IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーエーエスエフ アグロ トレードマークス ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2024-528461複数の処理装置を用いた特定の雑草種の的を絞った処理
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】複数の処理装置を用いた特定の雑草種の的を絞った処理
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240723BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579133
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2022067441
(87)【国際公開番号】W WO2022269083
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】21181618.6
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21181620.2
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22157513.7
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22157516.0
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】521508254
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ アグロ トレードマークス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツィース,マイク
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,ホルガー
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC01
(57)【要約】
本開示は、複数の処理装置を用いた特定の雑草種の的を絞った処理に関する。圃場(112)を処理するための互いに異なる処理装置構成を有する複数の処理装置(102、103、104、107)の動作を制御するためのシステム及びコンピュータ実装方法が提供される。方法は、複数の処理装置(102、103、104、107)のうちの少なくとも1つが圃場を横断するときに監視される圃場データを分析して、圃場(112)の特定の圃場場所(113)に存在する雑草を雑草種によって識別することと、識別された雑草種にマッチしている処理装置構成を有する複数の処理装置(102、103、104、107)の中の少なくとも1つの処理装置(102、103、104、107)に、識別された雑草種に対して対応する特定の圃場場所(113)において圃場(112)を処理するように的を絞って指示することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場(112)を処理するための互いに異なる処理装置構成を有する複数の処理装置(102、103、104、107)の動作を制御するためのコンピュータ実装方法であって、
前記複数の処理装置(102、103、104、107)のうちの少なくとも1つが前記圃場を横断するときに監視される圃場データを分析して、前記圃場(112)の特定の圃場場所(113)に存在する雑草を雑草種によって識別することと、
識別された雑草種にマッチしている処理装置構成を有する前記複数の処理装置(102、103、104、107)の中の少なくとも1つの処理装置(102、103、104、107)に、前記識別された雑草種に対して前記対応する特定の圃場場所(113)において前記圃場(112)を処理するように的を絞って指示することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記識別された又は識別可能な雑草種が、それぞれの雑草識別子と関連付けられてそれぞれの雑草識別子を介して的を絞られ及び/又は識別された、選択的除草剤では処理不可能だが、広帯域除草剤では処理可能な、単子葉雑草、双子葉雑草、及び/又は重要雑草を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記的を絞った指示が、前記それぞれの雑草識別子を前記複数の処理装置の前記処理装置構成とマッチングして、前記マッチしている処理装置構成を有する処理装置を判定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の処理装置の前記処理装置構成が、対応する雑草種の処理可能性を示す処理装置構成識別子を介して関連付けられて、的を絞られている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記的を絞ったマッチングが、前記処理装置構成識別子を前記識別された雑草種とマッチングさせて、前記マッチングしている処理装置構成を有するその処理装置を判定することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
圃場(112)における雑草処理のための方法であって、前記圃場(112)を処理するための互いに異なる処理装置構成を有する複数の処理装置(102、103、104、107)によって実行され、
前記複数の処理装置(102、103、104、107)のうちの第1の処理装置のための単子葉除草剤若しくは双子葉除草剤、又は前記複数の処理装置(102、103、104、107)のうちの第2の処理装置のための重要雑草除草剤を提供することと、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法に従って、前記それぞれの除草剤が提供された前記第1の処理装置及び/又は前記第2の処理装置を動作させることと、
を含む、方法。
【請求項7】
圃場における雑草処理のための方法であって、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法において使用するための処理装置構成の少なくとも一部として、単子葉除草剤、双子葉除草剤、又は重要雑草除草剤を提供することを含む、方法。
【請求項8】
圃場(112)を処理するためのシステムであって、
互いに異なる処理装置構成を有する複数の処理装置(102、103、104、107)と、
コントローラ(100)であって、
前記複数の処理装置(102、103、104、107)のうちの少なくとも1つが圃場を横断するときに監視される圃場データを分析して、前記圃場(112)の特定の圃場場所(113)に存在する雑草を雑草種によって識別し、且つ
前記識別された雑草種にマッチしている処理装置構成を有する前記複数の処理装置(102、103、104、107)のうちの少なくとも1つに、前記識別された雑草種に対して前記対応する特定の圃場場所(113)において前記圃場(112)を処理するように的を絞って指示する、
ように構成された、コントローラ(100)と、
を備える、システム。
【請求項9】
前記複数の処理装置(102、103、104、107)のうちのそれぞれの処理装置の処理装置構成が、それぞれの雑草識別子と関連付けられてそれぞれの雑草識別子を介して的を絞られた、選択的除草剤では処理不可能だが、広帯域除草剤では処理可能な、単子葉雑草、双子葉雑草、及び/又は重要雑草の処理と関連付けられている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の処理装置(102、103、104、107)の前記処理装置構成が、対応する雑草種の処理可能性を示す処理装置構成識別子を介して関連付けられて、的を絞られている、請求項8又は9に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラ(100)が、少なくとも部分的に、前記複数の処理装置(102、103、104、107)に対して分離されたサーバ若しくはクラウド環境(C)及び/又は地上局(110)に配置されている、請求項8~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラ(100)が、少なくとも部分的に、前記複数の処理装置のうちの1つ以上と共にオンボードで配置されている、請求項8~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記処理装置構成が、単子葉除草剤又は双子葉を含む点、又は重要雑草除草剤、機械的処理ユニット若しくは電気的処理ユニットを含む点において、互いに異なっている、請求項8~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法において、及び/又は請求項8~13のいずれか一項に記載のシステムにおける、単子葉除草剤、双子葉除草剤、重要雑草除草剤、機械的処理ユニット又は電気的処理ユニットを含む、処理装置(102、103、104、107)の使用。
【請求項15】
命令を有するコンピュータプログラム要素であって、前記コンピュータプログラム要素が、コンピューティング装置上で実行されると、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法のステップを実行し、及び/又は請求項8~13のいずれか一項に記載のシステムを制御するように構成されている、コンピュータプログラム要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圃場のコンピュータ支援処理に関する。特に、圃場を処理するための互いに異なる処理装置構成を有する複数の処理装置の動作を制御するためのコンピュータ実装方法、対応するシステム、雑草処理方法、及びコンピュータプログラム要素に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の一般的な背景は、圃場、温室などであり得る、圃場における植物の処理である。栽培作物などの植物の処理にはまた、圃場に存在する雑草の処理、圃場に存在する虫の処理、又は圃場に存在する病原体の処理を含み得る。
【0003】
農業をより持続可能なものにし、且つ環境への影響を低減するために、精密農業技術が開発されている。ここで、ドローン、ロボット、地上操作型スマート噴霧機などの半自動又は全自動植物処理装置は、生態学的及び経済的なルールに基づいて、圃場における雑草、虫、及び/又は病原体を処理するように構成され得る。ドローン又はロボットの分野における技術開発により、農家のための新たな処理スキームが可能になる。
【0004】
実際には、処理されるべき圃場は、圃場区画ごとに又は1つの圃場区画内で異なる圃場状態、すなわち圃場状態の多様性を有する場合がある。例えば、圃場内の異なる圃場区画又は場所は、均一に、すなわちオンボードリソースだけで処理することができない異なる雑草、虫、及び/若しくは病原体をホストとするか若しくはそれらを示す場合があり、又は空間的、幾何学的、法的などの異なる制限を受ける場合があり、これらもまた、圃場全体にわたる、すなわち全ての圃場区画にわたる均一な処理を許容しない。
【0005】
例えば、米国特許出願公開第2017/0258005A1号明細書には、モバイル監視装置とモバイル展開装置とを備えるシステムが記載されている。モバイル監視装置及び/又は静止監視装置は、目標となる植物を監視し、中央コンピュータは、目標となる植物を識別する。その情報に基づいて、中央コンピュータは、目標となる植物に処理が必要であると判定する。次いで、目標となる植物を処理するためのメッセージが、モバイル展開装置に送信される。この欠点は、モバイル展開装置が目標となる植物を特別に処理するようにしか構成されておらず、異なる現場状態に容易に対応することができない一方で、モバイル監視装置には処理能力がないことである。
【0006】
米国特許出願公開第2019/0166752A1号明細書は、監視無人航空機と農業用航空機とを備えるシステムを記載している。空中散布タスク管理サーバは、農業用航空機が製品アプリケータ装置を使用することによって目標となる領域上に製品を展開するための空中散布タスクを実行している間に、監視無人航空機の撮像センサから受信したデータを介して、農業用航空機の上方の高度に監視無人航空機を位置決めして、農業用航空機の性能を監視する。ここでも、欠点は、農業用航空機が特定の構成で動作し、異なる圃場状態に容易に対応できない一方で、監視用無人航空機には処理能力がないことである。
【0007】
米国特許出願公開第2019/0116726A1号明細書は、散布される材料を貯蔵しているタンクを有し、且つ無人航空機(UAV)のセットを搭載した農業用散布機を記載している。UAVは、センサを備え、且つ農業用噴霧機によって噴霧された材料の過噴霧を検出するように、監視領域内に位置決めされる。ここでも、欠点は、農業用噴霧機が特定の構成で動作され、異なる圃場状態に容易に対応できない一方で、UAVには処理能力がないことである。
