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特表2024-528813偏電効果を用いたオムニアンテナ及びこれを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】偏電効果を用いたオムニアンテナ及びこれを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システム
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20240725BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20240725BHJP
   H01Q 21/29 20060101ALI20240725BHJP
   H04W 4/029 20180101ALI20240725BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240725BHJP
   G01S 5/14 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q21/06
H01Q21/29
H04W4/029
H04W64/00 140
H04W64/00 173
G01S5/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501165
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 KR2022010947
(87)【国際公開番号】W WO2023008871
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0097937
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524010239
【氏名又は名称】ソーウェーブ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シン チョンウ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J021AA01
5J021AA02
5J021AA04
5J021AA09
5J021AA11
5J021AB06
5J021CA03
5J021FA32
5J021GA07
5J021GA08
5J021HA05
5J045AA05
5J045AA21
5J045DA10
5J045FA01
5J045FA02
5J045HA03
5J045NA03
5J062AA09
5J062BB05
5J062CC15
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ53
(57)【要約】
本発明は、偏電効果を用いたパッチアンテナを改良して電波の放射方向が360°全方向の正円形に放射されるようにすることにより、開豁地サービスを円滑化し、電波の散乱を抑制して長距離および障害物克服の特性に優れるようにしたオムニアンテナを製作するとともに、該オムニアンテナを用いて通信が行われる端末の位置を極めて正確に把握可能にすることで、端末の位置及び移動経路に対するビッグデータの収集を正確かつ容易にした、偏電効果を用いたオムニアンテナ及びこれを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システムに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引込線路から入る線路ラインを0°位相線路と180°位相線路とに分離し、0°および180°の位相点にそれぞれ給電ピンを貫設して前面及び背面にラジエータ用の前面誘電体基板と背面誘電体基板とを一定の間隔を維持しながら接点固定する線路基板と、
前記線路基板の給電ピンにより前面と背面に固定されており、前記給電ピンから給電された0°位相信号および180°位相信号を全方向の正円形に放射する前面誘電体基板および背面誘電体基板と、
を含むことを特徴とする、偏電効果を用いたオムニアンテナ。
【請求項2】
前記線路基板と前記前面誘電体基板及び背面誘電体基板との間の間隔は、λ/2以内であることを特徴とする、請求項1に記載の偏電効果を用いたオムニアンテナ。
【請求項3】
前記線路基板は、
入力引込線路と、
前記引込線路を2分配する2分配線路と、
前記2分配線路の一側線路に入力された信号の0°位相信号を生成するために形成された0°位相線路と、
前記2分配線路の他側線路に入力された信号の180°位相信号を生成するために形成された180°位相線路と、
前記0°位相線路で生成される0°位相点に形成される第1の位相孔と、
前記180°位相線路で生成される180°位相点に形成される第2の位相孔と、
前記第1の位相孔及び第2の位相孔に挿入固定されて0°位相信号および180°位相信号を前面誘電体基板および背面誘電体基板に給電する第1の給電ピン及び第2の給電ピンと、
