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特表2024-528793亜鉛(Zn)を再利用するための改善された方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】亜鉛(Zn)を再利用するための改善された方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 19/30 20060101AFI20240725BHJP
   B22D 21/04 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
C22B19/30
B22D21/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579539
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2022087219
(87)【国際公開番号】W WO2023126274
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】BE2021/6076
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523483315
【氏名又は名称】リーズン ベルギー
【氏名又は名称原語表記】REAZN BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グーバルネイル,ジャン
【テーマコード(参考)】
4K001
【Fターム(参考)】
4K001AA30
4K001BA22
4K001BA23
4K001CA01
4K001CA04
4K001DA01
4K001GA07
4K001HA03
4K001KA08
4K001KA13
(57)【要約】
亜鉛(Zn)を再利用するための方法は、供給組成物を提供する工程と、供給組成物を回転炉に添加する工程と、第1の液体溶融金属相及び第1の上澄みドロスを製造するために、添加された供給組成物を加熱する工程と、アルミニウム(Al)を第1の液体溶融金属相に添加し、第2の上澄みドロス及び第2の液体溶融金属相が形成される工程と、少なくとも1種のフラックスを第2の液体溶融金属相に添加し、続いて第2の液体溶融金属相を回転炉から除去する少なくとも1回の分離工程と、第2の液体溶融金属相を鋳造する工程または除去された第2の液体溶融金属相を鋳造炉に添加する工程と、第2の液体溶融金属相を鋳造炉から鋳造する工程とを含む。該方法は更に、第2の上澄みドロスを回転炉から除去する工程と、第2の上澄みドロスから少なくとも1種の亜鉛画分と少なくとも1種の酸化亜鉛画分とを分離するために、除去された第2の上澄みドロスを、少なくとも1回の粉砕工程及び少なくとも1回の分類工程に供する工程と、供給組成物を提供するのに寄与すべく少なくとも1種の亜鉛画分を使用する工程とを含む。
【選択図】(なし)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜鉛(Zn)を再利用するための方法であって、当該方法は、
a)亜鉛(Zn)を含み更には鉄(Fe)を含む供給組成物を提供する工程と、
b)前記供給組成物を回転炉に添加する工程と、
c)第1の液体溶融金属相、及び、重力の影響下で前記第1の液体溶融金属相の上部に浮遊している第1の上澄みドロスを製造するために、前記添加された供給組成物を、回転動作中の前記回転炉で少なくとも420℃の温度まで加熱する工程と、
d)アルミニウム(Al)を、前記第1の上澄みドロスの存在下で前記第1の液体溶融金属相に添加する工程であって、
存在する鉄(Fe)が前記添加されたアルミニウム(Al)と少なくとも部分的に反応して少なくとも1種の金属間化合物を形成すると共に、重力の影響下で、第2の液体溶融金属相の上部に浮遊している第2の上澄みドロスが形成される、工程と、
e)少なくとも1種のフラックスを、前記第2の上澄みドロスの存在下で前記第2の液体溶融金属相に添加する工程であって、
前記第2の液体溶融金属相が前記回転炉から少なくとも部分的に除去される少なくとも1回の分離工程がこれに続く、工程と、
f)前記第2の液体溶融金属相を鋳造するために、少なくとも1つの鋳型に前記除去された第2の液体溶融金属相を加える工程、又は、鋳造炉に前記除去された第2の液体溶融金属相を加える工程であり、前記第2の液体溶融金属相が前記鋳造炉で少なくとも400℃の温度に維持される工程と、
g)前記鋳造炉からの前記第2の液体溶融金属相を少なくとも1つの鋳型に入れて鋳造する工程と、
を含み、
当該方法が更に、
h)前記第2の上澄みドロスを前記回転炉から除去する工程と、
i)前記第2の上澄みドロスから少なくとも1種の亜鉛画分と少なくとも1種の酸化亜鉛画分とを分離するために、前記除去された第2の上澄みドロスを、少なくとも1回の粉砕工程と少なくとも1回の分類工程とに供する工程と、
j)工程a)における前記供給組成物の提供に貢献すべく、工程i)で取得された前記少なくとも1種の亜鉛画分を工程a)に加える工程と、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記供給組成物が、1種以上の二次供給材料から提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1種以上の二次供給材料が、少なくとも1種の外部亜鉛画分と少なくとも1種の外部酸化亜鉛画分とを分離するために、最初に、少なくとも1回の粉砕工程及び少なくとも1回の分類工程に供される、又は、少なくとも1回の分類工程に供される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記供給組成物が、前記供給組成物の総重量に対して、0.10重量%以上、好ましくは1.00重量%以上、好ましくは5.00重量%以上、好ましくは10.00重量%以上、好ましくは20.00重量%以上、好ましくは30.00重量%以上、好ましくは40.00重量%以上、好ましくは50.00重量%以上、好ましくは60.00重量%以上、好ましくは70.00重量%以上、好ましくは80.00重量%以上、好ましくは90.00重量%以上、好ましくは93.00重量%以上、好ましくは95.00重量%以上、好ましくは97.50重量%以上、好ましくは98.00重量%以上の量の亜鉛(Zn)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記供給組成物が、前記供給組成物の総重量に対して、0.001~7.000重量%の範囲、好ましくは0.001~5.000重量%の範囲、好ましくは0.001~3.000重量%の範囲、好ましくは0.001~2.000重量%の範囲、好ましくは0.001~1.000重量%の範囲の量の鉄(Fe)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程c)において、前記添加された供給組成物が、回転動作中の前記回転炉で、420~900℃の範囲の温度、又は450~900℃の範囲の温度、又は500~880℃の範囲の温度、又は550~860℃の範囲の温度、又は600~850℃の範囲の温度まで加熱される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程d)において、アルミニウム(Al)が、前記供給組成物中に存在する量の鉄(Fe)と反応するのに必要とされる化学量論的量以上で、前記第1の液体溶融金属相に添加される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
