(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】表示基板及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20240723BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240723BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240723BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G02F1/1333 505
G09F9/30 339
G09F9/30 349C
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G02F1/1368
H01L29/78 618B
H01L29/78 612B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580580
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2021103217
(87)【国際公開番号】W WO2023272504
(87)【国際公開日】2023-01-05
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】王 利忠
(72)【発明者】
【氏名】▲寧▼ 策
(72)【発明者】
【氏名】邸 云萍
(72)【発明者】
【氏名】童 彬彬
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 震
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 振宇
(72)【発明者】
【氏名】李 付▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 成福
【テーマコード(参考)】
2H190
2H192
5C094
5F110
【Fターム(参考)】
2H190HA02
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(57)【要約】
本発明は、表示基板及びその製造方法、表示装置を提供する。表示基板は、表示領域と、表示領域の周辺に位置する非表示領域と、を含み、表示領域は、開口領域及び非開口領域を含み、表示基板は、ベース基板と、ベース基板の一方側に設けられる薄膜トランジスタと、を含み、薄膜トランジスタは、ゲート、活性層、ソース・ドレイン電極及び補助膜層を含み、補助膜層には、くり抜き領域が設けられ、ベース基板におけるくり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に開口領域を覆う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域の周辺に位置する非表示領域と、を含み、前記表示領域は、開口領域及び非開口領域を含む表示基板であって、
ベース基板と、前記ベース基板の一方側に設けられる薄膜トランジスタと、を含み、前記薄膜トランジスタは、ゲート、活性層、ソース・ドレイン電極及び補助膜層を含み、前記補助膜層には、くり抜き領域が設けられ、前記ベース基板における前記くり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に前記開口領域を覆う
表示基板。
【請求項2】
前記ベース基板における前記補助膜層の正投影は、前記開口領域と重なっていない請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記薄膜トランジスタは、前記表示領域に位置する第1薄膜トランジスタを含み、前記第1薄膜トランジスタは、積層された第1活性層、第1ゲート絶縁層、第1ゲート、第1層間誘電体層及び第1ソースを含み、前記第1活性層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、
前記補助膜層は、前記第1ゲート絶縁層及び前記第1層間誘電体層を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第1薄膜トランジスタは、前記ベース基板と前記第1活性層との間に設けられる遮蔽層及び第2層間誘電体層をさらに含み、前記第1活性層は、前記第2層間誘電体層の前記ベース基板から離れた側に設けられ、
前記補助膜層は、前記第2層間誘電体層をさらに含む
請求項3に記載の表示基板。
【請求項5】
前記薄膜トランジスタは、前記表示領域に位置する第1薄膜トランジスタ及び前記非表示領域に位置する第2薄膜トランジスタを含み、前記第1薄膜トランジスタの第1活性層の材料は、金属酸化物を含み、
前記第2薄膜トランジスタは、前記ベース基板に積層されたバッファ層、第2活性層、第2ゲート絶縁層及び第2ゲートを含み、前記第2活性層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、前記第1薄膜トランジスタは、前記第2ゲートの前記ベース基板から離れた側に位置し、前記第2活性層の材料は、多結晶シリコンを含み、
前記補助膜層は、前記バッファ層及び前記第2ゲート絶縁層を含み、前記ベース基板における前記バッファ層及び前記第2ゲート絶縁層でのくり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に前記表示領域を覆う
請求項1に記載の表示基板。
【請求項6】
前記第1薄膜トランジスタの前記ベース基板から離れた側には、第1平坦層が形成され、
前記バッファ層及び前記第2ゲート絶縁層の前記表示領域に近づくエッジでは、前記第1平坦層は、段差部を形成し、前記段差部の前記非表示領域に近づく側の厚さは、前記段差部の前記表示領域に近づく側の厚さよりも小さい
請求項5に記載の表示基板。
【請求項7】
前記第1ソースの前記ベース基板から離れた側には、第1パッシベーション層及び第1透明電極層がさらに積層され、前記第1パッシベーション層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、
前記第1透明電極層は、第1中継電極を含み、前記第1中継電極は、前記第1パッシベーション層、前記第1層間誘電体層及び前記第1ゲート絶縁層に設けられるビアホールを介して前記第1活性層のドレイン接触領域に接続され、
前記補助膜層は、前記第1パッシベーション層をさらに含む
請求項3に記載の表示基板。
【請求項8】
前記第1層間誘電体層の前記ベース基板から離れた側には、第1ドレインがさらに設けられ、前記第1ドレインは、前記第1ソースと同一の層に設けられ、
前記第1ドレインの前記ベース基板から離れた側には、第1透明電極層がさらに設けられ、前記第1透明電極層は、第1中継電極を含み、前記第1中継電極は、前記第1ドレインに接触して接続され、前記第1ドレインは、前記第1層間誘電体層及び前記第1ゲート絶縁層に設けられるビアホールを介して前記第1活性層のドレイン接触領域に接続される
請求項3に記載の表示基板。
【請求項9】
前記第1透明電極層は、前記第1中継電極と一体的に形成される第2中継電極をさらに含み、前記第2中継電極は、前記非開口領域内に位置し、
前記第1透明電極層の前記ベース基板から離れた側には、第2平坦層が設けられ、前記第2平坦層には、第1貫通孔が設けられ、前記第1貫通孔は、前記第2中継電極を露出させるように、前記第2平坦層を貫通し、
前記第2平坦層の前記ベース基板から離れた側には、第2透明電極層、第3平坦層及び画素電極層が積層され、前記第2透明電極層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、前記ベース基板における前記第2透明電極層の正投影は、前記ベース基板における前記第1貫通孔の正投影を覆い、前記第2透明電極層は、前記画素電極層と前記第2中継電極とを接続するためのものであり、前記第3平坦層は、前記第1貫通孔を平坦化するためのものである
請求項7又は8に記載の表示基板。
【請求項10】
前記第1透明電極層の前記ベース基板から離れた側には、第2パッシベーション層及び第3透明電極層が積層され、前記第2パッシベーション層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、前記第3透明電極層は、第1固定電位入力端に接続され、前記ベース基板における前記第3透明電極層の正投影は、前記ベース基板における前記第1透明電極層の正投影と重なっている請求項8に記載の表示基板。
【請求項11】
前記第3透明電極層の前記ベース基板から離れた側には、第3パッシベーション層及びデータ線が積層され、前記第3パッシベーション層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、前記データ線は、前記第3パッシベーション層及び前記第2パッシベーション層に設けられるビアホールを介して前記第1ソースに接続され、前記第1ソースは、前記第1ゲート絶縁層及び前記第1層間誘電体層に設けられるビアホールを介して前記第1活性層のソース接触領域に接続され、前記ベース基板における前記データ線の正投影は、前記ベース基板における前記第1活性層、前記第1ソース及び前記第1ドレインの正投影を覆う請求項10に記載の表示基板。
【請求項12】
前記第1活性層の材料は、金属酸化物を含み、前記第1活性層は、ドレイン接触領域を含み、前記ドレイン接触領域は、前記開口領域内に位置する請求項3に記載の表示基板。
【請求項13】
前記ベース基板における前記補助膜層の正投影は、前記開口領域と重なっておらず、前記ドレイン接触領域の前記ベース基板から離れた側には、第4平坦層が設けられ、前記第4平坦層には、第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔は、前記ドレイン接触領域を露出させるように、前記第4平坦層を貫通し、
前記第4平坦層の前記ベース基板から離れた側には、第4透明電極層、第5平坦層及び画素電極層が積層され、前記第4透明電極層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、前記ベース基板における前記第4透明電極層の正投影は、前記ベース基板における前記第2貫通孔の正投影を覆い、前記第4透明電極層は、前記画素電極層と前記ドレイン接触領域とを接続するためのものであり、前記第5平坦層は、前記第2貫通孔を平坦化するためのものである
請求項12に記載の表示基板。
【請求項14】
前記ベース基板における前記補助膜層の正投影は、前記開口領域と重なっておらず、前記ドレイン接触領域の前記ベース基板から離れた側には、画素電極層が設けられ、前記画素電極層は、前記ドレイン接触領域に接触して接続される請求項12に記載の表示基板。
【請求項15】
前記画素電極層の前記ベース基板から離れた側には、第4パッシベーション層及び共通電極層が積層され、前記第4パッシベーション層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、前記共通電極層は、複数のストリップ状電極を含み、前記共通電極層の材料は、金属である請求項9、13又は14のうちいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項16】
前記表示領域は、データ線及び走査線をさらに含み、前記第1ソースは、第1方向に沿って延びて前記データ線を構成し、前記第1ゲートは、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びて前記走査線を構成し、前記ベース基板における前記データ線及び前記走査線のそれぞれの正投影は、いずれも前記ベース基板における前記第1活性層のチャネル領域の正投影を覆う請求項3に記載の表示基板。
