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特表2024-528766水分および他の収着物の除去のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】水分および他の収着物の除去のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/147 20060101AFI20240725BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20240725BHJP
   B01D 53/28 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
F24F3/147
B01D53/26 230
B01D53/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552226
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 IN2022050728
(87)【国際公開番号】W WO2023017545
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202111036425
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512330592
【氏名又は名称】ブライ・エアー・アジア・ピーヴイティー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラジャン・サチデーヴ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルン・パワ
(72)【発明者】
【氏名】マニッシュ・マリク
(72)【発明者】
【氏名】ディーパック・パワ
(72)【発明者】
【氏名】クルディープ・シン・マリク
(72)【発明者】
【氏名】サチン・ディマン
【テーマコード(参考)】
3L053
4D052
【Fターム(参考)】
3L053BC09
4D052AA08
4D052CB01
4D052CB04
4D052DA02
4D052DA06
4D052DB01
4D052FA03
4D052FA08
4D052HA01
4D052HA03
4D052HA49
(57)【要約】
本明細書に記載されるのは、気流および/または他の流体から水分および/または収着物を除去するための装置および方法である。本システムは、前処理デシカントホイールおよび主要デシカントホイールを備える。前処理デシカントホイールは、空気が通るようにするための少なくとも2つの第1のセクタから成り、第1のプロセスセクタおよび第1の再活性化セクタを含む。主要デシカントホイールは、空気が通るようにするための少なくとも3つの第2のセクタから成り、順次第2の外気セクタ、第2のプロセスセクタおよび第2の再活性化セクタを含む。周囲気流は、前処理デシカントホイールの少なくとも2つのセクタの1つおよび主要デシカントホイールの外気セクタにおいて順次除湿された後に、主要デシカントホイールの再活性化セクタに再活性化のために少なくとも部分的に供給される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流および/または他の流体から水分および/または収着物を除去するための装置であって、
2つの第1のセクタ(34、36)、すなわち第1のプロセスセクタ(34)および第1の再活性化セクタ(36)から成る前処理デシカントホイール(33)を備える、前記装置の前処理部(50)と、
少なくとも3つの第2のセクタ(2、3、4)から成り、順次第2の外気セクタ(4)、第2の再活性化セクタ(3)、および第2のプロセスセクタ(2)を含む主要デシカントホイール(1)を備える、前記装置の主要部(51)と、
を備え、
周囲気流(12)が、順次前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1のプロセスセクタ(34)において除湿され、続いて、順次前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の再活性化セクタ(3)における加熱ユニット(10)での再活性化のために少なくとも部分的に供給された後に前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1の再活性化セクタ(36)に供給する前に、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の外気セクタ(4)において除湿され、かつ前記第2のプロセスセクタ(2)が、冷却空間からの再循環気流(13)および第2の前処理気流(23)の少なくとも一部分(26)の組合せを受けて除湿して、前記冷却空間に除湿された冷却気流(15)を出力する、装置。
【請求項2】
前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1のプロセスセクタ(34)が周囲気流(12)を受けて除湿して、第1の前処理気流(46)を出力し、
前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の外気セクタ(4)が前記第1のプロセスセクタ(34)からの前記第1の前処理気流(46)を受けて更に除湿して、前記第2の前処理気流(23)を出力し、
前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の再活性化セクタ(3)が前記第2の前処理気流(23)の少なくとも一部分(24)を受けて、その再活性化のために供給し、そして第1の再活性化気流(17)を出力し、
前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1の再活性化セクタ(36)が前記第1の再活性化気流(17)を受けて、その再活性化のために直接供給して、第2の再活性化気流(19)を出力する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記主要デシカントホイール(1)が、前記冷却空間からの前記再循環気流(13)および前記第2の前処理気流(23)の少なくとも前記部分(26)の前記組合せ、ならびに前記第2の前処理気流(23)の一部分(24)が同じ方向に前記デシカントホイールを通る一方で、第1の前処理気流(46)および前記第2の前処理気流(23)の前記部分(24)が反対方向に前記デシカントホイールを通るように、前記装置の前記主要部(51)に位置付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記主要デシカントホイール(1)が、前記冷却空間からの前記再循環気流(13)および前記第2の前処理気流(23)の少なくとも前記部分(26)の前記組合せ、ならびに前記第2の前処理気流(23)の一部分(24)が、前記第2の前処理気流(23)の前記部分(24)のそれと反対方向に前記主要デシカントホイール(1)を通るように、前記装置の前記主要部(51)に位置付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記周囲気流(12)を予冷して、凝縮によって前記水形態周囲気流(12)の一部を除去し、そして前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1のプロセスセクタ(34)において除湿されるために送出するための第1の冷却ユニット(25)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第1の前処理気流(46)を、前記主要デシカントホイール(1)の前記外気セクタ(4)において除湿される前に冷却するための第2の冷却ユニット(6)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記冷却空間からの前記再循環気流(13)および前記第2の前処理気流(23)の少なくとも前記部分(26)の前記組合せを、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2のプロセスセクタ(2)において除湿される前に冷却して、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2のプロセスセクタ(2)を通す水分除去を改善するための第3の冷却ユニット(8)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記前処理部(50)が、前処理ホイールドライブ、ならびに空気が前記ホイールを通るための2つの経路を作成するため、プレナムまたはセクタを作成し、かつ隣接セクタ間で空気が漏れるのを防止するために内部バッフルおよびホイール面に近いエアシールを持つハウジング、を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記主要部(51)が、主要ホイールドライブ、ならびに空気が前記ホイール、前記主要デシカントホイール(1)、を通るための3つの経路を作成するため、プレナムまたはセクタを作成し、かつ隣接セクタ間で空気が漏れるのを防止するために内部バッフルおよびホイール面に近いエアシールを持つハウジング、を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記他の流体がCOおよびVOCを含むが、これらに限定されない、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記前処理デシカントホイールおよび前記主要デシカントホイールが、シリカゲル、モレキュラシーブ、および金属有機フレームワーク(MOF)、共有結合性有機フレームワーク(COF)、ゼオライトイミダゾレートフレームワーク(ZIF)のような新規材料から成る群から選択されるデシカントを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
気流および/または他の流体から水分および/または収着物を除去するための装置であって、
2つの第1のセクタ(34、36)、すなわち第1のプロセスセクタ(34)および第1の再活性化セクタ(36)から成る前処理デシカントホイール(33)を備える、前記装置の前処理部(50)と、
少なくとも3つの第2のセクタ(2、3、4)から成り、順次第2の外気セクタ(4)、第2の再活性化セクタ(3)および第2のプロセスセクタ(2)を含む主要デシカントホイール(1)を備える、前記装置の主要部(51)と、
2つの補助セクタ(40、41)、すなわち補助プロセスセクタ(40)および補助再活性化セクタ(41)から成る補助前処理デシカントホイール(39)を備える、前記装置の補助前処理部(52)と、
を備え、
周囲気流(12)が、順次前記補助前処理デシカントホイール(39)の前記補助プロセスセクタ(40)、前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1のプロセスセクタ(34)において除湿され、続いて、順次前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の再活性化セクタ(3)における加熱ユニット(10)での、および前記補助前処理デシカントホイール(39)の前記補助再活性化セクタ(41)における第2の加熱ユニット(45)での再活性化のために、少なくとも部分的に供給された後に前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1の再活性化セクタ(36)に供給する前に、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の外気セクタ(4)において除湿され、
前記第2のプロセスセクタ(2)が、冷却空間からの再循環気流(13)および第2の前処理気流(23)の少なくとも一部分(26)の組合せを受けて除湿して、前記冷却空間に除湿された冷却気流(15)を出力する、装置。
【請求項13】
前記補助前処理デシカントホイール(39)の前記補助プロセスセクタ(40)が周囲気流(12)を受けて除湿して、補助前処理気流(43)を出力し、
