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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】共焼結
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/38 20210101AFI20240723BHJP
   B22F 10/14 20210101ALI20240723BHJP
   B22F 5/00 20060101ALI20240723BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240723BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20240723BHJP
   F28D 21/00 20060101ALI20240723BHJP
   F28F 21/04 20060101ALI20240723BHJP
   F28F 21/08 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B22F10/38
B22F10/14
B22F5/00 Z
B33Y10/00
B33Y80/00
F28D21/00 A
F28F21/04
F28F21/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023579105
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 GB2022051638
(87)【国際公開番号】W WO2022269293
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】2109230.9
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522439940
【氏名又は名称】キュードット テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】モリソン,アラスデア
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,ツン ホルト
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス,ジャック ロバート
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018HA01
4K018KA23
(57)【要約】
本発明は、新規な焼結部材(1)およびその製造方法を含む。当該方法は、バインダジェット付加製造法を用いて、複数のサブ部材(10)を形成するステップ(100)を有する。前記サブ部材(10)は、1つ以上の接合面(26)を含む1つ以上の突出部(22、24)を含む外表面(20)を有し、前記接合面(26)は、隣接するサブ部材の1つ以上の接合面(26)の少なくとも1つとインターフェースするように構成される。焼結部材(1)のサブ部材(10)同士の間には、キャビティ(30)を定めるための凹部(28)が形成される。当該方法は、第1の加熱ステップ(104)において、複数のサブ部材(10)を加熱するステップと、前記サブ部材(10)を組み立てるステップ(106)と、第2の加熱ステップ(108)において、サブ部材の組立体を加熱するステップ(108)と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄壁焼結部材を製造する方法であって、
バインダジェット付加製造法を用いて複数のサブ部材を形成するステップであって、
前記サブ部材は、粉末材料およびバインダを含む成形粉末プリフォームを有し、
前記サブ部材は、1つ以上の接合面を含む1つ以上の突出部を含む外表面を有し、前記接合面は、隣接するサブ部材の前記1つ以上の接合面の少なくとも1つとインターフェースするように構成される、
ステップと、
第1の加熱ステップにおいて前記複数のサブ部材を加熱し、前記サブ部材を少なくとも部分的に焼結するステップと、
前記サブ部材を組み立て、1つ以上の接合界面を有するサブ部材の組立体を形成するステップであって、隣接するサブ部材の前記接合面同士が合体する、ステップと、
第2の加熱ステップにおいて前記サブ部材の組立体を加熱し、前記サブ部材を相互に結合して、前記部材を形成するステップと、
を有する、方法。
【請求項2】
前記第1の加熱ステップは、前記サブ部材を部分的に焼結するステップを有し、
前記第2の加熱ステップは、さらに、前記部材を焼結するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の加熱ステップは、前記サブ部材を完全に焼結するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記サブ部材は、さらに、前記焼結された部材における前記サブ部材同士の間に、キャビティを定める凹部を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記サブ部材は、さらに、第1の通路、第1の端部および第2の端部を定める内表面を含み、
前記第1の通路は、前記サブ部材を通って前記第1の端部から前記第2の端部まで延在し、前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する中心軸Aを有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記サブ部材は、前記第1の端部またはその近傍で半径方向に延在する、前記それぞれのサブ部材の第1の突出部と、前記第2の端部またはその近傍で半径方向に延在する、前記それぞれのサブ部材の第2の突出部とを有し、
前記突出部は、半径方向に延在し、前記焼結された部材のそれぞれの接合面で繋ぎ合わされ(tesselate)、前記キャビティは、前記中心軸Aに対して垂直な第2の通路を形成する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の加熱ステップは、前記サブ部材同士の間の前記接合界面をシールするステップを有し、前記第1の通路および/または前記第2の通路は、個々に流体気密となる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
さらに、多角形の断面を画定する外部平坦面を有する前記突出部を形成するステップを有し、前記外部平坦面は、前記接合面である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
さらに、第2の加熱ステップの前に、前記サブ部材を部分的に脱バインダ処理(debinding)するステップを有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記サブ部材のアセンブリは、さらに、前記第2の加熱ステップの前に、前記サブ部材同士の間の前記接合界面に、結合材料を追加するステップを有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記結合材料は、さらに、粉末材料、または別の粉末材料と別のバインダの混合物を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記サブ部材を組み立てるステップの前に、前記サブ部材に非粉末処理構造を追加するステップを有し、前記サブ部材の組立体が形成される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記非粉末構造は、箔構造である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記非粉末構造を追加するステップは、前記非粉末構造を前記サブ部材に接合するための補助的な加熱ステップを有する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の加熱ステップの間、前記サブ部材同士の間の接合界面に圧縮力を印加するステップを有する、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記サブ部材の前記接合面は、前記圧縮力が重力によって提供されるように配置される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記サブ部材の組立体は、前記第2の加熱ステップのため、フィクスチャ内に配置される、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記フィクスチャは、前記接合界面に前記圧縮力が提供されるよう、前記部材の材料よりも低い熱膨張係数を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記フィクスチャは、拡散防止コーティングを有し、前記部材の前記フィクスチャへの接着が防止される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の加熱ステップの間、前記サブ部材は、全密度の80から100%まで焼結される、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の加熱ステップの間、前記サブ部材は、全密度の98から100%まで焼結される、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記サブ部材は、前記第1の加熱ステップの間、全密度の80から95%まで焼結される、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記サブ部材は、前記第1の加熱ステップの間、全密度の95から99%まで焼結される、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記粉末材料は、焼結可能な純金属、合金、セラミック、または複合材料である、請求項1乃至23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
焼結材料を有する、単一化された薄壁の熱交換器コアであって、
各々が第1の端部、第2の端部、内表面、および外表面を有する、複数の第1の通路を有し、
前記内表面は、前記第1の端部と前記第2の端部を接続し、前記外表面と前記内表面の間には壁が延在し、
各第1の通路は、前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する中心軸Aを定め、
前記外表面は、前記第1の端部またはその近傍に、第1の突出部を有し、前記第2の端部またはその近傍に、第2の突出部を有し、
前記第1の突出部は半径方向に延在し、前記第2の突出部は半径方向に延在し、各々は、1つ以上の隣接するサブ部材と接合界面で接続され、
前記外表面は、さらに、前記複数の第1の通路の間にキャビティを画定する凹部を有し、
前記キャビティは、前記中心軸Aに対して垂直な第2の通路である、熱交換器コア。
【請求項26】
前記第1の突出部および前記第2の突出部は、それぞれの接合界面において合わされ、
前記接合界面は、前記第1の通路および/または前記第2の通路が分離され、流体気密になるように連続される、請求項25に記載の熱交換器コア。
【請求項27】
前記第1の通路は、第1の流体流路を提供し、前記第2の通路は、前記第1の流体流路とは分離した、前記第1の流体流路に対して垂直な第2の流体流路を提供する、請求項25または26に記載の熱交換器コア。
【請求項28】
各第1の通路は、前記軸Aに沿って延在する多角形の断面を有する、請求項25乃至27のいずれか一項に記載の熱交換器コア。
【請求項29】
前記第1の通路の1つ以上の内表面および/または外表面は、さらに、突出部を有し、該突出部は、フィン、複合フィン、突起、または三重周期の最小表面格子構造のように、表面積を高め、または流体流特性を調整する、請求項25乃至28のいずれか一項に記載の熱交換器コア。
【請求項30】
さらに、前記第1の通路および/または第2の通路内に、非粉末処理構造を有し、
該非粉末処理構造は、前記内表面または外表面のそれぞれに接合され、熱伝達を改善しまたは流体の流れを誘導する、請求項25乃至29のいずれか一項に記載の熱交換器コア。
【請求項31】
前記非粉末処理構造は、前記第1の通路または前記第2の通路に配置された、複数の箔シートを有する、請求項30に記載の熱交換器コア。
【請求項32】
当該熱交換器コアは、セル状構造であり、
前記第1の通路の各々は、セルを形成し、
前記セル状構造は、複数の不均一セルを有し、該不均一セルは、前記第2の通路における流体の流れを操作することにより、熱伝達を促進するように配置される、請求項25乃至31のいずれか一項に記載の熱交換器コア。
【請求項33】
前記第1の突出部は、半径方向に延在し、隣接する第1の通路の第1の突出部に接続され、
前記第2の突出部は、半径方向に延在し、前記接合界面で、隣接する第1の通路の第2の突出部に接続される、請求項25乃至32のいずれか一項に記載の熱交換器コア。
【請求項34】
各第1の通路は、前記内表面と前記外表面の間に延在する多角形の壁と、前記第1の端部に第1の周を有する第1の開口と、前記第1の通路によって接続された前記第2の端部に第2の周を有する第2の開口と、を有し、
前記第1の突出部は、前記第1の周から前記接合界面まで延在し、前記第2の突出部は、前記第2の周から前記接合界面まで延在し、
前記接合界面は、多角形の断面を有する、請求項25乃至33のいずれか一項に記載の熱交換器コア。
【請求項35】
前記焼結材料は、焼結可能な純金属、合金、セラミック、または複合材料である、請求項25乃至34のいずれか一項に記載の熱交換器コア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄壁の焼結部材およびそれを製造する方法に関する。より詳細には、本発明は、共焼結モジュラー構造およびそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末プロセスにより製造される部材は、成形された粉末プリフォームがバルク材料に圧密できるように焼結する必要がある。粉末材料の焼結により部品を製造することは、よく知られており、通常バインダを用いて粉末材料から部材を形成し、その形状を維持するステップが含まれる。これは、グリーン体として知られている。次に、脱バインダ処理として知られている処理においてバインダが部分的に除去され、最終部材における粉末材料の割合が高められ、いったん除去された部材は、ブラウン体として知られており、該ブラウン体は、焼結の準備が整った本体である。あるいは、粉末成形体は、欧州特許出願EP3661673A1に記載されているように、グリーン体の段階を避け、非消耗性の機能性バインダ製品を用いて製造することができる。
【0003】
ブラウン体は、加熱によって焼結され、粉末材料の粒子が合体して均一な部材が形成される。部材の最終密度は、加熱の期間および温度を通して、ブラウン体がどの程度焼結されるかによって支配され、純粋な粉末材料の密度のパーセンテージによって表される。すなわち、最終部材が粉末材料の材料密度の半分を占める場合、これは、50%密度と表され、同じ密度の粉末材料が100%または完全に焼結された場合と称される。
【0004】
グリーン体を形成する一つの方法は、バインダジェット付加製造法のような、粉末床製造プロセスを使用することである。バインダジェット付加製造法は、部品を層状に積み重ねることによって行われる。粉末材料の層は、構築プラットフォームの全領域にわたって広げられ、バインダは、部品の断面にわたって粉末に添加され、その断面内で粉末が結合される。粉末の別の層が添加され、バインダが部品の断面にわたって再度添加される。バインダは、いずれも部品に必要な後続の粉末の層を前の層に結合する。このプロセスは、部材がその全高さに達するまで繰り返され、使用されなかった粉末材料の本体に含まれる成分が残る。バインダが付与されなかった過剰の粉末は、移動せずにフリーのまま残り、従って、成分が焼結プロセスの間に最終部材に含まれることを防ぐため、部材が焼結される前に除去する必要がある。焼結の間、部材は加熱され、粉末の粒子が合体され、最終部材が形成される。粉末粒子間のボイドが焼結プロセス中に低減または除去されると、最終焼結部材は、グリーン体またはブラウン体よりも小さくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
