(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】カンナビスの成分、誘導体又は抽出物を含む組成物
(51)【国際特許分類】
A24B 15/16 20200101AFI20240725BHJP
A24B 13/00 20060101ALI20240725BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20240725BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/69 20170101ALI20240725BHJP
A61K 47/40 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240725BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240725BHJP
A61K 47/06 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/08 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240725BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240725BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240725BHJP
A23G 4/06 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A24B15/16
A24B13/00
A61K36/185
A61P25/00
A61K9/08
A61K9/10
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A61K9/14
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/69
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A61K47/22
A23L33/105
A23L2/00 F
A23G4/06
A23L2/52
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503396
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 GB2022051904
(87)【国際公開番号】W WO2023002198
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アルダーマン, スティーブン エル
(72)【発明者】
【氏名】タルスキー, カレン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルバーディング, キャサリン エル
(72)【発明者】
【氏名】ホーク, ジェニー
(72)【発明者】
【氏名】デイビーズ, アシュリー
(72)【発明者】
【氏名】プール, トーマス エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル, マイケル エス
(72)【発明者】
【氏名】タン, カイ
(72)【発明者】
【氏名】シュー, クィー
(72)【発明者】
【氏名】マッキラン, カリーナ
(72)【発明者】
【氏名】キャラウェイ, ジョン
【テーマコード(参考)】
4B014
4B018
4B043
4B117
4C076
4C088
【Fターム(参考)】
4B014GB17
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4C088NA05
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4C088ZA01
(57)【要約】
本発明は、胃送達のために製剤化されたカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物及び頬内送達のために製剤化された1つ又は複数の香料又は感覚刺激剤を含む組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃送達のために製剤化されたカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物及び頬内送達のために製剤化された1つ又は複数の香料又は感覚刺激剤を含む組成物。
【請求項2】
カンナビスの前記成分、誘導体又は抽出物が、カンナビノイド;テルペン;アルカロイド;及びフラボノイドから選択される1つ又は複数の化合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
カンナビスの前記成分、誘導体又は抽出物が、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピルバリアント(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビモール酸(tetrahydrocannabmolic acid)(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)からなる群より選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
カンナビスの前記成分、誘導体又は抽出物が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.1~約30重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
新鮮、甘い、ハーブ様、菓子様、花のような、果物のような、又は香ばしい香味の性質を付与する香料を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記香味のタイプが、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メンソール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、ビャクダン、ハチミツ、ジャスミン、ショウガ、アニス、セージ、リコリス、レモン、オレンジ、リンゴ、モモ、ライム、サクランボ、イチゴ、三叉神経感覚刺激剤、及びテルペンからなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記香料が、タバコ、カンナビス、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキ葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メンソール、ハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ウコン、インド香辛料、アジア香辛料、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘類果実、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、パイン、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジ花、サクラ花、桂皮、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、ヘンプ、ハッカ属(Mentha)のいずれかの生物種由来のミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ゲッケイジュ、マテ、オレンジ皮、バラ、緑茶又は紅茶などのチャ、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピーマン、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ヒメウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェンからなる群より誘導される天然に存在する香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成的に取得される材料、又はそれらの組み合わせ、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤又は刺激剤、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、若しくはマンニトールをはじめとする糖及び/又は代替糖を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
バニリルエチルエーテル又はカプサイシンなどの温感剤、及びユーコリプトール(eucolyptol)又はWS-3などの冷感剤からなる群より選択される感覚刺激剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
水性環境中でカンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤を可溶化するための手段を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
水性環境中でカンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤を可溶化するための前記手段が、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤が少なくとも部分的に溶解する溶媒を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
水性環境中でカンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤を可溶化するための手段が、カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤をカプセル封入する、請求項5又は6に記載の組成物。
【請求項12】
前記カプセル封入が、シクロデキストリンなどの分子的カプセル封入剤による、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記カプセル封入が、界面活性剤を含むミセルによる、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
界面活性剤を含み、任意選択で、前記界面活性剤が、モノオレイン酸グリセリル;及びラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SLS、又はSDS)、ドキュセートナトリウム、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、ツイーン(登録商標))、ポリオキシエチレン15ヒドロキシステアレート(マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ソルトールHS15(登録商標))、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(クレモホール(登録商標)EL、ELP、RH40)、ステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj(登録商標))、ソルビタン脂肪酸エステル(スパン(登録商標))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij(登録商標))、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(ノノキシノール(登録商標))及び糖エステルからなる群より選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記界面活性剤が、長鎖トリグリセリド(C16~C18トリグリセリドなど)からなる群より選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物の総重量に基づいて、約0.5~約10重量%の量で前記界面活性剤を含む、請求項14又は15に記載の組成物。
【請求項17】
水性環境中でのカンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記添加剤が、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
カンナビスの1つ又は前記複数の成分、誘導体又は抽出物の腸細胞腸管吸収を強化する1つ又は複数の成分を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の腸管リンパ輸送を増加させる1つ又は複数の成分を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
テルペン、グレープフルーツ抽出物又は黒コショウ抽出物を含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
緩衝剤を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
固体単位剤型、粉末又は顆粒の形態である、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
100~2000μmの体積平均直径を有する粒子の形態である、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
組成物を調製するための方法であって、胃送達のために製剤化されたカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物と、頬内送達のために製剤化された1つ又は複数の香料又は感覚刺激剤とを組み合わせるステップを含む、方法。
【請求項26】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤が、水性環境中でカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤を可溶化するための手段、及び任意選択で、水性環境中でのカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤と組み合わせられる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記組成物が、噴霧乾燥又は押出成形される、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物を含む経口製品。
【請求項29】
前記組成物を含有する袋を含む、請求項28に記載の経口製品。
【請求項30】
前記組成物を含む溶解性ストリップを含む、請求項28に記載の経口製品。
【請求項31】
前記溶解性ストリップが生体接着剤を含む、請求項30に記載の経口製品。
【請求項32】
食用ゲル剤、液体飲料、咀嚼剤、トローチ剤又はチューインガム剤からなる群より選択される剤型での、請求項28に記載の経口製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胃送達のために製剤化されたカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物及び頬内送達のために製剤化された1つ又は複数の香料又は感覚刺激剤(sensate)を含む組成物に関する。
【背景】
【0002】
カンナビノイドは、アサ科(Cannabaceae)の一年生植物であるアサ(Cannabis sativa)から誘導される化合物である。植物は、約60種類のカンナビノイドを含有する。
【0003】
カンナビノイド分子は、被験体に投与される場合に、多様な治療的作用及び向精神作用を引き起こすことが公知である。特に、1つの特定のカンナビノイド、Δ-9テトラヒドトカンナビノール(THC)の使用は、使用者において軽度の一時的な向精神作用を引き起こす。しかしながら、数十種類の他のカンナビノイドもまたカンナビス中に存在し、そのうちのいずれも向精神作用を有さず、且つ、ヒトにおける有益な薬理学的作用を有しないか、又は有し得る可能性がないことが周知である。向精神作用を有しないこれらの代替的なカンナビノイドとしては、限定するものではないが、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビノール酸(CBNA)、カンナビジオール酸(CBDA)及びカンナビゲロール酸(CBGA)並びに脱炭酸化誘導体であるカンナビノール(CBN)、カンナビジオール(CBD)及びカンナビゲロール(CBG)が挙げられる。
【0004】
カンナビノイドは、生物学的系における重要な存在であり、且つ食欲、疼痛、情動行動(気分)、記憶、及び炎症をはじめとする多様な生理学的機能に関連付けられてきたカンナビノイド受容体として公知の身体中の受容体に結合する。CB1及びCB2と称される現在公知の2種類の明確に規定されたカンナビノイド受容体のサブタイプがあり、それらの両方が、Gタンパク質共役型受容体である。CB1受容体(CB1R)は、主に脳(中枢神経系又は「CNS」)において、並びに肺、肝臓及び腎臓でも発現される。CB2受容体(CB2R)は、主に免疫系及び造血細胞又は血液細胞において発現される。
