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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】口腔用製品錠剤及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   A24B 13/00 20060101AFI20240723BHJP
   A24B 15/30 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
A24B13/00
A24B15/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578763
(86)(22)【出願日】2022-06-20
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 IB2022055728
(87)【国際公開番号】W WO2022269475
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/212,854
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハッチェンス,ロナルド・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ホルトン・ジュニア,ダレル・ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ジョン・ポール
(72)【発明者】
【氏名】モンサルード,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】セント・チャールズ,フランク・ケリー
(72)【発明者】
【氏名】アルダーマン,スティーブン・リー
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル,ジェリー・ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ランプ,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】デバスク,サミュエル・マーク
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB22
4B043BC02
4B043BC04
4B043BC18
4B043BC20
4B043BC21
(57)【要約】
本開示は、口腔用使用に対して構築された製品、及び該製品を作製する方法を提供する。製品は、複数の顆粒を含み、顆粒は、少なくとも1種のフィラー;少なくとも1種の糖アルコール;セルロースエーテル、ポリビニルピロリドン又はこれらの組合せ;及び少なくとも1種の活性成分、少なくとも1種の着香剤又はこれらの組合せを含む。製品は、顆粒状の形態であってもよく、又は錠剤若しくはペレットの形態であってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔用使用に対して構築された製品を調製する方法であって、
少なくとも1種のフィラー、少なくとも1種の糖アルコール、及び活性成分、着香剤又はこれらの両方をブレンドして乾燥ブレンドを形成するステップ、及び
乾燥ブレンドと結合剤水溶液との組合せ物を顆粒化して、複数の顆粒を形成させるステップ
を含む、方法。
【請求項2】
乾燥ブレンドが、活性成分及び着香剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
乾燥ブレンドが活性成分を含み、着香剤を実質的に含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
顆粒が、約60μm~約500μmの範囲のサイズを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
複数の顆粒を所定の形状に圧縮するステップをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
所定の形状がペレット又は錠剤である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
圧縮するステップの前に、複数の顆粒と少なくとも1種の着香剤若しくは流動助剤、又はこれらの両方を混合するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
圧縮するステップの前に、複数の顆粒を少なくとも1種の着香剤及び流動助剤と混合するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
流動助剤が、微結晶性セルロース、シリカ、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、カルナウバワックス及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
製品にコーティング用組成物を施用するステップをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
コーティング用組成物がセルロース系材料を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
コーティング用組成物が着香剤を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1種のフィラーが、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、マルトデキストリン、コメデンプン又はこれらの組合せを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
結合剤水溶液が、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン及びこれらの組合せからなる群から選択される結合剤を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
結合剤水溶液がポリビニルピロリドンを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1種の糖アルコールが、エリスリトール、イソマルト、マルチトール、マンニトール、ソルビトール及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1種の糖アルコールがマンニトールである、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
活性成分が、ニコチン成分、ボタニカル材料、栄養補給食品、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、カンナビノイド、カンナビメティクス、テルペン及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
活性成分が非タバコボタニカル材料である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
非タバコボタニカル材料が、ミリングされた形態である、又は抽出物の形態である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
口腔用使用に対して構築された製品が、組成物の総乾燥重量に対して、遊離塩基として計算すると、約0.001~約10重量%のニコチン成分を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
口腔用使用に対して構築された製品が、存在するニコチン成分のいずれも除き、タバコ材料を実質的に含まない、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
塩、甘味剤、緩衝化剤、着色剤、湿潤剤、オーラルケア添加剤、保存剤、崩壊助剤、流動助剤、圧縮助剤又はこれらの組合せ物のうちの1種以上を乾燥ブレンド、結合剤水溶液又はこれらの両方に添加するステップをさらに含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
複数の顆粒を含む、口腔用使用に対して構築された製品であって、顆粒が、少なくとも1種のフィラー;液状結合剤、少なくとも1種の糖アルコール;及び活性成分、着香剤又はこれらの両方を含む、製品。
【請求項25】
少なくとも1種のフィラーが、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、マルトデキストリン、コメデンプン及びこれらの組合せからなる群から選択されるフィラーを含み、
液状結合剤がポリビニルピロリドンを含み、
少なくとも1種の糖アルコールがマンニトールを含み、
少なくとも1種の活性成分がミリングされた非タバコボタニカル材料である、
請求項24に記載の製品。
【請求項26】
製品が、外側表面を有する圧縮ペレット又は錠剤の形態であり、かつ外側表面にコーティングをさらに備え、コーティングが着香剤を含む、請求項25に記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒトへの使用を目的とする製品に関する。本製品は、口腔用使用、並びに使用中の香味料及び/又は活性成分などの物質の送達に適応している。このような製品はタバコ由来の製品を含んでもよいし、又はタバコを含まない代替品であってもよい。
【背景技術】
【0002】
タバコは、いわゆる「無煙」の形態で楽しむことができる。特に人気のある無煙タバコ製品は、いくつかの形態の加工タバコ又はタバコ含有配合物を使用者の口に挿入することにより利用される。このような無煙タバコ製品に対する従来のフォーマットとして、湿潤型嗅ぎタバコ、スヌース及び噛みタバコが挙げられ、これらは通常、粒状、顆粒状、又は刻みタバコでほぼ全体が形成され、使用者により分割される、又は個々の部分、例えば、使い捨てパウチ若しくは小袋に入れて使用者に提供される。無煙製品の他の従来の形態として、圧縮形態又は凝集形態、例えば、プラグ、錠剤、又はペレットが挙げられる。代替の製品フォーマット、例えば、タバコ含有ガム及びタバコと他の植物材料との混合物などもまた公知である。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Schwartzの米国特許第1,376,586号;Pittmanらの米国特許第4,513,756号;Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,528,993号;Storyらの米国特許第4,624,269号;Tibbettsの米国特許第4,991,599号;Townsendの米国特許第4,987,907号;Sprinkle、IIIらの米国特許第5,092,352号;Whiteらの米国特許第5,387,416号;Williamsの米国特許第6,668,839号;Williamsの米国特許第6,834,654号;Atchleyらの米国特許第6,953,040号;Atchleyらの米国特許第7,032,601号;及びAtchleyらの米国特許第7,694,686号;Williamsの米国特許公開第2004/0020503号;Quinterらの米国特許公開第2005/0115580号;Stricklandらの米国特許公開第2006/0191548号;Holton,Jr.らの米国特許公開第2007/0062549号;Holton,Jr.らの米国特許公開第2007/0186941号;Stricklandらの米国特許公開第2007/0186942号;Dubeらの米国特許公開第2008/0029110号;Robinsonらの米国特許公開第2008/0029116号;Robinsonらの米国特許公開第2008/0173317号;Neilsenらの米国特許公開第2008/0209586号;Essenらの米国特許公開第2009/0065013号;及びAtchleyの米国特許公開第2010/0282267号、並びにArnarpらのWO2004/095959に記載の無煙タバコ配合物、成分及び加工方法の種類を参照されたい。
【0003】
タバコ材料を様々な結合剤及びフィラーと組み合わせる無煙タバコ製品の構成は、ロゼンジ剤、パステル剤、ゲル剤、押出し形態などを含む例示的製品フォーマットで最近提案されている。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Engstromらの米国特許出願公開第2008/0196730号;Crawfordらの米国特許出願公開第2008/0305216号;Kumarらの米国特許出願公開第2009/0293889号;Gaoらの米国特許出願公開第2010/0291245号;Muaらの米国特許出願公開第2011/0139164号;Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0037175号;Huntらの米国特許出願公開第2012/0055494号;Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0138073号;Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0138074号;Holton,Jr.の米国特許出願公開第2013/0074855号;Holton,Jr.の米国特許出願公開第2013/0074856号;Muaらの米国特許出願公開第2013/0152953号;Jacksonらの米国特許出願公開第2013/0274296号;Moldoveanuらの米国特許出願公開第2015/0068545号;Marshallらの米国特許出願公開第2015/0101627号;及びLampeらの米国特許出願公開第2015/0230515号に記載されている製品の種類を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第1376586号明細書
【特許文献2】米国特許第4513756号明細書
【特許文献3】米国特許第4528993号明細書
【特許文献4】米国特許第4624269号明細書
【特許文献5】米国特許第4991599号明細書
【特許文献6】米国特許第4987907号明細書
【特許文献7】米国特許第5092352号明細書
【特許文献8】米国特許第5387416号明細書
【特許文献9】米国特許第6668839号明細書
【特許文献10】米国特許第6834654号明細書
【特許文献11】米国特許第6953040号明細書
【特許文献12】米国特許第7032601号明細書
【特許文献13】米国特許第7694686号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0020503号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2005/0115580号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2006/0191548号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2007/0062549号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2007/0186941号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2007/0186942号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2008/0029110号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2008/0029116号明細書
【特許文献22】米国特許出願公開第2008/0173317号明細書
【特許文献23】米国特許出願公開第2008/0209586号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2009/0065013号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2010/0282267号明細書
【特許文献26】国際公開第2004/095959号
【特許文献27】米国特許出願公開第2008/0196730号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2008/0305216号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0293889号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2010/0291245号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2011/0139164号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2012/0037175号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2012/0055494号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2012/0138073号明細書
【特許文献35】米国特許出願公開第2012/0138074号明細書
【特許文献36】米国特許出願公開第2013/0074855号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2013/0074856号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2013/0152953号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2013/0274296号明細書
【特許文献40】米国特許出願公開第2015/0068545号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開第2015/0101627号明細書
【特許文献42】米国特許出願公開第2015/0230515号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(簡単な要旨)
本開示は、概して、口腔用使用に対して構築された製品を提供する。本製品は、1種以上のフィラー及び少なくとも1種の糖アルコールを含む。本製品は、概して、少なくとも1種の香味剤、少なくとも1種の活性成分又は香味剤と活性成分の両方の少なくとも1種を含む。驚くべきことに、本開示によれば、ある特定の湿潤物質、例えばミリングされた非タバコボタニカル材料及び抽出物が本製品に存在すると、結合剤水溶液との乾燥ブレンドの湿式顆粒化を使用して一層均一な製品が得られることが見出された。特に、本開示方法は、粘性又は粘着性を示す、非タバコボタニカル材料及び/又は着香剤を含む製品を調製する際に利点がある。製品組成物中にこのような物質が存在すると、このような混合物を錠剤に効果的に圧縮することが不可能になり、このような組成物の加工を困難にする。本明細書において開示されている顆粒化方法は、潜在的な加工の問題、例えば、流動性の不良、均一性の欠如、凝集などを最小限にし、顆粒物質が所与の形状、例えば、ペレット又は錠剤に効果的に圧縮され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、一態様において、本開示は、口腔用使用に対して構築された製品を調製する方法であって、少なくとも1種のフィラー、少なくとも1種の糖アルコール、及び活性成分、着香剤又はこれらの両方をブレンドして乾燥ブレンドを形成するステップ、及び乾燥ブレンドと結合剤水溶液との組合せ物を顆粒化して、複数の顆粒を形成させるステップを含む、方法を提供する。
【0007】
一部の実施形態において、乾燥ブレンドは、活性成分及び着香剤を含む。一部の実施形態において、乾燥ブレンドは、活性成分を含み、着香剤を実質的に含まない。
【0008】
一部の実施形態において、顆粒は、約60μm~500μmの範囲のサイズを有する。
【0009】
一部の実施形態において、本方法は、複数の顆粒を所定の形状に圧縮するステップをさらに含む。一部の実施形態において、所定の形状は、ペレット又は錠剤である。
【0010】
一部の実施形態において、本方法は、前記圧縮するステップの前に、複数の顆粒と少なくとも1種の着香剤若しくは流動助剤、又はこれらの両方を混合するステップをさらに含む。一部の実施形態において、本方法は、前記圧縮するステップの前に、複数の顆粒を少なくとも1種の着香剤及び流動助剤と混合するステップをさらに含む。一部の実施形態において、流動助剤は、微結晶性セルロース、シリカ、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、カルナウバ(canauba)ワックス及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0011】
一部の実施形態において、本方法は、製品にコーティング用組成物を施用するステップをさらに含む。一部の実施形態において、コーティング用組成物は、セルロース系材料を含む。一部の実施形態において、コーティング用組成物は、着香剤を含む。
【0012】
一部の実施形態において、少なくとも1種のフィラーは、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、マルトデキストリン、コメデンプン又はこれらの組合せを含む。
【0013】
一部の実施形態において、結合剤水溶液は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン及びこれらの組合せからなる群から選択される結合剤を含む。一部の実施形態において、結合剤水溶液は、ポリビニルピロリドンを含む。
【0014】
一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、エリスリトール、イソマルト、マルチトール、マンニトール、ソルビトール及びこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、マンニトールである。
【0015】
一部の実施形態において、活性成分は、ニコチン成分、ボタニカル材料、栄養補給食品、刺激剤、アミノ酸、ビタミン及びカンナビノイドからなる群から選択される。一部の実施形態において、活性成分は、非タバコボタニカル材料である。一部の実施形態において、非タバコボタニカル材料は、ミリングされた形態である、又は抽出物の形態である。
【0016】
一部の実施形態において、口腔用使用に対して構築された製品は、組成物の総乾燥重量に対して、遊離塩基として計算すると、約0.001~約10重量%のニコチン成分を含む。
【0017】
一部の実施形態において、口腔用使用に対して構築された製品は、存在するニコチン成分のいずれも除き、タバコ材料を実質的に含まない。
【0018】
一部の実施形態において、本方法は、塩、甘味剤、緩衝化剤、着色剤、湿潤剤、オーラルケア添加剤、保存剤、崩壊助剤、流動助剤、圧縮助剤又はこれらの組合せ物のうちの1種以上を乾燥ブレンド、結合剤水溶液又はこれらの両方に添加するステップをさらに含む。
【0019】
別の態様において、複数の顆粒を含む、口腔用使用に対して構築された製品であって、顆粒が、少なくとも1種のフィラー;少なくとも1種の糖アルコール;セルロースエーテル、ポリビニルピロリドン又はこれらの組合せ;及び活性成分、着香剤又はこれらの両方を含む、製品が提供される。