工程d)において、アルミニウム(Al)が、存在する量の鉄(Fe)と反応するのに必要とされる化学量論的量の200%以下、好ましくは化学量論的量の150%以下、より好ましくは化学量論的量の125%以下、更により好ましくは化学量論的量の120%以下、更により好ましくは化学量論的量の115%以下の含量で、前記第1の液体溶融金属相に添加される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
工程e)において、前記少なくとも1種のフラックスが、ZnS、ZnCl、NHCl、(NHZnCl、それらの水和物及び混合物からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
工程e)において、前記回転炉から前記第2の液体溶融金属相が、2回又は3回の分離工程で除去される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
工程f)において、加えられた前記第2の液体溶融金属相が、前記鋳造炉で、少なくとも405℃の温度に、好ましくは少なくとも410℃の温度に、好ましくは少なくとも415℃の温度に維持される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
工程f)において、加えられた前記第2の液体溶融金属相が、前記鋳造炉で、900℃以下の温度、好ましくは550℃以下の温度、好ましくは500℃以下の温度、好ましくは450℃以下の温度、好ましくは430℃以下の温度に維持される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
工程f)において、更なる非亜鉛金属成分が、前記鋳造炉に加えられた前記第2の液体溶融金属相に添加される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
工程i)において、前記少なくとも1回の粉砕工程が、歯、ブレード、スパイン、又はそれらの任意の組合せから選択される粉砕手段を使用して実施される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
工程i)において、前記少なくとも1回の分類工程が、空気向流の存在下でふるいによる分離によって実施される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
工程i)が、回転式有孔ドラムで実施される、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記回転式有孔ドラムには、金属の鉄(Fe)を除去するための1つ以上の磁気手段が設けられている、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾式精錬によって、任意に一次供給源すなわち最純亜鉛(special high-grade zinc,SHG亜鉛)と組み合わせられ、再利用可能な材料としても知られる二次供給材料から亜鉛(Zn)を再利用(リサイクル)するための方法に関する。再利用可能な材料は、例えば副生成物、廃棄物、及び寿命を迎えた材料であってもよい。
【背景技術】
【0002】
経済的及び人間的な進展(又は開発)は、原料の制御及び生産と常に密接に結びついている。同時に、グローバル経済及び世界人口の継続的な成長により、化石燃料、金属及び鉱物といった天然資源の需要が増加している。これは、天然資源の枯渇といった問題だけではなく、環境及び気候への影響といった問題もまた提起する。循環型思考は、亜鉛(Zn)といった材料が、採鉱、製造、製品寿命及び再利用を通じてどのような方針を見出すのかの理解に役立つ可能性があるアプローチであるが、これはまた、例えば亜鉛を生産し、使用し、次いで再利用するためのより資源効率的な方法などの包括的アプローチにおける最適化及び変更にとって効果的な手段にもつながる。実際に、亜鉛再利用は、将来的には技術及びインフラストラクチャの維持及び拡大のために資源を確保するという点で重要な役割を担っている。
【0003】
亜鉛(Zn)の年間世界生産量は、1300万トンを超えている。この量の50%以上が、鋼の溶融亜鉛めっきなどのめっきに使用されており、残りは主に真鍮、亜鉛合金、半製品並びに酸化亜鉛及び硫酸亜鉛などの亜鉛化合物の製造に使用されている。
【0004】
亜鉛は、鉱石としてその採鉱から、精錬及び社会の中での使用を経て、寿命を迎えた製品の最終的な回収及び再利用まで複雑なライフサイクルを経験する。経済的利益がある反面、エコロジー及び持続可能性での利益がますます親密になる(と思われる)という現在の傾向に基づき、亜鉛のより効率的な使用及び高品位の再利用のための技術により力点が置かれている。金属再利用プロセス、具体的には乾式精錬的性質の金属再利用プロセスは、とりわけ、再利用可能材料からの亜鉛(Zn)回収を目的としている。これらの亜鉛金属再利用プロセス、及び更には一般には亜鉛金属製造プロセスは、典型的には、亜鉛(Zn)及び酸化亜鉛の両方が液体溶融亜鉛金属相中で生じ、1つ以上の上澄みスラグ相が形成される、少なくとも1つ、通常は複数の乾式精錬プロセス工程を含む。こうした上澄みスラグ相は、様々な灰、酸化金属(酸化亜鉛(ZnO)など)及び金属間化合物(例えば、Fe-Al金属間化合物)を含むが、これらは重力によって、溶融亜鉛金属相の上部に分離し、典型的には軽い相として浮遊する。これらの1つ以上の上澄みスラグ相は、所望の純度の高品質溶融亜鉛金属相を取得するために、別個の流れとしてプロセスから通常は除去される。ただし、除去時には、亜鉛金属製造の副生成物であるこれらの上澄みスラグ相は、捕捉された大量の再利用される所望の亜鉛(Zn)を依然として含有する。経済的理由から、多くの場合、低価値用途にてどこかで使用される残留物の廃棄前に除去される上澄みスラグ相から可能な限り効率的に亜鉛(Zn)を更に抽出することが望ましい。
【0005】
上澄みスラグ相から亜鉛(Zn)を除去、すなわち回収するための公知の技術は、当該技術分野で知られており、例えば特許文献1及び特許文献2に特に記載されている。
【0006】
より高い(エネルギー)効率、より高い処理量、埋立て廃棄物なし、より高い環境への配慮及びより低いカーボンフットプリントと合わせて、より高い最終収率の亜鉛(Zn)を達成することが可能である亜鉛(Zn)を再利用するための改善された方法が必要とされていることは、上記から明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許第102423803号(A)
【特許文献2】国際公開WO2013/056348号(A1)
【発明の概要】
【0008】
本発明者らは、驚くべきことに、上述したニーズを満たす亜鉛(Zn)を再利用(リサイクル)するための方法を取得することが可能であることを見出した。
