(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-31
(54)【発明の名称】工具のための工具ヘッド
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20240724BHJP
B23D 27/06 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B25F5/00 D
B23D27/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023558504
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2022057861
(87)【国際公開番号】W WO2022200543
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202021101592.6
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102022106499.9
(32)【優先日】2022-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500405266
【氏名又は名称】グスタフ・クラウケ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【氏名又は名称】河合 典子
(74)【代理人】
【識別番号】100224269
【氏名又は名称】小島 佑太
(72)【発明者】
【氏名】レーア、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】シェーネンベルグ-マスード、アミール クワセム モハメド デニス
(72)【発明者】
【氏名】クリスチアンス、マキシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】フレンケン、エグバート
【テーマコード(参考)】
3C064
【Fターム(参考)】
3C064AA20
3C064AC02
3C064AC05
3C064AC08
3C064BA02
3C064BA20
3C064BA33
3C064BB32
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA53
3C064CA85
3C064CB17
3C064CB62
3C064CB74
(57)【要約】
本発明は、側面視において、前記工具ヘッド(1)が、前記工具ヘッド(1)の長手軸(x)に沿って相互に対向して位置する2つのC脚(4、5)を備える実質的にC形状のヘッド本体(3)と、 前記C脚(4、5)を連結する連結ウェブ(6)と、を有する。第2工具キャリア(8)が第1工具キャリア(7)から離れて位置する最初の始端位置からC形状の前記ヘッド本体(3)のデバイス顎(11)を横切ると同時に前記第1工具キャリア(7)に隣接する終端の作業ポジションに向けて変位可能であり、かつ、前記連結ウェブ(6)が前記長手軸(x)に沿って並び位置する複数の貫通孔(12、13、14、15)を備え、隣接する前記貫通孔(12、13、14、15)が材料支柱(17、18、19)によって分離され、かつ、前記工具ヘッド(1)の前記ヘッド本体(3)が金属鋳造プロセスによって製造される、油圧作動の工具のための工具ヘッド(1)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧作動の工具のための工具ヘッド(1)であって、
側面視において、前記工具ヘッド(1)が、
前記工具ヘッド(1)の長手軸(x)に沿って相互に対向して位置する2つのC脚(4、5)を備える実質的にC形状のヘッド本体(3)と、
前記C脚(4、5)を連結する連結ウェブ(6)と、を有し、
第1C脚(4)が第1工具部(9)を受容するための第1工具キャリア(7)を備え、第2C脚(5)が第2工具部(10)を受容するための第2工具キャリア(8)を備え、前記第2工具キャリア(8)が前記第1工具キャリア(7)に対して変位可能に前記工具ヘッド(1)に設けられ、それにより前記第2工具キャリア(8)が前記第1工具キャリア(7)から離れて位置する最初の始端位置からC形状の前記ヘッド本体(3)のデバイス顎(11)を横切ると同時に前記第1工具キャリア(7)に隣接する終端の作業ポジションに向けて変位可能であり、かつ、前記工具ヘッド(1)の前記長手軸(x)を横切る側面視において前記連結ウェブ(6)が前記長手軸(x)に沿って並び位置する複数の貫通孔(12、13、14、15)を備え、隣接する前記貫通孔(12、13、14、15)が材料支柱(17、18、19)によって分離され、かつ、前記工具ヘッド(1)の前記ヘッド本体(3)が金属鋳造プロセスによって製造される工具ヘッド(1)。
【請求項2】
前記ヘッド本体(3)が鋼又はチタンから製造されることを特徴とする請求項1に記載の工具ヘッド(1)。
【請求項3】
前記貫通孔(12、13、14、15)によってデバイス顎(11)から離れて位置する前記連結ウェブ(6)の縁領域(16)が、前記貫通孔(12、13、14、15)の開口高(h)の20%~40%の長さである、前記長手軸(x)と直交する縁高(r)を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の工具ヘッド(1)。
【請求項4】
