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特表2024-528472ユーティリティシステム保守のアセット管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ユーティリティシステム保守のアセット管理
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240723BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240723BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20240723BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/06
G06Q10/04
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579259
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022034951
(87)【国際公開番号】W WO2022272097
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/214,992
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VISUAL BASIC
2.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】523325484
【氏名又は名称】ランディス・ギア・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100163902
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 奈月
(72)【発明者】
【氏名】シーブルーム,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ラドゴウスキー,ジョン
【テーマコード(参考)】
5G064
5L010
5L050
【Fターム(参考)】
5G064AA01
5G064AA09
5G064AC09
5G064CB06
5G064DA03
5L010AA04
5L010AA20
5L050CC06
(57)【要約】
システムは、プロセッサと、プロセッサに動作を実施させるためにプロセッサによって実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読メモリとを含む。動作は、配電ネットワークのアセットのアセット在庫または保守質問を含むクエリを受信することを含む。動作はさらに、アセットに関連付けられた配電ネットワークのデータにアクセスし、予測モデルをクエリおよびアセットに関連付けられた配電ネットワークのデータに適用して、アセット在庫または保守予測を生成することを含む。さらに、動作は、アセット在庫または保守予測を使用して、アセットの発注動作またはアセットの保守スケジューリングを制御することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
非一時的コンピュータ可読メモリとを備え、
前記非一時的コンピュータ可読メモリは、前記プロセッサによって実行可能な命令を含み、前記命令は前記プロセッサに、
配電ネットワークのアセットに関連付けられたクエリを受信させ、
前記アセットに関連付けられた前記配電ネットワークのデータにアクセスさせ、前記データが、同様のアセットの履歴使用可能寿命の指標、前記アセットのデバイス負荷、前記配電ネットワークのセンサから収集された情報、配電ネットワーク成長傾向、またはそれらの任意の組み合わせを含み、
アセット在庫または保守予測を生成するために、前記アセットに関連付けられた前記配電ネットワークの前記クエリおよび前記データに予測モデルを適用させ、かつ
前記アセット在庫または保守予測を使用して、前記アセットの発注動作または前記アセットの保守スケジューリングを制御させる、
システム。
【請求項2】
前記命令は、前記プロセッサに、
前記配電ネットワークの複数の追加アセットのグランドトゥルースデータの訓練ベクトルを使用して、前記アセット在庫または保守予測を生成するように前記予測モデルを訓練させ、
前記予測モデルが機械学習モデルを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記予測モデルを訓練する前記命令が、
追加配電ネットワークの複数の追加アセットのグランドトゥルースデータの追加訓練ベクトルを使用して、前記アセット在庫または保守予測を生成するように前記予測モデルを訓練する
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記命令が、前記プロセッサに、
前記クエリの前記アセット在庫または保守質問を解決する際に前記予測モデルの精度を評価することに応答して、予測モデルのセットから前記予測モデルを選択させる
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記命令は、前記プロセッサに、
前記配電ネットワークの電気メータをマッピングすることによって前記配電ネットワーク成長傾向を識別させ、
前記アセットに関連付けられた前記配電ネットワークの前記データが前記配電ネットワーク成長傾向を含む
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記アセットの前記発注動作を制御することが、前記配電ネットワーク成長傾向に基づいてアセット在庫を再分配することを含む、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記クエリが、配電ネットワークのアセットに関連付けられたアセット在庫または保守質問を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記命令が、前記プロセッサに、
