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特表2024-528405動的時間ドメインチャネル表現のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】動的時間ドメインチャネル表現のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/56 20060101AFI20240723BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240723BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240723BHJP
   G01S 13/74 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G01S13/56
H04W64/00
H04W84/12
G01S13/74
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577164
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 IB2022055417
(87)【国際公開番号】W WO2022263982
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/210,645
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/227,684
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】318010214
【氏名又は名称】コグニティヴ システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベグ,クリス
(72)【発明者】
【氏名】オマル,モハマド
【テーマコード(参考)】
5J070
5K067
【Fターム(参考)】
5J070BC16
5K067EE02
5K067JJ51
(57)【要約】
動的チャネル表現のためのシステム及び方法が記載される。最初に、検知受信器が、検知送信を受信する。次いで、検知受信器が、検知送信に基づいて、検知測定値を生成する。その後、検知受信器が、検知測定値に基づいて検知受信器と検知送信器との間の伝搬チャネルのチャネル表現情報を生成する。次いで、検知受信器が、検知受信器と検知送信器との間の定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントを取得する。更に、検知受信器が、チャネル表現情報を検知インプリントと比較し、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差を識別する。検知受信器が、チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに更に送り得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、検知受信器によって実施されるWi-Fi検知のための方法であって、
前記送信アンテナを介して、検知トリガメッセージを送信することと、
前記受信アンテナを介して、検知送信器から検知送信を受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記検知送信に基づいてチャネル表現情報を取得することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えていることを識別することであって、前記検知インプリントが、2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することと、
前記差が前記閾値を超えていることを識別することに応答して、前記チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送ることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記検知インプリントが、前記検知送信器と前記検知受信器との間の定常状態の伝搬チャネルを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チャネル表現情報が、チャネル状態情報(CSI)、フル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)、及びフィルタリングされたTD-CRIのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記閾値が、振幅閾値若しくは位相閾値のうちの1つ以上、又は、振幅閾値及び位相閾値の双方の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記検知送信は、検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記検知受信器と前記検知送信器との間の1つ以上の伝搬チャネルの半静的性質の変化に応答して、前記検知インプリントを前記少なくとも1つのプロセッサによって更新することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、デバイスによって実施されるWi-Fi検知のための方法であって、
検知イニシエータから前記受信アンテナを介して閾値を受信することと、
検知送信器から前記受信アンテナを介して検知送信アナウンスメッセージ及び検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記検知送信NDPに基づいてチャネル表現情報を取得することと、
前記検知イニシエータから前記受信アンテナを介して測定ポーリングメッセージを受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が前記閾値を超えていることを識別することであって、前記検知インプリントが、2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することと、
前記差が前記閾値を超えていることを識別することに応答して、前記送信アンテナを介して前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記チャネル表現情報を前記検知イニシエータに送ることと、を含む、方法。
【請求項8】
送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、デバイスによって実施されるWi-Fi検知のための方法であって、
前記受信アンテナを介して検知受信器から検知インプリントを受信することと、
前記送信アンテナを介して前記検知受信器に検知送信を送信することと、
前記送信アンテナを介して測定ポーリングメッセージを送信することと、
前記受信アンテナを介して前記検知送信に基づいてチャネル表現情報を受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記チャネル表現情報と前記検知インプリントとの間の差が閾値を超えていることを識別することであって、前記検知インプリントが、2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することと、
前記差が前記閾値を超えていることを識別することに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送ることと、を含む、方法。
【請求項9】
Wi-Fi検知のためのシステムであって、検知受信器であって、
送信アンテナと、
受信アンテナと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
前記送信アンテナを介して検知トリガメッセージを送信する命令と、
前記受信アンテナを介して検知送信器から検知送信を受信する命令と、
前記検知送信に基づいてチャネル表現情報を取得する命令と、
前記チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えることを識別する命令であって、前記検知インプリントが、2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別する命令と、
前記差が前記閾値を超えていることを識別することに応答して、前記チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送る命令と、を実行するように構成されたプロセッサと、を含む、検知受信器を備える、システム。
【請求項10】
前記検知インプリントが、前記検知送信器と前記検知受信器との間の定常状態の伝搬チャネルを表す、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記チャネル表現情報が、チャネル状態情報(CSI)、フル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)、及びフィルタリングされたTD-CRIのうちの1つ以上を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記閾値が、振幅閾値若しくは位相閾値のうちの1つ以上、又は、振幅閾値及び位相閾値の双方の組み合わせを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記検知送信が、検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記検知受信器と前記検知送信器との間の1つ以上の伝搬チャネルの半静的性質の変化に応答して、前記検知インプリントを更新するように更に構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
Wi-Fi検知のためのシステムであって、デバイスであって、
送信アンテナと、
受信アンテナと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
検知イニシエータから前記受信アンテナを介して閾値を受信する命令と、
検知送信器から前記受信アンテナを介して検知送信アナウンスメッセージ及び検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を受信する命令と、
前記検知送信NDPに基づいてチャネル表現情報を取得する命令と、
前記検知イニシエータから前記受信アンテナを介して測定ポーリングメッセージを受信する命令と、
前記チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が前記閾値を超えることを識別する命令であって、前記検知インプリントが、2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別する命令と、
前記差が前記閾値を超えていることを識別することに応答して、前記送信アンテナを介して、前記検知イニシエータに前記チャネル表現情報を送る命令と、を実行するように構成されたプロセッサと、を含む、デバイスを備える、システム。
【請求項16】
Wi-Fi検知のためのシステムであって、デバイスであって、
送信アンテナと、
受信アンテナと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
前記受信アンテナを介して検知受信器から検知インプリントを受信する命令と、
前記送信アンテナを介して前記検知受信器に検知送信を送信する命令と、
前記送信アンテナを介して測定ポーリングメッセージを送信する命令と、
前記受信アンテナを介して前記検知送信に基づいてチャネル表現情報を受信する命令と、
前記チャネル表現情報と前記検知インプリントとの間の差が閾値を超えることを識別する命令であって、前記検知インプリントが、2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別する命令と、
前記差が前記閾値を超えていることを識別することに応答して、前記チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送る命令と、を実行するように構成されたプロセッサと、を含む、デバイスを備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、Wi-Fi検知のためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、Wi-Fi検知のための動的時間ドメインチャネル表現を生成するためのWi-Fiシステム及び方法を構成することに関する。
【背景技術】
【0002】
動き検出システムは、例えば、部屋又は屋外エリア内の物体の移動を検出するために使用されている。一部の例示的な動き検出システムでは、赤外線センサ又は光学センサが、センサの視野内の物体の移動を検出するために使用されている。動き検出システムは、セキュリティシステム、自動制御システム、及び他のタイプのシステムにおいて使用されている。Wi-Fi検知システムは、動き検出システムに最近追加されたものである。
【0003】
Wi-Fi検知システムは、IEEE802.11ネットワークの一部であり得るWi-Fi対応デバイスのネットワークであり得る。例えば、Wi-Fi検知システムは、検知受信器及び検知送信器を含み得る。一例では、Wi-Fi検知システムは、検知空間内の関心対象の特徴を検出するように構成され得る。検知空間は、Wi-Fi検知システムが動作し得る任意の物理的空間、例えば、居住場所、職場、ショッピングモール、スポーツホール若しくはスポーツスタジアム、庭、又は任意の他の物理的空間を指し得る。関心対象の特徴は、物体の動き及び動き追跡、存在検出、侵入検出、ジェスチャ認識、落下検出、呼吸速度検出、並びに他の用途を含み得る。動き又は移動は、検知受信器と検知送信器との間の送信経路に基づいて、Wi-Fi検知アルゴリズムによって検知空間内で判定され得る。
【0004】
Wi-Fi検知システムでは、1つのデバイスから別のデバイスに(例えば、検知受信器から検知送信器へ)伝搬チャネルを表す情報(すなわち、チャネル表現情報)が空中で送信される必要があり得る。デバイス間の伝搬チャネルの表現は、現在、チャネル状態情報(CSI)内に取り込まれている。典型的には、CSIは、マルチトーン直交周波数分割多重化(OFDM)信号の各トーンの振幅減衰及び位相回転を表す周波数ドメイン内の複素値のセットである。一例では、20MHzの伝搬チャネル帯域幅に対して、52個のCSI複合体ペアが、伝搬チャネルを表現するために使用される。別の例では、40MHzの伝搬チャネル帯域幅に対して、104個のCSI複合体ペアが、伝搬チャネルを表現するために使用される。伝搬帯域幅が増加するにつれて、伝搬チャネルを表現するために使用されるCSI複合体ペアの数も増加する。したがって、1つのデバイスから別のデバイスへのチャネル情報の送信は、著しい量の情報を渡すことを必要とし得、その結果、データ転送のために使用されるはずのチャネル容量が消費されることになる。また、チャネル帯域幅が広いほど、より多くの複素値を送信する必要があるため、空中でのCSIの送信によるチャネル使用率が大きくなる。更に、CSIは、物理(PHY)層からメディアアクセス制御(MAC)層に渡される必要がある。現在、PHY層からMAC層にCSIを送信する標準化された方法は存在せず、Wi-Fi検知アルゴリズムは、独自のインターフェースに依存している。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、概して、Wi-Fi検知のためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、Wi-Fi検知のための動的時間ドメインチャネル表現を生成するためのWi-Fiシステム及び方法を構成することに関する。
【0006】
Wi-Fi検知のためのシステム及び方法が提供される。一実施形態では、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、検知受信器によって実施されるWi-Fi検知のための方法が提供される。この方法は、送信アンテナを介して検知トリガメッセージを送信することと、受信アンテナを介して検知送信器から検知送信を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知送信に基づいてチャネル表現情報を取得することと、少なくとも1つのプロセッサによって、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えていることを識別することであって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することと、差が閾値を超えていることを識別することに応答して、チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送ることと、を含む。
【0007】
別の実施形態では、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、デバイスによって実施されるWi-Fi検知のための方法が提供される。この方法は、検知イニシエータから受信アンテナを介して閾値を受信することと、検知送信器から受信アンテナを介して、検知送信アナウンスメッセージ及び検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知送信NDPに基づいたチャネル表現情報を取得することと、検知イニシエータから受信アンテナを介して測定ポーリングメッセージを受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えていることを識別することであって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することと、差が閾値を超えていることを識別することに応答して、送信アンテナを介して少なくとも1つのプロセッサによって、チャネル表現情報を検知イニシエータに送ることと、を含む。
【0008】
別の実施形態では、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、デバイスによって実施されるWi-Fi検知のための方法が提供される。この方法は、受信アンテナを介して検知受信器から検知インプリントを受信することと、送信アンテナを介して検知送信を検知受信器に送信することと、送信アンテナを介して、測定ポーリングメッセージを検知受信器に送信することと、受信アンテナを介して、検知送信に基づいたチャネル表現情報を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えていることを識別することであって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することと、差が閾値を超えていることを識別することに応答して、チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送ることと、を含む。
【0009】
別の実施形態では、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、検知受信器を備えたWi-Fi検知のためのシステムが提供される。命令は、送信アンテナを介して検知トリガメッセージを送信することと、受信アンテナを介して検知送信器から検知送信を受信することと、検知送信に基づいてチャネル表現情報を取得することと、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えることを識別することであって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することと、差が閾値を超えることを識別することに応答して、チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送ることと、を含み得る。
【0010】
別の実施形態では、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、デバイスを備えたWi-Fi検知のためのシステムが提供される。命令は、検知イニシエータから受信アンテナを介して閾値を受信することと、検知送信器から受信アンテナを介して検知送信アナウンスメッセージ及び検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を受信することと、検知送信NDPに基づいてチャネル表現情報を取得することと、検知イニシエータから受信アンテナを介して測定ポーリングメッセージを受信することと、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えていることを識別することであって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することと、差が閾値を超えていることを識別することに応答して、送信アンテナを介してチャネル表現情報を検知イニシエータに送ることと、であり得る。
【0011】
別の実施形態では、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、デバイスを備えたWi-Fi検知のためのシステムが提供される。命令は、受信アンテナを介して検知受信器から検知インプリントを受信することと、送信アンテナを介して検知送信を検知受信器に送信することと、送信アンテナを介して、測定ポーリングメッセージを検知受信器に送信することと、受信アンテナを介して、検知送信に基づいたチャネル表現情報を受信することと、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えていることを識別することであって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することであって、差が閾値を超えていることを識別することに応答して、チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送ることと、であり得る。
【0012】
例示的な実施形態では、Wi-Fi検知のために構成された方法が記載される。この方法は、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成されたプロセッサと、を含む検知受信器によって実施される。方法は、受信アンテナを介して、検知送信を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知送信に基づいて検知測定値を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知測定値に基づいて検知受信器と検知送信器との間の伝搬チャネルのフル時間ドメインチャネル表現(TD-CRI)を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知受信器と検知送信器との間の定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントを取得することと、少なくとも1つのプロセッサによって、フルTD-CRIと検知インプリントとを比較することと、少なくとも1つのプロセッサによって、フルTD-CRIと検知インプリントとの間の差に従って、フィルタリングされたTD-CRIを識別することと、フィルタリングされたTD-CRIを検知アルゴリズムマネージャに送ることと、を含む。
【0013】
一部の実装態様では、フィルタリングされたTD-CRIを識別することが、検知インプリントの第2の時間ドメインパルスとは異なるフルTD-CRIの第1の時間ドメインパルスを判定することと、第1の時間ドメインパルスをフィルタリングされたTD-CRIとして指定することと、を含む。
【0014】
一部の実装態様では、方法は、検知アルゴリズムマネージャによって、検知インプリントを取得することと、検知アルゴリズムマネージャによって、検知インプリントの対応する時間ドメインパルスをフィルタリングされたTD-CRIの第1の時間ドメインパルスに置き換えることによって、再構築されたTD-CRIを生成することと、を更に含む。
【0015】
一部の実装態様では、方法は、検知アルゴリズムマネージャに、第1の時間ドメインパルスのフルTD-CRI内の場所を示す場所ビットマップを送信することを更に含む。
【0016】
一部の実装態様では、方法は、フィルタリングされたTD-CRIを定義するインプリントデルタとして、フルTD-CRIの第1の時間ドメインパルスと検知インプリントの第2の時間ドメインパルスとの間の差を格納することを更に含む。
【0017】
一部の実装態様では、インプリントデルタとして格納された差は、第1の時間ドメインパルスよりも少ないビットを必要とする。
【0018】
一部の実装態様では、フルTD-CRIの第1の時間ドメインパルスと検知インプリントの第2の時間ドメインパルスとの間の差を格納することは、測定インプリントデルタ閾値を超える差のみを格納することを含む。
【0019】
一部の実装態様では、方法は、検知アルゴリズムマネージャによって、検知インプリントを取得し、検知アルゴリズムマネージャによって、インプリントデルタに格納された差を検知インプリントの対応する時間ドメインパルスに追加することによって、再構築されたTD-CRIを生成することを更に含む。
【0020】
一部の実装態様では、方法は、検知アルゴリズムマネージャに、TD-CRI場所に対応するインプリントデルタ場所を示す場所ビットマップを送信することを更に含む。
【0021】
一部の実装態様では、フルTD-CRIと検知インプリントとの比較が、高忠実度TD-CRI再構築のための検知アルゴリズムマネージャからの要求に応答して実行される。
【0022】
一部の実装態様では、方法が、検知アルゴリズムマネージャに、検知インプリントインジケータを送信することを更に含む。
【0023】
一部の実装態様では、方法が、検知インプリント更新判定を行い、検知インプリント更新判定に応答して、検知インプリントを更新することを更に含む。
【0024】
一部の実装態様では、検知インプリント更新判定を行うことが、定常状態のインプリントデルタ期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得することと、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較することと、以前のインプリントデルタ内の変更された時間ドメインパルスと現在のインプリントデルタ内の対応する時間ドメインパルスとを識別することと、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を上回ったままであると判定することと、を含む。
【0025】
一部の実装態様では、検知インプリント更新判定を行うことが、インプリントデルタ導関数期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得することと、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較することと、以前のインプリントデルタと現在のインプリントデルタとの間で変更された時間ドメインパルスを識別することと、対応する時間ドメインパルスがインプリントデルタ導関数閾値を下回ったと判定することと、を含む。
【0026】
一部の実装態様では、検知インプリント更新判定を行うことが、インプリント妥当性タイマーが期限切れであると判定することを含む。
【0027】
別の例示的な実施形態では、Wi-Fi検知のために構成された方法が記載される。この方法は、受信アンテナと、命令を実行するように構成されたプロセッサと、を含む、デバイスによって実施される。方法は、受信アンテナを介してフィルタリングされたTD-CRIを受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって検知インプリントを取得することと、検知アルゴリズムマネージャによってフィルタリングされたTD-CRI及び検知インプリントから再構築されたTD-CRIを生成することと、再構築されたTD-CRIを再構築された周波数ドメインチャネル表現に変換することと、再構築された周波数ドメインチャネル表現に従って、検知アルゴリズムマネージャによって検知空間内の関心対象の特徴を検出することと、を含む。
【0028】
一部の実施形態では、フィルタリングされたTD-CRIを受信することが、複数の時間ドメインパルスを受信することを含み、再構築されたTD-CRIを生成することが、検知インプリントの対応する時間ドメインパルスを複数の時間ドメインパルスに置き換えることを含む。
【0029】
一部の実施形態では、方法が、検知インプリント内の対応する時間ドメインパルスの場所を示す場所ビットマップを受信することを更に含む。
【0030】
一部の実施形態では、フィルタリングされたTD-CRIを受信することが、時間ドメインパルス差を格納するインプリントデルタを受信することを含み、再構築されたTD-CRIを生成することが、時間ドメインパルス差を検知インプリントの対応する時間ドメインパルスに追加することを含む。
