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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-31
(54)【発明の名称】安全弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 17/06 20060101AFI20240724BHJP
   F16K 17/04 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
F16K17/06 A
F16K17/04 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501878
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 IL2022050689
(87)【国際公開番号】W WO2023286045
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】284806
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500211542
【氏名又は名称】ハム-レット (イスラエル-カナダ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホーナー,ガル
【テーマコード(参考)】
3H059
【Fターム(参考)】
3H059AA14
3H059BB06
3H059CA13
3H059CD05
3H059CE01
3H059DD09
3H059DD12
3H059FF04
(57)【要約】
ノーマルクローズ弁は、流体入口および流体出口を有するシートと、ダイヤフラムと、外部ハンドルと、外部ハンドルおよびダイヤフラムに動作可能に連結された内部安全機構と、を備える。弁は第1の方向にハンドルを押し進めることを可能にし、それにより少なくとも第1のステージおよびその後の第2のステージを通して内部安全機構を移動させる。第1のステージの間には、ダイヤフラムはシート上へ押圧され、内部安全機構を通る加圧空気の流れが遮断され、弁内に閉じ込められた空気が通気され、それにより弁を閉状態にするかまたは閉状態で維持する。第2のステージの間には、内部安全機構を通る加圧空気の流れが可能となり、そこを通過した後の加圧空気は、シート上へダイヤフラムを押圧することに逆らうように作用し、空気の排出は低減され、それにより弁を開状態にするかまたは開状態に維持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノーマルクローズ弁であって、
流体入口および流体出口を有するシートと、
ダイヤフラム、外部ハンドル、ならびに、外部ハンドルおよびダイヤフラムに動作可能に連結された内部安全機構と、
を備え、
弁はハンドルを第1の方向へ押し進めることを可能にするように構成され、それにより、少なくとも第1のステージおよびその後の第2のステージを通して内部安全機構を移動させ、
第1のステージの間、
ダイヤフラムはシート上へ押圧され、
内部安全機構を通る加圧空気の流れは阻止され、
弁内に閉じ込められた空気は放出され、
それにより弁を閉状態にするか、または閉状態に維持し、
第2のステージの間、
内部安全機構を通る加圧空気の流れ可能となり、そこを通過した後の加圧空気は、シート上へダイヤフラムを押圧することに抗するように作用し、かつ空気の放出は低減され、
それにより弁を開状態にするかまたは開状態に維持する、
ノーマルクローズ弁。
【請求項2】
弁は、第1の方向とは反対の第2の方向にハンドルを押し進めることを可能にするようにさらに構成され、それにより、少なくとも第2のステージおよびその後の第1のステージを通して内部安全機構を移動させる、請求項1に記載の弁。
【請求項3】
弁は、中間ステージを通して内部安全機構を移動させることを可能にするようにさらに構成される、請求項1に記載の弁。
【請求項4】
弁は、中間ステージを通して内部安全機構を移動させることを可能にするようにさらに構成される、請求項2に記載の弁。
【請求項5】
内部安全機構をダイヤフラムに機械的に連結するピストンをさらに備え、第1のステージの間、内部安全機構はダイヤフラムに向けてピストンを押す、請求項1に記載の弁。
【請求項6】
内部安全機構をダイヤフラムに機械的に連結するピストンをさらに備え、第1のステージの間、内部安全機構はダイヤフラムに向けてピストンを押す、請求項2に記載の弁。
【請求項7】
内部安全機構をダイヤフラムに機械的に連結するピストンをさらに備え、第1のステージの間、内部安全機構はダイヤフラムに向けてピストンを押す、請求項3に記載の弁。
【請求項8】
内部安全機構は、
空気圧式動作停止機構と、制御シャフトと、動作停止機構および制御シャフトを通って延在する一連のダクトと、
を備え、
内部安全機構を移動させることは、動作停止機構に対して制御シャフトを移動させることを含み、
第2のステージの間、一連のダクトは位置合わせされる、請求項1に記載の弁。
【請求項9】
内部安全機構は、
空気圧式動作停止機構と、制御シャフトと、動作停止機構および制御シャフトを通って延在する一連のダクトと、
を備え、
内部安全機構を移動させることは、動作停止機構に対して制御シャフトを移動させることを含み、
第2のステージの間、一連のダクトは位置合わせされる、請求項2に記載の弁。
【請求項10】
内部安全機構は、
空気圧式動作停止機構と、制御シャフトと、動作停止機構および制御シャフトを通って延在する一連のダクトと、
を備え、
内部安全機構を移動させることは、動作停止機構に対して制御シャフトを移動させることを含み、
第2のステージの間、一連のダクトは位置合わせされる、請求項3に記載の弁。
【請求項11】
内部安全機構は、
空気圧式動作停止機構と、制御シャフトと、動作停止機構および制御シャフトを通って延在する一連のダクトと、
を備え、
内部安全機構を移動させることは、動作停止機構に対して制御シャフトを移動させることを含み、
第2のステージの間、一連のダクトは位置合わせされる、請求項4に記載の弁。
【請求項12】
内部安全機構は、制御シャフトに向けて動作停止機構を付勢するための弾性手段をさらに備える、請求項8に記載の弁。
【請求項13】
内部安全機構は、動作停止機構と制御シャフトとの間を密閉するためのシール手段をさらに備える、請求項5に記載の弁。
【請求項14】
内部安全機構は、動作停止機構と制御シャフトとの間を密閉するためのシール手段をさらに備える、請求項8に記載の弁。
【請求項15】
ねじ付ストッパであって、ストッパダクトおよびハウジングチャンバを具備し、ストッパダクトはハウジングチャンバの壁を通って延在し、かつ一連のダクトの一要素である、ねじ付ストッパをさらに備え、
動作停止機構はハウジングチャンバ内に位置し、
動作停止機構は、
動作停止機構ダクトを具備する動作停止シャフトと、
制御シャフトに向けて動作停止シャフトを付勢するための動作停止ばねと、
動作停止機構ダクトおよび制御シャフトダクトが位置合わせされるときに動作停止機構ダクトと制御シャフトダクトとの間を密閉するための少なくとも1つのOリングと、
を備える、請求項8に記載の弁。
【請求項16】
ねじ付ストッパであって、ストッパダクトおよびハウジングチャンバを具備し、ストッパダクトはハウジングチャンバの壁を通って延在し、かつ一連のダクトの一要素である、ねじ付ストッパをさらに備え、
動作停止機構はハウジングチャンバ内に位置し、
動作停止機構は、
動作停止機構ダクトを具備する動作停止シャフトと、
制御シャフトに向けて動作停止シャフトを付勢するための動作停止ばねと、
動作停止機構ダクトおよび制御シャフトダクトが位置合わせされるときに動作停止機構ダクトと制御シャフトダクトとの間を密閉するための少なくとも1つのOリングと、
を備える、請求項12に記載の弁。
【請求項17】
ねじ付ストッパであって、ストッパダクトおよびハウジングチャンバを具備し、ストッパダクトがハウジングチャンバの壁を通って延在し、連続するダクトの一要素である、ねじ付ストッパ、
をさらに備え、 動作停止機構はハウジングチャンバ内に位置し、
動作停止機構は、
動作停止機構ダクトを具備する動作停止シャフトと、
制御シャフトに向けて動作停止シャフトを付勢するための動作停止ばねと、
動作停止機構ダクトおよび制御シャフトダクトが位置合わせされるときに動作停止機構ダクトと制御シャフトダクトとの間を密閉するための少なくとも1つのOリングと、
を備える、請求項13に記載の弁。
【請求項18】
ねじ付ストッパは、
第1の領域および第2の領域を各々具備する少なくとも1つの溝と、
内部安全機構であって、少なくとも1つの軸受球を具備し、軸受球の各々は制御シャフト上で保持されて少なくとも1つの溝のうちの1つの溝内に位置する内部安全機構と、
をさらに備え、
外部ハンドルを回すことにより、少なくとも1つの軸受球は少なくとも1つの溝に沿って移動し、
少なくとも1つの軸受球が第1の領域にあるとき、内部安全機構は第1のステージを経て移動し、少なくとも1つの軸受球が第2の領域にあるとき、内部安全機構は第2のステージを経て移動する、請求項15に記載の弁。
【請求項19】
少なくとも1つの溝は中間領域をさらに備え、
少なくとも1つの軸受球が中間領域にあるとき、内部安全機構は中間ステージを経て移動する、請求項18に記載の弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全弁に関する。
【背景技術】
【0002】
配管を通るガスおよび液体の流れにおいて管理を必要とするとき、弁などの制御機器に対する信頼が存在する。これらの弁およびガス/液体(一般に、プロセス流体と称される)は、大量化学製造、石油精製、ならびに製薬業および半導体産業を含むプロセスにおいて広範囲の用途を見出している。一般には、より小さいスケールではあるが同様の弁が研究でも使用され、さらには例えば、家庭用配管および自動車エンジン内での加熱システムでも使用される。
【0003】
空気作動式弁は、配管を通るプロセス流体などの媒体の流れを制御または調節するのに圧縮空気を使用するデバイスである。
【0004】
弁ポートを通って流れる媒体は、しばしば有害および有毒となり得るガスである可能性がある。
【0005】
しばしば、特には、可燃性であり、高い有毒性のまたは他の危険な物質が使用される場合、空気作動式弁はフェイルセーフを有さなければならず、また、例えば、機械的振動などにより、あるいは不慮のまたは認可されていない人間の介入などにより流れが誤って再開されることが不可能となるように、空気作動式弁が完全な閉位置でロックされ得ることを保証することが非常に重要である。これは、ロック可能な弁を使用することによって達成され得る。弁がエアツゥオープン(ATO:air-to-open)である場合、弁はノーマルクローズ(NC:normally closed)としても知られているフェイルクローズ(FC:fail closed)となり、対して弁がエアツゥクローズ(ATC:air-to-close)であるように設計されている場合、弁はフェイルオープン(FO:fail open)となる。
【0006】
一部の弁は、完全な開位置または完全な閉位置のいずれかで弁ハンドルをロックするためのパッドロックなどを含む。このようにロックすることは弁の不正操作および認可されていない操作を阻害することができるが、弁が修理または別の手動の操作を必要とする場合、弁はロック解除され、開状態から閉状態へのまたは閉状態から開状態への誤った切り替えが生じやすくなる。加えて、閉鎖/開放自体で不具合が生じた場合、例えば弁内に閉じ込められた空気を通気させることが失敗したり、または弁の中への加圧空気の流れを完全に止めることが失敗したりすることにより、これらの各々で、閉じることが意図される場合でも弁が開く可能性があるか、または弁が開いた状態が維持される可能性があり、ロックすることが役に立たなくなる。
