(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】インテリジェントロボットのためのモジュラーフレーム
(51)【国際特許分類】
B25J 9/08 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
B25J9/08
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024500051
(86)(22)【出願日】2022-06-26
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022035039
(87)【国際公開番号】W WO2023278284
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523408640
【氏名又は名称】エックステンド エーアイ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】フォックス,ハリー
(72)【発明者】
【氏名】アズレイ,デイビット
(72)【発明者】
【氏名】サポジュニコヴ,セルグ
(72)【発明者】
【氏名】ゴアリック,アンドリュー シー.
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS27
3C707CS08
3C707CU09
3C707CY12
3C707LW11
3C707WA16
(57)【要約】
インテリジェントロボットのためのモジュラーフレームは、ベース部、及び特定の機能を実施するための1つまたは複数のデバイス、を含む。ベース部は、ロボットの動き及び機能を制御し、各モジュールが固有の機能を実施する、複数のモジュールのための、動作命令のメモリを含む。このベース部はスマートコネクタを有する。特定の機能を実施するためのデバイスは、スマートコネクタを有し、それは、デバイスまたはモジュール、及びモジュールを操作するためのファームウェアのための、固有のコードを含む。モジュールがモジュール式フレームに取り付けられたとき、モジュールのスマートコネクタは、ベース部のスマートコネクタと電子通信し、それによってベース部に、インテリジェントロボットを操作するための十分な動作情報を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インテルジェントロボットのための、モジュラーフレームであって、
前記ロボットの動き及び機能を制御し、各モジュールが固有の機能を実施する複数のモジュールのための動作命令を含み、かつスマートコネクタを有する、ベース部と、
特定の機能を実施し、かつスマートコネクタを有する、1つもしくは複数のデバイスまたはモジュールであって、前記スマートコネクタは、前記デバイスまたはモジュールのための固有のコード、及び前記モジュールの動作のためのファームウェアを含む、1つもしくは複数のデバイスまたはモジュールと、を備え、
モジュールが前記モジュラーフレームに取り付けられたとき、前記モジュールの前記スマートコネクタは、前記ベース部の前記スマートコネクタと電子通信し、それによって前記ベース部に、前記インテリジェントロボットを操作するための十分な動作情報を提供する、モジュラーフレーム。
【請求項2】
前記ベース部は、ロボットの基本オペレーティングシステムと、前記ロボットの前記モジュラーフレームに取り付けられた物理的デバイス及びモジュールを制御かつコマンドするハードウェアコードと、を含む、請求項1に記載のモジュラーフレーム。
【請求項3】
前記ベース部は、CPU、MCU及び電源ボード、ロボットオペレーティングシステムのコマンドライブラリ、ならびに人工知能エンジン、を含む、請求項1に記載のモジュラーフレーム。
【請求項4】
前記ベース部は、通信プロトコルをさらに備える、請求項1に記載のモジュラーフレーム。
【請求項5】
自律式運動のための手段をさらに備える、請求項1に記載のモジュラーフレーム。
【請求項6】
インテリジェントロボットを生成するための、モジュラーキットであって、
複数の選択可能なベースモジュールであって、
少なくとも前記ベースモジュールを制御及びコマンドする、低レベルのハードウェアコードを備えた、ロボットファームウェア、
複数の機能モジュールのための複数の動作命令を備えた、ロボットオペレーティングシステム(OS)、
前記ベースモジュール及び前記機能モジュールの、ファームウェア、特徴、及び機能を含んだ、データライブラリ、
複数のスマートコネクタに同時に接続できる、スマートLyncハブ及びスマートコネクタの内少なくとも1つ、
を備えた、複数の選択可能なベースモジュールと、
特定の機能を実施するための、複数の選択可能な機能モジュールであって、各選択可能な機能モジュールは、前記機能モジュールのための固有のコード、及び選択可能な前記機能モジュールの動作のためのファームウェア、を含んだスマートコネクタを有する、複数の選択可能な機能モジュールと、
を備える、キット。
【請求項7】
複数の前記ベースモジュールは、スマートファームウェア、通信プロトコル、CPU、MCU、電源ボード、ロボットオペレーティングシステムのコマンドライブラリ、人工知能エンジン、メモリ、及び通信モジュール、の内少なくとも1つも備える、請求項6に記載のキット。
【請求項8】
前記機能モジュールは、前記インテリジェントロボット内の、割り当てられた任意の位置で動作する、請求項6に記載のキット。
【請求項9】
前記機能モジュールは、割り当てられた任意の向きで動作する、請求項6に記載のキット。
【請求項10】
前記機能モジュールは、前記スマートコネクタを介して、前記ベースモジュールと電子的に通信する、請求項6に記載のキット。
【請求項11】
前記機能モジュールは、薬物ディスペンサ、把持アーム、胴体要素、医療デバイスまたは装備、衛生デバイスまたは装備、搬送デバイスまたは装備、調理デバイスまたは装備、娯楽デバイスまたは装備、ならびに、個人の健康及び補助デバイス、の内少なくとも1つである、請求項6に記載のキット。
【請求項12】
前記スマートコネクタは、前記キットがインテルジェントロボットとして動作するための十分な動作情報を、前記ベースモジュールに提供するユニットを含む、請求項6に記載のキット。
【請求項13】
前記スマートコネクタは、ワイヤレス通信ユニット及び有線接続、の内少なくとも1つを備える、請求項6に記載のキット。
【請求項14】
前記有線接続は、直接接続、所有権があるコネクタ、及び所有権がないコネクタ、の内少なくとも1つである、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
前記スマートコネクタは、装着されたモジュール識別、装着されたモジュールの装着方法、装着されたモジュールの位置、装着されたモジュールの所定の機能、装着されたモジュールの購入/前払いのオプション機能、装着されたモジュールの関連した設計データ、及び装着されたモジュールの確認データ、の内少なくとも1つと通信するユニットを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項16】