【0008】
したがって、圃場状態の多様性により良好に対処する必要性が依然として存在し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、圃場状態の多様性への対処を改善することである。本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、更に複数の実施形態が従属請求項に組み込まれている。
【0010】
第1の態様では、圃場を処理するための互いに異なる処理装置構成を有する複数の処理装置の動作を制御するためのコンピュータ実装方法が提供される。
【0011】
この方法は、複数の処理装置のうちの少なくとも1つが圃場を横断するときに監視される圃場データを分析して、圃場の特定の圃場場所に存在する雑草を雑草種によって識別するステップを含む。更なるステップとして、この方法は、識別された雑草種に対してマッチしている処理装置構成を有する複数の処理装置の中の少なくとも1つの処理装置に、識別された雑草種に対して対応する特定の圃場場所において圃場を処理するように的を絞って指示することを含む。
【0012】
このようにして、異なる雑草種に対して適切又は最適な処理装置が判定及び/又は指示され得るため、圃場又は圃場状態の多様性、すなわち、圃場の処理に対する異なる圃場状態に依存する条件によりよく対処することができる。更に、圃場の処理は、複数の処理装置のうちの第1の処理装置が依然として圃場を横断している間に、その第1の装置構成が特定の雑草種を宿主とする特定の圃場場所の処理に適していないと判定され得るため、その結果、特定の圃場場所及び/又は特定の雑草種に関する知識は、複数の装置のうちの第2の処理装置に指示するための情報、トリガ、命令などとして使用され得、その第2の装置構成により、少なくとも処理により適しているため、圃場の処理はより効率的であり得る。また、第1の処理装置が依然として圃場を横断している間に、及び/又は複数の他の圃場場所を処理している間に、特定の圃場場所が、第2の処理装置によって迅速に処理され得る。言い換えれば、第2の処理装置は、その装置構成により、第1の処理装置が特定の雑草種に対する処理に適していない場合、その処理を代替することができる。
【0013】
更に言い換えれば、個々の装置構成に応じて、特定の圃場場所又は特定の雑草種をそれぞれ処理するために最適な処理装置が使用される圃場のマルチ装置処理が、本明細書で提案されている。例えば、個々の処理装置の装置構成は、第1の処理装置が第1の雑草種を処理するために適用可能又は構成され得、第2の処理装置が異なる第2の雑草種を処理するために適用可能又は構成され得るように、例えば、製品噴霧などの、機械的、電気的などの特定の処理機構によって、特定の雑草種に合わせることができる。すなわち、第1の処理装置は、第1の処理装置のタンク内に収容され得る、処理技術及び/又は処理製品を装備するか又はそのように構成され得るが、必ずしも全ての雑草種を均等にカバーするとは限らず、その結果、特定の雑草種、重要雑草、及び/又は抵抗性雑草は、少なくとも第1の処理装置を単独で又は効率的な方法で使用することによっても、第1の処理装置によって処理することができない。例えば、第1の処理装置は、抵抗性雑草、特定の雑草クラス、又は散布とは異なる処理機構、例えば機械的処理などを受けるべき雑草クラスに対して有効でない製品、タンク混合物などを搭載することができる。その結果、特定の雑草は防除されず、取り残しとして分類され得る。これらの防除されなかった雑草は、第1の処理装置を使用することによって、処理後直ちに又は更には処理なしでも識別され得、識別された雑草(種)を処理するために、より適切な第2の処理装置に的を絞って指示することができる。
【0014】
複数の処理装置のうちの第1の処理装置は、第2の処理装置が(特に第1の処理装置の代わりに)その少なくともより適切な装置構成により、特定の圃場場所における圃場を処理するように指示されるまで、少なくとも1つの更なる第2の処理装置をオンボードで搭載する、すなわちピギーバックして搬送してもよいことに留意されたい。また、2つ以上の更なる処理装置が、第1の処理装置によって搭載されてもよい。第1の処理装置は、例えば、第2の処理装置をその動作前又は動作後に保持するように適合された、ホルダ、ドッキングステーションなどを備え得る。代替的又は追加的に、更なる処理装置は、第1の処理装置に対してリモートの場所、すなわち、1つ以上の処理装置のためのハブ、ベースなどの第1の処理装置における又は第1の処理装置上にない場所から、その動作を開始することができる。更に、原則的に、複数の処理装置の各々が、圃場の処理のために構成され、監視のためだけでなく、少なくとも部分的に、互いに異なる装置構成を有することに留意されたい。
【0015】
処理装置は、圃場を横断するように構成され得る。処理装置は、それ自体の駆動を有するか、又は牽引車両によって牽引される地上車両、空中車両、軌道車両、ロボット、航空機、無人航空機(UAV)、ドローンなどであり得る。処理装置は、1つ以上の処理ユニット及び/又は1つ以上の監視ユニット、例えば、検出手段、センサなどを装備し得る。処理装置は、処理ユニット及び/又は監視ユニットを介して圃場データを収集するように構成され得る。処理装置は、監視ユニットを介して圃場の圃場データを感知するように構成され得る。処理装置は、処理ユニットを介して圃場を処理するように構成され得る。処理ユニットは、処理装置の監視ユニットによって提供された監視信号に基づいて動作させることができる。処理装置は、接続のための通信ユニットを備え得る。通信ユニットを介して、処理装置は、圃場データを提供、受信、若しくは送信するように、動作データを提供、送信、若しくは受信するように、及び/又は例えばデータパケット、メッセージなどの形態で、動作データを提供、送信、若しくは受信するように構成され得る。
【0016】
複数の処理装置は、異なるタイプであってもよく、例えば、第1の処理装置は、地上車両であってもよく、第2の処理装置は、UAVなどであってもよい。しかしながら、複数の処理装置は、UAV又は上記のタイプの任意の他のものなどの同じタイプであってもよいが、処理に関して異なる装置構成、例えば、異なる処理機構、装填される異なる処理製品などを有してもよい。
【0017】
本明細書で使用される場合、処理装置という用語は、圃場を処理するように構成された任意の装置として理解され得るか、又はそれを備え得る。処理装置は、圃場を横断するように構成され得る。処理装置は、それ自体の駆動を有するか、又は牽引車両によって牽引される地上車両、空中車両、軌道車両、ロボット、航空機、無人航空機(UAV)、ドローンなどであり得る。処理装置は、1つ以上の処理ユニット及び/又は1つ以上の監視ユニット、例えば、検出手段、センサなどを装備し得る。処理装置は、処理ユニット及び/又は監視ユニットを介して圃場データを収集するように構成され得る。処理装置は、監視ユニットを介して圃場の圃場データを感知するように構成され得る。処理装置は、処理ユニットを介して圃場を処理するように構成され得る。処理ユニットは、処理装置の監視ユニットによって提供された監視信号に基づいて動作させることができる。処理装置は、接続のための通信ユニットを備え得る。通信ユニットを介して、処理装置は、圃場データを提供、受信、若しくは送信するように、動作データを提供、送信、若しくは受信するように、及び/又は例えばデータパケット、メッセージなどの形態で、動作データを提供、送信、若しくは受信するように構成され得る。
【0018】
処理という用語は、雑草の防除という観点から、農業における雑草の任意の処理として広く理解することができ、これに関連し得る。処理には、除草剤、例えば、選択的除草剤、広帯域除草剤、非選択的除草剤若しくは広スペクトル除草剤、又は全除草剤などの処理製品の散布、機械的処理、電気的処理、又は雑草の防除に適した他の適切な機構の提供などの、圃場上で1シーズン中に実施される任意の処理が含まれ得る。この点に関して、選択的除草剤は、特定の雑草、雑草種又は雑草カテゴリーを防除するために配合された除草剤であってもよく、これらの雑草に対しては一般的に毒性があるが、他の植物に対しては毒性が低い。例えば、選択的除草剤は、単子葉植物又は双子葉植物の除草剤であり得る。非選択的除草剤はまた、広帯域除草剤又は広域スペクトル除草剤と呼ばれ、グリホサートのように、広葉雑草及びイネ科雑草の両方を防除するように配合され得る。
【0019】
圃場データは、広義に理解することができ、第1及び/又は第2の処理装置によって取得され得る任意のデータを含み得る。圃場データは、処理装置の処理ユニット及び/又は監視ユニットから取得され得る。圃場データは、処理装置によって取得された測定データを含み得る。圃場データは、処理装置の監視ユニットを制御するように、又は制御するために構成された監視ユニットデータを含み得る。圃場データは、処理装置の処理ユニットを制御するように、又は制御するために構成された処理ユニットデータを含み得る。圃場データは、圃場上の圃場状態が導出され得るデータを含み得る。圃場データは、処理装置の処理及び/又は監視動作に関連するデータを含み得る。圃場データは、少なくとも1つの区画の監視又は処理状態が導出され得るデータを含み得る。圃場データは、画像データ、スペクトルデータ、それに基づいて区画が分析され又は区画が例えば監視若しくは処理状態でフラグ付けされ得る区画データ、作物データ、雑草データ、土壌データ、地理データ、処理装置の軌道データ、測定された環境データ(例えば、湿度、気流、温度、日射)、及び処理動作に関連する処理データを含み得る。圃場データは、圃場における場所又は位置などの区画に関連付けられ得る。圃場データは、圃場における場所又は位置などの特定の区画に関連付けられた、場所又は位置などの区画固有のデータであり得る。
【0020】
「圃場」という用語は、広義に理解することができ、処理されるべき圃場を指す場合がある。圃場は、農場、温室などの任意の植物又は作物栽培領域であってもよい。また、軌道路、道路側帯などの、処理されるべき任意の領域を含み得る。植物は、作物、雑草、自生植物、前の生育期からの作物、有用植物、又は圃場に存在する任意の他の植物であってもよい。圃場は、その地理的位置又はジオリファレンスされた位置データを通して識別され得る。基準座標、サイズ、及び/又は形状が、圃場を更に特定するために使用され得る。圃場は、基準座標及び圃場境界によって識別され得る。
【0021】
特定の圃場場所という用語は、この場合では広義に理解されるべきであり、圃場上の少なくとも1つの位置又は場所に関連し得る。特定の圃場場所はまた、圃場上の複数の位置又は場所を含む圃場の区画及び/又はゾーンに関連し得る。区画、例えばゾーンは、圃場の連続した領域を形成する複数の位置又は場所に関連し得る。特定の圃場場所は、共通の圃場状態を示す圃場上の複数の位置又は場所の圃場の分散されたパッチに関連し得る。特定の圃場場所は、区画の圃場状態を示すように分析され得る。特定の圃場場所は、圃場状態を示す1つ以上のフラグがフラグ付けされた圃場上の1つ以上の位置又は場所を含み得る。圃場は、複数の特定の圃場場所を含むことができ、これらは、異なるサイズ、圃場状態などを有し得る。特定の圃場場所は、圃場データ、特に圃場状態に関連するか、又は圃場データによって識別され得る。特定の圃場場所は、位置識別子を介してフラグ付け、及び/又は識別され得る。特定の圃場場所は、その地理的場所又は地理参照された場所データを通して識別され得る。基準座標、サイズ、及び/又は形状が、区画を更に識別するために使用され得る。特定の圃場場所は、副圃場の解像度であり得る。特定の圃場場所は、複数百メートル~数ミリメートルの範囲、好ましくは数メートル~数センチメートル、より好ましくは複数のセンチメートル、例えば1~300センチメートルの範囲、10~200センチメートルの範囲、又は20~150センチメートルの範囲の空間解像度を含み得る。特定の圃場場所は、圃場の副領域、又は副領域の地理的場所若しくは場所座標を指す。
【0022】
処理装置構成という語句は、圃場の特定の処理、特に雑草の防除を可能にする搭載されたオンボード装置として理解され得る。例えば、処理装置構成は、製品噴霧機構、機械的処理機構、電気的処理機構などの1つ以上の処理機構、処理製品、特に除草剤などの化学物質などを含み得る。複数の処理装置の処理装置構成は、たとえ同じ処理機構、例えば化学的/噴霧、機械的、電気的などの処理機構を有していても、異なる処理製品が装填されている、異なる工具が装備されているなどで、互いに異なっていてもよい。
【0023】
少なくとも1つの処理装置への的を絞った指示は、それぞれの処理装置が特定の圃場場所に到達し、それに関連する雑草を処理、すなわち防除することを可能にするために必要な任意の行動をとるものとして理解され得る。例えば、的を絞った指示には、雑草対処理装置のマッチングを識別すること、すなわち、その処理装置が識別された雑草種の処理に適した処理装置構成を有することを識別すること、識別された処理装置の動作を制御するための制御データを生成すること、更に又は中間ステップも含むことができる。
【0024】