【請求項17】
前記第1活性層の材料は、多結晶シリコンを含み、前記ベース基板における前記データ線の正投影は、前記ベース基板における前記第1活性層の正投影を覆う請求項16に記載の表示基板。
【請求項18】
前記第1活性層のチャネル領域は、第1方向に沿って順次に配列された第1チャネル領域、第1抵抗領域及び第2チャネル領域を含み、前記第1ゲートは、別個に設けられる第1サブゲート及び第2サブゲートを含み、前記ベース基板における前記第1サブゲートの正投影は、前記ベース基板における前記第1チャネル領域の正投影を覆い、前記ベース基板における前記第2サブゲートの正投影は、前記ベース基板における前記第2チャネル領域の正投影を覆う請求項3に記載の表示基板。
【請求項19】
前記ベース基板における前記遮蔽層の正投影は、前記ベース基板における前記第1活性層のチャネル領域の正投影を覆う請求項4に記載の表示基板。
【請求項20】
前記表示領域は、データ線及び走査線をさらに含み、前記ベース基板における前記遮蔽層の正投影は、前記ベース基板における前記データ線及び前記走査線の正投影を覆う請求項19に記載の表示基板。
【請求項21】
前記遮蔽層は、第2固定電位入力端に接続される請求項20に記載の表示基板。
【請求項22】
前記遮蔽層は、前記第2層間誘電体層、前記第1ゲート絶縁層及び前記第1層間誘電体層に設けられるビアホールを介して前記第1ソースに接続される請求項21に記載の表示基板。
【請求項23】
前記遮蔽層の材料は、モリブデン、アルミニウム及び銀の少なくとも1つを含む請求項4に記載の表示基板。
【請求項24】
請求項1から請求項23のうちのいずれか1項に記載の表示基板を含む表示装置。
【請求項25】
表示領域及び前記表示領域の周辺に位置する非表示領域を含み、前記表示領域は、開口領域及び非開口領域を含む表示基板の製造方法であって、
ベース基板を用意するステップと、
前記ベース基板の一方側にゲート、活性層、ソース・ドレイン電極及び補助膜層を含む薄膜トランジスタを製造し、前記補助膜層には、くり抜き領域が設けられ、前記ベース基板における前記くり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に前記開口領域を覆うステップと、を含む
表示基板の製造方法。
【請求項26】
前記薄膜トランジスタは、前記表示領域に位置する第1薄膜トランジスタを含み、前記ベース基板の一方側に薄膜トランジスタを製造するステップは、
前記表示領域内において、前記ベース基板の一方側に第1活性層、第1ゲート絶縁層、第1ゲート、第1層間誘電体層及び第1ソースを順次に形成して、前記第1薄膜トランジスタを得るステップを含み、前記補助膜層は、前記第1ゲート絶縁層及び前記第1層間誘電体層を含む
請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記薄膜トランジスタは、前記表示領域に位置する第1薄膜トランジスタ及び前記非表示領域に位置する第2薄膜トランジスタを含み、前記第1薄膜トランジスタの第1活性層の材料は、金属酸化物を含み、前記第2薄膜トランジスタの第2活性層の材料は、多結晶シリコンを含み、前記ベース基板の一方側に薄膜トランジスタを製造するステップは、
前記非表示領域内において、前記ベース基板の一方側にバッファ層、第2活性層、第2ゲート絶縁層及び第2ゲートを順次に形成して、前記第2薄膜トランジスタを得るステップと、
前記表示領域内において、前記第2ゲートの前記ベース基板から離れた側に前記第1薄膜トランジスタを形成するステップと、を含み、
前記補助膜層は、前記バッファ層及び前記第2ゲート絶縁層を含み、前記ベース基板における前記バッファ層及び前記第2ゲート絶縁層でのくり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に前記表示領域を覆う
請求項25に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に関し、特に、表示基板及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高解像度表示製品の普及及び仮想現実(Virtual Reality、VR)市場の需要の高まりに伴い、高解像度表示製品の表示効果は徐々に研究の重点となっている。現在、高解像度表示製品は、一般的に光透過率が低いという問題が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、表示基板を提供し、前記表示基板は、表示領域と、前記表示領域の周辺に位置する非表示領域と、を含み、前記表示領域は、開口領域及び非開口領域を含み、前記表示基板は、
ベース基板と、前記ベース基板の一方側に設けられる薄膜トランジスタと、を含み、前記薄膜トランジスタは、ゲート、活性層、ソース・ドレイン電極及び補助膜層を含み、前記補助膜層には、くり抜き領域が設けられ、前記ベース基板における前記くり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に前記開口領域を覆う。
【0004】
一選択可能な実現方式において、前記ベース基板における前記補助膜層の正投影は、前記開口領域と重なっていない。
【0005】
一選択可能な実現方式において、前記薄膜トランジスタは、前記表示領域に位置する第1薄膜トランジスタを含み、前記第1薄膜トランジスタは、積層された第1活性層、第1ゲート絶縁層、第1ゲート、第1層間誘電体層及び第1ソースを含み、前記第1活性層は、前記ベース基板に近づくように設けられる。
【0006】
前記補助膜層は、前記第1ゲート絶縁層及び前記第1層間誘電体層を含む。
【0007】
一選択可能な実現方式において、前記第1薄膜トランジスタは、前記ベース基板と前記第1活性層との間に設けられる遮蔽層及び第2層間誘電体層をさらに含み、前記第1活性層は、前記第2層間誘電体層の前記ベース基板から離れた側に設けられる。
【0008】
前記補助膜層は、前記第2層間誘電体層をさらに含む。
【0009】
一選択可能な実現方式において、前記薄膜トランジスタは、前記表示領域に位置する第1薄膜トランジスタ及び前記非表示領域に位置する第2薄膜トランジスタを含み、前記第1薄膜トランジスタの第1活性層の材料は、金属酸化物を含む。
【0010】
前記第2薄膜トランジスタは、前記ベース基板に積層されたバッファ層、第2活性層、第2ゲート絶縁層及び第2ゲートを含み、前記第2活性層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、前記第1薄膜トランジスタは、前記第2ゲートの前記ベース基板から離れた側に位置し、前記第2活性層の材料は、多結晶シリコンを含む。
【0011】
前記補助膜層は、前記バッファ層及び前記第2ゲート絶縁層を含み、前記ベース基板における前記バッファ層及び前記第2ゲート絶縁層でのくり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に前記表示領域を覆う。
【0012】
一選択可能な実現方式において、前記第1薄膜トランジスタの前記ベース基板から離れた側には、第1平坦層が形成される。
【0013】
前記バッファ層及び前記第2ゲート絶縁層の前記表示領域に近づくエッジでは、前記第1平坦層は、段差部を形成し、前記段差部の前記非表示領域に近づく側の厚さは、前記段差部の前記表示領域に近づく側の厚さよりも小さい。
【0014】
一選択可能な実現方式において、前記第1ソースの前記ベース基板から離れた側には、第1パッシベーション層及び第1透明電極層がさらに積層され、前記第1パッシベーション層は、前記ベース基板に近づくように設けられる。
【0015】
前記第1透明電極層は、第1中継電極を含み、前記第1中継電極は、前記第1パッシベーション層、前記第1層間誘電体層及び前記第1ゲート絶縁層に設けられるビアホールを介して前記第1活性層のドレイン接触領域に接続される。
【0016】
前記補助膜層は、前記第1パッシベーション層をさらに含む。
【0017】
一選択可能な実現方式において、前記第1層間誘電体層の前記ベース基板から離れた側には、第1ドレインがさらに設けられ、前記第1ドレインは、前記第1ソースと同一の層に設けられる。
【0018】
前記第1ドレインの前記ベース基板から離れた側には、第1透明電極層がさらに設けられ、前記第1透明電極層は、第1中継電極を含み、前記第1中継電極は、前記第1ドレインに接触して接続され、前記第1ドレインは、前記第1層間誘電体層及び前記第1ゲート絶縁層に設けられるビアホールを介して前記第1活性層のドレイン接触領域に接続される。
【0019】
一選択可能な実現方式において、前記第1透明電極層は、前記第1中継電極と一体的に形成される第2中継電極をさらに含み、前記第2中継電極は、前記非開口領域内に位置する。
【0020】
前記第1透明電極層の前記ベース基板から離れた側には、第2平坦層が設けられ、前記第2平坦層には、第1貫通孔が設けられ、前記第1貫通孔は、前記第2中継電極を露出させるように、前記第2平坦層を貫通する。
【0021】
前記第2平坦層の前記ベース基板から離れた側には、第2透明電極層、第3平坦層及び画素電極層が積層され、ここで、前記第2透明電極層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、前記ベース基板における前記第2透明電極層の正投影は、前記ベース基板における前記第1貫通孔の正投影を覆い、前記第2透明電極層は、前記画素電極層と前記第2中継電極とを接続するためのものであり、前記第3平坦層は、前記第1貫通孔を平坦化するためのものである。
【0022】
一選択可能な実現方式において、前記第1透明電極層の前記ベース基板から離れた側には、第2パッシベーション層及び第3透明電極層が積層され、前記第2パッシベーション層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、前記第3透明電極層は、第1固定電位入力端に接続され、前記ベース基板における前記第3透明電極層の正投影は、前記ベース基板における前記第1透明電極層の正投影と重なっている。
【0023】
一選択可能な実現方式において、前記第3透明電極層の前記ベース基板から離れた側には、第3パッシベーション層及びデータ線が積層され、前記第3パッシベーション層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、前記データ線は、前記第3パッシベーション層及び前記第2パッシベーション層に設けられるビアホールを介して前記第1ソースに接続され、前記第1ソースは、前記第1ゲート絶縁層及び前記第1層間誘電体層に設けられるビアホールを介して前記第1活性層のソース接触領域に接続され、前記ベース基板における前記データ線の正投影は、前記ベース基板における前記第1活性層、前記第1ソース及び前記第1ドレインの正投影を覆う。
【0024】
一選択可能な実現方式において、前記第1活性層の材料は、金属酸化物を含み、前記第1活性層は、ドレイン接触領域を含み、前記ドレイン接触領域は、前記開口領域内に位置する。
【0025】
一選択可能な実現方式において、前記ベース基板における前記補助膜層の正投影は、前記開口領域と重なっておらず、前記ドレイン接触領域の前記ベース基板から離れた側には、第4平坦層が設けられ、前記第4平坦層には、第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔は、前記ドレイン接触領域を露出させるように、前記第4平坦層を貫通する。
【0026】
