(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】棒をピックアップするデバイスおよび対応方法
(51)【国際特許分類】
B65G 47/92 20060101AFI20240723BHJP
B21D 43/00 20060101ALN20240723BHJP
【FI】
B65G47/92 C
B21D43/00 E
B21D43/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579184
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 IT2022050179
(87)【国際公開番号】W WO2022269650
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】102021000016619
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591002223
【氏名又は名称】エンメ.エ.ピ.マッキーネ エレットロニッケ ピエガトリッチ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】デル ファブロ ジョルジオ
【テーマコード(参考)】
3F072
【Fターム(参考)】
3F072AA25
3F072KD05
3F072KE11
(57)【要約】
少なくとも1つの棒(B)をデリバリ面(11)に置くために、供給面(111)から前記少なくとも1つの棒(B)を選択的にピックアップし取り出すように構成されるピックアップデバイス(10)は、ピックアップヘッド(12)が端部に設けられる支持アーム(11)を有する。本発明は、さらに、上述のデバイス(10)を備え、棒(B)を供給するための装置(100)と、棒(B)をピックアップするための方法とに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの棒(B)をデリバリ面(112)に置くために、供給面(111)から前記少なくとも1つの棒(B)を選択的にピックアップし取り出すように構成されるピックアップデバイス(10)であって、前記ピックアップデバイス(10)は、
ピックアップヘッド(12)が端部に設けられる支持アーム(11)と、
前記少なくとも1つの棒(B)の中央部(b1)を支持するように構成される台座(30)を有する少なくとも1つの中央支持部(14)を備える仮支持手段(13)と、
横方向(T)に前記中央支持部(14)から離れて移動可能な側方支持部(16)であって、前記少なくとも1つの棒(B)の側方部(b2,b3)のそれぞれを前記中央部(b1)に整列させて、前記側方部(b2,b3)を支持し取り出すように構成される側方支持部(16)と、
を備えることを特徴とする、ピックアップデバイス(10)。
【請求項2】
前記仮支持手段(13)は、鉛直方向に移動可能なセカンダリー支持部(17)を備え、
前記セカンダリー支持部(17)は、通常では前記中央支持部(14)および前記側方支持部(16)の高さよりも低い高さで配置されることを特徴とする、請求項1に記載のピックアップデバイス(10)。
【請求項3】
前記支持アーム(11)は、前記ピックアップヘッド(12)を前記仮支持手段(13)に近づけるまたは遠ざけるために、前記ピックアップヘッド(12)を線形の位置決め方向(D)に移動させるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のピックアップデバイス(10)。
【請求項4】
前記ピックアップヘッド(12)は、前記位置決め方向(D)および前記横方向(T)の両方に対して横断する動作方向(F)に移動可能なグリップマトリックス(23)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のピックアップデバイス(10)。
【請求項5】
前記グリップマトリックス(23)は、全体的にあるいは部分的に、磁性材料または電磁性材料から作られまたはコーティングされ、
前記グリップマトリックス(23)は、下向きの凹部を有する複数のグリップ台座(27)が設けられるグリップ面を備え、
前記複数のグリップ台座(27)のそれぞれは、互いに所定のピッチ(P)を開けて離れていることを特徴とする、請求項4に記載のピックアップデバイス(10)。
【請求項6】
前記複数の台座(30)は、互いに前記ピッチ(P)の距離を有し、前記棒(B)の横方向の測定値よりも大きい深さを有し、
前記複数の台座(30)は、前記横方向(T)において、前記グリップマトリックス(23)の幅(W)よりも大きい内部距離(L)を開けて離間する向かい合う2列に配置されることを特徴とする、請求項5に記載のピックアップデバイス(10)。
【請求項7】
前記各側方支持部(16)は、ベースプレート(31)を備え、
