(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】供給されたエンドレスウェブから、エネルギーセルのためのセグメントを切断するための切断装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240723BHJP
B26D 7/18 20060101ALI20240723BHJP
B26D 7/10 20060101ALI20240723BHJP
B26D 1/62 20060101ALI20240723BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20240723BHJP
H01M 4/04 20060101ALI20240723BHJP
H01M 10/0585 20100101ALI20240723BHJP
H01M 50/406 20210101ALI20240723BHJP
H01M 8/02 20160101ALI20240723BHJP
B26D 1/40 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
B26D7/18 E
B26D7/10
B26D1/62 B
B26D1/62 Z
B26D3/00 601Z
H01M4/04 A
H01M10/0585
H01M50/406
H01M8/02
B26D1/40 501E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501513
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2022068879
(87)【国際公開番号】W WO2023285272
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021207343.3
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595112018
【氏名又は名称】ケルバー・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】フォルガー・マンフレート
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーグナー・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】クラーパー・ニルス
【テーマコード(参考)】
3C021
5H021
5H028
5H029
5H050
5H126
【Fターム(参考)】
3C021EA05
3C021FC03
3C021FC04
5H021BB04
5H021BB19
5H028BB00
5H028BB17
5H029AJ14
5H029CJ04
5H029CJ30
5H050AA19
5H050BA08
5H050GA04
5H050GA29
5H126AA02
(57)【要約】
【解決手段】 中間スペース6内へと切断平面I内に供給されたエンドレスウェブ5から、エネルギーセルのためのセグメント7を切断するための切断装置であって、この切断装置が、- 回転軸線を中心としての回転運動のための駆動装置を用いて駆動され、前記中間スペース6の一方の側に配置された、切断回転装置の境界面Iから半径方向に外方へと突出する少なくとも1つの切断カッター3を備える該切断回転装置を有し、および、- 前記中間スペース6の他方の側に配置された、少なくとも1つの相手方カッター4を有し、- 前記切断カッター3と前記相手方カッター4とが、それぞれに1つの刃先8、9を有する上記切断装置において、- 前記切断カッター3が、前記切断回転装置1の回転運動の間じゅう、この切断カッター3の前記刃先9によって、前記相手方カッター4の前記刃先8において、点状の接触部Sで当接され、且つ、その場合に、0°とは等しくない角度において、前記相手方カッターの前記刃先9に対して整向されており、- 前記切断カッター3の前記刃先9が、前記切断回転装置1の回転運動の間じゅう、前記エンドレスウェブ5を切断しながら、前記点状の接触部Sで、前記相手方カッター4の前記刃先8に沿ってスライドする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間スペース(6)内へと切断平面(I)内に供給されたエンドレスウェブ(5)から、エネルギーセルのためのセグメント(7)を切断するための切断装置であって、
この切断装置が、
- 駆動装置を用いて回転軸線を中心としての回転運動のために駆動され、前記中間スペース(6)の一方の側に配置された、切断回転装置の境界面から半径方向に外方へと突出する少なくとも1つの切断カッター(3)を備える該切断回転装置、特に切断ドラム(1)の外套面から半径方向に外方へと突出する少なくとも1つの切断カッター(3)を備える該切断ドラム(1)を有し、および、
- 前記中間スペース(6)の他方の側に配置された、少なくとも1つの相手方カッター(4)を有し、
- 前記切断カッター(3)と前記相手方カッター(4)とが、それぞれに1つの刃先(8、9)を有する、
上記切断装置において、
- 前記切断カッター(3)が、
前記切断回転装置、特に前記切断ドラム(1)の回転運動の間じゅう、この切断カッター(3)の前記刃先(9)によって、前記相手方カッター(4)の前記刃先(8)において、点状の接触部(S)で当接され、且つ、その場合に、0°とは等しくない角度において、前記相手方カッターの前記刃先(9)に対して整向されており、
- 前記切断カッター(3)の前記刃先(9)が、前記切断回転装置、特に前記切断ドラム(1)の回転運動の間じゅう、前記エンドレスウェブ(5)を切断しながら、前記点状の接触部(S)で、前記相手方カッター(4)の前記刃先(8)に沿ってスライドする、
ことを特徴とする切断装置。
【請求項2】
- 前記角度は、最大20°であることを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
- 前記刃先(8)と前記刃先(9)とは、前記点状の接触部を通って延びる切断平面(I)内において、0°とは等しくない第1の角度(α)において、互いに整向されていることを特徴とする請求項1または2に記載の切断装置。
【請求項4】
- 前記刃先(8)と前記刃先(9)とは、前記切断平面(I)に対して垂直方向に、0°とは等しくない第2の角度(β)において、互いに整向されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項5】
- 前記切断カッター(3)、及び/または、前記相手方カッター(4)は、ばね弾性的に支承されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項6】
前記切断カッター(3)の前記刃先(9)、及び/または、前記相手方カッター(4)の前記刃先(8)は、凹状の形状を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項7】
- 前記相手方カッター(4)は、当接面(19)内において配置されており、
この当接面に、前記エンドレスウェブ(5)と、このエンドレスウェブ(5)から切断された前記セグメント(7)とが当接すること、および、
この当接面(19)内において、前記相手方カッター(4)の一方の側において、窪み部(10)が設けられていること、
を特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項8】
- 前記窪み部(10)は、底面(17)を有しており、
この底面が、前記当接面(19)の長手方向に、前記窪み部(10)によって窪められた、前記当接面(19)の部分(20)よりも大きな長さ(21)を有していることを特徴とする請求項7に記載の切断装置。
【請求項9】
- 前記相手方カッター(4)の一方の側において、
負圧によって作用可能な、少なくとも1つの圧力空気開口部(11)が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項10】