前記配電ネットワークのアセットをマッピングすることによってアセット環境を識別させ、
前記アセットの前記発注動作または保守スケジューリングを制御することが、前記配電ネットワークの前記アセットをマッピングすることによって識別された前記アセット環境に基づく、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
配電ネットワークのアセットのアセット在庫または保守質問を含むクエリを受信すること、
前記アセットに関連付けられた前記配電ネットワークのデータにアクセスすることであって、前記データが、同様のアセットの履歴使用可能寿命の指標、前記アセットのデバイス負荷、前記配電ネットワークのセンサから収集された情報、またはそれらの任意の組み合わせを含む、アクセスすること、
アセット在庫または保守予測を生成するために、前記アセットに関連付けられた前記配電ネットワークの前記クエリおよび前記データに予測モデルを適用すること、および、
前記アセット在庫または保守予測を使用して、前記アセットの発注動作または前記アセットの保守スケジューリングを制御すること、
を含む動作をプロセッサに実施させるため、
前記プロセッサによって実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記動作が、
前記配電ネットワークの複数の追加アセットのグランドトゥルースデータの訓練ベクトルを使用して前記アセット在庫または保守予測を生成するように前記予測モデルを訓練することであって、
前記予測モデルが機械学習モデルを含む、
請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記動作が、
前記クエリの前記アセット在庫または保守質問を解決する際に前記予測モデルの精度を評価することに応答して、前記予測モデルのセットから前記予測モデルを選択することをさらに含む、
請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記動作が、
前記配電ネットワークの電気メータをマッピングすることによって配電ネットワーク成長傾向を識別することをさらに含み、
前記アセットに関連付けられた前記配電ネットワークの前記データが前記配電ネットワーク成長傾向を含み、
前記アセットの前記発注動作を制御することが、前記配電ネットワーク成長傾向に基づいてアセット在庫を再分配することを含む、
請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記アセットに関連付けられた前記配電ネットワークの前記データが、前記アセットと同様のアセットの履歴使用可能寿命の指標、前記アセットのデバイス負荷、前記配電ネットワークのセンサから収集された情報、またはそれらの任意の組み合わせを含む、
請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記動作が、
前記配電ネットワークのアセットをマッピングすることによってアセット環境を識別することをさらに含み、
前記アセットの前記発注動作または保守スケジューリングを制御することが、前記配電ネットワークの前記アセットをマッピングすることによって識別された前記アセット環境に基づく、
請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
コンピュータに実装される方法であって、
コンピューティングデバイスにおいて、配電ネットワークのアセットのアセット在庫または保守質問を含むクエリを受信するステップと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記アセットに関連付けられた前記配電ネットワークのデータにアクセスするステップであって、前記データが、同様のアセットの履歴使用可能寿命の指標、前記アセットのデバイス負荷、前記配電ネットワークのセンサから収集された情報、またはそれらの任意の組み合わせを含む、ステップと、
前記コンピューティングデバイスによって、予測モデルを前記クエリおよび前記アセットに関連付けられた前記配電ネットワークの前記データに適用して、アセット在庫または保守予測を生成するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記コンピューティングデバイスによって、前記配電ネットワークの複数の追加アセットのグランドトゥルースデータの訓練ベクトルを使用して、前記アセット在庫または保守予測を生成するように前記予測モデルを訓練するステップをさらに含み、
前記予測モデルが機械学習モデルを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記予測モデルを訓練するステップが、
前記コンピューティングデバイスによって、追加配電ネットワークの複数の追加アセットのグランドトゥルースデータの追加訓練ベクトルを使用して、前記アセット在庫または保守予測を生成するために前記予測モデルを訓練するステップをさらに含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コンピューティングデバイスによって、前記アセット在庫または前記保守予測を使用して、前記アセットの発注動作または前記アセットの保守スケジューリングを制御するステップをさらに含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記コンピューティングデバイスによって、前記配電ネットワークの電気メータをマッピングすることによって配電ネットワーク成長傾向を識別するステップをさらに含み、
前記配電ネットワークの前記データが前記配電ネットワーク成長傾向を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記コンピューティングデバイスによって、前記配電ネットワークのアセットをマッピングすることによってアセット環境を識別するステップをさらに含み、
前記配電ネットワークの前記データは前記アセット環境を含む、
