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特表2024-528553プラズマシステムにおける少なくとも1つの異常の検出を機械学習する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】プラズマシステムにおける少なくとも1つの異常の検出を機械学習する方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
H05H1/46 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580946
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-29
(86)【国際出願番号】 EP2022068445
(87)【国際公開番号】W WO2023275405
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】102021117167.9
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】21201090.4
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
2.SIMULINK
3.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】509337160
【氏名又は名称】コメット アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】フィンク,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】グリデ,アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】グリューナー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ラバンク,アントン
(72)【発明者】
【氏名】シュリーフ,ローランド
(72)【発明者】
【氏名】シュベルグ,ニコライ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォア デム ブローク,マニエル
【テーマコード(参考)】
2G084
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084AA05
2G084BB21
2G084CC04
2G084CC09
2G084DD53
2G084DD55
2G084HH21
2G084HH22
2G084HH27
2G084HH28
2G084HH29
2G084HH34
2G084HH42
2G084HH43
2G084HH54
(57)【要約】
本発明は、プラズマシステム、特に、RF電力プラズマ処理システムにおける少なくとも1つの異常の検出を機械学習する方法に関連し、
プラズマシステムの電力供給システム(1)のアナログ信号、および/または電力供給システム(1)および/またはプラズマシステムの別の特性に関連し、プラズマシステムにおける異常を示す少なくとも1つの異常特徴を有する少なくとも1つの入力信号(210)を提供し、
機械学習手順(310)を実行し、少なくとも1つの異常特徴を有する少なくとも1つの入力信号(210)がプログラマブル回路(10)によって処理されて、プラズマシステムにおける異常の検出をトレーニングする、方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマシステム、特に、RF電力プラズマ処理システムにおける少なくとも1つの異常の検出を機械学習する方法であって、前記方法は、
前記プラズマシステムの電力供給システム(1)のアナログ信号、および/または前記電力供給システム(1)および/または前記プラズマシステムの別の特性に関連し、前記プラズマシステムにおける前記異常を示す少なくとも1つの異常特徴を有する少なくとも1つの入力信号(210)を提供し、
機械学習手順(310)を実行し、前記少なくとも1つの異常特徴を有する前記少なくとも1つの入力信号(210)がプログラマブル回路(10)によって処理されて、前記プラズマシステムにおける前記異常の前記検出をトレーニングする、方法。
【請求項2】
前記プログラマブル回路(10)は、プログラマブル集積回路(10)、好ましくはデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、復号プログラマブル論理デバイス(CPLD)、またはフィールドプログラマブルアレイ(FPGA)として構成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プログラマブル回路(10)は、前記少なくとも1つの異常特徴を識別するために、特にニューラルネットワークのアプリケーション、好ましくは前記ニューラルネットワークを使用したパターン認識もしくはパターンマッチング、またはアルゴリズムを含む検出手順を少なくとも部分的に実行することを特徴とし、前記機械学習手順(310)は、
前記回路(10)によって、前記検出手順および前記検出手順の少なくとも1つの構成可能なパラメータ、特に前記ニューラルネットワークの重みまたは前記アルゴリズムのパラメータを使用して、前記少なくとも1つの入力信号(210)の前記処理を実行し、前記少なくとも1つのパラメータの構成は、前記入力信号(210)の処理ごとに変更され、特に、修正されて、それぞれの処理結果(220)を取得し、
前記処理結果(220)に基づく前記機械学習のトレーニング結果として、特に、前記変更された構成の選択を含む、少なくとも1つのパラメータ結果を決定する、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記機械学習手順は、繰り返し処理ステップを含み、各処理ステップでは、同じ前記少なくとも1つの入力信号(210)が前記プログラマブル回路(10)によって処理されるが、前記パラメータの異なる前記変更された構成を使用して、前記使用された構成に割り当てられた前記それぞれの処理結果(220)を取得し、前記変更された構成の前記評価が、前記取得された処理結果(220)のそれぞれを基準結果と比較することによって実行されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記変更された構成の前記評価は、前記処理結果(220)と前記基準結果との前記マッチングに依存し、最も高い評価を有する前記少なくとも1つの構成が、前記決定された少なくとも1つのパラメータ結果として前記変更された構成から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基準結果は、前記少なくとも1つの異常の所定の指標であることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの入力信号(210)のそれぞれは、前記プラズマシステムに電力を供給するために使用される無線周波数信号、および/または前記電力供給システム(1)および/または前記プラズマシステムの別の特性に関連し、前記異常は、前記プラズマ処理システムで発生するアークに特有であるか、または前記アークの発生確率に特有であることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの異常の機械学習された前記検出は、アーク検出および/またはアーク防止および/またはアーク管理で使用されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記機械学習手順(310)は、前記検出のための検出手順の少なくとも1つのパラメータの構成、特に、ニューラルネットワークの少なくとも1つの重みまたはアルゴリズムの少なくとも1つのパラメータの構成、特に、前記プログラマブル回路(10)によって少なくとも部分的に実装される前記ニューラルネットワークまたは前記アルゴリズムの構成の繰り返し決定を提供し、前記決定された構成は、前記電力供給システム(1)の現場動作における前記検出手順に後で使用され、
前記検出手順によって前記異常が検出されたときに、警告情報を出力することを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの入力信号(210)を提供することは、
前記電力供給システム(1)のアナログ信号を、無線周波数信号および/または電力供給システムおよび/または前記プラズマシステムの別の特性の形態で記録し、および変換して、前記アナログ信号および/または前記別の特性のデジタル表現を、前記少なくとも1つの入力信号(210)として前記プログラマブル回路(10)に提供することを特徴とする、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの異常の前記検出のための検出手段は、リアルタイムで計算を実行するための前記回路(10)の機能ブロックを組み合わせることによって前記プログラマブル回路(10)に実装されることを特徴とする、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記実装された前記検出手順は、前記少なくとも1つの入力信号(210)の前記処理のために、前記機械学習手順(310)の間にリアルタイム計算で繰り返し使用されることと特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記機械学習(310)は、前記プログラマブル回路(10)のパラメータ化のトレーニング手順として構成され、全く同じ前記回路(10)または同じ前記パラメータ化を有する別の回路(10)が、前記電力供給システム(1)の現場動作の間に前記少なくとも1つの異常の前記検出のために、特に、アーク検出および/またはアーク防止および/またはアーク管理のために使用可能であることを特徴とする、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記現場動作において、前記少なくとも1つの異常が検出されると、以下の動作である、
前記電力供給システム(1)の少なくとも一部または全部の停止、
前記電力供給システム(1)の再起動をすることなく、前記電力供給システム(1)の停止、
前記電力供給システム(1)の一時的な停止、その後の前記電力供給システム(1)の再起動、
前記電力供給システム(1)の前記出力電力の一時的な減少、
前記電力供給システム(1)の出力周波数の一時的な修正、
前記インピーダンス整合ネットワーク(4)における少なくとも1つの法制可能な要素の一時的な修正、
の少なくとも1つを個別に、または組み合わせて開始されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記異常の前記検出は、特に、前記プラズマ処理システムにおいてアークが発生する前に前記アークを検出するための、好ましくは前記アークの前記発生の確率の決定および/またはアーク防止のための、確率的検出を含むことを特徴とする、請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載する方法。
【請求項16】
プラズマシステム、特に、RF電力プラズマ処理システムにおける少なくとも1つの異常を検出するためシステムであって、
前記プラズマシステムの電力供給システム(1)の少なくとも1つの無線周波数信号、および/または前記電力供給システム(1)および/または前記プラズマシステムの別の特性を検知するための、少なくとも1つのセンサ(230)、特に、方向性結合器および/または電圧電流センサと、
前記少なくとも1つの検知された無線周波数信号および/または前記別の特性を少なくとも1つの入力信号(210)に変換するために前記センサ(230)と接続された、少なくとも1つの変換器(30)、特に、アナログデジタル変換器(30)と、
前記少なくとも1つの入力信号(210)のデジタル信号処理のためのプログラマブル回路(10)と、を含み、
前記プログラマブル回路(10)は、請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の方法にしたがって、前記少なくとも1つの異常の前記検出のためにトレーニングされることを特徴とする、システム。
【請求項17】
請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の方法にしたがって決定された前記少なくとも1つパラメータ結果(240)を搬送するデータキャリア信号(240)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマシステムにおける少なくとも1つの異常の検出を機械学習する方法に関する。また、本発明は、システムおよびデータキャリア信号に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル信号処理、略して「DSP」は、システムの特定の状況のフィルタリングおよび/または検出など、様々なアプリケーションのための無線周波数システムで使用できる。処理速度および/またはパフォーマンス速度を向上させるために、DSPは、少なくとも部分的にはハードウェア内で、例えば、集積回路、略して「IC」によって実行することができる。しかしながら、集積回路のパラメータ化は時間がかかり、技術的に複雑である場合がある。パラメータ化処理の複雑さは、多くの望ましくない形でデジタル信号処理に影響を与える可能性がある。それらの1つは、集積回路のDSP効率の部分的な低下である。
【0003】
プラズマ電力供給システムでは、無線周波数、略してRFの信号を測定することができる。典型的なRF測定は、順方向電力および逆方向電力のほか、プラズマ電力供給システム内の様々なポイントでのRF電流および電圧を含む。測定された信号は、一般に、周波数、振幅、ノイズまたはスプリアス成分、およびパルス長が異なる場合がある。周波数などの一部の変動は、電力供給システムによって適切に制御される可能性があるが、他の変動は、特にプラズマ処理チャンバにRF電力を供給する場合に制御されない可能性がある。変動によって、測定されたRF信号に様々な種類の干渉が発生する可能性がある。例えば、干渉の一形態としては、プラズマ自体の非線形な性質により高調波が生成される可能性がある。別の形態の干渉としては、RF信号の生成に使用される異なる周波数によって生じる可能性がある。高度なプラズマシステムでは、異なる周波数を持ついくつかのRF生成装置がプラズマ励起に使用される場合がある。しかしながら、意図した周波数セットの望ましい生成に加えて、基本周波数とその高調波の加算または減算との組み合わせのような混合周波数も生成される場合がある。
【0004】
測定されたRF信号で見つかった多くの干渉は、測定されたRF信号をデジタル化する前に適切なフィルタを使用することによって抑制し、または少なくとも低減することができる。それにもかかわらず、ベース周波数に近い不要なサイドバンドが発生し、DSPによるさらなるフィルタリングが必要になる場合や、フィルタリングにさらなる要件が課される場合がある。実際の入力信号は、信号源、伝送路、測定装置などによって引き起こされる避けられない歪みやその他のアーチファクトを常に含むため、決して理想的ではない。フィルタまたはフィルタのパラメータの最適化は、ネットワークを安定して調整するために歪みのない理想的な入力信号を再構築するために重要である。しかしながら、各フィルタには有利な特性と不利な特性がある。例えば、フィルタリングによる信号遅延が増加しすぎると、制御は意図した電力レベルからの逸脱に対してタイムリーに応答することができなくなる。さらに、フィルタリングにより、プラズマプロセスの品質を評価するために必要となり得る信号の関連部分、例えば、二次プラズマ(プラズマチャンバ内の意図した領域外の場所に存在する場合がある)、アーク、その他のプラズマ不安定性のような異常の存在を除去することができる。したがって、これらの特性のバランスをとってパフォーマンスを最適化するには、フィルタの種類だけでなく、パラメータ構成も慎重に選択する必要がある。
【0005】
一般に、干渉の低減が不十分であると、RF生成装置の出力電力の測定に変動を生じる場合がある。これらの変動は「測定アーチファクト」として理解することができる。測定は出力電力レベルの制御などの様々なアプリケーションで使用される場合があるため、これらのアプリケーションは妥協した測定信号に依存する可能性がある。制御の例では、出力電力レベルが正しい測定ではなく、誤って測定アーチファクトに従う可能性がある。
【0006】
フィルタリングによってプラズマ不安定性が抑制された場合、二次プラズマやアークなどの異常が検出されず、その結果、対策が開始されない場合がある。半導体プラズマ処理システムでは、制御されていないアーク放電などのプラズマ不安定性により、処理される半導体ウェハが損傷する可能性がある。
【0007】
US20060262889A1は、コントローラからの駆動信号によって駆動されるときに信号を生成することができる電源を開示する。無線周波数では、同期アンダーサンプリングまたは同期オーバーサンプリングのいずれかが当てはまる。
【0008】
DE102015212242A1/US20180122625A1では、干渉を除去するためにサンプリング周波数が変更される。どちらの文献も、サンプリング周波数の適応を含む干渉周波数を補正するための具体的な方法について説明しているが、機械学習、特に、機械学習手順によるフィルタパラメータの最適化については説明していない。
【0009】
プログラマブル回路、特に、シミュレーションを加速するためのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)の一般的な使用は、例えばWO2007095574A1またはDE102011103861A1などの先行技術から知られている可能性がある。
【0010】
