(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】カンナビスの成分、誘導体又は抽出物を含む組成物
(51)【国際特許分類】
A24B 15/16 20200101AFI20240725BHJP
A24B 15/167 20200101ALI20240725BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20240725BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240725BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240725BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/69 20170101ALI20240725BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240725BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240725BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/40 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/06 20060101ALI20240725BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240725BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A24B15/16
A24B15/167
A61K36/185
A61P25/00
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K9/10
A61K9/14
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/107
A61K47/69
A61K47/10
A61K47/14
A61K47/20
A61K47/24
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/40
A61K47/46
A61K47/06
A23L33/105
A23L2/52
A23L2/00 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502478
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 GB2022051900
(87)【国際公開番号】W WO2023002194
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アルダーマン, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】タルスキー, カレン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルバーディング, キャサリン リン
(72)【発明者】
【氏名】ホーク, ジェニー
(72)【発明者】
【氏名】デイビーズ, アシュリー
(72)【発明者】
【氏名】プール, トーマス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】タン, カイ
(72)【発明者】
【氏名】シュー, クィー
(72)【発明者】
【氏名】マッキラン, カリーナ
(72)【発明者】
【氏名】キャラウェイ, ジョン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B043
4B117
4C076
4C084
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE05
4B018MD10
4B018MD14
4B018MD36
4B018MD61
4B018ME14
4B018MF08
4B043BB08
4B043BB22
4B043BC14
4B043BC18
4B043BC22
4B043BC24
4B043BC49
4B117LC04
4B117LG18
4B117LL01
4C076AA16
4C076AA22
4C076AA29
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA51
4C076BB01
4C076CC01
4C076DD01
4C076DD34
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD46
4C076DD55
4C076DD63
4C076EE23
4C076EE30
4C076EE32
4C076EE36
4C076EE39
4C076EE58
4C076FF32
4C076FF33
4C076FF43
4C076FF61
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA21
4C084MA34
4C084MA37
4C084MA41
4C084MA43
4C084MA52
4C084NA02
4C084NA05
4C084NA11
4C084ZA01
4C084ZC751
4C084ZC752
4C088AB12
4C088BA11
4C088BA14
4C088CA03
4C088MA02
4C088MA21
4C088MA34
4C088MA37
4C088MA41
4C088MA43
4C088MA52
4C088NA02
4C088NA05
4C088NA11
4C088ZA01
(57)【要約】
本発明は、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物を含む組成物に関する。本発明はまた、そのような組成物の使用及びその製造方法にも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に可溶である脂質又は溶媒、及びカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤を含む組成物。
【請求項2】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に溶解する液体を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記脂質が、油、飽和又は不飽和であり得る長鎖又は短鎖脂肪酸、及び長鎖又は短鎖トリグリセリドからなる群より選択される1つ又は複数である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記溶媒が、アルコールなどの両親媒性成分を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物がカプセル封入される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記カプセル封入が、シクロデキストリンなどの分子的カプセル封入剤による、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記カプセル封入が、界面活性剤を含むミセルによる、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤が、長鎖トリグリセリド(C16~C18トリグリセリドなど)、リノール酸、モノオレイン酸グリセリル;及びラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SLS、又はSDS)、ドキュセートナトリウム、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、ツイーン(登録商標))、ポリオキシエチレン15ヒドロキシステアレート(マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ソルトールHS15(登録商標))、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(クレモホール(登録商標)EL、ELP、RH40)、ステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj(登録商標))、ソルビタン脂肪酸エステル(スパン(登録商標))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij(登録商標))、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(ノノキシノール(登録商標))及び糖エステルからなる群より選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.5~約10重量%の量で前記界面活性剤を含む、請求項7又は8に記載の組成物。
【請求項10】
前記添加剤が、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポロキサマー(F68)、ポリビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC-AS)、又はそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピルバリアント(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビモール酸(tetrahydrocannabmolic acid)(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)からなる群より選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
カンナビスの前記成分、誘導体又は抽出物が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.1~約30重量%の量で存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
胃系統において強化されたバイオアベイラビリティ特性を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の腸細胞腸管吸収を強化する1つ又は複数の成分を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の腸管リンパ輸送を増加させる1つ又は複数の成分を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
テルペン、グレープフルーツ抽出物、ピペリン又は黒コショウ抽出物を含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
pH調整剤を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
香料又は感覚刺激剤を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
さらなる活性薬剤を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
固体単位剤型、粉末又は顆粒の形態である、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
水分散可能である、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
約50~約500μmの体積平均直径を有する粒子の形態である、請求項21又は22に記載の組成物。
【請求項23】
溶液又はコロイド状分散物である、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
組成物を調製するための方法であって、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物;カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に可溶である脂質又は溶媒;及びカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤を組み合わせるステップを含む、方法。
【請求項25】
カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に可溶である脂質又は溶媒、及びカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤の前記組み合わせが乾燥されて、水溶性又は水分散性固体組成物を形成する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記組み合わせが、噴霧乾燥されて組成物を形成する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物を含む、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の胃送達を提供するための飲料。
【請求項28】
組成物を液体へと導入することにより、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の胃送達を提供するための飲料を形成させるための、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物を含む組成物に関する。本発明はまた、そのような組成物の使用及びそれらを製造する方法にも関する。
【背景】
【0002】
カンナビノイドを含む経口製品が公知であり、使用者へとカンナビノイドを送達することを目指している。
【概要】
【0003】
本発明の第1の態様に従えば、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に可溶である脂質又は溶媒、及びカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤を含む組成物が提供される。
【0004】
一部の実施形態では、組成物は、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に溶解する液体を含む。
【0005】
一部の実施形態では、脂質は、油、飽和又は不飽和であり得る長鎖又は短鎖脂肪酸、及び長鎖又は短鎖トリグリセリドからなる群より選択される1つ又は複数である。
【0006】
一部の実施形態では、溶媒は、アルコールなどの両親媒性成分を含む。
【0007】
一部の実施形態では、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物はカプセル封入される。
【0008】
一部の実施形態では、カプセル封入は、シクロデキストリンなどの分子的カプセル封入剤による。
【0009】
一部の実施形態では、カプセル封入は、界面活性剤を含むミセルによる。
【0010】