前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1のプロセスセクタ(34)が前記補助前処理気流(43)を受けて除湿して、第1の前処理気流(46)を出力し、
前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の外気セクタ(4)が前記第1のプロセスセクタ(34)からの前記第1の前処理気流(46)を受けて更に除湿して、前記第2の前処理気流(23)を出力し、
前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の再活性化セクタ(3)が前記第2の前処理気流(23)の少なくとも一部分(24)を受けて、その再活性化のために供給し、そして第1の再活性化気流(17)を出力し、
前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1の再活性化セクタ(36)が前記第1の再活性化気流(17)を受けて、その再活性化のために直接供給して、第2の再活性化気流(19)を出力し、
前記補助前処理デシカントホイール(39)の前記補助再活性化セクタ(41)が前記第2の再活性化気流(19)を受けて、その再活性化のために供給し、そして補助再活性化気流(44)を出力する、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記主要デシカントホイール(1)が、前記冷却空間からの前記再循環気流(13)および前記第2の前処理気流(23)の少なくとも前記部分(26)の前記組合せ、ならびに前記第2の前処理気流(23)の前記部分(24)が同じ方向に前記デシカントホイールを通る一方で、前記第1の前処理気流(46)および前記第2の前処理気流(23)の前記部分(24)が反対方向に前記デシカントホイールを通るように、前記装置の前記主要部(51)に位置付けられる、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
前記主要デシカントホイール(1)が、前記冷却空間からの前記再循環気流(13)および前記第2の前処理気流(23)の少なくとも前記部分(26)の前記組合せ、ならびに前記第2の前処理気流(23)の前記部分(24)が、前記第2の前処理気流(23)の前記部分(24)のそれと反対方向に前記主要デシカントホイール(1)を通るように、前記装置の前記主要部(51)に位置付けられる、請求項12または13に記載の装置。
【請求項16】
前記周囲気流(12)を予冷して、凝縮によって前記水形態周囲気流(12)の一部を除去し、そして前記補助デシカントホイール(39)の前記補助プロセスセクタ(40)において除湿されるために送出するための補助冷却ユニット(37)を備える、請求項12または13に記載の装置。
【請求項17】
前記補助前処理気流(43)を、前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1のプロセスセクタ(34)において除湿される前に冷却するための第1の冷却ユニット(25)を備える、請求項12または13に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の前処理気流(46)を、前記主要デシカントホイール(1)の前記外気セクタ(4)において除湿される前に冷却するための第2の冷却ユニット(6)を備える、請求項12または13に記載の装置。
【請求項19】
前記冷却空間からの前記再循環気流(13)および前記第2の前処理気流(23)の少なくとも前記部分(26)の前記組合せを、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2のプロセスセクタ(2)において除湿される前に冷却して、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2のプロセスセクタ(2)を通す水分除去を改善するための第3の冷却ユニット(8)を備える、請求項12または13に記載の装置。
【請求項20】
前記前処理部(50)が、前処理ホイールドライブ、ならびに空気が前記ホイールを通るための2つの経路を作成するため、プレナムまたはセクタを作成し、かつ隣接セクタ間で空気が漏れるのを防止するために内部バッフルおよびホイール面に近いエアシールを持つハウジング、を更に備える、請求項12に記載の装置。
【請求項21】
前記主要部(51)が、主要ホイールドライブ、ならびに空気が前記ホイールを通るための3つの経路を作成するため、プレナムまたはセクタを作成し、かつ隣接セクタ間で空気が漏れるのを防止するために内部バッフルおよびホイール面に近いエアシールを持つハウジング、を更に備える、請求項12に記載の装置。
【請求項22】
前記補助前処理部(52)が、補助ホイールドライブ、ならびに空気が前記ホイールを通るための2つの経路を作成するため、プレナムまたはセクタを作成し、かつ隣接セクタ間で空気が漏れるのを防止するために内部バッフルおよびホイール面に近いエアシールを持つハウジング、を更に備える、請求項12に記載の装置。
【請求項23】
前記他の流体がCOおよびVOCを含むが、これらに限定されない、請求項12から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記前処理デシカントホイールおよび前記主要デシカントホイールが、シリカゲル、モレキュラシーブ、および金属有機フレームワーク(MOF)、共有結合性有機フレームワーク(COF)、ゼオライトイミダゾレートフレームワーク(ZIF)のような新規材料から成る群から選択されるデシカントを有する、請求項12から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
気流および/または他の流体から水分および/または収着物を除去するための方法であって、
周囲気流を、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)および主要デシカントホイール(1)の外気セクタ(4)において順次除湿するステップと、
前記順次除湿された周囲気流を、加熱ユニット(10)により前記主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に、その再活性化のために供給して、第1の再活性化気流(17)を出力するステップと、
前記第1の再活性化気流(17)を、前記前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に、その再活性化のために直接供給して、第2の再活性化気流(19)を出力するステップと、
冷却空間からの再循環気流(13)および第2の前処理気流(23)の一部分(26)の組合せを、前記主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)に供給して、前記冷却空間に除湿された冷却気流(15)を出力するステップと、
を含む、方法。
【請求項26】
前記周囲気流(12)を順次除湿する前記ステップが、
前記周囲気流(12)を、前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1のプロセスセクタ(34)において除湿して、第1の前処理気流(46)を出力するステップと、
前記第1の前処理気流(46)を、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の外気セクタ(4)において更に除湿して、第2の前処理気流(23)を出力するステップと、
を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
第1の冷却ユニット(25)を使用して、前記周囲気流(12)を予冷して、凝縮によって前記水形態周囲気流(12)の一部を除去し、そして前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1のプロセスセクタ(34)における除湿のために送出するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
第2の冷却ユニット(6)を使用して、第1の前処理気流(46)を、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の外気セクタ(4)における除湿の前に冷却するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
第3の冷却ユニット(8)を使用して、前記冷却空間からの前記再循環部屋気流(13)および前記第2の前処理気流(23)の前記部分(26)の前記組合せを、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2のプロセスセクタ(2)における除湿の前に冷却して、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2のプロセスセクタ(2)を通す水分除去を改善するステップを含む、請求項25から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
気流および/または他の流体から水分および/または収着物を除去するための方法であって、
周囲気流を、補助デシカントホイール(39)の補助プロセスセクタ(40)、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)、および主要デシカントホイール(1)の外気セクタ(4)において順次除湿するステップと、
前記順次除湿された周囲気流を、加熱ユニット(10)により、前記主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に、その再活性化のために供給して、第1の再活性化気流(17)を出力するステップと、
前記第1の再活性化気流(17)を、前記前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に、その再活性化のために直接供給して、第2の再活性化気流(19)を出力するステップと、
前記第2の再活性化気流(19)を、第2の加熱ユニット(45)により、前記補助デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)に、その再活性化のために供給して、最終の再活性化気流(46)を出力するステップと、
冷却空間からの再循環部屋気流(13)および第2の前処理気流(23)の一部分(26)の組合せを、前記主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)に供給して、前記冷却空間に除湿された冷却気流(15)を出力するステップと、
を含む、方法。
【請求項31】
周囲気流(12)を、前記補助デシカントホイール(39)の前記補助プロセスセクタ(40)において除湿して、補助前処理気流(43)を出力するステップと、
前記補助前処理気流(43)を、前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1のプロセスセクタ(34)において除湿して、第1の前処理気流(46)を出力するステップと、
前記第1の前処理気流(46)を、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の外気セクタ(4)において除湿して、前記第2の前処理気流(23)を出力するステップと、
を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
補助冷却ユニット(37)を使用して、前記周囲気流(12)を冷却して、凝縮によって前記水形態周囲気流(12)の一部を除去し、そして前記補助デシカントホイール(39)の前記補助プロセスセクタ(40)における除湿のために送出するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
第1の冷却ユニット(25)を使用して、補助前処理気流(43)を、前記前処理デシカントホイール(33)の前記第1のプロセスセクタ(34)における除湿の前に冷却するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
第2の冷却ユニット(6)を使用して、第1の前処理気流(46)を、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2の外気セクタ(4)における除湿の前に冷却するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
