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特表2024-528881電気自動車充電ステーションおよびそのインターフェース装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】電気自動車充電ステーションおよびそのインターフェース装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240725BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240725BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240725BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
B60L50/60
B60L53/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024504925
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-12
(86)【国際出願番号】 GB2022051988
(87)【国際公開番号】W WO2023007169
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】2110854.3
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524031474
【氏名又は名称】アーバン エレクトリック ネットワークス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】URBAN ELECTRIC NETWORKS LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】フリーリング-ウィルキンソン、オリビア
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA01
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125FF14
(57)【要約】
電気自動車充電ステーションのボラードにリリース可能に取り付けるための充電インターフェース装置20であって、ボラード頂部49、58と、ボラード頂部のそれぞれの端部から垂れ下がるボラード内またはボラードに装着するための第1および第2の端壁50と、第1の端壁50に設けられ、電気自動車充電ケーブルのプラグを受けるための第1の充電ソケット46と、主電源ケーブルを充電ソケット46にリリース可能に接続するための第1の電力供給コネクタと、を備え、ボラード頂部49、58、第1の端壁50および第2の端壁50の少なくとも1つは、当該装置をボラードにリリース可能に固定するための接続手段52を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車充電ステーションのボラードにリリース可能に取り付けるための充電インターフェース装置であって、該装置は、ボラード頂部と、ボラード頂部のそれぞれの端部から垂れ下がるボラード内またはボラードに装着するための第1および第2の対向する端壁と、電気自動車充電ケーブルのプラグを受けるための第1の端壁の第1の充電ソケットと、主電源ケーブルを充電ソケットにリリース可能に接続するための第1の電力供給コネクタと、を備え、第1の充電ソケットは、第2の端壁から離れる方向を向いており、ボラード頂部、第1の端壁、および第2の端壁の少なくとも1つは、前記装置をボラードにリリース可能に固定するための接続手段を含む、充電インターフェース装置。
【請求項2】
第2の充電ソケットが第2の端壁に設けられている請求項1に記載の充電インターフェース装置。
【請求項3】
第2の主電源ケーブルを第2の充電ソケットにリリース可能に接続するための第2の電力供給コネクタが設けられている請求項2に記載の充電インターフェース装置。
【請求項4】
充電中に前記ソケットからプラグが取り外されるのを防止するために、第1の充電ソケット及び設けられている場合には第2の充電ソケットにロック手段が設けられ、任意選択で、前記ロック手段又は各ロック手段が1つ又は複数のサーボモータを含む、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の充電インターフェース装置。
【請求項5】
第1の端壁は、実質的にL字形であり、第1のケーブルガイドまたは支持部を含む、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の充電インターフェース装置。
【請求項6】
第2の端壁は、実質的にL字形であり、第2のケーブルガイドまたは支持部を含む、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の充電インターフェース装置。
【請求項7】
前記装置は、第1の端壁と第2の端壁との中間にある中心面に対して実質的に対称であり、第1の充電ソケットは、前記中心面の一方側にオフセットされている、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の充電インターフェース装置。
【請求項8】
ボラード頂部の上面が一端から他端に向かって傾斜しており、前記傾斜した上面は、実質的に平面であり、第1および第2の端壁を通る横方向平面に対して少なくとも1つのディメンジョンで鋭角に傾斜している、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の充電インターフェース装置。
【請求項9】
ボラード頂部の上面は、横方向平面に対して2つの直交するディメンジョンで鋭角に傾斜している請求項8に記載の充電インターフェース装置。
【請求項10】
ボラード頂部は、1つ以上のリードスイッチを含む、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の充電インターフェース装置。
【請求項11】
ボラード頂部、第1の端壁および第2の端壁は、概ねU字形状の本体を形成する、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の充電インターフェース装置。
【請求項12】
電気自動車充電ステーションの製造、保守またはアップグレードのためのキットであって、請求項1~11のいずれかに記載の充電インターフェース装置を含むキット。
【請求項13】
電気自動車を充電するための電気自動車充電ステーションであって、該充電ステーションは、
地中に設置するためのハウジングと、
ボラードが実質的にハウジング内に配置される格納位置と、ボラードがハウジングから延出する展開位置との間で実質的に垂直軸に沿って可動のボラードと、
ボラードの頂部としてボラードにリリース可能に接続される請求項1乃至11のいずれかに記載の充電インターフェース装置または請求項12に記載のキットと、
を備える電気自動車充電ステーション。
【請求項14】
ハウジングの頂部にリリース可能に固定される天板をさらに含み、天板は、格納位置と展開位置との間でボラードの移動を可能にする開口部を含み、ボラードが格納位置にあるとき、充電インターフェース装置のボラード頂部は、天板と実質的に面一である、請求項13に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項15】
天板がハウジングの頂部に固定されるとき、天板の上面は垂直軸に対して非直交角度で角度付けされまたは傾斜している請求項14に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項16】
請求項8または9に従属する場合、天板の傾斜した上面とボラード頂部の傾斜した上面とは、ボラードが格納位置にあるとき、実質的に平行な平面に設けられている、または実質的に連続している請求項15に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項17】
電気自動車を充電するための電気自動車充電ステーションであって、該充電ステーションは、
地中に設置するためのハウジングと、
ボラードが実質的にハウジング内に配置される格納位置と、ボラードがハウジングから延出する展開位置との間で実質的に垂直軸に沿って可動のボラードと、
ボラード内またはボラード上に電気自動車充電ケーブルのプラグを受けるための充電ソケットと、を備え、
ボラードの頂部が垂直軸に対して直交しない角度で角度付けされまたは傾斜している、電気自動車充電ステーション。
【請求項18】
天板は、ハウジングの上部にリリース可能に固定可能であり、天板はボラードに対応する開口部を含み、ボラードの頂部と天板の上面がそれぞれ、垂直軸に対して共通の非直交角度で角度付けされまたは傾斜している、請求項17に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項19】
ハウジングの上部は、ハウジングの基部に対して角度が付けられている、請求項17または請求項18に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項20】
ボラードが格納位置にあるとき、ボラードの頂部と天板の上面とが実質的に連続した傾斜面を提供する、請求項18に記載の電気自動車充電ステーションまたは請求項18に従属する場合には請求項19に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項21】