【0031】
一部の実施形態では、方法が、検知インプリント内の対応する時間ドメインパルスの場所を示す場所ビットマップを受信することを更に含む。
【0032】
一部の実施形態では、方法が、検知インプリントインジケータを受信することを更に含み、検知インプリントを取得することが、検知インプリントインジケータに従って行われる。
【0033】
一部の実施形態では、方法が、検知インプリント更新判定を行い、検知インプリント更新判定に応答して、検知インプリントを更新することを更に含む。
【0034】
一部の実施形態では、検知インプリント更新判定を行うことが、定常状態のインプリントデルタ期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得することと、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較することと、以前のインプリントデルタの変更された時間ドメインパルスと、現在のインプリントデルタの対応する時間ドメインパルスとを識別することと、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を上回ったままであると判定することと、を含む。
【0035】
一部の実施形態では、検知インプリント更新判定を行うことが、インプリントデルタ導関数期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得することと、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較することと、以前のインプリントデルタと現在のインプリントデルタとの間で変更された時間ドメインパルスを識別することと、対応する時間ドメインパルスがインプリントデルタ導関数閾値を下回っていると判定することと、を含む。
【0036】
一部の実施形態では、検知インプリント更新判定を行うことが、インプリント妥当性タイマーが期限切れであると判定することを含む。
【0037】
本開示の他の態様及び利点は、本開示の原理を例として例解する添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本開示の上記及び他の目的、態様、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって、より明らかになり、よりよく理解されるであろう。
【0039】
図1】例示的なワイヤレス通信システムを示す図である。
図2A-2B】ワイヤレス通信デバイス間で通信される例示的なワイヤレス信号を示す図である。
図3A-3B】図2A及び図2Bでのワイヤレス通信デバイス間で通信されたワイヤレス信号から計算されたチャネル応答の例を示すプロットである。
図4A-4B】空間の別個の領域における物体の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を示す図である。
図4C-4D】図4A及び図4Bの例示的なチャネル応答を、空間に動きがない場合の例示的なチャネル応答に重ねて示したプロットである。
図5】一部の実施形態による、Wi-Fi検知のためのシステムのアーキテクチャのうちの一部の実装態様を描示する。
図6】一部の実施形態による、検知受信器の受信器チェーンの表現を例解する。
図7】一部の実施形態による、フェイザ減算の一例を例解する。
図8】一部の実施形態による、位相回転、振幅スケーリング、及び位相回転後の振幅の差の例を例解する。
図9】一部の実施形態による、フィルタリングされた時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)の例解図を描示する。
図10】一部の実施形態による、フルTD-CRIにおける変更された時間ドメインパルスのセットの例を描示する。
図11】一部の実施形態による、フルTD-CRIにおける変更された時間ドメインパルスのセットの別の例を描示する。
図12】一部の実施形態による、検知送信を運ぶ管理フレームを例解する。
図13】一部の実施形態による、チャネル表現情報(CRI)送信メッセージを搬送する管理フレームを例解する。
図14】一部の実施形態による、検知受信器と、検知送信器と、検知アルゴリズムマネージャとの間の通信のためのシーケンス図を描示し、検知受信器は、検知イニシエータである。
図15】一部の実施形態による、検知受信器と、検知送信器と、検知アルゴリズムマネージャとの間の通信のためのシーケンス図を描示し、検知送信器は検知イニシエータである。
図16】一部の実施形態による、検知受信器と、検知アルゴリズムマネージャを含む検知送信器との間の通信のためのシーケンス図を描示し、検知送信器が検知イニシエータである。
図17A-17B】一部の実施形態による、フィルタリングされたTD-CRIを検知アルゴリズムマネージャに送るためのフローチャートを描示する。
図18】一部の実施形態による、検知空間内の関心対象の特徴を検出するためのフローチャートを描示する。
図19A-19B】一部の実施形態による、フルTD-CRI内の場所を示す場所ビットマップを検知アルゴリズムマネージャに送信するためのフローチャートを描示する。
図20】一部の実施形態による、定常状態のインプリントデルタ閾値に基づいて検知インプリント更新判定を行うためのフローチャートを描示する。
図21】一部の実施形態による、インプリントデルタ導関数閾値に基づいて検知インプリント更新判定を行うためのフローチャートを描示する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
Wi-Fi検知システムは、信号を検知送信器に送信し、検知送信器から受信した応答を分析することによって環境を測定し得る。Wi-Fi検知システムは、環境及びその変化を分析するために繰り返して測定を行い得る。Wi-Fi検知システムは、既存の通信コンポーネントと併せて動作し得、定義されたプロトコルに基づいて、複数のデバイス間の通信時間リソース使用の調整に使用され得る媒体アクセス制御(MAC)層エンティティを有することで利益を与える。
【0041】
Wi-Fi検知システムの関連する標準化目標の1つは、802.11ネットワークにWi-Fi検知機能を重ね合わせることがネットワークの通信機能を損なわないように、既存のWi-Fiネットワーク上の追加のオーバーヘッドを低減することである。Wi-Fi検知システムにおける検知の一態様は、検知送信器からの検知送信の要請である。Wi-Fi検知エージェントが存在、場所及び動きを検出することを可能にするように最適化された特性を有する検知送信器からの検知送信の勧誘を可能にするMAC層への改善により、既存のシステム性能に著しく影響し得る。特に、検知(又は検知送信)のために最適化された検知送信器送信の要求又は勧誘により、検知送信器のアップリンクスケジューラは影響を受ける可能性がある。検知送信を送信するように検知送信器を要求又は要請する既存の機構が存在する。しかしながら、そのような機構は、異なる目的のために設計されたものである。その結果、これらの機構は、効率的ではなく、制御に柔軟性を提供せず、異なるベンダの実装態様間で普遍的に一貫していない。更に、チャネルサウンディングプロトコルが、Wi-Fi検知をサポートするために考慮され得る。しかしながら、チャネルサウンディングプロトコルは、現在は柔軟性がないため、Wi-Fi検知をサポートするそのような機能は不可能である。
【0042】
Wi-Fiシステムのプロトコルは、検知要件に反してデータ転送機構に基づいて判定されて設計されている。その結果、Wi-Fi検知の態様は、一般的なWi-Fiシステム内では開発されないことが多い。
【0043】
本明細書で説明するものの一部の態様では、ワイヤレス検知システムは、ワイヤレス通信デバイス間の空間を通して通信されたワイヤレス信号(例えば、無線周波数信号)を処理することによって、種々のワイヤレス検知用途のために使用され得る。例示的なワイヤレス検知用途は、動き検出を含み、動き検出は、空間内の物体の動きの検出、動き追跡、呼吸検出、呼吸監視、存在検出、ジェスチャ検出、ジェスチャ認識、人間の検出(動いている人間の検出及び静止している人間の検出)、人間追跡、転倒検出、速度推定、侵入検出、歩行検出、歩数カウント、呼吸数検出、無呼吸推定、姿勢変化検出、活動認識、歩行率分類、ジェスチャ復号、手話認識、手の追跡、心拍数推定、呼吸数推定、部屋占有検出、人間ダイナミクス監視、及び他のタイプの動き検出用途を含み得る。ワイヤレス検知用途の他の例は、物体認識、発話認識、キーストローク検出及び認識、タンパー検出、タッチ検出、攻撃検出、ユーザ認証、ドライバ疲労検出、交通監視、喫煙検出、学校暴力検出、ヒューマンカウント、ヒューマン認識、バイクローカリゼーション、ヒューマンキュー推定、Wi-Fiイメージング、及び他のタイプのワイヤレス検知用途を含む。例えば、ワイヤレス検知システムは、Wi-Fi信号又は他のタイプのワイヤレス信号に基づいて、動きの存在及び場所を検出するための動き検出システムとして動作し得る。以下でより詳細に説明されるように、ワイヤレス検知システムは、例えば、システム動作を改善するために、又は他の技術的利点を達成するために、測定レート、ワイヤレス接続及びデバイス参加を制御するように構成され得る。ワイヤレス検知システムが動き検出のために使用されるときに達成されるシステム改善及び技術的利点は、ワイヤレス検知システムが別のタイプのワイヤレス検知用途のために使用される例においても達成される。
【0044】
一部の例示的なワイヤレス検知システムでは、ワイヤレス信号は、ワイヤレスデバイスがチャネル応答又は他のチャネル情報を推定するために使用され得る構成要素(例えば、Wi-Fi PHYフレーム中の同期プリアンブル、又は別のタイプの構成要素)を含み、ワイヤレス検知システムは、ある期間にわたって収集されたチャネル情報の変化を分析することによって動き(又はワイヤレス検知アプリエーションに応じて別の特性)を検出することができる。一部の例では、ワイヤレス検知システムは、Wi-Fiアクセスポイント(AP)が受信器の役割を果たし、かつ、APに接続された各Wi-Fiデバイス(ステーション、ノード、又はピア)が送信器の役割を果たす双定常レーダシステムのように動作することができる。ワイヤレス検知システムは、送信を生成し、かつ、受信器デバイスにおいてチャネル応答測定値を生成するように、接続されたデバイスをトリガし得る。このトリガ処理は、一連の時変測定値を取得するために周期的に繰り返すことができる。その後、ワイヤレス検知アルゴリズムは、(例えば、Wi-Fi受信器によって計算された)生成されたチャネル応答測定値の時系列を入力として受信し得、次いで、相関又はフィルタ処理を通して、判定をし得る(例えば、チャネル推定における変化又はパターンに基づいて、チャネル応答によって表される環境内に動きがあるか、又は動きがないかを判定する)。ワイヤレス検知アルゴリズムは、チャネル応答測定値から所望の特徴を抽出するために必要なインテリジェンスを含み得、所望の検知用途に基づいて異なり得る。
【0045】
ワイヤレス検知システムが動きを検出する例では、複数のワイヤレスデバイスの間の動き検出結果に基づいて、環境内の動きの場所を識別することも可能であり得る。
【0046】
したがって、ワイヤレス通信ネットワーク中のワイヤレス通信デバイスの各々において受信されたワイヤレス信号は、ネットワーク中の(ワイヤレス通信デバイスのそれぞれのペア間の)様々な通信リンクについてのチャネル情報を判定するために分析され得る。チャネル情報は、空間を横断するワイヤレス信号に伝達関数を適用する物理媒体を表すことができる。一部の事例では、チャネル情報はチャネル応答を含む。チャネル応答は、物理的通信経路を特徴付けることができ、例えば、送信器と受信器との間の空間内の散乱、フェーディング、及び電力減衰の組み合わされた影響を表す。一部の事例では、チャネル情報は、ビームフォーミングシステムによって提供されるビームフォーミング状態情報(例えば、フィードバック行列、ステアリング行列、チャネル状態情報(CSI)など)を含む。ビームフォーミングは、指向性信号送信又は受信のためのマルチアンテナ(多入力/多出力(MIMO))無線システムにおいてしばしば使用される信号処理技術である。ビームフォーミングは、特定の角度における信号が強め合う干渉を経験し、他の信号が弱め合う干渉を経験するように、アンテナアレイ中の要素を動作させることによって達成され得る。
【0047】
通信リンクの各々についてのチャネル情報は、例えば、空間内で動きが発生したかどうかを検出するために、検出された動きの相対的な場所を判定するために、又はその双方を判定するために(例えば、ワイヤレス通信ネットワーク内のハブデバイス若しくは他のデバイスによって、又はネットワークに通信可能に結合された検知送信器によって)分析され得る。一部の態様では、通信リンクの各々についてのチャネル情報は、例えば、空間内で動きが検出されない場合、物体が存在するか不在であるかを検出するために分析され得る。一部の態様によれば、チャネル情報は、外部デバイスにオフロードされ得る。外部デバイスは、チャネル情報を処理して、物体が存在するか否かを検出することができる。一例では、チャネル情報は、あるデバイスから別のデバイスに空中で送信され得る。更に、空中でのチャネル情報の送信によって引き起こされるチャネル利用率は、チャネル帯域幅の幅に基づいて変動し得る。
【0048】
一部の場合では、ワイヤレス検知システムは、ワイヤレスネットワーク全体にわたってノードの帯域ステアリング又はクライアントステアリングを実施することができ、例えば、Wi-FiマルチAP又は拡張サービスセット(ESS)トポロジでは、複数の協調ワイヤレスアクセスポイント(AP)は各々、異なる周波数帯域を占有し、デバイスが1つの参加APから別の参加AP(例えば、メッシュ)に透過的に移動することを可能にし得る基本サービスセット(BSS)を提供する。例えば、ホームメッシュネットワーク内では、Wi-Fiデバイスは、APのいずれかに接続することができるが、典型的には、良好な信号強度を有するものを選択する。メッシュAPのカバレージフットプリントは概して重複しており、しばしば、各デバイスを通信範囲又は2つ以上のAP内に置く。APがマルチバンド(例えば、2.4GHz及び5GHz)をサポートする場合、ワイヤレス検知システムは、デバイスを同じ物理APに接続されたままにするが、ワイヤレス検知アルゴリズム(例えば、動き検出アルゴリズム)の精度又は結果の改善を助長するために、より多様な情報を取得するための異なる周波数帯域を使用するように命令することができる。一部の実装態様では、ワイヤレス検知システムは、デバイスを1つのメッシュAPに接続されているものから別のメッシュAPに接続されているものに変更することができる。そのようなデバイスのステアリングは、検出カバレージを改善するために、又はエリア内の動きをよりよく局所化するために、特定のエリアにおいて検出された基準に基づいて、例えば、ワイヤレス検知(例えば、動き検出)中に実施することができる。
【0049】
一部の場合では、ワイヤレス検知システムによって、デバイスがそれらのワイヤレス検知能力又はワイヤレス検知意思をワイヤレス検知システムに動的に示し、通信することが可能になり得る。例えば、APがチャネル測定値を生成することを可能にし得るワイヤレス信号を通信するために、デバイスが周期的に中断又はトリガされることを望まない場合があり得る。例えば、デバイスがスリープしている場合、ワイヤレス検知信号を送信又は受信するためにデバイスを頻繁に起動することは、リソースを消費する可能性がある(例えば、携帯電話バッテリをより速く放電させる)。これら及び他のイベントによって、デバイスがワイヤレス検知システムの動作に参加する意思を持つ又は持たない可能性がある。一部の場合では、そのバッテリで動作している携帯電話は、参加することを望まない場合があるが、携帯電話が充電器にプラグ接続されているときには、参加する意思がある場合がある。したがって、携帯電話がプラグ接続されていない場合、携帯電話を参加から除外するようにワイヤレス検知システムに示すことができ、一方、携帯電話がプラグ接続されている場合、携帯電話をワイヤレス検知システムの動作に含めるようにワイヤレス検知システムに示すことができる。一部の場合では、デバイスが負荷を受けている(例えば、オーディオ又はビデオをストリーミングしているデバイス)か、又は一次機能を実施している最中である場合、デバイスは参加することを望まないことがあり、同じデバイスの負荷が低減され、参加することが一次機能に干渉しない場合、デバイスは、それが参加する意思があることをワイヤレス検知システムに示すことができる。
【0050】
例示的なワイヤレス検知システムは、動き検出(空間内の物体の動きの検出、動き追跡、呼吸検出、呼吸監視、存在検出、ジェスチャ検出、ジェスチャ認識、人間の検出(動いている人間の検出及び静止している人間の検出)、人間追跡、転倒検出、速度推定、侵入検出、歩行検出、歩数カウント、呼吸数検出、無呼吸推定、姿勢変化検出、活動認識、歩行率分類、ジェスチャ復号、手話認識、手の追跡、心拍数推定、呼吸数推定、部屋占有検出、人間ダイナミクス監視、及び他のタイプの動き検出用途)の文脈において以下に記載される。しかしながら、ワイヤレス検知システムが動き検出システムとして動作しているときに達成される動作、システムの改善、及び技術的利点は、ワイヤレス検知システムが別のタイプのワイヤレス検知用途に使用される例においても適用可能である。
【0051】
本明細書の実施形態で開示されるように、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)検知手順により、ステーション(STA)は、WLAN検知をすることが可能になる。WLAN検知は、WLAN検知セッションを含み得る。例では、WLAN検知手順、WLAN検知、及びWLAN検知セッションは、ワイヤレス検知手順、ワイヤレス検知、ワイヤレス検知セッション、Wi-Fi検知手順、Wi-Fi検知、及びWi-Fi検知セッション、又は検知手順、検知、及び検知セッションと呼ばれ得る。
【0052】
WLAN検知は、STAが、2つ以上のSTA間のチャネル、及び/又はSTA若しくはアクセスポイント(AP)の受信アンテナと送信アンテナとの間のチャネルの検知測定値を取得することを可能にするサービスである。WLAN検知手順は、検知セッションセットアップ、検知測定セットアップ、検知測定事例、検知測定セットアップ終了、及び検知セッション終了のうちの1つ以上から構成され得る。
【0053】
本明細書で開示する例では、検知セッションセットアップ及び検知測定セットアップは、検知構成と称され得、検知構成メッセージによって達成され得、検知構成応答メッセージによって確認され得る。検知測定事例は、個々の検知測定であり得、検知送信から導出され得る。例えば、検知構成メッセージは、検知測定セットアップ要求と称され得、検知構成応答メッセージは、検知測定セットアップ応答と称され得る。
【0054】
WLAN検知手順は、複数の検知測定事例を含み得る。例えば、複数の検知測定事例は、測定キャンペーンと称され得る。
【0055】
IEEE P802.11-REVmd/D5.0は、STAを、規格によって定義された特徴をサポートすることが可能な物理(PHY)及び媒体アクセスコントローラ(MAC)エンティティであると見なす。STAを含むデバイスは、Wi-Fiデバイスと称され得る。(IEEE P802.11-REVmd/D5.0によって定義されるような)基本サービスセット(BSS)を管理するWi-Fiデバイスは、AP STAと称され得る。BSS内のクライアントノードであるWi-Fiデバイスは、非AP STAと称され得る。一部の例では、AP STAはAPと称され得、非AP STAはSTAと称され得る。
【0056】
本開示の様々な実施形態では、本明細書で使用される1つ以上の用語の非限定的な定義を以下に提供する。
【0057】
「定常状態の伝搬チャネル」という用語は、検知受信器と検知送信器との間のチャネルを指し得、これは、物理的な検知空間によってのみ定義され、かつ影響を受け、一時的な物体又は動きに起因する任意の摂動を考慮しない。
【0058】
「測定キャンペーン」という用語は、検知受信器(一般に、Wi-Fiデバイス、ワイヤレスアクセスポイント、Wi-Fiアクセスポイント、アクセスポイント、Wi-Fiステーション、ステーション、検知イニシエータ、検知レスポンダ、又は検知受信器として知られている)と、検知送信器(一般に、Wi-Fiデバイス、ワイヤレスアクセスポイント、Wi-Fiアクセスポイント、アクセスポイント、Wi-Fiステーション、ステーション、検知イニシエータ、検知レスポンダ、又は検知送信器として知られている)との間の双方向の一連の検知送信を指し得る。
【0059】
「検知イニシエータ」という用語は、Wi-Fi検知手順を開始するSTA又はAPを指し得る。検知イニシエータとして機能するSTAは、検知受信器、検知送信器、検知送信器及び検知受信器の双方、又は検知送信器でも検知受信器でもない、又は検知アルゴリズム(例えば、検知アルゴリズムマネージャ)を含む別個のデバイスとして検知測定事例に参加し得る。一部の例では、検知イニシエータは、WLAN検知セッションを開始するデバイスであり得る。一例では、検知イニシエータは、検知アルゴリズムを実行するWi-Fi検知エージェントを含み得る。一例では、検知イニシエータは、WLAN検知手順又は測定キャンペーンを制御するとみなされ得る。
【0060】
「検知レスポンダ」という用語は、検知イニシエータによって開始されるWLAN検知手順に参加するSTA又はAPを指し得る。検知レスポンダとして機能するSTAは、検知受信器、検知送信器、並びに検知受信器及び検知送信器の双方として、検知測定事例に参加し得る。
【0061】
「検知送信器」という用語は、WLAN検知セッションで測定を検知するために使用される検知送信である、PPY層プロトコルデータユニット(PPDU)を送信するSTA又はAPを指し得る。
【0062】
「検知受信器」という用語は、WLAN検知手順において検知送信器によって送られたPPDUを受信し、検知測定を実行するSTA又はAPを指し得る。
【0063】
例えば、検知送信器は、リモートデバイスと称され得、検知受信器は、検知デバイスと称され得る。他の例では、検知イニシエータは、検知デバイス又はリモートデバイスの機能であり得、検知レスポンダは、検知デバイス又はリモートデバイスの機能であり得る。
【0064】
「ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)検知セッション」という用語は、物理空間内の物体が探査され、検出され、及び/又は特徴付けられ得る期間を指し得る。一例では、WLAN検知セッション中に、複数のデバイスが参加し、それによって検知測定値の生成に寄与する。WLAN検知セッションは、検知イニシエータによって制御され得る。
【0065】
「PHY層プロトコルデータユニット(PPDU)」という用語は、プリアンブル及びデータフィールドを含むデータユニットを指し得る。プリアンブルフィールドは、送信ベクトルフォーマット情報を含み得、データフィールドは、ペイロード及び上位層ヘッダを含み得る。
【0066】
「チャネル状態情報(CSI)」という用語は、ワイヤレス信号が複数の経路に沿って送信器から受信器にどのように伝搬するかを表すことができる。CSIは、通常、信号の振幅減衰及び位相シフトを表す複素値の行列であり、通信チャネルの推定を提供する。
【0067】
「検知空間」という用語は、Wi-Fi検知システムが動作し得る任意の物理空間を指し得る。
【0068】
「検知開始メッセージ」という用語は、検知測定を実行するために使用され得る1つ以上の検知送信を開始するために、検知イニシエータ(検知受信器であり得る)から検知送信器に送られるメッセージを指し得る。検知開始メッセージは、一部の例では、検知トリガメッセージとしても知られ得る。
【0069】
「検知送信」という用語は、検知測定を行うために使用され得る検知送信器から検知受信器への任意の送信を指し得る。一例では、検知送信は、ワイヤレス検知信号又はワイヤレス信号と称されることもある。例えば、検知測定のために使用されるPPDUは、検知送信と称され得る。
【0070】
「検知トリガメッセージ」という用語は、検知イニシエータから検知送信器に送られ、検知測定を実行するために使用され得る1つ以上の検知送信を開始又はトリガするメッセージを指し得る。一例では、検知トリガメッセージは、要求された送信構成、要求されたタイミング構成、及び/又はステアリング行列構成を含み得る。例では、検知トリガメッセージという用語は、検知サウンディングトリガメッセージ又は検知サウンディングトリガフレームと称され得る。
【0071】
「検知送信アナウンス」という用語は、検知送信NDPがショートインターフレームスペース(SIFS)内に続くことをアナウンスする、検知送信器から検知受信器に送られるメッセージを指し得る。検知送信NDPは、検知送信アナウンスとともに定義された送信パラメータを使用して送信され得る。
【0072】
「検知送信NDP」という用語は、検知送信器によって送られ、検知受信器での検知測定に使用されるNDP(ヌルデータPPDU)送信を指し得る。送信は、検知送信アナウンスに続き、検知応答アナウンスに定義された送信パラメータを使用して送信され得る。
【0073】
「検知測定」という用語は、検知送信器と検知受信器との間の伝搬チャネルの状態の測定を指し得る。
【0074】
「チャネル表現情報(CRI)」という用語は、2つのデバイス間の伝搬チャネルの状態を一緒に表す検知測定値の集合を指し得る。CRIの例は、CSI及びフルTD-CRIである。
【0075】
「検知測定ポーリング」という用語は、検知イニシエータから、又は例えば、検知送信器から、検知受信器によって判定されたチャネル表現情報の送信を要請するために、検知受信器に送られるメッセージを指し得る。
【0076】
「送信パラメータ」という用語は、特定のPHYに対応する送信ベクトル(TXVECTOR)の一部として定義され、各PHY層プロトコルデータユニット(PPDU)送信のために構成可能である、IEEE802.11 PHY送信器構成パラメータのセットを指し得る。
【0077】
「フル時間ドメインチャネル表現情報(フルTD-CRI)」という用語は、CSI値、例えばベースバンド受信器によって計算されたCSIに対して逆高速フーリエ変換(IFFT)を実施することによって作成される時間ドメインパルスの一連の複素ペアを指し得る。
【0078】
「フィルタ処理された時間ドメインチャネル表現情報(フィルタ処理されたTD-CRI)」という用語は、フルTD-CRIにアルゴリズムを適用することによって作成された時間ドメインパルスの低減された一連の複素ペアを指し得る。アルゴリズムは、一部の時間ドメインパルスを選択し、他を拒絶し得る。フィルタ処理されたTD-CRIは、選択された時間ドメインパルスをフルTD-CRI内の対応する時間ドメインパルスに関連付ける情報を含む。
【0079】
「チャネル応答情報(CRI)送信メッセージ」という用語は、検知送信に対して検知測定を実行した検知受信器によって送られるメッセージを指し得、検知受信器は、検知イニシエータ又は検知アルゴリズムマネージャにCRIを送る。
【0080】
「再構成されたCSI(R-CSI)」という用語は、ベースバンド受信器によって測定された元のCSI値の表現を指し得、R-CSIは、元のCSI値(周波数ドメイン)をとり、IFFTを実施してそれらの値を時間ドメインに変換し、時間ドメインパルスの数を選択し、選択された時間ドメインパルスを含まない時間ドメイントーンをゼロ化又はヌル化し、FFTを実施することによって計算される。結果として生じる周波数ドメイン複素値は、R-CSIである。
【0081】
「時間ドメインパルス」という用語は、時間ドメインにおける離散化されたエネルギーの振幅及び位相を表す複素数を指し得る。ベースバンド受信器からトーンごとにCSI値が取得されると、CSI値に対してIFFTを実施することによって時間ドメインパルスが取得される。
【0082】
「トーン」という用語は、OFDM信号中の個々のサブキャリアを指し得る。トーンは、時間ドメイン又は周波数ドメインで表され得る。時間ドメインでは、トーンはシンボルと称され得る。周波数ドメインでは、トーンはサブキャリアと称され得る。
【0083】
「関心対象の特徴」という用語は、検知アルゴリズムによって肯定的に検出及び/又は識別されるアイテム又はアイテムの状態を指し得る。
【0084】
「検知インプリント」という用語は、時間ドメインチャネルインパルス応答の形態で、検知受信器によって計算された検知空間内の検知受信器と検知送信器との間の伝搬チャネルの定常状態又は半定常表現を指し得る。
【0085】
「送達された送信構成」という用語は、検知送信器によって検知送信器に適用される送信パラメータを指し得る。
【0086】
「要求された送信構成」という用語は、検知送信を送るときに使用される検知送信器の要求された送信パラメータを指し得る。
【0087】
「インプリントデルタ」という用語は、IFFTを使用してCSI測定値を時間ドメインに変換することによって生成される時間ドメインチャネルインパルス応答と、格納された検知インプリントとの間の差を表す、複素値の単一次元行列を指し得る。
【0088】
「測定インプリントデルタ閾値」という用語は、TD-CRI値と、検知受信器又は検知アルゴリズムマネージャが伝搬チャネル伝搬特性に変化があると考える対応する検知インプリント値との間の最小差を指し得る。
【0089】