- 前記圧力空気開口部(11)は、前記窪み部(10)内において配置されていることを特徴とする請求項7または8を引用する請求項9に記載の切断装置。
【請求項11】
- 前記窪み部内において、複数の圧力空気開口部(11)は、前記相手方カッター(4)の前記刃先(8)に対して平行な列配置において配置されていることを特徴とする請求項10に記載の切断装置。
【請求項12】
- 前記圧力空気開口部(11)は、時系列的にずらされて、前記点状の接触部(S)に従う順序において、負圧によって作用されることを特徴とする請求項11に記載の切断装置。
【請求項13】
- 前記相手方カッター(4)は、前記切断回転装置、特に切断ドラム(1)の回転運動に関して反対に整向された回転運動で駆動される相手方回転体、特に相手方ドラム(2)に配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項14】
- 前記切断回転装置、特に前記切断ドラム(1)、および、相手方回転体、特に相手方ドラム(2)は、それぞれに、前記刃先(8、9)の異なる周速を有する回転運動に駆動されることを特徴とする請求項13に記載の切断装置。
【請求項15】
- 前記切断回転装置、特に前記切断ドラム(1)および、相手方回転体、特に相手方ドラム(2)は、それぞれに、互いに別個の駆動装置によって駆動可能であることを特徴とする請求項13または14に記載の切断装置。
【請求項16】
- 前記切断回転装置、特に前記切断ドラム(1)の前記切断カッター(3)の領域内において、及び/または、前記相手方カッター(4)の領域内において、
吸引装置(23)が設けられていることを特徴とする請求項1から15のいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項17】
- 加熱装置が設けられており、
この加熱装置を用いて、前記切断カッター(3)及び/または前記相手方カッター(4)が、少なくとも、前記切断カッター及び/または前記相手方カッターの前記刃先(8、9)の領域内において、加熱可能であることを特徴とする請求項1から16のいずれか一つに記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給されたエンドレスウェブから、エネルギーセルのためのセグメントを切断するための、請求項1の上位概念の特徴を有する切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の趣旨におけるエネルギーセルまたはエネルギー貯蔵部は、例えば、自動車、その他の陸上車両、船舶、飛行機において、または、同様に例えば光発電設備のような据え付けの設備内において、電池セルまたは燃料電池の形態で使用され、これら電池セルまたは燃料電池において、極めて大きなエネルギー量が、より大きな時間間隔にわたって貯蔵される必要がある。
この目的のために、そのようなエネルギーセルは、複数の積層体へと積み重ねられたセグメントから成る構造を有している。これらセグメントは、それぞれに、交番するアノードシートとカソードシートとから形成されており、これらアノードシートとカソードシートとが、同様に、セグメントとして製造されたセパレーターシートによって、互いに分離されている。
これらセグメントは、製造プロセス内において予切断され、且つ、次いで、積層体へと、予め定められた順序において積み重ねられ、且つ、ラミネートにより互いに結合される。その際、アノードシートとカソードシートとは、先ず第一に、エンドレスウェブから切断され、且つ、次いで、個別化されて、間隔を置いて、セパレーター材料のそれぞれに1つのエンドレスウェブの上に載置される。
載置されたアノードシートまたはカソードシートを有する、セパレーター材料から成る、引き続いて形成される「2層状の」エンドレスウェブは、次いで、第2のステップにおいて、再び切断装置によってセグメントへと切断され、その際、これらセグメントが、この場合に、そのセパレーターシートの上に配置されたアノードシートまたはカソードシートを有する該セパレーターシートによって、2層状に形成されている。
このことが、製造技術的に成し得るまたは必要である限りは、セパレーター材料のエンドレスウェブは、載置されたアノードシートおよびカソードシートと、切断の以前に積み重ねられ得、従って、その第1の層の上に載置されたアノードシートまたはカソードシートを有する、エンドレスなセパレーター材料の該第1の層と、および、他方また、その第2の層の上に載置されたアノードシートまたはカソードシートを有する、エンドレスなセパレーター材料の該第2の層とを有する、エンドレスウェブが形成される。
この「4層状の」エンドレスウェブは、次いで、切断装置を用いて、セグメントに切断され、これらセグメントが、この場合において、4層状に、第1のセパレーターシート、アノードシート、第2のセパレーターシート、および、この第2のセパレーターシートの上に載置されたカソードシートによって形成されている。この解決策の利点は、1回の切断が節約され得ることにある。
本発明の趣旨におけるセグメントは、それに従って、セパレーター材料、アノード材料、または、カソード材料の1層状のセグメント、2層状の、または同様に4層状の、上述された構造のセグメントである。
【0003】
例えばエレクトロモビリティのための電池セルの製造は、現今、毎分100から240モノセルの性能を有する生産設備で行われる。これら生産設備は、部分領域内においてまたは一貫して、周期的で不連続的な運動、例えば往復運動でもって作動し、且つ、これに伴って、生産性能に関して制限されている。
公知の機械の大部分は、より遅鈍な処理の欠点を有する、個別シート-積み重ね方法(例えば、ピックアンドプレイス)において作動する。セル構成のラミネートは、ここで可能ではない。
【0004】
更に別の公知の試みは、連続的に走行する材料ウェブ、および、例えば分離カッター、ピッチ変更のための工具のような、周期的に運動する工具を有する機械である。
【0005】
原理的に、周期的な運動を有する機械は、性能的に制限されている。質量を保持された部材、例えば収容部および工具は、永続的に加速および減速される必要がある。このプロセスは、その際、時系列な経過を決定し、且つ、その場合に、多くのエネルギーが消費される。
運動される部材の質量は、適宜に低減可能ではない。しばしば、より迅速に運動する部材は、より高い負荷に耐える必要があり、且つ、それ故に、その上更により費用がかかり且つより重くなる。
【0006】
バッテリー製造の生産コストを減少するために、特に、機械の生産性能は向上される必要がある。高い生産性能のための条件は、これに伴って、冒頭に記載された様式の、相互に積み重ねられた複数のセグメントから形成されているエネルギーセルの積み重ねの高い製造レートである。
【0007】
極めて高い製造レートの達成のために、その際、セグメントの材料から成るエンドレスウェブを連続的に供給すること、および、次いで、これらセグメントを、これら連続的に供給されるエンドレスウェブから、切断装置を用いて、継続的なプロセス内において切断することは望ましい。このことは、特に、アノードシートおよびカソードシートにおいて当てはまり、これらアノードシートおよびカソードシートが切断され、且つ、引き続いて、セパレーター材料のエンドレスウェブの上に間隔をおいて載置される。
【0008】
切断装置を有する、エネルギーセルの製造のためのその様な装置は、例えば特許文献1から公知である。切断装置は、ここで、レーザー切断装置の形態で実現されており、このレーザー切断装置が、ドラムの外周に対して整向されたレーザーを有しており、このレーザーが、セグメントを、このドラムの上で案内されるエンドレスウェブから切断する。
この切断装置における欠点は、切断工程が、レーザーの極めて精確な制御を必要とすることである。レーザー光線が、直接的に、切断されるべきエンドレスウェブに対して整向され得ない限りは、このレーザー光線は、このエンドレスウェブに対して固定状態のスキャナーによって偏向される(リモートレーザー切断)。このスキャナーは、特に、ミラー、および、割り当てられたモーターを備えており、これらモーターが、これらモーターの制限された動力学的な動態に基づいて、切断工程の速度を制限する。
