(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】カンナビノイド及び/又はカンナビノイド類似体を含むナノエマルジョン
(51)【国際特許分類】
A24B 15/167 20200101AFI20240725BHJP
A24B 13/00 20060101ALI20240725BHJP
A61K 31/352 20060101ALI20240725BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20240725BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240725BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240725BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240725BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A24B15/167
A24B13/00
A61K31/352
A61K31/05
A61K9/107
A61K47/44
A61K47/24
A61K47/10
A61K47/26
A61K47/12
A61K47/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503610
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 IB2022056769
(87)【国際公開番号】W WO2023002439
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プール,トーマス・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】シュ,ケーイー
【テーマコード(参考)】
4B043
4C076
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4B043BB22
4B043BC02
4B043BC04
4B043BC05
4B043BC11
4B043BC12
4B043BC16
4B043BC18
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4B043BC23
4B043BC24
4B043BC27
4C076AA17
4C076BB01
4C076DD37S
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4C086AA01
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4C086BA08
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA22
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4C086NA03
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4C206AA01
4C206AA02
4C206CA19
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA42
4C206MA72
4C206NA03
4C206NA13
(57)【要約】
本開示は、チンキ剤又はショット剤としての使用のために配合された、1種以上の有効成分(例えば、1種以上のカンナビノイド及び/又はカンナビノイド類似体)を含むナノエマルジョンを提供する。このようなナノエマルジョン、チンキ剤及びショット剤は、高い物理的安定性を呈することができる、例えば、6か月以上又は12か月以上の期間にわたって観察可能な相分離を呈しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンナビノイド及び/又はカンナビノイド類似体、
第1の油、
第2の油、及び
水
を含むナノエマルジョンであって、
前記カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、約1重量%以上の量で存在する、
ナノエマルジョン。
【請求項2】
前記カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、約2重量%以上の量で存在する、請求項1に記載のナノエマルジョン。
【請求項3】
前記カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、約1重量%~約4重量%の量で存在する、請求項1に記載のナノエマルジョン。
【請求項4】
前記カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、約2重量%~約3重量%の量で存在する、請求項1に記載のナノエマルジョン。
【請求項5】
前記カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、カンナビゲロール、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール、カンナビノジオール、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~4のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項6】
前記カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~4のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項7】
前記カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、カンナビジオール(CBD)を含む、請求項1~4のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項8】
前記カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、ヤンゴニン、アルファ-アミリン若しくはベータ-アミリン(テルペンとしても分類されている。)、シアニジン、クルクミン(ターメリック)、カテキン、ケルセチン、サルビノリンA、N-アシルエタノールアミン、N-アルキルアミド脂質、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~4のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項9】
前記第1の油が、ヒマワリ油を含む、請求項1~8のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項10】
前記第2の油が、レシチンを含む、請求項1~9のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項11】
前記第2の油が、キャノーラレシチンである、請求項10に記載のナノエマルジョン。
【請求項12】
前記第2の油の前記第1の油に対する重量比が、約1.5以上である、請求項9~11のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項13】
前記第2の油の前記第1の油に対する重量比が、約1.5~約3である、請求項9~11のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項14】
界面活性剤をさらに含む、請求項1~13のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項15】
前記界面活性剤が、ステアリン酸ポリオキシエチレンである、請求項14に記載のナノエマルジョン。
【請求項16】
1種以上の天然若しくは人工の甘味料をさらに含む、請求項1~15のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項17】
前記天然若しくは人工の甘味料が、サッカリン、アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース、イソマルト、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、スクロース、ステビア、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項16に記載のナノエマルジョン。
【請求項18】
前記天然若しくは人工の甘味料が、ステビアを含む、請求項17に記載のナノエマルジョン。
【請求項19】
苦味抑制剤をさらに含む、請求項1~18のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項20】
前記苦味抑制剤が、グリチルリチン酸又はその塩である、請求項19に記載のナノエマルジョン。
【請求項21】
抗酸化剤をさらに含む、請求項1~20のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項22】
前記抗酸化剤が、クエン酸、ビタミンE、トコフェロール、エピカテコール、エピガロカテコール、エピガロカテコールガレート、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、4-ヘキシルレゾルシノール、テアフラビン、テアフラビンモノガレートA若しくはB、テアフラビンジガレート、フェノール酸、グリコシド、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ヒペロシド、ポリフェノール、カテコール、レスベラトロール、オレウロペイン、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項21に記載のナノエマルジョン。
【請求項23】
湿潤剤をさらに含む、請求項1~22のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項24】
前記湿潤剤が、ポリオールである、請求項23に記載のナノエマルジョン。
【請求項25】
前記湿潤剤が、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、又はそれらの組合せを含む、請求項23に記載のナノエマルジョン。
【請求項26】
モノアルコールを実質的に含まない、請求項1~25のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項27】
水中の分散相を含み、該分散相が、約100nm以下の平均液滴サイズを有する、請求項1~26のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項28】
6か月間以上、物理的安定性を呈する、請求項1~27のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【請求項29】
12か月間以上、物理的安定性を呈する、請求項28に記載のナノエマルジョン。
【請求項30】
請求項1~29のいずれかに記載のナノエマルジョンから本質的になる、チンキ剤の形態での経口製品。
【請求項31】
水に希釈した、請求項1~29のいずれかに記載のナノエマルジョンを含む、ショット剤の形態での経口製品。
【請求項32】
少なくとも1種の緩衝化剤、少なくとも1種の保存剤、少なくとも1種の抗酸化剤、又は任意のそれらの組合せをさらに含む、請求項31に記載の経口製品。
【請求項33】
前記ショット剤が、6か月間以上、物理的安定性を呈する、請求項31~32のいずれかに記載の経口製品。
【請求項34】
前記ショット剤が、12か月間以上、物理的安定性を呈する、請求項31~33のいずれかに記載の経口製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、1種以上の有効成分を含む乳剤及びこのような乳剤を含む製品に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ及び様々な有効成分は、いわゆる「無煙」形態で楽しむことができる。特に人気のある経口のタバコ含有製品は、いくつかの形態の加工したタバコ又はタバコ含有配合物を使用者の口に入れることにより利用されている。このような無煙タバコ製品用の従来の形式は、湿潤性嗅ぎタバコ、スヌース及び噛みタバコを含む。これらは一般的に、粒状タバコ、顆粒状タバコ又は刻まれたタバコでほとんど形成されており、無煙タバコ製品は、使用者により小分けされるか又は使い捨てのパウチ又は小袋などの個々の小分けで使用者に提供されるかのいずれかである。他の伝統的な無煙製品の形態には、プラグ、錠剤又はペレットなどの圧縮された形態又は凝集された形態がある。代替的な製品の形式、例えばタバコ含有ガム及びタバコと他の植物材料との混合物もまた知られている。例えば、Schwartzの米国特許第1,376,586号明細書;Pittman等の米国特許第4,513,756号明細書;Sensabaugh,Jr.等の米国特許第4,528,993号明細書;Story等の米国特許第4,624,269号明細書;Tibbettsの米国特許第4,991,599号明細書;Townsendの米国特許第4,987,907号明細書;Sprinkle,III等の米国特許第5,092,352号明細書;White等の米国特許第5,387,416号明細書;Williamsの米国特許第6,668,839号明細書;Williamsの米国特許第6,834,654号明細書;Atchley等の米国特許第6,953,040号明細書;Atchley等の米国特許第7,032,601号明細書;及びAtchley等の米国特許第7,694,686号明細書;Williamsの米国特許公開第2004/0020503号明細書;Quinter等の米国特許公開第2005/0115580号明細書;Strickland等の米国特許公開第2006/0191548号明細書;Holton,Jr.等の米国特許公開第2007/0062549号明細書;Holton,Jr.等の米国特許公開第2007/0186941号明細書;Strickland等の米国特許公開第2007/0186942号明細書;Dube等の米国特許公開第2008/0029110号明細書;Robinson等の米国特許公開第2008/0029116号明細書;Robinson等の米国特許公開第2008/0173317号明細書;Neilsen等の米国特許公開第2008/0209586号明細書;Essen等の米国特許公開第2009/0065013号明細書;及びAtchleyの米国特許公開第2010/0282267号明細書並びにArnarp等のWO2004/095959に記載されている、無煙タバコ配合物の種類、成分及び加工方法の種類を参照されたい。これらの文献の各々は、参照により本明細書に組み込む。
【0003】