一部の実施形態では、界面活性剤は、長鎖トリグリセリド(C16~C18トリグリセリドなど)、リノール酸、モノオレイン酸グリセリル;及びラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SLS、又はSDS)、ドキュセートナトリウム、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、ツイーン(Tween)(登録商標))、ポリオキシエチレン15ヒドロキシステアレート(マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ソルトールHS15(Solutol HS15)(登録商標))、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(クレモホール(Cremophor)(登録商標)EL、ELP、RH40)、ステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj(登録商標))、ソルビタン脂肪酸エステル(スパン(Span)(登録商標))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij(登録商標))、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(ノノキシノール(Nonoxynol)(登録商標))及び糖エステルからなる群より選択される。
【0011】
一部の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.5~約1.5重量%の量で界面活性剤を含む。
【0012】
一部の実施形態では、添加剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポロキサマー(F68)、ポリビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC-AS)、又はそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0013】
一部の実施形態では、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物は、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピルバリアント(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビモール酸(tetrahydrocannabmolic acid)(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)からなる群より選択される。
【0014】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、組成物の総重量に基づいて、約0.1~約30重量%の量で存在する。
【0015】
一部の実施形態では、組成物は、胃系統において強化されたバイオアベイラビリティ特性を有する。
【0016】
一部の実施形態では、組成物は、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の腸細胞腸管吸収を強化する、1つ又は複数の成分を含む。
【0017】
一部の実施形態では、組成物は、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の腸管リンパ輸送を増加させる、1つ又は複数の成分を含む。
【0018】
一部の実施形態では、組成物は、テルペン、グレープフルーツ抽出物、ピペリン又は黒コショウ抽出物を含む。
【0019】
一部の実施形態では、組成物は、pH調整剤を含む。
【0020】
一部の実施形態では、組成物は、香料又は感覚刺激剤(sensate)を含む。
【0021】
一部の実施形態では、組成物は、さらなる活性薬剤を含む。
【0022】
一部の実施形態では、組成物は、固体単位剤型、粉末又は顆粒の形態にある。
【0023】
一部の実施形態では、組成物は、水分散可能である。
【0024】
一部の実施形態では、組成物は、約50~約500μmの体積平均直径を有する粒子の形態にある。
【0025】
一部の実施形態では、組成物は、溶液又はコロイド状分散物である。
【0026】
本発明の第2の態様に従えば、組成物を調製するための方法であって、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物;カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に可溶である脂質又は溶媒;及びカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤を併せるステップを含む、方法が提供される。
【0027】
一部の実施形態では、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に可溶である脂質又は溶媒、及びカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤の組み合わせは、乾燥されて水溶性又は水分散性固体組成物を形成する。
【0028】
一部の実施形態では、組み合わせは、噴霧乾燥されて組成物を形成する。
【0029】
本発明の第3の態様に従えば、組成物を含む、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の胃送達を提供するための飲料が提供される。
【0030】
本発明の第4の態様に従えば、組成物を液体へと導入することにより、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の胃送達を提供するための飲料を形成させるための組成物の使用が提供される。
【詳細な説明】
【0031】
本発明は、腸内送達のためのカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物を含む組成物を提供することを目指す。
【0032】
組成物は、ヒト使用に対して意図される。組成物はまた、経口用途に対して構成され、且つ使用中にカンナビスの成分、誘導体又は抽出物、並びに任意選択で香料及び/又は有効成分などの他の物質を送達することもできる。
【0033】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、カンナビノイドである。カンナビノイドは、水中で不溶性又は難溶性である脂溶性疎水性分子である。
【0034】
水性系中、例えば、飲料中のカンナビスの可溶化された成分、誘導体又は抽出物の提供は、カンナビノイドファミリー中の化合物の親油性の性質に起因して、技術的に困難である。このことは、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物が、水性環境中で難溶性であることを意味する。しかしながら、それらは、脂質成分中又はエタノールなどの一部の溶媒中では可溶である。
【0035】
カンナビスの成分、誘導体又は抽出物を含む組成物の胃送達に関連付けられる別の一般的な課題は、活性物質のバイオアベイラビリティである。胃、又はより正確には腸内送達は、一般的に、良好な吸収及びバイオアベイラビリティを提供する大きな腸管表面積及び豊富な粘膜脈管系の恩恵を享受する。しかしながら、小腸及び大腸の水性環境中で難溶性であるカンナビスの成分、誘導体又は抽出物に関して、粘膜を通って吸収されることを可能にする形態でこれらの化合物を提示することは困難である。さらに、一度吸収されたら、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物のうちの大部分は、門脈を介して肝臓へと輸送され、ここで初回通過代謝を受け、したがって、所望の生理学的作用を生じないであろう。
【0036】
本発明が克服しようとする別の課題は、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物に関連付けられる苦味である。飲料又は他の食用形態などの組成物へとカンナビスの成分、誘導体又は抽出物を含めることは、消費者が不快感を覚えるその苦味に起因して、一般的には見過ごされる。
【0037】
本発明は、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に可溶である脂質又は溶媒、及び水性環境中でのカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤を含む組成物の提供に関する。
【0038】
一部の実施形態では、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物は、組成物中の脂質又は溶媒中に少なくとも部分的に溶解又は可溶化される。一部の実施形態では、組成物が水性液体中、又は口腔若しくは消化管中などの水性環境に曝露された際に、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物は、脂質又は非極性溶媒中に少なくとも部分的に溶解又は可溶化される。
【0039】
一部の実施形態では、組成物又はその使用は、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の腸内送達を提供することが意図される。
【0040】
一部の実施形態では、組成物の成分は、以下のメカニズムのうちの1つ又は複数により、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物のバイオアベイラビリティを強化する:(i)消化管の水性環境中でのカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の溶解度を増加させること;(ii)水性環境中で再結晶化するカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の傾向を低減させること;(iii)カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の腸細胞腸管吸収を強化すること;及び(iv)腸管リンパ輸送を増加させること。
【0041】
一部の実施形態では、組成物は、組成物を水性液体へと導入することにより提供することができる、飲料などの経口製品中に組み込まれる。組成物は、経口経路を介して胃系統へと送達されることができる。組成物は、任意選択で、香料及び/又は有効成分などの他の物質を含むことができる。
【0042】
腸内送達
本明細書中に提供される組成物は、経口投与に対して意図され、且つ、一部の実施形態では、組成物中に提供されるカンナビスの成分、誘導体又は抽出物のうちの大部分が、腸を通過する腸内吸収によりその作用を有することが意図される。カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の小さな割合が、口の中の粘膜を通って吸収される(例えば、頬内又は舌下送達を介して)場合があるが、大部分は飲み込まれて、腸細胞腸管吸収により(すなわち、腸内送達を介して)取り込まれるべきである。
【0043】
腸内送達は、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の遅延型作用を与える。一部の実施形態では、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の遅延型作用は、本明細書中に記載される通りの、より迅速な作用を有する香料、感覚刺激剤又は他の有効成分と組み合わせることができる。そのような実施形態では、他の成分は組成物の投与後に即座に又は非常に短時間のうちにその作用を与えることができるが、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、その作用をその後に与えることができる。このことは、有利なことに、2種類の連続的な作用を使用者に提供する。
【0044】
組成物の投与からカンナビスの成分、誘導体又は抽出物の作用までの時間は、少なくとも約5分間、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間であり得る。
【0045】
一部の実施形態では、組成物は、口の唾液中で少なくとも部分的に溶解される。当該唾液は、少なくとも部分的に飲み込まれ、組成物の胃送達を提供することができる。
【0046】
水性環境
本明細書中で用いる場合、水性環境とは、使用又は摂取中に組成物が添加される液体を意味することができる。一部の実施形態では、これは、例えば、飲料を作製するために組成物中に含められる液体又は組成物が添加される液体であり得る。さらに、水性環境とはまた、口腔をはじめとする消化管中の水性条件も意味することができる。
【0047】
水性組成物
一部の実施形態では、組成物は、水性成分を含む。そのような実施形態としては、例えば、飲料等としての摂取対象である液体又は懸濁物として製剤化されている組成物が挙げられる。
【0048】
水性成分は、組成物の他の成分の希釈を可能にすることにより、本発明に対して有益であり得る。組成物が容易に飲み込まれ、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の香味が比較的限局しないことができ、且つ希釈及び/又はマスクされることができるので、このことは、消費者にとって有利であり得る。このことは、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物に関連付けられるいずれかの苦いか又は悪い香味を低減し、好適な作用を消費者に与えることができる。
【0049】
可溶性又は分散性組成物
一部の実施形態では、組成物は固体剤型にある。例えば、組成物は、錠剤、顆粒剤又は散剤の形態であり得る。組成物はまた、固体成分及び液体成分を含むカプセル剤でもあり得る。
【0050】
そのような組成物は、液体中に溶解又は分散されて、摂取のための液体製剤を形成することができる。例えば、組成物は、飲料を形成するために、水性成分を含むか又は含まないことができる液体へと添加されることができる。そのような用途に関して、組成物は、液体への添加又は液体との混合に際して液体製剤を迅速に形成するように、液体中に容易に溶解又は分散するべきである。一部の実施形態では、組成物が添加される液体は、脂質又は溶媒を含むことができる。提供又は形成される飲料は、二相系であり得る。一部の実施形態では、二相系は、エマルジョンなどのコロイドであり得る。
【0051】
他の実施形態では、固体組成物は、直接的経口投与に対して意図されることができる。このことは、組成物が固体剤型で摂取されることを意味する。そのような実施形態では、固体組成物は、口腔の水性環境中で少なくとも溶解又は分散されるために製剤化又は投与することができる。代替的に、組成物は、胃及び/又は腸の水性環境中で溶解又は分散されるために製剤化又は投与することができる。
【0052】
一部の実施形態では、組成物は、水性環境中に迅速に溶解して、カンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物を含む固体組成物が投与前に液体に添加される際に、飲料などの消費製品が使用者によって迅速に調製されるという利点を提供するか、又は本明細書中に記載される通りに、その固体剤型で投与された後に固体組成物が消化管中で迅速に溶解するようになる。
【0053】