焼結、特に、バインダジェット法としても知られるバインダジェット付加製造法により形成されるブラウン体の焼結では、サイズおよび/または複雑性が制限される。複雑な部品ほど、前述の焼結プロセスを用いて製造できるサイズが制限される。特に、バインダジェット法では、それが構築できる部材の物理的寸法が、任意の一方向において60mmのオーダーに制限される。より大きな部品では、焼結中の損壊の問題に悩まされる。特徴物の全長にわたる収縮の結果、応力が生じ破損をもたらすからである。従って、従来のバインダジェット製造法を用いて、より大きな部品を製造することは容易ではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において0.2mm未満の最小壁厚さとして考慮される高解像度付加製造法では、粉末が相互に結合され、不均一なバルク材料が構成される、バインダジェット法のような粉末床製造プロセスの使用が必要となる。粉末床材製造法を用いてグリーン体を製造する場合、設計に内部ボイドがある場合、製造工程では、初期の粉末結合工程の完了の時点で、これらのボイドに粉末を充填する必要がある。これは、回避が難しく、あるいは不可能である。本発明の方法では、これらの内部ボイドは、グリーン体の表面に移動され、その後、相補的なグリーン体に結合され、均一な部材を形成することができる。これは、達成可能な最小チャネル直径を低減させ、小さな開口を有する比較的大きなキャビティ、および内部キャビティ表面の複雑な細部を可能にする。そうでない場合、粉末は、いかなる困難も伴わずに開放領域から除去され、粉末が保持される。
【0007】
特に、金属粉末材料を用いた粉末床バインダジェット法では、比較的小さなスケールの全体的な部材寸法を有する高解像度の部品が可能となる。より大きな部材を製造することができる現在の技術では、高いコスト、複雑な減算的機械加工、または過剰な材料を除去する化学的処理を実施せずに、高解像度の特徴部を実現することは難しい。
【0008】
また、バインダジェット付加製造プロセスの後の過剰な粉末の除去は、複雑な内部キャビティが存在する場合、特に、これらのキャビティが小さな開口を有する場合、内部表面の細部を含む場合、または部品を通る非線形通路を形成する場合には、簡単ではなく、または不可能である。
【0009】
従って、本発明は、付加製造法による高度に精密な大型部品の製造における2つの主な課題に対処する:
1 バインダジェットプロセスの実施が可能となり、焼結によるプロセスに課される制限を超えて、より大きなサイズの部品を製造することができる
2 粉体除去の課題が軽減され、薄い区画の管および薄壁の特徴部が使用可能となる
3 高い解像度の特徴部と大きな全体寸法が組み合わされる。
【0010】
バインダジェット部品の薄壁は、2mm未満にできると考えられるが、0.45mmの壁が可能であり、0.1mmの放熱用フィンのような、非流体保持構造が可能である。
【0011】
本発明の方法の特に有益な用途は、以下の通りである:
液体と気体、2つの液体、または2つの気体の間で、熱エネルギーを伝達する高効率熱交換器。
大部分の用途での高効率熱交換器において必要とされる熱エネルギー伝達のスケールを達成するため、交換器の最大寸法は、バインダジェット法を用いて現在達成することが可能な寸法よりもかなり大きい。一例は、超高バイパス比のターボファンのギアボックス用の潤滑油のクーラントである。第2の例は、コンデンサまたは蒸発器のような、二相流熱交換器の設計である。閉じ込められた容積の大きな表面積により、高効率の相変化が促進される。
【0012】
また、当該方法は、ヒートシンクの高複雑性構造の製造にも適している。そのような例には、パワーエレクトロニクスデバイス用のヒートシンク、核融合ヒートシンク、およびバッテリ冷却ヒートシンクが含まれる。
【0013】
熱交換器の効率は、ここではまとめて流体と称する、ある気体または液体から、所与の体積の別の流体に、熱交換器がどれだけの熱エネルギーが伝達できるかによって決まる。この効率に影響する要因は、流体にさらされる熱交換表面の表面積、コアを通る流れの速度およびタイプ、ならびに熱交換器の熱質量である。
【0014】
伝統的に、熱交換器および特に熱交換器のコアは、アルミニウムまたは高い熱伝導率を有する他の金属管を含み、この管を通して、流体およびフィンが外側表面上を流れ、これら管の外側で熱が伝達される表面積が増加する。そのようなフィンは、管に接合する必要があり、フィンおよび接合部では、不可避的に熱質量が増大し、流体間で熱が伝達される速度が低下する。また、伝統的な熱交換器の形状も、それらの構造技術によって制約される。管は、本質的にまっすぐでシート状の材料であり、フィンは本質的に平坦に構成されるため、複雑な形状、特に部材曲率を有する形状を達成することは、不均一な構造の場合と同様、難しい。またこれらの配列では、特に管内の流量制御のためのゆとりがほとんど得られない。
【0015】
本発明では、低い熱質量、体積に対して高められた表面積、ならびにコアを通って移動する各流体の流動タイプおよび流路に対する制御を有する、新規な構造を有する熱交換器を形成できる。熱交換器が任意の形状に製造され得るという、さらなる利点が得られる。
【0016】
本発明の態様および/または実施形態では、粉末プロセスによって製造される部材を製造する、改良された方法が提供される。具体的には、バインダジェット付加製造法技術を用いて部材が提供される。
【0017】
第1の態様では、薄壁の焼結部材を製造する方法であって、バインダジェット付加製造法を用いて複数のサブ部材を形成するステップと、第1の加熱ステップにおいて前記複数のサブ部材を加熱して、前記サブ部材を少なくとも部分的に焼結するステップと、前記サブ部材を組み立て、1つ以上の接合界面を有する、サブ部材の組立体を形成するステップであって、隣接するサブ部材の接合面が合体する、ステップと、第2の加熱ステップにおいて、前記サブ部材の組立体を加熱して前記サブ部材を相互に接合し、前記サブ部材を形成するステップと、を有する方法が提供される。
【0018】
前記サブ部材は、粉末材料およびバインダを含む、成形された粉末プリフォームを有する。前記サブ部材は、1つ以上の接合面を有する1つ以上の突出部を含む外表面を有し、該接合面は、隣接するサブ部材の1つ以上接合面の少なくとも1つとインターフェースするように構成される。また、サブ部材は、焼結部材におけるサブ部材同士の間に、キャビティを定める凹部を有する。
【0019】
一実施形態では、第2の加熱ステップ中に接合された焼結サブ部材として、従来のプロセスを用いて得られる部材よりも大きなサイズおよび複雑性を有する焼結部材を提供することができる。特定の形状は、複雑な内部の細部または通路を含む。
【0020】
必要な場合、第1の加熱ステップは、サブ部材を部分的に焼結し、第2の加熱ステップは、さらに前記部材を焼結する。
【0021】
いくつかの実施態様では、サブ部材は、第1の加熱ステップにおいて部分的に焼結されることが好適であり、これにより、焼結された部材の密度を低く維持したまま、前述の列挙した利点を達成することができる。
【0022】
必要な場合、第1の加熱ステップは、サブ部材を完全に焼結するステップを有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の加熱ステップ中のサブ部材の完全な焼結により、接合界面に改善された精度が提供され、密着性を高めることができ、第2の加熱ステップにおいて、サブ部材同士の間の接合が改善される。
【0024】
必要な場合、サブ部材は、さらに、第1の通路、第1の端部、および第2の端部を画定する内表面を有し、第1の通路は、サブ部材を通って前記第1の端部から前記第2の端部まで延在し、前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する中心軸Aを有する。
【0025】
必要な場合、サブ部材は、第1の突出部および第2の突出部を有し、それぞれのサブ部材の第1の突出部は、第1の端部またはその近傍で半径方向に延在し、それぞれのサブ部材の第2の突出部は、第2の端部またはその近傍で半径方向に延在し、前記突出部は、焼結部材内のそれぞれの接合面で繋ぎ合わされ(tesselate)、中心軸Aに垂直な第2の通路にキャビティが形成される。
【0026】
必要な場合、第2の加熱ステップは、第1の通路および/または第2の通路が個々に流体気密になるように、サブ部材同士の間の接合界面をシールするステップを有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、界面が流体気密となるようにサブ部材同士の間の接合界面をシールすることにより、第1の通路および/または第2の通路は、個々に流体気密となり、従って、例えば、焼結部材が流体対流体の熱交換器である場合、第1および第2の流体流路のそれぞれが提供される。
【0028】
必要な場合、突出部は、多角形の断面を画定する外表面を有するように形成され、前記外表面は、接合面であり、サブ部材の組立体における隣接するサブ部材の接合面の間に、密着した界面が提供されるという利点が得られる。
【0029】
必要な場合、当該方法は、第2の加熱ステップの前に、サブ部材を部分的に脱バインダ処理するステップを有する。
