(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】機械学習予測に基づく限度額の自動調整
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/24 20120101AFI20240723BHJP
【FI】
G06Q20/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577373
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 US2022033679
(87)【国際公開番号】W WO2023278160
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522167010
【氏名又は名称】ブレックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ブライアント
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,リリアン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ジャネット
【テーマコード(参考)】
5L020
【Fターム(参考)】
5L020AA52
(57)【要約】
機械学習予測に基づく限度額の自動調整のためのシステム及び方法が提供される。会社又は他の実体などの実体は、クレジットプロバイダシステム又は実体によって会社に提供された支払手段又はカードを利用して品目を購入することができる。拡張可能クレジットの残高及び限度額など、クレジット拡張のための適切な引受を提供するために、クレジットプロバイダシステムは、資金の将来のグローバル残高又は拡張されたクレジット限度額の返済の可能性を予想するように訓練された予測機械学習(ML)モデルを利用することができる。これは、銀行システムからの検索可能な残高に関する情報及びこのデータの陳腐さに基づき得る。データが陳腐化し、及び更新されていない場合、予測残高は、より広い範囲を有し得、したがって、リスク係数は、リスクがより低く、及びより低い限度額を指定し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
命令を記憶する非一時的メモリと、
前記非一時的メモリに結合された1つ以上のハードウェアプロセッサであって、前記非一時的メモリから前記命令を読み取って、前記システムに、
実体のために、前記システムを介した電子取引処理のための利用可能クレジットを提供するクレジット口座にアクセスすることと、
金融実体での追加の口座から前記実体に利用可能な資金のグローバル残高を判定することと、
前記追加の口座から前記実体に利用可能な前記資金の前記グローバル残高の最終更新からの時間に関連付けられた口座の陳腐化係数を判定することと、
機械学習(ML)モデルを使用すると共に、前記グローバル残高及び前記口座の陳腐化係数に基づいて、前記クレジット口座の前記利用可能クレジットに関連付けられた請求サイクルの締切時間における前記実体による延滞の予想スコアを計算することであって、前記予想スコアは、前記MLモデルの1つ以上のリスク係数に基づく、計算することと、
残高予測に基づいて、前記クレジット口座の前記利用可能クレジットを動的に調整することと
を含む動作を実施させるように構成された1つ以上のハードウェアプロセッサと
を含むシステム。
【請求項2】
前記動作は、
前記資金の前記グローバル残高に対する更新を受信することと、
前記口座の陳腐化係数を、前記更新を受信した現在の時間に更新することと、
前記MLモデルを使用して、前記更新及び前記更新された口座の陳腐化係数に基づいて前記実体の前記予想スコアを再計算することと、
前記再計算された予想スコアに基づいて、前記利用可能クレジットを動的に再調整することと
を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記利用可能クレジットを動的に調整するために前記予想スコアが計算される時間よりも前記請求サイクルの締切時間に近い時間において、前記更新が受信され、及び前記予想スコアが再計算される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記予想スコアは、予想信頼区間を更に含み、前記利用可能クレジットは、前記再計算された予想スコアが、前記利用可能クレジットが最後に設定されたときの前記予想信頼区間の外側にあるとき、動的に調整される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記予想スコアは、予想信頼区間を更に含み、前記予想スコアは、前記予想スコアが計算される前記時間よりも前記締切時間において、より小さい範囲に低減される、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記クレジット口座にアクセスする前に、前記動作は、
複数の実体からの訓練データを使用して、複数の予想スコアを予想するための前記MLモデルの複数のMLモデル層の複数のノードを訓練することであって、前記複数のノードに複数の重みを適用すること、前記複数のノードを再帰的に再訓練すること又は前記複数のノードの値を調整するためのフィードバックを受信することの少なくとも1つを含む、訓練すること
を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記MLモデルは、前記複数の実体の複数の追加のグローバル残高及び複数の支出挙動に基づいて訓練される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記MLモデルを訓練する前に、前記動作は、
前記複数の実体の前記複数の支出挙動から少なくとも1つの異常値取引を除去すること
を更に含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記MLモデルは、勾配ブースティングマシンモデル又はXGブーストモデルの1つを使用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記資金の前記グローバル残高及び前記口座の陳腐化係数は、定期的な時間間隔で前記追加の口座のデータを検索する前記金融実体のコンピューティングシステムとの統合を使用して判定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
実体のために、クレジットプロバイダシステムを介した電子取引処理のための利用可能クレジットを提供するクレジット口座にアクセスすることと、
金融実体での追加の口座から前記実体に利用可能な資金の残高を判定することと、
前記追加の口座から前記実体に利用可能な前記資金の前記残高の最終更新からの時間に関連付けられた口座の陳腐化係数を判定することと、
予測機械学習(ML)モデルを使用すると共に、前記残高及び前記口座の陳腐化係数に基づいて、前記クレジット口座の前記利用可能クレジットに関連付けられた請求サイクルの締切時間における前記実体の残高予測を計算することであって、前記残高予測は、前記予測MLモデルの1つ以上のリスク係数に基づく、前記残高の前記締切時間における予想信頼区間を含む、計算することと、
前記残高予測に基づいて、前記クレジット口座の前記利用可能クレジットを動的に調整することと
を含む方法。
【請求項12】
前記資金の前記残高に対する更新を受信することと、
前記口座の陳腐化係数を、前記更新を受信した現在の時間に更新することと、
前記予測MLモデルを使用して、前記更新及び前記更新された口座の陳腐化係数に基づいて前記実体の前記残高予測を再計算することと、
前記再計算された残高予測に基づいて、前記利用可能クレジットを動的に再調整することと
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記利用可能クレジットを動的に調整するために前記残高予測が計算される時間よりも前記請求サイクルの締切時間に近い時間において、前記更新が受信され、及び前記残高予測が再計算される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記予想信頼区間は、予想スコアを更に含み、前記利用可能クレジットは、前記予想スコアが、前記利用可能クレジットが最後に設定されたときの前記予想信頼区間の外側にあるとき、動的に調整される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記予想信頼区間は、予想スコアを更に含み、前記予想スコアは、前記予想スコアが計算される時間よりも前記締切時間において、より小さい範囲に低減される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記クレジット口座にアクセスする前に、
複数の実体からの訓練データを使用して、複数の残高予測を予想するための前記予測MLモデルの複数のMLモデル層の複数のノードを訓練することであって、前記複数のノードに複数の重みを適用すること、前記複数のノードを再帰的に再訓練すること又は前記複数のノードの値を調整するためのフィードバックを受信することの少なくとも1つを含む、訓練すること
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記予測MLモデルは、前記複数の実体の複数の追加の残高及び複数の支出挙動に基づいて訓練される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記予測MLモデルを訓練する前に、
前記複数の実体の前記複数の支出挙動から少なくとも1つの異常値取引を除去すること
を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記予測MLモデルは、指数平滑化モデル又はXGブーストモデルの1つを使用する、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記資金の前記残高及び前記口座の陳腐化係数は、定期的な時間間隔で前記追加の口座のデータを検索する前記金融実体のコンピューティングシステムとの統合を使用して判定される、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
非一時的機械可読媒体であって、その上に機械可読命令を記憶しており、前記機械可読命令は、機械に、
実体のために、クレジットプロバイダシステムを介した電子取引処理のための利用可能クレジットを提供するクレジット口座にアクセスすることと、
金融実体での追加の口座から前記実体に利用可能な資金のグローバル残高を判定することと、
前記追加の口座から前記実体に利用可能な前記資金の前記グローバル残高の最終更新からの時間に関連付けられた口座の陳腐化係数を判定することと、