前記第4平坦層の前記ベース基板から離れた側には、第4透明電極層、第5平坦層及び画素電極層が積層され、ここで、前記第4透明電極層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、前記ベース基板における前記第4透明電極層の正投影は、前記ベース基板における前記第2貫通孔の正投影を覆い、前記第4透明電極層は、前記画素電極層と前記ドレイン接触領域とを接続するためのものであり、前記第5平坦層は、前記第2貫通孔を平坦化するためのものである。
【0027】
一選択可能な実現方式において、前記ベース基板における前記補助膜層の正投影は、前記開口領域と重なっておらず、前記ドレイン接触領域の前記ベース基板から離れた側には、画素電極層が設けられ、前記画素電極層は、前記ドレイン接触領域に接触して接続される。
【0028】
一選択可能な実現方式において、前記画素電極層の前記ベース基板から離れた側には、第4パッシベーション層及び共通電極層が積層され、前記第4パッシベーション層は、前記ベース基板に近づくように設けられ、ここで、前記共通電極層は、複数のストリップ状電極を含み、前記共通電極層の材料は、金属である。
【0029】
一選択可能な実現方式において、前記表示領域は、データ線及び走査線をさらに含み、前記第1ソースは、第1方向に沿って延びて前記データ線を構成し、前記第1ゲートは、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びて前記走査線を構成し、前記ベース基板における前記データ線及び前記走査線のそれぞれの正投影は、いずれも前記ベース基板における前記第1活性層のチャネル領域の正投影を覆う。
【0030】
一選択可能な実現方式において、前記第1活性層の材料は、多結晶シリコンを含み、前記ベース基板における前記データ線の正投影は、前記ベース基板における前記第1活性層の正投影を覆う。
【0031】
一選択可能な実現方式において、前記第1活性層のチャネル領域は、第1方向に沿って順次に配列された第1チャネル領域、第1抵抗領域及び第2チャネル領域を含み、前記第1ゲートは、別個に設けられる第1サブゲート及び第2サブゲートを含み、前記ベース基板における前記第1サブゲートの正投影は、前記ベース基板における前記第1チャネル領域の正投影を覆い、前記ベース基板における前記第2サブゲートの正投影は、前記ベース基板における前記第2チャネル領域の正投影を覆う。
【0032】
一選択可能な実現方式において、前記ベース基板における前記遮蔽層の正投影は、前記ベース基板における前記第1活性層のチャネル領域の正投影を覆う。
【0033】
一選択可能な実現方式において、前記表示領域は、データ線及び走査線をさらに含み、前記ベース基板における前記遮蔽層の正投影は、前記ベース基板における前記データ線及び前記走査線の正投影を覆う。
【0034】
一選択可能な実現方式において、前記遮蔽層は、第2固定電位入力端に接続される。
【0035】
一選択可能な実現方式において、前記遮蔽層は、前記第2層間誘電体層、前記第1ゲート絶縁層及び前記第1層間誘電体層に設けられるビアホールを介して前記第1ソースに接続される。
【0036】
一選択可能な実現方式において、前記遮蔽層の材料は、モリブデン、アルミニウム及び銀の少なくとも1つを含む。
【0037】
本発明は、いずれかの実施例に記載の表示基板を含む表示装置を提供する。
【0038】
本発明は、表示基板の製造方法を提供し、前記表示基板は、表示領域及び前記表示領域の周辺に位置する非表示領域を含み、前記表示領域は、開口領域及び非開口領域を含み、前記製造方法は、
ベース基板を用意するステップと、
前記ベース基板の一方側にゲート、活性層、ソース・ドレイン電極及び補助膜層を含む薄膜トランジスタを製造し、前記補助膜層には、くり抜き領域が設けられ、前記ベース基板における前記くり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に前記開口領域を覆うステップと、を含む。
【0039】
一選択可能な実現方式において、前記薄膜トランジスタは、前記表示領域に位置する第1薄膜トランジスタを含み、前記ベース基板の一方側に薄膜トランジスタを製造するステップは、
前記表示領域内において、前記ベース基板の一方側に第1活性層、第1ゲート絶縁層、第1ゲート、第1層間誘電体層及び第1ソースを順次に形成して、前記第1薄膜トランジスタを得るステップを含む。ここで、前記補助膜層は、前記第1ゲート絶縁層及び前記第1層間誘電体層を含む。
【0040】
一選択可能な実現方式において、前記薄膜トランジスタは、前記表示領域に位置する第1薄膜トランジスタ及び前記非表示領域に位置する第2薄膜トランジスタを含み、前記第1薄膜トランジスタの第1活性層の材料は、金属酸化物を含み、前記第2薄膜トランジスタの第2活性層の材料は、多結晶シリコンを含み、前記ベース基板の一方側に薄膜トランジスタを製造するステップは、
前記非表示領域内において、前記ベース基板の一方側にバッファ層、第2活性層、第2ゲート絶縁層及び第2ゲートを順次に形成して、前記第2薄膜トランジスタを得るステップと、
前記表示領域内において、前記第2ゲートの前記ベース基板から離れた側に前記第1薄膜トランジスタを形成するステップと、を含み、
ここで、前記補助膜層は、前記バッファ層及び前記第2ゲート絶縁層を含み、前記ベース基板における前記バッファ層及び前記第2ゲート絶縁層でのくり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に前記表示領域を覆う。
【0041】
上記の説明はただ本発明の技術案の概要であり、本発明の技術的手段をさらに明らかにするために、明細書の内容に従って実施することができ、本発明の上記及び他の目的、特徴及びメリットをもっと明らかにするために、以下、本発明の具体的な実施形態を特に挙げる。
【0042】
以下、本発明の実施例又は関連技術における技術案をより明確に説明するために、実施例又は関連技術の記載に使用する必要がある図面に対して簡単に紹介する。なお、以下の記載における図面はただ本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者の場合、創造的な労働を付与しない前提で、これらの図面によって他の図面を得ることができる。なお、図面中の割合は、模式的なものであり、実際の割合を代表するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明の実施例に提供された表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施例に提供された表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施例に提供された表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施例に提供された表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施例に提供された表示基板の平面構造を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施例に提供された第1薄膜トランジスタの平面構造を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施例に提供された第1薄膜トランジスタの断面構造を示す模式図である。
【
図8】本発明の実施例に提供された遮蔽層の平面構造を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施例に提供されたバッファ層及び活性層材料の積層が完了した表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図10】本発明の実施例に提供された第2活性層及びバッファ層が完了した表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施例に提供された第2ゲート及び遮蔽層が完了した表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図12】本発明の実施例に提供された第2層間誘電体層材料の積層が完了した表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図13】本発明の実施例に提供された第2層間誘電体層が完了した表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図14】本発明の実施例に提供された第1活性層が完了した表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図15】本発明の実施例に提供された第1ゲート絶縁層が完了した表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図16】本発明の実施例に提供された第1ゲートが完了した表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図17】本発明の実施例に提供された第1ソース及び第1層間誘電体層が完了した表示基板の断面構造を示す模式図である。
【
図18】本発明の実施例に提供された第4平坦層、第4透明電極層、第5平坦層及び画素電極層が完了した表示基板の断面構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、本発明の実施例における附図を参照しながら、本発明の実施例の技術案をより明確且つ完全に説明し、なお、説明される実施例は、単に本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を付与しない前提で得られた他の実施例の全ては、本発明の保護範囲に属する。
【0045】
本発明の一実施例は、表示基板を提供し、
図1~
図4を参照すると、この表示基板は、開口領域及び非開口領域を含む表示領域と、表示領域の周辺に位置する非表示領域と、を含む。
【0046】
図1~
図4を参照すると、表示基板は、ベース基板11と、ベース基板11の一方側に設けられる薄膜トランジスタと、を含み、薄膜トランジスタは、ゲート、活性層、ソース・ドレイン電極及び補助膜層10を含み、補助膜層10には、くり抜き領域が設けられ、ベース基板11におけるくり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に開口領域を覆う。
【0047】
本実施例において、補助膜層10は、バッファ層、絶縁層、層間誘電体層及びパッシベーション層などの無機膜層の少なくとも1つを含んでもよく、例えば平坦層のような有機膜層を含んでもよいが、本実施例は、それについて限定しない。後続の実施例において、薄膜トランジスタの具体的な構造を併せて補助膜層の構造を詳しく紹介する。
【0048】
具体的な実現において、くり抜き領域は、開口領域内の補助膜層をエッチングすることにより形成されてもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0049】
本実施例において、補助膜層10でのくり抜き領域は、開口領域と重なっている。開口領域内の補助膜層をくり抜くことにより、開口領域での膜層の厚さを低減し、膜層界面の数を減らし、これにより、開口領域の光透過率を向上させることができる。
【0050】
発明者らは、本実施例に提供された表示基板の光透過率をシミュレーション計算し、シミュレーション結果から、補助膜層にくり抜き領域を設けることにより、可視光の波長帯域の平均光透過率を21%、550nm波長帯域の平均光透過率を16%向上させることができることを発見した。なお、シミュレーション結果は、表示基板の具体的な構造に関連しているが、本実施例では光透過率の上昇値を限定しない。
【0051】
本実施例に提供された表示基板は、開口領域の補助膜層にくり抜き領域を設けることにより、開口領域の光透過率を大幅に向上させることを図ることができる。
