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特表2024-528589一体成形金属放熱板及びその放熱装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】一体成形金属放熱板及びその放熱装置
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/02 20060101AFI20240723BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20240723BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240723BHJP
   F28F 3/04 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
F28F3/02 Z
H01L23/36
H05K7/20 B
F28F3/04 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500573
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-01-04
(86)【国際出願番号】 IB2021060226
(87)【国際公開番号】W WO2023012509
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】110129196
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524007549
【氏名又は名称】チェン クエイ-ファン
(71)【出願人】
【識別番号】524007550
【氏名又は名称】チェン シーユエン
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】チェン クエイ-ファン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シーユエン
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5F136BA07
5F136FA02
5F136GA12
(57)【要約】
本発明は、基板と、長手方向に沿って配列される複数の放熱フィンとを含む一体成形金属放熱板を提供する。基板は対応して設けられる第1面及び第2面を含む。放熱フィンのそれぞれは、第1面に接続される2つの接続端と、2つの接続端の間に配置される少なくとも2つの波部と、波部のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの側に形成される複数の凹凸歯部と、を含む。基板には各放熱フィンの少なくとも2つの波部に対応して切欠き溝が設けられ、切欠き溝が第1面及び第2面を貫通する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対応して設けられる第1面及び第2面を含む基板と、
長手方向に沿って配列される複数の放熱フィンであって、該放熱フィンのそれぞれは、該第1面に接続される2つの接続端と、該2つの接続端の間に配置される少なくとも2つの波部と、該波部のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの側に形成される複数の凹凸歯部と、を含み、該基板には該放熱フィンのそれぞれの該少なくとも2つの波部に対応して切欠き溝が設けられ、該切欠き溝が該第1面及び該第2面を貫通する複数の放熱フィンと、を含む一体成形金属放熱板。
【請求項2】
該波部のそれぞれが少なくとも1つの山部と、該山部に接続される少なくとも1つの谷部とを有し、各山部の形状が三角形又は円弧状であり、各谷部の形状が三角形、円弧状又は該第1面と平行な平面である請求項1に記載の一体成形金属放熱板。
【請求項3】
各放熱フィンにおいて、波高が該少なくとも2つの波部のそれぞれの最も高い該山部と最も低い該谷部との間で定義され、該波高が該長手方向に向かって徐々に増加し、各波部の振幅も該長手方向に向かって徐々に増大し、各波部の最も低い該谷部と該第1面との間に高さの差を有する請求項2に記載の一体成形金属放熱板。
【請求項4】
各放熱フィンにおいて、波高が該少なくとも2つの波部のそれぞれの最も高い該山部と最も低い該谷部との間で定義され、該波高が該長手方向に向かって等しく、各波部の振幅も該長手方向に向かって等しく、各波部の最も低い該谷部と該第1面との間に高さの差を有する請求項2に記載の一体成形金属放熱板。
【請求項5】