【0009】
したがって、亜鉛(Zn)を再利用するための方法がここで提供される。該方法は、以下の工程:
a)亜鉛(Zn)を含み、更には鉄(Fe)を含む供給組成物を提供する工程と、
b)供給組成物を回転炉に添加する工程と、
c)第1の液体溶融金属相及び重力の影響下で、第1の液体溶融金属相の上部に浮遊している第1の上澄みドロスを製造するために、添加された供給組成物を、回転中の回転炉で、少なくとも420℃の温度まで加熱する工程と、
d)アルミニウム(Al)を、第1の上澄みドロスの存在下で第1の液体溶融金属相に添加する工程であって、
存在する鉄(Fe)は、添加されたアルミニウム(Al)と少なくとも部分的に反応して少なくとも1種の金属間化合物を形成すると共に、重力の影響下で、第2の液体溶融金属相の上部に浮遊している第2の上澄みドロスが形成される、工程と、
e)少なくとも1種のフラックスを、第2の上澄みドロスの存在下で第2の液体溶融金属相に添加する工程であって、
第2の液体溶融金属相が回転炉から少なくとも部分的に除去される少なくとも1回の分離工程がこれに続く、工程と、
f)第2の液体溶融金属相を鋳造するために、少なくとも1つの鋳型に、除去された第2の液体溶融金属相を添加する工程、又は、鋳造炉に、除去された第2の液体溶融金属相を添加する工程であり、第2の液体溶融金属相は、鋳造炉では少なくとも400℃の温度に維持される工程と、
g)鋳造炉からの第2の液体溶融金属相を少なくとも1つの鋳型に入れて鋳造する工程と、
を含み、当該方法は更に、
h)第2の上澄みドロスを回転炉から除去する工程と、
i)第2の上澄みドロスから少なくとも1種の亜鉛画分と少なくとも1種の酸化亜鉛画分とを分離するために、除去された第2の上澄みドロスを、少なくとも1回の粉砕工程と少なくとも1回の分類工程とに供する工程と、
j)工程a)における供給組成物の提供に寄与するように、工程i)で取得された少なくとも1種の亜鉛画分を工程a)に添加する工程と、
を含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特許請求の範囲で使用される「含む(comprising)」という用語は、以下に言及される意味に限定されるものであると解釈されるべきではなく、こうした用語は他の要素又は工程を排除するものではない。この用語は、明白に規定された特徴、整数、工程又は成分の存在を具体化するものとして解釈される。ただし、1つ以上の他の特徴、整数、工程若しくは成分、又はこれらの群の存在又は追加を排除することはない。したがって、「工程A及びB」といった表現の範囲は、工程A及びBのみからなる方法に限定されるべきではない。これは、本発明に関して、方法の唯一関連する工程がA及びBであることを意味している。したがって、「含む(comprising)」及び「含む(including)」という用語は、「本質的に~からなる」及び「~からなる」というより限定的な用語を包含する。
【0011】
本発明の範囲内では、「任意(に)」(optional(ly))という用語は、記載の事象若しくは状況が起こる可能性がある、又は起こらない可能性があること、並びにこの記載が、事象又は状況が起こる場合と起こらない場合とを含むことを意味している。
【0012】
本明細書では、特段明記しない限り、金属及び酸化物の量は、乾式精錬における典型的な実践に従って示される。各金属の存在は、金属がその元素形態で存在するかどうか(酸化状態=0)、又は任意の化学結合形態で存在するかどうか、典型的には酸化形態で存在するかどうか(酸化状態>0)に関わらず、その全体的な存在で表される。比較的容易にその元素形態に還元され得、乾式精錬プロセスで溶融金属として生じ得る金属については、スラグの組成が与えられたときであっても、こうした金属の大部分が酸化形態で実際に存在し得る元素金属形態といった観点でその存在を表すことがいくらか一般的である。この理由から、本発明によるプロセスで取得されたスラグなどのスラグの組成は、元素金属としてFe、Zn、Pb、Cu、Sb、Bi、Ni、Crの含量を規定する。卑金属は非鉄乾式精錬条件の下で還元することがより困難であり、大部分が酸化形態で生じる。次いで、これらの金属は最も一般的な酸化形態といった観点で典型的には表される。したがって、スラグ又はドロス組成物では、Si、Ca、Al、Naの含量は、典型的にはそれぞれSiO、CaO、Al、NaOとして表される。
【0013】
上記のように、本発明による方法の工程a)によれば、供給組成物が提供され、供給組成物は、亜鉛(Zn)を含み、鉄(Fe)を更に含む。
【0014】
本発明の文脈内では、上で詳述された供給組成物が亜鉛(Zn)を含み、鉄(Fe)を更に含むよう、当該供給組成物は提供される。亜鉛(Zn)は、亜鉛金属合金の形態で供給組成物中に含有され得る。鉄(Fe)は、鉄金属合金の形態で供給組成物中に含有され得る。
【0015】
本発明の範囲内では、上で詳述されたこうした組成物は、鉄(Fe)及びアルミニウム(Al)などの1種以上の非亜鉛金属成分と所与の供給組成物中に存在するそれぞれの量とを組み合わせられた亜鉛(Zn)の存在に関する所与のレシピに従い、1種以上の一次供給源、すなわち、例えば99.995%の亜鉛含量を有する最純亜鉛(SHG亜鉛)と任意に組み合わせられた再利用可能材料としても知られている1種以上の二次供給材料から提供、すなわち構成され得る。これらの二次供給材料は、再利用可能材料としても知られているが、多岐にわたる源に由来している可能性があり、それによって多岐にわたる化合物を含む可能性がある。再利用可能な材料は、例えば副生成物、廃棄物、及び寿命を迎えた材料であってもよい。
【0016】
更に、二次供給材料は、一次原料と比較して(著しく)低いカーボンフットプリントを有することが知られている。二次供給材料からの亜鉛(Zn)回収は、長年にわたる最も重要な作業となっている。使用後の亜鉛(Zn)の再利用は、当該亜鉛(Zn)への継続した需要及び高品質な新規金属鉱石の入手可能性低下により、産業における重要な貢献要因となっている。
【0017】
二次供給材料の非限定的な例は、亜鉛(Zn)及び酸化亜鉛(ZnO)を含む上澄みスラグ相も含む。こうしたスラグ相は、外部亜鉛プラント、亜鉛合金プラント、亜鉛再利用プラント及び亜鉛合金再利用プラントに由来し得る。本発明の範囲内では、これらの外部上澄みスラグ相から少なくとも1種の外部亜鉛画分と少なくとも1種の外部酸化亜鉛画分とを分離するために、こうした外部上澄みスラグ相は、好ましくは少なくとも1回の粉砕工程及び少なくとも1回の分類工程に最初に供され、あるいは、少なくとも1回の粉砕工程の必要性を排除し得る、小さな粒子を有する粒状材料から既になる外部上澄みスラグ相の場合には、少なくとも1回の分類工程に供される。本発明による方法で使用するために、過剰な割合の酸化亜鉛(ZnO)を供給組成物に添加することは、本発明による亜鉛(Zn)を再利用するための方法全体にとって、供給組成物中の酸化亜鉛(ZnO)の存在が(エネルギー)効率の低下及び収率低下に直接つながることから、好ましくは避けられるべきである。