【0052】
表示基板が位置する平面に垂直な方向において、くり抜き領域は、補助膜層10を完全に貫通してもよく、補助膜層10を部分的に貫通してもよいが、本実施例は、それについて限定しない。くり抜き領域が補助膜層10を完全に貫通する場合、開口領域の光透過率をさらに向上させることができる。
【0053】
本実施例において、薄膜トランジスタは、トップゲート構造(
図1~
図4に示すように)であってもよく、ボトムゲート構造であってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。薄膜トランジスタにおけるゲートは、シングルゲート構造(
図2~
図4に示すように)であってもよく、デュアルゲート構造(
図1に示すように)又はマルチゲート構造などであってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0054】
活性層の材料は、アモルファスシリコン、多結晶シリコン又は金属酸化物などを含んでもよいが、本実施例は、それについて限定しない。活性層は、ソース接触領域、ドレイン接触領域及びソース接触領域とドレイン接触領域との間に設けられるチャネル領域を含んでもよい。
【0055】
ソース・ドレイン電極は、例えばソース及びドレインを含んでもよく、ソースは、活性層のソース接触領域に接続され、ドレインは、活性層のドレイン接触領域に接続される。
【0056】
一選択可能な実現方式において、ベース基板11における補助膜層10の正投影は、開口領域と重なっていなくてもよく、即ち、ベース基板11におけるくり抜き領域の正投影は、開口領域を完全に覆い、又は、ベース基板11におけるくり抜き領域の正投影は、開口領域と完全に重なっている。本実施例において、開口領域の補助膜層10を最も広い範囲にくり抜くことにより、開口領域の光透過率をさらに向上させることができる。
【0057】
一選択可能な実現方式において、
図1~
図4を参照すると、薄膜トランジスタは、表示領域に位置する第1薄膜トランジスタ12を含んでもよく、第1薄膜トランジスタ12は、積層された第1活性層121、第1ゲート絶縁層122及び第1ゲート123を含んでもよく、補助膜層10は、第1ゲート絶縁層122を含んでもよい。
【0058】
ここで、第1活性層121は、ベース基板11に近づくように設けられてもよく、即ち、第1薄膜トランジスタ12は、トップゲート構造を有するトランジスタである。本実現方式において、第1薄膜トランジスタ12は、トップゲート構造であり、従来のボトムゲート構造に比べて、第1ゲート123がバックライトを遮蔽する必要がないので、サイズを小さくすることができ、さらに第1ゲート123と他の膜層との間に形成される寄生容量を小さくし、エネルギー消費を低減することができる。
【0059】
選択的に、
図1~
図4を参照すると、第1薄膜トランジスタ12は、第1ゲート123のベース基板11から離れた側に設けられる第1層間誘電体層124及び第1ソース125をさらに含んでもよく、第1層間誘電体層124は、第1ゲート123に近づくように設けられる。本実現方式において、補助膜層10は、第1層間誘電体層124をさらに含んでもよい。
【0060】
図1~
図4を参照すると、第1薄膜トランジスタ17がトップゲート構造であるので、バックライトが第1活性層121に照射して第1薄膜トランジスタ12の電気的特性に影響を与えることを回避するために、一選択可能な実現方式において、第1薄膜トランジスタ12は、ベース基板11と第1活性層121との間に設けられる遮蔽層126及び第2層間誘電体層127をさらに含んでもよく、第1活性層121は、第2層間誘電体層127のベース基板11から離れた側に設けられる。本実現方式において、補助膜層10は、第2層間誘電体層127をさらに含んでもよい。
【0061】
関連技術における表示基板において、非表示領域の回路駆動能力を確保するために、非表示領域に位置する薄膜トランジスタは、一般的に低温多結晶シリコン(Low Temperature Poly-Silicon、LTPS)プロセスにより形成される。同時に、表示領域の表示効果を確保するために、表示領域に位置する薄膜トランジスタは、一般的にインジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(indium gallium zinc oxide、IGZO)プロセスにより形成され、IGZOプロセスにより形成される薄膜トランジスタは、漏れ電流を低減するとともに、電圧の保持率を改善することができる。しかしながら、このような構造によって、表示領域における薄膜トランジスタとベース基板との間には、バッファ層及びゲート絶縁層などの、LTPSプロセスで形成されるが表示領域に何の役にも立たない余分な膜層が存在し、これらの膜層は、表示領域の光透過率を低下させてしまう。
【0062】
一選択可能な実現方式において、薄膜トランジスタは、表示領域に位置する第1薄膜トランジスタ12及び非表示領域に位置する第2薄膜トランジスタ13を含み、第1薄膜トランジスタ12の第1活性層121の材料は、金属酸化物を含み、第2薄膜トランジスタ13の第2活性層132の材料は、多結晶シリコンを含む。
図2~
図4を参照すると、第2薄膜トランジスタ13は、ベース基板11に積層されたバッファ層131、第2活性層132、第2ゲート絶縁層133及び第2ゲート134を含んでもよい。第1薄膜トランジスタ12は、第2ゲート134のベース基板11から離れた側に位置する。ここで、第2活性層132は、ベース基板11に近づくように設けられてもよい。
【0063】
本実現方式において、補助膜層10は、バッファ層131及び第2ゲート絶縁層133を含んでもよい。ベース基板11における、バッファ層131及び第2ゲート絶縁層133でのくり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に表示領域を覆う(開口領域及び非開口領域を含む)。即ち、ベース基板11における、バッファ層131及び第2ゲート絶縁層133でのくり抜き領域の正投影は、表示領域と重なっている。本実現方式は、表示領域内のこれらの余分な膜層を除去することにより、表示領域の光透過率を向上させることができる。
【0064】
具体的な実現において、
図2~
図4を参照すると、ベース基板11におけるバッファ層131の正投影は、表示領域と重なっていなくてもよく、ベース基板11における第2ゲート絶縁層133の正投影は、表示領域と重なっていなくてもよい。このようにして、表示領域の光透過率をさらに向上させることができる。
【0065】
一選択可能な実現方式において、
図2及び
図4を参照すると、第1薄膜トランジスタ12のベース基板11から離れた側には、第1平坦層が形成される(
図2における114、
図4における14に示すように)。バッファ層131及び第2ゲート絶縁層133の表示領域に近づくエッジ、即ち表示領域と非表示領域との境界では、第1平坦層(
図2における114、
図4における14に示すように)は、段差部を形成し、段差部の非表示領域に近づく側の厚さd1は、段差部の表示領域に近づく側の厚さd2よりも小さい。
【0066】
一選択可能な実現方式において、
図4を参照すると、第1ソース125のベース基板11から離れた側には、第1パッシベーション層15及び第1透明電極層16がさらに積層され、第1パッシベーション層15は、ベース基板11に近づくように設けられる。ここで、第1透明電極層16は、第1中継電極161を含み、第1中継電極161は、第1パッシベーション層15、第1層間誘電体層124及び第1ゲート絶縁層122に設けられるビアホールを介して第1活性層121のドレイン接触領域に接続される。本実現方式において、補助膜層10は、第1パッシベーション層15をさらに含んでもよい。
【0067】
具体的な実現において、
図1~
図4を参照すると、補助膜層10は、第1ゲート絶縁層122、第1層間誘電体層124、第2層間誘電体層127、バッファ層131、第2ゲート絶縁層133及び第1パッシベーション層15の少なくとも1つを含んでもよい。
【0068】
表示領域の光透過率を最大化するために、
図1を参照すると、補助膜層10は、第1ゲート絶縁層122、第1層間誘電体層124及び第2層間誘電体層127を含み、且つ、ベース基板11における第1ゲート絶縁層122、第1層間誘電体層124及び第2層間誘電体層127のそれぞれの正投影は、いずれも開口領域と重なっていない。
【0069】
表示領域の光透過率を最大化するために、
図2及び
図3を参照すると、補助膜層10は、第1ゲート絶縁層122、第1層間誘電体層124、第2層間誘電体層127、バッファ層131及び第2ゲート絶縁層133を含む。ここで、ベース基板11における第1ゲート絶縁層122、第1層間誘電体層124及び第2層間誘電体層127のそれぞれの正投影は、いずれも開口領域と重なっておらず、ベース基板11におけるバッファ層131及び第2ゲート絶縁層133のそれぞれの正投影は、いずれも表示領域(開口領域及び非開口領域を含む)と重なっていない。
【0070】
表示領域の光透過率を最大化するために、
図4を参照すると、補助膜層10は、第1ゲート絶縁層122、第1層間誘電体層124、第2層間誘電体層127、バッファ層131、第2ゲート絶縁層133及び第1パッシベーション層15を含む。ここで、ベース基板11における第1ゲート絶縁層122、第1層間誘電体層124、第2層間誘電体層127及び第1パッシベーション層15のそれぞれの正投影は、いずれも開口領域と重なっておらず、ベース基板11におけるバッファ層131及び第2ゲート絶縁層133のそれぞれの正投影は、いずれも表示領域(開口領域及び非開口領域を含む)と重なっていない。
【0071】
一選択可能な実現方式において、
図1を参照すると、第1層間誘電体層124のベース基板11から離れた側には、第1ドレイン128がさらに設けられ、第1ドレイン128は、第1ソース125と同一の層に設けられる。第1ドレイン128のベース基板11から離れた側には、第1透明電極層16がさらに設けられ、第1透明電極層16は、第1中継電極161を含み、第1中継電極161は、第1ドレイン128に接触して接続され(即ち、当接)、第1ドレイン128は、第1層間誘電体層124及び第1ゲート絶縁層122に設けられるビアホールを介して第1活性層121のドレイン接触領域に接続される。
【0072】
本実現方式において、第1ドレイン128の材料は、金属であってもよく、これにより、第1ドレイン128とドレイン接触領域との間の接触抵抗を低減することができる。
【0073】
開口領域を占有しないように、金属材料の第1ドレイン128及び第1ドレイン128に接続されるドレイン接触領域は、いずれも非開口領域内に位置してもよく、例えば、データ線に対応する領域範囲内に位置してもよく、これにより、開口率を向上させることができる。
【0074】
第1透明電極層16の材料は、透明導電材料であり、透明導電材料は、例えば酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide、ITO)、酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide、IZO)及び酸化グラフェンなどの透明な金属酸化物のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0075】
図1及び
図4を参照すると、第1透明電極層16は、第1中継電極161と一体的に形成される第2中継電極162をさらに含んでもよく、第2中継電極162は、非開口領域内に位置する。
【0076】
第2中継電極162は、ビアホールを介して画素電極層に接続されるためのものであり、第2中継電極162が非開口領域内に位置するので、ビアホール位置からの光漏れを遮蔽するために遮光層を設けることを回避することができ、これにより、開口率を向上させることができる。
