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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】マルチ装置圃場処理
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240723BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579129
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2022067434
(87)【国際公開番号】W WO2022269078
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】21181618.6
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21181620.2
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22157513.7
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22157516.0
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】521508254
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ アグロ トレードマークス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツィース,マイク
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】エバーソルド,ダニエル
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC01
(57)【要約】
本開示は、圃場のマルチ装置処理に関する。提案されるのは、圃場(10)を処理するためのコンピュータ実装方法である。この方法は、第1の処理装置(100)が圃場を横断する(S110)ときに監視された圃場データを分析して(S120)、特定の圃場場所(10a)における圃場(10)が、第1の処理装置(100)の第1の装置構成で処理可能である圃場状態を有するかどうかを判定するステップを含む。それぞれの圃場状態に関連付けられた特定の圃場場所における圃場が第1の処理装置(100)の第1の装置構成で処理可能であると判定される場合、第1の処理装置(100)は、特定の圃場場所(10a)における圃場を処理するように制御される(S130)。そうでなければ、それぞれの圃場状態に関連付けられた特定の圃場場所(10a)における圃場が第1の処理装置(100)の第1の装置構成で処理可能でないと判定される場合、特定の圃場場所(10a)は、第1の装置構成と異なる第2の装置構成を有し、且つ特定の圃場場所における圃場を処理可能である少なくとも1つの更なる第2の処理装置(200)のために提供される(S140)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場(10)を処理するためのコンピュータ実装方法であって、
第1の処理装置(100)が前記圃場を横断する(S110)ときに監視された圃場データを分析して(S120)、特定の圃場場所(10a)における前記圃場(10)が、前記第1の処理装置(100)の第1の装置構成で処理可能である圃場状態を有するかどうかを判定することと、
前記それぞれの圃場状態に関連付けられた前記特定の圃場場所における前記圃場が前記第1の処理装置(100)の前記第1の装置構成で処理可能であると判定される場合、前記特定の圃場場所(10a)における前記圃場を処理するように前記第1の処理装置(100)を制御すること(S130)と、
前記それぞれの圃場状態に関連付けられた前記特定の圃場場所(10a)における前記圃場が前記第1の処理装置(100)の前記第1の装置構成で処理可能でないと判定される場合、前記特定の圃場場所(10a)を、前記第1の装置構成と異なる第2の装置構成を有し、且つ前記特定の圃場場所における前記圃場を処理可能である少なくとも1つの更なる第2の処理装置(200)のために提供すること(S140)と
を含むコンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記第2の処理装置(200)のための、前記特定の圃場場所に基づいて生成された制御データを提供して、前記第2の処理装置(100)を、処理される前記特定の圃場場所(10a)まで誘導することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
圃場状態であって、そのために前記第1の処理装置(100)が構成されていない圃場状態を有する複数の圃場場所が判定され、前記第2の処理装置の前記制御データは、前記複数の場所に順に方向付ける軌道で生成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御データは、前記第1の処理装置(100)から前記第2の処理装置(200)に直接送信される、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記制御データは、サーバ又はコンピューティングクラウド(300)を介して前記第1の処理装置(100)から前記第2の処理装置に送信される、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項6】
前記圃場データにおける前記圃場の監視は、前記第1の処理装置(100)によって実施される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記圃場データを分析することは、前記第1の処理装置(100)によってオンボードで実施される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記圃場データを分析することは、前記圃場データが提供されるサーバ又はコンピューティングクラウド(300)によって実施される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記特定の圃場場所(10a)は、複数の第2の処理装置のうちの特定の第2の処理装置をアドレス指定するための第2の装置識別子と関連付けられる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
圃場(10)を処理するための第1の処理装置(100)であって、
前記第1の処理装置(100)が前記圃場(10)を横断するときに圃場データで前記圃場を監視するように構成された1つ以上の監視ユニット(100i)と、
前記圃場データを分析して、特定の圃場場所における前記圃場が、前記第1の処理装置が処理するように構成される圃場状態を有するかどうかを判定するように構成された制御ユニット(100k)と、
1つ以上の処理ユニット(100と、
第1の通信インターフェース(144)と
を含み、
前記制御ユニットは、
前記それぞれの圃場状態に関連付けられた前記特定の圃場場所における前記圃場が前記第1の処理装置(100)の第1の装置構成で処理可能であると判定される場合、前記1つ以上の処理ユニットを使用して、前記特定の圃場場所(10a)における前記圃場の処理を制御することと、
前記それぞれの圃場状態に関連付けられた前記特定の圃場場所における前記圃場が前記第1の処理装置(100)の前記第1の装置構成で処理可能でないと判定される場合、前記特定の圃場場所(10a)を提供するように前記第1の通信インターフェース(144)を制御することと
を行うように更に構成される、第1の処理装置(100)。
【請求項11】
好ましくは地上で動作される噴霧装置であり、前記1つ以上の処理ユニットは、少なくとも1つのタンク(100c)に接続されたノズル(100a)として構成される、請求項10に記載の第1の処理装置。
【請求項12】
更なる第2の処理装置(200)を運搬するように構成された少なくとも1つのホルダ(100m)を含み、前記通信インターフェース(144)は、前記第2の処理装置(200)と通信するように構成される、請求項10又は11に記載の第1の処理装置。
【請求項13】
圃場(10)を処理するための第2の処理装置(200)であって、
請求項10~12のいずれか一項に記載の第1の処理装置(100)から特定の圃場場所を受信するように構成された第2の通信インターフェース(144)と、
前記圃場を処理するように構成された処理機構(220、230)と、
前記第2の処理装置(200)を、前記受信された特定の圃場場所まで誘導し、且つ前記処理機構を制御するように構成された制御ユニットと