前記関連した設計データは、ロゴ、テーマ、デザイン、の内少なくとも1つである、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
前記確認データは、認可されたもの、無認可のもの、及び海賊版、の内少なくとも1つである、請求項15に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年6月30日に申請された米国仮特許出願第63/216,539号明細書、及び2021年8月17日に申請された米国仮特許出願公開第63/233,837号明細書の優先権を主張する。これら両方は、参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明はロボット工学に関し、より詳細には、様々な機能モジュールが交換及び/または再設置されるのを可能にする、モジュラーロボットに関する。
【背景技術】
【0003】
現在ロボットは、至る所に存在し、多くの異なる産業において、無数の目的のために使用される。
【0004】
サービスロボット及び個人用ロボット産業が現在直面する、多くの障壁が存在する。それらの中には次のものがある:
移動式で自律したサービスロボットを開発するために、平均で3.5年、35,000,000USドルを費やす。
サービスロボットのコストは、ほとんどの企業にとって負担しきれない。
サービスロボットは、特定の用途のために設計されるので、設定変更は可能ではない。
ロボットは、インターネットに接続されたときのみ、完全に機能することができる。
ほとんどのロボットは反応型であり、それらの適用可能性を限定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、当産業において、購入可能で、全ての仕事及び用途に利用可能なロボットを製造する必要性が存在する。さらに、当産業及び当分野において、有効かつ効率的に、ロボットの機能モジュールの交換及び/または再配置を可能にできるデバイス、またはシステムに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これら及び他の目的の実現するために、本明細書のデバイスは、ロボットの機能モジュールの交換及び/または再配置を容易にする。
【0007】
したがって、これら及び他の目的を実現するために、本明細書で開示する発明は、インテリジェントロボットのためのモジュラーフレームであり、それは:ロボットの動き及び機能を制御し、各モジュールが、特有の機能を実施する複数のモジュールのための動作命令メモリを含み、かつスマートコネクタを有する、ベース部と;特定の機能を実施するための、1つもしくは複数の、デバイスまたはモジュールであって、このデバイスまたはモジュールのための固有のコードを含んだスマートコネクタ、及びこのモジュールの動作のためのファームウェアを有する、デバイスまたはモジュールと、を備える。モジュールが、上記のモジュラーフレームに取り付けられたとき、モジュールのスマートコネクタは、ベース部のスマートコネクタと電子的に通信し、それによってベース部に十分な動作情報を提供して、インテリジェントロボットを操作する。
【0008】
現在ロボットは、一般的にゼロから、一度に1つのモデルが、特定の配備のために開発される。各々の新しい配備のために、新しいハードウェア及びソフトウェアが開発される。この方法は、コストがかかり、時間を浪費して、非能率的であることが判っている。コストを重視し、かつ広く多様化されたソーシャルロボット市場の要求を満たすために、本出願者は、所有権のある技術を作り出した。それは、任意の要求のためにカスタム式ソーシャルロボットを開発するために必要な、ロボットのコアである「4支柱」構造の、一般的に80%の再配備を、従来の設計によるロボットに対して少ない時間及びコストで可能にしている。
【0009】
本明細書で開示するモジュラーフレームは、性能、効率、及び信頼性を損なうことなく、柔軟性のあるモジュール式で、拡張可能となるよう設計される。この「レゴ」タイプのシステムは、広範囲な用途のために適切なセンサのパッケージを統合して、任務に特化した外部形態を設計することによって、実質的に制限のない構成が、安全に消費者の配備目的に対して構築できることを保証する。
【0010】
本明細書で開示するモジュラーロボットは、次世代のM-RAP所有権のあるモジュラーロボットアーキテクチャプラットフォームであり、それはサービスロボットの配備の時間及びコストを、さらに低減させることになる。全てのM-Rapコア、及び付属モジュールは、インテリジェントコネクタを構築し、それは各ハードウェア構成要素の「DNA」を含み、ロボット「ブレイン」が、使用されるかまたは後で追加される全てのハードウェア構成要素を、自動的に認識するのを可能にする。次に、各々が各々のロボットを管理及び制御できる、必要なソフトウェア/ファームウェアを自動的にコンパイルする。これは、任意の垂直的市場配備のための、実質的に無制限のカスタマイズを可能にする。それにより、オープンのプラグアンドプレイのAPI及び開発キットを、サードパーティーの付属物製造者が、アフターサービスにおいて各ロボットの中に差し込むことができる、付加価値のある付属物を、開発販売することが可能である。
【0011】
ベース部は、ロボットの基本オペレーティングシステムと、ロボットのモジュラーフレームに取り付けられた物理的デバイス及びモジュールを制御かつコマンドする、ハードウェアコードと、を含む。いくつかの実施形態において、ベース部はCPU、MCU及び電源ボード、ロボットオペレーティングシステムのコマンドライブラリ、ならびに人工知能エンジン、を含む。ベース部またはブレイン内に含まれるのは、通信プロトコルである。自律運動のための手段が含まれ得る。
【0012】
インテリジェントロボットを生成するための、モジュラーキットも提供される。このモジュラーキットは、複数の選択可能なベースモジュール、及び複数の選択可能な機能モジュールを含む。ベースモジュールはロボットファームウェアを含む。このロボットファームウェアは、少なくともベースモジュールを制御及びコマンドする、低レベルハードウェアコードと、複数の機能モジュールのための複数の動作命令を含んだ、ロボットオペレーティングシステム(OS)と、ベースモジュール及び機能モジュールのファームウェア、特徴、ならびに機能を含んだ、データライブラリと、スマートLyncハブ及びスマートコネクタと、の内少なくとも1つを含む。スマートLyncハブ及びスマートコネクタの内少なくとも1つは、複数のスマートコネクタに同時に接続可能である。複数の選択可能な機能モジュールは、特定の機能を実施し、各選択可能な機能モジュールは、機能モジュールのための固有のコードと、選択可能な機能モジュールの動作のためのファームウェアとを含んだ、スマートコネクタを有する。
【0013】