「測定インプリントデルタカウント」という用語は、検知受信器又は検知アルゴリズムマネージャが伝搬チャネル伝搬特性に変化があると考慮する前に、測定インプリントデルタ閾値を超える回数を指し得る。
【0090】
「インプリントデルタ導関数期間」という用語は、検知受信器又は検知アルゴリズムマネージャが新しい検知インプリントを計算する必要があると判定する前に、インプリントデルタ導関数がインプリントデルタ導関数閾値を下回ったままでなければならない期間を指し得る。
【0091】
「インプリントデルタ導関数」という用語は、1つ以上のトーンにわたる、及び1つ以上のフレームにわたるインプリントデルタの変化率を指し得る。
【0092】
「インプリントデルタ導関数閾値」という用語は、検知受信器又は検知アルゴリズムマネージャが検知空間に進行中の移動又は動きがあると考えるレートインプリントデルタ微分の最大値を指し得る。インプリントデルタ微分がインプリントデルタ導関数閾値を下回る場合、検知受信器又は検知アルゴリズムマネージャは、新しい検知インプリントを計算する必要があると判定し得る。
【0093】
検知インプリントのための「インプリント妥当性タイマー」という用語は、その検知インプリントの妥当性期間がいつ満了するかを示し得る。例では、所与の検知インプリントのインプリント妥当性タイマーが期限切れになると、検知インプリントが再計算される。一例では、インプリント妥当性タイマーの持続時間は、アルゴリズムマネージャを検知することによって構成され得る。
【0094】
「定常状態のインプリントデルタ閾値」という用語は、TD-CRI値と、検知受信器又は検知アルゴリズムマネージャがTD-CRIがその定常状態(すなわち、格納された検知インプリント)に戻らなかったと考える対応する検知インプリント値との間の最大差を指し得る。
【0095】
「定常状態のインプリントデルタ期間」という用語は、検知受信器又は検知アルゴリズムマネージャが、TD-CRIがその定常状態に戻ったことを考慮する場合、インプリントデルタが定常状態のインプリントデルタ閾値を下回るべき期間を指し得る。
【0096】
「インプリント妥当性期間」という用語は、検知インプリントの妥当性の最長期間を指し得る。
【0097】
「検知インプリント平均カウント」という用語は、検知インプリントを生成するために平均化され得る複数の検知測定値を指し得る。
【0098】
以下の様々な実施形態の説明を読むために、本明細書のセクション及びそれらのそれぞれの内容の以下の説明が有用であり得る。
【0099】
セクションAでは、本明細書で記載される実施形態を実践するのに有用であり得るワイヤレス通信システム、ワイヤレス送信、及び検知測定について記載する。
【0100】
セクションBでは、Wi-Fi検知のためのシステム及び方法の実施形態について記載する。特に、セクションBは、Wi-Fi検知のための動的時間ドメインチャネル表現を生成するためのWi-Fiシステム及び方法を説明する。
【0101】
A.ワイヤレス通信システム、ワイヤレス送信、及び検知測定
図1は、ワイヤレス通信システム100を例解する。ワイヤレス通信システム100は、3つのワイヤレス通信デバイス、すなわち、第1のワイヤレス通信デバイス102Aと、第2のワイヤレス通信デバイス102Bと、第3のワイヤレス通信デバイス102Cと、を含む。例示的なワイヤレス通信システム100は、追加のワイヤレス通信デバイス及び他の構成要素(例えば、追加のワイヤレス通信デバイス、1つ以上のネットワークサーバ、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ケーブル、又は他の通信リンクなど)を含み得る。
【0102】
ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、ワイヤレスネットワーク標準又は別のタイプのワイヤレス通信プロトコルに従って、ワイヤレスネットワークにおいて動作することができる。例えば、ワイヤレスネットワークは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、又は別のタイプのワイヤレスネットワークとして動作するように構成され得る。WLANの例は、IEEEによって開発された標準の802.11ファミリのうちの1つ以上に従って動作するように構成されたネットワーク(例えば、Wi-Fiネットワーク)などを含む。PANの例は、短距離通信標準(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、近距離通信(NFC)、ZigBee)、ミリメートル波通信、及び他に従って動作するネットワークを含む。
【0103】
一部の実装態様では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、携帯通信網標準に従って、携帯通信網内で通信するように構成され得る。携帯通信網の例として、Global System for Mobile(GSM)及びEnhanced Data rates for GSM Evolution(EDGE)又はEGPRSなどの2G標準、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)などの3G標準、Long-Term Evolution(LTE)及びLTE-Advanced(LTE-A)などの4G標準、5G標準、及び他に従って構成されたネットワークを含む。
【0104】
図1に示される例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、標準的なワイヤレスネットワーク構成要素であり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、WAPのモデム上に命令(例えば、ソフトウェア又はファームウェア)として埋め込まれた、本明細書で説明する1つ以上の動作を実施する市販のWi-Fiアクセスポイント又は別のタイプのワイヤレスアクセスポイント(WAP)であり得る。一部の場合では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、市販のメッシュネットワークシステム(例えば、Plume Wi-Fi、Google Wi-Fi、Qualcomm Wi-Fi SoNなど)など、ワイヤレスメッシュネットワークのノードであり得る。一部の場合では、別のタイプの標準又は従来のWi-Fi送信器デバイスが使用され得る。一部の事例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのうちの1つ以上は、メッシュネットワーク中のWAPとして実装され得るが、他のワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、WAPのうちの1つを通してメッシュネットワークにアクセスするリーフデバイス(例えば、モバイルデバイス、スマートデバイスなど)として実装される。一部の場合では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのうちの1つ以上は、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、ラップトップコンピュータなど)、ワイヤレス対応デバイス(例えば、スマートサーモスタット、Wi-Fi対応カメラ、スマートTV)、又はワイヤレスネットワーク中で通信する別のタイプのデバイスである。
【0105】
ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、Wi-Fi構成要素なしに実装することができ、例えば、他のタイプの標準又は非標準ワイヤレス通信が動き検出のために使用され得る。一部の場合では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、専用動き検出システムであり得るか、又はその一部であり得る。例えば、専用動き検出システムは、ハブデバイス及び1つ以上のビーコンデバイス(リモートセンサデバイスとして)を含むことができ、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、動き検出システム内のハブデバイス又はビーコンデバイスのいずれかであり得る。
【0106】
図1に示されるように、ワイヤレス通信デバイス102Cは、モデム112と、プロセッサ114と、メモリ116と、電源ユニット118と、を含み、ワイヤレス通信システム100中のワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのいずれも、同じ構成要素、追加の構成要素、又は異なる構成要素を含むことができ、構成要素は、図1に示されるように又は別の様式で動作するように構成され得る。一部の実装態様では、ワイヤレス通信デバイスのモデム112、プロセッサ114、メモリ116、及び電源ユニット118は、共通のハウジング又は他のアセンブリに一緒に収容される。一部の実装態様では、ワイヤレス通信デバイスの構成要素のうちの1つ以上は、例えば、別個のハウジング又は他のアセンブリ内に別個に収容され得る。
【0107】
モデム112は、ワイヤレス信号を通信(受信、送信、又は双方)することができる。例えば、モデム112は、ワイヤレス通信標準(例えば、Wi-Fi又はBluetooth)に従ってフォーマットされた無線周波数(RF)信号を通信するように構成され得る。モデム112は、図1に示されている例示的なワイヤレスネットワークモデム112として実装され得るか、又は別の様式で、例えば、他のタイプの構成要素又はサブシステムを用いて実装され得る。一部の実装態様では、モデム112は、無線サブシステムとベースバンドサブシステムと、を含む。一部の場合では、ベースバンドサブシステム及び無線サブシステムは、共通のチップ又はチップセット上に実装され得るか、又はそれらは、カード又は別のタイプの組み立てられたデバイス中に実装され得る。ベースバンドサブシステムは、例えば、リード、ピン、ワイヤ、又は他のタイプの接続によって、無線サブシステムに結合され得る。
【0108】
一部の場合では、モデム112中の無線サブシステムは、1つ以上のアンテナと無線周波数回路と、を含むことががきる。無線周波数回路は、例えば、アナログ信号をフィルタリング、増幅、又は他の方法で調節する回路、ベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする回路、RF信号をベースバンド信号にダウンコンバートする回路などを含むことができる。そのような回路は、例えば、フィルタ、増幅器、ミキサ、ローカル発振器などを含み得る。無線サブシステムは、ワイヤレス通信チャネル上で無線周波数ワイヤレス信号を伝送するように構成することができる。一例として、無線サブシステムは、無線チップ、RFフロントエンド、及び1つ以上のアンテナを含み得る。無線サブシステムは、追加の構成要素又は異なる構成要素を含み得る。一部の実装態様では、無線サブシステムは、従来のモデム、例えば、Wi-Fiモデム、ピコ基地局モデムなどからの無線電子機器(例えば、RFフロントエンド、無線チップ、又は類似の構成要素)であり得るか、又はそれらを含むことができる。一部の実装態様では、アンテナは複数のアンテナを含む。
【0109】
一部の場合では、モデム112内のベースバンドサブシステムは、例えば、デジタルベースバンドデータを処理するように構成されたデジタル電子機器を含み得る。一例として、ベースバンドサブシステムは、ベースバンドチップを含み得る。ベースバンドサブシステムは、追加の又は異なる構成要素を含み得る。一部の場合では、ベースバンドサブシステムは、デジタル信号プロセッサ(DSP)デバイス又は別のタイプのプロセッサデバイスを含み得る。一部の場合では、ベースバンドシステムは、無線サブシステムを動作させ、無線サブシステムを介してワイヤレスネットワークトラフィックを通信し、無線サブシステムを介して受信された動き検出信号に基づいて動きを検出し、又は他のタイプの処理を実施するためのデジタル処理論理を含む。例えば、ベースバンドサブシステムは、信号を符号化し、符号化された信号を送信のために無線サブシステムに送達するか、又は(例えば、ワイヤレス通信標準に従って信号を復号することによって、動き検出処理に従って信号を処理することによって、又は他の方法で)無線サブシステムからの信号中の符号化されたデータを識別し、分析するように構成された1つ以上のチップ、チップセット、又は他のタイプのデバイスを含み得る。
【0110】
一部の事例では、モデム112中の無線サブシステムは、ベースバンドサブシステムからベースバンド信号を受信し、ベースバンド信号を周波数(無線周波数(RF)信号にアップコンバートし、(例えば、アンテナを通して)無線周波数信号をワイヤレス送信する。一部の事例では、モデム112中の無線サブシステムは、(例えば、アンテナを通して)無線周波数信号をワイヤレスに受信し、無線周波数信号をベースバンド信号にダウンコンバートし、ベースバンド信号をベースバンドサブシステムに送る。無線サブシステムとベースバンドサブシステムとの間で交換される信号は、デジタル信号又はアナログ信号であり得る。一部の例では、ベースバンドサブシステムは、変換回路(例えば、デジタル-アナログ変換器、アナログ-デジタル変換器)を含み、無線サブシステムとアナログ信号を交換する。一部の例では、無線サブシステムは、変換回路(例えば、デジタル-アナログ変換器、アナログ-デジタル変換器)を含み、ベースバンドサブシステムとデジタル信号を交換する。
【0111】
一部の場合では、モデム112のベースバンドサブシステムは、1つ以上のネットワークトラフィックチャネル上で無線サブシステムを通してワイヤレス通信ネットワーク中でワイヤレスネットワークトラフィック(例えば、データパケット)を通信することができる。モデム112のベースバンドサブシステムはまた、専用ワイヤレス通信チャネル上で無線サブシステムを通して信号(例えば、動き探査信号又は動き検出信号)を送信又は受信(又は双方)することができる。一部の事例では、ベースバンドサブシステムは、例えば、動きのための空間を探査するために、送信のための動き探査信号を生成する。一部の事例では、ベースバンドサブシステムは、例えば、空間内の物体の動きを検出するために、受信された動き検出信号(空間を通して送信された動き探査信号に基づく信号)を処理する。
【0112】
プロセッサ114は、例えば、データ入力に基づいて出力データを生成するための命令を実行することができる。命令は、メモリに格納されたプログラム、コード、スクリプト、又は他のタイプのデータを含むことができる。追加的又は代替的に、命令は、予めプログラムされた若しくは再プログラム可能な論理回路、論理ゲート、又は他のタイプのハードウェア若しくはファームウェア構成要素として符号化され得る。プロセッサ114は、専用コプロセッサ若しくは別のタイプのデータ処理装置としての汎用マイクロプロセッサであり得るか、又はそれを含み得る。一部の場合では、プロセッサ114は、ワイヤレス通信デバイス102Cの高レベル動作を行う。例えば、プロセッサ114は、メモリ116に格納されたソフトウェア、スクリプト、プログラム、関数、実行可能ファイル、又は他の命令を実行又は解釈するように構成され得る。一部の実装態様では、プロセッサ114はモデム112中に含まれ得る。
【0113】
メモリ116は、コンピュータ可読格納媒体、例えば、揮発性メモリデバイス、非揮発性メモリデバイス、又はその双方を含むことができる。メモリ116は、1つ以上の読取り専用メモリデバイス、ランダムアクセスメモリデバイス、バッファメモリデバイス、又はこれら及び他のタイプのメモリデバイスの組み合わせを含むことができる。一部の事例では、メモリの1つ以上の構成要素は、ワイヤレス通信デバイス102Cの別の構成要素と統合されるか、又は別様で関連付けられ得る。メモリ116は、プロセッサ114によって実行可能な命令を格納することができる。例えば、図17A図17B図18図19A図19B図20、及び図21のいずれかに記載されているような例示的な処理の動作のうちの1つ以上を通して、命令は、干渉バッファ及び動き検出バッファを使用して信号を時間位置合わせするための命令を含み得る。
【0114】
電源ユニット118は、ワイヤレス通信デバイス102Cの他の構成要素に電力を供給する。例えば、他の構成要素は、電圧バス又は他の接続を通して電源ユニット118によって提供される電力に基づいて動作し得る。一部の実装態様では、電源ユニット118は、バッテリ又はバッテリシステム、例えば、再充電可能バッテリを含む。一部の実装態様では、電源ユニット118は、(外部ソースから)外部電力信号を受信し、外部電力信号をワイヤレス通信デバイス102Cの構成要素のために調整された内部電力信号に変換するアダプタ(例えば、ACアダプタ)を含む。電源ユニット118は、他の構成要素を含み得るか、又は別の様式で動作し得る。
【0115】
図1に示される例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、(例えば、ワイヤレスネットワーク標準、動き検出プロトコル、又は他の方法に従って)ワイヤレス信号を送信する。例えば、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、ワイヤレス動き探査信号(例えば、基準信号、ビーコン信号、ステータス信号など)をブロードキャストし得、又は、他のデバイス(例えば、ユーザ機器、クライアントデバイス、サーバなど)に宛てられたワイヤレス信号を送り得、他のデバイス(図示せず)並びにワイヤレス通信デバイス102Cは、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bによって送信されたワイヤレス信号を受信し得る。一部の場合では、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bによって送信されるワイヤレス信号は、例えば、ワイヤレス通信標準に従って、又はそうでなければ、周期的に繰り返される。
【0116】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス102Cは、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bからのワイヤレス信号を処理して、ワイヤレス信号によってアクセスされる空間内の物体の動きを検出するか、検出された動きの場所を判定するか、又はその双方を行う。例えば、ワイヤレス通信デバイス102Cは、図17A図17B図18図19A図19B図20、及び図21のいずれかに対して以下に説明される例示的な処理のうちの1つ以上の動作、又は検出された動きの場所を判定するための別のタイプの処理を行い得る。ワイヤレス信号によってアクセスされる空間は、例えば、1つ以上の完全に又は部分的に囲まれたエリア、筐体のない開放エリアなどを含み得る屋内又は屋外空間であり得る。空間は、部屋、複数の部屋、建物などの内部であり得るか、又はそれらを含むことができる。一部の場合では、ワイヤレス通信システム100は、例えば、ワイヤレス通信デバイス102Cがワイヤレス信号を送信することができ、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bがワイヤレス通信デバイス102Cからのワイヤレス信号を処理して、動きを検出するか、又は検出された動きの場所を判定することができるように修正することができる。
【0117】
動き検出のために使用されるワイヤレス信号は、例えば、ビーコン信号(例えば、Bluetoothビーコン、Wi-Fiビーコン、他のワイヤレスビーコン信号)、ワイヤレスネットワーク標準に従って他の目的のために生成された別の標準信号、又は動き検出若しくは他の目的のために生成された非標準信号(例えば、ランダム信号、基準信号など)を含み得る。例では、動き検出は、ワイヤレス信号によって搬送される1つ以上の訓練フィールドを分析することによって、又は信号によって搬送される他のデータを分析することによって実施され得る。一部の例では、データは、動き検出の明示的な目的のために追加されるか、又は使用されるデータは、名目上、別の目的のためのものであり、動き検出のために再使用又は別の目的のために使用される。一部の例では、ワイヤレス信号は、移動物体と相互作用する前又は後に物体(例えば、壁)を通って伝搬し、これにより、移動物体と送信又は受信ハードウェアとの間の光学的な見通し線がなくても、移動物体の移動を検出することができる。受信信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイス102Cは、動き検出データを生成することができる。一部の事例では、ワイヤレス通信デバイス102Cは、部屋、建物、屋外エリアなどの空間内の移動を監視するための制御センターを含み得るセキュリティシステムなどの別のデバイス又はシステムに動き検出データを通信することができる。
【0118】
一部の実装態様では、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、ワイヤレスネットワークトラフィック信号とは別個のワイヤレス通信チャネル(例えば、周波数チャネル又はコード化チャネル)上で(例えば、基準信号、ビーコン信号、又は動きについて空間を探査するために使用される別の信号を含み得る)動き探査信号を送信するように修正することができる。例えば、動き探査信号のペイロードに適用される変調及びペイロード内のデータ又はデータ構造のタイプは、ワイヤレス通信デバイス102Cによって既知であり得、これにより、ワイヤレス通信デバイス102Cが動き検知のために行う処理の量を低減し得る。ヘッダは、例えば、動きが通信システム100中の別のデバイスによって検出されたかどうかの指標、変調タイプの指標、信号を送信するデバイスの識別情報など、追加の情報を含み得る。
【0119】
図1に示される例では、ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレス通信デバイス102の各々の間にワイヤレス通信リンクを有するワイヤレスメッシュネットワークである。図示の例では、ワイヤレス通信デバイス102Cとワイヤレス通信デバイス102Aとの間のワイヤレス通信リンクが、動き検出フィールド110Aを探査するために使用することができ、ワイヤレス通信デバイス102Cとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信リンクが、動き検出フィールド110Bを探査するために使用することができ、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信リンクが、動き検出フィールド110Cを探査するために使用することができる。一部の事例では、各ワイヤレス通信デバイス102は、動き検出フィールド110を介してワイヤレス通信デバイス102によって送信されるワイヤレス信号に基づく受信信号を処理することによって、そのデバイスによってアクセスされる動き検出フィールド110内の動きを検出する。例えば、図1に示される人物106が動き検出フィールド110A及び動き検出フィールド110C中で移動する場合、ワイヤレス通信デバイス102は、それぞれの動き検出フィールド110を通して送信されたワイヤレス信号に基づいた、それらが受信した信号に基づいて動きを検出することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス102Aは、動き検出フィールド110A、110C中の人物106の動きを検出することができ、ワイヤレス通信デバイス102Bは、動き検出フィールド110C中の人物106の動きを検出することができ、ワイヤレス通信デバイス102Cは、動き検出フィールド110A中の人物106の動きを検出することができる。
【0120】
一部の事例では、動き検出フィールド110は、例えば、ワイヤレス電磁信号が伝搬し得る空気、固体材料、液体、又は別の媒体を含むことができる。図1に示される例では、動き検出フィールド110Aは、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Cとの間のワイヤレス通信チャネルを提供し、動き検出フィールド110Bは、ワイヤレス通信デバイス102Bとワイヤレス通信デバイス102Cとの間のワイヤレス通信チャネルを提供し、動き検出フィールド110Cは、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信チャネルを提供する。動作の一部の態様では、ワイヤレス通信チャネル(ネットワークトラフィックのためにワイヤレス通信チャネルから分離されているか、又はワイヤレス通信チャネルと共有されている)上で送信されるワイヤレス信号は、空間内の物体の移動を検出するために使用される。物体は、任意のタイプの静止物体又は可動物体であり得、生物又は無生物であり得る。例えば、物体は、人間(例えば、図1に示される人物106)、動物、無機物体、又は別のデバイス、装置、若しくはアセンブリ)、空間の境界の全て又は一部を画定する物体(例えば、壁、ドア、窓など)、又は別のタイプの物体であり得る。一部の実装態様では、ワイヤレス通信デバイスからの動き情報は、検出された動きの場所を判定するために分析され得る。例えば、以下で更に説明するように、ワイヤレス通信デバイス102のうちの1つ(又はワイヤレス通信デバイス102に通信可能に結合された別のデバイス)は、検出された動きが特定のワイヤレス通信デバイスの近くにあると判定し得る。
【0121】
図2A及び図2Bは、ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cの間で通信される例示的なワイヤレス信号を示す図である。ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cは、例えば、図1に示されるワイヤレス通信デバイス102A、102B、102C、又は他のタイプのワイヤレス通信デバイスであり得る。ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cは、空間200を介してワイヤレス信号を送信する。空間200は、1つ以上の境界で完全に又は部分的に囲まれるか、又は開放され得る。空間200は、部屋、複数の部屋、建物、屋内エリア、屋外エリアなどの内部であり得るか、又はそれらを含み得る。第1の壁202A、第2の壁202B、及び第3の壁202Cは、図示の例では、空間200を少なくとも部分的に囲む。
【0122】
図2A及び図2Bに示される例では、ワイヤレス通信デバイス204Aは、ワイヤレス信号を繰り返し(例えば、周期的に、断続的に、スケジュールされた、スケジュールされていない、又はランダムな間隔などで)送信するように動作可能である。ワイヤレス通信デバイス204B、204Cは、ワイヤレス通信デバイス204Aによって送信された信号に基づいて信号を受信するように動作可能である。ワイヤレス通信デバイス204B、204Cは各々、空間200中の物体の動きを検出するために受信信号を処理するように構成されるモデム(例えば、図1に示されるモデム112)を有する。
【0123】
図示のように、物体は、図2Aの第1の位置214Aにあり、物体は、図2Bの第2の位置214Bに移動した。図2A及び図2Bでは、空間200内の移動物体は人間として表現されるが、移動物体は別のタイプの物体であり得る。例えば、移動物体は、動物、無機物体(例えば、システム、デバイス、装置、又はアセンブリ)、空間200の境界の全て又は一部を画定する物体(例えば、壁、ドア、窓など)、又は別のタイプの物体であり得る。
【0124】
図2A及び図2Bに示されるように、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信されたワイヤレス信号の複数の例示的な経路は、破線で例解されている。第1の信号経路216に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第1の壁202Aからワイヤレス通信デバイス204Bに向かって反射される。第2の信号経路218に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第2の壁202B及び第1の壁202Aからワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。第3の信号経路220に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第2の壁202Bからワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。第4の信号経路222に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第3の壁202Cからワイヤレス通信デバイス204Bに向かって反射される。
【0125】
図2Aでは、第5の信号経路224Aに沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第1の位置214Aにある物体からワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。図2A図2Bとの間で、物体の表面は、空間200内の第1の位置214Aから(例えば、第1の位置214Aからある距離だけ離れている)第2の位置214Bに移動する。図2Bでは、第6の信号経路224Bに沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第2の位置214Bにある物体からワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。図2Bに描示される第6の信号経路224Bは、第1の位置214Aから第2の位置214Bへの物体の移動のために、図2Aに描示される第5の信号経路224Aよりも長い。一部の例では、信号経路は、空間内の物体の移動に起因して、追加、除去、又は別様に修正することができる。