【0018】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの外部上澄みスラグ相は、米国特許第8,245,962号に記載のものといった回転有孔ドラムに少なくとも1つの外部上澄みスラグ相を添加することで、少なくとも1回の粉砕工程及び少なくとも1回の分類工程に供される。こうした回転有孔ドラムでは、少なくとも1つの外部上澄みスラグ相が少なくとも1回の粉砕工程に最初に供され、続く少なくとも1つの外部上澄みスラグ相は、具体的には、歯、ブレード、スパイン又はそれらの任意の組合せから選択される粉砕手段を使用し、異なる粒子径の粒状材料へと体系的に分解される。結果的に形成された粒状材料は、少なくとも1回の粉砕工程中又はその間に、少なくとも1種の外部酸化亜鉛画分と少なくとも1種の外部亜鉛画分とを分離するための、回転有孔ドラムにおける空気向流の存在下でのふるいに基づく分離、すなわち、空気の向流に基づく比重分離による少なくとも1回の分類工程に供される。当該外部酸化亜鉛画分は、一般には、当該外部亜鉛画分よりも密度が低いことを特徴としており、当該より軽い外部酸化亜鉛画分はしたがって、当該より重い外部亜鉛画分から分離され、ここから除去される。好ましくは、当該回転有孔ドラムは、少なくとも1つの外部上澄みスラグ相から、少なくとも遊離鉄(Fe)を部分的に除去するための少なくとも1つの磁気コンベヤベルトを更に備える。
【0019】
本発明の別の実施形態では、少なくとも1つの上澄みスラグ相は、国際公開WO2021/074528号(A1)に記載のものといった装置に少なくとも1つの外部の上澄みスラグ相を加えることで、具体的には少なくとも1つの外部上澄みスラグ相が小さな粒子を有する粒状材料から既になっている場合には、少なくとも1回の分類工程に供される。このような装置では、少なくとも1種の外部上澄みスラグ相は、少なくとも1種の外部酸化亜鉛画分と少なくとも1種の外部亜鉛画分とを分離するために空気分離、すなわち比重分離によって少なくとも1回の分類工程に供され、当該外部酸化亜鉛画分は、一般には当該外部亜鉛画分よりも密度が小さく、当該より軽い外部酸化亜鉛画分はしたがって、当該より重い外部画分と分離され、除去される。好ましくは、当該装置は、これらの外部上澄みスラグ相から、少なくとも遊離鉄(Fe)を部分的に除去するための少なくとも1つの磁気ドラムを更に備える。
【0020】
本発明の一実施形態では、上で詳述された方法は、第1の工程、すなわち当該方法の工程a)の前に実施される工程を含み、続く二次供給材料は、それらの源、鉄(Fe)及びアルミニウム(Al)などの1つ以上の非亜鉛金属成分と組み合わせられた亜鉛(Zn)の存在に対するそれらの化学組成、並びにこれらの二次供給材料が使用される最終目的合金に基づいて分類される。上で詳述されたように、具体的には当該続く二次供給材料が、亜鉛(Zn)及び酸化亜鉛(ZnO)を含む外部上澄みスラグ相であるときのこれらの外部上澄みスラグ相から少なくとも1種の外部亜鉛画分と少なくとも1種の外部酸化亜鉛画分とを分離するために、こうした続く二次供給材料は、少なくとも1回の粉砕工程及び少なくとも1回の分類工程に最初に供され、あるいは、少なくとも1回の粉砕工程の必要性を排除し得る、小さな粒子及び任意に遊離鉄(Fe)などの他の金属を有する粒状材料から既になる外部上澄みスラグ相の場合には、少なくとも1回の分類工程に供される。
【0021】
一般に、当業者は、亜鉛(Zn)及び他の非亜鉛金属成分の存在に対する二次供給材料の化学組成を決定するための利用可能な分析技術に精通している。このような分析技術の非限定的な例は、感覚刺激技術及び発光分光分析法(optical emission spectroscopy、OES)である。
【0022】
供給組成物の総重量に対して供給組成物中に含まれる亜鉛(Zn)の量に関しては、亜鉛(Zn)は、0.10~99.99重量%の範囲の任意の量で存在し得る。
【0023】
好ましくは、亜鉛(Zn)は、供給組成物の総重量に対して、0.10重量%以上、好ましくは1.00重量%以上、好ましくは5.00重量%以上、好ましくは10.00重量%以上、好ましくは20.00重量以上、好ましくは30.00重量%以上、好ましくは40.00重量%以上、好ましくは50.00重量%以上、好ましくは60.00重量%以上、好ましくは70.00重量%以上、好ましくは80.00重量%以上、好ましくは90.00重量%以上、好ましくは93.00重量%以上、好ましくは95.00重量%以上、好ましくは97.50重量%以上、好ましくは98.00重量%以上の量で存在する。
【0024】
供給組成物中に含まれる鉄(Fe)の量に関しては、こうした鉄(Fe)の量は、本発明による方法の適切な実施が保証されるように、当業者が供給組成物中に含まれる鉄(Fe)の量を選択することができることから、原則として限定されない。一般には、鉄(Fe)は、供給組成物の総重量に対して、0.001~7.000重量%の範囲、好ましくは0.001~5.000重量%の範囲、好ましくは0.001~3.000重量%の範囲、好ましくは0.001~2.000重量%の範囲、好ましくは0.001~1.000重量%の範囲の量で存在する。
【0025】
本発明による方法の一実施形態では、供給組成物は、供給組成物の総重量に対して、93.00~99.99重量%の範囲の量の亜鉛(Zn)及び0.001~7.000重量%の範囲の量の鉄(Fe)から本質的になる。
【0026】
本発明の範囲内では、供給組成物は、亜鉛(Zn)及び鉄(Fe)に加えて、より少量の他の金属を含み得る。こうした他の金属の非限定的な例は、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、セシウム(Ce)、スズ(Sn)、銅(Cu)、ランタン(La)、アンチモン(Sb)、ヒ素(As)、ビスマス(Bi)、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、コバルト(Co)、セレン(Se)、タリウム(Tl)、ガリウム(Ga)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)及びイリジウム(Ir)である。供給組成物はまた、硫黄(S)、炭素(C)及び酸素(O)といった金属と見なされない元素も含み得る。
【0027】
述べた通り、本発明による方法の工程b)によれば、上で詳述された供給組成物は、回転炉に添加される。
【0028】
本発明の文脈内では、上で詳述された供給組成物は、全体として回転炉に添加されることができ、あるいは、回転炉内で供給組成物を形成するように、当該供給組成物を構成する個別の構成成分が回転炉に別個に添加されることができる。
【0029】
一般に、乾式精錬分野で使用されており当業者に公知である公知の回転炉を使用することができる。回転炉の非限定的な例は、例えば、カナダ特許CA1336135_C及び国際公開WO2013/056348号(A1)に特に記載されている。
【0030】