を含む第2の処理装置(200)。
【請求項14】
地上ロボット及び/又は無人航空機である、請求項13に記載の第2の処理装置。
【請求項15】
圃場を処理するためのシステムであって、
請求項10~12のいずれか一項に記載の第1の処理装置(100)と、
請求項13又は14に記載の第2の処理装置(200)と
を含み、前記第2の処理装置(200)は、前記第1の処理装置(100)によって運搬される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圃場を処理するためのコンピュータ実装方法、圃場を処理するための第1の処理装置、圃場を処理するための第2の処理装置及びコンピュータプログラム要素に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の一般的な背景は、圃場、温室などであり得る圃場における植物の処理である。栽培作物などの植物の処理は、圃場に存在する雑草の処理、圃場に存在する虫の処理又は圃場に存在する病原体の処理も含み得る。
【0003】
農業をより持続可能なものにし、且つ環境への影響を低減するために、精密農業技術が開発されている。ここで、ドローン、ロボット、地上動作型スマート噴霧機などの半自動又は全自動植物処理装置は、生態学的及び経済的なルールに基づいて、圃場における雑草、虫及び/又は病原体を処理するように構成され得る。ドローン又はロボットの分野における技術開発により、農家のための新たな処理スキームが可能になる。
【0004】
実際には、処理される圃場は、圃場区画ごとに異なる圃場状態、すなわち圃場状態の多様性を有し得る。例えば、圃場内の異なる圃場区画又は場所は、均一に、すなわちオンボードリソースのみで処理することができない異なる雑草、虫及び/若しくは病原体が存在するか若しくはそれらを示す場合があり、又は空間的、幾何学的、法的などの異なる制限を受ける場合があり、これらも圃場全体、すなわち全ての圃場区画にわたる均一な処理を許容しない。
【0005】
例えば、米国特許出願公開第2017/0258005A1号明細書は、モバイル監視装置とモバイル展開装置とを含むシステムを記載している。モバイル監視装置及び/又は静止監視装置は、目標となる植物を監視し、中央コンピュータは、目標となる植物を識別する。その情報に基づいて、中央コンピュータは、目標となる植物に処理が必要であると判定する。次いで、目標となる植物を処理するためのメッセージがモバイル展開装置に送信される。この欠点は、モバイル展開装置が、目標となる植物を特別に処理するようにのみ構成され、異なる現場状態に容易に対応することができない一方、モバイル監視装置に処理能力がないことである。
【0006】
米国特許出願公開第2019/0166752A1号明細書は、監視無人航空機と農業用航空機とを含むシステムを記載しており、空中散布タスク管理サーバは、農業用航空機が、製品アプリケータ装置を使用することにより、目標となる領域上に製品を展開するための空中散布タスクを実行している間、監視無人航空機の撮像センサから受信されたデータを介して、農業用航空機の上方の高度に監視無人航空機を位置決めして農業用航空機の性能を監視する。ここでも、欠点は、農業用航空機が特定の構成で動作し、異なる圃場状態に容易に対応できない一方、監視用無人航空機に処理能力がないことである。
【0007】
米国特許出願公開第2019/0116726A1号明細書は、散布される材料を貯蔵するタンクを有し、且つ無人航空機(UAV)のセットを搭載した農業用散布機を記載している。UAVは、センサを含み、且つ農業用噴霧機によって噴霧された材料の過噴霧を検出するように監視領域内に位置決めされる。ここでも、欠点は、農業用噴霧機が特定の構成で動作され、異なる圃場状態に容易に対応できない一方、UAVに処理能力がないことである。
【0008】
したがって、圃場状態の多様性により良好に対処する必要性が依然として存在し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、圃場状態の多様性への対処を改善することである。本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、更なる実施形態が従属請求項に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様では、圃場を処理するためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、第1の処理装置が圃場を横断するときに監視された圃場データを分析して、特定の圃場場所における圃場が、第1の処理装置の第1の装置構成で処理可能である圃場状態を有するかどうかを判定するステップを含む。それにより、それぞれの圃場状態に関連付けられた特定の圃場場所における圃場が第1の処理装置の第1の装置構成で処理可能であると判定される場合、第1の処理装置は、特定の圃場場所における圃場を処理するように制御される。そうでなければ、それぞれの圃場状態に関連付けられた特定の圃場場所における圃場が第1の処理装置の第1の装置構成で処理可能でないと判定される場合、特定の圃場場所は、第1の装置構成と異なる第2の装置構成を有し、且つ特定の圃場場所における圃場を処理可能である少なくとも1つの更なる第2の処理装置に対して又はそのために提供される。
【0011】
このように、圃場又は圃場状態の多様性、すなわち圃場の処理に対する異なる圃場状態に依存する条件は、第1の処理装置によってのみでは処理可能でないその特定の圃場場所が第2の処理装置によって効果的に処理されるため、より良好に対処され得る。更に、圃場の処理は、第1の処理装置が依然として圃場を横断している間、第1の装置構成が、それぞれの圃場状態を有する特定の圃場場所の処理に適していないと判定され得るため、その結果、特定の圃場場所は、その第2の装置構成のために少なくともより適している第2の処理装置に対して、処理のための情報、トリガ、命令などとして提供されるため、圃場の処理がより効率的であり得る。すなわち、第1の処理装置が依然として圃場を横断している間及び/又は他の複数の圃場場所を処理している間、特定の圃場場所が第2の処理装置によって迅速に処理され得る。換言すれば、第2の処理装置は、その装置構成のため、第1の処理装置が処理に適していない場合にその処理を代替することができる。この方法は、第1の処理装置によって処理されなかった圃場内の場所、すなわち取り残された場所の他に、第1の装置構成で処理可能でないと判定された特定の圃場場所も第2の処理装置によって処理されるようにハンドオーバされ得るため、圃場のより持続可能な処理も可能にする。これは、特定の圃場場所が次いで第2の処理装置によってのみ処理され、第1の処理装置によって処理されないため、二重処理が回避されることを意味する。
【0012】
更に換言すれば、個々の装置構成に応じて、特定の圃場場所を処理するために最適な処理装置が使用される圃場のマルチ装置処理が本明細書で提案される。本明細書で使用される場合、第1の処理装置は、特定の圃場場所における圃場の主要な部分を処理するため、一次処理装置とも呼ばれ得る。同様に、第2の処理装置は、第1の処理装置と比較して圃場のより小さい部分を処理するため、二次処理装置とも呼ばれ得る。原則的に、第1の処理装置と第2の処理装置との両方が圃場の処理のために構成され、監視のためだけでなく、特に処理技術の点で少なくとも部分的に互いに異なる装置構成を有することに留意されたい。例えば、第1の処理装置は、第1の処理装置によって処理される全ての圃場状態を必ずしもカバーすることができず、その結果、予想されない雑草若しくは抵抗性雑草、圃場の端部帯又は他の圃場状態が第1の処理装置によって処理することができない、第1の処理装置のタンク内に収容され得る第1の処理技術及び/又は製品が装備されるか又はそれらのために構成され得る。例えば、第1の処理装置は、抵抗性雑草、圃場上で予想される特定の雑草クラス又は散布と異なる処理機構、例えば機械的処理などを受ける雑草クラスに対して有効でないタンク混合物を運搬することができる。その結果、特定の雑草が排除されず、取り残しとして分類され得る。これらの排除されなかった雑草は、処理後直ちに又は第1の処理装置を使用することにより、いかなる処理もなしに識別され得る。
【0013】
第1の処理装置は、少なくとも1つの第2の処理装置が(特に第1の処理装置の代わりに)その少なくともより適切な第2の装置構成により、特定の圃場場所における圃場を処理するように命令されるまで、少なくとも1つの第2の処理装置をオンボードで運搬する、すなわちピギーバックして搬送し得ることに留意されたい。また、2つ以上の第2の処理装置が第1の処理装置によって運搬され得る。第1の処理装置は、例えば、第2の処理装置をその動作前又は動作後に保持するように適合されたホルダ、ドッキングステーションなどを含み得る。代替的又は追加的に、少なくとも1つの第2の処理装置は、第1の処理装置に対して遠隔の場所、すなわち1つ以上の第2の処理装置のためのハブ、ベースなどの第1の処理装置における又は第1の処理装置上にない場所からその動作を開始することができる。第1の処理装置は、その外形寸法に関して大規模である一方、第2の処理装置は、第1の処理装置と比較して小規模であることに留意されたい。
