(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】温度処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01K 7/00 20060101AFI20240725BHJP
G01K 3/02 20060101ALI20240725BHJP
G01K 3/10 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
G01K7/00 381Z
G01K3/02 M
G01K3/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504463
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 CN2022107015
(87)【国際公開番号】W WO2023005789
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110851897.9
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524029334
【氏名又は名称】チーリン ジョン イン ハイ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チャオ
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056EM05
(57)【要約】
本発明は、温度処理方法及び装置を提供し、該方法は、各チャネルの現フレームにおける温度値を取得すること(S101)と、各チャネルの現フレームにおける温度値と前のフレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、各チャネルの現フレームにおける温度変化量を取得すること(S102)と、各チャネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャネルを決定すること(S103)と、各第1有効チャネルのマルチフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャネルを決定すること(S104)と、各第2有効チャネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得すること(S105)と、を含む。装置は、上記方法を実行するように構成される。提供される温度処理方法及び装置は、温度収集の正確性を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得することと、
各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得することと、
各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定することと、
各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することと、
各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することと、を含む、
ことを特徴とする温度処理方法。
【請求項2】
各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定することは、
前記チャンネルの現フレームにおける温度変化量が前記第1閾値より小さいと判断された場合、前記チャンネルを前記第1有効チャンネルとする、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チャンネルの現フレームにおける温度変化量が前記第1閾値以上であると判断された場合、前記チャンネルをリセットすることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法
【請求項4】
各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することは、
各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を前記現フレームにおける出力温度値として算出することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することは、
各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、各第3有効チャンネルを決定することと、
各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することは、
各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を前記現フレームにおける出力温度値として算出することを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、各第3有効チャンネルを決定することは、
前記第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値と他の各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値との差の絶対値をそれぞれ計算することで、前記第2有効チャンネルに対応する比較値を取得することと、
前記第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値より小さい比較値の数が所定値より大きいと判断された場合、前記第2有効チャンネルを前記第3有効チャンネルとすることと、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第2有効チャンネルに対応する比較値のうち前記第3閾値より小さい比較値の数が前記所定値以下であると判断された場合、前記第2有効チャンネルをリセットすることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することは、
各第1有効チャンネルの直近の所定数のフレームにおける温度値の分散に基づいて、各第1有効チャンネルの温度分散を取得することと、
各第1有効チャンネルの温度分散及び第2閾値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
各第1有効チャンネルの温度分散及び第2閾値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することは、
前記第1有効チャンネルの温度分散が前記第2閾値より小さいと判断された場合、前記第1有効チャンネルを前記第2有効チャンネルとすることを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1有効チャンネルの温度分散が前記第2閾値以上であると判断された場合、前記第1有効チャンネルをリセットすることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することは、
各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第1有効チャンネルの有効温度値を取得することと、
前記第1有効チャンネルの有効温度値が第4閾値より大きく且つ第5閾値より小さいと判断された場合、前記第1有効チャンネルを第2有効チャンネルとすることと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第1有効チャンネルの有効温度値を取得することは、
前記第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで隣接差を取得することと、
前記隣接差が第6閾値以下であると判断された場合、前記第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を前記第1有効チャンネルの有効温度値とすることと、
前記隣接差が前記第6閾値より大きいと判断された場合、前記第1有効チャンネルの前フレームにおける温度値を前記第1有効チャンネルの有効温度値とすることと、含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第1有効チャンネルの有効温度値を取得するは、
前記第1有効チャンネルのq個のフレームにおける温度値を取得し、ここで、前記q個のフレームにおける温度値は前記第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を含み、qは3以上の奇数であることと、
前記q個のフレームにおける温度値を大きい順に並び替えて、ソートにおける中間の温度値を前記第1有効チャンネルの有効温度値として取得することと、を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
各チャンネルの現フレームにおける温度値は、それぞれ異なるフィルタリングアルゴリズムにより得られたものである、
ことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記第3有効チャンネルの総数が設定値より小さいと判断された場合、各チャンネルに対応する温度センサを再起動させて温度収集を再実行することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記温度センサが第1所定回数連続して再起動されたが、再び再起動させる必要がある場合、前記温度センサが故障していることを提示することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
各チャンネルの現フレームにおける温度値は、それぞれ異なる温度センサによるものである、
ことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記チャンネルに対応する温度センサが第2所定回数連続して再起動された場合、前記チャンネルに対応する温度センサが故障していることを提示することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得する獲得モジュールと、
各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得する計算モジュールと、
各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定する第1決定モジュールと、
各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定する第2決定モジュールと、
各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得する取得モジュールと、を備える、
ことを特徴とする温度処理装置。
【請求項21】
前記第1決定モジュールは、具体的に、
前記チャンネルの現フレームにおける温度変化量が前記第1閾値より小さいと判断された後、前記チャンネルを前記第1有効チャンネルとする、
ことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記チャンネルの現フレームにおける温度変化量が前記第1閾値以上であると判断された後、前記チャンネルをリセットする第1リセットモジュールをさらに備える、
ことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記第1有効チャンネルの温度分散が前記第2閾値以上であると判断された後、前記第1有効チャンネルをリセットする第2リセットモジュールをさらに備える、
ことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記取得モジュールは、具体的に、
各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を前記現フレームにおける出力温度値として算出する、
ことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記取得モジュールは、
各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、各第3有効チャンネルを決定する第1決定ユニットと、
各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得する第1取得ユニットと、を有する、
ことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記第1取得ユニットは、具体的に、
各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を前記現フレームにおける出力温度値として算出する、
ことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第1決定ユニットは、
前記第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値と他の各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値との差の絶対値をそれぞれ計算することで、前記第2有効チャンネルに対応する比較値を取得する計算サブユニットと、
前記第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値より小さい比較値の数が所定値より大きいと判断された場合、前記第2有効チャンネルを前記第3有効チャンネルとする判断サブユニットと、を有する、
ことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記第2決定モジュールは、
各第1有効チャンネルの直近の所定数のフレームにおける温度値の分散に基づいて、各第1有効チャンネルの温度分散を取得する第2取得ユニットと、
各第1有効チャンネルの温度分散及び第2閾値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定する第2決定ユニットと、
ことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項29】
前記第2決定ユニットは、具体的に、
前記第1有効チャンネルの温度分散が前記第2閾値より小さいと判断された場合、前記第1有効チャンネルを前記第2有効チャンネルとする、
ことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記第2有効チャンネルに対応する比較値のうち前記第3閾値より小さい比較値の数が前記所定値以下であると判断された後、前記第2有効チャンネルをリセットする第3リセットモジュールをさらに備える、
ことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記第2決定モジュールは、
各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第1有効チャンネルの有効温度値を取得する第3取得ユニットと、
前記第1有効チャンネルの有効温度値が第4閾値より大きく且つ第5閾値より小さいと判断された後、前記第1有効チャンネルを第2有効チャンネルとする判断ユニットと、を有する、
ことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項32】
前記第3取得ユニットは、具体的に、
前記第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで隣接差を取得し、
前記隣接差が第6閾値以下であると判断された場合、前記第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を前記第1有効チャンネルの有効温度値とし、
前記隣接差が前記第6閾値より大きいと判断された場合、前記第1有効チャンネルの前フレームにおける温度値を前記第1有効チャンネルの有効温度値とする、
ことを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記判断ユニットは、具体的に、
前記第1有効チャンネルのq個のフレームにおける温度値を取得し、ここで、前記q個のフレームにおける温度値は前記第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を含み、qは3以上の奇数であり、
前記q個のフレームにおける温度値を大きい順に並び替えて、ソートにおける中間の温度値を前記第1有効チャンネルの有効温度値として取得する、
ことを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項34】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含む電子機器であって、
前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行されると、請求項1から19のいずれかに記載の方法のステップが実現される、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項35】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行されると、請求項1から19のいずれかに記載の方法のステップが実現される、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理技術分野に関し、特に温度処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、温度センサは、電気自動車の温度検出システムの情報源として、電気自動車の温度検出システムに必須の部品である。
【0003】
従来技術において、電気自動車の温度検出システムは、通常、熱電対温度センサを用いて温度収集を行う。実際の温度収集過程において、何らかの妨害要因に影響されやすく、例えば、システム回線と負荷又は外部電磁放射による影響を受けやすい。
【発明の概要】
【0004】
上記妨害要因により、温度測定結果にばらつきが生じ、温度収集の正確性が低下してしまう。上記妨害要因による温度収集への影響を低減するために、回路にフィルタを追加したり、システムに適切なフィルタリングアルゴリズムを適用して、取得された温度値をフィルタリングしたりするようにしてもよい。しかし、温度センサが外部からの影響を受けて、取得された温度値がある時点で変化し、その後、エラー値のまま変化しない場合、フィルタ又はフィルタリングアルゴリズムによって発見して補正することが不可能であるため、該温度値が常にエラー値のままであり、このエラー値によって電動車に他の故障が発生する可能性がある。
【0005】
従来技術における温度収集が不正確である課題に対して、本発明の実施例は、従来技術に存在する課題を少なくとも部分的に解決できる温度処理方法及び装置を提供する。
【0006】
一態様において、本発明は、温度処理方法を提供する。該温度処理方法は、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得することと、各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得することと、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定することと、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することと、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することと、を含む。
【0007】
別の態様において、本発明は、温度処理装置を提供する。該温度処理装置は、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得する獲得モジュールと、各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得する計算モジュールと、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定する第1決定モジュールと、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定する第2決定モジュールと、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得する取得モジュールと、を備える。
【0008】
さらに別の態様において、本発明は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含む電子機器であって、前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行されると、上記いずれかの実施例に係る温度処理方法のステップが実現される電子機器を提供する。
【0009】
さらに別の態様において、本発明は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行されると、上記いずれかの実施例に係る温度処理方法のステップが実現されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0010】
本発明の実施例に係る温度処理方法及び装置は、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得し、各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得し、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定し、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定し、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することができる。これにより、温度収集の正確性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下で、実施例又は従来技術の説明に用いる図面を簡単に説明する。以下で説明される図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎず、創造的な労力を払わずにこれらの図面を基にして他の図面を取得可能であることは当業者にとって明らかである。
【
図1】本発明の第1実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の第2実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の第3実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の第4実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
【
図5】本発明の第5実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
【
図6】本発明の第6実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
【
図7】本発明の第7実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
【
図8】本発明の第8実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
【
図9】本発明の第9実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
【
図10】本発明の第10実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
【
図11】本発明の第11実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
【
図12】本発明の第12実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
【
図13】本発明の第13実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
【
図14】本発明の第14実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
【
図15】本発明の第15実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
【
図16】本発明の第16実施例に係る電子機器のエンティティ構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本発明の実施例をさらに詳細に説明する。ここで、本発明の模式的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものではない。なお、矛盾しない限り、本発明の実施例及び実施例における特徴は互いに任意に組み合わせることができる。
【0013】
本発明により提供される技術的解決手段の理解を容易にするために、まず、本発明の技術的解決手段に関する内容を以下に説明する。本発明の実施例において、対象物の温度収集には、少なくとも2つの温度センサ又は少なくとも2種類のフィルタリングアルゴリズムを用いる必要があり、少なくとも2種類のフィルタリングアルゴリズムは同一の温度センサに対応する。本発明の実施例では、説明の便宜上、1つのチャンネルは、1つの温度センサ又は1種類のフィルタリングアルゴリズムに対応するものとしている。本発明の実施例に係る温度処理方法は、電気自動車の温度検出システムに用いられてもよく、温度収集を行う必要がある他の場合に適用されてもよく、本発明の実施例において限定されない。
【0014】
図1は、本発明の第1実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
【0015】
S101:各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得する。
【0016】
具体的には、温度処理装置は、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得することができる。各チャンネルがそれぞれ1つの温度センサに対応する場合、各チャンネルに対応する温度センサは、温度をリアルタイムに収集し、取得した温度値を温度処理装置に送信することができ、温度処理装置は、受信した温度センサによりリアルタイムに収集された温度値を、対応するチャンネルの現フレームにおける温度値とすることができる。各チャンネルがそれぞれ1種類のフィルタリングアルゴリズムに対応し、異なるフィルタリングアルゴリズムが同一の温度センサに対応する場合、温度センサは、温度をリアルタイムに収集して温度収集信号を取得することができ、温度検出装置は、異なるフィルタリングアルゴリズムによって温度収集信号を処理することで、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得することができる。ここで、チャンネルの数は、少なくとも2つであり、実際の必要に応じて設定してもよく、本発明の実施例において限定されない。温度処理装置は、ワンチップマイクロコンピュータ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、プロセッサなどを含むが、これらに限定されない。
【0017】
S102:各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得する。
【0018】
具体的には、温度処理装置は、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得した後、各チャンネルの現フレームにおける温度値について、チャンネルの現フレームにおける温度値とチャンネルの前フレームにおける温度値との差の絶対値をチャンネルの現フレームにおける温度変化量として算出する。温度処理装置は、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得することができる。