タバコ材料を様々な結合剤及び充填剤と組み合わせる経口製品の構成は、ロゼンジ剤、パステル剤、ゲル剤、押し出された形態などを含む例示的な製品の形式のものがより最近では提案されている。例えば、Engstrom等の米国特許出願公開第2008/0196730号明細書;Crawford等の米国特許出願公開第2008/0305216号明細書;Kumar等の米国特許出願公開第2009/0293889号明細書;Gao等の米国特許出願公開第2010/0291245号明細書;Mua等の米国特許出願公開第2011/0139164号明細書;Cantrell等の米国特許出願公開第2012/0037175号明細書;Hunt等の米国特許出願公開第2012/0055494号明細書;Cantrell等の米国特許出願公開第2012/0138073号明細書;Cantrell等の米国特許出願公開第2012/0138074号明細書;Holton,Jr.の米国特許出願公開第2013/0074855号明細書;Holton,Jr.の米国特許出願公開第2013/0074856号明細書;Mua等の米国特許出願公開第2013/0152953号明細書;Jackson等の米国特許出願公開第2013/0274296号明細書;Moldoveanu等の米国特許出願公開第2015/0068545号明細書;Marshall等の米国特許出願公開第2015/0101627号明細書;及びLampe等の米国特許出願公開第2015/0230515号明細書に記載されている製品の種類を参照されたい。これらの文献の各々は、参照により本明細書に組み込む。類似する形式でタバコを含まない経口製品もまた提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第1,376,586号明細書
【特許文献2】米国特許第4,513,756号明細書
【特許文献3】米国特許第4,528,993号明細書
【特許文献4】米国特許第4,624,269号明細書
【特許文献5】米国特許第4,991,599号明細書
【特許文献6】米国特許第4,987,907号明細書
【特許文献7】米国特許第5,092,352号明細書
【特許文献8】米国特許第5,387,416号明細書
【特許文献9】米国特許第6,668,839号明細書
【特許文献10】米国特許第6,834,654号明細書
【特許文献11】米国特許第6,953,040号明細書
【特許文献12】米国特許第7,032,601号明細書
【特許文献13】米国特許第7,694,686号明細書
【特許文献14】米国特許公開第2004/0020503号明細書
【特許文献15】米国特許公開第2005/0115580号明細書
【特許文献16】米国特許公開第2006/0191548号明細書
【特許文献17】米国特許公開第2007/0062549号明細書
【特許文献18】米国特許公開第2007/0186941号明細書
【特許文献19】米国特許公開第2007/0186942号明細書
【特許文献20】米国特許公開第2008/0029110号明細書
【特許文献21】米国特許公開第2008/0029116号明細書
【特許文献22】米国特許公開第2008/0173317号明細書
【特許文献23】米国特許公開第2008/0209586号明細書
【特許文献24】米国特許公開第2009/0065013号明細書
【特許文献25】米国特許公開第2010/0282267号明細書
【特許文献26】国際公開第2004/095959号
【特許文献27】米国特許出願公開第2008/0196730号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2008/0305216号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0293889号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2010/0291245号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2011/0139164号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2012/0037175号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2012/0055494号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2012/0138073号明細書
【特許文献35】米国特許出願公開第2012/0138074号明細書
【特許文献36】米国特許出願公開第2013/0074855号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2013/0074856号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2013/0152953号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2013/0274296号明細書
【特許文献40】米国特許出願公開第2015/0068545号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開第2015/0101627号明細書
【特許文献42】米国特許出願公開第2015/0230515号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
有効成分を代替的な形態での消費者に送達し得る経口用途のために構成されている製品を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(簡単な要旨)
本開示は、全体的に、1種以上の有効成分を含む乳剤、及びこのような乳剤を含む製品に関する。例えば、一部の実施形態において、このような液体は、乳剤、例えばナノエマルジョンである。ナノエマルジョンは、濃縮された形態で(例えば「チンキ剤」の形態で)1種以上の有効成分を含み得る、及び/又は希釈された形態で(例えば「ショット剤」の形態で)1種以上の有効成分を提供するために希釈することができる。有利に、開示されている液体は、例えば物理的観察を介して評価された高い安定性を呈する。
【0007】
本開示は、限定されないが、以下の実施形態を含む:
実施形態1:カンナビノイド及び/又はカンナビノイド類似体(cannabimimetic)、第1の油、第2の油、及び水を含むナノエマルジョンであって、カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が約1重量%以上の量で存在する、ナノエマルジョン。
【0008】
実施形態2:カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、約2重量%以上の量で存在する、実施形態1に記載のナノエマルジョン。
【0009】
実施形態3:カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、約1重量%~約4重量%の量で存在する、実施形態1に記載のナノエマルジョン。
【0010】
実施形態4:カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、約2重量%~約3重量%の量で存在する、実施形態1に記載のナノエマルジョン。
【0011】
実施形態5:カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、カンナビゲロール、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール、カンナビノジオール及びそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~4のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0012】
実施形態6:カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)、及びそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~4のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0013】
実施形態7:カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、カンナビジオール(CBD)を含む、実施形態1~4のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0014】
実施形態8:カンナビノイド又はカンナビノイド類似体が、ヤンゴニン、アルファ-アミリン若しくはベータ-アミリン(テルペンとしても分類されている。)、シアニジン、クルクミン(ターメリック)、カテキン、ケルセチン、サルビノリンA、N-アシルエタノールアミン、N-アルキルアミド脂質及びそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~4のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0015】
実施形態9:第1の油が、ヒマワリ油を含む、実施形態1~8のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0016】
実施形態10:第2の油が、レシチンを含む、実施形態1~9のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0017】
実施形態11:第2の油が、キャノーラレシチンである、実施形態1~10のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0018】
実施形態12:第2の油の第1の油に対する重量比が、約1.5以上である、実施形態1~11のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0019】
実施形態13:第2の油の第1の油に対する重量比が、約1.5~約3である、実施形態1~12のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0020】
実施形態14:界面活性剤をさらに含む、実施形態1~13のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0021】
実施形態15:界面活性剤が、ステアリン酸ポリオキシエチレンである、実施形態14に記載のナノエマルジョン。
【0022】
実施形態16:1種以上の天然若しくは人工の甘味料をさらに含む、実施形態1~15のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0023】
実施形態17:天然若しくは人工の甘味料が、サッカリン、アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース、イソマルト、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、スクロース、ステビア、及びそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態16に記載のナノエマルジョン。
【0024】
実施形態18:天然若しくは人工の甘味料が、ステビアを含む、実施形態17に記載のナノエマルジョン。
【0025】
実施形態19:苦味抑制剤をさらに含む、実施形態1~18のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0026】
実施形態20:苦味抑制剤が、グリチルリチン酸又はその塩である、実施形態19に記載のナノエマルジョン。
【0027】
実施形態21:抗酸化剤をさらに含む、実施形態1~20のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0028】
実施形態22:抗酸化剤が、クエン酸、ビタミンE、トコフェロール、エピカテコール、エピガロカテコール、エピガロカテコールガレート、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、4-ヘキシルレゾルシノール、テアフラビン、テアフラビンモノガレートA若しくはB、テアフラビンジガレート、フェノール酸、グリコシド、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ヒペロシド、ポリフェノール、カテコール、レスベラトロール、オレウロペイン、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、及びそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態21に記載のナノエマルジョン。
【0029】
実施形態23:湿潤剤をさらに含む、実施形態1~22のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0030】
実施形態24:湿潤剤が、ポリオールである、実施形態23に記載のナノエマルジョン。
【0031】
実施形態25:湿潤剤が、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール又はそれらの組合せを含む、実施形態23に記載のナノエマルジョン。
【0032】
実施形態26:モノアルコール(例えばエタノールを含むが、限定されない。)を実質的に含まない、実施形態1~25のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0033】
実施形態27:水中の分散相を含み、分散相が、約100nm以下の平均液滴サイズを有する、実施形態1~26のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0034】
実施形態28:6か月間以上、物理的安定性を呈する、実施形態1~27のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0035】
実施形態29:12か月間以上、物理的安定性を呈する、実施形態1~27のいずれかに記載のナノエマルジョン。
【0036】
実施形態30:実施形態1~29のいずれかに記載のナノエマルジョンから本質的になる、チンキ剤の形態での経口製品。
【0037】
実施形態31:水に希釈した、実施形態1~29のいずれかに記載のナノエマルジョンを含む、ショット剤の形態での経口製品。
【0038】
実施形態32:少なくとも1種の緩衝化剤、少なくとも1種の保存剤、少なくとも1種の抗酸化剤、又は任意のそれらの組合せ(例えば、少なくとも1種の緩衝化剤、少なくとも1種の保存剤及び少なくとも1種の抗酸化剤を含む。)をさらに含む、実施形態31に記載の経口製品。
【0039】
実施形態33:ショット剤が、6か月間以上、物理的安定性を呈する、実施形態31~32のいずれかに記載の経口製品。
【0040】
実施形態34:ショット剤が、12か月間以上、物理的安定性を呈する、実施形態31~33のいずれかに記載の経口製品。
【0041】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことで明らかになる。以下に簡単に説明される。本発明は、上述の実施形態の2、3、4個、又はそれ以上の任意の組合せを含み、このような特徴又は要素が本明細書における具体的な実施形態の記載と明白に組み合わされるか否かに関わらず、本開示に記載されている任意の2、3、4個、又はそれ以上の特徴又は要素の組合せを含む。本開示は、統括的に読まれることを意図しているので、開示されている発明の任意の別個の特徴又は要素は、その様々な態様及び実施形態のいずれかにおいて、文脈で明らかに他を示していない限り、組み合わされることを意図していると考えるべきである。本開示の他の態様及び利点は、以下で明らかになる。
