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特表2024-528852ゴム層に覆われたRFID付きのタイヤ及び関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】ゴム層に覆われたRFID付きのタイヤ及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 9/00 20060101AFI20240725BHJP
   C08L 7/00 20060101ALI20240725BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20240725BHJP
   C08K 3/06 20060101ALI20240725BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
C08L9/00
C08L7/00
C08K3/04
C08K3/06
B60C19/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503802
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 US2022073132
(87)【国際公開番号】W WO2023009922
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/225,833
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロリンズ,クロード デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,セス エム.
【テーマコード(参考)】
3D131
4J002
【Fターム(参考)】
3D131BA02
3D131BA07
3D131BA08
3D131BA18
3D131CB11
3D131LA20
4J002AC011
4J002AC031
4J002AC061
4J002AC081
4J002DA036
4J002DA047
4J002EV118
4J002EV128
4J002EV148
4J002EV168
4J002EW048
4J002FD016
4J002FD147
4J002FD158
4J002GN01
(57)【要約】
【解決手段】 無線装置を備えた電子通信モジュールを有するタイヤが本明細書に開示される。無線装置は、160℃で特定のT50硬化時間を有するゴム層に覆われている。160℃で特定のT50硬化時間を有するゴム層に覆われた無線装置を備えた電子通信モジュール付きのタイヤを硬化させるための関連する方法も開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
100部の少なくとも1種類のジエン系ゴム、少なくとも1種類の充填剤、及び硬化パッケージから構成されるゴム層に覆われた無線装置を含む電子通信を有するタイヤであって、前記ゴム層の160℃でのT50硬化時間は約1.5~約3.5分、好ましくは約2~約3分であり、厚さは約0.4~約3mm、好ましくは約0.5~約2mmである、タイヤ。
【請求項2】
前記ゴム層は、以下
a.23℃での切断時伸びは150%未満、好ましくは約100~約70%、
b.23℃での50%弾性率は少なくとも3.5MPa、好ましくは約4~約6MPa、
c.23℃での切断時張力は少なくとも9MPa、好ましくは約10~約15MPa、又は
d.130℃でのムーニー粘度ML1+4は約43~約57、好ましくは約45~約50
のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てを満たす、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記ゴム層の前記少なくとも1種類のジエン系ゴム100部は、重量で大部分となるポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、又はこれらの混合物を含み、好ましくは合計で10部以下のEPDM、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、又はニトリルゴムを含む、請求項1又は請求項2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記ゴム層の前記少なくとも1種類のジエン系ゴム100部の全体は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記ゴム層の前記少なくとも1種類の充填剤は、好ましくはN300グレード、N500グレード、又はそれらの組み合わせから選択される、約30~約50phrのカーボンブラックを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記ゴム層の前記硬化パッケージは加硫剤としての硫黄と少なくとも1種類の加硫促進剤とを含み、硫黄に対する加硫促進剤の重量比は少なくとも0.7:1、好ましくは少なくとも0.9:1又は0.9:1~1.5:1である、請求項1~5のいずれか一項に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記タイヤはインナーライナーを含み、前記無線装置は前記インナーライナーの半径方向内側に配置される、請求項1~6のいずれか一項に記載のタイヤ。
【請求項8】
電子通信モジュール付きのタイヤを硬化させる方法であって、
未硬化タイヤカーカスと、100部の少なくとも1種類のジエン含有ゴム、少なくとも1種類の充填剤、及び硬化パッケージから構成されるゴム層に覆われて封入された無線装置を含む電子通信モジュールとを提供するステップであって、前記ゴム層の160℃でのT50硬化時間は約1.5~約3.5分、好ましくは約2~約3分であり、前記ゴム層の厚さは約0.4~約3mm、好ましくは約0.5~約2mmである、ステップと、
前記封入された無線装置を前記未硬化タイヤカーカスの少なくとも1つの構成要素に対して位置決めし、次いで、前記未硬化タイヤカーカスを前記封入された無線装置と一緒に硬化させるステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記硬化させるステップは、ペブル表面ゴム硬化ブラダの使用を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ゴム層は、以下
a.23℃での切断時伸びは150%未満、好ましくは約100~約70%、
b.23℃での50%弾性率は少なくとも3.5MPa、好ましくは約4~約6MPa、
c.23℃での切断時張力は少なくとも9MPa、好ましくは約10~約15MPa、又は
d.130℃でのムーニー粘度ML1+4は約43~約57、好ましくは約45~約50
のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てを満たす、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記ゴム層の前記少なくとも1種類のジエン系ゴム100部は、重量で大部分となるポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、又はこれらの混合物を含み、好ましくは合計で10部以下のEPDM、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、又はニトリルゴムを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ゴム層の前記少なくとも1種類のジエン系ゴム100部の全体は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ゴム層の前記少なくとも1種類の充填剤は、好ましくはN300グレード、N500グレード、又はそれらの組み合わせから選択される、約30~約50phrのカーボンブラックを含む、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ゴム層の前記硬化パッケージは加硫剤としての硫黄と少なくとも1種類の加硫促進剤とを含み、硫黄に対する加硫促進剤の重量比は少なくとも0.7:1、好ましくは少なくとも0.9:1又は0.9:1~1.5:1である、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記無線デバイスを覆うために使用される分かれた2枚の前記ゴム層のシートの使用を含むプロセスを介して、前記封入された無線装置は前記ゴム層に覆われる、請求項8~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記未硬化タイヤカーカスの前記少なくとも1つの構成要素はインナーライナーであり、前記無線装置は前記インナーライナーの半径方向内側に配置される、請求項8~15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ゴム層に覆われた無線装置付きのRFID又は電子通信モジュールを含むタイヤ、及び封入されたRFID付きのタイヤを硬化させるための関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス(無線周波数情報デバイス又はRFIDと呼ばれることが多い)は、タイヤの製造、流通、及び使用中の識別及び追跡などの機能を提供するためにタイヤに組み込むことができる。かかる装置はまた、タイヤ使用時の圧力及び温度などの物理的パラメーターを監視する機能を果たし得る。
【0003】
使用可能な識別及びモニタリング装置が多種多様であることを考慮すると、これらの装置にはまた、多種多様な装着構成が存在する。例示的な既知の装着構成は、タイヤサイドウォールへのモニタリング装置の搭載、ビードフィラーへのモニタリング装置の搭載、添付剤又は接着剤によるタイヤサイドウォールへの装置の取り付け、添付剤又は接着剤によるインナーライナーへの直接的な装置の取り付け、タイヤを支持するリムへの装置の結合、及びホイールのバルブステムへの装置の装着を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線装置を備えた電子通信モジュールを有するタイヤが本明細書に開示される。無線装置は、160℃で特定のT50硬化時間を有するゴム層に覆われている。160℃で特定のT50硬化時間を有するゴム層に覆われた無線装置を備えた電子通信モジュール付きのタイヤを硬化させるための関連する方法も開示される。
【0005】
第1の実施形態では、ゴム層に覆われた無線装置を含む電子通信モジュールを有するタイヤが開示されている。ゴム層は、100部の少なくとも1種類のジエン系ゴム、少なくとも1種類の充填剤、及び硬化パッケージからなり、ゴム層の160℃でのT50硬化時間は約1.5~約3.5分、好ましくは約2~約3分である。第1の実施形態によれば、ゴム層の厚さは約0.4~約3mm、好ましくは約0.5~約2mmである。
【0006】
第2の実施形態では、電子通信モジュール付きのタイヤを硬化させる方法が提供される。第2の実施形態のプロセスによれば、未硬化タイヤカーカスと、ゴム層に覆われて封入された無線装置を含む電子通信モジュールとが提供される。ゴム層は、100部の少なくとも1種類のジエン系ゴム、少なくとも1種類の充填剤、及び硬化パッケージからなり、ゴム層の160℃でのT50硬化時間は約1.5~約3.5分、好ましくは約2~約3分である。第2の実施形態によれば、ゴム層の厚さは約0.4~約3mm、好ましくは約0.5~約2mmである。更に、第2の実施形態のプロセスによれば、封入された無線装置(即ち、ゴム層に覆われた無線装置)は未硬化タイヤカーカスの少なくとも1つの構成要素に対して位置決めされ、次いで、未硬化タイヤカーカスは封入された無線装置と一緒に硬化される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
無線装置を備えた電子通信モジュールを有するタイヤが本明細書に開示される。無線装置は、160℃で特定のT50硬化時間を有するゴム層に覆われている。ゴム層に覆われた無線装置を備えた電子通信モジュール付きのタイヤを硬化させるための関連する方法も開示されており、当該ゴム層は160℃で特定のT50硬化時間を有する。
【0008】
第1の実施形態では、ゴム層に覆われた無線装置を含む電子通信モジュールを有するタイヤが開示されている。ゴム層は、100部の少なくとも1種類のジエン系ゴム、少なくとも1種類の充填剤、及び硬化パッケージからなり、ゴム層の160℃でのT50硬化時間は約1.5~約3.5分、好ましくは約2~約3分である。第1の実施形態によれば、ゴム層の厚さは約0.4~約3mm、好ましくは約0.5~約2mmである。
【0009】
第2の実施形態では、電子通信モジュール付きのタイヤを硬化させる方法が提供される。第2の実施形態のプロセスによれば、未硬化タイヤカーカスと、ゴム層に覆われて封入された無線装置を含む電子通信モジュールとが提供される。ゴム層は、100部の少なくとも1種類のジエン系ゴム、少なくとも1種類の充填剤、及び硬化パッケージからなり、ゴム層の160℃でのT50硬化時間は約1.5~約3.5分、好ましくは約2~約3分である。第2の実施形態によれば、ゴム層の厚さは約0.4~約3mm、好ましくは約0.5~約2mmである。更に、第2の実施形態のプロセスによれば、封入された無線装置(即ち、ゴム層に覆われた無線装置)は未硬化タイヤカーカスの少なくとも1つの構成要素に対して位置決めされ、次いで、未硬化タイヤカーカスは封入された無線装置と一緒に硬化される。
【0010】
定義
本明細書に記載される用語は、実施形態を説明するためだけのものであり、全体として本発明を限定すると解釈すべきではない。
【0011】
本明細書で使用されるとき、重量で用語「大部分」は、50重量%超を指す。
【0012】
本明細書で特に明記しない限り、用語「ムーニー粘度」は、ムーニー粘度、ML1+4を指す。ゴム組成物のムーニー粘度は、加硫又は硬化に先立って測定されることを、当業者は理解するであろう。
【0013】
本明細書で使用されるとき、用語「天然ゴム」は、パラゴムノキゴムの木などの原料、及び非パラゴムノキ原料(例えば、グアユールゴムノキ及びTKSなどのタンポポ)から収穫することができるものなどの、天然由来のゴムを意味する。言い換えれば、用語「天然ゴム」は、合成ポリイソプレンを除くものと解釈すべきである。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「窒素表面積」は、限定するものではないが、本明細書で論じるシリカ充填剤を含む、粒子材料の窒素吸収比表面積(NSA)を指す。窒素表面積は、以下に述べるものを含む、様々な標準的方法に従って測定することができる。
【0015】
本明細書で使用されるとき、用語「phr」とは、ゴム100部当たりの部を意味する。ゴム100部は、少なくとも1種類のジエン系エラストマー100部を指す。
【0016】
