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特表2024-528584電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/291 20210101AFI20240723BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240723BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240723BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20240723BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20240723BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/505
H01M50/209
H01M50/262 S
H01M50/242
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500512
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 CN2021142468
(87)【国際公開番号】W WO2023123048
(87)【国際公開日】2023-07-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】叶奇強
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA14
5H040AS07
5H040AS12
5H040AS13
5H040AS14
5H040AS18
5H040AS19
5H040AS26
5H040AT02
5H040AY03
5H040AY05
5H040AY06
5H040CC01
5H040CC34
5H040DD03
5H043AA01
5H043BA07
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA04
5H043FA04
5H043LA21F
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器を提供する。該電池は、第1の方向に沿って配列される複数の電池セルを含む電池セル群と、第1の方向に沿って間隔をおいて設置される第1の梁と第2の梁を含む筐体であって、電池セル群は、第1の梁と第2の梁との間に設置され、ここで、第1の梁と第2の梁のうちの少なくとも一つは締め付け梁であり、締め付け梁と電池セル群との間に楔形隙間がある筐体と、楔形隙間を充填して、電池セル群を筐体に締め付けるための楔形部材とを含む。上記技術案は、電池の剛性と強度を向上させることによって、電池の性能を向上させることができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池(10)であって、
第1の方向に沿って配列される複数の電池セル(20)を含む電池セル群(2)と、
前記第1の方向に沿って間隔をおいて設置される第1の梁(101)と第2の梁(102)を含む筐体(11)であって、前記電池セル群(2)は、前記第1の梁(101)と前記第2の梁(102)との間に設置され、ここで、前記第1の梁(101)と前記第2の梁(102)のうちの少なくとも一つは締め付け梁であり、前記締め付け梁と前記電池セル群(2)との間に楔形隙間(12)がある筐体(11)と、
前記楔形隙間(12)を充填して、前記電池セル群(2)を前記筐体(11)に締め付けるための楔形部材(13)とを含む、ことを特徴とする電池(10)。
【請求項2】
前記楔形部材(13)は、前記締め付け梁に固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池(10)。
【請求項3】
前記締め付け梁の前記電池セル群(2)に向かう面は、前記第1の方向に対して前記電池セル群(2)から離れる側に傾斜して設置される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池(10)。
【請求項4】
前記締め付け梁は台形梁である、ことを特徴とする請求項3に記載の電池(10)。
【請求項5】
前記電池セル群(2)の前記締め付け梁に向かう面は、前記第1の方向に対して前記締め付け梁から離れる側に傾斜して設置される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項6】
前記締め付け梁の前記電池セル群(2)に向かう面と、前記電池セル群(2)の前記締め付け梁に向かう面との間の夾角は0°より大きくかつ90°より小さい、ことを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項7】
前記楔形部材(13)は、対向して設置される第1の面(1301)と第2の面(1302)を含み、ここで、前記第1の面(1301)は、前記電池セル群(2)の前記締め付け梁に向かう面に対向して平行であり、前記第2の面(1302)は、前記締め付け梁の前記電池セル群(2)に向かう面に対向して平行である、ことを特徴とする請求項3~6のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項8】
前記楔形部材(13)は、
前記第1の面(1301)と前記第2の面(1302)を接続する第3の面(1303)と、
前記第3の面(1303)から前記第1の方向に沿って前記電池セル群(2)から離れて延伸する第1の延伸部(1304)とをさらに含み、ここで、前記第1の延伸部(1304)は、前記締め付け梁に接続される、ことを特徴とする請求項7に記載の電池(10)。
【請求項9】
前記電池(10)は、
前記締め付け梁と前記電池セル群(2)との間に設置され、前記電池セル群(2)に付着されるエンドプレート(23)をさらに含み、ここで、前記エンドプレート(23)の前記締め付け梁に向かう側に段差(231)が設置されており、
ここで、前記楔形部材(13)は、
前記第1の面(1301)と前記第2の面(1302)を接続する第3の面(1303)と、
前記第3の面(1303)から前記第1の方向に沿って前記電池セル群(2)に接近して延伸する第2の延伸部(1305)とをさらに含み、前記第2の延伸部(1305)は、前記段差(231)と係合して、第2の方向で前記エンドプレート(23)を位置制限ためのものであり、ここで、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直であり、かつ前記締め付け梁の延伸方向に垂直であり、前記締め付け梁の延伸方向は、前記第1の方向に垂直である、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の電池(10)。
【請求項10】
前記電池(10)は、
前記複数の電池セル(20)に電気的に接続するためのバスバー部材(24)をさらに含み、前記バスバー部材(24)は、前記電池セル群(2)の第3の方向における端に設置され、前記第3の方向は、前記締め付け梁の延伸方向に平行であり、前記締め付け梁の延伸方向は、前記第1の方向に垂直である、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項11】
前記第1の梁(101)と前記第2の梁(102)は、前記筐体(11)の側壁である、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項12】
電力消費機器であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の電池(10)を含み、前記電池(10)は、前記電力消費機器に電気エネルギーを提供するためのものである、ことを特徴とする電力消費機器。
【請求項13】
電池(10)を製造する方法であって、
第1の方向に沿って配列される複数の電池セル(20)を含む電池セル群(2)を提供することと、
前記第1の方向に沿って間隔をおいて設置される第1の梁(101)と第2の梁(102)を含む筐体(11)であって、前記電池セル群(2)は、前記第1の梁(101)と前記第2の梁(102)との間に設置され、ここで、前記第1の梁(101)と前記第2の梁(102)のうちの少なくとも一つは締め付け梁であり、前記締め付け梁と前記電池セル群(2)との間に楔形隙間(12)がある筐体(11)を提供することと、
楔形部材(13)を提供することと、
前記楔形部材(13)を前記楔形隙間(12)に充填して、前記電池セル群(2)を前記筐体(11)に締め付けることとを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項14】
電池(10)を製造する機器であって、
第1の方向に沿って配列される複数の電池セル(20)を含む電池セル群(2)を提供し、
前記第1の方向に沿って間隔をおいて設置される第1の梁(101)と第2の梁(102)を含む筐体(11)であって、前記電池セル群(2)は、前記第1の梁(101)と前記第2の梁(102)との間に設置され、ここで、前記第1の梁(101)と前記第2の梁(102)のうちの少なくとも一つは締め付け梁であり、前記締め付け梁と前記電池セル群(2)との間に楔形隙間(12)がある筐体(11)を提供し、
楔形部材(13)を提供するための提供モジュールと、
前記楔形部材(13)を前記楔形隙間(12)に充填して、前記電池セル群(2)を前記筐体(11)に締め付けるための取り付けモジュールとを含む、ことを特徴とする機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと排出削減は、自動車産業の持続可能な発展のカギである。このような場合、電動車両は、その省エネと環境保護の優位性のため、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。電動車両にとって、電池技術は、その発展に関わる重要な要素である。
【0003】
電池は、電力消費機器、例えば、車両に搭載される。車両などの電力消費機器の運動により電池に一定の衝撃が与えられるが、電池の剛性と強度が低い場合、該衝撃は、電池の性能に悪い影響を及ぼし、安全上の問題を引き起こす可能性がある。そのため、どのように電池の剛性と強度を向上させるかは、電池技術において早急に解決すべき技術問題となっている。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、電池の剛性と強度を向上させることによって電池の性能を向上させることができる電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、電池を提供し、該電池は、第1の方向に沿って配列される複数の電池セルを含む電池セル群と、前記第1の方向に沿って間隔をおいて設置される第1の梁と第2の梁を含む筐体であって、前記電池セル群は、前記第1の梁と前記第2の梁との間に設置され、ここで、前記第1の梁と前記第2の梁のうちの少なくとも一つは締め付け梁であり、前記締め付け梁と前記電池セル群との間に楔形隙間がある筐体と、前記楔形隙間を充填して、前記電池セル群を前記筐体に締め付けるための楔形部材とを含む。