【0007】
したがって、弁を開けた状態に維持するのに使用される加圧空気を遮断したり通気させたりしながらNC弁を同時に手動で機械的に閉じることを可能にする機構を提供することにより、弁の状態の不慮の変化を防止する、さらには、弁が所望の状態であることおよび、弁が所望の状態を維持することを保証する、内部安全機能が依然として求められる。以下で説明される本発明は、安全で高い信頼性の手法でこの問題に対処する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、閉じている弁が不用意に開くのを防止することができる機構および弁を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
弁および機構は、さらに、弁が開状態にあることが意図される場合に、弁が不用意に閉じるのを防止することが可能となり得る。
【0010】
このような能力は、弁が以下のこと、すなわち機械的手段を用いて弁を内部でロックすること、弁空気圧操作に使用される空気供給を遮断すること、および弁を通気すること(これらのすべてが弁を閉じることである)、例えば、これらのすべてが、弁の第1の方向の1回の手動操作によるものであること、のすべてを同時に可能にするように構成される、ことをさらに含むことができる。
【0011】
「機械的手段を用いて弁をロックする」とは、弁をロックすることなどのために、互いに物理的に接触する一連の構成要素を介して力を伝達することを意味する。
【0012】
加えて、このような能力は、弁が以下のこと、すなわち、弁を機械的に内部でロック解除すること、弁の空気圧操作に使用される空気供給を接続すること、および弁の通気を低減するかまたは排除すること(これらのすべてが弁を開けることである)、例えば、これらのすべてが、第1の方向と反対となり得る弁の第2の方向の1回の手動操作によるものであること、のすべてを同時に可能にするように構成される、ことをさらに含むことができる。
【0013】
弁は、第2の方向の弁の操作において、限定された動作範囲にわたって弁を閉じたままとするのを可能にすることにより、閉じている弁を不用意に開くのを防止することを可能にするようにさらに構成され得る。
【0014】
弁は、第1の方向の弁の操作において、限定された動作範囲にわたって弁を開いたままとするのを可能にすることにより、開いている弁を不用意に閉じるのを防止することを可能にするようにさらに構成され得る。
【0015】
弁はさらに、例えば、ロック装置を用いて外部弁ハンドルをロックすることにより、弁を手動でロックするのを可能にするように構成されてもよく、ロックすることは、弁の上記の操作を防止することを含む。
【0016】
別の態様によると、方法および弁が提供され、ここでは、外部ハンドルの1回の回転が前述の機能を実行する。好適な実施形態では、記載された機構は、任意選択で、小さい設計調整ならびに機構および弁の両方の拡大縮小を通して、多くの異なるデザインの、現在市販されている空気圧動作式弁に適用(改造)され得る。
【0017】
別の態様によると、本機構は、
下側制御シャフトダクトを有し、外部ハンドルを操作することにより内部軸線に対して回転可能である、制御シャフトと、
ストッパダクトおよび、その中に配設された動作停止機構、を有する、ねじ付固定ストッパと、
を備える。
【0018】
動作停止機構は、ストッパダクトからストッパの外側まで延在する動作停止機構ダクトを含む。
【0019】
制御シャフトおよびねじ付ストッパは、弾性手段によって一体に付勢され得る。
【0020】
弁は、下側ダクトおよび動作停止機構ダクトが位置合わせされると開く。圧縮空気は、動作停止機構ダクトから下側ダクトまで通過することができる。下側ダクトを通過する圧縮空気は、例えば、プロセス流体入口およびプロセス流体出口を有するシート上にあるダウやフラムを押圧しないようにばねに力を加えることができ、それにより弁を介してプロセス流体が通過することを可能にする。
【0021】
ハンドルを操作して制御シャフトを回転させることにより、複数の事を同時かつ相乗的に引き起こすことができる。
1.下側ダクトが動作停止機構ダクトと位置をずらされ、圧縮空気は動作停止機構ダクトから下側ダクトまで通過することができない。
2.ストッパの構造により、ハンドルの操作により、制御シャフトおよびストッパが強制的に分離されてもよく、それによりそれらの間に隙間が形成され、したがって、下側ダクト内に閉じ込められた空気が隙間を介して通気することができる。
3.ハンドルの操作によって回転する間、制御シャフトはさらに下方に移動し(回転軸線に平行に)、結果として弁を機械的に閉じる(例えば、ダイヤフラムを下方に押す)。
これらの動きは弁を閉じるように一体に作用する。
【0022】
或る実施形態では、供給される加圧空気はハンドルポジショナを通って移動し、継続して制御シャフトの上側ダクトを通過し、ねじ付ストッパのストッパダクトの中に入り、次いで、そこを通過する動作停止機構ダクトを有する空気圧式動作停止機構の中に入る。その後、加圧空気は、下側ダクトおよび動作停止機構ダクトが位置合わせされている場合は、継続して制御シャフトの外側まで延在する制御シャフトの下側ダクトの中に戻り、弁の主ボディのいたるところに到達する可能性があり、下側ダクトおよび動作停止機構が位置合わせされていない場合は、加圧空気は遮断される。
【0023】
制御シャフトの下方にあるばねは、制御シャフトおよびねじ付ストッパを一体に維持することにより、制御シャフトの所定の溝内に着座する軸受球およびねじ付ストッパの傾斜チャネルを保持する。軸受球および角度付溝はシステムの内部ロック機構を形成するように構成され、それにより制御シャフトの望ましくない回転を防止する。角度付溝は3つのセクションに分割される。第1のセクションおよび最後のセクションは回転軸線に対して垂直であり、対して中間セクションは傾斜しており、これら3つのセクションの角度の大きさは異なる態様で変化する。このカスタムデザインは、溝の垂直領域に一定程度の安全性を生成し、ここでは、開放方向および閉鎖方向の制御シャフトのいずれの方向の回転もシステムを、その動作位置または動作停止位置から変えさせない。
【0024】
上記の概要は、単に、新規の弁の構造および動作ならびに動作および使用の方法の主要な原理を説明するものである。本概要は、クレームされる発明を限定するものとみなされるべきではなく、本発明の範囲はクレームの範囲のみによって決定されるべきである。
【0025】
後述の説明では、以下の用語は実施形態を説明するために使用されるものである。
【0026】
実質的に密閉するとは、無視できる程度の量の内部空気しか環境へ逃げない状況を意味する。
【0027】
システムの状態とは、開いているかまたは閉じられている弁の状態を意味する。開状態は、プロセス流体が弁を通って流れることができることを意味し、閉状態は、プロセス流体の流れが実質的に遮断されることを意味する。
【0028】
空気圧手段とは、加圧空気を開示される弁に提供する機器およびシステムを意味する。
【0029】
一態様によると、ノーマルクローズ弁が提供され、このノーマルクローズ弁は、
流体入口および流体出口を有するシートと、
ダイヤフラム、外部ハンドルならびに、外部ハンドルおよびダイヤフラムに動作可能に連結された内部安全機構と、
を備え、
弁はハンドルを第1の方向に押し進められることを可能にするように構成され、それにより、内部安全機構を少なくとも第1のステージおよびその後の第2のステージを通して移動させ、
第1のステージの間、
ダイヤフラムはシート上へ押圧され、
内部安全機構を通る加圧空気の流れは遮断され、
弁内に閉じ込められた空気は放出され、
それにより、弁を閉状態にするか、または閉状態に維持し、
第2のステージの間、
内部安全機構を通る加圧空気の流れが可能となり、そこを通過した後の加圧空気が、シートの上へダイヤフラムを押圧することに逆らうように作用し、空気の放出が低減され、
それにより、弁を開状態にするか、または開状態に維持する。
【0030】
或る実施形態では、弁はさらに、第1の方向に反対である第2の方向にハンドルを押し進めるのを可能にするように構成され、それにより、少なくとも第2のステージおよびその後の第1のステージを通して内部安全機構を移動させる。
【0031】
或る実施形態では、弁はさらに、中間ステージを通して内部安全機構を移動させることを可能にするように構成される。
【0032】
或る実施形態は、内部安全機構をダイヤフラムに機械的に連結するピストンをさらに備え、ここでは、第1のステージの間、内部安全機構はダイヤフラムに接触させてピストンを押す。
【0033】
或る実施形態では、内部安全機構は、
空気圧式動作停止機構と、制御シャフトと、動作停止機構および制御シャフトを通って延在する一連のダクトと、
を備え、
内部安全機構を移動させることは、動作停止機構に対して制御シャフトを移動させることを備え、
第2のステージの間、一連のダクトは位置合わせされる。
【0034】
或る実施形態では、内部安全機構は、
動作停止機構を制御シャフトに向けて付勢するための弾性手段、
をさらに備える。
【0035】
或る実施形態では、内部安全機構は、
動作停止機構と制御シャフトとの間を密閉するためのシール手段、
をさらに備える。
【0036】
或る実施形態は、ねじ付ストッパであって、ストッパダクトおよびハウジングチャンバを具備し、ストッパダクトはハウジングチャンバの壁を通って延在し、かつ一連ダクトの一要素である、ねじ付ストッパ、をさらに備え、
動作停止機構はハウジングチャンバ内に位置し、
動作停止機構は、
動作停止機構ダクトを具備する動作停止シャフトと、
動作停止シャフトを制御シャフトに向けて付勢するための動作停止ばねと、
動作停止機構ダクトおよび制御シャフトダクトが位置合わせされるときに、動作停止機構ダクトと制御シャフトダクトとの間を密閉するための少なくとも1つのOリングと、
を備える。
【0037】
或る実施形態では、ねじ付ストッパは、
第1の領域および第2の領域を各々備える少なくとも1つの溝、
をさらに備え、
内部安全機構は、少なくとも1つの軸受球を備え、その各々は制御シャフト上で保持されて少なくとも1つの溝のうちの1つの溝内に位置すし、
外部ハンドルを回すことにより、少なくとも1つの軸受球が少なくとも1つの溝に沿って移動し、
少なくとも1つの軸受球が第1の領域にあるとき、内部安全機構は第1のステージを経て移動し、少なくとも1つの軸受球が第2の領域にあるとき、内部安全機構は第2のステージを経て移動する。
【0038】
或る実施形態では、少なくとも1つの溝は、中間領域をさらに備え、
少なくとも1つの軸受球が中間領域にあるとき、内部安全機構は中間ステージを経て移動する。
【0039】
本発明をより良好に理解することができるように、および、本発明を実行することが可能である手法を示すために、次に添付図面を例として参照する。添付図面では、本発明の一実施形態が示され、それにより、本発明が実際に具現化され得る手法が当業者および非当業者に明らかとなる。示される細部は例であり、説明的な考察のみを目的としており、本発明の原理および概念的見地の最も有用であって容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されるものである、ことを強調しておく。これに関連して、本発明を根本的に理解するのに必要であるよりも詳細に構造的細部を示すことを試みない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】従来技術の自動-手動複合弁を示す垂直方向断面図である。
図2】新規のノーマルクローズ空気圧作動式弁の一実施形態のための組み立てを示す図であり、複数の主要な機構部品を示している。