【0009】
特許文献2から、更に、1つの装置が公知であり、この装置内において、セグメントは、回転運動によって駆動される、1つまたは複数の切断カッターを有する切断ドラムと、1つまたは複数の相手方カッターを有する相手方カッターとを用いて、エンドレスウェブから切断される。
切断ドラムと相手方ドラムとは、反対の回転方向において、同一の回転数でもって駆動され、従って、これら切断ドラムと相手方ドラムとが、互いに向き合って対峙する外套面の部分内において、供給されるエンドレスウェブの移動に関して同じ方向に整向され、且つ、同一の周速を有している。切断カッターと相手方カッターとの刃先は、切断ドラムと相手方ドラムとの回転軸線に対して平行に、且つ、循環運動に対して垂直方向に配置されており、且つ、セグメントの切断のために、切断ドラムと相手方ドラムとの間で貫通走行するエンドレスウェブを貫いての垂直方向の直線状の切断を生起する。
【0010】
この解決策において、しかしながら、切断ドラムと相手方ドラムとの回転運動が、極めて精確に、互いに調和されている必要があること、および、特に回転数差が、如何なる場合においても回避される必要があること、何故ならばエンドレスウェブを貫いてのきれいな切断が、さもなければ達成され得ないからであることは欠点である。
更に、切断カッターと相手方カッターとの刃先は、ここで、これら刃先の全長さでもって、同時に、エンドレスウェブを貫いて切断し、このことのために、相応して高い切断力が必要である。このことによって、実現され得る切断幅は制限されており、且つ、これら刃先の増大された摩耗が、低下させられる切断品質との関連において生じる。
【0011】
特許文献3から、更に、1つの装置が公知であり、この装置が、それぞれに1つの切断カッターを備える、反対に整向された回転運動によって駆動される、2つの切断ドラムを有している。これら切断ドラムは、これら切断カッターの刃先によって規定された、これら刃先の切断円が、オーバーラップせず、その際、これら切断円の間隔が、1から10μmであるべきであるように配置されている。
両方の切断ドラムの駆動回転運動は、互いに、切断カッターが、これら切断カッターの刃先でもって、同時に、しかしながら、予め与えられた1から10μmまでの間隔において、相対して、エンドレスウェブを貫いて切断するように調和されている。これら切断カッターの刃先は、同様にここでも、相対して配置されており、従って、これら刃先が、それぞれに、直線状の切断を、全幅にわたって、エンドレスウェブを貫いて切断する。
【0012】
この解決策において、同様にここでも、切断ドラムの回転運動が、極めて精確に、互いに調和されている必要があり、従って、両方の刃先が、きれいな切断の達成のために、規定された整向において、相互にエンドレスウェブを貫いて切断することは欠点である。
高い切断力、制限された切断幅、増大された摩耗、および、低下させられる切断品質の、上述された欠点と並んで、この装置は、付加的に、これら切断ドラム、および、この切断ドラムの上で循環する刃先の、相互の、極めて精確な位置決めを前提条件として必要とし、従って、要求される間隔が下回られない。何故ならば、これら刃先が、さもなければ、衝突可能であるからである。
更に、切断円の間隔は、さもなければ、如何なるきれいな切断も達成されないので、同様に、1から10μmまでの予め与えられた間隔よりも大きくするべきではない。何故ならば、これら刃先が、それぞれに、互いに、切断のために必要な反力支承部(Widerlager)を形成するからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2017 216 213A号明細書
【特許文献2】米国特許第6,585,846 B1明細書
【特許文献3】国際公開第2019/092585 A2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この背景から、本発明の根底をなす課題は、1つの切断装置を提供することであり、この切断装置が、エンドレスウェブからのエネルギーセルのためのセグメントの、きれいでプロセス信頼性を有する切断を、供給されるこのエンドレスウェブの同時に高い輸送速度において可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題の解決のために、請求項1の特徴を有する切断装置が提案される。本発明の更に有利な更なる構成は、従属請求項、明細書、および、付属する図から見て取れ得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明の基本思想に従い、
- 前記切断カッターが、
前記切断回転装置、特に前記切断ドラムの回転運動の間じゅう、この切断カッターの前記刃先によって、前記相手方カッターの前記刃先において、点状の接触部で当接され、且つ、その場合に、0°とは等しくない角度において、前記相手方カッターの前記刃先に対して整向されており、
- 前記切断カッターの前記刃先が、前記切断回転装置、特に前記切断ドラムの回転運動の間じゅう、前記エンドレスウェブを切断しながら、前記点状の接触部で、前記相手方カッターの前記刃先に沿ってスライドする、
ことは提案される。
【0017】
本発明は、従って、従来技術内において公知の解決策に対して、エンドレスウェブからセグメントを切断するための基本的に異なるアプローチをとり、このアプローチにおいて、切断カッターがこの切断カッターの刃先によって、意図的に、相手方カッターの刃先において当接し、従って、これらの間に供給されたエンドレスウェブが、確実に切断される。
更に、これら刃先は、これら刃先が、点状の接触部で、0°とは等しくない角度において互いに整向されており、従って、切断カッターが、切断回転装置、特に切断ドラムの回転運動の間じゅう、点状の接触部で、相手方カッターの刃先に沿ってスライドし、且つ、これに伴って、エンドレスウェブが切断されるように、互いに整向されている。
これに伴って、エンドレスウェブは、切断工程の間じゅう、このエンドレスウェブの全幅にわたって同時に切断されるのではなく、むしろ、前記の代わりに、点状の接触部で切断され、この点状の接触部が、切断工程の間じゅう、これら刃先の長手方向における移動を実施し、且つ、このことによって、エンドレスウェブが、連続的な切断において、このエンドレスウェブの長手方向延在に対して横向きに切断される。
従って、切断は、著しくより少ない切断力でもって、切断されるべきエンドレスウェブの、同時に制限されていない、または、少なくとも著しくより大きな幅の場合に実現され得る。その際、点状の接触点は、湾曲させられた軌跡上で移動され、この軌跡が、その場合に、相手方カッターの実施される回転運動、即ち円弧運動との、相手方カッターの刃先に沿っての、エンドレスウェブに対して横向きのこの接触点の移動の組み合わせから与えられる。
接触点の運動は、0°とは等しくない角度におけるこれら刃先の整向によって、切断回転装置、特に切断ドラムの回転運動、即ち相対してのこれら刃先の相対的な運動との関連において達成される。基本的に従来技術と異なるこの切断工程によって、エンドレスウェブの、特に表面損傷の無い切断は、表面の極めて少ない汚染と共に実現され得る。
【0018】
相手方カッターは、別個の部材によって形成されている必要はなく、この相手方カッターが、相手方回転体、特に相手方ドラムの相応する形状賦与の形態で、1つの部材から成るように、この相手方回転体内に統合されていることも可能である。更に相手方カッターが挿入部材の一部であることも可能であり、この挿入部材が、相手方回転体、特に相手方ドラムの外周において組み付けられ、且つ、付加的な機能を有することは可能である。
相手方カッターの実現化のために、単に、相手方回転体、特に相手方ドラムにおける、鋭いエッジ部の形態での刃先の形成だけが重要であり、このエッジ部に沿って、切断回転装置、特に切断ドラムの切断カッターが、この切断カッターの刃先でもってスライドする。本発明の趣旨における相手方カッターとして、これに伴って、相手方回転体、特に相手方ドラムの部分が理解されるべきであり、この相手方カッターが別個の挿入部材として実現されているか、または、この相手方回転体、特にこの相手方ドラムと1つの部材から成るように形成されているかどうかに依存せずに、この部分に、刃先が設けられている。
