(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】天然繊維を有する封止された吸収性物品パッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 85/07 20170101AFI20240723BHJP
【FI】
B65D85/07
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502711
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 US2022038611
(87)【国際公開番号】W WO2023009686
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、レムス
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン、シュピーカーズ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター、クラムコブスキ
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA40
3E068AB02
3E068AC07
3E068BB06
3E068BB08
3E068BB09
3E068CC22
3E068CD01
3E068CE01
3E068DD30
3E068DE01
3E068EE40
(57)【要約】
1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、1つ以上の吸収性物品がパッケージ内に封止されるパッケージが開示される。パッケージは、複数のパネル及び上折り畳み線を有する。複数のパネルは、消費者対向パネルと、消費者対向パネルの上に配置された上部パネルとを含む。複数のパネルの各々が、内側表面及び外側表面を有する。上折り畳み線は、消費者対向パネルと上部パネルとの間に配置され、また上折り畳み線は、少なくとも部分的に、横方向折り目と同一線上にある。パッケージ材料は、天然繊維を有し、本明細書で修正されるISO536によって決定された場合に、60gsm~120gsm、より好ましくは、65gsm~105gsm、又は最も好ましくは、70gsm~90gsmの坪量を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、前記1つ以上の吸収性物品が前記パッケージ内に封止されており、前記パッケージは、
消費者対向パネルと、前記消費者対向パネルの上に配置された上部パネルとを含む複数のパネルであって、前記複数のパネルの各々が内側表面及び外側表面を備える、複数のパネルと、
前記消費者対向パネルと前記上部パネルとの間に配置された上折り畳み線であって、少なくとも部分的に、横方向折り目と同一線上にある、上折り畳み線と、を含み、
パッケージ材料は、天然繊維を有し、本明細書で修正されるISO536によって決定された場合に、60gsm~120gsm、より好ましくは、65gsm~105gsm、又は最も好ましくは、70gsm~90gsmの坪量を有する、パッケージ。
【請求項2】
前記上部パネルは、前面と、対向する背面と、右面と、対向する左面と、開封テールと、を備える、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記前面又は前記背面の少なくとも1つは開封折り目を含む、請求項2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記右面及び/又は前記左面はガセット折り目を含む、請求項2又は3に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記消費者対向パネルに対向する背面パネルと、前記消費者対向パネルと前記背面パネルとの間に配置された左パネルと、前記消費者対向パネルと前記背面パネルとの間に配置された右パネルと、を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記消費者対向パネルと前記左パネルとの間、前記消費者対向パネルと前記右パネルとの間、前記右パネルと前記背面パネルとの間、及び/又は前記左パネルと前記背面パネルとの間に配置された1つ以上の垂直折り目を更に備える、請求項5に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記横方向折り目は第1の平面内に配置され、前記1つ以上の吸収性物品の上縁部は第2の平面内に配置され、前記第1の平面と前記第2の平面との間の距離は、5mm以下、より好ましくは3mm以下、又は最も好ましくは2mm以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記横方向折り目は、0.01mm超、より好ましくは0.02mm超、又は最も好ましくは0.03mm超の深さを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記横方向折り目は、0.01mm~0.9mm、より好ましくは0.02mm~0.7、又は最も好ましくは0.03mm~0.5mmの深さを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記横方向折り目は、0.1mm~7mm、より好ましくは0.1mm~5mm、又は最も好ましくは0.1mm~4mmの幅を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項11】
前記横方向折り目は、0.1mm~3mm、より好ましくは0.1mm~2mm、又は最も好ましくは0.1mm~1mmの幅を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記横方向折り目は、前記内側表面から前記外側表面に向かって付勢される、請求項1~11のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記開封折り目は、前記内側表面から前記外側表面に向かって付勢される、請求項3~12のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記開封折り目は前記前面に配置されている、請求項13に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記一対のガセット折り目は、前記外側表面から前記内側表面に向かって付勢される、請求項4~14のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項16】
前記上折り畳み線は、前記消費者対向パネルと前記上部パネルとの間に配置された第1の部分と、前記右パネルと前記上部パネルとの間に配置された第2の部分と、前記背面パネルと前記上部パネルとの間に配置された第3の部分と、前記左パネルと前記上部パネルとの間に配置された第4の部分と、を含み、第1の角部が、前記消費者対向パネルと前記右パネルとの間に配置され、第2の角部が、前記右パネルと前記背面パネルとの間に配置され、第3の角部が、前記背面パネルと前記左パネルとの間に配置され、第4の角部が、前記左パネルと前記消費者対向パネルとの間に配置されている、請求項5~15のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項17】
前記横方向折り目は、前記消費者対向パネルと前記上部パネルとの間に配置された第1のセクションを備え、前記第1のセクションは、第1の部及び第2の部を備え、前記第1の部は、前記第4の角部から前記消費者対向パネルの垂直中心線に向かって延在し、前記第2の部は、前記第1の角部から前記消費者対向パネルの中心線に向かって延在している、請求項16に記載のパッケージ。
【請求項18】
前記第1の部及び前記第2の部が、前記上折り畳み線の前記第1の部分の長さよりも短い累積長さを有する、請求項17に記載のパッケージ。
【請求項19】
前記累積長さは、前記第1の部分の長さの少なくとも10パーセント、より好ましくは前記第1の部分の長さの少なくとも30パーセント、又は最も好ましくは前記第1の部分の長さの少なくとも50パーセントである、請求項18に記載のパッケージ。
【請求項20】
前記横方向折り目は、少なくとも部分的に、前記消費者対向パネルと前記上部パネルとの間、前記右パネル及び前記左パネルと前記上部パネルとの間、並びに前記背面パネルと前記上部パネルとの間に配置されている、請求項16~19のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項21】
前記パッケージ材料は、少なくとも50重量パーセントの天然繊維、より好ましくは少なくとも70重量パーセントの天然繊維、又は最も好ましくは少なくとも90重量パーセントの天然繊維を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項22】
前記パッケージ材料は、PTS-RH:021/97(草案2019年10月)法によって決定された場合に、少なくとも70パーセント、より好ましくは少なくとも80パーセント、又は最も好ましくは少なくとも90パーセントのリサイクル可能率を呈する、請求項1~21のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項23】
前記パッケージ材料は、PTS-RH:021/97(草案2019年10月)法によって決定された場合に、全体的な「合格」試験結果を呈する、請求項1~22のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項24】
前記パッケージ材料はバリア層を含まない、請求項1~23のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項25】
前記パッケージ材料はバリア層を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項26】
前記1つ以上の吸収性物品は、おむつパンツ、失禁パッド、おむつ、又は成人用失禁ブリーフのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て吸収性物品及びそれらのパッケージング、より具体的には、天然繊維を含む使い捨て吸収性物品のパッケージング材料に関する。
【背景技術】
【0002】
環境に優しい製品は、歴史におけるこの時点での多くの消費者の意識の最先端にある。持続可能に供給される製品への注目が増加している。例えば、市場では、天然材料、生物源材料、及び/又はリサイクル材料を含む消費者製品を作製することへの強い要望がある。廃棄目的では、生分解性、堆肥化可能、リサイクル可能、再利用可能、かつ/又はそうでなければ最小限の埋め立て廃棄物を生じる製品への注目が増加している。
【0003】
使い捨て吸収性物品、特に、使い捨て吸収性物品パッケージングの文脈においては、これらの基準の一方又は両方をすでに満たすパッケージ材料が存在する。例えば、それらの棚パッケージとして、カートンボードを利用する多数の吸収性物品が存在する。カートンボードは、木材パルプに由来するため、持続可能に供給されること、リサイクル可能であることの一方又は両方であり得る。そして、パッケージ内の製品がそれ自体で棚で安定な表面を形成することができない場合、カートンボードが有用である。
【0004】
使い捨て吸収性物品が圧縮されること及び/又は棚安定性のある表面を形成することが可能である場合、より可撓性のある材料、すなわち、プラスチックが多くの場合使用される。プラスチックの屈曲及び延伸の能力を考慮すると、プラスチックは、パッケージングプロセスの厳しさにカートンボードよりもはるかに強く耐えることができるため、概してカートンボードよりも好ましい。しかしながら、プラスチック及び非プラスチック系材料の代替物に対する公的需要が高まっている。天然系の可撓性パッケージング材料は、その需要を満たす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のパッケージは、その中に1つ以上の吸収性物品を含み、天然繊維を含むパッケージ材料を含む。パッケージの各々は、消費者に面するパネルを含む、複数のパネルを含み、パッケージは封止される。加えて、本開示のパッケージはリサイクル可能である。
【0006】
一実施例では、1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、1つ以上の吸収性物品はパッケージ内に封止され、パッケージは、消費者対向パネルと、消費者対向パネルの上に配置された上部パネルと、を含む複数のパネルであって、複数のパネルのそれぞれが内側表面及び外側表面を備える、複数のパネルと、消費者対向パネルと上部パネルとの間に配置された上折り畳み線であって、少なくとも部分的に、横方向折り目と同一線上にある、上折り畳み線と、を含み、パッケージ材料は、天然繊維を含み、本明細書で修正されるISO536によって決定された場合に、60gsm~120gsm、より好ましくは65gsm~105gsm、又は最も好ましくは70gsm~90gsmの坪量を有する、パッケージ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】パッケージ材料の内側表面を示す、本説明によるパッケージ材料のウェブを示す概略図である。
【
図2A】線2A-2Aに沿った
図1のパッケージ材料の部分断面図である。
【
図2B】本開示による折り目の代替構成を示す部分断面図である。
【
図4】本開示によるパッケージの断面の概略図である。
【
図5A】パッケージ材料の外側表面を示す、本説明によるパッケージ材料のウェブを示す概略図である。
【
図5B】
図5Aの線5A-5Aに沿ったパッケージ材料の断面図である。
【
図5C】本開示のパッケージの上部パネルを示す概略図である。
【
図6】ブロック底部スタイル構成にある封止を備える、本開示のパッケージの概略図である。
【
図7】交差底部スタイル構成にある封止を備える、本開示のパッケージの概略図である。
【
図8】本開示のパッケージを示す概略図であり、パッケージは、ピンチ底部構成にある封止を備える。
【
図9A】フローラッププロセスで構築された本開示によるパッケージを示す概略図である。
【
図9B】フローラッププロセスで構築された本開示による別のパッケージを示す概略図である。
【
図10A】本開示に従って構築された本開示による別のパッケージを示す概略図である。
【
図11】その中の吸収性物品を示す本開示によるパッケージの断面図である。
【
図12】物品の部分切断図を示す、本開示の吸収性物品の概略図である。
【
図13A】本開示に従って構築されたおむつの平面図である。
【
図14A】曲げ方法において利用される超高感度固定具を示す概略図である。
【
図14B】曲げ方法において利用される超高感度固定具を示す概略図である。
【
図14C】曲げ方法において利用される超高感度固定具を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用する場合、「吸収性物品」という用語は、排泄物を吸収して収容するデバイスを指し、より具体的には、着用者の身体に当てて又は着用者の身体に近接して配置されて、身体から排泄された様々な排泄物を吸収して収容するデバイスを指す。本開示の吸収性物品には、おむつ、成人用失禁ブリーフ、トレーニングパンツ、おむつホルダー、おむつ外側カバー、おむつ外側カバー用の吸収性インサート、月経パッド、失禁パッド、ライナー、パンティライナー、タンポン、耐久性のある月経パンツなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0009】
「折り目」という用語は、ウェブの優先曲げ軸を作り出すウェブ材料内の1つ又は複数の特徴を指す。本開示の折り目は、エンボス加工領域、より低いキャリパ領域、より低い密度の領域、より低い剛性の領域、材料変位の領域、又はこれらの組み合わせを含み得る。折り目は折り畳みの前に本開示のウェブに存在するが、折り畳み目はウェブの折り畳みの後にのみ存在することは注目に値する。
【0010】
本明細書で使用される場合、「幅方向」又は「CD(cross-machine direction)」という用語は、ウェブの平面内で機械方向に垂直である経路を指す。
【0011】
本明細書で使用される場合、「機械方向」又は「MD(machine direction)」という用語は、ウェブなどの材料が製造プロセスを通して進む経路を指す。
【0012】
本明細書で使用される場合、「着色剤」という用語は、基材に色を付与するために使用されるインク、染料、顔料などを指す。
【0013】
本明細書で使用される場合、「天然繊維」という用語は、セルロース系繊維、竹ベースの繊維などを含む繊維を指す。天然繊維はまた、綿、アバカ、ケナフ、サバイ草、亜麻、エスパルト繊維、わら、ジュート麻、バガス、トウワタフロス繊維、及びパイナップリーフ繊維などの非木質繊維、並びに北部及び南部針葉樹クラフト繊維などの針葉樹繊維を含む落葉及び針葉樹から得られるものなどの木質、木材、又はパルプ繊維、ユーカリ、カエデ、カバ、及びアスペンなどの広葉樹繊維を指す。パルプ繊維は、高収率又は低収率形態で調製することができ、クラフト、亜硫酸塩、高収率パルプ化法、及び他の既知のパルプ化法を含む任意の既知の方法でパルプ化することができる。本開示の天然繊維は、リサイクル天然繊維、バージン天然繊維、又はそれらの混合物であってもよい。更に、天然繊維における良好な機械的特性のために、天然繊維が比較的損傷を受けず、ほとんど精製されていないか、又はわずかに精製されていることが望ましい場合がある。繊維は、少なくとも200、より具体的には、少なくとも300、より具体的には、少なくとも400、最も具体的には、少なくとも500のカナダ標準ろ水度を有することができる。
【0014】
本明細書で使用される場合、「セルロース系繊維」という用語は、特に明記しない限り、木材繊維、綿、再生セルロース繊維のようなビスコース、リヨセル、レーヨン、又は銅アンモニアレーヨン、及び高パルプ収率繊維などのセルロース繊維を含んでもよい。「セルロース系繊維」という用語はまた、マーセル化パルプ、化学的に硬化されたか、若しくは架橋された繊維、又はスルホン化繊維などの化学的に処理された天然繊維も含む。また、マーセル化天然繊維、再生天然セルロース繊維、微生物によって生成されるセルロース、レーヨンプロセス、セルロース溶解及び凝集紡糸プロセス、及び他のセルロース材料又はセルロース誘導体も含まれる。含められる他のセルロース系繊維は、破損した紙又はリサイクル繊維及び高収率の繊維である。高収率パルプ繊維は、約65%以上、より具体的には、約75%以上、更により具体的には、約75%~約95%の収率を提供するパルプ化プロセスによって生成される繊維である。収率は、初期木材質量の百分率として表される処理された繊維の結果として得られる量である。そのようなパルプ化プロセスには、漂白ケミサーモメカニカルパルプ(bleached chemithermomechanical pulp、BCTMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(chemithermomechanical pulp、CTMP)、圧力/圧力サーモメカニカルパルプ(pressure/pressure thermomechanical pulp、PTMP)、サーモメカニカルパルプ(thermomechanical pulp、TMP)、サーモメカニカル化学パルプ(thermomechanical chemical pulp、TMCP)、高収率亜硫酸パルプ、及び高収率クラフトパルプが含まれ、それらは全て、結果として得られる繊維が高レベルのリグニンを有するままにするが、それでも天然繊維であると考えられる。高収率繊維は、典型的な化学的パルプ化繊維と比較して、乾燥状態及び湿潤状態の両方においてそれらが剛性であることで知られている。
【0015】
本明細書で使用される場合、「リサイクル不可能な材料」又は「汚染物質」という用語は、天然繊維リサイクルプロセスにおける処理には不適切であると考えられる材料を指す。しかしながら、代替のリサイクルストリームでは、これらの名称のうちの一方又は両方を備えた材料は、リサイクル可能であり得る。
【0016】
本開示のパッケージ材料は、パッケージ材料が天然繊維を含む完成パッケージに高級な外観を提供することができる。本開示のパッケージ材料は、折り畳み線の位置決めに関してより厳しい公差を許容することによってパッケージ材料の加工を容易にし得るだけでなく、接着剤の使用量の低減をも潜在的に可能にし得る。
【0017】
本開示のパッケージ材料は、折り目に沿ったパッケージ材料の折り畳みを容易にするために、少なくとも1つの折り目を含む。明確にするために、折り目は、パッケージ材料上に設けられる特徴であり、製品がパッケージ材料内に配置されたとき、又は製品をパッケージ材料内に配置する前に、パッケージ材料を折り畳むことを容易にする。折り目に関連する折り畳み線は、折り目と概ね同一直線上にある。
【0018】
折り目は、任意の好適な方法によって形成され得る。一実施例では、折り目は、パッケージ材料のエンボス加工を介して形成されてもよい。そのようなプロセスでは、パッケージ材料は、一対のローラを通過させられてもよく、ローラのうちの少なくとも1つは、パッケージ材料の一部分を圧縮する。圧縮されたパッケージ材料のこの領域は、後の折り畳み線のためのヒンジ又は優先曲げ軸を形成することができる。本開示に従って折り目を形成するための別の好適なプロセスは、変位である。例えば、パッケージ材料は、厚さ方向に変位される材料の領域を含んでもよい。変位された材料は、折り目を含み得る。そのような実施形態では、折り目のエンボス加工とは対照的に、折り目は、低密度の領域、例えば折り目の底部表面を含んでもよい。これらの折り目は、1つ以上の折り畳み線に対して優先曲げ軸を提供することができる。別の好適な方法は、折り目が折り目における材料の除去に基づいて低減された厚さを有するスカイビング加工を含む。この場合も、本開示のパッケージに1つ以上の折り目を形成するための任意の好適な方法、例えば、レーザー若しくは他の機械的処理、化学的処理、及び/又はこれらの組み合わせが利用されてもよい。
【0019】
本発明者らは、驚くべきことに、パッケージ材料の特定の領域に折り目を配置することにより、より仕上がった外観のパッケージが提供され得ることを見出した。例えば、パッケージの縁部ははるかに明確であり、パッケージのパネルは、無計画ではなくはるかに意図的に見える。加えて、本発明者らは、パッケージを封止するときのガセットオフセットの量が減少することを見出した。これは、品質の低下を減じることになり得、それによってより多くの生産時間が確保される。また、本発明者らは、驚くべきことに、折り目の戦略的な配置により、本開示のパッケージ材料を含むパッケージがより容易に積み重ねられ得ることも見出した。
【0020】
本開示のパッケージ材料は、略直方体の形状を備えるように、すなわち複数のパネルを有するように構成されてもよい。このような構成のパッケージは、消費者対向パネルを含んでもよい。前述したように、消費者対向パネルは、消費者に対向するパッケージの面である。概して、消費者に対向するパネルは、ブランディング及び/又はパッケージ情報を含み、それらの各々について本明細書で更に詳細に記載する。複数のパネルの各々が、内側表面及び外側表面を含む。
【0021】
消費者対向パネルに加えて、本開示のパッケージは、消費者対向パネルに対向する背面パネルと、消費者対向パネルと背面パネルとの間に配設された左パネルと、左パネルに対向する右パネルと、消費者対向パネルと背面パネルとの間に配設された底部パネルと、対向する上部パネルと、を更に備え得る。上部パネルは、開封テール並びに側部ガセットを備えてもよい。開封テール及び側部ガセットは、以下で更に詳細に説明される。追加のパッケージ構成も以下に開示される。
【0022】
本開示のパッケージの追加の特徴は、特にこれらのパッケージが略直方体の形状を含む場合に、縁部を含む。例えば、第1の縁部は、消費者対向パネルと右パネルとの間に位置付けられてもよく、第2の縁部は、右パネルと背面パネルとの間に位置付けられてもよく、第3の縁部は、背面パネルと左パネルとの間に位置付けられてもよく、第4の縁部は、左パネルと消費者対向パネルとの間に位置付けられてもよい。
【0023】
パッケージ材料は、一体であってもよい。例えば、複数の折り畳み目を利用して、パッケージの複数のパネル間の縁部を形成してもよい。パッケージが直方体の形状である実施例を更に説明するために、少なくとも1つの折り畳み目がパネルの各々の間に配置され得る。例えば、上折り畳み線は、パッケージ内の1つ以上の吸収性物品の上縁部に隣接して位置付けられてもよい。上折り畳み線は、消費者対向パネルと上部パネルとの間に配置された第1の部分と、右パネルと上部パネルとの間の第2の部分と、背面パネルと上部パネルとの間の第3の部分と、左パネルと上部パネルとの間の第4の部分と、を備えてもよい。いくつかの形態においてパッケージ材料が別個の部分を含み得ることは注目に値する。パッケージ材料の構成について、以下で更に詳細に説明する。
【0024】
本開示のパッケージのより明確なパネルを作成するために、パッケージの1対又は複数対のパネルの間に横方向折り目が位置付けられてもよい。一例として、横方向折り目は、消費者対向パネルと上部パネルとの間に配置された第1のセクションを含んでもよい。第1のセクションは、第1の部と第2の部とを含んでもよい。第1の部は、第4の縁部から消費者対向パネルの中心線に向かって延在してもよい。第2の部は、第1の縁部から消費者対向パネルの中心線に向かって延在してもよい。横方向折り目の第1のセクションと上折り畳み線の第1の部分は、同一直線上にあり得る。
【0025】
上折り畳み線の第1の部分と横方向折り目の第1のセクションとの関係は、変化し得る。上折り畳み線の第1の部分は、持続可能な形状を作り出すために、好ましくは、パッケージ全体の長さである長さを有することができる。しかしながら、第1のセクションは、必ずしもパッケージの全長に延在する必要はない。代わりに、横方向折り目は、横方向折り目に沿った折り畳みを促進するために提供されるので、横方向の第1の部及び第2の部は、上折り畳み線の第1の部分の長さよりも短い累積長さを有することができる。例えば、横方向折り目の第1のセクションの第1の部及び第2の部は、上折り畳み線の第1の部分の長さの少なくとも10パーセント、より好ましくは上折り畳み線の第1の部分の長さの少なくとも30パーセント、又は最も好ましくは上折り畳み線の第1の部分の長さの少なくとも50パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)である累積長さを有することができる。1つの特定の例では、上折り畳み線の第1の部分と横方向折り目の第1のセクションは、同一の広がりを有してもよい。そのような例では、上折り畳み線の第1の部分と第1のセクションは、パッケージの全長に延在することができる。
