(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】自動ドアあるいは自動ゲートのためのセンサ、およびそのようなセンサを有する自動ドアあるいは自動ゲート
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20240723BHJP
E05F 15/74 20150101ALI20240723BHJP
G02B 26/12 20060101ALI20240723BHJP
G01S 17/42 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G01S7/481 A
E05F15/74
G02B26/12
G01S17/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501659
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 EP2022069801
(87)【国際公開番号】W WO2023285624
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021118240.9
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510326751
【氏名又は名称】ビーイーエー エス.エー.
【氏名又は名称原語表記】BEA S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】クライン,ジャン-フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ザンボン,アラン ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ルナエール,エリック ジャン エルマン マリー レオン
(72)【発明者】
【氏名】ルフェーヴル,ベンジャミン ジャック シャルル フェルナンド
【テーマコード(参考)】
2E052
2H045
5J084
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052BA06
2E052EA15
2E052EB01
2E052EC02
2E052GA06
2E052GB06
2E052GD07
2E052HA01
2H045AA04
2H045AA33
2H045BA22
5J084AA05
5J084AD01
5J084BA03
5J084BA20
5J084BA50
5J084BB02
5J084BB26
5J084CA03
(57)【要約】
本発明は、自動ドアまたは自動ゲートのためのセンサ(10、40)に関するものであり、回転ミラー(12、42)は少なくとも3つの異なる発光ミラー面を有し、回転軸は基準面に対して垂直であり、特定のビーム幅を有する赤外線パルスを発生する少なくとも1つの光パルス発生ユニット(18a、18b、68a、68b)を有し、発光光路(20a、20b)は、発光パルスがミラー面(14a~14e、46a~46c)によって反射され得るように具現化され、発光光路(20a、20b)は発光パルスの入射パルス方向を規定し、反射パルスは走査フィールド内の物体によってエコーバックされることができ、エコーされたパルスは、受光ミラー面(16a~16e)によって反射され、エコーされたパルスの発光パルスが最初にどの発光光路(20a、20b)に送られたかを区別することができる。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ドアまたは自動ゲートのためのセンサ(10、40)であって、前記センサ(10、40)は、パルスエコー評価に基づいて動作し、
回転ミラー(12、42)を備え、前記回転ミラー(12、42)は、少なくとも3つの異なる発光ミラー面を有し、回転軸が基準面に対して垂直であり、
特定のビーム幅を有する赤外線パルスを発生する少なくとも1つの光パルス発生ユニット(18a、18b、68a、68b)を備え、前記パルスが2つの異なる発光光路(20a、20b)に沿って送られ、各光路(20a、20b)が少なくとも1つの光学部品(18a、18b、68a、68b、72a、72b)を有し、
前記発光光路(20a、20b)は、発光パルスがミラー面(14a~14e、46a~46c)によって反射され得るように具現化され、前記発光光路(20a、20b)は前記発光パルスの入射パルス方向を規定し、
反射されたパルスが走査フィールドを確立し、前記反射されたパルスの方向の各々が、前記基準面(R)への投影によって反射ビーム投影を定義し、
前記発光光路(20a、20b)は配置されて入射ビームの投影間の角度(IA)、すなわち前記入射パルス方向の前記基準面への投影、が30°から160°の間であり、
さらに、前記回転軸(A)は、交差面(P)と、光路に沿って見て前記回転ミラーに最も近い位置にある前記光学部品との間のこれらビーム投影の二等分線(BS)上にあり、
前記回転ミラー(12、42)および前記ミラーの前記回転軸(A)は、両入射光路からの反射ビーム投影(22a、22b)の各々が少なくとも前記二等分線(BS)に平行であるかあるいは走査フィールドの側で前記二等分線(BS)を横切ることさえある最も内側の最内反射パルス(IB)を有するように、設定され、
前記走査フィールドは2つの最も外側の最外反射パルス(OBa、OBb)によって区切られ、前記2つの最外反射パルス(OBa、OBb)の間の前記走査フィールドが150°を超える角度範囲を有し、
前記回転ミラー(12、42)は発光ミラー面(14a~14e、46a~46c)と同量の受光ミラー面(16a~16e)を有し、
前記反射パルスは前記走査フィールド内の物体によってエコーバックされることができ、前記エコーされたパルスは、前記受光ミラー面(16a~16e)によって反射され、次に受光器(26a、26b、62a、62b)によって受光され、前記エコーされたパルスの前記発光パルスが最初にどの発光光路(20a、20b)に送られたかを区別することができる、センサ(10、40)。