【0006】
本出願の実施例の技術案によれば、楔形部材と楔形隙間との係合を利用して、電池セル群を筐体に確実で安定的に締め付けることができる。そして、電池セルと電池セルとの間には押出による相互作用力が存在するため、隣接する電池セルが互いに拘束され、電池の構造安定性を向上させることによって、電池全体の剛性と強度を向上させ、電池の使用中の振動衝撃による安全上のリスクを低減することができる。
【0007】
また、第1の梁及び/又は第2の梁と電池セル群との間に楔形隙間があり、電池セル群を筐体内により容易に入れることができ、筐体入れの難易度を低下させる。楔形隙間は、複数の電池セルをモジュールに組み立ててから筐体に入れるプランをサポートすることができるし、電池セルを筐体に入れてから固定するプランをサポートすることもできる。電池セル群を筐体に入れた後、楔形部材で楔形隙間を充填して、電池セル群をロッキングするため、組み立て効率を向上させることができる。
【0008】
いくつかの可能な実施形態において、前記楔形部材は、前記締め付け梁に固定されている。
【0009】
本出願の実施例において、楔形部材が締め付け梁に固定されている場合、楔形部材と締め付け梁との間に相対運動が生じず、各部材の筐体における位置も相対的に一定であり、このように電池セル群の筐体における取り付け安定性を向上させることによって、電池全体の剛性と強度を向上させることができる。
【0010】
いくつかの可能な実施形態において、前記締め付け梁の前記電池セル群に向かう面は、前記第1の方向に対して前記電池セル群から離れる側に傾斜して設置される。
【0011】
いくつかの可能な実施形態において、前記締め付け梁は台形梁である。
【0012】
いくつかの可能な実施形態において、前記台形梁の断面は、直角台形、等脚台形又は普通の台形である。
【0013】
いくつかの可能な実施形態において、前記電池セル群の前記締め付け梁に向かう面は、前記第1の方向に対して前記締め付け梁から離れる側に傾斜して設置される。
【0014】
本出願の実施例において、締め付け梁と電池セル群との間に楔形隙間が形成され、楔形部材は、締め付け梁と電池セル群との間の隙間が最も大きい端から楔形隙間に埋め込まれて、電池セル群に対する締め付けと位置決めを実現することができる。
【0015】
いくつかの可能な実施形態において、前記締め付け梁の前記電池セル群に向かう面と、前記電池セル群の前記締め付け梁に向かう面との間の夾角は0°より小さくかつ90°より小さい。
【0016】
本出願の実施例において、締め付け梁の電池セル群に向かう面と電池セル群の締め付け梁に向かう面との間の夾角が適切な数値を取ることで、電池セル群に対する有効な締め付けを実現することができ、さらに楔形部材の加工難易度を低下させることができる。
【0017】
いくつかの可能な実施形態において、前記楔形部材は、対向して設置される第1の面と第2の面を含み、ここで、前記第1の面は、前記電池セル群の前記締め付け梁に向かう面に対向して平行であり、前記第2の面は、前記締め付け梁の前記電池セル群に向かう面に対向して平行である。
【0018】
このように、楔形部材と電池セル群及び締め付け梁との接触面積を増大させて、楔形部材の電池セル群への締め付け能力を向上させることができる。
【0019】
いくつかの可能な実施形態において、前記楔形部材は、前記第1の面と前記第2の面を接続する第3の面と、前記第3の面から前記第1の方向に沿って前記電池セル群から離れて延伸する第1の延伸部とをさらに含み、ここで、前記第1の延伸部は、前記締め付け梁に接続される。
【0020】
楔形部材は、第1の延伸部を介して締め付け梁に接続され、このように楔形部材と締め付け梁との間に相対運動が生じなくてもよく、楔形部材の電池セル群への締め付け能力を向上させることによって、電池内部の構造安定性を向上させることができる。
【0021】
いくつかの可能な実施形態において、前記第1の延伸部は、ボルトを介して前記締め付け梁と一体に締め付けられる。
【0022】
いくつかの可能な実施形態において、前記電池は、前記締め付け梁と前記電池セル群との間に設置され、前記電池セル群に付着されるエンドプレートをさらに含み、ここで、前記エンドプレートの前記締め付け梁に向かう側に段差が設置されており、ここで、前記楔形部材は、前記第1の面と前記第2の面を接続する第3の面と、前記第3の面から前記第1の方向に沿って前記電池セル群に近接して延伸する第2の延伸部とをさらに含み、前記第2の延伸部は、前記段差と係合して、第2の方向で前記エンドプレートを位置制限するためのものであり、ここで、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直であり、前記締め付け梁の延伸方向に垂直であり、前記締め付け梁の延伸方向は、前記第1の方向に垂直である。
【0023】
楔形部材は、第2の延伸部を介してエンドプレート上の段差に係着され、エンドプレート及び電池セル群を位置制限することによって、電池セル群の筐体内での取り付け安定性を向上させることができる。
【0024】
また、本出願の実施例において、楔形部材を用いて電池セル群を筐体に締め付け、エンドプレート上に軸線が第1の方向に垂直なボルト孔を設置しなくてもよく、このようにエンドプレートの第1の方向における厚さを減少させることによって、エンドプレートが占める空間を減少させ、電池内の空間利用率を向上させることができる。さらに、電池のエネルギー密度を向上させることもできる。
【0025】
いくつかの可能な実施形態において、前記電池は、前記複数の電池セルに電気的に接続するためのバスバー部材をさらに含み、前記バスバー部材は、前記電池セル群の第3の方向における一端に設置され、前記第3の方向は、前記締め付け梁の延伸方向に平行であり、前記締め付け梁の延伸方向は、前記第1の方向に垂直である。
【0026】
いくつかの可能な実施形態において、前記第1の梁と前記第2の梁は、前記筐体の側壁である。
【0027】
いくつかの可能な実施形態において、前記第1の梁と前記第2の梁のうちの一方は、前記筐体の側壁であり、前記第1の梁と前記第2の梁のうちの他方は、前記筐体内に位置するビームであり、ここで、前記ビームは、前記電池セル群を他の電池セル群から隔離するためのものである。
【0028】
いくつかの可能な実施形態において、前記第1の梁と前記第2の梁は、前記筐体内に位置するビームであり、ここで、前記ビームは、前記電池セル群を他の電池セル群から隔離するためのものである。
【0029】
第2の態様によれば、電力消費機器を提供し、該電力消費機器は、上記第1の態様又は第1の態様におけるいずれかの可能な実施形態における電池を含み、該電池は、前記電力消費機器に電気エネルギーを提供するためのものである。
【0030】
第3の態様によれば、電池を製造する方法を提供し、該方法は、第1の方向に沿って配列される複数の電池セルを含む電池セル群を提供することと、前記第1の方向に沿って間隔をおいて設置される第1の梁と第2の梁を含む筐体であって、前記電池セル群は、前記第1の梁と前記第2の梁との間に設置され、ここで、前記第1の梁と前記第2の梁のうちの少なくとも一つは締め付け梁であり、前記締め付け梁と前記電池セル群との間に楔形隙間がある筐体を提供することと、楔形部材を提供することと、前記楔形部材を前記楔形隙間に充填して、前記電池セル群を前記筐体に締め付けることとを含む。
【0031】
第4の態様によれば、電池を製造する機器を提供し、該機器は、第1の方向に沿って配列される複数の電池セルを含む電池セル群を提供し、前記第1の方向に沿って間隔をおいて設置される第1の梁と第2の梁を含む筐体であって、前記電池セル群は、前記第1の梁と前記第2の梁との間に設置され、ここで、前記第1の梁と前記第2の梁のうちの少なくとも一つは締め付け梁であり、前記締め付け梁と前記電池セル群との間に楔形隙間がある筐体を提供し、楔形部材を提供するための提供モジュールと、前記楔形部材を前記楔形隙間に充填して、前記電池セル群を前記筐体に締め付けるための取り付けモジュールとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、本出願の実施例で使用する必要のある図面を簡単に説明するが、明らかなように、以下に説明する図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を払うことなく、図面に基づいて他の図面を入手することができる。なお、図面における図は、実際の縮尺に応じて描かれるとは限らない。
図1】本出願の一実施例による車両の構造概略図である。
図2】本出願の一実施例による電池の分解構造概略図である。
図3】本出願の一実施例による電池セルの構造概略図である。
図4】本出願の一実施例による電池の構造概略図である。
図5図4における電池の部分斜視概略図である。
図6】本出願の一実施例による電池の構造概略図である。
図7】本出願の一実施例による電池の構造概略図である。
図8】本出願の一実施例による電池の構造概略図である。
図9】本出願の一実施例による電池の構造概略図である。
図10】本出願の一実施例による電池セルの構造概略図である。
図11】本出願の一実施例による電池の部分構造概略図である。
図12】本出願の一実施例による電池の部分構造概略図である。
図13】本出願の一実施例による電池の部分構造概略図である。
図14】本出願の一実施例による電池の部分構造概略図である。
図15図14における電池の部分斜視概略図である。
図16】本出願の一実施例による電池の概略的平面図である。
図17】本出願の一実施例による電池製造方法の概略的フローチャートである。
図18】本出願の一実施例による電池製造機器の概略的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面と実施例を結び付けながら本出願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例についての詳細な説明及び図面は、本出願の原理を例示的に説明するためのものであるが、本出願の範囲を限定するものではなく、即ち本出願は、記述された実施例に限定されない。
【0034】
本出願の記述において、なお、特に説明されていない限り、「複数」は二つ以上(二つを含む)を意味し、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、示された装置又は素子が特定の方位を有しなければならず、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり、暗示したりするのではなく、本出願を容易に説明し、説明を簡略化するためのものに過ぎず、本出願の限定として理解されるべきではない。なお、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要性を示したり、暗示したりするものとして理解されるべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではないが、誤差の許容範囲内である。「平行」は、厳密な意味での平行ではないが、誤差の許容範囲内である。