【0019】
更に、点状の接触部の特徴は、純粋に、数学的な意味において理解されるべきではない。この点状の接触部は、切断カッターと相手方カッターとが切断工程の間じゅうただ極めて短い部分だけにおいて互いに当接するということによって、上記の代わりに、言葉に表現されるべきであり、この部分が、例えば、専らこの切断カッター及び/または相手方カッターの弾性的な特性だけによって、既に、幾分より長い部分へと拡大される。
切断工程のために、切断カッターと相手方カッターとが、この短い部分において互いに当接すること、および、この切断カッターとこの相手方カッターとが、この切断工程の間じゅう、これらの接触位置の長手方向移動の実施によって互いにスライドし、且つ、エンドレスウェブが、その場合に、このエンドレスウェブの長手方向延在に対して横向きに、せん断工程によって切断されることだけが重要である。
【0020】
更に、これら刃先の間の前記角度が、最大20°であることは提案される。
提案された角度領域によって、生じる切断力は、平行な刃先による解決策との比較において明確に低減された状態で、従って、セグメントの特にきれいな(sauberer)切断が達成され得、且つ、カッター摩耗が減少され得る。
【0021】
更に、前記刃先と前記刃先とが、前記点状の接触部を通って延びる切断平面内において、0°とは等しくない第1の角度において、互いに整向されていることは提案される。
提案された整向によって、上述された有利な切断工程と並んで、付加的に、エンドレスウェブの輸送運動は、理想的な場合において、エンドレスウェブを貫いての垂直方向の切断が、輸送運動の間じゅう実現され得る程に補償され得る。その際、切断平面は、相手方回転体、特に相手方ドラムの外套面に対して接線方向に配置されている平面であり、且つ、この切断平面内において、点状の接触部が配置されている。これら刃先が、点状の接触部内において互いにスライドするので、これに伴って、切断平面の位置も変化する。
直線状の切断カッターと相手方カッターとが使用される限りは、この変化は、第1の角度に対する如何なる影響力も有していない。何故ならば、この第1の角度が、直線状の刃先に基づいて、接触点の位置に依存せずに常に同じであるからである。湾曲された刃先が使用される限りは、確かに第1の角度は切断工程および刃先のスライドの間じゅう変化するが、しかしながら、この第1の角度は決して0°とは等しくない。何故ならば、切断のために必要なせん断作用が、もはや与えられていないからである。
点状の接触部が、同様にここで、数学的な意味において理解されるべきではない。このことによって、単に、刃先が、極めて短い部分だけにわたって互いに当接し、この部分が理想的な場合において点状であることが述べられているだけである。
切断カッターと相手方カッターとが、しかしながら、これらのばね弾性的な特性に基づいて、常にほんの少しだけ撓むので、切断カッターと相手方カッターとの刃先が当接することによって、点状の接触部は、常に幾分より長い接触部へと拡大される。
【0022】
更に、前記刃先と前記刃先とが、前記切断平面に対して垂直方向に、0°とは等しくない第2の角度において、互いに整向されていることは提案される。
提案された刃先の形状賦与もしくは整向によって、切断回転装置、特に切断ドラムの回転運動と、および、切断平面に対して垂直方向のこのことによって条件付けられたこれら刃先の運動とは、少なくとも、これら刃先が切断平面に対して垂直方向の運動にもかかわらず、これら刃先の点状の接触部を喪失しない程に補償され得る。
【0023】
更に、前記切断カッター、及び/または、前記相手方カッターが、ばね弾性的に支承されていることは提案される。
上述されているように、エンドレスウェブの切断は、これら刃先の点状の当接部において行われる。この接触部が如何なる場合においても失われないために、刃先と、これら刃先の切断円とは、これら刃先が、切断平面内において、少なくともほんの少しだけオーバーラップするように、寸法設定および配置されている。
このオーバーラップは、これら刃先の過剰圧力を誘起し、従って、これら刃先が、エンドレスウェブの切断の間じゅう、ある程度の押圧力を互いに対して作用する。このオーバーラップは、極端な場合には、カッター破損、または、刃先の損傷を誘起する可能性がある。
この押圧力が、他方また低減され、且つ、これと関連する刃先の損傷の確率が減少されるために、切断カッター及び/または相手方カッターは、ばね弾性的に支承されており、従って、これら刃先が、ほんの少しだけ撓み得ることによって、これら刃先の押付け力が低減される。
【0024】
選択的または付加的に、前記切断カッターの前記刃先、及び/または、前記相手方カッターの前記刃先が、凹状の形状を有していることは提案される。
過剰圧力が、同様に直線状の刃先においても、切断工程と、および、これら刃先に沿っての接触点の移動との間じゅう、先ず第一に、ゼロ、または、極めて小さな値から、最大の値に至るまで増大し、且つ、引き続いて、再び低下することが判明した。刃先の凹状の形状賦与によって、この効果は、少なくとも部分的に補償され得、且つ、従って、これら刃先の過剰圧力、および、これと関連するこれら刃先の損傷確率が低減される。
【0025】
更に、前記相手方カッターが、当接面内において配置されており、
この当接面に、前記エンドレスウェブと、このエンドレスウェブから切断された前記セグメントとが当接すること、および、
この当接面内において、前記相手方カッターの一方の側において、窪み部が設けられていることは提案される。
当接面内における窪み部によって、切断回転装置、特に切断ドラムの切断カッターは、相手方カッターの刃先の側方で、窪み部内へと、および、これに伴って、切断平面を通り抜けて、エンドレスウェブ内へと、もしくは、このエンドレスウェブの端部とこのエンドレスウェブから切断されたセグメントとの間の分離線内へと、没入可能である。
更に、窪み部によって、付加的なスペースが提供され、このスペース内において、切断されたセグメント、もしくは、エンドレスウェブの既に切断された部分は、切断工程の間じゅう、収容され得る。これに伴って、切断された部分は、更なる切断工程をもはや妨害しない。
更に、切断されたセグメントは、その窪み部内に、少なくとも部分的に収容され得、従って、この切断されたセグメントが、この部分内において、更なる外側の影響から改善された状態で保護されている。更なる利点は、切断されたセグメントと、エンドレスウェブとの切断エッジ部が、場所に関して、相互に分離され得、これに伴って、例えば、互いに別個に洗浄され得ることの点にある。
【0026】
その際、前記窪み部は、有利には、底面を有しており、
この底面が、前記当接面の長手方向に、前記窪み部によって窪められた、前記当接面の部分よりも大きな長さを有している。
セグメントがこのセグメントの自由な端側面によって切断カッターの側面との接触状態に至ること無しに、窪み部の提案された寸法設定により、切断されたセグメントは、その窪み部内に没入可能である。このことによって、切断されたセグメントの損傷確率は低減され得、且つ、品質を損なうことが無いように大切に取り扱う切断が実現され得る。
更に、このことによって、切断された端部が切断カッターとの可能な接触でもって切断塵埃によって汚染されることは、防止され得る。
【0027】
更に、前記相手方カッターの一方の側において、
負圧によって作用可能な、少なくとも1つの圧力空気開口部が設けられていることは可能であり、このことによって、
切断されたセグメントが更に別の処理のためにこの圧力空気開口部から取り去られるまで、この切断されたセグメントが吸引され、且つ、切断カッターの一方の側において保持される。
【0028】
その際、前記圧力空気開口部が、有利には、前記窪み部内において配置されていることは可能であり、従って、
切断されたセグメントが、圧力空気導管を介して、窪み部の壁部、特に窪み部の底面へと吸引され、且つ、これに伴って、能動的に切断ゾーンから外へと移動される。
【0029】
更に、前記相手方カッターが、前記切断回転装置、特に切断ドラムの回転運動に関して反対に整向された回転運動で駆動される相手方回転体、特に相手方ドラムに配置されていることは提案される。