予測機械学習(ML)モデルを使用すると共に、前記グローバル残高及び前記口座の陳腐化係数に基づいて、前記クレジット口座の前記利用可能クレジットに関連付けられた請求サイクルの締切時間における前記実体の残高予測を計算することであって、前記残高予測は、前記予測MLモデルの1つ以上のリスク係数に基づく、前記グローバル残高の前記締切時間における予想信頼区間を含む、計算することと、
前記残高予測に基づいて、前記クレジット口座の前記利用可能クレジットを動的に調整することと
を含む動作を実施させるように実行可能である、非一時的機械可読媒体。
【請求項22】
前記動作は、
前記資金の前記グローバル残高に対する更新を受信することと、
前記口座の陳腐化係数を、前記更新を受信した現在の時間に更新することと、
前記予測MLモデルを使用して、前記更新及び前記更新された口座の陳腐化係数に基づいて前記実体の前記残高予測を再計算することと、
前記再計算された残高予測に基づいて、前記利用可能クレジットを動的に再調整することと
を更に含む、請求項21に記載の非一時的機械可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が参照により全体として本明細書に援用される、2021年6月30日に出願された米国仮特許出願第63/217,182号に対する優先権及びその利益を主張する、2021年12月22日に出願された米国特許出願第17/560,114号の継続出願であり、及びそれに対する優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本出願は、概して、インテリジェント機械学習(ML)モデル及びシステムに関し、より具体的には、実体の挙動を予想及び予測することによるクレジット限度額の自動調整のためにMLモデルを訓練することに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
サービスプロバイダシステムは、コンピューティングシステム及びネットワークを通して企業及び会社などの顧客にサービスを提供することができる。このようなサービスは、クレジット又はローン引受を含み得、そのようなクレジットを拡張することによってリスク(及び対応する料金又は支払)を負う見返りとして、設定された請求サイクルで返済可能なクレジット限度額又は残高を顧客に対して拡張することができる。サービスプロバイダは、経費管理ソフトウェア、ハードウェア及び他のインフラストラクチャを使用して顧客データを追跡して、経費を管理し、ユーザ取引を制御することができる。これは、支払手段の確立及び発行、経費及び他の会計処理要件の追跡、経費ポリシーの実施並びに監査情報及び他の取引履歴データの収集に伴う問題を含む。しかしながら、従来のコンピューティングシステムは、顧客に対して拡張可能なサービスに関するルールを確立するのみであり得る。このような従来のシステムは、顧客が返済し得るかどうかを予想しようとするものであるが、顧客の挙動を正確に予想又は予測できない場合がある。これは、リスク及び/又は詐欺を増加させることなどにより、従来のシステム並びにサービスの適切な拡張及び提供を受けることができない顧客及び他の実体の両方に悪影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、顧客に対するサービスを予想的に提供する、挙動を予測するためにサービスプロバイダによって使用される従来のコンピューティングシステムの欠陥に対処する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面の簡単な説明
【
図1】ある実施形態による、本明細書で説明する処理を実施するのに適したネットワーク化システムのブロック図である。
【
図2A】ある実施形態による、クレジット限度額の予想的予測を実行するように訓練されるアルゴリズムを表す機械学習モデルの例示的な決定木である。
【
図2B】ある実施形態による、クレジット限度額の予想的予測を実行するように訓練される層を有する例示的なニューラルネットワークである。
【
図3A】ある実施形態による、機械学習モデルを使用して判定された残高予測の例示的な図である。
【
図3B】ある実施形態による、機械学習モデルを使用して判定された不履行の確率の例示的な図である。
【
図4】ある実施形態による、機械学習予測に基づく限度額の自動調整のための例示的なフローチャートである。
【
図5】ある実施形態による、
図1の1つ以上の構成要素を実装するのに適したコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の実施形態及びその利点は、以下に続く詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。同様の参照番号は、1つ以上の図に示された同様の要素を識別するために使用され、そこでの表示は、本開示の実施形態を例示する目的のためのものであり、同じものを限定する目的のためのものではないことが理解されるべきである。
【0007】
詳細な説明
機械学習予測に基づく限度額の自動調整の方法が提供される。本開示の方法を実施するのに適したシステムも提供される。
【0008】
クレジットプロバイダシステム及び他の金融サービスプロバイダなどのサービスプロバイダシステムでは、サービスプロバイダシステムによって実行されるリスク評価及びリスク分析処理に基づいて、クレジット又は他のローン顧客並びに企業及び会社などの他の実体を拡張するために、引受システムが利用され得る。スタートアップ企業及び事業体などの新しい企業では、引受システムは、スタートアップ企業に利用可能なデータが不足しているため、拡張残高の判定及び調整が困難な場合があり、これは、引受システムのリスク分析処理に影響を及ぼす。更に、スタートアップ企業は、リソースが異なり、その確認が困難な場合があるため、引受手順に更に影響を及ぼし得る。引受システムのデータ処理のデータ不足に伴うこれらの問題を解決するために、引受システムは、代わりに、初期データ入力特徴量に基づいてデータを予測し得る、機械学習(ML)モデルを通したインテリジェント意思決定を利用することができる。1つ以上のMLモデルは、入力として、企業又は他の実体に利用可能なデータの特徴量及びパラメータを採用し、訓練データの特徴量及び訓練されたMLモデル層に基づいて、不履行の確率及び/又は特定の時間若しくは日付において実体に利用可能な予測グローバル残高(例えば、実体が1つ以上の金融機関及び/又は1つ以上の口座で利用可能な口座現金残高)に関連付けられ得るリスク評価を予測することができる。これにより、引受システムの処理エンジン及び動作が予想的方法で利用可能クレジット又は他の拡張ローン残高及びデータを動的に調整することを可能にする。
【0009】
オンラインクレジット及び経費管理システムは、グローバルクレジット限度額及び利用可能資金、現金若しくは資金回転率及び/又は前述のデータの陳腐さを判定するために、実体の銀行口座及び他の金融口座を監視するデータアグリゲータを提供することができる。金融口座は、1つ以上のクレジット口座、デビットカード、自動手形交換所(ACH)を通したダイレクトデビット/クレジット、電信送金、ギフトカード並びにオンラインシステム及び/又は他の金融サービスプロバイダ(例えば、銀行)によって実体に発行され得る他のタイプの資金源を含む。したがって、ネットワーク化システム及びプロバイダは、支払ゲートウェイ、課金プラットフォーム、eコマースプラットフォーム、請求書発行及び追加のサービスを提供するためのフレームワーク及びアーキテクチャを含み得る。例えば、クレジット及び引受プロバイダシステムは、実体(例えば、企業又は会社)の利用可能クレジット又はローンの引受及び経費、購入並びに他の金融取引のための動作を提供するために使用されるサービス、ソフトウェア、オンラインリソース及びポータル並びにインフラストラクチャを提供することができる。
【0010】
クレジットプロバイダシステムは、リアルタイムのデータ取得、及び/又は定期的なデータ検索、及び/又はグローバル利用可能残高及び/又は資金回転率の更新を可能にする時点において、金融サービスプロバイダの支払ネットワーク及び/又はコンピューティングシステムに統合される電子データ処理フレームワークを提供することができる。例えば、発行銀行及び/又は取得銀行における又はそれらの間のネットワークノード若しくはポイントにおけるフレームワークの統合は、実体の口座及び残高に関するデータをリアルタイムで受信することを可能にし得、したがって、フレームワークは、リアルタイムのデータ処理を実行することができる。データは、実体の対応する銀行システムからの要求に対するプル及び/又は検索からなど、特定の間隔でも取得され得る。加えて、システムのフレームワークは、1つ以上のクライアントデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、モバイルデバイスなど)、オンラインスケジューリングリソース、人事管理システム及び/又は実体のデータを受信する企業体ビジネスソフトウェアと統合され得る。
【0011】
最後に、実体は、支払カード、ダイレクトデビット、電信送金又は他のタイプの資金源を含む、支払手段の発行及び取引処理に利用される支払ネットワークを選択するように要求され得る。支払ネットワークは、電子取引及び対面取引処理中、口座識別子、支払カードなどを使用する支払処理のための解決ネットワークに対応し得る。これらの支払ネットワーク及び金融サービスプロバイダ(例えば、銀行及び銀行コンピューティングシステム)は、本明細書で説明するように、インテリジェント引受を実行する際、実体のデータを判定及び処理するために選択及び統合され得る。
【0012】
これに関して、会社又は他の組織などの実体は、例えば、1つ以上の支払カード又は他の金融口座を提供するローン又はクレジット口座を通して、クレジットサービスプロバイダの引受システムからのクレジット引受及びクレジットの拡張を要求することができる。最初に、実体は、企業設立文書、EIN、税状況及び/又は文書など、実体の識別情報及び/又は営業状態を検証するために必要な文書を提供することによってオンボードされ得る。クレジット引受を処理するために、実体は、初期タネ銭、投資及び拡張クレジット又はローンの返済に使用され得るグローバルな利用可能残高など、実体の金融状況、口座及び残高に関する特定のデータを更に提供するように要求され得る。これに関して、実体は、1つ以上の利用可能な資金残高について、実体によって利用される1つ以上の銀行システムとの統合などを通して、データへのアクセス又はリンクを提供することができる。実体は、現金又は資金の回転率を判定するために1つ以上のMLモデルによって使用され得る情報及び実体の経費に関連付けられた情報並びに実体がどの程度迅速に資金を使用するか、及び/又は実体がどのような経費を有するかを更に提供することができる。
【0013】