図3】動作停止位置にある、ノーマルクローズ空気圧作動式弁となるように組み立てられた一実施形態を示す図である。
図4a】閉じており、動作停止状態にある空気圧作動弁を示す図である。
図4b】その動作状態、すなわち(弁が開いている状態にある空気圧作動弁を通る空気の流れを示す図である。
図5a】組立体の一実施形態を示す概略側断面図である。この図は空気流のための内部チャンバ、さらにはボールと傾斜溝との間の関係に焦点を当てている。弁は閉じられている。
図5b】空気圧式動作停止機構の従属パートに焦点を当てている、制御シャフトおよび空気圧式動作停止機構の一実施形態を示す別の概略側断面図である。弁は閉じられている。
図6】組立体内にある制御シャフト、具体的にはボールおよびそのハウジングを示す拡大図である。
図7】傾斜溝およびその中での角度の変化を強調している、組立体内にあるねじ付ストッパを示す内部図である。
図8a】ストッパを示す底面図である。
図8b】空気の流れのための角度付ダクトおよび空気圧式動作停止機構を収容するのに使用されるオリフィスに焦点を当てている、ねじ付ストッパを示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は従来技術の複合弁の垂直方向断面図であり、ここでは、弁ボディがダイヤフラムである「弁本体」24を含む。ダイヤフラム24が閉状態にあるとき、弁は「閉」状態にある。
【0042】
ダイヤフラム24の状態に従って、上流流路22および下流流路21が接続されているかまたは切断されている。
【0043】
摺動体28がダイヤフラム24に向けて付勢され、それにより弁座23に向けてダイヤフラム24を下方に押す。
【0044】
弁本体11内では、ダイヤフラム24を閉じる方向にピストン27をスナップ移動させるためのスナップ力を有するばね39が、中間ケーシング17とピストン27との間に取り付けられ、通常は、ダイヤフラム24を閉状態に維持するためにピストン27を弾性的に付勢する。
【0045】
ピストン27は、ステム30の貫通孔30aを通過して弁本体11内の第1の空気チャンバ36の中に供給されて、弁本体11の第1の空気チャンバ36から排出される供給作動空気に反応して、弁開閉を可能にするために、ダイヤフラム24から離れる方向に摺動する。
【0046】
弁は、手動操作ハンドル33と、ステム30と、ステム30の外周部に取り付けられた一対のOリング30bと、を含む手動機構部分13を有する。手動操作ハンドル33の押圧動作が、弁本体11内の作動空気をパージすることを可能にする。
【0047】
複合弁は、ピストン27が上方に移動するのを可能にするように、弁本体11内に設けられたピストン27の一方側に作動空気を供給し、それによりダイヤフラム24を弁座23から切り離し、空気スイッチ弁を閉じて弁本体11内の作動空気をパージするために手動機構部分13の押圧動作を利用する。
【0048】
ケーシング15は、上側ケーシング16と、中間ケーシング17と、下側ケーシング18と、を含む。上側ケーシング16の環状突出部分16aがロックねじ60を用いて中間ケーシング17の環状凹部分17aに締結されて堅固に固定され、ここでは環状突出部分16aは環状凹部分17aに嵌め込まれた状態にある。他方で、中間ケーシング17および下側ケーシング18は、中間ケーシング17内に形成された雌ねじ17bと下側ケーシング18上に形成された雄ねじ18aとの間のねじ係合により互いに堅固に固定される。さらに、基部20は、基部20の雌ねじ部分20cと下側ケーシング18の下側部分上に形成された雄ねじ部分18bとの間のねじ係合により、堅固に固定される。
【0049】
押圧部材35および雄ねじ18aを含めた外周部のねじ構造が形成される。この構造は、押圧部材35を回転させるときに押圧部材35が中間ケーシング17に対して上方および下方に移動させられるのを可能にする。押圧部材35は、ピストン27を押圧部材35の下側端部分35cに向けて押圧するように、弁本体11内で軸線方向に移動させられる。
【0050】
図1に示される操作ハンドル33は、作動空気の供給および排出が可能である開状態にあり、空気スイッチ弁部分14を用いてダイヤフラム24の開閉動作を実行することが可能な状態にある。手動操作ハンドル33が閉状態にある場合では、弁本体11内に設けられた空気スイッチ弁部分14が、手動機構部分13を介して弁本体11に対する作動空気の供給を停止する。
【0051】
図1では、手動操作ハンドル33を下方に押圧するとき、手動操作ハンドル33に接続されたステム30が、上側ケーシング16に嵌め込まれた環状部材31に対して摺動する。この時点で、空気供給ポート14aがステム30に取り付けられたOリング30bによってシールされ、それにより、手動機構部分13に対する作動空気の供給を強制的に停止することが可能となる。さらに、この時点で、手動操作ハンドル33を動作させる前にOリング30bによってシールされたパージ孔31bが周囲空気に連通されるために、ステム30の貫通孔30aの中などで弁本体11内に保管された作動空気がパージ孔31bを通して放出される。さらに、押圧状態において手動操作ハンドル33の回転動作が実行されると、ステム30および押圧部材35が接続部分62によって連結されているために押圧部材35が回転することになる。
【0052】
明確にこれまで認識されていない安全問題を重要視するために、解決策を提供する本発明の実施形態のうちのいくつかの実施形態を説明する。本発明の実施形態は上で説明した従来技術のデバイスといくつかの共通の特徴を共有するが、弁の不用意な開閉の問題を解決するなどの、追加の独自の設計の特徴を有する。
【0053】
図2は、位置ロック能力を有するノーマルクローズ空気圧式作動弁の実施形態1000の組み立てを示す分解図である。
【0054】
図3は、動作停止位置にある組み立てられた実施形態1000の断面図を示す。
【0055】
弁1000はダイヤフラム1017を備える。上で説明した従来技術の弁と同様に、ダイヤフラム1017が下方に押圧されるとき、弁は機械的に閉じられ、ダイヤフラム1017が下方に押圧されないとき、弁が機械的に開く。
【0056】
弁1000は、外部ハンドル1002と、外部ラッチ1003と、ねじ付ストッパ1006と、空気圧式動作停止機構1007と、制御シャフト1009と、一連のダクト1043と、上側ガイド1012と、アクチュエータ1013と、ボディ1014と、をさらに備える。これらの部品は、ロッキングボルト1011、ならびに、第1のばね1010、第2のばね1025、および第3のばね1015、あるいは他の弾性部材を用いて、組み立てられて所定位置で保持される。これらの構成要素および他の構成要素の間の関係および相互作用を本明細書の以下で説明する。
【0057】
一態様によると、空気圧手段(加圧空気を提供する(図4a、4bの「空気」を参照されたい))によって開けられ得るノーマルクローズ弁1000が提供される。
【0058】
弁1000は、
流体入口1018および流体出口1019を有するシート1016、
ダイヤフラム1017、外部ハンドル1002、ならびに、外部ハンドル1002およびダイヤフラム1017に動作可能に連結された内部安全機構1044、
を含む。
【0059】
内部安全機構1004は図4aでは第1のステージで示され、図4bでは第2のステージで示される。
【0060】
弁はハンドル1002を第1の方向(矢印T)へ押し進めるのを可能にするように構成され、それにより、少なくとも第1のステージおよびその後の第2のステージを通して内部安全機構1044を移動させ、
第1のステージの間、ダイヤフラム1017への加圧空気の流れが動作停止され、弁1000内の加圧空気が周囲へ放出され、それによりダイヤフラム1017および弁1000を閉状態にするかまたは閉状態を維持し、
第2のステージの間、ダイヤフラム1017および弁1000が開状態にあり、空気圧手段を介して内部安全機構1044を通って加圧空気が流れ、それによりダイヤフラム1017を開状態へ移行させる。
【0061】
弁が「閉状態」にあるとは、プロセス流体が弁を通過することが停止されていることを意味し、ダイヤフラムが「閉状態」にあるとは、弁を通るプロセス流体の通過を阻止するためにダイヤフラムが十分に下方に押圧されていることを意味する。弁が「開状態」にあるとは、プロセス流体が弁(ボディ)を通過することが実質的に可能であることを意味する。ダイヤフラムが「開状態」にあるとは、プロセス流体の通過を阻止するくらいに十分にはダイヤフラムが下方に押されていないことを意味する。
【0062】
第1のステージおよび第2のステージは離散的なポイントではなく、つまり、ハンドルは、弁の状態を何ら変えることなく、例えば20°の範囲といったように、実質的に各ステージで一定の範囲に沿って回される。
【0063】
或る実施形態では、弁1000は、第1の方向Tとは反対の第2の方向にハンドル1002を強制することを可能にするようにさらに構成され、それにより少なくとも第2のステージおよびその後の第1のステージを通して内部安全機構1007を移動させる。
【0064】
弁1000は、図3に示されるように、ピストン1034(図4a)に回転可能に取り付けられた中空制御シャフト1009を含む。ピストン1034は内部安全機構をダイヤフラムに機械的に連結し、ここでは、第1のステージの間、内部安全機構がダイヤフラムに向けてピストン1034を押す。
【0065】
中空制御シャフト1009は中空ハンドルポジショナ1044に係合される。空気圧式動作停止機構1007および制御シャフト1009は、a)軸線A周りに制御シャフト1009を手動で回転させることにより、制御シャフト1009に対する加圧空気の供給を停止して連続するダクト1043内から環境へ空気を排出することと、b)制御シャフトに対して加圧空気を供給することであって、それにより、ダイヤフラム1017を下方に付勢する第3のばね1015を上方に押すことができ、ここでは連続するダクト1043内から環境まで空気を排出しない、制御シャフトに対して加圧空気を供給することと、を可能にするように協働する。このような排出が行われない場合、ダイヤフラム1017が不所望に開けられる可能性があり、それにより有害物質が放出される可能性がある。
【0066】
或る実施形態では、弁は、内部安全機構1044が第1のステージと第2のステージとの間の中間である第3のステージを通過できるようにさらに構成される。弁1000は、第1の方向Tとは反対の第2の方向にハンドル1002を強制するのを可能にするようにさらに構成されてもよく、それにより、第2のステージならびにその後の中間ステージおよびその後の第1のステージを通して内部安全機構1044を移動させ、同様にハンドル1002が第1の方向に押し進めることができ、ここでは内部安全機構1044が、第1のステージ、中間ステージ、さらには第2のステージを通過する。
【0067】
中間ステージの間、制御シャフト1009は回転させられ、好適な実施形態では、ダイヤフラム1017および弁1000は閉状態であり、空気圧手段を介して内部安全機構1044を通って加圧空気は流れず、それによりダイヤフラム1017は閉状態を維持する。
【0068】
或る実施形態では、内部安全機構1044は、
空気圧式動作停止機構1007、制御シャフト1009、ならびに、動作停止機構ダクト1045および下側制御シャフトダクト1028bを具備する一連のダクト1043を備え、
内部安全機構1044を移動させることは、動作停止機構1007に対して制御シャフト1009を移動させることを含み、
動作停止機構1007および制御シャフト1009は、第1のステージの間に動作停止機構ダクト1045および下側制御シャフトダクト1028bを位置合わせして、それにより一連のダクト1043を位置合わせするように、配置される。
【0069】
内部安全機構1044は、或る実施形態では、
