(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】画素駆動回路およびその駆動方法、並びに表示パネル
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20240725BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240725BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240725BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20240725BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 680G
G09G3/20 611E
G09G3/20 611H
G09G3/20 641R
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H10K59/123
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549925
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 CN2021109900
(87)【国際公開番号】W WO2023004818
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】黄 耀
(72)【発明者】
【氏名】王 本▲蓮▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 明
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲ラン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲カイ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ ▲ウェイ▼▲贇▼
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本開示は、画素駆動回路およびその駆動方法、並びに表示パネルに関する。画素駆動回路は、駆動トランジスタ(T3)、データ書き込み回路(7)、閾値補償回路(8)、第1コンデンサ(C1)、第2コンデンサ(C2)を含む。駆動トランジスタ(T3)は、ゲートが第1ノード(N1)に接続され、第1極が第2ノード(N2)に接続され、第2極が第3ノード(N3)に接続される。データ書き込み回路(7)は、第1ゲート駆動信号端(G1)の信号に応答して、データ信号端(Da)の信号を第2ノード(N2)に伝送する。閾値補償回路(8)は、第2ゲート駆動信号端(G2)の信号に応答して、第1ノード(N1)と第3ノード(N3)とを連通する。第1コンデンサ(C1)は、第1ノード(N1)と第1ゲート駆動信号端(G1)との間に接続される。第2コンデンサ(C2)は、第1ノード(N1)と第2ゲート駆動信号端(G2)との間に接続される。データ書き込み回路(7)の導通レベルはローレベルであり、閾値補償回路(8)の導通レベルはハイレベルであり、第1コンデンサ(C1)の容量値は第2コンデンサ(C2)の容量値より大きい。この画素駆動回路が適用される表示パネルは、消費電力が低い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素駆動回路であって、
ゲートが第1ノードに接続され、第1極が第2ノードに接続され、第2極が第3ノードに接続される駆動トランジスタと、
前記第2ノードおよびデータ信号端に接続され、第1ゲート駆動信号端の信号に応答して、前記データ信号端の信号を前記第2ノードに伝送するデータ書き込み回路と、
前記第1ノード、第3ノードおよび第2ゲート駆動信号端に接続され、前記第2ゲート駆動信号端の信号に応答して、前記第1ノードと前記第3ノードとを連通する閾値補償回路と、
前記第1ノードと前記第1ゲート駆動信号端との間に接続される第1コンデンサと、
前記第1ノードと前記第2ゲート駆動信号端との間に接続される第2コンデンサと、を含み、
前記データ書き込み回路の導通レベルはローレベルであり、前記閾値補償回路の導通レベルはハイレベルであり、前記第1コンデンサの容量値は前記第2コンデンサの容量値より大きい
ことを特徴とする画素駆動回路。
【請求項2】
前記第1コンデンサの容量値はC1であり、前記第2コンデンサの容量値はC2であり、C1/C2は1.5以上4以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の画素駆動回路。
【請求項3】
前記データ書き込み回路は、P型の第4トランジスタを含み、
前記P型の第4トランジスタは、ゲートが前記第1ゲート駆動信号端に接続され、第1極が前記第2ノードに接続され、第2極が前記データ信号端に接続され、
前記閾値補償回路は、N型の第2トランジスタを含み、
前記N型の第2トランジスタは、ゲートが前記第2ゲート駆動信号端に接続され、第1極が前記第1ノードに接続され、第2極が前記第3ノードに接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の画素駆動回路。
【請求項4】
前記駆動トランジスタはP型のトランジスタであり、
前記画素駆動回路は、さらに、
第2電源端、第2ノード、第3ノード、第4ノード、およびイネーブル信号端に接続され、前記イネーブル信号端の信号に応答して、前記第2電源端の信号を前記第2ノードに伝送し、前記イネーブル信号端の信号に応答して、前記第3ノードと前記第4ノードとを連通する制御回路と、
前記第1ノードと前記第2電源端との間に接続される結合回路と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の画素駆動回路。
【請求項5】
前記画素駆動回路は、さらに、
前記第1ノード、第1初期信号端、および第1リセット信号端に接続され、前記第1リセット信号端の信号に応答して、前記第1初期信号端の信号を前記第1ノードに伝送する第1リセット回路を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の画素駆動回路。
【請求項6】
前記第4ノードは発光部に接続され、
前記画素駆動回路は、さらに、
前記第4ノード、第2初期信号端、および第3リセット信号端に接続され、前記第3リセット信号端の信号に応答して、前記第2初期信号端の信号を前記第4ノードに伝送する第3リセット回路を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の画素駆動回路。
【請求項7】
前記画素駆動回路は、さらに、
前記第2ノードおよび第1電源端に接続され、制御信号に応答して、前記第1電源端の信号を前記第2ノードに伝送する第2リセット回路を含む
ことを特徴とする請求項5に記載の画素駆動回路。
【請求項8】
前記駆動トランジスタはP型のトランジスタであり、
前記画素駆動回路は、さらに、
第2電源端、第2ノード、第3ノード、第4ノード、およびイネーブル信号端に接続され、前記イネーブル信号端の信号に応答して、前記第2電源端の信号を前記第2ノードに伝送し、前記イネーブル信号端の信号に応答して、前記第3ノードと前記第4ノードとを連通する制御回路と、
前記第4ノード、第2初期信号端、および第3リセット信号端に接続され、前記第3リセット信号端の信号に応答して、前記第2初期信号端の信号を前記第4ノードに伝送する第3リセット回路と、を含み、
前記第1リセット回路の導通信号は、前記第3リセット回路の導通信号と極性が逆であり、前記第1リセット信号端の信号は、前記第3リセット信号端の信号と極性が逆であり、
前記第2リセット回路の導通レベルは、前記第1リセット回路の導通レベルと極性が逆であり、
前記第2リセット回路は、前記第3リセット信号端にも接続され、前記第2リセット回路は、前記第3リセット信号端の信号に応答して、前記第1電源端の信号を前記第2ノードに伝送する
ことを特徴とする請求項7に記載の画素駆動回路。
【請求項9】
前記第1電源端は、前記第2電源端と共有される
ことを特徴とする請求項8に記載の画素駆動回路。
【請求項10】
前記結合回路は、
前記第1ノードと前記第2電源端との間に接続される第3コンデンサを含み、
前記第3コンデンサの容量値は、前記第1コンデンサの容量値より大きく、前記第3コンデンサの容量値は、前記第2コンデンサの容量値より大きい
ことを特徴とする請求項4に記載の画素駆動回路。
【請求項11】
前記制御回路は、
ゲートが前記イネーブル信号端に接続され、第1極が前記第2電源端に接続され、第2極が前記第2ノードに接続される第5トランジスタと、
ゲートが前記イネーブル信号端に接続され、第1極が前記第3ノードに接続され、第2極が前記第4ノードに接続される第6トランジスタと、を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の画素駆動回路。
【請求項12】
前記第1リセット回路は、第1トランジスタを含み、
前記第1トランジスタは、ゲートが前記第1リセット信号端に接続され、第1極が前記第1初期信号端に接続され、第2極が前記第1ノードに接続され、
前記第3リセット回路は、第7トランジスタを含み、
前記第7トランジスタは、ゲートが前記第3リセット信号端に接続され、第1極が前記第2初期信号端に接続され、第2極が前記第4ノードに接続され、
前記第2リセット回路は、第8トランジスタを含み、
前記第8トランジスタは、ゲートが前記第3リセット信号端に接続され、第1極が前記第1電源端に接続され、第2極が前記第2ノードに接続され、
ここで、前記第1トランジスタはN型のトランジスタであり、第7トランジスタおよび第8トランジスタはP型のトランジスタである
ことを特徴とする請求項8に記載の画素駆動回路。
【請求項13】
前記データ書き込み回路は、第4トランジスタを含み、
前記第4トランジスタは、ゲートが前記第1ゲート駆動信号端に接続され、第1極が前記第2ノードに接続され、第2極が前記データ信号端に接続され、
前記閾値補償回路は、第2トランジスタを含み、
前記第2トランジスタは、ゲートが前記第2ゲート駆動信号端に接続され、第1極が前記第1ノードに接続され、第2極が前記第3ノードに接続され、
前記画素駆動回路は、制御回路、結合回路、第1リセット回路、第3リセット回路、および第2リセット回路をさらに含み、
前記制御回路は、
ゲートがイネーブル信号端に接続され、第1極が第2電源端に接続され、第2極が前記第2ノードに接続される第5トランジスタと、
ゲートが前記イネーブル信号端に接続され、第1極が前記第3ノードに接続され、第2極が第4ノードに接続される第6トランジスタと、を含み、
前記結合回路は、
前記第1ノードと前記第2電源端との間に接続される第3コンデンサを含み、
前記第1リセット回路は、
ゲートが第1リセット信号端に接続され、第1極が第1初期信号端に接続され、第2極が前記第1ノードに接続される第1トランジスタを含み、
前記第3リセット回路は、
ゲートが第3リセット信号端に接続され、第1極が第2初期信号端に接続され、第2極が前記第4ノードに接続される第7トランジスタを含み、
前記第2リセット回路は、
ゲートが前記第3リセット信号端に接続され、第1極が第1電源端に接続され、第2極が前記第2ノードに接続される第8トランジスタを含み、
ここで、前記第1トランジスタおよび第2トランジスタは酸化物トランジスタであり、前記駆動トランジスタ、第4トランジスタ、第5トランジスタ、第6トランジスタ、第7トランジスタおよび第8トランジスタは低温ポリシリコントランジスタである
ことを特徴とする請求項1に記載の画素駆動回路。
【請求項14】
請求項13に記載の画素駆動回路を駆動する画素駆動回路の駆動方法であって、
リセット段階において、前記イネーブル信号端、第1リセット信号端および第1ゲート駆動信号端にハイレベルの信号を入力し、前記第2ゲート駆動信号端および第3リセット信号端にローレベルの信号を入力することと、
閾値補償段階において、前記イネーブル信号端、第2ゲート駆動信号端および第3リセット信号端にハイレベルの信号を入力し、前記第1リセット信号端および第1ゲート駆動信号端にローレベルの信号を入力することと、
発光段階において、前記第3リセット信号端および第1ゲート駆動信号端にハイレベルの信号を入力し、前記イネーブル信号端、第2ゲート駆動信号端および第1リセット信号端にローレベルの信号を入力することと、を含む
ことを特徴とする画素駆動回路の駆動方法。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の画素駆動回路を備える表示パネル。
【請求項16】
画素駆動回路を備える表示パネルであって、
前記画素駆動回路は、
駆動トランジスタと、
ゲートが第2ゲート線および第3ゲート線に接続され、第1極が前記駆動トランジスタのゲートに接続され、第2極が前記駆動トランジスタの第2極に接続されるN型の第2トランジスタと、
ゲートが第1ゲート線に接続され、第1極がデータ線に接続され、第2極が前記駆動トランジスタの第1極に接続されるP型の第4トランジスタと、
第1電極が前記第1ゲート線に接続され、第2電極が前記駆動トランジスタのゲートに接続される第1コンデンサと、
第1電極が前記第2ゲート線及び前記第3ゲート線に接続され、第2電極が前記駆動トランジスタのゲートに接続される第2コンデンサと、を含み、
前記第1ゲート線の信号は、前記第2ゲート線の信号と極性が逆であり、前記第1コンデンサの容量値は前記第2コンデンサの容量値より大きく、
前記表示パネルは、さらに、
ベース基板と、
前記ベース基板の一方の側に位置し、第1導電部および前記第1ゲート線を含み、前記第1導電部は前記駆動トランジスタのゲートを形成するために用いられ、前記ベース基板上の前記第1ゲート線の正投影は第1方向に沿って延在する第1導電層と、
前記第1導電層の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記第2ゲート線を含み、前記ベース基板上の前記第2ゲート線の正投影は前記第1方向に沿って延在する第2導電層と、
前記第2導電層の前記ベース基板から離れた側に位置し、第1活性部、第2活性部、および第3活性部を含み、前記第2活性部は、前記第1活性部と前記第3活性部との間に接続され、前記第1活性部は、前記第2トランジスタのチャネル領域を形成するために用いられ、前記ベース基板上の前記第2ゲート線の正投影は、前記ベース基板上の前記第1活性部の正投影を覆う第2活性層と、
前記第2活性層の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記第3ゲート線を含み、前記ベース基板上の前記第3ゲート線の正投影は前記第1方向に沿って延在し、前記ベース基板上の前記第3ゲート線の正投影は、前記ベース基板上の前記第1活性部の正投影を覆う第3導電層と、
前記第3導電層の前記ベース基板から離れた側に位置し、接続部を含み、前記接続部は、ビアホールを介して前記第1導電部および前記第3活性部にそれぞれ接続される第4導電層と、を含み、
前記第1ゲート線は第1延長部を備え、前記ベース基板上の前記第1延長部の正投影は、前記ベース基板上の前記第3活性部の正投影と重なり、前記第1延長部は前記第1コンデンサの第1電極を形成するために用いられ、前記第3活性部は前記第1コンデンサの第2電極を形成するために用いられ、
前記第2ゲート線は第2延長部を備え、前記ベース基板上の前記第2延長部の正投影は、前記ベース基板上の前記第2活性部の正投影と重なり、前記ベース基板上の前記第3ゲート線の正投影は、前記ベース基板上の前記第2活性部の正投影の一方の側に位置し、前記第2延長部は第2コンデンサの第1電極の一部を形成するために用いられ、前記第2活性部は前記第2コンデンサの第2電極の一部を形成するために用いられ、
前記第3ゲート線は第3延長部を備え、前記接続部は第4延長部を備え、前記ベース基板上の前記第3延長部の正投影は、前記ベース基板上の前記第4延長部の正投影と重なり、前記第3延長部は前記第2コンデンサの第1電極の一部を形成するために用いられ、前記第4延長部は前記第2コンデンサの第2電極の一部を形成するために用いられる
ことを特徴とする表示パネル。
【請求項17】
前記ベース基板上の前記第3活性部の正投影の前記第1方向におけるサイズは、前記ベース基板上の前記第2活性部の正投影の前記第1方向におけるサイズより大きい
ことを特徴とする請求項16に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術の分野に関し、特に、画素駆動回路およびその駆動方法、並びに表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術において、発光段階における駆動トランジスタのリーク電流を低減するために、低温多結晶酸化物(Low temperature polycrystalline oxide,LTPO)技術を用いて画素駆動回路を形成することができる。
【0003】
LTPO技術によって形成された表示パネルには、N型の酸化物トランジスタおよびP型の低温ポリシリコントランジスタが含まれる。酸化物トランジスタにはゲート駆動信号を供給するための別のゲート線が必要であり、ゲート線の電圧変化は表示パネルの通常の駆動に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
上記の背景技術で開示された情報は、本開示の背景の理解を高めることだけを目的としており、したがって、当業者に知られている従来技術を構成しない情報が含まれる可能性があることに留意されたい。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様によれば、画素駆動回路が提供される。前記画素駆動回路は、駆動トランジスタ、データ書き込み回路、閾値補償回路、第1コンデンサおよび第2コンデンサを含む。駆動トランジスタは、ゲートが第1ノードに接続され、第1極が第2ノードに接続され、第2極が第3ノードに接続される。データ書き込み回路は、前記第2ノードおよびデータ信号端に接続され、第1ゲート駆動信号端の信号に応答して、前記データ信号端の信号を前記第2ノードに伝送する。閾値補償回路は、前記第1ノード、第3ノードおよび第2ゲート駆動信号端に接続され、前記第2ゲート駆動信号端の信号に応答して、前記第1ノードと前記第3ノードとを連通する。第1コンデンサは、前記第1ノードと前記第1ゲート駆動信号端との間に接続される。第2コンデンサは、前記第1ノードと前記第2ゲート駆動信号端との間に接続される。前記データ書き込み回路の導通レベルはローレベルであり、前記閾値補償回路の導通レベルはハイレベルであり、前記第1コンデンサの容量値は前記第2コンデンサの容量値より大きい。
【0006】
本開示の例示的な実施形態において、前記第1コンデンサの容量値はC1であり、前記第2コンデンサの容量値はC2であり、C1/C2は1.5以上4以下である。
【0007】
本開示の例示的な実施形態において、前記データ書き込み回路は、P型の第4トランジスタを含み、前記P型の第4トランジスタは、ゲートが前記第1ゲート駆動信号端に接続され、第1極が前記第2ノードに接続され、第2極が前記データ信号端に接続され、前記閾値補償回路は、N型の第2トランジスタを含み、前記N型の第2トランジスタは、ゲートが前記第2ゲート駆動信号端に接続され、第1極が前記第1ノードに接続され、第2極が前記第3ノードに接続される。
【0008】
本開示の例示的な実施形態において、前記駆動トランジスタはP型のトランジスタであり、前記画素駆動回路は、さらに、制御回路と結合回路とを含む。制御回路は、第2電源端、第2ノード、第3ノード、第4ノード、およびイネーブル信号端に接続され、前記イネーブル信号端の信号に応答して、前記第2電源端の信号を前記第2ノードに伝送し、前記イネーブル信号端の信号に応答して、前記第3ノードと前記第4ノードとを連通する。結合回路は、前記第1ノードと前記第2電源端との間に接続される。
【0009】
本開示の例示的な実施形態において、前記画素駆動回路は、さらに、前記第1ノード、第1初期信号端、および第1リセット信号端に接続され、前記第1リセット信号端の信号に応答して、前記第1初期信号端の信号を前記第1ノードに伝送する第1リセット回路を含む。
【0010】
本開示の例示的な実施形態において、前記第4ノードは発光部に接続され、前記画素駆動回路は、さらに、前記第4ノード、第2初期信号端、および第3リセット信号端に接続され、前記第3リセット信号端の信号に応答して、前記第2初期信号端の信号を前記第4ノードに伝送する第3リセット回路を含む。
【0011】
本開示の例示的な実施形態において、前記画素駆動回路は、さらに、前記第2ノードおよび第1電源端に接続され、制御信号に応答して、前記第1電源端の信号を前記第2ノードに伝送する第2リセット回路を含む。
【0012】
本開示の例示的な実施形態において、前記駆動トランジスタはP型のトランジスタであり、前記画素駆動回路は、さらに、制御回路と第3リセット回路とを含む。制御回路は、第2電源端、第2ノード、第3ノード、第4ノード、およびイネーブル信号端に接続され、前記イネーブル信号端の信号に応答して、前記第2電源端の信号を前記第2ノードに伝送し、前記イネーブル信号端の信号に応答して、前記第3ノードと前記第4ノードとを連通する。第3リセット回路は、前記第4ノード、第2初期信号端、および第3リセット信号端に接続され、前記第3リセット信号端の信号に応答して、前記第2初期信号端の信号を前記第4ノードに伝送する。前記第1リセット回路の導通信号は、前記第3リセット回路の導通信号と極性が逆であり、前記第1リセット信号端の信号は、前記第3リセット信号端の信号と極性が逆であり、前記第2リセット回路の導通レベルは、前記第1リセット回路の導通レベルと極性が逆であり、前記第2リセット回路は、前記第3リセット信号端にも接続され、前記第3リセット信号端の信号に応答して、前記第1電源端の信号を前記第2ノードに伝送する。
【0013】
本開示の例示的な実施形態において、前記第1電源端は、前記第2電源端と共有される。
【0014】
本開示の例示的な実施形態において、前記結合回路は、前記第1ノードと前記第2電源端との間に接続される第3コンデンサを含み、前記第3コンデンサの容量値は、前記第1コンデンサの容量値より大きく、前記第3コンデンサの容量値は、前記第2コンデンサの容量値より大きい。
【0015】
本開示の例示的な実施形態において、前記制御回路は、ゲートが前記イネーブル信号端に接続され、第1極が前記第2電源端に接続され、第2極が前記第2ノードに接続される第5トランジスタと、ゲートが前記イネーブル信号端に接続され、第1極が前記第3ノードに接続され、第2極が前記第4ノードに接続される第6トランジスタと、を含む。
【0016】
本開示の例示的な実施形態において、前記第1リセット回路は、第1トランジスタを含み、前記第1トランジスタは、ゲートが前記第1リセット信号端に接続され、第1極が前記第1初期信号端に接続され、第2極が前記第1ノードに接続され、前記第3リセット回路は、第7トランジスタを含み、前記第7トランジスタは、ゲートが前記第3リセット信号端に接続され、第1極が前記第2初期信号端に接続され、第2極が前記第4ノードに接続され、前記第2リセット回路は、第8トランジスタを含み、前記第8トランジスタは、ゲートが前記第3リセット信号端に接続され、第1極が前記第1電源端に接続され、第2極が前記第2ノードに接続され、ここで、前記第1トランジスタはN型のトランジスタであり、第7トランジスタおよび第8トランジスタはP型のトランジスタである。
【0017】
本開示の例示的な実施形態において、前記データ書き込み回路は、第4トランジスタを含み、前記第4トランジスタは、ゲートが前記第1ゲート駆動信号端に接続され、第1極が前記第2ノードに接続され、第2極が前記データ信号端に接続され、前記閾値補償回路は、第2トランジスタを含み、前記第2トランジスタは、ゲートが前記第2ゲート駆動信号端に接続され、第1極が前記第1ノードに接続され、第2極が前記第3ノードに接続され、前記画素駆動回路は、制御回路、結合回路、第1リセット回路、第3リセット回路、および第2リセット回路をさらに含み、前記制御回路は、ゲートがイネーブル信号端に接続され、第1極が第2電源端に接続され、第2極が前記第2ノードに接続される第5トランジスタと、ゲートが前記イネーブル信号端に接続され、第1極が前記第3ノードに接続され、第2極が第4ノードに接続される第6トランジスタと、を含み、前記結合回路は、前記第1ノードと前記第2電源端との間に接続される第3コンデンサを含み、前記第1リセット回路は、ゲートが第1リセット信号端に接続され、第1極が第1初期信号端に接続され、第2極が前記第1ノードに接続される第1トランジスタを含み、前記第3リセット回路は、ゲートが第3リセット信号端に接続され、第1極が第2初期信号端に接続され、第2極が前記第4ノードに接続される第7トランジスタを含み、前記第2リセット回路は、ゲートが前記第3リセット信号端に接続され、第1極が第1電源端に接続され、第2極が前記第2ノードに接続される第8トランジスタを含み、ここで、前記第1トランジスタおよび第2トランジスタは酸化物トランジスタであり、前記駆動トランジスタ、第4トランジスタ、第5トランジスタ、第6トランジスタ、第7トランジスタおよび第8トランジスタは低温ポリシリコントランジスタである。
【0018】
本開示の一態様によれば、上記の画素駆動回路を駆動する画素駆動回路の駆動方法が提供され、
リセット段階において、前記イネーブル信号端、第1リセット信号端および第1ゲート駆動信号端にハイレベルの信号を入力し、前記第2ゲート駆動信号端および第3リセット信号端にローレベルの信号を入力することと、
閾値補償段階において、前記イネーブル信号端、第2ゲート駆動信号端および第3リセット信号端にハイレベルの信号を入力し、前記第1リセット信号端および第1ゲート駆動信号端にローレベルの信号を入力することと、
発光段階において、前記第3リセット信号端および第1ゲート駆動信号端にハイレベルの信号を入力し、前記イネーブル信号端、第2ゲート駆動信号端および第1リセット信号端にローレベルの信号を入力することと、を含む。
【0019】
本開示の一態様によれば、上記の画素駆動回路を備える表示パネルが提供される。
【0020】
本開示の一態様によれば、画素駆動回路を備える表示パネルが提供される。前記画素駆動回路は、駆動トランジスタと、ゲートが第2ゲート線および第3ゲート線に接続され、第1極が前記駆動トランジスタのゲートに接続され、第2極が前記駆動トランジスタの第2極に接続されるN型の第2トランジスタと、ゲートが第1ゲート線に接続され、第1極がデータ線に接続され、第2極が前記駆動トランジスタの第1極に接続されるP型の第4トランジスタと、第1電極が前記第1ゲート線に接続され、第2電極が前記駆動トランジスタのゲートに接続される第1コンデンサと、第1電極が前記第2ゲート線及び前記第3ゲート線に接続され、第2電極が前記駆動トランジスタのゲートに接続される第2コンデンサと、を含み、前記第1ゲート線の信号の極性は前記第2ゲート線の信号の極性と逆であり、前記第1コンデンサの容量値は前記第2コンデンサの容量値より大きい。前記表示パネルは、さらに、ベース基板と、第1導電層と、第2導電層と、第2活性層と、第3導電層と、第4導電層とを含み、第1導電層は、前記ベース基板の一方の側に位置し、第1導電部および前記第1ゲート線を含み、前記第1導電部は前記駆動トランジスタのゲートを形成するために用いられ、前記ベース基板上の前記第1ゲート線の正投影は第1方向に沿って延在する。第2導電層は、前記第1導電層の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記第2ゲート線を含み、前記ベース基板上の前記第2ゲート線の正投影は前記第1方向に沿って延在する。第2活性層は、前記第2導電層の前記ベース基板から離れた側に位置し、第1活性部、第2活性部、および第3活性部を含み、前記第2活性部は、前記第1活性部と前記第3活性部との間に接続され、前記第1活性部は、前記第2トランジスタのチャネル領域を形成するために用いられ、前記ベース基板上の前記第2ゲート線の正投影は、前記ベース基板上の前記第1活性部の正投影を覆う。第3導電層は、前記第2活性層の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記第3ゲート線を含み、前記ベース基板上の前記第3ゲート線の正投影は前記第1方向に沿って延在し、前記ベース基板上の前記第3ゲート線の正投影は、前記ベース基板上の前記第1活性部の正投影を覆う。第4導電層は、前記第3導電層の前記ベース基板から離れた側に位置し、接続部を含み、前記接続部は、ビアホールを介して前記第1導電部および前記第3活性部にそれぞれ接続される。前記第1ゲート線は第1延長部を備え、前記ベース基板上の前記第1延長部の正投影は、前記ベース基板上の前記第3活性部の正投影と重なり、前記第1延長部は前記第1コンデンサの第1電極を形成するために用いられ、前記第3活性部は前記第1コンデンサの第2電極を形成するために用いられる。前記第2ゲート線は第2延長部を備え、前記ベース基板上の前記第2延長部の正投影は、前記ベース基板上の前記第2活性部の正投影と重なり、前記ベース基板上の前記第3ゲート線の正投影は、前記ベース基板上の前記第2活性部の正投影の一方の側に位置し、前記第2延長部は第2コンデンサの第1電極の一部を形成するために用いられ、前記第2活性部は前記第2コンデンサの第2電極の一部を形成するために用いられる。前記第3ゲート線は第3延長部を備え、前記接続部は第4延長部を備え、前記ベース基板上の前記第3延長部の正投影は、前記ベース基板上の前記第4延長部の正投影と重なり、前記第3延長部は前記第2コンデンサの第1電極の一部を形成するために用いられ、前記第4延長部は前記第2コンデンサの第2電極の一部を形成するために用いられる。
【0021】
本開示の例示的な実施形態において、前記ベース基板上の前記第3活性部の正投影の前記第1方向におけるサイズは、前記ベース基板上の前記第2活性部の正投影の前記第1方向におけるサイズより大きい。
【0022】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はいずれも例示的かつ説明的なものにすぎず、本開示を限定するものではないことを理解されたい。
ここでの図面は、明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成し、本開示と一致する実施形態を示し、本開示の原理を説明するために明細書とともに構成される。以下の説明における図面はいくつかの例示的な実施形態にすぎず、当業者は創造的な努力なしにこれらの図面に従って他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】従来技術における画素駆動回路の回路構成を示す概略図である。
【
図2】
図1の画素駆動回路の駆動方法における各ノードのタイミング図である。
【
図3】
図1の画素駆動回路の
図2に示す駆動方法における第1ノード、第2ノード、および第3ノードのシミュレーションタイミング図である。
【
図4】本開示の画素駆動回路の例示的な実施形態の概略構造図である。
【
図5】本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。
【
図6】本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。
【
図7】本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。
【
図8】
図7の画素駆動回路の駆動方法における各ノードのタイミング図である。
【
図9】
図7の画素駆動回路の
図8に示す駆動方法における第1ノード、第2ノード、および第3ノードのシミュレーションタイミング図である。
【
図10】本開示の画素駆動回路の例示的な実施形態の構造図である。
【
図11】本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。
【
図12】本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。
【
図13】
図12の画素駆動回路の駆動方法における各ノードのタイミング図である。
【
図14】本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。
【
図15】本開示の表示パネルの例示的な実施形態における画素駆動回路の分布図である。
【
図16】本開示の表示パネルの他の例示的な実施形態における画素駆動回路の分布図である。
【
図17】本開示の表示パネルの他の例示的な実施形態における画素駆動回路の分布図である。
【
図18】本開示の表示パネルの例示的な実施形態の部分的な構造レイアウトである。
【
図19】
図18の第1導電層の構造レイアウトを示す図である。
【
図20】
図18の第2導電層の構造レイアウトを示す図である。
【
図21】
図18の第2活性層の構造レイアウトを示す図である。
【
図22】
図18の第3導電層の構造レイアウトを示す図である。
【
図23】
図18の第4導電層の構造レイアウトを示す図である。
【
図24】
図18の第1導電層、第2導電層および第2活性層の構造レイアウトを示す図である。
【
図25】
図18の第1導電層、第2導電層、第2活性層および第3導電層の構造レイアウトを示す図である。
【
図27】本開示の一実施形態によって提供される画素回路の第1概略構造図である。
【
図28】本開示の一実施形態によって提供される画素回路の第2概略構造図である。
【
図29】本開示の一実施形態によって提供される第1リセットサブ回路の概略構造図である。
【
図30】本開示の一実施形態によって提供される補償サブ回路の概略構造図である。
【
図31】本開示の一実施形態によって提供される駆動サブ回路の概略構造図である。
【
図32】本開示の一実施形態によって提供される書き込みサブ回路の概略構造図である。
【
図33】本開示の一実施形態によって提供される第1発光制御サブ回路の概略構成図である。
【
図34】本開示の一実施形態によって提供される第2発光制御サブ回路の概略構成図である。
【
図35】本開示の一実施形態によって提供される第2リセットサブ回路の第1概略構造図である。
【
図36】本開示の一実施形態によって提供される第2リセットサブ回路の第2概略構造図である。
【
図37a】本開示の一実施形態によって提供される画素回路の第1等価回路図である。
【
図37b】本開示の一実施形態によって提供される画素回路の第2等価回路図である。
【
図38a】本開示の一実施形態によって提供される画素回路の第3等価回路図である。
【