【0035】
以下の説明に現れる方位詞は、いずれも図に示されている方向であり、本出願の特定の構造を限定するものではない。本出願の記述において、さらに説明すべきこととして、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、着脱不可能な接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接接続されることであってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されることであってもよい。当業者にとって、本出願における上記用語の特定の意味は、特定の状況に従って理解することができる。
【0036】
本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、Aが存在し、AとBが同時に存在し、Bが存在するという3種類の状況を示してもよい。また、本出願における文字「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0037】
特に定義されない限り、本出願で使用される全ての科学技術用語は、本出願の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本出願において、出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本出願を制限することを意図するものではない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。本出願の明細書と請求の範囲又は上記の図面における用語である「第1の」、「第2の」などは、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主副関係を説明するためのものではない。
【0038】
本出願に言及びされた「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置での該フレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本出願に記述された実施例が他の実施例と組み合わされてもよいことを明示的かつ暗示的に理解できる。
【0039】
本出願において、電池は、電気エネルギーを提供するために一つ又は複数の電池セルを含む物理的モジュールを指す。例えば、本出願に言及される電池には、電池モジュール又は電池パックなどが含まれていてもよい。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0040】
任意選択的に、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよく、これらは、本出願の実施例に限定されない。いくつかの実施形態において、電池セルは、電池コアと呼ばれてもよい。
【0041】
電池セルは電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは正極板、負極板及びセパレータによって構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより作動する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗覆されており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極活物質層が塗覆された正極集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗覆されており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極活物質層が塗覆された負極集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質は、ポリプロピレン(polypropylene、PP)又はポリエチレン(polyethylene、PE)などであってもよい。また、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0042】
本出願の実施例における電池の筐体は、複数の電池セル、バスバー部材及び電池の他の部材を収容するためのものである。いくつかの実施例において、筐体に、電池セルを固定するための構造、例えば、ビームを設置してもよい。筐体の形状は、収容される複数の電池セルに基づいて決定されてもよい。いくつかの実施例において、筐体は、六つの壁を有する直方体であってもよい。
【0043】
本出願に言及されるバスバー部材は、複数の電池セルの間の電気的接続、例えば、並列接続、直列接続又は直並列接続を実現するためのものである。バスバー部品は、電池セルの電極端子を接続することによって電池セルの間の電気的接続を実現することができる。いくつかの実施例において、バスバー部品は、溶接によって電池セルの電極端子に固定することができる。バスバー部品は電池セルの電圧を伝送し、複数の電池セルを直列接続すると、高い電圧を得るが、それに応じて、バスバー部品で形成された電気的接続は「高圧接続」と呼ばれてもよい。
【0044】
いくつかの電池パッケージング技術において、まず複数の電池セル(cell)を電池モジュール(module)に組み込み、そして電池モジュールを電池の筐体内に取り付けて、電池パック(pack)を形成してもよい。別の電池パッケージング技術において、複数の電池セルを直接電池の筐体内に取り付けて電池パックを形成してもよく、このような電池パッケージング技術は、セル・トゥー・パック(cell to pack、CTP)のパッケージング技術と呼ばれてもよい。CTPパッケージング技術において、電池モジュールという中間状態を除去したため、電池パックの質量を低減し、電池のエネルギー密度を向上させることができる。つまり、電池をパッケージングする過程で、複数の電池セルは、電池を直接構成してもよいし、先に電池モジュールを構成して、電池モジュールがさらに電池を構成してもよい。電池はさらに電力消費機器に設置され、電力消費機器のために電気エネルギーを提供する。
【0045】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータを同時に考慮しなければならない。また、電池の電力消費機器での安全性を向上させるために、さらに電池の構造安定性を考慮しなければならない。
【0046】
いくつかの電池パッケージング技術において、電池セル間は構造接着剤によって相互固定接続され、それにより電池全体が一定の強度と剛性を有し、外力衝撃を防止する。しかし、このような場合に、電池セルの間の構造接着剤の塗布面積が限られ、電池セル間に相互作用力がなく、電池セルの筐体内での取り付け安定性に影響を与え、それによって電池の構造安定性に影響を与え、パッケージング後の電池の全体的強度と剛性が限られ、一定の安全上の潜在的なリスクをもたらす。
【0047】
これに鑑みて、本出願は、間隔をおいて設置される第1の梁と第2の梁との間に電池セル群を設置する技術案を提供し、ここで、第1の梁と第2の梁のうちの少なくとも一つは、締め付け梁として使用され、締め付け梁と電池セル群との間に楔形隙間があり、楔形部材で楔形隙間を充填して、電池セル群を筐体に締め付ける。そのため、楔形部材と楔形隙間との間の係合により、電池セル群を筐体に安定的に締め付け、且つ電池セルと電池セルとの間に相互作用力を形成して互いに拘束させることによって、電池の構造安定性を向上させることができ、電池全体の剛性と強度を向上させ、電池の使用中の振動衝撃による安全上のリスクを低減することができる。
【0048】
本出願の実施例で説明された技術案はいずれも電池を使用する様々な機器、例えば携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、バッテリ車、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶と宇宙航空機などに適用でき、宇宙航空機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。
【0049】
理解すべきこととして、本出願の実施例で説明された技術案は、上記で記述された機器のみに適用できるというわけではなく、電池を使用する全ての機器に適用できるが、説明を簡潔にするために、下記実施例では、電動車両を例にして説明する。
【0050】
例えば、図1に示すように、本出願の一実施例による車両1の構造概略図である。車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、二次電池式電気自動車、ハイブリッド電気自動車や航続距離延長型電気自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ40、コントローラ30、及び電池10が設置されてもよく、コントローラ30は、電池10がモータ40に給電するように制御するためのものである。例えば、車両1の底部又は前部又は後部に電池10が設置されてもよい。電池10は、車両1への給電に用いることができる。例えば、電池10を車両1の動作電源として、車両1の電気回路システムに用いることができ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いることができる。本出願の別の実施例では、電池10は、車両1の動作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0051】
異なる電力使用需要を満たすために、電池10は複数の電池セルを含んでもよく、ここで、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。電池10は、電池パックと呼ばれてもよい。任意選択的に、複数の電池セルをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成してもよい。つまり、複数の電池単体は、直接電池10を構成してもよいし、先に電池モジュールを構成して、電池モジュールがさらに電池10を構成してもよい。
【0052】
