(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】強化された展開特性を有するステント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/90 20130101AFI20240723BHJP
【FI】
A61F2/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505405
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 US2022074299
(87)【国際公開番号】W WO2023010109
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517416374
【氏名又は名称】マイクロベンション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROVENTION, INC.
【住所又は居所原語表記】35 Enterprise, Aliso Viejo, California 92656 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】ランワラ,フセイン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA44
4C267BB06
4C267BB07
4C267BB26
4C267BB40
4C267CC07
4C267CC09
4C267GG02
4C267GG24
4C267GG42
4C267HH08
4C267HH16
(57)【要約】
供給または展開中のステントのねじれを防止するための、強化された展開特性を有するステント。ステントは、少なくとも1つのコネクタによって互いに連結された第1のワイヤセグメントおよび第2のワイヤセグメントを含み得る。第1のワイヤセグメントは、少なくとも1つのコネクタの第1の側に回転可能に接続され得、第2のワイヤセグメントは、少なくとも1つのコネクタの第2の側に回転可能に接続され得る。少なくとも1つのコネクタは、第1のワイヤセグメントを受け入れるための第1の通路と、第2のワイヤセグメントを受け入れるための第2の通路とを含む少なくとも2つの通路を有する細長い本体を含み得る。第1および/または第2のワイヤセグメントは、それらのワイヤセグメントが通路から引き抜かれるのを防止するための拡大部を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のワイヤセグメントと、
第2のワイヤセグメントと、
前記第1のワイヤセグメントと前記第2のワイヤセグメントとを連結するための少なくとも1つのコネクタと、を含むステントであって、
前記第1のワイヤセグメントは、前記少なくとも1つのコネクタに接続され、前記第2のワイヤセグメントは、前記少なくとも1つのコネクタに接続され、
前記ステントが線形構成であるとき、前記第1のワイヤセグメントは、前記第2のワイヤセグメントと整列され、
前記ステントが非線形構成であるとき、前記少なくとも1つのコネクタは、前記ステントの相対的ねじれと比較して、前記第1のワイヤセグメントと前記第2のワイヤセグメントとの間の相対的ねじれを低減することを特徴とするステント。
【請求項2】
前記第1のワイヤセグメントおよび前記第2のワイヤセグメントのそれぞれは、前記少なくとも1つのコネクタに回転可能に接続される、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコネクタの第1の側は、前記第1のワイヤセグメントを受け入れるための第1の開口部を含み、前記少なくとも1つのコネクタの第2の側は、前記第2のワイヤセグメントを受け入れるための第2の開口部を含む、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコネクタの前記第1の側または前記第2の側は、前記第1のワイヤセグメントまたは前記第2のワイヤセグメントを受け入れるための第3の開口部を含む、請求項3に記載のステント。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコネクタは、第1の通路および第2の通路を含み、前記第1のワイヤセグメントは、前記第1の通路を完全に通って延在し、前記第2のワイヤセグメントは、前記第2の通路を完全に通って延在する、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
前記第1のワイヤセグメントは、前記第1の通路内で回転可能であり、前記第2のワイヤセグメントは、前記第2の通路内で回転可能である、請求項5に記載のステント。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコネクタは、前記第1のワイヤセグメントおよび/または前記第2のワイヤセグメントの動きによって引き起こされる摩擦を低減するための潤滑性コーティングを含む、請求項1に記載のステント。
【請求項8】
前記第1のワイヤセグメントの先端は、第1の拡大部を含み、前記第2のワイヤセグメントの先端は、第2の拡大部を含む、請求項1に記載のステント。
【請求項9】
前記第1の拡大部は、前記第1のワイヤセグメントに取り付けられた第1のカラーを含み、前記第2の拡大部は、前記第2のワイヤセグメントに取り付けられた第2のカラーを含む、請求項8に記載のステント。
【請求項10】
前記第1のワイヤセグメントは、前記第1の拡大部から基端方向に離間した第3の拡大部を含み、前記第2のワイヤセグメントは、前記第2の拡大部から基端方向に離間した第4の拡大部を含む、請求項8に記載のステント。
【請求項11】
前記第1のワイヤセグメントおよび前記第2のワイヤセグメントのそれぞれは、前記少なくとも1つのコネクタを完全に通って延在し、前記第1の拡大部および前記第4の拡大部のそれぞれは、前記少なくとも1つのコネクタの第2の側に配置され、前記第2の拡大部および前記第3の拡大部のそれぞれは、前記少なくとも1つのコネクタの第1の側に配置される、請求項10に記載のステント。
【請求項12】
前記ステントが、レーザーカットステントまたは編組ステントからなる、請求項1に記載のステント。
【請求項13】
前記少なくとも1つのコネクタは、第1のハイポチューブおよび第2のハイポチューブを含み、前記第1のハイポチューブおよび前記第2のハイポチューブのそれぞれは、前記少なくとも1つのコネクタの第1の側と第2の側との間に延在する、請求項1に記載のステント。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコネクタは、前記ステントの長さに沿ったほぼ中間点に配置される、請求項1に記載のステント。
【請求項15】
前記少なくとも1つのコネクタは、前記ステントの基端または先端のより近くに配置される、請求項1に記載のステント。
【請求項16】
ステントの第1のワイヤセグメントと第2のワイヤセグメントとを連結するためのコネクタであって、
第1の側および第2の側を含む細長い本体と、
前記細長い本体の前記第1の側にある第1の開口部と、前記ステントの前記第1のワイヤセグメントは前記第1の開口部内に配置されており、
前記細長い本体の前記第2の側にある第2の開口部と、を含み、前記ステントの前記第2のワイヤセグメントは前記第2の開口部内に配置されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項17】
前記第1の開口部内に接続された第1のベアリングと、前記第2の開口部内に接続された第2のベアリングとをさらに含み、前記ステントの前記第1のワイヤセグメントが前記第1のベアリング内に配置され、前記ステントの前記第2のワイヤセグメントが前記第2のベアリング内に配置される、請求項16に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記細長い本体の前記第1の側または前記第2の側において第3の開口部をさらに含み、前記ステントの第3のワイヤセグメントが前記第3の開口部内に配置される、請求項16に記載のコネクタ。
【請求項19】
前記第1の開口部および前記第2の開口部のそれぞれは、前記細長い本体を部分的にのみ通って延在する、請求項16に記載のコネクタ。
【請求項20】
第1のワイヤセグメントと、
第2のワイヤセグメントと、を含むステントであって、
前記ステントが非線形構成にあるときに、前記第1のワイヤセグメントと前記第2のワイヤセグメントとの間のねじれを低減するための少なくとも1つのコネクタ手段を含むことを特徴とするステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、強化された展開特性を有するステントと題する2021年7月30日に出願された米国仮出願第63/227,946号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ステントは、多くの異なる医療用途、有利には患者の血管内に展開される医療用途において使用される。いくつかの血管領域は比較的直線状であるが、多くの血管領域は、それらの構造に関連するいくつかのタイプの曲率(curvature)を有し、これは、比較的浅い湾曲から、1つまたは複数の方向に曲がる高度に蛇行した湾曲(tortuous curves)まで様々である。