請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、資源分配システムの保守に関する。より具体的には、限定されないが、本開示は、資源分配システムの保守および在庫レベル管理に関するアセット管理動作に関する。
【背景技術】
【0002】
電力を供給する送電グリッドなどの資源分配システムでは、送電グリッドの構成要素として使用される様々なアセットは、既知の平均使用可能寿命を有する。例えば、グリッドに設置された変圧器の平均使用可能寿命は、一般に知られている場合がある。グリッド構成要素の平均使用可能寿命に基づいて、ユーティリティは、ある期間にわたってユーティリティが交換し得るグリッド構成要素の数を推定し得る。
【0003】
グリッド上の需要は、ユーティリティによって提供される資源の消費パターンを変更する新しい技術の出現など、経時的に変化し得る。需要の変化により、グリッド構成要素の平均使用可能寿命が変化し得る。したがって、使用済みグリッド構成要素の交換の数量および種類も経時的に変化し得る。例えば、現在のグリッド需要に基づいて、異なるサイズの変圧器を使用して焼損した変圧器を交換し得る。グリッド構成要素の交換のタイミングおよびグリッド需要の変化の正確な予測は、資源分配システムにおけるユーティリティアセットの管理を促進するのに有用であり得る。
【発明の概要】
【0004】
一実装形態では、システムは、プロセッサと、プロセッサに動作を実施させるためにプロセッサによって実行可能な命令を含む非一時的コンピュータ可読メモリとを含む。動作は、配電ネットワークのアセットに関連付けられたクエリを受信することを含む。動作は、アセットに関連付けられた配電ネットワークのデータにアクセスすることをさらに含む。データは、同様のアセットの履歴使用可能寿命の指標、アセットのデバイス負荷、配電ネットワークのセンサから収集された情報、配電ネットワークの成長傾向、またはそれらの任意の組み合わせを含む。さらに、動作は、アセット在庫または保守予測を生成するために、アセットに関連付けられた配電ネットワークのクエリおよびデータに予測モデルを適用することを含む。さらに、動作は、アセット在庫または保守予測を使用して、アセットの発注動作またはアセットの保守スケジューリングを制御することを含む。
【0005】
別の実装形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサに動作を実施させるためにプロセッサによって実行可能な命令を含むことができる。動作は、配電ネットワークのアセットのアセット在庫または保守質問を含むクエリを受信することを含む。さらに、動作は、アセットに関連付けられた配電ネットワークのデータにアクセスすることを含む。データは、同様のアセットの履歴使用可能寿命の指標、アセットのデバイス負荷、配電ネットワークのセンサから収集された情報、またはそれらの任意の組み合わせを含む。さらに、動作は、アセット在庫または保守予測を生成するために、アセットに関連付けられた配電ネットワークのクエリおよびデータに予測モデルを適用することを含む。さらに、動作は、アセット在庫または保守予測を使用して、アセットの発注動作またはアセットの保守スケジューリングを制御することを含む。
【0006】
別の実装形態では、コンピュータ実装方法は、コンピューティングデバイスにおいて、配電ネットワークのアセットのアセット在庫または保守質問を含むクエリを受信するステップを含む。本方法はまた、コンピューティングデバイスによって、アセットに関連付けられた配電ネットワークのデータにアクセスするステップを含む。さらに、本方法は、コンピューティングデバイスによって、アセット在庫または保守予測を生成するために、アセットに関連付けられた配電ネットワークのクエリおよびデータに予測モデルを適用することを含む。
【0007】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むと、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本明細書に記載のいくつかの実装形態による、ネットワーク上の様々な地点またはノードにあるデバイスを示す配電ネットワークの例示的な物理トポロジを示す図である。
図2】本明細書に記載のいくつかの実装形態による、図1の配電ネットワークのアセット管理動作を合理化するアセット監視アプリケーションを実装するプロセスのフローチャートである。
図3】本明細書に記載のいくつかの実装形態による、図1の配電ネットワークの在庫保守作業を合理化するアセット監視アプリケーションの追加の態様を実装するプロセスのフローチャートである。
図4】本明細書に記載のいくつかの実装形態による、特定のユーティリティのいくつかのメータの位置情報のマップを示すアセット監視アプリケーションの例示的な出力を示す図である。
図5】本明細書に記載のいくつかの実装形態による、アセット管理動作の実施に使用される機械学習モデル環境の一例を示す図である。
図6】本明細書に記載のいくつかの実装形態による、ニューラルネットワークの例示的な機械学習モデルを示す図である。
図7】本明細書に記載のいくつかの実装形態による、アセット監視アプリケーションに使用される例示的なコンピューティングデバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、資源分配システムの保守に関するアセット管理を提供する技術を記載する。一例では、資源分配システムにおけるグリッド構成要素のアセット管理は、企業資源計画(ERP)システムを使用して提供し得る。ERPシステムは、ビジネスプロセスの統合管理システムを指すことができる。ERPシステムは、企業に関連付けられた収集されたデータを使用してリアルタイムで動作し得る。データは、企業固有のデータモデルを使用してERPシステムによって処理し得る。そのような例では、電力グリッドなどの資源分配システムから収集されたデータは、将来の期間における資源分配システムの保守事象および追加の物理的アセットの必要性を予測するERPシステムによって使用し得る。
【0010】
