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特表2024-528641高さ調整を伴う車両安全ガードシステム
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  • 特表-高さ調整を伴う車両安全ガードシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】高さ調整を伴う車両安全ガードシステム
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/54 20060101AFI20240723BHJP
   B60R 19/42 20060101ALI20240723BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20240723BHJP
   B60R 21/34 20110101ALI20240723BHJP
【FI】
B60R19/54
B60R19/42
B60R21/00 310H
B60R21/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502447
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 US2022037096
(87)【国際公開番号】W WO2023287965
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/222,061
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524019139
【氏名又は名称】パブリック・トランスポーテーション・セーフティー・インターナショナル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】バーロン,マーク・ビー
(57)【要約】
車両(2)の本体部(7)に取り付けられそこから下へ延在する安全ガード(55)は、安全ガード(55)が有生または無生の対象物に係合した場合に、付勢力に対抗して、本体部(7)に対して枢動することができる。さらに、安全ガード(55)は、車両本体(7)および車両(2)の支持表面に対する垂直運動のために搭載されており、垂直運動は、車両(2)の操作者によって、あるいは道路条件および/または車両動作条件を評定するために使用されるセンサー入力(380、390)に基づいて自動的に選択的に実行される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両であって、
前端部および側部パネル部を有する本体と、
前記車両の前記本体の横の方向に離間された一対の操縦可能前輪と、
前記操縦可能前輪から長手方向に離間されている少なくとも1つの対の横に離間された後輪と、
前記少なくとも1つの側部パネルに沿って設けられているドアと、
前記車両の下方に有生および無生の対象物が行くことを防止するために、前記対象物と係合するための、前記前端部および前記少なくとも1つの側部パネル部のうちの1つに沿って、前記本体から下向きに延在する安全ガードであって、前記本体に枢動可能に取り付けられると共に、別個に、前記本体に対して垂直に移動可能である安全ガードと、
を備える車両。
【請求項2】
係合されたときの偏向時に、前記安全ガードの少なくとも一部が、前記本体の下方に枢動することができるように、前記安全ガードが、実質的に水平な軸周りの運動のために、前記本体に枢動可能に取り付けられている、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記安全ガードを前記本体に対して横方向に外方へ付勢する少なくとも1つの部材をさらに備える、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記安全ガードと前記車両のための支持表面との間の距離を変動させるために、前記安全ガードを前記本体に対して垂直に移動させるための、前記本体と前記安全ガードとの間で作用する複数のアクチュエーターをさらに備える、請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記複数のアクチュエーターが、流体圧力アクチュエーター、電気アクチュエーター、および磁気アクチュエーターのうちの1つまたは複数を備える、請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記安全ガードを前記本体に対して垂直に移動させるように、前記複数のアクチュエーターを手動で制御するためのシステムをさらに備える、請求項4に記載の車両。
【請求項7】
前記安全ガードを前記本体に対して自動的に垂直に移動させるためのシステムであって、道路におけるばらつきを監視するための複数のセンサーと、前記複数のセンサーから受信された信号に基づいて、前記安全ガードを前記本体に対して自動的に垂直に移動させるためのコントローラーと、を含むシステムを、さらに備える、請求項4に記載の車両。