さらに、先行技術から、プラズマ処理中の特定の状況を検出するためのインテリジェントシステムが存在することが知られている。しかしながら、この検出は、事象が時間内に完了する前に修正措置を開始するための信頼性および処理速度を欠くことが多い。
【0011】
プラズマ処理における特定の状況を検出するための専用ソリューションの使用は、先行技術、例えば、US8989888B2で報告されている。
【0012】
特に、プラズマ処理におけるアーク発生を管理するための専用ソリューションの使用は、いくつかの先行技術文献で報告されている。
【0013】
EP3254295B1は、特に、特定の期間にRF電力を停止にすることによってアークを抑制するアーク処理装置および方法を記載している。
【0014】
US9316675B2には、RF電圧および電流の変化を監視することによって二次プラズマを検出する方法が記載されている。この方法では、低レベルの異常と重度の異常とを区別することができる。
【0015】
US8890537B2では、アークは、適切なフィルタリング動作および高調波の分析によって検出することができる。
【0016】
アークを識別するための反射電力、電圧、電流などのRF関連信号の動的制限の使用は、アークを抑制するための様々な方法と同様に、特に、US7761247B2に記載されている。
【0017】
US10209294B2は、いくつかの観測信号を組み合わせることでアークの検出をどのように改善できるかを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
これらの先行技術文献では、特定のプロセス条件、例えば、スパッタリングシステムなどの特定の条件の下で、または特定の異常(例えば、二次プラズマまたはアークのみ)で動作するように調整されたハードウェアまたはソフトウェアソリューションが記載されている。特に、全てのソリューションにおいて、システムが異常を検出する前に、実際に異常が存在している必要がある。アークの場合では、説明されたアーク管理方法は、特に、少なくとも1つのアーク事象が既に発生した後に、さらなるアークを抑制することにおいてのみ作用する。
【0019】
対照的に、以下で説明する本発明は、統計的アプローチを使用して異常が完全に進行する前に検出し、特に、その発生を防止することができるという事実により、より広い適用可能性を有し、より汎用性がある可能性がある。
【0020】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を少なくとも部分的に克服することである。特に、本発明の目的は、RFシステムにおけるデジタル信号処理を改善することである。
【0021】
上述の目的は、請求項1の特徴を有する方法、請求項16の特徴を有するシステム、および請求項17の特徴を有するデータキャリア信号によって解決される。本発明のさらなる特徴および詳細は、それぞれの従属項、明細書、および図面に開示される。本発明による方法に関連して説明される特徴および詳細は、本発明に係るシステムおよび本発明に係るデータキャリア信号にも適用され、それぞれの場合においてその逆も同様である。本発明の個々の態様は、常に相互に参照することができる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
先行技術におけるこれまでの文献とは対照的に、本発明の方法、システム、およびキャリア信号は、特に、無線周波数システムにおけるデジタル信号処理を最適化することを可能にする。この目的のために、処理手順を、特に、本発明のシステムのトレーニングに使用することができることが、特に、本発明のアイデアである。トレーニングは、プログラマブル回路および/またはアルゴリズムの最適化されたパラメータ化を決定するように、トレーニングモードにおいて基準データを用いて実行されてもよく、その後、本発明のシステムは、最適化されたパラメータ化がリアルタイムで関連する入力信号の処理に使用されるアプリケーションモードに切り替えられてもよい。プログラマブル回路は、アルゴリズムを実行することによって、入力信号を処理するためのFPGAのようなプログラマブル信号処理回路であってもよい。
【0023】
先行技術に対する本発明の方法、システム、およびキャリア信号のさらなる利点は、同じシステムでトレーニング動作モードおよびリアルタイム動作モードを実行することによって達成されてもよい。さらに、新たなトレーニングデータセットを使用したさらなるトレーニング、すなわち、新たな状況の機械学習は、後の時点において有利に実行することができ、既存のパラメータ化をさらに最適化することができる(以下では、特にこれを「リアルタイムモードからトレーニングモードへの処理の切り替え」と呼ぶ)。さらに、例えば、ユーザインターフェースを使用することにより、最適化されたパラメータ化を同じ種類の他のシステムに転送することも可能である。
【0024】
有利なことに、同じハードウェア構成要素(FGPA、制御、メモリ)をトレーニングモードおよびアプリケーションモードの両方で使用することにより、システム間でのパラメータ化の転送が容易になり、まだ知られていない新しい状況に対してプラズマ処理システムの将来のアップグレードが可能になる。トレーニングは、例えば、現場で使用されているシステムに記録された既存の入力信号を使用して、テストベンチシステムまたは実験室のプラズマ処理システムで実行することができる。これらの信号の変動性は、スケーリング、フィルタリング、重ね合わせなどによって数値的に増加させることができる。その後、最適化されたパラメータ化をトレーニングシステムから現場のプラズマ処理システムに簡単に転送することができる。
【0025】
さらに、メモリからの既存の入力信号を使用することにより、例えば、RFシステムの工場受け入れ試験において、多様な状況におけるRFシステムの機能を試験することができる。この場合、入力信号は、ADCデータの代わりに、またはADCデータと組み合わせてメモリによって供給され、調整ループのパフォーマンス、RF信号のフィルタリング、パターン認識、および応答動作、例えば、警告またはインターロックなどのシステム動作が、完全に動作するシステムで検証することができる。
【0026】
本目的は、特に、プラズマシステム、特に無線周波数(短RF)電力プラズマシステム、好ましくはRF電力プラズマ処理システムにおける少なくとも1つの異常の検出を機械学習する方法によって解決される。本方法は、以下を含んでいてもよい(次々に、または任意の順序で実行される)。
・それぞれがプラズマシステムの電力供給システムのアナログ信号、および/または電力供給システムおよび/またはプラズマシステムの別の特性に関連し、プラズマシステムにおける異常を示す少なくとも1つの異常特徴を有する少なくとも1つ(または複数)の入力信号を提供し、
・機械学習手順を実行し、少なくとも1つの異常特徴を有する少なくとも1つの入力信号が(好ましくはプログラム可能な)回路によって処理されて、プラズマシステムにおける異常の検出をトレーニングし、特にこの処理が検出手順によって少なくとも部分的に実行される。
【0027】
これには、効果的で高速な機械学習を提供することができるという利点がある。特に、機械学習手順のための(好ましくはプログラム可能な)回路の使用は、このプロセスをさらに加速することができる。さらに、異常の検出により、プラズマシステムにおけるより安全で信頼性の高い動作を提供することができる。
本発明の別の態様によれば、機械学習手順を、処理手順の少なくとも一部であるように構成することができる。処理手順および/または機械学習手順を実行するとき、少なくとも1つの入力信号は、処理の少なくとも1つの構成可能なパラメータ(すなわち、特に処理手順および/または機械学習手順内で実行される処理であり、好ましくはデジタル信号処理の形態で実行される処理)を使用して、回路、好ましくはプログラマブル回路、好ましくは検出手順によって繰り返し処理することができる。少なくとも1つの構成可能なパラメータは、検出手順の少なくとも1つのパラメータであってもよい。少なくとも1つのパラメータの構成は、それぞれの処理結果を得るために、処理手順および/または機械学習手順内の少なくとも1つの入力信号の処理ごとに変更され、特に修正されてもよい。構成可能なパラメータは、検出手順のパラメータ、特にニューラルネットワークの重みまたはアルゴリズムのパラメータであってもよい。検出手順は、無線周波数システム、特に無線周波数電力供給システムにおけるデジタル信号処理を含んでいてもよい。それぞれの処理結果は、検出手順の結果または出力であってもよい。検出手順を改善し、したがって、デジタル信号処理を改善するために、構成を変更することができる。
【0028】
少なくとも1つの入力信号は、無線周波数システムの無線周波数信号、および/または電力供給システムおよび/またはプラズマシステムの別の特性、例えばプラズマチャンバからの信号(光信号など)、好ましくはプラズマチャンバ内で測定される信号、および/または外部ソースの信号に関連していてもよい。
【0029】
本発明に係る方法は、さらに、以下を含んでもよい。
・特に機械学習のトレーニング結果として、処理結果に基づく構成の最適化のために、特に変更された構成の(1つの)選択、好ましくは(1組の)重みおよび/または値を含む、少なくとも1つのパラメータ結果を決定し、
・改善されたデジタル信号処理のために、特に、パラメータ結果および特に選択を使用する回路の最適化のために、少なくとも1つの決定されたパラメータ結果、特に決定された構成を提供する。
【0030】
提供および/または決定されたパラメータ結果は、好ましくはニューラルネットワークのための重みセットを含み、回路のパラメータ化のために使用されてもよい。パラメータ化された回路は、検出手順を実行してもよく、検出手順は、パラメータ結果、特にパラメータ結果によって与えられる重みのセットを使用するニューラルネットワークのアプリケーションを含んでもよい。したがって、回路は、ニューラルネットワークを実装してもよく、換言すれば、パラメータ結果、特に重みセットを使用してパラメータ化されたニューラルネットワークを実装してもよい。
【0031】
回路のパラメータ化は、パラメータ結果による検出手順のパラメータ化、すなわち、好ましくはパラメータ結果にしたがってニューラルネットワークの重みを含んでもよい。パラメータ化された検出手順のパフォーマンスは、プラズマシステムの通常の(現場での)動作における少なくとも1つの異常の検出を目的としてもよい。
【0032】
任意選択として、プログラマブル回路は、プログラマブル集積回路、好ましくはデジタル信号プロセッサ、複合プログラマブル論理デバイス、またはフィールドプログラマブルゲートアレイとして構成され得る。
【0033】
有利には、本発明の範囲において、特にプログラム可能な回路が、少なくとも1つの異常特徴を識別するために、特にニューラルのアプリケーション、好ましくはニューラルネットワークを使用したパターン認識またはパターンマッチング、および/またはアルゴリズムを含む検出手順を少なくとも部分的に実行することが提供されてもよい。ニューラルネットワークの重みおよび/または活性化関数および/またはニューロンは、特に回路によって実装される検出手順によって提供されることが可能性である。活性化関数および/または重みの一部は、手動で事前に定義されてもよい。
【0034】
機械学習手順は、以下を含んでもよい。
・検出手順、および検出手順の少なくとも1つの構成可能なパラメータ、特にニューラルネットワークの重みまたはアルゴリズムのパラメータを使用して、少なくとも1つの入力信号の処理を回路によって実行し、好ましくは繰り返し実行し、それぞれの処理結果を得るために入力信号の処理ごとに、少なくとも1つのパラメータの構成が変更され、特に修正され、
・処理結果に基づく機械学習のトレーニング結果として、特に変更された構成の選択を含む少なくとも1つのパラメータ結果を決定する。
【0035】
パラメータ結果および/またはトレーニング結果は、ニューラルネットワークの分類と呼ばれる場合がある。
【0036】
さらに、パラメータ結果は、検出手順を実装する他の回路で使用されるように分配されてもよい。データキャリア信号、好ましくはデータキャリア信号を有するデータキャリアは、この分配のためのパラメータ結果を含んでもよい。したがって、パラメータ結果を含むデータキャリア信号またはデータキャリアも本発明の対象である。
【0037】
本発明の範囲において、機械学習手順、特に少なくとも1つの入力信号の処理が、繰り返される処理ステップを含み、同じ少なくとも1つの入力信号が、特に、プログラム可能な回路によって処理されるが、特に使用された構成に割り当てられたそれぞれの処理結果を取得するために、パラメータの異なる変更された構成を使用して、好ましくは、変更された構成の評価は、取得された処理結果のそれぞれを基準結果と比較することによって実行される。評価は、(例えば、従来の最適化アルゴリズムを使用することによって)構成の最適化という意味でのトレーニングを可能にする機械学習手順の一部であってもよい。したがって、機械学習は、人工知能の範囲で理解されるだけでなく、追加的にまたは代替的に、最適化アルゴリズムによる最適化問題の自動解決、または単に少なくとも1つの異常特徴を識別するためのアルゴリズムの最良のパラメータの繰り返し検索を含む場合がある。評価は、制御回路またはプログラマブル回路の外部の別の装置によって実行されてもよい。
【0038】
また、任意選択で、変更された構成の評価が、処理結果と基準結果とのマッチングに依存し、最も高い評価を有する少なくとも1つの構成が、少なくとも1つの決定されたパラメータ結果として変更された構成から選択されることが考え得る。
【0039】
さらに、基準結果は、少なくとも1つの異常の所定の指標であることが任意に提供される。したがって、処理結果が理想的な基準結果にどれだけ近いかに依存する。
【0040】
本発明の有利なさらなる展開によれば、少なくとも1つの入力信号のそれぞれが、以下に関連することを提供することができる。
・プラズマシステムに電力を供給するために使用される無線周波数信号、および/または
・電力供給システムおよび/またはプラズマシステムの別の特性であって、
好ましくは、異常は、プラズマ処理システムにおいて発生するアークに特有であるか、またはアークの発生確率に特有である。異常は、特に予想されるアークまたは別の望ましくない異常の発生を示す特定のパターンであってもよい。
【0041】
アークは、特にプラズマ処理中の電気フラッシュオーバまたはアーク放電として理解することができる。特にプラズマサポートコーティング処理では、この異常によってプラズマコーティングが妨害される場合がある。したがって、検出手順が可能な限り短い時間でアークを検出できれば有利である。
【0042】
任意選択で、少なくとも1つの異常の機械学習された検出が、アーク検出および/またはアーク防止および/またはアーク管理に使用されることが可能であってもよい。検出の結果、警告メッセージが出力されてもよい。遮断などのさらなる動作は、アーク管理を可能にする。予想されるアークの発生を検出されれば、アーク防止が可能になる。
【0043】
好ましくは、機械学習手順は、検出のための検出手順の少なくとも1つのパラメータの構成、特にニューラルネットワークの少なくとも1つの重みの構成またはアルゴリズムの少なくとも1つの構成の繰り返し決定を提供することが提供されてもよい。特に、ニューラルネットワークまたはアルゴリズムは、特にプログラム可能な回路によって少なくとも部分的に実装される。決定された構成は、その後、電力供給システムの現場動作における検出手順に使用され、以下を含んでもよい。
・検出手順によって異常が検出されたとき、警告情報を出力する。
【0044】
また、少なくとも1つの入力信号を提供することが、以下を含むと有利である。
・電力供給システムのアナログ信号を、無線周波数信号の形態で、および/または電力供給システムおよび/またはプラズマシステムの別の特性で記録および変換して、アナログ信号および/または別の特性のデジタル表現を取得し、
・アナログ信号および/または別の特性のデジタル表現を、少なくとも1つの入力信号として、特にプログラム可能な回路に提供する。
【0045】
さらなる利点として、リアルタイムで計算を実行するための回路の機能ブロックを組み合わせることによって、少なくとも1つの異常を検出するための検出手順が、特にプログラム可能な回路に実装されることが提供されてもよい。これにより、ニューラルネットワークの高速実行も可能になる。
また、本発明の範囲内において、実装された検出手順は、少なくとも1つの入力信号を処理するための機械学習手順の間、リアルタイム計算で繰り返し使用されることが考えられえる。これにより、機械学習を加速することが可能になる。
【0046】
また、機械学習手順は、特にプログラム可能な回路のパラメータ化のためのトレーニング手順として構成され、全く同じ回路または同じパラメータ化を有する別の回路が、電力供給システムの現場での動作中の少なくとも1つの異常の検出のため、特にアーク検出および/またはアーク防止および/またはアーク管理のために使用可能であることが考えられる。
【0047】
また、特に現場動作において、少なくとも1つの異常が検出されると、以下の動作の少なくとも1つが、好ましくは個別に、または組み合わせて開始されることが提供されてもよい。
・電力供給システムの少なくとも一部または全部の停止であり、特に電力供給システムの一部のみの停止、または電力供給システムの全ての部分の停止、
・電力供給システムの再起動をすることなく、電力供給システムの停止、
・電力供給システムの一時的な停止、その後の電力供給システムの再起動、
・電力供給システムの出力電力の一時的な減少、
・電力供給システムの出力周波数、特に電力供給システムのRF電力信号および/またはアナログ信号の出力周波数の一時的な修正、
・インピーダンス整合ネットワークの少なくとも1つの調整可能な要素の一時的な修正。
【0048】