【0042】
本開示の態様を上記の一般用語で説明してきたが、添付の図面を参照する。これは必ずしも寸法通りには描かれていない。図面は、例示であり、本開示の限定として解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本開示の一実施形態によって提供されるナノエマルジョンの例に対する動的光散乱のプロットである。
【
図2】本開示の一実施形態によって提供される熟成ナノエマルジョンの例に対する動的光散乱のプロットである。
【
図3】本開示の一実施形態によって提供される(飲用に適したショット剤の形態における)希釈ナノエマルジョンの例に対する動的光散乱のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
次に、本開示は、その例示的な実施形態を参照して以下でより完全に記載されている。これらの例示的な実施形態は、本開示が十分で完全となり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるために記載されている。実際に、本開示は、多くの異なる形態において具現化され得るが、本明細書に記載されている実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろこれらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書及び特許請求の範囲で使用した場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈で明らかに他を示していない限り、複数の指示対象を含む。「乾燥重量パーセント」又は「乾燥重量基準」の参照は、乾燥成分(すなわち、水を除く全ての成分)に基づいた重量を指す。パーセントへの参照は、別段示されない限り、重量パーセントを意味することを意図している。
【0045】
本明細書で以下に記載されるように、本開示の例示的な実施形態は、1種以上の有効成分を含む液体に関する。液体は、直接(例えば、活性剤の送達用のチンキ剤の形態で)使用することができる又は(例えば、活性剤の送達用のショット剤を形成するために希釈することにより若しくは別の種類の製品に(例えば、食品、飲料、液体充填した経口カプセル剤内などに)液体を組み込むためにさらに加工することにより)さらに加工することができる。
【0046】
一部の実施形態において、このような液体は、経口用途のために/消費用に、適切である/構成されており、例えば、対象の口に直接入れるか又は製品に含めるためにさらに配合若しくは加工することができる。製品は対象の口に挿入される。ある特定の実施形態において、液体(又はこのような液体を含む製品)は、対象の口及び/又は対象の消化器系を通した粘膜を通して対象に成分を送達するように調整されており、一部の例において、前記成分は、液体(又は液体を含む製品)が使用された場合、口腔内及び/又は消化器系の粘膜を通して吸収され得る有効成分である。
【0047】
本明細書で提供される液体は、全体的に、乳剤の形態、特にナノエマルジョンの形態である。用語「乳剤」及び「ナノエマルジョン」は、化学及び薬学分野においてそれらの通常の意味を有する。例えば、乳剤は、第2の液体(連続相)に懸濁させた1つの液体(分散相)の液滴の分散として記載され得、2つの液体は互いに通常混和しない。液滴は、一般に球状である。乳剤は、一般に水中油型乳剤(分散相が油を含み、連続相が水を含む。)及び油中水型乳剤(分散相が水を含み、連続相が油を含む。)であり得る。本明細書に開示されている乳剤は、典型的に、水中油型乳剤である。
【0048】
ナノエマルジョンは、約20nm~約500nm(多くの場合、約100nm~約500nm、例えば、約100nm~約200nm)の範囲内の液滴サイズを伴う乳剤である。様々な実施形態において、本明細書に提供されるナノエマルジョンは、例えば約100nm未満(例えば、約50nm~約100nm)のZ平均液滴サイズを含む、小さい液滴サイズを呈する。このような小さい液滴サイズは、例えば(本明細書において以下に記載されている。)活性剤の送達において有利である。例えば、開示されたナノエマルジョンは、有効成分(特に、高親油性有効成分)がこれらのナノエマルジョンの小さい液滴サイズのためにより容易に吸収されることを可能にする。有利に、一部の実施形態において、開示されているナノエマルジョンの液滴サイズ(直径)は、実質的に均質である、すなわち多分散性が低い。
【0049】
本開示のナノエマルジョンは、多成分を含む。ナノエマルジョンは、一般に、有効成分、界面活性剤、脂質成分及び水を含む。典型的に、有効成分は、分散相内に含有される。分散相の液滴(本明細書では「ミセル」又は「粒子」とも呼ばれる。)は、消化の間、例えば胃の水性環境において有効成分の溶解性を維持することができ、胃及び腸において酵素から有効成分を保護することができる。最終的に、これらの液滴は、これらが吸収される腸管壁に輸送され;上述した通り、小さい液滴サイズは、有効成分の容易な吸収をもたらすのに有利な開示されているナノエマルジョンを提供する。これらの成分の各々は、非限定例を伴って本明細書において以下により完全に記載され、開示されているナノエマルジョンに任意選択的に組み込むことができる追加成分は、同様に開示されている。
【0050】
有効成分
本明細書に提供されるナノエマルジョン及び関連する製品の一成分は、活性剤(本明細書では「有効成分」とも呼ばれる。)である。本開示は、疎水性及び/又は親油性である有効成分の文脈において特に有利である。このような有効成分は、水溶液で容易に提供されず、ゆえに、このような有効成分の送達は難題であり得る。本明細書に概説されている組成物及び方法は、液体(すなわち、ナノエマルジョン)形態を介したこのような疎水性及び/又は親油性有効成分の送達を可能にする。一般的なクラスの有効成分の中で、ある特定の例は親水性であり、ある特定の例は疎水性であり、同様に、ある特定の例は親油性であり、ある特定の例は疎水性であることを認識する。本明細書に提供される原理は、実質的に疎水性であるこれらの例及び/又は実質的に親油性であるこれらの例の文脈において特に適用可能である。
【0051】
有効成分は、治療的、予防的又は診断的使用に適した任意の公知の薬剤であり得る。これらは、例えば、治療的、予防的又は診断的活性を有する、合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖類及び他の糖類、脂質、無機化合物並びに核酸配列を含み得る。有効成分の例は、体内で1つ以上の生体機能に影響を及ぼすと知られている任意の成分、例えば、疾患の診断、治療、緩和、処置若しくは予防において薬理学的活性若しくは他の直接作用をもたらす又はヒト若しくは他の動物の身体の構造若しくは任意の機能に影響を及ぼす(例えば、中枢神経系において刺激作用を提供する、活性化効果、解熱若しくは鎮痛作用、若しくは身体における別の有用な効果を有する。)成分を含む。有効成分は、限定されないが、カンナビノイド及びカンナビノイド類似体を含む。
【0052】
一部の実施形態において、有効成分は1種以上のカンナビノイドを含む。本明細書で使用した場合、用語「カンナビノイド」とは、内因性カンナビノイド系としても知られ、脳内の神経伝達物質の放出を改変する細胞内のカンナビノイド受容体に作用するあるクラスの多様な化学化合物を指す。これらの受容体タンパク質に対する配位子は、動物により体内で天然に生成された内因性カンナビノイド;アサで見出されたフィトカンナビノイド;及び人工的に製造された合成カンナビノイドを含む。アサで見出されるカンナビノイドは、限定されないが、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)を含む。ある特定の実施形態において、カンナビノイドは、アサの主要な精神活性化合物であるテトラヒドロカンナビノール(THC)及び植物の別の主要な構成要素であるが、精神活性が欠如しているカンナビジオール(CBD)から選択される。上記の化合物の全ては、植物材料由来の単離物の形態で使用することができる又は合成により誘導されることができる。
【0053】
一部の実施形態において、カンナビノイドは、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)及びカンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)、及びその混合物からなる群から選択される。一部の実施形態において、カンナビノイドは少なくともテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む。一部の実施形態において、カンナビノイドはテトラヒドロカンナビノール(THC)である。一部の実施形態において、カンナビノイドは少なくともカンナビジオール(CBD)を含む。一部の実施形態において、カンナビノイドはカンナビジオール(CBD)である。一部の実施形態において、CBDは合成CBDである。
【0054】
代替的には(又は追加的に)、有効成分はカンナビノイド類似体であり得るが、カンナビノイド類似体は、カンナビノイドと類似した内因性カンナビノイド系において生物学的効果を有するアサ以外の植物由来のあるクラスの化合物である。例は、ヤンゴニン、アルファ-アミリン若しくはベータ-アミリン(テルペンとしても分類されている。)、シアニジン、クルクミン(ターメリック)、カテキン、ケルセチン、サルビノリンA、N-アシルエタノールアミン及びN-アルキルアミド脂質を含む。このような化合物は、カンナビノイドに対して本明細書に記載されているのと同じ量及び比で使用することができる。
【0055】
カンナビノイド又はカンナビノイド類似体及び開示されている経口製品内に存在し得るその特定の百分率の選択は、経口製品の所望の風味、質感及び他の特質に応じて様々である。
【0056】
一部の実施形態において、カンナビジオールは合成カンナビジオールである。一部の実施形態において、カンナビノイドは単離物の形態で使用される。一部の実施形態において、カンナビノイド(例えば、カンナビジオール、CBD)は、単離物の形態においてナノエマルジョンに添加する。単離物はアサなどの植物からの抽出物であり、目的の有効材料(今回の場合、CBDなどのカンナビノイド)は程度が高い純度、例えば、95%より高い、96%より高い、97%より高い、98%より高い、又は約99%の純度で存在する。一部の実施形態において、カンナビノイドは、程度の高い純度でCBDの単離物であり、経口製品における任意の他のカンナビノイドの量は、経口製品の約1重量%を超えず、例えば経口製品の約0.5重量%を超えず、例えば経口製品の約0.1重量%を超えず、例えば経口製品の約0.01重量%を超えない。
【0057】
カンナビノイド(例えば、CBD)又はカンナビノイド類似体は、典型的に、少なくとも約0.5重量%、例えば、少なくとも約1重量%、少なくとも約1.1重量%、少なくとも約1.2重量%、少なくとも約1.3重量%、少なくとも約1.4重量%、少なくとも約1.5重量%、少なくとも約1.6重量%、少なくとも約1.7重量%、少なくとも約1.8重量%、少なくとも約1.9重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約2.1重量%、少なくとも約2.2重量%、少なくとも約2.3重量%、少なくとも約2.4重量%又は少なくとも約2.5重量%、上限は、例えば、約5重量%、約4重量%、約3重量%、約2.9重量%、約2.8重量%、約2.7重量%又は約2.6重量%の量で開示されているナノエマルジョン内の濃度である。一部の実施形態において、本明細書に開示されている組成物は、ナノエマルジョンの総重量に基づいて約1重量%~約3重量%又は約2重量%~約3重量%の量でカンナビノイド、例えばCBDを含む。
【0058】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、カンナビノイド又はカンナビノイド類似体と組み合わせて(又はこれらの代わりに)さらなる有効成分を含み得る。一部の実施形態において、2種以上の有効成分は、同じナノエマルジョンに組み込むことができる。例えば、一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、カンナビノイド又はカンナビノイド類似体に加えて1種以上の有効成分を含み得る。このような有効成分は、例えば、API(医薬品有効成分)、食品添加剤、天然医薬及びヒトへの影響を有し得る天然に存在する物質であり得る。有効成分の例は、体内で1つ以上の生体機能に影響を及ぼすと知られている任意の成分、例えば、疾患の診断、治療、緩和、処置若しくは予防において薬理学的活性若しくは他の直接作用をもたらす又はヒトの身体の構造若しくは任意の機能に影響を及ぼす(例えば、中枢神経系において刺激作用を提供する、活性化効果、解熱若しくは鎮痛作用、若しくは身体における別の有用な効果を有する。)成分を含む。一部の実施形態において、有効成分は、栄養補助食品、栄養補強食品、「ファイトケミカル」又は「機能性食品」と一般に呼ばれるタイプのものであり得る。これらの種類の添加剤は、時折、1つ以上の有利な生物学的効果(例えば、健康増進、疾患予防又は他の医薬特性)をもたらす天然に存在する供給源(例えば、ボタニカル材料)から典型的に利用可能である物質を包含するものとして当該技術分野において定義されているが、薬物として分類又は調節されない。
【0059】
有効成分の非限定例は、ボタニカル成分、刺激剤、アミノ酸、ニコチン成分並びに/又は医薬成分、栄養成分並びに薬効成分(例えば、ビタミン、例えばA、B3、B6、B12及びC)の分類に入るものを含む。これらの分類の各々は、本明細書において以下にさらに記載されている。有効成分の特定の選択は、特定のナノエマルジョンの所望の特質に応じて様々であり得る。
【0060】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、有効成分(例えば、カンナビノイド及び/又はカンナビノイド類似体(cannabamimetic)に加えて)としてボタニカル成分を含む。本明細書で使用した場合、用語「ボタニカル成分」又は「ボタニカル」とは、任意の植物材料又は真菌由来の材料を指し、その天然形態での植物材料及び天然の植物材料由来の植物材料、例えば、植物材料由来の抽出物若しくは単離物又は処置された植物材料(例えば、熱処置、発酵、漂白若しくは材料の物理的及び/若しくは化学的性質を改変することが可能である他の処置加工を施した植物材料)を含む。本開示の目的のために、「ボタニカル」は、限定されないが、「ハーブ材料」を含み、ハーブ材料は、持続的な木質組織を発生させず、その医薬的又は感覚的な特質に多くの場合価値を有する種子産生植物(例えば、ティー又はチザン)を指す。「非タバコ」としてのボタニカル材料の参照は、タバコ材料を除外することを意図する(すなわち、いかなるタバコ属(Nicotiana)の種も含まない。)。一部の実施形態において、本明細書に開示されているナノエマルジョンは、いかなるタバコ材料も含まないとして特徴付けることができる(例えば、本明細書に開示されている任意の実施形態は、いかなるタバコ材料も完全に又は実質的に含み得ない。)。「実質的に含まない」とは、タバコ材料が意図して添加されていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、0.001重量%未満のタバコ又は0.0001重量%未満若しくはさらに0重量%のタバコを有すると特徴付けることができる。
