(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】外科用器具の事前洗浄装置
(51)【国際特許分類】
A61B 90/70 20160101AFI20240725BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A61B90/70
B08B3/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503660
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 GB2022051861
(87)【国際公開番号】W WO2023002169
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524023859
【氏名又は名称】タイニー エアー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】ハーワット,ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ラルストン,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ヘルソン,クリストファー
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB07
3B201BB24
3B201BB92
(57)【要約】
本発明は、物品を洗浄するための装置(100、200、300)を提供する。装置は、洗浄される物品を支持するための有孔部材(103、203、303)と、有孔部材の上方に設けられ、下方に向けられており、有孔部材によって支持されたときに物品に衝突する少なくとも1つの第1の流体ジェット(104a、104b、204a、204b、304)を生成するための、少なくとも1つの上部ノズル(101a、101b、201a、201b、301)と、有孔部材の下に設けられ、上方に向けられており、有孔部材によって支持されたときに物品に衝突する少なくとも1つの第2の流体ジェット(106、206a、206b、306)を生成するための、少なくとも1つの下部ノズル(102、202a、202b、302)と、を備える。装置は、少なくとも1つの第1のジェット及び少なくとも1つの第2のジェットが生成されるときに、少なくとも1つの第1のジェットから洗浄される物品に作用する第1のジェット力の垂直成分が、少なくとも1つの第2のジェットから洗浄される物品に作用する第2のジェット力の垂直成分よりも大きくなるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を洗浄するための装置であって、前記装置は、
洗浄される物品を支持するための表面を画定する有孔部材と、
前記有孔部材の上方に設けられ、下方に向けられており、前記有孔部材によって支持されたときに前記物品に衝突する少なくとも1つの第1の流体ジェットを生成するための、少なくとも1つの上部ノズルと、
前記有孔部材の下に設けられ、上方に向けられており、前記有孔部材によって支持されたときに前記物品に衝突する少なくとも1つの第2の流体ジェットを生成するための、少なくとも1つの下部ノズルと、を備え、
前記装置は、前記少なくとも1つの第1のジェット及び前記少なくとも1つの第2のジェットが生成されるときに、前記少なくとも1つの第1のジェットから前記洗浄される物品に作用する第1のジェット力の垂直成分が、前記少なくとも1つの第2のジェットから前記洗浄される物品に作用する第2のジェット力の垂直成分よりも大きくなるように構成されており、
各ノズルは、発散流体ジェットを生成するように構成されており、
前記上部ノズルの総数は、前記下部ノズルの総数と等しく、
前記少なくとも1つの上部ノズルは、複数の上部ノズルであり、前記複数の上部ノズルのうちの第1の上部ノズルは、前記複数の上部ノズルのうちの第2の上部ノズルが配置される第2の関連ジェットの第2の組み合わされた合成方向に少なくとも部分的に向かって、第1の組み合わされた合成方向に第1の関連ジェットを向けるように配置されており、
最外上部ノズルの各々は、前記最外上部ノズルの各々の外側ジェット壁の方向の水平成分が、前記最外上部ノズルの各々の内側ジェット壁の方向の水平成分未満であるように構成されている、装置。
【請求項2】
前記発散流体ジェットは扇形である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各扇形流体ジェットのそれぞれの平面は、前記装置の長手方向軸に垂直である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記上部ノズルの総数は、前記下部ノズルの総数と等しい、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
各上部ノズルは、各第1のジェットが前記それぞれの下部ノズルからのそれぞれの第2のジェットと交差するように、前記それぞれの下部ノズルに対して配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記有孔部材と前記複数の上部ノズルとの間の最短距離は、前記有孔部材と前記複数の下部ノズルとの間の最短距離よりも短い、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の上部ノズル及び前記複数の下部ノズルは第1のノズルバンクに設けられ、前記装置は複数のノズルバンクを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、前記有孔部材が前記ノズルに対して、前記装置の前記長手方向軸又は長手方向軸に平行な方向に移動可能であるように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記有孔部材は、前記長手方向軸に沿って双方向に移動可能である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記有孔部材を支持し、前記有孔部材の移動を容易にするための1つ又は複数のローラを更に備える、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の上部ノズル及び前記複数の下部ノズルの選択的な作動を制御するノズルコントローラを更に備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記複数の上部ノズル及び前記複数の下部ノズルのうちの1つ以上と流体連通する可変ポンプと、
前記可変ポンプの出力を制御するポンプコントローラと、を更に備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の装置を使用して物品を洗浄する方法であって、前記方法は、
前記有孔部材の前記表面によって緩く支持されるように、前記有孔部材上に前記洗浄される物品を提供するステップと、
複数の上部ノズルによって生成された複数の下方に突出する第1の流体ジェットと、複数の下部ノズルによって生成された複数の上方に突出する第2の流体ジェットとを前記緩い物品に衝突させ、それによって前記物品からデブリを除去させるステップと、を含み、
前記複数の第1のジェットから前記物品に作用する第1の合成ジェット力の垂直成分は、前記複数の第2のジェットから前記物品に作用する第2の合成ジェット力の垂直成分よりも大きい、方法。
【請求項14】
前記有孔部材を前記装置の長手方向軸に平行な方向に双方向に移動させ、それによって前記物品を前記複数の第1のジェット及び前記複数の第2のジェットに対して移動させるステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記物品はヒンジ式外科用器具であり、前記方法は、前記ヒンジ式外科用器具のヒンジ継手を露出させるために前記ヒンジが開かれた状態で、前記有孔部材上に前記ヒンジ式外科用器具を提供するステップを含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記ヒンジ式外科用器具は、外科用はさみ又は外科用鉗子である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記流体は洗浄流体である、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置又は方法。
【請求項18】
前記装置は、500×10
3Paより大きい圧力で前記上部ノズル及び前記下部ノズルから流体ジェットを生成するように構成される、請求項1から17のいずれか一項に記載の装置又は方法。
【請求項19】
前記最外上部ノズルの各々は、外側方向における前記最外上部ノズルの各々の前記外側ジェット壁の前記方向の水平成分が、0から内側方向における前記最外上部ノズルの各々の前記内側ジェット壁の前記方向の水平成分未満であるように構成される、請求項1から18のいずれか一項に記載の装置又は方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品を洗浄するための装置及び方法に関し、物品は、典型的には、外科用器具であり得る。
【背景技術】
【0002】
使用中、外科用器具は、血液や骨などの強く付着する物質によって汚れることが多い。このような器具は、その後洗浄を必要とする。
【0003】
現在、外科用器具は、多くの場合、洗浄ブラシを使用して、シンク内で洗剤を用いて事前洗浄される。重い汚染物質が事前に洗浄されると、器具は、ホルダ、典型的にはバスケット内に置かれ、次いで、典型的には約1バールの圧力の水ジェットを使用する洗浄消毒器内に装填されてもよい。
【0004】
バスケット内に緩く置かれた器具を有することは標準的な慣行である。これは、バスケットからの器具の容易な配置及び除去を可能にする。更に、物理的クランプは、汚染を捕捉し、洗浄を妨げる。一方、緩く置かれた器具が、セメント、器具の歯に捕捉された骨、及び血液などの頑強な汚染物質を器具から洗浄するのに十分な力で噴霧される場合、器具は、加えられたジェット力に反応してバスケットから押し出されることによって損傷を受ける可能性がある。
