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特表2024-528878外科手術ロボットアームとロボット外科手術器具との間のインターフェース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】外科手術ロボットアームとロボット外科手術器具との間のインターフェース
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20240725BHJP
   B25J 17/02 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A61B34/35
B25J17/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504859
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 GB2022052107
(87)【国際公開番号】W WO2023017278
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】17/400,788
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/646,158
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516263638
【氏名又は名称】シーエムアール サージカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CMR SURGICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】フォフト,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】コステロ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート,ルネ
【テーマコード(参考)】
3C707
4C130
【Fターム(参考)】
3C707AS35
3C707DS01
3C707ES03
3C707ET02
3C707EU11
3C707HS27
3C707HT20
3C707HT21
3C707JU12
3C707KS11
3C707KS17
3C707KS33
3C707KV06
3C707KV11
4C130AA17
4C130AB02
(57)【要約】
外科手術ロボットアーム用の駆動ユニット(401)であって、ロボットアームが、ロボット外科手術器具(103)と係合するように構成されており、駆動ユニット(401)が、複数の駆動インターフェース要素であって、各駆動インターフェース要素が、長手方向軸を有する、複数の駆動インターフェース要素と、複数のアクチュエータと、を備え、複数のアクチュエータが、複数の駆動インターフェース要素を駆動しするように構成されており、複数のアクチュエータの各アクチュエータが、複数の駆動インターフェース要素のうちの1つを駆動し、それにより、その駆動インターフェース要素をその長手方向軸に沿って第1の方向に変位させるように構成されており、駆動ユニットは、外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するとき、各駆動インターフェース要素の長手方向軸が、器具内のそれぞれの器具インターフェース要素(503)の長手方向軸と整列するように構成されており、各駆動インターフェース要素は、前述の駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向での変位が、それぞれの器具インターフェース要素をその長手方向軸に沿って第1の方向に変位させるように構成されている、駆動ユニット(401)。
【選択図】図5B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科手術器具と係合するように構成された外科手術ロボットアームであって、前記外科手術ロボットアームが、駆動ユニットを備え、前記駆動ユニットが、
複数の駆動インターフェース要素であって、各駆動インターフェース要素が、長手方向軸を有する、複数の駆動インターフェース要素と、
前記複数の駆動インターフェース要素を駆動するように構成された複数のアクチュエータと、を備え、前記複数のアクチュエータの各アクチュエータが、前記複数の駆動インターフェース要素のうちの1つを駆動し、それにより、その駆動インターフェース要素をその長手方向軸に沿って第1の方向に変位させるように構成されており、
前記駆動ユニットは、前記外科手術ロボットアームが前記ロボット外科手術器具と係合するとき、各駆動インターフェース要素の前記長手方向軸が、前記器具内のそれぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸と整列し、各駆動インターフェース要素は、前記駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向での前記変位が、前記それぞれの器具インターフェース要素をその長手方向軸に沿って前記第1の方向に変位させるように構成されている、外科手術ロボットアーム。
【請求項2】
前記アクチュエータの各々が、そのそれぞれの駆動インターフェース要素の前記長手方向軸と整列した長手方向軸を有する、請求項1に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項3】
前記駆動ユニットは、前記外科手術ロボットアームが前記ロボット外科手術器具と係合するとき、各駆動インターフェース要素の前記長手方向軸が、前記器具内の前記それぞれの器具インターフェース要素の前記長手方向軸と同一直線上にあるように構成されている、請求項1又は2に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項4】
各駆動インターフェース要素が、近位端及び遠位端を有し、前記第1の方向が、前記近位端から前記遠位端まで延在する、先行請求項のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項5】
前記駆動ユニットは、前記外科手術ロボットアームが前記ロボット外科手術器具と係合するとき、前記複数の駆動インターフェース要素が、前記器具内の前記それぞれの器具インターフェース要素に固定されないように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項6】
前記駆動ユニットが、前記複数のアクチュエータによって前記複数の駆動インターフェース要素のうちの1つ以上に印加される負荷を感知するように構成されたロードセルユニットを備える、先行請求項のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項7】
前記駆動ユニットは、前記外科手術ロボットアームが前記ロボット外科手術器具と係合するとき、前記ロードセルユニットが、前記器具内で前記複数の駆動インターフェース要素と前記それぞれの器具インターフェース要素との間に位置決めされるように構成されている、請求項6に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項8】
前記ロードセルユニットが、複数のパッドを備え、前記駆動ユニットは、前記外科手術ロボットアームが前記ロボット外科手術器具と係合するとき、前記ロードセルユニットが、各駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向での前記変位を、前記それぞれの器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向での変位に伝達するように、前記パッドの各々が位置決めされるように構成されている、請求項7に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項9】
前記複数のアクチュエータの各アクチュエータが、ある駆動インターフェース要素を駆動し、それにより、その駆動インターフェース要素をその長手方向軸に沿って前記第1の方向にのみ変位させるように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項10】
前記複数のアクチュエータの各アクチュエータが、ある駆動インターフェース要素を駆動し、それにより、その駆動インターフェース要素をその長手方向軸に沿って前記第1の方向及び第2の方向に変位させるように構成されており、前記第2の方向が、前記第1の方向と反対である、請求項1~8のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項11】
前記駆動ユニットが、前記外科手術ロボットアームが前記ロボット外科手術器具と係合するとき、駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第2の方向での前記変位が、前記器具内での前記それぞれの器具インターフェース要素の変位を引き起こさないように構成されている、請求項10に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項12】
前記駆動ユニットが、前記外科手術ロボットアームが前記ロボット外科手術器具と係合するとき、駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第2の方向での前記変位が、前記それぞれの器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第2の方向での変位を引き起こすように構成されている、請求項10に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項13】
前記駆動ユニットが、4つの駆動インターフェース要素のみを有する、先行請求項のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項14】
前記駆動ユニットが、ハウジングと、駆動インターフェース要素と前記ハウジングとの間に位置決めされたキーと、を備え、前記キーが、前記ハウジングに固定され、前記駆動インターフェース要素が前記駆動インターフェース要素の前記長手方向軸に沿った方向に前記キーに対して変位することができるように、前記それぞれの駆動インターフェース要素と係合するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項15】
前記駆動インターフェース要素が、スロットを備え、前記スロットが、前記駆動インターフェース要素の前記長手方向軸に平行であり、前記キーが、前記駆動インターフェース要素がその長手方向軸に沿って変位するときに、前記スロット内で摺動するように構成されている、請求項14に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項16】
外科手術ロボットアームと係合するように構成されたロボット外科手術器具であって、前記器具が、
複数の器具インターフェース要素であって、各器具インターフェース要素が長手方向軸を有する、複数の器具インターフェース要素と、
前記器具が、前記器具が前記外科手術ロボットアームと係合するとき、各器具インターフェース要素の前記長手方向軸が、前記外科手術ロボットアーム内のそれぞれの駆動インターフェース要素の長手方向軸と整列し、各器具インターフェース要素が、前記それぞれの駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向での変位が、前記器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向での変位を引き起こすように構成されている、ロボット外科手術器具。
【請求項17】
前記器具が、前記器具が前記外科手術ロボットアームと係合するとき、各器具インターフェース要素の前記長手方向軸が、前記外科手術ロボットアーム内の前記それぞれの駆動インターフェース要素の前記長手方向軸と同一直線上にあるように構成されている、請求項16に記載のロボット外科手術器具。
【請求項18】
前記器具が、前記ロボット外科手術器具が前記外科手術ロボットアームと係合するとき、前記複数の器具インターフェース要素が前記それぞれの駆動インターフェース要素に固定されないように構成されている、請求項16又は17に記載のロボット外科手術器具。
【請求項19】
前記器具が、前記器具が前記外科手術ロボットアームと係合するとき、各器具インターフェース要素が、前記外科手術ロボットアームのロードセルユニットのバッドによって係合されるように構成されており、それによって、前記それぞれのパッドの前記第1の方向での変位が、前記器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向での変位を引き起こすように構成されている、請求項16~18のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項20】
