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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】熱交換器及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F28D 9/00 20060101AFI20240723BHJP
   F28F 3/02 20060101ALI20240723BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20240723BHJP
   B21D 53/04 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
F28D9/00
F28F3/02 A
F28F3/08
B21D53/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023581081
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 CN2022102968
(87)【国際公開番号】W WO2023274374
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202111159483.6
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110738485.4
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524005958
【氏名又は名称】ヂェァジァン シュェブォラン テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG XUEBOLAN TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 3, Sanjian Avenue, Jiangnan Park, Lanxi Economic Development Zone, Jinhua, Zhejiang 321000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】ワン カイジェン
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103DD56
(57)【要約】
熱交換器及びその製造方法であって、熱交換器は、複数の中空の突起を含むマイクロ構造を有する熱交換領域と、入口領域及び出口領域を有するエッジ領域とを含む複数のマイクロ構造片と、それぞれ前記入口領域及び前記出口領域にそれぞれ対応する流入口及び流出口を有する複数のマイクロ構造片スペーサと、を備え、複数の前記マイクロ構造片スペーサと複数の前記エッジ領域が交互に積層されている。本発明では、マイクロ構造を中空の突起とすることで、選択可能な成形技術が増加する。例えば、プレスプロセスによってマイクロ構造片及びマイクロ構造片スペーサを形成することができるので、従来のエッチング技術に比べ、プロセスが簡単で、生産コストが低く、生産効率が高くて環境汚染が少ない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中空の突起を含むマイクロ構造を有する熱交換領域と、入口領域及び出口領域を有するエッジ領域とを含む複数のマイクロ構造片と、
前記入口領域及び前記出口領域それぞれに対応する流入口及び流出口を有する複数のマイクロ構造片スペーサと、を備え、
複数の前記マイクロ構造片スペーサと複数の前記マイクロ構造片スペーサが交互に積層されていることを特徴とする、熱交換器。
【請求項2】
前記マイクロ構造片は隣り合う前記突起の間にあるマイクロチャンネルを含み、前記マイクロ構造片の厚さに対する前記マイクロチャンネルの幅の比は3以下であることを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記突起の高さは前記マイクロ構造片の厚さ以下である、及び/又は前記突起の直径は0.7mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項4】
隣り合う2つの前記突起の中心の間隔は0.5mm~2.5mmであることを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項5】
各前記マイクロ構造片上における隣り合う2つの前記突起の列が、ずれて配列されていることを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項6】
隣り合う2つのマイクロ構造片上における前記突起は中心が互いにずれていることを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項7】
隣り合う2つのマイクロ構造片上における突起のシフト距離は突起の直径の1/3~2/3であることを特徴とする、請求項6に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記マイクロ構造片スペーサの厚さは前記マイクロ構造の高さに一致することを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記マイクロ構造片スペーサの幅は2.5mm~5mmであることを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記マイクロ構造片と前記マイクロ構造片スペーサは作動流体チャンネル片を構成し、前記熱交換器は第1方向に積層された複数の作動流体チャンネル片と、隣り合う2つの作動流体チャンネル片間に形成された作動流体チャンネルとを備え、取り囲んで前記作動流体チャンネルを形成する隣り合う2つの作動流体チャンネル片は、それぞれ、取り囲んで前記作動流体チャンネルの入口を形成する第1端部、第2端部を有し、前記第1端部の少なくとも一部と前記第2端部の少なくとも一部が前記作動流体チャンネルの延在方向にずれていることを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項11】
マイクロ構造を有する熱交換領域と、入口領域及び出口領域を有するエッジ領域とを含むマイクロ構造片を形成するステップと、
前記入口領域及び前記出口領域にそれぞれ対応する流入口及び流出口を有するマイクロ構造片スペーサを形成するステップと、
前記マイクロ構造片スペーサと前記マイクロ構造片スペーサを交互に積層し接合して熱交換器を形成するステップと、を含むことを特徴とする、熱交換器の製造方法。
【請求項12】
プレスプロセスによって前記マイクロ構造片及び前記マイクロ構造片スペーサを形成する、
及び/又は、原子拡散接合プロセスによって前記マイクロ構造片スペーサを前記エッジ領域に接合して作動流体チャンネル片を形成することを特徴とする、請求項11に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項13】
前記マイクロ構造はプレス形成された複数の突起を含み、前記突起の高さは前記マイクロ構造片の厚さ以上である、前記突起の直径は0.7mm以下である、又は、隣り合う2つの突起の中心の間隔は0.5mm~2.5mmであることを特徴とする、請求項12に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項14】