前記連結ウェブ(6)が3~5つの特に4つの貫通孔(12、13、14、15)を備え、それらが、前記工具ヘッド(1)の前記長手軸(x)を横切る側面から視て、前記第1C脚(4)から前記第2C脚(5)までアーチ状に並んで配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項5】
前記貫通孔(12、13、14、15)が、前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)から前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)とは反対側にある前記連結ウェブ(6)の前記縁領域(16)まで拡がって延びることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項6】
前記材料支柱(17、18、19)が、前記貫通孔(12、13、14、15)の開口平面を横断する視点において、前記貫通孔(12、13、14、15)の開口幅(b)の約10%~50%に相当する支柱幅(d)を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項7】
前記材料支柱(17、18、19)が、前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)から前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)の反対側にある前記連結ウェブ(6)の縁領域(16)までの全長において、実質的に一定の支柱幅(d)を備えることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項8】
前記材料支柱(17、18、19)が、前記貫通孔(12、13、14、15)の開口平面を横断する視点において、実質的にくびれた形状を備え、前記材料支柱(17、18、19)が、前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)から前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)の反対側にある前記連結ウェブ(6)の縁領域(16)までの全長において、最初にまずテーパー状になり、それから再び拡がることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項9】
前記貫通孔(12、13、14、15)が、前記工具ヘッド(1)の前記長手軸(x)に平行な方向に関して、前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)の幅(z)の約50%~100%に相当する開口幅(b)を備えることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項10】
前記工具ヘッド(1)の前記ヘッド本体(3)が、特に鋼又はチタンのインベストメント鋳造である、金属鋳造によって製造されることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載された工具ヘッド(1)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具のための、特に油圧作動工具のための工具ヘッドに関する。工具ヘッドは、側面視において、基本的に工具ヘッドの長手軸にそって相互に対向して位置する2つのC脚を備える実質的にC形状のヘッド本体、及び、C脚を接続する連結ウェブを有する。第1C脚が第1工具部を受容するための第1工具キャリアを備え、かつ、第2C脚が第2工具部を受容するための第2工具キャリアを備え、第2工具キャリアが第1工具キャリアに対して変位可能に工具ヘッドに設けられ、これにより第2工具キャリアは、C形状のヘッド本体のデバイス顎を横切ると同時に、第1工具キャリアから離れた最初の始端位置から第1工具キャリアに隣接する終端の作業ポジションへと、変位することができる。そして、工具ヘッドの長手軸と直交する側から視て、連結ウェブは長手軸にそって並んで位置する複数の貫通孔を備え、隣接する貫通孔は材料支柱によって分離される。
【0002】
本発明は、さらにこの型の工具ヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
前述のような種類の工具ヘッドは、先行技術において様々な構成で公知である。
対応する工具部品とともに、工具ヘッドは例えば、加工対象を押圧、切削、穿孔するために使用される。例えば工具ヘッドを備えるそのような工具は特許文献1で開示され、特許文献2としても開示されている。
【0004】
加えて、工具ヘッドに基本的に一体的なかつ物質的に均一のデザインを付与することで公知である。そして工具ヘッドは、長手軸方向において好ましくはシリンダ構造によって、油圧パワーユニットを備えるアダプタを介して直接的又は間接的に接続することができる。工具は、基本的に工具の手持ち操作を可能にするロッド形状の外郭工具ベースを備えた、もっぱら手持ちの工具として設計され得、又は代替的に分離して設けられかつ油圧ホースを介して工具ヘッドに接続される油圧パワーユニットを備える工具として設計され得る。
【0005】
上述の種類の工具ヘッドは、処理された貫通孔を備えない工具ヘッドのみが知られるようになっているが、通常、鍛造プロセスにおいて製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第1084798号明細書