【0014】
更に、第2の処理装置は、たとえその第2の装置構成のために理想的に圃場を処理するのに適していない場合でも、特定の圃場場所における圃場を処理するように命令され得るが、少なくともその第1の装置構成を有する第1の処理装置よりも圃場を処理するのに適していることに留意されたい。例えば、1つ以上のデータセット、データベース、ルックアップテーブルなどから知られ得るか又はそれらに記憶され得る第1の装置構成及び第2の装置構成は、例えば、スコア付け及び/又は互いに対する重み付けなどの評価に基づいて、特定の圃場場所の処理のために選択され得る。このように、最適な装置構成が考慮され、対応する処理装置は、特定の圃場場所を処理するように命令され得る。
【0015】
本明細書で使用される場合、第1及び/又は第2の処理装置の処理領域が2つ以上の圃場にまたがることもできる圃場内の圃場状態は、多くの意味で互いに異なり得る。換言すれば、圃場状態という用語は、例えば、植生依存性、侵入依存性、場所依存性、空間依存性、解像度依存性などとして理解され得る。例えば、圃場状態は、場所ベースであり得、例えば、いくつかの管轄区域では、除草剤及び殺虫剤を使用せずに栽培される圃場上の限界領域である、いわゆる緩衝帯又は圃場の限界帯に対して、特定の農薬若しくは除草剤又はいかなる化学製品も散布することが許容可能でない場合がある。この場合、その他の第2の装置構成を有する第2の処理装置は、例えば、法律で許可された、その場所に適している処理技術をそこに散布するために、この限界帯に対して特別に制御され得る。加えて、雑草の生育状況又は虫、害虫、病原体などの発生状況が異なるため、圃場状態も異なり得る。更に、第1及び第2の処理装置は、それらの操縦性、処理精度、処理解像度、すなわちそれらの処理ユニットによって処理される圃場領域のサイズなどにおいて異なり得る。この場合、圃場のより小さい領域は、より面倒な処理装置によって大き過ぎる領域よりも、より小さい及び/又はより操縦可能な処理装置によってより高い処理解像度で処理され得る。第2の処理装置は、圃場処理のための異なる製品及び/又は異なる処理技術で構成され、したがって特定の圃場場所を処理するように制御されることも可能である。
【0016】
本明細書で使用される場合、処理装置という用語は、圃場を処理するように構成された任意の装置として理解され得るか又はそれを含み得る。処理装置は、圃場を横断するように構成され得る。処理装置は、それ自体の駆動を有するか、又は牽引車両によって牽引される地上車両、空中車両、軌道車両、ロボット、航空機、無人航空機(UAV)、ドローンなどであり得る。処理装置は、1つ以上の処理ユニット及び/又は1つ以上の監視ユニット、例えば検出手段、センサなどを装備し得る。処理装置は、処理ユニット及び/又は監視ユニットを介して圃場データを収集するように構成され得る。処理装置は、監視ユニットを介して圃場の圃場データを感知するように構成され得る。処理装置は、処理ユニットを介して圃場を処理するように構成され得る。処理ユニットは、処理装置の監視ユニットによって提供された監視信号に基づいて動作させることができる。処理装置は、接続のための通信ユニットを含み得る。通信ユニットを介して、処理装置は、圃場データを提供、受信若しくは送信し、動作データを提供、送信若しくは受信し、且つ/又は例えばデータパケット、メッセージなどの形態で動作データを提供、送信若しくは受信するように構成され得る。
【0017】
処理という用語は、農業における植物、作物などの栽培のための任意の処理として広義に理解することができ、これらに関連し得る。処理は、播種、製品の散布、収穫などの圃場上でシーズン中に実施される任意の処理を含み得る。更に、処理という用語は、処理製品を提供することを含み得、これは、広義に理解することができ、処理のために有用な任意の物体又は材料を指し得る。本開示に関連して、処理製品という用語は、
- 化学製品、例えば防カビ剤、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、軟体動物駆除剤、殺線虫剤、殺鳥剤、殺魚剤、殺鼠剤、忌避剤、殺菌剤、殺生物剤、毒性緩和剤、植物生長調節剤、ウレアーゼ阻害剤、硝酸化成抑制剤、脱窒阻害剤又はそれらの任意の組合せ、
- 生物学的製品、例えば防カビ剤(バイオ防カビ剤)、除草剤(バイオ除草剤)、殺虫剤(バイオ殺虫剤)、殺ダニ剤(バイオ殺ダニ剤)、軟体動物駆除剤(バイオ軟体動物駆除剤)、殺線虫剤(バイオ殺線虫剤)、殺鳥剤、殺魚剤、殺鼠剤、忌避剤、殺菌剤、殺生物剤、毒性緩和剤、植物生長調節剤、ウレアーゼ阻害剤、硝酸化成抑制剤、脱窒阻害剤又はそれらの任意の組合せとして有用な微生物、
- 肥料及び栄養物、
- 種子及び苗木、
- 水、及び
- それらの任意の組合せ
を含み得る。
- 処理という用語は、例えば、除草機、ナイフ、レーキなどを使用する機械的処理、例えば除草などの処理機構を含むことも可能である。
- 対象向け燃焼を処理技術又は処理機構として使用することもできる。
【0018】
本明細書で使用される場合、装置構成という用語は、第1及び/又は第2の処理装置が、例えば、上述の処理機構、処理技術及び/又は処理製品の1つ以上を使用して、圃場の特定の処理を可能にする例えばオンボード機器を運搬することと理解することができる。更に、装置構成は、第1又は第2の処理装置が特定の処理解像度を有すること、すなわちその処理ユニットで少なくとも特定の領域サイズを処理するように構成されること又は特定の領域サイズまでのみ処理できること、特定の操縦性を有すること、すなわちより劣るか又はより面倒であることなどを意味すると理解することもできる。
【0019】
圃場データは、広義に理解することができ、第1及び/又は第2の処理装置によって取得され得る任意のデータを含み得る。圃場データは、処理装置の処理ユニット及び/又は監視ユニットから取得され得る。圃場データは、処理装置によって取得された測定データを含み得る。圃場データは、処理装置の監視ユニットを制御するように又は制御するために構成された監視ユニットデータを含み得る。圃場データは、処理装置の処理ユニットを制御するように又は制御するために構成された処理ユニットデータを含み得る。圃場データは、圃場上の圃場状態が導出され得るデータを含み得る。圃場データは、処理装置の処理及び/又は監視動作に関連するデータを含み得る。圃場データは、少なくとも1つの区画の監視又は処理状態が導出され得るデータを含み得る。圃場データは、画像データ、スペクトルデータ、それに基づいて区画が分析されるか又は区画が例えば監視若しくは処理状態でフラグ付けされ得る区画データ、作物データ、雑草データ、土壌データ、地理データ、処理装置の軌道データ、測定された環境データ(例えば、湿度、気流、温度、日射)及び処理動作に関連する処理データを含み得る。圃場データは、圃場における場所又は位置などの区画に関連付けられ得る。圃場データは、圃場における場所又は位置などの特定の区画に関連付けられた、場所又は位置などの区画固有のデータであり得る。
【0020】
更に、本明細書で使用される場合、特定の圃場場所を提供することは、第1及び/又は第2の処理装置及び/又はサーバ、クラウドなどの中間装置の通信インターフェースを介して1つ以上のデータパケット、メッセージなどを提供すること、例えば送信することを含み得る。
【0021】
圃場という用語は、広義に理解することができ、処理される圃場を指し得る。圃場は、農場、温室など、任意の植物又は作物栽培領域であり得る。それは、軌道路、道路側帯など、処理される任意の領域も含み得る。植物は、作物、雑草、自生植物、前の生育期からの作物、有用植物又は圃場に存在する任意の他の植物であり得る。圃場は、その地理的位置又は地理参照された位置データを通して識別され得る。基準座標、サイズ及び/又は形状は、圃場を更に特定するために使用され得る。圃場は、基準座標及び圃場境界によって識別され得る。
【0022】