図38b】本開示の一実施形態によって提供される画素回路の第3等価回路図である。
【
図39】
図37aまたは
図37bに示す画素回路の1スキャンサイクルにおける動作のタイミング図である。
【
図40】
図38aまたは
図38bに示す画素回路の1スキャンサイクルにおける動作のタイミング図である。
【
図41】
図37aに示す画素回路のリセット段階におけるトランジスタの動作状態を示す概略図である。
【
図42】
図37aに示す画素回路の再度設定段階におけるトランジスタの動作状態を示す概略図である。
【
図43】
図37aに示す画素回路のデータ書き込み段階におけるトランジスタの動作状態を示す概略図である。
【
図44】
図37aに示す画素回路の発光段階におけるトランジスタの動作状態を示す概略図である。
【
図45】本開示の一実施形態によって提供される画素回路の駆動方法の概略的なフローチャートである。
【
図46】本発明の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図47】本発明の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図48】本発明の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図49】本発明の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図50】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の回路図である。
【
図51】本開示の
図50に示される画素回路の少なくとも1つの実施形態の動作のタイミング図である。
【
図52】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の回路図である。
【
図53】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の回路図である。
【
図54】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の回路図である。
【
図55】画素回路の2つの隣接する行とリセット電圧線の同じ行との間の電気接続の概略図である。
【
図56】画素回路の2つの隣接する列とリセット電圧線の同じ列との間の電気接続の概略図である。
【
図57】隣接する行および隣接する列の画素回路によって共有されるリセット電圧線の概略図である。
【
図58】格子状に配置されたリセット電圧線と複数の画素回路との接続関係および位置関係を示す模式図である。
【
図59】本開示の少なくとも1つの実施形態による表示装置の構造図である。
【
図60】本開示の少なくとも1つの実施形態による表示装置の構造図である。
【
図61】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図62】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図63】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図64】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図65】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図66】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図67】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図68】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の回路図である。
【
図69】
図68に示される画素回路の少なくとも1つの実施形態の動作のタイミング図である。
【
図70】
図68に示される画素回路の少なくとも1つの実施形態の動作のタイミング図である。
【
図71】
図68に示される画素回路の少なくとも1つの実施形態の動作のタイミング図である。
【
図72】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図73】
図72に示される画素回路の少なくとも1つの実施形態の動作のタイミング図である。
【
図74】
図72に示される画素回路の少なくとも1つの実施形態の動作のタイミング図である。
【
図75】本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路の構造図である。
【
図76】
図75に示される画素回路の少なくとも1つの実施形態の動作のタイミング図である。
【
図77】本開示の少なくとも1つの実施形態による表示装置の構造図である。
【
図78】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る表示装置の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、例示的な実施形態について、添付の図面を参照してより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、多くの形態で具現化することができ、本明細書に記載される例に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、例示的な実施形態の概念が当業者に完全に伝えるために提供されるものである。なお、各図において同一の符号は同一または類似の構成を示しており、その詳細な説明は省略する。
【0025】
「1つの」、「一」、および「前記」という用語は、1つまたは複数の要素/コンポーネントなどがあることを示すように構成され、「含む」および「備える」という用語は、広く包括的な意味で使用され、列挙された要素/コンポーネントなどに加えて、追加の要素/コンポーネントなどがある可能性があることを意味する。
【0026】
図1は、従来技術における画素駆動回路の回路構成を示す概略図である。この画素駆動回路は、駆動トランジスタT3、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、第7トランジスタT7およびコンデンサCを含んでもよい。駆動トランジスタT3は、ゲートが第1ノードN1に接続され、第1極が第2ノードN2に接続され、第2極が第3ノードN3に接続される。第4トランジスタT4は、第1極がデータ信号端Daに接続され、第2極が第2ノードN2に接続され、ゲートがゲート駆動信号端G2に接続される。第5トランジスタT5は、第1極が第1電源端VDDに接続され、第2極が第2ノードN2に接続され、ゲートがイネーブル信号端EMに接続される。第2トランジスタT2は、第1極が第1ノードN1に接続され、第2極が第3ノードN3に接続され、ゲートがゲート駆動信号端G1に接続される。第6トランジスタT6は、第1極が第3ノードN3に接続され、第2極が第7トランジスタT7の第1極に接続され、ゲートがイネーブル信号端EMに接続される。第7トランジスタT7は、第2極が第2初期信号端Vinit2に接続され、ゲートが第2リセット信号端Re2に接続される。第1トランジスタT1は、第1極が第1ノードN1に接続され、第2極が第1初期信号端Vinit1に接続され、ゲートが第1リセット信号端Re1に接続される。コンデンサCは、第1電源端VDDと第1ノードN1との間に接続される。この画素駆動回路は、発光部OLEDを駆動して発光させるために発光部OLEDに接続されることができる。発光部OLEDは、第6トランジスタT6の第2極と電源端VSSとの間に接続される。第1トランジスタT1および第2トランジスタT2は、N型のトランジスタであってもよく、例えば、第1トランジスタT1および第2トランジスタT2は、N型金属酸化物トランジスタであってもよく、N型金属酸化物トランジスタは、リーク電流が小さいため、発光段階において、ノードNが第1トランジスタT1および第2トランジスタT2を介してリークすることを回避することができる。一方、駆動トランジスタT3、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、および第7トランジスタT7は、P型のトランジスタであってもよく、例えば、駆動トランジスタT3、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、および第7トランジスタT7は、P型低温ポリシリコントランジスタであってもよい。低温ポリシリコントランジスタはキャリア移動度が高いため、高解像度、高応答速度、高画素密度、高開口率の表示パネルの実現に役立つ。第1初期信号端と第2初期信号端は、実際の状況に応じて同じまたは異なる電圧信号を出力することができる。
【0027】
図2は、
図1の画素駆動回路の駆動方法における各ノードのタイミング図である。G1はゲート駆動信号端G1のタイミングを示し、G2はゲート駆動信号端G2のタイミングを示し、Re1は第1リセット信号端Re1のタイミングを示し、Re2は第2リセット信号端Re2のタイミングを示し、EMはイネーブル信号端EMのタイミングを示し、Daはデータ信号端Daのタイミングを示し、N1は第1ノードN1のタイミングを示す。この画素駆動回路の駆動方法は、第1リセット段階t1、閾値補償段階t2、第2リセット段階t3、および発光段階t4を含んでもよい。第1リセット段階t1では、第1リセット信号端Re1がハイレベルの信号を出力し、第1トランジスタT1がオンし、第1初期信号端Vinit1が第1ノードN1に初期信号を入力する。閾値補償段階t2では、ゲート駆動信号端G1がハイレベルの信号を出力し、ゲート駆動信号端G2がローレベルの信号を出力し、第4トランジスタT4と第2トランジスタT2がオンし、同時に、データ信号端Daは、ノードNに電圧Vdata+Vthを書き込むように駆動信号を出力する。ここで、Vdataは駆動信号の電圧であり、Vthは駆動トランジスタT3の閾値電圧である。第2リセット段階t3では、第2リセット信号端Re2がローレベルの信号を出力し、第7トランジスタT7がオンし、第2初期信号端Vinit2が第6トランジスタT6の第2極に初期信号を入力する。発光段階t4では、イネーブル信号端EMがローレベルの信号を出力し、第6トランジスタT6と第5トランジスタT5がオンし、コンデンサCに蓄えられた電圧Vdata+Vthの作用により駆動トランジスタT3が発光する。駆動トランジスタの出力電流の式I=(μWCox/2L)(Vgs-Vth)
2によると、μはキャリア移動度であり、Coxは単位面積当たりのゲート容量であり、Wは駆動トランジスタのチャネルの幅であり、Lは駆動トランジスタのチャネルの長さであり、Vgsは駆動トランジスタのゲート・ソース間電圧差であり、Vthは駆動トランジスタの閾値電圧である。本開示の画素駆動回路において、駆動トランジスタの出力電流はI=(μWCox/2L)(Vdata+Vth-Vdd-Vth)
2となる。この画素駆動回路は、駆動トランジスタの閾値がその出力電流に与える影響を回避することができる。
【0028】
関連技術では、画素駆動回路内の駆動トランジスタのゲートとソースとの間に寄生容量が存在し、画素駆動回路は、リセット段階において、駆動トランジスタのゲート電圧が初期化電圧に初期化され、上記の寄生容量のカップリング効果により、駆動トランジスタのソース電圧もそれに応じて変化する。リセット段階で異なる階調がリセットされると、駆動トランジスタのゲート電圧が異なる量で変化し、したがって駆動トランジスタのソース電圧も異なる量で変化し、その結果、リセット段階が完了した後、駆動トランジスタのVgs(ゲート・ソース間電圧差)が異なる。
図3は、
図1の画素駆動回路の
図2に示す駆動方法における第1ノード、第2ノード、および第3ノードのシミュレーションタイミング図であり、N1は第1ノードN1のタイミング図を示し、N2は第2ノードN2のタイミング図を示し、N3は第3ノードN3のタイミング図を示す。
図3は、4種類のデータ信号による、
図1に示された画素駆動回路の各ノードのタイミング図を具体的に示しており、
図3のリセット段階t1では、4種類のデータ信号による第1ノードN1をリセットする必要があり、本開示の例示的な実施形態では、2種類のデータ信号による各ノードのタイミングについて説明する。
図3に示すように、第1データ信号による各ノードのタイミングは曲線Vda1で示され、第2データ信号による各ノードのタイミングは曲線Vda2で示される。第1データ信号と第2データ信号の電圧が異なるため、リセット段階t1の前では、第1ノードN1の電圧が異なり、第3ノードN3の電圧も異なり、第2ノードの電圧はすべて第1電源端VDDの電圧である。リセット段階t1では、2種類のデータ信号による第1ノードN1の電圧はすべて初期化電圧まで引き下げられる。第1データ信号による第1ノードN1のプルダウン変化量は、第2データ信号による第1ノードN1のプルダウン変化量より小さいため、第1データ信号による第2ノードのプルダウン変化量は、第2データ信号による第2ノードN2のプルダウン変化量より小さい。すなわち、リセット段階では、第1データ信号による第2ノードN2の電圧は、第2データ信号による第2ノードN2の電圧よりも低いため、駆動トランジスタVgs(ゲート・ソース間電圧差)は、異なるデータ信号の下で異なる。さらに、駆動トランジスタのVgsがその閾値電圧に影響を与えるため、表示パネルには残像やちらつきの問題が発生する。例えば、表示パネルが白黒画像から同じ階調画像に変換される場合、白黒画像に対応する画素内の駆動トランジスタの閾値電圧が異なるため、同じ階調画像に変換された後、前のフレームの白黒画像が位置する領域は異なるグレースケールを表示し、つまり、残像問題が発生する。
【0029】
これに基づいて、本開示の例示的な実施形態は、画素駆動回路を提供する。
図4は、本開示の画素駆動回路の例示的な実施形態の概略構造図である。前記画素駆動回路は、駆動回路1、第1リセット回路2、および第2リセット回路3を含んでもよい。駆動回路1は、第1ノードN1および第2ノードN2に接続され、第1ノードN1と第2ノードN2との間の電圧差に応じて駆動電流を出力する。第1リセット回路2は、第1ノードN1、第1初期信号端Vinit1、および第1リセット信号端Re1に接続され、第1リセット信号端Re1の信号に応答して、第1初期信号端Vinit1の信号を第1ノードN1に伝送する。第2リセット回路3は、第2ノードN2と第1電源端VGHに接続され、制御信号に応答して、第1電源端VGHの信号を第2ノードN2に伝送する。
本開示の例示的な実施形態では、画素駆動回路は、リセット段階において、第1リセット
【0030】
回路2を使用して第1初期信号端Vinit1の信号を第1ノードN1に伝送し、同時に、第2リセット回路3を使用して第1電源端VGHの信号を第2ノードN2に伝送するため、画素駆動回路は、異なるデータ信号の下で、駆動トランジスタのゲート・ソース間電圧差を同じ値にリセットすることができ、それによって表示パネルの残像やちらつきの問題が改善される。
【0031】
本開示の例示的な実施形態では、
図4に示すように、駆動回路1はさらに第3ノードN3に接続されることができ、駆動回路1は駆動トランジスタT3を含んでもよい。駆動トランジスタT3は、ゲートが第1ノードN1に接続され、第1極が第2ノードN2に接続され、第2極が第3ノードN3に接続される。駆動トランジスタT3はP型のトランジスタであってもよく、例えば、駆動トランジスタT3はP型低温ポリシリコントランジスタであってもよく、駆動トランジスタT3は第1ノードN1と第2ノードN2との間の電圧差に応じて第3ノードに駆動電流を入力することができる。本開示の他の例示的な実施形態において、駆動トランジスタT3はN型のトランジスタであってもよく、駆動トランジスタT3がN型のトランジスタである場合、駆動トランジスタは第1ノードN1と第2ノードN2との間の電圧差に応じて第2ノードに駆動電流を入力してもよいことを理解されたい。さらに、駆動回路1は複数の駆動トランジスタを含んでもよく、複数の駆動トランジスタは第2ノードと第3ノードとの間に並列に接続されてもよい。
【0032】
本開示の例示的な実施形態では、
図4に示すように、第1リセット回路2は第1トランジスタT1を含み、第1トランジスタT1は、ゲートが第1リセット信号端Re1に接続され、第1極が第1初期信号端Vinit1に接続され、第2極が第1ノードN1に接続される。第2リセット回路3の導通レベルと第1リセット回路2の導通レベルは同じ極性であってもよい。第2リセット回路3は、第1リセット信号端Re1にさらに接続され、第1リセット信号端Re1の信号に応答して、第1電源端VGHの信号を第2ノードN2に伝送するように構成されてもよい。
図4に示すように、第2リセット回路3は第8トランジスタT8を含み、第8トランジスタT8は、ゲートが第1リセット信号端Re1に接続され、第1極が第1電源端VGHに接続され、第2極が第2ノードN2に接続される。
【0033】
なお、この画素駆動回路は、閾値補償段階で駆動トランジスタT3をオンにする必要があるため、第1初期信号端Vinit1と第1電源端VGHとの間の電圧差Vinit1-Vghは、駆動トランジスタT3の閾値電圧より小さい必要があることに留意されたい。ここで、Vinit1は第1初期信号端の電圧であり、Vghは第1電源端VGHの電圧である。また、他の例示的な実施形態において、第2リセット回路3は、制御信号に応答して、他の信号端の信号を第2ノードに送信して、第2ノードをリセットすることもできる。
【0034】
本開示の例示的な実施形態において、第1トランジスタT1と第8トランジスタT8は両方とも酸化物トランジスタであってもよい。例えば、第1トランジスタT1および第8トランジスタT8の半導体材料は酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO)であってもよく、これに対応して、第1トランジスタT1および第8トランジスタT8はN型のトランジスタであってもよい。酸化物トランジスタはターンオフリーク電流が小さいため、第1トランジスタT1を介した第1ノードN1のリーク電流と第8トランジスタT8を介した第2ノードN2のリーク電流を低減することができる。
【0035】
本開示の他の例示的な実施形態において、第2リセット回路3の導通レベルと第1リセット回路2の導通レベルは、逆の極性を有してもよいことを理解されたい。例えば、
図5は、本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。第2リセット回路3は、第2リセット信号端Re2にも接続され、第2リセット信号端Re2の信号に応答して、第1電源端VGHの信号を第2ノードN2に伝送するように構成されてもよい。第2リセット信号端Re2の信号の極性は、第1リセット信号端Re1の信号の極性と逆であってもよい。第1リセット回路2は、N型の第1トランジスタT1を含み、第1トランジスタT1は、ゲートが第1リセット信号端Re1に接続され、第1極が第1初期信号端Vinit1に接続され、第2極が第1ノードN1に接続される。第2リセット回路3は、P型の第8トランジスタT8を含み、第8トランジスタT8は、ゲートが第2リセット信号端Re2に接続され、第1極が第1電源端VGHに接続され、第2極が第2ノードN2に接続される。
【0036】
本開示の例示的な実施形態において、
図6は、本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。前記画素駆動回路は、制御回路5および結合回路6をさらに含むことができる。制御回路5は、第2電源端VDD、第2ノードN2、第3ノードN3、第4ノードN4およびイネーブル信号端EMに接続され、イネーブル信号端EMの信号に応答して、第2電源端VDDの信号を第2ノードN2に伝送し、イネーブル信号端EMの信号に応答して、第3ノードN3と第4ノードN4とを連通するように構成される。結合回路6は、第2電源端VDDと第1ノードN1との間に接続される。
【0037】
本開示の例示的な実施形態において、
図6に示すように、画素駆動回路は、データ書き込み回路7および閾値補償回路8をさらに含むことができる。データ書き込み回路7は、第2ノードN2、データ信号端Vdata、および第1ゲート駆動信号端G1に接続され、第1ゲート駆動信号端G1の信号に応答して、データ信号端Vdataの信号を第2ノードN2に伝送するように構成される。閾値補償回路8は、第1ノードN1および第3ノードN3に接続され、制御信号に応答して、第1ノードN1と第3ノードN3とを連通するように構成される。データ書き込み回路7および閾値補償回路8は、閾値補償段階でオンとなり、第1ノードN1に補償電圧Vdata+Vthを書き込むように構成される。ここで、Vdataはデータ信号端の電圧であり、Vthは駆動トランジスタの閾値電圧である。本開示の他の例示的な実施形態において、第1ノードN1に補償電圧を書き込む他の方法があることを理解されたい。例えば、データ書き込み回路は、第3ノードN3、データ信号端Vdata、および第1ゲート駆動信号端G1に接続され、第1ゲート駆動信号端G1の信号に応答して、データ信号端Vdataの信号を第3ノードN3に伝送する共に、閾値補償回路8は、第1ノードN1と第2ノードN2に接続され、制御信号に応答して、第1ノードN1と第2ノードN2とを連通するように構成されてもよい。データ書き込み回路7および閾値補償回路8がオンになると、画素駆動回路は補償電圧Vdata+Vthを第1ノードN1に書き込むこともできる。
【0038】
本開示の例示的な実施形態において、
図6に示すように、第4ノードN4は発光ダイオードである発光部OLEDに接続され、発光部OLEDの他方の電極は第4電源端VSSに接続される。第4電源端VSSの電圧は、第2電源端VDDの電圧よりも低い。画素駆動回路は、第4ノードN4と第2初期信号端Vinit2に接続され、制御信号に応答して、第2初期信号端Vinit2の信号を第4ノードN4に伝送する第3リセット回路4をさらに含むことができる。第4ノードN4に初期信号を書き込むことにより、発光ダイオード内部の発光界面で再結合しないキャリアを除去することができ、発光ダイオードの経年劣化を軽減することができる。
【0039】
本開示の例示的な実施形態において、
図6に示すように、制御回路5は、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6を含んでもよい。第5トランジスタT5は、ゲートがイネーブル信号端EMに接続され、第1極が第2電源端VDDに接続され、第2極が第2ノードN2に接続される。第6トランジスタT6は、ゲートがイネーブル信号端EMに接続され、第1極が第3ノードN3に接続され、第2極が第4ノードN4に接続される。結合回路6は、第2電源端VDDと第1ノードN1との間に接続された第3コンデンサC3を含んでもよい。
【0040】
本開示の例示的な実施形態において、
図6に示すように、閾値補償回路8の導通レベルとデータ書き込み回路7の導通レベルの極性は逆であってもよい。閾値補償回路8はさらに第2ゲート駆動信号端G2に接続され、第2ゲート駆動信号端G2の信号に応答して、第1ノードN1と第3ノードN3を接続するように構成される。第1ゲート駆動信号端G1の信号と第2ゲート駆動信号端G2の信号の極性は逆であってもよい。データ書き込み回路7は、第4トランジスタT4を含み、第4トランジスタT4は、ゲートが第1ゲート駆動信号端G1に接続され、第1極がデータ信号端Vdataに接続され、第2極が第2ノードN2に接続される。閾値補償回路8は、第2トランジスタT2を含み、第2トランジスタT2は、ゲートが第2ゲート駆動信号端G2に接続され、第1極が第1ノードN1に接続され、第2極が第3ノードN3に接続される。第4トランジスタT4は、P型のトランジスタであってもよく、例えば、第4トランジスタT4は、P型低温ポリシリコントランジスタであってもよく、低温ポリシリコントランジスタはキャリア移動度が高いため、第4トランジスタT4の応答速度が向上する。第2トランジスタT2はN型のトランジスタであってもよく、例えば、第2トランジスタT2は、酸化物トランジスタであってもよく、第2トランジスタT2の半導体材料は酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO)であってもよい。第2トランジスタT2を酸化物トランジスタとすることにより、発光ノードの第1ノードN1において第2トランジスタを通過する画素駆動回路のリーク電流を低減することができる。
【0041】
他の例示的な実施形態において、第4トランジスタT4と第2トランジスタT2は両方ともN型のトランジスタまたはP型のトランジスタであってもよく、これに応じて第4トランジスタT4と第2トランジスタT2は同一ゲート駆動信号端を共有してもよいことを理解されたい。
【0042】
本開示の例示的な実施形態において、
図6に示すように、第3リセット回路4は、第3リセット信号端Re3にさらに接続され、第3リセット信号端Re3の信号に応答して、第2初期信号端Vinit2の信号を第4ノードN4に伝送するように構成されてもよい。第3リセット回路4は、第7トランジスタT7を含み、第7トランジスタT7は、ゲートが第3リセット信号端Re3に接続され、第1極が第2初期信号端Vinit2に接続され、第2極が第4ノードN4に接続される。第7トランジスタT7は、P型のトランジスタであってもよく、例えば、第7トランジスタT7は、P型低温ポリシリコントランジスタであってもよく、低温ポリシリコントランジスタはキャリア移動度が高いため、第7トランジスタT7の応答速度が向上する。
【0043】
本開示の例示的な実施形態において、
図6に示すように、第8トランジスタT8の第1極と第5トランジスタT5の第1極はそれぞれ異なる電源端に接続される。
図7は、本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。本開示の他の例示的な実施形態において、第8トランジスタT8の第1極と第5トランジスタT5の第1極は、同一電源端に接続されてもよい、すなわち、第2電源端VDDは、第1電源端VGHと共有されてもよいことを理解されたい。
【0044】
図8は、
図7の画素駆動回路の駆動方法における各ノードのタイミング図である。G1は第1ゲート駆動信号端のタイミングを示し、G2は第2ゲート駆動信号端のタイミングを示し、Re1は第1リセット信号端のタイミングを示し、Re3は第3リセット信号端のタイミングを示し、EMはイネーブル信号端のタイミングを表す。画素駆動回路の駆動方法は、リセット段階t1、閾値補償段階t2、バッファ段階t3、および発光段階t4の4つの段階を含んでもよい。リセット段階t1では、イネーブル信号端EM、第1リセット信号端Re1、第1ゲート駆動信号端がハイレベルの信号を出力し、第2ゲート駆動信号端G2、第3リセット信号端Re3がローレベルの信号を出力し、第1トランジスタT1、第7トランジスタT7、第8トランジスタT8がオンになり、第1初期信号端Vinit1は第1ノードN1に第1初期信号を入力し、第1電源端VDDは第2ノードN2に電源信号を入力し、第2初期信号端Vinit2は第4ノードに第2初期信号を入力し、第1初期信号と第2初期信号の電圧は同じであっても異なっていてもよい。閾値補償段階t2では、イネーブル信号端EM、第2ゲート駆動信号端G2、第3リセット信号端がハイレベルの信号を出力し、第1リセット信号端Re1、第1ゲート駆動信号端G1がローレベルの信号を出力し、第2トランジスタT2と第4トランジスタT4がオンになり、データ信号端Vdataは第1ノードN1に補償電圧Vdata+Vthを書き込む。ここで、Vdataはデータ信号端の電圧であり、Vthは駆動トランジスタの閾値電圧である。バッファ段階t3では、イネーブル信号端EM、第3リセット信号端Re3、第1ゲート駆動信号端G1がハイレベルの信号を出力し、第2ゲート駆動信号端G2、第1リセット信号端Re1がローレベルの信号を出力し、すべてのトランジスタがオフになる。発光段階t4では、第3リセット信号端Re3および第1ゲート駆動信号端G1がハイレベルの信号を出力し、イネーブル信号端EM、第2ゲート駆動信号端G2および第1リセット信号端Re1がローレベルの信号を出力し、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6がオンになり、第3コンデンサC3に蓄えられた電圧Vdata+Vthの作用により駆動トランジスタT3が発光する。本開示の他の例示的な実施形態において、駆動方法がバッファ段階を含まなくてもよく、第1トランジスタT1と第7トランジスタT7が異なる段階でオンされてもよいことを理解されたい。閾値補償段階t2では、第1ゲート駆動信号端G1のアクティブレベル(ローレベル)の持続時間は、第2ゲート駆動信号端G2のアクティブレベル(ハイレベル)の持続時間より短くてもよい。閾値補償段階t2では、第1ゲート駆動信号端G1は1行の画素駆動回路をスキャンすることができ、第2ゲート駆動信号端G2は複数行の画素駆動回路(例えば、2行の画素駆動回路)を1行ずつスキャンすることができる。
【0045】
図9は、
図7の画素駆動回路の
図8に示す駆動方法における第1ノード、第2ノード、および第3ノードのシミュレーションタイミング図である。N1は第1ノードN1のタイミング図を示し、N2は第2ノードN2のタイミング図を示し、N3は第3ノードN3のタイミング図を示す。
図9は、4種類のデータ信号による、
図7に示された画素駆動回路の各ノードのタイミング図を具体的に示しており、
図9のリセット段階t1では、4種類のデータ信号による第1ノードN1をリセットする必要があり、本開示の例示的な実施形態では、2種類のデータ信号による各ノードのタイミングについて説明する。
図9に示すように、第1データ信号による各ノードのタイミングは曲線Vda1で示され、第2データ信号による各ノードのタイミングは曲線Vda2で示される。
図9に示すように、第1データ信号と第2データ信号の電圧が異なるため、リセット段階t1の前では、第1ノードN1の電圧が異なり、第3ノードN3の電圧も異なり、第2ノードの電圧はすべて第1電源端VDDの電圧である。リセット段階t1では、2種類のデータ信号による第1ノードN1の電圧はすべて第1初期信号の電圧まで引き下げられると共に、第2ノードN2の電圧も第1電源端VDDの電圧に初期化される。したがって、リセット段階の終了時に、第1データ信号に基づく駆動トランジスタのゲート・ソース間電圧差は、第2データ信号に基づく駆動トランジスタのゲート・ソース間電圧差と等しくなり、この画素駆動回路は、異なるデータ信号に基づく駆動トランジスタのゲートとソース間の異なる電圧差によって引き起こされる残像問題を改善することができる。
【0046】
本開示の例示的な実施形態は、上述の画素駆動回路を駆動する画素駆動回路の駆動方法をさらに提供する。この駆動方法は、以下のステップを含む。
【0047】
リセット段階では、第1リセット回路2によって第1初期信号端Vinit1の信号が第1ノードN1に伝送され、一方、第2リセット回路3によって第1電源端VGHの信号が第2ノードN2に伝送される。画素の駆動方法については上記の内容で詳しく説明したので、ここでは繰り返さない。
【0048】
本開示の例示的な実施形態は、上述の画素駆動回路を備える表示パネルをさらに提供する。表示パネルは、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビなどの表示装置に適用することができる。
【0049】
図1に示すように、従来技術では、第1ノードN1とゲート駆動信号端G1との間に寄生容量が存在する。
図2に示すように、閾値補償段階t2の終了時に、ゲート駆動信号端G1の信号がハイレベルからローレベルに変化し、寄生容量のカップリング効果により、第1ノードN1の電圧はゲート駆動信号端G1によってプルダウンされ、その結果、データ信号端の最大電圧では0階調(黒画像)の表示を実現できなくなる。言い換えれば、正常に0階調を表示すれば、データ信号端にはより大きな電圧信号を与える必要がある。
【0050】
これに基づいて、本開示の例示的な実施形態は、画素駆動回路を提供する。
図10は、本開示の画素駆動回路の例示的な実施形態の構造図である。前記画素駆動回路は、駆動トランジスタT3、データ書き込み回路7、閾値補償回路8、第1コンデンサC1、および第2コンデンサC2を含んでもよい。駆動トランジスタT3は、ゲートが第1ノードN1に接続され、第1極が第2ノードN2に接続され、第2極が第3ノードN3に接続される。データ書き込み回路7は、第2ノードN2とデータ信号端Vdataに接続され、第1ゲート駆動信号端G1の信号に応答して、データ信号端Vdataの信号を第2ノードN2に伝送するように構成される。閾値補償回路8は、第1ノードN1、第3ノードN3、および第2ゲート駆動信号端G2に接続され、第2ゲート駆動信号端G2の信号に応答して、第1ノードN1と第3ノードN3とを連通するように構成される。第1コンデンサC1は、第1ノードN1と第1ゲート駆動信号端G1との間に接続される。第2コンデンサC2は、第1ノードN1と第2ゲート駆動信号端G2との間に接続される。データ書き込み回路7の導通レベルはローレベルであり、閾値補償回路8の導通レベルはハイレベルであり、第1コンデンサC1の容量値は第2コンデンサC2の容量値よりも大きい。
【0051】
本開示の例示的な実施形態では、閾値補償段階において、第1ゲート駆動信号端G1はローレベルの信号を出力し、第2ゲート駆動信号端G2はハイレベルの信号を出力して、補償電圧Vdata+Vthを第1ノードN1に書き込むことができ、Vdataはデータ信号端の電圧であり、Vthは駆動トランジスタT3の閾値電圧である。閾値補償段階が終了した後、第1ゲート駆動信号端G1の信号はローレベルからハイレベルに変化し、第1コンデンサC1のカップリング効果により、第1ノードN1は第1ゲート駆動信号端G1によってプルアップされ、第2ゲート駆動信号端G2の信号はハイレベルからローレベルに変化し、第2コンデンサC2のカップリング効果により、第1ノードN1は第2ゲート駆動信号端G2によってプルダウンされる。第1コンデンサC1の容量値は第2コンデンサC2の容量値よりも大きいため、第1ノードN1は全体としてプルアップされる。したがって、画素駆動回路に対応して設けられるソース駆動回路は、データ信号端に小さな電圧信号を供給するだけで、画素駆動回路の限界階調(最小階調または最大階調)の表示を実現でき、即ちこの画素駆動回路が適用される表示パネルの消費電力は比較的小さい。
【0052】