銅又は銅合金は、該第1面及び各該放熱フィンに設けられ、該銅又は銅合金が該凹凸歯部を有する各波部にも配置され該凹凸歯部に対向する面に設けられる請求項1に記載の一体成形金属放熱板。
【請求項6】
該基板及び各放熱フィンの材質がアルミニウム又はアルミニウム合金を含み、該凹凸歯部のそれぞれが三角形、矩形又は円弧状のいずれか1つ又はそれらの組み合わせである請求項1に記載の一体成形金属放熱板。
【請求項7】
少なくとも一体成形金属放熱板と、該金属放熱板の一側に取り付けられる電子機器とを含む放熱装置であって、
基板を複数含むベースであって、該基板のそれぞれが対応して設けられる第1面及び第2面を含むベースと、
長手方向に沿って配列される複数の放熱フィンであって、該放熱フィンのそれぞれは、該第1面に接続される2つの接続端と、該2つの接続端の間に配置される少なくとも2つの波部と、少なくとも2つの波部のそれぞれの少なくとも1つの側に形成される複数の凹凸歯部と、を含み、該基板には該少なくとも2つの波部に対応して切欠き溝が設けられ、該切欠き溝が該第1面及び該第2面を貫通する複数の放熱フィンと、を含む放熱装置。
【請求項8】
該ベースが該基板に接続される接続板をさらに含み、該接続板及び最外側の2つの該基板が共に馬蹄形状を形成する請求項7に記載の放熱装置。
【請求項9】
該波部が少なくとも1つの山部と、少なくとも1つの谷部とを有し、該山部の形状が三角形又は円弧状であり、各谷部の形状が三角形、円弧状又は該第1面と平行な平面である請求項7に記載の放熱装置。
【請求項10】
各放熱フィンにおいて、波高が該少なくとも2つの波部のそれぞれの最も高い該山部と最も低い該谷部との間で定義され、該波高が該長手方向に向かって徐々に増加するほど、各波部の振幅も該長手方向に向かって徐々に増大する請求項9に記載の放熱装置。
【請求項11】
各放熱フィンにおいて、波高が該少なくとも2つの波部のそれぞれの最も高い該山部と最も低い該谷部との間で定義され、該波高が該長手方向に向かって等しく、各波部の振幅も該長手方向に向かって等しい請求項9に記載の放熱装置。
【請求項12】
銅又は銅合金は、該第1面及び各該放熱フィンに設けられ、該銅又は銅合金が該凹凸歯部を有する各波部に配置され該凹凸歯部に対向する面に設けられる請求項7に記載の放熱装置。
【請求項13】
該ベース及び各放熱フィンの材質がアルミニウム又はアルミニウム合金を含み、該凹凸歯部のそれぞれが三角形、矩形又は円弧状のいずれか1つ又はそれらの組み合わせである請求項9に記載の放熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱構造を提供し、特に同じ単位面積で、より多くの波部を成形可能にすることで、放熱効果を向上させる一体成形金属放熱板及びその放熱装置である。
【背景技術】
【0002】
従来の放熱構造は、放熱源から発生する熱を速やかに放出するために、例えば、水冷放熱部、ヒートパイプ、ファンやフィンなどの装置を増設するが、上記複数の媒体が互いに接続されている効果が悪いと、逆に悪影響を及ぼしてしまう。そのため、放熱板と複数の放熱フィンとにより一体成形されてなり、放熱板を金属材質とし、各放熱フィンを放熱板で切断した後に、プレス方式により放熱フィンを放熱板の一面に向かって張り出させることにより、コストを削減して、放熱板の放熱面積を向上させる効果を達成する放熱装置が市販されている。
【0003】
しかしながら、従来の一体成形の放熱装置では、多少の不足があり、主な理由は、第1に、放熱フィンがプレス加工される際に、そのプレス応力が放熱板と放熱フィンとの連結箇所に集中し、その箇所が薄すぎたり破断したりしやすく、放熱フィンが破損しやすくなるだけではなく、放熱フィンの引張伸度が制限され、放熱面積を大幅に向上させることができない。第2に、各放熱フィンが放熱板に高低方式で間隔をおいて設けられているため、このような構造設計が量産を容易に達成できないばかりではなく、プレス加工後に、プレス応力が不均一であるため、放熱板が変形して反ってしまうという問題が生じ、したがって従来の放熱構造では市場の需要を満たすことができず、放熱性が十分ではないからである。
【0004】