空気圧式動作停止機構1007および制御シャフト10009を互いに対して付勢するための第1のばね1010および第2のばね1025をさらに備え、その結果、動作停止機構ダクト1045および下側制御シャフトダクト1028bが位置合わせされ、動作停止機構ダクト1045と下側制御シャフトダクト1028bとの間からの圧空気の漏洩が、もし存在する場合、ダイヤフラム1017が開けられるのを防止しない。
【0070】
内部安全機構1044は、或る実施形態では、
動作停止機構ダクト1045および下側制御シャフトダクト1028bが位置合わせされるとき、動作停止機構ダクト1045と下側制御シャフトダクト1028bとの間を密閉するための(ここからの加圧空気の漏洩を低減/排除するための)、Oリング1024などのシール手段をさらに備える。
【0071】
或る実施形態では、弁はねじ付ストッパ1006をさらに備え、ねじ付ストッパ1006は、ストッパダクト1029(図8b)およびハウジングチャンバ1023(図8a、図8b)を備え、ストッパダクト1029はハウジングチャンバ1023の壁1030を通って延在し、連続するダクト1043(図3)の一要素であり、
(適切な図に1030を追加されたい)
空気圧式動作停止機構1007はハウジングチャンバ1023内に配置され、
動作停止機構1007は、
動作停止機構ダクト1045を具備する動作停止シャフト1050(図5b)と、
動作停止シャフト1050および制御シャフト1009を一体に付勢するための第1のばね/弾性手段1010および第2のばね/弾性手段1025と、
動作停止機構ダクト1045および下側制御シャフトダクト1028bが位置合わせされるとき、動作停止機構ダクト1045と下側制御シャフトダクト1028bとの間を密閉するための少なくとも1つのシール手段1024と、
を備える。
【0072】
或る実施形態では、ねじ付ストッパ1006は、
第1の領域1062および第2の領域1066を各々備える少なくとも1つの溝1022をさらに備え、
内部安全機構1044は、各々が制御シャフト1009上で保持されて少なくとも1つの溝1022内に位置する少なくとも1つの軸受球1008を具備し、
外部ハンドル1002を回すことにより、少なくとも1つの軸受球1008は、少なくとも1つの溝1022に沿って摺動し、
少なくとも1つの軸受球1008が第1の領域1062にあるとき、内部安全機構1044は第1のステージを通って移動し、少なくとも1つの軸受球1008が第2の領域1066にあるとき、内部安全機構1044は第2のステージを通って移動し、
第1のステージは、第1の領域1062の長さ1063に比例する大きさの角度θで軸線A周りに外部ハンドル1002を回すことに関連し、第2のステージは、第2の領域1066の長さ1067に比例する大きさの角度βで外部ハンドル1002を回すことに関連する。
【0073】
或る実施形態では、少なくとも1つの溝1022は中間領域1064をさらに備え、
少なくとも1つの軸受球1088が中間領域1064にあるとき、内部安全機構1044が中間ステージを通って移動し、
中間ステージは、中間領域1064の長さ1065に比例する大きさの角度αで外部ハンドル1002を回すことに関連する。
【0074】
第1の領域1062および第2の領域1066は実質的に同一平面上にあり、回転軸線Aに対して垂直である。結果として、領域1062、1066に沿う軸受球1008の移動が軸線方向Aにおける制御シャフト1009の位置を変えない。この特徴を以下でさらに説明する。
【0075】
ハンドルポジショナ1004はハンドル1002の内部に収容され、第1の端部1035の給気口1001に直接に接続され、第2の端部1036で制御シャフト1009に直接に接続される。制御シャフト1009は垂直方向に所定位置で保持され、第1の圧縮ばね1010により上方に付勢され、それにより中心軸線A周りのシャフト1009の回転を可能にする。制御シャフト1009は、中心軸線Aの方向に沿う短い長さの直線移動の能力を有し、これは、回転軸線Aに対して垂直な方向にのみ移動することが可能となり得るハンドル1002の移動による直接的なものであはなく、後で説明するようにねじ付ストッパ1006に対するシャフト1009の移動に起因するものである。
【0076】
制御シャフト1009は、2つの傾斜溝1002(図8a)に沿ってねじ付ストッパ1006の下方にある2つの軸受球1008によって軸線A周りに回転させられることができ、それにより軸受として機能する円滑で方向性を有する移動を保証する。
【0077】
連続するダクト1043の位置ずれにより閉じたダイヤフラム1017への加圧空気の流れが妨げられる場合、第1のステージおよび中間ステージを通して軸線A周りにハンドル1002を回すことにより、ダイヤフラム1017はその閉状態を維持する。軸線A周りにハンドル1002を回す第3のステージが一連のダクト1043を位置合わせし、それにより加圧空気の流れがダイヤフラム1017を開くことが可能となる。
【0078】
図4a、図4bは、この実施形態において空気圧式動作停止機構1007をハイブリッド弁1000内の所定位置で維持する手法をさらに明示する。
【0079】
図5aおよび図5bは、ねじ付ストッパ1006および制御シャフト1009ならびに空気圧式動作停止機構1007の詳細な内部概略図を提供する。
【0080】
制御シャフト1009は、その下にある第1のばね1010により所定位置に維持される。第1のばね1010は、第2のばね1025と共に、使用者によって決定されるその動作停止状態/閉状態(図4a)またはその動作状態/開状態(図4b)のいずれかに弁1000を維持するために、ねじ付ストッパ1006に向けて制御シャフト1009を付勢するのに十分な力を提供する。
【0081】
図4aおよび4bを通して、空気圧作動式弁100を通る空気の流れおよび説明される機構の機能をさらに理解することができる。
【0082】
空気圧手段からの空気は、弁の制御シャフト1009内まで流れることができ、ここでは、給気口1001を通り、ハンドルポジショナ1004の内部ダクトを通り、制御シャフト1009の上側制御シャフトダクト1028aを通り、迂回してねじ付ストッパダクト1029を通り、下方の空気圧式動作停止機構ハウジングチャンバ1023に入り、動作停止機構シャフト1050の動作停止機構ダクト1045(図5b)を通り、下側制御シャフトダクト1028b(図4b)を通って制御シャフト1009へと戻る。
【0083】
図5aおよび図5bはその閉状態にある弁1000を示し、これらの図は閉状態にある弁1000の不完全な断面である。
【0084】
制御シャフト1009およびねじ付ストッパ1006は離間しており、加圧空気が弁1000の底部に到達しない。
【0085】
弁1000が閉状態にあるとき、空気が制御シャフト1009とねじ付ストッパ1006との間の隙間から抜け出す。
【0086】
図8aおよび図8bにさらに示されるように、ハウジングチャンバ1023はねじ付ストッパ1006と制御シャフト1009との間に位置し(図5a、図5bを参照)、チャンバ1023内に位置する2つのOリング1024によって密閉され(図8aおよび図8b)、Oリング1024は動作停止機構シャフト1050をハウジングチャンバ1023にぴったりと係合させる。
【0087】
弁1000が開状態にあるとき、制御シャフト1009およびねじ付ストッパ1006は第1のばね1010および第2のばね1025により一体に押し付けられ、第1のばね1010および第2のばね1025は制御シャフト1009の面1037(図6)に向けて空気圧式動作停止機構シャフト1050を押圧し、その結果、Oリング1024が面1037に向けて強固に保持され、制御シャフト下側ダクト1028bを用いて動作停止ダクト1045を実質的に密閉する。
【0088】
弁1000が開状態にあるとき、抜け出る空気は減り、ねじ付ストッパ1006および制御シャフト1009は位置合わせされる。
【0089】
ハンドル1002が不慮の衝撃などによりわずかに(θ°未満)回転させられるとき、動作停止機構ダクト1045および下側制御ダクト1028bは部分的に位置合わせされた状態を維持することができ、それにより加圧空気がそこを通るのを可能にし、最初にハンドル1002を回転させるとき、動作停止機構シャフト1050およびそのOリング1024が制御シャフト1009の面1037(図6)に沿って摺動することができる。
【0090】
弁1000を動作停止するために、ハンドル1002を(θ°を超えて)さらに回転させることにより、制御シャフト1009がさらに回され、その結果、2つの軸受球1008が傾斜溝1002に沿ってさらに移動し(図8a)、したがって面1037とねじ付ストッパ1006との間に隙間1070が形成される(図4aから図4bを比較されたい)。隙間1070が弁1000の周囲環境に連通される。制御シャフト1009内の下側ダクト1028bは空気圧式動作停止機構ダクト1045と整列しないが、隙間1070に連通され、それにより下側ダクト1028b内のおよびアクチュエータ1013内の空気が周囲環境へ抜け出ることになる。
【0091】
加えて、ねじ付ストッパ1006が弁1000内で移動不可であるため、ストッパ1006に対する制御シャフト1009の移動がシャフトの下方への移動に変換され、それによりピストン1034を下方に押し、それにより弁1000を機械的に閉じるようにダイヤフラム1017を押す。
【0092】
弁1000を動作可能にするために制御シャフト1009が軸線A周りに逆方向に回転させられると、制御シャフト1009が上昇して、ダイヤフラム1017への押圧を停止する。同時に、図4bに示すように、空気圧式動作停止機構1007を通って流れる加圧空気が、位置合わせされたシャフト1009およびアクチュエータ1013へ流入することができ、それにより、制御シャフトの上昇と共にダイヤフラム1017を上昇させて弁1000が開くことを可能にする。
【0093】
4つのダクト1045、1028a、1028bおよび1029は、一連のダクト1043の一部材である。弁1000は、第2のステージの間、軸線A周りにハンドル1002を回し、かつ、それぞれ制御シャフト1009を回しても、加圧空気のダイヤフラム1017までの継続的な流れを可能にするように構成され、ダクト1028a、1028b、1029、および1045の位置合わせが実質的に維持され、一連のダクト1043からの漏洩が、Oリング1024に対する第2のばね1025の作用によって防止される。
【0094】
制御シャフト1009のノズル1046はねじ付ストッパ1006の中間孔1032の中に嵌め込まれ、2つの軸受球1008は傾斜溝1022の中に嵌め込まれる。ねじ付ストッパ1006は雄ねじ1011により所定位置に保持され、それにより垂直方向の移動および回転方向の移動を受けないことが保証される。制御シャフト1009は第1の圧縮ばね1010により所定位置に保持され、それによりねじ付ストッパ1006および制御シャフト1009は第1の圧縮ばね1010に係合されることが保証される。制御シャフト1009は、傾斜溝1022の一方の端部からもう一方の端部までの角度の変化によって決定される分だけ、軸線A周りに回転することができる(図7)。弁の状態は、動作停止状態/閉状態(図4a)から動作状態/開状態(図4b)へ、およびその逆で、変化する。システムは状態を変化させることはなく、この間、図7に示されるように、軸受球1008は依然として第1の領域1062または第3の領域1066内にあり、それにより使用者の追加の安全性を提供し、ハンドル1002の不慮の/意図されない小さい移動により弁1000が閉状態(図4a)から開状態(図4b)へおよびその逆で変化することが防止される。
【0095】
図6図7、および図8a、図8bは、制御シャフト1009およびねじ付ストッパ1006の追加の図を提供するものであり、ねじ付ストッパ1006の内部ダクト1029と、制御シャフト1009の一部分がそこを貫通して延在する孔1032と、を示しており、また、動作停止機構1004の機械的デザインのより良好な着想を提供する。