提案された更なる発展形において、切断カッターと相手方カッターとは、切断平面の通過の際に、供給されたエンドレスウェブの移動の方向に同じ方向に整向された運動を有している。切断工程のために、相手方カッターの刃先に対する、切断カッターの刃先の相対的な運動だけが重要であるので、このことによって、切断速度は、同時にエンドレスウェブの高い輸送速度の際に低減され得、従って、切断品質が、同時に高い製造レートの際に改善され得る。
【0030】
その際、刃先の間の相対的な速度は、極めて容易に、
前記切断回転装置、特に前記切断ドラム、および、相手方回転体、特に相手方ドラムが、それぞれに、前記刃先の異なる周速を有する回転運動によって駆動されることによって、実現され得る。
【0031】
更に、前記切断回転装置、特に前記切断ドラムおよび、相手方回転体、特に相手方ドラムが、それぞれに、互いに別個の駆動装置によって駆動可能であることは提案される。
この解決策の利点は、切断カッターと相手方カッターとの駆動運動が、このことによって、この駆動運動が全ての切断幅にわたって切断工程の間じゅう同一の力によって、点状の接触部で互いに当接するように、制御され得ることの点にある。これら駆動装置は、その場合に、特に、切断カッターが、最大の力によって、相手方カッターに対して当接されるように制御され得、この力が、この切断カッター及び/またはこの相手方カッターとが破砕しない程に量定されている。
【0032】
更に、前記切断回転装置、特に前記切断ドラムの前記切断カッターの領域内において、及び/または、前記相手方カッターの領域内において、吸引装置が設けられていることは提案される。
吸引装置によって、セグメントの切断の際に遊離させられた切断微粒子は、吸引され得る。切断カッターまたは相手方カッターの領域内における吸引装置の配置に基づいて、切断微粒子は、その場合に、直接的に、もしくは、可能な限り、これらの発生場所の近傍で吸引され得る。
その場合に、切断回転装置、特に切断ドラムの回転運動の際に、および、
相手方回転体、特に相手方ドラムにおける相手方カッターが配置されている限りは、同様に相手方回転体、特に相手方ドラムの回転運動の際に、生成される空気流動は、付加的に、吸引装置に向かっての切断微粒子の移動を補助することのために利用され得る。
【0033】
更に、加熱装置が設けられており、
この加熱装置を用いて、前記切断カッター及び/または前記相手方カッターが、少なくとも、前記切断カッター及び/または前記相手方カッターの前記刃先の領域内において、加熱可能であることは提案される。
提案された加熱装置、および、このことによって生起される刃先の加熱によって、点状の接触部を通って生成される機械的な切断は、熱切断によって補足され、このことによって、きれいな切断が達成され得る。その際、特に脱落(Ausbrueche)およびバリ発生は減少され得、且つ、セグメントが、一般的に少ししか損傷されない。
加熱装置は、その際、刃先が、約600℃の温度へと加熱されるように構成されている。このことによって、アノード材料、カソード材料、または、セパレーター材料は、少なくとも合成物質構成要素の周囲内において容易に溶融され、且つ、平滑な切断エッジ部を生成する。それに加えて、セグメントの被覆部の結合された構成要素は、剥離することを阻止される。
それに加えて、刃先の加熱によって、作用する切断力のもとでのセグメントの押し退けは、エンドレスウェブ内へのこれら刃先の侵入がこのエンドレスウェブの溶融によって補助され且つ付与されるべき機械的な切断力が減少されることによって低減され得る。
【0034】
本発明を、以下で、有利な実施形態に基づいて、添付された図との関連のもとで詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】切断ドラムの形態での切断回転装置と、相手方ドラムの形態での相手方回転体とを有する、本発明に従う切断装置の図である。
【
図2】切断カッターと相手方カッターとを有する、切断装置の拡大された部分図である。
【
図3】過剰圧力による、切断ドラムと相手方ドラムとの刃先の拡大図である。
【
図4】相手方ドラムの回転角度に対する、刃先の過剰圧力の図である。
【
図5】相手方ドラムとばね弾性的に支承された切断カッターとを共に示した、切断ドラムの図である。
【
図6】窪み部を有する、相手方ドラムの拡大された部分図である。
【
図7】窪み部とアンダーカット部とを有する、相手方ドラムの拡大された部分図である。
【
図8】第1の実施例に従う、相手方ドラムと受け取りドラムとの図である。
【
図9】第2の実施例に従う、相手方ドラムと受け取りドラムとの図である。
【
図10】窪み部を有する相手方ドラムを共に示した切断ドラムの図である。
【
図11】窪み部を有する相手方ドラムと、この窪み部内において配置された圧力空気開口部を共に示した切断ドラムの図である。
【
図12】窪み部と吸引装置とを有する相手方ドラムを共に示した切断ドラムの図である。
【
図13】窪み部と旋回要素とを有する相手方ドラムを共に示した切断ドラムの図である。
【
図14】第1の位置における旋回要素を有する相手方ドラムを共に示した切断ドラムの図である。
【
図15】第2の位置における旋回要素を有する相手方ドラムを共に示した切断ドラムの図である。
【
図16】周囲方向における、相手方ドラムの相手方カッターを共に示した、切断ドラムの切断カッターの拡大図である。
【
図17】周囲方向に対して垂直方向における、相手方ドラムの相手方カッターを共に示した、切断ドラムの切断カッターの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1および2内において、切断ドラム1の形態の、矢印方向に、時計方向とは反対に駆動される切断回転装置と、時計方向に、矢印方向に駆動される相手方ドラム2の形態の、相手方回転体とを有する本発明に従う切断装置が認識可能である。切断ドラム1と相手方ドラム2とは、この切断ドラム1の外套面12とこの相手方ドラム2の外套面14との間に中間スペース6が存在するように配置されており、この中間スペース内において、切断されるべき材料のエンドレスウェブ5が供給される。
明細書導入部内において説明されているように、エンドレスウェブ5は、エネルギーセルのための、カソード材料またはアノード材料を有する、または、セパレーター材料を有する、ウェブによって形成されている。
更に、エンドレスウェブ5が、同様に、セパレーター材料と、および、このセパレーター材料の上に載置された、アノード材料またはカソード材料から成るセグメントとから成る、多層状の複合ストリップによって形成されていることも可能であり、その際、アノード材料またはカソード材料のこれらセグメントが、先行するステップにおいて、同一の切断装置によって、エンドレスウェブから切断されていることは可能である。
【0037】
エンドレスウェブ5は、相手方ドラム2の外套面14によって形成された当接面19に当接しており、且つ、この相手方ドラム2の回転運動によって、中間スペース6内へと供給される。その際、エンドレスウェブ5が、専らウェブ張力だけによって保持されているか、または、付加的または選択的に、同様に負圧装置によって相手方ドラム2において保持されることも可能である。
【0038】
切断ドラム1において、刃先9を有する半径方向に突出する切断カッター3が配置されており、その際、回転方向に関して、切断カッター3に対して上流側に、窪み部13が、切断ドラム1の外套面12内において、切断カッター3における片側の空きペースの形成のために設けられている。
切断カッター3は、この切断カッターの半径方向に突出する配置に基づいて、この切断カッターの上流側に配置された側面において、自由な刃先9を有しており、切断ドラム1の基礎本体に対するこの刃先の間隔が、窪み部13によって更に拡大されている。
【0039】
相手方ドラム2において、相手方カッター4が設けられており、この相手方カッターは、この相手方カッターの半径方向の外側面が、外套面14もしくは当接面19と同一の半径で配置されているように配置されている。相手方カッター4は、これに伴って、外套面14および当接面19と共に、連続的な、段差の無い外側面を形成し、この外側面において、エンドレスウェブ5が、半径方向に外側で当接している。
