(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】植物ベースの毛髪繊維
(51)【国際特許分類】
A41G 3/00 20060101AFI20240725BHJP
D01F 2/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A41G3/00 C
D01F2/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502435
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022037112
(87)【国際公開番号】W WO2023287973
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524018899
【氏名又は名称】アジャ・ラブス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【氏名又は名称】寺地 拓己
(74)【代理人】
【識別番号】100220098
【氏名又は名称】宮脇 薫
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,メアリー・エレン
(72)【発明者】
【氏名】デイビス,アシュリー・ニコル
【テーマコード(参考)】
4L035
【Fターム(参考)】
4L035FF01
(57)【要約】
毛髪繊維ならびにその作製および使用方法を本明細書中に提供する。一観点において、コア繊維(例えば、セルロース系コア繊維)、外側コーティング、および栄養成分を含む毛髪繊維を、本明細書中に提供する。栄養成分は、粒子を含む担体ビヒクル中で毛髪繊維に加えることができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア繊維:
コア繊維に関連付けられた外側コーティング;および
外側コーティングに関連付けられた栄養成分;
を含む、毛髪繊維。
【請求項2】
外側コーティングが、コア繊維に固着される表面修飾を含む、請求項1に記載の毛髪繊維。
【請求項3】
外側コーティングが、コア繊維に固着される材料を含む、請求項1に記載の毛髪繊維。
【請求項4】
外側コーティングが表面修飾をさらに含む、請求項3に記載の毛髪繊維。
【請求項5】
コアが表面修飾を含む、請求項3または4に記載の毛髪繊維。
【請求項6】
表面修飾が、カルボン酸、アセテート、アセテートブチレート、カルバメート、カルボキシレート、ヒドロキシル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、エポキシド、アミン、アミド、ニトレート、ニトライト、ニトリル、ニトロ、ニトロソ、イミン、アゾ、チオール、スルフィド、ジスルフィド、スルホキシド、スルフィン酸、スルホン酸、スルホン酸エステル、チアール、チオケトン、およびホスフィンからなる群より選択される1以上の表面接近性末端基を含む、請求項2、4または5のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項7】
表面修飾が、カルボン酸、アセテート、ヒドロキシル、アセテートブチレート、エステル、エーテル、カルバメート、およびカルボキシレートからなる群より選択される1以上の表面接近性末端基を含む、請求項2、4または5に記載の毛髪繊維。
【請求項8】
外側コーティングが、1以上の表面接近性末端基への共有結合または機械的付着によって繊維コアに固着される、請求項2または4~7のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項9】
栄養成分が、精油、金属、植物抽出物、植物油、タンパク質、およびペプチドのうちの1以上を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項10】
栄養成分が抗菌活性を含む、請求項9に記載の毛髪繊維。
【請求項11】
栄養成分が担体ビヒクル中に含まれる、請求項1~10のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項12】
担体ビヒクルが、放出制御粒子、シクロデキストリン粒子、ヒドロゲル、ゾルゲル、リポソーム構造体、およびハロイサイトナノチューブからなる群より選択される、請求項11に記載の毛髪繊維。
【請求項13】
担体ビヒクルがシクロデキストリンまたはリポソーム構造体を含む、請求項11に記載の毛髪繊維。
【請求項14】
栄養成分が経時的に放出される、請求項1~13のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項15】
栄養成分が刺激に応答して放出される、請求項1~14のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項16】
刺激が、pH、温度、物理的操作、水分もしくは湿度のレベル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の毛髪繊維。
【請求項17】
栄養成分の少なくとも80重量%が、刺激の開始後48時間にわたって放出される、請求項15または請求項16に記載の毛髪繊維。
【請求項18】
栄養成分の80重量%が、刺激の開始後1時間から1ヶ月の期間にわたって放出される、請求項15または請求項16に記載の毛髪繊維。
【請求項19】
コア繊維が、人毛繊維、動物繊維、合成毛髪繊維、人工セルロース系繊維、バイオベースの合成繊維、植物由来の繊維、セルロース系繊維、繊維ブレンド、またはそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項20】
コア繊維が植物由来の繊維を含む、請求項19に記載の毛髪繊維。
【請求項21】
植物由来の繊維が、バナナ、パイナップル、ヨシ、サイザル麻、綿、カポック、黄麻、亜麻、大麻、ラミー、ケナフ、マニラ麻、ヘネケン、ヤシ、ローゼル、インド麻、ボンテンカ、カンタラ、マゲイ、フォルミウム、海藻、アクンドの綿毛、サトウキビの絞りかす、フィキュー、竹、コイア、サンヘンプ、トウワタの綿毛、またはトックリキワタに由来する、請求項20に記載の毛髪繊維。
【請求項22】
植物由来の繊維が、バナナ、パイナップル、サイザル麻、黄麻、大麻、海藻、サトウキビの絞りかす、亜麻、フィキュー、コイア、マニラ麻、ケナフ、またはラミーに由来する、請求項20に記載の毛髪繊維。
【請求項23】
植物由来の繊維がセルロースを含む、請求項20に記載の毛髪繊維。
【請求項24】
コア繊維が人工セルロース系繊維を含む、請求項19に記載の毛髪繊維。
【請求項25】
人工セルロース系繊維が、ビスコース、リヨセル、モダール、キュプラ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項21に記載の毛髪繊維。
【請求項26】
コア繊維が、羊毛、ダウン、絹、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される動物繊維を含む、請求項19に記載の毛髪繊維。
【請求項27】
外側コーティングが1以上の材料層を含む、請求項1~26のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項28】
外側コーティングが1以上のポリマー層を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項29】
外側コーティングがプラスチック成分を含む、請求項28に記載の毛髪繊維。
【請求項30】
1以上のポリマー層が、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリビニルスルフェート、ポリビニルスルホネート、ケラチン、キチン、キトサン、ナイロン、シロキサン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項28に記載の毛髪繊維。
【請求項31】
外側コーティングが、強度、熱安定性、難燃性、シーン光沢、質感、弾性、平滑性、量感、紫外線保護、低い光感受性、および柔軟性からなる群より選択される少なくとも1つの人毛様属性をもたらす、請求項1~30のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項32】
外側コーティングがコンディショニング剤を含む、請求項1~31のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項33】
コンディショニング剤が、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、パンテノール、グリセロール、グリセリン、ステアラミドプロピルアミン、ベヘニルトリモニウムクロリド、PPG3カプリリルエーテル、ポリエステル-11、アルガン油、加水分解タンパク質、アモジメチコン、ビス-アミノプロピルジメチコン、ジメチコン、セチルエステル、ラウレス-4、ラウレス23、モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマー、トリデセス-5、グリセリン、アボカド油、大豆油、アボカド油、大豆油、ホホバタンパク、ホホバ油、マカダミア油、オリーブ油、アーモンド油、ゴマ油、ローズ油、シアバター、ヤシ油、またはそれらの組み合わせを含む、請求項26に記載の毛髪繊維。
【請求項34】
外側コーティングが1以上の帯電防止剤を含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項35】
1以上の帯電防止剤が、長鎖脂肪族アミン、長鎖脂肪族アミド、第四級アンモニウム塩、またはそれらの組み合わせを含む、請求項34に記載の毛髪繊維。
【請求項36】
1以上の帯電防止剤が、シリコーン、ベヘントリモニウムクロリド、コカミドプロピルベタイン、リン酸のエステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールポリオール、エトキシル化アミン、グリセロールモノステアレート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、コカミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、コカミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムラクテート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムラクテート、オレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、オレアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ステアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ステアラミドプロピルエチルジモニウムラクテート、またはそれらの組み合わせを含む、請求項34に記載の毛髪繊維。
【請求項37】
毛髪繊維が染色または着色されている、請求項1~36のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項38】
毛髪繊維が繊維コアの処理中に染色または着色される、請求項1~36のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項39】
毛髪繊維が、黒色、褐色、ブロンド、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、バイオレット、ピンク色、白色または灰色である、請求項1~38のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項40】
繊維コアが染色または着色されている、請求項1~39のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項41】
セルロース系コアが、黒色、褐色、ブロンド、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、バイオレット、ピンク色、白色、または灰色である、請求項40に記載の毛髪繊維。
【請求項42】
毛髪繊維が約0.5cN/dtex~約5cN/dtexの強力を有する、請求項1~41のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項43】
毛髪繊維が少なくとも2cN/dtexの強力を有する、請求項42に記載の繊維。
【請求項44】
毛髪繊維の5%以下が450°Fまでの温度で分解される、請求項1~43のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項45】
毛髪繊維が、250°F、300°F、350°F、400°F、または450°Fにおいて、その引張強さの少なくとも80%を維持する、請求項1~44のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項46】
繊維コアが0.1cN/dtex~15cN/dtexの強力を有する、請求項1~45のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項47】
繊維コアが0.5cN/dtex~5cN/dtexの強力を有する、請求項1~45のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項48】
毛髪繊維が疎水性である、請求項1~47のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項49】
毛髪繊維が少なくとも約70°の水との接触角を有する、請求項48に記載の毛髪繊維。
【請求項50】
毛髪繊維が、少なくとも約40℃の温度に暴露されたときに最大で約10%分解する、請求項1~49のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項51】
毛髪繊維が難燃剤をさらに含む、請求項1~50のいずれかに記載の毛髪繊維。
【請求項52】
毛髪繊維が、難燃剤を含まない毛髪繊維と比較して少なくとも約5%低減した易燃性を有する、請求項51に記載の毛髪繊維。
【請求項53】
請求項1~52のいずれかに記載の毛髪繊維を含むヘアエクステンション。
【請求項54】
請求項1~52のいずれかに記載の毛髪繊維を含むかつら。
【請求項55】
請求項1~52のいずれかに記載の毛髪繊維を含むヘアピース。
【請求項56】
外側コーティング材料;および
栄養成分;
を含む、毛髪繊維のためのコーティングであって、栄養成分の少なくとも一部が外側コーティング材料内に埋め込まれている、前記コーティング。
【請求項57】
外側コーティング材料が1以上のコンディショニング剤を含む、請求項56に記載のコーティング。
【請求項58】
1以上のコンディショニング剤が、エチル(etyl)アルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアラミドプロピルアミン、ベヘニルトリモニウムクロリド、PPG3カプリリルエーテル、ポリエステル-11、アルガン油、加水分解タンパク質、アモジメチコン、ビス-アミノプロピルジメチコン、ジメチコン、セチルエステル、ラウレス-4、ラウレス23、モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマー、トリデセス-5、グリセリン、アボカド油、大豆油、マカダミア油、オリーブ油、アーモンド油、ゴマ油、ローズ油、シアバター、ヤシ油、またはそれらの組み合わせを含む、請求項57に記載のコーティング。
【請求項59】
外側コーティング材料が1以上の帯電防止剤を含む、請求項56~58のいずれか一項に記載のコーティング。
【請求項60】
1以上の帯電防止剤が、長鎖脂肪族アミン、長鎖脂肪族アミド、第四級アンモニウム塩、またはそれらの組み合わせを含む、請求項59に記載のコーティング。
【請求項61】
1以上の帯電防止剤が、シリコーン、ベヘントリモニウムクロリド、コカミドプロピルベタイン、リン酸のエステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールポリオール、エトキシル化アミン、グリセロールモノステアレート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、コカミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、コカミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムラクテート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムラクテート、オレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、オレアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ステアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ステアラミドプロピルエチルジモニウムラクテート、またはそれらの組み合わせを含む、請求項59に記載のコーティング。
【請求項62】
外側コーティング材料が1以上のポリマーを含む、請求項56~61のいずれか一項に記載のコーティング。
【請求項63】
1以上のポリマーが、モダクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリビニルスルフェート、ポリビニルスルホネート、ケラチン、キチン、キトサン、ナイロン、シロキサン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項62に記載のコーティング。
【請求項64】
栄養成分が、精油、金属、植物抽出物、植物油、タンパク質、およびペプチドのうちの1以上を含む、請求項56~63のいずれかに記載のコーティング。
【請求項65】
栄養成分が抗菌活性を含む、請求項64に記載のコーティング。
【請求項66】
栄養成分が担体ビヒクル中に含まれる、請求項56~65のいずれかに記載のコーティング。
【請求項67】
担体ビヒクルが、放出制御粒子、シクロデキストリン粒子、ヒドロゲル、ゾルゲル、リポソーム構造体、およびハロイサイトナノチューブからなる群より選択される、請求項66に記載のコーティング。
【請求項68】
栄養成分が経時的に放出される、請求項56~67のいずれかに記載のコーティング。
【請求項69】
栄養成分が刺激に応答して放出される、請求項56~68のいずれかに記載のコーティング。
【請求項70】
刺激が、pH、温度、物理的操作、または水分、湿度のレベル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項69に記載のコーティング。
【請求項71】
請求項56~70のいずれかに記載のコーティングと、コア繊維とを含む、毛髪繊維。
【請求項72】
コア繊維がセルロース系コア繊維である、請求項71に記載の毛髪繊維。
【請求項73】
セルロース系コア繊維が植物由来の繊維である、請求項72に記載の毛髪繊維。
【請求項74】
コア繊維が、バナナ、パイナップル、ヨシ、サイザル麻、綿、カポック、黄麻、亜麻、大麻、ラミー、ケナフ、マニラ麻、ヘネケン、ヤシ、ローゼル、インド麻、ボンテンカ、カンタラ、マゲイ、フォルミウム、海藻、アクンドの綿毛、サトウキビの絞りかす、フィキュー、竹、コイア、サンヘンプ、トウワタの綿毛、またはトックリキワタに由来する植物由来の繊維である、請求項73に記載の毛髪繊維。
【請求項75】
セルロース系コア繊維が人工繊維である、請求項71に記載の毛髪繊維。
【請求項76】
人工繊維が、ビスコース、リヨセル、モダール、キュプラ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項75に記載の毛髪繊維。
【請求項77】
コア繊維がバイオベースの合成繊維を含む、請求項71に記載の毛髪繊維。
【請求項78】
バイオベースの合成繊維が、デンプンベース、セルロースベース、タンパク質ベース、脂質由来のポリマー、遺伝子組換え原料由来、バイオ由来のポリエチレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシウレタン、ポリ乳酸、ポリ-3-ヒドロキシブチレート、またはポリアミド11である、請求項77に記載の毛髪繊維。
【請求項79】
コア繊維が合成材料を含む、請求項71に記載の毛髪繊維。
【請求項80】
毛髪繊維の生産方法であって、
(a)コア繊維を得る段階;および
(b)栄養成分をコア繊維に施用する段階、該栄養成分は担体ビヒクル中に含まれる;
を含む、前記方法。
【請求項81】
該方法がさらに、コア繊維に対し化学的表面処理を実施して、表面修飾されたコア繊維をもたらすことを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
該方法がさらに、コア繊維を染料に暴露して、染色されたコア繊維を得ることを含む、請求項80または請求項81に記載の方法。
【請求項83】
該方法がさらに、毛髪繊維を得るために、1以上の反応性基を含む外側コーティングでコア繊維をコーティングして、コーティングされたコア繊維を得ることを含む、請求項80~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
コーティングされたコア繊維に栄養成分を施用する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
栄養成分が、精油、金属、植物抽出物、植物油、タンパク質、およびペプチドのうちの1以上を含む、請求項80~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
栄養成分が抗菌活性を含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
担体ビヒクルが、放出制御粒子、シクロデキストリン粒子、ヒドロゲル、ゾルゲル、リポソーム構造体、またはハロイサイトナノチューブを含む、請求項80~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
担体ビヒクルが粒子を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
粒子がシクロデキストリンまたはリポソーム構造体を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
栄養成分の少なくとも一部が外側コーティング材料内に埋め込まれている、請求項83~89のいずれかに記載の方法。
【請求項91】
栄養成分が経時的に放出される、請求項80~90のいずれかに記載の方法。
【請求項92】
栄養成分が刺激に応答して放出される、請求項80~91のいずれかに記載の方法。
