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特表2024-528885がんの治療における使用のための、ミトコンドリアのピルビン酸輸送体阻害剤としての[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-01
(54)【発明の名称】がんの治療における使用のための、ミトコンドリアのピルビン酸輸送体阻害剤としての[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20240725BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 9/14 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240725BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240725BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
C07D487/04 146
C07D487/04 CSP
A61K31/519
A61P1/16
A61P3/00
A61P3/10
A61P9/10
A61P9/14
A61P11/00
A61P17/02
A61P17/14
A61P25/00
A61P25/16
A61P25/28
A61P35/00
A61P37/02
A61P37/04
A61P43/00 121
C12Q1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504980
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 EP2022072681
(87)【国際公開番号】W WO2023017154
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】21191387.6
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524033618
【氏名又は名称】エムペセ テラピューティクス エスアー
【氏名又は名称原語表記】MPC THERAPEUTICS SA
(71)【出願人】
【識別番号】503083421
【氏名又は名称】ユニベルシテ ドゥ ジュネーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100094640
【弁理士】
【氏名又は名称】紺野 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100103447
【弁理士】
【氏名又は名称】井波 実
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100180873
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 慶政
(72)【発明者】
【氏名】ペリー、バンジャマン
(72)【発明者】
【氏名】マルティヌ、ジャン-クロード
【テーマコード(参考)】
4B063
4C086
【Fターム(参考)】
4B063QA20
4B063QQ02
4B063QQ08
4B063QR90
4B063QS40
4B063QX10
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA16
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZA75
4C086ZA89
4C086ZA92
4C086ZB07
4C086ZB09
4C086ZB26
4C086ZC21
4C086ZC35
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、ミトコンドリアのピルビン酸輸送体(MPC)活性を阻害することができ、免疫療法、特に、T細胞療法、免疫チェックポイント阻害剤または抗がんワクチンに有用である、化合物、方法、組成物、および使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がん;自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症;代謝性疾患、例えば、2型糖尿病;脱毛障害、例えば、脱毛症;神経変性障害、例えば、パーキンソン病もしくはアルツハイマー病;線維症、例えば、肺線維症もしくは非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);皮膚もしくは組織の傷害、例えば、皮膚創傷もしくは熱傷;および脳の急性病態、例えば、脳卒中もしくは脳外傷から選択される疾患または障害の予防および/または治療における使用のための、または皮膚もしくは組織の再生における使用のための、下記式(I)の化合物:
【化1】
[式中、R1は、R5-R6部分であり;R2は、H、場合により置換されていてもよいC-Cアルキル、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいアリールC-Cアルキル、場合により置換されていてもよいヘテロアリールC-Cアルキル、場合により置換されていてもよいC-Cアルコキシ、例えば、場合により置換されていてもよいC-Cアルコキシ置換C-Cアルキル、場合により置換されていてもよいC-Cヘテロシクロアルキル、および場合により置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、例えば、場合により置換されていてもよいシクロプロピルから選択され;R3は、Hおよび場合により置換されていてもよいC-Cアルキルから選択され、R2およびR3の少なくとも1つは、Hではなく;R4は、Hであり;R5は、結合、S、SO、NR9およびOから選択され;R6は、-(CR10R11)-R7基(ここで、nは、0~2の整数である)であり;R7は、場合により置換されていてもよいC-Cアルキル、場合により置換されていてもよいC-Cアルケニル、場合により置換されていてもよいヘテロ環、場合により置換されていてもよいアリール、例えば、場合により置換されていてもよいフェニル、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、シアノ、および-C(O)-R8から選択され;R8は、場合により置換されていてもよいアミノ、場合により置換されていてもよいアルコキシ、および場合により置換されていてもよいアリールから選択され;R9は、Hまたは場合により置換されていてもよいC-Cであり;R10およびR11は、独立して、Hおよび場合により置換されていてもよいC-Cアルキルから選択される]、ならびにその互変異性体、幾何異性体、光学活性形態、薬学的に許容される塩および薬学的に活性な誘導体。
【請求項2】
R1が、S-R6部分である、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項3】
R1が、NR9-R6部分である、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項4】
R1が、R6部分である、請求項1に記載の使用のための化合物。
【請求項5】
R2が、場合により置換されていてもよいC-Cアルキルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項6】
R3が、場合により置換されていてもよいC-Cアルキルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項7】
R3が、Hである、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項8】
R4が、Hである、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項9】
R7が、場合により置換されていてもよいC-Cアルキルである、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項10】
R7が、場合により置換されていてもよいC-Cアルケニルである、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項11】
R7が、場合により置換されていてもよいアリールである、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項12】
nが、0および1から選択される整数であり、R5が、Sであり、R7が、場合により置換されていてもよいアリールである、請求項1~8、11のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項13】
R7が、場合により置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項14】
以下の群:
3-[(3,4-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-5-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[3-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[2-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[4-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル;
4-フルオロ-2-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル;
3-[(5-フルオロ-2-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3-クロロ-5-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(4-クロロ-3-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(5-フルオロ-2-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン);
3-[(4-フルオロ-2-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-フェニルエチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(フラン-3-イルメチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル;
3-[(1-ベンゾフラン-5-イルメチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(4-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,4-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,6-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-プロピル-3-[(1H-ピラゾール-4-イルメチル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,6-ジメチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジメチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エチル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-(メトキシメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-{2-[(4-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-{2-[(2-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-{2-[(3-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-(2-メトキシエチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-エチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-ブチル-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-シクロプロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(2-メチルプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(シクロプロピルメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(メトキシメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(1H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(3,3,3-トリフルオロプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-ベンジル-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-{[(5-ベンジル-7-オキソ-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル;
3-(フェニルスルファニル)-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-6-メチル-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)アミノ]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルホニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-(2-フェニルエチル)-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-メチル-3-(メチルスルファニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-メチル-3-[(4-ニトロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-イル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
N-(4-エトキシフェニル)-2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]アセトアミド;
メチル5-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}フラン-2-カルボキシレート;
エチル2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]プロパノエート;
エチル2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]ブタノエート;
メチル2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]ブタノエート;
メチル2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]プロパノエート;
ベンジル[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]アセテート;
[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]アセトニトリル;
3-[(2-オキソ-2-フェニルエチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[2-(4-メトキシフェニル)-2-オキソエチル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
N-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]アセトアミド;
5,6-ジメチル-3-(プロピルスルファニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5,6-ジメチル-3-[(3-メチルブチル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5,6-ジメチル-3-[(4-ニトロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5,6-ジメチル-3-[(3-メチルベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジメチルベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5,6-ジメチル-3-[(4-メチルベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5,6-ジメチル-3-[(3-ニトロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(4-クロロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5,6-ジメチル-3-{[3-(トリフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5,6-ジメチル-3-{[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-フルオロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3-クロロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,4-ジクロロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3-クロロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3-フルオロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(4-ブロモベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(4-クロロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-(ベンジルスルファニル)-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(4-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(ナフタレン-1-イルメチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(4-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3,4-ジクロロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,4-ジクロロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3-フルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-フルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジメチルベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;および
3-[(3-クロロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン
から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項15】
医薬としての使用のための、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
以下の群:
3-[(3,4-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-5-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[3-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[2-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[4-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル;
4-フルオロ-2-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル;
3-[(5-フルオロ-2-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3-クロロ-5-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(4-クロロ-3-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(5-フルオロ-2-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(4-フルオロ-2-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-フェニルエチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(フラン-3-イルメチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(3-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル;
3-[(1-ベンゾフラン-5-イルメチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(4-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,4-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,6-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-プロピル-3-[(1H-ピラゾール-4-イルメチル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,6-ジメチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジメチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-{[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エチル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-(メトキシメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-{2-[(4-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-{2-[(2-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-{2-[(3-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-(2-メトキシエチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-エチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-ブチル-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-シクロプロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(2-メチルプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(シクロプロピルメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(メトキシメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(1H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(3,3,3-トリフルオロプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