【0026】
右パネルと上部パネルとの間の移行に関して言えば、上折り畳み線は第2の部分を備えてもよく、横方向折り目は第2のセクションを備えてもよい。上折り畳み線の第2の部分と横方向折り目の第2のセクションは、同一直線上にあってもよい。
【0027】
横方向折り目の第2のセクションは、第1の部と第2の部とを含んでもよい。第1の部は、第1の縁部から右パネルの垂直中心線に向かって延在してもよく、第2の部は、第2の縁部から右パネルの垂直中心線に向かって延在してもよい。第2の部分は、パッケージの全深さに等しい長さを有することができる。対照的に、横方向折り目の第2のセクションの第1の部及び第2の部は、上折り畳み線の第2の部分の長さの少なくとも10パーセント、より好ましくは上折り畳み線の第2の部分の長さの少なくとも30パーセント、又は最も好ましくは上折り畳み線の第2の部分の長さの少なくとも50パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)である累積長さを有することができる。1つの特定の例では、上折り畳み線の第2の部分と横方向折り目の第2のセクションは、同一の広がりを有してもよい。そのような例では、上折り畳み線の第2の部分と横方向折り目の第2のセクションは、パッケージの全深さに延在してもよい。
【0028】
簡潔にするために、左パネルと上部パネルとの間の関係は、右パネルと上部パネルとの関係に関して上記で説明した通りであり得る。しかしながら、この関係では、上折り畳み線は第4の部分を含むことができ、横方向折り目は第4のセクションを含むことができる。第4のセクションは、第1の部と第2の部とを備えてもよく、第1の部は、第3の縁部から左パネルの垂直中心線に向かって延在してもよく、第2の部は、第4の縁部から左パネルの垂直中心線に向かって延在してもよい。
【0029】
背面パネル及び上部パネルに関して言えば、上折り畳み線は第3の部分を備えてもよく、横方向折り目は第3のセクションを備えてもよい。第3のセクションは、第1の部と第2の部とを含んでもよい。第1の部は、第2の縁部から背面パネルの垂直中心線に向かって延在してもよく、第2の部は、第3の縁部から背面パネルの垂直中心線に向かって延在してもよい。第3の部分は、上折り畳み線の第1の部分と同じ長さを備えてもよい。横方向折り目の第3のセクションの第1の部及び第2の部の累積長さは、上折り畳み線の第3の部分の長さの少なくとも10パーセント、より好ましくは上折り畳み線の第3の部分の長さの少なくとも30パーセント、又は最も好ましくは上折り畳み線の第3の部分の長さの少なくとも50パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であってよい。1つの特定の例では、上折り畳み線の第3の部分と横方向折り目の第3のセクションは、同一の広がりを有してもよい。そのような例では、上折り畳み線の第3の部分と横方向折り目の第3のセクションは、パッケージの全長に延在してもよい。
【0030】
上折り畳み線と横方向折り目は、パッケージが横方向折り目を含む程度に同一直線上にある。例えば、いくつかのパッケージは、より明確に見える消費者対向パネルを作り出すために、横方向折り目の第1のセクションのみを備えてもよく、横方向折り目の第2、第3、又は第4のセクションを提供しなくてもよい。あるいは、いくつかのパッケージは、横方向折り目の第1のセクション、第2のセクション、及び第4のセクションを提供してもよい。任意の好適な独立した又は組み合わせの横方向折り目セクションが利用されてもよい。
【0031】
横方向折り目は、パッケージ内の1つ以上の吸収性物品の上縁部に隣接して配置されてもよい。例えば、パッケージ内の1つ以上の吸収性物品は、上縁部と、対向する底縁部と、を含み、底縁部は、上縁部と比べて、底部パネルに対してより近位に配置される。第1の平面は、横方向折り目を含んでもよく、第2の平面は、吸収性物品の上縁部を含んでもよく、第1の平面と第2の平面は、概ね水平であり、互いに平行である。第1の平面と第2の平面との間の距離は、約5mm以下、より好ましくは約3mm以下、又は最も好ましくは約2mm以下(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)とすることができる。第1の平面と第2の平面との間の前述の距離が、距離の絶対値であることは注目に値する。したがって、場合によっては、第1の平面は、第2の平面と比べて底部パネルにより近接していてもよく、あるいはその逆であってもよい。
【0032】
本開示のパッケージが順に積み重ねられる、より棚安定性のある展示を作り出すために、追加の折り目が利用されてもよい。例えば、本開示のパッケージが開封テール(後述)を備える場合、追加の折り目、すなわち開封折り目が利用されてもよい。開封折り目は、開封テールがより平らになるのを助けるために形成され得る。開封テールが平らに置かれるほど、その上に積み重ねられたパッケージはより安定する。
【0033】
パッケージ内の1つ以上の吸収性物品の汚染の可能性を最小限に抑えるために、開封テールは、例えば、接着剤又はバリアフィルムを介した封止を備えてもよい。開封テールは、アクセス封止を形成するために一緒に封止されるパッケージ材料を含む。開封テールは、互いに接合されたパッケージ材料の複数の層を含むので、開封テールは、パッケージング材料の単一層よりもはるかに剛性であり得る。これらのより剛性の高いテールは、下方への折り畳みに抵抗し、直立に跳ね返る傾向があり、それによって、開封テールの上部にあるパッケージを「キック」する。開封テールの「キック」を軽減するために、開封テール及び/又は上部パネルは、その折り畳みを容易にする折り目、すなわち開封折り目を備えることができる。
【0034】
開封テールに加えて、上部パネルは、前面、対向する背面、右面、及び対向する左面を更に備えてもよい。開封折り目が前面に設けられてもよく、これは、開封テールを背面に向かって折り畳むことを容易にする。開封折り目が、背面、左面、右面に、それぞれ独立して、あるいはそれらの任意の組み合わせで提供される形態も企図される。また、横方向折り目と同様に、開封折り目は、開封折り目に関連する折り畳み目、すなわち開口折り畳み目よりも短い累積長さを有してもよい。例えば、開封テールの任意の面上の開封折り目の累積長さは、開口折り畳み目の長さの少なくとも10パーセント、より好ましくは開口折り畳み目の少なくとも30パーセント、又は最も好ましくは開口折り畳み目の長さの少なくとも50(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であってもよい。1つの特定の例では、開封折り目と開口折り畳み線は、同一の広がりを有してもよい。開口折り畳み線は、例えば、第1の部分、第2の部分等を備えて、上折り畳み線と同様に構成されてもよく、開封折り目は、例えば、第1のセクション、第2のセクション等を備えて、横方向折り目と同様に構成されてもよく、各セクションは、第1の部と第2の部とを備える。
【0035】
追加の折り目が、本開示のパッケージに提供されてもよい。例えば、左面及び/又は右面は、ガセット折り畳み目を備えてもよい。ガセット折り目は、内部ガセット折り畳み目が上部パネルの前面から背面までほぼ等しくなることを確実にし得る。これは、ガセット折り畳み目の変動性を低減し、内部ガセット折り畳み目が対称に見え、より仕上げられた外観をパッケージに提供することを確実にするのに役立つ。
【0036】
作製されるパッケージのタイプに応じて、本明細書で説明される折り目に対する追加の折り目が所望され得ることは注目に値する。一例として、吸収性物品の製造業者がブロック底部構成(本明細書において更に詳細に説明される)を備える袋を入手する場合、袋のそれぞれは、折り畳まれたときに第1、第2、第3、及び第4の縁部を形成する垂直折り目を備えてもよい。更に、これらの垂直方向折り目は、折り畳まれたときに、上部パネルの左右の面に外部ガセットの折り畳み目を形成し得る。また、ブロック底部構成袋は、平坦な底部パネルを作成するのに役立つ底部折り目も備えてもよい。
【0037】
更に、交差底部構成(本明細書で更に詳細に説明される)を備える袋が利用されてもよい。交差底部構成の袋は、パネル、例えば右パネル及び/又は左パネルの中心線に概ね沿って収まる垂直折り目を含んでもよい。そのような構成では、製造業者は、パッケージ材料製造業者に、ブロック底部構成パッケージと同様に追加される追加の垂直折り目を要求してもよい。これらの追加の垂直折り目は、パッケージ材料が折り畳まれた際に第1、第2、第3、及び/又は第4の縁部を形成するために提供されてもよい。更に、交差底部構成の袋は、平坦な底部パネルを作成する底部折り目を備えてもよい。
【0038】
更に別の実施形態では、ピンチ底部構成(本明細書で更に詳細に説明される)が利用されてもよい。このようなパッケージは、底部パネルの深さをほぼ二等分する折り目を底部パネル上に備え得る。そのような構成では、製造業者は、第1、第2、第3、及び/又は第4の縁部を形成するために、垂直折り目の提供を求める場合がある。それに加えて、あるいはそれとは無関係に、製造業者は、より明確な/平坦な底部パネルを作成し得る底部折り目の提供を求める場合もある。底部折り目は、例えば、第1のセクション、第2のセクション等を備える横方向折り目と同様に構成されてもよく、底部折り畳み目は、底部折り目と同一直線上に位置付けられてもよい。底部折り畳み目は、例えば、第1の部分、第2の部分等を備える上折り畳み目と同様に構成されてもよい。
【0039】
更に別の実施形態では、直立パウチ構成、封止が、底部パネル及び側部パネルに沿って形成されてもよい。このような構成では、吸収性物品の製造業者又はそのパッケージの製造業者は、これらの袋が本明細書に記載の縁部に対応する垂直折り目を含むことを要求する場合がある。
【0040】
更に他の実施形態も可能である。例えば、吸収性物品の製造業者は、予め形成された袋を受け取るのではなく、パッケージ材料のウェブ、例えばパッケージ材料のロールからパッケージを形成することを選択する場合がある。そのような場合、製造業者は、それらの袋に対し、ブロック底部、交差底部、ピンチ底部、又は直立パウチ構成のいずれかを選択し、パッケージのパネル間により明確な外観を提供するために、またパッケージの積み重ねを容易にするために、本明細書に説明される折り目のうちの1つ以上を追加してもよい。
【0041】
それに代わって、吸収性物品の製造業者は、1つ以上の吸収性物品のパッケージングのためにフローラップ法を利用することができる。このような構成では、パッケージ材料はロール形態をなす。1つ以上の吸収性物品は、パッケージ材料のウェブ上に配置され、次にパッケージが1つ以上の吸収性物品の周りに形成される。本明細書に記載されるパッケージの折り畳み及びパネルの作成を容易にするために、吸収性物品の製造業者は、1つ以上の吸収性物品の周りにパッケージを形成する前に、本明細書に記載される1つ以上の折り目をパッケージ材料のウェブに提供してもよい。
【0042】
更に、これまでの説明は、形状において略直方体であるパッケージに関するものであったが、他のパッケージ形状も考えられる。例えば、6枚未満のパネルを含むパッケージ形状が企図される。この実施例を構築するために、底部パネルから見たときに円形又は半円形の形状を有するパッケージが企図される。更に、底部パネルから見たときに三角形のパッケージが企図される。本開示のパッケージに含まれるパネルの数に関係なく、パッケージは、消費者対向パネルを含む。また、本明細書に開示されるように、横方向折り目が、消費者対向パネルと上部パネルとの間に提供されてもよい。
【0043】
表1に提供されるデータは、本開示のパッケージ材料への折り目の追加の有効性を示している。表1における全ての測定は、本明細書に記載される袋圧縮方法を介して行われた。
【0044】
【0045】
圧縮エネルギーは、本開示のパッケージ材料、すなわち、本明細書に記載される折り目のうちの1つ以上を備えるパッケージ材料が、折り目のない袋よりも圧縮しやすいことを示している。折り目を有する袋は、折り目のない袋よりも小さい回復エネルギーを有する。これは、折り目のない袋が、折り目のある袋と対比して、「上」に押し戻すより大きな望み(及び能力)を有することを意味する(折り目のない袋は、折り目のある袋と対比して、より大きな力で押し戻す)。
【0046】
【0047】
本開示の折り目が優先曲げ方向を有することは注目に値する。具体的には、折り目の方向への折り畳みは、折り畳み/回復のための力をより低くすることになり得る。折り目の方向に逆らって折り畳むことは、同様に、折り畳み/回復のための力をより低くすることになり得るが、しかし、その減少は前者ほど大きくない。これを実証するデータは、折り目を有するサンプルが折り目に逆らって折り畳まれた表3に示されている。
【0048】
【0049】
表2及び表3のデータはともに、本明細書に開示される曲げ方法を使用して得られた。
【0050】
更に、折り目の方向又は折り目と反対の方向に折り畳むことに基づいて、「バイアス」という用語が本明細書で使用される。パッケージ材料の内側表面から外側表面に向かって付勢された折り目は、折り目内のパッケージ材料が内側表面から凹んでいることを意味する。対照的に、パッケージ材料の外側表面から内側表面に向かって付勢された折り目は、折り目内のパッケージ材料が外側表面から凹んでいることを意味する。これは、
図2A、2B及び5Bに関して更に説明される。
【0051】
表2及び表3に示されるように、横方向折り目は、約1.8N以下、又はより好ましくは約1.7N以下(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のピーク負荷を呈してもよい。例えば、横方向折り目は、約0.7N~約1.8N、又はより好ましくは約0.8N~約1.7N(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のピーク負荷を呈してもよい。開封折り目が、横方向折り目のピーク負荷値と同様のピーク負荷値を呈し得ることには何の価値もない。
【0052】
加えて、横方向折り目は、約2.5N/mm以下、より好ましくは約2.4N/mm以下、又は最も好ましくは約2.3N/mm以下(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の勾配を呈してもよい。例えば、横方向折り目は、約1.5N/mm~約2.5N/mm、より好ましくは約1.6N/mm~約2.4N/mm、又は最も好ましくは約1.7N/mm~約2.3N/mm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の勾配を呈してもよい。前述と同様に、開封折り目は、横方向折り目の勾配と同様の勾配を呈してもよい。
【0053】
前述のように、折り目は、任意の好適なプロセスを介して、本明細書に記載されるようなパッケージ材料に提供されてもよい。加えて、本開示の折り目は任意の好適な幅を有し得る。例えば、折り目は、7mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下、又は最も好ましくは2mm以下(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の幅を備えてもよい。そのような構成では、本開示の折り目は、約0.1mm~約7mm、より好ましくは約0.1mm~約5mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約4mm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の幅を有してもよい。特定の一実施例では、本開示の折り目は、約0.1mm~約3mm、より好ましくは約1mm~約2mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約1mm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の幅を備えてもよい。
【0054】
本開示の折り目が同じ幅を有する必要がないことは注目に値する。例えば、横方向折り目は、第1の幅を備えてもよく、一方、開封折り目は、第2の幅を備えてもよく、第1の幅と第2の幅は、上記の範囲内にあるが異なっている。同様に、本開示の折り目が本明細書に記載されるような複数のセクションを備える場合、各セクションは可変幅を備えてもよい。更に、折り目の特定のセクションが可変幅を有してもよい。例えば、横方向折り目の第1のセクションの第1の部は、第4の縁部に隣接する第1の折り目幅と、第1の部が消費者対向パネルの垂直中心線に向かって延在するときの第2の折り目幅と、を備えてもよく、第1の折り目幅は第2の折り目幅と異なる。折り目の任意のセクションがこのように構成され得る。
【0055】
本開示の折り目は、0.01mm超、より好ましくは0.02mm超、又は最も好ましくは0.03mm超(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の深さを備えてもよい。例えば、本開示の折り目は、約0.01mm~約0.9mm、より好ましくは約0.02mm~約0.7、又は最も好ましくは約0.03mm~約0.5mm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の深さを有してもよい。本開示の折り目の幅及び/又は深さは、本明細書に開示されるCLSM法を使用して折り目寸法によって測定され得る。
【0056】
パッケージ材料
複数の吸収性物品がパッケージ内に配設される製造プロセスの厳しさに耐え、出荷中の厳しさに耐え、出荷中及び店舗棚にある間の環境侵襲からの保護を提供し、消費者の家庭にある間の製品保護を提供するために、パッケージ材料は、いくらかのレベルの強度、延伸、及び弾力性を有し得る。一実施例として、本開示のパッケージ材料はまた、少なくとも4.7kN/m、より好ましくは、少なくとも7kN/m、又は最も好ましくは、少なくとも8kN/m(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のMD引張強度を呈し得る。MD引張強度は、4.7kN/m~8.5kN/m、又はより好ましくは、5.2kN/m~8.2kN/m、又は最も好ましくは、5.5kN/m~8.0kN/m(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であり得る。MD引張強度は、本明細書で修正されるISO1924-3を使用して測定される。
【0057】
別の実施例として、本開示のパッケージ材料は、少なくとも2.7kN/m、より好ましくは、少なくとも4kN/m、又は最も好ましくは、少なくとも5.5kN/m(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のCD引張強度を呈し得る。CD引張強度は、2.7~6.5kN/m、より好ましくは、2.7~6.2kN/m、又は最も好ましくは2.7~6kN/m(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であり得る。CD引張強度は、本明細書で修正されるISO1924-3を使用して測定される。
【0058】
別の実施例として、本開示のパッケージ材料は、少なくとも185kPa、より好ましくは、少なくとも250kPa、又は最も好ましくは、少なくとも550kPa(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の破裂強度を呈し得る。本開示のパッケージ材料の破裂強度は、185~600kPa、より好ましくは、220~550kPa、又は最も好ましくは、250~500kPa(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であり得る。破裂強度は、本明細書で修正されるISO2758を使用して測定される。
【0059】
別の実施例として、本開示のパッケージ材料は、破断時のMD延伸、より好ましくは、少なくとも3パーセント、又は最も好ましくは、少なくとも6パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)を呈し得る。本開示のパッケージ材料は、3~6.5パーセント、より好ましくは、3.2~6.2パーセント、又は最も好ましくは、3.5~6パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の破断時のMD延伸を呈し得る。破断時のMD延伸は、本明細書で修正されるISO1924-3を使用して測定される。
【0060】
別の実施例として、本開示のパッケージ材料は、少なくとも4パーセント、より好ましくは、少なくとも6パーセント、又は最も好ましくは、少なくとも9パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の破断時のCD延伸を呈し得る。本開示のパッケージ材料は、4~10パーセント、より好ましくは、4.5~9.5パーセント、又は最も好ましくは、5~9パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の破断時のCD延伸を呈し得る。破断時のCD延伸は、本明細書で修正されるISO1924-3を使用して測定される。
【0061】
更に別の実施例として、パッケージ材料の坪量は、パッケージ材料の強度及び弾力性に影響を与えることに加えて、消費者へのパッケージの「感触」に影響を及ぼし得る。坪量が低すぎると、パッケージが薄くなりすぎる可能性がある。高すぎると、パッケージは、非可撓性すぎる可能性がある。本開示のパッケージ材料は、50~120gsm、より好ましくは、60~105gsm、又は最も好ましくは、70~90gsm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の坪量を有することができる。坪量は、本明細書で修正されるISO536によって決定することができる。
【0062】
50gsmのより低い坪量は、処理中にいくらかの予防措置を必要とし得ることに注目すべきである。高速パッケージングプロセスの場合、50gsmの坪量は、所望のレベルの信頼性を提供しない場合がある。高速パッケージングプロセスは、パッケージング材料に、より遅いパッケージングプロセスは誘発しない場合があるひずみを誘発する可能性があると考えられる。したがって、高速製造の観点から、60gsmは、最低所望パッケージ材料の坪量であり得る。手詰め又はより低速のパッケージングプロセスが利用される場合、50gsmは、最低パッケージ材料の坪量として十分であり得る。あるいは、最小限のひずみが50gsm以下のパッケージ材料に適用されることを確実にするように厳密に制御される特別な処理及び/又は機械設備は、50gsmのパッケージ材料を利用するのに十分であり得る。
【0063】
キャリパに関して、本開示のパッケージ材料は、少なくとも50μm、より好ましくは、少なくとも70μm、又は最も好ましくは、少なくとも90μm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のキャリパを呈し得る。本開示のパッケージ材料は、50~110μm、より好ましくは、55~105μm、又は最も好ましくは、60~100μm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のキャリパを呈し得る。キャリパは、本明細書で修正されるISO534を使用して測定される。
【0064】
本開示のパッケージ材料は、カートンボード、ボール紙、及び茶色の紙バッグとは異なることに注目すべきである。例えば、カートンボードは、本開示のパッケージ材料ほど可撓性ではない。カートンボードは、本開示のパッケージ材料よりも、剛性であるように設計され、かつ本質的に剛性があり、それらの剛性により、変換ラインでの処理がより困難であり得る。加えて、カートンボードは、本開示のパッケージ材料が有する坪量よりも高い坪量を有する。
【0065】
同様に、ボール紙はまた、本開示のパッケージ材料とは異なる。ボール紙は、本開示のパッケージ材料の坪量よりもはるかに高い坪量を有する。更に、ボール紙は、本開示のパッケージ材料よりもはるかに可撓性が低い。ボール紙材料は、一般に波形加工されており、紙材料の3つのプライを含み、したがって、本開示のパッケージ材料とは構造的に異なる。更に、本開示のパッケージ材料は、ボール紙よりもはるかに低い坪量を有する。
【0066】
本開示のパッケージング材料がカートンボード及びボール紙と比べて優れているいくつかの点は、本明細書で論じられるような可撓性を含む。しかしながら、別の利点は、本開示のパッケージ材料が占める空間が、それらのよりかさばるカートンボード及びボール紙の対応物よりも少なくて済むことである。本開示のパッケージ材料の別の利点は、その中の吸収性物品がパッケージ内で圧縮されることを可能にすることである。これにより、より多くの製品がより小さな容積パッケージ内に収まることが可能になり、高効率化が可能となる。1つの追加の利点は、本開示のパッケージ材料の単一層(1つのプライ)が本開示のパッケージを形成し得ることである。本発明者らは、パッケージ材料の可撓性、強度、及び弾力性特性に少なくとも部分的に起因して、本開示のパッケージが、本開示のパッケージ材料の単一層(1つのプライ)から形成され得ることを見出した。
【0067】
食料品を運ぶための食料品の店舗に普及している茶色の紙バッグに関して、本開示のパッケージも異なる。本明細書で更に詳細に論じられるように、本開示のパッケージ材料は、吸収性物品がパッケージ材料によって封入されて外部環境から保護されるように、封止される。より具体的には、本開示による吸収性物品のパッケージは、アイテムを入れることができる開口部を有さない。代わりに、本開示による吸収性物品のパッケージは、出荷、保管、及び店舗棚上の載置の間の吸収性物品の汚染の可能性を低減するために封止される。
【0068】
プラスチックパッケージングと比較して低減された可撓性、並びに段ボール及びカートンボードよりも低い坪量を有するにもかかわらず、本発明者らは、驚くべきことに、本開示のパッケージング材料が、1つ以上の吸収性物品がパッケージに入れられる製造プロセスの厳密性並びに輸送中の厳しさに耐え、輸送中及び店舗の棚上にある間、環境障害からの保護を提供し、消費者宅にある間に製品保護を提供することができることを見出した。
【0069】
従来のプラスチックパッケージングフィルムの高延伸特性を欠くことに加えて、本開示のパッケージ材料は、従来のプラスチックパッケージングフィルムのバリア特性を提供しない場合があることも注目すべきである。例えば、本開示のパッケージ材料は、フォイル、プラスチックなどの層などの機能的なバリア層を含まなくてもよい。しかしながら、本開示のパッケージング材料が、天然繊維を含む外側材料と、材料、例えば、ポリエチレン系プラスチックのバリア層とを備える形態が企図される。
【0070】
