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特表2024-528797磁気エレメントに関連付けられたロッドを備える電磁直線運動機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】磁気エレメントに関連付けられたロッドを備える電磁直線運動機械
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/03 20060101AFI20240725BHJP
   H02K 33/00 20060101ALI20240725BHJP
   B63G 8/00 20060101ALN20240725BHJP
   B63G 8/08 20060101ALN20240725BHJP
【FI】
H02K41/03 A
H02K33/00 A
B63G8/00 C
B63G8/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580442
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 FR2022051281
(87)【国際公開番号】W WO2023275481
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】2106939
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522052130
【氏名又は名称】フィンクス
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ギユマン,アロルド
(72)【発明者】
【氏名】ランドン,ヴァンサン
(72)【発明者】
【氏名】コミティ,リュカ
【テーマコード(参考)】
5H633
5H641
【Fターム(参考)】
5H633BB03
5H633GG02
5H633GG13
5H633HH03
5H641BB06
5H641GG02
5H641HH03
(57)【要約】
本発明は、電磁機械(1)であって、
-フレームと、
-互いに面する、少なくとも2つのステータエレメント(31a、31b、32a、32b、33a、33b、34a、34b、35a、35b、36a、36b)を含む、磁場を生成するように配設されたステータと、
-直線的に移動可能な部分であって、
-それぞれの駆動軸(E1a、E1b、E2a、E2b、E3a、E3b、E4a、E4b、E5a、E5b、E6a、E6b)に沿って移動可能な少なくとも2つの個別のロッド(41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44b、45a、45b、46a、46b)であって、各ロッドが、2つのステータエレメントの一端部に配設されている、少なくとも2つの個別のロッド(41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44b、45a、45b、46a、46b)と、
-少なくとも2つのロッドに関連付けられた少なくとも1つの磁気エレメントであって、2つのステータエレメントの間に配設され、少なくとも2つのステータエレメントに対して磁気的に移動可能である、少なくとも1つの磁気エレメントと、
-少なくとも1つの磁気エレメントとロッドとの間の結合手段と、を含む、直線的に移動可能な部分と、を備える、電磁機械(1)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁機械(1)であって、
-フレームと、
-互いに面する、少なくとも2つのステータエレメント(31a、31b、32a、32b、33a、33b、34a、34b、35a、35b、36a、36b)を含む、磁場を生成するように配設されたステータと、
-直線的に移動可能な部分であって、
-それぞれの駆動軸(E1a、E1b、E2a、E2b、E3a、E3b、E4a、E4b、E5a、E5b、E6a、E6b)に沿って移動可能な少なくとも2つのロッド(41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44b、45a、45b、46a、46b)であって、各ロッドが、前記2つのステータエレメントの一端部に配設されている、少なくとも2つのロッド(41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44b、45a、45b、46a、46b)と、
-前記少なくとも2つのロッドに関連付けられた少なくとも1つの磁気エレメント(61a、61b)であって、前記2つのステータエレメントの間に配設され、前記少なくとも2つのステータエレメントに対して磁気的に移動可能である、少なくとも1つの磁気エレメント(61a、61b)と、
-前記少なくとも1つの磁気エレメントと前記ロッドとの間の結合手段(51a、51b)と、を含む、直線的に移動可能な部分と、を備えることを特徴とする、電磁機械(1)。
【請求項2】
各磁気エレメントが、少なくとも1対の交互極を含む、請求項1に記載の電磁機械(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの磁気エレメントが、少なくとも1つの永久磁石である、請求項1又は2に記載の電磁機械(1)。
【請求項4】
2対の極の間に配設された少なくとも1つのスペーサを含む、請求項3に記載の電磁機械(1)。
【請求項5】
各ステータエレメントが、少なくとも2つの歯を含むシート金属プレートのスタックを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の電磁機械(1)。
【請求項6】
少なくとも1つのロッドに関連付けられた少なくとも1つの位置戻り手段を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の電磁機械(1)。
【請求項7】
前記ステータ及び/又は外部環境に対して前記移動可能な部分をシールするための手段を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の電磁機械(1)。
【請求項8】
前記ステータが、長手方向軸(L)の周りに配設された2対(31、32)の2つのステータエレメントを形成し、かつ前記長手方向軸(L)に対して、円周方向又は直交放射方向に延在する、少なくとも4つのステータエレメントを含み、前記直線的に移動可能な部分が、2対(41、42)の2つのロッドを形成する4つのロッドを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の電磁機械(1)。