本開示の例示的な実施形態において、駆動トランジスタT3はP型のトランジスタであってもよく、例えば、駆動トランジスタはP型低温ポリシリコントランジスタであってもよい。駆動トランジスタT3がP型のトランジスタである場合、第1ノードN1の電圧が高くなるほど、駆動トランジスタT3の出力電流は小さくなり、すなわち、画素駆動回路は、0階調でソース駆動回路が出力するデータ信号の電圧を下げることができる。本開示の他の例示的な実施形態において、駆動トランジスタT3はN型のトランジスタであってもよいことを理解されたい。駆動トランジスタT3がN型のトランジスタである場合、第1ノードN1の電圧が高くなるほど、駆動トランジスタT3の出力電流は大きくなり、すなわち、画素駆動回路は、最大階調でソース駆動回路が出力するデータ信号の電圧を下げることができる。
【0053】
本開示の例示的な実施形態において、前記第1コンデンサの容量値をC1とし、前記第2コンデンサの容量値をC2とする時、C1/C2は1.5以上4以下であってもよい。例えば、C1/C2は、1.5、2、2.3、2.5、3、3.5、4であってもよい。C1/C2の値が大きくなるほど、第1ノードN1がプルアップされる効果がより明らかになる。
【表1】
【0054】
上の表に示すように、Vdata-L0は、0階調で各色の副画素が必要とするデータ信号の電圧を示し、ΔVは、ソース駆動回路の最大出力電圧と0階調で必要なデータ信号の最大電圧との差を表し、ソース駆動回路の最大出力電圧は6.89Vである。C1/C2が1.35、1.73、2.05、2.3に対応する複数のデータは、同一の設計構造に基づく複数のデータ(C1/C2が異なる以外は同じ構造)であり、C1/C2が2.2に対応するデータは、別の設計構造のデータである。この表からわかるように、同一の設計構造の下では、C1/C2が大きいほど、第1ノードN1がプルアップされる効果がより明らかになり、したがって、0階調で必要なデータ信号の電圧が小さくなる。
【0055】
本開示の例示的な実施形態において、
図10に示すように、データ書き込み回路7はP型の第4トランジスタT4を含んでもよく、第4トランジスタT4は、例えば、P型低温ポリシリコントランジスタであってもよい。第4トランジスタT4は、ゲートが第1ゲート駆動信号端G1に接続され、第1極が第2ノードN2に接続され、第2極がデータ信号端Vdataに接続される。閾値補償回路8はN型の第2トランジスタT2を含んでもよく、第2トランジスタT2は、例えば、N型酸化物トランジスタであってもよく、酸化物トランジスタの半導体材料は酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO)であってもよい。第2トランジスタT2は、ゲートが第2ゲート駆動信号端G2に接続され、第1極が第1ノードN1に接続され、第2極が第3ノードN3に接続される。
【0056】
本開示の例示的な実施形態において、
図11は、本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。前記画素駆動回路は、制御回路5および結合回路6をさらに含むことができる。制御回路5は、第2電源端VDD、第2ノードN2、第3ノードN3、第4ノードN4、およびイネーブル信号端EMに接続され、イネーブル信号端EMの信号に応答して、第2電源端VDDの信号を第2ノードN2に伝送し、イネーブル信号端EMの信号に応答して、第3ノードN3と第4ノードN4を接続するように構成される。結合回路6は、第1ノードN1と第2電源端VDDとの間に接続される。本開示の他の例示的な実施形態において、制御回路5は、イネーブル信号端EMの信号に応答して、第2電源端VDDの信号を第3ノードN3に伝送し、イネーブル信号端EMの信号に応答して、第2ノードN2と第4ノードN4とを連通するように構成されてもよいことを理解されたい。
【0057】
本開示の例示的な実施形態において、
図11に示すように、画素駆動回路は第1リセット回路2をさらに含むことができる。第1リセット回路2は、第1ノードN1、第1初期信号端Vinit1、および第1リセット信号端Re1に接続され、第1リセット信号端Re1の信号に応答して、第1初期信号端Vinit1の信号を第1ノードN1に伝送するように構成されてもよい。
【0058】
本開示の例示的な実施形態において、
図11に示すように、第4ノードN4は発光部OLEDに接続されるように構成され、画素駆動回路は、第3リセット回路4をさらに含むことができ、第3リセット回路4は、第4ノードN4、第2初期信号端Vinit2、および第3リセット信号端Re3に接続され、第3リセット信号端Re3の信号に応答して、第2初期信号端Vinit2の信号を第4ノードN4に伝送するように構成される。発光部OLEDの他端は、第3電源端VSSに接続され、発光部OLEDは発光ダイオードであってもよい。第4ノードN4に初期信号を書き込むことにより、発光ダイオード内部の発光界面で再結合しないキャリアを除去することができ、発光ダイオードの経年劣化を軽減することができる。
【0059】
本開示の例示的な実施形態において、
図11に示すように、結合回路6は、第1ノードN1と第2電源端VDDとの間に接続された第3コンデンサC3を含んでもよく、第3コンデンサC3の容量値は、第1コンデンサC1の容量値よりも大きく、第3コンデンサC3の容量値は、第2コンデンサC2の容量値よりも大きくてもよい。第3コンデンサC3をより大きな容量値に設定することにより、第3コンデンサC3の電荷蓄積コンデンサを増加させることができ、それによって発光段階の最大期間を長くすることができる。制御回路5は、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6を含んでもよく、第5トランジスタT5は、ゲートがイネーブル信号端EMに接続され、第1極が第2電源端VDDに接続され、第2極が第2ノードN2に接続される。第6トランジスタT6は、ゲートがイネーブル信号端EMに接続され、第1極が第3ノードN3に接続され、第2極が第4ノードN4に接続される。第1リセット回路2は、第1トランジスタT1を含み、第1トランジスタT1は、ゲートが第1リセット信号端Re1に接続され、第1極が第1初期信号端Vinit1に接続され、第2極が第1ノードN1に接続される。第3リセット回路4は、第7トランジスタT7を含み、第7トランジスタT7は、ゲートが第3リセット信号端Re3に接続され、第1極が第2初期信号端Vinit2に接続され、第2極が第4ノードN4に接続される。第1トランジスタT1および第2トランジスタT2はN型のトランジスタであってもよく、N型のトランジスタの半導体材料は酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO)であってもよい。酸化物トランジスタはターンオフリーク電流が小さいため、発光段階における第1トランジスタT1と第2トランジスタT2を介した第1ノードN1のリーク電流を低減することができる。第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、および第7トランジスタT7は、P型のトランジスタであってもよく、例えば、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、および第7トランジスタT7は、P型低温ポリシリコントランジスタであってもよい。低温ポリシリコントランジスタはキャリア移動度が高いため、高解像度、高応答速度、高画素密度、高開口率の表示パネルの実現に役立つ。
【0060】
図12は、本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。前記画素駆動回路は、第2リセット回路3をさらに含むことができ、第2リセット回路3は、第2ノードN2と第1電源端VGHに接続され、制御信号に応答して、第1電源端VGHの信号を第2ノードN2に伝送する。本開示の例示的な実施形態において、第1リセット回路の導通レベルは、第3リセット回路の導通レベルと極性が逆であってもよく、第1リセット信号端Re1の信号は、第3リセット信号端Re3の信号と極性が逆であってもよく、第2リセット回路3の導通レベルは、第1リセット回路2の導通レベルと極性が逆であってもよい。第2リセット回路3は、第3リセット信号端Re3にも接続され、第3リセット信号端Re3の信号に応答して、第1電源端VGHの信号を第2ノードN2に伝送するように構成されてもよい。
【0061】
本開示の例示的な実施形態において、画素駆動回路内の駆動トランジスタのゲートとソースとの間に寄生容量が存在し、画素駆動回路では、リセット段階において、駆動トランジスタのゲート電圧が初期化電圧に初期化され、上記の寄生容量のカップリング効果により、駆動トランジスタのソース電圧もそれに応じて変化する。リセット段階で異なる階調がリセットされると、駆動トランジスタのゲート電圧が異なる量で変化し、したがって駆動トランジスタのソース電圧も異なる量で変化し、その結果、リセット段階が完了した後、駆動トランジスタのVgs(ゲート・ソース間電圧差)が異なる。さらに、駆動トランジスタのVgsがその閾値電圧に影響を与えるため、表示パネルには残像の問題が発生する。例えば、表示パネルが白黒画像から同じ階調画像に変換される場合、白黒画像に対応する画素内の駆動トランジスタの閾値電圧が異なるため、同じ階調画像に変換された後、前のフレームの白黒画像が位置する領域は異なるグレースケールを表示し、つまり、残像問題が発生する。本開示の例示的な実施形態において、画素駆動回路は、リセット段階において、第1リセット回路2を使用して第1初期信号端Vinit1の信号を第1ノードN1に伝送し、同時に、第2リセット回路3を使用して第1電源端VGHの信号を第1ノードN1に伝送するため、画素駆動回路は、異なるデータ信号の下で駆動トランジスタのゲート・ソース間電圧差を同じ値にリセットすることができ、表示パネルの残像問題を改善することができる。
【0062】
本開示の例示的な実施形態において、第2リセット回路3は第8トランジスタT8を含んでもよく、第8トランジスタT8は、ゲートが第3リセット信号端Re3に接続され、第1極が第1電源端VGHに接続され、第2極が第2ノードN2に接続され、第8トランジスタT8はP型のトランジスタであってもよい。本開示の他の例示的な実施形態において、第2リセット回路の導通レベルと第1リセット回路の導通レベルは同じ極性を有してもよく、第2リセット回路は、第1リセット信号端に接続され、第1リセット信号端の信号に応答して、第1電源端VGHの信号を第2ノードに伝送してもよいことを理解されたい。対応して、第8トランジスタはN型のトランジスタであってもよく、N型のトランジスタの半導体材料は酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO)であってもよい。第1電源端VGHは、第2電源端VDDと共有されてもよく、例えば、第2リセット回路は第2電源端VDDに接続されてもよい。
【0063】
図13は、
図12の画素駆動回路の駆動方法における各ノードのタイミング図である。G1は第1ゲート駆動信号端のタイミングを示し、G2は第2ゲート駆動信号端のタイミングを示し、Re1は第1リセット信号端のタイミングを示し、Re3は第3リセット信号端のタイミングを示し、EMはイネーブル信号端のタイミングを表す。画素駆動回路の駆動方法は、リセット段階t1、閾値補償段階t2、バッファ段階t3、および発光段階t4の4つの段階を含むことができる。リセット段階t1では、イネーブル信号端EM、第1リセット信号端Re1、第1ゲート駆動信号端がハイレベルの信号を出力し、第2ゲート駆動信号端G2、第3リセット信号端Re3がローレベルの信号を出力し、第1トランジスタT1、第7トランジスタT7、第8トランジスタT8がオンになり、第1初期信号端Vinit1は第1ノードN1に第1初期信号を入力し、第1電源端VDDは第2ノードN2に電源信号を入力し、第2初期信号端Vinit2は第4ノードに第2初期信号を入力し、第1初期信号と第2初期信号の電圧は同じであっても異なっていてもよい。閾値補償段階t2では、イネーブル信号端EM、第2ゲート駆動信号端G2、第3リセット信号端がハイレベルの信号を出力し、第1リセット信号端Re1がローレベルの信号を出力し、閾値補償段階t2の少なくとも一部の期間において、第1ゲート駆動信号端G1がローレベルの信号を出力し、第2トランジスタT2と第4トランジスタT4がオンになり、データ信号端Vdataは第1ノードN1に補償電圧Vdata+Vthを書き込む。ここで、Vdataはデータ信号端の電圧であり、Vthは駆動トランジスタの閾値電圧である。バッファ段階t3では、イネーブル信号端EM、第3リセット信号端Re3、第1ゲート駆動信号端G1がハイレベルの信号を出力し、第2ゲート駆動信号端G2、第1リセット信号端Re1がローレベルの信号を出力し、すべてのトランジスタがオフになる。発光段階t4では、第3リセット信号端Re3および第1ゲート駆動信号端G1がハイレベルの信号を出力し、イネーブル信号端EM、第2ゲート駆動信号端G2および第1リセット信号端Re1がローレベルの信号を出力し、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6がオンになり、コンデンサCに蓄えられた電圧Vdata+Vthの作用により駆動トランジスタT3が発光する。本開示の例示的な実施形態において、閾値補償段階t2では、第1ゲート駆動信号端G1のアクティブレベル(ローレベル)の持続時間は、第2ゲート駆動信号端G2のアクティブレベル(ハイレベル)の持続時間より短くてもよい。閾値補償段階t2では、第1ゲート駆動信号端G1は1行の画素駆動回路をスキャンすることができ、第2ゲート駆動信号端G2は複数行の画素駆動回路を1行ずつスキャンすることができ、例えば、ゲート駆動信号端G2は、2行の画素駆動回路を1行ずつスキャンすることができる。本開示の他の例示的な実施形態において、駆動方法がバッファ段階を含まなくてもよく、第1トランジスタT1と第7トランジスタT7が異なる段階でオンされてもよいことを理解されたい。第1ゲート駆動信号端G1のアクティブレベル(ローレベル)の持続時間は、第2ゲート駆動信号端G2のアクティブレベル(ハイレベル)の持続時間と等しくてもよい。
【0064】
図14は、本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の概略構造図である。画素駆動回路は、第1電極が第2ノードN2に接続される第4コンデンサC4をさらに含むことができる。画素駆動回路は、発光段階において、第2電源端VDDが第4コンデンサC4を充電することができ、リセット段階の開始時に第4コンデンサC4が第2ノードN2のハイレベルを維持できるため、この設定により、リセット段階において第1電源端VGHが第2ノードN2にハイレベルの信号を書き込む速度を高速化することができる。第4コンデンサC4の第2電極は第5ノードN5に接続され、第5ノードN5の等電位導電部が閾値補償段階の前または開始段階にプルダウン動作がある場合、第5ノードN5は第2ノードN2に対してプルダウン効果を有し、その結果、表示パネルの異なる位置で第2ノードN2の電圧に差が生じる。例えば、第5ノードN5の等電位導電部は第1ゲート駆動信号端G1を提供する第1ゲート線であってもよく、第1ゲート線は第2ノードN2の等電位導電部と部分的に重なり、第1ゲート線の構造の一部を利用して第4キャパシタC4の第2電極を形成してもよい。第1ゲート線は、閾値補償段階の開始段階にハイレベルからローレベルに変化し、その結果、第1ゲート線は、第2ノードN2の電圧をプルダウンすることになる。本開示の例示的な実施形態は、第2ノードN2の等電位導電部と第1ゲート線との重なり面積を可能な限り減少させて、第2ノードN2に対する第1ゲート線のプルダウン効果を低減することができる。第4コンデンサC4のコンデンサンス値C4は、第2コンデンサC2のコンデンサンス値より小さくてもよく、第4コンデンサC4は、0.5fF~4fF、例えば、0.5fF、2fF、4fFであってもよい。第4コンデンサC4の容量値C4は、第1コンデンサC1の容量値の半分未満であってもよく、例えば、第4コンデンサC4の容量値C4は、第1コンデンサC1の容量値の1/3、1/4、1/5などであってもよい。
【0065】
本開示の例示的な実施形態において、
図12および
図14に示すように、画素駆動回路は閾値補償段階で駆動トランジスタT3をオンにする必要があるため、第1初期信号端Vinit1と第1電源端VGHとの間の電圧差Vinit1-Vghは、駆動トランジスタT3の閾値電圧Vthよりも低くなければならない。ここで、Vinit1は第1初期信号端の電圧であり、Vghは第1電源端VGHの電圧である。ここで、Vinit1は、-2~-6Vであってもよく、たとえば、-2V、-3V、-4V、-5V、-6Vなどであってもよい。Vinit1-Vghは、a*Vth未満であってもよく、aは2~7であってもよく、たとえば、aは2、4、6、7であってもよい。Vthは、-2~-5Vであってもよく、たとえば、-2V、-3V、-5Vなどであってもよい。Vghは、Vthの1.5倍より大きくてもよく、例えば、VghはVthの1.6倍、1.8倍、2倍などであってもよい。
【0066】
図15は、本開示の表示パネルの例示的な実施形態における画素駆動回路の分布図である。隣接する2列の画素回路は、同じ列方向に延びる第1電源線VGHに接続されることができ、第1電源線VGHは、画素駆動回路に第1電源端を提供し、第1電源線VGHは、前述の隣接する2列の画素駆動回路の間に位置することができる。
図15に示すように、同じ画素行において、隣接する列に位置する2つの画素回路は鏡像的に設置されて、配線を容易にすることができる。
【0067】
図16は、本開示の表示パネルの他の例示的な実施形態における画素駆動回路の分布図である。隣接する2行の画素回路は、同じ行方向に延びる第1電源線VGHに接続されることができ、第1電源線VGHは、画素駆動回路に第1電源端を提供し、第1電源線VGHは、前述の隣接する 2 行の画素駆動回路の間に位置することができる。
図16に示すように、同じ画素行において、隣接する列に位置する2つの画素回路は鏡像的に設置されて、配線を容易にすることができる。
【0068】
図17は、本開示の表示パネルの他の例示的な実施形態における画素駆動回路の分布図である。表示パネルは、アレイ状に分散された複数の画素駆動回路Pと、第1電源端を提供する複数の第1電源線VGH11、VGH12、VGH21、VGH22を含む。
図17に示すように、第1電源線VGH11、VGH12は列方向に延在し、第1電源線VGH21、VGH22は行方向に延在する。隣接する2行の画素回路は同じ行方向に延びる第1電源線に接続され、第1電源線VGHは上記の隣接する2行の画素駆動回路の間に位置する。列方向に延びる第1電源線は、それと交差する行方向に延びる複数の第1電源線に接続され、複数の電源線は格子構造を形成することができる。列方向に延びる第1電源線は、赤色画素駆動回路が位置する領域に位置することができる。さらに、同じ画素行において、隣接する列に位置する2つの画素回路は鏡像的に設置されて、配線を容易にすることができる。
【0069】
本開示の例示的な実施形態は、上述の画素駆動回路を駆動する画素駆動回路の駆動方法をさらに提供する。この駆動方法は、以下のステップを含む。
【0070】
リセット段階では、イネーブル信号端EM、第1リセット信号端Re1、第1ゲート駆動信号端G1にハイレベルの信号が入力され、第2ゲート駆動信号端G2および第3リセット信号端Re3にローレベルの信号が入力される。
【0071】
閾値補償段階では、イネーブル信号端EM、第2ゲート駆動信号端G2、および第3リセット信号端Re3にハイレベルの信号が入力され、第1リセット信号端Re1および第1ゲート駆動信号端G1にローレベルの信号が入力される。
【0072】
発光段階では、第3リセット信号端Re3および第1ゲート駆動信号端G1にハイレベルの信号が入力され、イネーブル信号端EM、第2ゲート駆動信号端G2および第1リセット信号端Re1にローレベルの信号が入力される。
【0073】
この駆動方法は上記の内容で詳細に説明されているため、ここでは繰り返さない。
【0074】
本開示の例示的な実施形態は、上述の画素駆動回路を備える表示パネルをさらに提供する。表示パネルは、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビなどの表示装置に適用することができる。表示パネルの画素駆動回路は、
図10に示すように構成されてもよい。この表示パネルは、順に積層されたベース基板、第1導電層、第2導電層、第2活性層、第3導電層、および第4導電層を含み、上記の各階層構造間に絶縁層が介在してもよい。
図18~25に示すように、
図18は、本開示の表示パネルの例示的な実施形態の部分的な構造レイアウトであり、
図19は、
図18の第1導電層の構造レイアウトを示す図であり、
図20は、
図18の第2導電層の構造レイアウトを示す図であり、
図21は、
図18の第2活性層の構造レイアウトを示す図であり、
図22は、
図18の第3導電層の構造レイアウトを示す図であり、
図23は、
図18の第4導電層の構造レイアウトを示す図であり、
図24は、
図18の第1導電層、第2導電層および第2活性層の構造レイアウトを示す図であり、
図25は、
図18の第1導電層、第2導電層、第2活性層および第3導電層の構造レイアウトを示す図である。
【0075】
図18、
図19、および
図24に示すように、第1導電層は、第1導電部11および第1ゲート線G1を含んでもよく、第1導電部11は、駆動トランジスタT3のゲートを形成するために用いられ、ベース基板上の第1ゲート線G1の正投影は、第1方向Xに沿って延在してもよく、第1ゲート線G1は、第4トランジスタT4のゲートに接続されてもよく、例えば、第1ゲート線G1の構造の一部を利用して第4トランジスタのゲートを形成することができる。
【0076】
図18、
図20、および
図24に示すように、第2導電層は第2ゲート線2G2を含んでもよく、ベース基板上の第2ゲート線2G2の正投影は、第1方向Xに沿って延在してもよく、第2ゲート線2G2は、第2トランジスタのゲートに接続されてもよく、例えば、第2ゲート線2G2の構造の一部を利用して第2トランジスタのボトムゲートを形成することができる。
【0077】
図18、
図21、および
図24に示すように、第2活性層は、第1活性部71、第2活性部72、および第3活性部73を含んでもよく、第2活性部72は、第1活性部71と第3活性部73との間に接続され、第1活性部71は、第2トランジスタT2のチャネル領域を形成するために用いられ、ベース基板上の第2ゲート線2G2の正投影は、ベース基板上の第1活性部71の正投影を覆うことができる。第2活性層の材料は、酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO)であってもよい。
【0078】
図18、
図22および
図25に示すように、第3導電層は第3ゲート線3G2を含んでもよく、ベース基板上の第3ゲート線3G2の正投影は第1方向Xに沿って延在し、ベース基板上の第3ゲート線3G2の正投影はベース基板上の第1活性部71の正投影を覆うことができ、第3ゲート線3G2の構造の一部を利用して第2トランジスタのトップゲートを形成することができる。表示パネルは、第3導電部をマスクとして使用して第2活性層に導電化処理を行うことができる。すなわち、第3導電層によって覆われた第2活性層の領域がトランジスタのチャネル領域を形成し、第3導電層によって覆われていない第2活性層の領域が導体構造を形成する。
【0079】
図18および
図23に示すように、前記第4導電層は接続部41を含み、接続部41はビアホールH1を通じて第1導電部11に接続され、ビアホールH2を通じて第3活性部73に接続されてもよい。
【0080】
図26は、
図18の点線Aに沿った部分断面図である。この表示パネルは、第1絶縁層92、第2絶縁層93、第3絶縁層94、および誘電体層95をさらに含んでもよく、ベース基板91、第1導電層、第1絶縁層92、第2導電層、第2絶縁層93、第2活性層、第3絶縁層94、第3導電層、誘電体層95および第4導電層が順に積層される。第1絶縁層92、第2絶縁層93、および第3絶縁層94はシリコン酸化層を含んでもよく、誘電体層95はシリコン窒化層を含んでもよい。第4導電層の材料は、金属材料を含んでもよく、金属材料は、例えば、モリブデン、アルミニウム、銅、チタン、ニオブのうちの1つまたはそれらの合金、またはモリブデン/チタン合金もしくは積層体などであってもよく、あるいはチタン/アルミニウム/チタン積層体であってもよい。第1導電層、第2導電層、および第3導電層の材料は、モリブデン、アルミニウム、銅、チタン、ニオブのうちの1つまたはそれらの合金、またはモリブデン/チタン合金もしくは積層体などであってもよい。
【0081】
図18~
図26に示すように、第1ゲート線G1は、第1延長部G11を含んでもよく、ベース基板上の第1延長部G11の正投影は、ベース基板上の第3活性部73の正投影と重なってもよい。延長部G11は第1コンデンサC1の第1電極を形成するために用いられ、第3活性部73は第1コンデンサC1の第2電極を形成するために用いられる。第2ゲート線2G2は第2延長部2G22を含んでもよく、ベース基板上の第2延長部2G22の正投影は、ベース基板上の第2活性部72の正投影と重なり、ベース基板上の第3ゲート線3G2の正投影は、ベース基板上の第2活性部72の正投影の一方の側に位置ており、すなわち、ベース基板上の第3ゲート線3G2の正投影は、ベース基板上の第2活性部72の正投影と重ならない。例えば、
図18に示すように、ベース基板上の第3ゲート線3G2の正投影は、ベース基板上の第2活性部72の正投影の第2方向Y側に位置し、第2方向Yは第1方向Xと交差してもよく、例えば、第2方向Yは、第1方向Xに対して垂直であってもよい。第2延在部2G22は、第2コンデンサC2の第1電極の一部を形成するために用いられてもよく、第2活性部72は、第2コンデンサC2の第2電極の一部を形成するために用いられてもよい。第3ゲート線3G2は第3延在部3G23を含んでもよく、接続部41は第4延在部414を含んでもよく、ベース基板上の第3延在部3G23の正投影は、ベース基板上の第4延在部414の正投影と重なってもよく、第3延長部3G23は、第2コンデンサC2の第1電極の一部を形成するために用いられ、第4延長部414は、第2コンデンサC2の第2電極の一部を形成するために用いられてもよい。ベース基板上の第3活性部73の正投影の第1方向Xにおけるサイズは、ベース基板上の第2活性部72の正投影の第1方向Xにおけるサイズよりも大きくてもよい。この設定により、第1コンデンサC1の容量値を大きくすることができ、本開示の例示的な実施形態では、ベース基板上の第3活性部73の正投影の第1方向Xにおけるサイズを調整することによって、第1コンデンサの容量値を調整することができる。ベース基板上の第3活性部73の正投影の第1方向Xにおけるサイズは、5μm~20μmであってもよく、例えば、5μm、9.7μm、12μm、15.55μm、50μmなどであってもよい。また、本開示の例示的な実施形態では、第3活性部73における第1絶縁層92及び第2絶縁層93の厚さを調整することによって、第1コンデンサC1の容量値を調整することもできる。例えば、本開示の例示的な実施形態では、第3活性部73における第1絶縁層92および/又は第2絶縁層93の厚さを薄くして、第1コンデンサC1の容量値を増加させることができる。本開示の例示的な実施形態では、ベース基板上の第4延在部414の正投影の第1方向Xにおけるサイズを調整することによっても、第2コンデンサの容量値を調整することができる。ベース基板上の第4延在部414の正投影の第1方向Xにおけるサイズが小さいほど、第2コンデンサの容量値は小さくなり、ベース基板上の第4延在部414の正投影の第1方向Xにおけるサイズは、2μm~4μmであってもよく、例えば、4μm、3.7μm、3.5μm、2.95μm、2.2μm、2μmなどであってもよい。また、本開示の例示的な実施形態では、ベース基板上の第2延在部2G22の正投影の第2方向Yにおけるサイズを調整することによっても、第2コンデンサの容量値を調整することができ、ベース基板上の第2延在部2G22の正投影の第2方向Yにおけるサイズが小さいほど、第2コンデンサの容量値は小さくなる。
【0082】
なお、
図18および
図26に示すように、第4延在部414が位置する領域では、ベース基板上の第3ゲート配線3G2の正投影が、ベース基板上の第2ゲート配線2G2の正投影を覆っている。この領域では、ベース基板上の第2ゲート線2G2の正投影が、ベース基板上の第4延長部414の正投影と重なっているが、第3ゲート線3G2のシールド効果により、この領域では、ベース基板上の第2ゲート線2G2の正投影の面積変化は、第2コンデンサの容量値に影響を与えない。同様に、第1延長部G11が位置する領域では、ベース基板上の第3活性部73の正投影が、ベース基板上の接続部41の正投影を覆っている。この領域では、ベース基板上の接続部41の正投影が、ベース基板上の第1延長部G11の正投影と重なっているが、第3活性部73の遮蔽効果により、この領域では、ベース基板上の接続部41の正投影の面積変化は、第1コンデンサの容量値に影響を与えない。
【0083】
図27~45は、本開示の画素駆動回路の別の例示的な実施形態の図面である。
【0084】
本開示の例示的な実施形態において、トランジスタとは、ゲート、ドレイン、ソースの3つの端子を少なくとも含む素子を指す。トランジスタは、ドレイン(ドレイン端、ドレイン領域、またはドレイン極)とソース(ソース端、ソース領域、またはソース極)との間にチャネル領域を有し、電流は、ドレイン、チャネル領域、およびソースに流れることができる。なお、本明細書においてチャネル領域とは、主に電流が流れる領域をいう。
【0085】
当業者は、本開示のすべての実施形態で使用されるトランジスタが、薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ、または同じ特性を有する他のデバイスであってもよいことを理解することができる。本明細書において、第1極がドレインで第2極がソースであってもよいし、第1極がソースで第2極がドレインであってもよい。極性が逆であるトランジスタを使用した場合や、回路動作中に電流の向きが変化した場合など、「ソース」と「ドレイン」の機能が入れ替わることもある。したがって、本明細書においては、「ソース」と「ドレイン」を読み替えることができる。
【0086】
本明細書において、「接続」には、構成要素が何らかの電気的機能を有する素子を介して接続される場合も含まれる。「何らかの電気的機能を有する素子」とは、接続された構成要素間で電気信号を送受信できるものであれば特に限定されない。「何らかの電気的機能を有する素子」には、電極や配線だけでなく、トランジスタ等のスイッチング素子、抵抗、インダクタ、コンデンサ、その他の様々な機能を有する素子等も含まれる。
【0087】
図27および
図28は、本開示の例示的な実施形態に係る2つの画素回路の概略構造図である。
図27および
図28に示すように、本開示の例示的な実施形態で提供される画素回路は、駆動サブ回路、第1リセットサブ回路、第2リセットサブ回路、および発光素子を含む。
【0088】
駆動サブ回路は、第1ノードN1、第2ノードN2、および第3ノードN3にそれぞれ接続され、第1ノードN1の制御信号に応答して、第2ノードN2と第3ノードN3との間に駆動電流を生成するように構成される。
【0089】
第1リセットサブ回路は、第1リセット信号線INIT1および発光素子のアノード端にそれぞれ接続され、さらに第1発光制御信号線EM1または第2リセット制御信号線Reset2に接続される。第1リセットサブ回路は、第1発光制御信号線EM1または第2リセット制御信号線Reset2の信号に応答して、第1リセット信号線INIT1によって提供される第1リセット信号を発光素子のアノード端に書き込むように構成される。
【0090】
第2リセットサブ回路は、第1リセット制御信号線Reset1および第2リセット信号線INIT2にそれぞれ接続され、さらに第2ノードN2または第3ノードN3に接続される。第2リセットサブ回路は、第1リセット制御信号線Reset1の信号に応答して、第2リセット信号線INIT2によって提供される第2リセット信号を駆動サブ回路の第1極または第2極に書き込むように構成され、第2リセット信号は第1リセット信号よりも大きい。
【0091】
いくつかの例示的な実施形態では、第2リセット信号の絶対値は、駆動サブ回路の閾値電圧の1.5倍より大きい。
【0092】
いくつかの例示的な実施形態では、第2リセット信号の大きさはゼロより大きい。
【0093】
例示的に、第2リセット信号は一般に4~10Vのリセット電圧であり、第1リセット信号は一般に-2V~-6Vのリセット電圧であり、駆動サブ回路の閾値電圧は一般に-5V~-2Vである。選択的に、駆動サブ回路の閾値電圧は-3Vであってもよい。
【0094】
いくつかの例示的な実施形態では、
図27および
図28に示すように、画素回路は、書き込みサブ回路、補償サブ回路、第1発光制御サブ回路、および第2発光制御サブ回路をさらに含む。
【0095】
書き込みサブ回路は、第2走査信号線G2、データ信号線Dataおよび第2ノードN2にそれぞれ接続され、第2走査信号線G2の信号に応答して、データ信号線Dataのデータ信号を第2ノードN2に書き込むように構成される。
【0096】
補償サブ回路は、第1電源線VDD、第1走査信号線G1、第1ノードN1、および第3ノードN3にそれぞれ接続され、第1走査信号線G1の信号に応答して、第3ノードN3の第1リセット信号または第2リセット信号を第1ノードN1書き込み、第1走査信号線G1の信号に応答して、第1ノードN1を補償するように構成される。
【0097】
第1発光制御サブ回路は、第1発光制御信号線EM1、第1電源線VDD、および第2ノードN2にそれぞれ結合され、第1発光制御信号線EM1の信号に応答して、第1電源線VDDの信号を第2ノードN2に供給するように構成される。
【0098】
第2発光制御サブ回路は、第2発光制御信号線EM2、第3ノードN3、および第4ノードN4にそれぞれ接続され、第2発光制御信号線EM2の信号に応答して、第4ノードN4の第1リセット信号を第3ノードN3に書き込み、第2発光制御信号線EM2の信号に応答して、第3ノードN3と第4ノードN4との間に駆動電流を流すように構成される。
【0099】
いくつかの例示的な実施形態では、第2リセットサブ回路が第2リセット信号を第2ノードN2に書き込むとき、駆動サブ回路はさらに、第1ノードN1の制御信号に応答して、第2ノードN2の第2リセット信号を第3ノードN3に書き込むように構成される。
いくつかの例示的な実施形態では、
図27および
図28に示すように、発光素子の一端は第4ノードN4に接続され、発光素子の他端は第2電源線VSSに接続される。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態では、
図29に示すように、第1リセットサブ回路は第1トランジスタT1を含む。
【0101】