前記マイクロ構造片スペーサと前記エッジ領域が交互に積層されると、隣り合う2つのマイクロ構造片上における突起は中心が互いにずれており、隣り合う2つのマイクロ構造片上における突起のシフト距離は突起の直径の1/3~2/3であることを特徴とする、請求項13に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項15】
原子拡散接合プロセスは、洗浄、積み重ね、作業治具加圧、真空炉による原子拡散接合のステップを含み、真空圧力は4×10-3Pa、加圧面圧は5MPa、温度は1100℃程度とすることを特徴とする、請求項12に記載の熱交換器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換設備の技術分野に関し、具体的には熱交換器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器(heat exchanger)は、熱作動流体の熱の一部を冷作動流体の設備に伝達するものであり、換熱器とも呼ばれる。
【0003】
マイクロチャンネルプレート型熱交換器は、新規の熱交換器であり、冷却剤流体チャンネルが設けられた作動流体チャンネル片と、作動流体チャンネルが設けられた作動流体チャンネル片とを交互に積層することで形成される。
【0004】
しかし、冷却剤流体チャンネル、作動流体チャンネルはいずれも物理エッチング又は化学エッチングによって形成され、材料消費が多く、製造コストが高く、生産効率が低く、また、環境に一定の汚染を引き起こし得る。
【0005】
これに鑑みて、改善された熱交換器及びその製造方法の提供が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、熱交換器及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題の1つを解決するために、本発明は次の技術的解決手段を採用する。
【0008】
熱交換器であって、複数の中空の突起を含むマイクロ構造を有する熱交換領域と、入口領域及び出口領域を有するエッジ領域とを含む複数のマイクロ構造片と、それぞれ前記入口領域、出口領域に対応する流入口、流出口を有する複数のマイクロ構造片スペーサと、を備え、複数の前記マイクロ構造片スペーサと複数の前記エッジ領域が交互に積層されている。
【0009】
熱交換器の製造方法であって、マイクロ構造を有する熱交換領域と、入口領域及び出口領域を有するエッジ領域とを含むマイクロ構造片を形成するステップと、前記入口領域及び前記出口領域にそれぞれ対応する流入口及び流出口を有するマイクロ構造片スペーサを形成するステップと、前記マイクロ構造片スペーサと前記マイクロ構造片スペーサを交互に積層し接合して熱交換器を形成するステップと、を含む。
【0010】
更に、プレスプロセスによって前記マイクロ構造片及び前記マイクロ構造片スペーサを形成し、及び/又は、前記マイクロ構造片を、原子拡散接合プロセスによって前記マイクロ構造片スペーサを前記エッジ領域に接合して作動流体チャンネル片を形成する。
【0011】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。マイクロ構造を中空の突起とすることで、選択可能な成形技術が増加する。例えばプレスプロセスによってマイクロ構造片及びマイクロ構造片スペーサを形成することができるので、従来のエッチング技術に比べ、プロセスが簡単で、生産コストが低く、生産効率が高くて環境汚染が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のコンパクト型熱交換器の立体模式図である。
図2】本発明のコンパクト型熱交換器の立体分解図である。
図3】第2作動流体チャンネル片が上側にある、一部の作動流体チャンネル片の立体模式図である。
図4図3の上面図である。
図5図3の部分分解図である。
図6】第1作動流体チャンネル片が上側にある、一部の作動流体チャンネル片の立体模式図である。
図7図6の上面図である。
図8図6の部分分解図である。
図9図4のAA方向の断面視図である。
図10図9の断面図である。
図11図9中の作動流体チャンネル片の端部にガイド部を設けた断面図である。
図12】作動流体チャンネル片の端面がずれている第2実施例の断面図である。
図13】作動流体チャンネル片の端面がずれている第3実施例の断面図である。
図14】作動流体チャンネル片の端面がずれている第4実施例の断面図である。
図15】作動流体チャンネル片の端面がずれている第5実施例の断面図である。
図16】複数のマイクロ構造片と複数のマイクロ構造片スペーサを交互に積層する模式図である。
図17】補助規制板の構造模式図である。
図18】本発明の別の熱交換器製造方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において図面に示す具体的な実施形態と関連付けて本発明を詳細に説明する。しかし、これらの実施形態は本発明を限定するものではなく、当業者がこれらの実施形態に基づいてできた構造的、方法的、又は機能的な変換はいずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0014】
本発明の各図において、図示の便宜上、構造又は部分のいくつかのサイズは、他の構造又は部分と比べて誇張される場合があるため、本発明の主題の基本的構造を示すためのものに過ぎない。
【0015】
説明の便宜上、上方と下方は、本発明の熱交換器の製造方法の実用での方位に応じて定義される。明細書に記載の「接続」は、直接接続であってもよいし、別のクイックコネクタ/アダプタによる間接的接続であってもよい。「直接接続」とは、両者の間に他の構造又はクイックコネクタがないことである。
【0016】
以下、図1図18を参照して説明するように、本発明は、「熱抵抗平衡理論」、プレスプロセス及び原子拡散接合プロセスベースの、コンパクトに設計された熱交換器及びその製造方法であり、製造コストが低く、歩留まりが高く、構造がコンパクトで熱交換性能が高い熱交換器を設計することを目的とする。
【0017】
前記熱交換器は、第1方向に積層された複数の作動流体チャンネル片と、隣り合う2つの作動流体チャンネル片間に形成された作動流体チャンネルとを備え、隣り合う2つのチャンネルの一方は第1流体が流れるものであり、他方は第2流体が流れるものであり、第1流体と第2流体が温度差を有する場合に両者は熱伝達を行う。
【0018】
発明者は研究において、前記作動流体チャンネル片に複数のマイクロ構造を設けて作動流体チャンネルを複数の並行又は交差連通するマイクロチャンネルに分割することで、熱交換器の熱交換性能を向上させることができることを発見した。従来の構造では、前記作動流体チャンネル片は熱交換領域とエッジ領域を含み、前記マイクロ構造は熱交換領域に設けられ、前記エッジ領域は、流体の外への流動を防止する前記熱交換領域の囲い(包囲部)を形成するために、前記マイクロ構造がある側に突出延在する必要があり、また、他側の作動流体チャンネル片との接合を実現する必要もある。つまり、前記熱交換器の厚さは前記熱交換領域の厚さを上回る必要がある。プレスプロセスによって前記作動流体チャンネル片を形成すれば製造コストを削減できるが、プレス加工によってマイクロ構造、囲いを形成した後、作動流体チャンネル片の他側にマイクロ構造、囲いに対応する陥没キャビティが形成され、隣り合う作動流体チャンネル片との接合ができなくなるため、作動流体チャンネル片はプレスプロセスによって形成することはできない。