【0005】
これに関連して、本発明が考案された。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様によれば、物品を洗浄するための装置が提供される。装置は、洗浄される物品を支持するための表面を画定する有孔部材と、有孔部材の上方に設けられ、下方に向けられており、有孔部材によって支持されたときに物品に衝突する少なくとも1つの第1の流体ジェットを生成するための、少なくとも1つの上部ノズルと、有孔部材の下に設けられ、上方に向けられており、有孔部材によって支持されたときに物品に衝突する少なくとも1つの第2の流体ジェットを生成するための、少なくとも1つの下部ノズルと、を備える。装置は、少なくとも1つの第1のジェット及び少なくとも1つの第2のジェットが生成されるときに、少なくとも1つの第1のジェットから洗浄される物品に作用する第1のジェット力の垂直成分が、少なくとも1つの第2のジェットから洗浄される物品に作用する第2のジェット力の垂直成分よりも大きくなるように構成されている。
【0007】
したがって、洗浄される物品は、物品に作用して物品を表面に対して保持する第1のジェット力のより大きな垂直成分の結果として、有孔部材の表面に保持され得る。それにもかかわらず、少なくとも1つの第1のジェット及び少なくとも1つの第2のジェットの両方を物品に衝突させることによって、物品を上側及び下側の両方から依然として勢いよく洗浄することができる。その結果、物品を有孔部材に物理的にクランプする必要なく、物品を有孔部材を横切って移動させるか又は有孔部材から離すのに十分な強度を有するジェットを使用して、物品を効果的に洗浄することができる。物品を物理的にクランプ又は拘束することは、追加の時間及び構成要素を必要とし、これは、そのようなデバイスの動作に必要な時間及び訓練を増加させ得ることが理解されるであろう。したがって、クランプを必要としない(又は少量のクランプのみを必要とする)実施例は、使用するのが特に容易であり、物品を迅速に装填及び取り出すことができる。更に、下向きに突出する1つ又は複数のジェットと上向きに突出する1つ又は複数のジェットとの間の衝突(2組のジェットの間に物体が設けられていない場合)は、有孔部材の高さよりも下で発生する。
【0008】
有孔部材は、貫通して画定された穿孔を有する実質的に任意の部材であり、下部ジェットからの流体(例えば、液体)が通過することができることが理解されるであろう。有孔部材はバスケットであってもよい。有孔部材は、コンベヤベルトなどのベルトであってもよい。有孔部材はトレイであってもよい。有孔部材は、実質的に平坦な表面を画定する実質的に平坦な部材であってもよい。有孔部材は、1つ以上の側壁を備えてもよい。したがって、洗浄される物品が有孔部材に保持されることが更に確実になり得る。有孔部材は剛性部材であってもよい。
【0009】
有孔部材の表面の30%超が穿孔によって占有されてもよい。有孔部材の表面の50%超が穿孔によって占有されてもよい。有孔部材の表面積の99%未満が穿孔によって占有されてもよい。穿孔は各々、少なくとも0.5平方ミリメートルの平均断面積を有してもよい。穿孔は各々、少なくとも1平方ミリメートルの平均断面積を有してもよい。穿孔は各々、400平方センチメートル未満の平均断面積を有してもよい。穿孔は各々、100平方センチメートル未満の平均断面積を有してもよい。
【0010】
洗浄は、事前洗浄であってもよいことが理解されるであろう。事前洗浄は、更なる洗浄手順の前に、外科用器具に付着した多量のデトリタス又は解剖学的廃棄物を除去し得る。他の例では、物品は装置で実質的に完全に洗浄されることがあり得る。
【0011】
洗浄のための物品は、器具、例えば、はさみ、クランプ、開創器、鉗子、又は骨やすりなどの外科用器具であってもよい。当業者であれば、装置が洗浄対象の物品のサイズに対応して寸法決めされることを理解するであろう。換言すれば、装置は、長さが2センチメートルを超える物品を洗浄するのに好適であり得る。装置は、長さが5センチメートルを超える物品を洗浄するのに好適であり得る。装置は、長さが10センチメートルを超える物品を洗浄するのに好適であり得る。装置は、長さが2メートルを超える物品を洗浄するのに適していない場合がある。装置は、長さが1メートルを超える物品を洗浄するのに適していない場合がある。
【0012】
装置は、有孔部材上に緩く置かれた外科用器具で動作するように構成されてもよい。言い換えれば、装置は、洗浄される物品を有孔部材の位置に保持するための物理的クランプを含まなくてもよい。洗浄される物品がヒンジ式である場合、物品は、開いた構成で有孔部材において支持されるべきであり得る。
【0013】
いくつかの例では、装置は、洗浄される物品を有孔部材の所定位置に少なくとも部分的に保持するための1つ以上のクランプを備えてもよい。
【0014】
使用後、外科用器具は、血液及び骨などの強く付着する材料で覆われることが多い。本装置は、ディープクリーニング処理の前に、そのような重度の汚染の汚れた外科用器具を事前洗浄するために使用されてもよい。他の例では、装置を使用して、更なる洗浄処理を必要とすることなく、汚れた外科用器具を実質的に完全に洗浄することができる。
【0015】
装置が動作しているとき、ジェットに存在し得る変動は、洗浄されている物品を強く揺り動かす働きをする。物品はまた、ジェットによって受ける力の不平衡成分によって強く揺り動かされてもよい。このようにして、洗浄される物品を有孔部材に対して撹拌することができる。その結果、物品の新鮮な領域がジェットに曝され、それによって洗浄作用が促進される。洗浄される物品が、一対の外科用はさみなどのヒンジ式物品である場合、物品に作用する力の変動による物品の揺れは、ヒンジの移動を引き起こし、ヒンジを開閉することがある。このようにして、物品の追加の表面領域が洗浄ジェットに曝されてもよく、この領域は、さもなければジェットから遮られたままであることがある。
【0016】
少なくとも1つの上部ノズルは、有孔部材よりも高い任意の位置に設けられることによって、有孔部材の上方に設けられ得ることが理解されるであろう。少なくとも1つの上部ノズルは、有孔部材の真上に垂直に設けられる必要はない。
【0017】
同様に、少なくとも1つの下部ノズルは、有孔部材よりも低い任意の位置に設けられることによって、有孔部材の下に設けられ得ることが理解されるであろう。少なくとも1つの下部ノズルは、有孔部材の真下に垂直に設けられる必要はない。
【0018】
好ましい構成では、少なくとも1つの上部ノズル及び少なくとも1つの下部ノズルは、互いに対向して配置される。このようにして、物品のある領域が少なくとも1つの下部ノズルからのジェットによって衝突される場合、物品の同じ領域が、少なくとも1つの上部ノズルからのジェットによって他方の側からも衝突されることも予想される。その結果、少なくとも1つの下部ノズルからのジェットによって洗浄される物品に作用させられる力は、さもなければ有孔部材を横切るか又は有孔部材から離れるような洗浄される物品のバルク移動を引き起こす可能性があるが、少なくとも1つの上部ノズルからのジェットによって洗浄される物品に作用させられる反対の力によって低減され得る又は完全に排除され得ることが期待される。
【0019】
洗浄される又は洗浄されている物品は、有孔部材上に支持されてもよい。有孔部材は、典型的には、メッシュ又は他の透かし構造から形成されてもよい。重要なことに、有孔部材は、下方に突出する1つ又は複数のジェットと上方に突出する1つ又は複数のジェットの両方に物品への直接アクセスを与える開放構造を有し、ジェットが物品に対して特に効果的な洗浄作用を有することを可能にする。
【0020】
洗浄される物品などの物品に衝突する、ノズルが上部ノズルであっても下部ノズルであっても、装置のノズルによって生成されるあらゆるジェットは、物品にジェット力を与えることが理解されよう。各ジェット力は、必然的に、垂直成分、すなわち垂直方向に作用する成分と、水平成分、すなわち水平方向に作用する成分とを有する。
【0021】
装置が作動しているとき、下方に突出する1つ又は複数のジェット及び上方に突出する1つ又は複数のジェットが物品に衝突し、それによって物品から除去されることが望まれる材料を取り除く。ジェットが洗浄される物品などの物品に衝突するとき、それは、ジェットが物品と接触し、それによってジェットの自然な通路が変更されることを意味する。
【0022】
流体は、好ましくは液体であり得る。流体は、水を含んでもよい。流体は、水であってもよい。流体は、洗浄剤を含む洗浄流体であってもよい。
【0023】
上部ノズルによって生成され、下方向に向けられた流体ジェットは、典型的には、洗浄される物品の、その物品を支持する有孔部材から最も離れた側に衝突してもよい。これは、物品の上側又は上面と呼ばれる場合がある。同様に、下部ノズルによって生成され、上方向に向けられた流体ジェットは、典型的には、洗浄される物品の、その物品を支持する有孔部材に最も近いか又は接触している側に衝突する可能性がある。これは、物品の下側又は下面と呼ばれる場合がある。
【0024】
生成される流体ジェットは高圧である。高圧ジェットを使用すると、物品は、ジェットが衝突したときに、物品から表面デブリを除去するのに十分な力を受ける。高圧とは、流体の圧力が大気圧よりも高く、例えば大気圧の少なくとも2倍であることが理解されるであろう。ノズルに供給される流体の圧力は、101325パスカル(101.325×103パスカル)より大きくてもよい。圧力は、200×103パスカルより大きくてもよい。圧力は、0.5×106パスカルより大きくてもよい。圧力は、1×106パスカルより大きくてもよい。圧力は5×106パスカルより大きくてもよい。圧力は、500×106パスカル未満であってもよい。圧力は、300×106パスカル未満であってもよい。圧力は、100×106パスカル未満であってもよい。圧力は、約15×106パスカルであってもよい。
【0025】
