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▶ イーエルシー マネージメント エルエルシーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】化粧品組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/04 20060101AFI20240723BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20240723BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240723BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240723BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20240723BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240723BHJP
   A61K 8/26 20060101ALI20240723BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
A61K8/04
A61Q1/00
A61K8/34
A61K8/37
A61K8/31
A61K8/49
A61K8/26
A61K8/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504996
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 US2022038409
(87)【国際公開番号】W WO2023009562
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/226,710
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/873,434
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロガルボ、ジョン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ムルホランド、リーアン
(72)【発明者】
【氏名】ザカス、エム.ミーガン
(72)【発明者】
【氏名】メレンケヴィッツ、ダグ
(72)【発明者】
【氏名】ブロック、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ジェン、タオ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB222
4C083AB362
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC092
4C083AC331
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC662
4C083AC842
4C083AC852
4C083AD022
4C083AD072
4C083AD242
4C083AD332
4C083AD492
4C083AD661
4C083AD662
4C083BB21
4C083CC11
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083DD11
4C083DD21
4C083DD39
4C083EE01
4C083FF05
(57)【要約】
高い顔料負荷の化粧品組成物を加工するための方法は、予分散段階、粉砕段階、及び完全な増量剤段階を提供し得る。化粧品組成物を加工する方法は、化粧品組成物の少なくとも35重量%の固体微粒子を完全に飽和させ、分散させ得る。化粧品組成物を加工するための方法は、1回のスワイプ又は適用で高いカラーペイオフを提供し得る。更に、化粧品組成物を加工するための方法は、高い顔料負荷であってもフェザリング及びブリーディングを低減し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品組成物を作製する方法であって、
予分散段階で、前記化粧品組成物の少なくとも35重量%の1つ以上の固体微粒子を液体成分と混合することを含み、
前記1つ以上の固体微粒子が、顔料、粉末、及び充填剤を含み、
前記液体成分が、前記化粧品組成物の約29~42重量%の1つ以上のエモリエント剤及び前記化粧品組成物の0.25~5重量%の1つ以上の湿潤剤を含む、方法。
【請求項2】
前記液体成分が、
0.5~10重量%の1つ以上の皮膜形成剤と、
0.5~1重量%のビタミンEと、
2~3重量%のコポリマーブロックと、
1~2重量%の粘土と、
1~2重量%のシリカと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の固体微粒子が、前記液体成分を完全に飽和させ、前記化粧品組成物を形成する際に完全に分散する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
粉砕段階で、前記化粧品組成物を、粒子が約12ミクロン未満又は約7ヘグマン単位を有するまで粉砕することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
完全な増量剤段階において、粉砕された前記化粧品組成物を以下:
1つ以上のエモリエント剤、1つ以上の湿潤剤、1つ以上のワックス、1つ以上の皮膜形成剤、及び1つ以上の保湿剤のうちの1つ以上と混合することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記化粧品組成物を摂氏約95度まで加熱することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
化粧品組成物であって、
1つ以上の固体微粒子と、
分散剤、湿潤剤、又はそれらの混合物のうちの少なくとも1つと、
少なくとも1つの皮膜形成剤と、
少なくとも1つの主要な担体と、を含む、化粧品組成物。
【請求項8】
約35~50重量%の前記1つ以上の固体微粒子と、
約0.25~5重量%の前記分散剤、前記湿潤剤、又は前記それらの混合物のうちの前記少なくとも1つと、
約0.5~10重量%の前記少なくとも1つの皮膜形成剤と、
約35重量%の前記少なくとも1つの主要な担体と、を含む、請求項7に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
a.少なくとも35重量%の前記1つ以上の固体微粒子と、
b.少なくとも0.25重量%の前記分散剤、前記湿潤剤、又は前記それらの混合物のうちの前記少なくとも1つと、
c.少なくとも0.50重量%の前記少なくとも1つの皮膜形成剤と、
d.少なくとも5重量%の1つ以上のワックス関連成分と、
e.少なくとも0.25重量%の1つ以上の保湿剤と、を含む、請求項7に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
前記1つ以上の固体微粒子が、顔料、粉末、充填剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
前記1つ以上の固体微粒子が、せん断抵抗性組成物を提供するために表面処理される、請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
前記主要な担体が、長鎖脂肪アルコール液、油、エステル、及びエモリエント剤のうちの1つ以上から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項13】
前記化粧品組成物が、使用者に適用されたときに超飽和色付着を提供し、前記超飽和色付着が、少なくとも70%の不透明度を提供する、請求項7に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年7月28日に出願された米国仮出願第63/226,710号及び2022年に7月26日に出願された米国非仮出願第17/873,434号の優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、高い顔料負荷を有する化粧品組成物を加工することに関し、より具体的には、長持ち属性を有する高い顔料負荷の化粧品組成物の加工に関する。
【背景技術】
【0003】
高い顔料負荷を提供する化粧品組成物は、加工するのが困難であり得る。従来の化粧品組成物は、典型的には、高い顔料負荷が組成物中に組み込まれる場合、保湿及び長持ち属性を犠牲にする。加えて、従来の化粧品組成物は、粉末であり得る顔料を十分に飽和させることができない場合があり、化粧品組成物全体内に顔料を完全に分散させることができない場合がある。上記に基づいて、限られた持ち、乾燥、及び低いペイオフという欠点を伴わずに高い顔料負荷を送達し得る化粧品組成物及びその加工方法に対する継続する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、概して、高い顔料負荷の化粧品組成物及びその加工方法を提供する。本開示の実施形態は、快適さ及び長持ち属性を有する化粧品組成物を提供し得る。本開示の実施形態による組成物は、色飽和した色合いのための高い顔料負荷を考えると、1回のスワイプで高いカラーペイオフを提供し得る。それは、長持ちし、フェザリングせず、ブリーディングせず、色褪せしないものであり得、即時及び長期の保湿を提供し得る。天然皮膜形成剤及びワックス複合体ブレンドと組み合わされた最適化された顔料飽和は、適用時の快適さ及び高性能の快適な持ちを提供し得る。
【0005】
化粧品組成物は、これらに限定されないが、チーク、アイシャドウ、フェイスパウダー、リップスティック、リップグロス、コンシーラー、ホットポアエマルション、無水ホットポアシステム、及び他の同様の組成物を含む複数の製品形態であってもよい。これらの製品形態は、本開示の実施形態における日焼け止め指数(sun protection factor、SPF)製品形態において利用され得る。これらの製品形態は、1回スワイプの超飽和色付着を提供し得る高レベルの顔料及び粉末を送達し得る。これらの組成物は、軽量感を有することができ、快適さを伴う非ケーキング性、非ピリング性、及び非乾燥性であることができる。加工方法は、これらに限定されないが、チーク、アイシャドウ、フェイスパウダー、リップスティック、ハイライト、SPF形態、及び他の同様の組成物を含む製品形態に適用可能であり得る。更に、化粧品組成物及びその方法は、これらに限定されないが、ペンシル、スティック、ポット、及び他の同様の組成物を含む製品形態で提供され得る。
【0006】