複数のペグまたはピン(32)が前記ベースプレート(31)から鉛直方向に突出し、その間に前記棒(B)の通過のための矯正チャンネル(33)が画定されることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のピックアップデバイス(10)。
【請求項8】
複数の前記セカンダリー支持部(17)は、前記棒(B)をその全長にわたって維持するように、前記横方向(T)に整列し、互いに等間隔で離れて配置されることを特徴とする、請求項2に記載のピックアップデバイス(10)。
【請求項9】
棒(B)を供給するための装置(100)であって、前記装置(100)は、
複数の前記棒(B)が配置可能な供給面(111)と、
前記供給面(111)の下流に位置するデリバリ面(112)と、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のピックアップデバイス(10)と、
を備えることを特徴とする装置(100)。
【請求項10】
棒(B)をピックアップする方法であって、前記方法は、
棒(B)を供給するための装置(100)の供給面(111)に配置される少なくとも1つの前記棒(B)を選択的にピックアップし取り出すステップと、
ピックアップヘッド(12)が端部に設けられる支持アーム(11)を移動することにより、前記少なくとも1つの棒(B)をピックアップデバイス(10)が設けられる前記装置(100)の下流側にあるデリバリ面(112)に置くステップと、
仮支持手段(13)で前記少なくとも1つの棒(B)を仮支持するステップと、
を備え、
台座(30)を有する中央支持部(14)は、前記少なくとも1つの棒(B)の中央部(b1)を支持し、
側方支持部(16)は、横方向(T)に前記中央支持部(14)から離れるように移動され、前記少なくとも1つの棒(B)の側方部(b2,b3)のそれぞれを前記中央部(b1)に整列させて、前記側方部(b2,b3)を支持し取り出すことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒をピックアップするデバイスに関し、特に、例えば、線材、補強棒、棒、丸片、角棒等のような建築分野で使用される金属棒をピックアップするデバイスに関する。
【0002】
特に、本発明に係る装置及び対応する方法は、供給面から一度に1つ以上の棒を実質的に自動的にピックアップし、デリバリ面に又は処理機械に直接的に配置するのに好適である。
【背景技術】
【0003】
例えば、曲げ機、スターラップ曲げ機(stirrup bender machine)、溶接機または切断機などのようなユーザマシンに棒を供給する分野では、橋形クレーンなどのような手段で好適な保存場所からピックアップした棒を供給し、これらの棒をあるステーションまたは機器に送るための供給装置上に配置することがしばしば要求される。
【0004】
これらの棒は、典型的に束の形式で供給され、棒を前進させるために駆動される供給手段を備えた供給面上でランダムに散在し、互いに絡み合ったり、ねじれたりすることで、これらの棒は、少なくとも部分的に分離するように振動させる。
【0005】
次に、これらの棒は、それぞれにまたはグループで、好適なピックアップデバイス、例えば磁気ピックアップアームによってピックアップされ、直接的にユーザマシンまたは下流側に、傾斜面、ローラウェイ、または他の移動手段によってデリバリされる。これらの手段は、棒を移動させることに加えて、必要に応じてそれらの前進にリズムを与えることもできる。
【0006】
しかしながら、ピックアップデバイスが正しく所望の数量の棒を取り出せないこと、および/または、棒が特定の空間的な向きを持たない状態でランダムにピックアップされることがしばしば起きる。これは、棒のカウントにおけるエラー、および既に移送された棒を正確に再配置する必要の両方を引き起こし、結果的に時間の無駄、非効率およびコスト上昇を引き起こす可能性がある。
【0007】
特に、25mを超える非常に長い棒の場合、特に対応する端部がねじれた状態の場合、棒をピックアップすることは非常に困難であり、このステップにおいて、これらの棒は、屈曲または湾曲になる場合もある。そのため、一度ピックアップされて目的地まで持っていくと、これらの棒は、使用に適していない位置や状態になる可能性がある。
【0008】
欧州特許出願公開第1934000号明細書、韓国公開特許第2019-0103262号公報、及び欧州特許出願公開第2412456号明細書から知られている、棒をピックアップするデバイスは、上述した欠点を解決していない。このため、従来技術の欠点の少なくとも1つを克服することができるように、棒をピックアップするための装置とそれに対応する方法とを完成させる必要がある。
【0009】
これを実現するためには、複数の棒がそれらの展開方向に関して実質的に線形状態になるように、例えば、一度に一本の棒又は一本以上の棒を、棒を供給するための装置の供給面からピックアップして、その後のデリバリ面上に配置することにおける技術的な課題を解決する必要がある。
【0010】