本明細書で使用されるとき、用語「ポリイソプレン」は、合成ポリイソプレンを意味する。言い換えれば、この用語は、イソプレンモノマーから製造されたポリマーを示すために用いられ、天然由来のゴム(例えば、Hevea天然ゴム、グアユール起源の天然ゴム、又はタンポポ起源の天然ゴム)を含むと解釈すべきではない。ただし、「ポリイソプレン」という用語は、イソプレンモノマーの天然源から製造されるポリイソプレンを含むと解釈すべきである。
【0017】
電子通信モジュール
上述したように、本開示は、概して、ゴム層に覆われた無線装置を備えたRFID又は電子通信モジュールを含むタイヤ、及び封入されたRFID付きのタイヤを硬化させるための関連する方法に関する。本明細書に開示される第1及び第2の実施形態によれば、電子通信モジュールは、少なくとも本体及びアンテナを含むものとして一般的に理解され得る無線装置を含む。以下でより詳細に説明するように、無線装置は、タイヤの他の構成要素、例えば、インナーライナー、1つ又は複数のボディプライ、サイドウォールなどと共に硬化される前に、ゴム層に覆われる。無線デバイスがゴム層に覆われているということは、無線装置がゴム層に覆われていること、及び/又は無線装置がゴム層によって完全に覆われていることを意味する。以下でより詳細に論じられるように、無線装置を覆うゴム層は単数形で論じられるが、ある実施形態では、無線装置は、本明細書で「ゴム層」又は「当該ゴム層」として論じられるものをもたらすように、分かれた2枚のゴム層のシート(それぞれ、同じ組成及び同じT50硬化時間を有する)を使用して覆われることができる。ゴム層は、特定のT50硬化時間(160℃で測定)を有しており、これは、ゴム層の硬化時間が比較的速いことで硬化中の無線装置の移動を最小化又は排除すると共に、無線装置がタイヤ内に適切に配置されることを確実にするという利点を提供するのに、十分に少ない(又は速い)。したがって、本明細書に開示される第1及び第2の実施形態によれば、ゴム層に封入された無線装置付きの電子通信モジュールは、硬化後であってもゴム層によって封入又は覆われたままであろう。したがって、硬化中に無線装置がゴム層を通り抜けたりゴム層に入り込んだりする可能性が低減される。さもなければ、硬化中にゴム層を通り抜けたりゴム層に入り込んだりすることにより無線装置がゴム層の表面から露出して(タイヤ内で可視状態となり)、そこで損傷を受けやすくなるか、又はインナーライナー内に沈み込み、1つ又は複数のボディプライに損傷を与える可能性がある。
【0018】
ゴム層
上述したように、第1及び第2の実施形態によれば、無線装置は、特定のT50硬化時間を有するゴム層に覆われている。ゴム層は、100部の少なくとも1種類のジエン系ゴム、少なくとも1種類の充填剤及び硬化パッケージから構成される(含む)。本明細書で使用されるとき、ジエン系ゴムという語句は、少なくとも1種類の共役ジエンモノマーから作製されるポリマー又はコポリマーを指すことを意図している。一般に、ジエン系ゴムの非限定的な例としては、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエンゴム、及びポリブタジエンが挙げられる。少なくとも1種類のジエン系ゴム、少なくとも1種類の充填剤、及びゴム層の硬化パッケージに使用される特定の成分を変更することができるが、ゴム層のT50硬化時間が約1.5~約3.5分又は1.5~3.5分(例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、又は3.5分)、好ましくは約2~約3分又は2~3分(例えば、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、又は3分)となるように選択される。
【0019】
第1及び第2の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム層は、以下のうちの少なくとも1つを満たすであろう。(a)23℃での切断時伸びは150%未満(例えば、149%、145%、140%、135%、130%、125%、120%、115%、110%、105%、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%など)、好ましくは約100%~約70%又は100%~70%(例えば、100%、95%、90%、85%、80%、75%、又は70%)、(b)23℃での50%弾性率は少なくとも3.5MPa(例えば、3.5MPa、4MPa、4.5MPa、5MPa、5.5MPa、6MPa、6.5MPa、7MPa、7.5MPa、8MPaなど)、好ましくは約4~約6MPa又は4~6MPa(例えば、4MPa、4.5MPa、5MPa、5.5MPa、又は6MPa)、(c)23℃での切断時張力は少なくとも9MPa(例えば、9MPa、9.5MPa、10MPa、10.5MPa、11MPa、11.5MPa、12MPa、12.5MPa、13MPa、13.5MPa、14MPa、14.5MPa、15MPa、15.5MPa、16MPa、17MPa、18MPaなど)、好ましくは約10~約15MPa又は10~15MPa(例えば、10MPa、10.5MPa、11MPa、11.5MPa、12MPa、12.5MPa、13MPa、13.5MPa、14MPa、14.5MPa、又は15MPa)、又は(d)130℃でのムーニー粘度ML1+4が約43~約57又は43~57(例えば、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、又は57)、好ましくは約45~約50又は45~50(例えば、45、46、47、48、49又は50)である。
【0020】
切断時伸びの測定値(単位はパーセント伸び(% elongation))はEbとも呼ばれ、ゴム組成物の引き裂き抵抗の指標を提供する。切断時引張強さの測定値(単位はMPa)はTbとも呼ばれ、切断するまでに耐え得る最大応力を測定することによって、ゴム組成物の強度の指標を提供する。切断時伸び及び切断時張力は、限定はしないが、ASTM D-412に記載される標準的手順のガイドラインに従って、幅の断面寸法4mm、中心部厚さ1.9mmを有するダンベル型試料を用いて測定することができる。測定中、試験片を一定速度(毎秒20%)で歪ませ、結果として得られた力を伸展(歪み)の関数として記録することができる。23℃で測定されたEb及びTbは、室温測定値と呼ばれることがある。50%弾性率の測定値(単位はMPa)はM50とも呼ばれ、50%伸びにおけるゴム組成物の試料の引張応力を測定する。50%弾性率の測定値は真の弾性率測定値ではなく、Eb及びTbについて記載したのと同じ方法を用いて測定することができる。130℃でのムーニー粘度ML1+4は、熱入れ時間を1分間、稼働時間を4分間として、大型ローター付きのAlpha Technologies製ムーニー粘度計を使用して決定することができ、ムーニー1+4又はML1+4と呼ばれる。より具体的には、そのようなムーニー粘度は、ローターが始動する前に未硬化試料を130℃に1分間予熱することによって測定され、ムーニー粘度は、ローターが始動してから4分後のトルクとして各試料について記録される。
【0021】
第1及び第2の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム層の23℃でのショアA硬度は、少なくとも70(例えば、70、75、80、85、90、95、又は100)、好ましくは70~90(例えば、70、72、74、75、76、78、80、82、84、85、86、88、又は90)、より好ましくは74~84(例えば、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、又は84)である。ショアA硬度は、試料サイズを最小0.25インチゲージ及び1インチ幅、硬化条件を150℃で40分と、ASTM D2240に従って決定することができる。