一部の実施形態では、組成物は、少なくとも約20℃、約25℃、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、又は約85℃の温度である水性環境中で可溶又は分散可能である。このことは、飲料が飲まれる場合に追加の感覚を与えるであろう温かい飲料へと、消費者が固体剤型(本明細書中に記載される)での組成物を添加することができることを意味する。
【0054】
カンナビスの成分、誘導体又は抽出物
本明細書中で用いる場合、カンナビスから取得することができるいずれかの化合物又は化合物の混合物は、そのような化合物(複数可)の合成バージョン又は他の天然供給源から誘導されるそのような化合物(複数可)をはじめとする、その成分、誘導体又は抽出物であり得る。
【0055】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、カンナビノイド(任意選択でTHC及び/又はCBDであり得るフィトカンナビノイドなど);テルペン(トリテルペンなど);アルカロイド;及びフラボノイドから選択される1つ又は複数の化合物を含むか又は1つ又は複数の化合物である。
【0056】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、カンナビノイド(フィトカンナビノイドなど)及びテルペン(トリテルペン等)から選択される1つ又は複数の化合物を含む。
【0057】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、フィトカンナビノイドなどの1つ又は複数のカンナビノイドを含む。
【0058】
カンナビノイドは、脳において神経伝達物質放出を抑制する、細胞中のカンナビノイド受容体(すなわち、CB1及びCB2)に対して作用する天然又は合成化合物の1つのクラスである。カンナビノイドは、カンナビスなどの植物由来(フィトカンナビノイド)、動物由来(エンドカンナビノイド)で天然に存在するか、又は人工的に製造する(合成カンナビノイド)ことができる。カンナビス生物種は、少なくとも85種類の異なるフィトカンナビノイドを発現し、カンナビゲロール、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール及びカンナビノジオール、並びに他のカンナビノイドをはじめとする下位クラスへと分類される。カンナビスにおいて見出されるカンナビノイドとしては、限定するものではないが、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピルバリアント(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビモール酸(tetrahydrocannabmolic acid)(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)が挙げられる。
【0059】
一部の実施形態では、カンナビノイドはフィトカンナビノイドである。
【0060】
一部の実施形態では、テルペンはトリテルペンである。
【0061】
詳細な実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、テトラヒドロカンナビノール(THC)及び/若しくはカンナビジオール(CBD)を含むか、又はテトラヒドロカンナビノール(THC)及び/若しくはカンナビジオール(CBD)である。
【0062】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、THCを含むか、THCからなるか、又は本質的にTHCからなる。
【0063】
詳細な実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、CBDを含むか、CBDからなるか、又は本質的にCBDからなる。
【0064】
一部の実施形態では、カンナビノイドは、カンナビスにおける主な精神活性化合物であるテトラヒドロカンナビノール(THC)、及び植物の別の主要な成分であるが、精神活性を有しないか又は様々な精神活性を提供するカンナビジオール(CBD)から選択される。上記の化合物のうちの全部を、植物材料からの単離物の形態で用いるか、又は合成的に誘導することができる。カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の選択は、使用者に対する所望の作用、並びに味、溶解度、バイオアベイラビリティ、及び物質に対する現行の規制などの他の因子に依存し得る。
【0065】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、組成物の総重量に基づいて、約0.1~約30重量%の量で存在する。
【0066】
カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の詳細なパーセンテージは、特定の製品の所望の特性に応じて変わるであろう。本発明の一部の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、又は約30重量%までのカンナビスの少なくとも1種の成分、誘導体又は抽出物を含む。
【0067】
本発明の一部の実施形態では、組成物は、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、又は約30重量%までのカンナビスの少なくとも1種の成分、誘導体又は抽出物を含む。
【0068】
本発明の一部の実施形態では、組成物は、約2~約10mg、約10~約20mg、約20~約30mg、約30~約40mg、約40~約50mg、又は約50~約60mgのカンナビスの少なくとも1種の成分、誘導体又は抽出物を含む。
【0069】
組成物は、高濃度のカンナビスの成分、誘導体又は抽出物を含有することができる。これは、有効成分の高い送達レベルを達成し得ることを意味する。高濃度のカンナビスの成分、誘導体又は抽出物はまた、組成物の量又は水性環境の総体積を増加させることなく、使用者へと十分な量の活性剤を送達する能力も改善する。加えて、所望の作用を達成するために、使用者に摂取される組成物が少量で済む。典型的には、消費者は、最大で60mg/日のカンナビスの成分、誘導体又は抽出物を摂取することができる。
【0070】
カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の溶解度の増加
脂質及び溶媒
組成物中に存在する場合、溶媒は、極性又は非極性であり得る。一部の実施形態では、組成物は、両親媒性特性を有する溶媒を含む。そのような溶媒の例としては、エタノールが挙げられる。
【0071】
組成物中に存在する場合、脂質は、室温で固体又は液体であり得る。室温で固体である脂質の例としては、飽和及び不飽和脂肪が挙げられる。
【0072】
一部の実施形態では、脂質は油であり得る。一部の実施形態では、脂質は、油、特に、分別油をはじめとする食品グレード油を含む。一部の実施形態では、脂質は、油の組み合わせを含む。
【0073】
そのような油としては、限定するものではないが、植物油(例えば、アサイー油、アーモンド油、アマランサス油、アプリコット油、リンゴ種子油、アルガン油、アボカド油、ババス油、ビーチナッツ油、ベン油、ニガウリ油、ブラックシード油、ブラックカラント種子油、ルリジサ種子油、ボルネオタロウナッツ油、ヒョウタン油、ブラジルナッツ油、バッファローゴード(buffalo gourd)油、ニホンカボチャ種子油、ケープチェストナッツ油、キャノーラ油、キャロブカシュー油、ココアバター、オナモミ油、ココナッツ油、トウモロコシ油、コツネ(cothune)油、コリアンダー種子油、綿実油、デーツ種子油、ジカナッツ油、エグス(egus)種子油、マツヨイグサ油、アマナズナ油、アマニ油、ブドウ種子油、グレープフルーツ種子油、ヘーゼルナッツ油、ヘンプ油、カポック種子油、ケナフ種子油、ラレマンチア(lallemantia)油、レモン油、アマニ油、マカダミア油、マフラ(mafura)油、マルラ油、メドウフォーム種子油、モンゴンゴナッツ油、マスタード油、ニガー種子油、ナツメグバター、オクラ種子油、オリーブ油、オレンジ油、パーム油、パパイヤ種子油、ラッカセイ油、ペカン油、ペリラ種子油、柿種子油、ペキ油、ピリナッツ油、松の実油、ピスタチオ油、ザクロ種子油、ケシ油、プラカシー油、プルーン核油、カボチャ種子油、キヌア油、ラムティル油、菜種油、米ぬか油、ロイル(royle)油、サチャインチ油、ベニバナ油、サポテ油、セジェ(seje)油、ゴマ油、シアバター、ダイズ油、ヒマワリ油、タラミラ油、チャ種子油、アザミ油、タイガーナッツ油、タバコ種子油、トマト種子油、クルミ油、スイカ種子油、コムギ胚芽油、及びそれらの組み合わせ)、動物油(例えば、ウシ脂肪、水牛脂肪、ヒツジ脂肪、ヤギ脂肪、ブタ脂肪、ラード、ラクダ脂肪、獣脂、液体マーガリン、魚油、魚肝油、鯨油、アザラシ油、及びそれらの組み合わせ)、及び鉱油が挙げられる。
【0074】
一部の実施形態では、1つ又は複数の油は、鉱油、植物油、キャノーラ油、オリーブ油、魚油、オメガ3油又はいずれかの他の食用油からなる群より選択される。そのような油の利点は、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物が容易に溶解し、製造をより容易且つ効率的にすることである。油自体もまた、健康上の利益などの利点を有する場合がある。そのような実施形態では、油は、瓶、小袋、カプセル又はいずれかの他の分割包装中に小分けにすることができる。
【0075】
一部の実施形態では、組成物は、チョコレート、牛乳ベースの飲料、アルコール飲料、溶解物又は脂質若しくは溶媒に基づく成分を含む他の物品などの食用物品である。
【0076】
一部の実施形態では、組成物は、脂質に基づく系、又は脂質分散物系を含む。そのような脂質又は脂質分散物系の例は、飽和又は不飽和であり得る長鎖又は短鎖脂肪酸を含むことができる。そのような脂質は、長鎖又は短鎖トリグリセリドであり得る。特に、長鎖トリグリセリドは、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の高い溶解度の利点を享受する。
【0077】
一部の実施形態では、組成物は、水性成分及び非水性成分を含む二相系を含む。一部の実施形態では、そのような系はまた、両親媒性成分も含む。そのような両親媒性成分は、本明細書中に記載される通り、エタノールなどのアルコール又は乳化剤を含むことができる。
【0078】
カプセル封入
カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の溶解度をさらに増加させるために、それらをカプセル封入することができる。このカプセル封入は、組成物内であり得るか、及び/又はカンナビスの成分、誘導体又は抽出物が、水性環境に曝露されるか若しくは水性環境中に放出される場合に起こり得る。
【0079】
その苦味をマスクするために、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物をカプセル封入することが望ましい場合もある。カプセル封入の追加の利点はカンナビスの成分、誘導体又は抽出物のバイオアベイラビリティを増加させ、且つカンナビスの成分、誘導体又は抽出物を腸管リンパ系送達へと向かわせることである。カプセル封入法の様々な例示的な実施形態を用いることができ、且つ本明細書中に記載される。
【0080】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、組成物中に存在する脂質によりカプセル封入されることができる。
【0081】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、ミセル中にカプセル封入される。ミセルは、コロイド状懸濁物を形成する、液体中に分散した界面活性剤分子の凝集物、アセンブリ又は「シェル」である。界面活性剤は、例えば、C16~C18トリグリセリドなどの長鎖トリグリセリド、及びリノール酸からなる群より選択することができる。一部の実施形態では、界面活性剤は、有利には、その安全性(食品グレードであり得るもの)、感知される「自然の」印象、味、及び消費者知覚に関して選択される。
【0082】
好適な界面活性剤の例としては、C16~C18トリグリセリドなどの長鎖トリグリセリド、リノール酸、モノオレイン酸グリセリル;及びラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SLS、又はSDS)、ドキュセートナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、ツイーン(登録商標))、ポリオキシエチレン15ヒドロキシステアレート(マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ソルトールHS15(登録商標))、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(クレモホール(登録商標)EL、ELP、RH40)、ステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj(登録商標))、ソルビタン脂肪酸エステル(スパン(登録商標))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij(登録商標))、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(ノノキシノール(登録商標))、糖エステル及びレシチンが挙げられる。
【0083】
ミセル中のカンナビスの成分、誘導体又は抽出物のカプセル封入は、これが水性環境中での溶解度を補助するという利点を享受する。これは、ミセルが、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物が可溶である非極性コア、及び水性環境中でより可溶性にする極性外側部を有し得ることを理由とする。加えて、ミセルは、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物に対して安定な条件を提供し得る。このことは、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物が劣化することを防ぐことができる。例えば、このことは、THCへのCBDの変換を阻害するために好適な環境を提供し得る。これは、カンナビスの特定の成分、誘導体又は抽出物に関する規制を有する地域では特に好適であり得る。
【0084】
ミセルはまた、有利な香味の改善ももたらす場合がある。ミセルは、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の周囲に層を生成しながら、それでも胃系統におけるそのバイオアベイラビリティを維持するので、苦味及び咽喉しゃく熱感の両方の軽減に対して効果的である。加えて、ミセルカプセル封入はまた、水性環境中でのカンナビスの成分、誘導体又は抽出物のより高い濃度も可能にする。これは、増加した溶解度並びに味覚をマスクする性質に起因する。
【0085】
最後に、ミセルカプセル封入は、一度組成物が水性環境中に可溶化されると、溶液の均質性を維持することが公知である。このことは、溶液が、油相及び水相へと分離しにくいか又はより低速で分離することを意味する。
【0086】
一部の実施形態では、当該ミセルは、自己カプセル封入を介して形成することができる。この方法の利益は、大きな体積を可溶化する能力である。
【0087】