第1トランジスタT1の制御極は第1発光制御信号線EM1または第2リセット制御信号線Reset2(図示せず)に接続され、第1トランジスタT1の第1極は第1リセット信号線INIT1に接続され、第1トランジスタT1の第2極は第4ノードN4に接続される。
【0102】
図29は、第1リセットサブ回路の例示的な概略構造図である。当業者であれば、第1リセットサブ回路の実装は、その機能が実現できる限り、これに限定されないことを容易に理解することができる。
【0103】
いくつかの例示的な実施形態では、
図30に示すように、補償サブ回路は第2トランジスタT2と第1コンデンサC1を含む。
【0104】
第2トランジスタT2の制御極は第1走査信号線G1に接続され、第2トランジスタT2の第1極は第3ノードN3に接続され、第2トランジスタT2の第2極は第1ノードN1に接続される。
【0105】
第1コンデンサC1の一端は第1ノードN1に接続され、第1コンデンサC1の他端は第1電源線VDDに接続される。
【0106】
図30は、補償サブ回路の例示的な概略構造図である。当業者であれば、補償サブ回路の実装は、その機能が実現できる限り、これに限定されないことを容易に理解することができる。
【0107】
いくつかの例示的な実施形態では、
図31に示すように、駆動サブ回路は第3トランジスタT3を含む。
【0108】
第3トランジスタT3の制御極は第1ノードN1に接続され、第3トランジスタT3の第1極は第2ノードN2に接続され、第3トランジスタT3の第2極は第3ノードN3に接続される。
【0109】
図31は、駆動サブ回路の例示的な概略構造図である。当業者であれば、その機能が実現できる限り、駆動サブ回路の実装がこれに限定されないことを容易に理解することができる。
【0110】
いくつかの例示的な実施形態では、
図32に示すように、書き込みサブ回路は第4トランジスタT4を含む。
【0111】
第4トランジスタT4の制御極は第2走査信号線G2に接続され、第4トランジスタT4の第1極はデータ信号線Dataに接続され、第4トランジスタT4の第2極は第2ノードN2に接続される。
【0112】
図32は、書き込みサブ回路の例示的な概略構造図である。当業者であれば、その機能が実現できる限り、書き込みサブ回路の実装がこれに限定されないことを容易に理解することができる。
【0113】
いくつかの例示的な実施形態では、
図33に示すように、第1発光制御サブ回路は第5トランジスタT5を含む。
【0114】
第5トランジスタT5の制御極は第1発光制御信号線EM1に接続され、第5トランジスタT5の第1極は第1電源線VDDに接続され、第5トランジスタT5の第2極は第2ノードN2に接続される。
【0115】
図33は、第1発光制御サブ回路の例示的な概略構成図である。当業者であれば、第1発光制御サブ回路の実装は、その機能を実現できる限り、これに限定されないことを容易に理解することができる。
【0116】
いくつかの例示的な実施形態では、
図34に示すように、第2発光制御サブ回路は第6トランジスタT6を含む。
【0117】
第6トランジスタT6の制御極は第2発光制御信号線EM2に接続され、第6トランジスタT6の第1極は第3ノードN3に接続され、第6トランジスタT6の第2極は第4ノードN4に接続される。
【0118】
図34は、第2発光制御サブ回路の例示的な概略構成図である。当業者であれば、第2発光制御サブ回路の実装は、その機能を実現できる限り、これに限定されないことを容易に理解することができる。
【0119】
いくつかの例示的な実施形態では、
図35に示すように、第2リセットサブ回路は第7トランジスタT7を含む。
【0120】
第7トランジスタT7の制御極はリセット制御信号線Resetに接続され、第7トランジスタT7の第1極は第2リセット信号線INIT2に接続され、第7トランジスタT7の第2極は第2ノードN2に接続される。
【0121】
いくつかの例示的な実施形態では、
図36に示すように、第2リセットサブ回路は第7トランジスタT7を含む。
【0122】
第7トランジスタT7の制御極はリセット制御信号線Resetに接続され、第7トランジスタT7の第1極は第2リセット信号線INIT2に接続され、第7トランジスタT7の第2極は第3ノードN3に接続される。
【0123】
図35および
図36は、第2リセットサブ回路の2つの例示的な概略構造図である。当業者であれば、第2リセットサブ回路の実装は、その機能が実現できる限り、これに限定されないことを容易に理解することができる。
【0124】
いくつかの例示的な実施形態では、
図37aまたは
図37bに示すように、第1リセットサブ回路は第1トランジスタT1を含み、補償サブ回路は第2トランジスタT2および第1コンデンサC1を含み、駆動サブ回路は第3トランジスタT3を含み、書き込みサブ回路は第4トランジスタT4を含み、第1発光制御サブ回路は第5トランジスタT5を含み、第2発光制御サブ回路は第6トランジスタT6を含み、第2リセットサブ回路は第7トランジスタT7を含む。
【0125】
第1トランジスタT1の制御極は第1発光制御信号線EM1に接続され、第1トランジスタT1の第1極は第1リセット信号線INIT1に接続され、第1トランジスタT1の第2極は第4ノードN4に接続される。
【0126】
第2トランジスタT2の制御極は第1走査信号線G1に接続され、第2トランジスタT2の第1極は第3ノードN3に接続され、第2トランジスタT2の第2極は第1ノードN1に接続される。
【0127】
第1コンデンサC1の一端は第1ノードN1に接続され、第1コンデンサC1の他端は第1電源線VDDに接続される。
【0128】
第3トランジスタT3の制御極は第1ノードN1に接続され、第3トランジスタT3の第1極は第2ノードN2に接続され、第3トランジスタT3の第2極は第3ノードN3に接続される。
【0129】
第4トランジスタT4の制御極は第2走査信号線G2に接続され、第4トランジスタT4の第1極はデータ信号線Dataに接続され、第4トランジスタT4の第2極は第2ノードN2に接続される。
【0130】
第5トランジスタT5の制御極は第1発光制御信号線EM1に接続され、第5トランジスタT5の第1極は第1電源線VDDに接続され、第5トランジスタT5の第2極は第2ノードN2に接続される。
【0131】
第6トランジスタT6の制御極は第2発光制御信号線EM2に接続され、第6トランジスタT6の第1極は第3ノードN3に接続され、第6トランジスタT6の第2極は第4ノードN4に接続される。
【0132】
第7トランジスタT7の制御極は第1リセット制御信号線Reset1に接続され、第7トランジスタT7の第1極は第2リセット信号線INIT2に接続され、第7トランジスタT7の第2極は第2ノードN2または第3ノードN3に接続される。
【0133】
図37aおよび
図37bは、第1リセットサブ回路、補償サブ回路、駆動サブ回路、書き込みサブ回路、第1発光制御サブ回路、第2発光制御サブ回路、および第2リセットサブ回路の2つの例示的な構成例を示す。当業者であれば、それぞれの機能を実現できる限り、上記の各サブ回路の実装がこれに限定されないことは容易に理解できるであろう。本開示の画素回路におけるトランジスタの数が少ないため、画素回路の占有空間が小さくなり、それによって表示装置の画素解像度が向上する。
【0134】
いくつかの例示的な実施形態では、第2リセット信号線INIT2は、第1電源線VDD、第1発光制御信号線EM1、第2発光制御信号線EM2、および第3電源線のうちの少なくとも1つと同じ電源線であってもよい。第3電源線は第3電源電圧を供給し、第3電源電圧は第1リセット信号線INIT1により供給される第1リセット電圧より大きい。
いくつかの例示的な実施形態では、リセット制御信号線Resetの信号のパルス幅は、第2走査信号線G2の信号のパルス幅とほぼ同じである。
【0135】
いくつかの例示的な実施形態では、第1発光制御信号線EM1の信号パルスと第2発光制御信号線EM2の信号パルスの差は1または2時間単位hであり、1時間単位hは、サブ画素の1行のスキャン時間である。
【0136】
いくつかの例示的な実施形態では、
図38aまたは
図38bに示すように、第1リセットサブ回路は第1トランジスタT1を含み、補償サブ回路は第2トランジスタT2および第1コンデンサC1を含み、駆動サブ回路は第3トランジスタT3を含み、書き込みサブ回路は第4トランジスタT4を含み、第1発光制御サブ回路は第5トランジスタT5を含み、第2発光制御サブ回路は第6トランジスタT6を含み、第2リセットサブ回路は第7トランジスタT7を含む。
【0137】
第1トランジスタT1の制御極は第2リセット制御信号線Reset2に接続され、第1トランジスタT1の第1極は第1リセット信号線INIT1に接続され、第1トランジスタT1の第2極は第4ノードN4に接続される。
【0138】
第2トランジスタT2の制御極は第1走査信号線G1に接続され、第2トランジスタT2の第1極は第3ノードN3に接続され、第2トランジスタT2の第2極は第1ノードN1に接続される。
【0139】
第1コンデンサC1の一端は第1ノードN1に接続され、第1コンデンサC1の他端は第1電源線VDDに接続される。
【0140】
第3トランジスタT3の制御極は第1ノードN1に接続され、第3トランジスタT3の第1極は第2ノードN2に接続され、第3トランジスタT3の第2極は第3ノードN3に接続される。
【0141】
第4トランジスタT4の制御極は第2走査信号線G2に接続され、第4トランジスタT4の第1極はデータ信号線Dataに接続され、第4トランジスタT4の第2極は第2ノードN2に接続される。
【0142】
第5トランジスタT5の制御極は第1発光制御信号線EM1に接続され、第5トランジスタT5の第1極は第1電源線VDDに接続され、第5トランジスタT5の第2極は第2ノードN2に接続される。
【0143】
第6トランジスタT6の制御極は第2発光制御信号線EM2に接続され、第6トランジスタT6の第1極は第3ノードN3に接続され、第6トランジスタT6の第2極は第4ノードN4に接続される。
【0144】
第7トランジスタT7の制御極は第1リセット制御信号線Reset1に接続され、第7トランジスタT7の第1極は第2リセット信号線INIT2に接続され、第7トランジスタT7の第2極は第2ノードN2または第3ノードN3に接続される。
【0145】
図38aおよび
図38bは、第1リセットサブ回路、補償サブ回路、駆動サブ回路、書き込みサブ回路、第1発光制御サブ回路、第2発光制御サブ回路、および第2リセットサブ回路の別の2つの例示的な構成例を示す。当業者であれば、それぞれの機能を実現できる限り、上記の各サブ回路の実装がこれに限定されないことは容易に理解できるであろう。
【0146】
いくつかの例示的な実施形態では、発光素子ELは、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode,OLED)であってもよく、ミニ発光ダイオード(Mini Light Emitting Diodes)、マイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diodes)、および量子ドット発光ダイオード(Quantum-dot Light Emitting Diodes,QLED)などの別のタイプの発光ダイオードであってもよい。実際の応用においては、発光素子ELの構造は実際の使用環境に応じて設計、決定される必要があるが、ここでは限定されない。以下の説明では、発光素子ELが有機発光ダイオードである場合を例に説明する。
【0147】
いくつかの例示的な実施形態では、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、および第7トランジスタT7のうちの少なくとも1つは第1型トランジスタであり、第1型トランジスタはN型のトランジスタまたはP型のトランジスタを含み、第3トランジスタT3~第6トランジスタT6はいずれも第2型トランジスタであり、第2型トランジスタはP型のトランジスタまたはN型のトランジスタを含み、第2型トランジスタは、第1型トランジスタとトランジスタのタイプが異なる。すなわち、第1型トランジスタがN型のトランジスタである場合は、第2型トランジスタはP型のトランジスタであり、第1型トランジスタがP型のトランジスタである場合は、第2型トランジスタはN型のトランジスタである。
【0148】
いくつかの例示的な実施形態では、
図37aおよび
図37bに示すように、第1トランジスタT1および第2トランジスタT2はいずれもN型薄膜トランジスタであり、第3トランジスタT3~第7トランジスタT7はいずれもP型薄膜トランジスタである。
【0149】
いくつかの例示的な実施形態では、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、および第7トランジスタT7はいずれもN型薄膜トランジスタであり、第3トランジスタT3~第6トランジスタT6はいずれもP型薄膜トランジスタである。
【0150】
いくつかの例示的な実施形態では、
図38aおよび
図38bに示すように、第2トランジスタT2はN型薄膜トランジスタであり、第1トランジスタT1および第3トランジスタT3~第7トランジスタT7はいずれもP型薄膜トランジスタである。
【0151】
いくつかの例示的な実施形態では、N型薄膜トランジスタは低温ポリシリコン(LTPS)薄膜トランジスタ(TFT)であってもよく、P型薄膜トランジスタはインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)薄膜トランジスタであってもよい。あるいは、N型薄膜トランジスタはIGZO薄膜トランジスタであってもよく、P型薄膜トランジスタはLTPS薄膜トランジスタであってもよい。
【0152】
いくつかの例示的な実施形態では、第1トランジスタT1および第2トランジスタT2はいずれもIGZO薄膜トランジスタであり、第3トランジスタT3~第7トランジスタT7はいずれもLTPS薄膜トランジスタである。
【0153】
本開示の実施形態において、インジウムガリウム亜鉛酸化物薄膜トランジスタは、低温ポリシリコン薄膜トランジスタに比べてリーク電流が少ないため、第1トランジスタT1および第2トランジスタT2をインジウムガリウム亜鉛酸化物薄膜トランジスタとすることで、発光段階における駆動トランジスタの制御極のリークを大幅に低減することができ、それにより表示パネルの低周波、低輝度のちらつきの問題を改善することができる。
【0154】
いくつかの例示的な実施形態では、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、および第7トランジスタT7はいずれもIGZO薄膜トランジスタであり、第3トランジスタT3~第6トランジスタT6はいずれもLTPS薄膜トランジスタである。
【0155】
いくつかの例示的な実施形態では、第2トランジスタT2はIGZO薄膜トランジスタであり、第1トランジスタT1、第3トランジスタT3~第7トランジスタT7はいずれもLTPS薄膜トランジスタである。いくつかの例示的な実施形態では、第1コンデンサC1は、画素電極と共通電極から構成される液晶コンデンサであってもよく、画素電極と共通電極から構成される液晶コンデンサとストレージキャパシタとからなる等価キャパシタであってもよいが、本開示はこれに限定されない。
【0156】
図39は、
図37aまたは
図37bに示す画素回路の1スキャンサイクルにおける動作のタイミング図である。以下では、本開示の実施形態により提供される画素回路において、第1トランジスタT1および第2トランジスタT2はN型のトランジスタであり、第3トランジスタT3~第7トランジスタT7はいずれもP型のトランジスタであることを例に挙げ、
図11aに示す画素回路および
図39に示す動作タイミング図と組み合わせて、1フレームサイクルにおける1つの画素回路の動作プロセスを説明する。
図37aに示すように、本開示の実施形態によって提供される画素回路は、7つのトランジスタユニット(T1~T7)、1つのコンデンサユニット(C1)、および3つの電源線(VDD、VSS、INIT1である。第2リセット信号線INIT2は、第1電源線VDD、第1発光制御信号線EM1、第2発光制御信号線EM2のいずれかと同じ電源線であるため、第2リセット信号線INIT2は上記3つの電源線には含まれない。)を含み、第1電源線VDDは継続的にハイレベルの信号を提供し、第2電源線VSSは継続的にローレベルの信号を提供し、第1リセット信号線INIT1は第1リセット電圧(初期化電圧信号)を提供する。
図39に示すように、その動作プロセスは以下のt1~t4を含む。
【0157】
第1段階t1、すなわちリセット段階では、第1走査信号線G1、第2走査信号線G2、第1リセット制御信号線Reset1、および第1発光制御信号線EM1がハイレベルであり、第2発光制御信号線EM2がローレベルである。第1発光制御信号線EM1がハイレベルであるため、第1トランジスタT1がオンされ、第4ノードN4(すなわち、発光素子ELのアノード端)が第1リセット信号線INIT1の第1リセット電圧にリセットされる。第2発光制御信号線EM2がローレベルであるため、第6トランジスタT6がオンされ、第1走査信号線G1がハイレベルであるため、第2トランジスタT2がオンされ、第1ノードN1(すなわち、第3トランジスタT3のゲートおよび第1コンデンサC1の一端)および第3ノードN3が第1リセット信号線INIT1の第1リセット電圧にリセットされる。この段階では、
図41に示すように、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、および第7トランジスタT7はオフ状態に維持される。
【0158】
第2段階t2、すなわち再度設定段階では、第1走査信号線G1、第2走査信号線G2、第1発光制御信号線EM1、および第2発光制御信号線EM2がハイレベルであり、第1リセット制御信号線Resetがローレベルである。第2発光制御信号線EM2がハイレベルであるため、第6トランジスタT6がオフされる。第1リセット制御信号線Reset1がローレベルであるため、第7トランジスタT7がオンされ(このタイミング図では、第7トランジスタT7がP型薄膜トランジスタである場合を例に挙げて説明するが、第7トランジスタT7がN型薄膜トランジスタである場合、第1リセット制御信号線Reset1は、第2段階t2ではハイレベルの信号を提供し、他の段階ではローレベルの信号を提供する。)、第2ノードN2を第2リセット電圧にリセットする。第2リセット電圧は、第1電源線VDD、第1発光制御信号線EM1、第2発光制御信号線EM2、または第3電源線によって提供される電圧信号であり、第2リセット電圧は第1リセット電圧より大きい。第1ノードN1は第1リセット信号線INIT1の第1リセット電圧であるため、第3トランジスタT3はオンされ、第1走査信号線G1がハイレベルであるため、第2トランジスタT2はオンされ、第2ノードN2の電圧が第3トランジスタT3、および第2トランジスタT2を介して第1ノードN1に伝送される。この段階では、
図42に示すように、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、および第6トランジスタT6はオフ状態に維持される。
【0159】
第3段階t3、すなわちデータ書き込み段階では、第1走査信号線G1、第1リセット制御信号線Reset1、第1発光制御信号線EM1および第2発光制御信号線EM2がハイレベルであり、第2走査信号線G2がローレベルである。この場合、第2走査信号線G2がローレベルであるため、第4トランジスタT4はオンされ、データ信号線Dataから出力されるデータ電圧信号Vdataは、オンされた第4トランジスタT4、第3トランジスタT3、第2トランジスタT2を介して第1ノードN1に提供され、データ信号線Dataから出力されるデータ電圧信号Vdataと第3トランジスタT3の閾値電圧Vthとの和が第1コンデンサC1に保存される。この段階では、
図43に示すように、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、第7トランジスタT7はオフ状態に維持される。
【0160】
第4段階t4、すなわち発光段階では、第2走査信号線G2および第1リセット制御信号線Reset1がハイレベルであり、第1走査信号線G1、第1発光制御信号線EM1および第2発光制御信号線EM2がローレベルである。第1発光制御信号線EM1がローレベルであるため、第5トランジスタT5はオンされ、第1トランジスタT1はオフされる。第2発光制御信号線EM2がローレベルであるため、第6トランジスタT6はオンされ、第1電源線VDDから出力される電源電圧は、オンされた第5トランジスタT5、第3トランジスタT3、および第6トランジスタT6を介して第4ノードN4(すなわち、発光素子ELのアノード端)に駆動電圧を提供する。この段階では、
図44に示すように、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、第4トランジスタT4、第7トランジスタT7はオフ状態に維持される。
【0161】
図40は、
図38aまたは
図38bに示す画素回路の1スキャンサイクルにおける動作のタイミング図である。以下では、本開示の実施形態により提供される画素回路において、第2トランジスタT2はN型のトランジスタであり、第1トランジスタT1、第3トランジスタT3~第7トランジスタT7はいずれもP型のトランジスタであることを例に挙げ、
図38aに示す画素回路および
図40に示す動作タイミング図と組み合わせて、1フレームサイクルにおける1つの画素回路の動作プロセスを説明する。
図38aに示すように、本開示の実施形態によって提供される画素回路は、7つのトランジスタユニット(T1~T7)、1つのコンデンサユニット(C1)、および3つの電源線(VDD、VSS、INIT1である。第2リセット信号線INIT2は、第1電源線VDD、第1発光制御信号線EM1、第2発光制御信号線EM2のいずれかと同じ電源線である場合、第2リセット信号線INIT2は上記3つの電源線には含まれない。)を含み、第1電源線VDDは継続的にハイレベルの信号を提供し、第2電源線VSSは継続的にローレベルの信号を提供し、第1リセット信号線INIT1は第1リセット電圧(初期化電圧信号)を提供する。
図40に示すように、その動作プロセスは以下のA1~A4を含む。
【0162】
第1段階A1、すなわちリセット段階では、第1走査信号線G1、第2走査信号線G2、第1リセット制御信号線Reset1、第1発光制御信号線EM1がハイレベルであり、第2リセット制御信号線Reset2および第2発光制御信号線EM2はローレベルである。第1トランジスタT1、第6トランジスタT6、第2トランジスタT2がオンされ、第4ノードN4(発光素子ELのアノード端)、第3ノードN3、および第1ノードN1(すなわち、第3トランジスタT3のゲートおよび第1コンデンサC1の一端)が第1リセット信号線INIT1の第1リセット電圧にリセットされる。この段階では、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第7トランジスタT7はオフ状態に維持される。
【0163】
第2段階A2、すなわち再度設定段階では、第1走査信号線G1、第2走査信号線G2、第2リセット制御信号線Reset2、第1発光制御信号線EM1および第2発光制御信号線EM2がハイレベルであり、第1リセット制御信号線Reset1はローレベルである。第2発光制御信号線EM2がハイレベルであるため、第6トランジスタT6がオフされる。第1リセット制御信号線Reset1がローレベルであるため、第7トランジスタT7がオンされ(このタイミング図では、第7トランジスタT7がP型薄膜トランジスタである場合を例に挙げて説明するが、第7トランジスタT7がN型薄膜トランジスタである場合、第1リセット制御信号線Reset1は、第2段階A2ではハイレベルの信号を提供し、他の段階ではローレベルの信号を提供する。)、第2ノードN2を第2リセット電圧にリセットする。第2リセット電圧は、第1電源線VDD、第1発光制御信号線EM1、第2発光制御信号線EM2、または第3電源線によって提供される電圧信号であり、第2リセット電圧は第1リセット電圧より大きい。第1ノードN1は第1リセット信号線INIT1の第1リセット電圧であるため、第3トランジスタT3はオンされ、第1走査信号線G1がハイレベルであるため、第2トランジスタT2はオンされ、第2ノードN2の電圧が第3トランジスタT3、および第2トランジスタT2を介して第1ノードN1に伝送される。この段階では、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、および第6トランジスタT6はオフ状態に維持される。
【0164】
第3段階A3、すなわちデータ書き込み段階では、第1走査信号線G1、第2リセット制御信号線Reset2、第1リセット制御信号線Reset1、第1発光制御信号線EM1、および第2発光制御信号線EM2がハイレベルであり、第2走査信号線G2がローレベルである。この場合、第2走査信号線G2がローレベルであるため、第4トランジスタT4はオンされ、データ信号線Dataから出力されるデータ電圧信号Vdataは、オンされた第4トランジスタT4、第3トランジスタT3、第2トランジスタT2を介して第1ノードN1に提供され、データ信号線Dataから出力されるデータ電圧信号Vdataと第3トランジスタT3の閾値電圧Vthとの和が第1コンデンサC1に保存される。この段階では、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6、第7トランジスタT7はオフ状態に維持される。
【0165】
第4段階A4、すなわち発光段階では、第2走査信号線G2、第2リセット制御信号線Reset2および第1リセット制御信号線Reset1がハイレベルであり、第1走査信号線G1、第1発光制御信号線EM1および第2発光制御信号線EM2がローレベルである。第1発光制御信号線EM1がローレベルであるため、第5トランジスタT5はオンされ、第2リセット制御信号線Reset2がハイレベルであるため、第1トランジスタT1はオフされ、第2発光制御信号線EM2がローレベルであるため、第6トランジスタT6はオンされ、第1電源線VDDから出力される電源電圧は、オンされた第5トランジスタT5、第3トランジスタT3、および第6トランジスタT6を介して第4ノードN4(すなわち、発光素子ELのアノード端)に駆動電圧を提供し、発光素子ELを駆動して発光させる。この段階では、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、第4トランジスタT4、第7トランジスタT7はオフ状態に維持される。
【0166】
画素回路の駆動プロセスにおいて、第3トランジスタT3(すなわち、駆動トランジスタ)に流れる駆動電流は、そのゲートと第1極との間の電圧差によって決定される。第1ノードN1の電圧はVdata+Vthであるため、第3トランジスタT3の駆動電流は、
I=K*(Vgs-Vth)2=K*[(Vdata+Vth-Vdd)-Vth]2=K*[(Vdata-Vdd)]2
である。
【0167】
ここで、Iは第3トランジスタT3に流れる駆動電流、すなわち発光素子ELを駆動する駆動電流であり、Kは定数であり、Vgsは第3トランジスタのゲートと第1極との間の電圧差であり、VthはトランジスタT3の閾値電圧であり、Vdataはデータ信号線Dataが出力するデータ電圧であり、Vddは第1電源線VDDが出力する電源電圧である。
【0168】
上式から、発光素子ELに流れる電流Iは、第3トランジスタT3の閾値電圧Vthとは無関係であることがわかり、電流Iに対する第3トランジスタT3の閾値電圧Vthの影響がなくなり、輝度の均一性が確保される。
【0169】
LTPO(LTPS低温ポリシリコントランジスタ+Oxide酸化物トランジスタ)画素回路の応答時間が長いため、低周波数に切り替えるときに画像に輝度のちらつきが発生する。本開示の実施形態の画素回路は、駆動トランジスタの再度設定段階で第3トランジスタT3(駆動トランジスタ)に大きなバイアス電圧を加えてヒステリシスを改善することにより、高周波数と低周波数が切り替えるときに画面の輝度を維持でき、ちらつき(Flicker)のリスクが軽減される。
【0170】
1列のサブ画素において、少なくとも2つの隣接するサブ画素について、前の行のサブ画素の第2発光制御信号線EM2は、次の行のサブ画素の第1発光制御信号線EM1に電気的に接続され、前の行のサブ画素の第2走査信号線G2は、次の行のサブ画素の第1リセット制御信号線Reset1に電気的に接続される。
【0171】
本開示の実施形態は、前述の画素回路を駆動する画素回路の駆動方法をさらに提供し、前記画素回路は複数のスキャンサイクルを有しており、
図45に示すように、前記駆動方法は1スキャンサイクル内にステップ100~ステップ300を含む。
【0172】
ステップ100は、リセット段階において、第1リセットサブ回路が、第1発光制御信号線または第2リセット制御信号線の信号に応答して、第1リセット信号を発光素子のアノード端(すなわち、第4ノード)に書き込むことを含む。
【0173】
いくつかの例示的な実施形態では、ステップ100はさらに、第2発光制御サブ回路が、第2発光制御信号線の信号に応答して、第4ノードの第1リセット信号を第3ノードに書き込むこと、および、補償サブ回路が、第1走査信号線の信号に応答して、第3ノードの第1リセット信号を第1ノードに書き込むことを含む。
【0174】
ステップ200は、再度設定段階において、第2リセットサブ回路が、第1リセット制御信号線の信号に応答して、駆動サブ回路の第1極(すなわち、第2ノード)または第2極(すなわち、第3ノード)に第2リセット信号を書き込むことを含み、第2リセット信号は第1リセット信号よりも大きい。
【0175】
いくつかの例示的な実施形態では、ステップ100は、補償サブ回路が、第1走査信号線の信号に応答して、第3ノードの第2リセット信号を第1ノードに書き込むことをさらに含む。
【0176】
いくつかの例示的な実施形態では、第2リセット信号は、第1電源線、第1発光制御信号線、第2発光制御信号線、および第3電源線のうちの少なくとも1つの電圧線からの信号であってもよい。
【0177】
ステップ300は、発光段階において、駆動サブ回路が、第1ノードの制御信号に応答して、第2ノードと第3ノードとの間に駆動電流を生成することを含む。
【0178】
いくつかの例示的な実施形態では、ステップ300の前に、この方法はさらに、データ書き込み段階において、書き込みサブ回路が、第2走査信号線の信号に応答して、データ信号を第2ノードに書き込むこと、および、補償サブ回路が、第1走査信号線の信号に応答して、第1ノードを補償することを含む。
【0179】
いくつかの例示的な実施形態では、ステップ300は、発光段階において、第1発光制御サブ回路が、第1発光制御信号線の信号に応答して、第2ノードに第1電源線の信号を提供すること、および、第2発光制御サブ回路が、第2発光制御信号線の信号に応答して、第3ノードと第4ノードとの間に駆動電流を流すことをさらに含む。
【0180】
本開示の実施形態に係る画素回路およびその駆動方法、並びに表示装置では、第2リセットサブ回路が、第1リセット制御信号線の信号に応答して、駆動サブ回路の第1極又は第2極に第2リセット信号を書き込み、駆動サブ回路に大きなバイアス電圧を加えてヒステリシスを改善することにより、高周波数と低周波数が切り替えるときに画面の輝度を維持でき、ちらつきのリスクが軽減され、高階調および低階調の下での表示装置の表示効果が向上する。さらに、本開示の画素回路におけるトランジスタの数が少ないため、画素回路が占有するスペースが小さくなり、それによって表示装置の画素解像度が向上する。
以下の点について説明する必要がある。
【0181】
本開示の実施形態の図面は、本開示の実施形態に関連する構造のみに関するものであり、他の構造は一般的な設計を参照することができる。
【0182】
矛盾がない場合、本開示の実施形態および実施形態の特徴を互いに組み合わせて、新たな実施形態を得ることができる。
【0183】
図46~
図60は、本開示の画素駆動回路の別の一連の実施形態の例示的な図面を示す。
【0184】
本開示のすべての実施形態で使用されるトランジスタは、三極管、薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ、または他の同じ特性を有するデバイスであってもよい。本開示の実施形態では、トランジスタの制御極を除く2つの電極を区別するために、一方の電極を第1極と呼び、他方の電極を第2極と呼ぶ。
【0185】
実際の動作では、前記トランジスタが薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタである場合、前記第1極がドレインであり、前記第2極がソースであってもよい。あるいは、前記第1極がソースであり、前記第2極がドレインであってもよい。
【0186】
図46に示すように、本開示の実施形態で説明される画素回路は、駆動回路11、第1制御回路12、補償制御回路13、および第1初期化回路14を含む。
【0187】
第1制御回路12は、第1走査線S1、駆動回路11の制御端、接続ノードN0にそれぞれ電気的に接続され、第1走査線S1によって供給される第1走査信号の制御に基づいて、駆動回路11の制御端と接続ノードN0との間の連通を制御する。
【0188】
補償制御回路13は、第2走査線S2、接続ノードN0、および駆動回路11の第1端にそれぞれ電気的に接続され、第2走査線S2によって供給される第2走査信号の制御に基づいて、接続ノードN0と駆動回路11の第1端との間の連通を制御する。
【0189】
第1初期化回路14は、初期化制御線R1、第1初期化電圧線、および接続ノードN0にそれぞれ電気的に接続され、初期化制御線R1によって提供される初期化制御信号の制御に基づいて、第1初期化電圧線によって提供される第1初期化電圧Vi1を接続ノードN0に書き込む。
【0190】
駆動回路11は、その制御端の電位の制御に基づいて、駆動回路11の第1端と駆動回路11の第2端との間の連通を制御するように構成される。
【0191】
図46に示す少なくとも1つの実施形態では、第1ノードN1は、駆動回路11の制御端に接続されるノードである。
【0192】
本開示の実施形態で説明される画素回路では、第1制御回路12は第1ノードN1に直接電気的に接続されており、第1初期化回路14も補償制御回路13も第1ノードN1に直接電気的に接続されなくて、第1ノードN1のリーク経路を減少させ、低周波動作時の第1ノードの電圧の安定性を確保できるため、表示品質の向上、表示の均一性の向上、ちらつき(Flicker)の軽減に有利である。
【0193】
本開示の
図46に示す画素回路の実施形態は、動作時に、表示サイクルは初期化段階とデータ書き込み段階を含む。前記駆動方法は次のようなものを含む。
【0194】