【0096】
制御シャフトの下方の弁のすべての部品は標準的なものであることに留意されたい。したがって、新規のパートは多様な弁ボディに後付けされ得る。
【0097】
現在、これらの実施形態は最良に動作すると考えられるが、他の実施形態もまた満足できるものである。
【0098】
外部ラッチ1003は、図2図8に示されるように、空気圧式作動式1000の多くの実施形態に含まれる。外部ラッチ1003は、例えば弁1000のおよび/または弁1000の近傍にある設備の保守管理中に、安全性をさらに必要とする状況において、弁を閉状態でロックするのに使用される。
【0099】
図8aに示されるように、ねじ付ストッパ1006を通って延在する取付孔1072が、弁1000の構築を支援するために、または、市販の弁に新しい機構を適切に後付けするために、使用され得る。組み立て中に制御シャフト1009が誤った位置に回転しないように、制御シャフト1009の固定を支援するためにねじまたはボルト(図示せず)が挿入されてもよい。
【0100】
他の実施形態が示される構造から有意に逸脱してもよく、特許請求の範囲に従って同じ効果を得るように同様の動作を実施することができること、ただし、これらの他の実施形態のすべてが現在知られていない我々の知識の最良の形態に対するものであること、およびこれらの他の実施形態のすべてが市販されていないこと、が認識されよう。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8a
図8b
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全弁に関する。
【背景技術】
【0002】
配管を通るガスおよび液体の流れにおいて管理を必要とするとき、弁などの制御機器に対する信頼が存在する。これらの弁およびガス/液体(一般に、プロセス流体と称される)は、大量化学製造、石油精製、ならびに製薬業および半導体産業を含むプロセスにおいて広範囲の用途を見出している。一般には、より小さいスケールではあるが同様の弁が研究でも使用され、さらには例えば、家庭用配管および自動車エンジン内での加熱システムでも使用される。
【0003】
空気作動式弁は、配管を通るプロセス流体などの媒体の流れを制御または調節するのに圧縮空気を使用するデバイスである。
【0004】
弁ポートを通って流れる媒体は、しばしば有害および有毒となり得るガスである可能性がある。
【0005】
しばしば、特には、可燃性であり、高い有毒性のまたは他の危険な物質が使用される場合、空気作動式弁はフェイルセーフを有さなければならず、また、例えば、機械的振動などにより、あるいは不慮のまたは認可されていない人間の介入などにより流れが誤って再開されることが不可能となるように、空気作動式弁が完全な閉位置でロックされ得ることを保証することが非常に重要である。これは、ロック可能な弁を使用することによって達成され得る。弁がエアツゥオープン(ATO:air-to-open)である場合、弁はノーマルクローズ(NC:normally closed)としても知られているフェイルクローズ(FC:fail closed)となり、対して弁がエアツゥクローズ(ATC:air-to-close)であるように設計されている場合、弁はフェイルオープン(FO:fail open)となる。
【0006】
一部の弁は、完全な開位置または完全な閉位置のいずれかで弁ハンドルをロックするためのパッドロックなどを含む。このようにロックすることは弁の不正操作および認可されていない操作を阻害することができるが、弁が修理または別の手動の操作を必要とする場合、弁はロック解除され、開状態から閉状態へのまたは閉状態から開状態への誤った切り替えが生じやすくなる。加えて、閉鎖/開放自体で不具合が生じた場合、例えば弁内に閉じ込められた空気を通気させることが失敗したり、または弁の中への加圧空気の流れを完全に止めることが失敗したりすることにより、これらの各々で、閉じることが意図される場合でも弁が開く可能性があるか、または弁が開いた状態が維持される可能性があり、ロックすることが役に立たなくなる。
【0007】
したがって、弁を開けた状態に維持するのに使用される加圧空気を遮断したり通気させたりしながらNC弁を同時に手動で機械的に閉じることを可能にする機構を提供することにより、弁の状態の不慮の変化を防止する、さらには、弁が所望の状態であることおよび、弁が所望の状態を維持することを保証する、内部安全機能が依然として求められる。以下で説明される本発明は、安全で高い信頼性の手法でこの問題に対処する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、閉じている弁が不用意に開くのを防止することができる機構および弁を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
弁および機構は、さらに、弁が開状態にあることが意図される場合に、弁が不用意に閉じるのを防止することが可能となり得る。
【0010】
このような能力は、弁が以下のこと、すなわち機械的手段を用いて弁を内部でロックすること、弁空気圧操作に使用される空気供給を遮断すること、および弁を通気すること(これらのすべてが弁を閉じることである)、例えば、これらのすべてが、弁の第1の方向の1回の手動操作によるものであること、のすべてを同時に可能にするように構成される、ことをさらに含むことができる。
【0011】
「機械的手段を用いて弁をロックする」とは、弁をロックすることなどのために、互いに物理的に接触する一連の構成要素を介して力を伝達することを意味する。
【0012】
加えて、このような能力は、弁が以下のこと、すなわち、弁を機械的に内部でロック解除すること、弁の空気圧操作に使用される空気供給を接続すること、および弁の通気を低減するかまたは排除すること(これらのすべてが弁を開けることである)、例えば、これらのすべてが、第1の方向と反対となり得る弁の第2の方向の1回の手動操作によるものであること、のすべてを同時に可能にするように構成される、ことをさらに含むことができる。
【0013】
弁は、第2の方向の弁の操作において、限定された動作範囲にわたって弁を閉じたままとするのを可能にすることにより、閉じている弁を不用意に開くのを防止することを可能にするようにさらに構成され得る。
【0014】
弁は、第1の方向の弁の操作において、限定された動作範囲にわたって弁を開いたままとするのを可能にすることにより、開いている弁を不用意に閉じるのを防止することを可能にするようにさらに構成され得る。
【0015】
弁はさらに、例えば、ロック装置を用いて外部弁ハンドルをロックすることにより、弁を手動でロックするのを可能にするように構成されてもよく、ロックすることは、弁の上記の操作を防止することを含む。
【0016】
別の態様によると、方法および弁が提供され、ここでは、外部ハンドルの1回の回転が前述の機能を実行する。好適な実施形態では、記載された機構は、任意選択で、小さい設計調整ならびに機構および弁の両方の拡大縮小を通して、多くの異なるデザインの、現在市販されている空気圧動作式弁に適用(改造)され得る。
【0017】
別の態様によると、本機構は、
下側制御シャフトダクトを有し、外部ハンドルを操作することにより内部軸線に対して回転可能である、制御シャフトと、
ストッパダクトおよび、その中に配設された動作停止機構、を有する、ねじ付固定ストッパと、
を備える。
【0018】
動作停止機構は、ストッパダクトからストッパの外側まで延在する動作停止機構ダクトを含む。
【0019】
制御シャフトおよびねじ付ストッパは、弾性手段によって一体に付勢され得る。
【0020】
弁は、下側ダクトおよび動作停止機構ダクトが位置合わせされると開く。圧縮空気は、動作停止機構ダクトから下側ダクトまで通過することができる。下側ダクトを通過する圧縮空気は、例えば、プロセス流体入口およびプロセス流体出口を有するシート上にあるダウやフラムを押圧しないようにばねに力を加えることができ、それにより弁を介してプロセス流体が通過することを可能にする。
【0021】
ハンドルを操作して制御シャフトを回転させることにより、複数の事を同時かつ相乗的に引き起こすことができる。
1.下側ダクトが動作停止機構ダクトと位置をずらされ、圧縮空気は動作停止機構ダクトから下側ダクトまで通過することができない。
2.ストッパの構造により、ハンドルの操作により、制御シャフトおよびストッパが強制的に分離されてもよく、それによりそれらの間に隙間が形成され、したがって、下側ダクト内に閉じ込められた空気が隙間を介して通気することができる。
3.ハンドルの操作によって回転する間、制御シャフトはさらに下方に移動し(回転軸線に平行に)、結果として弁を機械的に閉じる(例えば、ダイヤフラムを下方に押す)。
これらの動きは弁を閉じるように一体に作用する。
【0022】
或る実施形態では、供給される加圧空気はハンドルポジショナを通って移動し、継続して制御シャフトの上側ダクトを通過し、ねじ付ストッパのストッパダクトの中に入り、次いで、そこを通過する動作停止機構ダクトを有する空気圧式動作停止機構の中に入る。その後、加圧空気は、下側ダクトおよび動作停止機構ダクトが位置合わせされている場合は、継続して制御シャフトの外側まで延在する制御シャフトの下側ダクトの中に戻り、弁の主ボディのいたるところに到達する可能性があり、下側ダクトおよび動作停止機構が位置合わせされていない場合は、加圧空気は遮断される。
【0023】
制御シャフトの下方にあるばねは、制御シャフトおよびねじ付ストッパを一体に維持することにより、制御シャフトの所定の溝内に着座する軸受球およびねじ付ストッパの傾斜チャネルを保持する。軸受球および角度付溝はシステムの内部ロック機構を形成するように構成され、それにより制御シャフトの望ましくない回転を防止する。角度付溝は3つのセクションに分割される。第1のセクションおよび最後のセクションは回転軸線に対して垂直であり、対して中間セクションは傾斜しており、これら3つのセクションの角度の大きさは異なる態様で変化する。このカスタムデザインは、溝の垂直領域に一定程度の安全性を生成し、ここでは、開放方向および閉鎖方向の制御シャフトのいずれの方向の回転もシステムを、その動作位置または動作停止位置から変えさせない。
【0024】
上記の概要は、単に、新規の弁の構造および動作ならびに動作および使用の方法の主要な原理を説明するものである。本概要は、クレームされる発明を限定するものとみなされるべきではなく、本発明の範囲はクレームの範囲のみによって決定されるべきである。
【0025】
後述の説明では、以下の用語は実施形態を説明するために使用されるものである。
【0026】
実質的に密閉するとは、無視できる程度の量の内部空気しか環境へ逃げない状況を意味する。
【0027】
システムの状態とは、開いているかまたは閉じられている弁の状態を意味する。開状態は、プロセス流体が弁を通って流れることができることを意味し、閉状態は、プロセス流体の流れが実質的に遮断されることを意味する。
【0028】
空気圧手段とは、加圧空気を開示される弁に提供する機器およびシステムを意味する。
【0029】
一態様によると、ノーマルクローズ弁が提供され、このノーマルクローズ弁は、
流体入口および流体出口を有するシートと、
ダイヤフラム、外部ハンドルならびに、外部ハンドルおよびダイヤフラムに動作可能に連結された内部安全機構と、
を備え、
弁はハンドルを第1の方向に押し進められることを可能にするように構成され、それにより、内部安全機構を少なくとも第1のステージおよびその後の第2のステージを通して移動させ、
第1のステージの間、
ダイヤフラムはシート上へ押圧され、
内部安全機構を通る加圧空気の流れは遮断され、