【0126】
図2A及び図2Bに示される例示的なワイヤレス信号は、それらのそれぞれの経路を通って減衰、周波数シフト、位相シフト、又は他の効果を受ける可能性があり、例えば、第1、第2、及び第3の壁202A、202B、及び202Cを通って別の方向に伝搬する部分を有する可能性がある。一部の例では、ワイヤレス信号は無線周波数(RF)信号である。ワイヤレス信号は、他のタイプの信号を含み得る。
【0127】
図2A及び図2Bに示される例では、ワイヤレス通信デバイス204Aは、ワイヤレス信号を繰り返し送信することができる。特に、図2Aは、第1の時間にワイヤレス通信デバイス204Aから送信されているワイヤレス信号を示し、図2Bは、第2の、後の時間にワイヤレス通信デバイス204Aから送信されている同じワイヤレス信号を示している。送信信号は、連続的に、周期的に、ランダム又は断続的な時間などで、又はそれらの組み合わせで送信することができる。送信信号は、周波数帯域幅内に複数の周波数成分を有することができる。送信信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから、無指向性で、指向性で、又は別様で送信することができる。図示の例では、ワイヤレス信号は、空間200中の複数のそれぞれの経路を横断し、各経路に沿った信号は、経路損失、散乱、反射などにより減衰され得、位相又は周波数オフセットを有し得る。
【0128】
図2A及び図2Bに示されるように、第1~第6の経路216、218、220、222、224A及び224Bからの信号は、ワイヤレス通信デバイス204C及びワイヤレス通信デバイス204Bで結合して、受信信号を形成する。送信信号に対する空間200中の複数の経路の影響のために、空間200は、送信信号が入力され、受信信号が出力される伝達関数(例えば、フィルタ)として表され得る。物体が空間200内を移動すると、信号経路内の信号に影響を及ぼす減衰又は位相オフセットが変化する可能性があり、したがって、空間200の伝達関数が変化する可能性がある。同じワイヤレス信号がワイヤレス通信デバイス204Aから送信されると仮定すると、空間200の伝達関数が変化する場合、その伝達関数の出力(受信信号)も変化することになる。受信信号の変化を使用して、物体の移動を検出することができる。
【0129】
数学的に、第1のワイヤレス通信デバイス204Aから送信された送信信号f(t)は、式(1)に従って記述され得る。
【数1】
【0130】
式中、ωは送信信号のn番目の周波数成分の周波数を表し、cはn番目の周波数成分の複素係数を表し、tは時間を表す。送信された信号f(t)が第1のワイヤレス通信デバイス204Aから送信されている場合、経路kからの出力信号r(t)は、式(2)に従って記載され得る。
【数2】
【0131】
式中、αn、kは、経路kに沿ったn番目の周波数成分についての減衰係数(又はチャネル応答、例えば、散乱、反射、及び経路損失に起因する)を表し、φn、kは、経路kに沿ったn番目の周波数成分についての信号の位相を表す。次いで、ワイヤレス通信デバイスで受信された信号Rは、式(3)に示される、ワイヤレス通信デバイスへの全ての経路からの全ての出力信号r(t)の合計として記載することができる。
【数3】
【0132】
式(2)を式(3)に代入すると、以下の式(4)が得られる。
【数4】
【0133】
次いで、ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rが分析され得る。ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rは、例えば、高速フーリエ変換(FFT)又は別のタイプのアルゴリズムを使用して、周波数ドメインに変換され得る。変換された信号は、受信された信号Rを一連のn個の複素値として表すことができる。1つの複素値がそれぞれの周波数成分(n個の周波数ω)の各々に対応する。周波数ωの周波数成分については、複素値Hは式(5)で次のように表され得る。
【数5】
【0134】
所与の周波数成分ωに対する複素値Hは、その周波数成分ωにおける受信信号の相対的な大きさ及び位相オフセットを示す。物体が空間内で移動すると、空間のチャネル応答αが変化するため、複素値Hが変化する。したがって、チャネル応答において検出された変化は、通信チャネル内の物体の移動を示すことができる。一部の事例では、ノイズ、干渉、又は他の現象が、受信器によって検出されるチャネル応答に影響を及ぼす可能性があり、動き検出システムは、そのような影響を低減又は分離して、動き検出能力の精度及び品質を改善することができる。一部の実装態様では、全体的なチャネル応答は、式(6)において次のように表され得る。
【数6】
【0135】
一部の事例では、空間に対するチャネル応答hchは、例えば、推定の数学的理論に基づいて判定され得る。例えば、基準信号Refは、候補チャネル応答(hch)で修正され得、次いで、最大尤度アプローチは、受信された信号(Rcvd)に最良のマッチングを与える候補チャネルを選択するために使用され得る。一部の場合では、推定された受信信号
【数7】
は、基準信号(Ref)と候補チャネル応答(hch)との畳み込みから得られ、次いで、チャネル応答(hch)のチャネル係数は、推定された受信信号
【数8】
の平方誤差を最小化するために変化される。これは、式(7)のように数学的に例解することができる。
【数9】
【0136】
最適化基準を用いて
【数10】
【0137】
処理を最小化又は最適化することは、最小平均二乗(LMS)、再帰的最小二乗(RLS)、バッチ最小二乗(BLS)などの適応フィルタリング技術を利用することができる。チャネル応答は、有限インパルス応答(FIR)フィルタ、無限インパルス応答(IIR)フィルタなどであり得る。上記の式に示されるように、受信信号は、基準信号とチャネル応答との畳み込みと見なすことができる。畳み込み演算は、チャネル係数が基準信号の遅延されたレプリカの各々とある程度の相関を有することを意味する。したがって、上記の式に示される畳み込み演算は、受信信号が異なる遅延点に現れ、各遅延レプリカがチャネル係数によって重み付けされることを示す。
【0138】
図3A図3Bは、図2A図2Bのワイヤレス通信デバイス204A、204B、204C間で通信されたワイヤレス信号から計算されたチャネル応答360、370の例を示すプロットである。図3A図3Bはまた、ワイヤレス通信デバイス204Aによって送信される初期ワイヤレス信号の周波数ドメイン表現350を示す。図示の例では、図3A中のチャネル応答360は、空間200中に動きがない場合にワイヤレス通信デバイス204Bによって受信された信号を表し、図3B中のチャネル応答370は、物体が空間200中で移動した後に図2B中のワイヤレス通信デバイス204Bによって受信された信号を表す。
【0139】
図3A図3Bに示される例では、例解目的で、ワイヤレス通信デバイス204Aは、周波数ドメイン表現350に示されるように、平坦な周波数プロファイル(各周波数成分f、f、及びfの大きさは同じである)を有する信号を送信する。信号と空間200(及びその中の物体)との相互作用のために、ワイヤレス通信デバイス204Aから送られた信号に基づくワイヤレス通信デバイス204Bで受信された信号は、送信された信号とは異なるように見える。送信信号が平坦な周波数プロファイルを有するこの例では、受信信号は、空間200のチャネル応答を表す。図3A図3Bに示されるように、チャネル応答360、370は、送信信号の周波数ドメイン表現350とは異なる。空間200内で動きが発生すると、チャネル応答の変動も発生する。例えば、図3Bに示されるように、空間200内の物体の動きに関連付けられたチャネル応答370は、空間200内の動きがないことに関連付けられたチャネル応答360とは異なる。
【0140】
更に、物体が空間200内で移動するにつれて、チャネル応答はチャネル応答370から変動する可能性がある。一部の場合では、空間200は、別個の領域に分割され得、各領域に関連付けられたチャネル応答は、以下で説明するように、1つ以上の特性(例えば、形状)を共有することができる。したがって、異なる別個の領域内の物体の動きを区別することができ、チャネル応答の分析に基づいて、検出された動きの場所を判定することができる。
【0141】
図4A図4Bは、空間400の別個の領域である、第1の領域408及び第3の領域412における物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答401、403を示す図である。図示の例では、空間400は建物であり、空間400は、複数の別個の領域、すなわち第1の領域408、第2の領域410、第3の領域412、第4の領域414、及び第5の領域416に分割される。空間400は、一部の事例では、追加の又はより少ない領域を含み得る。図4A図4Bに示されるように、空間400内の領域は、部屋間の壁によって確定され得る。加えて、領域は、建物のフロア間の天井によって画定され得る。例えば、空間400は、追加の部屋を有する追加のフロアを含み得る。加えて、一部の事例では、空間の複数の領域は、高層建築物内の複数のフロア、建築物内の複数の部屋、若しくは建築物の特定のフロアの複数の部屋であるか、又はそれらを含み得る。図4Aに示される例では、第1の領域408に配置された物体は人物106として表されるが、移動物体は、動物又は無機物体などの別のタイプの物体であり得る。
【0142】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402Aが空間400の第4の領域414内に配置され、ワイヤレス通信デバイス402Bが空間400の第2の領域410内に配置され、ワイヤレス通信デバイス402Cが空間400の第5の領域416内に配置される。ワイヤレス通信デバイス402は、図1のワイヤレス通信デバイス102と同じ又は同様の様式で動作することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス402は、ワイヤレス信号を送信及び受信し、受信信号に基づいて空間400中で動きが発生したかどうかを検出するように構成され得る。一例として、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400を通して動き探査信号を周期的に又は繰り返し送信し、動き探査信号に基づいて信号を受信することができる。ワイヤレス通信デバイス402は、例えば、受信信号に基づいて空間400に関連付けられたチャネル応答を分析することなどによって、物体が空間400内で移動したかどうかを検出するために、受信信号を分析することができる。加えて、一部の実装態様では、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400内の検出された動きの場所を識別するために、受信信号を分析することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス402は、チャネル応答の特性を分析して、チャネル応答が空間400の第1の領域408~第5の領域416に関連付けられることが知られているチャネル応答と同じ又は類似の特性を共有するかどうかを判定することができる。
【0143】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402のうちの1つ(又は複数)は、空間400を通して動き探査信号(例えば、基準信号)を繰り返し送信する。動き探査信号は、一部の事例では、平坦な周波数プロファイルを有し得、各周波数成分f、f、及びfの大きさを有する。例えば、動き探査信号は、図3A図3Bに示される周波数ドメイン表現350と同様の周波数応答を有し得る。動き探査信号は、一部の事例では異なる周波数プロファイルを有し得る。基準信号と空間400(及びその中の物体)との相互作用により、他のワイヤレス通信デバイス402から送信された動き探査信号に基づく別のワイヤレス通信デバイス402において受信された信号は、送信された基準信号とは異なる。
【0144】
受信信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400についてのチャネル応答を判定することができる。動きが空間内の別個の領域内で発生するとき、チャネル応答において、別個の特性が見られ得る。例えば、チャネル応答は、空間400の同じ領域内の動きについてわずかに異なり得るが、別個の領域内の動きに関連付けられたチャネル応答は、概して、同じ形状又は他の特性を共有し得る。例えば、図4Aのチャネル応答401は、空間400の第1の領域408内の物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を表し、図4Bのチャネル応答403は、空間400の第3の領域412内の物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を表す。チャネル応答401、403は、空間400内の同じワイヤレス通信デバイス402によって受信された信号に関連付けられる。
【0145】
図4C図4Dは、空間400内で発生しない動きに関連付けられたチャネル応答460上に重ね合わされた図4A図4Bのチャネル応答401、403を示すプロットである。示される例では、ワイヤレス通信デバイス402は、周波数ドメイン表現450に示されるような平坦な周波数プロファイルを有する動き探査信号を送信する。空間400内で動きが発生すると、動きのないことに関連付けられたチャネル応答460に対してチャネル応答の変動が発生し、したがって、チャネル応答の変動を分析することによって、空間400内の物体の動きを検出することができる。加えて、空間400内の検出された動きの相対的な場所を識別することができる。例えば、動きに関連付けられたチャネル応答の形状を、(例えば、訓練されたAIモデルを使用して)参照情報と比較して、動きを空間400の別個の領域内で発生したものとして分類することができる。
【0146】
空間400中に動きがない場合(例えば、物体406が存在しない場合)、ワイヤレス通信デバイス402は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460を計算することができる。複数の要因により、チャネル応答にわずかな変動が生じ得るが、異なる時間期間に関連付けられた複数のチャネル応答460は、1つ以上の特性を共有することができる。示される例では、動きのないチャネル応答460は、減少する周波数プロファイルを有する(各周波数成分f、f、及びfの大きさは、以前のものよりも小さい)。チャネル応答460のプロファイルは、(例えば、ワイヤレス通信デバイス402の異なる部屋レイアウト又は配置に基づいて)一部の事例では異なり得る。
【0147】
空間400内で動きが発生すると、チャネル応答の変動が発生する。例えば、図4C図4Dに示される例では、第1の領域408内の物体406の動きに関連付けられたチャネル応答401は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460とは異なり、第3の領域412内の物体406の動きに関連付けられたチャネル応答403は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460とは異なる。チャネル応答401は、凹状放物線周波数プロファイル(中間周波数成分fの大きさは、外側周波数成分f及びfよりも小さい)を有し、チャネル応答403は、凸状漸近周波数プロファイル(中間周波数成分fの大きさは、外側周波数成分f及びfよりも大きい)を有する。チャネル応答401、403のプロファイルは、(例えば、異なる部屋のレイアウト又はワイヤレス通信デバイス402の配置に基づいて)一部の事例で異なり得る。
【0148】
チャネル応答を分析することは、デジタルフィルタを分析することと同様であると見なされ得る。換言すると、チャネル応答は、空間内の物体の反射と、移動中又は静止中の人間によって作成された反射とを介して形成されている。反射体(例えば、人間)が移動すると、チャネル応答が変化する。これは、極及びゼロを有するとみなされ得るデジタルフィルタの等価タップの変化に変換され得る(極は、チャネル応答の周波数成分を増幅し、応答中のピーク又は高い点として現れるが、ゼロは、チャネル応答の周波数成分を減衰させ、応答中のトラフ、低い点又はヌルとして現れる)。変化するデジタルフィルタは、そのピーク及びトラフの場所によって特徴付けることができ、チャネル応答も同様に、そのピーク及びトラフによって特徴付けることができる。例えば、一部の実装態様では、(例えば、周波数軸上のそれらの場所とそれらの大きさとをマークすることによって)チャネル応答の周波数成分中のヌルとピークとを分析して、動きを検出することができる。
【0149】
一部の実装態様では、時系列集約を使用して、動きを検出することができる。時系列集約は、移動ウィンドウにわたってチャネル応答の特徴を観測し、統計的尺度(例えば、平均、分散、主成分など)を使用することによってウィンドウ処理された結果を集約することによって実施することができる。動きの事例中、特徴的なデジタルフィルタ特徴は、散乱シーンの連続的な変化に起因して、一部の値の間で、場所及びフリップフロップの点で変位される。すなわち、等価デジタルフィルタは、(動きによる)そのピーク及びヌルの値の範囲を示す。この値の範囲を見ることによって、空間内の別個の領域について一意のプロファイル(プロファイルはシグネチャと称されることもある例では)を識別することができる。
【0150】
一部の実装態様では、人工知能(AI)モデルを使用して、データを処理することができる。AIモデルは、様々なタイプ、例えば、線形回帰モデル、ロジスティック回帰モデル、線形判別解析モデル、判定木モデル、ナイーブベイズモデル、K近傍モデル、学習ベクトル量子化モデル、サポートベクトルマシン、バギング及びランダムフォレストモデル、並びにディープニューラルネットワークであり得る。一般に、全てのAIモデルは、入力値と出力値との間に最も正確な相関関係を提供し、相関関係があることが知られている入力及び出力の過去のセットを使用して訓練される関数を学習することを目指している。例えば、人工知能は、機械学習と称されることもある。
【0151】
一部の実装態様では、空間400の別個の領域における動きに関連付けられたチャネル応答のプロファイルが学習され得る。例えば、機械学習を使用して、空間の別個の領域内の物体の動きを用いてチャネル応答特性をカテゴリ分類することができる。一部の場合では、ワイヤレス通信デバイス402に関連付けられたユーザ(例えば、空間400の所有者又は他の占有者)が学習処理を支援することができる。例えば、図4A図4Bに示される例を参照すると、ユーザは、学習段階中に第1の領域~第5の領域、408、410、412、414、416のそれぞれで移動することができ、空間400内の特定の領域のうちの1つで移動していることを(例えば、モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースを介して)示し得る。例えば、ユーザが(例えば、図4Aに示されるように)第1の領域408を通って移動している間、ユーザは、自身が第1の領域408内にいることをモバイルコンピューティングデバイス上で示すことができる(また、適切な際、領域を「寝室」、「リビングルーム」、「キッチン」、又は建物の別のタイプの部屋と名付けることができる)。チャネル応答は、ユーザが領域を通って移動するにつれて取得され得、チャネル応答は、ユーザの示された場所(領域)で「タグ付け」され得る。ユーザは、空間400の他の領域について同じ処理を繰り返すことができる。本明細書で使用される「タグ付け」されたという用語は、ユーザの示された場所又は任意の他の情報を用いてチャネル応答をマークし、識別することを指し得る。
【0152】
タグ付けされたチャネル応答は、次いで、(例えば、機械学習ソフトウェアによって)処理されて、別個の領域内の動きに関連付けられたチャネル応答の一意の特性を識別することができる。一意の特性が識別されると、その識別された一意の特性を使用して、新たに計算されたチャネル応答について検出された動きの場所を判定することができる。例えば、AIモデルは、タグ付けされたチャネル応答を使用して訓練され得、訓練されると、新たに計算されたチャネル応答がAIモデルに入力され得、AIモデルは、検出された動きの場所を出力することができる。例えば、一部の場合では、平均値、範囲、及び絶対値がAIモデルに入力される。一部の事例では、複素チャネル応答自体の大きさ及び位相も入力され得る。これらの値は、AIモデルが任意のフロントエンドフィルタを設計して、空間の別個の領域における動きに関して正確な予測を行うことに最も関連する特徴をピックアップすることを可能にする。一部の実装態様では、AIモデルは、確率的勾配降下を実施することによって訓練される。例えば、特定のゾーン中に最もアクティブであるチャネル応答変動が訓練中に監視され得、(それらの形状、傾向などと相関するように第1の層中の重みを訓練し、適応させることによって)特定のチャネル変動が重く重み付けされ得る。重み付けされたチャネル変動を使用して、ユーザが特定の領域内に存在するときにアクティブ化するメトリックを作成することができる。
【0153】
チャネル応答ヌル及びピークのような抽出された特徴について、(ヌル/ピークの)時系列は、移動ウィンドウ内の集約を使用し、過去及び現在の一部の特徴のスナップショットをとり、その集約された値をネットワークへの入力として使用して、作成することができる。したがって、ネットワークは、その重みを適合させながら、それらをクラスタリングするために特定の領域内の値を集約しようとし得、これは、ロジスティック分類子に基づく判定面を作成することによって行うことができる。判定表面は、異なるクラスタを分割し、後続の層は、単一のクラスタ又はクラスタの組み合わせに基づいてカテゴリを形成することができる。
【0154】
一部の実装態様では、AIモデルは、推論の2つ以上の層を含む。第1の層は、異なる濃度の値を別個のクラスタに分割することができるロジスティック分類子として機能し、第2の層は、これらのクラスタの一部を一緒に組み合わせて、別個の領域に対するカテゴリを作成する。更に、後続の層は、クラスタの2つ以上のカテゴリにわたって別個の領域の拡張を助長することができる。例えば、完全に接続された入力層モデルは、追跡された特徴の数に対応するAIと、(選択間の反復を通して)有効なクラスタの数に対応する中間層と、異なる領域に対応する最終層と、を含み得る。完全なチャネル応答情報がAIモデルに入力される場合、第1の層は、特定の形状を相関させることができる形状フィルタとして機能し得る。したがって、第1の層は、特定の形状にロックすることができ、第2の層は、それらの形状において発生する変動の尺度を生成することができ、第3の層及び後続の層は、それらの変動の組み合わせを作成し、空間内の異なる領域にマッピングすることができる。異なる層の出力は、次いで、融合層を通して組み合わせることができる。
【0155】
B.動的時間ドメインチャネル表現のためのシステム及び方法
本開示は、概して、Wi-Fi検知のためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、Wi-Fi検知のための動的時間ドメインチャネル表現を生成するためのWi-Fiシステム及び方法を構成することに関する。
【0156】
本開示のシステム及び方法は、時間ドメインと周波数ドメインとの間の関係(フーリエ関係)の物理を活用する。2つのデバイス(検知受信器及び検知送信器など)間の伝搬チャネルインパルス応答では、物理環境内の反射は、特に、反射が1つのデバイス又は別のデバイスに非常に近接していない物体によって引き起こされる場合に、ほんの少数の時間ドメインパルスの変化によって時間ドメイン内で表され得る。しかしながら、周波数ドメインでは、これらの反射の影響は、伝搬チャネル帯域幅の全てのチャネル状態情報(CSI)値にわたって反映される。
【0157】
図5は、一部の実施形態による、Wi-Fi検知のためのシステム500の実装態様のアーキテクチャの一部の実装態様を描示する。
【0158】
システム500(代替的にWi-Fi検知システム500と称される)は、複数の検知受信器502-(1-K)と、複数の検知送信器504-(1-M)と、検知アルゴリズムマネージャ506と、情報交換のためのシステムコンポーネント間の通信を可能にするネットワーク560と、を含み得る。システム500は、ワイヤレス通信システム100の例又は事例であり得、ネットワーク560は、ワイヤレスネットワーク又は携帯通信網接続の例又は事例であり得、それらの詳細は、図1及びそれに付随する説明を参照して提供される。以下の説明は、簡略化の目的のために、検知受信器502-1及び検知送信器504-1を参照して説明され、限定として解釈されるべきではない。
【0159】
一部の実施形態によれば、検知受信器502-1は、検知送信を受信し、Wi-Fi検知に有用な1つ以上の検知測定を行うように構成され得る。これらの測定値は、検知測定値として知られ得る。検知測定値は、システム500の検知目標を達成するために処理され得る。一実施形態では、検知受信器502-1は、アクセスポイント(AP)であり得る。一部の実施形態では、検知受信器502-1は、例えば、メッシュネットワークシナリオにおいて、ステーション(STA)であり得る。一実装態様によれば、検知受信器502-1は、図1に示されるワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装態様では、検知受信器502-1は、図2A及び図2Bに示されるワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。検知受信器502-1は、図4A及び図4Bに示されるワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一実装態様では、検知受信器502-1は、複数の検知送信器504-(1-M)間の通信を調整及び制御し得る。一実装態様によれば、検知受信器502-1は、必要な検知送信が必要な時間に確実に行われるようにし、かつ、検知測定が確実に正確に判定されるために、測定キャンペーンを制御することが可能にされ得る。一部の実施形態では、検知受信器502-1は、システム500の検知目標を達成するために検知測定値を処理し得る。一部の実施形態では、検知受信器502-1は、検知測定値を検知アルゴリズムマネージャ506に送信するように構成され得、検知アルゴリズムマネージャ506は、システム500の検知目標を達成するために検知測定値を処理するように構成され得る。
【0160】
一実装態様によれば、検知受信器502-1は、WLAN検知セッションを開始し得、複数の検知送信器504-(1-M)は、検知受信器502-1によって開始されたWLANセッションに参加し得る。一部の実装態様では、複数の検知送信器504-(1-M)は、WLAN検知セッションで測定値を検知するために使用されるPPDUを送信し得る。一実装態様では、検知受信器502-1は、WLAN検知セッション内のPPDUを受信し、PPDUを検知測定値に処理し得る。
【0161】
再び図5を参照すると、一部の実施形態では、検知送信器504-1は、1つ以上の検知測定がWi-Fi検知のために実行され得ることに基づいて、検知受信器502-1に検知送信を送るように構成され得る。一実施形態では、検知送信器504-1は、STAであり得る。一部の実施形態では、検知送信器504-1は、例えば、検知受信器502-1がSTAとして機能するシナリオにおいて、Wi-Fi検知のためのAPであり得る。一実装態様によれば、検知送信器504-1は、図1に示されるワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装態様では、検知送信器504-1は、図2A及び図2Bに示されるワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。更に、検知送信器504-1は、図4A及び図4Bに示されるワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一部の実装態様では、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の通信は、ステーション管理エンティティ(SME)及びMAC層管理エンティティ(MLME)プロトコルを介して生じ得る。
【0162】