一実施形態によれば、識別された又は識別可能な雑草種には、それぞれの雑草識別子と関連付けられてそれぞれの雑草識別子を介して的を絞られた、単子葉雑草、双子葉雑草、及び/又は重要雑草を含むことができる。この点に関して、単子葉雑草は、単子葉植物とも呼ばれ、イネ科及びイネ科様の顕花植物であり、その種子は、通常、1枚の胚葉、すなわち子葉のみを含む。双子葉雑草はまた、双子葉植物とも呼ばれ、種子内に2枚の子葉又は葉を有する。単子葉植物が通常、細長い葉を有するに対し、双子葉植物は、幅広い葉を有する。重要雑草とは、選択的除草剤を使用することによっても、少なくとも効率的には処理できず、非選択的な広帯域除草剤及び/又は機械的、電気的などの処理機構によって処理しなければならない任意の雑草のことである。雑草識別子は、それぞれの雑草を一意に識別するためにデータ処理において使用される任意のコンピュータ可読要素であってもよい。例えば、複数の処理装置のうちの少なくとも1つの処理装置が、圃場中を横断し、その1つ以上の監視ユニットが画像を捕捉することができる。次いで、画像は、雑草種を検出する画像分析アルゴリズムによって分析され得る。雑草種には、画像分析に応じて、それぞれの雑草識別子が割り当てられ得る。このようにして、検出された雑草種を対応する雑草識別子を介して電子的に識別するデータ、例えば1つ以上のデータセットが利用可能となり、その結果、これらのデータは更に容易に処理され得る。
【0025】
一実施形態では、コントローラは、少なくとも1つの処理装置が単子葉雑草を処理するように構成されている場合、単子葉雑草識別子を介して、少なくとも1つの処理装置が双子葉雑草を処理するように構成されている場合、双子葉雑草識別子を介して、少なくとも1つの雑草処理装置が重要雑草を処理するように構成されている場合、重要雑草識別子を介して、それぞれの処理装置に的を絞って指示するように構成することができ、サブセットを生成するための重要雑草識別子が過去のデータに基づいて提供される。
【0026】
一実施形態によれば、第1の雑草処理装置は、単子葉植物又は双子葉植物の除草剤を含んでもよく、第2の雑草処理装置は、重要雑草除草剤、機械的処理装置又は電気的処理装置を含んでもよい。このようにして、処理装置は、選択的除草剤では処理できないが、グリホサートなどの広帯域除草剤、又は機械的若しくは電気的処理が必要な何らかの重要雑草が見つかるまで単に待機することができる。これにより、広帯域除草剤の必要性を低減し、環境への影響を軽減することができる。
【0027】
一実施形態では、的を絞った指示には、それぞれの雑草識別子を複数の処理装置の処理装置構成とマッチングして、マッチしている処理装置構成を有する処理装置を判定することを含み得る。例えば、装置構成は、データ、データセット、データベース、ルックアップテーブルなどに記録又は記憶されてもよく、雑草識別子と1つ又は複数の装置構成との間でマッチングされてもよい。例えば、単子葉雑草又は双子葉雑草が処理又は防除される場合、それぞれの装置構成が、例えば、処理装置構成識別子によって、例えば、それぞれの処理装置が識別された雑草種に対する適切な除草剤又は処理機構を有するために処理が可能であることを示す場合、マッチングが存在し得る。このようにして、問題の雑草種の処理に最適な1つ又は複数の処理装置を判定することができる。
【0028】
一実施形態によれば、複数の処理装置の処理装置構成は、対応する雑草種の処理可能性を示す処理装置構成識別子を介して関連付けられて、的を絞られてもよい。処理装置構成識別子は、装置ID、装置アドレスなどの、それぞれの処理装置を一意に判定することを可能にする任意の種類の電子要素であり得る。このようにして、検出された雑草種を対応する処理装置構成識別子を介して電子的に識別するデータ、例えば1つ以上のデータセットが利用可能となり、その結果、これらのデータは更に容易に処理され得る。
【0029】
一実施形態では、的を絞ったマッチングは、処理装置構成識別子を識別された雑草種とマッチングさせて、マッチングしている処理装置構成を有するその処理装置を判定することを含み得る。例えば、雑草種と、例えば、対応する雑草識別子を介した処理装置構成との間の関係を、データセット、データベース、ルックアップテーブルなどにおいて確立することができ、その結果、それぞれの処理装置を、この関係を介して具体的に処理又は制御することができる。
【0030】
一実施形態によれば、的を絞った指示には、的を絞った処理装置を特定の圃場場所に誘導するように構成された処理装置動作データを生成及び提供することを含み得る。動作データは、例えばデータパケット、メッセージなどの形態で提供されてもよく、例えば、ナビゲーションデータをガイダンスとして構成することによって、特定の圃場場所にどのようにして到達することができるかに関する指示を含んでもよい。動作データはまた、使用される処理機構の情報、除草剤を噴霧するための散布レートなどの、実行されるべき処理の適用に関する指示を含んでもよい。このようにして、それぞれの処理装置をミッションに送り込むことができる。
【0031】
一実施形態では、的を絞った指示には、好ましくは互いに異なる処理装置構成を有する複数の処理装置に、特定の圃場場所及び/又はそこに存在する雑草を順次処理するように、それぞれ指示することを含み得る。例えば、重要雑草処理のために構成された処理装置を、単子葉除草剤及び双子葉除草剤を装備した1つ以上の他の処理装置に対して、順次モードで動作させることができる。このようにして、単子葉及び/又は双子葉除草剤を装備した1つ以上の処理装置は、単子葉及び/又は双子葉除草剤で圃場を処理し、処理中の圃場状態を監視することができる。重要雑草は、そのような監視に基づいて識別され、それぞれの圃場場所は、1つ以上の処理装置が圃場の処理を完了した後の後続の重要雑草処理のために、重要雑草処理用に構成された処理装置に提供され得る。或いは、重要雑草処理用の処理装置を、他の処理装置、すなわち、単子葉植物又は双子葉植物処理用に構成された処理装置との同時モードで動作させることもできる。このようにして、単子葉植物又は双子葉植物用の処理装置は、単子葉植物及び双子葉植物の除草剤で圃場を処理し、処理中の圃場状態を監視することができる。重要雑草は、そのような監視に基づいて識別され、それぞれの圃場場所は、他の処理装置、すなわち単子葉植物又は双子葉植物の処理装置が依然として圃場を処理している間に、重要雑草処理用に構成された処理装置に提供され得る。
【0032】
一実施形態によれば、処理装置は互いに指示し合うことができる、すなわち自己組織化されてもよい。例えば、示された配置では、処理装置は、互いに通信することができる。FANETが、そのような通信を可能にする。処理装置のミッション制御部は、処理装置間で確立されたネゴシエーション及びハンドオーバプロトコルによって自己組織化されてもよい。それによって、例えば、ユーザによって利用され得るリモート制御が、処理装置を監視及び/又は制御することができる。
【0033】
第2の態様は、圃場における雑草処理のための方法を提供する。この方法は、圃場を処理するための互いに異なる処理装置構成を有する複数の処理装置及び/又はコントローラによって実行される。この方法は、複数の処理装置のうちの第1の処理装置のための単子葉植物若しくは双子葉植物の除草剤、又は複数の処理装置のうちの第2の処理装置のための重要雑草除草剤を提供するステップと、第1の態様による方法に従って、それぞれの除草剤が提供された第1の処理装置及び/又は第2の処理装置を動作させることとステップと、を含む。例えば、複数の処理装置のうちの1つの処理装置のタンクに、単子葉植物又は双子葉植物の除草剤を装備し、例えば充填し、タンク化するなどして、識別された雑草種に応じて、それぞれの処理装置に、識別された雑草を特定の圃場場所において処理するように的を絞って指示することができる。
【0034】
結果として得られる利点及び可能な実施形態に関しては、上記の第1の態様の説明を参照されたい。
【0035】
第3の態様は、圃場における雑草処理のための方法を提供する。この方法は、第1の態様による方法において使用するための処理装置構成の少なくとも一部として、単子葉、双子葉、又は重要雑草の除草剤を提供することを含む。例えば、複数の処理装置のうちの1つの処理装置のタンクに、単子葉植物又は双子葉植物の除草剤を装備し、例えば充填し、タンク化するなどして、識別された雑草種に応じて、それぞれの処理装置に、識別された雑草を特定の圃場場所において処理するように的を絞って指示することができる。
【0036】
結果として得られる利点及び可能な実施形態に関しては、上記の第1の態様の説明を参照されたい。
【0037】
第4の態様は、圃場を処理するためのシステムを提供する。このシステムは、特に、上記の第1~第3の態様のいずれか1つによる方法を実行するように構成される。このシステムは、互いに異なる処理装置構成を有する複数の処理装置と、コントローラとを備える。コントローラは、第1及び第2の処理装置のうちの少なくとも1つが圃場を横断するときに監視される圃場データを分析して、圃場の特定の圃場場所に存在する雑草を雑草種によって識別し、且つ識別された雑草種にマッチしている処理装置構成を有する第1及び第2の処理装置のうちの少なくとも1つに、識別された雑草種に対して対応する特定の圃場場所において圃場を処理するように的を絞って指示するように構成される。
【0038】
結果として得られる利点及び可能な実施形態に関しては、上記の第1の態様の説明を参照されたい。
【0039】
一実施形態によれば、複数の処理装置のうちのそれぞれの処理装置の処理装置構成は、それぞれの雑草識別子と関連付けられて、それぞれの雑草識別子を介して的を絞られた、単子葉雑草、双子葉雑草、及び/又は重要雑草の処理と関連付けられる。言い換えれば、処理装置は、単子葉雑草、双子葉雑草、及び/又は重要雑草の特定の処理を可能にする異なる処理機構を装備することができ、例えば、搭載することができ、又は充填若しくはタンク化することができる。例えば、第1の処理装置は、単子葉除草剤で構成されてもよく、第2の処理装置は、双子葉除草剤で構成されてもよく、第3の処理装置は、非選択的、すなわち広帯域除草剤、機械的処理機構、又は電気的処理機構で構成されてもよい。このようにして、特定の雑草種を、的を絞った方法で及び/又はオンデマンドで処理することができる。
【0040】
一実施形態では、複数の処理装置の処理装置構成は、対応する雑草種の処理可能性を示す処理装置構成識別子を介して関連付けられて、的を絞られる。上述したように、これにより、識別された雑草種の処理に最適な処理装置に容易に対処し、及び/又は的を絞って指示することが可能になる。
【0041】
一実施形態によれば、コントローラは、少なくとも部分的に、サーバ若しくはクラウド環境及び/又は複数の処理装置に対して分離された地上局に配置されてもよい。言い換えれば、コントローラは、システムの中で分散されてもよく、中央に配置されるコントローラユニット又はモジュールを備えてもよい。もちろん、更なるコントローラユニット又はモジュールが、複数の処理装置のうちの1つ以上に配置されてもよい。すなわち、雑草処理の制御は、システムの中で分散されていてもよく、又は完全に集中的に組織化されていてもよい。このようにして、処理装置は、より低い演算能力で装備することができ、並びに/又は制御及び/若しくは監視を改善することができる。
【0042】
一実施形態では、コントローラは、少なくとも部分的に、複数の処理装置のうちの1つ以上とオンボードで配置されてもよい。上述したように、処理装置を制御するための異なるアーキテクチャが可能である。この実施形態では、処理装置の自己組織化された制御もまた可能であり得る。
【0043】
一実施形態によれば、処理装置構成は、単子葉植物又は双子葉植物の除草剤を含む点、又は重要雑草除草剤、機械的処理ユニット若しくは電気的処理ユニットを備える点において、互いに異なっていてもよい。上述したように、重要雑草除草剤は、グリホサートなどの非選択的な広帯域除草剤であってもよい。
【0044】
第5の態様は、第1の態様、第2の態様、及び/若しくは第3の態様による方法において、並びに/又は第4の態様によるシステムにおける、単子葉除草剤、双子葉除草剤、重要雑草除草剤、機械的処理ユニット又は電気的処理ユニットを含む、処理装置の使用に関する。
【0045】
結果として得られる利点及び可能な実施形態に関しては、上記の第1の態様の説明を参照されたい。
【0046】
第6の態様は、命令を有するコンピュータプログラム要素を提供し、このコンピュータプログラム要素は、コンピューティング装置上で実行されると、第1の態様による方法のステップを実行し、及び/又は第4の態様によるシステムを制御するように構成される。コンピュータプログラム要素は、プロセッサ、コンピュータなどによって、並びに/又は上記の処理装置、システム、及び/又はコントローラのうちの1つ以上によって実行されると、処理装置又はシステムに、上記の実施形態を実施させる命令を含み得ることに留意されたい。
【0047】