第3の冷却ユニット(8)を使用して、前記冷却空間からの前記再循環部屋気流(13)および前記第2の前処理気流(23)の前記部分(26)の前記組合せを、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2のプロセスセクタ(2)における除湿の前に冷却して、前記主要デシカントホイール(1)の前記第2のプロセスセクタ(2)を通す水分除去を改善するステップを含む、請求項30から34のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
HVAC(暖房・換気および空調)ならびに他の産業プロセスの分野内では、空気および/または他の流体から水分または他の収着物を除去するためにデシカントシステムが現在一般に使用される。より詳細には、生産現場においてかつプロセスニーズのために低湿度を必要とする用途、例えば食品および医薬品では回転デシカントシステムが使用される。1つの新興の用途が、超低湿度(1%未満)が必須になっているリチウムイオン電池の生産である。デシカントシステムが再活性化のために多くのエネルギーを消費するので、そのような用途およびそれらの低湿度生産のための解決策は、そのようなデシカント除湿機器の熱的再活性化のためのエネルギーの削減のための革新的な解決策を必要とする。
【背景技術】
【0002】
本発明は、固体デシカント材を使用する空気および他の流体からの、特に空気または他の気体からの水分および他の収着物の除去のための新規なシステムおよび方法を提供する。本発明は、より詳細には、エネルギー節減に備えただけでなく、環境を悪化させるフットプリントに関する全面的な節減が実質的に性能上の妥協なしで回避または最小化される、環境にやさしいシステムに関する。
【0003】
低露点作業の90%より多くが生産空間/乾燥室内部に-40℃露点を必要とし、したがって、この条件を満たすため、デシカント(ホイール)を含むシステムは、部屋内部の水分負荷要件を満たすために-50から-60℃露点の範囲の乾燥空気を生成することを必要とされるであろう。
【0004】
1つのそのような産業が、リチウムイオンまたは新興の代替技術を使用する電池/蓄電池生産のそれであり、-40℃の露点(DP)を必要とする乾燥室において通常行われる。リチウム電池生産産業は、次の10年にわたって指数関数的に範囲が増加しそうである。また、電池生産技術は、相当量の部屋排気、換気空気、したがって新鮮空気を必要とする。産業経験は、そのようなシステムにおいて、Liイオン電池を生産するために必要とされる全エネルギーの40~60%が除湿システムのためだけに必要とされるということである。したがって、必要とするエネルギーがより少ない除湿のための方法および/またはシステムを提供する課題がある。
【0005】
目標として、最小再生エネルギー使用量で、種々の生産技術、技法および/またはプロセスに基づいて、変動しかつ大きな新鮮空気の必要性を大幅に満たす。
【0006】
電気的手段を通じたまたは任意選択で従来の太陽熱からの低品位熱、廃熱等を通じた、再生温度が120から220℃間の従前のシステムと比較して、60~80℃などの低温での再生において、そのような新方法およびシステムに新材料を採用する可能性を探ることも有利であろう。
【0007】
リチウムイオンまたは新興の代替技術を使用する電池/蓄電池生産の重要な必要性に対処するとともに、これは、低温熱源および/または、食品もしくは医薬生産/加工ユニットに典型的である、25~40%の範囲に見られる除湿要件を使用する一般的な産業用除湿における実装の潜在性も開く。
【0008】
本明細書で提供されるシステムおよび方法の目的は、著しく重要な目標の達成を可能にすることである:
- デシカントホイールを使用する産業にわたるエネルギー節減、
- 乾燥室/作業空間における低露点(典型的に<-40℃から-80℃)の維持、
- 低露点を達成するために使用される機器/システムのエネルギー消費の削減を保証する、
- リチウムイオン電池の生産においてなど、製造現場/乾燥室によってまたはそれらにおいて必要とされ得るような高新鮮空気必要量を扱う能力の柔軟性も保証する、および
- 好ましくは低温再生を通じた低エネルギー消費。
【0009】
本発明の目標は、高水分除去を提供しかつ例えば詳細には60~80℃の範囲の、より広くは50~100℃の範囲の低温再生を必要とする、新材料/吸着剤を使用するデシカントホイールの組込みも可能にする。
【0010】
本発明の別の目標は、HO/水分だけでなくCOおよびVOCもの低収着物濃度を達成することである。VOC等に関しては、本発明の本方法およびシステムは、異なる気流間の交差汚染を低減させることも提供および促進する。
【0011】
本発明のこれらおよび他の目標は、必要熱量を供給するために先行技術システムおよび方法の構成成分、すなわち放出空気がそれ自体再使用される簡潔な方法によって達成され-それによって第一にエネルギー必要量を削減し、第二に新鮮空気維持を保証し、そして第三に一部の要件では、機器出口露点達成がこれまで商業的に実施可能であると考えられていないレベル、すなわち<-70℃から-90℃であり、それによって<-40℃から-80℃の作業空間露点要件を達成することも保証する。
【0012】
本発明が回転床収着システムで実装されるが、それは、ベッド/バッチ収着システムへの実装のために適合させることもできる。
【0013】
プロセス流体流から収着物を収集してそれを濃縮形態で再生流体流に転送するための回転床収着システムの使用が周知である。典型的に除去される収着物は、水蒸気、揮発性有機化合物(「VOC」)等を含む。
【0014】
一部の先行技術は、そのようなシステムの典型的な問題がプロセス流と再生流との間の交差汚染の潜在性であることを特定して/述べており、しかしながらこれは産業経験でないが、例外的なそのような場合、本発明は、いかなる交差汚染も低減または回避さえできる。
【0015】
先行技術の説明
この段階で、本発明を通じて達成されたことの背景および前後関係を提供するために、出願人らが利用可能な先行技術および関連技術の概説が以下に与えられる。
【0016】
特許文献1は、空気除湿装置を開示している。この開示は、外気が前置冷却器によって冷却および除湿されて、二酸化炭素吸着ロータの吸着ゾーンを通り、中間冷却器によって冷却される低二酸化炭素濃度を有する空気を生成する装置を教示している。中間冷却器を通った空気は、水分吸着ロータの吸着ゾーンに通され、次いで低湿度作業室に供給される。低湿度作業室からの還気が、前置冷却器を出た空気と混合されてよい。中間冷却器を通った空気の一部が分岐されて、水分吸着ロータのパージゾーンを通った後に220℃の再生入口温度で湿度吸着ロータの再生ゾーンに送られる。湿度吸着ロータの再生ゾーンを通った空気は、外気と混合され、次いで二酸化炭素吸着ロータの再生ゾーンに通された後に排気される。
【0017】
特許文献2は、再生可能収着材の回転収着剤塊であって、動作サイクルにおいて、所与の体積が第1、第2、第3、第4、および第5のゾーンを順次通った後に、第1のゾーンに戻る、収着剤塊と、第1のゾーンを通って導かれるプロセス流体流と、第3のゾーンを通って導かれる再生流体流と、第2および第4のゾーンを通ってプロセス流体流および再生流体流から独立して閉ループで再循環する隔離流体流と、を含む回転収着床システムを教示している。再生流体流は、第5のゾーンを通った後に325°F(162℃)の再生入口温度で第3のゾーンを通る。
【0018】
特許文献3は、3つの回転デシカント乾燥機を備え、各回転デシカント乾燥機が乾燥セクタおよび再生セクタを備え、回転デシカント乾燥機が、順番に配置され、かつ回転デシカント乾燥機のそれぞれの再生セクタに再生空気を通すための共通再生空気流路、および超低露点を有する生成空気に吸気を除湿するために回転デシカント乾燥機のそれぞれの乾燥セクタに吸気を通すための共通吸気流路、を共有する、超低露点を有する工業用空気を生成するための3ロータ乾燥システムを教示している。
【0019】
デシカントホイールを再生するために使用される空気/流体に熱、質量流量および温度の組合せ、が加えられるが、達成可能なプロセス空気「外」露点は、再生のためにホイールに入る空気/流体のRH(相対湿度)によって制限されることを理解することが重要である。
【0020】
言い換えれば、プロセス「外」空気/流体のRHは、再活性化入口空気/流体のRHより高いことになる。それ故、再活性化入口空気/流体のRHが低いほど、プロセス「外」空気/流体の達成できる可能なRHおよび露点は低くなる。再生空気/流体のRHは、再活性化「内」温度を上げるか再活性化入口含水量/露点(それ故RH)を下げるか、どちらか、またはその組合せによって低下させることができる。
【0021】
特許文献4は、収着床システムを使用してプロセス流体流の収着物濃度を低下させる方法を教示しており、以下を含む。収着材の塊が、動作サイクルにおいて、収着剤塊の所与の体積が第1、第2、第3、第4、第5、および第6のゾーンを順次通った後に、第1のゾーンに戻るように回転される。プロセス流体流が第1のゾーンにおける収着剤塊に通され、そして再生流体流が335°F(135℃)の再生入口温度で第4のゾーンにおける収着剤塊に通される。第1の隔離流体流が、第2のゾーンにおけるおよび第6のゾーンにおける収着剤塊間で、プロセス流体流および再生流体流から独立して、閉ループで循環される。第2の隔離流体流が、同時に第3のゾーンにおけるおよび第5のゾーンにおける収着剤塊間で、プロセス流体流、再生流体流および第1の隔離流体流から独立して、閉ループで循環される。
【0022】
特許文献5は、空気または他の気体の低湿度レベルへのエネルギー効率デシカント除湿のための方法および装置が開示されると教示している。この方法および装置は、2つ以上の除湿ゾーンまたはセクタを有するデシカントロータ(ホイール)を含む。別々の除湿セクタが別々の空気もしくは気体流を除湿するために使用されてよく、またはそれらは、2つ以上のセクタに単一の空気もしくは気体流を通すことによってそれを除湿するために使用されてよい。除湿セクタからの放出空気または気体の全てまたは一部分が、加熱前の再活性化入口空気または気体の全てまたは一部分のために使用される。デシカントホイールは、2つ以上の再活性化セクタを、各セクタに対する別々の空気または気体源と共に、含んでよい。デシカントホイールは、除湿プロセスの熱効率を改善するために再活性化および除湿セクタ間にパージセクタを含んでよい。
【0023】
そのようなシステムにおける最大エネルギー消費が低露点の維持の要件によることが当該技術において認識される。
【0024】
幾つかのそのような問題点が先行技術において特定されたが、例えば特許文献4における焦点は、大部分は交差汚染を防止することに向けてであった。上述したように、’特許文献4は、2005年に遡って、回転床収着システムにおいてプロセス流体流中の収着物濃度を低下させるための方法を報告している。この特許の方法は、そのような交差汚染を低減させるために隔離ループの概念を使用する。隔離ループ/ゾーンは、数では1つ以上であることができ、そして高濃度流体流から収着剤母体を通る水分の拡散の低減を可能にするまたは高圧流体流から低圧流体流への蒸気のキャリオーバを低減させると述べられている。この開示は、複数隔離ループを提供することに焦点を合わせており、それによって好ましくは、第1、第5、および第6のゾーンにおける流体流れの方向が同じであり、そして第2、第3、および第4のゾーンにおける流体流れの方向が同じであり、かつ第1の流体流れ(第1、第5、および第6のゾーンを通る)と反対である。
【0025】
特許文献2は、別のより最近の先行技術であり、特許文献4に比べて発展/進歩であると主張している。特許文献2は、それが特許文献4において包含される基本技術の上で循環隔離ループおよびパージ/再生ループを組み合わせて使用することを述べている。この開示は、パージ/再生ループが再生ゾーンへの供給のために更に加熱されるべき空気を予熱するために再生ゾーン後のロータのゾーンからの温風を使用することを述べている。循環隔離ループは、プロセス入口側でロータを冷却し、そしてまた、ロータが再生セクタに入る前にそれを予熱する。
【0026】