弁内に閉じ込められた空気は放出され、
それにより、弁を閉状態にするか、または閉状態に維持し、
第2のステージの間、
内部安全機構を通る加圧空気の流れが可能となり、そこを通過した後の加圧空気が、シートの上へダイヤフラムを押圧することに逆らうように作用し、空気の放出が低減され、
それにより、弁を開状態にするか、または開状態に維持する。
【0030】
或る実施形態では、弁はさらに、第1の方向に反対である第2の方向にハンドルを押し進めるのを可能にするように構成され、それにより、少なくとも第2のステージおよびその後の第1のステージを通して内部安全機構を移動させる。
【0031】
或る実施形態では、弁はさらに、中間ステージを通して内部安全機構を移動させることを可能にするように構成される。
【0032】
或る好適な実施形態において、中間ステージの間、弁は閉状態にある。
【0033】
或る実施形態は、内部安全機構をダイヤフラムに機械的に連結するピストンをさらに備え、ここでは、第1のステージの間、内部安全機構はダイヤフラムに接触させてピストンを押す。
【0034】
或る実施形態では、内部安全機構は、
空気圧式動作停止機構と、制御シャフトと、動作停止機構および制御シャフトを通って延在する一連のダクトと、
を備え、
内部安全機構を移動させることは、動作停止機構に対して制御シャフトを移動させることを備え、
第2のステージの間、一連のダクトは位置合わせされる。
【0035】
或る実施形態では、内部安全機構は、
動作停止機構を制御シャフトに向けて付勢するための弾性手段、
をさらに備える。
【0036】
或る実施形態では、内部安全機構は、
動作停止機構と制御シャフトとの間を密閉するためのシール手段、
をさらに備える。
【0037】
或る実施形態は、ねじ付ストッパであって、ストッパダクトおよびハウジングチャンバを具備し、ストッパダクトはハウジングチャンバの壁を通って延在し、かつ一連ダクトの一要素である、ねじ付ストッパ、をさらに備え、
動作停止機構はハウジングチャンバ内に位置し、
動作停止機構は、
動作停止機構ダクトを具備する動作停止シャフトと、
動作停止シャフトを制御シャフトに向けて付勢するための動作停止ばねと、
動作停止機構ダクトおよび制御シャフトダクトが位置合わせされるときに、動作停止機構ダクトと制御シャフトダクトとの間を密閉するための少なくとも1つのOリングと、
を備える。
【0038】
或る実施形態では、ねじ付ストッパは、
第1の領域および第2の領域を各々備える少なくとも1つの溝、
をさらに備え、
内部安全機構は、少なくとも1つの軸受球を備え、その各々は制御シャフト上で保持されて少なくとも1つの溝のうちの1つの溝内に位置すし、
外部ハンドルを回すことにより、少なくとも1つの軸受球が少なくとも1つの溝に沿って移動し、
少なくとも1つの軸受球が第1の領域にあるとき、内部安全機構は第1のステージを経て移動し、少なくとも1つの軸受球が第2の領域にあるとき、内部安全機構は第2のステージを経て移動する。
【0039】
或る実施形態では、少なくとも1つの溝は、中間領域をさらに備え、
少なくとも1つの軸受球が中間領域にあるとき、内部安全機構は中間ステージを経て移動する。
【0040】
本発明をより良好に理解することができるように、および、本発明を実行することが可能である手法を示すために、次に添付図面を例として参照する。添付図面では、本発明の一実施形態が示され、それにより、本発明が実際に具現化され得る手法が当業者および非当業者に明らかとなる。示される細部は例であり、説明的な考察のみを目的としており、本発明の原理および概念的見地の最も有用であって容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されるものである、ことを強調しておく。これに関連して、本発明を根本的に理解するのに必要であるよりも詳細に構造的細部を示すことを試みない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】従来技術の自動-手動複合弁を示す垂直方向断面図である。
図2】新規のノーマルクローズ空気圧作動式弁の一実施形態のための組み立てを示す図であり、複数の主要な機構部品を示している。
図3】動作停止位置にある、ノーマルクローズ空気圧作動式弁となるように組み立てられた一実施形態を示す図である。
図4a】閉じており、動作停止状態にある空気圧作動弁を示す図である。
図4b】その動作状態、すなわち(弁が開いている状態にある空気圧作動弁を通る空気の流れを示す図である。
図5a】組立体の一実施形態を示す概略側断面図である。この図は空気流のための内部チャンバ、さらにはボールと傾斜溝との間の関係に焦点を当てている。弁は閉じられている。
図5b】空気圧式動作停止機構の従属パートに焦点を当てている、制御シャフトおよび空気圧式動作停止機構の一実施形態を示す別の概略側断面図である。弁は閉じられている。
図6】組立体内にある制御シャフト、具体的にはボールおよびそのハウジングを示す拡大図である。
図7】傾斜溝およびその中での角度の変化を強調している、組立体内にあるねじ付ストッパを示す内部図である。
図8a】ストッパを示す底面図である。
図8b】空気の流れのための角度付ダクトおよび空気圧式動作停止機構を収容するのに使用されるオリフィスに焦点を当てている、ねじ付ストッパを示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は従来技術の複合弁の垂直方向断面図であり、ここでは、弁ボディがダイヤフラムである「弁本体」24を含む。ダイヤフラム24が閉状態にあるとき、弁は「閉」状態にある。
【0043】
ダイヤフラム24の状態に従って、上流流路22および下流流路21が接続されているかまたは切断されている。
【0044】
摺動体28がダイヤフラム24に向けて付勢され、それにより弁座23に向けてダイヤフラム24を下方に押す。
【0045】
弁本体11内では、ダイヤフラム24を閉じる方向にピストン27をスナップ移動させるためのスナップ力を有するばね39が、中間ケーシング17とピストン27との間に取り付けられ、通常は、ダイヤフラム24を閉状態に維持するためにピストン27を弾性的に付勢する。
【0046】
ピストン27は、ステム30の貫通孔30aを通過して弁本体11内の第1の空気チャンバ36の中に供給されて、弁本体11の第1の空気チャンバ36から排出される供給作動空気に反応して、弁開閉を可能にするために、ダイヤフラム24から離れる方向に摺動する。
【0047】
弁は、手動操作ハンドル33と、ステム30と、ステム30の外周部に取り付けられた一対のOリング30bと、を含む手動機構部分13を有する。手動操作ハンドル33の押圧動作が、弁本体11内の作動空気をパージすることを可能にする。
【0048】
複合弁は、ピストン27が上方に移動するのを可能にするように、弁本体11内に設けられたピストン27の一方側に作動空気を供給し、それによりダイヤフラム24を弁座23から切り離し、空気スイッチ弁を閉じて弁本体11内の作動空気をパージするために手動機構部分13の押圧動作を利用する。
【0049】
ケーシング15は、上側ケーシング16と、中間ケーシング17と、下側ケーシング18と、を含む。上側ケーシング16の環状突出部分16aがロックねじ60を用いて中間ケーシング17の環状凹部分17aに締結されて堅固に固定され、ここでは環状突出部分16aは環状凹部分17aに嵌め込まれた状態にある。他方で、中間ケーシング17および下側ケーシング18は、中間ケーシング17内に形成された雌ねじ17bと下側ケーシング18上に形成された雄ねじ18aとの間のねじ係合により互いに堅固に固定される。さらに、基部20は、基部20の雌ねじ部分20cと下側ケーシング18の下側部分上に形成された雄ねじ部分18bとの間のねじ係合により、堅固に固定される。
【0050】
押圧部材35および雄ねじ18aを含めた外周部のねじ構造が形成される。この構造は、押圧部材35を回転させるときに押圧部材35が中間ケーシング17に対して上方および下方に移動させられるのを可能にする。押圧部材35は、ピストン27を押圧部材35の下側端部分35cに向けて押圧するように、弁本体11内で軸線方向に移動させられる。
【0051】
図1に示される操作ハンドル33は、作動空気の供給および排出が可能である開状態にあり、空気スイッチ弁部分14を用いてダイヤフラム24の開閉動作を実行することが可能な状態にある。手動操作ハンドル33が閉状態にある場合では、弁本体11内に設けられた空気スイッチ弁部分14が、手動機構部分13を介して弁本体11に対する作動空気の供給を停止する。
【0052】
図1では、手動操作ハンドル33を下方に押圧するとき、手動操作ハンドル33に接続されたステム30が、上側ケーシング16に嵌め込まれた環状部材31に対して摺動する。この時点で、空気供給ポート14aがステム30に取り付けられたOリング30bによってシールされ、それにより、手動機構部分13に対する作動空気の供給を強制的に停止することが可能となる。さらに、この時点で、手動操作ハンドル33を動作させる前にOリング30bによってシールされたパージ孔31bが周囲空気に連通されるために、ステム30の貫通孔30aの中などで弁本体11内に保管された作動空気がパージ孔31bを通して放出される。さらに、押圧状態において手動操作ハンドル33の回転動作が実行されると、ステム30および押圧部材35が接続部分62によって連結されているために押圧部材35が回転することになる。
【0053】
明確にこれまで認識されていない安全問題を重要視するために、解決策を提供する本発明の実施形態のうちのいくつかの実施形態を説明する。本発明の実施形態は上で説明した従来技術のデバイスといくつかの共通の特徴を共有するが、弁の不用意な開閉の問題を解決するなどの、追加の独自の設計の特徴を有する。
【0054】
図2は、位置ロック能力を有するノーマルクローズ空気圧式作動弁の実施形態1000の組み立てを示す分解図である。
【0055】
図3は、動作停止位置にある組み立てられた実施形態1000の断面図を示す。
【0056】
弁1000はダイヤフラム1017を備える。上で説明した従来技術の弁と同様に、ダイヤフラム1017が下方に押圧されるとき、弁は機械的に閉じられ、ダイヤフラム1017が下方に押圧されないとき、弁が機械的に開く。
【0057】
弁1000は、外部ハンドル1002と、外部ラッチ1003と、ねじ付ストッパ1006と、空気圧式動作停止機構1007と、制御シャフト1009と、一連のダクト1043と、上側ガイド1012と、アクチュエータ1013と、ボディ1014と、をさらに備える。これらの部品は、ロッキングボルト1011、ならびに、第1のばね1010、第2のばね1025、および第3のばね1015、あるいは他の弾性部材を用いて、組み立てられて所定位置で保持される。これらの構成要素および他の構成要素の間の関係および相互作用を本明細書の以下で説明する。
【0058】
一態様によると、空気圧手段(加圧空気を提供する(図4a、4bの「空気」を参照されたい))によって開けられ得るノーマルクローズ弁1000が提供される。
【0059】
弁1000は、
流体入口1018および流体出口1019を有するシート1016、
ダイヤフラム1017、外部ハンドル1002、ならびに、外部ハンドル1002およびダイヤフラム1017に動作可能に連結された内部安全機構1044、
を含む。
【0060】
内部安全機構1004は図4aでは第1のステージで示され、図4bでは第2のステージで示される。
【0061】
弁はハンドル1002を第1の方向(矢印T)へ押し進めるのを可能にするように構成され、それにより、少なくとも第1のステージおよびその後の第2のステージを通して内部安全機構1044を移動させ、
第1のステージの間、ダイヤフラム1017への加圧空気の流れが動作停止され、弁1000内の加圧空気が周囲へ放出され、それによりダイヤフラム1017および弁1000を閉状態にするかまたは閉状態を維持し、