【請求項2】
回転軸(A)を中心に回転する前記発光ミラー面(14a~14e)は、前記基準面に対して異なる傾斜を有する少なくとも2つの面(14a~14e)を有することを特徴とする、請求項1に記載の自動ドアのためのセンサ(10)。
【請求項3】
0°面を除く面(14a~14e)が枢軸線を有し、当該枢軸線を中心に前記面が傾斜し、前記枢軸線は前記面と同じ高さにあることを特徴とする、請求項1または2に記載の自動ドアのためのセンサ(10)。
【請求項4】
前記センサ(40、60)は、前記発光パルスのために透明な湾曲窓(28、58)を有するハウジングを備え、前記湾曲窓は、開始角度位置(30a、60a)から終了角度位置(30b、60b)まで延び、前記回転軸(A)は前記開始角度位置(30a、60a)と前記終了角度位置(30b、60b)との接続線の間にあり、前記湾曲窓(28、58)は前記開始角度位置(30a、60a)と前記終了角度位置(30b、60b)との途中の角度位置にあることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のセンサ。
【請求項5】
前記湾曲の形状は本質的の円弧であることを特徴とする、請求項4に記載のセンサ。
【請求項6】
前記センサ(40、60)は、第1の発光光路(20a、20b)と前記受光光路とが互いに重なり合うように具現化され、前記センサは、前記ミラーの特定の角度位置で前記発光光路から前記受光光路へビームを導くことができる光フィードバック部品を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のセンサ。
【請求項7】
前記光フィードバック部品は前記回転ミラー(12、42)と湾曲窓との間に位置することを特徴とする、請求項6に記載のセンサ。
【請求項8】
少なくとも1つの面(14a)の幅は、他の面(14b~14e)よりもはるかに大きく、前記光フィードバック部品(26a、26b)へ到達する前記発光パルスの反射を許容することを特徴とする、請求項6または7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記受光ミラー面(18a~18e)および前記発光ミラー面(14a~14e)は、同じ前記回転軸(A)を有し、一方が他方の上にあることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載のセンサ。
【請求項10】
前記ミラー(12、42)1部品のミラードラムであることを特徴とする、請求項9に記載のセンサ。
【請求項11】
ドア開口部(83)を覆うための、少なくとも1枚の自動駆動戸板(84、86)を備える自動ドア(80)またはゲートであって、自動ドアまたはゲート(80)は、ドア開口部(83)の近傍における物体の存在を判定するセンサ(82)と、センサ(82、92)の検出状態に応じて、前記少なくとも1枚の戸板(84、86)の移動を制御する制御ユニット(98)とを備え、前記センサ(82、92)は、2つの光パルスエコーユニットと、少なくとも3つの反射発光面を有する単一の回転ミラー(106)を有し、前記2つの光パルスエコーユニットはそれぞれ、光パルス受光ユニット(27a、27b)および光パルス発生ユニット(18a、18b)とを有し、 前記光パルスエコーユニットは、中間平面に関して対称に配置され、回転ミラー(12)の回転軸(A)は、前記中間平面内にあり、前記光パルスエコーユニットおよび前記ミラーは、2つの発光および受光ユニットの最も外側の発光ビーム(OBa、OBb)が、前記2つの最も外側の最外ビーム(OBa、OBb)の間の角度(FA)を定義するように配置され、ビーム(OBa、 OBb)は160°より大きく、最も内側の最内ビーム(IBa、IBb)は少なくとも平行または重なり合うように配置され、さらに前記センサ(82)は、両方の光パルスエコーユニットのTOF測定値を考慮して、走査フィールド内の対象物の位置を決定する評価ユニットを備える、自動ドア(80)またはゲート。
【請求項12】
請求項1~10のいずれかに記載のセンサを具備する、自動引き戸あるいはゲート。
【請求項13】
ドアは、自動的に駆動される2つの引き戸の戸板(84、86)を備え、前記センサ(82)は前記引き戸の戸板(84、86)の上部に取り付けられる少なくとも3つのカーテンを提供し、少なくとも1つのカーテンは前記戸板(84、86)と概ね平行あるいは前記戸板(84、86)に対して鋭角な殆ど縦方向に延び、前記戸板(84、86)はそれぞれ、主閉鎖縁(88a、90a)および副閉鎖縁(88b、90b)を有し、前記走査フィールドは、第1の戸板(84)の副閉鎖縁(88b)から第2の戸板(86)の副閉鎖縁(90b)まで延びることを特徴とする、請求項11または12に記載の自動ドア。
【請求項14】
前記センサは、幅方向に続く少なくとも3つのゾーン(A、B、C)を提供し、センサ(80)は、第1の副閉鎖縁ゾーン(A)、主ゾーン(B)、および第2の副閉鎖縁ゾーン(C)を有し、第1の副閉鎖縁ゾーン(A)での検出は、ドアコントローラの第1のアクションをトリガする第1の信号をもたらし、主ゾーン(B)での検出は、第1のアクションとは異なる第2のアクションをトリガする信号をもたらし、第3のゾーン(C)での検出は、第2のアクションとは異なる第3のアクションをトリガする信号をもたらすことを特徴とする、請求項13に記載の自動引き戸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載のドア開口部近傍の物体を検知する自動ドアまたは自動ゲート用センサに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザスキャナはWO2015/014556A1から知られており、180°未満の走査フィールドを生成するために回転ミラーが使用されている。同様の解決策は、DE 10 2015 013 710 A1に開示されている。