【特許文献2】米国特許第6,718,870号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の先行技術から進んで、現在の発明の対象は、一方で実現し得る軽量性に関する、他方で操作の安全性に関する、上述の種類の工具ヘッドのさらなる開発に向けたものである。とりわけ、その目的は、工具ヘッドが耐用年数に達してヘッド本体が破損した場合に、ヘッド本体の部品が外れることを防ぐことにあり、そうでなければ工具のユーザに重大な危害を与えかねない。
【0008】
上記の目的を達するために、工具ヘッドのヘッド本体が金属の鋳造プロセスにおいて製造されることが提案される。特に、ヘッド本体は鋼かチタンから製造することができる。金属のプロセスで製造された工具ヘッドは、従来の鍛造された鋼のような密度を備えるが、その製造はより費用効果が高い。特に、焼入れ鋼や焼戻し鋼を使用してインベストメント鋳造の枠組みで製造する場合、工具ヘッドの好ましくは引け巣のない、または少なくとも引け巣を低減した設計を実現できる。代替として、工具ヘッドは、チタンを主成分とした合金を用いることにより、さらなる軽量化を達成することもできる。
【0009】
工具ヘッドの連結ウェブは、工具ヘッドの長手軸に沿った側面視において、長手軸に沿った開口部は長手方向に沿って並んで位置する複数の貫通孔を備える。その貫通孔は、例えば経年劣化で生じる連結ウェブの亀裂を途中で遮るのに資し、そうでなければヘッド本体のデバイス顎の反対側に面する縁領域まで連結ウェブを完全に貫通してしまい、そのために工具ヘッドの一部が投げ出されたり、少なくとも脱落したりする可能性がある。
上述の貫通孔は、一方で工具ヘッドのかなりの軽量化につなげることができ、また、他方で、鋳造材料に生じた引け巣に起因するあらゆる不安定性をも補うことができるため、鋳造金属からの工具ヘッドの形成を有利に改善する。このように連結ウェブに導入された貫通孔は、改良されたトポロジーを生じさせ、それが典型的に維持される荷重または力に対して必要な安定性を確保する基本構造まで工具ヘッドを縮小することができる。例示的実施形態において、このような工具ヘッドは、100kNを超える力、例えば120kN以上の力に実際に適している。
連結ウェブの内側の材料の凹部を構成する貫通孔による材料体積の減少に応じて、重量の大幅な減少を達成することができ、貫通孔を備える連結ウェブの上述の構造は、さらに有利な破損の挙動を提供することができる。この場合、貫通孔によって達成される材料の節約は、工具ヘッドの要求される強度および剛性によって制限される。
【0010】
金属の鋳造プロセスの枠組みで工具ヘッドのヘッド本体の形成に伴って、鍛造のような旧来の製造プロセスの使用を通して実現されない全体の幾何学的形状が実現された。ここで貫通孔は、貫通孔のない元の幾何学的形状の基本的な支持構造を維持するような方法で、工具ヘッド、特にその連結ウェブに導入される。例えば、貫通孔により、原形の工具ヘッドより実測で25%以上軽量化できる。
【0011】
特に、貫通孔によって実現される安全機能のために、少なくとも1つの貫通孔が、ヘッド本体のデバイス顎に隣接して平行に、とりわけ工具ヘッドの長手軸に関してデバイス顎に平行に配置された連結ウェブの部分に、直接形成される。
この設計により、工具ヘッドのデバイス顎から発生する亀裂は、貫通孔で終わり、連結ウェブの外縁領域には達しない。従って、工具ヘッドが耐用年数に達したことで亀裂が発生しても、デバイス顎からより離れている連結ウェブの一部は無傷のままである。連結ウェブのデバイス顎から離れた部分は無傷のままである。工具ヘッドの一部が脱落して振り落ちたり落下したりすることが効果的に防止される。
【0012】
加えて、貫通孔によってデバイス顎から離れて位置する連結ウェブの縁領域は、貫通孔の開口高の20%~40%である長手軸と直交する縁高を有するように設けることができる。
その結果、連結ウェブの外縁に貫通孔に隣接して残る縁領域の材料厚は、隣接する貫通孔の開口高よりも相当に小さくなる。しかしながら、貫通孔の材料の凹部の高さとそれに隣接して残る連結ウェブの縁領域との間の比率は、工具ヘッドに要求される安定性が確保される任意の割合で寸法決めされる。
【0013】
連結ウェブは、工具ヘッドの長手軸を横断する側面から視たときに、第1C脚から第2C脚まで並んでアーチ形に配置された貫通孔を、3~5つ、特に4つ備える。結果として、貫通孔は工具ヘッドのC形状に実質的に沿って並んで配置することができる。それ故に、ヘッド本体のC形状の側面視に関してデバイス顎の幾何学的中心から進むにつれて、幾何学的中心の周りに貫通孔の星形の配置が生じ得る。貫通孔は、デバイス顎から進み、デバイス顎の反対側にある連結ウェブの縁領域の方向に関して半径方向に拡がるが、縁領域に残った材料を貫通しない。
デバイス顎の周辺部の貫通孔のアーチ形の配置が、デバイス顎のいずれかの地点から発生する亀裂を好適に途中で遮ることを可能にし、それにより後者は連結ウェブを完全に貫通することができずに、デバイス顎に隣接する貫通孔で終止する。
【0014】
2つ以上の材料支柱は、デバイス顎から離れた材料支柱の領域において相互間で大きく離れるように、それぞれの長手方向の中心軸が放射状になるように設けることができる。
【0015】
さらに、1つ、複数、又は全ての貫通孔がヘッド本体のデバイス顎からヘッド本体のデバイス顎の反対側にある連結ウェブの縁領域まで、拡がっていくよう設計される。
