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特表2024-528689エネルギー貯蔵デバイス用の保護デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵デバイス用の保護デバイス
(51)【国際特許分類】
   A62C 3/16 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A62C3/16 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024503696
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 EP2021080157
(87)【国際公開番号】W WO2023001398
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】102021118862.8
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508056394
【氏名又は名称】フォグテック ブランドシューツ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】FOGTEC Brandschutz GmbH
【住所又は居所原語表記】Schanzenstr. 19A 51063 Koln Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】ディルク シュプラーケル
(57)【要約】
容器と、エネルギー貯蔵デバイス用のマウント部と、連結ソケットおよび連結ダクトと、排出ダクトとを備える、エネルギー貯蔵デバイス用の保護デバイス。保護デバイスは、不具合の際に環境を危険にさらすことなくエネルギー貯蔵デバイスを恒久的に消火するために使用できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵デバイス用の保護デバイスであって、
- 前記エネルギー貯蔵デバイス用のマウント部を有するシール可能な容器と、
- 前記マウント部中に通じる、連結ソケットを有する連結ダクトと、
- 前記マウント部と相互連結された排出ソケットと
を備える、保護デバイス。
【請求項2】
前記連結ソケットは、流体案内要素に流体密に連結可能であり、かつ/または流体供給設備に連結されており、特に、流体供給設備に流体密に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項3】
前記排出ソケットは、前記容器の外壁に配置されており、特に、前記排出ソケットは、排出ダクトに連結されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の保護デバイス。
【請求項4】
前記連結ダクトは、前記容器の外壁から前記マウント部中に導かれることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項5】
前記閉止部は、前記マウント部から前記排出ソケットを流体密にシールし、特に、前記閉止部は、前記マウント部内の圧力および/または温度に応じて開放でき、前記閉止部は、特に、バーストディスクであることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項6】
前記排出ソケットは、耐熱材料および/または耐火材料から作製されることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項7】
ケーブル導入口が、前記容器の前記外壁から前記マウント部中に導かれ、特に、前記ケーブル導入口は、耐火性および/または耐圧性および/または流体密であることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項8】
エネルギー貯蔵デバイスが、特に電気エネルギー貯蔵デバイス、特に化学物質貯蔵デバイス、特にアキュムレーター、特にリチウムイオンアキュムレーターが、前記マウント部内に配置されることを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項9】
前記マウント部の前記少なくとも1つの内壁および/または前記容器の前記壁は、少なくとも部分的に耐火材料から形成されており、特に、前記耐火材料は、少なくとも部分的に、金属、および/または耐火プラスチック、および/またはセラミックス、および/または鉱物性建材、特にコンクリートもしくは石材から、および/または組積材として形成されていることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項10】
前記マウント部および/または前記容器は、耐圧になるようにシールできることを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項11】
吐出ソケットを有する吐出ダクトは、前記マウント部から前記容器の前記外壁にガイドされることを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項12】
前記吐出ソケットは、前記容器および/もしくは前記マウント部の下側領域に配置され、かつ/または前記連結ソケットは、前記容器および/または前記マウント部の上側領域に配置されることを特徴とする、請求項1~11の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項13】
前記容器および/または前記マウント部における散布手段が、前記連結ダクトと流体連結しており、前記散布手段は、互いから離間配置された2つの出口を前記容器および/または前記マウント部内に有することを特徴とする、請求項1~12の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項14】
前記連結ソケットおよび/または前記吐出ソケットおよび/または前記排出ソケットは、紛失できないように前記容器および/または前記マウント部に配置されていることを特徴とする、請求項1~13の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項15】
前記連結ソケットは、ポンプ、特に、モーター駆動および/もしくは手動のポンプに、ならびに/または給水連結部に、特に建物の給水連結部に結合されていることを特徴とする、請求項1~14の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項16】
少なくとも1つの消火デバイスが、特に、粉末消火器、泡消火器、CO消火器、不活性ガス、特に、窒素、CO、および/または別の消火ガスの供給、特に制御可能な消火デバイスが、前記容器の中および/または上に配置されていることを特徴とする、請求項1~15の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項17】
少なくとも1つのセンサーが、特に、温度センサー、圧力センサー、充填レベルセンサー、湿度センサー、光センサー、ガスセンサー、pHセンサー、音センサー、および/または加速度センサーが、前記容器および/または前記マウント部の中および/または上に配置されていることを特徴とする、請求項1~16の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項18】
前記保護デバイスは、少なくとも1つのディスプレイ手段、特に、光源、スクリーン、インジケーターペイント、圧力ペン、および/または音響ディスプレイ手段を備え、前記ディスプレイ手段は、特に前記容器に配置されていることを特徴とする、請求項1~17の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項19】
前記保護デバイスは、制御デバイス、特に電子回路、および/またはデジタル回路、特にプロセッサーを備えることを特徴とする、請求項1~18の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項20】
前記制御デバイスは、前記センサーのうちの少なくとも1つによって検出された測定変数を受信し、かつ/または前記保護デバイスの少なくとも1つのアクチュエーターを、特に前記検出された測定変数に応じて制御するように設定されていることを特徴とする、請求項1~19の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項21】
前記連結ソケットおよび/または前記吐出ソケットおよび/または前記給水連結部は、特に前記センサーのうちの1つおよび/または複数によって検出された測定値、特に前記容器内および/または前記マウント部内の水のレベルおよび/または前記水の温度の測定値に応じて、特に前記制御デバイスによって制御することができることを特徴とする、請求項1~20の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項22】
前記容器および/または前記マウント部は、開放および/または閉鎖でき、特にアクチュエーターによって、特にモーター、特に前記制御デバイスによって制御されるアクチュエーターによって、特に開状態から閉状態になるように再構成できることを特徴とする、請求項1~21の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項23】
- 前記保護デバイスは、前記容器内および/または前記マウント部内の前記流体を冷却するように配置された冷却デバイスを備え、
- 特に、前記冷却デバイスは、前記容器のおよび/もしくは前記マウント部内の前記壁の一部を備え、前記容器および/もしくは前記マウント部は、少なくとも部分的に、内壁および外壁を有する2重壁であり、特に、少なくとも1つのさらなる連結ダクトが、前記容器の外壁から、内壁と外壁との間の中間スペース中に通じており、さらなる吐出ダクトが、前記中間スペースから前記容器の前記外壁に通じており、かつ/または
- 前記冷却デバイスは、前記容器の内部におよび/もしくは前記マウント部内に冷却要素を有し、前記冷却要素を通して、冷却手段、特に水がガイドされ得、かつ/または
- 前記冷却デバイスは、前記容器の前記内部を備え、前記マウント部は、前記容器の前記内部に対して流体密にシールされ、そのため、前記容器の前記内部の水は、前記マウント部の前記壁を通して前記マウント部内の水を冷却でき、かつ/または
- 前記冷却デバイスは、ヒートポンプおよび/もしくはペルチェ素子を備えることを特徴とする、
請求項1~22の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項24】
前記制御デバイスは、特に前記センサーによって検出された測定変数に応じて、特にスイッチ、特に前記容器の外に配置されたスイッチによって、前記エネルギー貯蔵デバイスをオフに切り換えるように設定されていることを特徴とする、請求項1~23の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項25】
前記保護デバイスは、特に容器内に配置された、いくつかのマウント部を備えることを特徴とする、請求項1~24の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項26】
請求項1~25の何れか一項に記載の保護デバイスを有する輸送手段、特にウォータークラフト。
【請求項27】
請求項1~25の何れか一項に記載の保護デバイスを有する建物。
【請求項28】
請求項1~25の何れか一項に記載の保護デバイスを用いてエネルギー貯蔵デバイスを放電するための方法であって、
- エネルギー貯蔵デバイスが、前記保護デバイスの前記マウント部内に位置決めされ、
