(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ウェアラブル注射器用の針シールドリムーバアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20240723BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
A61M5/32 502
A61M5/142 522
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503581
(86)(22)【出願日】2022-07-18
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022037425
(87)【国際公開番号】W WO2023003793
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パーラ,トゥリヴィクラマ,バノジ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE06
4C066FF05
4C066KK05
4C066NN01
(57)【要約】
本ウェアラブル注射器用の針シールドリムーバアセンブリは、ウェアラブル注射器の患者針を受け入れるように構成された開口部を画定し、上面及び上面とは反対側の下面を有する延長部分を含む本体を含む、針シールドと、第1部分及び第2部分を含む針シールドリムーバとを含む。針シールドリムーバは、第1部分が第2部分から離間した非組立位置および、第1部分が第2部分に連結された組立位置に位置することができ、針シールドリムーバの第1部分及び第2部分は、針シールドリムーバが組立位置にある場合に針シールドの延長部分の上面を係合させるように構成された針シールド面を画定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブル注射器の針を受け入れるように構成された開口部を画定する本体を含む針シールドであって、前記針シールドの前記本体は、上面と、前記上面とは反対側の下面とを有する延長部分とを含む、針シールドと、
第1部分及び第2部分を含む針シールドリムーバと
を具備し、
前記針シールドリムーバは、前記第1部分が前記第2部分から離間した非組立位置および、前記第1部分が前記第2部分に連結された組立位置に位置することができ、
前記針シールドリムーバの前記第1部分及び前記第2部分は、前記針シールドリムーバが前記組立位置にある場合に前記針シールドの前記延長部分の前記上面を係合させるように構成された針シールド面を画定する、
ウェアラブル注射器用の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項2】
前記針シールドの前記本体は、第1端と、前記第1端とは反対側に位置する第2端とを有し、前記本体の前記開口部は前記第1端に位置し、前記延長部分は前記第2端に位置する、
請求項1に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項3】
前記延長部分はディスク状部材を含む、
請求項2に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項4】
前記延長部分は円筒形部材を含み、前記ディスク状部材は前記針シールドの前記本体の前記第2端を画定する、
請求項3に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項5】
前記針シールドの前記本体は、テーパ面及び平坦面を有する突出部を含み、前記テーパ面は前記平坦面よりも前記本体の前記第2端の側に位置する、
請求項4に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項6】
前記針シールドリムーバは複数の針シールド係合部材を含み、前記複数の針シールド係合部材は、前記針シールドの前記本体の前記テーパ面に係合した場合に半径方向外方に付勢されるように構成されており、前記複数の針シールド係合部材は、前記針シールドリムーバが前記針シールドに連結された後、前記針シールドの前記平坦面を係合させるように構成される、
請求項5に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項7】
前記針シールドリムーバの前記第1部分及び前記第2部分は、それぞれ、前記複数の針シールド係合部材の少なくとも一つを含む、
請求項6に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項8】
前記針シールドリムーバの前記第1部分は、前記針シールドリムーバの前記第2部分にコネクタを介して連結される、
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項9】