【0022】
第1及び第2の実施形態の好ましい実施形態では、ゴム層は、前述の(a)~(d)のそれぞれを、好ましくは(a)~(d)のそれぞれをそれらの好ましい範囲で満たす。特定のそのような実施形態において、ゴム層はまた、ショアA硬度範囲を、好ましくは好適な範囲を、より好ましくはより好適な範囲を満たす。
【0023】
本明細書に開示される第1及び第2の実施形態によれば、ゴム層中の少なくとも1種類のジエン系ゴム100部を構成するために使用される1種類のゴム又は複数種類のゴムを変更することができる。全体として(又は合計で)、100部のゴムがゴム層中に存在するであろう。当業者が理解するように、100部のゴムが使用されるので、ゴム層の他の成分は、100部のゴム当たりの部の量、即ちphrで説明することができる。第1及び第2の実施形態の好ましい実施形態では、ゴム層の少なくとも1種類のジエン系ゴムは、合計で大部分(例えば、51%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、855、90%、95%、又は更に100%)となるポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、又はこれらの混合物を含み、好ましくは合計で10部以下(例えば、10部、5部、4部、3部、2部、1部、又は更に0部)のEPDM、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、又はニトリルゴムを含む。上記のより好ましい実施形態では、ゴム層の少なくとも1種類のジエン系ゴムは、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、又は更には100重量%のポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、又はこれらの混合物を含む。第1及び第2の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム層に使用される任意のポリブタジエンは、シス結合の含有量が、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも92%であるポリブタジエンであるとみなすことができる高シスポリブタジエンである。高シスポリブタジエンは、一般に、比較的低い、例えば-100℃未満のTgを有する。第1及び第2の実施形態の他の実施形態では、ゴム層に使用される任意のポリブタジエンは、シス結合の含有量がより少なく、例えば90%未満であり、Tgはより高く、例えば、約-85~約-55℃の範囲又は-85~-55℃(例えば,-85、-80、-75、-70、-65、-60、又は-55℃)、好ましくは約-80~約-60℃又は-80~-60℃(例えば、-60、-65、-70、-75、又は-80℃)である。第1及び第2の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム層に使用されるいずれのポリブタジエンゴムも官能化されていない。第1及び第2の実施形態の他の実施形態では、ゴム層に使用される任意のポリブタジエンゴムは、(例えば、末端官能性化合物及び/又はカップリング剤を使用して)官能化されている。第1及び第2の実施形態の更に他の実施形態では、官能化ポリブタジエンゴムと非官能化ポリブタジエンゴムとの組み合わせがゴム層に使用される。
【0024】
本明細書に開示される第1及び第2の実施形態によれば、ゴム層の少なくとも1種類の充填剤を変更することができる。第1及び第2の実施形態の好ましい実施形態では、ゴム層の少なくとも1種類の充填剤は、好ましくは約30~約50phr又は30~50phr(例えば、30、35、40、45、又は50phr)の量のカーボンブラックを含む。カーボンブラックを、例えば、前述の量のうちの1つでゴム層に使用する場合、カーボンブラックは、好ましくは、N300シリーズ、N500シリーズ、又はそれらの組み合わせから選択される。N300シリーズカーボンブラックの非限定的な例としては、N330及びN351が挙げられる。N500シリーズのカーボンブラックの非限定的な例としては、ASTM D-1765-82aによって指定されるN550カーボンブラックが挙げられる。ゴム層に使用される任意のカーボンブラックは、好ましくは、少なくとも約20m/g(少なくとも20m/gを含む)、より好ましくは少なくとも約35m/gから約200m/gまで、又はそれ以上(35m/gから200m/gまでを含む)の表面積を有するものなどの、補強性カーボンブラックである。カーボンブラックについて本明細書において使用される表面積の値は、臭化セチルトリメチル-アンモニウム(cetyltrimethyl-ammonium bromide、CTAB)技法を使用するASTM D-1765によって決定される。第1及び第2の実施形態の好ましい実施形態では、ゴム層は、限られた量のシリカを含み(例えば、5phr、4phr、3phr、2phr、1phr未満)、更により好ましくはシリカを含まない(即ちシリカは0phr)。
【0025】
第1及び第2の実施形態の好ましい実施形態では、ゴム層の硬化パッケージは、加硫剤としての硫黄と少なくとも1種類の加硫促進剤とを含み、硫黄に対する加硫促進剤の重量比は、少なくとも0.7:1(例えば、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1など)、好ましくは少なくとも0.9:1又は0.9:1~1.5:1(例えば、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、又は1.5:1)である。特定の好適な硫黄加硫剤の例としては、「ゴム製造業者(rubbermaker)」の可溶性硫黄、二硫化アミン、ポリマー性ポリスルフィド、又は硫黄オレフィン付加物などの硫黄供与性硬化剤、及び不溶性のポリマー性硫黄が挙げられる。好ましくは、硫黄加硫剤は、可溶性硫黄、又は可溶性硫黄ポリマーと不溶性硫黄ポリマーとの混合物である。ゴム層の硬化パッケージにおいて使用される特定の加硫促進剤又は複数の加硫促進剤を変更することができる。一般に、硫黄加硫剤は、第1及び第2の実施形態の特定の実施形態において、3~10phr(例えば、3、4、5、6、7、8、9、又は10phr)、及び5~8phr(例えば、5、6、7、又は8phr)を含む、1~12phr(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12phr)の範囲の総量で使用することができ、少なくとも1種類の加硫促進剤は、1又は8phr(例えば、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、又は8phr)を含む、0.7~10phr(例えば、0.7、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、又は10phr)の範囲の総量で使用することができ、硫黄に対する加硫促進剤の重量比は上述の通りである。第1及び第2の実施形態の好ましい実施形態において、ゴム層に使用される少なくとも1種類の加硫促進剤は、超高速加硫促進剤を含むか、又は超高速加硫促進剤である。