(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】冠動脈疾患分析システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/46 20240101AFI20240723BHJP
A61B 6/50 20240101ALI20240723BHJP
【FI】
A61B6/46 536Z
A61B6/50 500B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024503583
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 AU2022050727
(87)【国際公開番号】W WO2023004451
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523392132
【氏名又は名称】アートリア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ARTRYA LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】イーデイド, アブドゥル
(72)【発明者】
【氏名】クリフトン, ケイシー
(72)【発明者】
【氏名】ドゥウィベディー, ギリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョイナー, ジャック
(72)【発明者】
【氏名】コンスタントポウロス, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】フラック, ジュリエン
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA21
4C093AA26
4C093CA18
4C093CA22
4C093DA02
4C093FA35
4C093FD03
4C093FF16
4C093FF20
4C093FF22
4C093FG13
4C093FG16
4C093FG18
(57)【要約】
CAD分析デバイスと、ユーザインターフェースとを備える冠動脈疾患(CAD)分析システムが開示される。CAD分析デバイスは、受信した患者CTスキャンデータを分析し、患者CTスキャンデータにおける冠動脈疾患の存在および特性評価を示すCAD分析データを生成するように構成される。CAD分析データは、冠動脈上の少なくとも1つの個々の狭窄病変および狭窄病変の特性評価を示し、CAD分析システムは、冠動脈上の個々の狭窄病変の開始位置および終了位置を識別するように構成される。ユーザインターフェースは、患者CTスキャンデータに基づいて患者の冠動脈のモデルを表示し、モデルは、個々の狭窄病変および個々の狭窄病変の特性評価をユーザに視覚的に表示するように構成され、その結果、ユーザは、視覚的表示に基づいて各個々の狭窄病変の存在および特性評価を識別することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冠動脈疾患(CAD)分析システムであって、
受信した患者CTスキャンデータを分析し、前記患者CTスキャンデータ内の冠動脈疾患の存在および特性評価を示すCAD分析データを生成するように構成されたCAD分析デバイスであって、前記CAD分析データが、冠動脈上の少なくとも1つの個々の狭窄病変および前記狭窄病変の特性評価を示し、前記CAD分析システムが、前記冠動脈上の前記個々の狭窄病変の開始位置および終了位置を識別するように構成された、CAD分析デバイスと;
前記患者CTスキャンデータに基づいて患者の冠動脈のモデルを表示するユーザインターフェースであって、前記モデルが、個々の狭窄病変および前記個々の狭窄病変の特性評価をユーザに視覚的に表示し、その結果、前記ユーザが、前記視覚的表示に基づいて各個々の狭窄病変の存在および特性評価を識別することができるように構成された、ユーザインターフェースと
を備える、冠動脈疾患(CAD)分析システム。
【請求項2】
前記個々の狭窄病変の前記特性評価が、前記個々の狭窄病変の狭窄レベルを含む、請求項1に記載のCAD分析システム。
【請求項3】
前記特性評価が、
脆弱プラークの存在および脆弱プラークのタイプの表示;
プラークの存在およびプラークのタイプの表示;
病変番号;および/または
動脈スライス番号
も含む、請求項2に記載のCAD分析システム。
【請求項4】
前記狭窄レベルが、色を使用して前記ユーザに視覚的に伝達される、請求項2または3に記載のCAD分析システム。
【請求項5】
前記狭窄レベルが、狭窄レベルカラーキーの複数の色のうちの規定色で前記個々の狭窄病変に関連する冠動脈の部分を表示することによって視覚的に伝達され、前記規定色が、前記病変の前記狭窄レベルに対応する、請求項4に記載のCAD分析システム。
【請求項6】
前記個々の狭窄病変および前記個々の狭窄病変の特性評価の前記視覚的表示が、ユーザ入力に応答して表示される、請求項1~5のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項7】
前記個々の狭窄病変および前記個々の狭窄病変の特性評価の前記視覚的表示が、狭窄病変に対応すると考えられる冠動脈上の位置をユーザが選択したことに応答して表示される、請求項6に記載のCAD分析システム。
【請求項8】
前記CAD分析デバイスが、ユーザによって選択された冠動脈上の少なくとも1つの位置に関連する受信した患者CTスキャンデータを分析し、前記ユーザによる前記位置の前記選択に応答して、前記冠動脈上の少なくとも選択された前記位置における冠動脈疾患の存在および特性評価を示すCAD分析データを生成するように構成される、請求項7に記載のCAD分析システム。
【請求項9】
前記冠動脈のモデルが、冠動脈の選択されたスライスを示すように構成された第1の血管スライス識別子を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項10】
前記第1の血管スライス識別子が、前記選択されたスライスに対応する前記冠動脈上の位置で前記冠動脈の周りのフレームを表すグラフィック識別子を含む、請求項7に記載のCAD分析システム。
【請求項11】
前記ユーザインターフェースが、最重要病変を示すように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項12】
表示された前記冠動脈のモデルが、冠動脈の3Dモデルであり、前記3Dモデルの向きが、ユーザによって、1、2または3つの相互に直交する軸線周りに修正可能である、請求項1~11のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項13】
前記ユーザインターフェースが、少なくとも選択された冠動脈の多断面再構成(MPR)表現を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項14】
前記MPR表現が、前記選択された冠動脈の選択されたスライスを示すように構成された第2の血管スライス識別子を含む、請求項13に記載のCAD分析システム。
【請求項15】
前記第2の血管スライス識別子が、前記選択されたスライスに対応する前記選択された冠動脈上の位置で前記選択された冠動脈を通る線を表すグラフィック識別子を含む、請求項14に記載のCAD分析システム。
【請求項16】
前記第1および第2の血管スライス識別子が、前記第1および第2の血管スライス識別子の一方を使用して血管スライスを選択することにより、前記第1および第2の血管スライス識別子の他方を使用して対応する血管スライスが選択されるように同期される、請求項9に従属する場合の請求項15に記載のCAD分析システム。
【請求項17】
前記MPR表現が、曲面多断面再構成(CPR)または直線的多断面再構成(SPR)である、請求項13~16のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項18】
前記ユーザインターフェースが、選択された冠動脈スライスにおける選択された冠動脈の軸方向スライス表現をさらに含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項19】
前記軸方向スライス表現が、内側および外側血管壁アノテーションを含む、請求項18に記載のCAD分析システム。
【請求項20】
前記軸方向スライス表現に関して、前記ユーザインターフェースが、前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変に関する狭窄病変特有情報をさらに含む、請求項16または19に記載のCAD分析システム。
【請求項21】
前記選択されたスライスに関連する前記病変特有情報が、
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変の狭窄レベル;
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変上に存在するプラークのプラークタイプ情報;および/または
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変上に存在する脆弱プラークの脆弱プラークタイプ情報
を含む、請求項20に記載のCAD分析システム。
【請求項22】
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変の前記狭窄レベルが、前記冠動脈の前記モデル上に前記狭窄病変を表示するために使用される前記色を使用して、前記狭窄病変に対応する前記MPR表現の部分を表示することによって伝達される、請求項4に従属する場合の請求項21に記載のCAD分析システム。
【請求項23】
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変の前記狭窄レベルが、前記冠動脈の前記モデル上に前記狭窄病変を表示するために使用される前記色を使用して、前記狭窄レベルを示すテキストを表示することによって伝達される、請求項4に従属する場合の請求項21に記載のCAD分析システム。
【請求項24】
前記MPR表現が、前記選択された冠動脈の近位側スライスを示すように構成された近位側血管スライス識別子を含み、前記近位側スライスが、前記選択された血管スライス識別子よりも大動脈の近位側に位置し、前記ユーザインターフェースが、前記冠動脈の近位側スライスにおける前記選択された冠動脈の近位側スライス表現をさらに含む、請求項18~23のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項25】
前記MPR表現が、前記選択された冠動脈の遠位側スライスを示すように構成された遠位側血管スライス識別子を含み、前記遠位側スライスが、前記選択された血管スライス識別子よりも大動脈の遠位側に位置し、前記ユーザインターフェースが、前記冠動脈の遠位側スライスにおける前記選択された冠動脈の遠位側スライス表現をさらに含む、請求項18~24のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項26】
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変の前記狭窄レベルが、前記冠動脈の前記モデル上に前記狭窄病変を表示するために使用される前記色を使用して、前記選択されたスライスの少なくとも一部を表示することによってユーザに伝達される、請求項4に従属する場合の請求項18~25のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項27】
前記ユーザインターフェースが、ユーザ入力に応答して冠動脈中心線を表示するように構成される、請求項1~26のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項28】
前記中心線の経路が、ユーザによって編集可能である、請求項27に記載のCAD分析システム。
【請求項29】
前記ユーザインターフェースが、ユーザが冠動脈に関連する新しい中心線を追加することを可能にするように構成される、請求項27または28に記載のCAD分析システム。
【請求項30】
前記ユーザインターフェースが、ユーザ入力に応答して前記冠動脈のモデル上に石灰化ボリュームの表現を表示するように構成される、請求項1~29のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項31】
前記ユーザインターフェースが、ユーザ入力に応答して前記冠動脈のモデル上に脆弱プラークの位置を示す情報を表示するように構成される、請求項1~30のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項32】
前記ユーザインターフェースが、表示された情報のスナップショットを表示し、前記スナップショットへのユーザによるアノテーションの追加を容易にするように構成される、請求項1~31のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項33】
前記ユーザインターフェースが、患者分析要約情報を表示するように構成される、請求項1~32のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項34】
前記患者分析要約情報が、
前記CTスキャンデータに関連するすべての病変の最大狭窄レベルを示す最大狭窄レベル;
前記CTスキャンデータ内に存在するすべての脆弱プラークの表示;
プラークの存在およびプラークのタイプの表示;
CACスコア;
CAD-RADS分類;および/または
前記CTスキャンデータ内の病変の数を示す病変内包スコア
を含む、請求項33に記載のCAD分析システム。
【請求項35】
前記ユーザインターフェース上に表示された少なくともいくつかのCAD関連情報が、ユーザによって編集可能である、請求項1~34のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項36】
前記ユーザインターフェースが、前記患者CTスキャンデータに関連するCTボリュームの複数のCTボリューム表現を同時に表示するように構成され、各CTボリューム表現が、異なる向きで前記CTボリュームを通って延びる平面に沿って取られ、表示された前記複数のCTボリューム表現が、共通のCTボリューム位置を有する、請求項1~35のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項37】
前記CTボリューム表現が、互いに直交する向きで前記CTボリュームを通って延びる平面に対応する、請求項36に記載のCAD分析システム。
【請求項38】
前記CTボリューム表現が、体軸方向平面、冠状方向平面、および矢状方向平面に対応する、請求項37に記載のCAD分析システム。
【請求項39】
前記インターフェースが、CTボリューム表現上に、別のCTボリューム表現に関連する平面を示す平面標識を表示するように構成され、ユーザが前記平面標識とインタラクトして、前記他のCTボリューム表現に関連する前記平面を修正し、それによって表示された前記他のCTボリューム表現を修正することを可能にするように構成される、請求項36~38のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項40】
前記平面標識が、前記平面標識に関連する平面の向きを変更するように修正可能である、請求項39に記載のCAD分析システム。
【請求項41】
前記平面標識が、前記他のCTボリューム表現に関連する前記平面に垂直な線である、請求項39または40に記載のCAD分析システム。
【請求項42】