初期化段階では、第1制御回路12は、第1走査信号の制御に基づいて、駆動回路11の制御端と接続ノードN0との間の連通を制御し、第1初期化回路14は、初期化制御信号の制御に基づいて、第1初期化電圧Vi1を接続ノードN0に書き込むことにより、第1初期化電圧Vi1を駆動回路11の制御端に書き込む。これにより、データ書き込み段階の開始時に、駆動回路11は、その第1端と駆動回路の第2端との間の連通を制御することができる。
【0195】
データ書き込み段階では、第1制御回路12は、第1走査信号の制御に基づいて、駆動回路11の制御端と接続ノードN0との間の連通を制御し、補償制御回路13は、第2走査信号の制御に基づいて、接続ノードN0と駆動回路11の第1端との間の連通を制御することにより、駆動回路11の制御端と駆動回路11の第1端との間を接続する。
選択的に、第1制御回路は第1トランジスタを含む。
【0196】
第1トランジスタの制御極は第1走査線に電気的に接続され、第1トランジスタの第1極は駆動回路の制御端に電気的に接続され、第1トランジスタの第2極は接続ノードに電気的に接続される。
【0197】
第1制御トランジスタは酸化物薄膜トランジスタである。
【0198】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、制御回路に含まれる第1トランジスタは酸化物薄膜トランジスタである。
【0199】
酸化物トランジスタは、優れたヒステリシス特性、低リーク電流、低移動度(Mobility)を備えている。そこで、本開示の少なくとも1つの実施形態では、第1トランジスタを酸化物薄膜トランジスタとすることにより、低リークを実現し、駆動回路の制御端の電位の安定性を確保する。
【0200】
選択的に、補償制御回路は第2トランジスタを含む。
【0201】
第2トランジスタの制御極は第2走査線に電気的に接続され、第2トランジスタの第1極は接続ノードに電気的に接続され、第2トランジスタの第2極は駆動回路の第1端に電気的に接続される。
【0202】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、第2トランジスタは低温ポリシリコン薄膜トランジスタであってもよいが、これに限定されない。具体的な実施形態では、第2トランジスタは別のタイプのトランジスタであってもよい。
【0203】
選択的に、第1初期化回路は第3トランジスタを含む。
【0204】
第3トランジスタの制御極は初期化制御線に電気的に接続され、第3トランジスタの第1極は第1初期化電圧線に電気的に接続され、第3トランジスタの第2極は接続ノードに電気的に接続される。
【0205】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、第3トランジスタは低温ポリシリコン薄膜トランジスタである。具体的な実施形態では、第3トランジスタは別のタイプのトランジスタであってもよい。
【0206】
図47に示すように、
図46に示す画素回路に基づいて、本開示の少なくとも1つの実施形態に記載の画素回路は、リセット回路20をさらに含むことができる。
【0207】
リセット回路20は、第3走査線S3、リセット電圧線DR、および駆動回路11の第2端にそれぞれ電気的に接続されており、第3走査線S3によって供給される第3走査信号の制御に基づいて、リセット電圧線DRによって供給されるリセット電圧を駆動回路11の第2端に書き込む。
【0208】
本開示の
図47に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、リセット回路20が追加されており、リセット回路20は、第3走査信号の制御に基づいて、駆動回路11の第2端にデータ電圧が書き込まれる前の非発光期間に、リセット電圧を駆動回路11の第2端に書き込むことにより、駆動回路11内の駆動トランジスタにバイアス電圧を供給して(この場合、駆動トランジスタのゲート電位もVi1に初期化され)、駆動トランジスタがリセット状態を維持するようにして、駆動トランジスタのヒステリシスが改善され、表示画面の最初のフレームの応答時間(FFR)が短縮される。
【0209】
具体的な実施形態では、駆動トランジスタのヒステリシスにより、駆動トランジスタの特性応答が遅くなる可能性があるが、本開示の少なくとも1つの実施形態では、データ電圧が書き込まれる前に、駆動トランジスタのゲート・ソース間電圧が迅速にリセットされるため、駆動トランジスタの回復速度を速めるのに有利であり、それによって、駆動トランジスタのヒステリシス現象が改善され、ヒステリシス回復速度を向上させる。
【0210】
本開示の
図47に示される画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、非発光期間(非発光期間とは、表示サイクルに含まれる発光期間以外の期間を指してもよい)において、データ電圧が駆動回路11の第2端に書き込まれる前に、第3走査信号のデューティ比を増加させることで、駆動回路11の第2端の電位をリセットする効果を高めるように、駆動回路11の第2端をリセットする時間を長くすることができる。
【0211】
本開示の
図47に示される画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、初期化段階において、リセット回路は、第3走査信号の制御に基づいて、リセット電圧を駆動回路の第2端に書き込む。
【0212】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、リセット電圧は直流電圧信号であり、駆動トランジスタに固定バイアス電圧を提供して、ヒステリシス現象を改善する。
【0213】
選択的に、リセット電圧は高電圧であってもよいが、これに限定されない。
【0214】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、別個の第3走査信号生成モジュールを使用して第3走査線に第3走査信号を供給することができ、これは駆動回路の第2端の電位をリセットするのに有利である。
【0215】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、リセット電圧線と第1電圧線は同じ電圧線とすることができ、これにより使用される信号線の数を減らすことができる。リセット電圧の電圧値は第1初期化電圧の電圧値より大きく、第1電圧線は第1電圧信号を供給するように構成される(第1電圧線は高電圧線であってもよい)。第1電圧信号の電圧値は0Vより大きく5V以下であり、例えば、第1電圧信号の電圧値は4.6Vであるが、これに限定されない。第1初期化電圧は、直流電圧であってもよい。第1初期化電圧の電圧値は、-7V以上、0V以下とすることができ、例えば、第1初期化電圧の電圧値は、-6V、-5V、-4V、-3V、または-2Vであってもよいが、これに限定されない。
【0216】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、駆動回路内の駆動トランジスタの閾値電圧Vthは、-5V以上、-2V以下とすることができ、好ましくは、Vthは、-4V以上、-2.5V以下であり、例えば、Vthは、-4V、-3.5V、-3V、または-2.5Vであってもよいが、これらに限定されない。
【0217】
バイアス効果が比較的短時間で迅速に達成されることを保証するために、リセット電圧の電圧値の絶対値は、閾値電圧の絶対値の1.5倍より大きくてもよい。例えば、リセット電圧の電圧値の絶対値は、閾値電圧の絶対値の2倍、2.5倍、または3倍より大きくなってもよいが、これらに限定されない。
【0218】
選択的に、リセット回路は第4トランジスタを含む。
【0219】
第4トランジスタの制御極は第3走査線に電気的に接続され、第4トランジスタの第1極はリセット電圧線に電気的に接続され、第4トランジスタの第2極は駆動回路の第2端に電気的に接続される。
【0220】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、第4トランジスタは、低温ポリシリコン薄膜トランジスタであってもよいが、これに限定されない。
【0221】
図48に示すように、本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路は、発光素子30、発光制御回路31、および第2初期化回路32をさらに含むことができる。
【0222】
前記発光制御回路31は、発光制御線E1、第1電圧線V1、前記駆動回路11の第2端、前記駆動回路11の第1端、および前記発光素子30の第1極にそれぞれ電気的に接続され、前記発光制御線E1から供給される発光制御信号の制御に基づいて、前記第1電圧線V1と前記駆動回路11の第2端との間の連通を制御し、前記駆動回路11の第1端と前記発光素子30の第1極との連通を制御する。
【0223】
前記第2初期化回路32は、第4走査線S4、第2初期化電圧線及び前記発光素子30の第1極にそれぞれ電気的に接続され、前記第4走査線S4から供給される第4走査信号の制御に基づいて、第2初期化電圧線から供給される第2初期化電圧Vi2を前記発光素子30の第1極に書き込む。
【0224】
前記発光素子30の第2極は、第2電圧線V2に電気的に接続されている。
【0225】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、前記第1電圧線V1は高電圧線であってもよく、前記第2電圧線V2は低電圧線であってもよいが、これに限定するものではない。
【0226】
前記発光素子30はOLED(有機発光ダイオード)であってもよく、前記発光素子30の第1極はOLEDのアノードであってもよく、前記発光素子30の第2極はOLEDのカソードであってもよいが、これに限定されない。
【0227】
本開示の
図48に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、別個の第4走査信号生成モジュールを使用して第4走査線に第4走査信号を提供することができ、低周波ちらつき下でのスイッチング周波数切り替えの自由度(前記スイッチング周波数は、前記第2初期化回路32が備えるトランジスタのスイッチング周波数である)に有利である。前記画素回路が適用される表示パネルが低周波で動作する場合、発光制御回路31が第1電圧線V1と駆動回路11の第2端との間のオフを制御し、駆動回路11の第1端と発光素子30の第1極との間のオフを制御する場合、第4走査信号の周波数を上げることでちらつき(Flicker)を軽減することができる。
【0228】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、前記第3走査信号と前記第4走査信号とは同一の走査信号であってもよく、前記第3走査信号生成モジュールと前記第4走査信号生成モジュールとは同一のモジュールであってもよいが、これに限定されない。
【0229】
本開示の
図48に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時において、前記第1走査信号と前記発光制御信号とは同じ信号であってもよいが、PWM(パルス幅変調)が発光機能を制御する場合、発光中にEMが高電圧信号を供給する可能性があることを考慮すると、個別の第1走査信号生成モジュールを通じて第1走査線に第1走査信号を供給し、発光制御信号生成モジュールを通じて発光制御線に発光制御信号を供給する。
【0230】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、リセット電圧線が第1電圧線である場合、リセット電圧の電圧値は、第2初期化電圧の電圧値よりも大きくてもよい。
【0231】
第2初期化電圧の電圧値は、-7V以上0V以下であってもよい。例えば、第2初期化電圧の電圧値は、-6V、-5V、-4V、-3Vまたは-2Vであってもよい。
【0232】
選択的に、前記発光制御回路は、第5トランジスタと第6トランジスタとを含む。
【0233】
前記第5トランジスタの制御極は前記発光制御線に電気的に接続され、前記第5トランジスタの第1極は前記第1電圧線に電気的に接続され、前記第5トランジスタの第2極は前記駆動回路の第2端に電気的に接続される。
【0234】
前記第6トランジスタの制御極は前記発光制御線に電気的に接続され、前記第6トランジスタの第1極は前記駆動回路の第1端に電気的に接続され、前記第6トランジスタの第2極は前記発光素子の第1極に電気的に接続される。
【0235】
前記第2初期化回路は、第7トランジスタを含む。
【0236】
前記第7トランジスタの制御極は前記第4走査線に電気的に接続され、前記第7トランジスタの第1極は前記第2初期化電圧線に電気的に接続され、前記第7トランジスタの第2極は前記発光素子の第1極に電気的に接続される。
【0237】
選択的に、前記第7トランジスタは酸化物薄膜トランジスタであってもよい。
【0238】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、第7トランジスタを酸化物薄膜トランジスタとすることで、リークを低減し、発光素子の第1極の電位の安定性を確保することができる。
【0239】
図49に示すように、
図48に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、本開示の少なくとも1つの実施形態に記載の画素回路は、データ書き込み回路41とエネルギー蓄積回路42をさらに含むことができる。
【0240】
前記データ書き込み回路41は、第2走査線S2、データ線D1及び前記駆動回路11の第2端にそれぞれ電気的に接続され、前記第2走査線S2から供給される第2走査信号の制御に基づいて、前記データ線D1上のデータ電圧を前記駆動回路11の第2端に書き込む。
【0241】
前記エネルギー蓄積回路42は、前記駆動回路11の制御端に電気的に接続され、電気エネルギーを蓄積する。
【0242】
本開示の
図49に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、表示サイクルは、データ書き込み段階の後に設けられた発光段階をさらに含む。
【0243】
初期化段階では、前記第2初期化回路32は、前記第4走査線S4から供給される第4走査信号の制御に基づいて、第2初期化電圧線から供給される第2初期化電圧Vi2を前記発光素子30の第1極に書き込む。
【0244】
データ書き込み段階では、データ書き込み回路41は、第2走査信号の制御に基づいて、データ線D1上のデータ電圧Vdataを駆動回路11の第2端に書き込む。
【0245】
データ書き込み段階の開始時、駆動回路11は、データ電圧Vdataを介してエネルギー蓄積回路42に充電されるように、その第1端と駆動回路11の第2端との間の連通を制御し、駆動回路11の制御端の電位がVdata+Vthに変化するまで、駆動回路11の制御端の電位を変化させ、Vthは駆動回路11の駆動トランジスタの閾値電圧である。
【0246】
発光段階では、発光制御回路31は、発光制御信号の制御に基づいて、前記第1電圧線V1と前記駆動回路11の第2端との間の連通を制御し、前記駆動回路11の第1端と発光素子30の第1極との間の連通を制御し、駆動回路11は発光素子30を駆動して発光する。
【0247】
選択的に、前記データ書き込み回路は第8トランジスタを含み、前記エネルギー蓄積回路は蓄積コンデンサを含む。
【0248】
前記第8トランジスタの制御極は前記第2走査線に電気的に接続され、前記第8トランジスタの第1極は前記データ線に電気的に接続され、前記第8トランジスタの第2極は前記駆動回路の第2端に電気的に接続される。
【0249】
前記蓄積コンデンサの第1端は前記駆動回路の制御端に電気的に接続され、前記蓄積コンデンサの第2端は前記第1電圧線に電気的に接続される。
【0250】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、駆動回路は駆動トランジスタを含むことができる。
【0251】
前記駆動トランジスタはシングルゲートトランジスタであり、前記駆動トランジスタのゲートは前記駆動回路の制御端に電気的に接続され、前記駆動トランジスタの第1極は前記駆動回路の第1端に電気的に接続され、前記駆動トランジスタの第2極は前記駆動回路の第2端に電気的に接続され、または、
前記駆動トランジスタはダブルゲートトランジスタであり、前記駆動トランジスタの第1ゲートは前記駆動回路の制御端に電気的に接続され、前記駆動トランジスタの第2ゲートは第1電圧線に電気的に接続され、前記駆動トランジスタの第1極は前記駆動回路の第1端に電気的に接続され、前記駆動トランジスタの第2極は前記駆動回路の第2端に電気的に接続され、前記第1ゲートはトップゲートであり、前記第2ゲートはボトムゲートである。
【0252】
選択的に、前記駆動トランジスタは、シングルゲートトランジスタまたはダブルゲートトランジスタであってもよい。前記駆動トランジスタがダブルゲートトランジスタである場合、前記駆動トランジスタの第1ゲートは前記駆動回路の制御端に電気的に接続され、前記駆動トランジスタの第2ゲートは第1電圧線に電気的に接続され、第1ゲートはトップゲートであり、第2ゲートはボトムゲートであり、駆動トランジスタの基板にバイアス電圧を印加させ、駆動トランジスタのヒステリシス現象を改善する。
【0253】
図50に示すように、
図49に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、前記第1制御回路12は第1トランジスタT1を含み、駆動回路11は駆動トランジスタT0を含み、前記発光素子は有機発光ダイオードO1である。
【0254】
前記第1トランジスタT1のゲートは前記第1走査線S1に電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のドレインは前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のソースは前記接続ノードN0に電気的に接続される。
前記補償制御回路13は、第2トランジスタT2を含む。
【0255】
前記第2トランジスタT2のゲートは前記第2走査線S2に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のドレインは前記接続ノードN0に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のソースは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続される。
前記第1初期化回路14は、第3トランジスタT3を含む。
【0256】
前記第3トランジスタT3のゲートは前記初期化制御線R1に電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のドレインは第1初期化電圧線に電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のソースは前記接続ノードN0に電気的に接続され、前記第1初期化電圧線は第1初期化電圧Vi1を供給するために用いられる。
【0257】
前記リセット回路20は、第4トランジスタT4を含む。
【0258】
前記第4トランジスタT4のゲートは前記第3走査線S3に電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のドレインは前記リセット電圧線DRに電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続される。
【0259】
前記発光制御回路は、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6を含む。
前記第5トランジスタT5のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のドレインは高電圧線に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続され、前記高電圧線は高電圧信号VDDを供給するために用いられる。
【0260】
前記第6トランジスタT6のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のドレインは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のソースは有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続される。
【0261】
前記第2初期化回路32は、第7トランジスタT7を含む。
前記第7トランジスタT7のゲートは前記第4走査線S4に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のドレインは前記第2初期化電圧線に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のソースは前記有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続され、前記第2初期化電圧線は第2初期化電圧Vi2を供給するために用いられる。
【0262】
前記データ書き込み回路41は第8トランジスタT8を含み、前記エネルギー蓄積回路42は蓄積コンデンサCを含む。
【0263】
前記第8トランジスタT8のゲートは前記第2走査線S2に電気的に接続され、前記第8トランジスタT8のドレインは前記データ線D1に電気的に接続され、前記第8トランジスタT8のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続される。
【0264】
前記蓄積コンデンサCの第1端は前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記蓄積コンデンサCの第2端は前記高電圧線に電気的に接続される。
【0265】
O1のカソードは、低電圧VSSを供給するための低電圧線に電気的に接続されている。
【0266】
図50において、N1とラベルが付されているのは第1ノードであり、第1ノードN1はT0のゲートに電気的に接続されている。
【0267】
N2とラベルが付されているのは第2ノードであり、N3とラベルが付されているのは第3ノードであり、N2はT0のソースに電気的に接続され、N3はT0のドレインに電気的に接続されている。
【0268】
図50に示す少なくとも1つの実施形態では、第1電圧線は高電圧線であり、第2電圧線は低電圧線である。
【0269】
図50に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態において、T1は酸化物薄膜トランジスタであってもよく、T0、T2、T3、T4、T5、T6、T7及びT8はすべて低温ポリシリコン薄膜トランジスタであってもよく、T1はN型のトランジスタであり、T0、T2、T3、T4、T5、T6、T7及びT8はP型のトランジスタであり、T0はシングルゲートトランジスタであるが、これに限定されない。
【0270】
図50に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、N1のリークを低減し、T0のゲートの電位の安定性を安定するように、N1はT1にのみ直接電気的に接続され、N1はT2およびT3には直接電気的に接続されていない。
【0271】
図50に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、リークを低減し、N1の電位の安定性を保証するように、T1は酸化物薄膜トランジスタである。
【0272】
選択的に、T2とT3はシングルゲートトランジスタであり、スペースを節約することができる。
【0273】
図50に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、前記初期化制御線R1が供給する初期化制御信号、および、前記第2走査線が供給する第2走査信号は、すべて第2走査信号生成モジュールによって供給されてもよい。
【0274】
選択的に、画素回路の少なくとも1つの実施形態において、前記画素回路が含む各トランジスタは、基板上に配置することができ、寄生容量を低減するために、前記基板上の導電性パターンの正投影と前記基板上の第4走査線S4の正投影との間の重複面積はできるだけ少なく、前記基板上の導電性パターンの正投影と前記基板上の初期化制御線R1の正投影との間の重複面積はできるだけ少ない。好ましくは、前記導電性パターンと第4走査線S4との間の容量は0.3Cz未満であり、T0のソースとT5のソースとを電気的に接続するための導電性パターンと初期化制御線R1との間の容量は0.3Cz未満であり、ここで、Czは、前記蓄積コンデンサCの容量値である。
【0275】
前記導電性パターンは、T0のソース、T5のソース、および、T0のソースとT5のソースとを電気的に接続するための接続導電性パターンを含む。
【0276】
図51に示すように、本開示の
図50に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、表示サイクルは、順次設定される初期化段階t1、データ書き込み段階t2、及び発光段階t3を含む。
【0277】
初期化段階t1では、E1は高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、T1はオンされ、R1は低電圧信号を提供し、S2は高電圧信号を提供し、T2はオンされ、T3はオフされ、Vi1はN1を書き込み、データ書き込み段階t2の開始時にT0がオンになるようにする。S3とS4は低電圧信号を提供し、T7はオンされ、T4はオンされ、DRから供給されたリセット電圧をN2に書き込み、Vi2をO1のアノードに書き込み、O1が発光しないようにし、O1のアノードに残った電荷を除去する。
【0278】
データ書き込み段階t2では、E1は高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、T1はオンされ、R1は高電圧信号を提供し、S2は高電圧信号を提供し、T2はオンされ、T3はオフされ、T8はオンされ、S3とS4は高電圧信号を提供し、T7とT4はオフされ、データ線D1上のデータ電圧VdataはN2に書き込む。
【0279】
データ書き込み段階t2の開始時に、T0がオンになり、Vdataを通じて、オンになったT8、T0、T2、T1を経てCが充電されて、T0がオフになるまでN1の電位が上昇し、T0がオフになる時、N1の電位はVdata+Vthであり、VthはT0の閾値電圧である。
【0280】
発光段階t3では、E1は低電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S1は低電圧信号を提供し、S2、S3、S4は高電圧信号を提供し、T1、T2、T3、T4、T7、T8はオフされ、T5、T6はオンされ、T0はオンされて、O1が駆動されて発光する。
【0281】
図50に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、T4が増設され、N2に高電圧を供給し、非発光時間帯にN2の電位を初期化し、T0安定性の向上に有利である。そして、O1のアノードの電位を初期化するためにT7を提供し、低周波ちらつきの下でスイッチング周波数を自由に切り替えるのに有利である。
【0282】
図52に示すように、
図49に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、前記第1制御回路12は第1トランジスタT1を含み、前記駆動回路11は駆動トランジスタT0を含み、前記発光素子は有機発光ダイオードO1である。
【0283】
前記第1トランジスタT1のゲートは前記第1走査線S1に電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のドレインは前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のソースは前記接続ノードN0に電気的に接続される。
【0284】
前記補償制御回路13は、第2トランジスタT2を含む。
【0285】
前記第2トランジスタT2のゲートは前記第2走査線S2に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のドレインは前記接続ノードN0に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のソースは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続される。
【0286】
前記第1初期化回路14は、第3トランジスタT3を含む。
【0287】
前記第3トランジスタT3のゲートは前記初期化制御線R1に電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のドレインは第1初期化電圧線に電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のソースは前記接続ノードN0に電気的に接続され、前記第1初期化電圧線は第1初期化電圧Vi1を供給するために用いられる。
【0288】
前記リセット回路20は、第4トランジスタT4を含む。
【0289】
前記第4トランジスタT4のゲートは前記第3走査線S3に電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のドレインは前記リセット電圧線DRに電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続される。
【0290】
前記発光制御回路は、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6を含む。
【0291】
前記第5トランジスタT5のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のドレインは高電圧線に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続され、前記高電圧線は高電圧信号VDDを供給するために用いられる。
【0292】
前記第6トランジスタT6のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のドレインは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のソースは有機発光ダイオードO 1のアノードに電気的に接続される。
【0293】
前記第2初期化回路32は、第7トランジスタT7を含む。
【0294】
前記第7トランジスタT7のゲートは前記第4走査線S4に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のドレインは前記第2初期化電圧線に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のソースは前記有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続され、前記第2初期化電圧線は第2初期化電圧Vi2を供給するために用いられる。
【0295】
前記データ書き込み回路41は第8トランジスタT8を含み、前記エネルギー蓄積回路42は蓄積コンデンサCを含む。
【0296】
前記第8トランジスタT8のゲートは前記第2走査線S2に電気的に接続され、前記第8トランジスタT8のドレインは前記データ線D1に電気的に接続され、前記第8トランジスタT8のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続される。
【0297】
前記蓄積コンデンサCの第1端は前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記蓄積コンデンサCの第2端は前記高電圧線に電気的に接続される。
【0298】
O1のカソードは、低電圧VSSを供給するための低電圧線に電気的に接続されている。
【0299】
図52において、N1とラベルが付されているのは第1ノードであり、第1ノードN1はT0のゲートに電気的に接続されている。
【0300】
N2とラベルが付されているのは第2ノードであり、N3とラベルが付されているのは第3ノードであり、N2はT0のソースに電気的に接続され、N3はT0のドレインに電気的に接続されている。
【0301】
図52に示す少なくとも1つの実施形態では、第1電圧線は高電圧線であり、第2電圧線は低電圧線である。
【0302】
図52に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態において、T1及びT7は酸化物薄膜トランジスタであってもよく、T0、T2、T3、T4、T5、T6及びT8はすべて低温ポリシリコン薄膜トランジスタであってもよく、T1及びT7はN型のトランジスタであり、T0、T2、T3、T4、T5、T6及びT8はP型のトランジスタであり、T0はシングルゲートトランジスタであるが、これに限定されない。
【0303】
本開示の
図52に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、T7が酸化物薄膜トランジスタである点で、本開示の
図50に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態と異なる。
【0304】
図52に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、N1のリークを低減し、T0のゲートの電位の安定性を安定するように、N1はT1にのみ直接電気的に接続され、N1はT2およびT3には直接電気的に接続されていない。
【0305】
図52に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、リークを低減し、N1の電位の安定性を保証し、O1のアノードの電位の安定性を保証するように、T1及びT7は酸化物薄膜トランジスタである。
【0306】
図52に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、別個の第4走査信号生成モジュールを使用して第4走査線に第4走査信号を提供することができ、低周波ちらつき下でのスイッチング周波数切り替えの自由度(前記スイッチング周波数は、前記第2初期化回路32が備えるトランジスタのスイッチング周波数である)に有利である。前記画素回路が適用される表示パネルが低周波で動作する場合、発光制御回路31が第1電圧線V1と駆動回路11の第2端との間のオフを制御し、駆動回路11の第1端と発光素子30の第1極との間のオフを制御する場合、第4走査信号の周波数を上げることでちらつき(Flicker)を軽減することができ、または、