【請求項93】
刺激が、pH、温度、物理的操作、水分もしくは湿度のレベル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
栄養成分の少なくとも80重量%が、刺激の開始後48時間にわたって放出される、請求項92または93に記載の方法。
【請求項95】
毛髪繊維を染料に暴露して、染色または着色された毛髪繊維を得ることをさらに含む、請求項80~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
コアの処理中に顔料を加えることをさらに含む、請求項80~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
外側コーティング中の1以上の反応性基が、表面修飾されたコア繊維に共有結合しているか、または機械的に付着している、請求項80~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
コア繊維がセルロースを含む、請求項80~97のいずれかに記載の方法であって、該セルロース系繊維を予洗い溶液に暴露することをさらに含む、前記方法。
【請求項99】
予洗い溶液が少なくとも1つの界面活性剤を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
表面修飾されたコア繊維が1以上の表面接近性末端基を含む、請求項81~99のいずれかに記載の方法。
【請求項101】
外側コーティング中の1以上の反応性基が、コア繊維の1以上の表面接近性末端基と反応する、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
1以上の表面接近性末端基が、カルボン酸、アセテート、アセテートブチレート、カルバメート、カルボキシレート、ヒドロキシル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、エポキシド、アミン、アミド、ニトレート、ニトライト、ニトリル、ニトロ、ニトロソ、イミン、アゾ、チオール、スルフィド、ジスルフィド、スルホキシド、スルフィン酸、スルホン酸、スルホン酸エステル、チアール、チオケトン、およびホスフィンからなる群より選択される、請求項100または101に記載の方法。
【請求項103】
1以上の表面接近性末端基が、カルボン酸、アセテート、ヒドロキシル、アセテートブチレート、エステル、エーテル、カルバメート、およびカルボキシレートからなる群より選択される、請求項100または101に記載の方法。
【請求項104】
外側コーティングが、1以上の表面接近性末端基への共有結合または機械的付着によって繊維コアに固着される、請求項100~103のいずれかに記載の方法。
【請求項105】
コア繊維がセルロースを含む、請求項80~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
コア繊維が植物由来のセルロース系繊維または人工セルロース系繊維である、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
人工セルロース系繊維が、ビスコース、リヨセル、モダール、キュプラ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
コア繊維が植物由来の繊維を含む、請求項80~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
植物由来の繊維が、バナナ、パイナップル、ヨシ、サイザル麻、綿、カポック、黄麻、亜麻、大麻、ラミー、ケナフ、マニラ麻、ヘネケン、ヤシ、ローゼル、インド麻、ボンテンカ、カンタラ、マゲイ、フォルミウム、海藻、アクンドの綿毛、サトウキビの絞りかす、フィキュー、竹、コイア、サンヘンプ、トウワタの綿毛、またはトックリキワタに由来する、請求項107に記載の方法。
【請求項110】
外側コーティングが1以上の材料層を含む、請求項83~109のいずれかに記載の方法。
【請求項111】
外側コーティングが1以上のポリマー層を含む、請求項83~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
1以上のポリマー層が、モダクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリビニルスルフェート、ポリビニルスルホネート、ケラチン、キチン、キトサン、シロキサン、ナイロン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
外側コーティングが、強度、熱安定性、難燃性、シーン光沢、質感、弾性、平滑性、量感、紫外線保護、低い光感受性、および柔軟性からなる群より選択される少なくとも1つの人毛様属性をもたらす、請求項83~112のいずれかに記載の方法。
【請求項114】
毛髪繊維が約0.50cN/dtx~約5cN/dtxの強力を有する、請求項80~113のいずれかに記載の方法。
【請求項115】
毛髪繊維が少なくとも0.50cN/dtxの強力を有する、請求項80~114のいずれかに記載の方法。
【請求項116】
毛髪繊維が、250°F、300°F、350°F、400°F、または450°Fにおいて、その強力の少なくとも80%を維持する、請求項80~115のいずれかに記載の方法。
【請求項117】
毛髪繊維が疎水性である、請求項80~116のいずれかに記載の方法。
【請求項118】
毛髪繊維が少なくとも約70°の水との接触角を有する、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
毛髪繊維が、少なくとも約40℃の温度に暴露されたときに最大で約10%分解する、請求項80~118のいずれかに記載の方法。
【請求項120】
毛髪繊維が難燃剤をさらに含む、請求項80~119のいずれかに記載の方法。
【請求項121】
毛髪繊維が、難燃剤を含まない毛髪繊維と比較して少なくとも約5%低減した易燃性を有する、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
毛髪繊維が、黒色、褐色、ブロンド、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、バイオレット、ピンク色、白色または灰色である、請求項80~121のいずれかに記載の方法。
【請求項123】
繊維コアが、黒色、褐色、ブロンド、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、バイオレット、ピンク色、白色または灰色である、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
(i)コア繊維;
(ii)コア繊維に関連付けられた外側コーティング;および
(iii)外側コーティングに関連付けられた栄養成分;
を含む毛髪繊維であって、該毛髪繊維が、以下の段階:
(a)コア繊維を得る段階;
(b)所望により、コア繊維を外側コーティングでコーティングして、コーティングされたコア繊維を含む毛髪繊維を得る段階、該外側コーティングは、所望により、1以上の反応性基を含む;および
(c)栄養成分をコア繊維に施用する段階;
を含む方法によって生産される、前記毛髪繊維。
【請求項125】
栄養成分が、コーティングされたコア繊維に施用される、請求項124に記載の毛髪繊維。
【請求項126】
該方法が、栄養成分を溶液中で毛髪繊維に施用することを含む、請求項124または125に記載の毛髪繊維。
【請求項127】
栄養成分が約0.5重量%~10重量%で溶液に溶解される、請求項126に記載の毛髪繊維。
【請求項128】
栄養成分が約20℃~約60 ℃の温度で毛髪繊維に施用される、請求項126に記載の毛髪繊維。
【請求項129】
栄養成分が担体ビヒクル中で毛髪繊維に施用される、請求項123~128のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項130】
段階(b)および(c)を同時に実施する、請求項123~129のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項131】
コア繊維が、約90重量%~約99.9重量%の範囲の量で毛髪繊維中に存在する、請求項1~55または123~130のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項132】
栄養成分が、約0.5重量%~約10重量%の範囲の量で毛髪繊維中に存在する、請求項1~55または123~131のいずれか一項に記載の毛髪繊維。
【請求項133】
請求項80~132のいずれかに記載の方法によって生産された毛髪繊維を含む、ヘアエクステンション。
【請求項134】
請求項80~132のいずれかに記載の方法によって生産された毛髪繊維を含む、かつら。
【請求項135】
請求項80~132のいずれかに記載の方法によって生産された毛髪繊維を含む、ヘアピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年7月14日に出願された米国仮特許出願第63/221756号の利益を主張するものであり、その全体を本明細書中で参考として援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ヘアエクステンションは、世界中の多くの女性にとって日常生活の一部である。しかしながら、そのような繊維を大量生産するための材料およびプロセスは、着用者の皮膚毒性、環境中のプラスチック汚染、およびこれらのヘアエクステンションを生産する労働者の人的搾取の原因となり得る。本発明者らは、ここで、環境的に健全でより安全なヘアエクステンションの代替物が明らかに必要であることを認識する。本開示は、この非常に重要な目的を対象とする。
【発明の概要】
【0003】
[0003]一観点において、コア繊維と、コア繊維に関連付けられた外側コーティングと、外側コーティングに関連付けられた栄養成分とを含む毛髪繊維を、本明細書中に提供する。一観点において、表面修飾を含むセルロース系コアと、外側コーティングとを含む毛髪繊維を、本明細書中に提供する。いくつかの態様において、外側コーティングは、コア繊維に固着(affix)される表面修飾を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは、コア繊維に固着される材料を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは表面修飾を含む。いくつかの態様において、コアは表面修飾を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは、セルロース系コアに固着される材料を含む。いくつかの態様において、繊維と外側コーティングとの重量比は、約100:1、101:1、105:1、110:1、120:1、130:1、140:1、150:1、160:1、170:1、180:1、190:1、200:1、または約200:1超であることができる。いくつかの態様において、表面修飾は、カルボン酸、アセテート、アセテートブチレート、カルバメート、カルボキシレート、ヒドロキシル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、エポキシド、アミン、アミド、ニトレート、ニトライト、ニトリル、ニトロ、ニトロソ、イミン、アゾ、チオール、スルフィド、ジスルフィド、スルホキシド、スルフィン酸、スルホン酸、スルホン酸エステル、チアール、チオケトン、およびホスフィンからなる群より選択される1以上の表面接近性(surface accessible)末端基を含む。いくつかの態様において、表面修飾は、カルボン酸、アセテート、ヒドロキシル、アセテートブチレート、エステル、エーテル、カルバメート、およびカルボキシレートからなる群より選択される1以上の表面接近性末端基を含む。いくつかの態様において、表面修飾は、植物抽出物、アルコール、緩和剤、保湿剤、防腐剤、乳化剤、抗菌剤、安定剤、脂質、補酵素、アミノ酸誘導体、抗酸化剤、加水分解タンパク質、タンパク質、ポリマー、またはそれらの組み合わせを包含することができる栄養成分を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは、1以上の表面接近性末端基への共有結合または機械的付着によって繊維コアに固着される。いくつかの態様において、セルロース系コア繊維は再生繊維である。いくつかの態様において、セルロース系コアは植物由来の繊維を含む。いくつかの態様において、植物由来の繊維は、セルロース、バナナ、パイナップル、ヨシ(phragmites)、サイザル麻、綿、カポック、黄麻、亜麻、大麻、ラミー、ケナフ、マニラ麻、ヘネケン、ヤシ、ローゼル、インド麻(sunn)、ボンテンカ、カンタラ、マゲイ、フォルミウム(phormium)、海藻、アクンドの綿毛、サトウキビの絞りかす、フィキュー、竹、コイア、サンヘンプ(sunhemp)、トウワタの綿毛、またはトックリキワタに由来する。いくつかの態様において、外側コーティングは1以上の材料層を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは1以上のポリマー層を含む。いくつかの態様において、ポリマー層は、モダクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリビニルスルフェート、ポリビニルスルホネート、ケラチン、キチン、ナイロン、シロキサン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、外側コーティングは、強度、熱安定性、難燃性、シーン光沢、質感、弾性、平滑性、量感、および柔軟性からなる群より選択される少なくとも1つの人毛様属性をもたらす。いくつかの態様において、外側コーティングは栄養成分をさらに含む。いくつかの態様において、栄養成分は抗菌活性を含む。いくつかの態様において、栄養成分は、精油、金属、植物抽出物、植物油、タンパク質、およびペプチドのうちの1以上を含む。いくつかの態様において、栄養成分は、シクロデキストリン粒子、ヒドロゲル、ゾルゲル、リポソーム構造体、またはハロイサイトナノチューブなどの放出制御粒子中に含まれる。いくつかの態様において、栄養成分は粒子中に封入される。いくつかの態様において、栄養成分は担体ビヒクル中に含まれる。いくつかの態様において、粒子はシクロデキストリンまたはヒドロゲルを含む。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも一部は外側コーティング材料内に埋め込まれる。いくつかの態様において、栄養成分は経時的に放出される。いくつかの態様において、栄養成分の80重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、48時間にわたって放出される。いくつかの態様において、栄養成分は、pH、温度、物理的操作、または水分もしくは湿度のレベルに応答して放出される。いくつかの態様において、毛髪繊維は約115MPa~約315MPaの強度を有する。いくつかの態様において、毛髪繊維の引張強さは、10-4s-1の歪み速度で試験される。いくつかの態様において、毛髪繊維の引張強さは、20℃および相対湿度20%で試験される。いくつかの態様において、毛髪繊維は少なくとも150MPaの強度を有する。いくつかの態様において、毛髪繊維は、250°F、300°F、350°F、400°F、または450°Fにおいて、その引張強さの少なくとも80%を維持する。いくつかの態様において、毛髪繊維は、繊維コアの処理中に染色または着色される。いくつかの態様において、毛髪繊維は、黒色、褐色、ブロンド、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、バイオレット、ピンク色、白色または灰色である。いくつかの態様において、セルロース系コアは110MPa~1980MPaの強度を有する。いくつかの態様において、セルロース系コアは115MPa~400MPaの強度を有する。いくつかの態様において、セルロース系コアは染色または着色されている。いくつかの態様において、セルロース系コアは、黒色、褐色、ブロンド、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、バイオレット、ピンク色、白色、または灰色である。一観点において、ヘアエクステンションは毛髪繊維を含む。
【0004】
[0004]一観点において、本明細書に記載の毛髪繊維を含むかつらを、本明細書中に提供する。
【0005】
[0005]一観点において、本明細書に記載の毛髪繊維を含むヘアピースを、本明細書中に提供する。
【0006】
[0006]一観点において、本明細書で提供されるのは、外側コーティング材料および栄養成分を含む、毛髪繊維用コーティングである。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも一部は、外側コーティング材料内に埋め込まれるか、または外側コーティング材料と関連付けられる。いくつかの態様において、外側コーティング材料は、ポリマー、コンディショニング剤、および帯電防止剤のうちの1以上を含む。いくつかの態様において、外側コーティング材料は1以上のコンディショニング剤を含む。いくつかの態様において、コンディショニング剤は、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアラミドプロピルアミン(stearamidopropylamine)、ベヘニルトリモニウムクロリド、PPG3カプリリルエーテル、ポリエステル-11、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-15ココポリアミン、グリセロール、グリセリン、アルガン油、加水分解タンパク質、アモジメチコン、ビス-アミノプロピルジメチコン、ジメチコン、セチルエステル、アボカド油、大豆油、ホホバ油、マカダミア油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、ローズ油、シアバター、またはヤシ油を含む。いくつかの態様において、外側コーティング材料は1以上の帯電防止剤を含む。いくつかの態様において、帯電防止剤は、長鎖(例えば、C9-C36またはC12-C12)脂肪族アミン、長鎖(例えば、C9-C36またはC12-C12)脂肪族アミド、第四級アンモニウム塩、シリコーン、セラミド、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、帯電防止剤は、ベヘントリモニウムクロリド、コカミドプロピルベタイン、リン酸のエステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールポリオール、エトキシル化アミン、グリセロールモノステアレート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、コカミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、コカミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムラクテート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムラクテート、オレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、オレアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ステアミドプロピル(steamidopropyl)エチルジモニウムエトスルフェート、ステアラミドプロピルエチルジモニウムラクテート、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、外側コーティング材料は1以上のポリマーを含む。いくつかの態様において、ポリマーは、モダクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリビニルスルフェート、ポリビニルスルホネート、ケラチン、キチン、ナイロン、シロキサン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、栄養成分は、精油、金属、植物抽出物、植物油、タンパク質、およびペプチドのうちの1以上を含む。いくつかの態様において、栄養成分は、シクロデキストリン粒子、ヒドロゲル、ゾルゲル、リポソーム構造体、またはハロイサイトナノチューブなどの放出制御粒子中に含まれる。いくつかの態様において、栄養成分は経時的に放出される。いくつかの態様において、栄養成分は、pH、温度、物理的操作、または水分もしくは湿度のレベルに応答して放出される。一観点において、毛髪繊維はコーティングおよびコア繊維を含む。いくつかの態様において、コア繊維はセルロース系コア繊維である。いくつかの態様において、コア繊維は、バナナ、パイナップル、ヨシ、サイザル麻、綿、カポック、黄麻、亜麻、大麻、ラミー、ケナフ、マニラ麻、ヘネケン、ヤシ、ローゼル、インド麻、ボンテンカ、カンタラ、マゲイ、マオラン、海藻、アクンドの綿毛、サトウキビの絞りかす、フィキュー、竹、コイア、サンヘンプ、トウワタの綿毛、またはトックリキワタに由来する植物由来の繊維である。いくつかの態様において、コア繊維はセルロースに由来する。いくつかの態様において、コア繊維はバイオベースの合成繊維を含む。いくつかの態様において、バイオベースの合成繊維は、デンプンベース、セルロースベース、タンパク質ベース、脂質由来のポリマー、遺伝子組換え原料由来、バイオ由来のポリエチレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシウレタン、ポリ乳酸、ポリ-3-ヒドロキシブチレート、またはポリアミド11である。いくつかの態様において、コア繊維は合成材料を含む。
【0007】