第2のステージの間、ダイヤフラム1017および弁1000が開状態にあり、空気圧手段を介して内部安全機構1044を通って加圧空気が流れ、それによりダイヤフラム1017を開状態へ移行させる。
【0062】
弁が「閉状態」にあるとは、プロセス流体が弁を通過することが停止されていることを意味し、ダイヤフラムが「閉状態」にあるとは、弁を通るプロセス流体の通過を阻止するためにダイヤフラムが十分に下方に押圧されていることを意味する。弁が「開状態」にあるとは、プロセス流体が弁(ボディ)を通過することが実質的に可能であることを意味する。ダイヤフラムが「開状態」にあるとは、プロセス流体の通過を阻止するくらいに十分にはダイヤフラムが下方に押されていないことを意味する。
【0063】
第1のステージおよび第2のステージは離散的なポイントではなく、つまり、ハンドルは、弁の状態を何ら変えることなく、例えば20°の範囲といったように、実質的に各ステージで一定の範囲に沿って回される。
【0064】
或る実施形態では、弁1000は、第1の方向Tとは反対の第2の方向にハンドル1002を強制することを可能にするようにさらに構成され、それにより少なくとも第2のステージおよびその後の第1のステージを通して内部安全機構1007を移動させる。
【0065】
弁1000は、図3に示されるように、ピストン1034(図4a)に回転可能に取り付けられた中空制御シャフト1009を含む。ピストン1034は内部安全機構をダイヤフラムに機械的に連結し、ここでは、第1のステージの間、内部安全機構がダイヤフラムに向けてピストン1034を押す。
【0066】
中空制御シャフト1009は中空ハンドルポジショナ1044に係合される。空気圧式動作停止機構1007および制御シャフト1009は、a)軸線A周りに制御シャフト1009を手動で回転させることにより、制御シャフト1009に対する加圧空気の供給を停止して連続するダクト1043内から環境へ空気を排出することと、b)制御シャフトに対して加圧空気を供給することであって、それにより、ダイヤフラム1017を下方に付勢する第3のばね1015を上方に押すことができ、ここでは連続するダクト1043内から環境まで空気を排出しない、制御シャフトに対して加圧空気を供給することと、を可能にするように協働する。このような排出が行われない場合、ダイヤフラム1017が不所望に開けられる可能性があり、それにより有害物質が放出される可能性がある。
【0067】
或る実施形態では、弁は、内部安全機構1044が第1のステージと第2のステージとの間の中間である第3のステージを通過できるようにさらに構成される。弁1000は、第1の方向Tとは反対の第2の方向にハンドル1002を強制するのを可能にするようにさらに構成されてもよく、それにより、第2のステージならびにその後の中間ステージおよびその後の第1のステージを通して内部安全機構1044を移動させ、同様にハンドル1002が第1の方向に押し進めることができ、ここでは内部安全機構1044が、第1のステージ、中間ステージ、さらには第2のステージを通過する。
【0068】
中間ステージの間、制御シャフト1009は回転させられ、好適な実施形態では、ダイヤフラム1017および弁1000は閉状態であり、空気圧手段を介して内部安全機構1044を通って加圧空気は流れず、それによりダイヤフラム1017は閉状態を維持する。
【0069】
或る実施形態では、内部安全機構1044は、
空気圧式動作停止機構1007、制御シャフト1009、ならびに、動作停止機構ダクト1045および下側制御シャフトダクト1028bを具備する一連のダクト1043を備え、
内部安全機構1044を移動させることは、動作停止機構1007に対して制御シャフト1009を移動させることを含み、
動作停止機構1007および制御シャフト1009は、第1のステージの間に動作停止機構ダクト1045および下側制御シャフトダクト1028bを位置合わせして、それにより一連のダクト1043を位置合わせするように、配置される。
【0070】
内部安全機構1044は、或る実施形態では、
空気圧式動作停止機構1007および制御シャフト10009を互いに対して付勢するための第1のばね1010および第2のばね1025をさらに備え、その結果、動作停止機構ダクト1045および下側制御シャフトダクト1028bが位置合わせされ、動作停止機構ダクト1045と下側制御シャフトダクト1028bとの間からの圧空気の漏洩が、もし存在する場合、ダイヤフラム1017が開けられるのを防止しない。
【0071】
内部安全機構1044は、或る実施形態では、
動作停止機構ダクト1045および下側制御シャフトダクト1028bが位置合わせされるとき、動作停止機構ダクト1045と下側制御シャフトダクト1028bとの間を密閉するための(ここからの加圧空気の漏洩を低減/排除するための)、Oリング1024などのシール手段をさらに備える。
【0072】
或る実施形態では、弁はねじ付ストッパ1006をさらに備え、ねじ付ストッパ1006は、ストッパダクト1029(図8b)およびハウジングチャンバ1023(図8a、図8b)を備え、ストッパダクト1029はハウジングチャンバ1023の壁1030を通って延在し、連続するダクト1043(図3)の一要素であり、
(適切な図に1030を追加されたい)
空気圧式動作停止機構1007はハウジングチャンバ1023内に配置され、
動作停止機構1007は、
動作停止機構ダクト1045を具備する動作停止シャフト1050(図5b)と、
動作停止シャフト1050および制御シャフト1009を一体に付勢するための第1のばね/弾性手段1010および第2のばね/弾性手段1025と、
動作停止機構ダクト1045および下側制御シャフトダクト1028bが位置合わせされるとき、動作停止機構ダクト1045と下側制御シャフトダクト1028bとの間を密閉するための少なくとも1つのシール手段1024と、
を備える。
【0073】
或る実施形態では、ねじ付ストッパ1006は、
第1の領域1062および第2の領域1066を各々備える少なくとも1つの溝1022をさらに備え、
内部安全機構1044は、各々が制御シャフト1009上で保持されて少なくとも1つの溝1022内に位置する少なくとも1つの軸受球1008を具備し、
外部ハンドル1002を回すことにより、少なくとも1つの軸受球1008は、少なくとも1つの溝1022に沿って摺動し、
少なくとも1つの軸受球1008が第1の領域1062にあるとき、内部安全機構1044は第1のステージを通って移動し、少なくとも1つの軸受球1008が第2の領域1066にあるとき、内部安全機構1044は第2のステージを通って移動し、
第1のステージは、第1の領域1062の長さ1063に比例する大きさの角度θで軸線A周りに外部ハンドル1002を回すことに関連し、第2のステージは、第2の領域1066の長さ1067に比例する大きさの角度βで外部ハンドル1002を回すことに関連する。
【0074】
或る実施形態では、少なくとも1つの溝1022は中間領域1064をさらに備え、
少なくとも1つの軸受球1088が中間領域1064にあるとき、内部安全機構1044が中間ステージを通って移動し、
中間ステージは、中間領域1064の長さ1065に比例する大きさの角度αで外部ハンドル1002を回すことに関連する。
【0075】
第1の領域1062および第2の領域1066は実質的に同一平面上にあり、回転軸線Aに対して垂直である。結果として、領域1062、1066に沿う軸受球1008の移動が軸線方向Aにおける制御シャフト1009の位置を変えない。この特徴を以下でさらに説明する。
【0076】
ハンドルポジショナ1004はハンドル1002の内部に収容され、第1の端部1035の給気口1001に直接に接続され、第2の端部1036で制御シャフト1009に直接に接続される。制御シャフト1009は垂直方向に所定位置で保持され、第1の圧縮ばね1010により上方に付勢され、それにより中心軸線A周りのシャフト1009の回転を可能にする。制御シャフト1009は、中心軸線Aの方向に沿う短い長さの直線移動の能力を有し、これは、回転軸線Aに対して垂直な方向にのみ移動することが可能となり得るハンドル1002の移動による直接的なものであはなく、後で説明するようにねじ付ストッパ1006に対するシャフト1009の移動に起因するものである。
【0077】
制御シャフト1009は、2つの傾斜溝1002(図8a)に沿ってねじ付ストッパ1006の下方にある2つの軸受球1008によって軸線A周りに回転させられることができ、それにより軸受として機能する円滑で方向性を有する移動を保証する。
【0078】
連続するダクト1043の位置ずれにより閉じたダイヤフラム1017への加圧空気の流れが妨げられる場合、第1のステージおよび中間ステージを通して軸線A周りにハンドル1002を回すことにより、ダイヤフラム1017はその閉状態を維持する。軸線A周りにハンドル1002を回す第3のステージが一連のダクト1043を位置合わせし、それにより加圧空気の流れがダイヤフラム1017を開くことが可能となる。
【0079】
図4a、図4bは、この実施形態において空気圧式動作停止機構1007をハイブリッド弁1000内の所定位置で維持する手法をさらに明示する。
【0080】
図5aおよび図5bは、ねじ付ストッパ1006および制御シャフト1009ならびに空気圧式動作停止機構1007の詳細な内部概略図を提供する。
【0081】
制御シャフト1009は、その下にある第1のばね1010により所定位置に維持される。第1のばね1010は、第2のばね1025と共に、使用者によって決定されるその動作停止状態/閉状態(図4a)またはその動作状態/開状態(図4b)のいずれかに弁1000を維持するために、ねじ付ストッパ1006に向けて制御シャフト1009を付勢するのに十分な力を提供する。
【0082】
図4aおよび4bを通して、空気圧作動式弁100を通る空気の流れおよび説明される機構の機能をさらに理解することができる。
【0083】
空気圧手段からの空気は、弁の制御シャフト1009内まで流れることができ、ここでは、給気口1001を通り、ハンドルポジショナ1004の内部ダクトを通り、制御シャフト1009の上側制御シャフトダクト1028aを通り、迂回してねじ付ストッパダクト1029を通り、下方の空気圧式動作停止機構ハウジングチャンバ1023に入り、動作停止機構シャフト1050の動作停止機構ダクト1045(図5b)を通り、下側制御シャフトダクト1028b(図4b)を通って制御シャフト1009へと戻る。
【0084】
図5aおよび図5bはその閉状態にある弁1000を示し、これらの図は閉状態にある弁1000の不完全な断面である。
【0085】
制御シャフト1009およびねじ付ストッパ1006は離間しており、加圧空気が弁1000の底部に到達しない。
【0086】
弁1000が閉状態にあるとき、空気が制御シャフト1009とねじ付ストッパ1006との間の隙間から抜け出す。
【0087】
図8aおよび図8bにさらに示されるように、ハウジングチャンバ1023はねじ付ストッパ1006と制御シャフト1009との間に位置し(図5a、図5bを参照)、チャンバ1023内に位置する2つのOリング1024によって密閉され(図8aおよび図8b)、Oリング1024は動作停止機構シャフト1050をハウジングチャンバ1023にぴったりと係合させる。
【0088】
弁1000が開状態にあるとき、制御シャフト1009およびねじ付ストッパ1006は第1のばね1010および第2のばね1025により一体に押し付けられ、第1のばね1010および第2のばね1025は制御シャフト1009の面1037(図6)に向けて空気圧式動作停止機構シャフト1050を押圧し、その結果、Oリング1024が面1037に向けて強固に保持され、制御シャフト下側ダクト1028bを用いて動作停止ダクト1045を実質的に密閉する。