可動のボラードの動きを制御するための処理ユニットまたはコントローラをさらに備え、該処理ユニットまたはコントローラは、ボラードの外側であってハウジングの一端部または一端部の方に配置されている、請求項13から20のいずれかに記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項22】
ボラードを展開・格納するためのアクチュエータがハウジングに設けられ、アクチュエータはボラードの頂部の下面に係合する、請求項13から21のいずれかに記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項23】
可動のボラードは、少なくとも第1の本体部と第2の本体部とを含む伸縮式ボラードである請求項13から22のいずれかに記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項24】
中板または力伝達部材が、ボラードの第1の本体部と第2の本体部との間に配置されている、請求項23に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項25】
アクチュエータは第1および第2のロッドを含み、第1および第2の本体部はそれぞれ第1および第2のロッドによって動くことが可能である、請求項22に従属する場合の請求項23または請求項24に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項26】
傾斜地などの地面に設置された電気自動車充電ステーションを保守する、以下のステップを含む方法。
a) 請求項13から16のいずれかに記載の電気自動車充電ステーションと、請求項1から11のいずれかに記載の第2の充電インターフェース装置、または充電ステーションの充電インターフェース装置を交換するための請求項12に記載のキットを提供するステップ、
b) 第1の充電インターフェース装置をボラードの頂部から取り外し、第1の充電インターフェース装置から主電源ケーブルまたは各主電源ケーブルを取り外すステップ、
c) 主電源ケーブルまたは各主電源ケーブルを第2の充電インターフェース装置に接続し、第2の充電インターフェース装置を電気自動車充電ステーションに固定するステップ。
【請求項27】
傾斜地に電気自動車充電ステーションを設置する方法であって、以下のステップを含む方法。
a) 傾斜した地面に充電ステーションを受け入れるための穴を設けるステップ、
b) 穴を囲む傾斜した地面の勾配を決定または推定するステップ、
c) 請求項13乃至25のいずれかに記載の電気自動車充電ステーションであって、ボラード頂部の勾配がステップ(b)で決定または推定された勾配に実質的に一致する電気自動車充電ステーションを提供するステップ、
d) 充電ステーションを穴の中に配置し、1本または複数の主電源ケーブルを充電ステーションに接続するステップ。
【請求項28】
電気自動車充電ステーションのボラードにリリース可能に取り付けるための充電インターフェース装置であって、該装置は、ボラード頂部と、ボラード頂部のそれぞれの端部から垂れ下がるボラード内またはボラードに装着するための第1および第2の端壁と、第1の端壁に設けられ、電気自動車充電ケーブルのプラグを受けるための第1の充電ソケットと、主電源ケーブルを充電ソケットにリリース可能に接続するための第1の電力供給コネクタと、を備え、ボラード頂部、第1の端壁、および第2の端壁の少なくとも1つが、当該装置をボラードにリリース可能に固定するための接続手段を含む、
充電インターフェース装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車充電ステーションのボラード(車止めポール)にリリース可能に取り付けるための充電インターフェース装置、充電インターフェース装置を含む電気自動車充電ステーション、および電気自動車充電ステーションの設置および保守方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車はますます普及しつつあり、定期的に充電しなければならないバッテリーのみで走行する。そのためには通常、電気自動車を充電ステーションに接続しておく必要があり、その時間は40分を超えることもある。これはガソリン車やディーゼル車の給油時間と比べると比較的長い。電気自動車の増加に対応するため、電気自動車充電ステーションを増やす必要がある。
【0003】
一部の市町村では、電気自動車の充電ステーションが道路に設置されている。典型的な電気自動車充電ステーションには、舗装道路に設置された柱があり、主電源に接続されたソケットや充電ケーブルがある。通常、セメントで固定されている。しかし、このような充電ステーションは、路上に設置された他の物と一緒になって、歩行者のための歩道スペースを制限する可能性があり、見苦しいと思われることもある。
【0004】
こうした問題に対処するひとつの方法は、格納式のボラードや充電部分を備えた充電ステーションを提供することである。充電ステーションは、舗装道路に掘られた穴の中に設置し、主電源ケーブルを接続することで地中に設置される。使用時には、ボラードを地表に伸ばして充電ソケットを露出させ、充電が完了したらボラードを地中に収納して保管することができる。こうすることで、道路スペースを確保する一方で、充電ステーションを使用しないときは見えないようにすることができる。もちろん、充電ステーションを設置するために地面に穴を掘る際には、水道管、電力ケーブル、排水管など、比較的地表近くに設置されている可能性のあるユーティリティを傷つけないように注意しなければならない。
【0005】
設置後、充電ステーションの1つまたは複数の構成部品は、例えば摩耗、風雨への暴露、または他の形態の損傷により、時間の経過とともに故障する可能性がある。舗装道路に設置された電気自動車充電ステーションのメンテナンスは容易ではなく、充電ステーションを掘り起こす必要がある場合もある。場合によっては、そのために舗装を掘削する必要があるが、これは充電ステーションと近隣のユーティリティの両方を損傷する危険性があるだけでなく、その後の舗装補修も必要となる。既存の設備を修理したりアップグレードしたりするよりも、充電ステーション全体を新しい充電ステーションに取り替える方が簡単な場合もある。
【0006】
地中の充電ステーションの覆いが取られると、それから主電源ケーブルを外し、充電ステーションを地中から持ち上げることができる。充電ステーションの修理やアップグレードをテストするためには、充電ステーションを地中に戻し、主電源ケーブルに再接続しなければならず、これには、特にさらなる作業が必要でステーションを外して再度持ち上げる必要がある場合、余分な時間と労力がかかる。
【0007】
格納式充電部を持つ電気自動車充電ステーションは、充電ステーションの設置面積を最小にするため、垂直軸に沿って展開するように設計されることが多い。充電ステーションの頂部は、格納可能な部分が地上に出ていないときに歩行者がつまずく危険性がないように、舗装と同じ高さに設置する必要がある。しかし、坂道など傾斜のある舗装路面と同じ高さに設置すると、充電部分が垂直に展開せず、斜めに展開することになる。そのため、使い勝手が悪く、展開機構に不要な負担がかかる。これらの問題は、傾斜のある舗装に設置するための格納式電気自動車充電ステーションの適合性を実質的に制限する。
【0008】
本発明の目的は、前述の問題を軽減または実質的に回避することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、電気自動車充電ステーションのボラードにリリース可能に取り付けるための充電インターフェース装置が提供され、この装置は、ボラード頂部と、ボラード内またはボラードに装着するためのボラード頂部のそれぞれの端部から垂れ下がる第1および第2の端壁と、電気自動車充電ケーブルのプラグを受けるための第1の端壁の第1の充電ソケットと、主電源ケーブルを充電ソケットにリリース可能に接続するための第1の電力供給コネクタとを備え、ボラード頂部、第1の端壁、および第2の端壁の少なくとも1つは、この装置をボラードにリリース可能に固定するための接続手段を含む。
【0010】
充電器インターフェース装置は、電気自動車充電ステーションの保守性を向上させる取り外し可能なモジュール部品として機能する。保守技術者は、充電ステーションの他の部品を解体することなく、接続手段を外して、取り付けられた充電器インターフェース装置を充電ステーションのボラードから取り外すことができる。充電器インターフェースのモジュール性により、充電ステーションに欠陥がある場合やアップグレードする必要がある場合に、充電器インターフェースを簡単に交換したり、別の充電器インターフェースと取り替えたりすることができる。これは、ステーション全体を交換するよりもはるかに迅速で費用対効果が高く、舗装を掘削して充電ステーションを地面から取り出す必要もない。
【0011】
本装置は、電気自動車充電ステーションのボラードを保守(修理など)またはアップグレードするためのキットまたはキットの一部と考えられる。
【0012】
充電インターフェース装置の第1および第2の端壁は、ボラード内に装着することができる。充電器インターフェース装置がボラードに取り付けられたとき、第1および第2の端壁は、ボラードの隣接する壁と実質的に面一であってもよく、またはボラードの隣接する壁に対して実質的に凹んでいてもよい。
【0013】
ボラード頂部は、ボラード断面(またはボラード上部の断面)の長さおよび幅と実質的に同様の長さおよび幅を有することができる。
【0014】
ボラード頂部は、充電インターフェース装置の最上面を含むか、または最上面である場合がある。
【0015】
ボラード頂部は歩行面を提供することができる。
