(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】リチウム電池のアノードとしてのシリコン電極を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
H01M 4/1395 20100101AFI20240725BHJP
H01M 4/66 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
H01M4/1395
H01M4/66 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501111
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 EP2022072295
(87)【国際公開番号】W WO2023017010
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】102021120615.4
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524003563
【氏名又は名称】ノルクシ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライヒマン、ウドー
(72)【発明者】
【氏名】ヌーベール、マルセル
(72)【発明者】
【氏名】クラウゼ - バーダー、アンドレアス
【テーマコード(参考)】
5H017
5H050
【Fターム(参考)】
5H017AA03
5H017CC01
5H017DD05
5H017EE04
5H017EE06
5H050AA07
5H050AA08
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA02
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB11
5H050DA07
5H050FA04
5H050FA18
5H050GA02
5H050GA22
5H050GA26
5H050HA02
5H050HA04
5H050HA14
5H050HA20
(57)【要約】
本発明は、リチウム電池のシリコン・アノードを製造するための方法に関し、この方法では、好ましくは銅である基材上にシリコン層を堆積させ、次いでこのシリコン層に短時間の焼戻しを施す。本発明の目的は、シリサイド及び金属に対するシリコンの割合の制御を可能にする方法を提供することであり、この方法では、リチウムのインターカレーションのための活物質として利用できねばならない純シリコンの最大割合と、これと両立する、安定性及び良好な導電性を達成するのに十分な不活性領域の数と、高静電容量のためのシリコン含有量の高い十分なアノード層厚さとの間の妥協点を見出す必要がある。本発明によれば、上記の目的は第1の手法において、シリコン層の堆積及び続く短時間の焼戻しを少なくとも1回繰り返すことによって達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム電池のアノードとしてのシリコン電極を製造するための方法であって、好ましくは銅(14)である基材上に第1のシリコン層(17)が堆積され、続いて前記第1のシリコン層(17)に急速アニーリング(11)が施される、前記方法において、更なるシリコン層(17)の堆積及び続く急速アニーリング(11)が少なくとも1回繰り返されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記更なるシリコン層(17)の堆積及び前記続く急速アニーリング(11)が2回又は2回以上繰り返されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記更なるシリコン層(17)の前記堆積の前に、更なる層(19)の薄い階層が適用され、前記更なる層(19)の前記薄い階層は、炭素、金属、金属酸化物、又は金属窒化物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記更なる層(19)の前記薄い階層は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、及び/又は銅(Cu)である材料のうちの1つから形成されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記急速アニーリング(11)はフラッシュ・ランプ・アニーリングであり、0.2ms~20msのフラッシュ・ライト持続時間及び0.6J/cm
2~160J/cm
2のエネルギー密度を有するフラッシュ・ランプによって、並びに、更に4℃~200℃の範囲内の予熱又は冷却によって、実行されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記急速アニーリング(11)はレーザ・アニーリングであり、局所加熱部位の走査速度の設定による0.01~100msの範囲内のアニーリング時間及び0.1~100J/cm
