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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】尿及び廃水処理システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 61/58 20060101AFI20240723BHJP
   A61M 1/00 20060101ALI20240723BHJP
   B01D 61/02 20060101ALI20240723BHJP
   B01D 61/14 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B01D61/58
A61M1/00 170
B01D61/02 500
B01D61/14 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501217
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 US2022073816
(87)【国際公開番号】W WO2023288330
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/222,738
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518038319
【氏名又は名称】ジョージア テック リサーチ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】GEORGIA TECH RESEARCH CORPORATION
(71)【出願人】
【識別番号】511140426
【氏名又は名称】クランフィールド ユニバーシティー
【氏名又は名称原語表記】CRANFIELD UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イー, シャノン
(72)【発明者】
【氏名】ラヴンダル, クリスティン
(72)【発明者】
【氏名】デイビー, クリス
(72)【発明者】
【氏名】マクアダム, ユアン
(72)【発明者】
【氏名】シャーマン, クリスティン
(72)【発明者】
【氏名】アゼベド, カイル
(72)【発明者】
【氏名】ゲイロ, ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ターナー, トラヴィス
【テーマコード(参考)】
4C077
4D006
【Fターム(参考)】
4C077AA19
4C077BB02
4C077DD14
4C077DD17
4C077EE04
4D006GA03
4D006GA06
4D006JA53Z
4D006JA57Z
4D006JA67Z
4D006KA33
4D006KA52
4D006KA55
4D006KA57
4D006KA63
4D006KA64
4D006KD30
4D006KE13R
4D006PA01
4D006PB08
4D006PC80
(57)【要約】
尿及び廃水処理のための様々なシステムおよび方法が記載される。様々な例では、尿及び廃水処理システムが液体廃棄物を受け取るように構成されたタンクと、液体廃棄物の密度を低減し、クロスフローを生成するように液体廃棄物に空気を吹き込むように構成された空気ブロワと、第1の透過液出口及び第1の濃縮物出口を備える限外濾過段階と、第2の透過液出口及び第2の濃縮物出口を備える逆浸透段階と、を備える濾過ユニットとを含むことができる。逆浸透段階は、限外濾過段階から第1の透過液を受け取るように構成される。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体廃棄物処理システムであって、
限外濾過段階であって、
液体廃棄物を第1の透過液及び第1の濃縮物に分離するように構成された限外濾過フィルタと、
前記限外濾過フィルタへの入口に配置されたディフューザであって、前記ディフューザは空気ブロワに接続され、かつ前記液体廃棄物の密度を低減するために空気を前記液体廃棄物に導入して、前記限外濾過フィルタ内にクロスフローを生成するように構成される、ディフューザと、を含む、限外濾過段階と、
前記限外濾過段階から前記第1の透過液を受け取り、第1の透過液を第2の透過液及び第2の濃縮物に分離するように構成される逆浸透段階であって、前記第2の透過液が使用又は再使用のための非飲用水である、逆浸透段階と、を含む、
液体廃棄物処理システム。
【請求項2】
前記限外濾過段階は、リザーバタンク及び透過液ポンプを備え、
前記逆浸透段階は、透過液タンク及び高圧ポンプを備える、
請求項1に記載の液体廃棄物処理システム。
【請求項3】
前記逆浸透段階は、前記第2の濃縮物を前記リザーバタンクに送るように構成された再循環導管を更に備える、
請求項2に記載の液体廃棄物処理システム。
【請求項4】
前記液体廃棄物は、尿、糞便、洗浄水、及び微量のトイレ付随物のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の液体廃棄物処理システム。
【請求項5】
前記液体廃棄物は、バッファタンクシステムから受け取った浄化された液体である、
請求項1に記載の液体廃棄物処理システム。
【請求項6】
使用又は再使用のための非飲料水として排出される前記第2の透過液は、
化学的酸素要求量(COD)≦50mg/Lと、
全懸濁固体(TSS)≦10mg/Lと、
前記限外濾過段階に受け取られる前記液体廃棄物中の全窒素(N)に対して、全窒素(N)>70%減少と、
前記限外濾過段階に受け取られる前記液体廃棄物中の全リン(P)に対して、全リン(P)>80%減少と、
大腸菌(E.coli)≦100/Lと、のうちの少なくとも1つを満たす、
請求項1に記載の液体廃棄物処理システム。
【請求項7】
前記限外濾過段階が第1の圧力で動作し、前記逆浸透段階が第2の圧力で動作する、
請求項1に記載の液体廃棄物処理システム。
【請求項8】
前記逆浸透段階は高圧で動作する、
請求項1に記載の液体廃棄物処理システム。
【請求項9】
前記ディフューザは、エアストーンを含む、
請求項1に記載の液体廃棄物処理システム。
【請求項10】
コントローラは、前記限外濾過段階及び前記逆浸透段階の自動運転を可能にする、
請求項1に記載の液体廃棄物処理システム。
【請求項11】
液体廃棄物の処理の方法であって、
前記液体廃棄物の密度を低減し、かつクロスフローを生成するために、液体廃棄物に空気を吹き込むことと、
第1の透過液と第1の濃縮物とを分離するために、限外濾過段階で前記液体廃棄物を濾過することと、
前記第1の濃縮物を排出することと、
第2の透過液と第2の濃縮物とを分離するために、逆浸透段階で前記第1の透過液を濾過することと、
前記第2の透過液を使用可能な水として排出することと、を含む、
方法。
【請求項12】
前記第1の透過液をリザーバタンクに圧送することを更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
高圧でリザーバタンクから前記逆浸透段階を通して前記第1の透過液を圧送することを更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記逆浸透段階において、濾過するために前記第2の濃縮物を再循環させることを更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
使用可能な水として排出される前記第2の透過液は、
化学的酸素要求量(COD)≦50mg/Lと、
全懸濁固体(TSS)≦10mg/Lと、
前記限外濾過段階に受け取られる前記液体廃棄物中の全窒素(N)に対して、全窒素(N)>70%減少と、
前記限外濾過段階に受け取られる前記液体廃棄物中の全リン(P)に対して、全リン(P)>80%減少と、