【0016】
すなわち、ボラード頂部は、本装置が地面に引っ込む(格納する)ことができるボラードの頂部に設置されたときにその上を歩くのに適した横方向の表面を含むことができる。
【0017】
歩行面または横方向の表面は、実質的に平坦である場合がある。歩行面は、地表に設置され地表の下方に格納された状態で提供される格納式ボラードの一部として提供される場合、舗装または地面レベルなどの周囲の地表レベルと実質的に同一平面になることがある。
【0018】
接続手段は、装置をボラードに安全な方法でリリース可能に固定するための耐タンパー性接続手段であってもよい。耐タンパー性接続手段は、専門工具に対応する(または専門工具によって操作可能な)接続手段によって提供することができる。専門工具とは、一般人が容易に入手できない工具であると考えられる。
【0019】
接続手段の正確な性質は、本発明にとって重要ではないと考えられる。例えば、装置は、ボラード内の1つ以上の相補的なコネクタ/開口部/凹部に係合するための1つ以上のコネクタを有していてもよいし、装置をボラードに係合するためのラッチ機構があってもよいし、同様のロック機構があってもよい。
【0020】
第2の充電ソケットは、好ましくは第2の端壁に設けられる。第2の主電源ケーブルを第2の充電ソケットにリリース可能に接続するために、第2の電力供給コネクタを設けることができる。
【0021】
装置の反対側に2つの充電ソケットまたはコンセントを設けることで、同じ充電ボラードから2台の異なる車両を充電することができる。そのため、例えば舗道沿いに設置する充電スタンドの数を減らすことができる。
【0022】
第1のソケットは本装置の横方向外側を向く。提供される場合、第2のソケットは本装置から横方向外側に向くことがある。
【0023】
第1ソケットは、第1端壁と第2端壁の平面の間に配置され、平行な中心平面から横方向にオフセットされている。
【0024】
第2ソケットは、提供される場合、第1の端壁と第2の端壁の平面の間に配置され、平行な中心平面から横方向にオフセットされている。
【0025】
第1の充電ソケットは、第2の端壁から離れる方向に向いていてもよい。
【0026】
第2の充電ソケットは、設けられている場合、第1の端壁から離れる方向を向いていてもよい。
【0027】
第1のソケットと第2のソケットの間、または第1の端壁と第2の端壁の間には、チャンバまたは空間を設けることができる。本装置がボラード上にある場合、ボラードが格納位置にあるときにアクチュエータを収容するための空間を提供する。これは、ボラードが伸縮式ボラードである場合に特に有用である。
【0028】
ボラード頂部の側面から垂れ下がる側壁を設けてもよい。側壁は、第1の端壁から第2の端壁まで延在することができる。その側壁又は各側壁には、充電ソケットを設けることができる。電力供給コネクタは、その側壁または各側壁の各充電ソケットに設けられる。
【0029】
第1の充電ソケット及び/又は第2の充電ソケットにロック手段を設けることができる。ロック手段は、充電中にプラグや充電ケーブルがソケットから外れるのを防ぐことができる。複数の充電ソケットがある場合、各充電ソケットにロック手段を設けることができる。
【0030】
そのロック手段又は各ロック手段は、サーボモータを含むことができる。1つまたは複数のサーボモータが、ロック手段または各ロック手段を作動させるために設けられることがある。ロック機構は、サーボモータによって作動可能であってもよい。ロック機構は、コントローラからの信号によって作動させることができる。この信号は、プラグまたは充電ケーブルがソケットに係合されたことを検知するセンサ、スイッチ、または同様なものなどに応答して生成される。信号は、制御装置が電気自動車の充電を許可または開始することに応じて生成される。
【0031】
ロック手段は、充電ケーブルのプラグを誤って抜くことを防止する。1つのサーボモータまたは複数のモーターを設けることで、ロック手段を自動ロック手段として機能させ、プラグをソケットに一時的にロックすることができる。
【0032】
第1および第2の端壁は、間隔をあけて配置することができる。端壁は、ボラード頂部の長さまたは最長ディメンジョン(長さおよび幅から選択される)だけ離間していてもよい。
【0033】
第1の端壁は、実質的にL字形状でもよい。第2の端壁は、実質的にL字形でもよい。
【0034】
どちらか一方または両方の端壁は、装置を側面から見たときにL字形状である場合がある。すなわち、ボラード頂部と端壁のいずれか/両方のそれぞれの平面に平行な軸に沿って見た場合である。
【0035】
実質的にL字形の壁または各壁は、ボラード頂部から垂れ下がる第1の壁部と、第1の壁部に実質的に直交する第2の壁部とを有することができる。ケーブルガイドまたは支持部は、設けられている場合、第2の壁部に設けることができる。また、各L字型壁は、第1の壁部と第2の壁部とを接続する角度のついた第3の壁部を有することもある。
【0036】
L字型の壁には、ソケットの後ろ(第2の壁部の上方)に、主電源ケーブルをソケットに接続するための凹部が設けられている。ロック手段とサーボモータは、凹部内に配置することができる。
【0037】
第1の端壁は,主電源ケーブルを受けるためのケーブルガイド又は支持部を含むことができる。第2の端壁は、主電源ケーブルを受けるためのケーブルガイドまたは支持部を含むことができる。
【0038】
各ケーブルガイドまたは支持部は、主電源ケーブルの一部を受け入れるための電源ケーブル孔またはチャネルを含むことができる。電源ケーブル孔またはチャネルは、L字形端壁の直立壁部分と実質的に平行な軸上に整列させることができる。
【0039】
ケーブルガイドまたは電源ケーブル孔は第1の軸に沿って配置され、充電ソケットは第2の軸に沿って配置される。第1の軸と第2の軸は実質的に直交していてもよい。
【0040】
ケーブルガイドは、使用中、主電源ケーブルを所定の位置に保持する。これは、ボラードが伸縮する際の電力供給コネクタ付近での主電源ケーブルの動きを管理するのに便利である。また、主電源ケーブルへのストレスや負担を軽減する。
【0041】
本装置は、実質的に対称であってもよい。本装置は、第1の端壁と第2の端壁との間で本装置を二等分する中心面について実質的に対称であってもよい。
【0042】
「実質的に対称」という用語は、充電インターフェース装置の本体、すなわちボラード頂部および端壁(および設けられている場合は側壁)が、垂直軸を中心に180度回転オフセットされた2つの異なる向きでボラードの頂部に設置できる程度に対称であることを意味する。
【0043】
ボラード頂部の上面は、鋭角に傾斜していてもよい。傾斜した頂部は、第1及び/又は第2の端壁を通る横方向平面に対して少なくとも1つのディメンジョンで傾斜していてもよい。その横方向平面は、第1および/または第2の端壁に対して垂直であってもよい。
【0044】
その傾斜面は、ボラード頂部の第1端からボラード頂部の対向する第2端まで傾斜していてもよい。
【0045】
その傾斜した上面は実質的に平面であってもよい。
【0046】
ボラード頂部の上面は、横方向平面に対して直交する2つのディメンジョンで鋭角に傾斜していてもよい。
【0047】
その傾斜した上面は、舗装の領域の傾斜角度に対応するように選択することができる。すなわち、舗装の領域は、充電ステーションの設置面積(通常、約1m2のオーダー)内で実質的に水平でない。
【0048】
従って、充電ステーションに装着され、舗道のその領域に設置されたとき、ボラードの頂部は、周囲の舗道と実質的に同じような高さであり、ボラードが格納されたときにつまずきの危険をもたらさない。これは、充電ステーションが傾斜した上部ハウジング表面を有し、ボラード頂部とハウジングの傾斜が舗装の傾斜に実質的に一致するので好ましい。
【0049】
充電インターフェース装置(例えばボラード頂部)は、荷重検知配置(装置)または障害物検知器/センサを含むことができる。例えば、近接センサを設けることができる。
【0050】
ボラード頂部は、1つ以上のリードスイッチを含むことができる。ボラード頂部の第1の領域に第1のリードスイッチがある場合がある。ボラード頂部の第2の領域に第2のリードスイッチがある場合がある。ボラード頂部は、フローティングプレートまたはスプリングプレートを含むことができる。
【0051】
リードスイッチは、ボラード頂部に障害物があるとき、または荷重がかかっているときを検出するために使用される。例えば、ボラード展開中にボラードが頭上の障害物に遭遇すると、ボラード頂部がわずかに傾き(例えば、フローティングプレートまたはスプリングプレートが使用されている場合)、リードスイッチの1つ以上が状態を変化させることができる。充電ステーションまたは充電インターフェース装置のコントローラは、これに応答してボラードの展開を停止することができ、これにより充電インターフェース装置、充電ステーション、および/または頭上の障害物(例えば車両)の損傷を防ぐことができる。
【0052】
ボラード頂部、第1の端壁及び第2の端壁は、概ねU字形、特に正方形底又は長方形底のU字形の本体を形成することができる。
【0053】
使用時、電気自動車充電ステーションのボラードに取り付けられる場合、その本体は逆U字形状体であると考えられる。逆U字形状とは、U字形状の底部がU字形状の側面(すなわち端壁)よりも高い位置に配置されていることを指す。
【0054】
その本体は、本装置を側面から見たときにU字形状であってもよい。すなわち、ボラード頂部と端壁のいずれか/両方のそれぞれの平面に平行な軸に沿って見た場合である。
【0055】
U字形本体は、第1および第2の端壁とボラード頂部とによって概ね画定されるように、いずれか一方または両方の側面で開口していてもよい。U字形状本体には、第1および第2の端壁の間に延びる側壁が実質的にない場合がある。