実体は、1つ以上の引受ルールベースのエンジン及び/又はMLモデルベースのエンジンを介してなど、クレジットの拡張又は他の利用可能残高を最初に提供され得る。このクレジットの拡張を使用するために、営業、経営、情報技術又は他の従業員を含む実体のユーザ又は従業員に対して、1つ以上の支払手段を発行することができる。支払手段は、様々なタイプの支払カード及び/又は口座識別子に対応し得、経費管理システム又は関連パートナー(例えば、クレジットカード若しくは他の金融機器を提供する発行銀行)によって発行され得る。事業の過程中、従業員は、マーチャントから対面(例えば、マーチャントの場所若しくは店舗)又はオンラインで購入することなどにより、支払手段を使用して1つ以上のマーチャントとの商取引に従事することができる。したがって、ユーザは、ユーザに提供された口座番号又は支払手段識別子を通して電子取引処理を要求することができる。マーチャント(例えば、企業、資金調達者、医療提供者、家主などの販売者又は支払受領者)は、商品及び/又はサービス(本明細書では「品目」と呼ばれる)を会社の従業員に販売する任意の個人又は実体に対応し得る。クレジットサービスプロバイダが提供する経費管理システムなど、企業の支出について経時的に蓄積されたデータは、グローバル利用可能残高、回転率、不履行の確率及び/又は企業のリスクに関する他の評価を判定するために更に使用され得る。
【0014】
しかしながら、利用可能なデータに対する変更により、異なる引受ルール及びモデルに、異なる時点において及び/又は異なるデータに基づいて異なる利用可能クレジット及び/又はクレジット拡張を判定及び出力させ得る。例えば、実体が経費を使い果たし、1つ以上の口座の資金、投資、現金のグローバル利用可能残高が減少する場合がある。これは、回転率にも影響を及ぼし得、したがって、実体は、異なる時点で(例えば、回転率がより低い又はより高いときにそれぞれ)より多くの又はより少ない資金を有すると予想され得る。したがって、クレジットサービスプロバイダは、引受ルール及び/又はモデルに基づいて、拡張されたクレジット限度額を変更することを望み得る。しかしながら、従来の柔軟性に欠けるシステムでは、単に不履行の確率を予測するのみであり、陳腐化したデータ(例えば、1日以上前、数週間前、数ヶ月前などの実体のデータ)のみを考慮し得る。この結果、クレジットサービスプロバイダは、実体の利用可能クレジットにネガティブな影響を及ぼして経験させ得る、拡張されたクレジット限度額を過度に調整するか、又は実体に利用可能なグローバル資金が不十分な場合に返済のリスクが生じ得る、拡張されたクレジット限度額を十分に調整しないかのいずれかをもたらす可能性がある。
【0015】
これに関して、クレジットサービスプロバイダは、MLエンジン及び1つ以上の予測MLモデルを利用して、請求サイクルの締切時間又は期間など、特定の日時における実体の予測グローバル残高を予測することができる。1つ以上の予測モデルは、実体の不履行データがなくても訓練され得る。クレジットサービスプロバイダは、クレジットサービスプロバイダ又は同様のサービスプロバイダを利用する1つ以上の実体から予測MLモデルの訓練データを取得することができる。データは、経時的なグローバル残高、経時的なグローバル残高の変化(例えば、回転率及び/又は処理された取引)、データの陳腐さ若しくは他の取得による分散、及び/又は利用可能なグローバル残高及び/又はクレジット残高に関する経時的な実体の他の挙動に対応し得る。このデータに対応するデータ特徴量は、訓練データから抽出され、1つ以上のMLモデルを訓練するために使用され得る。MLモデルを訓練する際、指数平滑化予測など、1つ以上のMLモデルによる予測の訓練のために指数平滑化モデル及び訓練フレームワークが使用され得る。これは、経時的な残高、取引、実体の挙動(例えば、回転率及び処理された取引)を使用して訓練され得る。更に、データにより、稀に又は単一ベースで発生し得るため、回転率に寄与し続けないものなど、実体の大規模な、異常な又は単一の取引が除外され得る。
【0016】
更なる実施形態では、不履行及び/又は延滞(PD)の確率を予想するMLモデルは、XGブーストモデル訓練又は他のツリーベースのアルゴリズム訓練(例えば、勾配ブースティングマシン(GBM)モデル)を使用するなど、抽出された訓練データを使用して更に訓練され得る。次いで、PD MLモデルは、請求サイクルの終了時の実体の返済の可能性に基づいて、実体を高リスク、中リスク及び低リスクにセグメント化することができる。訓練データ及びモデル訓練のための対応する抽出された特徴量又は属性は、実体及び/又は他の実体による実際の支払漏れに基づき得、実体が口座返済の期日において実際に返済することになるかどうかを判定するためのリスク測定値として余裕度スコアを利用することができる。これに関して、現金ベースのPD引受MLモデルは、実体の入力特徴量、特定の時点における実体のグローバル現金残高、経費及び/又は回転率、グローバル現金残高に対する過去の支出又は変化、データ更新以降の陳腐化係数などに基づいて、余裕度スコアを予想及び/又は出力するために使用され得る。その後、MLモデルから判定された余裕度スコアに基づいて動的に実体を引き受ける際、1つ以上のリスクルール、モデル及びエンジンを使用して、拡張されたクレジット限度額に対する調整値を判定することができる。
【0017】
例えば、PD MLモデルを用いて限度額を設定した後、別の余裕度MLモデルを使用して、スコアが閾値を満たすか又は超えるかを判定し、その後、利用可能残高を動的に調整することができる。これにより、クレジット限度額又は残高のレベルが単一の大きい取引によって変動しにくくなる一方、回転率の増加又は減少を考慮することを可能にし得る。これは、サイクルの支払のために大きい取引を有し得るサイクル支払の計算書又は請求の終了時に変動しにくくなるように支援することができ、これが、特定の時間(例えば、請求サイクルの終了及び次のサイクルの開始時)におけるクレジット残高及び/又は拡張されたクレジット限度額の動的予測に影響を及ぼす。更に、余裕度スコアの信頼区間が使用され得、これにより実体の異なるリスク閾値及び/又は階層に基づいて範囲を追加することができる。これは、リスクルールに基づいてリスク及び引受システムでも設定され得る。信頼区間の閾値限度額又は調整は、クレジット限度額などを動的に調整すべきとき(例えば、いずれの日付において、更新又はリフレッシュされたグローバル現金残高など、実体のいずれの新しいデータに基づくか)を判定するために利用され得る。
【0018】
MLモデルを訓練する際、抽出された特徴量は、入力層で訓練データとして使用され、次いでMLモデルの隠れ層のノードに対する重み付け、残高及び値の割り当てに使用される。学習データは、教師あり学習又は教師なし学習のそれぞれのための注釈付きデータ又は注釈なしデータを含み得、それぞれ各ノードの訓練及び調整に使用される。各ノードは、モデル内の他のノードに対する及び決定木などの決定を表す相互接続された層間の数学的関係を表し得る。例えば、入力層は、第1の隠れ層のノードに相互接続され、次いで次の隠れ層のノードに相互接続されるなど、n番目の隠れ層が最後の隠れ層となるまで相互接続され得る。このn番目の隠れ層は、その後、出力ノード又は決定に接続され、コンピューティングシステムによって訓練データから学習される予想及び/又は予測を提供する。1人以上のデータサイエンティストからのフィードバックが、ノードの値、重み及び/又は関係を調整し、より正確に予想及び予測を提供するために使用され得る。学習されると、MLモデルは、インテリジェント引受システム内に展開され、動的な残高調整のためにユーザ入力なしの予想的分析を提供することができる。したがって、引受システムは、経時的に及び実体の請求サイクルの終了時、利用可能なグローバル残高の予想的予測を提供することができる。様々な実施形態では、1つ以上のリスクルールは、コンピューティングシステムによる特定のアクションを許可又は防止する静的ルールに基づくなど、不正確な予想に対するセーフガードとしても実装され得る。
【0019】
その後、インテリジェント引受システムは、クレジットサービスプロバイダによって拡張された利用可能残高を有する実体のクレジット口座又はローン口座のデータを受信することができる。インテリジェント引受システムは、MLモデルを利用して、クレジット口座の請求サイクル又は(例えば、利用可能クレジット限度額の使用済み額を精算するための)返済日の締切時間における実体のグローバル利用可能残高を予想及び/又は予測することができる。MLモデルへの入力のためのデータは、実体の現在の利用可能なグローバル残高(又は陳腐化データによる最後の既知の利用可能なグローバル残高)、経費からの現金若しくは他の資金回転率及び/又は利用可能なデータがクレジットサービスプロバイダでどの程度古いかの陳腐化係数に対応し得る。例えば、グローバル残高及び/又は回転率は、実体のための銀行の銀行コンピューティングネットワーク及び/又はシステムとの統合を使用して判定され得る。しかしながら、データは、実体におけるユーザを含む他の情報源からも受信され得る。データは、毎日又はいくつかの他の間隔で更新されるように要求され得、更新されない場合、データは、陳腐化したとみなされ得る。陳腐化したデータには、MLモデルへの入力として陳腐化件数が使用される場合があり、古いデータでは予想可能性が低くなるため、サイズを増大することによって予想信頼範囲又は区間に影響を及ぼすことができる。
【0020】
実体のグローバル利用可能残高の残高予測は、この日付において実体が利用可能な資金の予測額に対応し得る。残高予測は、実体が自らのグローバル残高に対して利用可能な予想資金を有し得る予想信頼区間(範囲など)を更に含む。例えば、上限範囲は、利用可能な資金を有する25%の可能性に対応し、下限範囲は、利用可能な資金を有する75%の可能性に対応する。この区間は、データの陳腐化係数に基づいて、範囲を大きくし、及び/又は利用可能な資金(したがって返済)の可能性がより高い低い範囲を選択することなどによってサイズに影響を及ぼし、より低い範囲が選択され得る。その後、この信頼区間並びに実体、引受システム及び/又は他のリスクモデルに関する1つ以上のリスクルール若しくは係数に基づいて、インテリジェント引受システムは、クレジット口座を有する実体の利用可能残高を上方又は下方のいずれかに自動的に調整することができる。予測されて動的に調整されると、クレジットサービスプロバイダは、実体の利用可能残高を継続的又は定期的に調整することができる。これは、毎日又は別の時間ベースの間隔後、新しいデータが受信されたとき(例えば、陳腐化したデータが更新され、新しいデータを反映するために陳腐化係数が変更されたとき)又は別の時間に発生し得る。
【0021】