- 流体が、前記連結ソケットおよび連結ダクトを通して前記容器中および/または前記マウント部中に送られる、
方法。
【請求項29】
前記測定値は、少なくとも1つのセンサーによってモニタリングされ、前記エネルギー貯蔵部のオーバーヒートおよび/または発火は、前記測定値に応じて検出されることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記流体は、前記測定値の1つに応じて、前記連結ソケットおよび連結ダクトを通して前記容器中および/または前記マウント部中に送られることを特徴とする、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記容器および/または前記マウント部は、前記測定値の1つに応じてシールされることを特徴とする、請求項28~30の何れか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記容器および/または前記マウント部内の前記流体は、特に冷却デバイスによって、冷却されることを特徴とする、請求項28~31の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、エネルギー貯蔵デバイス用の、特にアキュムレーター用の保護デバイス(独:Schutzvorrichtung,英:containment)、およびそのような保護デバイスを動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在は様々な技術領域で電化が進んでいる。これは、とりわけ、エレクトロモビリティに当てはまるが、家庭、製造施設および多くの他の領域のエネルギー供給にも当てはまる。現時点で入手可能な電力を、後に使用するためにエネルギー貯蔵システムに一時的に貯蔵する必要があることが多い。そのことは、特に、配電グリッドを介した連続的な電力供給が不可能な用途に当てはまる。例えば、車、船または航空機などの電動輸送手段は、移動中にエネルギー貯蔵システムから十分なエネルギーを引き出すことができなければならない。しかし、エネルギー貯蔵システムは、再生可能エネルギー源から生成されたエネルギーが後に引き出されるために貯蔵される定置の用途で、例えば家庭内グリッドにおいて使用されることも増えている。
【0003】
エネルギー貯蔵システムは、様々な手法で電気エネルギーを位置エネルギーに変換する。化学エネルギー貯蔵システム、特にアキュムレーターが、広く用いられている。それらは、例えば、鉛、ナトリウム-塩化ニッケル、ニッケル-金属ハイブリッド、およびリチウムイオンアキュムレーターを含む。燃料電池と組み合わせた水素タンクなど、他のエネルギー貯蔵システムも知られている。位置エネルギーは、機械的な形態で、例えば揚水発電所に貯蔵することもできる。しかし、それらは、エネルギー密度が低いことおよび輸送性が欠如していることから、輸送手段にも家庭用にも使用されていない。
【0004】
それらのエネルギー貯蔵システムの多くに共通する欠点は、不具合の際の破壊の可能性である。これは、それらに貯蔵されたエネルギーが、制御された状態で電力に変換される代わりに、制御されていない状態で放出されるからである。これは、大量の熱エネルギーの放出を招くことが多い。その熱エネルギーは、非常に膨大であるため、エネルギー貯蔵ユニットの部品が、最終的にはその周囲の部品が燃え出す恐れがある。高温のガスおよび高熱の発生は、その場合に珍しいことではない。
【0005】
エネルギー貯蔵デバイス、特に化学エネルギー貯蔵デバイス、特にアキュムレーターの発火のリスクは知られていないわけではないが、今まで講じられた対応策はそのリスクを十分に考慮していない。発火したアキュムレーター、およびその後の燃え尽きた乗用車、輸送車両、フォークリフト車および船などの電動輸送手段についての報告が知られていないわけではない。多くの場合に、エネルギー貯蔵システムの表面的な消火は、永続的な火災の鎮静および/または消火を実現することができない。一見すると良好な消火の数週間後に、エネルギー貯蔵システムが、自然に再び発火する可能性がある。アキュムレーターの火災は、大量の有毒ガスおよび腐食性ガスが極めて高い温度で急速に発生すること、および長時間にわたって噴流火炎の形態の高エネルギーの炎が起きることを特徴とする。
【0006】
これらのことから、不具合の際にエネルギー貯蔵システムによって引き起こされる恐れのある損傷を最小限に抑えることと、特に、熱および有毒ガスからすぐ近くにいる人々を保護することが目的になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
その目的は、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス用の保護デバイスおよび請求項28に記載の方法によって達成される。
【0008】
そのために、保護デバイスは容器を備える。
【0009】
容器は、任意のタイプの少なくとも部分的に閉鎖されたハウジングとすることができる。容器の外壁は、容器をその周囲から区切る。外壁は、容器の内部を完全に密封する必要はなく、開口部を有してよい。例えば、容器は、ベース壁および側壁を有することができ、上側の部分は開いたままにできる。容器は、本質的に完全に閉鎖し、特に、耐圧/気密および/または流体密に閉鎖することもできる。特に、容器は、完全に閉鎖でき、同時に、画定された入口および出口を有することができる。容器は、複部構成とすることができ、そのため、例えば、1つまたは複数の開口部を有するベース本体と、その少なくとも1つの開口部のための閉止部品とが設けられる。例えば、閉止部を1つまたは複数設けることができる。容器は、例えば、実質的に矩形、丸形、長円形、三角形または多角形の断面を有することができる。
【0010】
容器はシール可能とすることができる。例えば、容器の1つまたは複数の開口部は、1つまたは複数の閉止部で閉鎖できる。開口部の閉鎖とは、単純にそれをシールすることを意味することができ、そのため、流体は開口部を通ることができない。閉鎖とは、例えばロックを用いてロックすることも意味し、そのロックによって、権限のない人らがロック可能な開口部を通して容器の内部にアクセスすることを防止する。閉止部は例えば蓋とすることができる。ロックは、容器から取り外し可能とすることができる。ロックは、容器を、特に可動なように、特につなぎとめた状態で、取り付けることもできる。例えば、閉止部は、ヒンジによって容器に取り付けることができる。例えば、閉止部は容器に配置されたレール上をガイドされることも可能である。
【0011】
閉止部は、手動で閉鎖および開放できる。モーター、サーボモーター、電磁石、ガスまたは別のアクチュエーターなどのアクチュエーターが閉止部を閉鎖および/または開放するように設定されることも可能である。閉止部は、電気信号または熱反応要素を介して閉鎖および/または開放できる。
【0012】
閉止部は、それぞれの開口部を、部分的にまたは実質的に密に、特に、耐圧/気密および/または流体密に閉鎖できる。
【0013】
容器は、締結手段を有することもできる。締結手段は、容器の外側に配置でき、例えば、ねじ連結用に凹所の形状にすることができる。締結手段によって、固定位置に容器が配置され、その周囲に対して恒久的に固定されたままになることが可能になる。
【0014】
容器は、その外壁が環境内の他の要素と直接的に接触しないことを保証するために、スペーサーを有することもできる。それらは、例えば床領域にあるフット部、または側面におよび同じく容器の屋根の上にある突出部とすることができる。特に、スペーサーは、良好な断熱効果を実現するために、特に熱伝導率の低い材料から作製できる。スペーサーはさらに、第1の容器の内壁から離間している、容器の外壁を備えることもできる。
【0015】
容器は、1つまたは複数のエネルギー貯蔵ユニット用のマウント部を有する。マウント部の目的は、エネルギー貯蔵デバイスを保持することにできる。例えば、マウント部は、フレームを備えることができ、そのフレームに、エネルギー貯蔵デバイスを、例えばアキュムレーターなどの化学エネルギー貯蔵デバイスを挿入できる。
【0016】
マウント部は、エネルギー貯蔵デバイス用の締結手段を含むこともできる。例えば、エネルギー貯蔵デバイスを一時的にまたは恒久的にマウント部に固定できる、クランプ、レール、ストラップ、ベルクロ(登録商標)ファスナー、接着剤または他の締結手段を設けることができる。
【0017】
マウント部は、壁を備えることができる。壁は、内壁と外壁とに分けることができる。壁は、1つの部片またはいくつかの部片から形成できる。壁は、1つの材料または異なる材料から作製できる。例えば、マウント部の内壁は、第1の材料から作製でき、外壁は第2の材料から作製できる。例えば、壁の、特に内壁の少なくとも一部分は、耐熱材料および/または耐火材料、特に金属、石材もしくはコンクリートなどの鉱物材料、ガラス、セラミックス、耐熱および/もしくは耐火のプラスチックまたは同様の材料から形成することができる。マウント部の壁の少なくとも一部分は、容器の内部に対してマウント部を区切ることができる。
【0018】
マウント部は、容器の内部に対して開放できる。マウント部が、特にマウント部の壁によって少なくとも部分的に、容器の内部から封鎖されることも可能である。特に、マウント部は、その周囲に対して、特に容器の内部に対して、耐圧、気密および/または流体密にすることができる。
【0019】
マウント部は、エネルギー貯蔵デバイスと容器の内壁の少なくとも一部分との間に隙間が残るようにして、容器内に配置される。
【0020】
いくつかのエネルギー貯蔵デバイス用マウント部を1つの容器内に配置することもできる。
【0021】
保護デバイスは、連結ダクトも備える。これは、流体をガイドするのに適した管、ホース、ダクト、または同様の要素を備えることができる。特に、連結ダクトは、エネルギー貯蔵デバイス用の少なくとも1つのマウント部に通じる。連結ダクトは、流体、特に水を運ぶのに特に適している。そのために、連結ダクトは、本質的に流体密になるように設計できる。連結ダクトの少なくとも第1の開口部は、容器の内側の体積に、特にマウント部の領域に設けることができ、第2の開口部は、少なくとも部分的にマウント部および/または容器の外側に位置する。例えば、連結ダクトの第2の開口部は、容器の外壁の領域に位置することができる。第2の開口部は、マウント部の壁の領域に位置することもできる。
【0022】
連結ダクトに、特に連結ダクトの第2の開口部に、連結ソケットが設けられている。連結ソケットには、流体案内要素、例えば、ホース、管、タンクまたは同様の要素を連結できる。例えば、連結ソケットには送水管などの流体供給設備を連結でき、特に流体密に、例えば流体案内要素を介して間接的に連結できる。特に、本来は消火のために使用されていない既存の流体供給設備を使用することができる。例えば、家庭用水接続、公共用水接続、海、湖および/または川からの水、冷却システムの冷却流体、ならびに多くの他の既存の流体供給設備を、対象の保護デバイスに適合させる必要なく簡単に連結ソケットを介して連結できる。連結ソケットは、例えば、ねじ山を有することができ、そのねじ山を介して、流体案内要素および/または流体供給設備を流体密に連結できる。流体案内要素は、プレス嵌めで、例えば差し込んでまたは形状嵌めで、例えば1つまたは複数のフックによって、特に流体密に、連結ソケットに連結することもでき、それによって、流体は連結ソケットおよび/またはその連結部から流体案内要素に意図せずに逃げることがない。特に、流体案内要素は、連結ソケットに恒久的に連結できる。このように、保護デバイス中に流体の流れをいつでも提供することが可能であり、安全性が最大限に高められる。例えばクイックカップリングを用いた一次的な連結も可能である。このように、必要な場合は冠水を可能にすることができる。例えば、連結ソケットにシールを設けることができる。
【0023】
特に、保護デバイスの動作のために既存の流体供給設備を使用することができる。
【0024】