これに鑑みて、本発明者らは、上記従来技術について鋭意研究し、理論の運用に合わせて、上記の問題点を解決しようと最善を尽くし、本発明者らの改善する目標となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、全体の高さが低く、小さいスペース(制限のない使用環境に比べて)に取り付けられ、単位面積が同じ場合に、複数の波部を有する放熱フィンによって、表面放熱面積を向上させることにより、量産が容易になり、放熱性を向上させる効果を有する一体成形金属放熱板及びその放熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基板と、長手方向に沿って配列される複数の放熱フィンとを含む一体成形金属放熱板を提供する。基板は対応して設けられる第1面及び第2面を含む。放熱フィンのそれぞれは、第1面に接続される2つの接続端と、該2つの接続端の間の少なくとも2つの波部と、該波部のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの側に形成される複数の凹凸歯部と、を含む。該基板には該放熱フィンのそれぞれの該少なくとも2つの波部に対応して切欠き溝が設けられ、該切欠き溝が該第1面及び該第2面を貫通する。
【0007】
一実施例において、該波部のそれぞれが少なくとも1つの山部と、該山部に接続される少なくとも1つの谷部とを有し、各山部の形状が三角形又は円弧状であり、各谷部の形状が三角形、円弧状又は該第1面と平行な平面である。
【0008】
一実施例において、各放熱フィンにおいて、波高が該少なくとも2つの波部のそれぞれの最も高い該山部と最も低い該谷部との間で定義され、該波高が該長手方向に向かって徐々に増加し、各波部の振幅も該長手方向に向かって徐々に増大し、各波部の最も低い該谷部と該第1面との間に高さの差を有する。
【0009】
一実施例において、各放熱フィンにおいて、波高が該少なくとも2つの波部のそれぞれの最も高い該山部と最も低い該谷部との間で定義され、該波高が該長手方向に向かって等しく、各波部の振幅も該長手方向に向かって等しく、各波部の最も低い該谷部と該第1面との間に高さの差を有する。
【0010】
一実施例において、銅又は銅合金は、該第1面及び各該放熱フィンに設けられ、該銅又は銅合金が該凹凸歯部を有する各波部にも配置され該凹凸歯部に対向する面に設けられる。
【0011】
一実施例において、該基板及び各放熱フィンの材質がアルミニウム又はアルミニウム合金を含み、該凹凸歯部のそれぞれが三角形、矩形又は円弧状のいずれか1つ又はそれらの組み合わせである。
【0012】
本発明は、少なくとも一体成形金属放熱板と、該金属放熱板の一側に取り付けられる電子機器とを含む放熱装置をさらに提供する。該放熱装置は、ベースと、複数の放熱フィンとを含む。ベースは基板を複数含み、該基板のそれぞれが対応して設けられる第1面及び第2面を含む。該放熱フィンのそれぞれは、該第1面に接続される2つの接続端と、該2つの接続端の間に配置される少なくとも2つの波部と、少なくとも2つの波部のそれぞれの少なくとも1つの側に形成される複数の凹凸歯部と、を含み、該基板には該少なくとも2つの波部に対応して切欠き溝が設けられ、該切欠き溝が該第1面及び該第2面を貫通する。
【0013】
一実施例において、該ベースが該基板に接続される接続板をさらに含み、該接続板及び最外側の2つの該基板が共に馬蹄形状を形成する。
【0014】
一実施例において、該波部が少なくとも1つの山部と、少なくとも1つの谷部とを有し、該山部の形状が三角形又は円弧状であり、各谷部の形状が三角形、円弧状又は該第1面と平行な平面である。
【0015】
一実施例において、各放熱フィンにおいて、波高が該少なくとも2つの波部のそれぞれの最も高い該山部と最も低い該谷部との間で定義され、該波高が該長手方向に向かって徐々に増加するほど、各波部の振幅も該長手方向に向かって徐々に増大する。
【0016】
一実施例において、各放熱フィンにおいて、波高が該少なくとも2つの波部のそれぞれの最も高い該山部と最も低い該谷部との間で定義され、該波高が該長手方向に向かって等しく、各波部の振幅も該長手方向に向かって等しい。
【0017】
一実施例において、銅又は銅合金は、該第1面及び各該放熱フィンに設けられ、該銅又は銅合金が該凹凸歯部を有する各波部に配置され該凹凸歯部に対向する面に設けられる。
【0018】
一実施例において、該ベース及び各放熱フィンの材質がアルミニウム又はアルミニウム合金を含み、該凹凸歯部のそれぞれが三角形、矩形又は円弧状のいずれか1つ又はそれらの組み合わせである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一体成形金属放熱板及びその放熱装置は、複数の高さが低くて、密度が高い波部及び各凹凸歯部を設けることにより、波部全体の高さが低く、数が多くて製作が容易になり、単位面積が同じで、表面放熱面積を向上させる作用を実現することにより、表面放熱面積及び放熱効果を効果的に向上させる。したがって、本実施形態は、各凹凸歯部を利用して放熱板の2つの接続端に元々集中していたプレス応力を放熱フィン全体に分散させて、放熱フィンの各波部を容易に伸び変形させ、また、プレス応力が放熱板の2つの接続端に集中して変形反りが発生することなく、プレスで発生した応力を長さの長い切欠き溝からも逃がすことができる。また、各凹凸歯部を設けることにより、放熱フィンの各波部の延性を向上させて、加工時に放熱フィンが容易に破断することを低減する。したがって、本実施例の放熱板は、何の廃棄物を発生させることなく、コストが安く、複数の波部及び複数の凹凸歯部を有する一体成形金属放熱板を利用して、表面放熱面積を大幅に向上させることができ、量産可能で放熱性を向上させる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以上の本発明の内容をより明確に理解しやすくするために、添付図面を参照しながら、以下の好ましい実施例を挙げて詳細に説明する。