【0030】
いくつかの実施態様では、第2の加熱ステップの前に、前記サブ部材を脱バインダ処理するステップは、第1の加熱ステップの前に部材を脱バインダ処理するステップを有し、これは、焼結部材の特性を改善し得るような、高いパーセンテージの粉末材料を有する焼結部材が提供される点で有意である。
【0031】
必要な場合、サブ部材の組立体は、さらに、第2の加熱ステップの前に、サブ部材同士の間の接合界面に結合材料を追加するステップを有する。さらに、必要な場合、結合材料は、別の粉末材料、または別の粉末材料と別のバインダとの混合物を含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、別の粉末材料、または粉末材料とバインダを添加することにより、接合界面における接合の強度が向上してもよい。
【0033】
必要な場合、前記サブ部材のアセンブリの前に、前記サブ部材に非粉末処理処理機能構造が追加され、サブ部材の組立体が形成される。非粉末処理機能構造は、箔構造であってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、非粉末加工構造を含めることにより、焼結部材を回るもしくは通る、熱伝達のための表面積の改善もしくは増大、または流体流特性の改善のような、焼結部材の構造的改善または機能的利点が提供される。
【0035】
必要な場合、前記非粉末構造を追加するステップは、前記非粉末構造を前記サブ部材に結合するための補助的な加熱ステップを有する。
【0036】
必要な場合、第2の加熱ステップの間、サブ部材同士の間の接合界面に、圧縮力が印加される。さらに、必要な場合、重力が前記圧縮力を提供するように、サブ部材の接合面が配置されてもよい。
【0037】
さらに、必要な場合、サブ部材の組立体は、第2の加熱ステップの間、圧縮力を提供するため、フィクスチャ内に配置される。フィクスチャは、部材の材料よりも低い熱膨張係数を有し、接合界面に圧縮力が提供されてもよい。フィクスチャは、必要な場合、拡散防止コーティングを含み、部材のフィクスチャへの接着が防止されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、第2の加熱ステップの間、接合界面に圧縮力を与えることにより、焼結部材におけるサブ部材同士の間の接合の強度が改善されるという利点が得られる。
【0039】
必要な場合、サブ部材は、第1の加熱ステップの間、全密度の80から100%まで焼結される。
【0040】
必要な場合、サブ部材は、第1の加熱ステップの間、全密度の98から100%まで焼結される。
【0041】
必要な場合、サブ部材は、第1の加熱ステップの間、全密度の80から95%まで焼結される。
【0042】
必要な場合、サブ部材は、第1の加熱ステップの間、全密度の95から99%まで焼結される。
【0043】
別の態様では、本発明では、より詳細でより複雑な内部構造を有する、単一化された薄壁の焼結部材が提供される。
【0044】
本発明の第2の態様では、
焼結材料を有する、単一化された薄壁の熱交換器コアであって、
各々が第1の端部、第2の端部、内表面、および外表面を有する、複数の第1の通路を有し、
前記内表面は、前記第1の端部と前記第2の端部を接続し、前記外表面と前記内表面の間には壁が延在し、
各第1の通路は、前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する中心軸Aを定め、
前記外表面は、前記第1の端部またはその近傍に、第1の突出部を有し、前記第2の端部またはその近傍に、第2の突出部を有し、
前記第1の突出部は半径方向に延在し、前記第2の突出部は半径方向に延在し、各々は、1つ以上の隣接するサブ部材と接合界面で接続され、
前記外表面は、さらに、前記複数の第1の通路の間にキャビティを画定する凹部を有し、
前記キャビティは、前記中心軸Aに垂直な第2の通路である、熱交換器コアが提供される。
【0045】
必要な場合、第1の突出部および第2の突出部は、それぞれの接合界面で合わされ、前記接合界面は、第1の通路および/または第2の通路が分離され、流体気密になるように、連続する。
【0046】
必要な場合、第1の通路は、第1の流体流路を提供し、第2の通路は、別個の、第1の流体流路に対して垂直な、第2の流体流路を提供する。
【0047】
必要な場合、各第1の通路は、軸Aに沿って延在する多角形の断面を有する。
【0048】
必要な場合、第1の通路の1つ以上の内表面および/または外表面は、さらに表面積を増加させ、または流体流特性を調整する、フィン、複雑なフィン、突起、または三重周期の最小表面格子構造のような、突出部を有する。
【0049】
必要な場合、それぞれ、第1の通路および/または第2の通路内に、内表面または外表面に接合された非粉末処理構造が含まれ、熱伝達が改善され、または流体の流れが誘導される。
【0050】
必要な場合、非粉末処理構造は、第1の通路または第2の通路に配置された複数の箔シートを有する。
【0051】
必要な場合、当該熱交換器コアは、セル状構造であり、第1の通路の各々は、セルを形成し、前記セル状構造は、第2の通路における流体の流れを操作することにより、熱伝達が促進されるように配置された、複数の不均一セルを有する。
【0052】
必要な場合、第1の突出部は、半径方向に延在し、隣接する第1の通路の第1の突出部に接続され、第2の突出部は、半径方向に延在し、接合界面で、隣接する第1の通路の第2の突出部に接続される。必要な場合、第1の突出部および第2の突出部は、それぞれ、隣接する第1の通路の1つ以上の第1の突出部および第2の突出部に接続される。
【0053】
必要な場合、各第1の通路は、内表面と外表面の間に延在する多角形の壁を有する。さらに、必要な場合、第1の開口は、第1の端部に第1の周を有し、第2の開口は、第2の端部に第2の周を有し、第1の通路によって接続され、第1の突出部は、第1の周から接合界面まで延在し、第2の突出部は、第2の周から接合界面まで延在し、前記接合界面は、多角形の断面を有する。
【0054】
必要な場合、焼結材料は、焼結可能な純金属、合金、セラミック、または複合材料である。
【0055】
さらに別の態様では、本発明の方法により製造された、複数の接合されたサブ部材からなる、単一化された薄肉の焼結部材が提供される。各サブ部材は、第1の端部、第2の端部、内表面、および外表面を有する。また、各サブ部材は、第1の端部と第2の端部と接続する内表面によって画定される第1の通路を有し、該第1の通路は、第1の端部から第2の端部(14)まで延在する中心軸Aを画定する。
【0056】
外表面は、第1の端部またはその近傍に第1の突出部を有し、第2の端部またはその近傍に第2の突出部を有し、前記第1および第2の突出部は、半径方向に延在し、接合界面で1つ以上の隣接するサブ部材に接続される。外表面は、さらに、サブ部材同士の間のキャビティを画定する凹部を有してもよい。凹部は、第1の突出部と第2の突出部との間にあってもよい。
【0057】
一実施形態では、突出部および凹部を含む複数の接合されたサブ部材は、焼結部材に、狭小の非線形の内部通路を含む、より複雑な内部詳細を提供する。
【0058】
必要な場合、突出部は、キャビティが中心軸Aに対して垂直な第2の通路を形成するように、それぞれの接合界面で繋ぎ合わされる。
【0059】
必要な場合、接合界面は、第1の通路および/または第2の通路が分離され、流体気密となるように、シールされ、連続化される。さらに、必要な場合、焼結部材は、熱交換器のコアであり、第1の通路は、第1の流体流路を提供するように構成され、第2の通路は、第1の通路に対して垂直な、分離された第2の流体流路を提供するように構成される。
【0060】
必要な場合、各サブ部材は、軸Aに沿って延在する多角形の断面を有し、接合界面において接合界面の強度を高める、接合面用の良好な配置を提供することが有意である。
【0061】
必要な場合、1つ以上のサブ部材の内表面および/または外表面は、フィン、複雑なフィン、突起、または三重周期最小構造のような、機能的構造とも呼ばれる別の突出部を有し、表面積が増大し、または流体流特性が調整される。
【0062】
必要な場合、焼結部材は、さらに、それぞれ、第1の通路および/または第2の通路内に、内表面または外表面に接合された非粉末処理構造を有し、熱伝達または流体の流れの誘導が改善される。さらに、必要な場合、非粉末処理構造は、第1の通路または第2の通路に配置された複数の箔シートを有する。
【0063】
いくつかの実施形態では、非粉末処理構造は、強度を改善し、および/または焼結部材に対する熱伝達用の改善された表面積を提供する。