【0019】
S103:各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定する。
【0020】
具体的には、温度処理装置は、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量について、チャンネルの現フレームにおける温度変化量を第1閾値と比較し、比較の結果に基づいてチャンネルが第1有効チャンネルであるか否かを決定することができる。各第1有効チャンネルは、1つのチャンネルに一意に対応する。温度処理装置は、各第1有効チャンネルを求めることができる。第1閾値は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0021】
例えば、温度処理装置は、チャンネルAの現フレームにおける温度変化量と第1閾値とを比較し、チャンネルAの現フレームにおける温度変化量が第1閾値より小さい場合、チャンネルAについて取得された温度値が安定していることを示していることから、チャンネルAを第1有効チャンネルとすることができる。温度処理装置は、チャンネルBの現フレームにおける温度変化量と第1閾値とを比較し、チャンネルBの現フレームにおける温度変化量が第1閾値以上である場合、チャンネルBについて取得された温度値が不安定であることを示していることから、チャンネルBをリセットして温度値を再取得するようにしてもよい。
【0022】
S104:各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定する。
【0023】
具体的には、温度処理装置は、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値を取得し、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することができる。
【0024】
例えば、温度処理装置は、各第1有効チャンネルの直近の所定数のフレームにおける温度値の分散に基づいて、各第1有効チャンネルの温度分散を取得し、各第1有効チャンネルの温度分散及び第2閾値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することができる。
【0025】
S105:各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得する。
【0026】
具体的には、温度処理装置は、各第2有効チャンネルを求めた後、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することができる。
【0027】
例えば、温度処理装置は、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を現フレームにおける出力温度値として算出することができる。
【0028】
本発明の実施例に係る温度処理方法は、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得し、各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得し、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定し、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定し、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することができる。これにより、温度収集の正確性を向上させることができる。
【0029】
上記各実施例に加えて、さらに、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定することは、チャンネルの現フレームにおける温度変化量が前記第1閾値より小さいと判断された場合、該チャンネルを第1有効チャンネルとすることを含む。
【0030】
具体的には、温度処理装置は、チャンネルの現フレームにおける温度変化量と第1閾値とを比較し、チャンネルの現フレームにおける温度変化量が第1閾値より小さい場合、該チャンネルを第1有効チャンネルとし、第1有効チャンネルは、該チャンネルに対応する。該チャンネルの現フレームにおける温度値は、対応する第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値に相当し、該チャンネルに対応する温度センサ又はフィルタリングアルゴリズムは、対応する第1有効チャンネルに対応する温度センサ又はフィルタリングアルゴリズムに相当する。
【0031】
上記各実施例に加えて、本発明の実施例に係る温度処理方法は、チャンネルの現フレームにおける温度変化量が第1閾値以上であると判断された場合、該チャンネルをリセットすることをさらに含む。
【0032】
具体的には、温度処理装置は、チャンネルの現フレームにおける温度変化量と第1閾値とを比較し、該チャンネルの現フレームにおける温度変化量が第1閾値以上である場合、該チャンネルについて取得された温度値が不安定であることを示していることから、該チャンネルをリセットするようにしてもよい。
【0033】
例えば、チャンネルが1つの温度センサに対応する場合、チャンネルに対応する温度センサを再起動させることでチャンネルをリセットし、温度収集を再実行するようにしてもよい。チャンネルが1種類のフィルタリングアルゴリズムに対応する場合、対応するフィルタリングアルゴリズムをリセットして、フィルタリングを再実行するようにしてもよい。
【0034】
上記各実施例に加えて、さらに、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することは、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を現フレームにおける出力温度値として算出することを含む。
【0035】
具体的には、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値はいずれも有効であり、温度処理装置は、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を計算し、算出された平均値を現フレームにおける出力温度値とするようにしてもよい。
【0036】
例えば、温度処理装置は、下記式に基づいて現フレームにおける出力温度値Toutを算出する。
【0037】
【0038】
ここで、Tkはk番目の第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値を示し、kは正の整数であり且つw以下であり、wは第2有効チャンネルの数を示す。
【0039】
図2は、本発明の第2実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
図2に示すように、上記各実施例に加えて、さらに、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することは、S201、S202を含む。
【0040】
S201:各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、各第3有効チャンネルを決定する。
【0041】
具体的には、温度処理装置は、各第2有効チャンネルを決定した後、各第2有効チャンネルについて、第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値と他の第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値とをそれぞれ互いに比較し、比較の結果に基づいて、第2有効チャンネルが第3有効チャンネルであるか否かを決定する。第3有効チャンネルは、1つの第2有効チャンネルに一意に対応する。温度処理装置は、各第3有効チャンネルを求めることができる。
【0042】
S202:各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得する。
【0043】
具体的には、温度処理装置は、各第3有効チャンネルを求めた後、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することができる。
【0044】
例えば、温度処理装置は、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を現フレームにおける出力温度値として算出することができる。
【0045】
上記各実施例に加えて、さらに、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することは、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を現フレームにおける出力温度値として算出することを含む。
【0046】
具体的には、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値はいずれも有効であり、温度処理装置は、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を計算し、算出された平均値を現フレームにおける出力温度値とするようにしてもよい。例えば、温度処理装置は、下記式に基づいて現フレームにおける出力温度値を算出する。
【0047】
【数2】
ここで、T
jはj番目の第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値を示し、jは正の整数であり且つm以下であり、mは第3有効チャンネルの数を示す。
【0048】
図3は、本発明の第3実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
図3に示すように、上記各実施例に加えて、さらに、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、各第3有効チャンネルを決定することは、S301、S302を含む。
【0049】
S301:第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値と他の各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値との差の絶対値をそれぞれ計算することで、第2有効チャンネルに対応する比較値を取得する。
【0050】
具体的には、温度処理装置は、第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値と他の各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値との差の絶対値をそれぞれ計算することで、第2有効チャンネルに対応する比較値を取得するようにしてもよい。第2有効チャンネルに対応する比較値は1つであってもよく、複数であってもよい。温度処理装置は、各第2有効チャンネルに対応する比較値を取得するようにしてもよい。
【0051】
例えば、第2有効チャンネルA、第2有効チャンネルC及び第2有効チャンネルDの合計3つの第2有効チャンネルがあり、第2有効チャンネルAの現フレームにおける温度値がaであり、第2有効チャンネルCの現フレームにおける温度値がcであり、第2有効チャンネルDの現フレームにおける温度値がdであるものとする。aとcの差の絶対値をVacとして計算し、aとdの差の絶対値をVadとして計算し、第2有効チャンネルAに対応する比較値は、VacとVadである。cとaの差の絶対値をVcaとして計算し、cとdの差の絶対値をVcdとして計算し、第2有効チャンネルCに対応する比較値はVcaとVcdである。dとaの差の絶対値をVdaとして計算し、dとcの差の絶対値をVdcとして計算し、第2有効チャンネルDに対応する比較値はVdaとVdcである。
【0052】
S302:第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値より小さい比較値の数が所定値より大きいと判定された場合、第2有効チャンネルを第3有効チャンネルとする。
【0053】
具体的には、第2有効チャンネルに対応する比較値の各々を第3閾値と比較し、第3閾値より小さい比較値の数を計数し、第3閾値より小さい比較値の数が所定値より大きい場合、第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値が有効であることを示していることから、第2有効チャンネルを第3有効チャンネルとする。各第3有効チャンネルは、1つの第2有効チャンネルに一意に対応し、第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値は、対応する第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に等しい。第3閾値は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。所定値は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0054】
例えば、所定値は1であるものとする。第2有効チャンネルAに対応する比較値がVacとVadであり、VacとVadをそれぞれ第3閾値と比較し、Vacが第3閾値より小さく、且つVadが第3閾値より小さい場合、第2有効チャンネルAについての第3閾値より小さい比較値の数が2であり、所定値1より大きい。この場合、第2有効チャンネルAを第3有効チャンネルとする。第2有効チャンネルDに対応する比較値はVdaとVdcであり、VdaとVdcをそれぞれ第3閾値と比較し、Vdaが第3閾値より小さく、Vdcが第3閾値より大きい場合、第2有効チャンネルDについての第3閾値より小さい比較値の数は1であり、所定値1に等しい。この場合、第2有効チャンネルDを第3有効チャンネルとしない。
【0055】
上記各実施例に加えて、さらに、本発明の実施例に係る温度処理方法は、第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値より小さい比較値の数が所定値以下であると判断された場合、第2有効チャンネルをリセットすることをさらに含む。