【0020】
一部の実施形態において、少なくとも1種のフィラーは、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、マルトデキストリン、コメデンプン及びこれらの組合せからなる群から選択されるフィラーを含み、少なくとも1種の糖アルコールは、マンニトールを含み、少なくとも1種の活性成分は、ミリングされた非タバコボタニカル材料である。
【0021】
一部の実施形態において、本製品は、外側表面を有する圧縮ペレット又は錠剤の形態であり、かつ前記外側表面にコーティングをさらに備え、コーティングは、着香剤を含む。
【0022】
本開示は、以下の実施形態を制限なしに含む。
【0023】
実施形態1:口腔用使用に対して構築された製品を調製する方法であって、少なくとも1種のフィラー、少なくとも1種の糖アルコール、及び活性成分、着香剤又はこれらの両方をブレンドして乾燥ブレンドを形成するステップ、及び乾燥ブレンドと結合剤水溶液との組合せ物を顆粒化して、複数の顆粒を形成させるステップを含む、方法。
【0024】
実施形態2:乾燥ブレンドが、活性成分及び着香剤を含む、実施形態1の方法。
【0025】
実施形態3:乾燥ブレンドが活性成分を含み、着香剤を実質的に含まない、実施形態1の方法。
【0026】
実施形態4:顆粒が、約60μm~500μmの範囲のサイズを有する、実施形態1~3のいずれか1つの方法。
【0027】
実施形態5:複数の顆粒を所定の形状に圧縮するステップをさらに含む、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
【0028】
実施形態6:所定の形状がペレット又は錠剤である、実施形態1~5のいずれか1つの方法。
【0029】
実施形態7:前記圧縮するステップの前に、複数の顆粒と少なくとも1種の着香剤若しくは流動助剤、又はこれらの両方を混合するステップをさらに含む、実施形態1~6のいずれか1つの方法。
【0030】
実施形態8:前記圧縮するステップの前に、複数の顆粒を少なくとも1種の着香剤及び流動助剤と混合するステップをさらに含む、実施形態1~7のいずれか1つの方法。
【0031】
実施形態9:流動助剤が、微結晶性セルロース、シリカ、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、カルナウバワックス及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~8のいずれか1つの方法。
【0032】
実施形態10:製品にコーティング用組成物を施用するステップをさらに含む、実施形態1~9のいずれか1つの方法。
【0033】
実施形態11:コーティング用組成物がセルロース系材料を含む、実施形態1~10のいずれか1つの方法。
【0034】
実施形態12:コーティング用組成物が着香剤を含む、実施形態1~11のいずれか1つの方法。
【0035】
実施形態13:少なくとも1種のフィラーが、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、マルトデキストリン、コメデンプン又はこれらの組合せを含む、実施形態1~12のいずれか1つの方法。
【0036】
実施形態14:結合剤水溶液が、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン及びこれらの組合せからなる群から選択される結合剤を含む、実施形態1~13のいずれか1つの方法。
【0037】
実施形態15:結合剤水溶液がポリビニルピロリドンを含む、実施形態1~14のいずれか1つの方法。
【0038】
実施形態16:少なくとも1種の糖アルコールが、エリスリトール、イソマルト、マルチトール、マンニトール、ソルビトール及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~15のいずれか1つの方法。
【0039】
実施形態17:少なくとも1種の糖アルコールがマンニトールである、実施形態1~16のいずれか1つの方法。
【0040】
実施形態18:活性成分が、ニコチン成分、ボタニカル材料、栄養補給食品、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、カンナビノイド、カンナビメティクス、テルペン及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~17のいずれか1つの方法。
【0041】
実施形態19:活性成分が非タバコボタニカル材料である、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
【0042】
実施形態20:非タバコボタニカル材料が、ミリングされた形態である、又は抽出物の形態である、実施形態1~19のいずれか1つの方法。
【0043】
実施形態21:口腔用使用に対して構築された製品が、組成物の総乾燥重量に対して、遊離塩基として計算すると、約0.001~約10重量%のニコチン成分を含む、実施形態1~20のいずれか1つの方法。
【0044】
実施形態22:口腔用使用に対して構築された製品が、存在するニコチン成分のいずれも除き、タバコ材料を実質的に含まない、実施形態1~21のいずれか1つの方法。
【0045】
実施形態23:塩、甘味剤、緩衝化剤、着色剤、湿潤剤、オーラルケア添加剤、保存剤、崩壊助剤、流動助剤、圧縮助剤又はこれらの組合せ物のうちの1種以上を乾燥ブレンド、結合剤水溶液又はこれらの両方に添加するステップをさらに含む、実施形態1~22のいずれか1つの方法。
【0046】
実施形態24:複数の顆粒を含む、口腔用使用に対して構築された製品であって、顆粒が、少なくとも1種のフィラー;セルロースエーテル、ポリビニルピロリドン又はこれらの組合せ;少なくとも1種の糖アルコール;及び活性成分、着香剤又はこれらの両方を含む、製品。
【0047】
実施形態25:少なくとも1種のフィラーが、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、マルトデキストリン、コメデンプン及びこれらの組合せからなる群から選択されるフィラーを含み、少なくとも1種の糖アルコールが、マンニトールを含み、少なくとも1種の活性成分が、ミリングされた非タバコボタニカル材料である、実施形態24の製品。
【0048】
実施形態26:製品が、外側表面を有する圧縮ペレット又は錠剤の形態であり、かつ前記外側表面にコーティングをさらに備え、コーティングが着香剤を含む、実施形態25の製品。
【0049】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、添付の図と一緒に以下の詳細な説明を読むことで明らかとなり、図は以下に簡単に説明されている。本発明には、上述の実施形態のうちの2つ、3つ、4つ、又はこれよりも多くの任意の組合せ、並びに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つ、又はこれよりも多くの特徴又は要素の組合せが、このような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わせられているかどうかに関わらず、含まれている。本開示は、全体的に読み取るように意図されているので、特に文脈が明確に他を指示しない限り、開示された発明の任意の分離可能な特徴又は要素は、その様々な態様及び実施形態のいずれかにおいて結合可能なことが意図されていると見なされるべきである。
【0050】
前述の本開示の態様を一般的な用語で説明してきたが、こうして記載してきたが、ここからは添付の図について言及する。ただし、添付の図は必ずしもスケール通りに描かれているとは限らない。図は単なる例であり、本開示を限定するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本開示の製品の例示的実施形態の斜視図である。
図2】ある幅、長さ及び厚さを有する錠剤の形態の本開示の製品の別の例示的実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本開示は、概して、口腔用使用に対して構築された製品を調製する方法であって、少なくとも1種のフィラー、少なくとも1種の糖アルコール、及び活性成分、着香剤又はこれらの両方をブレンドして乾燥ブレンドを形成するステップ、及び乾燥ブレンドと結合剤水溶液との組合せ物を顆粒化して、複数の顆粒を形成させるステップを含む、方法を提供する。
【0053】
驚くべきことに、本開示によれば、ある特定の湿潤物質、例えば、ミリングされた非タバコボタニカル材料又は抽出物及び/又は着香剤を含み、粘性又は粘着性を示す、口腔用使用に対して構築された製品の調製において、結合剤水溶液との乾燥ブレンドの湿式顆粒化の使用により、一層均一な製品がもたらされることが見出された。上記でない場合、製品組成物におけるこのような付着性物質の存在により、加工が困難となり、錠剤に効果的に圧縮され得ない。特に、本法は、非タバコボタニカル材料を含む製品の調製に有利である。本明細書において開示される顆粒化方法は、潜在的な加工問題、例えば、流動性の不良、均一性の欠如、凝集などが最小限になる。
【0054】
本開示は、これより、この例示的実施形態を参照して、本明細書のこれ以降にさらに完全に記載される。これらの例示的実施形態は、本開示が十分かつ完全となるように記載され、本開示の範囲を当業者に完全に伝達するものである。実際に、本開示は、多数の異なる形態で具現化され得、本明細書において説明されている実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用可能な法的要件を満足するよう提供されている。本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、特に文脈が明確に他を指示しない限り、複数の指示対象を含む。「乾燥重量パーセント」又は「乾燥重量基準」と言う場合、乾燥成分(すなわち、水を除く全成分)を基準にした重量を指す。「湿潤重量」という言及は、水を含めた製品の重量を指す。特に示さない限り、製品の「重量パーセント」と言う場合、製品の全湿潤重量(すなわち、水を含む)を反映する。
【0055】
口腔用製品
本明細書に記載されている口腔用使用に対して構築された製品は、1種以上のフィラー;セルロースエーテル、ポリビニルピロリドン又はこれらの組合せ;少なくとも1種の糖アルコール;及び少なくとも1種の香味剤、少なくとも1種の活性成分、又はこれらの両方を含む。製品内の様々な成分の相対量は、異なってもよく、通常、所望の感覚性及び性能特徴を製品にもたらすように選択される。本製品の例示的な個々の成分は、本明細書の以下に記載されている。
【0056】
フィラー
本明細書に記載されている製品は、少なくとも1種以上のフィラーを含む。フィラーは、複数の機能、例えば、ある特定の感覚刺激特性、例えば、テキスチャー及び口当たりを増強する、製品の粘着性又は圧縮性を増強することなどを満たすことができる。適切なフィラーの非限定例として、以下に限定されないが、アルギネート、海藻親水コロイド、セルロースエーテルを含むセルロース系材料、デンプン、ガム、デキストラン、カラギーナン、プルラン、ゼイン及びこれらの組合せが含まれる。一般的に、フィラーは、多孔質粒状材料であり、多くの場合、セルロースベースである。例えば、適切なフィラーは、任意の非タバコ植物材料又はその誘導体であり、このような供給源由来のセルロース材料を含む。セルロース系非タバコ植物材料の例として、穀物(例えば、トウモロコシ、カラスムギ、オオムギ、ライムギ、ソバなど)、テンサイ(例えば、International fiber Corporationから入手可能なFIBREX(登録商標)ブランドフィラー)、ふすま繊維及びこれらの混合物が挙げられる。非タバコ植物材料の誘導体の非限定的例として、デンプン(例えば、ジャガイモ、竹、小麦、米、トウモロコシ由来のもの)、天然セルロース及び修飾セルロース系材料が挙げられる。
【0057】
「デンプン」とは、本明細書において使用される場合、任意の供給源からの純粋なデンプン、加工デンプン、又はデンプン誘導体を指すことができる。デンプンは通常、ほとんどすべての緑色植物において、及び様々な種類の植物組織及び器官(例えば、種子、葉、根茎、根、塊茎、新芽、果実、穀粒及び茎)において顆粒状の形態で存在する。デンプンは、組成並びに顆粒の形状及びサイズが異なってもよい。多くの場合、異なる供給源由来のデンプンは異なる化学的及び物理的な特徴を有する。特定のデンプンは、特定の感覚刺激特性を製品に付与するデンプン材料の能力に基づき、製品内への包含に対して選択され得る。様々な供給源由来のデンプンが使用され得る。例えば、デンプンの主要な供給源として、穀物(例えば、米、小麦及びトウモロコシ)及び根菜類(例えば、ジャガイモ及びキャッサバ)が挙げられる。デンプンの供給源の他の例として、ドングリ、アロールート、アラカチャ、バナナ、オオムギ、マメ(例えば、ソラマメ、レンズマメ、ヤエナリ、エンドウマメ、ひよこマメ)、パンノキ、ソバ、カンナ、クリ、コロカシア、カタクリ、クズ、マランガ、雑穀、カラスムギ、オカ、ポリネシアンアロールート、サゴ、ソルガム、サツマイモ、キノア、ライムギ、タピオカ、タロイモ、タバコ、シログワイ及びヤムが挙げられる。ある特定のデンプンは加工デンプンである。加工デンプンは、1種以上の構造的変化が施され、多くの場合、その高い熱特性を変化させるように設計されている。一部のデンプンは遺伝子組換えにより開発され、「加工」デンプンと見なされている。他のデンプンが得られ、続いて、変性される。例えば、加工デンプンは、化学反応、例えば、エステル化、エーテル化、酸化、酸触媒作用若しくは塩基の存在下での酸化による脱重合(低粘調化)、漂白、グリコシル基転移及び脱重合(例えば、触媒の存在下でのデキストリン化)、架橋、酵素処理、アセチル化、ヒドロキシプロピル化並びに/又は部分加水分解が施されたデンプンとすることができる。他のデンプンは加熱処理、例えば、アルファ化、デキストリン化及び/又は冷水膨潤プロセスにより修飾される。ある特定の加工デンプンとして、リン酸化デンプン、グリセロール架橋デンプン、トリメタリン酸ナトリウムによりエステル化したリン酸架橋デンプン、リン酸化リン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、無水酢酸によりエステル化した酢酸デンプン、酢酸ビニルでエステル化した酢酸デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化グリセロール架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン、ヒドロキシプロピル化グリセロール架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムが挙げられる。一部の実施形態において、フィラーは、コメデンプンを含む。
【0058】
一部の実施形態において、フィラーは、セルロース材料を含む。本明細書に記載されている製品における使用に対して特に適切なフィラーの1種は、微結晶性セルロース(「mcc」)である。MCCは合成であっても、半合成であってもよく、又は全面的に天然セルロースから得ることもできる。MCCは、AVICEL(登録商標)グレードPH-100、PH-102、PH-103、PH-105、PH-112、PH-113、PH-200、PH-300、PH-302、VIVACEL(登録商標)グレード101、102、12、20及びEMOCEL(登録商標)グレード50M及び90Mなど、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。一部の実施形態において、製品は、mccを含む。本明細書に記載されている製品中に存在するmccの量は、所望の特性により異なり得る。
【0059】
一部の実施形態において、フィラーは、セルロース誘導体、例えば、セルロースエーテル(カルボキシアルキルエーテルを含む)を含み、これはセルロース構造中の1つ以上のヒドロキシル基の水素がアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアリール基により置き換えられたセルロースポリマーを意味する。このようなセルロース誘導体の非限定的例として、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(「CMC」)が挙げられる。適切なセルロースエーテルには、Aqualon Co.製のKlucel Hなどのヒドロキシプロピルセルロース;DuPont製のMethocel K4MSなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース;Aqualon Co.製のNatrosol250 MRCSなどのヒドロキシエチルセルロース;DuPont製のMethocel A4M、K4M及びE15などのメチルセルロース;並びにAqualon Co.製のCMC 7HF、CMC 7LF及びCMC 7H4Fなどのカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。一部の実施形態において、少なくとも1種のフィラーは、1種以上のセルロースエーテル(例えば、単一セルロースエーテル、又は例えば、2種若しくは3種などの数種のセルロースエーテルからなる組合せ物)である。一部の実施形態において、フィラーは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの組合せからなる群から選択される、セルロースエーテルである。一部の実施形態において、少なくとも1種のフィラーは、カルボキシメチルセルロースである。
【0060】
他の適切なフィラーは、ガム、例えば天然ガムを含む。本明細書において使用される場合、天然ガムとは、結合特性を有し、増粘剤又はゲル化剤としても有用である天然起源の多糖材料を指す。植物由来の代表的な天然ガムは、通常ある程度水溶性であるが、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、トラガカントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム及びこれらの組合せが挙げられる。
【0061】
潜在的なフィラーの追加例として、マルトデキストリン、デキストロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、キシリトール及びソルビトールが挙げられる。一部の実施形態において、フィラーは、炭酸カルシウムを含む。一部の実施形態において、フィラーは、マルトデキストリンを含む。
【0062】
フィラーの組合せもまた使用することができる。一部の実施形態において、フィラーは、炭酸カルシウム、マルトデキストリン、微結晶性セルロース及びコメデンプンの組合せ物である。
【0063】
フィラーの量は異なってもよいが、通常、製品の総重量に対して、重量基準で製品の最大約40パーセントである。製品内のフィラーの典型的な範囲は、製品の総重量基準で、約10~約40パーセント、例えば、約10、約15、約20又は約25から、約30、約35又は約40重量パーセント(例えば、約20~約40重量パーセント又は約25~約35重量パーセント)までであることができる。ある特定の実施形態において、フィラーの量は、製品の総重量に対して、少なくとも約10重量パーセント、例えば、少なくとも約15パーセント、少なくとも約20パーセント、少なくとも約25パーセント、少なくとも約30パーセント又は少なくとも約35パーセントである。製品が、1種より多いフィラーを含む実施形態において、フィラーの明記されている重量基準は、製品の総湿潤重量に対して、フィラーの組合せ物の総重量を反映することに理解すべきである。
【0064】
糖アルコール
本明細書に記載されている製品は、少なくとも1種の糖アルコールを含む。糖アルコールは部分的又は完全に水素化された形態を有する、単糖又は二糖由来のポリオールである。糖アルコールは、例えば、約4~約20個の炭素原子を有し、エリスリトール、アラビトール、リビトール、イソマルト、マルチトール、ズルシトール、イジトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール及びこれらの組合せ(例えば、水素化デンプン加水分解物)が挙げられる。イソマルトは、2種の二糖の等モル混合物であり、各々は、以下の2種の糖からなる:グルコース及びマンニトール(α-D-グルコピラノシド-1,6-マンニトール);及びグルコース及びソルビトール(α-D-グルコピラノシド-1,6-ソルビトール)。一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、エリスリトール、イソマルト、マルチトール、マンニトール、ソルビトール及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0065】
一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、イソマルトを含む。一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、イソマルトである。一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、マルチトールを含む、又はマルチトールである。一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、マンニトールを含む。
【0066】
一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、2種又は3種もの糖アルコールの組合せ物である。一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、グルコースとデンプン由来多糖との混合物を含む、又はこれらの混合物である。グルコース及びデンプン由来多糖のこのような適切な混合物の1つは、JRS PHARMA LP(米国、2981 Route22、Patterson、NY12563-2359)から入手可能なEMDEX(登録商標)である。一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、イソマルト及びEMDEX(登録商標)の組合せ物を含む。一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、イソマルト及びEMDEX(登録商標)の組合せである。一部の実施形態において、少なくとも1種の糖アルコールは、イソマルト及びマルチトールの組合せである。
【0067】
糖アルコールの総量は、異なり得るが、通常、製品の総重量に対して、製品の約5重量%超、及び最大で約30重量%である。製品内の糖アルコールの典型的な範囲は、例えば、約5、約10又は約15から、約20、約25又は約30重量%まですることができる。
【0068】

製品の含水量は、製品の使用者による使用前に、所望の特性に応じて異なってもよい。通常、本製品は、約15重量%未満の水であり、一般に、製品の総重量に対して、約0.1~約10重量%、例えば、約0.1~約1、約1~約10又は約1~約5重量%の水である。
【0069】
活性成分