大腸菌(E.coli)≦100/Lと、のうちの少なくとも1つを満たす、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記液体廃棄物は、尿、糞便、洗浄水、及び微量のトイレ付随物のうちの少なくとも1つを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記液体廃棄物は、バッファタンクシステムから受け取った浄化された液体である、
請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の濃縮物を排出することは、前記第1の濃縮物を、濃縮物中の固体廃棄物を分離するためのシステムに排出することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記逆浸透段階において前記第1の透過液を濾過することは、前記第1の透過液をリザーバタンク内で受け取ることと、前記第2の濃縮物を再循環させることとを含む、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2021年7月16日に出願された「尿及び廃水処理システム」と題する米国仮出願第63/222,738号の利益及び優先権を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
世界中で推定45億人の人々が、安全で手頃な価格の衛生システムにアクセスしていない。高レベルの小児死亡及び疾患は、病原体を含む糞便物質が食品又は水供給に侵入する口腔糞便汚染と関連付けられている。従来の衛生下水システムが利用できないか、又は非実用的である場合、非下水衛生システムが必要である。
【発明の概要】
【0003】
限外濾過段階及び逆浸透段階を含む液体廃棄物処理システムが本明細書に開示される。限外濾過段階は、液体廃棄物を第1の透過液及び第1の濃縮物に分離するように構成された限外濾過フィルタと、限外濾過フィルタへの入口に配置されたディフューザとを備え、ディフューザは空気ブロワに接続され、かつ液体廃棄物の密度を低減するために空気を液体廃棄物に導入して、限外濾過フィルタ内にクロスフローを生成するように構成される。逆浸透段階は、限外濾過段階から第1の透過液を受け取り、第1の透過液を第2の透過液及び第2の濃縮物に分離するように構成され、第2の透過液は、使用又は再使用のための非飲用水である。開示される液体廃棄物処理システムを使用して液体廃棄物を処理する方法も開示される。
【0004】
本開示の他のシステム、方法、特徴、及び利点は、以下の図面及び詳細な説明の考察に基づけば、当業者には明らかであるか、又は明らかになるのであろう。すべてのそのような追加のシステム、方法、特徴、及び利点はこの説明内に含まれ、本開示の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。加えて、記載された実施形態のすべてのオプションの及び好ましい特徴及び修正は、本明細書で教示される本開示のすべての態様で使用可能である。さらに、従属請求項の個々の特徴、ならびに記載された実施形態のすべてのオプションの及び好ましい特徴及び修正は互いに組み合わせ可能であり、互換性がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照してよりよく理解することができる。図面中の構成要素は、必ずしも縮尺通りに描かれておらず、代わりに、本開示の原理を明確に示すことに重点が置かれている。図面において、同様の参照符号は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。
【0006】
図1図1は、本明細書に記載の様々な実施形態による、尿及び廃水処理システムの例示的な概略図を示す。
【0007】
図2図2は、本明細書に記載の様々な実施形態による、尿及び廃水処理のための例示的な方法を示す。
【0008】
図3図3は、本明細書に記載される様々な実施形態による、非下水単一ユニットトイレシステム内のモジュールとして使用される尿及び廃水処理システムの一例の概略図を図示する。
【0009】
図4図4は、本明細書に記載される様々な実施形態による、非下水単一ユニットトイレシステム内のモジュールとして使用される尿及び廃水処理システムの別の例示的な概略図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
衛生システムは、開放的な排便又は改善された衛生設備の欠如が一般的であり、疾患につながり得る世界の領域に必要とされる。廃水から廃棄物を受け取る従来の廃水及び廃水処理プラントは、実施及び運転するのに費用がかかることがある。廃棄物を大量に処理するマルチユニットトイレの技術は、開発されている。しかしながら、下水管接続なしで家庭内に配備することができる、安全で手頃な価格の衛生システムへのアクセスを提供するための技術が必要とされている。世界中で水不足が高まるにつれて、長距離にわたる廃棄物の輸送のための大量の水への依存を減らす衛生システムは、開発途上国だけでなく、世界的にもますます重要になるのであろう。
【0011】
これらの欠点に対処するために、独立の非下水トイレシステムで使用するためのシステムが、本明細書で論じられる。システムは、人間の廃棄物から病原体を不活性化し、安全な処分のために廃棄物を調製するように構成することができる。システムはまた、清浄水などの貴重な資源を回収することができる。システムは、入力水又は出力下水に接続せずに動作するように構成することができる。いくつかの例示的なシステムは、バッテリベースであるか、又はオフグリッド再生可能エネルギーによって電力供給され得る。システムは、低コストの製造及び低動作コストのために最適化することができる。このシステムは、先進国や発展途上国だけでなく、貧しい都市環境で活動する持続可能な衛生サービスを促進することができる。
【0012】
ISO 30500標準は、水とエネルギーの消費を最小限に抑え、人間の廃棄物を安全な出力に変換することを含む戦略を通じて、基本的な衛生ニーズに対処し、経済的、社会的、環境的持続可能性を促進するように設計された非下水道衛生システムのための技術基準を提供している。これらの衛生システムは、いかなる下水又は排水ネットワークにもコネクションせずに動作し、健康及び環境安全及び規制パラメータを満たすことを意図している。いくつかの例では、本明細書に記載のシステムが、ISO 30500標準を満たすか又はそれを超える処理済み出力を提供するように構成することができる。
【0013】
例えば、人間の廃棄物ストリームは、尿、糞便、下痢などを含むことができる。衛生付随物は、トイレットペーパー、女性用衛生廃棄物、おむつ、他の紙製品などを含むことができる。いくつかのトイレシステムでは、おむつなどの非有機製品を含む衛生付随物の一部は、人間の廃棄物のストリームとは別に受け取り、処理され得る。いくつかの例では、廃棄物ストリームは、ヒトの糞便及び尿、月経血、胆汁、洗浄水、肛門洗浄水、トイレットペーパー、他の体液及び/又は固体を含む。さらに、廃棄物ストリームは、洗浄水、すすぎ水、洗浄水、淡水、消耗水、飲料水、使用可能な水などを含む水を含むことができる。
【0014】