本発明の文脈内では、回転炉は、円筒形チャンバなどのチャンバを有する炉を示すように意図されており、チャンバは、耐火性コンクリートなどの好適な耐火材料でコーティングされ、内側から加熱される。チャンバは、その軸が一般には水平である状態で配置されることができ、炉を横軸に傾斜させるための機構が設けられる。回転炉は、回転機能及び傾斜機能を備えており、閉鎖されることも可能である。加熱は、炉、プラズマトーチ又は電気アーク内で直接、二重パスの炎で天然ガス(酸素を含む)を燃焼させることで実施される。好ましくは、加熱は、炉内で直接、二重パスの炎で天然ガス(酸素を含む)を燃焼させることで実施される。更には、回転炉は、排気管又は煙突、少なくとも1つの酸素バーナ、戸止め、炉の入口及びヒンジ付きの戸を備える。回転炉の理論的許容量は、一般には30~50トンの範囲である。
【0031】
述べた通り、本発明による方法の工程c)によれば、上で詳述された添加された供給組成物は、第1の液体溶融金属相及び重力の影響下で、第1の液体溶融金属相の上部に浮遊している第1の上澄みドロスを製造するために、回転中、回転炉内で少なくとも420℃の温度に加熱される。
【0032】
好ましくは、上で詳述された添加された供給組成物は、回転炉内で、回転中、少なくとも450℃の温度、好ましくは少なくとも500℃の温度、好ましくは少なくとも550℃の温度、好ましくは少なくとも600℃の温度に加熱される。
【0033】
更には、上で詳述された添加された供給組成物を回転させる間の回転炉内で加熱するための温度上限は、900℃以下、又は880℃以下、又は860℃以下、又は850℃以下である。
【0034】
本発明による方法の工程c)の好ましい実施形態では、上で詳述されたように、添加された供給組成物が、回転中、420~900℃の範囲の温度、又は450~900℃の範囲の温度、又は500~880℃の範囲の温度、又は550~860℃の範囲の温度、又は600~850℃の範囲の温度まで回転炉で加熱される。
【0035】
本発明の文脈内では、「第1の上澄みドロス」は、実施工程の結果として形成し、通常は重力の影響下でより密度が高い第1の液体溶融金属相から分離し、通常は当該第1の液体溶融金属相の上部に浮遊する、多くの場合、より軽量でペースト状の物質を示すように意図されている。したがって、第1の上澄みドロスは通常は、下層の第1の液体溶融金属相から機械的に削り取られるか、除去されることができる。第1の上澄みドロスは、中で依然として中に捕捉されており、再利用される亜鉛(Zn)を含む大量の第1の液体溶融金属相と組み合わせられている灰及び酸化金属(酸化亜鉛(ZnO)など)などの様々な望ましくない成分が通常は豊富である。
【0036】
本発明の文脈内では、「第1の液体溶融金属相」は、実施工程の結果として形成し、通常は重力の影響下で、上で詳述された第1の上澄みドロスから分離する、より密度が高い液体溶融亜鉛金属相を示すように意図されており、これらの第1の液体溶融金属相は、亜鉛(Zn)並びに灰及び酸化金属(酸化亜鉛(ZnO)など)などの望ましくない少量の成分を主に含む。これは、こうした望ましくない成分が、ここでは第1の上澄みドロス中に少なくとも部分的に含まれているからである。
【0037】
本発明の範囲内では、当業者は、標準的な実施に従い、上で詳述された第1の液体溶融金属相と、上で詳述された、重力の影響下で、第1の液体溶融金属相の上部に浮遊している第1の上澄みドロスとを製造するために、添加された供給組成物を加熱する好適な回転スピードを備えた回転炉を提供する。
【0038】
本発明の範囲内では、当業者は、当該回転炉内で、上で詳述された第1の液体溶融金属相と上で詳述された第1の上澄みドロスとの最適な分離を達成するように、回転方向、回転速度、少なくとも部分的な傾斜、上で詳述された添加された供給組成物を加熱している間の回転炉の加熱度を調節することができる。
【0039】
述べた通り、本発明による方法の工程d)によれば、アルミニウム(Al)は、第1の上澄みドロスの存在下で第1の液体溶融金属相に添加され、存在する鉄(Fe)は、少なくとも1つの金属間化合物を形成するように添加されたアルミニウム(Al)と部分的に反応し、重力の影響下で第2の液体溶融金属相の上部で浮遊する第2の上澄みドロスが形成される。
【0040】
本発明による方法の工程d)の文脈内では、上で詳述された第1の液体溶融金属相に添加されるアルミニウム(Al)は、アルミニウム金属合金の形態で存在し得ることがしたがって理解される。
【0041】
市場性が高い亜鉛製品を製造するために、存在する鉄(Fe)は、(存在し、取得される所望の亜鉛金属合金のために使用される規格により)少なくとも部分的に除去される必要があり、好ましくは完全に除去される。鉄(Fe)は、アルミニウム(Al)と金属間化合物を形成することができる金属である。したがって、上で詳述された第1の液体溶融金属相中に存在する鉄(Fe)は、例えばFeAlなどの少なくとも1種の金属間化合物を形成するように、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、添加されたアルミニウム(Al)と反応されることができ、重力の影響下で第2の液体溶融金属相の上部で浮遊する第2の上澄みドロスが形成され、形成された第2の上澄みドロスは、少なくとも1種の金属間化合物を含む。
【0042】
本発明の文脈内では、「第2の上澄みドロス」は、実施工程の結果として形成し、通常は重力の影響下でより密度が高い第2の液体溶融金属相から分離し、通常は当該第2の液体溶融金属相の上部に浮遊する、多くの場合、より軽量でペースト状の物質を示すように意図されている。したがって、第2の上澄みドロスは通常は、下層の第2の液体溶融金属相から機械的に削り取られるか、除去されることができる。第2の上澄みドロスは、上で詳述された第1の上澄みドロス、並びにアルミニウム(Al)が添加されることで第1の液体溶融金属相中に存在する鉄(Fe)の少なくとも部分的な反応によって形成される更なる少なくとも1種の金属間化合物(例えば、Fe-Al金属間化合物など)と同様に、通常は、灰及び酸化金属(酸化亜鉛(ZnO)など)などの様々な望ましくない成分中で豊富である。更に、第2の上澄みドロスは、依然として中に捕捉されており、再利用される亜鉛(Zn)を含む、大量の第2の液体溶融金属相を含む。
【0043】
本発明の文脈内では、「第2の液体溶融金属相」は、実施工程の結果として形成し、通常は重力の影響下で、上で詳述された第2の上澄みドロスから分離する、より密度が高い液体溶融亜鉛金属相を示すように意図されており、この第2の液体溶融金属相は、任意に他の非亜鉛金属成分の存在下での亜鉛(Zn)、並びに灰及び酸化金属(酸化亜鉛(ZnO)など)及び鉄(Fe)などの望ましくない少量の成分を主に含む。これは、こうした望ましくない成分が、ここでは第2の上澄みドロス中に少なくとも部分的に含まれているからである。
【0044】
本発明による方法の工程d)の一実施形態では、アルミニウム金属合金中に任意に含まれるアルミニウム(Al)は、上で詳述されたように、供給組成物中に存在する量の鉄(Fe)と反応するのに必要とされる少なくとも化学量論的量で、又は好ましくは少なくとも2%超の化学量論的量、より好ましくは少なくとも5%超の化学量論的量、更により好ましくは20%などの少なくとも10%超の化学量論的量で、第1の液体溶融金属相に添加される。
【0045】
本発明による方法の工程d)の一実施形態では、アルミニウム金属合金中に任意に含まれるアルミニウム(Al)は、存在する量の鉄(Fe)と反応するのに必要とされる化学量論的量の200%以下、好ましくは化学量論的量の150%以下、より好ましくは化学量論的量の最大125%以下、更により好ましくは化学量論的量の120%以下、更により好ましくは化学量論的量の115%以下の含量で第1の液体溶融金属相に添加される。