5-ベンジル-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-{[(5-ベンジル-7-オキソ-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル;
3-(フェニルスルファニル)-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-6-メチル-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)アミノ]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルホニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン;および
3-(2-フェニルエチル)-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン
から選択される化合物。
【請求項17】
少なくとも1つの抗がん免疫療法剤、例えば、CAR T細胞または免疫チェックポイント阻害剤、および少なくとも1つのその薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と組み合わされた、請求項1~13のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物、ならびにその互変異性体、幾何異性体、光学活性形態および薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項18】
疾患または障害を患っている対象を治療するための方法であって、前記疾患または障害が、がん;自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症;代謝性疾患、例えば、2型糖尿病;脱毛障害、例えば、脱毛症;神経変性障害、例えば、パーキンソン病もしくはアルツハイマー病;線維症、例えば、肺線維症もしくは非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);皮膚もしくは組織の傷害、例えば、皮膚創傷もしくは熱傷;および脳の急性病態、例えば、脳卒中もしくは脳外傷から選択され、前記方法が、有効量の1つ以上の請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項19】
メモリー表現型を有するT細胞を得るおよび/または維持するためのインビトロ方法であって、当該方法が、以下の工程:
- メモリー表現型に分化する能力を有する少なくとも1つのT細胞、例えば、CD8+またはCD4+ T細胞を用意する工程;
- 前記少なくとも1つのT細胞を、少なくとも1つの請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物またはそれらの混合物と接触させる工程;
- T細胞培養培地中で前記細胞を培養する工程;
- 得られたT細胞を単離する工程
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫療法、特に、養子細胞移入免疫療法およびワクチン療法の分野に関する。特に、本発明は、ミトコンドリアピルビン酸輸送体(MPC)阻害剤およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
養子細胞移入(ACT)免疫療法は、がんまたはウイルス感染症などの疾患を治療するための患者へのT細胞の移入である。キメラ抗原受容体(CAR)T細胞は、特異的腫瘍抗原を標的にするキメラ抗原受容体を発現するようにエクスビボで遺伝子操作された移入T細胞(患者自身またはドナーのいずれかのもの)を含む1種のACTである。CAR T療法は、再発性および難治性血液悪性腫瘍のための最も有望なアプローチの1つとして登場している。実際に、これは、病状が極めて重い患者が、化学療法などの従来の治療が失敗したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)および急性リンパ芽球性白血病(ALL)を打ち負かすのを既に助けている(Wangら,2017,Journal of Hematology and Oncology,10(1):53)。しかしながら、CAR T療法は、がんの症例の大部分を占める(米国においてがんの症例のおよそ90%)固形腫瘍に対して限定的な効果しか示していない。特に、患者への注入後のT細胞の増殖および持続の欠如が、固形腫瘍におけるCAR-T療法の不十分な効果に対する大部分の原因であることが示されている。また、90%程度の高い完全寛解率を有する血液悪性腫瘍であっても、患者は、インビボでのCAR-T細胞の不十分な持続を理由として、再発のリスクが残っている(Gauthierら,2017,Curr Res Transl Med,65(3):93-102)。したがって、インビボで生存し、拡大増殖し、持続するCAR T細胞を開発するための満たされていない必要性が存在する。
【0003】
1つの戦略は、初期メモリー表現型を有するT細胞を注入することである。それらの分化段階に従って、T細胞は、関連する機能性および性質を有する固有の表現型を提示する。最近、臨床応答が、T細胞分化の状態に関連することが明らかになっている(Lecurouxら,2009,Blood,113(14):3209-3217)。歴史的に見て、ACTは、それらの強力な死滅能力に起因して、最終分化T「エフェクター」細胞を使用していた。しかしながら、T「エフェクター」細胞は、インビボで拡大増殖および持続する能力が乏しい。マウス腫瘍モデルにおいて、自己複製する、初期メモリー表現型を有するT細胞の注入が、より強く、より持続する抗腫瘍応答を付与することが示されている(Klebanoffら,2011,Clin Cancer Res.,17,5343-5352)。さらにまた、ある特定の代謝プロセス単独の阻害または刺激が、細胞が感染マウスまたは腫瘍保持マウスに再注入されると、対応するインビボ効果を伴って、メモリー分化に対してエフェクターを誘導するのに十分であることが示されている(Balmerら,2016,Immunity,44,1312-1324;Phanら,2016,Immunity 45,1024-1037)。しかしながら、現在の戦略は、T細胞増殖を著しく阻害し、したがって、ACT免疫療法のためのT細胞のエクスビボ製造プロセスの間の補充としての使用に好適ではない。そのため、メモリー表現型を有するT細胞を得るための改善された方法に対する必要性が存在する。
【0004】
さらに、ワクチンのためのアジュバントを改善する必要性が存在する。実際に、病原体感染およびがんの文脈において予防的および治療的ワクチン接種の主な目標の1つは、強力なメモリーT細胞プールの確立である。ワクチン接種のための現在のアジュバントは、アルミニウム塩およびエマルジョン、またはすべてが抗原提示細胞(APC)を標的にし、活性化するように設計された、より具体的なパターン認識受容体アゴニストのいずれかである。これは、ウイルス中和および/または排除(SARS-CoV-2など)の成功のための必要要件である液性免疫および細胞免疫の両方の高効率の活性化を常にもたらすわけではない(Pulendranら,2021,Nature Reviews Drug Discovery,20,454-475)。
【0005】
最近、T細胞メモリー形成およびメタボリックフィットネスをブーストする標的化ミトコンドリア代謝が、CAR-T療法を含むがん免疫療法を改善するための魅力的な戦略となる可能性があることが示された(Liら 2020,Front Immunol.,11:1834)。
【0006】
ピルビン酸は、いくつかの生物学的プロセスに関与する代謝産物であり、細胞呼吸において特に重要である。サイトゾルにおける解糖の最終産物であるピルビン酸は、クレブス回路をあおり、酸化的リン酸化およびATP産生をブーストするためにミトコンドリアに入る必要がある。ミトコンドリアに入るために、ピルビン酸は、ミトコンドリア外膜を横断して、大きく、比較的非特異的な、電位依存性アニオンチャネルをおそらく通って、膜間部分に達し、これは、次いで、ミトコンドリアピルビン酸輸送体(MPC)によって、ミトコンドリア内膜を横断して、プロトンと一緒に輸送される(Papaら,1971,FEBS Lett.,12,285-288)。MPCの存在は、数十年前に理論的基礎として提案されたが、MPC複合体の分子的同定は、2012年に初めて達成された(Herzigら,2012、Science、337、93-96)。ピルビン酸のミトコンドリアマトリックスへの移行の唯一のポイントとして、MPCは、解糖およびミトコンドリア活動の調整において重要な役割を果たし、これは、細胞エネルギー産生および代謝をモジュレートするための重要な決定ポイントを提供する。
【0007】
MPCが、胚発生から加齢関連神経変性まで、人間の生存期間にわたって多くの生理学的および病理学的プロセスにおいて極めて重要な役割を果たすことが最近報告された(Buchananら,2020,Biomolecules,10(8):1162;Zangariら,2020,Biomolecules,10(7):1068)。特に、MPCは、がん細胞代謝および腫瘍形成において重要なものである(Ruiz Iglesiasら,2021,Cancers 2021,13,148)。
【0008】
特に、MPCの遺伝的阻害が、腸および皮膚を含むさまざまな組織において幹細胞の増殖を刺激することが示されている(Floresら,2021,Exp Dermatol.,30(4):448-456;Schellら,2017,Nat Cell Biol.,19(9):1027-1036)。
【0009】
さらに、MPCの遺伝的阻害が、2型糖尿病を含む代謝性疾患(Hojlundら,2008,Endocrinol Metab Clin North Am.,37(3):713-3)、およびがんにおいて、益々一般的な肝臓疾患である非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)(Harissonら,2020,J.Hepatol.,72,613-626)を治療するための興味深い治療戦略であり、放射線療法を含む既存のがん治療を強化すること(Corbetら,2018,Nat.Commun.,9,1208)が示されている。
【0010】
したがって、がんワクチン、養子細胞免疫療法、免疫チェックポイント遮断および腫瘍溶解性ウイルスなどのがん免疫療法におけるさまざまな戦略の最近の開発を考慮して、それらの有効性に対して遭遇する限界もあるが、固形腫瘍がんのための、特に、がんワクチン治療を強化するであろう免疫療法に対する抵抗性を発達させやすいがんのための効率的な抗がん療法を開発する必要性が増加している。さらに、さまざまな障害におけるMPC活性の役割をさらに理解するために、効率的なMPC阻害剤の開発に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、ACT製品の調製のためのT細胞培養の間の本発明の化合物による薬理学的MPC阻害が、メモリー表現型および改善された抗腫瘍活性を獲得するのに深く関与する活性化T細胞の割合の増加を誘導することができるという予想外の知見に向けられている。したがって、本発明によるMPC阻害剤は、特に、CAR T療法のために、ならびに/またはがんワクチンおよび/もしくは感染性疾患に対するワクチンのために、がんの特異的免疫療法、特に、養子T細胞移入アプローチ(ACT)において、高い興味が持たれるものであると考えられる。
【0012】
本発明は、MPCの活性を阻害するため、したがって、特に、ACTを含むがん治療の有効性および耐久性を増強するため、腸、皮膚および脳を含むさまざまな組織における幹細胞の増殖を刺激するため、肝臓、肺、膵臓、筋肉を含むいくつかの器官の炎症および線維症を減少させるため、腫瘍の発生を減少させ、ならびに/または免疫チェックポイント阻害剤および放射線療法を含む既存のがん治療を強化するための、有用な組成物および方法を対象とする。
【0013】
本発明の第1の態様は、疾患または障害の予防および/または治療のための本発明の化合物であって、前記疾患または障害が、がん;自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症;代謝性疾患、例えば、2型糖尿病;脱毛障害、例えば、脱毛症;神経変性障害、例えば、パーキンソン病またはアルツハイマー病;線維症、例えば、肺線維症または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);皮膚または組織の傷害、例えば、皮膚創傷または熱傷;および脳の急性病態、例えば、脳卒中または脳外傷から選択される、化合物を提供する。
【0014】
本発明の別の態様は、皮膚または組織の再生における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0015】
本発明の別の態様は、疾患または障害の予防および/または治療のための医薬組成物の調製のための1つ以上の本発明の化合物の使用であって、前記疾患または障害が、がん;自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症;代謝性疾患、例えば、2型糖尿病;脱毛障害、例えば、脱毛症;神経変性障害、例えば、パーキンソン病またはアルツハイマー病;線維症、例えば、肺線維症または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);皮膚または組織の傷害、例えば、皮膚創傷または熱傷;および脳の急性病態、例えば、脳卒中または脳外傷から選択される、使用を提供する。
【0016】
本発明の別の態様は、少なくとも1つの抗がん免疫療法剤、例えば、CAR T細胞または免疫チェックポイント阻害剤、および少なくとも1つのその薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と組み合わされた、少なくとも1つの本発明による化合物、ならびにその互変異性体、幾何異性体、光学活性形態および薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。
【0017】
本発明の別の態様は、疾患または障害を患っている対象を治療するための方法であって、前記疾患または障害が、がん;自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症;代謝性疾患、例えば、2型糖尿病;脱毛障害、例えば、脱毛症;神経変性障害、例えば、パーキンソン病またはアルツハイマー病;線維症、例えば、肺線維症または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);皮膚または組織の傷害、例えば、皮膚創傷または熱傷;および脳の急性病態、例えば、脳卒中または脳外傷から選択され、前記方法が、有効量の1つ以上の本発明の化合物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、方法に関する。
【0018】
本発明の別の態様は、記載されるMPC阻害剤、それらの医薬製剤、および医薬としてのそれらの使用に関する。
【0019】
本発明の別の態様は、メモリー表現型を有するT細胞を生成するおよび/または維持するためのインビトロ方法に関する。
【0020】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施例3に記載される、治療プロトコール(A)、およびメモリー特性に対するミトコンドリアピルビン酸輸送体を阻害する化合物(MPCi)によるマウスCD8 T細胞のインビトロ治療の効果(B~C)を表す。(A)インビトロマウスCD8 T細胞の活性化および治療の略図。(B~C)メモリーマーカーCD62L(B)およびCD127(C)に陽性の細胞のパーセンテージを示す7日目のFACS分析。p<0.05、**p>0.01、***p>0.01。データは平均±s.e.m.を表す。
図2図2は、実施例4に記載される、治療プロトコール(A)、およびマウス黒色腫モデルにおける本発明の化合物(C45)の抗腫瘍活性(B~S)を表す。(B~C)化合物45もしくはDMSO処理細胞の移入の際のマウス、または未治療マウスにおける、B16-OVA腫瘍の成長(B)および体重(C)。(D~G)移入細胞(D)、短命エフェクター細胞(E)、メモリー前駆細胞(F)およびセントラルメモリー細胞(G)のパーセンテージを示すACT後9日目の血液分析;(H~K)移入細胞(H)、消耗細胞(I)、最終消耗細胞(J)および前駆消耗細胞(K)のパーセンテージを示す腫瘍浸潤性T細胞の分析。(L~N)移入細胞(L)、セントラルメモリーT細胞(M)およびTCF1を発現するT細胞(N)のパーセンテージを示す脾臓の分析。(O~S)オボアルブミン(Ovalbubin)N4ペプチドで4時間再刺激された腫瘍の単一細胞懸濁液。IFNγ(O)、TNFα(P)、IL2(Q)、グランザイムB(R)およびCD107a(S)発現を、フローサイトメトリーによって測定した。ns:有意でない、p<0.05、**p>0.01、***p>0.001。データは平均±s.e.m.を表す。
図3図3は、実施例4に記載される、治療プロトコール(A)、およびマウス黒色腫モデルにおける本発明の化合物(C45)の抗腫瘍活性(B~0)を表す(10個のみの代わりに、2×10個のDMSOまたは化合物45処理OT1T細胞を移入する)。(B~C)化合物45もしくはDMSO処理細胞の移入の際のマウス、または未治療マウスにおける、B16-OVA腫瘍の成長(B)および体重(C)。(D~G)移入細胞(D)、消耗細胞(E)、最終消耗細胞(F)および前駆消耗細胞(G)の数を示す腫瘍浸潤性T細胞の分析。(H~J)移入細胞(H)、セントラルメモリーT細胞(I)およびTCF1を発現するT細胞(J)の数を示す脾臓の分析。(K~O)N4ペプチドで4時間再刺激された腫瘍の単一細胞懸濁液。IFNγ(K)、TNFα(L)、IL2(M)、グランザイムB(N)およびCD107a(O)発現を、フローサイトメトリーによって測定した。ns:有意でない、p<0.05、**p>0.01、***p>0.001。データは平均±s.e.m.を表す。
図4図4および5は、実施例5に記載される、実験設計(4A)、ならびにマウスCAR T細胞の産生の間の本発明の化合物の、養子細胞移入療法の際のそれらのメモリー表現型および抗腫瘍機能を改善する効果(4B~Fおよび5A~K)を表す。(4B)腫瘍成長曲線;(4C)解剖時の腫瘍重量T;(4D)血液1μlあたりのHer2-CAR T細胞の数;(4EおよびF)Her2-CAR T細胞のうちの短命エフェクター細胞(4E)およびメモリー前駆細胞(4F)のパーセンテージ。ns:有意でない、p<0.05、**p>0.01。データは平均±s.e.m.を表す。(5A)腫瘍流入領域リンパ節あたりのHer2-CAR T細胞の数;(5B)リンパ節におけるHer2-CAR T細胞のうちのセントラルメモリーT細胞のパーセンテージ;(5C)リンパ節におけるHer2-CAR T細胞のうちのTCF1陽性細胞のパーセンテージ;(5D)脾臓あたりのHer2-CAR T細胞の数;(5E)脾臓におけるHer2-CAR T細胞のうちのセントラルメモリーT細胞のパーセンテージ;(5F)脾臓におけるHer2-CAR T細胞のうちのTCF1陽性細胞のパーセンテージ;(5G)腫瘍1mgあたりのHer2-CAR T細胞の数。(5H)腫瘍におけるHer2-CAR T細胞のうちのTCF1陽性細胞のパーセンテージ;(5IおよびJ)腫瘍におけるHer2-CAR T細胞のうちの前駆消耗T細胞(I)および最終消耗T細胞(5J)のパーセンテージ;(5K)腫瘍における消耗マーカー(PD1およびTIM3)発現Her2-CAR T細胞のパーセンテージ。ns:有意でない、p<0.05、**p>0.01、***p<0.001。データは平均±s.e.m.を表す。
図5】上記に同じ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
「固形腫瘍がん」という表現は、神経膠芽腫、肺がん(小細胞および非小細胞)、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、子宮がん、頭頸部がん、黒色腫、肝細胞癌、結腸がん、直腸がん、結腸直腸癌、腎臓がん、前立腺がん、胃がん、気管支がん、膵臓がん、膀胱がん、肝がんおよび脳がん、特に、神経膠芽腫を含む。
【0023】
「液体腫瘍がん」という表現は、リンパ腫および白血病を含む。
【0024】
「免疫療法剤」という表現は、がんなどの疾患と戦う免疫系をサポートする薬剤を指す。現在、4つの主なカテゴリー:T細胞療法、免疫チェックポイント阻害剤、モノクローナル抗体およびがんワクチンがある。
【0025】
本明細書において使用される場合、「治療(treatment)」および「治療すること(treating)」などは、一般に、所望の薬理学的および生理学的効果を得ることを意味する。「治療」という用語は、本明細書において使用される場合、哺乳動物、特に、ヒトにおける疾患の任意の治療を包含し、疾患を阻害すること、すなわち、その発生を停止させること;あるいは疾患を緩和すること、すなわち、疾患および/またはその症状もしくは状態の縮小、例えば、腫瘍成長の停止または腫瘍縮小を引き起こすことを含む。
【0026】
「対象」という用語は、本明細書において使用される場合、哺乳動物を指す。例えば、本発明によって企図される哺乳動物としては、ヒト、霊長類、飼育動物、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、実験用げっ歯動物、イヌなどが挙げられる。
【0027】
「有効量」という用語は、本明細書において使用される場合、求められる組織、系、動物、またはヒトにおける生物学的または医薬的応答を誘発する本発明による少なくとも1つの粒子またはその医薬製剤の量を指す。一実施形態において、有効量は、治療される疾患または状態の症状の軽減のための「治療有効量」である。典型的には、有効量は、がん細胞の成長を阻害する、すなわち、がん細胞の増殖および/もしくは移動の速度を任意に遅延させること、がん細胞の増殖および/もしくは移動の停止、またはがん細胞の死滅のために使用することができ、その結果、がん細胞の成長の速度は、未治療対照がん細胞の成長の観察速度または予測速度と比較して、低減される。「成長を阻害する」という用語は、がん細胞または腫瘍のサイズの低減または消失、およびその転移可能性の低減も指し得る。好ましくは、細胞レベルでのそのような阻害は、患者におけるがんのサイズを低減し、成長を延期させ、攻撃性を低減し、または転移を予防もしくは阻害し得る。当業者は、がん細胞の成長が阻害されるかどうかを、各種の好適な兆候のいずれかによって容易に決定することができる。
【0028】
本発明による治療の「有効性」という用語は、本発明による使用または方法に応答した疾患の過程における変化に基づいて測定することができる。本発明によるがんの治療の有効性は、腫瘍体積の低減、ならびに/または対象の無増悪生存期間の増加および/もしくは健康と福祉の増加(例えば、がんを抑制すること)によって測定することができる。がん細胞の成長の阻害は、例えば、細胞周期の特定の段階におけるがん細胞の停止、例えば、細胞周期のG2/M期での停止によって証明されてもよい。がん細胞の成長の阻害は、周知のイメージング法、例えば、磁気共鳴画像法、コンピュータ断層撮影、PET、SPECT、光音響イメージング、X線および蛍光イメージング/検出を使用して証明することもできる。がん細胞の成長は、例えば、循環癌胎児抗原、前立腺特異抗原、またはがん細胞の成長と相関する他のがん特異抗原のレベルを決定することによって、間接的に決定することもできる。
【0029】
特に、本発明による併用治療の有効性は、腫瘍サイズの低減、または腫瘍、もしくはがん型に関連する任意のバイオマーカーの消失によって評価することができる。養子細胞移入(ACT)の文脈において、有効性は、腫瘍への移入T細胞浸潤、リンパ節への移入T細胞の移動、またはT細胞「プロファイル」もしくは「分化状態」の任意の変化を評価することによって測定することもできる。
【0030】
本発明による細胞、特に、T細胞または任意の末梢血単核細胞(PBMC)の「プロファイル」という用語は、本発明による使用または方法に対する、応答における遺伝子発現もしくは細胞表面マーカーの変化、ならびに/または対照と比較した基礎酸素消費量、最大呼吸容量および/もしくは予備呼吸能力の増加に基づいて測定することができる。
【0031】