前記器具が、前記器具が前記外科手術ロボットアームと係合するとき、前記器具インターフェース要素が前記ロードセルユニットの前記それぞれのパッドに固定されないように構成されている、請求項19に記載のロボット外科手術器具。
【請求項21】
前記器具が、
近位端と遠位端との間に延在する長手方向軸を有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端に配設された関節部及びエンドエフェクタであって、前記関節部が前記エンドエフェクタを関節運動させるように構成されている、関節部及びエンドエフェクタと、を備え、
前記複数の器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記近位端において配設され、前記器具インターフェース要素の各々の前記長手方向軸が、前記シャフトの前記長手方向軸に平行である、請求項16~20のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項22】
前記第1の方向が、前記シャフトの前記近位端から前記遠位端までである、請求項21に記載のロボット外科手術器具。
【請求項23】
前記器具が、前記器具が前記外科手術ロボットアームと係合するとき、各器具インターフェースが駆動要素に固定され、それによって、前記器具が、前記駆動要素の各々から前記エンドエフェクタの関節部内へと駆動を並進させるように構成されるように構成されている、請求項21又は22に記載のロボット外科手術器具。
【請求項24】
前記複数の器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸の周りに円周方向に配設される、請求項21~23のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項25】
各器具インターフェース要素が、前記それぞれの駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向とは反対の第2の方向での前記変位が、前記器具インターフェース要素の変位を引き起こさないように構成されている、請求項16~24のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項26】
各器具インターフェース要素が、前記それぞれの駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向とは反対の第2の方向での前記変位が、前記器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第2の方向での変位を引き起こすように構成されている、請求項16~24のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項27】
前記器具が、4つの器具インターフェース要素のみを有する、請求項16~26のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項28】
請求項1~15のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアームと、請求項16~27のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具と、を備える、外科手術ロボット。
【請求項29】
外科手術ロボットアームと係合するように構成されたロボット外科手術器具であって、前記器具が、
エンドエフェクタを関節運動させるように構成された関節部であって、複数の駆動要素によって駆動可能である、関節部と、
複数の器具インターフェース要素であって、前記複数の器具インターフェース要素の各々が、長手方向軸を有し、前記複数の駆動要素のそれぞれの駆動要素と係合し、前記器具が、前記器具が前記外科手術ロボットアームと係合するとき、前記複数の器具インターフェース要素の各々が、前記外科手術ロボットアームのそれぞれの駆動インターフェース要素によって第1の方向にその長手方向軸に沿って変位されるように構成され、各器具インターフェース要素が、前記器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向での変位が、前記それぞれの駆動要素の前記長手方向軸に沿った前記第1の方向での変位を引き起こすように構成されるように構成されている、複数の器具インターフェース要素と、を備える、ロボット外科手術器具。
【請求項30】
前記器具が、シャフトを備える、請求項29に記載のロボット外科手術器具。
【請求項31】
各器具インターフェース要素が、前記それぞれの駆動要素が少なくとも部分的に巻かれるそれぞれのプーリと係合する、請求項29又は30に記載のロボット外科手術器具。
【請求項32】
前記器具が、前記器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向での変位が、前記それぞれの駆動要素のそのそれぞれのプーリに対する変位を引き起こすように構成されている、請求項31に記載のロボット外科手術器具。
【請求項33】
各器具インターフェース要素が、前記それぞれのプーリが置かれる溝を備える、請求項31又は32に記載のロボット外科手術器具。
【請求項34】
各プーリが、直径を有する本体を備え、前記直径の一方の端部の位置が、前記それぞれの器具インターフェース要素の前記長手方向軸と整列している、請求項31~33のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項35】
前記プーリの前記本体の前記直径の他方の端部の位置が、前記器具シャフトの突出した輪郭内に位置する、請求項34に記載のロボット外科手術器具。
【請求項36】
各器具インターフェース要素が、そのそれぞれのプーリに固定されている、請求項31~35のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項37】
各器具インターフェース要素が、前記それぞれの駆動要素が少なくとも部分的に巻かれるそれぞれの歯車と係合するように構成された歯付きラックを備える、請求項29~36のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項38】
前記駆動要素がケーブルである、請求項29~37のいずれか一項に記載のロボット外科手術器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
外科手術を補助及び実施するためにロボットを使用することが知られている。図1及び2は、基部101、アーム102、及び器具103を備える、典型的な外科手術ロボット100を示している。基部は、ロボットを支持し、それ自体が、例えば、手術室の床、手術室の天井、又はトロリーに堅固に取り付けられている。アーム102は、基部と器具との間に延在する。アームは、複数のリンク105で形成され、外科手術器具103を患者に対して所望の場所及び向きに位置決めするために使用されるリンク間の複数のジョイント104によって関節運動する。外科手術器具は、ロボットアームの遠位端に取り付けられる。図2に示すように、器具に接続するロボットアームのリンクは、末端リンク205である。手術中、外科手術器具は手術部位にアクセスするように、ポートにおいて患者の身体を貫通することができる。
【0002】
図3に示す典型的な外科手術器具103は、器具インターフェース301を備え、これによって、外科手術器具はロボットアーム102の末端リンク205に接続する。シャフト302は、器具インターフェース301と関節部303との間に延在している。関節部は、エンドエフェクタ304で終端し、関節部により、エンドエフェクタはシャフト302に対して移動することができる。
【0003】
外科手術器具のエンドエフェクタが患者に対して所望の場所及び配向に位置決めされ、所望の外科手術処置を実施するように作動できるように、取り付け可能な外科手術器具を制御することができる外科手術ロボットを開発することが望ましい。また、器具を制御するための手段がコンパクトかつ軽量であり、力がロボットアームから器具に効率的な様式で伝達できることも望ましい。最後に、外科手術器具は、ロボットアームから簡単に取り付け及び取り外しできることが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
第1の実施形態によれば、外科手術ロボットアーム用の駆動ユニットであって、ロボットアームが、ロボット外科手術器具と係合するように構成されており、駆動ユニットが、複数の駆動インターフェース要素であって、各駆動インターフェース要素が、長手方向軸を有する、複数の駆動インターフェース要素と、複数のアクチュエータと、を備え、複数のアクチュエータが、複数の駆動インターフェース要素を駆動するように構成されており、複数のアクチュエータの各アクチュエータが、複数の駆動インターフェース要素のうちの1つを駆動し、それにより、その駆動インターフェース要素をその長手方向軸に沿って第1の方向に変位させるように構成されており、駆動ユニットは、外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するとき、各駆動インターフェース要素の長手方向軸が、器具内のそれぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸と整列するように構成されており、各駆動インターフェース要素は、前述の駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向での変位が、それぞれの器具インターフェース要素をその長手方向軸に沿って第1の方向に変位させるように構成されている、駆動ユニットが提供される。
【0005】
アクチュエータの各々は、そのそれぞれの駆動インターフェース要素の長手方向軸と整列した長手方向軸を有し得る。
【0006】
駆動ユニットは、外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するとき、各駆動インターフェース要素の長手方向軸が、器具内のそれぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸と同一直線上にあるように構成され得る。
【0007】
各駆動インターフェース要素は、近位端及び遠位端を有し得、第1の方向は、近位端から遠位端まで延在し得る。
【0008】
駆動ユニットは、外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するとき、複数の駆動インターフェース要素が、器具内のそれぞれの器具インターフェース要素に固定されないように構成され得る。
【0009】
駆動ユニットは、複数のアクチュエータによって複数の駆動インターフェース要素のうちの1つ以上に印加される負荷を感知するように構成されたロードセルユニットを備え得る。
【0010】
駆動ユニットは、外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するとき、ロードセルユニットが、器具内で複数の駆動インターフェース要素とそれぞれの器具インターフェース要素との間に位置決めされるように構成され得る。
【0011】
ロードセルユニットは、複数のパッドを備え得、駆動ユニットは、外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するとき、パッドの各々が、ロードセルユニットが、各駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向での変位を、それぞれの器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向での変位に伝達するように位置決めされるように構成され得る。
【0012】
複数のアクチュエータの各アクチュエータは、ある駆動インターフェース要素を駆動し、それにより、その駆動インターフェース要素をその長手方向軸に沿って第1の方向にのみ変位させるように構成され得る。
【0013】
複数のアクチュエータの各アクチュエータは、ある駆動インターフェース要素を駆動し、それにより、その駆動インターフェース要素をその長手方向軸に沿って第1の方向及び第2の方向に変位させるように構成され得、第2の方向は、第1の方向と反対である。
【0014】
駆動ユニットは、外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するとき、駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第2の方向での変位が、器具内のそれぞれの器具インターフェース要素の変位を引き起こさないように構成され得る。
【0015】
駆動ユニットは、外科手術ロボットアームがロボット外科手術器具と係合するとき、駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第2の方向での変位が、それぞれの器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第2の方向での変位を引き起こすように構成され得る。
【0016】
駆動ユニットは、4つの駆動インターフェース要素のみを有し得る。
【0017】