これにより、効果的なアーク管理および/または防止が可能になる。一般に、電力供給システムの調整可能なパラメータの少なくとも1つの一時的な変更、例えば、RF電力信号周波数の変更またはインピーダンス整合回路の調整可能な構成要素の値の変更は、少なくとも1つの異常の検出時に、好ましくは個別に、または上述の動作と組み合わせて開始されてもよい。この動作に使用される正確なパラメータは、電力供給システムの仕様と正確な構成に応じて事前に定義されてもよい。これに最も適したパラメータは、特定の電力供給システムを使用して実験的または経験的に見出してもよい。
【0049】
本発明の範囲において、異常の検出が、特にプラズマ処理システム内で発生する前にアークを検出するための、換言すれば、予想されるアークを検出するための、好ましくはアークの発生確率を決定するための、および/またはアーク防止のための確率的検出を含むと、さらに有利である。異常の検出は、プラズマ処理システム内で異常が発生する前に別の異常を検出するための確率的検出を含むこともできる。
【0050】
本発明の別の態様は、プラズマシステム、特にRF電力プラズマシステム、好ましくはRF電力プラズマ処理システムにおける少なくとも1つの異常を検出するためのシステムであって、以下を含む。
・プラズマシステムのプラズマ供給システムの少なくとも1つの無線周波数信号および/または電力供給システムおよび/またはプラズマシステムの別の特性を検知するための、少なくとも1つのセンサ、特に方向性結合器および/または電圧電流センサ、
・検知された少なくとも1つの無線周波数信号および/または別の特性を、少なくとも1つの入力信号に変換するためにセンサと接続された、少なくとも1つの変換器、特に、アナログデジタル変換器、
・本発明に係る方法にしたがって少なくとも1つの異常を検出するようにトレーニングされ、少なくとも1つの入力信号のデジタル信号処理のための、特にプログラム可能な回路。
したがって、本発明に係るシステムは、本発明に係る方法を参照して詳細に説明したのと同じ利点をもたらす。
本発明に係る方法は、使用されるパラメータの構成にそれぞれ特有の複数の処理結果が利用可能となり、処理結果に基づいて変更された構成から最良の構成を選択できるという利点を有する。換言すると、構成を変更する(「パラメータを変更する」ともいう)ことによって、パラメータを最適化することができる。したがって、パラメータ結果の選択は、処理手順内で最良の処理結果をもたらす変更された構成のうちの少なくとも1つを含んでもよい。回路のパラメータ化のためのパラメータ結果の使用は、デジタル信号処理(DSP)の改善を達成することができる。
【0051】
処理手順は、回路による繰り返し処理、特にデジタル信号処理を含んでもよいが、特に以下でより詳細に説明するように、構成の評価および/または変更などのさらなるステップを含んでもよい。さらに、処理手順は、少なくとも部分的に機械学習手順とみなしてもよい。換言すると、処理手順は機械学習手順を含んでもよい。機械学習手順は、(少なくとも)評価、および/または決定されたパラメータ結果のメモリへの格納、および/またはパラメータ結果の決定および/または提供、および/または構成の学習および/または最適化、好ましくはニューラルネットワークのパラメータ値および/または少なくとも1つの重みを含んでいてもよい。
【0052】
本発明の開示の範囲において、不定冠詞および定冠詞、または「1」、「2」などの数値表示は、別段の明示的な記載がない限り、「少なくとも」の表示として理解されるべきである。「少なくとも」または同様の明示的な表示がある場合であっても、例えば「正確に1」という意味での制限が、この明示的な表示のない冠詞または数値表示の別の単純な使用によって暗示されると結論付けてはならない。さらに、数値表示、ならびにプロセスパラメータおよび/または装置パラメータの表示も同様に、技術的な意味で、すなわち、通常の許容誤差を有するものとして理解されるべきである。
【0053】
「最良の処理結果」という用語の使用は、以下を意味する。
・デジタル信号処理の最適な結果、例えば、不要な周波数の最大限の抑制、または多数の異常信号の中から検出された特定の異常信号の最大数。
・RF電力供給システムに関連する測定パラメータの最適な結果、例えば、変動が最も少ないRF電力出力。
・測定された信号の1つのおける特定のパターンの最適な検出。
・プラズマ処理、例えば、DC自己バイアスまたはイオン濃度に関連する測定パラメータの最適な結果。
・プラズマチャンバ内で処理される物品の特性、例えば、堆積層の厚さに関連する測定パラメータの最適な結果。
【0054】
少なくとも1つの入力信号を提供するために、処理手順の実行は、プログラマブル回路に電気的に接続され制御回路(以下、「制御」ともいう)によって開始され、および制御されてもよい。また、決定および提供は、制御回路によって実行されてもよい。
【0055】
「デジタル信号処理」という用語は、一般に、デジタル信号の処理を意味すると理解される。具体的には、本発明に係るデジタル信号処理は、RF信号が少なくとも1つのセンサによって検知され、その後、リアルタイムでRFシステムのアナログデジタル変換器、略してADCによってデジタル信号に変換された後のRF信号の処理を含んでもよい。デジタル信号処理とは対照的に、「処理手順」は、実際にリアルタイムで検知される入力信号を使用しない(代わりに、事前に記録され、またはコンピュータでシミュレートされる場合がある)トレーニング手順と考える場合がある。処理手順内の処理およびデジタル信号処理内の処理に使用されるアルゴリズムは同じであってもよい。しかしながら、アルゴリズムの構成は最初に処理手順内でトレーニングされ、その後でデジタル信号処理内に適用される。
【0056】
「RFシステム」という用語は、少なくとも1つの電気RF信号を出力するシステムをいう。また、RFシステムは、RF生成装置を含んでもよく、RF生成装置の一部であってもよい。したがって、RF信号はRF生成装置の出力であってもよい。無線周波数電力供給システムという用語は、RFシステムの具体的な構成であってもよく、プラズマシステム、特にプラズマ生成装置システムの電力供給をいう。このシステムは、さらに、伝送線路および/またはインピーダンス整合ネットワークを含んでもよい。プラズマシステムは、プラズマ処理、好ましくはプラズマエッチングまたはプラズマ堆積に使用されるプラズマを生成するのに適している場合がある。当業者にはよく知られているように、プラズマ処理アプリケーションは、ガスを適切にイオン化し、プラズマ処理チャンバ内でプラズマを生成するために、通常、100W以上の(増幅された)電力信号が供給され、しばしば1kWを超える信号も供給される。しかしながら、これらの大電力信号の制御に関与する制御信号は、はるかに低い電力信号を含む場合があり、低電力信号処理技術にしたがって処理される場合がある。RF信号のような大電力信号の特性の検知には、様々な種類のセンサが必要な場合があり、大電力信号の振幅のごく一部を含む、その信号の特徴量をピックアップすることが必要な場合がある。
【0057】
「少なくとも1つの入力信号」は、好ましくは、無線周波数システムの無線周波数信号(略してRF信号、RF電力信号ともいう)に関連するデジタル信号であってもよい。特に、これは、少なくとも1つの入力信号がRF信号に特有であってもよく、および/またはRF信号を検知し、特に測定することによって取得されてもよいことを意味する。したがって、RF信号は、RFシステムの、またはRFシステム内の実際の電気出力である無線周波数範囲の物理信号であってもよい。RF範囲は、20kHz~300GHz、好ましくは300kHz~300MHzの周波数範囲(中周波数帯域、高周波数帯域、および超高周波数帯域)であり得る。入力信号は、RF信号から得られ、低周波数で変化するDC信号、例えば、パルスアプリケーションにおいて、プラズマチャンバ内に存在する測定されたDCバイアス電圧、測定された順方向および/または反射電力、反射係数、RF電圧と電流の間の位相、または外部センサからのスカラー信号であることも可能である。
【0058】
機械学習手順が実行された後、信号生成ユニットを制御するためにトレーニングされた異常の検出を使用することができる。換言すれば、現場動作において、パラメータ化されたプログラマブル回路は、検出手順を使用して異常を検出するために使用されてもよく、少なくとも1つの異常が検出されると、信号生成ユニットの制御が開始されてもよい。少なくとも1つの異常を、それが実際に発生する前に検出することができる。つまり、異常の発生の可能性をパラメータ化されたプログラマブル回路によって予測し、異常の発生を防止する信号生成ユニットの制御などの動作を開始することができる。したがって、異常の「検出」には、異常の「予測」も含まれる場合がある。トレーニングされた検出は、デジタル信号処理の一部であってもよい。
【0059】
デジタル信号処理の結果、特に検出手順を、信号生成ユニット、例えばDDSコア、またはRFシステムのさらなる回路を制御するために使用してもよい。信号生成ユニットを、例えば、デジタルアナログ変換器(DAC)および電力増幅段によってRF電力信号に変換される出力信号の振幅、周波数、および位相を調整するために使用してもよい。その結果、RF生成装置の出力のRF電力信号を、インピーダンス整合ネットワークを介してプラズマ処理システムに提供することができる。このように、例えば、RF生成装置の出力における方向性結合器からの入力信号のフィルタリングの結果を直接使用して、例えば、プラズマに供給されるRF電力を安定化させ、プラズマからの反射電力を最小化させるように、RF電力信号を適合させることができる。
【0060】
特に、RF範囲は、300kHz~500kHz、または1MHz~3MHz、または10MHz~16MHz、または24MHz~30MHz、または37MHz~43MHz、または57MHz~63MHz、または77MHz~83MHz、または159~165MHzであってもよい。例えば、10MHz~16MHzのRF範囲では、無線周波数信号の特定の周波数は13.56MHzであってもよい。前述の周波数範囲は、特にプラズマアプリケーションおよび/またはRF生成装置に使用される。
【0061】
処理手順内で、少なくとも1つの入力信号が回路によって繰り返し処理される。回路は、少なくとも1つのパラメータの構成に応じて、少なくとも1つの入力信号を処理するためのアルゴリズムを実行するのに適するものであってもよい。したがって、パラメータはアルゴリズムのパラメータであってもよい。フィルタリングの場合、アルゴリズムはフィルタアルゴリズムであり、パラメータはフィルタパラメータおよび/またはフィルタ係数であり得る。アーク検出の場合、アルゴリズムはパターン認識アルゴリズムであり、パラメータは特定の基準パターンに一致するパターンの確率であり得る。換言すれば、前記確率は、パターンと特定の基準パターンとの間の類似度を表す場合がある。また、回路はニューラルネットワークを適用するのに適するものであってもよい。この場合、パラメータは、ニューラルネットワークの少なくとも1つの重みであってもよい。回路は、少なくとも1つのパラメータの構成を変更することができるという意味でプログラム可能であってもよい。
【0062】
「繰り返し処理」は、同じアルゴリズムを使用して同じ少なくとも1つの入力信号の繰り返し処理を意味するが、異なる構成が使用されると理解される場合がある。したがって、少なくとも1つのパラメータの構成は、それぞれの処理結果を得るために、少なくとも1つの入力信号の処理ごとに変更される。それぞれの処理結果は、換言すれば、それぞれの構成で実行されたときのアルゴリズムのそれぞれの結果であってもよい。
【0063】
有利には、少なくとも1つのパラメータは、処理結果に影響を与える処理パラメータであってもよい。処理が少なくとも1つの入力信号のフィルタリングを含む場合、少なくとも1つのパラメータは少なくとも1つのフィルタパラメータを含んでもよい。例えば、少なくとも1つのパラメータは、調整可能なカットオフ周波数および/またはしきい値などを含むことができる。
【0064】
「少なくとも1つのパラメータ結果を決定する」とは、最良の処理結果をもたらす(したがって、処理結果に基づく)変更された構成のうちの少なくとも1つを選択すること、または正確に1つを選択することと理解することができる。これにより、パラメータ構成の最適化が可能になる。「改善されたデジタル信号処理のために少なくとも1つの決定されたパラメータ結果を提供する」とは、選択された構成を使用する回路のパラメータ化として理解されてもよい。
【0065】
パラメータ結果は、変更された構成から選択された特定の構成を含んでもよく、その選択は処理結果に応じて行われてもよい。例えば、処理結果の各々を評価するために使用されるメトリックまたは基準結果のような基準を提供することができる。処理結果の各々は、その処理結果を得るために使用された構成に対応する。結果として、処理結果のそれぞれは、構成を評価する(evaluate)、特に構成を評価する(rate)ために使用することができる。したがって、最良の評価された(evaluated)処理結果または最良の評価された(rated)処理結果に対応する正確な構成を選択することができる。換言すれば、対応する処理結果と基準との差が最小になるように構成が最適化される。「構成の最適化」とは、「少なくとも1つのパラメータの最適化」ともいい、少なくとも1つの最適化されたパラメータ(すなわち、選択された構成)は、その後、無線周波数システムの「現場」動作または「リアルタイム」動作または「アプリケーションモード」のための(または別の)プログラマブル回路をパラメータ化するために使用されてもよい。これらの用語は、以下では同義に使用される。
【0066】
「評価」は、処理結果と、理想的な処理結果などの基準との比較として理解されてもよい。処理結果と基準とが一致すればするほど、対応する構成の評価が高くなる。評価は、制御回路によって、またはプログラマブル回路の専用部分によって実行されてもよい。評価に使用できる最先端の手法は、例えば、信号評価のための統計手法、多変量統計手法、経験的比較時系列分析など、様々な方法がある。
【0067】
一実施形態では、少なくとも1つのパラメータ結果は、DSPの異なるアプリケーションのための少なくとも2つの異なるパラメータ結果を含む。代替的に、または追加的に、DSPおよびデジタル信号処理は、構成によってパラメータ化されるフィルタリングを含んでもよい。フィルタリングの構成の選択は、RF信号における干渉の低減に大きな影響を与える。しかしながら、1つの特定の構成が、多周波数アプリケーションにおけるRF電力レベルの全ての組み合わせに対して機能するとは限らず、また、プラズマシステムのプラズマチャンバ内で実行される全ての処理に対して機能しない場合もある。したがって、異なるプラズマ処理条件に対して最適化された構成を決定する必要がある場合がある。これは、異なるアプリケーションに対して複数のパラメータ結果を使用することによって達成することができる。
【0068】
同様に、アーク検出の場合、1つの特定の構成は特定の異常を検出するためにのみ最適化される場合があるが、他のタイプの異常には機能しない可能性がある。したがって、いくつかの異なる異常を検出する場合には、各処理に異なる構成を適用した入力信号の順次処理および/または並列処理によって達成される場合がある。したがって、機械学習手順は、異常の特徴が異なるタイプの異常に特有であるように、異なるタイプの異常に対して複数回実行されてもよい。
【0069】
アプリケーションおよび/または異常のタイプごとに、処理手順に個別に使用することができるトレーニング処理中に異なる入力信号のセットを提供することができ、したがって、異なるパラメータ結果が得られる。
プラズマ処理レシピのステップにおける異なる処理条件のシーケンスに応じて、例えばリアルタイム動作中に処理条件が変更される場合、異なる構成間の高速切り替えが有利になる場合もある。したがって、高速切り替えのために、異なるパラメータ結果をメモリに格納することが可能である。
【0070】
デジタル信号処理および/または処理手順内で、少なくとも1つの入力信号は、例えばトレーニング入力信号または基準入力信号として機能する既にデジタル化された信号を提供することによって、事前に定義されてもよい。既にデジタル化された信号は、以前に記録された信号または例えばシミュレートされた信号である既存の信号とすることができる。そのため、ADCは処理に必ずしも必要ではない。しかしながら、リアルタイム動作では、ADCは、アナログで検知されたRF信号を信号のデジタル表現に変換する場合があり、これを以下ではリアルタイム入力信号という。トレーニングモードでは、少なくとも1つの事前に定義された入力信号は、処理手順に望ましい特性および特徴を有して事前に定義され、したがって、実際の無線周波数信号のみを「表す」のみである場合がある。しかしながら、リアルタイムモードでは、プログラマブル回路は、事前に定義された入力信号の代わりに、検知されたRF信号からのリアルタイム入力信号を処理する場合がある。
【0071】
RFシステムは、プラズマシステムにRF電力を供給するために使用されるRF信号の検知、特に測定を実行するための少なくとも1つのセンサを含んでもよい。測定は、特にRFシステム内の様々なポイントで、順方向電力および逆方向電力および/またはRF電流および/またはRF電圧の形態でRF信号を測定することを含む場合がある。RF生成装置の出力電力を調整することも意図されており、この目的のために、特に生成装置の出力におけるRF波形の形態でRF信号がセンサによって測定される。方向性結合器を使用して、順方向波形と逆方向波形をセンサに提供してもよい。したがって、RF信号はアナログ信号であってもよく、その後、特定のサンプルレートを有するADCによって変換されて、デジタルリアルタイム入力信号が提供される。同様に、他のセンサ、例えばインピーダンス整合ネットワーク内の、例えば位相振幅センサ、電圧電流センサ、DCバイアスセンサ、またはプラズマチャンバに直接設置されたセンサ、例えばラングミュアプローブまたは光センサは、RF電圧および電流、プラズマのDC自己バイアス、またはプラズマスペクトル内の特定のスペクトル線の強度など、様々なパラメータを測定することができる。これらの測定は、プラズマへの電力伝達を最大化するために調整可能な要素を制御するために使用され、またはプラズマの特性を特徴付けるために使用される。測定されたパラメータは、リアルタイム入力信号として提供されてもよく、トレーニング入力信号として表わされてもよい。