【0064】
必要な場合、焼結部材は、セル状構造であり、部材の各々は、セルを形成し、前記セル状構造は、第2の通路における流体の流れを最適化するように配置された、複数の不均一セルを有する
必要な場合、各サブ部材は、内表面と外表面の間に延在する多角形の壁と、第1の通路によって接続された、第1の端部に第1の周を有する第1の開口と、第2の端部に第2の周を有する第2の開口と、を有する。第1の突出部は、第1の周から接合界面まで延在し、第2の突出部は、第2の周囲から接合界面まで延在し、前記接合界面は、多角形の断面を有する。
【0065】
必要な場合、前記粉末材料は、焼結可能な純金属、合金、セラミック、または複合材料である。
【0066】
以下、同様の参照符号を有する添付図面を参照して、一例としての実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】本発明の方法を示した図である。
図2】本発明の方法の第2の態様を示した図である。
図3】本発明の方法の第3の態様を示した図である。
図4】本発明の方法の第4の態様を示した図である。
図5】本発明の方法における各工程を示した図である。
図6】本発明により構成された均一な構造を有する焼結部材を示した図である。
図7】本発明による不均一構造を有する焼結部材を示した図である。
図8】本発明による焼結部材のサブ部材を示した図である。
図9】本発明によるサブ部材に含まれる機能構造を示した図である。
図10】本発明による三周期最小構造である機能構造を示した図である。
図11】本発明による可変密度の三周期最小構造である機能構造を示した図である。
図12】本発明による熱交換器を示した図である。
図13】本発明による熱交換器を通る流体の流路を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本発明では、以下のように、図1図4に示す一連の連続したステップでの共焼結により、複数の小さなサブ部材10で構成される、均一で単一の焼結部材1を製造する方法が提供される。
【0069】
まず、100において、50%から99.5%の間の密度を有する所望の形状の成形粉末プリフォーム10aの形態で、複数のサブ部材10が構成される。これは、粉末材料粒子3がバインダ4を用いて互いに結合され、成形粉末プリフォーム10aが製造される間接的な付加製造工程100によって、グリーン体粉末部材10aを製造することにより、達成することができる。この状態ではグリーン体コンパクト10aとして知られる成形粉末プレフォーム10aは、次に、102で脱バインダ処理され、バインダ4の部分的な除去によって、ブラウン体コンパクト10bが形成される。あるいは、機能性バインダ4が使用される場合、脱バインダ処理するステップ102は、グリーン体の段階を回避するため省略することができる。
【0070】
第2に、サブ部材10は、第1加熱ステップ104において、加熱の印加により、少なくとも部分的に焼結される。加熱プロセスにより、粉末粒子間の拡散により、粉末粒子が凝集して一緒に焼結される結果、収縮が生じる。
【0071】
第3に、複数のサブ部材10が組み立てられ、サブ部材2の組立体が形成される。
【0072】
最後に、第2の加熱ステップ108においてさらに熱が印加され、サブ部材2の組立体の複数の個々のサブ部材10から、一体化部材1が形成される。第2の加熱ステップ108は、さらに、サブ部材2の組立体を焼結し、サブ部材10が互いに接合され、単一の焼結部材1が形成される。サブ部材10は、接合面26を有し、これは、1つ以上の他のサブ部材10の接合面26に対して相補的である。サブ部材10は、ステップ106で組み立てられ、第2の加熱ステップ108の焼結プロセスの間、隣接するサブ部材10の接合面26同士が密着接触される。これにより、粉末コンパクトは、相互に焼結され、表面で粉末粒子が相互に焼結され、全体が形成される。接合面26は、これらが接合面26の全領域にわたって緊密に合体し、焼結によって接合面26が接合されるという点で相補的である。
以下、図1を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1には、以下の段階に従う、焼結組立体焼結プロセスを示す:
a)グリーンサブ部材10、10aが脱バインダ処理され、ブラウンサブ部材10、10bが提供される
b)104でブラウン部材10、10bが焼結され、完全密度または完全密度に近い密度、典型的には98~100%が得られる
c)104では、焼結サブ部材10が組み立てられる。必要な場合、結合を改善するため、余剰の粉末3、または粉末3とバインダ4の混合物が、接合界面に導入されてもよい
d)組立体は、第2の加熱ステップ108において高温に戻され、接合界面5が焼結される。
【0073】
製造の各種段階で左から右に連続的に移動する、均一な単一の焼結部材1の製造が示されている。左側には、バインダジェット付加製造法100bのような高解像度の付加粉末床製造技術100aを用いて製造された、複数のサブ部材10のうちの1つが示されている。サブ部材10は、粉末材料3およびバインダ4から形成された成形粉末プリフォーム10aである。粉末材料3は、焼結可能な純金属、合金、セラミック、または複合材料である。図1において、左側の図は、ブラウンサブ部材10bを提供するために部分的に脱バインダ処理されたサブ部材10を示す。これは、バインダ4の一部を除去することを含み、最終部材1における粉末材料3のパーセンテージが高められる。別の実施形態では、サブ部材10に使用されるバインダ4は、最終生成物1に含有することに適した機能性バインダ4であってもよい。この場合、サブ部材10の脱バインダ処理は必要とされない。
【0074】
一旦生成されると、第1の加熱工程104において、複数のサブ部材10が加熱され、サブ部材10が焼結される。第1の加熱工程104では、サブ部材10は完全に焼結され、または少なくとも部分的に焼結される。第1の加熱工程104における焼結の間、サブ部材10が収縮し、サブ部材10の内部に応力が生じる。サブ部材10のサイズは、これらの応力がサブ部材10を破損させたり、破壊させたりしないように制限される必要がある。好ましくは、サブ部材は、任意の一寸法が60mm未満である。
【0075】
次に、複数のサブ部材10が組み立てられ、グリーン体2の組立体が形成される。サブ部材10は、外表面20を有し、これは、1つ以上の接合界面5において隣接するサブ部材10の1つ以上の接合面26の少なくとも1つとインターフェースするように構成された、1つ以上の接合面26を含む。サブ部材2の組立体は、サブ部材10同士の間に、別の粉末材料3、または粉体材料3とバインダ4を含み、第2の加熱工程108の間、それらが合体し、結合が促進される。好ましくは、一旦焼結されると、部品1は、接合界面5において均一である。
【0076】
一旦組み立てられると、第2の加熱ステップ108において、サブ部材2の組立体が加熱され、サブ部材10は、接合界面5において相互に結合され、単一の焼結部材1が提供される。このステップは、共焼結108とも呼ばれる。また、第2の加熱工ステップ108は、さらに、サブ部材10と、追加の粉末材料3、および含まれる場合、バインダ4を焼結することができる。
図2には、図1の方法を示すが、組み立て工程106の後、サブ部材2の組立体は、フィクスチャ60に配置され、第2の加熱ステップ108の間、サブ部材2の組立体が拘束される。以下のステップが存在する:
a)グリーン部材が脱バインダ処理され、ブラウン部材が提供される
b)ブラウン部材が焼結され、より高い密度、典型的には95~99%が得られる
c)部分的に焼結された部材が、フィクスチャに組み立てられる
i フィクスチャは、部品材料よりも熱膨張係数が低くなるように選択される
ii 拡散防止コーティングがフィクスチャに適用され、それの再利用が可能となる
iii 追加のバインダ、または粉末/バインダ混合物が接合界面に挿入されてもよい
d)組立体が高温に晒され焼結される
i フィクスチャは、温度と共に膨張せず、接合界面に負荷が印加され、焼結が改善される。
【0077】
フィクスチャ60は、第2の加熱ステップ106の間、サブ部材2の組立体を拘束する。好ましくは、フィクスチャ60の熱膨張係数は、サブ部材2の組立体の熱膨張係数よりも低くされ、サブ部材2の組立体は、第2の加熱ステップ108の熱により、フィクスチャ60よりもフィクスチャ内で膨張するため、第2の加熱ステップ108の間、フィクスチャ60は、サブ部材2の組立体に圧縮力を行使する。
【0078】