図1A図1Aは本発明の一体成形金属放熱板の第1実施例の模式図である。
図1B図1Bは本発明の一体成形金属放熱板の第2実施例の模式図である。
図2図2は本発明の放熱装置の斜視模式図である。
図3A図3Aは本発明の放熱装置の側面図である。
図3B図3B図3Aの他の実施例の図である。
図4図4は本発明の放熱装置の他の側面図である。
図5図5は本発明の接続板に電子機器が取り付けられる模式図である。
図6図6は本発明の一体成形金属放熱板の第3実施例の模式図である。
図7図7図6の側面図である。
図8図8図6の他の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記の図面を参照すると、同一の要素番号は同一の要素又は同様の要素を示しており、本開示の原理は、適切な環境において実施されることを例証するものである。以下の説明は、例示された本開示の具体的な実施例に基づいており、本明細書に詳細に記載されていない本開示の他の具体的な実施例を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0022】
図1A及び図1Bに示すように、本発明は、基板110と、長手方向に沿って配列される複数の放熱フィン120とを含む一体成形金属放熱板100を提供する。基板110は対応して設けられる第1面102及び第2面104を含む。各放熱フィン120は、第1面102に接続される2つの接続端106と、2つの接続端106の間に配置される少なくとも2つの波部126と、少なくとも2つの波部126のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの側に形成される複数の凹凸歯部130と、を含む。基板110には各放熱フィン120の少なくとも2つの波部126に対応して切欠き溝140が設けられ、切欠き溝140が第1面102及び第2面104を貫通する。
【0023】
波部126は、少なくとも1つの山部122と、山部122に接続される少なくとも1つの谷部124とを有する。山部122の形状が、例えば、三角形、円弧状又はその他の適切な形状であり、谷部124の形状が、例えば、三角形、円弧状又は第1面102と平行な平面である。図1Aに示す実施例において、山部122と谷部124との形状が三角形であることが好ましく、全体の放熱効率を約80%にさせることができる。図1Bに示す実施例において、谷部124の形状が平面であることが好ましく、全体の放熱効率を90%に達成させることができる。他の異なる実施例において、山部122と谷部124との形状が必要に応じて円弧状、三角形又はそれらの組み合わせを選択することにより、異なる環境に適用される。
【0024】
また、図1A及び図1Bに示す本実施例において、各放熱フィン120において、少なくとも2つの波部126のそれぞれの最も高い山部と最も低い谷部との間の波高128が前記長手方向に向かって徐々に増加し、言い換えれば、振幅129も長手方向に向かって徐々に増大して、放熱面積を効果的に増大させることにより、放熱効果を増加させることができる。しかしながら、他の異なる実施例において、少なくとも2つの波部126の波高128が前記長手方向に向かって等しく設けられ、即ち振幅129も等しく、優れた熱伝達及び放熱効果を達成することができる。なお、波高128は、好ましくは20ミリメートル(mm)以下であり、波部126全体の高さを低くし、数を多くして製作を容易にし、同じ単位面積で、表面放熱面積を向上させる作用を奏する。谷部124と第1面102との間に1ミリメートル~10ミリメートル(mm)などの高さの差Hを有し、前記高さの差Hが固定値として設けられてもよいし、長手方向に向かって徐々に増加してもよく、必要に応じて変更してもよい。
【0025】