【0003】
一般に、ほとんどのステントは、血管の比較的直線状または緩やかに湾曲する領域内に展開するのが最も容易である。これらの領域により、ステントはその長さ全体にわたって半径方向に均一に拡張し、望ましくは、血管内面に対して固定される。しかしながら、血管の高度に蛇行した領域は、ステントをいくつかの異なる方向に曲げて、ねじる可能性がある。この曲げおよびねじれは、1つまたは複数のワイヤから編組されたステントにとって特に困難である可能性がある。それは、編組ワイヤの互いに対する曲げおよびねじれが、互いに対する圧力および摩擦を引き起こす可能性があり、その結果、互いに対する動きを妨げる可能性があるからである。次に、この互いに対する編組ワイヤの動きの欠如によって、ステントが、完全に半径方向に拡張せず、患者の血管内に固定されない可能性がある。
【0004】
したがって、血管の高度に蛇行した領域においてステントがより均一かつ一貫して展開され得るように、ステント展開を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、血管の蛇行した領域内で、半径方向に拡張し(radially expand)、より均一に展開するように構成されたステントが開示される。この改善された拡張および展開は、一つには、特に蛇行した血管領域に展開されたときに生じ得る編組ステントの個々のワイヤのねじれを低減または排除することによって、達成することができる。
【0006】
一実施形態では、1つまたは複数のねじれ防止コネクタ(anti-twist connectors)が使用され、ステントおよび/またはその編組ワイヤのねじれを低減または排除する。より具体的には、ワイヤの少なくとも2つのセグメントを長手方向に一緒に接続し、それらのセグメントが互いに対して回転または向きを変えることを可能にする、1つまたは複数のねじれ防止コネクタをステントが含み得る。
【0007】
一実施形態では、ねじれ防止コネクタは、2つの隣接する通路を有する本体を含む。2つの隣接する通路は、本体を部分的にまたは完全に通って延在し、ステントを構成する編組ステントワイヤのうちの1つの直径を収容するように、それぞれが寸法決めされる。先端に延在するステントワイヤセグメントは、1つの通路内に入り込み、1つの通路と係合し、基端に延在するステントワイヤセグメントは、第2の通路内に入り込み、第2の通路と係合する。両方のワイヤセグメントは、セグメント同士が互いに対して回転可能に、通路と係合され得る。したがって、そうでなければステントの基端と先端との間で中断されずに延在するワイヤは、代わりに、ねじれ防止コネクタによって接続された少なくとも2つのワイヤセグメントによって置き換えられて、互いに対する回転を可能にする。
【0008】
ステントは、単一のねじれ防止コネクタを含み得、または複数のねじれ防止コネクタを含み得る。そのような複数のねじれ防止コネクタは全て、ステントの長さに沿って同じ長手方向位置(例えば、ステントの長さの約4分の1、半分、または3分の2)に位置することができ、または、複数のねじれ防止コネクタは、ステントの長さに沿っていくつかの異なる位置(例えば、ステントの長さの約4分の1、半分、および/または3分の2)に位置することができる。
【0009】
1つまたは複数のねじれ防止コネクタを有するステントが、蛇行した血管内に展開されると、その本体および構成ワイヤは、ねじれ始め、したがって、均一な半径方向の拡張に抵抗し得る。しかしながら、1つまたは複数のねじれ防止コネクタは、それらの接続されたワイヤセグメントを互いに対して回転可能にすることによって、このねじれ張力を解放する。したがって、ステントは、より均一で信頼性の高い方法で拡張することができる。
【0010】
ステントは、第1のワイヤセグメントと、第2のワイヤセグメントと、第1のワイヤセグメントを第2のワイヤセグメントと連結するための少なくとも1つのコネクタとを含み得る。ステントが、蛇行した血管内に展開されるか、または蛇行した血管を介して供給されるときに、第1のワイヤセグメントと第2のワイヤセグメントとの間のねじれを低減するように、第1のワイヤセグメントは少なくとも1つのコネクタの第1の側に接続され得、第2のワイヤセグメントは少なくとも1つのコネクタの第2の側に接続され得る。
【0011】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のワイヤセグメントは少なくとも1つのコネクタの第1の側に回転可能に接続され得、第2のワイヤセグメントは少なくとも1つのコネクタの第2の側に回転可能に接続され得る。
【0012】
いくつかの例示的な実施形態では、少なくとも1つのコネクタの第1の側は第1のワイヤセグメントを受け入れるための第1の開口部を含み得、少なくとも1つのコネクタの第2の側は第2のワイヤセグメントを受け入れるための第2の開口部を含み得る。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態では、少なくとも1つのコネクタの第1の側または第2の側が第1のワイヤセグメントまたは第2のワイヤセグメントを受け入れるための第3の開口部を含み得る。
【0014】
いくつかの例示的な実施形態では、少なくとも1つのコネクタは、第1のワイヤセグメントを受け入れるための第1の通路と、第2のワイヤセグメントを受け入れるための第2の通路とを含み得る。
【0015】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のワイヤセグメントは第1の通路を完全に通って延在し得、第2のワイヤセグメントは第2の通路を完全に通って延在し得る。
【0016】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のワイヤセグメントは第1の通路内で回転可能であってもよく、第2のワイヤセグメントは第2の通路内で回転可能であってもよい。
【0017】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のワイヤセグメントおよび/または第2のワイヤセグメントは、摩擦を低減するための潤滑性コーティングを含み得る。
【0018】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のワイヤセグメントの先端は第1の拡大部を含み得、第2のワイヤセグメントの先端は第2の拡大部を含み得、第1および第2の拡大部はストッパとして機能する。
【0019】
いくつかの例示的な実施形態では、第1の拡大部は第1のワイヤセグメントに取り付けられた第1のカラーを含み得、第2の拡大部は第2のワイヤセグメントに取り付けられた第2のカラーを含み得る。
【0020】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のワイヤセグメントは第1の拡大部から基端方向に離間した第3の拡大部を含み得、第2のワイヤセグメントは第2の拡大部から基端方向に離間した第4の拡大部を含み得る。
【0021】
いくつかの例示的な実施形態では、第1および第4の拡大部は少なくとも1つのコネクタの第2の側に配置され得、第2および第3の拡大部は少なくとも1つのコネクタの第1の側に配置され得る。
【0022】
いくつかの例示的な実施形態では、ステントがレーザーカットステント(laser cut stent)を含み得る。
【0023】
いくつかの例示的な実施形態では、ステントが編組ステント(braided stent)を含み得る。
【0024】
いくつかの例示的な実施形態では、少なくとも1つのコネクタは第1のハイポチューブおよび第2のハイポチューブを含み得、第1のハイポチューブおよび第2のハイポチューブのそれぞれは、少なくとも1つのコネクタの第1の側と第2の側との間に延在する。
【0025】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のワイヤセグメントは第1のハイポチューブ内に回転可能に接続され得、第2のワイヤセグメントは第2のハイポチューブ内に回転可能に接続され得る。
【0026】
ステントの第1のワイヤセグメントおよび第2のワイヤセグメントを連結するためのコネクタは、第1の側および第2の側を含む細長い本体と、ステントの第1のワイヤセグメントを受け入れるための細長い本体の第1の側の第1の通路と、ステントの第2のワイヤセグメントを受け入れるための細長い本体の第2の側の第2の通路とを含み得る。
【0027】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のベアリングがステントの第1のワイヤセグメントを受け入れるために第1の通路内に接続され得、第2のベアリングはステントの第2のワイヤセグメントを受け入れるために第2の通路内に接続され得る。
【0028】
いくつかの例示的な実施形態では、コネクタは、細長い本体の第1の側または第2の側に第3の通路を含み得る。
【0029】