前記第4走査線は、低周波リフレッシュ段階において、発光制御線から供給される発光制御信号を周期的に制御するだけで、発光素子を周期的にリセット/輝度調整して輝度バランスを実現することができるように、前記発光制御線であってもよい。
【0307】
図53に示すように、
図49に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、前記第1制御回路12は第1トランジスタT1を含み、前記駆動回路11は駆動トランジスタT0を含み、前記発光素子は有機発光ダイオードO1である。
【0308】
前記第1トランジスタT1のゲートは前記第1走査線S1に電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のドレインは前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のソースは前記接続ノードN0に電気的に接続される。
【0309】
前記補償制御回路13は、第2トランジスタT2を含む。
【0310】
前記第2トランジスタT2のゲートは前記第2走査線S2に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のドレインは前記接続ノードN0に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のソースは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続される。
【0311】
前記第1初期化回路14は、第3トランジスタT3を含む。
【0312】
前記第3トランジスタT3のゲートは前記初期化制御線R1に電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のドレインは第1初期化電圧線に電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のソースは前記接続ノードN0に電気的に接続され、前記第1初期化電圧線は第1初期化電圧Vi1を供給するために用いられる。
【0313】
前記リセット回路20は、第4トランジスタT4を含む。
【0314】
前記第4トランジスタT4のゲートは前記第3走査線S3に電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のドレインは高電圧線に電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続され、前記高電圧線は高電圧信号VDDを供給するために用いられる。
【0315】
前記発光制御回路は、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6を含む。
【0316】
前記第5トランジスタT5のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のドレインは高電圧線に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続される。
【0317】
前記第6トランジスタT6のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のドレインは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のソースは有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続される。
【0318】
前記第2初期化回路32は、第7トランジスタT7を含む。
【0319】
前記第7トランジスタT7のゲートは前記第4走査線S4に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のドレインは前記第2初期化電圧線に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のソースは前記有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続され、前記第2初期化電圧線は第2初期化電圧Vi2を供給するために用いられる。
【0320】
前記データ書き込み回路41は第8トランジスタT8を含み、前記エネルギー蓄積回路42は蓄積コンデンサCを含む。
【0321】
前記第8トランジスタT8のゲートは前記第2走査線S2に電気的に接続され、前記第8トランジスタT8のドレインは前記データ線D1に電気的に接続され、前記第8トランジスタT8のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続される。
【0322】
前記蓄積コンデンサCの第1端は前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記蓄積コンデンサCの第2端は前記高電圧線に電気的に接続される。
【0323】
O1のカソードは、低電圧VSSを供給するための低電圧線に電気的に接続されている。
【0324】
図53において、N1とラベルが付されているのは第1ノードであり、第1ノードN1はT0のゲートに電気的に接続されている。
【0325】
N2とラベルが付されているのは第2ノードであり、N3とラベルが付されているのは第3ノードであり、N2はT0のソースに電気的に接続され、N3はT0のドレインに電気的に接続されている。
【0326】
図53に示す少なくとも1つの実施形態では、第1電圧線は高電圧線であり、第2電圧線は低電圧線である。
【0327】
図53に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態において、T1は酸化物薄膜トランジスタであってもよく、T0、T2、T3、T4、T5、T6、T7及びT8はすべて低温ポリシリコン薄膜トランジスタであってもよく、T1はN型のトランジスタであり、T0、T2、T3、T4、T5、T6、T7及びT8はP型のトランジスタであり、T0はシングルゲートトランジスタであるが、これに限定されない。
【0328】
図53に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、N1のリークを低減し、T0のゲートの電位の安定性を安定するように、N1はT1にのみ直接電気的に接続され、N1はT2およびT3には直接電気的に接続されていない。
【0329】
N1のリークを低減し、T0のゲートの電位の安定性を安定するように、T1は酸化物薄膜トランジスタである。
【0330】
本開示の
図53に示す画素回路の少なくとも1つの実施例と本開示の
図50に示す画素回路の少なくとも1つの実施例との違いは、前記リセット電圧線DRが前記高電圧線であり、使用する信号線の数を減らすことができる。
【0331】
本開示の
図53に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、VDDの電圧値は4.6Vであってもよく、VDDの電圧値はVi1の電圧値より大きく、VDDの電圧値はVi2の電圧値より大きい。
【0332】
本開示の
図53に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、T7は酸化物薄膜トランジスタに置き換えられてもよく、T0はダブルゲートトランジスタに置き換えられてもよいが、これに限定されない。
【0333】
図54に示すように、
図49に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、第1制御回路12は第1トランジスタT1を含み、駆動回路11は駆動トランジスタT0を含み、前記発光素子は有機発光ダイオードO1である。
【0334】
前記第1トランジスタT1のゲートは前記第1走査線S1に電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のドレインは前記駆動トランジスタT0の第1ゲートに電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のソースは前記接続ノードN0に電気的に接続される。
【0335】
前記補償制御回路13は、第2トランジスタT2を含む。
【0336】
前記第2トランジスタT2のゲートは前記第2走査線S2に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のドレインは前記接続ノードN0に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のソースは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続される。
【0337】
前記第1初期化回路14は、第3トランジスタT3を含む。
【0338】
前記第3トランジスタT3のゲートは前記初期化制御線R1に電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のドレインは第1初期化電圧線に電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のソースは前記接続ノードN0に電気的に接続され、前記第1初期化電圧線は第1初期化電圧Vi1を供給するために用いられる。
【0339】
前記リセット回路20は、第4トランジスタT4を含む。
【0340】
前記第4トランジスタT4のゲートは前記第3走査線S3に電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のドレインは前記リセット電圧線DRに電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続される。
【0341】
前記発光制御回路は、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6を含む。
【0342】
前記第5トランジスタT5のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のドレインは高電圧線に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続され、前記高電圧線は高電圧信号VDDを供給するために用いられる。
【0343】
前記第6トランジスタT6のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のドレインは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のソースは有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続される。
【0344】
前記第2初期化回路32は、第7トランジスタT7を含む。
【0345】
前記第7トランジスタT7のゲートは前記第4走査線S4に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のドレインは前記第2初期化電圧線に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のソースは前記有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続され、前記第2初期化電圧線は第2初期化電圧Vi2を供給するために用いられる。
【0346】
前記データ書き込み回路41は第8トランジスタT8を含み、前記エネルギー蓄積回路42は蓄積コンデンサCを含む。
【0347】
前記第8トランジスタT8のゲートは前記第2走査線S2に電気的に接続され、前記第8トランジスタT8のドレインは前記データ線D1に電気的に接続され、前記第8トランジスタT8のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続される。
【0348】
前記蓄積コンデンサCの第1端は前記駆動トランジスタT0の第1ゲートに電気的に接続され、前記蓄積コンデンサCの第2端は前記高電圧線に電気的に接続される。
【0349】
前記駆動トランジスタT0の第2ゲートは前記高電圧線に電気的に接続される。
【0350】
O1のカソードは、低電圧VSSを供給するための低電圧線に電気的に接続されている。
【0351】
図54において、N1とラベルが付されているのは第1ノードであり、第1ノードN1はT0のゲートに電気的に接続されている。
【0352】
N2とラベルが付されているのは第2ノードであり、N3とラベルが付されているのは第3ノードであり、N2はT0のソースに電気的に接続され、N3はT0のドレインに電気的に接続されている。
【0353】
図54に示す少なくとも1つの実施形態では、第1電圧線は高電圧線であり、第2電圧線は低電圧線である。
【0354】
図54に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態において、T1は酸化物薄膜トランジスタであってもよく、T0、T2、T3、T4、T5、T6、T7及びT8はすべて低温ポリシリコン薄膜トランジスタであってもよく、T1はN型のトランジスタであり、T0、T2、T3、T4、T5、T6、T7及びT8はP型のトランジスタであり、T0はダブルゲートトランジスタであるが、これに限定されない。
【0355】
図54に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、N1のリークを低減し、T0のゲートの電位の安定性を安定するように、N1はT1にのみ直接電気的に接続され、N1はT2およびT3には直接電気的に接続されていない。
【0356】
図54に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、リークを低減し、N1の電位の安定性を保証するように、T1は酸化物薄膜トランジスタである。
【0357】
図54に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、T0はダブルゲートトランジスタであり、T0の第1ゲートはトップゲートであり、T0の第2ゲートはボトムゲートであり、T0の基板にバイアス電圧を印加するために、T0の第2ゲートは前記高電圧線に電気的に接続され、T0のヒステリシス現象を改善するのに有利である。
【0358】
本開示の
図54に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、T0がダブルゲートトランジスタである点で、本開示の
図50に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態と異なる。
【0359】
本開示の
図54に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、T7は酸化物薄膜トランジスタに置き換えられてもよく、DRは第1電圧線であってもよいが、これに限定されない。
【0360】
本開示の
図50、
図52、
図53、
図54に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、非発光期間(前記非発光期間は、前記表示サイクルに含まれる発光段階を除く期間を指すことができる)において、データ電圧VdataがN2に書き込まれる前に、第3走査信号のデューティ比を増加させることにより、N2の電位のリセット効果をより良くするために、T4のオン時間を上昇させることができる。
【0361】
図55に示すように、隣接する2行の画素回路は、同じ行のリセット電圧線に電気的に接続することができる。
図55において、DRnとラベルが付されているのは第n行リセット電圧線(nは正の整数)であり、隣接する列に位置する2つの画素回路は鏡像的に設置されて、配線を容易にすることができる。
【0362】
図56に示すように、隣接する2列の画素回路は、同じ列のリセット電圧線に電気的に接続することができる。
図56において、DRmとラベルが付されているのは第m列リセット電圧線(mは正の整数)であり、隣接する列に位置する2つの画素回路は鏡像的に設置されて、配線を容易にすることができる。
【0363】
図57に示すように、隣接する2行の画素回路は、同じ行のリセット電圧線に電気的に接続することができ、隣接する2列の画素回路は、同じ列のリセット電圧線に電気的に接続することができ、隣接する列に位置する2つの画素回路は鏡像的に設置され、複数のリセット電圧線は格子状に設置されて、配線を容易にすることができる。
【0364】
図57において、DR11とラベルが付されているのは第1行リセット電圧線であり、DR12とラベルが付されているのは第2行リセット電圧線であり、DR21とラベルが付されているのは第1列リセット電圧線であり、DR22とラベルが付されているのは第2列リセット電圧線であり、DR23とラベルが付されているのは第3列リセット電圧線である。
【0365】
図58において、DR11とラベルが付されているのは第1行リセット電圧線であり、DR12とラベルが付されているのは第2行リセット電圧線であり、DR13とラベルが付されているのは第3行リセット電圧線であり、DR14とラベルが付されているのは第4行リセット電圧線であり、DR21とラベルが付されているのは第1列リセット電圧線であり、DR22とラベルが付されているのは第2列リセット電圧線である。
【0366】
図58に示すように、第1行に位置する画素回路はすべて第1行リセット電圧線DR11に電気的に接続され、第2行に位置する画素回路は第2行リセット電圧線DR12に電気的に接続され、第3行に位置する画素回路はすべて第3行リセット電圧線DR13に電気的に接続され、第4行に位置する画素回路は第4行リセット電圧線DR14に電気的に接続される。
【0367】
複数のリセット電圧線が格子状に配置されるように、垂直に延びるリセット電圧線が設けられ、また、配線スペースを節約するために、画素回路の数列ごとにリセット電圧線の列を設けることができる。
【0368】
具体的には、赤色画素回路列の片側に、垂直に延びるリセット電圧線を設けることができる。
【0369】
本開示の実施形態に記載の駆動方法は、上述の画素回路に適用され、表示サイクルは初期化段階とデータ書き込み段階とを含む。前記駆動方法は、以下のことを含む。
【0370】
初期化段階では、第1制御回路は、第1走査信号の制御に基づいて、駆動回路の制御端と接続ノードとの間の連通を制御し、第1初期化回路は、初期化制御信号の制御に基づいて、第1初期化電圧を接続ノードに書き込むことにより、第1初期化電圧を駆動回路の制御端に書き込む。これにより、データ書き込み段階の開始時に駆動回路がその第1端と駆動回路の第2端との間の連通を制御することができる。
【0371】
データ書き込み段階では、第1制御回路は、第1走査信号の制御に基づいて、駆動回路の制御端と接続ノードとの間の連通を制御し、補償制御回路は、第2走査信号の制御に基づいて、前記接続ノードと前記駆動回路の第1端との間の連通を制御して、前記駆動回路の制御端と前記駆動回路の第1端との間を連通させる。
【0372】
本開示の実施形態に係る駆動方法では、第1制御回路は、駆動回路の制御端と接続ノードとの間の連通を制御し、第1初期化回路は、初期化制御信号の制御に基づいて、第1初期化電圧を接続ノードに書き込み、補償制御回路は、第2走査信号の制御に基づいて、前記接続ノードと前記駆動回路の第1端との間の連通を制御し、第1制御回路は駆動回路の制御端に直接電気的に接続され、第1初期化回路および補償制御回路は駆動回路の制御端に直接電気的に接続されなくて、第1ノード(駆動回路の制御端に電気的に接続されたノード)のリーク経路を減少させることで、低周波動作時に第1ノードの電圧の安定性を確保でき、表示品質の向上、表示の均一性の向上、ちらつき(Flicker)の軽減に有利である。
【0373】
具体的な実施形態では、前記画素回路はリセット回路をさらに含むことができ、前記駆動方法はさらに、以下のことを含む。
【0374】
前記初期化段階では、前記リセット回路は、第3走査信号の制御に基づいて、リセット電圧を前記駆動回路の第2端に書き込む。
【0375】
選択的に、前記画素回路は、発光素子と第2初期化回路とをさらに含むことができ、前記駆動方法はさらに、以下のことを含む。
【0376】
前記第2初期化回路は、第4走査信号の制御に基づいて、第2初期化電圧を前記発光素子の第1極に書き込み、前記発光素子を非発光に制御する。
【0377】
具体的な実施形態では、前記画素回路は、発光制御回路、データ書き込み回路、およびエネルギー蓄積回路をさらに含み、表示サイクルは、データ書き込み段階の後に設けられた発光段階を含み、前記駆動方法はさらに、以下のことを含む。
【0378】
データ書き込み段階では、データ書き込み回路は、第2走査信号の制御に基づいて、データ線上のデータ電圧Vdataを駆動回路の第2端に書き込む。
【0379】
データ書き込み段階の開始時、駆動回路は、データ電圧Vdataを介してエネルギー蓄積回路に充電するように、その第一端と前記駆動回路の第二端との間の連通を制御し、前記駆動回路の制御端の電位がVdata+Vthになるまで、前記駆動回路の制御端の電位を変更し、Vthは前記駆動回路に含まれる駆動トランジスタの閾値電圧である。
【0380】
発光段階では、発光制御回路は、発光制御信号の制御に基づいて、前記第1電圧線と前記駆動回路の第2端との間の連通を制御し、前記駆動回路の第1端と発光素子の第1極との間の連通を制御し、駆動回路が発光素子を駆動して発光させる。
【0381】
本開示の実施形態に係る表示装置は、上述した画素回路を含む。
【0382】
選択的に、前記画素回路は、第3走査線に電気的に接続されたリセット回路と、前記第4走査線に電気的に接続された第2初期化回路とを含み、前記表示装置は、第3走査信号
【0383】
生成モジュールと第4走査信号生成モジュールとをさらに含む。
【0384】
前記第3走査信号生成モジュールは、前記第3走査線に第3走査信号を供給するために、前記第3走査線に電気的に接続される。
【0385】
前記第4走査信号生成モジュールは、前記第4走査線に第4走査信号を供給するために、前記第4走査線に電気的に接続される。
【0386】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、前記第3走査信号と前記第4走査信号とは同一の走査信号であってもよく、前記第3走査信号生成モジュールと前記第4走査信号生成モジュールとは同一のモジュールであってもよい。
【0387】
図59に示すように、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示装置は表示パネルを含み、前記表示パネルは画素モジュールP0を含み、前記画素モジュールP0は、上述の画素回路を複数行及び複数列含み、前記画素モジュールP0は、表示パネルの有効表示領域内に設けられる。
【0388】
前記表示パネルはさらに、発光制御信号生成モジュール70、第1走査信号生成モジュール71、第2-1走査信号生成モジュール721、第2-2走査信号生成モジュール722、第3走査信号生成モジュール73、および第4走査信号生成モジュール74を含む。
【0389】
前記発光制御信号生成モジュール70は、発光制御信号を供給するために用いられ、第1走査信号生成モジュール71は、第1走査信号を供給するために用いられ、第2-1走査信号生成モジュール721および第2-2走査信号生成モジュール722は、第2走査信号を供給するために用いられ、第3走査信号生成モジュール73は、第3走査信号を供給するために用いられ、第4走査信号生成モジュール74は、第4走査信号を供給するために用いられる。
【0390】
発光制御信号生成モジュール70、第1走査信号生成モジュール71及び第2-1走査信号生成モジュール721は、前記表示パネルの左側に配置される。
【0391】
第2-2走査信号生成モジュール722、第3走査信号生成モジュール73、および第4走査信号生成モジュール74は、前記表示パネルの右側に配置される。
【0392】
図60に示すように、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示装置は表示パネルを含み、前記表示パネルは画素モジュールP0を含み、前記画素モジュールP0は、上述の画素回路を複数行及び複数列含み、前記画素モジュールP0は、表示パネルの有効表示領域内に設けられる。
【0393】
前記表示パネルはさらに、発光制御信号生成モジュール70、第1-1走査信号生成モジュール711、第1-2走査信号生成モジュール712、第2-1走査信号生成モジュール721、第2-2走査信号生成モジュール722、および第4走査信号生成モジュール74を含む。
【0394】
前記発光制御信号生成モジュール70は、発光制御信号を供給するために用いられ、第1-1走査信号生成モジュール711および第1-2走査信号生成モジュール712は、第1走査信号を供給するために用いられ、第2-1走査信号生成モジュール721および第2-2走査信号生成モジュール722は、第2走査信号を供給するために用いられる。
第3走査信号と第4走査信号とは同一の走査信号である。
【0395】
前記第4走査信号生成モジュール74は、第3走査信号及び第4走査信号を供給するために用いられる。
【0396】
発光制御信号生成モジュール70、第1-1走査信号生成モジュール711及び第2-1走査信号生成モジュール721は、前記表示パネルの左側に配置される。
【0397】
第1-2走査信号生成モジュール712、第2-2走査信号生成モジュール722、および第4走査信号生成モジュール74は、前記表示パネルの右側に配置される。
【0398】
図55及び
図56において、Vi1とラベルが付されているのは第1初期化電圧であり、Vi2とラベルが付されているのは第2初期化電圧であり、VDDとラベルが付されているのは高電圧信号であり、D1とラベルが付されているのはデータ線であり、DRとラベルが付されているのはリセット電圧線である。
【0399】
本開示の実施形態によって提供される表示装置は、携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなどの表示機能を有する任意の製品または部品であってもよい。
【0400】
図61~78は、本開示の画素駆動回路の別の一連の実施形態の例示的な図面を示す。
【0401】
本開示のすべての実施形態で使用されるトランジスタは、三極管、薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ、または他の同じ特性を有するデバイスであってもよい。本開示の実施形態では、トランジスタの制御極を除く2つの電極を区別するために、一方の電極を第1極と呼び、他方の電極を第2極と呼ぶ。
【0402】
実際の動作では、前記トランジスタが薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタである場合、前記第1極がドレインであり、前記第2極がソースであってもよい。あるいは、前記第1極がソースであり、前記第2極がドレインであってもよい。
【0403】
本開示の実施形態に係る画素回路は、駆動回路、第1初期化回路、およびリセット回路を含む。
【0404】
前記第1初期化回路は、初期化制御線、前記駆動回路の第1端および第1初期化電圧端にそれぞれ電気的に接続され、前記初期化制御線から供給される初期化制御信号の制御に基づいて、前記第1初期化電圧端から供給される第1初期化電圧を前記駆動回路の第1端に書き込む。
【0405】
前記リセット回路は、第2走査線およびリセット電圧端にそれぞれ電気的に接続され、前記リセット回路は、前記駆動回路の第2端または前記駆動回路の第1端にも電気的に接続され、前記第2走査線から供給される第2走査信号の制御に基づいて、前記リセット電圧端から供給されるリセット電圧を前記駆動回路の第2端または前記駆動回路の第1端に書き込むことを制御する。
【0406】
前記駆動回路は、その制御端の電位の制御に基づいて、前記駆動回路の第1端と前記駆動回路の第2端との間の連通を制御するために用いられる。
【0407】
本開示の画素回路の少なくとも1つの実施形態は、第1初期化回路およびリセット回路を含み、第1初期化回路は、データ電圧が駆動回路の第2端に書き込まれる前に、画素回路が備える補償制御回路に合わせて第1初期化電圧を駆動回路の制御端部に書き込むために、第1初期化電圧を駆動回路の第1端に書き込む。リセット回路は、第2走査信号の制御に基づいて、データ電圧が駆動回路の第2端に書き込まれる前の非発光期間に、リセット電圧を駆動回路の第2端または駆動回路の第1端に書き込むことにより、駆動回路内の駆動トランジスタにバイアス電圧を供給して(このとき、駆動トランジスタのゲート電位もVi1に初期化され)、駆動トランジスタがリセット状態を維持するようにして、駆動トランジスタのヒステリシスが改善され、表示画面の最初のフレームの応答時間(FFR)が短縮される。
【0408】
具体的な実施形態では、駆動トランジスタのヒステリシスにより、駆動トランジスタの特性応答が遅くなる可能性があるが、本開示の少なくとも1つの実施形態では、データ電圧が書き込まれる前に、駆動トランジスタのゲート・ソース間電圧が迅速にリセットされるため、駆動トランジスタの回復速度を速めるのに有利であり、それによって、駆動トランジスタのヒステリシス現象が改善され、ヒステリシス回復速度を向上させる。
【0409】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、別個の第2走査信号生成モジュールを使用して第2走査線に第2走査信号を供給することができ、これは駆動回路の第2端の電位をリセットするのに有利である。
【0410】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、前記リセット電圧は一定電圧であり、駆動トランジスタに固定バイアス電圧を供給し、ヒステリシス現象を改善する。
【0411】
選択的に、前記第1初期化電圧は低電位定電圧であり、前記第1初期化電圧の電圧値は、-6V以上-2V以下であり、例えば、第1初期化電圧の電圧値は、-6V、-5V、-4V、-3Vまたは-2Vであってもよいが、これに限定されない。
【0412】
具体的な実施形態では、前記リセット電圧は、データ書き込み段階の開始時に駆動回路内の駆動トランジスタが迅速に導通することを保証するために、高電位定電圧であってもよく、前記リセット電圧の電圧値は4V以上10V以下である。または、
前記リセット電圧は、低電位定電圧であってもよく、前記リセット電圧の電圧値は-6V以上-2V以下である。
【0413】
選択的に、前記リセット電圧が高電位定電圧である場合、前記リセット電圧の電圧値は、例えば、4V、5V、6V、7V、8V、9Vまたは10Vであってもよいが、これに限定されない、
【0414】
前記リセット電圧が低電位定電圧である場合、前記リセット電圧の電圧値は、例えば、-6V、-5V、-4V、-3Vまたは-2Vであってもよいが、これに限定されない。
【0415】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、前記リセット電圧が低電位定電圧である場合、リセット回路を介してリセット電圧を駆動回路の第2端に書き込むと同時に、第1初期化回路を介して第1初期化電圧を駆動回路の第1端に書き込むとき、駆動回路内の駆動トランジスタが故障することがないように、前記リセット電圧の電圧値は、前記第1初期化電圧の電圧値とほぼ同じである。
【0416】
前記リセット電圧の電圧値は、前記第1初期化電圧の電圧値とほぼ同じであるとは、前記リセット電圧の電圧値と前記第1初期化電圧の電圧値との差の絶対値が所定の電圧差よりも小さいことを意味する。例えば、所定の電圧差は0.1Vまたは0.05Vであってもよいが、これに限定されない。
【0417】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、駆動回路における駆動トランジスタの閾値電圧Vthは-5V以上-2V以下であってもよく、好ましくは、Vthは-4 V以上-2.5V以下であってもよく、例えば、Vthは、-4V、-3.5V、-3V、または-2.5Vであってもよいが、これに限定されない。
【0418】
選択的に、前記駆動回路は駆動トランジスタを含み、短時間でバイアス効果を迅速に達成できることを保証するように、前記リセット電圧の電圧値の絶対値は閾値電圧の絶対値の1.5倍より大きい。前記閾値電圧は、前記駆動トランジスタの閾値電圧である。例えば、前記リセット電圧の電圧値の絶対値は、閾値電圧の絶対値の2倍、2.5倍または3倍より大きくてもよいが、これに限定されない。
【0419】
図61に示すように、本開示の実施形態に係る画素回路は、駆動回路11、第1初期化回路13、およびリセット回路20を含む。
【0420】
前記第1初期化回路13は、初期化制御線R1、前記駆動回路11の第1端、および第1初期電圧端にそれぞれ電気的に接続され、前記初期化制御線R1から供給される初期化制御信号の制御に基づいて、前記第1初期化電圧端から供給される第1初期化電圧Vi1を前記駆動回路11の第1端に書き込む。
【0421】
前記リセット回路20は、第2走査線S2およびリセット電圧端DRにそれぞれ電気的に接続され、前記リセット回路20は前記駆動回路11の第2端にも電気的に接続されており、前記第2走査線S2から供給される第2走査信号の制御に基づいて、前記リセット電圧端DRから供給されるリセット電圧を前記駆動回路11の第2端に書き込むように制御する。
【0422】
前記駆動回路11は、その制御端の電位の制御に基づいて、前記駆動回路11の第1端と前記駆動回路12の第2端との間の連通を制御するために用いられる。
図61において、N1とラベルが付されているのは第1ノードであり、前記第1ノードN
【0423】
1は前記駆動回路11の制御端に電気的に接続されている。
【0424】
本開示の
図61に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、前記表示サイクルは初期化段階とリセット段階とを含むことができる。
【0425】
前記初期化段階では、第1初期化回路13は、初期化制御信号の制御に基づいて、第1初期化電圧Vi1を駆動回路11の第1端に書き込む。
【0426】
前記リセット段階では、リセット回路20は、第2走査信号の制御に基づいて、リセット電圧を駆動回路11の第2端に書き込む。
【0427】
図62に示すように、本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路は、駆動回路11、第1初期化回路13、およびリセット回路20を含む。
【0428】
前記第1初期化回路13は、初期化制御線R1、前記駆動回路11の第1端、および第1初期電圧端にそれぞれ電気的に接続され、前記初期化制御線R1から供給される初期化制御信号の制御に基づいて、前記第1初期化電圧端から供給される第1初期化電圧Vi1を前記駆動回路11の第1端に書き込む。