本開示の実施形態は、予分散段階で、化粧品組成物の少なくとも35重量%の1つ以上の固体微粒子を液体成分と混合することを含む、化粧品組成物の作製方法を提供し得、1つ以上の固体微粒子は、顔料、粉末、及び充填剤を含み、液体成分は、化粧品組成物の約29~42重量%の1つ以上のエモリエント剤と、化粧品組成物の0.25~5重量%の1つ以上の湿潤剤とを含む。液体成分は、0.5~10重量%の1つ以上の皮膜形成剤と、0.5~1重量%のビタミンEと、2~3重量%のコポリマーブロックと、1~2重量%の粘土と、1~2重量%のシリカとを更に含み得る。1つ以上の固体微粒子は、液体成分を完全に飽和させてもよく、1つ以上の固体微粒子は、化粧品組成物を形成する際に完全に分散してもよい。方法はまた、粉砕段階で、化粧品組成物を、粒子が約12ミクロン未満又は約7ヘグマン単位を有するまで粉砕することを含み得る。方法は、完全な増量剤段階で、粉砕された化粧品組成物を、以下:1つ以上のエモリエント剤、1つ以上の湿潤剤、1つ以上のワックス、1つ以上の皮膜形成剤、及び1つ以上の保湿剤のうちの1つ以上と混合することを更に含み得る。方法はまた、化粧品組成物を摂氏約95度まで加熱することを含み得る。
【0007】
本開示の他の実施形態は、1つ以上の固体微粒子と、分散剤、湿潤剤、又はそれらの混合物のうちの少なくとも1つと、少なくとも1つの皮膜形成剤と、少なくとも1つの主要な担体とを含む化粧品組成物を提供し得る。組成物は、約35~50重量%の1つ以上の固体微粒子と、約0.25~5重量%の分散剤、湿潤剤、又はそれらの混合物のうちの少なくとも1つと、約0.5~10重量%の少なくとも1つの皮膜形成剤と、約35重量%の少なくとも1つの主要な担体とを含み得る。組成物は、少なくとも35重量%の1つ以上の固体微粒子と、少なくとも0.25重量%の分散剤、湿潤剤、又はそれらの混合物のうちの少なくとも1つと、少なくとも0.50重量%の少なくとも1つの皮膜形成剤と、少なくとも5重量%の1つ以上のワックス関連成分と、少なくとも0.25重量%の1つ以上の保湿剤とを更に含み得る。1つ以上の固体微粒子は、顔料、粉末、充填剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。1つ以上の固体微粒子は、せん断抵抗性組成物を提供するために表面処理され得る。主要な担体は、長鎖脂肪アルコール液、油、エステル、及びエモリエント剤のうちの1つ以上から選択され得る。化粧品組成物は、使用者に適用されたときに超飽和色付着を提供し、超飽和色付着は、少なくとも70%の不透明度を提供し得る。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態は、概して、快適さ及び長持ち属性を有する高い顔料負荷の化粧品組成物及びその加工方法を提供する。本開示の実施形態による組成物は、1回のスワイプで高いカラーペイオフを提供し得る。組成物は、長持ちし、フェザリングせず、ブリーディングせず、色褪せしないものであり得、即時及び長期の保湿を提供し得る。天然皮膜形成剤及びワックス複合体ブレンドと組み合わされた最適化された顔料飽和は、適用時の快適さ及び高性能の快適な持ちを提供し得る。
【0009】
本開示の実施形態による組成物は、顔料、粉末、充填剤、及び/又はそれらの混合物であり得る固体微粒子を、20~50%、より好ましくは、30~50%、及び少なくとも35%のレベルで含み得る。
【0010】
本開示の実施形態による化粧品組成物は、高い顔料負荷を提供し得る。高い顔料負荷は、本開示のいくつかの実施形態において、組成物の少なくとも45重量%であり得ることが理解されるべきである。高い顔料負荷は、本開示から逸脱することなく、化粧品組成物の45重量%未満又は45重量%超であり得ることも理解されるべきである。
【0011】
微粒子材料は、様々な有機及び/又は無機顔料を含んでもよい。有機顔料は、一般に、これらに限定されないが、D&C及びFD&C青色、茶色、緑色、オレンジ色、赤色、黄色などと表記される、アゾ、インジゴイド、トリフェニルメタン、アントロキノン、及びキサンチン染料を含む、様々な芳香族タイプであり得る。有機顔料は、一般に、Lakesと称される認定された色添加剤の不溶性金属塩を含み得る。無機顔料としては、酸化鉄、ウルトラマリン、クロム、水酸化クロムの色、及びこれらの混合物が挙げられ得る。赤色、青色、黄色、茶色、黒色、及びこれらの混合物の酸化鉄が使用され得る。
【0012】
組成物が顔料と粉末との混合物を含み得る場合、好適な範囲としては、組成物全体の重量を基準とした重量で約0.01~75%の顔料及び0.1~75%の粉末が挙げられる。顔料は、これらに限定されないが、イソプロピルチタントリイソステアレート(isopropyl titanium triisostearate、ITT)、トリチルテトラゾールブロモメチルビフェニル(trityl tetrazole bromomethyl biphenyl、TTBB2)、シラン、及び/又はジメチコンを含む化合物で表面処理され得る。粉末及び充填剤は、これらに限定されないが、ベントナイトヘクトライト、シリカ、若しくはBPD-500、マイカ、及び/又は硫酸バリウムを含む化合物から選択され得る。
【0013】