【0005】
一般的に、カンナビノイド分子は、従来は、例えば、カンナビス植物又はカンナビス抽出物の喫煙又は加熱及びその蒸気の吸入により、吸入を介して投与されてきた。吸入を介する投与と比較した場合、そのような分子の経口投与は、改善された投薬の一貫性、より慎重な投与、及び使用者に対する増加した利便性を提供することができる。
【0006】
カンナビノイドは、親油性且つ潜在的には酸に不安定な化合物である。それらの疎水性の性質を理由として、カンナビノイドは、胃腸管の水性環境中でのカンナビノイドの乏しい溶解に起因して、経口剤型から全身性に吸収されにくい。したがって、カンナビノイドの経口製剤は、低いバイオアベイラビリティを示す。本発明は、バイオアベイラビリティを最大化し、並びに香料又は感覚刺激剤を送達するために、異なる送達形態を併せる。
【概要】
【0007】
本明細書中に記載される第1の実施形態に従えば、胃送達のために製剤化されたカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物及び頬内送達のために製剤化された1つ又は複数の香料又は感覚刺激剤を含む、組成物が提供される。
【0008】
本明細書中に記載される第2の実施形態に従えば、組成物を調製するための方法であって、胃送達のために製剤化されたカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物及び頬内送達のために製剤化された1つ又は複数の香料又は感覚刺激剤を組み合わせるステップを含む、方法が提供される。
【0009】
本明細書中に記載される第3の実施形態に従えば、上記の通りの組成物を含む経口製品が提供される。
【詳細な説明】
【0010】
本開示が、ここで、その例示的実施形態を参照して、本明細書中、以下でより完全に説明される。本開示が詳細且つ完全であり、当業者に本開示の範囲を完全に伝達するように、これらの例示的実施形態が説明される。実際には、本開示は、多数の異なる形態で具体化することができ、本明細書中に示される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく;むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書及び特許請求の範囲において用いる場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそうでないことを明らかに指示しない限り、複数形の対象物を含む。「乾燥重量パーセント」又は「乾燥重量基準」に対する参照は、乾燥成分(すなわち、水以外のすべての成分)に基づく重量を意味する。「湿重量」に対する参照は、水を含む組成物の重量を意味する。別途示されない限り、組成物の「重量パーセント」に対する参照は、組成物の総湿重量(すなわち、水を含む)を反映する。
【0011】
本明細書中に記載される第1の実施形態に従えば、胃送達のために製剤化されたカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物及び頬内送達のために製剤化された1つ又は複数の香料又は感覚刺激剤を含む、組成物が提供される。
【0012】
カンナビスの成分、誘導体又は抽出物
本明細書中で用いる場合、カンナビスから取得することができるいずれかの化合物又は化合物の混合物は、そのような化合物(複数可)の合成バージョン又は他の天然供給源から誘導されるそのような化合物(複数可)をはじめとする、その成分、誘導体又は抽出物であり得る。
【0013】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、カンナビノイド(任意選択でTHC及び/又はCBDであり得るフィトカンナビノイドなど);テルペン(トリテルペンなど);アルカロイド;及びフラボノイドから選択される1つ又は複数の化合物を含むか又は1つ又は複数の化合物である。
【0014】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、カンナビノイド(フィトカンナビノイドなど)及びテルペン(トリテルペン等)から選択される1つ又は複数の化合物を含む。
【0015】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、フィトカンナビノイドなどの1つ又は複数のカンナビノイドを含む。
【0016】
カンナビノイドは、脳において神経伝達物質放出を抑制する、細胞中のカンナビノイド受容体(すなわち、CB1及びCB2)に対して作用する天然又は合成化合物の1つのクラスである。カンナビノイドは、カンナビスなどの植物由来(フィトカンナビノイド)、動物由来(エンドカンナビノイド)で天然に存在するか、又は人工的に製造する(合成カンナビノイド)ことができる。カンナビス生物種は、少なくとも85種類の異なるフィトカンナビノイドを発現し、カンナビゲロール、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール及びカンナビノジオール、並びに他のカンナビノイドをはじめとする下位クラスへと分類される。カンナビスにおいて見出されるカンナビノイドとしては、限定するものではないが、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピルバリアント(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビモール酸(tetrahydrocannabmolic acid)(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)が挙げられる。
【0017】
一部の実施形態では、カンナビノイドはフィトカンナビノイドである。
【0018】
一部の実施形態では、テルペンはトリテルペンである。
【0019】
詳細な実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、テトラヒドロカンナビノール(THC)及び/若しくはカンナビジオール(CBD)を含むか、又はテトラヒドロカンナビノール(THC)及び/若しくはカンナビジオール(CBD)である。
【0020】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、THCを含むか、又はTHCである。
【0021】
詳細な実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、CBDを含むか、又はCBDである。
【0022】
一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、組成物の総重量に基づいて、約0.1~約30重量%の量で存在する。一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、又は少なくとも約0.9%の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、組成物の総重量に基づいて、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%以下、又は約30重量%以下の量で組成物中に存在する。
【0023】
上記の化合物のうちの全部を、植物材料由来の単離物の形態で用いるか、又は合成的に誘導することができる。
【0024】
代替的に、又は加えて、活性薬剤は、カンナビノイドと同様に内因性カンナビノイド系に対する生物学的作用を有する、カンナビス以外の植物から誘導される化合物のクラスであるカンナビノイド類似体(cannabimimetic)であり得る。例としては、単独で又は組み合わせて用いることができる、ヤンゴニン、α-アミリン又はβ-アミリン(テルペンとしても分類される)、シアニジン、クルクミン(ウコン(tumeric))、カテキン、ケルセチン、サルビノリンA、N-アシルエタノールアミン、及びN-アルキルアミド脂質が挙げられる。
【0025】
香料又は感覚刺激剤
一部の実施形態では、組成物は、香料をさらに含む。本明細書中で用いる場合、「香味剤」、「香料」又は「香味料」は、経口製品に関連付けられる官能特性を変化させることが可能ないずれかの風味豊かな物質又は芳香剤である。
【0026】
香味剤により改変することができる官能特性の例としては、味、口当たり、湿り気、冷感/熱、及び/又は香気/香りが挙げられる。香味剤は、天然又は合成であり得、且つそれにより付与される香味の性質は、限定するものではないが、新鮮、甘い、ハーブ様、菓子様、花のような、果物のような、又は香ばしいとして記述することができる。香味の具体的なタイプとしては、限定するものではないが、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メンソール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、ビャクダン、ハチミツ、ジャスミン、ショウガ、アニス、セージ、リコリス、レモン、オレンジ、リンゴ、モモ、ライム、サクランボ、イチゴ、三叉神経感覚刺激剤、テルペン、及びそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。参照により本明細書中に組み入れられる、Leffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products、R.J.Reynolds Tobacco Company(1972)もまた参照されたい。香味剤としてはまた、ユーカリなどの湿潤化剤、冷感剤又は平滑剤と考えられる成分も含むことができる。これらの香味は、純粋に(すなわち、単独で)又は複合で与えることができ、且つ濃縮物又は香味パッケージ(例えば、スペアミントとメンソール、オレンジとシナモン、ライム、パイナップル等)として利用することができる。
【0027】
成分の代表的なタイプはまた、それらのそれぞれが参照により本明細書中に組み入れられる、Whiteらに対する米国特許第5,387,416号;Stricklandらに対する米国特許出願公開第2005/0244521号;及びQuinterらに対するPCT出願公開国際公開第05/041699号にも明記されている。一部の例では、香味剤は、噴霧乾燥形態又は液体形態で提供することができる。
【0028】
香料としては、天然に存在する香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成的に取得される材料、又はそれらの組み合わせ(例えば、タバコ、カンナビス、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキ葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メンソール、ハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ウコン、インド香辛料、アジア香辛料、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘類果実、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、パイン、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジ花、サクラ花、桂皮、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、ヘンプ、ハッカ属(Mentha)のいずれかの生物種由来のミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ゲッケイジュ、マテ、オレンジ皮、バラ、緑茶又は紅茶などのチャ、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピーマン、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ヒメウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤若しくは刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びにチャコール、クロロフィル、無機質、植物性物質、又は息清涼剤などの他の添加剤が挙げられる。それらは、模倣物、合成成分若しくは天然成分、又はそれらの混合物であり得る。それらは、油などの液体、粉末などの固体、又は気体などのいずれかの好適な形態であることができる。
【0029】
一部の実施形態では、香料は、メンソール、スペアミント及び/又はペパーミントを含む。一部の実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類果実及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。一部の実施形態では、香料は、オイゲノールを含む。一部の実施形態では、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。一部の実施形態では、香料は、カンナビスから抽出された香料成分を含む。
【0030】
一部の実施形態では、組成物は感覚刺激剤を含むことができ、感覚刺激剤は、通常は化学的に誘導され、且つ嗅覚神経若しくは味覚神経に加えて又はその代わりに、第5脳神経(三叉神経)の刺激により感知される体性感覚的知覚を達成することが意図され、これらとしては、温感/熱感、冷感、刺痛感、しびれ効果を提供する薬剤が挙げられる。好適な温感作用薬剤は、限定するものではないが、バニリルエチルエーテル又はカプサイシンであり得、好適な冷感剤は、限定するものではないが、ユーコリプトール(eucolyptol)又はWS-3であり得る。
【0031】
組成物中で利用される香料又は感覚刺激剤の量は変わることができるが、典型的には最大で約10重量%であり、特定の実施形態は、組成物の総重量に基づいて、約0.5~約10重量%、約1~約5重量%、又は約2~約4重量%など、少なくとも約0.1重量%の香味剤又は感覚刺激剤含有量により特徴付けられる。
【0032】
頬内送達のための製剤化
本発明の組成物において、香料又は感覚刺激剤は、頬内送達のために製剤化される。頬内送達とは、香料又は感覚刺激剤が、口腔中で局所的にその作用を有するために製剤化されることを意味する。
【0033】
一部の香料及び感覚刺激剤は、高度に親油性の分子であり、非常に低い水溶性を有する。したがって、製剤化は、香料(favour)又は感覚刺激剤の溶解度及び送達において重要な役割を果たし得る。そのような製剤化としては、塩形成(すなわち、pH調整)、コソルベンシー(例えば、エタノール、プロピレングリコール、PEG400等)、ミセル化(例えば、ポリソルベート80、クレモホールELP等)、(ナノ)-(マイクロ)-乳化、錯体化(例えば、シクロデキストリン)、並びに脂質に基づく製剤(例えば、リポソーム)及びナノ粒子中のカプセル封入が挙げられる。
【0034】
一実施形態では、香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物は、水性環境中に溶解、分散、可溶化又は溶出する。一実施形態では、組成物は、水性環境中で香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物を可溶化するための手段を含む。可溶化のための手段は、香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物が少なくとも部分的に溶解する溶媒を含むことができる。可溶化剤と香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物との重量比は、典型的には、100:1~5:1の範囲内、好ましくは50:1~10:1、より好ましくは30:1~10:1の範囲内である。
【0035】
当該水性環境は、エマルジョン系、例えば、水中油型エマルジョンなどの担体、又はマイクロカプセル、マイクロスフェア若しくはナノスフェア系のマトリックス中に提供することができる。香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物は、カプセル封入又はマイクロスフェア若しくはナノスフェアの表面上に分散することができる。
【0036】
水中油型エマルジョンは、薬学的に許容できる油及び乳化剤の組み合わせを用いて調製することができる。香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物は、油相中に溶解し、これが続いて、激しい混合、ミル加工又はホモジナイゼーション下で、典型的には安定化剤を含有する水相と混合される。
【0037】
油は、ダイズ油、オリーブ油、綿実油、ラッカセイ油、ゴマ油及びヒマシ油などの植物油から選択することができる。ビタミンE(トコフェロール)もまた、油相として用いることができる。この材料はまた、抗酸化剤でもあり、且つ酸化しやすい場合がある香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物の安定化を助けることができる。トコフェロールのエステル、例えば、リノール酸エステル、ニコチン酸エステル、酢酸エステル又は酸コハク酸エステルなどの、トコフェロールの薬学的に許容できる誘導体もまた含められる。
【0038】