【請求項9】
前記少なくとも2対のステータエレメントが、長手方向軸(L)を中心とする円に沿って間隔を空けて配置されている、請求項8に記載の電磁機械(1)。
【請求項10】
前記ステータエレメントが、自由中央領域を画定するように配設される、請求項8又は9に記載の電磁機械(1)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の電磁機械(1)と、前記少なくとも2つのロッドの遠位端部のうちの少なくとも1つに装着された、少なくとも1つのエフェクタと、を備える、機械的アセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも1つのエフェクタが、少なくとも1つの膜(M1、M2)を含む、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか一項に記載の、長手方向軸(L)に沿って延在する電磁機械(1)を備える機械的アセンブリであって、前記機械が、
-2対のステータエレメントを形成する少なくとも4つのステータエレメントを含むステータと、
-2対の2つのロッドを形成する少なくとも4つのロッドを含む直線的に移動可能な部分と、を含み、
前記アセンブリが、前記少なくとも2つのロッドの遠位端部のうちの少なくとも1つに装着された少なくとも1つのエフェクタを含む、機械的アセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも4つのロッドが、少なくとも2つの上流ロッドと、少なくとも2つの下流ロッドと、を含み、前記アセンブリが、前記少なくとも2つの上流ロッドの前記遠位端部に接続された上流の膜(M1)と、前記少なくとも2つの下流ロッドの前記遠位端部に接続された下流の膜(M2)と、を含む、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
少なくとも2つのロッドの1対が、前記フレームの上流及び下流の両方に延在し、前記アセンブリが、前記ロッドの上流遠位端部に接続されたエフェクタ及び前記ロッドの下流遠位端部に接続されたエフェクタの少なくとも2つのエフェクタを含む、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項16】
請求項1~10のいずれか一項に記載の電磁機械を動作させるための方法であって、前記機械が、
2対のステータエレメントを形成する少なくとも4つのステータエレメントを含むステータと、
少なくとも2対の2つのロッドを形成する少なくとも4つのロッドを含む直線的に移動可能な部分と、を含み、
前記少なくとも2対の2つのロッド間で位相シフトされた作動ステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、移動可能な部分が直線並進移動を実行するモータ又は発電機タイプの電磁機械の分野に関する。
【0002】
先行技術の文献FR3074620から、ステータ、移動可能なアーマチュア及び移動可能なアーマチュアをステータに機械的に接続するためのデバイスを備える電磁機械であって、接続デバイスは、複数の板ばねを含む、電磁機械が知られている。ステータは少なくとも1つの第1の磁気コアを含み、2つの電気コイルを担持し、この第1ループの第1ターミナル端部と第2ターミナル端部との間に少なくとも1つの開放ループを形成して、これらのターミナル端部間の空隙を画定する。移動可能なアーマチュアは、極性が互いに逆である整列した2つの永久磁石を担持する。空隙に磁束が発生すると、横方向の力によって移動可能なアーマチュアが第1の方向にシフトし、この第1の方向内のこの移動に反対に板ばねを曲げさせる。コイル内の電流のスイッチングの影響下で、空隙を通過する磁束が逆になる。これにより、移動可能なアーマチュアを第2の方向にオフセットさせる横方向の力が生じる。コイル内の電流のスイッチングを介して磁束を逆に反転させることにより、サポートに対するアーマチュアの往復運動が発生し、ばねが戻り力を及ぼし、特定の周波数でモータの効率が増幅される。
【0003】
しかしながら、複数の移動するアーマチュアが望まれる場合、この機械の形状因子は欠点である。
【0004】
欧州特許第3029819号は、3つのモータを含む直線アクチュエータを開示している。各モータはステータ及び永久磁石ロッドを含む。3つのロッドは、電線巻線を含むそれぞれのステータの電磁力によって移動させ得る。しかしながら、磁石の数及び配置は特定されておらず、ステータの配置さえも特定されていない。
【0005】
したがって、ロッドの周波数と振幅を調整し、形状因子を低減する簡単な解決策を提案することが望ましい。
〔発明の目的〕
【0006】
この目的のために、第1の態様によれば、本発明は、電磁機械であって、
-フレームと、
-互いに面する少なくとも2つ以上のステータエレメントを含む、磁場を生成するように配設されたステータと、
-直線的に移動可能な部分であって、
-それぞれの駆動軸に沿って移動可能な少なくとも2つの個別のロッドであって、各ロッドが、2つのステータエレメントの一端部に配設されている、少なくとも2つの個別のロッドと、
-少なくとも2つのロッドに関連付けられた少なくとも1つの磁気エレメントであって、2つのステータエレメントの間に配設され、少なくとも2つのステータエレメントに対して磁気的に移動可能である、少なくとも1つの磁気エレメントと、
-少なくとも1つの磁気エレメントとロッドとの間の結合手段と、を含む、直線的に移動可能な部分と、を備えることを特徴とする、電磁機械を提案する。
【0007】
本発明による電磁機械は、少数のエレメントを提案し、形状因子の低減及び高い周波数で往復移動を可能にし、高い力を提供する利点を有する。この配置により、製造コスト及びメンテナンスコストを抑えた電磁機械の提案も可能となる。
【0008】
ステータは、電磁機械の固定された部分を意味すると理解される。それは、機械のフレームに取り付けられている。好ましくは、ステータは、強磁性材料、好ましくは軟鉄で作られたシート金属プレートのスタック、及び導電線からなる。ステータは、電流が導電線を通過するときに電磁場を発生させる。
【0009】
ステータエレメントは、電磁場を発生させるステータの一部を意味すると理解される。好ましくは、各ステータエレメントは、少なくとも2つの歯を含むシート金属プレートのスタックを含む。優先的に、各ステータエレメントは、少なくとも1つのノッチを含むシート金属プレートのスタックを含む。例えば、シート金属プレートには1つ以上のコイルから電力が供給され得る。ステータエレメントは、1つ以上の磁気回路を作り出すために対又は結合して配設される。これらは、歯の間に少なくとも1つの磁性体を挿入するために互いに間隔を空けて配置されており、当該歯を通過する磁場の影響下で磁気的に移動することができる。