いくつかの例示的な実施形態では、第1の通路および第2の通路のそれぞれは、細長い本体を部分的にのみ通って延在し得る。
【0030】
ステントは、第1のワイヤセグメントと、第2のワイヤセグメントと、第1のワイヤセグメントと第2のワイヤセグメントとの間のねじれを低減するための少なくとも1つのコネクタ手段とを含み得る。第1のワイヤセグメントは少なくとも1つのコネクタ手段の第1の側に回転可能に接続され得、第2のワイヤセグメントは少なくとも1つのコネクタの第2の側に回転可能に接続され得る。
【0031】
いくつかの例示的な実施形態では、少なくとも1つのコネクタ手段は、第1のワイヤセグメントを受け入れるための第1の通路と、第2のワイヤ通路を受け入れるための第2の通路とを含む細長い本体から構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の実施形態が可能である、これらのおよび他の態様、特徴および利点は、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態の以下の説明から明らかになり、解明されるであろう。
【0033】
【
図1A】
図1Aは、一実施形態による、1つまたは複数のねじれ防止コネクタを有するステントの側面図である。
【0034】
【0035】
【
図2】
図2は、一実施形態による、1つまたは複数のねじれ防止コネクタを有するステントの側面図である。
【0036】
【
図3】
図3は、一実施形態による、1つまたは複数のねじれ防止コネクタを有するステントの側面図である。
【0037】
【
図4】
図4は、一実施形態による、1つまたは複数のねじれ防止コネクタを有するステントの側面図である。
【0038】
【
図5】
図5は、一実施形態による、ねじれ防止コネクタの斜視図である。
【0039】
【
図6】
図6は、一実施形態による、ステントの2つのワイヤセグメントを連結するねじれ防止コネクタの斜視図である。
【0040】
【
図7】
図7は、一実施形態による、ステントの2つのワイヤセグメントを連結するねじれ防止コネクタの斜視図である。
【0041】
【
図8】
図8は、一実施形態による、ステントの2つのワイヤセグメントを連結するねじれ防止コネクタの斜視図である。
【0042】
【
図9】
図9は、一実施形態による、ステントの複数のワイヤセグメントを連結するねじれ防止コネクタの斜視図である。
【0043】
【
図10】
図10は、一実施形態による、ステントの複数のワイヤセグメントを連結するねじれ防止コネクタの斜視図である。
【0044】
【
図11】
図11は、一実施形態による、ステントの複数のワイヤセグメントを連結するねじれ防止コネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。添付の図面に示される実施形態の詳細な説明で使用される用語は、本発明を限定することを意図するものではない。図面において、同様の番号は同様の要素を指す。異なる実施形態が説明されるが、各実施形態の特徴は、説明される他の実施形態と交換可能に使用され得る。言い換えれば、実施形態のそれぞれの特徴のいずれも、互いに混合され、適合されることができ、実施形態は、図示または説明された特徴のみを含むと必ずしも厳密に解釈されるべきではない。
【0046】
本明細書では、血管の蛇行した領域内で、半径方向に拡張し、より均一に展開するように構成されたステントが開示される。この改善された拡張および展開は、一つには、特に蛇行した血管領域に展開されたときに生じ得る編組ステントの個々のワイヤのねじれを低減または排除することによって、達成することができる。
【0047】
本明細書に示され、説明される例示的な実施形態のそれぞれは、ステントおよび/またはその編組/レーザーカットワイヤなどの細長い管状の医療デバイス(elongated, tubular medical device)のねじれを低減または排除するための構成の単なる例である。そのような例示的な実施形態は、範囲を限定することを意味するものではないことを理解されたい。
【0048】
ステントは主に本明細書内で論じられ、図面に示されるが、本明細書に示され、および/または説明されるシステムおよび方法は血管構造を介して供給される様々な他の細長い管状の医療デバイスに関連して利用されてもよいことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される「ステント」という用語は、フローダイバータ(flow diverters)などの広範囲の細長い管状の医療デバイスを包含するものとして解釈され得ることを理解されたい。
【0049】
ステントは、編組ステントまたはレーザーカットステントを具体的に含むものとして本明細書で説明され得るが、本明細書で示され、説明されるシステムおよび方法は、編組ステントおよびレーザーカットステントの両方、ならびに当技術分野で知られているステントの他の構成に等しく適用可能であり得ることを理解されたい。したがって、「編組ステント」または「レーザーカットステント」へのいかなる言及も、特定のタイプのステントに限定されると解釈されるべきではなく、代わりに、編組またはレーザーカットされなくてもよいステントを含む、当技術分野で公知の任意のおよび全てのタイプのステントを包含すると解釈されるべきである。
【0050】
非限定的な例として、本明細書に示され、および/または記載されているシステムおよび方法は、米国特許第10,898,203号、第10,617,544号、第10,543,113号、第10,463,515号、第10,039,655号、第9,867,725号、第9,439,791号、第8,998,679号、第8,872,062号、第8,562,667号ならびに米国特許公開第2020/0138609号および第2006/0287706号に示され、および/または記載されている任意のステントに関連して利用され得る。これらは全て参照により本明細書に組み入れられる。
【0051】
ステント、フローダイバータなどの様々な細長い管状の医療デバイスは、頸動脈などであるが、これに限定されない蛇行した血管系を横断するときにねじれる傾向を有し得る。このようなねじれの傾向は、より長いステントにおいて特に顕著であり得る。供給中にねじれると、そのような医療デバイスを開く(例えば、拡張する)ことが困難になり得る。これにより、操作者は、医療デバイスを体内から引き抜くまたは後退させ、再び開始する必要があり得、これは医学的緊急事態または時間が本質的である状況において、追加の麻酔時間、コスト、合併症、または有害な患者転帰(patient outcomes)をもたらし得る。ねじれ防止コネクタの使用は、そのようなステントが、患者の標的位置に展開されるか、または供給されるときに、ねじれる可能性を低減または排除するのに役立ち得る。
【0052】
本発明は、概して、1つまたは複数のねじれ防止コネクタを介して互いに相互接続され得る2つ以上のセグメントを有するステントに関する。ステントの2つ以上のセグメントは、実質的に類似していてもよく(例えば、同じまたは類似の編組、レーザーカットパターン、長さ、幅、および/または他の特性を有してもよく)、または互いに異なっていてもよい(例えば、異なる編組、レーザーカットパターン、長さ、幅、および/または他の特性を有してもよい)。
【0053】
一般に、ねじれは、ステントの長さのほぼ中央などであるが、これに限定されない、ステントの長さ全体にわたって起こり得る。したがって、本発明は、長さが等しいステントの一対のセグメントを互いに連結する1つまたは複数のねじれ防止コネクタを利用することができる。しかしながら、ステントの長さに沿った様々な他の位置が、ねじれ防止コネクタのために利用され得ることを理解されたい。例えば、少なくとも1つのねじれ防止コネクタをステントの先端または基端のより近くに配置することが望ましい場合がある。さらなる例として、より長いステントでは、ステントを3つ以上のセグメントに分割し、セグメントのそれぞれを1つまたは複数のねじれ防止コネクタによって相互接続することが望ましい場合がある。
【0054】
ねじれ防止コネクタの数は、ステントの長さ、幅、タイプ、構成などを含むステントの特性に応じて変化し得る。例えば、単一のねじれ防止コネクタを利用することができる。しかしながら、本発明の機能を改善するために、追加のねじれ防止コネクタが利用されてもよい。そのようなねじれ防止コネクタは、ステントの外周にわたる半径方向に配置(positioned radially around the circumference of the stent)されてもよい。ねじれ防止コネクタは、ステントを中心に半径方向に整列(aligned radially about the stent)してもよく、または互いに対して位置をずらしてもよい(offset with respect to each other)。
【0055】
ねじれ防止コネクタは、第1の側(例えば、基端側)および第2の側(例えば、先端側)を有する細長い本体を含み得る。細長い本体は、任意の鋭い縁または角を回避するように、概して湾曲した外形を有し得る。ステントの第1のセグメントの1つまたは複数のワイヤは、ねじれ防止コネクタの第1の側に接続され得、ステントの第2のセグメントの1つまたは複数のワイヤは、ねじれ防止コネクタの第2の側に接続され得る。