微粒子材料は、有色又は無色(例えば、白色)の非着色粉末であってもよい。好適な非着色粉末としては、これらに限定されないが、オキシ塩化ビスマス、チタン化雲母、ヒュームドシリカ、球状シリカ、ポリメチルメタクリレート、微粉化テフロン、窒化ホウ素、アクリレートコポリマー、ケイ酸アルミニウム、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、セルロース、チョーク、トウモロコシデンプン、珪藻土、フラー土、グリセリルデンプン、ヘクトライト、水和シリカ、カオリン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、マルトデキストリン、モンモリロナイト、微晶質セルロース、米デンプン、シリカ、タルク、雲母、二酸化チタン、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ロジン酸亜鉛、アルミナ、アタパルジャイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、デキストラン、カオリン、ナイロン、シリル化シリカ、シルクパウダー、絹雲母、大豆粉、酸化スズ、水酸化チタン、リン酸三マグネシウム、クルミの殻粉末、及び/又はそれらの混合物が挙げられる。上述の粉末は、これらに限定されないが、レシチン、アミノ酸、鉱油、シリコーン、及び/又は様々な他の薬剤を含む化合物を用いて単独で、又は組み合わせてのいずれかで表面処理されてもよく、これによって、粉末表面がコーティングされ得、粒子が本質的により親油性になり得る。
【0014】
本開示の実施形態による組成物は、固体粒子とは独立して、又は粒子のコロイド分散体の形態で添加され得る1つ以上の分散剤を含み得る。分散剤は、分散された粒子をそれらの凝集又は凝結から保護し得る。十分に固体粒子を(凝結なしに)分散させるために、かつ特に粒子のコロイド分散体を安定化させるために一般的に使用される分散剤の濃度は、粒子表面の0.3~5mg/m~2、好ましくは、0.5~4mg/m~2の範囲であり得る。この分散剤は、分散させる粒子表面に対して高い親和性を有する1つ以上の官能基を有する界面活性剤、オリゴマー、ポリマー、又はそれらの混合物であり得る。特に、それらは、分散させるために粒子表面に物理的又は化学的に結合され得る。これらの分散剤は、加えて、連続媒体に適合性又は可溶性の少なくとも1つの官能基を有し得る。特に、ポリヒドロキシ酸-12-ステアリン酸のエステル、例えば、分子量約750g/molのポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)のステアレート、例えば、AveciaによりSolsperse 21,000の名称で販売されているもの、ポリヒドロキシ-12-ステアリン酸とポリオール、例えば、グリセロール、ジグリセリンとのエステル、例えば、HENKELによりDehymuls PGPHの参照名で販売されているポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート(CTFA名)(又はポリ(12-ヒドロキシステアレート)ジグリセロール)、又は代替的にポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)、例えば、UniqemaによりArlacel P100の参照名で販売されているもの、及びそれらの混合物を使用することができる。
【0015】
本開示の実施形態による組成物において使用され得る他の分散剤としては、これらに限定されないが、Aveciaによって販売されている重縮合脂肪酸17,000の四級アンモニウム誘導体、及び/又はDow Corning社によってDC2-5185、DC2-5225 the Cの参照名で販売されているものなどのポリジメチルシロキサン/オキシプロピレンの混合物が挙げられ得る。ポリ12-ジヒドロキシステアリン酸及びポリヒドロキシ12-ステアリン酸のエステルは、炭化水素又はフッ素化媒体中で使用することができるが、オキシエチレン/オキシプロピレン化ジメチルシロキサン混合物は、シリコーン媒体に使用することができる。
【0016】
少なくとも1つの他の分散剤及び湿潤剤は、本開示の実施形態において、0.25~5%のレベルで含まれ得る。これは、これらに限定されないが、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、レシチン、セスキオレイン酸ソルビタン、及び/又はポリヒドロキシステアリン酸を含む界面活性剤を含み得る。
【0017】
皮膜形成剤は、0.50~10%のレベルで含まれてもよく、これらに限定されないが、イソステアリン酸デキストリン/イソステアリン酸、及び/又はPPG-51/SMDIコポリマーを含む化合物から選択されてもよい。イソステアリン酸デキストリンは、その皮膜形成能力に加えて、湿潤特性及び色増強特性を呈し得る。
【0018】
皮膜形成ポリマーとしては、例えば、R3S1O1/2「M」単位、R2S1O「D」単位、RS1O3/2「T」単位、S1O2「Q」単位の組み合わせを、関係RnSiO(4_ny2)(式中、nは、1.0~1.50の値であり、Rは、メチルである)を満たす互いに対する比で含むオルガノシロキサン樹脂を挙げることができる。本開示のいくつかの実施形態では、最大5%の少量のシラノール又はアルコキシ官能基が、加工の結果として樹脂構造中に存在してもよい。オルガノシロキサン樹脂は、約25℃で固体でなければならず、約1,000~約10,000グラム/モルの分子量範囲を有さなければならない。樹脂は、トルエン、キシレン、イソパラフィン、及びシクロシロキサンなどの有機溶媒又は揮発性担体に可溶性であってもよく、これは、樹脂が揮発性担体に不溶性となるように樹脂が十分に架橋されていないことを示す。特に好ましいのは、参照により本明細書に組み込まれる1994年7月19日に発行されたKrzysikの米国特許第5,330,747号に開示されているように、繰り返し単官能性又はR3SiOiy2「M」単位及び四官能性又はS1O2「Q」単位を含む樹脂、そうでなければ「MQ」樹脂としても知られるものである。