【0061】
存在する場合、ボタニカルは、典型的に、組成物の総重量に基づいて約0.01%w/w~約10重量%の濃度であり、例えば、約0.01%w/w、約0.05%、約0.1%又は約0.5%~約1%、約2%、約3%、約4%又は約5重量%の濃度である。
【0062】
本開示に有用なボタニカル材料は、限定されないが、その混合物を含む本明細書に記載されている化合物及び供給源のいずれかを含み得る。この種類のある特定のボタニカル材料は、時折、栄養補助食品、栄養補強食品、「ファイトケミカル」又は「機能性食品」を指す。ある特定のボタニカルは、植物材料又はその抽出物として、伝統的なハーブ薬での使用を見出されており、本明細書にさらに記載されている。ボタニカル又はボタニカル由来の材料の非限定例は、アシュワガンダ、バコパ・モンニエラ(Bacopa monniera)、バオバブ、バジル、ケンテルラ・アシアチカ(Centella asiatica)、サイコ、カモミール、サクラの花、クロロフィル、シナモン、柑橘類、クローブ、ココア、ノムシタケ属(cordyceps)、クルクミン、ダミアナ、ドルステニア・アリフォリア(Dorstenia arifolia)、ドルステニア・オドラタ(Dorstenia odorata)、エッセンシャルオイル、ユーカリ、フェンネル、ガルピミア・グラウカ(Galphimia glauca)、ショウガ、ギンコ・ビローバ(Ginkgo biloba)、ニンジン(例えば、パナクス・ギンセング(Panax ginseng))、緑茶、グリフフォニア・シムプリキフォリア(Griffonia simplicifolia)、ガラナ、アサ、ヘンプ、ホップ、ジャスミン、カエムプフェリア・パルウィフロラ(Kaempferia parviflora)(タイニンジン)、カバ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、カンゾウ、ルテイン、マカ、抹茶、ナルドスタキュス・キネンシス(Nardostachys chinensis)、ウィオラ・オドラタ(Viola odorata)の油性抽出物、ペパーミント、ケルセチン、レスベラトロール、リゾマ・ガストロジアエ(Rhizoma gastrodiae)、イワベンケイ属(Rhodiola)、ルイボス、バラのエッセンシャルオイル、ローズマリー、スケレチウム・トルツオスム(Sceletium tortuosum)、マツブサ属(Schisandra)、タツナミソウ、スペアミント抽出物、カンショウ、テルペン、チザン、ターメリック、ツルネラ・アプロジシアカ(Turnera aphrodisiaca)、バレリアン、ホワイトマルベリー及びイエルバマテを含む。
【0063】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンはレモンバームを含む。レモンバーム(メリスサ・オフフィキナリス(Melissa officinalis))は、ミント(シソ科(Lamiaceae))と同じ科に由来する穏やかにレモンの香りのするハーブである。ハーブは、ヨーロッパ、北アフリカ及び西アジア原産である。レモンバームのティー並びにエッセンシャルオイル及び抽出物は、伝統薬及び代替薬で使用されている。一部の実施形態において、ナノエマルジョンはレモンバーム抽出物を含む。一部の実施形態において、レモンバーム抽出物は、組成物の総重量に基づいて約0.1~約4重量%の量で存在する。
【0064】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンはニンジンを含む。ニンジンは、トチバニンジン属(Panax)の植物の根であり、ニンジンは、特有のステロイドサポニンであるファイトケミカル(ジンセノサイド)及びジントニンの存在により特徴付けられている。ニンジンは、エナジードリンク又はハーブティーにおける栄養補助食品として及び伝統薬における使用を見出す。栽培種は、チョウセンニンジン(P.ギンセング(P.ginseng))、サンシチニンジン(P.ノトギンセング(P.notoginseng))及びアメリカニンジン(P.クインクエホリウス(P.quinquefolius))を含む。アメリカニンジン及びチョウセンニンジンは、存在する様々なジンセノサイドの種類及び量が様々である。一部の実施形態において、ニンジンは、アメリカニンジン又はチョウセンニンジンである。具体的な実施形態において、有効成分はチョウセンニンジンを含む。一部の実施形態において、ニンジンは、ナノエマルジョンの総重量に基づいて約0.4~約0.6重量%の量で存在する。
【0065】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンは1種以上の刺激剤を含む。本明細書で使用した場合、用語「刺激剤」とは、中枢神経系及び/又は身体の活性を増大させる材料を指し、例えば、集中、認知、活力、気分、覚醒などを向上させる。刺激剤の非限定例は、カフェイン、テアクリン、テオブロミン及びテオフィリンを含む。テアクリン(1,3,7,9-テトラメチル尿酸)は、構造的にカフェインと関連し、刺激、鎮痛及び抗炎症の効果を有するプリンアルカロイドである。本刺激剤は、天然であり得る、天然に由来し得る又は完全に合成され得る。例えば、ある特定のボタニカル材料(ガラナ、チャ、コーヒー、ココアなど)は、例えばカフェイン又は関連するアルカロイドの存在による刺激効果を有し得、したがって「天然」刺激剤である。「天然に由来する」とは、刺激剤(例えば、カフェイン、テアクリン)が、その天然の(例えば、ボタニカルの)マトリックスの外側の精製形態であることを意味する。例えば、カフェインは、ボタニカル供給源(例えば、チャ)から抽出及び精製により得ることができる。「完全に合成されている」とは、刺激剤が化学合成により得られていることを意味する。一部の実施形態において、有効成分はカフェインを含む。一部の実施形態において、カフェインはカプセル化された形態で存在する。カプセル化されたカフェインの一例は、Balchem Corp.、52 Sunrise Park Road、New Hampton、NY、10958から入手可能なVitashure(登録商標)である。
【0066】
存在する場合、刺激剤又は刺激剤の組合せ(例えば、カフェイン、テアクリン及びその組合せ)は、典型的に、組成物の総重量に基づいて約0.1%w/w~約15重量%の濃度であり、例えば、約0.1%w/w、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%又は約0.9%~約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%又は約15重量%の濃度である。一部の実施形態において、組成物は、ナノエマルジョンの総重量に基づいて約1.5~約6重量%の量でカフェインを含む。
【0067】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、有効成分としてアミノ酸を含む。本明細書で使用した場合、用語「アミノ酸」とは、アミン(-NH2)及びカルボキシル(-COOH)又はスルホン酸(SO3H)官能基を側鎖(R基)と共に含有する有機化合物を指し、側鎖は、各アミノ酸に特異的である。アミノ酸は、タンパク質新生又は非タンパク質新生であり得る。「タンパク質新生」とは、アミノ酸がタンパク質中で見出された12種の天然に存在するアミノ酸の1つであることを意味する。タンパク質新生アミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンを含む。「非タンパク質新生」とは、いずれかのアミノ酸がタンパク質において天然で見出されない又は細胞内機構により直接生成されない(例えば、翻訳後修飾の生成物である。)ことを意味する。非タンパク質新生アミノ酸の非限定例は、ガンマアミノ酪酸(GABA)、タウリン(2-アミノエタンスルホン酸)、テアニン(L-γ-グルタミルエチルアミド)、ヒドロキシプロリン及びベータアラニンを含む。一部の実施形態において、有効成分はテアニンを含む。一部の実施形態において、有効成分はGABAを含む。一部の実施形態において、有効成分は、テアニン及びGABAの組合せを含む。一部の実施形態において、有効成分は、テアニン、GABA及びレモンバームの組合せである。一部の実施形態において、有効成分は、テアニン及びトリプトファンの組合せを含む。一部の実施形態において、有効成分は、テアニン及び1種以上のビタミンB群の組合せを含む。一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、カフェイン、テアニン、任意選択的にニンジンの組合せを含む。一部の実施形態において、有効成分はタウリンを含む。一部の実施形態において、有効成分は、カフェイン及びタウリンの組合せである。
【0068】
操作のいかなる理論にも束縛されず、ある特定のアミノ酸、例えばテアニン、トリプトファン、GABA又はタウリンが、特に他の有効成分、例えばカフェイン又はある特定のボタニカルと合わせる場合、気分、不安のレベル、集中又は認知能力に有益な影響を有することができると考えられている。
【0069】
存在する場合、アミノ酸又はアミノ酸の組合せ(例えば、テアニン、タウリン、GABA、トリプトファン及びその組合せ。)は、典型的に、ナノエマルジョンの総重量に基づいて約0.01%w/w~約15重量%の濃度であり、例えば、約0.1%w/w、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%又は約0.9%~約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%又は約15重量%の濃度である。一実施形態において、少なくとも1種の有効成分は、約0.03重量%~約1重量%又は約0.05重量%~約0.5重量%の量でのトリプトファンを含む。
【0070】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、有効成分としてビタミン又はビタミンの組合せを含む。本明細書で使用した場合、用語「ビタミン」とは、哺乳動物における代謝の正常な機能にとって必要とされる必須微量栄養素である有機分子(又は関連する分子のセット)を指す。ヒトの代謝に必要とされる13種のビタミンが存在し、ビタミンは、ビタミンA(オールトランスレチノール、オールトランスレチニルエステル並びにオールトランスベータ-カロテン及び他のプロビタミンAであるカロテノイドとして)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸又はフォレート)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェノール及びトコトリエノール)並びにビタミンK(キノン)である。一部の実施形態において、有効成分はビタミンCを含む。一部の実施形態において、有効成分は、ビタミンC、カフェイン及びタウリンの組合せである。一部の実施形態において、有効成分は、ビタミンB6及びB12の1種以上を含む。一部の実施形態において、有効成分は、テアニン並びにビタミンB6及びB12の1種以上を含む。存在する場合、ビタミン又はビタミンの組合せ(例えば、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンC又はその組合せ)は、典型的に、組成物の総重量に基づいて約0.0001%~約6重量%の濃度であり、例えば、約0.0001、約0.001、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、又は約0.1%w/w~約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、又は約6重量%の濃度である。
【0071】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、約0.008重量%~約0.06重量%又は約0.01重量%~約0.04重量%の量でビタミンB6を含む。一部の実施形態において、有効成分は、約0.0001重量%~約0.007重量%又は約0.0005重量%~約0.001重量%の量でビタミンB12を含む。一部の実施形態において、有効成分は、約0.008重量%~約0.07重量%の総重量でビタミンB6及びビタミンB12の組合せを含む。一部の実施形態において、ナノエマルジョンはビタミンAを含む。一部の実施形態において、ビタミンAはカプセル化されている。
【0072】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、有効成分として鉱物を含む。本明細書で使用した場合、用語「鉱物」とは、哺乳動物における様々な系の正常な機能にとって必要とされる必須微量栄養素である無機分子(又は関連する分子のセット)を指す。鉱物の非限定例は、鉄、亜鉛、銅、セレニウム、クロム、コバルト、マンガン、カルシウム、リン、硫黄、マグネシウムなどを含む。一部の実施形態において、有効成分は鉄を含む。鉄の好適な供給源は、限定されないが、鉄塩、例えば硫酸第一鉄及びグルコン酸第一鉄を含む。一部の実施形態において、鉄はカプセル化されている。
【0073】
ある特定の実施形態において、ナノエマルジョンは、有効成分としてニコチン成分を含む。「ニコチン成分」とは、存在するニコチンの少なくとも一部の経口吸収をもたらすのに好適な任意の形態の天然又は合成のニコチン(例えば、遊離塩基又は塩)を意味する。典型的に、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群から選択される。一部の実施形態において、ニコチン成分は、その遊離塩基の形態でのニコチンであり、ニコチン成分は、例えば、微晶質セルロース-ニコチン担体複合体を形成する微晶質セルロース材料において容易に吸収され得る。例えば、Hanssonの米国特許公開第2004/0191322号明細書における遊離塩基の形態でのニコチンの議論を参照されたい。この文献は、参照により本明細書に組み込む。
【0074】
一部の実施形態において、ニコチン成分の少なくとも一部は、塩の形態で利用することができる。ニコチンの塩は、Cox等の米国特許第2,033,909号明細書及びPerfetti、Beitrage Tabakforschung Int.、12:43~54頁(1983)に記載されている成分の種類及び技術を使用して提供することができ、これらの文献は、参照により本明細書に組み込む。加えて、ニコチンの塩は、Pfaltz and Bauer,Inc.及びK&K Laboratories,Division of ICN Biochemicals,Inc.などの供給元から入手可能である。典型的に、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基、ニコチン塩、例えば、塩酸塩、二塩酸塩、一酒石酸塩、酒石酸水素塩、硫酸塩、サリチル酸塩及びニコチン塩化亜鉛からなる群から選択される。
【0075】