こうして貫通孔は、デバイス顎の中心から半径方向外側に進むほど拡がり、それにより材料の凹部が相対的により大きな範囲まで連結ウェブの外縁領域に向けて形成され、それにより、ヘッド本体のデバイス顎が相対的に大きな量の材料によって囲まれることで、ヘッド本体の安定性が減殺されない。同時に貫通孔の材料の凹部が工具ヘッドの重量を減らす。特に、その拡張は、放射状に整列した2つ、3つ、又は全ての相互に関連する材料支柱によって、実現される。
【0016】
材料支柱の設計に関して、貫通孔の開口面を横断する視点で、材料支柱が貫通孔の開口幅の約10%~50%に相当する支柱幅を備えることが、さらに提案される。結果として、貫通孔の間に形成される材料支柱は貫通孔の幅よりも相当に細い。よってヘッド本体のデバイス顎から発生する亀裂が貫通孔で終止する確率は、亀裂が材料支柱に達する確率や、工具ヘッドの一部の脱落を生じさせる連結ウェブ全体を半径方向に貫通する確率よりも、よりも相当に高い。
【0017】
これに伴い、特に1つ、複数、又は全ての材料支柱が、ヘッド本体のデバイス顎からヘッド本体のデバイス顎の反対側にある連結ウェブの縁領域まで基本的に一定の支柱幅を備えることが、提案される。
結果として、材料支柱は好ましくは、デバイス顎に隣接して、連結ウェブの外側に面する縁領域よりも幅広ではないので、デバイス顎と材料支柱との間の上述の移行領域が可能な限り狭くなり、亀裂によって引き起こされる損傷の確率が特に低くなる。
特別な実施形態では、材料支柱がデバイス顎から進むにつれて拡大し、連結ウェブの外縁領域における安定性が増すように設けることもできる。
【0018】
代替的に、貫通孔の開口面を横断する視点において、基本的にくびれた形状の材料支柱が設けられてもよく、その場合、ヘッド本体のデバイス顎からヘッド本体のデバイス顎の反対側にある連結ウェブの縁領域まで進むにつれて、まずテーパー状になっており、それから再び拡がる。この実施形態において、材料支柱は、その長手方向の中央領域でテーパー状にすることができ、それにより工具ヘッドの重量をさらに減らせる。
加えて、これと関連して、デバイス顎から離れた連結ウェブの端部領域に沿ったデバイス顎への移行領域におけるより広い設計が、工具ヘッドの安定した基本形状を維持することを可能にする。
【0019】
さらに、貫通孔が、工具ヘッドの長手軸と平行な方向に関して、ヘッド本体のデバイス顎の幅の約50%~100%に相当する開口幅を有するように設計されてもよい。この実施形態によって、特に複数の貫通孔の1つが特に大きな開口幅を備えていてもよく、これにより貫通孔が、デバイス顎の長手方向における大きな部分に沿って延在し、そして、何らかの事象におけるデバイス顎から生じる亀裂が貫通孔で終止し、材料支柱まで達することはない。結果として、複数の貫通孔のうちの1つは、残りの貫通孔と比較して設計上、相当に大きく、例えば幅広にでき、例えば2倍大きい開口幅を備える、工具ヘッドの構造設計と、デバイス顎の特定の部分領域における材料の特殊な負荷に依存して、多かれ少なかれ幅広の貫通孔を設けることができる。
【0020】
最後に、上述の工具ヘッドに加えて、金属鋳造によって工具ヘッドのヘッド本体を製造することに関する方法を提案する。とりわけ、鋼またはチタンのインベストメント鋳造によってヘッド本体が製造されることを提案する。インベストメント鋳造は、ロストワックス製法による鋳造を含むことができる。ワックスの代替として、この目的のために最初に作製され、その後に成形材料で囲まれる原型は、例えばプラスチックのような何らか他の溶融可能な材料で構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明を説明するが、後半は例示的実施形態を描くに留まる。それゆえ、描かれた工具ヘッドの一部は、例示的実施形態の1つに関連してのみ描かれるが、本発明における追加的な例示的実施形態においても同様に適用することができ、追加的な例示的実施形態に対しても少なくとも可能であるものとして描かれてもいる。図面に詳細に示されている。
【
図1】
図1は、第1の実施形態における本発明の工具ヘッドを備えた工具である。
【
図5】
図5は、第2の実施形態における本発明の工具ヘッドを備える工具である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
下記で示された図は、2つの異なったとり得る工具2の実施形態であり、
図1~
図4は第1の実施形態に関し、
図5~
図8は第2の実施形態に関する。追加的で代替的な実施形態もとり得ることができ、そのため
図1~
図8は制限的に解釈されてはならず、むしろとり得る特徴を説明することに資する。
【0023】
まず
図1は最初にロッド形状の外郭工具ベースを有する工具2を示す。工具2に電力を供給するための蓄電池22がその自由終端部材21に配置される。例えば、工具2は油圧作動の圧着工具2である。しかしながら代替として、工具2は、例えば、加工対象を切削又は穿孔する、その他の目的に用いるものに替えてもよい。
外郭工具ベース20はさらに、ユーザが工具2を動かすのに用いるハンドル23を備える。外郭工具ベース20のハンドル23に加えて、工具2はここでは示されていない他のハンドル部分をもさらに有することができ、それにより、例えば、特に重い工具2を、とりわけ重量を理由に片手操作ができないときに、安全に動かしかつ把持することを可能にする。特に、本発明は分離して設計されたユニットを備える工具2を提案し、特に分離した電源供給デバイス、分離して設けられ工具2の工具ヘッド1に油圧ホースによって接続される油圧パワーユニット、又はその他の同様のものである。