本出願人らに帰属する特許文献6は、空気または他の気体の低湿度レベルへのエネルギー効率デシカント除湿が提供されるシステムおよび方法を提供した。特許文献6の方法および装置は、2つ以上の除湿ゾーンまたはセクタを有するデシカントロータ(ホイール)を含む。別々の除湿セクタが別々の空気もしくは気体流を除湿するために使用されてよく、またはそれらは、2つ以上のセクタに単一の空気もしくは気体流を通すことによってそれを除湿するために使用されてよい。除湿セクタからの放出空気または気体の全てまたは一部分が、加熱前の再活性化入口空気または気体の全てまたは一部分のために使用される。デシカントホイールは、2つ以上の再活性化セクタを、各セクタに対する別々の空気または気体源と共に、含んでよい。デシカントホイールは、除湿プロセスの熱効率を改善するために再活性化および除湿セクタ間にパージセクタを含んでよい。この先行技術のシステムは、<-60°Fの露点であるが相当高い再活性化エネルギー消費で単一のロータホイールを使用して100%外気の送出を可能にした。
【0027】
図1は、特許文献6の図4に描かれるような先行技術除湿器システムの概略図であり、プロセスセクタ(2)、パージセクタ(4)、および再活性化セクタ(3)を順次含むデシカントロータ(1)の基本配置を図示する。この配置では、周囲気流(12)が、最初に第1の冷却ユニット(6)において冷却され、そして還気流(13)に混合される。周囲気流(12)および還気流(13)の混合物は、プロセス入口気流(14)と称される。プロセス入口気流(14)は、第2の冷却ユニット(8)において冷却される。プロセス入口気流(14)の一部分がプロセスセクタ(2)に通されて、そこで除湿される。そのような除湿により、プロセス入口気流(14)中の水分は、ホイール(1)のプロセスセクタ(2)に置かれるデシカントに吸着されて、プロセス出口気流(15)を出力する。その上、この配置では、プロセス入口気流(14)の残りの部分、すなわちパージ空気(26)がホイール(1)のパージセクタ(4)に通される。パージ空気26の方向は、典型的にプロセス出口気流(15)と一致し、かつ再活性化入口気流(16)に対向する。一実施形態において、パージ空気26の源は、第2の冷却コイル(8)に通されたプロセス入口空気14の一部分でよい。パージセクタ(4)から出た、再活性化セクタ(3)からの熱キャリオーバを取り込んだパージ空気(26)は、再活性化入口気流(16)として、再活性化セクタ(3)に送られる。特に、パージセクタ(4)から出たパージ空気(26)は、第1の加熱ユニット(10)によって加熱されて、再活性化入口気流(16)を出力する。再活性化入口気流(16)は、次いで再活性化セクタ(3)に通され、その結果再活性化入口気流(16)は、そこに位置付けられるデシカントから水分を吸い上げて、除湿させかつ再活性化出口気流(17)を出力する。再活性化出口気流(17)は、次いで再生出口空気(19)として外部環境に排出される。この構成は、再活性化熱/エネルギーの相当な使用なしに所望の露点を送り出すことにその限界を有する。
【0028】
図2は、上記したように特許文献6に図6として図示される先行技術除湿器システムの概略図である。このシステムは、一部の用途のために必要とされる高空気補給/加圧率要件および/または極低湿度に対処するために2つの除湿器ホイールを直列に使用するが、これを行うのは相当なエネルギーペナルティとなる。この配置では、加圧/補給空気(20)および周囲空気(12)の混合物を前処理しかつ下流のプロセス負荷除湿器への湿度負荷を低減させるために別個の除湿器ユニットが使用される。電池製造用途のためにこの配置を使用すると、一方の除湿器が加圧/補給空気(20)および外気の混合物ならびに複数の部屋またはプロセス空気除湿器のための再活性化空気(17)を不必要に予め除湿しなければならず、トータルシステムは2つの大きな再活性化加熱蓄電池を必要とする。
【0029】
図3は、特許文献6の図7に描かれるような、低露点用途のための先行技術除湿システムの概略図であり、少なくとも1つの追加セクタ、すなわち外気(OSA)セクタ(4)を持つデシカント除湿器の基本配置も図示する。この配置では、第3の気流、すなわち補給空気(26)が順次再活性化セクタ(3)とプロセスセクタ(2)との間でホイール(1)に通される。外部入口空気(12)の方向は、典型的にプロセス空気流(15)と一致し、かつ再活性化空気流(16)に対向する。プロセス入口空気(14)の源は、プロセス還気(13)または別の源からの空気および、第1の冷却ユニット(6)に通された空気などの、補給空気(26)の混合物でよい。
【0030】
上述の除湿システムの実施形態は、本発明の除湿システムと比較すると、相対的にエネルギー効率が良くない。本開示の概念を開示する実施形態が、ここで詳細に説明されることになる。
【0031】
全ての以上の開示がこの本発明の目標について論ずるわけではないと言えよう。本出願人らは、エネルギー消費の削減を通じてエネルギー節減に備え、かつ収着システムにおける工業生産ユニットにおける典型的にますます高くなる新鮮空気必要量の維持を保証することもできるいかなる技術も見つけることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0022574号(現米国特許第10,702,825号)明細書
【特許文献2】国際公開第2020/006564号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2020/178436号パンフレット
【特許文献4】米国特許第7,101,414号明細書
【特許文献5】国際公開第2011/161693号パンフレット
【特許文献6】米国特許第9,303,884号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
本明細書で提供されるシステムおよび方法の目的は、著しく重要な目標の達成を可能にすることである:
- デシカントホイールを使用する産業にわたるエネルギー節減、
- 乾燥室/作業空間における低露点(典型的に<-40℃から-80℃)の維持、
- 低露点を達成するために使用される機器/システムのエネルギー消費の削減を保証する、
- リチウムイオン電池の生産においてなど、製造現場/乾燥室によってまたはそれらにおいて必要とされ得るような高新鮮空気必要量を扱う能力の柔軟性も保証する、および
- 好ましくは低温再生を通じた低エネルギー消費。
【0034】
本発明の目標は、高水分除去を提供しかつ例えば詳細には60~80℃の範囲の、より広くは50~100℃の範囲の低温再生を必要とする、新材料/吸着剤を使用するデシカントホイールの組込みも可能にする。
【0035】
本発明の別の目標は、HO/水分だけでなくCOおよびVOCもの低収着物濃度を達成することである。VOC等に関しては、本発明の本方法およびシステムは、異なる気流間の交差汚染を低減させることも提供および促進する。
【0036】
本発明のこれらおよび他の目標は、必要熱量を供給するために先行技術システムおよび方法の構成成分、すなわち放出空気がそれ自体再使用される簡潔な方法によって達成され-それによって第一にエネルギー必要量を削減し、第二に新鮮空気維持を保証し、そして第三に一部の要件では、機器出口露点達成がこれまで商業的に実施可能であると考えられていないレベル、すなわち<-70℃から-90℃であり、それによって<-40℃から-80℃の作業空間露点要件を達成することも保証する。
【0037】
本発明が回転床収着システムで実装されるが、それは、ベッド/バッチ収着システムへの実装のために適合させることもできる。
【0038】
本発明において、前処理セクタおよび/または前処理ホイールにより、再活性化「内」への露点を実質的に低下させることができ、それによって低再生入口温度でさえ超低RHを許容する。
【課題を解決するための手段】
【0039】
本開示の一態様は、気流および/または他の流体から水分および/または収着物を除去するための装置に関する。本装置は、前処理デシカントホイールを備える装置の前処理部と、主要デシカントホイールを備える装置の主要部と、を備える。前処理デシカントホイールは、2つの第1のセクタ、すなわち第1のプロセスセクタおよび第1の再活性化セクタから成る。主要デシカントホイールは、少なくとも3つの第2のセクタから成り、順次第2の外気セクタ、第2の再活性化セクタ、および第2のプロセスセクタを含む。周囲気流は、順次前処理デシカントホイールの第1のプロセスセクタにおいて除湿され、続いて主要デシカントホイールの第2の外気セクタにおける除湿の後に、順次主要デシカントホイールの第2の再活性化セクタにおける加熱ユニット(10)での再活性化のために少なくとも部分的に供給され、続いて前処理デシカントホイールの第1の再活性化セクタに供給する。更には、主要デシカントホイールの第2のプロセスセクタは、冷却空間からの再循環気流および第2の前処理気流の少なくとも一部分の組合せを受けて除湿して、冷却空間に除湿された冷却気流を出力する。
【0040】
本開示の別の態様は、気流および/または他の流体から水分および/または収着物を除去するための装置に関する。本装置は、前処理デシカントホイールを備える装置の前処理部と、主要デシカントホイールを備える装置の主要部と、補助前処理デシカントホイールを備える装置の補助前処理部と、を備える。前処理デシカントホイールは、2つの第1のセクタ、すなわち第1のプロセスセクタおよび第1の再活性化セクタから成る。主要デシカントホイールは、少なくとも3つの第2のセクタから成り、順次第2の外気セクタ、第2の再活性化セクタ、および第2のプロセスセクタを含む。補助前処理デシカントホイールは、2つの補助セクタ、すなわち補助プロセスセクタおよび補助再活性化セクタから成る。周囲気流は、順次補助前処理デシカントホイールの補助プロセスセクタ、前処理デシカントホイールの第1のプロセスセクタにおいて除湿され、続いて主要デシカントホイールの第2の外気セクタにおける除湿の後に、順次主要デシカントホイールの第2の再活性化セクタ、前処理デシカントホイールの第1の再活性化セクタにおける加熱ユニットでの再活性化のために少なくとも部分的に供給され、続いて補助前処理デシカントホイールの補助再活性化セクタにおける第2の加熱ユニットにより供給する。更に、第2のプロセスセクタは、冷却空間からの再循環気流および第2の前処理気流の少なくとも一部分の組合せを受けて除湿して、冷却空間に除湿された冷却気流を出力する。
【0041】
本開示の更に別の態様は、気流および/または他の流体から水分および/または収着物を除去するための方法に関する。本方法は、周囲気流を、前処理デシカントホイールの第1のプロセスセクタおよび主要デシカントホイールの外気セクタにおいて順次除湿するステップと、順次除湿された周囲気流を、加熱ユニットにより主要デシカントホイールの第2の再活性化セクタに、その再活性化のために供給して、第1の再活性化気流を出力するステップと、第1の再活性化気流を、前処理デシカントホイールの第1の再活性化セクタに、その再活性化のために直接供給して、第2の再活性化気流を出力するステップと、を含む。更に、冷却空間からの再循環気流および第2の前処理気流の一部分の組合せが主要デシカントホイールの第2のプロセスセクタに供給されて、冷却空間に除湿された冷却気流を出力する。
【0042】
本開示の更に別の態様は、気流および/または他の流体から水分および/または収着物を除去するための方法に関する。本方法は、周囲気流を、補助デシカントホイールの補助プロセスセクタ、前処理デシカントホイールの第1のプロセスセクタ、および主要デシカントホイールの外気セクタにおいて順次除湿するステップと、順次除湿された周囲気流を、加熱ユニット(10)により、主要デシカントホイールの第2の再活性化セクタに、その再活性化のために供給して、第1の再活性化気流を出力するステップと、第1の再活性化気流を、前処理デシカントホイールの第1の再活性化セクタに、その再活性化のために直接供給して、第2の再活性化気流を出力するステップと、第2の再活性化気流を、第2の加熱ユニット(45)により、補助デシカントホイールの補助再活性化セクタに、その再活性化のために供給して、最終の再活性化気流を出力するステップと、を含む。更に、冷却空間からの再循環部屋気流および第2の前処理気流の一部分の組合せが主要デシカントホイールの第2のプロセスセクタに供給されて、冷却空間に除湿された冷却気流を出力する。
【0043】
本発明は、その組織にも動作の方式にも関して、更なる目的および利点と共に、添付の図面と併せて、以下の説明を参照することによって最も理解され得る。本発明のこれらおよび他の詳細は、添付の図面に関連して記載されることになるが、これらは単に例示として備えられており、本発明を限定するものではない。