2の範囲内のエネルギー密度を有するレーザによって、並びに、更に4℃~200℃の範囲内の予熱又は冷却によって、実行されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記急速アニーリング(11)の前に、前記更なるシリコン層(17)上に金属層(20)が堆積されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記金属層(20)は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、金(Au)、銀(Ag)、及び/又はタングステン(W)である材料のうちの1つから形成されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記銅基材(14)上での前記第1のシリコン層(17)の前記堆積の前に、シリコン以外の、好ましくはニッケル(Ni)及び/又は銅(Cu)の層を堆積させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム電池のアノードとしてのシリコン電極を製造するための方法に関し、好ましくは銅である基材上に第1のシリコン層が堆積され、続いてこれに急速アニーリングが施される。
【背景技術】
【0002】
電気化学的なエネルギー貯蔵は、エネルギー転換に向けた世界的な取り組みにおける重要な礎石であり、回生手段が発電した変動する電力の一時的貯蔵を可能にし、その電力を固定式及び移動式の用途で利用可能にする役割を果たす。特に二次電池の原料不足及びその結果のコスト上昇を抑えるには、エネルギー貯蔵コンセプトの多角化だけでなく、新しい材料も必要となる。これらの材料は、このようなエネルギー貯蔵コンセプトの技術的性能(容量、エネルギー密度、寿命など)を改善するとともに、製造コストを最小限にするものでなければならない。後者は特に、広範な技術的基礎が既に存在しているシリコンに代表されるような、容易に入手可能な化学元素を使用することによって確保され得る。
【0003】
電池は電気化学的エネルギー貯蔵器であり、一次電池と二次電池に区別される。
【0004】
一次電池は、化学エネルギーが電気エネルギーに不可逆的に変換される、電気化学的電源である。したがって一次電池は再充電不可能である。一方、蓄電池とも呼ばれる二次電池は再充電可能な電気化学エネルギー貯蔵器であって、行われる化学反応が可逆的であり、複数回の使用が可能である。充電中、電気エネルギーは化学エネルギーに変換され、放電時には化学エネルギーから電気エネルギーに戻される。
【0005】
「電池(battery)」は、相互接続されたセルの見出しとなる語(headline term)である。セルは、2つの電極、電解質、セパレータ、及びセル・ケーシングから成るガルバニック・ユニットである。
図1は、放電中のリチウム・イオン・セルの例示的な構造及び機能を示す。セルの構成要素を以下に簡単に説明する。
【0006】
各Li-イオン・セル1は、2つの異なる電極7、9、すなわち、充電状態で負に帯電する電極7と、充電状態で正に帯電する電極9と、から成る。エネルギーの解放、換言すれば放電は、負に帯電した電極から正に帯電した電極へのイオンの移動を伴うので、正に帯電した電極をカソード7と呼び、負に帯電した電極をアノード9と呼ぶ。電極は、電流コレクタ2、8とその上に適用された活物質とで、各々構成されている。電極の間にはまず、要求される電荷の交換を可能にするイオン伝導性電解質4と、電極の電気的分離を保証するセパレータ5とが配置される。
【0007】
カソードは例えば、アルミニウム・コレクタ上に適用された混合酸化物から成る。コバルト(Co)、マンガン(Mn)、及びニッケル(Ni)の遷移金属酸化物、又は酸化アルミニウム(Al2O3)がこのとき最も一般的な化合物である。適用された金属酸化物層は、セルの放電中のリチウム・イオンのインターカレーションに役立つ。
【0008】
Li-イオン・セルのアノードは、コレクタとしての銅箔と、活物質としての炭素層とで構成され得る。使用される炭素化合物は通常、天然又は合成グラファイトであるが、その理由は、これが低い電極電位を有し、充放電中に体積膨張をほとんど示さないからである。充電中、リチウム・イオンは還元され、グラファイト層内にインターカレートされる。
【0009】
リチウム・イオン電池の構造において、カソードがアノードでの充放電のためのリチウム原子を供給するのが一般的であり、このため電池容量はカソード容量によって制限される。既に述べたように、現在使用されている典型的なカソード材料は、例えばLi(Ni,Co,Mn)O2及びLiFePO4である。カソードはリチウム金属酸化物によって構築されているため、容量が上がる可能性はわずかである。
【0010】