更に、吸収性物品バックシートがパッケージ材料の内側表面と直接接触している実施例が企図される。おむつを含む本開示のパッケージは、このように構成され得る。月経パッド、ライナー、成人用失禁用パッドなどを含む女性用衛生パッドは、それぞれのバックシート上のパンティー締結接着剤を保護するために個別に包まれ得る。これらの物品を有するパッケージでは、個別に包まれた物品は、パッケージ材料の内側表面と直接接触し得る。個々の物品を包むラッパーが本明細書に記載の天然繊維を含み得る形態が企図される。更に、このようなラッパーは、本明細書に記載されるようにリサイクル可能であり得る。
【0071】
リサイクル性
現在、紙材料がリサイクル可能であるかどうかを決定するための普遍的な標準は存在しない。概して、天然材料、例えば天然繊維の含有量が高く、リサイクル不可能な材料の含有量が低いほど、リサイクル可能である可能性が高くなる。パッケージ材料がリサイクル可能であるかどうかを決定するのに有用であり得るいくつかの特定の実施例は、PTS法及び西ミシガン法を含み、各々が以下で更に詳細に説明される。これらの方法は、木材繊維及び/又はパルプ繊維を含む材料のリサイクル性に関する。
【0072】
本開示のパッケージ材料は、紙を形成する天然繊維を含み得る。パッケージ材料は、少なくとも50重量パーセントの天然繊維、より好ましくは、少なくとも70重量パーセントの天然繊維、又は最も好ましくは、少なくとも90重量パーセントの天然繊維(これらの範囲内の全ての値及びそれによって形成される任意の範囲を具体的に列挙する)を含み得る。更に別の実施例として、パッケージ材料は、99.9重量パーセントの天然繊維を含み得る。本開示のパッケージ材料は、50重量パーセント~100重量パーセントの天然繊維、より好ましくは、70重量パーセント~99.9重量パーセント、又は最も好ましくは、90重量パーセント~99.9重量パーセントの天然繊維を含み得る。天然繊維の重量百分率が100パーセント未満である場合、所望に応じて、コーティング、着色剤、及び/又は接着剤の余地があることに注目すべきである。
【0073】
パッケージ材料がリサイクル可能である可能性を増加させるために、本開示のパッケージ材料中の非リサイクル可能な材料、例えば、接着剤、コーティング及び/又は着色剤の総重量パーセンテージは、注意深く選択され得る。例えば、本開示のパッケージ材料は、50重量パーセント以下、より好ましくは、30重量パーセント以下、又は最も好ましくは、約15重量パーセント以下(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を含む)のリサイクル不可能な材料を含み得る。別の実施例として、本開示のパッケージ材料は、約0.1重量パーセント~約50重量パーセント、より好ましくは、約0.1重量パーセント~約30重量パーセント、又は最も好ましくは、約0.1重量パーセント~約15重量パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のリサイクル不可能な材料を含み得る。具体的な一実施例では、リサイクル不可能な材料の重量百分率は、5重量パーセント以下、又は0.1重量パーセント~5重量パーセント(具体的には、これら範囲内及びこれら範囲により形成される任意の範囲内の全ての値を含む)とすることができる。
【0074】
本開示のパッケージ材料に対するリサイクルプロセスの有効性は、リサイクル可能な百分率によって決定され得る。本開示のパッケージ材料は、70パーセント以上、より好ましくは、80パーセント以上、又は最も好ましくは、90パーセント以上(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のリサイクル可能な百分率を呈することができる。本開示のパッケージング材料は、約70パーセント~約99.9パーセント、より好ましくは、約80パーセント~約99.9パーセント、又は最も好ましくは、約90パーセント~約99.9パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のリサイクル可能な百分率を有し得る。特定の一実施例では、本開示のパッケージ材料は、約95パーセント~約99.9パーセント、より好ましくは、約97パーセント~約99.9パーセント、又は最も好ましくは、約98パーセント~約99.9パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を含む)のリサイクル可能な百分率を呈し得る。本開示のパッケージ材料のリサイクル可能な百分率は、Pirnaer Strasse 37,01809 Heidenau,Germanyに位置するPapiertechnische Stiftungによって実行される、カテゴリーIIの試験PTS-RH:021/97(草案2019年10月)によって決定することができる。
【0075】
リサイクル可能な百分率とともに、総不合格百分率は、カテゴリーII試験方法のPTS-RH:021/97(草案2019年10月)によって、決定することができる。しかしながら、リサイクル可能な百分率とは異なり、リサイクル性の可能性を高めるために、総不合格百分率を減少させることができる。例えば、本開示のパッケージ材料の総不合格百分率は、約30パーセント以下、より好ましくは、約20パーセント以下、又は最も好ましくは、約10パーセント以下(具体的には、これら範囲内及びこれら範囲により形成される任意の範囲内の全ての値を含む)とすることが可能である。例えば、本開示のパッケージ材料の総不合格百分率は、0.1パーセント~30パーセント、より好ましくは0.1パーセント~20パーセント、又は最も好ましくは、0.1パーセント~10パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であり得る。特定の一実施例では、総不合格百分率は、5パーセント未満、又は0.1パーセント~5パーセント、より好ましくは、0.1~3パーセント、又は最も好ましくは、0.1~2パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を含む)であり得る。
【0076】
明確にするために、リサイクル不可能な材料パーセントは、必ずしも総不合格百分率と1:1の相関関係を有していない。例えば、溶解性接着剤の使用が本明細書に開示される。これらの接着剤は、リサイクルプロセス中に溶解するように設計されているため、これらの接着剤は、総不合格百分率に影響を与えないと理論付けられるが、しかしながら、それらは、リサイクル不可能な材料重量パーセントに寄与するであろう。
【0077】
試験方法PTS-RH:021/97(草案2019年10月)のカテゴリーIIの試験方法が、ハンドシート検査構成要素を含むことに注目すべきである。訓練されたスクリーナーは、リサイクルされたパッケージ材料の1つ以上のハンドシートを、視覚的欠陥及び粘着性に関して検査する。視覚的欠陥の数が大きすぎるか、又は粘着性であり過ぎる場合、パッケージ材料は不合格になる。PTS-RH:021/97(草案2019年10月)のカテゴリーIIの方法に従って、視覚的欠陥の数が許容可能であり、ハンドシートの粘着性が強すぎない場合、パッケージ材料は、追加の処理のために承認される。本開示のパッケージ材料は、PTS法のこのステップ中に許容可能なレベルの視覚的欠陥及び粘着性をもたらすことができ、その結果、追加処理が承認される。
【0078】
本開示のパッケージ材料は、これまでに言及されたリサイクル可能な百分率をもたらし、かつハンドシートスクリーニング法に合格することができる。したがって、本開示のパッケージ材料は、PTS-RH:021/97(草案2019年10月)のカテゴリーIIのリサイクル試験方法に供された場合、「合格」の全体的スコア又は最終的スコアを達成することができる。
【0079】
また、本開示のパッケージ材料のリサイクル可能な百分率を決定するための付加的な方法があることにも注目すべきである。再パルプ化試験と呼ばれる西ミシガン大学によって実施される試験方法は、リサイクル可能な材料の収率パーセントを提供することができる。本開示のパッケージ材料は、再パルプ化試験に従って、約70パーセント超、より好ましくは、約80パーセント超、又は最も好ましくは、約90パーセント超(具体的にこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の百分率収率を達成することができる。本開示のパッケージング材料は、約70パーセント~約99.9パーセント、より好ましくは、約80パーセント~約99.9パーセント、又は最も好ましくは、約90パーセント~約99.9パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の収率パーセントを有し得る。特定の一実施例では、本開示のパッケージ材料は、80パーセント~99.9パーセント(具体的にこの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を含む)であるリサイクル可能な材料の百分率収率を呈することができる。そのような実施例では、パッケージ材料は、茶色の基色を含み得る。別の特定の実施例では、本開示のパッケージ材料は、85パーセント~99.9パーセント(具体的にこの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を含む)であるリサイクル可能な材料の百分率収率を呈することができる。そのような実施例では、パッケージ材料は、白色の基色を含み得る。パッケージ材料の基色については、本明細書で更に詳細に論じられる。
【0080】
本開示のパッケージ材料は、リサイクル可能であるが、それ自体がリサイクルされた材料を含み得ることが企図される。そのような決定は、パッケージ材料を目視検査することで確認することができる。例えば、製造業者は、典型的には、環境に優しいパッケージングであるというアプローチを実証するための努力の一環として、リサイクルされた材料の使用を宣伝する。この例を更に詳しく説明すると、いくつかの製造業者は、パッケージ材料にリサイクルされた材料を使用していることを示す文言とともに、ロゴ、例えばリーフを利用する場合がある。多くの場合、製造業者は、同様に利用されるリサイクルされた材料の百分率、例えば、50パーセント超、70パーセント超などを指定し得る。
【0081】
目視検査は、リサイクルされた材料を使用したというロゴについてパッケージを検査するために人間の眼を利用するのと同様に簡単であり得る。追加的に、又は代替的に、目視検査は、光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法、又は当該技術分野で既知の他の好適な方法などの顕微鏡法を含み得る。例えば、リサイクルされた紙繊維を含むパッケージ材料は、パッケージ材料が100%の未再生紙で構成される場合よりもはるかに広い範囲の天然繊維タイプが存在することから、顕微鏡下で異なるように見える。別の実施例として、顕微鏡下、潜在的に走査型電子顕微鏡下では、リサイクルされた繊維は、それらの処理に起因して、それらのバージン繊維対応物よりもフィブリル化がより多く見られる場合がある。
【0082】
封止/接着剤
加えて、本開示のパッケージは、複数の封止を含む。本開示のパッケージの封止は、一緒に固着/接合された継ぎ目を含む。継ぎ目は、パッケージ材料の少なくとも2つの部分が互いに重なる能力を有するパッケージの領域である。封止は、継ぎ目内のパッケージ材料の少なくとも2つの部分が互いに接合されたときに形成される。例えば、底部パネルは、パッケージ材料の端が重なり合う継ぎ目を含んでもよい。接着剤が、底部パネルの第1の部分の内側表面上、及び底部パネルの第2の部分の外側表面上、並びに底部パネルの基部部分の外側表面上に提供されて、1つ以上の封止を作り出してもよい。それに代わって、特に本開示のパッケージ材料がプラスチックバリア層を含む場合、プラスチック層が接着剤の代わりに利用されてもよい。一例として、ポリエチレンプラスチック層がそれ自体に熱封止されてもよい。
【0083】
上部パネルは、パッケージ材料の端が底部パネルの封止と同様に一緒に接合される封止を備え得る。封止はパッケージのあらゆるパネル上に提供されてもよいが、消費者対向パネルは継ぎ目又は封止を備えないことが推奨される。継ぎ目及び封止は、特に継ぎ目又は封止が製品情報を含む消費者対向パネルの一部分を通って延在する場合、消費者にとって視覚的に魅力的でない可能性がある。
【0084】
継ぎ目は、前述のパッケージ材料の重複領域を含み得ることに注目すべきである。すなわち、パッケージ材料の第1の部分の内側表面及び/又はパッケージ材料の第2の部分の外側表面が互いに接合されて、重複封止が形成され得る。しかしながら、突合せ封止も形成され得る。突合せ封止は、パッケージ材料の第1の部分の内側表面及びパッケージ材料の第2の部分の内側表面が接合された場所で形成することができる。突合せ封止及び重複封止については、以下で更に詳細に論じられる。
【0085】
封止は、パッケージ内の吸収性物品が外部環境によって汚染される可能性を低減するために重要である。本明細書に記載の封止の使用により、パッケージ内の吸収性物品が外部環境に曝露されないように、あるいは外部環境に曝露される可能性を少なくとも低減するように、パッケージ材料の適切な封止を提供することができる。パッケージ材料を単純に折り畳むこと又は丸めることは、封止を形成することにはならず、封止が本明細書で説明されるように形成されない限り十分ではない。
【0086】
封止のタイプに関して、本開示のパッケージの複数の封止は、アクセス封止、フープ封止、及び底部封止を含み得る。アクセス封止は、パッケージ内の1つ以上の吸収性物品にアクセスするために消費者によって開封される封止として提供され得る。フープ封止は、パッケージ作製プロセスにおいて形成される初期封止であり得る。底部封止は、底部パネル上に位置することができる。フローラップパッケージは、これらの封止も含むように構成され得る。あるいは、フローラップパッケージは、一対の対向する端封止及び端封止間のフープ封止を備え得る。この構成では、アクセス封止が同様に提供され得る。種々のパッケージ構成及びそれらのそれぞれの封止については、
図6~
図10Bに関して更に詳細に議論される。
【0087】
本開示のパッケージ材料がリサイクル可能であることが望ましい場合、封止に利用される接着剤の種類及び量が重要であり得る。一実施例として、リサイクルプロセスの分解ステップの再パルプ化段階中に水に溶解することができる接着剤が、本開示のパッケージ封止に特に好適であり得る。そのような接着剤としては、デンプン系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、及びポリエチレンオキシド系接着剤が挙げられる。デンプン系接着剤の1つの好適な例は、商品名AP0420CRでMonroe,North Carolinaに位置するLD Davisから入手可能である。ポリビニルアルコール系接着剤の1つの好適な例は、Selvol205の商品名で、Osaka,Japanに位置する積水化学工業から入手可能である。ポリエチレンオキシド系接着剤の1つの好適な例は、WSR N-80の商品名で、Midland,Michiganに位置するDow Chemicals Co.から入手可能である。
【0088】
接着剤が水溶性でない場合には、水分散性接着剤も同様に利用され得る。水分散性接着剤の好適な例としては、熱可塑性エラストマー系接着剤及びポリ酢酸ビニル系接着剤が挙げられる。熱可塑性エラストマー系接着剤の1つの好適な例は、Yunico491の商品名で、Blue Ash,Ohioに位置するActegaから入手可能である。ポリ酢酸ビニル系接着剤の1つの好適な例は、Aquagrip 4419U01の商品名で、Milwaukee,Wisconsinに位置するBostikから入手可能である。ポリ酢酸ビニル系接着剤の別の好適な例は、商品名PD-0330で、HB Fullerから入手可能である。
【0089】
任意の好適な感圧接着剤も同様に利用され得る。感圧接着剤の1つの好適な例としては、Bury,Lancashire,Englandに位置するFormulated Polymer Products Ltd.によって販売されているもの、FP2154の商品名で販売されているものが挙げられる。特定の一実施例として、アクセス封止は、感圧接着剤を含み得る。
【0090】
理論に束縛されることを望むものではないが、水に溶解可能な接着剤を利用する本開示のパッケージは、水分散性のみである接着剤よりも高い重量百分率のそのような接着剤を含み得ると考えられる。例えば、水溶解性接着剤を含むパッケージは、第1の重量百分率の接着剤を含み得、水分散性接着剤を含むパッケージは、第2の重量百分率の接着剤を含み得る。第1の重量百分率は、パッケージ材料をリサイクルする目的で、第2の重量百分率よりも大きくてもよいと考えられる。
【0091】
許容可能でありかつ依然としてリサイクルされる接着剤の重量百分率に関しては、均一な基準ではない。例えば、接着剤(着色剤、コーティング、及びフィルムとともに)は、リサイクルの流れにおいては汚染物質と見なされる。したがって、これらの各々の許容累積重量百分率は可変である。しかしながら、最も厳しいリサイクル基準(以下に開示される)の1つを満たすために、接着剤の重量パーセントは、パッケージのパッケージ材料の5重量パーセントを超えるべきではないと考えられる。とは言うものの、溶解性である接着剤が利用される場合、溶解する接着剤はリサイクルプロセスに悪影響を及ぼさないので、より高い重量パーセントを利用することができると更に考えられる。しかしながら、5重量%が最も厳しい基準に有用である一方で、他の管轄区域は、50%までのリサイクル不可能な材料又は20%までのリサイクル不可能な材料を許容する場合がある。そのような管轄区域では、必要に応じて追加の接着剤が利用されてもよい。再び、いくつかの形態では、本明細書に記載される封止を形成するための接着剤の必要性は、バリアフィルムの使用によって除去され得る。
【0092】
コーティング及び着色剤
複数のパネルの各々が、内側表面及び外側表面を含む。1つ以上のパネルの外側表面及び/又は内側表面は、パッケージのブランディング、パッケージ情報、及び/又は背景色などを形成する着色剤及び/又はコーティングを含み得る。ブランディング及び/又はパッケージ情報は、少なくとも1つのパネルの、例えば消費者対向パネルの、外側表面に及び/又は内側表面の少なくとも一部分に提供され得る。ブランディングは、パッケージ内の吸収性物品と関連したロゴ、商品名、商標、アイコンなどを含むことができる。ブランディングは、パッケージ内の吸収性物品のブランドの情報を消費者に与えるために利用され得る。一実施例として、女性用衛生パッドのパッケージのブランディングは、商標名Always(登録商標)を含み得る。
【0093】
パッケージ情報は、パッケージ内の吸収性物品と関連付けられた、吸収性物品のサイズ、パッケージ内の吸収性物品の数、パッケージ内に収容されている吸収性物品の例示的な画像、リサイクル可能性ロゴ(recyclability logos)など、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。更に、パッケージ情報は、パッケージ材料自体、例えば、リサイクル可能ロゴ、様々な組織からの証明書など、又はそれらの任意の組み合わせに関する情報を含み得る。一例として、女性用衛生パッドのパッケージのパッケージ情報は、サイズインジケータ、例えば、「サイズ1」を含んでもよい。パッケージの他のパネルは、消費者対向パネルと関連付けられたものとともに、ブランディング、パッケージ情報、及び/又は背景色を同様に含み得る。
【0094】
加えて、本開示のパッケージのうちの1つ以上のパネルは、本開示のパッケージに背景色を提供するための着色剤及び/又はコーティングを含み得る。背景色を更に明確にするために、パッケージング材料が基色を含むことに注目すべきである。パッケージ材料の基色は、着色剤及び/又はコーティングなしのパッケージ材料の色である。例えば、漂白パッケージ材料は色が白色であり、未漂白は色が茶色であり、リサイクルされた含有物を含むパッケージ材料は色が灰色である。背景色は、基色ではない任意の色、例えば、青色、赤色、緑色、黄色、紫色、オレンジ色、黒色、又はこれらの組み合わせである。しかしながら、背景色が着色剤及び/又はコーティングによって得られる場合、背景色は、白色、茶色、又は灰色も含み得る。
【0095】
前述のように、着色剤及び/又はコーティングの使用は、リサイクル性ストリームにおいて汚染物質であると見なされ得る。したがって、着色剤及び/又はコーティングの使用は、注意深くレビューされるべきである。
【0096】
リサイクルプロセスの利益のために着色剤/コーティングの使用を低減するために、パッケージ材料の基色を利用してもよい。例えば、消費者対向パネルがブランディング、パッケージ情報、及び/又は背景色を含むパッケージであって、1つ以上のパネルが基色を含む、パッケージが企図される。特定の一実施例では、底部パネル及び/又は背面パネルは、背景色の代わりにパッケージ材料の基色を利用し得る。底部パネル、上部パネル、左パネル、右パネル、背面パネル、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上は、背景色の代わりにパッケージ材料の基色を利用し得る。そのような実施例では、背景色は、1つ以上のパネル、例えば消費者対向パネル上に提供されてもよく、一方で、基色は、1つ以上のパネル上で利用されてもよい。別の実施例では、消費者対向パネルは、独立して、又は他のパネルと併せて、基色を含み得る。この実施例を更に構築するために、パッケージは、天然系の構成要素、例えば、吸収性コア中の綿トップシート及び/又は非塩素漂白パルプを含む吸収性物品を含み得る。そのような実施例では、消費者対向パネルは、白色の基色を含み得る。この同じ実施例では、基色と併せて、消費者対向パネルは、ブランディング、(ブランディングに関連付けられた)背景色、及び/又はパッケージ情報を更に含み得る。更に別の実施例では、1つ以上のパネルは、部分的に基色を含むパッケージ情報を含み得る。この実施例を更に構築するために、基色は第1の色、例えば白色であってもよく、パッケージ情報又はその一部分が背景色によって覆われず、パッケージ情報が第1の色を含むように、背景色はパッケージ情報のネガ像でパネルに適用されてもよい。
【0097】
本開示のパッケージ材料における着色剤及び/又はコーティングの使用を減らす別の方法は、様々なパネルに可変被覆率の着色剤及び/又はコーティングを適用することである。例えば、第1のパネルは、第2のパネルとは異なる着色剤及び/又はコーティングのパーセント被覆率を含み得る。この実施例を更に説明すると、消費者対向パネルは、パッケージの別のパネル、例えば底部パネルよりも高い着色剤及び/又はコーティングのパーセント被覆率を有し得る。上記のように、天然系である、例えば、綿トップシート又は他の構成要素、非塩素漂白コア、添加着色剤なし、及び/又は添加香料なしである吸収性物品は、パッケージ材料の基色に、より依存し得る。一実施例として、そのようなパッケージは、75パーセント以下、より好ましくは、50パーセント以下、又は最も好ましくは、40パーセント以下の着色剤被覆率を含む消費者対向パネルを含み得る。更に、消費者対向パネルは、約10パーセント~約75パーセント、より好ましくは、約15パーセント~約50パーセント、又は最も好ましくは、約20パーセント~約40パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の着色剤被覆率を含み得る。
【0098】
そのようなパッケージにおいては、他のパネルが、より高い百分率の着色剤被覆率、より低い百分率、又はそれらの組み合わせを有するように構成され得る。例えば、そのような構成では、底部パネルは、より低い百分率の着色剤被覆率を含み得る。背面パネル、左パネル、及び/又は右パネルは、より高い百分率の着色剤被覆率、又はより好ましくは、より低い百分率の着色剤被覆率を含み得る。これらの同じ値は、本明細書に記載のフローラップ構成及び/又は直立パウチ構成にも同様に適用され得る。
【0099】
記載されるような天然系製品は、必ずしも前述の着色剤被覆率に限定されない。しかしながら、着色剤百分率が少ないと、リサイクル性の観点から有益であり得る着色剤重量百分率が低くなり得る。別の実施例では、本開示による吸収性物品パッケージングは、100パーセント、より好ましくは、99パーセント以下、又は最も好ましくは、98パーセント以下の着色剤被覆を有する消費者対向パネルを含み得る。例えば、本開示によるパッケージは、60パーセント~約100パーセント、より好ましくは、約60パーセント~約99パーセント、又は最も好ましくは、約60パーセント~約98パーセントの着色剤被覆百分率を有する消費者対向パネルを含み得る。そのような構成では、他のパネルは、同じ百分率の着色剤被覆率を含み得る、又はより好ましくは、より低いパーセントの着色剤被覆率を含み得る。着色剤被覆百分率は、本明細書に記載の着色剤被覆率測定法の百分率により決定される。
【0100】
任意の好適な着色剤が利用され得るが、驚くべきことに、本発明者らは、水系着色剤が、典型的には、リサイクルプロセス中に水中でより容易に溶解することを見出した。したがって、水系着色剤は、本開示のパッケージのリサイクルプロセスを容易にすることができる。任意の好適な水系着色剤を利用することができる。水系着色剤は、当該技術分野において周知である。
【0101】
溶媒系着色剤及び/又はエネルギー硬化性着色剤もまた利用され得ることに注目すべきである。しかしながら、これらのタイプの着色剤の使用は、パッケージ材料の製造に複雑性を追加し得る。例えば、溶媒系着色剤は、概して、空気から除去される必要がある揮発性有機化合物を排出する。加えて、溶媒系着色剤は、パッケージ材料のリサイクル性に悪影響を及ぼし得る、リサイクルプロセス中に水に容易に溶解しない成分を含み得る。
【0102】
エネルギー硬化性着色剤も利用することができるが、溶媒系着色剤のように、エネルギー硬化性着色剤は、パッケージ材料の加工に複雑性を加え得る。また、溶媒系着色剤のように、エネルギー硬化性着色剤は、パッケージ材料のリサイクル性に悪影響を及ぼし得る、リサイクルプロセス中に水に容易に溶解可能ではない成分を含み得る。
【0103】
パッケージング材料に利用される任意の好適なコーティングが利用され得る。コーティングは、背景色、ブランディング、及び/又はパッケージ情報を保護するために利用され得る。更に、コーティングを利用して、帯電防止利益、摩擦係数の利益、例えば、光沢、艶消し、サテン、高光沢など)を提供し得る。本発明者らは、驚くべきことに、水系着色剤のように、水系コーティングは、利用される場合、パッケージ材料のリサイクルプロセスを容易にし得ることを見出した。好適なコーティングは、当技術分野で周知のワニスを含む。任意の好適なコーティングが利用されてもよい。
【0104】
前述のように、吸収性物品製造業者は、開放バッグにすでに予め形成されたパッケージング材料を購入し得るか、又はパッケージング材料のロールを購入し得る。パッケージ材料がロール上にあるか、又はある程度予め形成されているかに関係なく、本開示のパッケージは、製紙原料から始まる。