一部の実施形態では、シクロデキストリンが、カプセル封入剤として用いられる。シクロデキストリンは、親油性中心腔及び外側親水性シェルを有する。したがって、シクロデキストリンは、カンナビスの難溶性の成分、誘導体又は抽出物との水溶性包接錯体を形成することができる。シクロデキストリンを用いる製剤化はまた、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の物理的及び化学的安定性を改善する場合もある。
【0088】
シクロデキストリンは、例えば、α~β及びγ-シクロデキストリンの群から選択することができる。一部の実施形態では、シクロデキストリンは、原則的にγ-シクロデキストリンである。γ-シクロデキストリンは、より幅広く、非平面性であり且つより柔軟な構造であるという利益をもたらす。このことは、γ-シクロデキストリンが、比較的水溶性であることを意味する。加えて、γ-シクロデキストリンは、空隙にフィットするので、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物に最も有利に結合する。一部の実施形態では、シクロデキストリンは、メチル化、ヒドロキシアルキル化、アセチル化、及びスルホブチル化される。
【0089】
選択されたシクロデキストリン内部にカンナビスの成分、誘導体又は抽出物をカプセル封入するための複数の技術があり、その中で、フリーズドライ及び凍結乾燥が特に効果的であり得る。
【0090】
マイクロエマルジョン
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、マイクロエマルジョン中に提供される。マイクロエマルジョンは、水溶液、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物及び両親媒性材料又は乳化剤を含むことができる。マイクロエマルジョンは、マイクロエマルジョンの形成が自発的であり(表面張力、エントロピー利得、及び熱力学的利得により駆動される)、したがって、組成物の製造に対して有利であるという利益をもたらす。加えて、マイクロエマルジョンは、改善された長期安定性を有し、熱力学的に不都合であるので分離は低速である。
【0091】
特定の実施形態では、乳化剤を組成物に添加することができる。一部の実施形態では、乳化剤はレシチンである。例えば、レシチン(例えば、ダイズレシチン又はヒマワリレシチン)を組成物に添加して、組成物に対してより滑らかな質感特性を与え、且つ流動性及び、例えば、組成物の残余の成分との脂質の混合を改善することができる。乳化剤(例えば、レシチン)は、組成物の総重量に基づいて、約0.1~約2.5%、又は約0.5~約1.5%など、組成物の乾燥重量基準で約0.01~約5%の量で用いることができる。
【0092】
再結晶化の低減
組成物は、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤を含むことができる。本明細書中で議論される通り、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、その親油性の性質に起因して、水性系における難溶性と関連付けられる。可溶化された場合でさえ、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、水性環境中にある場合には迅速に再結晶化し、このことはそれらのバイオアベイラビリティ及びしたがってそれらの有効性を顕著に損なう。これを軽減するために、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物が結晶化するか又は溶液の外に出ることを防止又は阻害するための添加剤を添加することができる。これは、カプセル封入法として噴霧乾燥が用いられる場合に、特に有利である。
【0093】
本明細書中に記載される通り、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物のカプセル封入はまた、結晶化を阻害、減速又は防止する場合もある。一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、例えば、分子的カプセル封入又はミセルカプセル封入を介して、添加剤によりカプセル封入されることができる。
【0094】
代替的に、以下の添加剤を、組成物中に添加することができる。
【0095】
結晶化を減速又は防止する好適な添加剤の例としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポロキサマー(F68)、ポリビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC-AS)、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0096】
加えて、又は代替的に、結晶化を阻害する添加剤としては、1つ又は複数の界面活性剤が挙げられる。好適な界面活性剤の例としては、C16~C18トリグリセリドなどの長鎖トリグリセリド、リノール酸、モノオレイン酸グリセリル;及びラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SLS、又はSDS)、ドキュセートナトリウム、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、ツイーン(登録商標))、ポリオキシエチレン15ヒドロキシステアレート(マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ソルトールHS15(登録商標))、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(クレモホール(登録商標)EL、ELP、RH40)、ステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj(登録商標))、ソルビタン脂肪酸エステル(スパン(登録商標))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij(登録商標))、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(ノノキシノール(登録商標))及び糖エステルが挙げられる。そのような界面活性剤は、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物をカプセル封入するカプセル封入剤の形態であり得る。
【0097】
一部の実施形態では、界面活性剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.5~約10重量%の量で存在する。
【0098】
腸管吸収の強化
経口的に投与される活性物質は、典型的には、消化管中の酵素によるその分解に起因して、及び小腸においてそれらを吸収する困難性に起因して、低いバイオアベイラビリティを示す。
【0099】
腸内吸収を促進するために、組成物中に添加剤を含めることができる。
【0100】
例えば、中鎖脂肪酸塩は、腸上皮の傍細胞透過性を増加させることにより、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の腸内送達を強化することができる。
【0101】
リポソームは、1つ若しくは複数のタイプの脂質により構成される脂質二重層から形成されるベシクルである。二重層は疎水性環境を提供するが、ベシクル内部に水相がある場合がある。親水性分子はリポソームの内側へと積載することができる一方で、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物などの疎水性又は親油性分子は、リポソームの脂質二重層中に組み込まれる。
【0102】
リポソームは、活性物質をカプセル封入及び保護し、且つ腸細胞へのそれらの吸収を増加させる能力を有する。リポソームは、消化管中の過酷な条件による変性から不安定な活性物質を保護することができる。リポソームの脂質はまた、腸細胞におけるカイロミクロンの産生を刺激し、したがって、リンパ系への薬物輸送を強化するために利用することもできる。さらに、リポソームの腸細胞取り込みは、それらのサイズを用いて制御することができ;より小さなリポソームはより高度な取り込みを示した。
【0103】
好適なリポソーム形成性脂質としては、例えば、ホスファチジルコチンなどのリン脂質が挙げられる。他の脂質もまた、用いることができる。
【0104】
腸管リンパ輸送の増加
経口投与及び腸内吸収後、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、門脈又は腸管リンパ系のいずれかに入るであろう。用いられる経路を制御する主な因子は、分子量及び溶解度である。カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、門脈を介して優先的に輸送されることが見出されている。ここで、それらは直ちに肝臓中に蓄積し、続いて、酵素により代謝されて、それにより、血流中でのその濃度が低下する。
【0105】
体循環へと活性物質を送達するための代替的経路は、腸管リンパ経路である。腸管リンパ経路は、肝臓における初回通過代謝を回避し、したがって、バイオアベイラビリティを増加させることができる。したがって、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の腸管リンパ輸送を増加させることが望ましい。
【0106】
上記で言及した通り、リポソームは、腸内送達を強化するだけでなく、リンパ系への輸送を強化することもできる。
【0107】
脂質の同時投与もまた、一般的に、リンパ系へのカンナビスの成分、誘導体又は抽出物の輸送を強化することができる。したがって、一部の実施形態では、組成物は、脂質成分を含む。脂質としては、例えば、リン脂質、長鎖トリグリセリド及びオレイン酸などの脂肪酸が挙げられる。
【0108】
一部の実施形態では、組成物は、リンパ系への輸送を強化する代謝指向剤として機能する添加剤を含む。好適な代謝指向剤としては、テルペン、グレープフルーツ抽出物、ピペリン(典型的には黒コショウから抽出される)、又はそれらの組み合わせが挙げられる。代謝指向剤は、有利なことに、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物を胃系統へと向かわせる。このことは、カンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物又は有効成分が作用する時間を変化させることができる。加えて、粒径もまた、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の代謝の作用を有し、有利には、代謝指向剤との相乗作用を有するように選択することができる。
【0109】
一部のテルペンは、カンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物又はカンナビノイド類似体(cannabimimetic)と組み合わせて用いる場合、アントラージュ効果を提供する。
【0110】
一部の実施形態では、代謝指向剤はテルペンである。テルペンは、(C5H8)nの一般式を有すると理解され、且つモノテルペン、セスキテルペン、及びジテルペンを含む。テルペンは、非環式、単環式又は二環式の構造であり得る。例としては、単独で又は組み合わせて用いることができる、β-カリオフィレン、リナロール、リモネン、β-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(α又はβ)、ゲラニオール、カルボン、オイカリプトール、メントン、イソメントン、ピペリトン、ミルセン、β-ブルボネン、及びゲルマクレンが挙げられる。
【0111】
テルペンを含める利点は、多数のテルペンが、鎮静作用などの生物学的作用に関連付けられることである。このことは、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物により与えられるものに加えて、追加の作用を使用者にもたらすことができる。テルペンの代謝速度もまた、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物とは異なる場合があり、それにより、異なる時点で使用者に作用がもたらされる。
【0112】
追加の活性剤
一部の実施形態では、組成物は、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物に加えて、1つ又は複数の活性物質を含む。
【0113】
本明細書中で用いる場合、さらなる活性物質は、生理学的応答を達成又は強化することが意図される材料である生理学的に活性な材料であり得る。活性物質は、例えば、栄養補給食品、向知性薬、及び向精神薬から選択することができる。活性物質は、天然に存在するか又は合成的に取得することができる。
【0114】
一部の実施形態では、1つ又は複数の追加の有効成分としては、例えば、植物成分、刺激剤、アミノ酸、ニコチン成分、医薬成分、栄養補給成分、薬効成分、テルペン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0115】
特定の実施形態では、有効成分は、カフェイン、タウリン、GABA、テアニン、ビタミンC、レモンバーム抽出物、ニンジン、シチコリン、ヒマワリレシチン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。例えば、有効成分としては、カフェイン、テアニン、及び任意選択でニンジンの組み合わせが挙げられる。別の実施形態では、有効成分としては、テアニン、γ-アミノ酪酸(GABA)、及びレモンバーム抽出物の組み合わせが挙げられる。さらなる実施形態では、有効成分としては、テアニン、テアニン及びトリプトファン、又はテアニン及び1つ又は複数のビタミンB(例えば、ビタミンB6又はB12)が挙げられる。またさらなる実施形態では、有効成分としては、カフェイン、タウリン、及びビタミンCの組み合わせが挙げられる。
【0116】
存在する有効成分の詳細なパーセンテージは、特定の製品の所望の特性に応じて変わるであろう。典型的には、有効成分又はその組み合わせは、約0.001%~約20%の範囲内など、組成物の重量基準で少なくとも約0.001%の合計濃度で存在する。一部の実施形態では、有効成分又は有効成分の組み合わせは、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.5%w/w~約10重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約5重量%など、約0.1%w/w~約10重量%の濃度で存在する。一部の実施形態では、有効成分又は有効成分の組み合わせは、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%、約0.002重量%、約0.003重量%、約0.004重量%、約0.005重量%、約0.006重量%、約0.007重量%、約0.008重量%、約0.009重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約25 0.8重量%、又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、又は約20重量%までなど、約0.001重量%、約0.01重量%、約0.1重量%、又は約1重量%から、最大約20重量%の濃度で存在する。特定の有効成分に関するさらなる好適な範囲が、以下に提供される。