例えば、図2に示すように、本出願の一実施例による電池10の構造概略図である。電池10は、複数の電池セル20を含んでもよい。電池10は、筐体(又はカバーと呼ばれる)11をさらに含んでもよく、筐体11内部が中空構造であり、複数の電池セル20が筐体11内に収容される。例示的に、図2を参照し、筐体11は二つの部分を含んでもよく、ここでそれぞれ第1の部分111と第2の部分112と呼び、第1の部分111と第2の部分112は一体に係合され、複数の電池セル20を収容する収容空間を形成する。第1の部分111と第2の部分112の形状は、複数の電池セル20を組み合わせた形状に基づいて決定されてもよく、第1の部分111と第2の部分112はいずれも一つの開口を有してもよい。例えば、第1の部分111と第2の部分112はいずれも中空の直方体であってもよく、且つそれぞれ一つの面のみが開口面であり、第1の部分111の開口と第2の部分112の開口は相対して設置され、且つ第1の部分111と第2の部分112は互いに係合されて、密閉キャビティを有する筐体11を形成する。複数の電池セル20を互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせた後に、第1の部分111と第2の部分112を係合して形成された筐体11内に置く。
【0053】
任意選択的に、いくつかの実施例において、筐体11は梁113をさらに含み、梁113は、複数の電池セル20のうちの少なくとも一つの電池セル20と互いに付着して、該複数の電池セル20を固定するためのものである。梁113は、筐体11内に設置され、第1の部分111又は第2の部分112に固定接続され得る。
【0054】
本出願の実施例は、梁113の筐体11内での設置方式を限定しない。一例において、梁113の一方側は筐体11の側壁に付着され、梁113の他方側は、電池セル20に付着される。このような場合、梁113は、筐体11の側壁の一部であると考えられてもよい。別の例において、梁113の両側は、それぞれ電池セル20に付着される。このような場合、梁113は、複数の電池セル20の筐体11での取り付け安定性を向上させるための補助構造体であると考えられてもよく、ここで、梁113は、ビームと呼ばれてもよい。
【0055】
筐体11内で、実際の使用上の需要に応じて、梁113の数を、例えば、1つ、2つ、3つ又は他の数に柔軟に設定することができる。梁113の数が複数である場合、該複数の梁113は、いずれも筐体11の側壁であってもよく、いずれもビームであってもよいし、一部が筐体11の側壁であり、一部がビームであってもよく、本出願はそれを限定しない。
【0056】
本出願の実施例において、複数の電池セル20を筐体11内に取り付ける方式が様々であり、以下、例示して説明する。
【0057】
任意選択的に、一実施形態において、まず複数の電池セル(cell)20を少なくとも一つの電池モジュール(module)に組み込み、そして電池モジュールを筐体11内に取り付けて、電池パック(pack)形態を形成してもよい。該実施形態において、電池モジュールの筐体11内での取り付け安定性を向上させるために、電池モジュール間にビームなどの補助構造体が設置されていてもよい。
【0058】
任意選択的に、別の実施形態において、複数の電池セル20を直接互いに接続し、筐体11内に取り付けて設定して電池パック形態を形成してもよい。電池モジュールという中間状態を除去したため、筐体11にビームなどの補助構造体を設置しなくてもよく、それによって電池10の重量を低減し、電池10のエネルギー密度を向上させることができる。該実施形態は、関連技術において、セル・トゥー・パック(cell to pack、CTP)取り付け技術とも呼ばれてもよい。
【0059】
任意選択的に、さらに別の実施形態において、筐体11は、電池10が位置する電力消費機器に集積されてもよい。換言すれば、筐体11は、電力消費機器における構造件と一体成形されてもよい。複数の電池セル20は、互いに接続された後、電力消費機器における筐体11内に直接取り付けて設置されてもよい。一例として、筐体11は、上記車両1のシャーシの一部領域に集積して設置されてもよく、複数の電池セル20は、互いに接続された後、車両1のシャーシに直接取り付けられてもよい。該実施形態は、関連技術において、セル・トゥー・シャーシ(cell to chassis、CTC)取り付け技術とも呼ばれてもよい。
【0060】
任意選択的に、電池10は他の構造をさらに含んでもよいが、ここでは説明を省略する。例えば、該電池10は、複数の電池セル20の間の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現するためのバスバー部材をさらに含んでもよい。具体的には、バスバー部材は、電池セル20の電極端子に接続されることで電池セル20の間の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバー部材は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定することができる。複数の電池セル20の電気エネルギーは、さらに導電機構により筐体11を通過して引き出すことができる。任意選択的に、導電機構は、バスバー部材に属してもよい。
【0061】
様々な電力需要に応じて、電池セル20の数は、任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20を直列、並列、又は直並列接続することにより、大きい容量又は電力を実現することができる。
【0062】
図3に示すように、本出願の一実施例による電池セル20の構造概略図である。電池セル20は、電池ボックス21と、電池ボックス21内に収容される一つ又は複数の電極アセンブリ22とを含んでもよい。いくつかの実施例において、電池ボックス21は、ハウジングと呼ばれてもよい。
【0063】
図3を参照して、電池ボックス21は、ケース211と、第1のカバープレート212aと、第2のカバープレート212bとを含んでもよい。ケース211の壁及び第1のカバープレート212aと第2のカバープレート212bは、いずれも電池セル20の壁と呼ばれる。ケース211は、一つ又は複数の電極アセンブリ22の組み合わせた後の形状に基づいて決定され、例示的に、図3に示すケース211は、中空の直方体であってもよい。ケース211の少なくとも一つの面に開口があり、それによって一つ又は複数の電極アセンブリ22をケース211内に配置することができる。例えば、図3に示す実施例において、ケース211の対向する二つの面には、いずれも開口があり、第1のカバープレート212aと第2のカバープレート212bは、それぞれ該二つの面上の開口を覆い、且つケース211に接続されて、電極アセンブリ22を配置する密閉のキャビティを形成する。ケース211内には、電解質、例えば、電解液が充填されている。
【0064】
任意選択的に、一実施形態において、第1のカバープレート212aと第2のカバープレート212bは、独立して成形された後、それぞれケース211に接続されて開口を覆ってもよい。又は、別の実施形態において、第1のカバープレート212aと第2のカバープレート212bのうちの一方は、ケース211と一体成形され、他方は、独立して成形された後にケース211に接続されて開口を覆う。
【0065】
該電池セル20は、二つの電極端子214をさらに含んでもよい。任意選択的に、図3に示すように、該二つの電極端子214は、それぞれ第1のカバープレート212aと第2のカバープレート212b上に設置されてもよい。又は、別のいくつかの実施例において、該二つの電極端子214は、同一のカバープレート上に設置されてもよく、例えば、いずれも第1のカバープレート212a又は第2のカバープレート212bに設置される。
【0066】
第1のカバープレート212aと第2のカバープレート212bは、一般的には、平板形状であり、二つの電極端子214は、それぞれ第1のカバープレート212aと第2のカバープレート212bの平板表面上に固定されてもよく、二つの電極端子214は、それぞれ正電極端子と負電極端子である。各電極端子214には、それぞれ一つの接続部材(図示せず)が対応して設置され、又は集電部材と呼ばれてもよく、それは第1のカバープレート212aと電極アセンブリ22との間及び第2のカバープレート212bと電極アセンブリ22との間に位置し、該接続部材は、電極アセンブリ22と電極端子214との電気的接続を実現するためのものである。
【0067】
任意選択的に、図3に示すように、電池セル20は、第1のホルダ216aと第2のホルダ(図示せず)とをさらに含んでもよく、該第1のホルダ216aは、電極アセンブリ22と第1のカバープレート212aとの間に設置され、該第1のカバープレート212aを固定し接続するためのものである。対応して、第2のホルダは、電極アセンブリ22と第2のカバープレート212bとの間に設置され、該第2のカバープレート212bを固定し接続するためのものである。任意選択的に、電極アセンブリ22と電極端子214を接続する上記接続部材は、それぞれ該第1のホルダ216aと第2のホルダ内に位置してもよい。
【0068】
また、電池セル20において、各電極アセンブリ22は、第1のタブ221と第2のタブ(図示せず)を有する。第1のタブ221と第2のタブは、極性が逆である。例えば、第1のタブ221が正極タブである場合、第2のタブは負極タブである。一つ又は複数の電極アセンブリ22の第1のタブ221は一つの接続部材を介して一つの電極端子に接続され、一つ又は複数の電極アセンブリ22の第2のタブは、もう一つの接続部材を介してもう一つの電極端子に接続される。例えば、図3に示すように、第1のカバープレート212a上に位置する電極端子214は、第1のホルダ216a内に位置する一つの接続部材を介して第1のタブ221に接続されてもよい。また、第2のカバープレート212b上に位置するもう一つの電極端子214は、第2のホルダに位置するもう一つの接続部材を介して第2のタブに接続されてもよい。
【0069】
電池セル20において、実際の使用上の需要に応じて、電極アセンブリ22の数を、例えば、1つ、2つ、4つ又は他の数に柔軟に設定することができる。
【0070】
例示的に、電池セル20の一つの壁上に、放圧機構213がさらに設置されてもよい。放圧機構213は、電池セル20の内圧又は温度が閾値に達した時に作動して内圧又は温度を逃がすためのものである。
【0071】
任意選択的に、本出願の別の実施例において、放圧機構213と電極端子214(正電極端子及び/又は負電極端子)は、電池セル20の同一の壁に設置される。例示的に、図3に示すように、電極端子214と放圧機構213は、いずれも電池セル20の第2のカバープレート212bに設置されてもよい。
【0072】
放圧機構213と電極端子214を電池セル20の同一の壁上に設置することにより、放圧機構213と電極端子214を容易に加工し取り付けることができ、電池10の生産効率の向上に有利である。
【0073】
無論、本出願の他の実施例において、放圧機構213は、電極端子214と電池セル20の異なる壁に設置されてもよい。例えば、電池10における二つの電極端子214は、それぞれ電池セル20の第1のカバープレート212aと第2のカバープレート212bに設置され、放圧機構213は、電池10における、第1のカバープレート212aと第2のカバープレート212b以外の他の壁に設置され、例えば、ケース211に設置される。又は、電池10における二つの電極端子214は、いずれも電池セル20の第1のカバープレート212aに設置され、放圧機構213は、電池セル20の第2のカバープレート212bに設置される。