拡張されたクレジットを使用して支払を処理する際、クレジットプロバイダシステムは、例えば、取得者(例えば、ユーザによって提供された支払手段を処理するマーチャントの取得銀行)が発行者(例えば、支払手段を発行する実体及び/又はクレジットプロバイダシステムの発行銀行)に処理を要求するとき、支払ネットワークから支払要求の取引データを受信することができる。これは、ユーザが取引を生成させ、マーチャントが取引要求の合計を生成し、それによりユーザがマーチャントに支払手段を提供することによって支払うことができる場合に発生する。支払手段を受け取った後、マーチャントは、取引の支払のために支払要求を生成させることができる。様々な実施形態では、ユーザは、名前、配送場所又は取引のための取引データに含まれ得る他の個人情報若しくは金融情報などの追加のチェックアウト情報を入力するように要求され得る。いくつかの実施形態では、詐欺から更に保護するために、支払手段を経費管理システムによって事前にトークン化し得、この場合、デジタルトークンにより、支払情報を露出させることなく、発行者及び/又は経費管理システムに対して支払手段をバックエンドで識別することを可能にする。
【0022】
これに関して、リアルタイムの銀行データは、MLモデルの予想を迅速に(例えば、毎時間、毎日などで)更新するために使用され得、1つ以上の更新された予想に基づいて、サービスプロバイダの処理エンジンは、ユーザに対して拡張されたクレジット限度額又は他のサービスを変更するかどうかを決定することができる。従来のML引受MLモデルは、より迅速な及び/又はよりリアルタイムの引受判定を提供するために、データソースへのリアルタイム接続を有しない場合がある。したがって、更新された予想は、従来のシステムによって利用される初期予想の信頼区間の外側にあり得る。そうであれば、更新された予想は、ノイズよりも大きいとみなされ、対応する拡張サービスを更新するために使用され得る。しかしながら、MLモデル及びエンジンは、残高又は他の予測された指標を予想及び考慮するために残高予測モデルを使用することができる。これは、次いで、後の時間間隔で続いて更新され得る。残高予測のためのMLモデルは、実体の不履行データなしで訓練され得るが、代わりに、実体が利用可能残高を有するかどうかに基づいて、スタートアップ顧客又は他の実体が不履行になり得るかどうかを評価することができる。これは、利用可能残高(例えば、現金)は、多い場合があるが、収入が少ないため、債務を返済する能力が、主にその実体の手元にある現金の量に基づいているような特定の実体に有利であり得る。
【0023】
図1は、ある実施形態による、本明細書で説明する処理を実施するのに適したネットワーク化システム100のブロック図である。示されるように、システム100は、説明された実施形態に従って様々な方法論を実行するように動作する複数のデバイス、サーバ及び/又はソフトウェアコンポーネントを含むか又は実装し得る。例示的なデバイス及びサーバは、MICROSOFT(登録商標)OS、UNIX(登録商標)OS、LINUX(登録商標)OS又は別の適切なデバイス及び/又はサーバベースのOSなどのOSを動作させるデバイス、スタンドアロン及びエンタープライズクラスのサーバを含み得る。
図1に示されるデバイス及び/又はサーバは、他の方法で展開され得、実行される動作、及び/又はそのようなデバイス及び/又はサーバによって提供されるサービスは、所与の実施形態に対して組み合わされるか又は分離され得、より多い又はより少ない数のデバイス及び/又はサーバによって実行され得ることが理解され得る。1つ以上のデバイス及び/又はサーバは、同じ又は異なる実体によって動作及び/又は保守され得る。
【0024】
システム100は、ネットワーク150を介して通信する顧客又は実体デバイス110、銀行サーバ120及びクレジットプロバイダサーバ130を含む。ユーザ(図示せず)は、クレジットプロバイダサーバ130によって拡張されたクレジット限度額又は残高のためのクレジット口座を利用し得る、実体デバイス110に関連付けられた会社の従業員、契約者、株主又は他の適切な人物(図示せず、本明細書では一般に「従業員」と呼ばれる)に対応し得る。クレジットプロバイダサーバ130は、銀行サーバ120から受信したデータを処理し得る、グローバル利用可能残高のための引受及び予測MLモデルを使用して、このクレジット残高を動的に調整することができる。
【0025】
実体デバイス110、銀行サーバ120及びクレジットプロバイダサーバ130は、本明細書に記載される様々なアプリケーション、データ及びステップを実施するために、1つ以上のコンピュータ可読媒体上に記憶されたプログラムコード及び/又はデータなどの命令を実行するための1つ以上のプロセッサ、メモリ及び他の適切なコンポーネントをそれぞれ含み得る。例えば、そのような命令は、システム100の様々な構成要素の内部及び/又は外部のメモリ又はデータ記憶装置などの1つ以上のコンピュータ可読媒体に記憶され、及び/又はネットワーク150を介してアクセス可能であり得る。
【0026】
実体デバイス110は、例えば、1人以上のユーザを雇用する実体又は会社の従業員が、クレジットプロバイダサーバ130からの資金に対してクレジット口座及び拡張クレジットライン又は他のローンを利用するために利用され得る。例えば、一実施形態では、実体デバイス110は、パーソナルコンピュータ(PC)、電話デバイス、スマートフォン、ラップトップ/タブレットコンピュータ、適切なコンピュータハードウェアリソースを有する腕時計、適切なコンピュータハードウェア(例えば、GOOGLE GLASS(登録商標))を有する眼鏡、他のタイプのウェアラブルコンピューティングデバイス、埋め込み可能な通信デバイス、及び/又はデータを送信及び/又は受信することができる他のタイプのコンピューティングデバイスとして実装され得る。これに関して、実体デバイス110は、クレジットプロバイダサーバ130によって提供された支払手段を管理し、及びクレジット又は他のローンの引受時にクレジットプロバイダサーバ130によって利用されるデータを更に提供するために、クレジットプロバイダサーバ130と相互作用するように構成され得る1つ以上の処理アプリケーションを含む。1つの通信デバイスのみが示されているが、複数の通信デバイスが同様に機能し得る。
【0027】
図1の実体デバイス110は、口座アプリケーション112、データベース114及びネットワークインタフェースコンポーネント118を含む。口座アプリケーション112は、関連するハードウェアで実行可能な処理、手順及び/又はアプリケーションに対応し得る。他の実施形態では、実体デバイス110は、必要に応じて、特別なハードウェア及び/又はソフトウェアを有する追加のモジュール又は異なるモジュールを含み得る。
【0028】
口座アプリケーション112は、クレジットプロバイダサーバ130によって管理及び提供される、実体デバイス110に関連付けられた実体のクレジット口座などの口座にアクセスして口座のデータを提供するために、実体デバイス110によって利用される専用のハードウェア及び/又はソフトウェアとして実装され得る。これに関して、口座アプリケーション112は、口座に関連付けられたデータを入力、記憶及び処理するために、実体デバイス110に関連付けられたユーザによって利用されるソフトウェア、ハードウェア及びデータに対応し得る。このデータは、実体デバイス110に関連付けられた実体のグローバル利用可能資金、グローバル資金に関連付けられた取引履歴及び資金経費並びにそれらの資金回転率など(例えば、企業の他の口座情報及び/又は資金調達情報)に対応し得る。口座アプリケーション112は、銀行サーバ120など、外部の金融機関又はコンピューティングシステムからこのデータを検索及び/又はアクセスすることができる。口座アプリケーション112は、例えば、自動化されたデータ共有プロセス及び/又は実体デバイス110を使用するユーザによるコマンドによって定期的に銀行サーバ120からグローバル口座残高及び資金データを提供することにより、データが取引のためにクレジットプロバイダサーバ130と共有され得るようにクレジットプロバイダサーバ130と統合され得る。更なる実施形態では、口座アプリケーション112は、銀行サーバ120及びクレジットプロバイダサーバ130のためコンピューティングシステム間の統合を使用してデータへのアクセスを可能にする情報を提供することなどにより、グローバル残高及び資金データを提供するオンラインプラットフォーム及びデータベースにアクセスし、及び/又はクレジットプロバイダサーバ130にオンラインプラットフォームへのアクセスを許可することができる。
【0029】
様々な実施形態では、口座アプリケーション112は、(例えば、ワールドワイドウェブ上のリソースを利用する)インターネット上又はプライベートネットワーク上で情報を検索、提示及び通信するように構成された一般的なブラウザアプリケーションを含み得る。例えば、口座アプリケーション112は、ウェブブラウザを提供し得、これにより、ウェブサイト情報を検索すること、ウェブサイト情報をユーザに提示すること及び/又は支払情報を含むウェブサイトへの情報を通信することを含む、ネットワーク150を介して情報を送受信することができる。しかしながら、他の実施形態では、口座アプリケーション112は、クレジット口座の確立及び維持、グローバル残高及び回転率データの提供及び/又は支払ネットワークの利用を支援するように構成され得る、クレジットプロバイダサーバ130又は他の実体の専用アプリケーションを含み得る。
【0030】
実体デバイス110は、実体デバイス110の一時的及び/又は非時的メモリに記憶されたデータベース114を更に含み得、このデータベース114は、様々なアプリケーション及びデータを記憶し、実体デバイス110の様々なモジュールの実行中に利用され得る。したがって、データベース114は、例えば、オペレーティングシステムレジストリエントリなどの識別子、口座アプリケーション112に関連付けられたクッキー、実体デバイス110のハードウェアに関連付けられた識別子又は支払/口座/デバイスの認証若しくは識別に使用される識別子などの他の適切な識別子を含み得る。データベース114は、グローバル残高データ及び回転率情報など、実体デバイス110に関連付けられた実体の利用可能なグローバル残高の予測に使用するために、ユーザによって入力され、及び/又は銀行サーバ120及び/又はクレジットプロバイダサーバ130から受信された顧客データ116を含み得る。
【0031】
実体デバイス110は、銀行サーバ120、クレジットプロバイダサーバ130及び/又は別のデバイス若しくはサーバと通信するように適合された少なくとも1つのネットワークインタフェースコンポーネント118を含む。様々な実施形態では、ネットワークインタフェースコンポーネント118は、DSL(例えば、デジタル加入者線)モデム、PSTN(公衆交換電話網)モデム、イーサネットデバイス、ブロードバンドデバイス、衛星デバイス及び/又は様々な他のタイプの有線及び/又は無線ネットワーク通信デバイスを含み得る。
【0032】
銀行サーバ120は、企業体に利用可能な資金の銀行口座及び/又は金融口座などの口座内の資金残高のグローバル現金のために利用されるコンピューティングシステム及び/又はネットワークに対応し得る。銀行サーバ120は、クレジットプロバイダサーバ130による取引処理のための支払要求の許可(例えば、許容及び拒否)によって管理され得る支払要求の解決及び電子取引処理を更に提供することができる。これに関して、銀行サーバ120は、企業体の資産を含む銀行口座及び他の口座など、実体デバイス110に関連付けられた実体に利用可能なグローバル残高を含む1つ以上の口座を提供することができる。