本発明の複数の実施形態について異なる主題を参照しながら説明していることに留意されたい。特に、いくつかの実施形態は方法型の請求項を参照しながら説明しているのに対し、他の実施形態は、装置型又はシステム型の請求項を参照しながら説明している。しかしながら、当業者には、上記及び以下の説明から、別途注記されない限り、1種類の主題に属する複数の特徴の任意の組み合わせに加え、異なる主題に関係する特徴間の任意の組み合わせも本出願に開示されているものと推察されよう。更に、全ての特徴を組み合わせることでそれらの特徴の単なる合算よりも多くの相乗効果が得られる可能性がある。
【0048】
本明細書に開示されるシステム、処理装置、及びコンピュータ要素は、上述の方法を実行するように更に構成され得る。システムは、例えば集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して、及び/又は例えば非集中型アーキテクチャにおいて、処理装置から処理装置へ直接、動作データを提供するように構成され得る。システム及び/又は処理装置は、圃場データを分析し、且つそのような分析の結果を、例えば集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して、及び/又は例えば非集中型アーキテクチャにおいて、任意の処理装置を介して提供するように構成され得る。システムは、例えば集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して、及び/又は例えば非集中型アーキテクチャにおいて、任意の処理装置を介して、適切な第2の処理装置を選択するように構成され得る。システムは、例えば集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して、及び/又は例えば非集中型アーキテクチャにおいて、任意の処理装置を介して直接、ミッションスケジュールに基づいて動作データを判定及び/又は提供するように構成され得る。システム及び/又は処理装置は、動作データを提供すると、圃場を処理するために使用される複数の処理装置のうちの少なくとも1つを動的に調整するように構成され得る。
【0049】
以下では、本開示が添付の図面に関連して更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】複数のUAVを有する圃場の処理のためのシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図2】複数のUAVを有する圃場の処理のためのシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図3】地上局をマスタとする集中型アーキテクチャを示す図である。
図4】処理装置をマスタとする集中型アーキテクチャを示す図である。
図5】2つの自己組織化されたUAVを有する非集中型アーキテクチャを示す図である。
図6】3つの自己組織化されたUAVを有する非集中型アーキテクチャを示す図である。
図7】2つのUAV及び圃場噴霧機を自己組織的に配置した非集中型アーキテクチャを示す図である。
図8】1つのUAV、1つのロボット、及び圃場噴霧機を自己組織的に配置した非集中型アーキテクチャを示す図である。
図9】圃場を処理するために適合されたUAVを示す図である。
図10】圃場を処理するために適合された地上ロボットを示す図である。
図11】スポット噴霧を介して圃場を処理するために適合された圃場噴霧機を示す図である。
図12図8図9、及び図10に示されたUAV、ロボット、圃場噴霧機などの処理装置の例示的なコンピューティング構成要素のブロック図である。
図13】分散装置管理システムの例示的なアーキテクチャを示すブロック図である。
図14】分散装置管理システムの例示的な集中型アーキテクチャのブロック図である。
図15】分散装置管理システムの別の例示的な集中型アーキテクチャのブロック図である。
図16】分散装置管理システムの例示的な非集中型アーキテクチャのブロック図である。
図17】2つの処理装置にわたって分散された雑草処理のための例示的な方法のフローチャートである。
図18】複数の処理装置にわたって分散された雑草処理のための別の例示的な方法のフローチャートである。
図19】選択スキームを用いて複数の処理装置にわたって分散された雑草処理のための更に別の例示的な方法のフローチャートである。
図20】別の選択スキームを用いて複数の処理装置にわたって分散された雑草処理のための更に別の例示的な方法のフローチャートである。
図21】別の選択スキームを用いて複数の処理装置にわたって分散された雑草処理のための更に別の例示的な方法のフローチャートである。
図22】重要雑草処理を含む雑草処理のための更に別の例示的な方法のフローチャートである。
図23】集中型アーキテクチャにおけるハンドオーバのためのデータフロー図である。
図24】非集中型アーキテクチャにおけるハンドオーバのためのデータフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本開示は、圃場が、圃場全体にわたって分散する不均一な特性(例えば、植物、雑草、土壌など)を含むという知見に基づく。これらの特性は永続的なものではなく、したがって、処理装置が圃場を処理する前に完全には知られていない。圃場の処理プロセス中に処理装置を用いて監視することによって、圃場のこれらの特定の特性が、少なくとも部分的に明らかになる。これらの特定の特性に関する収集された情報は、1つ以上の更なる処理装置の処理戦略を有益に改善するのに役立つ。そうすることにより、圃場における変化する状態に対して、オンデマンドで対応することが可能である。言い換えれば、本方法は、圃場を通過する複数の処理装置のうちの少なくとも1つの手段を介して圃場データを収集し、圃場データから識別される特定の雑草種を処理するように、複数の処理装置のうちの1つに指示する。これにより、複数の処理装置を用いた圃場の需要に応じた処理が可能となり、有利には処理効率を向上させる。
【0052】
以下の実施形態は、本明細書に開示される方法、システム、又はコンピュータ要素を実装するための単なる例であり、限定的なものとみなされるべきではない。
【0053】
図1は、複数の区画113を有する圃場112の処理のためのコントローラ100及び複数の処理装置102、103、104、106を有するシステムの例示的な実施形態を示している。この例示的な実施形態では、コントローラ100は、非集中型又は集中型の方法で、完全に若しくは部分的に処理装置102、103、104、106のうちの1つ以上に、完全に若しくは部分的にサーバ又はクラウド環境に、又はそれらの組み合わせに、配置又は分散させることができ、また、いくつかのコントローラユニットが互いに相互作用することができるため、機能的な用語で説明される。更に、この例示的な実施形態では、複数の処理装置102、103、104、106は、103によって指定される1台のロボットと、102、104、106によって指定される3つの無人航空機(UAV)とを備える。4つの処理装置の数は例示的なものに過ぎず、システムはまた、2つ又は3つの処理装置のみ、或いは4つ以上の処理装置を備え得ることに留意されたい。処理装置はまた、更に後述するように、圃場噴霧機としても提供され得ることに留意されたい。
【0054】
コントローラ100は、それぞれの処理装置102、103、104、106を、オンボードコンピュータによって自律的に、ユーザ装置としてのパイロットコントローラによってリモートで、又は例えば初期操作データによって部分的にリモートで制御するように構成される。処理装置102、103、104、106は、UAV102、103、104、106に搭載された様々なオンボードセンサ及びアクタから収集されたデータ信号を送信することができる。そのようなデータには、現在の高度、速度、バッテリレベル、位置、天気、又は風速などの、現在の動作データ、処理タイプ、処理場所、又は処理モードなどの処理動作データを含む圃場データ、圃場状態データ又は場所データなどの監視動作データ、及び/又は初期動作データ、更新された動作データ、又は現在の動作データなどの動作データ、を含んでもよい。処理装置102、103、104、106は、オンボード、クラウド環境、地上局、及び/又はユーザ装置、及び/又は処理装置102、103、104、106の別の1つであり得るコントローラ100に、現場データ又は動作データなどのデータ信号を、直接的又は間接的に提供又は送信することができる。処理装置102、103、104、106は、コントローラ100、クラウド環境、地上局、ユーザ装置、及び/又は他の処理装置102、103、104、106から、現場データ又は動作データなどのデータ信号を、直接的又は間接的に受信することができる。
【0055】
第1のUAV102は、第1の処理動作を実行するための第1の処理装置構成を有してもよく、第2のUAV104は、第2の処理動作を実行するための第2の処理装置構成を有してもよく、第3のUAV104は、第3の処理動作を実行するための第3の処理装置構成を有してもよい。第1、第2、及び第3の処理装置構成は、互いに異なっていてもよい。好ましくは、UAV102、104、106の処理動作は、処理タイプ又は処理モードに関して異なり得る。処理タイプという用語は、使用される処理及び/又は適用機構若しくは原理に関連する。処理タイプという用語はまた、雑草クラス及び対応する除草剤クラスに関連し得る。処理タイプは、化学的適用、機械的処理、電気的処理などを含み得る。薬剤散布のための処理モードは、噴霧モード(例えば、フラット、スポット、可変レート)であってもよく、機械的散布のための処理モードは、除去モード(例えば、グラバ、カッタ)であってもよく、電気的散布のための処理モードは、電気的適用モード(例えば、レーザー、電圧パルス)であってもよい。処理装置構成の一例として、UAV102、104、106は、異なる処理ユニットを搭載してもよい。加えて、圃場112を集合的に処理するための異なる監視ユニットを搭載してもよい。例えば、UAV102、104、106は各々、圃場112を監視するための撮像ユニットを搭載してもよい。UAV102は、スポット噴霧のための第1の噴霧ノズル、及び単子葉除草剤製品を有する第1の化学的処理ユニットを搭載してもよい。UAV104は、スポット噴霧のための第2の噴霧ノズル、及び双子葉除草剤製品を有する第2の化学的処理ユニットを搭載してもよい。UAV106は、グラバー、電気パルス配置、又はグリホサートなどの非選択的広帯域除草剤を有する重要雑草処理ユニットを搭載してもよい。ロボット103は、例えば2つのノズル及び単子葉除草剤製品を有する、第4の構成を有してもよい。ロボット103は、UAV102、104、106に匹敵するが、空中ベースではなく地上ベースである。UAV102、104、106に加えてロボット103を使用することは、ロボット103が地上に対して安定した距離を有し、且つ圃場112を監視する際に取り扱うのにより容易であり得るという利点を有する。
【0056】
コントローラ100は、処理装置102、103、104、106のうちの少なくとも1つが圃場を横断するときに監視される圃場データを分析して、特定の圃場場所、例えば複数の圃場区間113のうちの1つに存在する雑草を雑草種によって識別するように更に構成される。コントローラ100は、その処理装置構成、例えばその処理機構などが雑草を処理すること、より正確には雑草を防除することに適しているために、識別された雑草を処理することができる処理装置を判定する。更に、コントローラ100は、識別された雑草種にマッチする、すなわち、処理装置構成を有する処理装置102、103、104、106のうちの少なくとも1つに、対応する特定の圃場場所113において、識別された雑草種に対して圃場112を処理することを可能にするように的を絞って指示するように構成される。
【0057】
言い換えれば、コントローラ100は、4つの処理装置構成に関する知識を有し、圃場データから識別された雑草種に基づいて、特定の圃場場所、例えば圃場部113において特定の雑草種を処理するように、複数の処理装置102、103、104、106のうちの適切な1つに的を絞って指示する。
【0058】
図1を参照して説明したシステムのこの基本原理に基づいて、様々な例示的な実施形態、特にシステムのアーキテクチャ及び/又は処理装置構成を以下で説明する。これらの実施形態は、技術的又は論理的に相互に排他的でないことを条件として、互いに組み合わせることができることに留意すべきである。また、処理装置の数及びタイプ、例えばUAV、ロボット、圃場噴霧機などは例示的なものに過ぎず、異なる処理装置構成を有する少なくとも2つの、すなわち複数の処理装置が提供されることを条件として、本開示の範囲内で変化させることができることに留意すべきである。特に、実施形態がUAV、ロボット又は圃場噴霧機を例示している場合、それぞれの処理装置はまた、別のタイプの処理装置によって置き換えられてもよい。
【0059】
図2によれば、システムは、UAV102、104、106として例示的に形成される複数の処理装置、1つ以上の地上局110、1つ以上のユーザ装置108、及びクラウド環境Cを含む、分散型システムであってもよい。図1に例示されるような基本原理に従って、コントローラ100は、処理装置、例えば、UAV102、104、106(またロボット103)、地上局110、ユーザ装置108、及びクラウド環境Cのコントローラユニット又はモジュールの組み合わせによって実現され得る。