各ノズルからの流体の流量は、2リットル/分より大きくてもよい。流量は、4リットル/分より大きくてもよい。流量は、50リットル/分未満であってもよい。流量は、20リットル/分未満であってもよい。
【0026】
各ノズルの出口における流体の速度は、10メートル/秒より大きくてもよい。速度は、50メートルより大きくてもよい。速度は、100メートル/秒より大きくてもよい。速度は、300メートル/秒未満であってもよい。速度は、200メートル/秒未満であってもよい。速度は約140メートル/秒であってもよい。
【0027】
各ノズルは、5ミリメートル未満の出口直径を有してもよい。各ノズルは、2ミリメートル未満の出口直径を有してもよい。各ノズルは、0.25ミリメートルより大きい出口直径を有してもよい。各ノズルは、0.5ミリメートルより大きい出口直径を有してもよい。各ノズルは、20平方ミリメートル未満の出口断面積を有してもよい。各ノズルは、5平方ミリメートル未満の出口断面積を有してもよい。各ノズルは、0.1平方ミリメートルより大きい出口断面積を有してもよい。各ノズルは、0.5平方ミリメートルより大きい出口断面積を有してもよい。
【0028】
少なくとも1つの上部ノズル及び少なくとも1つの下部ノズルは、同一の垂直面を意味する垂直面に位置してもよい。洗浄平面は垂直であってもよい。
【0029】
この装置は、使用時に、洗浄される物品が、少なくとも1つの上向きに突出するジェット及び少なくとも1つの下向きに突出するジェットによって衝突されるように構成される。したがって、本発明は、器具の上面及び下面の両方を同時に洗浄することができる。
【0030】
装置は洗浄容器を含むことができる。装置の洗浄動作は洗浄容器内で行われ、容器は典型的には有孔部材及びノズルを含む。ノズルによって生成された流体ジェットは、流体ジェットが洗浄される物品又は別の流体ジェットなどの物体に遭遇した後であっても、洗浄容器内に留まる。洗浄容器は、その中に流体ジェットを保持するための壁を有することができる。壁はまた、生物学的汚染物質が洗浄される物品から除去された後に、洗浄装置から外部雰囲気へと流出することを防止してもよい。
【0031】
装置の少なくとも1つの上部ノズルは、典型的には、洗浄容器の上部領域に配置される。装置の少なくとも1つの下部ノズルは、典型的には、洗浄容器の下部領域に、すなわち地面などの装置が設けられる表面に向かって配置される。
【0032】
流体ジェットを生成するノズルは、流体ジェットを生成するように構成されたノズルである。
【0033】
使用時に装置によって生成される任意のジェットの形状及び1つ以上の他の特性は、ジェットを生成するために使用されるノズルによって決定されてもよい。
【0034】
ノズルは、発散流体ジェットを生成するノズルであってもよい。すなわち、1つの上部ノズルが発散ジェットを生成してもよい。2つ以上の上部ノズルの各々が発散ジェットを生成してもよく、又は全ての上部ノズルの各々が発散ジェットを生成してもよい。同様に、1つの下部ノズルが発散ジェットを生成してもよいし、2つ以上の下部ノズルの各々が発散ジェットを生成してもよいし、全ての下部ノズルの各々が発散ジェットを生成してもよい。
【0035】
各ノズルは、発散流体ジェットを生成するように構成することができる。発散流体ジェットの断面積は、ジェットがノズルからより遠くなるにつれて増加することが理解されるであろう。このようにして、流体は、洗浄される物品の増大した領域に衝突するように広がることができる。
【0036】
いくつかの例では、少なくとも1つの流体ジェット又は各ジェットが、(例えば、それぞれの)二次元平面内に本質的に拘束されることがあり得る。このような二次元平面内に本質的に拘束されることによって、ジェットは、扇形を有するが、厚さが小さい。ジェットの断面占有面積は、矩形に近似してもよく、又は実質的に線に近似してもよい。ジェットが関連するノズルからより遠くなるにつれて、ジェットの長方形の断面積(又は線の長さ)は、主に、その対向する辺のうちの2つの辺の各々の長さの増加によって増加し、残りの2つの対向する辺の長さ(小さい厚さに対応する)は、大部分が一定のままである。このようにして、扇形ジェットが生成される。二次元平面は、有孔部材の横方向に実質的に平行に、かつ有孔部材の表面に垂直に画定されてもよい。更に、装置の長手方向は、典型的には二次元平面に垂直である。このようにして、有孔部材がノズルに対して長手方向に移動するとき、ジェットは、有孔部材上の洗浄される物品に対してわずかな又は0の合成長手方向力しか生成せず、これは、洗浄される物品が装置の動作中に有孔部材上の元の位置に留まることを意味する。さもなければ、有孔部材の長手方向に実質的な成分を有するジェットからの合力の結果として、有孔部材がノズルに対して移動する際に、洗浄される物品が有孔部材上を長手方向に移動する可能性がある。それにもかかわらず、他の向きも可能であることが理解されるであろう。
【0037】
装置の長手方向は、有孔部材の長さに対応する方向、及び/又は有孔部材がノズルに対して移動可能であり得る方向であることが理解されるであろう。典型的には、長手方向は有孔部材の表面に平行である。したがって、装置の横方向は、長手方向に対して垂直であり、さもなければ、有孔部材及び/又は装置の幅に対応する方向と見なされるべきである。横方向は、典型的には有孔部材の表面に平行である。
【0038】
発散ジェットでは、ジェット境界から離れたジェットの中心領域は、流体の一部を含んでもよく、又はジェットが環状噴霧パターンを画定する流体を実質的に含まなくてもよいことが理解されよう。
【0039】
発散ジェットは、典型的には、ジェットの角度範囲の間に40°の角度を定めることができる。この角度はまた、10°、15°、20°、25°、30°、35°、又は45°であってもよく、あるいは実際には任意の中間角度、10°未満の任意の角度、又は45°を超える任意の角度であってもよい。扇形ジェットの場合、その角度は典型的には40°であり得る。扇形ジェットによって定められる角度はまた、10°、15°、20°、25°、30°、35°、又は45°であってもよく、あるいは実際には、任意の中間角度、10°未満の任意の角度、又は45°を超える任意の角度であってもよい。発散ジェットは、70°未満の角度を定めることができる。発散ジェットは、10°より大きい角度の範囲を定めることができる。
【0040】
複数の扇形ジェットを提供する複数のノズルがある場合、扇形ジェットのいずれかが生成される平面は、他の扇形ジェットの各々のそれぞれの平面に平行であってもよい。典型的には、複数の扇形ジェットが同一平面内に生成される。
【0041】
使用時に装置によって生成される任意のジェットの形態が、ジェットを生成するために使用されるノズル手段によって決定され得ることは、当業者には明らかである。噴霧パターンとして扇形の流体ジェットを生成するノズルが知られている。このようなノズルは、フラットファンノズルとして知られていてもよい。フラットファンノズルが使用される場合、ジェットは、約6mmなどの10mm未満、又は更にはそれ未満の厚さを有することができる。扇形の平面に垂直な方向における扇形ジェットの発散は、3度未満など、5度未満であってもよい。したがって、扇形のジェットは、ファンの平面に垂直な方向に完全に非発散である必要はない。
【0042】
他の例では、ノズルのうちの1つ以上は各々、非発散流体ジェットを生成するように構成されてもよい。したがって、ジェットの断面サイズは、ノズルから進むにつれて実質的に一定である。実際に、ノズルは、ジェットの断面サイズがノズルから焦点に向かって進むにつれて減少するように、収束する流体ジェットを生成するように構成されてもよい。
【0043】
ノズルは、それと関連付けられた中心軸を有してもよく、それによって、中心軸は、ノズルによって生成される流体ジェットの中心軸として定義されてもよい。中心軸は、流体ジェットを構成する流体の全ての部分の速度ベクトルが組み合わされた場合に、流体ジェットが向けられると考えられる合成方向であると考えられてもよい。
【0044】
装置の少なくとも1つの上部ノズルは、複数の上部ノズルであってもよく、複数の上部ノズルのうちの第1の上部ノズルの中心軸は、複数の上部ノズルのうちの第2の上部ノズルの中心軸に向かって少なくとも部分的に方向付けられてもよい。好ましい構成では、2つの上部ノズルが存在してもよく、これらの2つの上部ノズルの各々の中心軸は、他方の上部ノズルの中心軸の方に方向付けられてもよい。これは、各中心軸が同じ角度だけ他方の中心軸に向かって方向付けられるように、対称様式であってもよい。複数の上部ノズルのうちの第1の上部ノズルは、複数の上部ノズルのうちの第2の上部ノズルが配置される第2の関連ジェットの第2の組み合わされた合成方向に少なくとも部分的に向かって、第1の組み合わされた合成方向に第1の関連ジェットを向けるように配置されてもよい。
【0045】
装置が2つの上部ノズルを有するノズル構成を備える場合、2つの上部ノズルの各々の中心軸は、外側ジェット壁、例えば各ジェットの外側ジェット壁が実質的に垂直であるように、他方の上部ノズルの中心軸に向かって対称に向けられてもよい。外側ジェット壁は、ジェットの最外縁部であってもよい。最外縁部は、装置の縁部に最も近いジェットの縁部であると理解される。最外上部ノズルである上部ノズルのいずれかは、例えば、垂直から0度~15度、例えば10度未満の外向きの角度で、わずかに外向きに延在する最外側の外側ジェット壁を画定するジェットを投射するように配置されてもよい。したがって、装置によって洗浄される物品は、有孔部材の角部に設けられた場合であっても、依然として洗浄することができ、有孔部材は、そこから上向きに延在する側壁と、有孔部材の設置面積内で側壁から内向きに延在するバーなどの1つ以上の内向きに延在する突起とを備える。
【0046】
所与の上部ジェットの外側ジェット壁の方向は、所与の上部ジェットの内側ジェット壁の水平成分よりも小さい水平成分を有してもよい。少なくとも2つの上部ジェットの外側ジェット壁の方向は各々、少なくとも2つの上部ジェットの内側ジェット壁の水平成分よりも小さい水平成分を有してもよい。したがって、ジェットは、洗浄される物品を有孔部材の中心領域に向かって概して付勢するように構成される。少なくとも2つの上部ジェットの外側ジェット壁の方向は、各ジェットのそれぞれの内側ジェット壁の方向の水平成分の方向において0以上の水平成分を有してもよい。