例示的な例は、本明細書で論じられる一般的な主題を読者に紹介するために与えられており、開示された概念の範囲を限定することを意図するものではない。以下のセクションは、図面を参照して様々な追加の特徴および例を説明し、同様の符号は同様の要素を示し、方向の説明は例示的な態様を説明するために使用されるが、例示的な態様と同様に、本開示を限定するために使用されるべきではない。
【0011】
図1は、ネットワーク上の様々な地点またはノードにあるデバイスを示す配電ネットワークの例示的な物理トポロジを示す。図1は、アセット監視システム100および配電ネットワーク110を示している。アセット監視システム100は、配電ネットワーク110内のエンドポイントメータから情報を受信し、配電ネットワーク110上のアセットの動作状態(operational status)を決定する。アセット監視システム100および配電ネットワーク110は、本明細書では配電環境の一部として説明されているが、他のユーティリティシステムは、同様のアセット監視システム100を組み込むことができる。例えば、アセット監視システム100は、ガス、水、または他のユーティリティ分配環境で使用し得る。
【0012】
アセット監視システム100は、アセット監視アプリケーション101およびヘッドエンドシステム102を含む。アセット監視アプリケーション101は、図7に示すようにコンピューティングデバイス上で実行される。アセット監視アプリケーション101は、顧客の施設に設置されたメータから、電圧、負荷、消費電力など計測データを受信することができる。他のデータポイントからの他のデータもまた、アセット監視アプリケーション101に提供し得る。ネットワークトポロジ情報と併せて、アセット監視アプリケーション101は、配電ネットワーク110内のアセットの動作状態(operating status)を決定することができる。アセット監視アプリケーション101は、ヘッドエンドシステム102から、または計測情報を読み取って集約する中継部を介して計測データを受信する。メータは、簡単にするために図示しない追加のネットワークデバイスおよびネットワークを介して、ヘッドエンドシステムに計測情報を通信し得る。いくつかの例では、配電ネットワーク110内の通信動作は、無線周波数(RF)無線通信、セルラー通信、電力線通信(PLC)通信、または任意の他の適切な通信技術を使用して実施し得る。
【0013】
配電ネットワーク110は、変電所112と、1つまたは複数のフィーダ120a~nとを含む。変電所112は、電源から受け取った電力をフィーダ120a~nに分配する。電源の例には、石炭プラント、風力タービン、およびソーラーパネル設備が含まれる。変電所112は、変電所変圧器113を含むことができる。変電所変圧器113は、変電所112に供給される電圧を降圧し、より低い電圧をフィーダ120a~120nに出力する。変電所112は、複数相(例えば、3つの相)の電力を分配することができる。単一の変電所112が図1に示されているが、配電ネットワーク110は複数の同様の変電所を含んでもよい。
【0014】
各フィーダ120a~nは、アセット124またはアセット125などの1つまたは複数のアセットを含み得る。アセット124または125は、横線(lateral line)または側部(lateral)に電力を供給し得る。配電ネットワーク110は、アセット124に電気的に結合された側部126と、アセット125に電気的に結合された側部127とを含む。アセット124および125は、負荷時タップ切換器(OTLC)、変圧器、電圧調整器、コンデンサバンク、または配電ネットワーク110内に配置可能な他のグリッドエッジアセットなどのデバイスとすることができる。側部126は、メータ130に電力を供給し、側部127は、メータ131に電力を供給する。
【0015】
各アセットは、分配ネットワーク上で機能を実施する。例えば、変圧器113は、変電所からの電圧を降圧する。一例では、変電所からの電圧降下は、10kVから、240Vなどのより低い電圧までであり得る。他の降圧範囲もまた、変圧器113によって実施されてもよい。アセット124および125であり得るコンデンサバンクは、それぞれのフィーダ120a~nに接続されたエンドポイントノードに増加した無効電力を提供する。アセット124および125であり得る電圧レギュレータおよびOTLCは、横線上の電圧が負荷にかかわらず所定の範囲内に留まることを保証し得る。
【0016】
アセット監視アプリケーション101は、企業資源計画(ERP)システムの形態であってもよく、電力潮流計算から導出される期待パラメータのセットを用いて、高度計測インフラストラクチャから導出されるパラメータのセットを導出し得る。アセット監視アプリケーション101によって使用される方法は、対象アセットによって異なる。例えば、コンデンサバンクの動作の決定に使用される方法は、分配変圧器の動作の決定に使用される方法とは異なる。一例では、アセット監視アプリケーション101は、特定の対象アセットの状態(例えば、動作可能寿命、非動作寿命、予測使用可能寿命など)を決定し得る。例えば、アセット監視アプリケーション101は、配電ネットワーク110内のアセットの状態の予測に、配電ネットワーク110内のメータ130および131ならびに他のデータソースから取得されたデータを活用し得る。一例では、アセット監視アプリケーション101は、配電ネットワーク110から取得されたデータに機械学習モデルを適用して、アセット状態の予測される指標およびアセット交換の予測を生成し得る。いくつかの例では、新たな機械学習モデルを生成し、本明細書に記載の目的のために訓練し得る。他の例では、配電ネットワーク110から取得されたデータは、直線モデル、移動平均モデル、線形回帰モデルなどの既存の機械学習モデルに供給されてもよい。
【0017】
追加の例では、配電ネットワーク110の変圧器の寿命喪失または他の構成要素の寿命喪失の予測に、適応型ネットワークベースのファジー推論システムが使用されてもよい。さらに、教師付き回帰機械学習モデルまたは強化学習モデルを同様の目的に使用し得る。これらのモデルはすべて、気象データおよび在庫データと共に、センサデータおよびユーザ生成データを含む同様のデータセットを使用し得る。例えば、履歴AMI、天候、および在庫データを強化学習モデルと共に使用して、予測される将来の負荷および天候データに基づいて最適な在庫レベルを決定し得る。