【0060】
クラウド環境Cは、UAV102、104、106、地上制御局110、及びユーザ装置108との、及びそれらの間のデータ交換を容易にすることができる。クラウド環境Cは、インターネット上でアクセス可能な複数のクラウドサーバにデータを記憶しそこで計算するための、サーバベースの分散コンピューティング環境であり得る。クラウド環境Cは、UAV102、104、106、1つ以上の地上局110、ユーザ装置108、又は1つ以上のユーザ装置108によって実行されるトランザクションのための分散型不変データベースを容易にする分散台帳ネットワークであり得る。台帳ネットワークは、少なくとも2つのネットワークノードを含む任意のデータ通信ネットワークを指す。ネットワークノードは、a)データブロックによるデータ包含をリクエストする、及び/又は、b)リクエストされた、チェーンへのデータ包含を検証する、及び/又は、c)チェーンデータを受信する、ように構成されていてもよい。そのような非集中型アーキテクチャでは、UAV102、104、106、1つ以上の地上局110、1つ以上のユーザ装置108は、トランザクションデータをデータブロックに記憶し、コンセンサスプロトコルに参加してトランザクションを検証する、ノードとして機能することができる。少なくとも2つのネットワークノードがチェーン内に存在する場合、台帳ネットワークは、ブロックチェーンネットワークと呼ばれる場合がある。台帳ネットワーク、すなわち、クラウド環境Cは、ノードにより作成されたデータブロックの、ブロックチェーン又は暗号によりリンクされたリストから構成され得る。各データブロックは、圃場データ又は動作データに関する1つ以上の処理を含むことができる。ブロックチェーンは、複数の相互接続されたデータブロックで提供される連続的に拡張可能なデータセットを指し、各データブロックは、複数の処理データを含む場合がある。処理データは、処理のオーナにより署名されることができ、相互接続は、暗号化手段を用いたチェーニングにより提供され得る。チェーニングは、2つのデータブロックを互いに相互接続する任意の機構である。例えば、少なくとも2つのブロックが、ブロックチェーンにおいて互いに直接的に相互接続されていてもよい。ハッシュ関数暗号化機構を使用して、ブロックチェーンにおけるデータブロック同士を連結させてもよい、及び/又は既存のブロックチェーンに新しいデータブロックを付加してもよい。あるブロックは、先行するブロックのハッシュを参照するその暗号ハッシュによって識別され得る。
【0061】
ノード間の通信チャネル、及びノードとクラウド環境Cとの間の通信チャネルは、無線通信プロトコルを通じて確立され得る。セルラーネットワークは、UAV102、104、106からUAV102、104、106への、UAV102、104、106から地上局110への、UAV102、104、106からクラウド環境Cへの、又は地上局110からクラウド環境Cへの通信のために確立され得る。そのようなセルラーネットワークは、2G、3G、4G又は5Gのような標準規格を使用するSM、GPRS、EDGE、UMTS/HSPA、LTE技術などの任意の既知のネットワーク技術に基づいてもよい。圃場112のローカル領域では、UAV102、104、106からUAV102、104、106への、又はUAV102、104、106から地上局110への通信のために、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、例えば無線フィデリティ(Wi-Fi)が確立され得る。UAV102、104、106からUAV102、104、106への、又はUAV102、104、106から地上局110へのセルラーネットワークは、フライングアドホックネットワーク(FANET)であり得る。UAV102、104、106及び地上管制局110は、UAV102、104、106のためのリモート制御などのユーザ装置108と、クラウドCを介して又は直接的に、データ信号を共有することができる。UAV102、104、106のためのリモート制御などのユーザ装置108は、セルラーネットワーク、好ましくはローカルネットワークの一部であり得る。
【0062】
図3は、地上局110をマスタとする集中型アーキテクチャを示している。
【0063】
示される配置では、UAV102、104、106、並びにリモート制御部108は、地上局110と、地上局110を介して通信する。圃場112の領域内のローカルWLANネットワークにより、そのような通信が可能になる。UAV102、104、106のミッション制御部は、UAV102、104、106にそれぞれの動作データを提供する地上局110によって実行され得る。リモート制御部108を介して、ユーザは、UAV102、104、106を監視又は制御することができる。地上局110は、圃場112上の処理動作後又は処理動作中に、クラウド環境Cにデータをストリーミングすることができる。
【0064】
UAV102、104、106は、圃場112を集合的に処理するために、異なる処理ユニット及び監視ユニットを搭載することができる。例えば、UAV102、104、106は、圃場112を監視するための撮像ユニットを搭載し得る。UAV102は、スポット噴霧のための第1の噴霧ノズル、及び単子葉除草剤製品を有する第1の化学的処理ユニットを搭載してもよい。UAV104は、スポット噴霧のための第2の噴霧ノズル、及び双子葉除草剤製品を有する第2の化学的処理ユニットを搭載してもよい。UAV106は、グラバー、電気パルス配置、又はグリホサートのような非選択的除草剤を有する重要雑草処理ユニットを搭載してもよい。
【0065】
図4は、処理装置、例えばUAVをマスタとする集中型アーキテクチャを示している。
【0066】
示される配置では、UAV104、106、リモート制御部108、地上局110は、マスタUAV102と、マスタUAV102を介して通信する。圃場112の領域内のローカルWLANネットワークにより、そのような通信が可能になる。UAV102、104、106のミッション制御部は、UAV104、106にそれぞれの動作データを提供するマスタUAV102によって実行され得る。リモート制御部108を介して、ユーザは、UAV102、104、106を監視又は制御することができる。
【0067】
UAV102、104、106は、例えば図1及び/又は図2で例示したように、圃場112を集合的に処理するために、異なる処理ユニット及び監視ユニットを搭載することができる。
【0068】
図5は、2つの自己組織化されたUAVを有する非集中型アーキテクチャを示している。
【0069】
示される配置では、UAV102、104は、互いに通信する。FANETが、そのような通信を可能にする。UAV102、104のミッション制御部は、UAV102、104の間で確立されたネゴシエーション及びハンドオーバプロトコルによって自己組織化され得る。リモート制御部108を介して、ユーザは、UAV102、104を監視又は制御することができる。
【0070】
UAV102、104は、圃場112を集合的に処理するために、異なる処理ユニット及び監視ユニットを搭載することができる。例えば、UAV102、104は、圃場112を監視するための撮像ユニットを搭載し得る。UAV102は、スポット噴霧のための第1の噴霧ノズル、及び単子葉除草剤製品を有する第1の化学的処理ユニットを搭載してもよい。UAV104は、スポット噴霧のための第2の噴霧ノズル、及び双子葉除草剤製品を有する第2の化学的処理ユニットを搭載してもよい。
【0071】
図6は、3つの自己組織化されたUAVを有する非集中型アーキテクチャを示している。
【0072】
図5のセットアップとは対照的に、図6の配置は、重要雑草処理ユニットを有する第3のUAV106を含む。重要雑草処理用のUAV106は、単子葉及び双子葉除草剤を用いて、第1及び第2のUAV102、104に対して順次モードで動作させることができる。このようにして、UAV102、104は、単子葉及び双子葉除草剤を用いて圃場112を処理し、処理中の圃場状態を監視することができる。第1及び第2のUAV102、104が圃場112の処理を完了した後に、そのような監視に基づいて重要雑草を識別し、それぞれの区画113が、後続の重要雑草処理のためにUAV106に提供されてもよい。或いは、重要雑草処理用のUAV106を、第1及び第2のUAV102、104との同時モードで動作させることができる。このようにして、UAV102、104は、単子葉及び双子葉除草剤を用いて圃場112を処理し、処理中の圃場状態を監視することができる。重要雑草は、そのような監視に基づいて識別され、第1及び第2のUAV102、104が圃場112を処理している間に、それぞれの区画113が、重要雑草処理のためにUAV106に提供され得る。
【0073】
図7は、2つのUAV102、104、及び圃場散布機107(この圃場散布機は、処理装置の更なる例である)を有する非集中型アーキテクチャを、自己組織化された配置で示している。
【0074】
図6のセットアップとは対照的に、図7の配置は、ノズルのブーム及び1つ以上の除草剤製品を有する圃場散布機107を含む。圃場散布機107は、散布機を有するトラクタベースのシステムである。他の実施形態では、トラクタベースのシステムは、収穫機又は播種機を装備し得る。圃場散布機107は、UAV102、104よりも大きな作業幅を有する。圃場散布機107は、作業幅にわたって分散された複数のノズル、例えば10個、20個、30個、50個又は100個以上のノズルを含むことができるが、UAV102、104は、より少ない数の、例えば10個、8個、5個、3個又は2個未満のノズルを搭載する。圃場散布機107を使用することにより、作業幅が広いために、大規模な圃場をより効率的且つ迅速に処理することができる。UAV102、104を小型化することにより、圃場112の特定の区画、特に圃場散布機107によって処理できない区画において的を絞った処理が可能になる。加えて、圃場散布機107が監視ユニットを含む場合、より多くの区間113を短時間で監視することができる。この場合、UAV102、104は、監視ユニットを搭載せず、圃場散布機106によって収集された圃場データに基づいて行動することができる。
【0075】
図8は、1つのUAV104、1つのロボット103、及び圃場噴霧機107を自己組織的に配置した非集中型アーキテクチャを示している。
【0076】
図7のセットアップとは対照的に、図8の配置は、2つのノズルを有するロボット103、及び単子葉除草剤製品を含む。ロボット103は、UAV104に匹敵するが、空中ベースではなく地上ベースである。UAV104に加えてロボット103を使用することは、ロボット103が地上に対して安定した距離を有し、圃場112を監視する際に取り扱うのにより容易であるという利点を有する。
【0077】
図9は、圃場112を処理するために適合された飛行しているUAV102、104、106を示している。
【0078】
この例に示されるUAV102、104、106は、圃場状態を監視するための監視ユニット124としてのカメラと、処理製品を噴霧するための処理ユニット120、122としての2つの噴霧ノズルとを含む。噴霧ノズル120、122は、UAV102、104、106によって搭載される少なくとも1つのタンクと流体連通している。そのようなセットアップにより、監視された圃場状態に応じて処理ユニット120、122が圃場112を処理するためにトリガされ得るため、より効率的で的を絞った圃場処理を可能にする。両方の動作は、UAV102、104、106がそれぞれの圃場区画113の上をホバリングしている間に実行され得る。他の実施形態では、UAV102、104、106は、圃場状態を監視するための監視ユニット124を含む、偵察UAV102、104、106であり得る。他の実施形態では、UAV102、104、106は、処理製品を噴霧するための処理ユニット120、122を含む、噴霧UAV102、104、106であり得る。
【0079】
図10は、圃場112を処理するために適合された地上ロボット103を示している。
【0080】
図1図2、及び/又は図3のUAV102、104、106とは対照的に、図10の処理装置103は、地上ベースであり、地上を横断する。この例に示されるように、ロボット103は、圃場状態を監視するための監視ユニット124と、処理製品を噴霧するための処理ユニットとしての噴霧ノズル122、124とを含む。噴霧ノズル120、122は、ロボット103によって搭載される少なくとも1つのタンクと流体連通している。飛行中のUAV102、104、106と同様に、そのような地上ベースのセットアップにより、監視された圃場状態に応じてノズル122、124が圃場112を処理するためにトリガされ得るため、より効率的で的を絞った圃場処理を可能にする。他の実施形態では、ロボット103は、圃場状態を監視するための監視ユニット124を含む、偵察ロボット103であり得る。他の実施形態では、ロボット103は、処理製品を噴霧するための処理ユニット122、120を含む、噴霧ロボット103であり得る。
【0081】
図11は、スポット噴霧を介して圃場112を処理するために適合された圃場噴霧機107を示している。