更に、相手方ドラム2の回転方向に関して、相手方カッター4に対して下流側に、窪み部10が、当接面19内において設けられており、従って、相手方カッター4が、この相手方カッターの下流側に配置された側面において、自由な刃先8を有している。
相手方カッター4が、別個の、相手方ドラム2に依存しない部材として形成されていることは可能であり、従って、摩耗または破損の後、交換され得る。相手方ドラム2がこの相手方ドラムの外套面14において、刃先8へと成形されることによって、相手方カッター4が、しかしながら同様に、相手方ドラム2と1つの部材から成るように形成されていることは可能である。
その際、刃先8が、相手方ドラムの挿入部材の一部であることも可能であり、この挿入部材が、既に窪み部10を有しており、且つ、それに加えて、付加的な機能を満たすことは可能である。換言すれば、相手方カッター4は、刃先8の形成と並んで、付加的な機能の実現のための付加的な形状を有することは可能である。
【0040】
説明された実施例において、切断ドラム1と相手方ドラム2とにおいて、それぞれに1つの切断カッター3と相手方カッター4とが図示されており、このことによって、しかしながら、この切断ドラム1とこの相手方ドラム2とにおいて、同様に外周にわたって分配されて配置された複数の切断カッター3と相手方カッター4とが設けられていることは、排除されていない。
逆に、そのことによって予め定められた長さを有するセグメント7の切断のためにより有利な切断状況が達成され得る場合、切断ドラム1と相手方ドラム2との外周にわたって、均等に分配されて配置された、複数の切断カッター3と相手方カッター4とを設けることは、その上更に有効であり得る。
例えば、100mmの長さのセグメント7が切断される必要がある限りは、相手方カッター4は、その場合に、これら相手方カッターが、相手方ドラム2の外套面14を、外周部分において、それぞれに100mmの円弧長さによって分割するように配置されている。その際、相手方カッター4の数は、供給されるエンドレスウェブ5の輸送速度と、相手方ドラム2の回転数とに調和されている。
【0041】
切断ドラム1と相手方ドラム2とは、反対方向に整向された回転運動をするように駆動され、従って、これら切断ドラムと相手方ドラムとが、これらの外套面12および14によって、中間スペース6の通過の際に、同じ方向に整向された運動を実施し、この運動が、相手方ドラム2の上で供給されるエンドレスウェブ5の方向に相応する。切断ドラム1と相手方ドラム2とは、その際、それぞれに異なる周速を有する回転運動をするように駆動され、従って、切断カッター3と相手方カッター4とが、中間スペース6の通過の際に、相互に相対的な運動を実施する。
このことは、有利には、切断ドラム1と相手方ドラム2とが同一の回転数でもって駆動されることによって、および、循環する刃先8および9の切断円が異なる直径を有していることによって達成される。その際、切断カッター3の刃先9を有する切断ドラム1は、相手方ドラム2に相手方カッター4の刃先8よりも大きな切断直径を有しており、従って、切断カッター3の刃先9の周速が、相手方カッター4の刃先8の周速よりも大きい。
同一の回転数と、切断円の異なる直径とに基づいて、刃先8および9は、相応する同期化された運動の際に、それぞれの循環において一度遭遇し、且つ、その際、引き続いて更により詳細に説明される、エンドレスウェブ5の切断運動を実施する。
【0042】
切断カッター3は、相手方カッター4の刃先8が、中間スペース6の通過の際に、点状の接触部Sで、この切断カッター3の刃先9に当接するように、切断ドラム1に配置されている。この目的のために、
図17内においても認識可能であるように、切断ドラム1の切断カッター3の刃先9は、相手方カッター4の刃先8に対して、0°とは等しくない第1の角度αにおいて、有利には0から20°の角度αにおいて、点状の接触部Sを通って刃先8の運動に対して接線方向に延びる切断平面I内において整向されている。
刃先8および9が、切断カッター3及び/または相手方カッター4のばね弾性的な特性に基づいて、少なくともほんの少しだけ撓むので、これら刃先8および9は、数学的な点状の接触部Sで互いに当接しない。点状の接触部Sは、上記の代わりに、刃先8および9の可撓性によって、ほんの少しだけ延長される。
【0043】
更に、
図16内においても認識可能であるように、切断カッター3の刃先9は、この刃先9が、0°とは等しくない第2の角度βにおいて、切断平面II内において延びており、この切断平面が、点状の接触部Sを通って、且つ、刃先8の運動に対して垂直方向に、即ち、切断平面Iに対して垂直方向に延びているように、相手方カッター4の刃先8に対して整向されている。
【0044】
相手方カッター4の刃先8は、相手方ドラム2の回転軸線に対して平行に、且つ、この相手方ドラム2の上で保持されているエンドレスウェブ5の長手方向に対して垂直方向に、および、これに伴って、相手方ドラム2の外套面14の外周運動、および、エンドレスウェブ5の供給運動に対しても、垂直方向に整向されている。
【0045】
相手方カッター4の刃先8に対する、切断カッター3の刃先9の上述された傾斜位置に基づいて、切断カッター3は、刃先9によって、相手方カッター4の刃先8との点状の接触当接状態になり、且つ、その際、相手方カッターの刃先に当接するエンドレスウェブ5を切断する。
相手方ドラム2の相手方カッター4の刃先8が、切断ドラム1の切断カッター3の刃先9よりも小さな周速によって運動されるので、切断カッター3の刃先9の点状の接触部Sは、相手方カッター4の刃先8に沿って、この相手方カッター4の刃先8の長手方向にスライドし、且つ、その際、エンドレスウェブを、相手方カッター4の刃先8の幾何学的形状に相応する切断線において切断する。
相手方ドラム2の相手方カッター4は、エンドレスウェブ5の長手方向に対して垂直に整向されており、従って、この切断によって、エンドレスウェブ5から、垂直の切断エッジ部を有する1つのセグメント7が切断される。この切断は、その際、せん断原理に従い、連続的なステップにおいて、エンドレスウェブ5の長手方向延在に対して横向きに行われ、このことによって、極めてきれいな、且つ、形状精確な、セグメント7の切断エッジ部が実現され得る。
【0046】
その際、切断平面I内における、刃先8に対する刃先9の傾斜位置は、異なる周速によって実現される相対してのこれら刃先8および9の相対的な運動との関連において、点状の接触部Sで、相手方カッター4の刃先8に沿っての、切断カッター3の刃先9の側方のスライドを生起する。
切断平面II内における刃先9の傾斜位置によって、スライドは、更に相手方カッター4の刃先8の円運動によって条件付けられた、切断ドラム1に対する刃先8の間隔減少の補償のもとでも可能にされる。その際、相手方カッター4の下流側に設けられた窪み部10は、切断ドラム1の切断カッター3が、切断運動の間じゅう、相手方カッター4に対して下流側で、半径方向に内方へと、相手方ドラム2の外套面14の仮想の延長を通って没入可能であることを可能にする。
これに伴って、エンドレスウェブ5を貫いての垂直方向の切断が結果として生じ、この切断が、スペース内における湾曲された切断線上で延びる切断点Sによって実現されており、その際、この切断線が、エンドレスウェブ5に対して横向きの運動と、円弧部分上での運動との組み合わせによって実現されている。切断運動の円弧部分は、エンドレスウェブ5の最初の切断接触部から開始し、このエンドレスウェブ5の完全な切断に至るまでの、相手方ドラム2の回転角度に相応する。
セグメント7の切断された端部の没入によって、切断されたセグメント7の切断エッジ部と、相手方ドラム2において未だに当接するエンドレスウェブ5の端部とは、空間的に互いに分離され、このことによって、切断面を、吸引によって、より合目的に清掃することは可能にされる。それに加えて、相手方カッター4において付着している切断塵埃は、セグメント7の材料エッジ部において掻き取られず、且つ、エンドレスウェブ5を汚染すること無しに、切断カッター3および相手方カッター4のカッター洗浄が、最大の離間において、有利には相手方ドラム2および切断ドラム1の180°だけ回転された位置において行われ得る。