例えば、独立の非下水トイレシステムは、液体処理システム及び固体処理システムを含むことができ、それらの各々は別個のシステムとして動作することができ、又は人間の廃棄物の処理のために相互接続され得る。独立の非下水トイレシステムはまた、少なくとも1つの分離システムを備えることができる。いくつかの例では、人間の廃棄物ストリームの内容物は、別々に分離又は処理され得る。ストリームの分離は、元の物質を主に糞便、尿、及び廃水のストリームに分割することによって、混合内容物の人間の廃棄物のストリームよりも効率的な処理を提供することができる。100%分離は実用的ではないので、ストリーム間の交差汚染の程度は、後続の下流処理アプローチに許容可能である。本明細書に記載されるように、主に糞便を含む糞便ストリームは「茶色のストリーム」とも呼ばれる。茶色のストリームは大部分が糞便であるが、他の液体及び固体廃棄物と混合され得る。例えば、茶色のストリームは、糞便、トイレットペーパー、いくらかの尿、及びいくらかの水を含むことができる。本明細書に記載されるように、「緑色のストリーム」は大部分が水、いくらかの尿、及びいくらかのトイレットペーパーを含むことができ、通常、糞便を含まない。緑色のストリームは大部分が液体であり、いくつかの固体を有する。本明細書に記載されるように、主に尿を含有する尿流は「黄色のストリーム」とも呼ばれる。例えば、黄色のストリームは、尿及びいくらかの水を含むことができる。本明細書に記載されるように、廃水ストリームは「青色のストリーム」とも呼ばれる。例えば、青色のストリームは主に、洗浄水、肛門洗浄水、又はトイレに注がれる過剰な水の形態の廃水を含有することができる。いくつかの例では、青色のストリームがいくつかの尿を含むこともできる。ストリーム分離は、将来の水不足の制約を考慮すると、低容量の糞便沈着物(主に下痢として認識される)、大容量の尿沈着物、及び過剰量の洗浄水及び肛門洗浄水における高度の変動性を考慮すると、より低いコスト及びよりロバスト処理プロセスを可能にすることができる。
【0015】
上述の文脈において、尿及び廃水処理のためのシステム及び方法の様々な例が本明細書に記載される。尿及び廃水処理システムは、別々に動作することができる、又は別のシステムと一体化するように構成され得る液体処理システムであり得る。例えば、尿及び廃水処理システムは、独立の非下水トイレシステムで使用するように構成された液体廃棄物処理システムであってもよい。液体廃棄物ストリームは、トイレシステムに収集された廃棄物ストリームに含まれる尿、水、及び他の衛生上の付随物を含むことができる。一例では、尿及び廃水処理システムは、独立の非下水衛生システムにおける液体処理のためのモジュールとして統合され得る。いくつかの例では、尿及び廃水処理システムが、単一ユニットトイレシステムの一部として動作するように構成され得る。例えば、尿及び廃水処理システムは、成人の身体廃棄物を水、CO、及び鉱物灰にするように構成された単一ユニットトイレシステムで使用するために統合され得る。いくつかの例では、尿及び廃水処理システムが、ISO 30500標準を満たすか又はそれを超える処理済み出力を提供するように構成され得る。
【0016】
尿及び廃水処理システムは、ほとんどが尿を含む液体ストリーム、又は人間の廃棄物の緑色のストリームを処理するために使用され得る。尿及び廃水処理システムへの投入前に緑色のストリームを分離することによって、システムは、その中に含まれる液体を処理するように動作することができる。いくつかの例では、緑色のストリームは、緑色のストリームに含まれる固体の一部を除去することによって緑色のストリームを浄化するために、別個のモジュール又はシステムにおいて前処理され得る。
【0017】
尿及び廃水処理システムは、再循環トイレ洗浄又は安全な排出に適した水を生成するために、液体の人間の廃棄物から病原体及び化学汚染物質を除去するための膜濾過プロセスを含むことができる。説明されるシステムは、単一ユニットトイレシステムの一部として動作することができる。主に尿、洗浄水及び微量トイレットペーパーから構成される液体廃棄物は、限外濾過段階及び逆浸透段階を含む一連の濾過段階を通過することができる。各濾過段は、各濾過が最も有効な圧力で動作することを可能にする、関連するリザーバタンク及びポンプ構成要素を有することができる。リジェクトされた濃縮物は、排出のための濃縮プロセスへの転用の前に、濾過段階を通して再循環され得る。透過液は、収集され得り、かつ、トイレシステムにおける洗浄水として作用するように再循環されるか、又はシステム要件に応じて排出されるかのいずれかであり得る。透過液は、ISO 30500の再使用又は排出基準を満たすことができる。例えば、ISO 30500再使用基準は、化学的酸素要求量(COD)≦50mg/L、全窒素(N)>70%減少、全リン(P)>80%減少、pH:6.0~9.0、全懸濁固体(TSS)≦10、及び大腸菌(E.coli)≦100/Lを含む。別の例では、排出基準は、化学的酸素要求量(COD)≦150mg/L、全窒素(N)>70%減少、全リン(P)>80%減少、pH:6.0~9.0、全懸濁固体(TSS)≦30、及び大腸菌(E.coli)≦100/Lを含む。
【0018】
以下の議論では、尿及び廃水処理システム及びそれらの構成要素の一般的な説明が提供され、それらの動作の議論が含まれる。尿及び廃水処理システムの非限定的な例が議論される。いくつかの例では、構成は、尿及び廃水処理システムを、独立の非下水衛生システムを備える他のシステムと統合するための任意選択のコネクションを含むことができる。例えば、尿及び廃水処理システムは、フロントエンド廃棄物分離システム及び/又はバッファタンクシステムと統合することができる。
【0019】
図1に示すように、尿及び廃水処理システム100は、限外濾過(UF)膜フィルタ104を含む限外濾過(UF)段階と、逆浸透(RO)膜フィルタ112を含む逆浸透(RO)段階とを含むことができる。UF段階はまた、UF膜フィルタ104への入口103に配置されたディフューザ122、透過液ポンプ106、及びリザーバタンク108を含むことができる。空気ブロワ114は、ディフューザ122に接続され得り、UF膜フィルタ104内に受け入れられるときに流体に空気を導入するように構成され得る。RO段階はまた、高圧ポンプ110及び透過液タンク116を含むことができる。さらに、リザーバタンク108は、RO段階からRO濃縮物を受け取ることができ、濃縮物タンク118は、リザーバタンク108と流体接続することができる。
【0020】
バッファタンク102は、尿及び廃水処理システム100に任意に含まれ得り、処理される液体廃棄物を受け入れて保持するように構成され得る。代替的に、バッファタンク102を省略することができ、尿及び/又は廃水を受け取る外部タンク又はバッファタンクシステムは、UFのための供給として機能することができる。例えば、尿及び廃水処理システム100は、バッファタンク分離及び均質化システム内の液体バッファタンクに接続され得る。一例では、尿含有ストリームが本明細書に記載されるように、大部分が尿を含むが、水及び/又はトイレットペーパーなどのいくつかの微量固体を含むこともできる、緑色のストリームであり得る。いくつかの例では、緑色のストリームが尿及び廃水処理システム100によって受け取られる前に処理され得る。例えば、バッファタンク分離及び均質化システムは、フロントエンドユーザーレセプタクル又は他の尿含有ストリームからの人間の廃棄物ストリーム中の固体を収集及び低減して、液体タンク中の固体粒子の少なくとも一部を分離することによって液体を浄化することができる。例えば、バッファタンク分離及び均質化システムの液体タンクの出口は、ディフューザ122を介してUFフィルタの入口103に流体接続することができる。
【0021】
UF膜フィルタ104は、例えばディフューザ122を介して、バッファタンク102と流体接続することができる。液体廃棄物は、空気ブロワ114がUF膜フィルタ104の上を通過する前に、ディフューザ122を介して流体内に空気を導入するように、UF膜フィルタ104内に受け入れられ得る。空気と混合された流体は、液体廃棄物の密度を低減し、液体を上方に移動させ、UF膜フィルタ104にわたってクロスフローを生成して、第1の透過液ストリームと第1の濃縮物ストリームとを分離する。例えば、空気と混合された流体は、流体の密度を低減させ、それを上方に移動させて、UF透過液を形成するフィルタを通るクロスフローを生成する。フィルタを通過しない流体は、UF濃縮物又は第1の濃縮物である。
【0022】
透過液ポンプ106は、本明細書では第1の透過液ストリームとも呼ばれるUF透過液ストリームをリザーバタンク108に送ることができる。本明細書において第1の濃縮物ストリームとも呼ばれるUF濃縮物ストリームは、出力として放出され得る。例えば、UF濃縮物は、バッファタンク102に送られ得る。いくつかの例では、尿及び廃水処理システム100がバッファタンク分離システムに流体的に接続される場合、第1の濃縮物ストリームはバッファタンク分離システムに送られ得る。