【0056】
具体的には、第2有効チャンネルに対応する比較値の各々を第3閾値と比較し、第3閾値より小さい比較値の数を計数し、第3閾値より小さい比較値の数が所定値以下である場合、第2有効チャンネルに対応する現フレームにおける温度値が無効であることを示していることから、第2有効チャンネルをリセットするようにしてもよい。
【0057】
例えば、第2有効チャンネルが1つの温度センサに対応する場合、第2有効チャンネルに対応する温度センサを再起動させることで第2有効チャンネルをリセットし、温度収集を再実行するようにしてもよい。第2有効チャンネルが1種類のフィルタリングアルゴリズムに対応する場合、対応するフィルタリングアルゴリズムをリセットして、フィルタリングを再実行するようにしてもよい。
【0058】
図4は、本発明の第4実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
図4に示すように、上記各実施例に加えて、さらに、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することは、S401、S402を含む。
【0059】
S401:各第1有効チャンネルの直近の所定数のフレームにおける温度値の分散に基づいて、各第1有効チャンネルの温度分散を取得する。
【0060】
具体的には、温度処理装置は、各第1有効チャンネルについて、各第1有効チャンネルの直近の所定数のフレームにおける温度値を記録し、その後、各第1有効チャンネルの直近の所定数のフレームにおける温度値の分散を計算することで、各第1有効チャンネルの温度分散を取得する。ここで、第1有効チャンネルの直近の所定数のフレームにおける温度値は、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を含む。所定数は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0061】
例えば、温度処理装置は、チャンネルAが第1有効チャンネルであると決定した場合、第1有効チャンネルAの直近20個のフレームにおける温度値を取得し、その後、分散の計算式により第1有効チャンネルAの直近20個のフレームにおける温度値の分散を計算し、算出された分散を第1有効チャンネルAの第1有効チャンネルの温度分散とする。分散の計算式は以下のように示す。
【0062】
【数3】
ここで、は第1有効チャンネルの温度分散を示し、pは第1有効チャンネルの直近のn個のフレームにおける温度値の平均値を示し、t
iは第1有効チャンネルの直近のi番目のフレームにおける温度値を示し、iは正の整数であり且つn以下であり、nは所定数を示す。
【0063】
S402:各第1有効チャンネルの温度分散及び第2閾値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定する。
【0064】
具体的には、各第1有効チャンネルの温度分散について、温度処理装置は、第1有効チャンネルの温度分散を第2閾値と比較し、比較の結果に基づいて、第1有効チャンネルが第2有効チャンネルであるか否かを決定する。第2有効チャンネルは、1つの第1有効チャンネルに一意に対応する。温度処理装置は、各第2有効チャンネルを求めることができる。第2閾値は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0065】
例えば、温度処理装置は、第1有効チャンネルAの温度分散を第2閾値と比較し、第1有効チャンネルAの温度分散が第2閾値より小さい場合、一定期間内に第1有効チャンネルAについて取得された温度値が安定していることを示していることから、第1有効チャンネルAを第2有効チャンネルとすることができる。温度処理装置は、第1有効チャンネルCの温度分散を第2閾値と比較し、第1有効チャンネルCの温度分散が第2閾値以上である場合、一定期間内に第1有効チャンネルCについて取得された温度値が不安定であることを示していることから、第1有効チャンネルCをリセットして温度値を再取得するようにしてもよい。
【0066】
上記各実施例に加えて、さらに、各第1有効チャンネルの温度分散及び第2閾値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することは、第1有効チャンネルの温度分散が第2閾値より小さいと判断された場合、第1有効チャンネルを第2有効チャンネルとすることを含む。
【0067】
具体的には、温度処理装置は、第1有効チャンネルの温度分散を第2閾値と比較し、第1有効チャンネルの温度分散が第2閾値より小さい場合、第1有効チャンネルを第2有効チャンネルとし、第2有効チャンネルが第1有効チャンネルに対応する。第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値は、対応する第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に相当し、第1有効チャンネルに対応する温度センサ又はフィルタリングアルゴリズムは、対応する第2有効チャンネルに対応する温度センサ又はフィルタリングアルゴリズムに相当する。
【0068】
上記各実施例に加えて、さらに、本発明の実施例に係る温度処理方法は、第1有効チャンネルの温度分散が第2閾値以上であると判断された場合、第1有効チャンネルをリセットすることをさらに含む。
【0069】
具体的には、温度処理装置は、第1有効チャンネルの温度分散を第2閾値と比較し、第1有効チャンネルの温度分散が第2閾値以上である場合、一定期間内に第1有効チャンネルについて取得された温度値が不安定であることを示していることから、第1有効チャンネルをリセットするようにしてもよい。
【0070】
例えば、第1有効チャンネルが1つの温度センサに対応する場合、第1有効チャンネルに対応する温度センサを再起動させることで第1有効チャンネルをリセットし、温度収集を再実行するようにしてもよい。第1有効チャンネルが1種類のフィルタリングアルゴリズムに対応する場合、対応するフィルタリングアルゴリズムをリセットして、フィルタリングを再実行するようにしてもよい。
【0071】
図5は、本発明の第5実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
図5に示すように、上記各実施例に加えて、さらに、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することは、S501、S502を含む。
【0072】
S501:各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第1有効チャンネルの有効温度値を取得する。
【0073】
具体的には、温度処理装置は、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値を取得し、その後、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第1有効チャンネルの有効温度値を取得するようにしてもよい。
【0074】
S502:第1有効チャンネルの有効温度値が第4閾値より大きく且つ第5閾値より小さいと判断された場合、第1有効チャンネルを第2有効チャンネルとする。
【0075】
温度処理装置は、第1有効チャンネルの有効温度値をそれぞれ第4閾値及び第5閾値と比較し、第1有効チャンネルの有効温度値が第4閾値より大きく、且つ第1有効チャンネルの有効温度値が第5閾値より小さい場合、第1有効チャンネルを第2有効チャンネルとする。第4閾値は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0076】
上記各実施例に加えて、さらに、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第1有効チャンネルの有効温度値を取得することは、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで隣接差を取得し、該隣接差が第6閾値以下であると判断された場合、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を第1有効チャンネルの有効温度値とし、該隣接差が第6閾値より大きいと判断された場合、第1有効チャンネルの前フレームにおける温度値を第1有効チャンネルの有効温度値とすることを含む。
【0077】
具体的には、温度処理装置は、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を隣接差として算出し、該隣接差を第6閾値と比較し、該隣接差が第6閾値以下である場合、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を第1有効チャンネルの有効温度値とし、該隣接差が第6閾値より大きい場合、第1有効チャンネルの前フレームにおける温度値を第1有効チャンネルの有効温度値とするようにしてもよい。上記のようにして有効温度値を決定することにより、偶然の要因によるパルスの干渉を効果的に克服することができる。第6閾値は、実際の経験に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0078】
上記各実施例に加えて、さらに、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第1有効チャンネルの有効温度値を取得することは、第1有効チャンネルのq個のフレームにおける温度値を取得し、q個のフレームにおける温度値は、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を含み、qは3以上の奇数であり、q個のフレームにおける温度値を大きい順に並び替えて、ソートにおける中間の温度値を第1有効チャンネルの有効温度値として取得することを含む。
【0079】
具体的には、温度処理装置は、第1有効チャンネルのq個のフレームにおける温度値を取得し、その後、q個のフレームにおける温度値を大きい順に並び替えて、ソートにおける中間の温度値を第1有効チャンネルの有効温度値として取得するようにしてもよい。q個のフレームにおける温度値は、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を含み、qは3以上の奇数である。上記のようにして有効温度値を決定することにより、偶然の要因による変動の干渉を効果的に克服することができ、変化の緩やかな温度に対して良好なフィルタリング効果が発揮され得る。
【0080】
例えば、qが5である場合、温度処理装置は、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を含む連続する5つのフレームにおける温度値を取得し、その後、この5つのフレームにおける温度値を大きい順に並び替えて、取得した並び替え結果について第1温度値、第2温度値、第3温度値、第4温度値、第5温度値と記す。ここで、第1温度値が最も大きく、第5温度値が最も小さい。従って、ソートにおける中間の温度値となる第3温度値を第1有効チャンネルの有効温度値として取得する。
【0081】
上記各実施例に加えて、さらに、各チャンネルの現フレームにおける温度値は、それぞれ異なるフィルタリングアルゴリズムにより得られたものである。
【0082】
具体的には、各チャンネルはそれぞれ1種類のフィルタリングアルゴリズムに対応し、各チャンネルに対応するフィルタリングアルゴリズムは異なる。同一の温度センサの温度収集信号に対して異なるフィルタリングアルゴリズムを適用してフィルタリングすることにより、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得する。フィルタリングアルゴリズムは、実際の必要に応じて選択されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0083】
例えば、メディアンフィルタリングアルゴリズム、非線形カルマンフィルタリングアルゴリズム及びロバスト適応型カルマンフィルタリングアルゴリズムの3種類のフィルタリングアルゴリズムを選択して同一の温度センサの温度収集信号をフィルタリングすることで、3つのチャンネルの現フレームにおける温度値を取得する。
【0084】
上記各実施例に加えて、さらに、本発明の実施例に係る温度処理方法は、第3有効チャンネルの総数が設定値より小さいと判断された場合、各チャンネルに対応する温度センサを再起動させて温度収集を再実行することをさらに含む。
【0085】
具体的には、各チャンネルの現フレームにおける温度値が異なるフィルタリングアルゴリズムにより得られたものである場合、温度処理装置は、第3有効チャンネルの総数を計数して取得し、そして、第3有効チャンネルの総数を設定値と比較し、第3有効チャンネルの総数が設定値より小さい場合、各チャンネルに対応する温度センサの温度収集信号が無効であることを示していることから、各チャンネルに対応する温度センサを再起動させて温度収集を再実行するようにしてもよい。各チャンネルは、同一の温度センサに対応する。設定値は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0086】
上記各実施例に加えて、さらに、本発明の実施例に係る温度処理方法は、温度センサが第1所定回数連続して再起動された場合、温度センサが故障していることを提示することをさらに含む。
【0087】
具体的には、各チャンネルの現フレームにおける温度値が異なるフィルタリングアルゴリズムにより得られたものである場合、温度センサが第1所定回数連続して再起動された時、温度センサ自体に故障が発生し、温度を正確に収集できないことを示していることから、温度センサが故障していることを提示するようにしてもよい。ここで、第1所定回数は、3回に設定されてもよく、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0088】
例えば、報知情報又は報知音声によって温度センサが故障していることを提示するようにしてもよい。
【0089】
上記各実施例に加えて、さらに、各チャンネルの現フレームにおける温度値は、それぞれ異なる温度センサによるものである。
【0090】