図3には、図1に示す方法を示すが、ここでは、第1の加熱ステップ104の間、サブ部材10は、部分的にのみ焼結され、第2の加熱ステップ108の間、さらに焼結される。以下のステップが存在する:
a)グリーン部材が脱バインダ処理され、ブラウン部材が提供される
b)ブラウン部材が部分的に焼結され、高密度、典型的には80~95%が得られる
c)焼結された部材は、余剰粉末と共に組み立てられ、または粉末/バインダ混合物が接合界面に挿入される
d)組立体を高温に戻され、界面が焼結される。
【0079】
図4には、図1の方法を示すが、ここでは、サブ部材10に対する非粉末構造50の追加103の別のステップがある。非粉末構造50は、箔構造52の形態で圧延され、鋳造されまたは鍛造され得る均質金属のような、焼結を介した粉末プロセスでは形成されない構造である。非粉末構造50は、図4に示すように、第1の加熱工程104の前に、サブ部材10に追加され、第1の加熱ステップ104の間、サブ部材10に結合されてもよい。あるいは、サブ部材2のアセンブリ106の間に添加され103、第2の加熱ステップ108の間に、焼結部材1に結合されてもよい。非粉末構造50は、サブ部材10のキャビティ30の内側に配置されてもよく、またはサブ部材10の間に配置されてもよい。非粉末構造50は、拡散接合によって、サブ部材10または部材2に結合され、あるいは第1の加熱ステップ104または第2の加熱ステップ108の間の焼結による収縮のため、非粉末部材50の周囲で収縮するサブ部材10によって、定位置に保持される。図4のプロセスは、以下のステップを有する:
a)ブラウン部材が脱バインダ処理され、ブラウン部材が提供される
b)箔構造が、熱交換器内のボイドに挿入される
c)箔構造を有する部材が部分的に焼結され、高密度、典型的には80~95%が得られ、これは、箔構造を拘束し、拡散接合が可能となる
d)焼結された部材は、余剰粉末、または接合界面に導入された粉末/バインダ混合物と共に組み立てられる。
【0080】
e)組立体が高温に戻され、部品同士の界面が焼結される。
【0081】
図5には、プロセスのステップを示す。
【0082】
図1図4では全て、三角形の断面を有するサブ部材10と、前記サブ部材10のうちの6つが組み立てられ、サブ部材2の組立体が形成されることが示されている。
【0083】
各サブ部材は、任意の形状であってもよく、これには、1つ以上の接合面26が含まれ、これは、サブ部材2の組立体における隣接するサブ部材10との相補的な界面を形成し、サブ部材10は、第2の加熱ステップ108の間、接合されることが可能となることが理解される。特に有利な構成では、サブ部材10は、多角形の断面、および平面状の接合面26を有し、焼結された部材1におけるサブ部材10同士の間の確実な接合が容易となる。しかしながら、付加製造法の利点は、任意の形状が可能であることである。本発明の方法は、接合界面5で適合するように構成された相補的な接合面26を有する、規則的なおよび不規則な形状のサブ部材10に適用することができる。
【0084】
共焼結ステップ108は、焼結プロセス108の間に接合面26に力を加えることにより、助長される。これは多くの方法で提供することができる。
○サブ部材10の設計は、第2の加熱ステップ108の間、接合界面5のいくつかまたは全てに重力が作用するようにしてもよい。
○上述の図2を参照して説明したように、第2の加熱ステップ108の間、フィクスチャ60を使用して、サブ部材10を拘束してもよく、その結果、界面に圧縮力が印加される。
○非平面構造を介して接合表面を相互に連結するための付加製造法による、または焼結中に部品を密着接触させる別個のインサートによる、構造の設計。
【0085】
フィクスチャ60は、拡散防止コーティング62を有し、焼結または拡散接合のいずれかによるフィクスチャに対する部材1の接着が防止されてもよい。
粉末材料3は、特定の用途のニーズに応じて、セラミックまたは金属材料であってもよい。この方法での使用に適した現在利用可能な金属には、ニッケル超合金、鋼合金、銅合金、アルミニウム合金、およびチタン合金が含まれる。本方法は、これらの金属に限定されるものではなく、焼結可能な任意の純金属、合金、セラミック、または複合材料に適用することができる。
【0086】
当該方法は、バインダジェット部品を含む、粉末床明確部品の焼結プロセスに関するサイズの制限を克服する。複数の個別に製造されたサブ部材10は、106で相互に提供され、共焼結108の後に均一な単一の焼結部材1が形成される。複数のサブ部材10は、製造中に最終部材1の内表面にアクセス可能であり、成形および粉末抽出の困難さのために製造できなかった形状特徴部を、前記内表面に組み込むことが可能であることを意味する。
【0087】
当該方法では、最小の介入および低コストで、マクロスケールの部材において、マイクロメートルスケールで高解像度特徴部の組合せが可能となる。本発明の方法は、液体と気体、2つの液体、または2つの気体の間で熱エネルギーを伝達するための流体熱交換器7に対する、複合ヒートシンクおよび高効率流体の製造に特に適する。従来の製造技術を使用した場合、そのようなヒートシンクおよび熱交換器は、上述のように効率が制限され、6側面の多面体のような単純な形態に制限され、通常は平坦な長方形のプリズムとなる。形状化が必要な場合、熱交換器は、通常、単一平面内のわずかな曲率に限定され、これは、平らな熱交換器のポスト生成物を曲げることによって形成される。本発明の方法では、局所的な流れの特性および方向、ならびに利用可能な空間に合わせて調整された、任意のサイズおよび形状の、複雑な焼結熱交換器7を製造することができる。
【0088】
本発明による焼結部材1は、相互に焼結された複数のサブ部材10を有し、単一の焼結部材1が形成される。各サブ部材10は、外表面20を有し、これは、1つまたは複数の接合面26を含む、1つまたは複数の突出部22、24を有する。接合面26の各々は、接合界面5において、焼結部材1内の1つ以上の隣接するサブ部材10の1つ以上の相補的な接合面26とインターフェースするように構成される。外表面20は、さらに凹部28を有し、焼結部材1におけるサブ部材10同士の間に、キャビティ30が画定される。凹部28は、第1の突出部22と第2の突出部24との間にある。キャビティ30は、1つまたは複数の側面において、閉止されても、開放されてもよく、キャビティ30を通る流体の流れが可能となる。
【0089】
図6には、熱交換器7の形態のそのような焼結部材1の構成を示す。焼結部材1は、複数のサブ部材10を有し、各々が熱交換器7のセル16を形成する。図6の実施形態では、サブ部材10の各々は、多角形プリズムの形態であり、第1の端部12および第2の端部14と、内表面40と、を有し、第1の端部12から第2の端部14まで、サブ部材を貫通して延在する第1の通路42が画定される。第1の通路42は、第1の端部12から第2の端部14まで、貫通して延在する中心軸Aを画定する。サブ部材10は、さらに外表面20を有し、これは、焼結部材1の1つ以上の隣接するサブ部材10の相補的な接合面26とインターフェースするように構成された、1つ以上の接合面26を有する。各サブ部材10は、外表面20と内表面40の間に延在する壁18を有する。
【0090】
各サブ部材10は、外表面20を有し、これは、接合界面5において、隣接するサブ部材10の相補的な接合面26とインターフェースするように構成された、接合面26を含む。好ましい実施形態では、外表面20は、第1の端部12において半径方向に延在する第1の突出部22と、第2の端部14において半径方向に延在する第2の突出部24とを含む。好ましくは、第1の突出部22および第2の突出部23は、第1の通路42の外表面20および/または壁18から半径方向外方に向かって、Rの方向に延在する。第1の突出部22および第2の突出部23は、内表面40および/または軸Aに対して垂直に、半径方向外方に延在してもよい。各半径方向延長部22、24は、外部平坦面23を含み、これは、断面の多角形を画定し、前記外部平坦面23は、接合面26である。
【0091】
別の実施形態では、接合面26は、平坦ではなくてもよく、相補的な突出特徴部および侵入特徴部27を有し、サブ部材10同士の間の配置および接合強度が改善されてもよい。
【0092】
外表面26は、さらに、凹部28を有し、これは、サブ部材10が組み立てられた際に、サブ部材10の間にキャビティ30を形成する。焼結部材1が熱交換器7である場合、図6のように、突出部22、24は、繋ぎ合わされる突出部22、24であり、これらは、接合界面5にギャップを含まず、相互に適合されるように合わされ、連続的な流体密接合が形成され、キャビティ30は、第2の通路32を形成する。従って、第1の通路42は、第1の流体流路44であり、第2の通路32は、第1の流体と第2の流体との間で熱エネルギーを交換するための第2の流体流路34である。第1の流体流路35および第2の流体流路45は、流体気密であり、互いに分離される。第1の流体流路35、従って軸Aは、第2の流体経路45に対して垂直である。