で構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の偏電効果を用いたオムニアンテナ。
【請求項4】
前記前面誘電体基板および背面誘電体基板は、基板部と、前記基板部の中央部位に形成された金属板部と、前記金属板部に一定の間隔を維持して形成される第1のピン孔及び第2のピン孔とで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の偏電効果を用いたオムニアンテナ。
【請求項5】
前記給電ピンは、第1の給電ピンおよび第2の給電ピンで構成され、前記前面誘電体基板及び背面誘電体基板を線路基板に物理的に支持する柱の役割と、信号を伝達する線路の役割とを同時に遂行することを特徴とする、請求項1に記載の偏電効果を用いたオムニアンテナ。
【請求項6】
オムニアンテナは、線路基板に分配器を用いて2分配または4分配、または、それ以上に分配し、分配された信号を0°位相線路および180°位相線路に2つ又は4つ、またはそれ以上に配置して、各位相点に前面誘電体基板および背面誘電体基板のアレイを2つまたは4つ、あるいはそれ以上に増やしながら電界の放射パターンを広くしてアンテナ利得を高めることを特徴とする、請求項1に記載の偏電効果を用いたオムニアンテナ。
【請求項7】
オムニアンテナが適用された無線WiFi共有器であって、無線電波信号を全方向の正円形に放射する特徴を有し、端末部と通信を行い、特にビーコン信号に応答する端末の信号を受信して制御部へ伝送し、三角測量方式を用いて当該端末の位置を確認できるように一定した空間に複数個で設置されるWiFiAP部と、
前記WiFiAP部と無線通信し、WiFiAP部のビーコン信号に対する応答信号を出力する端末部と、
前記WiFiAP部から入力された端末部のビーコン応答信号を取りまとめてデータ分析システムに伝送する制御部と、
前記制御部を介して入力された端末の位置座標を通じて端末の位置及び移動経路に対するビッグデータを収集し、これを利用した流動人口の変化などの情報を生成するデータ分析サーバと、
を含み、
前記WiFiAP部のビーコン信号に応答する端末の信号を受信する第1の過程と、
前記第1の過程で受信された端末のビーコン応答信号を三角測量方式を用いて当該端末の距離座標を算出する第2の過程と、
前記第2の過程で算出された端末の位置情報を連続的に計算し、当該端末の時間別の移動経路を算出する第3過程と、
前記第2の過程で算出された端末の位置情報を利用して、流動人口変化の特性に対するビッグデータを生成する第4過程と、を順次に遂行することを特徴とする、偏電効果オムニアンテナを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システム。
【請求項8】
前記第4過程は、
WiFiAP部が設置された地域内の全ての端末の位置を算出する第1段階と、
前記第1段階の後、一定面積の空間別端末の数を算出する第2段階と、
前記第2段階で算出された端末の数を色の変化で図式化する第3段階と、
前記第3段階を通じて空間上の端末の分布に対する密度および時間別密度の変化による流動人口の変化の特性のビッグデータを算出する第4段階と、を含むことを特徴とする、請求項7に記載の偏電効果オムニアンテナを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏電効果を用いたパッチアンテナを改良して電波の放射方向が360°全方向の正円形に放射されるようにすることにより、開豁地サービスを円滑化し、電波の散乱を抑制して長距離および障害物克服の特性に優れるようにしたオムニアンテナを製作するとともに、該オムニアンテナを用いて通信が行われる端末の位置を極めて正確に把握可能にすることで、端末の位置及び移動経路に対するビッグデータの収集を正確かつ容易にした、偏電効果を用いたオムニアンテナ及びこれを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のような偏電(Electro-polarization)効果とは、本発明者によって開示された、導体に流れる電流の方向を制御する方法であって、これをパッチアンテナに適用した韓国登録特許10-1017690号公報(偏電効果とその応用)を、図1を参照して説明する。
【0003】
前記偏電効果を用いたアンテナは、図1に示すように、所定の大きさのラジエータ用の第1の誘電体基板10上に印刷あるいはエッチング法により、金属板11を形成し、ラジエータ用の第1の誘電体基板10の下方に線路用の第2の誘電体基板20を配置し、線路用の第2の誘電体基板20の下に複数の入力信号をポート1,2(29,30)で受けて各入力信号を「+」と「-」の両信号に位相を分離する位相分離ストリップ線路を形成して両誘電体基板10,20の間をスルーホールや接続用ピン32で接続すると、金属板11上の複数の入力信号は、電流の方向が相異なるのでアイソレーション効果が発生して入力信号間の干渉現象がなく、金属板11から全て電波として放射されるパッチアンテナのような効果が発生する。