さらなる乳化剤は、ポリオキシエチレンブロック、すなわち、反復エチレンオキシド部分から構成されるブロックを含有するブロックコポリマーである。このタイプの好適な乳化剤は、ポロキサマー、すなわち、ポロキサマー188などのポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーである。
【0039】
別の乳化剤は、リン脂質乳化剤である。これは、ダイズ又は卵から誘導されるいずれかの薬学的に許容できる材料、例えば、ダイズ又は卵レシチンであり得る。リポイドE80として公知のリポイド(ドイツ)により提供される材料などの卵レシチンは、ホスファチジルコリン及びホスファチジルエタノリン(phosphatidyl ethanoline)の両方を含有する。リポソーム系での使用に関して記載されてきた、リン脂質ポリエチレングリコール(PEG)コンジュゲート(PEG化リン脂質)をはじめとする他のリン脂質材料もまた、用いることができる。
【0040】
エマルジョンの安定性は、薬学的に許容できる共乳化剤の添加により強化することができる。好適な共乳化剤としては、脂肪酸及びその塩並びにデオキシコール酸などの胆汁酸及びその塩が挙げられる。好適な脂肪酸は、オレイン酸などのその構造中に8個超の炭素原子を有するものである。好適な塩は、アルカリ金属などの薬学的に許容できる塩、例えば、Na及びK塩である。これらの共乳化剤は、約1%w/vの濃度で添加することができる。
【0041】
エマルジョン中の油の量は、v/v基準で5~50%、好ましくは10~50%v/v、より好ましくは15~25%v/vであり得る。香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物は、典型的には、0.1~20%w/v、好ましくは1~10%w/v、すなわち、100mLの油中に0.1~20、好ましくは1~10gの香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物の濃度で油相中に溶解する。
【0042】
一実施形態では、水性環境中で1つ又は複数の香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物を可溶化するための手段は、1つ又は複数の香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物をカプセル封入する。カプセル封入はシクロデキストリンなどの分子的カプセル封入剤によることができる。シクロデキストリンは、グルコピラノース単位を含む環状オリゴ糖である。本発明において有用であり得るシクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体としては、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテルシクロデキストリン、2,6-ジメチル-β-シクロデキストリン、2,3,6-トリメチル-β-シクロデキストリンが挙げられる。
【0043】
別の実施形態では、カプセル封入は、界面活性剤を含むミセルによることができる。界面活性剤は、C16~C18トリグリセリドなどの長鎖トリグリセリドからなる群からの選択であり得る。一実施形態では、界面活性剤は、リノレン酸であり得る。
【0044】
好適な界面活性剤の例としては、モノオレイン酸グリセリル;及びラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SLS、又はSDS)、ドキュセートナトリウム、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、ツイーン(Tween)(登録商標))、ポリオキシエチレン15ヒドロキシステアレート(マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ソルトールHS15(Solutol HS15)(登録商標))、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(クレモホール(Cremophor)(登録商標)EL、ELP、RH40)、ステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj(登録商標))、ソルビタン脂肪酸エステル(スパン(Span)(登録商標))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij(登録商標))、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(ノノキシノール(Nonoxynol)(登録商標))及び糖エステルが挙げられる。
【0045】
一部の実施形態では、界面活性剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.5~約10重量%の量で存在する。
【0046】
一実施形態では、香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、カプセル封入又はマイクロスフェア若しくはナノスフェアの表面に分散することができる。機械的に強く、疎水性であり、生体適合性であり、且つ毒性学的に許容できる生成物へと分解されて身体から取り除かれるので、PLGA(ポリ(乳酸-co-グリコール酸))を用いることができる。
【0047】
代替的に、生体接着性デンプンマイクロスフェアを用いることができる。本発明の組成物中で用いることができる他の生体接着性マイクロスフェアとしては、キトサン、ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩、ポリカルボフィル、ペクチン、ヒアルロン酸(及びそのエステル)、寒天アガロース、デキストラン、オボアルブミン、コラーゲン、デンプン、アルブミン及びカゼインから製造されるものが挙げられる。当該材料は、粘液又は粘膜表面と相互作用し、それにより、単純な液体又は粉末系に関して見出されるものよりも長時間にわたる、粘膜表面での香料、感覚刺激剤及び/又はカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物の保持を与えることができる。マイクロスフェアは、噴霧乾燥プロセス又は乳化プロセスなどの当業者に公知の様々なプロセスにより生成することができる。
【0048】
胃送達のための製剤化
一部の実施形態では、本明細書中に提供される組成物は、経口投与に対して意図され、且つカンナビスの成分、誘導体又は抽出物の大部分が腸を通過する腸内吸収によりその作用を有するように組成物中に提供されることが意図される。カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の小さな割合が、口の中の粘膜を通って吸収される(例えば、頬内又は舌下送達を介して)場合があるが、大部分は飲み込まれて、腸細胞腸管吸収により(すなわち、腸内送達を介して)取り込まれるべきである。
【0049】
口腔内での活性薬剤送達は、唾液の洗浄作用に起因して、薬物の迅速な排除を受ける可能性がある。したがって、本発明の組成物内に、胃送達のために製剤化されたカンナビスの成分、誘導体又は抽出物も有することが望ましい。胃送達とは、胃腸管への送達を意味する。
【0050】
活性薬剤を含む組成物の胃送達に関連付けられる一般的な課題は、活性薬剤のバイオアベイラビリティである。胃、又はより正確には腸内送達は、一般的に、良好な吸収及びバイオアベイラビリティを提供する大きな腸管表面積及び豊富な粘膜脈管系の恩恵を享受する。しかしながら、小腸及び大腸の水性環境中で難溶性である活性薬剤に関して、粘膜を通って吸収されることを可能にする形態でこれらの化合物を提示することは困難である。さらに、一度吸収されたら、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物のうちの大部分は、門脈を介して肝臓へと輸送され、ここで初回通過代謝を受け、したがって、所望の生理学的作用を生じないであろう。
【0051】
カンナビスの成分、誘導体又は抽出物が改善された水溶性を有する形態で提供される場合でさえ、口腔粘膜により吸収されないカンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、消化管中で溶液から出てくる場合がある。例えば、結晶化又は沈殿のプロセスによりこれが起こる場合、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物のバイオアベイラビリティは、顕著に減少する。
【0052】
「スプリング」は、API、この場合にはカンナビスの成分、誘導体又は抽出物の過飽和を駆動する高エネルギー分子種と定義される。そのような高エネルギー分子種は、比較的安定性が低く、したがって、類似の相対的に安定な形態(例えば、遊離形態、多形体等)よりも可溶性である。高エネルギー分子種の内因的な溶解度は、類似のより安定な形態よりも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、25倍、50倍、75倍、100倍又はそれ以上大きい可能性がある。上記で議論した通り、本発明の一実施形態は、改善された水溶性を有する形態でカンナビスの成分、誘導体又は抽出物を提供する。一度溶解が起こったら、沈殿の阻害が重要になる。沈殿の阻害は、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物が溶液から沈殿する速度を減速させるための「パラシュート」として作用する。したがって、本発明の別の実施形態は、初期溶解時の沈殿を阻害する製剤中のカンナビスの成分、誘導体又は抽出物を提供する。
【0053】
「パラシュート」は、沈殿阻害剤により達成することができる。したがって、一実施形態では、組成物は、水性環境中でのカンナビスの成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤を含む。セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース-HPC、ヒドロキシプロピルメチルセルロースHPMC)、ビニルポリマー[例えば、ポリビニルピロリドン-PVP、ポリビニルピロリドン酢酸ビニルPVP-酢酸ビニル(VA)]、エチレンポリマー(例えば、ポリエチレングリコール-PEG)及びそれらの混合物などのポリマーを用いることができる。一実施形態では、活性剤は、PVP及びHPC並びにそれらの混合物から選択される。理論に拘泥することを望まないが、メカニズムは、通常、粘度(低減された分子運動性をもたらし、したがって、核生成及び結晶成長を減少させる)、結晶表面への吸着(結晶成長を妨げる)を増加させるか、又は結晶/液体界面での溶媒和のレベルを変化させる(結晶格子への薬物分子の取り込みを減速させる)ことにより、溶解度を増加させること並びに/又は核生成及び結晶成長を減少させることを含む。
【0054】
一実施形態では、胃送達のために製剤化されたカンナビスの成分、誘導体又は抽出物は、任意選択で、放出の調節又は製剤の保護に対して好適な1つ又は複数の材料を用いてコーティングすることができる。一実施形態では、コーティングは、例えば、胃腸液に曝露される場合に、pH依存性又はpH非依存性のいずれかでの放出を可能にするために提供される。pH依存性コーティングは、胃腸(GI)管の所望の領域、例えば、胃又は小腸においてカンナビスの成分、誘導体又は抽出物を放出させるために機能する。pH依存性であり且つ本発明に従って用いることができるコーティング剤としては、シェラック、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ポリ酢酸フタル酸ビニル(PVAP)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びメタクリル酸エステルコポリマー、ゼイン等が挙げられる。コーティング剤は、有機若しくは水性溶液又は分散物の形態で適用することができる。
【0055】
腸管吸収の強化
経口投与された活性物質は、典型的には、胃腸管中の酵素によるその分解に起因して、及び小腸においてそれらを吸収する困難性に起因して、低いバイオアベイラビリティを示す。腸内吸収を促進するために、添加剤を組成物中に含めることができる。
【0056】
例えば、中鎖脂肪酸塩は、腸上皮の傍細胞透過性を増加させることにより、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物の腸内送達を強化することができる。
【0057】
リポソームは、1つ若しくは複数のタイプの脂質により構成される脂質二重層から形成されるベシクルである。二重層は疎水性環境を提供するが、ベシクル内部に水相がある場合がある。親水性分子はリポソームの内側へと積載することができる一方で、疎水性又は親油性分子は、リポソームの脂質二重層中に組み込まれる。
【0058】
リポソームは、活性物質をカプセル封入及び保護し、且つ腸細胞へのそれらの吸収を増加させる能力を有する。リポソームは、胃腸管中の過酷な条件による変性から不安定な活性物質を保護することができる。リポソームの脂質はまた、腸細胞におけるカイロミクロンの産生を刺激し、したがって、リンパ系への薬物輸送を強化するために利用することもできる。さらに、リポソームの腸細胞取り込みは、それらのサイズを用いて制御することができ;より小さなリポソームはより高度な取り込みを示した。
【0059】
好適なリポソーム形成性脂質としては、例えば、ホスファチジルコチンなどのリン脂質が挙げられる。他の脂質もまた、用いることができる。
【0060】
腸管リンパ輸送の増加
経口投与及び腸内吸収後、第2の活性薬剤は、門脈又は腸管リンパ系のいずれかに入るであろう。用いられる経路を制御する主な因子は、分子量及び溶解度である。カンナビスの多数の成分、誘導体又は抽出物をはじめとする一部の活性薬剤は、門脈を介して優先的に輸送されることが見出されている。ここで、それらは直ちに肝臓中に蓄積し、続いて、酵素により代謝されて、それにより、血流中でのその濃度が低下する。
【0061】
体循環へと活性物質を送達するための代替的経路は、腸管リンパ経路である。腸管リンパ経路は、肝臓における初回通過代謝を回避し、したがって、バイオアベイラビリティを増加させることができる。したがって、第2の活性薬剤の腸管リンパ輸送を増加させることが望ましい。
【0062】
上記で言及した通り、リポソームは、腸内送達を強化するだけでなく、リンパ系への輸送を強化することもできる。
【0063】
脂質の同時投与もまた、一般的に、リンパ系への第2の活性薬剤の輸送を強化することができる。したがって、一部の実施形態では、組成物は、脂質成分を含む。脂質としては、例えば、リン脂質、長鎖トリグリセリド及びオレイン酸などの脂肪酸が挙げられる。
【0064】
一部の実施形態では、組成物は、リンパ系への輸送を強化する代謝指向剤として機能する添加剤を含む。好適な代謝指向剤としては、テルペン、グレープフルーツ抽出物、典型的には黒コショウから抽出されるピペリン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。代謝指向剤は、有利なことに、第2の活性剤を胃系統へと向かわせる。このことは、第2の活性薬剤が作用する時間を変化させることができる。加えて、粒径もまた、第2の活性薬剤の代謝の作用を有し、有利には、代謝指向剤との相乗作用を有するように選択することができる。
【0065】
一部のテルペンは、カンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物又はカンナビノイド類似体と組み合わせて用いる場合、アントラージュ効果を提供する。
【0066】
一部の実施形態では、代謝指向剤はテルペンである。テルペンは、(C5H8)nの一般式を有すると理解され、且つモノテルペン、セスキテルペン、及びジテルペンを含む。テルペンは、非環式、単環式又は二環式の構造であり得る。例としては、単独で又は組み合わせて用いることができる、β-カリオフィレン、リナロール、リモネン、β-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(α又はβ)、ゲラニオール、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソメントン、ピペリトン、ミルセン、β-ブルボネン、及びゲルマクレンが挙げられる。
【0067】
テルペンを含める利点は、多数のテルペンが、鎮静作用などの生物学的作用に関連付けられることである。このことは、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物により与えられるものに加えて、追加の作用を使用者にもたらすことができる。テルペンの代謝速度もまた、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物とは異なる場合があり、それにより、異なる時点で使用者に作用がもたらされる。
【0068】
活性薬剤
組成物は、栄養補給食品、向知性薬又は向精神薬からなる群より選択されるさらなる活性薬剤を含むことができる。
【0069】