Li電池のアノードに炭素ではなくシリコンを使用することも知られている。アノード材料としてのシリコンは、例えば372mAh/gの蓄電容量を有するグラファイトなどの、従来の炭素型材料と比較して、室温で3579mAh/gという高い蓄電容量を有する。しかしながら、アノード材料としてシリコンを使用する場合、対応するエネルギー貯蔵器の充放電中の可動イオン種のインターカレーション及びデインターカレーションの間に、ホスト・マトリックスの体積が大きく変化する(体積の収縮及び膨張)場合があるという点で、課題が生じる。グラファイトの場合体積の変化は約10%であるが、これに対しシリコンの場合は約400%である。シリコンを使用した場合のアノード材料の体積の変化は、内部応力、クラック、ホスト・マトリックスの活物質(シリコン)の粉砕、及び最終的なアノードの完全破壊につながる。
【0011】
体積の変化を少なくするため、既存の電池製造法では、充電可能なリチウム電池のアノード材料として、炭素及び/又はシリコン・ベースのナノ構造化したナノ粒子又はナノワイヤを使用している。このようなナノ材料の主な利点には、リチウムのインターカレーション及びデインターカレーションの速度の上昇に加えて、表面効果がある。この効果が意味するのは、広い表面の場合、電解質の接触面積とそれに伴うLi+イオン(空孔)の流れが界面によって拡大されるということであり、このことは非特許文献1に記載されている。特にシリコン・ベースのナノ粒子及びナノワイヤは、リチウムのインターカレーション後のシリコンの体積の変化に関して、特定のSi構造サイズを上限とする比較的安定したシリコン構造を呈するが、このことは非特許文献2に記載されている。体積の均一な変化を可能にする構造限界は、アモルファス・シリコンに関しては1μm、結晶性シリコンに関しては100nmと考えられている。
【0012】
この結果、一方では、アノード材料の体積膨張をナノ構造間の自由空間でカバーすることができ、また他方では、構造のサイズを小さくすることで合金形成中の相転移を促進して、アノード材料の性能を向上させることができる。
【0013】
しかしながら、シリコン・ベースのナノ粒子及びナノワイヤの利用には非常に手間がかかる。Siナノ構造は、ボール・ミリング、スパッタ堆積、PVD/CVD法、化学又は電気化学エッチング、及びSiO2の還元を含め、物理的方法及び化学的方法の両方で製造される(非特許文献3)。その後、先行技術によれば、製造されたナノ構造は導電性の炭素及びバインダーと混合され、カレンダー処理及び乾燥によって銅製の電流コレクタに工業ベースで適用され、アノードが構築される。これらの方法の欠点は、電池動作においてナノ構造が互いから分離し、その結果アノードの静電容量が失われることである。更なる欠点は、ナノ構造の表面が大きく、その結果SEI(solid-electrolyte interphase:固体電解質界面相)の形成に起因して電解質の消費量が多くなり、電池がドライアウトしてしまうことである。
【0014】
これに対し特許文献1には、これらの欠点を有さないシリコン・ベースの二次電池用アノードの製造方法が記載されている。この方法は、統合された電流コレクタの役割を果たす金属基材上にシリコン層を堆積させることと、続いてこれにフラッシュ・ランプ・アニーリングを施すことと、を含む。フラッシュ・ランプ・プロセスは通常、例えば半導体産業において及び太陽電池用に、シリコンを急速且つ局所的に溶融させ、それを結晶化させるために使用される。しかしながらこれは、特許文献1に記載されている方法の目的ではない。代わりに、フラッシュ・ランプ・アニーリングは以下のように利用されている。一般的に言えば、シリコンの結晶化は700℃前後でしか生じない。この温度はフラッシュ・ランプ・アニーリングによって表面で短時間達成されるが、基材の残りの部分はそれよりもかなり低い温度のままである。200℃前後からのかなり低目の温度でも、金属との界面ではSi原子の共有結合が弱まるため、金属基材の表面上で及び粒界に沿って拡散が生じる。このことは、複数の金属/半導体系(例えば、Au/a-Si及びAg/a-Si)に関して既に実証され、エネルギー的に好ましいことが分かっているが、このことは非特許文献4に記載されている。また更に、比較的低温で金属を導入することにより、シリコンの結晶化を達成することができる。これは金属誘導結晶化と呼ばれる。非常に簡単に言えば、温度が融点を下回ると結晶成長が起こり、これを相転移の基準として利用することができる。特許文献1に記載されている方法では、脱リチウム化及びリチウム化によってもたらされる体積の変化を吸収し、材料集合体全体の安定化をもたらす、多相シリコン-金属構造を製造することができる。リチウム化とは、ホスト材料-例えばシリコン又はグラファイトにおける、リチウム・イオンのインターカレーションを指す。
【0015】