[0007]一観点において、毛髪繊維の生産方法であって、コア繊維を得る段階;および、該コア繊維に栄養成分を施用する段階を含む前記方法を、本明細書中に提供する。一観点において、毛髪繊維の生産方法であって、セルロース系繊維に対し化学的表面処理を実施して、表面修飾されたコア繊維を生産する段階と、該コア繊維を、1以上の反応性基を含むポリマー組成物でコーティングして毛髪繊維を得る段階とを含む前記方法を、本明細書中に提供する。いくつかの態様において、本方法は、コア繊維を染料に暴露して、染色されたコア繊維を得ることを含む。いくつかの態様では、毛髪繊維を染料に暴露して、染色または着色された毛髪繊維を得る。いくつかの態様において、ポリマー組成物中の1以上の反応性基は、表面修飾されたコア繊維に共有結合しているか、または機械的に付着している。いくつかの態様において、表面修飾されたコア繊維は、表面接近性末端基を含む。いくつかの態様において、ポリマー組成物中の1以上の反応性基は、コア繊維の表面接近性末端基と反応する。いくつかの態様において、表面修飾は、カルボン酸、アセテート、アセテートブチレート、カルバメート、カルボキシレート、ヒドロキシル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、エポキシド、アミン、アミド、ニトレート、ニトライト、ニトリル、ニトロ、ニトロソ、イミン、アゾ、チオール、スルフィド、ジスルフィド、スルホキシド、スルフィン酸、スルホン酸、スルホン酸エステル、チアール、チオケトン、およびホスフィンからなる群より選択される1以上の表面接近性末端基を含む。いくつかの態様において、表面修飾は、カルボン酸、アセテート、ヒドロキシル、アセテートブチレート、エステル、エーテル、カルバメート、およびカルボキシレートからなる群より選択される1以上の表面接近性末端基を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは、1以上の表面接近性末端基への共有結合または機械的付着によって繊維コア(例えば、セルロース系コア)に固着される。いくつかの態様において、セルロース系コアは植物由来の繊維を含む。いくつかの態様において、植物由来の繊維は、バナナ、パイナップル、ヨシ、サイザル麻、綿、カポック、黄麻、亜麻、大麻、ラミー、ケナフ、マニラ麻、ヘネケン、ヤシ、ローゼル、インド麻、ボンテンカ、カンタラ、マゲイ、フォルミウム、海藻、アクンドの綿毛、サトウキビの絞りかす、フィキュー、竹、コイア、サンヘンプ、トウワタの綿毛、またはトックリキワタに由来する。いくつかの態様において、外側コーティングは1以上の材料層を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは1以上のポリマー層を含む。いくつかの態様において、1以上のポリマー層は、モダクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリビニルスルフェート、ポリビニルスルホネート、ケラチン、キチン、ナイロン、シロキサン、シリコーン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、外側コーティングは、強度、熱安定性、難燃性、シーン光沢、質感、弾性、平滑性、量感、および柔軟性からなる群より選択される少なくとも1つの人毛様属性をもたらす。いくつかの態様において、外側コーティングは栄養成分をさらに含む。いくつかの態様において、栄養成分は、精油、金属、植物抽出物、植物油、タンパク質、脂質、またはペプチド、加水分解タンパク質、またはそれらの組み合わせのうちの1以上を含む。いくつかの態様において、栄養成分は、シクロデキストリン粒子、ヒドロゲル、ゾルゲル、リポソーム構造体、またはハロイサイトナノチューブなどの放出制御粒子中に含まれる。いくつかの態様において、栄養成分は粒子中に封入される。いくつかの態様において、粒子はシクロデキストリンまたはヒドロゲルを含む。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも一部は、外側コーティング材料内に埋め込まれるか、または関連付けられる。いくつかの態様において、栄養成分は経時的に放出される。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも80重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、48時間にわたって放出される。いくつかの態様において、栄養成分は、pH、温度、物理的操作、水分もしくは湿度のレベル、またはそれらの組み合わせに応答して放出される。いくつかの態様において、毛髪繊維は約115MPa~約315MPaの強度を有する。いくつかの態様において、毛髪繊維は少なくとも150MPaの強度を有する。いくつかの態様において、毛髪繊維は、250°F、300°F、350°F、400°F、または450°Fにおいて、その引張強さの少なくとも80%を維持する。いくつかの態様において、毛髪繊維は、繊維コアの処理中に染色または着色される。いくつかの態様において、毛髪繊維は、黒色、褐色、ブロンド、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、バイオレット、ピンク色、白色または灰色である。いくつかの態様において、セルロース系コアは110MPa~1980MPaの強度を有する。いくつかの態様において、セルロース系コアは115MPa~315MPaの強度を有する。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは、10-4s-1の歪み速度で試験される。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは、20℃および相対湿度20%で試験される。いくつかの態様において、セルロース系コアは染色または着色されている。いくつかの態様において、セルロース系コアは、黒色、褐色、ブロンド、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、バイオレット、ピンク色、白色、または灰色である。一観点において、ヘアエクステンションは毛髪繊維を含む。
【0008】
[0008]一観点において、本明細書中に、(i)コア繊維;(ii)コア繊維に関連付けられた外側コーティング;および(iii)外側コーティングに関連付けられた栄養成分;を含む毛髪繊維であって、該毛髪繊維が、(a)コア繊維を得る段階;(b)所望により、コア繊維を外側コーティングでコーティングして、コーティングされたコア繊維を含む毛髪繊維を得る段階、該外側コーティングは、所望により、1以上の反応性基を含む;および(c)栄養成分をコア繊維に施用する段階;を含む方法によって生産される、前記毛髪繊維を提供する。
【0009】
[0009]いくつかの態様において、栄養成分は、コーティングされたコア繊維に施用される。
【0010】
[0010]いくつかの態様において、本方法は、栄養成分を溶液中で毛髪繊維に施用することを含む。いくつかの態様において、栄養成分は、約0.5重量%~10重量%で溶液に溶解される。いくつかの態様において、栄養成分は、約20℃~約60℃の温度で毛髪繊維に施用される。いくつかの態様において、栄養成分は担体ビヒクル中で毛髪繊維に施用される。いくつかの態様において、段階(b)および(c)は同時に実施される。いくつかの態様において、コア繊維は、約90重量%~約99.9重量%の範囲の量で毛髪繊維中に存在する。いくつかの態様において、栄養成分は、約0.5重量%~約10重量%の範囲の量で毛髪繊維中に存在する。
【0011】
[0011]一観点において、本開示に記載の毛髪繊維を含むヘアエクステンションを、本明細書中に提供する。
【0012】
[0012]一観点において、本開示に記載の毛髪繊維を含むかつらを、本明細書中に提供する。
【0013】
[0013]一観点において、本開示に記載の毛髪繊維を含むヘアピースを、本明細書中に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
[0014]本開示の新規な特徴を、添付の特許請求の範囲に詳細に記載する。本開示の特徴および利点のより良い理解は、本開示の原理を利用する例示的な態様を説明する以下の詳細な説明、および添付の図面(drawing)(本明細書では「図(Figure)」および「図(FIG.)」とも記載する)を参照することによって得られるであろう:
【
図1】[0015]
図1は、スズ製カードマウントに付着させた繊維の一例を示す。
【
図2】[0016]
図2は、Trichogen VEG UL 9922の濃度対吸光度の結果の例を示す。
【
図3】[0017]
図3は、栄養コーティングでコーティングされたモダクリル繊維の経時的な吸光度についての例示的な分光測光法の結果を示す。
【
図4】[0018]
図4は、モダクリル繊維に施用された栄養コーティングからのTrichogen VEG UL 9922の放出についての例示的な分光測光法の結果を示す。
【
図5】[0019]
図5は、栄養コーティングでコーティングされたバナナ繊維の経時的な吸光度についての例示的な分光測光法の結果を示す。
【
図6】[0020]
図6は、バナナ繊維に施用された栄養コーティングからのTrichogen VEG UL 9922の放出についての例示的な分光測光法の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0021]この説明の特定の具体的詳細は、さまざまな態様の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、当業者なら、これらの詳細なしに本開示を実施することができることを理解するであろう。他の例では、態様の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の構造および/または方法は詳細に図示または記載していない。文脈上別段の要求がない限り、明細書およびそれに続く特許請求の範囲の全体を通して、「含む(comprise)」という単語およびその変形、例えば「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」は、開かれた包括的な意味、すなわち「包含するが、限定されない」として解釈されるべきである。さらに、本明細書に提供される見出しは、便宜上のものに過ぎず、特許請求される開示内容の範囲または意味を説明するものではない。本明細書で使用される段落の見出しは、構成的な目的のためのものに過ぎず、記載される主題を限定すると解釈すべきではない。
【0016】
[0022]本明細書および添付する特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、内容上別段に明記されない限り、複数の指示対象を包含する。「または」という用語は、文脈上別段に明記されない限り、一般に「および/または」を含む意味で用いられることにも留意されたい。
【0017】
[0023]「所望による」または「所望により」という用語は、続いて記載される事象または状況が起こり得るが必ずしも起こらないことを意味し、その記載は、事象または状況が起こる場合および起こらない場合を包含する。
【0018】
[0024]「約」という用語は、数値の±10%以内を意味する。例えば、「約100MPaの強度」と記載されている場合、強度は90MPa~110MPaであり得ることが示唆される。
【0019】
[0025]別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を本開示の実施または試験において使用することができるが、適切な方法および材料を以下に記載する。本明細書に引用されるすべての参考文献は、完全に記載されているかのように、その全体を参考として援用する。
【0020】
毛髪繊維
[0026]一観点において、コア繊維および外側コーティングを含む毛髪繊維について本明細書に記載する。いくつかの態様において、本明細書に開示される毛髪繊維は、コア繊維と、コア繊維に関連付けられた外側コーティングと、外側コーティングに関連付けられた栄養成分とを含む。一観点において、毛髪繊維を含むヘアエクステンションについて本明細書に記載する。一観点において、毛髪繊維を含むかつらについて本明細書に記載する。一観点において、毛髪繊維を含むヘアピースについて本明細書に記載する。コア繊維は、セルロース系コア繊維であることができる。コア繊維は、植物ベースの繊維であることができる。コア繊維は、合成繊維であることもできる。いくつかの態様において、コア繊維は再生繊維である。いくつかの態様において、コア繊維は、表面修飾を含むセルロース系コアである。いくつかの態様において、外側コーティングは、コア繊維に固着される材料を含む。毛髪繊維は、所望により栄養成分を含む。いくつかの態様において、栄養成分は、外側コーティングに部分的または完全に埋め込まれるか、または封入される。
【0021】
[0027]本明細書に記載の毛髪繊維は、例えば、約115MPa~約315MPaの範囲の人毛様引張強さを有することができる。いくつかの態様において、毛髪繊維の引張強さは約10MPa~約2000MPaである。いくつかの態様において、毛髪繊維の引張強さは、約50MPa~約1000MPa、約75MPa~約750MPa、約100MPa~約500MPa、約125MPa~約300MPa、または約150MPa~約250MPaである。いくつかの態様において、毛髪繊維の引張強さは、少なくとも約50、75、100、125、150、200、250、300、または400MPaである。いくつかの態様において、毛髪繊維の引張強さは、最大で約200、300、400、500、600、700、1000、または1500MPaである。いくつかの態様において、毛髪繊維の引張強さは、少なくとも約150MPaである。毛髪繊維の引張強さは、例えば10-4s-1~10-0s-1の歪み速度の範囲で試験することができる。いくつかの態様において、毛髪繊維の引張強さは10-4s-1の歪み速度で試験される。いくつかの態様において、毛髪繊維の引張強さは、20℃および相対湿度20%で試験される。
【0022】
[0028]本明細書に記載の毛髪繊維は、熱安定性、湿度安定性、および/またはpH安定性であることができる。いくつかの態様において、毛髪繊維は、450°Fまでの温度で安定である。いくつかの態様において、毛髪繊維は、最高200°F、300°F、400°F、500°F、または600°Fの温度で安定である。いくつかの態様において、毛髪繊維は、100°F、150°F、200°F、250°F、300°F、350°F、450°F、または500°Fにおいて、その引張強さの少なくとも80%を維持する。いくつかの態様において、毛髪繊維は、450°Fにおいて、その引張強さの少なくとも80%を維持する。いくつかの態様において、毛髪繊維は、450°Fにおいて、その引張強さの60%~100%を維持する。いくつかの態様において、毛髪繊維は、300°Fにおいて、その引張強さの少なくとも80%を維持する。いくつかの態様において、毛髪繊維は、300°Fにおいて、その引張強さの60%~100%を維持する。
【0023】
[0029]毛髪繊維は、繊維コアの処理中に染色または着色することができる。いくつかの態様において、顔料または染料などの着色剤が毛髪繊維に加えられる。毛髪繊維は、すべての人毛の色を含む任意の適した色を有することができる。いくつかの態様において、毛髪繊維は、黒色、褐色、ブロンド、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、バイオレット、ピンク色、白色または灰色である。いくつかの態様において、毛髪繊維は2以上の色を有する。いくつかの態様において、着色剤は、天然顔料、無機鉱物、または反応染料である。
【0024】
[0030]毛髪繊維はさらに、難燃剤、耐熱性向上剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、染料、可塑剤、潤滑剤などの添加剤を含むことができる。いくつかの態様において、毛髪繊維は難燃剤を含む。代表的な難燃剤としては、臭素化合物、ハロゲン化合物、リン-ハロゲン化合物、窒素化合物、金属水酸化物、およびリン-窒素化合物が挙げられる。いくつかの態様において、難燃剤は臭素系難燃剤である。いくつかの態様において、難燃剤はリン系難燃剤である。いくつかの態様において、難燃剤は窒素系難燃剤である。
【0025】
[0031]本毛髪繊維は、ヒトによって着用されることができる。いくつかの態様において、毛髪繊維を含むヘアピース、かつら、またはヘアエクステンションは、ヒトによって着用される。いくつかの態様において、毛髪繊維は、玩具の製造に使用される。
【0026】
[0032]繊維は、ASTM D3822に記載の方法によって試験することができる。いくつかの態様において、繊維の線密度は、ASTM D1577に従って測定することができる。いくつかの態様では、単繊維試験片を、ASTM法に従って所定のゲージ長さおよび伸長率で引張試験機で破断することができる。
【0027】
[0033]いくつかの態様において、引張強さおよび伸び特性は、天然繊維および合成繊維について試験することができる。いくつかの態様では、引張強さおよび伸び特性を、結節条件下で試験することができる。いくつかの例では、スズ製カードマウントに付着させる前に、繊維を結んで結び目を作ることができる。代表的な(explemerary)引張強さ特性としては、ピーク荷重、破断荷重、ピーク荷重での伸び、破断荷重での伸び、ピーク荷重での歪み%、破断荷重での歪み%、破断エネルギー、繊維モジュラス、繊維密度、および繊維靭性、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの態様において、引張強さおよび伸び特性の計算方法は、ASTM D3822に従って実施することができる。
【0028】
原料植物繊維の処理方法
[0034]原料植物繊維の処理方法を本明細書に記載する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるコア繊維は、原料繊維である。いくつかの態様において、本明細書に記載されるコア繊維は、原料植物繊維である。繊維の予洗いを繊維に行うことができる。いくつかの態様において、原料繊維は、水、炭酸塩、および界面活性剤の溶液中で撹拌することによって処理(例えば、湿潤化)することができる。溶液は、少なくとも約20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または100℃を超える温度であることができる。いくつかの態様において、溶液は、最高で約100℃、90℃、80℃、70℃、60℃、50℃、40℃、30℃、20℃、または20℃未満の温度であることができる。いくつかの態様において、炭酸塩は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、または任意の他の金属炭酸塩であることができる。いくつかの態様において、界面活性剤は、洗剤、石鹸、またはシャンプーであることができる。いくつかの態様において、界面活性剤は、エトキシ化および硫酸化脂肪族アルコール(例えば、Synthrapol(登録商標))、炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ灰)を含む洗剤、または、繊維の一部ではない表面への付着から緩い(例えば、化学的に結合していない)染料粒子を除去するのに十分な任意の他の洗剤であることができる。
【0029】
[0035]いくつかの態様において、水、炭酸塩、および界面活性剤の溶液と接触させた湿潤原料繊維を、媒染剤を含む溶液(例えば、媒染剤溶液)と接触させることができる。いくつかの態様において、媒染剤は、繊維上で染料を固定するために使用することができる材料(例えば、染料固定剤)であることができる。代表的な媒染剤としては、限定されるものではないが、硫酸アルミニウムカリウム、酢酸アルミニウム、酢酸カルシウム、または酢酸ナトリウムを挙げることができる。代表的な媒染剤としては、さらに、タンニン酸、塩化ナトリウム、ならびにアルミニウム、クロム、銅、鉄、ヨウ素、カリウム、ナトリウム、およびスズの塩が挙げられる。いくつかの態様において、媒染剤は、染料分子と配位錯体を形成することができるイオン性材料(例えば、Retayne(登録商標)、Raycafix(登録商標)、Dyefix(登録商標)、Dharma Dye(登録商標)固定剤)であることができる。媒染剤を含む溶液は、水1ガロン当たり少なくとも約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、50重量%または50重量%を超える媒染剤を含むように構成することができる。媒染剤を含む溶液は、水1ガロン当たり最大で約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、または80重量%、または80重量%を超える媒染剤を含むように構成することができる。いくつかの態様において、媒染剤を含む溶液は、水1ガロン当たり約5重量%~約10重量%の媒染剤を含むように構成することができる。媒染剤を含む溶液は、溶液中に少なくとも約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、50重量%、または50重量%を超える媒染剤を含むように構成することができる。媒染剤を含む溶液は、溶液中に最大で約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、または80重量%、または80重量%を超える媒染剤を含むように構成することができる。媒染剤を含む溶液は、少なくとも約20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または100℃を超える温度であることができる。媒染剤を含む溶液は、最高で約20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または100℃を超える温度を有することができる。いくつかの態様において、湿潤原料繊維は、すすぐ前に、少なくとも約5分(min)、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、50分、60分、1.5時間(hr)、2時間、3時間、4時間、5時間、10時間、24時間、または24時間より長く、媒染溶液に浸漬することができる。いくつかの態様において、湿潤原料繊維は、すすぐ前に、最長で約5分(min)、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、50分、60分、1.5時間(hr)、2時間、3時間、4時間、5時間、10時間、24時間、1週間、2週間、または2週間より長く、媒染溶液中で接触させることができる。
【0030】
[0036]いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約1重量%、3重量%、5重量%、7重量%、10重量%、20重量%、または20重量%を超える炭酸カルシウム溶液と接触させることができる。いくつかの態様において、繊維は、最大で約20重量%、10重量%、7重量%、5重量%、3重量%、1重量%、または1重量%未満の炭酸カルシウム溶液と接触させることができる。いくつかの態様において、繊維は、すすぐ前に、少なくとも約1分、3分、5分、7分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、60分、または60分より長く、炭酸カルシウム溶液中に浸漬することができる。いくつかの態様において、繊維は、すすぐ前に、最長で約60分、45分、30分、25分、20分、15分、10分、7分、5分、3分、1分、または1分未満にわたり、炭酸カルシウム溶液中に浸漬することができる。いくつかの態様において、繊維はさらに、すすぐ前に、少なくとも約1分、3分、5分、7分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、60分、または60分より長く、界面活性剤と接触させることができる。いくつかの態様において、繊維はさらに、すすぐ前に、最長で約60分、45分、30分、25分、20分、15分、10分、7分、5分、3分、1分、または1分未満にわたり、界面活性剤と接触させることができる。