【0089】
弁1000が開状態にあるとき、抜け出る空気は減り、ねじ付ストッパ1006および制御シャフト1009は位置合わせされる。
【0090】
ハンドル1002が不慮の衝撃などによりわずかに(θ°未満)回転させられるとき、動作停止機構ダクト1045および下側制御ダクト1028bは部分的に位置合わせされた状態を維持することができ、それにより加圧空気がそこを通るのを可能にし、最初にハンドル1002を回転させるとき、動作停止機構シャフト1050およびそのOリング1024が制御シャフト1009の面1037(図6)に沿って摺動することができる。
【0091】
弁1000を動作停止するために、ハンドル1002を(θ°を超えて)さらに回転させることにより、制御シャフト1009がさらに回され、その結果、2つの軸受球1008が傾斜溝1002に沿ってさらに移動し(図8a)、したがって面1037とねじ付ストッパ1006との間に隙間1070が形成される(図4aから図4bを比較されたい)。隙間1070が弁1000の周囲環境に連通される。制御シャフト1009内の下側ダクト1028bは空気圧式動作停止機構ダクト1045と整列しないが、隙間1070に連通され、それにより下側ダクト1028b内のおよびアクチュエータ1013内の空気が周囲環境へ抜け出ることになる。
【0092】
加えて、ねじ付ストッパ1006が弁1000内で移動不可であるため、ストッパ1006に対する制御シャフト1009の移動がシャフトの下方への移動に変換され、それによりピストン1034を下方に押し、それにより弁1000を機械的に閉じるようにダイヤフラム1017を押す。
【0093】
弁1000を動作可能にするために制御シャフト1009が軸線A周りに逆方向に回転させられると、制御シャフト1009が上昇して、ダイヤフラム1017への押圧を停止する。同時に、図4bに示すように、空気圧式動作停止機構1007を通って流れる加圧空気が、位置合わせされたシャフト1009およびアクチュエータ1013へ流入することができ、それにより、制御シャフトの上昇と共にダイヤフラム1017を上昇させて弁1000が開くことを可能にする。
【0094】
4つのダクト1045、1028a、1028bおよび1029は、一連のダクト1043の一部材である。弁1000は、第2のステージの間、軸線A周りにハンドル1002を回し、かつ、それぞれ制御シャフト1009を回しても、加圧空気のダイヤフラム1017までの継続的な流れを可能にするように構成され、ダクト1028a、1028b、1029、および1045の位置合わせが実質的に維持され、一連のダクト1043からの漏洩が、Oリング1024に対する第2のばね1025の作用によって防止される。
【0095】
制御シャフト1009のノズル1046はねじ付ストッパ1006の中間孔1032の中に嵌め込まれ、2つの軸受球1008は傾斜溝1022の中に嵌め込まれる。ねじ付ストッパ1006は雄ねじ1011により所定位置に保持され、それにより垂直方向の移動および回転方向の移動を受けないことが保証される。制御シャフト1009は第1の圧縮ばね1010により所定位置に保持され、それによりねじ付ストッパ1006および制御シャフト1009は第1の圧縮ばね1010に係合されることが保証される。制御シャフト1009は、傾斜溝1022の一方の端部からもう一方の端部までの角度の変化によって決定される分だけ、軸線A周りに回転することができる(図7)。弁の状態は、動作停止状態/閉状態(図4a)から動作状態/開状態(図4b)へ、およびその逆で、変化する。システムは状態を変化させることはなく、この間、図7に示されるように、軸受球1008は依然として第1の領域1062または第3の領域1066内にあり、それにより使用者の追加の安全性を提供し、ハンドル1002の不慮の/意図されない小さい移動により弁1000が閉状態(図4a)から開状態(図4b)へおよびその逆で変化することが防止される。
【0096】
図6図7、および図8a、図8bは、制御シャフト1009およびねじ付ストッパ1006の追加の図を提供するものであり、ねじ付ストッパ1006の内部ダクト1029と、制御シャフト1009の一部分がそこを貫通して延在する孔1032と、を示しており、また、動作停止機構1004の機械的デザインのより良好な着想を提供する。
【0097】
制御シャフトの下方の弁のすべての部品は標準的なものであることに留意されたい。したがって、新規のパートは多様な弁ボディに後付けされ得る。
【0098】
現在、これらの実施形態は最良に動作すると考えられるが、他の実施形態もまた満足できるものである。
【0099】
外部ラッチ1003は、図2図8に示されるように、空気圧式作動式1000の多くの実施形態に含まれる。外部ラッチ1003は、例えば弁1000のおよび/または弁1000の近傍にある設備の保守管理中に、安全性をさらに必要とする状況において、弁を閉状態でロックするのに使用される。
【0100】
図8aに示されるように、ねじ付ストッパ1006を通って延在する取付孔1072が、弁1000の構築を支援するために、または、市販の弁に新しい機構を適切に後付けするために、使用され得る。組み立て中に制御シャフト1009が誤った位置に回転しないように、制御シャフト1009の固定を支援するためにねじまたはボルト(図示せず)が挿入されてもよい。
【0101】
他の実施形態が示される構造から有意に逸脱してもよく、特許請求の範囲に従って同じ効果を得るように同様の動作を実施することができること、ただし、これらの他の実施形態のすべてが現在知られていない我々の知識の最良の形態に対するものであること、およびこれらの他の実施形態のすべてが市販されていないこと、が認識されよう。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノーマルクローズ弁であって、
流体入口および流体出口を有するシートと、
ダイヤフラム、外部ハンドル、ならびに、外部ハンドルおよびダイヤフラムに動作可能に連結された内部安全機構と、
を備え、
弁はハンドルを第1の方向へ押し進めることを可能にするように構成され、それにより、少なくとも第1のステージおよびその後の第2のステージを通して内部安全機構を移動させ、
第1のステージの間、
ダイヤフラムはシート上へ押圧され、
内部安全機構を通る加圧空気の流れは阻止され、
弁内に閉じ込められた空気は放出され、
それにより弁を閉状態にするか、または閉状態に維持し、
第2のステージの間、
内部安全機構を通る加圧空気の流れ可能となり、そこを通過した後の加圧空気は、シート上へダイヤフラムを押圧することに抗するように作用し、かつ空気の放出は低減され、
それにより弁を開状態にするかまたは開状態に維持する、
ノーマルクローズ弁。
【請求項2】
弁は、第1の方向とは反対の第2の方向にハンドルを押し進めることを可能にするようにさらに構成され、それにより、少なくとも第2のステージおよびその後の第1のステージを通して内部安全機構を移動させる、請求項1に記載の弁。
【請求項3】
弁は、中間ステージを通して内部安全機構を移動させることを可能にするようにさらに構成される、請求項1または2に記載の弁。
【請求項4】
中間ステージの間、弁は閉状態にある、請求項3に記載の弁。
【請求項5】
内部安全機構をダイヤフラムに機械的に連結するピストンをさらに備え、第1のステージの間、内部安全機構はダイヤフラムに向けてピストンを押す、請求項1または2に記載の弁。
【請求項6】
内部安全機構をダイヤフラムに機械的に連結するピストンをさらに備え、第1のステージの間、内部安全機構はダイヤフラムに向けてピストンを押す、請求項に記載の弁。
【請求項7】
内部安全機構をダイヤフラムに機械的に連結するピストンをさらに備え、第1のステージの間、内部安全機構はダイヤフラムに向けてピストンを押す、請求項に記載の弁。
【請求項8】
内部安全機構は、
空気圧式動作停止機構と、制御シャフトと、動作停止機構および制御シャフトを通って延在する一連のダクトと、
を備え、
内部安全機構を移動させることは、動作停止機構に対して制御シャフトを移動させることを含み、
第2のステージの間、一連のダクトは位置合わせされる、請求項1または2に記載の弁。
【請求項9】
内部安全機構は、
空気圧式動作停止機構と、制御シャフトと、動作停止機構および制御シャフトを通って延在する一連のダクトと、
を備え、
内部安全機構を移動させることは、動作停止機構に対して制御シャフトを移動させることを含み、
第2のステージの間、一連のダクトは位置合わせされる、請求項に記載の弁。
【請求項10】
内部安全機構は、
空気圧式動作停止機構と、制御シャフトと、動作停止機構および制御シャフトを通って延在する一連のダクトと、
を備え、
内部安全機構を移動させることは、動作停止機構に対して制御シャフトを移動させることを含み、
第2のステージの間、一連のダクトは位置合わせされる、請求項に記載の弁。
【請求項11】
内部安全機構は、
空気圧式動作停止機構と、制御シャフトと、動作停止機構および制御シャフトを通って延在する一連のダクトと、
を備え、
内部安全機構を移動させることは、動作停止機構に対して制御シャフトを移動させることを含み、
第2のステージの間、一連のダクトは位置合わせされる、請求項に記載の弁。
【請求項12】
内部安全機構は、制御シャフトに向けて動作停止機構を付勢するための弾性手段をさらに備える、請求項8に記載の弁。
【請求項13】
内部安全機構は、動作停止機構と制御シャフトとの間を密閉するためのシール手段をさらに備える、請求項に記載の弁。
【請求項14】
内部安全機構は、動作停止機構と制御シャフトとの間を密閉するためのシール手段をさらに備える、請求項12に記載の弁。
【請求項15】
ねじ付ストッパであって、ストッパダクトおよびハウジングチャンバを具備し、ストッパダクトはハウジングチャンバの壁を通って延在し、かつ一連のダクトの一要素である、ねじ付ストッパをさらに備え、
動作停止機構はハウジングチャンバ内に位置し、
動作停止機構は、
動作停止機構ダクトを具備する動作停止シャフトと、
制御シャフトに向けて動作停止シャフトを付勢するための動作停止ばねと、
動作停止機構ダクトおよび制御シャフトダクトが位置合わせされるときに動作停止機構ダクトと制御シャフトダクトとの間を密閉するための少なくとも1つのOリングと、
を備える、請求項8に記載の弁。
【請求項16】
ねじ付ストッパであって、ストッパダクトおよびハウジングチャンバを具備し、ストッパダクトはハウジングチャンバの壁を通って延在し、かつ一連のダクトの一要素である、ねじ付ストッパをさらに備え、
動作停止機構はハウジングチャンバ内に位置し、
動作停止機構は、
動作停止機構ダクトを具備する動作停止シャフトと、
制御シャフトに向けて動作停止シャフトを付勢するための動作停止ばねと、
動作停止機構ダクトおよび制御シャフトダクトが位置合わせされるときに動作停止機構ダクトと制御シャフトダクトとの間を密閉するための少なくとも1つのOリングと、
を備える、請求項12に記載の弁。
【請求項17】
ねじ付ストッパは、
第1の領域および第2の領域を各々具備する少なくとも1つの溝と、
内部安全機構であって、少なくとも1つの軸受球を具備し、軸受球の各々は制御シャフト上で保持されて少なくとも1つの溝のうちの1つの溝内に位置する内部安全機構と、
をさらに備え、
外部ハンドルを回すことにより、少なくとも1つの軸受球は少なくとも1つの溝に沿って移動し、
少なくとも1つの軸受球が第1の領域にあるとき、内部安全機構は第1のステージを経て移動し、少なくとも1つの軸受球が第2の領域にあるとき、内部安全機構は第2のステージを経て移動する、請求項15に記載の弁。
【請求項18】
少なくとも1つの溝は中間領域をさらに備え、
少なくとも1つの軸受球が中間領域にあるとき、内部安全機構は中間ステージを経て移動する、請求項17に記載の弁。
【国際調査報告】