【0056】
ねじれ防止コネクタは、その各側に、1つまたは複数の通路を含み得る。例えば、ねじれ防止コネクタは、ステントの第1のセグメントからワイヤを受け入れるためのその第1の側の単一の通路と、ステントの第2のセグメントからワイヤを受け入れるためのその第2の側の単一の通路とを含み得る。しかしながら、ねじれ防止コネクタの各側の通路の数は、変化し得る。一例として、ねじれ防止コネクタの第1の側は、ステントの第1のセグメントから単一のワイヤを受け入れるための単一の通路を有し得、ねじれ防止コネクタの第2の側は、ステントの第2のセグメントから一対のワイヤを受け入れるための一対の通路を有し得、またはその逆も同様である。また、本発明は、ねじれ防止コネクタの片側または両側に3つ以上の通路を利用して、ステントの片側または両側のセグメントからのさらに多くのワイヤを、それらに接続できるようにしてもよい。
【0057】
ステントのワイヤがねじれ防止コネクタに接続される方法は、様々であってよい。ワイヤは、ねじれ防止コネクタ内に固定されてもよく、ねじれ防止コネクタを通過してもよく、またはねじれ防止コネクタ内に回転可能に接続されてもよい。ねじれ防止コネクタは、ワイヤが完全にまたは部分的に延在し得る(例えば、ワイヤがねじれ防止コネクタを完全に通って延在し得るか、またはその中で終端し得る)開口部から構成される通路を含み得る。ねじれ防止コネクタは、ワイヤが挿入され得るベアリングなどの様々な管状デバイスを含み得る。ワイヤは、ねじれ防止コネクタに対して回転してもよく、またはワイヤは、管状デバイス自体がねじれ防止コネクタに対して回転するように、そのような管状デバイスに固定されてもよい。
【0058】
1つまたは複数の拡大部(enlargements)が、ワイヤに接続されるか、またはワイヤ上に形成されて、ワイヤがねじれ防止コネクタを通ってあまりにも遠くに前進すること、または引き抜かれ、ねじれ防止コネクタから切り離されることを防止することができる。1つまたは複数の拡大部は、ワイヤに固定された、ビーズ(bead)などの別個の構造を含み得る。別の例として、1つまたは複数の拡大部は、接着剤、金属、合金、プラスチックなどのボールを含み得る。各ワイヤは、その末端の先端に拡大部を含み得る。追加的または代替的に、各ワイヤは、その末端の先端から挿入される(例えば、離間される)拡大部を含み得る。
【0059】
ワイヤの一部は、ワイヤがねじれ防止コネクタ内で回転するときのワイヤの摩擦を低減するために、様々なコーティングでコーティングされてもよい。当技術分野で知られている潤滑性コーティングなどの様々なコーティングを利用することができる。例えば、ワイヤの末端は、ワイヤが通路内で回転するときの摩擦を低減するように、ねじれ防止コネクタの通路内に挿入される前に、潤滑性コーティングでコーティングされてもよい。代替的にまたは追加的に、そのような潤滑性コーティングは、ワイヤをその中に挿入する前に、ねじれ防止コネクタの通路内に導入されてもよい。コーティングは、摩擦を低減するために、ワイヤの周りおよび/または通路の内径内に配置される、PTFEまたはテフロンなどのポリマーまたは繊維材料の層を含み得る。
【0060】
具体的で例示的な実施形態を以下にさらに説明する。しかしながら、任意の実施形態からの任意の特徴が、任意の組合せで互いに混合され、適合され得ることが理解されるべきである。したがって、本発明は、これらの実施形態のみに限定されるべきではなく、それらの任意のより広い組合せとされるべきである。
【0061】
一実施形態では、1つまたは複数のねじれ防止コネクタが使用され、ステントおよび/またはその編組ワイヤのねじれを低減または排除する。より具体的には、ワイヤの少なくとも2つの別個のセグメントを互いに接続して、単一の細長いワイヤストランド(wire strand)を形成し、それらのセグメントが互いに対して回転または向きを変えることを可能にする、1つまたは複数のねじれ防止コネクタ100をステントが含み得る。
【0062】
一般に、ねじれ防止コネクタ100のそれぞれは、基端に延在するワイヤセグメントの末端と、先端に延在するワイヤセグメントの別の末端とに接続する。この点に関して、ねじれ防止コネクタ100は、2つのワイヤセグメントを接続して、1つの単一ワイヤとする。基端に延在するワイヤセグメント、および先端に延在するワイヤセグメントは、好ましくはそれらが互いに対して回転可能になるように、ねじれ防止コネクタ100に接続される。したがって、蛇行した血管内での展開中にステントの部分同士が互いに対してねじれると、ワイヤセグメント同士は互いに対して回転し、ねじれによって生じる張力を低減し、それによってステントのより均一な半径方向の拡張を可能にする。
【0063】
図1A~
図3はステント10の例示的な実施形態を示し、各実施形態は、基端ワイヤセグメント12Aを含む基端領域10Aと、先端ワイヤセグメント12Bを含む先端領域10Bとを連結する複数のねじれ防止コネクタ100を有する。
図1A~
図1Bは、領域10A、10Bおよびワイヤセグメント12A、12Bの両方にわたって均一な編組を有する編組ステント10の第1の例示的な実施形態を示す。
【0064】
図2は、領域10A、10Bの両方およびワイヤセグメント12A、12Bの両方にわたって異なる編組を有する編組ステント10の例示的な実施形態を示す。より具体的には、
図2において、先端ワイヤセグメント12Bを含む先端領域10Bは、基端ワイヤセグメント12Aを含む基端領域10Aよりも多くの編組を含み得ることが分かる。逆の構成もまた、いくつかの例示的な実施形態において利用され得ることを理解されたい(例えば、基端ワイヤセグメント12Aを含む基端領域10Aは、先端ワイヤセグメント12Bを含む先端領域10Bよりも多くの編組を含み得る)。
【0065】
図3は、基端領域10Aを先端領域10Bに連結する少なくとも1つのねじれ防止コネクタ100を含むレーザーカットステント10の例示的な実施形態を示す。
図3は基端領域10Aおよび先端領域10Bが実質的に類似する実施形態を示すが、基端領域10Aおよび先端領域10Bは異なる実施形態において様々な点で異なり得ることを理解されたい。
【0066】
図1A~
図3のそれぞれは、1つまたは複数のねじれ防止コネクタ100が、ステント10の長さのほぼ中央に配置される例示的な実施形態を示す。したがって、そのような実施形態では、基端領域10Aの長さは先端領域10Bの長さとほぼ等しくてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のねじれ防止コネクタ100がステント10の長さの中央に配置されなくてもよい。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、ねじれ防止コネクタ100がステント10の長さの基端または先端のより近くで接続されてもよい。
【0067】
図1A~
図3はステント10の2つの別個の領域のみがねじれ防止コネクタ100によって連結される例示的な実施形態を示すが、いくつかの実施形態ではステント10の3つ以上の領域が一緒に連結されてもよいことを理解されたい。例えば、
図4は、複数のねじれ防止コネクタ101A、101B、101Cが、ステント10の例示的な実施形態の長さに沿った様々な位置で接続され得ることが分かる例示的な実施形態を示す。したがって、
図4に図示の実施形態では、ステント10が4つの領域、すなわち、ねじれ防止コネクタ101Aによって第2の領域に連結された第1の領域と、ねじれ防止コネクタ101Bによって第3の領域に連結された第2の領域と、ねじれ防止コネクタ101Cによって第4の領域に連結された第3の領域とに分離され得る。
【0068】
図1A~
図4に示されていない様々な他の構成は、本明細書に記載の方法およびシステムによってサポートされ得ることが理解されるべきである。例えば、例示的な実施形態では、ステント10の3つの領域がねじれ防止コネクタ100によって連結され得る。他の例示的な実施形態では、ステント10の5つ以上の領域がねじれ防止コネクタ100によって連結されてもよい。
【0069】
また、ねじれ防止コネクタ100によって分離されたステント10の各領域のそれぞれの長さは、異なる実施形態において変化し得ることを理解されたい。図は、領域10A、10Bのそれぞれの長さがほぼ等しい様々な実施形態を示す。例えば、
図1A~
図3は、第1の領域10Aが第2の領域10Bとほぼ等しい長さである実施形態を示す。
図4は、ステント10が、ほぼ等しい長さを有する4つの領域に分離される実施形態を示す。しかしながら、いくつかの実施形態では、ステント10の1つまたは複数の領域が他の領域よりも長くてもよい。
【0070】
したがって、ねじれ防止コネクタ100は、必ずしも図に示されるように等間隔である必要はない。例えば、
図1Aに図示される実施形態に関して、第1の領域10Aは、いくつかの実施形態において、第2の領域10Bより長くてもよく、またはその逆であってもよい。さらなる例として、
図4に示される実施形態に関して、1つまたは複数の領域は、ねじれ防止コネクタ100が図示のように等間隔ではないように、1つまたは複数の他の領域よりも長くてもよい。
【0071】