前記コネクタは、前記第1部分及び前記第2部分の一方に位置するコネクタ凹部と、前記第1部分及び前記第2部分の他方に位置するコネクタ部材とを含む、
請求項8に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項10】
前記コネクタ凹部及び前記コネクタ部材はスナップ嵌め連結部を形成する、
請求項9に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項11】
前記針シールドリムーバの前記第2部分は、前記針シールドリムーバの前記第2部分を前記ウェアラブル注射器に固定するように構成された装置コネクタを含む、
請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項12】
前記針シールドリムーバの前記第1部分はハンドルを含む、
請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項13】
前記針シールドリムーバの前記第2部分は、第2半部に対して移動可能な第1半部を含み、前記第1半部及び前記第2半部の一方は、前記針シールドリムーバが前記針シールドに連結された後に前記針シールドを覆うように構成されたカバーを含む、
請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項14】
前記針シールドリムーバの前記第2部分の前記第1半部は、前記針シールドリムーバの前記第2部分の前記第2半部にヒンジを介して連結されている、
請求項13に記載の針シールドリムーバアセンブリ。
【請求項15】
上面及び下面を有するハウジングと、
前記ハウジング内に受け入れられ、薬品を受け入れるように構成された容器であって、前記容器内で移動するように構成されたストッパを含む容器と、
前記ストッパを移動させるように構成された駆動アセンブリと、
前記ハウジング内に配置される格納位置および、一部が前記ハウジングから突出した延長位置に位置することができる針と、
請求項1乃至14のうちのいずれか一項に記載の針シールドリムーバアセンブリと、
を具備し、
前記針シールドは前記針の少なくとも一部を受け入れており、前記針シールドリムーバは前記組立位置に位置する、
ウェアラブル注射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月19日に出願された"ウェアラブル注射器用針シールド除去済みアセンブリ"という表題の米国仮特許出願第63/223,181号に対して優先権を主張する。この文献に言及したことにより、この文献に開示の全てが本明細書中に組み込まれたものとする。
【0002】
本開示は、全体として、ウェアラブル注射器用針シールドリムーバアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
訓練されていない人が薬液及び他の液状治療製剤を投与するため、即ち自己注射を行うため、様々な種類の自動注射装置又は薬剤送出装置が開発されてきた。一般的には、これらの装置は、液状治療製剤で予備充填されたリザーバと、使用者がトリガーできる或る種の自動針-注射機構を含む。流体即ち投与されるべき薬剤の容積が全体として1ml等の所定容積よりも低い場合、典型的には、自動注射が使用される。この自動注射の注射時間は、典型的には、約10秒乃至15秒である。流体即ち投与されるべき薬剤の容積が1mlよりも多い場合には、通常、注射時間が長くなるため、患者にとって、装置と患者の皮膚のターゲット領域との間の接触を維持するのが困難になる。更に、投与されるべき薬剤の容積が多くなるに従って、注射にかける時間を延ばすのが望ましくなる。薬剤を患者にゆっくりと注射するための従来からの方法では、静脈注射を開始し、薬剤を患者の身体にゆっくりと注射する。このような処置は、典型的には、病院又は即ち外来で行われる。
【0004】
特定の装置によれば、自宅で自己注射を行うことができ、液状治療製剤を患者の皮膚に徐々に注射できる。場合によっては、これらの装置は、高さ及び全体的な大きさの両方が、液状治療製剤の患者への注入に際して患者が「着用」できるほど十分に小さい。これらの装置は、典型的には、液状治療製剤に圧を加えてリザーバから注射針に流出するポンプ又は他の種類の放出機構を含む。これらの装置は、更に、典型的には、液状治療製剤の流れを適切な時期に開始するバルブ又は流量制御機構と、注射を開始するトリガー機構とを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図16を参照すると、無菌状態を維持するため、及び針刺し事故を防ぐため、薬剤送出装置の針は使用前に針シールドによってカバーされている。針シールドは、針シールドを掴んで取り外してもよいし、又は、装置から取り外されると針シールドを取り外す針シールドリムーバを掴んで取り外してもよい。