【0003】
US 7,349,074 B2は、約90°の走査角を有する傾斜面を有する多面レーザスキャナを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2015/014556号明細書
【特許文献2】独国出願公開第10 2015 013 710号明細書
【特許文献3】米国特許第7,349,074号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、自動ドアまたは自動ゲートに使用するセンサに関する。このセンサは、光パルスのパルスエコー評価に基づいて動作し、好ましくは、放出された光パルスとエコーされた光パルスの飛行時間を評価することにより、センサに対する物体の距離を決定する。センサは、ドア開口部近傍の物体または人の検出位置に応じて、ドアの特定の動作が必要かどうかをドアコントローラが決定できるように、ドアコントローラに信号を提供するドアコントローラに作用する。ゲートの安全性を監視するためのドアコントローラのこのような動作は、通常、閉動作または開動作を停止または反転させることである。
【0006】
通常、自動ドアまたは自動ゲート、特に引き戸は、ドアを閉じる際に最も危険とみなされるため、主要な閉端を保護するようにモニタされる。
【0007】
それでも、例えば引き戸が壁に向かって開くような場合、人がドア本体と壁の間に挟まる場合があり、ドアの開き操作中にも危機的状況が発生する可能性がある。
【0008】
このような状況は、主要な閉端をモニタする先行技術のドアセンサによって適切にモニタし得ない。
【0009】
本発明の目的は、自動ドアをモニタするセンサの高精度を維持することにより、ドア平面に平行な走査領域を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のセンサは、少なくとも1つの回転ミラーを備え、回転ミラーは、その回転軸の周りに配置された少なくとも3つの異なる反射発光ミラー面を有する。回転ミラーはモータによって駆動される。回転軸は基準面に垂直である。
【0011】
センサはさらに、発光器を含む光パルス発生ユニットを備える。光パルス発生ユニットは、ミラー面で反射される光パルスを発生する。光パルスは、2つの異なる発光光路を介して回転ミラーに向かって送られる。異なる発光光路のそれぞれは、少なくとも1つの光学部品から構成される。特に、発光器、レンズ、ミラーが光学部品として理解される。
【0012】
2つの発光光路は、ミラーに入射するパルスの方向である入射パルス方向を規定する。
【0013】
基準面上への両入射パルス方向の投影は、さらに入射ビーム投影と呼ばれ、160°未満、好ましくは30°から160°の間の交差角度で交差点で交差する。交差平面は、入射パルスの投影の二等分線に垂直であり、二等分線が基準平面に位置する交差点を通るように定義される。
【0014】
180°以上の走査フィールドを可能にするため、交差角度は160°より小さい。入射ビーム投影は、その入射パルス方向に垂直な幅を有し、交差点は好ましくは入射ビーム投影の中心線にある。
【0015】
回転ミラーの回転軸は二等分線と交差し、ミラーの回転軸は、生成される走査フィールドが150°より大きい走査角を有するように配置される。
【0016】
各発光光路は、入射ビームに続いて回転ミラーに最も近い光学部品を有する。以下、これらの光学部品を「最接近光学部品」と呼ぶ。
【0017】
大きな走査角を得るために、回転ミラーは、その回転軸が交差面と最接近光学部品との間に位置するように配置される。
【0018】
最接近光学部品と交差面の距離は、最接近光学部品におけるビームの最外縁から決定される。
【0019】
パルスは、入射パルスを発光ミラーの面で反射させることによってセンサから送り出される。これらの反射パルスは走査フィールドを確立し、この反射パルスは走査フィールド内の物体によってエコーバックされる。反射パルスは、最も外側の反射ビーム投影の間に広がる走査角の走査フィールドを定義し、反射ビーム投影は基準面上の反射パルスの投影である。
【0020】
好ましくは、入射パルスは、基準面に対して本質的に平行な方向を有することができる。この文脈における "本質的に平行 "とは、最大偏差45°の平行、より好ましくは最大偏差30°の平行、さらに好ましくは最大偏差15°の平行を意味する。
【0021】
両入射光路の各々からの反射ビーム投影が、少なくとも二等分線に平行であるか、あるいは交差面から遠い、すなわち走査フィールドの側、で二等分線を横切ることさえある最内反射パルスを有するように、ミラーおよびそれに応じてミラーの回転軸が設定される。これによれば、走査フィールドは、一方の最外反射ビームから他方の最外反射ビームまでほぼ連続したフィールドとなる。
【0022】
センサはさらに回転ミラーを備える。当該回転ミラーは、物体からエコーバックされる光パルスが偏向される発光ミラー面と同量の、受光ミラー面を有する。
【0023】
センサは、さらに、走査フィールド内の物体によってエコーバックされる光パルスを受光する受光手段を備え、この受光手段によって、エコーされたパルスが受光ミラー面によって偏向され、その後、エコーされたパルスの発光パルスが最初にどの発光光路上に送られたかを区別できるように受光される。センサは、回転ミラーと受光手段との間に配置される受光レンズを備える。受光レンズは光学的に有効な幅を有する。この幅は、好ましくは、その光軸に垂直なレンズの直径である。
【0024】
好ましくは、2つの受光光路は別個の光路であり、より好ましくは、受光手段は2つの別個の受光器からなり、それぞれが受光光路専用である。
【0025】
センサは、好ましくは、光パルスの発光から受光までの飛行時間を評価することによって物体の距離を決定する評価ユニットを備える。
【0026】