ステント10の各領域を連結するねじれ防止コネクタ100の数、配置、および向きも、異なる実施形態において変化し得る。図に示される例示的な実施形態では、ねじれ防止コネクタ100がステント10を二等分する垂直軸に沿って実質的に整列されてもよいことが分かる。しかしながら、いくつかの実施形態では、ねじれ防止コネクタ100が、図に示されるように垂直に整列されなくてもよい。加えて、ステント10の各領域を連結するねじれ防止コネクタ100の数は、異なる実施形態において変化してもよく、したがって、例示的な図によって限定されると解釈されるべきではない。ステント10の様々な特性(例えば、幅、材料)、ステント10が使用されている用途、ステント10が通過する血管系、および/または他の考慮事項に応じて、図に示されているよりも多くのまたはより少ないねじれ防止コネクタ100を利用することができる。
【0072】
図1Aおよび
図1Bは、領域10Aからの基端ワイヤセグメント12A、および領域10Bからの先端ワイヤセグメント12Bに接続された複数のねじれ防止コネクタ100を有する1つの例示的なステント10を示す。
図2に示されるように、ステント10が蛇行した血管内に展開されるとき、ステント10の一部分は別の部分(例えば、先端領域10Bに対する基端領域10A)に対してねじれ得る。しかしながら、ここではステント10の中央付近に位置するねじれ防止コネクタ100は、ステント10が所望の方法で半径方向に拡張するのを妨げ得るねじれによって引き起こされる張力または摩擦を緩和するように、基端領域10Aの1つまたは複数のワイヤセグメントが、先端領域10Bの1つまたは複数のワイヤセグメントに対して回転することを可能にする。
【0073】
一実施形態では、ステント10が管状形状に一緒に編組された複数(例えば、64)の別個のワイヤから形成される。別の実施形態では、ステントが最初に、単一のワイヤから編組されて管状形状を形成し、次いで、コネクタ100が後から所望の位置に追加される。これは、最初に単一のワイヤが編組された後、所望の位置で2つのサブセグメントに切断され、次いでコネクタ100を介して互いに再取り付けされることを含み得る。さらに別の実施形態では、ステントが
図3に示されるような複数のストラット(struts)を有するレーザーカットステントであり得る。これらの実施形態のいずれにおいても、ワイヤセグメントまたはストラットセグメントは、ステント10の基端と先端との間に部分的にのみ延在するワイヤまたはストラットの部分を表す。したがって、複数のワイヤセグメント/ストラットセグメントが、ステント10の基端と先端との間に完全に延在するように接続され得る。
【0074】
図1Aはねじれ防止コネクタ100に接続された基端ワイヤセグメント12Aおよび先端ワイヤセグメント12Bがほぼ等しい長さであり得る(すなわち、コネクタ100はステント10のほぼ中央に位置し得る)ことを示す。しかしながら、
図4に示されるように、1つまたは複数のコネクタ100は、ステント10の長さに沿った1つまたは複数の位置に配置することができる。例えば、1つまたは複数のコネクタは、ステント10の長さの約25%(101A)、50%(101B)、および/または75%(101C)に配置することができる。その点に関して、ステント10の基端と先端との間のワイヤのストランド全体の長さは、ねじれ防止コネクタ100によって全て接続される2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のワイヤセグメントに分割されてもよい。
【0075】
コネクタ100がステント10の長さに沿って異なる位置に配置されていることに加えて、コネクタは、特定の断面位置で全てのワイヤを接続するために使用することができ(例えば、ステント10上の中央/50%の位置と交差する全てのワイヤ)、または特定の断面位置で全てより少ないワイヤを接続することができる。例えば、所与の位置でステント10の断面を見て、時計回りに移動するとき、コネクタは、1本おきのワイヤ、3本おきのワイヤ、4本おきのワイヤ、5本おきのワイヤ、または同様のパターンとともに使用され得る(すなわち、ワイヤは、ここでは2つの接続されたワイヤセグメントを意味する)。言い換えれば、コネクタは、ステント10の断面を見るときに、0度および180度など、特定の円周角度でワイヤ上にのみ配置されてもよい。
【0076】
別の例では、各ワイヤ(すなわち、ステント10の基端と先端との間に延在する)は、ステント10に沿って長手方向位置で交互に配置された1つまたは複数のコネクタ100を有し得る。例えば、断面の時計回りの視点から、第1のコネクタは、ステント長さの25%で第1のワイヤ上に配置されてもよく、第2のコネクタは、ステント長さの75%で第2の隣接ワイヤ上に配置されてもよく、第3のコネクタは、ステント長さの25%で第3の隣接ワイヤ上に配置されてもよく、以下同様である。編組ステント内のねじれ防止コネクタ100を伴う一方のワイヤセグメントと他方のセグメントのストランドとの間の接続の順序は、患者の長いおよび/または蛇行した血管内にステントを展開するときに必要とされるトルク自由度(torquing freedom)のレベル(すなわち、ステント10がどれだけねじれなければならないか)に依存し得る。
【0077】
別の例では、ステントの長さに沿ったコネクタ100の長手方向位置も、コネクタ100の断面または円周角度の位置と組み合わせて変更することができる。例えば、4つのコネクタ100は、それぞれが互いに90度ずれて、ステント10の長さに沿って異なる位置に配置されてもよい。そのようなコネクタ配置は、ステント10のねじれ防止態様がどのように機能するかに影響を与え、このようにして、ステント10は、特定の性能特性を達成するように調整可能となっている。
【0078】
ねじれ防止コネクタ100は、主に、2つの接続されたワイヤセグメントを互いに対して回転可能にする多くの異なる実施形態を有し得る。また、好ましい実施形態では、コネクタ100は、コネクタおよび/またはワイヤセグメントの互いに対する長手方向の動きまたは並進運動(longitudinal or translational movement)を防止するように、ワイヤセグメントに接続されてもよい。
【0079】
図5~
図11は、供給または展開中のステント10のねじれを防止するように、ステント10の2つ以上の領域10A、10Bを連結するために利用され得る、ねじれ防止コネクタ100の様々な例示的な実施形態を示す。図全体を通して示されるように、ねじれ防止コネクタ100は、第1の側120Aおよび第2の側120Bを有する細長い本体120を備え得る。概して、1つまたは複数の第1のワイヤセグメント12Aは、ねじれ防止コネクタ100の第1の側120Aに接続され得、1つまたは複数の第2のワイヤセグメント12Bは、ねじれ防止コネクタ100の第2の側120Bに接続され得る。
【0080】
ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120の形状を含む、ねじれ防止コネクタ100の形状は、異なる実施形態において変化し得、したがって、図に示される例示的な実施形態によって範囲が限定されると解釈されるべきではない。いくつかの実施形態では、細長い本体120が実質的に長方形であってもよい。一般に、細長い本体120は、患者を傷つける可能性がある任意の鋭い点を回避するように、図に示されるような湾曲した縁を有する。しかしながら、いくつかの実施形態では、細長い本体120は1つまたは複数の角を含み得る。
【0081】
図5は、ねじれ防止コネクタ100の例示的な実施形態の第1の側120Aを示す。図示のように、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120の第1の側120Aは、ワイヤセグメント12A、12Bを受け入れるようにそれぞれ構成された一対のワイヤ通路122A、122Bを含み得る。以下でより詳細に説明するように、ワイヤ通路122A、122Bのそれぞれは、いくつかの実施形態では、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120を完全に通過してもよく(例えば、第1の側120Aから第2の側120Bに通過し)、または他の実施形態では、ワイヤ通路122A、122Bのそれぞれは、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120内で終端してもよい。
【0082】
一般に、各通路122A、122Bは、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120を部分的にまたは完全に通って延在する開口部を含み得る。通路122A、122Bの形状および寸法は、異なる実施形態において変化し得、したがって、図に示される例示的な実施形態によって限定されると解釈されるべきではない。
【0083】
例えば、図は、通路122A、122Bのそれぞれが円形の開口部からなることを示しているが、様々な他の形状が異なる実施形態で利用されてもよいことを理解されたい。さらなる例として、通路122A、122Bは、いくつかの実施形態では、細長い本体120を完全に(例えば、細長い本体の第1の側120Aと第2の側120Bとの間を)通過するように示されているが、通路122A、122Bは、いくつかの実施形態では、細長い本体120内で終端し、したがって、それを完全に通過しなくてもよい。