本開示において、「M」対「Q」の機能単位の比は、好ましくは、約0.7であり得、nの値は、1.2であり得る。上述のオルガノシロキサン樹脂は市販されており、例えば、GE東芝シリコーンから入手可能なトリメチルシロキシシリケート/シクロメチコーンD5ブレンド、Wacker Silicones Corporation(Adrian,Michigan)から入手可能なWacker 803及び804、信越化学工業からのKP545、並びにGeneral Electric CompanyからのG.E.1170-002などである。本開示では、主に第2の層に皮膜形成ポリマーを有することによって、皮膜形成ポリマーは、局所領域においてより高い濃度で存在することができ、それによって、皮膚に適用されたときに、組成物の残りと比較して、より高い皮膜強度の皮膜を形成する。このような高皮膜強度の集中領域は、組成物全体の皮膚への改善された接着を提供し得る。すなわち、皮膜形成ポリマーを主に第2の層に提供することによって、組成物全体に含まれる皮膜形成ポリマーの量は低減され得るか、又は同じ量の皮膜形成ポリマーが第2の層に配合される場合、改善された接着を有する組成物全体を得ることができる。好ましい実施形態では、第2の層中の被膜形成ポリマーの含量レベルは、約0.1%~約20%、好ましくは、約0.5%~約10%、及びより好ましくは、約1%~約8%であり得る。
【0019】
主要な担体としては、これらに限定されないが、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、及び/又はスクアレンなどの長鎖脂肪アルコール液を挙げるごとができる。これらに限定されないが、ヒマシ油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ホホバ油、及び/又は水素化バリアントなどの油が含まれ得る。これらに限定されないが、アルキルエステル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸セテアリル、及び/又はイソノナン酸エチルヘキシルを含むエステルが、本開示の実施形態による組成物に含まれ得る。これらに限定されないが、オリーブスクアラン、並びに/又はシアバター及び/若しくはコクムバターを含む天然バターなどのエモリエント剤もまた、本開示の実施形態による組成物に組み込まれ得る。
【0020】
スティック形態では、本開示の実施形態による組成物は、これらに限定されないが、微結晶、ポリエチレン、蜜蝋、及びゲル安定剤(例えば、これらに限定されないが、ステアリン酸ブチル/ブチレン/エチレン、スチレン、コポリ/エチレン/プロピレン/スチレン、及び/又はコポリマー/ジブチルラウロイルグルタミド)などを含むパラフィンワックスなどの構造剤を5.0~20%のレベルで含み得る。任意の成分としては、これらに限定されないが、酢酸トコフェリル及び/若しくはブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene、BHT)などの抗酸化剤、並びに/又はこれらに限定されないが、ヒアルロン酸ナトリウム/水添ヒマシ油及び/若しくはフィトステリル/ラウロイルグルタミン酸オクチルドデシルなどの0.25~5%の範囲の保湿剤を含み得る。この配合物タイプの加工は、高い割合の配合物液体ベースを粉砕物に組み込むことを含み得る。これは、より高い割合の複数の湿潤剤(界面活性剤)と組み合わせて、本開示の実施形態における完全な顔料/粉末の飽和及び開発を可能にし得る。
【0021】
本開示の実施形態による化粧品組成物を調製するための好ましい手順は、本明細書に記載されるように、予分散段階、粉砕段階、及び配合物増量剤段階を含み得る。
【0022】
予分散段階
【0023】
【表1】
Centerchem Inc.から入手可能なNeossance(登録商標)スクワラン。皮膚軟化剤として使用した。
BASF Care Creationsから入手可能なEutanol(登録商標)G。エモリエント剤として使用される長脂肪鎖アルコール。
Barnet Products Inc.及びPenederm Inc.から入手可能なポリオールプレポリマー-14。持ち/コンディショニングに使用されるPPG-51と飽和メチレンジフェニルジイソシアネートとのコポリマー。
Gattefosseから入手可能なPlurol(登録商標)ジイソテアリック(Diisotearique)CG。界面活性剤として使用した。
日光ケミカルズ株式会社から入手可能なヘキサグリンPR-15。界面活性剤として使用した。
Penreco(登録商標)から入手可能なVersagel(登録商標)S1000。Versagelは、水添ポリイソブテン(及び)ステアリン酸ブチル(及び)イソステアリルアルコール(及び)ブチレン/エチレン/スチレンコポリマー(及び)エチレン/プロピレン/スチレンコポリマー(及び)ジブチルラウロイルグルタミドを含む。
Elementisから入手可能なBentone(登録商標)38 VCG。接着に使用した。
Presperse Inc.から入手可能なSpheron 20MB。吸収に使用した。
【0024】
高せん断分散機又はミキサー、例えば、Cowles又はScottミキサーを使用して、スクアラン、オクチルドデカノール、PPG-51/SMDIコポリマー、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、及びビタミンEを含む第1の混合物を、第1の助剤中で混合することができる。成分を室温で混合して、均一な分布を得ることができる。