【0047】
最外上部ノズルの各々は、外側方向におけるそれぞれの外側ジェット壁の方向の水平成分が、内側方向におけるそれぞれの最外上部ノズルの内側ジェット壁の方向の水平成分よりも小さいように構成されてもよい。したがって、ノズルは、ノズルの中心軸が内側に向けられるように、少なくともわずかに内側に傾斜している。最外上部ノズルの各々は、外側方向におけるそれぞれの外側ジェット壁の方向の水平成分が0より大きく、内側方向におけるそれぞれの最外上部ノズルの内側ジェット壁の方向の水平成分よりも小さいように構成されてもよい。したがって、有孔部材が、そこから内側に延びるバー部材を有する側壁を備えている場合であっても、最外上部ノズルからのジェットの一部は、有孔部材の角に侵入することができる。
【0048】
複数の上部ノズルのうちの第1の上部ノズルの内側ジェット壁は、有孔部材の上方で複数の上部ノズルのうちの第2の上部ノズルの内側ジェット壁と交差してもよい。したがって、複数の上部ノズルのうちの第1の上部ノズルのジェット及び複数の上部ノズルのうちの第2の上部ノズルのジェットによる、有孔部材(及びその上に設けられた物品)の実質的に連続した被覆が存在し得る。中心軸間の交点は、有孔部材から少なくとも10ミリメートル離れていてもよい。交点は、有孔部材から少なくとも30ミリメートル離れていてもよい。交点は、有孔部材から100ミリメートル未満離れていてもよい。交点は、有孔部材から70ミリメートル未満離れていてもよい。
【0049】
複数の上部ノズルのうちの第1の上部ノズルの中心軸と複数の上部ノズルのうちの第2の上部ノズルの中心軸との間の交点は、有孔部材の下方にあってもよい。
【0050】
2つより多くの上部ノズルがあってもよい。このノズル構成には偶数の上部ノズルがあってもよく、それによって、ノズル構成の一方の側の各ノズルの中心軸は、ノズル構成の他方の側の各ノズルの中心軸に少なくとも部分的に向けられ、ノズル構成の一方の側から生じるジェットから得られる水平方向の力の合計は、ノズル構成の他方の側から生じるジェットから得られる水平方向の力の合計と等しくかつ反対である。このようにして、有孔部材上に支持され、ノズルからのジェットによって洗浄される任意の物品は、ジェットによって常に中心位置へと促される。物品が装置の中心軸から離れて移動する場合、上部ノズルの配置は、ジェットから物品にかかる水平方向の力が増大して、物品を装置の中心面に向かって押し戻すようになっており、中心面は装置の長手方向軸を含む。このようにして、洗浄される物品は、装置の中心面に向かって絶えず押される。このようにして、物品を中心に置く傾向がある横方向の力が常に存在するので、洗浄される物品の意図しない横方向の動きが抑制又は停止される。
【0051】
2つより多い上部ノズルを備える装置の構成では、最外上部ノズルの各々は、そのノズルによって生成される下向きの第1のジェットの側部が実質的に垂直であるように構成されてもよい。最外ノズルは、ノズルのグループの最外縁部にあるノズルであってもよい。最外ノズルは、装置の長手方向軸から最も遠いノズルであってもよい。
【0052】
2つより多くの下部ノズルがあってもよい。このノズル構成には偶数の下部ノズルがあってもよく、それによって、ノズル構成の一方の側の各ノズルの中心軸は、ノズル構成の他方の側の各ノズルの中心軸に少なくとも部分的に向けられ、ノズル構成の一方の側から生じるジェットから得られる水平方向の力の合計は、ノズル構成の他方の側から生じるジェットから得られる水平方向の力の合計と等しくかつ反対である。このようにして、有孔部材上に支持され、ノズルからのジェットによって洗浄される任意の物品は、ジェットによって常に中心位置へと促される。物品が装置の中心軸から離れて移動する場合、下部ノズルの配置は、ジェットから物品にかかる水平方向の力が増大して、物品を装置の中心面に向かって押し戻すようになっており、中心面は装置の長手方向軸を含む。このようにして、洗浄される物品は、装置の中心面に向かって絶えず押される。このようにして、物品を中心に置く傾向がある横方向の力が常に存在するので、洗浄される物品の意図しない横方向の動きが抑制又は停止される。
【0053】
装置の少なくとも1つの下部ノズルは、複数の下部ノズルであってもよく、複数の下部ノズルのうちの第1の上部ノズルの中心軸は、複数の下部ノズルのうちの第2の上部ノズルの中心軸に向かって少なくとも部分的に方向付けられてもよい。好ましい構成では、2つの下部ノズルが存在してもよく、これらの2つの下部ノズルの各々の中心軸は、他方の下部ノズルの中心軸の方に方向付けられてもよい。これは、各中心軸が同じ角度だけ他方の中心軸に向かって方向付けられるように、対称様式であってもよい。複数の下部ノズルのうちの第1の下部ノズルは、複数の下部ノズルのうちの第2の下部ノズルが配置される第2の関連ジェットの第2の組み合わされた合成方向に少なくとも部分的に向かって、第1の組み合わされた合成方向に第1の関連ジェットを向けるように配置されてもよい。
【0054】
装置が2つの下部ノズルを有するノズル構成を備える場合、2つの下部ノズルの各々の中心軸は、外側ジェット壁、例えば各ジェットの外側ジェット壁が実質的に垂直であるように、他方の下部ノズルの中心軸に向かって対称に向けられてもよい。外側ジェット壁は、ジェットの最外縁部であってもよい。最外縁部は、装置の縁部に最も近いジェットの縁部であると理解される。最外下部ノズルである下部ノズルのいずれかは、例えば、垂直から0度~15度、例えば10度未満の外向きの角度で、わずかに外向きに延在する最外側の外側ジェット壁を画定するジェットを投射するように配置されてもよい。したがって、装置によって洗浄される物品は、有孔部材の角部に設けられた場合であっても、依然として洗浄することができ、有孔部材は、そこから上向きに延在する側壁と、有孔部材の設置面積内で側壁から内向きに延在するバーなどの1つ以上の内向きに延在する突起とを備える。
【0055】
所与の下部ジェットの外側ジェット壁の方向は、所与の下部ジェットの内側ジェット壁の水平成分よりも小さい水平成分を有してもよい。少なくとも2つの下部ジェットの外側ジェット壁の方向は各々、少なくとも2つの下部ジェットの内側ジェット壁の水平成分よりも小さい水平成分を有してもよい。したがって、ジェットは、洗浄される物品を有孔部材の中心領域に向かって概して付勢するように構成される。少なくとも2つの下部ジェットの外側ジェット壁の方向は、各ジェットのそれぞれの内側ジェット壁の方向の水平成分の方向において0以上の水平成分を有してもよい。
【0056】
最外下部ノズルの各々は、外側方向におけるそれぞれの外側ジェット壁の方向の水平成分が、内側方向におけるそれぞれの最外下部ノズルの内側ジェット壁の方向の水平成分よりも小さいように構成されてもよい。したがって、ノズルは、ノズルの中心軸が内側に向けられるように、少なくともわずかに内側に傾斜している。最外下部ノズルの各々は、外側方向におけるそれぞれの外側ジェット壁の方向の水平成分が、0から内側方向におけるそれぞれの最外下部ノズルの内側ジェット壁の方向の水平成分未満であるように構成されてもよい。
【0057】
複数の下部ノズルのうちの第1の下部ノズルの内側ジェット壁は、有孔部材の下方で複数の下部ノズルのうちの第2の下部ノズルの内側ジェット壁と交差してもよい。したがって、複数の下部ノズルのうちの第1の下部ノズルのジェット及び複数の下部ノズルのうちの第2の下部ノズルのジェットによる、有孔部材の下側(及びその上面上に設けられた物品)の実質的に連続した被覆が存在し得る。
【0058】
2つより多い下部ノズルを備える装置の構成では、最外下部ノズルの各々は、そのノズルによって生成される上向きの第2のジェットの側部が実質的に垂直であるように構成されてもよい。最外ノズルは、ノズルのグループの最外縁部にあるノズルであってもよい。最外ノズルは、装置の長手方向軸から最も遠いノズルであってもよい。
【0059】
上部ノズルの総数は、下部ノズルの総数と等しくてもよい。したがって、ノズルからのジェットは、効果的に互いに打ち消し合うことができる。ノズルの総数は、装置又は装置のノズルのバンクのいずれかに含まれる上部及び/又は下部ノズルの総数を指すことができる。他の例では、異なる数の上部ノズル及び下部ノズルがあってもよく、例えば、下部ノズルよりも多くの上部ノズルがあってもよい。
【0060】
各上部ノズルは、第1のジェット又は各第1のジェットがそれぞれの下部ノズルからのそれぞれの第2のジェットと交差するように、それぞれの下部ノズルに対して配置され得る。下部ノズルは、水平面を中心に上部ノズルと対称に配置されてもよい。したがって、各上部ノズルは、対応する下部ノズルを有する。水平面は、有孔部材の下にあってもよい。
【0061】
少なくとも2つの上部ノズルが存在する装置の構成では、少なくとも2つのノズルのうちの少なくともいくつかによって生成されるジェットが有孔部材において重なり合うことが有利であり得る。このようにして、洗浄される物品の全体が、ノズルが配置されている平面内で流体ジェットによって覆われる。有孔部材のレベルでのジェットの重なりは、典型的には25mm以下であってもよい。
【0062】
同じ考察が、少なくとも2つの下部ノズルを有する下部ノズル構成にも当てはまる。
【0063】
有孔部材と少なくとも1つの上部ノズルとの間の最短距離は、有孔部材と少なくとも1つの下部ノズルとの間の最短距離よりも小さくてもよい。有孔部材と少なくとも1つの上部ノズルとの間の垂直距離は、有孔部材と少なくとも1つの下部ノズルとの間の垂直距離よりも小さくてもよい。このような構成は、少なくとも1つの第1のジェット及び少なくとも1つの第2のジェットが生成されるときに、少なくとも1つの第1のジェットから洗浄される物品に作用する第1のジェット力の垂直成分が、少なくとも1つの第2のジェットから洗浄される物品に作用する第2のジェット力の垂直成分よりも大きいという条件を維持又は生成するのを助ける。例えば、有孔部材と少なくとも1つの上部ノズルとの間の最短距離が有孔部材と少なくとも1つの下部ノズルとの間の最短距離よりも短い構成では、下部ノズルに供給される流体と同じ圧力で上部ノズルに流体を供給しながら、条件を達成することができる。