実施形態において図で示すように、工具2の工具ヘッド1は油圧パワーユニットにアダプタ24を介して接続され、工具2の外郭工具本体25に合体される。
【0024】
工具2の工具ヘッド1は、全体的に一体的な設計であるヘッド本体3を有する。
工具2又は工具ヘッド1の長手軸xが直線で描かれている
図2または
図3の側面視において、ヘッド本体3は略C形状のデザインを備えることができる。ヘッド本体3は、第1C脚4と第2C脚5とを有し、これらは、長手軸xに実質的に平行に形成された連結ウェブ6によって連結される。
連結ウェブ6と同様に2つのC脚4、5は、工具2によって機械加工される加工対象を導入することができるデバイス顎11全体にまたがる。第1C脚4は第1工具キャリア7を備える。第2C脚5は第2工具キャリア8を備える。ここで第1工具キャリア7は第1C脚4と一体的にまとめて設計され、一方で第2工具キャリア8は、第1工具キャリア7に対してデバイス顎11内に変位可能である。例えば、第2工具キャリア8は、ここで、外郭工具本体25に直線的に変位させられる油圧ピストン26によって、油圧的に変位させられ得る。
【0025】
2つの工具キャリア7、8のそれぞれは好ましくは工具部9、10取り外し可能に受容するために使用され、第1工具キャリア7は第1工具部9を支持し、第2工具キャリア8は第2工具部10を支持する。割り当てられた工具キャリア7、8に分離可能に工具部9、10を固定するために、工具部9、10と工具キャリア7、8は対応する保持手段27、28を備える。例えば、それぞれの工具部9、10に、対応する工具キャリア7、8によって掛け金を掛けてもよい。加えて、特に直線的にスライド可能に外郭工具本体25に取り付けられた第2工具キャリア8は、デバイス顎11を通り、工具ヘッド1のヘッド本体3から取り外すことができる。
【0026】
工具ヘッド1は連結脚6上の複数の貫通孔12、13、14、15を有し、それらは材料支柱17、18、19によって相互に分離されている。例えば
図2及び
図3で認識されるように、貫通孔12、13、14、15の開口面は、ヘッド本体3がC形状を成す平面に平行に位置する。貫通孔12、13、14、15とは別に、幅狭の縁領域16が連結ウェブ6の外側に残り、工具ヘッド1の安定性を確保する。
図3でより詳細に認識されるように縁領域16は縁高rを備え、それが貫通孔12、13、14、15の開口高hの約25%に相当する。貫通孔12、13、14、15の間に存在する材料支柱17、18、19は、軽くくびれた形状を備え、そこでそれぞれの材料支柱17、18、19はデバイス顎11から連結ウェブ6の縁領域16まで延びる。材料支柱17、18、19のくびれた形状の全長における最も幅狭の領域における中央の支柱幅dは、ここで隣接する貫通孔12、13、14、15の開口幅bの約20%となっている。
4つの貫通孔12、13、14、15の合計において、貫通孔13は明らかに特に大きく、そして、残りの貫通孔12、14、15の開口幅b及び開口高hよりも明らかに大きい開口幅b及び開口高hを備える。長手軸xに平行な方向に関して、貫通孔13はデバイス顎11の全幅zにほぼ沿って広がる。
結果として、例えば耐用年数に至った工具ヘッド1によって引き起こされる、デバイス顎11から生じる亀裂11は、貫通孔13によってかなりの確実性をもって途中で遮られ、それによって連結ウェブ6の縁領域16に到達しない。ヘッド本体3の幾何学的形状に依存するが、ここで、デバイス顎11の縁で生じる亀裂が通常、材料支柱17、18、19に達しないように、むしろ貫通孔12、13、14、15に達するように、材料支柱17、18、19が配置される。結果として、特定の開口幅b及び開口高hを備える貫通孔12、13、14、15のサイズは、一方では工具ヘッドの重量を抑え、他方では貫通孔12、13、14、15に亀裂が到達するとすぐに亀裂の成長を阻止する。
こうした金属鋳造による工具ヘッド1の独創的な製造に伴って、例えば引け巣である鋳造の欠陥の結果である損壊や亀裂でさえ、危機的ではなくなる。例えば工具ヘッド1は、インベストメント鋳造の枠組みで鋼やチタンから製造される。
【0027】
貫通孔12、13、14、15は、連結ウェブ6の全体のアーチ形をたどり、そうして工具ヘッドの長手軸xに平行な線上には形成されない。結果として貫通孔12、13、14、15とデバイス顎11との間の距離は基本的に維持され、それによって望まれないデバイス顎11の周囲に沿った亀裂の伝播の確率が、実質的に低減される。
【0028】
図5~
図8は、本発明における工具ヘッド1の代替的設計を示す。この工具ヘッド1も同様に4つの貫通孔12、13、14、15を備えるが、
図1~4における貫通孔12、13、14、15に対して設計としてより小さく、相互に近似する開口幅b及び開口高hを備える。その結果、工具ヘッド1は全体としてより安定的になり、第1の実施形態における工具ヘッド1との比較で、より大きな負荷を受容する。加えて、特に
図6及び
図7で明らかなように、材料支柱17、18、19は、その長手方向の延びに沿って、実質的に同一のままの支柱幅dを備える。そうでなければ、
図5~
図8の例示的実施形態における貫通孔12、13、14、15もまた、実質的にC形状のヘッド本体3の周囲に沿ってアーチ形をたどる。
【0029】
上述は出願書類全体に含まれた発明を説明するのに資し、それぞれが独立に、少なくともその特徴の組合せによって、先行技術を前進させ、これらの特徴の組合せの2つ、複数、又は全てもまた組み合わせることができる。具体的には以下の通りである。