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、複数のベースモジュールは、スマートファームウェア、通信プロトコル、CPU、MCU、電源ボード、ロボットオペレーティングシステムのコマンドライブラリ、人工知能エンジン、メモリ、及び通信モジュール、の内少なくとも1つをさらに含む。
【0014】
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、機能モジュールは、インテリジェントロボット内で割り当てられた任意の位置、及び/または割り当てられた任意の向きで、動作する。
【0015】
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、機能モジュールは、スマートコネクタを介して、ベースモジュールと電子的に通信する。
【0016】
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、機能モジュールは、薬物ディスペンサ、把持アーム、胴体要素、医療デバイスまたは装備、衛生デバイスまたは装備、搬送デバイスまたは装備、調理デバイスまたは装備、娯楽デバイスまたは装備、ならびに、個人の健康及び補助デバイス、の内少なくとも1つである。
【0017】
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、スマートコネクタは、インテルジェントロボットとして動作するキットのための十分な動作情報を、ベースモジュールに提供するユニットを含む。
【0018】
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、スマートコネクタは、ワイヤレス通信ユニット及び有線接続の内、少なくとも1つを含む。
【0019】
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、スマートコネクタは、装着されたモジュールの識別、装着されたモジュールの装着方法、装着されたモジュールの位置、装着されたモジュールの所定の機能、装着されたモジュールの購入/前払いのオプション機能、装着されたモジュールの関連した設計データ、及び装着されたモジュールの確認データ、の内少なくとも1つを通信するユニットを含む。
【0020】
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、関連した設計データは、ロゴ、テーマ、デザイン、の内少なくとも1つである。
【0021】
最後に、本発明の好ましい実施形態によると、確認データは、認可データ、無認可データ、または海賊版データである。
【0022】
本発明の、より良好な理解のため、及び本発明をいかにして実行に移され得るかを示すために、次に、単に例として添付の図を参照する。そこでは、詳細に示されるものは例であり、本発明の好ましい実施形態を例示的に説明する目的のみのものであること、及び、本発明の原理及び概念上の態様の説明を、最も有用かつ容易に理解されると思われるものを提供する理由で提示されること、が強調される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】モジュラーロボットの構造を示す図表である。
【
図2】モジュラーロボットの構成要素における電気接続を示す図である。
【
図3】モジュラーロボットの骨格フレームを示す図である。
【
図4】モジュラーロボットに追加され得る、様々な機能モジュールを示す図である。
【
図5】いかにして本発明が仕事をするかのプロセスを示す流れ図である。
【
図6】いかにしてモジュールが接続され得るかを例示する図表である。
【
図7】いかにしてモジュールがベースモジュールに接続されるかを示す、接続図である。
【
図8】いかにしてモジュールがベースモジュールに接続されるかを示す、接続図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の詳細な説明において、多くの具体的な詳細は、本発明の完全な理解を提供するために記載される。しかし本発明を、これら特定の詳細がなくても実施され得ることを、当業者は理解されたい。他の例において、本発明を曖昧にしないよう、よく知られた方法、処理、及び構成要素は詳細に説明しない。
【0025】
基本的な実施形態において、本発明は、ロボットの機能モジュールの交換及び/または再配置を容易にするデバイスを構成する。
【0026】
特に、本発明の実施形態を例示する
図1及び
図2を参照すると、モジュールキットまたはフレーム100を有し、そこからインテリジェントロボットを生成する。
図1は、本発明の基本的アーキテクチャを示し、
図2は、いかにしてキット100のモジュールが接続するかを示す。
【0027】
キット100は、ベースモジュール102、複数の機能モジュール104、複数の付属物106、及びスマートLyncハブ110、を備える。各ベースモジュール102及び各機能モジュール104は、スマートコネクタ108(
図2においてX-UIPとして示される)を備え、それを用いてハブ110に接続し、次にベースモジュール102及び機能モジュール104内の通信を提供し得る。
【0028】
ベースモジュール102は、生成されたロボットの動き及び機能を制御し、各々が特有の機能を実施する機能モジュール104のための、動作命令のメモリを含み得る。
【0029】
各スマートコネクタ108は、機能モジュール104またはベースモジュール102のための、固有のコードと、モジュールの動作のためのファームウェアと、を含む。モジュール102または104が、スマートハブ110に取り付けられ得たとき、モジュールのスマートコネクタ108は、スマートハブ1102と電子通信し、それは次にベースモジュール102と通信し、それによってベース部に、インテリジェントロボットを操作するために十分な動作情報を提供する。
【0030】
機能モジュール104は、例えばアーム、胴体要素(上部、中部、及び下部)、爪、保守管理デバイス、清掃デバイス、医療デバイス、調理デバイス、個人的補助デバイス、フィットネスデバイス、キャビネット、引出し、トレイセットなど、を備え得る。それらのいくつかは、
図1に示される。これらのモジュールの各々、及び関連の付属物は、社内で作られるか、社外の個人会社独占使用のために委託して作られるか、またはサードパーティーの個人もしくは他の会社で(認可を与えるか、もしくは他の金融取引もしくは非金融取引を介して)作られ得る。
【0031】
付属物106は、トレイ、カップホルダ、またはキーボードを備え得る。それらは、所有権があるか、または標準的なインターフェースを介して接続し、スマートコネクタを有さない。好ましい実施形態において、ベースモジュール102は、個々に接続されるか、または互いに接続され得る。ベースモジュール102は、ベースハウジング120の中に共に収容され、それによってロボットの動き及び機能を制御するベース部を形成し得る。ベースモジュール102は、ロボットを操作及び制御するために必要な全ての構成要素を備え得る。典型的なベースモジュール102及びベースハウジング120が、
図4に示される。
【0032】