流体は液体の場合もあれば、気体の場合もある。特に、流体は水様であり、特に、水、例えば、水道水、蒸留水、懸濁液、水溶液、および/または油、泡沫、ならびに多くの他の液体の形態の流体とすることができる。気体状の流体は、例えば、消火ガスと称されることもある、窒素、CO、アルゴンなどのガス、それらの混合物、または好ましくは反応が緩やかなガスおよび/もしくは不活性ガスを含むことができる。
【0025】
流体案内要素は開放または閉鎖できる。開放とは、流体がそれぞれの要素を通って流れることができるという意味である。閉鎖とは、流体がそれぞれの要素を通って流れることができないという意味である。例えば、バルブが、例えば、熱制御、電気制御、および/または手動制御して開状態と閉状態との間を切り替えることができる。開放または閉鎖は、自動または手動のポンプによって実現することもできる。
【0026】
連結ソケットおよび/または連結ダクトは、開放および閉鎖できる。特に、連結ソケットはバルブを有することができる。これは、手動でおよび/またはアクチュエーターによって、例えばモーターによって操作できる。
【0027】
さらに、保護デバイスの一部として排出ソケットが設けられている。特に、これは、マウント部に連結できる。マウント部および/または容器の内部と、容器の周囲との連結は、排出ソケットを介して確立することができる。例えば、空気、蒸気または煙、特に火炎ガスは、排出ソケットを通して案内され、特にマウント部/容器から吐出することができる。特に、排出ソケットは、容器および/またはマウント部の上側領域に位置することができる。排出ソケットに内部排出ダクト(独:Abluftkanal,英:exhaust duct)を配置でき、これは容器の内側でマウント部から排出ソケットに通じる。この内部排出ダクトも排出ソケットの一部とすることができる。さらに、外部排出ダクト、例えば、煙突、管、シャフトまたは別のダクトを設けることができ、そのダクトは、特にガス状体積、特に高温の飽和蒸気および/または汚染されたガス状体積を運ぶのに適している。特に、排出ダクトは、保護デバイスのすぐ近くから外に体積を導くことができる。例えば、保護デバイスが空間内に設置されている場合に、排出ダクトを用いてその空間の外に体積をガイドすることができる。このように、保護デバイスのすぐ近くが安全なままになること、特に、オーバーヒートされないことかつ/または有毒物もしくは他の有害物の発生に曝露されないことを保証できる。このように、保護デバイスの近くの物体は保護され、すぐ近くにいる人々にとって安全なままである。
【0028】
一実施形態では、排出ダクトは、特に排出ダクトの端部が容器および/またはマウント部から離れる方を向く領域に、フレームトラップを備えることができる。
【0029】
一実施形態では、排出ダクトは、設置空間と呼ばれることのある、保護デバイスの周囲の空間に、直接的に開放されることも可能である。設置空間を高温のガス、炎および/または他の有害な作用から保護するために、少なくともとりわけ、いわゆるフレームトラップを使用できる。
【0030】
特に、フレームトラップは、向きを数回変える管セクションを備えることができる。例えば、フレームトラップは、正弦曲線、ジグザグ、渦巻きおよび/または他の形状になるように少なくとも部分的に曲げられた管セクションを備えることができる。例えば、フレームトラップは、特にいわゆる方向転換の場合、その向きを少なくとも2回、3回、4回、5回および/またはそれよりも多く変えることができる。方向転換とは、例えば、少なくとも20°、30°、40°、50°、70°、90°および/またはそれよりも大きい角度で管の向きが変えられた管セクションを指すことができる。方向転換は、特に、例えば最大で管の直径の半分、1倍、2倍、3倍、および/または別の倍数の長さを有する管セクションに適用されることがある。例えば、フレームトラップの方向において、少なくとも2つの方向転換の間に、管の本質的に直線の部片を配置することができる。
【0031】
フレームトラップによって、フレームトラップの領域における排出ダクトを通した炎の伝搬を、少なくとも部分的にかつ/または大部分でかつ/または完全に防止できる。
【0032】
フレームトラップの代わりとしておよび/またはそれに加えて、排出ダクトの端部に、特にフレームトラップの後ろの容器および/またはマウント部から、ディフューザーを設けることができる。ディフューザーは、例えば、排気の流れの方向において断面が大きくなることを特徴とすることができる。例えば、ディフューザーは漏斗のような形状にできる。
【0033】
排出ダクトはサイホンを有することができる。特に、サイホンは、排出ダクトのうちの流体で充填された部分とすることができる。例えば、排出ダクトは、通路を有することができ、その通路から、排出ダクトの経路が排出ダクトの両方向において重力に抗して位置合わせされる。したがって、サイホンは、排出ダクトの局部的な最小の高さを形成することができる。流体は、サイホンに貯蔵でき、特に排出ダクトの断面全体を占める。そのことは、排出ダクトを通して吐出される体積が流体を通してガイドされることを保証する。流体は、例えば、排出ダクトを通して案内される煙、蒸気、有毒ガスおよび他の体積などの体積を冷却および/または清浄することができ、したがって、排出ダクトからの吐出が人々、技術および環境にとって危険性の低いものになる。
【0034】
特に、サイホンは、流体用のサイホンドレンを有することができ、サイホンドレンを介して、内部に収容された流体を吐出することができる。ドレンは、排出ダクトのサイホンドレンソケットによって実現できる。そのソケットは、排出ダクトの境界を定める壁に、特に流体密に嵌めることができる。サイホンドレンは、特に容器の内側から流体を収集するために使用することもできる、例えば、収集タンク、バルーンおよび/または別の収集体積など、収集体積中に通じることができる。サイホンドレンは、その出口を所望の充填高さまで下げることによって、サイホンの充填高さを制限することができる。例えば、サイホンドレンは、サイホン所望の充填レベルにおける局部的な最大値を有することができる。したがって、サイホンの流体レベルが所望の充填レベルを超える場合に、流体はサイホンドレンを介して吐出される。
【0035】
サイホンは、サイホン入口を有することもでき、その入口を介して、サイホンを流体で冠水させることができる。特に、サイホン内の流体は、排出ダクトを介して強い熱が吐出される際に、部分的に蒸発しかつ/または体積の強い流れによってサイホンから押し出される可能性がある。サイホン入口によって、サイホンを流体で再充填することができる。特に、サイホン入口は、バルブを、特に逆止めバルブを有することができる。バルブは、サイホン中への流体の流れを調整でき、かつ/またはサイホンからサイホン入口に連結された流体案内要素に戻る流れを防止できる。
【0036】
一実施形態では、特にバルブ、スプレーノズル、消火器および/または同様の防火デバイスなど、さらなる防火デバイスを保護デバイスのすぐ近くに設けることができる。特に保護デバイスがエネルギー貯蔵デバイスの防火のための対策を起動させるとき、特に保護デバイスへの流体注入が起動するときに、それらを起動させることができる。
【0037】
一実施形態では、排出ソケット/ダクトは、液体の流体を吐出するように少なくとも部分的に働くことができる。例えば、排出ソケットは、恒久的に開放できるか、または閉鎖および開放することができる。特に容器および/またはマウント部の大半が充填されており、連結ソケットを通して流体が供給され続けるときに、液体の流体は排出ソケットを介して吐出できる。特に、液体の流体用の出口および気体の流体用の出口を排出ソケットに設けることができる。例えば、サイホンドレンを使用して、排出ダクトの外に液体の流体を輸送することができる。したがって、サイホンは2重の機能を果たすことができる。サイホンは、一方で、吐出される気体の流体を冷却および清浄する。他方で、排出ダクトにおいて気体の流体と液体の流体とを分離する。液体の流体が排出ソケットを通して輸送される場合には、いずれにせよ液体の流体が容器および/またはマウント部から吐出ダクト(独:Abflusskanal,英:discharge duct)中に直接的に送られるため、サイホン入口を省略することもできる。
【0038】
容器および/またはマウント部は、特に流体で冠水させることおよび/または流体を通過させることができる。特に、マウント部および/または容器内に少なくとも部分的に位置するエネルギー貯蔵デバイスのすぐ周囲で冠水および/または通過させることができる。このように、エネルギー貯蔵デバイスを冷却できる。
【0039】
排出ソケット、内側排出ダクトおよび/または外側排出ダクトは、耐熱材料および/または耐火材料から少なくとも部分的に作製することができる。例えば、金属、コンクリートもしくは石材などの鉱物材料、ガラス、セラミックス、耐熱性プラスチックまたは同様の材料から作製される。それらの要素の少なくとも1つの形状は、それらを通して、蒸気で飽和したかつ/または汚染された高温の体積を輸送できるように設計することもできる。そのことは、特に、例えば少なくとも1cm、5cm、10cm、50cm、100cmという十分に大きい内部断面によって保証することができる。堆積物が形成し得る内面を最小限に抑えるために、丸形または長円形の断面が有利である。排出ソケット、内側排出ダクトおよび/または外側排出ダクトの可能な限り直線的な経路によって、そのようなガスを輸送するためのそれらの要素の適性を高めることもできる。例えば、それらの要素の曲げ半径は、常に、少なくとも10cm、20cm、50cm、100cmまたは200cmとすることができる。排出ダクトは、例えばDIN EN13384規格に従って寸法設定できる。
【0040】
排出ソケットは恒久的に開放できる。その場合、マウント部/容器の上側領域に排出ソケットを設置することが賢明である。
【0041】
一実施形態では、排出ソケットは、閉止部を用いてマウント部に対して流体密にシールされる。この文脈では、流体密とは、固体、液体に対するシールを指すが気体に対するシールは指さず、同様に、固体、液体、気体に対するシールを指すことがある。閉止部は、容器および/またはマウント部の内部と、容器および/またはマウント部の環境との間の、気体および/または液体の交換を防止する。特に、閉止部は開放できる。例えば、閉止部は、マウント部内および/または容器内の圧力および/または温度に応じて開くことができる。閉止部の一例は、排出ダクト中への流体の流れを防ぐフロートバルブとすることができる。例えば、閉止部は、特にバーストディスクとして、熱によって起動することができる。シャッター、特にバーストディスクは、圧力によって起動することもできる。特に、閉止部は、容器および/またはマウント部内の圧力が所与の閾値を下回る場合に閉鎖できる。容器および/またはマウント部内の圧力が閾値を上回る場合には、閉止部、特にバーストディスクは開くことができる。バルブ、逆止めバルブ、気体だけを通過可能にする隔壁、もしくはガラスバレルによって保持されたばね、バイメタル、またはそれ以外の閉止部など、他の閉止部も可能である。
【0042】
一実施形態では、排出ソケットは、熱、煙、蒸気および/またはガスを容器から除去するように設計することができる。特に、エネルギー貯蔵デバイスが温度上昇している場合には、圧力および/または高温がマウント部および/または容器の内側で発達することがある。対象の排出ソケットを使用して、環境とのガスの交換を可能にすることによってマウント部および/または容器内の圧力および/または温度を低下させることができる。圧力および温度に加えて、エネルギー貯蔵ユニットは、煙、ガス、特に有毒ガス、および蒸気を放出することもある。排出ソケットは、一部が健康および/または他の技術設備にとって有害である、それらの物質の除去の制御を可能にする。排出ソケットおよび/または排出ダクトが非常に高温になる場合があるため、ダクト、特に、壁を通るダクト、特に建物および/もしくはボート、車などの輸送手段、または同様のものの壁を通るダクトに対する熱保護を設けることができる。例えば、金属板、ロックウールなどの断熱材料、または他の耐熱性のフィードスルーおよび/もしくは保護デバイスを、フィードスルーとして設けることができる。例えば排出ソケットおよび/または排出ダクトに流体をかけるデバイスによって、例えば、その流体をスプレーすることによって、ダクトの上に流すことを可能にすることによって、または他の何らかの手法でそこに輸送することによって、アクティブな冷却を実現することもできる。