具体的には、各チャンネルは1つの温度センサに対応し、各チャンネルに対応する温度センサは異なり、各チャンネルに対応する温度センサの温度収集対象は同じものとしている。各チャンネルは、同じフィルタリングアルゴリズムを用いて、対応する温度センサの温度収集信号をフィルタリングして、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得する。
例えば、5つの温度センサを設け、同一の対象に対して温度を収集する。
【0091】
上記各実施例に加えて、さらに、本発明の実施例に係る温度処理方法は、チャンネルに対応する温度センサが第2所定回数連続して再起動された場合、チャンネルに対応する温度センサが故障していることを提示することをさらに含む。
【0092】
具体的には、各チャンネルの現フレームにおける温度値が異なる温度センサによるものである場合、温度処理装置は、各チャンネルに対応する温度センサの連続再起動回数を計数し、チャンネルに対応する温度センサが第2所定回数連続して再起動された場合、チャンネルに対応する温度センサが故障し、温度を正確に収集できないことを示していることから、チャンネルに対応する温度センサが故障していることを提示するようにしてもよい。第2所定回数は、3回に設定されてもよく、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0093】
以下、3つの異なる温度センサが同一の対象に対して温度収集を行う処理プロセスを例として、本発明の実施例に係る温度処理方法の具体的な実現プロセスを説明する。
【0094】
温度検出システムにおいて、温度センサ1、温度センサ2及び温度センサ3が設けられ、この3つの温度センサは100ms毎に温度値を収集して温度処理装置に送信する。チャンネル1が温度センサ1に対応し、チャンネル2が温度センサ2に対応し、チャンネル3が温度センサ3に対応するものとしている。第1閾値を1、第2閾値を1、第3閾値を1と設定する。
【0095】
温度センサ1、温度センサ2、温度センサ3による温度データ及び関連処理の結果を表1に示す。
【0096】
【0097】
図6は、本発明の第6実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
図6に示すように、本発明の実施例に係る温度処理方法の具体的な実現プロセスは以下の通りである。
【0098】
ステップ1:各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得する。温度センサ1、温度センサ2及び温度センサ3は、温度データを収集して温度処理装置に送信する。温度処理装置は、チャンネル1の現フレームにおける温度値、チャンネル2の現フレームにおける温度値及びチャンネル3の現フレームにおける温度値を取得することができる。
【0099】
温度処理装置は、5個のフレームにおける温度データを順次に取得し、取得した第1フレームデータは、チャンネル1の現フレームにおける温度値が18.52、チャンネル2の現フレームにおける温度値が18.55、チャンネル3の現フレームにおける温度値が18.97であった。第2フレームデータは、チャンネル1の現フレームにおける温度値が19.28、チャンネル2の現フレームにおける温度値が19.19、チャンネル3の現フレームにおける温度値が19.24であった。第3フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータは、表1を参照すればよいので、ここでは説明を省略する。
【0100】
ステップ2:各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を計算する。温度処理装置は、3つのチャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、3つのチャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得することができる。
【0101】
第1フレームデータについて、温度処理装置は、3つのチャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値をそれぞれ計算し、チャンネル1の温度変化量を0.24、チャンネル2の温度変化量を0.49、チャンネル3の温度変化量を0.16と取得した。第2フレームデータ、第3フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、算出された3つのチャンネルの温度変化量は表1を参照すればよいので、ここでは説明を省略する。なお、第4フレームデータについては、第3フレームデータにおけるチャンネル3の温度値が無効となっているため、チャンネル3の温度変化量を計算する際に、第4フレームデータにおけるチャンネル3の温度値から第2フレームデータにおけるチャンネル3の温度値を減算する。
【0102】
ステップ3:各チャンネルが第1有効チャンネルであるか否かを判断する。温度処理装置は、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量をそれぞれ第1閾値1と比較し、チャンネルの温度変化量が1より小さい場合、該チャンネルが第1有効チャンネルであると決定し、ステップ5に進み、チャンネルの温度変化量が1以上である場合、当該チャンネルが第1有効チャンネルではないと判定し、ステップ4に進む。
【0103】
第1フレームデータについて、チャンネル1の温度変化量が0.42、チャンネル2の温度変化量が0.49であり、チャンネル3の温度変化量が0.16であり、いずれも1より小さいため、チャンネル1、チャンネル2及びチャンネル3を全て第1有効チャンネルとし、第1有効チャンネル1、第1有効チャンネル2及び第1有効チャンネル3と記してもよい。同様に、第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、チャンネル1、チャンネル2及びチャンネル3はいずれも第1有効チャンネルであると判断できる。
【0104】
第3フレームデータは、チャンネル1の温度変化量が0.08、チャンネル2の温度変化量が0.24であり、いずれも1より小さいため、チャンネル1とチャンネル2を第1有効チャンネルとする一方、チャンネル3の温度変化量が20.19であり、1より大きいため、チャンネル3が第1有効チャンネルではないと判定する。
【0105】
ステップ4:チャンネルに対応する温度センサを再起動させる。温度処理装置は、現フレームにおける温度変化量が1以上となっているチャンネルをリセットする。
【0106】
第3フレームデータについて、チャンネル3の温度変化量が20.19であり、1より大きいため、チャンネル3をリセットし、即ち、チャンネル3に対応する温度センサ3を再起動させる。
第1フレームデータ、第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについては、チャンネルのリセットを必要としない。
【0107】
ステップ5:各第1有効チャンネルの温度分散を計算する。温度処理装置は、各第1有効チャンネルの直近20個のフレームにおける温度値の分散に基づいて、各第1有効チャンネルの温度分散を取得する。
【0108】
第1フレームデータについて、温度処理装置は、3つの第1有効チャンネルの最近の20個のフレームにおける温度値の分散をそれぞれ計算し、第1有効チャンネル1の温度分散を0.24、第1有効チャンネル2の温度分散を0.23、第1チャンネル3の温度分散を0.26と取得した。第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、算出された3つのチャンネルの温度分散は表1を参照すればよいので、ここでは説明を省略する。
【0109】
第3フレームデータについて、温度処理装置は、2つの第1有効チャンネルの最近の20個のフレームにおける温度値の分散を計算し、第1有効チャンネル1の温度分散を0.23、第1有効チャンネル2の温度分散を0.26と取得した。
【0110】
ステップ6:各第1有効チャンネルが第2有効チャンネルであるか否かを判断する。温度処理装置は、各第1有効チャンネルの温度分散をそれぞれ第2閾値である1と比較し、第1有効チャンネルの温度分散が1より小さい場合、該チャンネルが第2有効チャンネルであると決定し、ステップ8に進み、チャンネルの温度分散が1以上である場合、該チャンネルが第2有効チャンネルではないと判定し、ステップ7に進む。
【0111】
第1フレームデータについて、第1有効チャンネル1の温度分散が0.24、第1有効チャンネル2の温度分散が0.23、第1有効チャンネル3の温度分散が0.26であり、いずれも1より小さいため、第1有効チャンネル1、第1有効チャンネル2及び第1有効チャンネル3を全て第2有効チャンネルとし、第2有効チャンネル1、第2有効チャンネル2及び第2有効チャンネル3と記してもよい。同様に、第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、第1有効チャンネル1、第1有効チャンネル2及び第1有効チャンネル3はいずれも第2有効チャンネルであると判断できる。
【0112】
第3フレームデータについて、第1有効チャンネル1の温度分散が0.23、第1有効チャンネル2の温度分散が0.26であり、いずれも1より小さいため、第1有効チャンネル1と第1有効チャンネル2を第2有効チャンネルとする。
【0113】
ステップ7:第1有効チャンネルに対応する温度センサを再起動させる。温度処理装置は、第1有効チャンネルをリセットし、即ち、第1有効チャンネルに対応する温度センサを再起動させて、温度収集を再実行する。
【0114】
ステップ8:各第2有効チャンネルに対応する比較値を計算する。温度処理装置は、第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値と他の各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値との差の絶対値をそれぞれ計算することで、第2有効チャンネルに対応する比較値を取得する。
【0115】
第1フレームデータについて、第2有効チャンネル1の現フレームにおける温度値18.52と第2有効チャンネル2の現フレームにおける温度値18.55との差の絶対値を0.03、第2有効チャンネル1の現フレームにおける温度値18.52と第2有効チャンネル3の現フレームにおける温度値18.97との差の絶対値を0.45と算出し、0.03及び0.45は第2有効チャンネル1に対応する比較値である。同様に、第2有効チャンネル2に対応する比較値となる0.03及び0.42、並びに第2有効チャンネル3に対応する比較値となる0.04及び0.05を算出することができる。
【0116】
同様に、第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、第2有効チャンネル1に対応する比較値、第2有効チャンネル2に対応する比較値及び第2有効チャンネル3に対応する比較値をそれぞれ算出することができる。
第3フレームデータについて、第2有効チャンネル1に対応する比較値と第2有効チャンネル2に対応する比較値を算出することができる。
【0117】
ステップ9:各第2有効チャンネルが第3有効チャンネルであるか否かを判断する。温度処理装置は、第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値より小さい比較値の数を計数し、第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値より小さい比較値の数が所定値0より大きい場合、第2有効チャンネルを第3有効チャンネルとし、ステップ11に進む。第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値以上の比較値の数が0に等しい場合、ステップ10に進む。
【0118】
第1フレームデータについて、第2有効チャンネル1に対応する比較値0.03及び0.45はいずれも1より小さく、1より小さい比較値の数は2であり、0より大きいため、第2有効チャンネルを第3有効チャンネルとし、第3有効チャンネル1と記す。同様に、第2有効チャンネル2及び第2有効チャンネル3が第3有効チャンネルであると判断でき、それぞれ第3有効チャンネル2、第3有効チャンネル3と記す。
【0119】
同様に、第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、第2有効チャンネル1、第2有効チャンネル2及び第2有効チャンネル3はいずれも第3有効チャンネルであると判断できる。
同様に、第3フレームデータについて、第2有効チャンネル1及び第2有効チャンネル2はいずれも第3有効チャンネルであると判断できる。
【0120】
ステップ10:第2有効チャンネルに対応する温度センサを再起動させる。温度処理装置は、第2有効チャンネルをリセットし、即ち、第2有効チャンネルに対応する温度センサを再起動させて、温度収集を再実行する。
【0121】
ステップ11:現フレームにおける出力温度値を取得する。温度処理装置は、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を現フレームにおける出力温度値として算出する。その後、ステップ1に戻り、上記処理を繰り返す。
【0122】
第1フレームデータについて、第3有効チャンネル1の現フレームにおける温度値18.52、第3有効チャンネル2の現フレームにおける温度値18.55及び第3有効チャンネル3の現フレームにおける温度値18.97の平均値を18.68と算出する。従って、現フレームにおける出力温度値は18.68である。
【0123】
同様に、第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータのそれぞれについて、第3有効チャンネル1の現フレームにおける温度値、第3有効チャンネル2の現フレームにおける温度値及び第3有効チャンネル3の現フレームにおける温度値の平均値を現フレームにおける出力温度値として算出する。その計算結果は表1に示す。
【0124】
第3フレームデータについて、第3有効チャンネル1の現フレームにおける温度値19.2と第3有効チャンネル2の現フレームにおける温度値19.43の平均値を19.32と算出する。従って、現フレームにおける出力温度値は19.32である。