ベースモジュール102は、ロボットの基本オペレーティングシステムと、物理的デバイスを制御及びコマンドするハードウェアコードと、を含み得る。いくつかの実施形態において、ベースハウジング120は、ベースモジュール102、CPU、MCU及び電源ボード、ロボットオペレーティングシステムのコマンドライブラリ、ならびに人工知能エンジン、を収容し得る。ホイール、ライダ―ユニット、キーボード、ディスプレイ、及びUSBコネクタなどの付属物も、ベースハウジング120に装着され得る。任意の機能、付属物、及び任意の機能モジュールは、生成されたロボット内のどこにでも、かつ任意の向きに設置され得ることを理解されたい。
【0033】
ベースモジュール102は、スマートLyncハブ110を制御するために、ファームウェアライブラリ及びスマートファームウェアを備え得る。メモリは、CPU、MCU、電源、通信モジュール、及びロボットを操作するために必要とされる全ての他のエレクトロニクスと共に、中に含まれ得る。
【0034】
ベースモジュール102は、スマートLyncハブ110を操作するために、ファームウェアライブラリ及びスマートファームウェアを備え得る。メモリは、CPU、MCU、電源、通信モジュール、及びロボットを操作するために必要とされる全ての他のエレクトロニクスと共に、中に含まれ得る。
【0035】
本発明によると、生成されたロボットは、同一の出願者が所有する、米国仮特許出願第63/304,621号明細書及び米国仮特許出願第63/310,120号明細書で記載されているように、オフラインまたはオンラインで動作し得る。オンライン動作のために、1つまたは複数のモジュール102は、好適なワイヤレス通信ユニットを備え得る。例えばそれは、Wi-Fiまたは携帯電話データユニットとし得る。これは、インターネットもしくはローカルネットワークを通して、または携帯電話サービスを介して、動作命令を受信するために通信することを可能にし得る。
【0036】
より詳細には、インテリジェントロボットは、スピーカ、マイクロフォン、及びタッチスクリーンなど、必要に応じてヒューマンインターフェースデバイスを含み得る。これらは、任意の好適な機能モジュール104の一部とし得る。この方法で、ロボットの間近にいる人がベースモジュール102と通信して、特定の機能またはロボットが実行する動作の命令を提供できる。
【0037】
この例示的な実施形態において、ベースハウジング120は、1つもしくは複数のスマートコネクタ108、またはスマートLyncコネクタとしても知られているスマートハブ110、を収容し得る。
【0038】
基本的なロボットにおける骨格フレームの例示的な実施形態が、
図3に示される。この実施形態において、モジュールは、金属など任意の好適な材料で作られ得る「骨格」または「未完成」モジュールとして、共に接続され得る。
【0039】
このように、使用者は、複数のヘッドモジュール104Aの内1つを選択し、それを胴体モジュール104Bの内の選択した1つに装着し得る。この組み合わせは、ベースモジュール102の内の選択した1つに装着され、骨格フレーム130を生成し得る。
【0040】
構成要素は、ネジ、ボルトなどによる従来の方法で、共に固定され得る。空間用付属物は、モジュールを所望の位置に設置するよう、モジュール間に設置され得る。一旦組み立てられると、外殻132が、美観目的のために適用され得る。外殻132は、プラスチックなど任意の好適な材料で作られ得る。他の実施形態において、ロボットは外殻を有するモジュールで構築されてもよく、それは別の外殻の追加を必要としないことを理解されたい。
【0041】
例示的なロボットは、示されるように、ヘッドモジュール、胴体モジュール、及びベースモジュール、に形状付けられたモジュールを有し得るが、モジュールの任意の数及び構成が、本発明によって可能となり得る。モジュールは、モジュールの位置付けまたは機能に依存した形状を有し得るか、または動物もしくはヒューマノイドなどの非ロボット設計をシミュレートするよう、形状を有し得ることを理解されたい。各モジュールは、割り当てられた任意の機能を、ロボット内で割り当てられた任意の位置、及び割り当てられた任意の向きで、実施し得る。これは、機能モジュールまたは付属物が、ロボットの1箇所のみに位置され得る標準的なロボットとは、対照的となり得る。このような標準的なロボットにおいて、その位置または機能を変えることは、ソフトウェア及びファームウェアを再プログラムすることを含み、ロボットの全く新しい設計を要求し得る。
【0042】
機能モジュール104がインテリジェントロボットのために選択されるとき、スマートコネクタを含み得る。
【0043】
一旦その機能モジュールがロボットに位置付けられ、かつ取り付けられたとき、スマートコネクタは、ベースモジュール102のスマートコネクタまたはハブと電子通信するよう、設置され得る。これにより、機能モジュール104のための動作情報が、ベースモジュール102に提供されるのを可能にし得る。それによって、ベース部が、ロボットの動作と共同で、この機能モジュールを制御するのを可能にする。
【0044】
電子通信は、任意の公知の方法で実現され得る。ワイヤまたはケーブルは、2つのスマートコネクタを接続するために、骨格フレームに沿って内部で進み得る。いくつかの実施形態において、この電子通信も、Bluetoothまたは近距離無線通信(NFC)などのワイヤレスで行われ得る。
【0045】
図4は、ロボットと、ベースハウジング120及びベースモジュール102を中に有するベースユニットと、に設置され得る、いくつかの考えられるモジュールを示す。例えば、(図の上部に示された)薬物ディスペンサまたは把持アームである。考えられるモジュール及びそれらに関連した付属物の、他の例は、例示目的のみで限定を意図せずに:医療デバイスもしくは装備、衛生デバイスもしくは装備、搬送デバイスもしくは装備、調理デバイスもしくは装備、娯楽デバイスもしくは装備、個人的健康及び補助デバイスもしくは装備、または、インテリジェントロボットへの装着から利益となり得る任意のデバイスもしくは装備、を含み得る。
【0046】
再び
図1を参照すると、ベースモジュール102に、1つもしくは複数のスマートLyncハブ、またはスマートコネクタが存在し得る。機能モジュール104の任意の数及びタイプが、1つのベースモジュール102または複数のベースモジュールに接続され得る。さらに示されるのは、トレイ及びキーボードなど、いくつかの異なる、考えられる付属物である。機能モジュール104についての、関連した動作情報を伴うスマートコネクタを含む限り、サードパーティーによって作り出されたモジュールも、接続され得る。
【0047】
別の基本的な構成は、最下部に内付けられたモジュールにおけるベースモジュール102を有し得る。ヘッドモジュール及び胴体モジュールは、特定の機能性を伴って含まれる。必要に応じて、他のモジュール及び付属物が装着され得る。
【0048】
ロボットはベースモジュールを有し、かつ追加の「機能」モジュールを有し得る。1つのベースモジュールは、(単一ユニットまたは集合体として)以下の要素を含み得る:
・ロボットのファームウェア、
・オペレーティングシステム(OS)を含んだ、ロボットの主なソフトイェア、及び
・「データライブラリ」(全て/ほとんどのモジュールで必要とされる、ファームウェア/特徴/機能の、全て/ほとんどのライブラリ)。
【0049】
ベースモジュール102が組み立てられ、選択された機能モジュールがスマートコネクタ108を介して接続されたとき、ロボットは、スマートコネクタから得たデータを使用して、以下の内のいくつか、または全てを認識する:
・どのモジュールが装着されたか、
・いかにしてモジュールが装着されたか、
・どこにモジュールが装着されたか、
・モジュールの位置、
・モジュールの向き、
・何の規定の機能をモジュールが担うか、
・どの購入/前払いのオプション機能に、モジュールがアクセスしているか、
・もしあれば、どの設計データが、モジュール(例えばファースト、セカンド、サードパーティーの開発者の会社ロゴ、もしくはモジュールの会社ロゴ、またはモジュールに追加された顧客のデザイン/ロゴ/テーマ)と関連付けられるか、
・モジュールが認可されたものか、または海賊版もしくは無認可のものではないか、についての確認データ。
【0050】
スマートコネクタ108は、このデータを1つのベースモジュール102または複数のベースモジュール102に通信し得る。次にスマートコネクタ108は、データライブラリから関連の情報を得て、適切に応答し、ベースモジュールのファームウェア及びオペレーティングシステムが、その関連した機能モジュール104と共に適切に機能するのを可能にする。
【0051】
上記で言及したように、ベースモジュール及び機能モジュールの、複数の選択が存在し得る。いくつかのモジュールは、互いに類似の目的の役割を担い、いくつかのモジュールは、互いに異なる目的の役割を担い得る。ヒューマノイド形状のロボットの、例示的な実施形態において、機能モジュールは:ヘッド、ヘッド延長部、胴体(上部胴体、中間胴体、及び下部胴体に分けられ得る)、ならびにベースモジュールを収容し得る底部ユニット、として形状付けられ得る。これらのモジュールの各々は、1つの設計、またはそこから選択するための多くの設計、を有し得る。モジュールは、選択するための異なる向きも有し得る(ヘッドが横長または縦長に設置され得るか、または胴体がコネクタを左と右、もしくは前と後に伴うか、のように設定され得る)。
【0052】
スマートコネクタは、モジュールも共に保持するために、物理的コネクタに連結され得るか、または分離され得る。いくつかの実施形態において、スマートコネクタは、(モジュールに電力を供給することが適用可能である場合)モジュールに電力を与えるために、電力コネクタと連結され得るか、または分離され得る。上記で言及したように、スマートコネクタはデジタルデータを記憶し得る。このデジタルデータは:
・近距離無線通信(NFC)、Bluetooth、もしくは任意で、公知もしくは所有権がある、公知で使用されているワイヤレス通信規格などの、ワイヤレス手段、または
・所有権があるプラグ、もしくは公知もしくは使用されるユニバーサルプラグなど、有線手段(例えばUSB)、
のいずれかを介して伝えられ得る。
【0053】
モジュラーロボットを購入するとき、購入者は特定のロボットを購入する必要があり得るか、または権限を得る必要があってもよい。または製造者は、会社または政府に接触して、ロボットのための権限を取得し得る。次に、要求されたロボットは作られ得るが、それは特定の必要性/要求/要望/予算に適合する、モジュール及び特徴を選択することを含む。このロボットは、特定/必要な機能及び特徴を伴い、レゴ(登録商標)クリエーションのように構築され得る。選択されたロボットは、現在の実務及び技術と比較して、短い時間枠で準備され、かつ機能し得る。
【0054】
短い時間枠の例は、数日以内、数時間以内、及び数分以内とし得る。別の、時間及びコストの節約手段は、インテリジェントロボットの製造におけるものとなる。各ロボットを全体として構築及び開発する必要なく、しかしむしろ個々のモジュール自体のみを構築及び開発することは、製造時間及びコストを低減させ得る。それは、ロボット製作の分散も可能にし、「モジュールA」は「J国」における「X施設」で製造され、その一方で「モジュールB」は「I国」の「Y施設」で製造され得る、というようなものである。
【0055】
技術的な実施は、当産業で公知である多くの方法で行われ得る。本発明によると、主要なポイントは、機能モジュールをベースモジュールに、直接的または間接的のいずれかで接続する際に、機能モジュールに記憶されたデータは、機能モジュールを適切に操作するために必要な情報を伴い、ベースモジュールに送信され得る。その後、ベースモジュールはこの情報を使用して、適切に動作するために自己設定し得る。これは、迅速に構築され得る、カスタマイズ可能なプラグアンドプレイロボットを可能にする。
【0056】
【0057】
以下は、組み立て中及びロボット製作の初期段階における、データの流れの一般的な例として与えられるが、例示目的のみのために提供され、限定を意図しない。
【0058】
ステップ501:データは予め機能モジュール104に、例えばチップ、またはチップの一部、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、QRコード(登録商標)、近距離無線通信(NFC)チップ、バーコードなど、に組み込まれ得る。理解され得るように、このプロセスは、好ましくはモジュールが作り出されたときに行われ得る。そのため、モジュールが実際にロボットに取り付けられるより前の時間に、実施され得る。このデータは、生であるか、または構成され、かつコード化され得る。データ自体は、当技術分野で標準である多くの方法で記憶され得る。それらの例は以下のとおりである:
・情報の各片のための(例えばバイナリ)コードであり、数字は特定の所定の構成要素を表わす。例えば27の異なるモジュールが存在し、各々は固有の識別番号(0000、0001、0010、0011など)を有する。別の(バイナリ)コードは、特定の所定の機能を表わし得る。例えば58の異なる機能が存在し、各々は固有の識別番号(0000、0001、0010、0011など)を有し、以下同様である。
・情報の各片のための(例えばバイナリ)コードであり、セグメント化されたときに、数字は、特定の所定の構成要素または機能を表わす。例えば127の異なるモジュールが存在し、各々は固有の識別番号(1001-0010-1111-0100)を有し、数字の第1のセットは、製造者、構成要素番号、構成要素機能、バージョン数、製作年、保証情報などの情報のセットに対する、固有の識別子を表わし得る。
・特定の構成要素または機能を表わす所定の番号を要求しない、構成要素及び機能における詳細データを含み得る、より大きいコードセット。
・データライブラリを認識することで、データセットは、データが位置され得るデータのデータライブラリにおいて情報を保持し、それはモジュール及びモジュール構成要素の特質の機能的な使用のために重要となり得る。この実施形態をCプログラミングのポイントのように考える(ポインタは変数であってもよく、その値は別の変数のアドレス、即ちメモリ位置の直接アドレスであってもよい)。メモリアドレスまたはデータライブラリにおける配置を表わす、データセットにおけるもののように、関連したモジュールを探す。