【0004】
前記方式を利用して、複数の通信回路を、偏電効果を用いたアンテナに接続すると、各通信回路からの信号は、いずれもアンテナを介して放射され、各通信回路から出る信号は、ラジエータ用の第1の誘電体基板10の金属板11から全て放射され、各入力ポート間のアイソレーション効果が発生し、互いに異なる入力ポートに信号が伝達されず、ラジエータ用の第1の誘電体基板10上の金属板11に沿ってパッチアンテナのように電波に変換されて発散される現象が生じる。
【0005】
かかる偏電効果を通信回路に利用すれば、通信回路および通信機の構成時に必ずしも必要な出力部のフィルタデュプレックス、アイソレータ等の受動素子を用いなくてもよいという長所があり、このような受動素子で発生する損失を減らして通信機の性能を高めることができ、前記受動素子を省略するため、コスト節減及び軽量化された通信機を具現することができる。
【0006】
このような従来の偏電効果を用いたパッチアンテナは、電波の放射方向がパッチの特定の方向にのみ放射されたが、本発明者は、電波の放射方向が360°全方向の正円形に放射されるようにすることにより、開豁地サービスを円滑化し、偏電効果の特性を得て電波の散乱を抑制して長距離および障害物克服の特性に優れるようにするとともに、これらアンテナを複数個配設されたアンテナとの間に位置した端末の位置把握を正確にすることができ、端末の位置及び移動経路関連ビッグデータ収集を正確に且つ円滑に行うことができるようにした本発明を完成するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記した背景の下に案出されたもので、本発明の目的は、偏電効果を用いたパッチアンテナを改良して電波の放射方向が360°全方向の正円形に放射されるようにすることにより、開豁地サービスを円滑化し、電波の散乱を抑制して長距離および障害物克服の特性に優れるようにした偏電効果を用いたオムニアンテナを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、偏電効果を用いたオムニアンテナを用いて通信が行われる端末の位置を極めて正確に把握することができるようにして、端末の位置及び移動経路に対するビッグデータの収集を正確かつ容易にした端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するための本発明は、引込線路から入る線路ラインを0°位相線路と180°位相線路とに分離し、0°および180°の位相点にそれぞれ給電ピンを貫設して前面及び背面にラジエータ用の前面誘電体基板と背面誘電体基板とを一定の間隔を維持しながら接点固定する線路基板と、前記線路基板の給電ピンにより前面と背面に固定されており、前記給電ピンから給電された0°位相信号および180°位相信号を全方向の正円形に放射する前面誘電体基板および背面誘電体基板と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明によれば、前記線路基板と前記前面誘電体基板及び背面誘電体基板との間の間隔は、λ/2以内であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明によれば、前記線路基板は、入力引込線路と、前記引込線路を2分配する2分配線路と、前記2分配線路の一側線路に入力された信号の0°位相信号を生成するために形成された0°位相線路と、前記2分配線路の他側線路に入力された信号の180°位相信号を生成するために形成された180°位相線路と、前記0°位相線路で生成される0°位相点に形成される第1の位相孔と、前記180°位相線路で生成される180°位相点に形成される第2の位相孔と、前記第1の位相孔及び第2の位相孔に挿入固定されて0°位相信号および180°位相信号を前面誘電体基板および背面誘電体基板に給電する第1の給電ピン及び第2の給電ピンと、で構成されたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明によれば、前記前面誘電体基板および背面誘電体基板は、基板部と、前記基板部の中央部位に形成された金属板部と、前記金属板部に一定の間隔を維持して形成される第1のピン孔及び第2のピン孔と、で構成されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明によれば、前記給電ピンは、第1の給電ピンおよび第2の給電ピンで構成され、前記前面誘電体基板及び背面誘電体基板を線路基板に物理的に支持する柱の役割と、信号を伝達する線路の役割とを同時に遂行することを特徴とする。
【0014】
