受け口を介してハウジング内に設置される。ハウジング内の加圧に起因して、イオンエミッター及び/又はエミッターを保持するエミッターノズルは、設置に抵抗する及び/又はハウジングからの弾き出しを促進する力を受ける。最中のシール要素に関連する摩擦力に起因して、従来のイオンエミッターの複数の転回を伴うエミッターノズルの設置及び交換は、オペレーターが疲労し得るものである。いくつかの他の従来のイオンエミッターノズルは、バヨネット式継手を使用して設置される。しかしながら、バヨネット継手では、シール要素からの抵抗に打ち勝つために大きな挿入力が必要となる。
【0009】
従来のイオンエミッターノズルアセンブリとは対照的に、開示されるイオンエミッターノズル及び受け口は、ねじ山が複数のセクションを有するねじ接続を有する。いくつかのそのような例において、ノズル受け口は、二重ねじ切りされ、エミッターハウジングは、二本ねじ山に螺合されるように構成されるカムを備える。各ねじ山の第1のセクションは、第1のフランク角(例えば、垂直な円周線に対してピッチによって定義される角度)を有し、各ねじ山は、より低いフランク角を有する第2のセクション内へと終端する。いくつかのそのような例において、第2のセクションは、ゼロのピッチ角を有する。より低いフランク角により、設置位置でのエミッターノズルの係止が改善され、エミッターノズルが意図せず緩む又は弾き出される可能性が低減されつつ、設置しやすさは改善される。
【0010】
「イオン化」及び「電荷中和」という用語は、本明細書において区別なく使用される。
【0011】
開示される例示の電荷中和の装置は、エミッターノズルであって、エミッターと、エミッターを保持するように構成されるハウジングであって、ハウジングは、ハウジングの外面に複数のカムを備える、ハウジングとを備える、エミッターノズルと、エミッターノズルの挿入及び取外しを可能にするとともに、エミッターノズルの動作中にエミッターノズルを適所に保持するように構成されるノズル受け口であって、エミッターノズル上の複数のカムに対応する複数のねじ山であって、複数のねじ山は、第1のフランク角を有する、複数のねじ山と、複数のねじ山のそれぞれの遠位端部に位置する複数の棚部であって、複数の棚部は、第1のフランク角よりも小さい第2のフランク角を有する、複数の棚部とを備える、ノズル受け口とを備える。
【0012】
いくつかの例示の装置は、電源を更に備え、ノズル受け口は、エミッターノズルがノズル受け口内に設置されると、電源からの電力をエミッターノズルに伝導するように構成される。いくつかの例示の装置において、エミッターノズルのハウジングは2つのカムを備え、ノズル受け口は二重ねじ山を備える。
【0013】
いくつかの例示の装置において、複数のねじ山は、エミッターノズルをノズル受け口内に設置するために1/2ターン~1フルターンを含む。いくつかの例示の装置において、ノズル受け口は、エミッターノズルのハウジングの外面に対してシールを提供するように構成される座部を備え、エミッターノズルは、ハウジングの外面上にシールを備え、シールは座部に当接するようになっている。いくつかのそのような例示の装置は、複数のノズル受け口を有するイオナイザーハウジングを更に備える。いくつかの例示の装置において、イオナイザーハウジングの内面は、空気で加圧され、座部は、空気圧に対してシールするように構成される。いくつかの例示の装置において、棚部は、空気圧によってノズル受け口からエミッターノズルが緩むのを防止するように構成される。
【0014】
いくつかの例示の装置において、ノズル受け口は、射出成形される。いくつかの例示の装置において、棚部のうちの少なくとも1つは、0度の第2のフランク角を有する。いくつかの例示の装置において、棚部のうちの少なくとも1つは、ねじ山と棚部との間の突出部を有し、カムのうちの1つは、ねじ山から対応する棚部に到達するため、及び棚部から対応するねじ山に到達するためには、突出部を通り越さなければならないようになっている。いくつかの例示の装置において、棚部のうちの少なくとも1つは、0度未満の第2のフランク角を有する。
【0015】
図1は、バランス電圧フィードバックに基づいてイオン化出力を制御するように構成される一例示のAC電荷中和システム100を示している。例示のAC電荷中和システム100は、陽イオン及び陰イオン102を出力して、ターゲットデバイス又は基板104上の電荷を中和する。
【0016】