【0093】
好ましい実施形態では、各サブ部材10は、外表面20と内表面40の間に延在する壁18を有する。壁18は、多角形の断面を有する。熱交換器7の場合、各サブ部材10は、第1の端部12に第1の周13’を有する第1の開口13と、第2の端部14に第2の周15’を有する第2の開口15とを有する。第1の開口13および第2の開口15は、軸Aに沿って第1の通路42によって接続される。第1の突出部22は、第1の周13’の全長から半径方向外方に延在してもよく、第2の突出部24は、第2の周15’の全長から、それぞれの接合界面5まで半径方向外方に延在してもよい。また、接合界面5は、多角形の断面を有してもよい。
【0094】
図7に示されているような、より複雑な構成では、サブ部材10は、不均一または不規則であり、熱交換器7のセル16を介して、およびセル16の間で、複数の流体流路35、45が調整および/または最適化されてもよい。例えば、多角形プリズムのサブ部材10は、異なるサイズの側面、異なる数の側面であってもよく、または、多角形プロファイルは、不規則な形状であってもよい。サブ部材10のプロファイルは、流体の流れを高めるために回転すべき角度θが低減されることにより、第2の流体流路45が真っ直ぐになるように構成されてもよい。あるいは、サブ部材10のプロファイルは、流体が回転すべき角度θを増加させるように構成されてもよく、または熱伝達を高めるため熱交換器7を通る流体が取り込むべき距離を増加させるように構成されてもよい。流体流路の一例を図13に示す。
【0095】
個々のセル16は、部材1に曲率を提供するように設計することにより、成形することができ、円筒状コアの周囲または第2の曲率の度合いのような、所定の空間内にコンフォーマルに適合される。熱交換器7に曲面プロファイルが必要とされる場合、サブ部材10は、軸Aに沿って1つ以上の方向にテーパ化され、製造後の曲げにより部材1に応力を導入させることなく、単一のまたは複合化された曲率を有する焼結部材が提供されてもよい。不規則なパターンが選択された場合でも、セル16は、ベースセル16を繰り返すことにより、またはセル16の組み合わせにより、モジュールに組み合わされてもよく、その結果、セル16は、製造が容易となるように繋ぎ合わされてもよい。
【0096】
形状は、製造を容易にするため、サブ部材の繰り返しグループに分割されてもよい。これらのグループは、成形形状の嵌め合いを形成し、モジュラーのレベルで内部形状が提供される。ただし、これは必須ではない。
【0097】
流体熱交換器の例では、この方法により、内部流体経路を成形することにより、熱伝達構造および流動管理構造の製造が可能となる方法に関して、特定の利点が提供され得る。
【0098】
図8には、別の突起25の形態での機能的構造25の例が示されており、流体の流れが妨害され、熱伝達のための表面積が高められる。図8には、外表面20上の前記機能構造25を示す。機能構造25は、そこから第2の通路32に突出し、熱伝達の表面積が高められ、および/または第2の通路32または第2の通路34内を流れる流体の流動特性が調整される。本発明の別の態様では、機能構造25は、第1の通路42に突出する内表面に配置され、第1の通路42または第1の流体流路44を流れる流体の熱伝達のための表面積が高められ、および/または流体の流動特性が調整される。これらの別の突起部25は、グリーン体10aの一部としての粉末プリフォームの形成中に形成することができ、サブ部材10の外表面20および/または内表面40に配置ができる。これらの別の突起部25は、ピン25a、リブ25b、およびフィン25cのような、流動妨害および表面積増加構造25の形態とし、熱伝達を改善することができる。
【0099】
また、本発明の方法では、より複雑な機能的構造25をサブ部材10内に含めたり、サブ部材10に加えたりすることができ、増大した表面積を介して熱伝達が改善され、または通路32、42を流れる流体の流れが変更され、または妨害される。例えば、流体-流体熱交換器7において、特に、一方の流体が気体であり、他方が液体である場合、最良の熱伝達のための2つの流体の最適表面接触面積は、大きく異なる場合がある。そこのような状況では、液体チャネルは、セル16の外側を回る第2の流体流路34であってもよく、高い表面積対体積比を有する高複雑性ガス対向表面27を含む機能的構造25が、第1の流体流路34に含まれてもよい。そのような機能的構造25は、図9および図10に示されており、複雑なフィン型構造体25d、ピンアレイ型構造体25e、および周期的な最小表面25fの形態をとることができる。これらの周期的最小構造25fは、図11に示すように、密度が可変であってもよく、理想的には、通路32、42の中央に向かって低減された密度を有し、より大きな開口を有し、さらに内表面および/または外表面に近いほど、より小さな開口、より高い密度を有することができる。
【0100】
図9に示される機能的構造は、六角形の断面を有するセル16の第1の通路42に含まれるように設計される。
【0101】
これらのガス対向表面は、バインダジェットのような粉末プロセスによって形成された焼結構造であってもよく、あるいはバルク付加製造技術によって製造された非粉末構造50であってもよい。これらの複雑な機能的構造のバインダジェット法、特に金属バインダジェット法では、高度の設計自由度が可能となり、それらの機能を実行するための微細なフィン構造を有する周期的な最小表面のような、高い複雑性の薄壁構造の利点が得られる。これらの構造には、これらの機能用の理想的な配向を維持する流れ方向表面のような、二次的機能を組み込むことができ、またはこれを用いて、方向制御のような流体に対する動作が実施される。
【0102】
方法特徴物として、本願に記載の如何なるシステム特徴物が提供されてもよく、またその逆も可能である。本願で使用されるミーンズプラスファンクション特徴物は、それらの対応する構造に関して、代替的に表現され得る。
【0103】
ある態様における任意の特徴物は、任意の適切な組み合わせで、他の態様に適用され得る。特に、方法の態様は、システムまたは装置の態様に適用されてもよく、その逆も可能である。さらに、ある態様における任意の、いくつかの特徴物、および/または全ての特徴物は、任意の適切な組み合わせで、任意の他の態様における任意の、いくつかの特徴物、および/または全ての特徴物に適用され得る。
【0104】
また、任意の態様において説明され定められた各種特徴物の特定の組み合わせは、独立して実施され、および/または供給され、および/または使用されてもよいことを理解する必要がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄壁焼結部材を製造する方法であって、
バインダジェット付加製造法を用いて複数のサブ部材を形成するステップであって、
前記サブ部材は、粉末材料およびバインダを含む成形粉末プリフォームを有し、
前記サブ部材は、1つ以上の接合面を含む1つ以上の突出部を含む外表面を有し、前記接合面は、隣接するサブ部材の前記1つ以上の接合面の少なくとも1つとインターフェースするように構成される、
ステップと、
第1の加熱ステップにおいて前記複数のサブ部材を加熱し、前記サブ部材を少なくとも部分的に焼結するステップと、
前記サブ部材を組み立て、1つ以上の接合界面を有するサブ部材の組立体を形成するステップであって、隣接するサブ部材の前記接合面同士が合体する、ステップと、
第2の加熱ステップにおいて前記サブ部材の組立体を加熱し、前記サブ部材を相互に結合して、前記部材を形成するステップと、
を有する、方法。
【請求項2】
前記薄壁は、2mm未満の壁厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の加熱ステップは、前記サブ部材を部分的に焼結するステップを有し、
前記第2の加熱ステップは、さらに、前記部材を焼結するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の加熱ステップは、前記サブ部材を完全に焼結するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記サブ部材は、さらに、前記焼結された部材における前記サブ部材同士の間に、キャビティを定める凹部を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記サブ部材は、さらに、第1の通路、第1の端部および第2の端部を定める内表面を含み、