本明細書において開示されている製品は、ある特定の実施形態において、活性成分を含む。本明細書で使用される場合、「活性成分」とは、以下のカテゴリーのいずれかに属する1種以上の物質を指す:API(医薬品有効成分)、食品添加物、天然薬剤及びヒトに対して作用を有し得る天然由来物質。例示的活性成分として、1種以上の体内の生物学的機能に影響を及ぼすことが公知の任意の成分、例えば、疾患の診断、治癒、軽減、治療、若しくは予防において、薬理学的活性又は他の直接的作用をもたらす、又はヒトの身体の構造又は任意の機能に影響を与える成分(例えば、中枢神経系に刺激作用をもたらす、活発化作用、解熱作用若しくは鎮痛作用、又は身体に有用な他の作用を有する)が挙げられる。一部の実施形態では、活性成分は、一般的に栄養補助食品、栄養補給食品、「植物化学作用物質」又は「機能性食品」と呼ばれる種類であってもよい。これらの種類の添加剤は、1種以上の有利な生物学的作用(例えば、健康促進、疾患予防、又は他の薬理作用)を提供するが、薬物として分類されても、規制されてもいない天然由来の供給源(例えば、ボタニカル材料)から通常入手可能な物質を包含するように当技術分野で定義される場合もある。
【0070】
活性成分の非限定例には、ボタニカル成分(例えば、ヘンプ、ラベンダー、ペパーミント、ユーカリ、ルイボス、フェンネル、クローブ、カモミール、バジル、ローズマリー、クローブ、カンキツ、ショウガ、アサ、ニンジン、マカ及びハーブ茶)、刺激剤(例えば、カフェイン又はガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン)、ビタミン(例えば、B6、B12及びC)、抗酸化剤、ニコチン成分、医薬品成分(例えば、栄養補給食品及び薬用成分)、カンナビノイド(例えば、テトラヒドロカンナビノール(THC)又はカンナビジオール(CBD))及び/又はメラトニンのカテゴリーに収まるものが挙げられる。これらのカテゴリーのそれぞれがさらに以下の本明細書に記載されている。活性成分の特定の選択は、特定製品の所望の香味料、テキスチャー及び所望の特徴に応じて異なる。
【0071】
さらに、活性成分の上記のタイプのいずれも、以下に限定されないが、カフェイン、ビタミンA及び鉄(Fe)を含む、これらの活性物質の化学分解を回避するため、又は強い味覚を低減するために、組成物中、最終製品中、又はこれらの両方にカプセル化されてもよい。さらに、これらのカプセル化された活性物質は、これらの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティーを増大させるために、組成物内の賦形剤と対を形成しなければならないこともある。これらの賦形剤の非限定的例として、ベータ-カロテン、リコペン、ビタミンD、ビタミンE、コエンザイムQ10、ビタミンK及びクルクミンが挙げられる。
【0072】
存在する活性成分の特定のパーセンテージは、特定の製品の所望の特徴に応じて異なる。通常、活性成分又はこれらの組合せは、製品の少なくとも約0.001重量%、例えば、約0.001重量%~約20重量%の範囲の総濃度で存在する。一部の実施形態において、活性成分又は活性成分の組合せは、製品の総重量に対して、約0.1%w/w~約10重量%、例えば、約0.5%w/w~約10重量%、約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%の濃度で存在する。一部の実施形態において、活性成分又は活性成分の組合せは、製品の総重量に対して、約0.001重量%、約0.01重量%、約0.1重量%又は約1重量%から、約20重量%まで、例えば、約0.001重量%、約0.002重量%、約0.003重量%、約0.004重量%、約0.005重量%、約0.006重量%、約0.007重量%、約0.008重量%、約0.009重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%又は約20重量%までの濃度で存在する。特定の活性成分のさらに適切な範囲は、本明細書の以下に提示されている。
【0073】
ボタニカル
一部の実施形態では、活性成分はボタニカル成分を含む。本明細書で使用される場合、「ボタニカル成分」又は「ボタニカル」という用語は、任意の植物材料又は菌類由来の材料(その天然形態での植物材料を含む)及び天然植物材料由来の植物材料、例えば、植物材料又は処理した植物材料からの抽出物又は分離物(例えば、材料の物理的及び/又は化学的性質を改変することが可能な加熱処理、発酵、漂白、又は他の処理プロセスに供された植物材料)を指す。本開示の目的のため、「ボタニカル」には、これらに限定されないが、「薬草材料」が含まれ、この薬草材料とは、持続性の木質組織を生み出さず、多くの場合、これらの薬用特性又は感覚特性(例えば、茶又はハーブ茶)に対して評価されている種子生成植物を指す。一部の実施形態において、活性成分は、非タバコボタニカル材料を含む。「非タバコ」とボタニカル材料を言及する場合、タバコ材料を除外することが意図される(すなわち、いかなるニコチアナ(Nicotiana species)属種も含まない)。存在する場合、ボタニカル(例えば、非タバコボタニカル材料)は、通常、組成物の総重量に対して、約0.01w/w%~約10重量%、例えば、約0.01%w/w、約0.05w/w%、約0.1w/w%又は約0.5w/w%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%又は約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%又は約15重量%までの濃度である。本開示に有用なボタニカル(例えば、非タバコボタニカル)材料は、制限なしに、これらの混合物を含めた、本明細書において記載の化合物及び供給源のいずれかを含むことができる。この種類のある特定の非タバコボタニカル材料は、時には栄養補助食品、栄養補給食品、「植物化学作用物質」又は「機能性食品」と呼ばれる。ある特定のボタニカルは、ボタニカル材料又はボタニカル抽出物として、従来の薬草薬における使用が見出され、本明細書でさらに記載されている。植物又は植物由来の材料の非限定的例として、アシュワガンダ、バコパ・モニエラ(Bacopa monniera)、バオバブ、バジル、センテラ・アジアチカ(Centella asiatica)、チャイフー、カモミール、サクラの花、クロロフィル、シナモン、カンキツ、クローブ、ココア、ノムシタケ属(cordyceps)、クルクミン、ダミアナ、ドルステニア・アリフォリア(Dorstenia arifolia)、ドルステニア・オドラータ(Dorstenia odorata)、エッセンシャルオイル、ユーカリ、フェンネル、ガルフィミア・グラウカ(Galphimia glauca)、ショウガ、ギンコ・ビロバ(Ginkgo biloba)、ニンジン(例えば、パナックス・ジンセン(Panax ginseng))、緑茶、グリフォニア・シンプリシフォリア(Griffonia simplicifolia)、ガラナ、大麻、ホップ、ジャスミン、カエンフェリア・パルビフローラ(Kaempferia parviflora)(ウコン)、カバ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、甘草、ルテイン、マカ、マッチャ、ナルドスタキス・チネンシス(Nardostachys chinensis)、ビオラ・オドラータ(Viola odorata)の油ベースの抽出物、ペパーミント、ケルセチン、リスベラトロール、リゾマ・ガストロジアエ(Rhizoma gastrodiae)、ロディオラ(Rhodiola)、ルイボス(rooibos)、ローズエッセンシャルオイル、ローズマリー、スケレチウム・トルトゥオスム(Sceletium tortuosum)、チョウセンゴミシ、スカルキャップ、スペアミント抽出物、スパイクナード、テルペン、ハーブ茶、ターメリック、トゥルネラ・アフロディシアカ(Turnera aphrodisiaca)、バレリアン、クワ及びイェルバマテが挙げられる。一部の実施形態において、ボタニカル材料はカプセル化された形態で存在する。
【0074】
一部の実施形態において、非タバコボタニカル材料はミリングされた形態で存在する。ミリングされた形態の非タバコボタニカル材料は、ある範囲の粒径を有することができる。例えば、一部の実施形態において、ミリングされた非タバコボタニカル材料は、約0.05mm~約1mmの粒径を有する。ある場合において、非タバコボタニカル材料粒子は、必要とされる粒径範囲を得るため、スクリーンメッシュを通過するサイズにすることができる。
【0075】
一部の実施形態において、非タバコボタニカル材料は、抽出物の形態で存在する。「ボタニカル抽出物」は、本明細書において使用する場合、抽出プロセスにおいて固体のボタニカル材料と接触させる溶媒(例えば、水、アルコールなど)により、固形のボタニカル材料から抽出される非タバコボタニカル材料の単離された成分を指す。固体ボタニカル材料の様々な抽出技法を使用して、ボタニカル材料抽出物を得ることができる。
【0076】
一部の実施形態において、非タバコボタニカル材料はレモンバームを含む。レモンバーム(メリッサ・オフィキナリス(Melissa officinalis))は、ミント(シソ科(Lamiaceae))と同じ科に由来する穏やかなレモンのよい香りがする薬草である。薬草は欧州、北アフリカ及び西アジアを原産とする。レモンバームの茶、並びにエッセンシャルオイル及び抽出物は伝統的な薬及び代替薬として使用されている。一部の実施形態において、非タバコボタニカル材料はレモンバーム抽出物を含む。一部の実施形態において、レモンバーム抽出物は、製品の総重量に対して、約1~約4重量%の量で存在する。
【0077】
一部の実施形態において、非タバコボタニカル材料は、ニンジンを含む。ニンジンは、パナックス属(Panax)植物の根であり、独特なステロイドサポニン植物化学作用物質(ジンセノシド)及びジントニンの存在を特徴とする。ニンジンは、エナジードリンク又は薬草茶及び伝統的な薬において栄養補助食品としての使用を見出している。栽培種として、チョウセンニンジン(P.ジンセン(P.Ginseng))、サンシチニンジン(P.ノトジンセン(P.notoginseng))及びアメリカニンジン(P.キンケフォリウス(P.quinquefolius))が挙げられる。アメリカニンジン及びチョウセンニンジンは、存在する様々なジンセノシドの種類及び量が異なる。一部の実施形態において、ニンジンは、アメリカニンジン又はチョウセンニンジンである。特定の実施形態において、非タバコボタニカル材料は、チョウセンニンジンを含む。一部の実施形態において、ニンジンは、製品の総重量に対して、約0.4~約0.6重量%の量で存在する。
【0078】
刺激剤
一部の実施形態では、活性成分は1種以上の刺激剤を含む。本明細書で使用される場合、「刺激剤」という用語は、中枢神経系及び/又は身体の活性を増加させる、例えば、集中、認知、活力、気分、警戒などを増強する材料を指す。刺激剤の非限定的例として、カフェイン、テアクリン、テオブロミン及びテオフィリンが挙げられる。テアクリン(1,3,7,9-テトラメチル尿酸)はカフェインと構造的に関係しているプリンアルカロイドであり、刺激作用、鎮痛作用及び抗炎症作用を有する。存在する刺激剤は天然のものでも、自然に由来するものでも、又は完全に合成のものであってもよい。例えば、ある特定のボタニカル材料(ガラナ、茶、コーヒー、ココアなど)は、例えば、カフェイン又は関連アルカロイドの存在により刺激作用を有することができ、したがって「天然の」刺激剤である。「自然に由来する」とは、刺激剤(例えば、カフェイン、テアクリン)は、その天然(例えば、ボタニカル)マトリックスの外側が精製された形態であることを意味する。例えば、カフェインは、ボタニカル供給源(例えば、茶)からの抽出及び精製により得ることができる。「完全に合成による」とは、刺激剤が化学合成により得られることを意味する。
【0079】
一部の実施形態では、活性成分はカフェインを含む。一部の実施形態において、活性成分は、テアクリンを含む。一部の実施形態において、活性成分は、カフェインとテアクリンの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分はカフェインである。一部の実施形態では、カフェインはカプセル化された形態で存在する。カプセル化されたカフェインの1つの例は、Balchem Corp.、52 Sunrise Park Road、New Hampton、NY、10958から入手可能なVitashure(登録商標)である。
【0080】
存在する場合、刺激剤又は刺激剤の組合せ(例えば、カフェイン、テアクリン、及びこれらの組合せ)は通常、製品の総重量に対して、約0.1%w/w~約15重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、又は約0.9%w/wから、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までの濃度である。
【0081】
アミノ酸
一部の実施形態では、活性成分はアミノ酸を含む。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、アミン(-NH)及びカルボキシル(-COOH)又はスルホン酸(SOH)官能基を、側鎖(R基)と共に含有する有機化合物を指す。これは、各アミノ酸に特異的である。アミノ酸はタンパク質原性であっても、非タンパク質原性であってもよい。「タンパク質原性」とは、アミノ酸がタンパク質中に見出される20種の天然由来アミノ酸のうちの1種であることを意味する。タンパク質原性アミノ酸として、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンが挙げられる。「非タンパク質原性」とは、アミノ酸がタンパク質中に自然に見出されないか、細胞機構により直接生成されない(例えば、翻訳後修飾の生成物である)ことを意味する。非タンパク質原性アミノ酸の非限定的例として、γ-アミノ酪酸(GABA)、タウリン(2-アミノエタンスルホン酸)、テアニン(L-γ-グルタミルエチルアミド)、ヒドロキシプロリン及びβ-アラニンが挙げられる。
【0082】
一部の実施形態において、アミノ酸は、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン又はこれらの組合せである。一部の実施形態において、アミノ酸はタウリンである。一部の実施形態において、活性成分は、タウリンとカフェインの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、タウリン、カフェイン及びガラナの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、タウリン、マカ及びノムシタケ属(cordyceps)の組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、テアニン及びカフェインの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、テアニン及びGABAの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、製品の総重量に対して、約5~約10重量%の量のテアニン、及び約5~約10重量%の量のGABAを含む。一部の実施形態において、活性成分は、テアニン、GABA及びレモンバームの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、カフェイン、タウリン及びビタミンCの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、カフェイン、テアニン及びニンジンの組合せである。一部の実施形態において、活性成分は、タウリンを含む。
【0083】
アミノ酸又はアミノ酸の組合せ(例えば、タウリン、テアニン及びこれらの組合せ)は、存在する場合、通常、製品の総重量に対して、約0.1%w/w~約15重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2w/w%、約0.3w/w%、約0.4w/w%、約0.5w/w%、約0.6w/w%、約0.7w/w%、約0.8w/w%又は約0.9w/w%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%又は約15重量%までの濃度である。
【0084】
ビタミン及びミネラル
一部の実施形態では、活性成分はビタミン又はビタミンの組合せを含む。本明細書で使用される場合、「ビタミン」という用語は、哺乳動物における代謝の適正な機能に必要とされる主要な微量栄養素である有機分子(又は関連する分子のセット)を指す。ヒトの代謝には13種のビタミンが必要とされ、これらは以下の通りである:ビタミンA(all-trans-レチノール、all-trans-レチニル-エステル、並びにall-trans-β-カロテン及び他のプロビタミンAカロチノイド)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸又はフォレート)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール及びトコトリエノール)及びビタミンK(キノン)。
【0085】
存在する場合、ビタミン又はビタミンの組合せ(例えば、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンC又はこれらの組合せ)は、通常、製品の総重量に対して、約0.01%w/w~約1重量%、例えば、約0.01w/w%、約0.02w/w%、約0.03w/w%、約0.04w/w%、約0.05w/w%、約0.06w/w%、約0.07w/w%、約0.08w/w%、約0.09w/w%、又は約0.1w/w%から、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%又は約1重量%までの濃度である。
【0086】
一部の実施形態において、ビタミンは、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンC又はこれらの組合せである。一部の実施形態において、活性成分は、ビタミンB6、カフェイン及びテアニンの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、ビタミンB6、ビタミンB12及びタウリンを含む。一部の実施形態において、活性成分は、ビタミンB6、ビタミンB12、ニンジン及びテアニンの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、ビタミンC、バオバブ及びクロロフィルの組合せを含む。
【0087】
一部の実施形態において、活性成分は、ビタミンAを含む。一部の実施形態において、ビタミンAはカプセル化されている。
【0088】
一部の実施形態において、活性成分は、ミネラルを含む。本明細書において使用される場合、「ミネラル」という用語は、哺乳動物における様々な系の適正な機能に必要とされる必須微量栄養素である無機分子(又は、関連する分子のセット)を指す。ミネラルの非限定例には、鉄、亜鉛、銅、セレン、クロム、コバルト、マンガン、カルシウム、リン、硫黄、マグネシウムなどが含まれる。一部の実施形態において、活性成分は鉄を含む。適切な鉄源には、以下に限定されないが、第一鉄の塩、例えば、硫酸第一鉄及びグルコン酸第一鉄が含まれる。一部の実施形態において、鉄はカプセル化されている。
【0089】
一部の実施形態において、本明細書に記載されている活性成分は、口腔用製品の加工中又は保管時に、分解(例えば、酸化的、光分解、熱的、蒸発)を受けやすいことがある。このような実施形態において、活性成分(例えば、カフェイン、ビタミンA及び鉄(Fe))は、カプセル化される、又はマトリックスが特にフィラー、結合剤などにより改変されて、活性成分に安定性の増強をもたらすことができる。例えば、結合剤、例えば、機能性セルロース(例えば、セルロースエーテル、以下に限定されないが、ヒドロキシプロピルセルロースを含む)を使用して、このような活性物の分解に対する安定性を増強することができる。さらに、カプセル化した活性物は、その溶解度及び/又は生体利用率を増大するため、組成物中に賦形剤と一対になる必要があることがある。適切な賦形剤の非限定例には、ベータ-カロテン、リコペン、ビタミンD、ビタミンE、補酵素Q10、ビタミンK及びクルクミンが含まれる。
【0090】
他の実施形態において、活性成分の重量基準での所望の濃度をもたらすため、活性成分の最初の量が増量されて、分解が徐々に起こる喪失分を補ってもよい。したがって、本明細書において開示されている量よりも多い初期量が、本開示によって企図される。
【0091】
抗酸化剤
一部の実施形態において、活性成分は1種以上の抗酸化剤を含む。本明細書で使用される場合、「抗酸化剤」という用語は、フリーラジカル反応を終結させることによって、酸化を防止又は抑制する物質を指し、一部の種類の細胞損傷を遅延又は防止することができる。抗酸化剤は天然由来でも、又は合成でもよい。天然由来の抗酸化剤として、食物及びボタニカル/薬草材料に見出されるものが挙げられる。抗酸化剤の非限定的例として、ある特定のボタニカル/薬草材料、ビタミン、ポリフェノール及びフェノール誘導体が挙げられる。
【0092】
抗酸化性特徴を伴うボタニカル/薬草材料の例として、制限なしで、アサイーベリー、アルファルファ、オールスパイス、アナトーシード、アンズ油、バジル、ビーバーム、野生型ベルガモット、黒コショウ、ブルーベリー、ルリジサ種子油、キランソウ、カカオ、カラマスルート、イヌハッカ、カツアバ、カイエンペッパー、チャガマッシュルーム、チャービル、シナモン、ダークチョコレート、ジャガイモの皮、ブドウ種、ニンジン、イチョウ、セイヨウオトギリ、ノコギリヤシ、緑茶、紅茶、ブラックコホシュ、カイエン、カモミール、クローブ、ココア粉末、クランベリー、タンポポ、グレープフルーツ、ハニーブッシュ、エキナセア、ニンニク、イブニングプリムローズ、ナツシロギク、ショウガ、ゴールデンシール、サンザシ、ハイビスカスの花、アマチャヅル、カバ、ラベンダー、甘草、ハナハッカ、オオアザミ、ミント(マント)、ウーロン茶、ビート根、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、ペニーロイヤル、ペパーミント、赤色クローバ、ルイボス(レッド又はグリーン)、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、クラリーセージ、セイボリー、スペアミント、スピルリナ、スリッペリーエルムバーク、ソルガムふすま高タンニン、ソルガム種子高タンニン、スマックふすま、ヒレハリソウの葉及び根、ゴジベリー、ゴツコーラ、タイム、ターメリック、ウバウルシ、バレリアン、野生型ヤムの根、ウィンターグリーン、ヤーコンの根、イエロードック、イェルバマテ、イェルバサンタ、バコパ・モニエラ、アシュワガンダ、ヤマブシタケ及びシリバム・マリアナム(silybum marianum)が挙げられる。このような薬草材料は新鮮なまま又は乾燥させた形態、エッセンシャルオイルで提供されてもよいし、又は抽出物の形態であってもよい。薬草材料(並びにこれらの抽出物)は、多くの場合、抗酸化作用をもたらすことが公知の様々なクラスの化合物、例えば、ミネラル、ビタミン、イソフラボン、フィトステロール(phytoesterols)、硫化アリル、ジチオールチオン、イソチオシアネート、インドール、リグナン、フラボノイド、ポリフェノール及びカロチノイドを含む。ボタニカル抽出物又は油に見出される化合物の例として、アスコルビン酸、ピーナッツ内果皮、リスベラトロール、スルフォラファン、β-カロテン、リコペン、ルテイン、コエンザイムQ、カルニチン、ケルセチン、ケンフェロールなどが挙げられる。例えば、Santhoshら、Phytomedicine、12(2005)216~220頁を参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0093】