前記インターフェースが、現在のCTボリューム表現に関連する平面に平行な異なる平面に関連するCTボリューム表現を選択的に表示するように、ユーザが前記CTボリュームの前記複数のCTボリューム表現の少なくとも1つのCTボリューム表現を修正することを可能にするように構成される、請求項37~41のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項43】
前記インターフェースが、現在のCTボリューム表現の前記平面に平行な異なる平面に関連する異なるCTボリューム表現の表示に応答して、別のCTボリューム表現上の平面標識の位置を修正するように構成される、請求項36~38のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項44】
前記ユーザインターフェースが、前記CTボリュームの前記複数のCTボリューム表現を有する選択された血管の血管MPR表現を表示するように構成され、前記共通のCTボリューム位置が、前記血管MPR上の選択された位置である、請求項36~43のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項45】
前記ユーザインターフェースが、ユーザが前記血管MPR上の前記選択された位置を移動させ、前記血管MPR上の前記選択された位置と同期して前記CTボリュームの表示された前記複数のCTボリューム表現を変更することを可能にするように構成され、その結果、前記共通のCT位置が、前記血管MPR上の移動された前記位置に従って変更される、請求項44に記載のCAD分析システム。
【請求項46】
前記CAD分析システムが、ユーザが表示されたCAD分析情報を修正および/または追加することを可能にするように構成され、それに応じて、前記分析デバイスが、前記修正および/または追加を考慮して前記患者CTスキャンデータを再分析するように構成される、請求項1~45のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項47】
前記ユーザインターフェースが、複数のビューペインを含み、各ビューペインが、特定の情報および/または前記情報の特定の表現に関連付けられ、前記CAD分析システムが、表示された前記ビューペインがカスタマイズ可能であるように構成される、請求項1~46のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項48】
表示された前記ビューペインが、前記ユーザによってカスタマイズ可能である、請求項47に記載のCAD分析システム。
【請求項49】
表示された前記ビューペインが、選択された機能に応答してカスタマイズされる、請求項47に記載のCAD分析システム。
【請求項50】
前記ユーザインターフェースが、複数のプラークタイプの各々に異なる色を割り当て、判定されたプラークタイプに対応する色で前記プラークを表示することによって、冠動脈上のプラークおよびプラークタイプの視覚的表示を表示するように構成される、請求項1~49のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項51】
患者CTスキャンデータ内の冠動脈上の石灰化プラークの存在を示すCADデータを受信するように構成されたCAD分析デバイスと;
ユーザインターフェースであって、
ユーザ制御可能な位置インジケータを有するスクロールバーと、前記スクロールバーに隣接して配置された冠動脈カルシウム標識とを表示するように構成され、前記スクロールバーに対する前記位置インジケータの位置が、前記患者CTスキャンデータに関連する軸線に沿ったそれぞれの位置を示し、各冠動脈カルシウム標識が、前記スクロールバー上の前記位置インジケータの相対位置に対応する前記CTスキャンデータの体軸方向位置で冠動脈上の少なくとも1つの石灰化ボリュームを示し;および
前記位置インジケータが冠動脈カルシウム標識に隣接して配置されている場合、前記冠動脈カルシウム標識に関連する石灰化ボリュームを示す情報を表示するように構成された
ユーザインターフェースと
を備える、冠動脈疾患(CAD)分析システム。
【請求項52】
各カルシウム標識が、グラフィックインジケータを含み、前記グラフィックインジケータの寸法が、関連する前記石灰化ボリュームのサイズを示す、請求項51に記載のCAD分析システム。
【請求項53】
前記グラフィックインジケータが線であり、前記線の長さが関連する前記石灰化ボリュームのサイズを示す、請求項52に記載のCAD分析システム。
【請求項54】
前記カルシウム標識の色が、前記石灰化ボリュームが位置する冠動脈を示す、請求項51~53のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項55】
前記カルシウム標識に使用される前記色が、前記カルシウム標識に関連する前記石灰化ボリュームにも使用される、請求項54に記載のCAD分析システム。
【請求項56】
血管ラベルが、表示された石灰化ボリュームに隣接して表示される、請求項51~55のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項57】
前記血管ラベルが、ユーザ入力に応答して、表示された石灰化ボリュームに隣接して表示される、請求項56に記載のCAD分析システム。
【請求項58】
表示された石灰化ボリュームに関連する前記冠動脈ラベルが、関連する前記冠動脈を異なる冠動脈に変更するためにユーザによって編集可能である、請求項56または57に記載のCAD分析システム。
【請求項59】
非冠動脈カルシウムが、前記冠動脈に表示される前記石灰化ボリュームとは異なる色で表示される、請求項51~58のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冠動脈疾患分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
冠動脈カルシウム(CAC)スコアは、冠動脈疾患(CAD)の重要な指標であり、一般に、密度加重面積計算のAgatstonの方法を使用して計算される。
【0003】
アテローム性動脈硬化症は、アテローム性プラーク(「プラーク」)が動脈壁の内層に異常に蓄積する冠動脈の疾患である。プラークの著しい蓄積は、動脈狭窄と呼ばれる動脈の狭小化を引き起こし、その結果、血流の減少を引き起こす可能性がある。冠動脈との関連における著しい動脈狭窄は、心臓発作および死をもたらし得る。冠動脈内の脆弱プラークの蓄積はまた、不安定で破裂しやすく、心臓発作または脳卒中などの急性心血管イベントを引き起こす可能性があるため、重大な健康リスクをもたらす。
【0004】
患者の冠動脈疾患関連情報をユーザに伝達するために使用可能なユーザインターフェースを含む冠動脈疾患(CAD)分析システムを提供することが知られている。
【0005】
しかしながら、そのようなCAD分析システムは、使用が比較的面倒である可能性があり、場合によっては、ユーザがシステムを使用して患者の関連CAD情報を迅速に取得することが困難である。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、冠動脈疾患(CAD)分析システムであって、
受信した患者CTスキャンデータを分析し、患者CTスキャンデータ内の冠動脈疾患の存在および特性評価を示すCAD分析データを生成するように構成されたCAD分析デバイスであって、CAD分析データが、冠動脈上の少なくとも1つの個々の狭窄病変および狭窄病変の特性評価を示し、CAD分析システムが、冠動脈上の個々の狭窄病変の開始位置および終了位置を識別するように構成された、CAD分析デバイスと;
患者CTスキャンデータに基づいて患者の冠動脈のモデルを表示するユーザインターフェースであって、モデルが、個々の狭窄病変および個々の狭窄病変の特性評価をユーザに視覚的に表示し、その結果、ユーザが、視覚的表示に基づいて各個々の狭窄病変の存在および特性評価を識別することができるように構成された、ユーザインターフェースと
を備える、冠動脈疾患(CAD)分析システムが提供される。
【0007】
一実施形態では、個々の狭窄病変の特性評価は、個々の狭窄病変の狭窄レベルを含む。
【0008】
一実施形態では、特性評価はまた、以下を含む:
脆弱プラークの存在および脆弱プラークのタイプの表示;
プラークの存在およびプラークのタイプの表示;
病変番号;および/または
動脈スライス番号。
【0009】
一実施形態では、狭窄レベルは、色を使用してユーザに視覚的に伝達される。
【0010】
一実施形態では、狭窄レベルは、狭窄レベルカラーキーの複数の色のうちの規定色で個々の狭窄病変に関連する冠動脈の部分を表示することによって視覚的に伝達され、規定色は、病変の狭窄レベルに対応する。
【0011】
一実施形態では、個々の狭窄病変および個々の狭窄病変の特性評価の視覚的表示は、ユーザ入力に応答して表示される。
【0012】
一実施形態では、個々の狭窄病変および個々の狭窄病変の特性評価の視覚的表示は、狭窄病変に対応すると考えられる冠動脈上の位置をユーザが選択したことに応答して表示される。
【0013】
一実施形態では、CAD分析デバイスは、ユーザによって選択された冠動脈上の少なくとも1つの位置に関連する受信した患者CTスキャンデータを分析し、ユーザによる位置の選択に応答して、冠動脈上の少なくとも選択された位置における冠動脈疾患の存在および特性評価を示すCAD分析データを生成するように構成される。
【0014】
一実施形態では、冠動脈のモデルは、冠動脈の選択されたスライスを示すように構成された第1の血管スライス識別子を含む。第1の血管スライス識別子は、選択されたスライスに対応する冠動脈上の位置で冠動脈の周りのフレームを表すグラフィック識別子を含むことができる。
【0015】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、最重要病変を示すように構成される。
【0016】
一実施形態では、表示された冠動脈のモデルは、冠動脈の3Dモデルであり、3Dモデルの向きは、ユーザによって、1、2または3つの相互に直交する軸線周りに修正可能である。
【0017】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、少なくとも選択された冠動脈の多断面再構成(MPR)表現を含む。MPR表現は、選択された冠動脈の選択されたスライスを示すように構成された第2の血管スライス識別子を含むことができる。
【0018】
一実施形態では、第2の血管スライス識別子は、選択されたスライスに対応する選択された冠動脈上の位置で選択された冠動脈を通る線を表すグラフィック識別子を含む。
【0019】
一実施形態では、第1および第2の血管スライス識別子は、第1および第2の血管スライス識別子の一方を使用して血管スライスを選択することにより、第1および第2の血管スライス識別子の他方を使用して対応する血管スライスが選択されるように同期される。
【0020】
一実施形態では、MPR表現は、曲面多断面再構成(CPR)または直線的多断面再構成(SPR)である。
【0021】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、選択された冠動脈スライスにおける選択された冠動脈の軸方向スライス表現をさらに含む。軸方向スライス表現は、内側および外側血管壁アノテーションを含むことができる。
【0022】
一実施形態では、軸方向スライス表現に関して、ユーザインターフェースは、選択されたスライスが関連する狭窄病変に関する狭窄病変特有情報をさらに含む。
【0023】
一実施形態では、選択されたスライスに関連する病変特有情報は、
選択されたスライスが関連する狭窄病変の狭窄レベル;
選択されたスライスが関連する狭窄病変上に存在するプラークのプラークタイプ情報;および/または
選択されたスライスが関連する狭窄病変上に存在する脆弱プラークの脆弱プラークタイプ情報
を含む。
【0024】
一実施形態では、選択されたスライスが関連する狭窄病変の狭窄レベルは、冠動脈のモデル上に狭窄病変を表示するために使用される色を使用して、狭窄病変に対応するMPR表現の部分を表示することによって伝達される。
【0025】
一実施形態では、選択されたスライスが関連する狭窄病変の狭窄レベルは、冠動脈のモデル上に狭窄病変を表示するために使用される色を使用して、狭窄レベルを示すテキストを表示することによって伝達される。
【0026】
一実施形態では、MPR表現は、選択された冠動脈の近位側スライスを示すように構成された近位側血管スライス識別子を含み、近位側スライスは、選択された血管スライス識別子よりも大動脈の近位側に位置し、ユーザインターフェースは、冠動脈の近位側スライスにおける選択された冠動脈の近位側スライス表現をさらに含む。
【0027】
一実施形態では、MPR表現は、選択された冠動脈の遠位側スライスを示すように構成された遠位側血管スライス識別子を含み、遠位側スライスは、選択された血管スライス識別子よりも大動脈の遠位側に位置し、ユーザインターフェースは、冠動脈の遠位側スライスにおける選択された冠動脈の遠位側スライス表現をさらに含む。
【0028】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザ入力に応答して冠動脈中心線を表示するように構成される。中心線の経路は、ユーザによって編集可能であり得る。
【0029】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザが冠動脈に関連する新しい中心線を追加することを可能にするように構成される。
【0030】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザ入力に応答して冠動脈のモデル上に石灰化ボリュームの表現を表示するように構成される。
【0031】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザ入力に応答して冠動脈のモデル上に脆弱プラークの位置を示す情報を表示するように構成される。
【0032】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、表示された情報のスナップショットを表示し、スナップショットへのユーザによるアノテーションの追加を容易にするように構成される。
【0033】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、患者分析要約情報を表示するように構成される。
【0034】
一実施形態では、患者分析要約情報は、
CTスキャンデータに関連するすべての病変の最大狭窄レベルを示す最大狭窄レベル;
CTスキャンデータ内に存在するすべての脆弱プラークの表示;
プラークの存在およびプラークのタイプの表示;
CACスコア;
CAD-RADS分類;および/または
CTスキャンデータ内の病変の数を示す病変内包スコア
を含む。
【0035】
一実施形態では、ユーザインターフェースに表示される少なくともいくつかのCAD関連情報は、ユーザによって編集可能である。
【0036】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、患者CTスキャンデータに関連するCTボリュームの複数のCTボリューム表現を同時に表示するように構成され、各CTボリューム表現は、異なる向きでCTボリュームを通って延びる平面に沿って取られ、複数の表示されたCTボリューム表現は、共通のCTボリューム位置を有する。
【0037】
一実施形態では、CTボリューム表現は、互いに直交する向きでCTボリュームを通って延びる平面に対応する。
【0038】
一実施形態では、CTボリューム表現は、体軸方向平面、冠状方向平面および矢状方向平面に対応する。
【0039】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、CTボリューム表現上に、別のCTボリューム表現に関連する平面を示す平面標識を表示するように構成され、ユーザが平面標識とインタラクトして、他のCTボリューム表現に関連する平面を修正し、それによって表示された他のCTボリューム表現を修正することを可能にするように構成される。