駆動ユニットが、ハウジングと、駆動インターフェース要素とハウジングとの間に位置決めされたキーと、を備え得、キーは、ハウジングに固定され、駆動インターフェース要素が駆動インターフェース要素の長手方向軸に沿った方向にキーに対して変位することができるように、それぞれの駆動インターフェース要素と係合するように構成されている。
【0018】
駆動インターフェース要素は、スロットを備え得、スロットが、駆動インターフェース要素の長手方向軸に平行であり、キーが、駆動インターフェース要素がその長手方向軸に沿って変位するときに、スロット内で摺動するように構成され得る。
【0019】
第2の実施形態によれば、外科手術ロボットアームと係合するように構成されたロボット外科手術器具であって、器具が、複数の器具インターフェース要素であって、各器具インターフェース要素が長手方向軸を有する、複数の器具インターフェース要素を備え、器具が、器具が外科手術ロボットアームと係合するとき、各器具インターフェース要素の長手方向軸が、外科手術ロボットアーム内のそれぞれの駆動インターフェース要素の長手方向軸と整列するように構成されており、各器具インターフェース要素が、それぞれの駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向での変位が、それぞれの器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向での変位を引き起こすように構成されている、ロボット外科手術器具が提供される。
【0020】
器具は、器具が外科手術ロボットアームと係合するとき、各器具インターフェース要素の長手方向軸が、外科手術ロボットアーム内のそれぞれの駆動インターフェース要素の長手方向軸と同一直線上にあるように構成され得る。
【0021】
器具は、ロボット外科手術器具が外科手術ロボットアームと係合するとき、複数の器具インターフェース要素が、それぞれの駆動インターフェース要素に固定されないように構成され得る。
【0022】
器具は、器具が外科手術ロボットアームと係合するとき、各器具インターフェース要素が、外科手術ロボットアームのロードセルユニットのパッドによって係合されるように構成され、それぞれのパッドの第1の方向での変位が、器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向での変位を引き起こすように構成され得る。
【0023】
器具は、器具が外科手術ロボットアームと係合するとき、器具インターフェース要素がロードセルユニットのそれぞれのパッドに固定されないように構成され得る。
【0024】
器具は、近位端と遠位端との間に延在する長手方向軸を有するシャフトと、関節部と、シャフトの遠位端に配設されたエンドエフェクタと、を備え得、関節部は、エンドエフェクタを関節運動させるように構成されており、複数の器具インターフェース要素は、シャフトの近位端に配設され、器具インターフェース要素の各々の長手方向軸は、シャフトの長手方向軸に平行である。
【0025】
第1の方向は、シャフトの近位端から遠位端までであり得る。
【0026】
器具は、器具が外科手術ロボットアームと係合するとき、各器具インターフェースが駆動要素に固定され、それによって、器具が、駆動要素の各々からエンドエフェクタの関節部内へと駆動を並進させるように構成されるように構成され得る。
【0027】
複数の器具インターフェース要素は、シャフトの長手方向軸の周りに円周方向に配設され得る。
【0028】
各器具インターフェース要素は、それぞれの駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向とは反対の第2の方向での変位が、器具インターフェース要素の変位を引き起こさないように構成され得る。
【0029】
各器具インターフェース要素は、それぞれの駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向とは反対の第2の方向での変位が、器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第2の方向での変位を引き起こすように構成され得る。
【0030】
器具は、4つの器具インターフェース要素のみを有し得る。
【0031】
第3の実施形態によれば、外科手術ロボットアームと係合するように構成されたロボット外科医用器具であって、器具が、エンドエフェクタを関節運動させるように構成された関節部であって、複数の駆動要素によって駆動可能である関節部と、複数の器具インターフェース要素であって、複数の器具インターフェース要素の各々が長手方向軸を有し、複数の駆動要素のそれぞれの駆動要素と係合する、複数の駆動インターフェース要素と、を備え、器具が、器具が外科手術ロボットアームと係合するとき、複数の器具インターフェース要素の各々が、外科手術ロボットアームのそれぞれの駆動インターフェース要素によって第1の方向にその長手方向軸に沿って変位されるように構成され、各器具インターフェース要素が、器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向での変位が、それぞれの駆動要素の前述の長手方向軸に沿った第1の方向での変位を引き起こすように構成されるように構成されている、ロボット外科手術器具が提供される。
【0032】
ロボット外科手術器具は、シャフトを備え得る。
【0033】
各器具インターフェース要素は、それぞれの駆動要素が少なくとも部分的に巻かれるそれぞれのプーリと係合し得る。
【0034】
器具は、器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向での変位が、それぞれの駆動要素のそのそれぞれのプーリに対する変位を引き起こすように構成され得る。
【0035】
各器具インターフェース要素は、それぞれのプーリが置かれる溝を備え得る。
【0036】
各プーリは、直径を有する本体を備え、直径の一方の端部の位置は、それぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸と整列し得る。
【0037】
プーリの本体の直径の他方の端部の位置は、器具シャフトの突出した輪郭内に位置し得る。
【0038】
各器具インターフェース要素は、そのそれぞれのプーリに固定され得る。
【0039】
各器具インターフェース要素は、それぞれの駆動要素が少なくとも部分的に巻かれるそれぞれの歯車と係合するように構成された歯付きラックを備え得る。
【0040】
駆動要素は、ケーブルであり得る。
【0041】
本明細書に記載の外科手術ロボットアームと、本明細書に記載のロボット外科手術器具と、を備える外科手術ロボットが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】外科手術ロボット及び患者を示す。
図2】外科手術ロボット及び関連付けられた制御システムを示す。
図3】器具を示す。
図4A】ロボットアームの遠位端に取り付けることができる駆動ユニットを示す。
図4B】駆動ユニットの一部分を示す。
図4C】駆動ユニットの更なる図を示す。
図5A】器具インターフェースを含む器具の近位端を示す。
図5B】機器シャフト及びロボットアームに係合したエンドエフェクタを含む機器を示す。
図6A】器具に係合した駆動ユニットを示す。
図6B】ドレープカップを示す。
図6C】器具に係合した駆動ユニット、及び更に駆動ユニットと器具との間に位置決めされたドレープカップを示す。
図7】エンドエフェクタを含む器具の遠位端を示す。
図8A】器具に係合した駆動ユニットの異なる図を示す。
図8B】器具インターフェース要素及びそれぞれのプーリを示す。
図8C】単一の器具インターフェース要素の断面を示す。
図9】代替的な実施形態による、器具インターフェース及び取り付けられた駆動ユニットを含む器具の近位端を示す。
図10】代替的な実施形態による、器具及び駆動ユニットの近位端の異なる図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下は、ロボットアーム及び器具を備えるロボットを説明する。アームは概して、図2に見られる形態である。器具は概して、図3に見られる形態である。器具103は、ロボットアーム102の末端リンク205に取り付けられ、またそこから取り外されることが可能である。
【0044】
アーム102の末端リンク205は、図4Aに見られる駆動ユニット401で終端する。駆動ユニット401は、アームの遠位端に位置する。器具103がアーム102に取り付けられると、駆動ユニット401は、器具のインターフェース301とインターフェース接続する。以下でより詳細に説明するように、駆動ユニットは、関節部303にエンドエフェクタ304を関節運動(すなわち、移動)させるために、アームから器具に駆動を伝達する。
【0045】
駆動ユニット401は、ハウジング402を備える。図4Aに見られる実施例では、ハウジングは概して円筒形状を有するが、別の形状の形態を取り得る。駆動ユニットは、複数の駆動インターフェース要素403を備える。複数の駆動インターフェース要素は、駆動ユニットハウジング402内に部分的に位置決めされる。図4Bは、駆動インターフェース要素を収容する駆動ユニットハウジング402の一部分を示す。図4A及び4Bに見られる実施例では、円筒形ハウジング402は、長手方向軸402aを有する。この実施例では、各駆動インターフェース要素403は、図4Bに示すように、ロッド(例えば、円筒形ロッド)の形状を有し、近位端403p及び遠位端403dを有する。各駆動インターフェース要素は、ハウジングの長手方向軸に平行な方向に、その近位端からその遠位端まで延在する。各駆動インターフェース要素は、ハウジングの長手方向軸402aに平行である長手方向軸403aを有する。各駆動インターフェース要素403は、ハウジング402から突出する。各駆動インターフェース要素は、ハウジングの長手方向軸に平行な方向に、ハウジングから(例えば、ハウジングの遠位端から)突出する。
【0046】
図4A及び4Bに見られる実施例では、駆動ユニットは、4つの駆動インターフェース要素403を含む。他の実施例では、駆動ユニットは、より多くの又はより少ない駆動インターフェース要素を含み得る。この実施例では、各駆動インターフェース要素は、円筒形ロッドの形態を有する。しかしながら、他の実施例によると、駆動インターフェース要素は、任意の他の好適な形状を取り得る。描写した実施例では、各駆動インターフェース要素は、同じ形状及びサイズを有するが、他の実施例では、駆動インターフェース要素は、均一なサイズ及び/又は形状ではない場合がある。図4Bに見られる実施例では、各駆動インターフェース要素403は、駆動ユニットハウジング402の円筒形凹部内に位置する。
【0047】
図4Cに例解するように、駆動ユニット401はまた、複数のアクチュエータ404を備える。複数のアクチュエータは、駆動ユニットハウジング402内に位置決めされる。図4A及び4Cに見られる駆動ユニットは、4つのアクチュエータ(全てを図示せず)を備える。他の実施例では、駆動ユニットは、より多くのより少ないアクチュエータを備え得る。本実施例では、駆動ユニットは、駆動インターフェース要素の数と同じ数のアクチュエータを備える。各アクチュエータは、それぞれの駆動インターフェース要素403に隣接して位置決めされる。各アクチュエータは、そのそれぞれの駆動インターフェース要素に駆動を伝達する。図6Aに示すものなどの他の実施例では、駆動ユニットは、駆動を複数の駆動インターフェース要素に伝達するように構成されたアクチュエータを含み得る。図4A、4B、及び4Cに示す実施例に戻ると、各駆動インターフェース要素は、長手方向軸403aを有し、各アクチュエータは、長手方向軸404aを有する。図4Cは、4つの駆動インターフェース要素のうちの2つのみ及び2つのそれぞれのアクチュエータを例解し、2つの駆動インターフェース要素の各々の長手方向軸403aが、そのそれぞれのアクチュエータ404aの長手方向軸と整列していることを示す。図4Cでは、各駆動インターフェース要素の長手方向軸は、そのそれぞれのアクチュエータの長手方向軸と同一直線上にある。各アクチュエータの長軸方向軸はまた、ハウジング402aの長軸方向軸に平行である方向に延在する。
【0048】
各駆動インターフェース要素403は、それぞれのアクチュエータ404によって駆動される。具体的には、各アクチュエータは、そのそれぞれの駆動インターフェース要素403を変位させる。駆動インターフェース要素403の変位は、駆動インターフェース要素403aの長手方向軸に沿った方向にある。図4A、4B、及び4Cに見られる駆動ユニットでは、各駆動インターフェース要素403は、その近位端からその遠位端への方向にのみ、その長手方向軸に沿ってそのそれぞれのアクチュエータによって変位することができる。アームが器具に取り付けられると、この方向は器具のエンドエフェクタに向かう。しかしながら、他の実施例では、駆動インターフェース要素はまた、それらのそれぞれのアクチュエータによって、それらの遠位端からそれらの近位端まで、すなわち、取り付けられた器具のエンドエフェクタから離れるように、反対方向に変位され得る。
【0049】