【0117】
テルペン
本開示における使用に対して好適な有効成分はまた、そのうちの多数が鎮静作用などの生物学的作用と関連付けられる、テルペンとして分類することもできる。
【0118】
テルペンは、(C5H8)nの一般式を有すると理解され、且つモノテルペン、セスキテルペン、及びジテルペンを含む。テルペンは、非環式、単環式又は二環式の構造であり得る。
【0119】
一部のテルペンは、カンナビノイド又はカンナビノイド類似体(cannabimimetic)と組み合わせて用いる場合、アントラージュ効果を提供する。例としては、単独で又は組み合わせて用いることができる、β-カリオフィレン、リナロール、リモネン、β-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(α又はβ)、ゲラニオール、カルボン、オイカリプトール、メントン、イソメントン、ピペリトン、ミルセン、β-ブルボネン、及びゲルマクレンが挙げられる。
【0120】
植物性物質
一部の実施形態では、有効成分は、植物成分を含む。本明細書中で用いる場合、用語「植物成分」又は「植物性物質」とは、その天然形態での植物材料及び植物材料又は処理済み植物材料(例えば、熱処理、発酵、漂白、又は材料の物理的及び/若しくは化学的性質を変化させることが可能な他の処理プロセスに供された植物材料)由来の抽出物又は単離物などの天然植物材料から誘導された植物材料をはじめとする、いずれかの植物材料又は真菌由来材料を意味する。本開示の目的のために、「植物性物質」としては、限定するものではないが、永続的な木質組織を発達させず、且つ、多くの場合にその薬効又は官能特性で評価される種子生成性植物を意味する「薬草材料」(例えば、チャ又はチザン茶)が挙げられる。「非タバコ」としての植物材料に対する参照は、タバコ材料を除外することが意図される(すなわち、いかなるタバコ属(Nicotiana)生物種も含まない)。一部の実施形態では、本明細書中に開示される通りの組成物は、いかなるタバコ材料も含まないとして特徴付けることができる(例えば、本明細書中に開示される通りのいずれかの実施形態は、完全に又は実質的にいかなるタバコ材料も含まないことができる)。「実質的に含まない」とは、タバコ材料が意図的に添加されていないことを意味する。例えば、特定の実施形態は、0.001重量%未満のタバコ、又は0.0001%未満、又は0重量%のタバコさえも有するとして特徴付けることができる。
【0121】
存在する場合、植物性物質は、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.01%w/w、約0.05重量%、約0.1重量%、又は約0.5重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までなど、約0.01%w/w~約10重量%の濃度である。
【0122】
本開示において有用な植物材料は、限定するものではないが、それらの混合物をはじめとする、本明細書中に明記される化合物及び供給源のうちのいずれかを含むことができる。このタイプの特定の植物材料は、時には、栄養補助食品、栄養補給食品、「植物化学物質」又は「機能性食品」と称される。植物材料又はその抽出物としての特定の植物性物質は、従来の植物薬における用途を見出しており、本明細書中にさらに記載される。植物性物質又は植物性物質由来材料の非限定的な例としては、アシュワガンダ、オトメアゼナ(Bacopa monniera)、バオバブ、バジル、ツボクサ(Centella asiatica)、サイコ、カモミール、サクラ花、クロロフィル、シナモン、柑橘類、クローブ、ココア、ノムシタケ属(cordyceps)、クルクミン、ダミアナ、ドルステニア・アリフォリア(Dorstenia arifolia)、ドルステニア・オドラタ(Dorstenia odorata)、精油、ユーカリ、フェンネル、キントラノオ(Galphimia glauca)、ショウガ、イチョウ(Ginkgo biloba)、ニンジン(例えば、オタネニンジン)、緑茶、グリフォニア・シンプリシフォリア(Griffonia simplicifolia)、ガラナ、カンナビス、ヘンプ、ホップ、ジャスミン、黒ショウガ(Kaempferia parviflora)(タイ人参)、カバ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、リコリス、ルテイン、マカ、抹茶、ナルドスタチス・チネンシス(Nardostachys chinensis)、ニオイスミレ(Viola odorata)の油性抽出物、ペパーミント、ケルセチン、レスベラトロール、リゾマ・ガストロディアエ(Rhizoma gastrodiae)、イワベンケイ属(Rhodiola)、ルイボス、ローズ精油、ローズマリー、スケレチウム・トルトゥオスム(Sceletium tortuosum)、マツブサ属(Schisandra)、タツナミソウ、スペアミント抽出物、スパイクナード、テルペン、チザン茶、ウコン、ターネラ・アフロディシアカ(Turnera aphrodisiaca)、バレリアン、トウグワ、及びイェルバマテ(Yerba mate)が挙げられる。
【0123】
一部の実施形態では、有効成分は、レモンバームを含む。レモンバーム(Melissa officinalis)は、ミントと同じ科(シソ科(Lamiaceae))由来の穏やかにレモンの香りがするハーブである。このハーブは、欧州、北アフリカ、及び西アジア原産である。レモンバームのお茶、並びに精油及び抽出物は、伝統医療及び代替医療において用いられる。一部の実施形態では、有効成分は、レモンバーム抽出物を含む。一部の実施形態では、レモンバーム抽出物は、組成物の総重量に基づいて、約1~約4重量%の量で存在する。
【0124】
一部の実施形態では、有効成分は、ニンジンを含む。ニンジンは、固有のステロイドサポニン植物化学物質(ジンセノサイド)及びジントニンの存在により特徴付けられる、トチバニンジン属(Panax)の植物の根である。ニンジンは、エナジー飲料又はハーブ茶における、及び伝統医療における栄養補助食品としての用途がある。栽培生物種としては、朝鮮人参(オタネニンジン(P.ginseng))、華南人参(サンシチニンジン(P.notoginseng))、及びアメリカ人参(P.quinquefolius)が挙げられる。アメリカ人参及び朝鮮人参は、存在する多様なジンセノサイドの種類及び量が異なる。一部の実施形態では、ニンジンは、アメリカ人参又は朝鮮人参である。特異的な実施形態では、有効成分は、朝鮮人参を含む。一部の実施形態では、ニンジンは、組成物の総重量に基づいて、約0.4~約0.6重量%の量で存在する。
【0125】
刺激剤
一部の実施形態では、有効成分は、1つ又は複数の刺激剤を含む。本明細書中で用いる場合、用語「刺激剤」とは、中枢神経系及び/又は身体の活動を増加させ、例えば、集中、認知、活力、気分、注意力等を強化する物質を意味する。刺激剤の非限定的な例としては、カフェイン、テアクリン、テオブロミン、及びテオフィリンが挙げられる。テアクリン(1,3,7,9-テトラメチル尿酸)は、構造的にカフェインと関連するプリンアルカロイドであり、刺激剤、鎮痛剤、及び抗炎症作用を保有する。現在の刺激剤は、天然であるか、天然に誘導されるか、又は完全に合成的であり得る。例えば、特定の植物材料(ガラナ、チャ、コーヒー、ココア等)は、例えば、カフェイン又は関連するアルカロイドの存在を理由として、刺激剤作用を保有する場合があり、したがって、「天然」刺激剤である。「天然に誘導される」とは、刺激剤(例えば、カフェイン、テアクリン)が精製形態であり、その天然の(例えば、植物)マトリックスの外側にあることを意味する。例えば、カフェインは、植物供給源(例えば、チャ)からの抽出及び精製により、取得することができる。「完全に合成的」とは、刺激剤が化学合成により取得されていることを意味する。一部の実施形態では、有効成分は、カフェインを含む。一部の実施形態では、カフェインは、カプセル封入形態で存在する。カプセル封入型カフェインの一例は、Balchem Corp.、52 Sunrise Park Road、New Hampton、NY、10958から入手可能なビタシュア(Vitashure)(登録商標)である。
【0126】
存在する場合、刺激剤又は刺激剤の組み合わせ(例えば、カフェイン、テアクリン、及びそれらの組み合わせ)は、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.1%w/w、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までなど、約0.1%w/w~約15重量%の濃度である。一部の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約1.5~約6重量%の量でカフェインを含む。
【0127】
アミノ酸
一部の実施形態では、有効成分は、アミノ酸を含む。本明細書中で用いる場合、用語「アミノ酸」とは、各アミノ酸に対して特異的である側鎖(R基)と共に、アミン(-NH2)及びカルボキシル(-COOH)又はスルホン酸(SO3H)官能基を含む有機化合物を意味する。アミノ酸は、タンパク質構成性又は非タンパク質構成性であり得る。「タンパク質構成性」とは、アミノ酸が、タンパク質中で見出される20種類の天然に存在するアミノ酸のうちの1つであることを意味する。タンパク質構成性アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプロファン、チロシン、及びバリンが挙げられる。「非タンパク質構成性」とは、アミノ酸がタンパク質中で天然に見出されないか、又は細胞機構により直接的に生成されない(例えば、翻訳後修飾の生成物である)かのいずれかを意味する。
【0128】
非タンパク質構成性アミノ酸の非限定的な例としては、γ-アミノ酪酸(GABA)、タウリン(2-アミノエタンスルホン酸)、テアニン(L-γ-グルタミルエチルアミド)、ヒドロキシプロリン、及びβ-アラニンが挙げられる。一部の実施形態では、有効成分は、テアニンを含む。一部の実施形態では、有効成分は、GABAを含む。一部の実施形態では、有効成分は、テアニン及びGABAの組み合わせを含む。一部の実施形態では、有効成分は、テアニン、GABA、及びレモンバームの組み合わせを含む。一部の実施形態では、有効成分は、カフェイン、テアニン、及びニンジンの組み合わせを含む。一部の実施形態では、有効成分は、タウリンを含む。一部の実施形態では、有効成分は、カフェイン及びタウリンの組み合わせを含む。
【0129】
存在する場合、アミノ酸又はアミノ酸の組み合わせ(例えば、テアニン、GABA、及びそれらの組み合わせ)は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、例えば、約0.1%w/w、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までなど、約0.1%w/w~約15重量%の濃度である。
【0130】
ビタミン及び無機質
一部の実施形態では、有効成分は、ビタミン又はビタミンの組み合わせを含む。本明細書中で用いる場合、用語「ビタミン」とは、哺乳動物における代謝の適正な機能に対して必要とされる必須の微量栄養素である有機分子(又は分子の関連するセット)を意味する。ヒト代謝により要求される13種類のビタミン:ビタミンA(オールトランスレチノール、オールトランスレチニルエステル、並びにオールトランス-β-カロテン及び他のプロビタミンAカロテノイドとして)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸又は葉酸塩)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール及びトコトリエノール)、及びビタミンK(キノン)がある。一部の実施形態では、有効成分は、ビタミンCを含む。一部の実施形態では、有効成分は、ビタミンC、カフェイン、及びタウリンの組み合わせである。
【0131】
存在する場合、ビタミン又はビタミンの組み合わせ(例えば、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンC、又はそれらの組み合わせ)は、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、又は約0.1%w/wから、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、又は約6重量%までなど、約0.01%w/w~約6重量%の濃度である。
【0132】
一部の実施形態では、有効成分は、無機質又は無機質の組み合わせを含む。本明細書中で用いる場合、用語「無機質」とは、規定された化学的組成物及び純粋な形態で天然に存在する特定の結晶構造を有する化合物を意味する。一部の実施形態では、有効成分は、例えば、グルコン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム等などの、マグネシウムに基づく無機化合物を含む。存在する場合、無機質又は無機質の組み合わせ(例えば、グルコン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせ)は、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、又は約0.1%w/wから、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、又は約6重量%までなど、約0.01%w/w~約6重量%の濃度である。
【0133】
抗酸化剤
一部の実施形態では、有効成分は、1つ又は複数の抗酸化剤を含む。本明細書中で用いる場合、用語「抗酸化剤」とは、フリーラジカル反応を終了させることにより酸化を防止又は抑制し、且つ細胞損傷のうちの一部のタイプを遅延又は防止することができる物質を意味する。
【0134】
抗酸化剤は、天然に存在するか又は合成的であり得る。天然に存在する抗酸化剤としては、食品及び植物材料中に見出されるものが挙げられる。抗酸化剤の非限定的な例としては、一部の植物材料、ビタミン、ポリフェノール、及びフェノール誘導体が挙げられる。
【0135】