他の適切な抗酸化剤の非限定的例として、クエン酸、ビタミンE又はその誘導体、トコフェロール、エピカテコール、エピガロカテコール、没食子酸エピガロカテコール、エリソルビン酸、エリトルビン酸ナトリウム、4-ヘキシルレソルシノール、テアフラビン、テアフラビンモノガレートA又はB、テアフラビンジガレート、フェノール酸、グリコシド、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ヒペロシド、ポリフェノール、カテコール、リスベラトロール、オレウロペイン、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)及びこれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態において、抗酸化剤はビタミンE又はこの誘導体、フラボノイド、ポリフェノール、カロチノイド又はこれらの組合せである。
【0094】
抗酸化剤は、存在する場合、通常、製品の総重量に対して、約0.001%w/w~約10重量%、例えば、約0.001%w/w、約0.005%w/w、約0.01%w/w、約0.05%w/w、約0.1%w/w、又は約0.5%w/wから、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%までの濃度である。
【0095】
カンナビノイド
一部の実施形態では、活性成分は1種以上のカンナビノイドを含む。本明細書で使用される場合、「カンナビノイド」という用語は、脳内の神経伝達物質放出を変化させる、細胞内のカンナビノイド受容体(すなわち、CB1及びCB2)に作用するクラスの多様な天然又は合成化学化合物を指す。カンナビノイドは、特定の特性、例えば、血液脳関門を簡単に横断する能力などを示す環式の分子である。カンナビノイドは、植物、例えばアサなどからの天然由来(植物性カンナビノイド)であっても、動物由来(内在性カンナビノイド)であっても、又は人為的に製造されたもの(合成カンナビノイド)であってもよい。アサ種は、少なくとも85種の異なる植物性カンナビノイドを発現し、これらはカンナビゲロール、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール及びカンナビノジオール、及び他のカンナビノイド、例えば、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)及びカンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、トラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変化形(CBNV)、カンナビノトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)を含むサブクラスに分割することができる。
【0096】
一部の実施形態では、カンナビノイドは、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)及びカンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、トラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変化形(CBNV)、カンナビノトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一部の実施形態において、カンナビノイドは少なくともテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む。一部の実施形態において、カンナビノイドはテトラヒドロカンナビノール(THC)である。一部の実施形態において、カンナビノイドは少なくともカンナビジオール(CBD)を含む。一部の実施形態において、カンナビノイドはカンナビジオール(CBD)である。一部の実施形態において、CBDは合成CBDである。とりわけ、CBDはlogP値約6.5を有し、これによって水性環境内(例えば、唾液)で不溶性となる。
【0097】
一部の実施形態において、カンナビノイド(例えば、CBD)は、分離物の形態で口腔用製品に添加される。分離物とは、植物、例えば、アサからの抽出物であり、目的の活性物質(この場合カンナビノイド、例えば、CBD)は、高度の純度で、例えば、95%より大きい、96%より大きい、97%より大きい、98%より大きい、又は99%の周辺の純度で存在する。
【0098】
一部の実施形態において、カンナビノイドは、高度の純度でのCBDの分離物であり、口腔用製品中のいずれか他のカンナビノイドの量は、口腔用製品の約1重量%以下、例えば、口腔用製品の約0.5重量%以下、例えば、口腔用製品の約0.1重量%以下、例えば、口腔用製品の約0.01重量%以下である。
【0099】
開示された口腔用製品内に存在し得るカンナビノイドの選択及びその特定のパーセンテージは、口腔用製品の所望の香味料、テキスチャー、及び他の特徴に応じて変動することになる。
【0100】
一部の実施形態において、カンナビノイド(CBDなど)は、組成物中に、口腔用製品の少なくとも約0.001重量%、例えば、口腔用製品の約0.001重量%~約2重量%の範囲の濃度で存在する。一部の実施形態において、カンナビノイド(CBDなど)は、組成物中に、組成物の総重量に対して、約0.1重量%~約1.5重量%の濃度で存在する。一部の実施形態において、カンナビノイド(CBDなど)は、口腔用組成物の総重量に対して、約0.4濃度%~約1.5重量%の濃度で存在する。
【0101】
代替的に、又はカンナビノイドに加え、活性成分は、カンナビメティクスを含んでもよい。これは、カンナビノイドと同様にエンドカンナビノイド系に対する生物学的作用を有する、アサ以外の植物由来のクラスの化合物である。例として、ヤンゴニン、アルファ-アミリン又はベータ-アミリン(テルペンとしても分類される)、シアニジン、クルクミン(ターメリック)、カテキン、ケルセチン、サルビノリンA、N-アシルエタノールアミン、及びN-アルキルアミド脂質が挙げられる。このような化合物は、カンナビノイドに関して本明細書において明記したものと同量及び同じ比で使用され得る。
【0102】
テルペン
本開示における使用に適した活性成分はまたテルペンとして分類され得、このうちの多くは生物学的作用、例えば、沈静作用を伴う。テルペンは、一般式(Cを有すると考えられ、モノテルペン、セスキテルペン及びジテルペンを含む。テルペンは非環式、単環式又は二環式の構造であることができる。一部のテルペンは、カンナビノイド又はカンナビメティクスと組み合わせて使用された場合、アントラージュ効果を提供する。例として、ベータ-カリオフィレン、リナロール、リモネン、ベータ-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(アルファ又はベータ)、ゲラニオール、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソ-メントン、ピペリトン、ミルセン、ベータ-ブルボネン及びゲルマクレンが挙げられ、これらは個々に又は組み合わせて使用することができる。
【0103】
一部の実施形態では、テルペンは、植物性カンナビノイド生成植物、例えば、カンナビス・サティヴァ種、例えば、大麻の株の植物から誘導可能なテルペンである。この関連で適切なテルペンとして、いわゆる「C10テルペン」(10個の炭素原子を含むようなテルペン)、及びいわゆる「C15テルペン」(15個の炭素原子を含むようなテルペン)が挙げられる。一部の実施形態では、活性成分は1種より多くのテルペンを含む。例えば、活性成分は、本明細書で定義された、1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種又はそれよりも多くのテルペンを含むことができる。一部の実施形態では、テルペンは、ピネン(アルファ及びベータ)、ゲラニオール、リナロール、リモネン、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソ-メントン、ピペリトン、ミルセン、ベータ-ブルボネン、ゲルマクレン及びこれらの混合物から選択される。
【0104】
医薬品成分
一部の実施形態において、活性成分は、活性医薬成分(API)を含む。APIは、治療用、予防用又は診断用の使用に適応した任意の公知の薬剤であることができる。これらは、例えば、合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖及び他の糖、脂質、リン脂質、無機化合物(例えば、マグネシウム、セレン、亜鉛、硝酸塩)、神経伝達物質又はその前駆体(例えば、セロトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、オキシトリプタン、アセチルコリン、ドーパミン、メラトニン)及び核酸配列を含むことができ、これらは治療的、予防的又は診断用活性を有する。APIの非限定的例として、鎮痛剤及び解熱剤(例えば、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、3-(4-イソブチルフェニル)プロパン酸)、ホスファチジルセリン、ミオイノシトール、ドコサヘキサエン酸(DHA、オメガ-3)、アラキドン酸(AA、オメガ-6)、S-アデノシルメチオニン(SAM)、ベータ-ヒドロキシ-ベータ-メチルブチレート(HMB)、シチコリン(シチジン-5’-ジホスフェート-コリン)及びコチニンが挙げられる。
【0105】
APIの量は、存在する場合、異なってもよい。例えば、存在する場合、APIは、通常、製品の総重量に対して、約0.001%w/w~約10重量%、例えば、約0.01w/w%、約0.02w/w%、約0.03w/w%、約0.04w/w%、約0.05w/w%、約0.06w/w%、約0.07w/w%、約0.08w/w%、約0.09w/w%、約0.1%w/w、約0.2w/w%、約0.3w/w%、約0.4w/w%、約0.5w/w%、約0.6w/w%、約0.7w/w%、約0.8w/w%、約0.9w/w%又は約1w/w%から、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%又は約10重量%までの濃度である。
【0106】
一部の実施形態において、組成物は、実質的にいかなるAPIも含まない。「実質的にいかなるAPIも含まない」とは、該組成物が、本明細書において定義された任意のAPI、例えば、任意の医学的状態を処置することが意図される食品医薬品局(FDA)承認治療剤のいずれの存在も含まないこと、及び具体的に除外することを意味する。
【0107】
ニコチン成分
ある特定の実施形態において、活性成分は、ニコチン成分を含む。「ニコチン成分」とは、存在するニコチンの少なくとも一部分の経口吸収をもたらすための、任意の適切な形態のニコチン(例えば、遊離塩基又は塩)を意味する。
【0108】
ニコチン源は、様々であってもよく、天然物であってもよく、又は合成物であってもよい。最も好ましくは、ニコチンは天然物であり、ニコチアナ属種(例えば、タバコ)から抽出物として得られる。ニコチンは、エナンチオマー形態S(-)-ニコチン、R(+)-ニコチン、又はS(-)-ニコチンとR(+)-ニコチンの混合物を有することができる。最も好ましくは、ニコチンはS(-)-ニコチンの形態(例えば、実質的にはすべてS(-)-ニコチンである形態)又は主に若しくは大部分S(-)-ニコチン(例えば、約95重量部のS(-)-ニコチンと約5重量部のR(+)-ニコチンで構成される混合物)で構成されるラセミ混合物である。最も好ましくは、ニコチンは、実質的に純粋な形態で又は本質的に純粋な形態で利用される。利用される極めて好ましいニコチンは、重量基準で、約95パーセントより大きい、より好ましくは約98パーセントより大きい、最も好ましくはより大きい約99パーセントより大きい純度を有する。
【0109】
通常、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群から選択される。一部の実施形態において、ニコチン成分とは、遊離塩基形態のニコチンのことであり、これは、例えば、微結晶性セルロース材料に簡単に吸着されて、微結晶性セルロース-ニコチン担体複合体を形成することができる。例えば、Hanssonの米国特許出願第2004/0191322号における遊離塩基形態のニコチンの考察を参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
一部の実施形態では、ニコチン成分の少なくとも一部分は塩の形態で利用することができる。ニコチン塩は、Coxらの米国特許第2,033,909号及びPerfetti、Beitrage Tabakforschung Int.、12巻:43~54頁(1983年)に記載の種類の成分及び技術を使用して提供することができる。これは、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、ニコチンの塩は、例えば、Pfaltz and Bauer、Inc.及びK&K Laboratories、Division of ICN Biochemicals、Inc.などの供給源から入手可能である。通常、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基、ニコチン塩、例えば、塩酸塩、ジヒドロクロリド、モノ酒石酸塩、酒石酸水素塩、硫酸塩、サリチル酸塩及び塩化亜鉛ニコチンからなる群から選択される。一部の実施形態において、ニコチン成分は、酒石酸水素ニコチンである。一部の実施形態において、ニコチン成分は、安息香酸ニコチンを含む、又は安息香酸ニコチンである。
【0111】
一部の実施形態において、ニコチンの少なくとも一部分はニコチンポラクリレックスなどの、イオン交換樹脂でニコチンが結合している、ニコチンの樹脂複合体の形態であることができる。これは、例えば、Amberlite IRP64、Purolite C115HMR又はDoshion P551などのポリメタクリル酸に結合しているニコチンである。Lichtneckertらの米国特許第3,901,248号を参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれる。別の例は、ニコチン-ポリアクリルカルボマー複合体、例えば、Carbopol974Pのものである。一部の実施形態において、ニコチンは、ニコチンポリアクリル複合体の形態で存在することができる。一部の実施形態において、本組成物は、ニコチンポラクリレックスを含む。
【0112】
一部の実施形態において、本組成物中に存在する唯一のニコチンは、樹脂結合ニコチン(例えば、ニコチンポラクリレックス)の形態で加えられるものである。一部の実施形態において、本組成物は、樹脂結合ニコチン(例えば、ニコチンポラクリレックス)を含み、遊離塩基のニコチン、ニコチン塩、イオン対を形成したニコチン又はこれらの組合せをさらに含む。一部の実施形態において、本組成物中に存在するニコチンの少なくとも一部は、本明細書の以下においてさらに記載されているイオン対として存在する。
【0113】
通常、ニコチン成分(遊離塩基として計算)は、存在する場合、製品の少なくとも約0.001重量%、例えば、約0.001%~約10%の範囲の濃度にある。一部の実施形態において、ニコチン成分は、遊離塩基として計算され、製品の総重量に対して、約0.1%w/w~約10重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2w/w%、約0.3w/w%、約0.4w/w%、約0.5w/w%、約0.6w/w%、約0.7w/w%、約0.8w/w%又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%又は約10重量%までの濃度で存在する。一部の実施形態において、ニコチン成分は、遊離塩基として計算すると、製品の総重量に対して、約0.1%w/w~約3重量%、例えば約0.1%w/w~約2.5重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.1重量%~約1.5重量%又は約0.1重量%~約1重量%の濃度で存在する。存在するニコチンの総量は、ニコチンの遊離塩基、ニコチン塩、イオン対形成したニコチン及び樹脂結合ニコチン(例えば、ニコチンポラクリレックス)のいずれかの様々な組合せ物などの、1種超のニコチン源によってもたらされてもよい。
【0114】
一部の実施形態において、製品又は本開示の製品は、任意のニコチン成分を完全に含まない、又は実質的に含まないことを特徴とすることができる(例えば、本明細書において開示されているいずれの実施形態も、いかなるニコチン成分を完全に又は実質的に含まないことがある。)。「実質的に含まない」とは、例えば、ボタニカル材料中に自然に存在し得る微量を超えて、いかなるニコチンも意図的に添加されていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、遊離塩基として計算された0.001重量%未満のニコチン、又は0.0001重量%未満のニコチン、又はさらに0重量%未満のニコチンを有することを特徴とすることができる。
【0115】
一部の実施形態において、活性成分はニコチン成分を含む(例えば、本開示の製品のいずれも、本明細書において開示されている任意の活性成分又は活性成分の組合せを含むことに加えて、ニコチン成分をさらに含むことができる。)。一部の実施形態において、活性成分は、ニコチンとニンジンの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、ニコチン及びカフェインの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、ニコチン及びガラナの組合せを含む。
【0116】
一部の実施形態において、本明細書に記載されている活性成分は、口腔用製品の加工中又は保管時に、分解(例えば、酸化、光分解、熱、蒸発)を受けやすいことがある。このような実施形態において、活性成分(例えば、カフェイン、ビタミンA及び鉄(Fe))は、カプセル化され得る、又はマトリックスが、他の方法でフィラー、結合剤などにより改変されて、活性成分への安定性の増強を実現することができる。例えば、結合剤、例えば、機能性セルロース(例えば、セルロースエーテル、以下に限定されないが、ヒドロキシプロピルセルロースを含む)を使用して、分解に対するこのような活性物の安定性を増強することができる。さらに、カプセル化した活性物は、その溶解度及び/又は生体利用率を増大するため、組成物中に賦形剤と対を形成する必要があることがある。適切な賦形剤の非限定的例として、ベータ-カロテン、リコペン、ビタミンD、ビタミンE、コエンザイムQ10、ビタミンK及びクルクミンが挙げられる。
【0117】
他の実施形態において、活性成分の重量基準での所望の濃度をもたらすため、活性成分の最初の量を増量して、分解が徐々に起こる喪失分を補ってもよい。したがって、本明細書において開示されている量よりも多い最初の量が、本開示によって企図される。
【0118】
漂白した活性成分
一部の実施形態において、本組成物は、本明細書において開示されている活性成分を含み、活性成分は、漂白されていることを特徴とする。このような漂白された活性成分は、口腔用製品の使用中に歯の変色を例えば予防することが望ましいことがある、又はその結果、本製品の使用後に使用者の口内に留まる残留物のいずれも目視可能ではなく、残留物に接触することがある衣類などの繊維材料への染みを引き起こす可能性は低い。「漂白された」活性成分とは、活性成分(例えば、ボタニカル材料又はその誘導体)を意味し、これは、その天然状態で、色が付いており、色を軽減又は排除するために処理されている。「色」とは、赤色、青色、黄色(原色)、又は原色の組合せに由来する茶色、オレンジ色、緑色、紫色などの名称による色の分類により説明されるヒトの視覚を特徴付けるものを意味する。色のこのような感覚は、物体から反射される光の波長により、この物体に関連する可視スペクトルにおける電磁放射線によるヒトの眼中の錐体細胞の刺激から導かれる。この反射は、例えば、電磁スペクトル全体の吸収スペクトル及び発光スペクトルなどの、物体の物理特性によって支配される。
【0119】
電磁スペクトルの可視範囲の光を反射する、その中の天然化学化合物のために、ある特定の活性成分は、活性成分(例えば、それぞれ、緑色及び茶色の原因になる、ある特定のボタニカル材料中のクロロフィル又は顔料分解生成物)に色を付与する。このような化学化合物又はその一部は、活性成分の色の原因になり、化学的に改変されていることがあり、又は様々な処理によって除去されることがある。一部の実施形態において、処理は、天然化合物の重量に対し、電磁スペクトルの可視範囲の波長の極大透過率を有する活性成分中に存在する化学物質の少なくとも70%を取り除くのに有効である。例えば、このような処理は、活性成分の可視色の原因となる天然化合物の70%、80%、90%、95%、99%、又は100%さえも取り除くのに有効なことがある。
【0120】
一部の実施形態において、漂白のための処理(すなわち、活性成分に由来する有色化学化合物の改変又は除去)には、抽出、化学的漂白、又はこれらの組合せが挙げられる。特に適切な抽出方法の1つは、超臨界二酸化炭素(CO)抽出である。タバコを含めた例えばボタニカル材料の化学漂白方法は、公知であり、非限定例として、過酸化水素、オゾン又は他の酸化剤による処理を含む。例えば、漂白した活性成分(例えば、漂白したボタニカル材料又はタバコ材料)は、様々な漂白剤又は酸化剤を使用する様々な白化方法によって生成され得る。例示的酸化剤として、過酸化物(例えば、過酸化水素)、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、オゾン、アンモニア、過マンガン酸カリウム及びこれらの組合せが挙げられる。酸化触媒が使用され得る。例示的酸化触媒は二酸化チタン、二酸化マンガン及びこれらの組合せである。
【0121】
漂白タバコに公知の漂白方法は、本活性成分に適用されてもよい。漂白剤を用いてタバコを処理するためのプロセスは、例えば、すべて本明細書に参照により組み込まれている、Daniels,Jr.の米国特許第787,611号;Oelenheinzの米国特許第1,086,306号;Dellingの米国特許第1,437,095号;Rosenhochの米国特許第1,757,477号;Hawkinsonの米国特許第2,122,421号;Baierの米国特許第2,148,147号;Baierの米国特許第2,170,107号;Baierの米国特許第2,274,649号;Pratsらの米国特許第2,770,239号;Rosenの米国特許第3,612,065号;Rosenの米国特許第3,851,653号;Rosenの米国特許第3,889,689号;Minamiの米国特許第3,943,940号;Rosenの米国特許第3,943,945号;Rainerの米国特許第4,143,666号;Campbellの米国特許第4,194,514号;Rainerらの米国特許第4,366,823号、米国特許第4,366,824号及び米国特許第4,388,933号;Schmekelらの米国特許第4,641,667号;Bergerの米国特許第5,713,376号;Byrd Jr.らの米国特許第9,339,058号;Beesonらの米国特許第9,420,825号;並びにByrd Jr.らの米国特許第9,950,858号;並びにBjorkholmらの米国特許出願公開第2012/0067361号;Crooksの米国特許出願公開第2016/0073686号;Bjorkholmの米国特許出願公開第2017/0020183号;及びBjorkholmの米国特許出願公開第2017/0112183号、並びにGiolvasのPCT公開出願第WO1996/031255号及びBjorkholmのPCT公開出願第WO2018/083114号において論じられている。