特定の圃場場所という用語は、この場合に広義に理解されるべきであり、圃場上の少なくとも1つの位置又は場所に関連し得る。特定の圃場場所は、圃場上の複数の位置又は場所を含む圃場の区画及び/又はゾーンにも関連し得る。区画、例えばゾーンは、圃場の連続した領域を形成する複数の位置又は場所に関連し得る。特定の圃場場所は、共通の圃場状態を示す圃場上の複数の位置又は場所の圃場の分散されたパッチに関連し得る。特定の圃場場所は、区画の圃場状態を示すように分析され得る。特定の圃場場所は、圃場状態を示す1つ以上のフラグがフラグ付けされた圃場上の1つ以上の位置又は場所を含み得る。圃場は、複数の特定の圃場場所を含むことができ、これらは、異なるサイズ、圃場状態などを有し得る。特定の圃場場所は、圃場データ、特に圃場状態に関連するか、又は圃場データによって識別され得る。特定の圃場場所は、位置識別子を介してフラグ付け及び/又は識別され得る。特定の圃場場所は、その地理的場所又は地理参照された場所データを通して識別され得る。基準座標、サイズ及び/又は形状は、区画を更に識別するために使用され得る。特定の圃場場所は、副圃場の解像度であり得る。特定の圃場場所は、複数百メートル~数ミリメートルの範囲、好ましくは数メートル~数センチメートル、より好ましくは複数のセンチメートル、例えば1~300センチメートルの範囲、10~200センチメートルの範囲又は20~150センチメートルの範囲の空間解像度を含み得る。特定の圃場場所は、圃場の副領域又は副領域の地理的場所若しくは場所座標を指す。
【0023】
一実施形態によれば、方法は、第2の処理装置のための、特定の圃場場所に基づいて生成された制御データを提供して、第2の処理装置を、処理される特定の圃場場所まで誘導することを更に含み得る。例えば、特定の圃場場所を提供することは、第2の処理装置に対して、対応する制御データを提供することを含み得、第2の処理装置に、特定の圃場場所を目標とし、且つその場所における圃場の処理を実行するように命令するために使用され得る。このように、特定の圃場状態が位置する場所の単なる情報だけでなく、例えば誘導としてのナビゲーションデータを含む、どのような方法で到達できるかという情報も提供され得る。
【0024】
一実施形態では、圃場状態であって、そのために第1の処理装置が構成されていない圃場状態を有する複数の圃場場所が判定され得、第2の処理装置の制御データは、その複数の場所に順に方向付ける軌道で生成され得る。これは、いくつかの特定の圃場場所も収集され、次いで所望の時点でまとめて対処され得ることを意味する。これにより、例えば、第2の処理装置は、単一の特定の圃場場所に毎回向かう必要がなく、個々の特定の圃場場所ごとにスタート及びリターン、例えば空中車両の場合の着陸を必要とするものの、スタートフェーズ及びリターンフェーズを1回のみ完了すればよい。
【0025】
一実施形態によれば、制御データは、第1の処理装置から第2の処理装置に直接送信され得る。例えば、第1の処理装置は、制御データを判定するように構成されたオンボードコンピュータ、マイクロコンピュータ、チップ、FPGAなどを含み得る。これにより、制御データをそこで判定及び/又は計算させるために、サーバ、クラウドなどの中間エンティティへのデータ接続が不要であるため、特に有利である。例えば、第2の処理装置が第1の処理装置によって搬送、例えば運搬されることも可能であり、それにより、第1の処理装置及び第2の処理装置は、少なくとも中間エンティティへの継続的なデータ接続なしで、圃場を処理するためのシステムを既に形成することができる。
【0026】
一実施形態では、制御データは、サーバ又はコンピューティングクラウドを介して第1の処理装置から第2の処理装置に提供及び/又は送信され得る。代わりに、第1の処理装置は、既に判定された制御データなしでサーバ又はクラウドに特定の圃場状態を送信又はより一般的に提供することができる。例えば、通信は、第1の処理装置→サーバ又はクラウド→第2の処理装置という経路を介して行われ得る。この場合、第1の処理装置から第2の処理装置への直接通信経路を提供する必要はない。この場合、第1の処理装置及び第2の処理装置並びにサーバ又はクラウドは、処理のためのシステムを形成し得る。
【0027】
実施形態によれば、圃場データにおける圃場の監視は、第1の処理装置によって実施される。これは、監視が第1の処理装置自体の処理動作中に行われ得、第2の処理装置による代替処理がこの時間中に依然として開始され得ることを意味する。例えば、第1の処理装置が圃場中を横断し、その1つ以上の監視ユニットが画像を捕捉することができる。次いで、画像は、圃場状態を検出する画像分析アルゴリズムによって分析され得る。画像分析アルゴリズムは、第1の処理装置のオンボードでの分析のために、又はサーバ若しくはクラウドにおいて、又はそれらの組み合わせによって提供され得る。画像分析から検出された圃場状態は、対応するデータセット、データベース、ルックアップテーブルなどで提供され得る第1及び/若しくは第2の装置構成に関する知識並びに/又は圃場状態と装置構成との照合に基づいて分類され得る。
【0028】
一実施形態では、圃場データの分析は、第1の処理装置によってオンボードで実施され得る。このように、データ分析のための他のエンティティを必要とせず、オンボードコンピュータなどが使用されるのみであるため、第1及び第2の処理装置のみで処理のためのシステムを形成することができる。
【0029】
一実施形態によれば、圃場データの分析は、圃場データが提供される、例えば送信されるサーバ又はコンピューティングクラウドによって実施され得る。このように、サーバ又はクラウドが計算タスクの少なくとも一部を実行するため、オンボードコンピュータなどのオンボードリソースを節約するか又は最小限に保持することができる。
【0030】
一実施形態では、特定の圃場場所は、複数の第2の処理装置のうちの特定の第2の処理装置をアドレス指定するための第2の装置識別子と関連付けられ得る。例えば、2つ以上の第2の処理装置に関する知識が例えば記憶されて利用可能であり得、各第2の処理装置は、それ自体の第2の装置識別子を割り当てられる。それぞれの第2の処理装置は、それらの装置構成に関して互いに異なり得る。したがって、処理は、そのそれぞれの第2の装置識別子によって最適な第2の処理装置をアドレス指定することにより、適切な第2の処理装置によって2つ以上の特定の圃場場所に対しても実施され得る。
【0031】
第2の態様では、圃場を処理するための第1の処理装置が提供される。第1の処理装置は、第1の処理装置が圃場を横断するときに圃場データで圃場を監視するように構成された1つ以上の監視ユニットを含む。第1の処理装置は、圃場データを分析して、特定の圃場場所における圃場が、第1の処理装置が処理するように構成される圃場状態を有するかどうかを判定するように構成された制御ユニットと、1つ以上の処理ユニットと、第1の通信インターフェースとを更に含む。それにより、制御ユニットは、それぞれの圃場状態に関連付けられた特定の圃場場所における圃場が第1の処理装置の第1の装置構成で処理可能であると判定される場合、1つ以上の処理ユニットを使用して、特定の圃場場所における圃場の処理を制御し、それぞれの圃場状態に関連付けられた特定の圃場場所における圃場が第1の処理装置の第1の装置構成で処理可能でないと判定される場合、特定の圃場場所を提供するように第1の通信インターフェースを制御するように更に構成される。
【0032】
第1の通信インターフェースは、例えば、WLAN、モバイル通信又は他の無線伝送技術などによる有線又は無線通信のために構成され得る。
【0033】
第2の態様の第1の処理装置は、上記の第1の態様に関して言及されたものに対応し得、上述の実施形態、実施例及び技術的効果の説明が第2の態様にも適用されるため、これらへの参照がなされることに留意されたい。
【0034】
一実施形態によれば、第1の処理装置は、好ましくは、地上で動作される噴霧装置であり得、1つ以上の処理ユニットは、少なくとも1つのタンクに接続されたノズルとして構成される。例えば、第1の処理装置は、トラクタなどの牽引車両によって牽引され得るトレーラでもあり得る。上述したように、第1の処理装置は、タンク構成、例えばタンクの数及び/又は処理のために指定された若しくは異なる指定された製品、操縦性、処理解像度の1つ以上を含むが、これらに限定されない第1の装置構成を有する。これにより、第1の処理装置が圃場の一部分を処理することを可能にするが、依然として少なくとも特定の圃場場所を第2の処理装置に提供するようにセットアップされる。
【0035】
一実施形態では、第1の処理装置は、少なくとも1つのホルダを含み得、このホルダは、ドッキング及び/又は充電ステーション、ハブなどを含み、少なくとも1つの更なる第2の処理装置を運搬するように構成され得、通信インターフェースは、第2の処理装置及び/又はサーバ若しくはクラウドと通信するように構成される。このように、第1の処理装置は、少なくとも1つの第2の処理装置を運搬することができ、第2の処理装置と通信することもできる。このように、第1及び第2の処理装置は、圃場を処理するためのシステムを形成することができ、システムは、任意選択的に、サーバ又はクラウドを含むことができる。
【0036】
第3の態様では、圃場を処理するための第2の処理装置が提供される。第2の処理装置は、第1及び/又は第2の態様による第1の処理装置から特定の圃場場所を受信するように構成された第2の通信インターフェースを含む。第2の処理装置は、圃場を処理するように構成された処理機構と、第2の処理装置を、受信された特定の圃場場所まで誘導し、且つ処理機構を制御するように構成された制御ユニットとを更に含む。