【0018】
アセットの予測された状態およびアセット交換の予測を使用して、アセット監視アプリケーション101は、予測的および予防的保守スケジューリング、障害防止、損傷防止、または配電ネットワーク110の任意の他のアセット管理動作で使用し得る。さらに、アセット監視アプリケーション101は、配電ネットワーク110内のアセットの在庫管理に使用し得る。在庫内のアセットの適切なレベルを維持することにより、保守作業を合理化し、不必要な過剰なアセット在庫を制限し得る。
【0019】
一例では、アセット監視アプリケーション101の機械学習モデルは、配電ネットワーク110の履歴データに基づいて訓練し得る。例えば、配電ネットワーク110の現在の状態は、グランドトゥルース状態の表現として使用されてもよい。機械学習モデルは、機械学習モデルに提供された履歴データがグランドトゥルース状態の表現と一致する出力をもたらすように訓練されてもよい。配電ネットワーク110の状態が経時的に変化するにつれて、機械学習モデルは、追加のデータ点および追加のグランドトゥルース状態を用いてさらに訓練し得る。
【0020】
いくつかの例では、アセット監視アプリケーション101の訓練された機械学習モデルは、配電ネットワーク110の将来の状態を予測するように訓練し得る。例えば、機械学習モデルは、将来の時点における配電ネットワーク110のアセットおよび保守の必要性を予測に、経時的に配電ネットワーク110内のノードによって提供されるデータの傾向を利用し得る。これらの予測は、ユーティリティが適切な数量および種類のアセットを維持し、保守スケジューリングを維持することを可能にし得る。アセットは、配電ネットワーク110にとって重要な任意のアセットまたはアセットグループを含むことができる。例えば、アセットは、変圧器などの配電ネットワーク110の他の消耗部品に加えて、ポール、消耗品、配線、ナット、ボルト、ねじ、工具などを含むことができる。いくつかの例では、配電ネットワーク110の将来の状態の予測はまた、現在利用可能なアセットの有用性を変更し得る計画された技術開発を考慮に入れることができる。例えば、変圧器技術は経時的に変化し得、配電ネットワーク110の将来の状態の予測は、将来の変圧器の在庫管理の必要性を決定するときに、変圧器技術に対するそのような変化の予測を考慮し得る。
【0021】
図2は、配電ネットワーク110のアセット管理動作を合理化するためにアセット監視アプリケーション101を実装するプロセス200のフローチャートである。ブロック202において、プロセス200は、配電ネットワーク110などの資源分配ネットワークからデータを受信することを含む。データは、ヘッドエンドシステム102において、計測デバイス130および131から、または資源分配ネットワーク内の任意の他のデータ収集ポイントから受信することができ、例えば、変電所変圧器負荷データ、電圧レギュレータデータ、ロードタップ切換器データ、配電ネットワーク110の構成要素(例えば、ポール、ナット、ボルトなど)の目視検査を提供するドローン、同様のデバイスの使用可能寿命の履歴などである。いくつかの例では、同様のデバイスという用語は、特定のアセットと同様の種類のデバイスを指し、特定のアセットと同様の条件下で動作し得る。一部のデータは、メータ130および131によって自動的に収集されてもよく、他のデータは、保守作業に応じて手動で収集されてもよい。例えば、手動で収集されたデータは、配電ネットワーク110内の焼損変圧器または欠落したもしくは破損した機械的構成要素の指標を含むことができる。
【0022】
ブロック204において、プロセス200は、収集されたデータに機械学習モデルを適用して、アセットおよび保守予測を生成することを含む。アセット監視アプリケーション101のERPシステムの構成要素であり得る機械学習モデルは、配電ネットワーク110からの特定のデータ入力に応答して、配電ネットワーク110に関連付けられたアセットおよび保守の必要性を予測するように訓練し得る。例えば、変電所変圧器113を介して消費される電力は、変電所変圧器113がいつ交換を必要とするかの予測に寄与する機械学習モデルへの入力とし得る。このような例では、変電所変圧器113を介して消費される電力が多いと、消費される電力が少ない他の変圧器と比較して、変電所変圧器113の残存耐用年数が短くなり得る。したがって、機械学習モデルは、そのような知識を活用して、変電所変圧器113を介した負荷条件に基づいて、変電所変圧器113がいつ焼損すると予期されるかを正確に予測し得る。さらに、配電ネットワーク110内でオンラインになる新たなメータの数は、電力需要の予測される増加による将来のアセットの必要性の予測に機械学習モデルによって活用されるデータであってもよい。
【0023】
ブロック206において、プロセス200は、新たなアセットを発注すること、配電ネットワーク110内のアセットの保守をスケジュールすること、またはその両方を含む。一例では、アセット監視アプリケーション101の機械学習モデルは、特定のアセットが使用可能なライフサイクルの終了に達する時期を予測し得る。長期のダウンタイムを回避するために、アセット監視アプリケーション101は、ライフサイクルが終了したアセットを交換する新たなアセットの発注シーケンスを開始し得る。さらに、アセット監視アプリケーション101は、故障したアセットまたはライフサイクルが終了したアセットを修理または交換する保守をスケジュールし得る。追加の例では、アセット監視アプリケーション101は、機械学習モデルの出力を使用して、資源分配ネットワークから取得されたデータに基づいて、予測されたアセットの必要性に対してアセット在庫が十分であることを保証し得る。
【0024】