【0056】
本発明の第2の態様によれば、電気自動車を充電するための電気自動車充電ステーションが提供され、この充電ステーションは、
地中に設置するためのハウジングと、
ボラードが実質的にハウジング内に配置される格納位置と、ボラードがハウジングから延出する展開位置との間で実質的に垂直軸に沿って可動のボラードと、
本発明の第1の態様による充電インターフェース装置であって、ボラードの頂部としてボラードにリリース可能に接続される充電インターフェース装置と、
を備える。
【0057】
利点は、本発明の第1の態様と同様である。充電インターフェイス(ソケットや電源コネクタなど)が破損したり、磨耗したりした場合、ボラード頂部、すなわち充電インターフェース装置を簡単に交換または保守することができる。これにより、舗装道路を掘り返したり、充電ステーションを地面から取り外したりする必要がなくなる。
【0058】
そのステーションは、天板をさらに含むことができる。天板は、ハウジングの頂部にリリース可能に固定することができる。天板は、格納位置と展開位置との間のボラードの移動を可能にする開口部を含むことができる。
【0059】
(充電インターフェース装置によって提供される)ボラード頂部は、ボラードが格納位置にあるとき、天板と実質的に同一平面であってもよい。
【0060】
充電ステーションは、ボラードを格納位置から伸長位置へ、および伸長位置から格納位置へ移動させるためのアクチュエータまたは機構を含むことができる。
【0061】
アクチュエータは電動式とすることができる。アクチュエータは油圧式でもよい。電子式アクチュエータは、温度異常や故障診断において比較的信頼性が高いため好まれる。
【0062】
充電ステーションは、可動ボラードの移動を制御するための処理ユニットまたはコントローラを含むことができる。処理ユニットまたはコントローラは、ボラードの外側に配置することができる。処理ユニットまたはコントローラは、ハウジングの一端に配置されてもよいし、ハウジングの一端の方に配置されてもよい。
【0063】
天板は、例えばアクチュエータや処理ユニットにアクセスするために、取り外したり開いたりすることができる。処理ユニットを充電ステーションの一端に設けることで、処理ユニットをより簡単に保守または交換することができ、主電源により直接接続することができる。
【0064】
制御ユニットまたは電子アセンブリは、例えばハウジングのベースフレーム内など、別の電気筐体内に収容することができる。
【0065】
これにより、電子アセンブリを搭載する必要がないため、より小さなサイズのボラードで充電ステーションを稼働させることができる。
【0066】
天板の上面は、天板がハウジングの頂部に固定されたときに、ボラードの垂直軸に対して直交しない角度で角度付けされまたは傾斜していてもよい。
【0067】
天板の表面は、好ましくは、(地中に設置されたときに)舗道と接するところで実質的に面一になり、ボラードが格納位置にあるときにボラード頂部の周囲と実質的に面一になるように形成される。これにより、それぞれ天板の境界でつまずきの危険が生じる可能性が緩和される。
【0068】
ボラード頂部が傾斜している場合、天板の傾斜した上面とボラード頂部の傾斜した上面は、ボラードが格納位置にあるとき、実質的に平行な平面に設けられるか、または実質的に連続することができる。
【0069】
ボラードと天板の勾配は、格納位置でボラード頂部が天板に接触するところでつまずきの危険性を軽減するため整列されるべきである。
【0070】
本発明の第3の態様によれば、電気自動車を充電するための電気自動車充電ステーションが提供され、この充電ステーションは、
地中に設置するためのハウジングと、
ボラードが実質的にハウジング内に配置される格納位置と、ボラードがハウジングから延出する展開位置との間で実質的に垂直軸に沿って可動のボラードと、
ボラード内またはボラード上に、電気自動車充電ケーブルのプラグを受けるための充電ソケットと、を備え、
ボラードの上部が垂直軸に対して直交しない角度で角度付けされまたは傾斜している。
【0071】
ボラードに傾斜した頂部を設けることで、ボラードが格納位置にあるときにつまずきの危険がないように、ボラードの頂部を周囲の舗装の傾斜に実質的に一致させることができる。すなわち、ボラードが地面の下に格納されているとき、ボラードの頂部は周囲の舗装と実質的に同じ高さである。
【0072】
充電ステーションには天板を設けることができる。天板は、周囲の舗装と実質的に同じ高さとすることができる。天板は、ボラードに対応する開口部を含むことができる。天板は、ハウジングの上部にリリース可能に固定することができる。
【0073】
これにより、一度設置した充電ステーションを舗装する必要がなくなり、メンテナンスのために充電ステーションに簡単にアクセスできるようになる。
【0074】
ボラードの頂部および天板の上面はそれぞれ、ボラードの垂直軸に対して共通の非直交角度で角度を付けられるか、または傾斜させられることがある。ボラードの傾斜した頂部は、天板の平面と実質的に平行な平面に配置される場合がある。
【0075】
ハウジングの上部は、ハウジングの基部に対して角度が付けられている場合がある。
【0076】
すなわち、基部は安定性のために実質的に水平であってもよく、上部は、それが設置される(または設置される予定の)周囲の舗装の勾配に適合するように、基部に対して傾斜していてもよい。
【0077】
ボラードの頂部と天板の上面は、ボラードが格納位置にあるとき、実質的に連続した傾斜面を提供することができる。
【0078】
これにより、天板とボラード頂部の境界がつまずきの危険となることを避けることができる。
【0079】
充電ステーションは、可動ボラードの移動を制御するための処理ユニットまたはコントローラを含むことができる。処理ユニットまたはコントローラは、ボラードの外側に配置することができる。処理ユニットまたはコントローラは、ハウジングの一端に配置されてもよいし、ハウジングの一端の方に配置されてもよい。
【0080】
プロセッサーユニットをハウジングの一端に、ボラードまたはボラード周囲のフレームの外側に設けることで、充電ステーションを大がかりに解体したり掘削したりすることなく保守するためにユニットにアクセスしやすくなる。
【0081】
天板は、プロセッサーユニットにアクセスするために特別に取り外すことができる別の開口部またはプレート部分を有することができる。
【0082】
アクチュエータは、ボラードを展開および格納するためにハウジング内に設けられることがある。アクチュエータはボラード頂部の下面に係合してもよい。
【0083】
可動ボラードは、少なくとも第1の本体部と第2の本体部を含む伸縮式ボラードである場合がある。
【0084】
中板または力伝達部材は、ボラードの第1および第2の本体部の間に配置することができる。
【0085】
中板は、ボラード展開時などに、第1および第2の本体部の間で力を伝達するようにしてもよい。これにより、例えば、内側セクションが外側セクションを引き上げることができる。
【0086】
アクチュエータは、第1および第2のロッドを含むことができる。第1および第2の本体部は、それぞれ第1および第2のロッドによって可動であってもよい。
【0087】
第1のロッドは、ボラード展開中に最初に伸長し、第1の本体部を上昇させることができる。第2のロッドは、第1のロッドが部分的にまたは完全に伸長した後、第2の本体部を持ち上げながら伸長してもよい。
【0088】
本発明の第4の態様によれば、地中または傾斜地に設置された電気自動車充電ステーションを保守する方法が提供され、この方法は以下のステップを含む。
a) 本発明の第2の態様による電気自動車充電ステーションと、提供された電気自動車充電ステーションの充電インターフェース装置を交換するための本発明の第1の態様による第2の充電インターフェース装置とを提供するステップ、
b) 第1の充電インターフェース装置をボラードの頂部から取り外し、第1の充電インターフェース装置から主電源ケーブルまたは各主電源ケーブルを取り外すステップ、
c) 主電源ケーブルまたは各主電源ケーブルを第2の充電インターフェース装置に接続し、第2の充電インターフェース装置を電気自動車充電ステーションに固定するステップ。
【0089】
利点は、本発明の第1の態様について示したものと同様である。充電ステーションを最初に掘り起こしたり、広範囲に解体したりする必要なく、損傷したり古くなったりしたボラード頂部を新しいボラード頂部と交換することにより、修理やアップグレード作業が簡素化される。
【0090】
主電源ケーブルは、充電ステーションから主電源ケーブルを外す前に、主電源から絶縁することができる。
【0091】
第2の充電インターフェース装置のボラード頂部の上面は、第1の充電インターフェース装置のボラード頂部と実質的に同じ形状または傾斜角度を有することができる。
【0092】
これは、周囲の舗装の勾配が、交換するボラード頂部とまだ一致している場合に適している。
【0093】
本発明の第5の態様によれば、傾斜した地面または舗装に電気自動車充電ステーションを設置する方法であって、以下のステップを含む方法が提供される。
a) 傾斜した地面や舗装に充電ステーションを受け入れるための穴を設けるステップ、
b) 穴のすぐ周囲の傾斜した地面または舗装の勾配を決定または推定するステップ、
c) 本発明の第2または第3の態様による電気自動車充電ステーションであって、ボラード頂部の勾配がステップ(b)で決定または推定された勾配に実質的に一致する電気自動車充電ステーションを提供するステップ、
d) 充電ステーションを穴の中に配置し、1本または複数の主電源ケーブルを充電ステーションに接続するステップ。