【0037】
第3の態様の第2の処理装置は、上記の第1及び/又は第2の態様に関して言及されたものに対応し得、上述の実施形態、実施例及び技術的効果の説明が第3の態様にも適用されるため、これらへの参照がなされることに留意されたい。
【0038】
例えば、第2の処理装置は、機械的、化学的又は電気的であり得る1つ以上の処理機構を含み得る。例えば、第2の処理装置は、切断装置、タンク装置、除草装置、燃焼装置など、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0039】
一実施形態によれば、第2の処理装置は、地上ロボット又は無人航空機、ドローンなどである。例えば、第2の処理装置は、例えば、対応する、すなわち第1の処理装置と相補的なハウジング設計により、第1及び/又は第2の態様の第1の処理装置によって運搬され、且つ/又はそれに取り付けられるように構成され得る。
【0040】
第4の態様によれば、圃場を処理するためのシステムが提供される。このシステムは、第1又は第2の態様による第1の処理装置と、第1又は第3の態様による第2の処理装置とを含む。任意選択的に、第2の処理装置は、第1の処理装置によって運搬される。
【0041】
このように、システムは、第1の処理装置に対して存在するが、第2の処理装置に対して存在しないか又は少なくとも同じ程度に存在しないという制限のために、第1の処理装置で処理することができない1つ以上の特定の圃場場所の、第2の処理装置による目標処理を可能にする。後者の適合性又は不適合性は、それぞれの装置構成を、考慮中の特定の圃場場所の処理に関する条件及び/又は制限と照合することによって判定され得る。
【0042】
第5の態様によれば、コンピュータプログラム要素が提供され、このコンピュータプログラム要素は、プロセッサによって実行されると、第1の態様の方法を実施し、且つ/又は第1及び/若しくは第2の態様による第1の処理装置を制御し、且つ/又は第1及び/若しくは第3の態様による第2の処理装置を制御し、且つ/又は第4の態様によるシステムを制御するように構成される。
【0043】
コンピュータプログラムは、プロセッサ、コンピュータなどにより、且つ/又は上記の処理装置及びシステムの1つ以上により実行されると、処理装置又はシステムに、上記の実施形態を実施させる命令を含み得ることに留意されたい。したがって、上述した実施形態、実施例及び技術的効果の説明が第3の態様にも適用されるため、これらへの参照がなされる。
【0044】
本発明の実施形態について、異なる主題を参照して説明していることに留意されたい。特に、いくつかの実施形態は、方法タイプの請求項を参照して説明しているのに対して、他の実施形態は、装置タイプ又はシステムタイプの請求項を参照して説明している。しかしながら、当業者であれば、上記及び以下の説明から、別途注記されない限り、1種類の主題に属する複数の特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関係する特徴間の任意の組み合わせも本出願に開示されていると推察するであろう。更に、全ての特徴を組み合わせることで、それらの特徴の単なる合算よりも多くの相乗効果を得ることができる。
【0045】
本明細書に開示されるシステム、処理装置及びコンピュータ要素は、上述の方法を実行するように更に構成され得る。システムは、例えば、集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して且つ/又は例えば非集中型アーキテクチャにおいて、処理装置から処理装置に直接、動作データを提供するように構成され得る。システム及び/又は処理装置は、圃場データを分析し、且つそのような分析の結果を、例えば集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して且つ/又は例えば分散型アーキテクチャにおいて、任意の処理装置を介して提供するように構成され得る。システムは、例えば、集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して且つ/又は例えば非集中型アーキテクチャにおいて、任意の処理装置を介して適切な第2の処理装置を選択するように構成され得る。システムは、例えば、集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して且つ/又は例えば非集中型アーキテクチャにおいて、任意の処理装置を介して直接、ミッションスケジュールに基づいて動作データを判定及び/又は提供するように構成され得る。システム及び/又は処理装置は、動作データを提供すると、圃場を処理するために使用される第1の処理装置及び/又は第2の処理装置の数を動的に調整するように構成され得る。
【0046】
以下では、本開示が添付の図面に関連して更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】例示的な実施形態による、第1の処理装置及び第2の処理装置を含む、圃場を処理するためのシステムを示す。
図2】例示的な実施形態による、第1の処理装置の詳細を伴う、第1の処理装置及び第2の処理装置を含む、圃場を処理するためのシステムを示す。
図3】例示的な実施形態による、第2の処理装置の詳細を伴う、第1の処理装置及び第2の処理装置を含む、圃場を処理するためのシステムを示す。
図4】例示的な実施形態による、第2の処理装置の詳細を伴う、第1の処理装置及び第2の処理装置を含む、圃場を処理するためのシステムを示す。
図5】例示的な実施形態による、第1の処理装置の内部構成要素を示すブロック図である。
図6】例示的な実施形態による、圃場を処理する方法を示すフロー図である。
図7】例示的な実施形態による、圃場を処理する方法を示す例示的なデータフロー図である。
図8】例示的な実施形態による、圃場を処理する方法を示す例示的なデータフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示は、圃場が、圃場全体にわたって分散する不均一な圃場状態(例えば、植物、雑草、土壌、法的制限など)を含むという知見に基づく。これらの圃場状態は、様々であり、したがって処理装置が圃場を処理する前に完全には知られていない。圃場の処理プロセス中に処理装置を用いて監視することにより、圃場のこれらの特定の圃場状態が少なくとも部分的に明らかになる。これらの特定の圃場状態に関する収集された情報は、特定の圃場状態に最適な装置構成を有する少なくとも2つの処理装置のうち、その処理装置のみに命令することを有益に可能にするのに役立つ。そうすることで、最適な装置構成で圃場の異なる圃場状態に対して(再)対応させることが可能となる。これにより、複数の処理装置による圃場の装置構成駆動型処理が可能となり、有利には処理効率及び/又は処理精度を向上させる。
【0049】
以下の実施形態は、本明細書で開示されるシステム、処理装置、方法又はコンピュータ要素を実装するための単なる例であり、限定的なものとしてみなされるべきではない。
【0050】
図1は、複数の圃場区画及び/又は特定の圃場場所10aを含む、圃場10を処理するためのシステム1の例示的な実施形態を示し、システム1は、第1の処理装置100及び少なくとも1つの第2の処理装置200を含む。少なくとも1つの第2の処理装置200は、第1の処理装置100によって運搬され得、第1の処理装置100上に取り付け可能であり得ることに留意されたい。少なくともいくつかの実施形態では、第1の処理装置は、一回のみ存在し、1つ以上の第2の処理装置、更に互いに異なる複数の第2の処理装置が存在する。第1の処理装置100は、圃場10を監視して処理するように構成され、例えば地上動作型噴霧装置として提供される。それは、例えば、トラクタベースであるか又は牽引され得、それ自体の推進力を有しても又は有しなくてもよい。第1の処理装置100は、以下でより詳細に説明する第1の装置構成を有し、これにより圃場10又はその1つ以上の副領域に処理を適用することを可能にする。
【0051】
第1の処理装置100は、第1の処理装置が圃場10を横断するとき及び/又はその間に圃場データで圃場10aを監視するように構成される。更に、第1の処理装置100は、圃場データを分析して、特定の圃場場所10aにおける圃場が、第1の処理装置100が処理するように構成される圃場状態を有するかどうかを判定するように構成される。例えば、図1に示されるように、第1の処理装置100は、第2の処理装置200よりも大きく構築されるため、例えば操縦性が低いか、処理解像度が大き過ぎるか又は粗い、すなわち大きい(より大きい)領域のみを処理する、適合しない処理機構を有するなどの場合がある。したがって、分析、例えば分類及び/又は装置構成の知識の使用などに基づいて、第1の処理装置100は、特定の圃場場所10aがオンボード手段によって処理され得るか否かを判定することができる。