一般に、以下のクラスの加硫促進剤、チオホスフェート、チオ尿素、チウラム、ジチオカルバメート、及びキサンテートは、超高速加硫促進剤であると考えることができる:。好適なチオホスフェートの非限定的な例としては、ジンク-O,O-ジ-N-ホスホロジチオエート(ZBDP)が挙げられる。好適なチオ尿素の非限定的な例としては、エチレンチオ尿素(ETU)、ジ-ペンタメチレンチオ尿素(DPTU)、及びジブチルチオ尿素(DBTU)が挙げられる。好適なチウラムの非限定的な例としては、チウラムモノスルフィド、及びチウラムポリスルフィドが挙げられる(それらの例としてTMTM(テトラメチルチウラムモノスルフィド)、TMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、DPTT(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)、TETD(テトラエチルチウラムジスルフィド)、TiBTD(テトライソブチルチウラムジスルフィド)、及びTBzTD(テトラベンジルチウラムジスルフィド)が含まれる)。ジチオカルバメートの非限定的な例としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDMC)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDEC)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDBC)、及びジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDBC)が挙げられる。好適なキサンテートの非限定的な例としては、亜鉛-イソプロピルキサンテート(ZIX)が挙げられる。
【0026】
ゴム層はまた、限定するものではないが、1種類以上の可塑剤(例えば、油などの液体可塑剤、又は炭化水素樹脂などのより固形の可塑剤)、1種類以上の酸化防止剤、1種類以上の加硫活性化剤(例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸など)、1種類以上の加硫阻害剤、及び1種類以上のスコーチ防止剤を含む、1種類以上の追加の成分を含むことができる。本明細書に開示される第1及び第2の実施形態によれば、ゴム層は、前述の追加成分のいずれか又は全てを含むことができる。
【0027】
ゴム層が1種類以上の可塑剤を含む第1及び第2の実施形態のそれらの実施形態では、使用される可塑剤の特定の種類(複数可)及び量(複数可)を変更することができる。様々な可塑剤がゴム層での使用に適しており、限定するものではないが、油などの液体可塑剤及び炭化水素樹脂などのより固形の可塑剤が挙げられる。可塑剤が液体であるということは、23℃の室温でその状態であるということを意味する。任意の液体可塑剤又は油は、伸展油(ジエン系ゴムの1種類を伸展するために使用される)として存在することができ、及び/又は遊離油(混合中に別個に添加される)として使用することができる。油などの好適な液体可塑剤としては、限定するものではないが、芳香族油、ナフテン油、及び低PCA油が挙げられる。好適な低PCA油としては、IP346法によって測定すると、3重量%未満の多環式芳香族含量を有するものが挙げられる。IP346法の手順は、Institute of Petroleum(英国)発行のStandard Methods for Analysis & Testing of Petroleum and Related Products and British Standard 2000 Parts,2003,第62版に見出すことができる。好適な低PCA油としては、軽度抽出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族抽出物(TDAE)、TRAE、及び重ナフテン系が挙げられる。好適なMES油は、CATENEX SNR(SHELL製)、PROREX 15及びFLEXON 683(EXXONMOBIL製)、VIVATEC 200(BP製)、PLAXOLENE MS(TOTAL FINA ELF製)、TUDALEN 4160/4225(DAHLEKE製)、MES-H(REPSOL製)、MES(Z8製)、並びにOLIO MES S201(AGIP製)として市販されている。好適なTDAE油は、TYREX 20(EXXONMOBIL製)、VIVATEC 500、VIVATEC 180、及びENERTHENE 1849(BP製)、並びにEXTENSOIL 1996(REPSOL製)として入手可能である。好適な重ナフテン系油は、SHELLFELX 794、ERGON BLACK OIL、ERGON H2000、CROSS C2000、CROSS C2400、及びSAN JOAQUIN 2000Lとして入手可能である。好適な低PCA油としてはまた、野菜、木の実、及び種子から採取できるものなど、様々な植物起源の油も挙げられる。非限定例としては、限定するものではないが、ダイズ油、ヒマワリ油(高オレイン酸ヒマワリ油を含む)、サフラワー油、コーン油、亜麻仁油、綿実油、菜種油、カシュー油、ゴマ油、ツバキ油、ホホバ油、マカダミアナッツ油、ココナツ油、及びヤシ油が挙げられる。前述の加工油を、伸展油として、即ち、油展ポリマー又は共重合体の調製のために、あるいは加工油又は遊離油として使用することもできる。第1及び第2の実施形態によれば、ゴム層において使用される油(プロセス油及び任意のエキステンダー油)の総量は、約1~約20phr又は1~20phr(例えば、1、5、10、15、又は20phr)、好ましくは約1~約10phr又は1~10phr(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10phr)である。ゴム層に使用するのに好適な炭化水素樹脂は変更することができ、限定するものではないが、シクロペンタジエン又はジシクロペンタジエンホモポリマー又はコポリマー樹脂を含むことができる。テルペンホモポリマー又はコポリマー樹脂、フェノールホモポリマー又はコポリマー樹脂、C5又はC9部分ホモポリマー又はコポリマー樹脂、アルファ-メチルスチレンホモポリマー又はコポリマー樹脂、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。第1及び第2の実施形態によれば、ゴム層に使用される炭化水素樹脂の総量は、約1~約10phr又は1~10phr(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10phr)、好ましくは約1~約5phr又は1~5phr(例えば、1、2、3、4、又は5phr)である。第1及び第2の実施形態の好ましい実施形態において、可塑剤の総量は、10phr以下(例えば、10、9、8、7、6、5、4phr以下)であり、5phr以下などを含む。
【0028】
ゴム層が1種類以上の酸化防止剤を含む第1及び第2の実施形態のそれらの実施形態では、使用される特定の種類(複数可)及び量(複数可)を変更することができる。様々な抗酸化剤は当業者には公知であり、ゴム層内で利用することができる。これらには、限定するものではないが、ある種のワックス、フェノール系抗酸化剤、アミンフェノール抗酸化剤、ヒドロキノン抗酸化剤、アルキルジアミン抗酸化剤、及びアミン化合物抗酸化剤(N-フェニル-N’-イソプロピル-p-フェニレンジアミン(IPPD)又はN-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-フェニレンジアミン(6PPD)など)が挙げられる。1種類又は複数の種類、及び1種類又は複数の各種類を、ある特定の実施形態に利用することができる。一般に、ゴム層に使用される酸化防止剤(複数可)の総量は、1~5phr(例えば、1、2、3、4、又は5phr)である。