イオン102を生成するために、例示のシステム100は、1つ以上のイオンエミッターノズル106を備え、イオンエミッターノズル106は、イオン102の生成のために高電圧高周波AC信号を提供する1つ以上の電源に結合される。システム100は、イオン102をターゲットデバイス又は基板104の所望の領域又はサイズに分散させるために任意の数のエミッターノズル106を備えることができる。陽イオンと陰イオンとを交互に生じることによって、例示のシステム100は、イオン102によってターゲットデバイス又は基板104の帯電を低減又は回避しながら、ターゲットデバイス又は基板104上に存在する静電荷を有効に中和する。
【0017】
図1のシステム100は、陽イオンの連続パルス及び陰イオンの連続パルスを出力するようにノズル106の出力電圧を制御することによって、陽イオン及び陰イオンを交互に生じる。連続陽イオンパルスと連続陰イオンパルスとのそれぞれの持続時間は、所望のバランスに基づいて制御することができる。従来の電荷中和システムとは対照的に、例示のシステム100は、アンテナ108を介してバランス電圧を測定し、測定値に基づいてイオンバランスを調整することによって、+/-5V以内のバランス電圧を達成する。例えば、システム100は、出力バランスを調整するように連続陽イオンパルスと連続陰イオンパルスとの相対数又は持続時間を調整することができる。アンテナ108は、アンテナ108がシステム100の出力を示すバランス電圧を測定するように、ターゲット104付近に位置決めすることができる。アンテナ108からのフィードバックを使用して、システム100は、陽イオンと陰イオンとのバランスを繰り返し(例えば、絶え間なく)調整する。
【0018】
例示のシステム100は、電源及びノズル106、並びにシステムにおける他の任意の構成要素を収容するハウジング110を備える。ノズル106は、摩耗、汚染、及び/又は損傷に起因するノズル106の交換を容易にするようにシステム100に対して設置及び設置解除することができる。
【0019】
図2は、図1のノズル106を実装するために使用することができる一例示のエミッターアセンブリ200の分解図である。動作時、エミッターアセンブリ200は、高電圧高周波信号をシステム100の電源から受信し、受信した電圧に基づいて陽イオン及び陰イオンを出力する。
【0020】
エミッターアセンブリ200は、ノズル受け口204内に設置されるように構成されるエミッターノズル202を備える。ノズル受け口204は、システム100のハウジング110と一体とすることができ、エミッターノズル202は、ノズル受け口204に対して設置及び設置解除される。例示のノズル受け口204は、さらに、エミッターノズル202への及び/又はエミッターノズル202からの電気信号の伝導を容易にすることができる。
【0021】
エミッターノズル202は、エミッター206と、エミッターハウジング208とを備える。例示のエミッター206は、エミッターハウジング208内に取外し可能に設置され、エミッターハウジング208は、エミッター206をノズル受け口204内に適切に設置されるように位置決めする。エミッターハウジング208及び/又はノズル受け口204は、エミッターハウジング208とノズル受け口204との間のガス漏れを回避するために、1つ以上のOリング、ガスケット、及び/又は他のシールを備えることができる。
【0022】
以下により詳細に開示されるように、例示のエミッターノズル202は、ノズル受け口204内にねじ留めされ、ノズル受け口204は、受け口204からエミッターノズル202のねじが意図せず外れることを回避するためにめねじ及び棚部を備える。エミッターハウジング208は、受け口204のめねじに螺合される2つのカム210を備える。従来のエミッターノズルとは対照的に、例示のエミッターノズル202及び受け口204は、ハウジング110の内部からエミッターノズル202にかかるガス圧に起因した意図せぬねじ抜けに抵抗する。
【0023】
図3は、図2の例示のノズル受け口204の斜視図である。図4は、図2の例示のノズル受け口の断面図である。ノズル受け口204は、カム210を介してエミッターハウジング208のねじ留めを可能にするようにねじ切りされる。図3及び図4の例において、ノズル受け口204は、二重ねじ切りされる。ねじ山302a、302bは、第1のフランク角を有し、第1のフランク角は、受け口204内へのエミッターノズル202の1/4ターン、1/2ターン、3/4ターン、フルターン、及び/又は他の任意の数のターンでの設置を可能にするように選択することができる。
【0024】
ねじ山302a、302bのそれぞれの遠位端部において、ねじ山302a、302bは、低減されたフランク角を有する棚部304a、304bを備える。図5は、図2の例示のノズル受け口204のねじ山302a、302b及び棚部304bのより詳細な斜視図である。図3及び図4の例において、フランク角は、棚部304a、304bにおいてゼロに低減される。設置時、ノズル受け口204からエミッターハウジング208にかかる外向きの圧力はいずれも、着座解除を生じ得る振動又は他の影響と組み合わされたときでも、ねじを抜く力に変換されることはない。