図2に示されるように、外科手術ロボット100は、外科医コマンドインターフェース201及び制御ユニット202をも含む、システムの一部を形成する。制御ユニットは、プロセッサ203及びメモリ204を備える。メモリ204は、アクチュエータの動作を制御して、アーム102を所望するように動作させるように、プロセッサ203によって実行可能であるソフトウェアを非一時的な方式で記憶する。ソフトウェアは、プロセッサ203を制御して、アクチュエータ404を、外科医コマンドインターフェースからの入力に依存して駆動させることができる。制御ユニット202は、ソフトウェアの実行によって生成された出力に従ってアクチュエータを駆動するためにアクチュエータに結合される。外科医コマンドインターフェース201は、1つ以上の入力装置を含み、それによって、ユーザは、所望の方式でエンドエフェクタの運動を要求することができる。入力装置は、例えば、制御ハンドル又はジョイスティックなどの手動で操作可能な機械的入力装置であっても、光学ジェスチャセンサなどの非接触型入力装置であり得る。メモリ204に記憶されるソフトウェアは、これらの入力に応答するように構成されており、プロセッサは、ソフトウェアを実行して、それに応じて、アーム及び器具のジョイントを移動させるように構成されている。要約すると、コマンドインターフェース201における外科医は、所望の外科手術処置を実施するような方式で、器具103を制御して移動させることができる。制御ユニット202及び/又はコマンドインターフェース201は、アーム102から遠隔にあり得る。以下でより詳細に説明するように、ロードセルユニットは、アームと器具との間に位置し得る。ロードセルユニットによって判定される測定値はまた、外科医に正確なフィードバックを与えるために、制御ユニット202に再び入力され得る。
【0050】
制御ユニット202は、コマンドインターフェース201における入力をアクチュエータ404における出力に変換するように構成されている。動作中、コマンドインターフェースにおける外科医による入力に続いて、制御ユニットはアクチュエータに回転するように命令する。アクチュエータの回転は、駆動インターフェース要素の変位をもたらす。図4Cに見られる実施例では、各駆動インターフェース要素は、親ねじ406、ボールねじ407、及びボールねじアダプタ408を備える。図4Cに見られるように、各アクチュエータは、アクチュエータの回転が親ねじの長手方向軸の周りの親ねじの回転を引き起こすように、親ねじ406に結合される。駆動インターフェース要素403aの長手方向軸は、そのそれぞれの親ねじの長手方向軸と同一直線上にある。親ねじのシャフトは、ねじ付き部分及び非ねじ付き部分を備える。ボールねじ407は、親ねじのねじ付き部分上にねじ込まれる。ボールねじ407は、例えば、駆動ユニットの壁によって画定されたスロット内で動くことによって制限され、その結果、親ねじがアクチュエータによって回転するときに回転できない。結果として、アクチュエータによる親ねじの回転は、親ねじの長軸方向軸に沿って並進するボールねじをもたらす。ボールねじ407は、それぞれのボールねじアダプタ408にしっかりと固定される。それ故、ボールねじの並進は、駆動インターフェース要素403の長手方向軸に沿ったボールねじアダプタの並進をもたらす。
【0051】
図4B及び4Cはまた、一方の端がボールねじアダプタ408のスロット内に収まるキー410を例解する。図4Bに見られるように、スロットは、ボールねじアダプタの外面に沿って、それに沿ってボールねじアダプタが並進する親ねじの長手方向に平行な方向に延在する。キー410の反対側の端部は、駆動ユニットハウジング402の外壁に固定される。キーは、ハウジング402に対して移動できない。キーとボールねじアダプタスロットとの間には、キーが親ねじの長手方向軸に平行な方向にスロット内で摺動できるように、緩み嵌め接続がある。言い換えれば、ボールねじアダプタがアクチュエータ、親ねじ、及びボールねじによって作動されて、駆動インターフェース要素403の長手方向軸に沿って移動するとき、ボールねじアダプタは、キーに対して移動する。キー及びボールねじアダプタは、互いに対して一方向にのみ移動することができ、互いに対して回転することができないため、キーは、ボールねじアダプタがその長手方向軸を中心に回転することを防止する。
【0052】
キーの存在はまた、ボールねじアダプタと駆動ユニットハウジング402との間の距離が固定されることを確実にする。言い換えれば、キーは、ボールねじアダプタが駆動インターフェース要素の長手方向軸に沿っていない任意の方向に移動することを防止する。全体的に、キーは、ボールねじアダプタの望ましくない動きを防止するように作用する。
【0053】
キーはまた、駆動インターフェース要素の長手方向軸に沿ったボールねじアダプタの変位中に作用する摩擦力を低減する利点を有する。図4Cを参照すると、キー410の長さは、ハウジング402の壁の厚さよりも大きい。それ故、ボールねじアダプタは、ボールねじアダプタの外面が、駆動インターフェース要素が位置するハウジングの凹部の上部壁と接触しない位置に、回転キーによって保持される。図4B及び4Cに見られる上部駆動インターフェース要素に関して、ボールねじアダプタが駆動インターフェース要素の長手方向軸に沿って並進するとき、ボールねじアダプタとハウジング凹部の上部壁との間に摩擦力は作用しない。代わりに、キーがボールねじアダプタ内で摺動するにつれて、ボールねじアダプタ内のキーとスロットとの間に接触が形成される。キーとボールねじアダプタとの間の緩み嵌め接続は、この相互作用中の摩擦が低いことを意味する。
【0054】
駆動ユニットは、4つのキー、すなわち、駆動インターフェース要素当たり1つのキーを含み得、各キーは、説明される様式で、そのそれぞれの駆動インターフェース要素のボールねじアダプタと係合する。
【0055】
記載される実施例では、キー410は、ボールねじアダプタを駆動ユニットハウジング内の凹部の外壁から離れるように、すなわち、上部駆動インターフェース要素に対して保持して、ボールねじアダプタをハウジングの上部部分から離れるように下向きに押すように作用する。しかしながら、他の実施例では、ボールねじアダプタを凹部の壁のいずれにも接触しないような位置に保持するために、キーは別の形状、例えば逆さまの「T」形状を有し得る。
【0056】
図4Cに見られる実施形態では、各駆動インターフェース要素は、そのそれぞれのアクチュエータによって、末端リンクの遠位端に向かう方向にのみ、そのそれぞれの長手方向軸に沿って駆動されることができる。以下で詳細に説明され、図9に見られる代替的な実施例では、駆動インターフェース要素は、端子リンクの遠位端に向かって、及び端子リンクの遠位端から離れるように、そのそれぞれの長手方向軸に沿って駆動されることができる。
【0057】
図4Cに見られるように、駆動ユニット401はまた、ロードセルユニット405を備える。ロードセルユニットは、アクチュエータによって1つ以上の駆動インターフェース要素に印加される負荷を感知するように構成されている。図4Cに見られる実施例では、ロードセルユニットは、駆動ユニット内の駆動インターフェース要素の全てに印加される負荷を感知する。
【0058】
ロードセルユニットは、4つのパッドを備え、各パッドは、それぞれの駆動インターフェース要素の遠位端に位置する。ロードセルユニットの各パッドは、そのそれぞれのアクチュエータによってそのそれぞれの駆動インターフェース要素に印加される負荷を感知するように構成されている。ボールねじアダプタ408の変位は、ボールねじアダプタによってロードセルユニット405のパッドに印加される力、及び結果としてのロードセルパッドの変位をもたらす。図4Cに見られる実施例の各ボールねじアダプタ408は、ほぼリング形状の断面を有する。このように、ボールねじアダプタは、パッドの周辺部の周りでロードセルユニットのパッドと接触するように配置される。この配置は、アクチュエータからの力がロードセルパッドに均等に印加される、すなわち、力がロードセルパッドの断面積にわたって均等に分散されることを意味する。これは、ロードセルが平坦である可能性があることを意味する。
【0059】
図4Cに見られる実施例では、キャップ409は、ロードセルユニットの各パッドの周りに配置される。キャップ409は、駆動インターフェース要素のキャップ409とボールねじアダプタ408との間にいくらかの軸方向の遊びが許可されるように、ボールねじアダプタ408にゆるく接続される。したがって、そのそれぞれのアクチュエータによってボールねじアダプタに付与される力は、最初にロードセルユニット405のパッドに伝達され、次いでキャップ409に間接的に伝達される。力はボールスクリューアダプタからキャップに直接伝達されない。そのため、ロードセルユニットは、そのそれぞれのアクチュエータによって駆動インターフェース要素403に印加される負荷を正確に感知する。
【0060】
当業者であれば、駆動インターフェース要素に印加される負荷を感知するための好適なロードセルユニットを実装する方法を知るであろう。例えば、ロードセルユニットは、1つ以上の歪みゲージが圧縮又は伸張による歪みの変化を経験するときに電圧の変化を出力する1つ以上の歪みゲージから構成され得る。電圧の変化は、印加される負荷に変換される。あるいは、ロードセルは、印加される負荷を判定するために圧電材料を使用し得る。
【0061】
以下でより詳細に説明するように、駆動インターフェース要素(ロードセルユニットによって測定される)に印加される力は、駆動要素の張力に対応する。ロードセルユニット405からフィードバックを受信することに応答して、制御ユニット202は、駆動要素内で判定された張力に従って、駆動インターフェース要素を駆動するように構成され得る。例えば、アクチュエータの命令された回転に関連するパラメータは、ロードセルユニットによって判定される最新の駆動要素張力測定値に従って更新され得る。
【0062】
図3に示すように、器具103は、器具インターフェース301、器具シャフト302、関節部303、及びエンドエフェクタ304を含む。図5Aは、器具シャフト302及び器具インターフェース301の一部分を示す。器具インターフェースは、複数の器具インターフェース要素503を備える。図5Aに見られる実施例では、器具インターフェースは、4つの器具インターフェース要素503を含む。他の実施例では、インターフェースは、より多くの又はより少ない器具インターフェース要素を含み得る。この実施例では、各駆動インターフェース要素は、ロッド、例えば、円筒形ロッドの形態である。しかしながら、他の実施例によると、器具インターフェース要素は、任意の他の好適な形状を取り得る。図5Aに見られる実施例では、各器具インターフェース要素は、同じ形状及び寸法を有するが、他の実施例では、器具インターフェース要素は、均一なサイズ及び/又は形状ではない場合がある。
【0063】
器具インターフェース301は、ハウジング502を備える。図5Aに見られる実施例では、ハウジングは、円筒形のカップ形状部分502aを備える。ハウジングはまた、カップ形状部分から突出する複数の円筒形のシース502bを備える。他の実施例では、ハウジングは、別の形状の形態を取り得る。
【0064】
複数の器具インターフェース要素は、ハウジング502内に位置決めされる。器具インターフェース要素は、変位可能である。ほとんどの変位位置では、器具インターフェース要素は、シース502b内に部分的に、かつハウジングのカップ形状部分502a内に部分的に位置決めされる。一部の変位位置では、器具インターフェース要素は、シース内に完全に位置決めされ得る。器具インターフェースは、器具インターフェース要素と少なくとも同じ数のシースを有する。全ての変位位置では、各器具インターフェース要素503は、少なくとも部分的に1つのシース内に位置決めされる。各器具インターフェース要素503は、そのそれぞれのシース502b内に位置決めされた器具インターフェース要素503の割合を変化させることができるように、そのそれぞれのシース内で移動するように構成されている。各器具インターフェース要素503は、長手方向軸503aを有する。各器具インターフェース要素503の長手方向軸は、そのそれぞれのシース502bの長手方向軸と整列される。各器具インターフェース要素は、その長手方向軸に沿って変位可能である。他の実施例では、器具インターフェース要素は、器具インターフェースのハウジング内で異なって位置決めされ得る。
【0065】
器具シャフト302は、器具インターフェースのハウジング502に付着される。器具シャフトは、ハウジングの中央シースと係合する。ハウジングが円筒状のカップ形状部分502aを備える、図5A及び5Bに見られる実施例では、シャフトの長軸方向軸は、カップ形状部分の断面の中心と交差する。器具インターフェース301が、図5Bに見られるように駆動ユニット401と嵌合するとき、シャフトの長手方向軸は、ロボットアームの末端リンクの長手方向軸と同一直線上にある。シャフトの長軸方向軸は、ハウジングの各シース502bの長軸方向軸に、かつシース内に位置する器具インターフェース要素503の各々の長軸方向軸に平行である。シースがカップ形状部分から突出する方向は、器具シャフトの長軸方向軸に平行である。図5A及び5Bに見られる実施例では、器具インターフェース要素は、シャフトの周りに円周方向に位置決めされる。ハウジング502のカップ形状部分の断面に対応する平面では、各器具インターフェース要素は機器シャフトから等距離にある。
【0066】