いくつかの例では、プロセス200は、感知データを提供するセンサネットワークを有する任意のユーティリティで実装し得る。センサネットワークからの感知データは、ユーティリティの保守およびアセットの必要性を予測するために機械学習モデルによって活用し得る。プロセス200を実装するユーティリティは、電気ユーティリティ、水道ユーティリティ、ガスユーティリティ、地域暖房ユーティリティ、またはセンサネットワークを有する任意の他のユーティリティシステムを含むことができる。
【0025】
図3は、配電ネットワーク110の在庫保守作業を合理化するためにアセット監視アプリケーション101の追加の態様を実装するプロセス300のフローチャートである。ブロック302において、プロセス300は、解決対象の予測問題を確立することを含む。例えば、予測問題は、指定された将来の日付に在庫があることが望ましい特定のアセットの数量および種類の予測であり得る。特定のアセットの数量および種類を予測することにより、配電ネットワーク110のアセット在庫は、部品が発注されている間のネットワークのダウンタイムを制限するように維持し得る。
【0026】
ブロック304において、プロセス300は、アセット在庫保守をサポートするデータを取得することを含む。データは、アセットの使用可能寿命(例えば、ネットワークにわたるアセット交換の間の検出された時間)に関するタイミング情報、デバイス負荷、または配電ネットワーク110のセンサから収集された情報などの在庫保守に寄与し得る任意の他の情報を含むことができる。いくつかの例では、デバイス負荷は、配電ネットワーク110の特定のアセットを介した負荷によって消費される電力を指すことができる。さらに、データは、配電ネットワーク110または他の配電ネットワークから収集されてもよい。
【0027】
ブロック306において、プロセス300は、予測モデルを選択することを含む。例えば、特定の予測モデルは、配電ネットワーク110の特定のアセットに最も関連するモデルであってもよい。いくつかの例では、各予測モデルは、配電ネットワーク110の異なるアセットについて訓練されてもよく、予測モデルは、予測が望まれる配電ネットワーク110のアセットに基づいて選択されてもよい。
【0028】
追加の例では、予測モデルはすべて同じ問題(例えば、アセットに関連付けられた問題)を解くように訓練されてもよいが、ある予測モデルは特定の配電ネットワーク110により適している場合がある。例えば、ある予測モデルは、寒冷地の配電ネットワークから取得された大量のデータを使用して訓練され得るが、配電ネットワーク110は温暖地に位置する。したがって、寒冷気候データで訓練された予測モデルは、配電ネットワーク110のより暖かい気候とより密接に整合するデータを用いて訓練された別の予測モデルほど正確ではない可能性がある。
【0029】
ブロック308において、プロセス300は、ブロック304において取得されたデータを用いて選択された予測モデルを使用することを含む。一例では、上述の機械学習モデルのうちの1つであり得る選択された予測モデルは、配電ネットワーク110内のアセットから生成されたデータのコーパス、他の配電ネットワーク内のアセットから生成されたデータのコーパス、またはそれらの組み合わせに基づいて事前訓練し得る。選択された予測モデルは、予測が望ましい特定のアセットに固有のデータなど、ブロック304で取得されたデータに適用されて、特定のアセットの予測出力を生成し得る。
【0030】
ブロック310において、プロセス300は、予測モデルの結果を評価することを含む。一例では、予測モデルの結果の評価は、予測モデルが特定のクエリ(例えば、解決対象の予測問題)の履歴グランドトゥルースデータに適用されるときに実施されてもよい。そのような例では、予測モデルの出力は、グランドトゥルースデータの既知の結果と比較されて、ブロック302で確立された予測問題を解く予測モデルの精度を決定し得る。
【0031】
ブロック312において、結果が満足のいくものであるとみなされる場合、プロセス300はブロック314に進み、予測モデルがアセット在庫レベルの維持に適用される。結果が満足のいくものではないと考えられる場合、プロセス300はブロック306に進み、より良い結果を生成しようとして新たな予測モデルが選択される。一例では、結果がデータのグランドトゥルース結果の1%以内である場合、結果は満足のいくものであるとみなされ得る。結果が満足のいくものであるか否かを決定するために、1%より大きいまたは小さい他のパーセンテージを使用することもできる。
【0032】
グリッドマッピング
いくつかの例では、図1に関して上述したアセット監視システム100は、センサネットワークから収集されたデータを使用して、ユーティリティグリッドのレイアウトをマッピングし得る。アセット監視システム100は、マッピングされたユーティリティグリッドのレイアウトを使用して、将来の収益源を予測し、グリッド保守およびアセット在庫の必要性のさらなる予測に活用し得る別のデータポイントまたはデータポイントのセットを提供することができる。
【0033】
図4は、特定のユーティリティのメートル数の位置情報のマップ400を示すアセット監視アプリケーション101の例示的な出力である。メータの大部分は、変電所の周りに一緒にクラスタ化されているか、または配電線に沿って位置していることが分かっている。メータの位置を使用して、配電ネットワーク110の構成要素に関する情報を提供し得る。例えば、メータの位置を使用して、配線の長さ、配電エリアの成長傾向、または配電ネットワーク110に関連付けられた他の情報を決定し得る。マッピングされたグリッド情報に基づいて収集されたデータは、上述したように、予測的保守、在庫管理、およびアセット需要予測のためにアセット監視アプリケーション101によって使用し得る。
【0034】
いくつかの例では、ユーティリティグリッドのレイアウトを使用して、十分に利用されていないアセットを識別し得る。すなわち、配電ネットワーク110上のアセットの位置からの情報を使用して、アセット監視アプリケーション101は、追加容量を有する構成要素を決定し得る。他の例では、アセット監視アプリケーション101は、この情報を使用して、容量に近づいている過負荷のグリッド構成要素またはグリッド構成要素を決定し得る。
【0035】