【0074】
放圧機構213と電極端子214を電池セル20の異なる壁上に設置することによって、放圧機構213が作動する時に、電池セル20の排出物が電極端子214からより離すことを可能にすることにより、排出物の電極端子214とバスバー部品に対する影響を減少し、そのため電池の安全性を補強することができる。
【0075】
上記放圧機構213は、それが位置する壁の一部であってもよく、それが位置する壁とは別体型構造であってもよく、例えば、溶接の方式によってそれが位置する壁に固定されてもよい。例えば、図3に示す実施例において、放圧機構213が第2のカバープレート212bの一部である場合、放圧機構213は、第2のカバープレート212b上に切り込みを設置する方式で形成することができ、該切り込みに対応する第2のカバープレート212bの厚さは、放圧機構213の切り込み以外の他の領域の厚さよりも小さい。切り込みは、放圧機構213の最も弱い位置である。電池セル20から発生した気体が多すぎて、ケース211の内圧が上昇して閾値に達したか、又は電池セル20の内部が反応して熱が発生して電池セル20の内部温度が上昇して閾値に達した時、放圧機構213は、切り込みで破裂が発生してケース211の内外が連通し、気体圧力及び温度は、放圧機構213の裂開によって外に放出し、さらに電池セル20の爆発の発生を避けることができる。
【0076】
また、放圧機構213はいかなる可能な放圧機構であってもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。例えば、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部温度が閾値に達した時に溶融できるように構成される感温性放圧機構であってもよく、及び/又は、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部気圧が閾値に達した時に破裂できるように構成される感圧性放圧機構であってもよい。
【0077】
任意選択的に、図3に示すように、電池セル20は、第1の保護層215aと第2の保護層215bとをさらに含んでもよい。該第1の保護層215aと第2の保護層215bは、第1のカバープレート212aと第2のカバープレート212bに被覆しており、それにより該二つのカバープレート上の部材を保護する。任意選択的に、第1のカバープレート212aと第2のカバープレート212bが金属カバープレートである場合、該第1の保護層215aと第2の保護層215bは、絶縁層であってもよく、金属カバープレートと外部との絶縁を実現するためのものである。また、図3から分かるように、第1の保護層215aと第2の保護層215b上には、電極端子214と放圧機構213に適合する開孔が形成されていてもよく、それにより該電極端子214は、該開孔を介してバスバー部材に接続され、放圧機構213は、該開孔を介して電池セル20の内部気圧を放出する。
【0078】
図4は、本出願の実施例による電池の概略的構造図を示し、ここで、図4中の(a)は、電池の組み立て概略図であり、図4中の(b)は、電池の部分分解概略図である。理解を容易にするために、図5は、図4における電池の概略的部分斜視図をさらに示した。
【0079】
図4図5を参照して、電池10は、電池セル群2と筐体11とを含み、筐体11は、電池セル群2を収容するためのものである。電池セル群2は、第1の方向に沿って配列される複数の電池セル20を含む。筐体11は、第1の方向に沿って間隔をおいて設置される第1の梁101と第2の梁102を含み、電池セル群2は、第1の梁101と第2の梁102との間に設置され、ここで、第1の梁101と第2の梁102のうちの少なくとも一つは締め付け梁であり、締め付け梁と電池セル群2との間に楔形隙間12がある。電池10は、楔形部材13をさらに含み、該楔形部材13は、楔形隙間12を充填して、電池セル群2を筐体11に締め付けるためのものである。
【0080】
任意選択的に、本出願の実施例において、電池セル20の内部構造は、以上の図3に示す実施例の関連記述を参照されたい。電池セル20の筐体11での取り付けを容易にし、電池セル20の取り付け安定性を向上させるために、電池セル20は多面体構造であってもよい。例えば、電池セル20は、六面体構造であってもよい。
【0081】
任意選択的に、本出願の実施例において、筐体11は、以上の図2に示す実施例における筐体11であってもよい。筐体11の電力消費装置での取り付けを容易にするために、該筐体11は、限定ではなく例示として、中空の六面体構造であってもよい。本出願の実施例において、第1の梁101と第2の梁102は、筐体11の一部であり、実際の組み立て過程で、少なくとも電池セル群2を第1の梁101と第2の梁102との間に配置する場合、第1の梁101と第2の梁102との間の位置関係は相対的に一定である。組み立てが完了した後、第1の梁101の筐体11での位置は相対的に一定であり、第2の梁102の筐体11での位置は相対的に一定である。
【0082】
本出願の実施例において、第1の梁101及び/又は第2の梁102は締め付け梁であり、ここで、締め付け梁と電池セル群2との間に楔形隙間12が形成されている。該楔形隙間12は、具体的には、該締め付け梁の電池セル群2に向かう面と、電池セル群2の該締め付け梁に向かう面とが、互いに対して傾斜することにより形成され、又は、該楔形隙間12は、該締め付け梁の電池セル群2に向かう面と、電池セル群2の該締め付け梁に向かう面とが次第に収束することで形成される。ここで、締め付け梁の電池セル群2に向かう面と電池セル群2の該締め付け梁に向かう面との間の距離(即ち両方の第1の方向での距離)は、ある方向(例えば、図4に示すZ方向などの第1の方向に垂直な方向)で次第に増大する。換言すれば、締め付け梁の電池セル群2に向かう面が位置する平面と、電池セル群2の該締め付け梁に向かう面が位置する平面とは、ある方向(例えば、図4に示すZ方向などの第1の方向に垂直な方向)で交差した後に互いに離れる。ここでは、締め付け梁の電池セル群2に向かう面と電池セル群2の該締め付け梁に向かう面との間の距離は、締め付け梁と電池セル群2の第1の方向における対応点との間の距離であると考えられてもよい。
【0083】
説明すべきこととして、本出願の実施例において、第1の方向は、正方向と負方向とを含んでもよい。例えば、第1の方向の正方向は、図4における矢印が指す方向Xであってもよいが、第1の方向の負方向は、第1の方向の正方向と逆であり、即ち第1の方向の負方向は、図4における矢印が指す方向Xと逆であり、方向Xの逆方向である。該第1の方向は、限定ではなく例示として、重力方向に垂直であってもよい。
【0084】
さらに説明すべきこととして、本出願の実施例において、電池セル群2が、他の部材、例えば、補助固定部材(例えば、エンドプレート)などをさらに含んでもよいため、上記「電池セル群2の該締め付け梁に向かう面」は、電池セル群2全体の、締め付け梁に最も近く該締め付け梁に面する面を意味する。例えば、締め付け梁に隣接するのが電池セル群2に含まれる電池セルである場合、電池セル群2の該締め付け梁に向かう面は、締め付け梁に最も近い電池セルの該締め付け梁に向かう面を意味する。さらに例えば、電池セル群2は、他の部材、例えば、複数の電池セル20の両側に位置するエンドプレートをさらに含んでもよく、このように電池セル群2の該締め付け梁に向かう面は、締め付け梁に近接するエンドプレートの該締め付け梁に向かう面を意味する。
【0085】
理解すべきこととして、以上に言及される「締め付け梁の電池セル群2に向かう面」は、前記面の一部又は全てを意味する。以上に言及される「電池セル群2の該締め付け梁に向かう面」は、前記面の一部又は全てを意味する。記述を容易にするために、図4及び以下の各実施例において、電池セル群2の該締め付け梁に向かう面を第1の締め付け面10aと称し、締め付け梁の電池セル群2に向かう面を第2の締め付け面10bと称する。
【0086】
本出願の実施例において、楔形部材13は、一端が大きく、他端が小さいか、又は一端が太く、他端が細い部材である。該楔形部材13は、楔形隙間12の形状に適合し、楔形隙間12の一部又は全てを充填して、電池セル群2を固定する役割を果たすためのものである。具体的には、該楔形部材13の電池セル群2に向かう面と、該楔形部材13の該締め付け梁に向かう面とは、次第に収束する。
【0087】
本出願の実施例の技術案によれば、間隔をおいて設置される第1の梁101と第2の梁102との間に電池セル群2を設置し、ここで、第1の梁101と第2の梁102のうちの少なくとも一つは締め付け梁として使用され、締め付け梁と電池セル群2との間に楔形隙間12があり、楔形部材13は、楔形隙間12を充填して、電池セル群2を筐体11に締め付けることができる。
【0088】
本出願の実施例において、楔形部材13と楔形隙間12との係合を利用して、電池セル群2を筐体11に確実で安定的に締め付けることができる。そして、電池セルと電池セルとの間には押出による相互作用力が存在するため、隣接する電池セルが互いに拘束され、電池の構造安定性を向上させることによって、電池全体の剛性と強度を向上させ、電池の使用中の振動衝撃による安全上のリスクを低減することができる。
【0089】
また、第1の梁101及び/又は第2の梁102と電池セル群2との間に楔形隙間12があり、電池セル群2を筐体11内により容易に入れることができ、筐体入れの難易度を低下させる。楔形隙間12は、複数の電池セル20をモジュールに組み立ててから筐体に入れるプランをサポートすることができるし、電池セル20を筐体に入れてから固定するプランをサポートすることもできる。電池セル群2を筐体に入れた後、楔形部材13で楔形隙間12を充填して、電池セル群2をロッキングするため、組み立て効率を向上させることができる。
【0090】
そして、本出願の実施例において、楔形部材13を用いて電池セル群2を筐体11に締め付けるため、補助固定部材(例えば、エンドプレート)上に、軸線が第1の方向に垂直であるボルト孔を設置しなくてもよく、このように補助固定部材(例えば、エンドプレート)の第1の方向における厚さを減少させることによって、補助固定部材が占める空間を減少させ、電池内の空間利用率を向上させることができる。さらに、電池のエネルギー密度を向上させることもできる。
【0091】
任意選択的に、いくつかの実施例において、楔形部材13は、締め付け梁に固定される。即ち、楔形部材13は、締め付け梁に固定接続されてもよい。例えば、楔形部材13は、接着、溶接又はカシメなどの方式で締め付け梁に接続されてもよく、又は、ネジ接続、ピン接続などの方式で締め付け梁に接続されてもよく、本出願の実施例はそれを限定しない。
【0092】