器具インターフェース301は、駆動ユニット401とインターフェース接続するように構成されている。器具103をアーム102に取り付けると、器具インターフェースは、駆動ユニットと嵌合する。図6Aは、2つが一緒に接続されたときの器具インターフェース及び駆動ユニットの側面図を示す。図は、駆動ユニットのハウジング402が、器具インターフェースのハウジング502と嵌合することを示す。この実施例では、駆動ユニットハウジング402は、2つのハウジングが互いに固定されるように、器具インターフェースハウジング502のカップ形状部分によって係合されるリップ601を備える。前述したように、駆動ユニットは、4つの駆動インターフェース要素403を備え、器具インターフェースは、4つの器具インターフェース要素503を備える。図6Aでは、2つの駆動インターフェース要素403及び2つの器具インターフェース要素503のみが見える。各駆動インターフェース要素は、それぞれの器具インターフェース要素に隣接して位置決めされているが、そのそれぞれの器具インターフェース要素に固定されていない。各駆動インターフェース要素は、そのそれぞれの器具インターフェース要素と連通する。図6Aは、駆動インターフェース要素の各々の長手方向軸403aが、そのそれぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸503aと整列していることを例解する。この実施例では、軸403a及び503aは同一直線上にある。ロードセルユニット405及びキャップ409は、駆動インターフェース要素403と器具インターフェース要素503との間に位置決めされる。図6Aに見られる実施例では、各キャップ409は、一方の側でロードセルユニットのパッドの面と同一平面上にあり、かつ反対側の側で器具インターフェースと同一平面上にあるように位置決めされる。前述のように、駆動インターフェース403のボールねじアダプタ408の変位は、ロードセル405のパッド及び対応するキャップ409の変位をもたらす。この実施例では、ロードセルユニット405の各パッドは、キャップ409によって駆動インターフェース要素403に固定されるが、器具インターフェース要素には固定されない。各キャップ409は、器具インターフェース要素のいずれにも固定されない。駆動インターフェース要素は、器具インターフェース要素に固定される。他の実施例では、ロードセルユニットは、駆動インターフェース要素又は器具インターフェース要素のいずれかの間に位置するが、固定されない。この配置は、ロードセルユニットと駆動インターフェース要素との間の任意の固定機構(例えば、接着剤又はねじ)の経時的な劣化がないため、有利である。それ故、ロードセルユニットが駆動インターフェース要素又は器具インターフェース要素のいずれかに固定されていない配置では、ロードセルとインターフェース要素との間の結合は、経時的にその剛性を維持する。前述のように、各駆動インターフェース要素は、そのそれぞれのアクチュエータによって変位することができる。駆動インターフェース要素の変位は、その長手方向軸に沿って、末端リンクの遠位端に向かう方向、すなわち、エンドエフェクタに向かう方向である。前述のように、駆動インターフェース要素もロードセルユニットも、それぞれの器具インターフェース要素に固定されていない。しかしながら、駆動インターフェース要素がその遠位端に向かって変位すると、駆動ユニット、ロードセルユニット、及び器具インターフェースの構成要素が互いに同一平面上に位置決めされ、長手方向軸403a(及び503a)に沿って整列するため、駆動インターフェース要素が押されると、ロードセルユニットを押し、そのロードセルユニットが器具インターフェース要素を(任意選択でキャップ409を介して)押す。それ故、駆動インターフェース要素の前述の方向への変位は、ロードセルユニットのパッドの等しい変位をもたらし、これは、対応する器具インターフェース要素の同じ方向での等しい変位をもたらす。言い換えれば、駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿ったその遠位端に向けた変位は、器具インターフェース要素の遠位端に向けた器具インターフェース要素の長手方向軸に沿ったそのそれぞれの器具インターフェース要素の変位をもたらす。器具インターフェース要素の長手方向軸は、それぞれの駆動インターフェース要素の長手方向軸と同一直線上にあることが再度留意される。また、駆動インターフェース要素の遠位端に向かう方向は、器具インターフェース要素の遠位端に向かう方向と同じであり、両方向はエンドエフェクタに向かうことに留意されたい。
【0067】
同じ軸に沿った変位のこの伝達は、駆動ユニットと器具との間の効率的な力伝達をもたらす。駆動インターフェース要素がそのそれぞれの器具インターフェース要素と同じラインに沿って駆動されない以前の配置と比較して、上述の配置は、エネルギー損失の低減をもたらす。更に、ロードセルユニットのパッドも同じラインに沿って位置決めされるため、ロードセルは、器具インターフェース要素の各々に印加された力をより正確に判定することができる。
【0068】
最後に、各駆動インターフェース/器具インターフェース要素対の長手方向軸は、器具シャフトに非常に近接して位置決めされるため(図5A、5B、及び6に見られるように)、全体的な駆動ユニット器具インターフェースは、よりコンパクトである。
【0069】
本明細書に記載される一部の実施例では、駆動インターフェース要素は、そのそれぞれの器具インターフェース要素に取り付けられていないため、各器具インターフェース要素は、そのそれぞれの駆動インターフェース要素によってのみ押される(引っ張られていない)ことができる。それ故、器具インターフェース要素は、対応する駆動インターフェース要素を駆動することによって、一方向にのみ変位することができる。特に、各器具インターフェース要素は、対応する駆動インターフェース要素を駆動することによってのみ、その遠位端に向かって変位することができる。これは、エンドエフェクタに向かう方向である。器具インターフェース要素のいずれも、駆動インターフェース要素又はロードセルユニットのいずれにも固定されていないため、駆動インターフェース要素は、器具インターフェース要素を「引っ張る」ことができない。そのため、駆動インターフェース要素がエンドエフェクタに向かって、及びエンドエフェクタから離れるように変位され得る場合でも、エンドエフェクタから離れる方向への駆動インターフェース要素の変位は、対応する器具インターフェース要素の変位に伝達することができなかった。
【0070】
以下で詳細に説明するように、4つ(又はそれ以上)の駆動要素を使用して、これらの「押しのみ」の実施例でのエンドエフェクタの位置を効果的に制御することが可能であり、各駆動要素は、それぞれの器具インターフェース要素に結合される。これらの「押しのみ」の実施例では、1つの駆動要素の張力が他の全ての駆動要素の張力とは無関係ではないように、総張力が4つの駆動要素にわたって共有される。そのため、器具インターフェース要素は、それぞれの器具インターフェース要素に結合されていない駆動要素の張力の変化に起因して、その近位端に向かう方向に変位され得る(駆動インターフェース要素によって器具インターフェース要素に以前に印加された押力が低減又は除去される場合)。そのため、以下でより詳細に説明するように、それぞれの駆動要素の張力は、駆動インターフェース要素の他のものを押すことによって変更され得る。
【0071】
更に、図6Aに見られる配置には多くの利点がある。駆動インターフェース要素が器具インターフェース要素に固定されていないという事実は、器具の器具インターフェースをロボットアームの駆動ユニット上に取り付けることが単純かつ迅速であることを意味する。各器具インターフェース要素とその対応する駆動インターフェース要素との正確な整列は、器具インターフェースハウジングのカップ形状部分502a及び駆動ユニットハウジングのリップが、最初の取り付けプロセス中に駆動ユニット及び器具インターフェースのそれぞれの位置での不確実性をある程度許容するため、取り付け中に最初は必須ではない。更に、それぞれのインターフェース要素間の取り付けがないため、ロボットアームからの器具の取り外しが容易になる。ロボットアームからの器具の取り外しは、駆動要素の張力をゼロに低減することのみを必要とする。これは、アームへの電力が失われ、器具がアームから取り外される状況で有利である。電源が切れると、駆動要素の張力は失われ、ロボットアームから器具を取り外すことができることを意味する。
【0072】
更なる実施例では、駆動ユニットは、ロードセルユニットを含まない場合がある。こうした実施例では、各駆動インターフェース要素は、そのそれぞれの器具インターフェース要素と同一平面になるように位置決めされる。そのため、駆動インターフェース要素の遠位端に向かう方向への駆動インターフェース要素の変位は、器具インターフェース要素の変位に直接変換される。
【0073】
ドレープカップ602を図6Bに示す。示されるドレープカップは、剛直な外側部分及び中央の可撓性又は折り畳み部分を含む。ドレープカップは、図6Cに見られるように、駆動ユニット401と器具インターフェース301の両方の間に位置決めされ、かつ係合し得る。ドレープカップの中央部分は、互いに対して移動することができる複数の可撓性部分を有し得る。可撓性部分の各々は、駆動インターフェース要素の変位を器具インターフェース要素に伝達するのに影響を与えないように、駆動インターフェース要素と器具インターフェース要素との間に位置し得る。ドレープカップは、ドレープがロボットアーム102を器具103から分離するように、外科手術ドレープ603に取り付けられ得る。ドレープは、腕と器具との間に滅菌バリアを維持するように腕を覆い得る。
【0074】
図7は、関節部303及びエンドエフェクタ304を含む器具シャフト302の遠位端を示す。この実施例では、エンドエフェクタ304は、2つの平滑なジョー304a及び304bを備える。他の実施例では、エンドエフェクタは、鋸歯状ジョー、グリッパ、大ばさみ1丁、針把持器、生検針又は薬剤注入用針、若しくは外科手術器具のための任意の他の好適なエンドエフェクタであり得る。関節部303は、いくつかのジョイントを含み、これにより、エンドエフェクタが器具のシャフトに対して移動することが許可される。関節部のジョイントは、ケーブルなどの駆動要素701によって作動される。器具シャフト302の遠位端において、駆動要素701は関節部のジョイントと係合する。シャフトの近位端において、駆動要素は、器具インターフェースのインターフェース要素503に固定される。各器具インターフェース要素は、それぞれの駆動要素に固定される。
【0075】
図8Aは、器具インターフェース及び駆動ユニットが嵌合されたときの、器具インターフェース301及び駆動ユニット401の一部の側面図を示す。前述したように、この実施例では、駆動ユニットは、4つの駆動インターフェース要素403を備え、器具インターフェースは、4つの器具インターフェース要素503を備える。図8Aでは、4つの駆動インターフェース要素403のうちの2つ、及び4つの器具インターフェース要素503のうちの2つのみが見える。図は、各器具インターフェース要素がそのそれぞれの駆動要素に固定され得る方法の実施例を例解する。
【0076】
図8A~8Cに見られる実施例では、各器具インターフェース要素は、円筒状ロッドである。各器具インターフェース要素503は、ロッドの長さに沿って少なくとも部分的に延在する溝804を備える。溝は、ロッドに平行である細長い形状を有する。溝は、ロッドの半径と実質的に等しい深さを有する。言い換えれば、溝はまた、図8B及び8Cに示すように、器具インターフェース要素の半径に沿って、すなわち、器具インターフェース要素の断面の縁部から中心まで概ね延在する。各器具インターフェース要素は、図8Aに見られるように、ハウジング502内にも位置決めされるそれぞれのプーリ801と関連付けられる。この実施例では、各プーリ801は、円形及び大部分が平面形状を有する本体802を備える。各プーリはまた、プーリの本体802が回転できる主軸803を備える。他の実施例では、プーリは、キャプスタンであり得る。図8A及び8Bに見られる実施例に戻ると、各プーリの本体は、それぞれの器具インターフェース要素の溝804内に少なくとも部分的に位置決めされる。プーリは、器具インターフェース要素又は溝に接触しない。各プーリの本体の平面は、そのそれぞれの器具インターフェース要素内に形成された溝に平行である。プーリの本体は、溝内で回転し得、すなわち、プーリの本体は、器具インターフェース要素に対して回転することができる。各プーリ(本体802及び主軸803の両方)は、器具シャフト302に対して固定されるが、本体802は器具シャフトに対して回転可能である。各プーリは、機器シャフトに平行かつそれぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸に平行な方向に、そのそれぞれの器具インターフェース要素に対して変位可能である。具体的には、各プーリは、それぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸に平行な方向に位置決めされる溝内で変位することができる。
【0077】