【0043】
特に、保護デバイスの内側、保護デバイスの外側、および/または保護デバイスが設置された空間の外側における、エネルギー貯蔵デバイスの温度上昇、火災および/または爆発の影響は、排出ソケットによって最小限に抑えかつ/または本質的に避けることができる。
【0044】
一実施形態の例では、1つまたは複数の電気ケーブル用のケーブル導入口が、容器の外壁および/またはマウント部の壁に設けられている。ケーブル導入口を通してルート設定されたケーブルは、例えば、容器および/またはマウント部の外側に位置する技術設備との、容器および/またはマウント部内のエネルギー貯蔵デバイスの電気接続のために使用できる。有利な実施形態では、ケーブル導入口は耐火性である。ケーブル、特にケーブル絶縁体は、一定の状況下で発火するかまたは少なくともくすぶる恐れがある。容器および/またはマウント部の内側の熱および/または火災がケーブル導入口を介して伝達されることを防ぐためには、ケーブル導入口が耐火性である場合が有利である。これは、とりわけ絶縁材料を選択することによって実現できる。例えば、金属導体は、コンクリートおよび/もしくは石材などの鉱物材料、セラミックス、ガラス、ならびに/または概して耐熱性の材料および難燃性の材料に直接的に収納できる。
【0045】
ケーブル導入口は、耐圧になるように設計することもできる。これは、容器および/またはマウント部における超過圧力の際にも、圧力はケーブル導入口を介さずに排出ソケットだけを介して解放されるという利点を有する。特に、ケーブル導入口が流体密、特に気密および/または液密に設計されている場合に有利にすることができる。そのことによって、容器および/またはマウント部の内側の気体および液体がケーブル導入口を介して逃げることができないことを保証する。耐圧/気密および/または流体密の設計は、例えばゴム、シールを使用して実現することができる。例えば、ケーブル導入口ならびに容器の外壁および/またはマウント部の壁を1部片になるように作製することも可能である。
【0046】
エネルギー貯蔵ユニットをマウント部内に配置することができる。特に、これは、電気エネルギー貯蔵デバイス、特に化学エネルギー貯蔵デバイス、特にアキュムレーターとすることができる。アキュムレーターは、例えば鉛、ナトリウム-塩化ニッケル、ニッケル-金属ハイブリッドおよびリチウムイオンアキュムレーターとすることができる。他のタイプのエネルギー貯蔵デバイス、例えばガソリン、水素または他の燃料タンクも可能である。
【0047】
保護デバイスの一部分、特に、マウント部および/または容器は、耐熱性、難燃性、および/または耐薬品性の材料から少なくとも部分的に作製することができる。このような材料は、例えば、金属、特に鋼、ステンレス鋼または耐火鋼とすることができる。テフロン(登録商標)などの難燃性プラスチック、または一部の用途ではPET、PETG、ポリカーボネートおよびPVCも可能である。耐熱性が高く電気絶縁特性が良好なセラミックスも適切な材料である。セラミックスは、特に電気エネルギー貯蔵システムにおける、環境のさらなる保護を保証できる。石材、コンクリートおよび/または組積材などの鉱物材料も、ガラスまたはセラミックスと同様に可能である。容器および/またはマウント部の一部分は、特に、組積材および/またはコンクリートを含むことができる。例えば、容器の少なくとも一部分は、容器の外壁の少なくとも一部分を形成する壁によって境界が定められていてよい。例えば、容器は、部分的に、建物の最下部の空間として形状設定できる。
【0048】
一実施形態の例では、容器および/またはマウント部は耐圧になるように閉鎖できる。特に、マウント部ではなく容器だけを耐圧にシール可能にできるか、または逆に、容器ではなくマウント部だけを耐圧にシール可能にできる。好ましくは、超過圧力の際に、排出ソケットは、圧力均等化のための唯一の選択肢である。耐圧を保証するために、容器の内部および/またはマウント部へのすべてのアクセス点が耐圧でなければならない。
【0049】
特に、連結ダクトは、耐圧になるように設計できる。そのために、連結ダクトおよび/または連結ソケットに逆止めバルブを設けることができ、逆止めバルブは、例えば、容器および/またはマウント部の外への流体の輸送を防止できる逆流防止装置の形態である。耐圧を保証するために、連結ダクトの周りに良好なシールも確保しなければならない。これは、連結ダクトの近く、より正確には、連結ダクト/ソケットと、容器の外壁および/またはマウント部の壁との間の移行部で、容器および/またはマウント部から体積が逃げることを防止する。
【0050】
上記で既に説明したように、連結ダクト/ソケットの場合と同様のシール処置を、ケーブル導入口にも設けるべきである。
【0051】
容器および/またはマウント部の他のすべての開口部、例えば内部に到達する、例えばエネルギー貯蔵ユニットを挿入するための開口部、または他の(ケーブル)フィードスルー、ドレナージソケット、連結ソケット、排出ソケットなどは、耐圧になるようにシールできる。そのために、例えば流体密および/または耐圧になるように開口部に利用できる閉止部を設けることができる。例えば、容器および/またはマウント部の開口部にねじ山を配置することができる。例えば、やはりねじ山を備えた蓋をそれらにねじ込むことができる。シーリングの他の方法、例えば、シールごとにいくつかのねじを用いたねじ連結、クランプ、ラッチ、電磁石、または他の閉止部手段も考えられる。シールは、例えばモーターによって、電子制御可能にできる。耐圧シールを実現するために、容器/マウント部の開口部におよび/または関連するシールに、好ましくは開口部を周方向に密封する周方向のシールが配置されることも推奨される。
【0052】
一実施形態では、例えば流体供給設備用の連結ソケットに加えて、ドレンソケットを設けることもできる。ドレンソケットにドレンダクトを連結することもでき、ドレンダクトは、ドレンソケットから容器中にならびに/またはマウント部までおよび/もしくはマウント部中に延びる。
【0053】
ドレンソケットは、容器の外壁に配置できる。ドレンソケットは、マウント部の壁に配置することもできる。連結ソケットと同様に、ドレンソケットは、例えばマウント部の外側および/または容器の外側で、例えばプレス嵌めまたは形状嵌めで、例えばドレンソケットに配置された、例えばねじ山によって、さらなる流体案内要素に連結することができる。
【0054】
流体、特に液体、特に水は、ドレンダクトおよびドレンソケットを介して容器および/またはマウント部から吐出できる。そのために、流体案内連結、特に流体密の連結が、例えば、下水システムの少なくとも一部分、廃水、水域、収集タンク、バルーン、特に弾性バルーンなどの目標体積に、および/または同様の目標体積に、少なくとも間接的に設けられている。損傷を受けたエネルギー貯蔵部と直接的に接触していた流体、特に水が化学的に汚染されている可能性があるため、例えば収集タンクとして、目標体積を閉鎖することが賢明な場合がある。
【0055】
ドレンは、シールを備えることができる。容器中への逆流を防ぐために、特に逆止めバルブをドレンの中または上に配置できる。調節可能なシールを設けることもできる。例えば、バルブは、ドレンを、特にドレンソケットおよび/またはドレンダクトを、閉鎖できかつ/または開放したままに維持することができる。バルブは、例えば手動で操作できる。モーターなどのアクチュエーターを用いてバルブを制御することも可能である。
【0056】
ドレンソケットと目標体積(例えば収集タンク)との間の流体密の連結は、上記で説明したように、ドレンソケットと、ダクト、管、ホースまたは同様のものなど、隣接する流体案内要素との間の対応する連結によって実現できる。例えば、ドレンソケットおよび/またはプレス嵌め、形状嵌め、もしくは他の閉止部に、ねじキャップを設けることができる。任意選択で、ドレンソケットにシールが設けられる。
【0057】
一実施形態では、ドレンソケットは、容器および/またはマウント部の下側領域に配置される。そのことによって、容器および/またはマウント部の大部分を、特に完全に、空にすることが可能になる。
【0058】
一実施形態では、連結ソケットは、容器および/またはマウント部の上側領域に配置される。したがって、特に、容器および/またはマウント部の下側領域のドレンソケットと組み合わせると、流体の流入と流出とが組み合わせられる場合に、流体が可能な限り広範囲で交換されることが実現され、流体交換を少ししか実現しないのはマウント部および/または容器の内部体積の可能な限り少ない部分である。温かい流体体積が上昇することによって熱混合による流体交換も実現できる。
【0059】
連結ソケットおよびドレンソケットは、例えば対角線上の反対側の位置でそれらの間の距離を最も大きくできるように、容器および/またはマウント部の本質的に両側の位置に位置することもできる。これも流体の交換を最大限にする。
【0060】
その場合、容器および/またはマウント部が直立姿勢にあるときは、重力の方向において上側領域は下側領域の上方に位置する。
【0061】
一実施形態では、容器および/またはマウント部に少なくとも1つの散布手段が位置している。これは、連結ダクトと流体連結できる。散布手段は、マウント部および/または容器において、容器中および/またはマウント部中に連結ダクトを介して流れる流体を散布するように働くことができる。例えば、散布手段は、容器の壁(内壁または外壁)または同様の要素に埋め込まれた、1つもしくは複数の管、ホースまたはダクトなど、流体案内要素を備えることができる。散布手段は、いくつかの出口、例えば孔を有することができ、出口には、特にノズルを配置することができる。出口は、マウント部内および/または容器内のいくつかの離間配置された位置に配置することができる。このように、マウント部および/または容器中に流れる流体が可能な限り広く散布されることを保証できる。一実施形態では、散布手段の出口は、流体がソケットから容器および/またはマウント部に流入できる唯一の位置である。
【0062】
一実施形態では、連結ソケットおよび/またはドレンソケットは、紛失できないように容器および/またはマウント部に配置されている。例えば、ソケットは、容器の外壁にねじ留め、射出成形、接着、または容器の外壁と一体形成することができる。
【0063】
一実施形態では、流体供給設備は、連結ソケットおよび連結ダクトを介して容器および/またはマウント部中に流体を運ぶことができる。流体供給設備はポンプを備えることができる。ポンプは、例えば、電動および/または手動で操作できる。ポンプは、流体を流体体積から容器に向かってくみ上げることができ、例えば、このような流体体積はタンクとすることができ、流体が水である場合には、飲用水もしくはプロセス用水のための固定給水設備に、地下水に、または開放水域にポンプを連結することも可能である。一実施形態では、保護デバイスは、浮遊輸送手段に配置される。その場合、ポンプは、浮遊輸送手段が位置する水域から直接的に水をくみ上げることができる。流体供給設備が陸上のインフラストラクチャーによって提供されることも可能である。流体供給設備は、例えば建物の給水接続とすることができる。送水管が既に十分な圧力下にある場合は付加的なポンプの必要がない。
【0064】
連結ダクトおよび/または連結ソケットを通る流れは、アクチュエーターを用いて調節可能にできる。例えば、連結ダクト/ソケットに、バルブを、特に手動制御および/または電気制御/電子制御可能なバルブを設けることができる。ドレンダクト/ソケットも同じようにして制御することができる。連結ダクト/ソケットを通る流れは、流体供給設備のポンプを制御することによって調節することもできる。