【0030】
工具ヘッド1のヘッド本体3が金属の鋳造プロセスにおいて製造されることを特徴とする工具2のための工具ヘッド1。
【0031】
ヘッド本体3が鋼又はチタンから製造されることを特徴とする工具2のための工具ヘッド1。
【0032】
貫通孔12、13、14、15によってデバイス顎11から離れて位置する連結ウェブ6の縁領域16が、貫通孔12、13、14、15の開口高hの20%~40%の長さである長手軸xに直交する縁高rを備えることを特徴とする工具2のための工具ヘッド1。
【0033】
連結ウェブが3~5つの特に4つの貫通孔12、13、14、15を備え、工具ヘッド1の長手軸xを横切る側面から視て、第1C脚4から第2C脚5までアーチ状に並んで配置されていることを特徴とする工具2のための工具ヘッド1。
【0034】
貫通孔12、13、14、15が、ヘッド本体3のデバイス顎11からヘッド本体3のデバイス顎11の反対側にある連結ウェブ6の縁領域16まで拡がって延びることを特徴とする工具2のための工具ヘッド1。
【0035】
材料支柱17、18、19が、貫通孔12、13、14、15の開口平面を横断する視点において、貫通孔12、13、14、15の開口幅bの約10%~50%に相当する支柱幅dを備えることを特徴とする工具2のための工具ヘッド1。
【0036】
材料支柱17、18、19が、ヘッド本体3のデバイス顎11からヘッド本体3のデバイス顎11の反対側にある連結ウェブ6の縁領域16までの全長において、実質的に一定の支柱幅dを備えることを特徴とする工具2のための工具ヘッド1。
【0037】
材料支柱17、18、19が、貫通孔12、13、14、15の開口平面を横断する視点において、実質的にくびれた形状を備え、材料支柱17、18、19が、ヘッド本体3のデバイス顎11からヘッド本体3のデバイス顎11の反対側にある連結ウェブ6の縁領域16までの全長において、最初にまずテーパー状になり、それから再び拡がることを特徴とする工具2のための工具ヘッド1。
【0038】
貫通孔12、13、14、15が、工具ヘッド1の長手軸xに平行な方向に関して、ヘッド本体3のデバイス顎11の幅zの約50%~100%に相当する開口幅bを備えることを特徴とする工具2のための工具ヘッド1。
【0039】
工具ヘッド1のヘッド本体3が、特に鋼又はチタンのインベストメント鋳造である、金属鋳造によって製造されることを特徴とする工具ヘッド1の製造方法。
【0040】
開示された全ての特徴は、(それ自体のために、また互いに組み合わされて)本発明に不可欠である。ここでの出願の開示は、関連する/添付された優先権書類(写し及び先の出願)の開示内容をその内容全体に含み、それはこれらの書類の特徴を本願の請求項に組み込む目的でもある。従属請求項は、特にこれらの請求項に基づいて分割出願を行うために、引用される請求項の特徴がなくても、先行技術の独立した発明性のあるさらなる発展を特徴とする。各請求項で特定された発明は、前述の説明で特定された、特に参照符号が付与された、及び/又は符号の説明で特定された、1つ以上の機能を追加で有することができる。本発明はまた、特に、それらがそれぞれの使用目的に明らかに不要であるか、又は技術的に同じ効果を有する他の手段で置き換えることができる限り、前述の説明で述べた特徴の個々のものが実装されない実施形態に関する。
【符号の説明】
【0041】
1 工具ヘッド
2 工具
3 ヘッド本体
4 C脚
5 C脚
6 連結ウェブ
7 工具キャリア
8 工具キャリア
9 工具部
10 工具部
11 デバイス顎
12 貫通孔
13 貫通孔
14 貫通孔
15 貫通孔
16 縁領域
17 材料支柱
18 材料支柱
19 材料支柱
20 外郭工具ベース
21 終端部材
22 蓄電池
23 ハンドル
24 アダプタ
25 外郭工具本体
26 油圧ピストン
27 保持手段
28 保持手段
b 開口幅
d 支柱幅
h 開口高
r 縁高
x 長手軸
z 幅
【手続補正書】
【提出日】2023-03-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧作動の工具のための工具ヘッド(1)であって、
側面視において、前記工具ヘッド(1)が、
前記工具ヘッド(1)の長手軸(x)に沿って相互に対向して位置する2つのC脚(4、5)を備える実質的にC形状のヘッド本体(3)と、
前記C脚(4、5)を連結する連結ウェブ(6)と、を有し、
第1C脚(4)が第1工具部(9)を受容するための第1工具キャリア(7)を備え、第2C脚(5)が第2工具部(10)を受容するための第2工具キャリア(8)を備え、前記第2工具キャリア(8)が前記第1工具キャリア(7)に対して変位可能に前記工具ヘッド(1)に設けられ、それにより前記第2工具キャリア(8)が前記第1工具キャリア(7)から離れて位置する最初の始端位置からC形状の前記ヘッド本体(3)のデバイス顎(11)を横切ると同時に前記第1工具キャリア(7)に隣接する終端の作業ポジションに向けて変位可能であり、かつ、前記工具ヘッド(1)の前記長手軸(x)を横切る側面視において前記連結ウェブ(6)が前記長手軸(x)に沿って並び位置する複数の貫通孔(12、13、14、15)を備え、隣接する前記貫通孔(12、13、14、15)が材料支柱(17、18、19)によって分離され、かつ、前記工具ヘッド(1)の前記ヘッド本体(3)が金属鋳造プロセスによって製造される
、前記工具ヘッド(1)
において、