【0031】
[0037]いくつかの態様において、繊維は乾燥させることができる。いくつかの態様において、乾燥は、周囲雰囲気の屋内、屋外において、ファンを使用して、またはオーブン内で行うことができる。いくつかの態様において、オーブンは空気循環式オーブンであることができる。いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、または75℃を超える温度で、少なくとも約1時間(hr)、3時間、5時間、10時間、15時間、20時間、24時間、30時間、40時間、48時間、72時間、96時間、または96時間を超える時間にわたり、乾燥することができる。いくつかの態様において、繊維は、最高で約75℃、70℃、65℃、60℃、55℃、50℃、45℃、40℃、35℃、30℃、25℃、20℃、または20℃未満の温度で、少なくとも約1時間(hr)、3時間、5時間、10時間、15時間、20時間、24時間、30時間、40時間、48時間、72時間、96時間、または96時間を超える時間にわたり、乾燥することができる。いくつかの態様において、繊維は、約40℃~約60℃の温度で乾燥することができる。いくつかの態様において、繊維は、約50℃の温度で乾燥することができる。
【0032】
コア繊維
[0038]コア繊維を含む毛髪繊維を本明細書中に提供する。いくつかの態様において、本明細書に開示される毛髪繊維は、コア繊維、外側コーティング、および所望により栄養成分を含む。いくつかの態様において、本明細書に開示される毛髪繊維は、コア繊維、コア繊維に関連付けられた外側コーティング、および外側コーティングに関連付けられた栄養成分を含む。一観点において、表面修飾を含むセルロース系コアと、外側コーティングとを含む毛髪繊維であって、外側コーティングが、セルロース系コアに固着される材料を含む、前記毛髪繊維を、本明細書中に提供する。一観点において、コーティングおよびコア繊維を含む毛髪繊維であって、コア繊維がセルロース系コア繊維、バイオベースの合成繊維、または合成材料であることができる前記毛髪繊維を、本明細書中に提供する。いくつかの態様において、コア繊維は、人毛繊維、動物繊維、合成毛髪繊維、人工セルロース系繊維、バイオベースの合成繊維、植物由来の繊維、セルロース系繊維、繊維ブレンド、またはそれらの任意の組合せからなる群より選択される。いくつかの態様において、コア繊維は、人工セルロース系繊維を含む。いくつかの態様において、人工セルロース系繊維は、ビスコース、リヨセル、モダール、キュプラ、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、コア繊維は、羊毛、ダウン、絹、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される動物繊維を含む。
【0033】
[0039]コア繊維は、植物源に由来することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、植物由来の繊維を含む。いくつかの態様において、コア繊維はセルロースに由来する。いくつかの態様において、コア繊維は、バナナ、パイナップル、ヨシ、サイザル麻、綿、カポック、黄麻、亜麻、大麻、ラミー、ケナフ、マニラ麻、ヘネケン、ヤシ、ナツメヤシ、ローゼル、インド麻、ボンテンカ、カンタラ、マゲイ、フォルミウム、海藻、アクンドの綿毛、サトウキビの絞りかす、フィキュー、竹、コイア、サンヘンプ、トウワタの綿毛、またはトックリキワタに由来する。いくつかの態様において、コア繊維は、バナナ、パイナップル、サイザル麻、黄麻、大麻、海藻、サトウキビの絞りかす、亜麻、フィキュー、コイア、マニラ麻、ケナフ、またはラミーに由来する。いくつかの態様において、コア繊維はバナナ繊維である。いくつかの態様において、コア繊維は、バナナ繊維に由来するセルロース系繊維である。コア繊維は、セルロースベースのレーヨンまたは熱溶融繊維と混合されたセルロース繊維などのセルロースベースの材料または組成物から構成されることもできる。いくつかの態様において、コア繊維は再生繊維である。いくつかの態様において、コア繊維は綿由来の再生繊維である。いくつかの態様において、コア繊維はバナナ由来の再生繊維である。いくつかの態様において、コア繊維は原料バナナ繊維(漂白、未洗浄)、バナナ毛髪ヤーン、ロイヤルソサイエティバナナ繊維(royal society banana fiber)、イラクサ繊維(漂白)、イラクサ繊維(天然)、パイナップル繊維、パイナップル(平滑)繊維、パイナップル(毛髪)ヤーン、ラミン(ramine)、海藻繊維、またはサイザル麻繊維である。
【0034】
[0040]コア繊維は、バイオベースの合成繊維を含むことができる。いくつかの態様において、バイオベースの合成繊維は、デンプンベース、セルロースベース、タンパク質ベース、脂質由来のポリマー、遺伝子組換え原料由来、バイオ由来のポリエチレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシウレタン、ポリ乳酸、ポリ-3-ヒドロキシブチレート、またはポリアミド11である。
【0035】
[0041]コア繊維は、合成材料を含むことができる。いくつかの態様において、コア繊維はポリアミドを含む。コア繊維は、アクリル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、およびモダクリル(商品名Kanekalonで販売されている)などの合成繊維を含むことができる。
【0036】
[0042]本明細書に記載のコア繊維は、110MPa~1980MPaの範囲の引張強さを有することができる。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは約10MPa~約2000MPaである。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは約50MPa~約1000MPa、約75MPa~約750MPa、約100MPa~約500MPa、約125MPa~約300MPa、または約150MPa~約250MPaである。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは、少なくとも約50、75、100、125、150、200、250、300、または400MPaである。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは、最大で約200、300、400、500、600、700、1000、または1500MPaである。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは、少なくとも約150MPaである。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは115MPa~315MPaである。コア繊維の引張強さは、例えば10-4s-1~10-0s-1の歪み速度の範囲で試験することができる。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは10-4s-1の歪み速度で試験される。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは、20℃および相対湿度20%で試験される。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは、ASTM D3822に従って試験される。いくつかの態様において、コア繊維の引張強さは、25℃および相対湿度65%で試験される。
【0037】
[0043]本明細書に記載のコア繊維は、少なくとも約10重量グラム(gf)、20gf、30gf、40gf、50gf、60gf、70gf、80gf、90gf、100gf、150gf、200gf、250gf、300gf、350gf、400gf、450gf、500gf、550gf、600gf、650gf、700gf、またはそれを超えるピーク荷重を有することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載のコア繊維は、最大で約700gf、650gf、600gf、550gf、400gf、300gf、200gf、150gf、100gf、90gf、80gf、70gf、60gf、50gf、40gf、30gf、20gf、10gf、またはそれ未満のピーク荷重を有することができる。いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、またはそれを超える温度で、一定時間乾燥することができる。いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約5分、15分、30分、1時間(hr)、3時間、5時間、10時間、15時間、20時間、24時間、30時間、40時間、48時間、72時間、96時間、またはそれを超える時間にわたり乾燥することができる。いくつかの態様において、繊維は、最高で約75℃、70℃、65℃、60℃、55℃、50℃、45℃、40℃、35℃、30℃、25℃、20℃、またはそれを超える温度で、一定時間乾燥することができる。いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約5分、15分、30分、1時間(hr)、3時間、5時間、10時間、15時間、20時間、24時間、30時間、40時間、48時間、72時間、96時間、または約96時間を超える時間にわたり乾燥することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載の繊維は、少なくとも0.5時間にわたり乾燥される。いくつかの態様において、本明細書に記載の繊維は、少なくとも2時間にわたり乾燥される。いくつかの態様において、本明細書に記載の繊維は、少なくとも4時間にわたり乾燥される。いくつかの態様において、コア繊維は、少なくとも約0.1ミリメートル(mm)、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、5.0mm、10.0mm、15.0mm、20.0mm、25.0mm、30.0mm、35.0mm、またはそれを超えるピーク荷重での伸びを有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、最大で約35mm、30mm、25mm、20mm、15mm、10mm、5mm、1mm、0.9mm、0.8mm、0.5mm、0.2mm、0.1mm、またはそれ未満のピーク荷重での伸びを有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、最大で約1mmのピーク荷重での伸びを有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、少なくとも約0.5%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、またはそれを超えるピーク荷重での伸びを有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、最大で約450%、400%、350%、300%、250%、200%、150%、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%、またはそれ未満のピーク荷重での伸びを有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、少なくとも約0.5%、1%、2%、3%、5%、6%、8%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、またはそれを超えるピーク荷重での歪みパーセントを有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、少なくとも約10gf、20gf、30gf、40gf、50gf、60gf、70gf、80gf、90gf、100gf、150gf、200gf、250gf、300gf、350gf、400gf、450gf、500gf、550gf、600gf、650gf、700gf、750gf、800gf、850gf、900gf、またはそれを超える破断荷重を有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、最大で約1000gf、950gf、900gf、800gf、750gf、700gf、600gf、500gf、400gf、300gf、200gf、150gf、100gf、90gf、80gf、70gf、60gf、50gf、40gf、30gf、20gf、10gf、またはそれ未満の破断荷重を有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、少なくとも約0.1ミリメートル(mm)、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、5.0mm、またはそれを超える破断点伸びを有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、少なくとも約0.1mmの破断点伸びを有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、最大で約5mm、1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm、0.1mm、またはそれ未満の破断点伸びを有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、少なくとも約0.5%、1%、2%、3%、5%、6%、8%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、またはそれを超える破断歪みパーセントを有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、最大で約120%、110%、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満の破断歪パーセントを有することができる。いくつかの態様において、繊維の引張特性はASTM D3822に従って決定される。
【0038】
[0044]本明細書に記載のコア繊維は、適したモジュラス弾性率を有することができる。いくつかの態様において、モジュラス弾性率は500~15000N/mm2である。いくつかの態様において、コア繊維は2400~3000N/mm2のモジュラス弾性率を有する。いくつかの態様において、モジュラス弾性率は2000~3500N/mm2または2600~2800N/mm2である。
【0039】
[0045]本明細書に記載のコア繊維は、少なくとも約10重量グラム毎デニール(gf/den)、20gf/den、30gf/den、40gf/den、50gf/den、60gf/den、70gf/den、80gf/den、90gf/den、100gf/den、200gf/den、300gf/den、400gf/den、500gf/den、600gf/den、700gf/den、800gf/den、900gf/den、1000gf/den、1200gf/den、1400gf/den、1500gf/den、1600gf/den、1800gf/den、2000gf/den、2200gf/den、2400gf/den、またはそれを超える繊維モジュラスを有することができる。本明細書に記載のコア繊維は、少なくとも約0.1gf/den、0.5gf/den、1gf/den、2gf/den、3gf/den、4gf/den、5gf/den、6gf/den、7gf/den、8gf/den、9gf/den、10gf/den、15gf/den、20gf/den、25gf/den、30gf/den、35gf/den、40gf/den、45gf/den、50gf/den、55gf/den、60gf/den、65gf/den、70gf/den、75gf/den、またはそれを超える繊維強力を有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は約1cN/dtex~約5cN/dtexの強力を有する。いくつかの態様において、コア繊維は、約1~10、約0.5~20、約0.5~2、約0.5~3、約0.5~5、約0.1~1、約1~2、または約1~3cN/dtexの強力を有する。いくつかの態様において、コア繊維は、少なくとも2cN/dtexの強力を有する。いくつかの態様において、コア繊維は、少なくとも0.5、1、2、2.5、3、または5cN/dtexの強力を有する。本明細書に記載の毛髪繊維は、少なくとも約0.1gf/den、0.5gf/den、1gf/den、2gf/den、3gf/den、4gf/den、5gf/den、6gf/den、7gf/den、8gf/den、9gf/den、10gf/den、15gf/den、20gf/den、25gf/den、30gf/den、35gf/den、40gf/den、45gf/den、50gf/den、55gf/den、60gf/den、65gf/den、70gf/den、75gf/den、またはそれを超える繊維強力を有することができる。いくつかの態様において、毛髪繊維は約0.1~10cN/dtexの強力を有する。いくつかの態様において、毛髪繊維は約1~15cN/dtexの強力を有する。いくつかの態様において、毛髪繊維は約1cN/dtex~約5cN/dtexの強力を有する。いくつかの態様において、毛髪繊維は、約1~10、約0.5~20、約0.5~2、約0.5~3、約0.5~5、約0.1~1、約1~2、または約1~3cN/dtexの強力を有する。いくつかの態様において、毛髪繊維は少なくとも2cN/dtexの強力を有する。いくつかの態様において、毛髪繊維は、少なくとも0.5、1、2、2.5、3、または5cN/dtexの強力を有する。本明細書に記載のコア繊維は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、またはそれを超える繊維靱性を有する。
【0040】
[0046]本明細書に記載のコア繊維は、少なくとも約5デニール(den)単位、10den、15den、20den、25den、30den、35den、40den、45den、50den、55den、60den、65den、またはそれを超える平均線密度を有することができる。本明細書に記載のコア繊維は、最大で約65den、60den、55den、50den、45den、40den、35den、30den、20den、15den、10den、5den、またはそれ未満の平均線密度を有することができる。本明細書に記載のコア繊維は、熱安定性、湿度安定性、および/またはpH安定性であることができる。いくつかの態様において、コア繊維は、450°Fまでの温度で安定である。いくつかの態様において、コア繊維は、最高200°F、300°F、400°F、500°F、または600°Fの温度で安定である。いくつかの態様において、コア繊維は、100°F、150°F、200°F、250°F、300°F、350°F、450°F、または500°Fにおいて、その引張強さの少なくとも80%を維持する。いくつかの態様において、コア繊維は、450°Fにおいて、その引張強さの少なくとも80%を維持する。いくつかの態様において、コア繊維は、450°Fにおいて、その引張強さの60%~100%を維持する。いくつかの態様において、コア繊維は、300°Fにおいて、その引張強さの少なくとも80%を維持する。いくつかの態様において、コア繊維は、300°Fにおいて、その引張強さの60%~100%を維持する。いくつかの態様において、コア繊維の5%以下は、450°Fまでの温度で分解される。いくつかの態様において、コア繊維の15%以下は、450°Fまでの温度で分解される。いくつかの態様において、コア繊維の2%以下は、450°Fまでの温度で分解される。いくつかの態様において、コア繊維の1%以下は、450°Fまでの温度で分解される。いくつかの態様において、コア繊維の1%、2%、5%、10%または20%以下は、450°Fまでの温度で分解される。
【0041】
[0047]コア繊維は、繊維コアの処理中に染色または着色することができる。いくつかの態様において、顔料または染料などの着色剤がコア繊維に加えられる。コア繊維は、すべての人毛の色を含む任意の適した色を有することができる。いくつかの態様において、コア繊維は、黒色、褐色、ブロンド、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、バイオレット、ピンク色、白色または灰色である。いくつかの態様において、コア繊維は2以上の色を有する。いくつかの態様において、コアは、黒色、褐色、ブロンド、灰色、または赤色などの人毛様色、ならびに内部の色調および色相に類似するように染色または着色することができる。いくつかの態様において、コアは、橙色、黄色、緑色、バイオレット、または白色など他の色、ならびに内部の色調および色相に染色または着色することができる。
【0042】
[0048]コア繊維は、表面修飾されている(または表面修飾を含む)ことができる。いくつかの態様において、本明細書中の表面修飾は、カルボン酸、アセテート、アセテートブチレート、カルバメート、カルボキシレート、ヒドロキシル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、エポキシド、アミン、アミド、ニトレート、ニトライト、ニトリル、ニトロ、ニトロソ、イミン、アゾ、チオール、スルフィド、ジスルフィド、スルホキシド、スルフィン酸、スルホン酸、スルホン酸エステル、チアール、チオケトン、およびホスフィンなどの表面接近性末端基を1以上含む。いくつかの態様において、1以上の表面接近性末端基は、カルボン酸、アセテート、ヒドロキシル、アセテートブチレート、エステル、エーテル、カルバメート、およびカルボキシレート、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、表面接近性末端基を使用すると、例えば、共有結合または機械的付着によって、外側コーティングをコア繊維に固着させることができる。いくつかの態様において、表面接近性末端基は、共有結合によってコア繊維を外側コーティングに固着させる。
【0043】
外側コーティング
[0049]本明細書で提供される毛髪繊維は、コア繊維と、コア繊維の外側コーティングとを含むことができる。いくつかの態様において、外側コーティングは、コア繊維に固着される表面修飾を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは、コア繊維に固着される材料を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは栄養成分を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは2以上の栄養成分を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは、強度、熱安定性、難燃性、シーン光沢、質感、弾性、平滑性、量感、紫外線保護、低い光感受性、および柔軟性など、少なくとも1つの人毛様属性をもたらす。