【0065】
一実施形態では、連結部とドレン部とは、連結ダクト/ソケットを通る流れが起動されるとドレンソケット/ダクトが開くようにして結合されており、かつ/またはその逆も同様である。
【0066】
一実施形態では、連結ダクトおよび任意の散布手段に加えて、少なくとも1つの消火デバイスを、容器および/またはマウント部の中および/または上に配置することができる。例えば、これは、粉末消火器、泡消火器またはCO消火器とすることができる。窒素、COおよび/または別の消火ガスなど、不活性ガスおよび/または化学的に活性のガスを、容器中および/またはマウント部中に供給することも可能である。消火デバイスは、例えばガスリザーバーまたは消火器に対してバルブを開けることによって制御可能になるように設計することができる。
【0067】
一実施形態では、容器および/またはマウント部の中および/または上に、少なくとも1つのセンサーが配置される。特に、センサーは温度センサーとすることができる。したがって、容器の内側および/またはマウント部の内側の温度は、モニタリングすることができ、対応する評価による任意の臨界の温度値および/または温度曲線および/またはガスの検出を可能にする。温度センサーは、可能な限り正確かつ純粋にその温度をマッピング可能にするために、有利には、エネルギー貯蔵ユニットの近くに位置する。ガスセンサーは、危険なガス、特に、早い段階で火災が差し迫っていることを示すガスを検出できる。圧力センサーを設けることもできる。これは、危険な圧力が検出されることを可能にする。別の選択肢として、例えば、容器および/またはマウント部が流体で充填されているかどうかおよび/または充填の程度を検出できる充填レベルセンサーがある。容器および/またはマウント部の内側をモニタリングするために、湿度センサーおよび/または光センサーを設けることもできる。pHセンサーは、例えば、化学エネルギー貯蔵部からの酸が既に流体に、特に水に浸透したかどうかをチェックすることができる。音センサーおよび/または振動センサーを用いて、衝撃および/または爆発があればそのことを検出することができる。加速度センサーを使用して、とりわけ容器および/またはマウント部の位置合わせをチェックすることができる。
【0068】
一実施形態では、保護デバイスに、ディスプレイ手段を、特に、拡声器、ブザー、サイレンまたは同様のものなど、音響ディスプレイ手段を配置することもできる。光またはディスプレイなど、視覚ディスプレイ手段を設けることもできる。ディスプレイ手段は、外部電源なしで実装することもできる。このように、信頼性の向上が実現され、同時に、費用対効果が大きくなるように保護デバイスを設計できる。例えば、容器および/もしくはマウント部の内部圧力を測定する圧力計によって、または、内部圧力が加えられたときに容器から視認可能なように突き出る、例えばばねに基づく機械的要素によって、圧力を示すことができる。例えば、圧縮エアホーンは内部圧力を示すことができる。温度は、例えば、費用対効果が大きくなるように、インジケーターペイント、温度インジケーター機能を有するステッカーまたは同様のものなど、温度表示塗料を用いて実現できる。このように、保護デバイスのオペレーターは、デバイスの温度上昇状態、特に、容器の外壁の温度についての警告を受けることが可能である。スチールピンなど、容器の内部の伝熱性の連結によって、インジケーターの精密さを改善できる。
【0069】
さらなる実施形態では、保護デバイスは制御デバイスを備えることができる。これは、例えば、電子回路、特に、アナログ回路、デジタル回路またはそれら2つの組み合わせでよい。一実施形態では、制御デバイスはプロセッサーを備える。
【0070】
制御デバイスは、容器の中または上に配置できる。制御デバイスをマウント部の中または上に配置することも可能である。容器の外側に配置することの利点は、エネルギー貯蔵ユニットのオーバーヒートおよび/または火災の際に、化学的ストレスおよび熱的ストレスへの制御デバイスの曝露を小さくすることである。容器の外壁と制御ユニットとの間の断熱層は、過剰な熱によって引き起こされる損傷から制御デバイスを保護することができる。
【0071】
制御デバイスは、特にエネルギー貯蔵ユニットとは独立の、それ独自の電源を有することができる。
【0072】
制御デバイスは、例えば、保護デバイスの少なくとも1つのセンサーから測定変数を受信できる。例えば、制御デバイスとしてのマイクロコントローラーは、アナログ-デジタルコンバーターによって、センサーからアナログ送信された測定値を受信できる。測定値は、他の手法で、例えばデジタルで受信することもできる。
【0073】
制御デバイスは、保護デバイスのアクチュエーターを制御するように設定することもできる。ここで、アクチュエーターは、例えば、連結部および/またはドレン部のバルブ、ポンプ、サーボモーターなどのモーター、または別のアクチュエーターなどとすることができる。このように、制御デバイスは、とりわけ、容器および/またはマウント部の中および外への流体の流れを調整できる。容器および/またはマウント部が制御デバイスによって開放および/または閉鎖されることも可能である。アクチュエーターは、さらなる消火デバイスをトリガーさせるように、例えば、ガスバルブを開放して、窒素、COおよび/もしくは別の消火ガスを容器および/もしくはマウント部中に入れるか、または消火器を起動させるように設定することもできる。
【0074】
制御デバイスは、拡声器および/または光源などのディスプレイ手段を制御することもできる。特に、少なくとも1つのセンサーから測定値を受信することと組み合わせて、オーバーヒートおよび/または火災など、エネルギー貯蔵ユニットの危険な動作状態が検出されたことを表示することができる。ディスプレイ手段は、その独自の電源、または、例えば制御デバイスの電源を有することができる。
【0075】
上記で既に説明したように、連結ソケットおよび/またはドレンソケットおよび/または流体供給設備は、特に、センサーの1つおよび/または複数によって検出された測定値、特に、容器および/またはマウント部の流体レベルおよび/または流体の温度に応じて、特に制御デバイスによって制御可能にできる。保護デバイスのバルブ、入口、ポンプ、および/または別のアクチュエーターは、温度、圧力、充填レベル、および他の変数など、測定変数に基づいて制御できる。
【0076】
有利な実施形態において、ドレンソケットを通して吐出される流体の体積は、連結ソケットを通して送られる体積に本質的に対応できる。このように、流体は、保護デバイスを過剰に充填せずに交換される。特に、容器および/またはマウント部の内部は、所望の充填レベルに達するまで、連結ソケットを介して充填できる。次いで、ドレンソケットを介した送出を可能にできる。
【0077】
センサーデータの受信とアクチュエーターの制御との組み合わせによって、危険な動作状況の事実上の制御、ならびに1つもしくは複数の警告および/または他の自動的な処置を可能にすることができる。特に、連結ダクトを介した容器および/またはマウント部の冠水は、臨界に分類された状況に達したときにトリガーできる。容器および/またはマウント部の、特にガスの、継続的なモニタリングによって、適切な時間に開始がトリガーされ、処置の成功をモニタリングできることを保証できる。例えば、目標温度に達するまで、温度を連続して測定でき、流入および流出を維持できる。
【0078】
適切なアクチュエーターが存在する場合、制御デバイスを使用して容器および/またはマウント部を閉鎖できる。特に、これは、危険な動作状態、特にエネルギー貯蔵ユニットの火災が検出されるときに行うことができる。これは、臨界でない動作状態の間は、容器および/またはマウント部の開放している開口部を通してエネルギー貯蔵ユニットを換気したままにできることを意味する。しかし、臨界の動作状態が起きるとすぐに、エネルギー貯蔵ユニットをその周囲からシールできる。特にアクチュエーターによって、特にモーターおよび/またはばね、例えば熱でトリガーするばねによって、容器および/またはマウント部を開放および/または閉鎖できる、特に開状態から閉状態に再構成できる場合は、この再構成は特に制御デバイスによってトリガーできる。
【0079】
一実施形態の例では、保護デバイスに流体回路を設けることができる。特に、流体回路は閉鎖流体回路とすることができる。特に、流体回路は入口を有してよい。例えば、流体回路は、内部体積を表すことができる。流体回路の内部体積は、容器および/またはマウント部の内部体積に、少なくとも部分的に対応してよい。流体回路の内部体積は、容器および/またはマウント部の外側に少なくとも部分的に配置されてもよい。
【0080】
流体回路は、流体で少なくとも部分的に充填できる。流体回路は、流体で実質的に完全に充填することもできる。例えば、流体回路は、第1の状態ではガスで充填できる。流体回路は、特に流体で、特に流体回路の入口を通して、特に流体回路の内部から気体が逃げるようにして充填できる。
【0081】
流体回路は、排出ダクトを備えてよい。例えば、流体回路が充填されているときに、流体回路の排出ダクトによって、流体回路の内側にある気体が逃げることを可能にできる。例えば、排出ダクトによって、特に液体ではなく気体だけが通過することを可能にできる。そのために、排出ダクトは、例えば、半透膜を備えることができる。液体ではなく気体だけを通過可能にするバルブ、特にフロートを有するバルブも可能である。
【0082】
特に、流体回路は、保護デバイスの外側領域から容器および/またはマウント部の内側領域中に通じる第1のダクトを備えることができる。さらに、流体回路は、特に、容器および/またはマウント部の内側領域から通じる第2のダクトを有することができる。第1のダクトと第2のダクトとは、特に、容器および/またはマウント部の外側で、互いに直接的および/または間接的に流体連絡していてよい。それに加えておよび/またはその代わりに、第1のダクトと第2のダクトとは、容器および/またはマウント部の内側で、特に容器および/またはマウント部の内部によって互いに連結されていてよい。
【0083】
流体回路、特にその内部体積は、容器および/またはマウント部内に第1の部分を備えることができる。流体回路は、容器および/またはマウント部の外側に位置する、特に第1の部分とは異なる第2の部分を備えてよい。
【0084】
流体回路は駆動部を備えてよい。例えば、流体回路にポンプを配置できる。駆動部は、例えば、容器および/またはマウント部の外側に配置できる。容器および/またはマウント部の内側に駆動部を少なくとも部分的に配置することも可能である。駆動部、特にポンプは、流体回路を通して流体を押しやることができる。特に、駆動部は、流体回路内で容器および/またはマウント部の外側に位置する第1の内部体積から、容器および/またはマウント部の内側に位置する内部体積中に流体を推進できる。駆動部は、流体回路内で容器および/またはマウント部の内側に位置する第2の内部体積から、容器および/またはマウント部の外側に位置する内部体積中に流体を推進することもできる。
【0085】
流体回路は、例えば、熱交換器を含むことができる。例えば、熱交換器は、容器および/またはマウント部の外側に配置できる。熱交換器は、例えば、その内部体積に対して外面積が大きい流体案内要素を少なくとも1つ備えることができる。例えば、熱交換器は、平坦なチューブ、1つおよび/もしくは複数の薄いチューブ、互いに平行に配置された2つ以上の板の構成、ならびに/または内部体積および大きい外表面積を有する他の構成を備えてよい。他の一般的な熱交換器の設計も可能である。熱交換器は、例えば、流体案内回路など、流体回路に加えてさらなる回路を備えることができる。例えば、向流式熱交換器および/または並流式熱交換器を設けることができる。流体回路の流体は、熱交換器を介して冷却できる。
【0086】