【0023】
図1に示されるように、リザーバタンク108は、全て流体的に接続される透過液ポンプ106を介してUF膜フィルタ104の第1の透過液を受け取ることができる。高圧ポンプ110は、第2の透過液ストリームと第2の濃縮物ストリームとを分離するために、高圧でRO膜フィルタ112を通してリザーバタンクから流体を輸送することができる。一例では、本明細書ではRO濃縮物とも呼ばれる第2の濃縮物ストリームが、リザーバタンク108に戻され得る。いくつかの例では、第2の濃縮物の一部がRO膜フィルタ112を通して再循環され得る。第2の濃縮物ストリームの大部分は、濃縮物タンク118に導かれ得る。本明細書においてRO透過液とも呼ばれる第2の透過液ストリームは、清浄な及び/又は使用可能な水と見なされ得る。第2の透過液ストリームは、保持するための透過液タンク116に導かれ得り、及び/又はフラッシュタンクでの使用のために導かれ得るか、又は別のシステムもしくは環境に排出され得る。例えば、第2の透過液ストリームは、環境中に安全に排出されるようにISO 30500に準拠することができる。
【0024】
バッファタンク102、又は別のシステムからの液体タンクは、チューブ又は他の手段などの導管を介してUF膜フィルタ104に流体的に接続され得る。UF膜フィルタ104は、低圧で動作することができる。例えば、バッファタンク102とUF膜フィルタ104との間の液体ストリームは、約大気圧又は約1気圧の圧力を有し、約20~40℃の温度を有する低圧流であり得る。空気ポンプ又は空気ブロワ114は、UF膜フィルタ104への供給において、液体ストリームの流体フローに空気を導入するように配置され得る。例えば、空気ブロワ114は、エアストーンなどのディフューザ122を使用して、液体ストリーム中に空気を拡散することができる。UF膜フィルタ104は、第1の透過液及び第1の濃縮物に受け入れられた流体を分離することができ、第1の透過液はUF膜フィルタ104を通過する流体の一部であり、第1の濃縮物は、UF膜フィルタ104によってリジェクトされた流体である。いくつかの例では、尿及び廃水処理システム100は、バッファタンク分離システムに流体的に接続され、他の流体で処理される場合がある。
【0025】
透過液ポンプ106は、第1の透過液を低圧でリザーバタンク108に送ることができる。高圧ポンプ110は、リザーバタンク108とRO膜フィルタ112との間に流体的に接続することができる。高圧ポンプ110は、吸気よりも高い圧力で流体を出力するように構成することができる。例えば、高圧ポンプ110は、低圧でリザーバタンクから第1の透過液を圧送し、次いで、高圧でRO膜フィルタ112に流体を送ることができる。例えば、低圧は約1barであり得、高圧は約30~35barであり得る。いくつかの例では、リリーフ弁124は、高圧導管内に配置され得り、加圧された第1の透過液ストリームの一部をリザーバタンク108に戻すことができる。高圧ポンプ110は、第1の透過液ストリームを高圧でRO膜フィルタ112に送ることができる。例えば、RO膜フィルタ112への高圧流体供給は約435psiであり、約20~40℃の温度を有することができる。RO膜フィルタ112は、受け取った流体を第2の透過液及び第2の濃縮物に分離することができ、第2の透過液はRO膜フィルタ112を通過する流体の部分であり、第2の濃縮物はRO膜フィルタ112によってリジェクトされた流体である。RO膜フィルタ112は、第2の透過液を受け取るように構成された透過液タンク116に流体的に接続され得る。RO膜フィルタ112は、第2の濃縮物を受け取るように構成された濃縮物タンク118に流体的に接続することができる。第2の透過液ストリームは、保持するための透過液タンク116に導かれ得り、及び/又はフラッシュタンクでの使用のために導かれ得るか、又は別のシステムもしくは環境に排出され得る。例えば、第2の透過液ストリームは、環境中に安全に排出されるようにISO 30500に準拠することができる。第2の濃縮物ストリームはリザーバタンク108に戻され得り、一部は、高圧ポンプ110によってRO膜フィルタ112を通して再循環され得る。
【0026】
濃縮物タンク118は、リザーバタンク108から送られるRO濃縮物を保持することができる。収集されたRO濃縮物の少なくとも一部は、本明細書ではROリジェクトとも呼ばれ、さらなる処理のために別のシステムに放出され得る。例えば、ROリジェクトは、排出のための濃縮プロセスのために、固体処理システムなどの別のシステムに送られ得る。RO濃縮物は、尿及び廃水処理システム100の液体ストリームから濾過された固体及び/又は塩を含むことができる。いくつかの例では、ROリジェクトが、固体処理システムの濃縮器(図示せず)に受け入れられ得る。例えば、濃縮器は、加熱することができる液体廃棄物を受け取るように構成され得る。一例では、尿及び廃水処理システム100からのROリジェクトが、濃縮器内に受け入れられ得る。加湿された空気及び/又はオフガスは放出され得り、濃縮された出力は、さらなる処理のために別のシステムに送られ得るか、又はシステムから排出され得る。加湿された空気及び/又はオフガスは、主排気出口に送られ得り、大気中に放出される前に濾過され得る。主排気出口内のガスフィルタは、放出されるガスがISO 30500に準拠するように構成され得る。
【0027】
バッファタンク102、リザーバタンク108、透過液タンク116、及び濃縮物タンク118はそれぞれ、それぞれのタンク(図示せず)内の空気又は任意のガスを放出するための通気出口を有することができる。通気出口の各々は、ガスフィルタを有する主ガス排気ラインに接続することができる。例えば、尿及び廃水処理システム100が単一ユニットトイレシステム内のモジュールである場合、主排気ラインはまた、単一ユニットトイレシステムの他のモジュールから通気されるガスを受け取ることができる。ガスフィルタは、システムからの濾過されたガス放出がISO 30500に準拠するように構成され得る。
【0028】
尿及び廃水処理システム100はまた、尿及び廃水処理システム100の動作を容易にするために、追加の弁、センサ、スイッチ、アクチュエータ、ポンプなどを備えることができる。例えば、バッファタンク102、リザーバタンク108、透過液タンク116、及び/又は濃縮物タンク118は、それぞれのタンク内の流体のレベルを検出するためのセンサを有することができる。尿及び廃水処理システム100はまた、コントローラ130を備えることができる。コントローラ130は、システム内の弁、ポンプ、センサ、スイッチ、及び/又はアクチュエータとインターフェース接続するように構成され得る。例えば、コントローラ130は、タンクからのセンサ指示に応答して弁及び/又はポンプを動作させるように構成することができ、タンクは、タンク内の流体のレベルを示す1つ又は複数のセンサを有することができる。コントローラ130は、尿及び廃水処理システム100の構成要素の動作のみを制御するように構成され得る。いくつかの例では、コントローラは、尿及び廃水処理システム100がモジュールとして存在する単一ユニットトイレシステムのための制御システムに統合され得る。
【0029】
図2は、本明細書に記載の、人間廃棄物の収集及び分離のための例示的な方法を示す。ボックス1302において、本方法は、タンクから液体廃棄物を受け取ることを含むことができる。例えば、液体廃棄物は、バッファタンクから受け取られ得る。いくつかの例では、液体廃棄物が尿及び/又は廃水であり得る。例えば、液体廃棄物は、本明細書に記載されるように、固体の少なくとも一部が除去された後に、尿、水、及び/又はいくらかの微量のトイレットペーパーを含む浄化された緑色のストリームであり得る。いくつかの例では、尿及び廃水処理システム100の外部にあるバッファタンク。
【0030】