基板110及び各放熱フィン120の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金を含み、各凹凸歯部130が三角形、矩形又は円弧状のいずれか1つ又はそれらの組み合わせである。各凹凸歯部130の歯形は三角形であることが好ましく、先端に熱が溜まりにくいため、熱を速やかに放出させることができ、放熱効果に優れている。他の異なる実施例において、各凹凸歯部130の歯形は、円弧状又は他の適切な形状であってもよく、限定されるものではない。図1A及び図1Bに示す実施例において、第1面102及び各放熱フィン120にコーティング、電解めっき又はその他の適切な方法で配置された銅150又は銅合金をさらに含み、銅150の放熱比率がアルミニウムの2倍である。本実施例は、銅150又は銅合金を設けることにより、熱伝達効率及び放熱効果を増加させることができる。具体的には、銅150又は銅合金が凹凸歯部130を有する各波部126にも配置され各凹凸歯部130に対向する面に設けられることが好ましい。しかしながら、他の異なる実施例において、銅150又は銅合金が第1面102及び第2面104に同時に設けられてもよく、必要に応じて変更してもよい。
【0026】
図1A及び図1Bに示す実施例において、基材が純アルミニウム又はアルミニウム合金構造であることが好ましく、その上に少なくとも1層の純銅150又は銅合金が更に設けられる2層構造であってもよく、さらに他の異なる実施例において、純銅150又は銅合金に他の各種の金属又はその金属合金がさらに設けられてもよく、さらに他の2層複合金属材料(例えば銅及びアルミニウムの複合材料)が設けられて形成される2層又は3層の放熱フィン120構造であってもよい。各層の厚さは、実際の運用や放熱条件によって異なり、限定されるものではない。なお、上記複合材料は、完全に溶着した2種類の金属の溶着層であってもよいし、熱伝達を低減する金属間化合物層(intermetallic layer)であってもよい。3層構造は、各種の金属又はその合金を複合及び/又は溶着した3層構造であってもよく、限定されるものではない。上記の他の純金属又はその合金としては、ニッケル、錫、亜鉛、銀、金、鉄、ステンレス鋼、チタン、タングステン、ベリリウム、ビスマスなどを含むが、これらに限定されない。
【0027】
以下、各放熱フィン120の成形方法についてさらに説明し、各放熱フィン120は、例えば、各波部126に複数の凹凸歯部130がプレス方法で形成されており、図1Aにおける凹凸歯部130が連続又は不連続となるように波部126の面に成形されているが、図1Bにおける凹凸歯部130については、各波部126の谷部124を平面状にプレス加工する必要があるため、各凹凸歯部130を有していない。各凹凸歯部130を成形させた後に、各放熱フィン120をプレス加工させて、放熱フィン120には、少なくとも2つの波部126がさらに成形されて放熱板100のいずれかの面に向かって、例えば、第1面102に向かって延長突出することにより、各波部126に対応する切欠き溝140を形成する。本実施例に示す少なくとも2つの波部126は、3つの山部122及び2つの谷部124を含むことが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0028】
高さが低くて、密度が高い複数の波部126及び各凹凸歯部130を設けることにより、放熱フィン120の表面放熱面積を向上させることができ、単位面積が同じ場合に、表面放熱面積及び放熱効果を効果的に向上させることができる。したがって、本実施形態は、各凹凸歯部130を利用して放熱板100の2つの接続端106に元々集中していたプレス応力を放熱フィン120全体に分散させて、放熱フィン120の各波部126を容易に伸び変形させ、また、プレス応力が放熱板100の2つの接続端106に集中して変形反りが発生することなく、プレスで発生した応力を長さの長い切欠き溝140からも逃がすことができる。また、各凹凸歯部130を設けることにより、放熱フィン120の各波部126の延性を向上させて、加工時に放熱フィン120が容易に破断することを低減する。したがって、本実施例の放熱板100は、何の廃棄物を発生させることなく、コストが安く、複数の波部126及び複数の凹凸歯部130を有する一体成形金属放熱板100を利用して、表面放熱面積を大幅に向上させることができ、量産可能で放熱性を向上させる効果を有する。
【0029】