また、本発明によれば、オムニアンテナは、線路基板に分配器を用いて2分配または4分配、または、それ以上に分配し、分配された信号を0°位相線路および180°位相線路に2つ又は4つ、またはそれ以上に配置して、各位相点に前面誘電体基板および背面誘電体基板のアレイを2つまたは4つ、あるいはそれ以上に増やしながら電界の放射パターンを広くしてアンテナ利得を高めることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、オムニアンテナが適用された無線WiFi共有器であって、無線電波信号を全方向の正円形に放射する特徴を有し、端末部と通信を行い、特にビーコン信号に応答する端末の信号を受信して制御部へ伝送し、三角測量方式を用いて当該端末の位置を確認できるように一定した空間に複数個設置されるWiFiAP部と、前記WiFiAP部と無線通信し、前記WiFiAP部のビーコン信号に対する応答信号を出力する端末部と、前記WiFiAP部から入力された端末部のビーコン応答信号を取りまとめてデータ分析システムに伝送する制御部と、前記制御部を介して入力された端末の位置座標を通じて端末の位置及び移動経路に対するビッグデータを収集し、これを利用した流動人口の変化などの情報を生成するデータ分析サーバと、を含み、
前記WiFiAP部のビーコン信号に応答する端末の信号を受信する第1の過程と、前記第1の過程で受信された端末のビーコン応答信号を三角測量方式を用いて当該端末の距離座標を算出する第2の過程と、前記第2の過程で算出された端末の位置情報を連続的に計算し、当該端末の時間別の移動経路を算出する第3過程と、前記第2の過程で算出された端末の位置情報を利用して、流動人口の変化の特性に対するビッグデータを生成する第4過程とを順次に遂行することを特徴とする。
【0016】
また、本発明によれば、前記第4過程は、WiFiAP部が設置された地域内の全ての端末の位置を算出する第1段階と、前記第1段階の後、一定面積の空間別端末の数を算出する第2段階と、前記第2段階で算出された端末の数を色の変化で図式化する第3段階と、前記第3段階を通じて空間上の端末の分布に対する密度および時間別密度の変化による流動人口の変化の特性のビッグデータを算出する第4段階と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
このように本発明のオムニアンテナは、従来の偏電効果を用いたパッチアンテナから放射される電波方向を特定方向に放射されていたものを、360°全方向の正円形に放射されるようにすることで、全方向に平坦な放射特性を有する完璧なオムニ特性を維持しながらも偏電効果の特性をそのまま生かして空気中への散乱現象を減らすことができる。
【0018】
したがって、本発明のオムニアンテナは、長距離通信が可能であるとともに、雨、霧、埃などで発生される散乱現象を防ぐことができ、都心での看板や施設物などの障害物に対する散乱現象も防ぐことができるので、安定した無線通信環境を構築することができるという効果が得られる。
【0019】
また、本発明は、全方向に平坦な放射特徴を有するオムニアンテナを空間上に複数配置し、それと通信する端末の信号は、距離に応じた変化の特性が非常に安定した特性を有しているので、三角測量方式による端末の位置計算の結果における、端末の位置信頼性を高める。
【0020】
また、本発明は、端末の連続的な位置計算の蓄積を通じて端末の移動経路を確認することができ、複数の端末の位置を連続的に計算することによって端末の移動経路と流動人口分析システムの活用が可能であり、端末を保有した者の移動経路のようなビッグデータの抽出及び分析が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、従来の偏電効果を用いたパッチアンテナの構成図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態による偏電効果を用いたオムニアンテナであって、(a)は、側面構成図、(b)は、前面及び背面誘電体基板の正面図、(c)は、線路基板の正面図、(d)は正面図である。
図3】前記図2の3D放射パターン、2D水平パターン、3D垂直パターンのグラフ及び利得を示す図である。
図4図4は、本発明の第2の実施形態による偏電効果を用いた2段オムニアンテナであって、(a)は、側面構成図、(b)は、前面及び背面誘電体基板の正面図、(c)は、線路基板の正面図、(d)は正面図である。
図5図5は、前記図4の3D放射パターン、2D水平パターン、3D垂直パターンのグラフ及び利得を示す図である。
図6図6は、本発明の第3実施形態による偏電効果を用いた4段オムニアンテナであって、(a)は、側面構成図、(b)は、前面及び背面誘電体基板の正面図、(c)は、線路基板の正面図、(d)は正面図である。
図7図7は、前記図6の3D放射パターン、2D水平パターン、3D垂直パターンのグラフ及び利得を示す図である。
図8図8は、本発明によるオムニアンテナを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システムのブロック図である。
図9図9は、本発明によるオムニアンテナを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システムの制御手順を示す図である。
図10図10は、前記図9の流動人口変化データ算出過程の詳細な制御手順を示す図である。