各プーリの本体802は、本体の平面がそれぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸に平行であるように、そのそれぞれの器具インターフェース要素の溝内に位置決め(又は「着座」)される。プーリの縁部は、器具インターフェース要素の長手方向軸と交わる、すなわち、プーリの縁部は、図8Aに示すように、器具インターフェース要素の断面の中心に位置決めされる。別の言い方をすると、プーリの本体の縁部の接線は、器具の長手方向軸と同一直線上にある。言い換えれば、プーリの本体の直径の一方の端部における位置は、それぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸と整列する。
【0078】
プーリの本体の直径の他方の端部は、器具シャフトの突出した輪郭内に、すなわち、シャフトが駆動ユニットに向かって延在し続けていたならばシャフトが占めていたであろう容積内に位置する。言い換えれば、器具シャフトは一定の円形断面を有するため、プーリの本体の直径の他方の端部は、シャフトと同じ断面及び長手方向軸を有する「仮想」円筒内に位置するが、駆動ユニットに近い場所に位置する。
【0079】
各プーリの主軸は、それぞれの器具インターフェース要素の溝内に位置決めされない。各プーリの主軸は、そのそれぞれの器具インターフェース要素によって形成される容積の外側に位置決めされる。各プーリの主軸は、そのそれぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸に対して垂直である。
【0080】
図8Bは、4つの器具インターフェース要素全てを示すが、器具シャフトを省略する。前述のように、この実施例では、器具インターフェース要素は、器具シャフト(図示せず)の周りに円周方向に位置決めされる。各器具インターフェース要素の溝は、機器シャフトに最も近い器具インターフェース要素の側面上に位置決めされる。言い換えれば、溝は器具シャフトに面する。したがって、各プーリは、そのそれぞれの器具インターフェース要素と機器シャフトとの間に位置決めされる。各プーリの本体の平面は、器具シャフトの長手方向軸に平行である。図8Aに見られるように、各プーリの本体は、そのそれぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸と、機器シャフトの長手方向軸を下方に見たときに機器シャフトの断面内にある位置との間に延在する。上述のように、プーリの本体の直径の一方の端部は、そのそれぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸と整列する。プーリの本体の直径の他方の端部(すなわち、プーリの反対側の縁部)は、器具シャフトの長手方向軸の近くに位置し、例えば、プーリの本体は、シャフトの長手方向軸と交差し得、又はそうでなければ、器具シャフトの長手方向軸に沿った器具シャフトの容積の突出部内に位置決めされ得る。図8Aに見られる実施例では、直径の他方の端部は、器具シャフトの長手方向軸に対して器具シャフトの縁部よりも近いが、器具シャフトの長手方向軸と交差しない。
【0081】
器具インターフェース要素は、器具シャフトの遠位端において、関節部内で使用される駆動要素701に固定される。器具は、4つの駆動要素701を備えるが、4つの駆動要素のうちの2つの駆動要素のみが図8Aに示されている。各器具インターフェース要素は、それぞれの駆動要素に固定される。図8Aに見られる実施例では、各器具インターフェース要素は、器具インターフェース要素の遠位端に向かって駆動要素701に取り付けられる。各器具インターフェース要素は、対応するプーリ801の主軸よりも遠位にある位置において駆動要素701に取り付けられる。これは、駆動要素701の張力が、器具インターフェース要素の近位端に向かう方向に器具インターフェース要素を引っ張るように作用することを意味する。図8Aは、各駆動要素がクリップ805を使用してそのそれぞれの器具インターフェース要素に固定されているが、他の取り付け手段が使用され得ることを示す。この実施例では、各器具インターフェース要素は、駆動要素の単一の長さに固定される。その長さの一端において、駆動要素は、クリップ805を使用してそのそれぞれの器具インターフェース要素に固定される。クリップ805は、駆動要素も溝内に位置決めされるように、溝804内に位置する。溝は、溝と駆動要素との間の摩擦を増加させるように設計された特徴を含み得る。例えば、溝は、溝と駆動要素との間の摩擦を最大化するようにサイズ設定され得る。溝は、高摩擦材料から作製され得、又は駆動要素上の把持を増大させるように設計されたコーティングを有し得る。一実施例では、溝は、駆動要素と係合する領域に1つの高摩擦材料又はコーティング、及びプーリの本体と係合する領域に1つの低摩擦材料又はコーティングを備え得、これはプーリが溝内で自由に回転することができることを意味する。駆動要素は、器具インターフェース要素の近位端に向かう方向に、クリップから離れるように溝に沿って延在し、溝内にも存在するそれぞれのプーリと係合する。駆動要素は、器具インターフェース要素の長手方向軸と整列する本体の縁部上の点においてプーリの本体と係合する。一実施例では、駆動要素の一部分は、例えば、駆動要素の変位がプーリの本体の回転を引き起こすように、捲縮したビーズ又は他の固定機構を使用して、プーリの本体に固定される。他の実施例では、駆動要素はプーリに固定されず、そのため駆動要素はプーリの本体に対して移動することができ、変位するにつれてプーリを回転させない。この実施例では、プーリの本体は、プーリと駆動要素との間に作用する摩擦力を低減するように構成されたコーティングを有し得る。駆動要素は、プーリがその円周の半分に沿って駆動要素と係合するように、それぞれのプーリ801の周囲に延在する。言い換えれば、駆動要素は、プーリの周囲の半分の周りに巻かれ、その後プーリから係合解除される。そのため、駆動要素がプーリから係合解除されるときの駆動要素の方向は、器具インターフェース要素の遠位端に向かう方向である。駆動要素は、器具シャフトの長手方向軸に最も近い本体上の点でプーリの本体から係合解除され、器具シャフトに入る。次に、駆動要素は、シャフトの遠位端に向かってシャフトに沿って器具シャフト内で延在する(図8Aには図示せず)。器具シャフトの遠位端において、図7に示すように、駆動要素は関節部303に係合する。
【0082】
前述したように、コマンドインターフェース201における入力は、ロボットアームの末端リンク上の駆動インターフェースの1つ以上の駆動インターフェース要素403の変位をもたらす。器具が端子リンクに取り付けられるとき、駆動インターフェース要素の遠位端に向かうその長手方向軸に沿った駆動インターフェース要素の変位は、そのそれぞれの器具インターフェース要素503の同じ方向及び同じ軸に沿った変位をもたらす。
【0083】
上述のように、各駆動要素は、その端部のうちの1つにおいて、それぞれの器具インターフェース要素の遠位端に固定される。そのため、器具インターフェース要素のその遠位端に向かう方向での変位は、駆動要素の端部の同じ方向での等しい変位をもたらす。駆動要素はプーリの本体に固定され、プーリの本体は、そのそれぞれの器具インターフェース要素の溝内で回転することができるため、器具インターフェース要素の長手方向軸に沿った駆動要素の変位(すなわち、プーリの主軸軸に垂直な方向)は、プーリの本体をプーリの主軸の周りで回転させる。駆動要素がプーリの周りに部分的に巻かれるため、器具シャフト内に位置決めされた駆動要素の部分は、器具インターフェース要素の近位端に向かって、すなわち、エンドエフェクタから離れるように、反対方向に変位する。そのため、駆動インターフェース要素のエンドエフェクタに向かう方向への変位は、エンドエフェクタから離れる反対方向の対応する駆動要素の変位をもたらす。
【0084】
駆動要素がプーリによって係合されたときに、摩擦損失が発生することが知られている。駆動要素がそのそれぞれのプーリに固定されておらず、プーリの本体に対して移動することができる実施例では、プーリの半径が減少するにつれて摩擦損失が増加する。更に、駆動要素が係合するプーリの半径は、駆動要素がプーリの円周のより大きな割合に係合する必要があるという事実のために、駆動要素の摩耗に著しい影響を及ぼし、そのため、プーリに巻き付けるために方向をより急激に変化させる必要がある。そのため、半径が小さいプーリは、駆動要素上の応力の集中及びより速い摩耗につながる可能性がある。それ故、駆動要素の経路での方向の急激な変化を低減するために、駆動要素によって係合される任意のプーリの半径を最大化することが望ましい。更に、駆動要素が係合するために必要とされるプーリの数を最小化することが概して望ましい。
【0085】
図8A及び8Bに見られる配置は、各駆動要素が器具インターフェース内の単一のプーリのみと係合することを許容する。言い換えれば、各駆動要素は、器具インターフェース要素によって係合されることと器具シャフトに入ることとの間で、1つのプーリのみと係合する。これは、以前の器具インターフェース配置と比較して改善される。更に、各プーリ801が器具インターフェース要素内の溝内に位置決めされるという事実は、器具インターフェース要素とシャフトとの間の距離を最小化しながらプーリの半径を最大化することができ、それによって器具インターフェースの全体的なサイズを最小化することができることを意味する。
【0086】
更に、各駆動要素は、器具インターフェース要素の長手方向軸に沿った点におけるそのそれぞれの器具インターフェース要素に取り付けられ、駆動インターフェース要素及び器具インターフェース要素の両方が変位する軸でもあるその軸に沿って駆動されるため、駆動インターフェース要素から駆動要素への力の伝達でのエネルギー損失の更なる低減が可能になる。それ故、駆動インターフェース要素からエンドエフェクタへの力の伝達は、全体的にコンパクトな器具インターフェースを維持しつつも、より効率的になる。更に、駆動要素、器具インターフェース要素、及び駆動インターフェース要素は、同じ作用線に沿って変位し、ロードセルユニットもその作用線上に位置決めされるため、ロードセルは、駆動要素の張力を正確に測定することができる。
【0087】
代替的な実施例では、各プーリは、器具インターフェース要素の溝内に位置しない。この配置では、駆動要素は、器具インターフェース要素と同じ軸に沿って駆動されることはない。この配置は、力が駆動インターフェース要素から駆動要素に伝達されることを可能にするが、力伝達は効率が悪くなる。
【0088】
図7に示すように、器具シャフト302の遠位端において、駆動要素701は関節部303のジョイントと係合し、エンドエフェクタ304の動きを作動させるために使用される。この実施例では、エンドエフェクタは、2つのエンドエフェクタ要素304a及び304bを備える。各エンドエフェクタ要素は、ジョー及び円形部分を含む。関節部は、第1のジョイント702、第2のジョイント703、及び更なるプーリのセット704で形成される。
【0089】
第1のジョイント702は、第1の軸705、ヨー軸を有する。第1の軸705は、器具の長手方向軸に対して垂直である。図7に見られる実施例では、第1のジョイントは、第1の軸705の周りに配設される2つのプーリ707を備える。各エンドエフェクタ要素の円形部分もまた、第1の軸705の周りに配設される。各エンドエフェクタ要素の円形部分は、エンドエフェクタが第1の軸の周りを回転するように、第1の軸の周りを回転することができる。第1のジョイントの各プーリは、エンドエフェクタ要素の円形部分に回転方向に固定される。そのため、第1の軸の周りの第1のジョイントのプーリ707の回転は、第1の軸の周りのその対応するエンドエフェクタ要素の等しい回転、すなわちエンドエフェクタ要素のヨーを引き起こす。この回転が他のエンドエフェクタ要素から離れる方向にある場合、前述の回転はエンドエフェクタジョーの開口部をもたらす。両方のエンドエフェクタ要素を第1の軸を中心に同じ方向に回転させることによって、エンドエフェクタ(両方のエンドエフェクタ要素)はヨー回転を経験することができる。同様に、2つのエンドエフェクタ要素を第1の軸を中心に反対方向に回転させることによって、エンドエフェクタのジョーを開閉することができる。
【0090】
第2のジョイント703は、第2の軸706、ピッチ軸を有する。第2の軸706は、器具の長軸方向軸に対して垂直である。第2の軸706は、第1の軸705に対して垂直である。エンドエフェクタは、第2の軸706の周りを回転して、ピッチ運動を経験することができる。図7に示す実施例では、第2のジョイントは、第2のジョイントの周りに配設される4つのプーリ708を備える。
【0091】
第2のジョイント703は、第1のジョイント702と更なるプーリ704のセットとの間に位置決めされる。図7に見られる実施例では、更なるプーリのセットは、4つの更なるプーリで形成される。更なるプーリは全て、第2の軸に平行である単一の軸の周りに配設される。
【0092】
エンドエフェクタの位置は、4つの駆動要素を使用して制御される。一部の実施例では、各駆動要素は、任意の他の駆動要素に接続されない場合がある。他の実施例では、各駆動要素701は、器具が2対の駆動要素を使用して制御されるように、別の駆動要素と一対の駆動要素を形成する。一部の実施例では、駆動要素の各対は、互いに接続されていない2つの駆動要素から形成される。しかしながら、以下の実施例では、各駆動要素701は、他の1つの駆動と結合して対を形成する。言い換えれば、各駆動要素は、一対の駆動要素の一方の端部である。各駆動要素の近位端は、器具インターフェース内の器具インターフェース要素と係合する。各駆動要素の遠位端は、別の駆動要素と係合して、一対の駆動要素を形成する。図7に見られる実施例は、2対の駆動要素を有する。駆動要素701abの第1の対は、駆動要素701a及び701bで形成される。駆動要素701cdの第2の対は、駆動要素701c及び701dで形成される。