より具体的には、「メモリー表現型」という用語は、本明細書において使用される場合、一部の態様において少なくともメモリーT細胞と似ている細胞状態として定義される。「メモリー様T細胞」という用語は、本明細書において、「メモリー表現型」という用語と互換的に使用される。メモリー表現型に関連する重要な特徴は、細胞の長寿命である。長寿命は、細胞または前駆体が、例えば、治療効果を誘発することが可能な対象において、分裂なしまたはゆっくりとした分裂で、十分に長く生存することを意味する。特に、メモリー表現型を有する細胞は、幹細胞様の性質を有する。長寿命は、好ましくは、増殖を含む自己再生に起因する。自己再生は、本明細書において使用される場合、厳密な意味を意味しないが、必ずしも同一ではないが、治療上関連する期間、ほぼ類似の表現型を維持する能力も含む。自己再生は、寿命全体、またはそれを超えて維持することができるが、本明細書において使用される場合、治療目的のために十分長く維持されれば十分である。治療上関連する期間は、対象において、治療効果を有するのに十分長く移入細胞またはそれらの子孫が持続することを意味する。メモリー表現型を有するT細胞が生きている、好ましくは、増殖している間、それは、典型的には、エフェクター細胞に分化する能力を維持する。そのため、エフェクターT細胞を生成する能力は、メモリー表現型に関連する別の重要な特徴である。そのため、メモリー表現型を有するT細胞は、むしろ早期に老化して死滅する傾向があるエフェクター細胞それ自身よりも多数の治療的に活性なエフェクター細胞を産生することができる。メモリー表現型に関連する重要な機能的特徴は、他の細胞集団と比べて測定することもできる。例えば、長寿命、自己再生および/またはエフェクター細胞に分化する能力は、エフェクター細胞、最終分化細胞および/または老化細胞と比較されてもよい。
【0032】
メモリー表現型のための好適な陽性発現マーカー(メモリーマーカー)、特に、CD8+ T細胞のもの、しかしまた少なくとも部分的に、CD4+ T細胞および/またはB細胞のものは、例えば、CCR7、CD62L、CD27、CD28、CD127および/またはTCF1である。
【0033】
メモリー表現型に関連する別の重要な特徴は、例えば、メモリーT細胞で観察されるような、抗原の再遭遇に対する(再)活性化の増加した振幅で細胞が反応する能力である。
【0034】
個々の置換基の定義によって他に拘束されないかぎり、「置換され」(「置換される」、または「置換された」)という用語は、「C-Cアルキル」、「C-Cアルケニル」、「C-Cアルキニル」、「C-C-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「C-Cアルキルアリール」、「C-Cアルキルヘテロアリール」、「C-Cアルキルシクロアルキル」、「C-Cアルキルヘテロシクロアルキル」、「アミノ」、「アルキルアミノ」、「アリールアミノ」、「ヘテロアリールアミノ」および「アリールオキシ」、「ヘテロアリールオキシ」、「ウレア」、「アミノスルホニル」、「アンモニウム」、「アルコキシ」、「アシル」、「アシルアミノ」、「アミノカルボニル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「スルフィニル」、「スルホニル」、「スルホンアミド」、「アルコキシ」、「アルコキシカルボニル」、「カルバメート」、「スルファニル」、「ハロゲン」、トリハロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロなどからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されるまたは置換された基を指す。
【0035】
「薬学的に許容される塩または錯体」という用語は、下記に規定される本発明の化合物の塩または錯体を指す。そのような塩の例としては、制限されるものではないが、本発明の化合物と、有機もしくは無機塩基、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムまたはリチウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)からなる群において選択されるものなどの金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などとの、または有機第一級、第二級もしくは第三級アルキルアミンとの反応によって形成される塩基付加塩が挙げられる。そのような塩の他の例としては、制限されるものではないが、本発明の化合物と、有機または無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、パラ-トルエンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸などとの反応によって形成される酸付加塩が挙げられる。
【0036】
本発明の化合物は、式(I)の化合物の同位体異性体、例えば、重水素化およびC13アナログも含む。
【0037】
「薬学的に活性な誘導体」は、投与の際に、レシピエントが、本明細書に開示される活性を直接的にまたは間接的に提供することができる任意の化合物を指す。
【0038】
本発明による化合物
一実施形態において、本発明は、がん;自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症;代謝性疾患、例えば、2型糖尿病;脱毛障害、例えば、脱毛症;神経変性障害、例えば、パーキンソン病またはアルツハイマー病;線維症、例えば、肺線維症または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);皮膚または組織の傷害、例えば、皮膚創傷または熱傷;および脳の急性病態、例えば、脳卒中または脳外傷から選択される疾患もしくは障害の予防および/または治療における使用のための、または皮膚もしくは組織の再生における使用のための、式(I)の化合物:
【化1】
[式中、R1は、R5-R6部分であり;R2は、H、場合により置換されていてもよいC-Cアルキル(場合により置換されていてもよいメチル、場合により置換されていてもよいエチル、場合により置換されていてもよいプロピル、例えば、トリフルオロプロピル、場合により置換されていてもよいブチル、場合により置換されていてもよいt-ブチルなど)、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、場合により置換されていてもよいアリールC-Cアルキル(場合により置換されていてもよいアリールメチル、例えば、場合により置換されていてもよいフェニルメチル)、場合により置換されていてもよいヘテロアリールC-Cアルキル、場合により置換されていてもよいC-Cアルコキシ、例えば、場合により置換されていてもよいC-Cアルコキシ置換C-Cアルキル、例えば、場合により置換されていてもよいエトキシ(例えば、場合により置換されていてもよいエトキシベンジル、例えば、場合により置換されていてもよいエトキシハロゲノベンジル、すなわち、2-クロロベンジルオキシエチルまたは3-クロロベンジルオキシエチル、4-クロロベンジルオキシエチル、または場合により置換されていてもよいエトキシメチル)など、場合により置換されていてもよいメトキシ(例えば、場合により置換されていてもよいメトキシメチル)、場合により置換されていてもよいC-Cヘテロシクロアルキル、および場合により置換されていてもよいC-Cシクロアルキル、例えば、場合により置換されていてもよいシクロプロピルから選択され;R3は、Hおよび場合により置換されていてもよいC-Cアルキル(例えば、場合により置換されていてもよいメチル)から選択され、R2およびR3の少なくとも1つは、Hではなく;R4は、Hであり;R5は、結合、S、SO、NR9およびOから選択され;R6は、-(CR10R11)-R7基(ここで、nは、0~2の整数である)であり;R7は、場合により置換されていてもよいC-Cアルキル(例えば、場合により置換されていてもよいメチル、場合により置換されていてもよいプロピル、場合により置換されていてもよいt-ブチル)、場合により置換されていてもよいC-Cアルケニル(例えば、3-フェニルプロピレニル)、場合により置換されていてもよいヘテロ環、場合により置換されていてもよいアリール、例えば、場合により置換されていてもよいフェニル(例えば、4-ニトロフェニル、2-ニトロフェニル、3-ニトロフェニル、4-ニトロフェニル、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、3-(ジフルオロメチル)フェニル、2-(ジフルオロメチル)フェニル、4-(ジフルオロメチル)フェニル、3,4-ジフルオロフェニル、2-クロロ-6-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、2-クロロ-5-フルオロフェニル、3-クロロ-5-フルオロフェニル、4-クロロ-3-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、4-クロロフェニル、5-フルオロ-2-メチルフェニル、4-フルオロ-2-ベンゾニトリル、2,5-ジメチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、3-(トリフルオロメチル)フェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、5-フルオロ-2-メトキシフェニル、2-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、4-ブロモフェニル)、場合により置換されていてもよいナフタレニル(例えば、場合により置換されていてもよいナフタレン-1-イル)、場合により置換されていてもよいヘテロアリール、例えば、場合により置換されていてもよいフラニル(例えば、場合により置換されていてもよいフラン-3-イル、例えば、フラニル、メトキシカルボニルフラニル)、場合により置換されていてもよいピラゾリル、場合により置換されていてもよいピリジニル(例えば、場合により置換されていてもよいピリジン-4-イル)、場合により置換されていてもよいベンゾフラニル(例えば、1-ベンゾフラニル)、シアノおよびC(O)-R8から選択され;R8は、場合により置換されていてもよいアミノ(例えば、場合により置換されていてもよい4-エトキシフェニルアミノ)、場合により置換されていてもよいアルコキシ(例えば、場合により置換されていてもよいメトキシ、場合により置換されていてもよいエトキシ)、および場合により置換されていてもよいアリール(例えば、場合により置換されていてもよいフェニル、例えば、フェニル、2-メトキシフェニル、2-クロロ-6-フルオロフェニル)から選択され;R9は、Hまたは場合により置換されていてもよいC-Cアルキル(例えば、場合により置換されていてもよいメチル、場合により置換されていてもよいエチル)であり;R10およびR11は、独立して、Hおよび場合により置換されていてもよいC-Cアルキル(例えば、場合により置換されていてもよいメチル、場合により置換されていてもよいエチル)から選択される];ならびにその互変異性体、幾何異性体、光学活性形態、薬学的に許容される塩および薬学的に活性な誘導体を提供する。
【0039】
特定の実施形態によれば、式(I)の化合物の同位体異性体、例えば、重水素化およびC13アナログが提供される。
【0040】
特定の態様によれば、R1が、S-R6部分である、式(I)の化合物が提供される。
【0041】
特定の態様によれば、R1が、NR9-R6部分である、式(I)の化合物が提供される。
【0042】
特定の態様によれば、R1が、NH-R6部分である、式(I)の化合物が提供される。
【0043】
特定の態様によれば、R1が、R6部分である、式(I)の化合物が提供される。
【0044】
特定の態様によれば、R2が、場合により置換されていてもよいC-Cアルキルである、式(I)の化合物が提供される。
【0045】
特定の態様によれば、R2が、場合により置換されていてもよいプロピルである、式(I)の化合物が提供される。
【0046】
特定の態様によれば、R3が、場合により置換されていてもよいC-Cアルキルである、式(I)の化合物が提供される。
【0047】
特定の態様によれば、R3が、場合により置換されていてもよいメチルである、式(I)の化合物が提供される。
【0048】
特定の態様によれば、R3が、Hである、式(I)の化合物が提供される。
【0049】
特定の態様によれば、nが、0である、式(I)の化合物が提供される。
【0050】
特定の態様によれば、nが、1である、式(I)の化合物が提供される。
【0051】
特定の態様によれば、nが、2である、式(I)の化合物が提供される。
【0052】
特定の態様によれば、R7が、場合により置換されていてもよいC-Cアルキルである、式(I)の化合物が提供される。
【0053】
特定の態様によれば、R7が、場合により置換されていてもよいC-Cアルケニルである、式(I)の化合物が提供される。
【0054】
特定の態様によれば、R7が、場合により置換されていてもよいアリールである、式(I)の化合物が提供される。
【0055】
特定の態様によれば、R7が、場合により置換されていてもよいフェニルである、式(I)の化合物が提供される。
【0056】
特定の態様によれば、R7が、場合により置換されていてもよいヘテロアリールである、式(I)の化合物が提供される。
【0057】
特定の態様によれば、R7が、場合により置換されていてもよいフラニルである、式(I)の化合物が提供される。
【0058】
特定の態様によれば、R7が、場合により置換されていてもよいピラゾリルである、式(I)の化合物が提供される。
【0059】
特定の態様によれば、R7が、場合により置換されていてもよいピリジニルである、式(I)の化合物が提供される。
【0060】
特定の態様によれば、R7が、シアノである、式(I)の化合物が提供される。
【0061】
特定の態様によれば、R9が、Hである、式(I)の化合物が提供される。
【0062】
特定の態様によれば、R10が、Hである、式(I)の化合物が提供される。
【0063】
特定の態様によれば、R10が、場合により置換されていてもよいC-Cアルキルである、式(I)の化合物が提供される。
【0064】
特定の態様によれば、R11が、Hである、式(I)の化合物が提供される。
【0065】
特定の態様によれば、nが、0~1から選択される整数であり、R5が、Sであり、R7が、場合により置換されていてもよいアリール(例えば、場合により置換されていてもよいフェニル)である、式(I)の化合物が提供される。
【0066】
特定の態様によれば、前記化合物がMPCに対する阻害活性を有する、式(I)の化合物が提供される。
【0067】
さらなる特定の実施形態において、本発明の化合物は、特に、以下の群:
3-[(3,4-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(1);
3-[(2-クロロ-5-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(2);
3-[(3,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(3);
3-{[3-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(4);
3-{[2-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(5);
3-{[4-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(6);
3-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル(7);
4-フルオロ-2-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル(8);
3-[(5-フルオロ-2-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(9);
3-[(3-クロロ-5-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(10);
3-[(4-クロロ-3-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(11);
3-[(5-フルオロ-2-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(12);
3-[(4-フルオロ-2-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(13);
3-[(2-フェニルエチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(14);
3-[(フラン-3-イルメチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(15);
3-[(2-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(16);
3-[(3-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(17);
4-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル(18);
3-[(1-ベンゾフラン-5-イルメチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(19);
3-[(4-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(20);
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(21);
3-[(2,4-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(22);
3-[(2,6-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(23);
5-プロピル-3-[(1H-ピラゾール-4-イルメチル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(24);
3-[(2,6-ジメチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(25);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(26);
3-[(2,5-ジメチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(27);
3-{[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エチル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(28);
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(29);
5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(30);
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-(メトキシメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(31);
5-{2-[(4-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(32);
5-{2-[(2-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(33);
5-{2-[(3-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(34);
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-(2-メトキシエチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(35);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(36);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-エチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(37);
5-ブチル-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(38);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-シクロプロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(39);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(2-メチルプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(40);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(シクロプロピルメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(41);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(メトキシメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(42);
5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(1H)-オン(43);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(3,3,3-トリフルオロプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(44);
5-ベンジル-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(45);
4-{[(5-ベンジル-7-オキソ-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル(46);
3-(フェニルスルファニル)-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(47);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-6-メチル-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(48);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)アミノ]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(49);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルホニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(50);
3-(2-フェニルエチル)-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(51);
3-[(2-クロロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(52);
5-メチル-3-(メチルスルファニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(53);
5-メチル-3-[(4-ニトロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(54);
3-{[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-イル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(55);
N-(4-エトキシフェニル)-2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]アセトアミド(56);
メチル5-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}フラン-2-カルボキシレート(57);
エチル2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]プロパノエート(58);
エチル2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]ブタノエート(59);
メチル2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]ブタノエート(60);
メチル2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]プロパノエート(61);