典型的に、ニコチン成分(遊離塩基として計算)は、存在する場合、ナノエマルジョンの少なくとも約0.001重量%、例えば、約0.001%~約10%の範囲の濃度である。一部の実施形態において、ニコチン成分は、ナノエマルジョンの総重量に基づいて遊離塩基として計算すると、約0.1%w/w~約10重量%の濃度であり、例えば、約0.1%w/w、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%又は約0.9%~約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%又は約10重量%の濃度で存在する。一部の実施形態において、ニコチン成分は、組成物の総重量に基づいて遊離塩基として計算すると、約0.1%w/w~約3重量%の濃度であり、例えば、約0.1%w/w~約2.5%、約0.1%~約2.0%、約0.1%~約1.5%又は約0.1%~約1重量%の濃度で存在する。一部の実施形態において、本開示のナノエマルジョンは、いかなるニコチン成分も含まないと特徴付けることができる(例えば、本明細書に開示されている任意の実施形態は、いかなるニコチン成分も完全に又は実質的に含み得ない。)。「実質的に含まない」とは、ニコチンが、例えば、ボタニカル材料に天然に存在し得る微量を超えて意図して添加されていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、遊離塩基として計算して、0.001重量%未満のニコチン又は0.0001重量%未満若しくはさらに0重量%のニコチンを有すると特徴付けることができる。
【0076】
一部の実施形態において、開示されているナノエマルジョンは、有効成分として1種以上のテルペンを含み得、テルペンの多くは、鎮静効果などの生物学的効果を伴う。テルペンは、一般式(C5H8)nを有し、モノテルペン、セスキテルペン及びジテルペンを含むことが理解されている。テルペンは、構造において非環式、単環式又は二環式であり得る。一部のテルペンは、カンナビノイド又はカンナビノイド類似体と組み合わせて使用した場合、アントラージュ効果をもたらす。例は、ベータ-カリオフィレン、リナロール、リモネン、ベータ-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(アルファ又はベータ)、ゲラニオール、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソ-メントン、ピペリトン、ミルセン、ベータ-ブルボネン及びゲルマクレンを挙げることができる。これらは、単体で又は組み合わせて使用することができる。
【0077】
一部の実施形態において、テルペンは、フィトカンナビノイド産生植物、例えばカンナビス・サティバ(cannabis sativa)種の株由来の植物、例えばアサに由来するテルペンである。この点に関して好適なテルペンは、10個の炭素原子を含むこれらのテルペンであるいわゆる「C10」テルペン、及び15個の炭素原子を含むこれらのテルペンであるいわゆる「C15」テルペンを含む。一部の実施形態において、有効成分は2種以上のテルペンを含む。例えば、有効成分は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又はそれ以上の本明細書で定義されているテルペンを含み得る。一部の実施形態において、テルペンは、ピネン(アルファ及びベータ)、ゲラニオール、リナロール、リモネン、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソ-メントン、ピペリトン、ミルセン、ベータ-ブルボネン、ゲルマクレン並びにその混合物から選択される。
【0078】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、有効成分として医薬品有効成分(API)を含む。APIは、治療的、予防的又は診断的使用に適した任意の公知の薬剤であり得る。これらは、例えば、治療的、予防的又は診断的活性を有する、合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖類及び他の糖類、脂質、リン脂質、無機化合物(例えば、マグネシウム、セレニウム、亜鉛、ナイトレート)、神経伝達物質又はその前駆体(例えば、セロトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、オキシトリプタン、アセチルコリン、ドーパミン、メラトニン)並びに核酸配列を含み得る。APIの非限定例は、鎮痛剤及び解熱剤(例えば、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、3-(4-イソブチルフェニル)プロパン酸)、ホスファチジルセリン、ミオイノシトール、ドコサヘキサエン酸(DHA、オメガ-3)、アラキドン酸(AA、オメガ-6)、S-アデノシルメチオニン(SAM)、ベータ-ヒドロキシ-ベータ-メチルブチレート(HMB)、シチコリン(シチジン-5’-ジホスフェート-コリン)及びコチニンを含む。一部の実施形態において、ナノエマルジョンはシチコリンを含む。一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、シチコリン、カフェイン、テアニン及びニンジンの組合せを含む。一部の実施形態において、有効成分はヒマワリレシチンを含む。一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、ヒマワリレシチン、カフェイン、テアニン及びニンジンの組合せを含む。
【0079】
APIの量は様々であり得る。例えば、存在する場合、APIは、典型的に、ナノエマルジョンの総重量に基づいて約0.001%w/w~約10重量%の濃度であり、例えば、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%w/w、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%又は約1%~約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%又は約10重量%の濃度である。
【0080】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、いかなるAPIも実質的に含まない。「いかなるAPIも実質的に含まない」とは、ナノエマルジョンが、任意の医学的状態を処置することを意図している任意のアメリカ食品医薬品局(FDA)で承認された治療剤などの、本明細書で定義されているいかなるAPIの存在も含有せず、具体的には除外することを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、0.001重量%未満のAPI又は0.0001重量%未満若しくはさらに0重量%のAPIを有すると特徴付けることができる。
【0081】
油
本明細書に記載されているナノエマルジョンは、2種以上の油を含む。有利に、有効成分は、2種以上の油の少なくとも1種において少なくとも部分的に可溶性である。有利に、様々な実施形態における第1の油及び第2の油の両方は、例えば分留油を含む食品等級の油である。ある特定の実施形態において、第1及び/又は第2の油は、アレルギー反応を最小限にするように選択される。
【0082】
第1の油は、限定されないが、植物油(例えば、アサイー油、アーモンド油、アマランサス油、杏仁油、リンゴ種子油、アルガン油、アボカド油、ババス油、ビーチナッツ油、ベン油、ツルレイシ油、黒種子油、クロスグリ種子油、ルリジサ種子油、ボルネオタローナッツ油、ヒョウタン油、ブラジルナッツ油、バッファローゴード油、バターナッツスクワッシュ種子油、ケープチェストナッツ油、キャノーラ油、キャロブカシュー油、ヒマシ油、カカオバター、オナモミ油、ココナッツ油、トウモロコシ油、コフネヤシ油、コリアンダー種子油、綿実油、ナツメヤシ種子油、ディカ油(dika oil)、エグシ種子油、マツヨイグサ油、アマナズナ油、アマニ油(flaxseed oil)、ブドウ種子油、グレープフルーツ種子油、ヘーゼルナッツ油、ヘンプ油、カポック種子油、ケナフ種子油、ラルレマンティア(lallemantia)油、レモン油、アマニ油(linseed oil)、マカダミヤ油、マフラ油、マルラ油、メドウフォーム種子油、モンゴンゴナッツ油、マスタード油、ニガー種子油、ナツメグバター、オクラ種子油、オリーブ油、オレンジ油、パーム油、パパイヤ種子油、ラッカセイ油、ペカン油、シソ種子油、カキ種子油、ペキー油、ピリナッツ油、松の実油、ピスタチオ油、ザクロ種子油、ケシ種子油、プラカシー油、プルーン核油、カボチャ種子油、キノア油、ラムティル油(ramtil oil)、アブラナ種子油、米糠油、ロイル油(royle oil)、サチャインチ油、ベニバナ油、メキシコクロテツ油、セジェ油(seje oil)、ゴマ油、シアバター、ダイズ油、ヒマワリ油、タラミラ油、チャ種子油、アザミ油、タイガーナッツ油、タバコ種子油、トマト種子油、クルミ油、スイカ種子油、コムギ胚芽油及びそれらの組合せ。)、動物油(例えば、ウシ脂、バッファロー脂、ヒツジ脂、ヤギ脂、ブタ脂、ラード、ラクダ脂、タロー、液体マーガリン、魚油、魚肝油、クジラ油、アザラシ油及びそれらの組合せ。)並びに鉱物油を含む様々な種類の油から選択することができる。油は、一部の実施形態において、オメガ3油であり得る。ある特定の実施形態において、有効成分の良好な溶解を提供するような第1の油が選択される。好適な第1の油の一例はヒマワリ油である。
【0083】
第2の油は、同様に選択することができる。ある特定の実施形態において、第2の油はレシチンを含む。レシチンは、一般的に、油におけるリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジルイノシトール)の混合物であり、例えば脱ガム油(degumming oil)により得ることができる。レシチンの組成は、レシチンの起源に応じて様々であり得る。レシチンが「第2の油」の例として本明細書に記載されるが、レシチンが、実際に必ずしも対応する油に由来しないことは留意されたい。例えば、キャノーラレシチンは、アブラナのキャノーラ培養変種に由来する。さらに、一部の実施形態において、第2の油は、界面活性剤として少なくとも部分的に機能し得る。レシチンの例は、限定されないが、ヒマワリレシチン、ダイズレシチン及びキャノーラレシチンを含む。
【0084】
レシチンは、天然/粗製の等級及び精製等級(典型的に加熱処理し、それにより例えばレシチンからタンパク質を除去する。)で利用可能である。ある特定の実施形態において、天然/粗製の等級は、精製等級より望ましい。一部の実施形態において、粗製で未精製のレシチン(例えば、キャノーラレシチン)の使用は、驚くべきことに、精製レシチンを使用して調製したナノエマルジョンのものより大きい物理的安定性を伴うナノエマルジョンをもたらす。さらに、第2の油としてキャノーラレシチン(例えば、ヒマワリレシチン、ダイズレシチン及び/又は精製ホスファチジルコリンとは異なり)の使用は、驚くべきことに、より大きな物理的安定性を伴うナノエマルジョンをもたらすことが見出された。
【0085】
開示されているナノエマルジョンの第1及び第2の油は、全体での様々な量及び互いに対する様々な比で提供され得る。一部の実施形態において、第1及び第2の油は、約10重量%以上、約15重量%以上、約16重量%以上、約17重量%以上、約18重量%以上、約19重量%以上又は約20重量%以上を一緒に含み、例えば約10重量%~約25重量%又は約15重量%~約22重量%を含む。一部の実施形態において、第1及び第2の油は、重量により互いにほぼ等しい割合である。他の実施形態において、ナノエマルジョンは、より高い重量百分率の第1の油又は第2の油を含む。例えば、一部の実施形態において、レシチンは、第1の油より高い重量百分率(例えば、少なくとも約1.1倍の第1の油の量、少なくとも約1.3倍の第1の油の量又は少なくとも約1.5倍の第1の油の量)を提供される。レシチンの第1の油に対する重量比の非限定例は、約1.1:1~約2:1、例えば、約1.2:1~約2:1、約1.3:1~約2:1、約1.4:1~約2:1又は約1.5:1~約2:1の比を含む。
【0086】
ナノエマルジョンは、2種の油を含むことに限定されず、一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、3種以上又は4種以上の油を含むことができる。このような追加の油は、上記に示したリストから選択することができる。
【0087】
界面活性剤
界面活性剤は、一般に、開示されているナノエマルジョンに含まれ、ナノエマルジョンの安定化を助けるように機能することができる。界面活性剤は、ナノエマルジョンの連続相、分散相又はその両方の相に含まれ得る。界面活性剤の分子は、典型的に、親水性及び疎水性の両方の領域を含み、ゆえに、油-水界面で吸着することができ、界面張力を低下させ、ナノエマルジョンの中の分散相の液滴周りに保護層を形成する。界面活性剤は、イオン性又は非イオン性であり得る。ある特定の実施形態において、開示されているナノエマルジョンは、1種以上のアニオン性界面活性剤を含む。アニオン性界面活性剤の例は、例えば、スルフェート、スルホネート及びカルボキシレート(アンモニウム、ナトリウム、又はカリウムのカチオンなどの対イオンを含む。)を含む。ある特定の具体的な種類のアニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸/ラウレト硫酸及び硫酸アルキル、アルキルエーテル硫酸塩、アルファ-オレフィンスルホン酸塩である。界面活性剤は、親水性又は疎水性として、さらに分類され得る。
【0088】