【0122】
一部の実施形態において、漂白された活性剤、又は漂白された活性剤を含む組成物若しくは製品は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%又は少なくとも約80%のISO白色度を有することができる。一部の実施形態において、漂白された活性剤、又は漂白された活性剤を含む組成物若しくは製品は、約50%~約90%、約55%~約75%又は約60%~約70%の範囲のISO白色度を有することができる。ISO白色度は、ISO3688:1999又はISO2470-1:2016に従い測定することができる。
【0123】
一部の実施形態において、漂白された活性剤は、未処理活性剤と比較して、明色化した色を特徴とすることができる(例えば、「白色化」)。白色の色は多くの場合国際照明委員会(International Commission on Illumination(CIE))の色度図を参照して定義される。漂白された活性剤、又は漂白された活性剤を含む組成物若しくは製品は、ある特定の実施形態において、色度図において、未処理活性剤、又は未処理活性剤を含む組成物若しくは製品よりも純粋な白色により近いことを特徴とすることができる。
【0124】
漂白された活性成分、組成物、及びこのような成分を含むパウチ製品の白度値は、対照製品と比較した、例えば、携帯式色彩色差計を用いて、国際照明員会(CIE)モデルに準拠して決定することができる(「Precise Color Communication;Color Control from Perception to Instrumentation」、Konica Minolta、2007;http://konicaminolta.com/instruments/about/networkを参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれている。)。白色からの変色は、式WI=3.388Z-3Y(式中、Y及びZは、CIE三刺激値であり、携帯式計測器により測定される。)を使用し、ASTM法のE313に準拠して、E313白度指数によって評価され得る。
【0125】
香味剤
一部の実施形態において、本明細書に記載されている製品は、香味剤を含む。本明細書で使用される場合、「香味剤」又は「着香剤」は、口腔用製品に伴う感覚特性を改変することが可能な任意の風味豊かな又は香りの良い物質である。香味剤で修正することができる感覚特性の例として、味覚、口当たり、湿り気、冷却/加熱及び/又は香料/芳香が挙げられる。香味剤は天然又は合成であってよく、これによりもたらされる香味料の性質は、制限なしで、フレッシュ、スイート、ハーバル、菓子類、フローラル、フルーティー、又はスパイシーと記載することができる。特定の種類の香味料として、これらに限定されないが、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、ビャクダン、蜂蜜、ジャスミン、ショウガ、アニス、セージ、甘草、レモン、オレンジ、リンゴ、桃、ライム、サクランボ、イチゴ、パイナップル及びこれらの任意の組合せが挙げられる。Leffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products、R.J.Reynolds Tobacco Company(1972)もまた参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれる。香味剤としてまた、湿潤剤、冷却剤又は平滑化剤であると考えられる構成成分、例えば、ユーカリを挙げることができる。これらの香味料は、純粋(すなわち、単独)又は複合体で提供されてもよく、濃縮物又は香味料パッケージ(例えば、スペアミント及びメントール、オレンジ及びシナモン;ライム、パイナップルなど)として利用されてもよい。構成成分の代表的な種類はまた、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Whiteらの米国特許第5,387,416号;Stricklandらの米国特許出願公開第2005/0244521号;及びQuinterらPCT出願WO05/041699号に記載されている。ある場合において、香味剤は、噴霧乾燥形態又は液体形態で提供されてもよい。
【0126】
製品において利用される香味剤の量は異なってもよいが、通常、約10重量パーセントまでであり、ある特定の実施形態は、製品の総重量に対して、少なくとも約0.1重量%、例えば、約0.5~約10重量パーセント、約1~約5重量パーセント又は約2~約4重量パーセントの香味剤含有量であることを特徴とする。
【0127】
甘味剤
本開示による製品の感覚特性を改善するため、1種以上の甘味剤が添加されてもよい。甘味剤は、天然若しくは人工の形態、又は天然甘味剤と人工甘味剤の組合せとして、任意の甘味剤又は甘味剤の組合せであることができる。天然甘味剤の例として、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、ステビア、蜂蜜などが挙げられる。人工甘味料の例として、スクラロース、イソマルツロース、マルトデキストリン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテームなどを含む。一部の実施形態において、甘味剤は、スクラロース、アセスルファムK又はこれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態において、甘味剤は、スクラロースである。
【0128】
甘味剤又は甘味剤の組合せ物は、存在する場合、製品の重量基準で、約0.01~約20%又はそれ超、例えば、製品の総重量に対して、約0.01~約0.1重量%、約0.1~約1重量%、約1~約5重量%、約5~約10重量%又は約10~約20重量%を構成することができる。一部の実施形態において、甘味剤又は甘味剤の組合せ物は、製品の約0.01重量%~約0.1重量%、例えば、製品の約0.01、約0.02、約0.03、約0.04、約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09又は約0.1重量%の濃度で存在する。一部の実施形態において、甘味剤又は甘味剤の組合せ物は、製品の約0.1重量%~約0.5重量%、例えば、製品の約0.1、約0.2、約0.3、約0.4又は約0.5重量%の濃度で存在する。一部の実施形態において、甘味剤又は甘味剤の組合せ物は、製品の総重量に対して、製品の約0.5重量%~約3重量%、例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約2又は約3重量%の濃度で存在する。
【0129】

一部の実施形態において、製品は、通常、所望の官能属性が製品にもたらされるのに十分な量で利用される塩(例えば、アルカリ金属塩)を含む。一部の実施形態において、ある特定の塩はまた、電界質として働くことができる、又は電解質と相乗作用して働くことができる。例えば、理論によって拘泥されることを望むものではないが、クエン酸ナトリウムは、ナトリウム(電解質)源と、他の電解質及び水の吸収の手助けの両方を実現し得る。適切な塩の非限定的例として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、粉塩、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。一部の実施形態において、塩は、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム又はこれらの組合せである。一部の実施形態において、塩は塩化ナトリウムである。
【0130】
塩の代表的な量は、存在する場合、約0.5重量%以上、約1.0重量%以上又は約1.5重量%以上であるが、通常、製品の総重量の約10重量%以下、又は約7.5重量%以下、又は約5重量%以下(例えば、約0.5~約5重量%)を構成する。特定の実施形態において、製品は、製品の総重量に対して、約1~約3重量%の量の塩化ナトリウムを含む。
【0131】
味覚改質剤
本明細書において開示されている製品の感覚刺激特性を改善するため、製品は、例えば、本明細書に記載されている製品の風味をマスクする、改変する、遮断する又は改善する働きをすることができる、1種以上の味覚修飾剤(「味覚改質剤」)を含んでもよい。このような味覚改質剤の非限定例には、鎮痛性又は麻酔性ハーブ、スパイス及び香味料を含み、これらは、清涼感(例えば、メントール、ユーカリ、ミント)、温まり(例えば、シナモン)又は疼痛(例えば、カプサイシン)の感覚を生じる。ある特定の味覚改質剤は、1種超の重なる分類に収まる。
【0132】
一部の実施形態において、味覚改質剤は、苦味、甘味、塩味又は酸味のうちの1つ以上を改変する。一部の実施形態において、味覚改質剤は、疼痛受容体を標的とする。一部の実施形態において、製品は、苦味を有する活性成分、及びこの苦味の感覚をマスク又は遮断する味覚改質剤を含む。一部の実施形態において、味覚改質剤は、例えば、別の構成成分(例えば、活性成分)の苦味をマスクするための、使用者の口腔内における疼痛受容体(例えば、バニロイド受容体)を標的とする物質である。適切な味覚改質剤として、以下に限定されないが、カプサイシン、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)、アデノシン一リン酸(AMP)、ラクチゾール、クエン酸ナトリウム又はこれらの組合せが含まれる。
【0133】
味覚改質剤の代表的な量は、存在する場合、約0.01重量%以上、約0.1重量%以上、又は約1.0重量%以上であるが、通常、製品の総重量の約10重量%未満(例えば、製品の総重量の約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%又は約0.5重量%から、約1重量%、約5重量%又は約10重量%まで)を構成する。
【0134】
イオン対形成
一部の実施形態において、本明細書において開示されている組成物は、塩基性アミンを含む。「塩基性アミン」とは、少なくとも1つの塩基性アミン官能基を含む分子を意味する。塩基性アミンの例には、以下に限定されないが、アルカロイドが含まれる。「塩基性アミン官能基」とは、電子の孤立電子対を有する窒素原子を含有する基を意味する。塩基性アミン官能基は、前記窒素原子への1つ以上の共有結合を介して、分子に結合している、又は分子内に組み込まれている。塩基性アミンは、一級、二級又は三級アミンであってもよく、窒素が、炭素原子への共有結合を1つ、2つ又は3つ有することを意味する。窒素原子上の孤立電子対のため、このようなアミンは、「塩基性」と称され、孤立電子対が水素結合に利用可能であることを意味する。塩基性アミンの塩基性(すなわち、窒素原子上の電子密度であり、したがって、水素結合の窒素原子への利用可能性及び強度)は、隣接原子の性質、分子の立体的な嵩高さなどによって影響を受け得る。
【0135】
一般に、塩基性アミンは、本明細書の上に記載されている通り、組成物中に存在する、又は組成物中の活性成分として存在する。当業者は、本明細書において定義される多数の活性成分が、塩基性アミンとして分類され得る分子からなることを認識している。したがって、このような塩基性アミン含有活性成分のイオン対は、本明細書に記載されている通りに企図される。一部の実施形態において、塩基性アミンは、カフェインである。一部の実施形態において、塩基性アミンは、ニコチン又はニコチン成分であり、各々は本明細書の上に記載されている通りである。一般に、塩基性アミン(例えば、ニコチン)は、組成物から放出され、口腔粘膜を介して吸収され、これによって、血流に入り、ここで、全身に循環される。
【0136】
一部の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、有機酸、このアルカリ金属塩、又はこれらの組合せ物を含み、各々は、本明細書の以下にさらに記載されている通りである。一部の実施形態において、塩基性アミンの少なくとも一部分は、有機酸又はこのアルカリ金属塩の少なくとも一部分と結合している。複数の変数(有機酸の濃度、pH、性質など)に応じて、組成物中に存在する塩基性アミンは、対を形成したイオン、溶液で(すなわち、完全に溶媒和して)、遊離塩基として、カチオンとして、塩として、又は任意のこれらの組合せを含めた複数の形態で存在することができる。一部の実施形態において、塩基性アミンと有機酸又はこのアルカリ金属塩の少なくとも一部分との間の結合は、塩基性アミンと有機酸の共役塩基との間のイオン対の形態である。
【0137】
イオン対形成とは、イオン対と呼ばれるはっきりと異なる化学種を形成するための比較的濃縮された溶液中の反対に荷電したイオンの部分的な結合について記載している。結合の強度(すなわち、イオン対形成)は、正イオンと負イオンとの間(すなわち、プロトン化された塩基性アミンと、有機酸の共役塩基)の引力の静電力に依存する。「共役塩基」とは、対応する酸の脱プロトン化から生成される塩基を意味する(例えば、安息香酸イオンは安息香酸の共役塩基)。平均して、これらイオン対のある特定の集団は、いかなる時点にも存在するが、イオン対の形成及び解離は連続的である。本明細書で開示されている組成物において、及び/又は前記組成物の口腔での使用の際に(例えば、唾液との接触の際に)、塩基性アミン及び有機酸の共役塩基は、イオン対の形態で少なくとも部分的に存在する。理論に制約されることを望むことなく、このようなイオン対形成は、塩基性アミンの化学分解を最小化する、及び/又は塩基性アミン(例えば、ニコチン)の口腔での利用の可能性を増強することができると考えられている。
【0138】
当業者は、消費者による使用前と使用中の両方において、開示組成物におけるイオン対形成の程度は、例えば、pH、組成物中に存在する有機酸の性質、塩基性アミンの濃度(例えば、ニコチン)、有機酸又は有機酸の共役塩基の濃度、組成物の含水量などに基づいて異なり得ることを認識している。当業者はまた、イオン対形成が前述の変数により影響される平衡過程であることを認識する。したがって、イオン対形成の範囲の定量化は困難であるか、又は計算又は直接的観察では不可能である。しかし、イオン対形成の存在は、代用の測定、例えばオクタノールと水との間の分配、又は例えばニコチンプラス有機酸及び/又はそれらの共役塩基の水溶液の膜透過により実証されることがある。特に、塩基性アミン-有機酸のイオン対のオクタノールへの分布に有利なオクタノール-水分配は、口腔粘膜を介して、組成物中に存在する塩基性アミンの良好な吸収を予測する。
【0139】
有機酸
本明細書の上に記載されている通り、一部の実施形態において、製品は、有機酸を含む。本明細書で使用される場合、「有機酸」という用語は、酸の特性により特徴付けられる有機(すなわち、炭素ベースの)化合物を指す。通常、有機酸は比較的弱酸(すなわち、これらは水の存在下で完全に分離しない)、例えば、カルボン酸(-COH)又はスルホン酸(-SOOH)である。本明細書で使用される場合、有機酸についての言及は、意図的に添加された有機酸を意味する。これに関連して、有機酸は、別の混合物の成分の構成成分として単に本来存在する有機酸(例えば、混合物成分、例えば、タバコ抽出物中に本来存在し得る少量の有機酸)とは対照的に、特定の混合物成分として意図的に添加することができる。
【0140】
適切な有機酸は通常ある範囲の親油性を有する(すなわち、水と有機の溶解度との適当な平衡を付与する両極性を有する)。親油性は、logP、親油性相と水相、普通それぞれオクタノールと水との間の分子の分配係数の点から好都合に測定される。通常、logPで示される適切な有機酸の親油性は、約1.4~約4.5(水中よりもオクタノール中でより溶解性がある。)の間で変動する。一部の実施形態では、有機酸は、約1.5~約4.0、例えば、約1.5、約2.0、約2.5、又は約3.0から、約3.5、約4.0、約4.5、又は約5.0までのlogP値を有する。特に適切な有機酸は、約1.7~約4、例えば、約2.0、約2.5、又は約3.0から、約3.5、又は約4.0までのlogP値を有する。特定の実施形態では、有機酸は約2.5~約3.5のlogP値を有する。一部の実施形態では、本明細書で以下にさらに記載されているように、この範囲の外側の有機酸もまた、様々な目的に対して及び様々な量で利用することができる。例えば、一部の実施形態では、有機酸は、約4.5より大きい、例えば、約4.5~約8.0のlogP値を有することができる。特に、ある特定の溶媒又は可溶化剤の存在(例えば、組成物中のグリセリン又はプロピレングリコールの包含)は親油性の範囲(すなわち、4.5より高いlogPの値、例えば、約4.5~約8.0)を延ばすことができる。
【0141】
理論に制約されることを望むことなく、中程度に親油性の有機酸(例えば、約1.4~約4.5のlogP)は、塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)とイオン対を生成し、これは、イオン対の良好なオクタノール-水分配をもたらし、こうして、水よりもオクタノールに活性成分(例えば、ニコチン)を分配する極性があると考えられる。オクタノールへのこのような分配は、活性成分の有利な口腔利用可能性を予測する。一部の実施形態において、有機酸は、約1.4~約4.5、例えば、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、約4又は約4.5のlogP値を有する。一部の実施形態において、有機酸は、約2.5~約3.5のlogP値を有する。
【0142】
一部の実施形態では、有機酸はカルボン酸又はスルホン酸である。カルボン酸又はスルホン酸官能基は、例えば、1~20個の炭素原子(C~C20)を有する任意のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール基に結合していてもよい。一部の実施形態では、有機酸はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールカルボキシル又はスルホン酸である。
【0143】
本明細書で使用される場合,「アルキル」は、任意の直鎖又は分枝鎖炭化水素を指す。アルキル基は飽和していてもよく(すなわち、すべてのsp炭素原子を有する)、又は不飽和であってもよい(すなわち、少なくとも1つの不飽和部位を有する)。本明細書で使用される場合、「不飽和の」という用語は、アルキル基内の1つ以上の位置における炭素-炭素、sp二重結合の存在を指す。不飽和のアルキル基は、単価不飽和又は多価不飽和であってもよい。代表的な直鎖アルキル基として、これらに限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、及びn-ヘキシルが挙げられる。分枝鎖アルキル基として、これらに限定されないが、イソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、イソペンチル、及び2-メチルブチルが挙げられる。代表的な不飽和アルキル基として、これらに限定されないが、エチレン又はビニル、アリル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブチレニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニルなどが挙げられる。アルキル基は非置換であっても、又は置換されていてもよい。
【0144】
「シクロアルキル」は本明細書で使用される場合、炭素環式基を指し、この炭素環式基は単環式であっても、又は二環式であってよい。シクロアルキル基として、単環式として3~7個の炭素原子を有する環又は二環式として7~12個の炭素原子を有する環が挙げられる。単環式シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。シクロアルキル基は非置換であっても、又は置換されていてもよく、1つ以上の不飽和部位を含むことができる(例えば、シクロペンテニル又はシクロヘキセニル)。
【0145】
「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、炭素環式芳香族基を指す。アリール基の例として、これらに限定されないが、フェニル及びナフチルが挙げられる。アリール基は非置換であっても、又は置換されていてもよい。
【0146】
「ヘテロアリール」及び「ヘテロシクロアルキル」は、本明細書で使用される場合、芳香族又は非芳香族環系をそれぞれ指し、この中で1個以上の環原子はヘテロ原子、例えば窒素、酸素、及び硫黄である。ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル基は、20個までの炭素原子並びにN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、3~7環員を有する単環式(例えば、2~6個の炭素原子及びN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子)又は7~10環員を有する二環式(例えば、4~9個の炭素原子及びN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子)、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、又は[6,6]系であってもよい。ヘテロアリール基の例は、例として、ただしこれらに限定されないが、ピリジル、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-インドリル、1H-インダゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH-カルバゾリル、カルバゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、及びイサチノイルが挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例は、例として、ただしこれらに限定されないが、ジヒドロピリジル(dihydroypyridyl)、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、2-ピロリドニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ビス-テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、ピペラジニル、キヌクリジニル、及びモルホリニルが挙げられる。ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキル基は非置換であっても、又は置換されていてもよい。
【0147】
「置換されている」は、本明細書で使用される場合及び上記アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルのいずれかに適用される場合、1個以上の水素原子がそれぞれ独立して置換基で置き換えられていることを意味する。典型的置換基として、これらに限定されないが、-Cl、Br、F、アルキル、-OH、-OCH、NH、-NHCH、-N(CH、-CN、-NC(=O)CH、-C(=O)-、-C(=O)NH、及び-C(=O)N(CHが挙げられる。基が「任意選択的に置換されている」と記載されている場合は常に、その基は、それぞれの場合に対して独立して選択される上記置換基のうちの1個以上で置換されていることができる。一部の実施形態では、置換基は1個以上のメチル基又は1個以上のヒドロキシル基であってもよい。
【0148】
