(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法と機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/645 20210101AFI20240723BHJP
H01M 50/627 20210101ALI20240723BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20240723BHJP
H01M 50/553 20210101ALI20240723BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20240723BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20240723BHJP
H01M 50/571 20210101ALI20240723BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20240723BHJP
H01M 50/179 20210101ALI20240723BHJP
【FI】
H01M50/645
H01M50/627
H01M50/545
H01M50/553
H01M50/559
H01M50/566
H01M50/571
H01M50/176
H01M50/179
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500626
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 CN2022072161
(87)【国際公開番号】W WO2023133853
(87)【国際公開日】2023-07-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】方 ▲クン▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 志君
(72)【発明者】
【氏名】金 海族
【テーマコード(参考)】
5H011
5H023
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA02
5H011AA17
5H011DD13
5H011EE04
5H023AA03
5H023AA09
5H023AS02
5H023AS06
5H023BB10
5H023CC05
5H023CC06
5H023CC14
5H043AA02
5H043AA07
5H043AA11
5H043AA13
5H043BA07
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA22
5H043DA09
5H043HA11D
5H043JA01D
5H043JA02D
5H043JA09D
(57)【要約】
本出願は、電池技術分野に関し、具体的には、電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法と機器に関する。電池セルは、壁部を含むハウジングと、壁部に設置される電極端子であって、電極端子は、その軸方向に沿って貫通する注液孔を有し、注液孔は、第1の孔セグメントと第2の孔セグメントを含み、第2の孔セグメントは、第1の孔セグメントよりも電池セルの内部に近づき、第2の孔セグメントの孔径は、第1の孔セグメントの孔径よりも小さい電極端子と、注液孔をシールするためのシール部材であって、シール部材は、本体とストッパ突出部を含み、本体は第1の孔セグメントに密封嵌合して、本体は、軸方向に沿って対向する、電池セル内部に向く第1の表面と電池セル内部から離反する第2の表面を含み、ストッパ突出部は、本体が変位または傾斜しにくいように、第1の表面に形成して第2の孔セグメントと嵌合し、これにより、シール性を向上させ、電池セルの耐用年数と安全性を向上させることを実現するシール部材とを含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルであって、
壁部を含むハウジングと、
前記壁部に設置される電極端子であって、前記電極端子は、その軸方向に沿って貫通する注液孔を有し、前記注液孔は、第1の孔セグメントと第2の孔セグメントを含み、前記第2の孔セグメントは、前記第1の孔セグメントよりも前記電池セルの内部に近づき、前記第2の孔セグメントの孔径は、前記第1の孔セグメントの孔径よりも小さい電極端子と、
前記注液孔をシールするためのシール部材であって、前記シール部材は、本体とストッパ突出部を含み、前記本体は前記第1の孔セグメントに密封嵌合し、前記本体は、前記軸方向に沿って対向する、前記電池セル内部に向く第1の表面と前記電池セル内部から離反する第2の表面とを含み、前記ストッパ突出部は、前記第1の表面に形成して前記第2の孔セグメントと嵌合するシール部材とを含む、電池セル。
【請求項2】
前記本体は、前記第1の孔セグメントの孔壁に溶接する、前記第1の表面と前記第2の表面を接続する外周面をさらに含む請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記第2の表面は、バスバー部品に接続されるための中心領域とエッジ領域を含み、前記第2の表面に第1の溝が設置され、前記第1の溝は、前記中心領域の外周を囲んで設置されており、前記エッジ領域は、前記第1の溝の外周を囲んで設置される請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記ストッパ突出部は、前記軸方向に沿って前記第2の表面への投影が前記中心領域内に位置する請求項3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記エッジ領域は、前記中心領域に対して前記軸方向に沿って前記電池セル内部に向かって凹む請求項3又は4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記電極端子は、前記軸方向に垂直で前記電池セル内部から離反する第1の端面を含み、前記中心領域は、前記第1の端面と面一である請求項3~5のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記外周面は、前記軸方向に沿って前記電池セル内部に近づく方向に直径が徐々に小さくなる第1の円錐面であり、前記第1の孔セグメントの孔壁は、前記第1の円錐面にマッチングする第2の円錐面である請求項2~6のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記第2の表面の中心に第2の溝が設置される請求項1~7のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項9】
前記第2の溝は半球形である請求項8に記載の電池セル。
【請求項10】
前記注液孔は第3の孔セグメントをさらに含み、前記第3の孔セグメントは、前記第2の孔セグメントよりも前記電池セルの内部に近づき、前記第3の孔セグメントの孔径は、前記第2の孔セグメントの孔径よりも小さく、前記ストッパ突出部は、前記第3の孔セグメントを覆う請求項1~9のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項11】
前記ストッパ突出部は、前記ストッパ突出部が前記軸方向に沿って前記電池セル内部に面する第3の表面を含み、
前記第2の孔セグメントの孔壁と前記第3の孔セグメントの孔壁との間には遷移接続面が形成され、前記遷移接続面は前記第3の表面と対向し、隙間がある請求項10に記載の電池セル。
【請求項12】
前記電池セルは、電極アセンブリをさらに含み、前記電極アセンブリの前記壁部に面する端は、第1のタブを形成し、