前記貫通孔(12、13、14、15)が、前記工具ヘッド(1)の前記長手軸(x)に平行な直線ではなく、前記連結ウェブ(6)のアーチ形に沿っていることを特徴とする工具ヘッド(1)。
【請求項2】
油圧作動の工具のための工具ヘッド(1)であって、
側面視において、前記工具ヘッド(1)が、
前記工具ヘッド(1)の長手軸(x)に沿って相互に対向して位置する2つのC脚(4、5)を備える実質的にC形状のヘッド本体(3)と、
前記C脚(4、5)を連結する連結ウェブ(6)と、を有し、
第1C脚(4)が第1工具部(9)を受容するための第1工具キャリア(7)を備え、第2C脚(5)が第2工具部(10)を受容するための第2工具キャリア(8)を備え、前記第2工具キャリア(8)が前記第1工具キャリア(7)に対して変位可能に前記工具ヘッド(1)に設けられ、それにより前記第2工具キャリア(8)が前記第1工具キャリア(7)から離れて位置する最初の始端位置からC形状の前記ヘッド本体(3)のデバイス顎(11)を横切ると同時に前記第1工具キャリア(7)に隣接する終端の作業ポジションに向けて変位可能であり、かつ、前記工具ヘッド(1)の前記長手軸(x)を横切る側面視において前記連結ウェブ(6)が前記長手軸(x)に沿って並び位置する複数の貫通孔(12、13、14、15)を備え、隣接する前記貫通孔(12、13、14、15)が材料支柱(17、18、19)によって分離され、かつ、前記工具ヘッド(1)の前記ヘッド本体(3)が金属鋳造プロセスによって製造される
、前記工具ヘッド(1)
において、
前記貫通孔(12、13、14、15)が、前記工具ヘッド(1)の前記長手軸(x)に平行な直線ではなく、前記連結ウェブ(6)のアーチ形に沿っていること、及び、
貫通孔(15)が前記長手軸(x)に関して前記デバイス顎(11)の直線的な延長として設計されることを特徴とする工具ヘッド(1)。
【請求項3】
油圧作動の工具のための工具ヘッド(1)であって、
側面視において、前記工具ヘッド(1)が、
前記工具ヘッド(1)の長手軸(x)に沿って相互に対向して位置する2つのC脚(4、5)を備える実質的にC形状のヘッド本体(3)と、
前記C脚(4、5)を連結する連結ウェブ(6)と、を有し、
第1C脚(4)が第1工具部(9)を受容するための第1工具キャリア(7)を備え、第2C脚(5)が第2工具部(10)を受容するための第2工具キャリア(8)を備え、前記第2工具キャリア(8)が前記第1工具キャリア(7)に対して変位可能に前記工具ヘッド(1)に設けられ、それにより前記第2工具キャリア(8)が前記第1工具キャリア(7)から離れて位置する最初の始端位置からC形状の前記ヘッド本体(3)のデバイス顎(11)を横切ると同時に前記第1工具キャリア(7)に隣接する終端の作業ポジションに向けて変位可能であり、かつ、前記工具ヘッド(1)の前記長手軸(x)を横切る側面視において前記連結ウェブ(6)が前記長手軸(x)に沿って並び位置する複数の貫通孔(12、13、14、15)を備え、隣接する前記貫通孔(12、13、14、15)が材料支柱(17、18、19)によって分離され、かつ、前記工具ヘッド(1)の前記ヘッド本体(3)が金属鋳造プロセスによって製造される
、前記工具ヘッド(1)
において、
前記貫通孔(12、13、14、15)によって前記デバイス顎(11)から離れて位置する前記連結ウェブ(6)の縁領域(16)が、前記貫通孔(12、13、14、15)の開口高(h)の20%~40%の長さである前記長手軸(x)と直交する縁高(r)を備えること、かつ、
前記材料支柱(17、18、19)が、前記貫通孔(12、13、14、15)の開口平面を横断する視点において、前記貫通孔(12、13、14、15)の開口幅(b)の約10%~50%に相当する支柱幅(d)を備えることを特徴とする工具ヘッド(1)。
【請求項4】
貫通孔(12、13、14、15)によってデバイス顎(11)から離れて位置する前記連結ウェブ(6)の縁領域(16)が、前記貫通孔(12、13、14、15)の開口高(h)の20%~40%の長さである、前記長手軸(x)と直交する縁高(r)を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の工具ヘッド(1)。
【請求項5】
前記連結ウェブ(6)が3~5つの特に4つの貫通孔(12、13、14、15)を備え、それらが、前記工具ヘッド(1)の前記長手軸(x)を横切る側面から視て、前記第1C脚(4)から前記第2C脚(5)までアーチ状に並んで配置されていることを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項6】
前記貫通孔(12、13、14、15)が、前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)から前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)とは反対側にある前記連結ウェブ(6)の前記縁領域(16)まで拡がって延びることを特徴とする請求項1~
5のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項7】
前記材料支柱(17、18、19)が、前記貫通孔(12、13、14、15)の開口平面を横断する視点において、前記貫通孔(12、13、14、15)の開口幅(b)の約10%~50%に相当する支柱幅(d)を備えることを特徴とする請求項
1、2、4、又は請求項3を引用しない範囲における請求項5~6のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項8】