【0052】
更に、第1の処理装置100は、それぞれの圃場状態に関連付けられた特定の圃場場所10aにおける圃場が第1の処理装置の第1の装置構成で処理可能であると判定される場合、特定の圃場場所10aにおける圃場10の処理を制御し、且つそうでなければ、それぞれの圃場状態に関連付けられた特定の圃場場所10aにおける圃場10が第1の処理装置100の第1の装置構成は処理可能でないと判定される場合、特定の圃場場所を提供するために第1の通信インターフェースを制御するように更に構成される。
【0053】
少なくとも1つの第2の処理装置200は、圃場10を監視及び/又は処理するように構成され、且つ例えば地上ロボット又は無人航空機UAVとして提供され、オンボードコンピュータによって自律的に制御されるか、ユーザ装置500としてのパイロットコントローラによって遠隔で制御されるか、又は例えば初期動作データによって部分的に遠隔で制御され得る。第2の処理装置100は、以下でより詳細に説明する第2の装置構成を有する。システム1は、2つ以上の第2の処理装置200を含み得、その中で異なるタイプ、例えば地上のロボット又はUAVが混在し得、これらは、互いに異なる第2の装置構成を有し得ることに留意されたい。
【0054】
上述のように、それぞれの圃場状態に関連付けられた特定の圃場場所10aにおける圃場10が、第1の処理装置100の第1の装置構成で処理可能でないと判定される場合、特定の圃場場所10aは、例えばデータ、データセットなどとして少なくとも1つの処理装置200に提供されて、少なくとも1つの処理装置200に、特定の圃場場所10aにおける圃場10を処理するように命令する。
【0055】
図2は、例示的な第1の装置構成を有する第1の処理装置100を有するシステム1を示す。図2は、主要な構成要素を単に概略的に示しているに過ぎず、第1の処理装置100は、示されたものよりも多い又は少ない構成要素を含み得ることに留意されたい。この例では、第1の処理装置100は、トラクタに解放可能に取り付けられるか又はトラクタの一部に直接取り付けられ得る。少なくともいくつかの実施形態では、圃場噴霧機100は、処理ユニットを含み、この処理ユニットは、ブームに沿って配置された複数の噴霧ノズル100aを有するブームと共に構成され得る。噴霧ノズル100aは、固定され得るか、又はブームに沿って一定間隔若しくは不規則間隔で移動可能に取り付けられ得る。各噴霧ノズル100aは、噴霧ノズル100aから圃場10への流体の放出を調節するために、1つ以上の好ましくは別個の制御可能なバルブ100bと共に配置され得る。
【0056】
1つ以上のタンク100c、100d、100eは、ハウジング100f内に配置され、1つ以上の流体ライン100gを通してノズル100aと流体連通し、1つ以上の処理製品又は水のような組成物成分を噴霧ノズル100aに分配する。これは、処理製品又は混合物、処理製品又は混合物の個々の成分、選択的又は非選択的な処理製品、殺菌剤、殺菌剤混合物の成分、植物成長調節剤、植物成長調節剤混合物の成分、水、油又は任意の他の処理製品のような化学的に活性又は不活性な成分を含み得る。各タンク100c、100d、100eは、タンク100c、100d、100eから流体ライン100gへの流体の放出を調節するように制御可能なバルブを更に含み得る。
【0057】
監視及び/又は検出のために、圃場噴霧機は、例えば、ブームに沿って配置された複数の監視ユニット100iを有する検出システム100hを含む。監視ユニット100iは、ブームに沿って一定間隔又は不規則間隔で固定又は移動可能に配置され得る。監視ユニット100iは、圃場データを感知し、且つ圃場100jの1つ以上の状態を導出するように構成され得る。監視ユニット100iは、圃場10の画像を提供する光学構成要素であり得る。適切な光学監視構成要素100iは、マルチスペクトルカメラ、ステレオカメラ、IRカメラ、CCDカメラ、ハイパースペクトルカメラ、超音波カメラ又はLIDAR(光検出及び測距システム)カメラである。代替的又は追加的に、監視ユニット100iは、湿度、光、温度、風又は圃場10上の任意の他の適切な状態を測定するための更なるセンサを含み得る。
【0058】
少なくともいくつかの実施形態では、監視ユニット100iは、図2に示されるように、ユニット100iを処理装置100の移動方向に対して垂直に、且つノズル100aの(駆動方向から見て)前方に配置され得る。図2に示される実施形態では、監視ユニット100iは、光学監視ユニット100iであり、各監視ユニット100iは、ノズルがそれぞれの位置に達すると、視野がそれぞれのノズル100aの噴霧プロファイルを含むか又はそれと少なくとも重なるように単一のノズル100aに関連付けられる。他の配置では、各監視ユニット100iは、2つ以上のノズル100aに関連付けられ得るか、又は複数の監視ユニット100iは、各ノズル100aに関連付けられ得る。
【0059】
監視ユニット100i、タンクバルブ及び/又はノズルバルブ100bは、制御システム又は制御ユニット100kに通信可能に結合される。図2に示される実施形態では、制御ユニット100kは、主ハウジング100f内に配置され、それぞれの構成要素に有線接続される。別の実施形態では、監視ユニット100i、タンクバルブ又はノズルバルブ100bは、制御ユニット100kに無線接続され得る。更に別の実施形態では、2つ以上の制御ユニット100kは、装置ハウジング100f内に分配され、監視ユニット100i、タンクバルブ又はノズルバルブ100bに通信可能に結合され得る。
【0060】
制御ユニット100kは、制御ファイル若しくは制御ファイルによって提供された動作データに基づいて且つ/又は通信制御プロトコルに従い、監視構成要素100i、タンクバルブ又はノズルバルブ100bを制御及び/又は監視するように構成され得る。この点で、制御ユニット100kは、複数の電子モジュールを含み得る。例えば、1つのモジュールは、監視ユニット100iを制御して、圃場10の画像などの圃場データを収集するように構成され得る。更なるモジュールは、画像などの収集された圃場データを分析して、タンク又はノズルバルブ制御100bのパラメータを導出するように構成され得る。更なるモジュールは、制御データ及び/又は制御信号を導出するために動作データを受信するように構成され得る。なおも更なるモジュールは、そのような導出された制御データ又は制御信号に基づいて、駆動システム、タンクバルブ及び/又はノズルバルブ100bを制御するように構成され得る。
【0061】
上述したように、圃場噴霧機100は、画像捕捉装置100iなどの監視ユニット100iを含むか又はそれに通信可能に結合され、関心領域の1つ以上の画像を、例えばデータ処理ユニットによって処理され得る画像データとして制御ユニット100kに提供するように構成される。監視ユニット100iによる少なくとも1つの画像の捕捉と、制御ユニット100kによる同じ処理との両方が、圃場噴霧機の動作中に、オンボードで又は通信手段を通して、すなわちリアルタイムで実行されることに留意されたい。圃場状態が導出可能である画像データ以外の任意の他のデータセットが使用され得ることに更に留意されたい。
【0062】
更に、第1の処理装置100は、更なる第2の処理装置200を運搬するように構成された少なくとも1つのホルダ100mを含み得る。それにより、通信インターフェース144(図5を参照されたい)は、第2の処理装置200と通信するように構成され得る。
【0063】
図3は、この例ではUAVとして提供される第2の処理装置200の例示的な第2の装置構成を示す。この例に示される第2の処理装置200は、圃場データを収集するための監視ユニット210としてのカメラと、処理製品を噴霧するための処理ユニット220、230としての2つの噴霧ノズルとを含む。噴霧ノズル220、230は、第2の処理装置200、すなわちこの例ではUAVによって運搬される少なくとも1つのタンクと流体連通する。そのようなセットアップにより、収集された圃場データ及び監視された圃場状態に応じて処理ユニット220、230が圃場10及び/又は特定の圃場場所10aを処理するためにトリガされ得るため、より効率的で的を絞った圃場処理を可能にする。両方の動作は、第2の処理装置200がそれぞれの特定の圃場場所10aの上をホバリングしている間に実行され得る。別の実施形態では、第2の処理装置200は、監視ユニット210などの監視手段を含まないが、第1の処理装置100のみが圃場10を監視し、且つ/又は圃場データを取得するように構成される。更に、少なくともいくつかの実施形態では、第2の処理装置200は、噴霧機構以外の処理機構を含み得る。例えば、第2の処理装置200は、機械的処理機構、電気的処理機構、火炎機構又は噴霧機構と異なる別の機構によって圃場10を処理するように構成され得る。
【0064】