抗酸化剤特性と関連付けられる植物材料の例としては、限定するものではないが、アサイーベリー、アルファルファ、オールスパイス、アナトー種子、アプリコット油、バジル、ベルガモット、ワイルドベルガモット、黒コショウ、ブルーベリー、ルリジサ種子油、シロネ、カカオ、ショウブ根、イヌハッカ、カツアバ、赤唐辛子、カバノアナタケ、チャービル、シナモン、ダークチョコレート、ジャガイモ皮、ブドウ種子、ニンジン、イチョウ、セイヨウオトギリソウ、ノコギリヤシ、緑茶、紅茶、ブラックコホシュ、赤唐辛子、カモミール、クローブ、ココア粉末、クランベリー、タンポポ、グレープフルーツ、ハニーブッシュ、エキナセア、ニンニク、マツヨイグサ、ナツシロギク、ショウガ、ヒドラスチス、サンザシ、ハイビスカス花、アマチャヅル、カバ、ラベンダー、リコリス、マジョラム、オオアザミ、ミント(menthe)、ウーロン茶、ビートルート、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、メグサハッカ、ペパーミント、アカツメクサ、ルイボス(レッド又はグリーン)、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、クラリセージ、セイボリー、スペアミント、スピルリナ、アカニレ樹皮、ソルガムふすま高タンニン、ソルガム種子高タンニン、ウルシふすま、ヒレハリソウ葉及び根、クコの実、ゴツコーラ、タイム、ウコン、ウバウルシ、バレリアン、ジネンジョ根、ウィンターグリーン、ヤーコン根、イエロードック、イェルバマテ、イェルバサンタ、バコパ・モンニエラ(bacopa monniera)、アシュワガンダ(withania somnifera)、ヤマブシタケ、及びマリアアザミ(silybum marianum)が挙げられる。そのような植物材料は、新鮮若しくは乾燥形態、精油中で提供することができるか、又は抽出物の形態であり得る。植物材料(並びにその抽出物)は、多くの場合、無機質、ビタミン、イソフラボン、植物ステロール、硫化アリル、ジチオールチオン、イソチオシアン酸塩、インドール、リグナン、フラボノイド、ポリフェノール、及びカロテノイドなどの、抗酸化剤作用を提供することが公知である様々な分類由来の化合物を含む。植物抽出物又は油中に見出される化合物の例としては、アスコルビン酸、ラッカセイエンドカルブ(peanut endocarb)、レスベラトロール、スルフォラファン、β-カロテン、リコペン、ルテイン、補酵素Q、カルニチン、ケルセチン、ケンペロール等が挙げられる。例えば、参照により本明細書中に組み入れられる、Santhoshら、Phytomedicine、12(2005)216~220を参照されたい。
【0136】
他の好適な抗酸化剤の非限定的な例としては、クエン酸、ビタミンE又はその誘導体、トコフェロール、エピカテコール、エピガロカテコール、没食子酸エピガロカテコール、エリソルビン酸塩、エリソルビン酸ナトリウム、4-ヘキシルレゾルシノール、テアフラビン、一没食子酸テアフラビンA又はB、二没食子酸テアフラビン、フェノール酸、グリコシド、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ヒペロシド、ポリフェノール、カテコール、レスベラトロール、オレウロペイン、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、第3級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0137】
存在する場合、抗酸化剤は、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.001%、約0.005%、約0.01%w/w、約0.05%、約0.1%、又は約0.5%から、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、又は約10%までなど、約0.001%w/w~約10重量%の濃度である。
【0138】
ニコチン成分
特定の実施形態では、有効成分は、ニコチン成分を含む。「ニコチン成分」とは、存在するニコチンの少なくとも一部分の経口吸収を与えるための、ニコチンのいずれかの好適な形態(例えば、遊離塩基又は塩)を意味する。典型的には、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群より選択される。一部の実施形態では、ニコチン成分は、例えば、微結晶性セルロース-ニコチン担体複合体を形成するために、微結晶性セルロース材料中に容易に吸着させることができる、その遊離塩基形態でのニコチンである。例えば、参照により本明細書中に組み入れられる、Hanssonに対する米国特許出願公開第2004/0191322号における遊離塩基形態でのニコチンの考察を参照されたい。
【0139】
一部の実施形態では、ニコチン成分の少なくとも一部分を、塩の形態で利用することができる。ニコチンの塩は、参照により本明細書中に組み入れられる、Coxらに対する米国特許第2,033,909号及びPerfetti、Beitrage Tabakforschung Int.、12:43~54(1983)に示される成分の種類及び技術を用いて、提供することができる。
【0140】
追加的に、ニコチンの塩は、Pfaltz and Bauer,Inc.及びK&K Laboratories,Division of ICN Biochemicals,Inc.などの供給元から入手可能である。典型的には、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基、塩酸塩、二塩酸塩、一酒石酸塩、二酒石酸塩、硫酸塩、サリチル酸塩、及びニコチン塩化亜鉛などのニコチン塩からなる群より選択される。
【0141】
一部の実施形態では、ニコチンの少なくとも一部分は、ニコチンがイオン交換樹脂中に結合している、例えば、Amberlite IRP64、Purolite C115HMR、又はDoshion P551などのポリメタクリル酸に結合したニコチンである、ニコチンポラクリレックスなどのニコチンの樹脂複合体の形態であり得る。例えば、参照により本明細書中に組み入れられる、Lichtneckertらに対する米国特許第3,901,248号を参照されたい。別の例は、Carbopol 974Pとの複合体などの、ニコチンポリアクリル酸カルボマー複合体である。一部の実施形態では、ニコチンは、ニコチンポリアクリル酸複合体の形態で存在することができる。
【0142】
典型的には、存在する場合、ニコチン成分(遊離塩基として算出される)は、約0.001%~約10%など、組成物の重量基準で少なくとも約0.001%の濃度である。一部の実施形態では、ニコチン成分は、例えば、遊離塩基として算出し、且つ組成物の総重量に基づいて、約0.1%w/w、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、又は約0.9%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%までなど、約0.1%w/w~約10重量%の濃度で存在する。一部の実施形態では、ニコチン成分は、例えば、遊離塩基として算出し、且つ組成物の総重量に基づいて、約0.1%w/w~約2.5重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.1重量%~約1.5重量%、又は約0.1重量%~約1重量%など、約0.1%w/w~約3重量%の濃度で存在する。
【0143】
一部の実施形態では、本開示の製品又は組成物は、いずれかのニコチン成分を含まないとして特徴付けることができる(例えば、本明細書中に開示される通りのいずれかの実施形態は、いかなるニコチン成分も完全に又は実質的に含まないことができる)。「実質的に含まない」とは、ニコチンが、例えば、植物材料中に天然に存在し得る微量を超えて、意図的に添加されていないことを意味する。例えば、特定の実施形態は、遊離塩基として算出される、0.001重量%未満のニコチン、又は0.0001%未満、又は0重量%のニコチンさえも有するとして特徴付けることができる。
【0144】
一部の実施形態では、有効成分は、ニコチン成分を含む(例えば、本開示のいずれかの製品又は組成物が、本明細書中に開示される通りのいずれかの有効成分又は有効成分の組み合わせを含むことに加えて、ニコチン成分をさらに含むことができる)。
【0145】
医薬成分
一部の実施形態では、有効成分は、原薬(API)を含む。APIは、治療的、予防的、又は診断的用途に対して適しているいずれかの公知の薬剤であり得る。これらとしては、例えば、合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖及び他の糖、脂質、リン脂質、無機化合物(例えば、マグネシウム、セレン、亜鉛、硝酸塩)、神経伝達物質又はその前駆体(例えば、セロトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、オキシトリプタン、アセチルコリン、ドーパミン、メラトニン)、並びに治療的、予防的、又は診断的活性を有する核酸配列が挙げられる。APIの非限定的な例としては、鎮痛剤及び解熱剤(例えば、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、3-(4-イソブチルフェニル)プロパン酸)、ホスファチジルセリン、ミオイノシトール、ドコサヘキサエン酸(DHA、オメガ-3)、アラキドン酸(AA、オメガ-6)、S-アデノシルメチオニン(SAM)、β-ヒドロキシ-βメチルブチレート(HMB)、シチコリン(シチジン-5’-二リン酸-コリン)、及びコチニンが挙げられる。一部の実施形態では、有効成分は、シチコリンを含む。一部の実施形態では、有効成分は、シチコリン、カフェイン、テアニン、及びニンジンの組み合わせである。一部の実施形態では、有効成分は、ヒマワリレシチンを含む。
【0146】
一部の実施形態では、有効成分は、ヒマワリレシチン、カフェイン、テアニン、及びニンジンの組み合わせである。
【0147】
APIの量は変わり得る。例えば、存在する場合、APIは、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%w/w、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、又は約1%から、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%までなど、約0.001%w/w~約10重量%の濃度である。
【0148】
一部の実施形態では、組成物は、いかなるAPIも実質的に含まない。「いかなるAPIも実質的に含まない」とは、組成物が、いずれかの医学的状態を治療することが意図されるいずれかの米国食品医薬品局(FDA)承認治療剤などの、本明細書中に規定される通りのいずれかのAPIを含有せず、且つその存在を特異的に除外することを意味する。
【0149】
官能的添加剤
香味剤
一部の実施形態では、組成物は、香味剤を含む。香味剤は、カンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物に関連付けられる苦味をマスクすることを及び/又はその香味を改善することを補助することができる。香料もまた、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の香味を有利に補完することができる。
【0150】
本明細書中で用いる場合、「香味剤」、「香料」又は「香味料」は、経口製品に関連付けられる官能特性を変化させることが可能ないずれかの風味豊かな物質又は芳香剤である。香味剤により改変することができる官能特性の例としては、味、口当たり、湿り気、冷感/熱、及び/又は香気/香りが挙げられる。香味剤は、天然又は合成であり得、且つそれにより付与される香味の性質は、限定するものではないが、新鮮、甘い、ハーブ様、菓子様、花のような、果物のような、又は香ばしいとして記述することができる。香味の具体的なタイプとしては、限定するものではないが、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メンソール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、ビャクダン、ハチミツ、ジャスミン、ショウガ、アニス、セージ、リコリス、レモン、オレンジ、リンゴ、モモ、ライム、サクランボ、イチゴ、三叉神経感覚刺激剤、テルペン、及びそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。参照により本明細書中に組み入れられる、Leffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products、R.J.Reynolds Tobacco Company(1972)もまた参照されたい。香味剤としてはまた、ユーカリなどの湿潤化剤、冷感剤又は平滑剤と考えられる成分も含むことができる。これらの香味は、純粋に(すなわち、単独で)又は複合で与えることができ、且つ濃縮物又は香味パッケージ(例えば、スペアミントとメンソール、オレンジとシナモン、ライム、パイナップル等)として利用することができる。
【0151】
成分の代表的なタイプはまた、それらのそれぞれが参照により本明細書中に組み入れられる、Whiteらに対する米国特許第5,387,416号;Stricklandらに対する米国特許出願公開第2005/0244521号;及びQuinterらに対するPCT出願公開国際公開第05/041699号にも明記されている。一部の例では、香味剤は、噴霧乾燥形態又は液体形態で提供することができる。
【0152】
一部の実施形態では、組成物は感覚刺激剤を含むことができ、感覚刺激剤は、通常は化学的に誘導され、且つ嗅覚神経若しくは味覚神経に加えて又はその代わりに、第5脳神経(三叉神経)の刺激により感知される体性感覚的知覚を達成することが意図され、これらとしては、熱感、冷感、刺痛感、しびれ効果を提供する薬剤が挙げられる。好適な熱感作用薬剤は、限定するものではないが、バニリルエチルエーテルであり得、好適な冷感剤は、限定するものではないが、ユーカリプトール、WS-3であり得る。
【0153】
感覚刺激剤を含む組成物の詳細な利点は、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物を含む飲料を飲用する間に、追加の体験を提供できることである。例えば、咽喉しゃく熱感が、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物に関連付けられ、有益な感覚を消費者に与える感覚刺激剤を用いて軽減又は強化することができる。
【0154】
組成物中で利用される香味剤の量は変わることができるが、典型的には最大で約10重量%であり、特定の実施形態は、組成物の総重量に基づいて、約0.5~約10重量%、約1~約5重量%、又は約2~約4重量%など、少なくとも約0.1重量%の香味剤含有量により特徴付けられる。
【0155】
味覚改変剤
本明細書中に開示される通りの組成物の感覚刺激特性を改善するために、組成物は、例えば、本明細書中に記載される通りの組成物の香味をマスク、変化、遮断、又は改善するために機能し得る1つ又は複数の味覚改変性薬剤(「味覚改変剤」)を含むことができる。そのような味覚改変剤の非限定的な例としては、鎮痛剤又は麻酔薬ハーブ、香辛料、及び知覚される冷感(例えば、メンソール、ユーカリ、ミント)、温感(例えば、シナモン)、若しくは疼痛性(例えば、カプサイシン)感覚を生じる香料が挙げられる。特定の味覚改変剤は、2種類以上の重複する分類に入る。
【0156】
一部の実施形態では、味覚改変剤は、苦味、甘味、塩味、又は酸味のうちの1つ又は複数を改変する。一部の実施形態では、味覚改変剤は、疼痛受容体を標的とする。一部の実施形態では、組成物は、カンナビノイド又は苦味を有する他の成分、及び苦味の知覚をマスク又はブロックする味覚改変剤を含むことができる。一部の実施形態では、味覚改変剤は、使用者の口の中の疼痛受容体(例えば、バニロイド受容体)を標的とし、例えば、別の成分(例えば、カンナビノイド)の苦味をマスクする物質である。好適な味覚改変剤としては、限定するものではないが、カプサイシン、γ-アミノ酪酸(GABA)、アデノシン一リン酸(AMP)、ラクチゾール(lactisole)、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0157】