存在する活性薬剤の特定のパーセンテージは、特定の製品の所望の特性に応じて変わるであろう。典型的には、活性薬剤又はその組み合わせは、約0.001%~約20%の範囲内など、組成物の重量基準で少なくとも約0.001%の合計濃度で存在する。一部の実施形態では、活性薬剤又は活性薬剤の組み合わせは、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.5%w/w~約10重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約5重量%など、約0.1%w/w~約10重量%の濃度で存在する。一部の実施形態では、活性薬剤又は活性薬剤の組み合わせは、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%、約0.002重量%、約0.003重量%、約0.004重量%、約0.005重量%、約0.006重量%、約0.007重量%、約0.008重量%、約0.009重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、又は約20重量%までなど、約0.001重量%、約0.01重量%、約0.1重量%、又は約1重量%から、最大で約20重量%の濃度で存在する。具体的な活性薬剤に関するさらなる好適な範囲は、本明細書中、以下で提供される。
【0070】
活性薬剤は、天然に存在するか又は合成的に取得することができる。一実施形態では、活性薬剤は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12又はCなどのビタミン、メラトニン、γ-アミノ酪酸(GABA)、テアニン、植物性物質或いはそれらの組み合わせを含むことができる。上記のものの生理学的に活性な成分、誘導体、又はその抽出物もまた含められる。
【0071】
一部の実施形態では、活性薬剤は、ニコチンを含む。一部の実施形態では、活性薬剤は、カフェイン、メラトニン又はビタミンB12を含む。
【0072】
活性薬剤は、タバコ、又は別の植物性物質の1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物を含むことができる。
【0073】
テルペン
本開示における使用に対して好適な活性薬剤はまた、そのうちの多数が鎮静作用などの生物学的作用と関連付けられる、テルペンとして分類することもできる。
【0074】
テルペンは、(C5H8)nの一般式を有すると理解され、且つモノテルペン、セスキテルペン、及びジテルペンを含む。テルペンは、非環式、単環式又は二環式の構造であり得る。
【0075】
一部のテルペンは、カンナビノイド又はカンナビノイド類似体(cannabimimetic)と組み合わせて用いる場合、アントラージュ効果を提供する。例としては、単独で又は組み合わせて用いることができる、β-カリオフィレン、リナロール、リモネン、β-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(α又はβ)、ゲラニオール、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソメントン、ピペリトン、ミルセン、β-ブルボネン、及びゲルマクレンが挙げられる。
【0076】
植物性物質
本明細書中に記載される場合、活性薬剤は、1つ若しくは複数の植物性物質又はその成分、誘導体若しくは抽出物を含むか又はそれらから誘導することができる。本明細書中で用いる場合、用語「植物成分」又は「植物性物質」とは、その天然形態での植物材料及び植物材料又は処理済み植物材料(例えば、熱処理、発酵、漂白、又は材料の物理的及び/若しくは化学的性質を変化させることが可能な他の処理プロセスに供された植物材料)由来の抽出物又は単離物などの天然植物材料から誘導された植物材料をはじめとする、いずれかの植物材料又は真菌由来材料を意味する。材料は、合成的に製造することができる。本明細書中で用いる場合、用語「植物性物質」としては、限定するものではないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、殻、さや等が挙げられる。代替的に、材料は、合成的に取得された、植物性物質中に天然に存在する活性化合物を含むことができる。材料は、液体、気体、固体、粉末、細粉、破砕粒子、顆粒、ペレット、断片、ストリップ、シート等の形態であり得る。
【0077】
存在する場合、植物性物質は、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.01%w/w、約0.05重量%、約0.1重量%、又は約0.5重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までなど、約0.01%w/w~約10重量%の濃度である。
【0078】
例示的な植物性物質は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、ヘンプ、ココア、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ショウガ、イチョウ(Ginkgo biloba)、ハシバミ、ハイビスカス、ゲッケイジュ、リコリス(甘草)、抹茶、マテ、オレンジ皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶又は紅茶などのチャ、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、エルダーフラワー、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、クルクマ、ウコン、ビャクダン、シラントロ、ベルガモット、橙花、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピーマン、メース、ダミアン(damien)、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ヒメウイキョウ(carvi)、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、クワ、ニンジン(ginseng)、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ又はそれらのいずれかの組み合わせである。ミントは、以下のミント品種から選択することができる:ヨウシュハッカ(Mentha Arventis)、メンタc.v.(Mentha c.v.)、エジプシャンミント(Mentha niliaca)、ペパーミント(Mentha piperita)、オーデコロンミント(Mentha piperita citrata c.v.)、キャンディミント(Mentha piperita c.v.)、カーリーミント(Mentha spicata crispa)、スペアミント(Mentha cardifolia)、ホースミント(Mentha longifolia)、パイナップルミント(Mentha suaveolens variegata)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)、イングリッシュスペアミント(Mentha spicata c.v.)、及びアップルミント(Mentha suaveolens)。
【0079】
一部の実施形態では、活性薬剤は、1つ若しくは複数の植物性物質又はその成分、誘導体若しくは抽出物を含むか又はそれから誘導され、且つ植物性物質はタバコである。
【0080】
「非タバコ」としての植物材料に対する参照は、タバコ材料を除外することが意図される(すなわち、いかなるタバコ属(Nicotiana)生物種も含まない)。一部の実施形態では、本明細書中に開示される通りの組成物は、いかなるタバコ材料も含まないとして特徴付けることができる(例えば、本明細書中に開示される通りのいずれかの実施形態は、完全に又は実質的にいかなるタバコ材料も含まないことができる)。「実質的に含まない」とは、タバコ材料が意図的に添加されていないことを意味する。例えば、特定の実施形態は、0.001重量%未満のタバコ、又は0.0001%未満、又は0重量%のタバコさえも有するとして特徴付けることができる。
【0081】
一部の実施形態では、活性薬剤は、1つ若しくは複数の植物性物質又はその成分、誘導体若しくは抽出物を含むか又はそれから誘導され、且つ植物性物質は、ユーカリ、スターアニス、ココア及びヘンプから選択される。
【0082】
一部の実施形態では、活性薬剤は、1つ若しくは複数の植物性物質又はその成分、誘導体若しくは抽出物を含むか又はそれから誘導され、且つ植物性物質は、ルイボス及びフェンネルから選択される。
【0083】
一部の実施形態では、有効成分は、レモンバームを含む。レモンバーム(Melissa officinalis)は、ミントと同じ科(シソ科(Lamiaceae))由来の穏やかにレモンの香りがするハーブである。このハーブは、欧州、北アフリカ、及び西アジア原産である。レモンバームのお茶、並びに精油及び抽出物は、伝統医療及び代替医療において用いられる。一部の実施形態では、有効成分は、レモンバーム抽出物を含む。一部の実施形態では、レモンバーム抽出物は、組成物の総重量に基づいて、約1~約4重量%の量で存在する。
【0084】
一部の実施形態では、有効成分は、ニンジンを含む。ニンジンは、固有のステロイドサポニン植物化学物質(ジンセノサイド)及びジントニンの存在により特徴付けられる、トチバニンジン属(Panax)の植物の根である。ニンジンは、エナジー飲料又はハーブ茶における、及び伝統医療における栄養補助食品としての用途がある。栽培生物種としては、朝鮮人参(オタネニンジン(P.ginseng))、華南人参(サンシチニンジン(P.notoginseng))、及びアメリカ人参(P.quinquefolius)が挙げられる。アメリカ人参及び朝鮮人参は、存在する多様なジンセノサイドの種類及び量が異なる。一部の実施形態では、ニンジンは、アメリカ人参又は朝鮮人参である。特異的な実施形態では、有効成分は、朝鮮人参を含む。一部の実施形態では、ニンジンは、組成物の総重量に基づいて、約0.4~約0.6重量%の量で存在する。
【0085】
刺激剤
一部の実施形態では、活性薬剤は、1つ又は複数の刺激剤を含む。本明細書中で用いる場合、用語「刺激剤」とは、中枢神経系及び/又は身体の活動を増加させ、例えば、集中、認知、活力、気分、注意力等を強化する物質を意味する。刺激剤の非限定的な例としては、カフェイン、テアクリン、テオブロミン、及びテオフィリンが挙げられる。テアクリン(1,3,7,9-テトラメチル尿酸)は、構造的にカフェインと関連するプリンアルカロイドであり、刺激剤、鎮痛剤、及び抗炎症作用を保有する。現在の刺激剤は、天然であるか、天然に誘導されるか、又は完全に合成的であり得る。例えば、特定の植物材料(ガラナ、チャ、コーヒー、ココア等)は、例えば、カフェイン又は関連するアルカロイドの存在を理由として、刺激剤作用を保有する場合があり、したがって、「天然」刺激剤である。「天然に誘導される」とは、刺激剤(例えば、カフェイン、テアクリン)が精製形態であり、その天然の(例えば、植物)マトリックスの外側にあることを意味する。例えば、カフェインは、植物供給源(例えば、チャ)からの抽出及び精製により、取得することができる。「完全に合成的」とは、刺激剤が化学合成により取得されていることを意味する。一部の実施形態では、活性薬剤は、カフェインを含む。一部の実施形態では、カフェインは、カプセル封入形態で存在する。カプセル封入型カフェインの一例は、Balchem Corp.、52 Sunrise Park Road、New Hampton、NY、10958から入手可能なビタシュア(Vitashure)(登録商標)である。
【0086】
存在する場合、刺激剤又は刺激剤の組み合わせ(例えば、カフェイン、テアクリン、及びそれらの組み合わせ)は、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.1%w/w、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までなど、約0.1%w/w~約15重量%の濃度である。一部の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約1.5~約6重量%の量でカフェインを含む。
【0087】
アミノ酸
一部の実施形態では、活性薬剤は、アミノ酸を含む。本明細書中で用いる場合、用語「アミノ酸」とは、各アミノ酸に対して特異的である側鎖(R基)と共に、アミン(-NH2)及びカルボキシル(-COOH)又はスルホン酸(SO3H)官能基を含む有機化合物を意味する。アミノ酸は、タンパク質構成性又は非タンパク質構成性であり得る。「タンパク質構成性」とは、アミノ酸が、タンパク質中で見出される20種類の天然に存在するアミノ酸のうちの1つであることを意味する。タンパク質構成性アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプロファン、チロシン、及びバリンが挙げられる。「非タンパク質構成性」とは、アミノ酸がタンパク質中で天然に見出されないか、又は細胞機構により直接的に生成されない(例えば、翻訳後修飾の生成物である)かのいずれかを意味する。
【0088】
非タンパク質構成性アミノ酸の非限定的な例としては、γ-アミノ酪酸(GABA)、タウリン(2-アミノエタンスルホン酸)、テアニン(L-γ-グルタミルエチルアミド)、ヒドロキシプロリン、及びβ-アラニンが挙げられる。一部の実施形態では、活性薬剤は、テアニンを含む。一部の実施形態では、活性薬剤は、GABAを含む。一部の実施形態では、活性薬剤は、テアニン及びGABAの組み合わせを含む。一部の実施形態では、活性薬剤は、テアニン、GABA、及びレモンバームの組み合わせを含む。一部の実施形態では、活性薬剤は、カフェイン、テアニン、及びニンジンの組み合わせを含む。一部の実施形態では、活性薬剤は、タウリンを含む。一部の実施形態では、活性薬剤は、カフェイン及びタウリンの組み合わせを含む。
【0089】
存在する場合、アミノ酸又はアミノ酸の組み合わせ(例えば、テアニン、GABA、及びそれらの組み合わせ)は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、例えば、約0.1%w/w、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までなど、約0.1%w/w~約15重量%の濃度である。
【0090】
ビタミン/無機質
一部の実施形態では、活性薬剤は、ビタミン又はビタミンの組み合わせを含む。本明細書中で用いる場合、用語「ビタミン」とは、哺乳動物における代謝の適正な機能に対して必要とされる必須の微量栄養素である有機分子(又は分子の関連するセット)を意味する。ヒト代謝により要求される13種類のビタミン:ビタミンA(オールトランスレチノール、オールトランスレチニルエステル、並びにオールトランス-β-カロテン及び他のプロビタミンAカロテノイドとして)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸又は葉酸塩)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール及びトコトリエノール)、及びビタミンK(キノン)がある。一部の実施形態では、活性薬剤は、ビタミンCを含む。一部の実施形態では、活性薬剤は、ビタミンC、カフェイン、及びタウリンの組み合わせである。
【0091】
存在する場合、ビタミン又はビタミンの組み合わせ(例えば、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンC、又はそれらの組み合わせ)は、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、又は約0.1%w/wから、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、又は約6重量%までなど、約0.01%w/w~約6重量%の濃度である。
【0092】
一部の実施形態では、活性薬剤は、無機質又は無機質の組み合わせを含む。本明細書中で用いる場合、用語「無機質」とは、規定された化学的組成物及び純粋な形態で天然に存在する特定の結晶構造を有する化合物を意味する。一部の実施形態では、活性薬剤は、例えば、グルコン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム等などの、マグネシウムに基づく無機化合物を含む。存在する場合、無機質又は無機質の組み合わせ(例えば、グルコン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせ)は、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、又は約0.1%w/wから、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、又は約6重量%までなど、約0.01%w/w~約6重量%の濃度である。
【0093】
抗酸化剤
一部の実施形態では、活性薬剤は、1つ又は複数の抗酸化剤を含む。本明細書中で用いる場合、用語「抗酸化剤」とは、フリーラジカル反応を終了させることにより酸化を防止又は抑制し、且つ細胞損傷のうちの一部のタイプを遅延又は防止することができる物質を意味する。
【0094】
抗酸化剤は、天然に存在するか又は合成的であり得る。天然に存在する抗酸化剤としては、食品及び植物材料中に見出されるものが挙げられる。抗酸化剤の非限定的な例としては、一部の植物材料、ビタミン、ポリフェノール、及びフェノール誘導体が挙げられる。
【0095】