【0082】
図11は、処理構成要素として噴霧ノズル107aを含む、圃場噴霧機107である大規模処理装置の一例を示している。図11は、主要な構成要素を単に概略的に示しているに過ぎず、圃場噴霧機107は、示されたものよりも多い構成要素又は少ない構成要素を備え得ることに留意されたい。
【0083】
圃場噴霧機107は、図1及び/又は図2に示されるシステムの一部であり、
圃場112又はその1つ以上の副領域に処理製品を散布するためのものである。圃場噴霧機107は、トラクタに解放可能に又は直接的に取り付けられ得る。少なくともいくつかの実施形態では、圃場噴霧機107は、ブームに沿って配置された複数の噴霧ノズル107aを有するブームを備える。噴霧ノズル107aは、固定されていてもよく、又はブームに沿って一定間隔又は不規則間隔で移動可能に取り付けられてもよい。各噴霧ノズル107aは、噴霧ノズル107aから圃場112への流体の放出を調節するために、1つ以上の、好ましくは別個の、制御可能なバルブ107bと共に配置され得る。
【0084】
1つ以上のタンク107c、d、eは、ハウジング107f内に配置され、1つ以上の流体ライン107gを通してノズル107aと流体連通しており、1つ以上の処理製品又は水のような組成物成分を噴霧ノズル107aに分配する。これには、処理製品若しくは混合物、処理製品若しくは混合物の個々の成分、選択的若しくは非選択的処理製品、殺菌剤、殺菌剤若しくは混合物、殺菌剤混合物の成分、植物成長調節剤若しくは混合物の成分、植物成長調節剤、水、油、又は任意の他の処理製品のような、化学的に活性又は不活性な成分が含まれ得る。各タンク107c、d、eは、タンク107c、d、eから流体ライン107gへの流体の放出を調節するために制御可能なバルブを更に備え得る。
【0085】
監視及び/又は検出のために、圃場噴霧機は、例えばブームに沿って配置された複数の監視構成要素107iを有する検出システム107hを備える。監視構成要素107iは、ブームに沿って一定間隔又は不規則間隔で固定又は移動可能に配置され得る。監視構成要素107iは、圃場107jの1つ以上の状態を感知するように構成される。監視構成要素107iは、圃場112の画像を提供する光学構成要素であり得る。適切な光学監視構成要素107iは、マルチスペクトルカメラ、ステレオカメラ、IRカメラ、CCDカメラ、ハイパースペクトルカメラ、超音波カメラ、又はLIDAR(光検出及び測距システム)カメラである。代替的又は追加的に、監視構成要素107iは、湿度、光、温度、風、又は圃場112上の任意の他の適切な状態を測定するための更なるセンサを備え得る。
【0086】
少なくともいくつかの実施形態では、監視構成要素107iは、図7に示されるように、構成要素107iを処理装置107の移動方向に対して垂直に、且つノズル107aの(駆動方向から見て)前方に配置され得る。図10に示される実施形態では、監視構成要素107iは、光学監視構成要素107hであり、各監視構成要素107iは、いったんノズルがそれぞれの位置に達すると、視野がそれぞれのノズル107aの噴霧プロファイルを含むか、又はそれと少なくとも重なるように、単一のノズル107aに関連付けられている。他の配置では、各監視構成要素107iが、2つ以上のノズル107aに関連付けられてもよく、又は2つ以上の監視構成要素107iが、各ノズル107aに関連付けられてもよい。
【0087】
監視構成要素107i、タンクバルブ及び/又はノズルバルブ107bは、制御システム107kに通信可能に結合されている。図10に示される実施形態では、制御システム107kが、主ハウジング107f内に配置され、それぞれの構成要素に有線接続されている。別の実施形態では、監視構成要素107i、タンクバルブ又はノズルバルブ107bは、制御システム107kに無線接続され得る。更に別の実施形態では、2つ以上の制御システム107kが、処理製品散布装置ハウジング107f内に分配され、監視構成要素107h、タンクバルブ又はノズルバルブ107bに通信可能に結合され得る。
【0088】
制御システム107kは、制御ファイル若しくは制御ファイルによって提供された動作パラメータセットに基づいて、及び/又は制御プロトコルに従って、監視構成要素107i、タンクバルブ又はノズルバルブ107bを制御及び/又は監視するように構成され得る。この点で、制御システム107kは、複数の電子モジュールを備え得る。例えば、1つのモジュールは、監視構成要素107iを制御して、圃場112の画像などのデータを収集するように構成され得る。更なるモジュールは、画像などの収集されたデータを分析して、タンク又はノズルバルブ制御107bのパラメータを導出するように構成され得る。更なるモジュールは、制御信号を導出するために、制御ファイル及び分析されたデータを受信するように構成され得る。なおも更なるモジュールは、そのような導出された制御信号に基づいて、タンクバルブ及び/又はノズルバルブ107bを制御するように構成され得る。
【0089】
上述したように、圃場噴霧機107は、画像捕捉装置107iなどの監視構成要素107iを備えるか又は監視構成要素107iに通信可能に結合され、関心領域の1つ以上の画像を、例えばデータ処理ユニットによって処理され得る画像データとして、制御システム107kに提供するように構成される。監視構成要素107iによる少なくとも1つの画像の捕捉と、制御システム107kによる同じ処理との両方が、圃場噴霧機の動作中に、オンボードで又は通信手段を通して、すなわちリアルタイムで実行されることに留意されたい。更に、圃場状態を提供する画像データ以外の任意の他のデータセットが使用され得ることに更に留意されたい。
【0090】
図12は、図9図10、又は図11に示されたUAV、ロボット103、又は圃場噴霧機107などの、処理装置102、104、106の例示的な内部構成要素のブロック図を示している。
【0091】
処理装置102、103、104、106、107は、アクチュエータ134及びアクチュエータ制御部136を含む、処理ユニット130を含む。アクチュエータは、エンジンアクチュエータ、処理装置102、103、104、106、107を操縦するために使用され得る操舵アクチュエータを含み得る。アクチュエータは、圃場112を処理し、且つ例えばアクチュエータ制御部136を介して圃場データを提供するように構成された、処理アクチュエータを含み得る。アクチュエータ制御部136は、取得ユニット、提供ユニット、又は制御ユニットなどの副ユニットを含み得る。処理装置102、103、104、106、107は、センサ138及びセンサ制御部140を有する監視ユニット132を更に含む。センサ138は、加速度計、ジャイロスコープ、及び磁力計を含み得、これらは、処理装置102、103、104、106、107の加速度及び速度を推定するために使用され得る。センサ138は、圃場状態を感知し、且つ圃場データを提供するように構成された圃場監視センサを含み得る。センサ制御部140は、取得ユニット、提供ユニット、又は制御ユニットなどの副ユニットを含み得る。
【0092】
処理装置102、103、104、106、107は、圃場112上の処理装置102、103、104、106、107のミッションを制御又は監視するように構成されたミッションコントローラ142を含む。ミッションコントローラ142は、取得ユニット、提供ユニット、又は制御ユニットなどの副ユニットを更に含み得る。処理装置102、103、104、106、107はまた、例えばミッションスケジュール、圃場データ、動作データなどを記憶するためのオンボードメモリ148を含む。処理装置102、103、104、106、107は、全地球測位システム(GPS)又はカメラベースの、例えばオプティカルフローベースの測位システムなどの、処理装置102、103、104、106、107の現在位置を提供するように構成された測位システム146を更に含む。処理装置102、103、104、106、107は、例えば燃料又は充電式バッテリを含む、電源又は燃料タンク148、及びバッテリコントローラを更に含む。バッテリコントローラは、例えばミッション前又はミッション中に残っているバッテリレベルを提供するように構成され得る。
【0093】
処理装置102、103、104、106、107は、パイロットコントローラによってリモートを介して完全に自律的に制御されるものから、例えば初期ミッションスケジュールによって部分的にリモートに/自律的に制御されるものまでに及ぶ、様々なレベルの制御部を備え得る。地上局110、又は他の処理装置102、103、104、106、107、又はクラウド環境Cなどの他の装置との通信のために、処理装置102、103、104、106、107は、無線通信インターフェース144を含む。無線通信インターフェース144は、4G又は5G回路などの1つ以上のセルラー通信回路、又はBluetooth若しくはZigBeeインターフェースなどの1つ以上の短距離通信回路で構成され得る。無線通信インターフェース144は、他のUAV102、103、104、106、107、地上局110、クラウド環境C、又はリモートコントローラ108などの、分散型システムの他のノードとの通信を可能にする。クラウド環境Cへのアクセスは、処理装置102、103、104、106、107の通信インターフェース144を介して、又は処理装置102、103、104、106、107のリモートコントローラ108などのクライアント装置108を介して、又は地上局110を介して提供され得る。
【0094】
図13は、分散装置管理システムの例示的なアーキテクチャを示すブロック図を示している。一例としてのシステムアーキテクチャは、処理装置102、セルラーネットワーク150、リモートコントローラ108、及びクラウド環境C又は地上局110を指す。
【0095】
処理装置102管理システムは、処理装置102の一部としての処理装置レイヤ152、並びにリモートコンピューティングノードに関連付けられたクラウドサービスレイヤ154、及びクライアント装置108に関連付けられたリモート制御部又はクライアントレイヤ156を含む。
【0096】
処理装置レイヤ152は、いくつかの階層レイヤ、すなわち、ハードウェアレイヤ、ミドルウェアレイヤ、及びインターフェースレイヤに分割され得る。ハードウェアレイヤは、センサ及びアクチュエータなどのハードウェアリソースに関連する。ミドルウェアは、ロボット動作のための既知のミドルウェアのいずれかに関連する。その一例は、ナビゲーション、動作計画、低レベル装置制御、メッセージパッシングなどの、ハードウェア、ネットワーク、及びオペレーティングシステムに対する様々な抽象化を提供する、ロボットオペレーティングシステム(ROS)である。通信レイヤは、通信プロトコルに関連する。UAVにおいて使用される1つの通信プロトコルは、UAVと他の装置との間のメッセージ交換を可能にする異なるトランスポートプロトコル(すなわち、UDP、TCP、テレメトリ、USB)の上に構築される、例えばMAVLinkである。そのようなソフトウェアアーキテクチャにより、ハードウェアと相互作用することなく、処理装置102を制御及び監視することを可能にする。追加のアプリケーションレイヤにより、例えばROSによって提供された機能性をカスタマイズして、a)処理装置102の圃場動作を追跡し、b)圃場状態に関して圃場データを収集、取得、及び/若しくは分析し、c)圃場データにおいて分析若しくはフラグ付けされた区画を提供し、d)処理装置102の動作データ若しくは雑草処理データを更新し、e)処理装置102の動作データ若しくは雑草処理データを受信し、又はf)地上局110、クラウド環境C、又はクライアント装置108に圃場データをストリーミングする、ことを可能にする。
【0097】
クラウドサービスレイヤ154は、大容量記憶レイヤ、コンピューティングレイヤ、インターフェースレイヤを含み得る。記憶レイヤは、処理装置102によって提供されたデータのストリームのための大容量記憶装置を提供するように構成される。各処理装置102は、例えば、動作データ、圃場データ、雑草処理データ、制御データなどを、圃場動作中にリアルタイムで、断続的にバッチで、又は圃場動作後にストリームするように構成され得る。そのようなデータは、SQLデータベースなどの構造化データベース、又はHDFSなどの分散ファイルシステム、HBaseなどのNoSQLデータベースに記憶され得る。コンピューティングレイヤは、標準的なクラウドサービスによって提供された機能性をカスタマイズして、例えば圃場データ、動作データ、ミッションスケジュールに基づいてコンピューティング処理を実行することを可能にするアプリケーションレイヤを含み得る。そのような機能性には、a)処理装置102によって提供された圃場データをストリーミングすること、b)処理装置102によって提供された圃場データを取得若しくは分析すること、c)処理装置102の動作データ若しくは雑草処理データを判定若しくは生成すること、d)処理装置102の動作データ若しくは雑草処理データを更新すること、e)処理装置102の初期動作データを提供すること、f)処理装置のミッションスケジュールに基づいて動作データを判定すること、g)圃場状態若しくは雑草検出を判定すること、又はh)圃場112上でアクティブな処理装置102の数を動的に調整すること、を含み得る。そのようなアプリケーションは、新しいイベントが検出されると、リアルタイムアプリケーション処理を必要とし、新しいイベントを考慮した後にミッションの実行の最適性を確実にするするために、圃場112上の処理装置102の動作の動的な再スケジューリングを必要とする場合がある。インターフェースレイヤは、ウェブサービス、UDP若しくはTCPとしてでもあるネットワークインターフェース、又はウェブソケットインターフェースを実装することができる。そのようなインターフェースは、処理装置102から送信されたJSONシリアライズメッセージを聞き、ストリーミングアプリケーションを処理することを可能にし得る。UAV管理の文脈において、MAVLinkメッセージは、ネットワークインターフェース(UDP又はTCP)を通してUAV102から受信され、次いで、監視又はリモート制御のために、Websocketを通してクライアント装置108に転送され得る。ネットワークインターフェース(UDP又はTCP)は、連続ストリームを処理するために使用されてもよい一方で、ウェブサービスは、処理装置102に制御コマンドを送信し、クラウド環境C又は地上局110から情報を取得するために使用されてもよい。