一部の実施形態によれば、検知アルゴリズムマネージャ506は、検知受信器502-1から検知測定値を受信し、検知測定値を処理してシステム500の検知目標を達成するように構成され得る。一例では、検知アルゴリズムマネージャ506は、動き及び/又は移動を検出するという検知目標を達成するために、検知測定値を処理及び分析し得る。一部の実装態様によれば、検知アルゴリズムマネージャ506は、検知アルゴリズムを含む/実行することができる。検知アルゴリズムは、検知目標を達成する計算アルゴリズムであり得る。一例では、検知アルゴリズムは、チャネル表現情報(CRI)を利用して、移動及び/又は動きを検出するという検知目標を達成し得る。一実施形態では、検知アルゴリズムマネージャ506は、STAにおいて実装され得る。一部の実施形態では、検知アルゴリズムマネージャ506は、AP内に実装され得る。一実装態様によれば、検知アルゴリズムマネージャ506は、図1に示されるワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506は、図2A及び図2Bに示されるワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。更に、検知アルゴリズムマネージャ506は、図4A及び図4Bに示されるワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一部の実施形態では、検知アルゴリズムマネージャ506は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、モバイルデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、又は任意の他のコンピューティングデバイスなどの任意のコンピューティングデバイスであり得る。実施形態では、検知アルゴリズムマネージャ506は、検知アルゴリズムが測定キャンペーン及び測定キャンペーンを満たすために要求される検知測定値を判定する、検知イニシエータの役割を果たすことができる。検知アルゴリズムマネージャ506は、複数の検知送信器504-(1-M)間の通信を調整及び制御するために、測定キャンペーンを満たすために必要な検知測定値を検知受信器502-1に通信し得る。検知アルゴリズムマネージャ506が別個のデバイスであることが説明されているが、一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506は、検知送信器504-1内に実装され得る。
【0163】
図5を参照すると、より詳細には、検知受信器502-1は、プロセッサ508-1と、メモリ510-1と、を含み得る。例えば、図1に示されるように、検知受信器502-1のプロセッサ508-1及びメモリ510-1は、それぞれプロセッサ114及びメモリ116であり得る。一実施形態では、検知受信器502-1は、送信アンテナ512-1と、受信アンテナ514-1と、検知エージェント516-1とを更に含み得る。一部の実施形態では、アンテナを使用して、半二重フォーマットで信号の送信及び受信の双方を行い得る。アンテナが送信しているとき、該アンテナは送信アンテナ512-1と称され得、アンテナが受信しているとき、該アンテナは受信アンテナ514-1と称され得る。同じアンテナが、一部の事例では送信アンテナ512-1であり、他の事例では受信アンテナ514-1であり得ることが、当業者によって理解される。アンテナアレイの場合、1つ以上のアンテナ要素が、例えば、ビームフォーミング環境において、信号を送信又は受信するために使用され得る。一部の例では、複合信号を送信するために使用されるアンテナ要素のグループは送信アンテナ512-1と称され得、複合信号を受信するために使用されるアンテナ要素のグループは受信アンテナ514-1と称され得る。一部の例では、各アンテナは、それ自体の送信経路及び受信経路を備え、それらは、アンテナが送信アンテナ512-1として動作しているか、又は受信アンテナ514-1として動作しているかに応じて、アンテナに接続するように交互に切り替えられ得る。
【0164】
一実装態様では、検知エージェント516-1は、検知送信及び関連する送信パラメータを受信し、Wi-Fi検知の目的のために検知測定値を計算することを担い得る。一部の実装態様では、検知送信及び関連する送信パラメータを受信し、検知測定値を計算することは、検知受信器502-1の媒体アクセス制御(MAC)層で実行されるアルゴリズムによって実施され得る。一実装態様では、検知エージェント516-1は、送信アンテナ512-1の少なくとも1つの送信アンテナに、メッセージを検知送信器504-1に送信させるように構成され得る。一例では、検知エージェント516-1は、受信アンテナ514-1の少なくとも1つの受信アンテナを介して、検知送信器504-1からのメッセージを受信するように構成され得る。一例では、検知エージェント516-1は、検知送信器504-1から受信した検知送信に基づいて検知測定を行うように構成され得る。
【0165】
一部の実施形態では、検知受信器502-1は、検知インプリント格納装置518-1と、チャネル表現情報格納装置520-1と、インプリントデルタ格納装置522-1と、を含み得る。検知インプリント格納装置518-1は、1つ以上の検知インプリントに関連する情報を格納し得る。チャネル表現情報格納装置520-1は、検知受信器502-1と複数の検知送信器504-(1-M)の各々との間のチャネルの状態を表す検知測定値に関連する情報を格納し得る。一例では、チャネル表現情報格納装置520は、チャネル状態情報(CSI)、フルTD-CRI、及びフィルタリングされたTD-CRIのうちの1つ以上を格納し得る。インプリントデルタ格納装置522-1は、フルTD-CRIと検知インプリントとの間の差に関連する情報をインプリントデルタとして格納し得る。検知インプリント格納装置518-1に格納された1つ以上の検知インプリントに関する情報、チャネル表現情報格納装置520-1に格納された検知測定値に関する情報、及びインプリントデルタ格納装置522-1に格納されたインプリントデルタに関する情報は、必要に応じて定期的に又は動的に更新され得る。一実装態様では、検知インプリント格納装置518-1、チャネル表現情報格納装置520-1、及びインプリントデルタ格納装置522-1は、データベース又はファイルシステムなどの、又はメモリ510-1に結合された、任意のタイプ又は形態の格納装置を含み得る。
【0166】
再び図5を参照すると、検知送信器504-1は、プロセッサ528-1と、メモリ530-1と、を含み得る。例えば、検知送信器504-1のプロセッサ528-1及びメモリ530-1は、図1に示されるように、それぞれプロセッサ114及びメモリ116であり得る。一実施形態では、検知送信器504-1は、送信アンテナ532-1と、受信アンテナ534-1と、検知エージェント536-1とを更に含み得る。一実装態様では、検知エージェント536-1は、物理的及びMAC層パラメータを検知送信器504-1のMACからアプリケーション層プログラムに渡すブロックであり得る。検知エージェント536-1は、送信アンテナ532-1のうちの少なくとも1つの送信アンテナ及び受信アンテナ534-1のうちの少なくとも1つの受信アンテナに、検知受信器502-1とメッセージを交換させるように構成され得る。一部の実施形態では、アンテナを使用して、半二重フォーマットで送信及び受信の双方を行い得る。アンテナが送信をしているとき、該アンテナは送信アンテナ532-1と称され得、アンテナが受信をしているとき、該アンテナは受信アンテナ534-1と称され得る。同じアンテナが、一部の事例では送信アンテナ532-1であり、他の事例では受信アンテナ534-1であり得ることが、当業者によって理解される。アンテナアレイの場合、1つ以上のアンテナ要素が、例えば、ビームフォーミング環境において、信号を送信又は受信するために使用され得る。一部の例では、複合信号を送信するために使用されるアンテナ要素のグループは送信アンテナ532-1と称され得、複合信号を受信するために使用されるアンテナ要素のグループは受信アンテナ534-1と称され得る。一部の例では、各アンテナは、それ自体の送信経路及び受信経路を備え、それらは、アンテナが送信アンテナ532-1として動作しているか、又は受信アンテナ534-1として動作しているかに応じて、アンテナに接続するように交互に切り替えられ得る。
【0167】
1つ以上の実装態様によれば、ネットワーク560における通信は、IEEEによって開発された標準の802.11ファミリのうちの1つ以上によって管理され得る。一部の例示的なIEEE標準は、IEEE802.11ax、IEEE802.11md、及びIEEE802.11-REVmd/D5.0を含み得る。IEEE802.11ax及びIEEE802.11mdは、IEEE802.11-2016 WLAN標準の一部である。IEEE802.11mdは、以前の改正を含む標準の新しいリリースである。更に、IEEE802.11axは、IEEE802.11-2016標準への追加である。一部の実装態様では、通信は、他の標準(他の又は追加のIEEE標準又は他のタイプの標準)によって管理され得る。一部の実施形態では、システム500が802.11ファミリの標準のうちの1つ以上によって管理されることを必要としないネットワーク560の部分は、ワイヤレスネットワーク又は携帯通信網を含む任意のタイプのネットワークの事例によって実装され得る。
【0168】
再び図5を参照すると、一実装態様では、検知受信器502-1は、測定キャンペーンを開始し得る。例示的な実装態様によれば、検知受信器502-1は、1つ以上の検知開始メッセージを介して測定キャンペーンを開始し得る。一実装態様では、検知エージェント516-1は、検知開始メッセージを生成するように構成され得る。一例では、検知開始メッセージは、要求された送信構成を含み得る。本明細書で考察されていない、検知開始メッセージに含まれる情報/データの他の例が本明細書で企図される。一実装態様では、検知エージェント516-1は、送信アンテナ512-1を介して検知開始メッセージを検知送信器504-1に送信し得る。
【0169】
一実装態様によれば、検知送信器504-1は、受信アンテナ534-1を介して検知受信器502-1から検知開始メッセージを受信し得る。一実装態様では、検知エージェント536-1は、検知開始メッセージに含まれる要求された送信構成を適用し得る。その後、検知エージェント536-1は、検知開始メッセージに応答して、要求された送信構成に従って検知送信を検知受信器502-1に送信し得る。一実装態様では、検知エージェント536-1は、送信アンテナ532-1を介して検知送信を検知受信器502-1に送信するように構成され得る。
【0170】
一実装態様では、検知受信器502-1は、検知開始メッセージに応答して、送信された検知送信器504-1から検知送信を受信し得る。検知受信器502-1は、受信アンテナ514-1を介して検知送信器504-1から検知送信を受信するように構成され得る。一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、1つ以上の検知インプリントを判定するために検知送信を処理するように構成され得る。一例では、1つ以上の検知インプリントは、検知送信器504-1と検知受信器502-1との間の伝搬チャネルの時間ドメインインパルス応答の定常状態又はベースライン表現であり得る。ある態様では、検知受信器502-1及び検知送信器504-1は、定常状態にあり得、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の物体は、半定常状態にあり得る。例えば、部屋内の家具又は備品などの物体は、あまり移動しない場合があり、したがって、半静的状態にある。したがって、検知送信器504-1と検知受信器502-1との間の伝搬チャネルは、半静的状態又は定常状態にあり得る(すなわち、伝搬チャネルは、任意の動き又は移動を欠き得る)。以下、検知インプリントの判定方法について説明する。
【0171】
一実装態様によれば、検知受信器502-1のベースバンド受信器は、検知送信に基づいてCSIを計算するように構成され得る。一部の実装態様では、検知受信器502-1は、受信器チェーンによるCSIへの寄与を計算し得る。一例では、検知受信器502-1の受信器チェーンは、アナログ要素と、デジタル要素と、を含み得る。例えば、受信器チェーンは、受信信号が基準点から、受信信号が読み取られ得る点まで、すなわち、検知受信器502-1の検知エージェント516-1によって移動し得る、アナログ構成要素及びデジタル構成要素を含み得る。検知受信器502-1の受信器チェーンの表現600は、図6に例解される。図6に記載されるように、同相(I)及び直交位相(Q)変調されたシンボルは、周波数及びタイミング回復を含む同期が行われる受信器のフロントエンドに到着する。更に、時間ドメインガード期間(サイクリックプレフィックス)が除去され、受信器は、受信された信号(例えば、I変調シンボル及びQ変調シンボル)に対して高速フーリエ変換(FFT)を行う。次いで、ガードトーン及びDCトーンが除去される。次いで、CSIは、データデマッピング、(デインターリーバを使用する)デインターリーブ、デパンクチャ、(ビタビデコーダを使用する)復号、及び最後に(デスクランブラを使用する)デスクランブルの前に生成される。デスクランブルの結果として、データビットが生成される。生成されたCSIは、検知エージェント516-1に提供される。
【0172】
一実装態様によれば、CSIを受信すると、検知エージェント516-1は、フル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)のフォーマットにおける伝搬チャネルの検知インプリントを判定し得る。検知エージェント516-1は、CSI上で逆高速フーリエ変換(IFFT)を行って、検知インプリントを判定し得る。この結果、CSIの時間ドメイン表現となる。検知インプリントは、各時間ドメイントーンの複素値を含み得る。一例では、検知インプリントは、CSI値と同じくらい多くのフルTD-CRI値を含み得る。CSI値の数は、伝搬チャネル帯域幅とともにスケーリングされ得る。一実装態様では、CSI値の数、したがって、検知インプリント内のフルTD-CRI値の数は、以下に提供される式(1)によって表され得る。
【数11】
【0173】
一実装態様では、検知エージェント516-1は、検知インプリントを検知インプリント格納装置518-1に格納し得る。一例では、検知エージェント516-1は、伝搬チャネルの時点でのベースラインとして検知インプリントを格納し得る。一部の実装態様では、検知送信器504-1は、1つ以上の検知送信を、送達された異なる送信構成を有する検知受信器502-1に送り得る。そのような実装態様では、検知受信器502-1は、各送達された送信構成に関連付けられた伝搬チャネルの検知インプリントを判定及び格納し得る。
【0174】
一実装態様によれば、検知インプリントは、1つ以上の検知送信に基づいて、検知受信器502-1によって測定され得る。一例では、測定は、伝搬チャネルの一方向又は双方向で行われ得、すなわち、1つ以上の検知送信が一方向に送られ得、検知インプリントがその送信方向に対して測定及び格納され得る。一部の例では、別の1つ以上の検知送信は、反対方向に送られ得、検知インプリントは、その送信方向について測定され、格納され得る。一実装態様では、検知インプリントは、測定され、時間ドメインに格納され得る。一例では、検知インプリントは、複数の検知送信で複数回測定され得、これらの測定値は、検知インプリントを生成するために平均化され得る。
【0175】
一実装態様によれば、検知インプリント格納装置518-1に格納された検知インプリントは、必要に応じて定期的又は動的に更新され得る。一例では、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の1つ以上の伝搬チャネルの半静的性質に変化がある場合、検知インプリントを再計算又は更新する必要があり得る。例えば、検知受信器502-1及び検知送信器504-1のうちの一方又は双方が移動する場合、又は検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の半静的物体(例えば、家具の一部)が移動する場合、伝搬チャネルの半静的性質に変化があり得る。一部の例では、検知インプリントはまた、検知受信器502-1が、物体が伝搬チャネルに影響を及ぼす検知空間に移動し、一定期間存在し、静止したままであることを検出する事例で更新される必要があり得る。一実装態様では、ベースバンド受信器は、1つ以上の伝搬チャネルに関連する検知インプリントを更新する必要があるという通知を検知受信器502-1に送り得る。
【0176】
一部の実装態様では、ベースバンド受信器内の自動ゲイン制御(AGC)(例えば、図6のブロック「フロントエンド同期」)は、デジタル化の前にI及びQサンプルを事前条件付けし得る。AGCは動的処理であり、その利得は、伝搬チャネルにおける条件に応じてある期間にわたって変化し得る。一部の例では、AGCゲインの変化の尺度、又はそのゲインが著しく変化したことを示すAGCからの信号は、1つ以上の伝搬チャネルに関連する検知インプリントを更新する必要があることを検知受信器502-1に通知し得る。
【0177】
検知受信器502-1が、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の半静的又は定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントを判定及び格納することが記載されているが、一部の実装態様では、検知受信器502-1は、検知受信器502-1と検知送信器504-(2-M)との間の半静的又は定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントを判定及び格納し得る。検知受信器502-1はまた、各検知送信器に関連付けられた識別子(ID)を格納して、各検知送信器及び対応する検知インプリントを一意に識別し得る。検知送信器のIDの例は、MAC ID、アソシエーションID、又は任意の別個の識別子を含み得る。更に、検知受信器502-1は、各検知送信器504-(1-M)について複数の検知インプリントを格納し得、一例では、各検知インプリントを、送達された送信構成又は別の別個の識別子によって区別し得る。検知受信器502-1に格納されたインプリントを検知するための例示的なデータ構造は、以下に提供される表1内に示される。
【表1】
【0178】
一例では、検知インプリントのインプリント作成時間は、検知インプリントが記録/判定され、検知受信器502-1に格納される時間を指し得る。例えば、インプリント作成時間は、検知インプリントの妥当性の期限を判定するために使用され得るシステムクロック又はカウンタの値であり得る。
【0179】
一部の実装態様によれば、検知受信器502-1は、検知受信器502-1と複数の検知送信器504-(1-M)との間の半静的又は定常状態の伝搬チャネルを表す格納された検知インプリントのコピーを検知アルゴリズムマネージャ506に送り得る。一実装態様では、複数の検知受信器502-(2-K)の各々はまた、検知インプリントを判定し、検知インプリントのコピーを検知アルゴリズムマネージャ506に送るように構成され得る。したがって、検知アルゴリズムマネージャ506は、多数の検知受信器及び検知送信器ペアに対して、かつ、任意選択的に検知受信器検知送信器ペアごとに複数の送達された送信構成に対して、検知インプリントのコピーを格納し得る。一例では、検知アルゴリズムマネージャ506は、検知インプリントのコピーをデータ格納装置にローカルに格納し得る。検知アルゴリズムマネージャ506によって格納されるインプリントを検知するための例示的なデータ構造は、以下に提供される表2に示される。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0180】
図5を再び参照すると、1つ以上の実装態様によれば、Wi-Fi検知の目的のために、検知受信器502-1が測定キャンペーン(又はWi-Fi検知セッション)を開始し得る。測定キャンペーンでは、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の送信の交換が発生し得る。一例では、これらの送信の制御は、IEEE802.11スタックのMAC層によるものであり得る。例示的な実装態様によれば、検知受信器502-1は、1つ以上の検知開始メッセージを介して測定キャンペーンを開始し得る。一実装態様では、検知エージェント516-1は、検知開始メッセージを生成するように構成され得る。一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、送信アンテナ512-1を介して検知開始メッセージを検知送信器504-1に送信し得る。
【0181】
一実装態様によれば、検知送信器504-1は、受信アンテナ534-1を介して検知受信器502-1から検知開始メッセージを受信し得る。一実装態様では、検知エージェント536-1は、検知開始メッセージに含まれる要求された送信構成を適用し得る。その後、検知エージェント536-1は、検知開始メッセージに応答して、かつ、要求された送信構成に従って検知送信を検知受信器502-1に送信し得る。一例では、検知送信は、送達された送信構成を含み得る。一実装態様では、検知エージェント536-1は、送信アンテナ532-1を介して検知送信を検知受信器502-1に送信するように構成され得る。
【0182】
一実装態様では、検知受信器502-1は、検知開始メッセージに応答して送信された検知送信器504-1から検知送信を受信し得る。検知受信器502-1は、受信アンテナ514-1を介して検知送信器504-1から検知送信を受信するように構成され得る。一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、検知送信に基づいて検知測定値を生成するように構成され得る。その後、検知エージェント516-1は、検知測定に基づいて、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の伝搬チャネルのフルTD-CRIを生成し得る。一実装態様では、検知送信を受信すると、検知受信器502-1のベースバンド受信器は、CSIを計算し、CSIをPHYからMAC層に渡し得る。次に、MAC層は、IFFTを使用して、CSIをフルTD-CRIに変換し得る。
【0183】
一例では、検知アルゴリズムマネージャ506は、高忠実度TD-CRI再構成の要求を検知受信器502-1に送り得る。ここで、高忠実度TD-CRI再構成は、結果として生じるTD-CRI再構成が、測定中の伝搬チャネルの忠実度の損失を示さないことを意味する。一例では、この高忠実度TD-CRI再構成は、無損失と呼ばれ得、それは、伝搬チャネルの忠実度を失わないことを意味する。一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、必要に応じて時間ドメイン圧縮技術を選択し得る。例えば、検知エージェント516-1は、検知用途要件及び使用例に応じて、損失のある又は無損失時間ドメイン圧縮技術を使用し得る。一例では、フルTD-CRIと検知インプリントとの間で減算を実行する必要がないため、損失のある時間ドメイン圧縮に必要な計算は、無損失時間ドメイン圧縮に比べて少ない場合がある。したがって、検知アルゴリズムマネージャ506は、忠実度の損失が許容される場合に、損失のある時間ドメイン圧縮技術の使用を要求することが好ましい場合がある。
【0184】
一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントを取得し得る。一実装態様では、検知エージェント516-1は、検知インプリント格納装置518-1から検知インプリントを取り出すことによって、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントを取得し得る。一例では、取得された検知インプリントは、送達された同一送信構成を使用して、検知送信器504-1からの1つ以上の検知送信で測定された以前に記録された検知インプリントであり得る。
【0185】
検知インプリントを取得すると、検知エージェント516-1は、フルTD-CRIを検知インプリントと比較し得る。一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、検知アルゴリズムマネージャ506からの要求に応答して、フルTD-CRIを検知インプリントと比較し得る。一実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506は、例えば、検知用途要件及び使用例に基づいて、検知測定に必要な忠実度を検知受信器502-1に示し得る。
【0186】
一部の実装態様では、無損失又は損失のある時間ドメイン圧縮技術のいずれかが他方よりも好ましい状況があり得る。一例では、検知アルゴリズムマネージャ506の検知目標が、周囲エリア内の任意の場所で動きを検出することである場合、損失のある時間ドメイン圧縮技術は、必要な情報を提供するのに十分であり得る。一部の例では、検知アルゴリズムマネージャ506の検知目標が、例えば、動きの方向、又は伝搬チャネル内のどこで動きが起こっているかを追跡する能力などの細粒度の動き特徴を検出することである場合、検知アルゴリズムマネージャ506は、全ての利用可能な情報を検知に適用できるように、伝搬チャネルの無損失更新を要求し得る。一部の例によれば、再構築技術に関する判定は、検知受信器502-1又は検知送信器504-1からの物体の範囲によって影響を受け得る。検知アルゴリズムマネージャ506の検知目標が、妨害(又は動き)が検知受信器502-1又は検知送信器504-1に近いときに動きを検出することである場合、損失のある時間ドメイン圧縮技術は、妨害を検出するのに十分であり得る。しかしながら、検知アルゴリズムマネージャ506が、それが伝搬チャネルの周辺で生じるわずかな妨害に感受性であるカバレッジの拡大されたエリアを必要とする場合、次いで、損失時間ドメイン圧縮技術は、妨害を検出するために必要とされ得る。
【0187】
一実装態様によれば、フルTD-CRIと検知インプリントとの比較に基づいて、検知エージェント516-1は、フルTD-CRIと検知インプリントとの間の差に従って、フィルタリングされたTD-CRIを識別し得る。一実装態様では、検知エージェント516-1は、検知インプリントの対応する時間ドメインパルスとは異なるフルTD-CRIの時間ドメインパルスのセットを判定し、フィルタリングされたTD-CRIとしてフルTD-CRIの時間ドメインパルスのセットを指定し得る。一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、フルTD-CRIの時間ドメインパルスと、測定インプリントデルタ閾値を超える検知インプリントの時間ドメインパルスとの間のそれらの差のみを識別し得る。一実装態様では、測定インプリントデルタ閾値は、フルTD-CRIの時間ドメインパルスが検知インプリントの時間ドメインパルスと異なると見なされる閾値以上とし得る。一例では、測定インプリントデルタ閾値は、振幅閾値若しくは位相閾値、又は振幅閾値及び位相閾値の双方の組み合わせの観点から定義され得る。
【0188】
一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、位相減算によって時間ドメインパルスごとにフルTD-CRIとセンシングインプリントとの間の差を計算することに基づいて、フルTD-CRIとセンシングインプリントとの間の差を判定し得る。一例では、フルTD-CRIの各時間ドメインパルスと検知インプリントとの間の差は、振幅の差若しくは位相の差、又は振幅及び位相の双方の差の組み合わせの観点から表され得る。一部の例では、フルTD-CRIの各時間ドメインパルスと検知インプリントとの間の差は、位相及び振幅変換(すなわち、位相回転及び振幅スケーリング)として表され得る。一部の例では、フルTD-CRIの各時間ドメインパルスと検知インプリントとの間の差は、振幅の差及び位相の回転などの表現の組み合わせとして表され得る。
【0189】
図7は、一部の実施形態による、フェイザ減算の例700を例解する。図7では、Reは実軸であり、Imは虚軸である。図7の例では、フェイザ2は、フェイザ1から差し引かれる。図7に記載されるように、フェイザ1の振幅及び位相は、それぞれ、R及びαによって表され、フェイザ2の振幅及び位相は、それぞれ、R及びβによって表される。更に、フェイザ1とフェイザ2との間の差の振幅及び位相は、R及びγによって表される。図8は、位相回転、振幅スケーリング、及び位相回転後の振幅の差の例800を例解する。図8では、Reは、実軸であり、Imは虚軸である。図8に記載されるように、フェイザ1とフェイザ2との間の位相差は、θであり、フェイザ1とフェイザ2との振幅の間のスケーリング係数は、aである。
【0190】
図5に戻って参照すると、一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、フィルタリングされたTD-CRIを構成するフルTD-CRIの時間ドメインパルスのセットを、フルTD-CRIの時間ドメインパルスのセットと検知インプリントの対応する時間ドメインパルスとの間の差として、フィルタリングされたTD-CRIを定義するインプリントデルタとして、インプリントデルタ格納装置522-1に格納し得る。一実装態様では、フィルタリングされたTD-CRIを構成するインプリントデルタ値は、フィルタリングされたTD-CRIの完全な時間ドメインパルスを表すために必要とされ得るよりも少ないビットを有する数値フォーマットによって表され得る。例によれば、表現されている値の範囲が差演算によって低減されるため、精度の損失がない場合がある。