【0094】
利点は、本発明の先行する態様に提示されたものと同様である。
【0095】
穴の中の充電ステーション周辺の空きスペースは、主電源ケーブルを接続した後に埋め戻すことができる。
【0096】
充電ステーションが天板を含む場合、天板の傾きは、天板が充電ステーション上にあるとき、ステップ(b)で決定された傾きに実質的に一致してもよい。
【0097】
本発明のさらなる態様によれば、請求項28に記載の充電インターフェース装置が提供される。利点は、本発明の第1の態様と同様である。
【0098】
本発明の一態様に関して提示された特徴は、本発明の他の態様において独立して提供され得る。
【0099】
本方法はまた、取り外し可能な充電器ユニットを取り外す前に、可動ボラードを電気自動車充電ステーションのハウジングから伸長する展開位置に移動させるステップを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
本発明をよりよく理解するために、また本発明がどのように実施され得るかをより明確に示すために、次に添付図面を例示的にのみ参照する。
図1図1は、ボラードが展開位置にある電気自動車充電ステーションの側面断面図である。
図2図2は、図1の電気自動車充電ステーションの端部断面図であり、ハウジングと天板を図示せず、断面はA-A線に沿って取られている。
図3図3は、図1の充電ステーションの充電インターフェース装置の展開透視図である。
図4図4は、図3の充電インターフェース装置の断面側面図である。
図5図5は、傾斜地に設置された電気自動車充電ステーションの第2の実施形態の側面図であり、そのボラードは展開位置にある。
図6図6は、ボラードが格納位置にある図5の電気自動車充電ステーションの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0101】
図1および図2を参照すると、電気自動車の充電ステーションが一般に10で示されている。充電ステーション10は地中に設置するのに適している。本実施形態では、ステーション10の長さは約420mm、幅は約150mmである。
【0102】
充電ステーション10は、一般に12で示されるボラード、一般に14で示されるハウジングを含む。ボラード12は、ハウジング14内に実質的に配置される格納位置(図示せず)と、ハウジング14から実質的に垂直に伸長する展開位置との間で動かすことが可能である。図1および図2は、展開位置にある格納式ボラード12を示しているが、ボラード12は、ハウジング14の内外に実質的に垂直な軸に沿って動かすことが可能であることが理解されよう。
【0103】
この実施形態では、格納式ボラード12は伸縮式であるが、伸縮式でないボラードが設けられる他の実施形態も想定される。現在の実施形態は、第1のセクションまたはプロファイル16と、第2のセクションまたはプロファイル18とを有する。第2のセクション18は、格納位置と展開位置の両方において、少なくとも部分的に第1のセクション16に受け入れられる。この実施形態では、セクション16、18はスチール製である。
【0104】
各セクション16、18は、中空内部を画定する壁と2つの端部とを有する管状の部材である。各セクション16、18は上端と下端を有する。各セクション16、18は角柱状である。すなわち、各セクションは、軸に沿って押し出されたプロファイル(形状)を有する。ボラードセクション16、18は、ボラード12が格納されたときに、充電インターフェース装置20の対向する端部間にアクチュエータ機構を収容するために中空である。
【0105】
現在の実施形態では、各壁のプロファイルは、角が丸められた四角形の形態を有する。各セクションが、例えば、実質的に三角形、長方形、五角形、六角形、七角形または八角形の断面を有し、選択的に角が丸められた他の実施形態も考えられる。円筒形のボラードを提供するため円形断面も考えられる。
【0106】
取り外し可能な充電インターフェース装置20がボラード12の上端として設けられている。この装置20は、装着されると第2セクション18の上端を実質的に閉鎖する。この装置20は、図3および図4により詳細に示されており、以下でさらに詳細に説明される。
【0107】
力伝達部材22、または中板は、第2のセクション18の下端に、または下端に向かって設けられる。この部材22は、展開位置においてボラード12に沿ってほぼ中間に配置されるまたは延びるという意味で中板である。
【0108】
この特定の実施形態では、第2のセクション18は、部材22から第2のセクション18の頂部に向かって延びる内壁24を含む。内壁24は第2のセクション18の壁に接続されている。内壁24は、第2セクション18の基部からはめ込まれているか、または間隔をあけられている。
【0109】
ハウジング14は基部26を含む。基部26は実質的に平坦である。基部26は、本実施形態では矩形の底壁である。
【0110】
側壁28は、基部26の外周に設けられている。現在の実施形態では、側壁28は4つの壁を含むが、図1では2つしか見えない。各壁は実質的に平面である。対向する一対の壁は実質的に平行である。本実施形態では、ハウジング14は箱型である。
【0111】
ハウジング14内には第1のフレーム29aが設けられている。フレーム29aは、ベースフレーム部分、サイドフレーム部分およびトップフレーム部分を含む。フレーム29aは、立方体のフレームであると考えることができる。サイドフレーム部分は、格納配置においてボラード12に対して実質的に高さがある。第1のフレームは、ボラード12を受け入れるためのチャンバ30を画定する。
【0112】
第2のフレーム29bがハウジング14内に設けられている。第2のフレーム29bは、第1のフレーム29aに隣接して配置されている。第2のフレーム29bは、第1のフレーム29aよりも小さい。第2のフレーム29bは、ベースフレーム部分、サイドフレーム部分及びトップフレーム部分を含む。第2のフレームの上端部分は、第1のフレームの上端部分よりも第1のフレームの基端部分に近い。第2のフレーム29bは、立方体のフレームであると考えることができる。
【0113】
フレーム29a、29bは、いくつかの実施形態では、仕切り壁32の対向する側に設けられることがある。仕切り壁32は、第1のフレーム29aの上端部分と実質的に同じ高さまで延びていてもよい。仕切り壁32は、実質的に平面であってよく、対向する側壁と実質的に平行であってよい。
【0114】
ブラケット(図示せず)は、隣接するハウジング壁および/またはフレーム部分が接する上下のコーナーを支持するために設けられる。ブラケットは内部ブラケットでも外部ブラケットでもよい。各ブラケットを壁に固定するために、ネジなどの適切な固定手段が使用される。
【0115】
ハウジング14には天板34が設けられている。天板34は、ハウジング14の上部にリリース可能に連結されている。天板34は、充電ステーション10の構成要素にアクセスするために取り外し可能である。天板は、本実施形態では金属製である。プラスチック成形品は、セクションをボラードの他の部分に接続するための追加部品を提供することができる。
【0116】
天板が設けられるいずれの実施形態においても、(全体的な平面形状を維持しつつ)グリップ層またはコーティング、粗面化された表面、または表面形状のバリエーションのいずれか1つ以上を天板の上に設けて、表面の平滑性を低下させることができる。これにより、天板が濡れている場合など、歩行時の滑りやすさを最小限に抑えることができる。
【0117】
天板34にはボラード開口部34aが設けられている。開口部34aは、格納可能なボラード12が格納位置と展開位置の間のいずれかの方向にプレート34aを通って移動できるような大きさおよび形状である。天板34と側壁28との間、および/またはボラード12と天板34の開口部34aとの間には、シールを設けることができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、第2の開口部およびリリース可能なカバー(図示せず)が、34bで示された領域において天板34を貫通して提供され得る。これにより、通常持ち上げるのが重い天板を取り外すことなく、充電ステーション10の内部にアクセスすることができる。
【0119】
排水孔(図示せず)は、基部26または側壁28の下部を貫通して設けることができる。
【0120】
筐体14は、水または湿気の浸入を防止または最小化するためのシールを含むことができる。シールは、筐体14の壁の間に設けることができる。
【0121】
格納式ボラード12を格納位置と展開位置との間で移動させるためのアクチュエータユニット36が設けられている。現在の実施形態では、アクチュエータユニットは、基部26からアクチュエータハウジング38の上端まで延びる第1のリニアアクチュエータ36aを含む。第2のアクチュエータユニット38は、アクチュエータハウジングの下端から第2のセクション18の上端まで、好ましくは取り外し可能な充電器ユニット20の部分まで延びる第2のリニアアクチュエータ38aを含む。
【0122】
この実施形態では、アクチュエータユニット36、38は電動式である。
【0123】
現在の実施形態では、第1および第2のリニアアクチュエータ(またはそのロッド)36、38は、互いにオフセットしている。このオフセットは、ボラード12が展開及び格納する垂直軸に対しても相対的である。リニアアクチュエータ36a、38aは、互いに及び垂直軸に対して実質的に平行である。オフセットアクチュエータは、比較的最小の深さで完全な伸縮運動を可能にする。これにより、地中の設置深さを最小限に抑えることができる。
【0124】