好ましくは、第2の装置構成にも寄与する第2の処理装置200の処理機構は、少なくとも2つの異なる構成の処理装置で異なる圃場状態を処理することを可能にするために、第1の処理装置100の処理機構と異なる。
【0065】
図4は、この例では地上ロボットとして提供される第2の処理装置200の例示的な第2の装置構成を示す。図3のセットアップとは対照的に、図4の配置は、地上ロボットとして第2の処理装置200を提供する。ロボットは、UAVに匹敵するが、空中ベースではなく、地上ベースである。UAVに加えて又はUAVの代わりにロボットを使用することは、ロボットが地上に対して安定した距離を有し、且つ把持又は切断のような地上ベースの処理動作のために取り扱うのにより容易であり得るという利点を有する。一般に、ロボットは、特定の圃場場所10aに対して異なる処理を可能にし得る、異なる又は追加的に提供される場合には更なる装置構成を有し得る。この例に示されるように、第2の処理装置200は、圃場データを収集し、且つ圃場状態を監視するための監視ユニット210と、処理製品を散布するための処理ユニットとしての処理ユニット220、230、例えば噴霧ノズルとを含む。処理ユニット220、230は、第2の処理装置200によって運搬される少なくとも1つのタンクと流体連通する。
【0066】
図5は、図1又は図2に図示された噴霧装置などの第1の処理装置100及び/又は図1図3若しくは図4に図示されたUAV若しくは地上ロボットなどの第2の処理装置200の内部構成要素の一例を示すブロック図である。説明を容易にするために、内部構成要素は、第1の処理装置100に関して説明され、第2の処理装置200にも適用されることに留意されたい。
【0067】
第1及び/又は第2の処理装置100、200は、アクチュエータ134及びアクチュエータ制御部136を含む、処理ユニット130を含む。アクチュエータは、エンジンアクチュエータ、処理装置100、200を操縦するために使用され得る操舵アクチュエータを含み得る。アクチュエータは、圃場10を処理し、且つ例えばアクチュエータ制御36を介して圃場データを提供するように構成された、処理アクチュエータを含み得る。アクチュエータ制御部136は、取得ユニット、提供ユニット又は制御ユニットなどのサブユニットを含み得る。
【0068】
処理装置100、200は、センサ138及びセンサ制御部140を有する監視ユニット132を更に含む。センサ138は、加速度計、ジャイロスコープ及び磁力計を含み得、これらは、処理装置100、200の加速度及び速度を推定するために使用され得る。センサ138は、圃場状態を感知し、且つ圃場データを提供するように構成された圃場監視センサを含み得る。センサ制御部140は、取得ユニット、提供ユニット又は制御ユニットなどのサブユニットを含み得る。
【0069】
処理装置100、200は、圃場10上の処理装置100、200のミッションを制御又は監視するように構成されたミッションコントローラ142を含む。ミッションコントローラ142は、取得ユニット、提供ユニット又は制御ユニットなどのサブユニットを更に含み得る。
【0070】
処理装置100、200は、例えば、ミッションスケジュール、圃場データ、動作データなどを記憶するためのオンボードメモリ148も含む。処理装置100、200は、全地球測位システム(GPS)又はカメラベース、例えば光学フローベースの測位システムなど、処理装置100、200の現在位置を提供するように構成された測位システム146を更に含む。処理装置100、200は、例えば、燃料又は充電可能バッテリを含む、電源又は燃料タンク148及びバッテリコントローラを更に含む。バッテリコントローラは、例えば、ミッション前又はミッション中に残っているバッテリレベルを提供するように構成され得る。処理装置100、200は、パイロットコントローラによって遠隔を介して完全に自律的に制御されるものから、例えば初期ミッションスケジュールによって部分的に遠隔で/自律的に制御されるものに及ぶ様々なレベルの制御部を備え得る。
【0071】
地上局300又は他の処理装置100、200若しくはクラウド環境100などの他の装置との通信のために、処理装置100、200は、無線通信インターフェース144を含む。無線通信インターフェース144は、4G若しくは5G回路などの1つ以上のセルラー通信回路又はBluetooth若しくはZigBeeインターフェースなどの1つ以上の短距離通信回路で構成され得る。無線通信インターフェース144は、他の第2の処理装置200、地上局300、サーバ若しくはクラウド環境400又は遠隔コントローラ500など、分散システムの一部でもあり得る他の装置との通信を可能にする。サーバ又はクラウド環境400へのアクセスは、処理装置100、200の通信インターフェース144を介して、又は処理装置100、200の遠隔コントローラ500などのクライアント装置を介して、又は地上局300を介して提供され得る。
【0072】
図6は、圃場10を処理するための例示的な方法を示すフロー図である。図6に示される方法ステップは、システム1、特に第1の処理装置100又は第1の処理装置100と地上局300及び/若しくはクラウド環境400との組み合わせ並びに少なくとも1つの第2の処理装置200によって実行され得る。
【0073】
ステップS110において、第1の処理装置100は、そのミッションを開始又は継続する。第1の処理装置100は、圃場10を横断し、圃場10の少なくとも1つの区画又は特定の圃場場所10aの圃場データを取得する。圃場データは、1つ以上の光学センサなどの1つ以上の監視ユニット100iによって取得され得る。いくつかのセンサの例は、RGBカメラ、ハイパースペクトルカメラ、赤外線センサ、雑草センサ、疾病センサ、土壌センサ、気流センサ、レーダーセンサ、LIDARセンサ、LADARセンサ、湿度センサ又は日射センサである。監視ユニットは、1つ以上のセンサを含み得る。圃場データは、第1の処理装置100によって感知された圃場状態に関連する。例えば、制御ユニット100kは、1つ以上の監視ユニット100iを制御し、且つそこから圃場データを取得するように構成される。
【0074】
ステップS120において、第1の処理装置100が圃場10を横断するときに監視される又は監視された、取得された圃場データは、特定の圃場場所10aにおける圃場10が第1の処理装置100の第1の装置構成で処理可能である圃場状態を有するかどうかを判定するために分析される。
【0075】
1つの例示的な実施形態では、第1の処理装置100及び/又は第2の処理装置200の処理の適合性を判定するための分析は、オンボードで実行される。例えば、1つ以上の監視ユニット100iを介して圃場データを取得した第1の処理装置100の制御ユニット100kは、画像などの収集された圃場データを分析して、そこから特定の圃場場所10aにおける圃場状態を示す1つ以上のパラメータを導出するように構成される。一例として、制御ユニット100kは、第1の装置構成及び/又は第2の装置構成が、判定された圃場状態を与えられた特定の圃場場所10aを処理するのに適しているかどうかを判定するために、第1の処理装置100の第1の装置構成及び任意選択的に第2の処理装置200の第2の装置構成に関して、圃場状態を比較、ルックアップ、分類などするように更に構成される。
【0076】
別の実施形態では、第1の処理装置100及び/又は第2の処理装置200の処理の適合性を判定するための分析は、例えば、地上局300及び/又はサーバ若しくはクラウド環境400を使用することにより、オフボード、すなわち中央で実行される。例えば、第1の処理装置100の制御ユニット100kは、無線通信インターフェース144を制御して、取得された現場データを、対応する通信インターフェースを介して圃場データを受信するように構成される地上局300及び/又はサーバ若しくはクラウド環境400に提供、例えば送信する。これ又はこれらは、次いで、画像などの収集された現場データを分析して、そこから特定の圃場場所10aにおける現場状態を示す1つ以上のパラメータを導出する。一例として、地上局300及び/又はサーバ若しくはクラウド環境400は、第1の装置構成及び/又は第2の装置構成が、判定された圃場状態を与えられた特定の圃場場所10aを処理するのに適しているかどうかを判定するために、第1の処理装置100の第1の装置構成及び任意選択的に第2の処理装置200の第2の装置構成に関して、圃場状態を比較、ルックアップ、分類などするように更に構成される。分析後、地上局300及び/又はサーバ若しくはクラウド環境400は、通信インターフェースを介して、分析結果を、第1の処理装置100及び/又は第2の処理装置200に送信することができる。代替的又は追加的に、地上局300及び/又はサーバ若しくはクラウド環境400は、導出された圃場状態に対応して、特定の圃場位置10aにおける圃場10を処理するために、第1の処理装置100及び/又は第2の処理装置200に命令するように構成された制御データを導出、例えば生成することができる。
【0077】