【0040】
一実施形態では、平面標識は、平面標識に関連する平面の向きを変更するように修正可能である。
【0041】
一実施形態では、平面標識は、他のCTボリューム表現に関連する平面に垂直な線である。
【0042】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、現在のCTボリューム表現に関連する平面に平行な異なる平面に関連するCTボリューム表現を選択的に表示するように、ユーザがCTボリュームの複数のCTボリューム表現の少なくとも1つのCTボリューム表現を修正することを可能にするように構成される。
【0043】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、現在のCTボリューム表現の平面に平行な異なる平面に関連する異なるCTボリューム表現の表示に応答して、別のCTボリューム表現上の平面標識の位置を修正するように構成される。
【0044】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、CTボリュームの複数のCTボリューム表現を有する選択された血管の血管MPR表現を表示するように構成され、共通のCTボリューム位置は、血管MPR上の選択された位置である。
【0045】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザが血管MPR上の選択された位置を移動させ、血管MPR上の選択された位置と同期してCTボリュームの複数の表示されたCTボリューム表現を変更することを可能にするように構成され、その結果、共通のCT位置は、血管MPR上の移動された位置に従って変更される。
【0046】
一実施形態では、CAD分析システムは、ユーザが表示されたCAD分析情報を修正および/または追加することを可能にするように構成され、それに応じて、分析デバイスは、修正および/または追加を考慮して患者CTスキャンデータを再分析するように構成される。
【0047】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、複数のビューペインを含み、各ビューペインは、特定の情報および/または情報の特定の表現に関連付けられ、CAD分析システムは、表示されたビューペインがカスタマイズ可能であるように構成される。
【0048】
一実施形態では、表示されたビューペインは、ユーザによってカスタマイズ可能である。
【0049】
一実施形態では、表示されたビューペインは、選択された機能に応答してカスタマイズされる。
【0050】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、複数のプラークタイプの各々に異なる色を割り当て、判定されたプラークタイプに対応する色でプラークを表示することによって、冠動脈上のプラークおよびプラークタイプの視覚的表示を表示するように構成される。
【0051】
本発明の第2の態様によれば、冠動脈疾患(CAD)分析システムであって、
患者CTスキャンデータ内の冠動脈上の石灰化プラークの存在を示すCADデータを受信するように構成されたCAD分析デバイスと;
ユーザインターフェースであって、
ユーザ制御可能な位置インジケータを有するスクロールバーと、スクロールバーに隣接して配置された冠動脈カルシウム標識とを表示するように構成され、スクロールバーに対する位置インジケータの位置は、患者CTスキャンデータに関連する軸線に沿ったそれぞれの位置を示し、各冠動脈カルシウム標識は、スクロールバー上の位置インジケータの相対位置に対応するCTスキャンデータの体軸方向位置で冠動脈上の少なくとも1つの石灰化ボリュームを示し;および
位置インジケータが冠動脈カルシウム標識に隣接して配置されている場合、冠動脈カルシウム標識に関連する石灰化ボリュームを示す情報を表示するように構成される
ユーザインターフェースと
を備える、冠動脈疾患(CAD)分析システムが提供される。
【0052】
一実施形態では、各カルシウム標識は、グラフィックインジケータを含み、グラフィックインジケータの寸法は、関連する石灰化ボリュームのサイズを示す。
【0053】
一実施形態では、グラフィックインジケータは線であり、線の長さは関連する石灰化ボリュームのサイズを示す。
【0054】
一実施形態では、カルシウム標識の色は、石灰化ボリュームが位置する冠動脈を示す。
【0055】
一実施形態では、カルシウム標識に使用される色は、カルシウム標識に関連する石灰化ボリュームにも使用される。
【0056】
一実施形態では、血管ラベルは、表示された石灰化ボリュームに隣接して表示される。
【0057】
一実施形態では、血管ラベルは、ユーザ入力に応答して、表示された石灰化ボリュームに隣接して表示される。
【0058】
一実施形態では、表示された石灰化ボリュームに関連する冠動脈ラベルは、関連する冠動脈を異なる冠動脈に変更するためにユーザによって編集可能である。
【0059】
一実施形態では、非冠動脈カルシウムは、冠動脈に表示される石灰化ボリュームとは異なる色で表示される。
【0060】
ここで、添付の図面を参照して、本発明を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】本発明の一実施形態による冠動脈疾患(CAD)分析システムの概略ブロック図である。
【
図2】
図1に示すシステムの冠動脈疾患分析デバイスの概略ブロック図である。
【
図3】ユーザがCAD分析システムにログインした後にユーザに提示されるスキャンメニュー画面の図示表現である。
【
図4】本発明の一実施形態によるCAD分析システムの患者概要画面の図示表現である。
【
図5】
図4に示す患者概要画面の患者分析概要ペインの表現である。
【
図6】
図4に示す患者概要画面の3Dモデルペインの表現である。
【
図7】
図4に示す患者概要画面の多断面再構成(MPR)ペインの表現である。
【
図8】
図4に示す患者概要画面の血管スライスペインの表現である。
【
図9】選択された動脈スライスを示す、
図6に示す3Dモデルの一部の拡大図である。
【
図10】異なる選択された動脈スライスを示す、
図6に示す3Dモデルの一部の拡大図である。
【
図11】
図10に示す選択された動脈スライスの体軸方向表現である。
【
図12】異なる選択された動脈スライスを示す、
図6に示す3Dモデルの一部の拡大図である。
【
図13】
図12に示す選択された動脈スライスの体軸方向表現である。
【
図14】異なる選択された動脈スライスを示す、
図6に示す3Dモデルの一部の拡大図である。
【
図15】
図14に示す選択された動脈スライスの体軸方向表現である。
【
図16】表示された選択された動脈スライスに関連する狭窄病変の狭窄レベルを編集するために使用可能な狭窄レベル選択リストの表現である。
【
図17】表示された選択された動脈スライスに関連する石灰化を編集するために使用可能な石灰化選択リストの表現である。
【
図18】動脈中心線を含む、
図7に示すMPRペインの表現である。
【
図19】直線状に見えるように動脈が変換されたMPRペインに示された動脈の表現である。
【
図20】3Dモデルペイン内の3Dモデル上の石灰化ボリュームを示す、
図6に示す3Dモデルペインの表現である。
【
図21】3Dモデルペイン内の3Dモデル上の脆弱プラークの位置を示す、
図6に示す3Dモデルペインの表現である。
【
図22】CTボリューム非造影結果を示す、CAD分析ツールのCTボリューム画面の図示表現である。
【
図23】造影結果を示す、CAD分析ツールのマルチビュー画面の図示表現である。
【
図24】
図22に示す例示的なCTボリューム画面の表現である。
【
図25】
図22に示すCTボリューム画面のスクロールバーペインの表現である。
【
図26】選択されたスクロールバー位置ならびに関連するCTボリュームスライスおよび石灰化ボリュームを示す、
図24のCTボリュームの一部の表現である。
【
図27】冠動脈ラベルを含む石灰化ボリュームの拡大表現である。
【
図28】冠動脈選択リストを含む石灰化ボリュームの拡大表現である。
【
図29】異なる選択されたスクロールバー位置に関連するさらなるCTボリュームスライスの表現である。
【
図30】CAD分析ツールのスクリーンショットアノテーション画面の表現である。
【
図31】第1の位置に示される体軸方向法線、冠状方向法線および矢状方向法線と、第1の位置に示される血管スライスインジケータとを有するマルチビュー画面の例示的な表現である。
【
図32】第1の位置に示される体軸方向法線、冠状方向法線および矢状方向法線と、第2の位置に示される血管スライスインジケータとを有するマルチビュー画面の例示的な表現である。
【
図33】第2の位置に示される体軸方向法線、冠状方向法線および矢状方向法線と、第1の位置に示される血管スライスインジケータとを有するマルチビュー画面の例示的な表現である。
【
図34】CAD分析システムのレポート画面の図示表現である。
【
図35】
図34に示すレポート画面の患者情報ペインの表現である。
【
図36】
図34に示すレポート画面の患者分析概要セクションの表現である。
【
図37】
図34に示すレポート画面のレポート詳説ペインの表現である。
【
図38】
図34に示すレポート画面のステータスおよび編集ペインの表現である。
【
図39】本発明の代替実施形態によるCAD分析システムの患者概要画面の図示表現である。
【
図40】ユーザとのインタラクション前の
図39に示す患者概要画面の患者分析概要ペインの表現である。
【
図41】ユーザとのインタラクション前の
図39に示す患者概要画面の血管スライスペインの表現である。
【
図42】
図39に示す患者概要画面の多断面再構成(MPR)ペインの表現である。
【
図43】ユーザとのインタラクション後の
図41に示す血管スライスペインの表現である。
【
図44】ユーザとのインタラクション後の
図39に示す患者概要画面の3Dモデルペインの表現である。
【
図45】ユーザとのインタラクション後の
図39に示す患者概要画面の患者分析概要ペインの表現である。
【
図46】狭窄病変の最大狭窄レベルがユーザによって変更された後の、
図45に示す患者分析概要ペインの表現である。
【
図47】測定値切替えボタンを選択した後の
図39に示す患者概要画面の図示表現である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本開示は、例えばユーザからの指示、ユーザからの情報、および/またはユーザに提示されるCAD結果の精度を向上させることを目的としたユーザからの編集を受信するために、本例では冠動脈コンピュータ断層撮影(CT)データを使用してCADを識別し、患者のCAD関連情報をユーザに伝達し、ユーザとのインタラクションを容易にするように構成された冠動脈疾患(CAD)分析システムに関する。この例では、システムは、患者のCACスコアを決定し、個々の狭窄病変の存在および重症度を検出し、斑点状の石灰化、低減衰プラークおよび血管壁のポジティブリモデリングを含む脆弱プラーク(本明細書では「プラーク特徴」と呼ばれることもある)を識別することによって、冠動脈疾患の初期段階および/または患者のリスクが高いことを識別することができる。
【0063】
しかしながら、本実施形態は、CACスコアを決定し、狭窄病変および/または脆弱プラークの存在について冠動脈を分析するCAD分析システムに関連して説明されているが、本発明の文脈内の変形形態が想定されることが理解されよう。
【0064】
図面を参照すると、
図1は、本発明の一実施形態による冠動脈疾患(CAD)分析システム10の概略ブロック図を示す。
【0065】
この例では、システム10は、CTスキャンデバイス12a、12bおよび関連する画像保管通信システム(PACS)14a、14bによって
図1に表される心臓コンピュータ断層撮影(CT)データの複数の提供者とインタラクトするように構成される。各PACSシステム14a、14bは、CTスキャンデバイス12a、12bによって生成された医用画像データの捕捉および記憶、ならびにこの例ではCTサービスプロバイダの遠隔に配置され、インターネット16などの広域ネットワークを介してアクセス可能な医用画像データサーバ18への医用画像データの通信を管理するように構成される。この例では、医用画像データサーバ18は、Digital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)サーバであるが、受信したCT画像データの記憶を受信および管理するための任意の適切なデバイスが想定されることが理解されよう。
【0066】
DICOMサーバ18は、受信したCT画像データを、1つまたは複数のデータベースを含み得るデータ記憶デバイス20に記憶するように構成される。この例では、システム10はまた、別個の構成要素またはDICOMサーバ18に組み込まれた構成要素であり得る個人健康情報(PHI)アノニマイザ22を含む。PHIアノニマイザ22は、CT画像データがデータ記憶デバイス20に記憶される前に、受信したCT画像データ内の患者特有のメタデータ(典型的には、名前、生年月日、および固有のID番号を含む)を暗号化するように構成される。このようにして、患者特有のメタデータは依然としてCT画像データに関連付けられているが、例えばログインデータおよびパスワードデータを使用して、権限を有する人々によってのみアクセス可能である。
【0067】
本発明の文脈では、CT画像データは、造影および/または非造影CTスキャンから導出され得る。
【0068】
システム10は、例えば、権限を有する各ユーザにインターフェースデバイス24を提供することによって、権限を有する複数のユーザがシステム10とインタラクトすることを可能にするように構成される。各インターフェースデバイス24は、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータまたはモバイルコンピューティングデバイスなどの任意の適切なコンピューティングデバイスを含み得る。
【0069】
システム10はまた、データ記憶デバイス20と通信し、データ記憶デバイス20に記憶されたCT画像データを分析し、自動的にまたはユーザ入力に応答して、CT画像データ内の冠動脈疾患の予測または評価に関連する分析情報を生成するように構成された冠動脈疾患(CAD)分析デバイス26を含む。
【0070】
システム10は、任意の適切な方法でインターフェースデバイス24を使用してアクセスを容易にするように構成することができる。例えば、システム10は、CAD分析デバイス26がインターフェースデバイス24上のウェブブラウザを介してアクセス可能であるように構成されてもよく、すべてまたはほとんどの処理アクティビティがインターフェースデバイス24の遠隔で行われるか、またはシステム10は、例えば、データ記憶デバイス20に記憶されたCTデータに対して少なくともいくつかの処理アクティビティを実施する少なくとも1つのソフトウェアアプリケーションをインターフェースデバイス24に提供することによって、少なくともいくつかの処理アクティビティがインターフェースデバイス24で行われるように構成されてもよい。
【0071】
代替例では、患者から受信したCTデータがネットワークアクセス可能な場所に遠隔で記憶される分散システムを提供する代わりに、システム10の1つまたは複数の構成要素は、CTデータのほとんどまたはすべての処理アクティビティおよび/または記憶が同じ場所で行われるように、インターフェースデバイス24および/またはCTデバイス12a、12bと同じ場所に配置されてもよい。
【0072】
この例では、データ記憶デバイス20に記憶されたデータはまた、例えばインターフェースデバイス24のユーザが生のCTデータを見ることができるように、インターフェースデバイス24によって直接アクセス可能であってもよい。