【0019】
発明者は更に研究した上で、作動流体チャンネル片を以下のように設計した。前記作動流体チャンネル片が、第1方向に積層されたマイクロ構造片スペーサとマイクロ構造片を含み、前記作動流体チャンネル片に垂直な方向の角度から見れば、前記マイクロ構造片の形状は前記作動流体チャンネル片の形状と同じであり、且つ前記マイクロ構造片も前記作動流体チャンネル片に対応する熱交換領域とエッジ領域を有する。前記マイクロ構造片スペーサが前記囲いと同じ形状であり、且つ前記マイクロ構造片スペーサが前記マイクロ構造片の前記マイクロ構造が設けられた側にある。
【0020】
本発明は、前記作動流体チャンネル片を第1方向に2つの部分に分割することで、プレスプロセスによってそれぞれ前記マイクロ構造片スペーサ、前記マイクロ構造片を形成し、その後、原子拡散接合によって両者を積層接合することができる。従来のエッチング技術による前記作動流体チャンネル片の形成方法に比べ、本発明は量産に適し、生産コストに顕著な量産効果を有し、生産効率が高くて環境への汚染が少ない。
【0021】
発明者は研究において、前記マイクロ構造片スペーサと前記マイクロ構造片の厚さが小さいほど、最終的に形成される熱交換器の重量が軽く、熱抵抗が小さく、熱交換性能が高いことを発見した。しかし、現在の板材及びその性能、プレスプロセス上の制限等により、前記マイクロ構造片スペーサと前記マイクロ構造片の厚さは0.1mm以下、例えば0.1mm、0.09mm、0.08mm、0.07mm、0.075mmにしている。
【0022】
プレスプロセスによって前記マイクロ構造片を形成する際に、片材上にマイクロ構造を形成して熱交換領域を構成すると、マイクロ構造片の基本的機能が果たされる。前記マイクロ構造は中空の突起であり、複数の突起間の隙間が連通して前記マイクロチャンネルを形成し、流体が複数の小さな流れに分流されて熱交換し、熱交換性能が向上する。
【0023】
本発明は研究において、前記マイクロ構造片の厚さ、前記突起の大きさ及びその間隔の共同で第1流体と第2流体との間の耐圧性が決まることを発見した。具体的には、前記マイクロ構造片の厚さが大きく、前記突起の直径が大きく、前記突起の間隔が小さいほど、第1流体と第2流体との間の耐圧性が高い。従って、板材の性能、プレスプロセスの限界、隣り合うマイクロ構造片間の耐圧性、作動流体チャンネルの水力直径、流動損失等に応じて前記突起の高さ、前記突起の直径、隣り合う前記突起間の隙間を設計・最適化する。
【0024】
好ましくは、前記マイクロ構造片の厚さに対する前記マイクロチャンネルの幅の比は3以下である。前記マイクロチャンネルの幅は隣り合う2つの突起間の隙間幅である。
【0025】
具体的には、前記突起の高さは前記マイクロ構造片の厚さ以上であり、好ましくは前記突起の高さは前記マイクロ構造片の高さと同じである。前記突起の直径は0.7mm以下であり、好ましくは0.5mm以上である。これはプレス金型とマイクロ構造片の性能を同時に考慮した最適な設計である。隣り合う2つの突起の中心の間隔は0.5mm~2.5mmであり、好ましくは1mm~1.5mmである。
【0026】
好ましくは、隣り合う2つの前記突起の列がずれて配列されており、流体に対する乱れが更に増加し、熱交換性能が向上する。一実施例において、各前記突起は隣接列の突起における投影が隣り合う2つの突起の真中にあり、突起は比較的均一に設けられ、隣り合う2つのマイクロ構造片間の支持点は均一である。
【0027】
前記マイクロ構造片スペーサの厚さは前記突起の高さと同じであり、積層して熱交換器を形成する際に、前記突起と前記マイクロ構造片スペーサは両方とも別の前記マイクロ構造片に接合される。そして、前記突起は作動流体チャンネルをマイクロチャンネルに分割し、前記マイクロ構造片スペーサと前記エッジ領域は接合されて囲いを形成する。
【0028】
前記マイクロ構造片スペーサの幅、複数の作動流体チャンネル片両側の天板と底板共同で熱交換器の耐圧性が決まる。本発明は熱交換器の耐圧性及び原子拡散接合プロセスに応じて前記マイクロ構造片スペーサの幅を選択し、例えば2.5mm~5mmの間にする。
【0029】
また、前記マイクロ構造片には、前記作動流体チャンネルと連通して流体が前記熱交換領域に流入する入口領域及び出口領域が設けられている。前記マイクロ構造片スペーサはそれぞれ前記入口領域及び出口領域に対応する流入口及び流出口を有する。前記流入口及び流出口の設定に応じて、前記マイクロ構造片スペーサはワンピース型でもマルチピース型でもよい。
【0030】
好ましくは、前記入口領域及び前記出口領域には両方ともガイドマイクロ構造が設けられ、流体をガイドする一方、隣接層のマイクロ構造片と接合して支持点を形成し、両者の接合及び圧力耐性を強化する。一具体的な実施例において、前記ガイドマイクロ構造の設定密度が熱交換領域のマイクロ構造の設定密度を下回ると、流体流入の緩衝領域として、その流動抵抗が小さくなる。しかも、前記ガイドマイクロ構造が前記マイクロ構造より面積が大きいと、隣り合うマイクロ構造片への支持力が強くなる。
【0031】
全てのマイクロ構造片の構造、全てのマイクロ構造片スペーサの構造は同じであってもよく、積層されるとき、隣り合う2つのマイクロ構造片の入口領域~出口領域がある方向は交差している。即ち第1流体、第2流体は異なる方向で前記熱交換器内の第1作動流体チャンネル、第2作動流体チャンネル内に流入する。
【0032】
更に、2つの異なる流体に適応して、前記作動流体チャンネル片は、交互に配置された第1作動流体チャンネル片1と第2作動流体チャンネル片2を含み、前記第1作動流体チャンネル片1及び前記第2作動流体チャンネル片2にはそれぞれ、異なるマイクロ構造が設けられ、それによって前記作動流体チャンネルは、第1作動流体チャンネル片1のマイクロ構造と第2作動流体チャンネル片2とにより画定された第1作動流体チャンネル、第2作動流体チャンネル片2のマイクロ構造と第1作動流体チャンネル片1とにより画定された第2作動流体チャンネルを含む。具体的には、前記第1作動流体チャンネル片1は第1方向に積層された第1マイクロ構造片スペーサ11と第1マイクロ構造片12を含み、前記第2作動流体チャンネル片2は第1方向に積層された第2マイクロ構造片スペーサ21と第2マイクロ構造片22を含む。
【0033】
ここで、「交互に配置された」ことについては以下の説明を参照されたい。前記第1作動流体チャンネル片1が第1A面と第1B面を含み、前記第2作動流体チャンネル片2が第2A面と第2B面を含み、例えば第1A面、第1B面はそれぞれ第1作動流体チャンネル片1の上面、下面であり、第2A面、第2B面はそれぞれ第2作動流体チャンネル片2の下面、上面である。前記第1作動流体チャンネル片1と前記第2作動流体チャンネル片2は、第1A面と第2A面が対面するように、交互に積層され、且つ前記第1A面と第2A面との間に第1流体が流れる第1作動流体チャンネル13が形成され、前記第1B面と第2B面との間に第2流体が流れる第2作動流体チャンネル23が形成される。
【0034】