【請求項8】
前記複数のセンサーが、光学センサー、レーザーセンサー、ソナーセンサー、およびレーダーセンサーのうちの少なくとも1つを採用する、請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記システムが、バンプ信号発生器、衛星画像、保存された道路条件情報、および前記道路にわたる以前の走行からのログを取られたデータのうちの少なくとも1つからの信号を受信する、請求項7に記載の車両。
【請求項10】
有生または無生の対象物との安全ガード係合の信号を送るための警告システムであって、可聴の信号を送ることおよび視覚的な信号を送ることのうちの少なくとも1つを採用する警告システムをさらに備える、請求項1に記載の車両。
【請求項11】
車両の本体の横の方向に離間された一対の操縦可能前輪と、前記操縦可能前輪から長手方向に離間されている少なくとも1つの対の横に離間された後輪と、前記少なくとも1つの側部パネルに沿って設けられているドアと、を有する前記車両の前記本体の前端部および前記少なくとも1つの側部パネル部のうちの1つから下向きに延在する安全ガードを制御する方法であって、
前記車両の下方に有生または無生の対象物が行くことを防止するために、前記対象物と係合すると、前記安全ガードを枢動させることと、
前記枢動とは別個に、前記安全ガードと前記車両のための支持表面との間の距離を改めるように、前記安全ガードを前記本体に対して垂直に移動させることと、
を備える方法。
【請求項12】
係合されたときの偏向時に、前記安全ガードが、実質的に水平な軸周りに前記本体の下方に枢動させられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記安全ガードを前記本体に対して横方向に外方へ付勢することをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記安全ガードを前記本体に対して垂直に移動させるように、前記本体と前記安全ガードとの間で作用する複数のアクチュエーターを起動させることをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
流体圧力アクチュエーター、電気アクチュエーター、および磁気アクチュエーターのうちの1つまたは複数を起動させることによって、前記安全ガードが、前記本体に対して垂直に移動させられる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のアクチュエーターが、前記安全ガードを前記本体に対して垂直に移動させるように手動で起動させられる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のアクチュエーターが、前記車両が走行する前記支持表面におけるばらつきを監視する複数のセンサーから受信された信号に基づいて、前記安全ガードを前記本体に対して垂直に移動させるように自動的に制御される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記信号が、光学センサー、レーザーセンサー、ソナーセンサー、およびレーダーセンサーのうちの少なくとも1つから受信される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
バンプ信号発生器、衛星画像、保存された道路条件情報、および前記支持表面にわたる以前の走行からのログを取られたデータのうちの少なくとも1つから受信された信号に基づいて、前記安全ガードを前記本体に対して垂直に移動させることをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
有生または無生の対象物との安全ガード係合の信号を送るために、可聴の信号を送ることおよび視覚的な信号を送ることのうちの少なくとも1つを採用する警告システムを動作させることをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001]本出願は、2021年7月15日に出願され、「Vehicle Safety Guard System with Height Adjustment」という発明の名称である、米国仮特許出願第63/222,061号に対する優先権を主張する。本出願の内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、車両安全装置の技術分野に関し、より詳細には、車両の下方に有生および無生の対象物が行くことを防止するために、その対象物と係合するための、車両の1つまたは複数の部分に搭載されそこから下向きに延在する安全ガードシステムに関する。全体的には、安全ガードシステムは、有生および無生の対象物を車両から離して偏向させるだけではなく、選択的および/または自動的に、例えば道路障害物またはさらには車両支持表面におけるばらつきを受け入れるように、車両の本体に対して垂直に調整されることができるガード部を含む。
【背景技術】