【0093】
駆動要素の各対は、第1のジョイントのプーリ707に固定される。一対の駆動要素は、捲縮されたビーズによって、又は任意の他の固定機構によってプーリに固定され得る。対の一方の駆動要素の張力は、対の他方の駆動要素の張力に伝達されない。前述したように、1つの駆動要素対の張力は、他の駆動要素対に伝達される。駆動要素が対を形成しない代替的な実施例では、各駆動要素は、第1のジョイントのプーリに固定され得る。
【0094】
駆動要素701abの第1の対を参照すると、関節部の近位端から始まる駆動要素の対の経路は以下の通りである。器具シャフトに沿って延在すると、対は、更なるプーリのセットのプーリ704と係合し、第2のジョイントのプーリ708と係合し、次いで、器具の遠位端に概ね向かう方向に従い、駆動要素の対の方向が逆転するように、第1のジョイントのプーリ707の周囲の半分を包む。前述のように、駆動要素の対は、第1のジョイントのプーリ707に固定される。次いで、対は、器具の遠位端から離れる方向に経路に従い、器具の他方の側面上の第2のジョイントの別のプーリ708と係合し、器具シャフトに沿って器具の近位端に向かって延在する前に、別の更なるプーリ704と係合する。駆動要素701cdの他の対は、同等かつ相補的な経路に従う。駆動要素の2つの対によって取られる経路は、器具が直線構成を有するときに、器具の第1の軸705及び長手方向軸の両方を含む平面の周りで対称である。
【0095】
先に説明したように、駆動インターフェース要素がエンドエフェクタに向かう方向に変位すると、エンドエフェクタから離れる反対方向での器具シャフト内の対応する駆動要素の変位がもたらされる。この実施例では、各駆動要素は、その対応する駆動インターフェース要素によって、エンドエフェクタから離れる方向に(すなわち、駆動要素が引っ張られる)、一方向にのみ駆動することができる。しかしながら、駆動要素の一方の対の張力は、駆動要素の他の全ての対の張力とは独立していないため、駆動要素は、駆動要素の他の対の張力の変化に起因して反対方向に移動することができる。
【0096】
以下の説明における駆動要素の変位は、常に、器具の遠位端から離れる方向の変位(すなわち、それぞれのアクチュエータ、駆動インターフェース要素、及び器具インターフェース要素によって駆動される変位)を意味する。エンドエフェクタの動きは、以下のように、4つの駆動要素701a、701b、701c及び701d(駆動要素701ab及び701cdの対を形成する)を使用して制御することができる。
【0097】
駆動要素701aの変位は、それが固定されるプーリ707aの回転を引き起こし、それ故、エンドエフェクタ要素304a(プーリが固定される)を、他のエンドエフェクタ要素304bから離れる方向(図7の時計回り方向)に回転させる。そのため、駆動要素701aの変位は、エンドエフェクタジョーを開放させる。
【0098】
駆動要素701bの変位は、プーリ707a及びエンドエフェクタ要素304aを、他のエンドエフェクタ要素304bに向かう方向(図7の反時計回り方向)に回転させる。そのため、駆動要素701bの変位は、エンドエフェクタジョーを閉鎖させる。
【0099】
駆動要素701a及び701bの両方を同時に変位させることは、第2の軸706の周りのエンドエフェクタの回転を引き起こし、すなわち、駆動要素701a及び701bの同時変位は、図7に見られる時計回り方向のエンドエフェクタのピッチ運動を引き起こす。それ故、駆動要素701a又は701bの1つだけの変位も、プーリ7071への駆動要素の固定点がエンドエフェクタがピッチングする軸706からオフセットされるため、(より少ない)ピッチ運動に寄与する。
【0100】
駆動要素701cの変位は、それが固定されるプーリ707bの回転を引き起こし、それ故、エンドエフェクタ要素304b(プーリが固定される)を、他のエンドエフェクタ要素304aから離れる方向(図7の時計回り方向)に回転させる。そのため、駆動要素701cの変位は、エンドエフェクタジョーを開放させる。そのため、駆動要素701a及び701cの同時変位は、エンドエフェクタジョーの対称的かつより迅速な開口をもたらす。
【0101】
駆動要素701dの変位は、プーリ707b及びエンドエフェクタ要素304bを、他のエンドエフェクタ要素304bに向かう方向(図7の時計回り方向)に回転させる。そのため、駆動要素701dの変位は、エンドエフェクタジョーを閉鎖させる。そのため、駆動要素701b及び701dの同時変位は、エンドエフェクタジョーの対称的かつより迅速な閉鎖をもたらす。
【0102】
駆動要素701c及び701dの両方を同時に変位させることは、第2の軸を中心としたエンドエフェクタの回転を引き起こす、すなわち、駆動要素701c及び701dの同時変位は、図7に見られる反時計回り方向でのエンドエフェクタのピッチ運動を引き起こす。
【0103】
駆動要素701aの変位は、時計回り方向にエンドエフェクタ要素304aの回転を引き起こし、駆動要素701dの変位は、時計回り方向にエンドエフェクタ要素304bの回転を引き起こすため、エンドエフェクタは全体として、駆動要素701a及び701dの同時変位によって、第1の軸の周りを時計回り方向に回転させることができる。言い換えれば、駆動要素701a及び701dは、同時に変位して、一方向にエンドエフェクタのヨー回転を引き起こすことができる。
【0104】
駆動要素701bの変位は、反時計回り方向にエンドエフェクタ要素304aの回転を引き起こし、駆動要素701cの変位は、反時計回り方向にエンドエフェクタ要素304bの回転を引き起こすため、エンドエフェクタは全体として、駆動要素701b及び701cの同時変位によって、第1の軸の周りで反時計回り方向に回転させることができる。言い換えれば、駆動要素701b及び701cを同時に変位させて、反対方向にエンドエフェクタのヨー回転を引き起こすことができる。
【0105】
このようにして、4つの駆動要素を使用して、ピッチ運動、ヨー運動、及びエンドエフェクタのジョーの開閉を制御することができる。
【0106】
外科医がエンドエフェクタのジョーを開くことを望む1つの例示的な動作では、外科医は、コマンドインターフェース201において入力を提供し、ロボットにエンドエフェクタジョーを開くように指示する。制御ユニット202は、コマンドインターフェース201における外科医の入力を適切なアクチュエータ404における出力を変換する。この実施例では、制御ユニットは、2つのアクチュエータ404を回転させるように命令する。2つの適切なアクチュエータは、器具の駆動要素701a及び701cに対応するアクチュエータである。
【0107】
前述のように、アクチュエータの回転は、その駆動インターフェース要素の長手方向軸に沿ったそのそれぞれの駆動インターフェース要素403の変位を引き起こす。そのため、2つのアクチュエータの回転は、2つの駆動インターフェース要素の変位を引き起こす。各駆動インターフェース要素は、駆動インターフェース要素の変位が、同じ軸に沿った対応する器具インターフェース要素の変位を引き起こすように、それぞれの器具インターフェース要素503と連通する。そのため、2つの駆動インターフェース要素の変位は、2つのそれぞれの器具インターフェース要素の、それぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸に沿った機器の遠位端に向かう方向での変位をもたらす。図8A及び8Bに関して前述したように、駆動要素は、器具の遠位端に向かう方向における器具インターフェース要素の変位が、器具の遠位端から離れる方向でのそれぞれの駆動要素の変位をもたらすように、各器具インターフェース要素に固定される。そのため、2つの器具インターフェース要素の変位は、駆動要素701a及び701cの同時変位をもたらす。前述したように、これらの駆動要素を同時に変位させることは、エンドエフェクタ要素が互いに、すなわち、器具のジョー開口部から離れるように回転することをもたらす。
【0108】
前述したように、張力は、張力について互いに競合するように、駆動要素の対間で共有される、すなわち、駆動要素の一方の対の張力は、エンドエフェクタ要素を通して駆動要素の他の全ての対に伝達される。そのため、駆動要素は、それらを全て同時に変位させることによって同時に張力をかけることができる。同じ力を使用して駆動要素の全てを同時に引くことによって、全ての駆動要素の張力が増大するが、エンドエフェクタの位置は変化しない。言い換えれば、駆動要素の全てにおける張力を増加させるために、外科医は、コマンドインターフェース201において入力を提供することができ、これにより、全てのアクチュエータを回転させ、それによって、全ての駆動インターフェース要素及び全ての器具インターフェース要素を変位させる。前述のように、ロードセルユニットは、駆動要素の張力の正確な測定値を判定することができ、これらの測定値は、外科医に正確なフィードバックを与えるために制御ユニット202に再び入力され得る。このフィードバックは、外科医が、駆動要素が所望の張力に達したかどうか、若しくは再張力をかけるべきかどうかを判定するために使用することができる。全ての駆動要素は、エンドエフェクタの位置に影響を与えることなく、外科処置中の任意の点において張力をかけることができる。この配置は、器具をロボットアームに取り付けるときに、セットアップ中に駆動要素に予め張力をかける必要がないため、有利である。更なる利点は、器具の制御に使用されるパラメータ、例えば、アクチュエータによって送達されるトルクが、フィードバックに従って、すなわち、駆動要素の張力に対する更新された値に応答して更新され得ることである。
【0109】
上述の実施形態では、駆動インターフェース要素403の各々は、それぞれの器具インターフェース要素に取り付けられていないが、駆動インターフェース要素の変位がそれぞれの器具インターフェース要素の変位をもたらすように、それぞれの器具インターフェース要素503を押す。どの駆動インターフェース要素も、器具インターフェース要素のいずれにも固定されていない。そのため、各器具インターフェース要素は、そのそれぞれの駆動インターフェース要素によってのみ押されることができ、そのため、そのそれぞれの駆動インターフェース要素によってエンドエフェクタに向かう方向の一方向にのみ変位することができる。前述したように、各器具インターフェース要素は、器具インターフェース要素の第1の方向への変位が、それぞれの駆動要素の反対方向への変位をもたらすように、それぞれの駆動要素に固定される。そのため、各駆動要素は、アクチュエータによってのみ駆動されて、エンドエフェクタから離れるように一方向に変位することができる。
【0110】
図9は、各駆動インターフェース要素403がロードセルユニット405を介してそのそれぞれの器具インターフェース要素503に取り付けられる代替的な実施形態を示す。この実施形態では、駆動インターフェースは、駆動インターフェースが3つのアクチュエータのみも含むように、単一のアクチュエータによって各々駆動される3つの駆動インターフェース要素を含む。図9は、3つの駆動インターフェース要素403のうちの1つ、及び3つのアクチュエータ404のうちの1つのみを示す。この実施形態では、各駆動インターフェース要素は、そのそれぞれのアクチュエータによって2つの反対方向に変位することができる。駆動インターフェース要素と器具インターフェース要素との間の取り付けに起因して、各駆動インターフェース要素は、器具インターフェース要素がまた、2つの反対方向(エンドエフェクタに向かって、及びエンドエフェクタから離れる方向の両方)に変位できるように、その変位をそれぞれの器具インターフェース要素に伝達することができる。アクチュエータ404、親ねじ406、及びボールねじ407の動作は、前述のものと同じである。駆動ユニットはまた、前述のように、ボールねじアダプタの動きを制御するためのキー410を含む。ボールねじアダプタは、前述の通りであるが、追加的に、2つの反対方向(押す及び引く)に移動するように制御することができる。図9に見られるボールねじアダプタ408は、ボールねじアダプタがボールねじによって押し出され、引っ張られることが可能なように、ボールねじがボールねじアダプタと係合する際に前述したボールねじアダプタとはわずかに異なる形状を有する。更に、前述の実施例とは異なり、ボールねじアダプタ408は、ロードセルユニット405に固定される。ロードセルユニットは、駆動インターフェース要素のボールねじアダプタ408及びそれぞれの器具インターフェース要素302の両方に固定される。図9のロードセルユニットは、器具インターフェース要素に印加される力、及びそれ故に2つの反対方向(エンドエフェクタに向かって、及びエンドエフェクタから離れる方向)の対応する駆動要素の張力を判定する。ロードセルユニットは、張力及び圧縮を感知するように構成され得る。前述の実施形態とは異なり、この実施例のロードセルユニットは、駆動インターフェース要素及び器具インターフェース要素の両方に固定される。図9に示す実施例では、ロードセルユニットは、ねじ嵌めによって駆動インターフェース要素及び器具インターフェース要素に固定され得る。ロードセルユニットと駆動インターフェース要素及び器具インターフェース要素との接続により、ボールねじアダプタに印加された力はロードセルユニット405に直接印加され、その力は器具インターフェース要素302に伝達される。アクチュエータが、ボールねじアダプタ408のエンドエフェクタから離れる方向での変位を開始するとき(すなわち、駆動インターフェース要素が引っ張られるとき)、図9に見られるロードセルユニット405と器具インターフェース要素302との間の「T」形状の係合要素は、変位が器具インターフェース要素の同じ方向における同等の変位に伝達されることを意味する。