【0025】
プロペラミキサーを使用して、オクチルドデカノールを第2の助剤に挿入することができる。ミキサーは、本開示の実施形態で使用されるオクチルドデカノールの滴点を超えて、約95℃まで、又は最大10℃まで加熱されてもよい。ミキサーは、動作状態にオンにされてもよい。約95℃で、コポリマーブロックを第2の助剤に添加して、第2の混合物又はプレミックスを作製することができる。混合は、約30分間、又は混合物が均一に分布し、色が透明になるまで行うことができる。本開示から逸脱することなく、温度が最大99℃になり得ることが理解されるべきである。
【0026】
高せん断分散機又はミキサーにおいて、第2の助剤からの第2の混合物は、第1の助剤中の第1の混合物に添加されてもよい。第1の混合物及び第2の混合物は、約5分間、又は組成物が均一に分布するまで混合することができる。
【0027】
段階的に、次にジステアルジモニウムヘクトライト及びシリカを添加してもよく、十分に混合して、十分な時間にわたって均一な分布を達成する。顔料の掃引及び分散は、組成物内で約30分間行うことができる。次いで、組成物がブレードから掻き取られ得るようにミキサーを停止してもよい。次いで、組成物を更に約10分間混合してもよい。
【0028】
表1の成分を混合して、化粧品組成物全体にわたって顔料を十分に飽和させ、均一に分布させることができる。化粧品組成物の粒子間に閉じ込められた空気は、油で満たされ、それによって屈折率を変化させ得る。
【0029】
粉砕段階
組成物は、ポンプを介して予分散段階からボールミルに移すことができる。ボールミル(例えば、Fryma Karuma MS12による)を使用して、粉砕段階は、組成物を効果的に混合して、約12ミクロン未満の粒子サイズ又は約7以上のHegman読み取り値を有する分散体を生成することによって開始することができる。ボールミルは、1分当たり約1800回転数(rates per minutes、RPM)のロータ速度を有し得ることが理解されるべきである。ボールミル内の化粧品組成物の流量は、1分当たり約300~1,000グラム(g/分)であってもよいことも理解されるべきである。ボールミルで使用されるビーズ材料は、溶融酸化ジルコニウム又はジルコニアシリカとして知られ得る酸化ジルコニウムであってもよい。ボールミルで利用されるビーズ材料のサイズは、約0.8~1.0ミリメートル(mm)であってもよい。本開示の実施形態において、予混合された成分の均一な質量を達成するのに十分な時間は、約15分~30分であり得ることが理解されるべきである。選択された担体及び顔料により、化粧品組成物の成分を十分に混合するのに必要とされる時間が決定され得ることを更に理解されるべきである。本開示の実施形態による顔料分散体は、流動性からペースト状までの範囲であってもよい。本開示のいくつかの実施形態では、粉砕段階で最大60%の顔料(20~60%)が存在し得る。
【0030】
配合物増量剤段階
【0031】
【表2】
New Phase Technologiesから入手可能なPerformalene(登録商標)PL
10Sonneborn LLCから入手可能なMultiwax W-835;Strahl and Pitschから入手可能なOzokerite Wax Pastilles 1021P
11千葉製粉から入手可能なUnifilma Hvy
12味の素株式会社から入手可能なEldew PS-203
13Bloomage Biotechnology Corporationから入手可能なHyacolor
【0032】
粉砕段階で形成された化粧品組成物を、加熱容器又は従来のプロペラミキサーに移してもよい。本開示の実施形態において、プロペラミキサーが薄い粉砕物に利用され得るが、一方で、スイープミキサーが厚い粉砕物に利用され得ることが理解されるべきである。
【0033】
スクワラン、オクチルドデカノール、及びジイソステアリン酸ポリグリセリル-3を容器に添加し、約95℃まで加熱してもよい。本開示から逸脱することなく、温度が最大99℃になり得ることが理解されるべきである。
【0034】
約80℃の温度で、ポリエチレン及び微結晶ワックスが添加され得る。本開示から逸脱することなく、温度が80℃超又は80℃未満になり得ることが理解されるべきである。次いで、組成物が均一に分布するまで、約15分間、イソステアリン酸デキストリン又は皮膜形成剤を添加し、混合してもよい。次いで、フィトステリル/ラウロイルグルタミン酸オクチルドデシル及びヒアルロン酸ナトリウムを添加してもよい。組成物は、組成物が均一に分布するまで約5分間混合されてもよい。組成物は排出され、充填剤中で成形され得る。
【0035】
本開示の実施形態では、化粧品組成物は流動性であってもよく、ポット又はスティック形態に注ぐことが可能であってもよい。化粧品組成物は、本開示のいくつかの実施形態において、エマルションベースの系を形成し得ることが理解されるべきである。化粧品組成物は、これらに限定されないが、目、頬、顔、唇、及び/又は他の製品形態を含む任意の形態を有し得ることも理解されるべきである。
【0036】
化粧品組成物は、超飽和色付着を提供し得る。例えば、化粧品組成物の単回適用、スワイプ、又は使用は、最大約12時間にわたって化粧者上で留まるのに十分に高い顔料負荷を提供し得る。超飽和色付着は、通常の活動を通して不注意に除去され得ない、長持ちする化粧品組成物を提供し得る。通常の活動としては、これらに限定されないが、食事、飲用、及び/又は布地に対する摩擦が挙げられ得る。化粧品組成物は、最大96,000センチポアズ(centipoise、cps)の粘度を有する顔料を提供し得る。本開示から逸脱することなく、顔料の粘度は96,000cps超又は96,000cps未満であり得ることを理解されるべきである。