【0072】
プログラマブル回路は、プログラマブル論理デバイス、例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、またはFPGAとして構成されてもよい。
本発明によれば、特にプログラム可能な回路が、少なくとも部分的に、少なくとも1つの異常の特徴を識別するために、特に(人工)ニューラルネットワークのアプリケーション、好ましくはニューラルネットワークを使用したパターン認識またはパターンマッチングを含む検出手順を実行することにより提供されてもよい。検出手順は、入力信号、特にアナログ信号を測定することによって得られた測定データの評価を提供してもよい。
【0073】
パターン認識またはパターンマッチング、または好ましくは入力信号内の少なくとも1つの異常の特徴を識別するためのアルゴリズムにおいて、特にアーク検出において、以下の様々なアルゴリズムを使用することができる。
・統計的パターン認識アルゴリズム、これは、測定されたデータを処理して、平均値および標準偏差、相関係数、ノイズレベル、偏差の振幅および方向、特にゆっくりと変化する背景パターンおよび速く変化する異常などの一連の特性を取得することができる。そのようなアルゴリズムを特定の入力信号に適合させて異常の最適な検出および分類を行うには、偏差のしきい値および相関係数などのパラメータを使用することができる。さらに、各特徴が調整可能な重みを有することができるいくつかの特徴の組み合わせを使用して、異常の正確な検出および分類を改善してもよい。
・テンプレートマッチングアルゴリズム、これは、入力信号が特定の構造を含む間隔に分割され、その後、格納された異常のテンプレートと比較することができる。入力信号を意味のある間隔、例えば定常状態の動作の期間と、平均および/またはノイズレベルからの大きな偏差を有する期間とに分割するためのパラメータは、格納されたテンプレートとの類似性を有する特徴の最良の検出のために最適化されてもよい。さらに、テンプレートと比較できるように入力信号を正規化するために使用されるスケーリング係数またはスケーリング係数範囲も、変更し、および最適化することができるパラメータである。さらに、相関係数のしきい値の変動は、さらなるアルゴリズムの最適化のために使用することができる。
【0074】
従来の決定論的アルゴリズムの代替として、ニューラルネットワークを使用して、入力信号から自動的に特徴を抽出し、それらを分類することができる。特に、時系列の分析およびアークのような異常の検出には、以下のようなネットワークを使用することができる。
・入力層、1つ以上の隠れ層、および出力層を含むフィードフォワード人工ニューラルネットワーク、例えば、非線形活性化関数を有する多層パーセプトロン(MLP)ネットワーク、
・特に時系列入力信号の局所相関を利用するための畳み込み層を含む畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、
リカレントニューラルネットワーク、特に長短期記憶(LSTM)ネットワークは、長時間にわたって目立たないような入力信号の個々の異常を識別し、および予測するのに適する。
【0075】
ニューラルネットワークが入力信号のパターン認識に使用される場合、ニューロンの重み、活性化関数のしきい値、または非線形活性化関数の形状を制御するパラメータは、異常の特徴の最適な検出および分類のために、ニューラルネットワークを最適化するために変更することができるパラメータである場合がある。これらのパラメータの最適化に関するニューラルネットワークのトレーニングには、勾配法を使用した逆伝播が使用される場合がある。
【0076】
入力信号の処理に使用することができるアルゴリズムまたはニューラルネットワークのトレーニングにおいて、すなわち、特に機械学習手順において、トレーニングデータセット、すなわち多数の既存の入力信号を(本発明に係る少なくとも1つの入力信号として)使用することができ、以下の要素の少なくとも1つを使用することによって生成し、および提供することができる。
・検出される様々な異常のそれぞれは、異常トレーニングデータセットに異常のある入力信号および異常のない入力信号の両方が含まれるように、トレーニングデータセット内の十分な数の記録された入力信号、例えば10%または20%によって表される必要な場合がある。
・特定の異常は、プラズマプロセスまたはRF電力供給システムの適切なパラメータによって人為的に引き起こされ、通常の動作と比較してより頻繁に、またはより高い強度で発生する場合がある。このようにして、特定の異常を有する多数の入力信号を短時間で記録することができる。
・例えばエンジニアによって評価され、記録された特定の異常を有する入力信号は、特徴をスケーリング、シフト、拡張、圧縮、および/またはオフセットすることによって、特定の特性を有するノイズを追加することによって、ゆっくりと変化するベースラインを追加することによって、またはフィルタリング操作によって、より多くの類似した入力信号のセットを自動的に生成するために使用されてもよい。このようにして、類似した異常を有する入力信号のバッチを生成し、トレーニングデータセットに含めることができる。
・さらに、より長い時間スケールにわたって検出可能な特定の異常、例えば特定の構成要素の劣化を示す特徴的な傾向をシミュレーションから生成し、トレーニングデータセットに追加される入力信号に変換することができる。
・トレーニングデータセットに格納された入力信号のそれぞれは、それぞれの正しい分類および/または処理の期待される結果によって補完することもできる。トレーニングモードでは、トレーニングセット内の全ての信号について、処理結果と期待される結果との間の偏差を最小化するようにパラメータを変更することができる。
【0077】
特にトレーニングモードでは、少なくとも1つの入力信号は、複数の事前に定義されたバッチまたは複数の既存の入力信号(すなわち、以前に記録された、または例えばシミュレートされた)を含むことができる。入力信号のそれぞれは、無線周波数(RF)信号に関連付けることができ、すなわち、実際のRF信号またはシミュレートされたRF信号に特有であるか、またはそれを表すことができる。例えば測定されたRF信号からデジタル表現を生成することによって、測定されたRF信号から簡単に導き出すこともできる。さらに、各入力信号は既知のパターンを含む場合があり、対応する基準結果がこの既知のパターンを示す場合があるが、これについては以下で詳しく説明する。既存の入力信号は、特有の機能を含み、および/または対応する基準結果を提供することができるため、基準または基準信号として考えることができる。構成の最適化、すなわちプログラマブル回路の最適なパラメータ化の学習は、基準結果と処理結果とを比較することによって達成することができる。基準結果は、ターゲット波形、ターゲット周波数、または所望のパターン検出結果を含むことができる。比較は、基準結果と処理結果との間の不一致度を示す適切なメトリックを使用することによって達成することができる。
【0078】
少なくとも1つの入力信号を、入力信号のバッチの形態で、すなわち、(少なくとも)第1の入力信号および第2の入力信号、特に少なくとも10または100または1000のさらなる入力信号で提供した後、トレーニング手順ともいう処理手順は、以下の処理フローを含むことができる。
・第1の処理ステップでは、第1の構成を使用して第1の入力信号を処理し、第1の構成を使用して第2の入力信号を処理し、および第1の構成を使用してさらなる入力信号も処理し、それによって第1の構成に対する第1の処理結果を取得し、
・第2の処理ステップでは、第2の構成を使用して第1の入力信号を処理し、第2の構成を使用して第2の入力信号を処理し、および第2の構成を使用してさらなる入力信号も処理し、それによって第1の構成に対する第2の処理結果を取得し、
・さらなる処理ステップでは、さらなる構成を使用して第1の入力信号を処理し、さらなる構成を使用して第2の入力信号を処理し、およびさらなる構成を使用してさらなる入力信号も処理し、それによってさらなる構成のそれぞれに対する対応する処理結果を取得する。
【0079】
したがって、処理は異なるパラメータ構成で繰り返され、処理ごとに構成が変更される。トレーニング手順では、構成の変更(したがってパラメータの変更)は、勾配降下法またはバックプロパゲーション技術などの確立された方法によって行うことができる。
【0080】
本発明の範囲において、プログラマブル回路が、プログラマブル集積回路、好ましくはデジタル信号プロセッサ(DSP)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として構成されると、有利である場合がある。あるいは、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)または別の集積回路のような固定回路として構成されてもよい。一般に、任意のコンピュータまたはコントローラ(例えば、PC、マイクロコントローラ、DSP、CLPD、FPGAなど)を、特に機械学習手順による機械学習に使用することができる。特にFPGAは、高速リアルタイムデジタル信号処理に適しており、機械学習手順を高速化することができる。さらに、プログラマブル回路、特にFPGAを使用することで、柔軟で自動化されたトレーニングが可能になる。プラズマアプリケーションなどの無線周波数システムの多くのアプリケーションは様々な方法で進化しており、FPGAソリューションには、適応した処理を必要とする将来のアプリケーション、例えば、まだ知られていないフィルタ設計に、同じハードウェアアーキテクチャで処理できるという利点がある。対照的に、ASICなどの固定回路は、変更するか、または完全に再設計する必要がある。これは、作業量もコストも増えてしまう。本発明に係る方法は、好ましくは、より高度なフィルタ構成を含む可能性のあるソフトウェアアップグレードを介して簡単に新しい構成を追加できる。ユーザは、新しいアプリケーションのために、これらの構成の1つを選択することができる。
【0081】
さらに、本発明の範囲内で、本発明はさらに以下を任意選択で含むことが可能である。
・少なくとも1つの決定されたパラメータ結果を使用して、同じまたは別のプログラマブル回路をパラメータ化し、
・無線周波数システムの無線周波数信号を検知し、
・少なくとも部分的にパラメータ化された回路による検知された無線周波数信号の処理を使用することによってデジタル信号処理を実行し、
・検知およびデジタル信号処理を繰り返し実行することによって無線周波数信号を監視することであって、好ましくは、処理手順は、トレーニング入力信号として既存の信号を使用して、処理のトレーニングモードにおいてプログラマブル回路のパラメータ化を実行するために使用されるトレーニング手順ということができ、および/または、メモリから取得され、トレーニングモードにおいて以前に決定された可能性のあるパラメータ化を使用して構成することができるが、一方で、特に監視は、無線周波数信号がリアルタイム入力信号として検知され、処理される処理のリアルタイムモードにおいて実行される。
これは、無線周波数システムを実際にリアルタイムで使用することができ、トレーニングモードからリアルタイムモードに処理を切り替えることができることを意味する。
【0082】
後の時点で、無線周波数システムをリアルタイムモードからトレーニングモードに戻すことができ、追加の既存の信号、例えば以前に記録された信号またはシミュレートされた信号を繰り返し処理することでパラメータ化をさらに最適化することができる。
【0083】
特に、プログラマブル回路が、既存のトレーニング信号を繰り返し処理して、入力信号のリアルタイム処理およびリアルタイム処理モードの最適な構成を決定することによるシステムのトレーニングの両方を可能にすることは、本発明の利点である。既存の信号は、以前に記録された信号、またはコンピュータでシミュレートされた信号などであってもよい。
【0084】
これら2つの機能により、RFシステムは非常に汎用性が高くなり、ハードウェアおよびアルゴリズムを変更することなく、新しいプラズマ処理条件を処理したり、新しい状況を検出したりするようにトレーニングを行うことができる。プログラマブル回路のパラメータ化のみが変化する。外部コンピュータを使用して測定された信号を分析し、改善された構成を決定する代わりに、実際のRFシステムをトレーニングモードに切り替えることで、そのような最適化された構成を実際のRFシステム自体で決定することができる。このように、RFシステムのプログラマブル回路は、機械学習が可能なシステムまたはオンデバイス推論フレームワークの特性を有して、両方とも新しいアプリケーションに適応することができる。
【0085】
本発明のさらなる利点は、採用されたプログラマブル回路、特にFPGAが、標準的なコンピュータおよびMatlab /Simulinkなどのツールを使用する標準的なモデルシミュレーションと比較して、デジタル信号処理の実行がはるかに速く、例えば10,000倍から100,000倍速いことである。
【0086】
パラメータ結果は、最適化されたパラメータセット、すなわち、処理手順を使用して最適化された少なくとも1つのパラメータのそれぞれの構成を含むことができるので、プログラマブル回路は、パラメータ結果のこのパラメータセットを使用してパラメータ化されてもよい。結果として、本発明に係る方法は、第1のステップで少なくとも1つのパラメータの高度に加速された最適化を使用することによって、改善されたデジタル信号処理を達成する。リアルタイム動作の第2のステップでは、処理手順およびプログラマブル回路が使用され、デジタル信号処理のためのパラメータセットの選択がより迅速かつスマートになる。リアルタイム動作中に検知された無線周波数信号のデジタル信号処理のために、プログラマブル回路は、検知された無線周波数信号からアナログデジタル変換器によって変換された少なくとも1つのリアルタイム入力信号を受信することができる。
【0087】
さらに、少なくとも1つのパラメータを最適化するための回路は、無線周波数システムのリアルタイム動作における最終的なアプリケーションの場合と同じにすることができる。
【0088】
さらに、本発明の範囲内において、処理手順で処理された少なくとも1つの入力信号が、少なくとも1つのトレーニング入力信号として構成され、方法がさらに以下を含むことが考えられる。
・以前に決定されたパラメータ結果を使用して少なくとも1つのパラメータを構成することによって、プログラマブル回路のパラメータ化を完了し、好ましくは、その構成がその後に固定され、
・処理をトレーニングモードからリアルタイムモードに切り替えることであって、特にリアルタイムモードでは、リアルタイム入力信号は、特にリアルタイム信号のフィルタリングのために、固定された構成を使用してプログラマブル回路によってリアルタイムに処理され、好ましくは、リアルタイム入力信号は、少なくとも1つのセンサによって検知された無線周波数信号を少なくとも1つのリアルタイム信号に変換する少なくとも1つのアナログデジタル変換器から受信される実際に測定された信号として構成され、
・処理をリアルタイムモードからトレーニングモードに切り替えることであって、好ましくはトレーニングモードにおいて、処理されたトレーニング入力信号として少なくとも1つの追加のトレーニング入力信号を使用して処理手順を再度実行することによって、既存の以前に固定された構成がさらに最適化され、新たに決定されたパラメータ結果と以前に決定されたパラメータ結果との比較に応じて、新たに決定されたパラメータ結果を使用して少なくとも1つのパラメータを構成することによって、プログラマブル回路の再パラメータ化が実行される。
これにより、既存のパラメータセットをさらに最適化することができる。ユーザは、システムをトレーニングモードに再度切り替えて、既存の構成に対する基準入力信号および基準結果をさらにロードするかどうかを決定できる。ロードまたはアップロードは、電子インターフェースまたはユーザインターフェースを介して実行することができる。代替的または追加的に、追加の基準入力信号および基準結果は、RFシステム自体によって記録され、後にトレーニングモードで使用するためにリアルタイム動作でメモリに直接ロードされてもよい。その後、パラメータ構成の古いセットと新しいセットとが評価され、続いて、より良いパラメータセットがメモリに格納される。さらに、リアルタイムモードからトレーニングモードに切り替えることで、後の時点で新しい状況のトレーニングが可能になる。すなわち、トレーニングモードに切り替え、新しい基準入力信号および基準結果をメモリにロードし、最適化されたパラメータセットを決定してメモリに保存する。
【0089】
新しい基準入力データを用いたトレーニング結果を既在のパラメータ構成の最適化に使用する、すなわち、既存のパラメータ構成を最適化されたパラメータ構成で上書きする、または、最適化されたパラメータ構成を新たなアプリケーションに使用し、別のパラメータ構成としてメモリに格納し、特に新たなアプリケーションに使用する場合、ユーザが電子インターフェースを介してRFシステムに指示することも可能である。
【0090】
本発明の方法の別の実施形態によれば、少なくとも1つの入力信号の繰り返し処理は、繰り返し処理ステップによって実行され、各ステップにおいて、同じ少なくとも1つの入力信号が、変更された構成を使用しながら同じプログラマブル回路によって処理され、それぞれの処理結果が変更された構成に特有であり、および/または変更された構成に割り当てられ、特に少なくとも1つの入力信号が、1つまたは複数の所定の基準入力信号として提供され、それぞれの基準入力信号に対して、対応する入力信号の処理の所望する結果を表す基準結果が提供され、処理結果に基づく構成の最適化のための少なくとも1つのパラメータ結果を決定することは、次を含む。