ベンジル[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]アセテート(62);
[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]アセトニトリル(63);
3-[(2-オキソ-2-フェニルエチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(64);
3-{[2-(4-メトキシフェニル)-2-オキソエチル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(65);
N-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]アセトアミド(66);
5,6-ジメチル-3-(プロピルスルファニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(67);
5,6-ジメチル-3-[(3-メチルブチル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(68);
5,6-ジメチル-3-[(4-ニトロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(69);
5,6-ジメチル-3-[(3-メチルベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(70);
3-[(2,5-ジメチルベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(71);
5,6-ジメチル-3-[(4-メチルベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(72);
5,6-ジメチル-3-[(3-ニトロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(73);
3-[(4-クロロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(74);
3-[(2-クロロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(75);
5,6-ジメチル-3-{[3-(トリフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(76);
5,6-ジメチル-3-{[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(77);
3-[(2-フルオロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(78);
3-[(3-クロロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(79);
3-[(2,4-ジクロロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(80);
3-[(3-クロロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(81);
3-[(3-フルオロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(82);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(83);
3-[(4-ブロモベンジル)スルファニル]-5,6-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(84);
3-[(4-クロロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(85);
3-(ベンジルスルファニル)-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(86);
3-[(2-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(87);
3-[(3-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(88);
3-[(4-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(89);
3-[(ナフタレン-1-イルメチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(90);
3-[(3-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(91);
3-[(4-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(92);
3-[(2-クロロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(93);
3-[(3,4-ジクロロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(94);
3-[(2-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(95);
3-[(2,4-ジクロロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(96);
3-[(3-フルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(97);
3-[(2-フルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(98);
3-[(2,5-ジメチルベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(99);および
3-[(3-クロロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(100)
から選択される化合物を含む。
【0068】
別のさらなる特定の実施形態において、医薬としての使用のための化合物であって、本明細書に定義される化合物(1)~(100)から選択される化合物が提供される。
【0069】
別のさらなる特定の実施形態において、以下の群:
3-[(3,4-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(1);
3-[(2-クロロ-5-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(2);
3-[(3,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(3);
3-{[3-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(4);
3-{[2-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(5);
3-{[4-(ジフルオロメチル)ベンジル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(6);
3-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル(7);
4-フルオロ-2-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル(8);
3-[(5-フルオロ-2-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(9);
3-[(3-クロロ-5-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(10);
3-[(4-クロロ-3-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(11);
3-[(5-フルオロ-2-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(12);
3-[(4-フルオロ-2-メチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(13);
3-[(2-フェニルエチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(14);
3-[(フラン-3-イルメチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(15);
3-[(2-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(16);
3-[(3-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(17);
4-{[(7-オキソ-5-プロピル-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル(18);
3-[(1-ベンゾフラン-5-イルメチル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(19);
3-[(4-メトキシベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(20);
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(21);
3-[(2,4-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(22);
3-[(2,6-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(23);
5-プロピル-3-[(1H-ピラゾール-4-イルメチル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(24);
3-[(2,6-ジメチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(25);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(26);
3-[(2,5-ジメチルベンジル)スルファニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(27);
3-{[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エチル]スルファニル}-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(28);
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(29);
5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(30);
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-(メトキシメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(31);
5-{2-[(4-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(32);
5-{2-[(2-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(33);
5-{2-[(3-クロロベンジル)オキシ]エチル}-3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(34);
3-[(2,5-ジフルオロベンジル)スルファニル]-5-(2-メトキシエチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(35);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-メチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(36);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-エチル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(37);
5-ブチル-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(38);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-シクロプロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(39);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(2-メチルプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(40);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(シクロプロピルメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(41);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(メトキシメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(42);
5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(1H)-オン(43);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-5-(3,3,3-トリフルオロプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(44);
5-ベンジル-3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(45);
4-{[(5-ベンジル-7-オキソ-7,8-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-イル)スルファニル]メチル}ベンゾニトリル(46);
3-(フェニルスルファニル)-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(47);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルファニル]-6-メチル-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(48);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)アミノ]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(49);
3-[(2-クロロ-6-フルオロベンジル)スルホニル]-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(50);および
3-(2-フェニルエチル)-5-プロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(8H)-オン(51)
から選択される本発明の化合物が提供される。
【0070】
特定の態様によれば、免疫療法との併用のための本発明の化合物が提供される。
【0071】
特定の態様によれば、T細胞移入療法、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)またはT細胞受容体(TCR)療法との併用のための本発明の化合物が提供される。
【0072】
さらなる特定の態様によれば、がんワクチンまたは少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤との併用のための本発明の化合物が提供される。
【0073】
特定の態様によれば、免疫チェックポイント阻害剤との併用のための本発明の化合物が提供される。
【0074】
特定の態様によれば、免疫チェックポイント阻害剤は、PD1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、VISTA阻害剤、CD155/TIGIT阻害剤、TIM-3阻害剤から選択される。
【0075】
特定の態様によれば、本発明による免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。
【0076】
特定の態様によれば、免疫療法剤との併用のための本発明の化合物が提供されるが、前記免疫療法剤は、少なくとも1つのモノクローナル抗体、例えば、リツキシマブおよびブリナツモマブである。
【0077】
特定の態様によれば、免疫療法剤との併用のための本発明の化合物が提供され、ここで、前記免疫療法剤は、少なくとも1つのサイトカイン、例えば、インターフェロンおよびアルデスロイキンである。
【0078】
別のさらなる特定の態様によれば、抗がんワクチンとの併用のための本発明の化合物が提供される。
【0079】
特定の態様によれば、抗がんワクチンは、DNA、RNA、ペプチドおよび腫瘍溶解性ウイルスワクチンから選択される。
【0080】
特定の態様によれば、がんワクチン、例えば、腫瘍溶解性または抗単純ヘルペスワクチンとの併用のための本発明の化合物が提供される。
【0081】
別のさらなる特定の態様によれば、ウイルス中和および/または排除(SARS-CoV-2など)の成功のための必要要件である液性免疫および細胞免疫の両方の活性化のための使用のための本発明の化合物が提供される。
【0082】
さらなる態様によれば、ワクチン接種の際の細胞免疫応答および液性免疫応答の両方の寿命を改善するための、古典的アジュバントを補完するワクチンアジュバント構成要素としての使用のための本発明の化合物が提供される。
【0083】
別のさらなる特定の態様によれば、がん型に応じて、化学療法薬、例えば、アルキル化剤、ニトロソウレア、代謝拮抗剤、植物アルカロイドおよび天然産物、抗腫瘍抗生物質、ホルモン剤、生体応答修飾物質との併用のための本発明の化合物が提供される。
【0084】
別のさらなる特定の態様によれば、強度変調放射線療法(IMRT)、回転型強度放射線療法(VMAT)および画像誘導放射線療法(IGRT)を含む放射線療法との併用のための本発明の化合物が提供される。
【0085】
本発明による化合物の合成
本発明の化合物は、以下の一般的な方法および手順を使用して、容易に入手可能な出発材料から調製することができる。典型的なまたは好ましい実験条件(すなわち、反応温度、時間、試薬のモル、溶媒など)が与えられる場合に、別段の記載がない限り、他の実験条件を使用することもできることが認識されるであろう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒により変わり得るが、そのような条件は、日常的な最適化手順を使用して、当業者によって決定することができる。
【0086】
式(I)の化合物を得るための一般的な合成アプローチを、下記のスキーム1および2に表す。

【化2】
【0087】
R2およびR3官能化β-ケトアセテート(iv)は、容易に入手可能な出発材料から、限定されるものではないが、単純なアセチルアセテート(i)、もしくはアルファ位が無置換のβ-ケトアセテート(ii)の塩基触媒アルキル化もしくは求電子置換、またはアセテート(iii)のアセチル化を介してを含む、広範囲の変換を介して入手できる。S-メチルイソチオウレアとの塩基触媒縮合は、中間体2-メチルスルファニル-1H-ピリミジン-4-オン(v)をもたらし、これは、ヒドラジンによる求核芳香族置換を受けて、2-ヒドラジノ-1H-ピリミジン-4-オン(vi)を与える。中間体(vi)は、3-チオキソ-2,8-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7-オン(vii)への二硫化炭素による環化を受けることができ、これは、次いで、限定されるものではないが、塩基媒介Sアルキル化または金属媒介(例えば、銅-ヨウ素を介した)Sアリール化を含む、各種の変換を受けて、式(I)、特に、式(Ia)の最終化合物を与えることができる。同位体異性体の調製の場合において、同位体標識されたビルディングブロック、例えば、C13またはC14二硫化炭素、N15ヒドラジンなどをスキーム1において使用することができる。
【0088】
中間体(vi)は、イソチオシアネートとの反応を受けて、アミノチオウレア(viii)を与えることができ、これは、次に、DCCまたは類似のペプチドカップリング剤の存在下で環化されて、式(I)、特に、式(Ib)の最終化合物が得られる。
【化3】
【0089】
2,4-ジクロロ-6-メトキシピリミジン(ix)は、金属アルキル、例えば、グリニャール試薬による位置選択的アルキル化を受けて、官能化2-クロロ-6-メトキシピリミジン(methoxyparimidines)(x)が得られ、これは、次に、ヒドラジンによる求核芳香族置換を受けて、2-ヒドラジノ-6-メトキシ-ピリミジン中間体(xi)を与えることができる。(xi)の二硫化炭素との環化は、7-メトキシ-2H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-3-チオン(xii)を与え、これは、アルキル化または金属媒介アリール化を介してチオ基上でさらなる官能化を受けて、3位で置換された7-メトキシ-3-スルファニル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン(xiii)を与えることができる。中間体(xiii)は、例えば、臭化水素酸を介して、7位で酸媒介脱メチル化を受けて、式(I)、特に、式(Ia)の最終化合物を与えることができ、あるいは、化合物(xiii)は、さらなる官能化、例えば、7-メトキシ-3-スルホニル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン(xiv)へのメタ-クロロ過安息香酸(m-CPBA)媒介酸化を受けることができ、これは、次いで、7位で酸媒介脱メチル化を受けて、式(I)、特に、式(Ic)の最終化合物を与えることができる。
【0090】
中間体(xi)は、アミドカップリング条件(例えば、EDC/HOBt)下でのカルボン酸との反応を介してアセトヒドリド中間体(xv)を形成することができ、これは、次いで、例えば、バージェス試薬を介して媒介される脱水により7-メトキシ-3-アルキル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジンまたは7-メトキシ-3-アリール-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン中間体(xvi)に環化することができ、これは、次いで、7位で酸媒介脱メチル化を受けて、式(I)、特に、式(Id)の最終化合物を与えることができる。
【0091】
最終化合物または中間体における側鎖のさらなる官能化または官能基操作は、当業者によって実現され、スキーム1およびスキーム2を介して得られ得る式(I)の最終化合物の範囲を広げることができる。
【0092】
組成物
本発明は、免疫療法に対する抵抗性を示している、または抵抗性を示しやすい固形腫瘍がんを患っている、患者、好ましくは、哺乳動物患者、最も好ましくは、ヒト患者を治療するための組成物および方法としての医薬品または治療剤を提供する。
【0093】
本発明の医薬組成物は、本明細書に記載される任意の形態の1つ以上の化合物を含有することができる。本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される追加の成分、例えば、ミョウバン、可溶化剤、安定剤、抗菌剤、緩衝剤、着色剤、香味剤、アジュバントなどをさらに含んでいてもよい。
【0094】
本発明の化合物は、従来用いられているアジュバント、担体、希釈剤または賦形剤と一緒に、医薬組成物の形態およびその単位投薬量に入れられてもよく、そのような形態において、すべて経口使用のための、固体、例えば、サシェ中の粉末、錠剤もしくは充填カプセル剤、または液体、例えば、液剤、懸濁剤、エマルジョン、エリキシル剤、経鼻スプレー剤、もしくはそれで充填されたカプセル剤として、あるいは非経口(皮下を含む)使用のための無菌注射液の形態で用いられてもよい。そのような医薬組成物およびその単位剤形は、追加の活性化合物または物質の有無にかかわらず、従来の割合で成分を含んでいてもよく、そのような単位剤形は、用いられる意図される1日投薬量範囲と等しい活性成分の任意の好適な有効量を含有していてもよい。本発明による組成物は、好ましくは、経口、舌下、経鼻および皮下である。