又は、前記マイクロ構造片スペーサが第1マイクロ構造片スペーサ11と第2マイクロ構造片スペーサ21を含み、第1マイクロ構造片スペーサ11と第2マイクロ構造片スペーサ21とは、異なる流体に適応するために異なるマイクロ構造を有する。前記マイクロ構造片は第1マイクロ構造片12と第2マイクロ構造片22を含む。第1マイクロ構造片スペーサ11が第1マイクロ構造片12上においてマイクロ構造が設けられた側に積み重ねられて前記第1作動流体チャンネル片1が形成され、第2マイクロ構造片スペーサ21が第2マイクロ構造片22上においてマイクロ構造が設けられた側に積み重ねられて前記第2作動流体チャンネル片2が形成され、第1作動流体チャンネル片1と第2作動流体チャンネル片2が順に交互に積層されることによって、前記コンパクト型熱交換器が形成される。
【0035】
本発明では、第1流体は低圧流体を表し、第2流体は高圧流体を表し、例えば第1流体は水であり、第2流体は冷媒であるが、当然、他の実施例では、水と冷媒との熱交換に限定されず、他の2種類の流体の熱交換としてもよい。
【0036】
図6から図8に示すように、前記第1マイクロ構造片12の入口領域、出口領域はそれぞれその対向する両側に設けられている。前記第1マイクロ構造片スペーサ11は分離式の2部分を含み、それぞれ第1マイクロ構造片12の非入口領域、非出口領域の両側に前記囲いを形成している。前記第1マイクロ構造片スペーサ11の2部分の間にある水取り入れ領域に水が流入する第1流体入口が形成され、出口領域に水が流出する第1流体出口が形成されている説明の便宜上、第1マイクロ構造片スペーサ11の2部分が前後両側にあり、第1流体入口と第1流体出口が左右両側に設けられているとする。
【0037】
前記第2マイクロ構造片スペーサ21は、環形構造を有しており、第2マイクロ構造片22の周縁部に配置されている。前記第2マイクロ構造片22の入口領域、出口領域はいずれも前記第2マイクロ構造片スペーサ21の内側にある。
【0038】
他の実施例において、前記第2マイクロ構造片スペーサ21は第1マイクロ構造片スペーサ11と同様に、2枚あり且つ第2マイクロ構造片22の対向する両側に配置されていてもよく、且つ第2流体入口、第2流体出口は、第1流体層と同方向の流れ又は逆方向の流れを形成するように、それぞれ第1流体入口、第1流体出口と同側に設けられてもよい。第2流体入口、第2流体出口は、第1流体層と直交する流れを形成するように、左右両側に設けられてもよい。又は、第1マイクロ構造片スペーサ11は、第2マイクロ構造片スペーサ21と類似してもよく、且つ第2流体入口、第2流体出口はそれぞれ第1流体入口、第1流体出口と同側に設けられるか、又は第2流体入口、第2流体出口の配列方向は第1流体入口、第1流体出口の配列方向と垂直であるようにしてもよい。
【0039】
前記第1作動流体チャンネル片1及び第2作動流体チャンネル片2には、前記第1作動流体チャンネル片1の入口領域及び出口領域がある側のいずれにも、第1凹部14と、第1凹部14と連通する第2凹部15とが設けられている。つまり、前記第1凹部14及び前記第2凹部15は前記第1作動流体チャンネル片1及び第2作動流体チャンネル片2の左右側のそれぞれにあり、前記第2凹部15は第1凹部14における前後に対向して設けられた両内壁から更に凹むように形成されている。
【0040】
一具体的な実施例において、前記第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片スペーサ21及び第2マイクロ構造片22の左右両側のいずれにも前記第1凹部14と第2凹部15が設けられている。第1マイクロ構造片スペーサ11は前後両側に配置されているため、前記第1マイクロ構造片スペーサ11は前記第1凹部14を有さないが、前記第2凹部15を有する。
【0041】
ここで、前記第2凹部15は外側にあり且つ第2凹部15の前後方向に沿う幅が第1凹部14の幅より大きく、前記第2凹部15の左右方向に沿う凹み深さが第1凹部14の深さより小さい。また、その一側の第1凹部14及び第2凹部15の幅が他側の第1凹部14及び第2凹部15の幅より大きい。
【0042】
図1及び図2に示すように、前記コンパクト型熱交換器は、第1流体入口及び第1流体出口側に設けられる接続板3と、接続板3に接続される第1流体管4とを更に備えている。前記接続板3は前記第1流体管4に係合する接続孔31を有している。前記接続板3は溶接によって前記第2凹部15の内壁と互いに固定されている。当然、接続板3と第2凹部15の内壁は接着又はねじの方式で固定されてもよい。本実施例において、前記第1流体管4は第1流体入口管と第1流体出口管を含む。前記第1流体管4は水が流れる接続管である。また、前記接続板3と第1作動流体チャンネルの入口、接続板3と第1作動流体チャンネルの出口の間には、流体分配キャビティ28が形成されている。ここで、前記接続管4の端部が接続孔31内にあり接続孔31の内壁と互いに固定されている、及び/又は、前記接続管4が接続孔31内を挿通し且つ前記接続管の端部が接続板3の前記作動流体チャンネル片に対向する面と互いに固定されている。
【0043】
本実施例において、前記接続管の端部が接続孔31内にあり接続孔31の内壁と互いに固定されている。即ち前記接続管は前記流体分配キャビティ28内に延びることがなく、それにより水取り入れ端と水取り出し端に、水が第1作動流体チャンネル内に順調に流入するのに十分な空間が残されることが保証される。同様に、水取り出し端にも、水が前記コンパクト型熱交換器から順調に流出することを保証するのに十分な空間が残され、且つ接続管が接続孔31内にあるため、接続管は水の流体分配キャビティ28内での流動に対する抵抗となることはない。前記接続管は、接続板3の前記作動流体チャンネル片に対向しない方の壁面に係合して接続管の過剰な取り付けを防止する止め部41を更に有し、それにより接続管を取り付けるときに、接続管が流体分配キャビティ28内に延びることが効果的に回避される。
【0044】
ここで、前記接続管と接続孔31の内壁が溶接によって互いに固定され、一方では、該溶接位置が前記コンパクト型熱交換器の内部にあることによって、コンパクト型熱交換器の一体性が保証され、美観性が向上する。もう一方では、接続板3の作動流体チャンネル片に対向しない方の外側壁面における接続管と接続孔31の空間が節約される。従って、コンパクト型熱交換器の外側では、より多くの部品を取り付けるための空間がより多くなり、部品が要求を満たす場合、構造全体を更に縮小させ、コンパクト型設計を実現することができ、即ち熱交換器と他の構造とによる小型化アセンブリの形成に寄与する。そして、第2凹部15の凹み深さが第1凹部14の深さより小さいため、前記接続板3の厚さが小さく、即ち接続板3の質量も比較的小さく、コンパクト型熱交換器の全体質量に対する影響が小さく、熱交換器の軽量化設計に寄与する。
【0045】
当然、他の実施例において、前記接続管は、接続板3の作動流体チャンネル片に対向する内側壁面から突出してもよい。即ち前記接続管は接続板3の作動流体チャンネル片に対向する壁面から突出する部分が前記流体分配キャビティ28内にあってもよい。従って、接続管と接続板3の内側壁面も溶接することができ、それにより接続板3と接続管の固定効果が向上し、且つ第1凹部14の深さが大きいため、流体分配キャビティ28の空間も大きくなり、水流の順調な流動を保証することもできる。
【0046】
本実施例において、第1作動流体チャンネル片1の第1流体入口と第1流体出口が左右両側に設けられるため、水は第1作動流体チャンネル内で全体的に1つの方向に流動し、転向又は曲がりが発生せず、よって、水の第1作動流体チャンネル内での安定した流動を保証でき、全体の熱交換の安定性が保証される。