少なくとも1つの基準入力信号について取得された処理結果のそれぞれを、対応する基準結果と比較することによって、変更された構成を評価することであって、好ましくは、評価は、処理結果と基準結果との一致に依存し、特に、処理結果と基準結果との間の偏差を特定する。換言すれば、構成を変更することでパラメータを最適化することができる。同じ少なくとも1つの入力信号の繰り返し処理が使用され、異なるパラメータ値という意味で異なる構成が適用されてもよい。その結果、処理結果はおそらくわずかに異なるものとなる。それぞれの処理結果を使用して、前記処理結果を取得するために使用された特定の構成のパフォーマンスを評価することができる。
【0091】
特に、本発明の範囲で言及される基準、基準入力信号および/または基準結果は、基準データとも呼ばれる。
【0092】
また、評価を使用することにより、パラメータ結果が、全ての基準入力信号に対する基準結果からの偏差が最小となる処理結果をもたらすパラメータセットを含むことができるという意味で、構成の最適化を提供することができる。構成の最適化は、パラメータの最適化とも呼ぶことができる。したがって、処理手順は、トレーニング手順および/または最適化手順と呼ばれる場合がある。少なくとも1つの所定の基準入力信号および対応する基準結果は、トレーニングデータと呼ばれる場合がある。その後、決定された少なくとも1つのパラメータ結果は、第2の基準データ(新しい入力信号および対応する基準結果を含む)のセットに対して処理および処理結果の評価を再び実行することによって検証することができる。このようにして、パラメータ構成をトレーニングデータに過剰適合させる問題が回避される。
【0093】
処理結果に基づいて構成を最適化するための少なくとも1つのパラメータ結果を決定することは、本発明の範囲内で提供することができ、以下を含む。
・少なくとも1つの決定されたパラメータ結果として、最も高い評価を有する少なくとも1つの構成を選択し、
・特に、改善されたデジタル信号処理のために少なくとも1つの決定されたパラメータ結果を提供することは、
・少なくとも1つの選択された構成を使用して、同一または別のプログラマブル回路をパラメータ化する、
・ここで、好ましくは、前記少なくとも1つの所定の基準入力信号および対応する基準結果は、デジタル信号処理の異なるアプリケーションに対する複数の所定の基準入力信号および対応する基準結果を含み、その結果、処理結果に基づいて構成を最適化するための前記少なくとも1つのパラメータ結果を決定することが、アプリケーションごとに個別に実行され、好ましくは、前記少なくとも1つの決定されたパラメータ結果を提供することは、選択された構成をメモリに格納することを含み、同じまたは別のプログラマブル回路をパラメータ化することは、アプリケーションに応じて、格納された構成から使用される構成を選択することを含む。
換言すれば、異なるデジタル信号処理アプリケーションに対して、異なるトレーニングデータセットを提供することができる。これにより、異なるアプリケーションのためのパラメータセットを切り替えることができる。
さらなる可能性では、少なくとも1つの入力信号は、複数の既存の入力信号(「信号のバッチ」ともいう)として構成され、好ましくは、処理手順は、繰り返し処理ステップを含み、各処理ステップは、以下を含む。
・同じ入力信号を次々に処理し、
・制御回路によって、この処理ステップで使用される少なくとも1つのパラメータの構成を設定し、
・この方法は、さらに、以下を含むことができる。
・各処理ステップの後に、制御回路によって、所定の基準結果からの処理結果の偏差を評価し、
・各評価の後に、前記評価に基づいて、次の処理ステップのために使用される少なくとも1つのパラメータの構成を修正し、
好ましくは、制御回路は、プログラマブル回路と電気的に接続され、
プログラマブル回路とは別に構成され、
特に、使用される少なくとも1つのパラメータの構成が、異なる処理ステップごとに変更され、改善されたデジタル信号処理の構成を繰り返し最適化する。
制御回路または制御ユニットは、トレーニングデータ、例えば少なくとも1つの入力信号および/または既存の入力信号の複数のバッチおよび/または対応する基準結果を含むメモリにアクセス可能である、プログラマブル回路とは別の追加の制御プロセッサとして構成されてもよい。既存の入力信号は、以前に記録された信号またはシミュレートされた信号などであってもよい。制御回路もプログラマブル回路上に実装することができる。プログラマブル回路はFPGAであってもよい。少なくとも1つの入力信号の提供、特に処理手順のためのトレーニングデータの選択(例えば、トレーニングされるべきアプリケーションに基づく)、および/または処理手順内の構成の変更は、プログラマブル回路自体によってではなく、制御回路によって直接実行されなくてもよい。例えば、処理の繰り返しごとに、制御回路は、入力信号および/または変更された構成をプログラマブル回路に供給することができる。その後、制御回路は評価を実行し、その評価に応じて構成の次の変更を決定することができる。トレーニング手順を加速するために、評価がプログラマブル回路によって少なくとも部分的に実装されることも可能である。
【0094】
代替的にまたは追加的に、プログラマブル回路は共有メモリに直接接続することができ、またはメモリの少なくとも一部がプログラマブル回路によって実装されてもよい。この場合、制御回路は、メモリのどのアドレス範囲からトレーニングデータをロードするかをプログラマブル回路に指示することができる。その後、プログラマブル回路は、メモリに直接アクセスし、トレーニングデータを次々にロードして処理し、処理結果を評価することができる。この方法には、メモリからの読み出しを大幅に高速化することができるという利点がある。
【0095】
処理手順は、無線周波数システムアプリケーションにおける異なる特定の状況に対して繰り返し構成を最適化するためのトレーニング手順として構成され、その結果、異なる状況に対して決定されたパラメータ結果は、これらの異なる状況に対して異なる最適化されたパラメータセットとして構成されることが、本発明の範囲においてさらに提供されてもよい。異なる状況は、異なるデジタル信号処理アプリケーションであってもよい。異なるパラメータセットは、これらの異なる状況に適応した異なる構成を含むことができる。これにより、与えられた状況に応じてパラメータセットを柔軟に切り替えることができる。したがって、トレーニング手順は、異なる状況に最適化されたパラメータセットをもたらすことができる異なる状況のトレーニングを可能にする。
【0096】
別の有利な実施形態では、少なくとも1つの入力信号は、時間的な信号経過、好ましくは瞬間値および履歴値、特に無線周波数信号の測定値またはその信号から得られる測定値を含み、処理結果は信号経過の処理によって取得され、信号経過における特定のパターンの検出の確率が示される。したがって、入力信号の瞬間値を考慮するだけでなく、最新の時点より前の特定の時間間隔からの一連の値も処理され、検出の確率、すなわち、期待結果を計算することができる。トレーニングモードでは、瞬間値および履歴値が事前に定義され、および/または以前に記録されている場合がある。しかしながら、リアルタイムモードでは、リアルタイム入力信号は、時間的な信号経過、好ましくは瞬間値および履歴値、特に無線周波数信号の測定値または無線周波数信号に由来する信号の測定値を含むこともできる。言い換えれば、リアルタイムモードでは、処理は、無線周波数信号の瞬間的な測定値だけでなく、最新の測定ポイントよりも前の特定の時間間隔からの一連の値も考慮される。これにより、確率的評価など、異なるアプリケーションでの処理の使用を可能にする。
【0097】
少なくとも1つの入力信号、すなわちトレーニング入力信号および/またはリアルタイム入力信号は、少なくとも1つのデジタル信号として構成されてもよい。デジタル信号は、検知されたアナログRF信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器によって提供されてもよい。デジタル信号は、検知されたRF信号をデジタル化された表現とすることができ、したがって、測定されたRF信号の瞬間的な振幅を記述するデータポイントの1次元アレイとして扱うことができる。時間的に連続した測定の場合、最新のデータポイントが最新の測定値を表すように、アレイをさらに拡張できる。測定の時間的な測定レート、したがってアレイの拡張の時間的な測定レートは、デジタルアナログ変換器のサンプリングレートに依存する場合がある。常に最新のデータポイントで終わる特定の長さのタイムフレームを選択することにより、アレイの一端から古いデータポイントをシフトし、新しいデータポイントをアレイの他端に追加することによって、デジタルアナログ変換器の測定レートまたはサンプリングレートで更新される一連の1次元アレイを取得することができる。
【0098】
特にリアルタイム測定では、危機的な状況を特定し、実際に望ましくない事象に進行する前に、それに対処する必要もある。このような方法は、電気機器における過電圧または過電流状況の処理、またはプラズマ処理中のアーク事象の管理に特に有用である。その結果、特定のパターンの存在に関する測定データのストリームを継続的に分析することが必要になる場合がある。
【0099】
有利には、本発明に係る方法は、検知された無線周波数信号および/または少なくとも1つの入力信号における少なくとも1つのパターンの検出をさらに含む。特定の状況の検出の信頼性を向上させるために、各信号において少なくとも1つのパターンが特定の時点で存在するように、いくつかのセンサで測定された無線周波数信号を組み合わせて使用することができる。例えば、事象の検出を成功させるには、2つのRF信号において特定のパターンが同じ時点で、または一定の時間遅延を挟んで検出されることが必要な場合がある。したがって、少なくとも2つの信号を組み合わせて評価することにより、1つの信号のみを評価した場合に発生する可能性のある測定アーチファクトまたは干渉による誤検知を回避することができる。
【0100】
特に、「パラメータ化された回路によって検知された無線周波数信号の処理を少なくとも部分的に使用することによってデジタル信号処理を実行すること」および/または「少なくとも1つの入力信号がプログラム可能な回路によって繰り返し処理される処理手順を実行すること」は、それぞれ、検知された無線周波数信号および/または少なくとも1つの入力信号における少なくとも1つのパターンの検出を含む。検知された無線周波数信号は、リアルタイム入力信号として、したがって、上述のようにデジタル信号表現として構成されてもよい。したがって、少なくとも1つの入力信号も処理手順内で使用され、それはトレーニング入力信号として構成されてもよく、したがって、上述のようにデジタル信号表現として構成されてもよい。どちらの場合も、処理は、好ましくはパターン認識の形式で、少なくとも1つのパターンの検出を提供するように設計されてもよい。したがって、構成は、パターン検出のための構成、特にパターンマッチングアルゴリズムまたはパターン認識アルゴリズムの構成、および/またはニューラルネットワークの個々のニューロンの重みの構成であってもよい。パターンマッチングアルゴリズムまたはパターン認識アルゴリズムは、ニューラルネットワークよりも技術的に使用が複雑ではないという利点がある。しかしながら、ニューラルネットワークは、状況によっては、単純なパターンマッチングアルゴリズムよりもノイズの多い信号または変動する信号のパターンをより確実に検出することができる。両方を組み合わせることも可能である。したがって、構成可能なパラメータは、ニューラルネットワークのアルゴリズムまたはニューロンのパラメータとして構成されてもよい。また、処理手順は、機械学習および/またはニューラルネットワークのトレーニングのための機械学習手順として構成されてもよく、もしくは含んでもよく、または機械学習手順の一部として構成されてもよく、デジタル信号処理は、トレーニングされたニューラルネットワークのアプリケーションに関連する場合がある。構成の最適化のための少なくとも1つのパラメータ結果は、ニューロンの重みのセットの形態でトレーニング結果としてさらに構成されてもよい。事象の発生は、少なくとも1つのパターンの検出に基づいて検出および/または予測されてもよい。
【0101】
また、検出または予測に基づいて動作が開始されることが提供されてもよい。特に、パターン検出の結果は、パターンの発生確率である。さらに、または代替的に、検出および/または検出に基づく予測は、事象の発生確率の決定を含む。動作の開始は、この確率としきい値との比較に依存する場合がある。これは、特に事象の完了前に動作を開始することを可能にする。動作は、RFシステムのシャットダウンなど、事象の発生に対抗するための修正動作であってもよい。
【0102】
より高度な実施形態では、事象の確率的な検出または予測は、いくつかの条件に基づくことができる。これは、特定の期間における事象の発生確率の推移を監視することによって実施することができる。単に瞬間的な確率値をしきい値と比較することによって事象を検出するのではなく、より信頼性の高い検出のための追加条件として、例えば、以下を挙げることができる。
・特定の期間において、特定のしきい値を一貫して超える確率値。
・特定の期間において、特定のしきい値を超える平均確率値。
・確率値が特定のしきい値を超えた後、増加する確率値。
・しきい値を超えた特定の期間内の確率値の導関数。
・いくつかの監視信号について決定された確率値の相関。
・上記の1つ以上とさらなる条件との任意の組み合わせ。
【0103】
より複雑な条件の助けを借りて、事象の検出の信頼性を高め、確率値の瞬間的な変動への依存を少なくすることができる。有利なことに、確率値の監視期間を十分に短く選択することにより、動作を開始することによって事象が完了する前に、事象を抑制することができる。したがって、システムのトレーニングは、可能な限り早い事象の検出および/または可能な限り正確な事象の分類に関するパラメータ化を含むことができる。その結果、パラメータ化においてより高い重み付けを行うことができる。
【0104】
少なくとも1つのデジタル信号において、特に上述のようなラインアレイの形態で、特定のパターンを検出することができることを提供することができる。好ましくは、パターンの検出は、デジタル信号としてトレーニング入力信号を使用してトレーニングされ、および/またはデジタル信号としてリアルタイム入力信号を使用してリアルタイムで実行される。後者は、パターンの検出に基づいてRFシステムの動作中の事象を識別することを可能にする。事象は、RFシステムまたはプラズマ処理システムで発生し、RFシステムのシャットダウンなどの動作を必要とする問題に関連する場合がある。さらに、事象は、RFシステムまたはプラズマ処理システムの特定の構成要素の劣化を示す場合もある。事象は、例えば、電子インターフェースまたはユーザインターフェースを介して提供することができる特定のアナログ信号またはデジタル信号を介してユーザに通知することによって報告することができ、ユーザが追加の修正動作で状況に対応することができ、または修理および/または予防保守を後の時点にスケジュールすることができる。
特定のパターンは、上述のような干渉、および/または異常および/または特性の変化を含んでもよい。これらのパターンは、プラズマ処理、プラズマ処理システム、またはRF電力供給システムにおける特定の現象に関連している可能性がある。RF信号が連続した測定によって繰り返し検知される場合、デジタル信号は連続的に検出される信号を表す。デジタル信号、特に結果として得られる1次元アレイのシーケンスを連続的に処理することにより、特定のパターンの時間的変化を監視することができる可能性がある。
【0105】
RF電力信号の周期的なパルス変調の場合、例えば、パルスモード動作における2つのレベル間の切り替えのようなRF電力の急激な変化は、パターンマッチングアルゴリズムおよび/またはニューラルネットワークによって偽のアーク事象として記録される場合がある。特に、少なくとも2つの信号を組み合わせて評価する場合でも、このような意図的な電力変化をアーク事象としてフラグ付けすることができる。同様に、RF電力をオンにしてプラズマが最初に点火される場合も、アーク事象がフラグ付けされる場合がある。
【0106】
そのような誤検出を避けるために、パターンマッチングアルゴリズムおよび/またはニューラルネットワークによる異常の検出は、プラズマ処理レシピまたはパルスパターンがRF電力レベルの切り替えを必要とするたびに、短時間(「デッドタイム」)オフにすることができる。このようにして、一定のRF電力の期間内に発生する実際のアーク事象のみを検出することができる。
【0107】
また、人工ニューラルネットワークを使用することにより、完全に進行した特定のパターンの検出は、個々のニューロンの重みを最適化することによって学習することができ、最適化された重みのセットを使用して、ネットワークは特定のパターンの発生をリアルタイムで認識することができる。事象が完全に完了する前に事象を検出するために、リアルタイムの入力信号またはデータストリームにおける特定のパターンの確率を生成するニューラルネットワークの適切な出力関数を選択することができる。
【0108】
基準パターンと実際に測定された信号データのストリームとの間の相互相関を計算することによっても、同じ結果を達成することができる。基準パターンは、信号波形に対して時間的に連続的にシフトする。
【0109】
事象が完全に進行した場合、パターンは1に近い確率で認識される。しかしながら、その時点より前に、計算された確率は既に0または0に近い状態から1に向かって徐々に増加している。確率が、ユーザ調整可能な特定のしきい値、または上記のいくつかの条件の組み合わせを超えるとすぐに、事象が実際に完了する前に事象を報告することができる。このようにして、望ましくない、または悲惨な事象と相関する測定データのストリームの異常を、事象が発生する前にフラグ付けをすることができる。この場合、事象の完全な進行を回避し、重大な結果を低減および/または抑制するための対策を開始することができる。確率しきい値および上記のようなさらなる条件は、事象の種類ごとに個別に設定することができる。例えば、悲惨な事象は低いしきい値で処理することができ、一方で、小さな異常の事象はより高いしきい値で処理することができる。重大な異常に対して低いしきい値を使用する利点は、事象が完全に進行する前に修正動作を実行するための時間が長くなることである。一方、しきい値を高くすると、より高い精度で事象を分類することができる。