【0191】
一実装態様では、インプリントデルタが取得されると、検知エージェント516-1は、フルTD-CRIの各時間ドメインパルスについてインプリントデルタを個別に評価し得る。一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、各々の時間ドメインパルス差(すなわち、フルTD-CRIの時間ドメインパルスと検知インプリントの時間ドメインパルスとの間の差)を、振幅若しくは位相、又は振幅及び位相の双方についての測定インプリントデルタ閾値と比較し得る。比較結果に基づいて、検知エージェント516-1は、フルTD-CRIの時間ドメインパルスが変化したと判定し得る。一例では、検知エージェント516-1は、測定インプリントデルタ閾値が一度だけ超えられたときに、フルTD-CRIの時間ドメインパルスが変化したと判定し得る。一実装態様によれば、測定インプリントデルタ閾値は、フルTD-CRIの時間ドメインパルスが検知インプリントの時間ドメインパルスとは異なると見なされる前に、後続の測定値に対する測定インプリントデルタカウントを超えなければならない。一例では、測定インプリントデルタカウントは、フルTD-CRIの時間ドメインパルスが検知インプリントの時間ドメインパルスとは異なると見なされる前に、測定インプリントデルタ閾値を超える回数を指し得る。
【0192】
一実装態様では、測定インプリントデルタ閾値及び測定インプリントデルタカウントは、受信器502-1を検知することによって構成され得る。一部の実装態様では、測定インプリントデルタ閾値及び測定インプリントデルタカウントは、検知アルゴリズムマネージャ506によって構成され得る。一実装態様によれば、検知アルゴリズムマネージャ506は、1つ以上の測定インプリントデルタ閾値及び対応する1つ以上の測定インプリントデルタカウントを、検知受信器502-1に送り得る。一実施形態によれば、検知受信器502-1と検知アルゴリズムマネージャ506との初期の関連付け時に、検知アルゴリズムマネージャ506は、将来のWi-Fi検知セッションで使用するために、1つ以上の測定インプリントデルタ閾値及び対応する1つ以上の測定インプリントデルタカウントを検知受信器502-1に通知し得る。一例では、1つ以上の測定インプリントデルタ閾値は、特定の検知インプリントに関連付けられ得る。例えば、測定インプリントデルタ閾値は、特定のチャネル帯域幅における検知送信器504-1と検知受信器502-1との間のアップリンク経路に対して、かつ、特定の送達された送信構成に対して検知インプリントに関連付けられ得る。
【0193】
一実装態様によれば、Wi-Fi検知のための検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の伝搬チャネルの反射の表現として、検知受信器502-1は、フィルタリングされたTD-CRIを検知アルゴリズムマネージャ506に送り得る。一実装態様では、検知エージェント516-1は、フィルタリングされたTD-CRIを、CRI送信メッセージを介して検知アルゴリズムマネージャ506に送り得る。例示的な実装態様では、検知エージェント516-1は、送信アンテナ512-1を介して、フィルタリングされたTD-CRIを含むCRI送信メッセージを検知アルゴリズムマネージャ506に送り得る。一例では、フィルタリングされたTD-CRIは、検知インプリントから変更されたと判定された、検知アルゴリズムマネージャ506へのフルTD-CRIの時間ドメインパルスを含み得る(検知インプリントとは異なるフルTD-CRIの時間ドメインパルスは、検知アルゴリズムマネージャ506に送信され得る)。一部の例では、フィルタリングされたTD-CRIは、検知インプリントから変更されたと判定されたフルTD-CRIの時間ドメインパルスを表すインプリントデルタ値を含み得る(フルTD-CRIの変更された時間ドメインパルスのインプリントデルタは、検知アルゴリズムマネージャ506に送信され得る)。
【0194】
一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、伝搬チャネルにおける反射(すなわち、時間ドメインパルス又はインプリントデルタが表す時間ドメイントーン)を表現するフィルタリングされたTD-CRI内の時間ドメインパルスの場所を検知アルゴリズム、マネージャ506に示し得る。
【0195】
一実装態様では、検知エージェント516-1は、フィルタリングされたTD-CRIとともに検知インプリントインジケータを検知アルゴリズムマネージャ506に送信し得る。一例では、検知インプリントインジケータは、フィルタリングされたTD-CRIを計算するために検知受信器502-1によって使用されるバージョン番号又は検知インプリントの一意の識別子を参照し得る。一意の識別子は、検知アルゴリズムマネージャ506が、格納されている可能性のある多数のセンシングインプリントのどれを使用するかを判定できるように、検知受信器502-1、検知送信器504-1、及び送達された送信構成のいずれかの識別子の組み合わせに基づいて生成され得る。一部の実装態様では、検知エージェント516-1は、検知アルゴリズムマネージャ506がどの検知インプリントを使用するかを判定できるように、フィルタリングされたTD-CRIとともに、フィルタリングされたTD-CRIを計算するために検知受信器502-1によって使用された検知インプリントの暗号化ハッシュを生成及び送信し得る。一実装態様では、検知エージェント516-1は、SHA-256アルゴリズムを使用して、暗号化ハッシュを生成し得る。
【0196】
一実装態様では、必要以上に長いデータフィールド、例えば、フィルタリングされたTD-CRIを検知受信器502-1から検知アルゴリズムマネージャ506に送るためのMAC PDUの使用を回避するために、フィルタリングされたTD-CRI時間ドメインパルス又はインプリントデルタ値は、それらの間にギャップ又はヌルなしでデータメッセージ内に連続的に配置され得る。しかしながら、実際に更新された、又は選択されたフルTD-CRI時間ドメインパルスの間にギャップがあった可能性があり、したがって、選択されたフルTD-CRI時間ドメインパルスの元の場所は、検知受信器502-1から検知アルゴリズムマネージャ506に信号送信されなければならない。一例では、更新又は選択されたフルTD-CRI時間ドメインパルスは、検知インプリントとは異なるフルTD-CRIの時間ドメインパルスを指し得る。
【0197】
一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、フルTD-CRIにおける第1の時間ドメインパルスの場所を示す場所ビットマップを検知アルゴリズムマネージャ506に送信し得る。一例では、第1の時間ドメインパルスは、検知インプリントと比較して変更され、現在の検知測定値を判定するために検知アルゴリズムマネージャ506によって処理される、フルTD-CRI内からの一連の時間ドメインパルスであり得る。したがって、各時間ドメインパルスは、再構築されたフルTD-CRIが検知アルゴリズムマネージャ506で生成され、検知測定値が再作成されることを可能にするように識別されなければならない。
【0198】
図9は、一部の実施形態による、フィルタリングされたTD-CRIの例解図900を描示する。検知インプリントにおける時間ドメインパルスの例は、実線矢印(「902」として表される)を使用して示され、3つの時間ドメインパルスにおける検知インプリントへの例の変化は、破線矢印(「904」として表される)を使用して示される。明確にするために、図9の例では、検知インプリントとは異なる一連の選択されたフルTD-CRI時間ドメイン値は、「906」として表されるウィンドウ内にある。一例では、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の伝搬チャネルは、帯域幅が20MHzであり得、フルTD-CRI内の52個の複素時間ドメインパルスによって表され得る。
【0199】
一実装態様によれば、検知エージェント516-1は、データを搬送する全ての時間ドメインパルスを表すのに必要な長さのビットマップを作成し得る。一例では、ビットマップは、52ビット長であり得る。他の例では、ビットマップは、104ビット長であり得る。一例では、検知エージェント516-1は、ビットマップに、時間ドメインパルスが選択されて存在する「1」と、時間ドメインパルスが選択されておらず、存在しない「0」とをポピュレートし得る。一例では、ビットマップの最も重要なビット(MSB)は、最初の時間ドメイントーンを指し、ビットマップの最も重要でないビット(LSB)は、最後の時間ドメイントーンを指す。
【0200】
図9の例を参照すると、以下のように52ビット長のビットマップ(又は52ビットビットフィールド)が作成される。
【数12】
【0201】
一実装態様では、3つの更新された時間ドメインパルス(大きさ及び位相)は、順次転送される。一例では、更新された時間ドメインパルスは、検知インプリント内の対応する値を置き換える値として転送され得る。一部の例では、インプリントデルタは、検知インプリント内の対応する値への変更として適用されるように転送され得る。転送される更新のタイプは、ビットフィールド内の追加のビットによって信号送信され得る。一例では、追加のMSBの値は、転送される更新のタイプを表し得る。一実装態様によれば、ビットフィールド内の低い情報コンテンツの可能性を利用するために、検知エージェント516-1は、無損失データ圧縮アルゴリズムを使用して、転送されるビットの数を低減させ得る。無損失データ圧縮アルゴリズムの例は、ランレングスエンコーディングである。
【0202】
一例では、ビットマップは、ガードトーン及びDCトーンを含むFFT内のトーンの数、すなわち、20MHz伝搬チャネル帯域幅の例では64ビットに等しく、40MHz伝搬チャネル帯域幅の例では128ビットに等しくなり得る。この例では、MSBの第1の番号は、ガードトーンに相当する「0」であり、LSBの第2の番号も、DCトーン及びガードトーンに相当する「0」である。一実装態様によれば、ビットマップのMSBは、FFTの第1のシンボルにマッピングすると仮定され得る。その仮定に基づいて、時間ドメインパルス又はインプリントデルタ値は、ビットマップに従って入力され得る。
【0203】
一部の実装態様によれば、フィルタリングされたTD-CRIにおける各時間ドメインパルスに対して、検知エージェント516-1は、2つの値の代わりに3つの値を送り得、3つの値のうちの1つは、フルTD-CRIにおける時間ドメインパルス又はインプリントデルタ値の位置を表し得る。一例では、追加の値(すなわち、第3の値)又は追加の値のサイズを表現するために使用されるビットの数は、伝搬チャネルの帯域幅及びTD-CRIにおける時間ドメインパルスの数に応じて変化し得る。例えば、伝搬チャネル帯域幅が20MHzであり、かつ、64点FFTが必要である場合、追加の値は6ビット長であり得る。伝搬チャネル帯域幅が40MHzであり、かつ、128点FFTが必要である場合、追加の値は7ビット長であり得る。一例では、追加の値は、時間ドメインパルス又はインプリントデルタ値の値に先行し得る。一部の例では、追加の値は、時間ドメインパルス又はインプリントデルタ値の値に続くことができる。
【0204】
一例では、転送されるフィルタリングされたTD-CRIの値のタイプ(すなわち、検知インプリント内の対応する時間ドメインパルス値を置き換えるもの、又は検知インプリント内の対応する値への変化を反映するもの)は、値自体とともに転送される専用タイプの更新フィールドによって信号送信される。
【0205】
図10は、一部の実施形態による、フルTD-CRI(選択された時間ドメインパルス)内の変更された時間ドメインパルスのセット1000の一例を描示し、図11は、フルTD-CRI(インプリントデルタ)内の変更された時間ドメインパルスのセット1100の別の例を描示する。一例では、時間ドメイン表現の開始前にガードトーン又はDCトーンが存在しないと想定され得る。双方の描示において、TD-CRI内の変更された時間ドメインパルスの場所を表すパラメータは、変更された時間ドメインパルスとともに転送される。
【0206】
一実装態様によれば、検知アルゴリズムマネージャ506は、検知受信器502-1からフィルタリングされたTD-CRIを受信し得る。一例では、フィルタリングされたTD-CRIが、複数の時間ドメインパルスを含み得る。一実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、フィルタリングされたTD-CRIとともに検知インプリントインジケータを受信し得る。一例では、検知インプリントインジケータが、フィルタリングされたTD-CRIを計算するために検知受信器502-1によって使用されるバージョン番号又は検知インプリントの一意の識別子を参照し得る。一実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、検知インプリント内の対応する時間ドメインパルスの場所を示す場所ビットマップを受信し得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、フィルタリングされたTD-CRIとともにフィルタリングされたTD-CRIを計算するために検知受信器502-1によって使用される検知インプリントの暗号ハッシュを受信し、それにより、検知アルゴリズムマネージャ506がどの検知インプリントを使用すべきかを判定可能であり得る。
【0207】
一実装態様によれば、フィルタリングされたTD-CRI及び検知インプリントインジケータ並びに/又は暗号ハッシュを受信すると、検知アルゴリズムマネージャ506は、検知インプリントインジケータ及び/又は暗号ハッシュに従って、データ格納装置から検知インプリント(又は検知インプリントのコピー)を取得し得る。一実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、フィルタリングされたTD-CRI及び検知インプリントから再構築されたTD-CRIを生成し得る。一実装態様によれば、検知アルゴリズムマネージャ506が、検知インプリントの対応する時間ドメインパルスを、フィルタリングされたTD-CRIで受信された複数の時間ドメインパルスに置き換えることによって、再構築されたTD-CRIを生成し得る。次に、検知アルゴリズムマネージャ506は、結果として生じる時間ドメイン信号に対してFFTを実行して、ほぼ正確な周波数ドメインCSIを取得し得る。続いて、検知アルゴリズムマネージャ506は、再構築された周波数ドメインチャネル表現に従って、検知空間内の関心対象の特徴を検出し得る。
【0208】
一部の実装態様では、フィルタリングされたTD-CRIは、時間ドメインパルス差を格納するインプリントデルタを含み得る。フィルタリングされたTD-CRIを受信すると、検知アルゴリズムマネージャ506が、検知インプリントの対応する時間ドメインパルスに時間ドメインパルス差を追加することによって、再構築されたTD-CRIを生成し得る。一例では、検知アルゴリズムマネージャ506が、フェイザ追加を使用して、検知インプリント内の対応する時間ドメインパルスにインプリントデルタを追加し得る。相加算の動作は、図9及び図10に示される相減算の動作とは反対である。一例では、インプリントデルタの数値表現が、送信するビット数を低減させるように修正されている場合、インプリントデルタは、最初に、格納された検知インプリントのコピー内の対応する時間ドメインパルスの数値フォーマット及び解像度にキャストされ、それにより、数値エラーなしでフェイザ追加が進行することが可能になる。その後、検知アルゴリズムマネージャ506は、結果として生じる時間ドメイン信号に対してFFTを実行して、ほぼ正確な周波数ドメインCSIを取得し得る。続いて、検知アルゴリズムマネージャ506は、再構築された周波数ドメインチャネル表現に従って、検知空間内の関心対象の特徴を検出し得る。
【0209】
フィルタリングされたTD-CRIを判定するために使用される検知インプリントが、検知インプリントインジケータ又は暗号ハッシュのいずれかによって、検知アルゴリズムマネージャ506によって識別することができない例では、時間ドメインパルス又はインプリントデルタ値が破棄され得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、メッセージを検知受信器502-1に送って、格納された検知インプリントを無効にし得る。一部の実装態様では、フィルタリングされたTD-CRIを判定するために使用される検知インプリントが、検知インプリントインジケータ又は暗号ハッシュのいずれかによって、検知アルゴリズムマネージャ506によって識別できず、時間ドメインパルス(インプリントデルタ値ではなく)が送信された場合、検知アルゴリズムマネージャ506は、無損失時間ドメイン圧縮技術の代わりに損失のある時間ドメイン圧縮技術を利用し得る。
【0210】
一実装態様によれば、再構築されたTD-CRIを計算するために検知アルゴリズムマネージャ506によって使用される検知インプリント、又はフィルタリングされたTD-CRIを計算するために検知受信器502-1によって使用される検知インプリントは、例えば、検知受信器502-1が、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の伝搬チャネルにおいて移動物体を検出し、その結果、フルTD-CRIと検知インプリントとの間にインプリントデルタが生じ、その後、このインプリントデルタの原因となった物体は移動を停止するが、検知空間に留まるというシナリオで再計算又は更新される必要があり得る。そのようなシナリオでは、物体が検知空間に入る前に形成されたベースライン検知インプリントは、もはや有効ではない。インプリントデルタは、物体がもはや動いていないときに、検知測定から検知測定まで最小限に変化する可能性があり、したがって、検知受信器502-1から検知アルゴリズムマネージャ506への同一又は類似の情報の繰り返し送信が存在する。そのようなシナリオでは、新しい検知インプリントが判定され得る。一例では、検知インプリントの更新は、新しい検知インプリントの作成につながり得る。
【0211】
一部の実装態様では、検知受信器502-1又は検知アルゴリズムマネージャ506は、以下に提供される3つのシナリオ、すなわち、シナリオ1、シナリオ2、及びシナリオ3のうちの1つ以上に基づいて、新しい検知インプリントが必要であると判定し得る。本明細書において考察されていない他の例示的な状況が本明細書において想定される。
【0212】
シナリオ1
例示的な実装態様では、検知受信器502-1又は検知アルゴリズムマネージャ506が、検知インプリント内の対応する時間ドメインパルスと最初に異なるフルTD-CRI内の時間ドメインパルスが、定常状態のインプリントデルタ期間内の検知インプリント内のフルTD-CRI値の定常状態のインプリントデルタ閾値内に戻るかどうかを検出し得る。フルTD-CRIの変更された時間ドメインパルスが、定常状態のインプリントデルタ期間内の検知インプリントの定常状態のインプリントデルタ閾値内に戻らないことを検知受信器502-1又は検知アルゴリズムマネージャ506が検出する場合、検知受信器502-1又は検知アルゴリズムマネージャ506が、格納された検知インプリントがもはや有効ではなく、更新されるべきであると判定し得る。したがって、検知受信器502-1又は検知アルゴリズムマネージャ506は、新しい検知インプリントが必要であると判定し得る。
【0213】
シナリオ2
例示的な実装態様では、検知インプリントの時間ドメインパルス(すなわち、変更された時間ドメインパルス)からのインプリントデルタを示す時間ドメインパルスの大きさ及び/又は位相の変化率がインプリントデルタ導関数期間のインプリントデルタ導関数閾値を下回ることを検知受信器502-1又は検知アルゴリズムマネージャ506が検出したときに、検知受信器502-1又は検知アルゴリズムマネージャ506は、新しい検知インプリントが必要であると判定し得る。一例では、後続のインプリントデルタ測定値間の差が、インプリントデルタ導関数期間のインプリントデルタ導関数閾値を下回ると検知受信器502-1又は検知アルゴリズムマネージャ506が判定するときに、検知受信器502-1又は検知アルゴリズムマネージャ506は、新しい検知インプリントが必要であると判定し得る。一例では、インプリントデルタ導関数期間は、移動物体が検出され、その後、短い期間(すなわち、時間ドメインパルスからインプリントデルタを示した時間ドメインパルスの大きさ及び位相の変化率がゼロになる)静的なままであるが、その後再び移動する状況を回避するために値に設定され得る。このような状況では、インプリントのデルタ導関数期間が短すぎると、物体が短時間静止している場合に検知インプリントが再計算される可能性があり、これは望ましくない。
【0214】
シナリオ3
例示的な実装態様では、検知インプリントに関連付けられたインプリント妥当性タイマーが期限切れになったことを、検知受信器502-1又は検知アルゴリズムマネージャ506が検出すると、検知受信器502-1又は検知アルゴリズムマネージャ506は、新しい検知インプリントが必要であると判定し得る。一例では、検知インプリントが、インプリント妥当性期間の後に無効になり得る。一例では、検知アルゴリズムマネージャ506が、インプリント妥当性期間を構成し得、インプリント妥当性期間がいつ満了するかを判定し得る。
【0215】
一実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506は、定常状態のインプリントデルタ閾値と、定常状態のインプリントデルタ期間と、インプリントデルタ導関数閾値と、インプリントデルタ導関数期間とを構成し得る。検知アルゴリズムマネージャ506は、1つ以上の定常状態のインプリントデルタ閾値を送り得る。一例では、1つ以上の定常状態のインプリントデルタ閾値は、特定の検知インプリントに関連付けられ得る。例えば、1つ以上の定常状態のインプリントデルタ閾値は、特定の送達された送信構成のために、検知送信器504-1と検知受信器502-1との間のアップリンク経路の検知インプリントに関連付けられ得る。
【0216】
例示的な実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506は、インプリントデルタ導関数閾値を構成し得、それを下回ると、検知測定値間のインプリントデルタの変化率は無視できると見なし得る。一例では、検知測定値間のインプリントデルタの変化率が閾値未満のままであるインプリントデルタ導関数期間を検知アルゴリズムマネージャ506が構成し得る。
【0217】
一実装態様によれば、新しい検知インプリントが必要とされるとき、通常発生し、かつ、新しい検知インプリントを生成する目的のために具体的に要求されない検知送信に基づいて、新しい検知インプリントを検知受信器502-1が生成し得る。検知インプリントが複数の送達された送信構成のバージョンを含む一例では、使用されている送達された送信構成に対応する検知インプリントのバージョンのみを検知受信器502-1が更新し得る。一部の例では、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の完全な検知インプリント(すなわち、全ての送達された送信構成について)が更新されると検知受信器502-1が判定し得る。そのようなシナリオでは、必要な要求された送信構成を有する検知送信を検知受信器502-1が要求し得る。
【0218】
一実装態様では、検知受信器502-1が、例えば、シナリオ2に基づいて、新しい検知インプリントが必要であると判定すると、必要なインプリントデルタ導関数期間の間、時間ドメインパルスのインプリントデルタの変化率がインプリントデルタ導関数閾値を下回る点におけるチャネルインパルス応答であると新しい検知インプリントが判定され得る。一部の例では、新しい検知インプリントは、インプリントデルタの変化率がインプリントデルタ導関数閾値を下回った後の検知インプリント平均カウントチャネルインパルス応答の平均であり得る。一実装態様では、ノイズ(例えば、測定ノイズ)を低減するために平均化される共通の送達された送信構成を共有する検知送信器504-1からの検知送信上で行われた検知測定の検知インプリント平均カウントを検知アルゴリズム506が構成し得る。結果として生じる平均的なフルTD-CRIは、送達された送信構成及び検知測定が行われた検知送信を生成した検知送信器504-1の検知インプリントになり得る。
【0219】
一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506は、新しい検知インプリントが必要であると判定し得、新しい検知インプリントを作成し、新しい検知インプリントを検知アルゴリズムマネージャ506に送る要求を検知受信器502-1に送り得る。一例では、検知アルゴリズムマネージャ506が、検知受信器502-1に、それが受信する次のX回の送信は、検知送信であり、検知受信器502-1は、検知送信の各々に対して検知測定を行い、これらの検知測定値を一緒に組み合わせて、検知インプリントを作成することを通知し得る。一部の実装態様では、検知受信器502-1が、新しい検知インプリントが必要であると判定し得、判定に関するアナウンスメッセージを検知アルゴリズムマネージャ506に送り得る。一例では、そのような判定は、検知受信器502-1が、検知インプリントに関連付けられたインプリント妥当性タイマーが期限切れであることを検出するときに行われ得る。一実装態様では、インプリント妥当性期間が満了すると、検知受信器502-1は、検知測定値を処理して新しい検知インプリントを判定し得る。一部の実装態様では、測定キャンペーンを継続するための新しい一連の検知送信を構成するために検知送信器504-1が必要とされ得る。
【0220】
一実装態様によれば、検知受信器502-1又は検知送信器504-1が移動したと判定された場合(例えば、インプリントデルタの完全な変化の検出に基づいて、又は電力遮断イベントの検出によって、又は検知受信器502-1若しくは検知送信器504-1のMACアドレスの変化に起因して)、検知アルゴリズムマネージャ506は、再構成された検知受信器502-1又は検知送信器504-1を含む伝搬チャネルに対して1つ以上の新しい検知インプリントを作成し得る。更に、新しい検知送信器がシステム500に追加される状況では、新しい検知送信器を含む伝搬チャネルのための1つ以上の新しい検知インプリントを検知アルゴリズムマネージャ506が作成し得る。
【0221】
一部の実装態様では、所与の送達された送信構成及び所与の検知送信器のセットに対する検知インプリントが更新又は再計算される必要がある場合、検知受信器502-1は、全てのトーンの時間ドメインパルスを検知アルゴリズムマネージャ506に送り得る。時間ドメインパルスは、いくつかの検知送信にわたるいくつかの時間ドメインパルスの平均を含み得る。一例では、検知受信器502-1が新しい検知インプリントを計算するときに、検知受信器502-1は、既存の検知インプリントの時間ドメイントーンとは異なる、更新された検知インプリントの時間ドメイントーンを判定し得、差が測定インプリントデルタ閾値よりも大きい時間ドメインパルスのみを、検知インプリント内の時間ドメインパルスの場所の表示とともに送り得る。
【0222】
上で説明されるような本開示の一部の実施形態は、Wi-Fi検知のための検知メッセージタイプ、すなわち、検知構成メッセージ、検知構成応答メッセージ、デルタCRIメッセージ、及び検知インプリント送信メッセージを定義する。
【0223】
一例では、検知構成メッセージ及び検知構成応答メッセージは、IEEE802.11に記載されたタイプの管理フレームへの新しい拡張範囲内で搬送される。図12は、検知送信を搬送する管理フレーム1200の構成要素の一例を例解する。一例では、システム500は、肯定応答フレームを必要とし得、検知メッセージを搬送する管理フレームはアクションフレームとして実装され得、別の例では、システム500は肯定応答フレームを必要としないことがあり、検知メッセージを搬送する管理フレームは、Action No Ackフレームとして実装され得る。
【0224】
一実装態様では、全ての検知メッセージタイプの情報コンテンツは、図12に示されるようなフォーマットで搬送され得る。一部の例では、図12に記載されている送信構成、タイミング構成、ステアリング行列構成、及びTD-CRI構成は、IEEE802.11要素として実装される。一部の例では、TD-CRI構成要素が送信構成要素の一部である。
【0225】
1つ以上の実施形態では、一部の実施形態によれば、検知メッセージタイプがメッセージタイプフィールドによって識別され得、各検知メッセージタイプが他の識別された要素を搬送し得る。検知メッセージタイプ及びTD-CRI構成要素の例が、表3に示されている。また、TD-CRIの構成要素の詳細が、表4に示されている。
【表3】

【表4-1】

【表4-2】

【表4-3】

【表4-4】

【表4-5】

【表4-6】
【0226】