【0064】
有孔部材と少なくとも1つの上部ノズルとの間の最短距離と、有孔部材と少なくとも1つの下部ノズルとの間の最短距離との差は、所望の効果を達成するために大きくする必要がない場合がある。例えば、有孔部材と少なくとも1つの上部ノズルとの間の垂直距離が60mmであり、有孔部材と少なくとも1つの下部ノズルとの間の垂直距離が64mmである場合に、効果を見ることができる。別の例では、有孔部材の表面から上部ノズルまでの垂直距離又はスタンドオフは、約60mmであってもよく、有孔部材の下面から下部ノズルまでの垂直距離又はスタンドオフは、約80mmであってもよい。
【0065】
少なくとも1つの上部ノズルから有孔部材までの垂直距離と、少なくとも1つの下部ノズルから有孔部材までの垂直距離との間の差は、5ミリメートルより大きくてもよい。少なくとも1つの上部ノズルから有孔部材までの垂直距離と、少なくとも1つの下部ノズルから有孔部材までの垂直距離との間の差は、50ミリメートル未満であってもよい。
【0066】
したがって、少なくとも1つの上部ノズルからの1つ又は複数のジェットは、典型的には、有孔部材の下の少なくとも1つの下部ノズルからの1つ又は複数のジェットと交差することが予想され得る。このようにして、バスケットの下にあるジェットの交点は、少なくとも1つの上部ノズルからの1つ又は複数のジェットが、少なくとも1つの下部ノズルからの1つ又は複数のジェットによって、それらが洗浄される物品とすでに接触した後まで決して交差されないことを確実にし、洗浄される物品が有孔部材にクランプされたままであることを確実にする。
【0067】
少なくとも1つの上部ノズルから有孔部材までの垂直距離は、40ミリメートルより大きくてもよい。少なくとも1つの上部ノズルから有孔部材までの垂直距離は、60ミリメートルより大きくてもよい。少なくとも1つの上部ノズルから有孔部材までの垂直距離は、200ミリメートル未満であってもよい。少なくとも1つの上部ノズルから有孔部材までの垂直距離は、100ミリメートル未満であってもよい。少なくとも1つの下部ノズルから有孔部材までの垂直距離は、40ミリメートルより大きくてもよい。少なくとも1つの下部ノズルから有孔部材までの垂直距離は、60ミリメートルより大きくてもよい。少なくとも1つの下部ノズルから有孔部材までの垂直距離は、200ミリメートル未満であってもよい。少なくとも1つの下部ノズルから有孔部材までの垂直距離は、100ミリメートル未満であってもよい。
【0068】
装置は、ノズルのうちの1つ以上を選択的に作動させるノズル制御部を備えてもよい。ノズル制御部は、任意の特定のノズルを選択的に開閉することができ、それにより、ノズルは、流体ジェットを生成するか、又は流体ジェットを生成しない。ノズルのグループが一緒に制御されてもよい。したがって、必要とされないノズルは、装置の水消費及びエネルギー消費を低減するために停止され得る。
【0069】
ノズル制御は、ノズルに関連してソレノイドを利用することによって達成することができる。電気信号は、ソレノイドを動作させるために、すなわち、ノズルを開いたり閉じたりして流体ジェットを生成するか、又は生成しないために利用されてもよい。装置は、少なくとも1つの上部ノズル及び少なくとも1つの下部ノズルのうちの1つ又は複数への流体流を制御する弁を各々が制御するように構成された1つ以上のソレノイドを備えることができる。装置は、ソレノイドを動作させるためにソレノイドに制御信号を提供するコントローラを更に備えてもよい。
【0070】
装置は、少なくとも1つの上部ノズル及び少なくとも1つの下部ノズルの選択的な作動を制御するためのノズルコントローラを備えることができる。
【0071】
ノズルを選択的に開閉することによって、水の使用量を制御することができる。このようにして、水の浪費を低減することができる。
【0072】
装置の少なくとも1つの上部ノズル及び少なくとも1つの下部ノズルは、第1のノズルバンクに配置されてもよい。装置は、複数のノズルバンクを備えてもよい。ノズルバンクは、典型的には1つ以上の上部ノズル及び1つ以上の下部ノズルの両方を含むノズルのグループ化であることが理解されるであろう。いくつかの例では、第1のノズルバンクは、装置内の第1の横方向位置に関連付けられてもよく、1つ以上の更なるノズルバンクは、装置内の1つ以上の更なる横方向位置に関連付けられてもよい。各横方向位置は、横方向において異なり、長手方向に垂直であり、有孔部材の平面に平行である。各ノズルバンクは複数のノズルグループを含み、各ノズルグループが装置において長手方向に分離されてもよい。このようにして、装置はノズルバンクの列を備えることができる。各ノズルバンクは、複数のノズルを含むことができる。
【0073】
他の例では、各ノズルバンクは、代わりに、装置内の異なるそれぞれの長手方向位置に関連付けられてもよいことが理解されよう。各ノズルバンクは、装置において横方向に分離された複数のノズルグループを含むことができる。
【0074】
少なくとも1つのノズルバンクは、上部ノズルと下部ノズルの両方を含むことができる。
【0075】
各ノズルバンクは、等しい数の上部ノズル及び下部ノズルを備えることができる。ノズルバンクは、第1のノズルグループ内に少なくとも4つのノズルを含むことができる。例えば、ノズルバンクは、第1のノズルグループ内に2つの上部ノズル及び2つの下部ノズルを含むことができる。各ノズルバンクは、複数のノズルグループ、例えば少なくとも2つのノズルグループを含むことができる。各ノズルグループは、等しい数の上部ノズル及び下部ノズル、例えば少なくとも2つの上部ノズル及び少なくとも2つの下部ノズルを含むことができる。
【0076】
各ノズルバンクは、下部ノズルよりも多くの上部ノズル、例えば下部ノズルの2倍の数の上部ノズルを含むことができる。ノズルバンクは、第1のノズルグループ内に3つのノズルを含むことができる。例えば、ノズルバンクは、第1のノズルグループ内に2つの上部ノズルと1つの下部ノズルとを含むことができる。各ノズルバンクは、複数のノズルグループ、例えば少なくとも2つのノズルグループを含むことができる。各ノズルグループは、下部ノズルよりも多くの上部ノズル、例えば下部ノズルの2倍の数の上部ノズルを含むことができる。各ノズルグループは、3つのノズルを含むことができる。例えば、各ノズルグループは、2つの上部ノズルと1つの下部ノズルとを含むことができる。
【0077】
ノズルグループの各々は、ノズルバンクが互いに離間する方向に垂直な方向において、ノズルバンク内の少なくとも1つの他のノズルグループと重なり合ってもよい。他の例では、ノズルバンクが相互に離間される方向に垂直な方向において、ノズルバンク内のノズルグループ間に重複がなくてもよい。
【0078】
本開示の装置は、装置の長手方向軸に沿って離間されたノズルバンクの列を備えてもよい。換言すれば、装置は、装置の第1の長手方向位置にある第1のノズルバンクと、装置の第2の長手方向位置にあり、第1のノズルバンクから離間した第2のノズルバンクとを備えてもよい。
【0079】
ノズルバンクの各々は、独立して制御され得る。所与のノズルバンク内のノズルグループの各々は、一緒に制御され得る。例では、第1の時間において、第1のノズルバンクのノズルは動作可能であり得るが、第2のノズルバンクのノズルは、動作しないように異なるように制御される。第2の時間において、第2のノズルバンクのノズルは動作可能であってもよいが、第1のノズルバンクのノズルは、動作しないように異なるように制御される。他の例では、所与のノズルバンク内のノズルグループの各々は、独立したコントローラであり得る。例では、第1の時間において、第1のノズルバンクの第1のノズルグループのノズルが動作可能であり得る一方で、第1のノズルバンク内の第2のノズルグループのノズルは、動作しないように異なるように制御される。第2の時間において、第1のノズルバンク内の第2のノズルグループのノズルは動作可能であってもよく、第1のノズルバンク内の第1のノズルグループのノズルは、動作しないように異なるように制御される。
【0080】
流体源は、装置内で流体ジェットを生成するための任意のノズルの入力に流体を供給するために必要である。流体は液体であってもよい。液体は水であってもよく、又は水を含んでもよい。それに応じて、流体源は、主給水源であってもよいし、主給水源を備えていてもよい。このような構成では、流体接続は、主給水源と、流体ジェットを生成するための任意のノズルの入力との間に確立されてもよい。任意の他の適切な流体源、例えば流体の貯蔵タンクを使用することもできる。水源及び洗剤の供給源などの複数の異なる供給源をノズルの入力に流体接続して、例えば希釈洗剤を含む流体ジェットを生成することができる。
【0081】
流体は水であってもよい。特に、洗浄がひどく不潔又は汚れた物品からデブリを除去するための事前洗浄手順である場合、水を使用することができる。事前洗浄手順は、更なるディープクリーニングの前に行われてもよい。更なるディープクリーニングは、洗剤を利用してもよい。
【0082】
流体接続は、流体導管又は複数の流体導管によって提供されてもよい。流体導管又は複数の流体導管は、水タンクなどの流体源と、上部ノズル又は下部ノズルなどのノズルとの間に接続されてもよい。このようにして、流体は供給源からノズルに輸送され、そこから流体ジェットが生成され得る。
【0083】
流体源は、調整可能な圧力で流体をノズルに供給するように構成されてもよい。このようにして、ノズルによって生成されるジェットの圧力を制御することができる。
【0084】
任意の1つのノズル手段を出る流体の圧力は、ノズル手段自体によって調整されてもよく、又はノズル入口における流体の圧力を調整することによって調整されてもよい。
【0085】
装置は、流体源から少なくとも1つの上部ノズル及び少なくとも1つの下部ノズルに流体を圧送するためのポンプを備えることができる。したがって、流体源とノズルとの間で流体を更に加圧することができる。