一部の実施形態では、有機酸はアルキルカルボン酸である。アルキルカルボン酸の非限定的例として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリアン酸、カプロン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。
【0149】
一部の実施形態では、有機酸はアルキルスルホン酸である。アルキルスルホン酸の非限定的例として、プロパンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、及びオクタンスルホン酸が挙げられる。
【0150】
一部の実施形態では、アルキルカルボキシル又はスルホン酸は1つ以上のヒドロキシル基で置換されている。非限定的例として、グリコール酸、4-ヒドロキシ酪酸、及び乳酸が挙げられる。
【0151】
一部の実施形態では、有機酸として、1つより多くのカルボン酸基又は1つより多くのスルホン酸基(例えば、2、3、又はそれよりも多くカルボン酸基)を含むことができる。非限定的例として、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、及びグルタル酸が挙げられる。複数のカルボン酸を含有する(例えば、2~4つのカルボン酸基)有機酸において、カルボン酸基の1つ以上がエステル化していてもよい。非限定的例として、コハク酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチル、クエン酸モノメチル又はクエン酸ジメチルシトレートなどが挙げられる。
【0152】
一部の実施形態では、有機酸は1つより多くのカルボン酸基及び1つ以上のヒドロキシル基を含むことができる。このような酸の非限定的例として、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。
【0153】
一部の実施形態では、有機酸はアリールカルボン酸又はアリールスルホン酸である。アリールカルボン酸及びスルホン酸の非限定的例として、安息香酸、トルイル酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸が挙げられる。
【0154】
ある特定の実施形態で有用となり得る有機酸のさらなる非限定的例として、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、アジピン酸、アスコルビン酸(L)、アスパラギン酸(L)、アルファ-メチル酪酸、樟脳酸(+)、カンファー-10-スルホン酸(+)、ケイヒ酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-二スルホン酸、エタンスルホン酸、フロ酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、イソ吉草酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、レブリン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-二スルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パモ酸、フェニル酢酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、セバシン酸酸性、ステアリン酸、及びウンデシレン酸が挙げられる。
【0155】
適切な酸の例として、これらに限定されないが、表1の有機酸のリストが挙げられる。
【0156】
【表1】
【0157】
一部の実施形態では、有機酸は二酸又はポリ酸のモノエステル、例えば、コハク酸モノオクチル、フマル酸モノオクチルなどである。例えば、一部の実施形態では、有機酸はジカルボン酸又はポリカルボン酸のモノエステルである。一部の実施形態では、ジカルボン酸はマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、又はこれらの組合せである。一部の実施形態では、ジカルボン酸はコハク酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、又はこれらの組合せである。一部の実施形態では,ジカルボン酸はコハク酸、グルタル酸、又はこれらの組合せである。
【0158】
一部の実施形態では、ジカルボン酸のアルコール形成モノエステルは親油性アルコールである。適切な親油性アルコールの例として、これらに限定されないが、オクタノール、メントール、及びトコフェロールが挙げられる。一部の実施形態では、有機酸はジカルボン酸のオクチルモノエステル、例えば、コハク酸モノオクチル、フマル酸モノオクチルなどである。一部の実施形態では、有機酸はジカルボン酸のモノメンチルエステルである。ある特定のメンチルエステルは、組成物を含む製品の使用時にこれらが冷却感覚をもたらすことができるため、本明細書に記載されている口腔用組成物中あるのが望ましいこともある。一部の実施形態では、有機酸はコハク酸モノメンチル、フマル酸モノメンチル、グルタル酸モノメンチル、又はこれらの組合せである。一部の実施形態では、有機酸はジカルボン酸のモノトコフェリルエステルである。ある特定のトコフェリルエステルは、これらが抗酸化剤作用をもたらすことができるため、本明細書に記載されている口腔用組成物中にあるのが望ましいこともある。一部の実施形態では、有機酸はコハク酸トコフェリル、フマル酸トコフェリル、グルタル酸トコフェリル、又はこれらの組合せである。
【0159】
一部の実施形態では、有機酸は1つ以上のカルボン酸を有するカロチノイド誘導体である。カロチノイドはテトラテルペンであり、これらは8個のイソプレン分子から生成され、40個の炭素原子を含有することを意味する。したがって、これらは普通長い不飽和の脂肪族鎖の存在により親油性であり、色は一般的に黄色、オレンジ色、又は赤色である。ある特定のカロチノイド誘導体は、イオン対形成と、組成物中の着色剤としての役目の両方をもたらすことにより、口腔用組成物において有利となり得る。一部の実施形態では、有機酸は、2E,4E,6E,8E,10E,12E,14E,16Z,18E)-20-メトキシ-4,8,13,17-テトラメチル-20-オキソイコサ-2,4,6,8,10,12,14,16,18-ノナエン酸(ビキシン)又はその異性体である。ビキシンは、アチョーテ木(ビクサ・オレラナ(Bixa orellana))からのアナトーシードに見出されるアポカロテノイドであり、赤みを帯びたオレンジ色をアナトーに提供する天然由来の顔料である。ビキシンは脂肪及びアルコールに溶解性があるが、水には不溶性であり、単離した場合、化学的に不安定であり、異性化を介して二重結合異性体、trans-ビキシン(β-ビキシン)へと変換され、以下の構造を有する:
【0160】
【化1】
【0161】
一部の実施形態では、有機酸は、(2E,4E,6E,8E,10E,12E,14E,16E,18E)-4,8,13,17-テトラメチルイコサ-2,4,6,8,10,12,14,16,18-ノナエン二酸(ノルビキシン)であり、ビキシンの水溶性加水分解生成物であり、以下の構造を有する:
【0162】
【化2】
【0163】
有機酸の選択は、mlogP値に対する考慮に加えて又はこれを考慮せずに、追加の特性にさらに依存し得る。例えば、有機酸は、ヒトによる消費に対して安全と認識され、許容される香味、臭気、揮発性、安定性などを有する有機酸であるべきである。適当な有機酸の判定は当業者の認識範囲内である。
【0164】
一部の実施形態では、有機酸は安息香酸、トルイル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、デカン酸、又はオクタン酸である。一部の実施形態では、有機酸は安息香酸、オクタン酸、又はデカン酸である。一部の実施形態では、有機酸はオクタン酸である。一部の実施形態において、有機酸は、安息香酸である。
【0165】
一部の実施形態では、1種より多くの有機酸が存在してもよい。例えば、組成物は、2種,又は3種、又は4種、又はそれよりも多く有機酸を含むことができる。したがって、本明細書での「有機酸」という言及は、2種又はそれよりも多くの有機酸の混合物を想定している。複数の有機酸の相対量は変動し得る。例えば、組成物は、等量の2種、又は3種、又はそれよりも多くの有機酸を含むことができ、又は異なる相対量を含むこともできる。このように、他の有機酸と組み合わせた場合、組合せに対して所望の平均logP範囲をもたらすように、所望の範囲の外側のlogP値を有するある特定の有機酸(例えば、クエン酸又はミリスチン酸)を含めることも可能である。一部の実施形態では、目的に対して所望の範囲の外側のlogP値を有する組成物中に、例えば、これらに限定されないが、望ましい官能特性、安定性を香味成分として提供する有機酸を含むことが望ましいこともある。さらに、ある特定の親油性有機酸は、唯一の有機酸(例えば、ニコチンと比べて等モル又はより大きな量の)としてのこれらの存在を妨げる有害な香味及び又は芳香特徴を有する。理論に制約されることを望むことなく、異なる有機酸の組合せは、組成物中の任意の単一有機酸の濃度を、感覚性の観点から好ましくないと判明した閾値よりも低いまま保ちながら、所望のイオン対形成を提供することができると考えられる。例えば、一部の実施形態において、有機酸は、例えば、約0.2モル当量のオクタン酸又はその塩、及び0.2モル当量のデカン酸又はその塩と一緒にされた、塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)に対して、約1~約5モル当量又はそれより多くの安息香酸を含むことができる。
【0166】
一部の実施形態では、有機酸は、安息香酸、トルイル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、デカン酸、及びオクタン酸からなる群から選択されるいずれか2種の有機酸の組合せである。一部の実施形態では、有機酸は安息香酸、オクタン酸、及びデカン酸、又は安息香酸及びオクタン酸の組合せである。一部の実施形態では、組成物は、安息香酸、トルイル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、デカン酸、及びオクタン酸のうちの1種以上に加えてクエン酸を含む。
【0167】
一部の実施形態では、組成物は有機酸のアルカリ金属塩を含む。例えば、有機酸の少なくとも一部分はアルカリ金属塩の形態で組成物中に存在し得る。適切なアルカリ金属として、リチウム、ナトリウム及びカリウムが挙げられる。一部の実施形態において、アルカリ金属は、ナトリウム又はカリウムである。一部の実施形態では、アルカリ金属はナトリウムである。一部の実施形態では、組成物は有機酸及び有機酸のナトリウム塩を含む。
【0168】
一部の実施形態では、組成物は、安息香酸及び安息香酸ナトリウム、オクタン酸及びオクタン酸ナトリウム、デカン酸及びデカン酸ナトリウム、又はこれらの組合せを含む。一部の実施形態において、本組成物は、安息香酸及び安息香酸ナトリウムを含む。一部の実施形態において、本組成物は、安息香酸ナトリウムを含む。一部の実施形態において、有機酸のナトリウム塩に対する有機酸の比は、約0.1~約10、例えば、約0.1、約0.25、約0.3、約0.5、約0.75又は約1から、約2、約5又は約10までである。例えば、一部の実施形態では、有機酸とそのナトリウム塩の両方が組成物の他の構成成分に添加され、有機酸は、ナトリウム塩を超える量で、ナトリウム塩と等モルの量で、又はナトリウム塩の一部分として添加される。当業者は、相対量は、組成物の所望のpH、並びに所望のイオン強度により決定されることを認識している。例えば、有機酸は組成物の所望のpHレベルをもたらす量で添加されてもよく、その一方でアルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩は所望の範囲のイオン対形成をもたらす量で添加される。組成物中に存在するアルカリ金属塩又は共役塩基形態に対する、組成物中に存在する有機酸(すなわち、プロトン化形態)の量は、組成物のpH及び有機酸のpKaにより、並びに組成物に最初に添加された実際の相対的な量により変動することを当業者は理解している。塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)に対する、組成物中に存在する有機酸又はこのアルカリ金属塩の量は異なり得る。一般に、有機酸(又はこの共役塩基)の濃度が向上するにつれて、有機酸とイオン対を形成する、塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)の割合が増大する。これによって、通常、logP(分配係数のlog10)によって測定される、イオン対の形態である塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)の、水に対するオクタノールへの分配が増大する。一部の実施形態において、本組成物は、アミン含有活性成分を遊離塩基として計算される、塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)に対して、約0.05、約0.1、約1、約1.5、約2又は約5から、約10、約15又は約20モル当量までの有機酸、このアルカリ金属塩又はこれらの組合せ物を含む。
【0169】
一部の実施形態では、組成物は、遊離塩基ニコチンベースで、ニコチンに対して、約2~約10、又は約2~約5モル当量の有機酸、そのアルカリ金属塩、又はこれらの組合せを含む。一部の実施形態において、有機酸、そのアルカリ金属塩又はこれらの組合せ物は、約1、約2、約3、約4又は約5から、約6、約7、約8、約9又は約10までとなる、塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)とのモル比で存在する。1種より多い有機酸、このアルカリ金属塩又はこれらのどちらも存在する実施形態において、このようなモル比は、存在する有機酸の総量に反映することを理解すべきである。
【0170】
ある特定の実施形態において、有機酸の含有は、約3.0~約9.5、例えば、約3.0~約9.0又は約3.0~約8.5又は約3.0~約8.0又は約3.5~約7.5又は約4.5~約7.0又は約5.5~約7.0又は約4.0~約5.5又は約7.0~約9.5のpHを組成物にもたらすのに十分である。一部の実施形態において、有機酸の含有は、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5又は約9.0のpHを組成物にもたらすのに十分である。一部の実施形態では、有機酸の包含は、約4.5~約6.5、例えば、約4.5、約5.0、又は約5.5から、約6.0、又は約6.5までの組成物pHをもたらすのに十分である。一部の実施形態では、有機酸は、約5.5~約6.5、例えば,約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、又は約6.0から、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、又は約6.5までの組成物のpHをもたらすのに十分な量で提供される。他の実施形態では、鉱酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、など)を添加して、組成物のpHを所望の値に調節する。とりわけ、アルカリpHの値(例えば、約7.5~約9など)において、ニコチンは、遊離塩基形態で大部分が存在(したがって、オクタノールへの高い分配を示す。)する一方、酸性のpHの値(例えば、約6.5~約4)において、ニコチンは、プロトン化形態で大部分、存在する(したがって、一層低いオクタノールへの分配を示す。)。一部の実施形態において、炭素塩又は炭酸水素塩などの緩衝液を加えて、所望のpHの値を調節及び/又は維持する。他の適切な緩衝液は、本明細書の下にさらに記載されている。
【0171】
一部の実施形態では、有機酸は、遊離酸として、純粋な形態(すなわち、天然の固体又は液体形態)又は溶液、例えば、水中溶液として、他の組成物構成成分に添加される。一部の実施形態では、有機酸のアルカリ金属塩は、純粋な形態又は溶液、例えば、水中溶液として、他の組成物構成成分に添加される。一部の実施形態において、組成物への添加前、又は塩が形成される前のどちらか一方において、有機酸及び塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)を一緒にして塩を形成させ、組成物中にそのまま存在する。他の実施形態において、有機酸及び塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)は、組成物中に個々の構成成分として存在し、水分(消費者の口内の唾液)に接触するとイオン対を形成する。
【0172】
一部の実施形態において、組成物は、有機酸又はその塩の少なくとも1種以上の溶解度を増大させるため、溶解増強剤をさらに含む。適切な溶解増強剤には、以下に限定されないが、本明細書に記載されている湿潤剤、例えばグリセリン又はプロピレングリコールを含む。
【0173】
緩衝剤
ある特定の実施形態において、本開示の製品は、pH調整剤又は緩衝剤を含むことができる。使用することができるpH調整剤及び緩衝剤の例として、これらに限定されないが、金属水酸化物(例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム)及び他のアルカリ金属緩衝液、例えば、金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム)、又は金属炭酸水素塩、例えば、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。適切な緩衝液の非限定的例として、アルカリ金属酢酸塩、グリシン酸塩、リン酸塩、グリセロリン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ホウ酸塩又はこれらの混合物が挙げられる。
【0174】
緩衝剤は、存在する場合、製品の重量に対して、通常、約5重量%未満、例えば、製品の総重量に対して、例えば、約0.1重量%~約5重量%、例えば、約0.1重量%~約1重量%又は約0.1重量%~約0.5重量%の量で存在する。
【0175】
着色剤
着色剤は、望ましい物理的特質を組成物にもたらすのに十分な量で使用され得る。着色剤の例として、様々な染料及び顔料、例えば、カラメル着色剤及び二酸化チタンが挙げられる。組成物において利用される着色剤の量は異なってもよいが、存在する場合、組成物の総重量に対して、通常、約3重量%まで、例えば、約0.1重量%、約0.5重量%又は約1重量%から、約3重量%までである。
【0176】
湿潤剤
ある特定の実施形態において、1種以上の湿潤剤が、製品において利用され得る。湿潤剤の例として、これらに限定されないが、グリセリン、プロピレングリコールなどが挙げられる。湿潤剤は、含まれる場合、通常、製品に所望の水分特質をもたらすのに十分な量で提供される。さらに、ある場合において、湿潤剤は、型内への堆積のため、製品に望ましい流れ特性を付与することができる。
【0177】
湿潤剤は、存在する場合、通常、製品の重量の約5%以下(例えば、約0.1~約5重量%)、例えば、製品の総重量に対して、約0.1重量%~約1重量%又は約1重量%~約5重量%を構成する。
【0178】
オーラルケア添加剤
一部の実施形態において、製品は、オーラルケア成分(又は、このような成分の混合物)を含む。オーラルケア成分は、虫歯又は歯の喪失を阻止する、歯茎の疾患を阻止する、口腔内疼痛を緩和する、歯を白くする、又は他に、歯の汚れの阻止、唾液刺激の誘導、口臭を阻止する、息の清涼感を出すなどの能力をもたらす。例えば、有効量の成分、例えば、タイム油、ユーカリ油及び亜鉛(例えば、Discus Dental製のZYTEX(登録商標)として市販されている配合物の成分)が、製品に配合され得る。本製品内の所望の有効量で配合され得る成分の他の例として、Takahashiら、Oral Microbiology and Immunology、19(1)、61~64頁(2004);Thistleの米国特許第6,083,527号;及びJakubowskiの米国特許出願公開第2006/0210488号及びCumminsらの同第2006/02228308号に記載されているオーラルケア組成物のタイプに配合されているものが挙げられ得る。タバコ含有配合物の他の例示的な成分は、RoquetteによるMALTISORB(登録商標)として、及びNatraRxによるDENTIZYME(登録商標)として上市されている配合物に含まれるものを含む。オーラルケア添加剤の代表的な量は、存在する場合、製品の総乾燥重量の少なくとも約1%、多くの場合、少なくとも約3%、及び多くの場合、少なくとも約5%である。製品内のオーラルケア添加剤の量は、通常、製品の総乾燥重量の、約30%を超えず、多くの場合、約25%を超えず、多くの場合、約20%を超えない。
【0179】
タバコ材料
一部の実施形態において、組成物は、タバコ材料を含んでもよい。タバコ材料は、種、種類及び形態が異なってもよい。一般的に、タバコ材料は、ニコチアナ属種の収穫された植物から得る。例示的ニコチアナ属種として、N.タバカム(N.tabacum)、N.ルスチカ(N.rustica)、N.アラタ(N.alata)、N.アレントシ(N.arentsii)、N.エクセルシオール(N.excelsior)、N.フォルゲティアナ(N.forgetiana)、N.グラウカ(N.glauca)、N.グルチノーザ(N.glutinosa)、N.ゴッセイ(N.gossei)、N.カワカミ(N.kawakamii)、N.ナイチアナ(N.knightiana)、N.ラングスドルフィ(N.langsdorffi)、N.オトホラ(N.otophora)、N.セトケリ(N.setchelli)、N.シルベストリス(N.sylvestris)、N.トメントサ(N.tomentosa)、N.トメントシホルミス(N.tomentosiformis)、N.アンドゥラタ(N.undulata)、N.xサンデラエ(N.x sanderae)、N.アフリカーナ(N.africana)、N.アムプレキシカウリス(N.amplexicaulis)、N.ベナビデシ(N.benavidesii)、N.ボナリエンシス(N.bonariensis)、N.デブネイ(N.debneyi)、N.ロンギフロラ(N.longiflora)、N.マリチナ(N.maritina)、N.メガロシホン(N.megalosiphon)、N.オシデンタリス(N.occidentalis)、N.パニクラタ(N.paniculata)、N.プルムバギニフォリア(N.plumbaginifolia)、N.ライモンジ(N.raimondii)、N.ロスラタ(N.rosulata)、N.シムランス(N.simulans)、N.ストクトニ(N.stocktonii)、N.スアベオレンス(N.suaveolens)、N.アンブラチカ(N.umbratica)、N.ベルチナ(N.velutina)、N.ウィガンジオイデス(N.wigandioides)、N.アカウリス(N.acaulis)、N.アクミナタ(N.acuminata)、N.アテヌアタ(N.attenuata)、N.ベンサミアナ(N.benthamiana)、N.カビコラ(N.cavicola)、N.クレベランジ(N.clevelandii)、N.コルジフォリア(N.cordifolia)、N.コリンボサ(N.corymbosa)、N.フラグランス(N.fragrans)、N.グッドスピーディ(N.goodspeedii)、N.リネアリス(N.linearis)、N.ミエルシ(N.miersii)、N.ヌジカウリス(N.nudicaulis)、N.オブツシフォリア(N.obtusifolia)、N.オシデンタリス亜種ヘスペリス(N.occidentalis subsp.Hersperis)、N.パウシフロラ(N.pauciflora)、N.ペツニオイデス(N.petunioides)、N.クアドリバルビス(N.quadrivalvis)、N.レパンダ(N.repanda)、N.ロツンジフォリア(N.rotundifolia)、N.ソラニフォリア(N.solanifolia)及びN.スペガジニ(N.spegazzinii)が挙げられる。ニコチアナ属種の様々な代表的な他の種類の植物が、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Goodspeed、The Genus Nicotiana、(Chonica Botanica)(1954年);Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,660,577号;Whiteらの米国特許第5,387,416号、Lawsonらの米国特許第7,025,066号;Lawrence,Jr.の米国特許第7,798,153号及びMarshallらの米国特許第8,186,360号に記載されている。様々な種類のタバコ、栽培の実施及び収穫の実施の説明が、Tobacco Production、Chemistry and Technology、Davisら(編)(1999年)に記載されている。これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0180】