開示されているナノエマルジョンで使用することができる界面活性剤の例は、限定されないが、長鎖トリグリセリド、例えばC16~C18トリグリセリド、リノール酸、モノオレイン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SLS又はSDS)、ドキュセートナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤(例えば、モノ及びトリラウリル、パルミチル、ステアリル並びにオレイルエステルを含む。)、例えばポリソルベートとして知られており、商標名TWEEN(登録商標)で市販されているもの(例えば、TWEEN(登録商標)20、TWEEN(登録商標)40、TWEEN(登録商標)65、TWEEN(登録商標)80及びTWEEN(登録商標)85);ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えば、商標名MYRJ(商標)で市販されているものなどのポリオキシエチレンステアリン酸エステル(例えば、MYRJ(商標)52);ポリオキシエチレンエーテル、例えば商標名BRIJ(登録商標)で購入されるもの(例えば、BRIJ(登録商標)23、BRIJ(登録商標)30、BRIJ(登録商標)35、BRIJ(登録商標)52、BRIJ(登録商標)56、BRIJ(登録商標)58、BRIJ(登録商標)72及びBRIJ(登録商標)78);ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、例えば、CREMOPHOR(登録商標)界面活性剤で市販されているもの(例えば、CREMOPHOR(登録商標)EL、CREMOPHOR(登録商標)ELP及びCREMOPHOR(登録商標)RH40);ソルビタン脂肪酸エステル、例えば商標名SPAN(登録商標)で市販されているもの(例えば、SPAN(登録商標)20、SPAN(登録商標)40、SPAN(登録商標)60、SPAN(登録商標)65、SPAN(登録商標)80及びSPAN(登録商標)85);PEG-8グリセリルカプリレート/カプレートのようなPEGグリセリル脂肪酸エステル(LABRASOL(登録商標)として商業的に知られている。);ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、例えば、PLURONIC(登録商標)又はPOLOXAMER(登録商標)として市販されているもの;ジエチレングリコール-モノエチルエーテル(DGME)、TRANSCUTOL(登録商標)として商業的に知られている;ポリオキシエチレン15ヒドロキシステアレート(Macrogol 15ヒドロキシステアレート、Solutol HS15(登録商標));ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(NONOXYNOL(登録商標));PEG-4グリセリルカプリレート/カプレート(Labrafac Hydro WL 1219);PEG-32ラウリン酸グリセリル(Gelucire 44/14);PEG-6モノオレイン酸グリセリル(Labrafil(登録商標)M 1944 CS);PEG-6リノール酸グリセリル(Labrafil(登録商標)M 2125 CS);モノグリセリド及びアセチル化モノグリセリド、例えば、グリセロールモノジココエート(IMWITOR(登録商標)928)及びモノカプリル酸グリセロール(IMWITOR(登録商標)308);モノ及びジアセチル化モノグリセリド;α-トコフェロール;α-トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE TPGS);α-パルミチン酸トコフェロール及びα-酢酸トコフェロール;プロピレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、例えばラウリン酸プロピレングリコール;プロピレングリコールカプリレート/カプレート;グリセロールトリアセテート;糖エステル、レシチン及びそれらの任意の2つ以上の組合せを含む。一部の実施形態において、2種以上の界面活性剤の組合せは、開示されているナノエマルジョンに含まれる。
【0089】
開示されているナノエマルジョンの界面活性剤の量は様々であり得る。一部の実施形態において、界面活性剤の量は、約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、約6重量%以上、約7重量%以上、約8重量%以上又は約9重量%以上である。一部の実施形態において、界面活性剤の量は、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約14重量%以下、約13重量%以下、約12重量%以下、約11重量%以下又は約10重量%以下である。ある特定の非限定的な範囲は、例えば、約2重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%又は約5重量%~約15重量%を含む。一部の実施形態において、界面活性剤の量は、本明細書に概説されている特性を呈する好適なナノエマルジョンを得るために変化させる。
【0090】
水
本明細書に記載されている場合、開示されているナノエマルジョンは水を含み、一般に、その連続相において水を含む。水は、例えば、精製水若しくは超純水、生理食塩水、緩衝生理食塩水、又は緩衝水相として存在し得る。一部の実施形態において、水は、重量により支配的な成分である(すなわち、水は、他の個別の成分のいずれかより大量においてより高い。)。しかし、水の総含有量は、ナノエマルジョンの約50重量%未満であり得る。
【0091】
ナノエマルジョンの水含有量(water content)は、所望の特性によって様々であり得る。一部の実施形態において、水含有量は、ナノエマルジョンの総重量に基づいて約10重量%~約90重量%である。一部の実施形態において、水含有量は、ナノエマルジョンの総重量に基づいて約15重量%~約60重量%、例えば約20重量%~約50重量%、約25重量%~約50重量%又は約30重量%~約50重量%の量である。
【0092】
一部の実施形態において、短鎖の一価、二価及び多価アルコール(例えば、エタノール、ベンジルアルコール、グリセロール、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、約200~約10,000の平均分子量でのポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びそれらの組合せ。)を含む、1種以上の親水性の水溶性成分は、水に添加され得る。一部の実施形態において、本明細書に提供されるナノエマルジョンが、モノアルコール(例えば、エタノール)を含み得るが、ナノエマルジョンは、一部の実施形態において、モノアルコール(例えば、エタノール)を実質的に含まずに又はモノアルコール(例えば、エタノール)を含まずに、配合することができる。「モノアルコールを実質的に含まない」とは、モノアルコール(例えば、エタノール)がナノエマルジョンに意図して添加されていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、0.001重量%未満のモノアルコール又は0.0001重量%未満若しくはさらに0重量%のモノアルコールを有すると特徴付けることができる。
【0093】
追加の任意選択的な成分
本明細書に上で参照されている成分(すなわち、有効成分、界面活性剤、油成分及び水)に追加的に、本明細書に提供されるナノエマルジョンは、任意の数の追加の任意選択的な成分を含むことができる。このような追加の任意選択的な成分は、限定されないが、湿潤剤、抗酸化剤、甘味料、味覚改質化剤、風味剤、着色剤、塩及びそれらの組合せを含む。
【0094】
湿潤剤は、例えば、経口製品の全水分活性を低減し、ゆえに、(例えばナノエマルジョンの中の微生物の成長の防止を助けることにより)製品の安定性及び保存可能期間をさらに改善するために添加することができる。湿潤剤の例は、限定されないが、ポリオール(例えば、グリセリン、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール及びそれらの混合物)を含む。特に有利なポリオールは、水に混和するものである。一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、グリセリン、プロピレングリコール及びそれらの混合物からなる群から選択される湿潤剤を含む。有利に、一部の実施形態において、湿潤剤(例えば、グリセリン)はまた、開示されているナノエマルジョンの中で保存剤として機能することができ、微生物安定性をナノエマルジョンに付与する。湿潤剤(例えばグリセリン及び/又はプロピレングリコール)は、ナノエマルジョンの0重量%~約50重量%、例えばナノエマルジョンの約1重量%~約40重量%、例えば約10重量%~約40重量%、経口製品の約20重量%~約40重量%又はナノエマルジョンの約20重量%~約30重量%の量で存在し得る。
【0095】
抗酸化剤は、一部の実施形態において、開示されているナノエマルジョンの中の有効成分(例えば、カンナビノイド又はカンナビノイド類似体)を安定化するのに特に有用である。本明細書で使用した場合、用語「抗酸化剤」とは、フリーラジカル反応を停止させることにより酸化を防止又は抑制し、一部の種類の細胞損傷を遅延又は防止することができる物質を指す。抗酸化剤は、天然に存在し得る又は合成であり得、親油性又は非親油性であり得る。天然に存在する抗酸化剤は、食品及びボタニカル材料で見出された物を含む。抗酸化剤の非限定例は、ある特定のボタニカル材料、ビタミン、ポリフェノール及びフェノール誘導体を含む。
【0096】
抗酸化の特質を伴うボタニカル材料の例は、限定されないが、アサイーベリー、アルファルファ、オールスパイス、アナトー種子、杏仁油、バジル、セイヨウヤマハッカ、ヤグルマハッカ、黒コショウ、ブルーベリー、ルリジサ種子油、キランソウ、カカオ、ショウブの根、チクマハッカ、カツアバ、カイエンペッパー、チャーガ茸、チャービル、シナモン、ダークチョコレート、ジャガイモ皮、ブドウ種子、ニンジン、ギンコ・ビローバ、セントジョーンズワート、ノコギリヤシ、緑茶、紅茶、ブラックコホシュ、カイエンヌ、カモミール、クローブ、カカオパウダー、クランベリー、タンポポ、グレープフルーツ、ハニーブッシュ、エキナセア、ニンニク、マツヨイグサ、ナツシロギク、ショウガ、ゴールデンシール、サンザシ、ハイビスカスの花、アマチャヅル、カバ、ラベンダー、カンゾウ、マヨラナ、オオアザミ、ミント(ハッカ)、ウーロン茶、ビートの根、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、メグサハッカ、ペパーミント、ムラサキツメクサ、ルイボス(レッド又はグリーン)、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、クラリセージ、セイバリー、スペアミント、スピルリナ、アカニレ樹皮、ソルガムの高タンニンのブラン、ソルガムの高タンニンの穀類、ウルシノキのブラン、ヒレハリソウの葉及び根、クコの実、ゴツコラ、タイム、ターメリック、クマコケモモ、バレリアン、野生ヤマノイモの根、トウリョクジュ、ヤーコンの根、イエロードック、イエルバマテ、イエルバサンタ、バコパ・モンニエラ(bacopa monniera)、ウィタニア・ソムニフェラ(withania somnifera)、ヤマブシタケ及びシリュブム・マリアヌム(silybum marianum)を含む。このようなボタニカル材料は、新鮮な形態若しくは乾燥形態、エッセンシャルオイルで提供され得る又は抽出物の形態であり得る。ボタニカル材料(並びにその抽出物)は、多くの場合、抗酸化効果をもたらすとして知られている様々なクラス由来の化合物、例えば、鉱物、ビタミン、イソフラボン、フィトステロール、硫化アリル、ジチオールチオン、イソチオシアネート、インドール、リグナン、フラボノイド、ポリフェノール及びカロテノイドを含む。ボタニカルの抽出物又は油で見出された化合物の例は、アスコルビン酸、ラッカセイの内果皮、レスベラトロール、スルホラファン、ベータ-カロテン、リコピン、ルテイン、補酵素Q、カルニチン、ケルセチン、ケンペロールなどを含む。例えば、Santhosh等.、Phytomedicine、12(2005)、216~220頁を参照されたい。この文献は、参照により本明細書に組み込む。
【0097】
他の好適な抗酸化剤の非限定例は、クエン酸、ビタミンE又はその誘導体、トコフェロール、エピカテコール、エピガロカテコール、エピガロカテコールガレート、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、アスコルビルエステル(例えば、パルミチン酸アスコルビル又はステアリン酸アスコルビル)、アスコルビン酸ナトリウム、4-ヘキシルレゾルシノール、テアフラビン、テアフラビンモノガレートA若しくはB、テアフラビンジガレート、フェノール酸、グリコシド、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ヒペロシド、ポリフェノール、カテコール、レスベラトロール、オレウロペイン、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、及びそれらの組合せを含む。
【0098】
存在する場合、抗酸化剤は、典型的に、ナノエマルジョンの総重量に基づいて約0.001%w/w~約10重量%の濃度であり、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%w/w、約0.05%、約0.1%又は約0.5%~約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%又は約10%の濃度である。
【0099】
甘味料は、天然若しくは人工的な形態で又は人工及び天然甘味料の組合せとして、開示されているナノエマルジョンに任意選択的に組み込むことができる。天然甘味料の例は、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、デキストロース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、ステビア、ハチミツなどを含む。人工の甘味料の例は、スクラロース、イソマルツロース、マルトデキストリン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテームなどを含む。一部の実施形態において、甘味料は1種以上の糖アルコールを含む。糖アルコールは、部分的又は完全に水素化された形態を有する単糖類又は二糖類に由来するポリオールである。糖アルコールは、例えば、約4~約20個の炭素原子を有し、エリトリトール、アラビトール、リビトール、イソマルト、マルチトール、ズルシトール、イジトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール及びその組合せ(例えば、水素化されたデンプン加水分解物)を含む。一部の実施形態において、ステビアは、開示されているナノエマルジョンの中の甘味料として特に好ましい。理論に限定されることを意図しないが、ステビアが、その親油性構造により、可溶化する/分散相(有効成分と共に)内に存在する可能性がより高く、そのため、とりわけ苦い有効成分で、特に有益な甘味特性を改善することができると考えられている。存在する場合、甘味料又は甘味料の組合せは、ナノエマルジョンの約0.1重量%~約5重量%、例えば、ナノエマルジョンの約0.1重量%~約2重量%又はナノエマルジョンの約0.1重量%~約1重量%を構成し得る。
【0100】
味覚改質化剤(「味覚改質剤」とも呼ばれる。)は、任意選択的に含まれて、例えばナノエマルジョンの1種以上の成分の苦味を隠すことができる。例えば、一部の実施形態において、味覚改質剤の包含は、ナノエマルジョンのカンナビノイド又はカンナビノイド類似体の苦味を隠すのに有用であり得る。味覚改質化剤は、本明細書に開示されているナノエマルジョンの官能特性を改善することができ、例えば本明細書に記載されているナノエマルジョンの風味を隠す、改変する、遮断する又は改善するために機能することができる。このような味覚改質剤の非限定例は、鎮痛又は麻酔ハーブ、スパイス及び知覚された清涼感(例えばメントール、ユーカリ、ミント)、温感(例えばシナモン)又は痛み(例えばカプサイシン)の感覚を生じさせる香料を含む。ある特定の味覚改質剤は、2個以上の重複する分類に入っている。
【0101】