評価ユニットは、モニタ領域を定義し、測定された距離がモニタ領域内にあるか否かを判定する。評価ユニットは、物体がモニタ領域内にあるかどうかを伝達するための制御信号を出力することができる。
【0027】
本発明による設定により、少なくとも3つのカーテンを提供し、少なくとも160°の走査角を有する領域を走査することができるセンサが提供される。この3つのカーテンは、同一平面内にあってもよいし、互いに対して傾斜した平面内にあってもよい。
【0028】
本発明により、センサは、大きな走査範囲にわたって高い走査速度および/または高い解像度を提供する、かなり小型の装置として具現化されることができる。
【0029】
本発明のさらなる実施形態によれば、発光ミラー面の各々は、回転軸に対して異なる傾斜を有することができる。受光ミラー面についても同様である。異なる傾きにより、センサは、互いに対して異なる傾きを有する平面を走査することができる。従って、センサは一平面だけでなく、広い幅の三次元空間をスキャンすることができる。例えば、いわゆる「0°面」は回転軸に平行であり、さらなるミラー面は回転軸に対して+2°傾斜し、別のさらなるミラー面は回転軸に対して例えば-2°傾斜している。この例によれば、+2°と-2°の角度は、「0°面」に対して反対の傾斜方向に傾斜している。いずれの場合も、反射面と回転軸との間の絶対角度は2°である。
【0030】
したがって、0°面を除く傾斜面は傾斜軸を有し、当該軸の周辺で面が傾斜する。好ましくは、傾斜軸は面と同じ高さにあり、より好ましくは面の高さの中央にある。この場合、ミラーの円周半径は、傾斜軸の高さで決定されることができる。
【0031】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、センサは後に説明する条件を満たす。
【0032】
ミラーの第1の角度位置で放出されたパルスは、最も外側のパルスのためのミラー回転の開始角度を定義し、第1のミラー面はその角度位置で第1のミラー線を定義する。第1のミラー面は、ミラーの第2の角度位置で放出されたパルスと交差し、最も内側のパルスの終了角度を定義し、ミラーはこの角度位置で第2のミラー面を定義する。
【0033】
受光レンズの幅を持つ発光ビーム投影の周囲にパルス回廊が定義される。
【0034】
基準面上のパルス回廊は、内側境界線と外側境界線によって区切られ、内側境界線は、発光ビーム投影の中心線に対して走査フィールドの反対側にある。
【0035】
第2ミラー線はパルス回廊内で第1ミラー線と交差する。
【0036】
さらに、外側境界線と第1のミラー線との交点と交差する第1の回転中心線が定義され、第1のミラー線と第1の回転中心線との間の角度A(ML1-RCL1)は、A(ML1-RCL1)=(N-2)*90/Nであり、回転中心線は二等分線を横切り、Nは面の数である。
【0037】
さらに、内側境界線と第2のミラー線との交点に交差する第2の回転中心線が定義され、第2のミラー線と第1の回転中心線との間の角度A(ML2-RCL2)は、A(ML2-RCL2)=(N ― 2) * 90 / Nによって定義され、回転中心線は二等分線を横切る。
【0038】
回転中心線は、回転中心線がミラー線と三角形を定義するように選択され、ミラー線は鋭角を含む。
【0039】
ミラー線は、好ましくはパルス回廊内で交差する。
【0040】
ミラーの内半径は、少なくとも回転中心からミラー線までの距離である。回転中心は好ましくは2つのミラー線の2等分線上に位置するので、両方のミラー線までの距離は好ましくは同じである。
【0041】
回転軸は、実質的に回転中心線の交点に位置する。
【0042】
これらの条件を満たす構成のセンサは、可能な限り非常に小さな装置サイズで大きな走査フィールドを提供する。
【0043】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、ミラーの面の数Nは3、4または5である。発光面のこの数Nにより、妥当な装置サイズを維持しながら、約180°以上の走査範囲が可能になる。
【0044】
本発明のさらなる実施形態によれば、先に説明したドアセンサはハウジングを備え、ハウジングは発光パルスに対しても受光パルスに対しても透明な湾曲窓を有する。湾曲窓は、開始角度位置から終了角度位置まで伸びており、回転ミラーの回転軸は、(湾曲窓の)開始位置と終了位置とを結ぶ線と、湾曲窓の開始角度位置と終了角度位置とを中心とする角度位置にある湾曲窓との間に位置している。窓は必ずしも連続的に透明である必要はなく、その中間に非透明部分を含んでいてもよい。
【0045】
この設定により、センサの装置サイズをかなり小さく保つようにして、約180°以上の走査範囲を走査することが可能になる。
【0046】
本発明のさらなる実施形態によれば、センサは、ミラーの特定の角度回転位置、すなわちフィードバック位置において、発光光路から受光光路へビームを導くことができる光フィードバック部品を備えるように具現化される。
【0047】
これにより、放出されたビームをセンサの発光部から受光部に伝達することができる。発光部と受光部は、発光部から受光部への迷光の影響を避けるために、互いに光学的に遮蔽されている。
【0048】
回転ミラーは、発光ビームがフィードバック位置でミラー面によって反射されて光フィードバック部品に当たるように、幅を有する少なくとも1つのミラー面を有利に構成することができる。
【0049】
センサは、走査フィールド内の物体によってエコーバックされない発光パルスの特性を決定する光フィードバック決定ユニットを備えることができる。
【0050】
光フィードバック部品は、回転ミラーと曲面窓の間に配置可能である。この場合、光フィードバック部品は、発光ビームに対して、最も内側のビームの角度よりも大きな角度で配置される。
【0051】
あるいは、特に3つのミラー面を持つことにより、光フィードバック部品は入射光路の中間の位置に配置可能である。この場合、光フィードバック部品は走査フィールドにシャドーイング効果をもたらさない。