【0047】
本実施例において、取り囲んで前記作動流体チャンネルを形成する2層の作動流体チャンネル片は、それぞれ、取り囲んで前記作動流体チャンネルの入口を形成する第1端部16、第2端部24を有し、前記第1端部16の少なくとも一部と前記第2端部24の少なくとも一部が前記作動流体チャンネルの延在方向にずれている。
【0048】
具体的には、図9及び図10に示すように、前記第1端部16は第1マイクロ構造片12の端部であり、前記第2端部24は第2マイクロ構造片スペーサ21及び/又は第2マイクロ構造片22の端部であってもよい。本実施例において、前記第1マイクロ構造片12は第1作動流体チャンネルの延在方向に第2マイクロ構造片スペーサ21と第2マイクロ構造片22から突出し、また、隣り合う2つの第1マイクロ構造片12間に第2マイクロ構造片スペーサ21と第2マイクロ構造片22がある。従って、第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片スペーサ21、第2マイクロ構造片22、第1マイクロ構造片スペーサ11及び第1マイクロ構造片12といった5層構造を1組として観察すると、第1作動流体チャンネルの入口部の大きさは隣り合う2つの第1マイクロ構造片12間の高さであり、第1作動流体チャンネルの高さは第2マイクロ構造片22と第1マイクロ構造片12との間の高さである。そのため、前者の高さは後者の高さより高く、それにより水の第1作動流体チャンネル内への流入に寄与し、熱交換器の安定性が向上し、更に熱交換効率が向上する。
【0049】
図9及び10に示すように、水が継続的に第1作動流体チャンネルに安定して流入できるように、前記第2マイクロ構造片22は第1作動流体チャンネルの延在方向に第2マイクロ構造片スペーサ21から突出し、且つ前記第2マイクロ構造片22は第1マイクロ構造片12から離れる方向に突出延在する位置決め部26を有している。前記位置決め部26は第2マイクロ構造片22をプレス加工することによって一体成形したものである。従って、積層後、第1マイクロ構造片12と第2マイクロ構造片22との間は階段状になり、且つ第1作動流体チャンネルは入口から内へなだらかに小さくなり、水の順調な流動を保証する。
【0050】
図12に示すように、本発明は、作動流体チャンネル片の端面がずれている第2実施例を更に提供する。具体的には、第2マイクロ構造片22に位置決め部26を設けることなく、前記第2マイクロ構造片スペーサ21が第1作動流体チャンネルの延在方向に第2マイクロ構造片22から突出するようにしてもよく、こうしても上記段階構造を形成できる。
【0051】
図13に示すように、本発明は、作動流体チャンネル片の端面がずれている第3実施例を更に提供する。前記第2マイクロ構造片スペーサ21及び第2マイクロ構造片22の端部は上下方向に互いに面一になってもよい。又は、前記第2マイクロ構造片22は第1作動流体チャンネルの延在方向に第2マイクロ構造片スペーサ21から突出しており、前記位置決め部26を有さなくてもよい。
【0052】
図14に示すように、上記実施例に加えて、本発明は、作動流体チャンネル片の端面がずれている第4実施例を更に提供する。具体的には、前記第2マイクロ構造片スペーサ21は第1作動流体チャンネルの延在方向に第1マイクロ構造片12から突出してもよい。ここで、第2マイクロ構造片スペーサ21が第2マイクロ構造片22から突出するケースと第2マイクロ構造片22が第2マイクロ構造片スペーサ21から突出するケースの2つの場合がある。第2マイクロ構造片スペーサ21、第2マイクロ構造片22、第1マイクロ構造片スペーサ11、第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片スペーサ21といった5層構造を1組として観察すると、第1のケースでは、隣り合う2つの第2マイクロ構造片スペーサ21間に第2マイクロ構造片22、第1マイクロ構造片スペーサ11及び第1マイクロ構造片12がある。従って、積層後、第1作動流体チャンネルの入口はラッパ状になり、水の順調な流通を保証できる。
【0053】
図15に示すように、第2のケースでは、本発明は作動流体チャンネル片の端面がずれている第5実施例を更に提供する。第2マイクロ構造片22、第1マイクロ構造片スペーサ11、第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片スペーサ21を1組として観察すると、積層後に上記第1マイクロ構造片12が第1作動流体チャンネルの延在方向に第2マイクロ構造片スペーサ21と第2マイクロ構造片22から突出するような構造と同様になる。
【0054】
図11に示すように、流動抵抗を更に減少させるために、前記第1端部16及び第2端部24はガイド部17を更に有し、前記ガイド部17の上側及び/又は下側はガイド斜面18を有し、前記ガイド斜面18は平面又は円弧面として設けられている。即ち、前記第1マイクロ構造片12、冷媒マイクロ構造片スペーサ、第2マイクロ構造片22はその端部に設けられるガイド部17を更に有している。ここで、ガイド斜面18が円弧面として設けられる場合、凹と凸の2種類の円弧面が含まれる。従って、ずれた積層片にガイド部17を加えることで、流動抵抗を大幅に減少させることができる。当然、積層片とガイド部17は実情に応じて択一的に設けてもよい。
【0055】
本実施例において、前記第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片スペーサ21、第2マイクロ構造片22の三者は、2つごとのずれ距離の範囲が0.2~0.7mmであり、好ましくは0.5mmである。従って、ずれ距離が小さく、コンパクト型熱交換器の小さな体積を保証できるとともに、流動抵抗を減少させ、水が第1流体層の流路に流入しやすくすることもできる。
【0056】
本実施例において、前記第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片22、第1マイクロ構造片スペーサ11、第2マイクロ構造片スペーサ21は、上下方向に貫通する貫通孔25を更に有している。ここで、前記第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片22、第1マイクロ構造片スペーサ11、第2マイクロ構造片スペーサ21の貫通孔25は前後両側に、対角的に設けられている。また、第1流体入口と第1流体出口が左右両側に設けられていると共に、貫通孔25が前後両側に設けられ、且つ前側の貫通孔25が左寄りに後側の貫通孔25が右寄りに設けられている。なお、前側の貫通孔25が右寄りに後側の貫通孔25が左寄りに設けられていると解してもよい。各第1マイクロ構造片スペーサ11には前記貫通孔25が1つのみ設けられ、且つ第1作動流体チャンネル片1と第2作動流体チャンネル片2が積層された後、前記貫通孔25は冷媒流出入用のチャンネルを形成する。当然、第1流体入口と第1流体出口が前後両側に設けられる場合、貫通孔25は左右両側に設けられる。
【0057】