ボックス1304において、本方法は、液体廃棄物の密度を低減し、クロスフローを生成するために、液体廃棄物ストリームに空気を吹き込むことを含むことができる。例えば、図1に関して説明したように、空気ポンプ又は空気ブロワは、UF膜への供給において、液体ストリームの流体フローに空気を導入するように配置され得る。例えば、空気ブロワは、バブリング効果を引き起こすエアストーンを使用して、液体ストリーム中に空気を拡散させることができる。別の例では、空気が別の分配方法によって導入され得る。
【0031】
ボックス1306において、本方法は、第1の透過液と第1の濃縮物とを分離するために、限外濾過段階で液体廃棄物ストリームを濾過することを含むことができる。流体は、第1の透過液と第1の濃縮物とを分離するために、限外濾過膜を使用して濾過され得る。バッファタンクからの流体及び空気混合は、流体の密度を低減し、それを上方に移動させて、第1の透過液を形成するフィルタを通るクロスフローを生成する。
【0032】
ボックス1308において、方法は、第1の濃縮物を排出することを含むことができる。UF膜フィルタからの第1の濃縮物は、いくらかの固体を含有することができる。第1の濃縮物は、濃縮物中の固体廃棄物を分離するために、排出及び/又は前処理システムに戻され得る。例えば、濃縮物は、緑色のストリームを浄化するために前処理された緑色のストリームと同じシステムに戻され、次いで、尿及び廃水処理システムにおいて浄化され、再循環され得る。除去された固体の大部分である第1の透過液は、濾過の次の段階に導かれ得る。例えば、第1の透過液は、リザーバタンクに圧送され得る。
【0033】
ボックス1310において、方法は、第2の透過液と第2の濃縮物とを分離するために、逆浸透段階で第1の透過液を濾過することを含むことができる。逆浸透段階は、高圧で動作することができる。例えば、第1の透過液は、高圧ポンプを介して逆浸透膜フィルタに送られ得る。第1の透過液は、第2の透過液と第2の濃縮物とを分離するために、逆浸透膜フィルタで濾過され得る。ボックス1312において、方法は、第2の透過液を排出することを含むことができる。いくつかの例では、第2の透過液を再利用することができる。いくつかの例では、第2の透過液がISO 30500に準拠することができる。化学的酸素要求量(COD)、全窒素(全N)、全リン(全P)、pH、全懸濁固体(TSS)、及び大腸菌(コロニー形成単位又はCFU)を測定するための技法は、実施例において提供される。
【0034】
理解され得るように、例示的な方法は、列挙された順序で、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。本方法は、ステップを省略するか、又は追加のステップを含むことができる。例えば、本方法は、洗浄サイクルを含むことができる。洗浄サイクルは、システムを通る洗浄流体の逆流又は圧送を含むことができる。いくつかの例では、方法がセンサ値、動作状態、ユーザ入力、又は他の要因に基づいて、コントローラ130によって自動的に実装され得る。
【0035】
例えば、コントローラ130は、尿及び廃水処理システム100のセンサ、弁、ポンプ、及びモータとインターフェース接続することができる。コントローラ130は、少なくともプロセッサ及びメモリを備えることができる。コントローラは、UF膜フィルタ104及び/又はRO膜フィルタ112の動作状態に基づいて、センサ、弁、ポンプ、及びモータを動作させるための一連の命令を実施するように構成され得る。例えば、コントローラ130は、それぞれのタンクのそれぞれのセンサを介して、バッファタンク102、リザーバタンク108、透過液タンク116、及び濃縮物タンク118のそれぞれの中の流体のレベルを検出することができる。例えば、コントローラ130は、弁を作動させて前記タンクを空にし、及び/又はポンプを作動させて前記タンクから流体を送出することができる。例えば、コントローラ130は、高圧ポンプ110をオフにし、RO入口弁を閉じ、リザーバタンク108を排出することによって、ROフラッシュサイクルのための命令を実施することができる。リザーバタンク108を濃縮物タンク118に排出する時間の後、ROフラッシュ弁を開き、高圧ポンプ110をオンにし、所定の時間、フラッシュサイクルを実行する。例えば、バッファタンク102が満杯であり、リザーバタンク108が満杯ではなく、ROフラッシュサイクルが完了したことを検出するためにセンサを使用することによって、液体廃棄物は濾過され得る。コントローラ130は、空気ブロワ114をオンにし、透過液ポンプ106をオンにして、バッファタンク102から圧送された液体廃棄物を濾過することによって、UFシーケンスを開始する命令を実施することができる。時間が経過した後、透過液ポンプ106及び空気ブロワ114はオフにされ得り、次いで、濃縮物はUF膜フィルタ104から排出され得る。
【0036】
尿及び廃水処理システム100は、様々なシステム及び用途で使用するように構成され得る。上述したように、一例として、尿及び廃水処理システム100は、独立の非下水トイレシステムで使用するように構成された液体処理システムとすることができる。尿及び廃水処理システム100は、固体処理システム及び/又は分離システムなどのシステムを含む、単一ユニットトイレシステムの一部として動作し、それと一体化するように構成され得る。
【0037】
図3は、フロントエンドシステム1と、バッファタンクシステム2と、尿及び廃水処理システム3と、水酸化固体処理システム4とを含む非下水単一ユニットトイレシステムの例示的な概略図を示す。この例では、尿及び廃水処理システム3が、本明細書に記載の尿及び廃水処理システム100を含むことができる。この例では、フロントエンドシステム1は、人間の廃棄物を捕捉し、混合された廃棄物ストリームを、緑色のストリーム及び茶色のストリームの少なくとも一方に分離するように構成され得る。いくつかの例では、黄色のストリームを分離することもできる。分離された緑色、茶色、及び/又は黄色のストリームは、バッファタンクシステム2によってさらに処理され得る。バッファタンクシステム2は、浄化された緑色のストリームを尿及び廃水処理システム3に、茶色のストリームスラリーを水酸化固体処理システム4に出力するように構成することができる。さらに、バッファタンクシステム2は、追加の処理のために、単一ユニットトイレシステムのシステム又はモジュールのうちの1つ又は複数から入力を受け取ることができる。非下水トイレシステムは、処理された液体出力及び処理された固体出力を送るように構成され得る。清浄水及び/又は処理水は、フロントエンドシステム1内の洗浄水のためのシステム内でさらに使用され得るか、又はシステム又はモジュールのうちの1つ又は複数における処理のために使用され得る。単一ユニットトイレシステムは、システムの動作のための少なくとも1つのコントローラ、及び/又は弁、ポンプ、モータ、センサ、及び他のデバイスを含むシステムの1つ又は複数のモジュールを備える制御部をさらに備えることができる。
【0038】
図3の例示的なシステムに示されるように、尿及び廃水処理システム3は、ROリジェクトを水酸化固体処理システム4の濃縮器モジュールに送ることができる。例えば、ROリジェクトは、尿及び廃水処理システム3の液体廃棄物から濾過された固体及び/又は塩を含むことができる。ROリジェクトは、濃縮器モジュール内に受け入れられ、加熱されて液体内容物の少なくとも一部を蒸発させることができる。加圧空気は、加湿空気及び/又はオフガスが放出されるように濃縮器に導入され得り、濃縮出力は別のシステムに送られ得るか、又はシステムから残留固体を除去するために放出され得る。いくつかの例では、尿及び廃水処理システム3は任意選択で、濃縮器タンク及び加熱器を備える濃縮器又は濃縮器モジュールを含むことができる。
【0039】