【0047】
両方の刃先8および9が、切断運動の間じゅう、点状の接触部Sで、互いに当接しているので、エンドレスウェブ5の一部は、完全な切断に至るまで、切断線を越えて、依然として結合されている。更に、エンドレスウェブ5は、切断の後、このエンドレスウェブの自由な端部によって、無段式に相手方ドラム2の外套面14に移行する相手方カッター4の外側面に当接している。エンドレスウェブ5のこの自由な端部は、その場合に、次いで切断されるセグメント7の第2の端部を形成する。
【0048】
セグメント7の切断は、ここで、エンドレスウェブ5に対して垂直方向に、および、相手方ドラム2の回転軸線に対して平行に整向された、相手方カッター4の刃先8によって実現されており、このことは、それ故に有利である。何故ならば、このことによって、第1に、垂直方向の切断が、エンドレスウェブ5を貫いて実現され得、且つ、第2に、外套面14において当接するエンドレスウェブ5が、自体、このエンドレスウェブの長手方向軸線を中心として旋回されないからである。
しかしながら、切断がそのことを必要とする、または、この切断がそのことによって更に改善される限りは、相手方カッター4の刃先8を、外套面14に接するまたは垂直方向に切断する平面に関して、相手方ドラム2の回転軸線に対して角度をなして配置することも、考慮可能である。
【0049】
図17内において、刃先8および9の幾何学的形状が、上からの注視の方向における切断平面Iに沿っての断面内において認識され得る。刃先8と9とは、約2から5°までの第1の角度αにおいて、互いに整向されており、且つ、このことによって、後続の循環運動の間じゅう、点状の接触部Sで、互いに当接の状態になる。
図16内において、第2の角度βが認識され得、この第2の角度βは、ここで、約2から5°までの値である。刃先8および9は、このことによって、先ず第一に、一方の側で、点状の接触部Sで、互いに当接の状態になる。
切断ドラム1および相手方ドラム2の更なる循環運動の間じゅう、切断カッター3の刃先9は、相手方カッター4の刃先8に沿ってスライドし、且つ、その場合に、エンドレスウェブ5の切断運動を実施し、その際、第2の角度βによって、刃先8および9のその場合に変化する間隔が補償される。
【0050】
切断ドラム1と相手方ドラム2との回転運動は、両方の刃先8および9が、上述された経過に従う循環の間じゅう、点状の接触部Sで、互いに当接の状態となり、且つ、エンドレスウェブ5が切断されるように、互いに調和されている。
切断工程は、強制的に1つの接触部を必要とする。何故ならば、せん断運動が、さもなければ、中断され得るかまたはきれいに実施されず、このことによって、セグメント7の切断品質が低下されるからである。
【0051】
この接触部が失われないために、切断ドラム1と相手方ドラム2との運動は、刃先8および9の整向および配置との関連において、
図3内において認識され得るように、切断カッター3が、過剰圧力UEでもって相手方カッター4の刃先8との当接状態にあるように、構成されている。
切断カッター3は、このことによって、圧力を相手方カッター4に対して、および、逆に、相手方カッター4が、圧力を切断カッター3に対して作用する。そのことが
図3内において示されているように、過剰圧力UEは、もちろん、相手方カッター4が、この相手方カッターの刃先8でもって、切断カッター3の刃先9内へと食い込むことを誘起しない。
この図は、過剰圧力UEの原理をより判りやすくしているだけである。上記の代わりに、切断カッター3及び/または相手方カッター4は、前記切断カッター及び/または相手方カッターのばね弾性的な特性の利用のもとで、軽度に押し退けられ、このことによって、その他の点では、同様に点状の接触部Sが幾分延長される。
図4内において、100mmのエンドレスウェブ5の切断幅sに関する、相手方カッター4の回転角度εに対する過剰圧力UEの経過が、認識され得る。更に、エンドレスウェブ5の切断幅に対して相対的な過剰圧力UEが認識され得る。グラフ内における回転角度ε=0°は、切断運動の開始に相応する。過剰圧力UEは、切断運動の開始時に、凸状の経過において、最大の値に至るまで増大し、且つ、次いで再び降下する。
【0052】
過剰圧力UEは、切断カッター3および相手方カッター4の弾性的な運動を誘起し、且つ、その際に塑性的な変形限界が局部的に超過される限りは、極端な場合には、カッター破損、または、刃先8または9の内の1つの刃先の損傷を誘起する。この作用に対抗するために、刃先8および9、または、同様に刃先8または9の内の1つの刃先だけが、軽度に凹状に、即ち内方へと湾曲されていることは可能であり、その際、この凹状の形状が、理想的に、測定された凸状の過剰圧力UEの凹状の形状に相応している。
刃先8および9の接触部が切断工程の間じゅう失われること無しに、刃先8または9のこの凹状の形状によって、過剰圧力UEの最大の値が低減されること、および、理想的な場合において、均等化されることは可能である。結果として、刃先8および9に対して作用する力は低減され得、且つ、これに伴って、切断カッター3および相手方カッター4の損傷確率が低減され得る。
更に、切断カッター3および相手方カッター4、もしくは、これらの刃先8および9の損傷は、この切断カッター3および相手方カッター4のためのばね弾性的な材料の使用によっても回避され、従って、これらが、少なくともほんの少しだけ撓むことは可能である。
【0053】
図5内において、本発明の1つの実施形態が認識され得、この実施形態において、相手方カッター4において、相手方ドラム2の回転運動に対して上流側に、それぞれに1つの窪み部10が配置されており、従って、相手方カッター4の自由な刃先8が、上流側に配置された、相手方カッター4の側面に配置されている。切断ドラム1の切断カッター3は、ここで、この切断カッターの自由な刃先9が、切断ドラム1の回転方向に対して下流側に配置されているように、配置されている。
切断工程は、ここで、切断カッター3と、この切断カッターに配置された刃先9とを有する切断ドラム1が、相手方ドラム2の相手方カッター4よりも高い周速で駆動されることによって行われ、従って、切断カッター3が、この切断カッターの刃先9によって、それぞれの相手方カッター4の刃先8に沿ってスライドし、且つ、エンドレスウェブ5を、上述された原理に従い切断する。
【0054】
更に、切断ドラム1の切断カッター3は、ばね15によって、ばね弾性的に支承されており、従って、切断カッター3が回避運動を実施可能であることによって、刃先8と刃先9との間で作用する切断力が低減される。このことによって、カッター破損の形態での損傷確率が増大されること無しに、より剛性の切断カッター3が使用され得る。切断カッター3のばね弾性的な支承によって、刃先8および9の上述された過剰圧力UEは、これら刃先がこれら刃先の接触部を喪失すること無しに減少され得る。
切断工程を調整するために、むしろ、ばね15の意図されたばね力、および、これらばねの配置によって、更に別の設計パラメータが使用される。切断カッター3と相手方カッター4とが、異なる駆動装置によって、互いに依存せずに駆動される限りは、切断カッター3と相手方カッター4との駆動運動を、作用するばね力に依存して制御することも可能である。このことによって、予め定められた切断力の超過と、このことによって条件付けられた、可能なカッター破損とは、防止され得る。
刃先8および9の異なる周速は、ここで、同一の回転数と、この刃先8および9の異なる切断円直径とによって実現されている。切断ドラム1と相手方ドラム2とが、異なる駆動装置によって、即ち、個別駆動装置によって駆動される限りは、切断ドラム1と相手方ドラム2との回転数を、異なって、および、個々に制御すること、および、このことによって、付加的に、刃先8および9の相対的な速度を、切断工程の間じゅう、制御すること、もしくは、引き起こすことも、考慮可能である。特に、このことによって、刃先8および9の過剰圧力UEは、刃先8および9の負荷が減少され、且つ、可能なカッター破損が回避されるように制御され得る。
【0055】
図6内において、