【0059】
ステップ502:接続される。物理的接続(磁力、クリップ、ネジ、ホルスタに入れる、接合、スナップインプレース、2つのモジュールを物理的に接続するための任意の方法など)、及び電気接続(ワイヤの差込み(USBなど)、ワイヤレス、Bluetooth、NFC信号を読み取り可能にするための間近な設置、走査されるQRコード(登録商標)、連続したワイヤを形成する2つの金属ポイントの接続部)、が存在し得る。
【0060】
ステップ503:スマートコネクタまたはスマートリンク108が、接続データ(機能モジュールをいかにしてどこに装着され得るかのデータ(以下参照)、または必要とされる任意の他のデータ)を必要とする実施形態において、
・何が装着されるか(時として事前に知られている)、
・どのように装着されるか(任意で、事前に知られており、コードに入れ込むか、または接続によって生成され得る)。
・どこに装着されるか(任意で、事前に知られており、コードに入れ込むか、または接続によって生成され得る)。
・何の規定の機能を、モジュールが担うか(一般的に事前に知られている)。
・何の購入/プリペイドのオプション機能に、モジュールがアクセスするか(一般的に事前に知られている)。
・存在する場合、何の設計データがモジュールに関連付けられるか(ファースト、セカンド、サードパーティーの開発者の企業ロゴ、またはモジュールに追加される顧客デザイン/ロゴ/テーマ)(時として事前に既知である)。
・モジュールが認可されているか、及び海賊版もしくは無認可ではないか、の確認データ(一般的に事前に既知/確立されている)。
【0061】
データは、このステップで生成され得る。他の実施形態において、このデータは無いか、または一旦設定命令が与えられると、手動またはデジタルで事前に生成されて、モジュールに追加され、ステップ501に入力されるか、であることに留意されたい。接続データを生成する、この実施形態において、接続データは、2、3の異なる方法で行われ得る。例えば、接続リスト、またはロボットにおける特定の設置を表わす、指定されたポートを有するベースモジュールである。
【0062】
接続リストの例において、実施例は以下のとおりである。接続の情報を生成するためのオプションは、ロボットに固有のアドレスを有するスマートコネクタの各ポートによって、行われ得る。モジュールがポートからポートに接続された場合、この情報は記憶され得る。これは、情報を生成するための非常に単純な方法であってもよく、
図6に示される。
【0063】
接続リストを用いて、いかにして及びどこに、各モジュールがスマートリンクのために接続され得るか、という情報を生成する。(この例は、明確にするために単一のベースモジュール102を有するが、より広範な例が存在する。)
【0064】
例が
図6に示される。
接続リスト:
モジュールA経路:A1→AA1
モジュールB経路:B1→A2→A1→AA1
モジュールC経路:C1→B2→B1→A2→A1→AA1
モジュールD経路:D1→A3→A1→AA1
モジュールE経路:E1→A4→A1→AA1
モジュールF経路:F1→B4→B1→A2→A1→AA1
【0065】
指定されたポートの例において、実施例は以下のようであり、
図7及び
図8を参照する。
【0066】
指定されたポート:接続の情報を生成するためのオプションは、特定の設置を表わすベースモジュールの各ポートによって行われ得る。このように、接続がベースモジュールの中で作られたとき、それがどのように接続されているかを、直ちに認識し得る。これは
図7及び
図8に示される。
図7はポートへの直接的な物理的接続(例えば配線またはワイヤレス)とは別の電気接続を表わし得る。
図8は、物理的接続を用いた電気接続を表わし得る(例えばワイヤが中間モジュールを通過するか、または無効ポート(いかなるインテリジェンスもなしにワイヤを単純に延ばすポート)を介して接続される)。(この例は、明確にするために単一のベースモジュール102を有するが、広範な例が存在する。)
【0067】
ステップ504:機能モジュール104は、ベースモジュール102に直接的または間接的のいずれかで接続され得る。指定されたポートの場合、これは、全ての接続が何らかの方法で直接ベースモジュールに成されるので、課題にはならない場合がある。
【0068】
ステップ505:接続リストの場合、ロボットは間接的に接続された複数のモジュールを有し、各モジュールは複数のポートを有し得る。間接的な接続が存在してもよく、内部におけるモジュールポートからモジュールポートへのデータは、ベースモジュール102に到達するまで伝達される必要がある。これは、当産業において公知である複数の方法で、任意の有線手段またはワイヤレス手段によって行われ得る。例として、このデータはCプログラミングにおいて、連携リスト(リニア/非リニアの連携データ構造)のように保持され得る。(連携リストは非常に一般的にリニアデータ構造に使用され、それは連続したノードのグループを備える。各ノードは、それ自体のデータ及び次のノードのアドレスを保持し、それによってチェーン状の構造を形成する。)これは、非常に単純で、接続データを記憶するための、非データ集約的方法とし得る。
【0069】
ステップ506:データは最終的に、ベースモジュール102によって受信され得る;それがコード化された場合、このステップにおいて(コード化方法に基づいて)、実行可能なデータに復号され得る。ここでのコード化及び復号化は広義語であることに留意されたい。ここでのコード化は、データがステップ501で記憶されるような単純なものであってもよく、復号は、データを使用可能な情報に判読され得る。
【0070】
ステップ507:一旦データが実行可能になると、ベースモジュール102はデータを処理し、かつ(例えばSSDもしくはHHDもしくは類似のものにおけるデータをダウンロードするなどの、内部手段によって)データライブラリから探索するか、または(例えば、差込みもしくはインターネットWi-Fi、クラウド、イーサネットプラグによる外部ドライブなど)外部手段によって、ロボットを構成し得る。ベースモジュール102は、重要なデータをマークし、追加として、ID/コンフィグ/接続データに基づいてロボットを操作するための、迅速な探索またはアクセスのためにロボットが要求するデータライブラリのサブセットを、作り出し得る/記憶し得る。
【0071】
ステップ508:(このステップは
図5の流れ図に示されない。)モジュールが確認データを備える場合、ベースモジュール102は、モジュールが許可、または無許可、無認可、もしくは海賊版ではないか、を確認し得る。この後、ロボットは機能することを許可され得る。このステップは、機能を喪失することなく、ステップ506中、ステップ506の後、ならびにステップ507の前、ステップ507中、及びステップ507の後に、行われ得ることに留意されたい。