一部の実施形態において、味覚改質剤は、苦味、甘味、塩味又は酸味の味覚の1つ以上を改質する。一部の実施形態において、味覚改質剤は疼痛受容体を標的とする。一部の実施形態において、カンナビノイドは、苦味を有し、経口製品は苦味の認識を隠す又は遮断する味覚改質剤を含む。一部の実施形態において、味覚改質剤は、例えば別の成分(例えばカンナビノイド又はカンナビノイド類似体)の苦味を隠す、使用者の口腔内の疼痛受容体(例えばバニロイド受容体)を標的とする物質である。一部の実施形態において、味覚改質剤はカプサイシンである。一部の実施形態において、味覚改質剤は、アミノ酸に関して本明細書に上で参照されているアミノ酸、ガンマアミノ酪酸(GABA)である。マウスにおける研究は、GABAがシナプス抑制に加えて味蕾の機能で機能することができることを示唆する。例えば、Dvoryanchikov等、J Neurosci.2011年4月13日;31(15):5782~91頁を参照願う。理論に束縛されることを望まないが、GABAは、ある特定の味覚、例えば苦味の認識を抑制することができる。一部の実施形態において、味覚改質剤はアデノシン一リン酸(AMP)である。AMPは、苦い食品香料を遮断する、又は甘さを向上させることができる天然に存在するヌクレオチド物質である。苦い香料を直接改変しないが、関連する受容体を遮断することにより「苦味」のヒトの認識を改変することはできる。一部の実施形態において、味覚改質剤はラクチゾールである。ラクチゾールは甘い味覚の受容体のアンタゴニストである。一時的に遮断する甘さの受容体は、例えば風味のある特色を目立たせることができる。ある特定のカンナビノイド(例えば、CBD)に伴う苦味の認識に影響を及ぼす1種の特に有用な味覚改質剤は、グリチルリジン酸塩、例えば、グリチルリチン酸モノアンモニウム(MAG)であり、例えば商標名MAGNASWEET(登録商標)で販売されている。一部の実施形態において、MAGは、ナノエマルジョンに組み込まれる、ある特定の甘味料、例えば、ステビアに伴う後味をさらに改善することができる。好適なMAG製品は、限定されないが、Magnasweet CM2及びMagnasweet CM1、並びにMagnasweet MM100、MM100F、MM110、MM110F、MM-100NF、MM100-EP、MM200F及びMM210Fを含み、選択は、ナノエマルジョンの中で改質される風味に少なくとも部分的に依存し得る。
【0102】
存在する場合、味覚改質剤の代表的な量は、約0.01重量%以上、約0.05重量%以上又は約0.1重量%以上であるが、典型的に、ナノエマルジョンの総重量の約5重量%未満(例えば、ナノエマルジョンの総重量の約0.01重量%~約2重量%、約0.05重量%~約1重量%又は約0.1重量%~約0.5重量%)を構成する。
【0103】
任意選択的に、風味剤は、開示されているナノエマルジョンに含まれ得る。風味剤は、「香料材料」、「香料」、「香味料」又は「着香剤」とも呼ぶことができる。広範囲の風味剤が知られている。風味剤は、ナノエマルジョンに伴う感覚的な特質を改変することが可能である任意の風味のある又は香気のある物質である。風味剤により改質され得る感覚的な特質の例は、味覚、食感、しっとり感、清涼感/温感及び/又は芳香性/香気を含む。
【0104】
風味剤は、天然又は合成であり得、これらの風味の特徴は、限定されないが、爽やか、甘い、ハーブ、菓子、フローラル、フルーティ、スパイス、スパイシーとして記載され得る。このような着香剤は、一部の実施形態において、濃縮物又は香料の包装体として利用することができる。風味剤の一部の例は、限定されないが、バニラ、バニリン、エチルバニリン、クリーム、チャ、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、サクランボ、イチゴ、モモ並びにライム、レモン及びオレンジを含む柑橘類香料)、カエデ、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、トウリョクジュ、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、ショウガ、ハチミツ、アニス、セージ、ローズマリー、ハイビスカス、ローズヒップ、イエルバマテ、グアユサ、ハニーブッシュ、ルイボス、イエルバサンタ、バコパ・モンニエラ、ギンコ・ビローバ、ウィタニア・ソムニフェラ(withania somnifera)、シナモン、ユーカリ、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、コーヒー、ココア/チョコレート、カンゾウ並びにシガレット、シガー及びパイプタバコの香味料に伝統的に使用される種類及び特徴の香味料及び香料の包装体を含む。好適であり得る植物由来の組成物の一部の例は、Dube等の米国特許第9,107,453号明細書及び米国特許出願公開第2012/0152265号明細書の両方に開示され、これらの文献の開示は、その全体を参照により本明細書に組み込む。このような香味料成分の選択は、ナノエマルジョンに望ましい感覚的な特質、それらの溶解性及び他の生理化学特性などの因子に基づいて変更可能である。本開示は、タバコ及びタバコ関連製品又はタバコ由来の製品の当業者には容易に明らかになる任意のこのようなさらなる成分を包含することを意図している。例えば、Gutcho、Tobacco Flavoring Substances Substances and Methods、Noyes Data Corp.(1972)及びLeffingwell等、Tobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。これらの文献の開示は、その全体を参照により本明細書に組み込む。風味剤への参照が、上述されている任意の単一の風味剤に限定されるべきではなく、実際に1種以上の風味剤の組合せを表し得ることは留意しなければならない。追加の風味剤、着香剤、添加剤及び他の可能な向上させる構成要素は、Phillips等の米国特許出願公開第2019/0082735号明細書に記載され、この文献は、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0105】
一部の実施形態において、風味剤は植物抽出物である。開示されている方法及び材料のある特定の実施形態における使用のために選択される抽出物は、タバコ属(Nicotiana)の種の植物に由来するタバコ抽出物又は類似する香料などの様々な使用可能な形態における抽出物を生成する様々な技術を使用する、様々な種に由来することができる。本明細書で使用した場合、用語「タバコ抽出物」とは、タバコ抽出加工条件及び技術を使用するタバコから分離される、タバコから取り出す、又はタバコに由来する成分を意味する。タバコ又は他のボタニカルの精製抽出物は、具体的に使用することができる。典型的に、タバコ抽出物は、溶媒、例えば水性の天然溶媒(例えば、水)又は有機溶媒(例えば、アルコール、例えばエタノール又はアルカン、例えばヘキサン)を有する溶媒を使用して得られる。そのため、抽出タバコ成分は、タバコから取り出し、非抽出タバコ成分から分離され、溶媒内に存在する抽出タバコ成分のために、(i)溶媒は、抽出タバコ成分から取り出すことができる、又は(ii)抽出タバコ成分及び溶媒の混合物がこのように使用することができる。タバコ抽出物、タバコエッセンス、溶媒、タバコ抽出加工条件及び技術並びにタバコ抽出物の収集及び単離の手順の種類の例は、Schachnerの豪州特許第276,250号明細書;Meriroの米国特許第2,805,669号明細書;Green等の米国特許第3,316,919号明細書;Tughanの米国特許第3,398,754号明細書;Rookerの米国特許第3,424,171号明細書;Luttichの米国特許第3,476,118号明細書;Osborneの米国特許第4,150,677号明細書;Kiteの米国特許第4,131,117号明細書;Mullerの米国特許第4,506,682号明細書;Roberts等の米国特許第4,986,286号明細書;Faggの米国特許第5,005,593号明細書;Faggの米国特許第5,065,775号明細書;White等の米国特許第5,060,669号明細書;White等の米国特許第5,074,319号明細書;White等の米国特許第5,099,862号明細書;White等の米国特許第5,121,757号明細書;Munoz等の米国特許第5,131,415号明細書;Smith等の米国特許第5,230,354号明細書;Sensabaughの米国特許第5,235,992号明細書;Smithの米国特許第5,243,999号明細書;Raymondの米国特許第5,301,694号明細書;Gonzalez-Parra等の米国特許第5,318,050号明細書;Clapp等の米国特許第5,435,325号明細書;及びBrinkley等の米国特許第5,445,169号明細書に記載されているが、これらの文献は、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0106】
一部の実施形態において、本明細書に提供されるナノエマルジョンに組み込むことができる香料成分は、1種以上のアルコール、アルデヒド、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド、三叉神経センセートを含む。アルデヒドの非限定例は、バニリン、エチルバニリン、p-アニスアルデヒド、ヘキサナール、フルフラール、イソバレルアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンズアルデヒド及びシトロネラールを含む。ケトンの非限定例は、1-ヒドロキシ-2-プロパノン及び2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテノン-1-オンを含む。エステルの非限定例は、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、酢酸イソアミル及び酢酸3-メチルブチルを含む。テルペンの非限定例は、サビネン、リモネン、ガンマ-テルピネン、ベータ-ファルネセン、ネロリドール、ツジョン、ミルセン、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナロール及びユーカリプトールを含む。
【0107】
一部の実施形態において、風味剤は、メントール、スペアミント及び/又はペパーミントを含む。一部の実施形態において、風味剤は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類果実及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。一部の実施形態において、風味剤はオイゲノールを含む。一部の実施形態において、風味剤は、タバコから抽出された香料成分を含む。一部の実施形態において、風味剤は、アサから抽出された香料成分を含む。
【0108】
一部の実施形態において、風味剤はセンセートを含み得るが、これは、香気又は味覚神経に加えて、又はこれらの代わりに第5脳神経(三叉神経)の刺激により通常、化学的に誘発され、知覚される体性感覚的な感覚を達成することを意図し、これらは、加熱、冷却、ひりひり、麻痺の効果を提供する薬剤を含み得る。好適な加熱効果の薬剤は、限定されないが、バニリルエチルエーテルであり得、好適な冷却剤は、限定されないが、ユーコリプトール又はWS-3であり得る。抽出物を含む風味剤は、様々な形態、例えば、液体形態又は実質的な固体(例えば粉末又はペレット型)形態で提供することができる。
【0109】
本開示のナノエマルジョンに存在する風味剤の量は様々であり得る。ナノエマルジョンが1種以上の風味剤を含む場合、このような風味剤の含有量は、一般に、ナノエマルジョンの最大で約10重量%、例えば、最大で約5重量%、最大で約2重量%又は最大で約1重量%である。例えば、風味剤は、最終ナノエマルジョンの約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%又は約0.5重量%~約2重量%、約5重量%、約8重量%又は約10重量%の量で存在し得る。
【0110】
着色剤は、任意選択的に、所望の物理的属性をナノエマルジョンにもたらすのに十分な量で利用することができる。着色剤の例は、様々な染料及び色素、例えばカラメル色素及び二酸化チタンを含む。製品において利用されている着色剤の量は様々であり得るが、存在する場合、典型的に、ナノエマルジョンの総重量に基づいて最大で約3重量%であり、例えば、約0.01重量%、約0.1重量%、約0.5重量%又は約1重量%~約3重量%である。
【0111】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンは、典型的に、製品に所望の感覚的な属性をもたらすのに十分な量で利用されている塩(例えばアルカリ金属塩)を含む。一部の実施形態において、ある特定の塩はまた、電解質として機能し得る又は電解質と相乗効果で作用し得る。例えば、理論に束縛されることを望まないが、クエン酸ナトリウムは、両方のナトリウム(電解質)の源を提供し、他の電解質及び水の吸収の助けとなり得る。好適な塩の非限定例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、粉末食塩、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどを含む。一部の実施形態において、塩は、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム又はそれらの組合せである。一部の実施形態において、塩は塩化ナトリウムである。
【0112】
存在する場合、塩の代表的な量は、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1.0重量%以上又は約1.5重量%以上であるが、典型的に、ナノエマルジョンの総重量の約10%以下又は約7.5%以下若しくは約5%以下(例えば、約0.5~約5重量%)を構成する。具体的な実施形態において、製品は、ナノエマルジョンの総重量に基づいて約1~約3重量%の量で塩化ナトリウムを含む。
【0113】
開示されているナノエマルジョンは、様々な手法で形成することができる。一般に、ナノエマルジョンは、その成分を合わせ、混合/乳化することにより生成することができる。成分は、様々な順序で混合することができ、混合/乳化は、様々な方法で促進することができる。
【0114】
一実施形態において、開示されているナノエマルジョンは、油溶性成分及び水溶性成分を別々に合わせることにより調製される。次いで、界面活性剤及び第2の油(例えばレシチン)を、水性混合物に添加し、次いで、高剪断ミキサーを使用して混合を施す。油溶性成分混合物は、同じ高剪断混合条件下で水性/界面活性剤混合物にゆっくり添加する。次いで、混合物全体はエネルギーに曝されて、(例えば超音波処理を介して。)液滴サイズを小さくする。
【0115】
高エネルギー及び低エネルギーの両方の乳化方法は、ナノエマルジョンの生成に知られている。好適で非限定的な高エネルギー乳化方法は、限定されないが、高エネルギー撹拌、超音波乳化、高圧均質化、顕微溶液化及び膜乳化を含む。好適で非限定的な低エネルギー乳化方法は、限定されないが、転相温度、乳剤転相点及び自然乳化を含む。
【0116】
本明細書に記載されるエマルジョンは、高い安定性を有利に呈する。高い物理的安定性及び保存可能期間は、例えば、経時的なナノエマルジョン内での類似の粒子(液滴/ミセル)サイズの維持により証明され得る。不安定な配合物は、経時的にミセルサイズで成長し、最終的に、経時的に相分離する傾向がある。そのため、高い物理的安定性及び保存可能期間は、例えば、経時的に粒径を比較することにより、並びに/又は物理的な観察(すなわち、いずれかの有意な相分離が、例えば分散相の凝集及び/若しくはクリーミングを介して、ナノエマルジョン内で起こるか否かを決定するように調べること。)により評価することができる。
【0117】