【0429】
前記リセット回路20は、第2走査線S2およびリセット電圧端DRにそれぞれ電気的に接続され、前記リセット回路20は前記駆動回路11の第1端にも電気的に接続されており、前記第2走査線S2から供給される第2走査信号の制御に基づいて、前記リセット電圧端DRから供給されるリセット電圧を前記駆動回路11の第1端に書き込むように制御する。
【0430】
本開示の
図62に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、前記表示サイクルは初期化段階とリセット段階とを含むことができる。
【0431】
前記初期化段階では、第1初期化回路13は、初期化制御信号の制御に基づいて、第1初期化電圧Vi1を駆動回路11の第1端に書き込む。
【0432】
前記リセット段階では、リセット回路20は、第2走査信号の制御に基づいて、リセット電圧を駆動回路11の第1端に書き込む。
【0433】
選択的に、前記第1初期化回路は第2トランジスタを含む。
【0434】
前記第2トランジスタの制御極は前記初期化制御線に電気的に接続され、前記第2トランジスタの第1極は前記第1初期化電圧端に電気的に接続され、前記第2トランジスタの第2極は前記駆動回路の第1端に電気的に接続される。
【0435】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、前記第2トランジスタは、低温ポリシリコン薄膜トランジスタであってもよいが、これに限定されない。
【0436】
選択的に、前記リセット回路は第3トランジスタを含む。
【0437】
前記第3トランジスタの制御極は前記第2走査線に電気的に接続され、前記第3トランジスタの第1極は前記リセット電圧端に電気的に接続され、前記第3トランジスタの第2極は前記駆動回路の第2端または前記駆動回路の第1端に電気的に接続される。
【0438】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、前記画素回路は補償制御回路を含むことができる。
【0439】
前記補償制御回路は、第1走査線、前記駆動回路の制御端と前記駆動回路の第1端にそれぞれ電気的に接続され、前記第1走査線から供給される第1走査信号の制御に基づいて、前記駆動回路の制御端と前記駆動回路の第1端との間の連通を制御する。
【0440】
本開示の少なくとも1つの実施形態に記載の画素回路は、動作時に、表示サイクルが初期化段階を含むことができ、初期化段階では、第1初期化回路は、初期化制御信号の制御に基づいて、第1初期化電圧を駆動回路の第1端に書き込み、補償制御回路は、第1走査信号の制御に基づいて、駆動回路の制御端と前記駆動回路の第1端との間の連通を制御して、第1初期化電圧を前記駆動回路の制御端に書き込む。そのため、データ書き込み段階の開始時に、前記駆動回路は、その制御端の電位の制御に基づいて、前記駆動回路の第一端と前記駆動トランジスタの第二端との間の連通を制御することができる。
【0441】
本開示の少なくとも1つの実施例に記載の画素回路では、前記駆動回路の制御端は補償制御回路にのみ直接電気的に接続されており、第1初期化回路は前記駆動回路の第1端子に直接電気的に接続されることにより、補償制御回路および第1初期化回路を介して駆動回路の制御端の電位を初期化し、前記駆動回路の制御端に対するリーク経路を低減し、かつ画素回路の設計複雑性が明らかに増加しない条件下で、第1ノードの電圧の安定性を保証でき、表示品質の向上、表示均一性の向上、ちらつき(Flicker)の軽減に有利である。
【0442】
選択的に、前記補償制御回路は第1トランジスタを含む。
【0443】
前記第1トランジスタの制御極は前記第1走査線に電気的に接続され、前記第1トランジスタの第1極は前記駆動回路の制御端に電気的に接続され、前記第1トランジスタの第2極は前記駆動回路の第1端に電気的に接続される。
【0444】
前記第1トランジスタは酸化物薄膜トランジスタである。
【0445】
本開示の実施形態では、前記補償制御回路は、酸化物薄膜トランジスタである第1トランジスタを含むことができる。酸化物トランジスタはヒステリシス特性がよく、漏れ電流が低い一方、Mobility(移動度)が低い。そこで、本開示の少なくとも1つの実施形態は、第1トランジスタを酸化物薄膜トランジスタとして設け、低リークを実現し、駆動回路の制御端の電位の安定性を保証する。
【0446】
図63に示すように、
図61に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、本開示の少なくとも1つの実施形態に記載の画素回路は、補償制御回路12をさらに含むことができる。
【0447】
前記補償制御回路12は、第1走査線S1、前記駆動回路11の制御端と前記駆動回路11の第1端にそれぞれ電気的に接続され、前記第1走査線S1から供給される第1走査信号の制御に基づいて、前記駆動回路11の制御端と前記駆動回路11の第1端との間の連通を制御する。
【0448】
本開示の
図63に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、表示サイクルは、初期化段階を含むことができ、初期化段階において、補償制御回路12は、第1走査信号の制御に基づいて、駆動回路11の制御端と駆動回路11の第1端との間の連通を制御する。
【0449】
図64に示すように、
図62に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、本開示の少なくとも1つの実施形態に記載の画素回路は、補償制御回路12をさらに含むことができる。
【0450】
前記補償制御回路12は、第1走査線S1、前記駆動回路11の制御端と前記駆動回路11の第1端にそれぞれ電気的に接続され、前記第1走査線S1から供給される第1走査信号の制御に基づいて、前記駆動回路11の制御端と前記駆動回路11の第1端との間の連通を制御する。
【0451】
本開示の
図64に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、表示サイクルは、初期化段階を含むことができ、初期化段階において、補償制御回路12は、第1走査信号の制御に基づいて、駆動回路11の制御端と駆動回路11の第1端との間の連通を制御する。
【0452】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、前記画素回路は、発光素子、エネルギー蓄積回路、第2初期化回路、データ書き込み回路、および発光制御回路をさらに含むことができる。
【0453】
前記エネルギー蓄積回路は前記駆動回路の制御端に電気的に接続され、電気エネルギーを蓄積するために用いられる、
前記第2初期化回路は、第3走査線、第2初期化電圧端、及び前記発光素子の第1極にそれぞれ電気的に接続され、前記第3走査線から供給する第3走査信号の制御に基づいて、前記第2初期化電圧端から供給される第2初期化電圧を前記発光素子の第1極に書き込む。
【0454】
前記データ書き込み回路は、第4走査線、データ線及び前記駆動回路の第2端にそれぞれ電気的に接続され、前記第4走査線から供給される第4走査信号の制御に基づいて、前記データ線から供給されるデータ電圧を前記駆動回路の第2端に書き込む。
【0455】
前記発光制御回路は、発光制御線、第1電圧端、前記駆動回路の第2端、前記駆動回路の第1端、及び前記発光素子の第1極にそれぞれ電気的に接続され、前記発光制御線から供給される発光制御信号の制御に基づいて、前記第1電圧端と前記駆動回路の第2端との間の連通を制御し、前記駆動回路の第1端と前記発光素子の第1極との間の連通を制御する。
【0456】
前記発光素子の第2極は、第2電圧端に電気的に接続されている。
【0457】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、前記画素回路は、発光素子、エネルギー蓄積回路、第2初期化回路、データ書き込み回路、及び発光制御回路をさらに含む。第2初期化回路は、発光素子の第1極を初期化し、データ書き込み回路は、データ電圧を駆動回路の第2端に書き込み、発光制御回路は、発光制御信号の制御に基づいて、前記第1電圧端と前記駆動回路の第2端との間の連通を制御し、前記駆動回路の第1端と前記発光素子の第1極との間の連通を制御する。
【0458】
選択的に、前記発光素子は有機発光ダイオードであってもよく、前記発光素子の第1極は有機発光ダイオードのアノードであってもよく、前記発光素子の第2極は有機発光ダイオードのカソードであってもよい。
【0459】
前記第1電圧端は高電圧端であってもよく、前記第2電圧端は低電圧端であってもよい。
【0460】
しかし、これに限定されない。
【0461】
図65に示すように、
図63に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路は、発光素子40、エネルギー蓄積回路41、第2初期化回路42、データ書き込み回路43、および発光制御回路44をさらに含むことができる。
【0462】
前記エネルギー蓄積回路41は、前記駆動回路11の制御端に電気的に接続され、電気エネルギーを蓄積するために用いられる。
【0463】
前記第2初期化回路42は、第3走査線S3、第2初期化電圧端、及び前記発光素子40の第1極にそれぞれ電気的に接続され、前記第3走査線S3から供給される第3走査信号の制御に基づいて、前記第2初期化電圧端から供給される第2初期化電圧Vi2を前記発光素子40の第1極に書き込む。
【0464】
前記データ書き込み回路43は、第4走査線S4、データ線D1及び前記駆動回路11の第2端にそれぞれ電気的に接続され、前記第4走査線S4から供給される第4走査信号の制御に基づいて、前記データ線D1から供給されるデータ電圧を前記駆動回路11の第2端に書き込む。
【0465】
前記発光制御回路44は、発光制御線E1、第1電圧端V1、前記駆動回路11の第2端、前記駆動回路11の第1端、及び前記発光素子40の第1極にそれぞれ電気的に接続され、前記発光制御線E1から供給される発光制御信号の制御に基づいて、前記第1電圧端V1と前記駆動回路11の第2端との間の連通を制御し、前記駆動回路11の第1端と前記発光素子40の第1極との間の連通を制御する。
【0466】
前記発光素子40の第2極は、第2電圧端V2に電気的に接続されている。
【0467】
本開示の
図65に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時において、表示サイクルは、前記初期化段階の後に設けられたデータ書き込み段階と発光段階とをさらに含む。
【0468】
前記データ書き込み段階では、データ書き込み回路43は、第4走査信号の制御に基づいて、データ線D1から供給されるデータ電圧Vdataを前記駆動回路11の第2端に書き込み、補償制御回路12は、第1走査信号の制御に基づいて、制御駆動回路11の制御端と前記駆動回路11の第1端との間の連通を制御する。
【0469】
前記データ書き込み段階の開始時に、前記駆動回路11は、その制御端の制御に基づいて、データ電圧Vdataを介してエネルギー蓄積回路41に充電するように、前記駆動回路11の第1端と前記駆動回路11の第2端との間の接続を導通させることにより、前記駆動回路11の制御端の電位がVdata+Vthになるまで、駆動回路11の制御端の電位を変化させ、Vthは前記駆動回路11が備える駆動トランジスタの閾値電圧である。
【0470】
発光段階では、発光制御回路44は、発光制御信号の制御に基づいて、第1電圧端V1と前記駆動回路11の第2端との間の連通を制御し、前記駆動回路11の第1端と発光素子40の第1極との間の連通を制御し、駆動回路11は発光素子40を駆動して発光する。
【0471】
具体的な実施形態では、前記リセット段階は、前記初期化段階と前記データ書き込み段階との間に設定されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0472】
図66に示すように、
図64に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、本開示の少なくとも1つの実施形態に記載の画素回路は、発光素子40、エネルギー蓄積回路41、第2初期化回路42、データ書き込み回路43、および発光制御回路44をさらに含むことができる。
【0473】
前記エネルギー蓄積回路41は、前記駆動回路11の制御端に電気的に接続され、電気エネルギーを蓄積するために用いられる。
【0474】
前記第2初期化回路42は、第3走査線S3、第2初期化電圧端、及び前記発光素子40の第1極にそれぞれ電気的に接続され、前記第3走査線S3から供給される第3走査信号の制御に基づいて、前記第2初期化電圧端から供給される第2初期化電圧Vi2を前記発光素子40の第1極に書き込む。
【0475】
前記データ書き込み回路43は、第4走査線S4、データ線D1及び前記駆動回路11の第2端にそれぞれ電気的に接続され、前記第4走査線S4から供給される第4走査信号の制御に基づいて、前記データ線D1から供給されるデータ電圧を前記駆動回路11の第2端に書き込む。
【0476】
前記発光制御回路44は、発光制御線E1、第1電圧端V1、前記駆動回路11の第2端、前記駆動回路11の第1端、及び前記発光素子40の第1極にそれぞれ電気的に接続され、前記発光制御線E1から供給される発光制御信号の制御に基づいて、前記第1電圧端V1と前記駆動回路11の第2端との間の連通を制御し、前記駆動回路11の第1端と前記発光素子40の第1極との間の連通を制御する。
【0477】
前記発光素子40の第2極は、第2電圧端V2に電気的に接続されている。
【0478】
本開示の
図66に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時において、表示サイクルは、前記初期化段階の後に設けられたデータ書き込み段階と発光段階とをさらに含む。
【0479】
前記データ書き込み段階では、データ書き込み回路43は、第4走査信号の制御に基づいて、データ線D1から供給されるデータ電圧Vdataを前記駆動回路11の第2端に書き込み、補償制御回路12は、第1走査信号の制御に基づいて、制御駆動回路11の制御端と前記駆動回路11の第1端との間の連通を制御する。
【0480】
前記データ書き込み段階の開始時に、前記駆動回路11は、その制御端の制御に基づいて、データ電圧Vdataを介してエネルギー蓄積回路41に充電するように、前記駆動回路11の第1端と前記駆動回路11の第2端との間の接続を導通させることにより、前記駆動回路11の制御端の電位がVdata+Vthになるまで、駆動回路11の制御端の電位を変化させ、Vthは前記駆動回路11が備える駆動トランジスタの閾値電圧である。
【0481】
発光段階では、発光制御回路44は、発光制御信号の制御に基づいて、第1電圧端V1と前記駆動回路11の第2端との間の連通を制御し、前記駆動回路11の第1端と発光素子40の第1極との間の連通を制御し、駆動回路11は発光素子40を駆動して発光する。
【0482】
図67に示すように、本開示の少なくとも1つの実施形態による画素回路は、駆動回路11、補償制御回路12、第1初期化回路13、発光素子40、エネルギー蓄積回路41、第2初期化回路42、データ書き込み回路43、および発光制御回路44をさらに含むことができる。
【0483】
前記補償制御回路12は、第1走査線S1、前記駆動回路11の制御端及び前記駆動回路11の第1端にそれぞれ電気的に接続され、前記第1走査線S1から供給される第1走査信号の制御に基づいて、前記駆動回路11の制御端と前記駆動回路11の第1端との間の連通を制御する。
【0484】
前記第1初期化回路13は、初期化制御線R1、前記駆動回路11の第1端、及び第1初期化電圧端にそれぞれ電気的に接続され、前記初期化制御線R1から供給される初期化制御信号の制御に基づいて、前記第1初期化電圧端から供給される第1初期化電圧Vi1を前記駆動回路11の第1端に書き込む。
【0485】
前記駆動回路11は、その制御端の電位の制御に基づいて、前記駆動回路11の第1端と前記駆動回路12の第2端との間の連通を制御する。
【0486】
前記エネルギー蓄積回路41は、前記駆動回路11の制御端に電気的に接続され、電気エネルギーを蓄積するために用いられる。
【0487】
前記第2初期化回路42は、第3走査線S3、第2初期化電圧端、及び前記発光素子40の第1極にそれぞれ電気的に接続され、前記第3走査線S3から供給される第3走査信号の制御に基づいて、前記第2初期化電圧端から供給される第2初期化電圧Vi2を前記発光素子40の第1極に書き込む。
【0488】
前記データ書き込み回路43は、第4走査線S4、データ線D1及び前記駆動回路11の第2端にそれぞれ電気的に接続され、前記第4走査線S4から供給される第4走査信号の制御に基づいて、前記データ線D1から供給されるデータ電圧を前記駆動回路11の第2端に書き込む。
【0489】
前記発光制御回路44は、発光制御線E1、第1電圧端V1、前記駆動回路11の第2端、前記駆動回路11の第1端、及び前記発光素子40の第1極にそれぞれ電気的に接続され、前記発光制御線E1から供給される発光制御信号の制御に基づいて、前記第1電圧端V1と前記駆動回路11の第2端との間の連通を制御し、駆動回路11の第1端と発光素子40の第1極との間の連通を制御する。
【0490】
前記発光素子40の第2極は、第2電圧端V2に電気的に接続されている。
【0491】
本開示の
図67に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時において、表示サイクルは、順次設定された初期化段階、データ書き込み段階、及び発光段階を含む。
【0492】
初期化段階では、第1初期化回路13は、初期化制御信号の制御に基づいて、第1初期化電圧Vi1を駆動回路11の第1端に書き込み、補償制御回路12は、第1走査信号の制御に基づいて、駆動回路11の制御端と前記駆動回路11の第1端との間の連通を制御して、第1初期化電圧Vi1を前記駆動回路11の制御端に書き込む。そのため、データ書き込み段階の開始時に、前記駆動回路11は、その制御端の電位の制御に基づいて、前記駆動回路11の第1端と前記駆動トランジスタ11の第2端との間の連通を制御することができる。
【0493】
前記データ書き込み段階では、データ書き込み回路43は、第4走査信号の制御に基づいて、データ線D1から供給されるデータ電圧Vdataを前記駆動回路11の第2端に書き込み、補償制御回路12は、第1走査信号の制御に基づいて、駆動回路11の制御端と前記駆動回路11の第1端との間の連通を制御することができる。
【0494】
前記データ書き込み段階の開始時に、前記駆動回路11は、その制御端の制御に基づいて、データ電圧Vdataを介してエネルギー蓄積回路41に充電するように、前記駆動回路11の第1端と前記駆動回路11の第2端との間の接続を導通させることにより、前記駆動回路11の制御端の電位がVdata+Vthになるまで、駆動回路11の制御端の電位を変化させ、Vthは前記駆動回路11が備える駆動トランジスタの閾値電圧である。
【0495】
発光段階では、発光制御回路44は、発光制御信号の制御に基づいて、第1電圧端V1と前記駆動回路11の第2端との間の連通を制御し、前記駆動回路11の第1端と発光素子40の第1極との間の連通を制御し、駆動回路11は発光素子40を駆動して発光する。
【0496】
図65、
図66、
図67に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、別個の第3走査信号生成モジュールを使用して第3走査線に第3走査信号を提供することができ、低周波ちらつき下でのスイッチング周波数切り替えの自由度(前記スイッチング周波数は、前記第2初期化回路が備えるトランジスタのスイッチング周波数である)に有利であるが、これに限定されない。具体的な実施形態において、前記第3走査信号は、前記第4走査信号と同一の走査信号であってもよい。
【0497】
前記画素回路が適用される表示パネルが低周波で動作する場合、発光制御回路44が前記第1電圧線V1と前記駆動回路11の第2端との間のオフを制御し、前記駆動回路11の第1端と前記発光素子40の第1極との間のオフを制御する場合、第3走査信号の周波数を上げることでちらつき(Flicker)を軽減することができる。
【0498】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、前記第2走査信号と前記第3走査信号とは同一の走査信号であってもよく、前記第2走査信号生成モジュールと前記第3走査信号生成モジュールとは同一のモジュールであってもよいが、これに限定されない。具体的に実施する場合、前記第2走査信号は、第3走査信号とは異なる走査信号であってもよい。
【0499】
本開示の
図65、
図66、
図67に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、非発光期間において、データ電圧が駆動回路11の第2端に書き込まれる前に、前記第2初期化回路42は、前記第3走査線S3から供給する第3走査信号の制御に基づいて、前記第2初期化電圧端から供給される第2初期化電圧Vi2を前記発光素子40の第1極に書き込むことにより、発光素子40が発光しないように制御し、前記発光素子40の第1極に残留する電荷を除去する。
【0500】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、駆動トランジスタのゲート電位を事前に初期化することにより、駆動トランジスタのヒステリシス現象を改善し、画素回路の高低周波Flicker(ちらつき)を低減するために、前記初期化段階と前記データ書き込み段階との間の時間間隔が所定の時間間隔よりも大きくなる。
【0501】
具体的な実施形態では、前記所定の時間間隔は、実際の状況に応じて選択することができる。
【0502】
本開示の
図65、
図66、
図67に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、初期化制御線R1から供給される初期化制御信号と第4走査信号とは、同一の第4走査信号生成モジュールによって生成されてもよく、前記第4走査信号は、前記第4走査信号生成モジュールによって生成された第N段の第4走査信号であってもよく、前記初期化制御信号は、前記第4走査信号生成モジュールによって生成された第N-M段の第4走査信号であってもよく、これにより、駆動トランジスタのゲートの電位を事前に初期化する。Nは正の整数であり、Mは、6より大きい正の整数であり、例えば、Mは14であってもよいが、これに限定されない。
【0503】
選択的に、前記データ書き込み回路は、第4トランジスタを含む。
【0504】
前記第4トランジスタの制御極は前記第4走査線に電気的に接続され、前記第4トランジスタの第1極は前記データ線に電気的に接続され、前記第4トランジスタの第2極は駆動回路の第2端に電気的に接続される。
【0505】
前記発光制御回路は、第5トランジスタと第6トランジスタとを含む。
【0506】
前記第5トランジスタの制御極は前記発光制御線に電気的に接続され、前記第5トランジスタの第1極は前記第1電圧端に電気的に接続され、前記第5トランジスタの第2極は前記駆動回路の第2端に電気的に接続される。
【0507】
前記第6トランジスタの制御極は前記発光制御線に電気的に接続され、前記第6トランジスタの第1極は前記駆動回路の第1端に電気的に接続され、前記第6トランジスタの第2極は前記発光素子の第1極に電気的に接続される。
【0508】
前記第2初期化回路は、第7トランジスタを含む。
【0509】
前記第7トランジスタの制御極は前記第3走査線に電気的に接続され、前記第7トランジスタの第1極は前記第2初期化電圧端に電気的に接続され、前記第7トランジスタの第2極は前記発光素子の第1極に電気的に接続される。
【0510】
前記駆動回路は駆動トランジスタを含み、前記駆動トランジスタの制御極は前記駆動回路の制御端に電気的に接続され、前記駆動トランジスタの第1極は前記駆動回路の第1端に電気的に接続され、前記駆動回路の第2極は前記駆動回路の第2端に電気的に接続される。
【0511】
前記エネルギー蓄積回路は蓄積コンデンサを含み、前記蓄積コンデンサの第1端は前記駆動回路の制御端に電気的に接続され、前記蓄積コンデンサの第2端は前記第1電圧端に接続される。
【0512】
図68に示すように、
図65に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、前記発光素子は有機発光ダイオードO1であり、前記補償制御回路12は、第1トランジスタT1を含み、前記駆動回路11は、駆動トランジスタT0を含む。
【0513】
前記第1トランジスタT1のゲートは前記第1走査線S1に電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のドレインは前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のソースは前記駆動トランジスタT1のドレインに電気的に接続される。
【0514】
前記第1初期化回路13は、第2トランジスタT2を含む。
【0515】
前記第2トランジスタT2のゲートは前記初期化制御線R1に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のドレインは前記第1初期化電圧端に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のソースは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続され、前記第1初期化電圧端子は、第1初期化電圧Vi1を供給するためのものである。
【0516】
前記リセット回路20は、第3トランジスタT3を含む。
【0517】
前記第3トランジスタT3のゲートは前記第2走査線S2に電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のドレインは前記リセット電圧端DRに電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続される。
【0518】
前記データ書き込み回路43は、第4トランジスタT4を含む。
【0519】
前記第4トランジスタT4のゲートは前記第4走査線S4に電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のドレインは前記データ線D1に電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のソースは駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続される。
【0520】
前記発光制御回路は、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6を含む。
【0521】
前記第5トランジスタT5のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のドレインは高電圧端に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続され、前記高電圧端は高電圧信号VDDを供給するためのものである。
【0522】
前記第6トランジスタT6のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のドレインは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のソースは有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続され、O1のカソードは、低電圧信号VSSを供給するための低電圧端に電気的に接続される。
【0523】
前記第2初期化回路42は、第7トランジスタT7を含む。
【0524】
前記第7トランジスタT7のゲートは前記第3走査線S3に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のドレインは前記第2初期化電圧端に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のソースは前記有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続され、前記第2初期化電圧端子は、第2初期化電圧Vi2を供給するためのものである。
【0525】
前記エネルギー蓄積回路41は、蓄積コンデンサCを含み、前記蓄積コンデンサCの第1端は前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記蓄積コンデンサCの第2端は前記高電圧端に接続される。
【0526】
図68に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、T1は酸化物薄膜トランジスタであり、T2、T3、T4、T5、T6、T7は低温ポリシリコン薄膜トランジスタであり、T1はN型のトランジスタであり、T2、T3、T4、T5、T6、T7はP型のトランジスタである。
【0527】
図68に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態において、N1はT0のゲートに電気的に接続される第1ノードであり、N2はT0のソースに電気的に接続される第2ノードであり、N3はT0のドレインに電気的に接続される第3ノードである。
【0528】
図68に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、前記初期化制御信号および前記第4走査信号は、同じ第4走査信号生成モジュールによって提供されてもよい。
【0529】
具体的な実施形態では、DRから供給されるリセット電圧が高電圧の場合、T0のゲート-ソース短絡を回避するために、リセット段階と初期化段階は異なる段階となり、DRから供給されるリセット電圧が低電圧の場合、リセット段階と初期化段階は同じ段階であってもよい。
【0530】
図69に示すように、本開示の
図68に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、DRから供給されるリセット電圧が高電圧の場合、表示サイクルは、順に設定された初期化段階t1、リセット段階t2、データ書き込み段階t3、および発光段階t4を含むことができる。
【0531】
初期化段階t1では、E1は高電圧信号を提供し、R1は低電圧信号を提供し、S4は高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、S2とS3はすべて高電圧信号を提供し、T1とT2はオンされて、データ書き込み段階t3の開始時にT0がオンになるように、Vi1をN1に書き込み、T0のゲートの電位を初期化する。
【0532】
リセット段階t2では、E1は高電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S4は高電圧信号を提供し、S1は低電圧信号を提供し、S2とS3はすべて低電圧信号を提供し、T3とT7はオンされて、DRから供給される高電圧によってN2の電位を初期化し、T0のゲート-ソース間電圧をリセットすることにより、T0の回復速度が速くなり、T0のヒステリシス現象を改善し、ヒステリシス回復速度を向上させることができる。また、O1が発光しないようにVi2をO1のアノードに書き込み、O1のアノードに残った電荷を除去する。
【0533】
データ書き込み段階t3では、E1は高電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S4は低電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、S2とS3はすべて高電圧信号を提供し、T1はオンされ、T4はオンされる。
【0534】
データ書き込み段階t3の開始時に、T0はオンになり、D1から供給されるデータ電圧VdataはCに充電されて、T0がオフになるまでN1の電位を上昇させ、T0がオフになるとき、N1の電位はVdata+Vthであり、ここで、VthはT0の閾値電圧である。
【0535】
発光段階では、E1は低電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S4は高電圧信号を提供し、S1は低電圧信号を提供し、S2とS3はすべて高電圧信号を提供し、T5、T0とT6はオンされ、T0はO1を駆動して発光する。
【0536】
図70に示すように、本開示の
図68に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、DRから供給されるリセット電圧が低電圧の場合、表示サイクルは、順に設定された初期化段階t1、データ書き込み段階t3、および発光段階t4を含むことができる。
【0537】
初期化段階t1では、E1は高電圧信号を提供し、R1は低電圧信号を提供し、S4は高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、S2とS3はすべて低電圧信号を提供し、T1とT2はオンされて、データ書き込み段階t3の開始時にT0がオンになるように、Vi1をN1に書き込む。T3とT7はオンされ、DRから供給されるリセット電圧がN2に書き込まれ、Vi2がO1のアノードに書き込まれて、T0のゲート-ソース間電圧をリセットすることにより、T0の回復速度が速くなり、T0のヒステリシス現象を改善し、ヒステリシス回復速度を向上させることができる。また、O1が発光しないようにVi2をO1のアノードに書き込み、O1のアノードに残った電荷を除去する。
【0538】
データ書き込み段階t3では、E1は高電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S4は低電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、S2とS3は高電圧信号を提供し、T1はオンされ、T4はオンされる。
【0539】
データ書き込み段階t3の開始時に、T0はオンになり、D1から供給されるデータ電圧VdataはCに充電されて、T0がオフになるまでN1の電位を上昇させ、T0がオフになるとき、N1の電位はVdata+Vthであり、ここで、VthはT0の閾値電圧である。
【0540】
発光段階では、E1は低電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S4は高電圧信号を提供し、S1は低電圧信号を提供し、S2とS3は高電圧信号を提供し、T5、T0とT6はオンされ、T0はO1を駆動して発光する。
【0541】