【0044】
本発明は、開発および試験の段階にあり、厳密にそのようなシステムを提供する。本発明が、添付の図を参照しつつ記載される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】低露点用途のための従来の収着システムの概略図である。
図2】低露点用途のための別の従来の収着システムの概略図である。
図3】低露点用途のための更に別の従来の収着システム(特許文献6にその図7として記載される)の概略図である。
図4a】本発明の一実施形態に従って開示される、収着システムの概略図である。
図4b】本発明の更なる別の実施形態に従って開示される、収着システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下の記述において、説明の目的で、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために様々な具体的な詳細が述べられる。しかしながら、本発明の実施形態がこれらの具体的な詳細なしで実施され得ることが明らかであろう。以下に記載される幾つかの特徴は、各々互いとは独立してまたは他の特徴の任意の組合せと共に使用できる。個々の特徴は、上述した問題のいずれにも対処し得るのでなくまたは上述した問題のただ1つだけに対処することもあり得る。上述した問題の一部が、本明細書に記載される特徴のいずれによっても完全には対処されないこともあり得る。本発明の例示的な実施形態が下記され、様々な図面に例示されるが、同様の参照数字は、異なる図面を通して同じ部分を指す。
【0047】
ここで本出願に添付される図のより詳細な説明に移る。
【0048】
添付の図において、参照番号は以下の通りに記載される。
【0049】
用語「システム」、「デシカントシステム」、「装置」、「デシカントシステム」、「収着システム」および「除湿器システム」は、互換的に、気流および/または他の流体から水分および/または収着物を除去するための様々な構成要素の配置を指す。
【0050】
用語「空気」、「気流」、「空気流」は、互換的に互いに参照され、同用語は、流れている空気または一団の空気を指す。
【0051】
用語「ロータ」、「デシカントロータ」、「ホイール」および「デシカントホイール」は、互換的に互いに参照され、同用語は、デシカント材を保持する回転ホイールを指し、ロータ/デシカントロータ/ホイール/デシカントホイールの少なくとも一部分に空気(冷却空気)が通される間にデシカント材に水分が吸着され、かつロータ/デシカントロータ/ホイール/デシカントホイールの少なくとも別の部分に空気(熱気)が通される間にデシカント材に水分が吸着される。
【0052】
用語「収着剤」、「吸着剤」および「デシカント」は、互換的に互いに参照され、同用語は、水分/他の収着物を吸着することが可能な材料を指す。
【0053】
用語「外気」、「外部気流」、「周囲空気」および「周囲気流」は、互換的に互いに参照され、同用語は、外の環境において一般に利用可能な空気を指す。
【0054】
本発明
本発明の根本的な前提は、排出再活性化エネルギーを、それを廃棄する代わりに、利用することである。この廃棄される再活性化エネルギーは、前処理デシカントホイール(33)を再生するためにそれを使用することによって利用されて、二重の利益を与える。一つには、外部新鮮空気(周囲空気(12))が水分減少を経て実質的に低い程度に前処理された後に、主要デシカントホイール(1)の外気セクタ(4)に入り、そのため、それぞれの再活性化セクタ(3、36)およびプロセスセクタ(2)に入る含水量が相当低いだけでない。それの結果としての利益は、より低い再活性化入口露点により、主要デシカントホイール[1]を、同じ質量流体に対して、より低い再生温度、それ故より低いエネルギーで再生でき、そして、より低い含水量で入るプロセス空気が、それぞれ、相当改善された出力(プロセス出口におけるより低い露点)に至り、それによって、より低い露点を生成する能力も提供しながら、再生のために必要とされる全エネルギーを削減するということである。
【0055】
更には、「新鮮空気率」は、全給気のパーセンテージとして、再活性化のために必要とされるものを除いて、必要とされる新鮮空気の量(部屋からの排気、および人々のための換気、および加圧空気のため)と記述されてよい。これは、2%から100%まで、種々のリチウム蓄電池技術オプション内で、種々の低露点の用途間で著しく変動する。先行技術とは異なり、本発明は、全ての以前の先行技術に比べて、超高新鮮空気率が提案されたシステムによって対処されるようにし、更に著しいエネルギー節減利点を与える。
【0056】
図4(a)は、前処理デシカントホイール(33)を有する前処理部において外気(12)を前処理するというように構成される概略図であり、かつ単一装置の一部である一方、装置の主要部と称される主要部が外気(12)を超低露点に更に除湿した後、再活性化のために部分的に使用され、そして残りが部屋還気(13)と混合した後に主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)において乾燥されて-90℃までの極低露点を達成する。デシカントホイール(1)内の矢印は、デシカントホイール(1)がプロセスセクタ(2)、第2の外気セクタ(4)、第2の再活性化セクタ(3)、次いで第2のプロセスセクタ(2)を通って順次回転し、次いで第2の外気セクタ(4)に戻る順序を示す。主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に入る空気の含水量が低いほど、第2のプロセスセクタ(2)に入る吸着剤が乾燥していることになることが理解されなければならない。第2の再活性化セクタ(3)に入る空気のRHが第2のプロセスセクタ(2)(気流)の所望の露点およびRHより低くなければならないので、前処理デシカントホイール(33)が主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)への含水量およびRHを低下させるのを補助することが強調される。水分および水の大半が前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)および主要デシカントホイール(1)の外気セクタ(4)によって除去されているので、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)によって除去されることになる水分量は、前処理デシカントホイール(33)がなかった場合より著しく低い。この結果、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)の温度および再活性化外温度の限られた温度降下に至る。本発明の目的は、いかなる追加の熱またはエネルギーも使用することなく、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)から水分を追い出すために、含水量が限られた、主要デシカントホイール(1)から出るこの高温再活性化空気を活用することである。この簡潔な手法により、主要デシカントホイール(1)からのプロセス空気に相対的に超低露点を達成することだけでなく、主要デシカントホイール(1)の再活性化への含水量が既に実質的に低下されているので主要再活性化加熱器(10)への全エネルギー入力を削減することも可能である。本発明の別の顕著な特徴は、加熱ユニット(10)により削減されたエネルギー入力でプロセス空気(15)に低露点を達成することだけでなく、露点を犠牲にすることなくかつより少ないエネルギー入力で超大量の新鮮空気(12)を管理することも可能であるということである。高空気率、低露点および低エネルギー入力を扱うこれらの3つの上記利点により、本発明は、以下に提供される実施例から明らかであろうが、いずれの他の先行技術に比べても著しい利点を与える。主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)へ提供されている再生エネルギーが質量流量および温度の関数であるので、再活性化エネルギー入力の削減された必要量により、再活性化内空気流(16)の温度および質量流量の一方または両方を低下させて、些細なエネルギー節減に至るオプションが利用可能であることが理解されるであろう。
【0057】
除湿システムの第1の実施形態の詳細が、本開示の概念に従って、以下に説明されることになる。図4aを参照すると、除湿システムは、2つの部分、すなわち、主要デシカントホイール(1)、主要ホイールドライブ、ならびに空気がホイールを通るための3つの経路を作成するため、プレナムまたはセクタを作成し、かつ隣接セクタ間で空気が漏れるのを防止するために内部バッフルおよびホイール面に近いエアシールが設けられるハウジングを備える、装置の主要部(51)と、前処理デシカントホイール(33)、前処理ホイールドライブ、ならびに空気がホイール、前処理デシカントホイール(33)、を通るための2つの経路を作成するため、プレナムまたはセクタを作成し、かつ隣接セクタ間で空気が漏れるのを防止するために内部バッフルおよびホイール面に近いエアシールが設けられるハウジングを備える、装置の前処理部(50)と、を含む。前処理デシカントホイール(33)は、空気が通るようにするための少なくとも2つの第1のセクタから成る。本実施形態において、前処理デシカントホイール(33)は、第1のプロセスセクタ(34)および第1の再活性化セクタ(36)を含む。更に、本実施形態において、主要デシカントホイール(1)は、空気が通るようにするための少なくとも3つの第2のセクタから成り、順次第2の外気セクタ(4)、第2の再活性化セクタ(3)、および第2のプロセスセクタ(2)を含む。特に、主要デシカントホイール(1)および前処理デシカントホイール(33)は、周囲気流が、順次前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)において除湿され、続いて主要デシカントホイール(1)の外気セクタ(4)における除湿の後に、主要デシカントホイール(1)の再活性化セクタ(3)に順次再活性化のために少なくとも部分的に供給され、続いて前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に供給するように、位置付けられる。上記に加えて、第1の実施形態において、除湿システムは、その1つ以上の気流を冷却/加熱するために、主要デシカントホイール(1)および前処理デシカントホイール(33)に対して適切に位置付けられる、第1の冷却ユニット(25)、第2の冷却ユニット(6)、第3の冷却ユニット(8)および第1の加熱ユニット(10)も含む。その上、除湿システムは、1つ以上の気流を生成するための1つ以上のファン、すなわち第1のファン(7)、第2のファン(11)、および第3のファン(31)も含む。
【0058】