【0044】
[0050]いくつかの態様において、外側コーティングは1以上のポリマー層を含む。外側コーティングは、植物ベースのポリマー、バイオベースの合成繊維、または合成ポリマーを含むことができる。いくつかの態様において、外側コーティングはプラスチック成分を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは、モダクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリビニルスルフェート、ポリビニルスルホネート、ケラチン、キチン、キトサン、ナイロン、シロキサン、シリコーン、またはそれらの組み合わせを含む1以上のポリマー層を含む。いくつかの態様において、1以上のポリマー層は、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリビニルスルフェート、ポリビニルスルホネート、ケラチン、キチン、ナイロン、シロキサン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、外側コーティングはプラスチック成分を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは1以上の材料層を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは1以上のポリマー層を含む。
【0045】
[0051]いくつかの態様において、外側コーティング材料は、ポリマー、コンディショニング剤、および帯電防止剤のうちの1以上を含む。いくつかの態様において、外側コーティング材料は1以上のポリマーを含む。いくつかの態様において、1以上のポリマーは、モダクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリビニルスルフェート、ポリビニルスルホネート、ケラチン、キチン、ナイロン、シロキサン、シリコーン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0046】
[0052]いくつかの態様において、外側コーティング材料は1以上のコンディショニング剤を含む。いくつかの態様において、外側コーティングはコンディショニング剤を含む。いくつかの態様において、1以上のコンディショニング剤は、脂肪酸、脂肪族アルコール、第四級アンモニウム塩、または油を含む。1以上のコンディショニング剤は、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアラミドプロピルアミン、ベヘニルトリモニウムクロリド、PPG3カプリリルエーテル、ポリエステル-11、アルガン油、加水分解タンパク質、アモジメチコン、ビス-アミノプロピルジメチコン、ジメチコン、ジメチコンシリコーン、非イオン性アミノ官能性シリコーン、非イオン性ジメチオン(dimethione)シリコーン、セチルエステル、アボカド油、大豆油、セリミド(cerimide)、ホホバ油、マカダミア油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、ローズ油、シアバター、またはヤシ油を含むことができる。いくつかの態様において、1以上のコンディショニング剤は、保湿剤、アルコール、またはそれらの組み合わせを含む。保湿剤は、加水分解タンパク質または酸性化アルコール、またはそれらの組み合わせを含むことができる。加水分解タンパク質は、加水分解ケラチン、加水分解シルクタンパク質、またはそれらの組み合わせを含むことができる。酸性化アルコールは、トリプロピレングリコールシトレート、ソルビトール、1,2,6ヘキサントリオール、トリエチレングリコール、ポリグリセリルソルビトール、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、コンディショニング剤は、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアラミドプロピルアミン、ベヘニルトリモニウムクロリド、PPG3カプリリルエーテル、ポリエステル-11、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-15ココポリアミン、グリセロール、グリセリン、アルガン油、加水分解タンパク質、アモジメチコン、ビス-アミノプロピルジメチコン、ジメチコン、セチルエステル、アボカド油、大豆油、ホホバ油、マカダミア油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、ローズ油、シアバター、またはヤシ油を含む。
【0047】
[0053]いくつかの態様において、外側コーティング材料は1以上の帯電防止剤を含む。いくつかの態様において、帯電防止剤は、長鎖(例えば、C9-C36またはC12-C12)脂肪族アミン、長鎖(例えば、C9-C36またはC12-C12)脂肪族アミド、第四級アンモニウム塩、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、帯電防止剤は、シリコーン、ベヘントリモニウムクロリド、コカミドプロピルベタイン、リン酸のエステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールポリオール、エトキシル化アミン、グリセロールモノステアレート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、コカミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、コカミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムラクテート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムラクテート、オレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、オレアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ステアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、またはステアラミドプロピルエチルジモニウムラクテートを含む。
【0048】
[0054]いくつかの態様において、外側コーティングは、コア繊維に固着される表面修飾を含む。いくつかの態様において、該表面修飾は、コア繊維の表面の官能性末端基を含む。末端基は、反応性官能基を含むことができる。いくつかの態様において、末端基は、カルボン酸、アセテート、アセテートブチレート、カルバメート、カルボキシレート、ヒドロキシル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、エポキシド、アミン、アミド、ニトレート、ニトライト、ニトリル、ニトロ、ニトロソ、イミン、アゾ、チオール、スルフィド、ジスルフィド、スルホキシド、スルフィン酸、スルホン酸、スルホン酸エステル、チアール、チオケトン、およびホスフィンなどの基を含む。一観点において、外側コーティングは、1以上の表面接近性末端基への共有結合または機械的付着によって繊維コア(例えば、セルロース系コア)に固着される。いくつかの態様において、表面修飾は、カルボン酸、アセテート、ヒドロキシル、アセテートブチレート、エステル、エーテル、カルバメート、およびカルボキシレートからなる群より選択される1以上の表面接近性末端基を含む。
【0049】
[0055]いくつかの態様において、本明細書で提供される毛髪繊維は、コア繊維およびコア繊維の外側コーティングを含むことができ、コア繊維と外側コーティングとの間に重量比が存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に、約60~約99.999重量%の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に、約60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%または89重量%から、約90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%または99.9重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に、約20重量%、30重量%または40重量%から、約45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%または99重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約30重量%~50重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約40重量%~80重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約50重量%~90重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約90重量%~100重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約85重量%~99重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約95重量%~99.9重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約90重量%~99.9重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約92重量%~99.9重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約95重量%~99.9重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約96重量%~99.9重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約97重量%~99.9重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約98重量%~99.9重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約90重量%~98重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約85重量%~99重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維は、毛髪繊維中に約90重量%~95重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、コア繊維と外側コーティングとの重量比は、約100:1、101:1、105:1、110:1、120:1、130:1、140:1、150:1、160:1、170:1、180:1、190:1、200:1、または約200:1超である。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約0.001重量%~約15重量%の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約1重量%~約90重量%の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは栄養成分を含む。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に、約0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%または0.5重量%から、約0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1.0重量%、1.5重量%、2.0重量%、2.5重量%、3.0重量%、3.5重量%、4.0重量%、4.5重量%または5重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に、約1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、12重量%または15重量%から、約20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%または90重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約0.01重量%~約5重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約1重量%~約10重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約0.01重量%~約2重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約0.01重量%~約0.5重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約0.01重量%~約0.25重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約0.01重量%~約0.1重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約0.01重量%~約1重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中にが約0.1重量%~約1.5重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約1重量%~約15重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約5重量%~約25重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約10重量%~約30重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約15重量%~約50重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約30重量%~約60重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約40重量%~約60重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、外側コーティングは、毛髪繊維中に約50重量%~約80重量%の範囲の量で存在する。
【0050】
栄養成分
[0056]一観点において、本明細書に記載の毛髪繊維は栄養成分を含むことができる。いくつかの態様において、毛髪繊維は2以上の栄養成分を含む。いくつかの態様において、栄養成分は抗菌活性を含む。いくつかの態様において、栄養成分は、シーン光沢などの人毛様特性を繊維に送達することができる。いくつかの態様において、栄養成分は外側コーティングに埋め込まれる。
【0051】
[0057]栄養成分は、精油、金属、植物抽出物、植物油、タンパク質、およびペプチドを含むことができる。いくつかの態様において、栄養成分は精油を含む。いくつかの態様において、精油は、ラベンダー油、ペパーミント油、ローズマリー油、クラリーセージ油、アボカド油、大豆油、ホホバ油、ヤシ油、オリーブ油、マカダミア油、ナツメグ核油、アーモンド油、ゴマ油、ローズ油、ユーカリ油、モツヤクジュ油、ベイ葉油、レモン油、レモングラス油、タイム油、ジュニパーベリー油、パイン油、セダーウッド油、ネロリ油、サンダルウッド油、ゼラニウム油、イラン、イラン油、ベルガモット油、ウイキョウ油、オレンジ油、ベチバー油、パルマローザ油、グレープフルーツ油、ティーツリー油、パチョリ油、カモミール油、チョウジ葉油、およびリモネンから選択される1以上の油を含む。いくつかの態様において、栄養成分はAloe Veraを含む。いくつかの態様において、栄養成分は、Tussilago Farfara花抽出物、Achillea Millefolium抽出物、Cinchona Succirubra樹皮抽出物、Arnica Montana花抽出物、Alpinia Officinarum根抽出物、Ferula Galbaniflua樹脂油、Canarium Luzonicumガム不揮発性物質、Curcuma Zedoaria根油、Zingiber Officinale(ショウガ)根油、Cinnamomum Zeylanicum樹皮油、テレビン油、メントール、ショウノウ、リナロール、オイゲノールなどを含む。いくつかの態様において、栄養成分は難燃剤を含む。いくつかの態様において、栄養成分は担体ビヒクルを含む。いくつかの態様において、栄養成分はタンパク質またはペプチドを含む。いくつかの態様において、栄養成分は加水分解シルクタンパク質、加水分解ケラチンなどを含む。いくつかの態様において、栄養成分はアミノ酸を含む。いくつかの態様において、栄養成分はカルニチンなどを含む。いくつかの態様において、栄養成分は防腐剤を含む。いくつかの態様において、栄養成分は、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノンなどを含む。いくつかの態様において、栄養成分は抗菌剤を含む。いくつかの態様において、栄養成分は、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ヒドロキシエチル尿素などを含む。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも一部は、外側コーティング材料内に埋め込まれる。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも一部は、外側コーティング材料内に封入される。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも一部は、コア繊維に固着される。
【0052】
[0058]栄養成分は、2以上の構成成分を含むことができる。例えば、栄養成分は、精油および難燃剤を含むことができる。いくつかの態様において、栄養成分は、精油、タンパク質、および難燃剤から選択される1以上を含む。
【0053】
[0059]本明細書に記載の栄養成分は、粒子に封入することができる。いくつかの態様において、栄養成分は担体ビヒクル中に含まれる。担体ビヒクルは粒子であることができる。本明細書に記載の栄養成分は、放出制御粒子中に含まることができる。いくつかの態様において、粒子、放出制御粒子または担体ビヒクルは、シクロデキストリン、ヒドロゲル、ゾルゲル、リポソーム構造体、またはハロイサイトナノチューブを含むことができる。いくつかの態様において、担体ビヒクルはシクロデキストリンまたはリポソーム構造体を含む。いくつかの態様において、担体ビヒクルはシクロデキストリン粒子を含む。シクロデキストリン粒子は、放出制御粒子であることができる。いくつかの態様において、担体ビヒクルはリポソーム粒子を含む。いくつかの態様において、粒子または放出制御粒子はシクロデキストリンを含む。いくつかの態様において、シクロデキストリンは、アルファ、ベータ、もしくはガンマシクロデキストリン、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、栄養成分は、シクロデキストリンまたはヒドロゲルなどの粒子中に封入される。いくつかの態様において、本明細書に記載の栄養成分は、ホスファチジルコリンなどのリン脂質を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載の栄養成分は、毛髪および/または頭皮に栄養分を与えるように構成される。
【0054】
[0060]本明細書に記載の栄養成分は、キトスン(chitosn)ベースの栄養成分であることができる。本明細書に記載の栄養成分は、シリコーンベースの栄養成分であることができる。本開示で使用されるキトサンは、低分子量、中分子量または高分子量キトサンであることができる。いくつかの態様において、キトサンは、約50kDa~2000kDaのMwを有する。いくつかの態様において、キトサンは、約100kDa~1000kDaのMwを有する。いくつかの態様において、キトサンは、1000kDaを超えるMwを有する。いくつかの態様において、キトサンは、100kDa未満のMwを有する。いくつかの態様において、キトサンは、毛髪繊維中に、約0.01重量%~約2重量%、約0.1重量%~約10重量%、約0.01重量%~約1重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.5重量%~約5重量%、または約0.05重量%~約0.5重量%で存在する。
【0055】
[0061]本明細書に記載のリポソーム粒子は、1以上の界面活性剤を含むことができる。代表的な界面活性剤としては、限定されるものではないが、脂肪酸ナトリウム、モノアルキルスルフェート、およびモノアルキルホスフェートなどのアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシドなどの両性界面活性剤;ならびに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルモノグリセリルエーテル、および脂肪酸ソルビタンエステルなどの非イオン性界面活性剤が挙げられる。いくつかの態様において、界面活性剤はリン脂質を含む。代表的なリン脂質としては、レシチンが挙げられる。リポソームを合成するのに用いることができる他の構成成分としては、限定されるものではないが、脂肪酸、リゾ脂質、グルコリピド、長さ6~8炭素の短鎖脂肪酸を有するリン脂質、合成リン脂質などの天然由来および合成の両親媒性脂質が挙げられる。本明細書に記載のリポソーム粒子は、安定剤を含むことができる。リポソーム安定剤として有用ないくつかの代表的なポリマーとしては、市販の第四級化多糖、例えば、セルロース、ラウルジモニウムヒドロキシエチルセルロース、ココジモニウムヒドロキシエチルセルロース、およびステアルジモニウムヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。いくつかの態様において、安定剤は、デンプンまたはキトサン;修飾または置換タンパク質、適切な分子量のポリペプチド、または非生物学的ポリマーである。
【0056】