【0086】
いくつかの例では、装置は、装置の1つ以上のノズルバンクに提供される流体流を制御するための1つ以上の可変流量弁を備えてもよい。したがって、第1のノズルバンクに供給される流体流は、第2のノズルバンクに供給される流体流と異なるように制御することができる。装置が中心ノズルバンク及び少なくとも1つの周辺ノズルバンクを備える場合、装置は、少なくとも1つの周辺ノズルバンク内のノズルの各々の流体流量よりも高い流量を、中心ノズルバンクのノズルの各々に有するように中心ノズルバンクを制御するように構成されてもよい。したがって、有孔部材の中心横方向領域において、より効果的な洗浄が提供され得る。
【0087】
装置は、少なくとも1つの上部ノズル及び少なくとも1つの下部ノズルのうちの1つ以上と流体連通する可変ポンプを更に備えることができる。装置は、可変ポンプの出力を制御するためのポンプコントローラを更に備えてもよい。いくつかの例では、異なるノズルバンクに接続された複数のポンプがあってもよい。
【0088】
可変ポンプの出力は、必要に応じて高められた洗浄能力を提供するために増加させることができる。
【0089】
装置は、有孔部材がノズルに対して移動可能であるように構成されてもよい。典型的には、装置は表面上に設けられてもよく、ノズルはこの表面に対して静止したままである。このような典型的な構成では、有孔部材とノズルとの間の相対移動は、有孔部材の移動によって達成される。他の例では、有孔部材は、装置が提供される環境に対して静止したままであり、ノズルが移動することが理解されよう。しかしながら、これが生じると、ノズルに対する有孔部材の移動は、有孔部材によって支持された物品をノズルによって生成された流体ジェットに対して移動させる効果を有する。このようにして、ジェットは物品の表面に対して移動し、物品の異なる領域がジェットによって衝突されることを可能にし、それによって、物品の表面の複数の領域の洗浄を容易にする。有孔部材の相対移動は、装置の長手方向軸に平行な方向であってもよい。
【0090】
有孔部材は、長手方向軸に沿って双方向に移動可能であってもよい。換言すれば、有孔部材は、第1の時間に第1の方向にノズルに対して移動可能であり、その後、第2の時間に第1の方向と反対の第2の方向にノズルに対して移動可能であってもよい。したがって、物品を特に効果的に洗浄することができる。装置は、有孔部材を支持し、ノズルに対する有孔部材の双方向移動を容易にするための1つ又は複数のローラを備えてもよい。
【0091】
他の例では、有孔部材は、一方向にのみ移動可能であってもよく、例えば有孔部材が連続ベルト部材を形成する場合、ノズルを通して洗浄される物品を一方向に移動させるように移動されてもよい。
【0092】
有孔部材がその上を移動することができる1つ又は複数のローラの存在によって、洗浄される物品は、下向き及び上向きに突出する流体ジェットを通って移動することができ、その結果、物品の長手方向範囲全体をこれらのジェットによって洗浄することができる。有孔部材の移動は電動式であってもよい。1つ又は複数のローラは、電動式であってもよい。有孔部材の移動は自動化されてもよい。有孔部材の移動は、1つ又は複数のローラの動作を制御することによって自動化することができる。ローラ以外の構成を使用して、有孔部材をノズルに対して移動させる、又は移動を容易にすることができることは、当業者には明らかであろう。
【0093】
装置は、装置の洗浄動作中にノズルに対する有孔部材の移動を引き起こすように構成された1つ以上のモータを備えることができる。
【0094】
器具が水平軸に沿って双方向に移動するときに器具の前縁部及び後縁部に対処する上部ノズル手段を有することが好ましい場合がある。これは、器具が下部ジェットから上向きの力を受ける全時間にわたって下向きの力に遭遇するので、器具が洗浄プロセス全体を通してクランプされることを確実にするのに役立つ。別の例は、底面ジェットノズルから噴霧される水よりも広い領域をカバーする上面ジェットノズルから噴霧される水を有することである。これはまた、器具が適所に「クランプ」されることを可能にする。
【0095】
有孔部材が装置の長手方向軸に沿って好ましくは双方向に移動可能である構成は、洗浄される複数の物品が、装置の長手方向軸に対応する方向に沿って広げられた有孔部材上に配置されることを可能にする。このようにして、装置の単一の動作中に複数の物品を洗浄することができる。別の見方をすれば、これにより、同じノズルを使用して、有孔部材上の複数の領域に流体ジェットを供給することが可能になり、例えば、より大きな物品を洗浄すること、及び/又は複数の物品を洗浄することが可能になる。
【0096】
有孔部材は、洗浄される複数の物品を支持するように構成されてもよい。有孔部材は、少なくとも5つの物品を支持するように構成されてもよい。有孔部材は、少なくとも10個の物品を支持するように構成されてもよい。有孔部材は、長手方向に少なくとも40センチメートルの長さを有してもよい。有孔部材は、長手方向に少なくとも60センチメートルの長さを有してもよい。有孔部材は、長さよりも小さい幅を有してもよい。
【0097】
本開示は、本明細書に開示される装置を使用して物品を洗浄する方法にも及ぶ。物品、典型的には外科用器具を洗浄する方法は、事前洗浄であってもよく、有孔部材上に洗浄される物品を提供するステップと、少なくとも1つの上部ノズルによって生成された少なくとも1つの下向きに突出する第1の流体ジェットと、少なくとも1つの下部ノズルによって生成された少なくとも1つの上向きに突出する第2の流体ジェットとを物品に衝突させ、それによって物品からデブリを除去するステップと、を含む。少なくとも1つの第1のジェットから物品に作用する第1のジェット力の垂直成分は、少なくとも1つの第2のジェットから物品に作用する第2のジェット力の垂直成分よりも大きい。
【0098】
物品は、洗浄中に有孔部材上で緩んだままになる可能性がある。換言すれば、有孔部材上に物品を保持するために物理的拘束が使用されなくてもよい。
【0099】
これは、特に効率的かつ効果的である外科用器具の洗浄、特に事前洗浄の方法を提供する。
【0100】
ジェットの適切な配置により、洗浄される物品は、有孔部材上への正味ジェット力によってクランプされる。付加的な固定手段は不要である。
【0101】
本方法は、有孔部材を装置の長手方向軸に平行な方向に(例えば、双方向に)移動させ、それによって物品を少なくとも1つの第1のジェット及び少なくとも1つの第2のジェットに対して移動させることを更に含んでもよい。したがって、少なくとも1つの第1のジェット及び少なくとも1つの第2のジェットは、物品上を移動し、物品の複数の領域に衝突する。
【0102】
更に、このように有孔部材を移動させることにより、物品を有孔部材の長さに沿って有孔部材上に配置することが可能になり、単一の洗浄サイクルで複数の物品の洗浄又は事前洗浄が容易になる。
【0103】
物品はヒンジ式器具であってもよい。物品はデバイスであってもよい。物品は医療デバイスであってもよい。物品は、再使用可能医療デバイスであってもよい。物品は、外科用デバイスであってもよい。物品は、ヒンジ式外科用器具であってもよい。ヒンジ式外科用器具は、外科用鉗子であってもよい。ヒンジ式外科用器具は、外科用はさみであってもよい。物品は、組継ぎを備えることができる。
【0104】
外科用器具という用語は、外科用デバイスを含むことが理解されるであろう。
【0105】
本方法は、ヒンジ式外科用器具を有孔部材上に提供するステップを含んでもよく、ヒンジは、洗浄のためにヒンジ式外科用器具のヒンジ継手を露出させるように開放される。
【0106】
本発明の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【
図1a】本明細書に記載される2つの装置の断面図の概略図を示す。
【
図1b】本明細書に記載される2つの装置の断面図の概略図を示す。
【
図2】動作中の装置の更なる例の概略図を示し、装置は、(a)平面図及び(b)断面図の3つのノズルバンクを備える。
【
図3】装置のバスケット内に配置された鉗子を示す。
【
図4】本明細書に記載される装置を使用する方法によるフロー図を示す。
【
図5】本明細書に記載される装置の別の例の断面図の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0108】
図1aは、本開示の装置100の概略図を示す。洗浄される物品(典型的には鉗子、図示せず)は、バスケット103の形態の有孔部材上に支持される。2つの上部ノズル101a、101bがバスケット103の上方に設けられており、各々が下方に向けられており、バスケット103によって支持されているときに鉗子に衝突するように流体104a、104bの第1の発散流体ジェットを各々生成する。下部ノズル102がバスケット103の下に設けられ、上方に向けられており、バスケット103によって支持された物品の下から鉗子に衝突する流体106の第2の発散流体ジェットを生成する。
【0109】
装置は、第1のジェット104a、104bから洗浄される鉗子に作用する第1のジェット力の垂直成分が、第2のジェット106から洗浄される物品に作用する第2のジェット力の垂直成分よりも大きいように構成される。結果として生じるジェットからの力の不均衡は、鉗子に正味の下向きの力をもたらし、これは、鉗子をバスケット床にクランプする働きをする。
【0110】
左側上部ノズル101aの中心軸は、他方の上部ノズル101bの中心軸に対して対称に向けられている。図示の実施形態では、各上部ノズル101a、101bは、生成された発散ジェット104a、104bの他方の縁部が垂直になる角度だけ、垂直に対して回転されている。このようにして、鉗子は、2つの側部の各々から水平力を受ける。力のバランスは、鉗子が常に2つの上部ノズルの間の中心位置(c)に押し戻されるようなものである。鉗子が右に移動する場合、右からの水平力は増加し、左からの水平力は減少する。したがって、鉗子が中心位置(c)から右に移動すると、鉗子は自然に中心位置に押し戻される。同様に、鉗子が中心位置(c)から左に移動する場合、鉗子は再び中心に向かって自然に押し戻される。