【0098】
クライアントレイヤ156は、エンドユーザと処理装置102の両方にインターフェースを提供する。エンドユーザに対して、クライアントレイヤ156は、クラウドサービスレイヤ154又は処理装置レイヤ152へのインターフェースを提供する、クライアント側ウェブアプリケーションを実行することができる。ユーザは、複数の処理装置102、103、104、106、107を登録し、クラウド環境Cによって提供されたデータ分析に基づいて、動作パラメータ及び意思決定を定義及び修正するためのアクセスを提供されてもよい。アプリケーションは、ユーザが処理装置102、104、106及びそれらの動作をリモートで監視及び制御できるように構成され得る。アプリケーションは、接続/切断、利用可能な物理的処理装置及びそれらのサービスの使用、圃場112上の動作の構成及び制御、並びに圃場112上の動作の監視のための機能性を提供することができる。
【0099】
この時点において、図1図11に示される分散型システム内の異なるノードによって実行される処理ステップの任意の分散に対して、本記載が適用されることに留意すべきである。例えば、処理装置102、103、104、106、107は、圃場データ、雑草処理データ、又は動作データを収集し、クラウド環境Cに提供するように構成され得る。そのようなデータは、例えば、圃場状態若しくは雑草を分析し、又はクラウド環境C上でミッションスケジュール若しくは動作データなどを判定するために使用され得る。クラウド環境Cは、そのような分析又は判定の結果を、処理装置102、103、104、106、107又はクライアント装置108に提供することができる。或いは、処理装置102、103、104、106、107は、圃場データを収集して分析し、及び/又は圃場状態若しくは雑草、又は動作データなどの圃場データを判定するように構成され得る。結果はクラウド環境Cに渡されてもよく、クラウド環境Cは、例えばミッションスケジュールを更新するためにその結果を更に処理してもよく、及び/又は他の処理装置102、103、104、106、107若しくはクライアント装置108にその結果を提供してもよい。更に代替的に、処理装置102、103、104、106、107は、圃場データを収集して分析し、及び/又は圃場データ、雑草処理データ、若しくは動作データを判定するように構成され得る。そのような分析又は判定の結果は、他の処理装置102、103、104、106、107又はクライアント装置108に提供され得る。圃場データ、動作データ、及び/又は任意の分析の結果は、記憶目的でクラウド環境Cにストリーミングされ得る。ここで説明した代替例は、単に説明のためのものであり、限定的にみなされるべきではない。
【0100】
図14は、分散装置管理システムの集中型アーキテクチャの一例のブロック図を示している。
【0101】
集中型の実施形態では、例えば、処理装置102は、圃場データを収集し、圃場データを送信し、未処理区間又は処理済み区間を送信し、地上局110又はクラウド環境Cから雑草処理データを受信し、動作を実行し、又は動作を更新する。地上局110又はクラウド環境Cは、処理装置102から圃場データをストリーミングし、圃場データを分析し、雑草処理データを生成し、雑草識別子と除草剤識別子とをマッチングし、処理装置102、103、104、106、107のミッションを管理し、ミッションスケジュールに基づいて動作データを生成し、又は圃場データ及びミッションスケジュールに基づいて動作データを更新する。
【0102】
図15は、分散装置管理システムの別の例示的な集中型アーキテクチャのブロック図を示している。
【0103】
集中型ミッション管理による非集中型の実施形態では、処理装置102、103、104、106、107、102は、圃場データを収集し、そのような圃場データを分析し、雑草処理データを生成し、雑草識別子と除草剤識別子とをマッチングし、圃場データを送信し、未処理区間若しくは処理済み区間を送信し、地上局110若しくはクラウド環境Cから雑草処理データを受信し、動作を実行し、又は動作を更新する。地上局110又はクラウド環境Cは、処理装置102、103、104、106、107の区画又は装置状態を取得し、又はミッションを管理する。
【0104】
図16は、分散装置管理システムの非集中型アーキテクチャの一例のブロック図を示している。
【0105】
自己組織化されたミッション管理を伴う非集中型の実施形態では、処理装置102、103、104、106、107、102は、圃場データを収集し、そのような圃場データを分析し、雑草処理データを生成し、雑草識別子と除草剤識別子をマッチングし、圃場データを送信し、ブロードキャストし、ネゴシエーションし、ハンドオーバし、動作を実行し、又は動作を更新する。地上局110又はクラウド環境Cは、圃場112の処理中又は処理後に、記憶する目的で、処理装置102、103、104、106、107からのデータをストリーミングすることができる。
【0106】
図17は、2つの(第1及び第2の)処理装置102、103、104、106、107にわたって分散された雑草処理のための例示的な方法のフローチャートを示している。
【0107】
第1のステップでは、特定の圃場場所、例えば、圃場区間113の圃場データが、第1の処理装置102、103、104、106、107によって取得される。圃場データは、第1の処理装置102、103、104、106、107の監視ユニット132によって取得されてもよい。監視ユニット132は、光学センサ(例えば、カメラ、NIRセンサ、RGBカメラ、LIDAR、LADAR、RGB、レーザ)であってもよい。監視ユニット132は、圃場区画113の画像を収集することができる。特定の圃場場所、例えば、圃場区画113は、圃場112上の複数の位置又は場所を含む圃場112の位置、場所、又はゾーンであり得る。区画は、副圃場の解像度であり得る。区画は、複数百メートル~数ミリメートルの範囲、好ましくは数メートル~数センチメートル、より好ましくは複数のセンチメートル、例えば1~300センチメートルの範囲、10~200センチメートルの範囲、又は20~150センチメートルの範囲の空間解像度を含み得る。区画は、圃場の副領域又は副領域の地理的場所又は場所座標を指す。
【0108】
第2のステップでは、圃場データ内の雑草を識別するために圃場データが分析される。圃場データの分析は、雑草識別子を判定するためのデータ駆動型モデルの使用を含むことができる。データ駆動型モデルは、セグメント化又は注意機構に基づいて雑草識別子を判定することができる。雑草識別子は、1つ以上の雑草をセグメント化するデータ駆動型モデルに圃場データを提供し、且つそのようなセグメント化に基づいて雑草識別子を提供することによって判定されてもよい。雑草識別子は、例えば、取得された圃場データにおける雑草の圃場データ場所を示す領域インジケータを含むメタデータを生成するデータ駆動型モデルに圃場データを提供し、且つ圃場データに関連付けられた雑草識別子を提供することによって判定されてもよい。データ駆動型モデルは、複数の例示的なセットを含む訓練データセットを用いて訓練されるように構成されてもよく、例示的な各セットは、例示的な領域における1つ以上の雑草の例示的な圃場データ、及び例示的な圃場データにおける雑草の場所を示す領域インジケータ及び圃場データに関連付けられた例示的な植物インジケータを含む関連する例示的なメタデータを含む。
【0109】
そのような方法の一例は、国際公開第2017194399A1号パンフレットに開示されている。開示され、参照によりここに組み込まれる方法は、葉の領域を輪郭形成し、且つ雑草が単子葉植物であるか双子葉植物であるかを判定することによって、雑草のタイプを識別する。更に、本方法は、成長段階を判定することと、雑草が単子葉植物であるか又は双子葉植物であるかを判定する間、及び雑草の成長段階を判定する間に、雑草のタイプごとのメタデータの複数のセットと共に雑草のタイプの名前を含む記憶装置を使用して、分類器のセットへの入力パラメータとして、複数の受信したメタデータ及び輪郭形成中に判定された複数のメタデータのうちの少なくとも1つを使用して、雑草名及び判定の正しさの確率によって識別される雑草のタイプを判定することと、を含む。
【0110】
そのような方法の別の例は、国際公開第2021001318A1号パンフレットに開示されている。開示され、参照により本明細書に組み込まれる方法又は判定支援は、圃場内の1つ以上の農業オブジェクトの画像を受信することと、受信した画像にデータ駆動型モデルを適用して、受信した画像内の1つ以上の農業オブジェクトの画像位置を示す少なくとも1つの領域インジケータと、少なくとも1つの領域インジケータに関連付けられた農業オブジェクトラベルとを含む、メタデータを生成することと、を含む。データ駆動型モデルは、例示的な複数のセットを含む訓練データセットを用いて訓練されるように構成され、例示的な各セットは、例示的な圃場における1つ以上の農業オブジェクトの例示的な画像と、例示的な画像における1つ以上の農業オブジェクトの画像位置を示す少なくとも1つの領域インジケータと、少なくとも1つの領域インジケータに関連付けられた例示的な農業オブジェクトラベルとを含む関連する例示的なメタデータと、を含む。方法又は判定支援装置は、受信した画像に関連付けられたメタデータを出力するように構成された出力ユニットを更に備える。
【0111】
第3のステップでは、特定の圃場場所、例えば圃場区間113に関連付けられた雑草識別子が、分析から提供される。そのような雑草識別子は、単子葉雑草又は双子葉雑草に関連付けられ得る。第2のステップにおける分析を介して検出可能な単子葉雑草は、リストのとおりであり得る。第2のステップにおける分析を介して検出可能な双子葉雑草は、リストのとおりであり得る。
【0112】
第4のステップでは、雑草識別子は、処理装置構成識別子とも呼ばれる、オンボード除草剤識別子とマッチングされる。除草剤識別子は、第1の処理装置102、103、104、106、107の第1の除草剤製品、及びそのような製品で処理され得る雑草に関連し得る。除草剤識別子に関連する追加の情報は、第1の処理装置102、103、104、106、107の処理ユニット130のノズルタイプと組み合わせた、潜在的にそれぞれの雑草に対する投与レートを含み得る。除草剤識別子の例を以下に示す。
【0113】
【表1】
【0114】
第1の除草剤製品は、特に単子葉雑草又は双子葉雑草を処理することができる。第1の除草剤製品が単子葉雑草を処理する場合、第2の処理装置102、103、104、106、107は、双子葉雑草を処理する第2の除草剤製品を含んでもよい。第1の除草剤製品が双子葉雑草を処理する場合、第2の処理装置102、103、104、106、107は、単子葉雑草を処理する第2の除草剤製品を含んでもよい。
【0115】
雑草識別子が1つの除草剤識別子にマッチしている場合、第1の処理装置102、103、104、106、107の処理ユニット130は、第5のステップにおいて動作される。処理ユニット130は、作動され得る、少なくとも1つの噴霧ノズル120、122、107aを備えてもよい。第1の処理装置102、103、104、106、107は、第1の除草剤製品を有する1つ以上のタンク107c、d、eを更に備えてもよい。タンク107c、d、eは、ノズル120、122、107aに流体連通していてもよい。噴霧ノズル107c、d、eの作動により、第1の除草剤製品が区画113に放出される結果となる。動作ステップまでの取得ステップ、分析ステップは、第1の処理装置102、103、104、106、107がそれぞれの区間113を横断している間に実行されてもよい。UAV102、104、106の場合、ステップは、UAV102、104、106が区画上でホバリングしている間に実行される。ロボット103又は圃場散布機107の場合、ステップは、圃場散布機107が区間上を横断している間に実行され得る。そのような場合、それぞれの監視ユニット132及び処理ユニット130は、ロボット103又は圃場散布機107上で離れた位置に配置されてもよく、ロボット103又は圃場散布機107は、取得ステップを計算することから動作ステップを計算することまでの時間範囲が移動距離に対応するような速度で移動してもよい。