【0029】
ゴム層が1種類以上の加硫活性化剤を含む第1及び第2の実施形態のそれらの実施形態では、使用される特定の種類(複数可)及び量(複数可)を変更することができる。一般に、加硫活性化剤は、加硫を支援するために使用される添加剤であり、無機成分と有機成分の両方を含む。酸化亜鉛は、最も広く使用されている無機加硫活性化剤である。ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、及び前述の各々の亜鉛塩を含む様々な有機加硫活性化剤が、一般的に使用されている。一般に、使用される加硫活性化剤の総量は、0.1~6phr(例えば、0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、又は6phr)、好ましくは0.5~4phr(例えば、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、又は4phr)の範囲である。
【0030】
ゴム層が1種類以上の加硫阻害剤を含む第1及び第2の実施形態のそれらの実施形態では、使用される特定の加硫阻害剤(複数可)及び量(複数可)を変更することができる。一般に、加硫阻害剤は、加硫プロセスを制御するため、所望の時間及び/又は温度に達するまで加硫を遅らせるか又は阻害するために使用される。一般的な加硫阻害剤としては、限定するものではないが、Santogard製のPVI、シクロヘキシルチオフタルミド(cyclohexylthiophthalmide)が挙げられる。一般に、使用される加硫阻害剤の量は、0.1~3phr(例えば、0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、又は3phr)、好ましくは0.5~2phr(例えば、0.5、1、1.5、又は2phr)の範囲である。
【0031】
ゴム層が1種類以上のスコーチ防止剤を含む第1及び第2の実施形態のそれらの実施形態では、使用される特定の種類(複数可)及び量(複数可)を変更することができる。硬化で用いられる好適な硬化剤及び他の構成成分(例えば、加硫阻害剤及びスコーチ防止剤)の一般開示として、Kirk-Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,3rd ed.,Wiley Interscience,N.Y.1982,Vol.20,pp.365~468、特にVulcanization Agents and Auxiliary Materials,pp.390~402又はA.Y.CoranによるVulcanization(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,Second Edition(1989 John Wiley & Sons,Inc.))を参照することができ、これらの両方ともが、参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
ゴム層の形成
ゴム層は、一般に少なくとも1つの非生産的マスターバッチ段階及び最終生産用混合段階において成分を混合することを含む、従来実施されている方法に従って調製されるであろう。第1の実施形態及び第2の実施形態における特定の実施形態では、ゴム層は、例えば、バンブリミキサー又はミル粉砕用ロールで、ゴム層に適用可能なゴム組成物(上記で開示した)の成分を一緒に混錬するなどによる当技術分野において既知の方法によって、当該成分を混合することにより調製される。このような方法は、一般に、少なくとも1回の非生産用マスターバッチ混合段階と、最終生産用混合段階とを含む。非生産用マスターバッチ段階という用語は、当業者に既知であり、一般に、加硫剤又は加硫促進剤を添加しない混合段階(単複数の段階)であると理解されている。最終生産用混合段階という用語も当業者に既知であり、一般に、ゴム組成物中に加硫剤及び加硫促進剤を添加する混合段階であると理解されている。第1の実施形態及び第2の実施形態における特定の実施形態では、複数の非生産用マスターバッチ混合段階を含むプロセスによって調製されたゴム組成物からゴム層を調整する。
【0033】
一般に、ゴム(又はポリマー)及び充填剤は、1つ又は複数の非生産用又はマスターバッチ混合段階で添加されるであろう。一般に、硬化パッケージの少なくとも加硫剤成分及び加硫促進成分は、最終又は生産用混合段階で添加されるであろう。
【0034】
第1の実施形態及び第2の実施形態における特定の実施形態では、少なくとも1回の非生産用マスターバッチ混合段階が約130℃~約200℃の温度で実施されるプロセスを使用して調製されたゴム組成物からゴム層を調整する。第1の実施形態及び第2の実施形態における特定の実施形態では、ゴム組成物の望ましくない事前硬化を回避するために加硫温度を下回る温度で実施される最終生産用混合段階を使用して調製されたゴム組成物からゴム層を調整する。したがって、生産用又は最終混合段階の温度は、約120℃を超えるべきではなく、通常、約40℃~約120℃、又は約60℃~約110℃、とりわけ約75℃~約100℃である。第1の実施形態及び第2の実施形態における特定の実施形態では、少なくとも1回の非生産用混合段階と少なくとも1回の生産用混合段階とを含むプロセスによって調製されたゴム組成物からゴム層を調整する。
【0035】
例えば上記の混合手順に従ってゴム層用の成分を調製すれば、その成分から層を形成することができる。ゴム層方法がゴム層を形成するのに好適であり、限定するものではないが、カレンダー加工又は押出プロセスが挙げられる。第1及び第2の実施形態の好ましい実施形態では、ゴム層をカレンダー加工によって形成する。当業者が理解するように、カレンダー加工は、ゴム層(又は本明細書で論じられるゴム層を形成するために使用されるゴムシート)を形成するために対で配置されるロールを含む一連のロール(そのうちのいくつかは加熱されてもよい)を通してゴムを移動させるプロセスである。第1及び第2の実施形態の好ましい実施形態では、無線装置を間に挟んでから硬化される分かれた2枚のゴム層のシート(それぞれ同じ組成及び同じT50硬化時間を有する)の使用に基づいて、無線装置はゴム層に覆われる。ゴム層の2枚のシートは、硬化中に本質的に1つの連続したゴム層になるので、得られた硬化ゴム層は、1つの層、即ち多層ではなく単層とみなすことができる。第1及び第2の実施形態の他の実施形態では、無線装置を間に挟んでから硬化されるゴム層の単一シートの使用に基づいて、無線装置はゴム層に覆われる。限定するものではないが、無線装置を間に挟んだ状態でゴムシート/層を折り畳むことを含む、ゴム層の単一シートを使用してゴム層で無線装置を覆うための様々な方法を使用してもよい。当業者が理解するように、様々な形態の押出成形が、本明細書で論じられるゴム層(又はゴム層を形成するために使用されるシート(複数可))を形成する際に使用するのに好適であり得る。その非限定的な種類としては、ローラーダイ押出成形が挙げられる。
【0036】
上述したように、第1及び第2の実施形態によれば、ゴム層の厚さは約0.4~約3mm又は0.4~3mm(例えば、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、又は3mm)、好ましくは約0.5~約2mm又は0.5~2mm(例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、又は2mm)である。