【0052】
本発明のさらなる改良によれば、第1の発光光路および対応する受光光路は、基準面に直交する方向から見て、互いに1つずつ重ねて配置される。
【0053】
発光光路と受光光路とが互いに1つずつ重ねて配置される場合、ミラーもまた、互いに平行な発光ミラー面と受光ミラー面とを有する。好ましくは、発光ミラー面と受光ミラー面との間に光遮蔽が存在する。
【0054】
有利なことには、このような回転ミラーは、単一のモータによって駆動される一体型素子として具現化される。これには、発光部と受光部との間で特別な同期が不要であるという利点がある。
【0055】
本発明のさらに有利な局面によれば、少なくとも1つの面の幅は、他の面の幅よりも大きい。そして、回転ミラーの角度光フィードバック位置は、面の拡大された部分に発光パルスが当たり次に光フィードバック部品に向けて反射される角度位置に設定される。光フィードバック部品は、ミラーおよび/または光ファイバーおよび/またはプリズムを有することができる。
【0056】
本発明のさらなる局面は、自動ドアまたはゲートに関する。
【0057】
自動ドアまたはゲートは、ドア開口部を少なくとも部分的に覆う少なくとも1枚の戸板を備える。少なくとも1枚の戸板は、ドア制御装置によって制御されるモータによって駆動され、制御信号がドア制御装置に供給されてモータに作用し、例えば、現在の動きを停止または逆転させる。
【0058】
一般的に、ドアコントローラは、例えば「再開」、「停止」、「逆転」などの機能ごとに独立した入力である入力ポート(複数形)を有し、ポートに接続された入力スイッチを閉じたり開いたりすることで制御がトリガされる。
【0059】
好ましくは、入力スイッチは、特定の検出状況により専用スイッチをトリガするセンサの一部である。
【0060】
あるいは、この信号は、バスシステム、好ましくはCAN-Busを介してドアコントローラに伝達されることができる。
【0061】
本発明による自動ドアまたはゲートは、2つの光パルスエコーユニットおよび1つの回転ミラーを有するセンサと、2つの光パルスエコーユニットによって提供される組み合わされた走査フィールド内の物体の検出に応じて位置を決定する評価ユニットとを備え、各光ルスエコーユニットは、発光ユニットおよび受光ユニットを備える。2つの光パルスエコーユニットは、回転ミラーを介して光路を提供し、両方の光パルスエコーユニットによって提供される組み合わされた走査フィールドは、160°以上の走査角を有し、好ましくは、両方の光パルスエコーユニットによってモニタされる領域を提供する。
【0062】
したがって、共通の走査フィールドは、2つの光パルスエコーユニットによって提供される2つの走査領域の組み合わせである。
【0063】
共通の回転ミラーを使用することにより、2つの走査フィールド間に機械的に定義された関係が存在するので、これにより、走査フィールド内の物体位置を非常に正確に測定することができる。これは、特に指などの小さな対象物にとって重要である。
【0064】
2つのスキャン領域の重なり領域を評価することにより、マスキング効果を低減することができる。また、異なるレーザスキャナの設定において角度の派生がないため、カバレッジも改善される。
【0065】
センサは、好ましくは、先に詳細に説明したように具体化することができる。
【0066】
自動ドアまたはゲートを保護するセンサは、それぞれドア枠、ドアまたはゲートの戸板、またはドアまたはゲートの近傍のいずれかに取り付けられる。
【0067】
このようなセンサは、検出状況をドアコントローラに送信し、ドアコントローラは、モータの現在の動作モードに関する情報を有し、さらにドア戸板の現在の位置に関する情報も有する場合があり、検出状況情報に応じてドアまたはゲートを制御することができる。
【0068】
自動ドアのさらなる実施形態によれば、ドアは、シングル戸板またはダブル戸板のいずれかのスイングドアタイプとすることができる。スイングドアの戸体は、本発明によるセンサを有することができ、このセンサは、ドアリーフに取り付けられ、主閉鎖縁および副閉鎖縁を同時に監視する。
【0069】
この場合、1つのセンサ装置を接続するだけの配線作業で、2つの危険ゾーンをモニタすることができる。
【0070】
自動ゲートのさらなる実施形態によれば、ゲートはスイングゲートタイプとすることができる。これは、シングル戸板タイプまたはダブル戸板タイプとすることができる。スイングドアとの相違点として、戸板の上縁はより低い高さにされることができる。180°以上の検出範囲を持つセンサを設けることで、センサ装置を戸板の上縁より下に配置しても、上までヒンジ部を完全にモニタすることが可能である。これは、例えば、横方向に伸びる戸板の真ん中あたりである。
【0071】
本発明のさらなる実施形態によれば、自動スライドドアは、シングル戸板またはダブル戸板タイプとされ得る。好ましくは、センサはドア枠に取り付けられ、センサの一方の側で開口部を監視し、他方の側で二次的な閉鎖端を監視する。
【0072】
ダブル戸板タイプの自動引き戸は、自動的に駆動される2枚の引き戸の戸板を有し、スキャナは引き戸の戸板の上に取り付けられ、戸板と概ね平行に、または戸板に対して非常に鋭角に垂直方向に延びる少なくとも1枚のカーテンを提供する。戸板はそれぞれ、主閉鎖縁と副閉鎖縁とを有し、走査フィールドは、ドアの全閉状態における主閉鎖縁の位置と、ドアの全開状態における副閉鎖縁の位置とをカバーする。
【0073】
センサは、好ましくは、幅方向に少なくとも3つの引き続いたゾーンを提供し、スキャナは、第1の副閉鎖縁ゾーン、主ゾーン、および第2の副閉鎖縁ゾーンを有する。第1の副閉鎖縁ゾーンにおける検出イベントは、ドアコントローラに第1のアクションをトリガするための第1の信号をもたらし、主ゾーン内の検出イベントは、第1のアクションとは異なる第2のアクションをトリガするための信号をもたらし、第3のゾーンにおける検出イベントは、第二のアクションとは異なる第三のアクションをトリガするための信号をもたらす。第3のアクションは、第1のアクションと異なることも、第1のアクションと同じこともある。