前記材料支柱(17、18、19)が、前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)から前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)の反対側にある前記連結ウェブ(6)の縁領域(16)までの全長において、実質的に一定の支柱幅(d)を備えることを特徴とする請求項1~
7のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項9】
前記材料支柱(17、18、19)が、前記貫通孔(12、13、14、15)の開口平面を横断する視点において、実質的にくびれた形状を備え、前記材料支柱(17、18、19)が、前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)から前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)の反対側にある前記連結ウェブ(6)の縁領域(16)までの全長において、最初にまずテーパー状になり、それから再び拡がることを特徴とする請求項1~
7のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項10】
前記貫通孔(12、13、14、15)が、前記工具ヘッド(1)の前記長手軸(x)に平行な方向に関して、前記ヘッド本体(3)の前記デバイス顎(11)の幅(z)の約50%~100%に相当する開口幅(b)を備えることを特徴とする請求項1~
9のいずれかに記載の工具ヘッド(1)。
【請求項11】
前記工具ヘッド(1)の前記ヘッド本体(3)が、鋼又はチタンのインベストメント鋳
造によって製造されることを特徴とする請求項1~
10のいずれかに記載された工具ヘッド(1)の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、工具のための、特に油圧作動工具のための工具ヘッドに関する。工具ヘッドは、側面視において、基本的に工具ヘッドの長手軸にそって相互に対向して位置する2つのC脚を備える実質的にC形状のヘッド本体、及び、C脚を接続する連結ウェブを有する。第1C脚が第1工具部を受容するための第1工具キャリアを備え、かつ、第2C脚が第2工具部を受容するための第2工具キャリアを備え、第2工具キャリアが第1工具キャリアに対して変位可能に工具ヘッドに設けられ、これにより第2工具キャリアは、C形状のヘッド本体のデバイス顎を横切ると同時に、第1工具キャリアから離れた最初の始端位置から第1工具キャリアに隣接する終端の作業ポジションへと、変位することができる。そして、工具ヘッドの長手軸と直交する側から視て、連結ウェブは長手軸にそって並んで位置する複数の貫通孔を備え、隣接する貫通孔は材料支柱によって分離され、かつ工具ヘッドのヘッド本体が金属の鋳造プロセスで製造される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
請求項1で示した一般的なタイプの工具ヘッドは特許文献3でさらに開示されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
加えて、工具ヘッドに基本的に一体的なかつ物質的に均一のデザインを付与することは公知である。そして工具ヘッドは、長手軸方向において好ましくはシリンダ構造によって、油圧パワーユニットを備えるアダプタを介して直接的又は間接的に接続することができる。工具は、基本的に工具の手持ち操作を可能にするロッド形状の外郭工具ベースを備えた、もっぱら手持ちの工具として設計され得、又は代替的に分離して設けられかつ油圧ホースを介して工具ヘッドに接続される油圧パワーユニットを備える工具として設計され得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第1084798号明細書
【特許文献2】米国特許第6,718,870号明細書
【特許文献3】米国特許第6,619,101号明細書
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
工具ヘッドの長手軸に平行な直線ではなく、連結ウェブのアーチ形に沿った貫通孔に関する発明の目的は、先ず請求項1の内容によって実現される。
長手軸に関してデバイス顎の直線的な延長として貫通孔を設計することを狙いとした目的は、さらに請求項2に記載の内容により達成される。
貫通孔の開口高の20%~40%である長手軸と直交する縁高を備えるための、貫通孔によってデバイス顎から離れて位置する連結ウェブの縁領域に関する発明の目的は、さらに請求項3の内容によって実現される。
最後に、とりわけ鋼又はチタンのインベストメント鋳造によって工具ヘッドのヘッド本体を製造することに焦点を当てた、発明の観点から、本発明請求項4の内容によって実現される。
従って、ヘッド本体は鋼又はチタンから製造することができる。金属のプロセスで製造された工具ヘッドは、従来の鍛造された鋼のような密度を備えるが、その製造はより費用効果が高い。特に、焼入れ鋼や焼戻し鋼を使用してインベストメント鋳造の枠組みで製造する場合、工具ヘッドの好ましくは引け巣のない、または少なくとも引け巣を低減した設計を実現できる。代替として、工具ヘッドは、チタンを主成分とした合金を用いることにより、さらなる軽量化を達成することもできる。
【国際調査報告】