【0095】
本発明の組成物はまた、限定されるものではないが、水性または油性懸濁剤、液剤、エマルジョン、シロップ剤、スプレー剤およびエリキシル剤を含む液体製剤であってもよい。経口投与に好適な液体形態は、緩衝剤、懸濁化剤および分散剤、着色剤、香味剤などとともに、好適な水性または非水性媒体を含んでいてもよい。組成物はまた、使用前に水または他の好適な媒体による再構成のための乾燥製品として製剤化されてもよい。そのような液体調製物は、限定されるものではないが、懸濁化剤、乳化剤、非水性媒体および保存剤を含む補助剤を含有していてもよい。懸濁化剤としては、限定されるものではないが、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、および水素化食用脂が挙げられる。乳化剤としては、限定されるものではないが、レシチン、ソルビタンモノオレエート、およびアカシアが挙げられる。非水性媒体としては、限定されるものではないが、食用油、アーモンド油、分画ココナツ油、油状エステル、プロピレングリコール、およびエチルアルコールが挙げられる。保存剤としては、限定されるものではないが、メチルまたはプロピルp-ヒドロキシベンゾエート、およびソルビン酸が挙げられる。さらなる材料および処理技法などは、参照により本明細書に組み込まれるRemington:The Science & Practice of Pharmacy,第23版,2020,Adeboye Adejare編,Academic Pressに示されている。
【0096】
本発明の固体組成物は、従来の方法で製剤化された、サシェ中の粉末、錠剤、またはロゼンジ剤の形態であってもよい。例えば、経口または舌下投与のためのサシェ、錠剤およびカプセル剤は、限定されるものではないが、結合剤、増量剤、滑沢剤、崩壊剤および湿潤剤を含む従来の賦形剤を含有していてもよい。結合剤としては、限定されるものではないが、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、デンプンの粘液、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。増量剤としては、限定されるものではないが、ラクトース、糖、微結晶性セルロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、およびソルビトールが挙げられる。滑沢剤としては、限定されるものではないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール、およびシリカが挙げられる。崩壊剤としては、限定されるものではないが、ジャガイモデンプン、およびデンプングリコール酸ナトリウムが挙げられる。湿潤剤としては、限定されるものではないが、ラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。錠剤は、当技術分野において周知の方法に従ってコーティングされていてもよい。
【0097】
注射用組成物は、典型的には、注射用無菌生理食塩水もしくはリン酸緩衝生理食塩水、または当技術分野において公知の他の注射用担体がベースである。
【0098】
本発明の組成物はまた、限定されるものではないが、注射または持続注入によってを含む、非経口投与のために製剤化されていてもよい。注射のための製剤は、油性または水性媒体中の懸濁剤、液剤、またはエマルジョンの形態であってもよく、限定されるものではないが、懸濁化剤、安定剤、および分散剤を含む製剤化剤を含有していてもよい。組成物はまた、限定されるものではないが、無菌のパイロジェンフリーの水を含む好適な媒体による再構成のための粉末形態で提供されてもよい。
【0099】
本発明の組成物はまた、デポー調製物として製剤化されてもよく、これは、インプラントによって、または筋肉内注射によって投与されてもよい。組成物は、好適なポリマー材料または疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)、イオン交換樹脂を用いて、または難溶性誘導体として(例えば、難溶性塩として)、製剤化されていてもよい。
【0100】
本発明の化合物は、持続放出形態で、または持続放出薬物送達システムから投与することもできる。代表的な持続放出材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesにおけるincorporated materialsに見出すこともできる。
【0101】
投与のモード
本発明の組成物は、限定されるものではないが、局所、経口、非経口、舌下、頬側投与を介して、経鼻、病巣内、脳室内、その組み合わせを含む、任意の方法で投与されてもよい。非経口投与としては、限定されるものではないが、皮下および筋肉内が挙げられる。本発明の組成物はまた、インプラントの形態で投与されてもよく、これは、組成物の遅延放出、ならびにゆっくりと制御されたi.v.注入を可能にする。特定の実施形態において、1つ以上の本発明の化合物が、経口投与される。
【0102】
個体に、単回または複数回用量として、投与される投薬量は、薬物動態学的性質、患者の状態および特性(年齢、体重、健康状態、身体サイズ)、症状の程度、治療の頻度および所望される効果を含む各種の要因に応じて変わる。
【0103】
組み合わせ
本発明の一実施形態によれば、本発明による化合物およびその医薬製剤は、抗がん免疫療法剤、特に、抗がんワクチン、または少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤、例えば、少なくとも1つのPD-1、PD-L1またはCTLA4阻害剤と組み合わせて、投与または使用される。
【0104】
本発明は、本発明の化合物またはその医薬製剤の投与を包含し、ここで、前記本発明の化合物またはその医薬製剤は、抗がん免疫療法剤の前に、またはそれと同時に、例えば、同じ製剤により同時的に、または異なる製剤により別々に、特に、異なる製剤経路を通って、個体に投与される。
【0105】
本発明の特定の態様によれば、本発明による化合物およびその医薬製剤は、治療の期間の間、慢性的に(例えば、毎日または毎週)、抗がん免疫療法剤または抗血管新生治療の投与の前に投与される。
【0106】
本発明の別の特定の態様によれば、本発明による化合物およびその医薬製剤は、抗がん免疫療法剤と同時的に投与される。
【0107】
本発明の別の特定の態様によれば、抗がん免疫療法剤は、治療有効量のがんの治療に有用な他の治療レジメンまたは同時薬剤(例えば、複数薬物レジメン)と組み合わせて、例えば、がんを治療する、安定化する、予防する、および/または遅延させるのに有用な物質、例えば、固形腫瘍に対する従来の化学療法において使用される、転移の確立の制御のための物質、またはプログラム細胞死を引き起こすことによって作用する任意の他の分子と組み合わせて投与することができる。特に、本発明の別の特定の態様によれば、抗がん免疫療法剤は、治療有効量のがんの治療に有用な他の治療レジメンまたは同時薬剤(例えば、複数薬物レジメン)と組み合わせて投与することができる。
【0108】
前記抗がん免疫療法剤と同時に投与される本発明の化合物またはその医薬製剤は、同じまたは異なる組成物中またはその内で、同じまたは異なる投与経路によって投与することができる。
【0109】
患者
一実施形態において、本発明による対象は、固形腫瘍がん、特に、免疫療法に対する抵抗性を示しているか、または抵抗性を示しやすい、応答性が低い固形腫瘍がんを患っている対象である。
【0110】
特定の実施形態において、本発明による対象は、肺がん(小細胞および非小細胞)、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、子宮がん、頭頸部がん、黒色腫、肝細胞癌、結腸がん、直腸がん、結腸直腸癌、腎臓がん、前立腺がん、胃がん、気管支がん、膵臓がん、膀胱がん、肝がんおよび脳がんから選択される固形腫瘍がん、特に、神経膠芽腫を患っている対象である。
【0111】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、頭頸部腫瘍を患っている対象である。
【0112】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、黒色腫を患っている対象である。
【0113】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、結腸がんを患っている対象である。
【0114】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、肺癌を患っている対象である。
【0115】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、乳がんを患っている対象である。
【0116】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、肝細胞癌または肝がんを患っている対象である。
【0117】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、直腸がんまたは結腸直腸癌を患っている対象である。
【0118】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、腎臓がんを患っている対象である。
【0119】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、膵臓がんを患っている対象である。
【0120】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、脳がん、特に、神経膠芽腫を患っている対象である。
【0121】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、別の併用治療または遺伝的素因に起因して抗がん免疫療法に抵抗性または部分的に抵抗性を発生するリスクがある固形腫瘍がんを有する対象である。
【0122】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、代謝性疾患、例えば、2型糖尿病を患っている対象である。
【0123】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、線維症、例えば、肺線維症または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を患っている対象である。
【0124】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症を患っている対象である。
【0125】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、脱毛障害、例えば、脱毛症を患っている対象である。
【0126】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、神経変性障害、例えば、パーキンソン病またはアルツハイマー病を患っている対象である。
【0127】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、皮膚または組織傷害、例えば、皮膚創傷または熱傷を患っている対象である。
【0128】
別の特定の実施形態において、本発明による対象は、脳の急性病態、例えば、脳卒中または脳外傷を患っている対象である。
【0129】
本発明による使用
特定の実施形態において、本発明は、脱毛障害の予防および/または治療に有用な化合物、方法、使用および組成物を提供する。
【0130】
別の特定の実施形態において、本発明は、皮膚または組織傷害、例えば、皮膚創傷または熱傷の予防および/または治療に有用な化合物、方法、使用および組成物を提供する。典型的には、本発明の化合物は、皮膚または組織に局所的に適用される。
【0131】
典型的には、特定の実施形態によれば、本発明の化合物は、皮膚に局所的に適用される。
【0132】
別の特定の実施形態において、本発明は、自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症の予防および/または治療に有用な化合物、方法、使用および組成物を提供する。
【0133】
別の特定の実施形態において、本発明は、神経変性障害、例えば、パーキンソン病またはアルツハイマー病の予防および/または治療に有用な化合物、方法、使用および組成物を提供する。
【0134】
別の特定の実施形態において、本発明は、線維症、例えば、肺線維症または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の予防および/または治療に有用な化合物、方法、使用および組成物を提供する。
【0135】
別の特定の実施形態において、本発明は、脳の急性病態、例えば、脳卒中または脳外傷の予防および/または治療に有用な化合物、方法、使用および組成物を提供する。
【0136】
別の特定の実施形態において、本発明は、代謝性疾患、例えば、2型糖尿病の予防および/または治療に有用な化合物、方法、使用および組成物を提供する。
【0137】
典型的には、特定の実施形態によれば、本発明の化合物は、経口投与される。
【0138】
特定の態様によれば、免疫療法、特に、抗がん免疫療法、またはワクチン療法に対する免疫応答を誘発または増加させるための方法であって、前記方法が、有効量の1つ以上の本発明の化合物またはその医薬製剤を、免疫療法剤と組み合わせて、それを必要とする対象に投与する工程を含む、方法が提供される。
【0139】
特定の実施形態において、本発明は、組み合わせの形態の固形腫瘍がんの治療に有用な化合物、方法、使用および組成物を提供し、ここで、少なくとも1つの本発明の化合物は、ワクチン、特に、抗がんワクチン、例えば、腫瘍溶解性ワクチンまたは抗単純ヘルペスウイルスワクチンと組み合わせて投与される。
【0140】
特定の態様によれば、がんを患っている対象を治療するための方法であって、前記方法が、有効量の1つ以上の本発明の化合物を、抗がん免疫療法剤と組み合わせて、それを必要とする対象に投与する工程を含む、方法が提供される。
【0141】
特定の実施形態において、本発明は、組み合わせの形態の固形腫瘍がんの治療に有用な化合物、方法、使用および組成物を提供し、ここで、少なくとも1つの本発明の化合物は、少なくとも1つの抗がん免疫療法剤と組み合わせて投与される。
【0142】
特定の態様によれば、がんを患っている対象を治療するための方法であって、前記方法が、有効量の1つ以上の本発明の化合物を、抗がん免疫療法剤と組み合わせて、それを必要とする対象に投与する工程を含む、方法が提供される。
【0143】
特定の態様によれば、メモリー表現型を有するT細胞を得るおよび/または維持するためのインビトロ方法であって、前記方法が、以下の工程:
- メモリー表現型に分化する能力を有する少なくとも1つのT細胞、例えば、CD8+またはCD4+ T細胞を準備する工程;
- 前記少なくとも1つのT細胞を、少なくとも1つの本発明による化合物またはその混合物と接触させる工程;
- T細胞培養培地中で細胞を培養する工程;
- 得られたT細胞を単離する工程
を含む、方法が提供される。
【0144】
特定の実施形態によれば、前記少なくとも1つの本発明からの化合物は、T細胞を培養するために使用される培地に含まれ、次いで、T細胞は、前記少なくとも1つの本発明の化合物の存在下で培養される。
【0145】
別の実施形態において、前記少なくとも1つの本発明の化合物は、T細胞培養が開始された後、例えば、細胞が播種またはインキュベートされた後またはその間に、しかし理想的には培養開始後すぐに、培地に添加される。
【0146】
特定の態様によれば、T細胞は、少なくとも活性化の間、好ましくは、培養および/または活性化の開始から、例えば、最初の3または4日間、本発明の化合物と接触させる。
【0147】
別の特定の態様によれば、T細胞は、培養期間中ずっと、本発明の化合物と接触させてもよい。
【0148】
別の特定の態様によれば、本発明の化合物は、最初の活性化段階(プライミング段階)後に洗い流され、培養は、本発明の化合物の非存在下、例えば、IL-2およびIL-7を含む培地を用いて継続される。
【0149】
本発明の化合物は、培養の開始から培養培地中に存在することが好ましい。また、好ましくは、T細胞は、本発明の化合物と少なくとも接触するが、本発明の化合物が、活性化段階全体の間に存在することは厳密には必要ではない。それ故に、本発明の化合物は、本明細書に記載されるように、T細胞を培養するために、特に、メモリー表現型を有するT細胞を生成および/または維持するために使用される。
【0150】
本発明による活性化T細胞は、次いで、一般に実行される抗がんT細胞免疫療法を改善するために使用されてもよい。
【0151】
本明細書に引用された参考文献は、それらの全体が、参照により本明細書に組み込まれる。本発明を説明してきたが、以下の実施例は、実例によって示され、限定するものではない。
【実施例
【0152】
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を、以下の実施例において説明する。別段の記載がない限り、すべての出発材料は、商業的供給業者から得られ、さらなる精製なく使用した。具体的には、以下の略語が、実施例および明細書全体にわたって使用され得る。
【0153】
以下の略語は、それぞれ、下記の定義を指す:
AMU(原子質量単位);CDI(カルボニルジイミダゾール);DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド);DCM(ジクロロメタン);DIPEA(ジイソプロピルエチルアミン);DMF(ジメチルホルムアミド);DMSO(ジメチルスルホキシド);EDC(1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミドメチオジド);HOBt(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール);IPA(イソプロピルアルコール);HMBC(異種核多結合相関);m-CPBA(メタ-クロロ過安息香酸);TEA(トリエチルアミン)。
【0154】
実施例1:本発明の化合物の合成
本発明の化合物を、本明細書に記載されるようにして合成した。
【0155】
a)R7が、場合により置換されていてもよいフェニルである、式(I)の化合物
化合物1~28を、本明細書からのスキーム1に従って合成した。

【化4】
【0156】
特に、下記のスキーム3に従い、ここで、Rは、1つ以上のハロゲン(フルオロ、クロロ)、シアノ、ハロゲノC-Cアルキル、C-Cアルキルで置換されたフェニルもしくはベンジル基から、またはヘテロ芳香族基、例えば、ベンゾフラン、フラン、ピラゾールから選択される。
【化5】
【0157】
スキーム3、工程1:中間体(1c)(2-(メチルチオ)-6-プロピルピリミジン-4(1H)-オン)の調製
水(20mL)中のエチルブチリルアセテート(1a)(2.5g、15.803mmol)および2-メチル-2-チオプソイドウレアヘミ硫酸塩(1b)(2.42g、17.38mmol)の撹拌溶液に、NaCO(2.68g、25.28mmol)を添加し、室温で48時間撹拌した。白色沈殿が形成され、これを、濾過し、エーテルを用いて粉砕して、所望の中間体(1c)を、収率48.08%、1.4gで、白色固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.88(t、3H)、1.52-1.65(m、2H)、2.37(t、2H)、2.46(s、3H)、5.91(s、1H)、12.47(brs、1H);LCMS(方法-1):R=2.47分;[M+H]=185(5分の実行時間)。
【0158】
スキーム3、工程2:中間体(1d)の調製
エタノール(10ml)中の(1c)(1.4g、7.59mmole)およびヒドラジン水和物(3.79g、75.98mmole)の撹拌溶液に添加し、6時間還流した。反応混合物を、真空中で蒸発させ、EtOHを用いて粉砕して、中間体(1d)を、収率62.6%、800mgで、白色固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.86(t、3H)、1.50-1.59(m、2H)、2.22(t、2H)、4.48(brs、2H)、5.35(s、1H)、8.45(brs、1H)、9.91(brs、1H);LCMS(方法-1):R=1.24分;[M+H]=169(5分の実行時間)。
【0159】
スキーム3、工程3:中間体(1e)の調製
ピリジン(55mL)中の(1d)(2g、11.90mmol)の撹拌溶液に、CS(11mL)を添加し、6時間還流した。反応混合物を、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸させ、最後に、EtOHを用いて粉砕して、中間体(1e)を、収率31.96%、800mgで、オフホワイト固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.95(t、3H)、1.56-1.73(m、2H)、3.36(t、2H)、5.82(s、1H)、12.54(brs、1H)、13.74(brs、1H);LCMS(方法-1):R=1.77分;[M+H]=211(5分の実行時間)。
【0160】
スキーム3、工程4による本発明の化合物(1)~(28)の調製:
EtOH(20mL/mmol)中の中間体(1e)(1当量)およびTEA(2.5当量)の撹拌溶液に、置換ベンジルブロミド(1当量)を添加し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を、真空中で蒸発させ、10%のMeOH-DCMおよび水の間で分配した。有機相を乾燥し、濃縮し、最初にCombi-flash(0.1~0.2%のMeOH-DCM)および最後に分取TLCで精製して、対応する本発明の化合物を得た。
【0161】
化合物を、下記に詳述する方法を用いて特性評価した:
【0162】
化合物(1):42mg、白色固体(収率26%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.94(t、3H)、1.56(m、2H)、2.85(t、2H)、4.45(s、2H)、5.88(s、1H)、7.21(m、1H)、7.38(m、1H)、7.45(m、1H);12.68(br s、1H)、LCMS(方法-2):R=2.48分;[M+H]=353(3分の実行時間)HPLC=99.60%。
【0163】
化合物(2):80mg、白色固体(収率32%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.93(t、3H)、1.52-1.57(t、2H)、2.82(t、2H)、4.45(s、2H)、5.88(s、1H)、7.18-7.22(t、1H)、7.27(d、1H)、7.50-7.53(m、1H);12.73(s、1H)。LCMS(方法-1):R=2.86分;[M+H]=337(5分の実行時間)。HPLC=99.64%。
【0164】
化合物(3):70mg、白色固体(収率29%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.95(t、3H)、1.54-1.60(t、2H)、2.86(t、2H)、4.45(s、2H)、5.87(s、1H)、7.09-7.16(t、3H)、7.27(d、1H)、12.69(s、1H)。LCMS(方法-1):R=2.37分;[M+H]=337。HPLC=98.97%。
【0165】
化合物(4):105mg、白色固体(収率42%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.94(t、3H)、1.50-1.55(t、2H)、2.80(t、2H)、4.50(s、2H)、5.83(s、1H)、6.84(s、1H)、6.98(s、1H)、7.12(s、1H)、7.45(brs、2H)、7.50(brs、2H)、12.68(s、1H)。LCMS(方法-1):R=1.54分;[M+H]=351。HPLC=98.18%。
【0166】
化合物(5):105mg、白色固体(収率42%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.90(t、3H)、1.49-1.54(t、2H)、2.77(t、2H)、4.58(s、2H)、5.85(s、1H)、7.17-7.39(m、2H)、7.45(brs、2H)、7.60(d、1H)、7.45(brs、2H)、12.69(s、1H)。LCMS(方法-1):R=1.56分;[M+H]=351。HPLC=97.96%。
【0167】
化合物(6):105mg、白色固体(収率42%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.92(t、3H)、1.49-1.57(t、2H)、2.82(t、2H)、4.50(s、2H)、5.85(s、1H)、6.99(m、2H)、7.49(brs、4H)、12.67(s、1H)。LCMS(方法-1):R=1.55分;[M+H]=351。HPLC=99.65%。
【0168】