【0072】
スマートコネクタ及びスマートハブは、非初期化及び初期化後の特徴及び動作における役割を担い得ることを、理解されたい。スマートコネクタは、スマートコネクタチップをさらに備え、それはステップ501で説明した情報を保持する。初期の仕様詳細は、上記で説明したような、スマートコネクタの初期化におけるものと類似する。しかしここでは、長期間の有用性及び使用例のために、初期化後の特徴を追加することになる。
【0073】
スマートコネクタチップは、例えば機能モジュール間のデータ伝達を補助するため、機能モジュールの接続を始めるため、機能モジュールの信頼性を確認するため、機能モジュールの機能及び特徴または仕様書に挙げられた任意の他のデータにおける信頼性を確認するため、に使用され得る。
【0074】
確認データを備えたスマートコネクタチップの例において、このチップは、周期ベースで、ロボット、または機能モジュールもしくは機能モジュールの特徴部が、認可されているか、正式なものか、または支払い済みか、を確認するために、さらに使用され得る。これは、ロボットが認可されているか、正式なものか、または支払い済みか、を確認するために、周期の開始時または完了時にインターネットアクセスを要求することによって行われ得る。周期の例として、1日、1週間、1カ月、1年、または任意の適切な時間間隔、を含み得る。これは、いかにしてオンラインのサブスクリプションが、オフライン製品に対して操作されるか、に類似し得る。この機能は、一般的にオフラインで動作し得るが、特定の周期において、使用者がインターネットに接続して、サブスクリプションがまだ有効であるかを確認することを要求する。そのため使用者は、サブスクリプションの単一月の支払いのみをして、サブスクリプションを無期限に維持することはできない。
【0075】
追加として、スマートコネクタチップは、電力使用量、データ使用量、使用する周波数、最も使用量が大きい時間などの診断データを、補修要員または開発要員に提供し得る。これらのチップは、自動車のダッシュボードと類似した、保守点検のための表示光も特徴付け、データ接続エラー、低い電力伝達、及び他の診断事項のための信号を提供する。例えば、コネクタを通過する電力が閾値未満である場合、チップの光は点滅して、考えられる接続エラーを示す。同様に、データ信号が適切にコネクタを通過しない場合(すなわち何らかの原因で信号が干渉または歪められ得る場合)、光が点滅し得る。
【0076】
好ましい実施形態において、当産業で公知である、自律的運動のための手段が含まれ得る。ロボットのための、このモジュラープラットフォームは、ハードウェア、ソフトウェア、及び人工知能(AI)から構成される3層システムとし得る。
【0077】
ハードウェア層は、ロボットの骨格システム及びファームウェア、ならびに、物理的デバイスを制御かつコマンドする低レベルのハードウェアコードとし得るリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)、を備え得る。
【0078】
ソフトウェア(SW)プラットフォームは、ロボットオペレーティングプラットフォーム(ROPS)を備え得る。これは、ロボットの基本オペレーティングシステムであってもよく、好ましい実施形態において、オープンソースのROSフレームワークに基づいた、所有権があるオペレーティングシステムとし得る。Brain and Behavior system(B&B)も存在し、それはRTOSとROPSとの間の「ブリッジ」として作用し、ACB構成要素に直接接続する。好ましい実施形態において、B&Bは、物理的なロボットデバイスを制御及びコマンドするための、所有権があるインテリジェントシステムとし得る。AIは、ACBシステムを含む。
【0079】
本発明の態様は、ハードウェアのモジュール性である。ロボットの動作を実施するための複数のモジュールが存在し、これらのモジュールは交換可能であり、取り外し可能とし得る。
【0080】
コストを重視し、かつ広く多様化されたソーシャルロボット市場の要求を満たすために、本出願者は、所有権のある技術を作り出した。それは、従来の設計によるロボットに対して少ない時間及びコストで、任意の要求のためにカスタム式ソーシャルロボットを開発するために必要な、ROPベースである「4支柱」アーキテクチャの、一般的に80%の再配備を可能にしている。
【0081】
支柱1は、ハードウェアアーキテクチャである。これは、構成可能な所有権があるCPU、MCU及び電源ボード、ならびにROSコマンドライブラリを含む。
【0082】
次は、物理的形態である、モジュール式の互換可能なシャーシである。
【0083】
第3の支柱は、適応可能なAI(人工知能)エンジンである。
【0084】
ソフトウェアは第4の支柱であり、それはアンドロイド(登録商標)、IOS、Windows、及びMACOS(登録商標)のための、カスタマイズ可能な一般的アプリケーションであり、それらは全てのロボット機能を遠隔制御し得る。
【0085】
ロボットの機能及び配備要件に依存して、中央処理ユニットとして、プラットフォームは、より基本的な単一の作業用途のための、Raspberry Pi Compute Module3から、進化した動的ニューラルネットワーク(DNN)を提供するための、当技術分野で最新のNvidia Jetson NanoまたはNvidia Jetson Xavier NX AI スーパーコンピュータCPUモジュールまで、複数のCPUパッケージをサポートする。
【0086】
このモジュラーロボットは、限定ではないが、Microchip Atmel 8-bit AVR RISCベースのマイクロ制御器、NXP ARM Cortex 32-bitのマイクロ制御器、Cypress 32-bit Arm Cortex Cortex-M0+PsoCを含む、主な製造者からの様々な性能及び特徴を伴う広範なMCUをサポートし得る。
【0087】
システムは、現在利用可能な全ての商用モータをサポートし得る。サポートされるプロトコルの中には:I2C、SPI、RS232、RS485、CanBus、TCP/IP、1-wire、がある。他のプロトコルのためのモジュールは、容易に一体化され得る。
【0088】
このようなモジュラーアーキテクチャは、完全に拡張可能に、工学的に作り出され得る。それは、任意のサービスロボットが、完全にアップグレード可能となることで、旧式化を排除することを可能にし得る。
【0089】
現在、以下をサポートする:
・プラットフォームの異なる部分として利用され得るか、またはシステムの性能を拡大させる1つのクラスタコンピュータとして利用され得る、複数の中央処理ユニット。
・モジュラー電源ユニットは、実質的に無制限の電力チャネルを提供する。
・無制限の数の、様々なタイプのドライバ。
【0090】