【0125】
以下、3種類の異なるフィルタリングアルゴリズムにより同一の温度センサによって収集された温度収集信号を処理するプロセスを例として、本発明の実施例に係る温度処理方法の具体的な実現プロセスを説明する。
【0126】
温度検出システムにおいて、温度センサXが設けられ、温度センサXは、100ms毎に温度を収集し、取得した温度収集信号を温度処理装置に送信し、温度処理装置は、3種類の異なるフィルタリングアルゴリズムにより温度収集信号をフィルタリングし、3つのチャンネルの現フレームにおける温度値を取得する。ここで、3種類のフィルタリングアルゴリズムは、それぞれ、メディアンフィルタリングアルゴリズム、非線形カルマンフィルタリングアルゴリズム及びロバスト適応型カルマンフィルタリングアルゴリズムである。メディアンフィルタリングアルゴリズムはチャンネルIに対応し、非線形カルマンフィルタリングアルゴリズムはチャンネルIIに対応し、ロバスト適応型カルマンフィルタリングアルゴリズムはチャンネルIIIに対応する。第1閾値を1、第2閾値を1、第3閾値を1と設定する。
【0127】
温度センサXが取得した温度収集情報をフィルタリングした温度値及び関連処理の結果を表2に示す。
【0128】
【0129】
図7は、本発明の第7実施例に係る温度処理方法のフローチャートである。
図7に示すように、本発明の実施例に係る温度処理方法の具体的な実現プロセスは以下の通りである。
【0130】
ステップ1:各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得する。温度センサXは、収集された温度収集信号を温度処理装置に送信し、温度処理装置は、3種類のフィルタリングアルゴリズムにより温度収集信号をフィルタリングし、チャンネルIの現フレームにおける温度値、チャンネルIIの現フレームにおける温度値及びチャンネルIIIの現フレームにおける温度値をそれぞれ取得する。
【0131】
温度処理装置は、5個のフレームにおける温度データを順次に取得し、取得した第1フレームデータは、チャンネルIの現フレームにおける温度値が25.84であり、チャンネルIIの現フレームにおける温度値が25.81であり、チャンネルIIIの現フレームにおける温度値が25.88であった。第2フレームデータ、第3フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータは表2を参照すればよいので、ここでは説明を省略する。
【0132】
ステップ2:各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を計算する。温度処理装置は、3つのチャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、3つのチャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得することができる。
【0133】
第1フレームデータについて、温度処理装置は、3つのチャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値をそれぞれ計算し、チャンネルIの温度変化量を0.06、チャンネルIIの温度変化量を0.12、チャンネルIIIの温度変化量を0.07と算出した。第2フレームデータ、第3フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、算出した3つのチャンネルの温度変化量は表2に参照すればよいので、ここでは説明を省略する。第4フレームデータについて、第3フレームデータにおけるチャンネルIIの温度値が無効となっているため、チャンネルIIの温度変化量を計算する際に、第4フレームデータにおけるチャンネルIIの温度値から第2フレームデータにおけるチャンネルIIの温度値を減算する。
【0134】
ステップ3:各チャンネルが第1有効チャンネルであるか否かを判断する。温度処理装置は、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量をそれぞれ第1閾値1と比較し、チャンネルの現フレームにおける温度変化量が1より小さい場合、該チャンネルが第1有効チャンネルであると決定し、ステップ5に進み、チャンネルの現フレームにおける温度変化量が1以上である場合、該チャンネルが第1有効チャンネルではないと判定し、ステップ4に進む。
【0135】
第1フレームデータについて、チャンネルIの温度変化量が0.06であり、チャンネルIIの温度変化量が0.12であり、チャンネルIIIの温度変化量が0.07であり、いずれも1より小さいため、チャンネルI、チャンネルII及びチャンネルIIIを全て第1有効チャンネルとし、第1有効チャンネルI、第1有効チャンネルII及び第1有効チャンネルIIIと記してもよい。同様に、第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、チャンネルI、チャンネルII及びチャンネルIIIはいずれも第1有効チャンネルであると判断できる。
【0136】
第3フレームデータについて、チャンネルIの温度変化量が0.02であり、チャンネルIIIの温度変化量が0.03であり、いずれも1より小さいため、チャンネルIとチャンネルIIIを第1有効チャンネルとする一方、チャンネルIIの温度変化量が23.86であり、1より大きいため、チャンネルIIが第1有効チャンネルではないと判定する。
【0137】
ステップ4:チャンネルに対応するフィルタリングアルゴリズムをリセットする。温度処理装置は、現フレームにおける温度変化量が1以上であるチャンネルをリセットし、即ち、該チャンネルに対応するフィルタリングアルゴリズムをリセットする。
【0138】
第3フレームデータについて、チャンネルIIの温度変化量が23.86であり、1より大きいため、チャンネルIIをリセットし、即ち、チャンネルIIに対応するフィルタリングアルゴリズムをリセットする。
第1フレームデータ、第2フレームデータ、第4フレームデータ、第5フレームデータについては、チャンネルのリセットを必要としない。
【0139】
ステップ5:各第1有効チャンネルの温度分散を計算する。温度処理装置は、各第1有効チャンネルの直近20個のフレームにおける温度値の分散に基づいて、各第1有効チャンネルの温度分散を取得する。
【0140】
第1フレームデータについて、温度処理装置は、3つの第1有効チャンネルの直近20個のフレームにおける温度値の分散をそれぞれ計算し、第1有効チャンネルIの温度分散を0.62、第1有効チャンネルIIの温度分散を0.43、第1有効チャンネルIIIの温度分散を0.23と算出した。第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、算出された3つのチャンネルの温度分散は表2を参照すればよいので、ここでは説明を省略する。
【0141】
第3フレームデータについて、温度処理装置は、2つの第1有効チャンネルの直近20個のフレームにおける温度値の分散を計算し、第1有効チャンネルIの温度分散を0.48、第1有効チャンネルIIIの温度分散を0.35と算出した。
【0142】
ステップ6:各第1有効チャンネルが第2有効チャンネルであるか否かを判断する。温度処理装置は、各第1有効チャンネルの温度分散をそれぞれ第2閾値である1と比較し、第1有効チャンネルの温度分散が1より小さい場合、該チャンネルが第2有効チャンネルであると決定し、ステップ8に進み、チャンネルの温度分散が1以上である場合、該チャンネルが第2有効チャンネルではないと判定し、ステップ7に進む。
【0143】
第1フレームデータについて、第1有効チャンネルIの温度分散が0.48であり、第1有効チャンネルIIの温度分散は0.43であり、第1有効チャンネルIIIの温度分散は0.23であり、いずれも1より小さいため、第1有効チャンネルI、第1有効チャンネルII及び第1有効チャンネルIIIを全て第2有効チャンネルとし、第2有効チャンネルI、第2有効チャンネルII及び第2有効チャンネルIIIと記してもよい。同様に、第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、第1有効チャンネルI、第1有効チャンネルII及び第1有効チャンネルIIIはいずれも第2有効チャンネルであると判断できる。
【0144】
第3フレームデータについて、第1有効チャンネルIの温度分散が0.48であり、第1有効チャンネルIIIの温度分散が0.35であり、いずれも1より小さいため、第1有効チャンネルI及び第1有効チャンネルIIIを第2有効チャンネルとする。
【0145】
ステップ7:第1有効チャンネルに対応するフィルタリングアルゴリズムをリセットする。温度処理装置は、第1有効チャンネルをリセットし、即ち、第1有効チャンネルに対応するフィルタリングアルゴリズムをリセットし、フィルタリングを再実行する。
【0146】
ステップ8:各第2有効チャンネルに対応する比較値を計算する。温度処理装置は、第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値と他の各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値との差の絶対値をそれぞれ計算することで、第2有効チャンネルに対応する比較値を取得する。
【0147】
第1フレームデータについて、第2有効チャンネルIの現フレームにおける温度値25.84と第2有効チャンネルIIの現フレームにおける温度値25.81との差の絶対値を0.03と算出し、第2有効チャンネルIの現フレームにおける温度値25.84と第2有効チャンネルIIIの現フレームにおける温度値25.88との差の絶対値を0.04と算出し、0.03と0.04は第2有効チャンネルIに対応する比較値である。同様に、第2有効チャンネルIIに対応する比較値0.03及び0.07、並びに第2有効チャンネルIIIに対応する比較値0.04及び0.07を算出することができる。
【0148】
同様に、第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、第2有効チャンネルIに対応する比較値、第2有効チャンネルIIに対応する比較値及び第2有効チャンネルIIIに対応する比較値をそれぞれ算出することができる。
【0149】
第3フレームデータについて、第2有効チャンネルIに対応する比較値及び第2有効チャンネルIIIに対応する比較値を算出することができる。
【0150】
ステップ9:各第2有効チャンネルが第3有効チャンネルであるか否かを判断する。温度処理装置は、第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値より小さい比較値の数を計数し、第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値より小さい比較値の数が所定値0より大きい場合、第2有効チャンネルを第3有効チャンネルとし、ステップ11に進む。第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値以上の比較値の数が0に等しい場合、ステップ10に進む。
【0151】
第1フレームデータについて、第2有効チャンネルIに対応する比較値0.03及び0.04はいずれも1より小さく、1より小さい比較値の数は2であり、0より大きいため、第2有効チャンネルを第3有効チャンネルとし、第3有効チャンネルIと記す。同様に、第2有効チャンネルIIと第2有効チャンネルIIIが第3有効チャンネルであると判断でき、それぞれ第3有効チャンネルIIと第3有効チャンネルIIIと記す。
【0152】
同様に、第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータについて、第2有効チャンネルI、第2有効チャンネルII及び第2有効チャンネルIIIはいずれも第3有効チャンネルであると判断できる。
同様に、第3フレームデータについて、第2有効チャンネルIと第2有効チャンネルIIIはいずれも第3有効チャンネルであると判断できる。
【0153】
ステップ10:第2有効チャンネルに対応するフィルタリングアルゴリズムをリセットする。温度処理装置は、第2有効チャンネルをリセットし、即ち、第2有効チャンネルに対応するフィルタリングアルゴリズムをリセットして、フィルタリングを再実行する。
【0154】
ステップ11:現フレームにおける出力温度値を取得する。温度処理装置は、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を現フレームにおける出力温度値として算出する。その後、ステップ1に戻り、処理を繰り返す。
【0155】
第1フレームデータについて、第3有効チャンネルIの現フレームにおける温度値25.84、第3有効チャンネルIIの現フレームにおける温度値25.81及び第3有効チャンネルIIIの現フレームにおける温度値25.88の平均値を25.84と算出する。従って、現フレームにおける出力温度値は25.84である。
【0156】
同様に、第2フレームデータ、第4フレームデータ及び第5フレームデータのそれぞれについて、第3有効チャンネルIの現フレームにおける温度値、第3有効チャンネルIIの現フレームにおける温度値及び第3有効チャンネルIIIの現フレームにおける温度値の平均値を現フレームにおける出力温度値と算出し、計算結果は表2に示す。
【0157】
第3フレームデータについて、第3有効チャンネルIの現フレームにおける温度値25.79と第3有効チャンネルIIIの現フレームにおける温度値25.8の平均値を25.80と算出する。従って、現フレームにおける出力温度値は25.80である。
【0158】
本発明の実施例に係る温度処理方法は、温度収集における冗長機能を有する設計をすることにより、複数の温度センサ又は複数種類のフィルタリングアルゴリズムにより得られた温度値が有効であるか否かを判断することができ、温度収集の正確性を向上させることができる。温度値が無効であると判定した場合、温度センサの再起動又は自動リセット用のフィルタリングアルゴリズムにより、収集又は処理を再実行することで、有効な温度値を求めることができる。
【0159】