化合物(7):48mg、オフホワイト固体(収率31%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.94(t、3H)、1.56(m、2H)、2.84(t、2H)、4.48(s、2H)、5.85(s、1H)、7.52(t、1H)、7.71(m、2H)、7.82(s、1H)、12.61(br s、1H)。LCMS(方法-5):R=2.21分;[M+H]=326.2(5分の実行時間)。HPLC=99.26%。
【0169】
化合物(8):30mg、白色固体(収率18%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.96(t、3H)、1.56-1.62(t、2H)、2.90(t、2H)、4.51(s、2H)、5.90(s、1H)、7.34-7.47(m、2H)、7.93(m、1H)、12.74(s、1H)。LCMS(方法-1):R=1.50分;[M+H]=344。HPLC=99.36%。
【0170】
化合物(9):60mg、白色固体(収率24%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.90(t、3H)、1.49-1.56(t、2H)、2.80(t、2H)、3.71(s、3H)4.29(s、2H)、5.86(s、1H)、6.96-7.11(m、3H)、12.74(s、1H)。LCMS(方法-1):R=1.55分;[M+H]=349。HPLC=99.64%。
【0171】
化合物(10):50mg、白色固体(収率20%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.93(t、3H)、1.54-1.59(t、2H)、2.85(t、2H)、4.44(s、2H)、5.87(s、1H)、7.21-7.34(m、3H)、12.69(s、1H)。LCMS(方法-1):R=2.48分;[M+H]=353。HPLC=99.10%。
【0172】
化合物(11):50mg、白色固体(収率20%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.92(t、3H)、1.53-1.59(t、2H)、2.85(t、2H)、4.45(s、2H)、5.86(s、1H)、7.21-7.54(m、3H)、12.68(s、1H)。LCMS(方法-1):R=2.47分;[M+H]=353。HPLC=99.17%。
【0173】
化合物(12):36mg、白色固体(収率15%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.92(t、3H)、1.51-1.56(t、2H)、2.30(s、3H)2.80(t、2H)、4.42(s、2H)、5.85(s、1H)、7.00-7.24(m、3H)、12.71(s、1H)。LCMS(方法-1):R=1.58分;[M+H]=333。HPLC=99.24%。
【0174】
化合物(13):60mg、白色固体(収率25%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.91(t、3H)、1.49-1.55(t、2H)、2.35(s、3H)2.79(t、2H)、4.39(s、2H)、5.79(s、1H)、6.89-7.19(m、3H)、12.69(s、1H)。LCMS(方法-1):R=1.60分;[M+H]=333。HPLC=97.64%。
【0175】
化合物(14):80mg、白色固体(収率27%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.93(t、3H)、1.56-1.61(m、2H)、2.86(t、2H)、3.01(t、2H)、3.48(t、2H)、5.86(s、1H)、7.18-7.30(m、5H)、12.65(brs、1H);LCMS(方法-1):R=1.56分;[M+H]=315(3分の実行時間)。HPLC=99.51%。
【0176】
化合物(15):27mg、白色固体(収率20%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.95(t、3H)、1.56-1.62(m、2H)、2.88(t、2H)、4.30(s、2H)、5.87(s、1H)、6.44(s、1H)、7.59(d、2H)、12.66(brs、1H);LCMS(方法-1):R=1.48分;[M+H]=291(3分の実行時間)。HPLC=97.01%。
【0177】
化合物(16):40mg、白色固体(収率25%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.88(t、3H)、1.47 1.52(m、2H)、2.76(t、2H)、3.73(s、3H)、4.31(s、2H)、5.82(s、1H)、6.82(d、1H)、6.97(t、1H)、7.14(d、1H)、7.27(t、1H)、12.69(brs、1H);LCMS(方法-2):R=1.60分;[M+H]=331(3分の実行時間)。HPLC=96.61%。
【0178】
化合物(17):80mg、白色固体(収率25%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.85(t、3H)、1.48-1.56(m、2H)、2.80(t、2H)、3.69(s、3H)、4.39(s、2H)、5.83(s、1H)、6.82-6.88(m、3H)、7.21(t、1H)、12.68(brs、1H);LCMS(方法-1):R=1.52分;[M+H]=331(3分の実行時間)。HPLC=99.38%。
【0179】
化合物(18):36mg、白色固体(収率23%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.94(t、3H)、1.51-1.58(m、2H)、2.84(t、2H)、4.53(s、2H)、5.87(s、1H)、7.55(d、2H)、7.77(d、2H)、12.67(brs、1H);LCMS(方法-2):R=1.53分;[M+H]=326(3分の実行時間)。HPLC=99.56%。
【0180】
化合物(19):60mg、白色固体(収率25%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.90(t、3H)、1.49-1.55(m、2H)、2.81(t、2H)、4.55(s、2H)、5.82(s、1H)、6.92(s、1H)、7.27(d、1H)、7.52(d、1H)、7.61(s、1H)、7.98(d、1H)、12.65(brs、1H);LCMS(方法-3):R=2.87分;[M+H]=341(5分の実行時間)。HPLC=97.65%。
【0181】
化合物(20):40mg、白色固体(収率25%)H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.92(t、3H)、1.50-1.59(m、2H)、2.82(t、2H)、3.71(s、3H)、4.39(s、2H)、5.84(s、1H)、6.85(d、2H)、7.24(d、2H)、12.66(brs、1H)。LCMS(方法-3):R=2.81分;[M+H]=331(5分の実行時間)。HPLC=98.85%。
【0182】
化合物(21):30mg、白色固体(収率19%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.94(t、3H)、1.53-1.59(m、2H)、2.86(t、2H)、4.42(s、2H)、5.89(s、1H)、7.16-7.28(m、3H)、12.73(brs、1H);LCMS(方法-1):R=1.52分;[M+H]=337(3分の実行時間)。HPLC=99.75%。
【0183】
化合物(22):30mg、白色固体(収率19%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.92(t、3H)、1.51-1.57(m、2H)、2.83(t、2H)、4.39(s、2H)、5.83(s、1H)、7.00-7.04(m、1H)、7.21-7.27(m、1H)、7.37-7.43(m、1H)、12.73(brs、1H);LCMS(方法-1):R=2.37分;[M+H]=337(3分の実行時間)。HPLC=99.31%。
【0184】
化合物(23):35mg、白色固体(収率22%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.92(t、3H)、1.50-1.57(m、2H)、2.86(t、2H)、4.36(s、2H)、5.89(s、1H)、7.09(t、2H)7.37-7.43(m、1H)、12.72(brs、1H);LCMS(方法-1):R=2.32分;[M+H]=337(5分の実行時間)。HPLC=98.74%。
【0185】
化合物(24):70mg、白色固体(収率17%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.94(t、3H)、1.54-1.60(m、2H)、2.85(t、2H)、4.35(s、2H)、5.85(s、1H)、7.55(s、2H)、12.71(brs、1H)LCMS(方法-1):R=1.829分;[M+H]=291(5分の実行時間)。HPLC=98.45%。
【0186】
化合物(25):30mg、白色固体(収率19%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.91(t、3H)、1.52-1.62(m、2H)、2.33(s、6H)、2.82(t、2H)、4.49(s、2H)、5.87(s、1H)、7.04-7.13(m、3H)、12.69(brs、1H);LCMS(方法-2):R=1.69分;[M+H]=329(3分の実行時間)。HPLC=99.6%。
【0187】
化合物(26) 230mg、白色固体(収率27.38%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.91(t、3H)、1.50-1.55(m、2H)、2.82(t、2H)、4.41(s、2H)、5.88(s、1H)、7.20-7.24(m、1H)、7.33-7.40(m、2H)、12.77(brs、1H);LCMS(方法-1):R=1.58分;[M+H]=353(3分の実行時間)。HPLC=99.82%。
【0188】
化合物(27) 234mg、白色固体(収率29.9%)H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.88(t、3H)、1.49-1.54(m、2H)、2.15(s、3H)、2.29(s、3H)、2.74(t、2H)、4.36(s、2H)、5.81(s、1H)、6.86(s、1H)、6.98 6.99(m、1H)、7.06-7.08(m、2H)、12.77(brs、1H);LCMS(方法-1):R=1.63分;[M+H]=329(3分の実行時間)。HPLC=99.79%。
【0189】
化合物(28) 40mg、白色固体(収率12%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.93(t、3H)、1.55-1.61(t、2H)、2.83(t、2H)3.03(t、2H)、3.47(t、2H)、5.87(s、1H)、7.00-7.42(m、3H)、12.69(s、1H)。LCMS(方法-1):R=1.67分;[M+H]=351。HPLC=98.34%。
【0190】
b)R2が、場合により置換されていてもよいアルキルである、式(I)の化合物
化合物29~46を、本明細書からのスキーム1に従って合成した。

【化6】
【0191】
特に、下記のスキーム4に従い、ここで、R2は、シクロアルキル、ベンジル、場合により置換されていてもよいアルキル、例えば、3,3,3-トリフルオロプロピル、-CHOCHまたは-CHCHOCHA(式中、Aは、メチル、または場合により置換されていてもよいCHPhから選択される)から選択される。
【化7】
【0192】
化合物(29)の調製
スキーム4、工程1:R2=Meを有する中間体(2c)の代表的な調製
水[24mL、8体積]中のエチルアセトアセテート(2a、R2=Me)[3g、1.0当量]の撹拌溶液に、2-メチル-2-チオウレア(2b)[7.0g、1.1当量]、続いて炭酸ナトリウム[3.9g、1.6当量]を添加した。反応を、室温で48時間撹拌した。白色固体が沈殿し、濾過し、ジエチルエーテル(2体積)で洗浄し、減圧下で乾燥して、中間体(2c R2=Me)を、白色固体(1.8 gm、収率50%)として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 2.11(s、3H)、2.41(s、3H)、5.84(s、1H)。LCMS(方法-2):生成物:RT=1.57分、m/z=157(M+H)。
【0193】
スキーム4、工程2:R2=Meを有する中間体(2d)の代表的な調製
エタノール[8mL、10体積]中の中間体(2c、R2=Me)[800mg、1.0当量]の撹拌溶液に、100%のヒドラジン水和物[4.9mL、30当量]を室温で添加した。反応集団を、80℃で24時間加熱した。反応集団を、TLC/LCMSによってモニタリングした。出発材料の完全な消費後、反応混合物を、減圧下で蒸留し、トルエンと共蒸留した。固体を、エタノールを用いて再結晶し、白色固体が沈殿した。固体を濾過し、固体をエタノールで洗浄し、減圧下で乾燥して、中間体(2d、R2=Me)を、白色固体(420mg、収率58%)として得た。LCMS(方法-2):生成物:RT=0.8分、m/z=141(M+H)。
【0194】
スキーム4、工程3:R2=Meを有する中間体(2e)の代表的な調製
ピリジン[11mL、27体積]中の中間体(2d、R2=Me)[400mg、1.0当量]の撹拌溶液に、二硫化炭素[2.2mL、5.5体積]を室温で添加した。反応集団を、100℃で24時間加熱した。反応集団を、TLC/LCMSによってモニタリングした。出発材料の完了後、反応混合物を、減圧下で蒸留し、トルエンと共蒸留した。固体を、エタノールを用いて再結晶し、白色固体が沈殿した。固体を濾過し、固体をエタノールで洗浄し、減圧下で乾燥して、中間体(2e、R2=Me)を白色固体(150mg、収率29%)として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 2.11(s、3H)、5.28(s、1H)、5.83(s、1H)。LCMS(方法-2):生成物:RT=0.52分、m/=183.2(M+H)。
【0195】
スキーム4、工程4による化合物(29)の調製:
エタノール[15mL、50体積]中の中間体(2e、R2=Me)[350mg、1.0当量]の撹拌溶液に、トリエチルアミン[0.3mL、1.1当量]、続いて2,5-ジフルオロベンジルブロミド[397mg、1.0当量]を室温で添加した。反応集団を、RTで24時間撹拌した。反応集団を、TLC/LCMSによってモニタリングした。出発材料の完了後、反応混合物を、減圧下で蒸留した。次いで、水を添加し、3×10体積の20%のMeOH/DCMで抽出した。有機層を、ブライン溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製物を、酢酸エチル/ヘキサンで溶出させる100~200メッシュのシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。化合物を、再び、分取TLCによって精製し、化合物(29)を固体(35mg、収率6%)(R=CH)で得た:1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 2.66(s、3H)、4.36(s、2H)、5.94(s、1H)、7.18-7.25(m、3H)。LCMS(方法-2):生成物:RT=1.44分、m/z=309.3(M+H)
【0196】
化合物30~35を、さまざまな置換中間体2aから出発して、スキーム4、工程1~4を介して、化合物29と同様に調製した。
【0197】
化合物(30)、中間体(2a、(R2=CHCHOCHPh)から出発:収率13%。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 3.24-3.27(t、2H)、3.71-3.73(t、2H)、4.37(s、2H)、4.48(s、2H)、5.96(s、1H)、7.17-7.31(m、8H)、12.75(bs、1H)。LCMS(方法-5):生成物:RT=2.53分、m/z=429.1(M+H)。HPLC:99.18%。
【0198】
化合物(31) 中間体(2a、R2=CHOCH)から出発:収率12%。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 3.31(s、3H)、4.27(s、2H)、4.62(s、2H)、6.06(s、1H)、7.12-7.19(m、3H)。LCMS(方法-5):生成物:RT=2.14分、m/z=339.1(M+H)。
【0199】
化合物(32) 中間体(2a、(R2=CHCHOCH(4-Cl-Ph))から出発:収率5%。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 3.24-3.27(t、2H)、3.70-3.73(t、2H)、4.37(s、2H)、4.47(d、2H)、5.94(s、1H)、7.17-7.24(m、3H)、7.28-7.30(d、2H)、7.36-7.38(d、2H)、12.75(s、1H)。LCMS(方法-5):生成物:RT=2.66分、m/z=463.1(M+H)。HPLC:96.47%。
【0200】
化合物(33)、中間体(2a、(R2=CHCHOCH(2-Cl-Ph))から出発:収率25%。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 3.27-3.31(t、2H)、3.78-3.81(t、2H)、4.38(s、2H)、4.55(s、2H)、5.98(s、1H)、7.14-7.23(m、3H)、7.24-7.31(d、2H)、7.40-7.42(t、2H)、12.75(bs、1H)。LCMS(方法-5):生成物:RT=2.63分、m/z=463.1(M+H)。HPLC:99.64%。
【0201】
化合物(34)、中間体(2a、(R2=CHCHOCH(3-Cl-Ph))から出発:収率15%。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 3.26-3.29(t、2H)、3.72-3.75(t、2H)、4.38(s、2H)、4.49(s、2H)、5.97(s、1H)、7.15-7.37(m、7H)、12.76(bs、1H)。LCMS(方法-5):生成物:RT=2.65分、m/z=463(M+H)。HPLC:99.11%。
【0202】
化合物(35)、中間体(2a、(R2=CHCHOCH)から出発:収率13%。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 3.24-3.27(t、2H)、3.71-3.73(t、2H)、4.37(s、2H)、4.48(s、2H)、5.96(s、1H)、7.17-7.31(m、8H)、12.75(bs、1H)。LCMS(方法-5):生成物:RT=2.53分、m/z=429.1(M+H)。HPLC:99.18%。
【0203】
化合物(36)の調製
スキーム4、工程1:R2=Meを有する中間体(2c)の代表的な調製
水(10mL)中のエチルアセトアセテート(2a、R2=Me)(5g、38.462mmol)および2-メチル-2-チオプソイドウレア硫酸塩(12.83g、46.15mmol)の撹拌溶液に、NaCO(10.19g、96.15mmol)を添加し、室温で48時間撹拌した。白色沈殿が形成され、これを、濾過し、ジエチルエーテルを用いて粉砕して、所望の中間体(2c、R2=Me)を、収率86%、5.2gで、白色固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 12.50(br s、1H)、5.95(s、1H)、2.46(s、3H)、2.32(s、3H)
【0204】
スキーム4、工程2:R2=Meを有する中間体(2c)の代表的な調製
中間体(2c、R2=Me)(1.3g、8.33mmol)を、密閉管に取り、それに、1(M)のTHF中のヒドラジン(18ml、16.66mmol)を添加し、反応混合物を、100℃で16時間加熱した。TLCは、極性スポットの生成を示した。粗LCMSデータは、生成物の形成を確認した。反応混合物を、真空中で蒸発させ、ジエチルエーテルを用いて粉砕して、中間体(2d、R=Me)を、収率56%、650mgで、ピンク色固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 8.32(br s、2H)、5.36(s、1H)、4.54(br、2H)、1.99(s、3H)
【0205】
スキーム4、工程3:R2=Meを有する中間体(2c)の代表的な調製
ピリジン(11mL)中の中間体(2d、R=Me)(650mg、4.64mmol)の撹拌溶液に、CS(7mL、1ml/mmol)を添加し、16時間還流した。反応混合物を、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸させ、最後に、エタノールを用いて粉砕し、濾過して、中間体(2e、R=Me)を、収率53%、450mgで、黄色固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 13.69(s、1H)、12.49(s、1H)、5.83(s、1H)、2.85(s、3H)
【0206】
スキーム4、工程4による化合物(36)の調製:
EtOH(12mL)中の中間体(2e、R=Me)(230mg、1.26mmol)およびTEA(0.46mL、3.16mmol)の撹拌溶液に、2-クロロ-6-フルオロベンジルブロミド(225mg、1.011mmol)を、0℃で添加し、室温で1時間撹拌した。TLCは、非極性スポット(所望の二置換化合物)の生成を示した。反応混合物を、真空中で蒸発させ、次いで、ジクロロメタンで希釈し、水で2回抽出し、次いで、有機層を、無水硫酸ナトリウムを通過させた。有機層を乾燥し、濃縮し、Combi-flashクロマトグラフィー(4%のMeOH-DCM)で精製して、化合物36を、収率22%、91mgで、白色固体として得た。N.B.HMBCは、右領域の異性体形成を確認した。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 12.75(brs、1H)、7.33-7.40(m、2H)、7.20-7.29(t、1H)、5.98(s、1H)、4.4(s、2H)、2.54(S、3H)。LCMS(方法-4):R=2.16分;[M+H]=325(5分の実行時間)。HPLC=99.82%。
【0207】
化合物37~46を、さまざまな置換中間体2aから出発して、スキーム4、工程1~4を介して、化合物36と同様に調製した。
【0208】
化合物(37) 中間体(2a、(R2=CHCH)から出発 H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 12.6(brs、1H)、7.34-7.41(m、2H)、7.21 -7.25(t、1H)、5.88(s、1H)、4.43(s、2H)、2.93-2.98(q、2H)、1.12-1.16(t、3H)。LCMS(方法-1):R=1.64分;[M+H]=339(3分の実行時間)。HPLC=95.18%。
【0209】
化合物(38) 中間体(2a、(R2=CHCHCHCH)から出発 H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 12.76(brs、1H)、7.37(m、2H)、7.22(t、1H)、5.91(s、1H)、4.42(s、2H)、2.84(t、2H)、1.48(m、2H)、1.32(m、2H)、0.87(3、3H)。LCMS(方法-1):R=1.60分;[M+H]=367.3(3分の実行時間)。HPLC=95.68%。
【0210】
化合物(39) 中間体(2a、(R2=シクロプロピル)から出発 H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 12.6(brs、1H)、7.35-7.42(m、2H)、7.23 -7.27(t、1H)、5.81(s、1H)、4.51(s、2H)、2.50(s、1H)、1.02-1.04(d、2H)、0.96(brs、1H)。LCMS(方法-4):R=2.32分;[M+H]=351(3分の実行時間)。HPLC=95.76%。
【0211】
化合物(40) 中間体(2a、(R2=CHCH(CH)から出発 H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 12.81(brs、1H)、7.34-7.41(m、2H)、7.20 -7.25(t、1H)、4.43(s、2H)、2.66-2.68(d、2H)、1.79-1.84(m、1H)、0.86-0.88(d、6H)。LCMS(方法-5):R=1.62分;[M+H]=367(3分の実行時間)。HPLC=97.66%。
【0212】