図11図11は、本発明によって街頭に設置されたオムニアンテナを接続したWiFiAP部とサービス面積の算出画面を示す図である。
図12図12は、本発明によって街頭に設置されたWiFiAP部から計算された端末の移動経路追跡結果算出画面を示す図である。
図13図13は、本発明によって街頭に設置されたオムニアンテナを接続したWiFiAP部から抽出された端末の流動人口分布分析およびビッグデータ抽出結果算出画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0023】
まず、各図面の構成要素に符号を付加するにおいて、同一の構成要素に限っては、たとえ他の図面上に表示されてもなるべく同一の符号を付してあることに留意されたい。そして、本発明を説明するにおいて、関連した公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を無駄に濁らす恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0024】
図2は、本発明の第1の実施形態による偏電効果を用いたオムニアンテナであって、(a)は、側面構成図、(b)は、前面及び背面誘電体基板の正面図、(c)は、線路基板の正面図、(d)は正面図である。
【0025】
同図に示したように、本発明の偏電効果を用いたオムニアンテナ100は、
引込線路から入る線路ラインを0°位相線路と180°位相線路とに分離し、0°および180°の位相点にそれぞれ給電ピンを貫設して前面及び背面にラジエータ用の前面誘電体基板120と背面誘電体基板130とを一定の間隔を維持しながら接点固定する線路基板110と、前記線路基板110の給電ピンにより前面と背面に固定されており、前記給電ピンから給電された0°位相信号および180°位相信号を全方向の正円形に放射する前面誘電体基板120および背面誘電体基板130と、を含むことを特徴とする。
【0026】
前記給電ピンは、第1の給電ピン117および第2の給電ピン118で構成され、前記前面誘電体基板120及び背面誘電体基板130を線路基板110に物理的に支持する柱の役割と、信号を伝達する線路の役割とを同時に遂行することを特徴とする。
【0027】
前記線路基板110は、図2の(c)に示したように、入力引込線路111と、前記引込線路111を2分配する2分配線路112と、前記2分配線路112の一側線路に入力された信号の0°位相信号を生成するために形成された0°位相線路113と、前記2分配線路112の他側線路に入力された信号の180°位相信号を生成するために形成された180°位相線路114と、前記0°位相線路113で生成される0°位相点に形成される第1の位相孔115と、前記180°位相線路114で生成される180°位相点に形成される第2の位相孔116と、前記第1の位相孔115及び第2の位相孔116に挿入固定されて0°位相信号および180°位相信号を前面誘電体基板120および背面誘電体基板130に給電する第1の給電ピン117及び第2の給電ピン118と、で構成されたことを特徴とする。
【0028】
前記前面誘電体基板120は、基板部121と、前記基板部121の中央部位に形成された金属板部122と、前記金属板部122に一定の間隔を維持して形成される第1のピン孔123及び第2のピン孔124と、で構成される。
【0029】
前記背面誘電体基板130の構成も、前面誘電体基板120の構成と同様であり、前記第1のピン孔123,133及び第2のピン孔124,134には、線路基板110の第1の給電ピン117および第2の給電ピン118が挿入された後、半田付け固定されるように構成される。
【0030】
また、前記線路基板110と前面誘電体基板120および背面誘電体基板130との間の間隔は、給電ピンの高さを調節して間隔を決定し、その間隔はλ/2以内とする。
【0031】
このように構成されたオムニアンテナ100は、基板110を中心として前面誘電体基板120から放射される電界は、背面誘電体基板130から放射される電界と同位相をなし、前面誘電体基板120から発生される電波と背面誘電体基板130から発生される電波とが同一の閉ループ構造をなして一つの位相を有する電界ループを形成する。
【0032】
このように前記線路基板110を中心に前面誘電体基板120と背面誘電体基板130との間で閉ループに形成された電界は、正円形のトロイダル構造の電界が発生し、該電界を中心に鎖状に形成される磁界は、正円形の構造の磁場閉ループを作るようになり、その結果、合成される電波は完全な同心円の電波として合成され、各放射角0°~360°の間の放射される電波は、その角度別の大きさが完全な正円形に製作されるようになる。
【0033】
このように作られた正円形状の放射パターンで発生したアンテナの放射角に応じた放射パターンおよびアンテナ利得は、図3のアンテナ放射パターンの結果のように、0°~360°のいずれも同一の放射パターンと利得を有するようになる。
【0034】
図4は、本発明の第2の実施形態による偏電効果を用いた2段オムニアンテナであって、(a)は、側面構成図、(b)は、前面及び背面誘電体基板の正面図、(c)は、線路基板の正面図、(d)は正面図である。