適切なタバコ材料を得ることができるニコチアナ属種は、遺伝的改変又は交配育種技術を使用して誘導することができる(例えば、タバコ植物は、遺伝子操作又は異種交配して、構成成分、特徴又は特質の生成を増加又は低減することができる)。例えば、Fitzmauriceらの米国特許第5,539,093号;Wahabらの米国特許第5,668,295号;Fitzmauriceらの米国特許第5,705,624号;Weiglの米国特許第5,844,119号;Dominguezらの米国特許第6,730,832号;Liuらの米国特許第7,173,170号;Colliverらの米国特許第7,208,659号及びBenningらの米国特許第7,230,160号;Conklingらの米国特許出願公開第2006/0236434号;並びにNielsenらのPCT WO2008/103935に記載の植物の遺伝子改変の種類を参照されたい。また、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,660,577号;Whiteらの米国特許第5,387,416号;及びDominguezらの米国特許第6,730,832号に記載の種類のタバコも参照されたい。
【0181】
一部の実施形態では、ニコチアナ属種は、その中に存在する様々な化合物の含有量に対して選択することができる。例えば、植物は、単離を希望する1種以上の化合物を比較的多量に生成するような植物であることに基づき選択することができる。ある特定の実施形態では、ニコチアナ属種の植物(例えば、ガルパオコムンタバコ)は、これらの葉面化合物が豊富なことから特別に栽培されている。タバコ植物は、温室、生育チャンバー、又は屋外のフィールドで栽培することができ、又は水耕栽培することができる。
【0182】
ニコチアナ属種の植物の様々な部分又は一部分が、本明細書で開示されている組成物内に含まれていてもよい。例えば、実質的には植物のすべて(例えば、植物全体)を収穫し、そのまま利用することができる。代わりに、植物の様々な部分又は小片は、収穫する、又は収穫後のさらなる使用のために分離することもできる。例えば、花、葉、茎、幹、根、種子及び様々なこれらの組合せは、さらなる使用又は処理のために単離することができる。一部の実施形態では、タバコ材料はタバコ葉(葉身)を含む。本明細書で開示されている組成物は、加工したタバコ部分若しくは小片、本質的に天然葉身及び/又は茎の形態で乾燥加工し、熟成させたタバコ、タバコ抽出物、抽出タバコパルプ(例えば、水を溶媒として使用)、又は前述の混合物(例えば、抽出タバコパルプを顆粒化し、乾燥加工して、熟成させた天然のタバコ葉身と合わせた混合物)を挙げることができる。
【0183】
ある特定の実施形態では、タバコ材料は、葉身及び茎からなる群から選択される固形タバコ材料を含む。混合物に使用されるタバコは、最も好ましくは、タバコ葉身、又はタバコ葉身と茎の混合物(このうち少なくとも一部分は煤煙処理している)が挙げられる。混合物内のタバコの一部分は加工した形態、例えば、加工タバコ茎(例えば、切断圧延茎、切断圧延拡張茎又は切断パフ茎)、又は体積膨張タバコ(例えば、パフタバコ、例えば、ドライアイス膨張タバコ(DIET))を有してもよい。例えば、すべてが参照により組み込まれているde la Burdeらの米国特許第4,340,073号;Guyらの米国特許第5,259,403号;並びにPoindexterらの米国特許第5,908,032号;及びPoindexterらの米国特許第7,556,047号に記載のタバコ膨張加工を参照されたい。加えて、混合物は任意選択的に発酵性であるタバコを組み込んでもよい。AtchleyらのPCT WO2005/063060に記載のタバコ加工技術の種類を参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0184】
タバコ材料は通常、粒状と記載することができる形態(すなわち、細断、製粉、顆粒化、又は粉末形態)で使用されている。タバコ材料が微細に分割された又は粉末形態のタイプで提供される方式は異なり得る。好ましくは、植物部分又は小片は、製粉、ミリングなどに対する装置及び技術を使用して、粉末化、製粉、又は微粉化されて粒状形態となる。最も好ましくは、植物材料は、ハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミルなどの装置を使用して製粉又はミリングしている間、比較的乾燥した形態である。例えば、タバコ部分又は小片は、その含水量が約15重量%未満又は約重量%未満である場合、製粉又はミリングすることができる。最も好ましくは、タバコ材料は、1.4ミリメートル~250ミクロンの間の平均粒径を有する部分又は小片の形態で利用される。ある場合には、タバコ粒子は、必要とされる粒径範囲を得るため、スクリーンメッシュの通過サイズにすることができる。所望する場合、空気分級装置を使用して、所望のサイズ、又はサイズ範囲の、小さなサイズのタバコ粒子を確実に収集することができる。所望する場合、顆粒化タバコの異なるサイズの小片を一緒に混合することができる。
【0185】
タバコが微細に分割された又は粉末タイプの形態で提供される方式は異なってもよい。好ましくは、タバコ部分又は小片は、製粉、ミリングなどのための装置及び技術を使用して、粉末化、製粉、又は微粉化され、粉末タイプの形態にする。最も好ましくは、タバコは、ハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミルなどの装置を使用して製粉又はミリングしている間、比較的乾燥した形態である。例えば、タバコ部分又は小片は、その含水量が約15重量%未満~約5重量%未満である場合、製粉又はミリングすることができる。例えば、タバコ植物又はその一部分は、個々の部分又は小片へと分離することができる(例えば、葉は茎から除去することができ、並びに/又は茎及び葉は幹から除去することができる)。収穫された植物又は個々の部分又は小片は、部分又は小片へとさらに細分することができる(例えば、葉は、細断、切断、粉末化、微粉化、ミリング、又は製粉して、小片又は部分にすることができ、これら小片又は部分はフィラータイプ小片、顆粒、粒状又は微細な粉末であることを特徴とし得る)。植物、又はその部分は、外部の力又は圧力に供することができる(例えば、圧縮又はロール処理により)。このような加工条件を実行する場合、植物若しくはその一部分はその天然含水量に近似する含水量(例えば、収穫直後のその含水量)、水分を植物若しくはその一部分に添加することにより達成される含水量、又は植物若しくはその一部分の乾燥から得られる含水量を有することができる。例えば、粉末化、微粉化、製粉又はミリングした植物の小片又はその一部分は、約25重量%未満、多くの場合約20%未満、及び頻繁には約15重量%未満の含水量を有することができる。
【0186】
口腔用製品の調製のため、ニコチアナ属種の収穫された植物を乾燥加工化プロセスに供することが通常である。本明細書において開示されている製品内への包含用の混合物内に配合されるタバコ材料は、適切に乾燥加工したもの、及び/又は熟成したものである。様々な種類のタバコに対する様々な種類の乾燥加工プロセスの説明が、Tobacco Production、Chemistry and Technology、Davisら(編)(1999年)に記載されている。熱風乾燥したタバコを乾燥加工するための技術及び条件の例が、Nestorら、Beitrage Tabakforsch.Int.、20巻、467~475頁(2003年)及びPeeleの米国特許第6,895,974号に記載されている。これは、参照により本明細書に組み込まれる。タバコを空気乾燥加工するための代表的な技術及び条件が、Grovesらの米国特許第7,650,892号;Rotonら、Beitrage Tabakforsch.Int.、21巻、305~320頁(2005年)及びStaafら、Beitrage Tabakforsch.Int.、21巻、321~330頁(2005年)に記載されている。これらは、参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の種類のタバコは、代替の種類の乾燥加工プロセス、例えば、直火煙乾燥又は日光乾燥に供することもできる。
【0187】
ある特定の実施形態では、利用することができるタバコ材料として、熱風乾燥した又はバージニア(例えば、K326)、バーレー種、日光乾燥したもの(例えば、インディアンクルヌール及びオリエンタルタバコ、これにはカテリニ、プレリップ、コモティニ、クサンティ及びヤンボルタバコが含まれる)、メリーランド、ダーク、ダークファイアード、ダーク空気乾燥(例えば、マドール、パサンダ、クバーノ、ジャティン及びベズキタバコ)、ライト空気乾燥(例えば、ノースウィスコンシン及びガルパオタバコ)、インディアン空気乾燥、レッドロシアン及びルスチカタバコ、並びに様々な他の稀な又は専門タバコ及び前述のタバコのいずれかの様々なブレンドが挙げられる。
【0188】
タバコ材料はまた、いわゆる「ブレンド」形態を有することができる。例えば、タバコ材料は、熱風乾燥、バーレー種(例えば、マラウイバーレー種タバコ)及びオリエンタルタバコの部分又は小片の混合物を含むことができる(例えば、タバコ葉身、又はタバコ葉身とタバコ茎の混合物で構成される、又はこれら由来のタバコ)。例えば、代表的なブレンドは、乾燥重量基準で、約30~約70部のバーレー種タバコ(例えば、葉身、又は葉身及び茎)、及び約30~約70部の熱風乾燥タバコ(例えば、茎、葉身、又は葉身及び茎)を組み込むことができる。他の例示的タバコブレンドは、乾燥重量基準で、約75部の熱風乾燥タバコ、約15部のバーレー種タバコ、及び約10部のオリエンタルタバコ;又は約65部の熱風乾燥タバコ、約25部のバーレー種タバコ、及び約10部のオリエンタルタバコ;又は約65部の熱風乾燥タバコ、約10部のバーレー種タバコ、及び約25部のオリエンタルタバコを組み込んでいる。他の例示的タバコブレンドは、乾燥重量基準で、約20~約30部のオリエンタルタバコ及び約70~約80部の熱風乾燥タバコを組み込んでいる。
【0189】
本開示において使用されているタバコ材料は、例えば、発酵、漂白などに供することができる。所望する場合、タバコ材料は、例えば、照射、低温殺菌、又はさもなければ制御された加熱処理に供することもできる。このような処理プロセスは、例えば、Muaらの米国特許第8,061,362号に詳述されている。これは、参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、タバコ材料は、水で、及びタバコ材料の加熱時にアクリルアミドを形成するアスパラギンの反応を阻害することが可能な添加剤(例えば、リシン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、メチオニン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、フェニルアラニン、バリン、アルギニン、二価及び三価のカチオンを組み込んでいる組成物、アスパラギナーゼ、ある特定の非還元性糖類、ある特定の還元剤、フェノール系化合物、少なくとも1つの遊離チオール基又は官能基を有するある特定の化合物、酸化剤、酸化触媒、天然の植物抽出物(例えば、ローズマリー抽出物)、並びにこれらの組合せからなる群から選択される添加剤)で処理することができる。例えば、Chenらの米国特許公開第8,434,496号、米国特許公開第8,944,072号及び米国特許公開第8,991,403号に記載されているタイプの処理プロセスを参照されたい。これは、すべて参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、このタイプの処理は、以前に記述されたプロセスにおいて元のタバコ材料を加熱に供する場合有用である。
【0190】
様々な実施形態では、タバコ材料は、処理して、タバコ材料の溶解性構成成分をそれから抽出することができる。「タバコ抽出物」は本明細書で使用される場合、抽出プロセスでタバコ材料と接触させる溶媒により、固形のタバコパルプから抽出されるタバコ材料の単離した構成成分を指す。タバコ材料の様々な抽出技術を使用して、タバコ抽出物及びタバコ固形材料を得ることができる。例えば、Beesonらの米国特許出願公開第2011/0247640に記載されている抽出プロセスを参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれる。タバコの構成成分を抽出するための他の例示的技術は、すべてが参照により本明細書に組み込まれる、Fioreの米国特許第4,144,895号;Osborne,Jr.らの米国特許第4,150,677号;Reidの米国特許第4,267,847号;Wildmanらの米国特許第4,289,147号;Brummerらの米国特許第4,351,346号;Brummerらの米国特許第4,359,059号;Mullerの米国特許第4,506,682号;Keritsisの米国特許第4,589,428号;Sogaらの米国特許第4,605,016号;Pouloseらの米国特許第4,716,911号;Niven,Jr.らの米国特許第4,727,889号;Bernasekらの米国特許第4,887,618号;Clappらの米国特許第4,941,484号;Faggらの米国特許第4,967,771号;Robertsらの米国特許第4,986,286号;Faggらの米国特許第5,005,593号;Grubbsらの米国特許第5,018,540号;Whiteらの米国特許第5,060,669号;Faggの米国特許第5,065,775号;Whiteらの米国特許第5,074,319号;Whiteらの米国特許第5,099,862号;Whiteらの米国特許第5,121,757号;Faggの米国特許第5,131,414号;Munozらの米国特許第5,131,415号;Faggの米国特許第5,148,819号;Kramerの米国特許第5,197,494号;Smithらの米国特許第5,230,354号;Faggの米国特許第5,234,008号;Smithの米国特許第5,243,999号;Raymondらの米国特許第5,301,694号;Gonzalez-Parraらの米国特許第5,318,050号;Teagueの米国特許第5,343,879号;Newtonの米国特許第5,360,022号;Clappらの米国特許第5,435,325号;Brinkleyらの米国特許第5,445,169号;Lauterbachの米国特許第6,131,584号;Kierulffらの米国特許第6,298,859号;Muaらの米国特許第6,772,767号;及びThompsonの米国特許第7,337,782号に記載されている。
【0191】
一部の実施形態では、タバコ材料の種類は、最初に目視により他のタバコ材料よりも色がある程度薄いものが選択される(例えば、白色化又は漂白されている)。ある特定の実施形態において、タバコパルプは、脱色活性成分に関して当分野において公知の手段及び上記の手段のいずれかに準拠して白色化され得る。
【0192】
タバコ材料に対する典型的な包含範囲は、タバコ材料の性質及び種類、並びに最終組成物に対して意図する作用に応じて異なってもよく、例示的範囲は、組成物の総重量に対して、約30重量%まで(又は、約20重量%まで、又は約10重量%まで、又は約5重量%まで)(例えば、約0.1~約15重量%)である。一部の実施形態において、本開示の製品は、タバコ材料を完全に含まない又は実質的に含まないことを特徴とすることができる(活性成分としての精製ニコチン以外)。例えば、ある特定の実施形態は、1重量%未満、又は0.5重量%未満、又は0.1重量%未満のタバコ材料、又は0.01重量%のタバコ材料、又は0重量%のタバコ材料を有することを特徴とすることができる。
【0193】
加工助剤
例えば、成分の流動性又は圧縮を増強するため、顆粒化又は混合などの製品の成分の、又は錠剤化などの製品自体の下流での加工にとって必要な場合、加工助剤(例えば、流動助剤)を製品成分に含ませることもできる。例示的な加工助剤には、微結晶性セルロース、シリカ、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、カルナウバ(canauba)ワックス及びこれらの組合せが含まれる。一部の実施形態において、加工助剤は、流動助剤である。一部の実施形態において、流動助剤は、シリカ、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム又はこれらの組合せである。
【0194】
加工助剤の代表的な量は、存在する場合、組成物の総重量の、少なくとも約0.5パーセント又は少なくとも約1パーセントを構成することができる。好ましくは、組成物内の加工助剤の量は、組成物の総重量の、約5パーセントを超えず、多くの場合、約3パーセントを超えない。
【0195】
他の添加剤
他の添加剤が開示された製品中に含まれ得る。例えば、製品成分は、他の材料又は成分と共に、加工されて、ブレンドされて、配合されて、一緒にされて、及び/又は混合されて、最終製品を形成することができる。添加剤は人工のものとすることができ、又は薬草若しくは生物源から得られるもの若しくはこれら由来のものとすることができる。さらなるタイプの添加剤の例として、増粘剤若しくはゲル化剤(例えば、魚ゼラチン)、乳化剤、保存剤(例えば、ソルビン酸カリウムなど)、崩壊助剤又はこれらの組合せが挙げられ得る。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Muaらの米国特許第9,237,769号、Holton,Jr.らの米国特許第7,861,728号、Gaoらの米国特許出願公開第2010/0291245号及びHolton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0062549号に記載されているような、代表的な構成成分、構成成分の組合せ、それら構成成分の相対量、並びにこれら構成成分を利用するための方式及び方法を参照されたい。
【0196】
このような追加の添加剤に対する典型的な包含範囲は、添加剤の性質及び機能並びに最終製品に対して意図された作用に応じて異なってもよく、例示的範囲は、製品の総重量に対して、約10重量%までである(例えば、約0.1~約5重量%)。
【0197】
一部の実施形態において、本組成物は、マグネシウム塩を含む。適切なマグネシウム塩の非限定例は、グルコン酸マグネシウムである。一部の実施形態において、組成物は、マグネシウム元素に対して、約0.1%~約2%又は約0.2~約1%の重量基準の量のマグネシウムを含む。
【0198】
上述の添加剤は一緒に(例えば、添加剤配合物として)又は別々に利用され得る(例えば、個々の添加剤成分は、最終混合物の調製に関与している異なる段階において添加され得る。)。さらに、上述の種類の添加剤は、最終製品で提供される場合、カプセル化されていてもよい。カプセル化された添加剤の例は、例えば、Atchleyの国際出願公開第WO2010/132444号に記載されている。これは、本明細書において以前に参照により組み込まれている。
【0199】
粒子
一部の実施形態において、本明細書に記載されている製品成分及び全製品のいずれも、粒状材料と記載され得る。本明細書において使用される場合、「粒状」という用語は複数の個々の粒子の形態の材料を指し、このうちの一部は複数の粒子の凝集の形態であることができ、粒子は、2:1未満、例えば、1.5:1未満、例えば、約1:1未満の平均長の幅に対する比を有する。様々な実施形態において、粒状材料の粒子は実質的に球状又は顆粒状であると記載され得る。
【0200】
粒状材料の粒径はふるい分折によって測定されてもよい。当業者であれば容易に認識しているように、ふるい分折(他にはグラデーション試験としても公知である)は、粒状材料の粒径分布を測定するために使用される方法である。通常、ふるい分折は入れ子になったふるいのカラムを含み、ふるいは好ましくはワイヤ製網布の形態のスクリーンを含む。予め秤量した試料は、カラム内の上側又は上端のふるいに導入されてもよく、この上側又は上端に最も大きなスクリーン開口又はメッシュサイズ(すなわちふるいの最も大きな細孔直径)がある。カラム内でより下にある各ふるいは、上部のふるいよりも、スクリーン開口又はメッシュサイズが次第に小さくなる。通常、ふるいのカラムの底部にはレシーバー部分があり、このレシーバー部分で、カラム内の底部又は1番下のふるいのスクリーン開口サイズ又はメッシュサイズ(これは、スクリーン開口又はメッシュサイズが最も小さい。)よりも小さな粒径を有するあらゆる粒子を収集する。
【0201】
一部の実施形態において、ふるいのカラムは、機械的撹拌器の上又は中に配置され得る。撹拌器は、カラム内のふるいのそれぞれの振動を起こす。機械的撹拌器は、予め決定された期間の間稼働させることにより、すべての粒子が確実に正しいふるいに収集されるようにすることができる。一部の実施形態において、ふるいのカラムは、0.5分間~10分間、例えば、1分間~10分間、例えば、1分間~5分間、例えば、およそ3分間の期間の間、撹拌される。カラム内のふるいの撹拌が完了したら、各ふるい上に収集された材料を秤量する。次いで、各ふるい上の各試料の重量を総重量で割って、各ふるい上に保持された質量のパーセンテージを得る。当業者であれば、ふるい分折に対して使用されるカラム内の各ふるいに対するスクリーン開口サイズ又はメッシュサイズは、分析する試料の粒度又は公知の最大/最小粒径に基づき選択されてもよいことを容易に認識している。一部の実施形態において、ふるいのカラムはふるい分折に使用することができ、カラムは2~20個のふるい、例えば、5~15個のふるいを含む。一部の実施形態において、ふるいのカラムは、ふるい分折に使用され得、カラムは10個のふるいを含む。一部の実施形態において、ふるい分折に対して使用されるふるいの最も大きなスクリーン開口又はメッシュサイズは、1000μm、例えば500μm、例えば400μm、例えば300μmであってもよい。
【0202】