【0084】
通路122A、122Bの寸法(例えば、直径)は、ワイヤセグメント12A、12Bの異なるタイプおよびサイズに適合するように変化し得る。一般に、各通路122A、122Bの内径は、その中に挿入されるワイヤセグメント12A、12Bの外径よりもわずかに大きくてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、各通路122A、122Bの内径は、ワイヤセグメント12A、12Bの外径より大きくてもよい。
【0085】
ねじれ防止コネクタ100の通路122A、122Bの数、したがって、ねじれ防止コネクタ100に接続されるワイヤセグメント12A、12Bの数は、異なる実施形態において変化し得、したがって、例示的な図によって限定されると解釈されるべきではない。
図7~
図8および
図10~
図11は、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120の各側面120A、120Bが一対の通路122を含む例示的な実施形態を示す。
図9は、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120の第1の側120Aが一対の第1の通路122Aを含み、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120の第2の側120Bが単一の通路122Bを含む例示的な実施形態を示す。逆の構成は、他の実施形態で利用され得る。加えて、いくつかの実施形態では、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120の片側または両側120A、120Bは、3つ以上の通路122を含み得る。
【0086】
図5~
図11は、ワイヤセグメント12A、12Bの末端がそれらの中に配置されることを可能にするように、それぞれが寸法決めされた第1のワイヤ通路122Aおよび第2のワイヤ通路122Bを有する細長い本体120を含む、ねじれ防止コネクタ100の例示的な実施形態を示す。ワイヤセグメント12A、12Bがコネクタ100とどのように係合するかに応じて、通路122は、前述のように、細長い本体120を部分的に通って、または細長い本体を完全に通って延在してもよい。
【0087】
細長い本体120は、それが配置されるステント10のサイズおよび/またはステントのワイヤ直径サイズに応じて、様々な異なる形状およびサイズの形態をとることができる。例えば、細長い本体は、長方形の直方体、正方形の立方体、楕円形、球形、または様々な他の形状を形成することができる。したがって、図の例示的な実施形態に示される形状は、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0088】
その細長い本体120を含むねじれ防止コネクタ100は、当技術分野で知られている様々なタイプの材料から構成され得ることを理解されたい。一例として、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120は、金属、合金、ポリマーなどを含む様々な生体適合性材料から構成され得る。細長い本体120は、ワイヤセグメントの互いに対する動きをさらに増加させるために、金属もしくは合金(例えば、ニチノール)、またはポリマーもしくはシリコーンなどの可撓性材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、細長い本体120が一緒に結合される(例えば、融合される)2つ以上の材料を含み得る。例えば、細長い本体120は、第1の材料から構成されるコアと、第2の材料から構成される外層(例えば、めっき)とを含み得る。また、細長い本体120の剛性は、異なる実施形態において変化し得る。したがって、細長い本体120は、剛性、半剛性、可撓性、および/または弾性材料から構成され得る。
【0089】
また、ワイヤ通路122A、122Bの相対的な配置は、異なる実施形態において変化してもよいことを理解されたい。第1のワイヤ通路122Aおよび第2のワイヤ通路122Bは、図に示されるように互いにほぼ平行に配置されてもよく、または各通路の軸に対して様々な非平行角度(例えば、互いに対して5、10、15、20、または25度)で配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のワイヤ通路122Aおよび第2のワイヤ通路122Bは、互いに直接位置合わせされてもよい。
【0090】
一例では、2つのハイポチューブを互いに近接して配置し、次いで、2つのハイポチューブを互いに溶接することによってコネクタを形成することができる。あるいは、既存の本体構造にハイポチューブを溶接することができる。いくつかの例では、ハイポチューブは必要でなくてもよく、第1のワイヤ通路122Aおよび第2のワイヤ通路122Bは、(例えば、穴あけ(drilling)、レーザーカット、または構造内に開口部を導入することが知られている様々な他の方法によって)細長い本体構造内に直接作られる。
【0091】
ワイヤセグメント12A、12Bの末端などのワイヤセグメント12A、12Bがねじれ防止コネクタ100に接続される方法は、様々な実施形態で異なり得る。限定ではなく一例として、ワイヤセグメント12A、12Bは、通路122内に固定されてもよく、通路122内に回転可能に接続されてもよく、または通路122を自由に通過してもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、別個の構造またはデバイスが、ねじれ防止コネクタ100の通路122内に固定されるか、または回転可能に接続され得る。非限定的な例として、ベアリング、チューブなどの管状部材は、ねじれ防止コネクタ100を介して固定または回転可能に接続され得る。そのような実施形態では、ワイヤセグメント12A、12Bは、そのような管状部材に対して回転してもよく、または、ワイヤセグメント12A、12Bが管状部材と一緒に回転するように管状部材内に固定された状態で、そのような管状部材自体が、通路122内で回転してもよい。したがって、そのような管状部材が利用される実施形態では、ワイヤセグメント12A、12Bは、代替的に、そのような管状部材に固定されるか、そのような管状部材に回転可能に接続されるか、またはそのような管状部材を自由に通過することができる。
【0093】
図7および
図9は、ワイヤセグメント12A、12Bが通路122を完全に通って延在せず、その代わりにその中で終端する例示的な実施形態を示す。前述のように、通路122は、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120に開口部を備えてもよく、または、いくつかの実施形態では、管状部材またはベアリングなどであるが、これらに限定されない別個の構造またはデバイスが、通路122に固定的にまたは回転可能に接続されてもよい。
図7は、通路122が、細長い本体120の第1の側120Aと第2の側120Bとの間に延在する実施形態を示す。
図9は、通路122が、ねじれ防止コネクタ100の外面または細長い本体120内のいずれでも終端しない実施形態を示す。
【0094】
図8および
図10~
図11は、ワイヤセグメント12A、12Bが、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120を完全に通過する例示的な実施形態を示す。このような実施形態では、拡大部123が、ワイヤセグメント12A、12B上に形成されるか、取り付けられ、ワイヤセグメント12A、12Bが、以下により詳しく説明するように、ねじれ防止コネクタ100の細長い本体120から引き抜かれる、または細長い本体120を通って遠ざかるように前進させられることを防止する。
【0095】
図11から理解されるように、ねじれ防止コネクタ100に対するワイヤセグメント12A、12Bの向き(例えば、進入角度)は、異なる実施形態において変化し得る。いくつかの例示的な実施形態では、ワイヤセグメント12A、12Bのそれぞれは、ねじれ防止コネクタ100に進入する前に90度の回転を含み得る。他の例示的な実施形態では、ワイヤセグメント12A、12Bは、ねじれ防止コネクタ100に進入する前に直線状に配向されてもよい。さらに他の例示的な実施形態では、ワイヤセグメント12A、12Bの一方または両方に、様々な他の進入角度を利用することができる。
【0096】
一接続例では、ワイヤセグメント12A、12Bの各端部は、溶接、接着剤による接着、または他の方法などによって、通路122に、またはその内部に固定され得る。例えば、
図7および
図9に示される例示的な実施形態は、そのような接続方法を利用することができる。この接続方法は、コネクタ100に対するワイヤセグメントの回転を防止することができる一方、ワイヤセグメントに対する細長い本体120の位置(例えば、ステント10の軸に対して垂直な位置)では、ワイヤセグメントの互いに対するより大きな相対的移動度を提供する。