【0025】
図6は、設置形態における図2の例示のエミッターアセンブリ200の断面図である。図6に示すように、カム210は、ねじ山302a、302bの棚部304a、304bに対して位置決めされる。設置位置において、エミッター206は、ノズル受け口204を貫通して電源との電気的接触を行う。
【0026】
また、図6には、エミッターハウジング208の外面上に位置決めされる例示のシール602、604が示されている。シール602、604は、ノズル受け口204の座部606、及び/又はノズル受け口の内部の中の他の場所に当接する。シール602、604は、エミッターハウジング208の外面の周りのガス漏れを低減する。
【0027】
図7は、図2のノズル受け口204を実装するために使用することができる別の例示のノズル受け口700の断面図である。図2のノズル受け口204と同様に、ノズル受け口700は、棚部304a、304bを有するねじ山302a、302bを備える。例示のノズル受け口700は、ねじ山302bの第1の部分と棚部304bとの間の突出部702を更に備える。一方又は両方のねじ山302a、302bは、突出部を備えることができる。
【0028】
例示の突出部702は、カム210が棚部304bからねじ山302bに移動するのに必要な移動及び/又はエネルギーを更に増大させる。そのため、突出部702は、さらに、設置及び設置解除の難易度を実質的に増大させることなく、受け口204からエミッターノズル202のねじが意図せず抜ける可能性を低減する。
【0029】
図8は、図2のノズル受け口204を実装するために使用することができる別の例示のノズル受け口800の断面図である。図2のノズル受け口204と同様に、ノズル受け口700は、棚部304a、304bを有するねじ山302a、302bを備える。例示の受け口800において、棚部304bは、負のフランク角を有し、ここで、棚部304aはねじ山の方向を反転させる。負のフランク角を有する例示の棚部304bは、図7の突出部702と同様の効果を有することができ、その効果とは、カム210が棚部304bからねじ山302bに移動するのに必要な移動及び/又はエネルギーを更に増大させることである。そのため、棚部304bは、さらに、設置及び設置解除の難易度を実質的に増大させることなく、受け口204からエミッターノズル202のねじが意図せず抜ける可能性を低減する。
【0030】
図8の例において、両方の棚部304a、304bは、エミッター206の位置合わせのために負のフランク角を有する。棚部304a、304bは、棚部304a、304bの長さの一部又は全体について負のフランク角を有することができる。
【0031】
図示の例の例示のノズル受け口204、700、800のいずれかは、任意の適切な技法を使用して構築することができる。例示の構造又は製造技法は、限定しないが、射出成形及び/又は付加製造を含むことができる。
【0032】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組合せで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組合せは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実施させる。本明細書において使用される場合、「非一時的機械可読媒体」という用語は、全てのタイプの機械可読記憶媒体を含み、伝播信号を排除するように定義される。
【0033】
本明細書において使用される場合、「回路」及び「回路部」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書において使用される場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書において使用される場合、回路部は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かにかかわらず、回路部はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0034】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。例えば、開示した例のブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】