場合によっては、針シールドと針シールドリムーバとの間の連結が原因で、針シールドリムーバを装置から取り外す際に針シールドを装置から取り外し損なう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、ウェアラブル注射器用針シールドリムーバアセンブリは、ウェアラブル注射器の針を受け入れるように構成された開口部を画定する本体を含む針シールドであって、この針シールドの本体が上面及び該上面とは反対側の下面を有する延長部分を含む、針シールドと、第1部分及び第2部分を含む針シールドリムーバであって、第1部分が第2部分から離間した非組立位置および、第1部分が第2部分に連結された組立位置に位置することができる、針シールドリムーバとを含む。針シールドリムーバの第1部分及び第2部分は、針シールドリムーバが組立位置にある場合に針シールドの延長部分の上面を係合させるように構成された針シールド面を画定する。
【0007】
針シールドの本体は、第1端及びこの第1端とは反対側に位置する第2端を備えていてもよく、本体の開口部は第1端に位置し、延長部分は第2端に位置する。延長部分はディスク状部材を含んでいてもよい。延長部分は円筒形部材を含んでいてもよく、ディスク状部材が針シールドの本体の第2端を画定する。針シールドの本体は、テーパ面及び平坦面を有する突出部を含んでいてよく、テーパ面は平坦面よりも本体の第2端の側に位置する。針シールドリムーバは複数の針シールド係合部材を含んでいてよく、これらの複数の針シールド係合部材は、針シールドの本体のテーパ面に係合された場合に半径方向外方に付勢されるように構成されており、複数の針シールド係合部材は、針シールドリムーバが針シールドに連結された後、針シールドの平坦面を係合するように構成されている。針シールドリムーバの第1部分及び第2部分の各々は、複数の針シールド係合部材の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0008】
針シールドリムーバの第1部分は、針シールドリムーバの第2部分にコネクタを介して連結されてもよい。コネクタは、第1部分及び第2部分の一方に位置するコネクタ凹部と、第1部分及び第2部分の他方に位置するコネクタ部材とを含んでいてもよい。コネクタ凹部及びコネクタ部材は、スナップ嵌め連結部を形成してもよい。
【0009】
針シールドリムーバの第2部分は、針シールドリムーバの第2部分をウェアラブル注射器に固定するように構成された装置コネクタを含んでいてもよい。針シールドリムーバの第1部分は、ハンドルを含んでいてもよい。針シールドリムーバの第2部分は、第2半部に対して移動可能な第1半部を含んでいてもよく、第1半部及び第2半部の一方が、針シールドリムーバを針シールドに連結した後に針シールドを覆うように構成されたカバーを含む。針シールドリムーバの第2部分の第1半部は、針シールドリムーバの第2部分の第2半部にヒンジを介して連結されていてもよい。
【0010】
別の態様又は実施例では、ウェアラブル注射器は、上面及び下面を有するハウジングと、ハウジング内に受け入れられ、薬品を受け入れるように構成された容器であって、容器内で移動するように構成されたストッパを含む容器と、ストッパを移動させるように構成された駆動アセンブリと、ハウジング内に配置される格納位置および、一部がハウジングから突出した延長位置に位置することができる針と、前述の態様又は実施例のうちの任意の態様又は実施例の針シールドリムーバアセンブリとを含む。針シールドは、針の少なくとも一部を受け入れており、針シールドリムーバは組立位置にある。
【0011】
本開示の前述及び他の特徴及び利点、及びこれらを達成するための方法は更に明らかになるであろう。また本開示は、添付図面を参照して本開示の実施例の以下の説明を読むことにより更によく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1は、本発明の一態様によるウェアラブル注射器の斜視図である。
【0013】
図2は、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器の斜視断面図である。
【0014】
図3は、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器を前方から見た断面図である。
【0015】
図4は、ハウジングの上部分を取り外した、ウェアラブル注射器が使用前位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器の平面図である。
【0016】
図5は、ウェアラブル注射器が使用前位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器の平断面図である。
【0017】
図6は、ウェアラブル注射器が使用前位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器を前方から見た断面図である。
【0018】
図7は、ハウジングの上部分を取り外した、ウェアラブル注射器が初期作動位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器の平面図である。