【0033】
これに関して、銀行サーバ120は、ユーザの口座を保持し、及び/又は実体デバイス110に関連付けられた実体に対して拡張されたクレジット及び残高の支払のためのものを含む支払の解決を支援し得る取得銀行及び/又は発行銀行又は実体に対応し得る。銀行サーバ120は、実体デバイス110及び/又はクレジットプロバイダサーバ130と相互作用して支払の処理を促進し、及び実体に利用可能なグローバル残高、それらの残高の回転率などに関する情報を提供するように構成され得る1つ以上の処理アプリケーションを含む。しかしながら、銀行サーバ120は、他のタイプのクレジットプロバイダ、金融サービスプロバイダ及び/又は他のサービスプロバイダによって維持され得るか又はそれらを含み得る。1つの銀行サーバ及び実体のみが示されているが、複数の銀行及びそれらに対応するコンピューティングシステムは、同様に機能し、グローバル残高及び回転率のデータを含み得る。
【0034】
図1の銀行サーバ120は、銀行口座アプリケーション122、データベース124及びネットワークインタフェースコンポーネント128を含む。銀行口座アプリケーション122は、関連するハードウェアで実行可能な処理、手順及び/又はアプリケーションに対応し得る。他の実施形態では、銀行サーバ120は、必要に応じて、特別なハードウェア及び/又はソフトウェアを有する追加のモジュール又は異なるモジュールを含み得る。
【0035】
銀行口座アプリケーション122は、企業、会社及び他の実体が、経費及び他の事業支払のための事業の過程中など、現金又は他の資金の利用可能なグローバル残高に対応する実物又は仮想資産を有し得る銀行口座又は他の金融口座を開設、維持及び利用することを可能にするための専用のハードウェア及び/又はソフトウェアに対応し得る。いくつかの実施形態では、銀行サーバ120は、グローバル残高を維持して料金及び支払を解決するために、実体デバイス110及び/又はクレジットプロバイダサーバ130によって利用される銀行のオンライン銀行リソースを含むか、又はオンライン銀行リソースと接続され得る。しかしながら、他の実施形態では、銀行口座アプリケーション122は、ダイレクトデビット支払(ACH支払)、電信交換若しくは支払、プリペイドカード支払又は地域/会社固有支払など、他のタイプの支払ネットワーク及び支払タイプに対応し得る。銀行口座アプリケーション122は、実体デバイス110による要求に応じて、資金のグローバル利用可能残高を有する1つ以上の金融口座を確立及び維持することができ、認可されたユーザ(例えば、実体のユーザ)がグローバル残高データにアクセスして提供し、取引を処理し、第三者(例えば、クレジットプロバイダサーバ130又は他の金融サービス仲介者)が実体に代わってネットワーク上で相互作用することを許可し、及び/又は支払ネットワークに提供された若しくはそれから提供されたデータにアクセスするか若しくはそれを使用するために、ネットワークと相互作用することを可能にし得る。このように、クレジットプロバイダサーバ130は、インテリジェント引受クレジット又はローンの拡張及び限度額の管理、承認及び/又は拒否並びにこれらの限度額を更に動的に調整するための特定の時間又は日付における利用可能なグローバル残高の予測において、銀行口座アプリケーション122を利用することができる。
【0036】
銀行サーバ120は、銀行サーバ120の一時的及び/又は非時的メモリに記憶されたデータベース124を更に含み得、このデータベース124は、様々なアプリケーション及びデータを記憶し、銀行サーバ120の様々なモジュールの実行中に利用され得る。したがって、データベース124は、例えば、オペレーティングシステムレジストリエントリなどの識別子、銀行サーバ120のハードウェアに関連付けられた識別子又は口座の識別及び/又は認証に使用される識別子及び資格情報などの他の適切な識別子を含み得る。データベース124は、1つ以上の銀行口座の銀行口座データ126を含み、グローバル残高データ及び回転率情報を確立するために使用され得る。
【0037】
銀行サーバ120は、実体デバイス110、クレジットプロバイダサーバ130及び/又は別のデバイス若しくはサーバと通信するように適合された少なくとも1つのネットワークインタフェースコンポーネント128を含む。様々な実施形態では、ネットワークインタフェースコンポーネント128は、DSL(例えば、デジタル加入者線)モデム、PSTN(公衆交換電話網)モデム、イーサネットデバイス、ブロードバンドデバイス、衛星デバイス及び/又は様々な他のタイプの有線及び/又は無線ネットワーク通信デバイスを含み得る。
【0038】
クレジットプロバイダサーバ130は、例えば、オンラインサービスプロバイダによって維持され得、このオンラインサービスプロバイダは、会社、企業及び他の実体に対して支払手段及びクレジット又はローン引受サービスを提供することができる。これに関して、クレジットプロバイダサーバ130は、実体デバイス110、銀行サーバ120及び他のデバイス又はサーバと相互作用して、支払の処理及び動的なクレジット又はローン限度額調整の実施を促進するように構成され得る1つ以上の処理アプリケーションを含む。一例では、クレジットプロバイダサーバ130は、米国カリフォルニア州サンフランシスコのBREX(登録商標), Inc.によって提供され得る。しかしながら、他の実施形態では、クレジットプロバイダサーバ130は、会社に引受及びクレジットサービスを提供し得る他のタイプのクレジットプロバイダ、金融サービスプロバイダ及び/又は他のサービスプロバイダによって維持され得るか又はそれらを含み得る。
【0039】
図1のクレジットプロバイダサーバ130は、クレジット引受アプリケーション140、クレジット処理アプリケーション132、データベース134及びネットワークインタフェースコンポーネント138を含む。クレジット引受アプリケーション140及びクレジット処理アプリケーション132は、関連するハードウェアで実行可能な処理、手順及び/又はアプリケーションに対応し得る。他の実施形態では、クレジットプロバイダサーバ130は、必要に応じて、特別なハードウェア及び/又はソフトウェアを有する追加のモジュール又は異なるモジュールを含み得る。
【0040】
クレジット引受アプリケーション140は、実体(例えば、実体デバイス110に関連付けられた実体)が、1つ以上の会社のクレジットカードなど、会社の銀行口座及び資金(例えば、それらのグローバル利用可能残高)に関連付けられた支払手段を受け取ることを可能にするために、専用のハードウェア及び/又はソフトウェアに対応し得る。クレジット引受アプリケーション140は、クレジット及び/又はローン拡張の限度額及びキャップを動的に調整することなどにより、それらの発行された支払手段及び会社の追加の資金/口座のための管理を更に提供することができる。これに関して、会社は、最初に、クレジット引受アプリケーション140を通して会社データ及びオンボードを提供することにより、クレジット引受アプリケーション140で口座を確立することができる。そのような情報は、投資家からの検証された資金調達、銀行サーバ120の口座で直接利用可能な資金及び一定期間にわたる会社資金回転率など、銀行口座及び資金調達情報を含み得る。引受ポリシー、ルール及び/又はモデルに基づいて適格である場合、クレジットプロバイダサーバ130及び/又は別の発行実体は、クレジット引受アプリケーション140によって管理される支払手段を提供することができる。例えば、クレジットプロバイダサーバ130は、実体の従業員のために1つ以上のクレジットカードを発行することができ、このクレジットカードは、会社の支払に使用され得る現物若しくは仮想クレジットカード又は他のタイプの支払手段及び手段識別子に対応し得る。
【0041】
クレジット引受アプリケーション140は、引受モデル144を使用して、実体に対して拡張されたクレジット口座及び他のローンのクレジット限度額及び拡張残高の動的調整を実行し得る動的引受プロセス142を更に含む。これに関して、動的引受プロセス142は、MLモデルに対応し得る、引受モデル144を訓練するための1つ以上の処理を含み得る。様々な実施形態では、引受モデルの1つ以上は、特定の時間又はデータで予期又は予想されるグローバル残高を予測し得る指数平滑化MLモデルに対応し得る。これは、実体がユーザクレジット限度額の支払に利用可能な資金の特定のグローバル残高を有することの異なる割合の可能性及びリスクを指定する信頼区間又は範囲に対応し得る。他の実施形態では、引受モデル144の訓練されたMLモデルは、XGブーストMLモデルを使用して、クレジット限度額及び金額に対する赤字の予測に基づいて実体をリスク分類にランク付け又は割り当て、したがって特定の時間又は日付における予測グローバル残高を判定する予想延滞又は赤字モデルに対応し得る。
【0042】
引受モデル144は、注釈付き又は注釈なしの訓練データの訓練特徴量を抽出することにより、動的引受プロセス142によって訓練され得る。次いで、
図2に関して更に詳細に説明するように、引受モデルの異なる層は、特徴量を使用して訓練され得る。訓練されると、引受モデル144は、経時的な資金の異なる予測グローバル残高に基づいて経時的に動的に調整することなどにより、動的限度額146を調整するために使用され得る。これにより、ある期間が請求計算書又はサイクルの締切時間に近づくにつれて変更され得、グローバル残高の最終取得時間及び/又は実体のグローバル残高の回転率に基づく陳腐化係数によっても影響を受け得る。グローバル残高、回転率及び陳腐化係数を使用して、信頼区間を含む予測又は予想グローバル残高が動的限度額146に対して判定され得る。その後、動的引受プロセス142は、1つ以上のクレジット口座の動的限度額146を調整し、実体デバイス110に対して新しい限度額の通知を提供することができる。
【0043】
クレジット処理アプリケーション132は、実体(例えば、実体デバイス110に関連付けられた実体)が、クレジット引受アプリケーション140によって発行された1つ以上の会社のクレジットカード又は他の金融手段を使用して金融取引を処理することを可能にするための専用のハードウェア及び/又はソフトウェアに対応し得る。したがって、クレジット処理アプリケーション132は、取引に関する情報(例えば、費用、品目、税又はチップを含む追加料金、マーチャント識別子、説明など)並びに実体デバイス110に関連付けられた実体及び/又は使用された支払手段に関する識別子(例えば、クレジット口座のクレジットカード番号)を含み得る、取引データを受信するための1つ以上の処理に対応し得る。クレジット処理アプリケーション132は、次いで、支払ネットワークを介して支払を発行し、及び/又はクレジット発行銀行若しくは機関によってマーチャント及び/又は取得銀行若しくは機関に支払を要求することなどにより、取引を処理するために1つ以上の支払ネットワークを利用することができる。他の実施形態では、クレジットカード及び支払ネットワークは、別の実体及び/又は支払ネットワークによって管理され得、クレジットプロバイダサーバ130によるネットワークとの統合により、クレジット処理アプリケーション132による取引データの取得を可能にし得る。クレジット処理アプリケーション132は、更に取引履歴を発行し、取引データの会計処理及び記録を提供することができる。様々な実施形態では、クレジット処理アプリケーション132から発生したデータは、クレジットプロバイダサーバ130を使用する実体のグローバル資金残高並びに(例えば、返済され得、したがって回転率を判定するために使用され得る拡張クレジット限度額及び/又は回転率から除外され得る異常値取引を使用して)経費及び追加の支出に基づく回転率を判定するための追加の情報として更に使用され得る。