図1及び
図2Aを参照すると、製紙原料シート99がパッケージ材料のウェブから切断されてもよい。製紙原料シート99は、概ね機械方向(MD)に延びる長手方向側縁部100及び110を含む。製紙原料シート99は、内側表面130と、反対側の外側表面135とを更に備える。折り目127A~127Eが破線で示されている。
【0105】
折り目127A~127Eに沿って折り畳まれると(本開示のパッケージの折り畳み構成は、上部パネル11なしで
図3に示されている)、これらの折り畳み目は、パッケージの複数のパネルを分離する角部を形成することができる。例えば、図示のように、第1の折り畳み線127Aは、底部パネル10を、左パネル12、消費者対向パネル14、右パネル13、及び背面パネル15から分離することができる。横方向折り目120は、左パネル12、消費者対向パネル14、右パネル13、及び後パネル15を上部パネル11から分離することができる。
【0106】
前述したように、横方向折り目120は、一方の側縁部100から反対側の側縁部110まで延在してもよい。それに代わって、横方向折り目は、左パネル12と上部パネル11との間、消費者対向パネル14と上部パネル11との間、右パネル13と上部パネルとの間、及び/又は背面パネル15と上部パネル11との間に配置されたセクションを含んでもよい。これらのセクションの各々は、第1の部及び第2の部を備える。このような構造の例が、
図3に示されている。図示のように、横方向折り目120は、消費者対向パネル14と上部パネル11との間に配置された第1のセクションを含む。第1のセクションは、第1の部122と第2の部124とを備える。図示のように、第1の部122は、折り畳み線127Cによって形成された縁部から、消費者対向パネル14の垂直中心線14Cに向かって延在してもよい。同様に、第2のセクション124は、折り畳み線127Dによって形成された反対側の縁部から、消費者対向パネル14の垂直中心線14Cに向かって延在してもよい。第1の部122及び第2の部124は、本明細書で前述したように構成されてもよい。
【0107】
左パネル12、右パネル13、及び/又は背面パネル15の残りの部分は、横方向折り目120のセクションを含んでもよい。また、消費者対向パネル14に関して説明された第1のセクションと同様に、これらの他のセクションもそれぞれ、第1の部と第2の部とを含むことができる。
図1に戻って参照すると、第1の部の各々は、それらの最も左側の折り畳み線、例えば、127Bから、対応するパネル、すなわち、左パネル12の垂直中心線に向かって延在してもよい。また、第2の部の各々は、それらの最も右側の折り畳み線、例えば、127Cから、対応するパネル、すなわち、左パネル12の垂直中心線に向かって延在してもよい。上部パネルと、横方向折り目120によって上部パネルから分離されるものとして列挙されたパネルの各々との間の折り畳み線の長さ、並びに横方向折り目120のそれぞれのセクションの第1の部及び第2の部の長さは、本明細書において前述されている。
【0108】
特に
図2Aを参照すると、横方向折り目120は、内側表面130と外側表面135との間に配置された底部表面120Aを有するチャネルを含むことができる。図示のように、チャネルは、内側表面130から外側表面135に向かって延在し得る。そのような構造では、横方向折り目120の側部120A及び120Bは、内側表面130から外側表面135に向かって延在してもよい。横方向折り目120の底部表面120Cは、内側表面130と外側表面135との間に配置されてもよい。図示のように、横方向折り目120は、内側表面130から外側表面135に向かって付勢されている。
【0109】
横方向折り目120は、外側表面135から内側表面130に向かって付勢される向きに配置されてもよいことは注目に値する。このような構造では、横方向折り目120は、外側表面135から内側表面130に向かって延在する側部を備える。しかしながら、本発明者らは、横方向折り目120が外側表面135から内側表面130に向かって付勢されるこのような構造は、前者の構成と同様に機能しないことを見出した。表3及び4に示されたデータの対比を想起されたい。表2は、折り目の方向への折り畳みが、折り目と反対方向への折り畳みとは対照的に、折り畳み/回復の力を減少させることを示す。
【0110】
図2Aに示されるチャネルがパッケージ材料の変位を含み得ることは注目に値する。ここで
図2Bを参照すると、底部表面120Cは、外側表面135の外側に配置され得る。例えば、横方向折り目120又はその底部表面120Cは、外側表面135に不連続部を形成してもよい。
【0111】
ここで
図2A~
図2Bを参照すると、前述のように、上折り畳み線127Fは、横方向折り目120と同一直線上にあってもよい。「同一線上」という用語は、折り畳み線、例えば、上折り畳み線が、一般に、関連する折り目、例えば、横方向折り目120の側部間に配置されることを意味する。示されるように、上折り畳み線127Fは、横方向折り目120の側部120Aと側部120Bとの間に配置されてもよい。側部120A及び120Bは、横方向折り目120が「U」字形状又は「V」字形状を備えるように構成されてもよい。より厚さの薄い材料、例えば、本開示のパッケージ材料に対して、「V」形状の折り目が「U」形状の折り目よりも好ましい場合があることは注目に値する。対照的に、「U」字形状の折り目は、厚紙などのより厚い材料に有益であり得る。「V」形状は、その「U」形状の対応物よりもはるかに明確な折り畳み軸を提供することができると考えられる。
【0112】
ここで
図4を参照すると、本開示のパッケージの概略断面図が示されている。吸収性物品90は、上縁部150と底縁部160とを含んでもよい。底縁部160は、底部パネル10に隣接して(図示されるように、底部パネル10に接して)配置される。吸収性物品90の上縁部150は、横方向折り目120に隣接して示されている。横方向折り目120を含む第1の平面170と、上縁部150を含む第2の平面180とは、距離190だけ離間されてもよい。距離190は、本明細書で前述した通りであってもよい。第1の平面170は、横方向折り目120の実質的に全てを含み、単にそれと交差するだけではないことは注目に値する。同様に、第2の平面180は、上縁部150の実質的に全てを含み、単にそれと交差するだけではない。加えて、1つ以上の吸収性物品90が、包まれる女性用衛生製品を含む場合、ラッパーは、吸収性物品90の一部として含まれるべきである。
【0113】
ここで
図5A~
図5Cを参照すると、
図5Aには、パッケージ材料99の外側表面135が示されている。加えて、パッケージ材料(材料のウェブ)99は、上部パネル11の左面251及び上部パネル11の右面261に対応するガセット折り目125を更に備えてもよい。前述されたように、ガセット折り目125は、以下に説明される内側ガセット折り畳み目がより明確かつ正確となることを確実にし得る。
【0114】
加えて、パッケージ材料99は、開封折り目123を更に備えてもよい。開封折り目123は、一方の長手方向側縁部100から他方の長手方向側縁部110まで延在してもよい。あるいは、開封折り目123は、横方向折り目120に関して前述されたように構成されてもよい。例えば、開封折り目123は、上部パネル11の前面231上にのみ存在してもよい。前面231は、消費者対向パネル14の上に位置付けられてもよい。開封折り目123は、上部パネル11の背面241のみに存在してもよい。背面241は、背面パネル15の上に位置付けられてもよい。しかしながら、本発明者らは、前面231と、左面251と、右面261の組み合わせが開封折り目123を含む場合、開封テール265は、開封折り目123がない場合よりも容易に後面241に向かって折り畳まれ、より小さい復元力を提供し得ることを見出した。開封テール265におけるより低い回復力は、開封テール265の上部に積み重ねられたパッケージを開封テール265がキックしてずらす可能性を低減することになり得る。
【0115】
あるいは、開封テール265の折り畳みが前面231に向かうものであることが望ましい場合、開封折り目123は、後面241、左面251、及び右面261に提供されてもよい。また、開封テール265を折り畳む方法における最大量の可撓性のために、開封折り目265は、前面231、背面251、左面251、及び右面261に提供されてもよい。
【0116】
加えて、前面231と背面251の両方が開封折り目123を備える場合、折り目は、これらの面の各々に対して異なった向きに配置されてもよい。例えば、開封折り目123は、内側表面から外側表面に向かう向きに配置された前面231上の第1のセクションを備えてもよい。すなわち、折り目の底部表面は、
図2A又は
図2Bに示されるものと同様に、内側表面から凹んでいてもよい。対照的に、後面241は、外側表面135から内側表面130に向かう向きに配置された開封折り目123の第3のセクションを備えてもよい。あるいは、これらのセクションの各々は、同じ方向に向けられてもよく、例えば、内側表面から外側表面に向かう向き、若しくは外側表面から内側表面に向かう向きとされてもよい。
【0117】
ガセット折り畳み目に関して言えば、これらは、左面251及び右面261によって構成される。外側ガセット折り畳み目は、左面251用の折り畳み線127B及び127Cと、右面261用の折り畳み線127D及び127Eとによって形成され得る。内側ガセット折り畳み目は、ガセット折り目125と同一線上にある。内側ガセット折り畳み目は、パッケージング材料を折り畳む間に形成され、材料の各部分は開封テール265に押し込まれる。ガセット折り目125は、示されるように、それぞれ2つの脚部を備えてもよく、一方は消費者対向パネル14に向かって延在し、他方は背面パネル15に向かって延在する。
【0118】
具体的に
図5Bを参照すると、ガセット折り目125は、パッケージ材料99のエンボス加工領域として提供されてもよい。示されるように、ガセット折り目125は、外側表面135から内側表面130に向かって付勢されてもよい。また、図示されていないが、開封折り目123は、同様に、外側表面135から内側表面130に向かって付勢されたエンボス加工領域を備えてもよい。ガセット折り目125及び/又は開封折り目123は、内側表面130から外側表面135に向かって付勢されてもよい。しかしながら、本発明者は、そのような構成が前者の構成ほど効果的ではないことを見出した。加えて、
図2A及び
図2Bの横方向折り目に関して説明されたように、ガセット折り目125及び/又は開封折り目は、これらの折り目の向きに応じて内側表面130の外側又は外側表面135の外側にある折り目の底部表面を提供するパッケージ材料99の変位を含むことができる。
【0119】
吸収性物品の製造業者によって利用され得る様々なパッケージ構成がすでに記載された。これらの構成について、以下で更に詳細に説明される。
【0120】
ブロックスタイル構成の例が、
図6に示される。示されるように、底部パネル10は、封止320及び330を含むブロックスタイル構成を備え得る。底部表面10は、基部部分340を備えてもよい。パッケージ材料350の第1のフラップは、基部部分340上に折り畳まれ得る。パッケージ材料350の第1のフラップは、基部部分340に接合され、それによって第1の封止320が形成され得る。パッケージ材料360の第2のフラップは、折り畳まれ、基部部分340及びパッケージ材料350の第1のフラップの上部に接合され得る。また、パッケージ材料360の第2のフラップは、基部340及びパッケージ材料350の第1のフラップに接合され、それによって、第2の封止330を形成してもよい。パッケージ材料350のこれらのフラップを一緒に接合するために接着剤が使用され得ることを想起されたい。それに代わって、あるいはそれに加えて、バリアフィルムが含められる形態では、バリアフィルムは、封止を形成するために利用されてもよい。
【0121】
更なるパネル、例えば右パネル13及び消費者対向パネル14が
図6に示されている。図示のように、右パネル13は、右パネル13と側部ガセット13bとをほぼ二等分する側部折り目13aを備えることができる。図示されていないが、左パネル12は、同様に、左パネル12と側部ガセットとをほぼ二等分する側部折り目を備えてもよい。
【0122】
ここで
図1及び
図6を参照すると、ブロック底部構成を備える袋が利用される場合、折り畳み線127B、127C、127D、及び127Eに対応する垂直折り目が提供され得る。更に、ブロックスタイル構成のパッケージは、左パネル12と右パネル13とをほぼ二等分する側部折り目を備えてもよい。これらの構成を有するいくつかの例では、折り畳み線127Aに対応する折り目が設けられてもよい。パッケージが予備成形されるブロックスタイル構成、すなわち、開放袋に関して言えば、吸収性物品の製造業者は、本明細書に記載されるように、横方向折り目120、開封折り目123、及び/又はガセット折り目125を提供してもよく、あるいはその提供を要求してもよい。
【0123】
本開示のパッケージ材料の一部を封止するために、交差スタイル構成も許容可能である。交差底部スタイル構成の実施例が、
図7に示される。示されるように、交差タイル構成とブロックスタイル構成との間の重要な違いのうちの1つは、ガセット432b及び433b並びに側部折り目12a及び13aが、交差スタイル構成においては外側に向けられることである。
【0124】
交差スタイル構成におけるガセット432b及び433bの向きにより、1つ以上の吸収性物品でパッケージを充填することは、充填のためにパッケージを拡張するためにより少ないエネルギーを必要とし得る。一例として、折り目が内側に向けられる場合、例えば、ブロックスタイル構成は、パッケージを充填する前に、折り目の外向きの変位を必要とする。加えて、製品をパッケージ内に誘導する際に利用される機器は、それらが外側に向いていることを考慮すると、交差スタイル構成のガセットとの干渉が低減される可能性を有するであろう。これにより、品質の問題に起因して、パッケージングの事故又は製造プロセスの停止の可能性を低減することができる。
【0125】
更に
図7を参照すると、ブロックスタイル構成と同様に、交差スタイル構成の底部パネル10は、封止420及び430を含む。底部パネル10は、基部部分440を備える。パッケージ材料450の第1のフラップは、折り畳まれ、基部部分440に接合され得る。第1の封止420は、パッケージ材料450の第1のフラップを基部部分440に取り付けるために提供され得る。パッケージ材料460の第2のフラップは、基部部分440上及びパッケージ材料450の第1のフラップの上に折り畳まれ得る。第2の封止430は、パッケージ材料460の第2のフラップを基部部分440に、かつパッケージ材料450の第1のフラップに接合するために提供され得る。同様の実施形態が、(吸収性物品をその中に配置した後に形成される)上部パネルに関して利用され得る。材料のこれらのフラップ上での接合は、接着剤、バリア材料、又はそれらの組み合わせを介して達成され得る。
【0126】
ここで
図1及び
図7を参照すると、交差スタイル構成に関して、吸収性物品の製造業者は、横方向折り目120、開口部折り目123、及びガセット折り目125提供してもよく、あるいはその提供を要求してもよい。しかしながら、上記に加えて、吸収性物品の製造業者は追加的に、折り畳み線127B、127C、127D、及び/又は127Eに対応する折り目を提供しても、あるいはその提供を要求してもよい。これらの折り線を設けることにより、隣接するパネル間に角部が提供され、パッケージにより高級な外観が提供され得る。加えて、本明細書に記載されるように、横方向折り目120、開封折り目123、及び/又はガセット折り目125が利用されてもよい。
【0127】
本開示によるパッケージとしての使用に適した更に別の袋構成は、ピンチスタイル構成である。ピンチスタイル構成の実施例が、
図8に示される。示されるように、ブロック底部構成とピンチ底部構成との間の重要な違いのうちの1つは、側部パネル上の折り目である。側部12及び13上の折り目の代わりに、ピンチスタイル構成は、底部パネル10上のガセット522b及び523bを含む。更に、ピンチ底部構成では、底部パネル10は、ブロックスタイル構成に存在しない場合がある折り畳み線10aを含む。
【0128】
ここで
図1及び
図8を参照すると、交差スタイル構成と同様に、製造業者がピンチスタイル構成袋を利用する場合、追加の折り目が、製造業者によって提供又は要求され得る。例えば、横方向折り目、開封折り目、ガセット折り目、並びに折り畳み線127B、127C、127D、及び127Eに対応する折り目が設けられてもよい。
【0129】
前述したように、本開示に従ってパッケージ化されたものとして、フローラップパッケージ構成が利用されてもよい。フローラップパッケージのいくつかの実施例を
図9A及び
図9Bに示す。
図9Aは、略直方体の形状を備える例示的なフローラップパッケージを示す。示されるように、パッケージ601は、それぞれ、第1のパネル610と、対向する第2及び第3のパネル612及び613と、それぞれ、対向する第4及び第5のパネル614及び615と、第1のパネル610に対向する第6のパネル611とを含む。示されるように、第2のパネル612は、端部封止612aを含み得、第3のパネル613は、端部封止613aを含み得る。フープ封止616は、第2のパネル612、第3のパネル613、及び第6のパネル611上に部分的に配設され得る。そのような構成では、第1のパネル610又は第5のパネル615のいずれかが、消費者対向パネルを備え得る。
【0130】
図9Bは、本開示のパッケージによる別の例示的なパッケージ621を示す。
図9Aのパッケージ601によく似て、パッケージ621は、フローラップ構成である。示されるように、パッケージ621は、第1の表面620と、対向する第2の表面631とを有する。丸みのある縁部は、第1の表面620と第2の表面631との間の移行部として提供され得る。あるいは、第1の表面620と第2の表面631との間に1つ以上の折り畳み線が設けられてもよい。パッケージ621は、端部封止622及び623と、第2の表面631上に配設され得るフープ封止626とを更に備え得る。そのようなパッケージでは、第1の表面620は、消費者対向パネルを含み得る。
【0131】
図9A及び
図9Bの両方に関して、示されたパッケージ、すなわち601及び621は、端部封止のための突合せ封止を備え、重複封止も利用され得る。例えば、端部封止612a、613a、622、及び623のうちの1つ以上は、重複封止を備え得る。同様に、フープ封止、すなわち616及び626は、突合せ封止又は重複封止のいずれかを備え得る。
【0132】
前述したように、フローラップパッケージングは、予め形成されたパッケージを含まない。したがって、そのような構成を利用する製造業者は、典型的には、材料のウェブからそのようなパッケージングを生産する。このような構成を利用して、吸収性物品の製造業者は、横方向折り目、開封折り目、ガセット折り目、及び折り畳み線127B、127C、127D、及び127E(
図1に示す)に対応する折り目などの折り目を提供してもよい。
【0133】
更に別の実施例では、直立パウチスタイルの袋が利用され得る。直立パウチスタイルの袋は、それらのブロック底部、ピンチ底部、及び/又は交差底部の対応物よりも目立つ継ぎ目/封止を備え得る。
図10A及び
図10Bを参照すると、直立パウチスタイルのパッケージ1400が示されている。パッケージ1400は、全体として直方体形状で構成され得る。パッケージ1400は、第1のパネル1411と、対向する第2及び第3のパネル1412及び1413と、対向する第4及び第5のパネル1414及び1415と、第1のパネル1411に対向する第6のパネル1410と、を備え得る。示されるように、第4のパネル1414と第6のパネル1410との間に、第1の封止1420が外側に延在してもよい。第1の封止1420は、パッケージ1400のためのある種の足を形成する。第2の封止は、第1の封止1420と同様の様式で、第5のパネル1415と第6のパネル1410との間で外向きに延在し得る。いくつかの形態では、第1のパネル1411は、第6のパネル1410と同様に平坦であり得ることに注目すべきである。
【0134】
第1の封止1420は、第1の封止1420の一部分が第2のパネル1412上にあり、第1の封止1420の別の部分が第3のパネル1413上に配設されるように延在することができる。同様に、第2の封止の一部分は、第2のパネル1412上に配設され得、別の部分は、第3のパネル1413上に配設され得る。第1の封止1420及び第2の封止は、第6のパネル1410が材料の別個の部分から形成される場所に提供され、これは、その後、第4のパネル1414及び第5のパネル1415に接合され得る。当然のことながら、第6のパネル1410が第4のパネル1414及び第5のパネル1415と一体である形態も企図される。
【0135】
第3の封止1430及び第4の封止1440は、それぞれ、第2のパネル1412及び第3のパネル1413から外向きに延在し得る。第1の封止1420、第2の封止、第3の封止1430、及び第4の封止1440は、集合的に、これまでに論じられたフープ封止を備え得ることに注目すべきである。したがって、これらの封止の1つ、全て又は任意の組み合わせは、本明細書に記載のフープ封止の引張強度を呈し得る。
【0136】
示されるように、パッケージ1400は、第6のパネル1411上に配設されている第5の継ぎ目1450及び第6の継ぎ目1460を更に備え得る。第5の継ぎ目1450及び第6の継ぎ目1460は、封止フィン1480内に延在することができる。パッケージ1400及びそれに関連付けられた継ぎ目は、接着剤、フィルム、及び/又はフィルムと接着剤との組み合わせに関して本明細書に記載されるように組み立てられ得ることに注目すべきである。しかしながら、パッケージ1400の構築は、パッケージ材料の内側表面上のフィルムコーティングを介した継ぎ目の形成に特によく適している。そのような構成では、フィルムは、水蒸気がパッケージ材料を通ってその中の吸収性物品に至る可能性又は少なくとも量を低減するバリアを形成し得る。
【0137】
直立パウチスタイル構成のために、折り目、例えば、横方向折り目、開封折り目、ガセット折り目、並びに折り畳み線127B、127C、127D、及び127E(
図1に示される)に対応する折り目の提供が利用されてもよい。
【0138】
パッケージ構成にかかわらず、パッケージは、複数の圧縮物品、例えば圧縮された使い捨て吸収性物品を含むことができる。例えば、本開示のパッケージ700は、女性用衛生パッドを収容するために使用され得る。
図11に示すように、パッケージ700は、複数の吸収性物品1004が置かれる内部空間1002を画定する。複数の吸収性物品1004は、1つ以上の積み重ね1006で配置され得る。吸収性物品は、パッケージのサイズを小さくする一方で1パッケージ当たり十分な量の吸収性物品を提供するように圧縮下で梱包されてもよい。吸収性物品を圧縮下で包装することによって、介護者はパッケージを容易に扱い、保管することができるとともに、パッケージのサイズによる流通コストの削減を製造業者にもたらすこともできる。従来のプラスチックパッケージング材料の延伸特性を欠くにもかかわらず、本発明者らは驚くべきことに、本開示のパッケージ材料が、パッケージ内で圧縮された吸収性物品であっても、これまでに言及したように、加工及び分配の厳しさに耐えることができることを見出した。これは、本発明の材料が現在使用されている従来のプラスチックフィルムの延伸特性を示さないため、特に予想外である。
【0139】
したがって、本開示の吸収性物品のパッケージは、本明細書に記載のバッグ内積み重ね高さ試験に基づいて、約150mm未満、約110mm未満、約105mm未満、約100mm未満、約95mm未満、約90mm未満、約85mm未満、約80mm未満、約78mm未満、約76mm未満、約74mm未満、約72mm未満、又は約70mm未満(具体的には、指定した範囲内、及びその中に又はそれにより形成される全ての範囲内の、0.1mm刻みの値の全てを列挙する)のバッグ内積み重ね高さを有してもよい。代替的に、本開示の吸収性物品のパッケージは、本明細書に記載のバッグ内積み重ね高さ試験に基づいて、約70mm~約150mm、約70mm~約110mm、約70mm~約105mm、約70mm~約100mm、約70mm~約95mm、約70mm~約90mm、約70mm~約85mm、約72mm~約80mm、又は約74mm~約78mm(具体的には、指定した範囲内、及びその中に又はそれにより形成される全ての範囲内の、0.1mm刻みの値の全てを列挙する)のバッグ内積み重ね高さを有してもよい。
【0140】
本開示のパッケージ内の吸収性物品は、無数の構成で配置されることができることに注目すべきである。例えば、本開示の吸収性物品は、それらが垂直方向に向けられるようにパッケージ内に配置されてもよく、又は吸収性物品は、例えば
図6に示されるように、水平構成に配置されるように配置されてもよい。水平の向きの物品と垂直の向きの物品との組み合わせがパッケージに提供される形態が企図される。
【0141】
更に、パッケージ内の物品は、複数の物品の各々の一方の長手方向周縁が別の長手方向周縁よりも消費者対向パネルのより近位にあるように配向され得る。例えば、パッケージ内の吸収性物品の数が比較的多く、例えば9個より多い場合、吸収性物品は、これまでに説明したようにパッケージ内に配置され得る。しかしながら、パッケージ内の吸収性物品の数が、例えば9個よりも少ない場合、吸収性物品は、吸収性物品のトップシート又はバックシートが、消費者対向パネルのより近位にあるように配置され得る。追加の吸収性物品は、消費者対向パネルに最も近い吸収性物品の後ろに積み重ねられ得る。パッケージ内に向きの組み合わせがある形態が企図される。例えば、少なくとも1つの吸収性物品は、その長手方向の外周側縁のうちの1つが、他方よりも消費者対向パネルの近位にあるように配置することができ、少なくとも1つの吸収性物品は、そのトップシート又はバックシートが消費者対向パネルに対してより近位になるように配置され得る。吸収性物品の残部は、存在する場合、それらの構成のいずれかを呈することができる。
【0142】
吸収性物品
前述のように、本開示のパッケージ材料内に包装され得る吸収性物品は、多数である。2つの特定の実施例が、
図12~
図13Cに提供される。しかしながら、本開示のパッケージ材料及びパッケージは、前述のように多数の吸収性物品を収容するために利用され得る。
図12~
図13Cは、本開示のパッケージ材料/パッケージに収容され得る物品の単なる実施例である。
【0143】
図12では、例示的な女性用衛生パッド800が示されている。女性用衛生パッド800は、トップシート820と、バックシート850と、トップシート820とバックシート850との間に配設された吸収性コア840とを備える。トップシート820と吸収性コア840との間には、流体管理層830が配設されてよい。吸収性物品は、着用者対向表面860と、反対側の衣服対向表面862とを有している。着用者対向表面860は主としてトップシート820を含み、衣服対向表面862は主としてバックシート850を含む。更なる構成要素が、着用者対向表面860及び/又は衣服対向表面862のいずれかに含まれてもよい。例えば、吸収性物品が失禁パッドである場合、吸収性物品800の長手方向軸Lに概ね平行に延在する一対のバリアカフが着用者対向表面860の一部を形成してもよい。同様に、締結接着剤がバックシート450上に存在し、吸収性物品の衣服対向表面862の一部を形成してもよい。