【0003】
[0003]多様な理由により、様々な移送車両が幾分高い地上高で設計されている。例えば、通学バスおよび通勤バス、ならびに個人向けのレクリエーション用車両は、関連付けられた高い地上高を有し得る。あいにく、地上高が低い他の車両には見られない、地上高が高い車両の動作に関連付けられた固有の危険がある。これらの負傷の最も深刻なものは、人間が車両の前の道路に滑り落ちることの結果であり、車両がその人間を轢くことにつながる。さらに、無生の対象物は、そのような車両に不必要に轢かれ破壊され得る。
【0004】
[0004]これらの懸念に対処するために、バスの車輪の前に直接安全ガードを搭載して、車輪と対象物との間に安全バリアを確立することが、当技術分野において提案されてきた。より具体的には、米国特許第5,462,324号および米国特許第5,735,560号によって表されるように、バスなどの車両の車台構造に安全バリアを搭載することが既知であり、この安全バリアは、地表面に直接沿って延在する下側縁を含む。安全バリアは、車軸、骨組み、および/またはサスペンション構造などの、様々な箇所で固定して支持される。安全バリアは、バスの運動中に対象物が遭遇される場合に、安全バリアがその対象物を車両の下方から車両車輪の経路の外の位置に追い出すように、角度を付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,462,324号明細書
【特許文献2】米国特許第5,735,560号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0005]車両安全ガードが存在するにもかかわらず、ガード保護目的のために強化された搭載および動作を示し、それによって、幾分高い地上高を有する多種多様な車両での使用に向けた、長持ちで、効果的な、潜在的に命を救うことができる安全システムを確立し、特に選択的および/または自動的に、車両が走行する支持表面におけるばらつきを受け入れる安全ガードシステムの必要性が存在することが、依然として見て取られる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0006]本発明は、高い地上高の通学もしくは通勤バス、または個人向けのレクリエーション用車両などの車両の選択された本体部に搭載されそこから下向きに延在する車両安全ガードシステムであって、安全ガードが、車両の下方に有生の対象物が行くことを防止するように機能する一方で、安全ガードと車両が走行する支持表面との間の距離を変動させるように垂直に調整可能でもある、車両安全ガードシステムを提供することを対象とする。全体的には、安全ガードは、車両の経路に横たわっている人間または他の有生の対象物と係合し偏向させるように機能し、それによって人間または他の有生の対象物が車両によって轢かれることを防止する。この目的のために、安全ガードは、例えばフロントバンパーの下におよび/または車両の側部に沿った前輪と後輪との間でなど、車両の本体部から下へ、例えば支持表面から約7.62cm(3インチ)以下の範囲で、車両支持表面のすぐ上方まで延在する。
【0008】
[0007]本発明の特定の実施形態によれば、安全ガードは、車両の本体部に枢動可能に取り付けられそこから下へ車両支持表面のすぐ上方まで延在し得、そうして、安全ガードが縁石などの極端に重いまたは固定された対象物と係合した場合に、安全ガード全体が、全体的に第1の軸周りにかつ付勢力に対抗して、車両本体に対して枢動することができ、それによって安全ガードへの過度な損傷を回避することができる。しかしながら、そのような潜在的に損傷を与える対象物との係合を好ましくは回避するために、安全ガードが、車両本体および支持表面に対する垂直運動のために搭載されていることが最も重要である。この垂直運動は、車両の操作者によって、または道路条件を評定するために使用されるセンサーからの信号に基づいて自動的に選択的に実行されることができる。
【0009】
[0008]より具体的には、垂直調整は、手動か自動的かのいずれかで実行されることができる。手動の調整では、車両操作者は、例えば、操作者が来たる道路条件を単純に見ることに基づいて、あるいは感知システムからの来たる道路条件の可聴メッセージを読みまたは聞くことによって、安全ガードを上または下へ選択的に動かすために使用される一連のアクチュエーターを起動させることができる。他方では、感知システムは、ばらけたごみまたは固定された対象物を含めて、車両の前の道路におけるばらつきを評価するように機能する全体的なコンピューター化された監視システムの一部であり得、そのような対象物を無事通過する必要に応じて、安全ガードを自動的に持ち上げ、次いで安全ガードをその通常の動作高さに戻す。
【0010】