除湿システムの第1の実施形態の動作では、第1のファン(7)は、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)に通すための周囲気流(12)を生成するために動作される。特に、第1の冷却ユニット(25)が周囲気流(12)を冷却した後、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)において除湿される。周囲気流(12)の冷却は、周囲気流(12)の相対湿度を低下させる。その後に、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)は、周囲気流(12)を受けて除湿して、第1の前処理気流(46)を出力する。そのような除湿は、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)においてデシカント材に水分を吸着することによって、第1の前処理気流(46)の絶対湿度を更に低下させる。そのような除湿の後に、第1の前処理気流(46)は、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)に通される。特に、第2の冷却ユニット(6)が第1の前処理気流(46)を冷却した後、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)において除湿される。第1の前処理気流(46)の冷却は、第1の前処理気流(46)の相対湿度を更に低下させる。その後に、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)は、第1のプロセスセクタ(34)からの第1の前処理気流(46)を受けて更に除湿して、第2の前処理気流(23)を出力する。そのような除湿は、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)においてデシカント材に水分を吸着することによって、第2の前処理気流(23)の絶対湿度を更に低下させる。したがって、周囲空気(12)は、順次前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)において除湿され、続いて主要デシカントホイール(1)の外気セクタ(4)における除湿の後に、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に順次再活性化のために少なくとも部分的に供給され、続いて前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に供給する。そのような除湿の後に、第2の前処理気流(23)の一部分(26)が主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)に供給される一方で、第2のファン(11)が動作して、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)および前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に第2の前処理気流(23)の別の一部分(24)を順次供給する。第2の前処理気流(23)のこの部分(26)は、「補給空気(26)」とも称され、冷却室からの再循環空気(13)と混合されて、補給空気(26)および再循環空気(13)のその混合物が主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)に通される。特に、第3の冷却ユニット(8)が補給空気(26)および再循環空気(13)の混合物を冷却した後、主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)において除湿される。主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)は、補給空気(26)および再循環空気(13)の混合物を受けて除湿して、冷却空間に除湿された冷却気流(15)を出力する。そのような除湿は、主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)においてデシカント材に水分を吸着することによって、除湿された冷却気流(15)の絶対湿度を更に低下させる。前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)および主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)における周囲気流のそのような二段階の順次除湿が第2の前処理気流(23)の全体の湿度を低下させた後に、それの部分(24)が主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)および前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に順次再活性化のために供給されることが留意されてよい。第2の前処理気流(23)の部分(24)のそのような低湿度用途は、本システムの全エネルギー必要量を削減する。第2の前処理気流(23)の部分(26)の除湿と同時に、第2の前処理気流(23)の残りの部分(24)は、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)および前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に、順次再活性化のために供給される。特に、第2の前処理気流(23)の部分(24)は、最初に主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に、再活性化のために供給される。特に、第1の加熱ユニット(10)が第2の前処理気流(23)の部分(24)を加熱した後、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に供給される。その後に、第2の前処理気流(23)の部分(24)は、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に、その再活性化のために供給され、そして第1の再活性化気流(17)を出力する。第1の再活性化気流(17)のそのような供給は、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)におけるデシカント材からの水分の除去によって、第1の再活性化気流(17)の絶対湿度を上昇させる。そのような再活性化の後に、第3のファン(31)は、第1の再活性化気流(17)が前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に直接供給されるようにする。特に、第1の再活性化気流(17)は温度が十分に高く、したがって前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に供給される前に、第1の再活性化気流(17)を加熱するための加熱ユニットは必要とされない。したがって、本システムは、別の加熱ユニットの必要性を回避し、代わりに前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に供給されるべき第1の再活性化気流(17)を直接再使用して、それによって第一に本システムのエネルギー必要量を削減し、第二に新鮮空気維持を保証し、そして第三に一部の要件では、機器出口露点達成がレベルにあることも保証する。そのため、第1の再活性化気流(17)は、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に、その再活性化のために供給され、そして第2の再活性化気流(19)を出力して、外部環境に排出される。そのような再活性化は、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)においてデシカント材から水分を吸着することによって、第2の再活性化気流(19)の絶対湿度を更に上昇させる。したがって、第2の前処理気流(23)の部分(24)が主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)および前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に順次供給された後に、外部環境に排出すると言われてよい。本実施形態において、デシカントホイール(1)は、冷却空間からの再循環気流(13)および第2の前処理気流(23)の少なくとも一部分(26)の組合せ、ならびに第2の前処理気流(23)の部分(24)が同じ方向にデシカントホイールを通る一方で、第1の前処理気流(46)および第2の前処理気流(23)の部分(24)が反対方向にデシカントホイールを通るように、装置の部分に位置付けられることが留意されてよい。デシカントホイール(1)は、冷却空間からの再循環気流(13)および第2の前処理気流(23)の少なくとも一部分(26)の組合せ、ならびに第2の前処理気流(23)の部分(24)が第2の前処理気流(23)の部分(24)のそれと反対方向に主要デシカントホイール(1)を通るように、装置の部分に位置付けられてもよいことが当業者に明らかでよい。
【0059】
気流から水分を除去するために用いられる方法は、a)周囲気流(12)を、前処理デシカントホイール(33)の少なくとも2つのセクタの1つ(34)および主要デシカントホイール(1)の外気セクタ(4)において順次除湿するステップと、b)順次除湿された周囲気流を、加熱ユニット(10)により主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に、その再活性化のために供給するステップと、c)第1の再活性化気流を、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に直接供給して、第2の再活性化気流を出力するステップと、d)冷却空間からの再循環気流(13)および第2の前処理気流(23)の一部分(26)の組合せを、主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)に供給して、冷却空間に除湿された冷却気流(15)を出力するステップと、を含む。除湿システムの第1の実施形態に従って、本方法のステップ(a)は、周囲気流(12)を、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)において除湿して、第1の前処理気流(46)を出力するステップと、第1の前処理気流(46)を、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)において更に除湿して、第2の前処理気流(23)を出力するステップと、を含む。特に、本方法は、除湿システムの第1の実施形態に従って、周囲気流(12)を、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)における除湿の前に、第1の冷却ユニット(25)を経て冷却するステップと、第1の前処理気流(46)を、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)における除湿の前に、第2の冷却ユニット(6)を経て冷却するステップと、も含む。したがって、周囲気流(12)は、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)および主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)において順次二度除湿されて、第2の前処理気流(23)を出力する。ステップ(a)の除湿の後に、ステップ(d)の実効除湿が行われており、第2の前処理気流(23)の一部分(26)(補給空気(26)とも称される)が冷却空間からの再循環気流(13)と混合され、そして補給空気(26)および再循環気流(13)の混合物は、主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)に通されて、冷却空間に除湿された冷却気流(15)を出力する。そのような実効除湿のステップと同時に、順次除湿された周囲気流を再活性化のために供給するステップ(b)および(c)も行われる。順次除湿された周囲気流を再活性化のために供給するステップ(b)は、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に、第2の前処理気流(23)の少なくとも一部分(24)を供給して、第1の再活性化気流(17)を出力するステップを含む。順次除湿された周囲気流を再活性化のために供給するステップ(c)は、第1の再活性化気流を、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に供給して、第2の再活性化気流(19)を出力して、外部環境に排出されるステップを含む。したがって、第2の前処理気流(23)の部分(24)は、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)および前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に順次再活性化のために供給される。特に、本方法は、除湿システムの第1の実施形態に従って、第2の前処理気流(23)の部分(24)を、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)における加湿の前に、加熱ユニット(10)を経て加熱するステップも含む。
【0060】
図4(b)は、更に改善された再活性化および露点低下プロセス空気放出(15)のために、気流(23)中の含水量を更に低下させるために別の補助前処理デシカントホイール(39)を有する補助部を提供することによる、本発明の改善された実施形態である。本実施形態において、補助デシカントホイール(39)を再活性化するために最小の余分の熱(45)を提供することが必要である。本実施形態は、図4(a)に開示された実施形態に対して上で説明したものに比べて或る追加の利点を達成する。