特に、本発明の1つの目的は、自動化された方式で、一度に一本以上の棒をピックアップすることができることと、これらの棒をデリバリ面に堆積する前に、これらの棒の実質的な線形状態を保つあるいは線形状態に戻すこととの両方を実現できるデバイスを提供することである。
【0011】
もう1つの目的は、実質的にどんな長さの棒でも操作できることであり、同様に、これらの棒を、望ましくない重なり合うまたは多重ピックアップによって引き起こされるエラーがないようにカウントされてピックアップされることを確実にすることである。
【0012】
本発明の他の目的は、前記ピックアップデバイスを備え、棒を供給する装置を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、自動化された方式で、一度に一本以上の棒をピックアップすることができることと、これらの棒を、例えば棒を供給するための装置のデリバリ面に堆積する前に、これらの棒の実質的な線形状態を保つあるいは線形状態に戻すこととの両方を実現できる、棒をピックアップする方法を提供することである。
【0014】
出願人は、従来技術水準の欠点を克服し、上述及びその他の目的と長所を得るために、本発明を発案し、試験し、具現化した。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、独立請求項に記載され、特徴付けられる。従属請求項は、本発明の他の特徴、又は主要な発明の思想に関する変形バリエーションを記述している。
【0016】
上記の目的に応じて、デリバリ面に置くために、供給面上に配置された複数の棒より少なくとも1つの棒を選択的にピックアップし取り出し、かつ、ピックアップヘッドが端部に設けられる支持アームを備えるピックアップデバイスが発明された。
【0017】
本発明の一態様によれば、ピックアップデバイスは、前記少なくとも1つの棒の中央部を支持するように構成される台座を有する少なくとも1つの中央支持部を備える仮支持手段と、横方向に前記中央支持部から離れて移動可能な側方支持部であって、前記少なくとも1つの棒の側方部のそれぞれを前記中央部に整列させて、前記側方部を支持し取り出すように構成される側方支持部と、を備える。
【0018】
本発明の他の態様によれば、前記仮支持手段は、鉛直方向に移動可能なセカンダリー支持部を備え、前記セカンダリー支持部は、通常では前記中央支持部および前記側方支持部の高さよりも低い高さで配置される。
【0019】
さらに、本発明では、前記支持アームは、前記ピックアップヘッドを前記仮支持手段に近づけるまたは遠ざけるために、前記ピックアップヘッドを線形の位置決め方向に移動させるように構成されることができる。
【0020】
また、本発明において、前記ピックアップヘッドは、前記位置決め方向および前記横方向の両方に対して横断する動作方向に移動可能なグリップマトリックスを備えることができる。
【0021】
前記グリップマトリックスは、全体的にあるいは部分的に、磁性材料または電磁性材料から作られまたはコーティングされ、前記グリップマトリックスは、下向きの凹部を有する複数のグリップ台座が設けられるグリップ面を備え、前記複数のグリップ台座のそれぞれは、互いに所定のピッチを開けて離れていることができてもよい。
【0022】
前記中央支持部は、互いに前記ピッチの距離を有し、前記棒の横方向の測定値よりも大きい深さを有する複数の台座を有してもよい。さらに、前記複数の台座は、前記横方向において、前記グリップマトリックスの幅よりも大きい内部距離を開けて離間する向かい合う2列に配置される。
【0023】
本発明の一態様によれば、前記各側方支持部は、ベースプレートを備え、複数のペグまたはピンが前記ベースプレートから鉛直方向に突出し、その間に前記棒の通過のための矯正チャンネルが画定される。
【0024】
最後に、複数の前記セカンダリー支持部は、前記棒をその全長にわたって維持するように、前記横方向に整列し、互いに等間隔で離れて配置される。
【0025】
他の実施形態によれば、棒を供給するための装置が提供され、前記装置は、複数の前記棒が配置可能な供給面と、前記供給面の下流に位置するデリバリ面と、上述のピックアップデバイスと、を備える。
【0026】
他の実施形態によれば、棒をピックアップする方法が提供され、前記方法は、棒を供給するための装置の供給面に配置される少なくとも1つの前記棒を選択的にピックアップし取り出すステップと、ピックアップヘッドが端部に設けられる支持アームを移動することにより、前記少なくとも1つの棒をピックアップデバイスが設けられる前記装置の下流側にあるデリバリ面に置くステップとを含む。
【0027】
本発明の一態様によれば、前記方法は、仮支持手段で前記少なくとも1つの棒を仮支持するステップと、を備え、台座を有する中央支持部は、前記少なくとも1つの棒の中央部を支持し、側方支持部は、横方向に前記中央支持部から離れるように移動され、前記少なくとも1つの棒の側方部のそれぞれを前記中央部に整列させて、前記側方部を支持し取り出す。