[0009]この全体的な構築物において、車両の下方または車両の経路に滑り落ちた人間は、安全ガードと係合し、完全に車両の下方に行くことを防止されることになる。安全ガードは枢動可能に搭載され得るが、ガードは、実質的に水平な軸周りの枢動運動に対抗して付勢されることになり、それによって、ガードが縁石などの重いまたは固定された対象物に遭遇するとき/した場合に、ある程度の緩衝作用を提供することによって人間のための安全性を強化するだけではなく、安全ガードへの損傷をも最小化する減衰効果を確立する。とにかく、本発明の安全ガードは、手動でまたは自動的に、固定されたもしくはそうではない損傷を与える任意の対象物を有利に回避するように、垂直に移動することができる。
【0011】
[0010]本発明の追加の目的、特徴、および利点は、図面と合わせて取り上げられるときの以下の好ましい実施形態の詳細な説明からより容易に明らかになり、複数の図において、同様の参照番号は対応する部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0011]本発明の実施形態による安全ガードシステムが搭載されている通勤バス型の車両の斜視図である。
図2】[0012]安全ガードが枢動可能でも垂直に移動可能でもある実施形態を示す、車両の側部本体部の部分断面図である。
図3】[0013]安全ガードの垂直運動を制御するためのシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0014]初めに図1を参照すると、通勤バスとして示されている車両2は、フロントガラス9を有する前端8を有する本体7と、ホイールハウス13内の12にそのうちの1つが示されている操縦可能前輪と、フロントバンパー14とを含む。前輪12の直接前方に配置されている最前方側部ドア15が示されている。本体7はまた、中央区画17と、後端区画19とを含む。後端区画19を支持するのは、一対の後輪組立体であり、そのうちの1セットが、車両本体7の側部パネル33に作成されたホイールハウス30に配置されている複車輪26および27を含むように、22に示されている。側部パネル33に沿った後輪組立体22のすぐ前には、最後尾側部ドア35がある。また、側部パネル33に設けられているのは、屋根38の下に垂直に配置されている様々な前後の離間された窓36および37である。本発明によれば、車両2は、最低でも垂直に調整可能である1つまたは複数の安全ガードを含む。より具体的には、図1に示されている例示的な実施形態において、バンパー14の下の前端8に固定されそこから下向きに延在する前安全ガード50が示されており、少なくとも1つの側部安全ガード55は、前輪12と後輪22との間で側部パネル33の下に延在する。
【0014】
[0015]本発明の前安全ガード50および側部安全ガード55は、より低車高のバスにも適用可能であるが、多くの学校バス、通勤バス、クロスカントリーバス、およびレクリエーション用バスなどのかなり高く持ち上げられた車台本体部を有する車両に関連して、特に有利に採用されると考えられる。幾分高い地上高の車両2において、バンパー14の地上高は、最大60.96cm(2フィート)ですらあり得、一方、本発明による安全ガード50および55の各々は、この距離をおよそ5.08~15.24cm(2~6インチ)に、好ましくは約7.62cm(3インチ)以下に低減する。最も好ましい実施形態において、安全ガード50および55は、耐摩耗性であり、腐食防止であり、触感が滑らかであり、そして変色しない、高耐久性で耐衝撃性のウレタン材料で形成されていることが好ましいが、プラスチックやゴム等を含む他の既知の材料が、前輪12間または前輪12と後輪22との間で本体7の下方に子どもまたは大人が行くことを防止するために十分強固な物理的バリアを作成するために、使用されることもできる。さらに、安全ガード50または55の少なくとも一部を、リサイクルされたタイヤのゴムまたは繊維ガラスから製造することが可能であろう。安全ガード50または55の重量および厚さを低減するために、全体的な有効性を犠牲にすることなく内部を強化するための内側ワイヤーメッシュを採用することが可能である。
【0015】
[0016]この点で、安全ガード50および55は、車両2の下方に有生および無生の対象物が行くことを防止するため、その対象物と係合するために、車両2の異なる部分に搭載されそこから下向きに延在することを認識されたい。このことを念頭に置いて、どのように前面安全ガード50が、バンパー14の下の前端8に沿って延在するように設計されているかだけでなく、最前方側部ドア15の下に、基本的にはホイールハウス13の前部まで延在するように回り込むかにも留意されたい。他方では、安全ガード55は、それぞれ前輪12のホイールハウス13と後輪22のホイールハウス30との間の本質的に全体に側部パネル33の下に延在する。したがって、安全ガード50と安全ガード55との間では、車両2の前および側部にわたった全体区域が保護される。とにかく、本発明の目的のために、安全ガード50および55のうちの1つまたは複数が設けられ得、各ガード50、55は、実際には、1つまたは複数の断片で形成され得る。本体7への安全ガード50および/または55の特定の搭載は、準拠と、上記で参照された垂直移動構成とを確かに、好ましく受け入れながら、本発明に従って大きく異なることができる。なお、本発明の詳細を説明する目的のために、安全ガード55の一部の搭載および動作への参照がなされ、対応する搭載および動作は、安全ガード50に関連して採用され得ることが理解されよう。