さらに、グリッド構成要素の位置をマッピングすることにより、アセット在庫管理動作を促進し得る。例えば、マップ400は、特定のグリッド構成要素のアセット環境の指標を提供し得る。一例では、特定のグリッド構成要素は、湿原地域内に位置することができ、マップ400は、湿原地域を識別し得る。いくつかの例では、マップ400は、湿原地域、砂漠地域、沿岸地域などの環境条件が割り当てられたポリゴンを含み得る。特定のグリッド構成要素が環境条件に関連付けられたポリゴンにマッピングされる場合、特定のグリッド構成要素の位置に関連付けられた予期される環境条件に基づいて、特定のグリッド構成要素の交換を行うことができる。ポールなどのグリッド構成要素がマップ400の湿原地域のポリゴンに位置することを示すデータのために、異なる種類の構成要素(例えば、木製ポールの代わりに金属ポール)が在庫に維持されるか、または将来そのグリッド構成要素の交換品として発注し得る。同様に、マップ400は、特定のグリッド構成要素が乾燥状態および高熱になりやすい砂漠地域に位置するという指標を提供し得る。過熱による損傷を受けやすいアセットなどのグリッド構成要素が高熱を受ける領域に位置することを示すデータのために、将来、そのグリッド構成要素の交換品として、異なる種類の構成要素(例えば、熱管理機能が強化されたもの)を在庫に維持し得る。さらに、この情報をアセット在庫予測に使用するときに、湿原地域、暑い地域、沿岸地域などでは使用することができないグリッド構成要素の在庫を維持することも回避される。
【0036】
いくつかの例では、マップ400の経過時間に関連付けられたデータを使用して、配電ネットワーク110に関連付けられた傾向を識別し得る。例えば、マップ400は、それらの地域の配電ネットワーク110に追加される新たなメータを追跡することによって、著しい人口増加を経験している都市の部分を識別し得る。追加の例では、傾向は、配電ネットワーク110によってサービスされるエリアにおける一般的な人口増加を表すことができる。いずれの場合も、傾向は、特定の位置におけるアセット在庫の予測に使用するために、機械学習モデルなどの予測モデルへのデータ入力として使用し得る。例えば、配電ネットワーク110のアセットは、マップ400の傾向によって示されるように、成長を経験している地域のアセットの予測される需要に基づいて、発注または他の位置に再分配し得る。
【0037】
上記の説明は一般に配電ネットワーク110に関連しているが、他の資源分配システムにも同様の技術を使用し得る。例えば、水分配システム、ガス分配システム、または資源の分配に使用される任意の他のシステムで同様の技術を使用し得る。他の資源分配システムを用いて上述した技術を実装する場合、サービスのユーザ、オペレータ、メータ、およびアセットに関連付けられたデータはすべて、予測的保守スケジューリングおよびアセット在庫予測に寄与し得る。さらに、1つの分配システム(例えば、水分配システム)から収集された情報は、別の分配システム(例えば、配電ネットワーク110)の予測動作に寄与し得る。
【0038】
例示的な機械学習環境
図5は、本明細書に記載のいくつかの実装形態による、アセット管理動作の実施に使用される機械学習環境の一例を示す。訓練ベクトル502は、クエリ504および既知の応答506と共に示されている。例として、クエリは、配電ネットワーク110のアセットに関する情報の要求とすることができる。例えば、クエリ504は、図3に関して上述したブロック302の予測問題など、解決対象のアセット予測問題であってもよい。説明を容易にするために、2つの訓練ベクトル502のみが示されているが、訓練ベクトルの数は、はるかに大きくてもよく、例えば、10、50、100、1,000、10,000、100,000、またはそれ以上であってもよい。
【0039】
訓練ベクトル502は、モデル512の訓練510の実施に学習モジュール508によって使用することができる。学習モジュール508は、品質メトリック(例えば、モデル512の精度)が1つまたは複数の指定された基準で達成されるように、機械学習モデルなどのモデル512のパラメータを最適化することができる。精度は、既知の応答506をモデル512の予測される出力と比較することによって測定してもよい。モデル512のパラメータは、精度を高めるために反復的に変化させることができる。品質メトリックの決定は、すべてのリスク、損失、効用、および決定関数のセットを含む任意の関数に対して実装することができる。
【0040】
訓練のいくつかの実施形態では、パラメータの変化がコスト関数にどのように影響するかについて勾配を決定してもよく、モデル512の現在の状態の精度の測定値を提供することができる。勾配は、学習ステップ(例えば、モデル512のパラメータが最適化プロセスの所与の時間ステップに対してどの程度更新されるべきかの尺度)と併せて使用することができる。したがって、パラメータ(重み、行列変換、および確率分布を含むことができる)は、コスト関数の最適値を提供するように最適化することができ、これは、例として、閾値を上回るか下回るか(すなわち、閾値を超える)、またはコスト関数がいくつかの時間ステップにわたって大きく変化しないとして測定することができる。他の実施形態では、訓練は、動的プログラミングまたは進化的アルゴリズムなど、ヘッセ行列(hessian)または勾配計算を必要としない方法で実装することができる。
【0041】
予測段階514は、新たなクエリ520に基づいてクエリベクトル518に対する予測された応答516を提供することができる。新たなクエリ520は、訓練ベクトル502のクエリ504と同様の種類のものとすることができる。新たなクエリレコードが異なる種類である場合、データに対して変換を実施して、訓練ベクトル502のフォーマットと同様のフォーマットのデータを取得することができる。予測された応答516は、クエリベクトル518に符号化された質問に対応し得る。いくつかの例では、予測された応答516は、配電ネットワーク110の特定のアセットの使用可能寿命の指標とし得る。さらに、予測された応答516は、在庫レベルの予測であってもよく、または将来の時点で特定のアセットの保守スケジューリングを提供してもよい。モデル512はまた、配電ネットワーク110の企業資源計画(ERP)に関連する他の予測を生成するように訓練し得る。