【0110】
例えば、プラズマ処理システム内の半導体ウェハの表面でのアークは、ウェハ上の1つ以上のチップの重大な欠陥および損失を引き起こす可能性がある。アークが十分に強い場合、プラズマ処理シーケンスが大きく妨害され、その結果、ウェハ全体が廃棄される場合がある。したがって、このような壊滅的なアーク事象の場合、事象を早期に抑制できるように、低い確率しきい値が有利である。アークが完全に進行する前にアークを抑制するためのこの確率的手法の使用例については、以下でさらに説明する。別の例では、それ程重大ではない事象に対しては、高い確率しきい値の方がより適切である可能性がある。成膜処理に使用されるプラズマチャンバでは、半導体ウェハだけでなく、プラズマチャンバの一部も堆積層でコーティングされる。多数のウェハを処理した後、これらのチャンバ部品はますます厚くなる堆積材料の層で覆われ、そこからパーティクルが落ちる可能性がある。プラズマ処理中、このようなパーティクルは、ある程度まで許容できるプラズマの異常を引き起こす可能性がある。それにもかかわらず、事象に関連する全てのパーティクルを正確に分類し、計測し、事象に関連するパーティクルの数がしきい値を超えた場合に、予防保守、この場合はチャンバのクリーニングを開始することができるようにすることが重要である。この場合、高い確率しきい値により、パーティクルに関連する事象を他の異常から分離することができ、したがって、偽のパーティクル事象の計測によって引き起こされるチャンバの早すぎるクリーニングを回避することができる。
【0111】
検出後に、検出された異常の異なる異常クラスへの分類が実行される可能性がある。分類は、検出と同じ方法でトレーニングされてもよく、すなわち、例えば、機械学習手順を実行して分類をトレーニングすることができ、検出された異常が、検出された異常をプログラマブル回路によって処理して、検出された異常を異なる異常クラスへの分類をトレーニングすることができる。入力信号の異常の検出、およびこれらの異常の異なる異常クラスへの分類は、通常の動作から逸脱した特定の態様、またはRF電力供給システム、プラズマシステム、またはプラズマプロセスの誤動作に関連している可能性があり、検出アルゴリズムまたはニューラルネットワーク内の様々な信号前処理技術を含むことができ、これにより、前記信号処理技術は、例えば、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・ゆっくりと変化するベースラインの変動およびオフセット(異常のない通常の入力信号でも観察される場合がある)の減算
・入力信号を正規化された異常パターンと比較する前のスケーリング操作(時間的および/または振幅的に)
・特に複数の入力信号を組み合わせて評価する場合、異常を調整するための、例えば、時間的オフセットの加算または減算などの時間領域でのシフト操作
・少なくとも2つの入力信号間の相関の計算
・フィルタリング操作などによるバックグラウンドノイズの除去
・入力信号からの少なくとも1つの特定の周波数範囲の除去
上述の技術の1つ以上によって入力信号を前処理した後、確率の計算を含む実際のパターン検出アルゴリズムを、結果として生じる正規化された入力信号に適用することができる。
【0112】
最適化されたニューラルネットワークのプログラマブル論理デバイス、例えばFPGAへの実装は、ニューラルネットワークの全ての部分を対応する論理構成要素に転送することができるため、簡単である。同様に、シフトレジスタと単純な論理演算を使用して、パターンマッチングアルゴリズムをFPGAに簡単に実装することができる。ニューラルネットワークの構成やサイズの変更、またはパターンマッチングアルゴリズムの修正は、ハードウェアを変更することなく、新しい構成をFPGAにロードすることで行うことができる。
【0113】
アプリケーションが複数のパターンクラスの検出を必要とする場合、特定のクラスごとに最適化された複数の並列ニューラルネットワークまたはパターンマッチングアルゴリズムを設定することができる。1つの共通のニューラルネットワークまたはパターンマッチングアルゴリズムを使用して、例えば入力信号を異なる別個のステップにおいて、特にクラスごとに1つずつ順次評価することによって、複数のパターンクラスを検出することも可能である。この場合、ネットワークの出力として1つの確率値の代わりに、クラスごとに1つの確率のアレイが生成される。さらにパターンクラス検出を後で追加することもできる。必要に応じて、ニューラルネットワークのパラメータ化またはパターンマッチングアルゴリズムを、追加ティーチングによって最適化することができる。
【0114】
これにより、異なるアプリケーションのために異なる構成を保存し、状況に応じて起動することができる。特に、異なる構成間で迅速に切り替えることが可能であり、例えば異なる連続する処理ステップに対して次々に起動することができる。その後、インストールされたシステムでティーチングモードを作動することで、既存の構成をさらに最適化し、または追加の基準データによる新しい状況の学習が可能となる場合がある。したがって、パターンが完全に展開される前であっても、いくつかのパターンタイプに並行(同時)分類を適用することにより、測定された信号における確率的パターン認識も可能である。
【0115】
さらに、少なくとも1つの入力信号または既存の構成を本発明のシステム、特にプログラマブル回路、または制御ユニット、またはメモリにアップロードするために、電子インターフェースが提供されることも可能である。次に、本発明の方法は、アップロードされた既存の構成を使用して、プログラマブル回路をさらにパラメータ化する。入力信号が制御ユニットにアップロードされる場合、制御ユニットはプログラマブル回路に信号を供給する前に、信号をメモリにロードすることができる。少なくとも1つの入力信号を、複数の入力信号として構成することができ、アップロード後にメモリに格納される。
【0116】
電子インターフェースは、ユーザインターフェースとして構成されてもよく、ユーザが、少なくとも1つの入力信号、および/またはユーザ入力信号、および/またはユーザ構成、および/またはシステムをトレーニングモードからリアルタイムモードに切り替えるための制御信号、および/またはプログラマブル回路のパラメータ化のためにメモリに格納された特定の構成を使用する信号をアップロードすることを可能にする。アップロードされた入力信号は、一般に定式化されたトレーニングデータであり、直接もしくは制御ユニットを介してデジタル信号処理のためのプログラマブル回路に供給されてもよく、または直接もしくは制御ユニットを介してメモリに格納される。ユーザ入力信号とは、ユーザからの少なくとも1つの入力信号をいう。ユーザ構成は、ユーザが、例えばクラウドまたはオンサイトストレージ、またはユーザインターフェースに接続することができるリムーバブルデータキャリア媒体からインターフェースにロードする既存の構成であってもよい。ユーザ構成は、ユーザ入力信号に対して本発明の方法を使用することによって作成された構成であることもできる。一般に、トレーニングデータは、少なくとも1つの入力信号と、各入力信号に対応する基準結果と、を含むことができる。トレーニングデータは、特にトレーニング手順のために既存の(以前に記録またはシミュレートされた)データとして構成されてもよく、最初にメモリにロードし、最適化されたパラメータセットが見つかるまで(様々な繰り返しで)1つずつ処理することができる。アップロードされた既存の構成は、同じメモリおよび/または異なるメモリに格納することができ、および/またはアップロードされた既存の構成は、上述の任意の本発明の方法にしたがって既に実装された構成を上書きすることができる。アップロードされた既存の構成が同じメモリに格納されている場合、プログラマブル回路の補足/追加パラメータ化として機能することができる。アップロードされた構成を別のメモリまたはメモリ空間に保存する利点は、バックアップ構成が常に手元にあることである。また、ユーザが作成したもの以外の構成へのアクセスを制限することは、製造業者にとっても利点となる。この場合、構成の一部を安全で信頼できるメモリ空間にロードすることも任意選択である。別の構成をアップロードすることによってプログラマブル回路の構成を上書きする利点は、プログラマブル回路の新たなパラメータ化と、必要なメモリ空間の削減と、であってもよい。
【0117】
パラメータ構成および/または固定構成、および/またはメモリからおよび/またはプログラマブル回路からおよび/または制御ユニットからの少なくとも1つの入力信号および/またはデータにアクセスする、特に読み出しおよび/または書き込みおよび/または上書きするために、電子インターフェースを、提供することが可能である。しかしながら、電子インターフェースを介したアクセスを、例えば、特定のデータおよび/またはアルゴリズムもしくはニューラルネットワークの読み出しおよび/または上書きおよび/または交換が禁止されるように制限することも可能である。したがって、メモリおよび/またはプログラマブル回路および/または制御ユニットに格納されたデータまたは情報の一部は、例えば暗号化方法を使用することによってロックすることができる。言い換えれば、電子インターフェースを使用して、特定のアプリケーションで使用するためにメモリに格納される構成のアップロードを実行できる可能性がある。これらの構成は、適切なトレーニングデータを使用して同様の回路で実行されるトレーニング手順の結果であるとすることができる。特に、製造業者はユーザへの構成のアップロードを許可することができるが、同時に、基本的な工場出荷時の構成およびアルゴリズムまたはニューラルネットワーク自体をユーザによるアクセスから保護することができる。これには、ユーザが満足できない場合、またはシステムが新しい構成で動作しなくなった場合でも、工場出荷時の構成に戻すことができるという利点がある。
【0118】
プログラマブル回路、ユーザインターフェース、メモリ、および制御のみをトレーニングベンチとして使用することで、回路のパラメータ化のためのトレーニングおよび最適なパラメータセットの決定を実行することも可能である。完全な無線周波数システムのトレーニングモードと同様に、既にデジタル化されたトレーニングデータがメモリから読み出され、デジタル信号処理の入力信号として制御によって提供される。パラメータの変更と処理結果の評価も、完全なRFシステムと同じ方法で実行される。一般的な市販のFPGAを有するこのトレーニングベンチシステムは、標準的なコンピュータおよびMatlab/Simulinkなどのツールを使用した標準モデルシミュレーションと比較して、はるかに短時間で、例えば10,000~100,000倍速く、最適化されたパラメータ結果を決定することができる。
【0119】
無線周波数システムで使用される典型的なフィルタリングアルゴリズムまたはパターンマッチングアルゴリズムの最適なパラメータ化は、Matlab/Simulinkシミュレーションを使用した場合の実行時間が数時間または数日かかるのに対し、説明したトレーニングベンチシステムを使用すれば数分以内に決定することができる。
【0120】
例えば、500~1000層に配置された数千のニューロンを含む大規模なニューラルネットワークであっても、トレーニングベンチシステムは数時間以内に最適なニューロンパラメータのセットを決定することができる。さらに複雑なアルゴリズムまたはニューラルネットワーク、および/または非常に大規模なトレーニング入力データのセットの場合、プログラマブル回路の最適な構成の決定は、専用の高パフォーマンスのスーパーコンピュータで実行することができる。
【0121】
RFシステム自体、トレーニングベンチシステム、シミュレーションツールを使用した標準コンピュータ、または高パフォーマンスのスーパーコンピュータで、最適な構成を決定する上記の可能性とは独立して、決定された構成は、制御によってユーザインターフェースを介してRFシステムのメモリにアップロードすることができ、その後、特定のアプリケーションのために、RFシステムの入力信号をリアルタイムで処理することができるプログラマブル回路をパラメータ化するために使用することができる。
【0122】
同様に、1つのRFシステムで決定された構成は、ユーザインターフェースを介してエクスポートすることができ、同様のRFシステムにアップロードして、プログラマブル回路のパラメータ化に使用することができる。このように、第1のRFシステムの既存の構成を同じ種類の第2のシステムに実装することによって、第2のシステムの個別のトレーニングを回避することができる。したがって、既に最適化された構成のコピーを複数のシステムで使用できるため、新しいシステムを設定するときに時間を節約できるという利点がある。
【0123】
システム間の避けられない小さな変動によっては、新しいRFシステムのパラメータ化をさらに最適化することが必要になる場合がある。それにもかかわらず、このパラメータの最適化は、既知の良好な構成から開始する方が、全く新しいアプリケーションの場合であるデフォルトのパラメータ構成から開始するよりも、通常はより早く収束する。
【0124】
少なくとも1つの入力信号は、事前に定義された基準入力信号として構成することができ、それぞれに対して、所望の処理結果が、対応する所定の基準結果として提供される。トレーニングデータは、事前に定義された基準入力信号および対応する事前に定義された基準結果も含んでもよい。
【0125】
少なくとも1つの入力信号の処理を提供するために、回路が、回路の少なくとも1つの構成可能なパラメータによってパラメータ化されるアルゴリズムを実行することが可能である場合がある。インターフェース、特にユーザインターフェースは、処理が開始される前にパラメータの適切な構成を選択するために使用することができる。代替的に、または追加的に、インターフェースは、アプリケーション動作モードまたはリアルタイム動作モードからトレーニングモードへの切り替えに使用されてもよい。処理手順は、構成を最適化するための学習サイクルとして構成されてもよい。また、ユーザがインターフェースを制御して、基準入力信号および/または基準結果および/またはトレーニングデータを、メモリ、特に無線周波数生成装置のメモリにロードし、および/または学習サイクルを実行し、および/または学習サイクルを実行し、および/またはアプリケーションモードにおいて後で使用するために、新しいパラメータ構成をメモリに格納することも可能である場合がある。トレーニングモードでは、メモリを使用して、アプリケーションモードからのアナログデジタル変換器からの連続データストリームをシミュレートすることができる。したがって、メモリは制御回路と接続され、制御回路は、メモリから少なくとも1つの入力信号を読み出し、それをトレーニングモードにおいてプログラマブル回路に提供することができる。処理を加速するために、プログラマブル回路が少なくとも1つの入力信号をメモリから直接読み出し、デジタル信号処理を実行することも可能である。一方、アプリケーションモードまたはリアルタイム動作モードでは、プログラマブル回路をアナログデジタル変換器に直接接続して、入力信号をリアルタイム入力として受け取ることができる。
【0126】
少なくとも1つの入力信号が、少なくとも1000または少なくとも100万の異なる入力信号として構成され、入力信号のそれぞれが無線周波数信号に関連する少なくとも1つの波形を表し、処理がパラメータ構成に応じて波形を評価することを目的とされ、それによって、それぞれの処理結果が評価結果を構成することがさらなる選択である。これにより、処理のパフォーマンスをさらに向上させることができる。さらに、例えば制御回路によって制御される自動トレーニングは、少なくとも1つのパラメータの最適化を加速することができる。
【0127】
別の有利な実施形態では、プログラマブル回路は、アルゴリズムを使用して入力信号を振幅と位相とに分解するための論理要素を含んでもよく、アルゴリズムは変更された構成によってパラメータ化することができる。したがって、IQ復調、Goertzelアルゴリズム、離散フーリエ変換などのアルゴリズムは、多くのパラメータに依存する場合がある。例えば、IQ復調の場合、パラメータはデジタルフィルタの係数とすることができる。したがって、パラメータの構成は、これらのパラメータに対して選択された具体的な値とすることができる。
【0128】
また、変更された構成の評価は、変更された構成に関連する処理結果のそれぞれを所定の基準結果と比較することによって実行されることが考えられ、所定の基準結果は、プログラマブル回路によって実行されるアルゴリズムの所定の理想的な結果を含む。したがって、所定の理想的な結果は、現在設定されている構成の品質のベンチマークとなる。パラメータ構成を変更すると、基準結果と比較することができる異なる処理結果を生成することができる。処理結果と基準結果との偏差は、使用された構成のパフォーマンスを示し、これは構成の評価として理解することができる。
【0129】
さらに、本発明の別の態様は、システム、特に無線周波数システム、好ましくは無線周波数電力供給システムまたは無線周波数生成装置または無線周波数プラズマシステムのためのRF測定システムであって、以下を含む。
・無線周波数システムの無線周波数信号を検知するための少なくとも1つのセンサ、特に方向性結合器または電圧電流(「V/I」)センサ、
・検知された少なくとも1つの無線周波数信号を、少なくとも1つの入力信号に変換するための少なくとも1つのアナログデジタル変換器、
・少なくとも1つの入力信号をデジタル信号処理するための回路、特にプログラマブル回路。回路は、本発明に係る方法にしたがって決定された少なくとも1つのパラメータ結果によってパラメータ化されることを提供することができる。