図4を参照して、限定ではなく例示として、第1の梁101と第2の梁102がいずれも締め付け梁である場合、第1の梁101と電池セル群2との間に楔形隙間12があり、第2の梁102と電池セル群2との間にも楔形隙間12がある。記述を容易にするために、以下では、第1の梁101と電池セル群2との間の楔形隙間を第1の楔形隙間を称し、第2の梁102と電池セル群2との間の楔形隙間を第2の楔形隙間と称する。それに応じて、第1の楔形隙間を充填するための楔形部材を第1の楔形部材131と称してもよく、第2の楔形隙間を充填するための楔形部材を第2の楔形部材132と称してもよい。上記実施例において、楔形部材13が締め付け梁に固定されることは、第1の楔形部材131が第1の梁101に固定され、第2の楔形部材132が第2の梁102に固定されることを意味する。換言すれば、楔形部材13は、それに最も近いか又はそれに隣接する締め付け梁に固定される。
【0093】
本出願の実施例において、楔形部材13が締め付け梁に固定される場合、楔形部材13と締め付け梁との間に相対運動が生じず、各部材の筐体11における位置も相対的に一定であり、このように電池セル群2の筐体11での取り付け安定性を向上させることによって、電池全体の剛性と強度を向上させることができる。
【0094】
任意選択的に、別のいくつかの実施例において、楔形部材13は、締め付け梁に固定接続されず、楔形隙間との係合のみによって楔形部材13の相対的な固定を実現してもよい。例えば、楔形部材13の表面粗さを増大させることにより楔形部材13と締め付け梁及び電池セル群2との間の摩擦力を増大させて、楔形部材13と締め付け梁及び電池セル群2との間に相対運動が生じないようにすることによって、電池セル群2に対する安定的な締め付けを実現することができる。このような形態において、楔形部材13に対して追加の処理を行う必要がなく、組み立てステップを簡略化し、電池の組み立て効率を向上させることができる。
【0095】
以上に言及したように、楔形隙間12は、締め付け梁の電池セル群2に向かう面(即ち第2の締め付け面10b)と、電池セル群2の締め付け梁に向かう面(即ち第1の締め付け面10a)とが次第に収束することで形成される。本出願の実施例において、楔形隙間12の実現方式は様々であり、以下、図面を結び付けながら詳細に説明する。
【0096】
一例として、締め付け梁の電池セル群2に向かう面は、第1の方向に対して電池セル群2から離れる側に傾斜して設置される。例えば、図4を参照すれば、即ち第2の締め付け面10bは、第1の方向に対して電池セル群2から離れる側に傾斜して設置される。このように、締め付け梁と電池セル群2との係合は楔形隙間12を形成することができる。
【0097】
理解を容易にするために、第1の梁101と第2の梁102がいずれも締め付け梁であることを例とし、図4に示すように、第1の梁101の電池セル群2に向かう面は、第1の方向に対して図中に示す方向X一方側に傾斜して設置され、第2の梁102の電池セル群2に向かう面は、第1の方向に対して方向Xの逆方向一方側に傾斜して設置される。図4から分かるように、第1の梁101の電池セル群2に向かう面と方向Xとの間の夾角は鋭角であり、第2の梁102の電池セル群2に向かう面と方向Xの逆方向との間の夾角は鋭角である。
【0098】
任意選択的に、第2の締め付け面10bと第1の方向がなす鋭角は、[30°,90°)であり、例えば、[45°,85°]であってもよく、また例えば、[60°,75°]であってもよい。
【0099】
別の例として、電池セル群2の締め付け梁に向かう面は、第1の方向に対して締め付け梁から離れる側に傾斜して設置される。例えば、図6を参照すれば、即ち第1の締め付け面10aは、第1の方向に対して締め付け梁から離れる側に傾斜して設置される。このように、電池セル群2と締め付け梁との係合は楔形隙間12を形成することができる。
【0100】
理解を容易にするために、第1の梁101と第2の梁102がいずれも締め付け梁であることを例とし、図5に示すように、電池セル群2の第1の梁101に向かう面は、第1の方向に対して図中に示す方向Xの逆方向一方側に傾斜して設置され、電池セル群2の第2の梁102に向かう面は、第1の方向に対して方向X一方側に傾斜して設置される。図5から分かるように、電池セル群2の第1の梁101に向かう面と方向Xの逆方向との間の夾角は鋭角であり、電池セル群2の第2の梁102に向かう面と方向Xとの間の夾角は鋭角である。
【0101】
任意選択的に、第1の締め付け面10aと第1の方向がなす鋭角は、[30°,90°)であり、例えば、[45°,85°]であってもよく、また例えば、[60°,75°]であってもよい。
【0102】
もう一つの例として、図4図6の実施例を結び付けながら、締め付け梁の電池セル群2に向かう面を、第1の方向に対して電池セル群2から離れる側に傾斜して設置し、電池セル群2の締め付け梁に向かう面を、第1の方向に対して締め付け梁から離れる側に傾斜して設置してもよい。例えば、図7を参照して、第2の締め付け面10bは、第1の方向に対して電池セル群2から離れる側に傾斜して設置され、第1の締め付け面10aは、第1の方向に対して締め付け梁から離れる側に傾斜して設置され、楔形隙間12を形成することができる。
【0103】
更なる例として、締め付け梁の電池セル群2に向かう面は、第1の方向に対して電池セル群2から離れる側に傾斜して設置され、電池セル群2の締め付け梁に向かう面は、第1の方向に対して締め付け梁に近接する側に傾斜して設置され、ここで、締め付け梁の電池セル群2に向かう面の傾斜程度は、電池セル群2の締め付け梁に向かう面の傾斜程度より大きい。例えば、図8を参照すれば、即ち、第2の締め付け面10bは、第1の方向に対して電池セル群2から離れる側に傾斜して設置され、第1の締め付け面10aは、第1の方向に対して締め付け梁に近接する側に傾斜して設置され、第2の締め付け面10bの傾斜程度は、第1の締め付け面10aの傾斜程度より大きい。つまり、第2の締め付け面10bと第1の方向が呈する鋭角角度は、第1の締め付け面10aと第1の方向が呈する鋭角角度より小さい。このように、第1の締め付け面10aと第2の締め付け面10bは、次第に収束する傾向を示し、楔形隙間12を形成することができる。
【0104】
無論、他のいくつかの実施例において、第1の締め付け面10aは、第1の方向に対して締め付け梁から離れる側に傾斜して設置され、第2の締め付け面10bは、第1の方向に対して電池セル群2に近接する側に傾斜して設置されてもよく、ここで、第1の締め付け面10aの傾斜程度は、第2の締め付け面10bの傾斜程度より大きい。つまり、第1の締め付け面10aと第1の方向が呈する鋭角角度は、第2の締め付け面10bと第1の方向が呈する鋭角角度より小さく、このように締め付け梁と電池セル群2との間に楔形隙間12を形成することができる。
【0105】
本出願の実施例において、締め付け梁と電池セル群2との間に楔形隙間12が形成され、楔形部材13は、締め付け梁と電池セル群2との間の隙間が最も大きい端から楔形隙間12に埋め込まれて、電池セル群2に対する締め付けと位置決めを実現することができる。
【0106】
第1の梁101又は第2の梁102が締め付け梁である場合、一つの楔形部材13(例えば、第1の楔形部材131又は第2の楔形部材132)で電池セル群2を締め付けることができ、操作が簡単であり、電池の組み立て効率を向上させることができる。
【0107】
第1の梁101と第2の梁102がいずれも締め付け梁である場合、第1の楔形部材131と第2の楔形部材132との係合によって電池セル群2を締め付けることができ、電池セル群2の筐体11内での正確な位置決めを実現することができる。
【0108】
本出願の実施例において、第1の梁101と第2の梁102のうちの一つが締め付け梁である場合、楔形隙間12を形成する方式は、上記いずれか一つの実現方式を用いてもよい。第1の梁101と第2の梁102がいずれも締め付け梁である場合、第1の梁101と電池セル群2との間の楔形隙間12(即ち第1の楔形隙間)を形成する方式と、第2の梁102と電池セル群2との間の楔形隙間12(即ち第2の楔形隙間)を形成する方式とは、同じであってもよく(例えば、上記いずれか一つの方式を用い)、異なっていてもよく(例えば、上記任意の二つの方式を用い)、本出願の実施例はそれを限定せず、以下、図7図9のみを結び付けながら例示的に説明する。
【0109】
例えば、図7を参照して、第1の梁101と第2の梁102はいずれも締め付け梁である。第1の梁101の第2の締め付け面10bと第2の梁102の第2の締め付け面10bとは、いずれも第1の方向に対して電池セル群2から離れる側に傾斜して設置される。電池セル群2の第1の梁101に向かう第1の締め付け面10aは、第1の方向に対して第1の梁101から離れる側に傾斜して設置される。電池セル群2の第2の梁102に向かう第1の締め付け面10aは、第1の方向に対して第2の梁102から離れる側に傾斜して設置される。このように、第1の梁101と電池セル群2との間に第1の楔形隙間121が形成され、第2の梁102と電池セル群2との間に第2の楔形隙間122が形成される。
【0110】
このように、第1の楔形隙間121と第2の楔形隙間122は、第1の方向に垂直な方向において、一方側がいずれも大きい隙間であり、他方側がいずれも小さい隙間である。実際の組み立て過程で、第1の楔形部材131と第2の楔形部材132は、電池セル群2の同一側においてそれぞれ第1の楔形隙間121と第2の楔形隙間122に打ち込まれ、例えば、図7に示す方向Zの逆方向から打ち込まれ、容易に取り付けることができ、電池の生産効率を向上させることができる。
【0111】
また例えば、図9を参照して、第1の梁101と第2の梁102はいずれも締め付け梁である。電池セル群2の第1の梁101に向かう第1の締め付け面10aは、第1の方向に対して第1の梁101に近接する側に傾斜して設置される。電池セル群2の第2の梁102に向かう第1の締め付け面10aは、第1の方向に対して第2の梁102から離れる側に傾斜して設置される。第1の梁101の第2の締め付け面10bと第2の梁102の第2の締め付け面10bは、互いに平行であってもよい。又は、第1の梁101の第2の締め付け面10bは、第1の方向に対して電池セル群2に近接する側に傾斜して設置され、第2の梁102の第2の締め付け面10bは、第1の方向に対して電池セル群2から離れる側に傾斜して設置される。このように、第1の梁101と電池セル群2との間に第1の楔形隙間121が形成され、第2の梁102と電池セル群2との間に第2の楔形隙間122が形成される。
【0112】
このように、第1の方向に垂直な方向において、第1の楔形隙間121の隙間が大きい側と、第2の楔形隙間122の隙間が小さい側とは同一側に位置し、第1の楔形隙間121の隙間が小さい側と、第2の楔形隙間122の隙間が大きい側とは同一側に位置する。実際の組み立て過程で、第1の楔形部材131と第2の楔形部材132は、それぞれ電池セル群2の両側から、第1の楔形隙間121と第2の楔形隙間122に打ち込まれ、例えば、図9に示す方向Zに沿って第1の楔形部材131に打ち込まれ、図9に示す方向Zの逆方向に沿って第2の楔形部材132に打ち込まれる。このように、異なる楔形部材は、異なる配置方式と打ち込み方向を有してもよく、様々な複雑な締め付け場面に適用することができる。
【0113】