【0037】
不透明度試験測定
不透明度は、白黒Lenetaチャート上で2ミルのドローダウンバーを使用するドローダウン法によって評価され得る。平均5回のドローダウンを、各色合い又は顔料色について行うことができる。本開示の実施形態において、化粧品組成物の不透明度は、約90~110%であり得る。カラメルの色合い又は色を有する顔料は、約100.25%の不透明度を提供し得ることが理解されるべきである。濃い赤色の色合いを有する顔料は、約97.09%の不透明度を提供し得ることも理解されるべきである。
【0038】
破壊点測定
上述の配合に従って形成されたリップスティックの破壊点を、Cavalla Model#1009(Cavalla Inc.(Hackensack,NJ)によって製造)を使用することによって測定した。作製したばかりのリップスティックを、試験前に25℃で24時間インキュベートした。リップスティックのキャップを外し、リップスティックを最後まで回転させ、リップスティックケースと一緒にホルダーに入れた。Cavallaのゲージ針をゼロにセットし、Cavallaのモータをオンにした。リップスティックが横方向に破壊した後、破壊点をCavallaスケール上の黒色針の点から直接読み取った。Cavallaの範囲は、約8~18単位又はオンスである。
【0039】
抗力及び/又は質感の認知に対するワックスレベルの影響(存在する場合)を調査するために、探索的臨床を行った。40%顔料の自立型サテン仕上げリップスティックである修正された顔料配合物(MSL4617)を基準配合物として使用した。配合物に対する顔料の影響に関するフィードバックを得るために、MSL4617を自立型サテン仕上げリップスティック(MSL3880-1)と比較した。ワックスレベルは変化しなかったが、異なる顔料を、適用、質感、及び持ちに関して評価した。
【0040】
配合物の比較を以下の表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
両方の配合物は、唇に均一に適用され、適用時に適所に留まると認められたが、しかしながら、MSL4617は、MSL3880-1よりも性能が優れており、適用が容易であり、かつ唇を滑らかに滑らせるのに好ましいスコアを得た。MSL4617の稠度及び適用は、MSL3880-1の稠度に対してちょうどよいと評価された。MSL4617は、適用及び適用中の制御がより容易であることが見出され、MSL4617は、MSL3880-1よりも少ない抗力を有することが見出された。更に、両方の配合物は滑らかであると認識されるが、顔料を調整することは、稠度の認識にプラスの影響を及ぼす。加えて、顔料の違いは、持ち/外観の利益余地内の性能寿命の認識にプラスの影響を及ぼしている。より具体的には、MSL4617は、MSL3880-1よりも高く、より好ましい終日評価を維持した。MSL4617は、化粧の間中外観を維持すること、化粧の間中に色が本来のままであること、及び長持ちすることを含むいくつかの持ち関連属性において、MSL3880-1より性能が優れていた。MSL4617内の顔料の調整は、より少ない抗力でのより容易な適用、更なる軽量感、より最適な稠度、性能の寿命に対する正の影響、最も顕著には、持ち/外観の利益の余地内でより高いスコアを維持すること、最初の適用からその外観を維持することによる高い満足度、及び8時間の化粧後の製品全体でのわずかにより高い満足度の認識をもたらしたようである。したがって、MSL4617における配合修正は、適用の容易さ、適用中の制御、製品の稠度、持ち、及び持続的な全体的性能の認識に積極的に寄与した。
【0044】
探索的臨床を行って、顔料負荷完全比較(40%対35%対30%)を実施した。ここでも、40%の顔料負荷を有する修正された顔料配合物(MSL4617)を基準として使用した。35%の顔料負荷を有するMSL3892配合物、及び30%の顔料負荷を有するMSL3880-5配合物を使用した。配合物の要約を以下の表4に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
これらの配合物の各々は、超高ペイオフについて平均より高いスコアを有することが見出された。顔料負荷の5%低減も10%低減も、カラーペイオフ認識に関して特に顕著ではなかった。MSL3880-5についての10%少ない顔料負荷及び配合区別は、快適さ及び保湿の認識を有利に増加させるようである。配合及び/又は顔料負荷の違いは、持ちの認識に異なる影響を与える。MSL3880-5の10%少ない顔料負荷及び配合区別は、製品のブリーディング/フェザリングの認識を増加させるようであるが、一方で、MSL3892の5%少ない顔料負荷及び配合区別は、色が均等かつ均一であること、及び一般的に長持ちの認識に負の影響を与えるようである。MSL3880-5の顔料負荷及び配合区別が10%減少した場合、移りレベルの満足度はわずかにより高かったが、顔料負荷及び配合区別は、移り耐性の全体的な認識に大きい影響を与えないようである。
【0048】