抗酸化剤特性と関連付けられる植物材料の例としては、限定するものではないが、アサイーベリー、アルファルファ、オールスパイス、アナトー種子、アプリコット油、バジル、ベルガモット、ワイルドベルガモット、黒コショウ、ブルーベリー、ルリジサ種子油、シロネ、カカオ、ショウブ根、イヌハッカ、カツアバ、赤唐辛子、カバノアナタケ、チャービル、シナモン、ダークチョコレート、ジャガイモ皮、ブドウ種子、ニンジン、イチョウ、セイヨウオトギリソウ、ノコギリヤシ、緑茶、紅茶、ブラックコホシュ、赤唐辛子、カモミール、クローブ、ココア粉末、クランベリー、タンポポ、グレープフルーツ、ハニーブッシュ、エキナセア、ニンニク、マツヨイグサ、ナツシロギク、ショウガ、ヒドラスチス、サンザシ、ハイビスカス花、アマチャヅル、カバ、ラベンダー、リコリス、マジョラム、オオアザミ、ミント(menthe)、ウーロン茶、ビートルート、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、メグサハッカ、ペパーミント、アカツメクサ、ルイボス(レッド又はグリーン)、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、クラリセージ、セイボリー、スペアミント、スピルリナ、アカニレ樹皮、ソルガムふすま高タンニン、ソルガム種子高タンニン、ウルシふすま、ヒレハリソウ葉及び根、クコの実、ゴツコーラ、タイム、ウコン、ウバウルシ、バレリアン、ジネンジョ根、ウィンターグリーン、ヤーコン根、イエロードック、イェルバマテ、イェルバサンタ、バコパ・モンニエラ(bacopa monniera)、アシュワガンダ(withania somnifera)、ヤマブシタケ、及びマリアアザミ(silybum marianum)が挙げられる。そのような植物材料は、新鮮若しくは乾燥形態、精油中で提供することができるか、又は抽出物の形態であり得る。植物材料(並びにその抽出物)は、多くの場合、無機質、ビタミン、イソフラボン、植物ステロール(phytoesterols)、硫化アリル、ジチオールチオン、イソチオシアン酸塩、インドール、リグナン、フラボノイド、ポリフェノール、及びカロテノイドなどの、抗酸化剤作用を提供することが公知である様々な分類由来の化合物を含む。植物抽出物又は油中に見出される化合物の例としては、アスコルビン酸、ラッカセイエンドカルブ(peanut endocarb)、レスベラトロール、スルフォラファン、β-カロテン、リコペン、ルテイン、補酵素Q、カルニチン、ケルセチン、ケンペロール等が挙げられる。例えば、参照により本明細書中に組み入れられる、Santhoshら、Phytomedicine、12(2005)216~220を参照されたい。
【0096】
他の好適な抗酸化剤の非限定的な例としては、クエン酸、ビタミンE又はその誘導体、トコフェロール、エピカテコール、エピガロカテコール、没食子酸エピガロカテコール、エリソルビン酸塩、エリソルビン酸ナトリウム、4-ヘキシルレゾルシノール、テアフラビン、一没食子酸テアフラビンA又はB、二没食子酸テアフラビン、フェノール酸、グリコシド、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ヒペロシド、ポリフェノール、カテコール、レスベラトロール、オレウロペイン、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、第3級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0097】
存在する場合、抗酸化剤は、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.001%、約0.005%、約0.01%w/w、約0.05%、約0.1%、又は約0.5%から、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、又は約10%までなど、約0.001%w/w~約10重量%の濃度である。
【0098】
ニコチン成分
特定の実施形態では、活性薬剤は、ニコチン成分を含む。「ニコチン成分」とは、存在するニコチンの少なくとも一部分の経口吸収を与えるための、ニコチンのいずれかの好適な形態(例えば、遊離塩基又は塩)を意味する。典型的には、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群より選択される。一部の実施形態では、ニコチン成分は、例えば、微結晶性セルロース-ニコチン担体複合体を形成するために、微結晶性セルロース材料中に容易に吸着させることができる、その遊離塩基形態でのニコチンである。例えば、参照により本明細書中に組み入れられる、Hanssonに対する米国特許出願公開第2004/0191322号における遊離塩基形態でのニコチンの考察を参照されたい。
【0099】
一部の実施形態では、ニコチン成分の少なくとも一部分を、塩の形態で利用することができる。ニコチンの塩は、参照により本明細書中に組み入れられる、Coxらに対する米国特許第2,033,909号及びPerfetti、Beitrage Tabakforschung Int.、12:43~54(1983)に示される薬剤の種類及び技術を用いて、提供することができる。
【0100】
追加的に、ニコチンの塩は、Pfaltz and Bauer,Inc.及びK&K Laboratories,Division of ICN Biochemicals,Inc.などの供給元から入手可能である。典型的には、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基、塩酸塩、二塩酸塩、一酒石酸塩、二酒石酸塩、硫酸塩、サリチル酸塩、及びニコチン塩化亜鉛などのニコチン塩からなる群より選択される。
【0101】
一部の実施形態では、ニコチンの少なくとも一部分は、ニコチンがイオン交換樹脂中に結合している、例えば、Amberlite IRP64、Purolite C115HMR、又はDoshion P551などのポリメタクリル酸(polymethacrilic acid)に結合したニコチンである、ニコチンポラクリレックスなどのニコチンの樹脂複合体の形態であり得る。例えば、参照により本明細書中に組み入れられる、Lichtneckertらに対する米国特許第3,901,248号を参照されたい。別の例は、Carbopol 974Pとの複合体などの、ニコチンポリアクリル酸カルボマー複合体である。一部の実施形態では、ニコチンは、ニコチンポリアクリル酸複合体の形態で存在することができる。
【0102】
典型的には、存在する場合、ニコチン成分(遊離塩基として算出される)は、約0.001%~約10%など、組成物の重量基準で少なくとも約0.001%の濃度である。一部の実施形態では、ニコチン成分は、例えば、遊離塩基として算出し、且つ組成物の総重量に基づいて、約0.1%w/w、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、又は約0.9%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%までなど、約0.1%w/w~約10重量%の濃度で存在する。一部の実施形態では、ニコチン成分は、例えば、遊離塩基として算出し、且つ組成物の総重量に基づいて、約0.1%w/w~約2.5重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.1重量%~約1.5重量%、又は約0.1重量%~約1重量%など、約0.1%w/w~約3重量%の濃度で存在する。
【0103】
一部の実施形態では、本開示の製品又は組成物は、いずれかのニコチン成分を含まないとして特徴付けることができる(例えば、本明細書中に開示される通りのいずれかの実施形態は、いかなるニコチン成分も完全に又は実質的に含まないことができる)。「実質的に含まない」とは、ニコチンが、例えば、植物材料中に天然に存在し得る微量を超えて、意図的に添加されていないことを意味する。例えば、特定の実施形態は、遊離塩基として算出される、0.001重量%未満のニコチン、又は0.0001%未満、又は0重量%のニコチンさえも有するとして特徴付けることができる。
【0104】
一部の実施形態では、活性薬剤は、ニコチン成分を含む(例えば、本開示のいずれかの製品又は組成物が、本明細書中に開示される通りのいずれかの活性薬剤又は活性薬剤の組み合わせを含むことに加えて、ニコチン成分をさらに含むことができる)。
【0105】
医薬薬剤
一部の実施形態では、活性薬剤は、原薬(API)を含む。APIは、治療的、予防的、又は診断的用途に対して適しているいずれかの公知の薬剤であり得る。これらとしては、例えば、合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖及び他の糖、脂質、リン脂質、無機化合物(例えば、マグネシウム、セレン、亜鉛、硝酸塩)、神経伝達物質又はその前駆体(例えば、セロトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、オキシトリプタン、アセチルコリン、ドーパミン、メラトニン)、並びに治療的、予防的、又は診断的活性を有する核酸配列が挙げられる。APIの非限定的な例としては、鎮痛剤及び解熱剤(例えば、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、3-(4-イソブチルフェニル)プロパン酸)、ホスファチジルセリン、ミオイノシトール、ドコサヘキサエン酸(DHA、オメガ-3)、アラキドン酸(AA、オメガ-6)、S-アデノシルメチオニン(SAM)、β-ヒドロキシ-βメチルブチレート(HMB)、シチコリン(シチジン-5’-二リン酸-コリン)、及びコチニンが挙げられる。一部の実施形態では、活性薬剤は、シチコリンを含む。
【0106】
APIの量は変わり得る。例えば、存在する場合、APIは、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%w/w、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、又は約1%から、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%までなど、約0.001%w/w~約10重量%の濃度である。
【0107】
一部の実施形態では、組成物は、いかなるAPIも実質的に含まない。「いかなるAPIも実質的に含まない」とは、組成物が、いずれかの医学的状態を治療することが意図されるいずれかの米国食品医薬品局(FDA)承認治療剤などの、本明細書中に規定される通りのいずれかのAPIを含有せず、且つその存在を特異的に除外することを意味する。
【0108】
機能的材料
組成物は、緩衝剤、充填剤、結合剤、有機酸、塩、保湿剤、着色料、甘味料、味覚改変剤、乳化剤、加工助剤、口腔ケア添加剤、保存料/安定化剤、水及びそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数から選択することができる1つ又は複数の他の機能的材料をさらに含むことができる。
【0109】
緩衝剤
特定の実施形態では、本開示の組成物は、pH調整剤又は緩衝剤を含むことができる。用いることができるpH調整剤及び緩衝剤の例としては、限定するものではないが、金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物)、及び金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム)、又は重炭酸ナトリウムなどの金属重炭酸塩などの他のアルカリ金属緩衝剤等が挙げられる。好適な緩衝剤の非限定的な例としては、アルカリ金属酢酸塩、グリシン酸塩、リン酸塩、グリセロリン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ホウ酸塩、又はそれらの混合物が挙げられる。一部の実施形態では、緩衝剤は重炭酸ナトリウムである。
【0110】
存在する場合、緩衝剤は、典型的には、例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約1重量%、又は約0.1重量%~約0.5重量%など、組成物の重量に基づいて、約5重量%未満、例えば、約0.1%~約5%の量で存在する。
【0111】
充填剤
本明細書中に記載される通りの組成物は、1つ又は複数の充填剤を含む。充填剤は、質感及び口当たりなどの特定の感覚刺激特性を強化すること、製品の凝集性又は圧縮性を強化すること等などの複数の機能を果たし得る。
【0112】
充填剤の量は変わることができるが、典型的には、組成物の総重量に基づいて、重量基準で組成物のうちの約20%超、且つ最大で約75%である。組成物内の充填剤の典型的な範囲は、組成物の総重量基準で約20~約75%、例えば、約20、約25、又は約30から、約35、約40、約45、又は約50重量%(例えば、約20~約50重量%、又は約25~約45重量%)であり得る。特定の実施形態では、充填剤の量は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約25%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約35%、又は少なくとも約40%など、少なくとも約20重量%である。一部の実施形態では、組成物内の充填剤の量は、組成物の総重量基準で約38~約58%であり得る。
【0113】
一般的に、充填剤は、多孔性微粒子材料であり、且つセルロースに基づく。例えば、好適な充填剤は、いずれかの非タバコ植物材料又はその誘導体であり、そのような供給源から誘導されるセルロース材料を含む。セルロース性非タバコ植物材料の例としては、穀物(例えば、トウモロコシ、オート麦、オオムギ、ライ麦、ソバ等)、サトウダイコン(例えば、International Fiber Corporationから入手可能なファイブレックス(FIBREX)(登録商標)ブランド充填剤)、ふすま繊維、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0114】
非タバコ植物材料の誘導体の非限定的な例としては、デンプン(例えば、ジャガイモ、コムギ、イネ、トウモロコシ由来)、天然セルロース、及び変性セルロース性材料が挙げられる。考えられる充填剤の追加の例としては、マルトデキストリン、デキストロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、キシリトール、及びソルビトールが挙げられる。充填剤の組み合わせもまた用いることができる。
【0115】
本明細書中で用いる場合、「デンプン」とは、いずれかの供給源由来の純粋デンプン、加工デンプン、又はデンプン誘導体を意味することができる。デンプンは、典型的には顆粒形態で、略すべての緑色植物中並びに様々なタイプの植物組織及び器官(例えば、種子、葉、根茎、根、塊茎、芽、果実、穀粒、及び茎)中に存在する。テンプンは、組成、並びに顆粒形状及びサイズにおいて異なり得る。多くの場合、異なる供給源由来のデンプンは、異なる化学的及び物理的特性を有する。組成物に対して特定の感覚刺激特性を付与するデンプン材料の能力に基づいて、特定のデンプンを組成物中に含めるために選択することができる。様々な供給源から誘導されるデンプンを用いることができる。例えば、デンプンの主要な供給源としては、穀物(例えば、イネ、コムギ、及びトウモロコシ)及び根菜(例えば、ジャガイモ及びキャッサバ)が挙げられる。デンプンの供給源の他の例としては、ドングリ、クズウコン、アラカチャ、バナナ、オオムギ、豆(例えば、空豆、レンズ豆、緑豆、エンドウ豆、ヒヨコ豆)、パンノキの実、ソバ、カンナ、クリ、コラカシア(colacasia)、カタクリ、クズ、タロイモ、キビ、オート麦、オカイモ、ポリネシアンアロールート、サゴ、ソルガム、サツマイモ、キヌア、ライ麦、タピオカ、タロイモ、タバコ、ヒシの実、及びヤムイモが挙げられる、特定のデンプンは、加工デンプンである。加工デンプンは、多くの場合にその高熱特性を変化させるために設計された、1つ又は複数の構造的変化を受けている。一部のデンプンは、遺伝子改変により開発されており、「遺伝子改変」デンプンであると考えられる。他のデンプンは、取得され、その後、化学的、酵素的、又は物理的手段により加工される。例えば、加工デンプンは、エステル化、エーテル化、酸化、酸触媒による解重合(薄化)又は塩基の存在下での酸化、漂白、トランスグリコシル化及び解重合(例えば、触媒の存在下でのデキストリン化)、架橋、アセチル化、ヒドロキシプロピル化及び/又は部分加水分解などの化学反応に供されたデンプンであり得る。酵素処理としては、天然デンプンを、酵素単離物又は濃縮物、微生物酵素、及び/又は植物材料に対して生来型である酵素、例えば、トウモロコシデンプンを加工するためのトウモロコシ穀粒中に存在するアミラーゼに供することが挙げられる。他のデンプンは、プレゼラチン化、デキストリン化などの熱処理、及び/又は冷水膨潤プロセスにより加工される。特定の加工デンプンとしては、リン酸化デンプン、グリセロール架橋デンプン、トリメタリン酸ナトリウムを用いてエステル化されたリン酸架橋デンプン、リン酸化リン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、無水酢酸を用いてエステル化された酢酸デンプン、酢酸ビニルを用いてエステル化された酢酸デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化グリセロール架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルグリセロール架橋デンプン、及びオクテニルコハク酸デンプンナトリウムが挙げられる。
【0116】