前記遷移接続面は、接続する主体領域と溶接領域を含み、前記溶接領域は、前記第1のタブと溶接するために用いられ、前記主体領域は、前記第2の孔セグメントの孔壁に接続され、前記溶接領域は、前記第3の孔セグメントの孔壁に接続され、前記主体領域と前記第3の表面との間に第1の隙間があり、前記溶接領域と前記第3の表面との間に前記第1の隙間よりも大きい第2の隙間がある請求項11に記載の電池セル。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の電池セルを含む、電池。
【請求項14】
請求項13に記載の電池を含む、電力消費機器。
【請求項15】
電池セルの製造方法であって、
壁部を含むハウジングを提供することと、
電極端子を提供し、前記電極端子は、その軸方向に沿って貫通する注液孔を有し、前記注液孔は、第1の孔セグメントと、前記第1の孔セグメントの孔径よりも小さい第2の孔セグメントとを含むことと、
対向する第1の表面と第2の表面を含む本体と、前記第1の表面に形成するストッパ突出部とを含むシール部材を提供することと、
前記第2の孔セグメントを前記第1の孔セグメントよりも前記電池セルの内部に近づくように、前記電極端子を前記壁部に設置し、前記本体を前記第1の孔セグメントに密封嵌合させ、前記ストッパ突出部を前記第2の孔セグメントに嵌合させるように、前記シール部材で前記注液孔をシールすることとを含む、電池セルの製造方法。
【請求項16】
電池セルの製造機器であって、
壁部を含むハウジングを提供するための第1の提供装置と、
電極端子を提供するために用いられ、前記電極端子は、その軸方向に沿って貫通する注液孔を有し、前記注液孔は、第1の孔セグメントと、前記第1の孔セグメントの孔径よりも小さい第2の孔セグメントとを含む第2の提供装置と、
対向する第1の表面と第2の表面を含む本体と、前記第1の表面に形成するストッパ突出部とを含むシール部材を提供するための第3の提供装置と、
前記第2の孔セグメントを前記第1の孔セグメントよりも前記電池セルの内部に近づくように、前記電極端子を前記壁部に設置するために用いられ、前記本体を前記第1の孔セグメントに密封嵌合させ、前記ストッパ突出部を前記第2の孔セグメントに嵌合させるように、前記シール部材で前記注液孔をシールするために用いられる組み立て装置とを含む、電池セルの製造機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、具体的には、電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法と機器に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーと排出削減を追求する大きな環境下で、電池は、携帯電話、コンピュータ、電気自動車などの電力消費機器に広く応用されており、電力消費機器のために電気エネルギーを提供し、電池の耐用年数と安全性は、電力消費機器の使用性能にとって極めて重要である。
【発明の概要】
【0003】
本出願は、電池の耐用年数と安全性を向上させるための電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法と機器を提供することを目的とする。
【0004】
本出願の実施例は、以下のように実現される。
【0005】
第1の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルを提供し、その電池セルは、壁部を含むハウジングと、前記壁部に設置される電極端子であって、前記電極端子は、その軸方向に沿って貫通する注液孔を有し、前記注液孔は、第1の孔セグメントと第2の孔セグメントを含み、前記第2の孔セグメントは、前記第1の孔セグメントよりも前記電池セルの内部に近づき、前記第2の孔セグメントの孔径は、前記第1の孔セグメントの孔径よりも小さい電極端子と、前記注液孔をシールするためのシール部材であって、前記シール部材は、本体とストッパ突出部を含み、前記本体は前記第1の孔セグメントに密封嵌合して、前記本体は、前記軸方向に沿って対向する、前記電池セル内部に向く第1の表面と前記電池セル内部から離反する第2の表面とを含み、前記ストッパ突出部は、前記第1の表面に形成して前記第2の孔セグメントと嵌合するシール部材とを含む。
【0006】
本出願の技術案では、本体とストッパ突出部とは一体的に接続されてシール部材を構成し、第2の孔セグメントの内壁に阻まれて、ストッパ突出部が変位又は傾斜が生じにくいため、本体も変位又は傾斜しにくくなり、本体が第1の孔セグメントに密封嵌合することを保証し、これにより、注液孔のシール性を向上させ、電池セルの液漏れの問題を緩和させ、電池セルの耐用年数と安全性を向上させることを実現する。
【0007】
本出願の1つの実施例において、前記本体は、前記第1の孔セグメントの孔壁に溶接される、前記第1の表面と前記第2の表面を接続する外周面をさらに含む。
【0008】
上記技術案において、シール部材と電極端子は、溶接の方式で接続され、加工速度が速く、生産効率を向上させることができる。
【0009】
本出願の1つの実施例において、前記第2の表面は、バスバー部品に接続されるための中心領域とエッジ領域を含み、前記第2の表面に第1の溝が設置され、前記第1の溝は、前記中心領域の外周を囲んで設置され、前記エッジ領域は、前記第1の溝の外周を囲んで設置される。
【0010】
上記技術案において、シール部材は、注液孔をシールするために用いられるだけでなく、電極端子とバスバー部品との電気的接続を実現するためにも用いられ、第2の表面の中心領域とエッジ領域との間に第1の溝を設置することによって、エッジ領域は本体の第1の外周面に接続され、第1の溝は、中心領域とエッジ領域を隔離し、第1の溝は、中心領域が変形しないように、第1の外周面と第1の孔セグメントの内壁の溶接応力を解放するために用いられ、中心領域が平坦であり、平坦な中心領域とバスバー部品との溶接時にダミー溶接現象が出現しにくいことを保証でき、電極端子とバスバー部品の電流通過が安定になることを保証できる。
【0011】
別の態様によれば、第2の表面の中心領域をバスバー部品に接続するように構成することによって、電極端子の本来のバスバー部品に接続するための部位(すなわち、電池セルから離反する電極端子の一面)の面積を減少することができ、注液孔の孔径を大きく設定することができ、これにより、注液効率を効果的に向上させる。
【0012】
本出願の1つの実施例において、前記ストッパ突出部は、前記軸方向に沿って前記第2の表面への投影が前記中心領域内に位置する。
【0013】
上記技術案において、ストッパ突起の位置を中心領域の位置に対応するように設置することによって、中心領域の構造強度を補強し、中心領域の変形を防止する役割をさらに果たす。
【0014】
本出願の1つの実施例において、前記エッジ領域は、前記中心領域に対して前記軸方向に沿って前記電池セル内部に向かって凹む。
【0015】
上記技術案において、本体のエッジ領域を隣接する中心領域に対して凹むように設置することによって、溶接継ぎ目が軸方向に沿って中心領域より高くなるのを防止し、溶接継ぎ目を保護する役割を果たし、また、突起した溶接継ぎ目がバスバー部品に干渉することを避け、バスバー部品と中心領域との接続に影響を与えないようにする。
【0016】
本出願の1つの実施例において、前記電極端子は、前記軸方向に垂直で前記電池セル内部から離反する第1の端面を含み、前記中心領域は、前記第1の端面と面一である。
【0017】
上記技術案において、シール部材は、電池セル以外の空間を余分に占有することがなく、シール部材の中心領域も第1の端面より低くなく、中心領域とバスバー部品の表面との密着に有利であり、中心領域とバスバー部品との接続が安定して確実であることを保証し、電流通過能力が高められる。
【0018】
本出願の1つの実施例において、前記外周面は、前記軸方向に沿って前記電池セル内部に近づく方向に直径が徐々に小さくなる第1の円錐面であり、前記第1の孔セグメントの孔壁は、前記第1の円錐面にマッチングする第2の円錐面である。
【0019】