【0077】
ベース基板における、第1中継電極161又は第1ドレイン128が第1活性層121に接続されるビアホールの正投影は、ベース基板における、第2中継電極162が画素電極層に接続されるビアホールの正投影と重なっていなくてもよい。第1透明電極層16は、中継層として機能する。
【0078】
一体化した第1中継電極161及び第2中継電極162により、画素電極層に接続されるビアホールを連続した非開口領域の面積が大きい領域に移行することができ、これにより、サイズが大きいビアホールを製造することができ、プロセスの難しさを低減するとともに、開口率に影響を与えることはない。中継作用を有する第1透明電極層16により、画素密度が高い表示基板の画素空間が小さいことによる配線空間が不十分であるという問題を解決することができる。
【0079】
一選択可能な実現方式において、
図1及び
図4を参照すると、第1透明電極層16のベース基板11から離れた側には、第2平坦層14が設けられてもよく、第2平坦層14には、第1貫通孔が設けられ、第1貫通孔は、第2中継電極162を露出させるように、第2平坦層14を貫通する。第2平坦層14のベース基板11から離れた側には、第2透明電極層17、第3平坦層18及び画素電極層19が積層されてもよい。ここで、第2透明電極層17は、ベース基板11に近づくように設けられ、ベース基板11における第2透明電極層17の正投影は、第1ベース基板11における第1貫通孔の正投影を覆い、第2透明電極層17は、画素電極層19と第2中継電極162とを接続するためのものであり、第3平坦層18は、第1貫通孔を平坦化ためのものである。
【0080】
ここで、第2透明電極層17及び画素電極層19の材料は、例えば透明導電材料であってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0081】
第1貫通孔内に設けられる第3平坦層18により第1貫通孔を平坦化して、第2平坦層14における深穴構造を解消し、深穴構造による光漏れを解消することにより、大きな遮光層を設けて光漏れを遮蔽する必要がなくなるので、表示領域の画素の開口率を向上させることができる。
【0082】
一方で、画素電極層19は平坦な表面に設けられるので、画素電極層と共通電極層との間の距離が一定に保たれることを保証でき、電界を均一にし、液晶を正常に偏向させ、液晶の偏向異常による光漏れを回避し、さらに大きな遮光層を設けて光漏れを遮蔽する必要がなくなるので、表示領域の画素の開口率を向上させることができる。
【0083】
また、第2透明電極層17及び画素電極層19をそれぞれ設けることにより、第2透明電極層17のみを設ける場合の接触抵抗が大きくなるという問題を解決することができ、第3平坦層18のベース基板から離れた側に一層の画素電極層19をさらに当接させることにより、接触抵抗が大きくなるという問題を解決することができる。
【0084】
一選択可能な実現方式において、
図1を参照すると、第1透明電極層16のベース基板11から離れた側には、第2パッシベーション層110及び第3透明電極層111が積層され、第2パッシベーション層110は、ベース基板11に近づくように設けられ、第3透明電極層111は、第1固定電位入力端に接続され、ベース基板11における第3透明電極層111の正投影は、ベース基板11における第1透明電極層16の正投影と重なっている。本実現方式において、第2平坦層14における第1貫通孔は、第2中継電極162を露出させるように、第2パッシベーション層110をさらに貫通する。
【0085】
ここで、第3透明電極層111の材料は、例えば透明導電材料であってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0086】
ベース基板11における第3透明電極層111の正投影は、ベース基板11における第1透明電極層16の正投影と重なっているので、蓄積容量を形成することができる。このようにして、画素の蓄積容量は、画素電極層19と共通電極層118との間に形成された第1蓄積容量Cst1に加えて、第3透明電極層111と第1透明電極層16に形成された第2蓄積キャパシタCst2、及び第3透明電極層111と画素電極層19に形成された第3蓄積容量Cst3を含み、総画素の蓄積容量がCst1+Cst2+Cst3であるので、小さい画素スペースでも十分な蓄積容量を保証し、電圧の保持率を高め、正常な表示を確保する。ここで、第3透明電極層111での電圧は、例えば共通電圧であってもよい。
【0087】
一選択可能な実現方式において、
図1を参照すると、第3透明電極層111のベース基板11から離れた側には、第3パッシベーション層112及びデータ線113が積層され、第3パッシベーション層112は、ベース基板11に近づくように設けられ、データ線113は、第3パッシベーション層112及び第2パッシベーション層110に設けられるビアホールを介して第1ソース125に接続され、第1ソース125は、第1ゲート絶縁層122及び第1層間誘電体層124に設けられるビアホールを介して第1活性層121のソース接触領域に接続される。本実現方式において、第2平坦層14における第1貫通孔は、第2中継電極162を露出させるように、第3パッシベーション層112をさらに貫通する。
【0088】
本実現方式において、第3透明電極層111をデータ線113と第1透明電極層16との間に設けることにより、データ線113と第1透明電極層16との間に距離が近すぎることによる結合容量の形成を回避することができる。第3透明電極層111が固定電位に接続されるので、データ線113での信号が高周波的に変化する場合でも、データ線113での信号の第1透明電極層16への影響を遮蔽し、さらにデータ線113の画素電極層での画素電圧への影響を遮蔽することにより、画素の正常な表示を実現することができる。
【0089】
本実現方式において、第1ソース125によりデータ線113と第1活性層121のソース接触領域との間の接続を実現することにより、穴開けプロセスの難しさを低減し、歩留まりを向上させることができる。
【0090】
第1ソース125の材料は、金属であってもよい。開口領域を占有しないように、ベース基板における第1ソース125と第1ソース125に接続されるソース接触領域のそれぞれの正投影は、ベース基板におけるデータ線113の正投影の範囲内に位置してもよく、これにより、表示領域の開口率を向上させることができる。
【0091】
具体的な実現において、第1ソース125の材料は、第1ドレイン128の材料と同じであってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0092】
一選択可能な実現方式において、
図2及び
図3を参照すると、第1活性層121の材料は、金属酸化物を含み、第1活性層121は、ドレイン接触領域21を含み、ドレイン接触領域21は、開口領域内に位置する。
【0093】
本実現方式において、開口領域内において、ドレイン接触領域21は、ビアホールを介して画素電極層に接続されてもよく、中継電極又はドレインを製造する必要がないので、開口率及び光透過率を向上させることができる。
【0094】
一選択可能な実現方式において、第1活性層121のソース接触領域及びチャネル領域は、第1方向に沿って配列されてもよく、ベース基板11における第1活性層121のソース接触領域及びチャネル領域の正投影は、ベース基板11におけるデータ線113の正投影の範囲内に位置してもよい。ベース基板11におけるドレイン接触領域21の正投影は、開口領域に位置し、L型の活性層を形成する。
【0095】
一選択可能な実現方式において、
図2を参照すると、ベース基板11における補助膜層10の正投影は、開口領域と重なっておらず、ドレイン接触領域21のベース基板11から離れた側には、第4平坦層114が設けられ、第4平坦層114には、第2貫通孔が設けられ、第2貫通孔は、ドレイン接触領域21を露出させるように、第4平坦層114を貫通する。本実現方式において、第4平坦層114のベース基板11から離れた側には、第4透明電極層115、第5平坦層116及び画素電極層19が積層される。ここで、第4透明電極層115は、ベース基板11に近づくように設けられ、ベース基板11における第4透明電極層115の正投影は、ベース基板11における第2貫通孔の正投影を覆い、第4透明電極層115は、画素電極層19とドレイン接触領域とを接続するためのものであり、第5平坦層116は、第2貫通孔を平坦化するためのものである。
【0096】
第4透明電極層115の材料は、例えば透明導電材料であってもよく、画素電極層19は、例えば透明導電材料であってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0097】
第2貫通孔内に設けられる第5平坦層116により第2貫通孔を平坦化して、第4平坦層114における深穴構造を解消し、深穴構造による光漏れを解消することにより、大きな遮光層を設けて光漏れを遮蔽する必要がなくなるので、表示領域の画素の開口率を向上させることができる。
【0098】
一方で、画素電極層19は平坦な表面に設けられるので、画素電極層と共通電極層との間の距離が一定に保たれることを保証でき、電界を均一にし、液晶を正常に偏向させ、液晶の偏向異常による光漏れを回避し、さらに大きな遮光層を設けて光漏れを遮蔽する必要がなくなるので、表示領域の画素の開口率を向上させることができる。
【0099】
また、第4透明電極層115及び画素電極層19をそれぞれ設けることにより、第4透明電極層115のみを設ける場合の接触抵抗が大きくなるという問題を解決することができ、第5平坦層116のベース基板から離れた側に一層の画素電極層19をさらに当接させることにより、接触抵抗が大きくなるという問題を解決することができる。
【0100】
一選択可能な実現方式において、
図3を参照すると、ベース基板11における補助膜層10の正投影は、開口領域と重なっておらず、ドレイン接触領域21のベース基板11から離れた側には、画素電極層19が設けられ、画素電極層19は、ドレイン接触領域21に接触して接続される(即ち、当接)。
図2に示す構造に比べて、本実現方式において、平坦層及びビアホール構造が設けられていないので、プロセスのステップを簡略化し、歩留まりを向上させ、コストを低減することができる。また、膜層の数や膜層界面が減少するので、開口領域の光透過率をさらに向上させることができる。
【0101】
水平電界を形成するために、一選択可能な実現方式において、
図1~
図4を参照すると、画素電極層19のベース基板11から離れた側には、第4パッシベーション層117及び共通電極層118が積層され、第4パッシベーション層117は、ベース基板11に近づくように設けられる。
【0102】
共通電極層118の材料は、透明導電材料又は金属材料であってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0103】
ここで、共通電極層118は、複数のストリップ状電極を含んでもよく、複数のストリップ状電極は、画素電極層19と水平電界を形成することができる。ストリップ状電極の幅及びピッチは、実際の需要に応じて設計されてもよいが、本実施例は、それについて限定しない。隣接する画素の間の光線のクロストークを低減するために、共通電極層118の材料は、金属であってもよい。
【0104】
図5を参照すると、表示領域は、データ線113及び走査線119をさらに含み、データ線113は、第1方向に沿って延び、第1ゲート123は、第1方向と交差する第2方向に沿って延びて走査線119を構成し、ベース基板11におけるデータ線113と走査線119のそれぞれの正投影は、いずれもベース基板11における第1活性層121のチャネル領域22の正投影を覆う。
【0105】
なお、第1活性層121を明確に識別するために、