特許文献1から公知の方法で製造可能なSiアノードは、基材として銅箔のみが使用されその上にシリコン層が堆積される場合、シリコンと純金属とシリサイドとの混合物である、つまり、銅と銅シリサイドとシリコンとで構成される微細構造が形成される。ナノ粒子又はナノワイヤで構成されたSiアノードに対する、この方法で製造されたSiアノードの利点は、純シリコン及びまた従来のグラファイトと比較した場合の高い導電性であるが、その理由は、シリサイドの導電性がグラファイトの導電性よりも2桁程度高いからである。また更に、活物質としてのSi層と銅基材との間の接着は非常に良好であり、フラッシュ・ランプ・アニーリングの結果、銅は銅箔から堆積させたSi層内へと拡散する。純シリコンによって形成されるリチウムのインターカレーションのための活性領域、及び、マトリックス中のシリサイド/金属によって形成される不活性領域によって、充電中の既知の有害な体積膨張が補償される。もう一つの利点は、層状構造に起因して、電解質との境界層を形成する面積がごく小さいことである。この小さい表面積に起因して、電解質の分解が、ナノ構造化した活物質で生じる場合と比較して減少する。活物質とはシリコン層を指す用語である。
【0016】
しかしながら、特許文献1に記載されている方法の欠点は、フラッシュ・ランプ・アニーリングに起因して、Si層で起こる銅シリサイドを形成する反応が制御されず、転換反応が常にCu-Si層界面で始まることである。この反応の結果、リチウムのインターカレーションのための活物質としてのシリコンが残らないか、又は、エネルギー投入が非常に低い場合に十分な反応が起こらないかのいずれかとなり、電池動作において層が十分な安定性を欠き、そのため電池側の容量の損失につながる。リチウム電池の製造において十分な標的容量を得るためには、十分に厚いSi層(10μmが約4mAh/cm2に相当)が必要である。銅シリサイドを形成するCu+Siの転換反応が、フラッシュ・ランプ・アニーリングによるものなどのアニーリング法によって無制御にトリガされた場合、銅基材全体、例えば銅箔は、全部がシリコンと反応して銅シリサイドを形成することになり、リチウム電池の電流コレクタの損失に見舞われることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】M. R. Zamfir, H. T. Nguyen, E. Moyen, Y. H. Leeac and D. Pribat: Silicon nanowires for Li-based battery anodes: a review, Journal of Materials Chemistry A (a review), 1, 9566 (2013)
【非特許文献2】M. Green, E. Fielder, B. Scrosati, M. Wachtier and J. S. Moreno: Structured Silicon anodes for lithium battery applications, Electrochem. Solid- State Lett, 6, A75-A79 (2003)
【非特許文献3】Feng, K. et al. Silicon-Based Anodes for Lithium-Ion Batteries: From Fundamentals to Practical Applications. Small 14, 1702737 (2018)
【非特許文献4】Z. M. Wang, J. Y. Wang, L. P. H. Jeurgens and E. J. Mittemeijer: Thermodynamics and mechanism of metal-induced crystallization in immiscible alloy systems: Experiments and calculations on Al/a-Ge and Al/a-Si bilayers, Physical Review B 77, 045424 (2008)
【非特許文献5】Xu, J. et al. Preparation of TiSi2 Powders with Enhanced Lithium-Ion Storage via Chemical Oven Self-Propagating High-Temperature Synthesis. Nanomaterials 11, 2279 (2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的はしたがって、シリサイド及び金属に対するシリコンの割合の制御を可能にする方法を特定することである。その意図するところは、リチウムのインターカレーションのための活物質として利用できねばならない、アモルファス又はナノ結晶であるのが理想的な純シリコンの最大割合と、これと両立する、安定性及び良好な導電性を達成するのに並びにシリコンの割合の高い十分なアノード層厚さで高容量を実現するのに十分な、不活性領域の量との間の、トレード・オフを見出すことであった。
【0020】
この方法はまた、形成される特定の金属相、例えばCu3SiではなくCu5Siの制御も可能にするものでなければならない。
【0021】
この目的は独立請求項1に記載の方法によって達成される。リチウム電池のアノードとしてのシリコン電極を製造するための方法において、好ましくは銅である基材上に第1のシリコン層が堆積され、続いて前記第1のシリコン層に急速アニーリングが施され、更なるシリコン層の堆積及び続く急速アニーリングが少なくとも1回繰り返される。