【0074】
好ましくは、第1の動作は停止動作であり、第2の動作は逆転動作である。
【0075】
好ましくは、ドアセンサは前述のように具体化される。
【0076】
本発明の更なる利点、特徴及び潜在的な用途は、図面に図示された実施形態と併せて、以下の説明から収集され得る。
【0077】
本明細書、特許請求の範囲および図面を通して、これらの用語および関連する参照符号は、同封の参照符号のリストから注目されるように使用される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1a】センサの一実施形態の本質的な光学部品の斜視図である。
【
図1b】ハウジングを含む
図1の構成部品の平面図である。
【
図2b】
図1aのセンサの基準面上における発光ビームの入射ビーム投影図である。
【
図2c】最も外側のビームを発生させるための第1のミラー線を示す入射光ビーム投影図である。
【
図2d】最も内側のビーム用の第2のミラー線を示す入射光ビーム投影図である。
【
図2e】回転軸の位置を定義する第1ミラー線と第2ミラー線の組み合わせを示す図である。
【
図3a】本発明のさらなる実施形態の斜視図である。
【
図4b】
図3aのセンサの基準面上における1つの発光ビームの入射ビーム投影図である。
【
図4c】最外ビームを生成するための第1のミラー線を示す入射光ビーム投影図である。
【
図4d】最も内側のビーム用の第2のミラー線を示す入射光ビーム投影図である。
【
図4e】回転軸の位置を定義する第1ミラー線と第2ミラー線の組み合わせである。
【
図6】自動ドアまたはゲートに使用される、本発明によるセンサの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1aは、センサ10の本質的な光学部品の斜視図である。センサ10は、回転軸Aを中心に回転する回転ミラー12を備える。回転ミラーは、回転軸Aに対して異なる傾斜を有する5つの発光ミラー面14a、14b、14c、14d、14eを有する。同様に、回転ミラー12は、同じ位置で発光ミラー面と同じ傾斜を有する5つの受光ミラー面16a、16b、16c、16d、16eを有する。
【0080】
さらに、センサ10は、発光ミラー面14a~14eで反射されるように発光光路に沿ってレーザーパルスを発するパルス発生ユニット18a、18bとして具現化された2つの別個の光学部品を有する。
【0081】
発光光路20a、20bは、ミラー12によって反射される前にパルスが有する入射ビーム方向を提供するように具現化される。発光ビーム22aは第1の光路20aに沿って送られ、別のビームは第2の光路20bに沿って送られることができる。
図1中、第1の光路20aに沿って送られる発光ビーム22aは、ミラーによって反射されなかった場合の方向を示している。第2の光路に沿って送られたビーム22bは、発光ミラー面14aによって反射されるように示されている。反射されたビームは、回転ミラー12の回転により走査野を形成し、走査野に存在する物体によってパルスがエコーバックされる。エコーバックされたパルスは受光ビーム24bとして受光される。受光ビームは、光路を受光する専用の受光器27a、27bによって受光される。回転軸Aは基準面Rに垂直である。各受光ビーム24a、24bは、受光器27a、27bに到達する前に、模式的に示されている受光レンズ29a、29bを通過する。各受光ビーム24a、24bは対応する受光器27a、27bに当たるように集束され、各受光レンズ29a、29bはレンズの湾曲部分に関して光学的に有効な直径を有し、それは受光可能なビームのサイズを定義するようレンズの幅Wとしてみなされる。
図1bは
図1aの平面図であり、さらにハウジングが示されている。この図から、回転軸Aが、交差面Pと、この場合発光器として具現化されている最も近い光学部品18a,18bとの間にあることがわかる。この設定により、2つの最も外側のビームOBa、OBbの間で広がる走査フィールドの大きなフィールド角FAが可能になる。この場合のフィールド角FAは約180°である。
図1bではさらに、センサ10が、第1の非透明ハウジング32と、湾曲状に具現化された透明な窓28とを備えることが概略的に示されている。窓28は、第1の角度位置から第2の角度位置まで広がる。この位置の非透明壁は、光学部品とミラーの回転軸との間にある。
【0082】
回転軸に平行な0°面14aが他の面よりも幅広であることは、
図1aからさらに導出可能である。これにより、特定の角度回転位置での反射が、それぞれ別の角度回転位置の光フィードバック部品26aまたは光フィードバック部品26bに当たる。光フィードバック部品26a、26bはそれぞれ、2枚のミラーを有し、センサの発光部から受光部へビームを偏向させるペリスコープを提供する。
【0083】
図2aは、
図1aのセンサ10の他の平面図である。
図1bから、入射ビームはこの図において、
図2b~
図2eにおける入射ビーム投影と同じであることがわかる。これらの入射ビーム投影、すなわち中心線CL-22aおよびCL-22bは、基準平面に垂直な交差平面と、基準平面にある交差角IAの二等分線BSとにある交差点で交差することになる。この例の交差角IAは130°である。
【0084】
図2aからわかるように、ミラーは五角形の形状をしており、回転軸Aを中心に回転する。
【0085】
本発明によれば、交差面Pと回転軸Aとの間には発光側へ距離Dがある。この設定により、複数の走査カーテンを提供する大きな角度範囲にわたってほぼ連続的な走査フィールドを投影することができる。
【0086】
図2bは、入射ビーム投影22a、22bを示し、回転中心の決定に関する以下の説明は、二等分線BSを対称軸とする入射ビーム投影22aについてのみ説明する。
【0087】
図2bは、