図71に示すように、本開示の
図68に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、R1から供給される初期化制御信号が第N-14段の第4走査信号であり、S4から供給される第4走査信号が第N段の第4走査信号である場合、表示サイクルは、順に設定された初期化段階t1、リセット段階t2、データ書き込み段階t3、発光段階t4を含むことができる。初期化段階t1では、E1は高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、R1は低電圧信号を提供し、S2とS3はすべて高電圧信号を提供し、S4は高電圧信号を提供し、T1とT2はオンされて、データ書き込み段階t3の開始時にT0がオンになるように、Vi1をN1に書き込む。
【0542】
リセット段階t2では、E1は高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S2とS3は低電圧信号を提供し、S4は高電圧信号を提供し、T3とT7はオンされて、DRから供給される高電圧によってN2の電位を初期化し、T0のゲート-ソース間電圧をリセットすることにより、T0の回復速度が速くなり、T0のヒステリシス現象を改善し、ヒステリシス回復速度を向上させることができる。また、O1が発光しないようにVi2をO1のアノードに書き込み、O1のアノードに残った電荷を除去する。また、T1がオンされ、T2がオフされ、T5とT6がオフされる。
【0543】
データ書き込み段階t3では、E1は高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S2とS3はすべて高電圧信号を提供し、S4は低電圧信号を提供し、T1とT4はオンされて、VdataをN2に書き込み、N1とN3の間を連通して、D1上のデータ電圧Vdataを通じてCに充電し、T0がオフになるまでN1の電位を上昇させ、T0がオフになるとき、T0のゲートの電位はVdata+Vthになる。
【0544】
発光段階t4では、E1は低電圧信号を提供し、S1は低電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S2とS3は高電圧信号を提供し、S4は高電圧信号を提供し、T5、T6とT0はオンされ、T0はO1を駆動して発光する。
【0545】
図68に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、DRから供給されるリセット電圧はVDDであってもよく、または、DRはE1と同じ信号端であってもよく、あるいは、D4から供給されるリセット電圧は、第3初期化電圧であってもよいが、これに限定されない。
【0546】
図72に示すように、
図67に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、前記発光素子は有機発光ダイオードO1であり、前記補償制御回路12は、第1トランジスタT1を含み、前記駆動回路11は、駆動トランジスタT0を含む。
【0547】
前記第1トランジスタT1のゲートは前記第1走査線S1に電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のドレインは前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のソースは前記駆動トランジスタT1のドレインに電気的に接続される。
【0548】
前記第1初期化回路13は、第2トランジスタT2を含む。
【0549】
前記第2トランジスタT2のゲートは前記初期化制御線R1に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のドレインは前記第1初期化電圧端に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のソースは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続され、前記第1初期化電圧端子は、第1初期化電圧Vi1を供給するためのものである。
【0550】
前記データ書き込み回路43は、第4トランジスタT4を含む。
【0551】
前記第4トランジスタT4のゲートは前記第4走査線S4に電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のドレインは前記データ線D1に電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のソースは駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続される。
【0552】
前記発光制御回路は、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6を含む。
【0553】
前記第5トランジスタT5のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のドレインは高電圧端に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のソースは前記駆動トランジスタT0のソースに電気的に接続され、前記高電圧端は高電圧信号VDDを供給するためのものである。
【0554】
前記第6トランジスタT6のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のドレインは前記駆動トランジスタT0のドレインに電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のソースは有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続され、O1のカソードは、低電圧信号VSSを供給するための低電圧端に電気的に接続される。
【0555】
前記第2初期化回路42は、第7トランジスタT7を含む。
【0556】
前記第7トランジスタT7のゲートは前記第3走査線S3に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のドレインは前記第2初期化電圧端に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のソースは前記有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続され、前記第2初期化電圧端子は、第2初期化電圧Vi2を供給するためのものである。
【0557】
前記エネルギー蓄積回路41は、蓄積コンデンサCを含み、前記蓄積コンデンサCの第1端は前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記蓄積コンデンサCの第2端は前記高電圧端に接続される。
【0558】
図72に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、T1は酸化物薄膜トランジスタであり、T2、T4、T5、T6、T7は低温ポリシリコン薄膜トランジスタであり、T1はN型のトランジスタであり、T2、T4、T5、T6、T7はP型のトランジスタである。
【0559】
図72に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態において、N1はT0のゲートに電気的に接続される第1ノードであり、N2はT0のソースに電気的に接続される第2ノードであり、N3はT0のドレインに電気的に接続される第3ノードである。
【0560】
図72に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、第3走査信号と第4走査信号は同一の走査信号であるが、これに限定されない。
【0561】
図73に示すように、本開示の
図72に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、表示サイクルは、順に設定された初期化段階t1、データ書き込み段階t3、及び発光段階t4を含むことができる。
【0562】
初期化段階t1では、E1は高電圧信号を提供し、R1は低電圧信号を提供し、S3とS4はすべて高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、T1とT2はオンされて、データ書き込み段階t3の開始時にT0がオンになるように、Vi1をN1に書き込む。
【0563】
データ書き込み段階t3では、E1は高電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S3とS4は共に低電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、T7はオンされて、Vi2をO1のアノードに書き込み、T1とT4はオンされて、D1のデータ電圧VdataをN2に書き込み、N1とN3との間は連通される。
【0564】
データ書き込み段階t3の開始時に、T0はオンになり、Vdataを通じてCを充電し、T0のゲートの電位がVdata+VthとなりT0がオフになるまでT0のゲートの電位を上昇させ、VthはT0の閾値電圧である。
【0565】
発光段階t4では、E1は低電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S3とS4は高電圧信号を提供し、S1は低電圧信号を提供し、T5、T6とT0はオンされ、T0はO1を駆動して発光する。
【0566】
図74に示すように、本開示の
図72に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、R1から供給される初期化制御信号が第N-14段の第4走査信号であり、S4から供給される第4走査信号が第N段の第4走査信号である場合、表示サイクルは、順に設定された初期化段階t1、データ書き込み段階t3、および発光段階t4を含むことができる。
【0567】
初期化段階t1では、E1は高電圧信号を提供し、R1は低電圧信号を提供し、S3とS4はすべて高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、T1とT2はオンされて、データ書き込み段階t3の開始時にT0がオンになるように、Vi1をN1に書き込む。
【0568】
データ書き込み段階t3では、E1は高電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S3とS4は共に低電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、T7はオンされて、Vi2をO1のアノードに書き込み、T1とT4はオンされて、D1のデータ電圧VdataをN2に書き込み、N1とN3との間は連通される。
【0569】
データ書き込み段階t3の開始時に、T0はオンになり、Vdataを通じてCを充電し、T0のゲートの電位がVdata+VthとなりT0がオフになるまでT0のゲートの電位を上昇させ、VthはT0の閾値電圧である。
【0570】
発光段階t4では、E1は低電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S3とS4は高電圧信号を提供し、S1は低電圧信号を提供し、T5、T6とT0はオンされ、T0はO1を駆動して発光する。
【0571】
図74に示すように、前記初期化段階t1と前記データ書き込み段階t3との間の時間間隔は比較的長いため、N1の電位を事前にリセットすることができ、T0のヒステリシス現象の改善に有利である。
【0572】
図75に示すように、
図66に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態に加えて、前記発光素子は有機発光ダイオードO1であり、前記補償制御回路12は、第1トランジスタT1を含み、前記駆動回路11は、駆動トランジスタT0を含む。
【0573】
前記第1トランジスタT1のゲートは前記第1走査線S1に電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のドレインは前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記第1トランジスタT1のソースは前記駆動トランジスタT1のドレインに電気的に接続される。
【0574】
前記第1初期化回路13は、第2トランジスタT2を含む。
【0575】
前記第2トランジスタT2のゲートは前記初期化制御線R1に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のドレインは前記第1初期化電圧端に電気的に接続され、前記第2トランジスタT2のソースは前記駆動トランジスタT0の第1極に電気的に接続され、前記第1初期化電圧端子は、第1初期化電圧Vi1を供給するためのものである。
【0576】
前記リセット回路20は、第3トランジスタT3を含む。
【0577】
前記第3トランジスタT3のゲートは前記第2走査線S2に電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のドレインは前記リセット電圧端DRに電気的に接続され、前記第3トランジスタT3のソースは前記駆動トランジスタT0の第2極に電気的に接続される。
【0578】
前記データ書き込み回路43は、第4トランジスタT4を含む。
【0579】
前記第4トランジスタT4のゲートは前記第4走査線S4に電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のドレインは前記データ線D1に電気的に接続され、前記第4トランジスタT4のソースは駆動トランジスタT0の第2極に電気的に接続される。
【0580】
前記発光制御回路44は、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6を含む。
【0581】
前記第5トランジスタT5のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のドレインは高電圧端に電気的に接続され、前記第5トランジスタT5のソースは前記駆動トランジスタT0の第2極に電気的に接続され、前記高電圧端は高電圧信号VDDを供給するためのものである。
【0582】
前記第6トランジスタT6のゲートは前記発光制御線E1に電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のドレインは前記駆動トランジスタT0の第1極に電気的に接続され、前記第6トランジスタT6のソースは有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続され、O1のカソードは、低電圧信号VSSを供給するための低電圧端に電気的に接続される。
【0583】
前記第2初期化回路42は、第7トランジスタT7を含む。
【0584】
前記第7トランジスタT7のゲートは前記第3走査線S3に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のドレインは前記第2初期化電圧端に電気的に接続され、前記第7トランジスタT7のソースは前記有機発光ダイオードO1のアノードに電気的に接続され、前記第2初期化電圧端子は、第2初期化電圧Vi2を供給するためのものである。
【0585】
前記エネルギー蓄積回路41は、蓄積コンデンサCを含み、前記蓄積コンデンサCの第1端は前記駆動トランジスタT0のゲートに電気的に接続され、前記蓄積コンデンサCの第2端は前記高電圧端に接続される。
【0586】
図75に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、T1は酸化物薄膜トランジスタであり、T2、T3、T4、T5、T6、T7は低温ポリシリコン薄膜トランジスタであり、T1はN型のトランジスタであり、T2、T3、T4、T5、T6、T7はP型のトランジスタである。
【0587】
図75に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態において、N1はT0のゲートに電気的に接続される第1ノードであり、N2はT0の第2極に電気的に接続される第2ノードであり、N3はT0の第1極に電気的に接続される第3ノードである。
【0588】
図75に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、T0の第1極はドレインであり、T0の第1極はソースであってもよく、あるいは、T0の第1極はソースであり、T0の第2極はドレインであってもよい。
【0589】
本開示の
図75に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態では、R1から供給される初期化制御信号は第N-14段の第4走査信号であってもよく、S4から供給される第4走査信号は第N段の第4走査信号であってもよいが、これに限定されない。
【0590】
図76に示すように、本開示の
図75に示す画素回路の少なくとも1つの実施形態は、動作時に、表示サイクルは、順に設定された初期化段階t1、リセット段階t2、データ書き込み段階t3、および発光段階t4を含むことができる。
【0591】
初期化段階t1では、E1は高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、R1は低電圧信号を提供し、S2とS3はすべて高電圧信号を提供し、S4は高電圧信号を提供し、T1とT2はオンされて、データ書き込み段階t3の開始時にT0がオンになるように、Vi1をN1に書き込む。
【0592】
リセット段階t2では、E1は高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S2とS3は低電圧信号を提供し、S4は高電圧信号を提供し、T3とT7はオンされて、DRから供給される高電圧によってN2の電位を初期化し、T0のゲート-ソース間電圧をリセットすることにより、T0の回復速度が速くなり、T0のヒステリシス現象を改善し、ヒステリシス回復速度を向上させることができる。また、O1が発光しないようにVi2をO1のアノードに書き込み、O1のアノードに残った電荷を除去する。また、T1がオンされ、T2がオフされ、T5とT6がオフされる。
【0593】
データ書き込み段階t3では、E1は高電圧信号を提供し、S1は高電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S2とS3はすべて高電圧信号を提供し、S4は低電圧信号を提供し、T1とT4はオンされて、VdataをN2に書き込み、N1とN3の間を連通して、D1上のデータ電圧Vdataを通じてCに充電し、T0がオフになるまでN1の電位を上昇させ、その時T0のゲートの電位はVdata+Vthになる。
【0594】
発光段階t4では、E1は低電圧信号を提供し、S1は低電圧信号を提供し、R1は高電圧信号を提供し、S2とS3は高電圧信号を提供し、S4は高電圧信号を提供し、T5、T6とT0はオンされ、T0はO1を駆動して発光する。
【0595】
本開示の少なくとも1つの実施形態による駆動方法は、上述の画素回路に適用され、表示サイクルは初期化段階とリセット段階とを含む。前記駆動方法は、以下のことを含む。
【0596】
前記初期化段階では、第1初期化回路は、初期化制御信号の制御に基づいて、第1初期化電圧を駆動回路の第1端に書き込む。
【0597】
前記リセット段階では、リセット回路は、第2走査信号の制御に基づいて、リセット電圧を前記駆動回路の第2端または前記駆動回路の第1端に書き込む。
【0598】
本開示の駆動方法の少なくとも1つの実施形態では、リセット回路は、第2走査信号の制御に基づいて、データ電圧が駆動回路の第2端に書き込まれる前の非発光期間に、リセット電圧を駆動回路の第2端または駆動回路の第1端に書き込むことにより、駆動回路内の駆動トランジスタにバイアス電圧を供給して(このとき、駆動トランジスタのゲート電位もVi1に初期化され)、駆動トランジスタがリセット状態を維持するようにして、駆動トランジスタのヒステリシスが改善され、表示画面の最初のフレームの応答時間(FFR)が短縮される。
【0599】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、リセット段階において、前記リセット回路が、第2走査信号の制御に基づいて、リセット電圧を駆動回路の第2端に書き込むとき、
前記リセット電圧は高電位定電圧であり、前記第1初期化電圧は低電位定電圧であり、前記初期化段階と前記リセット段階は異なる時間帯であり、または、
前記リセット電圧と前記第1初期化電圧は低電位定電圧であり、前記初期化段階と前記リセット段階は、同じ時間帯または異なる時間帯である。
【0600】
選択的に、前記リセット段階において、前記リセット回路が第2走査信号の制御に基づいて、リセット電圧を駆動回路の第1端に書き込む場合、前記リセット段階と前記初期化段階は異なる時間帯であり、これにより、初期化段階において、第1初期化電圧を駆動回路の第1端に書き込み、リセット段階において、リセット電圧を駆動回路の第1端に書き込む。
【0601】
具体的な実施形態では、前記画素回路は、補償制御回路をさらに含むことができ、前記駆動方法は、以下のことも含む。
【0602】
前記初期化段階では、前記補償制御回路は、第1走査信号の制御に基づいて、駆動回路の制御端と前記駆動回路の第1端との間を連通させて、第1初期化電圧を前記駆動回路の制御端に書き込むように制御する。
【0603】
本開示の実施例に記載の駆動方法では、補償制御回路は、第1走査信号の制御に基づいて、制御駆動回路の制御端と前記駆動回路の第1端との間の連通を制御し、前記駆動回路の制御端は、補償制御回路にのみ直接電気的に接続され、第1初期化回路は、初期化制御信号の制御に基づいて、第1初期化電圧を駆動回路の第1端に書き込み、第1初期化回路は、前記駆動回路の第1端に直接電気的に接続されることにより、補償制御回路および第1初期化回路を介して駆動回路の制御端の電位を初期化し、前記駆動回路の制御端に対するリーク経路を低減し、かつ画素回路の設計複雑性が明らかに増加しない条件下で、第1ノードの電圧の安定性を保証でき、表示品質の向上、表示均一性の向上、ちらつき(Flicker)の軽減に有利である。
【0604】
具体的な実施形態では、前記画素回路は、データ書き込み回路とエネルギー蓄積回路とをさらに含み、表示サイクルは、前記初期化段階の後に設定されたデータ書き込み段階をさらに含み、前記駆動方法はさらに、以下のことを含む。
【0605】
前記データ書き込み段階では、データ書き込み回路は、第4走査信号の制御に基づいて、データ線から供給されるデータ電圧Vdataを前記駆動回路の第2端に書き込み、補償制御回路は、第1走査信号の制御に基づいて、制御駆動回路の制御端と前記駆動回路の第1端との間の連通を制御する。
【0606】
前記データ書き込み段階の開始時に、前記駆動回路は、その制御端の制御に基づいて、前記駆動回路の第1端と前記駆動回路の第2端との間の接続をオンにして、データ電圧Vdataを介してエネルギー蓄積回路に充電することにより、前記駆動回路の制御端の電位を、前記駆動回路の制御端の電位がVdata+Vthになるまで変化させ、Vthは、前記駆動回路が備える駆動トランジスタの閾値電圧である。
【0607】
具体的な実施形態では、前記データ書き込み段階は、前記リセット段階の後に設定されることができる。
【0608】
選択的に、駆動トランジスタのゲート電位を事前に初期化することにより、駆動トランジスタのヒステリシス現象を改善し、画素回路の高低周波Flicker(ちらつき)を低減するために、前記初期化段階と前記データ書き込み段階との間の時間間隔が所定の時間間隔よりも大きくなる。
【0609】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、前記画素回路は、発光制御回路をさらに含み、前記表示サイクルは、前記データ書き込み段階の後に設定される発光段階をさらに含み、前記駆動方法はさらに、以下のことを含む。
【0610】
発光段階では、発光制御回路は、発光制御信号の制御に基づいて、第1電圧端と前記駆動回路の第2端との間の連通を制御し、前記駆動回路の第1端と発光素子の第1極との間の連通を制御し、駆動回路は発光素子の発光を駆動する。
【0611】
本開示の少なくとも1つの実施形態に記載の表示装置は、上述の画素回路を含む。
【0612】
選択的に、前記画素回路はリセット回路と第2初期化回路とを含み、前記表示装置は、第2走査信号生成モジュールと第3走査信号生成モジュールとをさらに含む。
【0613】
前記リセット回路は第2走査線に電気的に接続され、前記第2初期化回路は第3走査線に電気的に接続される。
【0614】
前記第2走査信号生成モジュールは、第2走査信号を前記第2走査線に供給するために、前記第2走査線に電気的に接続される。
【0615】
前記第3走査信号生成モジュールは、第3走査信号を前記第3走査線に供給するために、前記第3走査線に電気的に接続される。
【0616】
選択的に、前記第2走査信号は、前記第3走査信号と同一の制御信号である。
【0617】
前記第2走査信号生成モジュールは、前記第3走査信号生成モジュールと同一のモジュールである。
【0618】
図77に示すように、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示装置は表示パネルを含み、前記表示パネルは画素モジュールP0を含み、前記画素モジュールP0は、上述の画素回路を複数行及び複数列含み、前記画素モジュールP0は、表示パネルの有効表示領域内に設けられる。
【0619】
前記表示パネルはさらに、発光制御信号生成モジュール70、第1走査信号生成モジュール71、第4-1走査信号生成モジュール721、第4-2走査信号生成モジュール722、第2走査信号生成モジュール73、および第3走査信号生成モジュール74を含む。
【0620】
前記発光制御信号生成モジュール70は、発光制御信号を供給するために用いられ、第1走査信号生成モジュール71は、第1走査信号を供給するために用いられ、第4-1走査信号生成モジュール721、および第4-2走査信号生成モジュール722は、第4走査信号を供給するために用いられ、第2走査信号生成モジュール73は、第2走査信号を供給するために用いられ、第3走査信号生成モジュール74は、第3走査信号を供給するために用いられる。
【0621】
発光制御信号生成モジュール70、第1走査信号生成モジュール71及び第4-1走査信号生成モジュール721は、前記表示パネルの左側に配置される。
【0622】
第4-2走査信号生成モジュール722、第2走査信号生成モジュール73、および第3走査信号生成モジュール74は、前記表示パネルの右側に配置される。
【0623】
図78に示すように、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示装置は表示パネルを含み、前記表示パネルは画素モジュールP0を含み、前記画素モジュールP0は、上述の画素回路を複数行及び複数列含み、前記画素モジュールP0は、表示パネルの有効表示領域内に設けられる。
【0624】
前記表示パネルはさらに、発光制御信号生成モジュール70、第1-1走査信号生成モジュール711、第1-2走査信号生成モジュール712、第4-1走査信号生成モジュール721、第4-2走査信号生成モジュール722、および第3走査信号生成モジュール74を含む。
【0625】
前記発光制御信号生成モジュール70は、発光制御信号を供給するために用いられ、第1走査信号生成モジュール71は、第1走査信号を供給するために用いられ、第4-1走査信号生成モジュール721と第4-2走査信号生成モジュール722は、第4走査信号を供給するために用いられ、第3走査信号生成モジュール74は、第2走査信号と第3走査信号を供給するために用いられる。
【0626】
発光制御信号生成モジュール70、第1-1走査信号生成モジュール711及び第4-1走査信号生成モジュール721は、前記表示パネルの左側に配置される。
【0627】
第4-2走査信号生成モジュール722、第1-2走査信号生成モジュール712、および第3走査信号生成モジュール74は、前記表示パネルの右側に配置される。
【0628】
図77及び
図78において、Vi1は第1初期化電圧であり、Vi2は第2初期化電圧であり、VDDは高電圧信号であり、D1はデータ線であり、DRはリセット電圧端である。
【0629】
本開示の実施形態では、
図6、
図7、
図12、
図14などを参照すると、第8トランジスタT8の幅対長さの比W/Lは、第7トランジスタT7の幅対長さの比W/Lとほぼ等しくてもよく、また、例えば、第8トランジスタT8の幅対長さの比W/Lは、第7トランジスタT7の幅対長さの比W/Lより大きくてもよく、すなわち、T8の幅対長さの比W/Lはやや大きくてもよく、これにより、N2ノードを迅速にリセットすることができる。
【0630】
本開示の実施形態では、
図6、
図7、
図12、
図14などを参照すると、第8トランジスタT8のチャネル幅Wは1.5~3.5であり、例えば、1.6、1.8、1.9、2.0、2.2、2.5、3.0などであってもよく、チャネル長Lは2.0~4.5であり、例えば、2.5、2.7、3.0、3.2、3.5、4.0などであってもよく、第7トランジスタT7のチャネル幅Wは、1.5~3.5であり、例えば、1.6、1.8、1.9、2.0、2.2、2.5、3.0などであってもよく、チャネル長Lは2.0~4.5であり、例えば、2.5、2.7、3.0、3.2、3.5、4.0などであってもよい。
【0631】
なお、
図38a、
図50などを参照すると、上述のトランジスタの設計は、
図38aなどの実施形態における第7トランジスタT7および第1トランジスタT1、
図50などの実施形態における第4トランジスタT4および第7トランジスタT7にも適用できる。
【0632】
本開示の実施形態において、
図6、
図7、
図12、
図14などを参照すると、第8トランジスタT8の幅対長さの比W/Lは、第1トランジスタT1の幅対長さの比W/Lとほぼ等しくてもよく、また、例えば、第8トランジスタT8の幅対長さの比W/Lは、第1トランジスタT1の幅対長さの比W/Lより小さくてもよく、これにより、N1ノードとN2ノードのリセット能力のバランスをとることができる。
【0633】
本開示の実施形態では、
図6、
図7、
図12、
図14などを参照すると、第8トランジスタT8の幅対長さの比W/Lは、第1トランジスタT1の幅対長さの比W/Lよりも大きくてもよく、これにより、N2ノードのリセット能力を向上させることができる。
【0634】
本開示の実施形態では、
図6、
図7、
図12、
図14などを参照すると、第8トランジスタT8のチャネル幅Wは1.5~3.5であり、例えば、1.6、1.8、1.9、2.0、2.2、2.5、3.0などであってもよく、チャネル長Lは2.0~4.5であり、例えば、2.5、2.7、3.0、3.2、3.5、4.0などであってもよく、第1トランジスタT1のチャネル幅Wは、1.5~3.5であり、例えば、1.6、1.8、1.9、2.0、2.2、2.5、3.0などであってもよく、チャネル長Lは2.0~4.5であり、例えば、2.5、2.7、3.0、3.2、3.5、4.0などであってもよい。
【0635】
なお、
図50等を参照して、上記トランジスタの設計は、
図50等の実施例における第4トランジスタT4及び第3トランジスタT3も同様に適用される。
【0636】
本開示の実施形態によって提供される表示装置は、携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなどの表示機能を有する任意の製品または部品であってもよい。
【0637】
なお、
図1~
図78に示されるすべての実施形態において、機能モジュール/電気デバイスの名称及び符号は、当該機能モジュール/電気デバイスの具体的な機能を限定するものではない。例えば、
図3-26の駆動回路1、
図27-45の駆動サブ回路、
図46-60の駆動回路11、
図61-48の駆動回路11は、いずれも同じ機能を有している。また、例えば、
図3-26の第2リセット回路3、
図27-45の第2複素サブ回路、
図46-60のリセット回路20、
図61-48のリセット回路20は、いずれも同じ機能を有している。また、例えば、
図3-26の第3リセット回路4、
図27-45の第1リセットサブ回路、
図46-60の第2初期化回路32、
図60-78の第2初期化回路42は、いずれも同じ機能を有している。また、例えば、
図3-26の閾値補償回路8、
図27-45の第2トランジスタT2、
図46-60の補償制御回路13、補償制御回路12は、いずれも同じ機能を有している。また、例えば、
図3-26のデータ書き込み回路7、
図27-45の書き込みサブ回路、
図46-60のデータ書き込み回路41、
図60-78のデータ書き込み回路43は、いずれも同じ機能を有している。また、例えば、
図3-26の制御回路5、
図27-45の第1発光制御サブ回路及び第2発光制御サブ回路、
図46-60の発光制御回路31、
図61-78の発光制御回路44は、いずれも同じ機能を有している。例えば、
図3-26の結合回路6、
図27-45の第1容量C1、
図46-60のエネルギー蓄積回路42、
図61-78のエネルギー蓄積回路41は、いずれも同じ機能を有している。また、例えば、
図3-26の駆動トランジスタT3、
図27-45の駆動トランジスタT3、
図46-60の駆動トランジスタT0、
図61-78の駆動トランジスタT0は、いずれも同じ機能を有している。上述した同じ機能を有する機能モジュール/電気デバイスは、互いに置換して新しい実施形態を構成することができ、ここで、機能モジュール/電気デバイスの置換は、機能モジュール/電気デバイス自体の構造の置換、機能モジュール/電気デバイスが接続された信号端の電圧状態の置換を含むことができる。
【0638】
本開示の他の実施形態は、本明細書の考察および本開示の実践から当業者には容易に明らかとなるであろう。本出願は、本開示の任意の変形、用途または適応性変化を網羅することを意図しており、これらの変形、用途または適応性変化は、本開示の一般原則に従い、本開示に開示されていない本技術分野における公知の常識または慣用技術手段を含む。明細書及び実施形態は例示的なものにすぎず、本開示の真の範囲および精神は添付の特許請求の範囲によって示される。
【0639】
本開示は、上で説明し、添付の図面に示した正確な構成に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正および変更を加えることができることを理解されたい。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【国際調査報告】