【0037】
タイヤ内での無線装置の位置決め
上述したように、無線装置を備えた電子通信モジュールがタイヤに組み込まれる場合、特定の位置又は取り付け構成を変更することができる。一般に、未硬化形態のゴム層に覆われた後にのみ、無線装置を未硬化タイヤ内に配置する。ゴム層の硬化は、タイヤ全体の硬化中に行われる。未硬化状態では、インナーライナー、1つ以上のボディプライ、カーカスプライ、ビード、及びビードフィラーなどの構成要素のいずれかを含むタイヤは、未硬化タイヤカーカスであると考えることができる。硬化タイヤ内に配置されると説明される場合、無線装置を覆うゴム層も硬化されるであろう。
【0038】
第1及び第2の実施形態の好ましい実施形態では、封入された無線装置(即ち、ゴム層に覆われた無線装置)を、タイヤインナーライナーに対して配置する。このような実施形態によれば、タイヤはインナーライナーを含み、(ゴム層に覆われた)無線装置はインナーライナーの半径方向内側に配置される。
【0039】
タイヤ内に封入された無線装置の別の位置決めも可能である。例えば、特定の実施形態では、タイヤは、少なくとも1つのボディプライ並びにビード及びビードフィラー(インナーライナーに加えて)を含み、封入された無線装置を、ボディプライに対して配置される。このような実施形態によれば、ボディプライに対して配置された封入された無線装置を、ビードフィラーを覆うボディプライの一部に沿って、あるいはビードフィラーの上方にあるボディプライの一部に沿って配置することができる。
【0040】
タイヤの硬化
本明細書で提供される第2の実施形態によれば、電子通信モジュール付きのタイヤを硬化させる方法が提供される。第2の実施形態の方法はまた、第1の実施形態による電子通信モジュール付きのタイヤを提供する方法、又は第1の実施形態によるタイヤを硬化させる方法として理解することができる。(本明細書に開示される第1の実施形態即ち、タイヤ、即ち、ゴム層に覆われた無線装置を含む電子通信モジュールを有するタイヤは、未硬化形態のタイヤ並びに硬化形態のタイヤを包含することが意図される。)第2の実施形態のプロセスによれば、未硬化タイヤカーカスと、ゴム層に覆われて封入された無線装置を含む電子通信モジュールとが提供される。ゴム層は、100部の少なくとも1種類のジエン系ゴム、少なくとも1種類の充填剤、及び硬化パッケージからなり、ゴム層の160℃でのT50硬化時間は約1.5~約3.5分、好ましくは約2~約3分である。第2の実施形態によれば、ゴム層は約0.4~約3mm又は0.4~3mm(例えば、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、又は3mm)、好ましくは約0.5~約2mm又は0.5~2mm(例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、又は2mm)である。更に、第2の実施形態のプロセスによれば、封入された無線装置(即ち、ゴム層に覆われた無線装置)は未硬化タイヤカーカスの少なくとも1つの構成要素に対して位置決めされ、次いで、未硬化タイヤカーカスは封入された無線装置と一緒に硬化される。より詳細に以下に説明するように、封入された無線装置が配置される未硬化タイヤカーカスの少なくとも1つの構成要素は、インナーライナー又はボディプライ、好ましくはインナーライナーを含む様々な構成要素から選択することができる。
【0041】
当業者が理解するように、未硬化タイヤカーカスの硬化の特定の詳細、及び配置され封入された無線装置の特定の詳細は、未硬化タイヤカーカスの重量及び厚さなどの要因に応じて変更することができる。第2の実施形態のうちの特定の実施形態では、特に未硬化タイヤカーカスがトラック又はバスラジアルタイヤ用である実施形態では、硬化プロセスはタイヤの内部温度を約135~約165℃又は135~165℃(例えば、135、140、145、150、155、160、又は165°C)に上昇させるのに十分な温度で行われる。第2の実施形態の他の実施形態では、硬化プロセスは、特に未硬化タイヤカーカスが乗用車タイヤ用である場合、タイヤの内部温度を約160~約180℃又は160~180℃(例えば、160、165、170、175、又は180℃)に上昇させるのに十分な温度で行われる。タイヤの内部温度は、硬化プロセスで使用される様々な配給(例えば、蒸気又は熱水)の使用によって達成することができる。第2の実施形態の特定の実施形態実施形態では、配給の内部温度は約190~210℃又は190~210℃(例えば、190、195、200、205、又は210℃)、及び/又は供給の外部温度は、約140~約165℃又は140~165℃(例えば、140、145、150、155、160、又は165℃)である。第2の実施形態のうち特定の実施形態では、硬化プロセスはまた、約1.6~約2.7MPa(例えば、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、又は2.7MPa)を含む例示的な圧力を有する圧力下で行われる。
【0042】
第2の実施形態のうち特定の実施形態では、硬化プロセスは、ペブル表面ゴム硬化ブラダを利用する。一般に、未硬化タイヤカーカスを硬化する全体的なプロセスは、内部及び外部の両方の熱及び圧力を加えることによって未硬化タイヤカーカスを硬化又は加硫するタイヤ硬化装置(例えば、タイヤプレス)の使用を含むであろう。タイヤプレスは、一般に、タイヤの外側を成形し加硫する役割を果たす加熱された外側金属モールドを使用し、タイヤカーカスの内側で膨張すると共にタイヤの内側を加硫するために加熱されるゴム硬化ブラダと併せて使用されることが多い。第2の実施形態のプロセスにおけるペブル面ゴム硬化ブラダの使用は、グリーン(未硬化タイヤカーカス)の内面と硬化ブラダとの間から空気を逃がすことを可能にするペブル面による亀裂を防止するのに有用であり得る。閉じ込められた空気は、さもなければ硬化中に無線装置又はRFIDの縁部に沿って亀裂をもたらす可能性があり、これは、耐久性に悪影響を及ぼし得る応力集中領域を引き起こす可能性がある。そのような実施形態によれば、ペブル表面は、膨張及び硬化中にタイヤに接触する表面である硬化ブラダの外側表面上に存在するであろう。
【0043】
未硬化タイヤカーカスを硬化させるプロセスの最中にインナーライナーと硬化ブラダとが粘着又は共硬化するのを回避するために、硬化の前にインナーライナーの表面に(あるいは未硬化タイヤカーカスの半径方向最も内側の構成要素に)剥離処理を施すことができる。限定するものではないが、シリコーン潤滑剤及びポリシロキサン含有剥離処理剤を含む様々な剥離処理剤が、このような目的に有用であることが知られている。本明細書に開示される第1及び第2の実施形態のうちの特定の実施形態では、封入された無線装置が配置されるタイヤ構成要素(例えば、インナーライナー又はボディプライ)の領域に、剥離処理を施すことはないであろう。この、剥離処理を(封入された無線装置を配置する前に)施さないタイヤ構成要素の領域を有することは、タイヤ構成要素(例えば、インナーライナー)との望ましくない結合を防止するのに有用であり得る。封入された無線装置が配置されるタイヤ構成要素の領域における剥離処理の存在、及び任意の結果として生じる(例えば、インナーライナーへの)結合は、耐久性に悪影響を与える可能性のある無線装置又はRFIDの縁に沿った亀裂をもたらし得る。
【0044】