【0044】
加えて、クレジットプロバイダサーバ130は、データベース134を含む。前述したように、ユーザ、実体及び/又は実体デバイス110に対応する実体は、クレジットプロバイダサーバ130で1つ以上の口座を確立することができ、これは、クレジット限度額及び拡張のための引受に使用され得る。データベース134の支払口座は、顧客クレジットデータ136及び名前、住所、支払/資金調達情報、追加のユーザ金融情報及び/又は他の所望の実体データなどの他の実体情報を含み得る。顧客クレジットデータ136は、グローバル残高データ、回転率及び/又はその情報を検索するために必要な情報(例えば、口座資格情報又は識別子、アクセス許可など)など、引受のためのMLモデルの判定及び予測の間に使用される情報を更に含み得る。データベース134は、取引データ及び実体に発行された支払手段並びにそれらの手段を使用して処理された取引に関する情報を記憶するためにも使用され得る。
【0045】
様々な実施形態では、クレジットプロバイダサーバ130は、ネットワーク150を介して実体デバイス110、銀行サーバ120及び/又は他のデバイス若しくはサーバと通信するように適合された少なくとも1つのネットワークインタフェースコンポーネント138を含む。様々な実施形態では、ネットワークインタフェースコンポーネント138は、DSL(例えば、デジタル加入者線)モデム、PSTN(公衆交換電話網)モデム、イーサネットデバイス、ブロードバンドデバイス、衛星デバイス及び/又は様々な他のタイプの有線及び/又は無線ネットワーク通信デバイスを含み得る。
【0046】
ネットワーク150は、単一のネットワークとして実装され得るか、又は複数のネットワークを組み合わせて実装され得る。例えば、様々な実施形態では、ネットワーク150は、インターネット若しくは1つ以上のイントラネット、固定回線ネットワーク、無線ネットワーク及び/又は他の適切なタイプのネットワークを含み得る。ネットワーク150は、システム100の様々な構成要素によってアクセス可能である、プライベート若しくはローカルエリアネットワークなどの小規模通信ネットワーク又はワイドエリアネットワーク若しくはインターネットなどの大規模ネットワークに対応し得る。
【0047】
図2Aは、ある実施形態による、クレジット限度額の予想的予測を実行するように訓練されるアルゴリズムを表す機械学習モデルの例示的な決定木200aである。
図2Aの決定木200aは、XGブーストモデルなど、予想的意思決定及び/又は予測を実行する際に特定のMLモデル及び訓練によって利用される決定木の表現に対応する。したがって、決定木200aは、出力及び出力ノードを提供するために、決定ノードにおける意思決定のための異なる重み及び/又は値を割り当てる数学的アルゴリズムを使用して訓練されるノードを含み得る。決定ノードは、初期入力ノード並びに出力決定及びノードに到達する際に追加の意思決定を伴う隠れノードを含み得る。
【0048】
入力決定ノード202では、初期入力情報又は特徴量が提供され得、これにより入力決定ノード202における決定の数学的表現(例えば、計算又はアルゴリズム)に基づいて決定を行わせることができる。例えば、入力決定ノード202は、1つ以上の追加の隠れ層内の更なる決定ノード206a、206b及び206cに接続され得る。入力決定ノード202で行われる判定は、入力として提供される値の属性がルート属性及び訓練データセットと比較されることを可能にする訓練データセットに基づいて実行され得る。比較及び数学的モデル及びアルゴリズムに基づいて、決定ノード206a~cの1つに進むように決定され得る。決定木200に示されるように、出力ノード208a又は208bの1つとしての出力を引き起こす決定ノード206aに対して別個のサブツリー204が作成され得る。更なる意思決定及び出力は、決定木200a(例えば、XGブーストモデル)を作成するために使用される数学的アルゴリズムと同様に、ルートデータセット内の訓練データ特徴量及び属性に対する入力特徴量及び属性の追加の比較に基づいて更に引き起こされる。
【0049】
決定木200aは、入力決定ノード202から決定ノード206bに進むこともできる。決定ノード206bは、出力ノード208cに直接進み得、これにより決定木200の訓練されたMLモデル内の訓練されたノード及びそれらに対応する値、重み又は表現に基づく出力を引き起こす。しかしながら、決定ノード206bが代わりに決定ノード206cに進み、これにより決定ノード208d又は決定ノード208eの出力決定を引き起こす追加の意思決定も実行され得る。入力層、隠れ層及び出力層並びにそれらに対応するノードを生成するために使用され得る複数のアルゴリズムの表現を
図2Bに更に見ることができる。このように、決定木200aのノードの訓練は、
図2Bで説明したものと同じ又は同様の方法で実行され得る。
【0050】
図2Bは、ある実施形態による、クレジット限度額の予想的予測を実行するように訓練される層を有する例示的なニューラルネットワーク200bである。示されるように、ニューラルネットワーク200bは、3つのグループの層(入力層210、隠れ層212及び1つ以上のノードを有する出力層214)を含むが、異なる層も利用され得る。ニューラルネットワーク200bは、
図2Aの決定木200aと同様の方法において、他の層のノードに相互接続されたノードの表現を含むが、1つ以上の深層学習アルゴリズム及び/又はMLアルゴリズムとトレーナーとの組み合わせを使用する。これに関して、ニューラルネットワーク200bは、適切な意思決定を提供するために、MLモデル訓練関数及びアルゴリズムを使用することを含み得る、より少ないか又は必要に応じた若しくは適切な数の隠れ層を有し得る。
【0051】
決定木200aと同様に、ノードは、隣接する層のノードに接続される。この例では、ニューラルネットワーク200bは、入力値のセットを受け取り、1つ以上の出力値、例えばクレジット拡張若しくはローン上の不履行に対する実体のリスクの分類及び/又は利用可能な資金の信頼区間を有するグローバル残高予測を生成する。しかしながら、異なる、より多い又はより少ない出力も訓練に基づいて提供され得る。ニューラルネットワーク200bが使用される場合、入力層210内の入力ノード216の各々は、実体のグローバル残高、回転率、(例えば、実体のデータを更新するための)陳腐化係数及び/又は期間、返済可能性などに関する訓練データから導出された別個の属性又は入力データタイプに対応し得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、隠れ層212内の第1の隠れノード218及び第2の隠れノード220の各々は、入力ノードの入力値に基づいて値を生成する数学的計算(又はアルゴリズム)を含み得る表現を生成する。数学的計算は、入力ノード216から受信したデータ値の各々に対して異なる重みを割り当てることを含み得る。第1の隠れノード218及び第2の隠れノード220は、入力データに割り当てられた異なるアルゴリズム及び/又は異なる重みを含み得、したがって入力値に基づいて異なる値を生成し得る。隠れ層212は、2つの隠れ層を含み、第1の隠れノード218の隠れ層内の各ノードは、第2の隠れノード220の隣接する隠れ層のノードに接続され得、それにより、入力層210からのノードが第1の隠れノード218のノードに接続され得、第1の隠れノード218のノードが第2の隠れノード220のノードに接続され、第2の隠れノード220のノードが出力層214の出力ノード222に接続され得る。隠れ層ノードによって生成された値は、ニューラルネットワーク200bの出力値を生成するために出力層ノードによって使用され得る。
【0053】
ニューラルネットワーク200bは、実体のグローバル残高、回転率、データ及び返済の陳腐化、リスク係数などに関連付けられたデータを含む訓練データを使用することによって訓練され得る。データは、データから特徴量及び属性を抽出することによって準備され得、データを数値表現及びベクトルに変換することによっても準備され得る。更に、データは、異常値データが刈り込まれるか又は他の方法で除去され得る。例えば、異常値取引(例えば、ある実体の取引履歴から金額又は偏差を超えているもの、特定の必要性未満で発生したもの及び/又は他の異常値データ)である。訓練データをニューラルネットワーク200bに提供することにより、隠れ層212のノードは、訓練データに基づいて出力層で最適出力(例えば、分類)が生成されるように訓練(調整)され得る。訓練データの異なるセットを継続的に提供し、及びニューラルネットワーク200bの出力が正しくない場合にニューラルネットワーク200bにペナルティを与えることにより、ニューラルネットワーク200b(具体的には隠れ層のノードの表現)は、データ分類における性能を向上させるように訓練(調整)され得る。ニューラルネットワーク200bを調整することは、隠れ層の各ノードに関連付けられた重みを調整することを含み得る。
【0054】
図3Aは、ある実施形態による、機械学習モデルを使用して判定された残高予測の例示的な
図300aである。
図3Aの
図300aは、
図1のシステム100を参照して説明したクレジット引受アプリケーション140を使用してクレジットプロバイダサーバ130によって予想され得る、計算書又は請求サイクルの終了時における予測グローバル残高の表現を含む。これに関して、利用可能資金の予測グローバル残高は、
図2A及び
図2Bの表現に関して訓練されたものなど、1つ以上のMLモデルを使用して実行され得る。
【0055】
図300aは、計算書期限308など、将来の時点における計画残高の予想及び/又は予測に使用されるグラフを含む。これに関して、グラフは、Y軸としてグローバル残高302を含み、X軸として時間304を含む。グローバル残高302は、実体の残高306に対して時間304にわたって変動するように示されている。例えば、実体の残高306は、新しい資金が企業又は他の実体の口座に追加されること(例えば、新しい資金調達、追加の投資、収入など)により増加するか、又は実体による経費及び他の支出によって減少する場合がある。これに関して、時間304にわたるグローバル残高302の動きに基づいて、実体の残高306は、計算書期限308において特定のグローバル残高又は金額となるように予測され得る。計算書期限308における実体の残高306の残高又は資金額を予測するために、本明細書で説明するMLモデル及びエンジンは、そのような予想及び予測を実行することができる。