【0010】
一実施形態によれば、各ステータエレメントは、「E」の形状のパターンを作り出すように、3つの歯を含むシート金属プレートのスタックを含む。2つのノッチは電線の巻線によって占められている。他の実施形態によれば、ステータエレメントは、無制限の数長手方向に整列した歯を含み得る。
【0011】
ステータは、最小バージョンでは2つのステータエレメント含む。ステータエレメントは、2つのステータエレメントの歯が対向して配設され、最小の空隙を有する磁気回路を作るように配設される。
【0012】
他の実施形態によれば、ステータは、2つのステータエレメントの無制限の数の対を含み得る。
【0013】
直線的に移動可能な部分は、少なくとも2つの磁気ロッドを含み、ロッドは対のステータエレメントの両側に配設されている。ロッドには、長方形、好ましくは正方形、又は円筒形、好ましくは円形の断面を有し得る。
【0014】
移動可能な部分は、ステータの磁場の影響下で移動することを意図した少なくとも1つの磁気エレメントを更に含む。少なくとも1つの磁気エレメントは、2つのロッドに接続される。好ましくは、少なくとも1つの磁気エレメントは、2つのロッド間に配設される。少なくとも1つの磁気エレメントは、ロッドに完全には統合されない。一実施形態によれば、各磁気エレメントは2つのロッドに対して半径方向又は垂直方向に延在する。好ましい実施形態によれば、移動可能な部分は、2つのロッドに接続された少なくとも1つ磁気エレメントを含む。
【0015】
結合手段の一実施形態によれば、当該手段は、
-ロッドに取り付けられるように配設されたロッド部分と、
-少なくとも1つの磁気エレメントを固定するため、したがって、少なくとも1つの磁気エレメントをロッドに機械的に結合するために配設された磁気エレメント部分と、を含む。
【0016】
好ましくは、ロッド部はロッドの外側のエンベロープを囲み、少なくとも1つの磁気エレメントの移動中にロッドを駆動するために、所定の位置に保持する手段によってそこに接続される。優先的に、キータイプの溝への装着など、少なくとも1つの磁気エレメントの一端部又は一部分を受け取るために、磁気エレメント部分はキャビティ又は凹部を含む。
【0017】
結合手段の別の実施形態によれば、当該手段は、溝内のキータイプの装着など、円周又はロッドの外側面に配設されたキャビティ又は凹部を含む。
【0018】
各磁気エレメントは、少なくとも1対の交互極を含む。好ましくは、各磁気エレメントは、少なくとも2対の交互極を含む。一代替実施形態によれば、各磁気エレメントは、少なくとも4対の交互極を含む。好ましくは、各磁気エレメントは、複数の反対の磁極を含む。
【0019】
1対の極は、北極及び南極を有するシステムを意味すると理解されている。1対の極は、好ましくは磁石である。2対の交互極は、逆の形態で配設されている上で定義したような又は、各極の第1の対が、第2の対又は隣接する対の逆極性の1つの極に反対に配設されるような2つのシステムを意味すると理解される。
【0020】
一実施形態によれば、少なくとも1つの磁気エレメントは、少なくとも1つの永久磁石を含むか、又は永久磁石である。磁石は異なる形状を有し得る。好ましくは、各磁石は概して長方形の形状を有する。優先的に、各磁石は長方形の断面を有する。この実施形態は、活性磁化領域を最大化するために、長さ及び/又は幅に対して小さい厚さを提供するという利点を有する。第1の変形によれば、各磁石は直線状である。第2の変形によれば、各磁石は湾曲しているか又は凹状である。
【0021】
好ましくは、直線的に移動可能な部分は、2つの極の間に配設されたスペーサを含む。移動可能な部分が複数の磁石を含む場合は、2つの磁石の間にスペーサが配設される。この特徴により、当該磁石に接続されているロッドの力及び/又は運動の振幅を定義することができる。スペーサは、磁化可能であるか又は非磁性であり、所望の力及び振幅に依存する。
【0022】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの磁気エレメントは強磁性材料で作られる。永久磁石は、機械の移動可能な部分から取り外される。機械は、少なくとも1つの磁気エレメントを初期位置に戻すために、所定の位置に戻すための少なくとも1つの手段を更に含み得る。
【0023】
一代替実施形態によれば、少なくとも1つの磁気エレメントは、強磁性材料及び非磁性材料から作られる。したがって、2つの磁石の一方は磁気コアに置き換えることができ、他方は磁石は非磁性である。ステータエレメントの電磁石のコイルは、正電流のみで動作するように装着されており、逆の場合は短絡される。これにより、振動形態にある各ロッドがステータの電磁場によって交互に引き付けられ、その後、例えば位置戻り手段、好ましくはばねの力によって押し戻されることが可能になる。戻り手段を以下に説明する。この実施形態は、特に単純化された安価な機械を提案することを可能にする。
【0024】
優先的に、電磁機械は、例えば、ベアリング、スライド及び/又はパッドなどの並進を案内する手段を含む。案内手段は、ロッド、少なくとも1つの磁気エレメント、好ましくは磁石、及び/又は結合手段と連携することができる。
【0025】
好ましくは、電磁機械は、ステータ及び/又は外部環境に対して直線的に移動可能な部分のシール手段を含む。例えば、電磁機械は、外部環境に対してステータ及び/又は少なくとも2つのロッドをシールするための手段を含む。
【0026】
シール手段はロッドシール手段を含む。好ましくは、2つのロッドシール手段が各ロッドに関連付けられ、各手段はロッドの一端部に配設されている。それらは各ロッドの周りの空隙を保護することを可能にする。
【0027】
シール手段は、浸漬中の生理食塩水雰囲気、汚染された雰囲気、又は淡水又は生理食塩水から機械を保護する必要がある。例えば、シール手段は、O-リング、シールを確実にするスライディングエレメント、フレキシブルベローズ(エラストマ又は金属製)、又はそれらの機械的なもの若しくはそれらのみ合わせであり得る。シールは、次のもの、ワイパーシール、バッファシール、単効シール、複効シール、リップシール(又はspiシール)、ばねシールであり得る。これらのシールは単独で使用することも、様々な機能、例えば、不純物を濾過し、浸漬チャンバを得るためにプレシールを実行し、案内ライニングを潤滑し、その後、完全なシールを可能にする別のシールを行うなどを得るためにそれらを組み合わせることもできる。