【0022】
急速アニーリングとは特に、フラッシュ・ランプ・アニーリング及び/又はレーザ・アニーリングを指す。フラッシュ・ランプ・アニーリングは、0.3~20msの範囲内のパルス持続時間又はアニーリング時間で、0.3~100J/cm2の範囲内のパルス・エネルギーで、行われる。レーザ・アニーリングの場合、0.01~100msのアニーリング時間が局所加熱部位の走査速度によって設定されて、0.1~100J/cm2のエネルギー密度が生じる。急速アニーリングで達成される加熱勾配は、この方法に必要な10^4-10^7K/sの範囲内にある。この目的のためのフラッシュ・ランプ・アニーリングでは、可視波長域内のスペクトルを使用するが、一方でレーザ・アニーリングでは、赤外(IR:infrared)から紫外(UV:ultraviolet)までのスペクトルの範囲内の離散波長を使用する。
【0023】
本発明の方法の好ましい一実施例では、更なるシリコン層の堆積及び続く急速アニーリングは、2回以上の頻度で繰り返される。このことにより、電流コレクタの損失を伴うと考えられる、銅シリサイドを形成する層構造全体の無制御な反応をもたらすことなく、数μm、好ましくは5μm超の層厚さの構築が可能になる。
【0024】
Siの繰り返しの堆積及び続く急速アニーリングの利点は、各シークエンスに安定した(「反応中和された(reaction-neutralized)」)層、つまり、続く階層のための中間層(界面)として機能する、閉じた界面を有する階層の形成を伴うことである。このことにより層中の銅の割合が減少し、このためわずか2~3回のシークエンスでは、銅シリサイドを形成する銅-シリコン反応は完了に至らない。銅の割合に勾配が生じ、純シリコンが残って、高い静電容量がもたらされる。このことが達成されるのは、界面を有する層状構造の各階層が、更なる層構築のための拡散バリアの役割を果たすからである。更に、急速アニーリングでは、各層すなわち階層を、個別にアニーリングすることができる。層状構造は層スタックと呼称され層スタックとして理解される場合もある。
【0025】
本発明の方法は、Cuコレクタとシリコンとの間の界面での非常に良好な接着、及び更に非常に良好な電気的転移を達成するための、非常に簡単なプロセスを表す。堆積されるシリコン及び銅製コレクタから来る銅以外には、追加の材料は必要ない。
【0026】
本発明の方法の記載された第1の変形実施例は、特許請求される以下の他の方法ステップと組み合わせて、予備プロセスとして利用することができるが、その理由は、階層ごとに分離される反応のプラスの効果の実例としての、表面の粗化は、更なる層の良好な接着をもたらし、柱状構造の成長が促進され、より優れたイオン伝導性の達成が可能になり、また下流のプロセスでの銅の割合の制御が可能になる。例えば、第1の層は1μmのシリコンから成るものであってもよく、このシリコンは全部が銅基材と反応してCuSix、通常はCu3Siを形成する。このことにより表面の粗化及び銅基材へ良好な接着が引き起こされる。銅基材の一部は確かに消費されるが、本発明の方法は、急速アニーリングでのプロセス・パラメータの選択を通して、反応が制御された様式で進行し、電流コレクタの損失が防止されることを意味する。機械的粗化によって又はシリコン以外の材料によって、続いて銅基材上に作り出される層状構造の強固な接着もまた実現され得る。
【0027】
基材への非常に良好な接着は、電池動作中のリチウムのインターカレーションに起因する体積膨張があった場合に、続いて適用される多階層が破断しないために重要である。安定した電池動作が可能になるのは本発明の方法によってのみである。
【0028】
このことは特許文献1に記載されている方法では実現できない。特許文献1では、1つのシリコン層のみが堆積され、フラッシュ・ランプ・アニーリングを施される。電池用途に必要な最大10μmのSi層厚さが、基材上に1プロセスのステップで堆積され、フラッシュ・ランプによってアニーリングされる。しかしながら、この方法で製造された層はもろく容易に剥がれ落ちて、又は基材の銅と全部が反応して、貯蔵能力のあるシリコンは残らない。
【0029】
本発明の方法の有利な一実施例では、更なるシリコン層の堆積の前に、更なる層-シリコン以外の層-の薄い階層が適用される。この更なる層の薄い階層は、例えば、炭素、金属、金属酸化物、又は金属窒化物であってよく、より詳細には、更なる層の薄い階層は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、及び/又は銅(Cu)である材料のうちの1つで形成され得る。薄い層とは厚さが5~200nmの層である。この厚さは、追加された階層の所望の機能が、製造プロセス、特に急速アニーリングにとって十分であるとみなされる厚さとして定義される。
【0030】
層状シリコン構造の階層中に追加の材料を挿入することには、適用される層と反応するのが銅基材中の銅のごく小さい部分だけであるという利点があるが、このことには良好な接着という特別な効果があり、また更に、堆積された他の層との反応が防止されるので、電流コレクタ中の銅が減少することがない。