顔料負荷及び配合の違いにもかかわらず、全ての配合物は、一般に、超高ペイオフ利益余地内で同様に機能する。全ての配合物は、ほとんどの持ち/外観関連属性について4時間にわたって同様に機能する。MSL4617及びMSL3892は、快適さ関連属性の中でも同様に機能する。MSL3880-5は、おそらく配合差/10%減少した顔料負荷に起因して、この利益余地内でより有利にスコア付けされる。MSL3880-5は、唇を滑らかに滑ることに関してわずかにより好ましい評価を達成したが、全ての配合物は、適用に関する評価に関して同様に機能した。配合物間で差異が認識された。顔料負荷及び配合における10%の差は、ブリーディング/フェザリングの認識をわずかに増加させるが(しかし、これは二次製品(例えば、リップライナー)の使用によって潜在的に軽減され得る)、快適さのより理想的な認識を提供するという点で有利であるようである。配合の修正により顔料負荷を5%減少させても、快適さ余地内で影響を与えず、30%又は40%配合のいずれにおいても以前に見られなかった持ちに関連する性能問題を引き起こしたようである。一般に、MSL3892の性能は、全ての利益余地(移り、高いカラーペイオフ、持ち/外観)にわたって6時間で衰えるようである。全ての配合物は、超高ペイオフ余地内で全体的に同様に機能し、顔料負荷及び配合区別も、移り耐性余地内で全体的な性能に強く影響しなかった。
【0049】
別の探索的臨床を行って、MSL4617基準配合物(40%顔料負荷)とMSL3880-5配合物(30%顔料負荷)との間の顔料負荷反復を評価した。全体として、パネルは、30%顔料負荷がより乾燥していないことが見出されたため、配合の違いを認識した。顔料負荷の10%の差は、カバレッジに影響を与えず、色の影響の認識にも影響を与えなかった。両方の配合物は、超高ペイオフ余地内で、及び他の持ち関連属性にわたって同様に機能した。顔料負荷及び配合区別は、移り耐性余地内の性能に強く影響しなかったが、顔料負荷が減少すると、移りレベルの満足度がわずかにより高くなった。MSL3880-5における10%少ない顔料負荷は、快適さ及び保湿の認識を有利に増加させるようであったが、製品のブリーディング/フェザリングの認識も増加させた。
【0050】
全ての百分率、部、及び比率は、別段の定めがない限り、本開示の組成物の総重量に基づく。列挙された成分に関連するそのような全ての重量は、活性レベルに基づくため、特に指定のない限り、市販の材料に含まれ得る溶媒又は副生成物を含まない。本明細書で使用するとき、全ての分子量は、別途記載のない限り、グラム/モルとして表される重量平均分子量である。
【0051】
「含む(comprising)」などの用語は、要素のリストが明示的に記載されたものに限定され得ないことを意味する。用語「重量パーセント」は、本明細書において「重量%」として示されてもよい。「長持ち」などの用語は、衣類又は水などの別の物質との接触によって容易に除去されない本開示の組成物を指す。長持ちは、当該技術分野で既知の任意の方法によって評価され得る。例えば、組成物は、数分又は数時間の化粧後に化粧者の皮膚又は毛髪上に残っている製品の量に基づいて評価され得る。例えば、組成物は、製品の大部分が数分又は数時間の化粧後に化粧者の皮膚又は毛髪上に残される場合、長持ち属性を提供し得る。更に、化粧者の皮膚又は毛髪上に残っている量を、市販の組成物などの他の組成物によって移された量と比較することができる。本開示の好ましい実施形態では、組成物は、数分又は数時間の化粧後に皮膚又は毛髪からほとんど又は全く除去されない。
【0052】
「顔料」などの用語は、これらに限定されないが、例えば、イソプロピルチタントリイソステアレート(ITT)、トリチルテトラゾールブロモメチルビフェニル(TTBB2)、シラン、及び/又はジメチコンで表面処理され得る着色剤成分、複合体、粉末、及び/又は充填剤を含む成分を指す。顔料はまた、これらに限定されないが、ベントナイト、ヘクトライト、シリカ、ヘキサメチレンジイソシアネート(hexamethylene diisocyanate、HDI)/トリメチロールヘキシルラクトンクロスポリマー及びシリカ(BPD-500)、マイカ、バリウム、並びに/又はサルフェートを含む成分を指し得る。
【0053】
「不透明度」などの用語は、化粧品組成物の透明度又はコントラスト比を指す。より高い不透明度は、より高い顔料負荷に対応してもよく、それによって、化粧品組成物の化粧者により大きいカバレッジを提供する。「超飽和色付着」などの用語は、化学的及び機械的手段による完全な湿潤に起因する顔料構造中の最大レベルの液体ビヒクル取り込みを指す。
【0054】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、別段の指定がない限り、各かかる寸法は、列挙された値及びその値を取り囲む機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0055】
本開示及びその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換、及び改変を行うことができることを理解されるべきである。更に、本出願の範囲は、本明細書に記載されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図していない。当業者が本開示から容易に理解するように、本明細書に記載される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、又は実質的に同じ結果を達成する、既存の又は後に開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップは、本開示に従って利用され得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップをそれらの範囲内に含むことが意図される。
【国際調査報告】