このように、例えば、エネルギー貯蔵ユニットなど、容器および/またはマウント部に位置する要素と直接的に接触する流体は、流体回路に沿ってガイドできる。流体回路、特に閉鎖流体回路において、起こり得る流体の汚れおよび/または汚染は、汚染の可能性のある流体がドレンソケットから流出して別の体積中に入る場合ほど重大ではない。特に、汚染の可能性のある流体を大量に保持できる必要がある可能性のある収集体積を設ける必要はない。その代わりに、マウント部および/または容器の内部は、流体と直接的に接触して熱を放出できる。このような熱は、例えば熱交換器を介して、容器および/またはマウント部の外側に放出できる。
【0087】
一実施形態では、容器および/またはマウント部において冷却を行うこともできる。特に、例えば、さらなるフィードスルーを通して容器中におよび/またはマウント部中に、冷却管が導かれ得る。
【0088】
一実施形態では、容器および/またはマウント部は、冷却デバイスを備えてよい。冷却デバイスは、容器および/またはマウント部の流体を冷却するように設定できる。冷却デバイスによって、エネルギー貯蔵デバイスと直接的に接触するようになる流体が保護デバイスに残ることが可能になる。特に、冷却のために入れ替える必要はない。そのことは、汚染の可能性のある流体を吐出しなければならない事態を避け、消火中に生じる廃棄物を削減して最小限にする。
【0089】
冷却デバイスは、例えば、容器の壁および/またはマウント部の壁によって形成することができる。特に、その壁および/または壁は少なくとも部分的に2重壁とすることができる。したがって、容器の内壁および外壁ならびに/またはマウント部の内壁および外壁が少なくとも部分的にあってよい。内壁と外壁との間および/または壁同士の間にスペースがあってよい。一実施形態では、その中間スペースは、流体案内要素に、特に流体供給設備に連結するための、さらなる連結ソケットを備えてもよい。中間スペースは、容器および/またはマウント部の連結ソケットと流体連結していることもできる。中間スペース用に別個の連結ソケットがある場合は、特に、中間スペース中と、容器中および/またはマウント部中とに、異なる流体が送られることが可能である。容器および/またはマウント部の内壁と外壁との間の少なくとも1つの中間スペースは、流体で充填できる。容器および/またはマウント部の内側の流体体積は、中間スペースの流体と、容器および/またはマウント部の内部の流体とが互いに混合されることなく、内壁によって冷却される。
【0090】
2重壁の容器の壁および/またはマウント部の壁の代わりにまたはそれに加えて、容器および/またはマウント部の内側体積を通して他の流体案内体積をガイドすることもできる。それらは例えば冷却管とすることができる。それらは、容器および/またはマウント部の内部の、汚染の可能性のある流体を冷却することもできる。
【0091】
マウント部と容器の内側体積との間のシールも冷却デバイスとして働くことができる。マウント部は、例えば、マウント部の別個の連結ダクトおよび排出ダクトを用いて、別個に冠水され得る。さらに、マウント部の周囲の容器の内側体積が冠水され得る。マウント部の内側と外側の2つの流体は混合しないが、容器の内側体積の流体は、マウント部の壁を通してマウント部の内側の流体を冷却することができる。
【0092】
保護デバイスの体積、特に容器および/またはマウント部の内部の冠水による利点は、エネルギー貯蔵デバイスの直接的な冷却がそのすぐ周囲の流体によって保証されることである。例えば対応する排出ダクトを介して蒸気を放出することによって流体が蒸発することができるため、エネルギー貯蔵ユニットの最高温度がその表面で約100℃であることが保証される。冷却デバイスのおかげで、化学的に汚染された可能性のある、容器および/またはマウント部の内部の流体をさらなる冷却のために送出する必要がない。これは、エネルギー貯蔵部と直接的に接触している流体を冷却デバイスによって冷却できることを意味する。
【0093】
例えば、2重壁の容器/2重壁のマウント部の少なくとも1つの中間スペースを通って流体が移動でき、その流体が内部の汚染流体の熱を吸収し、それを徐々に冷却することが可能になる。冷却するべき体積内の流体案内管または容器の内側体積においてマウント部の周りに流体を押し流すことは、同様の手法で機能する。
【0094】
高温の内側体積をより低温の外側の層と共に密封することは、周囲に対する熱保護を同時に提供するという利点を有する。特に、2重壁の容器および/もしくは2重壁のマウント部の中間スペース、ならびに/またはマウント部がシールされた場合の容器の内側領域は、エネルギー貯蔵部が位置する領域の前に冠水され得る。
【0095】
提示している冷却デバイスのすべての場合において、冷却のための流体が汚染された内部から隔離されているため、次に、その流体を下水システムまたは他の場所に、例えば水域に単純に送出できる。これは、特に流体が水の場合に当てはまる。
【0096】
冷却デバイスの他の形態も考えられる。例えば、ペルチェ素子および/もしくはヒートポンプを使用できるか、または前述の解決策の1つとコンプレッサーを組み合わせることができる。
【0097】
さらなる実施形態では、エネルギー貯蔵ユニットをオフに切り換えることができる。エネルギー貯蔵ユニットをオフに切り換えることによって、エネルギー貯蔵ユニットの充電および/または放電および/または他の使用を防ぐことができる。特に、エネルギー貯蔵デバイスを、それが電力供給するデバイスから電気的に隔離する少なくとも1つのスイッチを設けることができる。そのスイッチは、容器および/またはマウント部の内側および外側の両方に位置決めされ得る。外側のスイッチは、不具合の際にスイッチが内部の不都合な状況に曝露されないという利点を有する。スイッチは、例えば、リレー、トライアック、ガラスバレルなどの機械的スイッチ、トランジスター、サイリスター、または別のスイッチとすることができる。スイッチを電子制御できることが有利な場合がある。その場合に、制御デバイスはスイッチに影響を及ぼすことができる。エネルギー貯蔵デバイスの機能不全が検出される際に、特に、温度上昇および/または発火の際に、特に、制御デバイスは、スイッチを切り換え、特に接続解除することができる。
【0098】
制御デバイスは、エネルギー貯蔵デバイスをオフに切り換えることおよび/または他のデバイスへの電気接続を解除することができる。特に、このようなオフへの切り換えおよび/または接続解除は、少なくとも1つのセンサーから受信した測定変数に応じて行うことができる。
【0099】
一実施形態では、保護デバイスはいくつかのマウント部を有することができる。それらは、いくつかの容器または単一の容器に配置できる。保護デバイスはいくつかの容器を備えることもできる。
【0100】
さらなる実施形態の例は、保護デバイスが配置された輸送手段に関する。特に、その輸送手段はウォータークラフトとすることができる。その場合、容器は、例えば、ストレージスペースなど、ウォータークラフトの既存の部分によって、少なくとも部分的に形成できる。ここでの利点は、ウォータークラフトが浮遊している水をくみ上げできるポンプを介した容器中への直接的給水として流体供給を実現できることである。いずれにせよ、水ポンプは、多くの場合に、搭載されていて既に利用可能である。
【0101】
さらなる実施形態の例は、対象の保護デバイスが配置された建物に関する。ここでの利点は、保護デバイスの重量が重要ではなく、特に最小限に抑える必要がないということである。したがって、耐火扉を有するレンガ壁など、重い耐火材料が、保護デバイスの容器の少なくとも一部分を形成することもできる。
【0102】
一実施形態では、保護デバイスは、可動、特に全体として可動、特に携帯可能とすることができる。例えば、後からデバイスを建物および/または輸送手段に配置できる。後に保護デバイスを建物および/または輸送手段から取り出すことも可能である。特に、保護デバイスは、火災の際の建物および/または輸送手段など、有害環境から取り出すことができる。例えば、保護デバイスは、輸送手段、特にウォータークラフトから外に降ろすことができる。
【0103】
本解決策のさらなる態様は、本発明の保護デバイスを使用する請求項28に記載の方法である。その保護デバイスに、特に保護デバイスの容器のマウント部内に、エネルギー貯蔵デバイスが位置決めされる。第2のステップで、容器中および/またはマウント部中に流体が入れられる。これは、連結ソケットおよび/または連結ダクトを介して行うことができる。流体の流入は、制御デバイスによって制御でき、少なくとも1つのセンサーによって記録された測定値に応じて開始できる。
【0104】
一実施形態では、測定値は、少なくとも1つのセンサーによってモニタリングされる。その測定値に基づいて、エネルギー貯蔵デバイスのオーバーヒートおよび/またはガス漏れおよび/または発火を検出できる。このようなモニタリングおよび/または検出は、例えば制御デバイスを用いて実行することができる。
【0105】
さらなる実施形態では、容器および/またはマウント部中への流体の流入は制御される。特にエネルギー貯蔵デバイスのオーバーヒートおよび/または発火の検出の際に、特にセンサーの少なくとも1つからの測定値に基づいて、容器中および/またはマウント部中への流体の流入を制御、特に開始できる。流体は、制御デバイスによって導入できる。
【0106】
流体の流入の代わりとしてまたはそれに加えて消火デバイスをトリガーすることもでき、例えば、消火器を起動できるか、または容器および/もしくはマウント部中への不活性ガスの導入をトリガーできる。消火デバイスは、制御デバイスによってトリガーすることもできる。
【0107】
さらなる実施形態では、保護デバイスの容器および/またはマウント部は、特にエネルギー貯蔵デバイスのオーバーヒートおよび/または発火が検出されたときに閉鎖できる。制御デバイスは、容器および/またはマウント部の閉鎖を制御することができる。
【0108】
各実施形態を示す図面を参照しながら以下でより詳細に本主題を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0109】
図1】一実施形態による保護デバイスである。
図2】一実施形態による保護デバイスである。
図3】一実施形態による保護デバイスを動作させるための方法である。
【発明を実施するための形態】
【0110】
図1は、本主題による保護デバイスを示す。保護デバイスは、開口部160を有する容器100を備える。開口部160は、閉止部150によって閉鎖できる。特に、この閉止部150は、容器100を耐圧、気密および/または液密に閉鎖することができる。いくつかの実施形態では、閉止部150は、制御可能なアクチュエーターによって開位置と閉位置との間で調節することができる。容器100は、連結ソケット120と、マウント部110に通じる連結ダクト122とを有する。流体は、連結ダクト122を通してマウント部110中に送られ得る。連結ソケット120は、流体供給設備124に連結されており、流体供給設備124は、図示の例では、リザーバー128から流体をくみ上げるポンプ126を備える。容器100上にはフット部104が配置されている。それらは、容器100を断熱し、かつ/またはそれを周囲に固定するように働くことができる。容器100から流体を送出するために、ドレンソケット140が設けられている。容器100には排出ダクト130もあり、排出ダクト130は、熱、蒸気、煙などが閉鎖容器100から逃げることを可能にできる。さらに、容器100の外壁にはケーブルダクト102が埋め込まれている。これを通してケーブルをエネルギー貯蔵ユニット115に、特に耐圧、気密および/または液密にルート設定できる。容器100内にセンサー170を配置することができる。容器100には制御デバイス190を設けることもできる。これは、センサーデータを評価し、アクチュエーターを作動させることができる。
【0111】