したがって、本発明に係るシステムは、本発明に係る方法を参照して詳細に説明したのと同じ利点をもたらす。システムはまた、アナログアンチエイリアシングフィルタおよび/または伝送線路および/または整合回路、特にインピーダンス整合回路を含んでもよい。無線周波数システムは、特に、無線周波数電力供給システムとして構成されてもよい。無線周波数電力供給システムは、さらに、プラズマシステム、特にプラズマ電力供給システムの電源として構成されてもよい。電源に使用され、無線周波数システムのセンサによって検知された検知された無線周波数信号を変換するために、アナログデジタル変換器を設けてもよい。
【0130】
システムは、回路のパラメータ化のために、プログラマブル回路に、または制御ユニットに、またはメモリに、既存の構成をアップロードするための電子インターフェースをさらに含むことができる。インターフェースを使用したアップロードおよび/または書き込みおよび/または読み出しは、データ転送を使用して実行することができる。電子インターフェースは、(特に直接の)データ転送を使用してアップロードを実行するために、制御ユニット、メモリ、またはプログラマブル回路と電子的に接続され得る。電子インターフェースは、コンピュータのような別の電子装置に接続することができるシリアルインターフェースのようなデータインターフェースとして構成することができる。電子インターフェースがコンピュータプログラムを実行してデータ転送を可能にすることもできる。コンピュータプログラムは、ローカルエリアネットワーク、ワイヤレスローカルエリアネットワーク、またはBluetoothなどの、より高度なインターフェース技術を提供することもできる。電子インターフェースは、制御ユニット、メモリ、またはプログラマブル回路を介してアクセスすることができる。
【0131】
本発明に係るシステムは、本発明に係る方法の上述の特徴のいずれかを特徴とし、記載された有利な特徴をさらに示すことができる。
【0132】
本発明の別の態様は、本発明に係る方法にしたがって決定された少なくとも1つのパラメータ結果を搬送するデータキャリア信号である。したがって、本発明に係るデータキャリア信号は、本発明に係る方法およびシステムについて詳細に説明した対応する特徴と同じ利点をもたらす。データキャリア信号は、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどのデータキャリアの信号とすることができる。さらに、データキャリア信号はダウンロードなどとして実装することができる。本発明のさらなる可能な態様は、本発明に係る方法にしたがって決定されたパラメータ結果を含むコンピュータプログラム、および/またはコンピュータプログラムおよび/または方法にしたがって決定されたパラメータ結果を格納したコンピュータ読み取り可能なデータキャリアである。データキャリア信号は、ユーザ側でソフトウェアアップグレードを実行するために、すなわち、データキャリア信号の決定されたパラメータ結果を使用してプログラマブル回路をパラメータ化するために提供されてもよい。あるいは、データキャリア信号は、プログラマブル回路のパラメータ化/構成の読み出しを実行するために提供され、構成がRFシステムのメモリに格納されるか、またはRFシステムのユーザインターフェースに接続されたリムーバブルデータキャリア媒体にエクスポート、すなわち格納されるようにすることもできる。その後、リムーバブルデータキャリア媒体を第2のRFシステムまたはトレーニングベンチシステムに接続して、エクスポートされた構成をアップロードし、構成を第2のRFシステムのプログラマブル回路のパラメータ化に使用することができる。
【0133】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、本発明の実施形態が図面を参照して詳細に説明される以下の説明から明らかになるであろう。これに関連して、特許請求の範囲および明細書に記載された特徴は、それぞれ、個別にまたは任意の組み合わせで本発明にとって本質的なものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0134】
図1a】本発明のRF測定システム1および本発明のデータキャリア信号の一実施形態を示す。
図1b】本発明のRF測定システム1を使用するプラズマ電力システムの一実施形態を示す。
図2】本発明の無線周波数システムにおけるDSPを改善するための本発明の方法の一実施形態を示す。
図3a】修正動作のないアーク事象の完全な展開の例を示す。
図3b図3aと同様の例を示し、アークの確率がしきい値を超えたときにアーク防止が開始される。
図3c】パルスモード動作中に実際のアーク事象を識別する例を示す。
図4】トレーニングモード構成における本発明のRF測定システムの一実施形態を示す。
図5】アプリケーション(リアルタイム動作)モードにおける本発明のRF測定システムの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0135】
以下の図では、異なる実施形態の例であっても、同じ技術的特徴には同一の参照符号が使用される。
【0136】
図1は、無線周波数生成装置、好ましくは無線周波数電力供給システム1または無線周波数生成装置または無線周波数プラズマシステムの本発明のRFシステム1の実施形態を示す。システムは、無線周波数システム1の無線周波数信号を検知するための、少なくとも1つのセンサ20、特に、方法性結合器、電圧電流センサ、またはプラズマセンサ32を含む。方向性結合器20は、例えば、電力供給回路などにおいて無線周波数信号をプローブするために一般的に使用されるセンサの一種である。しかしながら、他のセンサも実装することができ、図1aは、さらに、無線周波数RF電力信号伝送線路60および2つの信号分岐を示しており、上部の分岐は順方向電力を表し、下部の分岐は、センサ20によってピックアップされたRF電力信号の反射電力を表すことができる。本明細書で説明される本発明のシステム1の構造は、測定された順方向電力または反射電力のいずれか、またはその両方に適することができる。本明細書で説明される本発明のシステム1の構造は、RF電圧、RF電流、反射係数(Γまたは「ガンマ値」)、もしくは測定されたDC自己バイアス、またはRF電流、RF電圧、測定された順方向電力もしくは反射電力またはその両方、DC自己バイアス、または反射係数を有するRF位相の任意の組み合わせにも適することができる。
【0137】
システム1は、さらに、少なくとも1つの検知された無線周波数信号を少なくとも1つの入力信号230に変換するための少なくとも1つのアナログデジタル変換器であるADC30を含む。ADCは、時間連続および連続値の、すなわちアナログ信号を変換し、時間離散および離散値の、すなわちデジタル信号に変換する。アナログ信号は、方向性結合器20、好ましくは伝送線路60によってピックアップされた信号であってもよい。1秒当たりのサンプル数はサンプリングレートによって与えられ、異なる値の数は、ADC30のビット数によって与えられる。システム1は、センサとADC30との間に、アナログアンチエイリアシングフィルタ50および整合回路40、特に、インピーダンス整合回路40をさらに含むことができる。
【0138】
システム1は、デジタル信号処理のために、好ましくはプログラム可能な回路10を含む。回路10は、少なくとも1つの入力信号230のデジタル信号処理に適している。入力信号230は、RF生成装置の動作中に測定された信号、すなわちリアルタイム信号230であってもよい。回路は、さらに、メモリ70に格納された少なくとも1つの入力信号210のデジタル信号処理に適している。入力信号230または格納された入力信号210のいずれかは、電力供給システムの無線周波数信号に関連する信号であってもよい。したがって、これらは直接測定された信号またはシミュレートされた信号とすることができる。格納された入力信号210は、回路10に入る前に、コントローラまたは制御回路80によってさらに処理することができる。回路10は、図2に記載された本発明の方法にしたがって決定された少なくとも1つのパラメータ結果によって、さらにパラメータ化することができる。パラメータ化は、入力信号210または230が回路10に到達する前に起き得る。次いで、パラメータ化された回路10は、入力信号(メモリ210またはリアルタイムモード230からののどちらか)にしたがって処理結果220を出力する。その後、処理結果220は、制御回路80を通過し、パラメータ結果240としてメモリ70に格納され得る。
【0139】
図1aは、処理結果220から決定された少なくとも1つのパラメータ結果240を搬送するデータキャリア信号240も示す。データキャリア信号240は、権限のある人または任意の第三者によってダウンロード可能なデータパッケージとすることができる。データキャリア信号は、その後、プログラマブル回路10、特に、FPGA10をパラメータ化するために使用され得る。パラメータ結果240に使用される処理結果220は、本明細書に記載される方法の少なくとも1つによる本発明の方法から決定され得る。システムは、回路10のパラメータ化のために、既存の構成をプログラマブル回路10、制御ユニット80、またはメモリ70にアップロードするための電子インターフェース90をさらに含むことができる。前記電子インターフェース90は、直接データ転送を使用してアップロードを実行するために、制御ユニット80、メモリ70、またはプログラマブル回路10と電子的に接続することができる。さらに、電子インターフェース90は、例えば、同様のアプリケーションのための異なるRFシステムに転送するために、構成のダウンロードを実行するために使用することもできる。電子インターフェース90は、ユーザインターフェースであってもよい。
【0140】
図1bは、本発明のRF測定システム1を使用するプラズマ電力システム5の実施形態を示す。特に、プラズマ電力システム5は、RF生成装置2、整合ネットワーク4、およびプラズマプロセスシステム3、例えば、RF電力が供給される電極を備えたプラズマチャンバ31を含む。
【0141】
RF生成装置2は、センサ20、アナログデジタル変換器30、プログラマブル回路10、制御ユニット80、メモリ70、およびユーザインターフェース90とも呼ばれる電子インターフェース90を含むRF測定システム1を含む。さらに、RF生成装置2は、信号発生ユニット16、例えば、直接デジタル合成(DDS)回路と、DC電源21から電力が供給される電力増幅段23とを含み、信号発生ユニット16は、プログラマブル回路10に実装することができる。本発明の範囲内において、信号生成ユニット16は、プログラマブル回路10の外部の別個の回路またはチップであってもよいことに留意されたい。
【0142】
整合ネットワーク4は、入力センサ41、例えば、位相および振幅検出器、典型的には可変であり得るインダクタおよびコンデンサを含むインピーダンス整合回路40、整合制御ユニット42、およびオプションとして出力センサ43、例えば、電圧電流センサまたはDCバイアスセンサを含む。整合ネットワーク4の機能は、プラズマに結合されるRF電力が最大化され、プラズマプロセスシステム3から反射される電力が最小化されるように、RF生成装置2の出力インピーダンス(典型的には50オーム)をプラズマプロセスシステム3の可変インピーダンスに適合させることである。
【0143】
プラズマプロセスシステム3は、整合ネットワーク4からのRF電力が供給されるプラズマチャンバ31を含む。プラズマチャンバ31内では、ガスまたはガス混合物が、供給されるRF電力によって励起され、部分的にイオン化される。プラズマへのRF電力の電気的結合は、RF電力を電極、例えば、アースに接続された同様のプレートの反対側にある金属プレートに接続することによって達成することができる。このようにして、プラズマは2つの電極に容量結合される。あるいは、プラズマが誘導結合されるように、RF電力をプラズマチャンバ31の周囲に配置されたインダクタに接続することもできる。
【0144】
典型的には、半導体ウェハはプラズマチャンバ31にロードされ、特定の時間RFプラズマに曝されて、ウェハの最上層から材料がエッチングされるか、またはウェハの最上層に材料が堆積される。
【0145】
整合ネットワーク4およびプラズマプロセスシステム3は、RF信号またはプラズマプロセスの特性に特徴的な信号を測定するセンサ41、43、32を含むことができる。このようなセンサ信号は、RF生成装置2の専用センサポートに接続することができ、アナログデジタル変換器(ADC)30、例えば、シングルチャネルおよび/またはマルチチャネルADCによってデジタル表現に変換され、プログラマブル回路10によって実行されるデジタル信号処理のための入力信号として使用することができる。
【0146】
図2は、本発明の無線周波数システム、特に、無線周波数電力供給システム1におけるデジタル信号処理を改善するための本発明の方法の一実施形態を示す。方法は、無線周波数システム1の無線周波数信号に関連する少なくとも1つの入力信号210の提供101と、少なくとも1つの入力信号210が、処理の少なくとも1つの構成可能なパラメータを使用してプログラマブル回路10によって繰り返し処理される処理手順310の実行102と、を含む。これによる少なくとも1つのパラメータの構成は、それぞれの処理結果220を得るために、少なくとも1つの入力信号210の処理ごとに変更され、または特に修正され得る。方法は、さらに、処理結果220に基づく構成の最適化(例えば、特に、変更されたパラメータから最適化されたパラメータ)のための少なくとも1つのパラメータ結果の決定103と、改善されたデジタル信号処理のため(特に、回路のパラメータ化のため)の少なくとも1つの決定されたパラメータ結果の提供104と、を含む。本発明の方法では、プログラマブル回路10は、プログラマブル集積回路10、好ましくはFPGAとして構成することができる。
【0147】
本発明の方法は、さらに、少なくとも1つの決定されたパラメータ結果を使用して、同じまたは別のプログラマブル回路10のパラメータ化105を含むことができ、パラメータ化105は、無線周波数システム1の無線周波数信号の検知106と、パラメータ化された回路10による検知された無線周波数信号の少なくとも部分的な処理を使用することによるデジタル信号処理の実行107と、を含む。本発明の方法は、さらに、検知106およびデジタル信号処理の繰り返しの実行102による無線周波数信号の監視を含むことができる。回路10のパラメータ化105の詳細とは関係なく、プログラマブル回路10の処理手順310は、入力信号210を既存の(例えば、以前に記録またはシミュレートされた)トレーニング入力信号210として使用する処理のトレーニングモードで、プログラマブル回路10のパラメータ化105を実行するためのトレーニング手順として構成することができ、一方、監視は、処理のリアルタイムモードで実行され、無線周波数信号がリアルタイム入力230として検知され、処理される。
処理手順310で処理される少なくとも1つの入力信号210は、少なくとも1つのトレーニング入力信号210として構成することができる。本発明の方法は、さらに、以前に決定されたパラメータ結果を使用して少なくとも1つのパラメータを構成することによって、プログラマブル回路10のパラメータ化105の最終化を含むことができ、構成はその後固定される。本発明の方法は、さらに、トレーニングモードからリアルタイムモードへの処理の切り替えを含むことができ、リアルタイムモードでは、リアルタイム入力信号230は、特に、リアルタイム入力信号230のパターン検出のために、固定構成を使用してプログラマブル回路10によってリアルタイムに処理される。好ましくは、リアルタイム入力信号は、少なくとも1つのセンサ20によって検知された無線周波数信号を少なくとも1つのリアルタイム入力信号に変換する少なくとも1つのアナログデジタル変換器30から受信される実測信号として構成される。本発明の方法は、さらに、リアルタイムモードからトレーニングモードへの処理の切り替えを含むことができる。トレーニングモードでは、既存の以前に固定された構成は、少なくとも1つのパラメータ結果を新たに決定するために、処理されたトレーニング入力信号210として少なくとも1つの追加のトレーニング入力信号210を使用して処理手順310を再度実行することによって、さらに最適化することができる。新たに決定されたパラメータ結果と以前に決定されたパラメータ結果との比較に応じて、プログラマブル回路10の再パラメータ化が、新たに決定されたパラメータ結果を使用して少なくとも1つのパラメータを構成することによって実行される。
【0148】
少なくとも1つの入力信号210の繰り返し処理は、繰り返し処理ステップによって実行することができ、各ステップでは、同じ少なくとも1つの入力信号210は、少なくとも1つのパラメータの変更された構成を使用しながら、同じプログラマブル回路10によって処理されるので、それぞれの処理結果220は、変更された構成に固有であり、および/または変更された構成に割り当てられる。少なくとも1つの入力信号210は、1つまたは複数の所定の基準入力信号257として構成することができ、それぞれに対して、対応する入力信号210の処理の所望の結果を表す基準結果が提供される。処理結果220に基づく構成の最適化のための少なくとも1つのパラメータ結果の決定103は、少なくとも1つの基準入力信号257に対して得られた処理結果220のそれぞれを、対応する基準結果と比較することによって、変更された構成の評価をさらに含むことができる。評価は、処理結果220と基準結果との一致、または処理結果220と基準結果との間の偏差に依存する。処理結果220に基づいて構成を最適化するための少なくとも1つのパラメータ結果の決定103は、少なくとも1つの決定されたパラメータ結果として最も高い評価を有する少なくとも1つの構成を選択することをさらに含むことができる。基準結果はユーザインターフェース90を使用してアップロードされるなど、ユーザによって提供されることが可能である。したがって、ユーザはいつでも、評価にどのような基準が使用されるかを定義することができる。入力信号、ひいてはトレーニングデータがユーザによって定義され、例えば、その理由のためにユーザインターフェース90を介してアップロードされることも可能である。改善されたデジタル信号処理のための少なくとも1つの決定されたパラメータ結果の提供104は、少なくとも1つの選択された構成を使用して、同じまたは別のプログラマブル回路10のパラメータ化105をさらに含むことができる。好ましくは、前記少なくとも1つの所定の基準入力信号257および対応する基準結果は、デジタル信号処理の異なるアプリケーションのための複数の所定の基準入力信号257および対応する基準結果を含み、その結果、処理結果220に基づいて構成を最適化するための前記少なくとも1つのパラメータ結果の決定が、アプリケーションごとに別々に実行される。少なくとも1つの決定されたパラメータ結果の提供104は、選択された構成をメモリに格納することをさらに含むことができ、同じまたは別のプログラマブル回路10のパラメータ化は、用途に応じて、格納された構成から使用される構成を選択することを含む。