図4における走査線119及び左側の1本のデータ線113は完全に図示されていない。
図5に示すように、データ線113は、第1ソース125が第1方向に沿って延びることにより構成されてもよい。
【0106】
一選択可能な実現方式において、第1活性層121の材料は、多結晶シリコンを含み、
図5に示すように、ベース基板11におけるデータ線113の正投影は、ベース基板11における第1活性層121の正投影を覆うことができる。即ち、ベース基板11におけるデータ線113の正投影は、ベース基板11におけるチャネル領域22、ソース接触領域20及びドレイン接触領域21の正投影を覆うことができる。本実現方式は、第1活性層121が開口領域を占有することを回避し、開口率を向上させることができる。
【0107】
一選択可能な実現方式において、
図6及び
図7を参照すると、第1活性層121のチャネル領域22は、第1方向に沿って順次に配列された第1チャネル領域61、第1抵抗領域62及び第2チャネル領域63を含んでもよく、第1ゲート123は、別個に設けられる第1サブゲート64及び第2サブゲート65を含み、ベース基板11における第1サブゲート64の正投影は、ベース基板11における第1チャネル領域61の正投影を覆い、ベース基板11における第2サブゲート65の正投影は、ベース基板11における第2チャネル領域63の正投影を覆う。
【0108】
なお、第1活性層121を明確に識別するために、
図6における第1サブゲート64及び第2サブゲート65は完全に図示されていない。
【0109】
図6及び
図7を参照すると、第1チャネル領域61、第1抵抗領域62及び第2チャネル領域63は、第1方向に沿って順次に配列されてI型チャネルを形成する。第1チャネル領域61及び第2チャネル領域63は、直列に接続された2つの薄膜トランジスタスイッチと等価であってもよく、第1抵抗領域62は、2つの薄膜トランジスタスイッチの間に直列に接続された抵抗と等価であってもよい。ここで、第1抵抗領域62は、第1活性層121の材料に対してイオンドーピングやプラズマ処理などのプロセスを行うことにより形成されてもよい。
【0110】
本実施例において、第1チャネル領域61と第2チャネル領域63との間に第1抵抗領域62を設けることにより、2つの薄膜トランジスタスイッチの間に抵抗が直列に接続されることに相当し、抵抗を設けることにより漏れ電流の発生を抑制することができ、これにより、薄膜トランジスタの漏れ電流を低減し、閾値電圧の安定性を向上させることができる。
【0111】
第1サブゲート64は、第1チャネル領域61のオン/オフを制御する信号を受信するためのものである。第2サブゲート65は、第2チャネル領域63のオン/オフを制御する信号を受信するためのものである。一選択可能な実現方式において、第1サブゲート64及び第2サブゲート65が受信した信号は、同じであってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0112】
本実現方式において、第1薄膜トランジスタがダブルゲート構造であり、電気的安定性が高く、電圧の保持率が良好であるので、表示基板の表示効果及び信頼性を向上させることができる。また、第1薄膜トランジスタのチャネルがI型チャネルであり、表示基板の画素ユニットに占める面積が小さいので、表示基板の開口率を向上させることができ、特に画素密度の高い表示基板に対して開口率を著しく向上させることができる。この表示基板は、仮想現実表示技術(Virtual Reality、VR)、拡張現実(Augmented Reality、AR)表示技術などに適用されてもい。
【0113】
図6及び
図7を参照すると、ソース接触領域20は、第1導体領域66及び第2抵抗領域67を含んでもよく、第2抵抗領域67は、第1チャネル領域61に近づくように設けられる。ドレイン接触領域21は、第2導体領域69及び第3抵抗領域68を含んでもよく、第3抵抗領域68は、第2チャネル領域63に近づくように設けられる。第2抵抗領域67及び第3抵抗領域68を設けることにより、漏れ電流をさらに低減することができる。
【0114】
一選択可能な実現方式において、
図1~
図4を参照すると、ベース基板11における遮蔽層126の正投影は、ベース基板11における第1活性層121のチャネル領域の正投影を覆う。
【0115】
一選択可能な実現方式において、
図8を参照すると、表示領域は、データ線113及び走査線119をさらに含み、ベース基板11における遮蔽層126の正投影は、ベース基板11におけるデータ線113及び走査線119の正投影を覆う。即ち、遮蔽層126は、網状構造である。網状構造を有する遮蔽層は、開口率に影響を与えることなく、遮蔽層の面積を大きくすることができ、これにより、より多くのバックライトを反射させ、バックライトの透過率を向上させることができる。
【0116】
一選択可能な実現方式において、遮蔽層126は、第2固定電位入力端に接続される。この第2固定電位入力端は、例えば電源電圧などの固定電位入力端であってもよい。本実現方式は、第1薄膜トランジスタの閾値電圧のドリフトによる表示異常を防止し、表示の均一性を向上させることができる。
【0117】
図2及び
図3を参照すると、遮蔽層126は、第2層間誘電体層127、第1ゲート絶縁層122及び第1層間誘電体層124に設けられるビアホールを介して第1ソース125に接続される。
【0118】
バックライトの利用率をさらに向上させるために、遮蔽層126の材料は、反射率が高い金属材料を用いることができ、金属材料は、モリブデン、アルミニウム、銀及び錫の少なくとも1つを含んでもよい。反射率が高い材料の遮蔽層を使用することにより、遮蔽層に照射したバックライトを反射させ、反射したバックライトを再利用することができ、これにより、バックライトの透過率を向上させることができる。
【0119】
遮蔽層の材料は、例えばAl/top TIN、Al/top Mo、Al合金/top TIN又はAl合金/top Moであってもよく、これらの材料は、耐高温安定性に優れ、且つ高温アニール前後の反射率が安定している。
【0120】
本発明の他の実施例は、表示基板をさらに提供し、
図2及び
図3を参照すると、この表示基板は、開口領域及び非開口領域を含む表示領域と、表示領域の周辺に位置する非表示領域と、を含む。
【0121】
図2及び
図3を参照すると、表示基板は、ベース基板11と、ベース基板11の一方側に設けられる第1薄膜トランジスタ12と、を含み、第1薄膜トランジスタ12は、表示領域内に位置し、第1薄膜トランジスタ12は、積層された第1活性層121、第1ゲート絶縁層122及び第1ゲート123を含む。ここで、第1活性層121の材料は、金属酸化物であり、第1活性層121は、ドレイン接触領域21を含み、ドレイン接触領域21は、開口領域内に位置する。
【0122】
本実施例に提供された表示基板は、ドレイン接触領域21が開口領域内に位置するので、ドレイン接触領域21は、ビアホールを介して開口領域内の画素電極層に接続されてもよく、中継電極又はドレインを製造する必要がなくなり、このため、表示領域の開口率及び光透過率を向上させることができる。また、第1活性層121の材料が透明な金属酸化物であるので、開口領域に設けられる場合でも、表示領域の開口率及び光透過率に影響を与えることはない。
【0123】
本実施例において、第1薄膜トランジスタ12は、トップゲート構造であってもよく(
図2及び
図3に示すように)、ボトムゲート構造であってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。第1ゲート123は、シングルゲート構造(
図2及び
図3に示すように)、デュアルゲート構造又はマルチゲート構造などであってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0124】
第1活性層121は、ソース接触領域及びチャネル領域をさらに含む。一選択可能な実現方式において、
図2及び
図3に示すように、ソース接触領域及びチャネル領域は、非開口領域内に位置してもよく、且つ、第1活性層121のソース接触領域及びチャネル領域は、第1方向に沿って配列されてもよく、ベース基板11における第1活性層121のソース接触領域及びチャネル領域の正投影は、ベース基板11におけるデータ線113の正投影の範囲内に位置してもよい。本実現方式において、第1活性層121は、L型である。
【0125】
一選択可能な実現方式において、
図2及び
図3を参照すると、表示基板は、非表示領域に位置する第2薄膜トランジスタ13をさらに含み、第2薄膜トランジスタ13は、ベース基板11に積層されたバッファ層131、第2活性層132、第2ゲート絶縁層133及び第2ゲート134を含んでもよい。ここで、第2活性層132は、ベース基板11に近づくように設けられてもよく、第2薄膜トランジスタ13の第2活性層132の材料は、多結晶シリコンを含む。第1薄膜トランジスタ12は、第2ゲート134のベース基板11から離れた側に位置する。
【0126】
第2薄膜トランジスタ13は、低温多結晶シリコン(Low Temperature Poly-Silicon、LTPS)プロセスにより形成されてもよく、非表示領域の回路駆動能力を向上させることができる。第1薄膜トランジスタ12は、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(indium gallium zinc oxide、IGZO)プロセスにより形成されてもよく、漏れ電流を低減するとともに、電圧の保持率を改善し、表示領域の表示効果を向上させることができる。
【0127】
一選択可能な実現方式において、
図2を参照すると、第1薄膜トランジスタ12のベース基板12から離れた側には、第4平坦層114が設けられ、第4平坦層114には、第2貫通孔が設けられ、第2貫通孔は、ドレイン接触領域21を露出させるように、第4平坦層114を貫通する。第4平坦層114のベース基板11から離れた側には、第4透明電極層115、第5平坦層116及び画素電極層19が積層される。ここで、第4透明電極層115は、ベース基板11に近づくように設けられ、ベース基板11における第4透明電極層115の正投影は、ベース基板11における第2貫通孔の正投影を覆い、第4透明電極層115は、画素電極層19とドレイン接触領域とを接続するためのものであり、第5平坦層116は、第2貫通孔を平坦化するためのものである。
【0128】
第4透明電極層115の材料は、例えば透明導電材料であってもよく、画素電極層19は、例えば透明導電材料であってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0129】
第2貫通孔内に設けられる第5平坦層116により第2貫通孔を平坦して、第4平坦層114における深穴構造を解消し、深穴構造による光漏れを解消することにより、大きな遮光層を設けて光漏れを遮蔽する必要がなくなるので、表示領域の画素の開口率を向上させることができる。
【0130】
一方で、画素電極層19は平坦な表面に設けられるので、画素電極層と共通電極層との間の距離が一定に保たれることを保証でき、電界を均一にし、液晶を正常に偏向させ、液晶の偏向異常による光漏れを回避し、さらに大きな遮光層を設けて光漏れを遮蔽する必要がなくなるので、表示領域の画素の開口率を向上させることができる。
【0131】
また、第4透明電極層115及び画素電極層19をそれぞれ設けることにより、第4透明電極層115のみを設ける場合の接触抵抗が大きくなるという問題を解決することができ、第5平坦層116のベース基板から離れた側に一層の画素電極層19をさらに当接させることにより、接触抵抗が大きくなるという問題を解決することができる。
【0132】
一選択可能な実現方式において、