図1aの29a、29bと比較して、受光レンズの大きさ、つまり基準面においてビーム方向に垂直な幅Wによって定義されるパルス回廊が周囲に存在する中心線CL22aを持つビーム投影22aを示し、例示的にビーム投影22aの幅の約1.5倍を有する。回廊は内側の境界線IBLと外側の境界線OBLによって定義される。第1の入射ビーム22aによって生成される走査フィールドの一部は、回転ミラー12の第1の角度回転位置における最も外側のビームOBと、第2の角度回転位置における最も内側のビームIBとの間に確立される。
【0088】
図2cは、最も外側ビームOBを生成するための回転ミラーの第1の角度回転位置における第1のミラー線ML1を示す。第1ミラー線と外周境界線との交点には、外周境界線と第1ミラー線との交点を横切る第1回転中心線が定義される。第1ミラー線と第1回転中心線との間の角度は、A
(ML1-RCL1)=(N―2)*90/Nであり、ここで回転中心線は二等分線を横切る。Nはミラーの面数で、この例では5面である。回転中心線RCL1と第1ミラー線ML1のなす角は54°である。
【0089】
図2dは、最も内側のビームIBを生成するための回転ミラーの第2の角度回転位置における第2のミラー線ML2を示す。内側の境界線IBLと第2のミラー線ML2との交点を横切る第2の回転中心線RCL2が定義され、第2のミラー線ML2と第1の回転中心線RCL2との間の角度は、A
(ML2-RCL2)=(N-2)*90/Nである。回転中心線RCL2と第1ミラー線ML2とのなす角は54°である。
【0090】
図2eは、
図2cと
図2dの組み合わせを示し、第1回転中心線RCL1と第2回転中心線RCL2が二等分線で交差し、回転軸の位置を規定している。さらに、回転中心線RCL1、RCL2は、ミラー線ML1、ML2の二等分線を横切る。
【0091】
回転ミラーの面の内半径は、少なくとも回転中心からミラー線までの距離である。
【0092】
回転中心線RCL1、RCL2は、各回転中心線RCL1、RCL2がミラー線ML1、ML2と三角形を定義するように選択され、ミラー線ML1、ML2は鋭角を含む。ミラー線ML1,ML2は、外側の境界線OBLと内側の境界線IBLとの間になる回廊の内側を横切る。
【0093】
図3aは、
図1aで説明したセンサと同様の設定を有する、本発明によるセンサ40のさらなる実施形態を示す。センサ40は、回転ミラー42の回転軸Aに対して同じ傾きを有する3つの面46a、46b、46cを有する回転ミラー42を備える。この場合、センサ40は、約270°のフィールド角FAを有する走査範囲をモニタすることができる。
【0094】
各光路には少なくとも2つの光学部品があり、すなわち、発光光路にはパルス発生ユニット68a、68bとミラー72a、72bがある。各発光光路は、この場合、2つの入射光路間の交差角IAが45°となるように、放出されたビームを偏向して入射光路を生成するミラー72a、72bの形態の光学部品を有する。この配置では、ミラー72a、72bは、光路に沿って回転ミラーに最も近い光学部品である。
【0095】
エコーされたパルスは、ミラー66a、66bと受光器62a、62bの光学部品を有する受光光路に沿って導かれる。ミラー72aおよび66aは単一の反射部品として製造することができる。ミラー72bおよび66bも同様である。好ましくは、ミラー66a、72aの間に、または単一の反射部品に取り付けられて、これら2つのミラーを分割する光遮蔽がある。
【0096】
入射ビームの投影は交差面Pで交差する。回転軸はこの交差面に平行であり、交差面Pから離れた位置にある。
【0097】
図3bからわかるように、回転中心は交差面とミラー72a、72bの間にある。
【0098】
センサ40は、放出されたビームを受光器62a、62bに導く光フィードバック部品74a、74bを備える。
【0099】
図3bに示すように、光学部品は非透明ハウジング56内に配置され、回転ミラー42は、ビームの通過を可能にするために、少なくとも部分的に透明な透明ハウジング58内に配置される。透明ハウジング58は、第1の角度位置60aから第2の角度位置60bまで延びる湾曲窓である。ハウジングの非透明部分は破線の長方形で示されている。
【0100】
非透明ハウジング56と透明ハウジング58には、第1の角度位置60aから60bまで伸びる開口部があり、この開口部は、透明ハウジング58の同方向の最大伸長部よりも小さい。両方のハウジング56、58は、装置の単一ハウジングの一部とすることができる。
【0101】
図4aは、二等分角BA1が22.5°である交差角45°における入射ビームを示す。
【0102】
最も外側のビームOBa、OBbは、二等分線に対して+45°と-45°の位置にあり、したがって走査フィールドは270°の範囲を持つ。
【0103】
図4bから
図4eは、入射ビーム投影に対する回転中心の設定の例示的な状態を示している。
【0104】
図4bは、ビーム投影52aをその中心線CL52aで示し、その周囲にビームプロジェクション52aの幅の1.5倍のパルス回廊が定義される。回廊は内側の境界線IBLと外側の境界線OBLによって定義される。第1の入射ビーム52aの走査フィールドは、回転ミラー42の第1の角度回転位置における最外ビームOBと第2の角度回転位置における最も内側のビームIBとの間に確立される。入射ビームの投影と入射ビームの二等分線との間の角度BA1は、定義によれば、交差角IAの半分である。
【0105】
交点は、二等分線BSと入射ビーム投影の中心線CL52aとの交点で定義される。設定は二等分線に対して対称である。
【0106】
図4cは、最も外側のビームを生成する回転ミラーの第1の角度回転位置における第1のミラー線ML1を示す。第1ミラー線ML1と外側境界線OBLとの交点において、外側境界線OBLと第1ミラー線ML1との交点を横切る第1回転中心線RCL1が定義される。第1のミラー線ML1と第1の回転中心線RCL1との間の角度は、A
(ML1-RCL1)=(N-2)*90/Nであり、回転中心線RCL1は二等分線を横切る。Nはミラーの面の数で、この例では3面である。回転中心線RCL1と第1ミラー線ML1のなす角は30°である。