前記コンパクト型熱交換器の上下両側はそれぞれ第2流体管5に接続されている。前記第2流体管5は、第2流体入口管及び第2流体出口管を含む。本実施例において、前記第2流体管5は冷媒管であるため、冷媒管と冷媒チャンネルの入口部分は交差している。即ち冷媒はコンパクト型熱交換器内で、まず上下方向に流動して冷媒チャンネルに流入し、次に冷媒チャンネルの水平方向に流動し、最後に上下方向に流動してコンパクト型熱交換器から流出するように、流動する。本実施例において、前記第2流体管5は第2作動流体チャンネル23に垂直である。従って、冷媒が第2作動流体チャンネル片に流入するときに一度の曲がりが生じる。それにより冷媒の乱れが増加し、冷媒の気液二相が十分に混合され、冷媒が第2流体層チャンネル内で気相と液相の二相に分離されることが回避され、冷媒の温度が均一に保持され、熱交換の安定性が向上する。
【0058】
それに加えて、接続管が水平方向の対向両側に設けられ、冷媒管が上下両側に設けられているため、コンパクト型熱交換器周囲の空間が十分に利用され、局所的な配管密度が相対的に高くなることが回避され、且つ点検配管の設計と取り付けが容易になる。また、第1流体入口及び第1流体出口の位置は第2流体入口及び第2流体出口の位置と反対である。例えば、本実施例において、第1流体入口が左側にあり、第1流体出口が右側にあると仮定すると、第2流体入口が右側に設けられ、第2流体出口が左側に設けられている。この場合、水が左から右への流れ方向となり、冷媒が全体として右から左への流れ方向となるため、水と冷媒は対向流を形成するような設計となり、熱交換効率の向上が最大化される。当然、他の実施例において、第1流体入口と第1流体出口が前側と後側にある場合には、冷媒の入口と出口が後側と前側にある。又は、第1流体入口と第2流体入口、第1流体出口と第2流体出口は同側に設けられる。
【0059】
本実施例において、対角線上に設けられた2つの貫通孔25の外径は異なっている。前記コンパクト型熱交換器が凝縮器として用いられる場合、大きい方の貫通孔25が第2流体入口とされ、前記コンパクト型熱交換器が蒸発器として用いられる場合、小さい方の貫通孔25が第2流体入口とされる。凝縮器を例にする。凝縮器にとって、入口に気体の高圧高温冷媒が流れ、出口に液体の高圧冷媒が流れ、気体冷媒と液体冷媒の密度に大きな差異がある一方、一定の冷媒流量を確保するために、冷媒の流速を一定の範囲内とする必要もある。このため、高圧気管に比較的太い配管を選択するとともに、凝縮器の出口配管に比較的細い液管を選択する必要がある。
【0060】
同一側にある複数の貫通孔25のうち、第1マイクロ構造片12の貫通孔25の内径は第2マイクロ構造片22の貫通孔25の内径と同じである。
【0061】
本実施例において、前記第1マイクロ構造片スペーサ11、第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片スペーサ21及び第2マイクロ構造片22は厚さが同じであり、且つ0.1mm以下であって、第1作動流体チャンネル及び第2作動流体チャンネルの高さも0.1mm以下であり、且つ好ましくは0.1mmであるため、プレス加工による製造の安定性を保証できるだけでなく、熱交換性能を著しく向上させることもできる。第1マイクロ構造片12と第2マイクロ構造片22との間の隙間が小さいほど、分流された水及び冷媒の流れが小さく、熱交換性能が高い。
【0062】
ここで、前記第1マイクロ構造片スペーサ11と第2マイクロ構造片スペーサ21は構造強度を増加させるように機能するだけでなく、より重要なのは、第1マイクロ構造片スペーサ11と第2マイクロ構造片スペーサ21が第1作動流体チャンネル片1と第2作動流体チャンネル片2の囲いを形成することにより、水と冷媒の漏れが阻止され、水と冷媒の正常な流動が保証されることである。
【0063】
第1マイクロ構造片スペーサ11、第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片スペーサ21、第2マイクロ構造片22が高効率に順番に積層できるように、上記四者にはいずれも挿通孔が設けられており、前記コンパクト型熱交換器はそれぞれ、上下両端にある基板6と、底層の基板6に配置された位置決め柱とを更に備えている。本実施例において、前記挿通孔は四隅部分に設けられている。組み立て時、上記四者を順に底層基板6に挿着し、積み重ねが完了した後、上層の基板6を位置決め柱に挿着し、最終的に原子拡散接合を行えば前記コンパクト型熱交換器の製造を完了できる。前記基板6は、接続板3の作動流体チャンネル片に近い側の壁面に係合して接続板3と作動流体チャンネル片との間を密封する密封部61を有し、それにより流体が接続板3と基板6との間から漏れるリスクが低減される。
【0064】
しかし、挿着を容易にするために、前記位置決め柱の外径は必然的に挿通孔の内径を下回る必要があるため、上記四者は正しく位置合わせされていない状況が発生しやすい。第1マイクロ構造片スペーサ11と第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片スペーサ21と第2マイクロ構造片22の正確な位置合わせを保証するために、前記第1マイクロ構造片12及び第2マイクロ構造片22には上記突出延在する位置決め部26が更に設けられ、前記第1マイクロ構造片スペーサ11及び第2マイクロ構造片スペーサ21はそれぞれ、前記位置決め部26に係合する規制部27を有している。
【0065】
位置決め部26及び規制部27を設けることで、正確な位置決めが保証されるとともに、正確な位置決めによりマイクロ構造片スペーサの外側へのずれが回避されるため、原子拡散接合時、マイクロ構造片スペーサとマイクロ構造片の溶接面積が十分に確保され、溶接効果が向上し、そしてマイクロ構造片スペーサの内側へのずれも回避され、第1作動流体チャンネル及び冷媒チャンネルの幅の縮小が回避され、熱交換性能が保証される。
【0066】
本実施例において、前記第1マイクロ構造片12上における位置決め部26は前記貫通孔25の周縁に設けられ、且つ貫通孔25の内壁周囲からプレス加工によって突出延在するように形成されている。前記第1マイクロ構造片スペーサ11の規制部27は前記貫通孔25から外へ更に凹むように設けられた切欠であり、前記切欠は前記貫通孔25に連通しているため、第1マイクロ構造片スペーサ11の貫通孔25及び切欠の内径は全体的に見ると、第1マイクロ構造片12の貫通孔25の内径よりやや大きく、それにより第1マイクロ構造片スペーサ11の切欠が位置決め部26の外側に嵌着されることによる位置決めが実現される。
【0067】
前記貫通孔25が円形であるため、第1マイクロ構造片12の位置決め部26は貫通孔25の内壁周囲からプレス加工によって形成される。従って、前記貫通孔25及び位置決め部26は全体的に非円形となり、貫通孔25及び切欠も全体的に非円形となる。第1マイクロ構造片スペーサ11が第1マイクロ構造片12に取り付けられる場合、切欠と貫通孔25の接続部分に止め構造が形成され、それにより第1マイクロ構造片スペーサ11の回転が防止され、更に第1マイクロ構造片スペーサ11と第1マイクロ構造片12の正確な位置決めが実現される。
【0068】
前記貫通孔25により位置決め部26及び規制部27を設ければ、貫通孔25そのものの構造が十分に利用され、金型の設計変更が少なく、プレス成形が容易になり、製造しやすく、第1マイクロ構造片12の熱交換領域が最大限に増大され、熱交換性能が向上する。
【0069】