【0061】
除湿システムの第2の実施形態の詳細が、本開示の概念に従って、以下に説明されることになる。図4bを参照すると、除湿システムは、3つの部分、すなわち、主要デシカントホイール(1)すなわち主要ホイールドライブを持ち、空気がホイールを通るための3つの経路を作成するため、プレナムまたはセクタを作成し、かつ隣接セクタ間で空気が漏れるのを防止するために、ハウジングに内部バッフルおよびホイール面に近いエアシールが設けられる、装置の部分と、前処理デシカントホイール(33)および前処理ホイールドライブを持ち、空気がホイールを通るための2つの経路を作成するため、プレナムまたはセクタを作成し、かつ隣接セクタ間で空気が漏れるのを防止するために、ハウジングに内部バッフルおよびホイール面に近いエアシールが設けられる、装置の別の部分と、補助前処理デシカントホイール(39)を持つ装置の更に別の部分と、を含む。本実施形態において、補助前処理デシカントホイール(39)は、補助プロセスセクタ(40)および補助再活性化セクタ(41)を含む。前処理デシカントホイール(33)は、第1のプロセスセクタ(34)および第1の再活性化セクタ(36)を含む。更に、本実施形態において、主要デシカントホイール(1)は、空気が通るようにするための少なくとも3つの第2のセクタから成り、順次第2の外気セクタ(4)、第2の再活性化セクタ(3)、および第2のプロセスセクタ(2)を含む。特に、主要デシカントホイール(1)、前処理デシカントホイール(33)、および補助前処理デシカントホイール(39)は、周囲気流(12)が補助前処理デシカントホイール(39)の補助プロセスセクタ(40)、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)、および主要デシカントホイール(1)の外気セクタ(4)において順次除湿された後に、主要デシカントホイール(1)の再活性化セクタ(3)、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)、および補助前処理デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)に順次再活性化のために少なくとも部分的に供給されるように、位置付けられる。上記に加えて、第2の実施形態において、除湿システムは、その1つ以上の気流を冷却/加熱するために、主要デシカントホイール(1)、前処理デシカントホイール(33)および補助前処理デシカントホイール(39)に対して適切に位置付けられる、第1の冷却ユニット(25)、第2の冷却ユニット(6)、第3の冷却ユニット(8)、および第1の加熱ユニット(10)、ならびに第3の加熱ユニット(45)も含む。その上、除湿システムは、1つ以上の気流を生成するための1つ以上のファン、すなわち第1のファン(7)、第2のファン(11)、および第3のファン(31)も含む。
【0062】
除湿システムの第2の実施形態の動作では、第1のファン(7)は、補助前処理デシカントホイール(39)の補助プロセスセクタ(40)に通すための周囲気流(12)を生成するために動作される。特に、補助冷却ユニット(37)が周囲気流(12)を冷却した後、補助前処理デシカントホイール(39)の補助プロセスセクタ(40)において除湿される。周囲気流(12)の冷却は、周囲気流(12)の相対湿度を低下させる。その後に、補助前処理デシカントホイール(39)の補助プロセスセクタ(40)は、周囲気流(12)を受けて除湿して、補助第1の前処理気流(43)を出力する。そのような除湿は、補助前処理デシカントホイール(39)の補助プロセスセクタ(40)においてデシカント材に水分を吸着することによって、補助前処理気流(43)の絶対湿度を更に低下させる。そのような除湿の後に、補助前処理気流(43)は、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)に通される。特に、第1の冷却ユニット(25)が補助前処理気流(43)を冷却した後、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)において除湿される。補助前処理気流(43)の冷却は、周囲気流(12)の相対湿度を低下させる。その後で、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)は、補助前処理気流(43)を受けて除湿して、第1の前処理気流(46)を出力する。そのような除湿は、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)においてデシカント材に水分を吸着することによって、第1の前処理気流(46)の絶対湿度を更に低下させる。そのような除湿の後に、第1の前処理気流(46)は、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)に通される。特に、第2の冷却ユニット(6)が第1の前処理気流(46)を冷却した後、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)において除湿される。第1の前処理気流(46)の冷却は、第1の前処理気流(46)の相対湿度を更に低下させる。その後に、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)は、第1のプロセスセクタ(34)からの第1の前処理気流(46)を受けて更に除湿して、第2の前処理気流(23)を出力する。そのような除湿は、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)においてデシカント材に水分を吸着することによって、第2の前処理気流(23)の絶対湿度を更に低下させる。したがって、周囲空気(12)は、補助デシカントホイール(39)の補助プロセスセクタ(40)、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)および主要デシカントホイール(1)の外気セクタ(4)の各々において順次除湿された後に、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)、および補助前処理デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)に順次再活性化のために少なくとも部分的に供給される。そのような除湿の後、第2の前処理気流(23)の一部分(26)が主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)まで供給される一方で、第2のファン(11)が動作して、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)、および補助前処理デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)に第2の前処理気流(23)の別の一部分(24)を順次供給する。第2の前処理気流(23)のこの部分(26)は、「補給空気(26)」とも称され、冷却室からの再循環空気(13)と混合されて、補給空気(26)および再循環空気(13)のその混合物が主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)に通される。特に、第3の冷却ユニット(8)が補給空気(26)および再循環空気(13)の混合物を冷却した後、主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)において除湿される。主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)は、補給空気(26)および再循環空気(13)の混合物を受けて除湿して、冷却空間に除湿された冷却気流(15)を出力する。そのような除湿は、主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)においてデシカント材に水分を吸着することによって、除湿された冷却気流(15)の絶対湿度を更に低下させる。補助デシカントホイール(39)の補助プロセスセクタ(40)、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)および主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)における周囲気流のそのような三段階の順次除湿が、第2の前処理気流(23)の全体の湿度を低下させた後に、それの部分(24)が主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)および前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に順次再活性化のために供給されることが留意されてよい。第2の前処理気流(23)の部分(24)のそのような低湿度用途は、本システムの全エネルギー必要量を削減する。第2の前処理気流(23)の部分(26)の除湿と同時に、第2の前処理気流(23)の残りの部分(24)は、補助デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)および前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に、順次再活性化のために供給される。特に、第2の前処理気流(23)の部分(24)は、最初に主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に、再活性化のために供給される。特に、第1の加熱ユニット(10)が第2の前処理気流(23)の部分(24)を加熱した後、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に再活性化のために供給される。その後に、第2の前処理気流(23)の部分(24)は、第1の再活性化気流(17)を出力する。第1の再活性化気流(17)のそのような加湿は、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)におけるデシカント材からの水分の除去によって、第1の再活性化気流(17)の絶対湿度を上昇させる。そのような再活性化のための供給の後に、第1の再活性化気流(17)は、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に通される。その後に、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)は、その再活性化のために第1の再活性化気流(17)を受けて、補助再活性化気流(44)を出力する。そのような再活性化のための供給は、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)においてデシカント材から水分を吸着することによって、補助再活性化気流(44)の絶対湿度を上昇させる。そのような加湿の後に、第3のファン(31)は、補助再活性化気流(44)が補助前処理デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)に通されるようにする。特に、第3の加熱ユニット(45)が補助再活性化気流(44)を加熱した後、補助前処理デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)において加湿される。その後に、補助前処理デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)は、補助再活性化気流(44)を受けて加湿して、第2の再活性化気流(19)を出力する。そのような再活性化のための供給は、補助前処理デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)においてデシカント材から水分を吸着することによって、第2の再活性化気流(19)の絶対湿度を更に上昇させる。したがって、第2の前処理気流(23)の部分(24)が主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)、および補助前処理デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)に順次供給された後に、外部環境に排出すると言われてよい。