【0028】
本発明の上述およびその他の態様、特徴および利点は、添付の図面を参照した非限定的な例として与えられる、いくつかの実施形態の下記の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、棒を供給するための装置の一部である、本発明に係る棒をピックアップするためのデバイスの立体図である。
【
図3a】本発明に係る、棒をピックアップするための方法の動作ステップを示す図である。
【
図3b】本発明に係る、棒をピックアップするための方法の動作ステップを示す図である。
【
図3c】本発明に係る、棒をピックアップするための方法の動作ステップを示す図である。
【
図3d】本発明に係る、棒をピックアップするための方法の動作ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
我々は、本願明細書において、使用される言い回しおよび用語、ならびに同様に記載される添付図面が、本発明をより良く図示および説明する唯一の機能を有することを明確にしなければならない。本願に関する保護の範囲が特許請求の範囲によって定義されるため、それらの機能は、発明自身の非限定的な実例を提供するためのものである。
【0031】
理解を容易にするために、可能であれば、図面中の同一の共通要素について、同一の参照番号を使用して識別した。1つの実施形態の要素および特徴は、さらなる説明がない限り、他の実施形態と都合よく組み合わせることができ、または他の実施形態に組み込むことができることが理解されたい。
【0032】
図1を参照すると、スターラップ曲げ機、整形機、曲げ機、結束機、クロッパ又は他の同等な機械のような処理機械の上流に配置するのに好適である棒Bを供給するための装置100に関連した、棒Bをピックアップするためのピックアップデバイス10が示されている。
【0033】
棒Bは、主に長円形状を有し、長さが数メートルであってもよく、直径および表面仕上げが異なってもよい。棒Bは、ばらばらの形で、または束ねて結束した形で装置100に供給することができる。
【0034】
部分的に示されている装置100は、その上に複数の棒Bが配置されることが可能な供給面111と、平面111の下流側にあるデリバリ面112とを備えている。
【0035】
装置10は、棒Bをデリバリ面112上に配置するために、供給面111上に配置された複数の棒Bから少なくとも1つの棒Bを選択的にピックアップし取り出すように構成される。ここで説明する例示において、ピックアップデバイス10は、一度に3つのB棒をピックアップするように構成されているが、より多いまたはより少ない棒Bをピックアップすることも可能である。
【0036】
棒Bをピックアップする装置10は、その中央部b1から、ピックアップヘッド12を端部に備えた支持アーム11を備えている。
【0037】
装置10は、ピックアップヘッド12によってピックアップされた棒Bの中央部分b1を支持するように構成された少なくとも1つの中央支持部14と、棒Bの側方部b2、b3を支持して取り出し、中央部b1に整列させるために、横方向Tにおいて中央支持部14から離れて移動可能な2つの側方支持部16とを備える仮支持手段13を備える。
【0038】
実際、棒Bがそれらの中央部分b1に対してピックアップされるとき、側方部b2、b3は依然として供給面111上に残っており、そこに存在する他の棒Bとねじれているか、または重なっている可能性がある。中央支持部14がピックアップヘッド12と協働して棒Bの中央部分b1を固定したままである間、側方支持部16は、中央支持部14に近い位置から始まって中央支持部14から離れるように移動し、供給面111上に存在する棒Bの側方部b2、b3の一種の「コーミング(combing)」を行うことで、それらが供給面111条に存在する棒Bから完全に取り出されて、長手方向の展開について整列される。
【0039】
仮支持手段13は、通常中央支持部14及び側方支持部16の高さよりも低い高さにある下降位置に配置され、かつ、側方支持部16によって真っすぐに矯正されて整列された側方部b2,b3の対応する部分を支持するために、中央支持部14および側方支持部16と同じ高さで整列される上昇位置に向かって鉛直方向に移動可能なセカンダリー支持部17を備えることができる。特に、下降位置では、セカンダリー支持部17は、デリバリ面112の下にあり、上昇位置では、その上にある。
【0040】
中央支持部14は、鉛直方向において下方に移動可能であり、それは、セカンダリー支持部17の、ピックアップヘッド12より棒Bを受け取る上昇保持位置と、取り出されて整列された棒Bをデリバリ面112上の配置するための下降デリバリ位置との間の鉛直方向における移動と同時である。上昇保持位置では、中央支持部14は、デリバリ面112の上方にあり、一方、下降デリバリ位置位置では、その下方にある。
【0041】
ある実施形態によれば、支持アーム11は、実質的に直線的に展開し、伸縮タイプまたはピストンタイプとすることができる。