化合物(41) 中間体(2a、(R2=CH-シクロプロピル)から出発 H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 12.82(brs、1H)、7.34-7.41(m、2H)、7.21 -7.25(t、1H)、6.08(s、1H)、4.39(s、2H)、2.80-2.82(d、2H)、0.95(brs、1H)、0.55-0.57(d、2H)、0.13-0.14(d、2H)。LCMS(方法-4):R=2.42分;[M+H]=365(5分の実行時間)。HPLC=97.46%。
【0213】
化合物(42) 中間体(2a、(R2=CHOCH)から出発 H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 12.9(brs、1H)、7.34-7.42(m、2H)、7.20-7.24(t、1H)、6.1(s、1H)、4.67(s、2H)、4.37(s、2H)、3.32(s、3H)。LCMS(方法-4):R=2.19分;[M+H]=355(5分の実行時間)。HPLC=96.03%。
【0214】
化合物(43) 中間体(2a、(R2=CHCHOCHPh)から出発 H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 12.82(brs、1H)、7.34(m、8H)、5.98(s、1H)、4.47(s、2H)、4.39(s、2H)、3.71(t、2H)、3.29(t、2H)。LCMS(方法-6):R=1.82分;[M+H]=445.3(3分の実行時間)。HPLC=98.23%。
【0215】
化合物(44) 中間体(2a、(R2=CHCHCF)から出発 H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 7.33-7.40(m、2H)、7.20-7.24(t、1H)、6.04(s、1H)、4.39(s、2H)、3.16-3.19(t、2H)、2.6-2.67(m、2H)。LCMS(方法-4):R=2.43分;[M+H]=407(5分の実行時間)。HPLC=99.06%。
【0216】
化合物(45) 中間体(2a、(R2=CHPh)から出発 H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 12.90(brs、1H)、7.34-7.43(m、5H)、7.19-7.31(m、3H)、5.44(s、1H)、4.34(s、2H)、4.26(s、2H)。LCMS(方法-5):R=1.60分;[M+H]=401(3分の実行時間)。HPLC=99.46%。
【0217】
化合物(46) 中間体(2a、(R2=CHPh)から出発し、工程4において2-クロロ-6-フルオロベンジルブロミドを4-シアノベンジルブロミドで置き換える:60mg、白色固体(収率25%)。H NMR(400MHz、DMSO)δ:4.34(s、2H)、4.41(s、1H)、5.39(s、1H)、7.22-7.37(m、5H)、7.47(d、2H)、7.75(d、2H)、12.69(s、1H)。LCMS(方法-1):R=1.56分;[M+H]=374。HPLC=98.93%。
【0218】
市販されていない場合、化合物30~46のための個々の中間体2aは、次のようにして供給した。
【0219】
化合物30、32~34および43のための中間体2aを、スキーム5に従って合成した。
【化8】
【0220】
スキーム5、工程1 中間体(3b)の調製
乾燥ヘキサン[100ml、10体積]中の4-クロロベンジルアルコール中間体(3a、R=4-Cl)[10g、1.0当量]を、室温で10分間撹拌し、次いで、パラホルムアルデヒド[2.7g、1.0当量]を添加し、RTで10分間撹拌した。反応集団を、0℃に冷却し、乾燥HClガスを1間、パージした。次いで、反応混合物を、5℃で24時間継続した。反応集団を、1H NNMRによってモニタリングした。反応混合物を、焼結漏斗を通して濾過し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、中間体(3b、R=4-Cl)を、液体(10.9g、収率81%)として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 4.69(s、2H)、5.50(s、2H)、7.27-7.34(m、4H)。
【0221】
RがHである3b:商業的供給業者から購入した。
【0222】
Rが、2-クロロである3bについて、2-クロロベンジルアルコール中間体(3a、R=2-Cl)を使用し、対応する中間体(3b R=2-Cl):収率82%に至った。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 4.84(s、2H)、5.57(s、2H)、7.24-7.28(m、2H)、7.36-7.39(t、1H)、7.43-7.45(t、1H)。
【0223】
Rが3-クロロである3bについて、3-クロロベンジルアルコール中間体(3a、R=3-Cl)を使用し、対応する中間体化合物(3b R=3-Cl):収率85%に至った。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 4.70(s、2H)、5.51(s、2H)、7.21-7.29(m、1H)、7.29-7.30(d、2H)、7.35(s、1H)。
【0224】
スキーム5、工程1 中間体(2a、R2=CH CH OCH Ar)の調製
NaH[1.6g、1.05当量]を、窒素雰囲気下で取り、乾燥THF[50mL、10体積]をゆっくりと添加した。反応混合物を、0℃に冷却し、次いで、乾燥THF中のエチルアセトアセテート[5g、1.0当量]を滴下添加した。10分間撹拌した後、2.5MのnBuLi[17ml、1.1当量]を、0℃で滴下添加した。反応混合物を、15分間撹拌し、次いで、3a(R=4-Cl)[6.5g、0.9当量]を滴下添加した。反応混合物を、室温にし、1~1.5時間撹拌し、次いで、0℃で氷冷水、続いて6NのHCl、pH=2~3を用いてクエンチした。反応混合物を、酢酸エチル(3×10体積)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗材料を、ヘキサンで溶出させる100~200メッシュのシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。20%のEA/Hexで、純粋な画分を収集し、減圧下で蒸留して、純粋な中間体2a(R2=CHCHOCH-(4-Cl-Ph))を、液体(3.5g、収率32%)として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 1.21-1.27(t、3H)、1.71-1.74(t、1H)、2.80-2.83(t、2H)、3.46(s、1H)、3.71-3.74(t、2H)、4.14-4.20(q、2H)、4.45(s、2H)、4.65-4.66(d、2H)、7.22-7.33(m、4H)。
【0225】
以下の中間体2aを、上記に記載されるようにして、3bから同じアプローチを使用して合成した。
【0226】
中間体2a(R2=CHCHOCH-(2-Cl-Ph))について、収率39%。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 1.21-1.29(t、3H)、1.90-93-1.74(t、1H)、2.26(s、1H)、3.43(s、1H)、3.71-3.74(t、2H)、4.15-4.22(q、1H)、4.77-4.79(d、2H)、7.23-7.29(m、2H)、7.34-7.36(d、1H)、7.46-7.48(d、1H)。
【0227】
中間体2a(R2=CHCHOCHPh)について、収率30%。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 1.21-1.24(t、3H)、2.02(s、2H)、4.11-4.20(m、2H)、4.68-4.69(d、1H)、4.73(s、1H)、5.21(s、2H)、7.24-7.36(m、5H)。
【0228】
中間体2a(R2=CHCHOCH-(3-Cl-Ph))について、収率21%。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 1.21-1.27(t、3H)、2.24(s、2H)、3.49-3.54(t、2H)、4.11-4.20(q、2H)、4.58(s、1H)、4.77(s、1H)、5.28(s、2H)、7.19-7.22(m、1H)、7.24(s、1H)、7.32-7.36(t、1H)、7.41-7.48dd、1H)。
【0229】
化合物35を生成するための中間体2a(R2=CHCHOMe)を、以下の通り調製した:DCM[10体積]中のマロン酸エチルカリウム[12.5g、1.0当量]の撹拌溶液に、TEA[12.0ml、1.1当量]を添加した。反応混合物を、N2雰囲気下、10℃に冷却し、30分間撹拌した。塩化マグネシウム[1.2当量]を添加し、RTで2.5時間撹拌した。反応混合物を、0℃に冷却し、3-メトキシプロピルクロリド(0.5当量)をゆっくりと添加し、RTで18時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で蒸留し、次いで、15%のHClを添加し、DCM(3×10体積)で抽出した。有機層を、ブライン溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗化合物を、EA/Hexで溶出させる100~200メッシュのシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。10~20%のEA/ヘキサンで、純粋な画分を収集し、減圧下で蒸留して、中間体2a(R=CHCHOMe)(2.9g、収率23%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 1.16-1.20(t、3H)、2.72-2.75(t、2H)、3.22(s、3H)、3.51-3.54(t、2H)、3.59(s、2H)、4.06-4.11(q、2H)。
【0230】
化合物44を生成するための中間体2a(R2=CHCHCF)を、以下の通り調製した:15mlのDCM中の4,4,4-トリフルオロ酪酸(1.0g、6.94mmol)の撹拌溶液に、メルドラム酸(0.986g、6.94mmol)を添加し、室温で10分間撹拌した。それに、DCCおよびDMAPを添加し、反応混合物を、室温で16時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を、セライトベッドを通して濾過し、1(N)のHClで抽出した。合わせた有機部を、無水硫酸ナトリウムを通過させ、真空下で蒸発させ、粗製物を、さらなる精製なしで、次の工程に送った。次いで、粗製物をメタノールに溶解し、触媒のp-TSAを添加し、それを、1.5時間還流した。反応混合物を蒸発させて、乾固し、粗材料を、さらなる精製なしで、直接使用した。
【0231】
c)R5がSであり、n=0であり;R2およびR3が、両方ともアルキルであり;R5が、NHである、式(I)の化合物
化合物47~49を、本明細書からのスキーム1に従って合成した。
【化9】
【0232】
化合物47を、以下のスキーム6に従って調製した:
【化10】
【0233】
化合物(47)を調製するためのスキーム6
DMSO(5mL)中の5-プロピル-3-チオキソ-2,8-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン-7(3H)-オン(スキーム3からの中間体1e、500mg、2.38mmol)およびヨードベンゼン(728mg、3.57mmol)の撹拌溶液に、KPO(1.51g、7.14mmol)を添加し、次いで、密閉管中、反応混合物を、アルゴン雰囲気下で10分間脱気した。次いで、CuI(45mg、0.23mmol)および1,10-フェナントロリン(41mg、0.23mmol)を添加し、反応混合物を、120℃で72時間加熱した。反応混合物を、gene-vacuo中で蒸発させ、Combi-flash(0.5%のMeOH-DCM)によって精製して、化合物47を白色固体(200mg、収率29%)として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.93(t、3H)、1.54-1.61(t、2H)、2.96(t、2H)、5.98(s、1H)、7.23-7.38(m、5H)、12.90(s、1H)。LCMS(方法-1):R=2.16分;[M+H]=287。HPLC=99.75%。
【0234】
化合物48を、以下のスキーム7に従って調製した:
【化11】
【0235】
スキーム7、工程1:中間体(4a)
0℃のDMF(100mL)中の酪酸エチル(5g、31.62mmol)の撹拌溶液に、KCO(10.91g、79.06mmol)およびMeI(1.97mL、31.62mmol)を添加し、rtで48時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルおよびNH4Cl水溶液の間で分配した。有機部を、乾燥し、濃縮し、Combi-flash(2%のEA-Hexで溶出)によって精製して、所望の中間体4aを、収率22.03%、1.2gで、無色液体として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.82(t、3H)、1.17(d、3H)、1.43-1.52(m、2H)、2.45(s、3H)、3.66-3.71(m、1H)、4.07-4.12(m、2H);
【0236】
スキーム7、工程2:中間体(4b)
水(20mL)中の中間体4a(1.2g、6.96mmol)および2-メチル-2-チオプソイドウレアヘミ硫酸塩(1.06g、7.66mmol)の撹拌溶液に、NaCO(1.18g、11.15mmol)を添加し、rtで48時間撹拌した。白色沈殿を、徐々に取り除き、試みた濾過は、焼結漏斗の壁に白色物質が付着したので、成功しなかった。そのため、反応混合物を、10%のIPA-MeOHおよび水の間で分配した。有機部を、乾燥し、濃縮し、エーテルを用いて粉砕して、所望の中間体4bを、収率57.9%、800mgで、白色固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.90(t、3H)、1.54-1.63(m、2H)、1.87(s、3H)、2.26(s、3H)、2.42(t、2H)、8.71(brs、1H);
【0237】
スキーム7、工程3:中間体(4c)
エタノール(10mL)中の中間体4b(800mg、4.03mmol)の撹拌溶液に、NHNH.HO(2.01mL、40.35mmol)を添加し、24時間還流した。反応混合物を、蒸発させて、乾固した。ニートNHNH.HO(5mL)を添加し、16時間還流した。LCMSは、主生成物の形成を示した。反応混合物を、蒸発させて、完全に乾固し、EtOHおよびエーテルを用いて粉砕して、所望の中間体4cを、オフホワイト固体(粗製物)として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.85(t、3H)、1.49-1.57(m、2H)、1.79(s、3H)、2.34(t、2H)、3.91(brs、2H)、7.09(brs、1H);LCMS(方法-2):R=1.32分;[M+H]=183(3分の実行時間、NHOAc+MeCN)。
【0238】
スキーム7、工程4:中間体(4d)
ピリジン(10mL)中の粗2-ヒドラジニル-5-メチル-6-プロピルピリミジン-4(1H)-オン(400mg、2.19mmol)の撹拌溶液に、CS2(2.2mL)を添加し、6時間還流した。反応混合物を、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸させ、最後に、EtOHを用いて粉砕して、粗標的化合物をオフホワイト固体として得た。この粗物質(中間体4d、180mg)を、さらなる精製なしで、次の工程のために使用した。
【0239】
化合物(48)を調製するためのスキーム7、工程5
EtOH(10mL)中の粗中間体4d(180mg、0.80mmol)およびTEA(167μL、1.20mmol)の撹拌溶液に、2-クロロ,6-フルオロベンジルブロミド(99μL、0.72mmol)を添加し、rtで18時間撹拌した。反応混合物を、蒸発させて、乾固し、10%のIPA-DCMおよび水の間で分配した。有機部を、無水NaSOで乾燥し、最初にCombi-flash(1%のMeOH-DCM)によって、最後に分取TLC(移動相 5%のMeOH-DCM)によって精製して、所望の化合物(48)を、収率6.79%で、オフホワイト固体(20mg)として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.85(t、3H)、1.46-1.48(m、2H)、1.93(s、3H)、2.94(t、2H)、4.38(s、2H)、7.22-7.38(m、3H)、12.87(brs、1H);LCMS(方法-1):R=1.58分;[M+H]=367(3分の実行時間、HCOOH+MeCN)。HPLC=98.60%。
【0240】
化合物49を、以下のスキーム8に従って調製した:
【化12】
【0241】
スキーム8、工程1:中間体(5b)
EtOH(25mL)中の中間体1d(スキーム3、700mg、4.16mmol)の撹拌溶液に、1-クロロ-3-フルオロ-2-(イソチオシアナトメチル)ベンゼン(5a、1.25g、6.25mmol)を添加し、18時間還流した。反応混合物を、蒸発させて、乾固し、EtOHで洗浄した。白色固体材料を、濾過し、濃縮して、粗中間体5bを、オフホワイト固体(600mg)として得た。LCMS(方法-3):R=2.82分[M+H]=370(5分の実行時間、NHOAc+MeCN)。
【0242】
化合物(49)を調製するためのスキーム8、工程2
ジオキサン(25mL)中の中間体5b(600mg、1.62mmol)の撹拌溶液に、DCC(402mg、1.95mmol)を添加し、18時間還流した。TLCは、出発材料の完全な消費、および2つの極性スポットの生成を示した。反応混合物を、蒸発させて、乾固し、10%のIPA-DCMおよび飽和NaHCO溶液の間で分配した。有機部を、無水NaSOで乾燥し、最初にCombi-flash(1%のMeOH-DCM)によって精製して、(49)を、収率11%で、オフホワイト固体(60mg)として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.79(t、3H)、1.53-1.58(m、2H)、2.79(t、2H)、4.49(s、2H)、5.70(s、1H)、6.12(brs、1H)、7.23-7.40(m、3H)、12.22(s、1H);LCMS(方法-1):R=1.46分[M+H]=336(3分の実行時間、HCOOH+MeCN)。HPLC=99.18%。
【0243】
d)R5がSO または結合である、式(I)の化合物
化合物50~51を、本明細書からのスキーム2に従って合成した。
【化13】
【0244】
化合物50を、以下のスキーム9に従って調製した。
【化14】
【0245】
スキーム9、工程1:中間体(6b)
0℃のTHF(25mL)中の2,4-ジクロロ-6-メトキシピリミジン(6a、500mg、2.81mmol)およびFe(acac)3(99.22mg、0.28mmol)の撹拌溶液に、PrMgBr(0.41ml、2.81mmol)を添加し、rtで48時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルおよびNH4Cl水溶液の間で分配した。有機部を、乾燥し、濃縮し、Combi-flash(2%のEA-Hexで溶出)によって精製して、所望の中間体6bを、収率55%、300mgで、無色粘性液体として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.88(t、3H)、1.61-1.66(m、2H)、2.60(t、2H)、3.91(s、3H)、6.84(s、1H);ポジティブnOeが、芳香族プロトン(6.84ppm)と隣接CH2(2.60ppm)プロトンとの間で観察された。LCMS(方法-3):R=3.41分[M+H]=187(5分の実行時間、NH4OAc+MeCN)。
【0246】
スキーム9、工程2:中間体(6c)
ジオキサン(20mL)中の中間体6b(300mg、1.61mmol)の撹拌溶液に、NH2NH2(4.03mL、40.30mmol、THF中1M)を添加し、24時間還流した。反応混合物を、蒸発させて、乾固し、エーテルを用いて粉砕して、所望の中間体6cを、白色固体(150mg、粗製物)として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.88(t、3H)、1.57-1.66(m、2H)、2.40(t、2H)、3.81(s、3H)、4.10(brs、2H)、5.90(s、1H)、7.92(s、1H)。
【0247】
スキーム9、工程3:中間体(6d)
ピリジン(25mL)中の粗中間体6c(1g、5.49mmol)の撹拌溶液に、CS2(5.5mL)を添加し、6時間還流した。反応混合物を、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸させ、最後に、EtOHを用いて粉砕して、粗標的中間体6dを、薄黄色固体(600mg)として得た。この粗材料(600mg)を、さらなる精製なしで、次の工程のために使用した。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.95(t、3H)、1.70-1.76(m、2H)、3.55(t、2H)、3.92(s、3H)、6.35(s、1H)、14.09(s、1H)。
【0248】
スキーム9、工程4:中間体(6e)
EtOH(10mL)中の粗中間体6d(100mg、0.44mmol)およびTEA(93μL、0.67mmol)の撹拌溶液に、2-クロロ,6-フルオロベンジルブロミド(71μL、0.44mmol)を添加し、rtで18時間撹拌した。反応混合物を、蒸発させて、乾固し、10%のIPA-DCMおよび水の間で分配した。有機部を、無水Na2SO4で乾燥し、最初にCombi-flash(1%のMeOH-DCM)によって、最後に分取TLC(移動相 5%のMeOH-DCM)によって精製して、中間体6eを、収率42.76%で、オフホワイト固体(80mg)として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.91(t、3H)、1.56-1.58(m、2H)、3.02(t、3H)、3.97(s、3H)、4.41(s、2H)、6.51(s、1H)、7.15-7.38(m、3H);HMBCは、所望の異性体の形成を確認した。LCMS(方法-2):R=1.76分[M+H]=367(3分の実行時間、NHOAc+MeCN)。HPLC=99.83%
【0249】
スキーム9、工程5:中間体(6f)
DCM(25mL)中の3-((2-クロロ-6-フルオロベンジル)チオ)-7-メトキシ-5-プロピル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン中間体6e(200mg、0.54mmol)の撹拌溶液に、m-CPBA(312mg、1.09mmol、60%)を添加し、rtで18時間撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液およびDCMの間で分配した。有機層を、乾燥し、濃縮して、80mgの粗中間体6fを得た。LCMS(方法-1):R=2.18分;[M+H]=399。
【0250】
化合物(50)を調製するためのスキーム9、工程6
HBr-AcOH(10mL)を、中間体6f(80mg、0.20mmol)に添加し、80℃で18時間加熱した。TLCは、出発材料の完全な消費、および極性スポットの生成を示した。反応混合物を、蒸発させて、乾固し、10%のIPA-DCMおよび飽和NaHCO溶液の間で分配した。有機部を、無水NaSOで乾燥し、最初にCombi-flash(1%のMeOH-DCM)によって精製して、化合物(50)を、収率13%で、白色固体(10mg)として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.92(t、3H)、1.62-1.66(m、2H)、2.90(t、2H)、5.41(s、2H)、6.06(s、1H)、7.37-7.57(m、3H)。LCMS(方法-1):R=3.72分;[M+H]=385。HPLC=94.78%。
【0251】
化合物51を、以下のスキーム10に従って調製した。
【化15】
【0252】
スキーム10、工程1:中間体(7a)
DMF(25mL)中の中間体6c(スキーム9から、700mg、3.84mmol)および3-フェニルプロパン酸(577mg、3.84mmol)の撹拌溶液に、EDC.HCl(1.1g、5.76mmol)、HOBt(796mg、5.76mmol)およびDIPEA(1.48g、11.53mmol)を添加し、18時間撹拌した。反応混合物を、蒸発させて、乾固し、DCMおよび飽和NaHCO3溶液の間で分配した。有機部を、無水NaSOで乾燥し、最初にCombi-flash(70%のEA-Hex)によって精製して、所望の中間体7aを、収率42%で、オフホワイト固体(500mg)として得た。LCMS(方法-2):R=1.77分[M+H]=315(3分の実行時間、NH4OAc+MeCN)。