一例では、表4に提供されるデータは、検知受信器502-1と、検知送信器504-1と、検知アルゴリズムマネージャ506との間の検知メッセージに含まれるための要素に符号化され得る。複数の検知受信器と、複数の検知送信器と、を含む、測定キャンペーンでは、これらのパラメータは、全ての検知受信器-検知送信器ペアに対して定義され得る。一例では、これらのパラメータが、検知アルゴリズムマネージャ506又は検知アルゴリズムマネージャ506を含む検知送信器504-1から検知受信器502-1に送信されるとき、これらのパラメータは、検知受信器502-1を構成して、検知送信を処理し、検知測定値を計算する。一部の例では、これらのパラメータが検知受信器502-1から検知アルゴリズムマネージャ506又は検知アルゴリズムマネージャ506を含む検知送信器504-1に送信されるとき、これらのパラメータは、検知受信器502-1によって使用される構成を報告する。
【0227】
一部の実装態様によれば、検知受信器502-1が(例えば、フィルタリングされたTD-CRIの形態で)計算された検知測定値を有し、チャネル表現情報を作成したとき、検知受信器502-1は、チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャ506又は検知アルゴリズムマネージャ506を含む検知送信器504-1に通信する必要があり得る。一例では、検知測定値は、検知インプリント、及びその後のインプリントデルタの形態でチャネル表現情報を形成するために記載されるように処理され得る。
【0228】
一実装態様では、フィルタリングされたTD-CRIのベースラインを提供するために、検知インプリントのバージョンは、検知アルゴリズムマネージャ506によって必要とされる。一例では、検知インプリントは、管理フレームによって、及び一例では、転送され得る。一例では、検知インプリント送信メッセージを表すメッセージタイプを定義し得る。
【0229】
一例では、フィルタリングされたTD-CRIは、管理フレームによって転送され得る。一例では、デルタCRIメッセージを表すメッセージタイプを定義し得る。
【0230】
図13は、一部の実施形態による、CRI送信メッセージを搬送する管理フレーム1300の構成要素の一例を例解する。一例では、システム500は、肯定応答フレームを必要とし得、CRI送信メッセージを搬送する管理フレームは、アクションフレームとして実装され得、別の例では、システム500は、肯定応答フレームを必要とせず、CRI送信メッセージを搬送する管理フレームは、Action No Ackフレームとして実装され得る。CRI送信メッセージ及びTD-CRI構成要素の例が表5に示されている。更に、デルタCRIメッセージ要素の詳細が表6に示されている。
【表5-1】

【表5-2】

【表6-1】

【表6-2】
【0231】
表6は、DCトーン及びガードトーンを考慮しながら、アクティブ(含まれる/選択された)時間ドメインパルスを表すためにビットフィールドを使用してTD-CRIを転送するデルタCRIメッセージ要素の例を示す。データ表現の他の例は、先に記載され、例では、デルタCRIメッセージ要素は、それらのデータスキームを反映するように調整され得る。
【0232】
表7は、検知受信器502-1から検知アルゴリズムマネージャ506又は検知アルゴリズムマネージャ506を含む検知送信器504-1に検知インプリントを転送する検知インプリント送信メッセージ要素の例を示す。単一の検知受信器(すなわち、検知受信器502-1)の検知インプリントのためのデータ格納のフォーマットの例を表1に記載した。一例では、表7に記載のデータ構造は、検知インプリント送信メッセージ要素を介して転送され得、又は利用可能な任意の可逆圧縮技術を使用して、送信の前に圧縮され得る。一例では、検知インプリントを説明するデータは、データのフォーマット、並びにデータが関連付けられているデバイス及び構成を説明するヘッダを伴う。
【表7-1】

【表7-2】
【0233】
一実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が別個のデバイス上に実装される(すなわち、検知送信器504-1内に実装されない)場合、管理フレームは、必要ではない場合があり得、検知インプリント及びTD-CRIは、標準IEEE802.11データフレームにカプセル化され、検知アルゴリズムマネージャ506に転送され得る。一例では、表6及び7に記載されたデータ構造を使用して、検知インプリント及びTD CRIデータをフォーマットし得る。一例では、独自のヘッダ又は記述子がデータ構造に追加され、それにより、検知アルゴリズムマネージャ506が、データ構造が検知インプリント送信メッセージ要素又はデルタCRIメッセージ要素の形態であることを検出することが可能になり得る。一例では、データは、図13に示されるフォーマットで転送され得、検知アルゴリズムマネージャ506は、検知インプリント送信メッセージ要素及びデルタCRIメッセージ要素を表すメッセージタイプ値を解釈するように構成され得る。
【0234】
図14は、一部の実施形態による、検知受信器502-1と、検知送信器504-1と、検知アルゴリズムマネージャ506との間の通信のためのシーケンス図1400を描示し、ここで、検知受信器502-1は検知イニシエータである。図14は、検知アルゴリズムマネージャ506が別個のデバイスであるネットワーク(例えば、802.11ネットワーク)の例を示している。
【0235】
図14に示されるように、ステップ1402において、検知アルゴリズムマネージャ506が、検知構成メッセージを検知受信器502-1に送り得る。一例では、検知構成メッセージがTD-CRI構成パラメータを含み得る。ステップ1404において、検知受信器502-1が、検知構成メッセージに応答して、検知構成応答メッセージを使用して確認応答を送り、フィルタリングされたTD-CRIを生成する際に使用するために、検知エージェント516-1をTD-CRI構成パラメータで構成し得る。ステップ1406において、検知受信器502-1が、検知セッションを開始し、検知送信を要求する検知送信器504-1に検知開始メッセージを送り得る。ステップ1408において、検知送信器504-1が、検知開始メッセージに応答して、検知受信器502-1に検知送信を送り得る。検知送信を受信すると、検知受信器502-1が、受信された検知送信に対してチャネル状態測定を実行し、TD-CRI構成パラメータを使用してチャネル表現情報を生成し得る。一例では、検知受信器502-1が、フィルタリングされたTD-CRIを生成し得る。ステップ1410において、検知受信器502-1が、更なる処理のために、チャネル状態測定値(すなわち、フィルタリングされたTD-CRI)を含むCRI送信メッセージを空中で検知アルゴリズムマネージャ506に送り得る。
【0236】
図15は、一部の実施形態による、検知受信器502-1と、検知送信器504-1と、検知アルゴリズムマネージャ506との間の通信のためのシーケンス図1500を描示し、ここで、検知送信器504-1は、検知イニシエータである。図15は、検知アルゴリズムマネージャ506が別個のデバイスであるネットワーク(例えば、802.11ネットワーク)の例を示している。
【0237】
図15に示されるように、ステップ1502において、検知アルゴリズムマネージャ506が、検知構成メッセージを検知受信器502-1に送り得る。一例では、検知構成メッセージがTD-CRI構成パラメータを含み得る。ステップ1504において、検知受信器502-1が、検知構成メッセージに応答して、検知構成応答メッセージを使用して確認応答を送り、フィルタリングされたTD-CRIを生成する際に使用するために検知エージェント516-1をTD-CRI構成パラメータで構成し得る。ステップ1506において、検知送信器504-1が、検知セッションを開始し、検知送信アナウンスメッセージの後に検知送信NDPを検知受信器502-1に送り得る。ステップ1508において記載されるように、検知送信NDPは、1つのSIFSの後に検知送信アナウンスメッセージに引き続いて起こる。一例では、SIFSの持続期間は10μsである。検知受信器502-1は、検知送信NDP上でチャネル状態測定を実行し、TD-CRI構成パラメータに基づいてチャネル表現情報を生成し得る。一例では、検知受信器502-1がフィルタリングされたTD-CRIを生成し得る。ステップ1510において、検知受信器502-1は、更なる処理のために、チャネル状態測定値(すなわち、フィルタリングされたTD-CRI)を含むCRI送信メッセージを空中で検知アルゴリズムマネージャ506に送り得る。
【0238】
図16は、一部の実施形態による、検知受信器502-1と、検知アルゴリズムマネージャ506を含む検知送信器504-1との間の通信のためのシーケンス図1600を描示し、ここで、検知送信器504-1は、検知イニシエータである。図16は、検知送信器504-1が検知アルゴリズムマネージャ506を含むネットワーク(例えば、802.11ネットワーク)の例を示す。
【0239】
図16に示されるように、ステップ1602において、検知送信器504-1が、検知セッションを開始し得、検知送信アナウンスメッセージの後に検知送信NDPを検知受信器502-1に送り得る。一例では、検知送信アナウンスメッセージがTD-CRI構成パラメータを含み得る。ステップ1604において記載されるように、検知送信NDPが、1つのSIFSの後に検知送信アナウンスメッセージに引き続いて起こる。一例では、SIFSの持続期間は10μsである。一実装態様では、検知受信器502-1は、検知送信NDPに対してチャネル状態測定を実行し、TD-CRI構成パラメータに基づいてチャネル表現情報を生成し得る。一例では、検知受信器502-1がフィルタリングされたTD-CRIを生成し得る。一実装態様では、チャネル表現情報格納装置520-1などの一時格納装置にチャネル状態測定値を検知受信器502-1が格納し得る。一例では、検知測定ポーリングメッセージを受信するまで、チャネル状態測定値を検知受信器502-1が保持し得る。ステップ1606において、検知送信器504-1が、検知受信器502-1に検知測定ポーリングメッセージを送り得、検知受信器502-1が既にフォーマットされたチャネル状態測定値(すなわち、フィルタリングされたTD-CRI)を送って、チャネル状態測定値を検知送信器504-1に転送するようにトリガし得る。別の例では、ステップ1606において、検知送信器504-1が、検知受信器502-1に検知測定ポーリングメッセージを送り得、これは、検知受信器502-1をトリガしてチャネル状態測定値をフォーマットし(すなわち、フィルタリングされたTD-CRIを作成し)、チャネル状態測定値を検知送信器504-1に転送する。ステップ1608において、検知受信器502-1が、チャネル状態測定値(すなわち、フィルタリングされたTD-CRI)を含むCRI送信メッセージを、空中で検知送信器504-1に送り得る。一実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、チャネル状態測定値を更に処理し得る。一部の実装態様では、検知送信器504-1が、TD-CRI構成パラメータを検知測定ポーリングメッセージ内に含ませ得る。一部の実装態様によれば、検知送信器504-1が、複数の検知測定ポーリングメッセージを使用して、複数のフォーマットのチャネル表現情報を要求し得る。
【0240】
一実装態様によれば、検知送信が、空間内に固定されている(すなわち、可動ではない)検知送信器504-1と検知受信器502-1との間で行われる場合、検知空間内の動きの結果、典型的には、チャネルインパルス応答の全てではないが、一部の時間ドメインパルスの特性が変化する。更に、動きが検知空間内で発生し、かつ、検知受信器502-1又は検知送信器504-1に非常に近接していない場合、チャネルインパルス応答の構成時間ドメインパルスは、高度にデコレーションされる(非常に低いクロスパルス相関が存在する)。これは、各時間ドメインパルスが他の全てのパルスとは独立して影響を受けることを意味する。結果として、動き又は移動によって影響を受ける時間ドメインパルスのサブセットの変化(位相及び振幅)のみを識別することによって、チャネル全体のインパルス応答が検知アルゴリズムマネージャ506に伝達され得る。したがって、ベースバンド受信器によって提供される周波数ドメインCSI値の全ての代わりにフィルタリングされたTD-CRIを送ることによって、検知受信器502-1から検知アルゴリズムマネージャ506に送信される情報の量が著しく低減される。よって、検知受信器502-1と検知アルゴリズムマネージャ506との間で送信される情報の量を最小化することにより、システム500がWi-Fiネットワーク上に置くオーバーヘッドが最小化される。また、CSIがMAC層からより高い層に渡され得るシナリオにおいて、渡される情報の量を最小化することにより、データバス上のトラフィックを低減させ、マイクロプロセッサ及びメモリ活動を節約して、それ故、システム500の電力使用を低減する。
【0241】
本開示の一態様によれば、検知受信器502-1が、伝搬チャネルのインパルス応答の変化によって影響を受ける時間ドメインパルスのみを含むフィルタリングされたTD-CRIを送る場合、CSI値と比較して著しく少ない値が、検知受信器502-1から検知アルゴリズムマネージャ506に送られ得る。結果として、検知受信器502-1から検知アルゴリズムマネージャ506に伝達される情報の量は、著しく低減され得る。更に、検知アルゴリズムマネージャ506が、検知受信器502-1からの時間ドメイン表現における時間ドメインパルスの場所の表示とともに、伝搬チャネルインパルス応答の変化によって影響を受ける時間ドメインパルスを含むフィルタリングされたTD-CRIを受信するとき、検知アルゴリズムマネージャ506は、再構築されたフィルタリングTD-CRIを形成するために、フィルタリングされたTD-CRIの時間ドメインパルスを正しい場所にある識別された検知インプリントのものと組み合わせて、再構築されたフィルタリングTD-CRI上でFFTを実行することによって、時間ドメイン表現を再構築することができる。結果として、ほぼ正確な周波数ドメインCSIが得られる(すなわち、R-CSIはCSIとほぼ同一である)。したがって、本開示の態様によれば、CSI自体を送信することと比較して、依然として送信されるデータの量を著しく減少させながら、ほぼ可逆的なチャネル表現が達成される。
【0242】
図17A及び図17Bは、一部の実施形態による、フィルタリングされたTD-CRIを検知アルゴリズムマネージャ506に送るためのフローチャート1700を描示する。フローチャート1700の実装態様の簡単な概要において、ステップ1702において、検知送信が受信される。ステップ1704において、検知測定値が検知送信に基づいて生成される。ステップ1706において、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の伝搬チャネルのフルTD-CRIが、検知測定に基づいて生成される。ステップ1708において、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントが取得される。ステップ1710において、フルTD-CRIが検知インプリントと比較される。ステップ1712において、フィルタリングされたTD-CRIが、フルTD-CRIと検知インプリントとの間の差に従って識別される。ステップ1714において、フィルタリングされたTD-CRIが、検知アルゴリズムマネージャ506に送られる。
【0243】
ステップ1702は、検知送信を受信することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が検知送信器504-1から検知送信を受信し得る。
【0244】
ステップ1704は、検知送信に基づいて検知測定値を生成することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、検知送信に基づいて検知測定値を生成し得る。
【0245】
ステップ1706は、検知測定に基づいて、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の伝搬チャネルのフルTD-CRIを生成することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、検知測定に基づいて、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の伝搬チャネルのフルTD-CRIを生成し得る。
【0246】
ステップ1708は、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントを取得することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントを取得し得る。一例では、検知受信器502-1が、検知インプリント格納装置518-1から検知インプリントを取得することによって、検知インプリントを取得し得る。
【0247】
ステップ1710は、フルTD-CRIを検知インプリントと比較することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1がフルTD-CRIと検知インプリントとを比較し得る。
【0248】
ステップ1712は、フルTD-CRIと検知インプリントとの間の差に従って、フィルタリングされたTD-CRIを識別することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、フルTD-CRIと検知インプリントとの間の差に従って、フィルタリングされたTD-CRIを識別し得る。一例では、検知受信器502-1が、検知インプリントの第2の時間ドメインパルスとは異なるフルTD-CRIの第1の時間ドメインパルスを判定し、第1の時間ドメインパルスをフィルタリングされたTD-CRIとして指定することに基づいて、フィルタリングされたTD-CRIを識別し得る。一例では、検知受信器502-1が、フルTD-CRIの第1の時間ドメインパルスと、検知インプリントの第2の時間ドメインパルスとの間の差を、フィルタリングされたTD-CRIを定義するインプリントデルタとして格納し得る。インプリントデルタとして格納される差は、第1の時間ドメインパルスよりも少ないビットを必要とする。一例では、検知受信器502-1が、測定インプリントデルタ閾値を超える差のみを格納し得る。
【0249】
ステップ1714は、フィルタリングされたTD-CRIを検知アルゴリズムマネージャ506に送ることを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、フィルタリングされたTD-CRIを検知アルゴリズムマネージャ506に送り得る。一部の実装態様では、検知受信器502-1が、検知インプリントインジケータを検知アルゴリズムデバイス506に送り得る。
【0250】
図18は、一部の実施形態による、検知空間内の関心対象の特徴を検出するためのフローチャート1800を描示する。フローチャート1800の実装態様の簡単な概要において、ステップ1802において、フィルタリングされたTD-CRIが受信される。ステップ1804において、検知インプリントが得られる。ステップ1806において、再構築されたTD-CRIが、フィルタリングされたTD-CRI及び検知インプリントから生成される。ステップ1808において、再構築されたTD-CRIが、再構築された周波数ドメインチャネル表現に変換される。ステップ1810において、関心対象の特徴が、再構築された周波数ドメインチャネル表現に従って検知空間内で検出される。
【0251】
ステップ1802は、フィルタリングされたTD-CRIを受信することを含む。一実装態様では、検知アルゴリズムデバイス506が、検知受信器502-1からフィルタリングされたTD-CRIを受信し得る。一例では、フィルタリングされたTD-CRIが、複数の時間ドメインパルスを含み得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムデバイス506が、時間ドメインパルス差を格納するインプリントデルタを受信し得る。一例では、検知アルゴリズムデバイス506が、検知インプリント内の対応する時間ドメインパルスの場所を示す場所ビットマップを受信し得る。一例では、検知アルゴリズムデバイス506が、検知インプリントインジケータを受信し得る。
【0252】
ステップ1804は、検知インプリントを取得することを含む。一実装態様では、検知アルゴリズムデバイス506が、検知インプリントを取得し得る。一例では、検知アルゴリズムデバイス506が、検知インプリントインジケータに従って、検知インプリントを取得し得る。
【0253】
ステップ1806は、フィルタリングされたTD-CRI及び検知インプリントから再構築されたTD-CRIを生成することを含む。一実装態様では、検知アルゴリズムデバイス506が、フィルタリングされたTD-CRI及び検知インプリントから再構築されたTD-CRIを生成し得る。一例では、検知アルゴリズムデバイス506が、検知インプリントの対応する時間ドメインパルスを複数の時間ドメインパルスで置き換えることによって、再構築されたTD-CRIを生成し得る。一例では、検知アルゴリズムデバイス506が、検知インプリントの対応する時間ドメインパルスに時間ドメインパルス差を追加することによって、再構築されたTD-CRIを生成し得る。
【0254】
ステップ1808は、再構築されたTD-CRIを再構築された周波数ドメインチャネル表現に変換することを含む。一実装態様では、検知アルゴリズムデバイス506が、再構築されたTD-CRIを再構築された周波数ドメインチャネル表現に変換し得る。
【0255】
ステップ1810は、再構築された周波数ドメインチャネル表現に従って、検知空間内の関心対象の特徴を検出することを含む。一実装態様では再構築された周波数ドメインチャネル表現に従って、検知アルゴリズムデバイス506が検知空間内の関心対象の特徴を検出し得る。
【0256】
図19A及び図19Bは、一部の実施形態による、第1の時間ドメインパルスのフルTD-CRI内の場所を示す場所ビットマップを検知アルゴリズムマネージャ506に送信するためのフローチャート1900を描示する。フローチャート1900の実装態様の簡単な概要では、ステップ1902において、検知送信が受信される。ステップ1904において、検知測定値が検知送信に基づいて生成される。ステップ1906において、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の伝搬チャネルのフルTD-CRIが、検知測定に基づいて生成される。ステップ1908において、高忠実度TD-CRI再構成の要求が検知アルゴリズムマネージャ506から受信される。ステップ1910において、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントが取得される。ステップ1912において、フルTD-CRIを検知インプリントと比較して、検知インプリントの第2の時間ドメインパルスとは異なるフルTD-CRIの第1の時間ドメインパルスを判定する。ステップ1914において、第1の時間ドメインパルスのフルTD-CRI内の場所を示す場所ビットマップが、検知アルゴリズムマネージャ506に送信される。
【0257】
ステップ1902は、検知送信を受信することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が検知送信器504-1から検知送信を受信し得る。
【0258】
ステップ1904は、検知送信に基づいて検知測定値を生成することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が検知送信に基づいて検知測定値を生成し得る。
【0259】
ステップ1906は、検知測定に基づいて、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の伝搬チャネルのフルTD-CRIを生成することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、検知測定に基づいて、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の伝搬チャネルのフルTD-CRIを生成し得る。
【0260】
ステップ1908は、検知アルゴリズムマネージャ506から高忠実度TD-CRI再構成の要求を受信することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、検知アルゴリズムマネージャ506から高忠実度TD-CRI再構成の要求を受信し得る。
【0261】
ステップ1910は、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントを取得することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、検知受信器502-1と検知送信器504-1との間の定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントを取得し得る。一例では、検知受信器502-1が、検知インプリント格納装置518-1から検知インプリントを取得することによって、検知インプリントを取得し得る。
【0262】
ステップ1912は、フルTD-CRIを検知インプリントと比較して、検知インプリントの第2の時間ドメインパルスとは異なるフルTD-CRIの第1の時間ドメインパルスを判定することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、フルTD-CRIを検知インプリントと比較して、検知インプリントの第2の時間ドメインパルスとは異なるフルTD-CRIの第1の時間ドメインパルスを判定し得る。
【0263】
ステップ1914は、第1の時間ドメインパルスのフルTD-CRI内の場所を示す場所ビットマップを検知アルゴリズムマネージャ506に送信することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、第1の時間ドメインパルスのフルTD-CRI内の場所を示す場所ビットマップを検知アルゴリズムマネージャ506に送信し得る。
【0264】
図20は、一部の実施形態による、定常状態のインプリントデルタ閾値に基づいて検知インプリント更新判定を行うためのフローチャート2000を描示する。フローチャート2000の一実装態様の簡単な概要では、ステップ2002において、定常状態のインプリントデルタ期間に従って選択された以前のインプリントデルタが取得される。ステップ2004において、以前のインプリントデルタが現在のインプリントデルタと比較される。ステップ2006において、以前のインプリントデルタにおける変更された時間ドメインパルスと、現在のインプリントデルタにおける対応する時間ドメインパルスとが識別される。ステップ2008において、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を上回ったままであると判定される。ステップ2010において、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を超えたままであると判定すると、検知インプリント更新判定が行われる。
【0265】
ステップ2002は、定常状態のインプリントデルタ期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、定常状態のインプリントデルタ期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得し得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、定常状態のインプリントデルタ期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得し得る。
【0266】
ステップ2004は、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較し得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較し得る。
【0267】
ステップ2006は、以前のインプリントデルタにおける変更された時間ドメインパルスと、現在のインプリントデルタにおける対応する時間ドメインパルスとを識別することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、以前のインプリントデルタ内の変更された時間ドメインパルスと、現在のインプリントデルタ内の対応する時間ドメインパルスとを識別し得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、以前のインプリントデルタ内の変更された時間ドメインパルスと、現在のインプリントデルタ内の対応する時間ドメインパルスとを識別し得る。
【0268】
ステップ2008は、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を超えたままであると判定することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を超えたままであると判定し得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を超えたままであると判定し得る。
【0269】