【0028】
付加的に、機械、特にステータ又は各コイル状のステータエレメントは、例えばエポキシ又はシリコーン樹脂で作ることができる。更になお付加的に、移動可能な部分の少なくとも2つのロッドをオイルバスで囲むことができ、深い浸漬の場合に圧力を維持するか、又はシステムを永久に潤滑かつ冷却するという利点がある。
【0029】
更に、電磁機械は、少なくとも1つのロッドに関連付けられる少なくとも1つの位置戻り手段を含み得る。一実施形態によれば、機械は、各ロッドに位置戻り手段を含む。好ましくは、位置戻り手段は、弾力性のある戻り手段、例えばばね、好ましくは金属ばね、特に鋼製である。各ロッドは往復移動を作り出すが、2つの移動のうちの1つの運動速度論を促進することが利点であり得る。通常の動作では、極ピッチで振動する、又は制御エレクトロニクスによって移動することを駆動される移動可能なロッドを有する本発明による電磁機械は、移動可能なロッドのための戻り手段を必要としない。しかしながら、機械の効率を最適化するためにそれを追加することは利点であり得る。例えば、移動可能なロッドの第1の端部、及び/又は当該移動可能なロッドの第1の端部と反対の第2の端部にばねを配置したりすることができる。この特徴により、移動の反転の第1の段階で位置エネルギーをその内部に格納するために運動エネルギーを吸収し、反転の第2の段階で当該移動可能なロッドに再伝達することが可能になる。これらの戻り手段はまた、機械の早期摩耗、又は機械から意図せずに延出する1つ以上の移動可能なロッドにつながり得る、過剰な振幅の制御されない移動を回避することを可能にする。好ましくは、ロッドの振動周波数は、運動し始めるために可能な限り少ないエネルギーを消費するために、システムの共振周波数と同じである。
【0030】
特定の実施形態によれば、ステータは、長手方向軸の周りに配設された2対の2つのステータエレメントを形成し、かつ長手方向軸に対して、円周方向又は直交放射方向に延在する、少なくとも4つのステータエレメントを含み、直線的に移動可能な部分は、2対の2つのロッドを形成する4つのロッドを含む。上記の説明及び説明の残りの部分では、ロッドの対と少なくとも1つの磁気エレメントに関連付けられたステータエレメントの対もモジュールと呼ばれる。したがって、電磁機械は1つ以上のモジュールを含むことができる。
【0031】
好ましくは、少なくとも2対のステータエレメントは、長手方向軸を中心とする円に沿って間隔を空けて配置されている。
【0032】
ロッドのタイプに応じて、移動可能な部分の少なくとも2対のロッドは、長手方向軸が中心である円に沿って間隔を空けて配置され得る。好ましくは、少なくとも2つのロッドは、長手方向軸が中心となる円に沿って等しい間隔を空けて配置され得る。
【0033】
好ましくは、ロッドは互いに平行で、長手方向軸に対して平行である。
【0034】
任意の実施形態によれば、ロッドは異なる形状を有し得る。断面に応じて、各ロッドは、平行六面体、長方形、六角形、円筒形又は円形の形状を有することができる。
【0035】
好ましくは、ステータエレメントは、自由中央ゾーンを画定するように配設される。少なくとも2つのステータエレメント及び少なくとも2つのロッドで区切られた容積は、中心で自由である。機械の中央部分には部品がない。これにより、例えば、
-流体(特に熱伝達流体)の一部又は一部を中心を介して通過させること、
-オンボードシステムにとって重要である、小さい容積及び重量、
-機械の取り扱い中に機械のより良好な把持を可能にすること、又は
-冷却性能の向上による機械の熱性能の向上、などの様々な利益を可能にする。
【0036】
特定の実施形態によれば、ステータは6対のステータエレメントを形成する12のステータエレメントを含み、移動可能な部分は12のロッドを含み、6対のロッドを形成する。好ましくは、直線的に移動可能な部分は、各対のステータエレメントと連携する2つの永久磁石を含む。
【0037】
好ましくは、対のステータエレメントと関連する移動可能な部分は、交互の方式で反対側の位相に配設される。3対のステータエレメントは、他の3対のステータエレメントに対して180度だけシフトされる。好ましくは、ロッドは10~150Hz(ヘルツ)の周波数で移動する。
【0038】
電磁機械は、パワーエレクトロニクス及び/又は制御手段を含み、移動可能な部分のロッドの移動がパワーエレクトロニクスによって開放ループで制御される。制御は、様々な周波数で電圧を波打たせることができるようにするパワーエレクトロニクス、例えば実効電圧及び周波数を変更できるインバータによって行われる。
【0039】
別の実施形態によれば、機械は、例えば、移動可能な部分を移動させるためのセンサ又は電流センサなど、少なくとも1つのセンサを含む。パワーエレクトロニクス及び/又は制御とは、少なくとも1つのセンサからの情報によって、閉鎖ループ内の移動可能な部分のロッドの移動制御を意味する。
【0040】
好ましくは、当該機械の温度を測定するための、好ましくは制御エレクトロニクスに直接接続されている温度センサを含む。また、これは温度ヒューズによって過熱から保護することもできる。これら2つの構成要素は、優先的にはコイルが熱を拡散する主構成要素であるため、コイルの周囲に取り付け、その中心に有利に装着されている。
【0041】
制御手段は、各モジュールを独立して又は他のモジュールと同期又は非同期の方式で、及び/又は非平衡を排除するために、例えば位相の反対側の2つのモジュールの振動を制御することによって制御することを可能にする。
【0042】
発明の第2の態様によれば、発明の第1の態様のうちの1つ以上の特徴による電磁機械と、少なくとも2つのロッドの遠位端部のうちの少なくとも1つに装着された、少なくとも1つのエフェクタと、を備える、機械的アセンブリが提供される。優先的に、エフェクタは、少なくとも2つのロッドの全ての遠位端部に接続されている。
【0043】
好ましくは、少なくとも1つのエフェクタが少なくとも1つの膜を含む。各膜は、電磁機械と同軸方向、かつフレームの外側面の反対側に配設され得る。好ましくは、各膜は、流体が通過するように配設された中央開口部を有する。
【0044】
好ましくは、機械的アセンブリは、少なくとも1つの膜と油圧的に連携するように配設された少なくとも1つのフランジを含む。機械的アセンブリが複数の膜を含む一実施形態によれば、各フランジは、単一の膜に関連付けられている。
【0045】
例えば、各フランジは次の組み合わせ可能な代替変形、
-剛性又は柔軟性があること、
-膜の形状と組み合わせて任意の形状を有すること、
-固く、又は中心に穴を開けて例えば速度差によりベンチュリ効果を発揮すること、