前記第2マイクロ構造片22上における位置決め部26はその対向両側から突出延在して形成され、且つプレス加工によって一体成形されたものである。本実施例において、前記位置決め部26は第2マイクロ構造片22のエッジにあり、且つ前記第1凹部14の内壁周囲からプレス加工によって突出延在して形成されたものである。前記第2マイクロ構造片スペーサ21の規制部27はそれ自体の対向両側である。つまり前記第2マイクロ構造片スペーサ21は両側の位置決め部26の間に挟持されればよく、第2マイクロ構造片スペーサ21の正確な位置決めを保証できるだけでなく、第2マイクロ構造片スペーサ21の両側のサイズをやや小さく設計すればよく、構造上の設計が必要でなく、生産コストが大幅に削減される。当然、他の実施例において、上記2種類の位置決め部26の構造は互いに置き換えてもよいし、凹溝と凸部による嵌合の方式で位置決めを実現してもよい。
【0070】
前記コンパクト型熱交換器は、第1マイクロ構造片スペーサ11、第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片スペーサ21、第2マイクロ構造片22が順番に積層されることを保証する順序認識構造7を更に備えている。本実施例において、前記順序認識構造7は、前記第2マイクロ構造片22上及び第2マイクロ構造片スペーサ21に設けられた切欠きである。前記切欠きは第2マイクロ構造片22上及び第2マイクロ構造片スペーサ21の両側から凹むように形成されている。第1マイクロ構造片12のマイクロ構造片スペーサ及び第1マイクロ構造片スペーサ11には前記切欠きが設けられず、それにより積層時に、冷媒作動流体チャンネル片が切欠きを有し、第1作動流体チャンネル片1が切欠きを有さないという特徴が形成され、更に積層が誤ったか否かの認識が容易になる。
【0071】
前記第1マイクロ構造片12は、第1流体入口から第1流体出口への作動流体チャンネルの延在方向において水が流れる遷移領域8(入口領域又は出口領域に対応)及び熱交換領域9を有している。本実施例において、前記第1マイクロ構造片12は、前記熱交換領域9の左右両側に2つの遷移領域8を有する。前記第1マイクロ構造片12は前記遷移領域8を形成する複数の第1突起81、前記熱交換領域9を形成する複数の第2突起91を有している。前記第1突起81の配列密度が第2突起91の配列密度より小さいことにより、遷移領域8での水の流入と流出が容易になり、熱交換領域9は水を十分に乱すことができ、熱交換面積を増大できるだけでなく、熱交換時間を増加することもでき、それにより熱交換性能が向上する。本実施例において、熱交換性能をさらに強化するために、前記遷移領域8にも前記第2突起91が複数設けられる。
【0072】
同様に、前記第2マイクロ構造片22も、第2流体入口から出口への方向において冷媒が流れる遷移領域8及び熱交換領域9を有している。ただし、第2マイクロ構造片22においては第2流体入口と出口が対角的に設けられているため、遷移領域8も対角的に設けられている。同様に、第2マイクロ構造片22も遷移領域8を形成する複数の第1突起81、熱交換領域9を形成する複数の第2突起91を有する。
【0073】
本実施例において、前記第1突起81及び第2突起91はいずれもプレス加工によって形成される一方向の突起であり、前記第1突起81及び第2突起91の突起高さは0.1mm以下であり、好ましくは0.1mmであり、即ち第1突起81及び第2突起91の突起高さは第1マイクロ構造片スペーサ11、第1マイクロ構造片12、第2マイクロ構造片スペーサ21及び第2マイクロ構造片22の厚さと一致している。つまり、作動流体チャンネルの高さは突起高さである。また、原子拡散接合時、隣り合う2層同士が安定して接続固定できるように、マイクロ構造片スペーサは突起と同じ高さである。
【0074】
そして、前記第1マイクロ構造片12は第2マイクロ構造片22の第1突起81及び第2突起91の突出方向と同方向に配置されている。なお、第1突起81及び第2突起91がプレス加工によって形成されるため、従来のエッチングによって形成される突起が中実構造であるのに対して、本出願の第1突起81及び第2突起91は内部が中空構造である。そのため、本出願のコンパクト型熱交換器は要する生産材料がより少なく、コストがより低く、且つ重量がより軽く、取り付けと取り外しが容易であり、応用シナリオがより多様であることに注意されたい。
【0075】
本実施例において、第1突起81は凸レンズ断面形又はカプセル形を呈し、前記第1突起81は両側に位置するガイド部を有し、前記ガイド部は第1作動流体チャンネルの入口及び第1作動流体チャンネルの出口に向かって配置されている。それにより流動抵抗が減少しやすくなり、水がより容易に熱交換領域9に流入又はそこから流出でき、順調な水取り入れと水取り出しが保証される。当然、前記第1突起81は水滴形、楕円形等、他の形状としてもよい。前記第2突起91は円形である。
【0076】
従って、第2突起91も流動抵抗を効果的に減少させることができる。複数の前記第1突起81及び複数の前記第2突起91は左右方向において複数列に設けられ、隣り合う2つの第1突起81の列はずれて配列されている。同様に、隣り合う2つの第2突起91の列もずれて配列されている。よって、後列の第1突起81及び第2突起91は前列を流れた水又は冷媒を更に分散させることができ、それにより水及び冷媒の流路内での乱れが強化され、熱交換面積が増加し、熱交換性能が向上する。
【0077】
また、前記第1マイクロ構造片12の第1突起81は放射状、即ちラッパ状に配列されている。左側の第1突起81を例にして以下のとおり説明する。後半部分の第1突起81は左から右へなだらかに後ろに傾斜しており、前半部分の第1突起81は左から右へなだらかに前に傾斜している。従って、全体的にはラッパ状の配置となり、それにより水を取り入れる時、水を前後両端に導くことができ、中間位置への集中が回避され、第1作動流体チャンネル内の空間が十分に利用され、熱交換がより均一になり、熱交換性能が向上する。同様に、第2マイクロ構造片22の第1突起81も放射状に配列される。
【0078】
本実施例において、第1突起81及び第2突起91はいずれも一方向の突起であり且つ同方向に突出延在するとともに、第1マイクロ構造片12の第2突起91及び第2マイクロ構造片22の第2突起91は中心が互いにずれている。即ち第1マイクロ構造片12の第2突起91と第2マイクロ構造片22の第2突起91の両者は円の中心が上下方向に一致しない位置にあるが、両者は上下方向において重なり合う共通部分を有している。従って、下側の第2マイクロ構造片22の第2突起91の一部は上側の第1マイクロ構造片12の底面に当接し、別の部分は第1マイクロ構造片12の第2突起91の陥没キャビティに面している。それによって原子拡散接合時、隣り合う第1マイクロ構造片12と第2マイクロ構造片22との間の第2突起91は共同で支持を行い、第1マイクロ構造片12と第2マイクロ構造片22との間の押圧による変形のリスクが大幅に低減される。
【0079】
本実施例において、前記熱交換領域9内で左右方向に沿う各列の第2突起91のうち、隣り合う2つの第2突起91間の距離範囲は0.5mm~1.5mmであり、好ましくは1mmである。前後方向に沿う各列の第2突起91のうち、隣り合う2つの第2突起91間の距離範囲も0.5mm~1.5mmであり、好ましくは1mmである。且つ前記第2突起91の直径は0.5mm以下であり、好ましくは0.5mmである。且つ隣り合う2行の第2突起91又は隣り合う2列の第2突起91はいずれもずれ距離が1mmである。
【0080】