図2は、冷却デバイスを有する保護デバイス1の一例を示す。そのために、第1の実施形態では、中間スペース106を有する2重壁の容器100が設けられている。中間スペース106は、それ独自の連結部120’およびそれ独自の出口140’を有する。容器100の内部の流体は、損傷を受けたエネルギー貯蔵部115によって中間スペース106の流体が汚染されることなく、中間スペース106を介して冷却することができる。その代わりにまたはそれに加えて、容器100には冷却ライン180の形態の冷却デバイスを設けることができ、冷却流体がその冷却ライン180を通ることができる。容器100の流体は、それを介して冷却することもできる。容器100の内部のためのドレンソケットは必要なく、汚染された流体は容器100に残る。また、図2にも示すように、マウント部は、容器100の内部から閉鎖でき、そのため、マウント部を別個に冠水させることができる。さらに、容器100の内部は、マウント部の壁を通してマウント部110内の流体を冷却するために冠水できる。その場合、図1に示すドレン140はやはり有用であり、そのため、冷却デバイスの効果的な動作のために容器100の内部の流体を交換できる。
【0112】
図3は、保護デバイス1を動作させるための例示的な方法を示す。ステップ202で、エネルギー貯蔵デバイス115がマウント部110中に挿入される。ステップ208は、連結ソケット120を介して流体の供給を起動する。ステップ208の前に、センサー170によって記録された測定データをステップ204でモニタリングすることができる。したがって、オーバーヒートおよび/または火災は、ステップ206でセンサーデータに基づいて、特に制御デバイス190によって検出できる。したがって、ステップ208の後の容器100の冠水の起動は、センサーデータに基づく機能不全の検出に応じて行うことができる。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- エネルギー貯蔵デバイス用のマウント部を有するシール可能な容器と、
- 前記容器中に通じる、連結ソケットを有する連結ダクトであって、前記連結ソケットを介して家庭用給水設備が保護デバイスと連結可能である、連結ダクトと、
排出ダクトによって前記マウント部と相互連結された排出ソケットであって、前記排出ソケットを介して、保護デバイスが設置された空間の外に体積がガイドされる、排出ソケット
を備える、前記エネルギー貯蔵デバイス用の前記保護デバイスであって、
- 前記排出ダクトは恒久的に開放されていることを特徴とする、保護デバイス。
【請求項2】
前記連結ソケットは、流体案内要素に流体密に連結可能であり、かつ/または流体供給設備に連結されており、特に、流体供給設備に流体密に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項3】
前記排出ソケットは、前記容器の外壁に配置されており、特に、前記排出ソケットは、排出ダクトに連結されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の保護デバイス。
【請求項4】
前記連結ダクトは、前記容器の外壁から前記マウント部中に導かれることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項5】
前記閉止部は、前記マウント部から前記排出ソケットを流体密にシールし、特に、前記閉止部は、前記マウント部内の圧力および/または温度に応じて開放でき、前記閉止部は、特に、バーストディスクであることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項6】
前記排出ソケットは、耐熱材料および/または耐火材料から作製されることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項7】
ケーブル導入口が、前記容器の前記外壁から前記マウント部中に導かれ、特に、前記ケーブル導入口は、耐火性および/または耐圧性および/または流体密であることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項8】
エネルギー貯蔵デバイスが、特に電気エネルギー貯蔵デバイス、特に化学物質貯蔵デバイス、特にアキュムレーター、特にリチウムイオンアキュムレーターが、前記マウント部内に配置されることを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項9】
前記マウント部の前記少なくとも1つの内壁および/または前記容器の前記壁は、少なくとも部分的に耐火材料から形成されており、特に、前記耐火材料は、少なくとも部分的に、金属、および/または耐火プラスチック、および/またはセラミックス、および/または鉱物性建材、特にコンクリートもしくは石材から、および/または組積材として形成されていることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項10】
前記マウント部および/または前記容器は、耐圧になるようにシールできることを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項11】
吐出ソケットを有する吐出ダクトは、前記マウント部から前記容器の前記外壁にガイドされることを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項12】
前記吐出ソケットは、前記容器および/もしくは前記マウント部の下側領域に配置され、かつ/または前記連結ソケットは、前記容器および/または前記マウント部の上側領域に配置されることを特徴とする、請求項1~11の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項13】
前記容器および/または前記マウント部における散布手段が、前記連結ダクトと流体連結しており、前記散布手段は、互いから離間配置された2つの出口を前記容器および/または前記マウント部内に有することを特徴とする、請求項1~12の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項14】
前記連結ソケットおよび/または前記吐出ソケットおよび/または前記排出ソケットは、紛失できないように前記容器および/または前記マウント部に配置されていることを特徴とする、請求項1~13の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項15】
前記連結ソケットは、ポンプ、特に、モーター駆動および/もしくは手動のポンプに、ならびに/または給水連結部に、特に建物の給水連結部に結合されていることを特徴とする、請求項1~14の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項16】
少なくとも1つの消火デバイスが、特に、粉末消火器、泡消火器、CO消火器、不活性ガス、特に、窒素、CO、および/または別の消火ガスの供給、特に制御可能な消火デバイスが、前記容器の中および/または上に配置されていることを特徴とする、請求項1~15の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項17】
少なくとも1つのセンサーが、特に、温度センサー、圧力センサー、充填レベルセンサー、湿度センサー、光センサー、ガスセンサー、pHセンサー、音センサー、および/または加速度センサーが、前記容器および/または前記マウント部の中および/または上に配置されていることを特徴とする、請求項1~16の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項18】
前記保護デバイスは、少なくとも1つのディスプレイ手段、特に、光源、スクリーン、インジケーターペイント、圧力ペン、および/または音響ディスプレイ手段を備え、前記ディスプレイ手段は、特に前記容器に配置されていることを特徴とする、請求項1~17の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項19】
前記保護デバイスは、制御デバイス、特に電子回路、および/またはデジタル回路、特にプロセッサーを備えることを特徴とする、請求項1~18の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項20】
前記制御デバイスは、前記センサーのうちの少なくとも1つによって検出された測定変数を受信し、かつ/または前記保護デバイスの少なくとも1つのアクチュエーターを、特に前記検出された測定変数に応じて制御するように設定されていることを特徴とする、請求項1~19の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項21】
前記連結ソケットおよび/または前記吐出ソケットおよび/または前記給水連結部は、特に前記センサーのうちの1つおよび/または複数によって検出された測定値、特に前記容器内および/または前記マウント部内の水のレベルおよび/または前記水の温度の測定値に応じて、特に前記制御デバイスによって制御することができることを特徴とする、請求項1~20の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項22】
前記容器および/または前記マウント部は、開放および/または閉鎖でき、特にアクチュエーターによって、特にモーター、特に前記制御デバイスによって制御されるアクチュエーターによって、特に開状態から閉状態になるように再構成できることを特徴とする、請求項1~21の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項23】
- 前記保護デバイスは、前記容器内および/または前記マウント部内の前記流体を冷却するように配置された冷却デバイスを備え、
- 特に、前記冷却デバイスは、前記容器のおよび/もしくは前記マウント部内の前記壁の一部を備え、前記容器および/もしくは前記マウント部は、少なくとも部分的に、内壁および外壁を有する2重壁であり、特に、少なくとも1つのさらなる連結ダクトが、前記容器の外壁から、内壁と外壁との間の中間スペース中に通じており、さらなる吐出ダクトが、前記中間スペースから前記容器の前記外壁に通じており、かつ/または
- 前記冷却デバイスは、前記容器の内部におよび/もしくは前記マウント部内に冷却要素を有し、前記冷却要素を通して、冷却手段、特に水がガイドされ得、かつ/または
- 前記冷却デバイスは、前記容器の前記内部を備え、前記マウント部は、前記容器の前記内部に対して流体密にシールされ、そのため、前記容器の前記内部の水は、前記マウント部の前記壁を通して前記マウント部内の水を冷却でき、かつ/または
- 前記冷却デバイスは、ヒートポンプおよび/もしくはペルチェ素子を備えることを特徴とする、
請求項1~22の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項24】
前記制御デバイスは、特に前記センサーによって検出された測定変数に応じて、特にスイッチ、特に前記容器の外に配置されたスイッチによって、前記エネルギー貯蔵デバイスをオフに切り換えるように設定されていることを特徴とする、請求項1~23の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項25】
前記保護デバイスは、特に容器内に配置された、いくつかのマウント部を備えることを特徴とする、請求項1~24の何れか一項に記載の保護デバイス。
【請求項26】
請求項1~25の何れか一項に記載の保護デバイスを有する輸送手段、特にウォータークラフト。
【請求項27】
請求項1~25の何れか一項に記載の保護デバイスを有する建物。
【請求項28】
エネルギー貯蔵デバイスが、保護デバイスの前記マウント部内に位置決めされ、
- 流体が、前記連結ソケットおよび連結ダクトを通して前記容器中に送られる、
請求項1~25の何れか一項に記載の前記保護デバイスを用いてエネルギー貯蔵デバイスを放電するための方法であって、