各アクチュエータユニット36、38は、中空内部を画定する壁と2つの端部とを有する実質的に管状の部材であるハウジングを含む。第1のリニアアクチュエータの上端は、力伝達部材22に結合されている。この実施形態では、第1のリニアアクチュエータは力伝達部材22の頂部まで延びている。第2のリニアアクチュエータの下端は、力伝達部材22に結合されている。第2のリニアアクチュエータの上端は、充電インターフェース装置20に結合されている。
【0125】
各アクチュエータユニット36、38は防水仕様で、好ましくはIP68等級である。
【0126】
ボラード12の展開および格納を案内するために、ハウジング14内にボラード案内手段が設けられている。現在の実施形態では、4本のガイドレールまたはロッド40が、ボラード12の周縁部、例えばボラードの角部に隣接して設けられている。この実施形態では、各ロッド40の基部に、ロッド40用の円筒形の孔を有する円錐形支持体が設けられているが、任意の適切な支持体および支持形状を使用できることが理解されよう。
【0127】
第1のセクション16は、ガイドレール40とインターフェースする、またはガイドレール40に追従するための相補的な案内手段を含む。現在の実施形態では、第1のセクション16は、第1のセクション16に接続されたレール保持手段または開口部材を含む。
【0128】
ハウジング14の一端には制御ユニット42が設けられている。制御ユニット42は、充電ステーション10の動作を電子的に制御するように構成された処理手段を含む。
【0129】
制御ユニット42は、第2のフレーム29bの上方に配置されるか、または第2のフレーム29bによって支持される。この実施形態では、制御ユニット42は、ボラード12に隣接し、第1のフレーム29a内にあるチャンバによって、ボラード12から間隔を空けられている。
【0130】
制御ユニット42は、アクチュエータユニット36、38及び充電インターフェース装置20に動作可能に接続されている。制御ユニット42は、充電ステーション10の作動を制御するのに必要な電子部品及び電気部品を含む。制御ユニット42は、主電源からの電力を使用することができる。
【0131】
1つ以上の主電源ケーブルガイドまたは支持体43が設けられている。この場合、2つのガイドが設けられる(図1では1つしか見えないが)。ガイド43の数は、好ましくは、充電ステーション10の充電ソケットの数と一致するか、それを超える。
【0132】
次に、充電インターフェース装置(またはボラード頂部)20をより詳細に説明する。
【0133】
図3および図4は、取り外し可能な充電インターフェース装置20の一実施形態を示している。装置20は、2つの充電器または充電ソケット46を含む。ソケット46は、一般に47で示されるチャンバによって離間されている。
【0134】
装置20はハウジング48を含む。ハウジング48は、上部壁49と、第1および第2の端壁50とを含む。上部壁49は、ボラード12の第2セクション18の上端部内または上端部上に装着(適合)する形状およびサイズである。端壁50はそれぞれ、上部壁49の対向する端部を形成する。装置20がボラード12に装着されると、端壁50は、第2セクション18の対向する側面のそれぞれの開口部に配置される。第2のセクション18の開口部は、端壁50を受け入れるために実質的にU字形である。
【0135】
上部壁49の周囲には周壁49aが設けられている。周壁49aは、装置20の上部に凹部を提供する。上部壁49の中央領域49bは隆起している。アクチュエータ38は、使用中、隆起領域49bの下に接続される。
【0136】
締結具開口部52は、周壁49a、例えば本実施形態では角部に設けられる。締結具開口部52は、ねじ又はボルトのような締結具を受け入れて装置20をボラード12に結合することを可能にするために、ハウジング48を通って延びる。
【0137】
ハウジング48の凹部には頂部ユニットが設けられている。頂部ユニットは、ベース部56とトップ部58とを含む。シール用ガスケット60が、ベース部56とトップ部58の両方の間に設けられている。シール用ガスケット60は、頂部ユニットと凹部との間のシールを提供するために、周壁49aまで延びることもできる。
【0138】
ベース部56の中央領域56aは、ハウジング48の隆起領域49bに適合するように隆起している。
【0139】
トップ部58および上部壁49のいずれか一方または両方は、ボラード頂部を提供する/提供すると考えることができる。両要素は、装置20がボラード上に設置されたとき、ボラードの上部を横切る。
【0140】
頂部ユニットは、ボラード12の上方に物体が存在することを検知するための磁石障害物検知器を含むことができる。
【0141】
頂部ユニットには、ボラード12上の障害物によって及ぼされる圧力を検出するためのスイッチ障害物検出器を含むことができる。
【0142】
この実施形態では、複数のリードスイッチ62がベース部に設けられている。2つのリードスイッチ62は、ベース部56の第1の半分に配置され、他の2つのリードスイッチは、ベース部56の第2の半分に配置される。それぞれの半分には1つのリードスイッチしか設けられていなくてもよく、または他の実施形態ではより多くのリードスイッチが使用され得ることが理解されよう。
【0143】
第1および第2のライトまたはLED部材64は、装置20の対向する端部に設けられる。トップ部58には、ライト64が通る開口部がある。ライトの上には、透明または着色されたカバーを設けることができる。
【0144】
頂部ユニットまたはトップ部58のような頂部ユニットの一部は浮かすことができる。すなわち、トップ部58は浮動板とすることができる。フローティングトップ部分にバイアスをかけるために、1つまたは複数のバネなどのバイアス手段を設けることができる。ボラード移動中にトップ部58が障害物に遭遇した場合、またはトップ部58に荷重が加えられた場合、リードスイッチ62の少なくとも1つが状態を変化させ、制御ユニット42はボラード移動を防止または停止することができる。
【0145】
端壁50は、装置20を二分する中央垂直面を中心に映るように、実質的に同一の大きさと形状である。各端壁50は実質的にL字形である。各端壁50は、直立壁50aと横壁50bとを含む。この実施形態では、これらの壁50a、50bは斜めの壁50cによって接合されている。
【0146】
充電ソケットまたはインターフェース46が各端壁50に配置されている。ソケット46はそれぞれの端壁50に凹んでいる。各ソケット46は、電気自動車充電ケーブルのプラグを受け入れるために適している。各充電インターフェース46は、主電源ケーブルを受けるための電力供給コネクタを含み、充電中、ソケット46に係合したプラグに電気を送る。
【0147】
ソケット46を覆うカバーまたは蓋46aが設けられている。これは、ケーブルを差し込むためにソケット46にアクセスできるように持ち上げることができる。好ましくは、カバー46は、例えば雨やゴミからソケットを保護するために、閉じる位置に付勢されている。
【0148】
U字形部材66は各端壁50に適合するように設けられている。U字形部材はシール(密封)として機能し、ボラード12への水の浸入を緩和することができる。
【0149】
各ソケット46にはロック手段が設けられている。ロック手段は、電気自動車充電ケーブルのプラグを充電中にソケット46から取り外せないようにロックすることができる。ロック用サーボモータ68が各ソケット46の後部に隣接して設けられている。充電ステーション10の制御ユニット42は、プラグがソケット46に係合されたことを識別し、電力供給を開始する前に(または実質的に同時に)ロック手段を作動させる。制御ユニット42はまた、充電が停止すると(またはプラグへの電力供給が停止すると実質的に同時に)プラグの取り外しを可能にするために、ロック手段の非作動を制御する。
【0150】
各端壁50はケーブルガイド又は支持体70を含む。各ケーブルガイド70は、主電源ケーブルを受けるための管状の孔を含む。
【0151】
各ケーブルガイド70は、それぞれの端壁に接続されるか、または一体的に形成され得る。各ケーブルガイド70は、横壁50bの一方に設けられている。対応するケーブルコネクタまたはレシーバ72は、横壁50bのそれぞれに設けられている。
【0152】
例えば、主電源ケーブルとソケットの間に、追加の送電線、配線、および/または電力変換器が含まれていてもよい。電気を送電するための任意の適切な手段を使用することができる。
【0153】
充電インターフェース装置20には、高さセンサ又は展開リミッタ74が設けられている。本実施形態におけるセンサ又はリミッタ74は、上部壁49に設けられている。センサ又はリミッタ74は、アクチュエータがボラードを過剰に展開又は過剰に伸長しないように、アクチュエータと協働するように構成することができる。
【0154】
図2に戻ると、支持体またはフレーム76がボラードに設けられている。支持体またはフレームはボラード12の一部であってもよいし、充電インターフェース装置20の一部であってもよい。支持体またはフレーム76は、アクチュエータが延びる逆U字形部分を有する。その逆U字形部分は、装置20の下面に接している。逆U字形部分は、両側にU字形部分が配置されている。これにより、構造的な剛性が得られる。支持体76は、装置20及び/又はボラード12に固定することができる。U字形および逆U字形のプロファイルは、この実施形態では、充電ソケット間の軸に実質的に平行な長手方向の軸に沿って走る。支持フレーム76は、鋼などの金属製であってもよい。
【0155】
使用前、充電ステーション10が地面、例えば舗装路に設置された状態で、ボラード12は通常、地面の下に格納した位置にある。ボラードの頂部、すなわち充電インターフェース装置20の頂部は、天板34と実質的に面一である。天板34は周囲の舗装の表面と面一である。