【0035】
同図に示したように、本発明の第2の実施形態による偏電効果を用いた2段オムニアンテナ200は、
基板の引込線路から入る線路ラインを0°位相線路と180°位相線路とに分離し、0°および180°の位相点にそれぞれ給電ピンを貫設して前面及び背面にラジエータ用前面誘電体基板220と背面誘電体基板230を一定の間隔を維持しながら接点固定され、前記引込線路に分岐線路をさらに形成して、0°位相線路および180°位相線路を追加し、給電ピンを介してこれに対応する第2の前面誘電体基板220’と第2の背面誘電体基板230’をさらに形成する線路基板210と、
前記線路基板210の給電ピンにより前面と背面に一定の間隔を置いて固定され、前記給電ピンから給電された0°位相信号および180°位相信号を全方向の正円形に放射する前面誘電体基板220及び第2の前面誘電体基板220’と、背面誘電体基板130および第2の背面誘電体基板230’を含む。
【0036】
前記給電ピンは、第1の給電ピン117及び第2の給電ピン118と、第3給電ピン117’および第4給電ピン118’とから構成される。
【0037】
前記線路基板210は、図4(c)に示すように、入力引込線路211と、前記引込線路211を分割する分配線路219と、前記分配線路219の一側線路を2分配する2分配線路212と、前記2分配線路212の一側線路に入力された信号の0°位相信号を生成するために形成された0°位相線路213と、前記2分配線路212の他側線路に入力された信号の180°位相信号を生成するために形成された180°位相線路214と、前記0°位相線路213で生成される0°位相点に形成される第1の位相孔215と、前記180°位相線路214で生成される180°位相点に形成される第2の位相孔216と、前記第1の位相孔215及び第2の位相孔216に挿入固定されて0°位相信号および180°位相信号を前面誘電体基板220および背面誘電体基板230に給電する第1の給電ピン217及び第2の給電ピン218と、前記分配線路219の他側線路を2分配する第2の2分配線路212’と、前記第2の2分配線路212’の一側線路に入力された信号の0°位相信号を生成するために形成された第2の0°位相線路213’と、前記第2の2分配線路212’の他側線路に入力された信号の180°位相信号を生成するために形成された第2の180°位相線路214’と、前記第2の0°位相線路213’で生成される0°位相点に形成される第3の位相孔215’と、前記第2の180°位相線路214’で生成される180°位相点に形成される第4の位相孔216’と、前記第3の位相孔215’及び第4の位相孔216’に挿入固定されて0°位相信号および180°位相信号を第2の前面誘電体基板220’及び第2の背面誘電体基板230’に給電する第3給電ピン217’及び第4給電ピン218’とで構成される。
【0038】
このように構成される2段オムニアンテナ200は、電界の放射パターンを広くしてアンテナ利得を高めることになり、アンテナの放射角度に応じた放射パターンおよびアンテナ利得は、図5の通りである。
【0039】
本発明は、図6の第3の実施の形態と同様に、偏電効果を用いた4段オムニアンテナで構成してもよい。
【0040】
前記4段オムニアンテナ300は、線路基板310に分配器を用いて4分配し、分配された信号を0°位相線路および180°位相線路に4つ配置し、各位相点に前面誘電体基板320及び背面誘電体基板330のアレイを4つとし、電界の放射パターンを広くしてアンテナ利得を高めることを特徴とする。その特性は図7の通りである。
【0041】
すなわち、本発明のオムニアンテナは、線路基板に分配器を用いて2分配又は4分配、又はそれ以上に分配し、分配された信号を0°位相線路と、180°位相線路に2つまたは4つ、または、それ以上に配置して各位相点に前面誘電体基板及び背面誘電体基板のアレイを2つまたは4つ、またはそれ以上に増やしながら電界の放射パターンを広くしてアンテナ利得を高めることを特徴とするものである。
【0042】
図8は、本発明によるオムニアンテナを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システムのブロック図である。
【0043】
同図に示したように、本発明によるオムニアンテナを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システムは、
WiFiAP部10、端末部20、制御部30、及びデータ分析サーバ40を含む。
【0044】
前記WiFiAP部10は、本発明のオムニアンテナ100が適用された無線WiFi共有器であって、無線電波信号を全方向の正円形に放射するという特徴を有し、端末部20との通信を行い、特にビーコン信号に応答する端末の信号を受信して制御部30に送信する。
【0045】
また、WiFiAP部10は、三角測量方式を適用して端末の位置を確認できるように、一定の空間に複数個設けられる。
【0046】