ステップS130、すなわち図6の左の分岐において、第1の処理装置100は、それぞれの圃場状態に関連付けられた特定の圃場場所10aにおける圃場10が第1の処理装置100の第1の装置構成で処理可能であるとステップS120において判定される場合、特定の圃場場所10aにおける圃場10を処理するように制御される。
【0078】
一実施形態では、第1の処理装置100を制御するための制御データは、第1の処理装置100によってオンボードで導出される。例えば、制御ユニット100kは、ステップS120における分析及び任意選択的にステップS130における判定に基づいて制御データを導出して、そのような導出された制御データに基づいて、第1の処理装置100の駆動システム、タンクバルブ及び/又はノズルバルブ100bを制御する。
【0079】
別の実施形態では、第1の処理装置100を制御するための制御データは、オフボード、すなわち中央で例えば地上局300を使用することによって導出され、及び/又はサーバ若しくはクラウド環境400は、ステップS120における分析及び任意選択的にステップS130における判定に基づいて制御データを導出し、制御データは、そのような導出された制御データに基づいて、第1の処理装置100の駆動システム、タンクバルブ及び/又はノズルバルブ100bを制御するように構成される。
【0080】
そうでなければ、ステップS140、すなわち図6の右の分岐において、すなわちそれぞれの圃場状態に関連付けられた特定の圃場場所10aにおける圃場10が第1の処理装置100の第1の装置構成で処理可能でないと判定される場合、特定の圃場場所10aは、第1の装置構成と異なり、且つ特定の圃場場所10aにおける圃場10を処理可能な第2の装置構成を有する少なくとも1つの第2の処理装置200に提供される。
【0081】
一実施形態では、特定の圃場場所10aは、例えば場所情報データとして、第1の処理装置100から第2の処理装置200に直接提供される。例えば、制御ユニット100kは、対応する無線通信インターフェース144を介して、第2の処理装置200によって直接受信されるように、特定の圃場場所10aを提供するために無線通信インターフェース144を制御するように構成される。加えて、第1の処理装置は、特定の圃場場所10aにおける圃場10を処理するために第2の処理装置200を制御するための制御データを更に導出、例えば生成し、第2の処理装置200に直接提供することができる。
【0082】
別の実施形態では、特定の圃場場所10aは、例えば、位置情報データとして、地上局300及び/又はサーバ若しくはクラウド環境400に提供され、そこで、第2の処理装置200を制御するための制御データが生成されて、次いで例えば通信インターフェース及び第2の処理装置144の対応する通信インターフェース144を介して、第2の処理装置200に提供され得、それにより特定の圃場場所10aにおいて圃場を処理するように命令される。
【0083】
図7は、圃場を処理するための例示的な方法の例示的なデータフロー図である。この例示的な実施形態では、第1の処理装置100は、上述のように圃場データを収集し、圃場データを、特に、第1の処理装置100及び/又は第2の処理装置200に対する制御データを導出、例えば生成するための更なる処理のために、地上局300及び/又はサーバ若しくはクラウド環境に提供する。分散コンピューティング環境の異なる部分を使用する複数の他の実施形態も可能であり得る。
【0084】
第1のメッセージとして、第1の処理装置100は、その第1の装置構成を有する第1の処理装置100が特定の圃場場所10aにおける圃場10を処理するのに適しているかどうかを判定するための圃場データを、地上局300及び/又はサーバ若しくはクラウド環境400に送信する。地上局300及び/又はサーバ若しくはクラウド環境400は、圃場データに基づいて、第1の処理装置100及び/又は第2の処理装置200の適合性を判定し、第1の処理装置100及び/又は第2の処理装置200を制御するための制御データを生成又は更新する。生成又は更新された制御データは、第1の処理装置100及び/又は第2の処理装置200に送信される。
【0085】
任意選択的に、処理が完了すると、第1の処理装置100及び/又は第2の処理装置200は、例えば、割り当てられた利用可能な処理装置を追跡するミッションスケジュールを更新するために、そのような処理完了情報を地上局300及び/又はサーバ若しくはクラウド環境400に送信することができる。検証すると、地上局300及び/又はサーバ若しくはクラウド環境400は、第2の処理装置200がそれ以上の活動を停止するようにホーム復帰コマンドを送信する。第2の処理装置200は、次いで、第1の処理装置100に戻るように方向付けられ、そこから更に例えば次のミッションに運搬され得る。
【0086】
図8は、圃場を処理するための例示的な方法の例示的なデータフロー図である。この例示的な実施形態では、第1の処理装置100は、上述のように圃場データを収集し、例えば上述のような分析に基づいて、圃場10の特定の圃場場所10aをそれ自体によって処理することができるかどうかを判定する。図8は、第1の処理装置100が特定の圃場場所10aにおける圃場を処理するように構成されず、第2の処理装置200を生成する場合を示す。分散コンピューティング環境の異なる部分を使用する複数の他の実施形態も可能であり得る。
【0087】
一実施形態では、第1のメッセージとして、第1の処理装置102は、第1の処理装置100の第1の装置構成で処理可能でないと判定された特定の圃場場所10aを示す位置情報データを第2の処理装置200に送信する。そのような実施形態では、第2の処理装置200は、例えば、上述の制御システム又は制御ユニット100kのような制御システム又は制御ユニットにより、特定の圃場場所10aの処理を可能にするように構成された制御データを生成するように構成され得る。
【0088】
任意選択的に、処理が完了すると、第2の処理装置200は、第1の処理装置100に処理完了情報を送信し得、次に、第2の処理装置200は、例えば、ホームコマンドにより、第1の処理装置100に戻るように方向付けるように命令することができ、次いで、第2の処理装置200は、次のミッションまで第2の処理装置100を再び運搬する。
【0089】
別の実施形態では、第1のメッセージとして、第1の処理装置102は、特定の圃場場所10aにおいて圃場10を処理するように第2の処理装置200を制御するための制御データを生成して送信する。
【0090】
任意選択的に、処理が完了すると、第2の処理装置200は、第1の処理装置100に処理完了情報を送信し得、次に、第2の処理装置200は、例えば、ホームコマンドにより、第1の処理装置100に戻るように方向付けるように命令することができ、次いで、第2の処理装置200は、次のミッションまで第2の処理装置100を再び運搬する。
【0091】
任意選択的に、システム1は、複数の第2の処理装置200を含み得る。そのような実施形態では、特定の圃場場所10a及び/又はこれに基づいて生成された制御データは、複数の第2の処理装置200のうちの特定の第2の処理装置200をアドレス指定するための第2の装置識別子と関連付けられる。複数の第2の処理装置200の第2の装置構成は、例えば、1つ若しくはいくつかが地上ロボットであり、1つ若しくはいくつかがUAVである点において且つ/又は化学的、例えば噴霧機構、機械的、電気的若しくは火炎処理のためにセットアップされたそれぞれの処理機構において互いに異なり得る。
【0092】
好ましい実施形態と併せて本開示を例として説明してきた。しかしながら、図面、本開示及び特許請求の範囲を検討することにより、他の変形形態は、当業者により、特許請求の範囲に記載の発明を実施することによって理解され、実施され得る。とりわけ、特に提示された任意のステップは、任意の順序で実行され得、すなわち、本発明は、これらのステップの特定の順序に限定されるものではない。更に、異なるステップが特定の場所又は分散システムの1つのノードで実施されることも必須ではない。すなわち、ステップのそれぞれは、異なる機器/データ処理ユニットを使用して異なるノードで実施され得る。
【0093】
特許請求の範囲及び本明細書では、「含む」という語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を除外するものではない。単一の要素又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されたいくつかのエンティティ又は項目の機能を果たし得る。ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという事実のみでは、これらの手段の組合せを有利な実装形態で使用できないことを示すものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】