ステップ2010は、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を超えたままであると判定すると、検知インプリント更新判定を行うことを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を超えたままであると判定すると、検知インプリント更新判定を行い得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を超えたままであると判定すると、検知インプリント更新判定を行い得る。
【0270】
図21は、一部の実施形態による、インプリントデルタ導関数閾値に基づいた検知インプリント更新判定のためのフローチャート2100を描示する。フローチャート2100の実装態様の簡単な概要では、ステップ2102において、インプリントデルタ導関数期間に従って選択された以前のインプリントデルタが取得される。ステップ2104において、以前のインプリントデルタが現在のインプリントデルタと比較される。ステップ2106において、以前のインプリントデルタと現在のインプリントデルタとの間の変更された時間ドメインパルスが識別される。ステップ2108において、対応する時間ドメインパルスがインプリントデルタ導関数閾値を下回ると判定される。ステップ2110において、対応する時間ドメインパルスがインプリントデルタ導関数閾値を下回ると判定すると、検知インプリント更新判定が行われる。
【0271】
ステップ2102は、インプリントデルタ導関数期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、次いでインプリントデルタ導関数期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得し得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、インプリントデルタ導関数期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得し得る。
【0272】
ステップ2104は、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、以前のインプリントデルタと現在のインプリントデルタとを比較し得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、以前のインプリントデルタと現在のインプリントデルタとを比較し得る。
【0273】
ステップ2106は、以前のインプリントデルタと現在のインプリントデルタとの間の変更された時間ドメインパルスを識別することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1は、以前のインプリントデルタと現在のインプリントデルタとの間の変更された時間ドメインパルスを識別し得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506は、以前のインプリントデルタと現在のインプリントデルタとの間の変更された時間ドメインパルスを識別し得る。
【0274】
ステップ2108は、対応する時間ドメインパルスが、インプリントデルタ導関数閾値を下回ると判定することを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、対応する時間ドメインパルスがインプリントデルタ導関数閾値を下回ると判定し得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、対応する時間ドメインパルスがインプリントデルタ導関数閾値を下回ると判定し得る。
【0275】
ステップ2110は、対応する時間ドメインパルスがインプリントデルタ導関数閾値を下回ると判定すると、検知インプリント更新判定を行うことを含む。一実装態様では、検知受信器502-1が、対応する時間ドメインパルスがインプリントデルタ導関数閾値を下回ると判定すると、検知インプリント更新判定を行い得る。一部の実装態様では、検知アルゴリズムマネージャ506が、対応する時間ドメインパルスがインプリントデルタ導関数閾値を下回ると判定すると、検知インプリント更新判定を行い得る。
【0276】
更なる実施形態としては、
【0277】
実施形態1は、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、検知受信器によって実施されるWi-Fi検知のための方法であり、この方法は、受信アンテナを介して、検知送信を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知送信に基づいた検知測定を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知測定に基づいた検知受信器と検知送信器との間の伝搬チャネルのフル時間ドメインチャネル表現(TD-CRI)を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知受信器と検知送信器との間の定常状態の伝搬チャネルを表す検知インプリントを取得することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知インプリントとフルTD-CRIとを比較することと、少なくとも1つのプロセッサによって、フルTD-CRIと検知インプリントとの差に応じて、フィルタされたTD-CRIを識別することと、フィルタされたTD-CRIを検知アルゴリズムマネージャに送ることと、を含む。
【0278】
実施形態2は、実施形態1に記載の方法であり、フィルタリングされたTD-CRIを識別することが、検知インプリントの第2の時間ドメインパルスとは異なるフルTD-CRIの第1の時間ドメインパルスを判定することと、第1の時間ドメインパルスをフィルタリングされたTD-CRIとして指定することと、を含む。
【0279】
実施形態3は、実施形態1又は2に記載の方法であり、検知アルゴリズムマネージャによって検知インプリントを取得することと、検知アルゴリズムマネージャによって、検知インプリントの対応する時間ドメインパルスをフィルタリングされたTD-CRIの第1の時間ドメインパルスに置き換えることにより、再構築されたTD-CRIを生成することと、を更に含む。
【0280】
実施形態4は、実施形態2又は3に記載の方法であり、検知アルゴリズムマネージャに第1の時間ドメインパルスのフルTD-CRI内の場所を示す場所ビットマップを送信することを更に含む。
【0281】
実施形態5は、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法であり、フィルタリングされたTD-CRIを定義するインプリントデルタとして、フルTD-CRIの第1の時間ドメインパルスと検知インプリントの第2の時間ドメインパルスとの間の差を格納することを更に含む。
【0282】
実施形態6は、実施形態5に記載の方法であり、インプリントデルタとして格納された差が、第1の時間ドメインパルスよりも少ないビットを必要とする。
【0283】
実施形態7は、実施形態5又は6に記載の方法であり、フルTD-CRIの第1の時間ドメインパルスと検知インプリントの第2の時間ドメインパルスとの間の差を格納することが、測定インプリントデルタ閾値を超える差のみを格納することを含む。
【0284】
実施形態8は、実施形態7に記載の方法であり、検知アルゴリズムマネージャによって検知インプリントを取得することと、検知アルゴリズムマネージャによって、インプリントデルタに格納された差を検知インプリントの対応する時間ドメインパルスに追加することにより、再構築されたTD-CRIを生成することと、を更に含む。
【0285】
実施形態9は、実施形態7又は8に記載の方法であり、TD-CRI場所に対応するインプリントデルタ場所を示す場所ビットマップを検知アルゴリズムマネージャに送信することを更に含む。
【0286】
実施形態10は、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法であり、フルTD-CRIを検知インプリントと比較することが、高忠実度TD-CRI再構成のための検知アルゴリズムマネージャからの要求に応答して行われる。
【0287】
実施形態11は、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法であり、検知アルゴリズムマネージャに検知インプリントインジケータを送信することを更に含む。
【0288】
実施形態12は、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法であり、検知インプリント更新判定を行うことと、検知インプリント更新判定に応答して検知インプリントを更新することと、を更に含む。
【0289】
実施形態13は、実施形態12に記載の方法であり、検知インプリント更新判定を行うことが、定常状態のインプリントデルタ期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得することと、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較することと、以前のインプリントデルタ内の変更された時間ドメインパルス及び現在のインプリントデルタ内の対応する時間ドメインパルスを識別することと、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を超えたままであると判定することと、を含む。
【0290】
実施形態14は、実施形態12又は13に記載の方法であり、検知インプリント更新判定を行うことが、インプリントデルタ導関数期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得することと、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較することと、以前のインプリントデルタと現在のインプリントデルタとの間で変化した時間ドメインパルスを識別することと、対応する時間ドメインパルスがインプリントデルタ導関数閾値を下回ると判定することと、を含む。
【0291】
実施形態15は、実施形態12~14のいずれか1つに記載の方法であり、検知インプリント更新判定を行うことが、インプリント妥当性タイマーが期限切れであると判定することを含む。
【0292】
実施形態16は、受信アンテナと命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、デバイスによって実施されるWi-Fi検知のための方法であり、この方法は、受信アンテナを介して、フィルタリングされたTD-CRIを受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知インプリントを取得することと、検知アルゴリズムマネージャによって、フィルタリングされたTD-CRI及び検知インプリントから再構築されたTD-CRIを生成することと、再構築されたTD-CRIを再構築された周波数ドメインチャネル表現に変換することと、検知アルゴリズムマネージャによって、再構築された周波数ドメインチャネル表現に従って、検知空間における関心対象の特徴を検出することと、を含む。
【0293】
実施形態17は、実施形態16に記載の方法であり、フィルタリングされたTD-CRIを受信することが、複数の時間ドメインパルスを受信することを含み、再構築されたTD-CRIを生成することが、検知インプリントの対応する時間ドメインパルスを複数の時間ドメインパルスで置き換えることを含む。
【0294】
実施形態18は、実施形態17に記載の方法であり、検知インプリント内の対応する時間ドメインパルスの場所を示す場所ビットマップを受信することを更に含む。
【0295】
実施形態19は、実施形態16~18のいずれか1つに記載の方法であり、フィルタリングされたTD-CRIを受信することが、時間ドメインパルス差を格納するインプリントデルタを受信することを含み、再構成されたTD-CRIを生成することが、時間ドメインパルス差を検知インプリントの対応する時間ドメインパルスに加えることを含む。
【0296】
実施形態20は、実施形態19に記載の方法であり、検知インプリント内の対応する時間ドメインパルスの場所を示す場所ビットマップを受信することを更に含む。
【0297】
実施形態21は、実施形態16~20のいずれか1つに記載の方法であり、検知インプリントインジケータを受信することを更に含み、検知インプリントを取得することが、検知インプリントインジケータに従って行われる。
【0298】
実施形態22は、実施形態16~21のいずれか1つに記載の方法であり、検知インプリント更新判定を行うことと、検知インプリント更新判定に応答して検知インプリントを更新することと、を更に含む。
【0299】
実施形態23は、実施形態22に記載の方法であり、検知インプリント更新判定を行うことが、定常状態のインプリントデルタ期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得することと、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較することと、以前のインプリントデルタ内の変更された時間ドメインパルス及び現在のインプリントデルタ内の対応する時間ドメインパルスを識別することと、対応する時間ドメインパルスが定常状態のインプリントデルタ閾値を超えたままであると判定することと、を含む。
【0300】
実施形態24は、実施形態22又は23に記載の方法であり、検知インプリント更新判定を行うことが、インプリントデルタ導関数期間に従って選択された以前のインプリントデルタを取得することと、以前のインプリントデルタを現在のインプリントデルタと比較することと、以前のインプリントデルタと現在のインプリントデルタとの間で変化した時間ドメインパルスを識別することと、対応する時間ドメインパルスがインプリントデルタ導関数閾値を下回ると判定することと、を含む。
【0301】
実施形態25は、実施形態22~24のいずれか1つに記載の方法であり、検知インプリント更新判定を行うことが、インプリント妥当性タイマーが期限切れであると判定することを含む。
【0302】
実施形態26は、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、検知受信器によって実施されるWi-Fi検知のための方法であり、この方法は、送信アンテナを介して検知トリガメッセージを送信することと、受信アンテナを介して検知送信器からの検知送信を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知送信に基づいたチャネル表現情報を取得することと、少なくとも1つのプロセッサによって、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えていることを識別することであって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することと、差が閾値を超えていることを識別することに応答して、チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送ることと、を含む。
【0303】
実施形態27は、実施形態26に記載の方法であり、検知インプリントが、検知送信器と検知受信器との間の定常状態の伝搬チャネルを表す。
【0304】
実施形態28は、実施形態26又は27に記載の方法であり、チャネル表現情報が、チャネル状態情報(CSI)、フル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)、及びフィルタリングされたTD-CRIのうちの1つ以上を含む。
【0305】
実施形態29は、実施形態26~28のいずれか1つに記載の方法であり、閾値が、振幅閾値若しくは位相閾値のうちの1つ以上、又は振幅閾値及び位相閾値の双方の組み合わせを含む。
【0306】
実施形態30は、実施形態26~29のいずれか1つに記載の方法であり、検知送信が検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を含む。
【0307】
実施形態31は、実施形態26~30のいずれか1つに記載の方法であり、少なくとも1つのプロセッサによって、検知受信器と検知送信器との間の1つ以上の伝搬チャネルの半静的性質の変化に応答して、検知インプリントを更新することを更に含む。
【0308】
実施形態32は、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、デバイスによって実施されるWi-Fi検知のための方法であり、この方法は、検知イニシエータから受信アンテナを介して閾値を受信することと、検知送信器から受信アンテナを介して、検知送信アナウンスメッセージ及び検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、検知送信NDPに基づいてチャネル表現情報を取得することと、検知イニシエータから受信アンテナを介して、測定ポーリングメッセージを受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えることを識別することであって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することと、差が閾値を超えることを識別することに応答して、少なくとも1つのプロセッサによって、送信アンテナを介して検知イニシエータにチャネル表現情報を送ることと、を含む。
【0309】
実施形態33は、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、デバイスによって実施されるWi-Fi検知のための方法であって、受信アンテナを介して検知受信器から検知インプリントを受信することと、送信アンテナを介して検知送信を検知受信器に送信することと、送信アンテナを介して測定ポーリングメッセージを送信することと、受信アンテナを介して検知送信に基づいたチャネル表現情報を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えていることを識別することであって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別することと、差が閾値を超えていることを識別することに応答して、チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送ることと、を含む。
【0310】
実施形態34は、検知受信器を備えるWi-Fi検知システムであり、その検知受信器は、送信アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を含み、プロセッサは、送信アンテナを介して検知トリガメッセージを送信する命令と、受信アンテナを介して検知送信器から検知送信を受信する命令と、検知送信に基づいてチャネル表現情報を取得する命令と、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えることを識別する命令であって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む、識別する命令と、差が閾値を超えることを識別することに応答してチャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送る命令と、を実行するように構成されている。
【0311】
実施形態35は、実施形態34に記載のシステムであり、検知インプリントが、検知送信器と検知受信器との間の定常状態の伝搬チャネルを表す。
【0312】
実施形態36は、実施形態34又は35に記載のシステムであり、チャネル表現情報が、チャネル状態情報(CSI)、フル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)、及びフィルタリングされたTD-CRIのうちの1つ以上を含む。
【0313】
実施形態37は、実施形態34~36のいずれか1つに記載のシステムであり、閾値が、振幅閾値若しくは位相閾値のうちの1つ以上、又は振幅閾値及び位相閾値の双方の組み合わせを含む。
【0314】
実施形態38は、実施形態34~37のいずれか1つに記載のシステムであり、検知送信が検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を含む。
【0315】
実施形態39は、実施形態34~38のいずれか1つに記載のシステムであり、少なくとも1つのプロセッサが、検知受信器と検知送信器との間の1つ以上の伝搬チャネルの半静的性質の変化に応答して、検知インプリントを更新するように更に構成されている。
【0316】
実施形態40は、デバイスを備えるWi-Fi検知システムであり、そのデバイスは、送信アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を含み、プロセッサは、検知イニシエータから受信アンテナを介して閾値を受信する命令と、検知送信器から受信アンテナを介して、検知送信アナウンスメッセージ及び検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を受信する命令と、検知送信NDPに基づいてチャネル表現情報を取得する命令と、検知イニシエータから受信アンテナを介して、測定ポーリングメッセージを受信する命令と、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えることを識別する命令であって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む命令と、差が閾値を超えることを識別することに応答して、チャネル表現情報を、送信アンテナを介して検知イニシエータに送る命令と、を実行するように構成されている。
【0317】
実施形態41は、デバイスを備えるWi-Fi検知システムであり、そのデバイスは、送信アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を含み、プロセッサは、受信アンテナを介して検知受信器から検知インプリントを受信する命令と、送信アンテナを介して検知送信を検知受信器に送信する命令と、送信アンテナを介して測定ポーリングメッセージを送信する命令と、受信アンテナを介して、検知送信に基づいてチャネル表現情報を受信する命令と、チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が閾値を超えることを識別する命令であって、検知インプリントが2つ以上の以前に測定されたチャネル表現情報を含む命令と、差が閾値を超えることを識別することに応答して、チャネル表現情報を検知アルゴリズムマネージャに送る命令と、を実行するように構成されている。
【0318】
方法及びシステムの様々な実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、例解的なものであり、記載された方法又はシステムの範囲を決して限定するものではない。当業者は、記載された方法及びシステムの最も広い範囲から逸脱することなく、記載された方法及びシステムの形態及び詳細に変更を加えることができる。したがって、本明細書で記載される方法及びシステムの範囲は、例解的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従って定義されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19A
図19B
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2024-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む、検知レスポンダによって実施されるWi-Fi検知のための方法であって、
前記受信アンテナを介して、検知送信アナウンスを受信することと、
前記受信アンテナを介して、かつ、前記検知送信アナウンスを受信することに続いて、検知送信器から検知送信を受信することと、
前記検知レスポンダの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記検知送信に基づいてチャネル表現情報を取得することと、
前記検知レスポンダの前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が検知空間内の動きに関連付けられた閾値を超えていることを識別することであって、前記検知インプリントが、以前に測定されたCSIを表し、かつ、検知測定処理のために以前に送信されたものであり、前記チャネル表現情報が、前記検知レスポンダによって送信されていないことと、
前記差が前記閾値を超えていることを識別することに応答して、前記検知レスポンダの前記送信アンテナを介して、検知測定レポートを検知イニシエータに送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記チャネル表現情報が、チャネル状態情報(CSI)、フル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)、及びフィルタリングされたTD-CRIのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記閾値が、振幅閾値若しくは位相閾値のうちの1つ以上、又は、振幅閾値及び位相閾値の双方の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記検知送信が、検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記検知レスポンダと前記検知送信器との間の1つ以上の伝搬チャネルの半静的性質の変化に応答して、前記検知インプリントを前記少なくとも1つのプロセッサによって更新することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記以前に測定されたCSIが、検知空間内の動きが無いことに関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記差が前記閾値を超えていることに応答して、前記チャネル表現情報に従って前記検知インプリントを前記少なくとも1つのプロセッサによって更新することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記検知測定レポートが、前記チャネル表現情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
Wi-Fi検知のためのシステムであって、
検知レスポンダを有し、
前記検知レスポンダは、送信アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を有し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記受信アンテナを介して検知送信アナウンスを受信する命令と、
前記受信アンテナを介して、かつ、前記検知送信アナウンスを受信することに続いて、検知送信器から検知送信を受信する命令と、
前記検知送信に基づいてチャネル表現情報を取得する命令と、
前記チャネル表現情報と検知インプリントとの間の差が検知空間内の動きに関連付けられた閾値を超えることを識別する命令であって、前記検知インプリントが、以前に測定されたチャネル表現情報を表し、かつ、検知測定処理のために以前に送信されたものであり、前記チャネル表現情報が、前記検知レスポンダによって送信されていない命令と、
前記差が前記閾値を超えていることを識別することに応答して、検知測定レポートを検知イニシエータに送信する命令と、
を実行するように構成された、システム。
【請求項10】
前記チャネル表現情報が、チャネル状態情報(CSI)、フル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)、及びフィルタリングされたTD-CRIのうちの1つ以上を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記閾値が、振幅閾値若しくは位相閾値のうちの1つ以上、又は、振幅閾値及び位相閾値の双方の組み合わせを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記検知送信が、検知送信ヌルデータPPDU(NDP)を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記検知レスポンダと前記検知イニシエータとの間の1つ以上の伝搬チャネルの半静的性質の変化に応答して、前記検知インプリントを更新するように更に構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記以前に測定されたCSIが、検知空間内の動きが無いことに関連付けられる、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記差が前記閾値を超えていることに応答して、前記チャネル表現情報に従って前記検知インプリントを更新するように更に構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記検知測定レポートが、前記チャネル表現情報を含む、請求項9に記載のシステム。
【国際調査報告】