【0042】
モデル512は、ディープラーニングモデル、ニューラルネットワーク(例えば、ディープラーニングニューラルネットワーク)、カーネルベースの回帰、適応型基底回帰または分類、ベイズ法、アンサンブル法、ロジスティック回帰および拡張、ガウス過程、サポートベクトルマシン(SVM)、確率モデル、ならびに確率グラフィカルモデルなどの機械学習モデルを含み得る。ニューラルネットワークを使用する実施形態は、広範かつテンソル化されたディープアーキテクチャ、畳み込み層、ドロップアウト、様々なニューラル活性化、および正則化ステップを使用して使用することができる。
【0043】
図6は、本明細書に記載のいくつかの実装形態による、ニューラルネットワーク600の例示的な機械学習モデルを示す。一例として、モデル512は、層604に編成された多数のニューロン602(例えば、適応基底関数)を含むニューラルネットワーク600とすることができる。ニューロン602またはノードは、エッジ606によって接続することができる。ニューラルネットワーク600の訓練は、特徴認識、分類、および/または予測性能のニューラルネットワークのパラメータの最良の構成を反復的に探索することができる。様々な数の層およびノードを使用し得る。当業者は、ニューラルネットワークの設計および他の機械学習モデルの設計のバリエーションを容易に認識することができる。
【0044】
アセット監視に使用される例示的なコンピューティングデバイス
図7は、本明細書に記載のいくつかの実装形態による、アセット監視アプリケーションに使用される例示的なコンピューティングデバイスを示す。本明細書に記載の動作を実施するために、任意の適切なコンピューティングシステムを使用し得る。図示されたコンピューティングデバイス700の例は、1つまたは複数のメモリデバイス704に通信可能に結合されたプロセッサ702を含む。プロセッサ702は、メモリデバイス704に記憶されたコンピュータ実行可能プログラムコード730を実行するか、メモリデバイス704に記憶されたデータ720にアクセスするか、またはその両方を行う。プロセッサ702の例は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、または任意の他の適切な処理デバイスを含む。プロセッサ702は、単一の処理デバイスを含む、任意の数の処理デバイスまたはコアを含むことができる。コンピューティングデバイスの機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせで実装し得る。
【0045】
メモリデバイス704は、データ、プログラムコード、またはその両方を記憶する任意の適切な非一時的コンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、プロセッサにコンピュータ可読命令または他のプログラムコードを提供することができる任意の電子、光学、磁気、または他の記憶デバイスを含むことができる。コンピュータ可読媒体の非限定的な例は、フラッシュメモリ、ROM、RAM、ASIC、または処理デバイスが命令を読み取ることができる任意の他の媒体を含む。命令は、例えば、C、C++、C#、Visual Basic、Java、またはスクリプト言語を含む任意の適切なコンピュータプログラミング言語で書かれたコードからコンパイラまたはインタプリタによって生成されたプロセッサ固有の命令を含み得る。
【0046】
コンピューティングデバイス700はまた、入力または出力デバイスなどのいくつかの外部または内部デバイスを含み得る。例えば、コンピューティングデバイス700は、1つまたは複数の入力/出力(「I/O」)インターフェース708と共に示されている。I/Oインターフェース708は、入力デバイスから入力を受け取るか、または出力デバイスに出力を提供することができる。1つまたは複数のバス706もコンピューティングデバイス700に含まれる。バス706は、コンピューティングデバイス700のそれぞれの構成要素のうちの1つまたは複数の構成要素を通信可能に結合する。
【0047】
コンピューティングデバイス700は、本明細書に記載の動作のうちの1つまたは複数を実施するようにプロセッサ702を構成するプログラムコード730を実行する。例えば、プログラムコード730は、図1図6で説明した動作をプロセッサに実施させる。
【0048】
コンピューティングデバイス700はまた、ネットワークインターフェースデバイス710を含む。ネットワークインターフェースデバイス710は、1つまたは複数のデータネットワークへの有線または無線データ接続を確立するのに適した任意のデバイスまたはデバイスのグループを含む。ネットワークインターフェースデバイス710は、無線デバイスであってもよく、アンテナ714を有してもよい。コンピューティングデバイス700は、ネットワークインターフェースデバイス710を使用してデータネットワークを介して、コンピューティングデバイスまたは他の機能を実装する1つまたは複数の他のコンピューティングデバイスと通信することができる。
【0049】
コンピューティングデバイス700はまた、ディスプレイデバイス712を含むことができる。ディスプレイデバイス712は、LCD、LED、タッチスクリーン、またはコンピューティングデバイス700に関する情報を表示するように動作可能な他のデバイスとすることができる。例えば、情報は、コンピューティングデバイスの動作状態、ネットワーク状態などを含むことができる。
【0050】
本主題は、その特定の態様に関して詳細に説明されているが、当業者は、上記および以下の理解を達成すると、そのような態様の変更、変形、および均等物を容易に生成することができることが理解されるであろう。したがって、本開示は、限定ではなく例示の目的で提示されており、当業者には容易に明らかになるような本主題へのそのような修正、変形、および/または追加の包含を排除するものではないことを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】