考えられる充填剤の追加の例としては、マルトデキストリン、デキストロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、及び糖アルコールが挙げられる。充填剤の組み合わせもまた用いることができる。一部の実施形態では、充填剤は、グルコースとデンプン由来多糖とを含むか、又はそれらの混合物である。グルコースとデンプン由来多糖との1つのそのような好適な混合物は、JRS PHARMA LP、USA、2981 Route 22、Patterson、NY 12563-2359から入手可能なエムデックス(EMDEX)(登録商標)である。
【0117】
一部の実施形態では、充填剤は、1つ又は複数の糖アルコールを含む。糖アルコールは、部分的又は完全に水素化された形態を有する単糖又は二糖から誘導されるポリオールである。糖アルコールは、例えば、約4~約20個の炭素原子を有し、且つエリスリトール、アラビトール、リビトール、イソマルト、マルチトール、ズルシトール、イジトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール、及びそれらの組み合わせが挙げられる(例えば、水素化デンプン加水分解物)。イソマルトは、以下の通りの2つの糖からそれぞれが構成される2種類の二糖の等モル混合物である:グルコース及びマンニトール(α-D-グルコピラノシド-1,6-マンニトール);並びにグルコース及びソルビトール(α-D-グルコピラノシド-1,6-ソルビトール)。一部の実施形態では、1つ又は複数の糖アルコールは、イソマルトを含む。一部の実施形態では、1つ又は複数の糖アルコールは、イソマルトである。
【0118】
一部の実施形態では、充填剤は、イソマルトとエムデックス(登録商標)との組み合わせを含む。一部の実施形態では、1つ又は複数の糖アルコールは、イソマルトとエムデックス(登録商標)との組み合わせである。
【0119】
一部の実施形態では、1つ又は複数の糖アルコールは、2種類又は3種類でさえある糖アルコールの組み合わせである。一部の実施形態では、糖アルコールの組み合わせは、イソマルト及びマルチトールを含むか又はイソマルト及びマルチトールである。
【0120】
糖アルコールの総量は変わり得るが、典型的には、組成物の総重量に基づいて、重量基準で組成物のうちの約30%超、且つ最大で約95%である。組成物内の糖アルコールの典型的な範囲は、例えば、約35、約40、約45、約50、又は約55から、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、又は約95重量%までであり得る。特定の実施形態では、糖アルコールの量は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約55重量%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約65%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約85%であるなど、少なくとも約50重量%である。
【0121】
詳細な実施形態では、糖アルコールは、約35、約40、又は約45から、約50又は約55重量%など、組成物の総重量に基づいて約35~約55重量%の量でのイソマルトである。
【0122】
詳細な実施形態では、糖アルコールは、約10、約15、約20、又は約25重量%など、約10~約25重量%の量でのイソマルトと;約50、約55、約60、約65%、約70、約75重量%など、約50~約75重量%の量でのマルチトールとの組み合わせである。
【0123】
詳細な実施形態では、充填剤は、約30、約35、約40、約45、又は約50重量%など、組成物の総重量に基づいて約30~約50重量%の量でのイソマルトと;約35、約40、約45、又は約50重量%など、組成物の総重量に基づいて約35~約55重量%の量でのグルコース-多糖混合物(例えば、エムデックス(登録商標))との組み合わせである。
【0124】
結合剤
結合剤(又は結合剤の組み合わせ)を、組成物に対して所望の物理的属性及び物理的完全性を与えるために十分な量で、特定の実施形態において利用することができ、且つ結合剤はまた、しばしば、増粘剤又はゲル化剤としても機能する。典型的な結合剤は、有機若しくは無機、又はそれらの組み合わせであり得る。代表的な結合剤としては、セルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、デンプン系結合剤、ペクチン、ガム、カラギーナン、プルラン、ゼイン等、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、結合剤は、ペクチン若しくはカラギーナン又はそれらの組み合わせを含む。
【0125】
組成物中で利用される結合剤の量は、結合剤及び所望の組成物特性に基づいて変わり得るが、典型的には最大で約30重量%であり、特定の実施形態は、組成物の総重量に基づいて、約0.5~約30重量%、又は約1~約10重量%など、少なくとも約0.1重量%の結合剤含有量により特徴付けられる。
【0126】
特定の実施形態では、結合剤としては、ガム、例えば、天然ガムが挙げられる。本明細書中で用いる場合、天然ガムとは、結合特性を有し、且つ増粘剤又はゲル化剤としても有用である、天然起源の多糖材料を意味する。典型的にはある程度まで水溶性である、植物から誘導される代表的な天然ガムとしては、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、トラガカントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。存在する場合、天然ガム結合剤材料は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、最大で約5重量%、例えば、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、又は約1重量%から、約2、約3、約4、又は約5重量%までの量で存在する。
【0127】
一部の実施形態では、結合剤は、ペクチンを含む。ペクチンは、炭水化物に関連し、且つ酸性ヘテロ多糖(複数の単糖単位を含む多糖)である天然ポリマーである。炭水化物とは対照的に、ペクチンC-6位は、ヒドロキシメチル基ではなくカルボン酸(又は対応するメチルエステル若しくはカルボキサミド)基を含む。主なサブユニットは、ガラクツロン酸として公知であり、これは、L-ラムノースと共重合させることができる。他の糖は、側鎖置換基として特徴付けられる。ペクチンは、増粘剤及びゲル化剤として作用する。リンゴ搾りかす、柑橘類果皮、糖製造由来のサトウダイコン廃棄物、種子収穫から廃棄されたヒマワリ頭花、マンゴー廃棄物などの供給源から単離されるペクチン、及び他の市販のペクチンを用いることができる。特定の糖と組み合わせて、酸性条件(例えば、約2.5~約5のpH)下で、又はゲル化剤(カルシウム又は他の二価アルカリ土類元素)の存在下で、ペクチンは、本明細書中に開示される通りの組成物に対して、ゲル又はガム粘度を与え得る。一部の実施形態では、結合剤は、低メトキシペクチンを含む。好適な低メトキシペクチンとしては、例えば、CP Kelco、Atlanta、GA、USAから入手可能な「GENU(登録商標)ペクチンタイプLM-104 AS」が挙げられる。
【0128】
一部の実施形態では、結合剤は、ゲル化剤と組み合わせた低メトキシペクチンを含む。一部の実施形態では、ゲル化剤は、限定するものではないが、二リン酸カルシウムなど、カルシウムイオンを含む。一部の実施形態では、結合剤は、本明細書中、以下に記載される、有機酸と組み合わせた高メトキシペクチンを含む。一部の実施形態では、結合剤は、クエン酸と組み合わせた高メトキシペクチンを含む。
【0129】
存在する場合、ペクチン結合剤は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、最大で約3重量%、例えば、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、又は約1から、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、又は約3重量%までの量で存在する。
【0130】
有機酸
一部の実施形態では、組成物は、有機酸を含む。本明細書中で用いる場合、用語「有機酸」とは、酸性特性により特徴付けられる有機(すなわち、炭素に基づく)化合物を意味する。典型的には、有機酸は、カルボン酸(-CO2H)又はスルホン酸(-SO2OH)などの、比較的弱い酸である(すなわち、水の存在下で完全には解離しない)。本明細書中で用いる場合、有機酸に対する参照は、意図的に添加されている有機酸を意味する。これに関して、有機酸は、別の混合物成分の構成要素として単にもともと存在する(例えば、タバコ材料などの混合物成分中にもともと存在し得る少量の有機酸)こととは対照的に、特定の混合物成分として意図的に添加されることができる。一部の実施形態では、1つ又は複数の有機酸は、水を添加せず(すなわち、それらの遊離酸、生来型固体又は液体形態で)、又は、例えば、水中の溶液として添加される。一部の実施形態では、1つ又は複数の有機酸は、本明細書中、以下に記載される通り、塩の形態で添加される。
【0131】
好適な有機酸は、典型的には、一定範囲の親油性(すなわち、水溶性と有機溶解度との適切なバランスを与える極性)を有するであろう。親油性は、好都合には、水相と親油相との、通常はそれぞれ水とオクタノールとの間での分子の分配係数であるlogPに関して測定される。典型的には、有機酸の親油性は、約-2~約6.5であり得る。一部の実施形態では、有機酸は、オクタノールよりも水に可溶性であり得る(すなわち、約-2~約-1など、負のlogP値を有する)。一部の実施形態では、有機酸は、水と略同じようにオクタノールに可溶性であり得る(すなわち、約0のlogP値を有する)。一部の実施形態では、有機酸は、水よりもオクタノールに可溶性であり得る(すなわち、約1~約6.5など、正のlogP値を有する)。一部の実施形態では、有機酸は、約1.5~約5.0、例えば、約1.5、約2.0、約2.5、又は約3.0から、約3.5、約4.0、約4.5、又は約5.0までのlogP値を有する。
【0132】
一部の実施形態では、有機酸は、カルボン酸又はスルホン酸である。カルボン酸又はスルホン酸官能基は、例えば、1~20個の炭素原子(C1~C20)を有するいずれかのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール基へと連結することができる。一部の実施形態では、有機酸は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールカルボン酸又はスルホン酸である。
【0133】
本明細書中で用いる場合、「アルキル」とは、いずれかの直鎖又は分岐鎖炭化水素を意味する。アルキル基は、飽和であり得る(すなわち、すべてのsp3炭素原子を有する)、又は不飽和であり得る(すなわち、少なくとも1箇所の不飽和を有する)。本明細書中で用いる場合、用語「不飽和」とは、アルキル基内の1つ又は複数の箇所における炭素-炭素sp2二重結合の存在を意味する。
【0134】
不飽和アルキル基は、単不飽和又はポリ不飽和であり得る。代表的な直鎖アルキル基としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、及びn-ヘキシルが挙げられる。
【0135】
分岐鎖アルキル基としては、限定するものではないが、イソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、イソペンチル、及び2-メチルブチルが挙げられる。代表的な不飽和アルキル基としては、限定するものではないが、エチレン又はビニル、アリル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブチレニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル等が挙げられる。アルキル基は、非置換又は置換であり得る。
【0136】
「シクロアルキル」とは、本明細書中で用いる場合、単環式又は二環式であり得る炭素環式基を意味する。シクロアルキル基としては、単環として3~7個の炭素原子又は二環として7~12個の炭素原子を有する環が挙げられる。単環式シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。シクロアルキル基は非置換又は置換であり得、且つ1つ又は複数の箇所の不飽和を含む場合がある(例えば、シクロペンテニル又はシクロヘキセニル)。
【0137】
用語「アリール」とは、本明細書中で用いる場合、炭素環式芳香族基を意味する。アリール基の例としては、限定するものではないが、フェニル及びナフチルが挙げられる。アリール基は、非置換又は置換であり得る。
【0138】
「ヘテロアリール」及び「ヘテロシクロアルキル」とは、本明細書中で用いる場合、1つ又は複数の環原子がヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、及び硫黄である、それぞれ、芳香族又は非芳香族環系を意味する。ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル基は、最大で20個の炭素原子並びにN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、3~7個の環員(例えば、2~6個の炭素原子並びにN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子)を有する単環又は7~10個の環員(例えば、4~9個の炭素原子並びにN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子)を有する二環、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、又は[6,6]系であり得る。ヘテロアリール基の例としては、例示として且つ非限定的に、ピリジル、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-インドリル、1H-インダゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH-カルバゾリル、カルバゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、及びイサチノイル(isatinoyl)が挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例としては、例示として且つ非限定的に、ジヒドロイピリジル(dihydroypyridyl)、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、2-ピロリドニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ビス-テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、ピペラジニル、キヌクリジニル、及びモルホリニルが挙げられる。
【0139】
ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキル基は、非置換又は置換であり得る。「置換」とは、本明細書中で用いる場合及び上記のアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルのうちのいずれかに対して適用される場合、1つ又は複数の水素原子が、それぞれ独立的に、置換基によって置き換えられていることを意味する。典型的な置換基としては、限定するものではないが、-Cl、Br、F、アルキル、-OH、-OCH3、NH2、-NHCH3、-N(CH3)2、-CN、-NC(=O)CH3、-C(=O)-、-C(=O)NH2、及び-C(=O)N(CH3)2が挙げられる。基が「任意選択で置換された」と記載される場合はいつでも、その基は、各場合に対して独立的に選択される上記の置換基のうちの1つ又は複数を用いて置換することができる。一部の実施形態では、置換基は、1つ若しくは複数のメチル基又は1つ若しくは複数のヒドロキシル基であり得る。
【0140】
一部の実施形態では、有機酸は、アルキルカルボン酸である。アルキルカルボン酸の非限定的な例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。一部の実施形態では、有機酸は、アルキルスルホン酸である。
【0141】
アルキルスルホン酸の非限定的な例としては、プロパンスルホン酸及びオクタンスルホン酸が挙げられる。
【0142】
一部の実施形態では、アルキルカルボン酸又はスルホン酸は、1つ又は複数のヒドロキシル基によって置換される。非限定的な例としては、グリコール酸、4-ヒドロキシ酪酸、及び乳酸が挙げられる。
【0143】
一部の実施形態では、有機酸は、2個以上のカルボン酸基又は2個以上のスルホン酸基(例えば、2個、3個又はそれ以上のカルボン酸基)を含むことができる。非限定的な例としては、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、及びグルタル酸が挙げられる。複数のカルボン酸(例えば、2~4個のカルボン酸基)を含む有機酸において、カルボン酸基のうちの1つ又は複数がエステル化されることができる。非限定的な例としては、コハク酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチル、クエン酸モノメチル又はジメチル等が挙げられる。
【0144】