従って、上記第2突起91の合理的な配列により、十分に多い第2突起91を確保でき、プレス加工時のマイクロ構造片の破損リスクを効果的に低減できるだけでなく、水又は冷媒の流路内での十分な乱れを保証でき、熱交換効率が向上する。また、限られた熱交換領域9内に設けることができる第2突起91の数がより多くなるとともに、プレス成形も容易になり、それにより熱交換面積が増大され、熱交換性能が向上する。
【0081】
以下にコンパクト型熱交換器の製造方法を詳細に説明する。
【0082】
1つの熱交換器の製造方法は、マイクロ構造を有する熱交換領域と、入口領域及び出口領域を有するエッジ領域とを含むマイクロ構造片を形成するステップと、前記入口領域及び出口領域にそれぞれ対応する流入口及び流出口を有するマイクロ構造片スペーサを形成するステップと、前記マイクロ構造片スペーサと前記エッジ領域を交互に積層し接合して熱交換器を形成するステップと、を含む。
【0083】
該方法では、前記マイクロ構造片及び前記マイクロ構造片スペーサを2部分に分けて個別に成形することで、選択可能な成形技術が増加する。例えばプレスプロセスによってマイクロ構造片及びマイクロ構造片スペーサを形成することができ、従来のエッチング技術に比べ、量産に適し、生産コスト的に顕著な量産効果を有し、生産効率が高くて環境汚染が少ない。
【0084】
具体的には、プレスプロセスによって熱交換器及びマイクロ構造片スペーサを形成する。プレスプロセスでは具体的に一次プレスを採用して形成する。
【0085】
マイクロ構造片スペーサ、マイクロ構造片を交互に積層し、その後、原子拡散接合によってそれらを一体として接合する。
【0086】
プレスプロセスによって前記突起を形成した後、前記マイクロ構造片の他方の面に前記突起に対応する陥没キャビティを形成する。即ち前記突起は中空の構造とする。マイクロ構造片スペーサ、マイクロ構造片が交互に積層されると、隣り合う2つのマイクロ構造片上における突起は中心が互いにずれている。つまり、1つのマイクロ構造片の突起と隣り合うマイクロ構造片の突起の中軸線は重ならない。つまり、1つのマイクロ構造片の突起の少なくとも一部と隣り合うマイクロ構造片上の突起が設けられていない部分とが互いに対応し、両者は原子拡散接合を実現する。
【0087】
隣り合う2つのマイクロ構造片間の有効な接合の形成を保証するために、好ましくは、隣り合う2つのマイクロ構造片上の突起のシフト距離は突起直径の1/3~2/3であり、好ましくは1/2以上である。
【0088】
マイクロ構造片とマイクロ構造片スペーサとを重ねる際、上記順序認識構造によって順番に積層し、上記の位置決め部、挿通孔及び位置決め柱によって各片を第1方向に沿って位置合わせし、その後、原子拡散接合を行う。
【0089】
原子拡散接合プロセスは、洗浄、積み重ね、作業治具加圧、真空炉による原子拡散接合のステップを含み、真空圧力は4×10-3Pa、加圧面圧は5MPa、温度は1100℃程度とする。
【0090】
別の熱交換器の製造方法では、図17及び図18に示すように、板材を折り曲げて補助規制板Mを形成する。前記補助規制板Mは、互いに平行な複数の規制片M1、隣り合う規制片M1を接続する接続片M2を含む。好ましくは、規制片M1、前記接続片M2は蛇行(つづら折り)状に配列される。
【0091】
隣り合う2つの規制片M1間の距離は一定の数のマイクロ構造片及びマイクロ構造片スペーサを収容できるように設定される。重ねる時、複数のマイクロ構造片と複数のマイクロ構造片スペーサを交互に隣り合う規制片M1間に挿着し、規制片M1によって複数のマイクロ構造片及び複数のマイクロ構造片スペーサを固定の空間内に限定し、原子拡散接合時にマイクロ構造片、マイクロ構造片スペーサが熱を受けて膨張することによる変形又はずれを防止する。
【0092】
好ましくは、前記規制片M1はマイクロ構造片の構造と同じとし、熱交換器の1つのマイクロ構造片として使用される。また、マイクロ構造片が互いに異なるマイクロ構造の第1マイクロ構造片及び第2マイクロ構造片を含む場合、前記規制片M1は第1マイクロ構造片であっても第2マイクロ構造片であってもよい。製造プロセスは、まず板材上にプレス加工によってマイクロ構造を形成し、次に折り曲げて前記補助規制板Mを形成する。
【0093】
好ましくは、前記規制片M1と前記マイクロ構造片スペーサは厚さが同じであり、隣り合う2つの規制片M1間の距離は規制片M1の厚さの奇数倍である。一実施例において、規制片M1上にマイクロ構造が設けられてもよくマイクロ構造が設けられなくてもよいが、1つのマイクロ構造片として使用され、マイクロ構造片スペーサ、マイクロ構造片、マイクロ構造片スペーサ、マイクロ構造片…マイクロ構造片スペーサのように交互にn個のマイクロ構造片スペーサ及びn-1個のマイクロ構造片を挿入する。別の実施例において、前記規制片M1は規制の役割のみ果たし、マイクロ構造片、マイクロ構造片スペーサ、マイクロ構造片、マイクロ構造片スペーサ……マイクロ構造片のように交互にm個のマイクロ構造片及びm-1個のマイクロ構造片スペーサを挿入する。
【0094】
また、前記規制片M1は6枚以下であり、折り曲げ回数は板材の耐えられる範囲内である。一具体的な実施例では、6枚とし、この場合、前記接続片M2は5枚であり、熱交換器全体を5つのユニットに分けて接合する。
【0095】
マイクロ構造片及びマイクロ構造片スペーサの形成プロセス、隣り合う2つの規制片M1間のマイクロ構造片及びマイクロ構造片スペーサの設け方、原子拡散接合プロセスについてはいずれも上記説明を参照されたい。ここでは詳細な説明を省略する。
【0096】
別の前記熱交換器の製造方法は以下を含む。補助規制板Mを形成し、前記補助規制板Mは上記実施例と同じで、互いに平行な複数の規制片M1、隣り合う規制片M1を接続する接続片M2を含み、複数の第1作動流体チャンネル片と複数の第2作動流体チャンネル片を交互に隣り合う2つの規制片M1間に積層し、そして補助規制板M、第1作動流体チャンネル片及び第2作動流体チャンネル片を接合して熱交換器を形成する。
【0097】
前記第1作動流体チャンネル片と前記第2作動流体チャンネル片は異なるマイクロ構造を有する。
【0098】
更に、前記規制片M1は前記第1作動流体チャンネル片と同じ構造であるか、又は、前記規制片M1は前記第2作動流体チャンネル片と同じ構造である。
【0099】
当然、上記方法は上記マイクロ構造片及びマイクロ構造片スペーサを接合して形成される作動流体チャンネル片にも適用する。
【0100】
本明細書は実施形態に従って説明したが、各実施形態は1つの独立した技術的解決手段のみを含むわけではなく、明細書のこのような説明方式は明確にするためのものに過ぎず、当業者であれば明細書を全体と見なすべきであり、各実施形態における技術的解決手段は適宜組み合わせて、当業者が理解し得る他の実施形態を形成することもできることを理解すべきである。
【0101】
上述した一連の詳細な説明は本発明の実行可能な実施形態についての具体的な説明に過ぎず、それらは本発明の保護範囲を限定するためのものではなく、本発明の技術精神から逸脱することなく行われる同等の実施形態又は変更はいずれも本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
図1
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図3
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図5
図6
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【国際調査報告】