【0073】
インターフェースデバイス24を使用して、ユーザは、データ記憶デバイス20に記憶されたCTデータの分析を開始し、および/または分析の結果を見ることができる。分析中、CAD分析デバイス26は、データ記憶デバイス20から関連するCTデータを抽出し、自動的にまたは使用入力に応答して、CT画像データ内の冠動脈疾患を予測、識別、定量化および/または特性評価するためにCTデータに対して分析プロセスを実行する。
【0074】
ユーザは、患者の冠動脈疾患関連情報をユーザに伝達し、例えば、ユーザが求める所望の分析情報に関する、またはシステム10によって実行される分析のパラメータに対する編集もしくはユーザに伝達される分析情報に対する編集に関するユーザからの指示および/または情報の受信を容易にし;および/またはシステム10によって生成された分析情報を補足するユーザからの情報の受信を容易にする、ユーザインターフェース53を使用して、システム10とインタラクトする。
【0075】
ユーザインターフェース53は、インターフェースデバイス24の画面上に表示され、ユーザに情報を提示し、便利で簡潔な直感的でユーザフレンドリーな方法でユーザとのインタラクションを容易にする。このようにして、ユーザには、ユーザが関連する患者のCAD関連情報を迅速に確認し、それによってCADのリスク、CADの存在、ならびに緩和および/または治療のための適切なステップに関する決定を行うことを可能にするインターフェースが提供される。
【0076】
本例では、システム10は、機械学習技術およびラジオミクスを使用することによってCACスコアを生成するように構成され、これは、動脈の造影増強または手動ガイダンスを必要とせずに、冠動脈石灰化およびそれらが関連する動脈を正確に識別するために、非造影CTスキャンから十分な情報を抽出することを可能にする。システム10は、機械学習を使用してCTスキャンにおけるすべてのボクセルの最も可能性の高い分類を決定し、機械学習を使用して非冠動脈特徴を識別することができ、これを使用して、石灰化冠動脈要素として要素を誤分類することを除去または回避することができる。
【0077】
システム10はまた、機械学習を使用して、冠動脈中心線を検出および追跡し、中心線に基づいておよび機械学習を使用して冠動脈の内壁および外壁の位置を推定し、推定された内壁および外壁を使用して、内壁と外壁との間の識別された間隙の組成および空間特性の分析と共に、任意の識別された疾患の程度および特性を判定することによって、冠動脈疾患を識別、定量化および特性評価するように構成される。
【0078】
しかしながら、CACスコアを決定するための、および/またはCADのリスクまたは存在について冠動脈を分析するための他の方法論が想定されることが理解されよう。
【0079】
CAD分析デバイス26は、
図2により詳細に示されている。
【0080】
CAD分析デバイス26は、冠動脈の内壁および外壁のセグメント化に基づいて造影CTスキャンデータで冠動脈を分析するように構成された冠動脈分析構成要素32と、非造影CTスキャンデータに基づいてカルシウムスコアを決定するように構成されたカルシウムスコア決定構成要素34とを含む。
【0081】
CAD分析デバイス26はまた、
狭窄と、石灰化プラーク、混合プラークまたは非石灰化プラークを含む脆弱プラークの存在とを含む疾患の様々なタイプを、血管壁内の間隙の空間特性およびハンスフィールド単位値に基づいて評価するように;および
決定されたCACスコアを使用して冠動脈疾患のリスクを判定するように
構成された疾患評価ユニット36を含む。
【0082】
疾患評価ユニット36によって行われた判定は、造影剤および/または非造影CTスキャンデータを使用して患者に対して実行された分析を示すテキスト情報および/または数値情報を生成するために、レポート生成器38によって使用される。テキスト情報および/または数値情報の少なくとも一部は、ユーザインターフェース53を介してユーザに伝達される。
【0083】
この例では、冠動脈分析構成要素32は、冠動脈の内壁および外壁のセグメント化に依存し、これによって生成された情報は、スキャン内の疾患負荷を検出および評価するために使用される。血管壁を正確にセグメント化するために、冠動脈の中心線は、冠動脈の中心線上に位置する可能性が高いCTボリューム内のボクセルに対応する各中心線上の複数のシード点を識別することによって最初に決定される。このプロセスを容易にするために、造影剤を血流に注入して造影を増加させ、この例では、周囲組織と比較して冠動脈のハンスフィールド単位(HU)値を増加させる。
【0084】
冠動脈分析構成要素32は、この例ではマルチスケールフィルタリングおよび教師あり機械学習を使用してシード点を検出する血管シード検出器41を使用して血管シード点を識別する。この例では、十分な数の例示的な冠動脈中心線を示すグラウンドトゥルースデータを使用して訓練された体積畳み込みニューラルネットワーク(CNN)が使用される。
【0085】
血管シード検出器41は、機械学習を使用してCTデータのサンプルに存在する予測シード点のセットを識別し、中心線追跡、ひいては冠動脈の中心線の予測の基礎を形成する予測シード点のセットから候補シード点を選択する。候補血管シード点は、規定量を超えるハンスフィールド単位(HU)値などの放射線濃度値を有するシード点、または最も高いHU値を有する規定数のシード点などの規定のHU閾値を超える規定数のシード点などの、1つまたは複数の規定の制約に基づいて、シード点のセットから決定される。一例では、100~600のHU値を有する候補血管シード点が候補シード点として選択される。
【0086】
中心線追跡器43は、次に、決定された候補シード点を考慮し、機械学習を使用して、その時点のシード点から、3次元空間における冠動脈上の次のシード点の最も可能性の高い方向を予測し、このようにして、現在考慮されている冠動脈上にある可能性が高い血管中心線シード点が識別される。この例では、中心線追跡プロセスは、動脈中心線上の最端位置に位置する予測シード点で開始する。このようにして冠動脈中心線上に位置すると識別された候補シード点は、完全な冠動脈を画定するように互いに接続される。
【0087】
中心線追跡器43は、最初に4つの主冠動脈、すなわち左冠動脈主幹部(LM)、左前下行枝(LAD)、左回旋枝(LCX)および右冠動脈(RCA)を検出するように構成され、次いで、主冠動脈が検出された後、当初は実行可能な中心線として識別されなかった一次冠動脈上の分枝が検出される。
【0088】
中心線追跡器43は、血管の中心線方向に垂直なHU値を調べ、HU値が血管壁の外側で著しく減少するので、HU値に基づいて冠動脈の境界を見つけることによって血管のおおよその半径を推定する。境界が中心線の両側に配置されると、血管の直径が測定され得る。
【0089】
分枝は、中心線の長さに沿った測定された血管直径の変化率に基づいて検出される。例えば、測定された血管直径が中心線に沿って10%を超えて増加し、次いで元のサイズに減少した場合、それは検出された分枝としてマークされ、なお、冠動脈血管のサイズは近位側から遠位側の位置まで本来減少する。冠動脈口では、血管は約4mmの直径を有し得るが、遠位側位置では、血管直径は典型的には1mm未満に減少する。したがって、分枝検出器は、推定直径の変化率を調べて、別の冠動脈が分枝している中心線に沿った点を検出する。
【0090】
次いで、冠動脈分析構成要素32は、臨床医が血管をより容易に識別できるように、例えば機械学習を使用して、追跡された動脈中心線に言語的に意味のあるラベルを付けることができる。
【0091】
この例では、冠動脈分析構成要素32はまた、例えば血管シード検出器41があまりにも多くのまたは不十分なシード点を生成したために、中心線追跡器43によって実行される分析が不正確または不完全である場合、血管シード検出器41の再構成を容易にすることによって中心線追跡プロセスの信頼性を改善するように構成される。検出された冠動脈が中心線ラベル付与器によってラベル付けされた後、血管シード検出器41のパラメータは、識別された血管が不正確または不完全であるという判定が行われた場合、例えば、初期血管シード検出器構成がRCAなどの主要冠動脈を検出できなかった場合に再構成され得る。例えば、これは、より多くの候補血管シード点が生成されるように血管シード検出器41によって適用される制約を下げ、それによって後続の反復で血管を検出する確率を高めることによって達成され得る。
【0092】
すべての所望の冠動脈が十分に追跡およびラベル付けされた後、血管壁セグメント化器45は、追跡された中心線を使用して、冠動脈に関連するCTデータを分析し、特に内側および外側血管壁セグメント化プロセスを実行する。
【0093】
血管壁セグメント化器45は、機械学習構成要素を使用して内壁および外壁管腔マスクを生成し、これを使用して石灰化プラークおよび非石灰化プラークの存在に関連する冠動脈疾患を識別することができる。この例では、機械学習構成要素は、十分な数の例示的な横断冠動脈画像スライス、この例では動脈中心線に垂直かつ交差する画像スライスを示すグラウンドトゥルース訓練データを使用して訓練される教師あり体積畳み込みニューラルネットワーク(CNN)である。この例の訓練データは、医療専門家によってアノテーションが付けられた内側および外側の動脈壁ならびに関連する撮像アーチファクトを含み、疾患の様々な程度を有し、血管の膨らみなどの異常を示す様々な典型的な撮像アーチファクトを含む異なる冠動脈血管の広範囲の例を網羅する。
【0094】
冠動脈壁セグメント化の完了後、システムは、検出された冠動脈の内側および外側血管壁構成を画定するのに十分なデータを有することが理解されよう。このデータを使用して、内側血管壁と外側血管壁との間の間隙領域に関連するボクセルを分析することによって疾患の存在を判定することが可能である。
【0095】
冠動脈分析構成要素32は、冠動脈上の個々の狭窄病変90を識別し、各個々の狭窄病変90の重症度を分類するように構成される。
【0096】
個々の狭窄病変90の存在および狭窄重症度は、狭窄病変の開始スライスおよび終了スライスを識別し、次いで、開始スライスと終了スライスとの間のすべてのスライスを狭窄病変に属するものとしてカテゴリー分けすることによって判定される。この例では、管腔断面積と対応する正常断面積とを参照することによって、開始狭窄病変スライスが識別される。例えば、冠動脈の管腔断面積が対応する正常断面積の99%未満である場合、スライスは開始狭窄病変スライスとしてカテゴリー分けすることができ、スライスの狭窄分類は、断面積の百分率の低下に従って定義される。管腔断面積を参照する際に同じ狭窄分類内に同様に入る後続のスライスもまた、終了狭窄病変スライスが識別されるまで、狭窄病変90の一部として識別される。終了狭窄病変スライスでは、次のスライスは、同じ狭窄病変分類内にある管腔断面積を有さない。
【0097】
このようにして、冠動脈分析構成要素32は、冠動脈上の複数の個々の狭窄病変を別々に識別することができる。そうすることで、例えば色分けを使用して、個々の狭窄病変をユーザに表示し、各個々の狭窄病変の特性をユーザに伝達することが可能になる。
【0098】
この例では、カルシウムスコア決定構成要素34は、心臓非造影CTデータ内の1つまたは複数の非冠動脈身体部分要素を識別するための身体部分識別子35と、決定されたハンスフィールド単位(HU)値に基づいて心臓非造影CTデータ内の石灰化要素を識別するための石灰化要素識別子37と、身体部分識別子35からの情報を使用して石灰化ボリュームを考慮から除去する誤分類除去器39とを含む。
【0099】
この例では、身体部分識別子35は、受信した患者心臓非造影CTデータ内の各ボクセルが患者の上行大動脈または下行大動脈などの非冠動脈身体部分の一部であるかどうかを機械学習を使用して予測し、被接続要素技術を使用して同じ要素に属する隣接ボクセルを識別するように構成される。身体部分識別子35は、非冠動脈身体部分に存在する石灰化を考慮から除去するために使用することができる機械学習ボクセルマスクを生成する。
【0100】
石灰化要素識別子37は、被接続要素技術を使用して同じ石灰化要素に属する隣接ボクセルを識別し、ラジオミクス分析器51を使用して識別された石灰化要素を分析して各要素の特性のセットを取得するように構成される。
【0101】
医学の分野では、放射線医用画像から情報を抽出するためにラジオミクスが使用される。本発明者らは、そのようなラジオミクス特徴が、冠動脈石灰化を識別および位置特定するために機械学習システムで使用される可能性を有することを認識した。ラジオミクスエンジンを使用して各候補石灰化要素を分析することによって、例えば要素の相対位置、形状、サイズ、密度および/またはテクスチャを記述するラジオミクス特性が得られ、これらの特性は、要素の豊富な記述を提供するように選択され、これらは、機械学習システムによって使用されて、骨などの非冠動脈石灰化を、冠動脈石灰化ならびに石灰化が位置する特定の動脈と区別することが学習され得る。訓練の前に、主成分分析(PCA)および分散閾値処理によって、ラジオミクス特徴の選択が実施される。PCAは、どの特徴が機械学習システムに最大の判別力を提供するかを自動的に決定するために使用される。この手法は、特定の特徴を手作業で作る伝統的な従来技術の手法に勝る追加の利点を提供する。深層学習モデルはまた、より大きなコンテキストを提供するために、各要素の周りの生のCTデータの画像パッチを見ることもできる。
【0102】
ラジオミクス特性情報に加えて、冠動脈石灰化の識別および分類を支援することができる他の情報が使用されてもよい。例えば、各候補石灰化の周りの領域を示す生のCTスキャン画像パッチ情報が、分類器または追加の機械学習システムに入力されてもよい。そのような画像パッチは、各石灰化について有用なコンテキスト情報を提供することができる。
【0103】
例示的な実装形態では、要素特性は、特性に基づいて要素の位置を検出するように訓練された複数の訓練された機械学習分類器に入力される。代替的に、要素特性は、例えば生の画像データを用いて、特性に基づいて要素の位置を予測する訓練された深層学習モデルへの入力として使用される。
【0104】
訓練された機械学習分類器によって生成された予測候補石灰化は、身体部分情報とクロスチェックされ、ノイズに関連すると考えられる、または非冠動脈身体部分に存在すると考えられる候補石灰化がすべて除去される。
【0105】
CAD分析システムは、疾患評価ユニット36を使用して、冠動脈分析構成要素32およびカルシウムスコア決定構成要素34によって実行されたCAD分析の結果に基づいて判定を行う。判定は、自動的に行われ、および/またはユーザに伝達されてもよく、またはユーザ入力に応答して行われ、および/またはユーザに伝達されてもよい。この例では、判定は、狭窄の検出およびカテゴリー分け、CACスコアの計算、ならびに脆弱プラークの検出および特性評価を含む。特に、疾患評価ユニット36は、内壁および外壁セグメント化データを使用して、内壁によって画定される断面積を決定し、これに基づいて、狭窄度が健康状態度に関連して特性評価される。
【0106】
高リスクプラークとも呼ばれる脆弱プラーク(VP)は、患者の冠動脈疾患の初期の徴候である。疾患評価ユニット86は、動脈壁セグメント化の発見的なルールベースの分析、この例では低減衰プラーク、斑点状の石灰化およびポジティブリモデリングを使用して、VPのいくつかの形態を検出する。
【0107】
低減衰プラークは、-30~30ハンスフィールド単位の範囲のハンスフィールド単位(HU)値を特徴とし、したがって、ハンスフィールド単位の分析および閾値処理によって直接検出することができる。
【0108】