【0111】
この実施形態では、バスケット103は、50mmの深さを与える壁を有する。バスケット床からの上部ノズル101a、101bのスタンドオフ又は垂直距離は60mmである。バスケット床からの下部ノズル102のスタンドオフ又は垂直距離は80mmである。
【0112】
ノズル101a、101b、102の各々は、市販の40°フラットファンノズルである。この実施形態では、上部ノズルは84mm離間している。2つの下方に突出するジェット101a、101bの重なりは、水平方向において約10mmである。
【0113】
図1aは、バスケット103の一方の側における、ノズルバンク内のノズルグループと呼ばれることもあるノズル101a、101b、102の配置を、(ページ内への長手方向を有する)エンドオン方向から見て示している。同様の図示されていないノズルの構成が、バスケットの他方の側に存在してもよい。洗浄される物品、典型的には鉗子は、第1の発散ジェット104a、104b及び第2の発散ジェット106内に存在する流体によって覆われるように、図面の平面内に延在する。装置が動作中であり、洗浄機能を提供しているとき、バスケット103は、時に長手方向と呼ばれる、図面の平面に垂直な方向(すなわち、ページの中又は外へ)に移動し、双方向に移動することができ、すなわち、バスケットは、一方向に移動し、次いで、停止し、同じ経路に沿って反対方向に戻ることができる。このようにして、洗浄され、上部ノズル101a、101bの下に配置された物品の長さ全体が、第1の発散ジェット104a、104b及び第2の発散ジェット106によって衝突される。したがって、発散ジェットの洗浄効果は物品全体に与えられる。バスケット103内の別の横方向位置に配置された任意の更なる物品は、図示されたノズルバンクから横方向にオフセットされた更なるノズルバンク内のノズルを使用して洗浄され得ることが理解されるであろう。
【0114】
図1bは、以下に述べる相違点を除いて、
図1aに示される装置100と同様の装置200の更なる例を示す。第1の下方に突出するジェット204aを生成する第1の上部ノズル201a及び第2の下方に突出するジェット204bを生成する第2の上部ノズル201bに加えて、第1の上方に突出するジェット206aを生成する第1の下部ノズル202a及び第2の上方に突出するジェット206bを生成する第2の下部ノズル202bも設けられている。第1の下部ノズル202aは、第1の上部ノズル201aの実質的に真下に垂直に配置され、第2の下部ノズル202bは、第2の上部ノズル201bの実質的に真下に垂直に配置されている。このようにして、上部ノズル201a、201bとバスケット203との間の距離と比較して、下部ノズル202a、202bとバスケット203との間の増加した距離の結果として)バスケット203の高さより下で、第1及び第2の下方に突出するジェット204a、204bの実質的に全ての領域が、第1及び第2の上方に突出するジェット206a、206bの1つ以上と交差することが分かる。
【0115】
図2は、装置の異なる実施形態300の(a)平面図、及び(b)側面図を示す。ノズルはこの概略図には示されていないが、
図2(b)では情報のために上部ノズル301及び下部ノズル302が示されているが、装置が動作しているときにノズルによって生成されるジェットが示されている。
図2の実施形態における発散ジェットは、扇形である。
【0116】
バスケット303、下方に突出する分岐ジェット304、及び上方に突出する発散ジェット306と同様に、
図2はまた、バスケット303及びノズル301、302が収容される洗浄容器306と、バスケット303の双方向移動を容易にするためのローラ305とを示す。この実施形態におけるノズルは、3つのノズルバンク310、320、330に配置され、各々が3つのノズルグループ342、344、346、352、354、356、362、364、366をその中に有するが、明らかに、ノズルバンク及びノズルグループの数は例示的であり、3つのバンク又は3つのノズルグループに関連する特定の重要性はない。各ノズルバンクに関連付けられた各ノズルグループには4つのノズルがあり、実質的に
図1bを参照して上述したように、2つの上部ノズル301及び2つの下部ノズル302である。第1のノズルバンク310は、第1のノズルグループ342内の4つのノズルと、第2のノズルグループ352内の4つのノズルと、第3のノズルグループ362内の4つのノズルとを含む。第1のノズルバンク310内の各ノズルは、実質的に装置300内の第1の長手方向位置に配置される。第2のノズルバンク320は、第1のノズルグループ344内の4つのノズルと、第2のノズルグループ354内の4つのノズルと、第3のノズルグループ364内の4つのノズルとを含む。第2のノズルバンク320内の各ノズルは、実質的に、第1の長手方向位置から離間した、装置300内の第2の長手方向位置に配置される。第3のノズルバンク330は、第1のノズルグループ346内の4つのノズルと、第2のノズルグループ356内の4つのノズルと、第3のノズルグループ366内の4つのノズルとを含む。第3のノズルバンク330内の各ノズルは、実質的に、第1及び第2の長手方向位置から離間された、装置300内の第3の長手方向位置に位置する。所与のノズルバンクに関連付けられた各ノズルグループは、同じそれぞれのノズルバンクに関連付けられた互いのノズルグループから横方向に離間されている。
【0117】
図2は、扇形発散ジェットを示し、その各々は、垂直な中心に向けられた軸を有する。しかしながら、発散ジェットが軸方向に垂直に向けられる必要はないことは明らかである。洗浄される鉗子又は他の器具の全体をカバーするために、扇形発散ジェットを生成するための1組のフラットファンノズルは、当然ながら、扇の平面が装置300の横方向(幅)に平行になるように構成される。1組のノズルが装置の幅方向に沿って広がっている配置はまた、内側に向けられたノズルの配置、すなわち、ノズルの組内の上部ノズルの中心軸が互いに向かって向けられている配置が利用され得るという利点を有する。上述したように、このような構成は、鉗子を2つのノズルの中心位置に向かって押す正味の水平方向の力を鉗子に生じさせる。これは、洗浄中に鉗子を安定させるのに重要であり得る。
【0118】
図2(a)及び
図2(b)のバスケット303は、洗浄容器306の左端に示されている。鉗子などの洗浄用の外科用器具がバスケット上に配置され、バスケットが図の左から右へ、図示された一方の端位置から図の右側の他方の端位置へ移動すると、器具は扇形ジェット304、306を通過し、ジェット304、306によって衝突されることが明らかである。デブリは、ジェットによって噴霧されるときに器具から除去される。バスケットは、装置の長さ方向に沿って双方向に移動することができる。このようにして、鉗子は1組のノズルを2回以上通過することができる。これは、頑固なデブリの除去において有利であり得る。
【0119】
図3は、本明細書に開示される装置のバスケット403の写真である。バスケット内には多数の鉗子500が配置されている。鉗子500は緩く置かれ、開いた構成でバスケット403上に配置される。バスケット内には、クリップ又はクランプなどの鉗子の機械的拘束はない。開示されるように、本開示のジェットは、鉗子をバスケット床にクランプし、また、それらをバスケット内の中心に保つ効果を有する。鉗子の継手は、ジェットによって加えられる力によってわずかに開閉される。鉗子の任意の特定の領域が受ける力は、鉗子がジェットを通って移動するにつれて変化する。ノズルはまた、洗浄装置による水の浪費及びエネルギー消費を低減するように制御されてもよい。
【0120】
図4は、本開示による装置を使用して物品を洗浄する方法600をフロー図で示す。第1の方法ステップ610において、鉗子などの洗浄される1つ又は複数の物品が、バスケットの形態の有孔部材上に提供される。典型的には、洗浄される1つ又は複数の物品は、バスケットに緩く支持される。第2の方法ステップ620では、少なくとも1つの上部ノズルによって生成された少なくとも1つの下方に突出する第1の流体ジェットが、物品に衝突させられ、それによって、物品からデブリが除去される。
【0121】
装置を使用して物品を洗浄する方法600は、典型的には、少なくとも1つの下部ノズルによって生成された流体の少なくとも1つの上向きに突出する第2の流体ジェットを物品に衝突させることを更に含み、それによって、少なくとも1つの第1のジェットから物品に作用する第1のジェット力の垂直成分は、少なくとも1つの第2のジェットから物品に作用する第2のジェット力の垂直成分より大きい。このようにして、洗浄される物品を物理的にクランプする必要なく、強力なジェット洗浄を使用して物品からデブリが更に除去される。典型的には、上方に突出する第2のジェットは、第1のジェットと同時に、言い換えれば、第2のステップ620と同時に生成される。
【0122】
更に、本方法は、バスケットを装置の長手方向軸に平行な方向に双方向に移動させ、それによって物品を少なくとも1つの第1のジェット及び少なくとも1つの第2のジェットに対して移動させ、少なくとも1つの第1のジェット及び少なくとも1つの第2のジェットが物品の上を移動し、物品の表面領域全体に衝突するという効果をもたらすことを更に含むことができる。バスケットの移動は、好ましくは、第1及び/又は第2の流体ジェットがノズルによって生成されている間に行われてもよい。
【0123】