存在する場合、味覚改変剤の代表的な量は、約0.01重量%以上、約0.1重量%以上、又は約1.0重量%以上であるが、典型的には、組成物又は水性環境の総重量のうちの約10重量%未満を構成する(例えば、組成物の総重量のうちの約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、又は約0.5重量%から、約1重量%、約5重量%、又は約10重量%まで)。
【0158】
甘味料
本開示に従う組成物の官能特性を改善するために、1つ又は複数の甘味料を添加することができる。甘味料は、天然若しくは人工形態での、又は天然及び人工甘味料の組み合わせとしての、いずれかの甘味料又は甘味料の組み合わせであり得る。
【0159】
天然甘味料の例としては、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、イソマルツロース、ステビア、ハチミツ等が挙げられる。人工甘味料の例としては、スクラロース、マルトデキストリン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテーム等が挙げられる。一部の実施形態では、甘味料は、1つ又は複数の糖アルコールを含む。糖アルコールは、部分的又は完全に水素化された形態を有する単糖又は二糖から誘導されるポリオールである。
【0160】
糖アルコールは、例えば、約4~約20個の炭素原子を有し、且つエリスリトール、アラビトール、リビトール、イソマルト、マルチトール、ズルシトール、イジトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール、及びそれらの組み合わせが挙げられる(例えば、水素化デンプン加水分解物)。一部の実施形態では、甘味料は、スクラロース、アセスルファムK、又はそれらの組み合わせである。
【0161】
甘味料は、水性環境中の組成物又は組成物の製剤の摂取中に、心地よい味を消費者に与える。これは、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物に関連付けられる苦い香味を軽減するために、本発明において特に重要である。
【0162】
存在する場合、甘味料又は甘味料の組み合わせは、組成物の総重量に基づいて、重量基準で組成物のうちの約0.01~約20%以上、例えば、約0.01~約0.1、約0.1~約1重量%、約1~約5重量%、約5~約10重量%、又は約10~約20重量%を構成し得る。一部の実施形態では、甘味料の組み合わせは、組成物の重量基準で約0.01、約0.02、約0.03、約0.04、約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09、又は約0.1%など、組成物の重量基準で約0.01%~約0.1%の濃度で存在する。一部の実施形態では、甘味料の組み合わせは、組成物の重量基準で約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、又は約0.5%など、組成物の重量基準で約0.05%~約0.5%の濃度で存在する。一部の実施形態では、甘味料の組み合わせは、組成物の重量基準で約1%~約3%の濃度で存在する。
【0163】
塩
一部の実施形態では、組成物は、組成物に対して所望の官能的属性を与えるために十分な量で典型的に利用される塩(例えば、アルカリ金属塩)を含む。好適な塩の非限定的な例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、粉末塩、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム等が挙げられる。一部の実施形態では、塩は、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、又はそれらの組み合わせである。一部の実施形態では、塩は、クエン酸三ナトリウム、クエン酸カルシウム、又はそれらの組み合わせである。
【0164】
存在する場合、塩の代表的な量は、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1.0重量%以上、又は約1.5%重量%以上であるが、典型的には、組成物の総重量の約10%以下、又は約7.5%以下、又は約5%以下(例えば、約0.1~約5重量%又は約0.5~約1.5%)を構成するであろう。
【0165】
他の成分
一部の実施形態では、組成物は、追加の有効成分、機能的成分、結合剤、流動性強化剤、有機酸、水、追加の活性剤、甘味料、塩、香料、緩衝剤、乳化剤、バルク担体、着色料、加工助剤、及びそれらの組み合わせをさらに含むことができる。
【0166】
組成物中の様々な成分の相対量は変わることができ、典型的には、組成物へと所望の官能及び性能特性を提供するように選択される。
【0167】
保存料
一部の実施形態では、組成物又は水性環境は、保存料又は抗微生物剤をさらに含むことができる。そのような保存料又は抗微生物剤の例としては、ベンジルアルコール、セチルピリジン塩化物(cetylpyridine chloride);グリセリン;メチルパラベン;プロピレングリコール;プロピレンパラベン;ソルビン酸カリウム;安息香酸ナトリウム;ソルビン酸;プロピオン酸ナトリウム又はこれらの組み合わせが挙げられる。保存料(複数可)又は抗微生物剤(複数可)を含めることにより、水性環境又は飲料がより長く飲用可能なままであり、並びに保存及び輸送に対して好適であり得るという利点が提供される。
【0168】
存在する場合、1つ又は複数の保存料は、典型的には、例えば、組成物又は水性環境の総重量に基づいて、約0.01%w/w、約0.05%、約0.1%、又は約0.5%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までなど、約0.01%w/w~約10重量%の濃度である。
【0169】
安定化剤
一部の実施形態では、組成物は、凝集、ゲル化、クリーム化、軟凝集、併合、排水、粗大化及び他の不安定化プロセスに対して水性を安定化するための安定化剤をさらに含むことができる。安定化剤は、ホエイタンパク質単離物及びアラビアガムなどの親水コロイド、タンパク質、両親媒性多糖、又はそれらの組み合わせからなる群から少なくとも選択することができる。
【0170】
存在する場合、1つ又は複数の安定化剤は、典型的には、例えば、組成物又は水性環境の総重量に基づいて、約0.01%w/w、約0.05%、約0.1%、又は約0.5%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までなど、約0.01%w/w~約10重量%の濃度である。
【0171】
pH調整剤
特定の実施形態では、組成物又は水性環境は、pH調整剤又は緩衝剤を含むことができる。用いることができるpH調整剤及び緩衝剤の例としては、限定するものではないが、金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物)、及び金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム)、又は重炭酸ナトリウムなどの金属重炭酸塩などの他のアルカリ金属緩衝剤等が挙げられる。好適な緩衝剤の非限定的な例としては、アルカリ金属酢酸塩、グリシン酸塩、リン酸塩、グリセロリン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ホウ酸塩、又はそれらの混合物が挙げられる。一部の実施形態では、緩衝剤は重炭酸ナトリウムである。
【0172】
存在する場合、緩衝剤は、典型的には、例えば、組成物又は水性環境の総重量に基づいて、約0.1重量%~約1重量%、又は約0.1重量%~約0.5重量%など、組成物の重量に基づいて、約5重量%未満、例えば、約0.1%~約5%の量で存在する。
【0173】
pH調整剤又は緩衝剤は、摂取に対して心地よいpH及び/又は安全なpHの維持をはじめとする、数種類の利点を有する。pH調整剤は、加えて、又は代替的に、十分に酸性の環境を提供することができ、このことは次に、抗微生物性環境を提供することができる。より少ない保存料が組成物中で必要とされるので、これは有益である。
【0174】
pH調整剤又は緩衝剤はまた、一貫したpHで環境を維持することもできる。特定のpH条件は、官能基を変化させ、カンナビスの誘導体又は抽出物の誘導体化又は化学反応を引き起こし得るので、これは有利である。カンナビスの成分、誘導体又は抽出物が同じpH条件で維持される場合、このことは、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物に対する変化を低減させる。この利点の詳細な例は、酸性環境でCBDがTHCへと分解し得ることである。THCは一部の地域では禁止化合物であるので、この変化を阻害又は低減するために環境のpHを維持することは、本発明に対する利点である。
【0175】
崩壊強化剤
一部の実施形態では、水溶性マトリックスは、崩壊を強化し、それにより、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の放出及びバイオアベイラビリティを改善する1つ又は複数の添加剤を含むことができる。そのような添加剤は、水性環境との接触時に即時に溶解し、マトリックスの迅速な崩壊を提供し、且つカンナビスの成分、誘導体又は抽出物の溶解及びバイオアベイラビリティを強化する材料であり得る。
【0176】
一部の場合には、崩壊添加剤は、媒体からの水の迅速な取り込み、膨潤、及び破裂作用に起因して、マトリックスの迅速な崩壊を補助することができる。
【0177】
好適な崩壊剤の例としては、クロスカルメロース、デンプングリコール酸ナトリウム、及びクロスポビドン、ポビドン(PVP)等が挙げられる。
【0178】
クエン酸又は酒石酸などの有機酸と併用される重炭酸ナトリウムなどの発泡剤もまた、マトリックスの崩壊を強化するために作用する場合がある。水性媒体との接触が発泡を引き起こし、これがマトリックスの構造に影響を及ぼし、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の崩壊及び放出を促進する。
【0179】
クロスカルメロースなどの崩壊添加剤を、組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%~約8重量%の量で、組成物中に含めることができる。発泡剤は、一般には、比較的多量に含められる必要があるであろう。例えば、酸は、組成物の総重量に基づいて約5重量%~20重量%(且つ酸の量に依存する)の量で存在する重炭酸塩と共に、約5%~20%の量で含めることができる。
【0180】
組成物の形式
組成物は、液体、固体分散物をはじめとする固体、又はエマルジョン若しくはマイクロエマルジョンをはじめとするコロイドを含む、いずれかの好適な形式であり得る。組成物はまた、製品、例えば、溶解物、咀嚼剤、食用食品、飲料、カプセル剤、又は経口摂取に対して意図されるいずれかの他の物品へと組み込むこともできる。
【0181】
エマルジョン及びマイクロエマルジョン
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、エマルジョン又はマイクロエマルジョン中に提供される。エマルジョン又はマイクロエマルジョンは、非水性溶液、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物及び両親媒性材料又は乳化剤を含むことができる。マイクロエマルジョンは、マイクロエマルジョンの形成が自発的である(表面張力、エントロピー利得、及び熱力学的利得により駆動される)という利益を提供する。加えて、マイクロエマルジョンは、改善された長期安定性を有し、熱力学的に不都合であるので分離は低速である。
【0182】
固体剤型
一部の実施形態では、組成物は、固体剤型中に提供される。例えば、組成物の剤型は、錠剤若しくは他の単位剤型、又は散剤、顆粒剤、又はいずれかのサイズ若しくは形状の粒子剤であり得る。その後、組成物を液体と併せて、飲用可能な飲料を提供することができる。固体剤型での組成物の提供は、組成物を小袋などの気密容器中に保存し、摂取前にのみ開封することができるので、改善された安定性の利点を享受する。加えて、固体剤型は、自由流動性の固まっていない散剤であり得る。これは、保存及び輸送が容易であるという利点を提供する。使用者は、飲料などの液体に組成物を添加することができ、したがって、カンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物又は組成物の投与量及び作用を調節することができる。
【0183】
一部の実施形態では、使用者は、固体組成物を直接的に摂取することができる。そのような実施形態では、組成物は、口の唾液中に少なくとも部分的に溶解することができ、且つさらに飲み込まれることができる。このことは、本明細書中に記載される通り、組成物の少なくとも一部分が、胃系統により吸収され得ることを意味する。
【0184】
本明細書中に開示される通りの組成物は、丸剤、錠剤、球状物、ストリップ、フィルム、シート、コイン、立方体、ビーズ、卵形、楕円体、円柱、豆形、棒状、又は桿状をはじめとする多様な形状へと形成することができる。組成物の断面形状は変わることができ、断面形状の例としては、円形、正方形、長円形、長方形等が挙げられる。そのような形状は、移動ベルト、ニップル、押出機、造粒デバイス、圧縮デバイス等などの装置を用いて、多様な様式で形成することができる。
【0185】
同じ組成物の比較的大きな粒子は、比較的小さな表面積-体積比に起因して、より小さな粒子よりも溶解に長時間がかかるであろうことを注記することが重要である。したがって、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の放出は、特定のサイズの粒子又は適切な割合での異なるサイズの粒子を選択することにより、制御することができる。例えば、比較的大きな粒子は約500μmであり得る一方で、比較的小さなビーズは100~50μmであり得る。短時間又は瞬時の放出を有することが意図される場合、125~150μmのd90を維持することが望ましい場合がある。d90が50μmまで低下した場合に流動性が問題になり始め、流動性助剤をビーズに添加することが必要になるであろう。本明細書中で参照される場合の粒子のサイズは、ふるい分けにより測定することができる。
【0186】
一部の実施形態では、組成物は粒子の形態である。これは、組成物が固体剤型にある場合を含む。各粒子は、最大寸法を有し得る。本明細書中で用いる場合、用語「最大寸法」とは、粒子の表面上又は粒子表面上のいずれかの点から、同じ粒子又は粒子表面上のいずれかの他の表面点までの最長直線距離を意味する。粒子の最大寸法は、走査型電子顕微鏡観察(SEM)を用いて測定することができる。
【0187】
一部の実施形態では、組成物の各粒子の最大寸法は、最大で約800μmである。一部の実施形態では、各粒子の最大寸法は、最大で約2000μmである。一部の実施形態では、各粒子の最大寸法は、約200μm~約800μmである。
【0188】
粒子の集団は、少なくとも約100μmの粒径分布(D90)を有することができる。一部の実施形態では、粒子の集団は、少なくとも50μm、少なくとも60μm、少なくとも70μm、少なくとも80μm、少なくとも90μm、少なくとも100μm、少なくとも110μm、少なくとも120μm、少なくとも130μmの粒径分布(D90)を有する。一部の実施形態では、粒子の集団は、最大720μm、最大740μm、最大760μm、最大780μm、最大800μm、最大820μm、最大840μm、最大860μmの粒径分布(D90)を有する。粒子の粒径分布を決定するために、ふるい分析を用いることができる。