【0042】
支持アーム11は、ピックアップヘッド12を位置決め方向Dに実質的に線形に変位させるように構成されている。この実質的な線形変位により、ピックアップヘッド12を、棒Bをピックアップするために供給面111の上方に、または棒Bを位置決めしてリリースするために仮支持手段13の上方に交互に配置するすることを許容している。
【0043】
この具体的なケースでは、支持アーム11は、供給面111およびデリバリ面112のそれぞれの側方端に対して中央位置に配置される(
図1参照)。
【0044】
支持アーム11は、枠組(framework)18上に取り付けられ、固定部19と、固定部19に対して摺動し、端部にピックアップヘッド12が備えられる可動部20とを備える。固定部19は、可動部20がピックアップヘッド12を適切に位置決めするために移動する方向である位置決め方向Dにおいて、枠組18に対してカンチレバー形状に展開する。
【0045】
ピックアップヘッド12は、固定支持部22とグリップマトリクス23とを有する。グリップマトリクス23は、位置決め方向Dおよび横方向Tの両方に横断する動作方向Fにおいて、支持部22に対して摺動する。動作方向Fは、装置100の供給面111またはデリバリ面112の方に向けられる。
図1の例では、動作方向Fは、位置決め方向Dに実質的に直交し、供給面111およびデリバリ面112の両方に直交する。言い換えれば、グリップマトリクス23は、供給面111またはデリバリ面112に向かってあるいはデリバリ面112から離れて移動可能である。
【0046】
ピックアップヘッド12は、磁気式又は電磁式である。特に、グリップマトリクス23は、全体的または部分的に磁気または電磁材料で作製されるか、または少なくとも全体的または部分的、磁気または電磁材料でコーティングされる。この磁気または電磁材料によれば、少なくとも1つの棒B、有利的にその中央部b1をリフトする、すなわち、供給面111に存在するその他の棒Bから少なくとも部分的に取り出すような吸引力を生成ことが可能である。
【0047】
図2に示すように、グリップマトリクス23は、ピックアップされる棒Bの上部または仮支持手段13の上部のいずれかに対面するグリップ面26を備える。したがって、グリップ面26は、供給面111またはデリバリ面112のいずれかに面しており、それに対して実質的に平行である。
【0048】
複数のグリップ台座27がグリップ面26上に形成される。
【0049】
グリップ台座27は、下向きの凹部を有し、それぞれが対応する棒Bを受け入れるように構成されている。特に、各グリップ台座27は、中空形状、例えば半円筒状または別の形状を有し、長手方向における端部に開口することで、棒Bの一部を収容するように好適に形成される。ここで説明する例では、グリップ面26には3つのグリップ台座27が設けられている。しかしながら、言及されるように、グリップ台座27の個数は、この個数よりも多いまたは少なくてもよいことは排除しない。
【0050】
グリップ台座27は、互いに離間しており、1つのグリップ台座27と他方のグリップ台座27との間の距離は、同一の所定のピッチPであってもよく、異なってもよい。
【0051】
有利なことに、フラットではなく、または他の用意された面ではないグリップ台座27が存在することによって、棒Bをより確実な方法で係合させ、また、後続の距離を開ける動作を行う必要がなく、事前に必要な距離を開けることができる。さらに、グリップ台座27が存在することによって、計画された所望の本数の棒Bのみを確実にピックアップすることができる。
【0052】
考えられる1つの実施形態によれば、ピックアップされる棒Bの間の距離が異なり、または異なる数の棒Bが必要とされる場合に、グリップマトリクス23は、取り替えることができるタイプのものである。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、中央支持部14は、枠組18と関連付けられ、例えば、ベームまたは一対のビーム21の端部から突出し、デリバリ面112の上方にカンチレバー形状になることができる。
【0054】
側方支持部16は、ガイド手段28上、この具体的なケースでは、横方向T(
図1a参照)に展開する筒状レール29上を摺動する。また、レール29は、同じ一対のビーム21に取り付けることができる。特に、側方支持部16は、中央支持部14に対して横方向に並ぶ中心近接位置と、中央支持部14から処理された棒Bの長さよりも大きい距離で離れた端部遠隔位置との間で移動可能である。
【0055】
中央支持部14および2つの側方支持部16は、通常、デリバリ面112より上に、かつ供給面111の高さとは異なる高さで、特に供給面111の高さよりも高い位置に配置される。このように、供給面111上に存在するものに対してピックアップされた棒Bの第1のリリースがすでに発生しているので、棒Bの最初の取出が容易になる。更に、棒Bをそれらの中央部b1に対してピックアップすると、通常では棒Bが絡み合い、それらの端部に対応して重なり合うので、ピックアップヘッド12が必要とする努力がかなり軽減される。