【0016】
[0017]具体的に図2を参照すると、本体7の中央区画17の一部に沿って取られた細長い断面図が、本発明の完全な理解に関連して、安全ガード55についての1つの好ましい搭載配置を示すように提供されている。枢動のおよび垂直に移動可能な搭載配置の組合せの両方が示されているが、枢動運動が受け入れられることは好ましいが、要求されないことに留意されたい。いずれにしても、安全ガード55は基本的に、前輪12と後輪22との間に延在するスカートの形でバリアを確立し、安全ガード55は、下側部110まで縮小または先細りする上側部105を含む。上記で示したように、安全ガード55は様々な材料で作製され得るが、好ましくはプラスチックまたはエラストマー材料(最も好ましくはウレタン)が採用され、その材料は、金属バーなどの細長い内部支持部材120の周りに成形されることが好ましい。支持部材120に留められているのは、前後あるいは長手方向に延在する1つまたは複数の第1の搭載部品125であり、この各々は、締結具の使用を通して板またはブラケットの形をとり、第1の搭載部品125を通って支持部材120の中に延在する締結具のうちの1つが、130に示されている。第1の搭載部品125は、それぞれのばね150を介して、長手方向に離間された様々な第2の搭載部品に相互接続しており、この第2の搭載部品のうちの1つが、板として140に示されている。この搭載配置では、例えば安全ガード55が縁石または減速バンプなどの動かせない対象物にぶつかる事象において、安全ガード55は、図2の矢印Aによって示されるように、車両2の内側へ横方向に枢動することができる。しかしながら、ばね150は、偏向前に人または動物に関連付けられた力に耐えるために十分強固である。
【0017】
[0018]本発明に関連して特に重要なのは、図2の矢印Bによって示されているように、安全ガード55を垂直に移動させる能力である。全体的な組立体は様々なやり方で構造化され得るが、図2は、各第2の搭載部品140が、アクチュエーターユニットまたは組立体200を介して車両本体7の骨組部材175に接続されている配置を示す。図示の実施形態において、アクチュエーター組立体200は、筐体220を含むリニアアクチュエーターを画定し、筐体220は、上側ブラケット225および下側ブラケット230を介して車両本体7に固定されたシリンダーの形をとっており、この実施形態では、骨組部材175にボルト締めされるように示されている。確かに、電気モーター、磁気、サーボ等を含めた様々な種類のアクチュエーター組立体が採用されることができる。図示のように、アクチュエーター組立体200はまた、シャフトまたはロッド240を含み、このシャフトまたはロッド240は、筐体220内に移動可能に搭載されているピストン262を備える第1の端部245と、ブッシング270および骨組部材175を通って延在し、次いで第2の搭載部品140に固定して留められている第2の端部264とを有する。筐体220内で、ピストン262と第2の搭載部品140との間には、筐体220に対する直線運動のためにシャフト240を支持するように、様々なベアリングまたはガイドスリーブユニット275および276が設けられている。
【0018】
[0019]筐体220の上側チャンバ280内のピストン262の上方には、ピストン262を下向きの方向に付勢するばね285がある。ばね285の付勢力は、調整可能な流体圧力によって打ち消されており、この調整可能な流体圧力は、筐体220の下側チャンバ290内の空気圧であり得るが、好ましくは油圧である。この点で、図2に示されている完全に持ち上げられた操作位置において、ばね285は、シャフト240したがって安全ガード55を下げる傾向にあることを認識されたい。他方で、下側チャンバ290における流体圧力は、図示の持ち上げられた位置における位置安全ガード55まで、ばね285を圧縮している。安全ガード55を、より通常の操作位置、すなわち標準的な縁石140の高さ未満の距離(一般的に縁石は、およそ4~6インチまたは約10~15cmの高さにある)だけ地上または車両支持表面から離間されている位置まで、基本的には、車両2に対する支持表面または道路の上方およそ5.08~15.24cm(2~4インチ)(好ましくは約7.62cm(3インチ))に下げることができるように望まれる場合、このことは単に、下側チャンバ290内の流体圧力を下げることを要求する。ばね285がすでに圧縮されていることを鑑みると、安全ガード55を下げることは、動作衝撃吸収機能を提供するばね285によって、かなり調節されることができる。
【0019】