【0144】
トップシート820は、当該技術分野では周知のものなどの取り付け方法(図示せず)によって、バックシート850に接合することができる。トップシート820とバックシート850とは、物品の外周部において互いに直接接合されてもよく、それらを吸収性コア840、流体管理層830、及び/又はトップシート820とバックシート850との間に配置された更なる層に直接接合することによって、互いに間接的に接合されてもよい。この間接接合又は直接接合は、当該技術分野において周知である取り付け方法によって実現することができる。
【0145】
トップシート820は、順応性で、柔らかな感触であり、着用者の皮膚に対して非刺激性であってもよい。好適なトップシート材料としては、着用者の身体に向かって方向付けられ、かつ身体に接触して、流体がトップシートを通って着用者の皮膚に逆流することなく、身体の排泄物が通って急速に浸透することを可能にする、液体透過性材料が挙げられる。トップシートは、トップシートを通る流体の迅速な移動を可能にすることができる一方、ローション組成物を、着用者の皮膚の外側部分又は内側部分上に移動又は移行させることもできる。
【0146】
好適なトップシート820は、織布材料及び不織布材料;有孔形成熱可塑性フィルム、有孔プラスチックフィルム、及び交絡繊維有孔フィルムを含む有孔フィルム材料;ハイドロフォームされた熱可塑性フィルム;多孔質発泡体;網状発泡体、網状熱可塑性フィルム;熱可塑性スクリム;又はこれらの組み合わせなどの様々な材料で作製されてもよい。
【0147】
トップシートとして使用するのに好適な有孔フィルム材料としては、身体排泄物に対して非吸収性及び透過性であり、トップシートを通る流体の逆流を最小にするか又は排除する有孔プラスチックフィルムが挙げられる。有孔形成フィルム及び非有孔形成フィルムを含む他の好適な形成フィルムの非限定例は、1975年12月30日にThompsonに発行された米国特許第3,929,135号、1982年4月13日にMullaneらに発行された米国特許第4,324,246号、1982年8月3日にRadelらに発行された米国特許第4,342,314号、1984年7月31日にAhrらに発行された米国特許第4,463,045号、1991年4月9日にBairdに発行された米国特許第5,006,394号、1986年9月2日にCurroらに発行された米国特許第4,609,518号、及び1986年12月16日にCurroらに発行された米国特許第4,629,643号においてより完全に記載されている。
【0148】
トップシートとして使用するのに好適な織布及び不織布材料の非限定例としては、天然繊維(例えば、100パーセントオーガニックコットンを含む綿)、改質天然繊維、合成繊維、又はこれらの組み合わせから作製された繊維状材料が挙げられる。これらの繊維状材料は、親水性であっても疎水性であってもよいが、トップシートは疎水性であるか又は疎水性にすることが好ましい。親水性成分を含有するトップシートを作製する任意の既知の方法を使用して、選択肢としてトップシートの一部を親水性にすることができる。不織繊維トップシート20は、不織布ウェブを作製する任意の既知の手順により製造されてもよく、この非限定例としては、スパンボンディング、カーディング、ウェットレイド、エアレイド、メルトブローン、ニードルパンチング、機械交絡、熱機械交絡、及び水流交絡が挙げられる。
【0149】
トップシート820は、有孔フィルムと不織布との組み合わせから形成することもできる。例えば、フィルムウェブと不織布ウェブとを、米国特許第9,700,463号に記載されるように組み合わせることができる。代替的に、フィルムは、不織布材料上に押出成形され得、これは、フィルム層と不織布材料との間の接触を強化すると考えられる。このような組み合わせの例示的なプロセスが、米国特許第9,849,602号及び同第9,700,463号に記載されている。
【0150】
バックシート850は、吸収性コア840の衣服対向表面に隣接して位置決めすることができ、当該技術分野において周知のものなどの取り付け方法によって吸収性コアの衣服対向表面に接合することができる。例えば、バックシート850は、均一な連続した接着剤の層、パターン化された接着剤の層、又は接着剤の別個の線、螺旋若しくは点の配列によって吸収性コア840に固定することができる。代替的に、取り付け方法は、熱接着、圧着、超音波接着、動的機械的接着、若しくは当該技術分野で既知の他の任意の好適な取り付け方法又はこれらの取り付け方法の組み合わせの使用を含んでもよい。
【0151】
バックシート850は、液体(例えば、尿)に対して不透過性又は実質的に不透過性であってもよく、また、薄いプラスチックフィルムから製造されてもよいが、他の可撓性の液体不透過性材料を使用することもできる。本明細書で使用するとき、「可撓性」という用語は、順応性があり、人体の一般的な形状及び輪郭に容易に適合する材料を指す。バックシートは、吸収性コア中に吸収されて収容された排泄物が、下着などの失禁パッドに接触する衣類を濡らすことを防ぐか、又は少なくとも抑制し得る。しかしながら、バックシートは、蒸気を吸収性コアから逃がすことができる(すなわち、通気性である)が、場合によりバックシートは蒸気を逃がすことができない(すなわち、非通気性である)場合もある。したがって、バックシートは、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどの高分子フィルムを含む場合がある。バックシートに好適な材料は、例えば、約0.012mm(0.5ミル)~約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムである。当該技術分野において既知の任意の好適なバックシートが本発明とともに利用され得る。
【0152】
バックシート850は、その衣類の表面へと吸収性コア840を通過し得る任意の吸収された体液に対するバリアとして作用し、結果として下着又は他の衣類を汚す危険性を低減する。好ましい材料は、快適さのために柔らかさ及び共形性を提供し、かつ動きによって望ましくない音が生じないように低ノイズである、柔らかく滑らかで柔軟性のある、液体及び蒸気を通す材料である。
【0153】
例示的なバックシートは、1999年3月23日発行の米国特許第5,885,265号(Osborn,III)、2002年10月8日発行の同第6,462,251号(Cimini)、2003年9月23日発行の同第6,623,464号(Bewick-Sonntag)、又は2003年12月16日発行の米国特許第6,664439号(Arndt)に記載されている。本明細書での使用に好適な二層又は多層の通気性バックシートとしては、米国特許第3,881,489号、米国特許第4,341,216号、米国特許第4,713,068号、米国特許第4,818,600号、欧州特許第203 821号、欧州特許第710 471号、欧州特許第710 472号、及び欧州特許第793 952号に例示されているものが挙げられる。
【0154】
本明細書での使用に好適な通気性バックシートは、当該技術分野で周知の全ての通気性バックシートを含む。原則的に、2つのタイプの通気性バックシートがあり、通気性及び遮水性のある単一層の通気性バックシートと、組み合わせると通気性と遮水性の両方を提供する少なくとも2つの層を有するバックシートとがある。本明細書での使用に好適な単一層の通気性バックシートとしては、例えば英国特許第A2184389号、英国特許第A2184390号、英国特許第A2184391号、米国特許第4,591,523号、米国特許第3 989 867号、米国特許第3,156,242号、及び国際公開第97/24097号に記載されているものが挙げられる。
【0155】
バックシートは、約20gsm~約50gsmの坪量を有する不織布ウェブであってもよい。一例として、バックシートは、Fiberweb NeubergerからF102301001の名称で入手可能な4デニールポリプロピレン繊維の、比較的疎水性の23gsmスパンボンド不織布ウェブであり得る。バックシートは、2002年8月20日発行の米国特許第6,436,508号(Ciammaichella)に記載されるように、非水溶性の液体膨潤性材料でコーティングされていてもよい。
【0156】
バックシートは、衣類対向側と、反対側の身体対向側とを有する。バックシートの衣類対向側は、非接着領域と接着領域とを含む。接着領域は、任意の従来の手段によって提供され得る。感圧性接着剤が、この目的に対して十分に機能することが概して見出されている。
【0157】
吸収性コア840は、楕円形、ディスコ矩形(discorectangle)、矩形、非対称形状、及び砂時計形を含むが、これらに限定されない任意の好適な形状を含み得る。例えば、本発明のいくつかの形態では、吸収性コア440は、輪郭ある形状、例えば中間領域が端部領域よりも狭い形状を含み得る。更に別の例としては、吸収性コアは、パッドの一方の端部領域により広い部分を有し、パッドのもう一方の端部領域のより狭い端部領域に向かって先細りになる、先細形状を含み得る。吸収性コアは、MD及びCDに様々な剛度を有することができる。
【0158】
吸収性コアの構成及び構造は変化してもよい(例えば、吸収性コア840は、変化するキャリパ区域、親水性勾配、超吸収性勾配、又はより低い平均密度及びより低い平均坪量の捕捉区域を有してもよい)。更に、吸収性コア840の寸法及び吸収能力も、様々な着用者に適応するように変更されてもよい。しかしながら、吸収性コア840の合計吸収能力は、使い捨て吸収性物品又は失禁パッドの設計負荷及び意図された用途に適合するべきである。
【0159】
本発明のいくつかの形態では、吸収性コアは、第1及び第2の積層体の他に、複数の多機能層を含むことができる。例えば、吸収性コアは、第1及び第2の積層体、並びに他の任意選択の層を包囲するのに有用なコアラップ(図示せず)を含むことができる。コアラップは、2つの不織布材料、基材、積層体、フィルム、又は他の材料によって形成され得る。一態様では、コアラップは、単一の材料、基材、積層体、又は少なくとも部分的にその周りが包まれた他の材料のみを含み得る。吸収性コアは、例えば、第1及び第2の積層体内にSAP又は他の吸収性材料を固定化するのを助けるために、1つ以上の接着剤を含むことができる。
【0160】
様々なコア設計による相対的に高い量のSAPを含む吸収性コアが、Goldmanらの米国特許第5,599,335号、Busamらの欧州特許第1,447,066号、Tanzerらの国際公開第95/11652号、Hundorfらの米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号、及びVan Malderenの国際公開第2012/052172号に開示されている。これらを使用して、超吸水性層を構成することができる。
【0161】
本開示のコアへの追加が想定される。具体的には、現在の多積層体吸収性コアへの予想される追加が、1986年9月9日にWeismanらに発行された「High-Density Absorbent Structures」という表題の米国特許第4,610,678号、1987年6月16日にWeismanらに発行された「Absorbent Articles With Dual-Layered Cores」という表題の米国特許第4,673,402号、1989年12月19日にAngstadtに発行された「Absorbent Core Having A Dusting Layer」という表題の米国特許第4,888,231号、及び1989年5月30日にAlemanyらに発行された「High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquisition Zones」という表題の米国特許第4,834,735号に記載されている。吸収性コアは、1993年8月10日にAlemanyらに発行された「Absorbent Article With Elastic Waist Feature and Enhanced Absorbency」という表題の米国特許第5,234,423号、及び米国特許第5,147,345号に詳説されるように、吸収性貯蔵コア上に位置付けられた、化学的に剛性化された繊維の捕捉/分配コアを収容する二重コア系を模倣する追加の層を更に備えてもよい。これらは、本発明の吸収性コアの以下に記載される積層体の効果を打ち消さないか、又は効果と競合しない程度に有用である。好適な吸収性コアの追加の例が、米国特許出願公開第2018/0098893号及び同第2018/0098891号に記載されている。
【0162】
任意の好適な流体管理層が、女性用衛生パッド800と併せて利用され得る。流体管理層は、吸収システムから分離され、離隔していてもよい。更に、流体管理層は、トップシートの下かつコアの着用者対向表面上に配設されている。流体管理層は、約40gsm~約100gsm、約45gsm~約75gsm、又は約50gsm~約65gsm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を含む)の坪量を有し得る。いくつかの形態では、流体管理層は、繊維の均質な混合物を含み得るが、他の形態では、流体管理層は、繊維の不均質な混合物を含み得る。
【0163】
いくつかの例示的な流体管理層は、米国特許出願公開第2015/0351976(A1)号及び同第2014/0343523(A1)号、及びに米国特許出願第15/729704号に記載されている。
【0164】
本開示のパッケージに含まれ得る吸収性物品の別の実施例は、おむつである。
図13Aに示すように、おむつ1900の構造をより明瞭に示すために構造の一部が切り取られ、その着用者対向表面が閲覧者に向かっている、平らに広げられた未収縮状態の(すなわち弾性によって生じる収縮が取り除かれた)おむつである例示的な吸収性物品1900の平面図。本開示のパッケージは、多種多様なおむつ及び他の吸収性物品のために使用され得るため、このおむつは例示目的のみで示される。
【0165】
吸収性物品は、液体透過性のトップシート1924と、液体不透過性のバックシート1925と、トップシート1924とバックシート1925との中間に少なくとも部分的に位置決めされる吸収性コア1928と、及びバリアレッグカフ1934とを備え得る。吸収性物品は、液体管理システム(liquid management system、「LMS」)1950(
図13Bに図示)も備え得るが、これは、図示されている実施例では、分配層1954と捕捉層1952とを備えており、これら両方については以下で更に説明する。様々な形態では、捕捉層1952は、代わりに、身体排泄物を分配することができ、また、分配層1954は、代わりに、身体排泄物を捕捉することができるか、又はいずれの層も、身体排泄物の分配及び/又は捕捉が可能である。また、LMS1950は、単一層又は2層以上として提供され得る。また、吸収性物品は、典型的には、トップシート及び/又はバックシートを通して吸収性物品のシャーシと接合し、おむつのシャーシに実質的に平面である弾性ガスケットカフ1932を含んでもよい。
【0166】
図面はまた、吸収性物品1900の後縁に向かって取り付けられ、かつ吸収性物品1900の前方で、ランディング区域1944と協働する、接着タブ1942又はその他の機械的締結具を備える締結システムのような、テープ付きおむつの典型的な構成要素を示す。吸収性物品は、例えば、後側弾性腰部機構、及び前側弾性腰部機構など、図示されていないその他の典型的な要素を更に備え得る。
【0167】
吸収性物品1900は、前側腰部縁部1910、前側腰部縁部1910と長手方向の反対側の後側腰部縁部1912、第1の側縁部1903、及び第1の側縁部1903と横方向の反対側の第2の側縁部1904を有し得る。前側腰部縁部1910は、着用されるときにユーザの前方に向かって置かれるように想定された吸収性物品1900の縁部であり、後側腰部縁部1912はその反対側の縁部である。着用者が吸収性物品1900を着用すると、前側腰部縁部1910及び後側腰部縁部はともに腰部孔を形成する。吸収性物品1900は、
図13Aで例示されるように物品を平らに配置して着用者対向表面から見た場合に、吸収性物品1900の前側腰部縁部1910の横方向中点から後側腰部縁部1912の横方向中点まで延在して、吸収性物品1900を、長手方向軸1980を中心に実質的に対称的な2つの半体に分割する長手方向軸1980を有し得る。吸収性物品はまた、第1の側縁部1903の長手方向中点から第2の側縁部1904の長手方向中点まで延在する横方向軸1990を有し得る。吸収性物品1900の長さLは、長手方向軸1980に沿って、前側腰部縁部1910から後側腰部縁部1912まで測定され得る。吸収性物品1900の股幅は、第1の側縁部1903から第2の側縁部1904まで横方向軸1990に沿って測定され得る。吸収性物品1900は、前側腰部領域1905と、後側腰部領域1906と、股部領域1907とを備え得る。前側腰部領域、後側腰部領域及び股部領域は、それぞれ、吸収性物品の長手方向の長さの1/3を画定する。更に、前側及び後側部分も、横方向軸1990の両側で画定され得る。
【0168】
トップシート1924、バックシート1925、吸収性コア1928、及び物品のその他の構成要素は、様々な構成で、具体的には、例えば、糊剤接着又は熱エンボス加工によって組み立てられ得る。例示的なおむつの構成が、米国特許第3,860,003号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号に概説されている。
【0169】
吸収性コア1928は、全て吸収性材料の重量を基準にして、75重量%~100重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%(具体的には、上記に指定した各範囲、及びそれらの範囲内に、又はそれらの範囲によって形成される全ての範囲内の、全ての0.1重量%刻みが列挙される)を構成する吸収性材料、及び吸収性材料を封入するコアラップを含んでもよい。コアラップは、通常、コアの上面及び下面に対して、2つの材料、基材、又は不織布材料1916及び1916’を備えてもよい。
【0170】
吸収性コア1928は、
図13Aにおいて4つのチャネル1926、1926’、及び1927、1927’として図示される1つ以上のチャネルを備え得る。更に、又はその代わりに、LMS1950は、
図13A~
図13Cにチャネル1949、1949’として示される、1つ以上のチャネルを備えてもよい。いくつかの形態では、LMS1950のチャネルは、吸収性コア1928のチャネルと整列する、実質的に整列する、重なり合う、又は少なくとも部分的に重なり合うように、吸収性物品1900内に位置決めされてもよい。以下、吸収性物品のこれら及び他の構成要素について、より詳細に考察する。
【0171】
トップシート1924は、着用者の肌に直接接する吸収性物品の一部である。当業者には知られているように、トップシート1924は、バックシート1925、コア1928、及び/又は任意のその他の層に接合され得る。通常は、トップシート1924とバックシート1925とがいくつかの箇所(例えば、物品の外周部上、又はその付近)で直接互いに接合され、他の箇所では、これらを吸収性物品1900の1つ以上の他の要素と直接接合することにより間接的に接合される。
【0172】
バックシート1925は、概して、吸収性コア1928の衣服対向表面に隣接して位置決めされ、その内部に吸収されて収容された身体排泄物が、ベッドシーツ及び下着などの物品を汚すのを防ぐ、又は少なくとも妨げる、吸収性物品1900の部分である。バックシート1925は、概して、液体(例えば、尿、流動性BM)不透過性、又は少なくとも実質的に不透過性であるが、おむつが「呼吸」できるように蒸気透過性である。バックシートは、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムであるか、又はそれを含んでもよい。例示的なバックシートフィルムとしては、Richmond,VAを拠点とするTredegar Corporationによって製造され、CPC2フィルムの商標で販売されているものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、蒸気が吸収性物品1900から逃れるのを可能にするが、同時に身体排泄物がバックシート1925を通り抜けるのを防止する又は少なくとも妨げる通気性材料を挙げることができる。通気性材料の例としては、織布ウェブ、不織布ウェブなどの材料、並びにフィルムコーティングされた不織布ウェブなどの複合材料、微多孔性フィルム、及びモノリシックフィルムなどを挙げることができる。
【0173】
バックシート1925は、当業者に既知の任意の取り付け方法によって、トップシート1924、吸収性コア1928、及び/又は吸収性物品1900の任意の他の要素に接合され得る。トップシート1924を吸収性物品1900の他の要素に接合するための方法に関して好適な取り付け方法が上記で説明されている。
【0174】
本明細書で使用される場合、「吸収性コア」という用語は、最大の吸収能力を有し、吸収性材料を含む、吸収性物品の独立した構成要素を指す。吸収性コアは、吸収性材料を封入するコアラップ又はコアバッグ(以下「コアラップ」)を備え得る。「吸収性コア」という用語は、LMS、若しくはコアラップの一体部分ではないか、又はコアラップ内に配置されていない吸収性物品のいかなる他の構成要素も含まない。吸収性コアは、コアラップと、以下で定義される吸収性材料と、コアラップ内に封入される糊剤とを含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなることができる。更にパルプ又はエアフェルトもコアラップ内に存在し得、また、吸収性材料の一部分を形成し得る。コアラップの外周部であり得る吸収性コアの外周部は、例えば「T」字形、「Y」字形、「砂時計」形、又は「ドッグボーン」形など、任意の好適な形状を画定してもよい。概ね「ドッグボーン」又は「砂時計」形を有する吸収性コアの外周部は、その幅に沿ってコアの中央又は「股部」領域に向かって先細になっていてもよい。このようにして、吸収性コアは、吸収性物品の股部領域内に置かれるように意図された吸収性コアの領域において、比較的狭い幅を有してもよい。
【0175】
本開示の吸収性コア1928は、多量の超吸収性ポリマー(本明細書では「superabsorbent polymer、SAP」と略す)がコアラップ内に封入された吸収性材料を含んでもよい。SAP含有量は、コアラップ内に収容された吸収性材料の70重量%~100重量%、又は少なくとも70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、99重量%、若しくは100重量%を示してもよい。本開示で有用なSAPとしては、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収することができる、種々の水膨潤性ポリマーを挙げることができる。コアラップは、吸収性コア内のSAPの百分率を評価する目的で、吸収性材料とは見なされない。コア1928中の吸収性材料の残部はエアフェルトであってもよい。
【0176】
「吸収性材料」とは、SAP、セルロース系繊維、及び合成繊維など、いくらかの吸収特性又は液体保持特性を有する材料を意味する。一般に、吸収性コアを作るのに使用される糊剤は吸収特性を有さず、吸収性材料とは見なされない。SAP含有量は、上述したように、コアラップに収容された吸収性材料の80重量%超、例えば少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、及び更には100重量%以下であってもよい。これにより、典型的には、例えば、40~60%のSAP、及び大量のセルロース繊維又はエアフェルトを含む従来のコアと比較して、相対的に薄いコアが得られる。吸収性材料は、15重量%未満、若しくは10重量%未満の天然又は合成繊維を含むか、5重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満の天然及び/又は合成繊維を含んでもよく、あるいは更には天然及び/又は合成繊維を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい(具体的には、指定される範囲内、及びそれらの範囲内に、又はそれらの範囲によって形成される全ての範囲内の、全ての0.1%刻みが列挙される)。吸収性材料は、エアフェルト(セルロース)繊維をほとんど又は全く含まなくてもよく、特に吸収性コアは、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満のエアフェルト(セルロース)繊維を含んでもよく、又は更にはセルロース繊維を実質的に含まない、若しくは含まなくともよい(具体的には指定される範囲内の、及びそれらの範囲内に、又はそれらの範囲によって形成される全ての範囲の0.1%刻みの全てが列挙される)。
【0177】
吸収性コア1928はまた、概ね平面状の上面、及び概ね平面状の底面を備え得る。コア1928は、
図5Aに示すような平面図で上から見ると、吸収性物品の長手方向軸80に実質的に対応する長手方向軸80’を有し得る。特定の物品では前側でより高い吸収性が求められることがあるので、吸収性材料は、後側に向かってよりも前側に向かってより多くの量が分配されてもよい。吸収性材料は、コアの任意の部分にわたって不均一の坪量又は均一の坪量を有し得る。コアラップは、2つの不織布材料、基材、積層体、又は他の材料1916、1916’によって形成されてもよく、それらは、吸収性コアの側部に沿って少なくとも部分的に封止されてもよい。コアラップは、吸収性コアラップから吸収性材料が実質的に漏れ出さないように、前側部、後側部、及び2つの長手方向側部に沿って少なくとも部分的に封止され得る。第1の材料、基材、又は不織布1916は、第2の材料、基材、又は不織布1916’を少なくとも部分的に囲んでコアラップを形成し得る。第1の材料1916は、第2の材料の1916’の、第1の側縁1903及び第2側縁1904に近接した一部分を囲んでもよい。
【0178】
様々なコアの設計を有し、比較的大量のSAPを含むコアが、米国特許第5,599,335号(Goldman)、欧州特許第1,447,066号(Busam)、国際公開第95/11652号(Tanzer)、米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号(Hundorf)、及び国際公開第2012/052172号(Van Malderen)に開示されている。
【0179】