一部の実施形態において、熟成促進研究は、良好な保存可能期間及び高い物理的安定性を示すものとして使用することができる。例えば、一部の実施形態において、本明細書に記載されるナノエマルジョンは、液滴(分散相)サイズでの小さな変化を伴った(例えばASTM D1791-93に記載されるような)熟成促進研究を行うことができる。例えば、一部の実施形態において、開示されているナノエマルジョンは、熟成の後でさえ、約90nm以下又は約100nm以下の液滴のZ平均直径を呈する。
【0118】
一部の実施形態において、ナノエマルジョンの保存可能期間は、少なくとも約6か月、少なくとも約7か月、少なくとも約8か月、少なくとも約9か月、少なくとも約10か月、少なくとも約11か月又は少なくとも約12か月であり得る。本明細書に記載されている場合、「保存可能期間」とは、目に見える微生物の成長が製品で観察されず、ナノエマルジョンの外観及び/又は味覚での劣化(例えば、観察可能なクリーミング/相分離で及び/又はナノエマルジョンの液滴の粒径の著しい成長で示されるような)がない間の期間を指す。
【0119】
チンキ剤
開示されているナノエマルジョンは、有効成分のチンキ剤として直接(すなわち、さらなる修飾をせずに)使用することができる。直接使用する場合、チンキ剤は、様々な量で、1日当たり様々な回数で使用することができる。一部の実施形態において、対象(ヒト又は動物)は、1日当たり2~5mLのチンキ剤を1~5回摂取し得る。最も典型的に、チンキ剤は経口で使用する。一部の実施形態において、チンキ剤は、ドロッパーを備えたボトル内に入れ、対象は、(有効成分が粘膜/頬側を通して吸収されるように)舌若しくは頬などの口にドロッパーを介してチンキ剤を適用する、(有効成分が腸管吸収により/経腸的に摂取されるように)嚥下する、又は(有効成分が粘膜を通して/舌下で吸収されるように)舌の下に適用することができる。一部の実施形態において、対象は、例えば摂取の時点で食品又は飲料にチンキ剤を添加する。
【0120】
他の経口製品
一部の実施形態において、開示されているナノエマルジョンは、他の経口製品として又は他の経口製品内の包含のためにさらに配合することができる。例えば、ナノエマルジョンは、飲用に適したショット剤として又は例えば液体充填カプセル剤内の包含のために配合することができる。
【0121】
ショット剤の形態における経口製品は、例えば、本明細書に上で提供されるナノエマルジョンを希釈することにより提供される。ショット剤は、単回ショット(例えば約25mL~約75mL)として、又は多回ショットとして使用することができるより大きな体積における消費用に提供/包装され得る。典型的に、特定の加工方法は必要とせず、単純な混合が、一部の実施形態において、ショット剤を提供するのに十分である。希釈量は様々であり得、一部の実施形態において、ショット剤の約0.5重量%~約5重量%が、本明細書に上で記載されるナノエマルジョンに含まれる。
【0122】
ショット剤の残部の組成は様々であり得る。一部の実施形態において、残留する成分は、水、並びに1種以上の保存剤、1種以上のpH調整剤/緩衝化剤(例えば、液体内の微生物の成長を阻害するように機能することができる。)及び/又は1種以上の抗酸化剤を含む又はこれらから本質的になる。一部の実施形態において、ショット剤は、上で参照されている1種以上の甘味料(例えば、最大で約2重量%の量で)及び/又は1種以上の香料(例えば、最大で約3重量%の量で)さらに含むことができる。一部の実施形態において、ショット剤は、1種以上のテルペンをさらに含む。一部の実施形態において、このようなショット剤が、非アルコール性と考えられるが、他の実施形態において、モノアルコールの量は、任意選択的に、開示されているショット剤内に含まれ得る(水の一部又は全てと置き換える。)。一部の実施形態において、ショット剤は炭酸化されており、酸素を除去することにより製品の安定性をさらに向上することができる。さらなる風味剤、着色剤、甘味料などは、一部の実施形態において、本明細書に提供されるショット剤内に含まれ得る。
【0123】
使用することができるpH調整剤及び緩衝化剤の例は、限定されないが、金属水酸化物(例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム)並びに他のアルカリ金属緩衝剤、例えば金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム若しくは炭酸ナトリウム)又は金属重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウムなどを含む。好適な緩衝剤の非限定例は、アルカリ金属の酢酸塩、グリシン酸塩、リン酸塩、グリセロリン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、炭素水素塩、ホウ酸塩又はその混合物を含む。ある特定の実施形態において、緩衝化剤は、クエン酸ナトリウム/クエン酸緩衝系を含む。緩衝化剤は、典型的に、ショット剤の重量に基づいて約5重量%未満の量で存在し、例えば、ショット剤の総重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%、例えば、約0.01重量%~約1重量%、約0.01重量%~約0.5重量%又は約0.01重量%~約0.1重量%の量で存在する。
【0124】
保存剤の例は、限定されないが、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、それらの組合せなどを含む。一部の実施形態において、保存剤は、例えば、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジン、グリセリン、メチルパラベン、プロピレングリコール、プロピレンパラベン、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、プロピオン酸ナトリウム又はそれらの組合せを含む。一部の実施形態において、このような保存剤は、ショット剤の水分活性を軽減する助けとなり、ショット剤の安定性及び保存可能期間をさらに改善することができる。特定の実施形態において、開示されているショット剤は、保存剤として安息香酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムを含む。1種の保存剤(又は複数の保存剤)は、典型的に、ショット剤の重量に基づいて約5重量%未満の量で存在し、例えば、ショット剤の総重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%、例えば、約0.01重量%~約1重量%、約0.01重量%~約0.5重量%又は約0.05重量%~約0.5重量%の量で存在する。
【0125】
抗酸化剤の例は、限定されないが、ナノエマルジョンについて上で参照されているものを含む。一部の実施形態において、本明細書に記載されるショット剤は、水溶性抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸ナトリウム)及び油溶性抗酸化剤(例えば、ビタミンE)の両方を含む。1種の抗酸化剤(又は複数の抗酸化剤)は、典型的に、ショット剤の重量に基づいて約5重量%未満の量で存在し、例えば、ショット剤の総重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%、例えば、約0.01重量%~約1重量%、約0.01重量%~約0.5重量%又は約0.05重量%~約0.5重量%の量で存在する。
【0126】
上で参照されているナノエマルジョン/チンキ剤と同様に、本明細書に提供されるショット剤は、一部の実施形態において、少なくとも約6か月、少なくとも約7か月、少なくとも約8か月、少なくとも約9か月、少なくとも約10か月、少なくとも約11か月又は少なくとも約12か月の保存可能期間を呈することができる。
【0127】
本発明の多くの変形例及び他の実施形態は、上記の説明で提示された教示の利点を有する本発明が関係する当業者によって想起される。したがって、本発明が開示されている具体的な実施形態に限定されず、変形例及び他の実施形態が添付されている特許請求の範囲内に含まれていることを意図していることは理解すべきである。具体的な用語が本明細書で利用されているが、これらは一般的で説明する意味でのみ使用され、限定を目的としない。
【実施例】
【0128】
本発明の態様は、以下の実施例によってより完全に説明され、以下の実施例は、本発明のある特定の態様を説明するために記載され、その限定として解釈されるべきではない。
【0129】
[実施例1] ナノエマルジョンの調製
表1に列挙された成分を含むナノエマルジョンを、以下の方法により調製した。油溶性成分を合わせ、水溶性成分を別々に合わせる。次いで、Poly oxyl 40ステアレート及びキャノーラレシチンを、水性混合物に添加し、次いで、高剪断ミキサーを使用して混合を施す。油溶性成分混合物を、同じ高剪断混合条件下で水性/界面活性剤混合物にゆっくり添加し、直径約200nmで連続水相内に液滴を形成する。次いで、混合物全体に超音波処理を施して、液滴サイズを小さくし、所望のナノエマルジョンを得る。
【0130】
【0131】
ナノエマルジョンを動的光散乱で評価して、例えば
図1に示される、液体内の平均ミセルサイズ(直径)を決定した。評価では、調製したナノエマルジョンが61.66nmのZ平均粒径を有したことが示され、高い生物学的利用能が示された。
【0132】
次いで、ナノエマルジョンは、所定の期間にわたって(ナノエマルジョンを高温又は重力/遠心分離に曝すことを介して。)熟成促進研究を行い、経時的にミセルサイズをモニタリングした。本研究は、高温での乳剤の物理的安定性を使用して、経時的な室温での乳剤の安定性を予測する。ナノエマルジョンを熟成し、熟成促進研究に対する工業基準であるASTM D1791-93に基づいて試験した。基準では、水中油乳剤が52℃で30日間物理的に安定する場合、室温で1年の安定性を有すると予測されると締めくくられる。
図2に示す通り、ASTM D1791-93を伴う熟成条件に曝した後、調製したナノエマルジョンは、88.1nmのZ平均ミセルサイズを有し、1年の製品保存可能期間に対する物理的安定性及び生物学的利用能を示した。
【0133】
ナノエマルジョンはまた、経時的に物理学的観察によりモニタリングした。上記の表1の配合物は、時間を伴う、例えば少なくとも3か月の期間にわたって相分離しない。対照的に、(粗製、未精製)キャノーラレシチンの代わりにヒマワリレシチン粉末、ダイズレシチン粉末又は精製ホスファチジルコリンで調製したナノエマルジョンは、経時的に相分離を示し始めた。(ナノエマルジョンを含有するバイアルの上部でのナノエマルジョンのクリーミングにより示された。)。
【0134】
[実施例2] ショット剤の調製
表2に列挙された成分を含むショット剤を、単純な混合により調製した。ナノエマルジョンは、混合することにより容易に水になり、追加の成分(すなわち、保存剤及びpHを改変する緩衝系)を添加した。一部の実施形態において、1種以上の抗酸化剤(例えば、油相に可溶であるビタミンE及び水相に可溶であるアスコルビン酸ナトリウム)もまた添加する。
【0135】
【0136】
ショット剤を、上記のナノエマルジョンのように評価し、ナノエマルジョンと同じミセルサイズを有することが見出された。
【0137】
ショット剤の第1のサンプルは、70℃で2週間、熟成促進実験を行った。ショット剤の混濁度測定は、2週間にわたって濁度計を使用して行い、210±20NTUの平均混濁度を示した。混濁度は、時間を伴うミセルサイズの指標であり、一貫した混濁度(本試験で示されるような)は、ミセルの物理的安定性を示す。
【0138】
ショット剤の第2のサンプルは、ASTM D1791-93の熟成条件に曝した(52℃で30日間)。調製したショット剤は、熟成後に62nmのZ平均ミセルサイズを有し、
図3に示される、1年の製品保存可能期間に対する物理的安定性及び生物学的利用能を示した。USP 51微生物負荷試験を使用して、ショット配合物の保存剤が微生物汚染からの保護に対して十分頑強であったか否かを決定した。ショット剤の処方は、クエン酸ナトリウム/クエン酸緩衝系において保存剤である安息香酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムを使用して、微生物の成長を阻害する。USP 51微生物負荷は、0日目にCBDショット剤内に微生物であるシュードモナス・エルギノーザ(pseudomonas aeruginosa)、E.コリ(E.Coli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、カンジダ・アルビカンス(candida albicans)及びアスペルギルス・ブラシリエンシス(aspergillus brasiliensis)を接種する。28日の期間にわたって、ショット剤の微生物数を測定する。結果は以下の表3に示し、保存剤が、ショット剤内の微生物を死滅し、成長を阻害するのに極めて成功したことを示す。
【0139】
【0140】
ここで、本発明の一部の例示的な実施形態について説明しているが、前述したことは単なる例示であり限定ではなく、例としてのみ提示されていることは、当業者には明らかなはずである。多くの変更及び他の実施形態は、当該技術分野における通常の知識の1つの範囲内にあり、本発明の範囲内に含まれると企図されている。特に、本明細書に提示される例の多くが、方法の工程又は系の要素の具体的な組合せを含むが、同じ目的を達成するための他の方法で、これらの工程及びこれらの要素を合わせることができることは理解されるべきである。
【0141】
さらに、当業者は、本明細書に記載されるパラメータ及び構成が例のみであり、実際のパラメータ及び/又は構成が、本発明の系及び技術を使用する具体的な用途に依存することは理解すべきである。当業者はまた、通常の実験を使用して、本発明の具体的な実施形態に対する等価物を認識する、又は確認することができるべきである。したがって、本明細書に記載される実施形態が、例としてのみ提示され、任意の添付されている特許請求の範囲及びそれらに対する等価物の範囲内で、本発明が、具体的に記載した以外に実施することができると理解すべきである。
【0142】
本明細書で使用される表現及び専門用語は、説明を目的とし、限定とみなすべきではない。本明細書で使用した場合、用語「複数」とは、2種以上の項目又は成分を指す。用語「含むこと(comprising)」、「含むこと(including)」、「担持すること」、「有すること」、「含有すること」及び「含むこと(involving)」は、書面又は特許請求の範囲などに関わらず、制限がない用語である、すなわち、「含むが、限定されないこと」を意味する。ゆえに、このような用語の使用は、以下に列挙される項目及びその等価物並びに追加の項目を包含することを意味する。移行句「からなる」及び「から本質的になる」のみが、いずれの請求項に対しても、それぞれ限定的又は半限定的な移行句である。請求項の要素を修飾する請求項の「第1」、「第2」、「第3」などの序数の用語の使用は、それら自体、別の請求項の要素よりも1つの請求項の要素のいかなる優先度、優位性若しくは順序、又は方法の行為が実施される時間的順序を意味しないが、請求項の要素を区別するために、ある特定の名称を有する1つの請求項の要素を、同じ名称(序数の用語の使用を除いて。)を有する別の要素から区別するための標識としてのみ使用される。
【国際調査報告】