任意選択的に、以上の各実施例において、第1の締め付け面10aと第2の締め付け面10bとの間の夾角は、θであってもよく(図7に示すものを参照)、ここで、θの値は、[0°,120°]であってもよく、例えば、[0°,90°]であってもよく、また例えば、[10°,45°]であってもよい。
【0114】
本出願の実施例において、第1の締め付け面10aと第2の締め付け面10bとの間の夾角は、適切な数値を取ることで、電池セル群2に対する有効な締め付けを実現することができ、さらに楔形部材13の加工難易度を低下させることができる。
【0115】
任意選択的に、いくつかの実施例において、第1の締め付け面10aと第2の締め付け面10bの収束傾向の方向は、第1の方向に垂直であってもよい例えば、第1の締め付け面10aと第2の締め付け面10bは、方向Zもしくは方向Zの逆方向に沿って収束してもよく、又は方向Yもしくは方向Yの逆方向に沿って収束してもよい。ここで関わる収束傾向の方向は、第1の締め付け面10aと第2の締め付け面10bとの間に位置する中心面の延伸方向であると定義されてもよく、又は第1の締め付け面10aもしくは第2の締め付け面10bの延伸方向であると定義されてもよく、具体的には実際の需要に応じて定義することができ、本出願は、それを特に限定しない。
【0116】
任意選択的に、別のいくつかの実施例において、第1の締め付け面10aと第2の締め付け面10bの収束傾向の方向は、締め付け梁の長手方向(例えば、図5に示す方向Y)に垂直であってもよい。
【0117】
理解できるように、三次元空間では、締め付け梁のその長手方向でのサイズは、該締め付け梁の他の方向でのサイズより大きく、換言すれば、締め付け梁において、最も大きなサイズを有する方向はその長手方向である。
【0118】
任意選択的に、いくつかの実施例において、締め付け梁は、台形梁(図4、7、8を参照)又は矩形梁(図6、9を参照)であってもよい。
【0119】
本出願の実施例において、台形梁は、梁の長手方向に垂直な平面内(例えば、図4に示すXZ平面)における断面が台形(例えば、直角台形、等脚台形又は普通の台形)を呈する梁であると理解され得る。説明すべきこととして、上記関わる台形は、梁の断面の外輪郭の形状を意味する。台形は、規則的な台形と略台形とを含み、ここで、略台形は、梁の断面の外輪郭がほぼ台形であると理解され得る。梁に対応して、即ち梁の本体フレームは台形構造であり、即ち梁の本体フレームは、梁の長手方向に垂直な平面内における断面が台形を呈するが、該梁は、梁の本体フレームから延出する他の補助部材をさらに含んでもよい。つまり、本出願の実施例に関わる台形梁は、規則的な台形梁と、規則的な台形梁を基に変形して得られたほぼ台形梁である梁とを含む。
【0120】
台形梁に類似して、本出願の実施例において、矩形梁は、梁の長手方向に垂直な平面内(例えば、図5に示すXZ平面)における断面が矩形を呈する梁であると理解され得る。説明すべきこととして、上記関わる矩形は、梁の断面の外輪郭の形状を意味する。本出願の実施例に関わる矩形梁は、規則的な矩形梁及び規則的な矩形梁を基に変形して得られた梁とを含む(例えば、梁の本体フレームは矩形構造であるが、該梁は、梁の本体フレームから延出する他の補助部材をさらに含んでもよい)。
【0121】
任意選択的に、いくつかの実施例において、図4図5を参照して、電池セル群2に含まれる電池セル20は、方形電池セルであってもよい。例えば、方形電池セルは方形の電池セル群2を形成することができ、方形の電池セル群2は台形梁と係合して楔形隙間12を形成することができ、ここで、台形梁の第2の締め付け面10bは、第1の方向に対して電池セル群2から離れる側に傾斜して設置される。
【0122】
任意選択的に、別のいくつかの実施例において、図7を参照して、電池セル群2に含まれる電池セル20は、多面体構造であり、電池セル20は、互いに接続される第1の壁201と第2の壁202を含み、ここで、第1の壁201は第1の方向に平行であり、第2の壁202は第1の壁201に対して傾斜して設置される。複数の電池セル20を、第1の方向に沿って積層設置して電池セル群2を形成することができ、ここで、隣接する二つの電池セル20は、第2の壁202を介して互いに付着されてもよい。例えば、図6~9に示すように、締め付け梁に近接する電池セル20の第2の壁202は、矩形梁又は台形梁と係合して楔形隙間12を形成することができる。
【0123】
本出願の実施例において、電池セル20の第2の壁202は、第1の壁201に対して傾斜して設置され、第1の方向において隣接する二つの電池セルは、それぞれの第2の壁202を介して互いに付着される。そのため、隣接する第2の壁202の間に相互作用力が形成されて、各電池セルは、少なくとも一つの傾斜する第2の壁202が、隣接する電池セルの傾斜する第2の壁202に押圧され、隣接する電池セルの間に相互作用力が構成されて、両方は互いに拘束し制約し、電池全体の剛性と強度を向上させ、電池の使用中の振動衝撃による安全上のリスクを低減することができる。
【0124】
図10は、本出願の実施例による電池セルの構造概略図を示す。
【0125】
一例において、図10における(a)に示すように、電池セル20は、平行に設置される二つの第1の壁201と、非平行に設置される二つの第2の壁202とを含んでもよく、電池セル20は、第1の壁201と第2の壁202に垂直な平面における断面が台形である。
【0126】
このように、複数の電池セル20が第1の方向に沿って積層される場合、複数の電池セルの間の接続をより容易に実現し、電池の生産効率を向上させることができる。
【0127】
別の例において、図10における(b)に示すように、電池セル20は、平行に設置される二つの第1の壁201と、平行に設置される二つの第2の壁202とを含んでもよく、電池セル20は、第1の壁201と第2の壁202に垂直な平面における断面が平行四辺形である。
【0128】
そのため、複数の電池セル20が第1の方向に沿って積層される場合、複数の電池セルの間の接続をより容易に実現し、電池の生産効率を向上させることができる。そして、電池セル20の構造は、規則的で対称なものであり、電池セルの製造と取り付けを容易に行うことができる。
【0129】
理解できるように、電池セル20はさらに、他の形状、例えば、三角柱状、五角柱状などの多面体構造であってもよく、具体的には、実際の需要に応じて設計することができ、ここではそれ以上詳述しない。
【0130】
以上で、図4~10を結び付けながら、主に本出願の実施例による電池の構造を説明し、本出願に関わる楔形隙間12を詳細に記述し、以下、図11~14を結び付けながら、主に本出願に関わる楔形部材13について詳細に説明し、他の部材の関連記述は、上記を参照することができ、簡潔のために、以下では説明を省略する。
【0131】
図11は、本出願の実施例による電池の部分構造概略図を示す。
【0132】
図11における(a)に示すように、楔形部材13は、対向して設置される第1の面1301と第2の面1302を含む。第1の面1301は、電池セル群2の締め付け梁に向かう面(即ち第1の締め付け面10a)と互いに付着するためのものであり、第2の面1302は、締め付け梁の電池セル群に向かう面(即ち第2の締め付け面10b)と互いに付着するためのものである。
【0133】
楔形部材13が楔形隙間12に充填される場合、図11における(b)に示すように、楔形部材13の第1の面1301は、電池セル群2の締め付け梁に向かう面に対向して平行であり、楔形部材13の第2の面1302は、締め付け梁の電池セル群2に向かう面に対向して平行である。楔形部材13の組み立てが完了した後、第1の面1301は第1の締め付け面10aに付着され、第2の面1302は第2の締め付け面10bに付着される。
【0134】
本出願の実施例において、楔形部材13の第1の面1301と第2の面1302は、それぞれ第1の締め付け面10aと第2の締め付け面10bに平行であり、それらに付着され、楔形部材13と電池セル群2及び締め付け梁との接触面積を増大させて、楔形部材13の電池セル群2への締め付け能力を向上させることができる。
【0135】
図12は、本出願の実施例による別の電池の部分構造概略図を示す。図11に示す電池とは異なり、図12における(a)に示すように、楔形部材13は、第1の面1301と第2の面1302を接続する第3の面1303と、第3の面1303から第1の方向に沿って電池セル群2から離れて延伸する第1の延伸部1304とをさらに含む。第1の延伸部1304は、締め付け梁と接続するためのものである。
【0136】
楔形部材13の組み立てが完了した後、図12における(b)に示すように、第1の面1301は第1の締め付け面10aに付着され、第2の面1302は第2の締め付け面10bに付着され、第1の延伸部1304は締め付け梁に接続される。
【0137】
任意選択的に、第1の延伸部1304は、接着、溶接、カシメ、ボルト接続などの方式によって締め付け梁に接続され得る。
【0138】
任意選択的に、いくつかの実施例において、図12を参照して、締め付け梁は、第2の締め付け面10bに接続される第3の締め付け面10cを含んでもよく、第3の締め付け面10cは、第1の延伸部1304に付着するためのものである。
【0139】
本出願の実施例において、楔形部材13は、第1の延伸部1304を介して締め付け梁に接続され、このように楔形部材13と締め付け梁との間に相対運動が生じなくてもよく、楔形部材13の電池セル群2への締め付け能力を向上させることによって、電池内部の構造安定性を向上させることができる。
【0140】
図13は、本出願の実施例による別の電池の部分構造概略図を示す。図11に示す電池とは異なり、図13における(a)に示すように、楔形部材13は、第1の面1301と第2の面1302を接続する第3の面1303と、第3の面1303から第1の方向に沿って電池セル群2に近接して延伸する第2の延伸部1305とをさらに含む。
【0141】
引き続き図13における(a)を参照して、電池10は、エンドプレート23をさらに含み、該エンドプレート23は、締め付け梁と電池セル群2との間に設置され、電池セル群2に付着される。ここで、エンドプレート23の締め付け梁に向かう側には段差231が設置されている。第2の延伸部1305は、段差231と係合して、第2の方向でエンドプレート23に対して位置制限を行うためのものである。
【0142】
本出願の実施例において、第2の方向は、第1の方向に垂直であり、締め付け梁の延伸方向に垂直であり、締め付け梁の延伸方向は第1の方向に垂直である。換言すれば、第1の方向、第2の方向と締め付け梁の延伸方向は、互いに垂直である三つの方向であり、例えば、それぞれ図面に示す方向X、方向Zと方向Yである。
【0143】
説明すべきこととして、締め付け梁の延伸方向は、締め付け梁の長手方向であると考えられてもよい。理解できるように、三次元空間では、締め付け梁のその長手方向でのサイズは、該締め付け梁の他の方向でのサイズより大きく、つまり、締め付け梁において、最も大きなサイズを有する方向はその長手方向、即ちその延伸方向である。
【0144】