【0097】
図7および
図9に示される例示的な実施形態で利用され得る別の接続例では、ワイヤセグメントの末端が、通路122内の溝または同様の構造によって係合される拡大部123を有し得る。そのような構成は、ワイヤセグメントの末端が、通路122で保持されることを可能にするとともに、コネクタ100に対するワイヤセグメントの回転および互いに対するワイヤセグメントの回転も可能にし得る。
【0098】
図7および
図9に示される例示的な実施形態で利用され得るさらに別の接続例では、ベアリング(図示せず)が、各通路122A、122B内に位置付けられ、ワイヤセグメント12A、12Bの末端が、各ベアリング内に接続され得る。その結果、ワイヤセグメント12A、12Bは、各ベアリングとともに、若しくは各ベアリングに対して回転し得る、または各ワイヤセグメント12A、12Bは、固定軸を中心に回転し得る、あるいは、ねじれ防止コネクタ100が、各ワイヤセグメント12A、12Bに対して回転し得る。
【0099】
図8および
図10~
図11に示される別の接続例では、ワイヤセグメント12A、12Bのそれぞれは、通路122A、122Bを完全に通って配置されてもよく、ワイヤセグメント12A、12Bは、通路122の一方または両方の側120A、120Bで、ワイヤセグメント12A、12Bの直径における拡大部123によって、適所に保持される。この点に関して、ワイヤセグメント12A、12Bは、通路122A、122Bから引き抜かれること、または通路122A、122Bを通ってさらに押されることが防止され得、それによって、互いに対するそれらの長手方向位置または並進位置を保持する。加えて、そのような接続方法は、ワイヤセグメント12A、12Bのそれぞれがコネクタ100に対して自由に回転することを可能にし得る。
【0100】
拡大部123の形状、サイズ、タイプ、および数は、異なる実施形態において変化してもよく、したがって、図に示される例示的な実施形態によって範囲が限定されると解釈されるべきではない。
【0101】
図は、平坦なディスク形状からなる拡大部123を示している。しかしながら、四角形、長方形、球形、半球形、および様々な他の形状の拡大部123を含む、様々な他の形状が利用され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の拡大部123は、ワイヤセグメント12A、12Bが延在し得る開口部を有するビーズを備えてもよく、ビーズは、接着剤、溶接などによってワイヤセグメント12A、12Bに固定される。しかしながら、いくつかの実施形態では、拡大部123は、ワイヤセグメント12A、12Bの長さの少なくとも一部に沿って「可動(float)」してもよい。
【0102】
拡大部123のサイズは、様々であってよく、図によって限定されると解釈されるべきではない。一般に、各拡大部123は、拡大部123が通路122に入ったり通過したりするのを防止するために、通路122の開口部より少なくともわずかに大きくなければならない。
【0103】
ワイヤセグメント12A、12Bおよび/またはねじれ防止コネクタ100ごとに利用される拡大部123の数も様々であってよく、図によって限定されると解釈されるべきではない。
図8および
図11は、各ワイヤセグメント12A、12Bが、2つの拡大部123、すなわち、ワイヤセグメント12A、12Bの先端における第1の拡大部と、第1の拡大部に対して後退する(例えば、差し込まれる)第2の拡大部とを含む実施形態を示す。したがって、
図8および
図11に示されるような実施形態では、第1の拡大部123は、ねじれ防止コネクタ100の第2の側120Bに配置され得、第2の拡大部123は、ねじれ防止コネクタ100の第1の側120Aに配置され得る。
【0104】
図9は、各ワイヤセグメント12A、12Bが、ねじれ防止コネクタ100の第2の側120Bで、その末端の先端に配置された単一の拡大部123のみを含む実施形態を示す。図示されていないが、いくつかの実施形態では、各ワイヤセグメント12A、12Bは、代わりに、ねじれ防止コネクタ100の第1の側120Aに単一の拡大部123のみを含み得る。
【0105】
拡大部123は、通路122Aおよび122Bを通ってワイヤセグメント12Aおよび12Bを配置した後に形成することができる。例えば、カラー、チューブ、またはC形状の構造をワイヤ上に配置し、適所に溶接することができる。あるいは、追加の溶接のみが必要とされてもよい。あるいは、スポット溶接を使用してワイヤセグメントの端部を拡大し、それによって拡大部123を形成することができる。
【0106】
図5~
図11に最もよく示されているように、コネクタ100の本体120の長さが、ステント10の長手方向軸に対して概ね垂直に配向される一方で、ワイヤセグメント12A、12Bは、ステント10の軸に平行に長手方向に延在するように、湾曲または屈曲され得る。
【0107】
通路122Aおよび122Bは、互いから様々な距離、限定されないが、0.001インチおよび0.05インチの包括的な範囲内に配置されることができる。通路122A、122Bは、概して、ワイヤセグメント12Aおよび12Bよりもわずかに大きいサイズ、例えば約0.0005インチおよび0.02インチの包括的な範囲内の直径を有するワイヤよりもわずかに大きいサイズとされ得る。
【0108】
本明細書に記載のコネクタ100は、多種多様な異なるステント10のタイプおよびサイズで使用することができる。例えば、コネクタ100は、神経血管用ステント(neurovascular stents)10に有用な性能特性を提供することができ、これは、多くの場合、約2mm~10mmの包括的な範囲内の拡張された直径、および約5mm~100mmの包括的な範囲内の拡張された長さを有する。
【0109】
一実施形態では、ステント10は、最初に、単一または複数のワイヤストランドを所望のステント10形状に編組することによって作製可能である。次いで、ステント10のワイヤを、長さに沿った所望の位置で(例えば、本明細書で前述した長さのいずれかを含むが、これらに限定されない様々な長さで)、第1のセグメント12Aおよび第2のセグメント12Bに切断することによって、コネクタ100を組み込むことができる。
【0110】
次いで、第1のステント領域10Aの少なくとも1つのストランドの先端末端は、コネクタ100の第1の側120A上の第1の通路122Aと接続され得、第2のステント領域10Bの別のストランドの基端末端は、コネクタ100の第2の側120B上の第2の通路122Bと接続され得る。コネクタ100への接続は、前述の任意の方法(例えば、ワイヤセグメント上に基端拡大部および先端拡大部を溶接または形成すること、または様々な他の方法)で実行され得る。追加のステントワイヤが、切断され、所望の位置で同様の方法で接続されてもよい。
【0111】
特定の例では、織物ステント(woven stent)は、長さの75%で第1の領域10Aおよび第2の領域10Bに切断することができる。第1の領域10Aの1つまたは複数のストランドの先端は、1つまたは複数のコネクタ100で第2の領域10Bの1つまたは複数のストランドの基端に接続され得、それによって、1つまたは複数のコネクタ100を介してステント10の第1のステント領域10Aをステント10の第2のステント領域10Bに接続する。
【0112】
さらに別の例では、織物ステントは、長さの50%で第1の領域10Aおよび第2の領域10Bに切断することができる。第1の領域10Aの1つまたは複数のストランドの先端は、1つまたは複数のコネクタ100を用いて、第2の領域10Bの1つまたは複数のストランドの基端に接続され得る。別の例によれば、編組ステントまたは織物ステントは、長さの25%で第1の領域10Aおよび第2の領域10Bに切断することができる。第1の領域10Aの1つまたは複数のストランドの先端は、1つまたは複数のコネクタ100を用いて、第2の領域10Bの1つまたは複数のストランドの基端に接続され得る。
【0113】
あるいは、ワイヤセグメントは、編組前にコネクタを介して互いに接続することができる。したがって、ステントは、所望のコネクタのそれぞれを接続した後に編組することができる。
【0114】
使用時に、ステント10は、ステント10を供給し、展開するための当技術分野で知られている広範囲の方法を使用して、血管系に供給され、血管系内に展開され得る。
図1Aに示されるように、ステント10が線形構成にある(例えば、ステント10が、直線もしくはほぼ直線に配置されるか、または直線もしくはほぼ直線に沿って延在する)とき、第1のワイヤセグメント12Aは、第2のワイヤセグメント12Bと整列され得る。
図1Bに示されるように、ステント10が非線形構成である(例えば、ステント10が、屈曲し、ねじれ、または湾曲する)とき、コネクタ100は、ステント10の任意の相対的ねじれと比較して、第1のワイヤセグメント12Aと第2のワイヤセグメント12Bとの間の相対的ねじれを低減し得る。このようにして、蛇行した血管系内での展開中の困難な問題(例えば、ステント10が完全に拡張できないこと)のリスクを低減または排除することができる。
【0115】
項目
【0116】
例示的な実施形態は、以下の番号付けされた項目に記載されている。