- 前記連結ソケットは家庭用給水設備と連結可能であり、前記容器は流体で冠水され、
- 体積が、前記保護デバイスが設置された前記空間の外に、前記排出ダクトを介してガイドされることを特徴とする、
方法。
【請求項29】
前記測定値は、少なくとも1つのセンサーによってモニタリングされ、前記エネルギー貯蔵部のオーバーヒートおよび/または発火は、前記測定値に応じて検出されることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記流体は、前記測定値の1つに応じて、前記連結ソケットおよび連結ダクトを通して前記容器中および/または前記マウント部中に送られることを特徴とする、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記容器および/または前記マウント部は、前記測定値の1つに応じてシールされることを特徴とする、請求項28~30の何れか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記容器および/または前記マウント部内の前記流体は、特に冷却デバイスによって、冷却されることを特徴とする、請求項28~31の何れか一項に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵デバイス用の保護デバイスであって、
前記エネルギー貯蔵デバイス用のマウント部を有するシール可能な容器と、
- 前記マウント部中に通じる、連結ソケットを有する連結ダクトと
記マウント部と相互連結された排出ソケットと
を備え
- 前記マウント部内にエネルギー貯蔵装置が配置され、
- 前記容器の一部は、壁によって境界が定められ、前記容器は、部分的にレンガまたはコンクリートから形成され、
- 前記排出ソケットは、前記マウント部と前記容器の周囲との間に連結を形成する、保護デバイス。
【請求項2】
前記連結ソケットは、流体案内要素に流体密に連結可能であり、かつ/または流体供給設備に連結されており、特に、流体供給設備に流体密に連結されている、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項3】
前記排出ソケットは、前記容器の外壁に配置されており、特に、前記排出ソケットは、排出ダクトに連結されている、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項4】
前記連結ダクトは、前記容器の外壁から前記マウント部中に導かれる、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項5】
前記閉止部は、前記マウント部から前記排出ソケットを流体密にシールし、特に、前記閉止部は、前記マウント部内の圧力および/または温度に応じて開放でき、前記閉止部は、特に、破裂ディスクである、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項6】
前記排出ソケットは、耐熱材料および/または耐火材料から作製される、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項7】
ケーブル導入口が、前記容器の前記外壁から前記マウント部中に導かれ、特に、前記ケーブル導入口は、耐火性および/または耐圧性および/または流体密である、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項8】
エネルギー貯蔵デバイスが、特に電気エネルギー貯蔵デバイス、特に化学物質貯蔵デバイス、特にアキュムレーター、特にリチウムイオンアキュムレーターが、前記マウント部内に配置される、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項9】
前記マウント部の前記少なくとも1つの内壁および/または前記容器の前記壁は、少なくとも部分的に耐火材料から形成されており、特に、前記耐火材料は、少なくとも部分的に、金属、および/または耐火プラスチック、および/またはセラミックス、および/または鉱物性建材、特にコンクリートもしくは石材から、および/または組積材として形成されている、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項10】
前記マウント部および/または前記容器は、耐圧になるようにシールできる、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項11】
吐出ソケットを有する吐出ダクトは、前記マウント部から前記容器の前記外壁にガイドされる、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項12】
前記吐出ソケットは、前記容器および/もしくは前記マウント部の下側領域に配置され、かつ/または前記連結ソケットは、前記容器および/または前記マウント部の上側領域に配置される、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項13】
前記容器および/または前記マウント部における散布手段が、前記連結ダクトと流体連結しており、前記散布手段は、互いから離間配置された2つの出口を前記容器および/または前記マウント部内に有する、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項14】
前記連結ソケットおよび/または前記吐出ソケットおよび/または前記排出ソケットは、紛失できないように前記容器および/または前記マウント部に配置されている、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項15】
前記連結ソケットは、ポンプ、特に、モーター駆動および/もしくは手動のポンプに、ならびに/または給水連結部に、特に建物の給水連結部に結合されている、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項16】
少なくとも1つの消火デバイスが、特に、粉末消火器、泡消火器、CO消火器、不活性ガス、特に、窒素、CO、および/または別の消火ガスの供給、特に制御可能な消火デバイスが、前記容器の中および/または上に配置されている、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項17】
少なくとも1つのセンサーが、特に、温度センサー、圧力センサー、充填レベルセンサー、湿度センサー、光センサー、ガスセンサー、pHセンサー、音センサー、および/または加速度センサーが、前記容器および/または前記マウント部の中および/または上に配置されている、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項18】
前記保護デバイスは、少なくとも1つのディスプレイ手段、特に、光源、スクリーン、インジケーターペイント、圧力ペン、および/または音響ディスプレイ手段を備え、前記ディスプレイ手段は、特に前記容器に配置されている、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項19】
前記保護デバイスは、制御デバイス、特に電子回路、および/またはデジタル回路、特にプロセッサーを備える、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項20】
前記制御デバイスは、前記センサーのうちの少なくとも1つによって検出された測定変数を受信し、かつ/または前記保護デバイスの少なくとも1つのアクチュエーターを、特に前記検出された測定変数に応じて制御するように設定されている、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項21】
前記連結ソケットおよび/または前記吐出ソケットおよび/または前記給水連結部は、特に前記センサーのうちの1つおよび/または複数によって検出された測定値、特に前記容器内および/または前記マウント部内の水のレベルおよび/または前記水の温度の測定値に応じて、特に前記制御デバイスによって制御することができる、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項22】
前記容器および/または前記マウント部は、開放および/または閉鎖でき、特にアクチュエーターによって、特にモーター、特に前記制御デバイスによって制御されるアクチュエーターによって、特に開状態から閉状態になるように再構成できる、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項23】
- 前記保護デバイスは、前記容器内および/または前記マウント部内の前記流体を冷却するように配置された冷却デバイスを備え、
- 特に、前記冷却デバイスは、前記容器のおよび/もしくは前記マウント部内の前記壁の一部を備え、前記容器および/もしくは前記マウント部は、少なくとも部分的に、内壁および外壁を有する2重壁であり、特に、少なくとも1つのさらなる連結ダクトが、前記容器の外壁から、内壁と外壁との間の中間スペース中に通じており、さらなる吐出ダクトが、前記中間スペースから前記容器の前記外壁に通じており、かつ/または
- 前記冷却デバイスは、前記容器の内部におよび/もしくは前記マウント部内に冷却要素を有し、前記冷却要素を通して、冷却手段、特に水がガイドされ得、かつ/または
- 前記冷却デバイスは、前記容器の前記内部を備え、前記マウント部は、前記容器の前記内部に対して流体密にシールされ、そのため、前記容器の前記内部の水は、前記マウント部の前記壁を通して前記マウント部内の水を冷却でき、かつ/または
- 前記冷却デバイスは、ヒートポンプおよび/もしくはペルチェ素子を備える、
請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項24】
前記制御デバイスは、特に前記センサーによって検出された測定変数に応じて、特にスイッチ、特に前記容器の外に配置されたスイッチによって、前記エネルギー貯蔵デバイスをオフに切り換えるように設定されている、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項25】
前記保護デバイスは、特に容器内に配置された、いくつかのマウント部を備える、請求項1に記載の保護デバイス。
【請求項26】
請求項1に記載の保護デバイスを有する輸送手段、特にウォータークラフト。
【請求項27】
請求項1に記載の保護デバイスを有する建物。
【請求項28】
求項1~25の何れか一項に記載の保護デバイスを用いてエネルギー貯蔵デバイスを放電するための方法であって、
- エネルギー貯蔵デバイスが、前記保護デバイスの前記マウント部内に位置決めされ、
- 流体が、前記連結ソケットおよび連結ダクトを通して前記容器中および/または前記マウント部中に送られる
方法。
【請求項29】
前記測定値は、少なくとも1つのセンサーによってモニタリングされ、前記エネルギー貯蔵部のオーバーヒートおよび/または発火は、前記測定値に応じて検出されることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記流体は、前記測定値の1つに応じて、前記連結ソケットおよび連結ダクトを通して前記容器中および/または前記マウント部中に送られることを特徴とする、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記容器および/または前記マウント部は、前記測定値の1つに応じてシールされることを特徴とする、請求項28~30の何れか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記容器および/または前記マウント部内の前記流体は、特に冷却デバイスによって、冷却されることを特徴とする、請求項28~31の何れか一項に記載の方法。
【国際調査報告】