斑点状の石灰化は、非石灰化プラークまたは混合プラークに囲まれた比較的小さな石灰化として定義される。斑点状の石灰化を検出するために、疾患評価ユニット36は、最初に、例えば、350より大きいハンスフィールド単位(HU)値などの規定の放射線濃度尺度を使用したフィルタリングによって、内側動脈壁と外側動脈壁との間の判定された疾患領域内の石灰化プラークに関連すると予測されるボクセルを決定する。関連ボクセルは、次いで、石灰化ボリュームとして一緒に関連付けられる。斑点状の石灰化は、直径が3mm未満であることを特徴とする。非石灰化/混合プラークを使用して、識別された斑点状の石灰化を取り囲むボクセルが、非石灰化プラークまたは混合プラークと一致するHU値を有するかどうかを判定する。
【0109】
ポジティブリモデリングは、内壁と外壁との間に蓄積する疾患を補償するための外側血管壁の拡張を特徴とする。疾患評価ユニット36は、これを、内側動脈壁と外側動脈壁との間の間隙が規定量よりも、例えば正常な血管間隙よりも10%増加したかどうかを判定する内壁/外壁間隙判定器を使用して検出するように構成される。間隙内のボクセルの放射線濃度は、例えば間隙内のボクセルのHU値を決定した場合、非石灰化プラークと一致する。
【0110】
CAD分析システム30はまた、疾患評価ユニット36およびレポート生成器38によって生成された情報ならびにデータ記憶部20からの任意の必要なデータを、適切なディスプレイ42上に表示されるユーザインターフェース53にパッケージ化するように構成されたUIコントローラ40を含み、ユーザインターフェース53は、患者のCAD関連情報が、ユーザが患者の関連CAD情報を迅速かつ直感的に取得することを可能にし、例えば分析パラメータを編集し、および/または分析情報を追加または修正するために、ユーザが入力デバイス44を使用して入力を提供することを可能にする方法で、ユーザに伝達されるように構成される。例えば、UIコントローラ40は、CTデータから導出された患者の検出された冠動脈の3Dモデルを生成し、重ね合わされたセグメント化された内壁および外壁アノテーションを有する冠動脈の横断スライスの表現を生成し、ユーザがCADの位置および程度またはCADのリスクを示す要因を迅速に識別することを可能にするユーザフレンドリーなツールを提供するように構成される。
【0111】
ユーザインターフェース53にアクセスするために、ユーザは、例えばパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータまたはスマートフォンであり得るインターフェースデバイス24を使用して分析デバイス26にアクセスし、ログイン情報を入力する。ユーザインターフェース53は、ログイン成功後に表示される。
【0112】
ユーザ認証の成功後にユーザに表示される、CAD分析システムの一実施形態のユーザインターフェース53の例示的な画面を
図3から
図38に示す。
【0113】
この実施形態では、CAD分析システムは、例えば狭窄の存在および重症度、カルシウムスコアの計算、ならびに脆弱プラークの検出および特性評価に関して疾患評価判定を自動的に行い、判定を示す情報をユーザインターフェース53に自動的に表示するように構成される。
ログイン成功後に、
図3に示すようなスキャンメニュー46が表示される。スキャンメニュー46は、ユーザがアクセス可能なすべてのスキャンデータセットのリストを含む。この例では、各スキャンデータセットについて、以下の情報が含まれ得る:
患者名48;
患者ID50;
患者の生年月日52;
スキャン日時54;
脆弱プラークが存在すると考えられるかどうかに関する表示56;
狭窄が存在すると考えられるかどうかに関する表示58;
カルシウム(Agatston)スコア60;
CAD-RADS分類62;および
データセットのステータスが、レビュー待ち、編集済み、承認準備完了、または承認済みであるかを示すデータセットステータス62。
【0114】
しかしながら、任意の適切な情報がスキャンメニュー46に含まれてもよいことが理解されよう。
【0115】
スキャンメニュー46を使用して、ユーザは、例えばマウスを使用して、またはタッチスクリーンが存在する場合は関連するデータセット行に触れることによって、レビューおよび/または編集するデータセットを選択することができる。データセット行を選択すると、
図4に示すように、特許概要画面66が表示される。
【0116】
患者概要画面66は、データ要約およびテキスト形式でCAD結果の要約を表示する患者分析概要ペイン68と、データセット内で識別された冠動脈の3D構造モデルを表示する3Dモデルペイン70と、CTデータのMPRビューを表示する多断面再構成(MPR)ペイン72と、選択された冠動脈を通って取られた軸方向スライスの1つまたは複数のビューを表示する血管スライスペイン74とを含む。
【0117】
しかしながら、患者概要画面66は、ユーザによってカスタマイズ可能であり得るか、またはユーザによって選択された機能に応じて変更可能な、異なるまたは追加のビューペインを含んでもよいことが理解されよう。例えば、患者概要画面66は、以下のビューペインのいずれかを含むことができる:
患者分析概要ペイン68;
3Dモデルペイン70;
多断面再構成(MPR)ペイン72;
血管スライスペイン74;
1つまたは複数のCPRペイン;
1つまたは複数のSPRペイン;
1つまたは複数の非造影ビューペイン;
1つまたは複数のCTボリュームペイン;および
体軸方向、矢状方向および/または冠状方向のビューペイン。
【0118】
多断面再構成(またはmultiplanar reconstruction reformation)(MPR)は、この例では複数の体軸方向平面において取得された画像からデータを抽出することによって得られ、これにより、複数の平面にわたって延びる選択された血管が単一のビューで示され得る。曲面多断面再構成(CPR)および/または直線的多断面再構成(SPR)は、複数の異なる平面にまたがる血管の2次元画像を表示するように生成することができる。取得されたデータは、冠状方向または矢状方向などの非体軸方向平面に変換することができる。
【0119】
患者概要画面66はまた、患者概要画面66、
図22に示すCTボリューム画面194、および
図31に示すレポート画面250を切り替えるために使用可能な、患者概要ボタン75、CTボリュームボタン76、およびレポートレビューボタン77を含む画面選択ボタンを含む。
【0120】
患者分析概要ペイン68の例示的な表現を
図5に示す。例示的な患者分析概要ペイン68は、結果概要セクション78を含み、これは、この例では以下の情報を含む:
カルシウム(Agatston)スコア;
データセットにおいて判定された狭窄の最高レベルを示す最大狭窄レベル;
優先血管、すなわち最重要狭窄病変を含む冠動脈の表示;
データセットに存在する脆弱プラーク(存在する場合)の表示;
関連するCAD-RADS分類;および
データセットに存在する狭窄病変の数を示すセグメント内包スコア。
【0121】
患者分析概要ペイン68に示されるカルシウムスコアは、冠動脈に存在すると判定された総カルシウムを表すことが理解されよう。
【0122】
本例では、以下の狭窄レベルが使用される:
0%-狭窄の証拠なし;
1~24%-最小の狭窄;
25~49%-軽度の狭窄;
50~69%-中程度の狭窄;
70~99%-重度の狭窄;および
100%-閉塞。
【0123】
本例では、以下のプラークタイプが使用される:
なし;
非石灰化;
混合;および
石灰化。
本例では、以下の脆弱プラーク(VP)特性評価が使用される:
LAP-低減衰プラーク;
PR-ポジティブリモデリング;および
SC-斑点状石灰化。
【0124】
本例では、CAD-RADS分類は、以下の表記法を使用する:
CAD-RADS 0:0%/冠動脈疾患の存在なし
CAD-RADS 1:1~24%/最小の非閉塞性冠動脈疾患または狭窄のないプラーク(ポジティブリモデリング)
CAD-RADS 2:25~49%/軽度の非閉塞性冠動脈疾患
CAD-RADS 3:50~69%/中程度の狭窄
CAD-RADS 4:重度の狭窄
CAD-RADS 4A:70~99%の狭窄
CAD-RADS 4B:左冠動脈主幹部に50%超の狭窄、または3血管に閉塞性(70%以上の狭窄)疾患
CAD-RADS 5:100%/全閉塞
CAD-RADS N:非診断検査。
【0125】
以下の修飾子も使用される:
修飾子N:非診断
修飾子S:ステント
修飾子G:グラフト
修飾子V:脆弱性
【0126】
例示的な患者分析概要ペイン68はまた、データセット分析の要約を言葉で提供する全体印象セクション80を含み、この例では、全体印象セクション80は、データセットに関連する患者について総冠動脈カルシウムスコアが523であり、石灰化プラークによる側LAD動脈の変形管腔狭小化が存在し、石灰化プラークによる遠位側LAD動脈の最小管腔狭小化が存在し、動脈分枝の管腔狭小化が存在する(50%未満)ことを示す。
【0127】
例示的な患者分析概要ペイン68はまた、重要な所見を有する各冠動脈の要約を言葉で提供する血管所見セクション82を含む。
【0128】
全体印象セクション80および血管所見セクション82の情報は、編集リンク83を使用して患者分析概要ペイン68から編集することができる。
【0129】
3Dモデルペイン70の例示的な表現を
図6に示す。例示的な3Dモデルペイン70は、データセットに関連する患者の冠動脈の3Dモデル84を含む。3Dモデル84は、患者の冠動脈のモデルとして機能し、特にこの例では冠動脈のセグメント化された壁を使用して、分析デバイス26によって生成されたデータを使用してUIコントローラ40によって生成される。
【0130】
3Dモデル84は、患者の大動脈86および冠動脈88の一部のモデルを含み、さらに、識別された冠動脈狭窄病変90および狭窄病変90の冠動脈上のそれぞれの位置を含む。各狭窄病変は、それぞれの狭窄病変特性に従って異なって表され、この例では、色を使用して狭窄の存在および狭窄の重症度を示す。
【0131】
3Dモデルペイン70は、色に従った狭窄重症度の表示を提供するための狭窄レベルカラーキー92を含む。この例では、狭窄を示すために以下の色が使用される:
0%の狭窄-灰色94;
1~24%の最小の狭窄-白96;
25~49%の軽度の狭窄-黄色98;
50~69%の中程度の狭窄-オレンジ色100;および
70~100%の重度の狭窄/閉塞-赤色102。
【0132】
ユーザは、例えばマウスまたはタッチスクリーンを使用して3Dモデル84上の血管を直接選択することによって、または血管ドロップダウンボックス104を使用して血管を選択することによって、血管を選択することができる。血管の選択後、血管スライス識別子106を使用して、この例では正方形フレームの形態で、血管スライスが3Dモデル84上にマークされる。
【0133】
3Dモデルペイン70はまた、選択されたときに、現在表示されている3Dモデル84のスナップショットを捕捉させるスナップショット選択ボタン108を含み、スナップショットは、以下でより詳細に説明するようにアノテーションを追加するために使用可能である。
【0134】
3Dモデルペイン70はまた、選択されたときに、血管スライス識別子106を最重要狭窄レベルを有する狭窄病変90上に配置させる最重要狭窄病変ボタン110を含む。
【0135】
3Dモデルペイン70はまた、3Dモデル84上の石灰化プラークを表示または非表示にするために使用可能な石灰化プラーク切替えボタン114を含む。
図20に示すように、石灰化プラーク切替えボタン114がオン位置に切り替えられると、判定された石灰化ボリューム192(この例では白色で示されている)が示される。
【0136】
この例では、カルシウムスコア決定構成要素34を使用して、石灰化ボリューム192を示すデータが得られることが理解されよう。
【0137】
3Dモデルペイン70はまた、3Dモデル84上の脆弱プラークを表示または非表示にするために使用可能な脆弱プラーク切替えボタン114を含む。
図21に示すように、脆弱プラーク切替えボタン116がオン位置に切り替えられると、脆弱プラークの位置193がドット(この例では白色で示されている)を使用して3Dモデル84上に示される。
【0138】
この例では、脆弱プラークの位置193を示すデータは、冠動脈分析構成要素32を使用して得られることが理解されよう。
【0139】
この例では、ユーザは、例えばマウスを使用して、3Dモデル84の表示された向きを変更するように、3Dモデルペインに示される3Dモデル84を操作することができる。3Dモデルの向きは、1、2または3つの相互に直交する軸線周りに修正可能であってもよい。
【0140】
MPRペイン72の例示的な表現を
図7に示す。例示的なMPRペイン72は、CTスキャンデバイス12から得られたCTデータから導出され、3Dモデルペイン70上で選択された冠動脈122を示すMPR表現120を示す。この例では、
図6に示す3Dモデル84上でLAD冠動脈が選択されたため、LAD冠動脈がMPRペイン72に表示されている。
【0141】
MPR表現120に示される冠動脈122は、3Dモデルペイン70に示される血管スライス識別子106によってマークされた血管スライスに対応する血管スライスをマークする選択された血管スライス識別子124を含む。
【0142】
血管スライスは、3Dモデルペイン70上ではなく、ユーザによってMPR表現120上で選択されてもよく、これにより、血管スライス識別子106は、必要に応じて、MPR表現120上に示される血管スライス識別子124の位置に従って移動することが理解されよう。
【0143】
この例では、MPR表現120はまた、表示された冠動脈122上で同様に選択可能な近位側スライス識別子126および遠位側スライス識別子128を含む。
【0144】
この例では、MPR表現120はまた、表示された冠動脈122上に存在する石灰化ボリューム129の表現を含む。
【0145】
以下で説明するように、スライス識別子124、近位側スライス識別子126および遠位側スライス識別子128の位置は、血管スライスペイン74に表示される軸方向スライスビューを決定する。
【0146】
この例では、MPRペイン72はまた、
図18に示すように、選択されたときに、MPRペイン72に示される選択された冠動脈122上に中心線186を表示させる中心線ビューボタン130と、選択されたときに、ユーザが、例えば分析デバイス26によって検出されなかった冠動脈に対して新しい中心線を追加することを可能にする中心線追加ボタン131とを含む。
【0147】
本例では、新しい中心線を追加するために、ユーザはまず、表示された冠動脈122上で新しい中心線の初期位置を選択し、続いて新しい中心線について1つまたは複数のさらなる代表位置を選択する。これに応じて、新たな中心線がMPR表現120上に表示される。
【0148】
この例では、新しい中心線が追加された後、分析デバイス26は、新しい中心線を分析して血管壁のセグメント化を生成し、狭窄、プラークおよび/または脆弱プラークの存在を判定するために、内壁および外壁のセグメント化に基づいて疾患評価分析を実施する。
【0149】
このようにして、ユーザによるMPR表現との最小限のインタラクションに応答して、CAD分析システム10によって生成される結果は、以前に欠落した冠動脈を含むように改善することができる。
【0150】
MPRペイン72はまた、選択されたときに、現在表示されている3Dモデル84のスナップショットを捕捉させるスナップショット選択ボタン132を含み、スナップショットは、以下でより詳細に説明するようにアノテーションを追加するために使用可能である。
【0151】
MPRペイン72はまた、選択されたときに、
図7に示すように選択された冠動脈の自然な曲面表現を表示させるか、または
図19に示すように変換された直線表現190を表示させる、曲面ボタン134および直線ボタン136を含む。
【0152】
表示された冠動脈122は、狭窄病変が存在すると考えられる場合、狭窄病変の視覚的表示を含むことができる。例えば、狭窄病変の位置に対応する表示された冠動脈122の部分は、3Dモデル84で使用される狭窄重症度に対応する色など、異なる色で表示されてもよい。
【0153】