上記技術案において、本体の外周面と第1の孔セグメントの孔壁をいずれも円錐面に設定することによって、円錐面は、シール部材を注液孔に入らせるように案内する役割を有し、組み立てを容易にし、レーザ溶接時には、第2の円錐面はさらに、レーザがシール部材と注液孔との間の隙間を通って電池セル内部に入る問題を緩和し、電池セル内部の機能部品を火傷させないように、軸方向に沿って伝播するレーザを遮蔽し、反射することができる。
【0020】
本出願の1つの実施例において、前記第2の表面の中心に第2の溝が設置される。
【0021】
上記技術案において、第2の溝は溶接機器の支持位置またはマーク位置とすることができ、溶接機器は、第2の溝を支点または円心としてその溶接ヘッドをエッジ領域の外輪に沿って一回り回転させ、本体と電極端子との溶接を完了することができ、溶接が容易になる。
【0022】
本出願の1つの実施例において、前記第2の溝は半球形である。
【0023】
上記技術案において、第2の溝の内壁は球面であり、第2の溝は溶接機器の支持位置とすると、溶接機器が第2の溝内で回転するのに有利であり、溶接操作がスムーズになることを保証し、さらに、溶接が容易になる。
【0024】
本出願の1つの実施例において、前記注液孔は第3の孔セグメントをさらに含み、前記第3の孔セグメントは、前記第2の孔セグメントよりも前記電池セルの内部に近づき、前記第3の孔セグメントの孔径は、前記第2の孔セグメントの孔径よりも小さく、前記ストッパ突出部は、前記第3の孔セグメントを覆う。
【0025】
上記技術案において、第3の孔セグメントを設置することによって、電解液が第3の孔セグメントから溢れ出すと、第2の孔セグメントは溢れた電解液を収容することができ、電解液が第1の孔セグメントに溢れ出しにくくなり、電解液による溶接継ぎ目の腐食を効果的に緩和し、シール効果を向上させる。
【0026】
本出願の1つの実施例において、前記ストッパ突出部は、前記ストッパ突出部が前記軸方向に沿って前記電池セル内部に面する第3の表面を含み、前記第2の孔セグメントの孔壁と前記第3の孔セグメントの孔壁との間には遷移接続面が形成され、前記遷移接続面は前記第3の表面と対向し、隙間がある。
【0027】
上記技術案において、第3の表面と遷移接続面との間に隙間を設置し、ストッパ突出部の軸方向における長さと第2の孔セグメントの長さとの間に一定の製造公差があることを許容することによって、オーバーポジショニングを防止し、本体の外周面と第1の孔セグメントの孔壁との密着を保証し、本体の第1の表面が段付き面に密着できることを保証するようにし、これにより、本体と電極端子の間のシール性を向上させる。
【0028】
本出願の1つの実施例において、前記電池セルは、電極アセンブリをさらに含み、前記壁部に面する前記電極アセンブリの一端は、第1のタブを形成し、前記遷移接続面は、接続する主体領域と溶接領域を含み、前記溶接領域は、前記第1のタブと溶接するために用いられ、前記主体領域は、前記第2の孔セグメントの孔壁に接続され、前記溶接領域は、前記第3の孔セグメントの孔壁に接続され、前記主体領域と前記第3の表面との間に第1の隙間があり、前記溶接領域と前記第3の表面との間に前記第1の隙間よりも大きい第2の隙間がある。
【0029】
上記技術案において、溶接領域は、主体領域に対して軸方向に沿って電池セル内部に向かって凹み、溶接領域はストッパ突起の第3の表面からさらに離れるようにして、溶接領域に形成された溶接継ぎ目がストッパ突起を退避し、シール部材の位置決め精度に影響を与えないようにして、シール部材のシール性能を保証する。
【0030】
第2の態様によれば、本出願の実施例は、前述の電池セルを含む電池を提供する。
【0031】
本出願の実施例による電池は、その電池セルのシール性が良く、液漏れしにくく、電池の耐用年数と安全性が高い。
【0032】
第3の態様によれば、本出願の実施例は、前述の電池を含む電力消費機器を提供する。
【0033】
本出願による電力消費機器の電池の耐用年数と安全性が高く、電力消費機器の耐久性が良く、安全に使用できる。
【0034】
第4の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルの製造方法を提供し、その方法は、壁部を含むハウジングを提供することと、電極端子を提供し、前記電極端子は、その軸方向に沿って貫通する注液孔を有し、前記注液孔は、第1の孔セグメントと、前記第1の孔セグメントの孔径よりも小さい第2の孔セグメントとを含むことと、対向する第1の表面と第2の表面を含む本体と、前記第1の表面に形成するストッパ突出部とを含むシール部材を提供することと、前記第2の孔セグメントを前記第1の孔セグメントよりも前記電池セルの内部に近づくように、前記電極端子を前記壁部に設置し、前記本体を前記第1の孔セグメントに密封嵌合させ、前記ストッパ突出部を前記第2の孔セグメントに嵌合させるように、前記シール部材で前記注液孔をシールすることとを含む。
【0035】
第5の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルの製造機器を提供し、その機器は、壁部を含むハウジングを提供するための第1の提供装置と、電極端子を提供するために用いられ、前記電極端子は、その軸方向に沿って貫通する注液孔を有し、前記注液孔は、第1の孔セグメントと、前記第1の孔セグメントの孔径よりも小さい第2の孔セグメントとを含む第2の提供装置と、対向する第1の表面と第2の表面を含む本体と、前記第1の表面に形成するストッパ突出部とを含むシール部材を提供するための第3の提供装置と、前記第2の孔セグメントを前記第1の孔セグメントよりも前記電池セルの内部に近づくように、前記電極端子を前記壁部に設置するために用いられ、前記本体を前記第1の孔セグメントに密封嵌合させ、前記ストッパ突出部を前記第2の孔セグメントに嵌合させるように、前記シール部材で前記注液孔をシールするために用いられる組み立て装置とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、理解すべきこととして、以下の図面は、本出願のいくつかの実施例を示すものに過ぎず、範囲に対する限定と見なされるべきではなく、当業者にとっては、創造的な労力を払わない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の関連する図面を得ることができる。
【
図1】本出願の一実施例による車両の概略図である。
【
図2】本出願の一実施例による電池の分解図である。
【
図3】本出願の一実施例による電池セルの外部構造の概略図である。
【
図4】本出願の一実施例による電池セルの上面図である。
【
図5】本出願の一実施例による電池セルの内部構造の概略図である。
【
図7】本出願の一実施例による電極端子とシール部材の分解図である。
【
図8】本出願の一実施例による電池セルの分解図である。
【
図9】本出願の一実施例による電池セルの製造方法のフローチャートである。
【
図10】本出願の一実施例による電池セルの製造機器の概略的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本出願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、本出願の実施例の図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明確に説明する。説明される実施例は、本出願の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0038】
特に定義されない限り、本出願で使用される全ての科学技術用語は、本出願の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本出願において、出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本出願を制限することを意図するものではない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバーすることを意図している。本出願の明細書と特許請求の範囲又は上記の図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主従関係を説明するためのものではない。