【0019】
図8は、ウェアラブル注射器が初期作動位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器の平断面図である。
【0020】
図9は、ウェアラブル注射器が初期作動位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器を前方から見た断面図である。
【0021】
図10は、ハウジングの上部分を取り外した、ウェアラブル注射器が使用位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器の平面図である。
【0022】
図11は、ウェアラブル注射器が使用位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器の平断面図である。
【0023】
図12は、ウェアラブル注射器が使用位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器を前方から見た断面図である。
【0024】
図13は、ハウジングの上部分を取り外した、ウェアラブル注射器が使用後位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器の平面図である。
【0025】
図14は、ウェアラブル注射器が使用後位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器の平断面図である。
【0026】
図15は、ウェアラブル注射器が使用後位置にある、本発明の一態様による
図1のウェアラブル注射器を前方から見た断面図である。
【0027】
図16は、従来技術の針シールドリムーバアセンブリの部分断面図である。
【0028】
図17は、針シールドリムーバアセンブリがウェアラブル注射器に連結された、本願の一態様又は実施例による針シールドリムーバアセンブリの部分断面図である。
【0029】
図18は、本願の一態様又は実施例による針シールドの斜視図である。
【0030】
図19は、針シールドリムーバの組立位置を示す、
図16の針シールドリムーバアセンブリの斜視図である。
【0031】
図20は、針シールドリムーバの非組立位置を示す、
図16の針シールドリムーバアセンブリの斜視図である。
【0032】
図21は、
図16の針シールドリムーバの第2部分の斜視図である。
【0033】
図22は、
図16の針シールドリムーバの第1部分の斜視図である。
【0034】
図23は、
図16の針シールドリムーバアセンブリの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の説明は、本発明を実施するための以下に記載の実施例を当業者が製造し使用できるようにするために提供される。しかしながら、様々な変更、均等物、変形、及び代替は、当業者には容易に明らかであろう。このような変更、変形、均等物、及び代替のいずれか、及び全ては、本発明の精神及び範囲に含まれる。
【0036】
下文において説明の目的のため、「上方」、「下方」、「右方」、「左方」、「垂直方向」、「水平方向」、「上」、「下」、「横方向」、「長さ方向」等の用語、及びこれらの用語の派生語は、添付図面における方向を示すものとして本発明と関連する。しかしながら、本発明は、逆に明示的に指定された場合を除き、様々な代替となる変形態様を採用してもよいということは理解されるべきである。更に、添付図面に例示し、本明細書中以下に説明した特定の装置は、本発明の単なる例示の実施例であるということは理解されるべきである。従って、本明細書中に開示の実施例と関連した特定の寸法及び他の物理的特徴は、限定であると考えられるべきではない。
【0037】
図1乃至
図15を参照すると、本開示の一態様によるウェアラブル注射器10は、駆動アセンブリ12、容器14、バルブアセンブリ16、及び針アクチュエータアセンブリ18を含む。駆動アセンブリ12、容器14、バルブアセンブリ16、及び針アクチュエータアセンブリ18は、少なくとも部分的に、ハウジング20によって画定されたキャビティ内に位置する。ハウジング20は、上部分22及び下部分24を含むが、ハウジング20にはこの他の適切な構成を使用してもよい。一態様では、ウェアラブル注射器10は、使用者により着用され又は使用者に固定され、容器14内の薬品の所定の投与量を使用者に注射で送り込むように構成された注射器装置である。装置10は、薬品を所定期間内に送り込む「ボーラス注射」を行うのに使用されてもよい。薬品は、最大45分の期間に亘って送り込まれてもよいが、他の適切な注射量及び持続時間を使用してもよい。ボーラス投与又は送出は、流量制御を伴って行われてもよいし、何ら流量制御無しで行われてもよい。装置10は、薬品を使用者に所定圧力で、流量可変で送り込んでもよい。装置10の全体としての動作を、
図1乃至
図15を参照して以下に説明する。
【0038】
図1乃至