血管スライスペイン74の例示的な表現を
図8に示す。血管スライスペイン74は、3Dモデルペイン70およびMPRペイン72に示される血管スライス識別子106、124に対応する選択されたスライスの表現140、MPRペイン72に示される近位側血管スライス識別子126に対応する近位側スライスの表現142、およびMPRペイン72に示される遠位側血管スライス識別子128に対応する遠位側スライスの表現144を示す。
【0154】
スライス表現140、142、144の各々は、冠動脈分析構成要素32、特に冠動脈分析構成要素32の機械学習支援中心線追跡および壁セグメント化構成要素によって患者CTデータセットに対して実行された分析に従って導出される内側血管壁アノテーション146および外側血管壁アノテーション148を含む。
【0155】
スライス表現140、142、144の各々は、オフ位置に切り替えられたときに壁アノテーション146、148を表示から除去する壁アノテーション切替えボタン150を含む。
【0156】
スライス表現140、142、144の各々はまた、選択されたときに、現在表示されているスライス表現140、142、144のスナップショットを捕捉させるスナップショット選択ボタン152を含み、スナップショットは、以下でより詳細に説明するようにアノテーションを追加するために使用可能である。
【0157】
スライス表現140、142、144の各々はまた、スライス表現が関連する選択された冠動脈122の特定のスライスを識別するスライス標識154を含む。例えば、
図8に示す例では、選択されたスライスの表現140は、選択された冠動脈122の90番目のスライスに関連する。
【0158】
選択されたスライスの表現140はまた、選択されたスライスが関連する狭窄病変の最大狭窄レベルを示す狭窄レベルボックス156と、狭窄病変に存在するプラークのタイプを示すプラークタイプボックス158と、狭窄病変に存在する脆弱プラークのタイプを示す脆弱プラークラベル160とを含む。本例では、脆弱プラークラベル160は、低減衰プラークラベル162、ポジティブリモデリングラベル164、および斑点状石灰化ラベル166を含む。
【0159】
この例では、狭窄レベルボックス156の色は、ユーザが狭窄レベルボックス156の色に基づいて狭窄病変の狭窄レベルを迅速に識別することができるように、3Dモデル84に示されるそれぞれの狭窄病変90の色と同じである。
【0160】
表示されたスライス表現140、142、144は、狭窄病変が存在すると考えられる場合、狭窄病変の視覚的表示を含むことができる。例えば、狭窄病変の位置に対応するスライス表現140、142、144は、3Dモデル84で使用される狭窄重症度に対応する色など、異なる色で表示されてもよい。
【0161】
狭窄レベルボックス156に示される狭窄レベル、プラークタイプボックス158に示されるプラーク分類、および脆弱プラークラベル160によって示される脆弱プラークは、冠動脈分析構成要素32によって患者CTデータセットに対して実行される分析に従って判定される。
【0162】
図8に示すように、
図6および
図7に示す選択されたスライスに対応し、血管スライスインジケータ106でマークされた軸方向スライス表現140は、狭窄の証拠、プラーク、および脆弱プラークがないと考えられる。
【0163】
図9および
図10に示すように、狭窄病変90に関連する狭窄、プラーク、および脆弱プラークの情報は、例えば、狭窄病変90の上にマウスをホバーさせることによって、狭窄病変情報ボックス168を表示させ、3Dモデル84上で見ることもできる。狭窄病変情報ボックス168は、例えば、冠動脈88上の選択された位置に対応する現在のスライスを示すスライス標識170、選択された狭窄病変90上の最大狭窄レベルを示す最大狭窄標識172、存在する場合、狭窄病変90上に存在する石灰化プラークのタイプを示す石灰化プラーク標識174、および存在する場合、狭窄病変90上に存在する脆弱プラークのタイプを示す脆弱プラーク標識を含むことができる。
【0164】
図11は、
図10に示す選択されたスライスに対応し、血管スライスインジケータ106でマークされた軸方向スライス表現140を示す。図示のように、
図11の軸方向スライス表現140は、1~24%の狭窄を有する狭窄病変の一部と考えられ、したがって、狭窄レベルボックス156は、1~24%の狭窄レベルに対応する色で示されている。
図11の軸方向スライス表現140はまた、石灰化プラークおよび脆弱プラーク(ポジティブリモデリング)を含むと考えられる。
【0165】
図11に示すように、軸方向スライス表現140は、内側血管壁146と外側血管壁148との間の石灰化ボリューム180を示し、結果として外側血管壁は変形している。表示された石灰化ボリュームは、例えば、各プラークタイプに異なる色を割り当て、判定されたプラークタイプに対応する色で石灰化ボリュームを表示することによって、プラークタイプの視覚的表示を含むことができる。
【0166】
さらなる例示的なスライス、狭窄病変90、および関連する軸方向スライス表現140を
図12および
図13に示す。
図13に示すように、軸方向スライス表現140は、50~69%の狭窄レベル156、石灰化プラーク158、およびポジティブリモデリング164を示す。
【0167】
さらなる例示的なスライス、狭窄病変90、および関連する軸方向スライス表現140を
図14および
図15に示す。
図15に示すように、軸方向スライス表現140は、1~24%の狭窄レベル156、混合石灰化158、および斑点状石灰化166を示す。
【0168】
図16に示すように、狭窄病変に対してシステム10によって判定された狭窄レベルが不正確であるとユーザが考える場合、ユーザは、狭窄レベルボックス156およびドロップダウン狭窄選択リスト182を使用して狭窄レベルを編集することができる。同様に、
図17に示すように、狭窄病変90に対してシステム10によって判定されたプラークタイプが不正確であるとユーザが考える場合、ユーザは、プラークタイプボックス156およびドロップダウン石灰化選択リスト184を使用してプラークタイプを編集することができる。
【0169】
図4に示す患者概要画面を参照すると、CTボリュームボタン76を選択すると、
図22に示すCTボリューム画面194が表示される。
【0170】
CTボリューム画面194は、利用可能なCTスキャンを表すタイル、この例では、スキャンメニュー46で選択されたデータセットの非造影スキャンに関連する非造影タイル198、およびデータセットの造影スキャンに関連する造影タイル200を含む検査ペイン196と、カルシウムCTボリュームを示すCTボリュームペイン202と、スクロールバー206、位置インジケータ208およびカルシウム標識210が設けられたスクロールバーペイン204とを含む。
【0171】
造影タイル198を選択すると、
図23に示すように、マルチビュー画面195が表示される。マルチビュー画面は、CTボリュームペイン202およびスクロールバーペイン204の代わりに、体軸方向ビューペイン212、矢状方向ビューペイン214、冠状方向ビューペイン216、およびMPRビューペイン218を含む。体軸方向ビューペイン212は、CTボリュームの体軸方向表現を示し、矢状方向ビューペイン214は、CTボリュームの矢状方向表現を示し、冠状方向ビューペイン216は、CTボリュームの冠状方向表現を示し、MPRビューペイン218は、CTボリュームのMPR表現を示す。体軸方向表現、矢状方向表現、冠状方向表現、およびMPR表現は、これらの表現の1つが修正されたとき、他の表現も同様に修正されるように同期され、その結果、見ることが望まれる特定の特徴が複数のビューに示される。
【0172】
スクロールバー206は、CTボリュームの軸方向スライスのセットを表し、位置インジケータ208は、CTボリュームペイン202に示される体軸方向CTボリュームスライス203を選択するために使用される。カルシウム標識210は、CTボリューム内の石灰化ボリュームのそれぞれの体軸方向位置を示す。
【0173】
スクロールバー206の拡大図を
図25に示す。図示のように、この例におけるカルシウム標識210は、それぞれのCTボリュームスライスが冠動脈石灰化ボリュームを含む場合、石灰化ボリュームが位置する特定の冠動脈を示す線の色、および石灰化のサイズを示す線の長さなどの線の特性を有する線220を含む。
図26に示すように、線220に隣接して位置インジケータ208を配置すると、関連する冠動脈の指定された色に対応する色の線220に関連する石灰化ボリューム222を含む、関連する体軸方向CTスライス表現203がCTボリュームペイン202に表示される。例えばマウスまたはタッチスクリーンを使用して線220を選択することにより、関連する体軸方向CTスライス表現203を、線220に関連する石灰化ボリューム222と共にCTボリュームペイン202に表示させることができる。
【0174】
図27に示すように、例えば石灰化ボリューム222上でマウスをホバーさせたことに応答して、血管ラベル224が、石灰化ボリューム222に隣接して表示され得る。
【0175】
ユーザは、スクロールバー26を使用して、
線220の数および分布によって冠動脈石灰化の程度の表示を迅速に受信する;
カルシウム標識210のそれぞれの位置に基づいて、患者の冠動脈石灰化ボリュームのそれぞれの体軸方向位置の指示を迅速に受信する;
カルシウム標識210の色によって石灰化を含む冠動脈を迅速に識別する;および
線220のサイズによって石灰化の相対サイズを判定する
ことができることが理解されよう。
【0176】
図28に示すように、システム10は、例えば、表示された血管ラベル224を選択し、血管選択リスト226から冠動脈を選択することによって、システム10によって石灰化ボリューム222に割り当てられた冠動脈の編集を容易にするように構成することができる。
【0177】
さらなる石灰化ボリューム228が
図29に示されており、線220はさらなる石灰化ボリューム228に関連し、さらなる石灰化ボリューム228は、さらなる石灰化ボリュームが異なる冠動脈に関連すると考えられることを示すために異なる色などで異なって表されている。
図29に示すように、非冠動脈カルシウム230も表示することができ、カルシウムが冠動脈に関連していないことを示すために「その他」などのラベルを表示することができる。非冠動脈カルシウム230は、冠動脈に配置された石灰化とはさらに異なる色で表示されてもよい。
【0178】
例示的なマルチビュー画面195が
図31~
図33に示されており、マルチビュー画面195は、体軸方向ビューペイン212内のCTボリュームの体軸方向表現234、矢状方向ビューペイン214内のCTボリュームの矢状方向表現236、冠状方向ビューペイン216内のCTボリュームの冠状方向表現238、およびMPRビューペイン218内のCTボリュームの選択された血管のMPR表現240を含む。
【0179】
MPR表現240は、MPRビューペイン218に表示された血管の選択された位置を示す役割を果たす選択された血管スライスインジケータ244を含む。体軸方向表現234、矢状方向表現236、および冠状方向表現238は、体軸方向表現234、矢状方向表現236、および冠状方向表現238の各々が選択された血管位置に対応するボクセルの異なるビューを示すという点で、血管の選択された位置と同期しており、ボクセルは、マーカデバイス242、この例では表現の中央に配置された円を使用して示される。
【0180】
この例では、体軸方向表現234、矢状方向表現236、および冠状方向表現238の各々のマーカデバイスはまた、体軸方向表現234が体軸方向法線246を含み、冠状方向表現238が冠状方向法線247を含み、矢状方向表現236が矢状方向法線248を含むように、表示された平面に垂直な線を表す。この実施形態では、体軸方向法線246、冠状方向法線247、および矢状方向法線248は、異なる色などで異なって表される。例えば、体軸方向法線246は青色で表されてもよく、冠状方向法線247は黄色で表されてもよく、矢状方向法線248は赤色で表されてもよい。
図31~
図33に示すように、マーカデバイス242、この例では円は、表示された体軸方向表現、冠状方向表現、または矢状方向表現の平面に垂直な関連する線の色で表される。体軸方向法線246は、頭部から足部まで人の中心を通って延びる線に対応し、冠状方向法線247は、体軸方向法線246に垂直で、人を前から後に通って延びる線に対応し、矢状方向法線248は、体軸方向法線246および冠状方向法線247に垂直で、人を左から右に通って延びる線に対応することが理解されよう。
【0181】
この例では、MPRビューペイン218とインタラクトすることによって、ユーザは、例えば血管ビューを回転させるように、血管のMPRビューを変更することができる。この例では、これは、マウスをクリックし、同時にマウスを左または右に移動させることによって達成することができるが、これを達成するための任意の適切なインターフェース構成が想定されることが理解されよう。ユーザはまた、表示された血管に沿って、選択された血管スライスインジケータ244を移動させることができ、これにより、
図32に示すように、マーカデバイス242が移動され、それによって体軸方向表現、冠状方向表現、および矢状方向表現が、選択された血管位置と同期したままになるように変更される。
【0182】
この例では、体軸方向ビューペイン212、矢状方向ビューペイン214、または冠状方向ビューペイン216とインタラクトすることによって、ユーザが、それぞれの法線に沿ってビュー位置を変更することができる。例えば、マウスポインタが体軸方向表現234上に配置された状態でマウスをクリックし、同時にマウスを上下に移動させると、体軸方向法線246に沿った異なる位置が選択され、したがって体軸方向法線246に沿った異なる位置に対応する異なる体軸方向表現が表示される。同様に、例えば、マウスポインタが冠状方向表現238上に配置された状態でマウスをクリックし、同時にマウスを上下に移動させると、冠状方向法線246に沿った異なる位置が選択され、したがって冠状方向法線247に沿った異なる位置に対応する異なる冠状方向表現が表示される。
【0183】
さらに、この例では、システムは、ユーザが体軸方向表現234、矢状方向表現236、および冠状方向表現238の少なくとも1つとインタラクトして、体軸方向法線246、冠状方向法線247、および矢状方向法線248の1つまたは複数の向きを変更し、それによって表示された表現の向きを変更することができるように構成される。例えば、
図31~
図33に示す例では、体軸方向ビューペイン212および冠状方向ビューペイン216に最もよく示されている矢状方向法線248には、ユーザによって選択可能であり、表示された法線をマーカデバイス242の周りに回転させるために使用可能な少なくとも1つの回転ハンドル249が設けられている。
【0184】
例えば、
図33に示すように、体軸方向表現234上の回転ハンドル249、この例では矢状方向法線248上に配置された回転ハンドル249を選択すると、冠状方向法線247および矢状方向法線248の両方がマーカデバイス242の周りに回転し、矢状方向ビューペイン214および冠状方向ビューペイン216に示される表現は、冠状方向法線247および矢状方向法線248に垂直なマーカデバイスを通過するそれぞれの平面に従って変更される。この例では、同様の回転ハンドル249が、冠状方向ビューペイン216に示される矢状方向線248上にも配置されている。
【0185】
この例では、回転ハンドル249の選択および関連する法線の回転は、回転ハンドル249上にマウスポインタを配置し、マウスをクリックし、同時にマウスを移動させることによって行うことができるが、これを達成するための任意の適切なインターフェース構成が想定されることが理解されよう。
【0186】