【0056】
しかしながら、実体のデータに対する入力特徴量及び属性に基づいて、MLモデル及び/又は他の人工知能システム(例えば、ルールベースのエンジン、ニューラルネットワークなど)は、異なる判定を生成し得る。例えば、最初に、未調整の予測314が、本明細書で説明するように、MLモデルの予測なしの初期リスクルールに基づいて判定され得る。未調整の予測は、従来のリスク分析及び/又はリスク予測ルール及びエンジンに基づき得る。これは、クレジットのリスク又はローン返済リスクを判定する際に引受システムによって最初に判定される従来の予測に対応し得る。このように、未調整の予測314は、クレジットサービスプロバイダの引受システムによって実体に対して拡張されたクレジットの初期レベルに対応し得る。
【0057】
しかしながら、MLモデルを使用して、更新された予想的計画がなされ得、これは、実体の銀行データの陳腐さ及び他の要因(例えば、回転率の変更、グローバル残高調整など)に基づく信頼区間を含み得る。例えば、最初の時点において、陳腐化した読み取り値310のタイミングで追加のグローバル残高データを受信し得る。この情報が計算書期限308まで調整されない場合、陳腐化した信頼度での調整済み予測316が判定され得る。これは、陳腐化した実体データによって引き起こされるリスク320を考慮するために、グローバル残高予測のためのMLモデルによって判定され得る。このように、データの陳腐さは、実体の残高306に対してグローバル残高302のより高い予測を提供する際のリスク320を考慮するために、MLモデルに、拡張されたクレジットに対してクレジット限度額を引き下げさせ得る。
【0058】
しかしながら、時間軸304に沿った後の時間において、最新の読み取り値312が追加の実体データを提供することができる。このデータは、より後に提供されて計算書期限308により近いため、実体の残高306に対するグローバル残高302のより正確な予想若しくは予測及び/又はMLモデルによって判定され得る、グローバル残高302のより高い予想を提供することに伴うリスクをより少なくさせることができる。例えば、最新の読み取り値312は、実体の残高306に対するグローバル残高302の予測に関連付けられた信頼区間に対して、より少ないリスク及び/又はリスク320を考慮した最新の信頼度での調整済み予測318を提供するために使用され得る。このように、最新の信頼度での調整済み予測318は、より高い予想グローバル残高に対応し、したがって実体に対して拡張されたクレジットを引き受ける際のクレジット限度額の増加に対応し得る。
【0059】
図3Bは、ある実施形態による、機械学習モデルを使用して判定された不履行の確率の例示的な
図300bである。
図3Bの
図300bは、
図1のシステム100を参照して説明したクレジット引受アプリケーション140を使用してクレジットプロバイダサーバ130によって予想され得る、時間軸又は請求サイクル(例えば、請求サイクル中及び返済日に近づいているとき)にわたるPD(例えば、実体のデフォルト又は延滞の確率)の表現を含む。これに関して、PDは、
図2A及び
図2Bの表現に関して訓練されたものなど、1つ以上のMLモデルを用いてクレジット限度額を調整することができる。
【0060】
図300bでは、ツリーベースのML手法及びアルゴリズムなど、ML手法及びアルゴリズムを使用して、現金ベースのPD引受のためにMLモデルを訓練することができる。これは、XGブーストモデルに対応し得るが、GBM及び他のツリーベースのアルゴリズムを含む他のモデルも使用され得る。現金ベースのPD引受MLモデルは、
図3Aの
図300aに関して説明したもののようなグローバル残高予測MLモデルにわたって追加の安定化を提供することができる。これは、MLモデルから判定されたスコア、指標又は値に対応する余裕度322を利用することによって行うことができる。したがって、余裕度322に対する実体のスコアは、経時的にクレジット限度額の変更を制限し、及びある期間(例えば、90日の期間又は請求サイクル)にわたってより安定した残高を提供することができる。したがって、余裕度322は、いずれのリスク係数が延滞を最も予想するかを判定するように訓練されたMLモデルの出力値に対応し得る。したがって、このMLモデルは、余裕度322の出力としてリスク推定値を提供し、これにより最新の情報(例えば、グローバル現金残高、回転率、経費及び過去の支出などの日々の新しい情報)を用いて顧客リスクを再評価することができる。より最新の情報で更新することなしでは、陳腐化係数が余裕度322にも影響を及ぼし得、これは、実体に対する余裕度322の対応するスコアを変更し得る。
【0061】
これに関して、余裕度322は、限度額の安定性を最大化し、過去の支出及び他の過去の支出をカバーするためにクレジット限度額を最大化し、限度額が過度に高く設定された場合(例えば、実体が返済を不履行にした場合)のクレジット損失を最小化するように調整されたMLモデルによって判定され得る。これに関して、MLモデルが余裕度322を判定する場合、前述の3つの態様間で残高を取るために、過去のデータ及び利用可能なグローバル現金残高を使用して最適化が実行され得る。したがって、余裕度322は、クレジット残高の動的調整がいずれの時点で実行されるべきかを判定するための指標を提供する。
【0062】
図300bでは、余裕度322が日付324に対してプロットされているため、
図300bのグラフは、余裕度322における経時的な変化を示す。これは、クレジット限度額又は利用可能な資金(例えば、拡張可能ローンなど)の他の残高若しくは限度額を動的に調整するために使用される。実線は、限度額更新閾値326として示されており、これは、余裕度322が限度額更新閾値326を超えたとき、クレジット限度額又は残高を動的に調整してクレジット限度額を引き下げるべきであることを示す、リスクルール及び/又はモデルに基づく閾値であり得る。他の実施形態では、クレジット限度額が過度に低いことを示す重要な期間(例えば、1回又は複数回の請求サイクル)などの期間に対して限度額更新閾値を下回った場合、動的調整は、クレジット限度額を増加させることを含み得る。
【0063】
したがって、実体の余裕度スコア328は、日付324にわたって余裕度322を使用して
図300bにプロットされる。これは、実体の余裕度スコア328が限度額更新閾値326を超え、クレジット限度額の動的調整が必要であるかどうかを判定するための限度額更新閾値326と共に示されている。限度額330は、実体の現在のクレジット限度額又は他の利用可能クレジット若しくはローンを示し、限度額332に基づいて調整され得る。余裕度スコア328が限度額更新閾値326を超えると、限度額330は、動的に減少して、全体的により低いクレジット限度額を提供し、リスクを低減する。これは、余裕度322に対するMLモデルの予想出力が、実体が不履行又は返済の延滞のリスクがより高いことを示す(例えば、余裕度322に対するPDスコアが延滞の可能性がより高いことを示す)場合に引き起こされる。
【0064】
図300bに示されるように、2020年7月26日の日付324の場合、ある実体に対する余裕度スコア328が限度額更新閾値326を超えている。例えば、ここで限度額を更新するための
図300b内の場所334において、破線の余裕度スコア328は、点336で限度額更新閾値326を超えている。点336は、グローバル現金残高の変化(例えば、利用可能現金の減少、銀行口座を減少させる大きい買い物など)、過去の支出又は経費の変化などによって引き起こされ得る。したがって、これは、返済が延滞するか又はクレジット及び返済が不履行になる可能性又は確率がより高いことを示す。したがって、限度額330は、限度額332と共に、約100,000ドルから約30,000ドルに減少するように示されている。これは、余裕度322を予想するための現金ベースのPD MLモデルを使用するクレジット限度額の動的調整に対応する。
【0065】
図4は、ある実施形態による、機械学習予測に基づくクレジット限度額の自動調整のための例示的なフローチャート400である。本明細書で説明するフローチャート400の1つ以上のステップ、処理及び方法は、必要に応じて又は適切に省略されるか、異なる順序で実行されるか又は組み合わされ得ることに留意されたい。
【0066】
フローチャート400のステップ402では、クレジットプロバイダからのクレジット拡張を使用する実体の訓練データが取得される。訓練データは、実体に利用可能な資金のグローバル残高の使用及び/又は受領に関連付けられたものなど、取引、支出挙動及び/又はグローバル残高の増加に対応し得る。したがって、訓練データは、経時的なグローバル残高に対する変化を含み得、これは、回転率なども含み得る。ステップ404では、訓練特徴量が訓練データから抽出され、訓練特徴量は、意思決定のためのMLモデル内の訓練ノード及び層で使用するために抽出され得るデータ属性、特徴量、値などに対応し得る。したがって、訓練特徴量は、意思決定を実行するためにMLモデルのノードを訓練し、及び/又は意思決定のために相互接続されたノードに追加のデータを提供するために、1つ以上の数学的計算又はアルゴリズムによって必要とされるそれらの特徴量及びデータに対応し得る。
【0067】
ステップ406では、残高予測のためのMLモデルが訓練される。MLモデルは、訓練データから抽出された特徴量、属性及び値を使用して訓練され得る。MLモデルは、指数平滑化モデル、データにおけるクレジット返済のための利用可能資金におけるPD(例えば、不履行又は延滞の確率)のためのXGブーストモデルなどに対応し得る。MLモデルは、結果が正確でないか又は十分な精度に達しなかった場合に訓練及び再訓練されるか、又は意思決定のためのフィードバックを提供され得る。これに関して、MLモデルは、入力特徴量に基づき、特定の将来の日付における実体の1つ以上の予想されるグローバル残高に関する予想出力又は予測を提供するように訓練され得る。入力特徴量が最新の情報を含む場合、陳腐化係数は、ゼロ、無視できる程度であり得るか、又は他の方法でデータの現在の性質を示し得る。しかしながら、陳腐化係数は、データが陳腐化し得た特定の日数又は他の古い期間の場合などに予想的意思決定及び予測に更に影響を及ぼし得る。
【0068】