【0063】
気流から水分を除去するために用いられる方法は、a)周囲気流(12)を順次除湿するステップと、b)順次除湿された周囲気流を、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に、その再活性化のために供給するステップと、c)第1の再活性化気流を、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に直接供給して、第2の再活性化気流を出力するステップと、d)補助再活性化気流を、補助前処理デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)に供給して、第2の再活性化気流を出力するステップと、を含む。除湿システムの第2の実施形態に従って、本方法のステップ(a)は、周囲気流(12)を、補助デシカントホイール(39)の補助プロセスセクタ(40)において除湿して、補助前処理気流を出力するステップと、補助前処理気流を、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)において除湿して、第1の前処理気流(46)を出力するステップと、第1の前処理気流(46)を、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)において更に除湿して、第2の前処理気流(23)を出力するステップと、を含む。特に、本方法は、除湿システムの第2の実施形態に従って、周囲気流(12)を、補助前処理デシカントホイール(39)の補助プロセスセクタ(40)における除湿の前に、補助冷却ユニット(37)を経て冷却するステップと、補助前処理気流(43)を、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)における除湿の前に、第1の冷却ユニット(25)を経て冷却するステップと、第1の前処理気流(46)を、主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)における除湿の前に、第2の冷却ユニット(6)を経て冷却するステップと、も含む。したがって、周囲気流(12)は、補助デシカントホイール(39)の補助プロセスセクタ(40)、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)、および主要デシカントホイール(1)の第2の外気セクタ(4)において順次三度除湿されて、第2の前処理気流(23)を出力する。ステップ(a)の除湿の後に、実効除湿のステップが行われており、第2の前処理気流(23)の一部分(26)(補給空気(26)とも称される)が冷却空間からの再循環気流(13)と混合され、そして補給空気(26)および再循環気流(13)の混合物は、主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)に通されて、冷却空間に除湿された冷却気流(15)を出力する。そのような実効除湿のステップと同時に、ステップ(b)の加湿も行われる。再活性化のために供給するステップ(b)は、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)に、再活性化のために第2の前処理気流(23)の部分(24)を供給して、第1の再活性化気流を出力するステップを含む。再活性化のために供給するステップ(c)は、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)に、再活性化のために第1の再活性化気流(17)を供給して、補助再活性化気流(44)を出力するステップを含み、そして再活性化のために供給するステップ(d)は、補助前処理デシカントホイール(39)に再活性化のために補助再活性化気流(44)を供給して、第2の再活性化気流を出力して、外部環境に排出されるステップを含む。したがって、第2の前処理気流(23)の部分(24)は、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)、前処理デシカントホイール(33)の第1の再活性化セクタ(36)、および補助前処理デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)に再活性化のために順次供給される。特に、本方法は、除湿システムの第2の実施形態に従って、第2の前処理気流(23)の部分(24)を、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)における加湿の前に、第1の加熱ユニット(10)を経て加熱するステップと、補助再活性化気流(44)を、補助前処理デシカントホイール(39)の補助再活性化セクタ(41)における加湿の前に、第3の加熱ユニット(45)を経て加熱するステップと、も含む。
【0064】
以上の実施形態に開示されるように、除湿システムの様々な利点が存在する。特に、除湿された第2の前処理空気(23)が、前処理デシカントホイール(33)の第1のプロセスセクタ(34)および主要デシカントホイール(1)の外気セクタ(4)において除湿されて、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)における再活性化のために供給されるので、それは、主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)からのより多くのかつ効果的な水分の除去をもたらし、主要デシカントホイール(1)の第2のプロセスセクタ(2)における除湿のためにより多くのデシカントが利用可能となる。これは、主要デシカントホイール(1)の総合効率を上昇させる。追加的に、そのような除湿された第2の前処理空気(23)が主要デシカントホイール(1)の第2の再活性化セクタ(3)における再活性化のために供給されるので、それは、第2の前処理空気(23)の部分(24)を加熱するための第1の加熱ユニット(10)への負荷を低減させて、削減された電気エネルギー必要量をもたらす。これは、開示された除湿システムの電気エネルギー必要量を削減する。
【0065】
図4(a)において説明された本発明から生じる利益を更に説明するために、以下に3つの実施例が提供される。
【実施例1】
【0066】
本実施例において、全体の同じ給気流内の新鮮空気量、すなわち新鮮空気率を変化させた3つの異なるシナリオに対するエネルギー消費が先行技術と本発明との間で比較された。
【0067】
特に、表1は、既定の除湿器給気量および異なる新鮮率パーセンテージに対して、開示された除湿システムに関して、図3に開示された除湿システムのエネルギー消費を比較した比較データシートを示す。例えば、所与の10000CMHの除湿器給気量および10%の新鮮空気率%において、図3に開示された除湿システムによって消費される全再活性化エネルギーが40kWである一方、図4において本発明に開示された除湿システムによって消費される全再活性化エネルギーは32kWであり、それによって20%のエネルギー節減を達成した。同様に、同じ10000CMHの除湿器給気量および25%の上昇した新鮮空気率%において、図3に開示された除湿システムによって消費される全再活性化エネルギーが84kWである一方、図4において本発明に開示された除湿システムによって消費される全再活性化エネルギーは43kWであり、それによって49%のエネルギー節減を達成した。上記と同様に、同じ10000CMHの除湿器給気量および50%の更に上昇した新鮮空気率%において、図3に開示された除湿システムによって消費される全再活性化エネルギーが128kWである一方、図4において本発明に開示された除湿システムによって消費される全再活性化エネルギーは75kWであり、それによって41%のエネルギー節減を達成した。したがって、先行技術として図3に開示された除湿システムに比べて、本発明に開示された除湿システムが大きなエネルギー節減に備えていると思われる。
【0068】
【表1】
【実施例2】
【0069】
本実施例において、同じ給気量に対し、同じ新鮮空気率に対し、同じ送出露点に対し、かつ同じ部屋内還気露点に対し、先行技術および本発明の再活性化エネルギー消費が比較される。
【0070】
特に、表2は、特定の既定の8000CMHの除湿器給気量および20%の新鮮率に対して、本発明の開示された除湿システムに関して、図3に開示された除湿システムのエネルギー消費を比較した比較データシートを示す。表2に示されるように、8000CMHの除湿器給気量および20%の新鮮空気率%において、先行技術に関する図3に開示された除湿システムによって消費される全再活性化エネルギーが69kWである一方、本発明に関する図4に開示された除湿システムによって消費される全再活性化エネルギーは33kWであり、それによって52%のエネルギー節減を達成した。したがって、本発明に開示された除湿システムの前処理部(50)の使用により、超高エネルギー節減が観察される。
【0071】
【表2】
【実施例3】
【0072】
本実施例において、2つの異なる新鮮空気率に対して、先行技術および本発明に対し、主要デシカントホイール(1)への外気入口露点(46)、および主要デシカントホイール(1)への再活性化入口露点(24)の比較がなされた。
【0073】
特に、表3は、2つの異なる新鮮空気率以外は、同じ既定の除湿器給気量に対して、本発明に関する図4に開示された開示の除湿システムに関して、先行技術に関する図3に開示された除湿システムの、
a)主要デシカントホイール(1)の再活性化入口(24)の入口露点、および
b)主要デシカントホイール(1)の外気部(OSA)(4)への入口露点
を比較するための比較データシートを示す。
【0074】
例えば、10000CMHの除湿器給気量および10%の新鮮空気率%において、それぞれ、図3に開示された除湿システムの外気入口露点が10℃である一方、図4に開示された除湿システムの外気入口露点は-12℃である。25%の上昇した新鮮空気率の場合、同じ空気量に対して、それぞれ、図3に開示された除湿システムの外気入口露点が10℃である一方、図4に開示された除湿システムの外気入口露点は-4℃である。
【0075】
同様に、同じ10000CMHの除湿器給気量および10%の第1の選択された新鮮空気率%に対して、それぞれ、図3に開示された除湿システムの再活性化空気入口露点が-20℃である一方、図4に開示された除湿システムの再活性化空気入口露点は-42℃である。25%の第2の選択された上昇した新鮮空気率の場合、同じ空気量に対して、それぞれ、図3に開示された除湿システムの再活性化空気入口露点が-31℃である一方、図4に開示された除湿システムの再活性化空気入口露点は-39℃である。
【0076】
【表3】
【0077】
以上提示した行われた試験および達成された結果を考慮して、本発明が、その様々な実施形態により、当該技術において利用可能かつ公知である従来の設計を越えて著しい技術的進歩を達成することができることが明白である。
【0078】
本発明の好適な実施形態が上記されたが、本発明の趣旨および添付の特許請求の範囲から逸脱することなく様々な変更、適合および修正がなされ得ることが理解されるべきである。本発明がその趣旨または必須の特性から逸脱することなく他の特定の形態で具現化され得ることが当業者に明らかであろう。記載された実施形態は、全ての点で単に例示であり限定でないと考えられるはずである。
【符号の説明】
【0079】
1 主要デシカントホイール
2 第2のプロセスセクタ
3 第2の再活性化セクタ
4 第2の外気セクタ
6 第2の冷却ユニッ
7 第1のファン
8 第3の冷却ユニット
10 第1の加熱ユニット
11 第2のファン
12 周囲気流
13 再循環気流
14 プロセス入口気流
15 除湿された冷却気流
16 再活性化入口気流
17 第1の再活性化気流
19 第2の再活性化気流
23 第2の前処理気流
24 一部分
25 第1の冷却ユニット
26 補給空気、一部分
31 第3のファン
33 前処理デシカントホイール
34 第1のプロセスセクタ
36 第1の再活性化セクタ
37 補助冷却ユニット
39 補助前処理デシカントホイール
40 補助プロセスセクタ
41 補助再活性化セクタ
43 補助前処理気流
44 補助再活性化気流
45 第3の加熱ユニット
46 第1の前処理気流
50 前処理部
51 主要部
52 補助前処理部
図1
図2
図3
図4a
図4b
【国際調査報告】