本出願は、本明細書において開示されている組成物及び方法の実施形態が開示される数値範囲全体で実行できるため、明確な範囲限界が明細書内に言葉どおりに言及されていない場合でも、開示される数値範囲内の任意の範囲を支持する、いくつかの数値範囲限界を開示している。実質的に任意の複数又は単数の用語を本明細書で用いることに関して、当業者は、状況又は用途に適切となるように、複数から単数へ、又は単数から複数へ置き換えることができる。様々な単数又は複数の置き換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的に記述されている場合がある。
【0045】
全般的に、当業者は、本明細書及び特に添付の特許請求の範囲で使用された用語は、概して「オープン」な用語を意図していることを理解するであろう。例えば、「含む」という用語は、「含むがこれらに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「挙げられる」という用語は、「挙げられるがこれらに限定されない」と解釈されるべきである。更に、当業者は、前置きされた請求項の記載において特定の数が意図される場合、そのような意図は当該請求項中に明示的に記載されるものとし、そのような記載がない場合は、そのような意図も存在しないことを理解するだろう。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の特許請求の範囲には、請求項の記載を前置きするために、前置き語句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含む場合がある。しかし、そのような語句の使用は、同じ請求項が、前置き語句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」、及び、「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の記載の前置きが、そのように前置きされた請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、そのような記載を1つのみ含む発明に限定することを意味するものとして解釈されてはならず(例えば、「a」又は「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、請求項の記載の前置きに使用される定冠詞の使用についても同じことが言える。加えて、前置きされた請求項の記載において特定の数が明示的に記載される場合でも、当業者は、このような記載が、少なくとも記載される数を意味するものと典型的には解釈されるべきであることを理解している(例えば、他の修飾語句を持たない明らかな記載である「2つの記載」は、典型的には、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうち少なくとも1つ」に類似する慣例表現を用いる場合、全般的に、このような構成は、当業者がその慣例表現を理解し得るという意味において意図される(例えば、「A、B、及びCのうち少なくとも1つを有するシステム」として、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを共に、A及びCを共に、B及びCを共に、並びに/又は、A、B、及びCを共に有するシステムなどが挙げられ得るが、これらに限定されない)。更に、当業者は、事実上、2つ以上の代替用語を示す任意の離接的な単語又は語句は、明細書、請求項、又は図面を問わず、これらの用語のうちの1つ、これらの用語のうちのいずれか、又はこれらの用語の両方を含む可能性を企図すると理解されるべきであることを、理解するであろう。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。特許、特許出願、及び非特許文献を含むがこれらに限定されない全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。組成物及び方法の様々な態様並びに実施形態を本明細書に開示してきたが、他の態様及び実施形態が、当業者には明らかであろう。本明細書で開示されている様々な態様及び実施形態は、例示目的であり、特許請求の範囲により示されている真の範囲及び趣旨を限定することを意図していない。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
100部の少なくとも1種類のジエン系ゴム、少なくとも1種類の充填剤、及び硬化パッケージから構成されるゴム層に覆われた無線装置を含む電子通信を有するタイヤであって、前記ゴム層の160℃でのT50硬化時間は1.5~3分であり、厚さは0.4~3mmであり、
前記ゴム層の前記少なくとも1種類のジエン系ゴム100部は、重量で大部分となるポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、又はこれらの混合物を含み、合計で10部以下のEPDM、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、又はニトリルゴムを含み、
前記ゴム層の前記少なくとも1種類の充填剤は30~50phrのカーボンブラックを含み、
前記ゴム層の前記硬化パッケージは加硫剤としての硫黄と少なくとも1種類の加硫促進剤とを含み、硫黄に対する加硫促進剤の重量比は、0.7:1~1.5:1である、タイヤ。
【請求項2】
前記ゴム層は、以下
a.23℃での切断時伸びは150%未満、
b.23℃での50%弾性率は3.5MPa~6MPa、
c.23℃での切断時張力は9MPa~15MPa、又は
d.130℃でのムーニー粘度ML1+4は43~57
のうちの少なくとも1つを満たす、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記タイヤはインナーライナーを含み、前記無線装置は前記インナーライナーの半径方向内側に配置される、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項4】
電子通信モジュール付きのタイヤを硬化させる方法であって、
未硬化タイヤカーカスと、100部の少なくとも1種類のジエン含有ゴム、少なくとも1種類の充填剤、及び硬化パッケージから構成されるゴム層に覆われて封入された無線装置を含む電子通信モジュールとを提供するステップであって、前記ゴム層の160℃でのT50硬化時間は1.5~3分であり、前記ゴム層の厚さは0.4~3mmである、ステップと、
前記封入された無線装置を前記未硬化タイヤカーカスの少なくとも1つの構成要素に対して位置決めし、次いで、前記未硬化タイヤカーカスを前記封入された無線装置と一緒に硬化させるステップと、
を含み、
前記ゴム層の前記少なくとも1種類のジエン系ゴム100部は、重量で大部分となるポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、又はこれらの混合物を含み、合計で10部以下のEPDM、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、又はニトリルゴムを含み、
前記ゴム層の前記少なくとも1種類の充填剤は30~50phrのカーボンブラックを含み、
前記ゴム層の前記硬化パッケージは加硫剤としての硫黄と少なくとも1種類の加硫促進剤とを含み、硫黄に対する加硫促進剤の重量比は、0.7:1~1.5:1である、方法。
【請求項5】
前記ゴム層は、以下
a.23℃での切断時伸びは150%未満、
b.23℃での50%弾性率は3.5MPa~6MPa、
c.23℃での切断時張力は9MPa~15MPa、又は
d.130℃でのムーニー粘度ML1+4は43~57
のうちの少なくとも1つを満たす、請求項4に記載のタイヤ。

【国際調査報告】