図15を再び参照すると、装置10は、使用者による作動ボタン26の操作によって作動するように構成されている。これにより、針アクチュエータアセンブリ18の針28で使用者の皮膚を穿刺し、駆動アセンブリ12を作動して針28を容器14と流体連通し、容器14から流体又は薬品を放出し、薬品の注射の完了後に針28を格納する。ウェアラブル注射器の全体としての動作は、国際公開第2013/155153号及び第2014/179774号に示されており且つ説明されている。これらの文献に言及したことにより、これらの文献に開示の全てが本明細書中に組み込まれたものとする。装置10のハウジング20は、インジケータウィンドウ30、及び容器14を見るための容器ウィンドウ31を含む。インジケータウィンドウ30は、装置10の状態についての表示を使用者に提供するように構成されたインジケータ装置32を見るためのウィンドウである。インジケータウィンドウ30は、インジケータ装置32をはっきりと見せるための拡大鏡であってもよい。インジケータ装置32は、装置10の使用中、針アクチュエータアセンブリ18とともに移動し、装置10の使用前状態、使用状態、及び使用後状態を表示する。インジケータ装置32は、これらの状態に関する印(indicia)を視覚的に示すが、代わりに又は追加的に、聴覚又は触覚等による他の適切な印を用いてもよい。
【0039】
図4乃至
図6を参照すると、装置10が使用前の位置にある間、容器14は駆動アセンブリ12及びバルブアセンブリ16から離間しており、針28は格納位置にある。装置10の初期作動中、
図7乃至
図9に示すように、駆動アセンブリ12が容器14を係合し、容器14をバルブアセンブリ16に向かって移動させる。バルブアセンブリ16は、容器14の蓋36を穿刺し、容器14内の薬品をチューブ(図示せず)又は他の適切な構成を介して針28と流体連通した状態とするように構成されている。駆動アセンブリ12は、容器14のストッパ34を係合するように構成されている。この係合により、先ず最初に、容器14全体が動いてバルブアセンブリ16と係合する。これは、容器14内の流体即ち薬品が非圧縮性であるためである。装置10は、使用者が作動ボタン26を操作することにより初期作動し、これにより、針アクチュエータアセンブリ18及び駆動アセンブリ12が、以下に更に詳細に説明するように解放される。初期作動中、針28は未だ格納位置にあり、まさに装置10の使用者に注射するための延長位置に移動しようとしている。
【0040】
装置10が使用位置にある間、
図10乃至
図12に示すように、針28は、少なくとも一部がハウジング20の外側にある延長位置にあり、駆動アセンブリ12が容器14内のストッパ34を移動させることにより薬品を容器14から針28を通して使用者に送り込む。使用位置では、バルブアセンブリ16は容器14の蓋36を既に穿刺し、容器14を針28と流体連通状態にしている。これにより、駆動アセンブリ12はストッパ34を容器14に対して移動できる。流体を容器14から吐出できるためである。
図13乃至
図15に示す装置10の使用後位置では、針28は格納位置にあり、パッド38と係合して針28をシールし、容器14からの流体又は薬品の残留流出を阻止する。容器14及びバルブアセンブリ16は、国際公開第2015/081337号に示されており且つ説明された容器14及びバルブアセンブリ16であってもよい。この文献に言及したことにより、この文献に開示の全てが本明細書中に組み込まれたものとする。
【0041】
図17乃至
図23を参照すると、
図1乃至
図15のウェアラブル注射器10は、更に、針シールド42及び針シールドリムーバ44を有する針シールドリムーバアセンブリ40を含む。針シールド42は、針刺し事故を防ぐため、及び針28の無菌状態を維持するため、ウェアラブル注射器10の針28の少なくとも一部を包囲するように構成されている。以下に更に詳細に記載するように、針シールドリムーバ44をウェアラブル注射器10から取り外すすることで、針シールド42もまたウェアラブル注射器10から取り外す。針シールドリムーバアセンブリ40は、針シールドリムーバアセンブリ40がウェアラブル注射器10に連結されている際にウェアラブル注射器10の作動を阻止する1又は複数の機能も含んでいてもよい。
【0042】
針シールド42は、ウェアラブル注射器10の針28を受け入れるように構成された開口部56を画定する本体54を含む。針シールド42の本体54は、上面60及びこの上面60と反対側の下面62を有する延長部分58を含む。針シールドリムーバ44は、第1部分64及び第2部分66を含む。針シールドリムーバ44は、第1部分64が第2部分66から離間された非組立位置及び第1部分64が第2部分66に連結された組立位置に位置することができる。針シールドリムーバ44の第1部分64及び第2部分66は、針シールドリムーバ44が組立位置にある場合に針シールド42の延長部分58の上面60を係合させるように構成された針シールド面68を画定する。一態様即ち一実施例では、針シールドリムーバ44の第1部分64及び第2部分66は、共に、延長部分58の少なくとも一部を受け入れるように構成された凹部69を画定する。