ステップ408では、MLモデルは、引受フレームワークで展開される。展開は、ユーザに対して拡張されたクレジット額及び限度額を引き受けるためのインテリジェント意思決定フレームワークにMLモデルを実装することを含み得る。展開されると、引受フレームワークは、実体に対する将来のグローバル残高の予測判定を実行するために使用され得、これにより実体に対してクレジットを拡張するための引受及び許容可能なリスクを支援することができる。このように、ステップ410では、実体のグローバル残高の特徴量及び回転率が判定される。これは、口座データ及び/又は実体に対してアップロード若しくは提出されたデータから検索され得る。しかしながら、1つ以上の銀行コンピューティングネットワーク及び/又はシステムとの統合も残高のデータを検索するために使用することができる。銀行ネットワーク又はシステムへの接続が切断されているか又は利用できない場合、過去の利用可能なデータからの陳腐化したデータが使用され得るが、特定の日付における実体の将来のグローバル残高を予想及び/又は予測するために陳腐化係数も考慮することができる。
【0069】
ステップ412では、請求サイクルの締切期間における実体による延滞の予想スコアが予想される。いくつかの実施形態では、予期残高に対応し得る残高予測が判定され得、これは、締切期間における予想残高の範囲を有する信頼区間に対応し得る。信頼区間は、異なる返済可能性に対応する異なる区間又は部分を有し得る。例えば、上位25%は、返済の可能性が低いため、リスクルールの下で除外され得る。しかしながら、他の下位区間及び/又はグローバル残高額が予想され、許容可能なリスクに基づいて引受に使用され得る。ステップ414では、予想スコアから、残高調整が必要であるかどうかが判定される。
【0070】
予想スコアに基づく残高調整が必要でない場合(例えば、利用可能な現金残高を有する可能性が、拡張されたクレジット又は他のローン額の現在のクレジット限度額と同じであるか、又は許容可能な誤差範囲内である場合)、フローチャート400は、ステップ416に進み、現在のクレジット残高及び/又は限度額が保持され得る。このように、実体に対して拡張されたクレジット残高は、調整されず、及び特定のレベルに維持され得る。これは、モデルが、グローバル残高の変化に基づいて、余裕度スコアが、(例えば、リスクモデルからのより高いリスクの実体の分類を超える)予測モデルのリスクスコアに起因するクレジット限度額の引き下げを必要とする閾値を超えないことを予測する場合にも発生し得る。
【0071】
しかしながら、ステップ414で残高調整が必要な場合、フローチャート400は、クレジット残高及び/又は限度額が動的に調整されるステップ418に進むことができる。これは、ユーザ入力及び/又は要求なしに、クレジット残高を動的に調整して、特定の日付における予想又は予測された資金の利用可能なグローバル残高又はその特定の日付における返済のPDスコアを反映することによって実行され得る。新しいクレジット限度額は、特定の時間間隔において及び/又は新しいデータが利用可能になったときに動的に調整され得、現在予測されるグローバル残高及び/又は余裕度スコアを反映することができる。グローバル残高の信頼区間が使用される場合、特定のグローバル残高(したがってクレジット限度額)は、リスク評価及び/又は引受システムに対して許容可能な信頼区間の区間に基づいて選択され得る。同様に、余裕度スコアを使用して、実体のリスクが変化したことに起因して実体が閾値を超えたと判定することができ、これによりクレジット限度額が影響を受け、更なる請求サイクルまで低減され得る。
【0072】
このように、本明細書で説明する様々な実施形態を使用することにより、会社は、今後のデータをよりよく(例えば、より効率的でより正確に)予想及び/又は予測することができ、これにより、よりインテリジェントな意思決定及びサービスの提供を可能にする。これにより、会社のリスクを低減し、サービスを実体に提供する際のユーザ入力及び判定を除去するために人間の機能を自動化するインテリジェント判定を提供することができる。
【0073】
図5は、ある実施形態による、
図1の1つ以上の構成要素を実装するのに適したコンピュータシステムのブロック図である。様々な実施形態では、通信デバイスは、ネットワークと通信可能なパーソナルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、コンピューティングタブレット、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、眼鏡又は時計などのウェアラブルコンピューティングデバイス、Bluetoothデバイス、キーFOB、バッジなど)を含み得る。サービスプロバイダは、ネットワークと通信可能なネットワークコンピューティングデバイス(例えば、ネットワークサーバ)を利用することができる。ユーザ及びサービスプロバイダによって利用されるデバイスの各々は、以下のような方法でコンピュータシステム500として実装され得ることが理解されるべきである。
【0074】
コンピュータシステム500は、コンピュータシステム500の様々な構成要素間で情報データ、信号及び情報を通信するためのバス502又は他の通信機構を含む。構成要素は、キーパッド/キーボードからキーを選択する1つ以上のボタン、画像若しくはリンクを選択し、及び/又は1つ以上の画像を移動させるなどのユーザアクションを処理し、対応する信号をバス502に送信する入力/出力(I/O)コンポーネント504を含む。I/Oコンポーネント504は、ディスプレイ511及びカーソル制御部513(キーボード、キーパッド、マウスなど)などの出力コンポーネントも含み得る。任意選択のオーディオ/ビジュアル入力/出力(I/O)コンポーネント505は、ユーザがオーディオ信号を変換することによって情報を入力するために音声を使用し、及び/又はオブジェクトを有するシーンのビジュアルデータを捕捉することにより、画像/ビデオを入力若しくは記録することを可能にするためにも含まれ得る。オーディオ/ビジュアルI/Oコンポーネント505は、ユーザがオーディオを聴き、そのような画像/ビデオの投影を含む画像/ビデオを観ることを可能にし得る。トランシーバ又はネットワークインターフェース506は、ネットワーク150を介して、コンピュータシステム500と、別の通信デバイス、サービスデバイス又はサービスプロバイダサーバなどの他のデバイスとの間で信号を送受信する。一実施形態では、通信は、無線であるが、他の伝送媒体及び方法も適している場合がある。マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)又は他の処理コンポーネントであり得る1つ以上のプロセッサ512は、コンピュータシステム500上の表示又は通信リンク518を介した他のデバイスへの送信などのために、これらの様々な信号を処理する。プロセッサ512は、クッキー又はIPアドレスなどの情報の他のデバイスへの送信も制御することができる。
【0075】
コンピュータシステム500の構成要素は、システムメモリコンポーネント514(例えば、RAM)、静的記憶コンポーネント516(例えば、ROM)及び/又はディスクドライブ517も含む。コンピュータシステム500は、システムメモリコンポーネント514に含まれる1つ以上の命令シーケンスを実行することにより、プロセッサ512及び他の構成要素によって特定の動作を実施する。ロジックは、実行のためにプロセッサ512に命令を提供することに関与する任意の媒体を指し得るコンピュータ可読媒体で符号化され得る。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体及び伝送媒体を含むが、これらに限定されない多くの形態を取ることができる。様々な実施形態では、不揮発性媒体は、光又は磁気ディスクを含み、揮発性媒体は、システムメモリコンポーネント514などの動的メモリを含み、伝送媒体は、バス502を構成する線を含む同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む。一実施形態では、ロジックは、非一時的コンピュータ可読媒体で符号化される。一例では、伝送媒体は、電波、光及び赤外線データ通信中に生成されるような音響波又は光波の形態を取ることができる。
【0076】
コンピュータ可読媒体のいくつかの一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、EEPROM、フラッシュEEPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ又はコンピュータが読み取るように適合された任意の他の媒体を含む。
【0077】
本開示の様々な実施形態では、本開示を実施するための命令シーケンスの実行は、コンピュータシステム500によって実行され得る。本開示の様々な他の実施形態では、ネットワーク(例えば、LAN、WLAN、PTSN及び/又は電気通信、モバイル及び携帯電話ネットワークを含む様々な他の有線若しくは無線ネットワークなど)に通信リンク518によって結合された複数のコンピュータシステム500は、互いに協調して、本開示を実施するための命令シーケンスを実行し得る。
【0078】
適用可能な場合、本開示によって提供される様々な実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用して実施され得る。適用可能な場合、本明細書に規定される様々なハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントは、本開示の精神から逸脱することなく、ソフトウェア、ハードウェア及び/又はその両方を含む複合構成要素にも組み合わされ得る。適用可能な場合、本明細書に規定される様々なハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントは、本開示の範囲から逸脱することなく、ソフトウェア、ハードウェア又はその両方を含むサブ構成要素にも分離され得る。加えて、適用可能な場合、ソフトウェアコンポーネントがハードウェアコンポーネントとして実装され得ること及びその逆が企図される。
【0079】
プログラムコード及び/又はデータなど、本開示に従ったソフトウェアは、1つ以上のコンピュータ可読媒体上に記憶され得る。本明細書で特定されるソフトウェアは、ネットワーク化された及び/又はそうではない1つ以上の汎用目的若しくは特定目的のコンピュータ、及び/又はコンピュータシステムを使用して実装され得ることも企図される。適用可能な場合、本明細書に記載される特徴を提供するために、本明細書に記載される様々なステップの順序を変更し、複合ステップに組み合わせ及び/又はサブステップに分離することができる。
【0080】
前述の本開示は、開示された正確な形態又は特定の使用分野に本開示を限定することを意図するものではない。したがって、本開示に照らして、本明細書に明示的に記載されているか又は暗示されているかにかかわらず、本開示に対する様々な代替実施形態及び/又は修正形態が可能であることが企図される。このように本開示の実施形態を説明してきたが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細における変更形態がなされ得ることを認識するであろう。したがって、本開示は、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【国際調査報告】