【0116】
第6のステップでは、区間113の処理済みフラグが記憶され、クラウド環境Cなどの中央記憶装置に通信される可能性がある。
【0117】
第7のステップでは、第1の処理装置102、103、104、106、107及び第2の処理装置102、103、104、106、107によって処理済み、未処理、又は処理対象フラグが立てられた区間113に基づいて、圃場112の領域又は圃場112の全ての区間113が処理されているかどうかがチェックされる。その場合、圃場112の処理ミッションは完了する。
【0118】
雑草識別子が第1の処理装置の処理ユニット130の1つの除草剤識別子にマッチしない場合、雑草識別子は、第8のステップにおいて第2の処理装置102、103、104、106、107に提供される。第1の処理装置102、103、104、106、107と同様に、動作ステップは、第2の処理装置102、103、104、106、107、108に対して実行されることになる。加えて、マッチング確認ステップが、第2の処理装置102、103、104、106、107、108上で実行されてもよい。
【0119】
任意選択的に、第1の処理装置102、103、104、106、107、108に対してハンドオーバが確認される。雑草処理データ及び/又は第2の処理装置102、103、104、106、107の動作データは、第2の処理装置102、103、104、106、107、クラウド環境C又は地上局110上で、第2の処理装置102、103、104、106、107に対して更新されてもよい。更新された雑草処理データ及び/又は動作データは、第2の処理装置102、103、104、106、107に提供される。これは、例えば全ての処理装置102、103、104、106、107に対して、集中的に行われてもよく、又は非集中的に行われてもよい。
【0120】
図18は、複数の処理装置にわたって分散された雑草処理のための別の例示的な方法のフローチャートを示している。
【0121】
第9のステップでは、図16の文脈において説明した分析ステップ2からもたらされた雑草識別子が提供される。そのような提供は、特定の圃場場所、例えば圃場区画113に対してそのような雑草識別子を検出した第1の処理装置102、103、104、106、107の搭載除草剤識別子とマッチしない場合に行われる。したがって、雑草識別子は、マッチしていない雑草識別子である。
【0122】
そのような場合、第1の処理装置102、103、104、106、107は、ステップ10において、圃場113上の他の処理装置102、103、104、106、107に要求をブロードキャストする。そのような要求は、圃場113上の他の処理装置102、103、104、106、107のサブセット、例えば、第1の処理装置102、103、104、106、107に対して特定の距離又は通信範囲内のそのような処理装置102、103、104、106、107に対して、ブロードキャストされてもよい。
【0123】
第11のステップにおけるそのような要求に基づいて、圃場113上の他の処理装置102、103、104、106、107の除草剤識別子が受信される。第12のステップでは、図16の第4のステップの文脈において説明したように、雑草識別子は、除草剤識別子をマッチングされる。
【0124】
他の実施形態では、マッチしていない雑草識別子は、地上局110又はクラウド環境Cに提供されてもよく、そのようなエンティティは、既に存在する除草剤識別子及び装置識別子とのマッチングに対応することができる。そのような場合、前のステップ10及び11は適用されない場合がある。
【0125】
雑草識別子が処理装置102、103、104、106、107の1つの除草剤識別子とマッチしている場合、ステップ13において、そのような処理装置102、103、104、106、107が選択され、雑草識別子及び区画がそのような処理装置102、103、104、106、107に提供され得る。図16のステップ5の文脈において説明されたプロセスと同様に、選択された処理装置102、103、104、106、107の処理ユニット130が動作される。
【0126】
更なるステップ17では、ハンドオーバの確認が、場合により、第1の処理装置102、104、106、107、地上局110又はクラウド環境Cによって受信され得る。更なるステップ18では、ハンドオーバ成功フラグが設定されてもよい。
【0127】
マッチしない場合、相互作用は終了し、区画113に対して未処理フラグが設定されてもよい。
【0128】
図19は、選択スキームを用いて複数の処理装置にわたって分散された雑草処理のための別の例示的な方法のフローチャートを示している。
【0129】
図17の文脈において説明した方法に加えて、図18は、より洗練された選択スキームを含む。ここでは、最初にマッチしたものを選択するのではなく、図18の方法は、受信した装置及び除草剤識別子に基づいて、提供されたマッチしていない雑草識別子、すなわち、オンボード除草剤識別子とマッチしていないものに適した装置を提供する。そのような適切な装置に基づいて、適切な装置のコスト関数が判定される。最もコストの低い処理装置102、104、106、107が選択されてもよい。他の処理装置102、104、106、107との相互作用は終了され得る。選択された処理装置102、104、106、107の装置識別子が提供され、選択された処理装置102、104、106、107に、特定の圃場場所、例えば区画113と共に雑草識別子が提供され得る。ハンドオーバ成功の確認に基づいて、ハンドオーバ成功のフラグが設定され得る。
【0130】
図20図21は、別の選択スキームを用いて複数の処理装置にわたって分散された雑草処理のための更に別の例示的な方法のフローチャートを一緒に示している。
【0131】
図18及び図19の文脈において説明した方法に加えて、図20は、より洗練された別の選択スキームを含む。ここでは、最初にマッチしたものを選択するのではなく、図20の方法は、受信した装置及び除草剤識別子に基づいて、提供されたマッチしていない雑草識別子、すなわち、オンボード除草剤識別子とマッチしていないものに適した装置を提供する。
【0132】
図19の文脈において説明した方法とは異なり、閾値論理が適用される。ここで、装置選択ステップは、例えば、適切な装置に対する除草剤適合性を判定することを含む。除草剤適合性が閾値未満である場合、適切な処理装置102、104、106、107の別のサブセットが提供される。そのように判定された適切な処理装置102、104、106、107の別のサブセットに基づいて、第2の選択ステップは、適切な処理装置102、104、106、107の別のサブセットに対する距離コストを判定することを含み得る。最も低い距離コスト又は距離コストの閾値未満の適切な処理装置102、104、106、107が、そのようなサブセットから選択されてもよい。
【0133】
他の処理装置102、104、106、107との相互作用は終了され得る。選択された処理装置102、104、106、107の装置識別子が提供され、選択された処理装置102、104、106、107に、特定の圃場場所、例えば圃場区画113と共に雑草識別子が提供され得る。ハンドオーバ成功の確認に基づいて、ハンドオーバ成功のフラグが設定され得る。
【0134】
図22は、重要雑草処理を含む雑草処理のための更に別の例示的な方法のフローチャートを示している。
【0135】
この例の第1のステップでは、特定の圃場場所、例えば圃場区間113の圃場データが、他の処理装置102、104、106、107のうちの1つによって取得される。第2のステップでは、圃場データ内の重要雑草を識別するために圃場データが分析され得る。そのようなステップは、図15の文脈において説明したように実行され得る。重要雑草の種/タイプは、収量及び食品安全性に高い悪影響を及ぼす雑草であるか、又は増加している除草剤耐性雑草に属する雑草であり得る。例えば地理的領域、作物及び/又は特定の圃場112に応じて、重要雑草識別子は、過去の圃場データに基づいて判定され得る。そのような過去のデータは、圃場上の処理動作の前に予め分析され得る。重要雑草識別子は、圃場の処理前又は分析前に分析ユニットに提供され得る。
【0136】
特定の圃場場所、例えば圃場部113に関連付けられた重要雑草識別子は、重要除草剤製品と共に、又は機械的処理ユニットのような別の処理ユニットと共に、処理装置102、103、104、106、107に提供される。重要雑草識別子及び特定の圃場場所、例えば圃場区画113が、重要雑草処理装置に提供される。
【0137】
重要処理装置102、103、104、106、107の処理ユニット130が、動作される。処理ユニット130は、作動され得る、少なくとも1つの噴霧ノズル120、122、107a又は少なくとも1つの機械的グラバーを備えてもよい。
【0138】
任意選択的に、トリガ処理装置102、103、104、106、107、108に対してハンドオーバが確認される。重要な処理装置102、103、104、106、107の雑草処理データ及び/又は動作データは、任意の処理装置102、103、104、106、107、クラウド環境100又は地上局110上で更新されてもよい。更新された雑草処理データ及び/又は動作データは、重要な処理装置102、103、104、106、107に提供される。これは、例えば全ての処理装置102、103、104、106、107に対して、集中的に行われてもよく、又は非集中的に行われてもよい。
【0139】
図23は、集中型アーキテクチャにおけるハンドオーバのためのデータフロー図を示している。
【0140】
第1のメッセージとして、第1の処理装置102は、地上局110に未処理の特定の圃場場所、例えば圃場区画113の圃場データをプッシュする。地上局110は、圃場データに基づいて、利用可能な第2の処理装置104を判定し、その動作データを更新する。更新されたミッションスケジュールを含む更新された動作データは、第2の処理装置104にプッシュされる。
【0141】
いったん処理が完了すると、第2の処理装置104は、アロケーションされて使用可能な装置を追跡するミッションスケジュールを更新するために、地上局110にそのような更新をプッシュすることができる。更新されたスケジュールは、地上局110から全ての処理装置102、104、106にブロードキャストされてもよい。いったん第2の処理装置104がそのミッションを完了すると、それぞれのメッセージが地上局110に送信され得る。検証すると、地上局110は、第2の処理装置102が更なる活動を停止するように、ホーム復帰コマンドを送信する。
【0142】
図24は、非集中型アーキテクチャにおけるハンドオーバのためのデータフロー図を示している。
【0143】
第1のメッセージとして、第1の処理装置102は、他の処理装置104、106に、未処理の特定の圃場場所、例えば圃場区画113の圃場データをブロードキャストする。他の処理装置104、106は、未処理圃場区画113までの距離、及び監視/処理IDを送信する。第1の処理装置102は、コスト関数に基づいて1つの他の処理装置104、106を選択する。そのような選択により、第1の処理装置は、選択された処理装置104、106とのハンドオーバを開始し、圃場データ又は動作データを提供する。選択された処理装置104、106は、そのようなハンドオーバを確認する。選択されなかった処理装置に対して、第1の処理装置は、ハンドオーバなしで相互作用終了メッセージをブロードキャストする。
【0144】
好ましい実施形態と併せて本開示を例として説明してきた。しかしながら、図面、本開示、及び特許請求の範囲を検討することにより、他の変形形態が、当業者によって、また特許請求の範囲に記載の発明を実施することによって理解され、実施され得る。とりわけ、特に提示された任意のステップは任意の順序で実行され得る、すなわち、本発明はこれらのステップの特定の順序に限定されるものではない。更には、異なるステップが特定の場所又は分散システムの1つのノードで実施されることも必須ではない。すなわち、ステップのそれぞれが、異なる機器/データ処理ユニットを使用して異なるノードで実施されてもよい。
【0145】
特許請求の範囲及び本明細書においては、「備える(comprising)」という語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外するものではない。単一の要素又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載された複数のエンティティ又は項目の機能を果たすことがある。ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという事実だけでは、これらの手段の組み合わせを有利な実装形態において使用することができないことを示すものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【国際調査報告】