吸収性材料は、コアラップ内に存在する1つ以上の連続層であってもよい。あるいは、吸収性材料は、コアラップ内に封入された吸収性材料の個々のポケット又はストライプからなってよい。第1の事例では、吸収性材料は、例えば、吸収性材料の単一の連続層を適用することによって得ることができる。吸収性材料の、特にSAPの連続層はまた、不連続的な吸収性材料適用パターンを有する2つ以上の吸収性層を組み合わせることによって得られてもよく、結果として得られる層は、例えば米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号(Hundorf)に開示されているように、吸収性粒状ポリマー材料の面積の全体にわたって実質的に連続的に分配されている。吸収性コア1928は、第1の吸収性層と、第2の吸収性層とを備えてもよい。第1の吸収性層は、第1の材料1916と、100%以下のSAPであり得る吸収性材料の第1の層とを備え得る。第2の吸収性層は、第2の材料1916’と、やはり100%以下のSAPであり得る吸収性材料の第2の層とを備え得る。
【0180】
繊維状の熱可塑性接着剤材料は、ランド領域において吸収性材料1960と少なくとも部分的に接触してよく、また接合区域において材料1916、1916’と少なくとも部分的に接触してよい。これによって、それ自体は本質的に、長さ方向及び横断方向の寸法に比べて比較的薄い二次元構造である、熱可塑性接着剤材料の繊維層に、本質的に三次元の構造が付与される。それにより、繊維状の熱可塑性接着剤材料は、ランド領域において吸収性材料を被覆するためのキャビティを提供してもよく、それにより、100%以下のSAPであってもよいこの吸収性材料を固定する。
【0181】
コアラップは、吸収性材料の周りに折り重ねられた単一の基材、材料、又は不織布で形成されてよく、あるいは互いに取り付けられた2つ(又はそれ以上)の基材、材料、又は不織布を含んでもよい。一般的な取り付け方法は、いわゆるCラップ及び/又はサンドイッチラップである。Cラップでは、基材のうちの一方の長手方向及び/又は横断方向の縁部が、他方の基材上に折り畳まれてフラップを形成する。次に、これらのフラップは、通常は糊剤接着によって、他方の基材の外側表面に結合される。他の技法を使用して、コアラップを形成することもできる。例えば、基材の長手方向及び/又は横断方向の縁部が互いに結合され、次に吸収性コアの下に折り重ねられ、その位置で結合されてもよい。
【0182】
コアラップは、吸収性材料がコアから実質的に漏れ出さないように、吸収性コアの全ての側部に沿って少なくとも部分的に封止されてもよい。「吸収性材料が実質的にない」とは、コアラップから漏れ出る吸収性材料が5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、又は約0重量%であることを意味する。「封止」という用語は、広義に理解されるべきである。コアラップの封止は、コアラップの外周部全体に沿って連続的である必要はないが、線上で離隔した一連の封止点によって形成されるなど、その一部又は全体に沿って不連続であってもよい。封止は、糊剤接着及び/又は熱接着によって形成され得る。
【0183】
コアラップはまた、吸収性材料を風呂敷包み状に封入し、コアの前側部及び後側部、並びに一方の長手方向封止に沿って封止され得る、単一の基材によって形成されてもよい。
【0184】
吸収性物品は、一対のバリアレッグカフ1934及びレッグギャザー弾性体1933を備えてもよい。それぞれのバリアレッグカフは、吸収性物品の内側表面から上方に延びて、着用者の胴体と脚との接合部付近での液体及びその他の身体排泄物の収容性を改善し得るように、吸収性物品に結合された一片の材料によって形成され得る。バリアレッグカフ1934は、トップシート1924及び/又はバックシート1925に直接又は間接的に接合された近位縁部1964と、着用者の皮膚と接触して着用者の皮膚と封止を形成することが意図された自由末端縁部1966と、によって範囲を定められている。バリアレッグカフ1934は、長手方向軸1980の両側で吸収性物品の前側腰部縁部1910と後側腰部縁部1912との間に少なくとも部分的に延び、かつ少なくとも股部領域1907内に存在する。バリアレッグカフ1934は、糊剤結合、溶融結合、又はその他の好適な結合プロセスの組み合わせにより製造され得る結合部1965によって、近位縁部1964で吸収性物品のシャーシと接合され得る。近位縁部1964での結合部1965は、連続的であっても断続的であってもよい。レッグカフ1934の隆起セクションに最も近い結合部1965が、レッグカフ1934の立ち上がりセクションの近位縁1964の範囲を定める。
【0185】
バリアレッグカフ1934は、トップシート1924若しくはバックシート1925と一体であり得るか、又は、吸収性物品のシャーシに接合された別個の材料であってもよい。バリアレッグカフ1934の材料は、おむつの全長を通して延び得るが、これらのセクションにおいてバリアレッグカフ材料がトップシート1924と同一平面上のままであるように、吸収性物品の前側腰部縁部1910及び後側腰部縁部1912に向かってトップシート1924に「タック結合」され得る。
【0186】
それぞれのバリアレッグカフ1934は、この自由末端縁部1966に近接して、フィルム1935の1つ、2つ、若しくはそれ以上の弾性ストランド又はストリップを含み、それにより、より良好な封止を提供することが可能となる。
図12に関して説明したように、バリアレッグカフは同様に、パッドタイプの構造に適用され得ることが注目に値する。そのような構成は、成人用失禁パッドにおいて望ましい場合がある。バリアレッグカフについて本明細書に記載される構成のいずれも、成人用失禁パッドに利用され得る。
【0187】
吸収性物品は、バリアレッグカフ1934に加えて、ガスケットカフ1932を備えていてよく、このガスケットカフは、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート1924及び/又はバックシート1925に接合されており、かつバリアレッグカフ1934に対して外側に配置される。ガスケットカフ1932は、着用者の大腿の周囲により良好な封止を提供し得る。各ガスケットレッグカフは、1つ以上の弾性ストリング又は弾性要素を、吸収性物品のシャーシ内の、脚部開口部領域内のトップシート1924とバックシート1925との間に含み得る。バリアレッグカフ及び/又はガスケットカフの全て又は一部分を、ローション又はスキンケア組成物で処理してもよい。バリアレッグカフは、米国特許出願公開第2012/0277713号に記載されるものを含む、数多くの異なる構成で作製され得る。
【0188】
ある形態では、吸収性物品は、前部耳部1946及び後部耳部1940を含んでよい。耳部は、サイドパネルとしてトップシート1924及び/又はバックシート1925から形成されるなど、シャーシの一体部分とすることができる。代替的に、
図13Aに示されるように、耳部(1946、1940)は、糊剤結合、熱エンボス加工、及び/又は圧着により取り付けられる、別体の要素であってもよい。タブ1942をランディング区域1944に容易に取り付け、テープ付きおむつを着用者の腰部周りの定位置に保つために、後耳部1940は伸縮可能であってもよい。後側耳部1940はまた、弾性のある耳部によって吸収性物品の側部が伸縮し得るため、最初に吸収性物品を着用者に対して適合するようにフィットさせ、続いて吸収性物品が排泄物で充填されてからかなりの時間が経過した後も着用期間全体を通してこのフィットを維持することによって、より快適で、体に巻き付くようなフィット感を付与するように、弾性又は伸張性であってもよい。
【0189】
LMS1950の1つの機能は、流体を迅速に捕捉し、それを吸収性コア1928に効率的に分配することである。LMS1950は、一体の層を形成しても、あるいは、互いに取り付けられ得る不連続の層のままでもよい、1つ以上の層を備え得る。LMS1950は、2つの層、すなわち、吸収性コアとトップシートとの間に配設される分配層1954及び捕捉層1952を備え得るが、本開示はこうした構成に限定されない。
【0190】
SAPは流体の捕捉及び分配を緩慢にし得るため、LMS1950はSAPを含み得る。他の形態では、LMSは、SAPを実質的に含まなくてもよい(例えば、80%、85%、90%、95%、又は99%非含有である)か、又は完全に含まなくてもよい。LMSはまた、例えば、連続気泡発泡体、エアレイド繊維、又はカーディング樹脂結合不織布材料など、様々な他の好適なタイプの材料のうちの1つ以上を含んでもよい。LMSの好適な例が、例えば、国際公開第2000/59430号(Daley)、国際公開第95/10996号(Richards)、米国特許第5,700,254号(McDowall)、及び国際公開第02/067809号(Graef)に記載されている。
【0191】
LMS1950は、分配層1954を備え得る。分配層1954は、例えば、少なくとも50重量%以上の架橋セルロース繊維を含み得る。架橋セルロース繊維は、捲縮、加撚、若しくはカールされてもよく、又は捲縮、加撚、及びカールを含むこれらの組み合わせであってもよい。このタイプの材料は、米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号(Hundorf)に開示されている。
【0192】
LMS1950は、代替的又は追加的に捕捉層1952を備え得る。捕捉層1952は、例えば、分配層1954とトップシート1924との間に配設されてもよい。捕捉層1952は、スパンボンド、メルトブローン、及び更なるスパンボンド層、あるいはカーディング化学結合不織布を含む、SMS又はSMMS材料などの不織布材料であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。捕捉層1952は、エアレイド若しくはウェットレイドセルロース繊維、架橋セルロース繊維、又は合成繊維、あるいはそれらのブレンドを含んでもよい。捕捉層1952は、合成繊維(空隙を増加させるため、固体状態形成法などによって処理されてもよい)のロールストックウェブ、又は嵩高材料を形成するために互いに結合された、合成繊維とセルロース繊維との組み合わせを含んでもよい。あるいは、捕捉層1952は、吸収性連続気泡発泡体を含んでもよい。不織布材料は、ラテックス結合されてもよい。
【0193】
吸収性物品1900のLMS1950は、概して、吸収性物品を着用者の解剖学的構造により良く適合させて、それにより動作の自由度を高め、間隙を減少させ得る、チャネルを含んでもよい。LMS1950の1つ以上のチャネルは、上述のように吸収性コア1928内の様々なチャネルと協調して動作するように構成されていてもよい。更に、LMS1950内のチャネルは、更に、吸収性物品内で、尿、排便(BM)、又は他の身体排泄物を保持して分配するための大きな空隙を与え、それによって漏れ及び皮膚の接触を低減させ得る。LMS1950内のチャネルはまた、特にテクスチャ、色、及び/又はパターンの物理的な違いによって強調される場合、内部の実用的な表示を提供して、着用者上での吸収性物品の正確な位置合わせの達成を容易にしてもよい。このため、かかる物理的な差異は、例えば、視覚的及び/又は触覚的に認識可能なものとすることができる。
【0194】
パッケージのアレイ
本開示のパッケージ材料では、様々な消費者の懸念に対処するために、多種多様なパッケージングアレイが提供され得ることが企図される。一実施例として、本開示のパッケージは、天然であるか、又は天然成分を有するより多くの構成要素を有する吸収性物品とともに利用され得る。例えば、本開示のパッケージは、綿トップシート及び/又は綿ベースの流体管理層又は捕捉層を含む吸収性物品とともに利用され得る。追加的又は代替的に、本開示のパッケージは、非香料であり、かつ/又はそれらの吸収性コアにおいて未漂白パルプを有する吸収性物品とともに利用され得る。
【0195】
吸収性物品提供品のいくつかは、本開示のパッケージの中にあり得るが、吸収性物品提供品の他のものは、従来のパッケージングの中にあり得る。しかしながら、より持続可能な製造実践を推進するために、少なくとも20パーセント、より好ましくは少なくとも40パーセント、又は最も好ましくは少なくとも50パーセント(具体的には、これらの範囲又はそれによって形成された任意の範囲内の全ての値を列挙する)が本明細書に記載されるようなリサイクル可能なパッケージを含む、店舗棚上の吸収性物品の単一の製造業者によって提供される吸収性物品が企図される。例えば、吸収性物品製造業者が、店舗棚上に5つの吸収性物品提供品、例えば、2つのおむつサイズ、3つの女性用衛生パッドサイズを有する場合、単一のおむつサイズ又は単一の女性用衛生パッドサイズのパッケージのうちの少なくとも1つは、本明細書に記載のリサイクル可能なパッケージングを含み得る。
【0196】
本開示のパッケージ材料が2つの異なる吸収性物品に利用され、パッケージが異なる封止構成を有するアレイが企図される。例えば、第1のパッケージは、複数の女性用衛生パッドを含み得、ブロックスタイル構成を有する少なくとも1つのパネルを含み得る。第2のパッケージは、複数のおむつを含み得、ピンチスタイル又は交差スタイル構成を有する少なくとも1つのパネルを含み得る。
【0197】
想定される実施例
実施例A.1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、1つ以上の吸収性物品がパッケージ内に封止されており、パッケージは、消費者対向パネルと、消費者対向パネルの上に配置された上部パネルとを含む複数のパネルであって、複数のパネルの各々が内側表面及び外側表面を備える、複数のパネルと、消費者対向パネルと上部パネルとの間に配置された上折り畳み線であって、少なくとも部分的に、横方向折り目と同一線上にある、上折り畳み線と、を含み、パッケージ材料は、天然繊維を含み、横方向折り目は、約1.8N以下、より好ましくは約1.7N以下のピーク負荷を呈する、パッケージ。
【0198】
実施例A1.上部パネルは、前面と、対向する背面と、右面と、対向する左面と、開封テールと、を備える、実施例Aのいずれかに記載のパッケージ。
【0199】
実施例A2.前面及び/又は背面の少なくとも1つは開封折り目を含む、実施例A1に記載のパッケージ。
【0200】
実施例A3.右面及び/又は左面はガセット折り目を含む、実施例A1又はA2のいずれかに記載のパッケージ。
【0201】
実施例A4.消費者対向パネルに対向する背面パネルと、消費者対向パネルと背面パネルとの間に配置された左パネルと、消費者対向パネルと背面パネルとの間に配置された右パネルと、を更に備える、実施例A~A3のいずれかに記載のパッケージ。
【0202】
実施例A5.消費者対向パネルと左パネルとの間、消費者対向パネルと右パネルとの間、右パネルと背面パネルとの間、及び/又は左パネルと背面パネルとの間に配置された1つ以上の垂直折り目を更に備える、実施例4に記載のパッケージ。
【0203】
実施例A6.横方向折り目は第1の平面内に配置され、1つ以上の吸収性物品の上縁部は第2の平面内に配置され、第1の平面と第2の平面との間の距離は、約5mm以下、より好ましくは約3mm以下、又は最も好ましくは約2mm以下である、実施例A~A5のいずれかに記載のパッケージ。
【0204】
実施例A7.横方向折り目は、約0.01mm超、より好ましくは約0.02mm超、又は最も好ましくは約0.03mm超の深さを有する、実施例A~A6のいずれかに記載のパッケージ。
【0205】
実施例A8.横方向折り目は、約0.01mm~約0.9mm、より好ましくは約0.02mm~約0.7、又は最も好ましくは約0.03mm~約0.5mmの深さを有する、実施例A~A7のいずれかに記載のパッケージ。
【0206】
実施例A9.開封折り目は、約0.01mm超、より好ましくは約0.02mm超、又は最も好ましくは約0.03mm超の深さを有する、実施例A2~A8のいずれかに記載のパッケージ。
【0207】
実施例A10.開封折り目は、約0.01mm~約0.9mm、より好ましくは約0.02mm~約0.7、又は最も好ましくは約0.03mm~約0.5mmの深さを有する、実施例A2~A9のいずれかに記載のパッケージ。
【0208】
実施例A11.横方向折り目は、約0.1mm~約7mm、より好ましくは約0.1mm~約5mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約4mmの幅を有する、実施例A~A10のいずれかに記載のパッケージ。
【0209】
実施例A12.横方向折り目は、約0.1mm~約3mm、より好ましくは約0.1mm~約2mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約1mmの幅を有する、実施例A~A11のいずれかに記載のパッケージ。
【0210】
実施例A13.開封折り目は、約0.1mm~約7mm、より好ましくは約0.1mm~約5mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約4mmの幅を有する、実施例A2~A12のいずれかに記載のパッケージ。
【0211】
実施例A14.開封折り目は、約0.1mm~約3mm、より好ましくは約0.1mm~約2mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約1mmの幅を有する、実施例A2~A13のいずれかに記載のパッケージ。
【0212】
実施例A15.横方向折り目は、内側表面から外側表面に向かって付勢される、実施例A~A14のいずれかに記載のパッケージ。
【0213】
実施例A16.開封折り目は、内側表面から外側表面に向かって付勢される、実施例A2~A15のいずれかに記載のパッケージ。
【0214】
実施例A17.開封折り目が前面に配置されている、実施例A16に記載のパッケージ。
【0215】
実施例A18.横方向折り目は、約0.7N~約1.8N、又はより好ましくは約0.8N~約1.7Nのピーク負荷を呈する、実施例A~A17のいずれかに記載のパッケージ。
【0216】
実施例A19.開封折り目は、約1.8N以下、又はより好ましくは約1.7N以下のピーク負荷を呈する、実施例A2~A18のいずれかに記載のパッケージ。
【0217】
実施例A20.開封折り目は、約0.7N~約1.8N、又はより好ましくは約0.8N~約1.7Nのピーク負荷を呈する、実施例A2~A19のいずれかに記載のパッケージ。
【0218】
実施例21.横方向折り目は、約2.5N/mm以下、より好ましくは約2.4N/mm以下、又は最も好ましくは約2.3N/mm以下の勾配を呈する、実施例A~A20のいずれかに記載のパッケージ。
【0219】
実施例A22.横方向折り目は、約1.5N/mm~約2.5N/mm、より好ましくは約1.6N/mm~約2.4N/mm、又は最も好ましくは約1.7N/mm~約2.3N/mmの勾配を呈する、実施例A~A21のいずれかに記載のパッケージ。
【0220】
実施例A23.開封折り目は、約2.5N/mm以下、より好ましくは約2.4N/mm以下、又は最も好ましくは約2.3N/mm以下の勾配を呈する、実施例A~A22のいずれかに記載のパッケージ。
【0221】
実施例A24.開封折り目は、約1.5N/mm~約2.5N/mm、より好ましくは約1.6N/mm~約2.4N/mm、又は最も好ましくは約1.7N/mm~約2.3N/mmの勾配を呈する、実施例A~A23のいずれかに記載のパッケージ。
【0222】
実施例A25.上折り畳み線は上折り畳み長さを備え、横方向折り目は横方向折り目長さを備え、横方向折り目長さは、上折り畳み長さの長さの少なくとも10パーセント、より好ましくは上折り畳み長さの長さの少なくとも30パーセント、最も好ましくは上折り畳み長さの長さの少なくとも50パーセントである、実施例A~A24のいずれかに記載のパッケージ。
【0223】
実施例A26.横方向折り目長さは、上折り畳み長さの10パーセント~100パーセント、より好ましくは約30パーセント~約100パーセント、又は最も好ましくは約50パーセント~約100パーセントである、実施例A25に記載のパッケージ。
【0224】
実施例A27.リサイクル可能である、実施例A~A26のいずれかに記載のパッケージ。
【0225】
実施例B.1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、1つ以上の吸収性物品がパッケージ内に封止され、パッケージは、消費者対向パネルと、消費者対向パネルの上に配置された上部パネルと、を含む複数のパネルであって、複数のパネルのそれぞれが内側表面及び外側表面を含む、複数のパネルと、上部パネル上に配置された開口折り畳み線であって、少なくとも部分的に開封折り目と同一線上にある、開口折り畳み線と、を含み、パッケージ材料は天然繊維を含み、横方向折り目は、約1.8N以下、より好ましくは約1.7N以下のピーク負荷を呈する、パッケージ。
【0226】
実施例B1.上部パネルは、前面と、対向する背面と、右面と、対向する左面と、開封テールと、を備える、実施例Bのいずれかに記載のパッケージ。
【0227】
実施例B2.前面及び/又は背面の少なくとも1つは開封折り目を含む、実施例B~B1のいずれかに記載のパッケージ。
【0228】
実施例B3.消費者対向パネルに対向する背面パネルと、消費者対向パネルと背面パネルとの間に配置された左パネルと、消費者対向パネルと背面パネルとの間に配置された右パネルと、を更に備える、実施例B~B2のいずれかに記載のパッケージ。
【0229】
実施例B4.消費者対向パネルと左パネルとの間、消費者対向パネルと右パネルとの間、右パネルと背面パネルとの間、及び/又は左パネルと背面パネルとの間に配置された1つ以上の垂直折り目を更に備える、実施例B4に記載のパッケージ。
【0230】
実施例B5.開封折り目は、約0.01mm超、より好ましくは約0.02mm超、又は最も好ましくは約0.03mm超の深さを有する、実施例B~B4のいずれかに記載のパッケージ。
【0231】
実施例B6.開封折り目は、約0.01mm~約0.9mm、より好ましくは約0.02mm~約0.7、又は最も好ましくは約0.03mm~約0.5mmの深さを有する、実施例B~B5のいずれかに記載のパッケージ。
【0232】
実施例B7.開封折り目は、約0.1mm~約7mm、より好ましくは約0.1mm~約5mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約4mmの幅を有する、実施例B~B6のいずれかに記載のパッケージ。
【0233】
実施例B8.開封折り目は、約0.1mm~約3mm、より好ましくは約0.1mm~約2mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約1mmの幅を有する、実施例B~B7のいずれかに記載のパッケージ。
【0234】
実施例B9.開封折り目は、内側表面から外側表面に向かって付勢される、実施例B~B8のいずれかに記載のパッケージ。
【0235】
実施例B10.開封折り目が前面に配置されている、実施例B9に記載のパッケージ。
【0236】
実施例B11.開封折り目は、約1.8N以下、又はより好ましくは約1.7N以下のピーク負荷を呈する、実施例B~B10のいずれかに記載のパッケージ。
【0237】
実施例B12.開封折り目は、約0.7N~約1.8N、又はより好ましくは約0.8N~約1.7Nのピーク負荷を呈する、実施例B~B11のいずれかに記載のパッケージ。
【0238】
実施例B13.開封折り目は、約2.5N/mm以下、より好ましくは約2.4N/mm以下、又は最も好ましくは約2.3N/mm以下の勾配を呈する、実施例B~B12のいずれかに記載のパッケージ。
【0239】
実施例B14.開封折り目は、約1.5N/mm~約2.5N/mm、より好ましくは約1.6N/mm~約2.4N/mm、又は最も好ましくは約1.7N/mm~約2.3N/mmの勾配を呈する、実施例B~B13のいずれかに記載のパッケージ。
【0240】
実施例B15.開口折り畳み線は開口折り畳み長さを備え、開封折り目は開封折り目長さを備え、開封折り目長さは、開口折り畳み長さの長さの少なくとも10パーセント、より好ましくは開口折り畳み長さの長さの少なくとも30パーセント、最も好ましくは開口折り畳み長さの長さの少なくとも50パーセントである、実施例B~B14のいずれかに記載のパッケージ。
【0241】
実施例B16.開封折り目長さは、開口折り畳み長さの10パーセント~100パーセント、より好ましくは約30パーセント~約100パーセント、又は最も好ましくは約50パーセント~約100パーセントである、実施例B15に記載のパッケージ。
【0242】
実施例B17.横方向折り目は、消費者対向パネルと上部パネルとの間に配置されている、実施例B~B16のいずれかに記載のパッケージ。
【0243】
実施例B18.リサイクル可能である、実施例B~B17のいずれかに記載のパッケージ。
【0244】
実施例C.1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、1つ以上の吸収性物品がパッケージ内に封止され、パッケージは、消費者対向パネルと、消費者対向パネルの上に配置された上部パネルと、を含む複数のパネルであって、複数のパネルのそれぞれが内側表面及び外側表面を含む、複数のパネルと、消費者対向パネルと上部パネルとの間に配置された上折り畳み線であって、少なくとも部分的に、横方向折り目と同一線上にある、上折り畳み線と、を含み、パッケージ材料は、天然繊維を含み、本明細書で修正されるISO536によって決定された場合に、60gsm~120gsm、より好ましくは、65gsm~105gsm、又は最も好ましくは、70gsm~90gsmの坪量を有する、パッケージ。
【0245】
実施例C1.上部パネルは、前面と、対向する背面と、右面と、対向する左面と、開封テールと、を備える、実施例Cに記載のパッケージ。
【0246】
実施例C2.前面又は背面の少なくとも1つは開封折り目を含む、実施例C1に記載のパッケージ。
【0247】
実施例C3.右面及び/又は左面はガセット折り目を含む、実施例C1又はC2のいずれかに記載のパッケージ。
【0248】
実施例C4.消費者対向パネルに対向する背面パネルと、消費者対向パネルと背面パネルとの間に配置された左パネルと、消費者対向パネルと背面パネルとの間に配置された右パネルと、を更に備える、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0249】
実施例C5.消費者対向パネルと左パネルとの間、消費者対向パネルと右パネルとの間、右パネルと背面パネルとの間、及び/又は左パネルと背面パネルとの間に配置された1つ以上の垂直折り目を更に備える、実施例C4に記載のパッケージ。
【0250】
実施例C6.横方向折り目は第1の平面内に配置され、1つ以上の吸収性物品の上縁部は第2の平面内に配置され、第1の平面と第2の平面との間の距離は、約5mm以下、より好ましくは約3mm以下、又は最も好ましくは約2mm以下である、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0251】