図8は、本発明の第8実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
図8に示すように、本発明の実施例に係る温度処理装置は、獲得モジュール801と、計算モジュール802と、第1決定モジュール803と、第2決定モジュール804と、取得モジュール805とを備える。
【0160】
獲得モジュール801は、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得するように構成され、計算モジュール802は、各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得するように構成され、第1決定モジュール803は、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定するように構成され、第2決定モジュール804は、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定するように構成され、取得モジュール805は、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得するように構成される。
【0161】
具体的には、獲得モジュール801は、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得することができる。各チャンネルがそれぞれ1つの温度センサに対応する場合、各チャンネルに対応する温度センサは、温度をリアルタイムに収集し、取得した温度値を獲得モジュール801に送信することができ、獲得モジュール801は、受信した温度センサによりリアルタイムに収集された温度値を、対応するチャンネルの現フレームにおける温度値とすることができる。各チャンネルがそれぞれ1種類のフィルタリングアルゴリズムに対応し、異なるフィルタリングアルゴリズムが同一の温度センサに対応する場合、温度センサは、温度をリアルタイムに収集して温度収集信号を取得することができ、獲得モジュール801は、異なるフィルタリングアルゴリズムによって温度収集信号を処理することで、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得することができる。ここで、チャンネルの数は、少なくとも2つであり、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例において限定されない。
【0162】
各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得した後、各チャンネルの現フレームにおける温度値について、計算モジュール802は、チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値をチャンネルの現フレームにおける温度変化量として算出する。計算モジュール802は、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得することができる。
【0163】
各チャンネルの現フレームにおける温度変化量について、第1決定モジュール803は、チャンネルの現フレームにおける温度変化量を第1閾値と比較し、比較の結果に基づいて、チャンネルが第1有効チャンネルであるか否かを決定することができる。各第1有効チャンネルは、1つのチャンネルに一意に対応する。第1決定モジュール803は、各第1有効チャンネルを求めることができる。第1閾値は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0164】
第2決定モジュール804は、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値を取得し、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することができる。
【0165】
各第2有効チャンネルを求めた後、取得モジュール805は、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することができる。
【0166】
本発明の実施例に係る温度処理装置は、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得し、各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得し、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定し、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定し、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することができる。これにより、温度収集の正確性を向上させることができる。
【0167】
上記各実施例に加えて、さらに、第1決定モジュール803は、具体的に、チャンネルの現フレームにおける温度変化量が第1閾値より小さいと判断された場合、チャンネルを第1有効チャンネルとする。
【0168】
具体的には、第1決定モジュール803は、チャンネルの現フレームにおける温度変化量を第1閾値と比較し、チャンネルの現フレームにおける温度変化量が第1閾値より小さい場合、チャンネルを第1有効チャンネルとし、第1有効チャンネルはチャンネルに対応する。チャンネルの現フレームにおける温度値は、対応する第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値に相当し、チャンネルに対応する温度センサ又はフィルタリングアルゴリズムは、対応する第1有効チャンネルに対応する温度センサ又はフィルタリングアルゴリズムに相当する。
【0169】
図9は、本発明の第9実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
図9に示すように、上記各実施例に加えて、さらに、本発明の実施例に係る温度処理装置は、チャンネルの現フレームにおける温度変化量が第1閾値以上であると判断された後、チャンネルをリセットする第1リセットモジュール806をさらに備える。
【0170】
具体的には、チャンネルの現フレームにおける温度変化量を第1閾値と比較し、チャンネルの現フレームにおける温度変化量が第1閾値以上である場合、チャンネルについて取得された温度値が不安定であることを示していることから、第1リセットモジュール806は、チャンネルをリセットすることができる。
【0171】
上記各実施例に加えて、さらに、取得モジュール805は、具体的に、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を現フレームにおける出力温度値として算出する。
【0172】
具体的には、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値はいずれも有効であり、取得モジュール805は、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を計算し、算出された該平均値を現フレームにおける出力温度値とすることができる。
【0173】
図10は、本発明の第10実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
図10に示すように、上記各実施例に加えて、さらに、取得モジュール805は、第1決定ユニット8051と、第1取得ユニット8052とを有する。
【0174】
第1決定ユニット8051は、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、各第3有効チャンネルを決定するように構成され、第1取得ユニット8052は、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得するように構成される。
【0175】
具体的には、各第2有効チャンネルを決定した後、各第2有効チャンネルについて、第1決定ユニット8051は、第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値と他の第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値とをそれぞれ比較し、比較の結果に基づいて、第2有効チャンネルが第3有効チャンネルであるか否かを決定することができる。第3有効チャンネルは、1つの第2有効チャンネルに一意に対応する。第1決定ユニット8051は、各第3有効チャンネルを求めることができる。
【0176】
各第3有効チャンネルを求めた後、第1取得ユニット8052は、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することができる。
【0177】
上記各実施例に加えて、さらに、第1取得ユニット8052は、具体的に、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を現フレームにおける出力温度値として算出する。
【0178】
具体的には、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値はいずれも有効であり、第1取得ユニット8052は、各第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値の平均値を計算し、算出された該平均値を現フレームにおける出力温度値とすることができる。
【0179】
図11は、本発明の第11実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
図11に示すように、上記各実施例に加えて、さらに、第1決定ユニット8051は、計算サブユニット80511と、判断サブユニット80512とを有する。
【0180】
計算サブユニット80511は、第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値と他の各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値との差の絶対値をそれぞれ計算することで第2有効チャンネルに対応する比較値を取得するように構成され、判断サブユニット80512は、第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値より小さい比較値の数が所定値より大きいと判断された場合、第2有効チャンネルを第3有効チャンネルとするように構成される。
【0181】
具体的には、計算サブユニット80511は、第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値と他の各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、第2有効チャンネルに対応する比較値を取得することができる。第2有効チャンネルに対応する比較値は、1つであってもよく、複数であってもよい。温度処理装置は、各第2有効チャンネルに対応する比較値を取得することができる。
【0182】
判断サブユニット80512は、第2有効チャンネルに対応する比較値のうちの各比較値を第3閾値と比較し、第3閾値より小さい比較値の数を計数し、第3閾値より小さい比較値の数が所定値より大きい場合、第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値が有効であることを示していることから、第2有効チャンネルを第3有効チャンネルとする。各第3有効チャンネルは、1つの第2有効チャンネルに一意に対応し、第3有効チャンネルの現フレームにおける温度値は、対応する第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に等しい。第3閾値は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。所定値は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0183】
図12は、本発明の第12実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
図12に示すように、上記各実施例に加えて、さらに、本発明の実施例に係る温度処理装置は、第3リセットモジュール808をさらに備える。
【0184】
第3リセットモジュール808は、第2有効チャンネルに対応する比較値のうち第3閾値より小さい比較値の数が所定値以下であると判断された後、第2有効チャンネルをリセットする。
【0185】
具体的には、第2有効チャンネルに対応する比較値のうちの各比較値を第3閾値と比較し、第3閾値より小さい比較値の数を計数し、第3閾値より小さい比較値の数が所定値以下である場合、第2有効チャンネルに対応する現フレームにおける温度値が無効であることを示していることから、第3リセットモジュール808は、第2有効チャンネルをリセットすることができる。
【0186】
図13は、本発明の第13実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
図13に示すように、上記各実施例に加えて、さらに、第2決定モジュール804は、第2取得ユニット8041と、第2決定ユニット8042とを有する。
【0187】
第2取得ユニット8041は、各第1有効チャンネルの直近の所定数のフレームにおける温度値の分散に基づいて、各第1有効チャンネルの温度分散を取得するように構成され、第2決定ユニット8042は、各第1有効チャンネルの温度分散及び第2閾値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定するように構成される。
【0188】
具体的には、各第1有効チャンネルについて、第2取得ユニット8041は、各第1有効チャンネルの直近の所定数のフレームにおける温度値を記録し、その後、各第1有効チャンネルの直近の所定数のフレームにおける温度値の分散を計算することで、各第1有効チャンネルの温度分散を取得する。ここで、第1有効チャンネルの直近の所定数のフレームにおける温度値は、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を含む。所定数は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0189】