前記端末部20は、WiFiAP部10と無線通信し、スマートフォンを含む様々な形態の無線端末のうちのいずれか1つとすることができ、WiFiAP部10のビーコン信号に対する応答信号を出力する。
【0047】
前記制御部30は、WiFiAP部10から入力された端末部20のビーコン応答信号を取りまとめてデータ分析サーバ40に伝送する。
【0048】
前記データ分析サーバ40は、前記制御部30を介して入力された端末の位置座標を通じて端末の位置及び移動経路に対するビッグデータを収集し、これを利用した流動人口変化等の情報(ビッグデータ)を生成することができるように構成される。
【0049】
図9は、本発明によるオムニアンテナを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システムの制御手順を示す図である。
【0050】
WiFiAP部10のビーコン信号に応答する端末の信号を受信する第1の過程S10と、前記第1の過程S10において受信された端末のビーコン応答信号を三角測量方式を用いて当該端末の距離座標を算出する第2の過程S20と、前記第2の過程で算出された端末の位置情報を連続的に計算し、当該端末の時間別の移動経路を算出する第3過程S30と、前記第2の過程で算出された端末の位置情報を利用して、流動人口変化の特性に対するビッグデータを生成する第4過程S40と、を含む。
【0051】
ここで、前記第4過程S40は、WiFiAP部10が設置された地域内の全ての端末の位置を算出する第1段階S41と、前記第1段階の後、一定面積の空間別端末の数を算出する第2段階S42と、前記第2段階で算出された端末の数を色の変化で図式化する第3段階S43と、前記第3段階を通じて空間上の端末の分布に対する密度および時間密度の変化に応じた流動人口の変化の特性のビッグデータを算出する第4段階S44とで構成される。
【0052】
このように構成された本発明によるオムニアンテナを用いた端末の位置確認及び移動経路に対するビッグデータ収集システムの動作を説明すると、
【0053】
まず、オムニアンテナ100をWiFiAP部10に設置し、正円形の放射パターンを有するWiFiAP部10を図11に示すように空間上に配置する。
【0054】
前記WiFiAP部10は、一定の時間間隔でビーコン信号を発生するようになり、これに応答して、受信される端末の信号は、WiFiAP部10を介して制御部30に入力される。
【0055】
前記制御部30に入力される端末の信号は、各WiFiAP部10の放射パターンとは変わらず、単に端末と絶対座標を有するWiFiAP部10との間の距離ファクタによる信号の大きさの変化を得ることができるようになる。
【0056】
したがって、データ分析サーバ40は、これを三角測量方式による距離を計算すると、端末の位置を正確に相対座標として計算できるようになる。
【0057】
このように生成された端末の位置情報を連続的に計算し、端末の時間別移動経路を算出することができるようになり、これを図12のように図式化して端末の移動経路を確認することができるようになる。
【0058】
また、図11に示すように、WiFiAP部10が設置された地域内の全ての端末の位置を計算して、一定面積の空間別端末の数を計算し、その数の色の変化で図式化して図7のように、空間上の端末分布に対する密度および時間密度の変化に応じた流動人口の変化の特性のビッグデータが得られるようになるものである。
【0059】
以上のように、本発明のオムニアンテナは、従来の偏電効果を用いたパッチアンテナから放射される電波方向を特定方向に放射されていたものを、360°全方向の正円形に放射されるようにすることで、全方向に平坦な放射特性を有する完璧なオムニ特性を維持しながらも偏電効果の特性をそのまま生かして空気中への散乱現象を減らすことにより、本発明のオムニアンテナは、長距離通信が可能であるとともに、雨、霧、埃などで発生される散乱現象を防ぐことができ、都心での看板や施設物などの障害物に対する散乱現象も防ぐことができるので、安定した無線通信環境を構築することができるという効果が得られる。
【0060】
また、本発明は、全方向に平坦な放射特徴を有するオムニアンテナを空間上に複数配置し、それと通信する端末の信号は、距離に応じた変化の特性が非常に安定した特性を有しているので、三角測量方式による端末の位置計算結果における、端末の位置信頼性を高める。
【0061】
また、本発明は、端末の連続的な位置計算の蓄積を通じて端末の移動経路を確認することができ、複数の端末の位置を連続的に計算することによって端末の移動経路と流動人口分析システムの活用が可能であり、端末を保有した者の移動経路のようなビッグデータ抽出及び分析が可能となるのである。
【0062】
以上では本発明に対する限定された実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、多様な実施形態が予想されることに当業者は留意すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】