実施例C7.横方向折り目は、約0.01mm超、より好ましくは約0.02mm超、又は最も好ましくは約0.03mm超の深さを有する、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0252】
実施例C8.横方向折り目は、約0.01mm~約0.9mm、より好ましくは約0.02mm~約0.7、又は最も好ましくは約0.03mm~約0.5mmの深さを有する、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0253】
実施例C9.開封折り目は、約0.01mm超、より好ましくは約0.02mm超、又は最も好ましくは約0.03mm超の深さを有する、実施例C2~C8のいずれかに記載のパッケージ。
【0254】
実施例C10.開封折り目は、約0.01mm~約0.9mm、より好ましくは約0.02mm~約0.7、又は最も好ましくは約0.03mm~約0.5mmの深さを有する、実施例C2~C9のいずれかに記載のパッケージ。
【0255】
実施例C11.横方向折り目は、約0.1mm~約7mm、より好ましくは約0.1mm~約5mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約4mmの幅を有する、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0256】
実施例C12.横方向折り目は、約0.1mm~約3mm、より好ましくは約0.1mm~約2mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約1mmの幅を有する、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0257】
実施例C13.開封折り目は、約0.1mm~約7mm、より好ましくは約0.1mm~約3 5mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約4mmの幅を有する、実施例C2~C12のいずれかに記載のパッケージ。
【0258】
実施例C14.開封折り目は、約0.1mm~約3mm、より好ましくは約0.1mm~約2mm、又は最も好ましくは約0.1mm~約1mmの幅を有する、実施例C2~C13のいずれかに記載のパッケージ。
【0259】
実施例C15.横方向折り目は、内側表面から外側表面に向かって付勢される、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0260】
実施例C16.開封折り目は、内側表面から外側表面に向かって付勢される、実施例C2~C15のいずれかに記載のパッケージ。
【0261】
実施例C17.開封折り目が前面に配置されている、実施例C16に記載のパッケージ。
【0262】
実施例C18.一対のガセット折り目が、外側表面から内側表面に向かって付勢される、実施例C3~C17のいずれかに記載のパッケージ。
【0263】
実施例C19.上折り畳み線は、消費者対向パネルと上部パネルとの間に配置された第1の部分と、右パネルと上部パネルとの間に配置された第2の部分と、背面パネルと上部パネルとの間に配置された第3の部分と、左パネルと上部パネルとの間に配置された第4の部分と、を含み、第1の角部は、消費者対向パネルと右パネルとの間に配置され、第2の角部は、右パネルと背面パネルとの間に配置され、第3の角部は、背面パネルと左パネルとの間に配置され、第4の角部は、左パネルと消費者対向パネルとの間に配置されている、実施例C4~C18のいずれかに記載のパッケージ。
【0264】
実施例C20.横方向折り目は、消費者対向パネルと上部パネルとの間に配置された第1のセクションを備え、第1のセクションは、第1の部及び第2の部を備え、第1の部は、第4の角部から消費者対向パネルの垂直中心線に向かって延在し、第2の部は、第1の角部から消費者対向パネルの中心線に向かって延在している、実施例C19に記載のパッケージ。
【0265】
実施例C21.第1の部及び第2の部が、上折り畳み線の第1の部分の長さよりも短い累積長さを有する、実施例C20に記載のパッケージ。
【0266】
実施例C22.累積長さは、第1の部分の長さの少なくとも10パーセント、より好ましくは第1の部分の長さの少なくとも30パーセント、又は最も好ましくは第1の部分の長さの少なくとも50パーセントである、実施例C20及びC21に記載のパッケージ。
【0267】
実施例C23.横方向折り目は、少なくとも部分的に、消費者対向パネルと上部パネルとの間、右及び左パネルと上部パネルとの間、並びに背面パネルと上部パネルとの間に配置されている、実施例C19~C22のいずれかに記載のパッケージ。
【0268】
実施例C24.パッケージ材料は、少なくとも50重量パーセントの天然繊維、より好ましくは少なくとも70重量パーセントの天然繊維、又は最も好ましくは少なくとも90重量パーセントの天然繊維を含む、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0269】
実施例C25.パッケージ材料は、50~100重量パーセントの天然繊維、より好ましくは65~99重量パーセントの天然繊維、又は最も好ましくは75~95重量パーセントの天然繊維を含む、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0270】
実施例C26.パッケージング材料の天然繊維は、セルロース系繊維、竹ベースの繊維、綿、アバカ、ケナフ、サバイ草、亜麻、エスパルト草、麦わら、ジュート麻、バガス、トウワタフロス繊維、パイナップリーフ繊維、木材繊維、又はパルプ繊維のうちの少なくとも1つを含む、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0271】
実施例C27.天然繊維は、木材繊維又はパルプ繊維のうちの少なくとも1つを含む、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0272】
実施例C28.パッケージ材料は、約30重量パーセント未満、より好ましくは約20重量パーセント未満、又は最も好ましくは約10重量パーセント未満の重量百分率のリサイクル不可能な材料を含む、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0273】
実施例C29.パッケージ材料は、0.5重量パーセント~約30重量パーセント、より好ましくは約0.5重量パーセント~約20重量パーセント、又は最も好ましくは約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのリサイクル不可能な材料を含む、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0274】
実施例C30.パッケージ材料は、約5重量パーセント未満の重量百分率のリサイクル不可能な材料を含む、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0275】
実施例C31.パッケージ材料は、0.5パーセント~約5パーセントの重量百分率のリサイクル不可能な材料を含む、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0276】
実施例C32.パッケージ材料は、PTS-RH:021/97(草案2019年10月)法によって決定された場合に、少なくとも70パーセント、より好ましくは、少なくとも80パーセント、又は最も好ましくは、少なくとも90パーセントのリサイクル可能な百分率を呈する、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0277】
実施例C33.パッケージ材料は、PTS-RH:021/97(草案2019年10月)法によって決定された場合に、全体的な「合格」試験結果を呈する、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0278】
実施例C34.パッケージ材料は、70パーセント~約99.9パーセント、より好ましくは約85パーセント~約99.9パーセント、又は最も好ましくは約90パーセント~約99.9パーセントのリサイクル可能な百分率を呈する、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0279】
実施例C35.パッケージ材料は、目視検査によって決定された場合に、リサイクルされた天然繊維を含む、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0280】
実施例C36.パッケージ材料はバリア層を含まない、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0281】
実施例C37.パッケージ材料はバリア層を含む、実施例C~C35のいずれかに記載のパッケージ。
【0282】
実施例C38.1つ以上の吸収性物品は、袋内積み重ね高さ法に従って、約150mm未満、より好ましくは約100mm未満、又は最も好ましくは約70mm未満の袋内積み重ね高さを呈する、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0283】
実施例C39.1つ以上の吸収性物品は、70mm~約150mm、より好ましくは約70mm~約100mm、又は最も好ましくは約70mm~約90mmの袋内積み重ね高さを呈する、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0284】
実施例C40.1つ以上の吸収性物品は、おむつパンツ、失禁パッド、おむつ、又は成人用失禁ブリーフのうちの少なくとも1つを含む、先行する実施例のいずれかに記載のパッケージ。
【0285】
試験方法
ASTM F88-06-封止引張強度
この試験方法は、封止を含む材料の試験ストリップを分離するために必要な力を測定することによって、可撓性バリア材料における封止の強度を決定する。封止強度は、本明細書に記載の手順詳細を有する、一定速度の伸張引張試験機で、公定書の方法(compendial method)ASTM F0088-06に従って測定される。好適な機器は、両方ともNorwood,MA)から入手可能であるBluehill Universal Softwareを使用するInstron Model 5965又は同等物である。全ての測定は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された実験室で実施され、試験サンプルは、試験前に2時間、この環境でコンディショニングされる。
【0286】
試験片の調製及び試験手順は、参照されるASTM法に記載されており、以下の特定の詳細を有する。試験片を1.0インチの幅に切断し、グリップ分離速度は300mm/分であり、尾部保持法は支持されていない。試験片が破損まで応力を受ける際に、遭遇する最大力は、単位幅当たりの力として0.1N/in単位で記録される。合計5個の複製試験片について試験を繰り返す。最大封止強度の算術平均を計算し、引張強度として0.1N/in単位で報告する。
【0287】
ISO1924-3-引張特性(引張強度、延伸、エネルギー吸収)
試験サンプルの引張特性(引張強度、延伸及びエネルギー吸収)は、サンプルが破断するまで一定速度の伸長試験を使用して得られた測定された力及び伸長値から計算される。試験は、本明細書に記載の修正を伴う、公定書の方法ISO1924-3に従って実行される。測定は、測定された力がセルの限界の1%~99%以内であるロードセルを使用して、一定速度の伸張引張試験機で行われる。好適な機器は、MTS Systems Corp.(Eden Prairie,MN)から入手可能な、Test Suite Software又は同等物を使用するMTS Allianceである。全ての測定は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された実験室で実施され、試験サンプルは、試験前に少なくとも2時間、この環境でコンディショニングされる。
【0288】
測定は、原材料のロール若しくはシートから採取したMD(機械方向)及びCD(横方向)両方の試験サンプル、又は完成したパッケージから得た試験サンプルについて行う。試験サンプルを完成したパッケージから切り取るとき、プロセス中にサンプルにいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。切り取ったサンプルは、残存接着剤を含んではならず、継ぎ目又は折り目のないパッケージの領域から採取されなければならない。試験サンプルは、50.8mmの試験スパンに対応することができる長さで25.4mmの幅に切断される。サンプルの長辺は、関心方向(MD、CD)に平行である。通常、完成したパッケージでは、MDは、パッケージの底部から上部まで延びているが、これは、疑義がある場合、繊維の配向を決定することによって検証することができる。10個の複製試験サンプルはMDから、10個の追加の複製物はCDから調製されるべきである。
【0289】
引張試験機を定速伸張の一軸延伸のためにプログラムして、以下のように破断する。較正されたゲージブロックを使用してゲージ長を50.8mm(試験スパン)に設定し、交差ヘッドをゼロにする。長辺が引張試験機の中心引張軸を中心として平行になるようにして試験サンプルをグリップに挿入する。試験サンプルが破断するまで25.4mm/分の速度で交差ヘッドを上昇させ、試験全体を通じて100Hzで力(N)及び伸張(mm)データを収集する。力(N)対伸張(mm)のグラフを作成する。グラフから最大力(N)を読み取り、0.1N単位でピーク力として記録し、MD又はCDを書き留める。グラフから最大力(N)での伸張を読み取り、0.01mm単位で破断時の伸長として記録し、MD又はCDを書き留める。グラフから、曲線の最大勾配に等しい勾配を有する曲線に対する接線が、伸長軸と交差する点(z)を決定する。ここで、点zから最大力の点までの力対伸長曲線の下の面積を計算し、0.1mJ単位で報告し、MD又はCDを書き留める。[点zが示される典型的な力対伸長曲線の描写については、ISO1924-3において
図2を参照されたい。]
【0290】
全てのMD複製について、次いで、全てのCD複製について、算術平均ピーク力を計算し、それぞれ平均MDピーク力、及び平均CDピーク力を0.1N単位で記録する。全てのMD複製、及び、次いで全てのCD複製の破断時の算術平均伸長を計算し、それぞれ、破断時の平均MD伸長、及び、破断時の平均CD伸長を0.01mm単位で記録する。全てのMD複製、及び、次いで全てのCD複製の力対伸長曲線下で算術平均面積を計算し、それぞれ、MD曲線下の平均面積及びCD曲線下の平均面積を0.1mJ単位で計算する。
【0291】
引張強度は、平均ピーク力(N)を試験サンプルの幅(25.4mm)で除算することによって計算される。MD複製の、次いでCD複製の、引張強度を計算し、それぞれ、MD引張強度及びCD引張強度を0.1kN/m単位で報告する。
【0292】
破断時の延伸は、破断時の平均伸長(mm)を50.8mmの初期試験長(試験スパン)で除算し、次いで100を乗算することによって計算される。MD複製の、次いでCD複製の、破断時の伸長を計算し、それぞれ破断時のMD延伸及び破断時のCD延伸をパーセント単位で報告する。
【0293】
ISO2758-破裂強度
破裂強度は、試験サンプルが耐えることができる最大均一分布圧力である。破裂強度は、試験装置を使用して、公定書の方法ISO2758に従い、方法内に記載されているように測定される。好適な機器は、Testing Machines,Inc(New Castle,DE)から入手可能な13-60 Burst Tester for Paper and Foils、又は同等物である。機器は、製造業者の指示に従って較正及び操作される。全ての測定は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された実験室で実施され、試験サンプルは、試験前に少なくとも2時間、この環境でコンディショニングされる。
【0294】
測定は、原材料のロール若しくはシートから採取した試験サンプル、又は完成したパッケージから得た試験片について行う。試験サンプルを完成したパッケージから切り取るとき、プロセス中に試験サンプルにいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。試験サンプルは、試験サンプルを機器内に保持するために使用されるクランプよりも大きくなければならない。試験サンプルは、折り目、しわ、又はシームを含まないエリアから採取されるべきである。
【0295】
合計10個の複製試験サンプルについて、(試験中の滑りを防止するのに十分なクランプ圧力、及び95±15mL/分のポンピング速度を使用する)破裂強度を測定する。片寄った(sided)サンプルについて、パッケージの内側対向ための試験サンプルの側は、クランプ内に配置されたときに圧力に面し、この配向で10個の複製を試験する。バランスが取れた(balanced)(片寄っていない)サンプルについて、圧力に対向するパッケージの内側で5個の複製を試験し、圧力対向パッケージの外側で5個の複製を試験し、結果を一緒に平均化する。各試験サンプルが破裂する圧力を0.001kPa単位で記録する。破裂圧力が70kPa未満である場合、試験材料の複数の層を使用する必要がある。破裂強度を取得するために、試験された層の数で破裂圧力を除算する。全ての複製の算術平均破裂圧力を計算し、0.001kPa単位で破裂強度として報告する。
【0296】
ISO534-キャリパ
単層試験サンプルのキャリパ又は厚さは、公定書の方法ISO534に従い、本明細書に記載の修正を加えて、静的荷重下でマイクロメータによって測定される。全ての測定は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された実験室で実施され、試験サンプルは、試験前に少なくとも2時間、この環境でコンディショニングされる。
【0297】
キャリパは、70kPa±0.05kPaの定常圧力を試験サンプルにかけることができる押さえを備えたマイクロメータで測定される。マイクロメータは、0.1マイクロメートルの単位まで正確に読み取れる自重型器具である。好適な機器は、Testing Machines Inc.(New Castle,DE)から入手可能なTMI Digital Micrometer Model 49-56、又は同等物である。押さえは、試験片よりも小さい直径を有し、必要な圧力をかけることが可能な、平坦な接地した円形可動面である。好適な押さえは、16.0mmの直径を有する。試験サンプルは、押さえの表面よりも大きく、かつ押さえの表面に平行な水平の平坦な基準プラットフォームによって支持される。システムは、製造業者の指示に従って較正及び操作される。
【0298】
測定は、原材料のロール若しくはシートから採取した単層試験サンプル、又は完成したパッケージから得た試験サンプルについて行う。試験サンプルを完成したパッケージから切り取るとき、プロセス中にサンプルにいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。切り取ったサンプルは、残存接着剤を含んではならず、継ぎ目又は折り目のないパッケージの領域から採取されなければならない。試験サンプルは、理想的には200mm2であり、押さえより大きくなくてはならない。
【0299】
キャリパを測定するために、最初に、水平の平坦な基準プラットフォームに対してマイクロメータをゼロにする。試験サンプルを、試験位置が押さえの下で中心にある状態で、プラットフォーム上に置く。全圧力が試験サンプルに加えられるまで、3.0mm/秒の下降速度で押さえを静かに下げる。5秒待った後、試験サンプルのキャリパを0.1マイクロメートル単位で記録する。同じ要領で、合計10個の複製試験サンプルについて繰り返す。全てのキャリパ測定値について算術平均を計算し、この値をキャリパとして0.1マイクロメートル単位で報告する。
【0300】
ISO536-坪量
試験サンプルの坪量は、単一の材料層の単位面積(平方メートル単位)当たりの質量(グラム単位)であり、公定書の方法ISO536に従って測定される。試験サンプルの塊を既知の面積に切断し、0.0001グラムの精度の分析天秤を用いてサンプルの質量を測定する。全ての測定は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された実験室で実施され、試験サンプルは、試験前に少なくとも2時間、この環境でコンディショニングされる。
【0301】
測定は、原材料のロール若しくはシートから採取した試験サンプル、又は完成したパッケージから得た試験サンプルについて行う。試験サンプルを完成したパッケージから切り取るとき、プロセス中にサンプルにいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。切り取ったサンプルは、残存接着剤を含んではならず、継ぎ目又は折り目のないパッケージの領域から採取されなければならない。試験サンプルは、任意の固有の材質変動が考慮されるように、可能な限り大きくなければならない。
【0302】
NISTにトレーサブルな較正された鋼製金属定規又は同等物を使用して、単一層試験サンプルの寸法を測定する。試験サンプルの面積を計算し、0.0001平方メートル単位で記録する。分析天秤を使用して試験サンプルの質量を取得し、0.0001グラム単位で記録する。質量(グラム単位)を面積(平方メートル単位)で除算して坪量を計算し、0.01グラム/平方メートル(grams per square meter、gsm)単位で記録する。同じ要領で、合計10個の複製試験サンプルについて繰り返す。坪量の算術平均を計算し、0.01グラム/平方メートル単位で報告する。
【0303】
CLSMを使用した折り目寸法
パッケージング材料上に付与された折り線の幅及び/又は深さは、5nmの分解能を有する3D共焦点レーザー走査顕微鏡(Confocal Laser Scanning Microscope、CLSM)を使用して測定される。好適な機器は、Keyence VK-X1050(Keyence Corporation of America,Itasca,IL,USAから入手可能)、又は同等物である。機器は、正確な距離スケールを確保するために、使用前に製造元の指示に従って較正される。試験に先立ち、試験サンプルを23℃±2℃、及び相対湿度50%±2%で2時間コンディショニングし、これらの同じ環境条件下で全ての試験を実施する。
【0304】
試験標本は、製品の無傷の完成した袋から、あるいは折り線が付与された試験材料から切り出される。試験標本は、折り線を含むが、折り畳み目、しわ、又は継ぎ目がない領域から採取される。試験標本の寸法は、分析者によって決定される。しかしながら、標本は、CLSMのステージ上に適合するように十分小さくなければならず、折り目の全幅は、標本内で中心に置かれなければならない。折り線及び周囲領域の完全性が維持され、いずれの歪みも付与されないことを確実にするために、試験標本を準備し取り扱うときに注意を払うべきである。
【0305】
試験標本を歪めることなく全体的に平坦な(波状でない)表面を作成するように、小片のテープ(任意の好都合な供給源)を使用して、試験標本をCLSMのステージ上に取り付ける。テープを試験標本の最も外側の縁部に沿って配置するが、折り線及び分析されるそのすぐ周囲の領域は避ける。光学顕微鏡機能及び低倍率設定を使用して、折り線を含む試験標本の領域を選択する。5nmの解像度で共焦点レーザー走査機能を使用して、選択された領域の高さプロファイルの測定を開始する。注目すべきことに、分析される領域が大きすぎる場合、個々に収集された走査は、後で一緒にステッチされ得る。高さプロファイル画像において、いくつかの線形高さプロファイルを作成するために、走査された領域の上面図を使用して、折り線に垂直に走る断面線(約10本)を規定する。高さプロファイルの1つを以下のように数値的に分析する。折り線を取り囲む「平坦な」領域を使用して、表面高さを示すためのベースラインを定義し、描く。ベースラインを定義するとき、折り線自体に沿って、あるいは折り線自体に直接隣接して発生し得る明白な隆起又はくぼみのアーチファクトを無視することに留意されたい。ここで、ベースラインと折り線のくぼみの最低点との間の距離を測定し、折り目深さとして1マイクロメートル単位で記録する。ベースラインを使用して折り線の幅を測定して、くぼみの開始及び終了基準点を定義し、折り目幅として1マイクロメートル単位で記録する。同様に、先に作成された10本程度の断面線によって作成された各高さプロファイルについて深さ及び幅を測定及び記録し、それぞれを1マイクロメートル単位で記録する。
【0306】
5つの別個の折り線を表す5つの複製試験標本について全手順を繰り返す。個々に測定された折り目深さの全てについて算術平均を計算し(各試験標本において、5つ全ての試験標本にわたって合計約50の値について)、折り目深さとして1マイクロメートル単位で報告する。個々に測定された折り目幅の全てについて算術平均を計算し(各試験標本において、5つ全ての試験標本にわたって合計約50の値について)、折り目幅として1マイクロメートル単位で報告する。
【0307】
開封テール高さ及び継ぎ目オフセット測定
開封テールの高さ及び継ぎ目オフセットは、製品が充填された無傷の完成した袋に対して行われる寸法測定である。開封テール265の高さは、袋内にある製品の高さと開封テールの最上縁部との間の垂直距離である。継ぎ目オフセットは、封止の右側と左側の両方において、袋の上部の開封テール265の横方向縁部で測定される。一番上の封止が形成されるとき、袋の前部が袋の後部と完全に整列されない場合、オフセットが生じる。オフセットの大きさは、袋の前側横方向縁部が開封テールの横方向縁部に沿って袋の後側横方向縁部を越えて延びる(又はその逆の)距離として測定される。これらの寸法測定は、NIST又は等価物に基づいて較正済みのスチールメタル定規を使用して行う。試験に先立ち、試験サンプルを23℃±2℃、及び相対湿度50%±2%で2時間コンディショニングし、これらの同じ環境条件下で全ての事前コンディショニング及び試験を実施する。
【0308】
試験サンプルは、製品の無傷の充填済み袋である。試験の前に、ケースパッキングによって引き起こされる任意の圧縮効果を排除するために、試験サンプルに対して事前調整ステップが実施される。無傷の充填済み袋を事前調整するために、最初に、存在し得る任意の外側ケースパッケージングからそれを取り出し、次いで、それをその直立位置で平坦な剛性表面上に配置する(すなわち、袋の基部が剛性表面に面している)。袋を直立位置で72時間自由に静置する。72時間が経過した後、直ちに寸法測定を進める。
【0309】