-様々な使用(耐食性、圧力上昇、自己プライミングなど)のために、中空及び/又はアスペリティ及び/又はリップを有すること、
-特定の材料(海洋、食品、生体適合性、炭化水素など)からなること、を有することができ、
-フランジ自体を2つ以上の膜で囲むことができる。
【0046】
特定の例によれば、単一のフランジは、ボート又は航海船舶(コーン、潜水艦など)の船体の壁であり得る。
【0047】
特定の実施形態によれば、機械的アセンブリは、長手方向軸に沿って延在する電磁機械を備え、機械は、本発明の第1の態様のうちの1つ以上の特徴を含み、
-2対のステータエレメントを形成する少なくとも4つのステータエレメントを含むステータと、
-2対の2つのロッドを形成する少なくとも4つのロッドを含む直線的に移動可能な部分と、を含み、
アセンブリが、少なくとも2つのロッドの遠位端部のうちの少なくとも1つに装着された少なくとも1つのエフェクタを含む。
【0048】
好ましくは、磁気エレメントは、1対の2つのロッドに関連付けられる。一実施形態によれば、少なくとも2つの磁気エレメントが2つ対のロッドに関連付けられる。
【0049】
特定の実施形態によれば、機械的アセンブリは、長手方向軸に沿って延在する電磁機械を含み、機械は、
-フレームと、
-磁場を生成するように配設されたステータであって、長手方向軸の周りに配設され、長手方向軸に対して円周方向又は直交放射方向に延在する2対のステータエレメントを形成する少なくとも4つのステータエレメントと、
-直線的に移動可能な部分であって、2対の2つのロッドを形成する少なくとも4本のロッドと、少なくとも2つの磁気エレメントであって、各磁気エレメントが、1対のロッドに関連付けられ、磁気的に移動可能であるように2つのステータエレメントの間に配設される、2つの磁気エレメントと、各磁気エレメントをその1対のロッドに接続するための結合手段と、を含む、直線的に移動可能な部分と、を備え、
アセンブリが、少なくとも2つのロッドの遠位端部のうちの少なくとも1つに装着された少なくとも1つのエフェクタを含む。
【0050】
優先的には、少なくとも4つのロッドは、少なくとも2つの上流ロッド及び2つの下流ロッドを含み、アセンブリは、少なくとも2つの上流ロッドの遠位端部に接続された上流の膜と、
少なくとも2つの下流ロッドの遠位端部に接続された下流の膜と、を含む。
【0051】
これにより、例えば、プロペラを装備したモータのような既知のスラスタの流れに対して、後者によって推進される液体流れが乱流の少ない油圧スラスタが可能になる。
【0052】
好ましくは、少なくとも1つの磁気エレメントは、例えば1つ以上の永久磁石など、少なくとも1対の交互極であり得る。
【0053】
好ましくは、アセンブリは、電磁機械の横方向面の全て又は一部をカバーする少なくとも1つのフランジを含む。少なくとも1つのフランジは、特に当該フランジの中心で、固く又は穴を開けられ得る。代替実施形態によれば、少なくとも1つのフランジは、剛体又は柔軟性があり、特定の形状及び/又は凹部及び/又はアスペリティを有し得る。少なくとも1つのフランジは、例えば、耐食性、又は圧力を上昇させるための様々な使用のためのリップを更に含み得る。例えば、少なくとも1つのフランジは、海洋、食品、生体適合性、炭化水素などの特定の材料で作ることができる。
【0054】
一実施形態によれば、アセンブリは、フレームの上流面に接続され上流の膜の反対に配設された少なくとも1つの上流フランジと、フレームの下流面に接続され下流の膜の反対に配設された少なくとも1つの下流フランジを含む。
【0055】
作動中、ロッドの往復移動が膜の波打ちが生ずる。各膜は、モータによって供給される機械的エネルギーを油圧エネルギーに変換するために使用される。各膜は、円筒形状、又は好ましくは円板若しくは楕円形状を有する。これは、固体アーマチュア、有利には金属製、及び柔軟性のある材料、好ましくはエラストマ誘導体(ゴム、EPDM、PU、ニトリルなど)で作られた波打ち部で構成されている。膜は任意の形状であってもよい。
【0056】
好ましくは、各膜は、好ましくは円形又は楕円形の中央開口部を有する。好ましくは、各フランジは、機械の長手方向軸と同軸に配設され、関連する膜の中央開口部を通って延在する管状セクションを有する。管状セクションの直径は、中央開口部の直径より厳密に小さい。管状セクションは、機械的アセンブリの中心を通過する流体の流れのためのベンチュリ効果を作り出すことを可能にする。
【0057】
特定の実施形態によれば、アセンブリは少なくとも2つの上流の膜及び/又は少なくとも2つの下流の膜を含み得る。上流及び/又は下流の膜は、位相シフトされた移動を有し得、好ましくは、位相シフトは180°(度)である。
【0058】
別の特定の実施形態によれば、1対の少なくとも2つのロッドは、フレームの上流及び下流の両方に延在し、アセンブリは、ロッドの上流遠位端部に接続されたエフェクタ及びロッドの下流遠位端部に接続されたエフェクタの少なくとも2つのエフェクタを含む。この実施形態では、少なくとも2つのロッドがフレームを通過し、当該フレームの上流及び下流に延在し、これは少なくとも1つのシールを有し得る。
【0059】
好ましくは、アセンブリは、上流の膜の上流に配設された上流カバーと、下流の膜の下流に配設された下流カバーと、を含む。各カバーは、例えば、各カバーを機械のフレームに接続する長手方向アームによって、当該機械の長手方向軸に同軸方向に電磁機械のフレームに取り付けられる。好ましくは、膜に面したキャップの面は、膜の表面と実質的に同一の表面を有する。カバーとフランジによって長手方向に区切られた容積は、圧縮チャンバ又は推進チャンバを画定する。機械が停止しているとき及び機械が動作中であるときの両方において、各膜は推進チャンバ内に位置する。膜によって動かされた液体は、圧縮チャンバの周縁ゾーン、例えばカバーを機械のフレームに接続する長手方向アームの間を通って、推進チャンバに先に流入する。
【0060】
上記の説明及び残りの説明では、圧縮チャンバ及び推進チャンバは同じ定義を参照しているため、いずれの表現も区別なく使用することができる。
【0061】
上流の膜によって推進された容積は、機械の自由中央ゾーンに排出される。下流カバーは、その断面が自由中央領域の断面と少なくとも等しい開口部を更に含む。下流の膜によって推進された体積は、下流のカバーの開口部に排出される。
【0062】
2つの圧縮チャンバの構成可能である:
-直列の場合、その結果、下流圧縮チャンバの入口流れが、機械の中央自由ゾーンを経由して上流圧縮チャンバの出口流れに接続され、
-並列の場合、その結果、各圧縮チャンバは、固有の入口流れを有し、各流れは、開口部又は半径方向ゾーン上流及び/又は下流及び/又は膜の上及び下を経由して圧縮チャンバに入る。