【0046】
本発明者らは、アルミニウム金属合金中に任意に含まれる上述した量のアルミニウム(Al)は、第1の液体溶融金属相中に存在する鉄(Fe)の条件を満たした除去を得るのに、かつ例えば、0.02重量%(200ppm)以下の目標濃度など、第2の液体溶融金属相中の鉄(Fe)の所望の目標濃度を得るのに十分であることを見出した。
【0047】
述べた通り、本発明による方法の工程e)によれば、少なくとも1つのフラックスは、第2の上澄みドロスの存在下で第2の液体溶融金属相に添加され、第2の液体溶融金属相が回転炉から少なくとも部分的に除去される少なくとも1回の分離工程がこれに続く。
【0048】
本発明による方法の工程e)で使用するのに好適なフラックスの非限定的な例は、ZnS、ZnCl、NHCl、(NHZnCl、これらの水和物又はこれらの混合物である。
【0049】
本発明による方法の工程e)の好ましい実施形態では、少なくとも1つのフラックスが、ZnS、ZnCl、NHCl、(NHZnCl、それらの水和物及び混合物からなる群から選択される。
【0050】
本発明の文脈内では、上で詳述される少なくとも1つのフラックスの添加は、中に含まれている望ましくない成分及び化学的不純物の上で詳述された第2の液体溶融金属相を特に(更に)精製すること、第2の上澄みドロス中に捕捉されている、再利用される亜鉛(Zn)を含む第2の液体溶融金属相が、下層の第2の液体溶融金属相に戻されることが可能であるように、上で詳述された第2の上澄みドロスを更に融解させること、並びに酸化亜鉛(ZnO)の量を減少させることなど、1つ以上の機能を果たす。
【0051】
本発明者らは、具体的にはZnS、ZnCl、NHCl、(NHZnCl、それらの水和物及び混合物からなる群から選択される少なくとも1つのフラックスを、第2の上澄みドロスの存在下で第2の液体溶融金属相に添加することで、第2の上澄みドロス中に捕捉されている再利用される亜鉛(Zn)を含む第2の液体溶融金属相の部分的な量が、例えば第2の上澄みドロス中に含まれる酸化金属及び/又は金属間化合物で第2の液体溶融金属相が更に汚染されることなく、下層の第2の液体溶融金属相に首尾良く戻されることが可能となることを見出した。
【0052】
上で詳述された少なくとも1つのフラックスを第2の液体溶融金属相に添加した後、添加されたフラックスは、回転中、具体的には回転炉の傾斜位置で回転中の回転炉内の第2の液体溶融金属相及び第2の上澄みドロスと、所与の時間、例えば15~30分間などにわたって接触される。良好な結果のために、回転炉の軸は、例えば水平面に対して15~20度の角度を形成し得る。
【0053】
上で詳述された第2の上澄みドロスの存在下での第2の液体溶融金属相への、上で詳述された少なくとも1つのフラックスの添加、並びに添加されたフラックスと、回転中に回転炉内である特定の時間にわたる第2の液体溶融金属相及び第2の上澄みドロスとの接触は、第2の液体溶融金属相が回転炉から少なくとも部分的に除去される偏析工程に続く。第2の上澄みドロス下に蓄積された第2の液体溶融金属相は、1つ以上のサイクルで、回転炉から分離される(具体的には注がれる)ことができ、第2の上澄みドロスは、第2の液体溶融金属相と比較して、より固体形態であるために、第2の液体溶融金属相を注ぐときには回転炉中に留まる。少なくとも1回の分離工程中に回転炉からの第2の液体溶融金属相の分離は、回転炉入口を介して実施され得る。
【0054】
少なくとも1回の分離工程による回転炉からの第2の液体溶融金属相の少なくとも部分的な除去の後、回転炉の戸は(回転炉が回転する間は)閉鎖状態を維持し、回転炉には、再利用される所望の亜鉛(Zn)から望ましくない酸化亜鉛の形成を伴う回転炉内での発熱反応を減少又は防止するために、不活性ガス雰囲気が供給される。こうした不活性ガス雰囲気を達成するための利用可能な不活性ガスの非限定的な例は、窒素ガス及びアルゴンガスである。
【0055】
上で詳述された第2の液体溶融金属相が1つの分離工程中に回転炉から少なくとも部分的に除去された後に、回転炉がある特定の時間にわたって再び回転されることが有利であると考えられる。この理由は、上で詳述された第2の上澄みドロスは、依然として捕捉されており、再利用される亜鉛(Zn)を含む大量の第2の液体溶融金属相によって湿度が高くなっているからである。
【0056】
本発明による方法の工程e)の好ましい実施形態では、上で詳述された第2の液体溶融金属相は、2つの分離工程又は3つの分離工程などの2つ以上の分離工程中に回転炉から除去される。
【0057】
本発明者らは、本発明による方法の工程e)、すなわち上で詳述された少なくとも1つのフラックスを添加し、少なくとも1回の分離工程がこれに続き、好ましくは2つ以上の分離工程がこれに続くことを含む工程によって、本発明の方法の持続可能性増加につながる消費されたエネルギーに対する亜鉛(Zn)収率の好ましい比と組み合わせて、上で詳述された第2の液体溶融金属相の最大量が回転炉から除去可能となることを見出した。
【0058】
述べた通り、本発明による方法の工程f)の一実施形態によれば、上で詳述されたように回転炉から除去された第2の液体溶融金属相は、当該第2の液体溶融金属相を鋳造するために少なくとも1つの鋳型に添加される。
【0059】
好適な鋳型の非限定的な例は、インゴット鋳型及びブロック鋳型である。
【0060】
このようにして除去された、上で詳述された第2の液体溶融金属相は、少なくとも1つの鋳型に鋳造された後に、固体にするために冷却される。
【0061】
本発明による方法の工程f)の代替的実施形態によれば、上で詳述されたように回転炉から除去された第2の液体溶融金属相は、鋳造炉に添加され、第2の液体溶融相は、鋳造炉で少なくとも400℃の温度に維持される。
【0062】
好ましくは、上で詳述された添加された第2の液体溶融金属相は、少なくとも405℃の温度で、好ましくは少なくとも410℃の温度で、好ましくは少なくとも415℃の温度で鋳造炉に維持される。
【0063】
更には、鋳造炉内に維持される、上で詳述された添加された第2の液体溶融金属相の温度上限は、900℃以下、好ましくは550℃以下、好ましくは500℃以下、好ましくは450℃以下、好ましくは430℃以下であることを理解されたい。
【0064】
本発明による方法の工程f)の好ましい実施形態では、上で詳述されたように添加された第2の液体溶融金属相は、415~430℃の範囲の温度で鋳造炉中に維持される。
【0065】
一般に、乾式精錬分野で使用されるものなどの公知の鋳造炉を利用することができ、これは当業者に公知である。
【0066】
上で詳述された第2の液体溶融金属相は、液体溶融状態で鋳造炉に添加され、それによって、当該金属相の冷却及び固形化前に、熱エネルギーのいくらかの損失、第2の液体溶融金属相中に含まれる亜鉛(Zn)のいくらかの金属酸化反応、及びこれが第2の液体溶融金属相の画分に既に含有される場合に鋳造炉をいくらか冷却することがこうして回避される。
【0067】