図4は、フロントエンドシステム1と、バッファタンクシステム2と、尿及び廃水処理システム3と、体積減少固体処理システム5と、外部燃焼器6とを含む、非下水単一ユニットトイレシステムの別の例の概略図を示す。この例では、尿及び廃水処理システム3が、本明細書に記載の尿及び廃水処理システム100を含むことができる。示されるように、尿及び廃水処理システム3は、非下水単一ユニットトイレシステムの別の構成に適合するようにモジュール式であり得る。図3及び図4の両方に同様のモジュールがあるが、異なる固体処理システムが、体積減少固体処理システム5として図4に示されている。図3と同様に、フロントエンドシステム1は、人間の廃棄物を捕捉し、混合された廃棄物ストリームを、緑色のストリーム及び茶色のストリームの少なくとも1つに分離するように構成される。いくつかの例では、黄色のストリームを分離することもできる。分離された緑色、茶色、及び/又は黄色のストリームは、バッファタンクシステム2によってさらに処理され得る。バッファタンクシステム2は、浄化された緑色のストリームを尿及び廃水処理システム3に出力し、茶色のストリームスラリーを体積減少固体処理システム5に出力するように構成することができる。単一ユニットトイレシステムは、処理済み液体出力及び処理済み固体出力を送るように構成され得る。単一ユニットトイレシステムは、システムの動作のための少なくとも1つのコントローラ、及び/又は弁、ポンプ、モータ、センサ、及び他のデバイスを含むシステムの1つ又は複数のモジュールを備える制御部をさらに備えることができる。この例では、外部燃焼器6が、非下水単一ユニットトイレシステムの一部とすることもでき、処理済み固体出力を受け取るように構成され得る。
【0040】
図4の例示的なシステムに示されるように、尿及び廃水処理システム3は、体積減少固体処理システム5の濃縮器モジュールにROリジェクトを送ることができる。例えば、体積減少固体処理システム5は、加熱されるROリジェクトを受け取るように構成された濃縮器を有するように構成され得る。一例では、尿及び廃水処理システム3の濃縮器タンクからのROリジェクトは、濃縮器に受け入れられ、液体内容物の少なくとも一部を蒸発させるために加熱され得る。加湿された空気及び/又はオフガスは放出され得り、濃縮された出力は別のシステムに送られ得るか、又はシステムから残留固体を除去するために放出され得る。
【0041】
本明細書に記載の実施形態の特徴は代表的なものであり、代替の実施形態では、特定の特徴及び要素を追加又は省略することができる。別段の指示がない限り、本開示は、特定の材料、製造プロセスなどに限定されず、したがって変更することができることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図しないことも理解されたい。本開示では、これが論理的に可能な異なる順序でステップを実行できることも可能である。
【0042】
態様
【0043】
例示的な態様の以下のリストは本明細書で提供される開示を支持し、それによって支持される。
【0044】
態様1
液体廃棄物処理システムであって、
限外濾過段階であって、
液体廃棄物を第1の透過液及び第1の濃縮物に分離するように構成された限外濾過フィルタと、
前記限外濾過フィルタへの入口に配置されたディフューザであって、前記ディフューザは空気ブロワに接続され、かつ前記液体廃棄物の密度を低減するために空気を前記液体廃棄物に導入して、前記限外濾過フィルタ内にクロスフローを生成するように構成される、ディフューザと、を含む、限外濾過段階と、
前記限外濾過段階から前記第1の透過液を受け取り、第1の透過液を第2の透過液及び第2の濃縮物に分離するように構成される逆浸透段階であって、前記第2の透過液が使用又は再使用のための非飲用水である、逆浸透段階と、を含む、
液体廃棄物処理システム。
【0045】
態様2
前記限外濾過段階は、リザーバタンク及び透過液ポンプを備え、
前記逆浸透段階は、透過液タンク及び高圧ポンプを備える、
態様1に記載の液体廃棄物処理システム。
【0046】
態様3
前記逆浸透段階は、前記第2の濃縮物を前記リザーバタンクに送るように構成された再循環導管を更に備える、
態様2に記載の液体廃棄物処理システム。
【0047】
態様4
前記液体廃棄物は、尿、糞便、洗浄水、及び微量のトイレ付随物のうちの少なくとも1つを含む、
態様1から3のいずれかに記載の液体廃棄物処理システム。
【0048】
態様5
前記液体廃棄物は、バッファタンクシステムから受け取った浄化された液体である、
態様1から4のいずれかに記載の液体廃棄物処理システム。
【0049】
態様6
使用又は再使用のための非飲料水として排出される前記第2の透過液は、
化学的酸素要求量(COD)≦50mg/Lと、
全懸濁固体(TSS)≦10mg/Lと、
前記限外濾過段階に受け取られる前記液体廃棄物中の全窒素(N)に対して、全窒素(N)>70%減少と、
前記限外濾過段階に受け取られる前記液体廃棄物中の全リン(P)に対して、全リン(P)>80%減少と、
大腸菌(E.coli)≦100/Lと、のうちの少なくとも1つを満たす、
態様1から5のいずれかに記載の液体廃棄物処理システム。
【0050】
態様7
前記限外濾過段階が第1の圧力で動作し、前記逆浸透段階が第2の圧力で動作する、
態様1から6のいずれかに記載の液体廃棄物処理システム。
【0051】
態様8
前記逆浸透段階は高圧で動作する、
態様1から7のいずれかに記載の液体廃棄物処理システム。
【0052】
態様9
前記ディフューザは、エアストーンを含む、
態様1から8のいずれかに記載の液体廃棄物処理システム。
【0053】
態様10
コントローラは、前記限外濾過段階及び前記逆浸透段階の自動運転を可能にする、
態様1から9のいずれかに記載の液体廃棄物処理システム。
【0054】
態様11
液体廃棄物の処理の方法であって、
前記液体廃棄物の密度を低減し、かつクロスフローを生成するために、液体廃棄物に空気を吹き込むことと、
第1の透過液と第1の濃縮物とを分離するために、限外濾過段階で前記液体廃棄物を濾過することと、
前記第1の濃縮物を排出することと、
第2の透過液と第2の濃縮物とを分離するために、逆浸透段階で前記第1の透過液を濾過することと、
前記第2の透過液を使用可能な水として排出することと、を含む、
方法。
【0055】
態様12
前記第1の透過液をリザーバタンクに圧送することを更に含む、
態様11に記載の方法。
【0056】
態様13
高圧でリザーバタンクから前記逆浸透段階を通して前記第1の透過液を圧送することを更に含む、
態様11又は12に記載の方法。
【0057】
態様14
前記逆浸透段階において、濾過するために前記第2の濃縮物を再循環させることを更に含む、
態様11から13のいずれかに記載の方法。
【0058】
態様15
使用可能な水として排出される前記第2の透過液は、
化学的酸素要求量(COD)≦50mg/Lと、
全懸濁固体(TSS)≦10mg/Lと、
前記限外濾過段階に受け取られる前記液体廃棄物中の全窒素(N)に対して、全窒素(N)>70%減少と、
前記限外濾過段階に受け取られる前記液体廃棄物中の全リン(P)に対して、全リン(P)>80%減少と、
大腸菌(E.coli)≦100/Lと、のうちの少なくとも1つを満たす、
態様11から14のいずれかに記載の方法。
【0059】
態様16
前記液体廃棄物は、尿、糞便、洗浄水、及び微量のトイレ付随物のうちの少なくとも1つを含む、
態様11から15のいずれかに記載の方法。
【0060】
態様17
前記液体廃棄物は、バッファタンクシステムから受け取った浄化された液体である、
態様11から16のいずれかに記載の方法。
【0061】
態様18
前記第1の濃縮物を排出することは、前記第1の濃縮物を、濃縮物中の固体廃棄物を分離するためのシステムに排出することを含む、
態様11から17のいずれかに記載の方法。
【0062】
態様19
前記逆浸透段階において前記第1の透過液を濾過することは、前記第1の透過液をリザーバタンク内で受け取ることと、前記第2の濃縮物を再循環させることとを含む、
態様11から18のいずれかに記載の方法。
【0063】
実施例
【0064】
以下の実施例は、本明細書で特許請求される化合物、組成物、物品、デバイス及び/又は方法がどのように作製及び評価されるかについての完全な開示及び説明を当業者に提供するために提示され、本開示の純粋な例示であることが意図され、本発明者らがそれらの開示とみなすものの範囲を限定することは意図されない。数(例えば、量、温度など)に関して正確性を保証するための努力がなされてきたが、いくつかの誤差及び偏差が考慮されるべきである。特に明記しない限り、部は重量部であり、温度は°C又は周囲温度であり、圧力は大気圧又は大気圧付近である。