開封テールの高さを以下のように測定する。袋の前パネルを分析者に向けて、試験サンプルを平坦な剛性表面に置いた状態で、定規を使用して、袋の底縁部と開封テールの最上縁部との間の距離を測定する。袋の左側と右側の両方でこれらの測定を行い、それぞれ、最大袋高さ左及び最大袋高さ右として0.01cm単位で記録する。充填された袋内の製品の垂直高さも定規を使用して測定し、製品高さとして0.01cm単位で記録する。注目すべきことに、製品高さは、平坦な剛性表面から袋内部にある製品の上縁部までの距離であり、この測定を行うために、充填された袋を犠牲にする(すなわち、袋を切り開く)ことが必要となる場合がある。製品高さを最大袋高さ左から差し引き、開口部テール高さ左として0.01cm単位で記録する。製品高さを最大袋高さ右から差し引き、開口部テール高さ右として0.01cm単位で記録する。次に、オープニングテール高さ左とオープニングテール高さ右との間の平均を計算し、オープニングテール高さとして0.01cm単位で記録する。
【0310】
継ぎ目オフセットを以下のように測定する。開封テール265を袋の上側に配置する。開封テールの左右の側縁部を、前後両方について検査する。定規を使用して、継ぎ目の左側方縁部において側方縁部の前側が側方縁部の後側を越えて延在する(又はその逆の)距離を測定し、継ぎ目オフセット左として0.1mm単位で記録する。同様に、継ぎ目の右側方縁部で同じ検査及び測定を行い、継ぎ目オフセット右として0.1mm単位で記録する。次に、継ぎ目オフセット左と継ぎ目オフセット右との間の平均を計算し、継ぎ目オフセットとして0.1mm単位で記録する。
【0311】
同じ要領で、合計10個の複製試験サンプル袋について全手順を繰り返す。各パラメータの報告される値は、0.01cm単位の開封テール高さ及び0.1mm単位の継ぎ目オフセットについて個別に記録された10個の測定値の算術平均である。
【0312】
曲げ方法
サンプルの曲げ特性を、測定される力がセルの限界の1%~99%以内となるロードセルを使用した定速の伸長引張試験機(好適な計器は、MTS Systems Corp.(Eden Prairie,MN)から入手可能なTestworks 4.0 Software又はTestSuite Softwareを使用したMTS Allianceである)で、超高感度3点曲げ試験を使用して測定する。全ての試験は、23℃±3℃及び相対湿度50%±2%に制御された室内で行われる。
【0313】
超高感度3点曲げ法は、非常に低い曲げ力で材料を試験するときに、力信号対雑音比を最大にするように設計される。力信号は、高感度ロードセル(例えば、5N)を使用し、小さいスパン(負荷はスパンの3乗に比例する)を使用し、広いサンプル幅(測定された全負荷は幅に正比例する)を使用することによって最大化される。固定具は、曲げ測定が張力下で行われるように設計され、固定具質量を最小に保つことを可能にする。力信号のノイズは、ロードセルを静止状態に保持して機械的振動及び慣性効果を低減し、ロードセルに取り付けられた固定具の質量を可能な限り小さくすることによって最小限に抑えられる。
【0314】
図14A~
図14Cを参照すると、ロードセル2401は、引張試験機の固定クロスヘッドに取り付けられている。超高感度固定具2400は、軽量剛性材料(アルミニウム又は同等物など)から構築される3つの薄いブレードからなる。各ブレードは、1.0mmの厚さ、丸みを帯びた縁部、及び試験標本の曲げ幅に対応することができる長さを有する。ブレードの各々は、それらの水平縁部に沿ってブレード材料の5mmの高さhを作り出すように切り抜かれた空洞2404a及び2404b(外側ブレード)並びに2405(中央ブレード)を有する。2つの外側ブレード2403a及び2403bは、引張試験機の可動クロスヘッドに水平に取り付けられており、互いに平行に整列されており、それらの水平縁部が垂直に整列されている。2つの外側ブレード2403aと2403bとの間のスパンsは、5mm±0.1mm(内縁から内縁まで)である。中央ブレード2402は、引張試験機の固定クロスヘッド上のロードセルに取り付けられている。所定の位置にあるとき、中央ブレード2402は、2つの外側ブレード2403a及び2403bに平行であり、外側ブレード2403aと2403bとの間の中間点に中心が置かれる。ブレード固定具は、引張試験機上のそれぞれの位置に嵌合して所定の位置に固定するのに適切な一体型のアダプタを含み、その結果、ブレードの水平縁部は引張試験機のクロスビームの運動と直交する。
【0315】
試験2時間前に、23℃±3℃及び相対湿度50%±2%でサンプルをコンディショニングする。この試験のために調製された2つのタイプのサンプル、すなわち、対照標本及び試験標本がある。標本は、製品の無傷の完成した袋から、又は折り線が付与された試験材料から切り出される。対照標本は、折り畳み目、しわ、継ぎ目、又は折り線のない袋(又はサンプル材料)の領域から採取される。加えて、対照標本は、試験標本と同じ寸法に切断されるべきであり、対照標本の長辺は、袋(又はサンプル材料)上で試験標本と同じ方向の向きを有する。試験標本は、折り線を含むが、その他の追加の折り畳み目、しわ、又は継ぎ目がない袋(又はサンプル材料)の領域から採取される。折り線は、試験標本の長辺に沿って横方向の中心に置かれる。試験標本の寸法は分析者によって決定されるが、幅(短辺)は少なくとも10mmでなければならず、長さ(「曲げ幅」に対応する)は、十分な負荷信号を提供するために可能な限り長くなければならない。サンプルが側面を有する場合、対照標本及び試験標本を各側面から調製する。
【0316】
試験は張力下で行われる。引張試験機は、可動クロスヘッドが1.0mm/秒の速度で固定クロスヘッドの反対方向に移動するように設定されるようにプログラムされる。クロスヘッド移動は、標本2406が外側ブレード2403a及び2403b上に平坦かつ偏向されていない状態で始まり、中央ブレード2402内の空洞2405の内側水平縁部が標本2406の上部表面と接触する状態で続き、追加の10mmのクロスヘッド移動が更に続く。力(N)及び変位(mm)は、全体を通して50Hzで収集される。
【0317】
標本2406を載せる前に、外側ブレード2403a及び2403bは、外側ブレード2403a及び2403b内の空洞2404a及び2404bの内側水平縁部と、中央ブレード2402内の空洞2405の内側水平縁部との間に約3mmのクリアランスcが生じるまで、中央ブレード2402に向かって移動され、次いで、中央ブレード2402を通過する(
図14C参照)。標本2406は、外側ブレード2403a及び2403b内の空洞2404a及び2404bの内側水平縁部にまたがるようにクリアランスC内に配置され、標本の短辺がブレードの水平縁部に垂直になるように方向付けられる。標本2406のどの側が中央ブレード2402に面しているかに留意されたい。外側ブレード2403aと2403bとの間にサンプル2406を中心に置く。中央ブレード2402内の空洞2405の内側水平縁部が標本2406の上部表面に接触するまで、外側ブレード2403a及び2403bを固定クロスヘッドと反対の方向にゆっくり移動させる。
【0318】
力(N)を変位(mm)に対してプロットする。最大ピーク力をピーク負荷として0.001N単位で記録する。最大ピーク力までの曲線下面積を計算し、ピークエネルギーとして0.001N-mm単位で記録する。力対変位曲線の直線部分の勾配を決定し、勾配として0.001N/mm単位で記録する。
【0319】
同様にして、サンプルの各側について合計5つの対照標本及び5つの試験標本に対して全試験シーケンスを繰り返し、該当する場合には、側部サンプルの各複製について、どの側が固定クロスヘッド上の中央ブレード2402に面しているかを書き留める。各パラメータについて報告される値は、ピーク負荷(0.001N単位)、ピークエネルギー(0.001N-mm単位)、及び勾配(0.001N/mm単位)について、同様の標本(例えば、対照及び試験)内で個別に記録された5つの測定値の算術平均である。対照標本についての結果は、該当する場合にはサンプルのそれぞれの側について、試験標本についての結果と直接比較され得る。
【0320】
袋圧縮
測定される力がセルの限界の1%~99%以内となるロードセルを使用して、定速伸張型(Constant Rate of Extension、CRE)ユニバーサル機械試験システム(好適な計器は、MTS Systems Corp.(Eden Prairie,MN)から入手可能な、TestSuiteソフトウェアを使用するMTS Allianceである)上で、製品が充填された完成した袋に対して袋圧縮を測定する。静止固定具と可動固定具はともに、充填された袋の上部表面及び底部表面よりも大きい寸法を有する長方形のステンレス鋼プラテンである。両方のプラテンは、プラテンを互いに水平に、かつCRE試験機のクロスビームの動きに直交して固定することが可能な、CRE試験機のマウントと適合するアダプタを有する。全ての事前調整及び試験は、23℃±3℃及び50%±2%の相対湿度に制御された室内で行う。
【0321】
試験サンプルは、製品の無傷の充填済み袋である。試験の前に、ケースパッキングによって引き起こされる任意の圧縮効果を排除するために、試験サンプルに対して事前調整ステップが実施される。事前調整ステップの間、クランプを袋の上部封止(「フィン」)に取り付けて、クランプを吊り下げて、袋を自重で24時間自由に懸架することができるようにする。無傷の充填済み袋を事前調整するために、最初に、存在し得る任意の外側ケースパッケージングから袋を取り出し、次いで、それをその直立位置で平坦な剛性表面上に配置する(すなわち、袋の基部が剛性表面に面している)。開封テール265を袋の上側に位置付ける。NIST又は等価物に基づいて較正されたスチールメタル定規、又は同等物を使用して、開封テール265の長さを決定し、上部封止の長さとして0.1cm単位で記録する。充填済み袋内の製品の垂直高さも、定規を使用して測定し、製品高さとしてミリメートル単位で記録する。注目すべきことに、製品高さは、平坦な剛性表面から袋内部の製品の上縁部までの距離であり、この測定を行うために、充填済みの袋を犠牲にする(すなわち、袋を切り開く)必要がある場合がある。無傷の袋を使用して、クランプが開封テール265をその長さ方向中間点で把持するようにクランプを配置し、次いで、袋が自重で懸架されるようにクランプを吊り下げる。袋を24時間自由に吊るす。24時間が経過した後、クランプを取り外し、無傷の袋を平坦な剛性表面上に直立位置で設置し、直ちに圧縮試験を進める。
【0322】
力及び距離を測定するための圧縮試験のためにCRE試験機を準備する。試験サンプル袋の高さを収容するのに十分なプラテン間の規定距離を設定して、袋に加えられる初期力が0になるようにする。この距離をD0として0.1mm単位で記録する。クロスヘッド及びロードセルを0にする。試験サンプル袋を、袋が上部プラテンの下で(幅方向及び長さ方向に)中心に配されるように、底部プラテン上に直立させて(すなわち、袋の基部を下に向けて)置く。クロスヘッドを1mm/秒の速度で、所定の製品高さよりも5mm小さいプラテン間隔まで下げ、次いで、0.05Nの負荷に達するまでクロスヘッドを上げる。次に、クロスヘッドを元のプラテン間隔(D0)に戻す。25Hzの速度で力(N)対距離D(mm)のデータを収集する。
【0323】
力(N)対高さ(mm)のグラフを構築する。ここで、高さ(H)は、H=D0-Dによって計算されるプラテン間の距離である。力及び変位は、試験全体を通して正の値であることに留意されたい。合力対高さ曲線の圧縮部分(上部プラテンの下方移動)から、以下のパラメータを決定する。0.2Nの力における高さを初期高さとして0.1mm単位で記録する。所定の製品高さよりも3mm大きい高さを圧縮高さとして1mm単位で記録する。圧縮高さにおける力を、圧縮高さにおける力として0.1N単位で記録する。圧縮高さにおける力を上部封止の所定の長さで割り、圧縮高さにおける正規化された力として0.01N/cm単位で記録する。圧縮高さまでの曲線の圧縮部分の下の面積を計算し、圧縮エネルギーとして0.1N*mm単位で記録する。ここで、合力対高さ曲線の回復部分(上部プラテンの上方移動)から、以下のパラメータを決定する。0.2Nの力における高さを最終高さとして0.1mm単位で記録する。圧縮高さと最終高さとの間の曲線下面積を計算し、圧縮エネルギーとして0.01N*mm単位で記録する。
【0324】
同じ要領で、合計5個の複製試験サンプルについて全手順を繰り返す。各パラメータについて報告される値は、0.01N/cm単位の圧縮高さにおける正規化された力、0.1N*mm単位の圧縮エネルギー、及び0.01N*mm単位の回復エネルギーについての5つの個別に記録された測定値の算術平均である。
【0325】
バッグ内積み重ね高さ試験
吸収性物品のパッケージのバッグ内積み重ね高さは、以下のように測定する。
【0326】
機器
平坦な剛性の水平スライディングプレートを備えた厚さ試験機を使用する。厚さ試験機は、水平スライディングプレートが平坦な剛性の水平ベースプレートのすぐ上で水平の向きに常に維持された状態で、水平スライディングプレートが垂直方向に自由に移動するように構成されている。厚さ試験機は、水平スライディングプレートと水平ベースプレートとの間の間隙を±0.5mm以内で測定するのに好適なデバイスを含む。水平スライディングプレート及び水平ベースプレートは、各プレートと接触する吸収性物品パッケージの表面よりも大きい(すなわち、各プレートは全ての方向において吸収性物品パッケージの接触表面を越えて延在する)。水平スライディングプレートは、吸収性物品パッケージに下方への力850±1重量グラム(8.34N)を加えるが、これは、スライディングプレートの合計質量に付加重量を足して850±1グラムとなるように、水平スライディングプレートのパッケージに接触しない上面の中央に好適な重しを置くことによって達成し得る。
【0327】
試験手順
吸収性物品パッケージを、測定前に、23±2℃及び50±5%の相対湿度で平衡化する。
【0328】
水平スライディングプレートを上げ、パッケージ内の吸収性物品が水平の向きとなるようにして吸収性物品パッケージを水平スライディングプレート下で中心に置く(
図3参照)。プレートのいずれかに接触するであろうパッケージの表面上にある任意のハンドル又は他のパッケージング機構を、パッケージの表面に対して平坦に折り重ねることで、測定に対する影響を最小限にする。水平スライディングプレートを、パッケージの上面に接触するまでゆっくり下げてから、解放する。水平スライディングプレートを解放してから10秒後に、水平プレート間の間隙を±0.5mm以内で測定する。5つの同じパッケージ(同じサイズのパッケージ及び同じ吸収性物品数)を測定し、算術平均をパッケージ幅として報告する。「バッグ内積み重ね高さ」=(パッケージ幅/積み重ね当たりの吸収性物品数)×10を計算し、±0.5mm以内で報告する。
【0329】
着色剤被覆率測定法の百分率
着色剤被覆率の測定法の百分率は、パッケージパネル上の着色剤被覆の面積パーセントを測定する。800dpiで24ビットカラーの最小値を走査することが可能で、カラーマネジメントの手動制御機能を有する、フラットベッドスキャナ(好適なスキャナは、Epson America Inc.(Long Beach CA)製のEpson Perfection V750 Pro又はその同等物である)を使用して画像を取得する。ANSI法IT8.7/2-1993(好適な色較正ソフトウェアは、X-Rite Grand Rapids,MIから入手可能なMonaco EZColor若しくはi1Studio、又はその同等物である)に準拠した対応する参照ファイルを利用して、カラー反射IT8標的に対してスキャナを較正することが可能なカラー較正ソフトウェアを実行するコンピュータに、スキャナをインターフェース接続する。色較正ソフトウェアは、スキャナのためのインターナショナルカラーコンソーシアム(International Color Consortium、ICC)のカラープロファイルを構築するが、これは、ICCプロファイルの適用をサポートする画像取得プログラムを用いて出力画像を色補正するために使用される。次いで、色補正された画像は、色解析ソフトウェアを使用して色閾値処理(color thresholding)によってセグメント化される(好適な画像色解析ソフトウェアは、Mathworks,Inc.(Natick,MA)から入手可能なMATLAB R2017bである)。
【0330】
サンプルは、試験前に、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で2時間にわたってコンディショニングされる。
【0331】
較正及び画像取得の前に、スキャナを30分間オンにする。スキャナソフトウェアに含まれる場合がある、あらゆる自動的色補正又はカラーマネジメントオプションの選択を解除する。自動カラーマネジメントを無効にすることができない場合、そのスキャナは、この用途には適切ではない。色較正ソフトウェアの推奨手順に従って、スキャナのICC色プロファイルを作成し、エクスポートする。色較正ソフトウェアは、取得されたIT8標的画像を対応する参照ファイルと比較して、スキャナ用のICC色プロファイルを作成及びエクスポートし、このICC色プロファイルは、後続の出力画像の色を補正するために画像解析プログラム内で適用される。
【0332】
サンプルは、特定されたパネルを有するパッケージ又はパッケージ材料から取得される。単一のパネルを選択し、その周囲に沿って切断して、試験のためにそれを除去する。試験のために選択されたパネルは、裂け目又はしわを含むべきではない。
【0333】
スキャナの蓋を開け、着色された表面をガラスに向けた状態で、サンプルをスキャナガラスの中心に注意深く平らに置く。パネル領域を含む走査は、反射モードで800dpi(mm当たり約31.5ピクセル)の解像度の24ビットカラーで取得される。色補正されたsRGB画像を生成する画像にICC色プロファイルを割り当てる。解析に先立って、この較正された画像を、較正されたR、G、B色値を保持するために、TIFFファイルなどの非圧縮形式で保存する。
【0334】
較正された画像は、色解析ソフトウェアで開かれる。画像は、3のシグマを有する2Dガウスフィルタを使用して平滑化されて、着色剤の個々のドットをにじませる。次に、色閾値処理プログラムを利用して、色閾値処理を実行するための色空間、例えば、3つの色値L*、a*、b*を有するCIELABなどが選択される。次いで、関心領域(region of interest、ROI)境界は、いかなる着色剤も存在しない、基色のみの視覚的に認識可能な領域内に手動で描かれ、その色空間値を特定する。視覚的な基色領域がないパネルは、100%の着色剤被覆率を有すると見なされる。次いで、選択された色空間の3つ全てのチャネルにおける閾値処理レベルを手動で調整して、基色の領域から着色剤被覆を含むパネルの領域を区分する。着色剤被覆を含むパネルの面積を測定し、着色剤被覆を含むパネルの面積の百分率を計算し、整数パーセントで記録する。
【0335】
同様に、6つの複製パッケージパネルを調製、走査、及び解析する。着色剤被覆率の値の測定された面積パーセントの算術平均を計算し、整数パーセントで報告する。
【0336】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0337】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるとみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0338】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、前記1つ以上の吸収性物品が前記パッケージ内に封止されており、前記パッケージは、
消費者対向パネルと、前記消費者対向パネルの上に配置された上部パネルとを含む複数のパネルであって、前記複数のパネルの各々が内側表面及び外側表面を備える、複数のパネルと、
前記消費者対向パネルと前記上部パネルとの間に配置された上折り畳み線であって、少なくとも部分的に、横方向折り目と同一線上にある、上折り畳み線と、を含み、
パッケージ材料は、天然繊維を有し、本明細書で修正されるISO536によって決定された場合に、60gsm~120gsm、より好ましくは、65gsm~105gsm、又は最も好ましくは、70gsm~90gsmの坪量を有する、パッケージ。
【請求項2】
前記上部パネルは、前面と、対向する背面と、右面と、対向する左面と、開封テールと、を備える、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記前面又は前記背面の少なくとも1つは開封折り目を含む、請求項2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記右面及び/又は前記左面はガセット折り目を含む、請求項2に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記消費者対向パネルに対向する背面パネルと、前記消費者対向パネルと前記背面パネルとの間に配置された左パネルと、前記消費者対向パネルと前記背面パネルとの間に配置された右パネルと、を更に備える、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記消費者対向パネルと前記左パネルとの間、前記消費者対向パネルと前記右パネルとの間、前記右パネルと前記背面パネルとの間、及び/又は前記左パネルと前記背面パネルとの間に配置された1つ以上の垂直折り目を更に備える、請求項5に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記横方向折り目は第1の平面内に配置され、前記1つ以上の吸収性物品の上縁部は第2の平面内に配置され、前記第1の平面と前記第2の平面との間の距離は、5mm以下、より好ましくは3mm以下、又は最も好ましくは2mm以下である、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記横方向折り目は、0.01mm超、より好ましくは0.02mm超、又は最も好ましくは0.03mm超の深さを有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記横方向折り目は、0.01mm~0.9mm、より好ましくは0.02mm~0.7、又は最も好ましくは0.03mm~0.5mmの深さを有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記横方向折り目は、0.1mm~7mm、より好ましくは0.1mm~5mm、又は最も好ましくは0.1mm~4mmの幅を有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項11】
前記横方向折り目は、0.1mm~3mm、より好ましくは0.1mm~2mm、又は最も好ましくは0.1mm~1mmの幅を有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記横方向折り目は、前記内側表面から前記外側表面に向かって付勢される、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記開封折り目は、前記内側表面から前記外側表面に向かって付勢される、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記開封折り目は前記前面に配置されている、請求項13に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記一対のガセット折り目は、前記外側表面から前記内側表面に向かって付勢される、請求項4に記載のパッケージ。
【請求項16】
前記上折り畳み線は、前記消費者対向パネルと前記上部パネルとの間に配置された第1の部分と、前記右パネルと前記上部パネルとの間に配置された第2の部分と、前記背面パネルと前記上部パネルとの間に配置された第3の部分と、前記左パネルと前記上部パネルとの間に配置された第4の部分と、を含み、第1の角部が、前記消費者対向パネルと前記右パネルとの間に配置され、第2の角部が、前記右パネルと前記背面パネルとの間に配置され、第3の角部が、前記背面パネルと前記左パネルとの間に配置され、第4の角部が、前記左パネルと前記消費者対向パネルとの間に配置されている、請求項5に記載のパッケージ。
【請求項17】
前記横方向折り目は、前記消費者対向パネルと前記上部パネルとの間に配置された第1のセクションを備え、前記第1のセクションは、第1の部及び第2の部を備え、前記第1の部は、前記第4の角部から前記消費者対向パネルの垂直中心線に向かって延在し、前記第2の部は、前記第1の角部から前記消費者対向パネルの中心線に向かって延在している、請求項16に記載のパッケージ。
【請求項18】
前記第1の部及び前記第2の部が、前記上折り畳み線の前記第1の部分の長さよりも短い累積長さを有する、請求項17に記載のパッケージ。
【請求項19】
前記累積長さは、前記第1の部分の長さの少なくとも10パーセント、より好ましくは前記第1の部分の長さの少なくとも30パーセント、又は最も好ましくは前記第1の部分の長さの少なくとも50パーセントである、請求項18に記載のパッケージ。
【請求項20】
前記横方向折り目は、少なくとも部分的に、前記消費者対向パネルと前記上部パネルとの間、前記右パネル及び前記左パネルと前記上部パネルとの間、並びに前記背面パネルと前記上部パネルとの間に配置されている、請求項16に記載のパッケージ。
【請求項21】
前記パッケージ材料は、少なくとも50重量パーセントの天然繊維、より好ましくは少なくとも70重量パーセントの天然繊維、又は最も好ましくは少なくとも90重量パーセントの天然繊維を含む、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項22】
前記パッケージ材料は、PTS-RH:021/97(草案2019年10月)法によって決定された場合に、少なくとも70パーセント、より好ましくは少なくとも80パーセント、又は最も好ましくは少なくとも90パーセントのリサイクル可能率を呈する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項23】
前記パッケージ材料は、PTS-RH:021/97(草案2019年10月)法によって決定された場合に、全体的な「合格」試験結果を呈する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項24】
前記パッケージ材料はバリア層を含まない、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項25】
前記パッケージ材料はバリア層を含む、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項26】
前記1つ以上の吸収性物品は、おむつパンツ、失禁パッド、おむつ、又は成人用失禁ブリーフのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載のパッケージ。
【国際調査報告】