【0039】
本出願に言及された「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置での該フレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。
【0040】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に明記し、限定する場合を除き、「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「付設」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、二つの要素の内部を連通させてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0041】
本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、Aが存在し、AとBが同時に存在し、Bが存在するという3種類の状況を示すことができる。また、本出願における文字「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0042】
本出願の実施例において、同一の符号は同一の構成要素を表し、また、簡潔のために、異なる実施例において、同一の構成要素に対する詳細な説明を省略する。なお、図面に示される本出願の実施例における各部材の厚さ、長さ・幅などの寸法、及び集積装置の全体的な厚さ、長さ・幅などの寸法は、例示的なものに過ぎず、本出願を限定するものではない。
【0043】
本出願における「複数」とは、二つ以上(二つを含む)のことを意味する。
【0044】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セル又はマグネシウムイオン電池セルなどを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。
【0045】
本出願の実施例で言及される電池は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願に言及される電池には、電池モジュール又は電池パックなどが含まれてもよい。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0046】
電池セルは、電極アセンブリ及び電解質を含み、電極アセンブリは、正極板、負極板及びセパレータを含む。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は、正極集電体の表面にコーティングされている。正極集電体は、正極集電部及び正極タブを含み、正極集電部には正極活物質層がコーティングされており、正極タブには正極活物質層がコーティングされていない。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質層は正極活物質を含み、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は、負極集電体の表面にコーティングされている。負極集電体は、負極集電部及び負極タブを含み、負極集電部には負極活物質層がコーティングされており、負極タブには負極活物質層がコーティングされていない。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質層は負極活物質を含み、負極活物質は、炭素又はケイ素などであってもよい。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。
【0047】
電池セルは、電極アセンブリを収容するためのハウジングと、電極端子とをさらに含み、電極端子は、ハウジングに取り付けられ、電極アセンブリの充放電を実現するように、電極アセンブリに電気的に接続されるために用いられる。
【0048】
電池セルに注液孔がさらに設けられ、注液孔は、電池セルの内部と外部を連通し、外部から内部に電解液を注入するために用いられる。電極アセンブリ、電極端子とケースを組み立てた後、注液孔を介してハウジング内に電解液を注入し、初回充放電(すなわち、化成後)後まで、シール部材で注液孔を閉塞する。
【0049】
注液孔は通常、ハウジングに設置され、注液が完了した後、リベットという方式によってシール部材(例えばシール釘)をハウジングに設置して注液孔をシールする。リベットをかしめると、ハウジングは応力を受けて変形しやすく、注液孔でのシール性が低下して液漏れを引き起こす。ハウジングの変形を回避するために、注液孔内にシート状構造のシール部材を設置するシール方式もあるが、シート状構造のシール部材は傾斜して反ったりずれたりしやすく、注液孔でのシール性が低下して液漏れを引き起こす。また、電池セルの液漏れは、電池の耐用年数と安全性を著しく低下させる。
【0050】
電池セルの液漏れの問題を解決し、電池セルの耐用年数と安全性を向上させるために、本出願は技術案を提供し、注液孔を電極端子に設置し、注液孔は電極端子の軸方向Pに沿って貫通し、シール部材は電極端子に接続して注液孔をシールし、電極端子の軸方向の厚さが大きく、強度が高く、変形しにくく、シール性に影響を与えにくく、同時に、注液孔は、第1の孔セグメントと第2の孔セグメントとを含むように構成され、第2の孔セグメントは、第1の孔セグメントよりも電池セルの内部に近づき、第2の孔セグメントの孔径は、第1の孔セグメントの孔径よりも小さく、シール部材は、本体とストッパ突出部とを含むように構成され、ここでは、本体は第1の孔セグメントと密封嵌合して、ストッパ突出部は本体の電池セル内部に向く面に形成され、ストッパ突出部と第2の孔セグメントとの嵌合によって本体の傾斜を防止し、本体の外周面と第2の孔セグメントの孔壁との密着を保証し、これによって、注液孔でのシール性を向上させ、電池セルの液漏れの問題を緩和させ、電池セルの耐用年数と安全性を向上させることを実現する。
【0051】
本出願の実施例で説明された技術案は電池及び電池を使用する電力消費機器に適用される。
【0052】
電力消費機器は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、汽船、宇宙航空機、電動玩具と電動工具などであってもよい。車両は、燃料油自動車、ガス自動車、又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車、又はレンジエクステンダー自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含み、電動玩具は、据置型又は移動型電動玩具、例えば、ゲーム機、電動自動車玩具、電動汽船玩具、電動飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組み立て電動工具と鉄道用電動工具、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマ、ハンマードリル、コンクリート振動機、電動鉋などを含む。本出願の実施例では特に上記電力消費機器について限定しない。
【0053】
以下の実施例は、説明を容易にするために、電力消費機器が車両1000であることを例として説明する。
【0054】
車両1000は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車や航続距離延長型電気自動車などであってもよい。