一部の実施形態では、有機酸は、2個以上のカルボン酸基及び1つ又は複数のヒドロキシル基を含むことができる。そのような酸の非限定的な例としては、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。一部の実施形態では、有機酸は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、又はそれらの組み合わせである。
【0145】
一部の実施形態では、有機酸は、アリールカルボン酸又はアリールスルホン酸である。アリールカルボン酸及びスルホン酸の非限定的な例としては、安息香酸、トルイル酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸が挙げられる。
【0146】
好適な有機酸の追加の非限定的な例としては、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸(L)、アスパラギン酸(L)、ショウノウ酸(+)、カンファー-10-スルホン酸(+)、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、シクラミン酸、デカン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パモ酸、ピログルタミン酸、セバシン酸、ステアリン酸、及びウンデシレン酸が挙げられる。
【0147】
一部の実施形態では、1つ又は複数の有機酸は、単一の有機酸である。一部の実施形態では、1つ又は複数の有機酸は、2種類、3種類又はそれ以上の有機酸などの数種類の酸の組み合わせである。
【0148】
組成物中に存在する有機酸の量は変わり得る。一般的に、混合物は、組成物の総重量に基づいて、1つ又は複数の有機酸として存在する、有機酸の重量基準で約0.1~約10%を含む。一部の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%の有機酸を含む。一部の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、有機酸の重量基準で約0.1~約0.5%、例えば、約0.1、約0.15、約0.2、約0.25、約0.3、約0.35、約0.4、約0.45、又は約0.5重量%を含む。一部の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、有機酸の重量基準で約0.25~約0.35%、例えば、約0.25、約0.26、約0.27、約0.28、約0.29、又は約0.3から、約0.31、約0.32、約0.33、約0.34、又は約0.35重量%までを含む。有機酸の塩が添加される場合(例えば、クエン酸ナトリウム)、重量パーセントは、存在し得るいかなる対イオンも含まずに、遊離酸の重量に基づいて算出される。
【0149】
有機酸(例えば、クエン酸)は、水を添加せず(すなわち、固体として)、又は、例えば、水中の溶液中で添加することができる。一部の実施形態では、有機酸は、50%水溶液として添加される。
【0150】
塩
一部の実施形態では、組成物は、組成物に対して所望の官能的属性を与えるために十分な量で典型的に利用される塩(例えば、アルカリ金属塩)を含む。好適な塩の非限定的な例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、粉末塩、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム等が挙げられる。一部の実施形態では、塩は、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、又はそれらの組み合わせである。一部の実施形態では、塩は、クエン酸三ナトリウム、クエン酸カルシウム、又はそれらの組み合わせである。
【0151】
存在する場合、塩の代表的な量は、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1.0重量%以上、又は約1.5%重量%以上であるが、典型的には、組成物の総重量の約10%以下、又は約7.5%以下、又は約5%以下(例えば、約0.1~約5重量%又は約0.5~約1.5%)を構成するであろう。
【0152】
保湿剤
特定の実施形態では、1つ又は複数の保湿剤を組成物中で利用することができる。保湿剤の例としては、限定するものではないが、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。
【0153】
含まれる場合、保湿剤は、典型的には、組成物に対して所望の湿度属性を与えるために十分な量で提供される。さらに、一部の例では、保湿剤は、金型中に入れるための組成物に対して望ましい流動特性を付与することができる。存在する場合、保湿剤は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、組成物の重量の約5%以下(例えば、約0.1~約5重量%)、例えば、約0.1重量%~約1重量%、又は約1重量%~約5重量%を構成するであろう。
【0154】
着色料
着色料は、組成物に対して所望の物理的属性を与えるために十分な量で利用することができる。着色料の例としては、カラメル色素及び二酸化チタンなどの様々な色素及び顔料が挙げられる。クルクミン、ビーツ搾り汁抽出物、スピルリナなどの天然着色料;また多様な合成顔料もまた用いることができる。組成物中で利用される着色料の量は変わることができるが、存在する場合、典型的には、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%、約0.5重量%、又は約1重量%から、約3重量%までなど、最大で約3重量%である。
【0155】
甘味料
本開示に従う組成物の官能特性を改善するために、1つ又は複数の甘味料を添加することができる。甘味料は、天然若しくは人工形態での、又は天然及び人工甘味料の組み合わせとしての、いずれかの甘味料又は甘味料の組み合わせであり得る。
【0156】
天然甘味料の例としては、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、イソマルツロース、ステビア、ハチミツ等が挙げられる。人工甘味料の例としては、スクラロース、マルトデキストリン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテーム等が挙げられる。一部の実施形態では、甘味料は、1つ又は複数の糖アルコールを含む。糖アルコールは、部分的又は完全に水素化された形態を有する単糖又は二糖から誘導されるポリオールである。
【0157】
糖アルコールは、例えば、約4~約20個の炭素原子を有し、且つエリスリトール、アラビトール、リビトール、イソマルト、マルチトール、ズルシトール、イジトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール、及びそれらの組み合わせが挙げられる(例えば、水素化デンプン加水分解物)。一部の実施形態では、甘味料は、スクラロース、アセスルファムK、又はそれらの組み合わせである。
【0158】
存在する場合、甘味料又は甘味料の組み合わせは、組成物の総重量に基づいて、重量基準で組成物のうちの約0.01~約20%以上、例えば、約0.01~約0.1、約0.1~約1重量%、約1~約5重量%、約5~約10重量%、又は約10~約20重量%を構成し得る。一部の実施形態では、甘味料の組み合わせは、組成物の重量基準で約0.01、約0.02、約0.03、約0.04、約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09、又は約0.1%など、組成物の重量基準で約0.01%~約0.1%の濃度で存在する。一部の実施形態では、甘味料の組み合わせは、組成物の重量基準で約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、又は約0.5%など、組成物の重量基準で約0.05%~約0.5%の濃度で存在する。一部の実施形態では、甘味料の組み合わせは、組成物の重量基準で約1%~約3%の濃度で存在する。
【0159】
味覚改変剤
本明細書中に開示される通りの組成物の感覚刺激特性を改善するために、組成物は、例えば、本明細書中に記載される通りの組成物の香味をマスク、変化、遮断、又は改善するために機能し得る1つ又は複数の味覚改変性薬剤(「味覚改変剤」)を含むことができる。そのような味覚改変剤の非限定的な例としては、鎮痛剤又は麻酔薬ハーブ、香辛料、及び知覚される冷感(例えば、メンソール、ユーカリ、ミント)、温感(例えば、シナモン)、又は疼痛性(例えば、カプサイシン)感覚を生じる香料が挙げられる。特定の味覚改変剤は、上記の通りの香料及び感覚刺激剤と重複する場合をはじめとして、2種類以上の重複する分類に入る。
【0160】
一部の実施形態では、味覚改変剤は、苦味、甘味、塩味、又は酸味のうちの1つ又は複数を改変する。一部の実施形態では、味覚改変剤は、疼痛受容体を標的とする。組成物は、苦味を有し得るカンナビノイドを含み、したがって、苦味の知覚をマスク又はブロックする味覚改変剤が有利であり得る。一部の実施形態では、味覚改変剤は、使用者の口の中の疼痛受容体(例えば、バニロイド受容体)を標的とし、例えば、別の成分(例えば、カンナビノイド)の苦味をマスクする物質である。好適な味覚改変剤としては、限定するものではないが、カプサイシン、γ-アミノ酪酸(GABA)、アデノシン一リン酸(AMP)、ラクチゾール(lactisole)、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0161】
存在する場合、味覚改変剤の代表的な量は、約0.01重量%以上、約0.1重量%以上、又は約1.0重量%以上であるが、典型的には、組成物の総重量のうちの約10重量%未満を構成する(例えば、組成物の総重量のうちの約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、又は約0.5重量%から、約1重量%、約5重量%、又は約10重量%まで)。
【0162】
乳化剤
特定の実施形態では、乳化剤を添加することができる。一部の実施形態では、乳化剤はレシチンである。例えば、レシチン(例えば、ダイズレシチン又はヒマワリレシチン)を組成物に添加して、組成物に対してより滑らかな質感特性を与え、且つ流動性及び、例えば、組成物の残余の成分との脂質の混合を改善することができる。乳化剤(例えば、レシチン)は、組成物の総重量に基づいて、約0.1~約2.5%、又は約0.5~約1.5%など、組成物の乾燥重量基準で約0.01~約5%の量で用いることができる。
【0163】
加工助剤
造粒、混合、又は成形などの組成物の下流の加工に対して必要である場合、組成物の流動性を強化するために、流動助剤を組成物に添加することもできる。一部の実施形態では、組成物(例えば、溶解物及び咀嚼剤剤型)は、油、シリコーン等などの固着防止剤を用いて表面処理することができる。例示的な流動助剤としては、微結晶性セルロース、シリカ、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、カナウバワックス(canauba wax)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、流動助剤は、フマル酸ステアリルナトリウムである。
【0164】
存在する場合、流動助剤の代表的な量は、組成物の総乾燥重量のうちの少なくとも約0.5パーセント又は少なくとも約1パーセントを構成し得る。好ましくは、組成物内の流動助剤の量は、組成物の総乾燥重量のうちの約5パーセントを超過せず、高頻度に約3パーセントを超過しないであろう。
【0165】
口腔ケア添加剤
一部の実施形態では、組成物は、口腔ケア成分(又はそのような成分の混合物)を含む。口腔ケア成分は、虫歯又は歯の脱落を阻害するか、歯周病を阻害するか、口腔痛を軽減するか、歯を白くするか、又はそれ以外に歯の着色を阻害するか、唾液刺激を生じさせるか、口臭を阻害するか、息を爽やかにする等の能力を提供する。例えば、タイム油、ユーカリ油及び亜鉛(例えば、Discus Dentalからザイテックス(ZYTEX)(登録商標)として市販の製剤の成分など)などの有効量の成分を、組成物に組み込むことができる。本発明の組成物内に所望の有効量で組み込むことができる成分の他の例としては、Takahashiら、Oral Microbiology and Immunology、19(1)、61~64(2004);Thistleに対する米国特許第6,083,527号;並びにJakubowskiに対する米国特許出願第2006/0210488号及びCumminsらに対する同第2006/02228308号に示される口腔ケア組成物の種類内に組み込まれるものが挙げられる。タバコ含有製剤の他の例示的成分としては、Roquetteによりマルチソルブ(MALTISORB)(登録商標)として及びNatraRxによりデンティザイム(DENTIZYME)(登録商標)として販売される製剤中に含有されるものが挙げられる。存在する場合、口腔ケア添加剤の代表的な量は、組成物の総乾燥重量のうちの少なくとも約1%、多くの場合に少なくとも約3%、及び高頻度に少なくとも約5%である。組成物内の口腔ケア添加剤の量は、典型的には組成物の総乾燥重量のうちの約30%を超過せず、多くの場合に約25%を超過せず、高頻度に約20%を超過しないであろう。
【0166】
他の添加剤
他の添加剤を、開示される組成物中に含めることができる。例えば、組成物は、他の材料若しくは成分と共に、加工、ブレンド、製剤化、併せる、及び/又は混合することができる。添加剤は人工的であり得るか、或いは薬草若しくは生物学的供給源から取得又は誘導することができる。さらなるタイプの添加剤の例としては、増粘剤若しくはゲル化剤(例えば、魚ゼラチン)、乳化剤、保存料(例えば、ソルビン酸カリウム等)、崩壊助剤、より高い水溶性を有する組成物に関して比較的水溶性であるように選択されるか(例えば、グルコン酸マグネシウム又はグルコン酸亜鉛)若しくは低減した水溶性を有する組成物に関して比較的水不溶性であるように選択される(例えば、酸化マグネシウム又は酸化亜鉛)亜鉛若しくはマグネシウム塩、又はそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、それらのそれぞれが参照により本明細書中に組み入れられる、Muaらに対する米国特許第9,237,769号、Holton,Jr.らに対する同第7,861,728号、Gaoらに対する米国特許出願公開第2010/0291245号、及びHolton,Jr.らに対する同第2007/0062549号に示される、代表的な成分、成分の組み合わせ、それらの成分の相対量、並びにそれらの成分を利用するための手段及び方法を参照されたい。そのような追加の添加剤に対する典型的な包含範囲は、添加剤の性質及び機能並びに最終的な組成物に対する意図される作用に応じて変わることができ、例示的範囲は、組成物の総重量に基づいて、最大で約10重量%(例えば、約0.1~約5重量%)である。
【0167】
上述の添加剤は、一緒に(例えば、添加剤製剤として)又は別個に(例えば、個別の添加剤成分を最終的な組成物の調製中に含まれる異なる段階で添加することができる)利用することができる。さらに、上述の添加剤のタイプは、最終的な製品又は組成物において提供される通りにカプセル封入することができる。例示的なカプセル封入型添加剤は、例えば、既に参照により本明細書中に組み込まれている、Atchleyに対する国際公開第2010/132444号に記載されている。
【0168】
水
消費者による製品の使用前の組成物の水分含有量(例えば、含水量)は、所望の特性に従って変わることができる。典型的には、使用者の口への挿入前の組成物は、約10重量%未満の水であり、一般的に、約0.01~約10重量%の水、例えば、約0.1~約1.0重量%である。一部の実施形態では、組成物の様々な成分中に存在する量以外に、組成物に対して意図的に添加された水がないことができる。
【0169】
製剤化
本発明の組成物は、理想的には、経口用途のために製剤化される。用語「経口用途のために製剤化される」とは、本明細書中で用いる場合、使用中に、組成物の成分(例えば、カンナビノイド)が使用者の口の中へと通過するような形態で組成物が提供されることを意味する。特定の実施形態では、香料又は感覚刺激剤は、頬内送達、すなわち、使用者の口への送達のために製剤化される。特定の実施形態では、カンナビスの成分、誘導体又は抽出物、例えば、カンナビノイドは、胃送達、例えば、使用者の消化系を介する送達のために製剤化される。
【0170】
本明細書中に開示される組成物は、固体単位剤型、粉末又は顆粒の形態で製剤化することができる。一実施形態では、当該製剤の粒子は、100~2000μmの体積平均直径を有することができる。
【0171】
本発明のさらなる態様は、組成物を調製するための方法であって、胃送達のために製剤化されたカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物と、頬内送達のために製剤化された1つ又は複数の香料又は感覚刺激剤とを組み合わせるステップを含む、方法に関する。一実施形態では、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤は、水性環境中でカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤を可溶化するための手段、及び任意選択で、水性環境中でのカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤と組み合わせられる。
【0172】