【0056】
中央支持部14は、デリバリ面112の上方にある位置からその下方にある位置へと通過し、次いで開始位置へと戻るために、鉛直方向に移動可能である。この中央支持部14の鉛直方向の移動は、セカンダリー支持部17の移動と協調しているため、棒Bは、傾いたり変形したりすることなく、互いに並行に下降する。
【0057】
さらに、中央支持部14には、ピックアップヘッド12によってリリース/位置決めされた棒Bを支持するように構成され、上向きの凹部を有する台座30を設けることができる。
【0058】
台座30は、各々の棒Bに対して2つの支持点を画定するために、互いに向き合って配置され、一対に整列されている。
【0059】
有利には、台座30は、グリップマトリクス23のグリップ台座27と同じ個数および同じ間隔で設計される。
【0060】
台座30は、それらが収容する必要がある棒Bの直径、またはより一般的には横方向のサイズよりも大きい深さを有する。さらに、台座30は、グリップマトリクス23の幅Wよりも大きい内部距離Lだけ、横方向Tに互いに離れて対向する2つの列に配置される(
図1a参照)。このように、ピックアップヘッド12が棒Bを位置決めするために下降するとき、側方支持部16が横方向Tに作用している間、これらを所定の位置にしっかりと保持することができる。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、各側方支持部16は、ベースプレート31を備える。複数のペグまたはピン32がベースプレート31から鉛直方向に突出し、その間に前記棒Bの通過のための矯正チャンネル33が画定される。これらの矯正チャンネル33は、中央支持部14の台座30と整列されている。
【0062】
より具体的には、少なくとも棒Bの直径よりわずかに大きい尺度で互いに離れている第1列のペグ32と、第1列のペグ32に面し、かつ、横方向Tに間隔を開けて離間している第2列のペグ32が提供されている。
【0063】
第1列のペグ32と第2列のペグ32との間には、矯正チャネル33内に支持される棒Bの一部が静止することができるローラ34がある(
図1aおよび
図3b参照)。このように、側方支持部16が横方向Tに移動し、棒Bを回収および矯正する際の摩擦は制限される。
【0064】
セカンダリー支持部17は、横方向Tに整列して配置され、棒Bをその全長にわたって分段して維持するように等間隔に配置される。
【0065】
側方支持部16は、両側における最後のセカンダリー支持部17を越えて移動できるように横方向の移動振幅を有し、「コーミング」の最後に棒Bを完全にリリースし、棒Bを中央支持部14およびセカンダリー支持部17のみの上に位置させる。これらは、既に記載されているように、側方支持部16は、デリバリ面112上に棒Bを堆積させるために移動可能である。
【0066】
セカンダリー支持部17には入口35が設けられ、それぞれは対応する棒Bの部分を支持することができる。セカンダリー支持部17が上昇位置にあるとき、入口35は、矯正チャネル33および中央支持部14の台座30の両方に位置合わせされる。台座30、矯正チャネル33および入口35は、例えば
図2および
図3aから
図3dに示すように、棒Bのための仮支持面Lを画定する。
【0067】
いくつかの実施形態によると、
図3aから
図3dに示されているように、本発明に係る棒Bをピックアップするための方法が提供される。この方法によれば、棒Bを供給するための装置100の供給面111に配置される少なくとも1つの棒Bを選択的にピックアップし取り出し、ピックアップヘッド12が端部に設けられる支持アーム11を移動することにより、少なくとも1つの棒Bをピックアップデバイス10が設けられる装置100の下流側にあるデリバリ面112に置く。
【0068】
この方法によれば、仮支持手段13で少なくとも1つ、例えば3つの棒Bを仮支持し、中央支持部14は、少なくとも1つの棒Bの中央部b1を安定して支持し、側方支持部16は、横方向Tに中央支持部14から離れるように移動され、少なくとも1つの棒Bの側方部b2,b3のそれぞれを中央部b1に整列させて、側方部b2,b3を支持し取り出す。
【0069】
請求項によって定義されるように、本発明の分野および範囲から逸脱することなく、これまで説明された棒をピックアップするための装置10および方法に対して修正および/または追加を行ってもよいことは明らかである。
【0070】
また、本発明はいくつかの具体的な実例に基づいて説明されたが、当業者は、請求項に記載されているような特徴を有し、従って、それによって規定された保護分野に属する、棒をピックアップするための多くの同等の形態のデバイスおよび対応する方法を取得できることは、明らかである。
【0071】
以下の請求項において、括弧内の参照符号の唯一の目的は、読解を容易にすることであり、それらは、同一請求項により定義される保護分野に関する制限要因とみなされてはならない。
【国際調査報告】