図1に示すように、車両1000の内部には、電池100と、コントローラ300と、モータ200とが設置されてもよく、コントローラ300は、電池100がモータ200に給電するように制御するためのものである。例えば、車両1000の底部又は先頭又は後尾に電池100が設置されてもよい。電池100は、車両1000への給電に用いられてもよく、例えば、電池100を車両1000の操作電源として、車両1000の電気回路システムに用いることができ、例えば、車両1000の始動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いることができる。本出願の別の実施例では、電池100は、車両1000の動作電源として用いることができるだけでなく、車両1000の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1000に駆動動力を提供することもできる。
【0055】
異なる電力使用需要を満たすために、
図2に示すように、電池100は複数の電池セル102を含んでもよく、ここで、複数の電池セル102の間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。電池100は、電池パック100と呼ばれてもよい。任意選択的に、複数の電池セル102は、先に直列又は並列又は直並列接続されて電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールがさらに直列又は並列又は直並列接続されて電池100を構成してもよい。つまり、複数の電池セル102は、電池100を直接構成してもよいし、先に電池モジュールを構成して、電池モジュールがさらに電池100を構成してもよい。
【0056】
電池100は、筐体101(又はカバーと呼ばれる)をさらに含んでもよく、筐体101の内部が中空構造であり、複数の電池セル102が筐体101内に収容される。筐体101は、収容するための二つの部分を含んでもよく(
図2を参照してもよい)、ここで、それぞれ第1の筐体部1011と第2の筐体部1012と呼ばれ、第1の筐体部1011と第2の筐体部1012が一体に係合される。第1の筐体部1011と第2の筐体部1012の形状は、複数の電池セル102を組み合わせた形状に基づいて決定されてもよく、第1の筐体部1011と第2の筐体部1012はいずれも一つの開口を有してもよい。例えば、第1の筐体部1011と第2の筐体部1012は、いずれも中空の直方体であってもよく、かつそれぞれ一つの面のみが開口面であり、第1の筐体部1011の開口と第2の筐体部1012の開口が対向して設置されるとともに、第1の筐体部1011と第2の筐体部1012が互いに係合されて密閉キャビティを有する筐体101を形成する。第1の筐体部1011と第2の筐体部1012のうち、一方が開口を有する直方体であり、他方が、直方体の開口を閉塞するようにカバープレート構造であってもよい。複数の電池セル102を互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせた後に、第1の筐体部1011と第2の筐体部1012を係合して形成された筐体101内に置く。
【0057】
以下では、いずれか一つの電池セル102に対して詳しく記述し、
図3、
図4と
図5に示すように、電池セル102は、ハウジング1、電極端子2とシール部材3を含み、ハウジング1は、壁部を含み、電極端子2は壁部に設置し、
図6と
図7に示すように、電極端子2は、その軸方向Pに沿って貫通する注液孔23を有し、注液孔23は、第1の孔セグメント231と第2の孔セグメント232を含み、第2の孔セグメント232は、第1の孔セグメント231よりも電池セル102の内部に近づき、第2の孔セグメント232の孔径は、第1の孔セグメント231の孔径よりも小さく、シール部材3は、注液孔23をシールするために用いられ、シール部材3は、本体31とストッパ突出部32を含み、本体31は、第1の孔セグメント231に密封嵌合して、本体31は、軸方向Pに沿って対向する、電池セル102内部に向く第1の表面311と電池セル102内部から離反する第2の表面312とを含み、ストッパ突出部32は、第1の表面311に形成して第2の孔セグメント232と嵌合する。
【0058】
ハウジング1の内部は、電極アセンブリ4を収容するための空間を形成する。ハウジング1の形状は、電極アセンブリ4の具体的な形状に応じて確定されてもよい。例えば、電極アセンブリ4が円柱体構造であれば、ハウジング1は円柱体ケースを選択してもよく、電極アセンブリ4が直方体構造であれば、ハウジング1は直方体ケースを選択してもよい。例示的に、電極アセンブリ4とハウジング1は、いずれも円柱体である。
【0059】
ハウジング1は、ケースとエンドキャップ13を含み、ケースは、側壁12と底壁11を含み、側壁12は、底壁11の周囲を囲んで設置され、側壁12の一端は、底壁11に接続され、側壁12の他端は、底壁11に対向する開口を取り囲み、エンドキャップ13は、開口を覆って、電極アセンブリ4を収容するための空間である密閉空間を形成する。ここでは、壁部は底壁11またはエンドキャップ13である。本出願の明細書の図面は、壁部が底壁11である実施例を示し、他の実施例では、壁部がエンドキャップ13であってもよい。
【0060】
いくつかの実施例では、壁部には電極引出穴が設置され、電極端子2は、電極引出穴に穿設されて、かつ、シールを実現するように、弾性シール部材3によって電極端子2の外周面と通孔の内壁との間の隙間に充填される。任意選択的に、壁部と電極端子2との絶縁を実現するように、弾性シール部材3は、絶縁性の弾性高分子材料で作られる。別のいくつかの実施例において、壁部の局部領域を厚くしてもよく、電極端子2を形成する。
【0061】
電極端子2の軸方向Pは、壁部に垂直であり、電極端子2は、その軸方向Pに沿って第1の端と第2の端を有し、第1の端は、第1の端面21を有し、第2の端は、第2の端面22を有し、第1の端面21と第2の端面22は、軸方向Pに沿って対向し、ここでは、第1の端は、第1の端面21が電池セル102の内部から離反するようにハウジング1から伸び出し、第2の端は、第2の端面22が電池セル102の内部に向くようにハウジング1内に位置する。
【0062】
電池セル102の内部と外部との連通を実現するように、注液孔23は、電極端子2の第1の端から第2の端まで延伸し、それぞれ第1の端面21と第2の端面22を貫通する。注液孔23は階段型孔であり、第1の孔セグメント231と第2の孔セグメント232を含み、第1の孔セグメント231の孔径は比較的大きく、第2の孔セグメント232の孔径は比較的小さく、第1の孔セグメント231の孔壁と第2の孔セグメント232の孔壁は段付き面234により接続され、段付き面234は、電池セル102の内部から離反する。
【0063】
シール部材3は、本体31とストッパ突出部32を含み、本体31は、電極端子2を接続して注液孔23をシールするために用いられ、ストッパ突出部32は本体31の反りまたは変位を防止するために用いられる。
【0064】
本体31の外表面は、軸方向Pに沿って対向する、電池セル102内部に向く第1の表面311と電池セル102内部から離反する第2の表面312と、第1の外周面313とを含み、換言すれば、第2の表面312は本体31が電池セル102の外部に露出する面であり、第1の外周面313は、本体31自身を囲む中心軸線に接続され、かつ第1の表面311と第2の表面312に接続される。本体31の中心軸線は、軸方向Pに延伸する。シールを実現するように、本体31の第1の外周面313は、第1の孔セグメント231の孔壁に密着して接続される。
【0065】
「ストッパ突出部32が第1の表面311に形成される」とは、ストッパ突出部32が第1の表面311から軸方向Pに沿って電池セル102内部に向かって突出することを指す。ストッパ突出部32は、第3の表面321と本体31の第1の表面311とを接続する第2の外周面322と、本体31の第1の表面311から離反して電池セル102内部に向く第3の表面321とを含む。
【0066】
ストッパ突出部32は、第2の孔セグメント232との嵌合を実現するように、第2の孔セグメント232まで延伸しており、ストッパ突出部32と第2の孔セグメント232は、締まり嵌めまたは隙間嵌めであってもよい。つまり、ストッパ突出部32の第2の外周面322と第2の孔セグメント232の孔壁との間には、完全に密着してもよく、隙間があってもよい。