[0020]この搭載配置では、枢動接続を含むことにより、安全ガード55が、車両本体7に対して内側へ移動することが可能になる。本発明にかかるより重要なことは、安全ガード55が、車両本体7に対して垂直に移動できることである。したがって、これらの運動は、多数の別々の軸に沿って、個別か組み合わせてかのいずれかで実行されることができる。本発明のより広い態様によれば、枢動運動が任意であり得るとしても、図2に示された動作位置を越えた時計回りの安全ガード55の枢動を防止するように提供がなされ得ることを述べる価値がある。図示のように、ばね150がこの機能を達成するが、多種多様な他の構造が採用されることができる。例えば、1つまたは複数の追加のリンク機構、クランプ、ブラケット等が採用されることができ、あるいは単純な形で、停止部材(図示せず)、またはさらには、第1の搭載部品125と第2の搭載部品140との間のロープが、単純に採用されることができる。いずれにしても、依然として望ましい枢動および垂直運動を受け入れながらも、異なる搭載配置が採用されることができると容易に認識されたい。さらに、筐体220およびシャフト240は、概ね円形の断面を有するように円筒形として示されているが、実際には、これらの部品は、依然として望ましい限定的な相対運動を受け入れながらも、断面が多角形であり得る。さらに、(関連付けられたチャンバばねを伴うまたは伴わない)アクチュエーター組立体200について複式(上側および下側の)流体チャンバを両方に採用すること、または下側チャンバ290にばね285と上側チャンバ280に調整可能な流体圧力とを含むように、図2に示されている構成を反対にすることなどの、異なる配置が、垂直運動を提供するために利用されることができる。したがって、単純に重要なのは、必要に応じて、特に縁石または車道における障害物などの無生の対象物との接触を係合することを回避するために、本発明による安全ガード55を垂直に移動させることが可能であることである。この垂直移動は、走行している車両の先の道路条件を見ている間に車両2の操作者によって選択的に、および/または次に特に図3を参照して詳細に説明されるように感知入力に基づいて自動的に実行されることができる。
【0020】
[0021]安全ガード55の垂直高さを制御するためのシステム350は、車両2に搭載されているコントローラーまたはCPU360を含む。コントローラー360によって実行される特徴は、主車両コントローラーへと統合され、または主車両コントローラーにリンクされることができる。いずれにしても、コントローラー360は、各アクチュエーター組立体200に制御信号を出力するために使用される。制御信号は、様々なやり方で確立されることができる。最も単純な電子形態では、車両運転者が、レバーまたはボタンなどを介して、安全ガード55を持ち上げまたは下げる望みを示すように、370において入力を導入することができる。例えば、操作者は、直接か1つまたは複数のカメラモニターからかのいずれかで、車両2についての先の道路を単純に見ることができ、安全ガード55に損傷を与える可能性のある障害物が観察された場合、操作者は、入力370を介して安全ガード55を持ち上げることができる。障害物が通過した後、別の入力370か入力370の中止かのいずれかが、安全ガード55をその通常の動作高さにつかせることになる。代替的にまたはユーザーの選択可能な選択肢として、高さ制御は、感知された条件に基づいて、例えば車両搭載センサー入力380および/または外部センサー入力390からの信号に基づいて、自動的に実行されることができる。
【0021】
[0022]車両搭載センサー入力380に関連して、車両2は、一連のカメラ、光レーザー、ソナーセンサー、レーダーセンサー、または他の任意の既知の種類の対象物/地形センサーを含めた、多様なセンサーを備え得、コントローラー360は、受信された信号に基づいて安全ガード55の高さを自動的に調整するように機能する。外部センサー入力390に関連して、遠隔で信号を送る様々な制御シナリオが可能である。例えば、減速バンプが道路に設置されているとき、信号ユニットもまた、外部センサー入力として取り上げられコントローラー360によって使用される信号を出力するように設置されることができる。信号はまた、衛星画像に基づいて、またはさらには、個別の携帯電話によって提供される障害物情報が供給されるアプリから、送信されることができる。固定された障害物についての情報は、データベースに保存され、とられる車両経路に基づいて、コントローラー360によってアクセスされることができる。そのようなデータは、コントローラー360に保存され、または遠隔局から受信された信号から利用可能であり得る。また、同じ道路にわたる将来の走行での安全ガード55の垂直移動が、以前の旅でとられた行動に基づくことができるように、車両2に関する位置および速度データは、ログを取られまたは記録されることができる。更新指示は、好ましくはWi-Fi、Bluetooth(登録商標)、NFC、RFID、衛星等のようなワイヤレス伝送によって更新されることができ、遠隔高さ情報および指示は、地域の勾配の地図または変化する条件について収集されたデータによって提供される。
【0022】