[0062]いくつかの態様において、担体ビヒクル粒子は粒子サイズを有する。いくつかの態様において、担体ビヒクル粒子のD50値は約100nm~1mmである。いくつかの態様において、担体ビヒクル粒子のD50値は、少なくとも約10nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1μm、10μm、50μm、100μm、500μm、または1mmである。いくつかの態様において、担体ビヒクル粒子のD50値は、最大で約10nm、100nm、500nm、1μm、10μm、50μm、100μm、500μm、または1mmである。いくつかの態様において、担体ビヒクル粒子のD50値は10nm~約500μmの範囲である。いくつかの態様において、担体ビヒクル粒子のD50値は100nm~約100μmの範囲である。いくつかの態様において、担体ビヒクル粒子のD50値は100nm~約10μmの範囲である。いくつかの態様において、担体ビヒクル粒子のD50値は10nm~約1μmの範囲である。D50値は、全粒子の50%がこのサイズより小さく、粒子の50%がこのサイズより大きい直径をさす。粒子サイズは、当技術分野で公知の任意の適した方法、例えば、実施例7に記載の方法によって測定することができる。
【0057】
[0063]栄養成分は、経時的に粒子から放出されることができる。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも80重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、48時間の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも0.1重量%、0.5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%または90重量%、または90重量%超は、毛髪繊維が個体に施用された後、約1時間(hr)、2時間、3時間、4時間、5時間、10時間、15時間、20時間、24時間、36時間、48時間、または48時間より長時間以内に放出される。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも約0.1重量%、0.5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%または90重量%、または90重量%超は、毛髪繊維が個体に施用された後、約1時間(hr)、2時間、5時間、10時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間(wk)、2週間、3週間、4週間、6週間、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、または12ヶ月を超える期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも80重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、1時間~1ヶ月の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも約50重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、1時間~1ヶ月の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも約80重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、1時間~12ヶ月の期間にわたり放出される。
【0058】
[0064]いくつかの態様において、栄養成分は、環境のpH、環境の温度、環境の水分もしくは湿度のレベル、または繊維の物理的操作に対する応答として放出される。いくつかの態様において、栄養成分は、繊維の物理的操作に対する応答として放出される。いくつかの態様において、栄養成分は、温度に対する応答として放出される。いくつかの態様において、栄養成分は、複数の刺激に応答して放出される。いくつかの態様において、栄養成分は、1つの刺激に応答して放出される。いくつかの態様において、刺激は、pH、温度、物理的操作、水分もしくは湿度のレベル、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、刺激はpH変化を含む。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも80重量%は、刺激の開始後48時間にわたって放出される。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90、または少なくとも95重量%は、刺激の開始後48時間にわたって放出される。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも80重量%は、刺激の開始後1時間~1ヶ月の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分は、疎水性を提供するために繊維に施用することができる。いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約70°、80°、90°、100°、110°、120°、130°、140°、150°、またはそれを超える、水との接触角を含むことができる。いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約70°の水との接触角を含むことができる。いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約80°の水との接触角を含むことができる。いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約90°の水との接触角を含むことができる。いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約100°の水との接触角を含むことができる。いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約120°の水との接触角を含むことができる。いくつかの態様において、繊維は、少なくとも約150°の水との接触角を含むことができる。いくつかの態様において、栄養成分は、熱的プロセス(例えば、加熱)中に繊維に保護を提供するために、繊維に施用することができる。繊維の疎水性および/または熱的保護は、防水溶液の施用によって提供することができる。いくつかの態様において、防水溶液は、シリコーン、エポキシ、ポリ尿素、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、粘土、粘土添加剤、セラミック、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、防水溶液は水性アミノ変性ポリジメチルシロキサンを含む。いくつかの態様において、防水溶液は粘土添加剤を含む。いくつかの態様において、防水溶液は、粘土添加剤およびアミノ変性ポリジメチルシロキサンを含むことができる。
【0059】
[0065]いくつかの態様において、栄養成分は、易燃性の低下をもたらすために繊維に施用することができる(例えば、難燃剤)。いくつかの態様において、繊維の易燃性は、難燃性を含むことができる栄養成分の施用によって、少なくとも約0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、50%、75%、100%、200%、300%、またはそれより多く、低下させることができる。いくつかの態様において、栄養成分は難燃剤を含む。いくつかの態様において、難燃剤は、栄養成分の全重量の10%~99%を構成する。いくつかの態様において、難燃剤は、栄養成分の全重量の20%~90%を構成する。いくつかの態様において、難燃剤は、栄養成分の全重量の85%~98%を構成する。いくつかの態様において、難燃剤は、栄養成分の全重量の30%~99%、50%~95%、70%~98%、または40%~98%を構成する。難燃剤は、キトサン、ポリ(ホスホネート-コ-カーボネート)、ポリホスホネート、またはそれらの組合せを含むことができる。いくつかの態様において、栄養成分はキトサンを含む。いくつかの態様において、栄養成分はシリコーンを含む。
【0060】
[0066]いくつかの態様において、栄養成分は、担体ビヒクル中の繊維に統合することができる(すなわち、包接複合体の形態で)。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、ベータ-シクロデキストリンなどのシクロデキストリンを含む。いくつかの態様において、担体ビヒクルは微粒子を含む。いくつかの態様において、栄養成分は難燃剤を含む。
【0061】
[0067]いくつかの態様において、本明細書に記載の栄養成分は、加水分解ホホバタンパクHP(Making Cosmetics)を約10重量%のTrichogen(登録商標)VEG UL LS 9922(BASF)と混合することによりもたらされる混合物である。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、高温(例えば、40℃±3℃)まで加熱撹拌し、室温まで冷却されるまでさらに撹拌し、クエン酸を使用してpHを調整することによって形成される。いくつかの態様において、得られた栄養混合物は、担体ビヒクルに組み込まれるまで4℃で保存される。いくつかの態様において、本明細書に記載の栄養成分は、加水分解ホホバタンパクHP(Making Cosmetics)をTrichogen(登録商標)VEG UL LS 9922(BASF)と混合することによってもたらされる混合物である。いくつかの態様において、加水分解ホホバタンパクHPは、混合物中に、少なくとも約90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、33重量%、25重量%、20重量%、17重量%、14重量%、13重量%、11重量%、10重量%、9重量%、5重量%、または5重量%の量で存在する。いくつかの態様において、加水分解ホホバタンパクHPは、混合物中に、最大で約90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、33重量%、25重量%、20重量%、17重量%、14重量%、13重量%、11重量%、10重量%、9重量%、5重量%、または5重量%の量で存在する。いくつかの態様において、加水分解ホホバタンパクHPは、混合物中に約10重量%~20重量%の量で存在する。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、栄養成分を、水、アルコール、またはそれらの組み合わせなどの液体中で混合することによって形成される。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、栄養成分を水中で混合することによって形成される。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、栄養成分を水/アルコール混合物中で混合することによって形成される。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、溶液または懸濁液である。
【0062】
[0068]いくつかの態様において、栄養成分は、毛髪繊維上に約0.0001重量%~約80重量%で存在する。いくつかの態様において、栄養成分は、毛髪繊維上に、約0.001重量%~約2重量%、約0.005重量%~約2重量%、約0.01重量%~約5重量%、約0.05重量%~約5重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、または約0.5重量%~約1重量%で存在する。いくつかの態様において、栄養成分は、毛髪繊維上に、約1重量%~約10重量%、約5重量%~約15重量%、約10重量%~約25重量%、約15重量%~約30重量%、約20重量%~約50重量%、約30重量%~約60重量%、約40重量%~約55重量%、または約50重量%~約70重量%で存在する。いくつかの態様において、栄養成分は、毛髪繊維上に約1重量%~約10重量%で存在する。いくつかの態様において、栄養成分は、毛髪繊維上に約5重量%~約20重量%で存在する。いくつかの態様において、栄養成分は、毛髪繊維上に約40重量%~約60重量%で存在する。いくつかの態様において、栄養成分は、毛髪繊維上に約50重量%~約70重量%で存在する。いくつかの態様において、栄養成分は、毛髪繊維上に約60重量%~約80重量%で存在する。栄養成分と毛髪繊維との重量比は、任意の適した手段、例えば、実施例9に記載の方法によって決定することができる。
【0063】
毛髪繊維用コーティング
[0069]本明細書で提供されるのは、外側コーティング材料および栄養成分を含む、コア繊維のためのコーティングである。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも一部は、材料の外側コーティング内に埋め込まれる。
【0064】
[0070]いくつかの態様において、外側コーティング材料は、ポリマー、コンディショニング剤、および帯電防止剤のうちの1以上を含む。いくつかの態様において、外側コーティング材料は1以上のポリマーを含む。いくつかの態様において、1以上のポリマーは、シリコーン、モダクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリビニルスルフェート、ポリビニルスルホネート、ケラチン、キチン、ナイロン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0065】
[0071]いくつかの態様において、外側コーティング材料は1以上のコンディショニング剤を含む。いくつかの態様において、1以上のコンディショニング剤は、脂肪酸、脂肪族アルコール、第四級アンモニウム塩、または油を含む。1以上のコンディショニング剤は、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、パンテノール、グリセロール、グリセリン、ステアラミドプロピルアミン、ベヘニルトリモニウムクロリド、PPG3カプリリルエーテル、ポリエステル-11、アルガン油、加水分解タンパク質、アモジメチコン、ビス-アミノプロピルジメチコン、ジメチコン、ラウレス-4、ラウレス23、モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマー、トリデセス-5、グリセリン、セチルエステル、アボカド油、大豆油、ホホバタンパク、ホホバ油、マカダミア油、オリーブ油、アーモンド油、ゴマ油、ローズ油、シアバター、ヤシ油、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、1以上のコンディショニング剤は、ジメチコン、非イオン性アミノ官能性シリコーン、または非イオン性ジメチコンシリコーンを含む。
【0066】
[0072]いくつかの態様において、外側コーティング材料は1以上の帯電防止剤を含む。いくつかの態様において、帯電防止剤は、長鎖(例えば、C9-C36またはC12-C12)脂肪族アミン、長鎖(例えば、C9-C36またはC12-C12)脂肪族アミド、第四級アンモニウム塩、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、帯電防止剤は、長鎖脂肪族アミン、長鎖脂肪族アミド、第四級アンモニウム塩、シリコーン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、帯電防止剤は、ベヘントリモニウムクロリド、コカミドプロピルベタイン、リン酸のエステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールポリオール、エトキシル化アミン、グリセロールモノステアレート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、コカミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、コカミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムラクテート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムラクテート、オレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、オレアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ステアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、またはステアラミドプロピルエチルジモニウムラクテートを含む。いくつかの態様において、帯電防止剤は、ベヘントリモニウムクロリド、コカミドプロピルベタイン、リン酸のエステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールポリオール、エトキシル化アミン、グリセロールモノステアレート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、アプリコットアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、コカミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、コカミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ラウラミドプロピルエチルジモニウムラクテート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、リノールアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ミリスタミドプロピルエチルジモニウムラクテート、オレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、オレアミドプロピルエチルジモニウムラクテート、ステアミドプロピルエチルジモニウムエトスルフェート、ステアラミドプロピルエチルジモニウムラクテート、またはそれらの組み合わせを含む。
【0067】
[0073]いくつかの態様において、外側コーティング材料は、精油、金属、植物抽出物、植物油、タンパク質、またはペプチドなどの栄養成分を含む。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも一部は、外側コーティング材料内に埋め込まれる。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも一部は、粒子に封入される。栄養成分は、シクロデキストリン、ヒドロゲル、ゾルゲル、リポソーム構造体、またはハロイサイトナノチューブなどの放出制御粒子中に含まれることができる。
【0068】
[0074]栄養成分は、経時的に粒子またはコーティングから放出されることができる。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも80重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、48時間の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の少なくとも1重量%、2重量%、3重量%、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、または約90重量%超は、毛髪繊維が個体に施用された後、1時間(hr)、2時間、3時間、4時間、5時間、10時間、20時間、24時間、36時間、48時間、または48時間より長時間以内に放出される。いくつかの態様において、栄養成分の80重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、1時間~1ヶ月の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の50重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、1時間~1ヶ月の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の80重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、1時間~12ヶ月の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の約80重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、12時間~1ヶ月の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の約80重量%は、毛髪繊維が個体に施用された後、1日時間(day hour)~3週間の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の5重量%未満は、1日の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の25重量%未満は、6時間、12時間、1日、2日、3日、7日、2週間、3週間、または1ヶ月の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の50重量%未満は、6時間、12時間、1日、2日、3日、7日、2週間、3週間、または1ヶ月の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分の75重量%未満は、6時間、12時間、1日、2日、3日、7日、2週間、3週間、または1ヶ月の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分は少なくとも48時間の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分は少なくとも96時間の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分は少なくとも1週間の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分は少なくとも2週間の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分は少なくとも4週間の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分は少なくとも2ヶ月の期間にわたり放出される。いくつかの態様において、栄養成分は少なくとも3または6ヶ月の期間にわたり放出される。
【0069】
[0075]いくつかの態様において、栄養成分は、環境のpH、環境の温度、環境の水分もしくは湿度のレベル、または繊維の物理的操作に対する応答として、コーティングから放出される。いくつかの態様において、栄養成分は、繊維の物理的操作に対する応答として放出される。いくつかの態様において、栄養成分は、温度に対する応答として放出される。