楔形部材13の組み立てが完了した後、図13における(b)に示すように、第1の面1301は第1の締め付け面10aに付着され、第2の面1302は第2の締め付け面10bに付着され、第2の延伸部1305は、段差231と係合することによって、第2の方向でエンドプレート23に対して位置制限を行う。エンドプレート23が電池セル群2に付着されるため、第2の延伸部1305と段差231との係合は、電池セル群2に対して位置制限を行うことができる。
【0145】
任意選択的に、いくつかの実施例において、段差231は、互いに接続される第1の段差面231aと第2の段差面231bを含んでもよく、第2の段差面231bと第1の段差面231aとは互いに垂直である。第1の段差面231aと第1の締め付け面10aは締め付け梁に向かい、第2の段差面231bは、段差面231aと第1の締め付け面10aを接続するためのものである。
【0146】
つまり、エンドプレート23は、第1の段差面231aと、第2の段差面231bと、第1の締め付け面10aとを含んでもよく、第1の段差面231aと第1の締め付け面10aは、締め付け梁に向かい、第2の段差面231bを介して接続される。第1の段差面231aと第2の段差面231bとは段差を形成する。
【0147】
任意選択的に、第1の段差面231aの第1の方向への投影と、第1の締め付け面10aの第1の方向への投影とは重ならない。第2の段差面231bの第2の方向への投影は、エンドプレート23の第2の方向への投影の範囲内にある。
【0148】
本出願の実施例において、楔形部材13は、第2の延伸部1305を介してエンドプレート23上の段差231に係着され、エンドプレート23及び電池セル群2を位置制限することによって、電池セル群2の筐体内での取り付け安定性を向上させることができる。
【0149】
説明すべきこととして、エンドプレートが設置される場合、エンドプレートは、一般的には電池セル上に付着される。複数の電池セルがある場合、エンドプレートは、全体の一方側として該複数の電池セルに設置される。そのため、いくつかの実施例において、エンドプレートは電池セル群2の一部であると考えてもよい。
【0150】
図14は、本出願の実施例による別の電池の部分構造概略図を示す。図13に示す電池とは異なり、楔形部材13は、第3の面1303から第1の方向に沿って電池セル群2から離れて延伸する第1の延伸部1304をさらに含み、第1の延伸部1304は、締め付け梁に接続するためのものである。図14に示す第1の延伸部1304は、図12で紹介された第1の延伸部1304と同じであり、具体的な説明は、図12の関連記述を参照することができ、簡潔のために、ここでは説明を省略する。
【0151】
任意選択的に、いくつかの実施例において、電池10は、複数の電池セル20に電気的に接続するためのバスバー部材24をさらに含んでもよい。バスバー部材24は、電池セル群2の第3の方向における端に設置され、第3の方向は締め付け梁の延伸方向に平行であり、締め付け梁の延伸方向は第1の方向と垂直である。
【0152】
理解を容易にするために、図15は、図14における電池の部分斜視概略図を示す。図15に示すように、電池10は、第1の方向に沿って間隔をおいて設置される第1の梁101と第2の梁102、及び第1の梁101と第2の梁102との間に設置される電池セル群2を含む。第1の梁101及び/又は第2の梁102は締め付け梁である。電池セル群2は、第1の方向に沿って積層される複数の電池セル20を含む。該複数の電池セル20の両側には、エンドプレート23が付着されており、エンドプレート23の締め付け梁に向かう側には、図14に示す段差231が設置されている。エンドプレート23と締め付け梁との間に上記の楔形隙間12がある。電池10は、エンドプレート23と締め付け梁との間の楔形隙間12を充填するための楔形部材13をさらに含む。楔形部材13は、図14に記述されている第1の延伸部1304と第2の延伸部1305を有し、ここで、第1の延伸部1304は、締め付け梁に接続するためのものであり、第2の延伸部1305は、エンドプレート23上の段差231と係合してエンドプレート23を位置制限するためのものである。
【0153】
任意選択的に、一実施例において、図15に示す電池の組み立て過程は以下のとおりである。
【0154】
ステップ1)、複数の電池セル20を筐体11外で組み立てて、電池セル群2を形成し、ここで、複数の電池セル20の両側にはエンドプレート23が付着されており、エンドプレート23の外側には段差231が設置されており、
ステップ2)、電池セル群2を筐体11内に入れ、第1の梁101と第2の梁102との間に配置し、ここで、エンドプレート23上の段差231は、締め付け梁(締め付け梁は第1の梁101及び/又は第2の梁102である)に向かい、
ステップ3)、楔形部材13を締め付け梁と電池セル群2との間の楔形隙間12内に押し込み、ここで、楔形部材13の第2の延伸部1305は段差231と係合し、
ステップ4)、楔形部材13の第1の延伸部1304を締め付け梁に固定し、例えば、ボルト締め付けによって第1の延伸部1304と締め付け梁を一体に締め付ける。
【0155】
説明すべきこととして、図11~14は、第1の梁101が締め付け梁であることを例として説明したが、理解すべきこととして、図11~14に記述されるプランは、第2の梁102が締め付け梁である場合にも同様に適用でき、簡潔のために、説明を省略する。
【0156】
図16は、本出願の実施例による電池の概略的平面図を示し、第1の梁と第2の梁の設置位置を説明するためのものである。
【0157】
任意選択的に、図16における(a)に示すように、いくつかの実施例において、第1の梁101と第2の梁102は筐体11の側壁である。
【0158】
任意選択的に、図16における(b)に示すように、別のいくつかの実施例において、第1の梁101と第2の梁102は筐体11内のビームである。
【0159】
任意選択的に、図16における(c)に示すように、別のいくつかの実施例において、第1の梁101と第2の梁102のうちの一方は筐体11の側壁であり、他方は筐体11内に位置するビームである。
【0160】
任意選択的に、締め付け梁(即ち第1の梁101及び/又は第2の梁102)がビームである場合、該締め付け梁は、二つの電池セル群を隔離し固定するためのものであってもよく、例えば、第1の電池セル群と第2の電池セル群を隔離する。任意選択的に、該締め付け梁の第1の電池セル群に向かう面は、第1の方向に対して第1の電池セル群から離れる側に傾斜して設置されてもよく、及び/又は第1の電池セル群の該締め付け梁に向かう面は、第1の方向に対して該締め付け梁から離れる側に傾斜して設置されてもよい。該締め付け梁の第2の電池セル群に向かう面は、第1の方向に対して第2の電池セル群から離れる側に傾斜して設置されてもよく、及び/又は第2の電池セル群の該締め付け梁に向かう面は、第1の方向に対して該締め付け梁から離れる側に傾斜して設置されてもよい。そのため、第1の電池セル群と締め付け梁との間に楔形隙間が形成され得、第2の電池セル群と締め付け梁との間に楔形隙間が形成され得る。このように、同一の締め付け梁によって第1の電池セル群と第2の電池セル群を締め付けることができる。
【0161】
本出願の実施例において、第1の梁101と第1の梁102の構造は、同じであってもよく、異なっていてもよく、ここでは特に限定しない。
【0162】
任意選択的に、本出願の実施例において、第1の梁101及び/又は第2の梁102は、中実梁、中空梁又は透かし彫り梁であってもよい。第1の梁101及び/又は第2の梁102が中空梁又は透かし彫り梁である場合、電池全体の重量を減少させることができる。
【0163】
以上は、本出願の実施例による電池セル、電池及び電力消費機器を記述した。以下は、本出願の実施例による電池セルを製造する方法と機器を説明する。ここで、詳細に説明されていない部分は、上記の各実施例を参照することができる。
【0164】
図17は、本出願の一実施例による電池10を製造する方法300の概略的フローチャートを示す。図17に示すように、該方法300は以下を含んでもよい。
【0165】
S310、電池セル群2を提供する。
【0166】
S320、筐体11を提供する。
【0167】
ここで、電池セル群2は、第1の方向に沿って配列される複数の電池セル20を含む。筐体11は、第1の方向に沿って間隔をおいて設置される第1の梁101と第2の梁102を含み、電池セル群2は、第1の梁101と第2の梁102との間に設置され、ここで、第1の梁101と第2の梁102のうちの少なくとも一つは締め付け梁であり、締め付け梁と電池セル群2との間に楔形隙間12がある。
【0168】
S330、楔形部材13を提供する。
【0169】
S340、楔形部材13を楔形隙間12に充填して、電池セル群2を筐体11に締め付ける。
【0170】
図18は、本出願の一実施例による電池10を製造する機器400の概略的ブロック図を示す。図18に示すように、該機器400は、提供モジュール410であって、該提供モジュール410は、第1の方向に沿って配列される複数の電池セル20を含む電池セル群2を提供し、第1の方向に沿って間隔をおいて設置される第1の梁101と第2の梁102を含む筐体11であって、電池セル群2は第1の梁101と第2の梁102との間に設置され、ここで、第1の梁101と第2の梁102のうちの少なくとも一つは締め付け梁であり、締め付け梁と電池セル群2との間に楔形隙間12がある筐体11を提供し、楔形部材13を提供するためのものである提供モジュール410と、楔形部材13を楔形隙間12に充填して、電池セル群2を筐体11に締め付けるための取り付けモジュール420とを含んでもよい。
【0171】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改善を行うことができ、そのうちの部材を同等のものに置き換えてもよい。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる全ての技術案を含む。
【符号の説明】
【0172】
1 車両
10 電池
11 筐体
111 第1の部分
112 第2の部分
101 第1の梁
102 第2の梁
10a 第1の締め付け面
10b 第2の締め付け面
10c 第3の締め付け面
12 楔形隙間
121 第1の楔形隙間
122 第2の楔形隙間
13 楔形部材
131 第1の楔形部材
132 第2の楔形部材
1301 第1の面
1302 第2の面
1303 第3の面
1304 第1の延伸部
1305 第2の延伸部
2 電池セル群
20 電池セル
201 第1の壁
202 第2の壁
211 ケース
212a 第1のカバープレート
212b 第2のカバープレート
213 放圧機構
214 電極端子
215a 第1の保護層
215b 第2の保護層
216a 第1のホルダ
22 電極アセンブリ
221 第1のタブ
23 エンドプレート
231 段差
231a 第1の段差面
231b 第2の段差面
24 バスバー部材
30 コントローラ
40 モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】