【0067】
ストッパ突出部32の第2の外周面322と第2の孔セグメント232の孔壁とが完全に密着すると、ストッパ突出部32も電解液が第2の孔セグメント232に入らないように一定のシール役割を有し、シール性を向上させ、電解液の液漏れ問題をさらに緩和する。
【0068】
ストッパ突出部32の第2の外周面322と第2の孔セグメント232の孔壁との間に隙間がある場合、ストッパ突出部32が第2の孔セグメント232に入ることを容易にする役割を果たし、第2の孔セグメント232の孔径とストッパ突出部32の直径に一定の製造公差があることを許容し、ストッパ突出部32の第2の孔セグメント232に入る方向が軸方向Pに対してわずかに傾斜できることをさらに許容し、わずかに傾斜しても引っ掛かりにくく、重力の作用で第2の孔セグメント232と同軸の状態に戻ることができる。
【0069】
本出願の実施例では、本体31とストッパ突出部32とは一体的に接続されてシール部材3を構成し、第2の孔セグメント232の内壁に阻まれて、ストッパ突出部32と本体31は、径方向Rに沿って注液孔23を移動することができず(すなわち、変位しにくい)、ストッパ突出部32も傾斜が生じにくいため、本体31も傾斜しにくくなり、本体31の反りを効果的に防止し、本体31の外周面と第1の孔セグメント231の孔壁との密着を保証し、これにより、注液孔23のシール性を向上させ、電池セル102の液漏れの問題を緩和して、電池セル102の耐用年数と安全性を向上させることを実現する。
【0070】
説明すべきこととして、本出願に記述された軸方向Pとは、電極端子2の中心軸線の延伸方向を指し、本出願に記述された径方向Rとは、電極端子2の中心軸線に垂直な方向を指す。本実施例では、注液孔23は電極端子2と同軸に開設されており、すなわち、注液孔23が電極端子2の軸心に位置し、他の実施例では、注液孔23は、電極端子2の軸心に位置せず、注液孔23の延伸方向のみが電極端子2の軸方向Pに平行であってもよい。
【0071】
本実施例では、本体31はストッパ突出部32と同軸に設置され、かつシール部材3、電極端子2、と注液孔23は、いずれも同軸に設置される。
【0072】
本体31と電極端子2との接続方式は、様々な方式、例えば、接着、溶接などの方式がある。例示的に、本体31の第1の外周面313と第1の孔セグメント231の孔壁との間に導電性接着剤を設置して接着する。
【0073】
本出願のいくつかの実施例によれば、本体31の第1の外周面313は第1の孔セグメント231の孔壁に溶接される。
【0074】
溶接方式は、様々な方式、例えば、完全溶け込み溶接、熱融着溶接、ラップシーム溶接などの方式がある。例示的には、シール部材3を注液孔23内に設置し、本体31の第1の外周面313を第1の孔セグメント231の孔壁に密着し、密着界面でラップシーム溶接する。
【0075】
溶接の方式は、加工速度が速いという特徴があり、生産効率を向上させることができる。
【0076】
本出願のいくつかの実施例によれば、第2の表面312は、中心領域3121とエッジ領域3122を含み、中心領域3121は、バスバー部品に接続されるために用いられ、第2の表面312に第1の溝3123が設置され、第1の溝3123は、中心領域3121の外周を囲んで設置されており、エッジ領域3122は、第1の溝3123の外周を囲んで設置される。
【0077】
バスバー部品は、複数の電池セル102との間の電気的接続(例えば、並列又は直列又は直並列接続)を実現するための電池100の部品である。具体的には、バスバー部品、電池セル102の電極端子2を接続することによって電池セル102の電気的接続を実現することができる。
【0078】
上記解決手段において、シール部材3は、注液孔23をシールする部品として用いるだけでなく、電極端子2とバスバー部品との電気的接続を実現するために用いられ、第2の表面312の中心領域3121とエッジ領域3122との間に第1の溝3123を設置することによって、エッジ領域3122は本体31の第1の外周面313に接続され、第1の溝3123は、中心領域3121とエッジ領域3122を隔離し、第1の溝3123は、中心領域3121が変形しないように、第1の外周面313と第1の孔セグメント231の内壁の溶接応力を解放するために用いられ、中心領域3121が平坦であり、中心領域3121とバスバー部品の溶接時にダミー溶接現象が出現しにくいことを保証し、中心領域3121とバスバー部品との接続が安定して確実であり、電流通過能力が良いことをさらに保証する。
【0079】
別の態様によれば、第2の表面312の中心領域3121をバスバー部品に接続するように構成することによって、電極端子2の第1の端面21の面積を減少することができるため、注液孔23の孔径を大きく設定することができ、これにより、注液効率を効果的に向上させる。
【0080】
本出願のいくつかの実施例によれば、ストッパ突出部32は、軸方向Pに沿って第2の表面312への投影が中心領域3121内に位置する。
【0081】
ストッパ突起の位置は、中心領域3121の位置に対応し、中心領域3121の構造強度を補強し、中心領域3121の変形を防止する役割をさらに果たす。
【0082】
本出願のいくつかの実施例によれば、エッジ領域3122は、中心領域3121に対して軸方向Pに沿って電池セル102内部に向かって凹む。
【0083】
本体31のエッジ領域3122を隣接する中心領域3121に対して凹むように設定することによって、該凹みは、本体31と電極端子2との間の溶接継ぎ目を収容することができ、溶接継ぎ目が軸方向Pに沿って中心領域3121より高くなるのを防止し、溶接継ぎ目を保護する役割を果たし、また、突起した溶接継ぎ目がバスバー部品に干渉することを避け、バスバー部品と中心領域3121との接続に影響を与えないようにする。
【0084】
本出願のいくつかの実施例によれば、電極端子2の第1の端面21は、軸方向Pに垂直で電池セル102内部から離反し、中心領域3121は、第1の端面21と面一である。
【0085】
中心領域3121を第1の端面21と面一に設定することによって、中心領域3121は、軸方向Pに沿って第1の端面21より高くなく、電池セル102以外の空間を余分に占有することがなく、かつ中心領域3121も第1の端面21より低くなく、中心領域3121とバスバー部品の表面との密着に有利であり、中心領域3121とバスバー部品の接続が安定して確実であることを保証し、電流通過能力が高められる。
【0086】
本出願のいくつかの実施例によれば、本体31の第1の外周面313は、軸方向Pに沿って電池セル102内部に近づく方向に直径が徐々に小さくなる第1の円錐面であり、第1の孔セグメント231の孔壁は、第1の円錐面にマッチングする第2の円錐面である。
【0087】
図7に示すように、本体31の形状は円錐台であり、円錐台の中心軸線は、軸方向Pに沿って延伸し、第1の表面311の面積は、第2の表面312の面積よりも小さく、第1の外周面313が第1の円錐面であるということは、第1の外周面313がラッパ状の曲面であり、第1の外周面313の小さい端が第1の表面311に接続され、第2の外周面322の大きい端が第2の表面312に接続されることを指す。軸方向Pにおいて、第1の外周面313の小さい端は、電池セル102内部に比較的に近く、第1の外周面313の大きい端は、電池セル102の外部に比較的に近い。
【0088】
第1の孔セグメント231が第2の円錐面であるということは、第1の孔セグメント231の孔壁がラッパ状の曲面であり、第1の孔セグメント231がラッパ状の孔であり、第1の孔セグメント231の大きい端が電池セル102外部に比較的近づき、第1の孔セグメント231の小さい端が電池セル102内部に比較的近づいて第2の孔セグメント232に接続されることを指す。
【0089】