【0156】
ボラード12は自動的に、または使用者の要求に応じて上昇する。展開中、内側伸縮部18は、アクチュエータ38を介して最初に展開される。アクチュエータが最大伸長に近いか、または最大伸長になると、他のアクチュエータ36が伸長し始め、外側部16を展開する。押し出し部16、18間の力伝達部材22は、ボラード12の外側部16の上昇を補助することができる。
【0157】
使用中、ボラード12は、充電ケーブル(図示せず)を介して隣接する電気自動車を充電するために展開される。カバー46aが持ち上げられ、ケーブルがソケット46に差し込まれる。制御ユニット42は、プラグがソケット46に差し込まれたことを検知し、サーボ68を作動させてプラグをソケット46にロックする。電力供給コネクタが主電源をソケットとプラグに接続すると、充電が安全に開始される。
【0158】
第2のソケット46は、必要に応じて、第2の電気自動車を同時に充電するために同様の方法で使用することができる。
【0159】
充電が完了すると、関連する充電インターフェースの電力供給コネクタは、ソケットから電源を切り離すことができる。その後、サーボ68は作動を停止し、プラグをソケット46から安全に取り外すことができる。
【0160】
ユーザは、電気自動車のバッテリーの充電状態に関係なく充電を停止したい場合もある。充電ステーションには、ユーザが充電の停止を選択できるようなボタンや画面を設けることができ、それによって上記と同様の方法で電源が切断され、プラグが解放される。
【0161】
ソケット46にプラグがなくなると、ボラード12は地中に引き込んで格納することができる。格納は、展開と同様の2段階の格納であってもよいし、一致した格納であってもよい。
【0162】
充電ステーション10は、通常、何年もの間、地中に設置されることが意図されている。その間、ボラードが損傷や摩耗を受け、安全かつ/または効果的に機能しなくなる可能性がある。
【0163】
故障しやすい主な部品の一つは、充電インターフェース装置20である。例えば、電子機器に水が入るとLEDライトなどがショートする可能性がある。天板は、大きな負荷がかかったり、車両が衝突したりすると破損する可能性がある。ソケット46は、通常の使用によって摩耗したり、水が入るとショートしたりすることがある。
【0164】
ステーション10内の充電インターフェース装置20は、これらの状況のいずれかにおいて、または定期的なメンテナンススケジュールの一部として、新しい充電インターフェース装置と交換することができる。
【0165】
古い装置20を取り外すには、装置20またはステーション10を主電源から切り離す必要がある。制御ユニット42は、装置交換のために充電ステーションを適切に準備するメンテナンスモードを有することができる。アクセスを容易にするためにステーション10の天板を取り外すか、または作業しやすい高さ に設置するためにボラードを展開することができる。
【0166】
締結具を外し(または、装置20をボラード12に固定しているものは何でも外し)、装置20をボラード12から持ち上げることができる。利用可能なケーブルの長さと、持ち上げるための追加重量によるが、そうするためのアクセスがあれば、最初に主電源ケーブルを装置20から外すのが最も簡単かもしれない。
【0167】
その後、新しい装置20を挿入し、主電源ケーブルを各ケーブルガイドに接続し、主電源ケーブルを電力供給コネクタ/充電インターフェースに接続し、新しい装置をボラード12に据え付けることができる。これらの手順は、任意の適切な順序で実行することができる。その後、締結具または他の適切な接続手段を使用して、新しい装置20を所定の位置に固定することができる。その後、新しい装置 20 が意図したとおりに機能することを確認するために、適切な試験を実施することができる。
【0168】
制御装置42のメンテナンスが必要な場合は、天板を取り外し、ボラード12に対して何もすることなく、制御装置42全体にアクセスして交換または修理することができる。制御装置開口部が天板を貫通して設けられている場合、制御装置42により容易にアクセスするために、その開口部のカバーを取り外すことができる。
【0169】
図5および図6を参照すると、電気自動車充電ステーションの別の実施形態が一般に100で示されている。充電ステーション100は、特徴の大部分は図5及び図6には明示的に図示されていないが、上述した実施形態の充電ステーション10と実質的に同様の特徴を有する。同様の参照数字は、可能な限り同様の特徴を参照するために使用される。
【0170】
この実施形態では、充電インターフェース装置20を含めることは必須ではない。充電インターフェース(複数可)は、取り外し可能ではなく、ボラードに固定または一体化されていてもよい。次に、本実施形態の付加的な特徴について説明する。
【0171】
充電ステーション100は、傾斜した地面や傾斜した舗装路に設置するのに適している。格納式充電ボラード112は、2つの伸縮部116、118を含む。この実施形態では、1つのアクチュエータコラム136のみが示されているが、第1の実施形態のように2つのアクチュエータを使用できることが理解されよう。
【0172】
充電ステーション100が設置される地面は傾斜地である。ハウジングの底126は平坦であるが、天板134は傾斜している。天板134の勾配は、本実施形態では舗装の勾配に実質的に一致する。天板134はこの実施形態では実質的に平面であるが、他の実施形態ではプレートが幾分くさび形になることも想定される。
【0173】
第1のセクション116は、傾斜した頂部159を含む。傾斜頂部159は、セクション116に結合された別個の部材であってもよいし、セクション116と一体的に形成されていてもよい。傾斜頂部159の傾斜は、天板134の傾斜と実質的に一致する。ボラードが格納されると、傾斜頂部159は傾斜した天板134と実質的に面一になる(図7参照)。
【0174】
第2のセクション118は、傾斜した頂部158を含む。傾斜頂部158は、セクション118に結合された別個の部材であってもよいし、セクション118と一体的に形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、傾斜頂部158は、充電インターフェース装置20の頂部であるが、これは必須ではない。傾斜頂部158の傾斜は、他の傾斜頂部159及び天板134の傾斜と実質的に一致する。ボラードが格納されると、傾斜頂部158は、他の傾斜頂部159および傾斜した天板134と実質的に同一平面になる(再び、図7参照)。
【0175】
伸縮部116、118が2つあるため、傾斜頂部158、159が2つ設けられていることが理解されよう。伸縮式でないボラードが提供される場合、傾斜頂部は1つだけであり、さらに傾斜天板もある。n個の伸縮部を持つ伸縮式ボラードが提供される場合、n個の傾斜頂部と傾斜天板が存在することになる。
【0176】
本実施形態における地面は、一方向(または一ディメンジョン)にのみ見かけ上の傾斜を有する。しかしながら、充電ステーション100の傾斜した上面は、他の実施形態において2つのディメンジョン(二次元的)に傾斜している地面に対して横方向及び縦方向の両方向に傾斜していてもよいことが理解されよう。
【0177】
ボラードの頂部のライト164も、この実施形態では傾斜した頂部を有し、やはり他の傾斜した頂部と実質的に同様の角度である。ライト164は、ボラード112が格納されると地面からわずかに突出する(図7参照)。
【0178】
傾斜舗装(または他の傾斜下部構造)に充電ステーションを設置するための準備作業の一環として、充電ステーションを設置する場所の周囲で地面の傾斜または勾配を直ちに確立することができる。これにより、適切な傾斜天板134および他の傾斜要素158、159、164を選択することができる。あるいは、複数の異なる天板および頂部要素が利用可能である場合、実際の設置プロセス中に試行錯誤を用いることができるため、事前に勾配を確定する必要はない。
【0179】
傾斜した頂部158,159を持つ充電ステーション100を受け入れるための穴が掘削される。ステーション100は穴の中に置かれ、主電源ケーブルが接続される。ボラード112は、実質的に垂直軸上に配置する。穴は、例えばセメントで充電ステーションの周りに埋め戻される。その後、傾斜した天板134をステーション100に固定する。周囲の舗装や地面と十分に面一でない場合は、隣接する舗装スラブやレンガのエッジを削ったり丸めたりするなどの微調整が可能である。
【0180】
上述した実施形態は例示としてのみ提供されるものであり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には様々な変更および修正が明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車充電ステーションのボラードにリリース可能に取り付けるためのボラード頂部の形態の充電インターフェース装置であって、該装置は、上部壁と上部壁のそれぞれの端部から垂れ下がるボラード内またはボラードに装着するための第1および第2の対向する端壁を含むハウジングと、電気自動車充電ケーブルのプラグを受けるための第1の端壁の第1の充電ソケットと、第1の主電源ケーブルを第1の充電ソケットにリリース可能に接続するための第1の電力供給コネクタと、を備え、第1の充電ソケットは、第2の端壁から離れる方向を向いており、上部壁、第1の端壁、および第2の端壁の少なくとも1つは、前記装置をボラードにリリース可能に固定するための接続手段を含む、充電インターフェース装置。
【請求項2】
第2の充電ソケットが第2の端壁に設けられており、第2の充電ソケットは第1の端壁から離れる方向を向いている請求項1に記載の充電インターフェース装置。