【0043】
図18を参照すると、針シールド42の本体54は、第1端70と、この第1端とは反対側に位置する第2端72とを有する。本体54の開口部56は第1端70に位置し、延長部分58は第2端72に位置する。延長部分58はディスク状部材74を含むが、他の適切な形状及び構成を使用してもよい。延長部分58は、更に、円筒形部材76を含み、ディスク状部材74は、針シールド42の本体54の第2端72を画定する。針シールド42の本体54は、テーパ面80及び平坦面82を有する突出部78を含む。テーパ面80は、平坦面82よりも本体54の第2端72側に位置する。後述するように、テーパ面80及び平坦面82は、針シールドリムーバ44と協働することにより、針シールドリムーバ44を針シールド42に連結できると共に、使用中に針シールド42を針シールドリムーバ44によって取り外すことができる。
【0044】
図17乃至
図23を再び参照すると、針シールドリムーバ44は、複数の針シールド係合部材84を含む。これら複数の針シールド係合部材84は、針シールド42の本体54のテーパ面80と係合されると半径方向外方に付勢されるように構成されており、また、これら複数の針シールド係合部材84は、針シールドリムーバ44が針シールド42に連結された後、針シールド42の平坦面82を係合させるように構成されている。針シールド42がウェアラブル注射器10の針28に被せて配置された状態で、針シールドリムーバ44が非組立位置のまま、複数の針シールド係合部材84をウェアラブル注射器10に挿入できる。挿入に際して、これら複数の針シールド係合部材84は、針28の突出部78のテーパ面80を係合して、針シールド係合部材84がウェアラブル注射器10のハウジング20に挿入されるにつれて針シールド係合部材88を半径方向外方に付勢する。針シールド係合部材84の一端が針シールド42の突出部78のテーパ面80を越えると、針シールド係合部材84は元の位置に戻る。次いで、針シールドリムーバ44は、針シールドリムーバ44がウェアラブル注射器10のハウジング20に連結された状態で、組立位置に移動する。針シールドリムーバ44が組立位置にあり、ウェアラブル注射器10に連結されている場合、続いて、針シールド42を針28の長さ方向軸線と平行な方向に引っ張ることなどによって針シールドリムーバ44をウェアラブル注射器10のハウジング20から取り外すと、針シールド面68が針シールド42の延長部分58の上面60を係合、及び/又は針シールド係合部材84が針シールド42の平坦面82を係合させて、針シールド42がウェアラブル注射器10から外れる。針シールドリムーバ44の第1部分64及び第2部分66の各々は、複数の針シールド係合部材84の少なくとも一つを含むが、他の適切な構成を使用してもよい。
【0045】
図19乃至
図21を参照すると、針シールドリムーバ44の第1部分64は、コネクタ86を介して針シールドリムーバ44の第2部分66に連結されている。コネクタ86は、第1部分64及び第2部分66の一方に位置するコネクタ凹部88と、第1部分64及び第2部分66の他方に位置するコネクタ部材90とを含む。
図19乃至
図21に示すように、一態様又は一実施例では、コネクタ凹部88は第1部分64に設けられており、コネクタ部材90は第2部分66に設けられている。コネクタ凹部88及びコネクタ部材90はスナップ嵌め連結部を形成するが、この他の適切な構成を使用してもよい。針シールドリムーバ44の第2部分66は、針シールドリムーバ44の第2部分66をウェアラブル注射器10に固定するように構成された装置コネクタ92を含む。針シールドリムーバ44の第1部分64は、ハンドル94を含む。医療技術者又は患者がハンドル94を掴んで針シールドリムーバ44をウェアラブル注射器10のハウジング20から取り外してもよい。ハンドル94は円形であるが、この他の適切な形状および構成を使用してもよい。針シールドリムーバ44の第2部分66は、第2半部98に対して移動可能な第1半部96を含む。第2半部98は、針シールドリムーバ44を針シールド42に連結した後、針シールド42を覆うように構成されたカバー100を含む。針シールドリムーバ44の第2部分66の第1半部96は、ヒンジ102を介して針シールドリムーバ44の第2部分66の第2半部98に連結されているが、この他の適切な構成を使用してもよい。
【0046】
開示の一態様の要素を他の開示の一つ又はそれ以上の態様の要素と組み合わせて様々な組み合わせを形成できる。これらは全て本発明の範疇にあるものと考えられる。
【0047】
本開示は例示の設計を有するものとして説明したが、本開示は、本開示の精神及び範囲で更に変更できる。従って、本願は、本開示の基本原則を使用したその任意の変形、用途、又は適合を包含することを意図するものである。更に、本願は、本開示が関連する技術分野における公知の又は一般的な実施の範囲内、及び、添付の特許請求の範囲内における、本開示からの逸脱を包含することを意図するものである。
【国際調査報告】