少なくとも1つの入力信号210は、複数の既存の入力信号210として構成することができる。既存の信号は、以前に記録され、または、例えば、シミュレートされたものとすることができる。処理手順310は、繰り返される処理ステップを含むことができ、各処理ステップは、同じ入力信号210を次々に処理することと、制御回路80によってこの処理ステップで使用される少なくとも1つのパラメータの構成を設定することと、を含むことができる。本発明の方法は、さらに、各処理ステップの後に、制御回路80によって所定の基準結果からの処理結果220の偏差を評価することと、各評価後に、前記評価に基づいて、次の処理ステップのために使用される1つのパラメータの構成を修正することと、を含むことができる。これにより、制御回路80は、プログラマブル回路10と電気的に接続され、プログラマブル回路とは別に構成され得る。
【0149】
使用される少なくとも1つのパラメータの構成は、改善されたデジタル信号処理のために構成を反復的に最適化するために、異なる処理ステップに応じて変更することができる。
【0150】
処理手順310は、無線周波数システム1のアプリケーションにおける異なる特定の状況に対して反復的に構成を最適化するためのトレーニング手順として構成することができ、その結果、異なる状況に対して決定されたパラメータ結果は、これらの異なる状況に対して異なる最適化されたパラメータセットとして構成される。
【0151】
少なくとも1つの入力信号210は、好ましくは瞬間値および履歴値、特に、無線周波数信号の測定値からの、時間的な信号経過を含むことができる。処理結果220は、信号経路の処理によって得られ、信号経路における特定のパターンの検出確率を示すことができる
【0152】
少なくとも1つの入力信号210のプログラマブル回路10へのアップロードを実行するために、電子インターフェース90をさらに設けることができる。これにより、少なくとも1つの入力信号210を複数の入力信号210として構成することができ、アップロード後にメモリに格納される。
【0153】
少なくとも1つの入力信号210は、少なくとも1000または少なくとも100万の異なる入力信号210として構成することができ、入力信号のそれぞれは、無線周波数信号に関連する少なくとも1つの波形を表す。ここでの処理は、パラメータ構成に応じて波形を評価することを目的とすることができる。それぞれの処理結果220は、前記評価の結果を含むことができる。
【0154】
既存の構成は、電子インターフェース90を介して、特に、プログラマブル回路10、制御ユニット80、またはメモリ70にアップロードすることもできる。その後、プログラマブル回路10のパラメータ化は、既存の構成を使用する。アップロードされた既存の構成は、同じメモリ80および/または異なるメモリに格納することができる。アップロードされた既存の構成は、本発明の方法を使用して計算された構成のいずれかを上書きすることができ、または本発明の方法を使用して計算された、もしくは以前にアップロードされてメモリに格納された他の構成に加えてメモリに格納することができる。
【0155】
変更された構成の評価は、変更された構成に関連付けられた処理結果220のそれぞれを所定の基準結果と比較することによって実行することができる。所定の基準結果は、プログラマブル回路10によって実行されるアルゴリズムの所定の理想的な結果を含むことができる。
【0156】
図3aは、2つの異なるセンサ信号、第1のセンサ信号402および第2のセンサ信号403で観察されるアーク事象の例を示す。最も下の曲線はRF電力404を示す。x軸は時刻405を表す。この場合、アークは監視されるだけでよく、予防措置は開始されず、放電が完了するまでアークは完全に進行する可能性がある。アークのこの特定の場合についてパターンマッチングアルゴリズムまたはニューラルネットワークをトレーニングした後、アルゴリズムは、時刻tstartのゼロから時刻tendの1に増加する確率値p(t)406(確率401を表す図3aの上の曲線に表示)を提供する可能性がある。アーク事象の最初の兆候は、時刻tstartに顕著であり、事象は時刻tendに完了する。アーク事象の後、確率値p(t)406は再び急速に0に減少する可能性がある。第1のセンサ信号402は電流センサ信号として構成されてもよく、および/または第2のセンサ信号403は電圧センサ信号として構成されてもよい。
【0157】
図3bには、同様の状況が示されている。図3aと同様に、上の曲線は確率401を表し、その下の2つの曲線は第1のセンサ信号402および第2のセンサ信号403を表し、最も下の曲線はRF電力404を表す。x軸は時刻405を表す。図3aとは対照的に、確率値p(t)406は、しきい値pthreshold407と比較されてもよく、確率値p(t)406がこのしきい値pthreshold407を超えると、修正措置が開始されてもよい。図3aのように、アーク事象p(t)406の確率値p(t)406は、時刻tstartから始まって徐々に増加してもよい。確率値p(t)406が時刻tstopにおいてしきい値pthreshold407に達すると、RF電力404の一時的な低減がトリガされてもよい。この動作により、アーク事象が防止され、プラズマ処理が通常の動作に戻ることができる。特に、図3aの第1のセンサ信号402のスパイクは大幅に減少しており、これはアークが抑制されていることを意味する可能性がある。
【0158】
図3cは、偽陽性の検出を効率的に抑制する方法の例を示す。x軸は時刻405を表す。この例では、RF電力出力404は、2つのRF電力レベル間の規則的な切り替えであるパルスパターンで変調され得る。時刻間隔t1a...t2a、t1b...t2b、t3a...t4a、t3b...t4b、t5a...t6a、t5b...t6b、t7a...t8a、t7b...t8bにおけるアーク検出を無効にすることによって、低RF電力レベルと高RF電力レベルとの間の遷移におけるスパイクが無視され、RF電力の切り替えに関係のない2つのアーク事象のみを検出することができる。この例では、2つのアーク事象は、アーク事象クラスA408およびアーク事象クラスB409の2つの異なるクラスに分類することができる(形状が異なるため明らかであろう)。
【0159】
RF電力信号404の周期的なパルス変調の場合、例えばパルスモード動作において2つのレベル間を切り替えるときなどのRF電力404の突然の変化は、パターンマッチングアルゴリズムまたはニューラルネットワークによって偽のアーク事象として登録される可能性がある。特に、少なくとも2つの信号を組み合わせて評価する場合でも、これらの意図的な電力変化がアーク事象としてフラグ付けされる可能性がある。
【0160】
そのような誤検出を避けるために、パターンマッチングアルゴリズムまたはニューラルネットワークを介した異常の検出は、パルスパターンがRF電力レベルの切り替えを必要とするときはいつでも、わずかな期間(「デッドタイム」)オフにすることができる。このようにして、一定のRF電力404の期間内に発生する実際のアーク事象のみを検出することができる。そのようなデッドタイムの使用例を図3cに示す。
【0161】
図4は、例えば、トレーニングベンチシステムのようなトレーニングモードで動作するように設定された本発明のRF測定システム1の実施形態を示す。システム1の動作モード253は、ユーザインターフェース90を介してトレーニングモードに設定することができる。
【0162】
以下において、参照符号17によって参照される「信号処理回路」という用語は、信号処理、特に、デジタル信号処理を実行することに特化されたプログラマブル回路10の一部を指す。プログラマブル回路10は、さらなる回路、例えば、処理結果220と基準結果との間の偏差を決定するためにトレーニングモードで使用される評価回路18を含むことができる。リアルタイムモード中に使用されるさらなる回路は、プログラマブル回路10内に実装することができるが、トレーニングモードでは非活性化されてもよい。
【0163】
トレーニングモードの場合、システム1の電力増幅段23、インピーダンス整合ネットワーク4、およびプラズマプロセスシステム3への接続は必須ではない。RF生成装置2、整合ネットワーク4、またはプラズマプロセスシステム3内のセンサによって提供されるリアルタイム入力信号の代わりに、システム1は、メモリ70に格納されるか、またはメモリ70を介してアップロードされる既存の基準入力信号257を処理してもよい。さらに、基準結果256は、メモリ70に格納することも、ユーザインターフェース90を介して提供することもできる。これらの基準結果は、基準入力信号257の信号処理の期待される結果を示す。また、信号処理回路17をパラメータ化するために使用することができるパラメータ構成254は、メモリ70に記憶することもできるし、ユーザパラメータセット251としてユーザインターフェース90を介して提供することもできる。
また、プログラマブル回路10に実装可能である、デジタル信号処理のアルゴリズム、または、例えば、ニューラルネットワークの回路レイアウト255もメモリ70に格納することができる。典型的には、ユーザインターフェースを介したアルゴリズムおよび回路レイアウト255のアップロード、プログラマブル回路10への実装は、製造業者のために制限されており、システム1の一般ユーザにはアクセスできない。
【0164】
トレーニングモードでは、コントローラ80は、ユーザインターフェース90からユーザパラメータセット251、ユーザ基準結果252a、およびユーザ基準入力信号252bを読み出し、それらをメモリ70に格納するように設定することができる。さらに、コントローラ80は、格納されたパラメータセット254をメモリ70から読み出し、それにしたがってプログラマブル回路10をパラメータ化するように設定することができる。
【0165】
さらに、コントローラ80は、メモリ70またはユーザインターフェース90から基準入力信号257を読み出し、それらを入力信号210として信号処理回路17に提供するように設定することができる。あるいは、信号処理回路17は、メモリ70に直接アクセスし、パラメータ構成254およびトレーニングデータ、すなわち、基準入力信号257および基準結果256を直接読み出すことにより、トレーニングデータの読み出しおよび処理が加速される。
【0166】
さらに、図4に示す評価回路18は、プログラマブル回路10内に実装することもできるし、あるいは、コントローラユニット80内のソフトウェアアルゴリズムとして実装することもできる。評価の結果、すなわち、最適化されたパラメータセット254は、プログラマブル回路10からそれを取得し、コントローラ80を介してメモリ70に書き込むことによって、またはプログラマブル回路10からの直接メモリアクセスによって、メモリ70に格納することができる。
【0167】
さらに、図4の構成の代替として、コントローラユニット80の少なくとも一部および/またはメモリ70の少なくとも一部をプログラマブル回路10に実装できることに留意されたい。これは、メモリ70からの基準入力信号257および基準結果256の読み出し、その後の基準入力信号257の信号処理および基準結果256に対する処理結果220の評価を大幅に加速できるという利点がある。
【0168】
図5は、アプリケーション(リアルタイム動作)モードにおける本発明のRF測定システム1の実施形態を示す。アプリケーションモードでは、信号処理回路17は、以前のトレーニングでメモリ70に格納された、またはユーザインターフェース90を介してメモリ70にアップロードされた既存のパラメータセット254を用いてパラメータ化される。ユーザインターフェース90を介して提供され得るプロセスレシピ258に応じて、レシピステップごとに、専用のパラメータ構成254が、メモリ70から、またはユーザインターフェース90からコントローラ80を介して信号処理回路17にロードされ得る。このようにパラメータ化された信号処理回路17は、RFシステム、例えば、RF生成装置2、インピーダンス整合ネットワーク4、またはプラズマプロセスシステム3内のセンサから連続的に提供され、ADC30でデジタル化される入力信号をリアルタイムで処理する。
【0169】
プログラマブル回路10内に実装されたアルゴリズムまたはニューラルネットワークに応じて、信号処理の結果は、信号生成ユニット16、例えば、DDSコア、またはさらなる回路19を制御するために使用されてもよい。信号生成ユニット16は、例えば、デジタルアナログ変換器(DAC)22および電力増幅段23によってRF電力信号に変換される信号の振幅、周波数、および位相を調整するために使用される。その後、RF生成装置2の出力で得られたRF電力信号は、インピーダンス整合ネットワーク4を介してプラズマプロセスシステム3に提供され得る。このようにして、例えば、RF生成装置の出力における方向性結合器20からの入力信号210のフィルタリングの結果を直接使用して、例えば、プラズマに供給されるRF電力が安定化され、プラズマからの反射電力が最小化されるように、RF電力信号を適合させることができる。
【0170】
さらに、信号処理回路17は、特定の事象または望ましくない状況、例えば、プラズマ処理システム3内の高電圧放電もしくは二次プラズマ、またはプラズマ処理に関連するハードウェア構成要素の劣化、例えば、プラズマシステム内の粒子の蓄積、またはプラズマチャンバ31の洗浄または他の予防保守が必要であることを示すプラズマインピーダンスのドリフトを示すパターンについて、入力信号210を監視するように構成されることもできる。このような事象は、ユーザインターフェース90を介してユーザへのフラグを立てる259か、または修正措置250をトリガすることができるプログラマブル回路10内のさらなる回路19によって直接作用させることができる。例えば、アーク事象または高電圧放電の場合、またはそのような事象が発生する可能性が高いと信号処理によって判断された場合、プログラマブル回路10は、一定期間RF電力の低減または完全な停止を開始してもよい。これは、例えば、信号生成ユニット16において生成されるRF信号の振幅を低減することによって、またはDAC22を無効にすることによって、またはDAC22と電力増幅段23との間の接続を一定期間遮断することによって達成することができる。
【0171】
プログラマブル回路10の回路レイアウト、またはプログラマブル回路10によって使用されるアルゴリズムもメモリ70に格納することができ、アプリケーションに応じて、異なる回路レイアウト255をプログラマブル回路10に実装することができる。
【0172】
トレーニングモードについて前述したように、アプリケーションモードにもいても、コントローラ80の少なくとも一部および/またはメモリ70の一部をプログラマブル回路10内に実装することができる。これは、信号処理回路17の異なる構成間の切り替えが大幅に高速化されるという利点がある。
【0173】
上述の実施形態の説明は、本発明をもっぱら実施例に基づいて説明したものである。もちろん、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、技術的に合理的な範囲で各実施形態の各特徴を自由に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0174】
1 システム
2 RF生成装置
3 プラズマ処理システム
4 整合ネットワーク
5 プラズマ電力システム
10 回路
16 信号生成ユニット
17 信号処理回路
18 評価回路
19 さらなる回路
20 センサ
21 DC電源
22 デジタルアナログ変換器(DAC)
23 電力増幅段(PA)
30 アナログデジタル変換器(ADC)
31 プラズマチャンバ
32 プラズマセンサ
40 インピーダンス整合回路
41 入力センサ
42 マッチコントロールユニット
43 出力センサ、V/Iセンサ
50 アンチエイリアスフィルタ
60 伝送線路
70 メモリ
80 制御回路
90 電子インターフェース、ユーザインターフェース
101 少なくとも1つの入力信号の提供、第1の方法ステップ
102 実行、第2の方法ステップ
103 決定、第3の方法ステップ
104 少なくとも1つの決定されたパラメータ結果の提供、第4の方法ステップ
105 パラメータ化、第5の方法ステップ
106 検知、第6の方法ステップ
107 実行、第7の方法ステップ
210 (格納/既存)入力信号
220 処理結果
230 (リアルタイム)入力信号
240 パラメータ結果
250 修正措置
251 ユーザパラメータセット
252a ユーザ基準結果
252b ユーザ基準入力信号
253 動作モード
254 パラメータセット
255 回路レイアウト
256 基準結果
257 記録された測定データセット、基準入力信号
258 プロセスレシピ
259 事象フラグ
310 処理手順、機械学習手順
401 確率
402 第1のセンサ信号
403 第2のセンサ信号
404 RF電力
405 時刻
406 p(t)
407 pthreshold
408 アーク事象クラスA
409 アーク事象クラスB
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
【国際調査報告】