【請求項3】
第2の主電源ケーブルを第2の充電ソケットにリリース可能に接続するための第2の電力供給コネクタが設けられている請求項2に記載の充電インターフェース装置。
【請求項4】
充電中に前記ソケットからプラグが取り外されるのを防止するために、第1の充電ソケット及び設けられている場合には第2の充電ソケットにロック手段が設けられ、任意選択で、前記ロック手段又は各ロック手段が1つ又は複数のサーボモータを含む、請求項1記載の充電インターフェース装置。
【請求項5】
第1の端壁は、実質的にL字形であり、第1のケーブルガイドまたは支持部を含む、請求項1記載の充電インターフェース装置。
【請求項6】
第2の端壁は、実質的にL字形であり、第2のケーブルガイドまたは支持部を含む、請求項5に記載の充電インターフェース装置。
【請求項7】
前記装置は、第1の端壁と第2の端壁との中間にある中心面に対して実質的に対称であり、第1の充電ソケットは、前記中心面の一方側にオフセットされている、請求項1記載の充電インターフェース装置。
【請求項8】
上部壁の上面が一端から他端に向かって傾斜しており、前記傾斜した上面は、実質的に平面であり、第1および第2の端壁を通る横方向平面に対して少なくとも1つのディメンジョンで鋭角に傾斜している、請求項1記載の充電インターフェース装置。
【請求項9】
上部壁の上面は、横方向平面に対して2つの直交するディメンジョンで鋭角に傾斜している請求項8に記載の充電インターフェース装置。
【請求項10】
ボラード頂部は、1つ以上のリードスイッチを含む、請求項1記載の充電インターフェース装置。
【請求項11】
上部壁、第1の端壁および第2の端壁は、概ねU字形状の本体を形成する、請求項1記載の充電インターフェース装置。
【請求項12】
電気自動車充電ステーションの製造、保守またはアップグレードのためのキットであって、請求項1~11のいずれかに記載のボラード頂部の形態の充電インターフェース装置を含むキット。
【請求項13】
電気自動車を充電するための電気自動車充電ステーションであって、該充電ステーションは、
地中に設置するためのハウジングと、
ボラードが実質的にハウジング内に配置される格納位置と、ボラードがハウジングから延出する展開位置との間で実質的に垂直軸に沿って可動のボラードと、
ボラードの頂部としてボラードにリリース可能に接続される請求項1記載の第1の充電インターフェース装置
を備える電気自動車充電ステーション。
【請求項14】
ハウジングの頂部にリリース可能に固定される天板をさらに含み、天板は、格納位置と展開位置との間でボラードの移動を可能にする開口部を含み、ボラードが格納位置にあるとき、充電インターフェース装置の上部壁は、天板と実質的に面一である、請求項13に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項15】
天板がハウジングの頂部に固定されかつボラードが格納位置にあるとき、天板の上面は垂直軸に対して非直交角度で角度付けされまたは傾斜している請求項14に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項16】
上部壁の上面が一端から他端に向かって傾斜しており、前記傾斜した上面は、実質的に平面であり、第1および第2の端壁を通る横方向平面に対して少なくとも1つのディメンジョンで鋭角に傾斜しており、天板の傾斜した上面と上部壁の傾斜した上面とは、ボラードが格納位置にあるとき、実質的に平行な平面に設けられている、または実質的に連続している請求項15に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項17】
電気自動車を充電するための電気自動車充電ステーションであって、該充電ステーションは、
地中に設置するためのハウジングと、
ボラードが実質的にハウジング内に配置される格納位置と、ボラードがハウジングから延出する展開位置との間で実質的に垂直軸に沿って可動のボラードと、
ボラード内またはボラード上に電気自動車充電ケーブルのプラグを受けるための充電ソケットと、を備え、
ボラードが格納位置にあるときボラードの頂部が垂直軸に対して直交しない角度で角度付けされまたは傾斜している、電気自動車充電ステーション。
【請求項18】
天板は、ハウジングの上部にリリース可能に固定可能であり、天板はボラードに対応する開口部を含み、ボラードの頂部と天板の上面がそれぞれ、垂直軸に対して共通の非直交角度で角度付けされまたは傾斜している、請求項17に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項19】
ハウジングの上部は、ハウジングの基部に対して角度が付けられている、請求項17記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項20】
ボラードが格納位置にあるとき、ボラードの頂部と天板の上面とが実質的に連続した傾斜面を提供する、請求項18に記載の電気自動車充電ステーション
【請求項21】
可動のボラードの動きを制御するための処理ユニットまたはコントローラをさらに備え、該処理ユニットまたはコントローラは、ボラードの外側であってハウジングの一端部または一端部の方に配置されている、請求項13記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項22】
ボラードを展開・格納するためのアクチュエータがハウジングに設けられ、アクチュエータはボラードの頂部の下面に係合する、請求項13記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項23】
可動のボラードは、少なくとも第1の本体部と第2の本体部とを含む伸縮式ボラードである請求項22に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項24】
中板または力伝達部材が、ボラードの第1の本体部と第2の本体部との間に配置されている、請求項23に記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項25】
アクチュエータは第1および第2のロッドを含み、第1および第2の本体部はそれぞれ第1および第2のロッドによって動くことが可能である、求項23記載の電気自動車充電ステーション。
【請求項26】
傾斜地などの地面に設置された電気自動車充電ステーションを保守する、以下のステップを含む方法。
a) 請求項13記載の電気自動車充電ステーションと、充電ステーションの充電インターフェース装置を交換するための請求項1から11のいずれかに記載の第2の充電インターフェース装置提供するステップ、
b) 第1の充電インターフェース装置をボラードの頂部から取り外し、第1の充電インターフェース装置から主電源ケーブルまたは各主電源ケーブルを取り外すステップ、
c) 主電源ケーブルまたは各主電源ケーブルを第2の充電インターフェース装置に接続し、第2の充電インターフェース装置を電気自動車充電ステーションに固定するステップ。
【請求項27】
傾斜地に電気自動車充電ステーションを設置する方法であって、以下のステップを含む方法。
a) 傾斜した地面に充電ステーションを受け入れるための穴を設けるステップ、
b) 穴を囲む傾斜した地面の勾配を決定または推定するステップ、
c) 請求項13乃至25のいずれかに記載の電気自動車充電ステーションであって、ボラード頂部の勾配がステップ(b)で決定または推定された勾配に実質的に一致する電気自動車充電ステーションを提供するステップ、
d) 充電ステーションを穴の中に配置し、1本または複数の主電源ケーブルを充電ステーションに接続するステップ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0173
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0173】
第1のセクション116は、傾斜した頂部159を含む。傾斜頂部159は、セクション116に結合された別個の部材であってもよいし、セクション116と一体的に形成されていてもよい。傾斜頂部159の傾斜は、天板134の傾斜と実質的に一致する。ボラードが格納されると、傾斜頂部159は傾斜した天板134と実質的に面一になる(図6参照)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0174
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0174】
第2のセクション118は、傾斜した頂部158を含む。傾斜頂部158は、セクション118に結合された別個の部材であってもよいし、セクション118と一体的に形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、傾斜頂部158は、充電インターフェース装置20の頂部であるが、これは必須ではない。傾斜頂部158の傾斜は、他の傾斜頂部159及び天板134の傾斜と実質的に一致する。ボラードが格納されると、傾斜頂部158は、他の傾斜頂部159および傾斜した天板134と実質的に同一平面になる(再び、図6参照)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0177
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0177】
ボラードの頂部のライト164も、この実施形態では傾斜した頂部を有し、やはり他の傾斜した頂部と実質的に同様の角度である。ライト164は、ボラード112が格納されると地面からわずかに突出する(図6参照)。
【国際調査報告】