図3を参照すると、ドレイン接触領域21のベース基板11から離れた側には、画素電極層19が設けられ、画素電極層19は、ドレイン接触領域21に接触して接続される(即ち、当接)。
図2に示す構造に比べて、本実現方式において、平坦層及びビアホール構造が設けられていないので、プロセスのステップを簡略化し、歩留まりを向上させ、コストを低減することができる。また、膜層の数や膜層界面が減少するので、開口領域の光透過率をさらに向上させることができる。
【0133】
水平電界を形成するために、一選択可能な実現方式において、
図2及び
図3を参照すると、画素電極層19のベース基板11から離れた側には、第4パッシベーション層117及び共通電極層118が積層され、第4パッシベーション層117は、ベース基板11に近づくように設けられる。
【0134】
共通電極層118の材料は、透明導電材料又は金属材料であってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0135】
ここで、共通電極層118は、複数のストリップ状電極を含んでもよく、複数のストリップ状電極は、画素電極層19と水平電界を形成することができる。ストリップ状電極の幅及びピッチは、実際の需要に応じて設計されてもよいが、本実施例は、それについて限定しない。隣接する画素の間の光線のクロストークを低減するために、共通電極層118の材料は、金属であってもよい。
【0136】
一選択可能な実現方式において、第1活性層121は、ベース基板11に近づくように設けられてもよく、即ち、第1薄膜トランジスタ12は、トップゲート構造を有するトランジスタである。本実現方式において、第1薄膜トランジスタ12は、トップゲート構造であり、従来のボトムゲート構造に比べて、第1ゲート123がバックライトを遮蔽する必要がないので、サイズを小さくすることができ、さらに第1ゲート123と他の膜層との間に形成される寄生容量を小さくすることができ、エネルギー消費を低減することができる。
【0137】
選択的に、
図2及び
図3を参照すると、第1薄膜トランジスタ12は、第1ゲート123のベース基板11から離れた側に設けられる第1層間誘電体層124及び第1ソース125をさらに含んでもよく、第1層間誘電体層124は、第1ゲート123に近づくように設けられる。第4平坦層114は、第1ソース125のベース基板11から離れた側に設けられる。
【0138】
図2及び
図3を参照すると、第1薄膜トランジスタ17がトップゲート構造であるので、バックライトが第1活性層121に照射して第1薄膜トランジスタ12の電気的特性に影響を与えることを回避するために、一選択可能な実現方式において、第1薄膜トランジスタ12は、ベース基板11と第1活性層121との間に設けられる遮蔽層126及び第2層間誘電体層127をさらに含んでもよく、第1活性層121は、第2層間誘電体層127のベース基板11から離れた側に設けられる。
【0139】
一選択可能な実現方式において、
図1~
図4を参照すると、ベース基板11における遮蔽層126の正投影は、ベース基板11における第1活性層121のチャネル領域の正投影を覆う。
【0140】
一選択可能な実現方式において、
図8を参照すると、表示領域は、データ線113及び走査線119をさらに含み、ベース基板11における遮蔽層126の正投影は、ベース基板11におけるデータ線113及び走査線119の正投影を覆う。即ち、遮蔽層126は、網状構造である。網状構造を有する遮蔽層は、開口率に影響を与えることなく、遮蔽層の面積を大きくすることができ、これにより、より多くのバックライトを反射させ、バックライトの透過率を向上させることができる。
【0141】
一選択可能な実現方式において、遮蔽層126は、第2固定電位入力端に接続される。この第2固定電位入力端は、例えば電源電圧などの固定電位入力端であってもよい。本実現方式は、第1薄膜トランジスタの閾値電圧のドリフトによる表示異常を防止し、表示の均一性を向上させることができる。
【0142】
一選択可能な実現方式において、遮蔽層126は、第1ソース125に接続されてもよい。
図2及び
図3を参照すると、遮蔽層126は、第2層間誘電体層127、第1ゲート絶縁層122及び第1層間誘電体層124に設けられるビアホールを介して第1ソース125に接続される。第1活性層121のベース基板から離れた側には、中継電極22がさらに設けられてもよく、第1ソース125は、第1層間誘電体層124でのビアホールを介して中継電極22に接続され、中継電極22は、第2層間誘電体層127及び第1ゲート絶縁層122に設けられるビアホールを介して遮蔽層126に接続される。中継電極22により遮蔽層126と第1ソース125との間の接続を実現し、穴開けプロセスの難しさを低減することができる。
【0143】
バックライトの利用率をさらに向上させるために、遮蔽層126の材料は、反射率が高い金属材料を用いることができ、金属材料は、モリブデン、アルミニウム、銀及び錫の少なくとも1つを含んでもよい。反射率が高い材料の遮蔽層を使用することにより、遮蔽層に照射したバックライトを反射させ、反射したバックライトを再利用することができ、これにより、バックライトの透過率を向上させることができる。
【0144】
遮蔽層126の材料は、例えばAl/top TIN、Al/top Mo、Al合金/top TIN又はAl合金/top Moであってもよく、これらの材料は、耐高温安定性に優れ、且つ高温アニール前後の反射率が安定している。
【0145】
表示領域の光透過率を向上させるために、
図2及び
図3を参照すると、表示領域内の補助膜層10には、くり抜き領域が設けられ、ベース基板11におけるくり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に開口領域を覆う。即ち、補助膜層10でのくり抜き領域は、開口領域と重なっている。開口領域内の補助膜層をくり抜くことにより、開口領域での膜層の厚さを低減し、膜層界面の数を減らし、これにより、開口領域の光透過率を向上させることができる。
【0146】
図2及び
図3を参照すると、補助膜層10は、第1ゲート絶縁層122、第1層間誘電体層124、第2層間誘電体層127、バッファ層131及び第2ゲート絶縁層133の少なくとも1つを含んでもよい。
【0147】
発明者らは、本実施例に提供された表示基板の光透過率をシミュレーション計算し、シミュレーション結果から、補助膜層にくり抜き領域を設けることにより、可視光の波長帯域の平均光透過率を21%、550nm波長帯域の平均光透過率を16%向上させることができることを発見した。なお、シミュレーション結果は、表示基板の具体的な構造に関連しているが、本実施例では光透過率の上昇値を限定しない。
【0148】
表示基板が位置する平面に垂直な方向において、くり抜き領域は、補助膜層10を完全に貫通してもよく、補助膜層10を部分的に貫通してもよいが、本実施例は、それについて限定しない。くり抜き領域が補助膜層10を完全に貫通する場合、開口領域の光透過率をさらに向上させることができる。
【0149】
具体的な実現において、くり抜き領域は、開口領域内の補助膜層をエッチングすることにより形成されてもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0150】
一選択可能な実現方式において、ベース基板11における補助膜層10の正投影は、開口領域と重なっていなくてもよく、即ち、ベース基板11におけるくり抜き領域の正投影は、開口領域を完全に覆い、又は、ベース基板11におけるくり抜き領域の正投影は、開口領域と完全に重なっている。本実施例において、開口領域の補助膜層10を最も広い範囲にくり抜くことにより、開口領域の光透過率をさらに向上させることができる。
【0151】
表示領域の光透過率を最大化するために、
図2及び
図3を参照すると、補助膜層10は、第1ゲート絶縁層122、第1層間誘電体層124、第2層間誘電体層127、バッファ層131及び第2ゲート絶縁層133を含む。ここで、ベース基板11における第1ゲート絶縁層122、第1層間誘電体層124及び第2層間誘電体層127のそれぞれの正投影は、いずれも開口領域と重なっておらず、ベース基板11におけるバッファ層131及び第2ゲート絶縁層133のそれぞれの正投影は、いずれも表示領域(開口領域及び非開口領域を含む)と重なっていない。
【0152】
一選択可能な実現方式において、
図2を参照すると、第1薄膜トランジスタ12のベース基板11から離れた側には、第1平坦層114が形成され、バッファ層131及び第2ゲート絶縁層133の表示領域に近づくエッジ、即ち表示領域と非表示領域との境界では、第1平坦層114は、段差部を形成し、段差部の非表示領域に近づく側の厚さd1は、段差部の表示領域に近づく側の厚さd2よりも小さい。
【0153】
第1ソース125の材料は金属であってもよい。開口領域を占有しないように、ベース基板における第1ソース125と第1ソース125に接続されるソース接触領域のそれぞれの正投影は、ベース基板におけるデータ線113の正投影の範囲内に位置してもよく、これにより、表示領域の開口率を向上させることができる。
【0154】
図5を参照すると、表示領域は、データ線113及び走査線119をさらに含み、データ線113は、第1方向に沿って延び、第1ゲート123は、第1方向と交差する第2方向に沿って延びて走査線119を構成し、ベース基板11におけるデータ線113と走査線119のそれぞれの正投影は、いずれもベース基板11における第1活性層121のチャネル領域22の正投影を覆う。
【0155】
なお、第1活性層121を明確に識別するために、
図4における走査線119及び左側の1本のデータ線113は完全に図示されていない。
図5に示すように、データ線113は、第1ソース125が第1方向に沿って延びることにより構成されてもよい。
【0156】
一選択可能な実現方式において、
図6及び
図7を参照すると、第1活性層121のチャネル領域22は、第1方向に沿って順次に配列された第1チャネル領域61、第1抵抗領域62及び第2チャネル領域63を含んでもよく、第1ゲート123は、別個に設けられる第1サブゲート64及び第2サブゲート65を含み、ベース基板11における第1サブゲート64の正投影は、ベース基板11における第1チャネル領域61の正投影を覆い、ベース基板11における第2サブゲート65の正投影は、ベース基板11における第2チャネル領域63の正投影を覆う。
【0157】
なお、第1活性層121を明確に識別するために、
図6における第1サブゲート64及び第2サブゲート65は完全に図示されていない。
【0158】
図6及び
図7を参照すると、第1チャネル領域61、第1抵抗領域62及び第2チャネル領域63は、第1方向に沿って順次に配列されてI型チャネルを形成する。第1チャネル領域61及び第2チャネル領域63は、直列に接続された2つの薄膜トランジスタスイッチと等価であってもよく、第1抵抗領域62は、2つの薄膜トランジスタスイッチの間に直列に接続された抵抗と等価であってもよい。ここで、第1抵抗領域62は、第1活性層121の材料に対してイオンドーピングやプラズマ処理などのプロセスを行うことにより形成されてもよい。
【0159】
本実施例において、第1チャネル領域61と第2チャネル領域63との間に第1抵抗領域62を設けることにより、2つの薄膜トランジスタスイッチの間に抵抗が直列に接続されることに相当し、抵抗を設けることにより漏れ電流の発生を抑制することができ、これにより、薄膜トランジスタの漏れ電流を低減し、閾値電圧の安定性を向上させることができる。
【0160】
第1サブゲート64は、第1チャネル領域61のオン/オフを制御する信号を受信するためのものである。第2サブゲート65は、第2チャネル領域63のオン/オフを制御する信号を受信するためのものである。一選択可能な実現方式において、第1サブゲート64及び第2サブゲート65が受信した信号は、同じであってもよいが、本実施例は、それについて限定しない。