図5は、本明細書に記載される装置の別の例の断面図の概略図を示す。装置700は、前述の装置の代替である。装置700は、等しい数の上部ノズル701a、701b及び下部ノズル702a、702bを含む。バスケット703は、その上端に内部バー707を有する側壁を含む。内部バー707は、バスケットの占有面積内に延在する。その結果、最外上部ノズル701aは、そこから放出された下向きに放出される発散ジェット704aが、内部バー707を通過してバスケット703の角部に依然として侵入するように角度が付けられる。換言すれば、下方に突出する発散ジェット704aの最外範囲は、垂直に対してわずかに外側に延びる。対照的に、最外上部ノズル701a以外の上部ノズル701bは、そこから突出するそれらのそれぞれの下方に突出する発散ジェット704bが、実質的に垂直である片側の範囲を有するように配置される。上方に突出する発散ジェット706aを有する最外下部ノズル702aは、水平面(典型的にはバスケット703の基部に平行)を中心に最外上部ノズル701aと対称に配置されることが理解されるであろう。同様に、最外下部ノズル702a以外の下部ノズル702bは、そこから突出するそれらのそれぞれの上向きに突出する発散ジェット706bが、実質的に垂直である一方の側に広がりを有するように配置され、それによって、水平面を中心に他の上部ノズル702aと対称である。このようにして、器具は、バスケット703の角部にあっても高圧ジェットによって洗浄することができ、角部におけるジェットがバスケット703の角部に向かって外向きに押す非ゼロの横方向の力成分をもたらすので、器具を角部にわずかに押し込んで固定することさえできる。
【0124】
要約すると、物品を洗浄するための装置(100、200、300)が提供される。装置は、洗浄される物品を支持するための有孔部材(103、203、303)と、有孔部材の上方に設けられ、下方に向けられており、有孔部材によって支持されたときに物品に衝突する少なくとも1つの第1の流体ジェット(104a、104b、204a、204b、304)を生成するための、少なくとも1つの上部ノズル(101a、101b、201a、201b、301)と、有孔部材の下に設けられ、上方に向けられており、有孔部材によって支持されたときに物品に衝突する少なくとも1つの第2の流体ジェット(106、206a、206b、306)を生成するための、少なくとも1つの下部ノズル(102、202a、202b、302)と、を備える。装置は、少なくとも1つの第1のジェット及び少なくとも1つの第2のジェットが生成されるときに、少なくとも1つの第1のジェットから洗浄される物品に作用する第1のジェット力の垂直成分が、少なくとも1つの第2のジェットから洗浄される物品に作用する第2のジェット力の垂直成分よりも大きくなるように構成されている。
【0125】
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprise)」及び「含有する(contain)」並びにそれらの変形は、「含むが、それに限定されない(including but not limited to)」を意味し、他の構成要素、整数、又はステップを除外することを意図せず、除外しない。本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、単数形は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、単数だけでなく複数も考慮するものとして理解されるべきである。
【0126】
本発明の特定の態様、実施形態、又は実施例に関連して説明される特徴、整数、特性、又はグループは、それらと矛盾しない限り、本明細書に説明される任意の他の態様、実施形態、又は実施例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法又はプロセスのステップの全ては、そのような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせることができる。本発明は、任意の前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示された特徴の任意の新規なもの、又は任意の新規な組合せ、あるいはそのように開示された任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規なもの、又は任意の新規な組合せに及ぶ。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を洗浄するための装置であって、前記装置は、
洗浄される物品を支持するための表面を画定する有孔部材と、
前記有孔部材の上方に設けられ、下方に向けられており、前記有孔部材によって支持されたときに前記物品に衝突する少なくとも1つの第1の流体ジェットを生成するための、
複数の上部ノズルと、
前記有孔部材の下に設けられ、上方に向けられており、前記有孔部材によって支持されたときに前記物品に衝突する少なくとも1つの第2の流体ジェットを生成するための、
複数の下部ノズルと、を備え、
前記装置は、前記少なくとも1つの第1のジェット及び前記少なくとも1つの第2のジェットが生成されるときに、前記少なくとも1つの第1のジェットから前記洗浄される物品に作用する第1のジェット力の垂直成分が、前記少なくとも1つの第2のジェットから前記洗浄される物品に作用する第2のジェット力の垂直成分よりも大きくなるように構成されており、
各ノズルは、発散流体ジェットを生成するように構成されており、
前記上部ノズルの総数は、前記下部ノズルの総数と等しく、
前記複数の上部ノズルのうちの第1の上部ノズルは、前記複数の上部ノズルのうちの第2の上部ノズルが配置される第2の関連ジェットの第2の組み合わされた合成方向に少なくとも部分的に向かって、第1の組み合わされた合成方向に第1の関連ジェットを向けるように配置されており、
最外上部ノズルの各々は、前記最外上部ノズルの各々の外側ジェット壁の方向の水平成分が、前記最外上部ノズルの各々の内側ジェット壁の方向の水平成分未満であるように構成され
、
前記ノズルに与えられる流体の圧力は5×10
6
Paから500×10
6
Paである、
装置。
【請求項2】
前記発散流体ジェットは扇形である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各扇形流体ジェットのそれぞれの平面は、前記装置の長手方向軸に垂直である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
各上部ノズルは、各第1のジェットが前記それぞれの下部ノズルからのそれぞれの第2のジェットと交差するように、前記それぞれの下部ノズルに対して配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記有孔部材と前記複数の上部ノズルとの間の最短距離は、前記有孔部材と前記複数の下部ノズルとの間の最短距離よりも短い、請求項1から
4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の上部ノズル及び前記複数の下部ノズルは第1のノズルバンクに設けられ、前記装置は複数のノズルバンクを備える、請求項1から
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、前記有孔部材が前記ノズルに対して、前記装置の前記長手方向軸又は長手方向軸に平行な方向に移動可能であるように構成されている、請求項1から
6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記有孔部材は、前記長手方向軸に沿って双方向に移動可能である、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記有孔部材を支持し、前記有孔部材の移動を容易にするための1つ又は複数のローラを更に備える、請求項
7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の上部ノズル及び前記複数の下部ノズルの選択的な作動を制御するノズルコントローラを更に備える、請求項1から
9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の上部ノズル及び前記複数の下部ノズルのうちの1つ以上と流体連通する可変ポンプと、
前記可変ポンプの出力を制御するポンプコントローラと、を更に備える、請求項1から
10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
請求項1から
11のいずれか一項に記載の装置を使用して物品を洗浄する方法であって、前記方法は、
前記有孔部材の前記表面によって緩く支持されるように、前記有孔部材上に前記洗浄される物品を提供するステップと、
複数の上部ノズルによって生成された複数の下方に突出する第1の流体ジェットと、複数の下部ノズルによって生成された複数の上方に突出する第2の流体ジェットとを前記緩い物品に衝突させ、それによって前記物品からデブリを除去させるステップと、を含み、
前記複数の第1のジェットから前記物品に作用する第1の合成ジェット力の垂直成分は、前記複数の第2のジェットから前記物品に作用する第2の合成ジェット力の垂直成分よりも大きい、方法。
【請求項13】
前記有孔部材を前記装置の長手方向軸に平行な方向に双方向に移動させ、それによって前記物品を前記複数の第1のジェット及び前記複数の第2のジェットに対して移動させるステップを更に含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記物品はヒンジ式外科用器具であり、前記方法は、前記ヒンジ式外科用器具のヒンジ継手を露出させるために前記ヒンジが開かれた状態で、前記有孔部材上に前記ヒンジ式外科用器具を提供するステップを含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒンジ式外科用器具は、外科用はさみ又は外科用鉗子である、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記流体は洗浄流体である、請求項1から
15のいずれか一項に記載の装置又は方法。
【請求項17】
前記最外上部ノズルの各々は、外側方向における前記最外上部ノズルの各々の前記外側ジェット壁の前記方向の水平成分が、0から内側方向における前記最外上部ノズルの各々の前記内側ジェット壁の前記方向の水平成分未満であるように構成される、請求項1から
16のいずれか一項に記載の装置又は方法。
【国際調査報告】