【0117】
第1項目。ステントにコネクタを追加する方法は、複数のストランドでステントを編組するステップと、長さに沿ってステントを切断し、複数のステントセグメントを形成するステップと、第1のステントセグメントの少なくとも1つのストランドの先端末端をコネクタ上の第1の通路と接続するステップと、第2のステントセグメントの少なくとも1つのストランドの基端末端をコネクタ上の第2の通路と接続するステップと、それによって、ステントの第1のセグメントをステントの第2のセグメントと接続するステップとを含み得る。
【0118】
第2項目。第1項目による方法は、ステントを切断し、3つのステントセグメントを形成するステップと、第2のコネクタの少なくとも1つのストランドの先端末端を第2のコネクタの第1の通路に接続するステップと、第3のステントセグメントの少なくとも1つのストランドの基端末端を第2のコネクタの第2の通路に接続するステップとを含み得る。
【0119】
第3項目。ステントにコネクタを追加する方法は、複数のストランドでステントを編組するステップと、ステントを長さに沿って切断し、複数のステントセグメントを形成するステップと、第1のステントセグメントの第1のストランドの先端末端をコネクタの第1の側の第1の通路に接続するステップと、第1のステントセグメントの第2のストランドの先端末端をコネクタの第1の側の第2の通路に接続するステップと、第2のステントセグメントの第1のストランドの基端末端をコネクタの第2の側の第1の通路に接続するステップとを含み得る。
【0120】
第4項目。ステントにコネクタを追加する方法は、複数のストランドでステントを編組するステップと、ステントを長さに沿って切断し、複数のステントセグメントを形成するステップと、第1のステントセグメントの第1のストランドの先端末端をコネクタの第1の側の第1の通路に接続するステップと、第2のステントセグメントの第1のストランドの基端末端をコネクタの第2の側の第1の通路に接続するステップと、第2のステントセグメントの第2のストランドの基端末端をコネクタの第2の側の第2の通路に接続するステップとを含み得る。
【0121】
第5項目。ステントにコネクタを追加する方法は、第1の管状ステントセグメントおよび第2の管状ステントセグメントをレーザーカットするステップと、第1の管状ステントセグメントの第1のワイヤの先端末端をコネクタの第1の側の第1の通路に接続するステップと、第2の管状ステントセグメントの第1のワイヤの基端末端をコネクタの第2の側の第1の通路に接続するステップとを含み得る。
【0122】
第6項目。第5項目による方法は、第1の管状ステントセグメントの第2のワイヤの先端末端を、コネクタの第1の側の第2の通路に接続するステップを含み得る。
【0123】
第7項目。第5項目または第6項目による方法は、第2の管状ステントセグメントの第2のワイヤの基端を、コネクタの第2の側の第2の通路に接続するステップを含み得る。
【0124】
第8項目。前述の項目のいずれかによる方法は、ストランドまたはワイヤのいずれかの末端または先端を潤滑性コーティングでコーティングして、摩擦を低減するステップを含み得る。
【0125】
第9項目。前述の項目のいずれかによる方法は、1つまたは複数の通路の内部を潤滑性コーティングでコーティングし、摩擦を低減するステップを含み得る。
【0126】
第10項目。前述の項目のいずれかによる方法は、ストランドまたはワイヤのいずれかを、ねじれ防止コネクタに完全に通して挿入するステップを含み得る。
【0127】
第11項目。前述の項目のいずれかによる方法は、ねじれ防止コネクタ内に、ストランドまたはワイヤのいずれかを終端させるステップを含み得る。
【0128】
第12項目。前述の項目のいずれかによる方法は、ストッパとして機能するように、ストランドまたはワイヤのいずれかの末端に第1の拡大部を接続するステップを含み得る。
【0129】
第13項目。前述の項目のいずれかによる方法は、第1の拡大部から基端方向に離間したストランドまたはワイヤのいずれかに、第2の拡大部を接続するステップを含み得る。
【0130】
第14項目。前述の項目のいずれかによる方法は、接着剤、はんだなどを用いてボールなどの拡大領域を形成することによって、ストランドまたはワイヤのいずれかに1つまたは複数の拡大部を形成するステップを含み得る。
【0131】
特定の実施形態および用途に関して本発明を説明したが、当業者であれば、本教示に照らして、請求された発明の精神から逸脱すること、またはその範囲を超えることなく、追加の実施形態および修正を生み出すことができるであろう。したがって、本明細書の図面および説明は、本発明の理解を促進するように一例として提供され、その範囲を限定するものと解釈されるべきでないことを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のワイヤセグメントと、
第2のワイヤセグメントと、
前記第1のワイヤセグメントと前記第2のワイヤセグメントとを連結するための少なくとも1つのコネクタと、を含むステントであって、
前記第1のワイヤセグメントは、前記少なくとも1つのコネクタに接続され、前記第2のワイヤセグメントは、前記少なくとも1つのコネクタに接続され、
前記ステントが線形構成であるとき、前記第1のワイヤセグメントは、前記第2のワイヤセグメントと整列され、
前記ステントが非線形構成であるとき、前記少なくとも1つのコネクタは、前記ステントの相対的ねじれと比較して、前記第1のワイヤセグメントと前記第2のワイヤセグメントとの間の相対的ねじれを低減することを特徴とするステント。
【請求項2】
前記第1のワイヤセグメントおよび前記第2のワイヤセグメントのそれぞれは、前記少なくとも1つのコネクタに回転可能に接続される、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコネクタの第1の側は、前記第1のワイヤセグメントを受け入れるための第1の開口部を含み、前記少なくとも1つのコネクタの第2の側は、前記第2のワイヤセグメントを受け入れるための第2の開口部を含む、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコネクタの前記第1の側または前記第2の側は、前記第1のワイヤセグメントまたは前記第2のワイヤセグメントを受け入れるための第3の開口部を含む、請求項3に記載のステント。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコネクタは、第1の通路および第2の通路を含み、前記第1のワイヤセグメントは、前記第1の通路を完全に通って延在し、前記第2のワイヤセグメントは、前記第2の通路を完全に通って延在する、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
前記第1のワイヤセグメントは、前記第1の通路内で回転可能であり、前記第2のワイヤセグメントは、前記第2の通路内で回転可能である、請求項5に記載のステント。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコネクタは、前記第1のワイヤセグメントおよび/または前記第2のワイヤセグメントの動きによって引き起こされる摩擦を低減するための潤滑性コーティングを含む、請求項1に記載のステント。
【請求項8】
前記第1のワイヤセグメントの先端は、第1の拡大部を含み、前記第2のワイヤセグメントの先端は、第2の拡大部を含む、請求項1に記載のステント。
【請求項9】
前記第1の拡大部は、前記第1のワイヤセグメントに取り付けられた第1のカラーを含み、前記第2の拡大部は、前記第2のワイヤセグメントに取り付けられた第2のカラーを含む、請求項8に記載のステント。
【請求項10】
前記第1のワイヤセグメントは、前記第1の拡大部から基端方向に離間した第3の拡大部を含み、前記第2のワイヤセグメントは、前記第2の拡大部から基端方向に離間した第4の拡大部を含む、請求項8に記載のステント。
【請求項11】
前記第1のワイヤセグメントおよび前記第2のワイヤセグメントのそれぞれは、前記少なくとも1つのコネクタを完全に通って延在し、前記第1の拡大部および前記第4の拡大部のそれぞれは、前記少なくとも1つのコネクタの第2の側に配置され、前記第2の拡大部および前記第3の拡大部のそれぞれは、前記少なくとも1つのコネクタの第1の側に配置される、請求項10に記載のステント。
【請求項12】
前記ステントが、レーザーカットステントまたは編組ステントからなる、請求項1に記載のステント。
【請求項13】
前記少なくとも1つのコネクタは、第1のハイポチューブおよび第2のハイポチューブを含み、前記第1のハイポチューブおよび前記第2のハイポチューブのそれぞれは、前記少なくとも1つのコネクタの第1の側と第2の側との間に延在する、請求項1に記載のステント。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコネクタは、前記ステントの長さに沿ったほぼ中間点に配置される、請求項1に記載のステント。
【請求項15】
前記少なくとも1つのコネクタは、前記ステントの基端または先端のより近くに配置される、請求項1に記載のステント。
【国際調査報告】