【0111】
この実施形態では、駆動インターフェースは、3つの駆動インターフェース要素のみを含み、各駆動インターフェース要素は、器具インターフェース内の1つの器具インターフェース要素に取り付けられる。そのため、器具インターフェースは、3つの器具インターフェース要素のみを含む。図10は、器具インターフェース要素が器具シャフトの周りに円周方向に配設されていることを示す。隣接する器具インターフェース要素間の角度変位は、120度である。図4~8に見られる実施形態とは対照的に、この代替的な実施形態では、各駆動要素は、単一の長さのケーブルではなく、ケーブルのループである。そのため、器具は、3つのケーブルループを含み、各ループは、器具インターフェース要素及び関節部内のジョイントのプーリと係合する。
【0112】
図9及び10は、ケーブルループとそれぞれの器具インターフェース要素との間の係合を例解する。前述の方法と同様に、ケーブルループ上の点は、クリップ905又は他の固定機構によってそのそれぞれの器具インターフェース要素に固定される。
【0113】
前述の実施形態とは対照的に、各器具インターフェース要素は、器具インターフェースが合計9個のプーリを含むように、3つのそれぞれのプーリ901、902a、902bと関連付けられる。3つのプーリ901のうち第1のものは、図8A及び8Bに見られるプーリのうちの1つと同等である。図9で前述し、見られるように、各プーリ901は、そのそれぞれの器具インターフェース要素の溝内に部分的に位置し、前述した方法で器具インターフェース要素によって駆動されるケーブルループの一部分と係合する。プーリ901は、エンドエフェクタに向かう方向でのそれぞれの器具インターフェース要素の変位を、エンドエフェクタから離れる方向でのケーブルループの一部分の変位に変換することを可能にし、すなわち、ケーブルループの「引っ張り」が発生することを可能にする。
【0114】
各器具インターフェース要素は、近位プーリ902a及び遠位プーリ902bの2つの更なるプーリと関連付けられる。遠位プーリ902bは、その器具インターフェース要素の遠位端に位置する。図10は、遠位プーリ902bのみを示す。プーリ902bの主軸は、器具シャフトの長手方向軸と交差し、かつ垂直である。プーリ902bの本体の平面は、器具シャフトの接線に平行である。
【0115】
近位プーリ902aは、器具インターフェース要素の近位端に向かって、そのそれぞれの器具インターフェース要素に隣接して位置決めされる。具体的には、プーリ902aは、器具インターフェース要素と隣接する器具インターフェース要素との間に位置する。近位プーリ902aの本体の平面は、器具シャフトの半径と同一直線上にある。言い換えれば、3つの近位プーリは、器具シャフト302の周りに半径方向に位置決めされる。それ故、特定の器具インターフェース要素については、その近位プーリ902aは、その遠位プーリ902bに対して垂直である。プーリ902a及び902bは、エンドエフェクタから離れる方向でのそれぞれの器具インターフェース要素の変位を、エンドエフェクタに向かう方向のケーブルループの一部分の変位に変換することを可能にし、すなわち、ケーブルループの「押し込み」が発生することを可能にする。
【0116】
近位プーリ902a及び遠位プーリ902bは、ケーブルループと係合する。図9に示すように、クリップ905によって器具インターフェース要素に取り付けられたケーブルループの一部分は、遠位プーリ902bに向かって器具インターフェース要素の遠位端に向かって延在し、遠位プーリの周囲の半分の周りに巻き付く。次に、ケーブルループの経路は、器具インターフェース要素の近位端に向かう方向に遠位プーリから離れるように延在し、近位プーリ902aと係合する。ケーブルループは、近位プーリの周囲の半分の周りに巻き付けられ、器具シャフトに入る。図9に示すように、各器具インターフェース要素について、(プーリ901及び902aからの)ケーブルループの2つの部分は、器具シャフトに沿ってその遠位端に向かって延在する。そのため、器具シャフトの遠位端における関節部は、ケーブルの3つのループを使用して制御される。当業者であれば、これら3つのケーブルループを使用して、器具の遠位端においてエンドエフェクタを作動させる方法を知るであろう。
【0117】
上述の両方の実施形態では、各駆動インターフェース要素、そのそれぞれの器具インターフェース、及び駆動要素の変位は、同じ軸に沿っており、結果として効率的な力伝達をもたらす。ロードセルユニットもこの軸上に位置決めされるため、前述の駆動要素の張力の判定は、非常に正確である。上述のように、図9のロードセルユニットは、駆動要素の両方向、すなわち、エンドエフェクタに向かって、及びエンドエフェクタから離れる方向への変位に対応する張力の変化を判定するように構成されている。この実施形態はまた、図4~8に見られる実施形態よりも少ないアクチュエータ、インターフェース要素、及び駆動要素がエンドエフェクタの動きを制御するために必要とされるため、有利である。
【0118】
本明細書によって、本出願人は、本明細書に説明される各個々の特徴及び2つ以上のかかる特徴の任意の組み合わせを、かかる特徴又は組み合わせが、当業者に共通する一般知識に照らして、全体として本明細書に基づいて行うことができるような程度まで、かかる特徴又は特徴の組み合わせが、本明細書に開示する任意の問題を解決するかにかかわらず、かつ特許請求の範囲を限定することなく、分離して開示する。本出願人は、本発明の態様が、任意のかかる個々の特徴又は特徴の組み合わせからなり得ることを示している。前述の説明を考慮すると、本発明の範囲内で様々な修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科手術器具と係合するように構成された外科手術ロボットアームであって、前記外科手術ロボットアームが、駆動ユニットを備え、前記駆動ユニットが、
複数の駆動インターフェース要素であって、各駆動インターフェース要素が、長手方向軸を有する、複数の駆動インターフェース要素と、
前記複数の駆動インターフェース要素を駆動するように構成された複数のアクチュエータと、を備え、前記複数のアクチュエータの各アクチュエータが、前記複数の駆動インターフェース要素のうちの1つを駆動し、それにより、その駆動インターフェース要素をその長手方向軸に沿って第1の方向に変位させるように構成されており、
前記駆動ユニットは、前記外科手術ロボットアームが前記ロボット外科手術器具と係合するとき、各駆動インターフェース要素の前記長手方向軸が、前記器具内のそれぞれの器具インターフェース要素の長手方向軸と整列し、各駆動インターフェース要素は、前記駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向での前記変位が、前記それぞれの器具インターフェース要素をその長手方向軸に沿って前記第1の方向に変位させるように構成されている、外科手術ロボットアーム。
【請求項2】
前記アクチュエータの各々が、そのそれぞれの駆動インターフェース要素の前記長手方向軸と整列した長手方向軸を有する、請求項1に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項3】
前記駆動ユニットは、前記外科手術ロボットアームが前記ロボット外科手術器具と係合するとき、各駆動インターフェース要素の前記長手方向軸が、前記器具内の前記それぞれの器具インターフェース要素の前記長手方向軸と同一直線上にあるように構成されている、請求項1又は2に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項4】
前記駆動ユニットは、前記外科手術ロボットアームが前記ロボット外科手術器具と係合するとき、前記複数の駆動インターフェース要素が、前記器具内の前記それぞれの器具インターフェース要素に固定されないように構成されている、請求項1又は2に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項5】
前記駆動ユニットが、前記複数のアクチュエータによって前記複数の駆動インターフェース要素のうちの1つ以上に印加される負荷を感知するように構成されたロードセルユニットを備え、前記駆動ユニットは、前記外科手術ロボットアームが前記ロボット外科手術器具と係合するとき、前記ロードセルユニットが、前記器具内で前記複数の駆動インターフェース要素と前記それぞれの器具インターフェース要素との間に位置決めされるように構成されている、請求項1又は2に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項6】
前記駆動ユニットが、ハウジングと、駆動インターフェース要素と前記ハウジングとの間に位置決めされたキーと、を備え、前記キーが、前記ハウジングに固定され、前記駆動インターフェース要素が前記駆動インターフェース要素の前記長手方向軸に沿った方向に前記キーに対して変位することができるように、前記それぞれの駆動インターフェース要素と係合するように構成されている、請求項1又は2に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項7】
前記駆動インターフェース要素が、スロットを備え、前記スロットが、前記駆動インターフェース要素の前記長手方向軸に平行であり、前記キーが、前記駆動インターフェース要素がその長手方向軸に沿って変位するときに、前記スロット内で摺動するように構成されている、請求項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項8】
外科手術ロボットアームと係合するように構成されたロボット外科手術器具であって、前記器具が、
複数の器具インターフェース要素であって、各器具インターフェース要素が長手方向軸を有する、複数の器具インターフェース要素と、
前記器具が、前記器具が前記外科手術ロボットアームと係合するとき、各器具インターフェース要素の前記長手方向軸が、前記外科手術ロボットアーム内のそれぞれの駆動インターフェース要素の長手方向軸と整列し、各器具インターフェース要素が、前記それぞれの駆動インターフェース要素のその長手方向軸に沿った第1の方向での変位が、前記器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向での変位を引き起こすように構成されている、ロボット外科手術器具。
【請求項9】
前記器具が、前記器具が前記外科手術ロボットアームと係合するとき、各器具インターフェース要素の前記長手方向軸が、前記外科手術ロボットアーム内の前記それぞれの駆動インターフェース要素の前記長手方向軸と同一直線上にあるように構成されている、請求項に記載のロボット外科手術器具。
【請求項10】
前記器具が、前記ロボット外科手術器具が前記外科手術ロボットアームと係合するとき、前記複数の器具インターフェース要素が前記それぞれの駆動インターフェース要素に固定されないように構成されている、請求項又はに記載のロボット外科手術器具。
【請求項11】
前記器具が、前記器具が前記外科手術ロボットアームと係合するとき、各器具インターフェース要素が、前記外科手術ロボットアームのロードセルユニットのバッドによって係合されるように構成されており、それによって、前記それぞれのパッドの前記第1の方向での変位が、前記器具インターフェース要素のその長手方向軸に沿った前記第1の方向での変位を引き起こすように構成されている、請求項8又は9に記載のロボット外科手術器具。
【請求項12】
前記器具が、
近位端と遠位端との間に延在する長手方向軸を有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端に配設された関節部及びエンドエフェクタであって、前記関節部が前記エンドエフェクタを関節運動させるように構成されている、関節部及びエンドエフェクタと、を備え、
前記複数の器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記近位端において配設され、前記器具インターフェース要素の各々の前記長手方向軸が、前記シャフトの前記長手方向軸に平行である、請求項8又は9に記載のロボット外科手術器具。
【請求項13】
前記第1の方向が、前記シャフトの前記近位端から前記遠位端までである、請求項12に記載のロボット外科手術器具。
【請求項14】
前記複数の器具インターフェース要素が、前記シャフトの前記長手方向軸の周りに円周方向に配設される、請求項12に記載のロボット外科手術器具。
【請求項15】
請求項に記載の外科手術ロボットアームと、請求項に記載のロボット外科手術器具と、を備える、外科手術ロボット。
【国際調査報告】