【0253】
スキーム10、工程1:中間体(7b)
THF(25ml)中の中間体7a(500mg、1.59mmol)の撹拌溶液に、バージェス試薬(758mg、3.18mmol)を添加し、48時間撹拌した。LCMSは、所望の生成物の形成およびいくつかの未反応SMを示した。反応混合物を、蒸発させて、乾固し、DCMおよび飽和NaHCO3溶液の間で分配した。有機部を、無水NaSOで乾燥し、最初にCombi-flash(60%のEA-Hex)によって精製して、所望の中間体7bを、収率42%で、オフホワイト固体(200mg)として得た。LCMS(方法-2):R=1.75分[M+H]=297(3分の実行時間、NHOAc+MeCN)。
【0254】
化合物(51)を調製するためのスキーム10、工程3
HBr-AcOH(10mL)を、中間体7b(200mg、0.67mmol)に添加し、80℃で18時間加熱した。TLCは、出発材料の完全な消費、および極性スポットの生成を示した。反応混合物を、蒸発させて、乾固し、10%のIPA-DCMおよび飽和NaHCO3溶液の間で分配した。有機部を、無水NaSOで乾燥し、最初にCombi-flash(1%のMeOH-DCM)によって精製して、所望の化合物(51)を、収率26%で、オフホワイト固体(50mg)として得た。H NMR(400MHz、DMSO)δ:0.93(t、3H)、1.58-1.64(m、2H)、2.86(t、2H)、3.12(t、2H)、5.83(s、1H)、7.20-7.31(m、5H)、12.64(s、1H);LCMS(方法-2):R=1.58分[M+H]=283(3分の実行時間、NH4OAc+MeCN)。HPLC=94.22%。
【0255】
化合物52~100(表1)は、スキーム3の工程4のように、特に、適切な求電子試薬、例えば、臭化ベンジルによる中間体1eのアルキル化を介して、スキーム1および2から、当業者によって容易に得ることができる。化合物を、市販供給源を介して、試験のために取得した。
【0256】
【表1-1】
【0257】
【表1-2】
【0258】
【表1-3】
【0259】
【表1-4】
【0260】
【表1-5】
【0261】
【表1-6】
【0262】
【表1-7】
【0263】
【表1-8】
【0264】
【表1-9】
【0265】
【表1-10】
【0266】
LCMS方法
LC-MS方法1:
カラム-YMC-Triat C18(33×2.1mm、3mm)、(移動相:98%[0.05%の水中のHCOOH]および2%[CH3CN]を0.75分、次いで、90%[0.05%の水中のHCOOH]および10%[CHCN]を1.0分、さらに2%[0.05%の水中のHCOOH]および98%[CHCN]を2.0分保持し、この移動相組成を最大で2.5分保持し、最後に3.0分で初期状態に戻した)。流れ=1.0ml/分。
【0267】
LC-MS方法2:
LCMS/MS-API 2000/Q trap
【0268】
モニタリング方法
Applied Biosystems製のAPI 2000質量分析計(シングル四重極質量分析計)
イオン化方法:エレクトロスプレー;極性:ポジティブイオン。
キャピラリー(kV)5.5、DP(V)50.00、入口電圧(V)10、集束電圧(V)400、供給源温度200℃、イオン源ガス1(Psi)40、イオン源ガス2(Psi)50、カーテンガス(Psi)40
質量範囲:100~800AMU;UV波長範囲:220~260nm;以下のHPLCグラジエント条件(溶媒A:10Mmの水中のNHOAcおよび溶媒B:アセトニトリル)を用いる方法(Shimadzu Prominanceシステム)。流速:1.2ml/分。
【0269】
【表2】
【0270】
カラムの種類:Zorbax Extend C18;カラム長さ:50mm;カラムの内径:4.6mm;粒子径:5mm
【0271】
質量条件:イオン化技法:API(大気圧イオン化)源を使用するESI(エレクトロスプレーイオン化);クラスター分離電位:化合物のイオン化に応じて10~70V。質量範囲:100~800amu;スキャンの種類:Q1;極性:+ve;イオン源:ターボスプレー;イオンスプレー電圧:+5500;質量源温度:200℃。
【0272】
LC-MS方法3:
LCMS/MS-API 2000/Q trap-モニタリング方法
Applied Biosystems製のAPI 2000質量分析計(シングル四重極質量分析計)
イオン化方法:エレクトロスプレー;極性:ポジティブイオン。キャピラリー(kV)5.5、DP(V)50.00、入口電圧(V)10、集束電圧(V)400、供給源温度200℃、イオン源ガス1(Psi)40、イオン源ガス(Psi)50、カーテンガス(Psi)40;質量範囲:100~800amu;UV波長範囲:220~260nm;方法 以下のHPLCグラジエント条件(溶媒A:10Mmの水中のNH4OAcおよび溶媒B:アセトニトリル)を用いるShimadzu Prominence。流速:1.2ml/分。
【0273】
【表3】
【0274】
カラムの種類:Xbridge C18;カラム長さ:50mm;カラムの内径:4.6mm;粒子径:5ミクロン。
【0275】
質量条件:イオン化技法:API(大気圧イオン化)源を使用するESI(エレクトロスプレーイオン化);クラスター分離電位:化合物のイオン化に応じて10~70V。質量範囲:100~800amu;スキャンの種類:Q1;極性:+ve;イオン源:ターボスプレー;イオンスプレー電圧:+5500;質量源温度:200℃。
【0276】
LC-MS方法4:UPLC-MS方法:
カラム:XBRIDGE C18;カラム長さ:50mm;カラムの内径:4.6mm;粒子径:5mm。
【0277】
グラジエント条件:流速:1.5ml/分;カラム温度:50℃;注入体積:0.5μL;以下のHPLCグラジエント条件(溶媒A:5mMの水中のNHOAcおよび溶媒B:5mMのアセトニトリル中のNHOAc:水-90:10)を用いるWaters ACQUITY UPLC。
【0278】
【表4】
【0279】
質量条件:
Waters製のACQUITY SQD質量分析計(シングル四重極質量分析計、Waters ACQUITY SQD2);イオン化方法:エレクトロスプレー;極性:ポジティブイオン;キャピラリー(kV)3.50、コーン(V)40.00、供給源温度150℃、脱溶媒和温度450℃、コーンガス流(L/時間)50、脱溶媒和ガス流(L/時間)750;質量範囲:100~800Da;DAD(ダイオードアレイ検出);波長範囲(nm):210~400nm;HPLC:Waters AQUITY UPLC。
【0280】
LC-MS法5:Agilent UPLC-MS:
カラム-YMC Triart C18(2.1×33mm、3mm)
【0281】
グラジエント条件:流速:1.2ml/分;カラム温度:50℃;注入体積:0.4μL 溶媒A:0.01%の水中のHCOOHおよび溶媒B:0.01%のCHCN中のHCOOH、(移動相:95%[0.01%の水中のHCOOH]および5%[0.01%のCHCN中のHCOOH]を0.50分、次いで、1%[0.01%の水中のHCOOH]および99%[0.01%のCHCN中のHCOOH]を3.0分保持し、この組成を最大で4.00分保持し、最後に4.10分で初期状態に戻し、4.50分保持した)。
【0282】
【表5】
【0283】
質量条件:Agilent製のSQD質量分析計(シングル四重極質量分析計);イオン化方法:エレクトロスプレー;極性:ネガティブイオン キャピラリー(kV)4.00、フラグメンター(V)150.00、閾値-200、乾燥ガス温度350℃、乾燥ガス流(L/分)12、ネブライザー圧力(Psi)50。
【0284】
実施例2:MPCに対する阻害活性
本発明の化合物によるミトコンドリアピルビン酸輸送体(MPC)の阻害を以下の通り試験し、それらの阻害活性をIC50値として表した。
【0285】
試薬
Seahorse Xfe24 Flux Analyser[Agilent]
アッセイ培地:1mMのピルビン酸を含有するPBS/CaCl/MgCl(Eurobio CS1PBS00-01)。
【0286】
以下の作業試薬を、10×最終濃度で、アッセイ培地において作製した:
-オリゴマイシンA ストック:DMSO中10mM。
作業溶液:20μM(4μl/2ml)
-fCCP(カルボニルシアニド-(トリフルオロメトキシ)フェニルヒドラゾン
ストック:DMSO中10mM
作業溶液:10μM(2μl/2ml)
-ロテノン DMSO中10mM
作業溶液:10μM
-アンチマイシン ストック:EtOH中10mM
作業溶液:10uM
(ロテノン+アンチマイシン試薬をプールする:
2mlのアッセイ培地中2μlのロテノン+2μlのアンチマイシン)
【0287】
前日
細胞を、専用のSeahorseプレートに蒔いた。HeLa細胞について、播種は、500mlのDMEM、10%のFBS、1%のpen/strep/グルタミン中、4×10個細胞/ウェルである。3ウェルは、内部較正のために、ブランク(培地単独)のままである。アッセイカートリッジを、1ml/ウェルのXF Calibrant溶液中、37℃で終夜水和した。
【0288】
アッセイ日
試薬プレート
アッセイ培地中で調製される試薬/希釈物。
50μlの本発明の化合物が、450μlの洗浄された細胞に注入されるので、化合物は、10×最終所望濃度で、アッセイ培地において作製される。
用量応答分析のために、化合物を、最終濃度30、5、0.83、0.14、0.023μM(30mMから1:6連続希釈)で試験する。
陽性対照:30mM(実際の系列を生じさせる親ヒット化合物)
陰性対照:アッセイ培地単独。
【0289】
seahorse試薬プレートを、以下の通り調製し、較正工程のために、Xfe24 analyserに移す。
ポートA 化合物(50μl)
ポートB オリゴマイシンA(55μl)
ポートC fCCP[(カルボニルシアニド4-(トリフルオロメトキシ)フェニルヒドラゾン](62μl)
ポートD ロテノン+アンチマイシン(68μl)。
【0290】
細胞プレート
培地を、細胞を乾燥させずに、ウェルからほぼ完全に除去する。
【0291】
細胞を、300μlのアッセイ培地で2回洗浄する。450μlの新鮮なアッセイ培地を、それぞれのウェルに添加する。プレートを、ピルビン酸依存性OCRの測定のために、Xfe24 analyserに移す。化合物の添加前に測定され、100%と指定される、それぞれのウェルにおける初期基礎呼吸速度に対して、すべての値を正規化する。IC50決定は、fCCPの存在下で行われた3回の測定の平均に基づいており、30μMの親ヒット化合物を最大阻害、およびPBS/Ca/Mgをゼロ阻害とする。
【0292】
下記の表2は、本発明の化合物のIC50を表す。
【0293】
【表6】
【0294】
実施例3:メモリーマーカー発現に対するCD8 T細胞のインビトロプライミングの間のMPC阻害の効果
OT1脾細胞を、10%のFBS(Gibco 10270-106)、1%のペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco 15070-063)、50μMのβ-メルカプトエタノール、1%のHEPES(Gibco 15630-080)、1×非必須アミノ酸(Gibco 11140-035)、1%のL-グルタミン(Gibco 25030-081)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco 11360-039)を補充したRPMI培地(Gibco 61870-01)中、1mLあたり106個細胞の濃度で、3日間培養した。細胞に、追加的に、100U/mlのhIL-2(Glaxo-IMB)、1μg/mlのオボアルブミンN4ペプチド(257-264)(オボアルブミン由来のモデルペプチド抗原)、および異なる濃度の化合物45もしくは47のいずれか、または対照としてそれらの溶媒DMSOを補充した。3日目に、脾細胞を収集し、洗浄し、分け、細胞を、化合物45もしくは47、またはDMSOのいずれかを補充した100U/mlのhIL-2およびhIL-7(Peprotech 200-07)とともに、さらに4日間培養した。7日目に、フローサイトメトリー分析を、表面マーカー発現について行った。
【0295】
T細胞分化に対するMPC阻害の効果を評価するために、OT1脾細胞を、1μg/mlのオボアルブミン由来N4ペプチド、100IU/mlの組換えヒトIL-2(rhIL-2)およびMPC阻害剤の化合物45もしくは47、または対照DMSOの存在下で、3日間培養した。細胞を、100IU/mlのIL-2および10ng/mlのrhIL-7(図1A)、ならびに阻害剤またはDMSOの存在下で、さらに4日間培養した。7日目にフローサイトメトリーによってセントラルメモリーマーカーCD62L(図1B)および生存促進性受容体CD127(図1C)の表面発現を分析すると、DMSOと比較して、最高用量の本発明の化合物で処理された細胞の増加が観察された。
【0296】
したがって、これらのデータは、本発明の化合物によるCD8 T細胞の処理が、増強されたメモリー特生をもたらすことを裏付ける。
【0297】
実施例4:本発明の化合物で処理されたCD8 T細胞の養子細胞移入療法
本発明の化合物の効果を、以下の通り処理されたCD8 T細胞を用いる養子細胞移入療法モデルにおいて、および黒色腫腫瘍モデルにおいて試験する。
【0298】
養子細胞移入
活性化CD45.1+ OT-1脾細胞を、上記に記載されるようにして、インビトロで7日間培養し、収集し、Ficoll勾配において精製し、死および生脾細胞を分離させた。生脾細胞を、0.4%のトリパンブルー染色を用いてカウントした。100,000または2,000,000個の生脾細胞を、尾静脈注射によって、CD45.2+宿主マウスに移入した。
【0299】
生成したメモリーT細胞の機能的能力を評価するために、化合物45処理細胞を、黒色腫のマウスモデルにおいてさらに試験した。
【0300】
黒色腫腫瘍モデル
B16-OVA細胞を、マウス脇腹へのそれらの皮下注射の前に、10%のFBSおよび1%のP/Sを有するDMEM(GIBCO)中で培養した。それぞれのマウスは、200μlのPBSの体積中の100,000個細胞を受けた。B16-OVA細胞注射の6日後、腫瘍を測定し、マウスを無作為化し、照射(5Gray)によってリンパ枯渇させた。B16-Ova注射の7日後、マウスに、前に記載したACTプロトコールを用いて、養子移入した。ACT後、マウスは、尾部に皮下注射される100μl/マウスの総体積を得るためにPBSに希釈されたCpG(50μg/マウス)およびN4 Ovaペプチド(10μg/マウス)のワクチン接種を受けた。腫瘍を2日ごとに測定し、腫瘍体積を、式:V=π×[d2×D]/6(式中、dは、腫瘍短軸であり、Dは腫瘍主軸である)に従って算出した。腫瘍生着後26日目に、腫瘍および脾臓を解剖し、次いで、フローサイトメトリー分析のために染色した。
【0301】
簡潔には、105個のオボアルブミン発現B16黒色腫細胞を、6週齢のマウスに、皮下注射した。生着後6日目に、触知できる腫瘍が存在したら、マウスを、5Gyで照射した。翌日、105個の化合物45またはDMSO処理OT1細胞を、静脈内注射し、それに続いて、50μgのCpGおよび10μgのN4 Ovaペプチドの皮下ワクチン接種を行った(図2A)。メモリーCD8+ T細胞が、腫瘍成長の制御においてより強力であることが前に示されており、実際に、B16腫瘍成長は、DMSOと比較して、化合物45で事前処理されたOT1 CD8+ T細胞を受けたマウスにおいて低減された(図2B)。しかしながら、腫瘍重量は、高い変動に起因して、有意に低減されなかった(図2C)。養子細胞移入9日後に血液を分析すると、DMSOと比較して、インビトロで化合物45で処理された場合に、移入細胞の数の増加が観察できた(図2D)。短命エフェクターT細胞のパーセンテージの低減(図2E)、ならびにメモリー前駆エフェクターT細胞およびセントラルメモリー表現型を有する細胞の増加(図2Fおよび2G)があったので、化合物45処理細胞の表現型は、メモリーの方に偏った。解剖の際に腫瘍を分析すると、より多くの化合物45処理T細胞が、腫瘍に浸潤していた(図2H)。しかしながら、腫瘍浸潤性化合物45処理T細胞は、DMSO処理T細胞と比較して、多かれ少なかれ有意に消耗していなかった(図2I)。最終消耗T細胞または前駆消耗T細胞の相違はなかった(図2Jおよび2K)。脾臓において、化合物45処理T細胞の数も増加し(図2L)、それらは、セントラルメモリー表現型の増加を示したが(図2M)、TCF1発現は、有意に変更されなかった(図2N)。腫瘍の単一細胞集団をインビトロでOVAペプチドで再刺激すると、化合物45で処理されたOT1 T細胞は、IFNy、TNF、IL2またはグランザイムB発現の有意な増加を示さなかったが(図2O-R)、細胞表面膜上でCD107a(LAMP1)の発現が増加し、増加した脱顆粒を示し、これは、改善された細胞傷害能と相関した(図2S)。
【0302】
これらのデータは、本発明の化合物で処理されたCD8 T細胞が増強された抗腫瘍活性を示すことを裏付ける。
【0303】
移入OT1 T細胞のより強い抗腫瘍応答を観察するために、以前の実験を、10個のみ(図3A)の代わりに、2×10個のDMSOまたは化合物45処理OT1 T細胞を移入することによって繰り返した。これらの状況で、B16の腫瘍成長および重量は、DMSOと比較して、化合物45で事前処理されたOT1 CD8 T細胞を受けたマウスにおいて、強く低減された(図3Bおよび3C)。解剖の際に腫瘍を分析すると、T細胞浸潤の相違は観察されなかった(図3D)。驚くべきことに、腫瘍浸潤性化合物45処理T細胞は、DMSO処理T細胞と比較して、より消耗していた(図3E)。しかしながら、最終消耗T細胞または前駆消耗T細胞の相違はなかった(図3Fおよび3G)。脾臓において、化合物45処理T細胞の数は減少したが(図3H)、それらは、セントラルメモリー表現型の増加(図3I)、およびTCF1発現の増加の傾向(図3J)を示した。腫瘍の単一細胞集団をインビトロでOVAペプチドで再刺激すると、化合物45で処理されたOT1 T細胞は、IFNy、TNFまたはIL2発現の相違を示さなかったが(図3K~3M)、グランザイムB発現の増加を示した(図3N)。CD107a発現の相違はなかった(図3O)。
【0304】
これらのデータは、本発明の化合物で処理されたCD8 T細胞の養子細胞移入療法が、腫瘍成長をより良好に制御することが可能であることを裏付ける。
【0305】
実施例5:養子細胞移入療法の際のマウスCAR T細胞の産生の間のMPC阻害の効果
上記のデータは、MHCクラスI分子において提示された場合にニワトリオボアルブミンタンパク質(N4ペプチド)のペプチド配列を認識する1つの固有のT細胞受容体を発現するように設計されているトランスジェニックOT1マウスから単離されたCD8 T細胞を使用して、マウスにおいて得られた。
【0306】
4-1BB共刺激ドメインを含有する、ヒト乳がんに高頻度で関与する癌遺伝子である、ヒトHER2を認識するCAR構築物を使用することによって、マウスCAR T細胞の産生の間に適用される場合に、本発明の化合物が有用であるかをさらに検討した。
【0307】
レトロウイルス調製物(Tschumiら,2018,J Immunother Cancer.;6(1):71から改変されたプロトコール)
それぞれのレトロウイルス調製物について、8×10個のPhoenix ECO細胞(ATCC、CRL-3214)を、T150組織培養フラスコにおいて、10%のFCS、10mMのHEPESおよび50U/mlのペニシリン-ストレプトマイシンを補充したRPMI培地に蒔いた。翌日、細胞を、製造業者のプロトコールに従って、Turbofectトランスフェクション試薬(Thermo Fischer Scientific)を用いて、21μgのレトロウイルス構築物でトランスフェクトした。培地を、毎日変更し、トランスフェクション48時間および72時間後に収集した。48時間および72時間のウイルス上清を、プールし、22,000rcfで、4℃で2時間、沈降させた。最後に、レトロウイルスペレットを、2mlの全RPMI培地に再懸濁させ、それぞれ250μlの8つのアリコートに分け、これを、ドライアイス上で瞬間凍結し、-80℃で貯蔵した。
【0308】
T細胞形質導入(Tschumiら,2018、上記から改変されたプロトコール)
野生型CD45.1.2マウスからの脾臓を、70μmの細胞ストレーナー上で破壊した。CD8 T細胞を、製造業者のプロトコールに従って、EasySepTMマウスCD8+ T細胞単離キット(StemCell)を使用して精製した。0.5×106個のCD8 T細胞を、48ウェルプレートにおいて、10%のFCS、抗生物質および50IU/mlの組換えヒトIL-2を補充した0.5mlの完全RPMI 1640培地に蒔き、DMSOまたは20μMの化合物45のいずれかに曝露した。マウスT細胞を、細胞1個あたり2個のビーズの比で、活性化因子CD3/CD28 Dynabeads(Gibco)を用いて活性化した。レトロウイルス感染を、37℃で24時間実施した。未処理の48ウェルプレートを、20μg/mlの組換えヒトフィブロネクチン(Takara Clontech)で、4℃で24時間コーティングし、続いてPBS 2%のBSAでRTで30分間、最後にPBSで洗浄した。濃縮されたレトロウイルスの1アリコートを、それぞれのフィブロネクチンコーティング48ウェルプレートに蒔き、2,000rcfで、32℃で90分間遠心分離した。次いで、0.5×10個の24時間活性化CD8 T細胞を、ウイルスの上に添加し、400rcfで、32℃で10分間スピンした。3日目に、培地を、DMSOまたは20Mの化合物45のいずれかを含有する、10IU/mlの組換えヒトIL-2、10ng/mlの組換えヒトIL-7および10ng/mlの組換えヒトIL-15で置き換えた。次いで、細胞を、2日ごとに分けた。
【0309】
養子細胞移入(Tschumiら,2018、上記から改変されたプロトコール)
CD45.2 C57BL/6マウスに、HER2を発現するように改変された4×10個のB16F10腫瘍を皮下移植した。6日後、マウスを、100mg/kgのシクロホスファミド(Sigma Aldrich、C7397)i.p.注射によりリンパ枯渇させ、均一な群を、腫瘍体積に関して構築した。T細胞(5×10個)を、翌日、i.v.で養子移入した。腫瘍体積を、キャリパーを用いて週に3回測定し、式:V=π×[d2×D]/6(式中、dは、腫瘍短軸であり、Dは腫瘍主軸である)を使用して算出した。腫瘍を収集し、皮膚から分離した。単一細胞懸濁液を、製造業者のプロトコールに従って、マウス腫瘍解離キット(Miltenyi、130-096-730)を用いて得た。脾臓および流入領域リンパ節を、70μmの細胞ストレーナー上で破壊した。単一細胞懸濁液を、フローサイトメトリー分析前に、抗体を用いて染色した。
【0310】
野生型マウスからのポリクローナルCD8 T細胞を、DMSOまたは20μMの化合物45の存在下で活性化し、次いで、HER2-CAR構築物を用いて、レトロウイルスで形質導入した(図4A)。HER2を発現するB16黒色腫腫瘍を保持するマウスにおいてT細胞を養子移入(ACT)すると、化合物45処理HER2CAR T細胞のACTのみが、腫瘍成長を有意に抑制することが可能であった(図4Bおよび4C)。ACTの12日後に血液を分析すると、CAR T細胞の数の相違は観察されなかったが(図4D)、しかしながら、短命エフェクターT細胞を形成する化合物45-HER2CAR T細胞のパーセンテージは、有意に低減された(図4E)。メモリー前駆エフェクターT細胞(図4F)、TCF1発現T細胞(図4G)のパーセンテージの相違は、検出できなかった。化合物45-HER2CAR T細胞の生着の増加の傾向が、腫瘍-流入領域リンパ節において観察されたが、この増加は、脾臓において有意であった(図5Aおよび5D)。流入領域リンパ節においても、脾臓においても、セントラルメモリーT細胞分化(図5Bおよび5E)またはメモリー特異的転写因子TCF1を発現するHER2CAR T細胞(図5Cおよび5F)の相違は観察できなかった。化合物45-HER2CARで治療されたマウスの腫瘍は、有意により多くのCAR T細胞を含有していた(図5G)。より多くの腫瘍浸潤性化合物45処理CAR T細胞が、TCF1を発現した(図5H)。興味深いことに、TCF1とPD1の共発現に目を向けると、化合物45処理CAR T細胞は、より多くの前駆消耗T細胞(TCF1陽性)およびより少ない最終分化消耗T細胞(TCF1陰性)を形成し(図5Iおよび5J)、チェックポイント遮断免疫療法との併用療法から利益を受ける可能性がある幹細胞様表現型の増加を示した。最後に、いくつかの化合物45処理CAR T細胞は、より少ない消耗表現型を示す阻害分子PD1およびTIM3を発現していた(図5K)。
【0311】
まとめると、これらのデータは、本発明の化合物が、養子細胞移入療法の際にそれらのメモリー表現型および抗腫瘍機能を改善することによって、CAR T細胞の産生の間に有用であることを裏付ける。
図1
図2-1】
図2-2】
図3-1】
図3-2】
図4
図5
【国際調査報告】