【0063】
これら2つの解決策を組み合わせることが可能であり、自由中央ゾーンを通過する中央の流れ及び半径方向流れは下流圧縮チャンバに供給することができる。
【0064】
各圧縮チャンバでは、少なくとも1つの液体入口セクション及び少なくとも1つの液体出口セクションに対応している。
【0065】
これらのセクションは、複数であり得、
-スラスタに対して半径方向に、
-スラスタの移動軸に平行に、
-前述の2つの可能性の組み合わせによる形態であり得る。
【0066】
特定の実施形態によれば、下流カバーは、電磁機械に同軸方向に延在する中央管を含む。この特徴により、圧縮チャンバを通過する管を設置することで、圧縮チャンバ内に第2の流れを生成することが可能になる。この管の入口セクションには過圧がかかり、出口(圧縮チャンバの下流に位置する)のセクションは真空になるため、ベンチュリ効果が生成し、スラスタの効率が向上する。
【0067】
他の実施形態によると、機械的アセンブリはカバーなし、又は単一のカバー:上流カバー又は下流カバーを含み得る。カバーがない場合は、したがってこれ以上圧縮チャンバはない。
【0068】
上記で提案された機械的アセンブリの他の用途としては、例えば、シェーカーユニット、工業用振動器、ピストン、特に振動を増幅するために同相で動作する移動部品、撃針、ラウドスピーカ、鋸、ピック、性玩具、振動、疲労、老化を調査するためのツール、工業用ポンプ、ファン、空気圧縮機、力戻り、ふるい、振動ハンマリングのための振動器、ボート及び船舶のプロペラ、水中プロペラなどの水玩具のためのプロペラ、パドル、電動サーフボード、ビルジポンプ、発電機、ウォーターゲームのためのポンプ、池のための流れ発生器(電流、波、うねり)、工作機械(鋸、サンダー、ハンマーなど)、ミキサが可能である。
【0069】
第3の態様によれば、第1の態様による電磁機械を作動させる方法であって、機械は、
-2対のステータエレメントを形成する少なくとも4つのステータエレメントを含むステータと、
-少なくとも2対の2つのロッドを形成する少なくとも4つのロッドを含む直線的に移動可能な部分と、を含み、
少なくとも2対の2つのロッド間で位相シフト作動ステップを含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本発明は、添付の図面によって例示される非限定的な実施形態を参照して、以下の記載を読むことによって、より良く理解されるであろう。
【0071】
図1】本発明の第1の実施形態による、周期的直線移動を有する電磁機械の斜視図であり、機械は、1対のステータエレメントとロッドを含み、フレームは示されていない。
図2】互いに面する2つのステータエレメントの外形図であり、各々が電線の巻線を含み、当該エレメントは、前述の図による。
図3】2つのロッド間に配設された2つの永久磁石を含む、一実施形態による直線的に移動可能な部分の斜視図である。
図4】本発明の第2の実施形態による、周期的直線移動を有する電磁機械の斜視図であり、機械は、機械の長手方向軸を通る幾何学的平面に対して対称に配設された2対のステータエレメント及び2対のロッドを含み、フレームは示されていない。
図5】本発明の第3の実施形態による、周期的直線移動を有する電磁機械の斜視図であり、機械は、3対のステータエレメント及び3対のロッドを互いに相対的に配設して円を形成し、フレームは示されていない。
図6】本発明の第4の実施形態による、周期的直線移動を有する電磁機械の斜視図であり、機械は、6対のステータエレメント及び6対のロッドを互いに相対的に配設して円を形成し、フレームは示されている。
図7】前述の図による実施形態による、特に直線的に移動可能な部分の電磁機械の長手方向断面図である。
図8】第1の実施形態による油圧スラスタの長手方向断面図であり、スラスタが、前述の図による電磁機械と、中央開口部を有する単一フランジと中央開口部を有する単一円板状膜を有する。
図9】第1の実施形態による油圧スラスタの斜視図である。
図10】第2の実施形態による油圧スラスタの斜視図であり、スラスタは、単一の固体フランジを含み、円錐形の尾部及び開口部を有する単一の膜を含む。
図11】前述の図による第2の実施形態による油圧スラスタの長手方向断面図である。
図12図10及び図11による油圧スラスタ及び第5の実施形態による電磁機械の断面図であり、機械は、4対のステータエレメント及び4対のロッドを含む。
図13】上流ロッド及び下流ロッドを含む第6の実施形態による電磁機械の外形図である。
図14】上流及び下流の両方のロッドを含む第7の実施形態による電磁機械の外形図である。
図15図9による、油圧スラスタを含む船舶推進アセンブリの外形図である。
図16】第4の実施形態による油圧スラスタの側面図であり、スラスタは、上流カバー及び下流カバーを含む。
図17】前述の図による油圧スラスタの長手方向断面図である。
図18】前述の図の拡大図であり、上流カバー及び上流の膜が拡大した方式で見られる。
図19】第5の実施形態による油圧スラスタの長手方向断面図であり、上流カバーは、正面開口部を含む。
図20】上流半径方向開口部及び下流半径方向開口部を含む第6の実施形態による油圧スラスタの長手方向断面図である。
図21】上流半径方向開口部、下流半径方向開口部、及び上流カバーを通過する中央管を含む第7の実施形態による油圧スラスタの長手方向断面図である。
【0072】
図1図2及び図3を参照すると、周期的直線移動を有する電磁機械1の第1の実施形態が提示されている。可能な限り多くの部品を見るために、機械フレームは示されていない。
【0073】
機械は、ステータと呼ばれる、電磁場を生成するように配設された静的な部品31を含む。図2を参照すると、ステータは、1対のステータエレメントを形成する、2つのステータエレメント31a及び31bを含む。各ステータエレメントは、「E」-形状パターンを形成するように配設されたシート金属プレートのスタックを含む。各ステータエレメントは、3つの歯及び2つのノッチを含む。各ステータエレメント31a、31bは、ループを形成するようにシート金属プレートのスタックのノッチに挿入された電気巻線311、312を更に含む。ステータエレメント31a、31bは、互いに反対にかつ移動可能な部分の少なくとも1つの磁気エレメントを挿入できる距離及び空隙距離だけ互いに間隔を空けて配設される。図1及び図2を参照すると、ステータエレメントは一般的な形状及び長方形の断面を有し、直線的に延在している。
【0074】