組成物の様々な成分(例えば、充填剤、カンナビノイド等)が組み合わせられる手段は、変わることができる。したがって、例えば、粉末化された組成物成分を含む組成物全体が、比較的均一な性質(例えば、均質)であり得る。液体又は乾燥固体形態であり得る上記の成分は、前処理ステップで混合し、その後、組成物のいずれかの残余の成分と混合されるか、又はすべての他の液体若しくは乾燥成分と単に一緒に混合することができる。本開示の組成物は、例えば、充填剤、甘味料、塩等などの乾燥成分を乾式混合することにより、調製することができる。特定の実施形態では、この段階で水を乾燥混合物に添加することができる。追加的に、乾燥混合物へとカンナビスの成分、誘導体若しくは抽出物、香料及び/又は感覚刺激剤を噴霧し、その後に混合することによるなど、添加は任意選択である。したがって、本発明の組成物は、噴霧乾燥又は押出成形することができる。
【0173】
当技術分野で公知のいずれかの混合技術又は装置を用いて、組成物の様々な成分を接触させるか、併せるか、又は一緒に混合することができる。インペラ又は撹拌が可能な他の構造を特徴とする混合装置など、組成物成分を緊密に接触させるいずれかの混合方法を用いることができる。
【0174】
混合装置の例としては、ケーシングドラム、調整シリンダー又はドラム、液体噴霧装置、円錐型ブレンダー、リボンブレンダー、Littleford Day、Inc.からFKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000及びFKM3000として入手可能なミキサー、プラウシェア(Ploughshare)(登録商標)型のミキサーシリンダー、ホバートミキサー等が挙げられる。例えば、それらのそれぞれが参照により本明細書中に組み入れられる、Solomonらに対する米国特許第4,148,325号;Korteらに対する同第6,510,855号;及びWilliamsに対する同第6,834,654号に示される方法論の種類を参照されたい。一部の実施形態では、組成物を形成する成分は、その混合物が、組成物を形成させるためのデンプン成形プロセス中で用いることができるように調製される。組成物を製剤化するための手段及び方法は、当業者には明らかであろう。例えば、それらのそれぞれが参照により本明細書中に組み入れられる、Solomonらに対する米国特許第4,148,325号;Korteらに対する同第6,510,855号;及びWilliamsに対する同第6,834,654号、Ridgwayらに対する同第4,725,440号、及びBolderらに対する同第6,077,524号に示される方法論の種類を参照されたい。
【0175】
本発明のさらなる態様では、本発明の組成物は、経口製品の形態にある。経口製品は、組成物を含有する袋を含むことができる。袋は、柔軟な液体透過性材料からつくられていることができる。袋は、口の軟組織の隣に置かれ、唾液との接触時に活性剤の迅速な放出を生じさせることができる。代替的に、経口製品は、組成物を含む溶解性ストリップを含むことができる。そのようなストリップは、例えば、米国特許出願公開第2016051510号に記載されている。一実施形態では、ストリップは、粘膜へとストリップを接着させるための生体接着剤を含むことができる。そのような接着剤は、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、カーボポール、ポリカルボフィル、カルボキシビニルコポリマー、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸、メチルメタクリレートコポリマー、トラガカントガム、グアーガム、カラヤガム、エチレン酢酸ビニル、ジメンチルポリシロキサン(dimenthylpolysiloxane)、ポリオキシアルキレンブロックコポリマー、ペクチン、キトサン、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー及びそれらの混合物から選択することができる。
【0176】
代替的な実施形態では、経口製品は、食用ゲル剤、液体飲料、咀嚼剤、トローチ剤又はチューインガム剤から選択される剤型であり得る。そのような製剤は、当業者に周知である。
【0177】
当業者は、それらが、例えば、組成物、方法又は経口製品に関するかにかかわらず、本発明のすべての態様が、本発明のすべての他の態様に対して等しく適用可能であることを理解するであろう。特に、例えば、組成物の態様が、本発明の他の態様、例えば、方法よりもはるかに詳細に記載されている場合がある。しかしながら、当業者は、より詳細な情報が本発明の特定の態様に関して与えられている場合に、この情報が、本発明の他の態様に対して一般的に等しく適用可能であることを理解するであろう。
【0178】
本明細書中に記載される様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を支援するためのみに提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的サンプルとしてのみ提供され、網羅的及び/又は排他的ではない。本明細書中に記載される利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲により規定される通りの本発明の範囲に対する限定又は特許請求の範囲に対する等価物に対する限定と考えられるべきではなく、且つ他の実施形態が利用される場合があり、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく、改変を行うことができることが理解されるべきである。本発明の様々な実施形態は、好適には、本明細書中に具体的に記載されるもの以外の、開示される要素、成分、特徴、部品、ステップ、手段等の適切な組み合わせを含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなることができる。加えて、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求される可能性がある他の発明を含むことができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃送達のために製剤化されたカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物及び頬内送達のために製剤化された1つ又は複数の香料又は感覚刺激剤を含む組成物。
【請求項2】
カンナビスの前記成分、誘導体又は抽出物が、カンナビノイド;テルペン;アルカロイド;及びフラボノイドから選択される1つ又は複数の化合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
カンナビスの前記成分、誘導体又は抽出物が、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピルバリアント(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビモール酸(tetrahydrocannabmolic acid)(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)からなる群より選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
カンナビスの前記成分、誘導体又は抽出物が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.1~約30重量%の量で存在する、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項5】
新鮮、甘い、ハーブ様、菓子様、花のような、果物のような、又は香ばしい香味の性質を付与する香料を含む、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項6】
前記香味のタイプが、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メンソール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、ビャクダン、ハチミツ、ジャスミン、ショウガ、アニス、セージ、リコリス、レモン、オレンジ、リンゴ、モモ、ライム、サクランボ、イチゴ、三叉神経感覚刺激剤、及びテルペンからなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項7】
前記香料が、タバコ、カンナビス、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキ葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メンソール、ハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ウコン、インド香辛料、アジア香辛料、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘類果実、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、パイン、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジ花、サクラ花、桂皮、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、ヘンプ、ハッカ属(Mentha)のいずれかの生物種由来のミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ゲッケイジュ、マテ、オレンジ皮、バラ、緑茶又は紅茶などのチャ、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピーマン、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ヒメウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェンからなる群より誘導される天然に存在する香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成的に取得される材料、又はそれらの組み合わせ、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤又は刺激剤、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、若しくはマンニトールをはじめとする糖及び/又は代替糖を含む、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項8】
バニリルエチルエーテル又はカプサイシンなどの温感剤、及びユーコリプトール(eucolyptol)又はWS-3などの冷感剤からなる群より選択される感覚刺激剤を含む、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項9】
水性環境中でカンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤を可溶化するための手段を含む、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項10】
水性環境中でカンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤を可溶化するための前記手段が、カンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤が少なくとも部分的に溶解する溶媒を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
水性環境中でカンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤を可溶化するための手段が、カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤をカプセル封入する、請求項
5に記載の組成物。
【請求項12】
前記カプセル封入が、シクロデキストリンなどの分子的カプセル封入剤による、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記カプセル封入が、界面活性剤を含むミセルによる、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
界面活性剤を含み、任意選択で、前記界面活性剤が、モノオレイン酸グリセリル;及びラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SLS、又はSDS)、ドキュセートナトリウム、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、ツイーン(登録商標))、ポリオキシエチレン15ヒドロキシステアレート(マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ソルトールHS15(登録商標))、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(クレモホール(登録商標)EL、ELP、RH40)、ステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj(登録商標))、ソルビタン脂肪酸エステル(スパン(登録商標))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij(登録商標))、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(ノノキシノール(登録商標))及び糖エステルからなる群より選択される、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項15】
前記界面活性剤が、長鎖トリグリセリド(C16~C18トリグリセリドなど)からなる群より選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物の総重量に基づいて、約0.5~約10重量%の量で前記界面活性剤を含む、請求項1
4に記載の組成物。
【請求項17】
水性環境中でのカンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤を含む、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項18】
前記添加剤が、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
カンナビスの1つ又は前記複数の成分、誘導体又は抽出物の腸細胞腸管吸収を強化する1つ又は複数の成分を含む、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項20】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の腸管リンパ輸送を増加させる1つ又は複数の成分を含む、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項21】
テルペン、グレープフルーツ抽出物又は黒コショウ抽出物を含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
緩衝剤を含む、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項23】
固体単位剤型、粉末又は顆粒の形態である、請求項1
又は2に記載の組成物。
【請求項24】
100~2000μmの体積平均直径を有する粒子の形態である、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
組成物を調製するための方法であって、胃送達のために製剤化されたカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物と、頬内送達のために製剤化された1つ又は複数の香料又は感覚刺激剤とを組み合わせるステップを含む、方法。
【請求項26】
カンナビスの前記1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤が、水性環境中でカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物、香料又は感覚刺激剤を可溶化するための手段、及び任意選択で、水性環境中でのカンナビスの1つ又は複数の成分、誘導体又は抽出物の結晶化を減速又は阻害する添加剤と組み合わせられる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記組成物が、噴霧乾燥又は押出成形される、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
請求項1
又は2に記載の組成物を含む経口製品。
【請求項29】
前記組成物を含有する袋を含む、請求項28に記載の経口製品。
【請求項30】
前記組成物を含む溶解性ストリップを含む、請求項28に記載の経口製品。
【請求項31】
前記溶解性ストリップが生体接着剤を含む、請求項30に記載の経口製品。
【請求項32】
食用ゲル剤、液体飲料、咀嚼剤、トローチ剤又はチューインガム剤からなる群より選択される剤型での、請求項28に記載の経口製品。
【国際調査報告】