前記第1の通路は、前記サブ部材(10)を通って前記第1の端部から前記第2の端部まで延在し、前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する中心軸Aを有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記サブ部材は、前記第1の端部またはその近傍で半径方向に延在する、前記それぞれのサブ部材の第1の突出部と、前記第2の端部またはその近傍で半径方向に延在する、前記それぞれのサブ部材の第2の突出部とを有し、
前記突出部は、半径方向に延在し、前記焼結された部材のそれぞれの接合面で繋ぎ合わされ(tesselate)、前記キャビティは、前記中心軸Aに対して垂直な第2の通路を形成する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の加熱ステップは、前記サブ部材同士の間の前記接合界面をシールするステップを有し、前記第1の通路および/または前記第2の通路は、個々に流体気密となる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
さらに、多角形の断面を画定する外部平坦面を有する前記突出部を形成するステップを有し、前記外部平坦面は、前記接合面である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
さらに、第2の加熱ステップの前に、前記サブ部材を部分的に脱バインダ処理(debinding)するステップを有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記サブ部材のアセンブリは、さらに、前記第2の加熱ステップの前に、前記サブ部材同士の間の前記接合界面に、結合材料を追加するステップを有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記結合材料は、さらに、粉末材料、または別の粉末材料と別のバインダの混合物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記サブ部材を組み立てるステップの前に、前記サブ部材に非粉末処理構造を追加するステップを有し、前記サブ部材の組立体が形成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記非粉末構造は、箔構造である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記非粉末構造を追加するステップは、前記非粉末構造を前記サブ部材に接合するための補助的な加熱ステップを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の加熱ステップの間、前記サブ部材同士の間の接合界面に圧縮力を印加するステップを有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記サブ部材の前記接合面は、前記圧縮力が重力によって提供されるように配置される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記サブ部材の組立体は、前記第2の加熱ステップのため、フィクスチャ内に配置される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記フィクスチャは、前記接合界面に前記圧縮力が提供されるよう、前記部材の材料よりも低い熱膨張係数を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記フィクスチャは、拡散防止コーティングを有し、前記部材の前記フィクスチャへの接着が防止される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の加熱ステップの間、前記サブ部材は、全密度の80から100%まで焼結される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の加熱ステップの間、前記サブ部材は、全密度の98から100%まで焼結される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記サブ部材は、前記第1の加熱ステップの間、全密度の80から95%まで焼結される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記サブ部材は、前記第1の加熱ステップの間、全密度の95から99%まで焼結される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記粉末材料は、焼結可能な純金属、合金、セラミック、または複合材料である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
焼結材料を有する、単一化された薄壁の熱交換器コアであって、
各々が第1の端部、第2の端部、内表面、および外表面を有する、複数の第1の通路を有し、
前記内表面は、前記第1の端部と前記第2の端部を接続し、前記外表面と前記内表面の間には壁が延在し、
各第1の通路は、前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する中心軸Aを定め、
前記外表面は、前記第1の端部またはその近傍に、第1の突出部を有し、前記第2の端部またはその近傍に、第2の突出部を有し、
前記第1の突出部は半径方向に延在し、前記第2の突出部は半径方向に延在し、各々は、1つ以上の隣接するサブ部材と接合界面で接続され、
前記外表面は、さらに、前記複数の第1の通路の間にキャビティを画定する凹部を有し、
前記キャビティは、前記中心軸Aに対して垂直な第2の通路であり、
当該コアは、バインダジェット法を用いて形成される、熱交換器コア。
【請求項27】
前記第1の突出部および前記第2の突出部は、それぞれの接合界面において合わされ、
前記接合界面は、前記第1の通路および/または前記第2の通路が分離され、流体気密になるように連続される、請求項26に記載の熱交換器コア。
【請求項28】
前記第1の通路は、第1の流体流路を提供し、前記第2の通路は、前記第1の流体流路とは分離した、前記第1の流体流路に対して垂直な第2の流体流路を提供する、請求項26または27に記載の熱交換器コア。
【請求項29】
各第1の通路は、前記軸Aに沿って延在する多角形の断面を有する、請求項26に記載の熱交換器コア。
【請求項30】
前記第1の通路の1つ以上の内表面および/または外表面は、さらに、突出部を有し、該突出部は、フィン、複合フィン、突起、または三重周期の最小表面格子構造のように、表面積を高め、または流体流特性を調整する、請求項26に記載の熱交換器コア。
【請求項31】
さらに、前記第1の通路および/または第2の通路内に、非粉末処理構造を有し、
該非粉末処理構造は、前記内表面または外表面のそれぞれに接合され、熱伝達を改善しまたは流体の流れを誘導する、請求項26に記載の熱交換器コア。
【請求項32】
前記非粉末処理構造は、前記第1の通路または前記第2の通路に配置された、複数の箔シートを有する、請求項31に記載の熱交換器コア。
【請求項33】
当該熱交換器コアは、セル状構造であり、
前記第1の通路の各々は、セルを形成し、
前記セル状構造は、複数の不均一セルを有し、該不均一セルは、前記第2の通路における流体の流れを操作することにより、熱伝達を促進するように配置される、請求項26に記載の熱交換器コア。
【請求項34】
前記第1の突出部は、半径方向に延在し、隣接する第1の通路の第1の突出部に接続され、
前記第2の突出部は、半径方向に延在し、前記接合界面で、隣接する第1の通路の第2の突出部に接続される、請求項26に記載の熱交換器コア。
【請求項35】
各第1の通路は、前記内表面と前記外表面の間に延在する多角形の壁と、前記第1の端部に第1の周を有する第1の開口と、前記第1の通路によって接続された前記第2の端部に第2の周を有する第2の開口と、を有し、
前記第1の突出部は、前記第1の周から前記接合界面まで延在し、前記第2の突出部は、前記第2の周から前記接合界面まで延在し、
前記接合界面は、多角形の断面を有する、請求項26に記載の熱交換器コア。
【請求項36】
前記焼結材料は、焼結可能な純金属、合金、セラミック、または複合材料である、請求項26に記載の熱交換器コア。
【国際調査報告】