図2図5に示すように、本発明は、少なくとも一体成形金属放熱板100と、金属放熱板100の一側に取り付けられる電子機器300とを含む放熱装置200をさらに提供する。本明細書で言及される電子機器300は、熱伝達、熱対流及び熱放射などのあらゆる関連産業、例えば、制御処理ユニット(CPU)、グラフィックスプロセッサ(GPU)、ネットワークプロセッサ(NPU)などの電子部品、又は半導体放熱装置、太陽電池、自動車電池、発電所などの熱交換器などの部品又はシステムに適用されて、放熱及びエネルギー効率を向上させることができる。放熱装置200は、ベース210と、長手方向に沿って配列される複数の放熱フィン120とを含む。ベース210は基板110を複数含み、基板110のそれぞれが対応して設けられる第1面102及び第2面104を含む。放熱フィン120のそれぞれは、第1面102に接続される2つの接続端106と、2つの接続端106の間の少なくとも2つの波部126と、少なくとも2つの波部126の横断面の少なくとも1つの側に形成される複数の凹凸歯部130と、を含む。基板110には各放熱フィン120の少なくとも2つの波部126に対応して切欠き溝140が設けられ、切欠き溝140が第1面102及び第2面104を貫通する。
【0030】
図2及び図5に示す実施例において、ベース210は、2つの基板110に接続される接続板212をさらに含み、接続板212の一側の表面には、ねじ部品(例えば、ねじなど、図示せず)及び組付孔214を介して電子機器300が固定的に取り付けられることができる。接続板212及び最外側の2つの基板110が共に馬蹄形状(U字状)を形成するが、他の異なる実施例において、ベース210が矩形、円盤状又はその他の適切な形状にされてもよく、使用する環境に応じて決まる。電子機器300が作動して熱を発生させると、放熱装置200の接続板212及び複数の放熱板100に接続される放熱フィン120を介して熱を速やかに伝達放出させ、放熱の目的を達成する。放熱装置200の各放熱板100の具体的な構成、製作方法、その他の詳細な特徴については、上記実施例を参照されたいので、ここではその説明を省略する。
【0031】
図6図8に示すように、本発明の一体成形金属放熱板100の第3実施例の斜視模式図及び側面図である。本実施例と上記実施例との相違点は、単一の基板110の一端に支持板160が接続され、支持板160が基板110と互いに直交し、支持板160を介して放熱装置200のベース210と固定されることにある。基板110が支持板160から離れる方向に向かって、厚さが徐々に薄くなり、同様に、先端に熱が溜まりにくいという原理から、熱を速やかに放出させることができ、放熱効果に優れている。金属放熱板100の具体的な構成、製作方法、その他の詳細な特徴については、上記実施例を参照されたいので、ここではその説明を省略する。
【0032】
本実施例の放熱装置200に放熱板100が複数設けられ、放熱板100のそれぞれに間隔をおいて波部126が複数配列され、接続板212に近い放熱板100には、寸法や需要に応じて単一の放熱フィン120である、単一の山部122のみを有する放熱フィン120が設けられてもよい。図2及び図3A図3Bの実施例に示すように、各放熱フィン120の波高128がベース210の開口(図示せず)方向に向かって徐々に増大することが好ましく、表面放熱面積も徐々に増加させることにより、放熱効果及び放熱効率を増加させる。実験により試験された後、同じ条件で、本放熱装置200を用いてCPU(例えば:Ryzen 5 3600XT)を試験したデータは9503ポイント(pts)であり、従来技術よりも放熱効果が20%増加した。したがって、本放熱装置200は、大幅に向上させた表面放熱面積を利用して、確実に放熱効果を向上させることができる。
【0033】
高さが低くて、密度が高い複数の波部126及び各凹凸歯部130を設けることにより、放熱フィン120の表面放熱面積を向上させることができ、単位面積が同じ場合に、表面放熱面積及び放熱効果を効果的に向上させることができる。したがって、本実施形態は、各凹凸歯部130を利用して放熱板100の2つの接続端106に元々集中していたプレス応力を放熱フィン120全体に分散させて、放熱フィン120の各波部126を容易に伸び変形させ、また、プレス応力が放熱板100の2つの接続端106に集中して変形反りが発生することなく、プレスで発生した応力を長さの長い切欠き溝140からも逃がすことができる。また、各凹凸歯部130を設けることにより、放熱フィン120の各波部126の延性を向上させて、加工時に放熱フィン120が容易に破断することを低減する。したがって、本実施例の放熱板100は、何の廃棄物を発生させることなく、コストが安く、複数の波部126及び複数の凹凸歯部130を有する一体成形金属放熱板100を利用して、表面放熱面積を大幅に向上させることができ、量産可能で放熱性を向上させる効果を有する。
【0034】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するためのものではなく、本発明の特許の趣旨を適用する他の均等な変更は、すべて本発明の特許請求の範囲に含まれるべきである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】