【0070】
毛髪繊維の生産方法
[0076]毛髪繊維の生産方法を本明細書に記載する。いくつかの態様において、本方法は、セルロース系繊維に対し化学的表面処理を実施して、表面修飾されたコア繊維をもたらす段階と、所望により、該コア繊維を染料または顔料に暴露して、染色または着色されたコア繊維を得る段階と、該コア繊維を、1以上の反応性基を含むポリマー組成物でコーティングして、毛髪繊維を得る段階とを含む。いくつかの態様において、本方法は、(i)コア繊維を得る段階と、(ii)栄養成分をコア繊維に施用する段階とを含む。一観点において、本方法は、毛髪繊維を染料または顔料に暴露して、染色または着色された毛髪繊維を得る段階を包含する。いくつかの態様において、本方法はさらに、コア繊維に対し化学的表面処理を実施して、表面修飾されたコア繊維をもたらすことを含む。いくつかの態様において、本方法はさらに、毛髪繊維を得るために、1以上の反応性基を含む外側コーティングでコア繊維をコーティングして、コーティングされたコア繊維を得ることを含む。いくつかの態様では、コーティングされたコア繊維に栄養成分を施用する。いくつかの態様において、本方法はさらに、外側コーティングおよび/または栄養成分でコーティングされた毛髪繊維を加熱することを含む。いくつかの態様において、本方法はさらに、外側コーティングおよび/または栄養成分でコーティングされた毛髪繊維を硬化させることを含む。いくつかの態様において、本方法はさらに、硬化または加熱後に外側コーティングおよび/または栄養成分の重量を決定することを含む。いくつかの態様において、栄養成分は担体ビヒクル中に含まれる。例えば、担体ビヒクルは粒子であることができる。いくつかの態様において、栄養成分は溶液中でコア繊維に施用される。例えば、栄養成分は、噴霧乾燥、刷毛塗り、浸漬コーティング、混合などを介してコア繊維に施用することができる。
【0071】
[0077]いくつかの態様において、栄養成分を含む担体ビヒクルは、水、所望によりアルコール(例えば、エタノール)、および/または油(例えば、ホホバ油)を、濾過、乾燥、および室温での再水和などのプロセスを介してベータシクロデキストリンと組み合わせてベータシクロデキストリン二次構造体を作り出すことにより調製される。いくつかの態様において、栄養成分を含む担体ビヒクルは、水、所望によりアルコール(例えば、エタノール)、および/または油(例えば、ホホバ油)を、キトサンと組み合わせてキトサンベースの栄養成分を作ることにより調製される。いくつかの態様において、栄養成分を含む担体ビヒクルは、水をホスファチジルコリン(例えば、20最終重量%)などの界面活性剤と組み合わせ(例えば、37℃で1時間)、次いで、混合物を、水、プロピレングリコール(例えば、10最終重量%)、およびベータ-シクロデキストリン栄養混合物(10最終重量%)の別個の溶液に加えることによって調製される。いくつかの態様において、栄養成分を含む担体ビヒクルは、水、ホスファチジルコリンなどの界面活性剤、ベータ-シクロデキストリンおよび栄養成分を組み合わせることによって調製される。いくつかの態様において、栄養成分を含む担体ビヒクルは、水、ホスファチジルコリンなどの界面活性剤、キトサンおよび栄養成分を組み合わせることによって調製される。いくつかの態様において、栄養成分を含む担体ビヒクルは、水、ホスファチジルコリンなどの界面活性剤、シリコーンおよび栄養成分を組み合わせることによって調製される。
【0072】
[0078]いくつかの態様において、担体ビヒクルは、高温、例えば、30℃±5℃、40℃±5℃、50℃±5℃、60℃±5℃、70℃±5℃、80℃±5℃、または90℃±5℃に加熱される。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、加熱後に室温まで冷却される。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、クエン酸などの酸を使用してpH調整される。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、塩基を使用してpH調整される。いくつかの態様において、得られた栄養混合物は、担体ビヒクルに組み込まれるまで、約0~40℃(例えば、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、15℃、20℃、または約20℃を超える温度)で保存される。
【0073】
[0079]いくつかの態様において、栄養成分は水に溶解させることができる。いくつかの態様において、栄養成分はアルコールに溶解される。いくつかの態様において、栄養成分はアルコール-水混合物に溶解される。その後、混合物を、100nm、200nm、300nm、400nm、または400nmを超える孔径のポリカーボネート製メンブランフィルター(Advantec)を用いて押し出して、分散液を作ることができる。次いで、ベンジルアルコール(5最終重量%)などの添加剤を添加してもよい。その後、混合物をさらに37℃の超音波浴中に1時間置き、さらに使用するために4℃で冷蔵してもよい。いくつかの態様において、栄養成分は、約1重量%~15重量%、5重量%~20重量%、10重量%~30重量%、または20重量%または50重量%で溶液に溶解される。いくつかの態様において、栄養成分は、約10重量%または25重量%で溶液に溶解される。いくつかの態様において、栄養成分は、約0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、50重量%または約50重量%超で、溶液に溶解される。いくつかの態様において、栄養成分は、5~40℃の範囲の温度で毛髪繊維に施用されることができる。いくつかの態様において、栄養成分は、15~60℃の範囲の温度で毛髪繊維に施用されることができる。いくつかの態様において、栄養成分は、20~65℃の範囲の温度で毛髪繊維に施用されることができる。いくつかの態様において、栄養成分は、約0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または約100℃を超える温度で毛髪繊維に施用されることができる。
【0074】
[0080]いくつかの態様において、栄養成分は、約0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、50重量%、または約50重量%超で、担体溶液に溶解される。いくつかの態様のいて、栄養成分は、約1重量%~30重量%で担体溶液に溶解される。いくつかの態様において、栄養成分は、約5重量%~50重量%で担体溶液に溶解される。いくつかの態様において、栄養成分は、約1重量%~10重量%で担体溶液に溶解される。いくつかの態様において、栄養成分は、約0.5重量%~25重量%で担体溶液に溶解される。いくつかの態様において、栄養成分は、約0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または約100℃を超える温度で毛髪繊維に施用されることができる。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、ベータ-シクロデキストリン(BCD)を含むことができる。いくつかの態様において、担体溶液は、アルコールの溶液を含むことができる。場合によっては、担体ビヒクルは、エタノールの溶液を含むことができる。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、水の溶液を含むことができる。いくつかの態様において、担体ビヒクルは、水とアルコールの溶液を含むことができる。場合によっては、担体ビヒクルは、水とエタノールの溶液を含むことができる。いくつかの態様において、栄養成分は、約1mL、2mL、5mL、10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、または約100mLを超える体積を有する担体ビヒクルに溶解されることができる。いくつかの態様において、栄養成分は、約0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または約100℃を超える温度で担体溶液に溶解されることができる。
【0075】
[0081]いくつかの態様において、担体溶液中の栄養成分は、コア繊維および担体溶液を混合することによってコア繊維に施用することができる。いくつかの態様において、担体溶液中の栄養成分は、コア繊維を担体溶液中に浸漬することによってコア繊維に施用することができる。いくつかの態様において、担体溶液中の栄養成分は、担体溶液をコア繊維に刷毛塗りすることによってコア繊維に施用することができる。いくつかの態様では、担体中の栄養成分を、粉末として毛髪繊維に施用することができる。
【0076】
[0082]いくつかの態様では、脂質を、担体溶液中に溶解された栄養成分の混合物に加えることができる。場合によっては、コンディショニング油を、担体溶液中に溶解された栄養成分の混合物に加えることができる。場合によっては、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、パンテノール、グリセロール、グリセリン、ステアラミドプロピルアミン、ベヘニルトリモニウムクロリド、PPG3カプリリルエーテル、ポリエステル-11、アルガン油、加水分解タンパク質、アモジメチコン、ビス-アミノプロピルジメチコン、ジメチコン、セチルエステル、ラウレス-4、ラウレス23、モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマー、トリデセス-5、グリセリン、アボカド油、大豆油、アボカド油、大豆油、ホホバタンパク、マカダミア油、オリーブ油、アーモンド油、ゴマ油、ローズ油、シアバター、ヤシ油、またはそれらの組み合わせを、担体溶液中に溶解された栄養成分の混合物に加えることができる。場合によっては、ホホバ油を、担体溶液中に溶解された栄養成分の混合物に加えることができる。いくつかの態様において、脂質またはコンディショニング油は、約1重量%~約50重量%(例えば、約1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%)の重量比で、混合物に滴下して加えることができる。
【0077】
[0083]いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、約1時間~約20時間(例えば、1時間(hr)、2時間、3時間、4時間、5時間、10時間、15時間、20時間)、または約20時間より長く、不変的に撹拌することができる。いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、約0~100℃(例えば、約0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃)、または約100℃より高温で、撹拌することができる。いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、約10~40℃、20~50℃または30~60℃の温度で撹拌することができる。いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、水浴から取り出し、一定期間にわたり冷蔵することができる。いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、約1時間~約96時間(例えば、1時間(hr)、3時間、5時間、10時間、15時間、20時間、24時間、30時間、40時間、48時間、72時間、96時間)、または約96時間より長く冷蔵することができる。いくつかの態様において、冷蔵温度は、約0~20℃の範囲(例えば、約0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、10℃、15℃、20℃)、または約20℃より高温であることができる。
【0078】
[0084]いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、一定期間の後に冷蔵から取り出すことができる。いくつかの態様では、担体溶液と栄養成分の混合物を、約1時間および約96時間後(例えば、1時間(hr)、3時間、5時間、10時間、15時間、20時間、24時間、30時間、40時間、48時間、72時間、96時間)、または約96時間より後に、冷蔵から取り出す。いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は融解させることができる。いくつかの態様では、担体溶液と栄養成分の混合物を真空濾過して、低温沈殿物を除去することができる。いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、従来のオーブン中で乾燥させることができる。いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、ファンを用いて乾燥させることができる。いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、約10~約100℃(例えば、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、または100℃)の温度で乾燥させることができる。いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、約1時間~約96時間(例えば、1時間(hr)、3時間、5時間、10時間、15時間、20時間、24時間、30時間、40時間、48時間、72時間、96時間)、または約96時間より長く、ある温度で乾燥することができる。いくつかの態様では、担体溶液と栄養成分の混合物の乾燥粉末を放置して、水分平衡に到達させることができる。場合によっては、担体溶液と栄養成分の混合物の乾燥粉末は、室温で放置して、水分平衡に到達させることができる。場合によっては、担体溶液と栄養成分の混合物の乾燥粉末は、約0~約40℃(例えば、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃)、または約40℃を超える温度で放置して、水分平衡に到達させることができる。
【0079】
[0085]いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、回収することができる。場合によっては、担体溶液と栄養成分の混合物は室温で回収することができる。場合によっては、担体溶液と栄養成分の混合物は、約0~約40℃(例えば、約0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃)、または約40℃を超える温度で回収することができる。いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、室温で保存することができる。いくつかの態様において、担体溶液と栄養成分の混合物は、約0~約40℃(例えば、約0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃)、または約40℃を超える温度で保存することができる。
【0080】
[0086]いくつかの態様では、栄養成分を調製し、繊維に施用することができる。場合によっては、栄養成分は、キトサンベースおよびシリコーンベースであることができる。場合によっては、栄養成分は、充填された(loaded)オレオソームおよびポリマーバインダーを含む。場合によっては、オレオソームは、Hydresia SF2ベニバナオレオソームを含むことができる。場合によっては、栄養成分は、Tidal Tex FR溶液(例えば、1.5重量%)、BELSIL ADM 8301 E、BELSIL DM 5102 E、水、Hydresia SF2ベニバナオレソーム(olesome)、Optiphen Plus、Trichogen VEG UL LS 9922、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの態様において、充填されたオレオソームは、水性シリコーンベースのポリマーバインダー材料の全体に分散させることができる。いくつかの態様において、担体溶液は、約10℃~約100℃の温度範囲(例えば、約10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または約100℃より高温)に加熱することができる。場合によっては、混合物を加熱撹拌することができる。場合によっては、撹拌は、約10RPM~約10000RPMの範囲(例えば、少なくとも、または約10RPM、20RPM、50RPM、100RPM、200RPM、300RPM、400RPM、500RPM、1000RPM、2000RPM、3000RPM、4000RPM、5000RPM、6000RPM、7000RPM、8000RPM、9000RPM、10000RPM、15000RPM、または約10000RPMを超える範囲)の速度であることができる。いくつかの態様において、溶液は、0~約100℃(例えば、約0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または約100℃より高温)の範囲の温度に冷却することができる。場合によっては、溶液は、密閉容器内で冷却することができる。場合によっては、溶液は暗所で冷却することができる。
【0081】
[0087]いくつかの態様では、ポリマーバインダーを繊維に施用し、硬化することができる。場合によっては、繊維はバナナ繊維であることができる。場合によっては、繊維はモダクリル繊維であることができる。いくつかの態様において、繊維は、例えば、リンゴ酢洗浄液中で予洗いすることができる。いくつかの態様において、繊維は、約0.1%~約50%の範囲のリンゴ酢洗浄液(例えば、約0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、または約50%を超えるリンゴ酢洗浄液)中で撹拌することができる。いくつかの態様において、繊維は、リンゴ酢洗浄液などの酸性溶液中で、約1秒~12時間(例えば、1秒、10秒、30秒、1分、2分、5分、10分、20分、30分、1時間、または約1時間より長く)撹拌することができる。いくつかの態様において、リンゴ酢洗浄溶液は、約5.0~9.0のpH(例えば、pH6.0~8.0、6.5~7.5、または6.7~7.5)が得られるまで、DI水と交換することができる。いくつかの態様において、繊維は、溶液から取り出し、一定期間(例えば、1~3時間、3~9時間、6~12時間、約1時間、2時間、5時間、10時間、24時間、48時間、または約48時間より長く)にわたり風乾することができる。いくつかの態様において、栄養成分溶液は、約10~90℃に加熱することができる。いくつかの態様において、栄養成分溶液は、約30~60℃に加熱することができる。いくつかの態様において、栄養成分溶液は、約10℃±2℃、20℃±2℃、30℃±2℃、40℃±2℃、50℃±2℃、60℃±2℃、70℃±2℃、80℃±2℃、90℃±2℃、100℃±2℃、または約100℃±2℃より高温に加熱することができる。いくつかの態様において、栄養成分溶液は繊維上に刷毛塗りされる。いくつかの態様において、栄養成分溶液は繊維上に噴霧される。いくつかの態様において、栄養成分溶液は、浸漬コーティングにより繊維に施用される。いくつかの態様において、繊維は高温で硬化させることができる。いくつかの態様では、栄養成分を施用した後、繊維を約20~80℃、約40~70℃、約55~65℃、約20~50℃、約40~90℃、または約30~70℃の温度で硬化させる。いくつかの態様では、栄養成分を施用した後、繊維を約60℃の温度で硬化させる。いくつかの態様では、栄養成分を施用した後、繊維を一定時間硬化させる。いくつかの態様では、繊維を1分~約12時間にわたり硬化させる。いくつかの態様では、繊維を1分~約2時間にわたり硬化させる。いくつかの態様において、繊維は、約0~約100℃の温度(例えば、約0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または約100℃を超える温度)で、約1分~約1時間(例えば、1分、2分、5分、10分、20分、30分、1時間、または約1時間より長く)にわたり硬化させることができる。いくつかの態様において、繊維は、約0~約100℃(例えば、0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、または約100℃より高温)で冷却することができる。
【0082】
[0088]いくつかの態様では、示差走査熱量測定(DSC)を使用して、栄養成分の熱的特性を測定することができる。いくつかの態様において、試料は、約1mL/分、2mL/分、5mL/分、10mL/分、20mL/分、30mL/分、50mL/分、または約50mL/分超の窒素ガス流下で加熱することができる。いくつかの態様では、熱重量分析を、栄養成分、コーティングされていない繊維、または栄養成分でコーティングされた繊維、またはそれらの組み合わせに対して行うことができる。
【0083】
[0089]いくつかの態様では、コーティングされた繊維を、引張試験の前にコンディショニングすることができる。いくつかの態様において、繊維は、0~約100℃(例えば、約0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃)または約100℃を超える温度でコンディショニングすることができる。いくつかの態様において、繊維は、約20~80%の相対湿度でコンディショニングすることができる。いくつかの態様において、繊維は、約5%~約80%(例えば、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または80%超)の範囲の相対湿度でコンディショニングすることができる。いくつかの態様では、MTS-Q機械的試験システムを用いて、コンディショニングされた繊維の引張試験を行うことができる。いくつかの態様では、インビトロ放出実験を実施して、埋め込まれた栄養複合体の放出プロファイルを評価することができる。
【実施例】
【0084】
[0090]実施例
[0091]これらの実施例は、例示のみを目的として提供され、本明細書に提供される特許請求の範囲を限定するものではない。
【0085】
実施例1:原料繊維の処理
[0092]乾燥サイザル麻繊維(Conifer Handmade)を秤量し、乾燥サイザル麻繊維1ポンド(454kg)当たりそれぞれ5.5mLのSynthrapol(登録商標)および3.75gの炭酸ナトリウムの高温水溶液中で穏やかに撹拌した。予洗い液から繊維を取り出し、完全にすすいだ。湿潤繊維を、3ガロンの温水中に溶解した乾燥繊維重量の10重量%の硫酸アルミニウムカリウムから構成される媒染浴中に浸漬した。30分後、繊維を浴から取り出し、完全にすすいだ。湿潤繊維を、3ガロンの温水中へ撹拌した乾燥繊維重量の5重量%の炭酸カルシウムの溶液に浸漬した。5~10分後、繊維を浴から取り出し、完全にすすいだ。繊維を、温水中の1ポンドの乾燥繊維重量あたり5.5mLのSynthrapolに、10分間浸漬した。繊維を洗浄液から取り出し、水の色が透明になるまで冷流水ですすぎ、次いで50℃の空気循環式オーブンに24時間入れた。この手順は、パイナップル繊維(Conifer Handmade)、または任意の他の植物ベースの繊維で繰り返すことができる。