機械は、直線的に移動可能な部分を含み、直線並進移動が交互に行われる。図1及び図3を参照すると、移動可能な部分は、それぞれの駆動軸Ela、Elbに沿って移動可能な2つの個別のロッド41a、41bを含み、当該軸は、軸又は長手方向に沿って延在する。それらは、ステータ31の両側、特に2つの巻線部分の間に、半円の形で配設され、シート金属プレートのスタックの外側に延在する。ロッド41a、41bは円形の断面を有する。図3を参照すると、移動可能な部分は、2つのロッド41a、41bの間に配設された2つの永久磁石61a、61bを含む。永久磁石は長方形の形状を有する。それらは、2つのステータエレメント31a、31bの間に挿入され、ステータエレメントのスイッチング中に磁気的に移動するように配設される。2つの磁石61a、61bは、2つの磁石がステータエレメントの2つの連続する歯と整列できるように長手方向に間隔を空けて配置されている。
【0075】
移動可能な部分は、永久磁石61a、61bとロッド41a、41bとの間に結合手段51a、51bを更に含む。各結合手段51a、51bは、並進において一体となるようにロッドに締結されるように配設されたロッド部を含む。ロッド部は、ロッドの外側のエンベロープを囲む。各結合手段51a、51bは、2つの磁石を受け入れて締結し、したがって磁石をロッドに機械的に結合するように配設された磁気エレメントの一部を含む。
【0076】
任意選択的に、機械は、各ロッドのための並進案内として機能する、優先的には円筒形の2つの案内部80を含む。2つの案内部は、フレームの長手方向端部に取り付けられる。これらの案内部分は、有利には磁場漏れを最小限に抑えるために非磁性材料で作られる。これら2つの部分は、運動を始めるために必要なエフェクタ又は移動可能な部分に接続する部品として役立つ他の機能を有する。
【0077】
この第1の実施形態は、コンパクトな電磁機械を提案することを可能にする。この第1の実施形態は、より高電力の電磁機械が並列に配設されたいくつかの電磁モジュールを含み得るように、電磁モジュールに対応する。
【0078】
図4は、2つの電磁モジュールを含む電磁機械の第2の実施形態を示しており、各モジュールは第1の実施形態のモジュールに従っている。電磁機械は、2対のステータエレメント31、32を含み、対31のステータエレメントは、対のロッド41a、41bに関連付けられ、対32のステータエレメントは、対のロッド42a、42bに関連付けられる。電磁機械は、長手方向軸Lに沿って延在する。ロッドのそれぞれの駆動軸は、機械の長手方向軸Lに平行である。更に、2つのモジュールは、長手方向軸Lを通過する幾何学的平面に対して対称に配設される。
【0079】
図5は、3つの電磁モジュールを含む電磁機械の第3の実施形態を示しており、各モジュールは第1の実施形態のモジュールに従っている。電磁機械は、3対のステータエレメント31、32、33を含み、対31のステータエレメントは、対のロッド41a、41bに関連付けられ、対32のステータエレメントは、対のロッド42a、42bに関連付けられ、対33のステータエレメントは、対のロッド43a、43bに関連付けられる。電磁機械は、長手方向軸Lに沿って延在する。ロッドのそれぞれの駆動軸は、機械の長手方向軸Lに平行である。更に、3つのモジュールは、長手方向軸Lが中心である円に沿って配設される。3つの電磁モジュールは、等間隔を空けて配置される。
【0080】
図6は、6つの電磁モジュールを含む電磁機械の第4の実施形態を示しており、各モジュールは第1の実施形態のモジュールに従っている。上述の実施形態とは異なり、電磁機械1のフレームが図6に示されている。電磁機械は、6対のステータエレメント31、32、33、34、35、36を含み、対31のステータエレメントは、対のロッド41a、41bに関連付けられ、対32のステータエレメントは、対のロッド42a、42bに関連付けられ、対33のステータエレメントは、対のロッド43a、43bに関連付けられ、対34のステータエレメントは、対のロッド44a、44bに関連付けられ、対35のステータエレメントは、対のロッド45a、45bに関連付けられ、対36のステータエレメントは、対のロッド46a、46bに関連付けられる。電磁機械は、長手方向軸Lに沿って延在する。ロッドのそれぞれの駆動軸は、機械の長手方向軸Lに平行である。更に、6つのモジュールは、長手方向軸Lを中心とする円に沿って配設される。3つの電磁モジュールは、等間隔を空けて配置される。
【0081】
図4図5及び図6を参照すると、電磁機械の配置は、それらの中央ゾーンを自由のままにすることを可能にする。各機械の中央ゾーンは管状形状を有し、その軸は長手方向軸Lに対応する。
【0082】
図7は、図6による電磁機械の断面図を示す。ステータ34のステータエレメント及びステータ31のステータエレメントが断面図で示されている。更に、関連する永久磁石64a、64b及び61a、61bが断面図で示されている。図7は更に、機械の2つの蓋を示しており、カバーが各長手方向端部に配設されている。
【0083】
以下の説明では、ロッド、この場合はロッド44bの動作及び/又は移動について説明する。
【0084】
初期状態では、ロッドの位置は、空隙に誘導される磁束が極性、例えば、一方の側に北極、もう一方の側には逆極性、例えば南極を達成するのに十分であるため、永久磁石64a、64bがステータエレメント34の歯に反対であるようになる。各永久磁石は逆極性を有するため、磁束は永久磁石を通過し、それらを所定の位置に保持する。
【0085】
コイルの電流スイッチング中は、永久磁石の各極が同一の極性と反対になるように、空隙の磁束が逆になり、磁石の反発力及び磁石、したがってロッド44bの並進を作り出す。同時に、磁束は反対極性の隣接する永久磁石を通過するため、引力がロッド44bを並進移動させる。その結果、永久磁石の新しい位置(図示されてない)によって、ロッド44bの新しい位置(図示されてない)に導かれる。
【0086】
図8は、図6による電磁機械、フランジF1及び膜M1を含む油圧スラスタの断面図であり、当該フランジ及び当該膜は、一方の端部及び同じ端部に配設され、機械の当該下流端は、長手方向軸Lに関して同軸である。上流端部と呼ばれる反対側の端部には、電磁機械の中央ゾーン10内の流れの循環を妨げる壁がない。この実施形態では、スラスタは一般的な管の形状を有する。
【0087】
フランジF1は、流れが通過できるように中央開口部を有する。フランジF1は、電磁機械の一端部に接続されるように配設された接続面と呼ばれる第1の面と、接続面の反対側の外部面と呼ばれる第2の面と、を有する。フランジF1は、円錐又はノズルの形の内側表面を有し、内側表面の最大直径は電磁機械の内径に対応する。フランジは、外部面から突出する管状部分F11を更に備える。
【0088】