[0023]アクチュエーターユニット200への出力に加えて、コントローラー360は、車両2の動作状態の変化の信号を送ることができる警告システム400にもリンクされることが好ましい。例えば、安全ガード55が持ち上げられるときはいつでも、車両2のごく近傍にいる歩行者、自転車の搭乗者等は、警告されることができる。そのような警告は、警告ライトの照明と同等だとみなされ得るが、可聴信号および他の視覚信号が提供されることができる。障害物が搭乗の快適さを改めるおそれがあり、このことが容易に前もって警告されることができるため、警告(例えば、警報音、通知、アナウンス等)は、乗員にも拡大されることができる。この文脈において、コントローラー360はまた、道路条件についてのデータを基本的に共有するために、410において、例えばエアバッグ、調整可能なサスペンション部品、タイヤ圧システム等の他の車両制御システムにもリンクされることができる。警告システムはまた、ガードの近くでとられた映像(すなわち、車両またはガードの1つまたは複数のカメラ)に基づくことができる。信号は、操作者のダッシュボードに送信され、また将来の使用のために記録されることが好ましい。また、生中継映像は、人々を乗せたり降ろしたりすることに関連付けられた危険性に関連した教育的な目的のために、搭乗者へ利用可能とされることができる。映像はまた、運転者の安全能力を監視し、様々な種類の車両事故を捕らえるために使用されることができる。
【0023】
[0024]上記に基づいて、本発明は、人が前輪もしくは後輪によって轢かれることにより引き起こされる負傷または事故死を防止するために、歩行者、自転車乗り等が車両の車台に進入することを防止するように、フロントバンパーおよび/またはロッカーパネルの下から道路表面までの潜在的に危険な隙間を閉じる、車台、本体、骨組み、キャシー等にしっかりと搭載された物理的バリアまたはガードを確立することが容易に明らかなはずである。本発明に重要なことは、先の道路条件を見ている間に操作者によって、および/またはレーザーセンサー、光学センサー、レーダーセンサー、ソナーセンサー、およびバリアの車高を調整する目的のために道路表面が読まれることを可能にする他の監視配置に基づくセンサー捕捉情報によって、ガードが、垂直に上および下へ動かされることが可能なことである。センサーはまた、例えば振動、音波等を介して、高さ制御システムの応答を調整するために使用されるフィードバック信号を送信することができる。一旦バリアが安全のために位置付けられると、バリアは、縁石または他の動かせない対象物の衝撃により内側に動くことになるが、道路における潜在的に損傷を与えるバンプにバリアがぶつかることを防止しながら、主に一定の車高を保持するために、上および下へも動くことになり、その結果、車台の下に均一なレベルの保護が維持されることができる。安全ガード車高システムは、車両での自己充足型であり得、あるいは、コンピューター化された監視および報告を提供するため、ならびに潜在的には、人工知能、機械学習、コンピュータービジョン等を用いた調整を行うためにも、合わせて使用されることができるネットワーククラウドシステムに接続され得る。システムはまた、データ収集ならびに監視のために、表面温度、組成、およびメンテナンスの問題などの道路条件を感知し、適切な都市、国家、または連邦機関に報告することができる。バリア車高センサーシステムのセンサーはまた、例えばエアバッグ、衝撃、ばね、タイヤ圧等のサスペンション部品に関する車両へのフィードバック、ならびに感知された任意の障害、故障、考えられる故障またはメンテナンスの必要性についてのフィードバックを提供することができる。例えば、車両操作者または他の監督もしくは公共交通機関管理所に、ガードが消耗または損傷により交換されることを必要としているという通知を自動的にトリガーするために、ガードに組み込まれたセンサーが採用されることができる。これらまたは他のセンサーはまた、例えば、縁石、道路のくぼみ、損傷した道、種々雑多な障害物等の過度に潜在的に損傷を与えるものとガードとの衝突の信号を送ることができる。衝突の程度、ガード衝撃箇所、および走行区域は、さらなる分析のためにログを取られることができる。確かに、安全ガードがメンテナンスまたは他の理由のために移動させられることを必要とする場合、コントローラーは、車両の下方へのアクセスを容易に得るために、ガードを枢動もしくは旋回させるように指示されまたは上書きされることができる。
【0024】
[0025]本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、本発明の思想から逸脱することなく、本発明に対して様々な変更および/または修正がなされ得ることを容易に理解されたい。例えば、ガードおよび/または搭載構造の特定の幾何形状、ならびにガードおよび/または搭載構造が作製される材料は、異なることができる。確かに、本発明の安全ガード組立体は、他のガード構造と組み合わせて使用されることができる。さらに、ガード自体は、さらなる安全機能のための、特に反射する色および/もしくは蛍光色の注意ロゴ、または照明装置を含むことができる。事実、ガードは、危険の潜在性を強調するための、ガードから道路、歩道等に投影される周辺パターンのライトなどの照明装置自体を含むことができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】