【0189】
一部の実施形態では、組成物は、自由流動性粉末である。造粒、混合、又は成形などの組成物の下流の加工に対して必要である場合、組成物の流動性を強化するために、流動助剤を組成物に添加することもできる。例示的な流動助剤としては、微結晶性セルロース、シリカ、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、カナウバワックス(canauba wax)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、流動助剤は、フマル酸ステアリルナトリウムである。
【0190】
存在する場合、流動助剤の代表的な量は、組成物の総乾燥重量のうちの少なくとも約0.5wt%又は少なくとも約1wt%を構成し得る。好ましくは、組成物内の流動助剤の量は、組成物の総乾燥重量のうちの約5wt%を超過せず、高頻度に約3wt%を超過しないであろう。
【0191】
可溶化形態
代替的に、一部の実施形態では、「予混合型」又は「事前作製飲料」を提供するために、組成物が液体成分を含む製品が提供される。このことは、摂取に対して使用者に対してより都合がよいという利点を享受する。
【0192】
そのような実施形態では、液体組成物は、飲料などの製品、又は食用物品などの製品中の成分の形態であり得る。
【0193】
組成物は、本明細書中に記載されるいずれかの例示的な方法で可溶化することができる。
【0194】
製造方法
噴霧乾燥
本明細書中に記載される通りの組成物又はその成分は、噴霧乾燥により調製することができる。
【0195】
例えば、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物、脂質又は溶媒、及びコーティング材料を含む噴霧乾燥エマルジョンは、より可溶性が高い場合がある安定な粒子を形成し得る。プロセスはまた、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の高濃度も可能にする場合がある。
【0196】
噴霧乾燥に対して好適なコーティング材料としては、マルトデキストリン、PVA、及びガムなどの不活性結合剤/基剤材料/担体材料が挙げられる。これらは、好ましくは、水溶性粒子を形成するために、水溶性材料である。一部の実施形態では、コーティング材料は、マルトデキストリンを含む。マルトデキストリンは、微結晶性セルロース(MCC)などの水溶性でないコーティング材料よりも特に迅速に水性環境中に溶解する。
【0197】
エマルジョンを調製し、慣用の噴霧乾燥方法及び装置を用いて、乾燥粉末を形成させるために噴霧乾燥することができる。
【0198】
異なる速度でカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物を放出させるために、異なる組成を有する噴霧乾燥粒子を調製することが可能である。これはまた、様々なサイズの粒子を提供することによっても、達成することができる。
【0199】
有利なことに、噴霧乾燥は安価な製造プロセスであり、且つ取り扱い易い粒子を提供する。
【0200】
押出成形
一部の実施形態では、組成物又はその成分は、熱溶解押出成形などの押出成形により形成される。
【0201】
このプロセスのために、第1ステップは、固体成分を一緒に予め混合した後に、成分をホッパー中へとまとめることである。これは、例えば、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物、脂質又は溶媒、任意選択で水溶性マトリックス材料、可塑剤(例えば、グリセリン)及び/又は香料を含むであろう。一部の実施形態では、押出成形前の固体成分の粒子のサイズは、押出機内部にあるときに粒子の融解に過度に長時間がかからないことを確実にするために、約1000μm以下、又は約800μm以下である。
【0202】
一部の実施形態では、押出成形される対象の組成物は、セルロース性/デンプン系ポリマー/PVP/HPCから選択される乾燥ポリマー、及びCBDなどの有効成分を含む。
【0203】
押出成形プロセスによる熱及び成形の適用により、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物が非晶質形態へと変換される。押出成形プロセスは、CBDの結晶構造を「破壊」する。
【0204】
一部の実施形態では、可塑剤が含められる場合の水溶性マトリックス材料と可塑剤との比率は、約80:20であるべきである。また、用いられる場合、用いられる水溶性マトリックス材料と適合性である可塑剤が選択されるべきである。
【0205】
熱溶解押出機を出る際に、混合物は硬化し、スパゲッティ様の糸状物を形成し、これは、例えば、袋へと供給されることを可能にするために、自由に流動する粒子を生成するために、さらなる粉砕及び任意選択で球形化を必要とするであろう。良好な流動性に対する最適な粒径分布は、200μmの概算d90を有する。
【0206】
本明細書中に記載されるすべての重量パーセンテージ(wt%と表される)は、別途明記されない限り、乾燥重量基準(DWB)で算出される。すべての重量比もまた、乾燥重量基準で算出される。乾燥重量基準で見積もられる重量とは、水又は他の溶媒以外の抽出物又はスラリー又は材料の全体を意味し、グリセロールなどの室温及び圧力において単独で液体である成分を含むことができる。逆に、湿重量基準(WWB)で見積もられる重量パーセンテージとは、水又は他の溶媒を含むすべての成分を意味する。
【0207】
疑義を回避するために、本明細書中で用語「含む」が本発明又は本発明の特徴の定義において用いられる場合、本発明又は特徴が、「含む」の代わりに用語「本質的に~からなる」又は「からなる」を用いて定義することができる実施形態もまた開示される。特定の特徴を「含む」材料に対する参照は、それらの特徴が、材料中に含められるか、含有されるか、又は材料内に保持されることを意味する。
【0208】
上記の実施形態は、本発明の例示的な例として理解されるべきである。いずれか1つの実施形態に関連して記載されるいずれかの特徴を、単独で、又は記載される他の特徴と組み合わせて用いることができ、且つ実施形態のうちのいずれかの他のもの、又は実施形態のうちのいずれかの他のもののいずれかの組み合わせの1つ又は複数の特徴と組み合わせても用いることができることが理解されるべきである。
【0209】
本明細書中に記載される様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を支援するためのみに提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的サンプルとしてのみ提供され、網羅的及び/又は排他的ではない。本明細書中に記載される利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲により規定される通りの本発明の範囲に対する限定又は特許請求の範囲に対する等価物に対する限定と考えられるべきではなく、且つ他の実施形態が利用される場合があり、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく、改変を行うことができることが理解されるべきである。本発明の様々な実施形態は、好適には、本明細書中に具体的に記載されるもの以外の、開示される要素、成分、特徴、部品、ステップ、手段等の適切な組み合わせを含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなることができる。加えて、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求される可能性がある他の発明を含むことができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に可溶である脂質又は溶媒、及びカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤を含む組成物。
【請求項2】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に溶解する液体を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記脂質が、油、飽和又は不飽和であり得る長鎖又は短鎖脂肪酸、及び長鎖又は短鎖トリグリセリドからなる群より選択される1つ又は複数である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記溶媒が、アルコールなどの両親媒性成分を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物がカプセル封入される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記カプセル封入が、シクロデキストリンなどの分子的カプセル封入剤による、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記カプセル封入が、界面活性剤を含むミセルによる、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤が、長鎖トリグリセリド(C16~C18トリグリセリドなど)、リノール酸、モノオレイン酸グリセリル;及びラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SLS、又はSDS)、ドキュセートナトリウム、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、ツイーン(登録商標))、ポリオキシエチレン15ヒドロキシステアレート(マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ソルトールHS15(登録商標))、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(クレモホール(登録商標)EL、ELP、RH40)、ステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj(登録商標))、ソルビタン脂肪酸エステル(スパン(登録商標))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij(登録商標))、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(ノノキシノール(登録商標))及び糖エステルからなる群より選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.5~約10重量%の量で前記界面活性剤を含む、請求項
7に記載の組成物。
【請求項10】
前記添加剤が、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポロキサマー(F68)、ポリビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC-AS)、又はそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピルバリアント(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビモール酸(tetrahydrocannabmolic acid)(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)からなる群より選択される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
カンナビスの前記成分、誘導体又は抽出物が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.1~約30重量%の量で存在する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
胃系統において強化されたバイオアベイラビリティ特性を有する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の腸細胞腸管吸収を強化する1つ又は複数の成分を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の腸管リンパ輸送を増加させる1つ又は複数の成分を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
テルペン、グレープフルーツ抽出物、ピペリン又は黒コショウ抽出物を含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
pH調整剤を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
香料又は感覚刺激剤を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
さらなる活性薬剤を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
固体単位剤型、粉末又は顆粒の形態である、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
水分散可能である、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
約50~約500μmの体積平均直径を有する粒子の形態である、請求項2
1に記載の組成物。
【請求項23】
溶液又はコロイド状分散物である、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
組成物を調製するための方法であって、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物;カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に可溶である脂質又は溶媒;及びカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤を組み合わせるステップを含む、方法。
【請求項25】
カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物が少なくとも部分的に可溶である脂質又は溶媒、及びカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤の前記組み合わせが乾燥されて、水溶性又は水分散性固体組成物を形成する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記組み合わせが、噴霧乾燥されて組成物を形成する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物を含む、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の胃送達を提供するための飲料。
【請求項28】
組成物を液体へと導入することにより、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の胃送達を提供するための飲料を形成させるための、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【国際調査報告】