申請者またはサードパーティーによって開発された、様々なソフトウェアパッケージは、任意のサービスロボットの機能を拡大するために、一体化され得る。自然言語処理、画像処理、ロボットナビゲーションパッケージ、及びその他のための、社内で開発されたモジュールに加えて、このモジュラープラットフォームは、複数で様々なサードパーティーのオンライン及びオフラインサービス、センサ、スイッチ、デバイスなどをサポートし得る。それらはほとんど全ての主なAIプラットフォーム(Google、Amazon、IBM、Microsoft、Apple、及び多くの他のもの)と、一体化され得る。
【0091】
ロボットは、マルチスレッドプロセスで作動する、多くの異なるプロセスまたはアプリケーションを使用する。これは、各センサ機能ごとのマルチプロセスアプリケーションの開発、及び競合させることなく全ての「仕事」を同期すること、を必要とし得る。これは、膨大なCPU処理及びメモリ管理を必要とし得る。
【0092】
ベースモジュール102は、常に全てのプロセスを監視して作動させ得る。次にAIは、何の「挙動」が必要とされ得るかを、単一の「仕事」として受信する感覚データに基づいて、判断し得る。各挙動は、システムによって実施されるために必要とされるステップの正確なセットを記憶し、完全に独立して作動し、かつベースモジュールによって同時に監視される。このアーキテクチャは、大幅に効率的であり、それによってロボットが動的に複数の挙動をサポートすること、及び新たな挙動に適応すること、を可能にし得る。
【0093】
このアーキテクチャは、必要に応じて低レベルコードへのフルアクセスを伴う低レベルコードの代わりに、(ドラッグアンドドロップ方法によって行われ得る)高レベルプログラミングである「ビヘイビア」を書くための、柔軟性を提供し得る。新しいビヘイビアを書くことは、非常に簡単で迅速であり得る。この方法の教示は、従来の方法と比べて、比較的容易であり、任意のサードパーティーがカスタム式のビヘイビアを定めて実行するのを可能にし得る、オープンソースのAPIの使用を可能にする。
【0094】
ベースモジュール102は、3つの異なる層で構築され得る:環境感知層、ビヘイビア、及び適応性認識ビヘイビア層、である。一般的に、ベースモジュール102における第1の層は、ロボットが動作する環境を感知する機能とし得る。この目的は、以下の様々な環境センサを使用することで実現され得る:
・コマンド&スピーチ認識のための、マイクロフォンアレイ;
・顔認証&対象認証、ならびに他の画像及び映像処理ニーズのための、12MPカメラ&3Dカメラ;
・煙及びガス検出器などの緊急用センサ;及び/または
・ナビゲーション及び衝突回避機能のための、ライダーセンサ、クリフセンサ、赤外線センサ。
各センサは、特定の顧客の要望のためにアップグレードされ得る。
【0095】
ベースモジュール102における第2の層は、ロボットが実施する様々なビヘイビアを定める機能とし得る。ビヘイビアは、1つのシステムから、(FlexBE2に基づいた)状態機械タイプのコマンドのセットまで、必要とされる全ての仕事を簡略化する方法である。全てのビヘイビアは、ロボットが実施し得る基本的な仕事を完了するために、利用可能なセンサの内任意のものを使用し得る。状態機械の各状態は、ノードによって構成され得る。それは基本的に、特定のコンパイルされたプログラム/様々なノードを実行するために、C++、Python、及びJavaなどの、OSがサポートする任意の言語で書かれたスクリプト、を作動させるスレッドとし得る。
【0096】
本発明によると、ベースモジュール102の第3の層は、機械学習及び深層学習アルゴリズムを使用して、より良好にロボットの周囲を理解し、オペレータの仕事を補助し得る。そこには感知機能が存在し得る。対象認証及び顔認証のための深層学習アルゴリズムは、多くの様々なデバイスで既に実行されている。
【0097】
対象認証-既に発達しているYOLOv43/Faster R-CNN4、及び試験されたアルゴリズムは、本明細書で開示されたモジュラーロボットにおけるものとし得る。両方のアルゴリズムが、それらの基本において類似するが、-アンカーボックスに基づいたネットワーク構造、及びバウンディングボックス回帰を使用して-Faster R-CNNは、一般的にリアルタイムの検出を果たさず、その一方でYOLOは、より小さい対象を検出する課題を有する。本明細書のモジュラーロボットは、50の異なる対象を高い信頼性で検出し、これらの対象は、レジデントのための生活必需品とし得る。
【0098】
顔認証のために-本明細書のモジュラーロボットは、DLIBライブラリを使用し得る。これは128の特徴ベクトルを抽出し、各ポイントは対象の顔における重要なポイントを表わす。K-NNを使用して、ロボットが確認する新しい顔の、既に知られている顔に対する類似性を計算する。HOGまたはResnetモデルは、特徴抽出プロセスのために使用され得る。主な違いは、抽出される特徴の数である。
【0099】
転倒検出-本明細書のモジュラーロボットは、主にカメラである、組み込み式センサを使用して転倒を検出する。
【0100】
本発明が、前述の例示的な実施形態の詳細に限定されないこと、及び本発明が、本発明に起因する趣旨または基本から逸脱することなく、他の特定の形態に具体化され得ること、は当業者には明白となろう。したがって本実施形態は、全ての点において例示であり、限定ではないものと考慮され、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。したがって、この特許請求の範囲における同等性の意味及び範囲内にある全ての変化は、特許請求の範囲内に含まれるよう意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インテルジェントロボットのための、モジュラーフレームであって、
前記ロボットの動き及び機能を制御し、各モジュールが固有の機能を実施する複数のモジュールのための動作命令を含み、かつスマートコネクタを有する、ベース部と、
特定の機能を実施し、かつスマートコネクタを有する、1つもしくは複数のデバイスまたはモジュールであって、前記スマートコネクタは、前記デバイスまたはモジュールのための固有のコード、及び前記モジュールの動作のためのファームウェアを含む、1つもしくは複数のデバイスまたはモジュールと、を備え、
モジュールが前記モジュラーフレームに取り付けられたとき、前記モジュールの前記スマートコネクタは、前記ベース部の前記スマートコネクタと電子通信し、それによって前記ベース部に、前記インテリジェントロボットを操作するための十分な動作情報を提供する、モジュラーフレーム。
【請求項2】
前記ベース部は、ロボットの基本オペレーティングシステムと、前記ロボットの前記モジュラーフレームに取り付けられた物理的デバイス及びモジュールを制御かつコマンドするハードウェアコードと、を含む、請求項1に記載のモジュラーフレーム。
【請求項3】
前記ベース部は、CPU、MCU及び電源ボード、ロボットオペレーティングシステムのコマンドライブラリ、ならびに人工知能エンジン、を含む、請求項1に記載のモジュラーフレーム。
【請求項4】
前記ベース部は、通信プロトコルをさらに備える、請求項1に記載のモジュラーフレーム。
【請求項5】
自律式運動のための手段をさらに備える、請求項1に記載のモジュラーフレーム。
【国際調査報告】