【0031】
銅基材材料以外の更なる層の堆積という文脈での、急速アニーリングの効果は、特に銅基材上に追加的に堆積された銅とは、異なることが明らかになっている。その原因は、シリコンに関連する多種多様な化学事象であると考えられている。結果的に、生成されたアノード層に他の構造が、例えば、ニッケルの場合は柱状構造が、又は銅の場合はデンドライトが、形成される可能性がある。デンドライトは樹木状又はブッシュ状の結晶構造である。また-リチウムのインターカレーションのための容量がごくわずかであるか又は全くないCuシリサイドとは対照的な-リチウムをインターカレートする他のシリサイドの形成も可能である。述べられた違いを利用する利点は、このことにより、リチウムのインターカレーションによるシリコンの体積膨張の制御が可能になることである。その結果、電池動作の安定性が大幅に向上する。
【0032】
更なる層の薄い階層としてのニッケルの場合、更なるシリコン層の堆積に先立って、急速アニーリング中に最初にニッケル・シリサイドが形成される。使用される急速アニーリングがフラッシュ・ランプ・アニーリングである場合、0.2ms~20msの間のフラッシュ・ライト持続時間及び0.6J/cm2及び160J/cm2のエネルギー密度を有し得るフラッシュ・ライト・ランプによって、ニッケルが再び銅で置換され、ニッケルは層中に純金属として残る。ニッケル・シリサイドは比較的低密度であるため、比較的低密度のCuシリサイドが形成される。このことにより、Liのインターカレーションに対する補償が強化される。急速アニーリングがレーザによって行われる場合(レーザ・アニーリング)、これは、局所加熱部位の走査速度の設定による0.01~100msの範囲内のアニーリング時間及び0.1~100J/cm2の範囲内のエネルギー密度で、並びに、更に4℃~200℃の範囲内の予熱又は冷却で、実行される。このプロセスはこのms範囲内でしか実現できない非平衡プロセスであるため、フラッシュ・ランプ又はレーザの使用が必要である。
【0033】
フラッシュ・ランプは、好ましくは可視域と赤外域との間の波長域(400nm~800nm)内で放射の主要部分を放出するガス放電ランプから成り、20ms未満の間に約12MWの概算総出力で動作し、試料表面を最高2000℃の温度にすることができる。フラッシュ・ランプ・アニーリングの目的は、金属誘導結晶化とも呼ばれる金属誘導層交換プロセスを促進することである。
【0034】
チタンの場合、Tiシリサイドが形成されるが、これは適正な相ではLiインターカレーション容量を有し得る(非特許文献5を参照)。このことには、Li活性とLi不活性との間に明確な界面が存在せず、その結果、サイクル中であっても良好な電気的接触が存在する、という利点がある。例えばアルミニウムなどの更なる金属が、シリコンと何らかの化合物を形成することがない-つまり、それらはどのようなシリサイドも形成しない。この結果、これらの金属がシリコン中で混合し、導電性が高まる。急速アニーリングのステップでは、硬質の純シリコンと比較して、シリコン-金属層の形態及び硬度において更なる改善が見られる場合がある。
【0035】
炭素は、次の活性層と基材/電流コレクタからの銅との更なる無制御の反応を防止するための、拡散バリアの役割を果たす。活性層とは、中にリチウムをインターカレートできる更なるシリコン層を指す。
【0036】
炭素の利用には、グラファイトの形態の炭素が既にリチウム・イオン電池の製造に利用されており、それを製造プロセスに容易且つ適合可能に組み込むことができるという利点がある。更なる利点は、スパッタリングされた炭素を銅拡散バリアとして使用でき、そのためシリサイドの形成が抑えられることである。炭素にはまた更に、これが非常に軽量であり且つ導電性を有し、リチウムの間に効果的に拡散できるという利点がある。重量、良好な導電性、及びイオン伝導性は、中間層で供される他のすべての金属に対する利点となっている。炭素はまた、化学的に不活性でありまた既に述べたように良好なLi+イオン伝導性を有するので、シリコン/電解質界面における保護層の役割も果たし得る。
【0037】
本発明の方法の更なる実施例では、急速アニーリングの前に、更なるシリコン層上に金属層が堆積される。これまでに述べた特性に加えて、本発明に係るこの変形例では、活性層の表面が金属との反応によって粗化される可能性が存在する。このことにより、イオン伝導性及び/又は電解質-活物質境界層が改善され得る。
【0038】