図1および2内において示された実施例の、相手方ドラム2と相手方カッター4との、拡大された部分図が示されている。当接面19内における窪み部10は、この窪み部の底面17が、相手方ドラム2の周囲方向に、窪み部10によって半径方向に外方に中断された、当接面19の部分20よりも大きな長さ21を有するように成形されている。
これに伴って、エンドレスウェブ5から切断されたセグメント7は、その際にこのセグメントの自由な端側面18によって相手方カッター4の側面が接触する、もしくは、この側面において掻き取ること無しに、示された上側の位置から、窪み部10内へと没入可能である。このことによって、セグメント7の損傷の確率は減少され、且つ、このセグメント7の品質を損なうことが無いように大切に取り扱う切断が可能とされ得る。更に、このことによって、切断微粒子による切断されたセグメントの汚染は、回避され得る。
【0056】
図7内において、相手方カッター4に、付加的に、窪み部10を相手方カッター4内へと拡大するアンダーカット部16が設けられており、このアンダーカット部によって、切断されたセグメント7の自由な端側面18と相手方カッター4に側面との間の空きスペースが、窪み部10内への没入の際の、相手方カッター4とのセグメント7の接触部の回避のために、更に拡大され得る。
【0057】
図8と9内において、相手方ドラム2が、受け取りドラム22を有するそれぞれに異なる2つの実施形態において、相手方ドラム2の上のそれぞれ1つのセグメント7と、および、この受け取りドラム22によって受け取られたセグメント7と共に、認識され得る。
図8の実施例において、窪み部10は、相手方ドラム2の回転運動に関して、相手方カッター4に対して上流側に、
図5の実施例に相応して、配置されており、従って、拡大された間隔Aが、相手方カッター4の上流側で、受け取りドラムによるセグメント7の受け取りのための受け取りドラム22に対して与えられる。
【0058】
図9内において、窪み部10は、相手方ドラム2の回転運動に関して、相手方カッター4に対して下流側に、
図1および2に相応して配置されている。
既に上述されているように、セグメント7の端部は、エンドレスウェブ5の先行する切断に基づいて、相手方ドラム2の相手方カッター4の外側面に当接し、且つ、この端部を出発点として、受け取りドラム22によって受け取られる。この配置に基づいて、セグメント7の受け取りのために、セグメント7の端部が当接している相手方カッター4の外側面と、受け取りドラム22との間の、克服されるべき著しく少ない間隔Aが与えられ、このことによって、セグメント7の受け取りは、それ自体で、よりプロセス信頼性を有して、且つ、より容易に構成され得る。
このより少ない間隔Aに基づいて、特に、受け取りドラム22の上でのセグメント7の予め定められた載置位置は、より再現可能に、且つ、より精確に維持され得る。
【0059】
図10内において認識され得るように、切断カッター3と相手方カッター4との間の、エンドレスウェブ5の切断は、このエンドレスウェブ5が、一方の側において、ここで前方の側において、先ず第一に切断され、且つ、これに伴って、一時的に、既に切断された部分と共に、自由に空気中で懸吊されることを誘起する。このことによって、切断ドラム1の切断カッター3、または、相手方ドラム2の相手方カッター4が、コントロール不能に上記自由に懸吊する部分と衝突し、且つ、このことによって、この自由に懸吊する部分を損傷することの危険が存在する。
この欠点の回避のために、
図11の実施例に従い、窪み部10の底面17内において、負圧によって作用可能な複数の圧縮空気開口部11が設けられており、これら圧力空気開口部が、エンドレスウェブ5もしくはセグメント7の、既に上述された部分を、底面17に対する当接の状態に吸引し、且つ、これに伴って、能動的に切断ゾーンから離れるように移動する。このことによって、切断ドラム1の、窪み部10内へと没入された切断カッター3との、セグメント7の切断された部分の接触は、防止され得る。
圧力空気開口部11は、その際、全て同時に、負圧によって作用され得る。しかしながら、圧力空気開口部11が、制御された状態で時系列的な順序において、負圧によって作用されることも考慮可能である。
従って、先ず第一に切断されるエンドレスウェブ5のエッジ部に配置されている圧力空気開口部11が先ず第一に負圧によって作用され、且つ、次いで、更に別の圧力空気開口部11が、時系列的にずらされて、連続的な順序において、負圧によって作用されることによって、圧力空気開口部11が、例えばこれら圧力空気開口部11がエンドレスウェブ5の切断工程に相応して負圧によって作用されるように、負圧によって作用されることは可能である。
圧力空気開口部11は、これに伴って、エッジ部を出発点として、順々に、側方に移動する接触部Sに後続して、負圧によって作用され、従って、専らエンドレスウェブ5もしくはセグメント7の既に切断された部分だけが、負圧によって作用され、且つ、窪み部10の底面17に吸引される。このことによって、エンドレスウェブが切断される以前に、このエンドレスウェブ5が、負圧作用によって、コントロール不能に引き裂かれることは防止され得る。
【0060】
図12内において認識され得るように、付加的に、吸引装置23が設けられていることは可能であり、この吸引装置が、エンドレスウェブ5の切断によって生成した切断塵埃を吸引する。その際、窪み部10内において設けられた圧力空気開口部11が、切断塵埃の吸引のために利用されることも可能である。
吸引装置23が、マーク付けされた位置に設けられた、複数のまたは単独の吸引開口部を備えていることは可能であり、これら吸引開口部が、それに加えて、切断ドラム1と相手方ドラム2との回転運動によって生成される空気流動がこれら吸引開口部へと切断塵埃の輸送を補助するように、位置決めされていることは可能である。これら吸引装置23は、切断ドラム1または相手方ドラム2と共に連行され、且つ、その場合に、接続部を介して固定式の吸引装置23と結合されている。
専ら固定式の吸引装置23だけを設けることも考慮可能であり、この固定式の吸引装置が、その場合に、この固定式の吸引装置が、生成する切断塵埃を、局部的に、切断装置の所定の切断位置から吸引するように整向されており、その際、切断ドラム1と相手方ドラム2との回転運動が、他方また、吸引装置23への切断塵埃のための付加的な搬送作用を有していることは可能である。
【0061】
図13内において、更に発展させられた実施例が認識され得、この実施例において、窪み部10内において、付加的に、旋回要素24が設けられている。旋回要素24は、この旋回要素の、相手方カッター4から離れた端部において、相手方ドラム2の回転軸線に対して平行に整向された旋回軸線を中心として、旋回可能に支承されており、且つ、この旋回要素の自由な、旋回可能な端部によって、窪み部10内へと突出している。
旋回要素24は、切断工程の間じゅう、窪み部10内へと旋回されており、従って、上述された利点を有する切断エッジ部が分離され、且つ、この切断工程が、上述された経過に相応して行われ得る。旋回要素24は、その場合に、相手方ドラム2の更なる循環の際に初めて、相手方ドラム2に対して、
図14内において示された引渡し位置の到達に至るまで、相手方ドラム2の回転軸線に対して平行に整向された旋回軸線を中心として、この旋回要素の自由な端部によって、半径方向に外方へと旋回される。
このことによって、上述された利点を有する受け取りドラム22によっての、セグメント7の受け取りのための、克服されるべき間隔Aは、減少され得る。同じ利点は、
図15内において認識され得るように、受け取りドラム22において設けられた旋回要素24によっても達成され得る。
【0062】
切断カッター3と相手方カッター4との、刃先8および9は、別個の、または、同様に中央の加熱装置によって、約600℃へと加熱可能であり、このことによって、切断品質が更に改善され得る。そのことが、切断のために必要であるか、または、十分である限りは、刃先8および9が、切断されるべきセグメント7の材料に依存して、より低い温度へと加熱することも考慮可能である。
如何なる場合においても、刃先の加熱との関連におけるこれら刃先8および9の上述されたスライドによる、機械的な切断の組み合わせにより、セグメント7の改善された熱機械的な切断は、実現され得る。
【国際調査報告】