マルチビュー画面195を使用して、ユーザは、例えばMPRビュー240を使用して、血管上の関心のある位置、例えば血管上の狭窄位置を容易に選択することができ、それぞれの体軸方向法線、冠状方向法線または矢状方向法線に沿って選択された位置を表示させることによって、および/または体軸方向法線、冠状方向法線または矢状方向法線の向きを変更することによって、関心のある位置の複数の所望のビューを表示することができることが理解されよう。
【0187】
スナップショットボタン108、132、152の選択に応答して表示される例示的なスナップショットアノテーション画面240を
図30に示す。アノテーション画面240を使用して、ユーザは、アノテーションテキスト242およびアノテーション矢印244などの標識を追加することができる。
図4に示す患者概要画面を参照すると、レポートレビューボタン77を選択すると、
図34に示すレポート画面250が表示される。
【0188】
レポート画面250は、患者情報ペイン252、患者分析概要セクション254、冠動脈印象セクション256、重要な冠動脈所見セクション258、その他の所見セクション260、ならびにステータスおよび編集ペイン262を含む。
【0189】
患者情報ペイン252の例示的な表現を
図35に示す。患者情報ペイン252は、患者識別セクション、臨床指示セクション266、および処置詳細セクション268を含む。
【0190】
患者分析概要セクション254の例示的な表現を
図36に示す。この例の患者分析概要セクション254は、カルシウムスコア270、民族性情報272、最大狭窄レベル274、脆弱プラーク情報276、CAD-RADS分類278、およびセグメント内包スコア280を含む。
【0191】
冠動脈印象セクション256、重要な冠動脈所見セクション258、およびその他の所見セクション260の例示的な表現を
図37に示す。
【0192】
ステータスおよび編集ペイン262の例示的な表現を
図38に示す。ステータスおよび編集ペイン262は、レポート編集ボタン282を選択することによってレポート所見の編集を容易にするために、レポートステータスボックス286を使用してレポートのステータスを変更するために、および承認ボックス284を使用してレポートを承認するために使用される。
【0193】
ステータスおよび編集ペイン262はまた、アノテーション付きスクリーンショットに関連するスクリーンショットタイル290を含む。
【0194】
このシステムは、別の報告書の所見が関連し、訂正が必要な場合には、レポート所見の編集により、別の報告書の所見も変更されるように構成される。例えば、ユーザが狭窄レベル所見を修正し、新しい狭窄所見が異なるCAD-RAD分類に対応する場合、システムは、CAD-RAD所見の訂正も行う。
【0195】
一実施形態では、CAD分析システム10の分析デバイス26の動作は、ユーザインターフェース53を使用して行われた訂正にも応答する。
【0196】
例えば、上述したように、冠動脈の内壁および外壁の判定、および壁に基づくその後のCAD分析は、ユーザによる新しい中心線の追加に応答して実施されてもよく、その結果、分析デバイス26によって当初は識別されなかった冠動脈のCAD分析結果が、ユーザインターフェース53を介してユーザに伝達され得る。
【0197】
CAD分析システムの代替実施形態のユーザインターフェースの例示的な画面を
図39~
図47に示す。
【0198】
この実施形態では、CAD分析システムは、ユーザインタラクションに応答して、例えば狭窄の存在および重症度、カルシウムスコアの計算、ならびに脆弱プラークの検出および特性評価に関する疾患評価判定を伝達するように構成される。例えば、一実施形態では、血管上に狭窄病変が存在するというユーザからの指示に応答して、システムは、3Dモデル84上に狭窄病変を表示し、ユーザが識別した狭窄病変に関連する予測狭窄レベルを含む自動生成された狭窄情報を表示するように構成される。表示された狭窄情報は、ユーザによって編集可能であり得る。
【0199】
本例では、CAD分析システムは、例えば狭窄の存在および重症度、カルシウムスコアの計算、ならびに脆弱プラークの検出および特性評価に関して疾患評価判定を自動的に行うように構成されるが、少なくともいくつかのそのような判定は、ユーザ入力に応答してのみ、ユーザに伝達される。
【0200】
図39は、代替的な特許概要画面300を示す。同様および類似の特徴は、同様の参照番号で示されている。図示のように、ユーザインタラクションの前に、3Dモデル84は、冠動脈88上に存在し得る狭窄病変に関する情報を含まず、スライス表現140、142、144に対する予測情報は提供されない。
【0201】
患者概要画面300は、ユーザが血管88をレビューした後にこれが適切であるとユーザが考える場合、選択された血管88上にアテローム性動脈硬化症が存在しないと考えられることを示すために使用可能なアテローム性動脈硬化症選択ボックス302を含む。
【0202】
ユーザは、血管レビュー中にユーザが血管88上に狭窄病変が存在すると考える場合、例えばMPR表現120上の関連する位置を右クリックすることによって、狭窄病変に対応する血管88上の位置を選択することができる。
【0203】
図40に示すように、ユーザによる狭窄病変の識別の前に、上記実施形態の結果概要セクション78と同様の結果概要セクション304は、総カルシウムスコア情報のみを含む。残りの結果要約情報は、狭窄病変または脆弱プラーク(この実施形態では「プラーク特徴」と呼ばれる)がユーザによってまだ識別されていないことを反映している。
【0204】
この例では、結果概要セクション304は、以下の情報フィールドを含む:
カルシウム(Agatston)スコア;
データセットにおいて判定された狭窄の最高レベルを示す最大狭窄レベル;
データセットに存在するプラーク特徴(存在する場合)の表示;
関連するCAD-RADS分類;および
データセットに存在する狭窄病変の数を示すセグメント内包スコア。
【0205】
血管スライスペイン74および多断面再構成(MPR)ペイン72の拡大図を
図41および
図42に示す。例えば、対応するスライス表現140が狭窄を示すと考えられるため、ユーザが狭窄病変に対応すると考えられる血管122上の位置305を選択した場合、システムは、
図43および
図44に示すように、狭窄病変90を3Dモデル84上に、およびスライス表現140に隣接して関連する狭窄病変情報を自動的に表示する。
【0206】
この例では、予測狭窄病変特性は、冠動脈分析構成要素32によって患者CTデータセットに対して実行された分析を使用して、
図3~
図38に関連して説明した上記の実施形態と同じ方法で導出される。
【0207】
しかしながら、狭窄病変特性を含む血管特性を自動的に表示する代わりに、本実施形態では、血管特性は、既に判定されていても、スライス表現140に関連するスライスがユーザによって選択された後にのみ、3Dモデル84上に、およびスライス表現140に隣接して表示される。しかしながら、他の構成も可能であることが理解されよう。例えば、代替の構成では、システムは、ユーザが血管スライスを選択した後にのみ、狭窄病変特性を含む関連する血管特性を判定するように構成される。
【0208】
本例では、狭窄病変特性は、選択されたスライスが関連する狭窄病変の最大狭窄レベルを示す狭窄レベルボックス156と、狭窄病変に存在するプラークのタイプを示すプラークタイプボックス158と、狭窄病変に存在する脆弱プラークのタイプを示すプラーク特徴ラベル160とを含む。本例では、脆弱プラークラベル160は、低減衰プラークラベル162、ポジティブリモデリングラベル164、斑点状石灰化ラベル166、およびナプキンリングサインラベル167を含む。
【0209】
上記の実施形態と同様に、狭窄病変90の色および狭窄レベルボックス156は、ユーザが色に基づいて狭窄病変90の狭窄レベルを迅速に識別することができるように、狭窄病変の重症度を表す。
【0210】
本例では、追加された狭窄病変は、システムによって「中程度:50~69%」として自動的にカテゴリー分けされ、関連するプラーク特徴は存在しないと考えられる。
【0211】
ユーザは、すべての関連する狭窄病変が識別されたと考えられるまで、現在の冠動脈88にさらなる狭窄病変90を追加することができ、次いで、ユーザは、血管承認ボックス306を選択して、関連する血管が狭窄病変を識別する目的でレビューされたことを示す。
【0212】
図45に示すように、少なくとも1つの狭窄病変90が追加された後、結果概要画面68は、狭窄病変90に関連する情報を含むように自動的に修正される。したがって、この例では、最大狭窄レベルは現在50~69%であり、プラーク特徴は「なし」であり、関連するCAD-RADS分類は3であり、セグメント内包スコアは1である。
【0213】
ユーザによる狭窄病変の選択後に自動的に判定および表示される狭窄病変特性は、ユーザによって編集可能であり、ユーザの編集に応答して、表示される狭窄病変特性は変更され得る。この例では、内壁および外壁ならびに血管中心線に加えて、ユーザは、狭窄レベルボックス156、プラークタイプボックス158、およびプラーク特徴ラベル160を編集することができる。例えば、ユーザが狭窄レベルボックス156を編集して、狭窄病変が「中程度:50~69%」ではなく「重度:70~100%」としてカテゴリー分けされるべきであることを示す場合、
図46に示すように、3Dモデルに示される狭窄病変の色は赤色に変更され、結果概要画面68の情報も、ユーザが修正した狭窄レベルを反映するように変更される。
【0214】
この例では、患者概要画面300はまた、選択されたときに、自動判定された測定値を表示させる測定値切替えボックスを含む。この例では、測定値は、血管およびプラークスライス面積値310、血管要約情報312、ならびに総プラーク体積値314を含む。
【0215】
以下の特許請求の範囲および前述の説明では、文脈が明示的な言語または必要な含意のためにそうでないことを必要とする場合を除いて、「含む(comprise)」という単語または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変形は包括的な意味で使用され、すなわち、記載された特徴の存在を特定するが、様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除するものではない。
【0216】
当業者に明らかであるような修正および変形は、本発明の範囲内にあると考えられる。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、冠動脈疾患(CAD)分析システムであって、CAD分析システムが、
受信した患者CTスキャンデータを分析し、患者CTスキャンデータ内の冠動脈疾患の存在および特性評価を示すCAD分析データを生成するように構成されたCAD分析デバイスであって、CAD分析データが、冠動脈上の少なくとも1つの個々の狭窄病変および狭窄病変の特性評価を示す、CAD分析デバイスを備え、
CAD分析システムが、個々の狭窄病変の開始スライスおよび終了スライスを識別することによって冠動脈上の個々の狭窄病変の開始位置および終了位置を識別するように構成され、CAD分析システムが、開始スライスと終了スライスとの間の全てのスライスを個々の狭窄病変に属するものとして分類するように構成され、
CAD分析システムが、患者CTスキャンデータに基づいて患者の冠動脈のモデルを表示するユーザインターフェースであって、モデルが、個々の狭窄病変および個々の狭窄病変の特性評価をユーザに視覚的に表示し、その結果、ユーザが、視覚的表示に基づいて各個々の狭窄病変の存在および特性評価を識別することができるように構成された、ユーザインターフェースを備え、
個々の狭窄病変の特性評価が、個々の狭窄病変の狭窄レベルを含む、冠動脈疾患(CAD)分析システムが提供される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
本発明の第2の態様によれば、冠動脈疾患(CAD)分析システムであって、
患者CTスキャンデータ内の冠動脈上の石灰化プラークの存在を示すCADデータを受信するように構成されたCAD分析デバイスと;
ユーザインターフェースであって、
ユーザ制御可能な位置インジケータを有するスクロールバーと、スクロールバーに隣接して配置された冠動脈カルシウム標識とを表示するように構成され、スクロールバーに対する位置インジケータの位置は、患者CTスキャンデータに関連するCTボリュームの軸線に沿ったそれぞれの位置を示し、各冠動脈カルシウム標識は、スクロールバー上の位置インジケータの相対位置に対応するCTスキャンデータの体軸方向位置での冠動脈石灰化の総量を示し;および
位置インジケータが冠動脈カルシウム標識に隣接して配置されている場合、冠動脈カルシウム標識に関連する、CTボリュームの体軸方向位置での冠動脈石灰化を示す情報を表示するように構成される
ユーザインターフェースと
を備える、冠動脈疾患(CAD)分析システムが提供される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冠動脈疾患(CAD)分析システムであって、
前記CAD分析システムが、
受信した患者CTスキャンデータを分析し、前記患者CTスキャンデータ内の冠動脈疾患の存在および特性評価を示すCAD分析データを生成するように構成されたCAD分析デバイスであって、前記CAD分析データが、冠動脈上の少なくとも1つの個々の狭窄病変および前記狭窄病変の特性評価を示
す、CAD分析デバイスを備え、
前記CAD分析システムが、
前記個々の狭窄病変の開始スライスおよび終了スライスを識別することによって前記冠動脈上の前記個々の狭窄病変の開始位置および終了位置を識別するように構成され
、前記CAD分析システムが、前記開始スライスと前記終了スライスとの間の全てのスライスを前記個々の狭窄病変に属するものとして分類するように構成され、
前記CAD分析システムが、前記患者CTスキャンデータに基づいて患者の冠動脈のモデルを表示するユーザインターフェースであって、前記モデルが、個々の狭窄病変および前記個々の狭窄病変の特性評価をユーザに視覚的に表示し、その結果、前記ユーザが、前記視覚的表示に基づいて各個々の狭窄病変の存在および特性評価を識別することができるように構成された、ユーザインターフェー
スを備え
、
前記個々の狭窄病変の前記特性評価が、前記個々の狭窄病変の狭窄レベルを含む、冠動脈疾患(CAD)分析システム。
【請求項2】
前記特性評価が、
脆弱プラークの存在および脆弱プラークのタイプの表示;
プラークの存在およびプラークのタイプの表示;
病変番号;および/または
動脈スライス番号
も含む、請求項
1に記載のCAD分析システム。
【請求項3】
前記狭窄レベルが、色を使用して前記ユーザに視覚的に伝達される、請求項
1または
2に記載のCAD分析システム。
【請求項4】
前記狭窄レベルが、狭窄レベルカラーキーの複数の色のうちの規定色で前記個々の狭窄病変に関連する冠動脈の部分を表示することによって視覚的に伝達され、前記規定色が、前記病変の前記狭窄レベルに対応する、請求項
3に記載のCAD分析システム。
【請求項5】
前記個々の狭窄病変および前記個々の狭窄病変の特性評価の前記視覚的表示が、ユーザ入力に応答して表示される、請求項1~
4のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項6】
前記個々の狭窄病変および前記個々の狭窄病変の特性評価の前記視覚的表示が、狭窄病変に対応すると考えられる冠動脈上の位置をユーザが選択したことに応答して表示される、請求項
5に記載のCAD分析システム。
【請求項7】
前記CAD分析デバイスが、ユーザによって選択された冠動脈上の少なくとも1つの位置に関連する受信した患者CTスキャンデータを分析し、前記ユーザによる前記位置の前記選択に応答して、前記冠動脈上の少なくとも選択された前記位置における冠動脈疾患の存在および特性評価を示すCAD分析データを生成するように構成される、請求項
6に記載のCAD分析システム。
【請求項8】