シリコン層上に追加の金属層を堆積することはしたがって、シリサイド形成反応が銅箔との界面で起こり、更に、上に適用された金属層の界面でも起こるという利点を有する。この結果、銅箔とシリコン層との間の効果的な接着が更に保証され、同時に、銅シリサイドを形成するCuとSiの反応が、上側の金属層によって制御される。金属層は表面導電性を改善し得る。急速充放電の手順で重要なのは、電池の側の高い導電性、及び、Li+イオンが層を効果的に貫通する能力である。したがって、すべての層及び界面が最大限の導電性を有することが必要である。例えば、ドープされた形態のSiは導電性が高いが、電解質及び/又は分解生成物と反応し、その結果SiO2(非常に優れた絶縁体)又はLi4SiO4(Liシリケート)を形成する可能性がある。Liシリケートは非常に優れた絶縁体であり、強い結合がLiの損失をもたらす。したがってこれを、全体的なアノード構築において、例えば非連続/多孔性表面、導電性界面、可溶性/軟質保護層によって防止せねばならない。厳密にはこれは、界面における追加の金属層によって防止可能である。
【0039】
本発明の方法の有利な一実施例では、金属層は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、金(Au)、銀(Ag)、及び/又はタングステン(W)である材料のうちの1つから形成される。利点は上で示したものである。
【0040】
本発明の方法の更なる実施例では、銅基材上での第1のシリコン層の堆積の前に、シリコン以外の、好ましくはニッケル(Ni)及び/又は銅(Cu)の層を堆積させる。このことには第1に、急速アニーリングによって、層が反応する程度の調整が可能であるという利点があり、第2に、銅シリサイドを形成するために電流コレクタの銅は使用されず、代わりに金属シリサイドの形成は、例えばニッケル又は銅などの適用された金属層と、その後堆積された第1のシリコン層との間で、制御された様式で行われる。
【0041】
本発明について、例示的な実施例を参照して以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】放電中のリチウム・イオン・セルの例示的な構造及び機能を示す図である。
【
図2a】リチウム・イオン電池のシリコン・アノードを製造するための本発明の方法の、シリコンによるCu基材の繰り返しのコーティング及び続く急速アニーリングを概略的に表す図である。
【
図2b】リチウム・イオン電池のシリコン・アノードを製造するための本発明の方法の、Cu基材とSi層との間の薄い金属層の堆積を概略的に表す図である。
【
図3a】本発明の方法に従って製造されたSi層系を安定化するための多階層構造の、SEM-SE顕微鏡写真である。
【
図3b】本発明の方法に従って製造されたSi層系を安定化するための多階層構造の、SEM-BSE顕微鏡写真である。
【
図4a】本発明の方法に係る多階層構造の電池動作前の写真である。
【
図4b】本発明の方法に係る多階層構造の200サイクルの電池動作後の写真である。
【
図5】本発明の方法に係る多階層構造の更なる写真である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図2aは、第1の方法の変形例における本発明のステップをフロー図として示す。電流コレクタの役割を同時に果たす基材を、プラズマ雰囲気中の真空条件下で前洗浄にかける。続いてスパッタリング又は蒸着などの物理気相成長法によって、シリコン階層の構築が行われる。これには、Si層10を順次適用し、フラッシュ・ランプ・アニーリングなどの急速アニーリング11によって階層を安定化することが含まれる。繰り返しのSi堆積12及び続く急速アニーリングの利点は、シークエンスごとに、続く階層のための中間層(界面)として機能する、閉じた界面を有する安定した(「反応中和された」)層が形成されることである。
【0044】
図2bは、第2の方法の変形例における本発明のステップをフロー図として示す。電流コレクタの役割を同時に果たす基材を、プラズマ雰囲気中の真空条件下で前洗浄にかける。シリコン階層の構築は続いて、物理気相成長法、例えばスパッタリング及び/又は蒸着、並びに、シリコン以外の更なる層の薄い階層の適用によって行われる。これには、Si層10と、別の材料、例えば炭素、金属、金属酸化物、金属窒化物、又は銅の、薄い階層13とを、最初のシリコン層上又は更なるシリコン層上のいずれかに最初に適用し、この階層を急速アニーリング11によって安定化することが含まれる。繰り返しのSi堆積12、及び追加の更なる層、及び更なる続く急速アニーリングの利点は、例えばチタンの場合Tiシリサイドが形成され、これが適正な相ではLiのインターカレーション能力を有し得ることである。このことには、Li活性とLi不活性との間に明確な界面が存在せず、その結果、電池動作中であっても良好な電気的接触が存在する、という利点がある。例えばアルミニウムなどの更なる金属が、シリコンと何らかの化合物を形成することがない-つまり、それらはどのようなシリサイドも形成しない。この結果、これらの金属がシリコン中で混合し、導電性が高まる。アニーリングのステップでは、硬質の純シリコンと比較して、シリコン-金属層の形態及び硬度において更なる改善が見られる場合がある。
【0045】
Siの繰り返しの堆積及び続く急速アニーリングの利点は、各シークエンスに層中の銅の割合の減少が伴うことであり、このため、わずか2~3回のシークエンスでは、銅シリサイドを形成する銅-シリコン反応は完了に至らず、純シリコンが残る。このことが達成されるのは、界面を有する各層スタックが、更なる層構築のための拡散バリアの役割を果たすからである。更に、急速アニーリングでは、各層を個別にアニーリングすることができる。