一部の実施形態において、本明細書において参照されるあらゆる粒状材料(例えば、フィラー、非タバコボタニカル材料及び全製品)は、ふるい分折によって測定した場合、少なくとも50重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有することを特徴とすることができる。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されるあらゆる粒状材料の少なくとも60重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されるあらゆる粒状材料の少なくとも70重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されるあらゆる粒状材料の少なくとも80重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されるあらゆる粒状材料の少なくとも90重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されるあらゆる粒状材料の少なくとも95重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されるあらゆる粒状材料の少なくとも99重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されるあらゆる粒状材料のほぼ100重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。
【0203】
一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されるあらゆる粒状材料の少なくとも50重量%、例えば、少なくとも60重量%、例えば、少なくとも70重量%、例えば、少なくとも80重量%、例えば、少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも99重量%の粒子が、約0.01μm~約1000μm、例えば、約0.05μm~約750μm、例えば、約0.1μm~約500μm、例えば、約0.25μm~約500μmの粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されるあらゆる粒状材料の少なくとも50重量%、例えば、少なくとも60重量%、例えば、少なくとも70重量%、例えば、少なくとも80重量%、例えば、少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも99重量%の粒子が、約10μm~約400μm、例えば、約50μm~約350μm、例えば、約100μm~約350μm、例えば、約200μm~約300μmの粒径を有する。
【0204】
口腔用使用に対する構築
口腔用使用に対して構築された製品が、本明細書において提供される。「口腔用使用に対して構築された」という用語は、本明細書において使用される場合、使用中、使用者の口内唾液により製品の1種以上の構成成分(例えば、香味剤及び/又は活性成分)が使用者の口の中に運ばれるような形態で、製品が提供されることを意味する。ある特定の実施形態において、本製品は、構成成分を、使用者の口内粘膜、使用者の消化系、又はこれらの両方を介して使用者に送達するように適応されており、ある場合において、前記構成成分は、製品が使用された際に口内粘膜を介して吸収され得る、又は消化管を介して吸収され得る活性成分(例えば、刺激剤を含むが、これに限定されない。)である。
【0205】
一部の実施形態において、製品は、顆粒状の形態である。「顆粒状の形態」とは、製品が、比較的大きな均一の多粒子実体からなることを意味する。製品の個々の構成成分を含むこのような顆粒は、一般に、本明細書の以下にさらに記載されている、粉末形態の個々の構成成分の顆粒化によって調製される。
【0206】
一部の実施形態において、顆粒は、所定の形状に圧縮される。製品は、丸剤、錠剤、球体、立方体、ビーズ、卵形又は横長型(obloid)を含めた、様々な形状に形成され得る。製品の断面形状は異なることができ、例となる断面形状は、円形、正方形、長方形、矩形などを含む。このような形状は、装置、例えば、移動式ベルト、ニップ、押出成形器、造粒装置、圧縮装置などを使用する様々な方法において形成され得る。
【0207】
ある特定の実施形態において、製品は、圧縮又は成形したペレットの形態であり、ペレットは、従来の丸剤又は錠剤形状を含めた、様々な形状のいずれかを有することができる。このようなペレットの正確な形状及びサイズは、重要ではない。本開示のある特定の実施形態は、図1及び図2を参照して記載されており、可能な製品形状の非限定例が提示されている。図1を参照すると、斜視図に、ある直径及びある厚さを有する錠剤の形態の製品の実施形態が示されている。図2を参照すると、斜視図に、卵形状を有する錠剤であって、ある長さ、ある幅及びある厚さを有する錠剤の形態の製品の実施形態が示されている。寸法は、ペレットの重量に基づいて異なる。例となるペレットのサイズは、約3mm~約20mm、及びより典型的に約5~約18mmの範囲の長さ及び幅を有するペレットを含む。例となるペレットサイズは、約3~約10mmの範囲の厚さを有するペレットを含む。
【0208】
例となるペレット重量は、約250mg~約1500mg、例えば約250mg~約700mg、又は約700mg~約1500mg、又は約300mg~約450mgの範囲にある。
【0209】
一部の実施形態において、シェラック、カルナウバワックス、パラフィンワックス、ビーワックス、パーム油、ヒマワリ油又はこれらの組合せを含む、任意選択の外側コーティングを含む、圧縮又は成形したペレットの形態の製品。
【0210】
製品の調製
本開示の製品は、例えば、乾燥成分、例えばフィラー、活性成分、糖アルコール、非タバコボタニカル材料などを乾式ブレンドし、乾燥混合物を液体成分、例えば水、結合剤などと一緒にすることによって、一般に調製され得る。製品(例えば、フィラー、活性成分、糖アルコール、非タバコボタニカル材料など)の様々な構成成分が一緒にされる方法は、異なることがある。したがって、全製品は、比較的一様な性質にあり得る(例えば、均一である)。上述の成分は、液体形態又は乾燥固体形態であってもよく、製品の任意の残留成分との混合物の前の前処理ステップにおいて混和することができ、又は単にすべての他の液体成分又は乾燥成分と一緒に混合され得る。
【0211】
製品の様々な成分は、当技術分野で公知の任意の混合技術又は装置を使用して、一緒に接触させる、組み合わせる、又は混合されることができる。製品成分を密接に接触させる任意の混合方法、例えば、インペラ又は他の撹拌可能な構造を特徴とする混合装置が使用され得る。混合装置の例として、ケーシングドラム、コンディショニングシリンダー又はドラム、液体スプレー装置、コニカル型ブレンダー、リボンブレンダー、Littleford Day、Inc.から入手可能なミキサー、例えば、FKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000及びFKM3000、Plough Share型ミキサーシリンダー、Hobartミキサーなどが挙げられる。また、例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Solomonらの米国特許第4,148,325号;Korteらの米国特許第6,510,855号;及びWilliamsの米国特許第6,834,654号に記載されている方法論の種類を参照されたい。一部の実施形態において、製品を形成する構成成分は、製品を形成するためのデンプン成形プロセスにおいて、その混合物が使用され得るように調製される。製品を配合するための方式及び方法は、当業者には明らかである。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Solomonらの米国特許第4,148,325号;Korteらの米国特許第6,510,855号;及びWilliamsの米国特許第6,834,654号、Ridgwayらの米国特許第4,725,440号及びBolderらの米国特許第6,077,524号に記載されている方法の種類を参照されたい。
【0212】
一部の実施形態において、本開示の製品は、少なくとも1種のフィラーと少なくとも1種の糖アルコールとを一緒にして混合物を形成するステップ、及び混合物をブレンドするステップを含む、方法によって調製される。一部の実施形態において、ブレンド混合物は、少なくとも1種の活性成分、少なくとも1種の着香剤又はこれらの組合せを含む。一部の実施形態において、ブレンド混合物は、非タバコボタニカル材料を含む。一部の実施形態において、ブレンド混合物は甘味剤を含む。ブレンド混合物は、通常、比較的、乾燥しており、液体成分が導入されず、代わりに、この混合物は、実質的にすべてが乾燥粉末である成分を含有することを意味し、「乾燥ブレンド」と称される。
【0213】
一部の実施形態において、次に、乾燥ブレンドは、顆粒化されて、複数の顆粒を形成する。顆粒化とは、例えば、粉末形態の個々の構成成分の粒子が接着するようになされて、顆粒と称される、大きく均一で複数の粒子実体を形成する、過程のことである。顆粒化は、製品がミリングされた非タバコボタニカル材料、ボタニカル抽出物又はある特定の着香剤を含む実施形態において、特に適切である。ミリングしたボタニカル材料及び抽出物、並びにある特定の着香剤は、これらの含水量及び/又は含油量が多いために、一緒に付着する傾向を有し、顆粒化の非存在下において非均一製品をもたらす恐れのある凝集塊を形成する。このような凝集は、適正な流動性の達成に困難さをもたらす恐れがあり、圧縮された(例えば、錠剤化)実施形態において特に望ましくないので、加工中、やはり望ましくない。したがって、本明細書において開示されている顆粒化方法は、特に有利であり、このような実施形態において、このような物質を乾燥ブレンドに配合し、次に、乾燥ブレンドを顆粒化することによって、有利なことに、付着及び/若しくは圧縮の不良を低減又は回避する。顆粒化のための任意の適切な手段が利用されてもよい。例えば、顆粒化は、高せん断、低せん断、流動床、ローター又は溶融顆粒化下で、造粒器において行われ得る。
【0214】
乾燥ブレンドは、液状結合剤又は結合剤水溶液と混合(例えば、結合剤水溶液を造粒器に噴霧することによる)し、顆粒化して、所望の粒径、例えば約100~約200ミクロンにすることができる。乾燥ブレンドは、一般に、結合剤水溶液と共に顆粒化され、複数の顆粒を形成する。当分野において理解される通り、結合剤水溶液は、乾燥粉末顆粒化混合物のより大きな顆粒への凝集を促す。顆粒化過程に使用される結合剤水溶液は、適切な結合剤又は結合剤の組合せ物を含有する水性溶液又はアルコールベースの溶液のいずれかとすることができる。一部の実施形態において、結合剤は、本明細書の上に記載されているセルロースエーテルを含む。一部の実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン又はセルロースエーテルとポリビニルピロリドンとの組合せ物(combiniation)を含む。一部の実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドンである。ポリビニルピロリドンの分子量は異なってもよく、文字「K」と後に続く数を参照することによって一般に指定される。例えば、一部の実施形態において、ポリビニルピロリドンは、K29/32又はK30であり、ポリビニルピロリドンが、それぞれ、平均分子量29,000~32,000又は30,000を有することを意味する。
【0215】
結合剤水溶液は、通常、約3~約20パーセント(w/w)の固形成分含有量を有しており、適切な溶媒には、水及びエタノールが含まれる。顆粒化工程に使用される結合剤水溶液の性質は、水性とすることができる。一部の実施形態において、結合剤水溶液は、少なくとも1種の活性成分、少なくとも1種の着香剤又はこれらの組合せを含む。結合剤水溶液、乾燥ブレンド又はこれらのどちらも、本明細書において議論されている添加剤のいずれか、例えば、塩、緩衝剤、非タバコボタニカル材料、甘味剤、加工助剤などを含めた他の添加剤を含有することができる。このような添加剤は、顆粒化前又はその後に添加されてもよい。
【0216】
ある特定の実施形態において、例えば、顆粒化中又は顆粒化後に、加工の後の段階において、少なくとも着香剤に導入することが有利となり得る。具体的に、ある特定の着香剤は、揮発物である、又は分解を受け、その存在は、早期に、例えば、乾燥ブレンドにおいて導入される場合、製品中で減少し得る。したがって、特定の実施形態において、乾燥ブレンドは、着香剤を含まず、少なくとも1種の着香剤は、顆粒化中、顆粒化後(例えば、顆粒化物質表面へのコーティングとして、又は噴霧による)又はこれらの両方に導入される。このような実施形態において、香味料の蒸発及び喪失は、回避され得る、又は低減され得る。
【0217】
一部の実施形態において、顆粒化後、顆粒は、通常、約7.0重量パーセント未満、より典型的に約6.5重量パーセント未満、多くの場合、約6.0重量パーセント未満(例えば、約4.0~約7.0重量パーセントの範囲)の水分レベルまで乾燥される。例示的な水分レベルは、約5.5重量パーセントである。
【0218】
他の実施形態において、製品成分を含むペレットは、ローター顆粒化を使用して形成されてもよく、この場合、例えば、少なくとも1種のフィラー及び少なくとも1種の糖アルコールを含む乾燥粉末層は、実質的に球体のコア物質表面に積み重ねられて、ほぼ球体のペレット製品を形成する。コア物質は異なることができるが、通常、圧縮可能な粉末物質、例えば、微結晶性セルロース、糖又は塩を含む。コア物質もまた、所望の場合、非タバコボタニカル材料を配合することができる。コア物質の直径は、通常、約600ミクロン~約3,000ミクロンの間である。コアサイズの向上に伴って、層形成効率が増大するので、大きなコアサイズが有利となり得る。約700~約900ミクロンの範囲のサイズを有する市販の微結晶性セルロースが、例となるコア物質である。
【0219】
このような実施形態において、コア物質は、ローター造粒器、例えばVector Corporationから入手可能なGXR-35 GRANUREX(登録商標)ロータープロセッサに投入されて、所望の粉末コーティング材料及び付随結合剤水溶液がコア物質に施用されて、これによって、コア表面に追加の層を構築し、球体のペレットのサイズを向上させることができる。粉末コーティング材料は、通常、本明細書において明記されている添加剤のいずれか、例えば、塩、活性成分、着香剤、甘味剤、結合剤、緩衝化剤、着色剤、湿潤剤、オーラルケア添加剤、保存剤、シロップ、崩壊助剤、抗酸化剤、薬草又はボタニカル材料、流動助剤、圧縮助剤及びこれらの組合せを含めた他の乾燥粉末構成成分と共に、主要成分としてフィラーを含む。ローター顆粒化過程に使用される粉末物質の粒径は、異なることができるが、層形成工程の効率は、粒径の増大に伴って向上する。
【0220】
ローター顆粒化工程のための例となる結合剤水溶液は、ポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース又はこれらの組合せを含めた、ポリマー結合剤の水溶液又はアルコールベースの溶液を含み、本明細書において議論した添加剤のいずれか、例えば、マンニトール、マルトデキストリン、甘味剤、着香剤などを含む他の添加剤を含有することができる。結合剤水溶液は、通常、約3~約20パーセント(w/w)の固体含有量を有しており、適切な溶媒として、水及びエタノールが含まれる。非水性溶媒の使用は、ペレット中の水分レベルを低減することができるため、エタノール又は他のアルコール溶媒は、一部の実施形態において、有利である。これは、最終製品を調製するために必要な乾燥時間を削減することができる。
【0221】
一部の実施形態において、本方法は、例えばスプレー施用などによって、顆粒化された物質に少なくとも1種の着香剤を接触させるステップをさらに含む。
【0222】
一部の実施形態において、本製品は、圧縮ペレット又は錠剤の形態である。したがって、一部の実施形態において、本方法は、複数の顆粒を予備形成された形状に形成するステップをさらに含む。複数の顆粒は、慣用的な打錠技法を使用して圧縮されてもよい。圧縮製品ペレット又は錠剤は、ペレット又は錠剤の形態の任意の関連配合物構成成分を含む、複数の顆粒を圧縮することによって生成され得る。例となる圧縮装置、例えば圧縮プレス器が、Vector Corporation製のColton2216及びColton2247として、及びFette Compacting製の1200i、2200i、3200、2090、3090及び4090として利用可能である。外側コーティング層を圧縮ペレット化製品に施すための装置は、Thomas Engineering製のCompuLab24、CompuLab36、Accela-Cota48及びAccela-Cota60として利用可能である。
【0223】
圧縮ペレット又は錠剤の形態の製品は、任意選択の外側コーティングを含むことができ、このコーティングは、製品の貯蔵安定性を改善する、並びに摩損度及び粉付けを低減することにより包装プロセスを改善する一助となり得る。コーティングは、通常、フィルム形成性ポリマー、例えば、セルロース系材料、任意選択の可塑剤、及び任意選択の着香剤、着色剤、塩、甘味剤又は本明細書において記載されているタイプの他の添加剤を含む。したがって、一部の実施形態において、本方法は、コーティング用組成物を用いて予備形成された形状をコーティングするステップをさらに含む。コーティング用組成物は、通常、性質が水性であり、当分野において公知の任意のペレット又は錠剤コーティング技法、例えばパンコーティングを使用して施用され得る。例となるフィルム形成性ポリマーには、セルロース系材料、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれる。例となる可塑剤には、モノステアリン酸グリセリル及びクエン酸トリエチルの水溶液又はエマルションが含まれる。追加の潜在的なコーティング剤には、食物グレードのシェラック、ワックス、例えばカルナウバ(carnuaba)ワックス、パラフィンワックス及びビーワックス、油、例えば、パーム油及びヒマワリ油、並びにこれらの組合せが挙げられる。
【0224】
一実施形態において、コーティング用組成物は、最大で約75重量パーセントのフィルム形成性ポリマー溶液(例えば、コーティング用配合物の総重量に対して、約40~約70重量パーセント)、最大で約5重量パーセントの可塑剤(例えば、約0.5~約2重量パーセント)、最大で約5重量パーセントの甘味剤(例えば、約0.5~約2重量パーセント)、最大で約10重量パーセントの1種以上の着色剤(例えば、約1~約5重量パーセント)、最大で約5重量パーセントの1種以上の着香剤(例えば、約0.5~約3重量パーセント)、最大で約2重量パーセントの塩、例えば、NaCl(例えば、約0.1~約1重量パーセント)、及び残りの水を含む。一部の実施形態において、コーティング剤は、少なくとも1種の着香剤を含む。
【0225】
任意選択のコーティングの後、製品は最終的な所望の水分レベルにまで乾燥され得る。製品の含水量は、使用者による使用前に、異なることができる。通常、製品の含水量は、使用者の口腔内に挿入される前の製品の単回単位内に存在するものとして、製品単位の総重量に対し、約2~約6重量パーセント(例えば、約4パーセント)の範囲内にある。製品の最終水分の制御は、貯蔵安定性にとって重要となり得る。
【0226】
製品の含水量が制御される方法は、異なってもよい。例えば、製品に、加熱又は対流加熱が施され得る。具体例として、製品は、所望の含水量を得るために適切な時間の長さの間、約60℃~約80℃の好ましい温度範囲を用いて、約40℃~約95℃の温度の加温空気中においてオーブン乾燥され得る。
【0227】
本開示の製品の硬度は異なることができるが、通常、少なくとも約5kp(キロポンド)、一層多くの場合、少なくとも約8kp及び最も多くの場合、少なくとも約10kp又は少なくとも約12kp(例えば、約5kp~約20kp又は約8kp~約15kpの硬度範囲)である。硬度は、硬度試験器、例えば、Varian VK200又は等価物を使用して測定することができる。
【0228】
本製品は、任意の適切な内側包装材料及び/又は外側容器内にパッケージされ得る。例えば、Hensonらの米国特許第7,014,039号;Kutschらの同第7,537,110号;Kutschらの同第7,584,843号;Thiellierの同D592,956号及びPatelらの同D594,154号;Robinsonらの米国特許公開第2008/0173317号;Clarkらの同第2009/0014343号;Bjorkholmの同第2009/0014450号;Bellamahらの同第2009/0250360号;Gelardiらの同第2009/0266837号:Gelardiの同第2009/0223989;Thiellierの同第2009/0230003号;Gelardiの同第2010/0084424号;及びBaileyらの同第2010/0133140号;並びにBaileyらの2009年8月20日出願のUS特許出願第29/342,212号;Baileyらの2009年4月16日出願の同第12/425,180号;Baileyらの2010年1月12日出願の同第12/685,819号;及びGelardiらの2010年6月11日出願の同第12/814,015号に説明されている、無煙タイプの製品に対する様々な種類の容器も参照されたい。これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0229】
前述の説明に提示された教示の利益を有する、本発明が付随する本発明の多くの変化形及び他の実施形態が、当業者により考案される。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるわけではなく、変化形及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図することを理解されたい。特定の用語が本明細書で利用されているが、これらは一般的及び説明的な観点のみで使用され、制限目的のためではない。
【実施例
【0230】
本発明の態様を、以下の実施例によってさらに詳しく例示し、この実施例は、本発明のある特定の態様を例示するために記載され、本発明の限定として解釈されるべきではない。
【0231】
実施例1.湿式顆粒化
一実施形態において、以下の表1に説明されている成分を含む顆粒を調製する。実際の成分及び百分率は、最終製品の所望の特性に応じて異なり得る。
【0232】
乾燥物質(ボタニカル材料、甘味剤、フィラー、糖アルコール)を、それぞれ、18メッシュスクリーンに通し、次に、均一になるまで、Vーブレンダーにおいて混合する。得られた乾燥ブレンドは、造粒器中の塩及びビニルピロリドンの水溶液と接触させる。顆粒化は、所望の顆粒サイズが得られるまで継続する。これは一般に、約60μm~約600μm、又は約200μm~約500μmの範囲である。
【0233】
【表2】
【0234】
実施例2.打錠
一実施形態において、錠剤は、実施例1の顆粒から調製される。
【0235】
顆粒に、任意に追加の着香剤を添加する。加工するために必要に応じて、型抜きした滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、シリカ、フマル酸ステアリルナトリウム又はこれらの組合せ)を加え、次いで混合する。錠剤は、型抜きプレス器を使用してミックスから調製し、それぞれ、約800mg又は約1000mgの重量の錠剤を形成する。使用する圧縮力は、組成物、重量及び形状に依存し、当業者によって決定されてもよい。
【0236】
実施例3.コーティング剤
実施例2の錠剤を、微量の二酸化チタン、甘味剤、着香剤、着色剤及びPlasACRYL(登録商標)コーティング用可塑剤を含む、主に10%のヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を含むコーティング水溶液を用いてパンコータにおいてコーティングする。
図1
図2
【国際調査報告】