【0107】
図4dは、最も内側のビームIBが生成される回転ミラーの第2の角度回転位置における第2のミラー線ML2を示す。内側境界線IBLと第2のミラー線ML2との交点を横切る第2の回転中心線RCL2が定義され、第2のミラー線ML2と第1の回転中心線RCL2との間の角度は、A
(ML2-RCL2)=(N ― 2)*90 / Nである。回転中心線RCL2と第1ミラー線ML2のなす角は30°である。第1ミラー線 ML1、第2ミラー線ML2、各回転中心線RCL1、RCL2の三角形は、第1ミラー線ML1と第2ミラー線ML2の間に鋭角を有する。
【0108】
図4eは、第1ミラー線と第1回転中心線RCL1および第2回転中心線RCL2の二等分線とが交差する回転中心Aを示している。この交点は、入射ビームの二等分線BS上にある。
【0109】
ミラー42の内半径の最小値は、ミラー42の回転中心Aからミラー線ML1およびML2までの距離以上である。
【0110】
このような設定によれば、小型でかなり大きな走査フィールドを有する装置を提供することができる。
【0111】
図5は、本発明による自動引き戸アセンブリ80を示す。自動引き戸アセンブリ80は、センサ82と、2枚の引き戸用ドア戸板84、86とから構成される。第1のドア戸板は、主閉鎖縁88aおよび副閉鎖縁88bを有し、第2のドア戸板86は、主閉鎖縁90aおよび副閉鎖縁90bを有する。センサ82は、180°のフィールド角を有し、例えば、
図1aに示すように具現化される。センサ82は、物体が検出される検出ゾーンに応じて異なる情報を提供する。この場合のゾーンはA、B、Cである。ゾーンAとCは、ドア戸板84、86の二次的な閉鎖縁88b、90bへの物体の衝突を防止するようになっている。特に、開扉時にドア戸板と壁との間の挟み込みが防止されなければならない。
【0112】
ゾーンBは、物体が2つのドア戸板84、86の主閉鎖縁88a、90aの間で押しつぶされるのを防止するためにモニタされる。
【0113】
したがって、自動ドアのドアコントローラは、ドアの動作方向と物体が検出されたゾーンに応じて、ドア戸板の動作を停止または反転させるような働きをさせられる。
【0114】
図6は、自動ドアまたはゲート(図示せず)に組み込まれる本発明によるセンサ92の概略図である。自動ドアまたはゲートは、モータ100によって駆動される少なくとも1枚の戸板からなる。センサ92は、2つの光パルスエコーユニット102、104を有する。両方の光パルスエコーユニット102、104の発光ビーム及び受光ビームは、4つのカーテンを提供するために4つの面を有する回転ミラー106によって偏向され、前記4つの面は、好ましくは、センサ内で交差する4つの平面を提供するために互いに対して傾斜している。両方の光パルスエコーユニット102、104は、評価ユニット94に接続される。第1の光パルスエコーユニット102および第2の光パルスエコーユニット104の光ビームは同じ回転ミラーによって偏向されるので、走査フィールド内で非常に精密な検出を達成することができる。両方の光パルスエコーユニット102、104が同じ評価ユニット94に接続されているので、走査フィールドの評価は、両方の光パルスエコーユニット102、104によって収集された情報に基づいて行うことができる。2つの光パルスエコーユニットが2つの方向から走査される重複領域を有する走査フィールドを生成し得るので、利点が得られる。この状況と共通の評価ユニット94により、この領域におけるシャドウイング効果を低減することができる。
【0115】
評価ユニット94は、走査フィールド内の物体の位置を評価し、次に出力ポート96をトリガして制御ユニット98に作用し、戸板を駆動するモータ100に作用する。
【0116】
評価ユニット94は、走査フィールドの予め定義されたゾーン内の物体の検出に応じて、異なる信号をトリガすることができる。
【0117】
図6に関して説明したこの概略的な基本設定は、
図1aまたは
図3aで説明した光学設定を備えることができる。
【0118】
本発明によれば、自動ドアまたは自動ゲートの一部である単一のセンサ92によって、非常に大きな走査領域を非常に正確にモニタすることができる。
【符号の説明】
【0119】
10 センサ、
12 回転ミラー、
14a~14e ミラー面、
16a~16e ミラー面、
18a パルス発生ユニット、
18a 光学部品、
20a、20b 発光光路、
22a 発光ビーム、
24b 受光ビーム、
27a、27b 受光器、
26a 光フィードバック部品、
28 窓、
29a、29b 受光レンズ、
32 非透明ハウジング、
40 センサ、
42 回転ミラー、
46a~46c ミラー面、
52a、52b ビーム投影、
56 非透明ハウジング、
58 透明ハウジング、
60a、60b 第1角度位置、
62a、62b 受光器、
66a~66c ミラー、
68a パルス発生ユニット、
68b パルス発生ユニット、
72a、72b ミラー、
74a、74b フィードバック部品、
80 自動引き戸アセンブリ、
82 センサ、
84 ドア戸板、
86 ドア戸板、
88a 主閉鎖縁、
88b 副閉鎖縁、
90a 主閉鎖縁、
90b 副閉鎖縁、
92 センサ、
94 評価ユニット、
96 出力ポート、
98 制御ユニット、
100 モータ、
102 光パルスエコーユニット、
104 光パルスエコーユニット、
106 回転ミラー、
A 回転軸、
BA1 二等分角、
BS 二等分線、
CL22a 中心線、
CL22b 中心線、
CL52a 中心線、
CL52b 中心線、
FA フィールド角、
IA 交差角、
IB 最も内側のビーム(最内ビーム)、
IBL 内側境界線、
ML1 第1ミラー線、
ML2 第2ミラー線、
OBa、OBb 最も外側のビーム(最外ビーム)、
OBL 外側境界線、
P 交差面、
RCL1 第1回転中心線、
RCL2 第2回転中心線、
R 基準面。
【国際調査報告】