本発明による方法の工程f)の一実施形態では、更なる非亜鉛金属成分は、所望の化学組成を有する再利用亜鉛(Zn)を含む最終亜鉛金属合金を鋳造炉中で製造するように、鋳造炉中にて、上で詳述された、添加された第2の液体溶融金属相に添加されることができ、この再利用亜鉛(Zn)を含む最終亜鉛金属合金は次いで、鋳造炉から少なくとも1つの鋳型に入れて鋳造され、固体となるように冷却されることができる。
【0068】
一般に、当業者は、亜鉛(Zn)及び他の非亜鉛金属成分の存在に対する金属相及び/又は金属合金の化学組成を決定するための利用可能な分析技術に精通している。このような分析技術の非限定的な例は、発光分光分析法(OES)である。
【0069】
非限定的な例として、銅(Cu)は例えば、再利用亜鉛(Zn)を含む最終亜鉛金属合金の総量に対して、0.001~5重量%の範囲である銅(Cu)の量を有する再利用亜鉛(Zn)を含む最終金属合金を鋳造炉中で製造するように、鋳造炉中にて、上で詳述された添加された第2の液体溶融金属相に添加されることができ、当該最終亜鉛金属合金は次いで、鋳造炉から少なくとも1つの鋳型に入れて鋳造され、固体となるように冷却されることができる。
【0070】
別の非限定的な例として、上で詳述された、鋳造炉中の添加された第2の液体溶融金属相は、具体的には、上で詳述された本発明による方法の工程d)の一実施形態にてアルミニウム金属合金中に任意に含まれるアルミニウム(Al)が第1の液体溶融金属相中に存在する量の鉄(Fe)と反応するのに必要とされる化学量論的量よりも多い量で、上で詳述された第1の上澄みドロスの存在下で第1の液体溶融金属相に添加されたときには、ある量の溶融アルミニウム(Al)を既に含み得る。したがって、例えば、再利用亜鉛(Zn)を含む最終亜鉛金属合金は、再利用(Zn)を含む最終亜鉛金属合金の総重量に対し、0.50~3重量%の範囲の量の銅(Cu)を有し、かつ2~8重量%の範囲の量のアルミニウム(Al)の量を有し、当該最終亜鉛金属合金は、次いで鋳造炉から少なくとも1つの鋳型に鋳造され、固体にするために冷却される。
【0071】
述べた通り、本発明による方法の工程g)によれば、上で詳述された第2の液体溶融金属相は、少なくとも1つの鋳型中に当該金属相を鋳造するために、鋳造炉から当該少なくとも1つの鋳型に添加される。
【0072】
好適な鋳型の非限定的な例は、インゴット鋳型及びブロック鋳型である。
【0073】
上で詳述された第2の液体溶融金属相は、鋳造炉から取り除かれ、少なくとも1つの鋳型に入れて鋳造された後に、固体となるように冷却される。
【0074】
述べた通り、本発明による方法の工程h)によれば、上で詳述された第2の上澄みドロスは、回転炉から除去される。
【0075】
上で詳述された第2の上澄みドロスの回転炉からの除去は、回転炉の入口を介して実施され得る。回転炉のこの入口は、少なくとも1回の分離工程中に、回転炉から上で詳述された第2の液体溶融金属相を少なくとも部分的に除去するために、本発明による方法の工程e)でも利用された。
【0076】
このようにして除去された第2の上澄みドロス、詳述されたように、固体にするために次いで冷却される。
【0077】
述べた通り、本発明による方法の工程i)によれば、上で詳述された除去された第2の上澄みドロスは、第2の上澄みドロスから少なくとも1種の亜鉛画分と少なくとも1種の酸化亜鉛画分とを分離するための、少なくとも1回の粉砕工程及び少なくとも1回の分類工程に供される。
【0078】
本発明による方法の工程i)の文脈内では、少なくとも1種の亜鉛画分は、亜鉛金属合金の形態であり得る。
【0079】
本発明による方法の工程i)の一実施形態では、当該少なくとも1回の粉砕工程は、歯、ブレード、スパイン又はそれらの任意の組合せから選択される粉砕手段により実施され得る。上で詳述された続く第2の上澄みドロスは、異なる粒子径の粒状材料へと体系的に破壊される。
【0080】
本発明による方法の工程i)の一実施形態では、当該少なくとも1回の分類工程は、空気向流の存在下でのふるいに基づく分離、すなわち、空気の向流に基づく比重分離によって実施され得る。
【0081】
本発明の一実施形態では、本発明による方法の工程i)で言及されるように、上で詳述された少なくとも1回の粉砕工程及び上で詳述された少なくとも1回の分類工程は、上で詳述された第2の上澄みドロスを、米国特許第8,245,962号(B2)に記載のもののような回転有孔ドラムに添加することで実施され得る。こうした回転有孔ドラムでは、上で詳述された除去された第2の上澄みドロスが少なくとも1回の粉砕工程に最初に供され、続く第2の上澄みドロスは、具体的には、歯、ブレード、スパイン又はそれらの任意の組合せから選択される粉砕手段を使用し、異なる粒子径の粒状材料へと体系的に分解される。結果的に形成された粒状材料は、少なくとも1回の粉砕工程中又はその間に、少なくとも1種の酸化亜鉛画分と少なくとも1種の亜鉛画分とを分離するための、回転有孔ドラムにおける空気向流の存在下でのふるいに基づく分離、すなわち、空気の向流に基づく比重分離による少なくとも1回の分類工程に供される。当該酸化亜鉛画分は、一般には、当該亜鉛画分よりも密度が低いことを特徴としており、当該より軽い酸化亜鉛画分はしたがって、当該より重い亜鉛画分から分離され、ここから除去される。
【0082】
好ましい実施形態では、上で詳述された回転有孔ドラムは、第2の上澄みドロス中に存在する場合には遊離金属鉄(Fe)を除去するための、即ち抽出するための、1つ以上の磁気手段を更に備える。
【0083】
述べた通り、本発明による方法の工程j)によれば、工程i)で取得された、上で詳述された少なくとも1種の亜鉛画分は、工程a)で、上で詳述された供給組成物の供給に寄与するように、工程a)に添加される。
【0084】
本発明者らは、本発明による方法によって、少なくとも1種の亜鉛画分と少なくとも1種の酸化亜鉛画分とを第2の上澄みドロスと分離するために、回転炉から第2の上澄みドロスを除去した後に、上で詳述された第2の上澄みドロスを、上で詳述された少なくとも1回の粉砕工程と少なくとも1回の分類工程に更に供することによって、少なくとも1種の亜鉛画分の形態で、亜鉛(Zn)を最大限抽出し、かつ再利用することが可能になることを見出した。このようにして回収された亜鉛(Zn)は、次いで工程a)で供給組成物を提供するのに寄与するよう機能し、こうすることで、より高い(エネルギー)効率、より高い処理量、埋立て廃棄物なし、及びより低いカーボンフットプリントと併せて、亜鉛(Zn)のより高い最終収率を得ることが直接可能となる。
【0085】
本発明者らは、全体として工程a)~j)を含む本発明の方法によって、より高い(エネルギー)効率、より高い処理量、埋立て廃棄物なし、より高い環境への配慮及びより低いカーボンフットプリントと合わせて、より高い亜鉛(Zn)の最終収率を達成することが可能となることを更に見出した。
【0086】
上で詳述され、かつ本発明による方法の工程i)で取得される少なくとも1種の酸化亜鉛画分は、例えばゴム加硫の活性化剤、又はプラスチック、セラミックス、ガラス及びセメント用の添加剤若しくは充填剤などとして、多くの場合、他の低価値用途に更に適用されることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜鉛(Zn)を再利用するための方法であって、当該方法は、