本体31の外周面と第1の孔セグメント231の孔壁をいずれも円錐面に設置することによって、円錐面はシール部材3を注液孔23に入らせるように案内する役割を有し、組み立てを容易にし、レーザ溶接時には、第2の円錐面はさらに、レーザがシール部材3と注液孔23との間の隙間を通って電池セル102内部に入る問題を緩和し、電池セル102内部の機能部品を損傷させないように、軸方向Pに沿って伝播するレーザを遮蔽し、反射することができる。
【0090】
第1の円錐面と第2の円錐面とがマッチングすることは、第1の円錐面と第2の円錐面とが密着することを指し、第1の円錐面と第2の円錐面が密着しているため、その隙間が小さくなり、第1の円錐面と第2の円錐面との間でレーザが反射して伝達されることをさらに阻止でき、これにより、レーザがシール部材3と注液孔23との間の隙間を通って電池セル102内部に入る問題をさらに緩和する。
【0091】
別のいくつかの実施例において、本体31の形状は、角錐台であってもよく、角錐台の小さな底面である第1の表面311と角錐台の大きな底面である第2の表面312は、角錐台の対向する2つの底面であり、本体31の第1の外周面313は角錐台の側面であり、第1の孔セグメント231の内部空間は角錐台状であり、第1の孔セグメント231の側壁12は第1の外周面313とマッチングする。
【0092】
本出願のいくつかの実施例によれば、
図4、
図5、
図6に示すように、第2の表面312の中心に第2の溝3124が設置される。
【0093】
中心領域3121は円形であり、エッジ領域3122と第1の溝3123は、いずれも環状であり、中心領域3121、第1の溝3123とエッジ領域3122は同心に設置され、第2の溝3124は、中心領域3121に設置され、かつ中心領域3121の円心位置に設置される。
【0094】
第2の溝3124は溶接機器の支持位置またはマーク位置とすることができ、溶接機器は、第2の溝3124を支点または円心としてその溶接ヘッドをエッジ領域3122の外輪に沿って一回り回転させ、本体31と電極端子2との溶接を完了することができる。第2の溝3124を設置することによって、溶接を容易にする役割を果たす。
【0095】
本出願のいくつかの実施例によれば、第2の溝3124は半球形である。
【0096】
図7に示すように、第2の溝3124は半球形であり、第2の溝3124の内壁は球面であり、第2の溝3124が溶接機器の支持位置とすると、溶接機器が第2の溝3124内で回転するのに有利である。
【0097】
本出願のいくつかの実施例によれば、
図7に示すように、注液孔23は、第3の孔セグメント233をさらに含み、第3の孔セグメント233は、第2の孔セグメント232よりも電池セル102の内部に近づき、第3の孔セグメント233の孔径は、第2の孔セグメント232の孔径よりも小さく、ストッパ突出部32は、第3の孔セグメント233を覆う。
【0098】
第1の孔セグメント231、第2の孔セグメント232、第3の孔セグメント233は順に接続され、三者の直径は順次小さくなり、第1の孔セグメント231の孔壁と第2の孔セグメント232の孔壁は1つの遷移面(すなわち、段付き面234)を介して接続され、第2の孔セグメント232の孔壁と第3の孔セグメント233の孔壁は、別の遷移面(すなわち、遷移接続面235)を介して接続され、第1の孔セグメント231の第2の孔セグメント232から離反した端は第1の端面21まで延伸し、第3の孔セグメント233の第2の孔セグメント232から離反した端は第2の端面22まで延伸する。
【0099】
第3の孔セグメント233を設置することによって、電解液が第3の孔セグメント233から溢れ出すと、第2の孔セグメント232は溢れた電解液を収容することができ、電解液が第1の孔セグメント231に溢れ出しにくくなり、電解液による溶接継ぎ目の腐食を効果的に緩和し、シール効果を向上させる。
【0100】
本出願のいくつかの実施例によれば、第3の表面321は遷移接続面235と対向し、隙間がある。
【0101】
第3の表面321は、電池セル102の内部の方向に面し、遷移接続面235は、電池セル102の外部の方向に面し、第3の表面321と遷移接続面235との間に隙間があるとは、第3の表面321と遷移接続面235が接触せず、軸方向Pにおいて、一定の間隔距離があることを指す。
【0102】
第3の表面321と遷移接続面235との間に隙間を設置することによって、ストッパ突出部32の軸方向Pにおける長さと第2の孔セグメント232の長さとの間に一定の製造公差があることを許容し、オーバーポジショニングを防止し、本体31の外周面と第1の孔セグメント231の孔壁との密着を保証し、本体31の第1の表面311が段付き面234に密着できることを保証するように、これにより、本体31と電極端子2との間のシール性を向上させる。
【0103】
本出願のいくつかの実施例によれば、電池セル102は、電極アセンブリ4をさらに含み、電極アセンブリ4の壁部に面する端は、第1のタブ41を形成し、遷移接続面235は、接続する主体領域2351と溶接領域2352を含み、溶接領域2352は、第1のタブ41と溶接するために用いられ、主体領域2351は、第2の孔セグメント232の孔壁に接続され、溶接領域2352は、第3の孔セグメント233の孔壁に接続され、主体領域2351と第3の表面321との間に第1の隙間2361があり、溶接領域2352と第3の表面321との間に第2の隙間2362があり、第2の隙間2362は第1の隙間2361よりも大きい。
【0104】
電極アセンブリ4は、第1の極板と、第2の極板と、第1の極板と第2の極板とを隔離するためのセパレータとを含む。第1の極板と第2の極板は極性が逆であり、換言すれば、第1の極板と第2の極板のうちの一方は正極板であり、第1の極板と第2の極板のうちの他方は負極板である。第1の極板、第2の極板、セパレータは、従来技術であり、本出願の明細書の図面には図示されていないが、当業者はその具体的な構造を理解すべきである。第1のタブ41と第2のタブ42は、電極アセンブリ4の同じ側から延出してもよく、それぞれ反対する両側から延出してもよい。例示的に、
図5と
図8に示すように、第1のタブ41と第2のタブ42は、それぞれ電極アセンブリ4の両端に位置し、第1のタブ41を有する電極アセンブリ4の一端は、壁部に面し、第2のタブ42を有する電極アセンブリ4の一端は、壁部から離反する。つまり、本実施例では、電極アセンブリ4の第1のタブ41を有する端は、底壁11に面し、電極アセンブリ4の第2のタブ42を有する端は、エンドキャップ13に面する。第1のタブ41は、電極端子2と電気的に接続され、第2のタブ42はエンドキャップ13と電気的に接続される。電気的接続の方式は、接触導電、導電性接着剤による接続、直接溶接または間接溶接であってもよい。
【0105】
第1のタブ41と電極端子2との間接溶接を例にとると、
図8に示すように、電池セル102は、第1のタブ41に溶接された第1のアダプタ5をさらに含み、電極アセンブリ4をハウジング1に収容した後、第1のアダプタ5は、電極端子2の第2の端面22に接触し、溶接機器の溶接ヘッドを溶接領域2352に作用させることによって、電極端子2と第1のアダプタ5とを溶接し、第1のタブ41と電極端子2との電気的接続を実現する。
【0106】
第2の隙間2362が第1の隙間2361よりも大きいため、溶接領域2352は、主体領域2351に対して軸方向Pに沿って電池セル102内部に向かって凹み、溶接領域2352はストッパ突起の第3の表面321からさらに離れるようにし、溶接領域2352で形成された溶接継ぎ目がストッパ突起を退避し、シール部材3の位置決め精度に影響を与えないようにし、シール部材3のシール性能を保証する。
【0107】
いくつかの実施例では、電池セル102は、第2のタブ42に溶接された第2のアダプタ6をさらに含み、電極アセンブリ4をハウジング1に収容した後、第2のアダプタ6はエンドキャップ13に接触して導電または溶接する。
【0108】
第2の態様によれば、
図2に示すように、本出願の実施例は、少なくとも1つの以上の各案に記載の電池セル102を含む電池100を提供する。本出願の実施例による電池100は、電池セル102のシール性が良く、液漏れしにくく、電池100の耐用年数と安全性が高い。