【0046】
本発明の方法は、Cuコレクタとシリコンとの間の界面での非常に良好な接着、及び更に非常に良好な電気的転移を達成するための、非常に簡単なプロセスを表す。堆積されるシリコン及び銅製コレクタから来る銅以外には、追加の材料は必要ない。このため、従来の方法で製造されたリチウム電池に比べて、電池容量を更に高めることができる。続く急速アニーリングを伴う更なるシリコン層の堆積は、層状シリコン構造のための更なる層の薄い階層の堆積と組み合わせて予備プロセスとして利用することができるが、その理由は、表面の粗化の結果更なる層の良好な接着がもたらされ、柱状構造の成長が促進され、より優れたイオン伝導性の達成が可能になり、また下流のプロセスでの銅の割合の制御が可能になる。
【0047】
図3は、本発明の方法に従って製造された多階層構造の2枚の走査型電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)の顕微鏡写真を示す。
図3aは、SEM-SE顕微鏡写真(SE:secondary electron-二次電子)を示しており、銅基材14上には例えば1μmの厚さのシリコン層が適用されているが、この層は急速アニーリング、より詳細にはフラッシュ・ランプ・アニーリングの結果として成長したものであり、銅基材は接着層15としての完全に反応中和されたCuSi
xの薄く粗い非活性層となっており、この上に、シリコン17と銅18が交互に堆積しており個々の階層が急速アニーリングによって安定化している多階層構造16によって形成されている、活性層が堆積されている。銅層は層状構造の接着を著しく向上させる。
図3bのSEM-BSE顕微鏡写真(BSE:backscattered electron-後方散乱電子)では、銅層は明るい色のストライプとして認識可能である。活性層(多階層構造16)の層厚は、例えば6μmに達し得る。2000mAh/gではこれは2.4mAh/cm
2の静電容量に相当する。接着層15の機能はまた、表面の機械的粗化によって又はシリコン以外の材料によっても実現され得る。
【0048】
図4aは本発明の方法に係る多階層構造16の電池動作前の写真を示しており、
図4bは200サイクルの電池動作後の同じ多階層構造16を示している。銅基材14上に接着層15として銅シリサイドが適用されているが、この銅シリサイドは、堆積されたシリコン層と銅基材の銅とから、加速アニーリング、特にフラッシュ・ランプ・アニーリングの結果形成されており、この層は基板の粗化をもたらす。その上には、3階層のシリコン17と2階層の銅18とで構成される多階層構造16が堆積されており、各中間層(Si及びCu)は急速アニーリングによって安定化している。また急速アニーリングは、わずか2つ(又はそれ以上)のシリコン階層ごとに必要な場合もある。例えば、第1のステップでは、Si-Cu-Siの多階層構造を堆積させ、これに急速アニーリングを施し、続いてCu及びSiの更なる階層を堆積させ、今度はこれに急速アニーリングを施す。本発明の方法には非常に多様性がある。フラッシュ/レーザ処理の頻度が少ないほど、及びそれに対応して節約されたエネルギーの量が多いほど、プロセス全体の費用対効果は高くなる。200サイクルの電池動作後であっても多階層構造16は維持されており、認識可能である。表面は滑らかで安定している。本発明の方法では、アノード用に厚さ10μmの安定した活性層を作り出すことができるが、これは2000mAh/gで4mAh/cm
2の電池セル静電容量に相当する。
【0049】
図5は本発明の方法で製造された更なる多階層構造16を示す。明確に認識できるのは、銅基材14、CuSi
x接着剤層15、判別不可能な厚さ5nmの炭素層、及び銅の階層18と交互に配される、シリコンの5つの階層17である。新たに適用される各銅階層18の厚さは、上部に向かって厚くなる。急速アニーリングは、パルス持続時間1msで行われ、階層0、3、及び5の後でエネルギーを変えながら合計3回のフラッシュが行われた。一番下の階層では急速アニーリングで投入したエネルギーによってCuとSiの全部が反応してCuSi
xが形成され、上の階層ではCuとSiが部分的に十分に反応してCuSi
xが形成されるように、投入されるエネルギーが選択された。
【符号の説明】
【0050】
1 リチウム・イオン電池
2 アノード側コレクタ
3 SEI-固体電解質界面相
4 電解質
5 セパレータ
6 導電性界面相、CEI-カソード-電解質界面相
7 カソード、正電極
8 カソード側コレクタ
9 アノード、負電極
10 Si層のスパッタリング
11 急速アニーリング、例えば、フラッシュ・ランプ・アニーリング又はレーザ・アニーリング
12 プロセスのステップの繰り返し
13 追加の材料のスパッタリング
14 銅基材
15 接着層
16 多階層構造
17 シリコン階層、更なるシリコン階層
18 銅階層
19 更なる階層
20 金属層
【国際調査報告】