【0065】
尿及び廃水処理システムの液体排出物のサンプルは試験され、化学的酸素要求量(COD)、全窒素(全N)、全リン(全P)、pH、全懸濁固体(TSS)、及び大腸菌(コロニー形成単位又はCFU)を測定した。ISO 30500標準と比較して試験された液体出力パラメータの例を表1に示す。液体出力パラメータを試験するための例示的な方法は、以下の試験プロトコルに提供されている。
【0066】
【表1】
【0067】
試験手順
【0068】
化学的酸素要求量試験プロトコル:化学的酸素要求量(COD)は本明細書に記載されるように、尿及び廃水処理システムサンプリング手順を使用して採取された試料について測定される。化学的酸素要求量は例えば、HACH(登録商標)Company(Loveland、CO、USA)によって製造されたUSEPA Reactor Digestion Method kitを使用するなど、当技術分野で公知の任意の方法によって測定され得る。HACH(登録商標)社製の分光光度計及び測色計DR 6000、DR 5000、DR 3900、DR 3800、DR 2800、DR 2700、DR 1900、及びDR 900は、この試験を実施するのに適しているが、CODは他の製造業者からのUV-Vis分光光度計及び/又は測色計で実施することもできる。列挙された機器について、試験は以下のように実施される。
【0069】
試料は、有機汚染のない清浄なガラス瓶及び/又はプラスチック容器に収集され得る。試料は、採取後できるだけ迅速に試験される。
【0070】
典型的なサンプルを分析するために、反応器を初期化し、150℃に予熱する。HACH(登録商標)社製のDRB 200反応器が本明細書で使用されるが、任意の適切な反応器を、製造業者が提供するプロトコルに従って使用することができる。予備包装された試薬を含有する異なる試料バイアルは予想されるCODに基づいてHACH(登録商標)社から入手され、より広い、より狭い検出限界が利用可能である。当業者は、測定される試料の予想されるCODならびに以前の試験結果に基づいて、適切なバイアル及び試薬を選択することができる。
【0071】
消化試薬を含む典型的なバイアルにサンプル2mLを添加するか、又は250~15,000mg/Lの範囲で検出するために、マイクロピペットを用いてサンプル0.20mLをバイアルに添加する。第2のバイアルを、脱イオン水を用いてブランクとして調製する。サンプル及びブランクの両方を外面的にすすぎ、ペーパータオル又は糸くずのない拭き取りで乾燥させる。バイアルを反転させて混合し、反応器に入れ、そこでバイアルを2時間加熱する。反応器の電源を切り、バイアルを20分間又は温度が120℃に達するまで冷却させる。バイアルを数回反転させ、ラックに置いて冷却する。
【0072】
ブランクバイアルを外部洗浄し、測色計又は分光光度計に入れる。ゼロ読取が行われる。調製されたサンプルバイアルを外部で洗浄し、測色計又は分光光度計に入れ、COD読取を行う。ブランクは同じロットの試薬バイアル中のいくつかの試料バイアルに使用することができ、吸光度が経時的に少なくとも0.01吸光度単位だけ変更する場合にのみ交換を必要とする。
【0073】
必要に応じて、既知濃度の一連の標準溶液を用いて機器の精度を検証する。装置の工場校正は、標準溶液の既知の値を反映するように調整することができる。
【0074】
全窒素試験プロトコル:全窒素(全N)は本明細書に記載されるように、尿及び廃水処理システムサンプリング手順を使用して採取された試料について測定される。全窒素は例えば、HACH(登録商標)Company(Loveland、CO、USA)によって製造されたPersulfate Digestion Methodキットを使用するなど、当技術分野で公知の任意の方法によって測定することができる。HACH(登録商標)社製の分光光度計及び測色計DR 6000、DR 5000、DR 3900、DR 3800、DR 2800、DR 2700、DR 1900、及びDR 900は、この試験を実施するのに適しているが、全窒素検出は他の製造業者からのUV-Vis分光光度計及び/又は測色計でも実施することができる。列挙された機器について、試験は以下のように実施される。
【0075】
試料は、採取後できるだけ迅速に試験される。典型的なサンプルを分析するために、反応器を初期化し、105℃に予熱する。HACH(登録商標)社製のDRB 200反応器が本明細書で使用されるが、任意の適切な反応器を、製造業者が提供するプロトコルに従って使用することができる。本明細書ではHACH(登録商標)社製の水酸化窒素分解試薬バイアルが使用され、これらは全窒素を試験するのに有用な予め測定された試薬を含む。1つの予め測定された過硫酸窒素のパケットの内容物は、試料の測定に使用するための第1の試薬バイアル、及びブランクの測定に使用するための第2の試薬バイアルに添加される。試料0.5mLを1つのバイアルに加え、0.5mLの脱イオン水を第2のバイアルに使用する。脱イオン水は、全ての窒素含有種を含まないものでなければならない。バイアルに蓋をし、30秒間激しく振盪する。振盪したバイアルを反応器に30分間入れる。反応後、バイアルを反応器から取り出し、室温に冷却する。
【0076】
HACH(登録商標)社によって提供される全窒素試薬Aの事前測定されたパケットを、サンプル及びブランクバイアルに添加する。バイアルに蓋をし、30秒間振盪し、次いで3分間反応させる。3分後、キャップをバイアルから取り出し、HACH(登録商標)社により提供される全窒素試薬Bの予め測定されたパケットをバイアルに加える。バイアルに蓋をし、15秒間振盪し、次いで2分間反応させる。反応後、バイアルからの2mLの消化された試料を、HACH(登録商標)社によって提供される別個全窒素試薬Cバイアルに添加する。脱イオン水ブランクについても同様の手順に従う。試薬バイアルに蓋をし、ゆっくりと10回反転させて混合する。5分後、バイアルを外部で洗浄し、分光光度計又は測色計を用いて測定する。
【0077】
ブランクは、室温で暗所に保管すると、最大7日間保存できる。懸濁固体がブランク中に現れる場合、それらは廃棄され、新しいブランクが調製されるべきである。この手順は、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、グリシン、尿素、及び他の有機窒素種中の窒素の少なくとも95%を検出するのに有効である。
【0078】
必要に応じて、新鮮な試料をスパイクするための標準添加を使用して、又は既知濃度の一連の標準溶液を使用して、機器の精度を検証する。異なる窒素源にわたる機器の精度は既知量の異なる窒素種(例えば、アンモニア、グリシン、ニコチン酸-p-トルエンスルホン酸など)を用いてストック溶液を調製することによって検証することができる。
【0079】
全リン試験プロトコル:全リン(全P)を、本明細書に記載の尿及び廃水処理システムサンプリング手順を用いて採取した試料について測定する。全リンは例えば、HACH(登録商標)Company(Loveland、CO、USA)によって製造された過硫酸消化法キットを有するUSEPA PhosVer(登録商標)3を使用するなど、当技術分野で公知の任意の方法によって測定することができる。HACH(登録商標)社製の分光光度計及び測色計DR 6000、DR 5000、DR 3900、DR 3800、DR 2800、DR 2700、DR 1900、及びDR 900は、この試験を実施するのに適しているが、全リン検出は他の製造業者からのUV-Vis分光光度計及び/又は測色計でも実施することができる。列挙された機器について、試験は以下のように実施される。
【0080】