【0109】
第3の態様によれば、本出願の実施例は、
図1に示す車両1000であってもよいが、それらに限らなく、上記した電池100を含む電力消費機器を提供する。電力消費機器の電池100の耐用年数や安全性が高く、電力消費機器の耐久性が良く、安全に使用できる。
【0110】
第4の態様によれば、本出願の実施例は、電池セル102の製造方法を提供し、
図9に示すように、製造方法は、
【0111】
壁部を含むハウジング1を提供するステップS1と、
【0112】
電極端子2を提供し、電極端子2は、その軸方向Pに沿って貫通する注液孔23を有し、注液孔23は、第1の孔セグメント231と第2の孔セグメント232を含み、第2の孔セグメント232の孔径は、第1の孔セグメント231の孔径よりも小さいステップS2と、
【0113】
シール部材3を提供し、シール部材3は、本体31とストッパ突出部32を含み、本体31は、対向する第1の表面311と第2の表面312を含み、ストッパ突出部32は、第1の表面311に形成するステップS3と、
【0114】
第2の孔セグメント232を第1の孔セグメント231よりも電池セル102の内部に近づくように、電極端子2を壁部に設置し、本体31を第1の孔セグメント231に密封嵌合させ、ストッパ突出部32を第2の孔セグメント232に嵌合させるように、シール部材3で注液孔23をシールするステップS4とを含む。
【0115】
説明すべきこととして、上記の電池セル102の製造方法により製造された電池セル102に関連する構造は、上記各実施例により提供される電池セル102を参照することができる。
【0116】
上記の電池セル102の製造方法に基づいて電池セル102を組み立てる時、必ずしも上記ステップに従って順次行わなくてもよく、つまり、実施例において言及された順序に従ってステップを実行してもよく、実施例において言及された順序と異なる順序でステップを実行するか、又は複数のステップを同時に実行してもよい。例えば、ステップS1、S2、S3は、ランダムな順序で実行されてもよく、同時に実行されてもよい。
【0117】
第5の態様によれば、本出願の実施例は、電池セル102の製造機器7を提供し、
図10に示すように、製造機器7は、第1の提供装置71、第2の提供装置72、第3の提供装置73と組み立て装置74とを含む。
【0118】
第1の提供装置71は、壁部を含むハウジング1を提供するために用いられる。
【0119】
第2の提供装置72は、その軸方向Pに沿って貫通する注液孔23を有する電極端子2を提供するために用いられ、注液孔23は、第1の孔セグメント231と、第1の孔セグメント231の孔径よりも小さい第2の孔セグメント232とを含む。
【0120】
第3の提供装置73は、シール部材3を提供するために用いられ、シール部材3は、本体31とストッパ突出部32を含み、本体31は、対向する第1の表面311と第2の表面312を含み、ストッパ突出部32は、第1の表面311に形成する。
【0121】
組み立て装置74は、第2の孔セグメント232は第1の孔セグメント231よりも電池セル102の内部に近づくように、電極端子2を壁部に設置するために用いられ、本体31を第1の孔セグメント231に密封嵌合させ、ストッパ突出部32を第2の孔セグメント232に嵌合させるように、シール部材3で注液孔23をシールするために用いられる。
【0122】
上記製造機器7によって製造される電池セル102の関連する構造は、上記各実施例による電池セル102を参照することができる。
【0123】
説明すべきこととして、矛盾しない場合、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0124】
本出願のいくつかの実施例によれば、
図3~
図8を参照すると、本出願の実施例は、円柱状の電池セル102を提供し、電池セル102は、ハウジング1、電極アセンブリ4、電極端子2とシール部材3とを含む。ハウジング1は、ケースとエンドキャップ13を含み、ケースは、側壁12と底壁11を含み、側壁12は底壁11の周囲を囲んで設置され、側壁12の一端は、底壁11に接続され、側壁12の他端は、底壁11に対向する開口に取り囲み、エンドキャップ13は、開口を覆って収容空間を形成する。電極アセンブリ4は、ハウジング1の収容空間内に設置され、電極アセンブリ4は、軸方向Pの両端に沿って第1のタブ41と第2のタブ42をそれぞれ形成し、第1のタブ41を有する電極アセンブリ4の一端は、底壁11に面し、第2のタブ42を有する電極アセンブリ4の一端は、エンドキャップ13に面する。電極端子2は、底壁11に絶縁されて取り付けられ、すなわち、電極端子2と底壁11との間に絶縁材料で製造されるシールリングが設置されている。電池セルの電気エネルギーを出力又は入力することを実現するように、電極端子2は第1のタブ41と電気的に接続され、エンドキャップ13は第2のタブ42と電気的に接続される。電極端子2は、その軸方向Pに沿って貫通する注液孔23を有し、注液孔23は、電池セル102内部(すなわち、ハウジング1の収容空間)に注液するために用いられる。注液孔23は、第1の孔セグメント231と第2の孔セグメント232を含み、第2の孔セグメント232は、第1の孔セグメント231よりも電池セル102の内部に近づき、第2の孔セグメント232の孔径は、第1の孔セグメント231の孔径よりも小さい。シール部材3は、注液孔23をシールするために用いられ、シール部材3は、本体31とストッパ突出部32を含み、本体31は、第1の孔セグメント231に密封嵌合して、本体31は、軸方向Pに沿って対向する、電池セル102内部に向く第1の表面311と電池セル102内部から離反する第2の表面312とを含み、ストッパ突出部32は、第1の表面311に形成して第2の孔セグメント232と嵌合する。本出願の実施例による電池セル102は、その注液孔23が電極端子2に設置され、ハウジング1に孔を追加的に開ける必要がなく、ハウジング1の構造強度を効果的に向上させ、ハウジング1が変形しにくく、電極端子2の厚さが、ハウジング1よりも大きく、注液孔23を閉塞すると、電極端子2も変形しにくく、また、第2の孔セグメント232の内壁に阻まれて、ストッパ突出部32と本体31は、変位または傾斜しにくく、本体31の反りを効果的に防止し、本体31の外周面と第2の孔セグメント232の孔壁の密着を保証し、これにより、多方面から注液孔23のシール性を向上させ、電池セル102の液漏れ問題を緩和して、電池セル102の耐用年数と安全性を向上させることを実現する。
【0125】
上記したのは、本出願の好適な実施例に過ぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は、種々な変更や変形が有り得る。本出願の精神及び原則内で行われる全ての修正、同等の置き換え、改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0126】
1000-車両、100-電池、200-モータ、300-コントローラ、101-筐体、1011-第1の筐体部、1012-第2の筐体部、102-電池セル、1-ハウジング、11-底壁、12-側壁、13-エンドキャップ、2-電極端子、21-第1の端面、22-第2の端面、23-注液孔、231-第1の孔セグメント、232-第2の孔セグメント、233-第3の孔セグメント、234-段付き面、235-遷移接続面、2351-主体領域、2352-溶接領域、2361-第1の隙間、2362-第2の隙間、3-シール部材、31-本体、311-第1の表面、312-第2の表面、3121-中心領域、3122-エッジ領域、3123-第1の溝、3124-第2の溝、313-第1の外周面、32-ストッパ突出部、321-第3の表面、322-第2の外周面、4-電極アセンブリ、41-第1のタブ、42-第2のタブ、5-第1のアダプタ、6-第2のアダプタ、7-製造機器、71-第1の提供装置、72-第2の提供装置、73-第3の提供装置、74-組み立て装置、P-軸方向、R-径方向。
【国際調査報告】