各第1有効チャンネルの温度分散について、第2決定ユニット8042は、第1有効チャンネルの温度分散を第2閾値と比較し、比較の結果に基づいて第1有効チャンネルが第2有効チャンネルであるか否かを決定することができる。第2有効チャンネルは、1つの第1有効チャンネルに一意に対応する。第2決定ユニット8042は、各第2有効チャンネルを求めることができる。第2閾値は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0190】
図14は、本発明の第14実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
図14に示すように、上記各実施例に加えて、さらに、本発明の実施例に係る温度処理装置は、第2リセットモジュール807をさらに備える。
【0191】
第2リセットモジュール807は、第1有効チャンネルの温度分散が第2閾値以上であると判断された場合、第1有効チャンネルをリセットする。
【0192】
具体的には、第1有効チャンネルの温度分散を第2閾値と比較し、第1有効チャンネルの温度分散が第2閾値以上である場合、一定期間内に第1有効チャンネルについて取得された温度値が不安定であることを示していることから、第2リセットモジュール807は、第1有効チャンネルをリセットすることができる。
【0193】
上記各実施例に加えて、さらに、第2決定ユニット8042は、具体的に、第1有効チャンネルの温度分散が第2閾値より小さいと判断された場合、第1有効チャンネルを第2有効チャンネルとする。
【0194】
具体的には、第2決定ユニット8042は、第1有効チャンネルの温度分散を第2閾値と比較し、第1有効チャンネルの温度分散が第2閾値より小さい場合、第1有効チャンネルを第2有効チャンネルとする。第2有効チャンネルは第1有効チャンネルに対応する。第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値は、対応する第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に相当し、第1有効チャンネルに対応する温度センサ又はフィルタリングアルゴリズムは、対応する第2有効チャンネルに対応する温度センサ又はフィルタリングアルゴリズムに相当する。
【0195】
図15は、本発明の第15実施例に係る温度処理装置の構造模式図である。
図15に示すように、上記各実施例に加えて、さらに、第2決定モジュール804は、第3取得ユニット8043と、判断ユニット8044とを有する。
【0196】
第3取得ユニット8043は、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第1有効チャンネルの有効温度値を取得するように構成され、判断ユニット8044は、第1有効チャンネルの有効温度値が第4閾値より大きく、且つ第5閾値より小さいと判定された場合、第1有効チャンネルを第2有効チャンネルとするように構成される。
【0197】
具体的には、第3取得ユニット8043は、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値を取得し、その後、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第1有効チャンネルの有効温度値を取得することができる。
【0198】
判断ユニット8044は、第1有効チャンネルの有効温度値をそれぞれ第4閾値及び第5閾値と比較し、第1有効チャンネルの有効温度値が第4閾値より大きく且つ第5閾値より小さい場合、第1有効チャンネルを第2有効チャンネルとする。第4閾値及び第5閾値は、実際の必要に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0199】
上記各実施例に加えて、さらに、第3取得ユニット8043は、具体的に、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで隣接差を取得し、該隣接差が第6閾値以下であると判断された場合、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を第1有効チャンネルの有効温度値とし、該隣接差が第6閾値より大きいと判断された場合、第1有効チャンネルの前フレームにおける温度値を第1有効チャンネルの有効温度値とする。
【0200】
具体的には、第3取得ユニット8043は、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を隣接差として算出し、該隣接差を第6閾値と比較し、該隣接差が第6閾値以下である場合、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を第1有効チャンネルの有効温度値とし、該隣接差が第6閾値より大きい場合、第1有効チャンネルの前フレームにおける温度値を第1有効チャンネルの有効温度値とすることができる。上記のようにして有効温度値を決定することにより、偶然の要因によるパルスの干渉を効果的に克服することができる。第6閾値は、実際の経験に応じて設定されてもよく、本発明の実施例では限定されない。
【0201】
上記各実施例に加えて、さらに、判断ユニット8044は、具体的に、第1有効チャンネルのq個のフレームにおける温度値を取得し、q個のフレームにおける温度値を大きい順に並び替えて、ソートにおける中間の温度値を第1有効チャンネルの有効温度値として取得する。ここで、q個のフレームにおける温度値は、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を含み、qは3以上の奇数である。
【0202】
具体的には、判断ユニット8044は、第1有効チャンネルのq個のフレームにおける温度値を取得し、その後、q個のフレームにおける温度値を大きい順に並び替えて、ソートにおける中間の温度値を第1有効チャンネルの有効温度値として取得することができる。q個のフレームにおける温度値は、第1有効チャンネルの現フレームにおける温度値を含み、qは3以上の奇数である。上記のようにして有効温度値を決定することにより、偶然の要因による変動の干渉を効果的に克服することができ、変化の緩やかな温度に対して良好なフィルタリング効果が発揮され得る。
【0203】
本発明の実施例に係る装置の実施例は、上記の各方法の実施例の処理手順を実行するように具体的に構成されてもよく、その機能については、上記方法の実施例の説明を参照すればよいので、ここで説明を省略する。
【0204】
図16は、本発明の第16実施例に係る電子機器のエンティティ構造模式図である。
図16に示すように、電子機器は、プロセッサ(processor)1601と、通信インターフェース(Communications Interface)1602と、メモリ(memory)1603と、通信バス1604とを備える。プロセッサ1601、通信インターフェース1602及びメモリ1603は、通信バス1604により互いに通信を行う。プロセッサ1601は、メモリ1603に記憶された論理命令を呼び出して、下記の方法を実行する。前記方法では、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得し、各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得し、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定し、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定し、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得する。
【0205】
また、上記メモリ1603に記憶された論理命令がソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の技術的解決手段は、本質的に又は従来技術に寄与する部分又は当該技術的解決手段の部分がソフトウェア製品の形式で具現化されてもよく、当該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶され、1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に本発明の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク、又は光ディスクなどの、プログラムコードを記憶可能な様々な媒体を含む。
【0206】
本実施例はコンピュータプログラム製品を開示し、当該コンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムはプログラム命令を含み、当該プログラム命令がコンピュータによって実行されると、コンピュータによって上記各方法の実施例に係る方法が実行され得る。前記方法は、例えば、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得することと、各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得することと、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定することと、各第1有効チャンネルの複数のフレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することと、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することと、を含む。
【0207】
本実施例はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶し、当該コンピュータプログラムは、コンピュータに上記各方法の実施例に係る方法を実行させる。前記方法は、例えば、各チャンネルの現フレームにおける温度値を取得することと、各チャンネルの現フレームにおける温度値と前フレームにおける温度値との差の絶対値を計算することで、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量を取得することと、各チャンネルの現フレームにおける温度変化量及び第1閾値に基づいて、各第1有効チャンネルを決定することと、各第1有効チャンネルの複数フレームにおける温度値に基づいて、各第2有効チャンネルを決定することと、各第2有効チャンネルの現フレームにおける温度値に基づいて、現フレームにおける出力温度値を取得することと、を含む。
【0208】
本発明の実施例が、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得ることは当業者にとって明らかである。従って、本発明は、完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例、又はソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施例を採用できる。また、本発明は、コンピュータ使用可能なプログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ使用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、これらに限定されない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用できる。
【0209】
本発明は、本発明の実施例による方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実現され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを生成し、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定される機能を実現するための手段を生成するようにしてもよい。
【0210】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方式で動作するように指示することができるコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されてもよく、その結果、該コンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された命令は、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現する命令手段を含む製品を生成する。
【0211】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で一連の動作ステップを実行してコンピュータにより実現される処理を生成し、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行される命令は、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現するためのステップを提供するように、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされてもよい。
【0212】
本明細書の説明において、「一実施例」、「具体的な一実施例」、「幾つかの実施例」、「例えば」、「例」、「具体的な例」、又は「幾つかの例」などの用語を参照した説明は、該実施例又は例と併せて説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適当な方式で組み合わせることができる。
【0213】
以上に述べた具体的な実施例は、本発明の目的、技術的解決手段及び有益な効果をさらに詳しく説明したが、以上に述べたのは本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で行われたいかなる修正、同等な置換、改良などは、全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】