【0086】
実施例2:ベンチマーク試験
[0093]ベンチマーク試験は、ASTM D3822に記載の方法に従って実施した。各繊維の線密度は、ASTM D1577に従って測定した。単繊維試験片を、aにおいてMTS Q-テスター定速伸長(CRE)型引張試験機上で破断した。MTS Q-テスターを、固定クランプを備える5lbロードセルセットに取り付けた。繊維をスズ製カードマウントに強力瞬間接着剤で接着して(
図1参照)、相対湿度65%および72°Fでそのまま24時間硬化させた。試料を25.4ミリメートルの間隙を有するクランプに装填した。あごの位置を調節し、繊維のたるみを取り除いた。荷重速度は、表1に示すように、ASTM D3822によって測定して15mm/分であった。最良の比較のために、フィラメントの引張特性を同じ伸長速度で測定した。すべての繊維を乾燥状態で試験した。
【0087】
【0088】
[0094]引張強さおよび伸び特性を天然繊維および合成繊維について試験した。引張強さおよび伸び特性について試験した天然繊維には、原料バナナ繊維(漂白、未洗浄)、バナナ毛髪ヤーン、ロイヤルソサイエティバナナ繊維、イラクサ繊維(漂白)、イラクサ繊維(天然)、パイナップル繊維、パイナップル(平滑)繊維、パイナップル(毛髪)ヤーン、ラミン、海藻繊維、サイザル麻繊維、人毛(黒色)が包含されていた。引張強さおよび伸び特性について試験した合成繊維には、Kanekalon RastAfriTM-黒色、Kanekalon RastAfriTM-ブロンド、Kanekalon & Toyokalon RastAfriTM Malibu Afro kinky-黒色、Kanekalon and Toyokalon RastAfriTM Malibu Afro Kinky-ブロンド、Brazilian Yaki Straight-黒色(10in)、Brazilian Kinky Straight-黒色(12in)、Brazilian Natural Straight(10in)、Freetress(登録商標) clean therapy-黒色、Freetress(登録商標) clean therapy-613ブロンド、Freetress(登録商標) futura-黒色、Freetress(登録商標) futura bulk 144-ブロンドが包含されていた。しかしながら、この方法は、あらゆる繊維の引張強さおよび伸び特性の試験に適用することができる。
【0089】
[0095]引張強さおよび伸び特性を、同じプロトコルに従って結節条件下で試験した。最初に、スズ製カードマウントに付着させる前に、繊維を結んで結び目を作った。その後のプロトコルは、上記と同じままであった。結節試験条件下で試験した繊維には、Freetress futura-黒色、Kanekalon & Toyokalon RastAfriTM Malibu Afro kinky-黒色、Kanekalon RastAfriTM-黒色、Brazilian Natural Straight(10in)が包含されていた。しかしながら、引張強さおよび伸び特性は、あらゆる繊維について結節条件下で試験することができる。試験した引張強さ特性には、ピーク荷重、破断荷重、ピーク荷重での伸び、破断荷重での伸び、ピーク荷重での歪み%、破断荷重での歪み%、破断エネルギー、繊維モジュラス、繊維密度、および繊維靭性が包含されていた。結果を以下の表2および表3にまとめる。
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
[0096]引張強さおよび伸び特性の計算方法は、ASTM D3822に従って実施した。
【0094】
実施例3:栄養複合体混合物の調製
[0097]加水分解ホホバタンパクHP(Making Cosmetics)を、10重量%の育毛複合体Trichogen(登録商標)VEG UL LS 9922(BASF)と組み合わせた。栄養複合体混合物を撹拌し、40℃±3℃にした。混合物をさらに35~45分間撹拌し、室温(23℃±3℃)に冷却し、クエン酸を用いてpHを4.5~5.0に調整した。該栄養複合体を、担体ビヒクルに組み込むまで4℃で保存した。
【0095】
[0098]Trichogen(登録商標)VEG UL LS 9922(BASF)は、水、Panax Ginseng根抽出物、アルギニン、アセチルチロシン、Arctium Majus根抽出物、加水分解大豆タンパク質、ポリクオタニウム-11、PEG-12ジメチコン、パントテン酸カルシウム、グルコン酸亜鉛、ナイアシンアミド、オルニチンHCl、シトルリン、グルコサミンHCl、ビオチンを含有する組成物である。
【0096】
実施例4:担体ビヒクル(ベータ-シクロデキストリン(BCD))中の栄養成分の調製
[0099]50mLのエタノールと脱イオン(DI)水の混合物(16.6グラムのエタノールおよび33.3グラムのDI水)をフラスコ中で調製し、50~55℃の温度の撹拌ホットプレート上の水浴中に置いた。5グラムのベータ-シクロデキストリンをエタノール/水混合物にゆっくりと加え、そのまま溶解させた。10重量%のホホバ油(1.27g/mL)をこの溶液に滴下して加えた。すべてのホホバ油を加えた後、温度を25℃に低下させた。混合物を25℃で4時間にわたり不変的に撹拌し、水浴から取り出し、4℃で一晩冷蔵した。翌日、溶液を融解させ、真空濾過して、低温沈殿物を除去した。濾過した栄養粉末を25℃の従来型オーブン中で24時間乾燥させた後、室温で放置して水分平衡に到達させた。混合物を回収し、室温で保存した。
【0097】
実施例5:担体ビヒクル(リポソーム微粒子)中の栄養成分の調製
[0100]蒸留水(42.5最終重量%)、ホスファチジルコリン(4.00最終重量%)(Phospholipon(登録商標)90G)(Lipoid、あるいはLipoid H100)の溶液をフラスコに入れ、フラスコを37℃の超音波浴(Branson 2510MT超音波洗浄器)に60分間連続的に浸漬する。
【0098】
[0101]別のフラスコ中で、蒸留水(42.50最終重量%)、プロピレングリコール(10.00最終重量%)、および実施例3の栄養複合体(0.50最終重量%)を、30℃±3℃において中速で30分間撹拌する。
【0099】
[0102]栄養複合体溶液をホスファチジルコリン溶液に加え、混合物を、孔径400nmのポリカーボネート製メンブランフィルター(Advantec)を備えたプラスチックシリンジから10回押し出して、分散液を作製する。押し出した分散液にベンジルアルコール(0.5最終重量%)を加え、混合物を37℃の超音波浴中に60分間連続的に浸漬する。音波処理した溶液を凍結乾燥し(Labonoco Freeze Zone)、4℃で保存する。
【0100】
実施例6:粒子試験(粒子サイズ分析)
[0103]顕微鏡:担体ビヒクル粒子を蒸留水中に4:1の比で懸濁させる。顕微鏡は、120回の連続蓄積で、1cmの経路長、165の散乱角、20mmに設定されたピンホール、および1.3328の屈折率に設定する。
【0101】
[0104]DSC:5mgの担体ビヒクル試料を秤量して、ピンホールを有する蓋で覆われたパンに入れる。試料を25~120℃まで走査速度90℃/分で測定し、120℃で1分間保持して試料を確実に均一に加熱した後、酸素雰囲気(ultra-pure air)下、10℃/分の速度で400℃に加熱する。熱走査幅は25~250℃、加熱速度は10℃/分である。パージガスは窒素である。
【0102】
[0105]閉じ込め効率(EE):担体ビヒクル粒子中に閉じ込められた活性化合物の量を、280nmで分光測光法(UV-Vis)で測定する。5mgの担体ビヒクル試料を5mLの95g/100mLアセトニトリルに溶解し、24時間放置する。測定前に、溶液を3200×gで15分遠心分離して、溶液から遊離BCDを除去し、活性化合物のみを残す。閉じ込め効率は、以下の式により算出することができる:
EE=100×(閉じ込められた活性化合物の量)/(初期活性化合物の量)、
これに関し、「閉じ込められた活性化合物の量」は、担体ビヒクル粒子中に存在する化合物の量であり、「初期活性化合物の量」は、担体ビヒクル粒子を製造するために最初に使用される化合物の量を示す。
【0103】
[0106]実施例7:粘土添加剤を用いた疎水性および/または強化された熱的プロセスのための繊維含浸
[0107]疎水性および/または強化された熱的プロセスのための繊維含浸:1.5質量パーセントの水ベースのシリコーンエマルション(例えば、Wacker(登録商標)HC 303E(Wacker Chemical、カタログ番号211699)(水性アミノ変性ポリジメチルシロキサンエマルション))の水溶液を、混合物を室温で5分間撹拌することによって調製した。該溶液を45℃±5℃に加熱した。1ポンドの繊維を4リットルの水溶液に加え、溶液を蓋で覆った。溶液を、非常に穏やかに10分間撹拌しながら繊維中に拡散させた。繊維を水溶液から取り出し、洗濯機の脱水サイクルに置いた。繊維を洗濯機から取り出し、アルミニウムトレイ上に置き、120℃のオーブンに5分間入れた。
【0104】
[0108]粘土添加剤を用いた疎水性および/または強化された熱的プロセスのための繊維含浸:1.5質量パーセントのWacker(登録商標)HC 303E(アミノ変性ポリジメチルシロキサン水性エマルション)の水溶液を、混合物を室温で5分間撹拌することによって調製した。溶液中0.5質量パーセントの粘土添加剤(Sigma Aldrich、カタログ番号685445)を、超音波浴を用いて30分間音波処理することによってインターカレートした。該溶液を45℃±5℃に加熱した。1ポンドの繊維を4リットルの水溶液に加え、溶液を蓋で覆った。溶液を、非常に穏やかに10分間撹拌しながら繊維中に拡散させた。繊維を水溶液から取り出し、洗濯機の脱水サイクルに置いた。繊維を洗濯機から取り出し、アルミニウムトレイ上に置き、120℃のオーブンに5分間入れた。
【0105】
[0109]柔軟性およびシーン光沢のための繊維コーティング:ジメチコンの非イオン性エマルション(例えば、BELSIL(登録商標)DM 5102 E(Wacker Chemical、カタログ番号60080079)(水性非イオン性ジメチコンシリコーンエマルション))およびアミノ官能性ポリジメチルシロキサンの非イオン性マイクロエマルション(例えば、BELSIL(登録商標)ADM 8301 E(水性非イオン性アミノ官能性シリコーンエマルション))の1:1質量比の水溶液を、混合物を室温で5分間撹拌することによって調製した。該溶液を45℃±5℃に加熱した。1ポンドの繊維を4リットルの水溶液に加え、蓋で覆った。溶液を、非常に穏やかに5分間撹拌しながら繊維中に拡散させた。繊維を水溶液から取り出し、洗濯機の脱水サイクルに置いた。繊維を、ロッド上にローリングすることによって望ましいパターンおよび形状にセットした。繊維をアルミニウムトレイ上に置き、75℃のオーブンに入れて45分間アニールした。繊維をオーブンから取り出し、放置して室温まで冷却した。
【0106】
[0110]追加の栄養粒子での柔軟性および光沢のための繊維コーティング:1:1質量比のBELSIL(登録商標)DM 5102 E(水性非イオン性ジメチコンシリコーンエマルション):BELSIL(登録商標)ADM 8301 E(水性非イオン性アミノ官能性シリコーンエマルション)の水溶液を、混合物を室温で5分間撹拌することによって調製した。溶液中に0.5質量パーセントの粒子形態の栄養成分添加剤を、超音波浴を用いて30分間音波処理することによって分散させた。該溶液を45℃±5℃に加熱した。1ポンドの繊維を4リットルの水溶液に加え、蓋で覆った。溶液を、非常に穏やかに5分間撹拌しながら繊維中に拡散させた。繊維を水溶液から取り出し、洗濯機の脱水サイクルに置いた。繊維を、ロッド上にローリングすることによって望ましいパターンおよび形状にセットした。繊維をアルミニウムトレイ上に置き、75℃のオーブンに入れて45分間アニールした。繊維をオーブンから取り出し、放置して室温まで冷却した。
【0107】
[0111]実施例8:キトサンベースの栄養層(微粒子およびポリマーバインダー)の調製および施用
[0112]強化された難燃性のための繊維含浸:1.5%質量パーセントの低分子量キトサンおよび15%質量パーセントの難燃剤の水溶液を、混合物を室温で5分間撹拌することによって調製する。該溶液を45℃±5℃に加熱する。1ポンドの繊維を4リットルの水溶液に加え、蓋で覆う。溶液を、非常に穏やかに10分間撹拌しながら繊維中に拡散させる。繊維を水溶液から取り出し、洗濯機の脱水サイクルに置く。繊維を洗濯機から取り出し、アルミニウムトレイ上に置き、80~100℃のオーブンに5分間入れる。
【0108】
[0113]Tidal Vision-Tidal TexTM(カタログ番号11607 2%)を溶液として使用することもできる。Tidal Vision-Tidal TexTMは、水、キトサン、ならびにクエン酸、酢酸、乳酸および/またはdl-リンゴ酸などの有機酸を含有する組成物である。
【0109】
[0114]上記説明から、さまざまな用途および条件に採用する(adopt)ために、本明細書に記載の開示内容に変更および修正を加えることができることは、明らかであろう。そのような態様もまた、以下の特許請求の範囲内である。
【0110】
[0115]本明細書における変数の任意の定義における要素の列挙の詳述は、列挙された要素の任意の単一の要素または組合せ(または下位の組み合わせ)としてのその変数の定義を包含する。本明細書における態様の詳述は、任意の単一の態様としての、態様の任意の部分としての、または任意の他の態様もしくはその任意の部分と組み合わせた、その態様を包含する。
【0111】
[0116]実施例9:キトサンベースおよびシリコーンベースの栄養仕上げ剤(充填されたオレオソーム+ポリマーバインダー)の調製および施用
[0117]分散液のための材料を、3つの配合物(配合1、2および3)について表4に列挙した構成成分から構築した。
【0112】
【0113】
[0118]構成成分の情報:Tidal Vision-Tidal TexTMは、水、クエン酸、1.5%の低分子量または高分子量キトサン、酢酸、および15%の難燃剤を含有する組成物である。BELSIL(登録商標)DM 5102 E(Wacker Chemical、カタログ番号60080079)は、ジメチコンシリコーンの水性非イオン性エマルションである。BELSIL(登録商標)ADM 8301 E(Wacker Chemical)は、アミノ官能性ポリジメチルシロキサンの非イオン性マイクロエマルションである。Hydresia(Botaneco)オレオソーム乳化剤は、オレオシンタンパク質コートを有するリン脂質単層によって包囲された、植物トリグリセリド油およびビタミンEのミクロンサイズの球体を含有する組成物である。Optiphen Plus(Essential Wholesale)は、フェノキシエタノール、ソルビン酸およびカプリルグリコールを含有する組成物である。Trichogen VEG UL LS 9922(BASF)は、水、アセチルチロシン、アルギニン、フェノキシエタノール、ジメチコンコポリオール、パントテン酸カルシウム、グルコン酸亜鉛、オルニチンHCl、ナイアシンアミド、ポリクオタニウム-11、シトルリン、加水分解大豆タンパク質、コハク酸二ナトリウム、グルコサミンHCl、Arctium majus抽出物、Panax ginseng抽出物、およびビオチンを含有する組成物である。
【0114】
[0119]水性のシリコーンベースのポリマーバインダー材料の全体にわたる充填されたオレオソームの分散:配合1および3のそれぞれでは、混合物を撹拌し、60℃±5℃に15分間かけて徐々に加熱した後、放置して55℃±2℃に冷却することによって、相Aの溶液を調製した。配合2については、混合物を撹拌し、55°±2℃に10分間かけて徐々に加熱することによって、相Aの溶液を調製した。相Bの溶液を、一定の撹拌下で徐々に加えた。混合物を放置して55℃±2℃に安定化させ、さらに20分間撹拌した。溶液温度を45℃±5℃に下げ、一定の撹拌下で相Cの溶液を徐々に加えつつ温度を維持した。相Cの添加および45℃±5℃での温度安定化の完了後、該溶液(「栄養仕上げ剤溶液」)を、3000~5000RPMで1~2分間撹拌することによって均質化した。栄養仕上げ溶液を23℃±2℃に冷却し、室温(23℃±2℃)の暗所において密閉容器中で保存した。
【0115】
[0120]繊維へのポリマーバインダーの施用および硬化:バナナ繊維またはモダクリル繊維を、5%リンゴ酢(ACV)洗浄液(1:1体積パーセント)中で1分間、穏やかに撹拌した。pH6.5~7.5が得られるまで、ACV洗浄液をDI水と交換することによって、繊維をすすいだ。繊維を水溶液から取り出し、吸収性表面上に広げ、室温(23℃±2℃)で24時間風乾した。繊維の乾燥重量を記録した。各栄養仕上げ剤溶液を30℃±2℃に加熱し、ヘアカラー用の染髪剤/染料ブラシを用いて繊維に刷毛塗りした(繊維バッチ当たり1つの栄養仕上げ剤)。繊維を吸収クロスから取り出し、繊維の重量を記録した。蝋紙で覆われたアルミニウムトレイ上に繊維を置き、60℃のオーブン中で30分間硬化させた。繊維を取り出し、放置して23℃±2℃に冷却した。繊維の最終重量を表5に記録した。
【0116】
【0117】
[0121]実施例10:繊維およびコーティングした繊維の特性決定
[0122]示差走査熱量測定:熱的特性は、TA Q2000示差走査熱量計(TA Instruments、New Castle、デラウェア州、米国)を用いて、示差走査熱量測定(DSC)法で試験する。DSC分析を、最終的な栄養フィルム、コーティングされていない繊維、および実施例9からの栄養フィルムでコーティングされた繊維について行う。試料の試験は気密封止パン中で行い、最初の加熱速度10℃/分、冷却速度20℃/分、および最終加熱速度10℃/分を用いて、窒素ガス流(20mL/分)下で20℃から250℃までの加熱-冷却-加熱サイクルにかける。試料の重量は5~10mgの範囲である。
【0118】
[0123]熱重量分析:熱重量(TGA)分析を、最終栄養フィルム、コーティングされていない繊維、および実施例9からの栄養フィルムでコーティングされた繊維について行う。ガラスプレート上に栄養溶液を引き下げ、それを放置して最低24時間にわたり室温でフィルムを形成させることによって、硬化栄養フィルムを調製する。TG分析は、TA Q500 熱重量分析計TGA(TA Instruments、 New Castle、デラウェア州、米国)において、試料を空気流(50mL/分)中、5℃/分の加熱速度で25℃から600℃まで加熱して実施する。
【0119】
[0124]引張特性:引張試験の前に、コーティングされた繊維を25℃および相対湿度65%でコンディショニングする。その後、コンディショニングされた繊維の引張試験を、ASTM D3822に従ってMTS-Q機械的試験システムを使用して行う。荷重-変位データは、TestXpertデータ収集ソフトウェアを用いて処理する。機械的試験は、25ミリメートルのゲージ長さ、15mm/分のクロスヘッド速度、および5lbのロードセルを用いて実施される。各試料について合計十二(12)の試験片を試験する。繊維の靭性は、応力-歪み曲線の下の面積から決定される。
【0120】
[0125]最終栄養仕上げ剤からの栄養複合体のインビトロ放出試験:インビトロ放出実験を実施して、さまざまなポリマーフィルム内に埋め込まれ、モダクリル繊維に施用された栄養複合体の放出プロファイルを評価した。硬化していないコーティングを繊維表面に刷毛塗りし、続いてコーティングした繊維を60℃で30分間硬化させることによって、栄養フィルムをモダクリル繊維に施用した。その後、コーティングおよび硬化した繊維(29±4mg)を、20ミリリットルの脱イオン水で満たされたシンチレーションバイアルに加え、オービタルシェーカーを用いて室温(23±2℃)で最長48時間にわたり軽く撹拌した。
【0121】
[0126]インビトロ放出実験を実施して、さまざまなポリマーフィルム内に埋め込まれ、モダクリル繊維に施用された栄養複合体の放出プロファイルを評価した。硬化していないコーティングを繊維表面に刷毛塗りし、続いてコーティングした繊維を60℃で30分間硬化させることによって、栄養フィルムをモダクリル繊維に施用した。その後、コーティングおよび硬化した繊維(29±4mg)を、20ミリリットルの脱イオン水で満たされたシンチレーションバイアルに加え、オービタルシェーカーを用いて室温(23±2℃)で最長96時間にわたり軽く撹拌した。
【0122】
[0127]標準曲線を作成するために、0.5mL(33.6mg)のTrichogen VEG UL 9922を測定し、20mLの脱イオン水に可溶化した。この溶液を希釈して、10.5~28mL/Lの濃度の標準溶液を得た。標準溶液の吸光度を紫外-可視分光光度計(Thermo Scientific NanoDrop 2000 UV-Vis Spectrophotometer、ThermoFisher Scientific、Waltham、マサチューセッツ州、米国)によって測定した。その例示的な結果を表6に示す。紫外-可視分光光度計測定を用いて、脱イオン水ブランクに対する標準曲線を作成した。標準曲線は、269nmのラムダマックス(λmax)波長の値を用いて作成した。269nmの波長は、ポリマーバインダー材料に由来する吸光度による重なりがほとんどまたはまったく観察されなかったため、ラムダマックス(λmax)とした。λmaxを特定の希釈の各々で決定した後、濃度対吸光度の標準曲線をプロットして線形回帰式を導出した。例示的な結果を
図2に示す。
【0123】
【0124】
[0128]各試料についてTrichogen VEG UL 9922の放出薬剤濃度を決定するために、所定の時間隔(0.5、1、2、4、6、24、72および96時間)で各シンチレーションバイアルから2ミリリットルの液体を取り出し、400nm~200nmの波長でThermo Scientific NanoDrop 2000 UV-Vis分光光度計(ThermoFisher Scientific、Waltham、米国マサチューセッツ州)を用いて分析した。経時的に放出されるTrichogen VEG UL 9922の未知の濃度を、以下の式を用いて検量線に対して計算した:y=0.0019x+1.8988[式中、yは紫外-可視データから観察された吸光度(A)であり、xは未知の濃度である]。各実験について、3回の反復を行った。モダクリル繊維の経時的吸光度を分光測光法により測定した。その例示的な結果を
図3に示す。モダクリル繊維に施用された栄養コーティングからのTrichogen VEG UL 9922の放出を測定した。その例示的な結果を
図4に示す。栄養コーティングでコーティングされたバナナ繊維の吸光度を測定した。その例示的な結果を
図5に示す。バナナ繊維に施用された栄養コーティングからのTrichogen VEG UL 9922の放出を、分光測光法によって測定した。その例示的な結果を
図6に示す。
【国際調査報告】