試料は、採取後できるだけ迅速に試験する。試料を処理する場合、5.0N水酸化ナトリウムを用いてpHを7に調整する。試験結果を解釈する際には、工程の任意の段階での体積添加(例えば、酸性化、pH調整)を補正すべきである。
【0081】
典型的なサンプルを分析するために、反応器を初期化し、150℃に予熱する。HACH(登録商標)社製のDRB 200反応器が本明細書で使用されるが、任意の適切な反応器を、製造業者が提供するプロトコルに従って使用することができる。試験される試料5.0mLをバイアルに加え、続いてHACH(登録商標)社から利用可能な試験キットの一部として提供される過硫酸カリウムの事前に測定された量を加える。試料を振盪して任意の粉末を溶解し、試料バイアルを反応器に挿入し、30分間反応させる。この反応は、有機及び縮合無機リン酸塩を反応性オルトリン酸塩に変換する。試料バイアルを反応器から取り出し、室温まで冷却する。2mLの1.54N水酸化ナトリウムを試料バイアルに加え、バイアルに蓋をし、逆さにして混合する。バイアルを糸くずのない布で拭くか、又は拭いて、バイアルの外面を洗浄し、乾燥させ、次いで、バイアルを分光光度計又は測色計のセルホルダーに挿入する。分光光度計又は比色計をゼロにし、あらかじめ測定した量のモリブデン酸塩及びアスコルビン酸(本明細書では、HACH(登録商標)社から利用可能なPhosVer(登録商標)3粉末ピローから)をバイアルに添加する。バイアルを20~30秒間振盪して粉末を分散させ、これは完全には溶解しない。2分間の反応時間の後、試料中のオルトリン酸塩はモリブデン酸塩と反応して、強い青色を有する混合錯体を生成する。バイアルを再び糸くずのない布又は拭き取り布で拭き取り、分光光度計又は比色計に挿入し、分光光度計では880nmの吸光度を用いて、又は比色計では610nmの吸光度を用いて(還元リン酸塩/モリブデン酸塩複合体では)、全リンの読取を行う。
【0082】
典型的な試験では、全リンの範囲は0.06~3.5 mg/L PO 3-である。より高い濃度を示す試料は希釈し、報告の正確性について再試験すべきである。必要に応じて、新鮮な試料をスパイクするための標準添加を使用して、又は既知濃度の一連の標準溶液を使用して、機器の精度を検証する。
【0083】
全懸濁固体試験プロトコル:全懸濁固体(TSS)を、本明細書に記載の尿及び廃水処理システムサンプリング手順を用いて採取した試料について測定する。全懸濁固体は例えば、US EPA National Exposure Research LaboratoryのResidue、Non-Filterable(Gravimetric、103-105°Cで乾燥)プロトコルのような当該技術分野で公知の任意の技術を用いて測定することができる。この方法は、約4mg/L~約20,000mg/Lの懸濁固体を測定するのに有用である。
【0084】
簡単に説明すると、ガラス繊維フィルタをメンブレンフィルター装置に入れる。真空を適用し、フィルタを少なくとも3回の20mL容量の蒸留水で洗浄する。すべての微量の水が除去されるまで、真空を適用する。フィルタを103~105℃のオーブン中で1時間乾燥し、必要になるまでデシケーター中で保存する。フィルタは使用直前に秤量し、鉗子又はトングのみで取り扱う。
【0085】
試料体積は、4.7cmのフィルタについて少なくとも1.0mgの残留物がフィルタ上に残るように選択される。他のフィルタ径については、当業者がフィルタ面積の約7mL/cmに等しい試料体積を選択し、1.0mgに比例する残渣の重さを収集することができる。
【0086】
フィルタを秤量し、濾過装置に入れる。吸引する。フィルタを少量の蒸留水で湿らせる。試料を激しく振盪し、予め選択した試料体積を、選択した体積(例えば、メスシリンダー)に適切な手段を用いてフィルタに適用する。吸引は、全ての微量の水が除去されるまで継続する。メスシリンダー又は他の装置を蒸留水で3回洗浄し、洗浄をフィルタに適用する。フィルタ、濾過不可能な残留物、及びフィルタ装置を蒸留水でさらに3回洗浄し、すべての微量の水を再び除去する。フィルタをフィルタ装置から取り出し、103~105℃で少なくとも1時間乾燥する。フィルタをデシケーター中で放冷し、秤量する。乾燥サイクルは、一定の重量が得られるまで繰り返される。
【0087】
pH試験プロトコル:本明細書に記載の_を用いて採取した試料についてpHを測定する。pH測定能力を有する較正されたデジタルpHメーター又は水質メーターからのプローブはサンプル中に浸漬され、pH値はメーター上のスクリーン上に表示される。MYRON L(登録商標)社(米国カリフォルニア州カールスバッド)から利用可能なMYRON L Ultrameter IICPFCE水質計を含む様々なpH計及び/又は水質計を使用することができる。
【0088】
大腸菌検出試験プロトコル:大腸菌(コロニー形成単位又はCFU)を、本明細書に記載の尿及び廃水処理システムサンプリング手順を用いて採取した試料について測定する。大腸菌CFUは、当技術分野で公知の任意の技術によって測定することができる。ここでは、3MTM社(米国ミネソタ州セントポール)のPETRIFILMTM大腸菌/大腸菌計数プレートを使用した。PETRIFILMTMプレートは、変性紫赤色胆汁(VRB)栄養素、冷水溶性ゲル化剤、5‐ブロモ‐4‐クロロ‐3‐インドリル‐d‐グルクロニド(BCIG、グルクロニダーゼ活性のインジケータ)、及びコロニー計数を容易にするためのテトラゾリウム指示薬を含有する。
【0089】
試料を、バターフィールドリン酸緩衝希釈水、0.1%ペプトン水、ペプトン塩希釈液、1/4強度リンゲル液、0.85~0.90%生理食塩水、亜硫酸水素塩を含まないヘレテンブロス、又は蒸留水などの適切な滅菌希釈液と混合又は均一化する。
【0090】
PETRIFILM(登録商標)プレートは、平らな面上に置かれる。プレートの上のフィルムを持ち上げ、プレートの下のフィルムの中央に、接種領域に垂直に保持したピペットを用いて、1mLのサンプル懸濁液を分注する。上部フィルムは、気泡を捕捉することなく、サンプル上に巻き下げられる。3M(登録商標) PETRIFILM(登録商標) Spreaderを用いて、プレート成長領域全体に接種材料を広げる。スプレッダーを取り除き、プレートを少なくとも1分間、乱さずに放置し、ゲルを形成させる。
【0091】
ゲル形成後、プレートを20枚以下のプレートの積み重ねで水平にインキュベートする。インキュベーション時間は様々であり得、当業者は、製造業者によって供給される指示に基づいて、所与の適用に適切なインキュベーション時間を選択し得る。インキュベーション後、プレート上のコロニーを、標準コロニーカウンター又は別の照射拡大鏡を用いて計数することができる。青色から赤青色に見え、閉じ込められたガスに関連するコロニーは、確認された大腸菌として計数される。インキュベーターから取り出してから1時間以内にコロニーをカウントするか、カウント前に-15℃で1週間まで保管する。
【0092】
インキュベーション後の極めて高密度のプレートの場合、正確な計数を得るために、希釈体積に基づいて適切な体積補正を行うために、元の試料を希釈する必要があり得る。
【0093】
サンプリング手順
【0094】
上述の試験プロトコルを使用して、水、液体成分などのシステム成分の出力の様々な特性を、以下のサンプリング手順で調製された試料を使用して特徴付けることができる。
【0095】
尿及び廃水処理システムサンプリング手順:任意の適切な抽出装置を使用して、尿及び廃水処理システムから液体サンプルを得ることができる。例えば、シリンジ又は容積測定ピペットを使用して、尿及び廃水処理システムから、液体及び/又は懸濁固体を含み得る特定の体積の材料を引き出すことができる。あるいは、分析に必要とされる量よりも多い量の材料を無菌容器に取り出し、試験のための量を別々に測定することができる。別の態様では、弁を開いて、液体試料を収集容器内に自由に流すことができる。このようにして採取された試料は、本明細書に記載の試験プロトコルのいずれにおいても使用することができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】