a)亜鉛(Zn)を含み更には鉄(Fe)を含む供給組成物を提供する工程と、
b)前記供給組成物を回転炉に添加する工程と、
c)第1の液体溶融金属相、及び、重力の影響下で前記第1の液体溶融金属相の上部に浮遊している第1の上澄みドロスを製造するために、前記添加された供給組成物を、回転動作中の前記回転炉で少なくとも420℃の温度まで加熱する工程と、
d)アルミニウム(Al)を、前記第1の上澄みドロスの存在下で前記第1の液体溶融金属相に添加する工程であって、
存在する鉄(Fe)が前記添加されたアルミニウム(Al)と少なくとも部分的に反応して少なくとも1種の金属間化合物を形成すると共に、重力の影響下で、第2の液体溶融金属相の上部に浮遊している第2の上澄みドロスが形成される、工程と、
e)少なくとも1種のフラックスを、前記第2の上澄みドロスの存在下で前記第2の液体溶融金属相に添加する工程であって、
前記第2の液体溶融金属相が前記回転炉から少なくとも部分的に除去される少なくとも1回の分離工程がこれに続く、工程と、
f)前記第2の液体溶融金属相を鋳造するために、少なくとも1つの鋳型に前記除去された第2の液体溶融金属相を加える工程、又は、鋳造炉に前記除去された第2の液体溶融金属相を加える工程であり、前記第2の液体溶融金属相が前記鋳造炉で少なくとも400℃の温度に維持される工程と、
g)前記鋳造炉からの前記第2の液体溶融金属相を少なくとも1つの鋳型に入れて鋳造する工程と、
を含み、
当該方法が更に、
h)前記第2の上澄みドロスを前記回転炉から除去する工程と、
i)前記第2の上澄みドロスから少なくとも1種の亜鉛画分と少なくとも1種の酸化亜鉛画分とを分離するために、前記除去された第2の上澄みドロスを、少なくとも1回の粉砕工程と少なくとも1回の分類工程とに供する工程と、
j)工程a)における前記供給組成物の提供に貢献すべく、工程i)で取得された前記少なくとも1種の亜鉛画分を工程a)に加える工程と、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記供給組成物が、1種以上の二次供給材料から提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1種以上の二次供給材料が、少なくとも1種の外部亜鉛画分と少なくとも1種の外部酸化亜鉛画分とを分離するために、最初に、少なくとも1回の粉砕工程及び少なくとも1回の分類工程に供される、又は、少なくとも1回の分類工程に供される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記供給組成物が、前記供給組成物の総重量に対して、0.10重量%以上、好ましくは1.00重量%以上、好ましくは5.00重量%以上、好ましくは10.00重量%以上、好ましくは20.00重量%以上、好ましくは30.00重量%以上、好ましくは40.00重量%以上、好ましくは50.00重量%以上、好ましくは60.00重量%以上、好ましくは70.00重量%以上、好ましくは80.00重量%以上、好ましくは90.00重量%以上、好ましくは93.00重量%以上、好ましくは95.00重量%以上、好ましくは97.50重量%以上、好ましくは98.00重量%以上の量の亜鉛(Zn)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記供給組成物が、前記供給組成物の総重量に対して、0.001~7.000重量%の範囲、好ましくは0.001~5.000重量%の範囲、好ましくは0.001~3.000重量%の範囲、好ましくは0.001~2.000重量%の範囲、好ましくは0.001~1.000重量%の範囲の量の鉄(Fe)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
工程c)において、前記添加された供給組成物が、回転動作中の前記回転炉で、420~900℃の範囲の温度、又は450~900℃の範囲の温度、又は500~880℃の範囲の温度、又は550~860℃の範囲の温度、又は600~850℃の範囲の温度まで加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
工程d)において、アルミニウム(Al)が、前記供給組成物中に存在する量の鉄(Fe)と反応するのに必要とされる化学量論的量以上で、前記第1の液体溶融金属相に添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程d)において、アルミニウム(Al)が、存在する量の鉄(Fe)と反応するのに必要とされる化学量論的量の200%以下、好ましくは化学量論的量の150%以下、より好ましくは化学量論的量の125%以下、更により好ましくは化学量論的量の120%以下、更により好ましくは化学量論的量の115%以下の含量で、前記第1の液体溶融金属相に添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程e)において、前記少なくとも1種のフラックスが、ZnS、ZnCl、NHCl、(NHZnCl、それらの水和物及び混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
工程e)において、前記回転炉から前記第2の液体溶融金属相が、2回又は3回の分離工程で除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
工程f)において、加えられた前記第2の液体溶融金属相が、前記鋳造炉で、少なくとも405℃の温度に、好ましくは少なくとも410℃の温度に、好ましくは少なくとも415℃の温度に維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
工程f)において、加えられた前記第2の液体溶融金属相が、前記鋳造炉で、900℃以下の温度、好ましくは550℃以下の温度、好ましくは500℃以下の温度、好ましくは450℃以下の温度、好ましくは430℃以下の温度に維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
工程f)において、更なる非亜鉛金属成分が、前記鋳造炉に加えられた前記第2の液体溶融金属相に添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
工程i)において、前記少なくとも1回の粉砕工程が、歯、ブレード、スパイン、又はそれらの任意の組合せから選択される粉砕手段を使用して実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
工程i)において、前記少なくとも1回の分類工程が、空気向流の存在下でふるいによる分離によって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
工程i)が、回転式有孔ドラムで実施される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記回転式有孔ドラムには、金属の鉄(Fe)を除去するための1つ以上の磁気手段が設けられている、請求項16に記載の方法。
【国際調査報告】