【0161】
本実現方式において、第1薄膜トランジスタがダブルゲート構造であり、電気的安定性が高く、電圧の保持率が良好であるので、表示基板の表示効果及び信頼性を向上させることができる。また、第1薄膜トランジスタのチャネルがI型チャネルであり、表示基板の画素ユニットに占める面積が小さいので、表示基板の開口率を向上させることができ、特に画素密度の高い表示基板の開口率を著しく向上させることができる。この表示基板は、仮想現実表示技術(Virtual Reality、VR)、拡張現実(Augmented Reality、AR)表示技術などに適用されてもよい。
【0162】
ここで、
図6及び
図7を参照すると、ソース接触領域20は、第1導体領域66及び第2抵抗領域67を含んでもよく、第2抵抗領域67は、第1チャネル領域61に近づくように設けられる。ドレイン接触領域21は、第2導体領域69及び第3抵抗領域68を含んでもよく、第3抵抗領域68は、第2チャネル領域63に近づくように設けられる。第2抵抗領域67及び第3抵抗領域68を設けることにより、漏れ電流をさらに低減することができる。
【0163】
本発明の他の実施例は、表示装置をさらに提供し、この表示装置は、いずれかの実施例に記載の表示基板を含んでもよい。
【0164】
なお、本実施例における表示装置は、表示パネル、電子ペーパー、携帯電話、タブレット、テレビ、ノートパソコン、デジタルカメラ、ナビゲータなどの2D又は3D表示機能を有する任意の製品又は部品であってもよい。
【0165】
本発明の他の実施例は、表示基板の製造方法をさらに提供し、表示基板は、開口領域及び非開口領域を含む表示領域と、表示領域の周辺に位置する非表示領域と、を含み、この製造方法は、以下のステップを含む。
【0166】
ステップ11:ベース基板を用意する。
【0167】
ステップ12:ベース基板の一方側にゲート、活性層、ソース・ドレイン電極及び補助膜層を含む薄膜トランジスタを製造し、補助膜層には、くり抜き領域が設けられ、ベース基板におけるくり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に開口領域を覆う。
【0168】
本実施例に提供された製造方法により、上記のいずれかの実施例に記載の表示基板を製造することができる。
【0169】
一選択可能な実現方式において、薄膜トランジスタは、表示領域に位置する第1薄膜トランジスタを含み、ステップ12は、以下のステップを含んでもよい。
【0170】
表示領域内において、ベース基板の一方側に第1活性層、第1ゲート絶縁層、第1ゲート、第1層間誘電体層及び第1ソースを順次に形成して、第1薄膜トランジスタを得る。ここで、補助膜層は、第1ゲート絶縁層及び第1層間誘電体層を含む。
【0171】
一選択可能な実現方式において、薄膜トランジスタは、表示領域に位置する第1薄膜トランジスタと、非表示領域に位置する第2薄膜トランジスタと、を含み、第1薄膜トランジスタの第1活性層の材料は、金属酸化物を含み、第2薄膜トランジスタの第2活性層の材料は、多結晶シリコンを含み、ステップ12は、以下のステップを含んでもよい。非表示領域内において、ベース基板の一方側にバッファ層、第2活性層、第2ゲート絶縁層及び第2ゲートを順次に形成して、第2薄膜トランジスタを得る。ここで、補助膜層は、バッファ層及び第2ゲート絶縁層を含み、ベース基板におけるバッファ層及び第2ゲート絶縁層でのくり抜き領域の正投影は、少なくとも一部的に表示領域を覆う。表示領域内において、第2ゲートのベース基板から離れた側に第1薄膜トランジスタを形成する。
【0172】
一選択可能な実現方式において、表示基板の製造方法は、具体的に以下のステップを含んでもよい。
【0173】
ステップ1:ベース基板11にバッファ層131及びa-Siを積層し、且つa-Siを結晶化処理してp-Siを形成し、
図9に示すような構造を得る。
【0174】
ステップ2:p-Siをパターン化処理して、第2活性層132を得る。バッファ層131をパターン化処理して、非表示領域のバッファ層131のみを残し、表示領域のバッファ層131をエッチングして、
図10に示すような構造を得る。
【0175】
ステップ3:第2ゲート絶縁層133を積層し、表示領域の第2ゲート絶縁層133をくり抜いて、パターン化して第2ゲート134及び遮蔽層126を形成し、
図11に示すような構造を得る。
【0176】
ステップ4:第2層間誘電体層127を積層し、
図12に示すような構造を得る。第2層間誘電体層127をパターン化し、開口領域の第2層間誘電体層127をくり抜いて、
図13に示すような構造を得る。
【0177】
ステップ5:IGZOを積層し、且つIGZOに対してパターン化及び導体化処理を行って、第1活性層121を形成し、
図14に示すような構造を得る。
【0178】
ステップ6:第1ゲート絶縁層122を積層し、開口領域の第1ゲート絶縁層122をくり抜き、且つ対応する位置にビアホールを形成して、
図15に示すような構造を得る。
【0179】
ステップ7:ゲート金属を積層し、且つパターン化を行い、第1ゲート123、第2薄膜トランジスタ13のソース及びドレインを形成し、
図16に示すような構造を得る。
【0180】
ステップ8:第1層間誘電体層124及び金属材料を積層し、且つパターン化処理を行い、第1ソース125を形成し、開口領域の第1層間誘電体層124をくり抜いて、
図17に示すような構造を得る。
【0181】
ステップ9:第4平坦層114、第4透明電極層115及び第5平坦層116を順次に形成して、
図18に示すような構造を得る。
【0182】
ステップ10:画素電極層19、第4パッシベーション層117及び共通電極層118を順次に形成して、
図2に示すような構造を得る。
【0183】
本明細書の様々な実施例は漸進的に説明されており、各実施例は、他の実施例との違いに焦点を当てるが、様々な実施例の間の同一又は類似の部分は互いに参照される。
【0184】
最後に、本明細書において、例えば第1や第2などの関係用語は、あるエンティティまたは操作を別のエンティティまたは操作から区別するためにのみ使用され、これらのエンティティまたは操作の間にこのような実際の関係または順序が存在することを必ずしも要求したり暗示したりするわけではないことにも留意する必要がある。また、用語「含む」、「包含する」又はこれらのいずれかの他の変形体は、排他的ではない包含を意図するものである。これにより、一連の要素を含む過程、方法、商品または設備には、それらの要素だけでなく、明確的に列挙されていない他の要素、またはそのような過程、方法、商品または設備に固有の要素も含まれる。これ以上の制限がない場合、「…を一つ含む」という文言で限定された要素は、その要素を含む過程、方法、商品または設備に他の同様の要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0185】
以上、本発明により提供される表示基板およびその製造方法、表示装置について詳細に説明したが、本明細書において、本発明の原理および実施形態については、具体例を用いて説明したが、以上の実施例の説明は、本発明の方法およびその要旨に対する理解を助けるためのものに過ぎない。また、当業者にとっては、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態および適用範囲に変更点があり、以上のように、本明細書の内容は本発明に対する制限として理解されるべきではない。
【0186】
当業者は、明細書に対する理解及び明細書に記載された発明に対する実施を介して、本発明の他の実施形態を容易に取得することができる。本発明は、本発明に対する任意の変形、用途、又は適応的な変化を含み、このような変形、用途、又は適応的な変化は、本発明の一般的な原理に従い、本発明では開示していない本技術分野の公知知識、又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものであって、本発明の本当の範囲と主旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0187】
本発明は、前記で記述され、図面で図示した特定の構成に限定されず、その範囲を離脱しない状況で、様々な修正や変更を実施してもよい。本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲のみにより限定される。
【0188】
本明細書で記載された「一実施例」、「実施例」、または「1つまたは複数の実施例」とは、実施例を併せて説明された特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。また、ここで「一実施例において」という用語の例は、必ずしもすべて同じ実施例を指すとは限らないことに注意するが必要である。
【0189】
ここで提供されている説明書において、多くの具体的な詳細が説明されている。しかしながら、本発明の実施例は、これらの具体的な詳細なしで実現され得ることを理解することができる。いくつかの例では、本明細書に対する理解を曖昧にしないように、公知の方法、構造、および技術を詳細に図示していない。
【0190】
特許請求の範囲において、括弧の間に置かれたいかなる参照符号は特許請求の範囲を制限するように構成されてはならない。「含む」という単語は、特許請求の範囲に記載されていない素子またはステップの存在を排除するものではない。素子の前にある単語「1」または「1つ」は、そのような素子が複数存在することを排除するものではない。本発明は、いくつかの異なる要素を含むハードウェアと、適切にプログラムされたコンピュータによって実現することができる。いくつかの装置を列挙したユニットの請求項において、これらの装置の一部は、同じハードウェアによって具体的に具現化されてもよい。単語である「第1」、「第2」、「第3」などの使用は、いかなる順序を表すものではない。これらの単語は、名称として解釈されてもよい。
【0191】
最後に、以上の実施例は、本発明の技術案を説明するためのものであり、それを制限するものではない。上記の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、上記の各実施例に記載される技術案を修正してもよいし、その中の一部の技術的特徴を同等に置き換えるもよいことを理解すべきである。これらの修正または置換は、対応する技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の精神及び範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0192】
10 補助膜層
11 ベース基板、第1ベース基板
12 第1薄膜トランジスタ
13 第2薄膜トランジスタ
14 第2平坦層
15 第1パッシベーション層
16 第1透明電極層
17 第2透明電極層
18 第3平坦層
19 画素電極層
20 ソース接触領域
21 ドレイン接触領域
22 中継電極
61 第1チャネル領域
62 第1抵抗領域
63 第2チャネル領域
64 第1サブゲート
65 第2サブゲート
66 第1導体領域
67 第2抵抗領域
68 第3抵抗領域
69 第2導体領域
110 第2パッシベーション層
111 第3透明電極層
112 第3パッシベーション層
113 データ線
114 第4平坦層
115 第4透明電極層
116 第5平坦層
117 第4パッシベーション層
118 共通電極層
119 走査線
121 第1活性層
122 第1ゲート絶縁層
123 第1ゲート
124 第1層間誘電体層
125 第1ソース
126 遮蔽層
127 第2層間誘電体層
128 第1ドレイン
131 バッファ層
132 第2活性層
133 第2ゲート絶縁層
134 第2ゲート
161 第1中継電極
162 第2中継電極
【国際調査報告】