膜M1はリング形状を有し、電磁機械のロッドの全ての遠位端部に接続されたアーマチュアMA1を含む、図9を参照。膜M1は、フランジF1の管状部分F11が延在する中央開口部を有する。
【0089】
図10及び図11を参照すると、油圧スラスタの第2の実施形態が示されている。前述の実施形態と比較して、本発明のスラスタは、各端部において閉鎖されている。少なくとも1つの壁が電磁機械の中央ゾーンを閉鎖し、その結果、スラスタは楕円形及び/又は卵形の全体形状を有する。
【0090】
フランジF1は中央開口部を有していない。フランジF1は、電磁機械の一端部に接続されるように配設された接続面と呼ばれる第1の面と、接続面の反対側の外部面と呼ばれる第2の面と、を有する。フランジは、外部面から突き出た円錐部分F12を更に含み、円錐部分の外部面から先端まで円錐部の直径が減少している。円錐部分は、膜M1の中央開口部を通過する(図10及び図11参照)。
【0091】
フランジF1と膜M1との関連は、油圧スラスタの推進を可能にする。
【0092】
図11及び図12は、電磁機械の第5の実施形態を示す。図12を参照すると、電磁機械は、4対のステータエレメント31、32、33、34を備え、対31のステータエレメントは、対のロッド41a、41bに関連付けられ、対32のステータエレメントは、対のロッド42a、42bに関連付けられ、対33のステータエレメントは、対のロッド43a、43bに関連付けられ、対34のステータエレメントは、対のロッド44a、44bに関連付けられる。電磁機械は、長手方向軸Lに沿って延在する。ロッドのそれぞれの駆動軸は、機械の長手方向軸Lに平行である。更に、4つのモジュールは、長手方向軸Lが中心である円に沿って配設される。4つの電磁モジュールは等しい間隔を空けて配置される。
【0093】
図13は、電磁機械の第6の実施形態を示しており、各電磁モジュールを他の電磁モジュールとは独立して制御できる事実により、特に前述の実施形態のうちの1つと組み合わせることができる。電磁機械は、機械の第1の端部から延在する複数の対の上流ロッドを含む。電磁機械は、電磁機械の第1の端部と反対側の第2の端部から延在する対の下流のロッドを更に含む。図13は、軸E3a、E3b、E5a、E5b、E2a、E2b、E6a、E6bに沿って延在する上流ロッドを示す。軸E1a、E1b、E4a、E4bに沿って延在する上流ロッドも示されている。
【0094】
代替として、図14は、電磁機械の第7の実施形態を示し、各対のロッドは、1対の上流ロッド及び1対の下流ロッドのように、機械のフレームを通過する。この実施形態は特に、電磁機械の両端部にあるエフェクタ、例えば膜を含む機械的アセンブリに好適である。
【0095】
図15は、図9による油圧スラスタがボートのステアリング及び制御デバイスに接続されている応用例を示す。
【0096】
スラスタは、モータが幅広い用途に使用できるように、制御手段及び/又はパワーエレクトロニクスを備える。例えば、それは、グリッド、ソーラーパネルアレイ、若しくは任意の他の代替エネルギー設備によって、又は電流を調整及び制御することを可能にするパワーエレクトロニクスを通してその接続を有するエネルギー貯蔵システムにおいて電力供給され得る。
【0097】
制御信号のタイプとその形状に応じて、モータは様々な使用ケースに対応することができ、直流電圧による電源供給の場合、モータの位置は制御される。したがって、それは、供給された電圧値に従って正確かつ反復可能な位置を維持する。交流電圧が供給される場合、モータの速度が制御される。電圧の値は、移動可能なバーのストロークの振幅を調整することを可能にする。電気信号の周波数に関しては、モータの動作周波数を調整することが可能である。
【0098】
モータにより、直線高周波移動、特に1秒当たり最大500サイクル、つまり500Hzでの動作を提供することを可能にする。
【0099】
図16図21は、水没するように配設された油圧スラスタのいくつかの実施形態を示す。
【0100】
図16を参照すると、スラスタは、第1のフランジF1の上流に配設された上流カバーC1と、第2のフランジF2の下流に配設された下流カバーC2と、を含み、膜は示されていない。各カバーは、例えば、各カバーを機械のフレームに接続する長手方向アームによって、当該機械の長手方向軸に同軸方向に電磁機械のフレームに取り付けられる。図9を参照すると、カバーとフランジとの間に長手方向に画定される容積は、圧縮チャンバを画定する。上流圧縮チャンバ111は、カバーC1と電磁機械1との間に画定されている。下流圧縮チャンバ112は、カバーC2と電磁機械1との間に画定されている。機械が停止しているとき及び機械が動作中であるときの両方において、各膜は圧縮チャンバ内に位置する。例えば、図18を参照すると、上流の膜M1は、電磁機械の移動可能な部分のロッドによって、振動するように運動し始める。膜によって運動し始めた液体は、先に圧縮チャンバに入る。
【0101】
図16図17図18図19図20図21を参照すると、スラスタは、上流半径方向開口部121を含む。図16図17図20及び図21を参照すると、スラスタは、下流半径方向開口部122を含む。半径方向開口部は、カバーを機械のフレームに接続する長手方向アームによって円周方向に区切られている。半径方向開口部は、液体が各圧縮チャンバに入ることを可能にする。
【0102】
上流の膜によって推進された容積は、機械の中央自由領域10に排出される。上流の膜によって推進された液体の体積は、下流の圧縮チャンバ内に放出される。
【0103】
更に、カバーを含む全ての実施形態によれば、下流カバーC2は、軸方向開口部132を含む。
【0104】
これらの並列構成と呼ばれる構成では、各圧縮チャンバにそれに固有の入口流れがあり、各流れは、開口部又は半径方向ゾーンを介して圧縮チャンバに入る。下流カバーは、その断面が自由中央領域の断面と少なくとも等しい開口部を更に含む。
【0105】
図19を参照すると、下流圧縮チャンバの入口流れが、機械の自由中央ゾーンを介して上流圧縮チャンバの出口流れに接続される、直列と呼ばれる構成である。スラスタは、上流圧縮チャンバに液体を供給するための単一の入口開口部131を含む。
【0106】
圧縮チャンバに供給するために、これらの2つの解決策、すなわち軸方向流及び半径方向流を組み合わせることが可能である。図21を参照すると、上流カバーC1は、ベンチュリ効果を作り出すように中央ゾーン10に開口する中央管によって延在する開口部131を含む。図示されていない別の実施形態によれば、管は、上流圧縮チャンバ内に開口することができる。スラスタは、上流半径方向開口部121及び下流半径方向開口部122を更に含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】