前記冠動脈のモデルが、冠動脈の選択されたスライスを示すように構成された第1の血管スライス識別子を含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項9】
前記第1の血管スライス識別子が、前記選択されたスライスに対応する前記冠動脈上の位置で前記冠動脈の周りのフレームを表すグラフィック識別子を含む、請求項
8に記載のCAD分析システム。
【請求項10】
前記ユーザインターフェースが、最重要病変を示すように構成される、請求項1~
9のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項11】
表示された前記冠動脈のモデルが、冠動脈の3Dモデルであり、前記3Dモデルの向きが、ユーザによって、1、2または3つの相互に直交する軸線周りに修正可能である、請求項1~
10のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項12】
前記ユーザインターフェースが、少なくとも選択された冠動脈の多断面再構成(MPR)表現を含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項13】
前記MPR表現が、前記選択された冠動脈の選択されたスライスを示すように構成された第2の血管スライス識別子を含む、請求項
12に記載のCAD分析システム。
【請求項14】
前記第2の血管スライス識別子が、前記選択されたスライスに対応する前記選択された冠動脈上の位置で前記選択された冠動脈を通る線を表すグラフィック識別子を含む、請求項
13に記載のCAD分析システム。
【請求項15】
前記第1および第2の血管スライス識別子が、前記第1および第2の血管スライス識別子の一方を使用して血管スライスを選択することにより、前記第1および第2の血管スライス識別子の他方を使用して対応する血管スライスが選択されるように同期される、請求項
8に従属する場合の請求項
14に記載のCAD分析システム。
【請求項16】
前記MPR表現が、曲面多断面再構成(CPR)または直線的多断面再構成(SPR)である、請求項
12~
15のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項17】
前記ユーザインターフェースが、選択された冠動脈スライスにおける選択された冠動脈の軸方向スライス表現をさらに含む、請求項1~
16のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項18】
前記軸方向スライス表現が、内側および外側血管壁アノテーションを含む、請求項
17に記載のCAD分析システム。
【請求項19】
前記軸方向スライス表現に関して、前記ユーザインターフェースが、前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変に関する狭窄病変特有情報をさらに含む、請求項
15または
18に記載のCAD分析システム。
【請求項20】
前記選択されたスライスに関連する前記病変特有情報が、
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変の狭窄レベル;
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変上に存在するプラークのプラークタイプ情報;および/または
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変上に存在する脆弱プラークの脆弱プラークタイプ情報
を含む、請求項
19に記載のCAD分析システム。
【請求項21】
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変の前記狭窄レベルが、前記冠動脈の前記モデル上に前記狭窄病変を表示するために使用される前記色を使用して、前記狭窄病変に対応する前記MPR表現の部分を表示することによって伝達される、請求項
3に従属する場合の請求項
20に記載のCAD分析システム。
【請求項22】
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変の前記狭窄レベルが、前記冠動脈の前記モデル上に前記狭窄病変を表示するために使用される前記色を使用して、前記狭窄レベルを示すテキストを表示することによって伝達される、請求項
3に従属する場合の請求項
20に記載のCAD分析システム。
【請求項23】
前記MPR表現が、前記選択された冠動脈の近位側スライスを示すように構成された近位側血管スライス識別子を含み、前記近位側スライスが、前記選択された血管スライス識別子よりも大動脈の近位側に位置し、前記ユーザインターフェースが、前記冠動脈の近位側スライスにおける前記選択された冠動脈の近位側スライス表現をさらに含む、請求項
17~
22のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項24】
前記MPR表現が、前記選択された冠動脈の遠位側スライスを示すように構成された遠位側血管スライス識別子を含み、前記遠位側スライスが、前記選択された血管スライス識別子よりも大動脈の遠位側に位置し、前記ユーザインターフェースが、前記冠動脈の遠位側スライスにおける前記選択された冠動脈の遠位側スライス表現をさらに含む、請求項
17~
23のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項25】
前記選択されたスライスが関連する前記狭窄病変の前記狭窄レベルが、前記冠動脈の前記モデル上に前記狭窄病変を表示するために使用される前記色を使用して、前記選択されたスライスの少なくとも一部を表示することによってユーザに伝達される、請求項4に従属する場合の請求項
17~
24のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項26】
前記ユーザインターフェースが、ユーザ入力に応答して冠動脈中心線を表示するように構成される、請求項1~
25のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項27】
前記中心線の経路が、ユーザによって編集可能である、請求項
26に記載のCAD分析システム。
【請求項28】
前記ユーザインターフェースが、ユーザが冠動脈に関連する新しい中心線を追加することを可能にするように構成される、請求項
26または
27に記載のCAD分析システム。
【請求項29】
前記ユーザインターフェースが、ユーザ入力に応答して前記冠動脈のモデル上に石灰化ボリュームの表現を表示するように構成される、請求項1~
28のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項30】
前記ユーザインターフェースが、ユーザ入力に応答して前記冠動脈のモデル上に脆弱プラークの位置を示す情報を表示するように構成される、請求項1~
29のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項31】
前記ユーザインターフェースが、表示された情報のスナップショットを表示し、前記スナップショットへのユーザによるアノテーションの追加を容易にするように構成される、請求項1~
30のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項32】
前記ユーザインターフェースが、患者分析要約情報を表示するように構成される、請求項1~
31のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項33】
前記患者分析要約情報が、
前記CTスキャンデータに関連するすべての病変の最大狭窄レベルを示す最大狭窄レベル;
前記CTスキャンデータ内に存在するすべての脆弱プラークの表示;
プラークの存在およびプラークのタイプの表示;
CACスコア;
CAD-RADS分類;および/または
前記CTスキャンデータ内の病変の数を示す病変内包スコア
を含む、請求項
32に記載のCAD分析システム。
【請求項34】
前記ユーザインターフェース上に表示された少なくともいくつかのCAD関連情報が、ユーザによって編集可能である、請求項1~
33のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項35】
前記ユーザインターフェースが、前記患者CTスキャンデータに関連するCTボリュームの複数のCTボリューム表現を同時に表示するように構成され、各CTボリューム表現が、異なる向きで前記CTボリュームを通って延びる平面に沿って取られ、表示された前記複数のCTボリューム表現が、共通のCTボリューム位置を有する、請求項1~
34のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項36】
前記CTボリューム表現が、互いに直交する向きで前記CTボリュームを通って延びる平面に対応する、請求項
35に記載のCAD分析システム。
【請求項37】
前記CTボリューム表現が、体軸方向平面、冠状方向平面、および矢状方向平面に対応する、請求項
36に記載のCAD分析システム。
【請求項38】
前記インターフェースが、CTボリューム表現上に、別のCTボリューム表現に関連する平面を示す平面標識を表示するように構成され、ユーザが前記平面標識とインタラクトして、前記他のCTボリューム表現に関連する前記平面を修正し、それによって表示された前記他のCTボリューム表現を修正することを可能にするように構成される、請求項
35~
37のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項39】
前記平面標識が、前記平面標識に関連する平面の向きを変更するように修正可能である、請求項
38に記載のCAD分析システム。
【請求項40】
前記平面標識が、前記他のCTボリューム表現に関連する前記平面に垂直な線である、請求項
38または
39に記載のCAD分析システム。
【請求項41】
前記インターフェースが、現在のCTボリューム表現に関連する平面に平行な異なる平面に関連するCTボリューム表現を選択的に表示するように、ユーザが前記CTボリュームの前記複数のCTボリューム表現の少なくとも1つのCTボリューム表現を修正することを可能にするように構成される、請求項
36~
40のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項42】
前記インターフェースが、現在のCTボリューム表現の前記平面に平行な異なる平面に関連する異なるCTボリューム表現の表示に応答して、別のCTボリューム表現上の平面標識の位置を修正するように構成される、請求項
35~
37のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項43】
前記ユーザインターフェースが、前記CTボリュームの前記複数のCTボリューム表現を有する選択された血管の血管MPR表現を表示するように構成され、前記共通のCTボリューム位置が、前記血管MPR上の選択された位置である、請求項
35~
42のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項44】
前記ユーザインターフェースが、ユーザが前記血管MPR上の前記選択された位置を移動させ、前記血管MPR上の前記選択された位置と同期して前記CTボリュームの表示された前記複数のCTボリューム表現を変更することを可能にするように構成され、その結果、前記共通のCT位置が、前記血管MPR上の移動された前記位置に従って変更される、請求項
43に記載のCAD分析システム。
【請求項45】
前記CAD分析システムが、ユーザが表示されたCAD分析情報を修正および/または追加することを可能にするように構成され、それに応じて、前記分析デバイスが、前記修正および/または追加を考慮して前記患者CTスキャンデータを再分析するように構成される、請求項1~
44のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項46】
前記ユーザインターフェースが、複数のビューペインを含み、各ビューペインが、特定の情報および/または前記情報の特定の表現に関連付けられ、前記CAD分析システムが、表示された前記ビューペインがカスタマイズ可能であるように構成される、請求項1~
45のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項47】
表示された前記ビューペインが、前記ユーザによってカスタマイズ可能である、請求項
46に記載のCAD分析システム。
【請求項48】
表示された前記ビューペインが、選択された機能に応答してカスタマイズされる、請求項
46に記載のCAD分析システム。
【請求項49】
前記ユーザインターフェースが、複数のプラークタイプの各々に異なる色を割り当て、判定されたプラークタイプに対応する色で前記プラークを表示することによって、冠動脈上のプラークおよびプラークタイプの視覚的表示を表示するように構成される、請求項1~
48のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項50】
患者CTスキャンデータ内の冠動脈上の石灰化プラークの存在を示すCADデータを受信するように構成されたCAD分析デバイスと;
ユーザインターフェースであって、
ユーザ制御可能な位置インジケータを有するスクロールバーと、前記スクロールバーに隣接して配置された冠動脈カルシウム標識とを表示するように構成され、前記スクロールバーに対する前記位置インジケータの位置が、前記患者CTスキャンデータに関連する
CTボリュームの軸線に沿ったそれぞれの位置を示し、各冠動脈カルシウム標識が、前記スクロールバー上の前記位置インジケータの相対位置に対応する前記CTスキャンデータの体軸方向位置で
の冠動
脈石灰化
の総量を示し;および
前記位置インジケータが冠動脈カルシウム標識に隣接して配置されている場合、前記冠動脈カルシウム標識に関連する
、前記CTボリュームの体軸方向位置での冠動脈石灰
化を示す情報を表示するように構成された
ユーザインターフェースと
を備える、冠動脈疾患(CAD)分析システム。
【請求項51】
各カルシウム標識が、グラフィックインジケータを含み、前記グラフィックインジケータの寸法が、関連する前記石灰化ボリュームのサイズを示す、請求項
50に記載のCAD分析システム。
【請求項52】
前記グラフィックインジケータが線であり、前記線の長さが関連する前記石灰化ボリュームのサイズを示す、請求項
51に記載のCAD分析システム。
【請求項53】
前記カルシウム標識の色が、前記石灰化ボリュームが位置する冠動脈を示す、請求項
50~
52のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項54】
前記カルシウム標識に使用される前記色が、前記カルシウム標識に関連する前記石灰化ボリュームにも使用される、請求項
53に記載のCAD分析システム。
【請求項55】
血管ラベルが、表示された石灰化ボリュームに隣接して表示される、請求項
50~
54のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【請求項56】
前記血管ラベルが、ユーザ入力に応答して、表示された石灰化ボリュームに隣接して表示される、請求項
55に記載のCAD分析システム。
【請求項57】
表示された石灰化ボリュームに関連する前記冠動脈ラベルが、関連する前記冠動脈を異なる冠動脈に変更するためにユーザによって編集可能である、請求項
55または
56に記載のCAD分析システム。
【請求項58】
非冠動脈カルシウムが、前記冠動脈に表示される前記石灰化ボリュームとは異なる色で表示される、請求項
50~
57のいずれか一項に記載のCAD分析システム。
【国際調査報告】